俺と元有名人の学生活。 (あきこま)
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プロローグ 日常でよくいる人物って、意外と出会いが普通?


※作者の妄想ですので見てくれる方はお付き合い下さい。

ちなみにBang Dream!のキャラで出場は今のところ4人確定してます。
出場次第タグを増やします。



中学三年生の夏、俺の教室に転校生が来た。

 

別に俺には関係ないのでそのまま机に突っ伏したが男子が騒がしいのを察するに可愛い女子とかそんなんなんだろう。

全くもって興味が無いですね、なにせ俺とかかわらんだろうから。

 

気づけば朝のHRは終わっており次の時間は移動教室だったらしい、

なにせ教室には一人の少女と俺だけなのだから

 

そこにいた少女とは。

 

…誰だこいつ…うちの教室に俺の記憶が正しければこんな奴はいなかった。

 

「…あなたは、次の移動教室行かないの?」

 

向こうから声をかけてくるとは、意外だった。まして相手が俺だし。かかわらないと思ったんだけどなぁ…。

 

「え?あ、あぁそろそろ行くところだ。決して忘れてなんかない」

「あなた…私が声掛けなかったら絶対そのままサボる気だったんでしょ…」

 

「いいや?そんなことない。つかお前誰?」

 

「今さっき教卓前で自己紹介したばかりなのだけれど…」

「ん?あーわりぃ、興味なくて寝てたわ」

 

俺がそう言うと、その少女はとても驚いてた。

「あなたは…面白いわね。一切取り繕わず本音を言ってくるなんて、今まで会ったことのないタイプだわ」

 

「何故そんなことをわざわざしなきゃならんのじゃ、ただ疲れるだけだろ」

 

そう俺が言うと、その少女は笑った。

 

「あなたってほんとに面白いわね、比企谷くん…だっけ?私と友達にならないかしら?」

 

「だが断る、辞めとけって。万年ぼっちの俺に転校生が一緒にいるっていい噂にならんから」

「あら、私を舐めてもらっては困るわ?こう見えても、人間の悪意という悪意を見てきたつもりよ?」

 

「その歳で何を言ってるんだお前…」

「あなたも同い年よ。それに、私の友人関係なんて自分で決めるわよ」

 

意外と芯がしっかり作られてやがる。意外でもないのか?

俺は諦めることにした、これ以上俺が言っても彼女はおそらくまだ関わってくるつもりなんだろう。

「…お好きにどーぞ」

「ええ、好きにさせてもらうわ」

 

そういった彼女の顔は、とてもしてやったりという顔をしてた。

 

「ひとまず、私を次の移動教室へ案内してくれないかしら?」

「知らなかったのかよ…他の人はどうした」

「私が席を外して戻ってきたらあなたしかいなかったのよ」

 

「さいですか…そう言えばお前の名前聞いてないんだが」

「あら?私は言ったわよ。あなたが聞いてなかっただけでしょ?」

 

こいつ意外にめんどくさいタイプだ。

 

「すいませんでした聞いてませんでしたなのでもう一度教えてください」

 

「凄まじい程に棒読みね…」

「うっせ。で教えてくれんの?」

 

「そうね、単に教えるのもつまらないから名前だけ教えてあげる

私の名前は千聖、苗字は…コウノトリ目サギ科のうち、ほぼ全身が白いサギ類の総称…かしら?」

 

「お前今超ドやってるけど、wikiで調べたのバレバレだからな」

「変なところよく見てるのね…」

「目の前でやってるんだからそりゃ見るだろ…」

 

 

これが転校生、白鷺千聖との出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校一年生の夏。

 

「…あなたの脳内での私との出会いってこんな感じかしら?」

 

「おい、人の記憶を捏造するんじゃねぇ」

 




はい、時間軸は高校一年生ですのでお気をつけを。



こんな駄文でもいいならお付き合い下さい。


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プロローグ2話 盆栽が好きな少女との出会いのきっかけはやはり盆栽だった。


お疲れ様です、あきこまです。
社会の荒波に飲まれてます。

ごめんなさい、感想の返信コメがもしかしたらぞんざいとか思うかもしれません、感情を文字で表現するのが苦手なだけなんです。


それじゃ、本編どうぞ。


夏休み、リア充達が花火大会やらプールやら海やら色々なところに出かける節がある、え?リア充じゃなくても同性同士で行くだろって?そんなやつ俺にはいねぇよ。戸塚?バカ野郎!戸塚は戸塚だろ!!

 

そのため、夏休みというのは1人で家でゴロゴロするのが1番だと思う、そうたとえ小町だろうが邪魔をされずに…。

 

 

…そう思ったのだがな。

 

 

「で?なんでお前らいんの?」

 

「小町さんから「小町、友達と遊びに行くのでお暇なら兄の面倒よろしくです!」というメッセージが来てたからきただけよ」

「暇なだけかよ…で、お前は?」

「家が隣だから来た、あとばあちゃんがいない。んだけ」

 

白鷺はわかるが市ヶ谷まで…俺の休日取りやがって。

 

 

「それじゃ恒例、私の解説で今回は有咲ちゃんとの出会いについて振り返ろうかしら」

「え、いいよめんどくさい。しかも何コーナー化してるの?あれ捏造入るじゃん」

 

「それじゃあスタート!」

「聞いちゃいねぇ…」

 

 

 

中学三年 6月

俺は、近所のスーパーの一角にある盆栽コーナーにいた。ここの店主が母親の知り合いらしい。で、急遽出なきゃならなくなったその知り合いに変わって俺参上、要するにただの店番。

 

「俺盆栽なんて詳しくねぇんだけど…客きたらどうすっか…」

 

不安な時ほどお客様というのは来るものである。

今だってツインテの少女がそこで…少女!?

え?なに盆栽って今どき少女でもお世話するものなの?全然わからねぇ…。

 

 

解説タイム。

「おそらくこのツインテールの少女が有咲ちゃんなのよね?ちなみに比企谷くんはこの時の有咲ちゃんをどう思った?」

「もしなんか聞かれたらガンスルーしてやろうと思った」

「酷い店員ね…」

 

「いやだって盆栽知らないし」

 

解説終了。

 

 

 

 

そういや、枝を剪定?しといてねって言われたんだっけ。やり方知らねぇからどうやってやりゃいいかわからねぇ。

 

「とりあえずこの辺切ればいいか…」

枝を切ろうとした瞬間だった。

 

「おいバカ!その種類はそこ切ったらダメになるだろ!」

「へ?」

「へ?じゃねぇー! お前店員なのになんも知らねぇのか!」

 

「いやお前、俺盆栽の知識ゼロだぞそんな俺に店番頼む親戚が悪い、ついでにそんな無知のやつに枝を剪定させるほうが悪い、てゆうかお前誰」

 

 

「私のことはこの際どうでもいい! それより、剪定私がやるからそのハサミ貸せ!」

 

俺は大人しくハサミを貸した、まぁ俺がやったところでダメにするしな、どのみちダメになるなら可能性を信じよう。

 

とか思ってたのだが、剪定が終わるとあらびっくり、すごくできてるじゃん(俺知らないけど)。母ちゃん経由で見せたらめちゃくちゃ驚いてたぞ知り合いの人。

 

 

解説Part2

 

「たしかにこの年齢で盆栽詳しいって中々いないわよね、まして有咲ちゃんは私たちより1つ下なのだし尚更すごいわ」

 

「趣味がおじさんくさいがな」

 

「うるせぇ!バカにするんじゃねぇ!うちの利根川舐めんなよ!」

 

「急にくるなよ…てか利根川って何…」

「確か、有咲ちゃん家にある盆栽よね?」

「なんで知ってるんだよ…」

 

解説終了

 

 

「悪かったなぁ、俺全然知らねぇからよ。今度から店番頼まれてもやめとくわ、お客さん来ても迷惑になるし」

 

「待って、なんでお前がやめるんだよ、辞める必要なんかないだろ!」

「現に今俺は盆栽をダメにするところだっただろ、そんなやつに務まらんだろ」

「な、なら!私がサポートするから! いつもはいないんだろ?なら、私がお前の入る時にサポートする!」

 

「てか、これ以降ねぇと思うぞ俺が手伝いやるの」

「えっ?そうなのか?」

「だって、いつもの人が今日だけいられないから俺が代打をしただけだし」

 

「…そうなのか」

 

 

「…」

なんかこう、年下にこう泣きそうな顔されると罪悪感が来るのはなんだろうな…俺が悪いみたいだ。

 

 

「なぁ、お前今時間あるか?」

「…へ?」

 

「お世話になったお礼にお茶をご馳走したいと思ったんだ

…暇じゃないならいい」

「わ、私は平気…だけどお店は?」

「知り合いがあと5分で着くらしい、俺はそこでお役御免だ」

 

 

__解説コーナー終了 ここからは現実軸に戻ります__

 

 

「で、あの時2人でお茶には行けなかった比企谷くんは私を呼んだと」

「俺に女子と2人で会話しろって方が無理なことだ、てか年下女子連れてる時点でアウトだろ」

 

「それは目の話かしら?」

「よくぞおわかりで」

「…私は2人でもよかったのに(ボソッ)」

 

 

「あ?なんか言ったか?」

「なんも言ってねぇ!」

 

 

「しかし、あの時私が自己紹介した時に初めて名前知ったと聞いた時は驚いたわ」

「だって、誰か聞いても答えてくれなかったし」

 

「いつお前が枝切るかわからなかったからハラハラしてたんだよ!」

 

「でもあの時サラッと3人分の会計してたところは結構見直したわ」

「そりゃお前ら無理くり連れてきてんだからな、出すのは俺が相場だろ」

 

「へぇー」

 

 

 

ここまで来て言うのもなんだが、休日くらい寝かせろよ。

 

 

 

 




有咲のツンデレキャラ要素全くもって生かせてないんだけど。


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プロローグ 3話 恥ずかしがり屋で動物好きな彼女と俺の接点って…なくね?

どうも、あきこまです。

社会人になって何を学んだって、同期が大切って事ですね。
ラブライブの某曲に「だってパーティー終わらない」ってあったけど、
そんなパーティーあったら是非とも参加したいね。


そんなわけで、学生時代はお金がなくても幸せな期間ですよ。
それに、社会出ると人付き合いだなんだで結局お金なくなるし。

長くなりました、本編どうぞ。



※ 2話の千聖、有咲の呼び方を修正致しました。


夏休みも終盤に差し掛かり、残りの休みの期間を見て憂鬱になる中、俺は炎天下の駅前を歩いてる。

 

 

なんで外出まっぴらな俺が暑さに耐えて駅まで来たかというと、本が尽きたのだ。 暇つぶしに本読んでて、読み終えて次に入ろうと思ったらなかったからだよなんか文句あるかちくしょう。

 

「こうなるなら早めに買っておきゃよかったなぁ」

 

そう呟きながら本屋に入ろうと思った時、ふと見覚えのある少し明るめな水色の髪色をした少女が目に入った。 俺はその人にとても見覚えがあり、ましてその人がどんな状況にあるか安易に想像がついたので声をかけることにした。

 

 

「おい松原、また迷子になったか」

「ふぇ?あ、比企谷くん、こんにちわ」

 

こやつは松原花音、俺との接点ゼロだと思ったらまさかのまさか、あの白鷺千聖の数少ない友達だという共通点があった。

そのため、多少は話す仲になった(クラス一緒なの気づかなかったとかないぞ)

 

俺がこいつをすごいと認めてるところは、素で「ふぇぇ」とか言ってもなんの違和感もイラつきもあざとさも感じない事。

いや才能だろこれ、俺大半のやつイラつくぞ。

 

 

「比企谷くんの言う通りでね、また迷子になっちゃった」

「趣味がカフェ巡りと言う割には悲しい特技だよな、方向音痴って」

 

「ほ、方向音痴じゃないんだよ!?…ただ、自分がいるところがわかんなくなるってだけだよ?」

「それを方向音痴って言うんじゃないんですかね…」

 

「てか、カフェめぐりなら白鷺はどうしたんだ?」

「あ、千聖ちゃんはね、今日は用事があって来れないんだって。

だから今日は1人で行ってみようと思ったんだ」

 

 

その結果が迷ってるんだよなぁ、他に誰か誘えばいいのに。

 

 

「あ、比企谷くん今時間ある?もし時間あったら…一緒に付いてきてくれないかな?」

 

 

嫌だ、行きたくない、帰る!

 

「え?あ、そうだなぁ。 そういや小町にご飯食べて来いって言われたな。」

 

おいぃぃぃぃ!俺の心弱いなぁ、言ってる事と心の声真逆かよ。結局暇つぶしの品は先延ばしですかねぇ…。

 

「ありがとね比企谷くん(´▽`*)」

 

急に笑顔になるのやめてくれませんかねぇ反則ですよ!校則違反ですよ!ギャップでめちゃくちゃ惚れちゃうでしょ!!

 

 

 

さて、何やかんやで目的地についたのだが…。

席に腰をかけて何気なく店内を見回す、かなりいけてる雰囲気だ、ぼっちでも来やすそうな点はポイント高い…おっと?

 

とても見た事のある人がそこにはいた。

仮に聞こえてしまうとあれなので、俺は松原の耳に小声で喋った。

 

「なぁ、あの奥にいるサングラスかけた金髪のやつってもしかして…」

「ふぇ?あ、もしかして千聖ちゃんかな?…!?///////」

「!?っ」

 

刹那、松原が急に振り向くもんだから耳に顔近づけてた俺の真ん前に松原の顔が…。

 

「ひ、比企谷くん//近いよぉ」

「そういうなら顔離してくれませんかねぇ…」

「今顔戻したら千聖ちゃんに見つかっちゃうよ…」

 

「もう見つかってるわよ?花音?」

「ほら見ろ松原…白鷺がカンカンだぞ…え?」

 

あれ?これ積みゲ?

 

 

「何をしてるのかしら2人で、ここで、その距離で」

 

「べ、べべべ別に何もねぇし!!」

 

うっわー俺超動揺してるぅ…。

 

「そ、そうだよ!?ほんとに何もしてないよ!?」

 

松原さんや、なんでクエスチョンマークが出てくるんですか。白鷺が疑っちゃうでしょ!!

 

 

「…ものすごい怪しい動揺のしかたじゃないかしら?まぁいいわ、せっかくだし私もこっちに移っていいかしら?」

 

「お好きにどーぞ(うん、いいよ!)」

 

 

 

 

 

さて、白鷺が来たところで俺が聞きたいことは。

 

「お前今日用事あって出かけられないんじゃなかったのん?」

「いえ、用事自体はさっき済んだのよ、帰る前にこのカフェが見えたから入ってみたの、それよりなんであなたがそれを知ってるの?」

「怖いから睨まないでくれませんかねぇ…さっき松原に聞いたんだよ」

 

 

「ち、千聖ちゃん、それなら言ってくれれば良かったのに…」

「まさか花音が来たかったカフェが偶然近くにあるなんて思いもしなかったもの」

 

「そうでしたね、君たちそういえば2人揃って方向音「なにかしら?」いえなんでもないです」

 

お、おっかねぇなあの眼力…。

 

 

「そう言えば私の担当、振り返りのコーナーはやったのかしら?」

「ちょっと?コーナーじゃないって言ったでしょ?やるわけないじゃない」

 

「じゃあやりましょうか」

「聞いちゃいねぇ…」

「あ、あはは…」

 

 

 

 




長くなったので花音2話で、お願いします。

白鷺さんのわがままに付き合ってあげてください…。


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プロローグ3.5話 花音さんの迷子

おひさしぶりです あきこまです。

昨日投稿するの忘れてました、すみませんです 。

初ボーナスで某タブレット端末を購入したり、高校のクラスメイト達と旅行&遊びに出かけることがもう何よりの楽しみで勤務をがんばってます。

そのおかげでお金が貯まりません!(必然)



長くなりましたね、それでは前回の続きから どうぞ。


「はぁ…」

 

「ごみいちゃん、そんな溜息してたら幸せが逃げるよ?端的に言うと小町が逃げるよ?」

 

「それは困るんだよなぁ…」

 

 

俺は今、妹の小町と会話をしながら電車に揺られている。ららぽーとに行きたいとごねた小町を見たお袋が、「あんたが一緒なら行かせられるから、行ってあげて」と仰せられたため、俺も付き添いで行くことになった。

さすがに残業明けで久々の休みな親に動けと言えるわけもない

 

で、今はそのららぽからの帰りということだ。

 

海浜幕張の駅に着き、改札に向かった。そこで小町は顔を顰めた、まるで俺みたいな顔になってる。

「お兄ちゃん、なんで今日はこんなに人がいるの…」

 

「確か、メッセを使って全国の有名なカフェが出店してるカフェ展をやるのが今日だった気がするな」

 

「…カフェ展でこんなにえぐい人数になるの?」

「まぁ行く人は行くからな、俺たちは早く帰ろうぜ」

「あいあいさー」

 

改札を出て帰ろうとしたその時、声をかけられた、小町が。

 

 

「あ、あのぉ、み、道を聞いてもいいかな?」

「はいはい?どちらまで行くんですか?」

 

なんだろう、俺のこの空気感、さすが俺って感じ。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

「んだよ」

「花音さん、メッセに行きたいんだって、道案内がてら小町達も行こうよ!」

 

それ、断ったら花音さんとやらはメッセに行けず、俺は小町に嫌われ、ってダメなこと尽くしじゃねぇか…。

 

「わかった、でも小町、お前さっき買い物でお金使ったって言ってなかったか?」

「そこはほら、お兄ちゃんっていう…ね?」

 

「それを早く言えよ…お金おろしてくるから待ってろ」

「あいあいさー!」

 

まったく、俺は財布かなにかですかね?そうですね!

小町のためだから財布にもなるんですがね。

 

 

「待たせたな」

「あ、お兄ちゃんおっ帰りー」

「すみません、私が頼んだばかりに」

 

「あ、いや大丈夫だ、元々ちょっと行きたかったからな、(小町が)声かけてもらって助かったわ」

 

「ね?花音さん捻くれてるでしょ?」

「ふふ、ほんとだね」

 

ちょっとおふたりさん、聞こえてるからそれ。

 

「あ、申し遅れました、私、松原花音です」

「比企谷八幡だ」

 

「お兄ちゃん知ってる?花音さんと同級生だよ」

「学区が違うから、比企谷くんと違う学校なんだと思う」

 

「それでも家は近いのか、世間って狭いな」

 

そんな他愛ない会話を3人で会話(主に小町と松原が)しながら歩いていった。

 

 

「比企谷くんの学校の人がね、今日のカフェ展に来てるんだけど…合流できないよねこれじゃあ」

 

「えーっと一応聞きたいんですけど、その人の特徴とかってどーんな感じですかね?」

 

小町ちゃん?探すつもりなのん?

 

「えーっとね、金色の髪にピンクっぽい赤目で」

 

ん?

 

「すごいモデルさんみたいな体型なんだよ」

 

おいちょっと待て、それって。

 

 

 

 

「あとすごいお淑やかって言葉が似合うかな」

 

あ、違うわ別人だわ。

 

 

 

その瞬間、左肩を掴まれ、振り返るとその特徴に類似している人がめっちゃいい笑顔で手に力を込めていた。

 

 

解説タイム。

 

「ほんとに失礼な事考えるわね比企谷くんは」

「当人いるとも思わねぇからな」

「特徴が全部私じゃない」

「いや、最後違う気が…」

 

「なんですって?」

「いや、何もないっす」

 

解説タイム終了。

 

 

「比企谷くん?どうしてここにいるのかしら?」

「妹が来たいって言ったからな、それだけだ」

「なぜあなたが花音といるのかしら?」

 

「え、何お前知り合い?」

「比企谷くん、さっき言ってた人が千聖ちゃんだよ。

2人とも知り合いだったんだね」

 

「あ、なに、さっきの特徴やっぱり白鷺の事だった?」

 

 

 

解説タイム Part2。

 

 

「花音って、この時は普通に喋れてたのよね」

「ああ、そういや今みたいに途中止まらないな」

 

「その、いろいろあって、ね?」

 

 

 

「「……」」

 

「「振り返りに戻(るか)りましょうか」」

 

 

解説タイム終了。

 

 

「うん、あってるでしょ?」

「最後のやつ以外はな」

「花音、最後の特徴教えてくれる?」

 

「お淑やかって言葉が似合うかな」

 

「…比企谷くん?」

「いや、普段のお前にお淑やかさあるか?」

 

「あなたがそう見えてるだけでしょ、ちなみにあなたは私をどう見てるのよ」

 

「傍若無人で人をいじることが大好き」

 

「妹さん?」

「あ、はい!」

「カフェ展終わったらお兄さんをお借りしてもいいかしら?」

 

「あ、どうぞどうぞ!なんならお持ち帰りしてください!」

 

「「それだけは遠慮しとく(わ)」」

 

「2人って息ぴったりだね フフ」

 

 

 

 

 

 

カフェ展を4人で回った後、小町が帰り、比企谷八幡は残りの2人に某ス〇バのバニラを奢るハメになったとさ。

 

 

 

 

 




さーて次は誰が出るかな。


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プロローグ4話 風紀委員の氷川さん。

お久しぶりです、あきこまです。


てことで本日は、渋谷マルイのバンドリショップで初日、サイズ問わずTシャツのなかで真っ先になくなった氷川紗夜の番です。



それでは本編どうぞ。


「その…言いづらいのですが、あなたのことがとても気になっております」

 

白鷺千聖と出会う前、人生で唯一俺に真面目な告白をしてくれた奴がいた。

 

そいつの名は氷川紗夜。中学1.2年時、風紀委員を初っ端から務め、真面目に務めあげた。

 

2年の最初から風紀委員長を務めた彼女はクラスから、次第には学年中から嫌われ始めた。

 

真面目すぎるがゆえに、一般生徒には受け入れられてなかったのだ。

 

そんな彼女は、常に人前では凛としており、それがイメージとして生徒の中にはこびりついていた。

 

もちろん俺の中でもそんなイメージだった(風の噂で聞いただけ)

 

あの姿を見るまでは。

 

 

 

 

 

 

 

解説タイム。

 

「比企谷くん、私の出番ないじゃない、コーナーはどうするのよ!」

 

「そりゃあなたが来る前の話だからね。てかコーナーじゃないし」

 

解説タイム終了。

 

 

とある日の放課後、忘れ物をしてしまった俺は学校に引き返し、忘れ物を取りに来た。

 

 

自分の教室に入る時、とてつもない違和感があった。

教室から呻きじみた泣き声が聞こえるのだ。 当時の俺は好奇心が勝ってしまい、それを覗きみた。

 

中で泣いてたのは…風紀委員長氷川紗夜だった。

 

彼女だって人間だ、泣かないわけがない。

 

だが、この状況を見て俺は何ができる?何もできないだろ。

俺は彼女と関わりがあるとすれば朝必ず寝癖で注意されてるくらいだ、むしろ彼女にとって俺はよく注意する人物。いい印象なわけがない。

 

 

というわけで俺のとった行動、それは。

 

 

ステルスヒッキーを活用して早く逃げよう。

 

だが、その気配に、氷川紗夜は気づいた。

 

「!!?ひ、比企谷さん!?何故ここに!?」

 

「へ?あ、そのー忘れ物をしまして…悪かったよ、見るつもりはなかったんだ」

 

「…何も聞かないのですか?」

 

「聞いてどうする、お前の泣いてる理由なんてわかるわけないだろ」

 

「そう…ですよね、すみません変なことを言って」

 

「…寝癖」

 

「?はい?」

 

「これからは、ちょっと寝癖気をつけるよ」

 

「!!」

 

「じゃあ、忘れ物回収したし、俺は帰るから」

ガラガラバタン!

 

 

「…気づいてるじゃないですか、あなたは」

 

 

 

その翌日、氷川はとても凛々しい顔で風紀委員の活動をしていた。

 

「比企谷さん!!」

「え?なに?寝癖切ったよ?」

 

「…目が死んでいます」

「それはどうしようもできないんですよねぇ」

 

「今日の放課後に言いたいことがあります、少しお時間をください」

 

「え?何説教でもされんの?」

 

「いいから!屋上に来てください!」

 

 

その時に言われた言葉があの冒頭の言葉だ。

 

「私は、あなたが好きなのか、それとも面白い人として見ているのか

まだわかりません。でも、もっとあなたを知りたい、そう思えました」

 

「お、おう」

 

「なので、まず私の友人になっていただけないでしょうか」

 

「ちなみに聞くけど、それ俺に拒否権は?」

 

「ありません」

 

「俺と友人になっても後悔しかしないと思うぞ、例えば噂とか」

 

「既に風紀委員として嫌われてますから、なんとも思いません」

 

こいつは、根っから真面目すぎるんだな。

「わかったよ、降参だ」

 

 

こうして中2の夏、友人ができた。

 

 

 

_現在に戻る_

 

 

「比企谷くん、まずひとつツッコミ入れていいかしら?」

「なんであられませう?」

 

「あなたぼっちじゃないじゃない、友人いるじゃない」

 

「毎日朝怒られるだけなんだよなぁ」

 

 

ちなみに氷川は、中学の時のように毛嫌いされてない、むしろ、その姿は先輩からのウケもよく、同級生の間ではかっこいいとまで言われてる。

 

「でも、私と出会う前にそんな話があったなんて…なんで話してくれないのよ」

 

「いや言う必要あったか?」

 

 

「これからは警戒が必要ね…」

 

「あ?なんだって」

 

「何も言ってないわよ

ところで比企谷くん、今から駅前の〇スバーガーへ連れてってくれないかしら?」

 

「自分で行けよ…それにしてもカフェじゃないのは珍しいな」

「たまには行ってみたいと思ったのよ、最後に行ったのは中学の時にあなたといったあそこだもの」

 

「え…そんなに行ってないんすか…」

「というわけで行きましょ」

「へいへい…」

 

 

 

 

 

というわけで、来てみたら。

 

「…おい氷川、また食べてんのか?」

「!?ゴッホゴホ 比企谷さん!?あなた今日は来ないはずじゃ!」

 

 

まさかの店にいました、ほんとにフライドポテト好きねぇ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応もう一度言います、これは私の妄想ですのでご注意ください。


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プロローグ 第5話 いやちょっとパン屋に用がですね?

(この作品では)二年と二か月ぶりでございます。あきこまなる者でございます。

時間がある限り更新をしていこうかと、筆ならぬキーボードに手を置いておりまする。

こんな私の作品で暇をつぶすことができたのなら幸いでございます。

今回はタイトルの通りあのお方です。

それではどうぞ。


「眠い」

 

「ひ、比企谷君寝ないでよぉ」

 

時は高校一年生の今4限、数学の授業中である。 俺はその授業を…全力で寝る気だった。 だが隣の席である松原花音なる者に阻止されそうになっていた。 あ、わかりました花音さんですね?名前で呼ぶのでその黒いオーラ閉まってください!!

俺が授業を寝ようとすると必ずと言っていいほど安眠妨害する輩が三名ほどいる。一人は先ほども少し触れた松原花音。最近名前で呼ぶように脅されている(正確には黒いオーラが出る)。

二人目は後ろの席の風紀委員長である氷川紗夜。もうとにかく真面目、寝ようもんなら次の休み時間は丸々説教でつぶれる始末。

そして三人目…は触れなくていいや。  斜め前からの圧が強くなった気がするが気にしたら負け。

 

なんとか花音がひたすら耳打ちしてドキドキさせてくるので数学は起きてた、が授業内容なんて頭にないからまったく意味がないのである。

 

「まったくあなたという人は、どうして数学の時だけこうも寝たがるのですか?」

「俺は悪くない、社会が…悪……」

「ちょっと!なぜ寝るのですか!まだ話は終わってないじゃないですか!!」

 

「ご、ごめんね?紗夜ちゃん。少しだけ寝かせてあげて?」

「花音がずっと囁きプレイをするから起きざるを得なかったのよね?」

「ち、千聖ちゃん!」

 

 

「松原さんも白鷺さんも彼に甘すぎです!近い将来困るのは彼なんですよ!?

「でももしそうなれば貴方は助けに入るのでしょう?紗夜ちゃん?」

「当然です!大切な友人なんですから!」

 

 

この三人、俺がまだ眠りに入ってないことに気づいてないのか。マジ恥ずかしいから勘弁してほしい。

 

「で、さっきから耳を真っ赤にして寝たふり決め込んでる策士はどこのどなたかしら?」

 

「「「えっ!??(げっ)」」」

 

「比企谷さん!あなたって人は!」

 

紗夜さんが激おこなので退散。幸いにも今は昼休み、だしなんとかなる…と思う。

 

逃げてたどり着いた先は食堂、ちょうど今日は愛妹弁当がないため丁度いい。何か買ってベストプレイスへ向かおう。

今日はこの学校初の実戦らしい近所のパン屋によるパン販売が行われていた。

 

コロッケパン、焼きそばパンと茶色の物ばかり選んでしまった。でも俺は悪くない、うまいパンが悪い。

 

他に何かあるかと見ていると俺は驚きの出会いをした。

 

「MAXコーヒーパン…だと?」

 

一時期販売してるのを見たが一回も買えずに終わった作品を…こんなところで見れるなんて。

 

「おいしいですよねMAXコーヒー。私も偶に飲んでるんですよ」

 

そう言ってレジから声をかけてくれた少女は、小町と同じ中学校の制服を着ていた。

「そうか!あのコーヒーの良さがわかるか!中学生なのに珍しい」

「実はこのパン、私が無理言ってお父さんにメニュー化してもらったんです、うちの地域にはこのパンないなと思って」

 

「お前…すげぇいい奴か。よし三個くれ」

「ありがとうございます!一緒にうちの店のポイントカードお渡ししますね、いつでも来れるように!」

 

すげぇいい笑顔でちゃっかりしてやがる、この子侮れないわ…。

「あ、あとウサギのパン二つくれ」

「結構買いますね…すべて一人で食べるんですか?」

 

「いや、さっき怒らせたら怖い奴怒らせたからそいつの謝罪用とお礼用だ」

「あはは…うちとしてはありがたいですけどね」

 

「山吹ベーカリーか、妹がよく話題に出すんだよ。俺が食うのは初めてだが」

「妹さんは今いくつなんですか?」

「多分お前と同じ中学の2年だ」

「あ、そうだったんですね!お名前うかがっても?」

「比企谷だ、比企谷小町」

 

「あー!生徒会の!聞いて納得です!確かにアホ毛が似てますね」

「うん、確かに似てるね、そこ以外出てこなかったのは悲しいけどね」

「一番の特徴ですからね。面識あるので今度言っておきますね」

 

「そうか、妹をよろしく頼むな」

 

思わず、その少女の頭を撫でてしまった。

 

「ふふ、弟と妹を撫でることはあっても撫でられることはないから新鮮ですね」

「!!す、すまん!つい小町にやる癖で…」

 

「大丈夫ですよ!結構気持ちいい撫で方されましたし。申し遅れましたね、山吹沙綾!中学三年生です!今後ともよろしくお願いします!先輩!」

「おう、比企谷八幡だ。小町ともども世話になる」

「はい!またお待ちしてます!」

 

 

うん、パン屋の少女属性強いな。これは並みの男子すぐに落ちるぞ。

 

そう思いながらベストプレイスに行く前に教室に行ってパンを渡そうと戻った。

 

「あ、ひ、比企谷君お帰り!」

「会わなかったの?」

 

「誰に?」バンッ!

 

「ひーきーがーやーさーんー!?」

 

 

忘れてた、こいつ今怒ってたわ…。

 

 

 

 

その後、白鷺と氷川にMAXコーヒーパン、松原…花音さんですねわかりましたって!。ウサギのパンを渡してそそくさとベストプレイスへ向かい、いつも頑張っているテニス部の戸塚へもう一個のウサギのパンを差し入れて一緒に昼食を食べた。

 

で教室に戻ったら何故か氷川の携帯には俺が山吹を撫でてる写真と戸塚と仲良くお昼を食べてる所の写真があり、追及されましたとさ。

 

ちゃっかり後者の写真は後々貰ったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「私の出番なさすぎないかしら?主役よね?」

「ここでメタい発言しないでいただいていいですかね?!?」


ちなみに、戸塚は中学時代からの友達設定です。


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1話 偉大なMAXコーヒー

 どうもあきこまです。

仕事疲れが抜けませんがなんとか…はい。
ほんといろんな人の小説見ててよく続けてかけるなと尊敬するレベルです。

一応ここから本編入りますよぉー。


 夏の陽気が照りつける教室の中、クラスメイト達が夏休みどうするか、どうするかなどを話し合っている。

 

 かく言う俺はと言うと。

 

 

「……zzz」

 

 休み時間を全力で寝ていた。今日は白鷺も松……花音さんも欠席してるのだ。

 

 

 気づいたら放課後だった。あれ? 今日まさか全授業寝てた説? 

「……んあ?」

 

 髪の毛に付箋が貼られてた、いや机で良くね? 

「風紀委員室でお待ちしてます 氷川紗夜&顧問 鶴見彩美P,S あなたのMAXコーヒーは頂いたぞ☆」

 

 ……これまずいやつやん……、氷川は何とかいなせるけど顧問も出てくるのかぁ。てかMAXコーヒー返せ、☆を使うな年齢考えなさい。

 

 鶴見先生とは、家庭科担当教師の事で、一見クールな見た目かと思いきやめちゃくちゃ喋りやすくどんな相手でも対等に話す人望のある教師だ。

 その為生徒からの人気も非常に高いのだが……怒ると恐ろしいらしい。

 

 あくまで噂なのだがその噂の影響で家庭科部の顧問ではなく風紀委員の顧問にされたとか(本人が嘆いてた)

 

 ちなみに娘さんは人見知りでこっちは本物のクールなのだが何故か俺は好かれてる。2回しか会ってないのにオカシイナァ。それはさておきだ。

 

 

「まぁ氷川は髪に付箋は貼らんだろ、あの性格だから」

「なんか厳格な方そうですもんね、あの人」

「!!?? ー〜びっくりしたぁ! なんで君がいるのん?」

「こんにちは先輩! 今日は部活動生徒を狙った放課後のパン販売です!」

 

 なんとびっくり誰も居ないはずの教室で独り言を呟いたところには現れたのは先日知り合ったパン屋の後輩山吹沙綾、中学3年である。

 

 

「お、おう、ごくろうさん」

「はい! お疲れ様です!」

 

「まぁ、この紙を見ての通りだ。今から風紀委員室行かにゃならん。今日は済まないが相手できないぞ」

「お気遣い無用です、元々会えるか分からなかったですし。……そうだ先輩、RAINのID貰っていいですか?」

「あぁ……そういや小町と市ヶ谷になんかそんなの入れられてたな……ほれ、やり方わからんからあと頼んだ」

 

「迷わず携帯を渡せるとはさすが先輩ですね」

「喧嘩売っとんのか」

「そんなことないですよー、それよりさっき言ってた市ヶ谷って有咲の事ですか?」

「おう、家がお隣だ」

「なるほど……これで話が繋がりました」

「なんの話されてるの俺は……」

「近所の目腐りお兄ちゃんが優しいってネタで有咲をよく弄ってるんです……ほいできました、ありがとうございます!」

 

「あいつ学校でなんてこと言ってくれてんの? しかも小町もいる学校なのにさ」

「まぁまぁいいじゃないですか! 事実だし!」

「サラッと君も言う子だよね」

 

 でもこいつに毒つかれてもそんなに怒る気はしない、不思議だ。

「じゃ先輩、お先に失礼しますね! 先輩からも連絡してくださいよ?」

「気が向いたらな」

 

 お待ちしてまーすと元気に叫びながら少女はかけてった……このあと風紀委員室とかやなんだが。

 

 よし帰るか! そう心の中で唱えカバンを持った瞬間冷や汗が背中にダラダラと。

 何か嫌な予感がする……。

 

 Yシャツのポケットを見ると、中にワイヤレスミニマイク……は? 

 カバンを見回すと裏に発信器……え? 

 後ろから視線を感じ振り返ると後部天井に超小型カメラ……はい? 

 自分の机には双眼鏡……この流れ……もしかして。

 自分の教室から見える風紀委員室を見るとそこには、望遠鏡を手にした鶴見先生が居た。

 

 ひとまずツッコミたい気持ちを抑えて、風紀委員室へ向かった。

 

 

 

 

 風紀委員室へ着いて扉を開けると、鶴見先生が視界に入る。

 

「先生……最近見たアニメの関係曲で俺を試すのはやめてください」

 マジでカメラとかいつつけたんだよ……。

 

「いやー私もたまには乙女になりたいのよ」

「今更純ブラれてもなぁ、咲くのはあなたの脳内だけにしてください」

「まぁそれはいいのよ、来てくれてありがとう比企谷くん。今日呼び出した要件とはね?」

「今日1日ずっと寝てた事ですかね、すみません次回から気をつけます」

「全然違うよ?」

「おぉい! 違ぇのにここまで呼び出したのかよ」

「うーんそれに関しては私も肯定的な意見だからなぁ、昨夜何したのか知らないけど人間眠い時は眠いしねぇ」

 教師的には注意案件なんだけどねぇ、と付け加えた鶴見先生は俺の方をもう一度向き直し告げる。

 

「呼び出し案件はね、これ」

 

 そう言った鶴見先生が指を指した所には、イメージとは真逆であろう氷川紗夜が学校内で寝てると言うことだった。

 

「氷川さんに仕事頼んでてね、様子見に来たら結構深く寝てるのよ」

「それで何故俺……訳が分からん」

 

「氷川さんの名前使ってあなた呼んだのは私なの」

「いや知ってますよ、2人の名前書いてても確実にあなたの仕業でしょあれ」

「ちょっと今度話し合いが必要見たいだけど今はいいわ」

「……スミマセン」

「普段はいいけど今は真面目な話なの、氷川さんの事家まで送ってあげて?」

「何故俺が、他の風紀委員とかどうしたんですか」

「今日はみんな用があってね……かく言う私もこれから留美に付き添っていかないと行けない場所あるから帰らなきゃなのよ」

 

「朝の話が関連してます?」

「さすがに朝のHRは起きてたのね……なら話が早いわ、今日からしばらくは2〜5名ほどのグループでの帰宅をしてもらう……言わば防犯の集団下校と言った所ね、毎年この時期だから」

 

「それで俺に氷川と帰れって事ですか」

「それがメイン サブはあなたの周辺に設置したミニマイク、発信器、超小型カメラ、双眼鏡の回収かな」

 

 そこまで言ったらリズムに乗って望遠鏡手放せない! と言って欲しいところだが、そんなこと言えないですね。

 

「じゃあ頼んだわよ、あと比企谷くん」

 そこから先生は自身の唇を俺の耳に近づけ。

「今度の日曜日、留美と3人でカラオケにでも行きましょうか、今の流れで歌いたくなったでしょ? それで話し合いチャラにしてあげる」

 

 

 この人……まさかここまで読んでのあの行動か。いや無いな(笑)

 

「パーンチ!」

「痛い!痛いです!突然なんです?!」

「ツッコミだよ?」

「何に対してです?」

「ボケに対するだよ」

「一切ボケてないのですが…」

 

「じゃあまたね少年」

最後に微笑みを残して去って行った。恐ろしいシングルマザーだ…。

 

 

 

やれやれと思いながら後ろを振り返ると、さっきまで寝てたはずの人物が起きていた。

「なぜここに比企谷さんが…」

「詳細は今度顧問に聞け…それより早く帰るぞ」

「…どういう風の吹き回しですか?あなたからそんなこと言うとは」

 

「早く帰って新作のフルーリーMAXコーヒー味が飲みたいの。ついでにポテトも買って帰るんだから」

「なぜそれを早く言わないんですか!早く行きますよ!

「え?君家来るのん?着替えに行くのに?」

「その二つを出されて大人しく家に帰るわけないじゃないですか!そして着替えなんて必要ありません!」

 

「お、おう。なんかいろいろと吹っ切れてんな…」

 

その後、ファストフード店、自宅と行動した紗夜は氷川家妹のあれにいろいろ質問攻めにされ疲弊したそうな。

 

 

「せっかくMAXコーヒーで糖分補充したのに…ほとんど意味が無いじゃないですか…」

 

それでも嬉しそうな風紀委員だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「ちなみにミニマイクと発信器は私も持ってるわよ」
「本編出ないからってここ占拠するのやめていただいて良きです?」

なんかこいつさらっと恐ろしいこと言ってやがるし。

わかる人はわかるネタを投入してみました。



RAINはご存じLINEの捻りです。

ではまたお会いしましょう。


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2話 IFか…現実か。

「千聖さん…待たせたね。」

「とうとうかしら?」

「いやね、待たせたから一話くらいはこういう話しがあっても良いかなぁって」

「一話!?私主人公よね?」
「主人公では無いよ!?」
「えっ!?」
「あなたヒロインでしょ?(多分)」

「とりあえず貴方を一発〇らないと気が済まないわ」

「あと一話って言ったけど…一応複数だよ?」
「意味がわからないのだけれど」
「いや、話自体は一話なんだけど。予定としては本編の途中途中に挟んでいこうかなと」

「…私が納得できるならいいわ」

「ただ…松原・氷川・市ヶ谷にはバレないようにお願いね?」
「一応聞くけど…何故?」
「バレるとさ…この子みたいに私も私もってなるのさ…」

「…(パン屋の少女侮れないわね…)」






まぁそんなわけで納得できるかどうかはさておきどうぞ。

後、更新遅くてすみません。

作者が土曜-月曜の三連休だったのに対して世間は金曜-日曜でしたね、勘違いしておりました。


 ……て ……きて。

 

 あぁ……意識がハッキリしない。今日も学校あったよな。起きないと。

 

「あなた! 起きてください! 遅刻です!」

 

 

 あなた? 小町にそんな呼び方された事一回もないんだけど。

 あと体が痛い……俺こたつで寝ちまったか……。

 

「やっと起きた! 早く起きてくださいよ、朝ごはんできてますからね」

 

 

 

 ……なんで貴方家にいるのん? いや、確かに小町はすぐに貴方とか市ヶ谷とか家にあげるけどさ、今朝よ? 居たらおかしいんやない? しかも髪の毛すごい切りました? 毛先肩辺りだけど…前髪につけてるヘアピンめっちゃ髪にあってんなぁ…。

 

「あなたは今も昔も変わらずねぼすけですか? 昔は学生だから許された面はありますけど今は社会人ですよ! しっかりしてください! 私は千彩を起こしてきますからね? 顔洗ってリビング来てくださいね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、ちょっと待とうか!? 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、そこな白鷺さんや!」

「白鷺? あはは、随分と懐かしい名前で呼んでますね。懐かしむのは良いけど、今は急いでくださいね!」

 

 

 

 なんか華麗にスルーされたけどあいつサラッと重要な事言ったよな。

 懐かしい……白鷺が懐かしい……て事は今は白鷺じゃない……? 

 

 

 そんな事を考えてると俺の携帯には一本の電話が。

 

 

「……もしもし?」

「あー比企谷くん? もう家出ちゃった!?」

「いや、まだこれからだが」

「良かったぁ……実はね? 今日行く予定だった先方様が急遽明後日にして欲しいってことなの! だからね? 急遽で申し訳ないんだけど、今日と明後日の休みと仕事日逆にして欲しいんだ。平気かな?」

 

 

「あぁ……それは構わんが」

「良かったぁ……じゃあ千聖ちゃんによろしくね!」

 

 

 色々とツッコミたい事はあるが……。

「花音さん……喋り方初めて会った時に戻ったか?」

 

 先程の電話の相手、松原花音の喋り方に驚いてるが……どうやら今の俺は松原花音と同じ職場らしい。何してるか一切知らないけど。

 

 

 

「あー、あの千聖……さん?」

「……? なんで疑問? それにさん付けだなんて」

「花音さんから電話あってな、今日仕事無くなったみたいだ」

 

「え?! 随分急ね……」

「その代わり明後日が仕事になった」

「そう……それならとりあえず朝ご飯を食べましょう、千彩を幼稚園に送らないと……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからちょっと待って! 

 

 

 

 

 え? 娘? 俺子供いんの? まだ高校生の俺に幼稚園の娘がいるってどういう事だ……。

 

 

 

 何が何だか分からないまま朝ご飯を食べ、幼稚園のバスを見送り、今は二人で家に戻ってきた。

 

 

「今日のあなたちょっとおかしいですよ? 病院行きます?」

「いや、大丈夫だから、うん」

「ほらそこ」

「へ?」

 

「いつもだったら「いや、おかしいのは元からだろ」とか「違うからね? 、おかしいの目だけだからね?」とか適当な事言うのに今日は何も無い」

 

 

 ……このよく分からない世界でも俺は俺のままか。いい事を聞いたよ。

 

 

 

 

「本当に大丈夫?」

「あぁ、平気だ」

 

 

 

 

 あぁそうだ! と突然目の前にいる白鷺……千聖が止まり振り返る。

 

「ちょっと来て」

 そういう白鷺について行くと、そこは寝室。通常より少しだけ大きい所謂セミダブルサイズのヘッドと写真立てや本などが飾られてる部屋だった。

 

 

「これよこれ」

「……ベッドか?」

 

 ベッドに座り、横をポンポンと叩きながら俺に座るように促す。

 促された通り横に座る。

 

 

 

 

 

「新婚の時に買ったこの私達のベッド、結構お気に入りなんだけどね……そろそろ千彩も布団じゃなくてベッドでもいいかなって。だからあれを千彩に使ってもらってね? せっかく休みになったし私達の新しいやつ見に行かない? と思って」

 

 

「あぁ……ベッドね。それもそうだ……な?」

 

 

 

 

 

 いや、分かってる。そうなんだろうなと言うのは子供が居て朝から一緒に居る時点でそれしか俺の頭には浮かばなかった。

 

 

 

 

 白鷺千聖(比企谷千聖)は俺の奥さんになってるという事だ。

 

 

 

 

 

「じゃあ着替えるからリビングで待ってて」

 すごい笑顔でそういう千聖。今まで暴君としか見てなかったがこういう心からの笑顔もできたんだな。俺は今までの白鷺千聖としての人物をまだまだ知らないのかもしれない。

 

 

 リビングのテーブルに突っ伏し、千聖の着替えを待つ事に。

 とても眠気が……あとちょっとで来るのに寝てしまうのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きて……起きて!」

 

 

 やはり寝てしまったのか……たった数分だったが。

「早く起きて! 遅刻よ!」

 

 え? 俺そんなに長く寝てた? でも寝具見に行くのに休みなんだから遅刻も何もないような……。

 

 

 目の前にいた千聖は、高校の制服を着てあの頃のように髪を後ろで束ねており、リボンも付いていた。

「千聖? 何で制服? いやまぁ通じるけどさすがに普通の服でいいんじゃ……」

 そこまで言って俺は周りを見る。

 そこは先程までいた家ではなく、見覚えのある比企谷家の実家にあるリビングのコタツに座ってる俺。

 

 そして目の前では頬を赤く染めてこちらを呆然と見つめる千聖が……待てよ? 

 

「なぁ千聖……聞きたいんだが今俺達何歳だ?」

「……何故名前呼びになったのか経緯を聞きたいところだけど、16よ。正確にはあなたは15だけど」

 

 

 そうか……なら目の前にいるのは白鷺千聖(しらさぎちさと)であって、さっきまで見てた白鷺千聖(ひきがやちさと)では無いのか……。

 

 

 なんだったんだろう……あの世界。結局分からずじまいで戻ってきちまった。 そもそも戻ってきた……で合ってるのか? あれはただの夢なのか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「……ねぇ作者さん」
「な、なんでせう?」
「これ…続くのよね?」
「まぁ、連続では無いけど続きますよ?」
「…私早く続きみたい…」
「そうなるでしょ?だから…まぁ既にバレた一人は置いておき他の三人にバレないでねって言ってるんです」

「本編進まないどころか未来編だらけになるわね…」
「いや未来編て…間違ってはないかもだけどさ」
「じゃあ次は…あの子のこういう話?」
「いや?普通に本編進めるよ?あくまで優先は本編だから」

「そう…」


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IF.1 千聖、誕生日記念

誕生日に投稿出来なくてすみませんでした。




今回のお話は、誕生日限定という事で…もう甘々…にはしないけど。
プロローグ1話の出会いから年数が経った後の話にしてみました。
一種のIFです。(プロローグ2話以降は無関係)



どうぞ。


 大学……それは、人それぞれ捉え方が違う場所である。

 

 本当に学びたい事があってその学部に行く人もいれば、社会に出るまでの年数を稼ぎたくてとりあえず上のところに行く人等と色々いるだろう。

 

 俺はその前者でもなければ後者でもない。むしろ行くのが当たり前なんだと思ってた。うん、そう思ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう思ってたんだけどなぁ……」

「いいじゃん、おかげで引きこもりのお兄ちゃんがこうしてよく出かけるようになったんだから」

 

「本読む以外の趣味が油の排気だもんなぁ」

「小町は嬉しいよ? 駅まで歩かなくて良くなったし」

「パシってるよね? 完全に一人暮らししてるお兄ちゃんを毎回呼ぶなんて随分パシってるよね?」

 

「いいじゃん、小町も実家出ちゃったし。たまに実家帰るとお父さんが泣いて喜んでくるから嫌だ」

 

「それ……間違っても親父に言うなよな?」

 

 

 

 学ぶものがはっきりしてないやつに出す学費は無い。

 

 うちの親の至極真っ当な意見の元、俺は高卒で働く選択肢を選んでしまった。

 

 担任には「本当に大学へ行かなくていいか?」と散々確認されたが、そうは言っても大学でやりたいことなんか無いからそれを受け入れた。

 

 

 

「もうすぐ7年目か……」

「お兄ちゃん新卒の子が入社する度にそれ言ってない?」

「こうでも言っとかないと俺は自分が何年働いたかなんてすぐ忘れるからな」

「小町ももうすぐ社会人だなぁ」

 

「結局良かったのか? 全然入学した時と進路違うけど」

「小町には合わなかったんだよ……自分の選択を後悔はしてないよ」

「……ならいんだけどよ」

 

 そんな会話をしてるうちに駅に辿り着いた。

 

「じゃあまた後でね! ありがとうお兄ちゃん!」

「おう、気をつけていけよ」

 

 

「あ、例のやつの後彼女さん連れて家来ても良いからね!? 小町大歓迎!」

「行かねぇよ……多分」

 

 

 行ってくるであります! なんて言葉を残してあいつは学生最後の一日を謳歌しに行った。すまんな小町……お前の大切な一日の数時間を貰うぞ。

 

 

 

 そんな俺の車の前に一人の影が現れた。迎えようと外に降りると、そこに居たのは……般若でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女迎えに来るのに別の女乗せて来るなんていい度胸ね? 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、あれ妹。君写真見た事あるでしょ? そんな圧いる?」

「そうね……あなたにそんな度胸無かったわね」

 

「……信頼してくれてるようで何よりだ。乗れよ」

「あら、扉の開閉サービスも付いてるのね? いい車だわ」

「目の前見て? 人居るから、君の彼氏目の前にいるから」

 

 そんなやり取りをして、微笑みながら乗り込んだこやつは白鷺千聖。

 先程の会話からわかるかと思うが一応彼女にあたる人物である。

 

「そんなにおかしかったか?」

「いいえ……ちょっと出会った頃のあなたからは想像もつかなくてね」

「まぁ……それは本人が一番理解してるよ」

 

「超ひねくれめんどくさ専業主夫希望男が、まさか高卒で働いて今では一人暮らしに加えて車まで所持してるんだから、当時のクラスメイトがあなたを見たらなんて言うかしらね?」

 

「そもそも二人か三人しか話してないしな俺」

「その二人か三人が驚くって話しよ」

「そうかもな……」

 

「ほら! 遠い目をしてないで運転に集中して頂戴! 今日は珍しくあなたのエスコートなんだから」

 

「言わないで? 誰も聞いてないと思うけどそれ言わないで? 申し訳なさがえぐいから」

 

 

 

 

 

 

 そんな俺達がやってきたのは、埼玉県の某所にあるショッピングモール兼色んな遊びの複合施設が入ってる場所……うん、だいたい読んでるあなた方が想像してるところで間違えないよ? 近くにはイケから始まる青い建物をあるしね。

 

 

「あなたにしては珍しいチョイスね?」

「……俺らが出会ったのって学生の時だろ? しかも10年経ってしまってる」

「付き合い始めたの4年前からですけど?」

「……今日Sなのん? それも超の付く方、棘がえぐいよ?」

 

「なんでかしら、今日のあなたは……いじめたくなっちゃうのよ」

「舌出しながら言うな……怖ぇよ。あと怖い」

「で? 学生の時がなにか関係あるの?」

 

「何となくあの頃を思い出したくなってな」

「目の腐りまくったひねくれ王子の時?」

 

「……帰っていい?」

「ごめんなさいって、このくらいにしておくわ」

 

 

 

 そう話す彼女は心の底から笑いながら肩をペシペシと叩く。

 そんな彼女を見て笑いかける俺は相当変わったのだろうな。

 

「だから、今日はあの頃はしゃげなかった自分を取り返してやろうと思ってな」

「それで私に服装の指定をした訳ね、なんの心配かしら?」

「さぁな、単純に見たかっただけだろ」

 

 

 

 

 今日の彼女の服装はギンガムチェックのトップスにデニムタイプのショートパンツ、スラッと伸びた脚の先は白のスニーカーである。そしてベージュのキャップは彼女のお気に入りの装備だ、よく見かける。

 

 普段の彼女は基本スカートだ。ミニからロングまで色んな種類の。それこそパンツスタイルなんて数回見たかどうかのレベル。だから先手を打たせてもらった。昔小町と戸塚と三人でボーリング来た時制服の小町がスカートをはためかせていたのを思い出したが故の今回の要望である。

 

 

 

 

 

 

「で? どうかしら? 感想は」

「文句無しの満点をくれてやる」

「あら、随分上からなのね? 私はもっとタジタジになるあなたを期待したのだけど?」

「(バレねぇようにしてんだよその話題を続けんじゃねぇ)」

 

「ねぇ? どうして顔を背けるの?」

 

 確信犯なのか、ニヤニヤしながらこちらの様子を伺う千聖は俺から見たら角が見えた。

 

 カラオケは相変わらず歌が上手く、ロデオに乗らされた俺は何回か耐えた後吹っ飛ばれ、それを見て隠しきれない笑いを出している。フリスビーは白鷺家で飼っているレオン君で慣れているのか、かなり上手く正確に飛んでくる。悔しかったのでバトミントンをやったら互角だった。というかさ。

 

 

 

「俺何一つお前に勝てるものがないわ……」

「たまたま分野が当てはまっただけじゃないかしら? フリスビーなんであなたやらないでしょ? 一人だったんだし」

 

「毒? 毒なのん? 小町いるから、できるからやろうと思えば」

 

 昔小町に1回フリスビーに誘われたが、俺が丁重にお断りした事を思い出した。

 

 ボーリングは2ゲームやって1勝1敗、久々にはしゃいだがひとつ思った。

 

 

「マズったな」

「今時そんな言葉使ってるのあなただけじゃない?」

「え? うそん……それはいいんだよ別に」

「あなたが考えてる事、当ててあげようかしら?」

「あまり俺を見くびるなよ? 小町以外には思考を読まれにくいんだよ」

 

「小町さんに読まれてるじゃない……当てたら私の願い、聞いてくれる?」

「なんなりと申しつけください」

「……遊ぶ前にウインドウショッピングの方が良かったかなぁ……でしょ?」

「……」

 

「沈黙は肯定と捉えるわ」

 

 

 

 

 

 おかしいなぁ……小町以外には思考を読まれにくいんだと言うのは俺の思い込みかなんかだったのかなぁ……。

 

 

 

 

 千聖の要望でやってきたのは銭湯だった。世にいうところのスーパー銭湯と言うやつ。

 

 

「残念だったわね、あそこ」

「あぁ……まさか潰れてたとはなぁ」

 

 高校を出て二人とも千葉を離れた為、久々に来た少し思い入れのあった銭湯は違う物件になっていた。今居るのはそこから駅で言う所の数駅となりにある銭湯だ。

 

 風呂上がりの千聖にドキッとさせられて、しかし表にそれを出すとまた付け込まれそうなので必死に耐えた……つもりなんだが向こうにはお見通しなのか、すげぇニヤニヤしてやがった。解せぬ。

 

 

 銭湯の後、今日のプラン最後の場所へ。先程の潰れてしまった銭湯から歩いて数分の所にある海辺のカフェ、ここも思い入れがある所だ。……というか間違えなく二人の思い入れはここが1番あるだろう。

 

 

 

 

 

「ここのカフェ……この時間やってたかしら?」

「ちょっと伸びたんじゃねぇか? 時間」

 

「私がカフェの時間を把握しきれてないなんて……」

 

 いや、千聖。お前の時間把握は間違ってない。

 

 

 

 

「久々に来たけど相変わらず美味しいわね」

「何年も変わらない味が安心するよな……まるで実家」

 

「それ、店長に言ってあげたら? 喜ぶかもしれないわよ?」

「気が向いたらな」

「もうっ、変な所だけ捻くれは治ってないのね」

 

 微笑みながら料理の最後の一口を食べた千聖。

 

 

 さて千聖、お前は先程「こんな時間にやってたかしら?」と言ったな。

 そう、普段はやってない。ここのカフェの売りは夕陽が水平線の向こうに沈みゆく所を眺めて居られると言うのが1番の売りだ。(店長談)

 

 

 

 

 

 

 思い返せば数年前。当時、人とあまり積極的に関わらない俺がここの店長含めた従業員さんと仲良くなったのは考えがあった。

 

 

 初めて来た時にココのカフェをえらく気に入った千聖に勝負をかけるならここだ! と思った俺は、その後一人、小町と一緒の時、そして千聖と一緒の時と結構な頻度で使いようやく話せるようになった。

 

 

 

 

 

 

 ここで勝負(告白)をかけたんだ。ならばその地でもう一度勝負(プロポーズ)をかけよう。そう決めて店長にその旨を相談した。

 

 その結果快諾してくれた店長が協力してくれた結果生まれたのはこの空間。 ここに一般客はいない。居るのは従業員(エキストラ)達だ。

 店長と調理担当、それ以外の従業員達が変装までしてお客を装ってる。

 驚いたのはここ数年で入れ替わったりしてる過去の従業員達まで協力してくれている事だ。

 

 

 

 

 

もとより失敗する気は無いが失敗できない状況になった

 

 

 ある意味でこれは店長達からのエールなのかもしれない。

 

 

 

 そして、あまりに溜めると俺は直ぐにやろうとしてる事がバレる節があった。

 

 だから俺は。

 

 

 

「なぁ千聖」

 

 

 

 この、ごく自然に彼女(千聖)が笑っている今。

 

 

 

 

「なぁに?」

 

「結婚してくれないか?」

 

 

 

 

 

指輪を出すことにした。

 

 

 

 

 

「……へ?」

 

 

 

 

 さっきまで自然に笑っていた彼女の顔は一気に驚きに染まり、そのまま俯いてしまう。

 

 

 

 

 

 ……あれ? もしかして……ダメ? 

 

 

 

 俺の中でそんな事を考えてしまい、その不安が近くのテーブルにいた副店長(お客さん)に伝わってしまう。そんな時、正面から啜り泣く声が聞こえた。

 

 

「ち、千聖?」

 

「……やっと」

 

「やっと?」

 

 

 

 

 

 

 

やっと言ってくれた!! 

 

 

「ッッ!?」

 

 うちらの鼓膜が破れんばかりの叫び声でそう言った千聖、彼女からこんな大きい声を聞いたことは無い。

 

 

「長いわよ! もう4年よ!? 私すごい待ったわよ!」

「……悪ぃな、なかなか勇気出なくて」

 

「このヘタレ……ボケナス……八幡」

「いや八幡は……今はいいか」

 

 そう、八幡が悪口かどうかなんて今はどうでもいい。俺が……いや、俺達が今聞きたいのは。

 

「千聖……答えは?」

 

 そう聞いた時に、千聖はテーブルをバンッ! と叩きこちらに歩み寄ってくる。

 

 次の瞬間……俺の周りは彼女が今日付けた香水だろうか。フレグランスのいい香りに包まれた。

 

 彼女が俺に飛びつき、首に手を回して抱きしめた。

 

 

「いいに決まってるじゃない! 二人で……幸せになりましょ?」

 

 

 顔と顔が向き合いそのような言葉を頂いた俺は……迫る顔を避けること無く受け入れ、二人の唇はそのまま重なっていた。

 

 

 

 

 俺は忘れていた……この瞬間俺の頭が嬉しすぎて考えられなくなってしまっていたからなのか。

 

 

周りは全員エキストラ(身内)だと言うことを

 

 

 

 

 

 

 

おめでとう〜!! 八幡! 千聖ちゃん! 

 

 

 

「「ッ!?」」

 

 

 完全に自分たちの世界に入ってた俺達は、一気に目覚めさせられた。




なんか、筆乗ったので二話構成にします。

これ以上一話でまとめるとただでさえ読みずらいのに余計読みずらくなるかもなので。


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IF.2 千聖の誕生日 後日談

てことで続きです。

ちなみにアプリで出たBirthday千聖は脅威の単発で出ました。

無料10連全部黄色だった甲斐がありましたね。


 

 

 あの後、二人して顔を真っ赤にし、行動できなくなってしまっていた。

 今は落ち着き、エキストラから身内に戻った元従業員達が千聖を囲んでいる。

 

 

 

 

 

「八幡くん、改めておめでとう」

「店長……本当にありがとうございました」

 

「大切な常連さんでもあるし、僕からしたら君達を見てると懐かしくてね」

 

 店長の話だと、奥さんであるここの副店長が店長に猛アタックをしていたらしくて俺を見ているとその時の奥さんを見ているようだと言っていた。

 

 

 

 懐かしんだ後、千聖を囲む輪に混ざりに行った店長を見送った俺に近づく陰が一人。

 

「お兄ちゃん……おめでとう」

 

「おう、ありが……なんで泣いてんの?」

 

「いやぁ、嬉しいはずなのになぁ……寂しいよ」

 

「小町……」

 

「これでも18年一緒に暮らしてたし……実家じゃなくても結構な頻度で会ってたし……もうお兄ちゃんには千聖さんが居るからね」

 

 

 笑顔でこっちを見ながらそんな事を言う小町、間違いない。これは兄である俺が見てもその他の人が見てもわかるくらい分かりやすく、(小町)は無理して笑っている。

 

 

 そんな妹を後ろからハグしていたのは、いつの間にか囲み輪から抜けていた千聖さんである。

 

「何を言ってるのかな小町ちゃん?」

「へ?」

 

「このヘタレが身近から妹一人いなくなったら外も歩けなくなるくらいダメ人間になるんだから、今まで通りお兄ちゃんに会いに来なさい! そしてお義姉ちゃんにも会いに来なさい!」

 

「千聖さん……!」

 

 抱き合ってる義理の姉妹を見ている光景は俺としてはいい、うん非常にいい。だから許すよ、俺がなんかすげぇ悪く言われた気がしたことは何も言わないでおくよ。

 

 

 

 

 しかし、あの小町がここまで考えていたとはなぁ。

 

「立場が逆なら……俺もあぁなってたのかもなぁ」

 

 世間的には隠れブラコンであった小町があれなのだ、オープンシスコンな俺は尚更であろう。

 

 

 

 

 楽しかった時間も終わり、最後はみんなで集合写真を撮った。

 

 その集合写真はその先実物として写真立てへ。データとして、比企谷八幡の携帯の待受から変わる事は無かったという。

 

 

 

 あれから5年の月日が経った。

 

 

 

 結婚式は両家の両親+小町、そしてお世話になったカフェの関係者の皆さんに高校時代の共通の友人。更に八幡のお世話になった上司達に千聖の部下達と、なかなか大所帯での開催になった。

 

 

 この5年にあった事と言えば……

 

 

「お兄ちゃん起きて!!!」

「くぁwせdrftgyふじこlp!!」

 

「いやぁそれ現実でやる人いる……?」

 

「意図してでるもんじゃねぇよ……おはようさん」

 

「朝ごはんできてるし、食べれなくなっちゃうよ? 時間的に」

 

「そういうのは早く言え! 全く!」

 

 

「せっかく起こしに来た妹に言う言葉がそれか……ポイント低いなぁ」

 

 と言いつつも小町は笑顔だった。

 

 

「そういや千聖は?」

「お兄ちゃん……なんで小町がここにいるか考えてみなよ」

 

「……あそっか、実家帰省中だったわ」

 

「お義姉ちゃんがいつも隣にいてくれると思ったら大間違いだからね?」

「肝に銘じます……」

 

「じゃ、小町先出るから。今日は帰らないんだよね?」

「あぁ、泊まり勤務だ」

「了解! じゃあまた明日ね」

「おう、いつもすまないねぇ」

「それは言わない約束でしょ?」

 

 

 

 このように、小町が我々比企谷夫妻の家に半同居状態になった。

 あの日から当然のように義姉である千聖に懐いた小町に気を良くした千聖は合鍵も渡している。もちろん俺に異論は無いので黙認してる。

 

 

 と言うか小町が居てくれて助かってる。じゃないと夫婦のイチャつきが止まらない時があるので……。

 

 

 翌日の正午、俺が仕事から帰った時に、家の鍵は空いていた。

「たでぇま」

「ちゃんとただいまって言いなさい」

 

「へいへい……」

「へいは1回!」

「それはいじゃね? ……ただいま」

「うん、おかえり」

 

 

 そこには笑顔の千聖がいた、ひとつの写真立てを持って。

 

 

 先程少し触れていた千聖が実家に帰省したのは愛犬レオン君の事だ。

 

 飼われてる犬の中ではかなり長生きだったがこの度新しい世界に向かったようだ。

 俺も行こうと思ってたが千聖から「あなたには、迎えて欲しいの。旅に出たレオンと泣いちゃう私を」という本人たっての願いで仕事は休まずに出る事に。

 

 

 

「いい顔してんな、レオン君」

「うん、あなたと小町ちゃんとみんなで遊んだ時の顔よ、お母さんが撮ってたらしくてね」

 

 

 よく見たら、持ってる写真とは別にもう一つ。俺と千聖、そして小町とレオン君。みんなで写ってる写真も飾られていた。

 

「……無事新しい住処を探せるといいな」

「そうね……ほんとに」

 

 お互いに泣いてしまい、その日小町が帰ってくるまでソファで思い出に浸っていた。

 

 

 

 

 

 

 また別の日、小町が出張で一日空けてる日だった。

 

「千聖」

「どうしたの?」

 

「俺達、気づけば30だとさ」

「私達が会ってから15年……早いわね」

「人生の半分は一緒なんだもんなぁ」

 

 

 

 お互いの休みが合い、まるで熟年夫婦のようなやり取りをしながら晩酌をしていた。

 

 

 

「あなたに会えてよかったわ」

「そうだな、とてもあの出会い方で夫婦になるなんて思ってもなかったが」

 

「そう思うと、あなた最初は随分私に冷たかったわよね?」

「お前だけじゃない、誰に対してもだ」

 

「それもそうね……あなたのそういうところに最初は興味持ったのだし」

「あの頃の俺、よくやった」

 

「そうね、褒めていいと思うわ」

 

 

 俺がいつもより飲んでしまったからか、千聖がお前呼びになってる時はそうだよねと昔千聖が教えてくれた事だ。

 

 

 

「ねぇあなた?」

「どした?」

 

「私にプロポーズしてくれた日、あったじゃない?」

「懐かしいなぁ、5年も経ってんだもんな」

 

「あの時本当にプロポーズ受けれてよかったわ」

「また随分あらためてだな?」

 

「あのお出かけ、あなたがエスコートの時だったじゃない? 年数も年数だけに、あそこでプロポーズが来なかったら私から行こうと決めてたのよ」

「え? そなの?」

 

「この甲斐性なし! チキン! と思いながら私はプロポーズしてたかもしれないわね」

 

「……まじで良かったわあの時して」

 

「でね? 5年経ったわよね?」

「うん」

 

「もう30なったわよね?」

「おう、いい歳になったな」

 

「最近ご無沙汰じゃない?」

「そうかもな……おい、誘導のつもりかそれ?」

 

「もうそろそろ、私達も愛の証ができてもいいと思うのよ」

 

 と言いつついつの間にか手元に置いていた、ベッドルームにあるはずのとある箱をゴミ箱に捨てた。

 

「ね?」

 

 

 

 

 

 その後のことは気づいた時に小町が目の前で仁王立ちしてたくらいしか思い出せないが、思い出してしまったらその楽園からは帰って来れない気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして更に5年後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこには幸せな家族が1組。

 

 

 大黒柱、比企谷八幡にそれを支える妻、比企谷千聖。

 比企谷小町も半同居から同居に変わり、今では比企谷凛子という新しい家族も3歳となった。

 

 そんな幸せな家族に新しい仲間……ゴールデンレトリバーのレンが仲間入りした比企谷家はこれからどんな未来が待っているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く? いやIFだよ? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いい話?暗い話?賛否両論あると思いますけど。

まぁ作者的にはどうやってもネタ要素があると思うので暖かく笑ってくれればよろしいと思います。

お付き合い頂きありがとうございました。本編もよろしくお願いします。


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