退屈な日々を忘れたい俺がなぜバンドの手伝いをしているんだ...... (haru亜)
しおりを挟む

主人公のぷろふぃーる

ただの紹介を私がやってもつまらない感じがしたので、面白く見ていただければ幸いです♪( ´▽`)




ここはなんかよくわからん通じ合う世界である。

とにもかくにもすごい力で通じ合う世界である。

└(՞ةڼ◔)」(大事な事なので2回言いました)

 

はいそこ!突っ込まない!

 

では、49個も投稿して今更ですがタイトル通りに

どうぞ♪

 

名前

如月 陽菜(きさらぎ はるな)

 

年齢

16歳(第1章の始まりからでは16歳、第3章からは19歳)

 

身長

今も昔も全くと言っていいほど変わらず165cm!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

主人公 side

 

「ん?なんか俺に向けられた悪意を感じる…」

 

「?何を言っているの?」

 

「いや、なんでも…」

 

「早く練習するわよ」

 

 

主人公 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ふぅ……危ない危ない

では次は好き嫌いの事と誕生日辺りから行きます!

 

好き系統

猫一択!!!

(猫ならなんでもおk)

 

嫌い系統

人の視線、いじめ全般、自分の大切な存在を傷つけられる事

 

誕生日

11月18日

 

この日付は、私が携帯の時間を見た時、11時18分でしたので付けました。

さすがに23月なんて無いんでね…。

 

バリ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちょおい作者。

俺の誕生日テキトーにも程があるだろ…。

大体、好き系統の『猫一択!!!』ってなん」

 

はい次は色々!(*>∇<)ノ

 

「ちょっ…」

 

性格

難あり( ˙-˙ )

 

「おいこらやる気あんのか」

 

難あり( ˙-˙ )

 

「聞け」

 

言動、難あり( ˙-˙ )

 

「聞く耳を持とう」

 

言動、難あり( ˙-˙ )

 

「今のは普通だよな!?

ていうか話を聞け!」

 

……なんすか…_(-ω-`_)

 

「これ初見の方もいらっしゃるから、ちゃんと説明しろ」

 

はぁ…めんどくさい…(如月 陽菜風)

 

「後半の奴を消せ」

 

はぁ…めんどくさい…

(´ε`;)

 

「やってんじゃねぇか…。

とりあえず、今(49話)の俺から言わせてもらうと、キャラ説明はちゃんとやれ」

 

…お前はこの世界から出た瞬間に記憶が消える。

( ̄^ ̄)

 

「…どうでもいいわ。

とにかく説明待ってる人いるから。

大体、こんな茶番に付き合わされる気にも」

 

はいじゃあカット└(՞ةڼ◔)」

 

「ちょ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー←カット線

 

カットしたのでアイツは消えます。( ̄  ̄)

それがこの世界のルールです( ̄  ̄)

では続きをどうぞ!

 

趣味

特に趣味と呼べるものは無い。

 

あるとすれば、死んだ父親の兄がいくつもの習い事を辞めた中学時代に武術(詳細伏せる)を学校終わりに少しの時間、習わせていた。

 

性格

普段は非行動的でめんどくさがり屋だが、いざとなれば自分の出来る範囲で物事を成す。

 

相手の気持ちを読み取る事は人並みに出来るが、彼が『そんな事思っているわけが無い』と決め込んでいるものに対してだけは、読み取れない。

 

他人を人1倍警戒して相手を敵視し、場合によってはそれ相応の対応をするが、その分、人1倍心配性で、身内には甘く過保護である。

 

どんな接し方であれ、関係を持つ相手を大切にしている。

 

 

あっ因みに、どれくらい甘いかっていうと、そうですね…

 

やっぱ、金平糖かな!

 

バリバリ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「俺そんな甘いか…」

 

甘いんじゃねぇの?

 

「……ていうか、この世界に来てる時って俺の身体どうなってんの?」

 

まぁ、簡潔に言えば寝てる。

今のお前は意識だけこの通信世界に来て…っと危ない。

この世界で物語は進めてはいけません。

 

なぜならそれがこの世界のルールだから

 

「はぁ…めんどくさい…」

 

おお、本家だ

 

「うるさい。

それより、もう終わりにするぞ」

 

え、まだみんなとお話したi

 

「ご通読ありがとうこざいました」

 

それ私のセリーフ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章 歌姫と手伝いと少女達の物語 第0話 プロローグ 出会いの予兆

べ、別にバ○ドリの要素なんて入れてないんだからね!!

どうですか?いい感じでしたか?ツンデレ要素入れて見ました
えっ?
キモチワルカッタ?
そうですかそうですか
それは良かった(?)

orz←って小文字で書くとこうなりますがORZって大文字にしたら脇からなんか出てますよねこれ..........すいませんどうでもいいですね

オマケ
この小説は不定期更新ですのでそこんとこは皆さんの生暖かい目で見てくださいお願いします


「はぁ...」

 

俺の朝はいつもため息から始まる。

 

「退屈だ...」

 

などと小声で言った後にゆっくりと体を起こした。

すると

 

「早く起きないと遅刻するで陽菜」

 

いつも「見てから言ってくれ」と言っているのだが、母さんはいつもこんな感じだから「もういいや」と俺自身そうなっている。

 

「分かってる」

 

そう言い返すと母さんはキッチンへ戻って行った。

二段ベッドの上から降り、地面に足をつけようとした。

 

すると、ボールを誤って踏みつけてしまいそのまま転んでしまった。

いや転ばされたのだ。

 

ウチは4人家族だった、父親が他界したので今は3人家族となっているが今も昔も変わらず普通の家庭を過ごしている。

で、俺を転がした犯人は

 

「やっぱり引っかかってる。

朝から警戒してないとそんなんじゃ恋人できた時、その人を守れないよ」

 

やっぱりお前か…と思いつつ

笑いながら出て来やがったこいつの名前は俺の妹の咲織(さおり)である。

もう制服を着ている所を見ると本当に時間がやばい事がわかる。

 

「朝からこんな事すんのはお前くr」

 

言葉を遮るように

 

「まぁまぁ、どーせ恋人なんか出来るわけが無いんだし。

おまけに友達もいないんだし、別にこれくらいいいじゃん!」

 

大阪弁で喋るのは俺と母さんだけで妹があまり喋らない理由は生まれた頃からの地域が大阪弁を話す事がすくなかったからだ。

 

すると母さんが来た。

めんどくさい事になりそうだ。

 

「また咲織はこんな事して……。

危ないから気をつけなさい」

 

「ハーイ」

 

満面の笑みで言っている

コイツ ゼッタイ ハンセイ シテナイ

するとさっきの妹が言った言葉が蘇り

 

「お前本当に失礼だな......否定はしないけど…」

 

無視されたがそんな事より…

死んだらどうすんだ。

2人にそう思った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

それから準備をし、学校へ向かった。案の定、電車を乗り遅れて通勤ラッシュの時間に当たった。

 

しかも珍しい事に雪でダイヤが乱れたらしい。

 

「これは確実に遅刻したな」

 

独り言をしてからしばらく並んでいた。

すると、隣の列に並ぶ同年代くらいの銀髪の子とギャルっぽい子がいる事に気付いた。

 

目があった、一瞬びっくりしたがすぐに目をそらし、電車が来ることに気がついた。

あちらがしばらくこっちを見ていた気がしたが自分で

 

気のせいだろう

自意識過剰なんだよ

 

と振り切った。

あちらも自分たちの話に戻ったようだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校に着いて早々に注意された。

 

「すいません 寝坊しました」

 

などと返し終わった後に教室へ向かい1時間目が終わるくらいになっていた。

今日は確か国語が最初だったよな

 

「まぁ、同じ教科が2時間も続くからいいか…」

 

と独り言を言いつつドアを開けた。

すると国語の先生が

 

「おう、来たか お疲れさん」

 

「えっあーうんお疲れ様でした」

 

少し頭を下げて言った。

が意味のわからん日本語使ってんな俺、しかもクラスのみんなの前で...

 

と思った瞬間

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴りその後は何事もなくいつも通りに過ごした。

そう『いつもと同じ』ように

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

「おーい如月ちょっと来い」

 

先生に呼び出された。

何ですか用ですかめんどいから後にしてください。

早よ帰りたいんですよ。

 

で、呼び出された理由は遅刻したので反省文を書かされることだった。

 

「.....とりあえず早く終わらすか」

 

・・・・1時間後(俺の感覚では)

 

「よし オワタな」

 

いろんな意味で、だ。

それから提出して時間を見ると丁度、学生のクラブ時間が終わる頃だった。

 

「ギリギリカフェに行けるか…」

 

終わってはいなかった、独り言を言い終わって家の近くのカフェに行った。

そこは楽器の練習をするためのスタジオと繋がっているカフェらしい

確かそこの名前はCiRCLEだったかな...

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日は何頼もうか」

 

悩んでいるといるとスタジオの方から歌声が聞こえてきた

それもかなりいい歌声だ。

 

思わず夢中になる。

本当にすごい

 

声量はもちろんのことであるがそれ以外にも「何か」を引き寄せる魅力に似たようなものがある。

 

「………すごい」

 

驚いた単に趣味感覚でやっている訳では無い事はすぐに分かった。

 

「俺も...」

 

「俺も昔みたいにああやって音楽ができたらなぁ」そう思った瞬間過去のトラウマが流れるように思い出した。

 

「俺たち」で楽しく演奏していたあの日、昔はあんなに楽しかった「俺たち」の思い出の「音楽」それが今となってはただの嫌な思い出だ

 

「........嫌なこと思い出したな......」

 

そして飲み物を注文してしばらく経った後

最後の練習だったのか曲が鳴り終わった

 

「これで終わりか...」

 

と若干の残念感が残っている事と自分の飲み物が尽きている事にも気がついた。

 

「もう一回聞いて見たいけどまぁ無理か」

 

諦めた

意外とあっさり諦めた

 

どうあがいても無理だからであった。

席を立ちそのまま帰った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふわぁ」

 

とあくびをするとチャイムが鳴り、同時に先生が入ってきた。

そして入ってくると早々

 

「昨日朝話した通り合併することになったから、向こうの学校の生徒と仲良くしろよ〜」

 

は?

えっちょ…は?

 

えっなんでそんな急にどうしてそうなった

なんで高2になる直前でそうなるかね、ていうか他にも合併するとこあr

 

そんな思考を先生の次の言葉で遮られた

 

「合併する学校は羽丘女子学園だ」

 

(女子学園……だと……!?)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時が過ぎ、ついにその日が来てしまった。




いやー終わった終わった
のびーーーーーーーーーー(背筋を伸ばした時の効果音)
プロローグ1本あげただけでいきってんじゃねーぞ!って言われないように頑張ります。

言い忘れてましたがこれは素人が書いたものですので何か間違いがあっても皆さんの生暖かい目で見てください。ペコリ(お辞儀した時の効果音)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話 歌姫と共に

あ、あの……え、えっと…………や、やっぱりバ○ドリ要素はあると思います………

少し怖い話をしましょう
この前学校帰りに自転車で走っていたら、急にブレーキをかけたくなって来てブレーキをかけたらなんと!!ブレーキが効きませんでした。どうですか?怖かったですか?僕は怖かったです
すいませんでした

オマケ
不定期更新は変わりません


「制服がそのままでいいのは助かったな...」

 

独り言を言い終わってその合併された学校へ向かう。

 

正門前まで来た俺はさすがに驚いた。合併するとは言え、いくらなんでも

 

「デカすぎるだろ...」

 

しかし、そんな驚きも次の思考でなくなった。

まぁどうせ『いつもと同じ』退屈なんだろうな…

そして中に入っていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ホームルームが終わり俺は次の思考に移った。

 

どうして1クラスに女子がこんなにいるんだ!

男女の比率が14対27とかどうしてそうなった!

2倍だぞ!約2倍!!

 

俺はそんな男女比率のことを考えていた次の瞬間

キーンコーンカーンコーン

とチャイムが鳴り思考を止めた。

 

するとそこに俺たちのクラスの女担任である叶先生が入ってきて元気な声で

 

「おはようございます!

では今から皆さんに自己紹介してもらいますね」

 

クラスがざわつき始めた。

 

なんでそんな面倒なこと!

 

そーよそんなことしなくても別にいいじゃない!

 

でも合併したからちゃんとしておいた方がいいんじゃない?

 

などの賛否両論。

はっきり言って俺はどっちだっていい、友達なんて作れないからな。

 

それに作ったところで退屈な日々は変わらないだろう…

すると叶先生が

 

「そう?じゃあ、先生が勝手に見た目と偏見でみんなのあだ名決めていいのね?」

 

さてやるか

俺の思考が変わる瞬間であった。

 

これにはクラスのみんなも嫌だったらしく

さっきまで反対してた奴らも

 

よしやってやるか

 

やっぱりちゃんと自己紹介はした方がいいよな

 

だよねーやっぱりやった方がいいよね

 

よしじゃあやるぞー!

 

おー!(一部の人たち)

 

もうそこでグループ作っといてくれ

 

それから名前順に自己紹介していたのを少し仮眠をとっていた俺は如月陽菜なのでもうすぐなのだが...まぁいいか

 

「次の人は、ええと、如月陽菜さんお願いします」

 

「......はい」

 

少し不機嫌そうに言うと

叶先生はキョトンとした顔でいたが一瞬で理解したかのように

 

「あっ!」

 

と声をもらし、手を立てながら口パクでごめんなさいと謝ってくれた。

やはり名前だけで女の子扱いされるのは嫌になる。

 

「如月陽菜です」

 

そして考えた。

色々考えた。

その結果

 

「……以上」

 

「ちょちょちょっと待って!」

 

帰ろうとする俺の腕を掴んで止められてびっくりした。

内心少し焦ったのだが

 

「もうちょっと頑張れない?自己紹介」

 

なんだそんな事か…

 

「いや、他に話すことないですよ仕方ありません」

 

「いやいやいや、あるから趣味とか色々あるから」

 

「はぁ」

 

「お願いもうちょっとだけでいいから頑張って」

 

これ以上注目されるのは嫌なのでとりあえず趣味のことでも言うか

先生涙目になってるからな

 

「分かりましたから涙目やめてください」

 

そう言った後で改めて自己紹介をすることになって趣味のことを話した

 

「好きな動物は猫です。

後えーと趣味は音楽を聴くことくらいです」

 

よし無事に終わった。

休もうと思い他の人の自己紹介を無視してしまった。

 

突然の睡魔が襲ってきたのだから仕方がない。

キーンコーンカーンコーン

 

と少し変わった音程でチャイムが鳴り、1時間目が終わりあっという間に2、3、4時間と過ぎていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休みの時間これほどまでにいい休み時間はないと俺は思っている。俺は校舎裏でサンドイッチを食べてから、しばらく睡眠を取ろうとした。

 

小学、中学と1人で過ごして来たから高校でもこんな感じだろうと思っていたのだが、それは唐突に破壊された。

 

「ねぇ、あなたちょっと時間いいかしら?」

 

「えっ?」

 

周りを見渡す限り誰もいない

 

「あなたに話しかけてるのよ。

それで、今少しだけ時間いいかしら?」

 

あ、俺に話しかけてんのか

そう思った瞬間彼女を見て、驚いた。

 

あの時電車に乗る時にいた子だったからだ。

銀髪が特徴的に見える。

 

おそらく制服からして羽丘女子学園の子であろうと理解して、すぐに返答をした。

 

「何か用か?」

 

「ええ、あなたと少し話がしたいの。

ついて来てもらえるかしら?」

 

「....わかった」

 

少しだけ悩んだ。

なぜなら何をされるかわからないからだ。

 

いじめの典型的な呼び出しか、はたまた、告白をされてそれを受けたら女子共にネタにされる。

 

さすが俺の思考と褒めたい気分だったが、今思い出した。

ここ校舎裏だったなそういえば。

 

いじめでも、ネタでの揺さぶりじゃないんなら何なんだ?

そう思考を巡らせていると

 

「リサ、少しついて来て欲しいの」

 

リサ?てかここ俺のいた教室じゃないか、そんな人いたっk.....

あーうんなるほど完全に理解した。

 

そういえば仮眠取ってたから気づかなかったんだ。

しかも....これはマズイな、ギャルっぽい女子の人が増えて相手が2人いる上にケンカになった時、手はもちろんのこと上げてはならない。

 

それに大人数の女子と話すのは苦手だ。

それと

 

「あの、どこに向かってるんだ?」

 

「屋上に行くわ」

 

銀髪の子がそう答えた

俺の大人数の数は最低2人以上だってのにこれで話し相手になるのはしんどいz

次の言葉で思考を遮られた。

 

「単刀直入に言うわ

あなたに私のバンドの手伝いをお願いしてもいいかしら?」

 

「っ!」

 

バンドそれはやはり過去のトラウマを思い出させるような言葉だった。

次々と流れ込んでくる過去のトラウマを観ていると、隣のギャルっぽい子が慌てたように喋り始めた。

 

「えっ!?ちょっ、ちょっと!バンドってあのバンド?!」

 

「ええ、そうよ」

 

「でも、メンバーはどうするの?集められるの?」

 

ギャルっぽい子が心配そうにすると銀髪の子は

 

「だから彼に手伝って貰おうとしているところよ、それでどうかしら手伝ってもらえるかしら?」

 

「.....それは...いや、それよりも何で俺なんだ?」

 

「音楽の話をしていたのが私たち以外にあなたがいたからよ」

 

答えはいたって簡潔であった。

しかし俺はそれよりも気になることがあった。

本気で彼女がバンドをしようとしているのかだ。

 

「それは、趣味でやるようなアマチュアの類なのか?」

 

この子が本気でやるなら俺は手伝いをしよう。

だが趣味でやるようなアマチュアなら俺は手伝わない。

そう考えた。

だが、

 

「私は、FUTURE WORLD FES.に出るためにバンドのメンバーを探しているの」

 

「はぁ……本気で言ってるのか?」

 

「ええ」

 

FUTURE WORLD FES.の名前は俺も聞いたことがある。

むしろ、よく知っている。

 

あのプロ落選が当たり前の大会。

あれはほぼバンドで音楽の頂点を競う場と言っても過言ではない。

 

この女の子が?本当にいけるのか?

興味が湧いた

 

「でも、俺はまだ君の実力を知らない、だから手伝うことは...」

 

「そう、ならこれを見に来て」

 

なにかのチケットを渡された。

何でチケットなんか持ってんだと思っていたが......この店の名前どっかで.....

 

「明後日の土曜日、私の歌を聴いてもらえるかしら。

ちょうどこの時間帯にやっているから、それを聴いてから判断してくれたらいいわ」

 

「わかった」

 

そう返事をして話が終わり、2人が帰ろうとした時銀髪の子が振り返って

 

「あなた猫が好きなの?」

 

「えっ?」

 

「いえ、なんでもないわ」

 

彼女は少し恥ずかしそうにして出て行った。

 

「...なんだったんだ今の」

 

そして気づいた

 

「名前聞いてねぇ」

 

はぁ、とため息をついて

 

「…バンド…ねぇ…」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして当日

 

ライブ会場に来た

 

「やっぱりここか....」

 

そこには俺が日課で行っているカフェの隣にあるライブハウスであった名前はCiRCLE

 

ライブハウスの中で彼女が歌う時間になった。

観客席が今までよりも騒がしい。

そして...

 

『ーーー♪』

 

「っ!?」

 

すごい...こんなのは一度も聞いたことがない、それに何だろう久しぶりだなこんな気持ちになったのは、いつ以来だろうか…

そう思ってからしばらくすると曲が終わり、外で彼女を待った。

 

「どうだったかしら?」

 

「…かなり良かった」

 

「そう、なら手伝いをしてくれるのね?」

 

「あーうん。

俺は如月陽菜これからよろしく....ええと」

 

「湊 友希那よ、こちらこそよろしく」

 

こうして俺と歌姫とのバンドの物語が始まった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 音と才能と俺の過去

いやもうホントーにすいません!!
お気に入り登録してくださってるのに、気づかなくて本当すいません!!言い訳になるかもしれませんが、
誰が見てるのかわかる表の見方がわからなくて
気づけませんでした
本当にすいませんでした。
後、今回かなり長く書いちゃいましたので、読みに飽きたらそれはそれでしかたのない事だと自分自身そう思ってます。

オマケ
私の人格が変わっても不定期更新は変わりません
おk?


時はさかのぼり約5年前

 

俺は昔からいろいろ習って見たがどれも興味を持てず、日々が退屈に感じられた。

 

そんな俺の中学1年の夏休みに入り始めた頃、誰かわからないクラスの人からとある連絡がきた。

 

「なぁ、バンドをしないか?、お前確か音楽の授業の時、歌声かなり良かったよな、才能あるからさ、一緒にやろうぜ」

 

俺の番号どうやって知ったんだ。そう聞くと学校の先生に、と返ってきた。多分仲が良かった先生に聞いたのだろうと思って話を聞いた。

 

どうやら話を聞くと、FUTURE WORLD FES.に出る為のバンドメンバーを集めていたようだ。

 

もちろん最初は断っていたのだが趣味で音楽を聴いていたことからいつしか「こんな曲を歌ってみたい」と思うようになっていた。

 

だから、俺は趣味の音楽を実際にするようになり、そのバンドメンバーにも入った。

 

ちょうどボーカルがいなかったらしく俺はその担当に当てられ、俺を入れた5人のメンバーを集め終わってから活動が始まった。

 

俺を入れたボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5人メンバーだった。

 

みんなで、練習が終わったら反省会などをしてその間違えた部分をひたすら練習をした。

 

時間があれば練習、その時俺はその時間をかなり充実していた。

そしてある日、練習をしている時に、

 

「「「「「!!」」」」」

 

「お、おい!今の、すごいかなり良い音しなかったか!!」

 

1人のドラマーが興奮気味でそういった。

 

「あ、ああ。

今のはおそらく俺たちの技術やコンディションではない。

その瞬間にしか揃い得ない条件下で奏でられる『個々の音』だな」

 

するとキーボードをしているメンバーが

 

「『個々の音』?まぁいいや!とりあえず、その『個々の音』を極めればFUTURE WORLD FESに出られるんじゃねぇか?」

 

「その前に、俺らがそれに出るためのコンテストに受かってからだ、

それに落ちたら、元も子もないだろ?」

 

そう言うと自身満々にキーボードをしている奴から元気な返事が返ってきた。

 

「俺たちにはお前の歌声があるし、俺たちも相当な腕前だからな!大丈夫だ!!」

 

「それ自分で言うのかよ、後そう言う恥ずかしい事言うのヤメロ」

 

すると、ギターを弾いているバンドリーダーがからかうように

 

「お〜?珍しく照れてんじゃねぇか、そんなんで本番大丈夫か〜?」

 

「ほっとけ」

 

そして、ベースをしているメンバーが仕切り直しに

 

「まぁ、何はともあれ、さっきのあの『音』いつでも弾けるように頑張ろうぜ」

 

「「「「おう!」」」」

 

しかしその『個々の音』は俺たち自身弾けてはいたが、その根本的な解明にはいたらなかった。

そして、ある日バンド仲間のベーシストから連絡がきた。

 

「おい如月!いい話だ!この前やったコンテストに受かったから、

今度はあのFUTURE WORLD FESに出場する事になったぞ!!」

 

その連絡を受けた時に嬉しさが心の底から込み上げて来た。

FUTURE WORLD FES.に俺たちで出場出来るまでに成長した事、みんなで何か出来るようになったことが、いつも独りだった俺にはこの上なく嬉しい事だった。

 

「マジか!やったな!!それで時間は?」

 

「ええと、日曜日の14時35分からが俺たちのライブだ、しっかり準備しとけよ如月!」

 

「ああ、お前もな」

 

こんな他愛のない会話をしてその日に向け、練習と準備をした。

俺たちはその大会に向けて完璧に備えた。

 

そして当日俺たちのライブは....

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「クソッ!!なんであの『音』が出たのに優勝できなかったんだ!!」

 

一人のドラムをしているメンバーがそう叫んだ。

するとキーボードをやっていたメンバーが

 

「でも、ギリギリまで頑張ったじゃないか、それに観客も盛り上がってくれたと思うし」

 

そう答えたメンバーに八つ当たりをするように激しい返答が返ってきた。

 

「俺たちの音楽は人を惹きつけるように頑張ったのに誰も真剣に聴いてくれてなかった!!」

 

それを聞いた俺は「何か」が違うと思い言い返した。

 

「でも、観客や審査員達は俺たちが何を頑張ったとか、俺たちの苦労を知らないし、それを伝えきれなかったのは俺たちの力不足だろ」

 

すると1人のベースをしているメンバーが皮肉めいた事を言ってきた。

 

「……お前は歌うの才能があって神童とも呼ばれてるからそういうことを言えんだよ。

俺たちがいくら頑張ってもお前は俺たちを簡単に追い抜いていく、どうやっても追いつけない。

それにあいつの言う通り、俺らが練習で出せたあの『音』もこの大会じゃ意味がなかったしな」

 

「意味がないわけないだろ!?そうだ、もう一度ここに出て、あの『音』を奏でれば次こそは」

 

次こそはいける。そう言いかけた時、被せ気味で答えを返してきた。

 

「そんな確証どこにある、もし次にあったところで、同じ結果なのは目に見える」

 

「っ!」

 

「いいか、みんながみんなお前みたいに才能がある訳じゃないんだ。

あの『音』もお前が出してるんじゃない、みんなで出してるんだ。

……お前は周りを見てきたつもりで、本当は何も見えてなかったんだよ」

 

そしてそのやり取りに絶望したのか、ギターを弾いていたリーダーが

 

「……もういい……こんなんじゃ続けられない…。

…このバンドは解散だ……。

これからはお互い、干渉しないようにしよう。

そしてもう会いに来るな…それでいいよな

陽菜…」

 

「っ!」

 

それから俺は楽屋から出てそのまま家に帰った。

いろんな事を考えながらゆっくりと歩いて、そして何よりも辛かった。

 

何も言い返せなかった事や、ライブが失敗した事ではない。

なによりも辛かったのは

 

初めて出来た仲間を、友達という存在を一瞬で失った事だ。

解散して、これからは干渉しないとも言われたからもう会えない。

 

あんなに楽しく音楽をし、これからも一緒に音楽活動が出来ると思っていた。

 

だが、あいつが言った「お前は周りを見てきたつもりで、何も見えてなかったんだよ」と言う言葉が脳裏から離れない。

 

「.....どこで間違えたんやろな俺.....」

 

こんな思いをするぐらいならもう友達なんてバンドなんて要らない…と思うと同時に

 

もう二度と個々のバンドが流せるあの『音』を聞けないことも悟り、

また独り言と独りの退屈な日々が始まった。

 

すると、どこからか光が入ってきた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「......久しぶりにこの夢を見たな」

 

自分の頰に涙がつたっていた。

今思えば、あんなものは所詮中学の自分勝手な意地を張った喧嘩だった。

俺は、あの時「何か」が違うと感じた。

 

あれはなんだったろうか、そんな思考とともに涙を拭っていたら1本の着信がきた。

 

「ーーーー♪」

 

びっくりした、朝からこの音楽を聴く事になるとは

と考えながら電話に出た。

すると

 

『もしもし?私よ。

CiRCLEに今から集合出来るかしら?』

 

電話の相手は昨日バンドの手伝いをすると言った湊 友希那だった。

 

「できるけど」

 

「そう、なら13時30分に集合でいいわね」

 

「はぁ、わかった」

 

気の抜けた返事をすると通話が切られた。

マズかったかな、そう思いつつ俺は時計の針が13時ちょうどを指しているのを見てから急いで準備をし、CiRCLEへ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は急いだので一足先に着き、時間を持て余していた。

するとそこへ参加すると思われるグループが来た。

 

みんな仲良く話しているが、1人だけ孤立していた。

髪が水色に似た色をしており、手にはギターケースを持っていた。

 

それを見ていると、その子と目が合い、一瞬だけだったがなぜか気まずく感じた。

 

それからしばらくして、友希那がきた。

 

「意外と早く来たのね」

 

「まぁ、そういえば友希那。

なんでここで待ち合わせなんだ?」

 

気になって質問した。

 

「今日ここのライブハウスでライブをするの」

 

そういうと、チケットを渡された。

これはいつぞやに渡されたライブのチケットに似たものだった

 

「今日もライブがあるのか」

 

「ここのライブハウスではこうした連続でのライブがあるのよ」

 

「.....そうか」

 

「? どうかした?入るわよ」

 

「....ああ」

 

そう言ってライブハウスの中に入った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やはりこの光景を見ると昔を思い出す事が多い。

だからあまり来ないようにしてたのだが、まさか最近になって2度も来ることになるとは思わなかった。

 

でも、今は関係のない事だ。

と思いながらライブの演奏を聴いていた。

 

しかし.....あのバンド、ギターだけ上手くて後はパフォーマンスで誤魔化しているだけか.......

 

隣にいる友希那もそれに気づいたようだ。

すると観客席から名前を叫ぶ声が聞こえてきた。

 

紗夜、サイコーーー!!

 

あの子紗夜って言うのか、そう考えていると、どこからか話し声が聞こえてきた。

 

…!ねぇ、あれってもしかして友希那じゃない?

 

え?あっ!ホント!友希那さんだ。

 

ねぇ!どうする?声かける?

 

やめときなよ、友希那は気難しいって有名なんだから。

 

それに知らないの?友希那は『レベルの合わない人とは話さない』って

 

えっ、なにそれ、たしかに歌がかなり上手いけど、ちょっと酷すぎない?

 

なんだよそれ

そう思い、言い返そうとした。

 

しかし、言い返せなかった。

言い返す言葉が出てこなかった。

 

俺はこの子の何を知ってんだか、ついこの間知り合ったばっかりなのに知ったかをするのは、よそう。

 

そう思い、ライブの演奏に再度目を向けた。

少し隣が気になったが見ないでおいた。

 

この子がどんな反応をして落ち込んでいたとしても、そこに声をかけたとしても、なんの慰めにもならない事ぐらいわかっていたから....

 

そして、少し外に出ると、どこからかバンドメンバー同士で言い争っているのが聞こえた。

 

 

「そうね、私が抜けるから、その方がお互いのためになるわ。

今までありがとう」

 

そう言い終わると彼女はこちらの存在に気づいたらしく、

 

「! ごめんなさい。周りに人がいるのに気がつけませんでした」

 

「バンド解散したの?」

 

友希那さん?突然すぎやしませんかね?

 

「いいえ、私が抜けただけです。

それより、あなた方は?」

 

「ごめんなさい。

私は湊 友希那、それでこっちの彼は如月陽菜よ。

さっきの演奏聴かせてもらったわ」

 

あ、自己紹介するタイミング失った

 

「…そうですか。

ラストの曲 アウトロで油断してしまいコードチェンジが遅れてしまいました。

あんな演奏を聴かせてしまって申し訳ありません」

 

「確かに、ほんの一瞬気にならない程度だが、遅れてたな」

 

口を挟んでから少し考え、続けて話した。

 

「………なぁ、友希那。

この子をバンドに引き入れよう」

 

「「えっ!?」」

 

「いやだって、彼女。

あの気にならない程度の遅れを「ミス」と言った、だとしたらこの子の理想はかなり高いと思う。

それに彼女とならFUTURE WORLD FES.に出れるかもしれないだろ?」

 

「確かに...それもそうね。

この子とならFUTURE WORLD FES.にも出れる」

 

「待ってください。

私はあなた方の実力を知りませんし、音楽に対する思いもどこまで本気なのか音楽に対する覚悟もわかりません。

それにFUTURE WORLD FES.は私も出たいと思っていましたが、それに出場する為のコンテストでさえ、プロ落選が当たり前のものです。

それに出場する為の実力があなた方にあるかどうかもわかりません」

 

「分かっているわ、私はフェスに出る為なら何を捨ててもいいと思ってる。

あなたの音楽に対する覚悟と目指している理想に、自分が負けているとは少しも感じていないわ。

音楽に対する思いが知りたいなら、私は次の次だから、それを聴いてもらえればわかるわ」

 

あれ?あの友希那さん?なんかスイッチ入ってません?

とは聞けなかった。

すると

 

「わかりました。

まずは1度、聴くだけです」

 

「いいわ。

それで十分よ」

 

これは完全にスイッチ入ってんな、そう思いつつ、俺は再びライブハウスの中へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「昨日も見たけど、すごい熱気だな....」

 

「あなたは…あのライブに出ないんですか?」

 

そんな質問をするのは先程の女の子、紗夜と呼ばれてた子だ。

 

「…俺は、あの子の手伝いをしてるだけだからな

ライブにはもう出ない」

 

「もう、ってどういう」

 

何か質問されそうになったが、向こうにいた二人組の女の子達に気づいた。

その2人組は、片方は黒髪ロングで隣の子は少し紫がかったツインテールの髪をしていた。

片方は顔が真っ青になり、もう片方は心配はしているようだが、声が大きいな。

そう思っていると紗夜が

 

「ちょっと、あなた達少し静かに」

 

すると会場の電気が消えてステージが明るくなった。

さっき「りんりん!死んじゃダメだよ〜」と聞こえた気がしたが...

 

そう考えていると、観客席から「わぁ」と聞こえた。

友希那の番のようだ。そして

 

「ーーー♪」

 

「……」

 

......やっぱりすごい、彼女の歌声がこの会場全体に色となって香りとなって広がり、会場がすぐさまに包まれていく。

 

隣の紗夜も目を見開いて驚いていた。

すると、かすかに彼女から声が聞こえてきた。

 

「…本物だわ……やっと、やっと見つけた…」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ後、友希那がきて、

 

「…どうだった?私の歌」

 

「何も...何も言う事はないわ。

あなたの歌は、私が出会ってきたどのボーカリストよりも良かったわ。

……あなた方と組ませてほしい。

そして、FUTURE WORLD FES.に出たい。

それにあなた方となら、私の理想を目指せる」

 

「そう、ならもう、スタジオの予約入れていいかしら?

時間を無駄にしたくないの」

 

「えぇ、同感だわ。

この3人でFUTURE WORLD FES.に万全の状態で挑みましょう」

 

「!?」

 

えっ?今なんて?3人?いやいやいや、冗談じゃない!

 

「いや待て待て!

俺が協力するのはバンド結成までだったよな?

だから俺はFUTURE WORLD FES.には出ない」

 

「そうよ、彼はFUTURE WORLD FES.には出ない。

でも如月、あなたが協力するのはバンド結成までじゃなくて、バンドを結成した後もよ?」

 

「えっマジかよ」

 

「えぇ、本当よ」

 

オー、それは聞いてなかった

すると、紗夜が

 

「……それでは湊さん、ほかに決まっているメンバーは?」

 

「まだよ。

ベースとドラムのリズム隊、そして、このジャンルにおいて重要なキーボード。

これらが集まってから、最高の曲を創り、最高のコンディションで、コンテストに挑む」

 

バンドにとって基本だが、俺にとっては嫌な5つだ。

そう思っていると、紗夜が少し微笑みながら

 

「……本当にあなたとは、いい音楽が作れそう」

 

すると友希那も微笑み

 

「……そうね。

メロディはあなたがさっき聴いたのを私の方で詰めてみるわ」

 

「わかりました、では私は...」

 

そういう会話を聞いているだけで、昔を思い出し、懐かしく感じられる。

すると向こうに2人組の人影が見えた。

 

「?あれは確か ライブが始まる前に騒いでた子じゃ...」

 

「えっ?」

 

「あれは……白金さん?

どうしてここに、あの人もファンなの?

…それより隣にいるあの子…」

 

すると、髪が少し紫がかった子が興奮した様子で

 

「ゆ、ゆ、友希那さんだ!

ど、どうしようりんりん!

ここで待ってたらホントに会えたよ!」

 

「!……あ、あこちゃん………わ、私………もう、家に………か、帰る………!」

 

片方はかなり怯えてるが、大丈夫か?

しかし、それを気にしながらあこと呼ばれてた女の子が話をしてきた。

 

「あ、あの!

友希那さん、バンドを組むってホントですか?」

 

「そうね、その予定よ」

 

「!、あ、あの、あこっ!

ずっと友希那さんのファンでしたっ!

だからお願い、あこもメンバーに入れてっ!」

 

「「えっ!?」」

 

隣の黒髪ロングの子と声が被った、そのせいか、その子はこちらを怯えた目で見てきた。

 

俺なんかしたっけ?

いやそれは置いといて、まずはこっちが優先だな

 

「あこ、世界で2番目に上手いドラマーですっ!

だから…もしも、一緒に組めたら!」

 

「遊びはよそでやって。

私は2番である事を自慢するような人とは組まない。

この後、メロディを詰めるから、行くわよ紗夜」

 

「えぇ」

 

そう言うと2人は行ってしまった。

止める間も無く。

 

そして取り残された俺はジッとこちらを怯えた目で見られているので、早々に立ち去ろうとした。

 

けれど、怯えている子の手が垣間見えた。

少し気になって

 

「なぁ」

 

そう声をかけると「ひゃうっ!」と悲鳴をあげて小さな子の後ろへ隠れてしまった。

 

「あ〜えっと、驚かせてごめん。その手の爪が気になって」

 

そう言うと、怯えていた子がさらに小さくなってしまったが、質問に答えてくれた。

 

「………つ、爪って……こ、この、傷のこと、ですか?……」

 

「ああ、それってピアノか何かしてるときに失敗して、できる怪我の一つだから、ピアノか何か習ってたのか?」

 

「……え、えっと…はい……前に少しだけ……習って、ました」

 

「……そうか、ありがとう」

 

向こうも話すのが苦手っぽかったし、限界だろうからな

お礼を言いついで暗いから危ないと思い家に送って帰った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数週間の間にあの子は何度か入れて欲しいと言いに来たが、

友希那と紗夜に帰らされているようだ。

 

学校の帰りに校門前で友希那とあこ、それとこの前一緒だった。

リサと呼ばれていた女の子がいた。

 

「なんであの3人が一緒なんだ?」

 

独り言を言い、3人の所へ行くと、話し声が聞こえてきた。

 

「お願い!お願いお願いお願いします。

絶対いいドラム叩きますから!

入らせてくださいお願いします!」

 

今あの子お願いって何回言った?などと思考を巡らせてる場合じゃない。

とりあえず話を聞くことにした。

 

「おーい、なにやってんだ?」

 

するとリサという子が気づいた。

 

「あれ?友希那、この人って確か友希那がバンドを結成するのに手伝ってもらってるって言う...」

 

「えぇそうよ、そういえばリサにはちゃんと紹介してなかったわね」

 

「如月陽菜です……よろしく」

 

今度はちゃんとタイミングを掴めたな。

 

「アタシは今井リサだよ。

よろしく☆

後敬語はいいよ。

陽菜は友希那の友達なんだからね?」

 

友…達?まぁいい、意外と優しそうだった事に安心し、本題に戻った。

 

「それで、また来たのか…」

 

「あ!昨日のお兄さん!!

昨日は送ってくれてありがとう!」

 

「あー別にいいよ」

 

すると友希那とリサが

 

「…あなた昨日そんな事してたの?」

 

「まぁ、暗かったしな」

 

「へー、意外と優しいんだ☆」

 

「………そんな事よりもまだ入りたいって言ってるのか?」

 

まぁ、見た感じわかるけど一応聞くか、友希那呆れてたように答えを返して来た。

 

「えぇ、そうよ…私は遊びでバンドをするつもりはないと言っているのだけど...」

 

「あこだって遊びじゃないもんっ!

どうして伝わらないのかなぁ」

 

少しこの子のスコアが見えた。

 

「ちょっと待て友希那...一度だけこの子のドラム、聞いてみたらどうだ?」

 

「「ええ!」」

 

リサとあこがびっくりした様子で見てくる。

そんな驚くことか?どんだけ断られてんだ…

 

「何を言っているの?私は時間を無駄にはしたくないの。

そんな事に時間を割きたくないわ」

 

「…あのn」

 

この子の使ってるスコアのことを話そうとしたら、リサが

 

「待って友希那!

………ほら……この子の使ってるスコア見て、こんなにボロボロになるまでいっぱい練習してるってことでしょ?

一回くらい一緒に練習してあげたら?」

 

「「リサ姉...

リサ...」」

 

久しぶりに遮られたな...しかし

流石に幼馴染にここまで言われ友希那は

 

「……はぁ、わかったわ。

………一回セッションするだけよ」

 

すると少し涙ぐみながら

 

「!本当ですか!!

やったぁっ!!リサ姉、ありがとう!」

 

「やったー☆

よしっ、ねぇ友希那!アタシもそのセッション参加していい?

私ベース弾いた事あるから」

 

「……」

 

友希那は少し迷っているようだった。

一体何を迷っているのか分からないから話を進めた。

 

「別にいいんじゃないか、五分でセッション終わらせたら」

 

「!ちょっと、勝手に決めないでくれるかしら」

 

「あこのついでにリサのセッションをやっても五分で終わらせたらいい。

それに、友希那のバンド結成に協力するって約束だし、バンドにはベーシストが必要なんだろ?」

 

「……はぁ、好きにしたら。

でも、どうしたの急に。リサ、あなたスタジオなんて中学辺りから来てないのに」

 

友希那がそう聞くと、リサは少し動揺した様子で

 

「べ、別に〜?ライブ以外で歌ってる友希那、気になるし、それに紗夜って子も気になるしさ〜」

 

「…そう」

 

あことリサのセッションが決まり、ライブへと向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブハウスに着き、先に来ていた紗夜に説明し終わり、あことリサの五分だけセッションをした。

 

すると演奏を始めると不思議な感覚になっていった。

この不思議な感覚をもう一度聞けることができるとは...でもまだ足りない。

 

この音はまだ完全じゃない。

あと一人キーボーディストがいたら...

 

いや、それは置いておこう。

それよりも2人とも技術的な面ではまだまだでも、まだ伸びしろがあると思い

 

 

「……おーい、みんなー、さっきから黙ってるけど、この子達は合格なのか?」

 

「そ……うだったわね、ごめんなさい。

あなたは合格よ。紗夜、あなたの意見はある?」

 

「いえ、私も同意見です。

ただ……その……」

 

何か言いかけたようだが、次の声でかき消された

 

「いやったぁーーーーーーーっ!!!!!」

 

「良かったな、あこ」

 

「うんっ!ありがとう、陽兄ぃ!!」

 

陽兄ぃって…そう思ったが、リサの事もリサ姉と呼んでるから、

それに似せたんだろうな

 

「あこっ、おめでとう!!」

 

「ありがとうっ!リサ姉もね!」

 

そう言って喜ぶ2人の姿を見て、なぜか安心した。

すると友希那が話し出した

 

「これでリズム隊は揃ったわ、後はキーボードだけど...」

 

さてと、どうしよっかなぁ、今から『あの子』の事言ったとしても

『あの子』自身人が苦手だからなぁ。

 

そんな事を考えていると使用時間がもうすぐ終わりそうだったのでスタジオを出た。

 

そのまま友希那が次の予約を入れようとした時、受付の人が

 

「毎度ありがとね、友希那さん。

急で悪いんだけど来月のこの日の土曜日なんだけど、もう予定入れちゃってる?」

 

「いえ、私達はまだ…」

 

友希那がそう答えると

 

「あそっか、友希那さん最近バンド組んだらしいね。

実は急遽、この日のイベントに穴が空いちゃって、ほかに頼めそうな人いないし、ちょっと頼めるかな?」

 

突然のライブ出場でびっくりしたが、みんな賛成してくれたから良かったんだと思う。それとあこに頼んでおかないとな...

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一週間後

 

みんないつも通りCiRCLEに来ていた。

しかし、あこはまだ来ていない。

 

「……もう一週間経っちゃったけど、キーボードの人、全然見つからないね」

 

「ええ、早く見つけないと、あの曲はキーボードありきで作ったものだから」

 

「それもそうですが、宇田川さんの姿が先程から見えませんが…」

 

「あこなら大丈夫だ。

多分もうすぐ連れて来るはずだ」

 

「連れて来るって、一体誰を...」

 

すると思い「遅れてすいません!!」と大きな声であこと『あの子』が息を少し切らしながら入ってきた。

 

「!白金さん?どうしてここに......まさか...!」

 

「この子は確かあの時あこと一緒にいた」

 

「俺があこに頼んで、ピアノを弾ける人を連れて来てもらったんだ。

お疲れ様だったな、あこ」

 

そしてあこは息を整えてから、自身満々に

 

「ふふんっ!なんのこれしき、妾にとってお安い御用だ!」

 

すると、少し緊張した様子で

 

「あ、あの……私…白金、燐子と、いい……ます…

き、今日は……その…ピアノの……オーディションを…受けに、来ました…」

 

それから何も説明していない友希那たちに事情を説明した。

 

「…と言うことで、彼女には一回だけセッションをしてもらう」

 

「……わかったわ。でも一曲だけよ。

それがダメなら帰ってもらう」

 

「よしっ、じゃあやるか」

 

「うんっ!りんりん、いっぱい練習したから頑張ろうねっ!」

 

「うん……!…あこちゃん、ありがとう………」

 

そして俺たちは白金燐子のオーディションをする為にスタジオへ向かい、早速セッションをしてもらった。

 

すると始まってすぐにスタジオが不思議な感覚になり、キーボードはこの演奏と妙に一体感があった。

 

やっぱり、あの子はキーボーディストとして妥当だな…これならいけるかもしれない。

そんな事を考えていると演奏が終わった。

 

「……それで、この子、燐子は合格か?」

 

「…問題ないと思います。

ただ………いえ、それよりも湊さんは?」

 

「え、ええ。

表現力と技術も合格よ」

 

友希那は何か考えながら話していた。

まだこの子達はあの『個々の音』を聴いたことがなかったのか…

そう思い説明せずにはいられなかった。

 

「……じゃあ必要なメンバーが揃ったところで、さっきみんなが奏でたあの『音』について少し話すか…」

 

すると友希那がすぐに反応した。

 

「!あなたにはあの音が何かわかるの?」

 

「ああ、あの『音』はその時、その瞬間にしか揃い得ない条件下で奏でられる『個々の音』だ」

 

「「「「「……『個々の音』」」」」」

 

「そう、この五人メンバーであの『音』を奏でられれば、そこら辺の並のライブ大会は、ほとんど優勝するだろうな。

それにフェスに出る為のコンテストにも受かる可能性が多少ある」

 

そう言うと、あことリサが

 

「それって、すごいっ!!あこ達もうそこまで来てるんだっ!」

 

「やったね☆あこっ!」

 

流石にこの二人を調子に乗らせるのはマズイな。そう思い

 

「受かる可能性は多少と言ったろ?慢心は絶対にしないでくれ。

それと例えあの『音』が奏でられたとしても、必ずしも成功するとは限らない」

 

すると友希那が

 

「……少し質問したいのだけどその『個々の音』は極められるの?」

 

「……いや、奏でる事は出来るけど極める事は出来ない。

そうしようとするには、かなりの時間がいる。

それにあの『音』は1年かけても極める事は無理だからな」

 

「……そう」

 

「…あれは、極めようとすると逆に迷いが生じて、目指していた『音』の目標が遠のく。

現状では、さっきのあれが今の最高の音だ」

 

そして紗夜が聞いてきた

 

「では、今からあの『音』を目指して練習しても意味がないという事ですか?」

 

「いや、意味がないわけでもない。ただ技術とメンバーとの信頼が上がるだけだ。」

 

「そうですか……では、あなたに質問ですが、あの『音』の事といい、どうしてそんな事をあなたは知っているのですか?

あなたは一体何者なの?」

 

「そんな事どうでもいいだろ」

 

そう言い返すと

使用時間が過ぎていて、スタッフの方が教えてくれ、そのまま外に出る事にした。

そして、はぐらかそうとして

 

「じゃあ使用時間も過ぎてたし、夜も暗いからもう解散して各自家に帰ろうか…」

 

帰ろうとすると紗夜が引き止めるように

 

「ちょっと待ってください!」

 

「……どうかしたか?」

 

「まだ、質問に答えてもらっていません。

私の質問に答えてください」

 

少し昔を思い出しつつその答えを返した。

 

「……俺の事は気にせず、コンテストに向けて頑張ってくれ」

 

「待ちなさい」

 

誰かが引き止めた。

そして俺を引き止めたのは、友希那だった。

めんどくさいが取り敢えず振り返って聞くことにした。

 

「なんだ?」

 

「あなたの事、思い出したわ」

 

するとリサが

 

「友希那…思い出したって何を?」

 

そして友希那は話始めた。

 

「約5年前のFUTURE WORLD FES.にあるバンドが出場していたの。

そのバンドは私たちと全く同じ5つの楽器で演奏していた。

だけど…技術といいコンディションといい。

文句の付け所がないほど素晴らしいバンドだったわ」

 

「!……友希那さんにそこまで言わせるなんて………」

 

「リサ姉はこの話知ってた?」

 

「う、ううん始めて聞いた…」

 

「驚くところはそこじゃないわ燐子。

それで話を戻すけれど、その時バンドを組んでいた彼らは全員中学1年生だったの。

周りからは天才の集まりだ、と言われていたわ」

 

「……」

 

「確かに凄い集まりだった。

あの中のほとんどは努力をしている人達がいた。

けれど…」

 

「……」

 

「たった一人だけは別次元だった。

歌の才能があり、100年に一度の神童と謳われ、フェスの優勝候補とも言われていたわ」

 

「中学生って事は…」

 

「ええ。

今は私達とちょうど同い年よ」

 

「…ですが湊さん。

どうして、今その話をしたんですか?」

 

「それはそこにいる彼が、100年に一度の神童と言われた人。

如月 陽菜、本人だからよ」

 

「「「「!!!」」」」

 

「……」

 




眠い
最近とてつもなく眠いです
授業中にも突然睡魔に襲われたりしているのでしんどいです。
この前机でうたたねしてたら机に頭ぶつけましたもん。
ていうか、早く10月になってほしいです。
SAO楽しみにしてるんです。
そういえばこの前小説を読んでいたら思わず吹いてしまったセリフをよく覚えてます。
あの時の周りの目も今でもよく覚えてます。
あーうん、恥ずかしかったよ、うん

オマケ
ジャパ○ットですの(←思わず吹いてしまったセリフ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 不可能を成し遂げる者達

前回のやつ前半と後半に分ければ良かったなぁ
とか考えていたらもう投稿してた自分がいる
そして設定をいじってたら自分の作品にお気に入りをしてしまっている自分がいる…
さてと、夏なので怖い話をしましょう。
実体験ですのでそこんとこはよろしくお願いしやす!!

ある日、12時過ぎくらいに起きて、トイレに行きました
そしたらトイレットペーパーが切れてたので親に取ってくれと頼んだらハーイと言う返事が確かに聞こえて待っていました。しかし、誰も来ませんでした
まだー?と聞いても返事が無かったので仕方なく自分で取りに行ったのですが、取りに行く最中に気づいてしまいました。親が昨日こんなことを言ってたのです
明日11時から13時くらいまで用事があるから昼ごはんなんとかしてね〜と言っていたのを
背中がゾワっ!ってしました。
あの声は外で遊んでいた子の声なのか今でもわかりません。

オマケ
今まで言いたかった事を言いますね






ではっ!本編をどうぞ!!


ここにいる全員に知られたくない過去を知られたな

そんな事を考えいると意外な人物が質問をしてきた。

 

「……ど、どうして黙って、いたん…ですか…?」

 

燐子が聞いてきた。

 

「……別に、話しても意味がないと思ったからだ。

もう夜も遅い……みんなもう帰った方がいいぞ……」

 

そして俺は自分の家へ帰って行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日、友希那やリサ、あこに出会いはしたが何も喋らずに時間だけが過ぎて行った。

そして帰ろうとすると友希那に呼ばれた。

 

「……何か用でもあったか?」

 

「…ええ、少しあなたと話がしたくて…いいかしら?」

 

話というのは昨日のアレだろうと思い

 

「ああ、わかった…」

 

そして帰り道

 

「話というのは、他でもないあなたの事についてよ」

 

「そうかなるほど、だから呼ばれたのか」

 

「あなたの事ちゃんと話して欲しいの」

 

友希那は真剣に話を聞いてきた。

 

「……はぁ、少しだけ昔話をするか…」

 

「……」

 

友希那は黙ってこちらを見ていたが気にせず話を続けた。

 

「…ある所に、FUTURE WORLD FES.に出たいという5人のバンドメンバーがいました。

 

その5人のメンバーのほとんどがフェスに出る為に努力して才能を持つ者に匹敵するくらいに成長しました。

 

そしてある日、ある『個々の音』がスタジオに鳴り響きこの音を目指して練習をしました。

 

そしてフェスに出るためのコンテストに受かり、そのバンドメンバーは更に上手くなろうと練習をし、5人のメンバーは楽しい時間を過ごしました。

 

しかし、フェス当日あの『音』が出たのは良いですが、その演奏は誰の心にも響いていませんでした。

 

するとフェスが終わり、バンド内での喧嘩が始まり、挙げ句の果てにはバンドが解散してしまいある神童と言われた男はショックで歌声が出せなくなってしまいました。

 

そしてその後、男は高校に何となく入って何の目標のないまま退屈な日々を過ごしていました」

 

「…………」

 

まだ友希那は黙って聞いてくれていた

 

「……そしてそんなある日、ある一人の女の子に声をかけられFUTURE WORLD FESに出る為のバンドの手伝いをしてくれと頼まれました。

 

その話を聞いて、昔を思い出し、その女の子が本当にアマチュアなどではないか確かめようとしました。

 

するとライブのチケットを渡され、ライブを観に行く事になりました。

 

そしてその女の子の実力を見た時、男は確信しました。

この子なら俺たちが行けなかった高みへ行けるだろうと、また、あの『音』を聴くことができる。

 

この子の創る音楽の『音』を側で聴くことができるなどとバカバカしい自己中心的な思いを持ったままバンドの手伝いをする事にしたのです。

 

おしまいおしまい……」

 

これを話してから友希那にはどんな事を言われようと別に良かった。

独りになるのは慣れていたから

すると友希那から答えが返ってきた。

 

「…だったら、このバンドの手伝いを続けて。

あなたがいなかったらこれからの段取りが上手くいかなくなるわ。

それに……あなたは私達の音楽を側で聴いていて……

私達の『音』が音楽の高みを目指す為にも……」

 

あまりにも予想外の答えが返ってきて驚いた。

そんな自己中心的な事を考えていた俺には聴く権利なんかないと考えていると

 

「何を迷っているの?

今のバンドもあなたがいなかったら出来なかったわ。

……あなたに、側で私達の奏でる音楽を聴いて欲しいの。

たとえそれがあなたの自己中心的な私情だとしても

……それにあなたは私達の『友達』でもあるのだから」

 

嬉しかった、そう言って欲しかったのかは、わからないけど

ただ純粋に嬉しかった。

 

「助かる。

そう言ってくれて、かなり気持ちが楽になった」

 

「ええ、いつも色々手伝ってもらっているから」

 

「じゃあ、この事みんなにも話さないとな」

 

そういうと、友希那は少しだけ微笑みながら

 

「ええ、そうね」

 

と言った

そして友希那とライブハウスへ向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全員に俺の過去の事、俺の目的の事全てを話した。

 

「…そういう事でしたか…、迂闊に聞いてしまって申し訳ありません」

 

「いや、今回何も話さずにいた俺が完全に悪い。そもそも何も話さず、みんなに協力しようとしてたのが無理だったんだから。

それに紗夜もそうだけどみんな何も知らなかったんだから仕方ない、だから気にしなくていい」

 

すると燐子とあこが

 

「……でも、戻ってきてくれて……よ、良かったです……」

 

「本当だよー、もう会えないかと思ったもんっ!」

 

「大丈夫だ。抜ける時はちゃんと宣言するから」

 

「「…抜けちゃ、ダメですっ!

抜けちゃダメっ!」」

 

力強く言われた。

 

「ま、まぁ、抜けるなんて事早々ないだろうけど。

とりあえず

また、これからよろしく。俺も出来るだけ助けるから」

 

するとリサが仕切り直しに

 

「よしっ、じゃあ陽菜の事も分かった事だし練習しよっか☆」

 

「ええ、遅れた分取り返すわよ」

 

そしていつもの練習が始まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休み

 

俺ははいつもの校舎裏へ向かった。

しかし、いつもはいない先客がいた。

 

遠くにいるのでよく見えないがどこかで見たような気がする

とりあえずそれを見た俺は

 

「なん.......だと.......!?」

 

思わず口から出ていた

仕方なく別の場所に行こうとして後ろを振り返ると上から声が聞こえてきた。

 

「あ、おーい陽菜ー☆

友希那見たーー?」

 

窓から叫んでくるのは言うまでもなくリサだった。

 

「いやー見てないけど!」

 

大きな声で言った。

少し喉が痛くなった。

すると

 

「わかったー、友希那見つけたら後で教えてね〜」

 

「…わかった」

 

やっぱり喉の調子が悪いな

すると上の方から俺を見る生徒達がいた。

 

色々こっちを見て話していたが

どうせ、イジメの対象になるか、あんな子いたっけ?ww

 

とかの会話だろうと思いさっきの場所に戻っていった。

そして忘れてた

 

先客がいる事に

しかし近づいて行くとよく見えてきた。

そしてその人物は

 

「あ、友希那」

 

「?どうしてあなたがここに?」

 

「いや、ここ俺がよく食べてる場所だから

ていうか、さっきリサが探してたぞ」

 

「………そう」

 

友希那は一瞬食べようとする手を止めたがすぐに進めた。

 

「本当は一緒に食べたいんじゃないのか?」

 

そう言いながら隣に座った。

 

「……いいえ、何か用があったのか考えてただけよ」

 

「素直じゃないなホント」

 

「言いたい事ははっきり言ってるわ」

 

「そういう事じゃないんだが…。

まぁ、いっか。

そういえば、前から気になってたんだが…。

なんで俺にバンドの手伝いの話をする時にリサを呼んだんだ?」

 

「……それは……あなたの目つきが怖かったからよ…」

 

しばらく絶句して

 

「…………俺ってそんなに怖く見えたか?」

 

「……ええ、少し」

 

はぁ、とため息を漏らした。

俺、そんなに怖く見えんのか…

かなりへこんだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

おーい如月、今井ちょっと手伝ってくれー!

 

なんでこうなったんだか…

そう思いつつ友希那達には遅れるといい、手伝いに行った。

 

そしてリサと荷物を運んでる時

 

「あ、そういえば友希那、今日校舎裏にいたぞ」

 

「えっ!本当?どうりで学校中あちこち探してもいないわけだ〜、

教えてくれてありがとね☆」

 

「何か用でもあったのか?」

 

「えっ?べ、別に何も〜ただちょっと気になっただけだしさ〜」

 

少し動揺していたのが気になりつつも荷物を運び急いでいつものスタジオへ向かった。

スタジオについたら早速リサは準備をし、練習を始めた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして練習時間が過ぎ帰ろうとした時

 

「如月、ちょっと待って。あなたに頼みたいことがあるの」

 

そう言って渡してきたのは次のライブで歌う曲の紙であった。

 

「これ今日中に頼めるかしら?」

 

「別にいいけど、どうして俺なんだ?」

 

「あなたが1番、私達の音を側で聴いていたからよ。

だからあなたに頼んだの」

 

「そうか…曲は3曲でいいんだよな?」

 

「ええ」

 

「明日には決めとく。

あ、新曲は最後にするか?」

 

「ええ、そうね。

あれは最後に演りたいわ」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてライブ当日

俺は観客席の1番後ろで立ちながら見ていた。

 

友希那達のバンド名はRoselia。

英語で青薔薇

 

花言葉を思い出そうとしていると観客席からワァーーーーーーー!!!!という声が聞こえた。

 

どうやら友希那達の出番のようだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いくつもの曲をこの短期間で完成させたRoseliaの技術は相当なものだろう。

そして次で最後の曲となった。

 

「次は私達の新曲聴いてください『BLACK SHOUT』」

 

演奏が始まった。

 

『暗い夜も【fighting】

怯えずに今【smiling】

信じた道【running】

迷わず進もう

 

黒でも良い【all right】

白じゃなくても【ok】

不条理を壊し

私は此処に今 生きているから

Shout!!』

 

綺麗な音色が会場に広がり、盛り上がりそうになる会場。

そして

 

『【BLACK】不安に溢れた

【SHOUT】世の中のイロハ

【BLACK】苛立ちと共に

自由を奪ってく

【BLACK】モノクロの雨が

【SHOUT】世界を隠して

【BLACK】空は嘲笑い沈んだ

 

邪魔するもの【嫉妬】

振り落として【衝動】

私の色【本能】

取り戻したいから...!

 

例え明日が【missing】

行き止まりでも【going】

自分の手で【breaking】

切り開くんだ

すくむ身体【get up】

強く抱いて【stacking】

覚悟で踏み出し

叶えたい夢 勝ち取れ今すぐに!

【SHOUT!】』

 

楽しそうに演奏する姿を見て思った。

彼女達はいつか俺たちを超えるのだろう、と

それにしてもみんな、すごく楽しそうに演奏してるなぁ…

撮影禁止なのが悔やまれる。

しかし、練習の時よりも『音』がいい、観客もかなり盛り上がっている。

こんな短期間であそこまで精度が上がるとは思わなかった。

そんなことを考えていると

演奏が終わり、次のバンドの演奏が始まろうとしていたので、

俺は一足先に外へ出てみんなを待っていた。

すると

 

「あ、いたっ!おーい陽兄ぃー!」

 

陽兄ぃなんて呼ぶのはまぁ、あこしかいないだろうな

あこ達はどうやらライブハウスの裏口から出たようだ。

 

みんなライブが終わったのに疲れているようにはあまり見えなかった

ただちょっとみんな楽しそうにしてるな……数人は除いて

 

「陽兄ぃーー!早く来てーーー!」

 

「おー、今行くー」

 

そう言ってみんなの所へ向かった。

友希那と紗夜は明日の練習の話をしていたのは言うまでもない。




こんな物をお気に入り登録してくださった
ユダキ様 勇気ブレイブ様
あと一人名前が表示されていないのでわかりませんが
ありがとうございます

誠にありがとうございます
本当にありがとうございます

えっ?
一人忘れてる?
HAHAHA知らんな

他の人が自分の事を気に入ってても、すごいなって思うのですが
他人ではなく自分が自分の事気に入ってるなんて考えただけでも何を血迷ったんだかと思いますね

オマケ
前書きで言うの忘れてました。
我は不定期更新であるぞ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 猟奇殺人

前回色々ミスがありまして申し訳ございません。
リアルが忙しいので確認するのを怠ってしまいました。

話は変わりますが、最近GA○MAと言うあるマンガアプリにハマってまして。
ちょうど見ていた、となり○柏木さんと言うのを大変気に入ってたのですが、連載がどうやら終わってしまいまして、まぁ、うん凹みました。

オマケ
柏木さんカワユス


寝坊した

朝起きたら時計が7時53分をさしていた。

月曜日はいつもこんな感じだ。

 

しかも、うちの学校は8時半からホームルームなので終わった。

さてと、まぁ、こういう時は朝ごはんを食べてから考えようとする。

 

それが俺である

 

「やっぱ、ご飯は置いてくれてないか……

久しぶりに作ってみるか」

 

独り言を言いながら早速フレンチトーストの作る準備をする。

 

「材料は…あるが砂糖がギリギリだけどいけるだろ。あ、卵の賞味期限大丈夫かな」

 

そう言って冷蔵庫を開け確かめる。

 

「…結構あるな」

 

そうした独り言が続きフレンチトーストが10分ほどで完成した。

 

「まぁ、いつも通り遅刻だな…ニュースでも見るか」

 

そう呟いてテレビをつけ、食べながらニュースを見ていると少し気になるニュースがあった。

 

昨日くため市の路上近くで死体が3つ発見されました。

死体の破損具合から猟奇殺人としていて、

犯人の目撃情報もあり、警察は犯人を捜索中です

 

すると犯人の似顔絵が表示されニュースは次のニュースに変わった。

いや待て、くため市ってすぐ隣の市じゃねえか。

 

しかも、猟奇殺人て…

警察の皆さん頑張ってください。

 

そんな事を考えて、時間を見ると学校に着くのは2時間目の始まりくらいだった。

 

「流石に怒られるな、これは…

さっさと着替えて向かうか」

 

そう言って学校に遅れるという電話をした後、急いで支度をし学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校につき、職員室へ向かった。

すると担任の叶先生がいきなり飛びついてきた。

 

「如月くんっ!遅いっ!!でも、よかった〜心配したんだよ!」

 

「いや、先生俺遅れるって電話したはずなんですけど…

ていうか、心配って何のことですか?後先生、自分が女性という事忘れないでくださいね?」

 

「あっ!!ごめんなさい……」

 

先生はすぐに離れてくれた。

すると奥から体育の坂上先生が来て

 

「今ニュースでやっている、あの猟奇殺人の事だ。

隣の市で起きた事だが、こちらの市にその犯人が入って来たという噂があってな…それで叶先生はお前の心配をしていらっしゃるんだ」

 

「ああ、そういえばありましたね。

3つも死体が見つかったっていう、あの殺人事件のことですか」

 

そういうと坂上先生がその言葉に反応して

 

「おい、如月。なんで寝坊したお前がニュースの事を知ってるんだ?

まさかとは思うが、寝坊したのにも関わらず呑気にニュースを見てゆっくりしてたんじゃないだろうな!」

 

あ、しまった

 

「あー、俺これから授業あるから失礼しますっ!!」

 

何か後ろで叫んでいるのは分かるが今は無視しよう。

そう思いながら、逃げるように教室へ向かい、教室のドアを開け、自分の席に座った。

 

まだ授業は始まっていなかったようだ。

すると周りからあのニュースについて話しているのがわかる。

 

ねぇねぇ聞いた?隣の市で起きた猟奇殺人の犯人のこと

 

ああ、あれコッチに来てるらしいぜ

 

えっ、マジかよ。ヤベーじゃんそれ

 

ねぇ、それって男なの?女なの?

 

いや、分からん

 

それを聞いていた俺はみんながまだ犯人の似顔絵を見たことがない事に気づいた。

するとチャイムが鳴り授業が始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休みになり、いつもの所でご飯を食べに行こうとすると

 

「今日もあの校舎裏で食べるの?」

 

背後から声がした。

背後から話しかけて来たのは友希那だった。

そして、その質問に

 

「そうだけど…何か用でもあったか?」

 

「いいえ、別に。

ただちょっと誰かと一緒食べないのかしらと思って…」

 

「俺は独りで食べるの慣れてるからな」

 

「……そう」

 

友希那は何か気にしてたようだが気にせず校舎裏へ向かった。

そして校舎裏へ着くなり早々

 

あの猟奇殺人事件、こちらに入って来たと言うのが本当なら時間的に放課後あたりに、CiRCLEの周辺にいる可能性があるな。

 

来ない事を祈るか…

そう考えて、俺はサンドイッチを口に進めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

「はぁ〜、やっと5,6時間目終わったな」

 

そう呟いて放課後の終礼が始まり、後のことを考えていると叶先生が

 

「え〜、皆さん。知ってるとは思いますが、隣の市で猟奇殺人がありました。

だから帰るときは寄り道せず、集団で帰りましょう。

男女一緒に、ですよ。皆さんわかりましたね!

では皆さん、さようなら。気をつけて帰ってくださいね」

 

そして帰る時に友希那とリサ、あこに呼ばれた

まぁ、理由は明白である。

俺が男だから、そして目つきが悪いから、だろうな

そして帰る途中で友希那が

 

「今日はいつも通り練習するわ」

 

「「「っ!?」」」

 

何をおっしゃってるんですか友希那さん?

そう言いかけたがやめた

 

「何を…いや待て友希那、先生の話聞いてたか?この辺は危ないし、先生も寄り道はするなって言ってただろ」

 

「だからってフェスに出る為の練習時間を割くわけにはいかないわ。

どうしても無理なら帰ってちょうだい」

 

「ちょ!ちょっと待って友希那っ!陽菜の言う通り帰った方がいいって!」

 

「そうだよっ!リサ姉と陽兄ぃの言う通りだよ!」

 

「だったら、先に帰ってちょうだい。

私は練習時間を無駄にしたくないの」

 

これは何を言っても無駄そうだな

そう理解した俺は少しため息をついて

 

「わかった、俺が友希那に付き合うから二人は先に帰っててくれ」

 

するとすぐに答えが返ってきた。

 

「「だったら私も(あこも)行く!」」

 

「危ないから先に帰っ……いや、やっぱりいい二人とも一緒って事で」

 

「…そう、なら早くスタジオへ行きましょう」

 

しかし、生徒会で練習には紗夜は来れなかった。

そして俺たちはスタジオに入り、いつも通り練習した。

 

そう、いつも通りに

だから練習時間もいつも通りである。

 

俺とした事が…時間くらいちゃんと見とけよ

そう思った所でいつもと同じ暗い時間帯になってしまっていた。

 

「あ〜、今日も疲れた〜あこジュース買ってくるっ!」

 

そう言って走り出してしまった。

 

「あ、ちょっと待ってあこ、アタシも一緒についてく!」

 

「あ、…………私も、行く……待って、あこちゃん……!」

 

リサと燐子も行ってしまい

 

「あ、おい!ちょっと待て3人とも!!

ごめん友希那スタジオ予約しといてくれるか?」

 

「ええ、わかったわ」

 

そう言って友希那にスタジオの予約を任せて

3人の元へ向かった。

スタジオ入り口から少し離れた自動販売機の前にいた。

 

「3人とも、危ないからこういうのは、よしてくれ」

 

「「「ご、ごめんなさい」」」

 

はぁ、安心した

そう思い、スタジオへ向かった。

 

するとドアの開く音がしたのと同時にライブハウスのすぐ隣の道から誰かが歩いてきた。

 

男だった。

手には何かキラキラした物を持っている。

 

そして暗闇から街灯の明かりに照らされ男が持っているものが何かわかった。

 

刃物だった。

そしてさっきドアの開く音がしたのは、友希那が出てきたからだ。

それに友希那はまだ気づいていない

 

「悪いリサっ!二人を頼む!!」

 

「えっ?う、うん

って、急にどうしたの!?」

 

マズイ

心の中でそう思うと同時に友希那の所へ全力で走った。

男はそれに気づいて走り出し、刃物で刺そうとしていた。

 

そして、間一髪のところで男が刺そうとしていた刃物を蹴り飛ばす事が出来た。

 

「っ!?」

 

驚くのも無理はない。そして友希那の前へ立った。

後はあの3人だけだが、幸い男はまだ3人に気づいてないからな

すると男の方が叫びながら。

 

「あ、ああ…あああああああああああああ!!!クソッ!後もうちょっとであの3人みたいに悲鳴を聞くことができたのにぃ!!!!」

 

 

こいつやっぱりあの猟奇殺人の…

それも面倒な快楽殺人鬼か…

 

するとさっき蹴り飛ばした刃物が不幸な事に男の跳ね返って近くに落ち、男はそれを拾い上げて、構えをとり、攻撃を仕掛けて来た。

 

しかし、俺ではなく友希那に向かって。

何か習ってたのかと思う程の身体運びであった。

 

ていうか、こいつかなり面倒だな、なかなかだから3人も殺れたのか。

ギリギリの瞬間で友希那の手を引っ張って刃物を回避させた。

 

「あ、ありがとう…」

 

「いやいい、それよりもどうにかして警察を呼ばないと」

 

するとさっきの叫び声に気がついたのかリサと燐子そしてあこがこちらに来た。

 

「っ!3人ともこっちに来るな!!!」

 

すると男がその瞬間を見逃さず襲ってきた。

しかし、男の防御体勢が皆無だったので、顔に一発腹に一発、蹴りを入れるとそのままうずくまり、動かなくなってしまった。

 

なんとかなったな、そう思い

 

「じゃあ、俺は警察に電話するから」

 

「…わかった」

 

「少し混乱してるだろうから、友希那は少し休んどいてくれ」

 

「えぇ、そうさせてもらうわ…」

 

そして友希那はスタジオの中へ向かっていった。

 

あの3人も呼んで中に入ってもらおう

そう考えた刹那

友希那が

 

「如月!!」

 

名前を呼ばれ、男の方を見たら男が起き上がり刃物を持った。

すると男は友希那めがけて走り出した。

 

 

ドスッ!!

 

 

鈍い音が俺の中で響いた。

それはそうだ、刺さったのは俺の腹部だったからだ。

 

そして最後に力いっぱい友希那を突き放した。

男は近づいてきたが、そこでパトカーと救急車のサイレンの音がし、男は逃げようとしたが、警察に捕まり、救急車が来た。

 

すると安心したのか、体に力が入らずそのまま意識がもうろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眼が覚めると見知らぬ天上だった。

どこからかピッ、ピッと一定の電子音が聞こえる。

 

腕を動かそうとすると痛みがあり、右腕を見ると点滴だった。

あ、そういえば昨日刺されたな俺

 

そんな事を考えているとドアが開き看護師が来た

 

あっ!如月さん、目が覚めましたか。

ちょ、ちょっと待ってて下さい先生を呼んで来ますので!

 

そして先生が来て、寝起きの審査みたいなのをして、

しばらくしたら治るとの事だった。

すると

 

「いや〜すごい運だね君!」

 

「何のことですか?」

 

「だって刺さった場所があまり出血しない胃だったからね、良かったよ。

それに、後ほんの数日で退院できるから

まぁ、とにかくしばらくは安静にするんだよ」

 

俺胃に刺さったのか…

にしても…今のジイさんいい人そうだったな

 

あれ?そういえば俺が運ばれてる時、誰かが泣いてた気が……

いや、それはないか。

 

そんな事を考えていると、またドアが開き、誰かが入ってきた

リサとあこ、燐子そして紗夜だった。

 

「あっ!!陽菜起きてるじゃんっ!」

 

「っ!?4人とも学校はどうした!?」

 

「今日は土曜日、学校は休みですよ。

如月さんは5日間寝てましたから...」

 

「えっ、俺そんなに寝てたのk、グフゥッ!!?」

 

話してる最中にあこが飛びついてきた。

 

「よかったーー!陽兄ぃがもう一生目が覚めないかと思ったよ〜」

 

「あこ…今のはふつうに痛いからな?」

 

すると燐子と紗夜が

 

「で、でも………目が、覚めて……本当に…良かった、です………」

 

「まぁ、あなたが無事そうで何よりです」

 

「まぁ、4人ともありがとう……

あ、そういえば昨日…じゃなくて、月曜日のあれ、あの後どうなったんだ?」

 

「あの後は……えーとね、確か警察の人が来て、犯人を連れて行った後に陽兄ぃが救急車に運ばれたよ?

陽兄ぃそれがどうかしたの?」

 

「………いや、なんでもない」

 

あの時、救急車にいた『誰か』は俺の気のせいか、俺が寂しすぎるあまりの幻覚か、妄想か………うん、そうだな。

それしか考えられない

するとリサが

 

「あ、そろそろ練習だから燐子とあこと紗夜は先行っててくれない?

お願いっ!陽菜と二人きりで話したいことあるんだっ!」

 

「「「「?」」」」

 

「えっ?リサ姉まだ練習まで時間あるけど……」

 

「ええ、わかりました」

 

「………っ…あこちゃん、先に行って、何か食べてようか…」

 

「うんっ!行く!」

 

そうして俺とリサは二人きりになったのだが...

 

「何か用でもあったか?」

 

そう聞くとリサは

 

「ん〜ちょっとね……

友希那がさ、あの事件以来ずーっと陽菜のこと気にしててさ…

『如月がああなったのは、私にも非があったから』って言い出しちゃって。

アタシはね、そんなことないっ!って言ったのそしたら友希那

『それはリサの意思でしょう』って言い返されちゃってさぁ〜…」

 

「だから俺の意思を聞きに来たと……」

 

「……うん」

 

「はぁ、あの時刺されたのは俺が勝手にした事で友希那は何も悪くないそう友希那に伝えといてくれ……俺は少し疲れたから寝る」

 

「うんっ!わかった、ありがとね☆」

 

そう言ってリサは病室を出て行った。

しかし、新たな問題が起こった。




今回から次回予告的なのします。





次回 今こうして生きている。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 今こうして生きてる

いつも見てくださっている皆さんありがとうです。
この小説を読んだ人数をいつも見て増えていたら喜んでいます。
さらにお気に入りが増えてた時は、家でガタッ!ってなって動いてます。
本当にありがとうございます。

オマケ
フカ次郎カッコカワユス


数日後

 

学校に来たのはいいが…

リサから聞いた話によると今、学校中で俺と犯人とのいざこざが噂になって広まっているらしい。

 

なんで広まったか聞くと、通りすがりの男子生徒達がそのやり取りを見ていて、その話が動画付きで説明したらみんな信じてしまった。

という事だと……

 

「はぁ、俺の平穏な日々はどこに行ったんだろうなぁ」

 

そして教室に着きドアを開けると

やはりザワザワしていた。

 

あ、あれが動画に映ってた子だよね。

 

うんうん、あの子が犯人に刺されたっていう子だよ。

 

スゲーよな、殺人鬼と戦うとか

 

そうだよね、僕じゃ考えられないよ…

 

などと噂をそれぞれ口にしているが無視した。

ていうか、動画撮ってる暇があったら警察呼べよ

 

俺刺されたからな?

そう考えてから廊下を歩いていたら友希那がいて目が合った瞬間

 

「っ!……………」

 

逃げられた

 

「えちょっ!?なんで!?」

 

何かしたっけなぁ

いや、今回は俺、身に覚えがない。

 

あるのは刺された記憶と友希那を突き放した記憶だけだな。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、急いで戻った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして昼休み

やはり俺の安らぐ場所は校舎裏である。

 

「さて、食うか」

 

そう言って弁当を開け、食べようとすると誰かが近づいてきていた。

近づいてくるのを待っていると、相手の影は見えるが近づいて来ない。

気になって覗くと

 

「友希那?」

 

「っ!………」

 

「いやいや、ちょっと待て」

 

逃げられそうだったので引き止めた。

何か困ったような顔をして

 

「………」

 

「はぁ、ここに来たって事は俺に何か用があったんじゃないのか?」

 

「………っ」

 

すると何か少し迷いながら

 

「……この間は私のわがままであんな事になってしまって、ごめんなさい…。

私が……無理にあなた達を付き合わせたから……それにあなたには、一生消えない傷を残してしまったわ。だから、本当にごめんなさい」

 

そう言って友希那は深々と頭を下げた。

それを聞いた俺は

 

「……あの時友希那は『どうしても無理なら来なくてもいい』って言った。それに勝手について行くって決めたのは俺だから。

それと練習時間を確かめなかった俺が悪いしな」

 

「それでもっ!あなたは……死にかけたのよ……」

 

 

「それでも結果的にこうやって普通の生活に戻れたんだ、だからあんまり気にするな。

それに今こうして友希那と話ができるのは今こうして生きているからな」

 

「っ!あなたはそれでいいの?私にも非があるというのに…」

 

「えっとなぁ友希那。

俺はあの時、友希那達の演奏が聴きたくて、見たくて、楽しい時間を過ごしたくて、ついて行ったのかもしれないしな」

 

すると少し驚いて何か悲しい目をした後、微笑みながら友希那は

 

「…あなたの意思が聞けてよかったわ。

ありがとう、如月」

 

「ああ、どういたしまして」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして俺と友希那はここで食べる事になり、食べ終わった時にある事を思い出した。

 

「そういえば...俺が救急車で運ばれてる時に誰かが隣で泣きながら手を握ってた気がするんだよなぁ、友希那何か知らないか?」

 

すると友希那は顔を赤く染め、耳まで赤くなっていた。

 

「?友希那?どうかしたか?」

 

「い、いえ…なんでもないわ」

 

「?」

 

「…そろそろ教室に戻るわ」

 

「えっ、あーうんわかった。

じゃあ放課後」

 

「ええ」

 

どうしたんだ?さっきの友希那。でも、まぁ

たまには誰かと一緒に食べるのも悪くないな

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

 

俺は一足先にスタジオへ向かった。

すると受付の人が

 

 

「あれ?あなたは確かRoseliaといつも一緒にいる人ですよね?」

 

「ええ、そうですけど、どうかしましたか?」

 

「この近日またライブをしようと思うのですが、その時にぜひRoseliaの皆さんに出ていただきたくて、色んなところのライターさん達が来るみたいですし、Roseliaの事を広めるチャンスですよっ!それにRoseliaならPVトップも狙えるかもしれませんよ?」

 

「ああ、あのライブですか…そうかじゃあ…

まぁ、みんなと相談してからにします」

 

「そうですか…わかりました。

どうぞDスタジオの鍵です」

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってスタジオに入り一人で考え事をした。

一足先に来たのは遅刻せずにゆっくり考えられる場所がスタジオだったからだ。

 

そんな事を思っているといつものメンバーがきたので、何も考えられないまま、ライブの話をして出場が決定したところで練習が始まった。

 

そして練習演奏が終わった。

すると

 

「ねぇねぇリサ姉っ!今日の練習いつもよりうまくできたんじゃない?」

 

「あ、それアタシもおもった。特に最後の曲とか今までで、1番良かった。ねっ、燐子!」

 

「う、うん…私も、うまく、弾けたと思い…ます……」

 

「よ〜しっ、次のライブも決まってることだし、この調子で、」

 

それを見ていた紗夜と友希那は

 

「この程度で、満足しないでください。

改善点はあるんだから」

 

「そうね、紗夜の言う通りだわ」

 

「ちょっと二人とも〜、今のはこの調子で頑張ろーって、いう流れでしょ?」

 

そしてそれを見ていた俺は

 

「…それで、次のライブでの曲は何にする?

Roseliaが演奏できるのはせいぜい3曲までだけど…」

 

するとあこが

 

「はいは〜い、あこはそろそろ新曲が演りたいですっ!」

 

「新曲…」

 

「あ、それいいんじゃない?最近のライブは同じ曲だったし」

 

すると紗夜が

 

「でも、ライブまで後2週間しかありません。

今から新曲を創って、練習しても未熟なままでは意味がないのはわかってますか?」

 

「でもでも、いっぱ〜い練習すれば、ライブには間に合うと思いますっ!」

 

少し長くなりそうだったので

 

「まぁ、とりあえず。明日それぞれでセットリストを考える、って事でいいか?」

 

「ええ、わかったわ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

昼休みになってセットリストを少し考えていた。

今あるのは確か…BLACK SHOUT、Re:birth day、熱色スターマイン、-HEROIC ADVENT-、ONENNES、それと軌跡

 

「どれにしようか。

BLACKとリバディ、それにONENNESがいいかなぁ…。

………自分で言い出したけど、これ結構難しいな。

でも、ずっと同じテンションだったら、観客が…」

 

「…何を一人でぶつぶつ言ってるのかしら」

 

「っ!?」

 

そこにいたのは友希那であった。

 

「……びっくりしすぎて、いま声出なかったぞ」

 

「…それで何を一人でぶつぶつ言ってたのかしら」

 

スルーですかそうですか

 

「いや、実は次のライブのセットリストを考えてたんだけど、これがなかなか決められん」

 

「……その事だけど、今日の練習で聴いて欲しい曲があるの」

 

「聴いて欲しい曲?」

 

「ええ、そうよ。昨日見つけたの」

 

「…友希那が選んだならその曲で問題ないと思うけど、それってカバーするって事か?」

 

「いいえ……カバーするかどうかは…まだ、決めてない」

 

「…そうか。まぁ、どちらにせよ今日の放課後だな」

 

「ええ、でもちゃんとセットリストは考えておいて」

 

「おー、ちゃんと考えとくよ」

 

「そう、それじゃ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

みんなのセットリストは最初の2曲は満場一致となり、みんなでラストの曲を考える事になった。

 

友希那が放課後に聴いて欲しいと言っていた事を思い出し

 

「そういえば友希那、聴いて欲しい曲ってなんだ?」

 

「えっ?」

 

「ほら、昼休みに言ってた」

 

「……そうね…みんな、ちょっと聴いて欲しい曲があるの」

 

そう言って友希那はカセットテープを入れ、スイッチを押した。

曲が流れた瞬間に俺は少し考えた。

 

この曲をRoseliaが演奏したらかなりいい。

それにこの曲なら、最後に持ってきたら、ちょうどセットリストが完成する。

 

現段階ではこれを含む3曲が最高のセットリストだろうな。

そんな事を考え、曲をしばらく聴き、曲が終わった。

 

「………カッコ、イイ…今の、すっごいかっこいいよっ!!

ね、りんりんっ!!」

 

「………うん、すごく………ステキな、曲だった」

 

「今のは、最後の曲にぴったりなんじゃないか?」

 

そう聞くと友希那の様子がおかしかった。

すると紗夜が

 

「確かに今の曲はかっこいいと思うけれど、一体誰がこの曲を…」

 

「それは…」

 

「ねぇ友希那、もしかしてだけど今の曲って」

 

「……いえ、やっぱりこの曲は今のレベルに見合わない。

無駄な時間を取らせてしまってごめんなさい。

今のは忘れて、セットリストを考え直しましょう」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

そして、また、セットリストを明日までに考える事になった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして帰っていると友希那らしき人が見え、思い出したこともあったので

 

「おーい!友希那ー!」

 

「如月?どうしたの?」

 

「帰る途中でいたから、それにちょうどよかった」

 

「?どういう事?」

 

「…なぁ友希那…さっきの曲ってもしかして10年くらい前にできた。

『LOUDER』じゃないのか?」

 

「っ!!どうしてあなたがそのことを?」

 

「えーっとな、俺がバンドを組む前に趣味で昔の音楽を聴くことがあってその時聴いてたのがあの曲で、数少ない音楽に対する純粋な思いがあって、よく覚えてる」

 

「……そう。

ならやっぱり私には…」

 

「?どういう事だ?」

 

そして何かを決めたように話し出した。

 

「……如月には話しておくわ。

これはリサも知っているけど、あの曲は私のお父さんの曲なの。

あれは私の父がインディーズ時代、それも父がまだ音楽を楽しんでいた頃に創った曲…」

 

「……まぁ、色々聞きたいが…なんであんな『今のレベルに見合わない』なんて言ったんだ?」

 

「……それは、あなたがさっき言ってた音楽に対する純粋な思いを、

私の歌声にのせて歌える自信がないから……」

 

「歌いたいなら歌えばいい。

友希那自身も歌いたいと思ってるんじゃないんか?」

 

「で、でも…」

 

「その思いが今の友希那の音楽に対する思いなんだったらそれをのせて歌えばいい」

 

「私が未熟でも………?」

 

「ああ、それに完璧じゃないと演奏してはいけない音楽なんて絶対にない。

それに友希那がそんだけ技術とか精神的に未熟さを感じてるなら……それは友希那が音楽に対する思いがかなり純粋なものだと、俺は思うけどな」

 

「……!」

 

「それに…真似するだけじゃダメだからな……。

もう夜も遅いから気をつけて帰れよ」

 

「……ありがとう如月」

 

友希那は微笑みながら言った。

 

「ああ、ライブ期待しとくよ」

 

いつか友希那には話さないとな…そう思いながらも言った。

 

「ええ、期待以上の演奏をするわ」

 

そしてそのまま友希那と別れて家に帰った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして3日後

 

友希那はみんなに曲の事を話し、演奏が決定した。

いつも通り授業が始まり時間が過ぎていった。

 

退屈になりそうだ。

しかし、後5分乗り切ればなんとか昼休みになる。

 

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴りいつもの場所へ向かった。

 

「暇だなぁ……ライブまだかなぁ、後5日とか暇すぎてつらいなぁ…

早く放課後ならないかなぁ…」

 

「また、独り言を言ってる…」

 

「ウワァっ!!」

 

今度は声が出た。

少し微笑みながら友希那は

 

「今度は、声が出たわね」

 

「俺の独り言は是非無視してくれ、ていうか何しに来たんだ?」

 

「…この前は、その…本当にありがとう……あなたはいつも私達をよく見てくれてる事がよくわかったわ。

私の音楽に対する思いも知ってくれてたから」

 

「…いいよ、別に」

 

「実は昨日、お父さんにも同じ事を言われたの。『今持っている思いを歌声にのせればいい』って…そういえば如月は私のお父さんにどこか似ているわね…」

 

「あの曲を創った人に似ているのは、嬉しい事だな」

 

「それで話は変わるのだけど…あなたはボーカルをしてたのよね?」

 

「うん」

 

「それって今も歌えるの?」

 

「う〜ん、解散して以来1回も歌ってないからな、わからん」

 

「そう、少しあなたの歌声が気になったのだけど…まぁいいわ」

 

「?そうか」

 

すると友希那の携帯が鳴り、誰かから連絡がきたようだ

[ねぇ、友希那いまどこー?友希那どこにもいないんだけど、教室で待ってるからね〜]

 

「……リサが呼んでるから行ってくるわ」

 

そう言って友希那は立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後

今日は別の用事で先にスタジオへ来た。

 

「さてと、ちょっとだけ歌ってみるか...」

 

約5年ぶりに歌うから、技術的にもかなり下手になってるだろうな

そう思いどれを歌うか悩んでから、少しだけ歌うことにした。

 

曲はBLACK SHOUT 時間的に考えて一曲歌えるかどうかか…

とりあえず俺は歌ってみた。

 

すると久しぶりだったが懐かしい、あの時に戻ったかのような。

こんなに楽しいと思ったのは5年ぶりだなホント

そうして歌い終わった。

 

「…まぁ、5年も経てばこんなもんか。

やっぱり、なまってんな……ま、しょうがないか」

 

そう言い時間を見るといつも友希那達が到着する時間だった。

にしても、結構集中してやったな。

そう思い、入り口を見ると

 

「「「「「……………」」」」」

 

「ッ!?」

 

「「「「「……………」」」」」

 

友希那達がいた。

 

「あ、あの〜、いつからそこに?」

 

「そうね、あなたがちょうど歌っていたAメロのサビの部分からずっといたわね」

 

「私が来た時は湊さんと今井さんが先に着いていました」

 

「アタシは友希那といっしょにいたよ〜」

 

「あことりんりんはBメロの最初を陽兄ぃが歌ってる時に着いたよ」

 

「……わ、私も…あこちゃんと、一緒に…いましたから…」

 

「……てことは、みんなさっきの聴いてた…のか…」

 

久しぶりにヘコんだな

ていうか、過去最大にヘコんだ

すると友希那とリサが

 

「でも……あなたの歌声、悪くなかったわ」

 

「だよね〜私もそう思ったよ♪」

 

「流石、FUTURE WORLD FESに出場しただけの事はあるわね」

 

「それはもう5年前のことだから」

 

するとあこと燐子そして紗夜も

 

「……は、陽菜さん、の歌声…とても、力強くてカッコ良かったです……」

 

「だよねだよねっ!あこもカッコいいと思ったもんっ!」

 

「確かに如月さんの歌声はかなり良かったです。正直、想像以上でした」

 

「……と、とりあえず、みんな練習、頑張って…」

 

そう言っていつも見ている所にいった。

 

にしても、人に見られるってこんなに恥ずかしかったっけ?

いやーもう本当恥っずかしいなぁ

 

そんな事を考えつつ、練習を見ていた。

みんな課題をやっているから前よりも上手くなっていってる。

最初に比べて『音』が良くなっていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

練習後

 

いつも通りの時間に終わり、帰ろうとした。

すると向こうから1人の男が来た。

その顔を見て驚きと罪悪感がこみ上げて来た。

 

「っ!!!」

 

相手も気づいたようだ。

 

「っ!お前もしかして…陽菜、か?」

 

「なん...でここに、お前、が…」

 

目の前に現れたのは

 

「どうしてここにお前がいるんだ…カイト」

 

俺が5年前に組んでいた元バンドメンバーだった。

 




今思えば主人公の昔の仲間たちの名前出てませんでしたね...
話は変わりますが、お気に入りしてくれた方を紹介しますね。

ユダキ様 勇気ブレイブ様 天駆けるほっしー様 貧弱様

お気に入り登録ありがとうございます。
そこんとこはゴミを見るような温かい目でお願いします。

オマケ
なんで風呂入ってる時にカップラーメンにお湯入れるかなぁ

次回予告

ライブ対決



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 ライブ対決

すいません、バンドリのイベントしてて書くのが遅れてしまいましたが、なんとか完成しました。
楽しみにしてくださってた方には申し訳ない。
今回は前書きが少ないですがお気になさらず。

オマケ
今回は結構、いろんな人が出てきます。はい


「なんでここにいるんだ、カイト…」

 

「……俺はここでやるライブに出るからその下見に来ただけや

別にお前に用なんかないわ」

 

「ライブ!?お前あの後解散して、またどこかに入ったのか?」

 

「…そうか…そういえばそうやったな、お前には話してなかったんやけど俺らあの解散した後にもう一回新しい5人で結成したんや、『次こそは失敗しないようにって』」

 

「っ!」

 

すると後ろから

 

「…それは最初から如月を外すために解散した。という事かしら」

 

そう言ってくれたのは友希那だった。

 

「はぁ?こいつを外すつもりやったらFUTURE WORLD FES,に一緒に出えへんわ。

ていうか誰やあんた?」

 

「…湊 友希那よ」

 

「友希那?ああ、あのプロ顔負けって言うバンドの一人か…名前だけ聞いた事あるけど…」

 

「それよりもどうして、如月を外したの?」

 

「…こいつは解散した後、すぐに連絡が途絶えて学校であっても、『もう、歌を歌わない』とか言い出してな。だから外した」

 

「それはあなた達のリーダーが『もうお互い干渉しないようにしよう』と言ったからその時、如月もそういう態度を取ったのじゃないかしら?」

 

「!……なるほどなぁ、もうお前がここまで気を許してるとはな…」

 

するとカイトはニヤッと笑い

 

「次のライブで俺らと勝負せえへんか?なんか雑誌記者も来るみたいやし、その雑誌に載ってた方が勝ちって事で」

 

「勝手な事を言わないでもらえるかしら。

私たちは雑誌に載ることなんて興味ないわ」

 

「それやったらこのライブ対決で俺らが雑誌に載ったら陽菜には今の俺らのバンドに入ってきてもらう。

それでもいいんやったらこの勝負受けんでええぞ」

 

「!それはダメ、如月は裏で私達を支えてくれていて私たちのことを良く見てくれている。

だから彼を渡す事は出来ない」

 

「やったら尚更ライブ対決を受けるべきや、受けへんかったら今、如月には俺らのバンドに入ってもらう」

 

そんな案に友希那が賛成する訳がない

そう思っていると

 

「………わかったわ」

 

っ!?

 

「よしっ!じゃあ二日後のライブ対決、楽しみにしてるわ」

 

そう言ってカイトは帰っていった。

しかし、あいつは『もう一回結成した』と言ってた。

なら当然他の奴らも…でも、ボーカルは一体誰が…

そんな事を考えていると

 

「……ねぇ陽菜?今の人が陽菜の昔のバンド仲間って事………?」

 

リサが聞いてきた。

 

「………まぁ、そう言うことになるかな」

 

するとなぜかみんながしばらく沈黙していた。

 

「どうかしたか?」

 

「…大丈夫?陽菜、辛くなってない?」

 

「……どうだろうな…まだ自分の気持ちがよくわかってない。

この気持ちが辛いと言うのか、それすら分からない…」

 

そして紗夜が聞いてきた

 

「さっきの人、もしかしたら如月さんがここにいる事知ってたんじゃありませんか?」

 

「えっ!?」

 

「あの人が言ってた『目的』は如月さんの下見に来た、そう言うことでしょう。ただ私たちのことは知らなかったようですが」

 

「……とりあえず今日はこれで解散にしよう。

ライブまであと2日しかないからな」

 

そう言って俺は先に帰って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日

俺はいつもの所に行って昼食を済ませようとしていた。

 

「今日はサンドイッチじゃないのか、珍しいな」

 

すると弁当と一緒に手紙が入っていた。

内容は、『なんか最近楽しそうだから普通の弁当にしとくね〜』

と言うものだった。

意味わからん上に、一体どうやって反応すればいいんだか…

そしてしばらくして弁当を食べ終わると

…ふとこう思った。

 

「……にしても…また、あいつらに会うとか思いもしなかったからなぁ…」

 

「会えて嬉しかったの?」

 

「まぁ、多分、そうなんだと思うけ…どっ!?」

 

俺の独り言を聞いていたのはいつもの友希那であった。

 

「…あなた、そんなに独り言が好きなの?」

 

「…ほっとけ」

 

「それで如月、聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」

 

「聞きたい事?」

 

「ええ、昨日の私たちが会った人が入っているバンドについて」

 

「………友希那もわかってるとは思うが、あいつらがもう一回結成したのが本当なら実力的にもあっちが圧倒的に上だろうな」

 

「………そう」

 

「不安か?」

 

「……いいえ、私達は最高のコンディションと最高の技術で挑む。

だから負けるつもりなんてないわ」

 

「じゃあ明日は今まで以上の演奏を聴けるんだな?」

 

「ええ、もちろんよ、楽しみにしていて」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ当日

そのライブが始まる少し前

 

「……やっぱりお前ら、4人ともやり直してたのか」

 

そこにいたのは新たに結成されたバンドの

ベース担当のシュウ

キーボード担当のカイト

ドラム担当のアカギ

ギター担当のライカ

の4人がいた。

 

するとシュウとバンドリーダーであるライカが

 

「よっ!久しぶりだな、陽菜」

 

「カイトから聞いてたけど、陽菜は元気にしてたか?」

 

「相変わらずの能天気だな2人とも、まぁ色々あって今は元気にしてるよ」

 

この2人は昔から変わらんな

そう思っているとアカギが

 

「………あの時は悪かった。お前に『周りを見てるつもりでお前は見ていなかった』と言ってしまって本当に申し訳なかった」

 

「っ!?いやいや!あの時アカギが言った事は事実に変わりないから、それに俺も今はその事に気づけたからいいって」

 

「…そうか、それは助かる」

 

「ていうかお前はいつも急なんだよ。

…それで気になってたんだけど、ボーカル担当は誰なんだ?」

 

するとカイトが

 

「それなら、もうちょいで来るはずや、まぁお前は驚くやろうなぁ」

 

「?どういう事だ?」

 

すると誰かが来たようだ。

そしてその人物は俺が唯一勝てないと思った人物だった。

 

「マサヤ兄さん!?」

 

「よう、陽菜、ずいぶんと成長したな」

 

マサヤ兄さんは俺の1つ上で俺と同じ神童と呼ばれた男である。

俺が何をしても敵わなかった人物で、いとこであり、マサヤ兄さんの父親には色々してもらった。

 

「なるほど、この5人が新しいバンドか。それでバンド名は?」

 

「グロリオサ」

 

「グロリオサ?花の名前か?」

 

「ああ、花言葉は『栄光』と『勇敢』だ」

 

「相変わらずいい花言葉が好きなんだな」

 

「まぁな、そういうお前は結構変わったな」

 

「まぁ五年も経てばな……まだ、『人を引き寄せる音』を目指してるのか?」

 

その質問に答えてくれたのはカイトだった。

 

「そんなん決まってるやろ、人を引き寄せてもう一度あのステージに立つ、それだけや」

 

「……そうか」

 

するとライカが

 

「じゃあ、俺たちは楽屋に向かうから」

 

「わかった」

 

そしてライカ達は楽屋へと向かって行った。

俺はライブハウスの中へ入った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那達の演奏をしばらく待っていたが、先にアイツらの演奏が始まった。

会場の中には、ちらほらとカイト達の事を知っているらしく…

 

おいあれって!もしかして5年前のFUTURE WORLD FES,に中学生で出たって言う天才組のバンドじゃあ。

 

たしかにそうだけど、ボーカルの奴が明らかに別人だろ。ていうか、あのボーカルなんかで見たことあるんだが…

 

バッカお前!あのボーカルは神童って呼ばれたほどの実力者だぞ!

 

へー、ソーナンダー

 

シラナカッタナー

 

などの声が聞こえてきた。

そして観客席が静かになると演奏が始まった。

 

………やっぱりあいつら技術が予想以上に進歩しているな。

それに歌は昔の歌を歌ってるけどマサヤ兄さんがいるからか、演奏が尋常じゃないほどにいい曲となってる。

 

「あの5人、5年間ずっと練習してたんだろうな…」

 

でも、あいつらがあのやり方を変える気ないなら、友希那達の演奏が…

そんな事を考えしばらくすると演奏が終わり、友希那達の演奏がまだだと知った俺は外へ出て時間を潰そうとした。

すると

 

「なんや、お前もここに来てたんか」

 

「っ…なんだカイトか」

 

「そんな事より、俺らの演奏どうやった?5年前よりも良くなってたやろ」

 

「まぁ、5年も経てばそうなるわ。

それとカイト、俺がここにいるって事知ってたのか?」

 

するとカイトは少し驚いてから

 

「……まぁな、でもなんでそれがわかったんや?」

 

「紗夜が言ってたからな、ちょっと気になって聞いて見ただけ」

 

「…紗夜……Roseliaのメンバーか…」

 

「ああそうだ、紗夜は真面目過ぎるかr」

 

真面目過ぎるからなと言おうとするとカイトは遮るように

 

「お前、Roseliaのメンバーでもないくせに、えらく肩入れしてんなぁ

もしかしてあのメンバーが昔やってた俺らのバンドに雰囲気が似てたからか?」

 

「…っ!」

 

「別にあの子達がFUTURE WORLD FES,に出ても、お前が得する事なんか1つもないやんけ」

 

「…確かに雰囲気が似てたからかも知れない。

でも俺はあの子達がフェスに出て優勝してくれたらそれでいいんだ。

それであの子達が笑顔になるんやったら」

 

「……久しぶりに聞いたな」

 

「えっ?」

 

「お前がいつも何かに本気になった時だけ出る、その関西弁や」

 

「今、出てたか?」

 

「おお、でとったよ」

 

「いやいや、なんの冗談だよ」

 

「冗談違うわ………まぁ、お前がそんなに頑張れるんやったらいいわ。

……頑張れよ」

 

「ああ、もちろん」

 

「…にしてもお前、あんな綺麗事言ってよく恥ずかしくなかったな」

 

「……ほっとけ」

 

しばらくするとライカ達も来てみんなで久しぶりに話し合い、友希那達の演奏の時間が来たので、ライブハウスの中へ入った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那達の出番が来たようだ。

すると友希那達が衣装を身にまとっている事に気がついた。

 

「みんな似合ってるな」

 

すると隣から

 

「だな」

 

隣から話しかけて来たのはバンドリーダーのライカだった。

 

「っ!!びっくりさせんなよ……」

 

「あはは、お前の驚いた姿なんて久しぶりだよ。

……それにしても、あの子達…本当に結成して1年も経ってないのか?」

 

「?ああ、そうだけど…」

 

「……なのに、あの演奏とか凄すぎないか?」

 

「…お前らのバンドは『人を引き寄せる音』を目指してるんだろうが、あの子達は違う。

あの子達が目指してるのは、そんな音じゃない」

 

「じゃあ、あの子達と僕らの違いは?」

 

俺は少し考えて

 

「そうだな…お前らは全員が違う色でその色を混ぜ合わせた物を演奏するんだろうけど。

あの子達は、全員が違う色を持ちながら混ぜ合わせず、だけど混ざらないように合わせた音を演奏する。

それがお前らとあの子達の違いだ。

だからこの勝負でも、俺はあの子達が負けるなんて思ってない」

 

「………そうか、お前がそんな風に言うのは『何か』をあの子達にRoseliaに見つけたからか?」

 

「…多分な」

 

そして、演奏を聴き、最後の演奏が始まりそうだった。

そして、友希那が

 

「次が最後の曲です。

この曲は、私が一番尊敬するミュージシャンの曲をカバーしたものです、聴いてください」

 

そして演奏が始まった。

 

「裏切りは暗いままfall down

崩れゆく世界は

心引き剥がして熱を失った

未だに弱さ滲むon mind

未熟さを抱えて

歌う資格なんてないと背を向けて

 

色褪せた瞳 火をつけた

あなたの言葉

 

Louder…!

You're my everything

【You're my everything】

輝き溢れゆく

あなたの音は私の音でtry to…

伝えたいの

I'm movin'on with you

【movin'on with you】

届けたいよ全て

あなたがいたから私がいたんだよ

No more need to cry きっと」

 

演奏のAメロが終わった時点でライカが

 

「…なるほどな、なんとなくだけど陽菜が言ってる事わかった気がする」

 

「……そうか」

 

「ただ、あの子達のあの『音』を僕らに出せるか?と聞かれたら無理だろうな」

 

「……当たり前だろ。

特にお前らじゃ、あの『音』は出せないからな」

 

「……にしても似てるな」

 

「えっ?」

 

「あの銀髪の子、陽菜が僕らのバンドに入る前の陽菜にそっくりだ」

 

「……そんな事気にすんな」

 

するとライカは何かひらめいたように

 

「あっ!もしかして昔の自分に似てたからほっとけなくて、手伝ってるんじゃないのか?」

 

「っ!なんで俺が手伝ってるって事知ってんだ」

 

「いや〜、あの銀髪の子に少し聞いてみたんだよ。

『どうして陽菜がお手伝いさんみたいな事をしてるのか?』って、そしたら彼女

『彼を何かの音楽雑誌で見たことがあったからよ』って答えたんだよ」

 

「……そうか」

 

そして演奏を聴く事に戻り、しばらくして友希那達の演奏が終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ後

俺は外に出て友希那達を待っていたら、ライカ達が来て、アカギが

 

「どうだった?俺達のライブは」

 

「そうだな…

マサヤ兄さんは昔と比べものにならないくらいに歌が上手くなってた。

シュウとライカは昔より音が良くなってて、ミスは相変わらずなかった。

カイトは昔みたいに緊張してなかった上に音色が良かった。

アカギは、叩く強さが変わって迫力があった

……まぁ、そんなもんだな」

 

「?『叩く強さが変わってた』って?うーんあんま、わからんな」

 

「……おいおい」

 

そんなことを話していると友希那達が来た。

するとカイトが

 

「あーちょっとええか?こいつをバンドに入れるって言う話なんやけど…」

 

友希那がそれに反応して

 

「それはまだ、結果が出ていないわ」

 

「まぁまぁ……えっとなやっぱりあの話は無しってことにしてくれへんか?」

 

「っ!……理由を聞いてもいいかしら?」

 

「いや、ただちょっとこっちの事情が変わったんや」

 

「……そう、わかったわ」

 

「おーそうか!ありがとう。

ほんじゃ、ついでに君達に言っとくわ、こいつは世話焼きが過ぎる所があるから一人で抱え込む事が多い。

だから、悪いけど陽菜の事任せたぞ」

 

それを聞いた俺は

 

「おいっ!なんだそれ…」

 

「知らんわ、ほっとけ。

大体、お前があんな目標持つからやろ!」

 

「?なんだ、目標って」

 

「はぁぁぁ?お前が言ったんやろ!

『あの子達をFUTURE WORLD FES,で優勝させて笑顔にする』って!」

 

「っ!!バッカ!お前そう言うことは、黙っとけよ!!」

 

「俺が言わんかったら気づいてなかったやろーが!!」

 

「気づいたよ!多分…」

 

「お前……ホントn」

 

するとライカが仲裁に入ってきて

 

「おい、お前ら騒ぐな、見られてるぞ」

 

「「はっ!」」

 

周りの目を気にせずに言い争ってたようだった。

 

「まぁ、とりあえずこれで、終わったんだからいいだろ?」

 

「……まぁ、そうだな」

 

「そうか、なら良かった。

じゃあ、僕らはもう帰るから」

 

「…ああ、わかった」

 

そうしてライカ達は帰って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして友希那達との帰り道

燐子が

 

「………は、陽菜さん……みんなと、仲直りできて…良かったですね」

 

「そうだな、良かったよ本当に…」

 

するとリサが

 

「あっ!そういえばさ〜、あのカイトって人が言ってた

『あの子達をFUTURE WORLD FES,で優勝させて笑顔にする』って、陽菜の目標なの?」

 

「あっ!それあこも気になってたっ!どうなの?陽兄ぃ?」

 

そう聞かれた俺は

今思い返すと中々恥ずかしい事を言ってたな俺…

なんて思ってた

 

「さ、さて、みんな疲れてるだろうからもう解散するか…」

 

「………は、陽菜さん……はぐらかした………」

 

「ねっ!りんりんも気になるよねっ!」

 

「……う、うん……!気に、なる……」

 

あこと燐子がそう言うと

 

「私も気になります。

如月さんがなぜ、そう言う考えに至ったのか」

 

「私も如月がどうしてそれを目標にしてるのか、気になるわね」

 

「なっ!友希那達まで…」

 

みんなふざけてるのかよく分からないな

そんな事を考えてるとリサとあこにファミレスへと引っ張られ、

友希那と紗夜、燐子にもこの後、色々と質問された。




今回、人を覚えるのが大変でしょうけどまぁ、気にしないでください。
では、いつものお気に入りをしてくれた方を紹介しますね。

勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様
そして、名前が表示されてないあなた!

お気に入りありがとうございます。
それと、勇気ブレイブ様とユダキ様の名前が間違っていました。
本当に申し訳ありません。
ん?
もう直したかって?
もちろん!
仕事が早いんですよ!!(これに気づくのに軽く1ヶ月は経ってる)

次回予告

昼と夜と互いのすれ違い


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 昼と夜と互いのすれ違い

見てくれてる人に言います。

実はもう次の第2期的なのを思いついてしまいました。

後、主人公の名前は自分が知っている好きなキャラの名前をくっつけました。1人は艦これのあの子ですね、くそっ!!フラグ建てやが(ry

オマケ
まぁ、2期考える暇があったらさっさと投稿しろっての…


ライブハウスでの出来事が終わり数ヶ月が経った。

もう夏頃になってきたが、みんなはまだ夏服に衣替えをしていなかった。

そんな中、俺は下足室から3階に上がろうとし、急いで上っていた。

理由は…まぁ、俺のいつもの寝坊が原因でHRが始まりかけていたからで、2年生の階を走っていた。

そして腕につけていた時計を見て間に合うと思い、歩いて壁を曲がろうとしたら

 

「わぁっ!」

 

「うおっ!」

 

ぶつかってしまった。

しかも制服から見て同じ2年生だろう。

そう思った俺は

 

「ごめん、大丈夫か……っ!?」

 

そこにいたのは、水色の髪をした女の子だった。

その髪の色はまるで紗夜のようだった

 

「いてて、転んじゃった……っ!」

 

「?どうかしたか?」

 

その女の子は俺を見るなり目をキラキラさせて

 

「ねぇねぇ!!

もしかして、いっつもリサちーと一緒にいる男の人?」

 

「いつもではないが……まぁ、そうだな」

 

すると女の子はさらに目をキラキラさせて

 

「やっぱり!!

ねぇ、練習してる時のお姉ちゃんってどんな感じ?」

 

「お、お姉ちゃん!?ええっと君は?」

 

「えっ?あたし?

あたしは氷川日菜、氷川紗夜の妹だよっ!

よろしくっ!」

 

い、妹!?

あーうん色々聞きたいが…

 

「……まぁ、よろしく…」

 

「それでねっ!あっ、ごめんっ!あたし教室に急がないと!!

じゃ、そう言うことだから、またねー!」

 

「えっ、あ、またな…」

 

なんであんなに急いで……

そう考え、歩いていると

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴って完全に理解した。

 

「…はは…なるほどな、そういう事か……」

 

少しため息をついて

なんで気づかなかった、俺!

そう思い急いで教室へ向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして昼休みになりいつもの場所に行こうとしたら

 

「あっ!如月くーん!ちょっと来てくれない?」

 

そう呼んだのは叶先生だった。

 

「えぇ……はぁ、わかりました」

 

今日はまだ夏じゃないのに暑くて疲れていた、しかも体育をした後の昼休みは最高の安らぎであったのに

仕方なく、俺は話を聞くことにした。

 

「何か用ですか?」

 

「えっとねぇ、君っていつも校舎裏で食べてるでしょ?」

 

「ええ、まぁ」

 

「あそこって、夏になったらかなり日が当たるでしょ?」

 

「そう……ですね」

 

「そこで先生がちょっとだけ権限使ってあそこに屋根とベンチを設置しましたー!」

 

「……えっ!?マジで?ホントに?」

 

「ええ、マジでホントに設置しました。

夏に入って熱中症とかになると危ないので、これからはそこを使用してもらって構いませんよ?」

 

「……ありがとうございます!

ありがたく使わせていただきます」

 

そう言い終わると少しだけ早足でそこに向かった。

すると本当に3人くらいで座れるベンチとそれを覆う大きな屋根が設置されていた。しかも、人目につきにくい。

 

「おお、これで今年の夏は乗りきれるな」

 

そしてベンチに座り俺は

あの子達、この短期間でよくあそこまで成長したなぁ…俺たちでもこの短期間であんなに成長しなかった。

 

……でもまぁ、だからこそ期待してるのだろう、それにあの事もカイトが目の前で話しやがったからな………。

 

そう考えていると誰か来たようだった。

友希那が来ると思った。

 

しかし、それは友希那ではなく。

 

「あっ!朝ぶつかった人だー。

ねぇねぇ!何でここにいるの?こんな所で何してたの?」

 

「……朝の…えーと、確か…氷川日菜、だっけか?」

 

「うんっ!そうだよ、それで何してたの?」

 

「何って言われてもな、俺は昼休みの時間はここにいつもいるから」

 

「ふーん。

じゃあここに来ればお姉ちゃんの話とかいろいろ聞けるんだ!」

 

「?いや、別に俺は」

 

すると聞こえてなかったらしく

 

「それにしても、ここってベンチとか屋根とかあったっけ?」

 

「……これは叶先生が設置してくれた。それよりも」

 

「へー!叶先生が設置したんだっ!」

 

「………他の生徒には言うなよ、俺の居場所が無くなるから…ていうか」

 

「なんでー?居場所って友達の所に行けばいいじゃん」

 

あーもうダメだこりゃ…

そう思った俺は

 

「……友達が少ないからここに来てんだよ」

 

「何で友達作らないの?」

 

「何でって…友達を作れたとしても、大体は俺の事忘れてる。

それが作らない理由だ」

 

「ふーん……あっ!じゃあ、あたしが友達になるっ!」

 

何を言いだすんだこの子は…

 

「何言ってんだお前は…」

 

「えっーと、じゃあまずは…そうだ!名前教えてよっ!」

 

「えぇ、嫌だよ…」

 

「えー、なんでー?いいじゃんっ!教えてよ!」

 

これが長く続く感じがしたので

 

「…はぁ、如月陽菜だ。よろしく」

 

「うんっ!こちらこそよろしく!」

 

すると手を伸ばして来たので握手だろうと思い、握手をした。

すると

 

「?如月、何をしているの?」

 

「うわっ!!ビックリしたぁ、友希那か驚かすなよ」

 

「…私はいつもここに来てるじゃない。

それより」

 

友希那が何か言いかけると

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴ったので、放課後に聞こうと思い教室へ戻った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして放課後

いつものようにスタジオへ向かっていると

 

「あら?如月さん?」

 

「ん?おお、紗夜か。今日は生徒会なかったんだな」

 

「いえ、ありましたけどすぐに終わらせました…それより少し付き合ってくれませんか?いつもの店が何か仕入れてないか見ておきたいので」

 

「わかった」

 

「ありがとうございます」

 

そして楽器などを売っているショップに着いて、中に入った。

そしてしばらく店内を見ていた。

すると

 

「っ!?」

 

「?紗夜どうした?」

 

そう聞くと同時に紗夜の目線の先にポスターが貼ってあった。

そのポスターには

 

「ん?あれって日菜じゃないか……Pastel*Palettes?」

 

「っ!どうして如月さんが日菜の事を!?」

 

「えっ、それは同じ学校だから…そういえば日菜が紗夜の妹って事、日菜に言われるまで気づかなかったな」

 

「っ……わた、し…これから練習するので……これで!」

 

「えっ!?紗夜!?」

 

そう言って紗夜は飛び出して行った。

そして、その後の練習の休憩時間

あこと燐子、リサがゲームの話をしていた。

 

「それでねっ!その時りんりんが防御魔法で守ってくれたんだよ……

やっぱり、りんりんはゲームでもカッコイイんだよっ!」

 

「ははっ☆燐子の向こう見ずはゲームでも一緒なんだね」

 

「あ、あこちゃん……ゲームの話は……それにあこちゃんのお姉さんの方が……」

 

「あーっ!巴ね、燐子も知ってるんだ。確かにあれは男前だ。陽菜よりもね」

 

「くっ!ぐうの音も出ない!」

 

「あははっ!」

 

「あ、あこちゃん…わ、笑っちゃダメだよ…ふふっ」

 

「そう言う燐子だって、笑ってるよ〜」

 

そんな会話をしていると後ろから

 

「紗夜、どうかしたの?」

 

「えっ?私が、何か?」

 

「こういう時は、いつも私より先に紗夜が音楽以外の話をやめさせるのだと思って」

 

「……わ、たしは…」

 

そしてこっちの話を進めてるあこが

 

「ふんっ。3人ともわかってないなぁ、妹にとっておねーちゃんは憧れの存在なんだよっ!」

 

すると紗夜が

 

「っ!……いい加減にしてよ!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「お姉ちゃんお姉ちゃんって、憧れられる方にどれだけ負担を感じてるかわかってないくせに!!

なんでも真似して、自分の意思はないの!?

姉がすること全てなら自分なんて必要ないじゃない!」

 

するとリサが

 

「紗夜……もしかして、それってヒナのこと……」

 

「っ!!」

 

「ヒナ?」

 

「あ……あこ……前にも言われたのに……」

 

前?いや、俺のいない間にそう言う話があったのだろう。

そう考えていると

 

「さ、紗夜さん……ご、ごめん…なさい……」

 

すると友希那が少し迷った様子を見せた後に

 

「……どんな事情があるか知らないけど、Roseliaに私情を持ち込まないで。

それに紗夜、あなたは今日の演奏にも集中できていなかった。…帰ってちょうだい」

 

「っ!……返す言葉もありません、迷惑をかけて、ごめんなさい……お先に失礼します…」

 

そう言って紗夜は出て行ってしまった。

そしてそのまま練習が始まった。しかし、あの『音』が聞こえてくることはなかった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後

この前の出来事から友希那は一人でスタジオ練習をしている。

そして時間が過ぎて昼休み

 

俺は叶先生が設置してくれた校舎裏へ向かった。

そして、そこで弁当を食べ終わり、時間が過ぎていき、チャイムが鳴った。

 

「…」

 

最近友希那がここに来ることがなくなった。

しかも最近みんなが集まって練習する事が少し少なくなってきた。

なんとかしないとな……

そんなことを考えながら教室へ戻っていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

私が時計を見ると練習時間が過ぎていた

 

「Dスタジオ、空きました」

 

「あっ、友希那ちゃんおつかれ〜、最近個人練、多いね?Roseliaどう?」

 

「まだまだ理想のレベルには程遠いです」

 

すると

 

「すみません、ちょっとよろしいでしょうか。友希那さん時間を少しいただきたいんですが」

 

「?失礼ですが、どなたでしょうか?」

 

「私こういう者ですが、友希那さん。うちの事務所に入りませんか?」

 

「……私は自分の音楽で認められたいので事務所には入りません」

 

「待ってください!私達ならあなたをFUTURE WORLD FES,に出場させる事が出来ます!一緒に、あなたの夢を叶えましょう!!」

 

「…!?」

 

「実は2回目のあなたのライブの時に一度断られているんです。

あなたがバンドにこだわっていることは知っています、だからあなたの為のプロメンバーも用意しました」

 

「友希那ちゃん、これってつまり、メジャーデビューじゃ……」

 

「コンテストに出場しなくても、フェスのメインステージに立つ事ができる!お願いします、友希那さん!」

 

「……私……は……」

 

どうして…お父さんの夢だったフェスにバンドで出られるのに………なんで……私は……

 

「……確かに……今のRoseliaではフェスのメインステージに立つ事は難しい…」

 

なぜ言い訳をしているの、私。この事務所に入ればフェスに、それもメインステージに立つ事が出来るのに……

 

「?友希那さん、何かお気に障りましたでしょうか?」

 

「…少し……待ってほしい。……っ!?」

 

何を言ってるの、フェスに出られるこれ以上ないチャンスなのに

 

「わかりました。友希那さんの中で答えが出るまでいくらでも待ちましょう。また、ここに来ますので」

 

そう言って男は出て行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道

どうして、私は引き受けなかったの?……待たせてどうするの、待たせた所でまた来る事には変わりないのに

そんな事を考えていると

 

「あっ!友希那じゃん。おかえり〜今日のお茶会楽しかったよ☆」

 

そういえばそんなメールが届いていたわね

 

「あこと燐子も行ったそうね。貴方達、今日の練習をしないつもり?」

 

「みんな家でやってるってさ♪アタシもこれから!

あ、それとアタシ達から提案なんだけど…」

 

「?」

 

「Roseliaの衣装作ってもいい?」

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校の帰り道歩いていると

 

「ん?リサからメール?」

 

内容は

Roselia、雑誌掲載記念お茶会!と言うものだった

 

この子達は練習どうしたよ…

そう思いつつ俺は

 

「集合場所は?っと」

 

返信してしまった。

するとすぐに返信がきた。

 

「『羽沢珈琲店に集合だよー』って、どこだよ……」

 

まぁ、すぐ近くにあるかもしれないからな探してみるか

そう考えて探していると

 

「……迷った…」

 

まさか高校生にもなって迷うと思わなかったな

仕方ない、そこら辺の人に聞いてみるか。

そう考えていると1人の女子高生がいたので聞く事にした

 

「あのーすみません」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「この羽沢珈琲店ってどこにあるか知ってますか?」

 

「あっ!それでしたら、羽沢珈琲店はうちですから、案内しますね」

 

とてもいい笑顔で返された。

 

「えっ!?よ、よろしく…」

 

「はいっ!ではついて来てください」

 

申し訳ない気分になった

それと、なんだろう、いつも変わってる子としか会わないからこう言う普通の子に会うとなんか新鮮に感じるなぁ。

そんな事を考えてると

 

「着きましたよ」

 

「…結構近くにあったな…とりあえずありがとう、助かったよ」

 

「ふふっ、どういたしまして」

 

そしてドアを開けると

 

「あっ!陽兄ぃおっそーい!」

 

「ごめん、道に迷った」

 

「……だから、お店の人に………陽菜さんって……意外と、方向音痴、なんですか?」

 

「…燐子よ、これはたまたまなんだ」

 

そう言い返してから隣のあこを見ると何か悲しそうな顔をしていた。

少し気になって

 

「あこ?どうした?」

 

「えっ!?」

 

「いや、なんか難しそうな顔してたから気になって」

 

「……えーっと、唐突かもしれないけど…もしRoseliaが解散、とかなっちゃったら、これからどうしようって思っちゃって……」

 

「………あこちゃん……」

 

それを聞いた俺は

 

「二人とも、その辺は大丈夫だから。そんな顔するなって、何かあっても俺がRoseliaを助けるから」

 

「ほんと?」

 

「ああ、本当に本当だ、ただ戻すためには多分この3人の力が必要になると思うからその時はよろしく頼む」

 

「わかった!あこ達が手伝えばRoseliaが元に戻るならあこ達手伝うっ!!」

 

「……わ、私も……お手伝いします…」

 

「アタシも手伝うね♪」

 

「うーん、リサの場合は特に変わらないような…」

 

少し目を逸らしながら言った。

 

「アタシだけ!?

…あっ!陽菜ちょっといい?…陽菜はこの雑誌みて、どう思った……?」

 

そう言ってリサは雑誌を見せてきた。

 

「?えーっと……あっ、友希那の【孤高の歌姫】って言うのがゲームの称号みたいでかっこいい!うん……」

 

「ちょ、陽菜まで〜?もー、そうやって3人してはぐらかされると、なんか凹むからさ〜、はっきり言っていいよっ!」

 

するとあこが

 

「じゃあ……言うけど……リサ姉だけ、ギャルっぽくて浮いてる」

 

「はっ!」

 

そういうことかナルホド完全に理解した。

 

「ううっ!…やっぱり……友達の言ってた通りか〜…」

 

「で、でもでもっ!なんというか、リサ姉だけじゃなくて…」

 

「……統一、感……?」

 

それを聞いた俺とあこは

 

「「それだ!

それだよっ!」」

 

「なるほど、さっすが燐子♪それだよ今のRoseliaに足りないの

そういえば…燐子と友希那の服の趣味似てるよね?」

 

「それなら、あこも一緒だよ!」

 

「ええ?あこはちょっと、ほら…」

 

それをあえて言わないのがリサの中の優しさでもあるな

そう考えていると衝撃的な事実がわかった。

 

「だってあこのこの服、りんりんに作ってもらったんだもんっ、りんりんに作ってもらう方が着心地いいから」

 

「えっ!?それって結構すごくない?あこの着てる服、手作りってわかんないじゃん」

 

「……わたし……いつも……家に、いて…時間が……あったから…」

 

「それでRoseliaの衣装でも作ったらどうだ?」

 

ほんの軽い気持ちで言った。

するとリサとあこが

 

「「それだよっ!!」」

 

「お、おう」

 

そうして、Roseliaの次のライブに衣装を着る、という事になった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして次の日の放課後

今日はみんな揃ってのスタジオ練習であった。

しかし

 

「あこと燐子はともかく友希那が遅れるなんて、珍しいな」

 

「「……」」

 

するとドアが開く音がした。

 

「友希那!」

 

「遅くなってごめんなさい。…あこと燐子はどうしたの?」

 

「う〜ん、連絡は取れたんだけど、あこと燐子は少し遅れるって」

 

「……そう」

 

「……」

 

気のせいなのか友希那が少し悲しそう、というか何かを迷っているような顔をしている。

そして友希那が来てから15分くらいたった後にあこと燐子がきた。

すると友希那が

 

「………30分の遅刻よ、やる気はあるの」

 

「そういう友希那も、15分遅れたけどね〜。しかもあこと燐子まで珍しい事もあるもんだね〜」

 

「いいから早く準備してください。ロスした分を早く取り戻さなくては」

 

燐子とあこの様子がおかしかったから聞こうと思ったが練習する時間をロスしたせいで聞けなかった。

さらにスタジオの雰囲気はいつもと違っていた。

すると紗夜が

 

「宇田川さん、やる気がないのなら帰…」

 

「あ………あの…っ」

 

「あ、あこちゃん……!」

 

2人の様子がやはりおかしい。

 

「ごめん、りんりん。あこ見ちゃったの…」

 

「何をですか?」

 

「友希那さんが……スーツの女の人と、ホテルで…話してて…」

 

それを聞いた友希那は少し驚いているように見えた。

 

「湊さんにもプライベートというものがあるでしょう」

 

「で、でも、あこはコンテストに出られないなんて絶対イヤだもん!」

 

「…どういうこと?」

 

「今日…りんりんと待ち合わせしてて、そしたら友希那さんが練習時間前のギリギリなのに女の人と待ち合わせしてるのが見えてそれで…」

 

あこが言うには、友希那が女の人からFUTURE WORLD FES,にRoseliaではなく、事務所が用意したバンドでフェスに出よう。

と言うものだった。

そして

 

「宇田川さん達の言い分はわかりました。

湊さん、認識に相違はないんですか。」

 

しかしそれを聞いた友希那はただ黙っているだけであった。

 

「………」

 

「…っ!私達とコンテストなんかに出場せずに、自分だけフェスのメインステージに立てればいい、そういうことですか?」

 

「!………わた、し……は」

 

「……っ。フェスに出られれば、誰でも良かった。……そういうことじゃないですか!!」

 

「……え……それじゃあ、あこ達はそれだけのために集められたってこと?」

 

「……あこちゃん、なにも、そうとは……」

 

するとあこは

 

「あこ達の技術を認めてくれたのも、Roseliaに全てかけるって話も全部嘘だったの……?っ!!!!」

 

そう言って飛び出して行ってしまった。

そして燐子も

 

「まって……あこちゃん、どこに……」

 

「ちょっ、二人とも!」

 

すると紗夜が

 

「湊さん、私は本当にあなたの音楽に対するフェスに対する信念を尊敬していました。だから私も……」

 

紗夜は何か言いかけたようだったが

 

「とても失望したわ」

 

「ねぇ、ちょっと待ってよ。何もそうとは限らないでしょ」

 

「答えないことが最大の答えだわ!!

私はまた時間を無駄にして少し苛立っているの、申し訳ないけれど、失礼するわ」

 

「紗夜っ、待」

 

リサが呼び止め用としたが紗夜は出て行ってしまった。

 

「ねぇ、友希那、今の話本当なの?」

 

「…本当だったらなに?」

 

「なにって、このままじゃ…ねぇ、本当はみんなに言いたいことがあるんじゃな」

 

「知らないっ!!」

 

「!友希那……」

 

「私はお父さんの為にフェスに出るの!昔からそれだけって、言ってるでしょ!!」

 

お父さんの為?

そう思っていると

 

「……帰るわ」

 

「帰るって、どうするの?」

 

「…フェスに出るための準備をするだけよ」

 

「!待て友希那!」

 

「……なに?」

 

「なにじゃない、フェスに出るための準備ってRoseliaはどうするつもりだ」

 

「……それ、は……」

 

「本当は迷ってるんじゃないのか。確かに今のRoseliaでは、コンテストでフェス出場が決定したとしてもフェスのメインステージに立つ事は難しい」

 

「……だったら」

 

「だからってRoseliaを見捨てるのか?」

 

「っ!違う!!」

 

「……なら、しばらく考えておいてくれ。そうすれば自分が何をしたいのか、何をすべきなのかが分かるはずだ」

 

「…」

 

すると黙って友希那は帰ってしまった。

 

「っ!友希那……」

 

リサが追いかけようとした。

しかし

 

「リサ、今は1人にしといてやれ」

 

「でも!!」

 

「友希那自身が1人で考えて、行き詰まった時はリサが助ける。それで頼む」

 

「わ、わかった…」

 

「あっ、それと俺が小説で読んだいい言葉を教えとく」

 

「?」

 

「『本当に大切なら、隣にいるだけじゃダメ、時には道しるべとして支える事も親友の役目』だ」

 

「隣にいるだけじゃ、ダメ…」

 

すると

 

「Roseliaさーん、もうスタジオの時間過ぎてるよーってあれ?リサちゃんと陽菜くんだけ?」

 

「えっ、もうそんな時間?すみませんっ」

 

そうして俺とリサは外に出て話すことにした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……じゃあリサさっき言った通り、友希那が行き詰まってるように見えたら任せた。紗夜の方はみんなで解決するから」

 

「おっけー☆わかった、じゃあね陽菜♪」

 

「ああ、気をつけてな」

 

そうしてRoselia解散を阻止するために動くこととなった。




今回は次回予告だけです。

次回予告

正直な気持ち


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 正直な気持ち

正直な気持ちを伝える。
みなさんはそれを出来ていますか?
あっ、この質問に深い意味はありません。



O・MA・KE
I am fry←これの意味が知りたい方は偉大なるGoggle先生に聞きましょう、スペルミスに注意です。


数日後

この前の出来事から何日か経った後

リサからメールが届いた。

その内容は

友希那が来週のRoseliaの練習予定を全てキャンセルした、と言うものだった。

それから俺は1人で考えていると時間だけが過ぎていった。

そして帰り道

 

「あっ、陽菜くんだ。久しぶりだねっ」

 

そこには日菜がいたが、心なしか元気がないように見えた。

 

「……紗夜となんかあったか?」

 

「すごいっ!なんでわかったの?エスパー?」

 

「いや、元気だけが取り柄みたいな日菜が元気なさそうだったからな」

 

「それって褒められてるの?」

 

「さぁな、それよりもなんかあったのか?」

 

「んーっと、お姉ちゃんが最近、優しくなったの」

 

「……ん?良かったな」

 

「違うのっ!そうじゃなくて、なんだろう……前のお姉ちゃんは教科書ぽかったのに、今はなんだか…そうっ!お姉ちゃんって感じがするんだよっ!」

 

「?要するに今の紗夜の音は紗夜自身の『音』になってるってことか?」

 

「うーん?…とにかくっ!お姉ちゃんって感じがするの」

 

「そ、そうか。その事は紗夜に言ったのか?」

 

「ううん、言ってないよ?」

 

「……はぁ、とりあえず日菜はいつも通りが落ち着くよ…」

 

「えー?なにそれー、どう言う事ー??」

 

そして、買い物をした帰り道の途中である事を思いつき

リサに電話をする事にした。

 

「もしもし?陽菜から連絡なんて珍しいね、どうかしたの?」

 

その声はまるで泣いた後のような声だった。

 

「……何かあったのか?」

 

「えっ!?な、なんにもないよ!あはは…」

 

「泣いた後の声になってるぞ」

 

「えっ!?」

 

「やっぱり何かあったんだな」

 

「…うん……ちょっと、ね」

 

「…友希那と話したんだな」

 

「…うん」

 

「……どうだった、今の友希那は」

 

「…それが…怒られちゃった…」

 

「お、怒られた?」

 

「うん……『どうして、いつもそうやって優しくするの!悪いのは全部、私のせいなのに!』って……それに他にも色々と言われて……」

 

「…凹んだか?」

 

「…ちょっとだけ凹んだけど…アタシは、アタシに今できる事をしたから後悔はしてないよ!」

 

「なら大丈夫だ、いくら何でも親友の言葉に耳を貸さない。なんて事、友希那はしないはずだ」

 

「そう…だよね。それで陽菜はどうしたの?」

 

「ああ、危うく忘れるとこだった。悪いんだけどみんなが練習してる時の動画って持ってるか?」

 

「…うーん、ごめん持ってないや、でも燐子とあこなら持ってるかも…でも2人の連絡先って陽菜持ってたっけ?」

 

「持って……ないな」

 

「わかった、じゃあ燐子たちに話してから送るね」

 

「ああ、頼む」

 

そう言って電話を切り、しばらくするとリサから2人の連絡先が届いたのでまずは燐子に電話した。

 

「もしもし?ちょっといいか?」

 

「は、ははいっ!り、りり、燐子……です…は、はは、陽菜…さん……で、ですか…?」

 

「……そんなに緊張しなくていいから、燐子は一旦落ち着こうか」

 

「は、はい、すみません……男の人、だと…つい、緊張…しちゃって……」

 

「?リサから俺が電話するって聞いてないのか?」

 

「き、聞きました。…でも…やっぱり、緊張しちゃって…ダメ、ですよね…こんなんじゃ……」

 

「別にダメじゃない、そういう自分が嫌ならゆっくり時間をかけて変わればいい」

 

「っ……そう、ですか……ありがとう、ございます…」

 

「別にいいよ……それで話は変わるけど、Roseliaが練習してる時の動画とか持ってないか?」

 

「……動画……でしたら…あこちゃんが、持ってたと思います……」

 

「ホントか!?」

 

「!は、はい!この前見せてもらったので……」

 

「よしっ。ありがとう燐子、助かったよ」

 

「…いえ、力になれて良かった、です……」

 

「じゃあな」

 

「はいっ」

 

そうしてあこに電話をかけた。

 

「もしもし?陽兄ぃ?さっきリサ姉から連絡きたけど、どうしたの?」

 

「ああ、あこが持ってる動画をみんなに送信してほしいんだけど、いいか」

 

「あっ!それなら新しいのあるよっ。今から送るね」

 

「ああ、頼んだ」

 

「でも何で動画が必要なの?いつもと同じ練習を撮っただけだよ?」

 

「まぁまぁ、Roseliaが解散しそうな事になったら俺が助けるって約束だからな」

 

そう言って通話を切り、辺りを見回すとほとんど朱色の夕焼けに染まっていた。

すると学校の屋上で5人くらいの生徒が夕焼けを見て何か話しているのが見えた。

しかし、急に動きすぎたのか今日は一段と疲れたから家に帰ることにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある日の帰り道

俺はもう家の前まで来ていた時、リサからメールが届いた。

その内容はよくわからないものだった。

 

陽菜今どこにいるの?もうみんな集まっちゃったよ。

 

「……ん!?」

 

みんな集まったって、どういう事だってばよ。

その内容を読んだ後すぐに返信をした。

 

集まったってどこに?

 

するとすぐに返信がきて

それを読むと

 

どこって、いつものスタジオだよ?もしかして友希那から聞いてない?

 

えっ?

そう思って

 

最近、友希那と話してない。

とりあえず俺もすぐにそっちに向かうから。

 

そう送ってからスタジオに急いで向かった。

 

着く頃にはかなりの時間が経っていて、受付のスタッフさんに場所を聞いてから勢いよくドアを開けて入った。

すると

 

「あっ!陽菜!」

 

「……ぷっ、あはは!」

 

あこに笑われた。

 

「えっ!?」

 

すると続けて

 

「「…ふふっ」」

 

「「ははっ」」

 

えっ?なんで笑われて…ていうかみんないつも通りになってる。

 

「…いやいやいや、…俺がここに向かってる間、何があった…」

 

「あはは、実はねぇ〜」

 

するとリサは話し出した。

そしてそれは…俺がいなくても良かったんじゃないかと思う物語であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あこ 燐子 side

 

「……ねぇ、りんりん。あこがあんな事言わなかったら、こんな事になってなかったのかな……」

 

「それは、違うよ。………友希那さんが……本当にRoseliaを止めるなら…多分いつかはわかってた事だと思う………」

 

「じゃあ、Roseliaはなくなっちゃうの?」

 

「ううん……それは大丈夫じゃ、ないかな?」

 

「どうして?」

 

「だって、この前…陽菜さんが……『Roseliaに何かあれば俺が助ける』って言って、くれたから…」

 

「!りんりんが……男の人を、信じてる……!?」

 

「もうっ!あこちゃん…」

 

「…やっぱり、りんりんもRoseliaが大事だよねっ!」

 

「うんっ、でも……だからこそ、わたしは……わたしを変えてくれた、あの人達と…もっと、ずっとこれからも一緒に……演奏が、したいっ」

 

「!りんりん……!」

 

「だから、わたしたちでも……できる事をしよう…」

 

「うんっ!ってあれ?リサ姉から電話だ。

もしもし?えっ、陽兄ぃから電話?うん、りんりんもいるよ?

…うん、わかったっ!りんりんにも言っておくねっ」

 

「?……あっ、あこちゃん、もう暗いから一緒に帰ろう……」

 

「うんっ!」

 

あこ 燐子 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紗夜 日菜 side

 

ダメっ!こんな技術じゃ、私にはギターしかないのに……!

 

「……たとえ、Roseliaがなくなったって……」

 

「?お姉ちゃん、どうしたの?」

 

「!日菜っ、勝手に入ってこないで…」

 

「ドアが開いてるだけで入ってないよ、ほら」

 

「なによ……それ、早く自分の部屋に戻って。今、忙しいから」

 

そう言って、私は妹を部屋に戻し、ドアを閉めた。

すると

 

「?……宇田川さんから動画メール……?……っ!!」

 

そこに映っていたのは、楽しそうに演奏していた自分の姿だった。

 

「っ……Roseliaがなくなれば、私は……」

 

日菜 紗夜 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

ある一本の電話が来た。

 

「…もしもし。………はい。……わかっています。……決めました。はい…それでは、お願いします」

 

そして電話を切り、全員にメールを送った。

内容は

 

『私の正直な気持ちをみんなに伝えたいので、集まってほしい。日時は…』

 

そして全員にメールを送った……つもりだった。

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各員 その時 side

 

あこと燐子

 

「あっ!友希那さんから」

 

紗夜

 

「……『私の正直な気持ちをみんなに伝えたいので、集まってほしい。日時は…』……湊さん……」

 

リサ

 

「!友希那…」

 

如月

 

「ふわぁぁ、ん?うわっ!?虫!?」

 

各員 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして数日後

Roseliaが集まった。

 

「……まだ、如月が来ていないけど」

 

「えっ、友希那のメールみんなに届いたはずだよね」

 

「……もしかしたら、携帯の充電が…切れたのかも……」

 

すると友希那が

 

「………先に進めるわ。まず、この前はごめんなさい。

これは、1バンドメンバーとして、自分の気持ちが整理しきれていなかった事とあなた達との関係性を認識できていなかった」

 

それを聞いたあこは

 

「う〜??つまりどういう事?」

 

「スカウトは断ったわ」

 

「「!!」」

 

すると紗夜は

 

「…そうだとしても、私たちのことを『コンテスト要員』として集めた事には変わりないのよね?」

 

それを聞いたリサは

 

「紗夜、何もそんな言い方!」

 

リサが何か言おうとしたのを友希那が遮り

 

「リサ、ちゃんと聞いて。

紗夜の言う通り、確かにそうだったのだから、責められて当然よ」

 

すると紗夜は首を少し振りながら

 

「……湊さんの意思がわからないわ」

 

「…紗夜の言った通り、私はFUTURE WORLD FES,に出るために全てをかけて音楽をやって来たわ……」

 

「…失礼だけど、フェスは確かに音楽の頂点。だけど湊さんが全て『フェス出場』の為なら、その後のビジョンというものが何もない……つまり…私達は使い捨て、そういう事になるわ」

 

すると

 

「それは違うわ!」

 

「「「「!!」」」」

 

「確かに最初は、如月をバンドの手伝いに誘い、メンバーを探している時は…そうだった……でもっ、紗夜を見つけて、如月が燐子を呼んで、あことリサが入ってきた時から…いつのまにか、私は…お父さんの事より……」

 

「…『お父さん』?」

 

「…本当の私は『私情』のために利用して来た人間よ。

……少し長い話になるわ。昔1人のバンドマンがいたの…」

 

そうして友希那は自分のお父さんの事を話し出した。

そうしてしばらく話し、話し終わると

 

「…確かそれは…インディーズ時代の名盤だって、湊さんのお父さんが……」

 

「そして私はRoseliaを立ち上げて、『自分達の音楽を極める』と偽って、私の私情であなた達を騙した…」

 

「……友希那」

 

「……私は、私がRoseliaから抜けるべきだと思う。私と違い、あなた達の音楽に対する思いは、信念は本物だから」

 

「ちょ、ちょっと、友希那」

 

「そ、それなら、あこだって」

 

「でもっ!!!!でも、私は……こんなに自分勝手で、なにもかも元を正したら、ただの『私情』で……こんなの都合が良すぎる事くらいわかってる。

それでも……また、この5人で演奏したいっ!この5人じゃなきゃダメなの!」

 

すると紗夜が少し微笑んで

 

「……あなたの気持ちもわかるわ。音楽を始める動機なんて、みんな…私情や私的なものなんじゃないかしら」

 

そしてあこと燐子も

 

「あこも、おねーちゃんみたいになりたかったからだもんっ!友希那さんの『お父さん』と一緒だよ!」

 

「わ、私も……こんな、自分を……どこかで、変えたいって……思ってました、から…」

 

するとリサも

 

「アタシは友希那と一緒に…って言わなくてもわかるか♪」

 

「抱えたものをどうしても捨てられないのなら、そのまま進めばいい。…そうじゃない?」

 

「……紗夜……」

 

「それに私だって、またこの5人で演奏したいと思いますから」

 

「あれ?これってRoselia再結成?」

 

すると仲良く

 

「「解散してない。

……!!」」

 

「「ふふ(はは)」」

 

そして紗夜が仕切り直しに

 

「では、Roseliaとして、FUTURE WORLD FES,のコンテストにエントリーする。みんなそれでいいかしら」

 

「「「はいっ!」」」

 

「……紗夜、みんな……」

 

するとあこが突然

 

「あっ!陽兄ぃの事忘れてた!」

 

「そういえば、まだ来ないんですか?」

 

「多分さっきメールしたから大丈夫だと思うけど…

それよりあこ、陽菜が色々してくれたのもあったから今こうなってるんだし、陽菜の事忘れちゃダメだよ?」

 

「ううっ、ごめんなさい陽兄ぃ」

 

「「今井さん

リサ」」

 

「?どうしたの?」

 

「いえ、如月さんが色々してくれた、ってどういう事ですか?」

 

「あ〜それはね」

 

するとドアが勢いよく開く音がした。

そしてそこに入って来たのは……

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして前後編が繋がった今

 

「あーなるほどな、そういう事か…急いで来たのにもう終わってたのか…」

 

はぁ、かなり疲れたずっと走って体力がもうない。

でも

 

「それで、みんなはちゃんと仲直り出来たのか?」

 

するとあこが元気よく

 

「うんっ!ちゃんと仲直り出来たよっ!これも陽兄ぃのおかげだねっ」

 

「いやいや、最後に関しては俺、何もしてないしてない。というか、なんで俺の所にメールがこなかったんだ?」

 

その質問に友希那は

 

「それは、あなたが私の連絡先を持っていなかったせいよ」

 

「えっ、俺のせいなの!?」

 

「あははっ、何はともあれ、これで全員集合したね♪」

 

すると紗夜が

 

「はい、ようやく練習を始めれます」

 

そして友希那が

 

「みんな、ロスした分を取り返すわよ」

 

 

「「「「はいっ!」」」」

 

そしていつもより綺麗で、またあの『音』が出ていた。




ネタがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

次回予告

そういえば、こんな行事があったなぁ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 そういえばこんな行事があったなぁ…

Roseliaが戻って来てからしばらく経ったある日。

今日は調子が良く学校にも間に合った。

だから、俺の溜まりに溜まった補修の数々があり、放課後に叶先生に呼び出されている、何故今まで呼び出されなかったのかが不思議だ。

 

「はぁ、早く帰りたい」

 

そんなセリフを吐いているが今は朝のHRであった。

すると叶先生が入って来てすぐに

 

「ではっ!今週の木、金、土曜日の3日間にある修学旅行の話を少ししますね」

 

クラス一同

 

「はいっ!!??」

 

「はいっ!つまりそういうことです。皆さん理解が早くて助かります!」

 

なんも理解できてねぇーよ。

 

「学生の楽しみ、修学旅行です!本当は10月に行うはずだったのですが、色々あって今週末に決定しましたっ!みなさん一緒に楽しみましょうっ!」

 

そういえばこんな行事があったなぁ…

それより

魔法の言葉を言ってしまったな叶先生…ていうか、色々って何!?

そう思ったが、俺が今何か言ったところでだった。

なぜなら

 

やったーー!修学旅行だーー!

 

なぁ、お前何持っていく?俺はゲーム機持ってくぜ!

 

馬鹿なのか勇気があるのかどっちなんだお前は…先生の前で言ってどうすんだ

 

ねぇねぇ、私たちは何持っていく〜?

 

私はどうしよっかな〜

 

なっ?魔法の言葉だろ?まるで発情期の動物園だ。

そんな事を思っていた。

すると

 

「はいっ!では、今日の放課後までに3人以上の班を作ってください。

別に他のクラスの人と組んでも構いません。

ただし、男女一緒になった場合は当たり前ですが寝る部屋は別々となりますよ」

 

となると行動班と寝る班は一緒か…はぁ、休みたいなぁ…よしっ休む口実でも作るか…

そう思った。

すると叶先生はこちらを見て満面の笑みを浮かべた。

 

「っ!!」

 

なんだろう、今全てを見透かされた気がした……

とりあえず放課後までになんとかしなければ

すると

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、いつも通りの授業が始まった。

そしていつも通りに時間が過ぎていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼休み

 

俺はいつもの所に行くとそこには先客がいた。

 

「……まさか……日菜の奴、この場所を広めたんじゃ……」

 

そんな独り言を言った。

しかし、そこにいたのは

 

「!友希那」

 

友希那であった。

……ごめんな、日菜。

 

「珍しいな、俺より先に来てるなんて」

 

「…ええ…あなたに、話があって…」

 

「話?」

 

「先日の事、リサ達から聞いたわ。あなたが色々と裏でやってくれてたみたいだったから、動画の事やリサの事も…。

その…ありがとう如月、私達のためにそこまでしてくれて」

 

「まぁ、俺もRoseliaが無くなるのは嫌だったからな……」

 

「そう、それなら良かったわ」

 

そして、俺はベンチに座り、いつものサンドイッチを食べ終わり、思い出した事があったので…

 

「あっ、そういえば、友希那も修学旅行、行くのか?」

 

「私は休みたかったのだけど、叶先生に……」

 

「あーなるほど、そういう事か、流石の友希那でも行く事になったか」

 

「ええ……そういえば叶先生が班を作っておいて、と言っていたけど……あなたは班どうするの?」

 

「………」

 

「……その反応だとまだ作れてないのね。

……その…あなたが良ければだけど、私とリサの班にあなたも入る?」

 

あれ?なんだろう、友希那ってこんなに優しかったっけ…

いや、今はそれじゃない。この3人なら大丈夫だ、それに楽しいだろうな。

そう思った俺は少し悩んで

 

「…いいのか?」

 

「いいわよ、リサには言っておくから」

 

「そうか、ありがとう。助かった」

 

すると

 

「あーっ!いたー!」

 

そこにいたのは日菜であった。

 

「日菜!?」

 

「なーんだ、こんな所にいたんだっ!探したんだよー?」

 

「そんなこと言われてもな…それより探してたって?」

 

「あのねっ、この前の事でお礼が言いたくて」

 

「この前?」

 

「ほらっ、お姉ちゃんが教科書だーとか、お姉ちゃんがお姉ちゃんっぽいとか話」

 

「ああ、そういえばあったな、そんな事。

でも俺なんかしたっけ?」

 

「えー覚えてないのー?その時、陽菜くんが『日菜はいつも通りで助かるよ』って、言ってくれてたじゃん」

 

「あーそんなあったような無いような…」

 

そんな事を小声で言い、日菜はいつも通り、自分の話を続けた。

 

「それでねっ!お姉ちゃんがこの前帰って来た時、お姉ちゃんがギター弾いてるのを見て、いつもの教科書のお姉ちゃんに戻ってたの!」

 

「そ、そうか」

 

「でもねっ、あたしはもしかしたら何かあったんじゃ無いかな〜って思って聞いて見たの。そしたらお姉ちゃんが『誰とは言わないけれど、あなたと同じ学年の人に1番助けられたと思うわ』って言ってたの」

 

「それは」

 

それは友希那の事じゃないのか?

そう聞こうとしたがまぁ、嬉しそうに話をしていてセリフを遮られた。

 

「だから、陽菜くんがお姉ちゃんに何かしてくれたのかなぁ〜って思って。

だから、もしそうだったら、ありがとね♪陽菜くん」

 

「いやだから」

 

だからそれは友希那の事じゃないのか?

そう聞こうとしたがセリフを(ry

 

「?」

 

すると隣に座っていた友希那が

 

「…如月?この子は、誰?」

 

「ああ、そういえば言ってなかったな。この子は」

 

名前を紹介しようとするとセリフ(ry

 

「あたしは氷川日菜だよ♪

名前はなんて言うの?」

 

「…湊 友希那よ」

 

「友希那ちゃんっ、これからよろしくっ!

…あっ!もう一つ用があったの思い出した!」

 

えぇ、メンドくさそうだな

 

「……めっちゃメンドくさそうだな…」

 

「いいからいいからっ!それで陽菜くんって修学旅行の班とかもう決まった?」

 

「ああ、それならさっき友希那とリサの班に入る事になった」

 

「3人だけ?」

 

「ああ」

 

「……あっ!じゃあ、あたし達の班と一緒に行動しない?」

 

それを聞いた俺は

 

「えっ?知らない人とは嫌なんだが…」

 

「だーかーらー、あたし達の班と一緒に行動しよってばー」

 

「いや、だから嫌だって…」

 

「えー、なんでー?

絶対楽しいと思うんだけどなぁ…」

 

少し寂しそうな目でこちらを見てきた。

やめてください、そんな目をしないでください、死んでしまいます。

すると

 

「…如月、この機会に友達を増やしてみたらどう?」

 

友希那の言葉に便乗してか日菜も

 

「そーだよ。

お友達増やしたらここも賑やかになるよ?」

 

「いやいや、そもそも日菜の所に誰がいるか、知らないし…」

 

「えーっと、あたしの所も3人で、マヤちゃんと薫くんがいるよ」

 

女の子だけだと思ってたけど薫『くん』ってことは俺と同じ、友達が少ない男なら色々分かり合えるかもな…

そう思った俺は一応

 

「…友希那はそれでいいか?」

 

「いいわよ」

 

案外あっさりした答えだった。

そして少し悩んだが

 

「…わかった。こっちの班と日菜の班を合わせるって事でいいか…一応日菜はその2人にも伝えておいてくれ」

 

「うんっ!じゃあね、2人ともっ!」

 

そう言って、日菜はどこかへ行ってしまった。

 

「…そろそろ、私達も戻りましょう」

 

「そうだな」

 

そう言って教室へ向かって行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

忘れてた、完全に忘れてた。補習がある事を

 

「で、なんの補習ですか?」

 

「全教科の朝学よ、全教科」

 

「なぜに全教科も…」

 

「それは如月くんがギリギリで来るからよ」

 

「まぁ、否定はしませんけど」

 

「それじゃあ、パパっと終わらせちゃいましょう!」

 

「そうですね。でも、その前にみんなに連絡したいので」

 

「うんっ!いいわよ」

 

そして先生からの許可も得て、とりあえずリサに、補習で遅れるかもしれない。とメールを送り、補習を受けた。

そして、しばらくすると

 

「そういえば…修学旅行の事だけど、班はもう決まった?」

 

「ええ、おかげさまで」

 

「ホントっ!?」

 

「はい、そうですけど…何でそんなに喜んでるんですか…」

 

「だって!あの如月くんが、いつも1人で弁当を食べていた如月くんに、友達ができるなんて…私は嬉しいわっ!!」

 

別に悪気があって言っているわけではないのはわかる。

叶先生はかなりの天然で素直だからな。

 

「……はぁ、先生の天然は色々と危ないですね…」

 

「えっ?」

 

「いえ、なんでもないです。後これ、全教科の補習の分全部終わりましたから」

 

「はいっ!お疲れ様、所で如月くんの班はどんな感じになってるの?」

 

「えーと、男子2人女子4人、だった気がします」

 

「ずいぶん偏ってるけど…今回だけは特別ね。

なんたって如月くんが友達をたくさん作る機会だもの!」

 

何か勘違いしてそうだけど、まぁいいか。

そして俺は少し急いでスタジオへ向かおうとすると

 

「あー!忘れてたっ!」

 

叶先生が急に叫んだ。

しかも

 

「お願いっ!私の代わりに屋上に行って来てつぐみちゃんって子呼んできてくれない?お願いっ!」

 

お願いを連発する先生を見て

断れない感じになってしまった。

 

「…はぁ、わかりました」

 

「ありがとうっ!」

 

はぁ、面倒くさい階段が多いな。エスカレーターにしてくれよ……

そう思いながらも夕日の光が差し込む屋上のドアを開けると同時に、早く帰りたかった俺は

 

「つぐみさんっていますかー?」

 

「「「「!!」」」」

 

「あっ!」

 

「あっ」

 

するとそこに居たのは

この前、道に迷っていた俺を助けてくれた子だった。

 

「「……だ、誰?」」

 

赤髪の子と黒髪に赤色のメッシュをした子に言われた。

なんだろう、めっちゃ引かれてる気が……

そう思っていると

 

「ふ、2人ともっ!あの人は私の知り合いだから!」

 

「知り合い?」

 

「えっとね、この前うちのお店に行きたかったらしくて、道に迷ってたからそこまで案内してたの」

 

「へー。いやーあんた良かったな。つぐみがいてくれて!」

 

そう言って背中を叩かれた。

 

「まぁ、確かにその場にいてくれて助かったけど」

 

それ地味に痛いからと言おうとしたら

黒髪に赤色のメッシュをした子が

 

「…巴、叩いてるとこ悪いけど…多分その人2年生だから……」

 

「「「「ええ!!」」」」

 

「「気づいてなかったの!?」」

 

思わず2人してツッコンでしまった。

すると

 

「と、巴?謝ったほうがいいと思うよ…巴、結構タメ口だったし…」

 

と髪の色がピンク色で横に髪を分けて結んでいる子が心配そうに言った。

しかし、元からそんな事を気にした事がなかったので

 

「いや、別にタメ口でもいいよこの際」

 

すると白色の髪の子がゆったりとした声で

 

「そういえば〜、つぐに何か用があって来たんですか〜?」

 

「私に?」

 

「ああ、忘れるとこだった。

下で叶先生が呼んでるって、それを伝えに来たんだ」

 

「!そうですか、わざわざありがとうございます。ええと……」

 

そういえば、まだ名前言ってなかったな。

 

「…如月陽菜だ」

 

「陽菜さん、伝えてくれてありがとうございました」

 

「どういたしまして…」

 

そう言って切り上げた。

そして叶先生に報告し終わりそのままスタジオへ向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

CiRCLE前

 

「………」

 

俺は自分の携帯に届いたリサからのメールを見ていた。

内容は

もう練習終わったよ〜。陽菜が補習受けてるってみんなにはちゃんと伝えといたから安心してね☆

それと友希那から修学旅行の班の事、全然オッケーだからね♪

 

「……補習、受けないようにしよう……」

 

久しぶりの独り言を言い帰った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして2日後

 

修学旅行当日

今日は妹が紅茶と偽って出したコーヒーを飲んだおかげで目が覚めていた。

なぜ香りで気づかなかったのか自分でも不思議だ。

しかも叶先生にいつも遅刻ギリギリだから学校には30分前に着くように連絡があったからいつもより早く起き学校へ向かった。

 

「………着いたのはいいが……」

 

まぁ、着いたら誰かいるとか、知り合いがいるとか、別に何も期待してねーし?うん……

そう思っていると

 

「あっ、如月くん!ちゃんと来たんだねっ!」

 

「まぁ、遅刻ギリギリなのは本当ですからね」

 

「じゃあ、みんなが集まるまで暇だろうから、ちょっと先生のクラブの手伝いしてくれる?」

 

「……えっ?」

 

「ありがとうっ!じゃあ、ついて来て!」

 

まだ何とも言ってないよ?

えっ?しか言ってないよ?

どこに承諾した語句があったんだよ…

とりあえず無理矢理連れて行かれたので、色々話を聞いてみると

叶先生はクラブの担当者だったらしい。

 

「それで何の手伝いですか?」

 

「えーっとね。荷物運びなんだけど、多分20分くらいで終わると思っているわ!」

 

「思ってるだけ!?」

 

「で、でもっ!2人でやれば大丈夫!

うん、きっとうん。あっ!」

 

先生は何か思い出したようだった。

すると

 

「大丈夫だ!問題ない!」

 

「……先生、それは…大丈夫じゃない、問題あるって意味に聞こえますよ…」

 

「じゃあ15分で終わるから!」

 

「先生の体内時計は直した方がいいですね」

 

「ええ!?」

 

「…とりあえず早く終わらせましょう」

 

「うんっ!大事な物ばかりだから扱いには気をつけてね♪」

 

「わかりました」

 

そう言って本当に早く終わらせた。

そして終わってから気がついた。

 

「……先生、もしかして学校に早く呼んだのって俺にこの手伝いをさせる為ですか?」

 

「えっ!?そ、そそ、そんな、わわ、訳、な、ないじゃない!」

 

「……動揺しすぎてバレバレですよ…」

 

「…ごめんなさい……」

 

「いいですよ、やりきった感がありましたから」

 

「ありがとう、それより時間もちょうどいいじゃない。

先生は他にすることあるから班で集合しててね」

 

「…はい」

 

そう言って集合場所に行くと、人がそれなりに集まって来ていた。

 

「……人多いなぁ、どこで待ち合わせなんだ…」

 

すると

 

「おーい、陽菜くーん!」

 

その元気そうで何よりと思う声は

 

「ん?日菜か、おはよう」

 

「うんっ!おはよう!

あっ、それでこの2人がこの前話してた麻弥ちゃんと薫くんだよ♪」

 

するとメガネをかけた女の子が

 

「ど、どもー。後ろから呼んでも前から呼んでもやまとまや。

大和麻弥です。よろしくお願いします」

 

「よろしく。ええっと、俺は」

 

自己紹介をしようとすると日菜が

 

「あ、陽菜くんの説明はあたしがしといたから安心していいよ♪」

 

「えっ?」

 

「ジブンも陽菜さんの話を聞いた時は、きっと面白い人だろうなって思いましたよ」

 

「えっ?どんな説明したの?」

 

すると隣にいた紫の髪の子が

 

「やあ、名乗らせてもらって構わないかい?」

 

「あっ!はいどうぞ」

 

「私は薫、瀬田薫だ。

今回の修学旅行では儚い時間を過ごしたいね」

 

「…儚い…?えっとそのよろしく…」

 

「ああ、こちらこそよろしく、子猫くん」

 

こ、子猫くん!?

俺は悟った。

ダメだ、これで修学旅行を乗り切れる気がしない。

ん?えっ?んん!?

 

「お、女の子じゃん!」

 

今気づいた

 

「?そうだよー。

薫くんは女の子だよ?」

 

「いや確かに『くん』がついてる時点で決めつけたのは悪いけど。

この修学旅行で男子俺だけになったよ?」

 

「んー?」

 

あっ、ダメだ、理解されそうにない。

 

「いや、それより友希那とリサ探すか…」

 

「あ、それならさっきジブンリサさんに会いましたよ、先に集まってて、との事です」

 

「…じゃあしばらく待つか」

 

そう言ってしばらく待つと

 

「ごめーん☆ちょっと遅れちゃった」

 

「おっ!来ましたね」

 

「リサ!久しぶりじゃないか」

 

「あっ!薫、久しぶり〜☆」

 

「あれ?2人とも知り合いだったんだ♪

やっぱり、この班これから色んな事が起こるかもね♪」

 

「怖いこと言うなよ……」

 

「えー?なんでー?」

 

すると先生からのバスの準備が出来たらしく、とりあえずみんな指定の席に座り、そのまま目的地に向かった。

目的地は京都であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

着いたのはいいが、京都に来るのは初めてだな。

そう思った。

 

学校側の事情で宿に着いて荷物を置いてから次の夕食まで自由時間であった。

そして俺は自分の部屋で荷物を色々あさっていた。

この部屋は俺の班が男子1人だったのでシングルとなった、叶先生には男友達も作りなさいと怒られたが、この部屋は綺麗でかなり良かった。

すると扉が開きリサが来た。

 

「陽菜〜、今から京都巡りに行こう♪」

 

「京都巡り?」

 

「うんっ!京都には色んな観光名所とか食べ物とかがあるっていう話をしてたら、みんなで一緒に行こうって事になって、だから陽菜も一緒に行こっ♪」

 

「わかった、俺も行く」

 

「うんっ!じゃあ、下で待ってるね☆」

 

「ああ」

 

こうして俺の修学旅行は始まった。




それでは紹介させていただきますね。

月季様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様 そして名前の見えないけど登録してくれているあなた!様

本当にありがとうございます。

次回予告

修学旅行とはこんなに大変だったかなぁ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 修学旅行ってこんなに大変だったかなぁ

ポテチって美味しいよね。

オ↓マ↑ケ↑

???「さぁ、さっさと小説を書くのだharu亜(作者)!」

作者「あ、LAWS○Nでバンドリコラボしてるじゃん!コンビニ行ってくる!」

???「マジで!?ちょ、我も行く!」

作者「あくしろよ、俺も止まらねぇからよ…止まるんじゃねぇぞ…」

???「いや、信号は止まれよ?」

作者「ちっ、なんで家からLAWS○Nまでの道に信号が3つもあるんだ…」

???「知らねぇよ…ていうかお前この前」

作者「いやちょっと待て!」

???「ど、どうした」

作者「これ以上話したら本編まで長ーよ!、とか言われてしまう!!だから本編へどうぞ!!!」

???「なんの話だ?」



リサに呼ばれて京都巡りに行くことになった俺は時間とカレンダーを見て時間が10時ごろである事を確認し、下に行った。

するとそこにはみんなが待っていた。

 

「すまん、遅くなった」

 

するとみんな

 

「あっ、陽菜来たよ〜」

 

「やっと来たー!おっそーい!」

 

「でも、これで皆さん揃いましたね。ジブンこれから楽しみです!」

 

「うんっ!わたしも楽しみだよ♪」

 

「さぁ、早くみんなで儚いひと時を過ごそうじゃないか」

 

「そうだね☆みんなで楽しもう!

それで、みんな最初どこ行くの?」

 

「えっとね〜、私は」

 

「あっ、それならジブンも行きたい所が…」

 

そしてそれを聞いていた俺と友希那は

 

「これは中々大変そうだな」

 

「そうね、私は別に行きたくなかったのだけどリサが…」

 

「……あっ、そういえば京都って猫が多いらしいな」

 

「!………そう」

 

「まぁ、あの子達色んな所に行くらしいから途中で猫に会えたりするかもな」

 

「…早く行きましょう」

 

「ん?」

 

すると日菜が

 

「友希那さんと陽菜くんも早く行くよー!」

 

そう言うと日菜は友希那の腕を掴み引っ張っていった。

 

「!…わかったから引っ張らないでちょうだい」

 

「陽菜くんも早く早く!」

 

「ああ、わかった。

…それで、最初はどこに行くんだ?」

 

するとリサが

 

「えーっとね、まずみんなの意見をまとめたら、1日目は…下鴨神社に行ってから昼食を食べる感じそれで少し休憩時間を取ってから八坂神社に向かってその次に清水寺に行って、次は金閣寺に行ってから龍安寺に行く。

これで多分夕食の前にはここに着いて間に合うと思うよ☆」

 

「……こんな一瞬でまとめられるのがすごいよ」

 

「…さすがリサね」

 

「ありがとう2人とも☆」

 

すると麻弥が

 

「あっ、もしかして2日目も決まってるですか?」

 

「うんっ!えっとね、2日目に…嵐電に乗って嵐山に着いたらまずは、伏見稲荷神社に向かって、その後はみんな自由時間で集合場所は嵐山駅に暗くなってきたらみんな集合して…」

 

そこから先はリサは話さなかった。

それが気になり

 

「?集合して?」

 

「ううん!それは明日のお楽しみにって事で♪」

 

悩みがあるわけではなさそうだったので、少し安心した。

まぁ、とりあえず俺の体力が持つかわからんが

 

「…1日目のルート頑張ろうか」

 

「「「「「おー!

おー」」」」」

 

そうして俺たちは1日目のルートを周って行ってわかった。

リサがいてくれて本当に助かった。

日菜と薫を制御するのはリサが適任だな。

そして、やっと清水寺に着き、景色が見える所へ移動した。

すると麻弥が

 

「おおっ、これです!ジブンが見たかったのは!」

 

「わー!なんかここ、るんっ♪ってするよ!もうちょっと近くで見てくる!」

 

「では、私も美しい景色を見るとしようじゃないか」

 

るんっ♪ってなんだろう…

でも、そうやってはしゃいでいる3人の姿を見ると

落ちそうで危ないなぁ転ばないかなぁ大丈夫かなぁ怪我しないか心配だなぁ。

そう思っていると

 

「……そんなにあの3人が心配?」

 

そう言ったのは友希那だった。

 

「えっ!?いやいや、まさかそんな…」

 

「顔に出てるわよ」

 

「……」

 

「…心配しすぎよ、リサとあなたがいるなら何の問題もないわ」

 

「…そうか……ん?今なんて言った?」

 

「……なんでもないわよ」

 

「今、結構いい事言われた気がするんだけどなぁ…」

 

「気のせいよ、それより早く見に行きましょう」

 

「そうだな」

 

そして見に行くと

 

「おお、本当に絶景だな」

 

「そうね」

 

すると薫が

 

「やあ、子猫くん楽しんでるかい?」

 

「ああ、もちろん」

 

「それは良かった。

君も色々思う事もあるだろうけど、みんなの事は、私に任せてくれたまえ」

 

俺ってそんなに顔に出てるのか。

でも

 

「薫がそう言ってくれるなら俺も少しは楽になれそうだな」

 

「あはは、それは良かった。

では私はこの儚いひと時を過ごそうでないか」

 

そう言って薫は日菜と麻弥がいる場所へ向かった。

 

「ああ、楽しんでこい」

 

そしてその後もリサが指示して金閣寺と龍安寺を周った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は夕食を済ませた後、すぐ風呂に入った。

少し喉が渇いたのでそのまま1階に降り、自動販売機で珍しくオレンジジュースがあったのでそれを買い、椅子に座って飲んでいると

 

「あっ、陽菜さんじゃないですか!」

 

「ん?麻弥か。

どうしたこんな所で」

 

「ジブンも陽菜さんと同じで、喉が渇いたのでジュースを」

 

すると麻弥はジュースを買ってからこちらに来た。

 

「隣いいっすか?」

 

「いいよ」

 

「ありがとうございます。

それにしても今日は楽しかったですねっ!

ジブンずっと前から清水寺の景色見たいなって思ってたんですよ、そしたら想像よりも景色が綺麗でした」

 

「ああ、景色もそうだけど、清水寺に釘が使われてないにしても結構普通の建物みたいですごかったな」

 

「はいっ!

ジブンああいうの見るの好きなんですよ。

いつかパスパレのみんなで…」

 

すると少し悩んでいるような顔をしていた。

女の子が悩んでいるかどうか分かるのは、Roseliaで何回か見た気がするからだろうな。

しかし、やはり気になってしまうので

 

「…どうした?」

 

「えっと、その〜、少しだけ相談したいんですがいいですか?」

 

「相談?」

 

「はい…実はジブンPastel*Palettesって言うアイドルみたいなバンドに入ってるんですよ」

 

Pastel*Palettesって確かこの前、紗夜とショップに行った時にポスターが貼ってあったな…

そう考えているが今は話を聞く。

 

「それで、時々ジブン、スカウトされた時のことを思い出してしまって」

 

「スカウトされた時?」

 

「はい、実はジブンいつも音楽のサポートばかりしていた時に千聖さんという方に出会ってその人にスカウトされたんですよ。

それで、千聖さん実はアイドルでして、まさかジブンがアイドルにスカウトされるなんて思いませんでした」

 

「?それのどこが相談なんだ?

スカウトされて良かったじゃないか」

 

「いえっ、スカウトされたのは嬉しいんですが…未だに実感が湧かないんですよ。

ジブンがPastel*Palettesのメンバーって事はわかるんですけど……」

 

「一緒に練習してるのに?」

 

「ええ、そうなんですよね。みんなと演奏してる時は一体感があるんですが……ふとした時に、ジブンがみんなの中にいていいのか、って。

あっ!もちろん疎外感があるってわけじゃないんです。

皆さん本当に優しくて良い人ばかりですから」

 

「……いっそ直接メンバーに聞いてみたらどうだ?」

 

「ええ!!でも、ちょっと聞き辛いじゃないですか…」

 

「だからこそ、今聞いといた方が遠慮せずに意見する事ができる。

これもバンドメンバーとしては必要だからな」

 

「!」

 

すると向こうから見た事のある子が来た。

 

「ちょうどいい所に日菜が来たじゃないか、いってら」

 

「え、ええ!」

 

すると向こうも気づいたらしく。

 

「ん?麻弥ちゃんと陽菜くん、そこで何してるのー?」

 

「日菜。

麻弥が聞きたいことがあるそうだ」

 

「ちょ、陽菜さん!?」

 

「ん?なーに麻弥ちゃん」

 

「その…日菜さん、ちょっとだけ話してもいいですか?」

 

2人が話し始めたので俺はとりあえずこっそり部屋に戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

自分の部屋に戻った。

…にしても暇だなぁ。

でも、今日は本当に楽しかったなぁ、明日は夜まで自由時間か…まぁ、10時までだけど。

そしてしばらくすると

扉を勢いよく開ける音がした。

 

「たーのもー!!」

 

入って来たのは別の高校生の女子だった。

大声で入って来た子は髪に耳みたいな物が生えていた。

するとその子と目が合い

 

「「だれ!?」」

 

そして玄関から新たに入って来た金髪ツインテールの子が

 

「いや!それお前のセリフじゃねぇーよ!!」

 

その時、少し混乱していた俺は

えっ!?俺!?

すると更にもう1人、ポニーテールの子が入って来た。

 

「ご、ごめんなさい!すぐに出て行きますので!」

 

「あれ?有咲と沙綾どうしたの?」

 

「どうしたの?

じゃねぇーよ!ここ、そもそも私達の部屋じゃねぇし!」

 

「ええ!!どうりで部屋の形が違ったんだ」

 

「どうしてそこで気づかなかったんだろう、香澄は…」

 

「いや〜、なんか違うと思ったんだけど、もしかしたら部屋が勝手に変わったのかとついつい…」

 

「いや!変わるわけねーだろ!とりあえず早く戻るぞっ」

 

「あっ!この人と少しだけお話ししちゃダメかな?」

 

「はぁ?ダメに決まってるだろ、いいから早く帰んぞっ!」

 

「ええー、この人とあったのも何かの縁だと思うんだけどなぁ」

 

「ちょっ!そんな目でこっち見んな!」

 

「うう、お願い!ねぇ、沙綾も何か言って」

 

「うーん、さすがにそれは無理かな〜」

 

君たち、その会話に俺の意思は存在してない。

そう思った俺がいる。

すると

ポニーテールの子が

 

「すみません。

この子一度言ったら全然引かないんです、少しだけでいいのでお話してもいいですか?」

 

「………いいよ」

 

すると髪に耳みたいなのを生やしてる子が

 

「わぁい、やったー!」

 

「それで、何を話すんだ?」

 

「………」

 

「「「決まってないの!?」」」

 

思わず3人して突っ込んでしまった。

 

「いやいや、話す内容はあるよ!うん…」

 

すると金髪ツインテールの子が

 

「最後自身なさげにするのやめろ」

 

「うう、だって話す内容がないもん」

 

それを聞いた金髪ツインテールの子が

 

「じゃあ、自己紹介とかはどうだ?お互い知らないだろ?」

 

「おお!さすが有咲!」

 

「ちょっ!いきなり抱きつくなって!」

 

「ちょっと2人ともここはこの人の部屋だからね」

 

「「あっ!」」

 

これは自己紹介まで長引きそうだな。

仕方ない

 

「とりあえず、自己紹介誰からする?」

 

すると

 

「じゃあ私から!

私、戸山香澄。16歳!

Poppin'Partyってバンドやってるんだ、それと香澄でいいよ!」

 

バンド?

 

「ちょっ、バンドの事話すのはマズイだろ」

 

「えー?なんでー?」

 

「なんで、ってそりゃお前」

 

「いやいや、別にいいよ。

俺の所もバンドしてるから」

 

「「「えっ!!」」」

 

すると香澄が目をキラキラさせて

 

「そうなんですか?なんて言うバンドなんですか?」

 

少し考えたがメンバーでもない俺が言ってしまってはいけないだろう。

そう思い

 

「……悪いけど、バンド名を言ったら、俺が怒られそうだ。

俺はそのバンドには入ってないからな」

 

すると金髪ツインテールの子が

 

「怒られるって…そんなにヤバイ所なのか…」

 

「いやいやいや、違うから。

そうだな…ただ彼女達はどこの事務所にも入らずに音楽の頂点を本気で目指してるバンドって事だ」

 

「「「…おお」」」

 

するとポニーテールの子が

 

「なんで入ってないんですか?」

 

「俺はただの手伝いだ」

 

何か聞かれそうだったなので

 

「まぁ、それは置いといて、次は誰にする?」

 

すると金髪ツインテールの子が

 

「じゃあ次は私で」

 

「じゃあ、有咲の次は私で」

 

最後に俺か…最後にしては味気のないものを持ってきたな。

そう思った。

そして自己紹介を聞く事にした。

 

「市ヶ谷有咲です。

私もさっき言ったPoppin'Partyに入ってバンドをやってます。担当はキーボードをしています」

 

キーボードか、ドラムをやってるイメージだった。

少し気になったので

 

「…キーボード、上手いのか?」

 

「えっ!?いや、そんなに上手くありませ」

 

するとそれを遮って

 

「うんっ!有咲はキーボードがめちゃくちゃ上手いんだよっ!」

 

「ちょっ!そんなに褒めんじゃねぇ!」

 

「あははっ、じゃあ次は私の番ね」

 

次はポニーテールの子か…

 

「私は山吹沙綾、それと私もPoppin'Partyに入ってて、担当楽器はドラムをしてるよ」

 

ドラムか、キーボードをやってるイメーj(ry

すると香澄が

 

「それとねっ!沙綾の家のパンはすごく美味しいんだよ!」

 

「あははっ、ありがとう香澄」

 

「それはどこのパン屋さんなんだ?」

 

「山吹ベーカリーだよっ!その近くにも羽沢珈琲店とか、北沢精肉店があるよ!」

 

「へー色んなのが……ん?羽沢珈琲店なら、俺前に一回だけ行ったことあるぞ」

 

「ええ!ということは…私達の高校って結構近くにあるんだねっ!」

 

「まぁ、とりあえず次は俺だな」

 

そう言って話そうとすると

 

「あっ!そういえばもうそろそろ時間がヤベーんじゃ…」

 

「あっ!本当だ、おたえと、りみりんが部屋で待ってる!」

 

「しかも香澄、先生から呼び出されてなかったっけ?」

 

「忘れてた!こうなったら有咲と沙綾ついて来て!」

 

「「ええ!!」」

 

「あっ!でも、あなたの名前聞いてない、なんて名前なの?」

 

「如月陽菜だ。

急いでいるなら早く行った方がいいぞ」

 

「わかった!じゃあね!陽菜!」

 

そう言って香澄は有咲と沙綾の手を掴んで引っ張って行った。

 

「階段に気をつけろよ」

 

「はーい!」

 

そう言って出て行った。

ふと時間を見ると

 

「…げっ…寝るか」

 

消灯時間がかなり過ぎてから寝る事にした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

修学旅行2日目

 

朝からみんなに電話で起こされた上に、更に寝不足な上、叶先生に呼び出しをくらった、内容は何で男子が1人しかいないの?と言うものだった。

 

そんな事俺は知りたくない。

…知ってるけど…

とりあえず下に降りて、昨日集まった場所に行った。

すると

 

「やっぱり陽菜くんが最後だったね☆」

 

「仕方ないだろ、先生に呼び出しくらったんだから」

 

「それじゃあ、早く行こっ♪」

 

日菜のスルースキルは相変わらずだな。

そう思っていると麻弥が来て小声で

 

「…昨日はありがとうございます。

日菜さんに話したら結構グサッときたこともありましたけど、少し楽になりました」

 

「じゃあ、これからもパスパレ、頑張れよ」

 

「はいっ!」

 

「じゃあ、今日は楽しむか」

 

そう言い、リサが立てた2日目のルートを通る事にした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

電車に乗り、嵐山に着き、伏見稲荷神社に行った。

そしてしばらく歩き、伏見稲荷に着いた。

 

「じゃあ、ここからはみんな自由行動していいよ♪

ただし、日菜は迷子にならないように気をつけてね☆」

 

「大丈夫大丈夫!」

 

そう言ってそれぞれ別行動となった。

しばらく経った時、俺は

 

「ここ…どこだ?」

 

迷子になっていた。

しかし、今考えた所で道がわからんから無理だな…

そしてしばらく道がわからないまま鳥居を進んでいくと人気がなくなり、ベンチが置いてあった。

 

「疲れたし座るか」

 

そして座るとベンチがかなり綺麗で、誰かに使われた痕跡はなく、人1人が寝転んでも大丈夫な感じの………寝転んでも?

…………少し睡眠不足だから仮眠をとるか…。

そう思い寝転ぶとすぐに眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

すると日の光に睡眠を妨げられた。

思いっきり寝てしまったな…そろそろ起きるか。

そう思い起き上がろうとすると

 

「えっ?なにこれ?」

 

起き上がろうとしたが、俺の体の上に猫が3、4匹気持ち良さそうに寝ていた。

どんだけ人懐っこいんだこの猫達は…とりあえず誰か携帯で呼ぶか…って場所わかんねぇ……どうしよう…

すると

 

「…何をしているの如月」

 

「おお、その声は友希那か?」

 

「ええ、それで何をしているの?」

 

「実はここで少し睡眠をとってたら、いつのまにか、こうなってた」

 

「……そう…それは羨ま…いえ、良かったじゃない」

 

「ん?……それよりも助けてくれないか、この猫達、全然動かん」

 

「嫌よ」

 

「なんでぇ」

 

「……助けたら……猫達が起きちゃうわ」

 

えっ、何この子、めっちゃ可愛い事言ってる。

そう思うと

 

「それに……あなたがそんな所で寝るから…」

 

「いやいや、昨日の夜は色々あって、早く寝れなかったんだよ」

 

「?色々?」

 

「あっ、いや、なんでもない」

 

すると寝ていた猫が起き、にゃー、にゃー、と鳴き始めた。

 

「……かわいい」

 

「ん?」

 

声が小さくてよく聞こえなかったな。

そう思っていると猫達は散らばって行った。

 

「あっ……!」

 

友希那は残念そうにしていた。

 

「……暗くなったら駅前に集合だったよな」

 

「……ええ」

 

「…もう少しだけ、猫達がいる場所探すか」

 

「……別にいいわ」

 

「…俺が見たいだけだから…じゃあ、俺はそこら辺探してくるから友希那は帰ってていいよ」

 

「!…待って!」

 

「どうした?」

 

「…私も付いて行くわ。

如月、帰り道わかるの?」

 

「いや、知らない。道に迷ったからここにいたんだ」

 

すると友希那は少し微笑み

 

「じゃあ、私も付いて行くわ。

暗くなって遅れないようにね」

 

「そうか、それは助かる」

 

そしてしばらく歩くと猫がたくさんいる所があった。

しかも、ここにいる猫はどうやら全員、人懐っこいようだ。

 

「…ふふ」

 

猫に囲まれている友希那が幸せそうな表情を浮かべていた。

なので

 

「…なぁ、友希那が猫に触れ合ってる時の写真撮っていいか?」

 

「!…ダメよ」

 

「えぇ、リサとか喜ぶと思うけど…」

 

「ダメな物はダメよ」

 

「…わかりました」

 

「…でも…」

 

「ん?」

 

「…猫の写真なら撮っていいわよ」

 

「じゃあ後で、友希那に写真送っておく」

 

「…ありがとう」

 

友希那は小声で何か言ったが聞き取れなかった。

とりあえず暗くなる前に写真を撮るか。

そして、撮り終わり、集合場所に集まる事にした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

駅前に着いた頃にはもう、辺りが真っ暗になりそうで、みんなもう集まっていた。

 

「すまん、遅れた」

 

「ううんっ!ちょうどいい暗さだから、今から竹林に行こう♪」

 

「「「「「竹林?」」」」」

 

すると麻弥が

 

「どうして今から竹林に行くんですか、真っ暗で何も見えませんよ?」

 

その質問にリサは自身あり気に

 

「そこら辺は大丈夫だよ☆」

 

「大丈夫って、どうして?」

 

「それは着いてからのお楽しみ♪」

 

すると日菜が

 

「なにそれ気になるー♪早く行こっ!」

 

日菜がそう言った瞬間に竹林の方へ走って行った。

 

「ちょ、待ってください、日菜さん!」

 

麻弥も走って行ってしまった。

それを見て薫も

 

「私も付いて行こうかな」

 

そう言って竹林の所へ2人とも行ってしまった。

そして取り残された俺たちは

 

「「「………」」」

 

「…まぁ、早く行こうか」

 

「う、うん、そうだね…」

 

「…すごい体力ね…」

 

そう言って竹林の入り口に行くと日菜達が待ってくれていたので、一緒に入って行った。

そして夜の竹林は

 

「おお、綺麗だな。

…ライトアップされてるのか」

 

「みんなの笑顔…儚く、美しい…」

 

「ジブンこんなに素晴らしい竹林見たことありませんよ」

 

「なんかここ、るんっ♪って感じがするね!」

 

「本当に綺麗な竹林ね」

 

「うんうん!みんな気に入ってくれたみたいで良かった良かった☆」

 

そしてしばらくみんなで竹林の中を見てまわり、もう辺りは真っ暗になったので帰る事にした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宿に戻り、帰る準備をしていた。

すると一本の電話がきた。

 

「……もしもし」

 

「ああ!やっと出た!」

 

「その声……マサヤ兄さんか、どうした?」

 

「………親父から連絡があってな。

いとこのお前を連れ戻して来い、との事だ」

 

「!?ちょ、ちょっと待てよ!まだ時間はあるだろ?」

 

「いや、それがもうないんだ。今年中にお前には海外に行ってもらう事になった。

……すまない」

 

「……いや、いいよ。

でも今年中って事は、あの子達のライブが見れないって事か…」

 

「……ああ」

 

「……なぁ、少しだけ期間を延ばせないか?」

 

「なに?」

 

「今年の12月に入った時点で俺は、親父さんの所に行く、そう伝えてくれ」

 

「……わかった。

ただし、そこまで引き延ばせないかもしれないぞ、それでもいいのか?」

 

「いいよ。このままアイツらに、何もしてやれないまま飛び立つ。

なんて事したら、次会った時どんな顔してやればいいのか、わからんからな…」

 

「アイツら……ああ、Roseliaのメンバーか。

お前結構気に入ってるんだな」

 

「……ああ、はっきり言って退屈しないし、楽しいよ。あのバンドは」

 

「…そうか。まぁ、延期の件はこっちに任せておいてくれ」

 

「わかった、じゃあな」

 

「おう、残りの時間、楽しめよ」

 

そう言って電話を切ってから寝て、そのままバスに乗って帰り、修学旅行は終わり、俺は

はぁ…修学旅行ってこんなに大変だったかなぁ

心からそう思った。




お気に入りしてくれた方1人増えましたので紹介します。
最新の方が先に来ると思いますよ、最初だけ

田中さん様 月季様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様 あと1人は…名前が見えんのだよ

でも、本当にありがとうございます。
これからも頑張ります。

次回予告

最後の最高ライブイベントになるかもな


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話 最後の最高ライブイベントになるかもな

一応言っておきますね。
前回の予告とかが変わっている時があると思いますが気にせずに見てください。

オマケ
なぜ、回送が2回くらい連続で来るんだ……


修学旅行からしばらく経ったある放課後

俺はCiRCLEに向かっていた。

すると

 

「あれ?陽菜だー!」

 

「?あっ!香澄、どうしたこんな所で」

 

「わたし達ね、今からCiRCLEって言う登校してる時に見つけたライブハウスに行くんだよっ!」

 

「奇遇だな、俺の知り合いもこの後CiRCLEで練習するんだ」

 

「あっ、もしかして!この前言ってたバンドの人達?」

 

「まぁ、そんな所だ」

 

すると香澄の後ろにいた4人のうち2人が

 

「あ、あの…香澄ちゃん、この人ってこの前話してた…」

 

「うんっ!そうだよっ!この人が陽菜だよ!」

 

「あ…は、初めまして…牛込りみ、です」

 

「わたしも初めましてだね、花園たえだよ」

 

「俺は…ってもう話してるか」

 

そんな事を話しているとCiRCLEに着き、中に入った。

するとスタッフさんが来て

 

「君たちちょっといい?」

 

「「「「?」」」」

 

「はいっ!いいですよ!」

 

「いや早えーよ!!」

 

「ナイスツッコミ」

 

とりあえずそう言っといた。

 

「それで何か用ですか?」

 

「えっとね、今度CiRCLEで目玉になるイベントを企画中なんだけど、参加してくれるバンドがいないの。

だから、あなた達、Poppin' Partyにお願いしてもいいかな?」

 

「私達のこと知ってるんですか!?」

 

「うん、それはもちろん!」

 

「わぁ!やったー!」

 

「いやいや、それで香澄達は参加するのか?」

 

「うんっ!もちろんだよっ!」

 

するとたえが

 

「香澄がそう言ったらやるしかないでしょ」

 

「ありがとう!おたえ〜!」

 

「ふふ、よしよし」

 

「ホント!?ありがとう!あっ、私の事はまりなって呼んでね。

それで悪いんだけど…」

 

「?何ですか、何でも言ってください!」

 

「ちょ、お前な」

 

「…実はね」

 

そう言いまりなさんはイベントのメンバーがポピパしか決まっていなく、他のバンドを探して集めて欲しいと言うものだった。

 

「…目処は立ってるんですか?」

 

「もちろん!最近私が注目してる高校生のバンドがあって、全部で4バンドあるんだけど…」

 

まぁ、色々話されてまとめると

 

1つ目は、Afterglow(アフターグロウ)

2つ目は、Pastel*Palettes(パステルパレット)

3つ目は、ハロー、ハッピーワールド!

そして4つ目はRoselia

 

まぁ、2つは知ってるから呼ぶ事は出来……るかなぁ…。

個性的だし、Roseliaのみんなに関してはどうにかなるとして…って!何でこんなやる気出てんだ俺。

そう考えているとまりなさんが

 

「君は参加しないの?」

 

「…俺は別にバンドやってるわけじゃないから、ただの手伝いしてるだけなんだ」

 

「手伝いって…あっ!思い出した!いつもRoseliaと一緒にいる子だった!」

 

今頃ですか。

だが、あえてそれは言わなかった。

それよりも気になることがあったからだ。

 

「………あの」

 

聞こうとすると誰かが入ってきて、そちらを振り向くと

 

「あ、みんな」

 

「如月さん?それに戸山さん、花園さんも…こんな所で何をしているの?」

 

すると香澄が香澄らしくない行動をしていた。

 

「ひ、氷川先輩っ!せ、せせせ先日はどうもっ!今日はRoseliaの皆さんに用がありまして〜…」

 

「俺から話そうか?」

 

「いいの?ありがとう!お願いしますっ!」

 

「それで…如月さんには色々聞きたいですが、何の用ですか?」

 

「実はな、このライブハウスでライブイベントをするらしいんだ。それに出る候補としてRoseliaが呼ばれてるんだ。

……友希那達にはそれに出て欲しい」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「…如月、私達は自分達のレベルに見合っていないステージには立たない、この事はあなたも知ってるでしょ」

 

「それは…そうだけど…」

 

言葉が詰まっていた時後ろからたえが

 

「それなら私達の演奏を聴きに来てください」

 

「なんですって……?」

 

「音楽は、演奏技術が全てじゃない。

弾きたい人が弾けばいいんです」

 

「そういう考えのバンドを否定するつもりはないわ。

ただ、私達とは目指すものが違うというだけ」

 

「なぁ友希那、1曲聴くだけでもいい、それで納得してくれなかったら

それはそれで諦める。だから頼む」

 

「……わかったわ。納得できなかったら私達はイベントには出ない、そういう事でいいわね」

 

「は、はいっ!ありがとうこざいますっ!」

 

「ふぅ、香澄達には悪いけど1曲だけでなんとか頑張ってくれ」

 

するとたえが

 

「うん、大丈夫だよ。

ありがとう、私達の音を聴いた事もないのに信用してくれて」

 

「いや、あれはただの成り行きというか何というか…」

 

「それよりも何で陽菜は先輩達に敬語使わないで怒られなかったの?私それが気になった!」

 

「?ああ、そういえば言ってなかったな。

俺は高校2年生だからな」

 

「「ええ!!」」

 

「気づかなかったのか…いいけど」

 

本当に気づかないもんだなぁ

なんか傷つくような傷つかないような…

そう考えていると

 

「それより如月?いつからあなたはその子達の『手伝い』をするようになったの?」

 

「いやいや、ただ来る途中で会って、一緒に来ただけだから」

 

そして紗夜も

 

「そうなんですか、私もてっきりそちらに寝返ったのかと」

 

「いやいやいや!どうしてそうなった、ていうか寝返るって何?」

 

するとあこが

 

「でも、陽兄ぃさっきまでそっちの味方してたよね、りんりんっ!」

 

「………う、うん……味方に、なってた……ね…」

 

「えぇ、あこと燐子まで…寝返ってないから!」

 

「あはは☆でも、陽菜がいて良かったよ♪今日はいつもの場所に陽菜、いなかったから」

 

「いつもの場所?」

 

「ほら、校門の前にみんなでいつも集まってるじゃん。

もしかして忘れちゃった?」

 

「えっ!?いやいや、今日はたまたまだよ……」

 

「?そう?」

 

まずい、この前のマサヤ兄さんからの連絡でかなり動揺してるな。とりあえず落ち着こう。

リサはこの中でも人の事がよくわかってるからな、気をつけないと。

 

「…みんな、今日、俺抜きで練習してくれないか?」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「今日だけだから、頼む」

 

それを聞いた燐子とリサ、あこが

 

「……陽菜、さん……?」

 

「ど、どうしたの?陽菜が休むなんて…」

 

「陽兄ぃ、やっぱり寝返ったんじゃ…」

 

「いやいや!寝返ったんじゃないから」

 

すると友希那が

 

「……理由を、聞いてもいいかしら?」

 

「…ごめん、理由は言えない」

 

「……わかったわ。

一度あなたのいない練習をしてみるわ」

 

「ちょ、友希那?」

 

「湊、さん……?」

 

「……練習、頑張ってくれ」

 

そう言ってから俺を加えてバンド集めが始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Afterglowは今日練習を入れてない見たいだった。

なので先にパスパレを集めるために芸能事務所に入った。

パスパレを集める為に、俺と香澄と有咲が呼ばれ行く事になった。

 

「おおっ!ここがゲーノー事務所っ!」

 

「香澄、あんまはしゃぐなよっ」

 

「あっ!ここかな?」

 

「人の話聞けよ!!」

 

香澄は扉を勢いよく開けてしまった。

するといかにもアイドルらしい金髪の子が来て

 

「あの……うちの事務所に何かご用ですか?

事前のアポがないようでしたら、お引き取りを……」

 

俺たちがアポ無しで来たのが一瞬でバレた、まぁ、当たり前だ。アイツはいない見たいだけど…

そう思っていると

 

「千聖ちゃん、イヴちゃんがもうちょっとリハが…あっ!」

 

「げっ…」

 

「陽菜くんだー!!」

 

「…やっぱりここの所属だったか」

 

すると千聖と呼ばれていた子が

 

「日菜ちゃんのお知り合い?」

 

「うんっ!この人がこの前話した陽菜くんだよ♪」

 

「へぇ、この方が…」

 

また話したのかこの子は…いや、それよりも

 

「あの」

 

話そうとすると向こうから何人かが来て

 

「ヒナさーん、どうしたんですかー?」

 

「もうすぐリハの時間過ぎますよ……って陽菜さん!?

どうしてここに?」

 

「ハルナサン?

あ、もしかして!

この前ヒナさんが話してた殿方の事ですか?」

 

「はいっ!

陽菜さんにはジブンも相談に乗ってもらいましたから!」

 

「そーなんですか!えっと…あっ!カスミさん!」

 

「やっほー!イヴちゃん!」

 

すると奥からピンクの髪の子が来て

 

「あれ?あなた達もしかしてPoppin' Partyの人達?」

 

「わぁ!わたし達の事知ってるんですか?」

 

「花女じゃ有名だよ!」

 

「もしかして、花女の生徒何ですか?」

 

「うん。私は丸山彩!

千聖ちゃんと一緒の2年生だよ」

 

これは話が長引きそうだ。

そう思って

 

「あー、ちょっといいか。

次のライブイベントについてなんだが」

 

「イベントって?」

 

「ああ、イベントっていうのはな」

 

そしてパスパレのみんなにライブイベントの説明をした。

 

「へー、ライブイベントってそういうことかぁ」

 

「たしかに同い年の人達とバンド共演あまりしてないですよね……」

 

すると彩と千聖が

 

「みんなの気持ちはわかるけど…」

 

「私達は芸能事務所に所属してるバンドだからすぐに出演できるか分からないんです。

事務所にも確認しないと」

 

「もちろん私も出たい気持ちはあるから、その気持ちを事務所の人に伝えてみるよ!」

 

「……じゃあ、出来れば参加する、って事でいいのか?」

 

「はいっ!ええと…なんて、呼べばいいかな?」

 

「なんで」

 

なんでもいいよ。

そう言おうとしたら

 

「この人のことはね〜、陽菜くんって呼んでいいよ!」

 

なぜ勝手に決め

すると有咲が

 

「香澄は勝手に決めんじゃねぇ!」

 

思考を遮られたがナイスツッコミ

 

「えっ、えっ!?」

 

混乱してんじゃねぇか

 

「はぁ、もうそうやって呼んでくれ。

それと同い年だから敬語はいいよ」

 

「じゃあ、陽菜くん、よろしくねっ!」

 

「ああ、よろしく。リハ頑張ってくれ」

 

そう言ってそのまま次のバンドを探した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次はハロー、ハッピーワールド!だ。

そのバンドを探す為に俺と香澄は変わらず1人りみが入り、捜索した。

 

「じゃあ、次はどこにいるんだ…」

 

「探す、あてが……ないですから…」

 

「ん?あの人だかり、何かイベントでもやってたか?」

 

「ううん、多分そんなイベントなかったと思うっ!」

 

「その根拠は?」

 

「だって、あんな人だかりが出来るイベントを私が見逃すわけないもんっ!」

 

「「………」」

 

「とりあえず向かってみるか」

 

すると

 

「世界を笑顔にっ!ほらほら、あなたも笑顔!私も笑顔っ!」

 

「君の笑顔……儚く、美しいね」

 

「ん?」

 

「おや、陽菜じゃないか、どうしたんだいこんな所で」

 

「おお薫、いいところに、ハロー、ハッピーワールド!っていうバンドを探してるんだけど知らないか?」

 

「ああ、それは私達の事だよ」

 

「そうか……ええ!?」

 

「何もそんなに驚く事じゃない、いつだって人は」

 

すると後ろから

 

「りみりん!顔真っ赤だよ!大丈夫?」

 

「あ、あれ?本当だ、なんでだろう」

 

すると水色の雰囲気が燐子に似た子が

 

「も、もしかして熱が…」

 

「そうなのか?りみ熱でもあるのか?」

 

「なんとかわいそうに……君のような可憐な女性が……もしかして、恋の病というやつかな?」

 

「〜〜〜〜〜っ!」

 

「は、はわわ、ど、ど、どうしよう!と、とりあえず救急車……!」

 

あ、薫が一言話すと大変だ。

 

「ちょっと薫はややこしくなるから静かに」

 

「おや?どうしてだい?」

 

すると奥から

 

「あーあーあー、もう。

花音さんちょっと落ち着いて。

てか、A組の戸山さんと牛込さん……?

…とそこの人は?」

 

「あっ!美咲ちゃん!この人は如月陽菜だよ」

 

「あ、どーも。ていうか戸山さん、この人絶対年上だよね?」

 

「うんっ!そうだよ!」

 

「そうだよって年上の人には」

 

美咲と呼ばれてた子が何か言いかけると

 

「あらっ?

あなた達、どこかで…そう、学校!

多分、学校で見たことがあるんだわっ」

 

「うん、同じ学校だし同じ学年だからね。

……てか、あんたが喋るとややこしくなるからちょっと静かにしてようか」

 

どうやらここのまとめ役はこの子はみたいだ。

 

「それで何か用でしたか?」

 

「ああ、実はな」

 

そしてイベントの事を話した。

するとさっきかなり元気だった子が

 

「いいわね、参加するわ!」

 

「ちょ、早すぎる!

誰が出るのかよくわからないのに…」

 

「そんな事関係ないわよ。

だって、あたし達は世界を笑顔にするためにいるのよ!

それならそんなに楽しそうなイベント、参加しないわけないじゃない!」

 

「はぁ、わかりました。まぁ、そこにいる如月さんも悪い人ではなさそうだし?戸山さんと牛込さんもいるなら大丈夫……かな」

 

すると香澄が

 

「やったー!」

 

「じゃあ、ハロハピはそういう事で」

 

「「ハロハピ?」」

 

「ハロー、ハッピーワールド!を勝手に略しただけだ。

嫌なら変えるけど…」

 

「いや、いいですよ。

ハロハピで」

 

そして少し気になったことがあったので聞くことにした。

 

「そういえば、あの写真に写ってたでっかいクマ、どこ行ったんだ?」

 

「「「「えっ」」」」

 

「?」

 

とりあえず

「ん?」事情を聞いた。

「ああ!」納得した。

「ふむふむ」色々説明された。

「…わかった」承諾した。

この4つが終わり今日は帰ることにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

電話が鳴って電話に出ると

 

「…もしもし?」

 

「陽菜か、すまないこんな朝早くから」

 

「いや、いいよ。

それに延期の件についてだろ?

どうなったんだ?」

 

「ああ、12月まではいかなかったが11月の初めに海外に来い、だとよ」

 

「…そうか、まぁ12月なんて無理だと思ってたけど…ありがとう、11月までなら時間がギリギリだかまぁ、なんとかなるだろう」

 

「…何かするのなら頑張って楽しめよ」

 

「……もしかしたら最後の最高ライブイベントかも知れないからな、俺は出来ることをするよ」

 

「おう」

 

そして電話を切り、学校に向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午前の授業はあっという間に時間が過ぎていき

そして、昼休み

いつもの校舎裏に向かった。

すると廊下で

 

「あ〜、つぐの知り合いの陽菜さんじゃないですか〜」

 

このゆったりした話し方は聞き覚えがあった。

 

「俺の事覚えてたのか…」

 

「はい、それもうあたし達のこと助けてくれましたからね〜」

 

「「?」」

 

「助けた覚えはないんだが…」

 

「あたしも、この人に助けてもらった覚えなんてない」

 

「なんで〜?リサさんが言ってた言葉って陽菜さんから聞いたってリサさんから聞いたんですよ〜」

 

「リサが、言ってた、言葉?」

 

「ほら、あの『本当に大切なら、隣にいるだけじゃダメ、時には道しるべとして支える事も親友の役目』っていう偉大なセリフですよ〜」

 

「あ〜、あったなそんな事…」

 

「でも、本当にその時はメンバー全員、助かりました〜。

陽菜さん、ありがとうございます」

 

「それは、それを言ってくれたリサに言ってあげてくれ。ええと…」

 

名前を言おうとした。しかし

これだけ話しておきながらこの子の名前が出てこない。

 

「ええ、まさかのまさか、あたし、覚えられてない〜?

モカちゃん、ショック」

 

すると隣の黒髪の子が

 

「いやモカ、あたしたち、ちゃんと名乗ってないから」

 

「あ〜そういえば〜、あたしは青葉モカ、でこっちにいるのが美竹蘭だよ〜」

 

「…どうも」

 

「こちらこそどうも」

 

「それで何か迷ってたんですか〜?」

 

「……どうしてそう思った?」

 

「いや〜、なんか迷ってるように見えたから〜

何で悩んでるのか気になってさ〜」

 

「………残念ながらなんにもないよ」

 

「ええ〜、モカちゃんレーダーが反応してたのにな〜」

 

モカちゃんレーダー怖っ!

気付かれなくてよかった。

 

「ま、まぁ、俺今から昼食だからじゃあな」

 

そう言ってからすぐに校舎裏に行き、着いた瞬間にベンチに座った。

…あの件についてみんなに話すべきだろうか…

そう悩んでいると時間が過ぎ昼休みが終わってしまった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後になり、いつものライブハウスへ向かっていった。

すると

 

「あら?如月さん。

今日も一人で来たんですか?」

 

「そう言う紗夜も今から自主練か?」

 

「ええ、少しでもギターの精度を高めるために」

 

この子は本当に真面目だなぁ。

 

「…紗夜は真面目すぎて損をしそうで俺は心配だよ」

 

「…そうかも、しれませんね。

でも、私はRoseliaに入って何も損をした事はありませんよ」

 

「…そうか、それならいいか」

 

「?どうかしましたか?」

 

「いや…それより、この前の俺がいない時のスタジオでの練習はどうだった?何かいつもと違ってたか?」

 

「どうだった、と言われましても、宇田川さん達がいつもより静かでしたけれど、今井さんがスタジオの空気を和ませてくれていますから…」

 

「…なるほど」

 

「?本当にどうしたんですか?」

 

「何にもないよ、ただちょっとみんなの事が心配なだけだ」

 

「そうですか…あなたもRoseliaが気に入ってるんですね」

 

「ああ、もちろん。

それじゃ、自主練、頑張って来い」

 

「如月さんは中に入らないんですか?」

 

「まぁ、ちょっとだけ用があってな、出来るだけ早く練習に参加出来るようにする」

 

「わかりました。では」

 

そう言って紗夜はスタジオに入っていった。

そして俺は受付近くで待っていると

 

「あっ、陽菜くん!来てくれてたんだ」

 

「ええ、ただ今日は早く済ませてRoseliaの練習を見たいんですよ」

 

「いや〜いいなぁ」

 

「?何がですか?」

 

「何がって、Roseliaの練習を間近で見れるチャンスなんて滅多にないから、いいなぁ、って」

 

「ああ、なるほど…まぁ確かにRoseliaの練習中とか結構楽しいですよ」

 

「そうなの?今度覗いてみようかしら…」

 

「やめといた方がいいですよ、友希那や紗夜が黙ってないでしょうから」

 

「う〜ん、そっか〜」

 

まりなさんが落ち込んでいると

ドアが開く音がし、待っていた子達が来た。

 

「おっ、来た。今日は香澄と沙綾なのか」

 

「あっ、どうも陽菜さんとまりなさん、今日は誰をスカウトするんですか?」

 

すると元気を取り戻したかの様に

 

「うん!今日はAfterglowに声をかけてもらおうと思ってこの3人を読んだんだ、彼女達がいつも使ってるスタジオがあるから、まずはそこに行ってくれる?」

 

「どんな人達なんだろ、会うのが楽しみ!2人とも早く行こっ!」

 

「わかったから走らないでくれ…」

 

「わーい!」

 

走っていった。

 

「あっ、香澄!まったく…陽菜さんすみません…」

 

「まぁ、香澄が言うこと聞かないのはいつも通りだからな」

 

そして少し早めに歩くと

 

「あふたーぐろう、あふたーぐろう…どこ〜?」

 

「香澄、あったぞ。てか通り過ぎてるぞ」

 

「ほんと!?やったー!じゃあ早速入ろう」

 

入ろうとすると

 

「あれ?もしかして沙綾?」

 

「あっ、巴!」

 

巴?

 

するとどこかであった赤髪の子は

 

「よ。偶然だな、こんなとこで会うなんて」

 

「「もしかして…2人とも知り合い?」」

 

香澄とかぶってしまった。

 

「わぁ!かぶったね!」

 

「香澄とかぶるなんて、この先不安だなぁ」

 

「ええ!なんで〜」

 

そんな香澄を置いといて

 

「それより、2人は知り合いなのか?」

 

「うん、同じ商店街に住んでるんだ。

宇田川巴さん。私達と同じ高校1年生だよ」

 

それを聞いた俺は

 

「ん?宇田川…って、まさかあこのお姉さん!?」

 

「あこの事知ってるのか!?

ん?あれ?そういえばどこかで…」

 

「そうなんだよ、俺もどこかで見た事あると思うんだけど…」

 

「「う〜ん………あっ!」」

 

「「屋上で会った!」」

 

「あーなるほど完全に思い出した。

俺は確かつぐみ?って子を読んでくれって叶先生に頼まれて、呼びに行った時にいた子だ」

 

「私も…あの時は本当にすいませんでした…」

 

「いいよそんな事、それよりも巴に聞きたい事があるんだけどいいか?」

 

「はい、いいですよ」

 

「敬語は使わなくていいよ、それでAfterglowっていうバンドを探してるんだけど、知らないか?」

 

「?Afterglowなら私達の事だよ」

 

「えっ」

 

えっ、そうなの?

そう言う寸前に香澄が

 

「ラッキー!!ねぇねぇ、ライブイベントに参加してみないっ!?」

 

「説明をすっ飛ばすな香澄…」

 

すると

 

「ライブイベント?それ詳しく…って、陽菜さん!?」

 

「えっ、うそうそ、陽菜さんいるの〜?」

 

まぁ、2人とも印象的で覚えてるけど

 

「…蘭にモカもAfterglowだったのか…」

 

「うん、そうだよ。それより…どうしてここに?」

 

「それはだな、次のライブイベントの為にバンドを集めてるから」

 

「それ詳しく聞かせてよ」

 

そしてAfterglowの全員に説明をした。

すると巴が

 

「へぇ、面白そうだな。みんなどうする?」

 

「いいねいいね!私も出てみたいっ!つぐは?」

 

「私も出たいっ!うん、出よう出よう!」

 

「つぐがそう言うんじゃあ、決まりだね〜。あたしも出てみたいし〜」

 

それを聞いてとりあえず大丈夫だと思うけど…一応

 

「ちょっと待ってくれ、とりあえずちょっとしたみんなの自己紹介から頼む」

 

「なんで?」

 

「それは」

 

それは誰が誰かまとめたいからだ。

そう言おうとしたら香澄がまた俺の言葉を遮って

 

「いいじゃんっ!やろうやろう!自己紹介!」

 

すると向こうにもノリがいい子が

 

「うん、そうだね。

一応、誰が誰か、再確認の為にもやろっか」

 

そして全員の自己紹介が終わった。

 

「へぇー…じゃあ、あこがいつも話してた陽兄ぃって陽菜の事だったのか。なるほどなぁ」

 

「まぁ、そういう事だ。

…それでライブイベントには出場するって事でいいのか?」

 

すると蘭が

 

「…待って、最終的にはあたし達の演奏を聞いて判断してほしい。

今、ここで弾いてみせるから、聴いてて」

 

「…わかった」

 

そして、演奏が終わり

沙綾が

 

「すごい演奏だったよ、巴!

めちゃくちゃかっこよかった!」

 

「あはは、ありがとな」

 

たしかにあこが憧れるのもわかる気がするな。

 

「すごい、なんかすっごい!!!」

 

語彙力をどうにかしてほしいものだ。

でも、Afterglowの演奏技術はRoseliaに劣るかもしれないがAfterglowの演奏はRoseliaにないものを持っているのも知れないな。

そう思いつつ俺は

 

「かなりいい演奏だったよ」

 

「これで出場決定だねっ!幸先が良すぎてワクワクしてきたよっ!」

 

「はぁ、ワクワクするのはいいが、あの子達がまだなの忘れるなよ」

 

するとアフロのメンバーが

 

「「「「「あの子達?」」」」」

 

「ああ、RoseliaとPastel*Palettesの事だ。今は両方保留中なんだ」

 

「なるほど〜」

 

とりあえず集まったな、じゃあ次は……あっ!!

 

「…忘れてた」

 

すると蘭が

 

「?忘れてたって何を?」

 

「ちょっと用事思い出した。

香澄…はダメだろうから沙綾」

 

「?はい」

 

「出演バンドが揃って来たら全員集合させたいからその時は連絡してくれ」

 

「わかりました」

 

そう言ってRoseliaの練習場所に向かい、扉を開けた。

すると

 

「あっ!陽兄ぃ来たー!」

 

「……陽菜、さん………今日は………遅かった、です…ね……」

 

「まぁ、ちょっと待ち合わせしててな。

それより今は休憩か?」

 

「うんっ、でも、もうそろそろ練習に戻るけど…何か用事でもあった?」

 

「いや、何でもない…」

 

「?本当に?」

 

「本当に何にもないよ」

 

「う〜ん、そっか☆

でも困ってる時はいつでも相談に乗るからね♪」

 

「…その時は、そうするよ」

 

嘘をついた。

申し訳なさで勝手に辛くなってる自分に腹が立った。

でも、あの件は最後まで隠し通す。

そしてそんな気持ちのまま演奏を聴いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして次の休日

今日は集合するはずなんだが

 

「……まぁ、みんな最後のギリギリまで頑張ってるし、いいか」

 

にしてもやっぱりRoseliaは演奏すればするほど確実に上手くなっていってる。

これはコンテストも3位以内には入るだろう。

そして、練習が終わりみんなが集まっている場所に向かい、スタジオの扉を開けた。

 

「すみません、遅れました」

 

そう言いながら周りを見るとスタジオに全バンドメンバーが揃っていた。

するとまりなさんが

 

「うんうん!これで全員揃ったね。

じゃあ、ライブイベントについては、彼から聞いてると思うから省略して、まずは自己紹介、私はここで働いている月島まりなって言います。

よろしくね」

 

『よろしくお願いします!』

 

この人数で挨拶したら結構すごいな。

 

「じゃあ、みんな簡単な自己紹介をしよう!まずは…香澄ちゃんから」

 

そして全員の自己紹介が終わる頃

 

「……湊 友希那。Roseliaでボーカルをしているわ。

どうぞよろしく。

さっそくあなた達の実力を見せてもらうわ」

 

あ、そういえばそうだったな、忘れてた。

どうしようか…

そう思っていると

 

「実力って……?どういうこと?」

 

「私たちは自分達に見合わないステージには立たない。だから今日はあなた達と共演するから実力を見に来たの」

 

すると巴が

 

「アタシらが、あなたたちの実力に見合わなければ出ない。

そういうことですか?」

 

そして紗夜も

 

「ええ、その通りです」

 

「へぇ、それだけあなた達のバンドはすごいって事ですか」

 

俺はそれを聞いて

めんどくさくなりそうだなぁ。

そう思い止めに入った。

 

「まぁまぁ、落ち着いて。

みんなバンドをやってるんだから、1曲ずつ演奏してみたらどうだ?」

 

「それも…そうだな。

よしっ!みんな一曲やろう!」

 

そうして各バンドが1曲ずつ演奏していき、次はPoppin' Partyの番になった。

すると

 

「次は私たち!Poppin' Partyの演奏を始めるよー!!」

 

…演奏技術はまだまだ、だとしても、面白いな…不思議と楽しくなっていく様だ。

そして、演奏が終わり友希那と紗夜の答えは

 

「…どのバンドも実力はそれなりにあるようだけど、私達のイメージするレベルには達していないわね」

 

それを聞いて

 

「でも、友希那と紗夜は、Roseliaに足りない『何か』が今聞いてあったんじゃないか?」

 

「ええ、そうね。

それを見つける為なら私たちが出る意味はあるかも知れない」

 

「それじゃあ、出るって事でいいか」

 

「ええ、出演するわ」

 

すると香澄が

 

「わぁっ…!やったーー!これで5バンド揃った!」

 

その通りなんだけど…やって行けるんだろうかこれ…

そんな心配をしていると

 

「そうだっ!良いこと思いついた!」

 

ロクなことじゃないな

内心そう思いつつ、そのまま話を聞くことにした。

 

「イベントの前にさ、みんなでミニライブしようよ

 

香澄がそう言った。

そして、こころと蘭も

 

「いいわね!お客さんを笑顔にするチャンスはたくさんあった方がいいもの!」

 

「あたしも賛成。みんなの音、もっと知りたいし」

 

するとまりなさんが

 

「うんうん、いいわね!宣伝にもなるし、一度オーナーにかけあってみるよっ」

 

そう言ってすぐにどこかへ行ってしまった。

 

「……忙しくなりそうだな」

 

すると後日まりなさんが来てオーナーから許可が来たらしい。

こうしてミニライブが決定した。




さてと
ゆく旅面白いですね。
絶対見た方がいいですよ。
……それだけ

次回予告

大丈夫


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話 大丈夫

今回はいつもよりちょっと短めにしました。
えっ?
理由?
ありゃせんよ

オ・マ・ケ
ゆく旅、みんな見ようね!


今日からミニライブに向けての合同練習が始まる。

…本当にやって行けるんだろうか。

今日はRoseliaとAfterglowだけどあった瞬間に衝突しそうになってるからなぁ。

そんな事を考えて扉を開けると

 

「だから、実力主義もたいがいにしろって言ってるんですけど」

 

「……私はあなた達の演奏を否定したいわけじゃないと何度も言ってるでしょう」

 

その言い争いが勃発している中

 

「…リサとモカ、何分経った?後あの2人何回目くらいやってる?」

 

「…それがまだ、始まって10分も経ってないよ」

 

「もうあのケンカ、3ラウンド目くらいいってますね〜」

 

「はぁ、ぶつかるとは思ったけど幾ら何でも早すぎる……」

 

そう言っているとつぐみと巴が

 

「ど、どうしよう〜、と、止めないと…」

 

「2人ともちょっと落ち着けって。今日は合同練習何だから…」

 

すると紗夜が

 

「こちらは落ち着いているわよ。あなたのところのボーカルがもっと冷静に話を聞いてくれてたらこんな事には……」

 

ちょ、紗夜さん?

煽ってどうするんですか…

 

「……うちの蘭が悪いって事ですか?」

 

するとひまりとモカ、あこそして燐子が

 

「あちゃー…」

 

「トモちん、煽られると弱いからな〜」

 

「ねぇ、りんりん、これ大丈夫かなぁ…」

 

「…わ、わから…ない……それに、4人とも……ケンカ、してる…から……」

 

はぁ、本当に大丈夫か、これ…

でも、とりあえず止めないとな。

 

「…他のみんなは耳を塞いどいてくれ…」

 

「?陽菜さん〜、何をするんですか〜?」

 

「4人を止めるだけだ、みんなはとりあえず耳を塞いどいてくれ。モカもな」

 

「は〜い」

 

「…みんな塞いだな…それじゃ」

 

まぁ、特にあの2人は聞いてないみたいだけど…

それに直会ではないけど

そう思いつつ

 

「よっ」

 

パァァァァァァァァァァァン!!!

 

「「「「「!!!!!」」」」」

 

俺は柏手を一回した。

スタジオの中だから、かなりの音で鳴り響き、スタジオは静まり返った。

 

「…みんな、今日は合同練習だ。

それぞれ相手の方向性は全然違う、だからそれをいつまで歪みあってても練習時間を無駄にするだけだ」

 

すると蘭が

 

「でも、元はと言えば…」

 

「はい蘭、そこまで。

どっちが言い出したとか、言ってたらキリがない」

 

「………」

 

あれ?そういえば

 

「リサ、Roseliaの演奏聴かせたか?」

 

「ううん、まだだよ。……あっ!」

 

リサも察したらしく

 

「まぁ、そういうことだ」

 

「うん!わかった」

 

するとモカが

 

「リサさん、どういうことですか〜?」

 

「えっとね、アタシ達、まだみんなに演奏を聴かせたことなかったでしょ?つまり、演奏での自己紹介がまだってこと」

 

「……確かに、私たちの音楽を聴いてもらうのが、一番早いわね」

 

紗夜が言い、そのままRoseliaの演奏をする事になって、俺は自分の手を休めていた。

そして演奏が始まった。

…日々練習しているとは言え、前の練習の時より上手くなって、演奏技術も全体が最初の頃に比べて確実に上がっている。

しばらくして演奏が終わると

 

「すごい……」

 

「うん……すごいとしか、言えない……」

 

すると友希那が

 

「どうだったかしら。私たちの演奏は」

 

「……まぁ、悪くはない、かな…」

 

そして、それを聞いたモカは

 

「蘭は、『サイコーでした!私、感動して泣いちゃいそうです!』……っていってまーす」

 

「ちょっと!そんなこと言ってないし」

 

その会話を見て思わず笑ってしまい、蘭が

 

「なに?」

 

「あはは、いや〜案外、ここにいるみんな似た者同士だなって」

 

「別に、全然似てないし…」

 

そう言ってるところが、誰かと似てるんだよな。

そう思っていると友希那が

 

「私たちは、音楽の頂点を目指してる。その為にはどんな手段も…」

 

それを聞いた蘭が

 

「だから、何度も言ってますけど、私たちの音楽が一番ですから」

 

するとモカが

 

「も〜、蘭ってば〜、Roseliaの音楽はめっちゃかっこよかったじゃん。

それに、うちはうち、よそはよそでしょ〜」

 

「そうだけど…」

 

やっぱり似てるなぁ、Roseliaとアフロって。

そう思っているとリサが

 

「あはは、やっぱりアタシ達のバンドって似てるね☆」

 

それを聞いてひまりが

 

「そうですか?」

 

「自分達の音楽が一番だって誇りとそれは誰にも譲れないものって言う信念を持って、音楽をやってる所は一緒じゃない?」

 

すると巴が

 

「そうですね、お互い譲れない信念があるから、つい言い合ってしまうのかも知れませんね」

 

おっ?これは仲良くなれるチャンスかな?

まぁ、そんな簡単にいくわけ……万が一あるかもな。

それにしても前回の時よりやっぱりRoseliaの演奏技術は上がったな。

そう思っていると

 

「……あの……陽菜、さん…」

 

「?どうした燐子」

 

「……その、手…真っ赤に…なってる、から……大丈夫、かなぁ……って……」

 

あれ?気づかれたか。

燐子はリサと同じくらいに周りを見てるからバレて仕方ないか…

そう考えて

 

「大丈夫だよ。

心配かけてごめんな、燐子」

 

「……そう、ですか……なら…良かった、です……」

 

するとリサがそのやり取りを見ていたらしく

 

「?陽菜って、いつもこういう時謝ってたっけ?」

 

「?どういうこと?」

 

「ほら、いつもならこういう時、『心配してくれてありがとう』って言ってた様な気がしてさ〜」

 

「いやいや、気のせいだろ」

 

まずいな。みんなに嘘ついてる状態だから自然と謝ってるんだろうな。

気をつけないと…

そしてRoseliaとアフロの合同練習が始まり、衝突は出来るだけ避ける様にし、その日はそんな感じで終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日には、パスパレとポピパ、また別の日は、パスパレとハロハピの合同練習

そしてまた別の日は、アフロとハロハピ、そしてRoseliaとポピパという組み合わせで合同練習が進んでいった。

全ての合同練習に俺がいるのはおかしい気がするが、色んなバンドの音を聴けて良かったと思ってる。

そして、ミニライブ当日

リハも済んでみんなでライブをする為の準備をしていた。

そして

 

「よし、じゃあ開場してもいいかな?」

 

「まりなさん準備早いな…他のみんなは?」

 

「他のみんななら、楽屋にいると思うよ」

 

「……そうか」

 

「それじゃ、準備も終わった事だし、開場しちゃうねっ!」

 

「はい」

 

そう言って俺は一番後ろの観客席で見ることにした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、演奏が終わり、スタッフの人数が何人か足りなかったらしく清掃を任された。

俺ってここのスタッフだっけ?

そんなことを思っているとまりなさんが来て

 

「あっ、陽菜くん。清掃ありがとねっ!それと今からみんなに集まってもらうから、ついてきて」

 

「…わかりました」

 

そう言って清掃を終えて、まりなさんについていった。

すると

 

「あっ、陽菜さん〜、遅いですよ〜」

 

「ごめん、清掃やってたら遅れた」

 

すると蘭が

 

「清掃って?」

 

「なんかここのスタッフさんが足りなかったらしくて…まぁ、さっき終わったけど」

 

そういえばスタッフさん何人いなかったんだろ…

そう思っていると

 

「手伝わせちゃってごめんね。

でも、陽菜くん結構頑張ってやってくれてたからこっちも助かっちゃったよ」

 

「どうせ暇だったからいいですよ」

 

「そんな君と今日ライブを頑張ってくれたみんなの為に、簡単だけどジュースとお菓子を用意しました!

今日は打ち上げといきましょうー!」

 

するとリサが

 

「おっ、いいねー!楽しそうじゃん♪……もちろん友希那と紗夜も参加するよね?」

 

「「……わかったわよ」」

 

そして、まりなさんが

 

「それじゃみんな、グラスは持ったかな〜?ではでは」

 

本当にあの子達が楽しめるならそれでいいか…

そう思いながらまりなさんの言葉を聞いていた。

 

「…ライブの成功をお祝いして…かんぱーい!」

 

『かんぱーい!』

 

そして、賑やかな雰囲気でみんなが話し出した。

すると

 

「陽菜さん、この前の合同練習の時はありがとうございました」

 

「ええと、その姿の時は、美咲…って呼び方でいいか?」

 

「はい、出来ればそう呼んでください」

 

「それで、合同練習って俺なんかやったっけ?」

 

「ほら、パスパレとアフロの皆さんとの合同練習した時ですよ。

正直言って、こころを抑える時は、あの姿にならないと抑えられないんですよ…本当に、うん」

 

「あ〜、…確かに大変だったなあれは……」

 

「でも、陽菜さん結構手慣れてましたね、こころの扱い方とか」

 

「それは多分、香澄のせいだろ」

 

「あ〜、確かにあの2人、似てますもんね〜」

 

「……あの2人が組んだら、めっちゃ面倒な事になりそうだな…」

 

「……それ、私も思いました…」

 

そんな事を話していると

 

「ハルナさんっ!」

 

そう言ってイヴに抱きつかれそうになり、美咲の後ろに隠れた。

 

「ちょ、陽菜さん、なんで隠れるんですか…」

 

「いや、練習の時の事思い出して…」

 

するとイヴが

 

「やっぱり、まだ練習の時の事、許してくれてませんか…」

 

「待て、そんな涙目で見るな。

練習の事ならもう許してるから」

 

「本当ですか?」

 

「ああ、本当だ」

 

「ハルナさんっ!」

 

「だーかーらー!そういうのは男子にするなって!」

 

「?どうしてですか?」

 

「どうしてって、もしその人が危険な人だったらイヴが危ない目に合うから言ってるんだよ…」

 

するとイブは笑顔になり

 

「ハルナさんなら大丈夫です!」

 

なんだその根拠のない言いようは…

 

「そういう事じゃなくてだな…」

 

ちゃんと言おうと思ったがイヴの純粋さに負け

 

「…いや、なんでもない。

でも、知らない人にしちゃダメだからな」

 

「はいっ!」

 

そしてその甘さに美咲が

 

「陽菜さんって、意外と純粋な子に弱いんですね」

 

「…ほっといてくれ」

 

「?」

 

イヴに不思議そうに見られているとつぐみが来て

 

「陽菜さん、今日はお疲れ様でした」

 

「それを言うなら、つぐみの方こそおつかれ。

…それで用でもあったか?」

 

「はいっ!

あの、最初の合同練習の時はケンカを止めてくれて、ありがとうございました」

 

それを聞いた美咲とイヴは

 

「「ケンカ?」」

 

「あ〜、まぁ色々あって止めたんだ」

 

「そうなんですか!?」

 

「うん、痛かったけど…」

 

「痛かったって…本当に何があったんですか?」

 

「いや、それは……」

 

言葉に詰まっているとつぐみが

 

「陽菜さん、止め方が凄かったんだ。

こう、手を合わせてパァン!って、しかも一回だけなのに一瞬で静かになったんだよっ!」

 

それにイヴが反応して

 

「おおっ!それは『柏手』ですね!」

 

「?柏手ってあの神社とかでする?」

 

「はいっ!

でも、一回だけで周りが静かになるって中々難しいんです!」

 

「へー、すごいですね」

 

「さすがハルナさんですっ!」

 

「いやいや、あれ結構手がヒリヒリするから、出来れば使いたくなかったんだ」

 

それを聞いてつぐみは

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「いいよ。

ミニライブは成功したんだから。

それとつぐみは楽しかったか?」

 

「はいっ!多分今まで以上に楽しかったですっ!」

 

「それなら良かった」

 

すると

 

「やっほ〜陽菜☆楽しくやってる?」

 

「リサこそ楽しんでるか?」

 

「うんっ、こうやって色とりどりのバンドメンバーと話すのって結構楽しいから♪陽菜も可愛い女の子に囲まれて楽しそうだね☆」

 

「やめろ、誤解され」

 

電話が鳴った。

マナーモードにしてたからいいが、タイミングが最悪だ。

とりあえず外に出ようか。

 

「……ごめん、ちょっと電話出てくる」

 

「誰からの電話?」

 

「……ただの知り合いだよ」

 

そう言って外に出て、電話に出た。

すると

 

「陽菜、今いいか?」

 

「…ああ、いいよ」

 

「今度、海外に行く時の日にちなんだが、10月29日になった」

 

本番のライブイベントの次の日か…

 

「…まぁ、11月の初め頃って言ってたしな」

 

「ああ、それでお前の手伝ってるバンドについてだが…」

 

「?あの子達がどうかしたか?」

 

「いや、具体的にはお前があのバンドの手伝いを辞めて、お前は大丈夫なのか?」

 

「…大丈夫だ。

俺がRoseliaの手伝いをするのはもう辞める…。

それに、どうせ海外に行くんだから、Roseliaの手伝いはその日までだ」

 

「お前、本当にいいのか?もしかしたら日本に帰る事も出来なくなるぞ」

 

「そんな事、重々承知してる。

もう会えないかも知れないけど、この前の練習で俺がいなくてもRoseliaはちゃんとやっていける事がわかったからな。

まぁ、そうでないとこっちが困る…」

 

「……そうか、ならお前は親父に合う覚悟があるんだな」

 

「ああ、大丈夫だ。

もう逃げない、それに…」

 

「?それに、なんだ?」

 

「あの子達には色々と教えてもらったからな。

『ぶつからないと伝わらない事もある』って」

 

「…ま、頑張ってくれ」

 

「もちろん、頑張るよ。じゃあな」

 

そう言って通話を切り、スタジオの中に戻って行った。




次回予告

ありがとう


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話 ありがとう

ある休日

本番のライブイベントに向けてファミレスで話し合う事になり、そこに向かった。

するとまだ全員が集まっていなく、集まっているのはアフロとポピパのメンバーだけだった。

 

「あっ!陽菜、おはよう!」

 

「おはよう。

みんな早いな、まだ時間じゃないのに」

 

すると蘭が

 

「そういう陽菜さんも、時間前に来てるじゃないですか」

 

「まぁ、そうだけど…」

 

「あっ、そういえばつぐみ、陽菜さんに用があるんじゃなかったっけ」

 

「う、うんっ。

陽菜さん、ちょっといいですか?」

 

「?いいけど…どうした?」

 

「すみません、ここじゃちょっと…外で話しませんか?」

 

「?わかった」

 

そう言ってファミレスの外に出た。

 

「それで話って?」

 

「あの、この前の打ち上げの時に陽菜さんが電話してるのを聞いてしまって……すみませんっ!」

 

「!!」

 

「陽菜さん、ずっとRoseliaの練習に付き合ってたんですよね。

紗夜さんから聞きました」

 

「…それがどうしたんだ」

 

「どうした、って陽菜さんが海外に行ったら、皆さんきっと悲しむと思いますよ!」

 

「…そんな事わかってる」

 

「だったら!」

 

するとファミレスの扉が開き

 

「今の話どういう事ですか?」

 

そう言って出て来たのは、中にいた蘭達だった。

 

「…どういう事って聞いたままだ。俺はもうすぐ海外に行く」

 

「それっていつ?」

 

「今年の10月29日には日本を出る」

 

「それって、あたし達のライブイベントの次の日じゃん」

 

「そうだ、だから次のライブイベントは俺にとって最後になるかも知れない。

それにまた、いつここに戻って来れるかわからないからな」

 

するとひまりが

 

「わからないって……期間を延長してもらう事は出来ないんですか?」

 

「何年も延長し過ぎて今こうなってるからな…これ以上は無理だ」

 

「…どうして海外に行くんですか?」

 

「…親父さんに呼ばれたから行く。それと俺が親父さんにちゃんと向き合うためだ」

 

するとそれに反応して蘭が

 

「…向き合う、ため?」

 

「ああ、俺は親父さんからバンドの事とか、否定され続けて、逃げてきた。でも、Roseliaに出会ってわかったんだ。

『ぶつからないと伝わらない事もある』って…だから俺は親父さんにちゃんと向き合う事にした」

 

「ぶつからないと伝わらない…か……」

 

蘭は何か考えている様だった

すると

 

「でもでも〜、黙って行ったらリサさんに怒られますよ〜」

 

それを聞いて

 

「…モカ、それにみんな、なんか勘違いしてるみたいだから言うけど、俺は何もしない、なんて言ってないからな?」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「いや、お礼くらいはさせてもらうから」

 

「「「「「……」」」」」

 

「……今の、絶対わざとだよね……」

 

「「「「…うん」」」」

 

「いやいや、そんな事ないって……多分…」

 

「わざとじゃん……」

 

「あはは、まぁ、もうちょっとで時間だから中に入ろう」

 

「そうだね」

 

そしてファミレスに入って、しばらくすると全員が集まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全バンドが集まり、香澄が話を始めた。

 

「まずイベントの名前なんだけど『ガールズバンドパーティ』はどうかな?」

 

すると巴と紗夜が

 

「へぇ、パーティか……いいな!」

 

「パーティには社交的な集まりという意味の他に集団や一行などの意味もあるわ。

そう言った意味でもパーティというのは最適かも知れないわね」

 

そんなに意味があるのか…

そう感心していると美咲ことミッシェルが

 

「なるほど、ダブルミーニングってやつか」

 

「そーなんです!ダブルミーニング!」

 

香澄のやつ絶対知らなかっただろ。

すると

 

「ぜってー偶然だろ」

 

ナイスツッコミ有咲

そう思っていると彩綾が仕切り直しに

 

「と、とにかく!異議がなかったらこの名前にしようと思います。みんなどうかな?」

 

すると一同

 

『異議なし』

 

「やったあ!決まりっ!」

 

香澄がそう言うとそれぞれが

 

「それで、肝心の内容はどうするの?」

 

「やっぱり、世界中を笑顔にするパーティにしましょう!」

 

「ブシドーパーティはどうですか?きっと楽しいですよっ!」

 

「あたしは他のバンドとセッションとか…」

 

「それは賛成よ。

ただ、セッションをするのなら私たちのレベルまで演奏技術を引き上げてもらうわよ」

 

「だから、楽器のうまい下手っていうのは……!」

 

「あたしもおねーちゃんと一緒に演奏したいなぁ♪」

 

「……遠慮するわ。あなたはもっと、Pastel*Palettesの皆さんとの協調性をしっかり持ちなさい」

 

それを聞いて

 

「やっぱり、バラバラだな…」

 

「……ちょっと予想してたけど、めちゃくちゃだね……」

 

「ま、こうなりますよねー…」

 

すると話は進んでおり

 

「じゃあ、他のバンドの曲をカバーするって言うのは」

 

「「「賛成」」」

 

「「反対」」

 

意見が割れた。

すると次は

 

「音楽は何よりも雄弁よ。MCはいらない」

 

「私たちアイドルバンドは、MCがお客さんを盛り上げるために必要不可欠なものと思っているわ」

 

「別にあたしらはアイドルじゃないし……」

 

「蘭ちゃん!落ち着いて……」

 

みんな音楽にこだわりすぎて意見が合ってないな…

すると蘭が

 

「これ以上話しても意味ないね。

……みんな行こう」

 

そして友希那も

 

「同感よ」

 

そう言って立ち去っていくのを見て

 

「ごめんなさい、私たちもこれから仕事があるの」

 

「あら、今日の話し合いはもう終わりなの?それじゃあ、あたし達も帰りましょう」

 

そう言ってポピパ以外のバンドメンバーは帰っていった。

 

「……行っちゃった」

 

「…とりあえず、みんな今日は解散だ。

明日CiRCLEで話し合おう」

 

そして、今日は終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日

スタジオに着き、まりなさんに今の状況を説明した。

 

「たしかにバンドの方向性が違うもんね。

譲れないものがあるのはいいことだけど…」

 

すると

 

「これじゃあ『ガールズバンドパーティ』も、うまくいかないよ〜!うわ〜ん!ありさ〜!!」

 

「ちょ、落ち着けって!とにかく、今はこの状態を解決する方法を考えろー!」

 

「…それなら解決してる。

5バンドの共通点を探せばいい」

 

「……共通点、ですか…?」

 

「でも、それがないからあんな事になったんじゃ…」

 

すると

 

「でも私たちバンドをやるってところでは共通してるよ。

例え、方向性が違うとしても」

 

「たえ、今いい事言った」

 

「♪」

 

「香澄、今まででどれが一番みんなと同じ気持ちになったと思う?」

 

「それは、みんなで一緒に演奏した時が一番ドキドキしたっ!」

 

「それはみんな同じ気持ちになったと思うか?」

 

「うんっ!」

 

「じゃあ、それが5バンドの共通点だ」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

「ただなぁ、問題はどうやってここに連れてくるかなんだよな。何かいい案無いか?」

 

「ちょっ!陽菜、その頼み方は…」

 

「?」

 

すると香澄とたえが

 

「やっぱりここに連れて来るにはアレしかないよねっ!」

 

「うん、それしかないね。香澄」

 

「「強制連行だよっ!!」」

 

それを聞いて

 

「…有咲、なんかごめん」

 

「いや、それよりもあいつら見張っとかないと」

 

「そうだな」

 

そしてその翌日

いつもの昼休みにいつもの場所で食べていると

誰かが近づいて来る足音がした。

そして出てきたのは

 

「やっほ〜☆陽菜♪」

 

「!リサがここに来るなんて珍しいな。どうした?」

 

「……それが、ちょっと陽菜の事で気になる事があって」

 

「?どうした?」

 

するとリサは何か決意したように

 

「陽菜…アタシ、偶然聞いちゃったんだけど…海外に行くってホント?」

 

「!!!なんでそれを……?」

 

「ほら、パーティの名前を決める時にファミレスで集まったじゃん?その時、アタシだけ早く来た時に、つぐみと陽菜が話してるの聞こえたの。あの後は友希那が出て行ったから聞けなかったけど……」

 

「……海外に行くのは本当だ。

それもライブイベントが終わった次の日にな」

 

「っ!」

 

すると

 

「如月、今の話どういう事かしら?」

 

「!」

 

「友希那っ!」

 

「…ライブイベントが終わったら、話そうと思ってた」

 

「…ねぇ陽菜?どうして早く言ってくれなかったの?」

 

「…言ったらリサ達はどうする?」

 

「どうするって、そんなの陽菜のお別れ会…とか…」

 

「…それだ、俺はRoseliaが好きだ。

だから次のライブイベントでRoseliaのみんなが楽しめればそれでいいんだ…でも、この事を話したらみんなは違う楽しみ方を知る事が出来ない。

だから話さなかったんだ」

 

すると友希那は

 

「…私は、私達は、あなたには助けられてばかりだったわね。

…だから、私は次のライブイベントであなたに恩を返そうと思うわ」

 

「!?」

 

「友希那……」

 

「だから如月?本番のライブイベントはあなたが好きなRoseliaと他のバンドで最高のライブにしてみせるわ。

…ちゃんと側で観ていて」

 

その言葉を聞いて、今までの思い出を思い出し、それには感謝しても仕切れないものだった。

それをRoseliaのみんなに伝えるにはどうしたらいいものか。

でも、ただ思った事を正直に言えばいいんだ。

そう思い

 

「ありがとう」

 

「ええ、楽しみにしていて」

 

「あはは、2人って恋人みたいだね♪」

 

「「…それはない」」

 

「ほら、息ピッタリ♪」

 

「「…」」

 

「とりあえず、ライブイベントについては俺がどうにかするから。

友希那とリサはライブに集中してくれ」

 

「わかったわ

うんっ!」

 

「あっ、それで今日の放課後…まぁ、頑張ってくれ」

 

「「?」」

 

するとちょうどいいタイミングでチャイムが鳴り、教室へ戻った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして放課後

校門前に行くとちょうど友希那達がたえに連れて行かれた。

そういえば今日だっけな強制連行…

とりあえず俺も向かうか。

 

ねぇねぇ、今のって湊さん達だよね

 

うん、リサもいたし、あの小さい子も連れていかれたね

 

などの会話を聞いて

有名人だなあの3人。

とか思った。

そして、しばらく歩きCiRCLEに着いた。

そして、扉を開け、まりなさんがいたのであの子達がどこにいるか聞いた。

 

「みんなならもう、そこのスタジオに入ってるよ。

なんか、香澄ちゃん達、強制連行してきたみたいだけど…」

 

「ああ、それなら気にしないでください。

それとありがとうございます」

 

そう言って中に入るとみんな何かで悩んでおり、香澄が

 

「う〜ん………あっ!陽菜っ、いい所に来たー!」

 

「嫌」

 

「ええ!まだ何にも言ってないのに!?」

 

「あっ、すまん、なんか口が勝手に…それでどうした?」

 

「あのねっ!みんなで最後の曲を何にするか決められないの!だから陽菜も考えてっ!」

 

「?決まってなかったのか、俺はてっきり5バンドでの新曲でも作るのかと思ってた」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

「えっ?」

 

「それだよ…それだよ、陽菜っ!きっと、一緒に音楽を作ればもっと気持ちを1つにできるよっ!」

 

「…本番まで2週間か……ギリギリいけるんじゃないか」

 

「うんっ!」

 

「でも、人が多いから意見まとめるの大変だぞ?」

 

「それなら、各バンドの代表で曲を作ればいいんじゃないかな?」

 

「なるほどっ!さすがおたえ!」

 

するとまりなさんが

 

「あっ、それなら、隣のカフェでオリジナルドリンクやスイーツを出したいと思っているんだけど、どうかな?」

 

そしてりみが珍しく

 

「それなら、彩綾ちゃんちのチョココロネとか、スイーツ系のパンを出してみたらどうかな?」

 

「ええっ、ウチの!?

あはは……まりなさんがいいって言うなら」

 

「もちろんだよ!」

 

いいのか…そう思いながら、カフェについて思い出したことがあり一応…

 

「そういえばつぐみの家もカフェやってたな、何かヒント貰えるか?」

 

するとつぐみが

 

「う、うんっ!」

 

それを聞いてりみが

 

「それに、花音先輩や千聖先輩もカフェとかスイーツが好きで、よく2人でお茶してるって言ってたよ」

 

すると香澄が

 

「みんな、いつの間にそんなに他のバンドの人と詳しくなってるの!?」

 

「いやいや、打ち上げあったろ…」

 

「え〜、いいなぁ〜!」

 

そんな香澄を置いといて

 

「まぁ、そういう事で、それらを作るのはいつにする?今からはそれぞれ練習だろうから」

 

するとたえが

 

「うん、そうだね。代表を集めてやるのは明日にしよう」

 

「じゃあ、今日は解散だな」

 

そう言って今日は解散し、俺は家で手紙を書いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、代表が集まり、オリジナルドリンクを作るのに俺も手伝い、ライブイベントの準備は順調に進んでいった。

そしてライブイベント当日

夕方になったが全体ミーティングが始まった。

千聖が急な仕事が入りPastel*Palettesが遅れるとメールが来たが、紗夜が生徒会に入っているから、指示が的確でライブ予定もすぐに調整できた。

そして、自分の仕事が終わり、外に出ていると

 

「如月」

 

「!友希那、仕事はどうしたんだ」

 

「私は終わったわ。

あなたこそこんな所で何をしているの」

 

「俺も終わったから休暇してる……それで、何か用があったんじゃないのか?」

 

「……ええ」

 

「……」

 

「……Roseliaについてよ。

その…如月が抜けたらRoseliaは上手くやっていける、かしら……」

 

「…どうしてそう思った?」

 

「それは……あなたがいたから今のRoseliaがいて、いつも私達の『音』を聞いているから、あなたがRoseliaのメンバーをまとめている面もある。だから」

 

「だから、俺がいなくなったらやっていけないとでも?」

 

「…ええ」

 

まったくこの子は…

そう思い

 

「Roseliaにはリサがいる。

リサがいれば大丈夫だ」

 

「えっ…?」

 

「それに友希那はメンバーと上手くやれてる。

だからRoseliaは上手くいく」

 

「でも……そんな事わからないじゃない!」

 

「だったら、直接メンバーに聞いてみたらいい。

そうしたらメンバーとうまく出来てる事がわかるだろ?」

 

「そんな事……」

 

「それと友希那は……いや、なんでもない」

 

「?何かしら?」

 

「なんでもないよ、早くライブハウスに行って来たらどうだ?リハーサルがあるだろうから」

 

「……わかったわ」

 

「頑張れよ…」

 

そして、友希那はスタジオに戻って行った。

 

「俺も少し経ったら戻るか…」

 

そして、少し夕焼けに近いくらいになった。

なので、俺は戻る事にした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すると中に入るとすでに観客が大勢いた。

 

「多いな……」

 

でも、それだけ、あの子達の歌を楽しみにしているのだろうな。

そう思っていると

 

「皆さんはじめまして!わたし達Poppin' Partyです!」

 

そして演奏が始まった。

やはりポピパの歌は『楽しい』と思わせる音が出てるな。

そして、演奏が終わり次は

 

「あたし達の歌で、あんた達を燃え上がらせてみせる!」

 

アフロの演奏はパワフルな演奏がいいな。

そして演奏が終わり、次はPastel*Palettesだけど千聖が間に合っているのかどうか……

そんなことを考えていると

 

「みなさんこんにちはーっ!!わたし達…」

 

「「「「「Pastel*Palettesです!」」」」」

 

そして、演奏が始まった。

パスパレはプロの意識が高いからかそう感じるステージだな。

そしてパスパレの演奏が終わり、次はハロハピの番になり演奏が始まった。

名前に違いないみんなが笑顔になる様な演奏だな。

そして、演奏が終わり、残りはRoseliaとなった。

 

「…聴いてください」

 

「!!!」

 

Roseliaの演奏は今までより、比べ物にならないくらい素晴らしい演奏だった。

…本当に最高のライブになったな。

そんな事を思い聴いて、演奏が終わった。

すると

 

「みなさーんっ!!ご来場ありがとうございましたっ!!」

 

「残念ですが、次で最後の曲となりますっ」

 

「次の曲は、バンドの垣根を超えて、私達、26人で作った新曲です」

 

「このパーティに来てくれた全員が同じ気持ちになればいいなと思って作りました。だからその思いが届いたら、嬉しい」

 

「それじゃ、行くわよーっ!!

ミュージック、スタートっ!!!」

 

26人……か…

そう思っていると演奏が始まった。

 

「lalalalala〜P

 

色とりどりの音 聞こえたの

どれもみんな 素敵な魅力で Best Shining☆

集まり弾けた火花は どんな色?

私たちと 君たちで生まれた

ちょい辛(から)のウキウキ day

 

奏で合うひたむきさ 支え合う心を包み

熱いままで立ち向かうよ 駆け出せ

<<ゴー! ゴー! レッツゴー! チャ〜ンス!!>>

思うがままに!

 

どんな笑顔にでも しあわせ来ちゃうよ

お・す・そ・わ・け みんなで声を合わせ

音楽が気持ちを 1つに結ぶから

<<ポップ!ステップ!ジャンプ!ラン!>>

捕らわれず 飛び出せ! 自由さ乗せて 行こう!

<<さぁ!いっせーのーで、ピース!>>

クインティプル☆すまいる…」

 

演奏を聴いていた。

ただそれだけなのに、なぜか視界がボヤけた。

すると

 

「!」

 

涙が出ている事に気がついた。

泣いたのは何年ぶりだろうか…

そう思いながら涙を拭き、みんなの演奏を聴いた…。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして全てが終わり、CiRCLEロビーに向かって歩いていると

 

「ライブ、大成功だったねっ!!」

 

「だねっ!外のカフェで売ってたパンやドリンク大人気だったみたい!」

 

「やったぁー!」

 

するとまりなさんもいて

 

「みんな、お疲れ様!!最高のライブをありがとうっ!!!」

 

「お疲れ様っ!まりなさんも手伝ってくれてありがとうございますっ!」

 

「そういえば香澄ちゃん達は?」

 

「香澄は今片付けしてるけど…」

 

すると香澄達も来て

 

「みんな、お疲れ様ー!!って!彩先輩泣いてる!?」

 

「だ、だって〜、……なんかカンドーしちゃって…」

 

そして日菜が

 

「あー、彩ちゃんはいつもこうだから、あんま気にしなくていいよ?」

 

するとリサと巴、美咲が

 

「なんかアタシも、友希那がみんなと歌ってるのみてちょっとジーンと来ちゃった…」

 

「アタシも蘭を見てたら、つい……」

 

「あたしはちょっと安心したよ……」

 

そう言い、モカが

 

「どこのバンドにも、ボーカルの保護者がいるんだね〜」

 

すると蘭が

 

「ちょ、ちょっと!恥ずかしいからやめてよ……っ!」

 

そして、遠くから見てた俺が近くに行き

 

「…みんな、ライブイベントお疲れ様」

 

「「「「「あっ」」」」」

 

「「「「「……」」」」」

 

少し空気が重くなった。

まぁ、こうなるわな…

ていうか…

 

「……みんな、俺のこともう知ってるんだろ?」

 

すると彩が

 

「うん……陽菜くんが海外に行く…事、だよね…」

 

「そうだ。

それで、なんでこんなに空気が重くなってんだ。

俺の事、みんな知ってるんだったら、いいだろう。

何を気にしてる?」

 

それを聞いて彩と香澄が

 

「それは……って、ええ!?」

 

「みんな、知ってたの!?」

 

すると千聖と有咲が

 

「ええ…この前、知ったわ。

てっきり私、彩ちゃんは知ってるものだと…」

 

「知ってるも何も、香澄お前、この前のファミレスの時、ちょっとだけそんな話聞こえてきただろ」

 

「「ええ!?」

 

「まぁ、要するに2人だけ知らなかったんだな」

 

「「ううっ」」

 

「それと、今日で俺、最後だからできれば普通に接してくれ」

 

「「うんっ!」」

 

「2人とも息ピッタリだな」

 

「陽菜、ありがとうっ!!!」

 

急に香澄がお礼を言い

 

「!?ど、どうした急に」

 

「だって、私たちが悩んでる時、陽菜がみんなの共通点を見つけてくれたもんっ!」

 

「「「「「ええ!?」」」」」

 

みんなが驚いた後、燐子とリサが

 

「…陽菜さん…そう……だったん、ですか…」

 

「陽菜、すごいね♪一瞬で解決しちゃうなんて」

 

「あっでも、みんなを強制連行しようって言ったのは俺じゃないからな」

 

すると香澄とたえが

 

「ええっ!?陽菜の裏切り者ー!」

 

「陽菜、寝返ったね」

 

「いやいやいや!裏切り者でも寝返ってもないから!」

 

それを聞いてまりなさんが

 

「あはは、でも最高の演奏できたから、オーナーが、さっそくイベントの第2弾やってくれー!だって」

 

すると有咲と麻弥が

 

「なんかチョーシいいなぁ」

 

「まぁ、いいじゃないですか。

みなさんのおかげでジブン、すごくいい経験ができたと思ってます!」

 

「うんっ!次もこの26人で頑張って、絶対楽しい事やろうっ!」

 

「ま、頑張ってく……えっ!?俺も!?」

 

「もちろんっ!」

 

俺いつ帰って来られるか、わからないのに

そう思っていると友希那と紗夜が

 

「そうよ。

如月が抜けたらまとめ役は誰がやるの?」

 

「そうですね、如月さんが抜けたら色々と仕事が増えます…」

 

「…帰って来れるかわからないけど、まぁ、帰って来れるように頑張るよ」

 

「うんっ!陽兄ぃが帰って来るの待ってるね!」

 

「…わ、わたしも……待ってます、から……!」

 

するとまりなさんが

 

「いいねいいね〜、なんかせーしゅんって感じがするなぁ。

って前置きが長くなったけど、今日はパーっと打ち上げちゃおうね!

乾杯の音頭は陽菜くんお願いっ!」

 

「わかりました」

 

するとはぐみが

 

「あれ?陽ちゃん、どのタイミングで乾杯っていうの?」

 

「実を言うと俺もわからん」

 

「あっ!確かに!いつ言うんだろ?」

 

「あはっ、あはははっ!めっちゃバラバラ!なんかアタシ達みたいだね♪」

 

「ミニライブの時は揃って言えてたのに……」

 

「確かに!ふっ、ふふっ……あはははっ!」

 

「じゃあ、『せーの』のあとに『乾杯!』でいくぞー。

せーの……」

 

『『『『『かんぱーい!!』』』』』

 

そしてしばらくみんなで色々と話し合っていると香澄が

 

「あっ!そーだ!陽菜が最後だからついでに記念写真、みんなで撮ろうよっ!」

 

すると他のみんなも

 

「いい案だね、香澄ちゃん…!」

 

「さっすが香澄!いい事言うねっ!」

 

「ま、悪くないんじゃねーか?」

 

「そう言いつつも、みんなで写真が撮れることが嬉しい有咲でした」

 

「おー!いいねいいねっ!陽菜さんも喜んでくれるよっ!」

 

「うんっ!さすが香澄ちゃん!」

 

「ま、悪くないんじゃない」

 

「蘭〜、こう言う時くらい素直に喜べって」

 

「おお〜、記念写真…いいね〜」

 

「記念写真…いい案だと思うわ♪」

 

「はいっ!ハルナさんには本当にお世話になりましたからっ!」

 

「ううっ、お別れするのは嫌だな…」

 

「彩さんっ!?泣いてるんですか!?」

 

「あたしも、陽菜くんと会えないのはちょっと寂しいかな〜…」

 

「日菜……もう、ほんとにこの子ったら…」

 

「記念写真っ!友希那さん、りんりん、リサ姉早く行こっ!」

 

「あ、あまり引っ張らないであこ」

 

「ま、待って……あこちゃん……」

 

「もー、あこってば急ぎすぎ〜」

 

「さっすが、かーくん!」

 

「あはは…キグルミ脱いでてよかった……」

 

「みんなで記念写真…ん〜!すっごく楽しそうねっ!」

 

「このひと時……儚い……」

 

「ふぇぇ…みんな、置いてかないで…」

 

そして、みんな並び

 

「全員並んだな〜、撮るぞ〜」

 

『『『『『ちょっと待った!!』』』』』

 

「陽菜さん、何してるんですか……」

 

「あっ…」

 

しまった。

つい裏方の仕事をするクセが

 

「ごめんごめん。

でも、誰が撮る?」

 

「あっ、じゃあわたしが撮るよ」

 

「まりなさんが?いいんですか?」

 

「うんっ!だってこれは陽菜くんの為の記念写真だもの」

 

「ありがとうございます」

 

そしてみんなに招かれ真ん中に行き、まりなさんが

 

「じゃあ、みんな撮るよ〜!はい、チーズ!」

 

パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

 

「ちょ、何枚撮ってるんですか!?」

 

「あはは、まぁまぁいいじゃない!それじゃ、打ち上げの続きといきましょうっ!」

 

『『『『『おー!!』』』』』

 

そしてしばらくみんなで楽しい時間を過ごした。

そして、その楽しい時間は終わりを迎え、みんな帰る事にした。

その帰り道

 

「いや〜、打ち上げ楽しかったね☆」

 

「うんっ!あこも色んな人とお話しして楽しかったっ!りんりんはどうだった?」

 

「わたしも……楽しかった、よ……」

 

「湊さんはどうでした?」

 

「ええ、楽しかったわ」

 

「わたしもです」

 

そんな会話を聞いて

…渡すなら今だな。

 

「…みんな、ちょっといいか」

 

「「「「「?」」」」」

 

「どうしたの?如月」

 

「これみんなに、そしてRoseliaに」

 

「これは…」

 

「手紙?」

 

「ああ、そうだ」

 

「陽兄ぃこれ開けてもいい?」

 

「いや、明日の練習に開けてくれ」

 

「……ど、どうして、ですか……?」

 

「今ここで開けられると、まぁ、アレだからな…」

 

「アレって?」

 

「……みんな、今まで本当にありがとな。

……じゃあ俺、帰り道こっちだから」

 

すると

 

「待って」

 

「!」

 

そう呼び止めたのは友希那だった。

 

「…如月、あのライブイベント。あなたは楽しめたかしら?」

 

「もちろん、最高の演奏と『音』だったよ!」

 

「そう……なら、よかったわ」

 

「友希那達も楽しかったか?」

 

するとみんな微笑んで

 

「ええ、楽しかったわ」

 

「私もあんな演奏ができるとは思いませんでした」

 

「私もすっごい楽しかったよ♪」

 

「あこもあこもっ!楽しかったっ!」

 

「……わたし、も……すごく、楽しかった、です……」

 

「…なら良かった。じゃあまたな、みんな」

 

そして、そのまま家に帰った。

 

「……ええ、さようなら陽菜」

 

「バイバイ!陽兄ぃ!」

 

「……また…会えるの、楽しみに…してます…陽菜さん…」

 

「また会いましょう、如月さん」

 

「ううっ、バイバイ陽菜ー!」

 

「リサ姉…泣いてるの?」

 

「ううっ、うんっ。ごめん」

 

「……今井さん……」

 

「…リサ……」

 

「大丈夫だよリサ姉、陽兄ぃさっき『またね』って言ってたもんっ!だからまた会えるよっ!」

 

「そう、だよね。

うんっ!そうだよ!」

 

「……リサさん……元気に、なりました…ね」

 

すると涙を拭き

 

「よしっ。それじゃ、みんな帰ろっ♪」

 

「「「「ええ(うん!)」」」」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

俺は空港で飛行機がもうすぐ着陸するのを確認した。

そして自分が乗る飛行機に乗り、席に座った後、写真を眺めていた。

 

「……ありがとう」

 

そして、飛行機は離陸した。




今回で第1章は終わりです。
では、お気に入り登録してくれた人本当にありがとうございます。

ヒロキチ様 月季様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 田中さん様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様

最後にもう一度
ありがとうございました。







Continued on next time


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1.5章 番外編 〜Roselia〜 番外編第1号 前編 失われた『Roselia』

友希那 side

如月がいなくなってから、私達はコンテストまで後2日までという月日が経った。

けど、私達はまだ、如月からもらった手紙を開けていなかった。

理由は…

 

「…ねぇ、みんなちょっといいかな?」

 

するとあこが

 

「どうしたの?リサ姉」

 

「昨日、陽菜からもらったこの手紙なんだけど、アタシはまだ開けない方がいいと思う」

 

私はその理由が気になり

 

「どうして?」

 

「…多分だけど陽菜は、この手紙に『今』のRoseliaの事を書いたと思うの。もし、何かあった時の為に……だから、みんな、いいかな?」

 

するとみんな

 

「まぁ、今井さんがそう言うのなら」

 

「うんっ!それでいいと思うっ!」

 

「わたしも……それで、いいと思います……」

 

「友希那は?」

 

「いいわよ…」

 

「ありがとう、みんな☆」

 

そして現在、如月からもらった手紙はリサが預かっている。

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side

アタシ達はコンテストの日を迎えて、楽屋でアタシは

 

「ああっ、やばっ!メンテ用のスプレー…!」

 

アタシは忘れ物に気づいて、思わず口から出ていた。

すると

 

「忘れ物には注意って、連絡したじゃない。

はい」

 

「あ……りがとう……」

 

そう言って紗夜はメンテ用のスプレーを貸してくれた。

紗夜……なんか前に比べて、トゲがなくなった……?そういえばみんなも……

そう思い、周りを見てみると

 

「りんりん大丈夫?ステージ、すっごく大きいよっ。真っ青になっちゃわない??」

 

「うん……大丈夫、だよ…あこちゃん……わたし最近……キーボードと、一緒に…いると、守られてる気がするの……」

 

「わかるわかるっ!あこもドラム叩いてる時は無敵!って感じがするもんっ!」

 

「うんっ……!」

 

「よーしっ。練習の成果、見せてやろうねっ」

 

それを聞いてた友希那は

 

「あこ。他の応募者もいるんだから、あまり騒がないで」

 

すると周りから

 

…Roseliaってもっとクールなバンドだ、って聞いてたけど…なーんか意外と普通。拍子抜けだわ。

 

そう?あたしは結構いいバンドだと思うよ。

あっ、ねぇ、テレビ見てよ。

 

そう聞いてテレビを見てみると

 

「「っ!」」

 

そこには紗夜の妹の日菜が所属しているPastel*Palettesが映っていた。

紗夜、本番前だけど大丈夫かなぁ。

そんな事を思っていると

 

「今井さん。スプレー終わった?私も使うから」

 

「えっ。あっ、うん……。はい」

 

日菜の事にも、紗夜、全然動じてない。

それに、燐子も人混みが苦手だったのに、あこと同じくらい楽しそうにしてる。

コンテスト前なのに……みんな、すごい…

それじゃあ友希那も…

 

「って、あれ?友希那?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブハウスの外

 

「ちょっともぉ〜友希那〜!友希那は誰よりも準備すると思ったのに、楽屋にいないから、超探しちゃったよ!」

 

「いくら準備しても、なるように、なるだけよ」

 

「ええ〜?Roseliaのリーダーが投げやり発言っ?」

 

「練習は裏切らない、最終的な結果。それがすべてよ」

 

「友希那……。

……ねぇ、友希那。どうしてここに?」

 

そう聞くと友希那は少し考えてから

 

「……如月がよくライブ前に外に出て考え事をしてたからよ」

 

「陽菜が?」

 

「ええ、それである日聞いてみたの。

そうしたら如月は、『昔の事』って答えたわ」

 

「昔の事?」

 

「ええ。私も気になって聞いたら如月は少し考えてから『成長して失敗したとしても戻る必要はなかったんだな、って』如月は少し笑いながら言ってたわ……」

 

「あははっ、陽菜ってば、答えになってないね…」

 

「全くその通りだわ……」

 

「でも、それってどういう意味なの?」

 

「わからないわ。

如月の考えてる事なんて……」

 

「………」

 

「?どうしたの?まじまじ見て」

 

「いやぁ…なんか友希那、前よりもスッキリした顔、してるなーって」

 

「……そうね。

みんなに、何も隠さないでいいって、こんな気持ちなのね」

 

「友希那……」

 

良かった……。

あの時、アタシがした事は、間違ってなかったんだ…。

そう思っていると

 

「リサ。……ありがとう」

 

「そうだねっ☆って!?ええ!?……今、なんて?」

 

「…なんでもないわ。

早く戻るわよ。リサ」

 

「う、うんっ!」

 

今、友希那、確かにありがとう、って…

ダメだって…!よりにもよって今、友希那にそんなこと言われたら余計……っ

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

楽屋に戻り、少し経つと

 

「5分前よ」

 

紗夜の言葉を聞き、私は

 

「問題ないわ。いつでも行ける」

 

そう言い、リサの方をみると様子が少しおかしかった。

 

「…リサ?」

 

「へぁえっ!?う、うんっ!だ、だだ大丈夫だよ〜!ははは」

 

「リサ……」

 

そんなリサを見て、もしかしたら緊張しているのかと思っていると

 

「リサ姉……前から思ってたけど、緊張し」

 

するとそれに反応してリサは

 

「し……ってないよっ!しってませーんっ!!」

 

「「「「………」」」」

 

 

そして扉が開き、スタッフさんが来て私たちが呼ばれた。

リサ、やっぱり、緊張してるのかしら。

そんな事を考えているとリサがうつむいていると紗夜が

 

「ちょっと今井さん、そうやってうつむいてたら、他の人に楽器があたって迷惑よ。………ちゃんと前を向いて」

 

すると

 

「前、を……」

 

リサは何かわかったようにスッキリした顔になっており、安心しているとあこが

 

「よしっ!Roselia、行くぞーっ!おーっ!

ほら、みんなでやろーよ!せーの…」

 

「「「おー!」」」

 

「「やめて、そういうの」」

 

そして……Roseliaの出番になった。

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各 side

ライブが始まり、演奏をしていた。

 

なにかしら……この……私…ギターをやっていて、こんなに穏やかな気持ちになったこと……今まで…

 

やっぱ…そうだよ!Roseliaはもっともーっとカッコイイあこにしてくれる魔法をもってる!!

 

た、楽しい……!!ウソみたい!アタシ、さっきまであんなに緊張してたのに!……やっぱりこのバンド……

 

……歌声も……ライトも……気にならない……わたし……Roseliaでいるときは、少し……強くなれるみたい……

 

……なにも考えられなくなっていく……ただ歌うことが……

 

そして、それぞれ思いを持って、Roseliaの演奏は終わった。

 

 

 

 

 

各 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side

 

コンテスト後の昼のファミレス

 

「「…………」」

 

「ちょっともー、2人とも…相変わらずクールだなーっ」

 

それを聞いて紗夜と友希那が

 

「冷めてたらこんな所に来ません」

 

「そうよ」

 

するとあこが

 

「そうですよっ!紗夜さんも友希那さんも、スーパーやけ食いセットでいいですかっ?」

 

「「………」」

 

「よしっ!それじゃあ、みんなそれでっ!燐子よろっ♪」

 

「はい。……スーパーやけ食いセット……5人前、ですね……」

 

まぁ、結果としては、こうなっちゃったけど……

…演奏が終わり、結果発表を聞いていると

 

「エントリーNo.2 バンド名『グロリオサ』

受賞したバンドは以上です」

 

「「「「「!!」」」」」

 

そんな……っ

そう思っていると

 

「講評を聞きたいバンドは、控え室で残って下さい。

また、他のバンド、ご来場の皆様は……」

 

するとあこが

 

「……なんで?友希那さん、こんなの……」

 

「……講評を聞く。

理由を考えるのは、それからよ」

 

「う、うんっ、そうだね…」

 

そして、控え室で待ち、審査員の所へ向かい、講評を聞いた。

 

「素晴らしい演奏だったわ。

本大会で、限りなくトップに近いレベルだった」

 

それに紗夜が

 

「…なら!なぜですか。なぜ……私たちは落選なんです?」

 

するともう1人の審査員が

 

「…あなたたちは結成して、とても日が浅い。

でも、練習量は他のバンドと変わりない。

…いいえ、それ以上と言ってもいいわ。

……だからこそあなた達には、このコンテストで『入賞』するのではなく『優勝』して、フェスのメインステージに立ってほしいの」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「あなた達は、短期間の練習でとても荒削りだというのに、私たちをここまで惹きつけた。

…それにこれまで私たちが審査してきた中でそう思ったのは2回目よ。一体誰がRoseliaを……。

……いえ、関係のない話をしてしまったわね。

最後に、Roselia。あなた達には、伸びしろがありすぎる……」

 

「「「「「………」」」」」

 

「来年でも、再来年でもいい。

それまでに成長したRoseliaの姿を見せて下さい」

 

そんな事を思い出していると店員さんが来て、注文した物がきた。

そしてアタシは

 

「落選したけど、すっごく認めて貰えてたし、アタシはそんなに悪くないんじゃないかって……」

 

そう言うと紗夜は

 

「私は認めないわ……むぐ」

 

するとあこが

 

「むぐ……たしかにすっごい悔しかったけど、でもっ、それがどうでもよくなるくらい、あこ……楽しかった!!」

 

それを聞いてアタシは

 

「あー……ちょっと、わかっちゃう……なぁ…」

 

そう言うと燐子も

 

「わたしも……今までで、いちばん……」

 

「「……!」」

 

「あ、あなた達っ、なんの為に練習してきたと思ってるのよ…」

 

「そうよ。

Roseliaは自分たちの音楽を極める為に……」

 

そう言うと友希那と紗夜は少し迷いながら何か考えているようだった。

 

「私は……どんなに他から認められても、父親の立てなかったステージで歌うまでは自分で自分を認められない」

 

「友希那……」

 

すると紗夜も

 

「そうね。……私も……?あの、なにか私に用ですか?」

 

紗夜が何か言いかけそうになったが

そこには、ファミレスに来た他のお客がいた。

そして、そのお客は

 

あ、あのっ、もしかしてパスパレの日菜ちゃんのお姉さんですか?

 

「……そうです」

 

きゃーっ。やっぱりお姉ちゃんがいるって本当だったんだ。すごーい。ありがとうございましたっ。

 

紗夜はまた何か考えていた。

すると

 

「わたしも……やっぱり……このみんなで……FUTURE WORLD FES.に、出たい……です。

これまで……それを目指してきた時間が…今までで、一番楽しかった……から」

 

「燐子……」

 

アタシも友希那がお父さんの事をいつか笑って話せるようになるまで、アタシは……

 

「アタシも……!アタシもまだ、このバンドをやりたい!だって…楽しかったから!」

 

アタシはその為に……もっともっと、友希那と紗夜に楽しいって思ってもらいたい……から

 

「「「「「………」」」」」

 

「思うところは……皆様々だけど……」

 

「コンテストに出て優勝する。

その気持ちは同じようね」

 

「っ!じゃあこれからも、みんなでRoselia頑張ろうねっ!なんかあった時は今日みたいにファミレスに来たりさっ!」

 

「「しないわよ。

……!」」

 

「二度とこんな所に来ないように、もっともっと、これから練習するのよ。

だから、無駄にできる時間はないわ。そろそろ帰りましょう」

 

それを聞いてアタシとあこは

 

「「えーもうちょっとーー」」

 

すると友希那は少し微笑みながら

 

「Roseliaに馴れ合いは要らない。

友達ごっこがしたい人は抜けてもらうわよ」

 

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side out

それからしばらく経ったある日の練習終わり

 

「今日の演奏は、それなりにまとまりがあったように思います。

湊さん、いかがですか?」

 

「ええ、それなりによかったわね。

ちょうどいい時間だし、今日はこの辺にしましょう」

 

「お疲れさま……でした」

 

「お疲れ様でした。

それでは、片付けましょう」

 

「はーい!」

 

するとリサは

 

「みんな、おっつかれー!ね、今日はちょっと早く終わったし、外のカフェ寄っていこーよっ」

 

「さんせーさんせー!」

 

「……まあ、いいわ。

燐子と紗夜はどう?」

 

「少しなら……」

 

「わたしも……大丈夫です」

 

「やった!じゃ、早く片付けちゃお!」

 

そして片付けが終わり、外のカフェでお茶をしていると

 

「今日の練習も楽しかったーっ!りんりんはどうだった?」

 

「わたしも……楽しかった、よ……」

 

するとリサが

 

「そういえば紗夜、来週一緒にクッキー作るって話してた件だけどさ……」

 

「えっ!リサ姉と紗夜さん、一緒にクッキー作るの!?」

 

「い、今井さん……!その話はあまり大きな声でしてほしくないと言ったはずです!」

 

「あれ?そうだっけ……ゴメンゴメン。

けど、もうバレちゃったしいーじゃん?」

 

「あなた達の作るクッキーにはRoseliaの練習パフォーマンスをアップする効果がある気がするの。楽しみにしているわ」

 

「任せといてっ!」

 

そんな会話をしていると

 

「すみません、Roseliaの皆さんですか?」

 

「はい、そうですが……」

 

「私、SWEET MUSIC SHOWERという音楽イベントの運営事務局のものです。

今日はみなさんに、このイベントに出演していただきたく、こちらに伺いました」

 

それを聞いて、燐子とあこ、リサが

 

「「「ええ!?」」」

 

そして、帰り道

 

「……すごい話を………いただきました…ね」

 

「さっきのイベントが気になって調べたんだけど、すごく大きいイベントなんだね……」

 

「FUTURE WORLD FES.に出たことのある多くのバンドが出演しているイベントよ」

 

「そ……そんなすごい所から……直接声を掛けていただけるなんて……」

 

「やっぱりやっぱり、Roseliaは超カッコイイもんっ!

だから、声を掛けてもらえたって事ですよね?」

 

「ジュニア枠……プロのバンドの前座とは言え、FUTURE WORLD FES.に匹敵するほどの規模の会場。

気を引き締めなくては」

 

「そうね。フェスに繋げられるような演奏をしましょう」

 

「今井さん、申し訳ないけれど、クッキーの件はSWEET MUSIC SHOWER……SMSが終わってからにしましょう」

 

「りょーかい!終わったらゆっくり作ろう♪」

 

「そうしてくれると助かるわ。

SMSに照準を合わせて、練習量を増やす必要がありそうだから」

 

「そうですね……本番で、いい演奏が……できるように……がんばりましょう……」

 

「おー!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてライブ当日

 

「もうそろそろアタシ達の出番…っ!うう、さすがに緊張してきた」

 

「会場のざわめきがここまで聞こえますね」

 

「お客さんすっごいたくさん……!ドキドキするよ〜!」

 

「落ち着いて、これまで練習してきたものを全て出すまでよ」

 

「……はい……っ!」

 

そしてステージに立つと

 

お、Roseliaじゃん!

 

へー、知ってるの?

 

この前小さい所でやってたんだけど、結構いい音してるんだよ!

 

「Roseliaです」

 

友希那がそう言うとあこが

 

「1、2、3!」

 

そして演奏が始まった。

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各メンバー side

演奏をしていると

 

わあ……!お客さん、ノッテきてる!

あこ達のカッコイイところ、みんな見て〜!

 

ひっかかりがちだった箇所もまとまってきてる。

この演奏なら……!

 

すると観客席から

 

う〜ん……。

 

まあ、『演奏は』上手いね……。

 

ジュニア枠ってあと何バンド出るんだっけ?

今のうちに手洗い行っとこうかな〜。

 

あ、私も!あと、なんか食べておこうかな。

 

そんな声が聞こえてき

 

えっ、ちょっと何……!?

 

お客さんが……

 

離れていく……

 

「ーー♪」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ライブ後の楽屋

 

「………」

 

「……悪くない演奏だったと思います」

 

「どうしてお客さんがどんどん、いなくなっちゃったんですか?

あこ、何回も間違えてたところ、今日はちゃんとできました。なのに……」

 

すると扉が開きスタッフさんが

 

Roseliaさん、お疲れ様でした。

 

「あっ……!お疲れ様でした!」

 

すみません、緊張してましたか?

以前聞いた時と印象が違ったような…

 

「あ、あはは〜!すみません、多分、緊張しちゃってたかもしれません……」

 

「………」

 

まあ、高校生ですから、まだまだこれからですよ。

それじゃ、今日はありがとうございました。

お疲れ様でした。

 

「「「「「………」」」」」

 

「この後……どうする?」

 

「今日はこのまま解散しましょう。

反省会はまた別の日に………それじゃあ、私はここで」

 

「あっ……友希那さん……!」

 

 

 

 

各メンバー side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

湊家 友希那の部屋

 

「………」

 

今日の演奏……どうしてオーディエンスは離れて行ってしまったの。

確実に私たちの演奏技術は上がったわ。

でも、あのスタッフは……

 

「以前と……何が違うの……?」

 

そして数日後

スタジオでは

 

「……ではさっきの2つ前から、あこカウントお願い」

 

「………」

 

「あこ?」

 

「……あっ、は、はい……!」

 

そして練習が終わり

 

「………そろそろ時間終わりの時間ですね」

 

「各自次の練習までつまづいた所を必ず直しておくこと、今日はここまで。片付けましょう」

 

「「「「お疲れ様でした。

おつかれー!」」」」

 

…メンバーで合わせてみてもわからないわ……なぜ、SMSの演奏は受け入れられなかったの?

以前との違い……

そう熟考していると

 

「ゆーきな!お疲れっ!友希那もクッキー食べない?」

 

「今井さん、一緒にクッキーを作る約束をしていたのに……1人で作ってしまったの?」

 

「あはは……ごめんごめん。

でもこれは、これからも頑張っていこー!的な?」

 

あ………

受け入れられなかった理由……それは……もしかすると……

そう考えているとリサが

 

「オッケー☆じゃ、一旦解散したら個人練だね。

友希那はどーする?」

 

「……今日はそのまま帰るわ。

それから、リサ」

 

「?どうしたの?」

 

「……もう、クッキーは作ってこなくていい。必要ないわ」

 

私たちは仲良くなり過ぎた。

 

「友希那……さん……?」

 

「あ、あれ?ごめん、なんかアタシ空気読めなかったかな……?」

 

「それじゃあ、これで……」

 

そう言ってスタジオを出た。

 

「……」

 

私達は、取り戻さなくてはならない……私達の歌を。

私達の、最初の頃のような張り詰めた思いを……。

今のように甘やかさず、最初の頃に戻る。

そして、確実に私達の『音』を取り戻す……!

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あこ side

翌日 スタジオ

 

「……ストップ!

今テンポが崩れたわ。……あこ、前回の練習で、今日までに苦手な箇所を直しておいてと言ったはずよ」

 

「……すみません」

 

「この間のライブでわかったわ。私達にはまだまだ足らないものがあるのよ」

 

「……は、はい!すみません……っ!」

 

「このまま上達しなければ、抜けてもらう。

その覚悟を持って演奏して」

 

「はい……」

 

やっぱり今日の練習、いつもあこ達がやってるような練習じゃない。

友希那さんもいつも雰囲気が違う……

そう思っていると

 

「ちょっと友希那……急にどうしたの?

そんな事言って……」

 

「基準に満たなければ抜けてもらう。そのくらいの危機感を持たなければFUTURE WORLD FES.にはいつまで経っても出られないわ」

 

「確かに今の演奏は、少し気が緩んでいたかもしれません。

宇田川さん、危機感を持ってもう一度やりましょう」

 

「うう……」

 

 

 

 

あこ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

燐子 side

そして、練習が終わり夜にあこちゃんと

 

『りんりーん!

あのね、イベントボスが強くて倒せないから、レベル上げと防具と武器の素材集め、手伝ってくれないかな?』

 

『うん、もちろん……!

それじゃあ、今日は周回クエストをやろうか…!』

 

『ありがとー!今日の目標はレベルを1つでも上げる事と、防具の素材を集めきる!』

 

『わかった……それじゃあ……がんばろう……!』

 

そして周回クエストをあこちゃんとしていると

 

『あ!りんりん!素材出たよー!』

 

『あこちゃん……おめでとう…!よかったね……』

 

『これで防具強化できるよ!ボス、倒せるかなぁ』

 

『今度、ボスに挑戦して………無理だったら…またレベル上げ、手伝う……から……』

 

『うんっ!ありがと、りんりん!』

 

『ふふっ……それで、ボス戦は……明日の練習の後で……いいかな……?』

 

『はぁ〜、練習かー……』

 

『どうしたの……?』

 

『今日の練習、なんだかいつもと違う雰囲気だったからかな……緊張して、うまく叩けなくて、なんだか楽しくなかった…そしたらテンポが崩れちゃった…』

 

『そっか……今日の緊張感は……あまりいいものじゃなかったんだね……』

 

『それに…FUTURE WORLD FES.にも近づいてるのか遠のいているのかわからないよね』

 

『そう、だね……これまでは…フェスに向けてやってたけど……この前のSMSでうまく演奏できなかったから……。

……こんな時……陽菜さんなら……どうする、かな………?』

 

『陽兄ぃ?う〜ん………わかんない。

陽兄ぃはいつも周りの事見てたから』

 

『うんっ、……陽菜さん、いつも……みんなの事…見てくれてたね……』

 

『それに、あの時どうしたらいいか迷ってる時に、どうしたらいいか教えてくれたのは陽兄ぃだもん…』

 

『……陽菜さんが……Roseliaを……裏で支えてくれてたもんね……』

 

『う〜ん、陽兄ぃが戻ってきてくれたらなー……』

 

『ダメだよあこちゃん……陽菜さんは……わたし達5人だけで……やっていけるって……思ったから、海外に行ったんだよ……』

 

『うん。

……でも…明日の練習もあんな感じなのかな?あこ、練習に行きたくないって初めて思ったよ……』

 

『あこちゃん……』

 

 

 

 

 

燐子 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

次の日、スタジオ

甘やかさず、確実に…昔と同じように

そう思いながら、練習をしていると

 

「……あこ!またテンポが乱れてるわ。

次の練習までに苦手な箇所を直しておいてと言ったでしょう。

何度も同じ事を言わせないで」

 

「まぁまぁ、友希那。

焦ってもいい事ないし、ダメなら練習すればいいじゃん?だから、友希那もそこまで言わなくても……」

 

「………では、もう一度同じところから」

 

すると

 

「………何度やったって、出来ないと思います」

 

「あこ?

宇田川さん?」

 

「何度やったって、あこ、失敗します。

それに…何の為に上手くなればいいんですか!?」

 

「それは……!」

 

フェスの為に……そう言おうとした。

でも、

 

「SMSで失敗したのに、反省会もやらないで!みんな、わけもわからないまま、ずっと練習してて……FUTURE WORLD FES.にも近づいてるのか遠のいているのかわからないし……っ!」

 

……

 

「遠のいているわよ。今のあなたは」

 

「っ!なんでですか!?あこが上手くないからですか?」

 

……

 

「そうよ。

それに、そんな甘えた様子で、このバンドにいる資格はない」

 

「ちょ、ちょっと友希那……!」

 

「っ!!!

………こんなの………こんなのRoseliaじゃないっ!!!」

 

「あ、あこっ!!!」

 

そう言ってあこは出て行った。

 

「………友希那さん………」

 

……そんな事、こうするしか、ないから……

 

「4人だけでも続けましょう」

 

すると

 

「どうして……あこちゃんに……そんなこと…言うんですか……?」

 

「燐子……?

……っ!」

 

燐子は目に涙を浮かべながら

 

「きっと……わたしたち……どれだけ練習しても……『音』なんか……あいません……!

こんな演奏……誰も……振り向いてくれません……!

だって………誰も……みんなの『音』聞いてないから……っ!!」

 

そう言って燐子も出て行った…。

 

「燐子!!!

………ねぇ、友希那、どうしちゃったの?この間の練習から、なんかヘンだよ?」

 

ヘン……いいえ、違う。

私はただ…

 

「私は、Roseliaを取り戻したいだけよ」

 

「取り戻すって……どういうこと?」

 

「……Roseliaに馴れ合いは要らない。クッキーはもう、いらない」

 

「ちょっと待ってよ!

そんな……どうして昔に戻っちゃったみたいなこと言うの?」

 

「…そうでなければ、私達の『音』は取り戻せないからよ。

私達は少し仲良くなり過ぎてしまったんじゃないかしら…」

 

そう言って私はスタジオを出て行った。

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side

 

「友希那……!」

 

友希那はスタジオを出て行ってしまった。

 

「湊さん……っ!

……行ってしまったわね」

 

「……」

 

「今井さん、大丈夫?」

 

「あ……ご、ごめん……なんか、驚いちゃって」

 

「湊さんが言ってたこと、わかる気がします」

 

「わかるって……?」

 

「私達は、バンドと個人として、色んな経験をしました。

その結果、私個人としては成長できましたし、バンドの空気が以前よりもいいものになっています」

 

でも、どうしてそれが……

そう思っていると

 

「ですが……それはRoseliaにとって大きな問題だったのでは、と思ったんです」

 

「……どういうこと?」

 

「私達が無意識的にまとまっていた張り詰めた空気が消え、いつしか『いい雰囲気』が『音』にのっていたのではないでしょうか。

それによって、Roseliaのサウンドは以前と比べて迫力が失われてしまったのかもしれません」

 

「昔の迫力を取り戻す為には、昔みたいにならないといけないってこと……?」

 

「……どうすれば私達の『音』を取り戻せるかは、わかりませんが……以前の私達に戻る必要はないと私は思います」

 

「っ!!!」

 

そんな……、それじゃあアタシが今までやってきたことって……もしかして、バンドにとってすごくダメな事だったのかな……

 

「……」

 

「今井さん、今日はもう帰りましょう」

 

「う、うんっ……」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道

 

「……」

 

「あの……今井さん……どうかしましたか?」

 

「…なんか、アタシ、何してたんだろって……。

みんながいい感じになって、アタシはみんなよりも演奏が下手だから、少しでも役に立てる事考えてさ。

でも、それは全部Roseliaの為になってなかったんだよね……。

ずっと、友希那の夢が叶うようにってやってきたのに。

……っ」

 

すると

 

「……あなたは、Roseliaのベーシストです」

 

「え……?」

 

「私はあなたをRoseliaのベーシストとして認めています。あなたの存在はバンドにとって必要不可欠なものです」

 

「紗夜……っ!はあ、もう……優しいなぁ。

けどさ、これからどうすればいいんだろう?」

 

「緊張感のある私達の『音』……これは確かに取り戻すべきですね。

………そういえば、今井さん」

 

「?どうしたの?」

 

「如月さんからの手紙を預かってましたね」

 

「っ!……それだよ……それだよっ、紗夜っ!

今からアタシの家に行こっ!」

 

アタシはそう言って紗夜の手を引っ張って行った

 

「えっ!?ちょ、ちょっと今井さん……!」

 

 

 

 

 

リサ side out




番外編の前半と後半は結構長くなります。
なんせ、番外編ですから。
さて、お気に入りありがとうございます。
新しい方から紹介させていただきます。

たうそ きさまや様 ヒロキチ様 月季様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 田中さん様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様

祝!!!
10人突破!!!
はたから見ると少ないと思いますが自分的にはかなり嬉しいです。
本当に毎回言ってますが
ありがとうございます!

次回予告

『Roseliaの』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編第1号 後半 『Roseliaの』

今回多分今までで、一番長いです、はい。

オマケ
ない時もあるんだなっ!


リサ side

今井家 リサの部屋

 

「ごめん……急に引っ張っちゃって」

 

「いいわよ。

それより、如月さんからの手紙は?」

 

「あ、うんっ、ここに閉まってて」

 

そして、机の引き出しを開け、手紙を出した。

 

「本当にその手紙に何か書いてるの?」

 

「多分……陽菜の事だから書いてると思うよ。

それじゃ、開けるね」

 

そう言って手紙を開けた。

そして、その内容は

 

前略

 

みんながもし、迷ったりバラバラになったりした時のためにそれぞれにいくつかの事を書いとく。

 

1、まずはリサ。

リサはみんなの事を気にかけ過ぎて、全て自分で引き受ける所がある。

だからもっと周りを頼る事とリサはもっと自分に自信を持っていい。

『友希那の為に動く』リサではなく

『Roseliaの』リサへ

 

2、次は紗夜。

これは俺の推測だが、紗夜は最初、日菜に負けない一心でやってたと思うけど、それは確実にRoseliaの件で変わったと思う。

その変われた理由が必ずある、それを思い出してくれ。

『日菜と比べてる』紗夜ではなく

『Roseliaの』紗夜へ

 

 

3、……

 

そう書いてあった。

他にもあこや燐子、それに友希那の事も書いてあったがそれは直接本人に見せるべきだとアタシは思った。

すると

 

「全く……如月さんらしいですね」

 

「うん……そうだね、向こうに行ってもアタシ達の事心配してくれて……

それに『Roseliaの』かぁ……」

 

「今井さん、どうかしましたか?」

 

「ううんっ。

本当に、陽菜には感謝しても仕切れないなぁ、って思ってさ…」

 

「そうですね、如月さんは私達に何かあったら必ず助けてくれましたから。

………明日、湊さんにこの手紙を読んでもらいましょう」

 

「そうだねっ♪

そういえば陽菜、友希那にはなんて書いたんだろ…」

 

読もうとすると

 

「待ってください」

 

「えっ?どうして?」

 

「私達だけ先に読むのはあの3人に悪いわ。

だから、あの3人が読んでから見ることにしましょう」

 

「う、うん。そうだねっ」

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紗夜 side

翌日 スタジオ

 

「紗夜〜〜何かわかった?取り戻し方!」

 

昨日の如月さんの手紙には取り戻し方は書いていなかったものの、あの手紙には確かに『何か』ある。

そんな事を考え、今井さんの質問に答える事にした。

 

「そんなにすぐにわかったら、苦労しないわよ。

…そういえば、宇田川さん達と連絡は取れたの?」

 

「う〜ん、雑談っぽいのは来るんだけど、練習の話になると濁されちゃって……」

 

「前途多難ね」

 

どうするべきか…

そう考えていると

 

「はぁ……あ、でもさ。

こういうこと言ったら怒られちゃうと思うけど、アタシ、ちょっと嬉しくって」

 

それを聞いて呆れたように

 

「何を言ってるんですか、こんな時に……」

 

「アタシ達、バンドを始めた頃もさ、こんな風にバラバラになっちゃった事あったじゃん?」

 

「ええ」

 

「その時アタシ、相談できる人が陽菜くらいでさ。

で、その時陽菜が言ったの『本当に大切なら側にいるだけじゃダメだ』って……だからアタシ、友希那に必死に向き合った。

わかんない事ばっかりだったけど、アタシなりに考えてさ」

 

「………」

 

「でも、こうやってアタシの弱音を吐いたりできる相手や相談できる相手がいるのはアタシはすごく嬉しいな♪」

 

「あ、あの時は私も、個人的な悩みがあって……それどころではなかったのよ……」

 

「ううん、そうじゃなくて……陽菜の手紙に書いてあった通り、アタシ自身、抱え込んじゃってた。

それに、こういう話ができるのって、お互いに心を開いたからこそなのかなーって。えへへ……」

 

「今井さん……。

こ、こういう話は全て解決してからにしましょう。

今は目の前の事を」

 

すると扉が開き

 

「2人とも、お疲れ様」

 

「ゆ、友希那……!おはよ!」

 

「練習を始めましょう」

 

そこで私は

 

「湊さん、1つよろしいですか?」

 

「何かしら」

 

「『Roseliaの音を取り戻す』それはわかりますが、昔の未熟な状態に戻るのは、私達が成長した事を、無下にするようなことは」

 

すると

 

「………からない………」

 

「友希那……?」

 

「わからないのよ!!他にどうしたらいいのか、わからないの!見つからないから……こうするしか……っ!!

こうするしか……ないじゃない……!」

 

それを聞いて

 

「私だってわからないですよ!でも、こんな形でこれまでの経験を全部なかった事にしたくないんです!!」

 

そして、個人的な話になるけれど…

 

「個人的な話になりますが、私はこのバンドに入って成長しました。

……妹と約束したんです。いつか彼女の隣を並んで歩けるようになると……前に進んでいくと……。

湊さん、あなたも同じはず。

お父様の大切な歌を歌った事を全部なかった事にするんですか?」

 

「……それは……っ」

 

湊さんはスタジオを出て行ってしまった。

 

「あっ、友希那…!!」

 

「……手紙を……渡しそびれてしまったわね……」

 

 

 

 

紗夜 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

スタジオを飛び出て、駅前に着き、

 

「………」

 

わからない……

そう思いながら涙を流していることに気づいた。

 

「うっ……うう……っ」

 

自分が何をしているのかも、なぜこんなやり方しかできないのかも……!

どんどん、遠のいてる……このままじゃ、何もかも失ってしまうかもしれない。

すると

 

「友希那……先輩?」

 

そこにいたのは

 

「……戸山さん…。

…ごめんなさい、見苦しいところを見せてしまって」

 

「い、いえ!友希那先輩、大丈夫ですか?」

 

「ええ……落ち着いたわ」

 

その質問に対して嘘のような答えを返してしまった。

そう思っていると

 

「……あの!ライブ、来てくださいっ!」

 

すると隣にいた有咲が

 

「は、はあ!?おいっ!なんでそうなるんだよ!?」

 

「私、上手にアドバイスとか無理だから、陽菜に一回聞いたんだ。

どうすれば誰かの力になれるか、そしたら陽菜が『そんなの

香澄達が正しいと思うやり方でいい』って言ってたの」

 

如月がそんな事を……でも、どうしていつもそこまで…

そう考えていると

 

「あの、私達の演奏、Roseliaの皆さんみたいに上手じゃないですけど、見てくれたら、きっと元気になれると思いますっ!」

 

「戸山さん……」

 

すると

 

「あの、ホントすみません……無茶言って、無理だったらいいので」

 

「………わかったわ」

 

戸山さん達の聴いた時に感じた私が忘れた『何か』……そこにあるかもしれない……

 

「やったあ!じゃあ、明日CiRCLEでライブあるので見に来てくださいっ!」

 

そして、翌日

CiRCLEライブ

しばらく待っていると

 

「みなさん、こんにちは〜〜!!

Poppin' Partyですっ!それじゃあ早速、1曲!いっきまーっす!!」

 

そして演奏が始まった。

 

……以前見た時より、技術はあがっていそうね。

まとまり方も悪くはない。

それに、この気持ちは……

 

そして、ライブ終了後

 

「友希那せんぱ〜〜〜い!!」

 

「戸山さん。お疲れ様」

 

「今日の演奏どうでしたか?キラキラドキドキ、してもらえましたか?」

 

すると

 

「うん、したよ!」

 

「いや別におたえに聞いてるんじゃねぇ!」

 

「でも、私達がその気持ちを持ってないと聴いてる人には伝わらないと思う。だから大事なことだよ」

 

自分達が……

そんな事、考えた事なかった。

そして、少し気になった。

 

「少し気になったのだけど。

あなた達、いつもどんな気持ちで演奏しているの?」

 

「ポピパが、大好きっ!って思ってます」

 

「うんっ!私もみんながポピパの大好きだって思ってます」

 

「あ……!」

 

「友希那先輩?」

 

「いいえ、なんでもないわ。

今日はいいものを見せてもらった。ありがとう、戸山さん」

 

「はいっ!私もまた、Roseliaの演奏を聴きたいですっ!」

 

「ええ……そうね」

 

そして、帰り道

 

「………」

 

みんながどんな気持ちで演奏してるかなんて考えた事もなかった……。

同じ気持ちで演奏しているなんて、なおの事気にしてなかったわ。

私達の音を取り戻す事……それは、私達がRoseliaである誇りを取り戻すことなのかもしれない。

でも、どうやって?

 

「あと少し……あと少しなのに……」

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あこ side

 

「はぁ……」

 

「あこ、どうしたんだ?」

 

「あ、おねーちゃん……実はね」

 

そして、悩んでいる事を話すと

 

「なるほどな〜。それで練習にも行きづらいってわけか」

 

「うん……」

 

「あこ、Roseliaは好きか?」

 

「えっ、う、うんっ!大好きっ!」

 

「Roseliaのメンバーは?」

 

「もちろん大好きだよっ!おねーちゃん急にどうしたの?」

 

「んー?確かめたかっただけだよ。

でも、あこがそこまで好きなら、その思いを伝えればいい。

そうだな〜……あ、燐子さんと一緒に衣装、作ってみるとかどうだ?」

 

「衣装、かあ……!うんっ!わかった、ありがとうおねーちゃん!」

 

そう言ってから早速りんりんにメッセージを送った。

 

 

 

 

あこ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

燐子 side

 

練習しなくても……Roseliaの事考えてる……

 

「あっ…」

 

衣装…ほつれてる……。

大切な衣装……わたし達が『Roselia』でいられる……大切な衣装……

 

「…また、みんなで着て……演奏…したいな……」

 

すると

 

「あ……!メッセージ……あこちゃんから」

 

その内容は

 

『りんりん!Roseliaの事、取り戻そう!』

 

それを読んで同じ事を考えていると思い

 

『あこちゃん、わたしも今同じ事を考えてるよ』

 

しばらくあこちゃんと話をして

 

『じゃあ、今からりんりんの家に行ってもいい?』

 

『うん…!いいよ……』

 

しばらくするとあこちゃんが来て、家で一緒に衣装を作った。

 

 

 

 

燐子 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side

CiRCLEスタジオ

 

「ねえ、紗夜〜、アタシ達、本当にこうやって練習してるだけでいいのかなあ?」

 

「今、湊さん達が来ない今、私達がRoseliaの音を守らないと……たとえ、以前のような音が出ないとしても……」

 

「紗夜、ホントに変わった。ヒナとの約束はかなり大きかったみたいだね」

 

「ええ、そうね……だから私がここで立ち止まるわけにはいかないのよ」

 

それを聞いて

 

「立ち止まると……紗夜っ!!アタシ、わかったかもっ!」

 

「わかったって何がですか?」

 

「アタシ達、Roseliaっていうバンドはやってるけど、みんな個にとらわれてたんじゃないかな?」

 

「どういう事ですか?」

 

「アタシ達はFUTURE WORLD FES.を目指してたけど、みんなはそれぞれの目標にしか見えてなかった気がして……それにRoseliaにいるのに、もしかして誰もRoseliaの事見てなかったんじゃないかな……」

 

「……」

 

「紗夜?」

 

「いえ、私も日菜との約束を守るためにやっていたのかもしれない、と思いました」

 

「アタシも友希那のために、ってやってたのかもしれない。

……燐子が飛び出て行った時に言ってた『誰の音も聞いてない』ってそういう事だったのかも」

 

「『Roselia』を一番、集団意識していたのは、ひょっとすると白金さんだったのかもしれませんね」

 

「うん、それからあこも、『Roseliaは超カッコイイ』ってずっと言ってくれてた。アタシ達の『音』を一番大切にしてくれた」

 

「Roseliaを取り戻すにはあの2人の力が必要ですね。それと今井さん」

 

「?」

 

「一応、如月さんの手紙を持ってきてください。

あの2人にも見てもらいましょう」

 

「うんっ!でも、2人ってどこにいるのかなぁ?」

 

「それなら問題ありません。

この前、巴さんから白金さんの家で衣装を作っている、と聞きましたから」

 

「さっすが紗夜♪じゃあ今から燐子の家に行こっ!」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「衣装……」

 

「できたーっ!!!」

 

「やったね……あこちゃん……手伝ってくれて……ありがとう」

 

「こちらこそだよっ!早くみんなに着て欲しいっ!」

 

すると

ピンポーン

インターホンが鳴った。

 

「あれ?……誰か、来たのかな?」

 

「きっと……宅配便とかじゃないかな……?

わたしじゃないと思う……」

 

そう言いつつも開けると

 

「「お邪魔しま〜す!

お邪魔します」」

 

「リサ姉に、紗夜さんっ!!?」

 

「ゴメンね、急に。

でも、2人が飛び出した理由がわかったの」

 

「どういうこと?」

 

「それは…」

 

そして、説明をした。

 

「集団を……意識してた……」

 

「ええ。あなた達2人がRoseliaのメンバーとして唯一、Roseliaの事を見てくれていた」

 

「アタシ達が、Roseliaである事をもう一度意識しないといけないなって」

 

すると燐子が

 

「わ、わたしも……あこちゃんと……Roseliaを取り戻す方法を考えて……これからもRoseliaでいたい……それで、一緒に衣装を作って」

 

「あこも、衣装作ってる時、もっともっとRoseliaでいたいって思えて……。

Roseliaの事を考えて楽しい気持ちになるのってダメなのかもしれない。

もっと真剣にならないといけないかもしれない。

でも、あこは『Roselia』の事が大好きだからっ!」

 

すると紗夜が

 

「その気持ちは、これからもRoseliaに誇りを持っているという事だから、大切なものになると思うわ」

 

「は、はいっ!あこ、Roseliaに誇りを持ってます!」

 

「わ、わたしもあこちゃんと同じくらい……Roseliaのこと、大切です……!」

 

「あこ、燐子。大切なことに気づかせてくれてありがとう。

それと、はいっ!これ陽菜からの手紙」

 

「「えっ!?」」

 

「それって、リサ姉が預かってた……どうして?」

 

「ほら、困った時に開けるって言う約束でしょ☆これにみんなの事、書いてるからあこと燐子も読んでみてっ」

 

「う、うん」

 

あこが読んでいるのを横から見てみると

こんな事が書いてあった。

 

前略

 

3、次はあこ。

あこは多分、みんなの中でも一番Roseliaが好きなんだと思う。

いつも『自分だけのカッコイイ』を目指してるあこは、俺から見てもカッコ良く見えた。

『Roseliaをしっかり見てる』あこと

『Roseliaの』あこへ

 

4、次に燐子

燐子は引っ込み事案であんまり前に出たがらなかった。

でも、だからこそ燐子はRoseliaの中でも一番『Roselia』の事を見れたのかもな。

『みんなの事をよく見てる』燐子と

『Roseliaの』燐子へ

 

5、……

 

そして、それを読み終わると

 

「陽兄ぃはやっぱりすごいねっ!りんりん!」

 

「うん……それに、やっぱり……陽菜さんは向こうに行っても……みんなの事……心配してくれて……」

 

「あはは、アタシも読んでそう思ったよ。でも、改めてわかった。

陽菜ってみんなの事、本当によく見てくれてたんだね」

 

「そうですね。

それなのに、私達は如月さんに助けられてばかり…」

 

「でも……陽菜さんは……きっと……そんな事気にしてないと……思います……だって、陽菜さんですから……」

 

「「………」」

 

「あ、あの……どうしたんですか……?」

 

「い、いえ、白金さんが男性を信用してるなんて考えられませんでしたから……」

 

「え……っ!?」

 

「ごめん燐子…アタシもちょっと思っちゃった……」

 

「ええ……っ!?」

 

「まぁ、それは置いといて。

あこ、燐子。大切なことに気づかせてくれてありがとう」

 

「い、いえ……わたしは…何も……それに、今井さんや氷川さんがRoseliaを取り戻したかったのは……きっと…Roseliaが大切で好きなんだと……思います……」

 

「そっか……うん、そうなのかも。

きっとそれに気づけなかったのも、今までRoseliaを見てなかったからなんだよね。

反省、反省」

 

「そうね……私も反省しなくては」

 

「ね……友希那もさ、Roseliaの事、好きかな?」

 

「それを確かめる為にもみんなで、湊さんともう一度話をしましょう。

それにこの前は手紙を渡しそびれましたから」

 

「………そうですね。

友希那さんに……わたし達はすでに……Roseliaとしての『誇り』を持っているんだって……伝えましょう……!」

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

CiRCLE、いつものスタジオ

 

「……」

 

何度歌ったところで、何もわからない。

どうすれば、誇りを取り戻せるのか。

本当に暗闇に迷い込んでしまったみたい……

そう思っていると

 

「あ……」

 

「1人で練習ですか」

 

そこにいたのは紗夜だった。

 

「……まだ、取り戻せない。

だから、歌いに来たの。でも、それも意味がないみたい」

 

すると

 

「あなたは私の背中を押してくれた。

だから今度は私の番です」

 

「……っ」

 

「この問題をどうするか考えている時思った事があります。それは以前の私ならここまでバンドの問題に向き合いませんでした。

それがどうして今こうやって考えているのか……

それは、私が『Roseliaの』氷川紗夜だから」

 

「Roseliaの……」

 

「そうしてくれたのは、あなたが背中を押してくれたからです。少しずつ日菜を見返そうとしている私から、『Roseliaの』ギタリストの私へと変わっていきました。

それはあなたも同じ」

 

「私も……?」

 

「はい、それを説明するにはこれを見てもらった方が早いです」

 

そう言って渡されたのは

 

「っ!!如月からの……手紙…」

 

「今井さんから借りてきました、ぜひ、読んでください。

きっと、何かを思い出せるはずです」

 

「……」

 

私は黙って如月の手紙を開けた。

そこに書かれていたのは

 

前略

 

5、最後に友希那。

友希那は音楽だけじゃなく、信じたものに対して本当に純粋な子だ。

だからこそ、周りが見えなくなってしまい、自分1人で抱え込み誰にも相談できずにいる。

だから、もし暗闇に迷い込んだら、まず自分が何者なのか、考えてみてくれ。

『父親の背中を追いかける』友希那ではなく

『Roseliaの』友希那として

 

「っ!」

 

そして如月からの手紙を読み終わると

 

「あなたは何者なのか、もう一度考えれば、答えは見えてくるはずです」

 

私が何者なのか……それは昔から変わっていない。

 

「私は……」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各メンバー side

翌日 いつものスタジオ

 

「友希那さんが戻って来てくれるまで、練習は続けないとね!」

 

「きっと、湊さんなら帰って来てくれます」

 

あなたなら、きっと……

 

「は、はい……!」

 

氷川さんが言ってくれると本当にそんな気がして、今井さんとはまた、違った……強さ……

すると扉が開き

 

「みんな……っ!」

 

「友希那さん!?」

 

「……!」

 

「………」

 

「………」

 

「………っ」

 

「ゆ、友希那……っ!!!あの……っ!!」

 

すると紗夜が首を横に振って

 

「……今井さん」

 

「……っ」

 

「……SMSが終わってからずっと考えてた。

どうしてお客さんが離れていったのか、以前と何が違うのか、昔に戻ったら『音』を取り戻せるんじゃないかと思ったけれど、それは間違いだった」

 

そう…それは間違いだった。

 

「音を取り戻す事はRoseliaとしての『誇り』を取り戻す事だと思った。でも、何もわからなかった。

『誇り』を取り戻すまであなた達に顔向けできないと思ってた。

だけど、私は『Roselia』の湊 友希那だから…」

 

如月の手紙に書いてあった通り、私はもう『父親の背中を追いかける』湊 友希那じゃない!

 

「たとえ、『誇り』を失おうが、それが惨めだろうが、私は『Roselia』の湊 友希那でいたい……!その為にここにいさせてほしい!

私は……ここで歌うことしか……できないから」

 

すると

 

「友希那さんは、惨めなんかじゃない!………そんなこと、あるわけない………っ!!」

 

「燐子……」

 

「友希那さんは……そうやって、ずっとRoseliaの事を………1人で考えて……『誇り』を取り戻そうとして……悩み抜いた友希那さんが……惨めなわけ、ない……!それに『わたし達』は『Roselia』です……!わからないなら……一緒に探せばいい……!」

 

「っ!」

 

「『Roselia』の湊 友希那でありたい、この気持ちが友希那の『誇り』なんだよ……!」

 

「あなたは一度も『誇り』を失ったことなんてない。『誇り』を持っていたからこそ、あなたは悩み続けたんです」

 

「あ、あこだって、Roseliaがカッコイイバンドでいる為に、この5人の誰が抜けてもダメなんです!!」

 

「……ごめんなさい……こんな私を……もう一度受け入れてくれて……」

 

そう言うとリサが

 

「ううん、友希那。アタシ達だって、ずっと『Roselia』を見てこなかったのは同じ事なんだよ」

 

「わたし達は……今……ようやく『Roselia』になれたんです」

 

「っ……みんな、本当にありがとう」

 

そして、いつもの練習が始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一週間後

スタジオ

 

「これ……この曲、友希那がこの短期間で作って来たの!?」

 

「ええ……私達がRoseliaでいられるように。その気持ちを曲にしたかった」

 

「わあ……!カッコイイ!!あこ、今すぐ演奏したい!!」

 

「素敵な曲ですね、私も今すぐにでも演奏したい気持ちです」

 

「これ、頑張って次のライブに間に合わせようよ」

 

「はい……!ライブまであまり時間がありませんが……新しい……わたし達を象徴する曲になりそうですし……」

 

「今日から次のライブに向けて、集中していきましょう」

 

「はーーいっ!」

 

すると

 

「……あの、さ。ちょっとみんなにこれ、食べてほしいんだけど」

 

リサが出したのは

 

「わあ……!クッキーだっ!」

 

「これは……リサが作ってきたの?」

 

「ううん、アタシと紗夜で作ったの!」

 

「……クッキーには練習パフォーマンスを向上させる効果があると思いますので、練習前に食べるのがいいかと」

 

「いただくわ。………うん、おいしい」

 

「うんっ!すっごくおいしい〜!リサ姉、紗夜さん、ありがとうっ!」

 

「だってさ、やったね、紗夜」

 

すると紗夜は顔を少し赤くして

 

「さあ、クッキーの効果が切れる前に、練習しましょう」

 

「はい……っ!」

 

そして、練習が終わった帰り道

 

「友希那さんっ、今日のあこの演奏どうでしたか?」

 

「ええ、悪くなかったわ。

ただ、いくつか問題点が……」

 

「友希那さんが必ず戻ってくると………力強く言ってくれた氷川さん………とても……素敵でした」

 

「湊さんには、借りがあったから、それを返しただけよ」

 

「ははっ、も〜、照れちゃって!けどアタシ達が前に進めたのは紗夜のおかげだよっ!」

 

すると燐子が

 

「前に……進む………そ、そうだ……っ!」

 

「り、燐子…?」

 

「あ、あの……明日、新しい衣装……一度回収させてもらってもいいですか……?」

 

「何か問題があったの?」

 

「いえ!その……アクセントになるものが……ほしかったんですけと……今、思いつきました。

あっ!お店閉まっちゃうかも……こ、これからアクセサリーパーツの店に行ってきます………っ!」

 

そう言って燐子は行ってしまった。

 

 

 

 

各メンバー side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

香澄 有咲 side

そして、ライブ当日、ステージ

 

「うう〜……なんか緊張してきちゃった……!」

 

「なんで香澄が緊張してんだよ……今日出るのはRoseliaだろ?」

 

「けどさ〜!この間の友希那先輩が、なんだかつらそうだったし……ちょっと心配でさ」

 

「まあ、確かに……」

 

「友希那先輩.Roseliaのメンバーさん頑張ってください……」

 

 

 

 

香澄 有咲 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Roseliaメンバー side

その頃の楽屋

 

「燐子、新しい衣装は持ってきてくれた?」

 

「はい。こちらを……」

 

「いつも、本当に素敵な仕上がりね」

 

「それじゃあ、早速着替えよー!」

 

そして、着替え終わり

 

「おおおーーっ!超、超、超〜〜似合ってるよっ!!」

 

「それにしても、時計や歯車……?私達にしては珍しいモチーフね」

 

「わたし達の時は……一度、止まりました……ですが……今こうして、時計の針は進もうとしてます……。

これからも『わたし達』で進み続けたい……そんな気持ちを込めて、このモチーフを……入れました」

 

「素敵なモチーフだと思うわ。過去の私達と、これからの私達をつなぐ、大切な衣装になりそうね」

 

すると時間がきて

 

「よーしっ!本番、がんばろうっ!!」

 

そして、ステージ

 

「……Roseliaです。

まずは一曲」

 

 

 

Roseliaメンバー side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

香澄 有咲 side

 

「んーーー!やっぱり、Roseliaの人って本当にかっこいい!有咲、すごいねっ!」

 

「友希那先輩も、絶好調って感じだな」

 

「うんっ!!」

 

「って!!ええっ!!?」

 

「?どうしたの有咲?」

 

「ちょ、ちょちょ!!おまっ!あれ見ろ!!」

 

「あれって……え、ええっ!?なんで!!?」

 

香澄 有咲 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各メンバー side out

2曲のうち、1曲が終わり、次は

 

「次は新曲です。『私達』で作った新しい曲、どうか、聞いてください。

『Neo- Aspect』」

 

そして、演奏が始まった。

 

「美しき命の艶麗

紡がれた調べ 生まれゆく道

Believe me this is the right way

 

灯りは何処へ消えた?手繰り寄せるように

手を伸ばす手は何も掴めないまま

息継ぎも上手くできず

冷えた唇 黙り込む

 

Into(darkness…darkness…)

I feel(loneliness…loneliness…)

Your voice…心の裏側に触れた刹那

(Find a way…Find a way…)

I know(loved one…loved one…)

もう一度繋ごう 手を

 

きっと悔しくって 情けなくって

涙したって 此処にいるよ

扉は開けておくから

I hold you…

Beautiful prouder

So, Beautiful braver

So, Beautiful brighter

誇り高く(奏でたい)

Ah…on stage

Sing away!Sing away!

魅せよう 新たな姿 を

 

Wo wo Wow…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

各メンバーの演奏をしている時

 

リズムを刻むギターの音が……思わず走りそうになる……でも、今はただ、思いに任せて演奏したい……!

 

友希那の横顔、すごく凛々しい。これからもアタシは、この5人のステージでの横顔をただ見ていたい。

他のバンドでもない、アタシ達のステージで……!

 

あこは、『カッコイイドラマー』じゃなくて『カッコイイRoseliaのドラマー』になりたいっ!!これからもずっとみんなで音楽を一緒にやりたいっ!!

 

時計の針が……進んでいくのがわかる……わたし達の歯車が、噛み合って、音にのって……これが、『わたし達』の音……!

 

歌う事に罪悪感を感じた日々……未熟でも歌っていいと赦された日……でも私はまだ、自分のことを好きになれなかった!

いつか好きになれたら……そう思って歌い続けていた。

それでも、道は見えなかった。ずっと、心の片隅にひっかかったままだった、歌への気持ち……

今なら、少しだけ好きといえるかもしれない、この5人で奏でる『音』にのる、私達の歌を!!!

 

そして、その思いを持って演奏が終わった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

楽屋

 

「……なんだか、信じられませんでした。

今日の私達の演奏」

 

「はい……わたしも……」

 

「あこ、まだ手が震えてます…」

 

「なんだろう……この感じ……」

 

すると

 

「……本当は、本番直前まで怖かったの。

また、離れて行ってしまわないか……でも、演奏してみて思ったわ。

私達は『Roselia』なのだと。

だから、これからも、この『誇り』を持って演奏していきましょう。

……如月にも恩を返したいから」

 

「〜〜〜〜っ!友希那っ!!」

 

「リサ!?ど、どうしたの、急に抱きついて……!」

 

「だ、だって……アタシ……本当に友希那ことが心配で……っ!」

 

「リサ……」

 

「ずっと、友希那の事甘やかさないようにしようって思ってたのに、ほんとにほんとに心配で……!

だから、本当に戻って来てくれてよかった……またこの5人が集まれて本当に良かった……!ううっ……!」

 

「リサ……本当に、もう……。

?」

 

するとドアが開き、スタッフさんが来て

 

「あ、あのRoseliaさん。

さっき変な男から伝言を頼まれて」

 

「伝言?」

 

「はい、『いい土産になった』って言われて」

 

「「「「「?」」」」」

 

「あの、男ってどんな人でしたか?」

 

「えっと…目つきが悪くて、身長が多分これくらいでした」

 

「目つきが悪くて……」

 

「身長がそのくらい……」

 

「「「「「ああっ!!」」」」」

 

「そ、それって陽兄ぃの事じゃっ!!」

 

「うん、間違いなく陽菜だね。

目つきが悪くて身長がこのくらいとなるとね……」

 

「陽菜さん……見に来てくれてたんですね。

でも……どうして会いに来てくれないんだろう……」

 

「家の事でまだちゃんと帰ってはこれないのでしょう。

全く……挨拶くらいは、しに来てほしいものですね……」

 

「如月が何も言わずに何かするのはいつものことでしょう……」

 

「それにしても…陽菜ってば、『変な男』扱いされてたね」

 

「まぁ、普通は、伝言をお願いします。

なんて普通は言いませんからね」

 

するとリサが何か思いついたように

 

「あっ!今、電話かけたら繋がるかもっ!!」

 

「ホントっ!?リサ姉早く早くっ!」

 

「待ってて〜、今かけるから」

 

そして、リサが電話をすると

 

『もしもし?』

 

「もしもし、陽菜?どうして楽屋に来なかったの?」

 

『その声はリサか。

ごめんごめん、時間が足りなかったんだよ。

もうちょっと時間があれば、会えたんだけどなぁ……』

 

「陽兄ぃっ!今どこっ?あこ、そっちに行くっ!」

 

『あこは相変わらず元気だな。

でも、俺は今空港近くだから、それは諦めてくれ』

 

「あ、あの……陽菜さん…!い、いつ頃に帰って来れますか……?」

 

『ごめんな燐子、それはまだわからない。

それに今回は少し休みをもらっただけだから。

…まぁ、出来るだけ早めに帰るようにするから、心配しなくていいよ』

 

「如月さん…この間、今井さんとクッキーを作ったので、帰ってきたら、ぜひ、食べてみてください」

 

『紗夜のクッキー、美味しいだろうなぁ。

…わかった、帰ってきたら紗夜のクッキー食べてみるよ』

 

「……如月、その……あなたはRoseliaに必要だから、早く帰ってきてちょうだい」

 

『俺が必要だからって……何かあったのか?』

 

「ええ、あなたがいない間に」

 

「そうですね。本当に、色々ありました」

 

『?何それ気になる、教えてくれ』

 

「それが…」

 

そして、如月にこれまでの事を全て話した。

 

『なるほどなぁ……だから今日の演奏、前に聞いた時よりも良くなってたのか…』

 

「『なるほどなぁ』って、如月さんも他人事じゃないんですよ」

 

『えっ?そうなの?』

 

「そうだよ☆陽菜の手紙がなかったら今ごろどうなってたか……」

 

『あれ?手紙になんか書いてたっけ俺…』

 

「書いてたよっ!それに陽兄ぃがあこ達の事ちゃんと見てくれて嬉しかった!!」

 

『あー、なんかそれらしき書いたような感じがするな……それがみんなの助けになったなら良かった良かった』

 

「はい……すごく……助かりました。

陽菜さんは……Roseliaの事……好きですか……?」

 

『ああ、もちろん大好きだよ』

 

「「「「「っ!!!」」」」」

 

『あ、あれ?みんなどうした?』

 

「は、陽菜さん……は、恥ずかしい、です……」

 

「あこも、ちょっとだけ…恥ずかしかった……」

 

「あはは、アタシも…」

 

「き、如月さん…言葉には気をつけてください……」

 

「………」

 

『えぇ、俺答えただけなのに……まぁ、好きな事には変わりないから』

 

「あっ!も〜、陽菜がそういう事言うから友希那、顔が赤くなってるよ♪」

 

「……な、なってないわよ…!」

 

『あはは、ごめん。って、ええっ!』

 

電話越しから悲鳴のような物が聞こえ

 

「ど、どうしたの!?陽菜!」

 

『いや、なんか雷が酷くて後10分くらい時間があるらしい…』

 

「ええっ!?それって…」

 

『まぁ、今からそっちに戻るのは無理だろうから、残りの時間、話し合うか?』

 

「うんっ!あこもいっぱいお話ししたいっ!」

 

「わたし…も……陽菜さんと話したい……です…」

 

「アタシもアタシもっ!!

友希那と紗夜も、だよねっ!」

 

「……まぁ、少しなら……」

 

「……わかったわよ……」

 

『友希那と紗夜は相変わらず冷たいなぁ』

 

「「別に冷たくしてないわ」」

 

『……まぁ、少し話すか…』

 

久しぶりにみんなで如月と話した。

そして…

 

『あっ、そういえば燐子が作ってるみんなの衣装、あれって結構工夫して作ってるんだな。

あこがクロスでスネアを叩く時、袖が邪魔にならないようにしてたのが見ててわかったよ』

 

「はい……ふふ……やっぱり……陽菜さんって……本当に色々見てるんですね……」

 

 

『まぁな。あっ……悪いなもう時間だ』

 

「えぇ、もうちょっと陽兄ぃと話したかったなぁ」

 

『帰ってきたら、もっと話そうか。

それと』

 

「……それと……?」

 

『君たち5人が頑張ったんだ、俺もまた頑張ってくる。

だから、帰ってきた時、『Roseliaの』演奏をまた、聴かせてくれ。

頼めるか?』

 

「ええ、もちろん。

如月が帰ってきたら、今までより最高以上の演奏を聴かせてあげるわ」

 

『友希那の歌声、楽しみにしてるよ。

……じゃあな』

 

「ええ、さようなら如月」

 

「陽兄ぃまたねっ!」

 

「……さようなら……陽菜さん……」

 

「早く帰ってきてね陽菜っ!」

 

「如月さん、さようなら。

また会いましょう」

 

『ああ』

 

そして、通話が終了した。

 

「「「「「……」」」」」

 

するとあことリサが少し泣いているのが見えた。

 

「2人とも……。

……あまり、泣いてばかりでも困るわ。

これから、反省会をしなくちゃ」

 

「ええ、そうね。

私達の課題はまだまだあります」

 

「ふふ……はい……っ!」

 

「それじゃあ、みんなで……いつものとこ、行こっか」

 

 

 

 

 

各メンバー side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

??? side

 

「早速だが、お前には、やってもらう事がある」

 

「やってもらう事……?」

 

「ああ、ある男に疑惑がある。

しかも、それは人間が犠牲になる可能性がある事だ。

俺はその男がつくるゲームに興味があり、プロジェクトに参加した。

だが、その男は自分の作ったゲームを使い『何か』を始める気だ。

それが何か確かめる為にお前に最後の課題をしてもらう」

 

「……それは?」

 

「日本に戻り、このゲームに参加し、その疑惑を解消してもらう」

 

「!日本に!?」

 

「ああ、お前が前に住んでいた所でそれはやってもらう。

………お前の言う『あの子達』にも会えたらいいな」

 

「!!」

 

「それと、それが解消でき次第お前はもう帰っていいぞ」

 

すると隣にいた男が

 

「勝手に連れ戻しといてこいつの扱いがそれか……」

 

「ふんっ、お前ら2人に継いでもらおうと思ったが無駄だったようだからな。

それにこの課題は何があるか、俺にもわからない。だから用心しろ」

 

「……わかりました。

ありがとうございます」

 

「ああ、言い忘れてたが、このゲームが出来るのは日本だけだから、さっさと行ってこい、如月 陽菜」

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

??? side out




お気に入りand初コメント、ありがとうございます!

では、お気に入りを

夜刀様超燃え萌え隊様 ヒロキチ様 月季様 たうそ きさまや様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 田中さん様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様

本当にいつも読んでくださっている方もありがとうございます。
コメント(感想)などは非常に嬉しかったです。

次回予告

第2章 ゲームの世界

こんなの鬼畜ゲームだろ……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2章 剣と歌姫 第1話 こんなの鬼畜ゲームだろ……

気づきました、編集してる時に気づきました。

たうそ きさまや様でした。

本当に名前を間違えてすみません。
後、一応これから第2章としてみてください……

本当にすみませんでした。


以上!


目が覚めた

 

「……結構、遅くなったな」

 

親父さんからの最後の課題

それは、ある男を告発する為の証拠を集める為にゲームにログインして確かめろ。

であった。

 

「何を確かめろと言うんや……全く」

 

久しぶりの関西弁が出た所で、今は高3の始まりである。

俺はあの子達に会えると少し楽しみにしていた。

そういえば……あのゲーム機、なんて言ったっけな。

ええと……

 

「ああ、思い出した……ナーヴギア、だったな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

同時刻、Roseliaメンバー side

 

いつもの練習が終わったその帰り道

 

「りんりんっ!この前やってたあのゲーム機とカセット買った?」

 

「うん……!人混みが大変だったけど……なんとか4つ買えたよ…」

 

「な、なんで4つも?」

 

「あこちゃんが……買うのはわかってたから……それに、ゲームをするなら……みんなでやった方が……楽しいかなって……」

 

「さっすがりんりんっ!あこもなんとか買えたよっ!」

 

「ふふ……でも、サービス開始が……確か明後日だったよね……?」

 

「うんっ!あこ、ベータ版出来なかったから、すっごく楽しみっ!」

 

「うん……!そうだね……」

 

その会話が聞こえてきて

 

「あこと燐子は何の話をしているの?」

 

「はいっ!えっと、最近テレビでCMとかやってるナーヴギアっていう、ヘルメットの形をしたゲーム機なんですけど、これに専用のカセットを入れてナーヴギアを被るとゲームの世界に入る事が出来るんですっ!!」

 

「ゲームの世界に入る?

……あこの言ってる事がよくわからないわ」

 

「えっと……要するに……『仮想世界』……ですね。

五感全てをリンクして……ゲームの中だけど……現実みたいに感じれるんです」

 

「へ〜、ゲームの中かぁ…なんか面白そう♪」

 

「でしょでしょっ!」

 

「あの……今井さんも……やりますか……?

……よかったら……皆さんにも貸しますけど……」

 

「やるやるっ♪ねぇ、友希那と紗夜はどうする?」

 

「「やらないわよ」」

 

するとあこが

 

「ええー!なんでですかー?絶対楽しいと思うんだけどなぁ…」

 

「あこ、それに燐子とリサも、私は如月が帰ってくるまで、演奏技術を上げておきたいの、だから…」

 

「そ、それもそうですけど……あこ、みんなで一緒にやりたいですっ!だから、お願いしますっ!!」

 

「友希那さん……わたしからも……お願いします……」

 

2人に頭を下げられて

 

「………はぁ、わかったわよ」

 

「やったぁ!!」

 

それを聞いて紗夜が

 

「……湊さん、いいんですか?」

 

「こういう時のあこと燐子は、引かないってわかってるから。

紗夜はどうするの?」

 

「まぁ、湊さんがいいのなら…」

 

「でもあこちゃん……ナーヴギア……どうやって持ってくれば……いいかな……?」

 

「えーっと……どうすればいいかなぁ」

 

「?私達が白金さんの家まで行って、そこでゲームをするのではないですか?」

 

「はい……ゲームをプレイするには……仰向けの状態でするしかないんです……だから一旦皆さんに一度……わたしの家に来てもらってから自分の家でやってもらわないといけなくて……」

 

「それくらいなら構わないわ。

練習にちゃんと参加してくれるのなら」

 

「はいっ!あこ、ちゃんと参加しますっ!」

 

そして明後日、燐子の家でナーヴギアをもらい、家でしばらく時間があり、音楽雑誌を見ていると時間が過ぎているのに気づき、急いでナーヴギアをかぶり、ゲームの中に入った……

 

 

 

 

Roseliaメンバー side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家に帰ると荷物が届いていた。

 

「……妹よ、これはなんだ?」

 

すると妹は、春だと言うのにアイスを食べながら

 

「んー?あー、多分あのオッサンからの荷物でしょ」

 

そう言われ、自分の部屋に荷物を持っていき、箱を開けてみると

 

「なるほど、これがナーヴギアか…」

 

そこには、ナーヴギアと呼ばれるゲーム機とカセットが入っていた。

すると

 

「はぁ…この『ソードアートオンライン』に入って何を確かめろと……」

 

なんか二回くらい言ってる気がするが気のせいだろう…

それよりもサービス開始っていつだ?

そう思い、調べてみると

 

「えっ、今日かよ…」

 

とりあえず、身体検査なのかわからないが身体のあちこちを触ってからナーヴギアをかぶり、ゲームの中に入った。

すると

赤や青、黄色や黒などの無数の色が飛びかった後に、黒と白の部屋に入ったら目の前にウィンドウが表示され、名前を入れてください、と出てきたので。

 

「まぁ、確かめるだけだから、名前はそのままでいいか……」

 

そう考え名前をはるな、と入れウィンドウの丸ボタンを押した瞬間、光りが足元から体全体を覆っていき目をゆっくりと開けると

 

「おお……これはすごいな」

 

そこにあったのは数人のプレイヤーと時計塔だった。

 

「あっ、まいったな…」

 

そう言いつつ、自分の右手を頭に乗せて考えていた。

まずは、自分のいる場所を確かめる為にウィンドウを開こうとしたが開き方がわからなく、頭に乗せていた右手を下に下ろすと

シャラランと音を立てながら、ウィンドウを開くことができた。

 

「あっ……」

 

これはラッキー……なのかな?

まぁ、とにかくマップを…

そして、マップを確認した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まずは町の探索、それからフィールドに出て色んなモンスターを狩っていた。

すると向こうで

 

「痛っ!」

 

青色の猪に股間に体当たりされているバンダナを巻いたプレイヤーとそれを見ているプレイヤーがいた。

おうっ……痛そうだな。

そう思っていると見ていたプレイヤーが

 

「痛みなんか感じないだろ」

 

「ぐぉぉぉぉ…!って、あれ?ホントだ、痛くねえ」

 

「だろ?」

 

「にしてもよ〜、どうやったらその『ソードスキル』っての使えんだ?」

 

すると聞かれた方の男が青色の猪を相手にしながら

 

「ほんの少し、力を溜めてスキルが立ち上がるのを感じたら、ズパーンっと打ち込む感じ……っ!」

 

そう言いながら、モンスターのヘイトをもう片方のバンダナを巻いた男に向けた。

するとバンダナ男の刀がオレンジ色に発光し、流れるようにモンスターの背中を斬り、その斬った後には少しだけオレンジの軌跡が残って、モンスターは光を放ち弾けてから無数の結晶のかけらとなって消えた。

 

「おお!あんな事もできるのか!じゃあ、俺も」

 

そう言って俺は、目の前に新しくポップした猪のボアに気づき、腰にかけた片手直剣の取っ手を右手で握り、さっき言ってた通り…

 

「ほんの少し、力を溜めて……」

 

打ち込む!

すると片手直剣が青白く発光し、ボアの口を斬ったと同時に目の前にウィンドウが現れて

 

『レイジスパイク』

 

と、表示された。

技名か?てかこれ戦ってる時に邪魔だな…後で設定いじっとこう。

と思っているとクリティカルヒットしたのか、ボアは一撃で倒せた。かと思ったが、微妙にボアのHPバーにHPが残っていた。

 

「え?ボア強っ」

 

いや違うな、レベルと武器が初期だからだな……よしっ、夕方までレベリングするか。

『ソードスキル』ってのも扱い方がわかったところだ、存分に楽しんでやる。

 

「あっ……」

 

そこで俺は課題の事を思い出したが

 

「ま、まぁ、ちょっとぐらい遊んでも……いいだろ、うん」

 

そう言って、本当に夕方までレベリングをした。

そして

モンスターを倒し、レベルが初期値の1からレベル9まで上がった。

 

「はぁはぁ……痛み感じないのに疲労はするってどういう事だよ……」

 

そんな事を考えていると向こうから

 

「おーい、そこの子っ!後ろ後ろ!!」

 

「後ろ?」

 

言われて、後ろを見てみると

 

「えっ?」

 

そこにはボアよりも図体がでかいボアが突進してきていた。

 

「うわあっ!!」

 

間一髪のところで突進をかわし、腰の剣を右手で抜いた。

するとさっき呼びかけてくれた男とバンダナ男が寄ってきて

 

「危なかったな、大丈夫だったか?」

 

「ああ、なんとか…ありがとう。

俺は如ら……はるなだ、よろしく」

 

「俺はキリト、こいつはクライン、よろしく」

 

「俺のセリフとんなよ、キリト〜」

 

そんな挨拶をしているとさっき突進してきたボアがこちらを見ていた。

 

「まずは、こいつを倒してからだな。

こいつはフィールドボスみたいな存在だから、HPが普通のボアより多いけど、攻撃手段は変わらないから」

 

「なるほどな。てか、なんでキリトはそんなに詳しいんだ?」

 

するとまた、突進してきて俺とキリトは左右に避け、クラインは避けたつもりで当たっていた。

 

「あふんっ!?」

 

「まぁ、それはこれが終わってからだ!」

 

「だな」

 

「オレのこと無視!?」

 

声が聞こえた気がしたが無視した。

そして、しばらく戦い、ボアのHPが赤色になった瞬間

 

「はるな!」

 

「ああ!」

 

そう言い返し、『ソードスキル』を発動させた。

するとキリトも発動させていたらしく、俺はそのままボアを斜めに斬った。

そして、ボアのHPが底をつき、ボアは光を放ちながら、弾けて無数の結晶のかけらになり消えていった。

 

「ふぅ、お疲れさま。

ナイスコンビネーション」

 

そう言いキリトは手を前に出してきて、俺は握手をした。

 

「ああ、お疲れさま。

そしてナイスコンビネーション」

 

そして、キリトにこのゲームの事を色々教えてもらっていた。

そこで俺は思い出して

 

「そういえば、なんでキリトはさっきのボアの事を知ってたんだ?」

 

「そりゃあ、こいつが元ベータテスターだからだよ!」

 

「『元ベータテスター』?」

 

「ああ、ナーヴギアが開発されて、この『ソードアートオンライン』のβテスト版があったんだ。

俺はそれに参加できて、今の奴も戦った事があったからな」

 

「βテスト版かぁ……」

 

βテスト版でなぜ親父さんは疑惑に気づかなかったんだ?いや、気づいたのがβテスト版が終わってからだったのか……う〜ん、わからんな。

とりあえず、ログインして確かめろって事はゲームの中に親父さんが持っている疑惑があるはずだな。

そう考えていると

 

「?どうした?」

 

「…いや、何でもない。

それよりも、俺はレベル1つ上げてからログアウトするけど、クラインとキリトはどうする?」

 

「う〜ん、俺はもうそろそろピザが届く時間だろうから、一旦落ちるわ」

 

「わかった。

じゃあ、フレンド登録しとくか」

 

「おっ!へへ、そうだな」

 

そして、クラインとキリトとフレンド登録をし、クラインがウィンドウを出した。

すると

 

「ん?どうなってんだ、これ……」

 

「?どうしたんだクライン」

 

「ないんだよ、ログアウトボタンが…」

 

「いやいや、そんな訳ないだろ」

 

そう言って俺も自分のウィンドウを開き、ログアウトボタンがある場所を押そうとすると

 

「本当だ、無い……これはまずいだろ」

 

「ああ、今後の運営にも影響するからな」

 

「ええ、俺のピザが…」

 

すると

ゴーン!ゴーン!ゴーン!

 

「なんだ、これ……」

 

「時計塔の音か?」

 

そう言った瞬間に光に覆われて、目を開けると

 

「「なっ!?」」

 

「これって強制テレポートってやつだな」

 

「ああ、でもなんで…」

 

そして、周りを見てみると他にもプレイヤーが集められてきている。

すると

 

「りんりんっ!これってなんかのイベントかな?」

 

「多分……そんな感じ、じゃない……と思うけど……」

 

「宇田川さん、これは一体……」

 

「ビ、ビックリした〜、急に移動したから何かあったのかと思っちゃったよ」

 

「あこ、あまり騒がないでちょうだい」

 

……どこかで聞いたような話口調だったが、見た目が全員、幼女であった。

すると空が赤くなり、空に警告文字が現れたと思うと、警告文字は急速に広がっていき、その隙間から血のようなドロドロした物が落ちてきたが、それは空中で集まり赤いローブを着た人型が現れた。

そして、現れると同時に

 

「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ」

 

『私の世界』ってどういう事だ?

 

「私の名前は茅場晶彦。

さて、プレイヤー諸君はすでにメインメニューからログアウトボタンが消失している事に気づいているだろう。

だが、これは『SAO本来の使用である』そして『諸君らは自発的にログアウトする事はできない』

あるいは、外部の人間からの解除、停止が試みられた場合またはプレイヤーのHPがゼロになった場合。

『諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される』

諸君らが解放される条件はこのゲームをクリアすればよい」

 

「ゲームクリアって……ベータ版でも、ロクに上がれなかったんだろ?」

 

クラインが言った通りで、

当たり前の事だが、周りからは非難の声ばかりが聞こえてきた。

すると

 

「最後に諸君らにプレゼントを2つ用意してある。

1つはスキルウィンドウを見ればわかる事だ。そして、もう1つはメニューを開いて確認してくれたまえ」

 

そう言われて全プレイヤーがメニューを開けてプレゼントを受け取っていた。

そして、俺もメニューを開けプレゼントボックスをみると

 

「手鏡?」

 

そして、その手鏡を見てみると突如テレポートに似た光が全身にまとわりつき、しばらくすると

 

「おっ……と」

 

すると身長が少し伸びたような感じがし、キリトとクラインがどうなったか見てみると

 

「「「だ、誰だお前ら……」」」

 

「お前、まさかキリト……か?」

 

「じゃあオメーは、はるなか?」

 

「てことは、こいつがクライン?」

 

「「「えっ?」」」

 

そして、手鏡を見ると、現実世界の自分の顔になっていた。

という事はキリトやクラインも……いや、それよりも、親父さんが言ってた疑惑ってこういう事か、ログインすればわかるって……ログアウトできなかったら報告できねぇじゃん。

……こんなの鬼畜ゲームだろ……。

そう考えていると

 

「それでは、『ソードアートオンライン』正式サービスのチュートリアルを終了する。

プレイヤーの諸君、健闘を祈る」

 

ローブを着た人型はラグと共に煙を出しながら消えていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「クライン、はるな、ちょっとついて来てくれ」

 

そう言われついて言った。

そして、ついたのは町の商店街の路地裏であった。

するとキリトが

 

「2人とも、よく聞け。

あいつの言葉が本当ならこの世界で生きるには強くならないといけない。

効率よく稼ぐ為にはすぐに隣の村を拠点にした方がいい」

 

「っ!」

 

それを聞いた瞬間、俺はあの広場で話していた、あの5人組の子達がもし、Roseliaのみんなだったら……

そう考えた。

 

「だから…」

 

キリトが何かを言おうとするとクラインが

 

「……おりゃ、他のゲームでダチだった奴らと徹夜で並んで買ったんだ。あいつらを置いてはいけねぇ……」

 

「……」

 

キリトは黙ってその言葉を聞いていた。

 

「オレだって、前のゲームじゃギルドのアタマ張ってたからな。

…これ以上お前に迷惑かけらんねぇよな。

それに、お前に教わったテクで乗り切ってやんよ。

……だから、気にせずお前らだけで次の村に行ってくれ」

 

それを聞いて

 

「キリト、俺もおそらくあの広場に、俺の知り合いがいる。

だから、俺はキリトと一緒には行けない……」

 

「……そっか。

わかった、じゃあまたな、クライン、はるな。

……何かあったら、メッセージ飛ばしてくれ」

 

「…ああ。

クライン、俺は先に広場に戻ってるが、そこからは別行動だ……」

 

「…わかった。元気でな」

 

そう言われ、頷いてから走って広場に戻った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

広場の空は夕焼け色になっていた。

そして、広場を走り周り、あの子達を探していると

 

「えっ、陽菜さん!?」

 

「ん?」

 

そこにいたのはAfterglowの全メンバーだった。

 

「な、おま、なんで?」

 

「いや〜、あたし達もこのゲームに遊びに来たんですよ〜。

そしたら、こんな事になっちゃって〜」

 

「モカは相変わらずなんだな」

 

「ふっふっふ〜、モカちゃんはいつでもどこでもモカちゃんなのだ〜!」

 

すると蘭が

 

「いや、それよりもどうして陽菜さんがここに?海外じゃ、このゲーム、発売されてないですよね?」

 

「…日本に帰って来たからな」

 

「「「「「ええっ!?」」」」」

 

なんか懐かしいな、こういうの

いや、今はそれどころではない。

 

「なぁ…」

 

Roseliaの事を聞こうとすると

 

「あれ?陽菜っ!?」

 

後ろからその声は聞こえた。

 

「っ!!…リサ、それにみんなも…」

 

「如月……!?

……いつ、戻って来たの?」

 

「今日の4時半くらいに帰って来たんだ。

連絡しても出ないから結構心配したぞ」

 

「も〜、陽菜ってば心配し過ぎだよ…」

 

「そうか…っ!?」

 

急に腹に何か飛んできた。

 

「陽兄ぃっ!!」

 

「あこっ!痛みはないけど、締め付けないでくれ……」

 

「……いいなぁ……」

 

「燐子?」

 

「あっ、いえ、な……なんでもない、です……」

 

すると

 

「あっ!おねーちゃんっ!」

 

「あこっ!」

 

締め付けられた時、息がしにくくなった気がしたな……

そんな事を思っていると

 

「あ、あの……陽菜さんは……これから……どうすればいいと思いますか……?」

 

「?どうすればって?」

 

「えっと……さっきまで…みんなでこれからどうするか……悩んでいたんです……」

 

「そうだな……みんなはこの町からフィールドに出ない事だ」

 

それを聞いて巴が

 

「みんな『は』って、どういう事ですか?」

 

「……文字通りだ。

みんな『は』ここに残って俺はフィールドでもうちょっとレベルを上げて、次の村に進む」

 

「っ!それはみんなをここにおいて行く、って事ですか?」

 

「ここに残ってた方が安全だ。

それにこの世界はゲームオーバーイコール現実での死になる」

 

するとつぐみが

 

「で、でもっ!陽菜さんだけが行くのはおかしいじゃないですか!

また……みなさんをおいて行くんですか?」

 

「それは……」

 

それを言われたら、敵わないけど

現状のリスクを伝えておこう。

 

「おいて行く事になるのはわかってる。

それに、圏内ならHPは絶対に減らない、デュエルでもしない限りな。

でもフィールドに出て、こちらのHPが減るのはモンスターと戦った時だけじゃない」

 

「ど、どういう事……ですか……?」

 

「いいか、このゲームにいるプレイヤーの数は1万もいる。

その1万のうち、6割が恐怖して圏内に残り、3割はゲームクリアを目指して動くだろうな……

でも、残りの1割は最悪の場合、人殺しをする殺人鬼だ」

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

「そんな……」

 

「でも…陽菜、このゲームでそんな事したら、死んじゃうんだよ?」

 

「ああ、そうだ。

考えてもみてくれ。

このゲームには剣や刀、斧や槍、レイピアなど色んな武器があるんだ」

 

すると燐子が怯えた様子で

 

「でも……どうして……殺人なんて……」

 

「言い方が悪いけど、現実ではできない殺し方ができる世界だ。

それを好む奴が1万プレイヤーの中に数人はいる。

……こんな話を聞いても、俺についてくるか?」

 

さすがにここまで言えば大丈夫だろう。

そう思っていると

 

「私は…こんな世界でただ朽ちていくだけなんて嫌よ。

だから…私は如月について行く」

 

「友希那は命をかけるのか…?」

 

「ええ、かけるわ」

 

友希那の目を見て覚悟したのだと思った。

 

「はぁ……他のみんなはここに残るってことでい」

 

いいか?と聞こうとすると蘭やあこも

 

「あたしも、ここでただ脱出を待ってるだけなんて嫌」

 

「ゆ、友希那さんが行くならあこも行くっ!」

 

「アタシもあこの姉としてついて行かせてもらう」

 

「わ、わたしも……一緒に行きます……っ!」

 

この状態じゃみんながそう言いそうだったので

 

「わ、わかった。とりあえずついてくる人は手上げて」

 

まぁ、うん、知ってた。

 

「はぁ……じゃあまずは次の村、トールバーナだったかな。

そこに向かう……前に全員、レベルは?」

 

「えっと……さっきまでみんなで狩りに出てたから……Roseliaのメンバーは多分全員……レベル4だと思います」

 

「結構レベリングしたな……蘭達はどれくらいだ?」

 

「あたし達も青い猪みたいなの倒してたからレベル3になってる」

 

「じゃあ、問題ないか……」

 

そして、俺達は次の村へ向かった。




さて、第2章はSAOとバンドリのコラボで完全なるオリジナルストーリーになっております。

オマケ
我が友よ……全略ではない…前略だ……。

次回予告

ボス攻略会議


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 ボス攻略会議

次の村『トールバーナ』を目指している道中でモカが

 

「陽菜さん〜、回復ポーション切れちゃいました〜」

 

「あの植物みたいなモンスターに攻撃受けすぎたな。

これ、飲んでおけ」

 

そう言ってポーチから回復ポーションを渡した。

 

「一応みんなもHPが緑か確認してくれ。

それとトールバーナに着いたら、みんなそこで解散しようか」

 

「「「「「ええっ!?」」」」」

 

するとリサが

 

「陽菜……やっぱりアタシ達は圏内にいた方が安全だから?」

 

「そうじゃない…みんな結構戦い慣れるのが早いから、もう俺がいなくても大丈夫。

もしボスに挑むつもりならトールバーナでそれぞれのバンドでレイドを組んだら、この世界で生きる事はできる」

 

「レイド?」

 

「まぁ、パーティみたいなもんだ。

それとさっきスキルウィンドウ見たら、こんなのが追加されてたんだ」

 

そう言って、ウィンドウをスライドしてみんなにスキルを見せた。

 

「?『歌スキル』と『演奏スキル』?」

 

「そうだ、多分これが茅場晶彦が言ってた、もう1つのプレゼントだな」

 

そう言うと蘭とひまり、モカが

 

「へぇ、結構すごいじゃん、これ」

 

「でもこれ『歌スキル』は使うと周りに回復継続効果と攻撃力アップの効果があるけど、『演奏スキル』は最低5人必要で付与される効果がランダムなんだって」

 

「超あたし達向け〜」

 

「そういう事だ。

だから、『演奏スキル』は使えなくても『歌スキル』は使えるだろう」

 

すると

 

「あっ!あれ、次の村じゃない?」

 

「ホントだっ!」

 

「やっと……着きましたね……」

 

すると

 

「それにしても、斧って結構邪魔ですね。

少し歩きにくいです」

 

「じゃあ、トールバーナで武器を変えたらどうだ?

紗夜なら槍とか…」

 

「槍…ですか。

扱ったことがないですが、斧よりはマシかも知れませんね」

 

「…とりあえず、トールバーナに入ったら、解散するって事で」

 

「……」

 

そしてトールバーナに入った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、解散してから俺は町で色んな武器屋を見ていた。

すると

 

「あら!陽菜じゃない!」

 

「ん?ってこころ!?こころも入っちゃったのか」

 

「ええ!でも、ここで陽菜に会うなんてラッキーね!」

 

「?どういう事だ?」

 

「あたしの武器を選んでほしいの!」

 

「えっ、やだよ。

てか武器無しでどうやってここまで来たんだ?」

 

「?普通に来たわよ?」

 

「いや、そうじゃなくて」

 

「そんな事よりも、早くあたしの武器を決めてちょうだい!」

 

「はぁ…わかったよ、それでどんな武器がいい?」

 

「そうね…ミッシェルみたいなのがいいわ!」

 

「そんなカラフルでフワフワした物はないっ!」

 

そんなやり取りが繰り返されながらもなんとか武器を決めれた。

 

「これは…海賊の剣ねっ!」

 

この子に説明するのは大変だからそれでいいか。

 

「ああ、そうだ。海賊の剣だ」

 

すると

 

「あっ、こころやっと見つけた……って、陽菜さん!?」

 

「…やっぱり美咲達もいたか。

じゃあ、こころの事頼んだぞ」

 

「は、はい……っ!」

 

そして、珍しく何も言われずに立ち去れた。

にしても、ここに3バンドいるとか他のバンドもいるんじゃ……

そんな事を考えていると

 

「あっ」

 

「あっ、友希那どうしたんだ?こんな所で」

 

「いえ、ちょっと散歩してただけよ。

……如月、少しいいかしら」

 

「?いいけど…」

 

「……それじゃあ、こっちへ来て」

 

そう言われついて行くと路地裏のレンガで囲まれた花壇のような場所に連れていかれた。

そして、友希那はレンガに座ったので俺もそこに座ると

 

「如月は本当に帰って来たの?」

 

俺はその言葉の意味をすぐに理解できた。

すごいな、なんだかんだ友希那もちゃんと見てるんだな…

 

「……悪い、実はまだなんだ。

って言っても、これが最後の課題だったんだけどな」

 

「最後の…課題?」

 

「ああ、そうだ。

…少しだけ話すか……」

 

そして、友希那に親父さんの事、なぜこのゲームに来たのか、などを全て話した。

 

「まぁ、とりあえずこの世界を生き抜かないとな」

 

「そうね……私も『歌スキル』をどうにかしないと……」

 

「そういえば友希那って、音楽以外には興味ないのに随分とゲームに慣れてるな。

スキルの事とか」

 

「その辺はあこと燐子に教え込まれたわ……。

最初は本当に何もわからなかったけど、ゲーム用語?だったかしら、それは生き抜く為に必要な事だから、さっきまで覚えていたの」

 

「そうだな、ゲームの中じゃ仲間との会話にはゲーム用語が入る事があるからそういう努力は大切だな」

 

「それに、私は戦えないから私は、私にできる事をしたい」

 

「……友希那、大分変わったな」

 

「えっ?」

 

「最初にあった頃の友希那だったら、そもそもゲームなんかしないだろうからな」

 

「…そうね。

でも、これも全部、如月やみんなのおかげよ」

 

「……友希那はこの前の演奏を心の底から楽しめたか?」

 

「…ええ、未熟でも歌っていいと許されたあの日の演奏は……少しだけ、楽しかったわ」

 

「それは良かった。

……そういえば、俺が海外に行くって言ってみんなと別れた後、友希那が俺の事を『陽菜』って呼んでた気がしたんだけどな……」

 

すると友希那は顔を赤く染めて

 

「っ!そ、そんな事より、あなたはこれからどうするの?」

 

「う〜ん、これからクエスト受けて、武器を強くしたい」

 

「あなた1人で?」

 

「そうだな」

 

すると友希那は少し厳しめに

 

「ダメよ!あなた1人で行くのは危険すぎる。

私も手伝うわ」

 

「お、おう。

でも、他のみんなはどうするんだ?」

 

「みんなそれぞれ自由時間だから問題ないわ。

それに私は戦えないけど『歌スキル』には自信があるわ」

 

「友希那が歌ってくれるのなら安心だな。

それと前みたいに俺の事『陽菜』って呼んでもいいぞ」

 

「…!嫌よ」

 

「えぇ…」

 

そう言ってクエストが掲示されているところへ来た。

そこで俺は良いものを見つけた。

 

「お、おお!」

 

「どうしたの、如月?」

 

「こ、これ、クエストクリアでこんな良い剣がもらえるなんて……」

 

「だったら、それを受けましょう」

 

「わかった。

でも、本当にいいのか?もしかしたら死ぬかも知れないぞ」

 

「もし何かあったとしても、如月が私を守ってくれるでしょう?」

 

「っ、わかったよ。

ただ、危なくなったら、ちゃんと逃げてくれよ」

 

そう言いながら俺はセンチネル3体の撃破するクエストを受注し、クエスト場所のダンジョンへ向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、しばらくしてダンジョンについてから中を歩き回り、やっとその場所についた。

すると目の前で3体のセンチネルという初見のモンスターが現れた。

 

「じゃあ友希那、援護よろしく」

 

「わかったわ」

 

すると背後から友希那の歌声が聞こえてきた。

ただ、システムが追いついていないのか、友希那の歌声がちゃんと反映されていなかった。

そして、俺は腰にぶら下げた剣を手に取った。

この剣は初期武器より強い武器を買い、それを強化できるまで強化した物だった。

そして、情報通り『歌スキル』には攻撃力アップと回復継続が付いたので、早速向かおうとすると

3体のうち一体のセンチネルが友希那に向かって飛んできた。

 

「っ!」

 

素早く剣を青白く発光させ上に向かって『レイジスパイク』を発動させるとセンチネルの横腹を刺し、センチネルは吹っ飛んで天井にぶつかった。

すると他のセンチネルもこちらに向かってきた。

そして、俺は『歌スキル』を使えば使用者にヘイトが溜まる事がわかった。

そして、少し経ち…

 

「友希那の歌声が持つまで後2分もないか……まぁ、敵のHPも黄色が二体で赤が一体か」

 

すると赤色が手に持ったハンマーを赤色に発光させた。

敵もソードスキル使えんのか…だったらソードスキルにはソードスキルだな。

そう思い、剣を青白く発光させ、ハンマーを狙って『レイジスパイク』をぶつけると

 

「おっ?」

 

弾かれた。

どうやら、互いのソードスキルがぶつかると弾かれて隙だらけになるらしい。

その隙を見てか、奥にいた二体のセンチネルが飛びかかってきた。

が、すでにソードスキルの硬直時間が過ぎていたので、隙だらけの腹に水平に斬る『ホリゾンタル』を放った。

二体まとめて斬れ、空中で弾けて結晶のかけらとなって消えた。

 

「よし、後1体っ!」

 

すると

 

「如月、『歌スキル』が一時的に使えなくなったわ」

 

「……まぁ、後1体だけだから、大丈夫だ」

 

ていうか、『歌スキル』は硬直時間なく、後30秒ほどは効果が残ってるんだな。

ただ一時的に使えなくなるだけか…

 

「とりあえず早く片付けるから、友希那は周りを見渡して警戒しといてくれ」

 

「わかったわ」

 

するとセンチネルはハンマーを今度は緑色に発光させソードスキルを発動させたので、俺も青白く発光させ、敵のハンマーに向かって。

 

「っ!」

 

キィィィィィン

と、かん高い音が鳴り、互いのソードスキルがぶつかり、弾けたかと思ったが、敵のハンマーが壊れ、結晶のかけらになり消えた。

だが、こちらの剣はまだ青白く発光したままだった。

そして、その勢いのまま右斜め上に剣を振り払った。

するとセンチネルの腕を斬り、ハンマーと同じように結晶のかけらとなり、消えていった。

 

「はぁ、やっと終わった」

 

「……如月、さっきのソードスキルはどうして2回目もあったの?」

 

「ああ、あれは敵をV字型に斬る、二回攻撃のスキルだからだよ」

 

「あなた、いつの間にそんな物を……」

 

「いや、片手剣の練度高めてたら増えたんだって。

とりあえずクエスト報告するか」

 

「そうね」

 

そして、町に戻り、クエスト報告を終え、剣を手に入れた俺は早速装備し、そこで友希那と別れた。

 

「手伝ってくれてありがとう、じゃあな」

 

「ええ、また今度、会いましょう」

 

「ああ、またな」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてそれから、1ヶ月後、その間にプレイヤーの約2000人が死んだ。

未だにアインクラッド第一層はクリアされずにいたが、今日、アインクラッド第一層のボス攻略会議が始まるのを聞いた。

なので、武器強化をしに行こうとすると

 

「あれ?燐子?」

 

「陽菜さん……!ちょうどいい所に……今すぐついてきてもらえますか……?」

 

「えっ、でも今から武器強化を…」

 

「ご、ごめんなさい……!時間がないんです……!」

 

そう言われ、燐子にどこかへ連れていかれた。

そして、飲食店に入った。

 

「燐子、ここで何を……」

 

すると

 

「あれっ、陽菜じゃん♪」

 

「如月さん?」

 

「みんな?

……なんで俺連れて来られた……」

 

「あなたにはこのパーティに入ってもらうからよ」

 

それを聞いて少し考え

 

「……もしかしてボス戦に参加するのか?」

 

「はい……わたし達のレベルも最初より……結構上がってレベル13になりました……から……」

 

「そうか、なら別に敵を倒せるし、俺がいなくていいんじゃ……」

 

「いいえ……わたし達は今回……『演奏スキル』を使って援護してくれ……と頼まれたので……」

 

「頼まれた?」

 

「はい……今日のボス攻略会議を開いた、ディアベルさんという方から……ぜひ、お願いしたいと……」

 

「なるほど、それで『演奏スキル』を使ってる時は無防備になるから、護衛も付けてほしい、という事か……」

 

「はい……だから、陽菜さんを見つけれてよかったです……」

 

「陽兄ぃ、お願いっ!!」

 

「はぁ…俺も参加するつもりだったからいいか」

 

「それじゃあ……会議をする場所に……向かいましょうか……」

 

「そうだな」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はーい!それじゃ、そろそろ始めさせてもらいます!」

 

なんとかギリギリ間に合ったようだ。

 

「オレはディアベル、職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

あいつがディアベルか……

そんなことを思っていると誰かが

 

「ははは!SAOにジョブシステムなんてねーだろ!」

 

すると

 

「今日、オレ達のパーティが、あの塔の最上階でボス部屋を発見した!

オレ達はボスを倒し、第2層に到達して、このデスゲームもいつかクリアできるってことを、みんなに伝えなきゃならない!

それが、今、この場所にいるオレ達の義務なんだ。

そうだろ、みんな!」

 

それを聞いた攻略組一同

 

『おう!』

 

「…結構まとまってるな」

 

そう呟くと

 

「それと今回のボス攻略は新しく実装された『演奏スキル』を使って攻略する事になる!

その演奏をしてくれるのがあそこにいる彼女達だ!」

 

そう言ってディアベルはこちらを指したので、俺は即座に彼女達から離れ、第三者になった。

だから、みんなはこちらをじっと見ていた。

やめてみんな、そんな目で見ないでくれ……

そう思っていると

 

「それじゃ、まずは6人のパーティを組んでみてくれ!」

 

ディアベルがそう言うとみんな即座に反応し、パーティを作り出した。

ただ、その中でも向こうの男女が俺は気になる、1人はフードをかぶって見えないがもう1人は……

 

「あっ…」

 

もう1人の人物はキリトであった。

俺は勝手に1人で気まずさを感じて目を逸らした。

 

「よーし、そろそろ組み終わったかな。

じゃあ……」

 

ディアベルが何か言おうとしだが

 

「ちょお待ってんか!!」

 

「ん?」

 

その男は俺達の斜め後ろにいたので結構響いた。

すると

 

「ワイはキバオウってもんや。

ボス攻略する前に言わしてもらいたい事がある」

 

懐かしいバリバリの関西弁だな……

そんな事を思っていると

 

「元ベータテスターの卑怯者ども!出てこい!!」

 

「………」

 

それを黙って聞いていると

 

「……こん中にもあるはずやで、ベータ上がりの奴が。

そいつらに今まで死んでいった2000人に土下座さして、貯め込んだ金やアイテムを吐き出してもらわな。

パーティメンバーとして命は預けられんし、預かれん!」

 

「発言、いいか」

 

そう言って出てきたのは俺達の1番前に座っていた両手斧の巨漢な男だった。

 

「オレの名前はエギルだ。

キバオウさんあんたもガイドブックを買っただろう。

こいつを道具屋で無料配布してたのは元ベータテスター達だ」

 

「……っ」

 

「情報は誰でも手に入れられたのに、沢山のプレイヤーが死んだ。

この失敗を踏まえて、オレ達はどうボスに挑むべきか…。

それがこの場で議論されるとオレは思っているんだがな」

 

「……ふん」

 

そして男2人は石階段に座って、ディアベルは話を進めた。

 

「よし、攻略会議を再開しよう。

ボスの情報だが、実は先ほど例のガイドブックの最新版が配布された」

 

先ほど……早い上にタイミングが良すぎるだろ。

 

「ボスの名前は<イルファング・ザ・コボルトロード>それと取り巻きの<ルイン・コボルト・センチネル>がいる。

ボスの武器は斧と盾、HPが減ると、サブのタルワールに持ち帰る」

 

タルワールってなんだっけな……

そんな事を考えていると

 

「……攻略会議は以上だ、明後日の朝10時に出発だ。

明日は各自自由、そして、この後のA隊の練習に参加したい者は残って相談しよう!

では、解散!」

 

 

朝の10時からなら大丈夫だな。

俺の睡眠時間は減るがまぁ、いいか。

そんな事を思いながら帰ろうとすると

 

「如月さん、帰るんですか?」

 

「ああ、あいつらと上手くやっていける気がしない。

それに俺は護衛だからな、合同練習に参加してもほとんど意味ない」

 

「……そうですか。では、私達も」

 

「いやいや、みんなは行ったほうがいい。

『演奏スキル』の効果はランダムなんだから、ちゃんと練習で何が出るか確かめておいた方がいい」

 

「…わかりました」

 

すると下の方から

 

「君が彼女達を守る騎士か」

 

そこにいたのはディアベルだった。

 

「……まぁ、一応。

それも大事な事だけど……1つ聞いてもいいか?」

 

「オレの答えられる範囲でなら」

 

「さっきのガイドブックに載っているのと異なる状況になった場合、その時はリーダーから撤退の指示が出るという事でいいか?」

 

「ああ、人命が最優先だから、この後の練習にも、それは加えるつもりだよ」

 

「……ならいい。

この子達の事は練習でちゃんと見てくれ」

 

「わかった、約束する」

 

「……」

 

するとディアベルは近づいてきて

 

「それにしても、お姫様達の護衛とは騎士としても羨ましい限りだね」

 

「…本当に最悪の場合になったら、俺はこの子達を助ける事を最優先する。

これだけは、許してもらうぞ」

 

「ああ。でも、護衛はちゃんと果たしてもらうよ」

 

「わかってるよ。それじゃ」

 

そう言ってそのまま、武器強化をしに行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

強化が終わった次の日、レベルを1つでも上げようとしてフィールドに出て狩りをしていた。

すると向こうで金髪ショートの女の子が戦っているのが見えた。

 

「1人……か」

 

危ないと思い目の前のオオカミを倒し、女の子の方へ向かった。

 

「なっ…!3体同時に相手はキツイだろ……」

 

見た感じ結構押されてるのがわかる。

……助けられるんだったら助けた方がいいな。

そう思い、剣を抜いた。

 

「そこの女の子、一旦下がって!」

 

「は、はいっ!?」

 

驚きながらも下がってくれて助かった。

やはり近くにきてわかったが、この子のHPはすでにレッドになっていた。

 

「とりあえず俺が時間稼ぐから、回復ポーション飲んどいて」

 

「はいっ!あ、でも、町から出る時に回復ポーションを買うの忘れました!」

 

「だったら、これ飲んどいて」

 

そう言ってポーチに入っていた俺の最後の回復ポーション2つを渡した。

この子に忘れるなよ…と言いたかったがこれだから言えなかった。

そして、しばらくしてオオカミ3体のHPがほんの数センチ程度になったので

 

「やるなら今だぞ」

 

「えっ!いいんですか…?」

 

「レベリングしに来たんじゃないのか?」

 

「そ、そうですけど……」

 

この子が何か迷っている最中にもオオカミ達は襲いかかろうとしていた。

 

「はぁ…せっかくここまで削ってくれたのに自分だけレベルアップしてもいいのかな、なんて思うなよ。

俺がいいって言ってるんだから」

 

「…!あ、ありがとうございます!」

 

「いいよ、はい」

 

そう言って俺はオオカミを避けた。

すると

 

「やぁ!」

 

彼女が持っていたレイピアが薄紫に発光し、オオカミ3体を一瞬で片付けた。

 

「お疲れ様、ええと……」

 

名前聞いてねぇ

そう思っていると

 

「わたし、エルって言いますっ!」

 

この子はエスパーかな?

 

「……そうか、エルは町に戻って回復ポーションを買っておけ。

じゃないと死ぬぞ、じゃあな」

 

「ま、待ってくださいっ!」

 

後ろの服を引っ張られ、帰るのを止められた。

 

「な、何かようか?」

 

「あの……す、少しだけお話ししませんか?」

 

その話を聞くかどうか、少し迷い

 

「……歩きながらでもいいか?」

 

するとエルは喜びに満ちた顔で

 

「はいっ!!」

 

そしてトールバーナに向かいながら色々エルの話を聞いた。

 

「なるほどな、日本のゲームが大好きでこのゲームをしたいが為に日本に来たと…」

 

「はいっ!…でもまさか閉じ込められるとは思っていませんでした。

ちょっとだけ嬉しいですけど……」

 

「嬉しい?」

 

「大好きなゲームの中でわたしの………まさかこん……好きなひ……を見………」

 

最後ら辺が途切れてよく聞こえなかったが、聞き返すのはやめよう。

なぜなら、この子の顔が真っ赤になってるから

 

「…町についたぞ」

 

「はい、ここまで護衛してくれてありがとうございます!

じゃあ、また会いましょうっ!」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてボス攻略当日

いよいよボス部屋までたどり着き、ディアベルが色々事前説明を終えた。

 

「俺からは以上だ。何か質問は?」

 

俺は手を挙げた。

 

「そこの君」

 

「もし、ボスのHP、武器、取り巻きなどが情報と違ったらどうする?」

 

「その時は隙を見て撤退の指示を出す」

 

すると一昨日の会議にいたキバオウが

 

「フンッ、相手にせんでええでディアベルはん。

こいつは合同練習に参加せずにあんさんの指揮ぶりを知らんから、そないな事が言えんねん。

練習にも参加してない、ましてや護衛なんぞ任されてるヤツが偉そうに口出すなや」

 

「……」

 

すると

 

「信頼ありがとう、でも俺だってこの全メンバーじゃなかったら不安だった。

…みんなで勝とうぜ。

じゃあ、行こう…!」

 

そう言ってディアベルはボス部屋の扉を開けた。

入ると奥にボスと取り巻きのセンチネルがいた。

すると

 

「主武装は骨斧、副武装はタルワール!センチネルが3体!

全て情報通りだ!俺に続け!!」

 

『おう!!!』

 

そしてボス攻略が始まった。




ではでは、お気に入りしてくださった方々を紹介します。

プリン大福様 テスアクエリポカ様 夜刀様超燃え萌え隊様 ヒロキチ様 月季様 たうそ きさまや様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様 田中さん様

ありがとうございます。
2人ほど増えていたので嬉しかったです

次回予告

温もり




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 温もり

「よし!ボスがBパターンに入った!攻撃を開始する!!タンク隊下がれ!D隊前進!!」

 

ディアベルの指揮は予想以上だった。

そして、みんな強くて、連携もとれている。

だが…その中の誰よりも、1人群を抜いて強い者がいた。

キリトだ。

どうやら、『演奏スキル』もみんなの役に立っていた。

攻撃力アップと防御力アップ、SP回復継続がついている。

そしてしばらく経ち……

 

「おおっ!!」

 

そんな声が聞こえ、ボスを見るとHPバーが1本になり、黄色になっていた。

 

「よし!斧を手離した、あと一息だ!!」

 

護衛はいらなかったな……

そう思ってボスが取り出した武器を見ると

 

「なっ!?」

 

驚くと共に他の攻略組も

 

「なんだあれ!?情報と違うぞ!!」

 

「な、なんで片手剣なんか持ってるんだ……」

 

すると

 

「うわぁ!!!?」

 

「な、なんでまた取り巻きがポップしてんだよぉ!!」

 

「い、嫌だ!し、死にたくない!!」

 

そう言って逃げようとしていた。

すると

 

「みんな落ち着け!!!」

 

『っ!!』

 

「ボスはオレがなんとかする!

みんなはセンチネルを今まで通りに対処してくれ!!」

 

「お、おう!!」

 

「ディアベルさんが言うなら…!」

 

「そ、そうだな、あの人がそう言うなら!」

 

すると怯えていながらも全員が即座に目の前のことに対応していった。

だが…

 

「……おかしい」

 

ディアベルはこういう時、撤退させるはずだ。

なのに、どうして1人で、いくらHPが少ないとは言え……

すると演奏が鳴り止んだ。

 

「っ!!」

 

「ご、ごめん陽菜『演奏スキル』きれちゃったみたい」

 

「……そうか、でも後30秒ほどは効果が残ってるはずだ。

みんなはSP回復ポーションを飲んでくれ」

 

そして、次に前を見た瞬間

 

「C隊下がれ!!」

 

しかし、C隊はディアベルのそれに反応出来ず、ボスの重い一撃をくらってしまった。

そしてC隊は全員スタンになった。

 

「悪い!!みんなはここで待っててくれ!!」

 

「は、陽菜っ!?」

 

そう言い残してボスの追撃が来る前に剣を抜きボスの所へ向かった。

そして剣を青白く発光させ、ボスを狙って『レイジスパイク』を放とうとした。

すると

 

「ダメだっ!!陽菜、スキルモーションを起こすな!!」

 

「っ!」

 

ボスの剣が頭に当たる前にギリギリの所でスキルをキャンセルし、避けた。

危なかった。にしてもさっきの声……

そんな事を考えている暇はなかった。

すぐさまボスは剣を振り下ろし、俺は剣で下に受け流した。

そしてその剣をソードスキルで弾いた。

すると後ろから

 

「スイッチ!!」

 

そう言ったのはディアベルだった。

そしてディアベルは剣を黄色に眩く発光させながら、ボスの腹を穿つ。

はずだった。

ボスは、かく乱させるように上に飛び交った。

そして、空中からの攻撃でディアベルは吹っ飛び切り裂かれ武器を手離した。

 

「グァァァァァァァ!!?」

 

そして、ボスは回り込んで更に空中でもう一撃入れ、ディアベルは俺の後ろに飛んでいった。

それを見て俺はすぐに命令を出した。

 

「タンク隊!!HPがグリーンの奴はこいつの攻撃をしばらく防御してくれ!!無理に向かい打つなよ!!」

 

「わかった!!」

 

そう言ってこちらに来たのはエギルと呼ばれていた男だった。

 

「頼んだ!」

 

そして、ディアベルの所へ走り回復ポーションをポーチから出して飲ませようとした。

すると

 

「っ!」

 

飲ませようとした手を止められた。

 

「いいんだ……これは、馬鹿な事をしようとした俺への報いなんだ……」

 

「報い…?」

 

「ああ、俺は……ボスのラストアタックボーナスが欲しいために……味方のスイッチを使った……その報いだよ。

……あとは……頼んだ」

 

ディアベルのHPバーはもうゼロに等しかった。

しかしその言葉を聞いて

 

「…知るか」

 

無理矢理回復ポーションを口に入れ、それでもHPは残り3割ほど回復したがすぐに減っていった。

だから、2個目の回復ポーションも口に突っ込んだ。

するとHPバーの減りが残り1割で止まった。

 

「いいか、お前が有終の身をここで飾ろうと俺にとってはどうでもいい。

でも、あの子達の目の前で人を死なすわけにはいかないんだ

…それにお前は本物の実力者だ、この失敗を次に生かせばいい」

 

「……そう、か…そうだな…でもまだ、こんな所で死ねない」

 

「わかったら、さっさと回復して指揮を立て直せ、アイツらはお前がいないとバラバラになるから。

…わかったな『元ベータテスター』」

 

「っ!…わかった、ありがとう。

……1つ聞かせてほしいんだけどいいか?」

 

「ダメだ、さっさと行け。

犠牲は無しなんだろ…?」

 

「ははは、そうだね。

行ってくるよ」

 

そう言ってディアベルは自分のすべき事に戻った。

 

「……俺も戻るか」

 

そして、急いで護衛に戻った。

 

「みんな『演奏スキル』は何秒後にできる?」

 

「おそらく後2分ほどかと……」

 

「そうか……」

 

どうしようか『演奏スキル』はそれなりに影響力もあるから、再発動に時間がかかるんだろう。

するとすぐ後ろから

 

「ま、また武器を持ち替えたぞー!!!」

 

そして振り返りボスの武器を見てみると

 

「弓っ!?」

 

しかも、それは持ち替えたのではなく、片手剣と弓を両方を装備していた。

ボスは周りを片手剣で振り払った後、弓を持ち、片手剣を引いてこちらに向けて放った。

何あれどうやって片手剣放ったの?

そんな考えを持っているとボスはどうやら、今頃『演奏スキル』の存在が邪魔になると気づいたようだ。

おそらく再発動する前に倒すつもりで放ったのであろう。

 

「危ないっ!!」

 

ディアベルがそう叫んだ次の瞬間

ギャリィィィィィィィン!!!

 

『っ!!』

 

「お……っと」

 

甲高い音とともに、飛んできた片手剣をソードスキル『ホリゾンタル』で軌道を横にそらし、片手剣が地面に突き刺さった。

するとそれに反応してか、ボスは矢を2本放ってきた。

そして、硬直時間がギリギリで切れ、ソードスキル『バーチカルアーク』を矢尻に向けて放ち、撃ち落とした。

これなら……

そう思い

 

「ディアベル!矢は矢尻をソードスキルで狙ったら落ちる!」

 

「わかった!タンク隊は矢を弾きながら前進!」

 

『おうっ!』

 

もうそろそろ時間が来るはず……

 

「友希那達は『演奏スキル』を!」

 

「ちょうど今終わったわ」

 

友希那がそう言ってから全員が『演奏スキル』を発動させると、みんなの前にガラスで作られたような、それぞれの楽器が揃い、それぞれ色んな色をまとっていた。

そして、俺達と、センチネルを相手してたキリトと女性プレイヤー以外、奥の場所で全員がボスに近づいていた。

 

「……これなら大丈夫だな」

 

そう呟くとボスはHPバーが赤色になり、雄叫びをあげた。

すると周りにいたプレイヤーをひるまして、こちらに飛んできた。

 

「なっ!?」

 

だが、飛んできたボスの狙いはこちらではなく、先程、弓で放った片手剣だった。

ボスは着地するとともに、その片手剣を握りしめ、『演奏スキル』を発動中の友希那に向かって青黒い色に発光させた。

そして、振り払われる片手剣をジャンプしてから発動させたソードスキル『ホリゾンタル』で斬りあげ、なんとか反応出来た。

すると横から猛スピードでボスの横腹を突いて吹っ飛ばした2人がいた。

 

「……キリト」

 

「久しぶりだな、陽菜。

まさか空中でソードスキルを使うとは思わなかったよ。

…それと話は後だ」

 

「…わかった、手順はセンチネルと一緒でいいな」

 

「ああ、来るぞ!」

 

そして俺とキリトと女性プレイヤーは構えた。

するとボスは片手剣を大きく振りかぶり真紅に発光させた。

 

「陽菜!!」

 

「ああ!!」

 

俺とキリトは剣を青白く発光させた。

2人でボスのソードスキルを合わせて弾き、女性プレイヤーが細剣を薄緑に発光させボスの腹に何発か入れると、ボスが一撃縦に振り下ろしたが、女性プレイヤーのフードをちぎっただけで済んだ。

そして、その一瞬を

 

「「っ!!」」

 

硬直時間が解けて最後のソードスキルを発動させた。

2人の一撃目はバツ印に斬り、軸足を回転させてそのまま両腕を斬り落とした。

ボスは声にならないほどの雄叫びを上げ、光を放ち弾けて、結晶のかけらとなった。

するとボス部屋の明かりが消え、空中に白い文字が浮かんだ。

 

「Congratulations…」

 

そしてモンスターを倒した時にでる報酬ウィンドウが表示されると

 

『よっしゃああああアアア!!!勝ったァーッ!!!!』

 

みんなが有り余った体力を全力で使い喜んでいた。

すると

 

「お疲れ様」

 

「…キリトか、お疲れ様。

死人は出てないよな?」

 

「ああ、出てないよ。

それよりも、さっきの報酬見てくれ」

 

「報酬?」

 

なぜそう言うのか気になり、ウィンドウを開き、アイテム欄を見てみるとその中に以前まで入っていなかった物があった。

 

「これは……コート?」

 

「やっぱり、そっちにも落ちてたか…それがフロアボスやフィールドボスから出る。

ラストアタックボーナスだ」

 

「へぇ……これが…でもなんでこっちにも?その言い方だとキリトも出たんだろ?」

 

「多分、俺と陽菜の最後の攻撃判定が一緒だったんだろう。

だから、こうやって2つのラストアタックボーナスがあるんだ」

 

そういうとキリトはウィンドウを操作してコートを羽織った。

 

「なるほどな……そう言うことか。

まぁ、終わった事だし、キリトは先に上の階層に行ってていいぞ」

 

「いいのか?」

 

「いいよ。俺はあの子達をおいてはいけないから」

 

「あの子達……ああ、あの『演奏スキル』を使ってた子達か」

 

「……それと、あの時に付いて行ってやれなくて悪かった。

まぁ、そう言う事だから先に行っててくれ」

 

「……わかった。

じゃあ先に行ってるよ、次の階層では初見モブが多いから気をつけろよ」

 

そう言ってキリトと女性プレイヤーは第二層へ登っていった。

それを見届けていると

 

「陽菜〜☆お疲れ様っ!」

 

「如月、お疲れさま」

 

「お疲れ様。

リサと友希那も演奏、よく頑張ってくれた。

結構助けられた」

 

「なら、良かったわ」

 

「じゃあ俺達もそろそろ上に行くか」

 

そう言って上の階層に上がろうとすると

 

「待ってくれ!」

 

「ディ、ディアベルさん……ど、どうしたん…ですか……?」

 

燐子は話すのが苦手ながらも克服しようと頑張っているみたいだった。

 

「ちょうど君達にお礼を言おうと思って」

 

「お礼……?」

 

「今回のボス攻略、君達がいなかったら、オレ達は全滅していただろう。

だから、ありがとう」

 

そう言ってディアベルは頭を深々と下げた。

 

「あ、あの……えっと……」

 

燐子はどうやらここが限界みたいだった。

それを見て小声で

 

「燐子、よく頑張った。ゆっくりしてていいぞ」

 

「!…す、すみません……ありがとう、ございます……」

 

そして、話を戻し

 

「そう言うディアベルもかなり指揮が良かった。

だから、死者が出なかったんだ」

 

「…本当にありがとう」

 

「それと…お礼としてはなんだが…これ」

 

そう言ってウィンドウをスライドさせた。

 

「っ!!これは……ボスのラストアタックボーナス……。

どうして」

 

「これが俺にできる事だからな」

 

すると

 

「……いや、これは姫を守った騎士の君が受け取るべきものだ。

…そのかわり、君に聞きたいことがある」

 

「?」

 

「君はこの子達の事を本当に大切にしている。

だから、君はこの子達の為に自分を犠牲にしてでも助けると思ったんだ……違うかな」

 

「……違うな」

 

「…なら良かった。

攻略組としては、心強いだろうからね」

 

「そうか…じゃあまた、次の攻略の時に」

 

「ああ、それなんだけど……オレはもう攻略組を抜ける事にした。

後は、キバオウやリンドに任せるよ、2人ともやってくれると言ってくれたからね」

 

「……そうか。まぁ、俺がどうこう言う事じゃないからな。

じゃあな」

 

そして次のフロアに上がって行く道中

俺は密かに思っていた。

犠牲にしてでも…か……反省しとこう、うん。

しかも、俺が死んだら元も子もないな。

すると

 

「如月、着いたわよ」

 

「ここが第二層か…」

 

そう言って平原が広がる第二層に踏み込んだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボス攻略した日からしばらく俺は1人でダンジョンに潜り、牛男達を倒し周っていた。

それから2週間ほど経ち、友希那とリサにあった。

 

「あれ?陽菜っ!久しぶり!噂、聞いてるよ〜☆」

 

「噂?」

 

「ええ、コートを着た目つきの悪い盾無しソードマンがダンジョンで牛男を狩り続けているっていう噂の事よ」

 

それって目つきの悪い、で俺って判断してるよな…間違いではないけど……

 

「それで、2人ともここら辺に何か用でもあったのか?」

 

「あっ、そうそう!この前この近くで巴達がカフェを開いたんだって、よかったら陽菜も行かない?」

 

「……誘ってくれるのは嬉しいけど、俺はまた、これからダンジョンに潜りに行くから」

 

すると友希那が

 

「1人で?」

 

「う、うん」

 

なんかこの前もこんな状況あったような…

そんな事を思っていると

 

「…如月、今日からしばらく攻略は休みなさい。

あなたの噂を耳にしたのはボス攻略後すぐの事よ、ずっと休んでいないなら休みなさい」

 

「いや、でもダンジョンの攻略が…」

 

「休みなさい」

 

「…はい」

 

こんな感じで今日からしばらく攻略を休む事にした。

そしてリサが言ってたアフロが開いたカフェ店に行くと

 

「い、いらっしゃいませ、ご主人さ……まっ!?」

 

「あっ、リサさん、友希那さん、それに陽菜さん、いらっしゃいませ〜」

 

すると小声で

 

「ちょ、ちょっと、名前はダメだよ…!」

 

なんと扉を開けると蘭やモカ、つぐみがメイド姿で出てきた。

そして、色々とあった。

まず、蘭の自分がどうしてメイド姿になってるか、の言い訳を聞いたり、モカとつぐみが蘭のメイド姿を褒めまくり、蘭が顔を赤く染めて、照れて店の奥に逃げてしまった事などがあった。

そして

 

「たまにはこういうのもいいね☆

それに、この3人で集まるのって懐かしいしさっ」

 

「そうだな、Roseliaのメンバーを集めてる時、たまにCiRCLEカフェに集まったな」

 

「そうね。

あの時、あなたのメンバーを集める速度は正直異常だったわね」

 

「異常って言うなよ、俺だって友希那の歌声を聴くの楽しみにしてたから早く集めたんだよ」

 

「…!そう」

 

「も〜陽菜ってば〜、友希那が顔、赤くなっちゃうじゃん♪」

 

「そう言ってる割にはリサ、楽しそうだな」

 

「もうやめて2人とも」

 

「「は〜い」」

 

「……」

 

友希那がこちらを睨みつけている。

なぜ、俺だけなんだ…

そう思っていると

 

「…ねぇ、アタシ達ってまた向こうで、現実世界でまた、あの『音』出せるよね……?」

 

するとその質問に友希那が

 

「当たり前でしょ、この世界からさっさと脱出するわ。

その為にも…」

 

「そうだな。

てことで、まずはダンジョンに行くか」

 

「ダメよ」

 

「えぇ…」

 

「じゃあ如月、あなた今のレベルはいくつ?」

 

俺は視線を左上のHPバーの下に書いているレベルを確かめて誤魔化しながら

 

「えっと……25です……」

 

そう伝えると

 

「2、25!?陽菜、どんだけ牛男狩ってたの!?」

 

すると友希那が呆れたふうに

 

「はぁ……あなたは本当に馬鹿ね…。

何もそこまでしなくても…」

 

「いいだろ、守る為に困る事なんてないから」

 

「……もういいわ」

 

「?友希那?」

 

「ごめんなさい、用事を思い出したわ。

私はこれで…」

 

そう言って友希那は立ち上がり、立ち去ってしまった。

すると

 

「ねぇ、陽菜?もしかして気づいてない?」

 

「?気づいてない?どういうこと?」

 

「も〜、仕方ないな〜陽菜は☆

あのね、友希那はああは言ってるけど、ホントは陽菜のことを心配してるんだよ。

だから、追いかけてちゃんと謝ってくる事、わかった?」

 

「…わかった」

 

そう言って友希那を見失ったのでフレンドの居場所検索をすると

 

「?なんで友希那がダンジョンに……」

 

まさか…

とりあえず急いで向かうか。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第一層 古びたダンジョン奥地

 

「友希那ー!」

 

そう叫んでも返ってくるのは自分の叫んだ声が反響してくるだけだった。

第一層にはもう何もないはずなのにどうして…

マップを見ても友希那の居場所を指しているのはダンジョンということだけだった。

すると

 

「っ!」

 

今どこかで声が聞こえてきた、誰かの怒りの声。

このダンジョンの奥から聞こえたので、急いで向かうと

 

「友希那っ!!」

 

「!如月、ダメ!」

 

体育館並みに広くて薄暗い中に男組3人と腕が片方だけない友希那がいた。

友希那のHPバーを見てみるとすでに黄色になっており、後1割を切ると赤色になる危険な状態だ、一方で男達の方を見ると、HPバーは1割も削られてはいなかった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

 

私は少し苛立っていた。

どうして如月はわかってくれないの

…鈍感過ぎるわ。

 

「はぁ…」

 

そんなため息をついていると周りから

 

おい!あれって…

 

ああ、第一層のフロアボスを攻略する時に現れた…

 

見た目が女神のようであの子が歌を歌うと恐怖を忘れるっていう…

 

『歌姫の女神』!

 

などの声が聞こえてきた。

別に気にはしないけど、『ああ』言われるのは好きとは言えないわね。

そして歩いているとどこかわからない場所に入ってしまった。

こういう時はマップデータを…

そう考えていると

 

「おい『歌姫』ちょっとテメーに用がある」

 

突然目の前の空間が歪み背中に大剣を持った筋肉質の男は現れた。

 

「!」

 

転移とは違う。また別の何かだった。

 

「…何の用かしら」

 

「話が早くて助かるぜ。

『歌姫』俺とデュエルしろ」

 

そう言って男はウィンドウを手元に表示させてきた。

そこには『半減決着モード』と表示されていた。

すると

 

「お前は『女神』と称されるほどの強さを持ってると聞いた。

だから、試したくなったんだ。

俺達は俺達より強い奴を倒す事に興味があるんだ」

 

「私は、そんな事に興味はないわ」

 

そう言ってウィンドウのバツボタンを押そうとすると、押したはずの右手が丸ボタンを押していた。

そしてまた、隣の空間が歪み、今度は男が2人現れた。

その内の1人に右手を移動させられた。

そして、デュエルのカウントが始まった。

 

「っ!!」

 

すると隣にいた2人の痩せた槍持ちの男と20歳くらいの片手剣持ちの男が

 

「君ならそうすると思ったよ、悪いけど戦ってもらうよ」

 

「ふんっ、何も悪くはない。

どちらにせよコイツには俺達の取引先に使うからな」

 

「それは…どういう意味?」

 

そう問いかけると同時にカウントがゼロになり、【DUEL】と言う文字が浮かび、前を見ると

ドスッ

何かが飛んできて、肩に刺さった。

心配になり、HPを見るとほとんどダメージがなかったがHPバーの横にカミナリのマークが書いてあった。

 

「これは……」

 

その場で倒れこみ、口を動かすのも困難であった。

そして男が近づいてきて

 

「おい、場所を変える。

いつものとこに運べ」

 

「人使い荒いなぁレベルが3つ上だからって」

 

「うるせぇ、さっさと運べ」

 

「はいはい」

 

そう言って男が近づいてき、もう一つのナイフを刺した。

 

「うっ…!」

 

すると麻痺状態の他に泡が書いてある状態がついたと思うと眠気が襲ってきて、そのまま眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眼が覚めるとそこは、第一層の古びたダンジョンであった。

手と足には縄がかけられていて、起きたのに気づいた片手剣の男と大剣の男が

 

「やっと目が覚めたな、それで?どうすんだよ」

 

「わかってんだろ、俺達の本命は『歌姫』じゃねぇ。

戦えない事はわかってたからな」

 

「どういう事?」

 

「俺達の狙いはお前じゃなくてお前を守ってる男だよ」

 

「…!それって」

 

「ああ、第一層のボスモンスターを倒した1人だ」

 

「あなた達…如月に何をするつもり?」

 

「言ったろ、俺達は俺達より強い奴を倒す事に興味があるって。

そいつは姫をボスから守り抜いたんだ、1人でな。

だから、俺達はそいつを倒したいんだ」

 

「その『倒す』ってどういう事?」

 

すると大剣の男は不敵な笑みを浮かべ

 

「殺すに決まってんだろ」

 

ただ、そう簡潔に答えた。

 

「っ!…あなた達なんか全く歯が立たないわ」

 

そう言うと血相を変えた槍持ちの男が近づいてきて槍を腕に突き刺してきた。

 

「ううっ…!!」

 

このゲームに痛みは存在しない。

だが、この現実じみた世界では少しのかすり傷も痛みが感じられる。

 

「俺達が敵わない?そんなわけないだろうが!俺達はあいつを殺す為にレベリングをしてきたんだ!!負ける訳がない!」

 

なおも刺し続け、腕が落ちた。

HPバーが4割切ったところでそれは止まった。

 

「っ!?」

 

すると足音に気づき、3人組がその時を待ってたかのように戦闘の準備をした。

そして…

 

「友希那っ!!」

 

来ないことを願っていたのに如月は来てしまった。

いえ、来る事はわかっていた、如月はいつも本気で助けてくれる。

そんな事、わかってる。

でも

 

「如月、ダメ!」

 

そう呼び止めた。

すると

 

「会いたかったぜ。

お前が姫をボスから守り抜いたっていう騎士だな?」

 

「…だったらなんだ」

 

「見ろ、この『歌姫』のHPバー、見えてんだろ。

もう4割を切るところだ。

コイツを助けたければ、俺達とデュエルしろ」

 

「…片腕がないが…友希那に何をした」

 

すると槍を持った男が近づいて

 

「へぇ…そんなにこの子が大事か……だったらこの子、俺がもらってもい」

 

その男に何かを言いながらこちらに手を出そうとした。

と同時に如月は私の視界から消えていた。

 

「調子に乗るなよ…」

 

その冷たく低い声とともに、痩せた男の両腕は切り落とされていた。

 

「…友希那に手を出すというのはそれ相応の覚悟があるんだろうな」

 

「「「っ!!」」」

 

「えっ?…あ、ああっ!腕が、僕の腕がぁぁぁぁ!!」

 

一人称が俺だった槍使いが悲鳴を上げていた。

私はこの状況を把握して

まず、斬ったのは間違いなく如月であった。

いくらレベル差があるとはいえ、何も見えなかった。

ただ、如月が消えて槍使いの腕がなくなった、という事でしか認識できなかった。

男のHPバーを確認すると、1割もないくらいに残っていた。

すると空間が歪み、大剣を持った男が剣を真紅に発光させて如月の背中めがけて突進した。

刺さると思ったその刹那、大剣にひびが入り結晶のかけらとなって消えた。

この現象は前に、如月がモンスターの武器をソードスキルで破壊した時に似ていた。

 

「なっ!?がはぁっ!?」

 

次の瞬間、男は腹を殴られ、足を切り落とされ筋肉質の男のHPバーが残り2割ほどで止まった。

すると

 

「『ハイディング』…そんな練度を上げてないスキルなんて『リピール』で簡単に見破れる。

鼠を見習え」

 

「ちっ!バケモンがぁ!!」

 

そう言って片手剣を持って襲いかかったが呆気なくやられた。

その20歳くらいの男のHPバーは5割残っていたが、混乱状態になって動けなくなっていた。

すると

 

「きさら…!!」

 

如月は私を力強く抱きしめた、HPが減らない程度に力を加えて。

ごめん、と謝りながら、泣きそうな声で…

それでも、如月の温もりがとても暖かく感じられた。

この世界に体温なんて存在しないはずなのに。

すると如月は抱きしめながら、らしくない声で

 

「ごめん……こんな目に合わせて…俺があの時、友希那が心配してくれてる事に気付いたら……本当に、ごめん」

 

そして私は、その言葉を聞いて色んな事を思いながら言った。

 

「ありがとう。

私を助けに来てくれて、気づいてくれて」

 

「っ!ありが、とう…っ!」

 

「ええ…どういたしまして」

 

そう言いながら、背中を優しく叩いた。

そして、如月が抱きつくのをやめ、帰ろうとすると

後ろにいた大剣の男が

 

「待て………テメェ……その武器、片手剣の初期の武器だろ。

それなのに、どうしてこっちのHPが一気になくなった……」

 

すると如月は振り向いて男の質問に答えた。

 

「俺の本当のレベルは34だ。

いつも愛用してる剣だと一瞬で死ぬ。

だから、こうして初期武器を買ったんだ」

 

「……はは…なんだ…そりゃ、レベル21の俺達は……最初から勝ち目なんて……なかったな……」

 

「…最前線で戦えばもっと活躍できたろうに。

それと、この世界には牢獄システムがある。

お前達には今からそこに転移してもらう」

 

「……そうか…勝手にしてくれ……あの方にも顔負けできねぇしな……」

 

最後がよく聞き取れなかったが如月は気にせず

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

そう言って如月は転移させた。

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その帰り道

 

「「………」」

 

今、お互いの顔を直視できない状態にある。

中々の気まずさ、小、中学校と独りでやってきたがこの気まずさは史上最大の気まずさである。

すると

 

「あの…如月?」

 

「は、はい!」

 

「そんなに…怯えないでもらえるかしら…」

 

「…ごめん」

 

すると友希那が

 

「私はレベルが1番低いの、だからちゃんと第二層まで送りなさい」

 

「いやでも、ここら辺のモンスターなら友希那でも……」

 

友希那は遮るように

 

「ピンチの時に、武器屋で初期武器を買ってたのはどこの誰だったかしら?」

 

「きちんと送らせていただきます」

 

そう言うと友希那は微笑みながら

 

「ええ、頼んだわよ。

私の騎士として」

 




今回から次回予告はしません。
勝手な都合で申し訳ないのですが、ころころとタイトルを変えるのも読んでくださっている方に悪いのでやめます。
また、勝手な都合で復活するかも知れません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 ボスと情報と黒幕

友希那を送った次の日の事

朝早く街で燐子達と出会った。

 

「あっ、陽菜さん……お久しぶり…ですね」

 

「そういえばそうだな、久しぶり、…昨日はいなかったけど友希那達とは別れたのか?」

 

「いえ、わたし達はクエストに出ていただけで……今日もそれで別行動をしていたんです」

 

「なるほど……じゃあ、まだアフロのカフェには行ってないんだな」

 

すると紗夜が

 

「なんですか?それ」

 

「Afterglowがカフェ店を開いてたんだ。

よかったら、Roseliaのみんなで今から行ってきたらどうだ?」

 

「如月さんは行かないんですか?」

 

「ああ、昨日色々あって結晶アイテムを使ったからお金がないんだよ。

だから、今日からクエストで稼いでくる」

 

それを聞いてあこと燐子が

 

「ええ!?陽兄ぃあのクリスタル買ったの!?」

 

「あれ……確か相当お金を貯めないと買えない物ですよね……?

どうやってそんなに…」

 

「レベリングしながら、他のクエストも受けてたから結構溜まって、試しに買って見たんだ」

 

「試しに、ってそんな物をどうして売ってるんでしょうか」

 

「……元々そういう仕様なんだろ、多分。

とりあえずクエスト行ってくるから、何かあったらメッセージ飛ばしてくれ」

 

「わかりました。

気をつけてくださいね」

 

「ああ、じゃ、行ってくる」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ダンジョンに潜って数時間がたった。

クエストを複数受けて、それを1つずつ確実にクリアしている。

もちろんの事、友希那の許可はもらった。

 

小1時間の話し合いの末、友希那は早く帰ってくる事と死なない事を守ってくれるならいいと言ってくれた。

優しい。

 

そこでもう一度、ダンジョンに潜って()()()が経った。

 

そして次が最後のクエスト、中ボスクラス1体の討伐が残っていた。

精神的な疲労が溜まってきて、ちょっとキツイが大丈夫だろうと思い、中ボスがいる所へ向かっていると

 

「……そこにいるの誰だ?」

 

出てこなかった

だからリピールを使い見てみると

 

「あっ、キリトと鼠か」

 

そこに出てきたのはキリトと鼠のアルゴだった。

 

「ほ〜ら、だから言ったロ?キー坊じゃバレるッテ」

 

「う、うるさいな、いけると思ったんだよ…」

 

すると

 

「ヨッ!久しぶりだナ陽坊。

あの噂の広がり用はすごかったナ」

 

あの噂、というのは俺が牛男達を狩っているという噂だろう

 

「第一層のボス戦前以来だな。

……それで2人ともこんな所で何してんだ?」

 

「陽菜こそ、こんな所で何してんだ?」

 

「俺は普通に中ボスクラスの討伐クエに向かってる最中なんだ」

 

そう言うと

 

「へぇ、そりゃ良かったじゃないカ、キー坊。

お仲間がいテ」

 

「仲間……という事は2人もあのクエストを?」

 

「まぁなそういう事ダ。

それで相当レベルが必要だけど、陽坊って今レベルいくつくらいダ?」

 

「38にさっき上がった」

 

「は、はい!?」

 

「なに、どうしたよ」

 

「イヤイヤ!陽坊、ちゃんと休んでるのカ?食べてるのカ?寝てるのカ?」

 

「この前、というか昨日までは休んでたよ…」

 

そして呆れたように

 

「はぁ…ホントに陽坊はビギナーなのカ?キー坊と一緒とか、一体どういうレベリングをしてんダ」

 

「このゲームがベータ版の時のフロアボスのレベルは階層+10って鼠が言ってたから、ただひたすらに自分より強いモンスターを第一層で相手にするのを繰り返してたら上がった」

 

「キー坊より危ない事して、よく死ななかったナ」

 

「とりあえず早く奥に進んで、早く帰ろう。

手伝えばいいんだな?」

 

「ああ、手伝ってくれると助かる」

 

「任せろ。

『手伝い』は俺の得意分野だ」

 

「ナンダそれ?」

 

「鼠は知らなくていい、変な情報流されたらシンドイ…」

 

「ニャはは、幾ら何でもそれは……」

 

するとキリトが

 

「いやわからないぞ。

コイツは勝手にアスナの情報を流したからな」

 

「アスナ?」

 

「そっか、陽菜に紹介してなかったな。

俺が第一層で戦ってた時に隣にいただろ?」

 

そう言われてようやく思い出し

 

「……ああ!あのフード被ってた細剣使いか」

 

「ま、まぁ、とりあえず先に進むゾ」

 

「そうだな。

さっさと終わらせようか」

 

そして中ボスが現れスイッチの繰り返しで呆気なく倒せた。

アイテムを確認し、レアアイテムを俺とキリトは手に入れた。

すると

 

「いや〜、2人ともお疲れサマ」

 

「おいこら、鼠」

 

「ン?ドウシタ?」

 

「お前なぁ…一回も攻撃してなかっただろ!

しかも、ハイディングで隠れやがって」

 

「ま、まぁまぁ、レアアイテム出たから良かったじゃないカ。

それにオレっちのレベル足りなかったシ」

 

そんな会話をしているのを見ていると、ある事を思い出し

 

「あっ、そうだ。

アルゴに依頼があるんだけど」

 

「何コル出ス?」

 

「まず金の話かよ…」

 

「当たり前ダ、それで何コル出ス?」

 

「5000コルとさっきのレアアイテム」

 

「ノッタ!それで内容ハ?」

 

「ああ、鼠は第一層攻略の時に『演奏スキル』を使ってた子達を覚えてるか?」

 

「ああ、モチロン。

その子達がどうかしたのカ?」

 

「昨日、その1人がさらわれた。

敵は3人いて全員牢獄に送ったが、そいつらは誰かに命令されて動いていた。

だから、その黒幕を探ってほしい」

 

「……他にハ?」

 

「おそらくだが、あの3人と黒幕は一時的に共闘してたんだろう。

3人組の1人が、あの方に顔向けできない、と言ってたから立場は黒幕の方が上だったんだろうけど…」

 

「フム…わかった。

こっちで色々調べておく」

 

調べておく…という事はアルゴも知らない情報なのだろう。

でも、アルゴの情報網なら大丈夫か…

そんな事を考えながら、ウィンドウでアイテムとコルを約束した分渡した。

 

「…先払いでいいのカ?」

 

「いい」

 

「……ソウカ」

 

そしてアルゴに頼み、解散した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

街についてクエスト報告が終わり、お金が増えたので武器強化していると

パリィィィィンッ!

 

「えっ?」

 

ガラスを割るかのような音を立てて、プレイヤー初の鍛冶屋に強化を頼んでた愛剣を見ると折れていた。

すると

 

「すみません!!すみません!!!本当に…すみません!!!」

 

鍛冶屋は頭を石畳みの道で何回もぶつけながら土下座を繰り返した。

なんか申し訳ないが

 

「ああ、大丈夫大丈夫、すぐに元に戻るから」

 

「えっ?」

 

そう言ってスキルウィンドウを操作し、スキルの『クイックチェンジ』を選んだ。

『クイックチェンジ』は手に入れたばかりでちゃんと理解してないが、武器を失った時に役に立つとキリトが言ってたからな。

そう思いながら、鍛冶屋が折った愛剣を出現させた。

 

「ほら、大丈夫だろ?」

 

「………」

 

その鍛冶屋は口を開けながら、唖然としていた。

なぜ、そうなっているのかは全くわからなかったが、とりあえず

 

「まぁ、これがあるから何回か強化してくれ。

あっ、さっきと一緒でクイックネス+2を頼む」

 

「……わかりました」

 

そう言って剣を渡し、鍛冶屋はそれを受けって甲高い音を立てながら剣を打った。

 

「…成功しました」

 

「ありがとう、助かったよ」

 

そして暗くなっていたので、近くの宿に入り、自分の部屋に行くとメッセージが届いた。

内容は

第一層のフィールドであなたと出会った場所に今から来てください。

エルより

 

「?」

 

こんな時間になんの用だ……?

そう思いながら、第一層のフィールドに向かった。

するとそこには

 

「っ!!」

 

エルがいた。

モンスターと戦っていたので、HPバーを見ると、すでに黄色だった。

しかし、狼の噛みつきが腕をかすめ、赤色に変わった。

 

「エル!下がれ!」

 

「……」

 

そして、エルが下がった後にソードスキルを発動し、狼は結晶のかけらとなって消えた。

 

「エル、こんな時間に呼び出してなにかあったのか?」

 

「はい……」

 

すると彼女は少し間を開けて

 

「……わたし、陽菜サンの事が好きです」

 

「!?」

 

突然の事でビックリした。

そして次に彼女が言った言葉で驚きが疑問に変わった。

 

「……陽菜サンは、もし目の前で大切な人達が人質に取られたらどうしますか?」

 

「?…どういう事だ…?」

 

「……陽菜サンはいい人です。

ですから、わたしが陽菜サンの周りによる虫を排除しないと…でも、わたしでは、力が足りない、知恵を与える事しか……。

この前の男どもは使えるけど知恵がない、だからほんの少し知恵を与えたというのに、わたしの本命を無視した。

その上陽菜サンを勝手に殺すという目的……」

 

それを聞いているうちにエルが言ってる事を理解した。

 

「なるほど……依頼する必要はなかったな。

…お前はアイツらを使って友希那をさらわせ、何か取引する手はずだったが、それを俺に邪魔された。

……俺が来る事くらいわかってただろ」

 

「ええ、ここで陽菜サンと出会い、演技をし、その後に色々調べ、あなたが牢獄に送る結晶を買っているのを見て、その後に男どもと出会った。

だからアイツらを使って、成功すれば虫は手に入り、失敗すればあなたに結晶アイテムを使わせる事ができ、この後の計画にも障害にならないという事を考えた」

 

「…エル…少し話しすぎた…」

 

俺が剣の矛先をエルに向けるとエルは不敵な笑みを浮かべ

 

「あらあら、陽菜サンはか弱い女性にそんな事をするんですか?

ただあの虫を殺されかけただけで」

 

即座に間合いを詰め、体にひねりを入れ最大速度でエルを斬りつけた。

斬りつければ、エルのHPバーは間違いなく吹っ飛ぶだろう。

だから、寸止めで済ませるつもりだった。

だが、それは『当たれば』の話であった。

ドスッ

次の瞬間、そんな鈍い音とともに俺は後ろに飛ばされた。

俺は宙で回転して着地した。

そして前を見ると

 

「っ!!?」

 

岩陰に隠れていたのか。

そこには複数の男がいて、片手剣に刀、斧、細剣、槍、大剣など、それぞれ違う武器を持っていた。

そして左上のHPバーが3割ほど持っていかれた。

……敵のレベルはそれなりに高いって事なのか……?

そう思いながら剣を握ると刀を持った男が一瞬で間合いを詰めてきた。

 

「……くっ……!?」

 

ギリギリの所でガードは間に合い、HPは少ししか減らなかったが、黄色に変化した。

そして、刀使いはもう次の一撃を入れようとし、それに構えると

 

「……陽菜サンじゃ、彼らには敵わないよ。

だってレベルは同等だとしても、彼らの装備は今の階層で作れる最高級の物だから」

 

「!」

 

「それに、彼らの戦闘技術は今の最前線に立つ攻略組にも引けを取らないよ」

 

「よっ……と!」

 

そして、刀使いを引き離した。

 

「なるほどな…」

 

…今の戦闘でわかった。

HPバーが一気に減ったのは槍使いに隙を見せてしまいクリティカルをくらったから、刀をガードした時に少ししか減らなかったのはレベルが俺よりも低いから。

でも、それを装備で補っている、それに戦闘技術は確かに最前線に立っている奴らと同等かそれ以上だな。

そこで俺は

 

「……確かに、装備は最高級だが…レベルと装備が見合ってないな」

 

「…さすが陽菜サンですね。

では、こういうのはどうでしょうか?」

 

彼女がそう言うと、刀持ちと槍持ちがソードスキルを発動させながら、襲いかかってきた。

 

「!」

 

片手剣ソードスキル『バーチカルアーク』で槍のソードスキルを隣からきていた刀に当て弾けさせ、次の第二撃目を相手に打ち込んだが

 

「オラァ!!!」

 

大きな声とともに俺の剣は大剣によって腕ごと上に持っていかれた。

 

「っ!!」

 

「ちっ、弟が負けて牢獄に行ったと聞いたから、ちったぁ期待してたが…こんなもんか」

 

弟……あの大剣使いか。

兄弟そろって仲のいい事で…

 

「…あの3人組もそうだったけど。

お前らこそ、3人がかりでたった1人を倒せないとか、どんだけ弱いんだよ」

 

言ってみると、大剣使いは、大剣を持っているとは思えないほどの速さで距離を詰めてきて、それに反応しスキルウィンドウを開くと

 

「やめなさい!」

 

その声とともに、大剣はピタリと止まり、引き下がった。

 

「……陽菜サンもお戯れはそこまでにしてください。

それに彼達には、あなたとは次に会うまで戦わせたくありません」

 

「……次に会うまでにあの子達を狙うつもりだろ…」

 

「いいえ…少し気分が変わりました。

明後日にこの場所で、彼らと戦い勝てばあなたの関係者には手を出しません。

……時間は朝の9時に…では」

 

「っ!待て!!」

 

するとエルの隣にいた片手剣を持った男が結晶アイテムを取り出し、声は聞こえないが口は動いていた。

そして、エルと男達は光を覆い、転移した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして翌日、外が騒がしかった。

ここの宿はそこらの宿と違って1番安い宿だから、隣からの音や外からの音が聞こえてくる。

気になり、外に出てみると

 

「……マジか…」

 

そこにいたのはPastel*Palettesだった。

パスパレも来てたのか。

そう思って聞いていると

 

「今日は朝早くからライブを見に来てくれてありがとうございました!」

 

そう言ってそれに集まっていたファン達が解散していき、景色がよく見えるようになった。

だから

 

「あーっ!」

 

見つかった。

朝から終わったな…

そんな事を考えていると

 

「陽菜くんだっ!」

 

「えっ!?陽菜くんいるの!?」

 

「でも、陽菜はたしか海外に行ってたはずじゃ……」

 

「でもあれ!あのこっちを見てメンドくさそうなオーラ出してるの!絶対陽菜くんだよ!!」

 

あれ?そこなの?俺を判断するところ。

それにメンドくさいのは日菜だけ…

いやそんな事どうでもいいよ。

どうしよう…逃げたら次に会った時、なんで逃げたの?とか聞かれたら面倒だ。

ていうか、どちらにせよ面倒だ。

すると

 

「ほらー!やっぱり陽菜くんだったよ彩ちゃん!」

 

「ほ、ホントに…陽菜くんだった……」

 

「は、半年ぶりだな。

元気にしてた……な」

 

「ええ、陽菜も元気にしてたみたいね」

 

「どこを見て言ってんだ……

それで、なんでこんな所でライブを?」

 

すると彩が

 

「えっとね…このゲームが始まってから、みんな元気がなくなったのは知ってるよね…。

だから、私たちとポピパのみんなやハロハピのみんなで」

 

「えっ、ちょ!ちょっと待ってくれ!

ハロハピは知ってるけど、ポピパもいるのか!?」

 

「えっ、う、うん……それでこの前、下の階層で出会って、みんなで元気がなくなった人達に元気を与えよう、って香澄ちゃんとこころちゃんが言い出して、それで…」

 

「あぁ……」

 

まさかポピパもいるとは……

とりあえず、この子達に聞いてみるか。

 

「なぁ、もしかしてフィールドとかダンジョンとかで戦ったりしてるのか?」

 

「ううん、ハロハピのみんな以外はしてないよ。

私たちじゃ、攻略組って呼ばれてる人達の邪魔になっちゃうかもしれないから…」

 

「でも、『演奏スキル』で助けられるんじゃ……」

 

「それがね、圏内の中でも効果がつくらしいんだ、効果はランダムらしいけど…頑張ってるんだ!」

 

圏内でも効果がつくだと!?

そんな事が……

 

「なら……Roseliaも圏内で『演奏スキル』を使わせて……いや、でも目的地に着くまで時間が……」

 

そして自分の口から声が漏れている事に気付いた。

すると

 

「えっ!!おねーちゃんもきてるの!?」

 

「あっ……」

 

しまった。

そう思った時には遅く日菜が腕にくっついていた。

 

「ねぇ〜、連れてってよ!お願いっ!」

 

「日菜が腕にしがみつくのやめたらな。

……?」

 

なんか目の前にうずうずしてる子がいる……

そう思った瞬間

 

「ハルナさんっ!!!」

 

「ちょっ!!?」

 

「はい!離れたよ!」

 

「おまっ!?」

 

ガンッ!!

ドタンッ!!!

 

大きな音とともに俺は後ろ向きで倒れた。

そして、目の前に紫色のウィンドウが表示され、そこには『破壊不能オブジェクト』と書かれていた。

そんな事知ってるよ…

そう思いながら

 

「イヴ……自分がアイドルって事を忘れずにな」

 

「はいっ!」

 

返事はいいんだよなぁ…

すると千聖が倒れた俺を覗き込むように

 

「あの……そろそろ起きた方がいいんじゃないかしら。

それと場所も変えましょう」

 

周りを見ると人が集まってきた。

衣装を着てないとはいえ、さすがに有名人だからさっきの集まってたファン達はすぐに気付くだろう。

とりあえずファン達が多く集まって来ない内に

 

「カフェに行くか」

 

「カフェってあるんですか!?」

 

「あるよ。第二層だけ」

 

「フヘヘ、千聖さん!楽しみですねっ!」

 

「うん……それはそうだけど、麻弥ちゃん。

…その笑い方、やめた方がいいわよ…」

 

なんか懐かしいな、こういうの向こうにいた時にも見た気がする。

 

「それじゃ向かうか。

…イヴはいい加減離れてくれ」

 

「じゃあ陽菜くんがイヴちゃんを抱っこしていったら?」

 

別に持てないわけじゃない。

俺の筋力パラメーターだったらいけるだろうけど…

 

「……もしそんな所をイヴのファン達に見つかってみろ。

普通に殺されるわ。

てことで、イヴはそろそろ離れようか」

 

「はいっ!」

 

今度は離れてくれた。

そしてカフェに向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カフェに着き、安定の蘭、店裏に逃げる。

そして

 

「蘭ちゃん可愛いかったなぁ…」

 

「彩、ちゃんと前見て歩かないとぶつかるぞ」

 

「はーい!」

 

「なんで日菜が返事するんだ……」

 

すると

 

「あれ?陽菜とヒナ!?それにみんなも!」

 

「リサちー!

てことはー…あっ!おねーちゃんっ!!」

 

日菜はそう言い紗夜に抱きつきに行った。

 

「日菜!?」

 

そこにはRoseliaが集まっていた。

そして1つ思い出した。

 

「あっ………」

 

「………」

 

友希那がこちらを見ている。

いや、怒りの視線をこちらに向けている。

 

「…如月、ちょっと来なさい」

 

「は、はい!!」

 

そして付いて行き、友希那に怒られた。

めっちゃ……怒られた。

そして、説教が終わり、戻ると

 

「は、陽兄ぃが…げっそりしてる」

 

「陽菜さん……大丈夫、ですか……?」

 

「あ、ああ……なんとか…」

 

すると

 

「ゆ、友希那、何言ったの?」

 

「別に…。

如月は約束の意味を理解してないみたいだったから、教えたまでよ」

 

「で、でも友希那、あれはだな……」

 

「如月、今度からあなた1人でクエストを受ける事を禁止するわ」

 

「なん…だと…!?」

 

「約束を破った罰として禁止よ」

 

「うっ…!」

 

そんな会話をしていると麻弥が

 

「陽菜さんってクエストを受けるんですか?」

 

「一応これでも攻略組だからな。

今は休んでるけど…」

 

「ええ!!」

 

「陽菜、どっちの攻略組に入ってたの?」

 

その千聖の質問が気になり

 

「俺は基本1人だけど……。

どっちの、ってどういう事だ?」

 

それを聞いてリサが

 

「陽菜知らないの?

前はディアベルさんがパーティのリーダーをやってたでしょ?

だけど、第一層をクリアした後に辞めちゃったから、今は2つに分かれてるんだ…」

 

「なるほど…」

 

そういえばあの時、ディアベルは攻略組を抜けるって言ってたな。

じゃあ今は誰が…

 

「それで、その2つのパーティのリーダーは誰なんだ?」

 

「えーっと、確か……アインクラッド解放隊っていう方がキバオウさんで、ドラゴンナイツの方がリンドさんっいってディアベルさんに似てるらしいよ」

 

「よりにもよってなんであの2人をリーダーに……」

 

「?陽兄ぃ、どうしてダメなの?」

 

「えっとな、あこ。

キバオウの方はみんなをやる気にする事ができるけど、視野が狭すぎる。

それで、リンドの方は形だけディアベルに似ていて、自意識過剰だ。

第一層攻略の時にも、キバオウとリンドはディアベルに従っていたけど、リーダーになるにはもうちょっと周りを見てほしい」

 

「「「「「………」」」」」

 

この場にいる全員が沈黙した。

 

「……言い過ぎたか……?」

 

すると意外と別の回答が返ってきた。

 

「……陽菜さん……やっぱり、周りのこと……よく、見てますね」

 

「うんっ!やっぱり陽兄ぃはすごいよっ!

あこ、なんにも見てなかったもんっ!」

 

「さすが!陽菜サンは武士の心得があります!」

 

「そ、そうか。

ていうか武士の心得ってなんだ……」

 

しばらくしてからみんなでフィールドに出たが、みんなが陽菜抜きで倒してくると言ってRoseliaとパスパレのメンバーは行ってしまった。

するとアルゴからメッセージが届いた。

この前頼んだ依頼の事だった。

その内容は

 

陽坊、気をつけろヨ。

奴ら、思った以上に厄介だダ。

とりあえず、今ある情報を渡しておク。

 

アイツらは日に日に巨大化していたが今は止まってるが、裏で活躍する事が増えてきてるギルドになってル。

裏で活躍するってとこは察してクレ。

 

それで、人数が増えている事は大して問題ないが、黒幕の周りに付いている護衛のような奴らがいル。

 

そいつらは厄介な事に装備が現時点で、最高級の防具と武器なんダ。

 

それとそいつらのプレイヤーネームとレベルを教えル。

 

大剣使いはオウガ

レベル38

 

刀使いはムラマサ

レベル30

 

片手剣使いはアーサー

レベル40

 

槍使いはサイン

レベル32

 

斧使いはバアル

レベル31

 

細剣使いはドクロ

レベル34

 

短剣使いはマーキュリー

レベル33

 

これが黒幕の護衛の全員ダ、有名だからすぐに名前を出せタ。

名前はこれだが、戦闘能力はほぼトップクラスだ。

彼らが攻略組だったら、今頃は、もっと上に行けただろうニ…

 

追伸

 

女の子を10人も持ってどうするつもりかナ〜?

 

「はぁ!?」

 

急いで看破(リピール)を使い、周りを見た。

しかし、さすが鼠というか何というか、全く見つからない。

すると

 

「ここダヨ、ここ、ここ」

 

声だけが聞こえ、他は何も見えない。

 

「どこだ?」

 

「ここだってバ」

 

そう言って芝生に座ってた俺の頭に腕を乗せて現れた。

 

「……鼠はさすがに破れないか」

 

「ニャはは、オレっちのハイディングを破ろうなんてレベル15早いヨ」

 

「まぁ、ちょうどいい所に、そのまま聞いてくれ」

 

「ウン?」

 

「昨日、中ボスを倒した後に黒幕に呼び出されたんだ。

それであっちが話し始めて正体がわかったから攻撃を仕掛けたが……あっさり返り討ちにあったよ」

 

「へぇ…陽坊が……面白いジャナイカ」

 

「どこがだ。

油断したとはいえ、一瞬で黄色ゲージまで持ってかれたぞ」

 

「ん?チョットマテ、それじゃオレっちの情報は……」

 

「ああ、その時戦ったから大体わかってた。

すまんすまん」

 

「オイオイ、5000コルとレアアイテムじゃ割に合わないゾ…」

 

「まぁまぁ、相手のレベルは助かった。

また頼むよ」

 

「オー、常連さんなら仕方ないナ」

 

「そうか……。

……じゃあ早速、アルゴに最悪な依頼をしたい。

依頼内容は……」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ソウカ……わかっタ。

……じゃあ、帰るゾ、陽坊の知り合いに会うと面倒な事になるだろウ?」

 

「そうだな、じゃあまた」

 

「ああ、またナ」

 

そう言われ、目の前にポップしたモンスターを相手しようとすると

 

「ゲッ!?」

 

後ろからそんな声が聞こえ見てみると

 

「げっ……」

 

そこにはリサと彩、他のみんなもいた。

 

「おーい!陽菜〜☆いっぱい素材手に入ったよ〜♪

…って!?その人誰!?」

 

「陽菜くんの知り合い?」

 

するとアルゴが小声で

 

「お、オイ!どーすんダ!」

 

「と、とりあえず明日のボス戦の話をしてたって言って誤魔化そう…!」

 

「オ、オウ!」

 

そんな話をしていると

 

「おーい、陽菜?

どうしたの?」

 

「いやいや!どうもしてない!

ただ明日のボス戦の話をしてただけだ」

 

「ボス戦って確か明日の朝10時からだったよね?」

 

「そ、そうなんだ。

だから、情報屋のアルゴに明日のボスの事を聞いてたんだよ」

 

すると燐子とイヴが

 

「「?ジョーホーヤって…何ですか……?」」

 

それを聞いてアルゴは

 

「ンー……。

文字通りサ、あらゆる情報を集メ、対価の応じて提供シ、公利に適えば拡散するシ、場合によっては秘匿すル。

ちなみに今の情報、10コルだヨ」

 

すると彩とあこが

 

「「お金取るの!?」」

 

「当たり前だロ…。

…にしても、陽坊の知り合いはみんな有名人ばかりだナ」

 

「……!!た、確かに…今気づいた」

 

「…今世紀一番注目を浴びているプロ顔負けの本格派バンド『Roselia』とアイドルとバンドを組み合わせた『Pastel*Palettes』……カ」

 

「?どうかしたか?」

 

「イヤァ、陽坊は誰と付き合ってるのかなぁっテ」

 

「……この子達に殴られるぞ…」

 

『殴らない!』

 

「「オ、オウ…」」

 

「……そ、そういえば明日のボスの攻撃パターンで話があるんだロ?」

 

「ああ、話してくれ。

ほい」

 

そう言って2000コル渡した。

 

「フム………確かに受け取った」

 

すると

 

「…今のが取り引き…」

 

「まぁ、そう言う事だ。

燐子も覚えておくといいぞ。

それで?ボスの攻撃パターンは?」

 

「アー…ベータでは雑魚牛男のトーラスの攻撃パターンと一緒ダ。

ソードスキルもその延長線上を前提にしていいだろウ。

ただデバフ攻撃のブレスがあるんだガ、それを二重で食らうのは避けてくれ。

スタンが二重掛けで確実に麻痺になる。

ベータでそうなったプレイヤーは確実にやられた……」

 

「……なぁ、ずっと疑問に思ってたんだが」

 

「?ナンダ?」

 

「第一層のボスの名前に『君主』ってあったのに、どうして第二層のボスの名前が『将軍』に格下げされてるんだ?」

 

「!……ちょっと調べてくル」

 

そう言ってどこかに行こうとしたので

 

「ちょっと待て、その情報料は俺が払うから」

 

そう言って1万コル渡した。

 

「……察してくれ」

 

「……わかってるヨ」

 

そう言ってアルゴはどこかに行った。

すると

 

「陽菜くん、私達もそのボス戦ってのに出てもいいかな?」

 

「え?いやいや、彩達の目標はどこにいった。

それにレベルだってどう考えても足りんだろ」

 

「でも…私、みんなの役にたちたい!」

 

「っ!いや、でもだな…」

 

否定しようとしたが、なぜか否定できなかった。

それを否定したら、何もかもを否定してしまうと思ったから。

すると

 

「如月、私達の『演奏スキル』は効果はあっても、一曲終われば数分は使えなくなる。

だから、その間にお互いの時間を稼いで『演奏スキル』を使えば第一層の時みたいにはならないわ」

 

「!…そうか、『演奏スキル』のスイッチ…考えた事もなかったな。

でも、これなら…いける」

 

「!いいの!?」

 

「いい。

でも、今の彩達のレベルは?」

 

『……1』

 

「…よし、じゃあやる事は決まったな」

 

「あの…陽菜?

まさかとは思うけど……」

 

千聖が嫌な気を感じとったのがわかり、俺は

 

「今からレベリングをしてもらう!」

 

「如月さんの…」

 

「レベリング…」

 

紗夜と友希那がそう言い、イヴが

 

「?どうしたんですか?」

 

その質問にリサが

 

「あー…えっと、陽菜のレベル上げって…。

なんというか……鬼なんだ…」

 

「鬼、ですか?」

 

「うん…アタシも一度してもらってすぐにレベルは上がったんだけど……上げ方が、ね……。

ま、まぁ、とりあえず頑張れ♪」

 

それを聞いて

 

「?何言ってんだ、この場にいる全員にしてもらうぞ」

 

『えっ…』

 

「じゃあ今から第一層のフィールド行って」

 

『行って?』

 

「俺流のレベリングをしてもらう!」

 

そうして、3時間のレベリングが始まった。




OKNIRSHUKISMS
訳(お気に入り紹介します)

ブラジロ様 岬サナ様 プリン大福様 テスアクエリポカ様 夜刀様超燃え萌え隊様 ヒロキチ様 月季様 たうそ きさまや様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様 田中さん様

お気に入りありがとうございます。
もし、例えば、仮にも、百万分の1の確率で、20人までお気に入り人数が増えたら、そこらで一度、限らせていただきます。
では、また次回か感想で


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 殺してください

第一層フィールドの約3分の2の広さにいるモンスターを一通り倒し、それからダンジョンを3つのうち2つをクリアし、そして今、最後の1つのボスを倒し終わった。

 

「はい、そこまで!」

 

そう言うとパスパレのみんなは

 

「ハ、ハルナさんのレベル上げ……や、やっと終わりました…」

 

「もう、ジブン、ヘトヘトっす…」

 

「は、陽菜のレベリング……今までで一番疲れたわ」

 

「あはは、確かに……。

でも、レベルは26まで上がったよ、すごいね!」

 

「んー?なんで陽菜くんは疲れてないの?」

 

日菜の質問に

 

「攻略組だからな」

 

すると彩が

 

「それだけで済むの!?」

 

「まぁまぁ、とりあえず休憩したら帰るぞ」

 

『は〜い』

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして第二層、主街区

 

「今日はもう暗いから、みんなはもう明日のボス戦に備えてちゃんと寝ろよ」

 

「?陽菜は寝ないの?」

 

「ああ、武器と防具を出来るだけ強化しときたいんだ。

それと、もしかしたら明日のボス戦に行くの遅くなる」

 

「?珍しいね、陽菜が遅くなるなんて…」

 

「まぁ、用事だ用事」

 

「ふ〜ん……わかった☆

じゃあ、遅くならないようにね♪」

 

「リサは俺の母さんか…!」

 

「あはは☆じゃあね、おやすみ♪」

 

「……ああ、おやすみ」

 

そして明日の準備をしに行くついでにアルゴにメッセージを飛ばした。

するとすぐに返信がきた。

その内容は

 

まぁ、そういう事ダ。

黒幕とその周りの護衛を倒したラ、巨大化も止まるシ、もうあの子達が襲われる心配もなイ。

…真っ黒に染まるなヨ。

 

「……」

 

そして、鍛冶屋に行き、コートとブーツの強化と愛剣の強化をして、みんなとは別の宿に泊まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日 ボス戦 1時間前

第一層 フィールド

 

「やっぱり、来てくださったんですね…」

 

そう言うのは朝日に照らされているエルであった。

 

「悪いけど、時間がないから早く済ませるぞ」

 

「ええ、わたし達にも時間というものがありますので…」

 

エルがそう言うと目の前に対戦ウィンドウが表示されて、そこには1対複数人による戦いをするというのが映っていた。

 

「…まぁ、こっちの方が手っ取り早いか」

 

そう呟いてから丸ボタンを押した。

すると目の前の空間が歪み

 

「オラァ!!!」

 

振り下ろされた大剣を剣で右に受け流し、体術スキル『弦月』を腹に入れ、ソードスキル『スラント』を放った。

 

「あの時腕斬られたから、そのお返しだ」

 

すると

 

「はあっ!」

 

そんな掛け声とともにソードスキルを発動させている槍に銅を貫かれそうになったが、ディレイが切れなんとか反応して、ギリギリの所で避けた。

そして相手にディレイが発生した所でソードスキル『ホリゾンタル』を打ち込んだ。

 

「くっ…!?」

 

「…大剣を使うオウガ、槍を使うサイン……他にもいるんだろ?」

 

そう言うと

 

「へぇ、よく気づいたね。

あれかな、情報屋って奴から聞いたのかな?」

 

と言いながら、空間が歪み現れたのは

 

「細剣……ドクロか、それと周りにいるのは、マーキュリー、バアル、ムラマサだな。

……あと1人のアーサーはどうした?」

 

その質問に青年の姿をしたバアルが

 

「ああ、アイツなら…」

 

……ザッ

 

「!」

 

即座に前に転がり込んだ。

すると後ろで風を斬る音がした。

 

「む、今のを避けるか……第六感というのかな?」

 

そう言って現れたのは、顔まで鎧に身を包んだアーサーだった。

そしてその答えを返すように

 

「…そんな大したもんじゃない。

ただ踏み込む音が聞こえただけだ」

 

「ははは!そうかそうか、やはり足りなかったか…」

 

「?何言ってん」

 

ヒュンッ!!

風を斬る音とともに、横からくる水平斬りを身体を反らしてかわし、数歩下がった。

 

「…人のセリフは最後まで聞け…っよ!」

 

そう言いながら、すぐさま相手の懐に入った。

 

「むっ!?」

 

昨日の強化で速さを上げたから、おそらく相手には見えない速度であろう。

そして、このまま斜め斬りを入れようとしたが影が見えた。

 

「!!」

 

「よっ…と!!!」

 

ガァァァァァァァン!!

避けると轟音をたて、斧が地面に刺さった。

すると向こうで

 

「危ないなぁ…バアルっていつもこうだよね、マーキュリー」

 

「あたしに聞くな。

てか、アイツすばしっこいな、まだやられてない」

 

「では、この中で一番すばしっこいマーキュリーが行ってはどうだろうか」

 

そんな会話を聞いて

 

「……おい、そこの3人。

早くしろ」

 

そう言うと、名前と一緒でドクロの顔をした細剣使いといかにも武将の格好をしている刀使いが

 

「どうする?彼がああ言ってる事だし、本気出す?」

 

「無論、拙者は本気で行く。

マーキュリーは?」

 

「あたしは行くぞ」

 

そう言うと共にマーキュリーが一瞬で距離を詰めてきた。

反応できない速度ではないが…

 

「…小さいから当てにくいな」

 

そう呟くと、マーキュリーの動きがピタリと止まった。

 

「?」

 

「テメェ……今何つった?」

 

「あ…何にも」

 

「死ね」

 

冷たい一言が飛ぶと同時にさっきとは比べ物にならないほどの速さできた。

 

「!」

 

やはり短剣の方は攻撃手数が多いから一方的な攻撃を受けてHPがほんの少しずつ削られている。

すると隣から

 

「ウオリャァァァァァァァ!!!」

 

「っ!」

 

マーキュリーの隣から大剣が『飛んできた』

俺はギリギリの所で避けたがマーキュリーにかすめたようで

 

「…テメェ…今この場でぶっ殺してやろうか」

 

「はっ!やれるもんならやってみろよ、チビ」

 

そのやり取りを見て

 

「仲間割れか?」

 

煽るように言うと

 

「「ああ?」」

 

2人は武器を取り、瞬時に襲いかかってきた。

 

「隙だらけだぞ」

 

2人が襲いかかると同時に2人の間に入り、確実にクリティカルを出せる心臓の部分に狙いを定め、斬った。

 

「うっ!?」

 

「がはっ!?」

 

そう言って2人は倒れ込み、HPバーが赤色になった時点で頭の上に【Down】と表示された。

 

(この感覚だ…)

 

すると

 

「あーあ、冷静さを失うからやられちゃってるよ。

どうする?ムラマサとサイン」

 

「言ったであろう、本気で行くと、援護を頼むぞ」

 

「僕は中距離をとるから、頼んだよ2人とも」

 

「っ!!」

 

急に悪寒がし、背筋が凍ると思っていると風の如くの勢いで斬りつけてきた。

そして、それを剣で防ぎ鍔迫り合いになり

 

「…すごい殺気だな」

 

「あまり拙者に気を取られすぎては死ぬぞ」

 

そう言うとムラマサはしゃがみこんだと同時に後ろに隠れていたドクロのソードスキルが飛んできた。

 

「っ!?」

 

避けようとしたが、肩をかすめHPが少し減少した。

そして先程しゃがみこんだムラマサもソードスキルを発動させており、それに反応して剣で防ごうとしたが

 

「!しまっ」

 

ソードスキルを発動させていなかったから、剣を後方何メートルか飛ばされ、取りに行こうとするがそこにはアーサーが先回りしていた。

 

「よいしょ……っと!!」

 

その声とともに斧で攻撃され、その攻撃を避ける事はできたが、今度は地面をえぐり、次に槍のソードスキルが飛んできた。

 

「…っ!」

 

顔をかすめてHPが少し減った。

 

「……」

 

…さてと、どうするか。

絶対絶命だな、それにこの4人を一撃で倒す方法は……

そう考えていると

 

「っ!」

 

刀と槍、細剣、斧。

この四つの武器での攻撃が途切れる間も無く迫ってきた。

すると攻撃が止まり

 

「いまだ、アーサー」

 

「!」

 

しまった。

この4人での攻撃でアーサーの存在を忘れていた。

そして振り向こうとしたが、もう遅く。

 

「がっ!!」

 

背中を斬りつけられ、HPバーがグンと減った。

まだ生きているが、次の攻撃をくらえば間違いなくデュエルに負けるであろう。

すると

 

「最後の一撃だ。

受け取れ」

 

そう言い、アーサーは剣を大きく振りかぶった。

 

「!!」

 

その大きな隙を見逃さず『体術スキル』の『弦月』を顔に打ち込んだ。

『弦月』はどんな体勢からでも、蹴れるのがいいところだ。

そして、よろめいた所を見逃さずに隣に刺さっている愛剣を取り、青白く剣を発光させた。

 

「ぐっ!?」

 

アーサーは防ごうとしたが、スキル練度と武器の精度で上がった速さはアーサーの目では捕らえきれない速度だった、剣はアーサーの腹を容赦なく斬り、刺さったまま剣をぐるんと回転させ、そのまま上に斬り上げた。

すると、アーサーのHPバーは赤色になって、ゼロになるギリギリの所で止まり、力が抜けたように倒れ込み【Down】と表示された。

 

「……後4人か」

 

そう言うと同時に槍と刀の攻撃がきた。

 

「っ!」

 

槍と刀は最初に会った時と同じパターンか…

だったら…!

一旦距離を置き、一列になったらそのまま……

投げる!

 

「「!」」

 

さすがの敵も驚いたようだが、そのまま弾かれた。

しかし、弾いた時点で俺の勝利は揺るがなかった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

剣を投げ敵が弾いた時にできる隙を見逃さず、最大速度で相手にタックルし4人全員をぶつけさせ、手前にいる相手の懐に入って相手の武器を払った。

そして、右手を敵の胸に当てた。

 

「!?」

 

相手が理解できずにいる時、もう片方の手でスキルウィンドウを開きスキルの『クイックチェンジ』を選んだ。

すると

 

「……!?」

 

「なんだ…これは……!?」

 

相手がそう言うのは無理もない。

なぜなら今の彼らの心臓部に刺さっているのは剣だからだ。

いや、『身体の中から剣が出現した』と言うのが正しい。

そして

剣を回転させながらソードスキル『ホリゾンタル』を発動させ横に引き抜いた。

 

「ぐっ…!!?」

 

敵のHPはみるみる減っていき、HPバーが3割をきった。

そして空中に【winner 陽菜】と表示され、デュエルは終わった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…あ〜あ、負けちゃったか…」

 

「かぁ〜!!あとちょっとだったのに!!」

 

「まさか『クイックチェンジ』にあんな使い方があるとは…中々機転が利く」

 

「それを言うなら4人の猛攻撃の方がすごかったよ。

……それじゃ、エル、俺の勝ちだ」

 

「……ええ、そのようですね」

 

「これからは、あの子達を狙うのはやめてもらう」

 

「ええ、わかりました……。

陽菜サン、少しお時間いただけますか?」

 

そう言われ、ウィンドウを開き時間を見ると少しばかり時間があったので

 

「……5分だけなら」

 

「そうですか……ありがとうございます。

では、皆さん集まってください」

 

「へいへーい」

 

どことなく、エルの顔は寂しそうに、嬉しそうにしていた。

そして、色々話し合っていると

 

「…という感じで殺気を出して、周りを少しだけ退けられるでござるよ」

 

「なるほど…!ありがとうムラマサ」

 

すると

 

「ねぇねぇ!マーキュリーと戦ってどうだった?」

 

「んー…まぁ、確かにやりにくかった」

 

「だよねー!マーキュリーって小さいから攻撃当てにくいよねー!」

 

「…それを本人の前で言えるドクロはすごいよ」

 

すっかり仲良くなっていた。

全員が全員、根っから悪い奴ではなかった。

そして、マーキュリーはそれを聞いて

 

「テメェら今ここで殺してやろうか?」

 

するとオウガが

 

「あははははは!

た、確かに、マーキュリー小さすぎてオレの大剣当たらないわ!!」

 

「…ほう?」

 

なんかヤバそうな雰囲気だったので

 

「ま、まぁまぁ、マーキュリーも落ち着けって。

悪いのはドクロなんだから」

 

「なんで、敵だった奴に言われなきゃなんねぇんだ…」

 

「ええ!?悪いの僕なの!?」

 

『当たり前だろ』

 

そんな話をしていると

 

「む、エル殿、そろそろ時間が……話されてはどうかな?」

 

「……そうですね。

皆さん、いいですか?」

 

すると全員が黙って頷いた。

『話』それが何の事かわからず黙っていると

 

「…陽菜サン、ここにいる彼ら、彼女はどうして高レベルなのに最前線に出ないんだと思いますか?」

 

その質問の答えがわからず、首を横に振った。

そして次のエルの発言で全てがわかった。

 

「それは、ここにいる者達は全員、不治の病にあるからです。

それにもう長くはありません」

 

「…!……それは、向こうの、現実世界でって事か?」

 

「はい、そうです。

…ここにいる全員はわたしと同じくらいゲームが大好きです。

このゲームが始まってからわたしは、同じ境遇のこの人達と出会い、パーティを組んで、それからギルド、みたいな物も作りました。

そして、わたしはずっとこの人達の死に場所を探していました」

 

「……それは全員が同じ目標だったのか?」

 

するとドクロとアーサーが

 

「もちろん!僕達にとってゲームの中で死ぬのはとても素晴らしい事なんだっ!」

 

「だが、死ぬにふさわしい場所が見つからない。

そんな時に、陽菜殿を見つけたのだよ」

 

「!……最初からそのつもりで……」

 

「すみません、嫌なら断ってもらって構いません。

わたし達は新しい死に場所を探します」

 

それを聞いて

 

「…俺がやれば、最高の死に場所にできる、と……」

 

そして次々と

 

「まぁ、そう言うこった。

ハッキリ言って、オレはオメェにやってもらった方がいい。

なんせ、戦って初めて負けた相手だからな」

 

「僕も、槍を使ったのに勝てなかったのは2人目だよ」

 

「ちなみに1人目は拙者だ。

拙者も死ぬのにはここがいい場所だと思っている」

 

「あたしも、自分より強い奴に殺されるなら本望だね」

 

「俺もマーキュリーと一緒だ。

それに俺も斧を一回も当てられなかったのは初めてだな」

 

それを聞いてエルが

 

「陽菜サン、決断をお願いします」

 

「………」

 

全く……嫌な選択肢だ。

でも…

 

「仕方ない……な」

 

「!陽菜サン…ありがとうございます!」

 

「…ああ、俺がやる。

そうしたら……後悔せずに死ねるんだな…」

 

するとドクロが

 

「本当にいいのかい?

そうしてしまったら君は…」

 

「ああ、この人数じゃ、間違いなく俺のカーソルは緑から赤に変わるだろうな。

それでも俺がやる」

 

「……そうかい、ありがとう」

 

「どういたしまして。

……それで、誰からにする?」

 

そう聞くとドクロが元気に

 

「そうだっ!ジャンケンで決めよう!!」

 

「では、勝った者が先に逝く、と言う事でいいな?」

 

『賛成!』

 

驚きを隠せなかった。

自分達が死ぬというのに、それすら楽しんでいるかのような彼らの姿に。

そして…

 

「やったぁ!僕一番!」

 

「……最初はドクロ…か」

 

するとドクロが座り込み、その隣にジャンケンで勝った者順で並んでいた。

 

「じゃあ!スパッ!スパパンッ!スパンッ!とお願いします!」

 

「……わかったよ」

 

さっきの戦闘からドクロや他のみんなが回復ポーションを飲んでいるのは見た事がなかった。

全てはこの時の為だろう。

そして、剣を振り下ろした。

順番にみんなの最後の言葉を聞いて行って振り下ろしていくと同時に、俺のカーソルは赤に染まっていった。

そして、最後になった。

 

「オウガ……何か言い残すことは?」

 

「オメェにはねぇ…が、エルさんにはある」

 

「…伝えてやれ」

 

そう言うと

 

「エルさん…最高の死に場所を用意してくれてありがとな」

 

「…ええ、こちらこそ、ありがとうございました」

 

そして剣を振り下ろすと

 

「……すまねぇな、ありがとう」

 

その声が聞こえるとともに俺は剣を振り終わっていた。

すると

ドサッ!

 

「…!エル!」

 

エルが倒れ込んでしまった。

仲間を失った辛さからなのか、それはわからなかった。

すぐにエルを抱き支えた。

すると

 

「……ふふ、すみません。

やっぱり…限界のようです…」

 

「限界って、どう言うことだよ…」

 

「……わたしが…あの集団の中で……段違いにレベルが低いのは……向こうの世界で…わたしの身体に……限界が…きてるからなんです。

だから、たまに……こうやって倒れ込んで……しまう時があるんですよ……今日は…少し多い上に…長い……ですけどね……」

 

エルの言葉が聞き取りにくくなってきた。

するとエルは弱々しい声で

 

「…すみません、もう少し……こうしてても……いい、ですか……?」

 

「……少しだけ、な」

 

「……ふふ、いじわる……ですね。

……そんなにあの子の事が……大事、ですか……?」

 

俺は少し考え

 

「……そうだな。

あの子は俺の退屈な日々を、人生を変えてくれた最初の1人だからな」

 

「……そう、ですか…。

……あっ……」

 

「どうした…?」

 

「……すみません、何も見えなくなりました。

……真っ暗です…今は声だけ……聞こえます」

 

「!……全く…エルはさっきから謝ってばかりだな」

 

「……ふふ、そう…ですね。

…やっぱり……陽菜サンは……わたしを…許せませんか……?」

 

「ああ……」

 

「……やっぱり…あの子を攫ったからでしょうか……」

 

「それもあるけど…友希那を傷つけたのがな」

 

「……そうです、か。

……陽菜サン、あの子の事が……好きなんですか…?」

 

「………さぁな」

 

「……ふふ……妬けますね……」

 

「……」

 

「…陽菜サン…わたしの最期のお願い……聞いて、くれませんか?」

 

「…なんだ…?」

 

「わたしを…殺してください」

 

「!!」

 

「わたしは……病気なんかで……死にたくありません……せめて、ゲームの中で……ゲームのシステムで……死にたいです。

だから……お願いします…」

 

「……全く…どんだけゲーム好きなんだよ……」

 

「……ふふ、ゲーム好きだから……日本に来たんですよ……。

……お願い、できますか……?」

 

「……わかった、今更1人殺したところで赤色カーソルが少し黒に染まるだけだからな……」

 

「……ありがとうございます。

では、皆さんに……会って来ますね……」

 

「……ああ、行ってこい…」

 

そう言って副武装の短剣を取り出し、エルの胸に刺した。

そしてエルは涙を流した後に

 

「……さようなら…」

 

ただその一言を言い残し、無数の結晶のかけらとなって弾け、結晶は徐々に消えていった。

 

「……はぁ………良い友達…なれると思ったんだけどなぁ……」

 

そして、第二層のボス部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リサ side

ボス戦前

 

「わあ!すごい人…!」

 

すると燐子が

 

「人が……いっぱい……」

 

「わー!りんりん大丈夫!?顔真っ青だよ!」

 

「燐子、大丈夫?どこかで休む?」

 

「い、いえ……大丈夫、です…。

この前より……多かったからビックリしただけです……」

 

「確かに、白金さんの言う通り第一層の時よりも多いですけど、私達がいつもやっていたライブに比べれば少ないですよ」

 

「!……そう、ですね。

…もう、大丈夫です……氷川さん…ありがとう、ございます」

 

燐子がそう言うと

 

「みんな注目ー!」

 

大きな声を聞き、全員がリンドさんに注目した。

 

「ギルド『ドラゴンナイツ』のリンドだ!

今日の第二層ボス攻略レイドのリーダーを務めることになった!

フルレイドには2人足りないが、第一層より多い47人が集まってくれた事、リーダーとして誇りに思う!

みんな、よろしくな…っ!」

 

2人…陽菜、本当に遅くなるんだ…

そう思っていると

 

「まだギルド結成なんてでけへんやろ…たった3時間早くついたくらいでエラっそうに……」

 

あはは、3時間も早く来てたんだ…でも確か、一番早く来てたのって…

そう思いながら、キリトとアスナの方に目を向けると目が合い、こちらに来た。

 

「リサっ!それにみんなもっ!久しぶり第一層以来ね」

 

「アスナっ!久しぶり♪」

 

するとキリトが

 

「あれ?みんな知り合いだったのか」

 

「うんっ!この前アスナとカフェで会ってから仲良くなったんだよねー☆」

 

「そういえばリサ、この前の陽菜って子はどうしたの?」

 

「うん…なんか用事がある、って言ってて…

あっ、そういえばあの人達って新しい攻略組?」

 

そう言って向こうにいた5人組を指した。

するとキリトが

 

「あ、ああ、レジェンドブレイブスって言う第二層から出てきたパーティなんだ。

でも…」

 

「でも?」

 

「いや、何でもない。

それで、陽菜はボス戦には来るって言ってたか?」

 

「うん、それは大丈夫だよ!

遅れるって言ってただけだから」

 

「そっか、なら助かる。

じゃあ、陽菜が期待してる『演奏スキル』楽しみにしてるよ」

 

「!うん!」

 

陽菜…期待してるんだ♪

なんか嬉しいな、陽菜がそう言ってくれてるなんて

すると

 

「ではっ!今こそ開」

 

リンドさんが何か言おうとすると

 

「待ってくれ」

 

そう言ったのは、斧タンクのエギルさんだった。

 

「…なんだ!」

 

「今回の作戦、攻略本の内容を前提にしすぎてる。

第一層の時は、あの少年と演奏隊、ディアベルのおかげでどうにかなったが、ディアベルはともかく今回、あの少年がいない。

だから、撤退の基準を明確にしておくべきだろう」

 

「…ああ」

 

「初回の挑戦で事前情報と異なるパターンが確認できたら、その時点で一時退却。

戦術を練り直すって事でいいな?」

 

「……それでいい」

 

「ほな、始めよか。

よっこらせ」

 

そう言いながらキバオウさんが扉を開けてしまった。

 

「あっ!何勝手に!?リーダーは俺だぞ。

そ、そそ、それでは行くぞ!

エイ、エイ、オー!」

 

「!リ、リンドさん後ろ!」

 

「後ろ……?

!!で、デカ……ッ」

 

そこには、二体の中ボスとボスがいた。

そして『演奏スキル』を使い、少し経った。

 

「スイッチ!」

 

「うん!」

 

陽菜が言ってた初の『演奏スキル』のスイッチができた。

そして、それを繰り返し、しばらく経った。

でも…

 

「……陽菜、まだ来ないね」

 

「うん、陽兄ぃがこんなに遅れるのって珍しいよね…」

 

「……何か……あったんでしょうか……」

 

「ま、まさか!用事が長引いてるだけだって!」

 

「そ、そう……ですよね…!」

 

「……!

ねぇ…あれ!」

 

指を指した先にはステージの真ん中が凹み、中から細身で二本のツノが生えた巨大な牛男が出てきた。

すると誰かが叫んだ。

 

「あ、アステリオス・ザ・トーラス・キング…!!!?」

 

そして、それを見て燐子とアタシは

 

「しかも…」

 

「HPバーが6個!?」

 

するとボス部屋の扉から1つの影が疾風のごとき速さで、今出てきたボスの方へ向かって行った。

そして、その背中には見覚えがあった。

 

「如月…」

 

友希那がそう呟いた。

 

「ホントだ…!陽兄ぃだよっ!!」

 

すると

 

「!そんな……」

 

燐子が震えた様子でいた。

 

「り、燐子?どうしたの?」

 

「あの……陽菜さんのカーソルが……」

 

燐子にそう言われ見てみると

 

「!!赤黒い……カーソル……!?」

 

 

 

 

 

リサ side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10時30分…か。

結構アイツらと話し込んだな…

そう考えながらボス部屋へと向かっていた。

そして、ボス部屋の扉の間から覗くと中央のステージが凹み、細身のツノが生えた巨大なボスが出てきていた。

 

「!!」

 

剣を抜き、急いでボスに向かった。

あちらのアグロレンジに入る前にジャンプし、空中でソードスキル『レイジスパイク』を発動させ、ボスの腹に刺さり、ボスが一瞬よろめいた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

第一層のフィールドから急いできて、少し疲れてるな……

すると周りから

 

お、おいアイツのカーソル…!!

 

な、なんだあの色……!?

 

い、一体、何人殺したんだよ……!

 

…周りから見たらただの人殺しだな……

そんな事を考えているとボスが何か吸っているモーションを起こした。

 

「ブレス!!」

 

ブレスがくる前に、もう一度ソードスキル『レイジスパイク』を放った。

しかし

 

「…っ!!」

 

ブレスをくらった。

当然、避ける手段もなく、数メートルくらい後ろに飛んでいくのがわかった。

HPバーの隣に麻痺状態のマークがついていた。

アルゴが言ってたブレス…先走りすぎ…だな。

そして、今までの疲労感から諦めたその瞬間

 

「……!」

 

「如月!」

 

友希那はその声とともに俺の腕を掴み引っ張って行った。

 

「友希那……?何して…る。

早く…逃げろ」

 

「……ここは出口に近いわ。

それよりも、どうして遅れたのか、そのカーソルの色はなんなのか、ちゃんと説明してもらうわよ」

 

「……それはできない」

 

「…どうして?」

 

「…麻痺がとけたから、前線に行ってくる。

……みんなこれで俺と関わるのは最後にしよう、じゃあな」

 

そう言って前線に戻って、しばらく経った。

『演奏スキル』のおかげで助けられたが、やはり前線を支えているのはキリトとアスナだった。

 

しかし、限界がきた。

ボスがあの2人に向かってブレスをはき、スタン状態になってしまった。

更にボスはもう一度、ブレスを溜めるモーションを起こしていた。

すると

 

「ま、待ってください!!あれはもう助けれません!

馬鹿な真似はやめてください!!」

 

そう言いながら、1人の助けに行こうとしている男を必死に止めていた。

すると止められている男が

 

「馬鹿で何が悪い!戦友や姫君の盾となって斃れるは騎士の本懐…!

真の勇者であるならば!!今征かんでなんとする!!!」

 

「はいっ!!オルランドさん!!!」」

 

その声とともに

カィィィィィンッ!!

 

甲高い音がなり、ボスの頭が揺れ、空中に何か飛んでいた。

すると誰かが

 

「チャクラム!?」

 

そしてチャクラムと呼ばれる武器がボス部屋の扉まで、ある男の手に戻った。

そしてその男には見覚えがあった。

 

「!あれは…!」

 

その男は、愛剣の強化を頼んだ時に、俺の剣を折った鍛冶屋であった。

そして男が入ってきてから更に戦況がよくなった所で、調子に乗って俺はボスに向かい

 

「よっ…と!!」

 

そんな掛け声とともに、ソードスキル『レイジスパイク』を牛男の頭に打ち込み、上を向いたボスの鼻を『体術スキル』の『弦月』で鼻をおって空中でボスの目に狙いを定め体術と片手剣の混合スキル『メテオブレイク』を撃ち込んだ。

しかし、ボスのHPバーは完全に削りきれてはいなかった。

そしてボスはこちらに反撃しようとした所で

 

「スイッチ!!」

 

「オゥッ!

任せて!」

 

そう言いながら、転落していく俺の両隣から2つの薄緑と青白い軌跡を残しながら、俺と同じ方法でボスを攻撃し、ボスの脳天を貫いた。

そしてボスは身体の内側から光を放ち、結晶のかけらとなり消え、空中には白い文字で『Congratulations』と表示された。

 

『いよっしゃーーー!!!』

 

「…死傷者ゼロだな」

 

すると向こうでキリトと鍛冶屋の男、エギル達が集まっていた。

気になり近づくと

 

「Congratulations!

…だけで済ませたかったが…」

 

エギルのそんな声が聞こえ、黙って聞いていると

 

「あんた、少し前まで鍛冶屋やっていたな?」

 

その質問に鍛冶屋は

 

「はい」

 

ただそう答え、エギルは続けて

 

「そんなレア武器を手に入れて、鍛冶屋ってのはそんなに儲かるのか?」

 

するとエギルの後ろにいた男達も

 

「アンタ知らないだろ。

アンタに強化を頼んだ剣が破壊されてから……俺と仲間達が」

 

「やめろ。

別に今更そんな事を言いにきたんじゃない。

ただどうも、みんなオレと同じ懸念を持ってるみたいでな」

 

それを聞いて理解できなかったが、キリトが焦った様子で

 

「ま、待ってくれ!この武器は俺が」

 

「いいんですキリトさん」

 

キリトが何か言おうとしたが鍛冶屋はそれを遮った。

そして土下座をした。

 

「……僕が、皆さんの武器をエンド品とすり替えて…騙し取りました」

 

「それをコルに替えたのか……金での弁償は可能か?」

 

鍛冶屋は土下座をしながら話を続けた。

 

「いえ…もうできません。

お金は全て、高級レストランの飲み食いとか、高級宿とかで残らず使いました」

 

そうか……あの時俺の剣が折られたのは詐欺の一部だったのか。

今更気づいて考えていると

 

「オマエ…オマエエエエエエエエエエエ!!!!

わかってんのか!?

俺たちみんなからどんだけのモンを奪ったのか!!!」

 

その男は怒号を飛ばしながら鍛冶屋の胸ぐらを掴み、そう言い続けた。

 

「挙げ句の果てに、自分はレア武器仕入れて!!

ボス戦でヒーロー気取りかよ!!!

………やっちゃダメだけどよォ……俺ぁ今、アンタを叩っ斬りたくてしょうがねぇんだよォ!!!」

 

すると鍛冶屋は頭を下げたまま

 

「覚悟の上です」

 

ただその一言を言うと男は剣を抜き、首めがけて振り下ろそうとした。

剣を抜いて止めようとしたが

 

「待たれよ!!」

 

その声とともに現れたのはさっき見たパーティのリーダーと思わしき人物だった。

そして、その人物は鍛冶屋に近づくとともに

 

「この者は我らの……いや、コイツは、俺たちの仲間です。

強化詐欺をさせていたのは俺たちです」

 

そう言ってその周りにいた男も武器を置き、土下座をした。

するとエギルが

 

「…じゃあ、アンタらの中で誰か金で弁償できる奴はいるか?」

 

「いや、いない」

 

それを聞いていると周りの人たちの苛立ちが隠しきれなくなっていた。

そこで

 

「ちょっと待て」

 

『!!』

 

今の俺のカーソルは赤黒くなっている事だろう。

全員が同じ顔をして驚いている。

が、そんな事は気にせず

 

「金で弁償できないなら、コイツらの装備を今、この場でオークションにすればいいだろ」

 

するとエギルの後ろにいた男が

 

「そ、そんな事で収まるか!!

ましてや、人殺しのお前に言われて誰がやるんだよ!!」

 

周りも同じ反応のようで

 

そうだそうだ

 

誰が人殺しの言葉を

 

と言うものが現れたが

 

「俺が言う事とコイツらの装備の価値が変わるとでも?」

 

「っ、それは……!」

 

「すぐに言い返せないなら最初から言うな。

それに、コイツらの装備は、言い方は悪いがズルをして強化されたものだ。

だったら、性能もそれ程悪くないだろ?」

 

そう言うと周りからは

 

た、確かに

 

ズルして強化したなら、それなりに強いし…

 

俺、やろうかな…

 

お前やるの!?じゃあ、俺も!

 

抜け駆けすんなよ!俺もだ!

 

という感じでまとまってきたので

 

「鼠、いるんだろ?」

 

そう言うと空間が歪み、フードを被った人物が現れた。

そして

 

「じゃあ、後は頼んだぞ」

 

「わかっタ」

 

するとアルゴは息を吸い

 

「さあさ、お立ち会い!この商品は5万コルの逸品ダ。

それが最大強化の+6!!

デバフ耐性はさっきのボス戦で見た通り!!」

 

それにノッタ、キバオウも

 

「ほならまずは、5万からスタートやな!

5万いるか……」

 

そしてオークションが始まってからハイディングを使いしばらく隠れ、オークションが終わったのを見ると突然

 

「そんな事で許されるわけねぇだろ!?」

 

全員がその叫んだ黒ポンチョの男の方を見た。

そして男は

 

「そいつの言った通り強化しまくったご立派な装備品で金銭的な弁償はできるだろうよ!!

でもなぁ!死んだ人間は帰ってこないんだよ!!」

 

し、死んだ!?

 

死んだって、どういう…

 

そして男が言うと、周りがざわめき始め、更に男は言い続けた。

 

「俺ぁ知ってるんだ!そいつに武器を騙し取られた奴が武器屋で安物を買って今まで倒せてた雑魚モンスターに、殺されちまったんだ!!!」

 

「………」

 

「それが!金だけで償えるわけねぇだろ!!?」

 

すると周りから

 

ひ、人が死んだ……

 

これじゃまるで

 

間接的な……PK…?

 

周りがざわざわした。

そしてついに

 

命で償えよ、詐欺師ども

 

誰かがそう言った。

するとそれを中心に

 

そうだ

 

殺すしかない

 

殺せ

 

殺せ

 

殺せ

 

ずっとそんな声が聞こえ、ついにはその詐欺グループを引っ張り、剣を抜く者が現れた。

すると

 

「ねぇ!やめなよ!!

本当に死んじゃうんだよ!?」

 

「!」

 

リサが止めに入っていき、他のメンバーも止めに入っていった。

 

「……やめろ…」

 

呟いていた。

すると向こうで友希那が男達と対話していた。

そして

 

「うるせぇ!!」

 

1人の男はそう叫びながら剣を青白く発光させ、友希那を斬りつけた。

 

「!友希那!!」

 

風の如く疾駆で友希那にかけ寄り、ポーチから回復ポーション取り出し、急いで飲ませた。

そして男達が注目し始め、俺はムラマサに最後に教わった事をした。

すると

 

『っ!!!?』

 

ムラマサから教えてもらった殺気を出し、周りを少し退けた。

そして赤色になっていた友希那のHPが安全圏の緑に入り、ホッとしたと同時に怒りが込み上げてきた。

 

「おい…」

 

「!な、なんだよ、お、俺達はただ、あのクソ詐欺師の1人を裁こうとしただけだ!!」

 

「裁こうと?なら、お前が斬ったのは誰だ?詐欺師か?」

 

「っ!そ、その女が邪魔したからだ!!な、なぁ!!」

 

「あ、ああ!そもそも、その女が俺達に生意気な口を聞くからだ!!」

 

「生意気?違う、この子が言ったのはただの正論だろ。

それに反論できず、お前らは斬ったんだ」

 

「っ!お前!さっきから何なんだよ!!?

言ってるだろ!?その女が俺達攻略組の邪魔をするからだろ!?」

 

「…今なんて言った…」

 

「ああ!?俺達攻略組の邪魔をするからだろ、って言ったんだよ!!聞こえてねぇのか!!?」

 

「『俺達攻略組』?『邪魔』?

だったら、もうこの子達を攻略にはもう出さない」

 

「ああ!そうしてくれ!

目障りなんだよ!!」

 

「はぁ……もういいだろ…」

 

「はぁ!?何がいいんだよ!!」

 

「そんなに死にたいか?」

 

次の瞬間、拳を自分のHPが減るほど握り『体術スキル』で本気で男の顔面を殴った。

 

「ぐぶっ…!!?」

 

男は後方数メートル吹っ飛んで壁に衝突し、そして残ったもう1人を即座に『体術スキル』の『弦月』を使って肩にかかとを入れ、地面に叩きつけた。

すると

 

「………如月…?」

 

「!友希那!大丈夫か!?」

 

「ええ……少し、ふらふらするけど……」

 

「…わかった。

友希那は少し休んでてくれ。

ちょっと行ってくる」

 

急いで向かおうと前を向くと

詐欺師達を殺そうと必死になっている者、それを止めようとする者がいた。

すると

 

「待て!!!」

 

ボス部屋に大きな声が響いた。

その声の主は

 

「裁定はリーダーの俺が下す!

異存あるまいな!!!?」

 

するとボソっと誰かが

 

「ま、ええんやないか?」

 

そう聞くとリンドは剣をリーダーの前に突き立てた。

そして

 

「リーダーならば、自分の刃でけじめをつけろ」

 

周りがどよめいた。

当たり前だ、我らがリーダーが人が死ぬ事を望んでいるのか、とか言う疑問があるんだろう。

でも、アイツが本当にディアベルの意思を継いでると自称するなら…

そう思ってみていると

 

「オルランドさん!やめてッ!やめてください!!!」

 

するとリーダーのオルランドはすまないと謝っているかのような表情を浮かべ、剣を自分に刺した。

そして、強化された武器では防具なしの彼のHPを容赦なく削っていき、HPがなくなると思った瞬間

 

「!」

 

リンドが自分の剣でオルランドが刺していた剣を抜いた。

そして

 

「もういい、覚悟は伝わった」

 

「お、おい、まさかそれで終わらせる気か?

そんなんじゃ、死んだ奴が浮かばな」

 

「何を言う」

 

その言葉を遮り話を続けた。

 

「詐欺集団の首謀者オルランドは今死んだ!

今からでも、まだ間に合う。

俺達攻略組は待たないが、追いついた時は我らは勇者を歓迎しよう!!」

 

…………

 

「ブハッ……!!」

 

するとキバオウが笑うと周りも徐々に

 

あは

 

ははは

 

などの笑い声が聞こえてきた。

すると

 

「陽坊…随分と無茶をしたじゃないカ。

……そのカーソルが真っ黒になったラ、もう戻らなくなるかラ、気をつけろヨ」

 

「わかってるよ」

 

「……ソウカ」

 

「それとあのギルドはもう無いと思うけどもう一回調べてくれ。

アイツらと戦ってみたが、オレンジ、レッドプレイヤーは一人もいなかった」

 

「!……わかっタ、調べてみル」

 

「ああ、アイツらの為にも頑張ってくれ」

 

「アッ」

 

アルゴが何かを思い出したように呟いた。

 

「?どうした?」

 

「そういえばオレっち、さっきあの子達に陽坊の情報を提供したんだっタ」

 

それを聞いて

 

「えっ……てことは…」

 

すると

 

「如月、来なさい」

 

「陽菜?今回だけはアタシも擁護できないよ」

 

「如月さん、あなたという人はどうしていつも……」

 

「あこも同じだよっ!陽兄ぃ!!」

 

「わたしも…!陽菜さんに……言いたい事が……あります…!」

 

「なん……鼠お前…!」

 

そう言うとアルゴは誤魔化すように

 

「ニャはは、良かったじゃないか。

可愛い女の子に囲まれて」

 

「…良くねぇよ。

…ん?ちょっと待て……あの子達、ってことは……」

 

「モチロン、もう片方のグループにも提供したゾ」

 

「えっ……」

 

「とりあえず話そっか、陽菜くん」

 

「陽菜、ちょっと自分勝手がすぎるわよ?」

 

「陽菜くんっ!洗いざらい全部話してもらうよ!」

 

「ジブンも!今回だけは許せませんよ」

 

「ハルナさんはどうして、いつも一人でしようとするんですか!!」

 

「……鼠、覚えてろよ…」

 

その時にはもうアルゴの姿はなくなっていた。

すると見えないが声が聞こえてきた。

 

「じゃあナ陽坊。

それとお詫びに、タダで教えておく。

強い剣が欲しいなら、森の中にいケ」

 

いや意味がわからん。

てか、逃げたなあの野郎…俺だって逃げたいよ…

そう思っていると

 

「歩きながら話してもらうわよ。

わかってるわね、如月?」

 

「わ、わかったよ」

 

「じゃあ、早く行きましょう。

次の階層へ」

 

「そうだな」

 

「それと、私達が気になってる事、色々話してもらうわよ」

 

「そ、そうだな」

 

そして、第三層に上がって行った。




さぁて……やるか。

lunar913様 夜刀様燃え萌え隊様 テスアクエリポカ様 たうそ きさまや様 ー咲良様 勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様 天駆けるほっしー様 田中さん様 ブラジロ様 岬サナ様 プリン大福様 ヒロキチ様 月季様

(早口)

誠にマジで本当におりがとうございます!(語彙力&日本語力)
では、また


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 必ず

これは原作とは違ってカルマ回復クエなど回復系統のクエは一切ありません。



第三層に上がって行った。

いや、正しくは行こうとすると

 

「おい!」

 

男が叫んだ。

誰に向けて叫んだのかわからないでいると次の男の一言で理解した。

 

「お前みたいな奴が最前線に出てきてんじゃねぇ!!この人殺しが!!!」

 

男がそう言い放った。

できれば巻き込みたくないので

 

「…千聖、そのまま第三層に上がって行け。

頼んだぞ」

 

「何を言ってるの陽菜、まだあなたの事、説明されて」

 

その言葉を遮り

 

「今は俺から離れろ。

パスパレはアイドルの面でも、バンドの面でも世界的に有名になってきてる。

……だから、頼む」

 

「…!……わかったわ。

彩ちゃん、みんな行きましょう」

 

「えっ!千聖ちゃん!?」

 

そう言って千聖はパスパレのメンバーを引っ張っていってくれた。

後はこの子達をどうするか…

そう考えていると周りから

 

「お前がいたから負けそうになったんだろ!!」

 

「そうだよ、この人殺し!!」

 

「そうだ!!なんでお前みたいな殺人鬼にその子達を守らせないといけねぇんだよ!!!」

 

「それなら!俺たちが守った方がまだマシだ!!」

 

などの声が聞こえてくる。

それら全てを無視して今すぐに上に行きたかったが…

 

「……『俺たちが守った方がまだマシ』って言ったけど、今あんたらのレベルはいくつだ?」

 

「ああ!?ナメてんのか!ここにいる攻略組のほとんどがレベル18以上だ!!」

 

「はぁ…」

 

低い

 

「…護衛を甘く見るな。

そんなレベルで、ましてやボス戦の時にこの子達を守れるわけないだろ」

 

「はぁ!?だったらお前のレベル見せてみろよ!!」

 

1人がそう言うと周りも同じようだった。

ウィンドウで自分のパラメータを開き、そのまま全員にスライドした。

 

『っ!!?』

 

「俺の代わりをしたいなら、そのステータスを超えろ。

それができないなら…お前らにこの子達を守る資格はない…」

 

資格がない…?

何言ってんだか……アイツらの言う通り、ただの殺人鬼にこの子達を守る資格なんてない。

そんな事を思っていると

 

「な、なんだよこれ……」

 

「こんなの超えられる訳が…」

 

次々にそんな声が聞こえたが、今度は無視して先に進んだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第三層 主街区

 

「……ねぇ陽菜…本当に、陽菜がやったの?」

 

第三層に上がって宿に向かいながら話を終えた時、リサの質問に

 

「もし、そうじゃなかったら、俺のカーソルは赤黒く染まってない」

 

「……でも、陽菜は…友達の最期のお願いで、仕方なくやったんだよね?

何も陽菜が気に病むことないよ…」

 

気にかけてくれているリサに対して少し…

 

「リサは優しいな。

…でも、ここにいるのは正真正銘ただの殺人鬼だ」

 

「!……でもそれは…」

 

「…それにこの世界にはもうRoseliaとしてみんなは有名になって、存在が広まってきてる。

そしてその近くに殺人鬼がいるとなると、Roseliaにもみんなにも、迷惑をかける事になる」

 

「っ!…陽菜さん……それって……」

 

「ああ……燐子は察しが良くて助かる」

 

「そんなの……嫌です……!」

 

燐子がそう言うと友希那が

 

「……如月、また、私達を…置いて行くつもり?」

 

「…」

 

するとメッセージが届いた。

俺がアルゴに頼んで置いたうちの1件だろう。

そしてそれを読んで、友希那達にウィンドウをスライドし説明をしようとすると

 

「これは……」

 

「鼠に頼んでおいた。

内容は

『オレンジプレイヤーは1週間

レッドプレイヤーは5ヶ月

ブラックプレイヤーは戻らない』っていう俺のカーソルについてだ」

 

「!……それなら、如月は」

 

「ああ、俺は赤黒いカーソルだから約一年だそうだ」

 

『っ!!』

 

すると

 

「待って…陽菜!

アタシたちに…できることってある…かな?」

 

リサが諦めまいと聞いてきた。

 

「…ある」

 

「それって?」

 

「…いつか、信頼できる人がみんなの前に現れたら、そのギルドに入るんだ。

それがみんなにできる事だ」

 

「!」

 

「……また会えるのは約1年後だ。

それまでに必ず生きて会おう」

 

そう言うと友希那が

 

「…でも如月、今の私達だけじゃ…」

 

珍しく友希那が弱気になっていて驚いたが

 

「大丈夫だ。

……みんなはきっとRoseliaとしても個人としても強くなる。

きっと俺を通り越すほどに…」

 

「…でも」

 

友希那が何か言おうとしたがそれを遮り

 

「『Roselia』…青い薔薇。

その花言葉は『不可能を成し遂げる』だろ?」

 

「!」

 

「だったら大丈夫だ」

 

「……そう」

 

「…じゃあな、俺は先に行ってるよ」

 

「ええ。

必ず、あなたに追いつくわ」

 

「ああ、待ってるよ」

 

そして、友希那達とは一年後に会う事になった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

それから約一年が経った。

未だに俺のカーソルは緑には戻っておらず、今は、オレンジカーソルになり、明後日には緑に戻る感じだった。

 

死亡者約3000人

生存者約7000人

現在の解放済み階層49層

 

そんな中、俺は独りで迷宮区奥に潜っていた。

そしてあの時から友希那達には一度も会ってない。

 

友希那達が有名になってきて生きているのはわかっているのに、毎日3回以上はみんなの生存確認をして、安心しているのは本当にただの大バカ野郎だな…

リザードマンとの戦闘中、そんなことを考えた隙に

 

「くっ!?」

 

敵のソードスキルが肩を深く斬り裂き、左上のHPバーが残り7割だったのに対し、3割を持っていかれ、残りが4割になった。

この敵のレベルは80、そして対するこちらのレベルは79。

 

数値的には何の問題も無いように見えるが、この1つの差から自身の命を落とす可能性が一気に高まる。

本来ならこんな場違いなレベルのモンスターは普通はあり得ないが、場所が奥深くの洞窟だから稀に出て来る。

 

そしてHPを見て逃げようと背中を見せると敵は盾を前にして、剣を後ろに構えて剣をオレンジ色に発光させ、ソードスキル『フェル・クレセント』を放ってきた。

 

4メートルほど離れていたが、相手のソードスキルは4メートルを0.4秒で詰めてくるという、なんとも面倒なソードスキルである。

そして

 

「…っ!」

 

振り返り、敵のソードスキルを『体術スキル』の『弦月』で蹴り飛ばして、剣を青色に発光させソードスキル『シャープネイル』を発動させた。

 

そして、空中には獣の爪痕のように3つの青色の光ラインを残して、モンスターは結晶のかけらとなり、目の前にはモンスターの戦利品が表示されると同時にレベルアップと表示され、レベルを見てみると

 

「80か…とりあえず今日のノルマは達成だな」

 

誰もいない所でポツリと独り言をこぼして、セーフティーゾーンで休んでから、主街区に戻っていった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

 

「はぁ〜!やぁっと終わった〜♪」

 

リサはそう言いながらソファに座った。

すると

 

「副団長様っ!これであこ達の任務、終わりだよねっ!」

 

あこがそう言うと副団長と呼ばれているアスナは少し説教するように

 

「もうっ!あこちゃんったら、副団長様ってやめてよ。

私たち友達なんだから」

 

「えへへ、ごめんなさい」

 

「わかればよろしいっ。

…あっ!そういえば、あこちゃん」

 

「?どうしたの?」

 

「あこちゃんって、このギルド『血盟騎士団』に入ってからもそうだけど、よく任務を頑張ってくれてたでしょ?

でも、今日のあこちゃん、いつもより調子が良かった気がするんだけど…私の気のせいかな?」

 

するといつの間にかソファにかけていた紗夜と燐子が

 

「多分それは、もう少しで『あの日』が近いからでしょう」

 

「そう…ですね……わたしも楽しみ……です……」

 

それを聞いてアスナは不思議な顔になったが、すぐに理解したようで

 

「…ああ!陽菜君に会える日が近いんだ!

それであこちゃん、今までにないくらいの元気だったんだ」

 

「うんっ!!

だってね、陽兄ぃ前にも勝手にどこかに行っちゃったの…。

その時はすぐに帰ってきてくれたけど……」

 

「そっか…今度は一年も待たないといけないもんね。

……陽菜君ってどんな人なの?

私、エルフクエストとボス攻略でしか会った事がなくて…」

 

それを聞いてそれぞれ

 

「えっとね!陽兄ぃはいっつもあこ達の事を守ってくれてカッコ良かったんだっ!!」

 

「陽菜さんは……男性なのに……安心できる人です」

 

「そうそう、だけど…陽菜って何でも一人で抱え込んじゃったりするから…」

 

「そうですね。

ですが、如月さんはそれと同時に私達を何度も助けました。

もちろん、向こうの世界でも」

 

「……」

 

「?友希那ちゃん、どうかした?」

 

「……いいえ、なんでもないわ」

 

「?……それで、友希那ちゃんは陽菜君の事どう思ってるのかな?」

 

「!どう…って言われても…」

 

思わず下を向いてしまった。

そして、考えて

 

「如月は……」

 

「陽菜君は?」

 

………

 

「…ただ、私達を手伝ってくれて助けてくれてるだけよ」

 

『………』

 

部屋が静まり返った。

すると

 

「「素直じゃないな〜友希那(ちゃん)は」」

 

リサとアスナ2人揃って言われ、それに対して

 

「…別に、普通よ…」

 

「え〜、でも友希那って昔、たまに陽菜の事目で追っかけてたよね?」

 

「!あ、あれはただ……如月が何か、しでかさないか気になってただけよ」

 

「あはは☆友希那ってば本当に素直じゃないよね〜」

 

「やめてリサ」

 

すると紗夜が

 

「そういえば次のボス戦は第50層ですよね」

 

紗夜の質問にアスナは

 

「そうだけど……それがどうかしたの?」

 

「いえ、私達が25層を攻略する時、大きな被害が出てしまいましたから……」

 

「…そうね、あの時は私たちも25層に通常のボスより遥かに強いボスがいた事で、攻略組の半分ほどがいなくなってしまった。

だから…あの時と同じ過ちは起こさない様に、動けているといいんだけど…」

 

「そうですね。

如月さんは第十層以来ボス戦に参加してないらしいですから、知らないでしょうけど。

……そういえば、今回もキリトさんは来るんですか?」

 

そう紗夜がアスナに聞くと

 

「な、なんで私に聞くの!?」

 

「?お二人はお付き合いされていないんですか?」

 

「つ、付き合ってないわよっ!

でも、キリト君ならボス戦に来ると思うよ」

 

「そうですか、すみませんでした。

でも、来るなら安心ですね。

如月さんもいたら助かるのですが…ボス攻略当日が『あの日』と重なると…」

 

「やっぱり、ボス戦には参加出来ないかもしれないわね」

 

アスナがそう言うとほぼ同時に扉をノックされた。

すると赤と白の甲冑を着た男が入ってきて

 

「アスナ様!第50層のボス攻略に関して団長が聞きたい事があるそうです!」

 

「団長が?」

 

「はい!会議室で待っている、との事です」

 

「わかりました、すぐに行きます。

ごめんなさい、私は行ってくるからあなた達はゆっくりしてて」

 

アスナがそう言うと男が

 

「いえ、それが演奏隊の皆様にも聞きたい事があるそうです」

 

「私達にも?」

 

「はい」

 

「じゃあ、みんなで行こっか♪」

 

リサがそう言い、会議室へ向かった。

 

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第50層 主街区

迷宮区から戻った俺は9層まで続くエルフクエストで手に入れた剣『クイーンズ・ナイトソード』を強化するためとレベル上げのために迷宮区に潜っていた。

そしてこの前、鼠から

『はっきり言って55層以降は最大値にした所で通用しなイ』と言われたのでそろそろ新しいのを探さないといけなくなった。

そんな事になっているが、とりあえず鍛冶屋に行き、強化を頼んだ。

すると

 

「ヨッ!」

 

「っ!…なんだ鼠か…」

 

「なんだとはなんダ。

それよりもそのカーソル」

 

そう言いながら頭の上のオレンジカーソルを指差した。

 

「順調に回復してるじゃないカ。

これでもうすぐあの子達に会えるナ」

 

「…そうだな。

あの子達が俺に追いついたか、追い越したか、楽しみだ」

 

「ふーン…。

……そうダッ!陽坊、次のボス戦には参加した方がいいゾ」

 

「?なんで?」

 

「ボスのLAが剣なんダ。

それも魔剣クラスに入るナ」

 

「…マジで?」

 

「うン、マジ。

『クイーンズ・ナイトソード』じゃ、この前言った通り55層が限界だからナ。

それを手に入れたらコレからの階層はほとんど攻略できるだろうナ」

 

「…ボス戦っていつだっけ?」

 

俺は第十層以来からボス戦には出ていない。

その間にも友希那達には会わなかった。

なので、ボス戦がいつかやるのかわからないのだ。

 

「ボス戦はちょうど明日ダ。

でモ、50層は他の階層とは違ウ」

 

「どういう事だ?」

 

「各フロアボスの中でも25、50、75、そしてもちろんの事100層まではクォーターボスと呼ばれる化け物がいル」

 

「?アインクラッドの階層全部、化け物なんだろ?」

 

そう言うとアルゴは首を振り

 

「そういう事じゃなイ。

この前の25層ボス攻略の時にも尋常じゃない程の死人が出タ。

それはクォーターボスだからダ。

そして、おそらく次の階層も…」

 

「クォーターボス…!」

 

「そういう事ダ。

情報はさっき血盟騎士団の団長に渡したから大丈夫だろうけド…」

 

「……やっぱり心配だな」

 

「そうだナ。

まぁ、とりあえず頑張ってくレ」

 

そう言うと鍛冶屋に頼んだ強化が終わり、取ってから振り返ってみるとそこにはアルゴはいなかった。

 

「…全く早いな。

そういえば情報料はいらなかったのか?」

 

そんな疑問を持ったが

 

「…まぁ、いいか」

 

レベルをもう少し上げる為にもう一度迷宮区に向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

 

会議室に入るとその先には椅子に座り、灰色の髪を前に垂らして、真紅のローブに身を包んだ団長の姿が見えた。

 

「失礼します」

 

「ああ、来たかね。

では明日にあるボス戦についてなんだが…少し、気がかりなんだよ」

 

それにアスナが

 

「気がかり…とは、この前の25層で起こったような事ですか?」

 

「さすがアスナ君は鋭い、とは言っても情報屋に聞いた事なんだがね。

とりあえず私が言っておきたいのは、このボス戦は君達も充分に注意してくれ」

 

「わかりました」

 

「話はこれで終わりなんだが……時に友希那君達は、本当に血盟騎士団には入ってくれないのかい?」

 

その質問に

 

「はい。

この前話した通り、私達には約束がありますから」

 

「そうか…それは残念だ。

君達がいてくれたらボス攻略は少し楽なのだが……まぁ、無理を言っても仕方がない」

 

「……」

 

「それに友希那君は私と同じユニークスキルを持っているから、団体との関わりは出来るだけ避けたいのだろう」

 

「!」

 

するとアスナが

 

「団長!…あまりその話はなさらないでください。

誰かに聞かれてたらどうするんですか」

 

「あ、ああ…すまないね、こんな話をしてしまって」

 

少したじろいでいた。

団長でも副団長には敵わないよう…。

 

「まぁ、君達がこれからどう成長して行くか楽しみだよ。

では、またボス戦の時に」

 

無言でお辞儀をし部屋を出てから扉を閉めると

 

「ごめんね。

団長があの話しちゃって…」

 

「いいわよ。

別に気にしてないから」

 

「それにしても…中々大変ね」

 

「?」

 

その言葉の意味を理解できず、首をかしげると

 

「友希那ちゃん達の護衛の事よ。

本当ならこっちの方がレベルは高くないといけないのに、友希那ちゃん達はここに入る前から血盟騎士団の人達よりもレベルは高くて強いから、護衛を決めるのが大変なんだよ。

自ら護衛に行く人もいるけど…」

 

それにリサが

 

「友希那がほとんど断ってるもんね〜。

『そんなレベルで守って欲しくない』って」

 

「そうそう!私も近くで聞いた時はびっくりしたよ。

友希那ちゃんがそんな事言うなんて」

 

「……」

 

実際に言ったことだから何も言えないわ…

そう思っていると

 

「あっ!もうこんな時間!みんな寝たほうがいいわ。

明日のボス戦に1日でも早く備えなきゃ!」

 

「そうね。

私達ももう寝るわ、おやすみなさいアスナ」

 

「うん!おやすみ友希那ちゃん」

 

そして各自、自分の部屋に行き、そのままボス戦に備えて眠った。

 

 

 

 

友希那 side out

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「な……何ぃ……!?」

 

そう叫びたくなる衝動がきたのは、昨日は全くレベリングが出来なかった悔しさからではない。

朝起きて次のボス戦について新しく更新された手紙を見ていた時だった。

しかもその内容がなんとも言えないものだったからだ。

内容は

 

第50層のボス戦について

ボス戦開始時刻、今日の22時30分

レベルは55以上

職業不問

 

ここまでは普通なのだが……

続きを読むと

 

なお『血盟騎士団演奏隊の護衛』をしてくれる者を探しています。

レベルは70以上

職業不問

 

理由は

『演奏スキル』を使う事で演奏隊はボスモンスターのヘイトが溜まり、攻撃されやすくなります。

それを守る事に、腕に自信がある方は今日の19時までに血盟騎士団の団長まで来てください。

 

との事だった。

なんだこれ……迷子のチラシを見てるみたいだ…

まぁ、友希那達が何かしたんだろうけど…俺の今のカーソルじゃなぁ…人殺しと呼ばれて門前払いを受けるだけだな。

 

「……しかも、この『血盟騎士団』って入ってる時点で最高レベルを指してるんだよなぁ…」

 

つまり、演奏隊以上のレベルがないと護衛は務まらない…か

 

「さてと……これからどうするか…」

 

今日のノルマは昨日のうちに達成しちゃったからな。

……たまには圏内を見て周ってみるか。

そう思ってフードを被り宿を出ると、やはり周りからの視線が痛い。

フードを被って正解だな…

そう思っていると

 

「あ、あのっ!……少しよろしいですか?」

 

裾を掴まれ振り返ると

そこには、あこくらいの身長で腰にダガーを持ち肩にリドラという小さな水色のドラゴンのようなモンスターを連れている、ツインテールの女の子がいた。

 

「何か用か?」

 

俺がそう尋ねると周りから

 

お、おい…あの子大丈夫か?

 

オレンジプレイヤーに話しかけるなんて…

 

ね、ねぇ誰か助けに行った方がいいんじゃ…

 

そんな声が聞こえてきたが、無視した。

すると

 

「あの…キリトさんという男性のプレイヤーを知りませんか?」

 

「知ってるけど…キリトに用があるなら、鼠に聞いた方がいいぞ」

 

「で、でも…わたしお金がないので…」

 

「じゃあ、キリトにメッセージ飛ばすから、待ち合わせはここでいいか?」

 

すると女の子は笑顔で

 

「…!あ、ありがとうございます!」

 

「それで、キリトは君の事知ってるのか?」

 

「た、多分…一度だけ助けてもらった事があって、1日だけ…わたしのお兄ちゃんでした…」

 

「……わかった。

とりあえず呼ぶ、今すぐに来れるかはわからないけど…」

 

そう言いながらキリトにメッセージを飛ばすとすぐに返信がきて

 

「…よかったな。

少し遅くなるが、後5分で来るらしい」

 

「ほ、本当ですか!?

ありがとうございます!!」

 

「じゃあ、俺は宿に戻るよ。

…そういえば名前聞いてないな」

 

「あっ!シリカです!それでこっちは相棒のピナです!」

 

相棒…

 

「その相棒、大切にしろよ」

 

「はいっ!ありがとうございました!

ええと…」

 

「きさ…陽菜だ」

 

「ありがとう陽菜さん!」

 

何回ありがとう言うんだこの子は…

とりあえず視線が痛いからやっぱり戻ろう…

そう思いながら宿に戻った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

友希那 side

 

現時刻22時27分

現在地ボス部屋前

ほとんど最前線に出ている攻略組が集まっていた。

それを見渡していると

 

「ゆーきなっ♪」

 

「!どうしたのリサ」

 

急に抱きつかれて少しビックリしたけど……

 

「今日の演奏隊はアタシ達だけだから、頑張ろうねっ♪」

 

「ええ」

 

すると向こうから、血盟騎士団の団長ヒースクリフとアスナ、その隊員が複数人が来た。

キリトもアスナの近くにいた。

そして

 

「これより第50層ボス攻略を始める!我々がする事はただ一つ!!

誰も犠牲を出さず、次の階層に進む事だ!!!」

 

『おおーーー!!!』

 

団長のヒースクリフがそう言うと周りから相当な意気込みが感じれるほどの声が聞こえた。

すると団長は振り返り、重々しいボス部屋の扉を開けた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボス部屋を開けるとそこにいたのはまるで千手観音像のような仏像だった。

じっとして、少しも動かなかったが、1人がボス部屋に一歩、足を踏み入れると、それに反応してボスは目を赤く光らせ

 

[ボォォォォォォォォン!!!!]

 

今までに聞いた事がない咆哮を出してきたが、すぐに団長が

 

「全員配置につけ!!来るぞ!!!」

 

団長の覇気ある声は全員を動かした。

それを見て

 

「みんな、やるわよ」

 

『うん(ええ)!』

 

『演奏スキル』のボタンを押してから

 

「『BLACK SHOUT』」

 

そう言うと『演奏スキル』が反応し、まばらに光を放ちながらそれぞれの楽器が目の前に現れ、演奏を始めた。

すると

 

「ウォッシャーー!!」

 

「Roseliaの曲聴きながらとか、最高かよ!!」

 

そんな事を周りから聞きながら、ボス攻略が始まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから20分程

団長、アスナ以外の血盟騎士団は壊滅寸前

キリト以外の助っ人達はすでにHPがレッドに陥っていた。

しかし

 

「……せあ…ッ!!」

 

「やあ!!」

 

勢いよくキリトとアスナが斬りつけ、ボスのHPバーがようやく最初の7つから4つに減った。

すると

 

[キュアアアアアアアアアアアアア!!!]

 

「っ!」

 

耳をつんざく咆哮がすると同時に『演奏スキル』のランダム効果付与が解除され、目の前にあった楽器が全て砕け散った。

そして、HPバーの隣にはバフ無効のマークがついた。

 

「!」

 

急いで確認すると、時間は10分という幾ら何でも長すぎると思わせるほどのものだった。

 

「そんな…!」

 

燐子がそう呟いた。

すると前で

 

「全員避けろ!!」

 

キリトがそう叫んだが、もう遅く。

前線に出ていたプレイヤーのほとんどが自身の周りに円を描くように放たれた真紅の光線をくらってしまった。

それを見て

 

「…あれを使うわ」

 

「!友希那…それを使ったら」

 

「…如月が、私達を守ってくれたように、私もあの人達を見殺しには出来ない」

 

「っ!…友希那がそう言うなら、アタシは反対しないよ。

だって、友希那が決めた事だもんっ♪」

 

「ありがとう、リサ」

 

そう言った後、右手を素早く下にスライドさせ、スキルウィンドウを開いてユニークスキル『歌姫』を選んだ。

 

「ーー♪」

 

歌い始めるとボス部屋全体の地面から複数の光の粒が地面からふわりふわりと浮き出て幻想的な光景を見せていた。

この『歌姫』は歌っている間、地面から光の粒を浮き出し、その粒に触れるとプレイヤーは相手の攻撃を一度だけ無効化できる能力と攻撃、防御、敏捷の全てがほぼMAXまで上がる。

しかし、これは1プレイヤーにつき一回だけで、次に付与できるようになるのは三日後になっている上、『演奏スキル』が一緒に使えない。

だから…この効果が切れる前に倒してくれないと……

そう思っていると

 

「せあ…!!」

 

「フンッ!!」

 

「やあ!!」

 

キリト、団長、アスナの一撃がボスの額を斬り、HPバーの4つ目が半分に減った。

するとボスはさっきと同じ咆哮をしてその場で高速回転し、周りを吹き飛ばした。

さっきの光の粒を触れていたなら大丈夫だけど…

そう思っていると

 

「!」

 

そこにはスタンになり、動けない者がいた。

おそらく、ボスの攻撃を一度だけ無効化したが、二撃目をくらったのだ。

そして

 

「!ダメッ!」

 

そう止めても、ボスは無慈悲だった。

拳を握り、腕を上げて力を溜めていた。

それを見て

 

「っ!」

 

「友希那っ!!ダメッ!」

 

思わず飛び出していた。

きっと、如月ならそうすると思ったからだ。

そして振り下ろされる前に間に合い、安全圏まで連れて行こうとすると

 

[パアアアアアアアアアアア!!!」

 

またも聞いた事がない咆哮がし、見上げるとボスは拳を振り下ろそうとした。

すると

 

「ヒィィィィッ!!!」

 

「あっ!」

 

助けようとしたプレイヤーのスタンがギリギリの所で切れて、安全圏まで逃げて行き、ボスは腕を振り下ろした。

 

「……っ」

 

諦めたその刹那。

 

「…綺麗な薔薇には棘があるっていうだろ」

 

振り下ろされそうになったボスの腕に一つの青白い線が引かれ、腕が落ちた。

そして、目の前には…

どこか懐かしく、そして安心してしまう雰囲気を放っていた。

 

「…如月っ…!」

 

 

 

 

 

友希那 side out




お、おお、お気に入りが増えてる!?
ややや、やばいって!!
し、紹介します!

taihou01様 メルヘム@様 黒野舞亜様
勇気ブレイブ様 貧弱様 ユダキ様
lunar913様 夜刀様燃え萌え隊様 テスアクエリポカ様
たうそ きさまや様 ー咲良様 天駆けるほっしー様
田中さん様 ブラジロ様 岬サナ様
プリン大福様 ヒロキチ様 月季様

これで18人…本当にこんな物を読んでお気に入りしていただき感謝してます。
なんかもう、名前の見えない方も入れると19人なんですよ。
出したい。
名前ものすごく出したい。
出してお礼を言いたい。
そして気づかないうちに昔の自分が自分の作品にお気に入りしてしまっていた。
………
こんな物ですがこれからもよろしくお願いします。
そして、お気に入りしていなくても、見てくれている方々、本当にありがとうございます。
では、また会おう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 再開 前編

Rも神曲(説明下手。
だか伝わっていると願う)


ボスの腕を斬り落とすと後ろから

 

「…如月っ…!」

 

懐かしい友希那の声が聞こえた。

そして

 

「約一年ぶりだな、友希那。

とりあえず、安全圏まで下がっててくれ」

 

「わかったわ」

 

そう言って友希那は下がってくれた。

そして前を向いてボスと真正面から向き合った。

すると

 

[ボォォォォォォォォン!!!]

 

「うっわぁ…うるさい」

 

そう呟くとそれに反応してくるように、パンチを繰り出してきた。

それを右に避けたが敵は複数の腕を持っているので一気に殴りにきた。

ほとんど、かすめて避けて攻撃を入れてたが、最後の一撃をまともにくらってしまい、安全圏まで飛ばされた。

 

「っ!!」

 

空中で一回転しなんとか着地出来た。

周りを見てみるとキリト、アスナ、そして初めてみる赤い甲冑をしたプレイヤーが前線を支えていた。

そして前に出ようとすると

 

「陽菜っ!」

 

後ろからリサに抱きつかれた。

 

「ちょ、危ないから!

リサに剣刺さったどうすんだ!」

 

「剣の刃は前にあるから大丈夫だよ!

そんな事より、生きてて良かった!!」

 

「いやいや、フレンド欄見れば…」

 

あっ、そういえば俺ブロックしてたんだった。

なんでしたんだろ…

そんな事を考えたが

 

「…リサ、今からちょっと頑張ってくるから『演奏スキル』頼んだぞ」

 

「それが、みんなにバフ無効がついてるから、使っても意味が…」

 

リサの落ち込む姿を見て

 

「俺は大丈夫だから、今回だけ、俺のために演奏してくれ」

 

「!…うん!わかった!」

 

「よしっ!じゃあ、みんながどれだけ成長したか見せてもらうぞ!」

 

そう言うと友希那が

 

「私達がどれだけあなたに近づいたか見せてあげる」

 

「ああ、援護頼む!」

 

そう言うと同時に演奏が始まり、攻撃力アップと敏捷度アップ、回復継続効果がついた。

そして剣を抜くと同時にボスに向かって行き、アスナとキリトにボスのヘイトが溜まっていたので敵のクリティカルポイントをソードスキル『バーチカルスクエア』を放ち、正方形の光ラインを周囲に強く描いた。

するとボスのヘイトが俺に溜まり、こちらを向いて目を赤く光らせて、真紅に輝く光線を放ってきた。

 

「危ないっ!!」

 

キリトの叫ぶ声が聞こえたが、光線の当たる範囲の真ん中に立ち、防御ソードスキル『スピニングシールド』で光線の軌道を天井に曲げた。

 

「っ!」

 

すぐにボスは連続パンチを何発か打ち込んできたが、ボスの一撃目の腕を避けて登り、懐に入ってからソードスキル『サベージフルクラム』を発動させ、ボスの横から心臓まで斬り込み、奥に押し込みながら刀身を回転させ真上に引き抜いた。

 

[キュアアアアアアアアアアアアア!!!]

 

断末魔のような音を立ててボスのHPバーが3本目の赤色まで減った。

するとボスの背後からキリトとアスナが自らの剣を青と緑に輝かせ、ボスの背中を深く斬りつけ、HPバーが残り2本となった。

そして、振り向こうとするボスに横から赤い甲冑に身を包んだプレイヤーが剣を赤色に発光させてボスの腹を斬り裂いた。

すると

 

「ボスのHPバーは後2本だ!!

このまま押し込む!!」

 

『おうっ!!!』

 

ボスの腹を斬り裂いたプレイヤーがそう言うと、他のプレイヤー全員がやる気が出てきたように返事をした。

そして少し経つとボスのHPバーはラスト1本になった。

すると

 

[ゴオオオオオオオオオン!!!]

 

その咆哮とともにボスの身体が赤くなっていった。

するとボスが地面を殴ると

 

「っ!?」

 

ボスの近くにいたプレイヤー達はスタンをくらってしまった。

これは、第二層にいた牛男の『ナミング』に似ていた。

これを見てすぐに前に出て

 

「そこのアンタとアスナはボスの攻撃を弾いてくれ!!

来いキリト!!」

 

「「「ああ(うん)!!」」」

 

走っている隣にキリトが来て、アスナと赤色の甲冑を着た男がこちらに向かって放つボスの連続攻撃を防いだ。

そして俺はキリトに、覚えているか?と聞き、ああ!と返ってきたので

 

「「せーの!」」

 

言うと同時に

ダンッ!!

勢いよく飛び、剣をオレンジ色に発光させ、体術とソードスキルを合わせた最大7回攻撃の『メテオブレイク』を撃ち込んだ。

ボスの心臓部分を2人で集中的に狙い、互いのソードスキルと体術が互いをかすめ傷つけHPを減少させていたが、ボスのHPバーは瞬く間に黄色、赤色になっていき、最後の攻撃水平斬りをクリティカルポイントの心臓に撃ち込んだ。

そして

 

[ボォォォォォォォォ……!!!]

 

最後の雄叫びを上げ、着地すると同時にボスは部屋全体に澄み渡る結晶のかけらとなり、消えていった。

そして空中に白く光る文字で『Congratulations』と表示された。

 

『よっしゃーーーー!!!!』

 

「はぁ……はぁ……」

 

疲れているキリトに対し

 

「おつかれ、キリト」

 

「陽菜こそ、お疲れ様。

急に出てきてビックリしたけどな」

 

「まぁ、色々あって戻ってこれたんだよ」

 

「そうか、ならこれからもよろしく頼むよ」

 

「ああ」

 

そう言って握手をし、ボスの戦利品を見ていると

 

「「おお!!」」

 

そこには左に剣のマークがあるボスのLAだった。

そして

 

「久しぶりだな、ラストアタックボーナス」

 

「じゃあ、早速装備してみるか」

 

「そうだな」

 

そう言ってウィンドウを操作してアイテム装備を押すと

 

「ん?ん?」

 

「あ、あれ、反応しないぞ…」

 

キリトの方も反応しなかったらしい。

そして、剣の詳細を見てみると

 

「「な、何ぃ!!?」」

 

そこに書いてあったのは

 

装備可能片手剣スキル熟練度 950

 

………えっ

 

「な、なぁキリト」

 

「ど、どうしたんだ?」

 

「これ…なんて書いてある?」

 

「…えっと片手剣スキル熟練度が950ないと装備……不可能」

 

「……」

 

「………」

 

「「今片手剣スキル熟練度いくつ?」」

 

「俺は今、897」

 

「俺の方は892」

 

「「………」」

 

「「今から上げてくる!!」」

 

そう言って急いで51層に登ろうとすると

 

「「待ちなさい」」

 

「「うっ…!」」

 

ギクリとしながら、キリトと後ろを恐る恐る振り返ってみると、そこには友希那とアスナが立っていた。

 

「如月?そんなに急いでどうしたの?」

 

「お、俺は用事が……」

 

「キリト君、どこに行くつもり?」

 

「い、いやぁ…俺もちょっと用事が……」

 

「今解放されたばかりなのに…用事?」

 

「どうしてフレンドをブロックしていたのかしら?」

 

「「うっ…!いや、これはだな……」」

 

「「問答無用」」

 

そして、5分ほど正座させられ説教を受けた。

すると

 

「確かに2人はソロプレイヤーだけど…陽菜君?」

 

「は、はい…」

 

「友希那ちゃんがこんなに寂しがってるのにどうして側にいて上げないの!!」

 

「!そんな事は…」

 

友希那が何か言いかけるとそれを遮り

 

「いいえ!あります!

友希那ちゃんたまに夜空を見上げて考え事してるでしょっ!

大体久しぶりに会えたのに、どうして真っ先に思い浮かぶ事が片手剣スキル熟練度を上げる事なのよ!」

 

グサッ!

 

「陽菜君はどれだけ鈍感なの!?」

 

グサッ!

 

「全く、本当にキリト君そっくり!」

 

グサッ!!!

 

「…おい陽菜、お前今グサッときたろ。

顔に出てるぞ」

 

「いやいや、ソンナコト」

 

すると

 

「ふーたーりーとーもー?」

 

「「ヒッ…!」」

 

「人の話は最後まで聞きなさい!!」

 

「「す、すみませんでした!!」」

 

そしてまた、説教が始まった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

説教が終わり、みんなの所に戻ると

 

「あっ……陽菜さん…!……良かった……」

 

「陽兄ぃっ!!」

 

あこが飛びついてきた。

 

「ありがとう燐子。

あこは相変わらず元気だな」

 

すると

 

「如月さん、久しぶりですね」

 

「紗夜、久しぶりだな。

ゲームの中とは言え、ギター上手くなってたぞ」

 

「そうですか、ありがとうございます。

如月さんも前より段違いに強くなりましたね」

 

「まぁな」

 

そんな懐かしい会話をしていると

 

「ちょっといいかな?」

 

振り返ってみるとそこには赤色の騎士が立っていた。

そして

 

「俺…?」

 

「ああ、陽菜君、だったかな?

彼女達の言ってた通り、凄まじい強さだったよ」

 

「はぁ…」

 

「それはそうとして……どうかな?

彼女達と一緒に私のギルドに入ってみないか?

君の強さなら、これからのボス戦もぜひ来てくれ」

 

「お誘いは嬉しいけど、俺はギルドには入らないって決めてるんだ。それとボス戦はしばらく休むよ。

もうこの子達を置いて行く訳には行かないからな」

 

さっき置いて行こうとしたけどな……はは

そう思いながらあこの頭を撫でた。

すると

 

「そうか…では、最前線は私たちに任せたまえ。

君が来る事を待っているよ。

では」

 

そう言ってどこかに行ってしまった。

すると

 

「陽菜、おかえり♪」

 

「ただいま、みんな」

 

そして、いつも行ってた第二層のカフェへ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第二層 カフェ店内

もう真夜中で閉店前だったが、ひまりが、わたし達も加えてくれるならいい、と言って入れてくれた。

そして

 

「へぇ…そんな事があったんだ」

 

「陽菜も大変だなぁ…」

 

巴にそう言われ

 

「そうなんだよ、本当に大変だった。

約1年も演奏が聴けないのがあんなに辛いとは思わなかった…」

 

するとモカが

 

「そういえば陽菜さんって〜、今のレベルっていくつぐらい何ですか〜?」

 

「あっ!それアタシも気になった!

ねぇ、陽菜っていくつなの?」

 

モカはなんでそんな事を…

てか、リサのただ年齢を聞いただけに聞こえる。

そんな考えをやめ

 

「えっとな……さっきボス倒したから81だ」

 

「おお〜じゃあ、また今度陽菜さんに何かお願いしよ〜っと」

 

「今度な今度、俺にも休日は必要だからな」

 

「ていうか陽菜、ま〜た1人で迷宮区に潜ってたね?」

 

「あ、ああ。

でも、おかげでボス倒せたし、ラストアタックボーナスもゲット出来たし、武器の心配はしなくて済んだな」

 

「そういえば、ボスのLAってなんだったの?」

 

「えっとな…」

 

慣れた手つきでウィンドウを開き、黒く重い剣を出現させた。

みんなから、おおっ!と聞こえた。

そして

 

「『エリュシデータ』…魔剣クラスに入るらしいんだけど…」

 

「だけど?」

 

「片手剣スキル熟練度が950ないと装備不可なんだ」

 

「950って…ほぼMAXじゃんっ!

出来るの?」

 

「まぁ、頑張れば無理ではない。

でも、今はもうちょっと休みたいから」

 

「そっか……でも、嬉しいなっ♪陽菜がそう言ってくれるなんて」

 

「?」

 

「ほら、前の陽菜だったら、黙って勝手に1人で先に行って休まないからさ☆

陽菜が自分から休みたいって言うのが、つい嬉しくって」

 

「や、やめてくれ…」

 

すると

 

「確かに〜、陽菜さんがこうやってくつろいでる姿ってあんまり見た事ないかも〜」

 

「いや、あるだろ!」

 

そう言うと蘭が少し笑いながら

 

「ないよ、ていうか、陽菜さんが休まないって言うのが簡単に想像出来る」

 

「いや、それこそ…」

 

待てよ、思い返してみたら結構……

しかし、そんな考えをやめて

 

「…やっぱり何でもない」

 

そしてしばらく話をしてから、外に出ると

 

「…っ!……陽菜……くん?」

 

そこにいたのは

 

「彩、それにみんなも?」

 

「やっぱり!!」

 

物凄い勢いで飛びついてきた。

 

………………

 

日菜が

 

「ちょっ!苦しい!苦しいから!」

 

そう言っても日菜が力を抜く事はなく更に締め付け

 

「陽菜くんっ!!」

 

「いや…耳元で……叫ばれても…まっ…て……く、びが……しまって………る……か、ら…」

 

すると

 

「陽菜くんっ!!」

 

「っ……彩、も………ちょっとは………気づ…いて……くれ……」

 

2人の腕が首をキメかけている事に気づいてくれ

意識が飛びかけた瞬間

 

「ちょっと日菜ちゃん、彩ちゃん、陽菜が苦しそうにしているわよ」

 

「「あっ!」」

 

ギリギリの所で離してもらい。

 

「はぁ…はぁ…し、死ぬかと思った」

 

「でも、良かった、陽菜くんが生きてて本当に…」

 

その質問に息を整えてから

 

「ごめんな彩、心配かけて。

それと千聖、あの時気づいてくれて助かった」

 

すると千聖は

 

「ふふ、陽菜はもう少し演技力を上げたほうがいいわね。

アレじゃ三流とも呼べないわよ」

 

「そ、そうか。

でも、あの時みんなを連れて行ってくれて本当に助かったよ」

 

「そう」

 

「ていうか…もう夜も遅いから早く帰って寝よう。

迷宮区突破しながらボスに挑んだから、眠い疲れた」

 

「うんっ!それじゃあみんなで一緒の宿に泊まろっ♪」

 

するとイブが

 

「おおっ!イイですねリサさん!」

 

とりあえず俺はゆっくり眠れそうだ。

そう思い

 

「じゃあ、せっかくだし第51層の新しい宿に行くか」

 

『うんっ!』

 

そして向かって行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

普通は朝の日差しかアラームで起きるのだろう。

だが、どうして今日に限って…

 

「陽菜さん……あの……起きて……ください…!」

 

燐子の小さな力で一定の間隔で揺らされ

 

「ハルナさん!早く起きてください!もう12時過ぎてますよ!」

 

イブに何回か強く叩かれて

 

「……眠い」

 

そう言うとイブが

 

「リンコさん!今こそアレを!」

 

「うぅ……」

 

すると燐子が赤面にしながら

 

「……は、はは、陽菜さん……だ、抱きついて……あげますから……」

 

抱きつこうとする燐子を手で止め

 

「ちょ!ちょっと待て!誰にそんな事を教わった」

 

「え、えっと……モカちゃんから……教わりました……」

 

「…燐子、それはすぐに忘れろ」

 

「…はい…」

 

そして起きた後に扉を開けると

 

「あ〜、陽菜さん、起きたんで」

 

無言で近づきモカの頭に何回かチョップをくらわせた。

 

「あうっ…あうっ…あうっ…!」

 

「モカ、あんな事を燐子に教えるな」

 

「ひどいな〜モカちゃんはただ囁いただけなのに〜」

 

「それは小悪魔の囁きと言う。

……それで、そこまでして俺を起こした理由は?」

 

するとイブが

 

「それは今から、みんなで一緒にアフロの皆さんのレベリングをする為です!」

 

「やっぱり寝るわ」

 

「ま、待ってください……!陽菜さんがいないと……何かあった時……わたし達だけで対処できないかも……知れないので…」

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後、第10層で1時間ほどレベリングをして蘭達のレベルが50になった所で終わり、いつものカフェに行くと

 

「モカちゃんはもうヘトヘトだよ〜」

 

そう言いながらモカはテーブルにうつ伏せになった。

 

「うん…あたしも」

 

「あはは☆やっぱり陽菜のレベリング、もうちょっと気をつけた方がいいよ〜?」

 

「ま、まぁ、俺は片手剣スキル熟練度931まで上がったからいいか」

 

そう言いながら紅茶を一口飲んでコップを置いた。

そこで

 

「…ていうか、931ならもうちょい上げに行っても」

 

「ダメよ」

 

友希那に止められた。

 

「えぇ…じゃあ第三層に行こうかな」

 

「どうしてそうなるのよ…」

 

「唐突だけど、あそこって景色がかなり綺麗だから、もう一回行きたいなぁって…」

 

すると蘭達が

 

「そういえば、あたし達って第三層から上に行った事なかったよね」

 

「確かにっ!陽菜さん、第三層ってどんな所ですか?」

 

ひまりが興味津々に身体をテーブルに乗せて聞いてきた。

 

「お、落ち着けひまり。

第三層の主街区はでっかい木の中で、その中に宿があって、そこから見る森の景色が綺麗なんだ」

 

そう言うと

 

「よしっ!じゃあ今からみんなで行こう!」

 

「じゃあ、行くか」

 

『ええ!?』

 

「「早くしないと置いてくぞ(よ)!」」

 

そして第三層に行くため転移門に向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

転移門前

 

「全員いるよな」

 

「あたし達は小学生じゃないんだから…」

 

蘭にそう言われ

それもそうだな

なんて思っていると

 

「「いやっほー!!!」」

 

「えっ?」

 

背後から声が聞こえたが後ろを振り返る余裕もなく、転移門から何か飛んできた。

そして

 

「うぐっ!!?」

 

そのまま前に押し倒され、地面の石畳と誰か知らない2人に挟まれた。

すると、どこからか聞いたような声が聞こえた。

 

「ちょ、こころ!戸山さん!踏んでる踏んでる!!」

 

「あら?これは…陽菜じゃないっ!どうしたの?そんな所で寝そべって…。

もしかして地面で寝る事ってそんなに気持ちいいのかしら!

ねぇ香澄、私達もやってみましょう!」

 

「いいね!」

 

「よくねぇーよ!」

 

有咲のツッコミが飛んだ。

 

「お前らな、転移した後はすぐに飛び出すなっていつも言ってんだろ!

大体、お前らいつまで陽菜を踏んでるつもりだ!!」

 

「あっ!ごめん陽菜!」

 

「あら、ごめんなさい。

でも、こんな所でみんなに会うなんてラッキーだわ!」

 

そう言ってやっとどいてくれた。

そして立ち上がり、コートをはたきながら

 

「…なんか朝からついてないな。

とりあえず、こころ達は何を?」

 

するとこころが何か閃いたように

 

「そうだわっ!陽菜達に手伝ってもらいましょう!」

 

「手伝う、って何を?」

 

俺が聞こうと思ったが蘭が聞いて

 

「あなた達に、第三層のダンジョンをクリアするの手伝って欲しいの!」

 

普通に予想外だ…。

すると美咲が

 

「こころ、ちゃんと目的言わないと何もわからないから…!」

 

「それもそうね!私達の目的はそこの宝箱を開けたいの!」

 

「宝箱って?」

 

そう聞くとたえと有咲が

 

「第三層のダンジョン奥にね、スッゴイ光ってる宝箱があるの」

 

「それを開けようとして宝箱に近づこうとしたら、なんか木の敵がうじゃうじゃ出てきて、取れないんだよ」

 

状況はわかったけど……

 

「10人もいて取れないのか?」

 

すると香澄が

 

「うん!だから手伝ってください!お願いします!」

 

手を合わせてお辞儀する香澄を見て

 

「まぁ…いいか」

 

そう呟くと

 

「如月、身体は大丈夫?」

 

友希那が心配そうに聞いてきた。

 

「…大丈夫だ。

俺はただ歩くだけだから、何もしない」

 

「歩くだけ…って陽菜さん、剣くらいは抜いた方が…」

 

「第三層だから蘭達もHPは減らないと思う。

それに減ったとしても1くらいだろ」

 

「ハルナさん!ユダンタイテキです!」

 

「う〜ん……じゃあこうしよう。

まず、ダンジョンに行ってレベル的にも問題がなさそうだったら俺は前線をみんなに任せて手を出さない。

もし予想外の事が起きたら、俺は手を出す。

それでいいか?」

 

そう言うと

 

「…まぁ、如月がそう言うなら…。

私はいいわよ」

 

ありがとう友希那

心の中でそう思ってから

 

「じゃあ、みんなはそれでいいか?」

 

『うん!』

 

「…それじゃ行くか」

 

そう言って第三層のダンジョンに向かった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第三層 ダンジョン第二通路

 

ここまでは問題ないけど……

そう思っていると

 

「陽ちゃん!危ない!」

 

「ん?」

 

はぐみの声に反応して見てみるとトレントの攻撃をくらってしまい、HPバーを見たが何も問題はなかった。

そして、なおトレントの攻撃を受けながら

 

「おーい!コイツら弱いから簡単に倒せるぞー!」

 

そう言うと

 

「ちょ、陽菜さん攻撃されてるされてる!」

 

「いや、全然平気なんだよ」

 

すると有咲とイブが

 

「いやいや!見てるこっちがおかしくなるから!」

 

「早く倒しちゃってくださいハルナさん!」

 

面白いのに……

そう思いながら、未だに攻撃してくるトレントに向かって『体術スキル』の基本『閃打』をトレントの急所に撃ち込むと一瞬でトレントのHPバーは消し飛んだ。

 

「!すげぇ…!」

 

「一瞬…だったね」

 

「ハルナさん!今のどうやったんですか?」

 

「それは奥に進みながら説明するか」

 

そして、ダンジョン奥地

 

やはり、何も問題はなかった。

すると

 

「陽菜さんあったよ、宝箱」

 

蘭にそう言われて前を見ると、そこには金色に輝く宝箱があった。

 

「確かに光ってる。

…入ってみるか」

 

そう言って中に入ろうとすると

 

「!」

 

木のモンスター、トレントが複数出てきた。

 

「うわっ!出やがった!」

 

「陽菜さん、コイツらです。

やっちゃいましょう」

 

「おたえのキャラはどこに行ったよ…」

 

そう言ってから最初に中に入るとボスの雄叫びかと思うほどの警報が鳴り響き、後ろにいたみんなとの間に檻が出現した。

 

「あっ」

 

これトラップか…

そう理解した瞬間に目の前にいたトレントが全て光の粒子となって消え、新たに苔の生えたゴーレムがホップした。

すると後ろから

 

「陽菜さん!早く転移結晶を!」

 

そう言われてポーチから転移結晶取り出して使おうとすると

 

「…ダメだ使えない。

多分、クリスタル無効化エリアだろうな。

本当に今日はついてない…」

 

「ちょっ!落ち込んでる場合っすか!?

早く逃げてください!」

 

「逃げろって言われてもなぁ…ほら、檻がついてるんじゃ逃げれない」

 

そう言って檻を掴んだ。

すると

 

「ゴオオオ!!」

 

ゴーレムは声を上げて攻撃してきたのでそれを避けると檻にあたり、ゴーレムの腕は跳ね返った。

そしてゴーレムのレベルを見てみるとレベルはなんと60だった。

それを友希那達も見たようで

 

「如月、無理はしないで」

 

そう友希那に呼ばれて少し聞きそうになったが

 

「…ごめん友希那、ちょっとだけ無理するけど許してくれ」

 

そう言って最大強化された『クイーンズナイトソード』を手に取り、『レイジスパイク』が最大速度が出るように身体にひねりを入れ、奥まで一気に斬り駆け抜けた。

5体ほど倒したが、片手剣スキル熟練度は1ほどしか上がらなかった。

やっぱりソードスキルじゃダメだな…

そう思い、ソードスキル無しで敵を倒していると、ゴーレムの数がかなり減って、残り2体となった。

すると2体の動きが止まって、地面に吸い込まれるように消えていき、しばらくすると何か出てきた。

 

「えっ…」

 

そして、出てきたのは光沢があり体長は3メートルほどでレベル79のゴーレムだった。

 

「こ、コイツはちょっと面倒かな?」

 

そう言った瞬間にゴーレムのパンチが飛んできた。

速いし、重そうな一撃だな…

そう思っていると

 

「うわっ!!?」

 

敵の第二撃目をモロに受けてしまい、後ろに飛ばされて檻に衝突した。

 

「…地味に面倒だな。

どうするか………あっ」

 

そこである事を思い出し、見ていると

 

「陽菜!前見て前!」

 

そして前を向くとゴーレムが近づいて来ていた。

だが

 

「よしっ!やーっと終わったぁ…。

これ終わったら帰るか」

 

そう呟き、ウィンドウを操作した。

 

「は、陽菜?何してるの?もう敵すぐそこだよっ!」

 

「大丈夫だよ。

『コイツ』を装備すれば」

 

そう言って第9層ボスから愛用して使い続けていた『クイーンズナイトソード』をしまい、新たに黒い刀身で光沢がある剣を装備した。

 

「頼んだぞ『エリュシデータ』」

 

剣にそう呟いてから、一歩進んで二歩でゴーレムの懐まで一瞬で距離を詰め、斬り上げてから後ろに回り込みソードスキル『ホリゾンタルスクエア』で四肢を斬り周囲に青色に光るの正方形を描いた。

最後に剣を黄色に輝かせ、放つと同時にジェットエンジンのような音を立てて、ゴーレムの身体を貫いた。

そして、ゴーレムが結晶のかけらとなった瞬間に檻が開き、剣を直すと

 

「ハルナさんっ!」

 

「イブ!急に抱きつくのやめてくれっ!」

 

「陽菜すごーい!あんなの倒しちゃうなんて!

敵のHP見えなかったのに!」

 

「それは多分、敵のレベルが高すぎて見えなかったんだろうな。

……それはそうとして、なんで第三層にあんなゴーレムが…」

 

後でアルゴに注意喚起しといてもらうか。

そんな考えを

 

「ああっ!宝箱を開けに来たんだった!」

 

「そうねっ!私達は宝箱を開けるために来たのよ!」

 

香澄とこころの会話で中断された。

そして、香澄とこころが開けに行くと

 

『わあっ!!』

 

そんな声が聞こえて中身が気になり

 

「何があったんだ?」

 

そう聞くと

 

「これ見て!」

 

そう言って香澄に見せつけられたのは

 

「指輪?」

 

すると

 

「わぁー…綺麗…!」

 

「これって、何の宝石なんだ?」

 

巴がそう言い、俺も考えてみたが、全くわからなかった。

 

「うーん…ダイヤモンドにしてはやけに透明感がない気が…」

 

「でも…他の宝石とも違うような感じですよね…」

 

『う〜ん…』

 

全員が悩んでいると

 

「あっ!そんなに悩まなくても詳細を見ればわかるじゃんっ♪」

 

「確かに」

 

「じゃあ早速見てみようよ」

 

蘭がそう言い、詳細ボタンを押すと

 

『ジュエリーボックスの指輪』

 

とだけ書かれていた。

それを見て

 

「ん?なんか効果付きとかじゃないのか?」

 

そう言うと

 

『はぁ〜』

 

一部に批判を受けた。

するとつぐみやイブ達に

 

「もー!陽菜さんってば、いつもそういう事ばかり!」

 

「全くです!ハルナさんは乙女心という物をわかっていません!」

 

「はは、陽菜はまだまだ、だね。

この指輪はこんなに儚いというのに」

 

「あはは、陽菜さんって、本当にそういうのは弱いですよね〜」

 

「陽菜〜?今のはダメだよ?」

 

……確かに、効果付きを最初から期待してるなんてのはダメだな。

 

「……すみません」

 

そう言うと

 

「ふっふーん、わかればよろしい」

 

「なんで、得意げなの?」

 

モカと蘭のやり取りを見ていると

 

「それじゃあ!陽菜にこの指輪をプレゼントするわ!」

 

こころの考えがわからず

 

「欲しかったんじゃないのか?」

 

「私はこの宝箱の中身が気になっただけよ!

それに今回1番頑張ってくれたのは陽菜だから、これをプレゼントするわ!」

 

そう言って指輪を手のひらに置かれた。

 

「あ、ありがとう…」

 

そう言うと

 

「そうだっ!この指輪、私が陽菜につけましょうっ!」

 

『ええ!?』

 

「気持ちだけで結構です」

 

「そう?それは残念ね。

でも、まぁいいわ!みんなで大きな木の中に泊まりに行きましょう!」

 

「おおー!」

 

香澄が返事をして、そのまま第三層の主街区に向かった。




お気に入りを見た時の反応はすごいよ…
反応→アババババババババババババ!?
さてやりまっせ

黒夜様 関飛様
taihou01様 黒野舞亜様 lunar913様
夜刀神超燃え萌え隊様 テスアクエリポカ様 岬サナ様
ヒロキチ様 ブラジロ様 月季様
ー咲良様 勇気ブレイブ様 メルヘム@様
田中さん様 貧弱様 ユダキ様
天駆けるほっしー様 たうそ きさまや様 プリン大福様

ついに…ついに…
20人突破しましたー!!
ありがとうございます!
それと今後のお気に入り表示は上の2名以外、書かない事とします。
実は、最初は10人でくぎろうと思ってたのですが、やっぱり期間が短い気がしたので、20人に伸ばしました。
本当に勝手ですが、ご了承の程よろしくお願いします。

では、また後編で


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 再開 後編

今回、全くと言っていいほど、戦闘シーンがありません。
お願いします!許してください!




第三層 主街区

 

辺りを見渡すともう夜になっており、そこには松明の明かりだけで照らされる木が見えた。

 

「わぁー!!本当に木の中だー!」

 

「あこー!あんまりはしゃぎすぎるなよ!」

 

「わかってるよ陽兄ぃ!」

 

そう言って宿に続く階段を走って登って行った。

 

「大丈夫かあれ…」

 

すると

 

「あ、あの陽菜くん……」

 

振り向くと花音に袖を引っ張られてた。

 

「?どうした?」

 

「ま、周りの人の目が怖いです……」

 

花音に言われて周りを見ると

 

「お、おい…アレってRoseliaとPastel*Palettesじゃねぇか?」

 

「し、しかもハロハピとアフロ、それにポピパもいるぞ!?」

 

「スゲェ…5バンド揃ってんじゃねぇか!」

 

「それより、あの男誰だよ…」

 

「確かに…なんであの5バンド集団に男がいるんだ」

 

「な、なぁ…あの男さっき、あこちゃんに『陽兄ぃ』って呼ばれてなかったか?」

 

「えっ!?あこちゃんってお姉さんだけじゃないのか!?」

 

「もしかしたら、兄はいるけど兄が目立ってないだけなんじゃ…」

 

「あー、なるほど…誰か……話しかけてみるか…?」

 

こんな話し声が聞こえてきた。

めんどくさくなりそうなので、ウィンドウを操作してローブを装備した。

すると

 

「陽菜?それは何?」

 

千聖が聞いてきたので

 

「俺のローブで悪いけど、しばらく隠れやすくなる」

 

そう言って花音に被せてから

 

「てことで、俺は先に行」

 

行こうとすると

 

「あ、あの!!」

 

突然声をかけられ、見ると

 

「あの!陽兄ぃさん!!」

 

周りがさっき話していた中の1人だろう、てか誰だよ陽兄ぃさん…

すると周りから

 

おお!勇者だ!勇者がいるぞ!

 

英雄だ!

 

などの声が聞こえ、たたえられていた。

すると

 

「あの!友希那さんを僕にください!!」

 

するとその勇者の周りから

 

「この裏切り者ー!!」

 

「抜け駆けかー!!」

 

「この野郎!俺も!俺に友希那さんをください!!」

 

「違う!そいつに渡すんじゃない!僕に友希那さんをください!!」

 

「僕は千聖さんを!アイドルって知ってるけど、千聖さんをください!!」

 

「俺も彩ちゃんをください!!」

 

「オレもたえさんをください!!」

 

「えっ!?お前らが頼むなら俺に紗綾をください!!」

 

「さいかわの燐子ちゃんをください!」

 

「いや、さいかわはつぐみちゃんだ!って事でつぐみちゃんをください!!」

 

「花音ちゃんをください!!」

 

「え、えーっと、こころちゃんをください!!」

 

などの声が聞こえてきた。

多分全員の名前が呼ばれただろう。

すると

 

「これは…収集がつかなさそうね…」

 

「ど、どど、どうしよう!」

 

「わ、わたし……もう宿に…」

 

そんな話をしていると

 

『うおおおおおお!!』

 

そんな声とともにさっき話していたプレイヤー達が一斉に走ってきた。

すると

 

「に、逃げないと!」

 

「宿に入ろう!」

 

そう言われたが、プレイヤー達がイノシシのように突進してきそうで、どうにも入れそうになかった。

 

「……めんどくさいなぁ…」

 

「は、陽菜さん!?何してるんすか!?」

 

「ちょっ!陽菜!?剣抜いてどうする気!?」

 

「もういい!めんどくさい!斬る!」

 

そう口走って近づいてきた集団をソードスキル『ホリゾンタル』で一斉に吹き飛ばした。

圏内だから大丈夫だけど……思ったより吹き飛んだな

そう思っていると

 

「くっ……陽兄ぃ…さん!もう一度言います!

友希那さんを…僕にください!!」

 

「え、ダメ」

 

「!どうしてですか!?レベルが低いからですか!?だったら僕」

 

何か言おうとしていたがそれを遮り

 

「違う。

そもそも全員が最初から直接本人にそれを言ってない所からダメだろ」

 

『!!』

 

この反応、めんどくさいな…

そう思って話を続けた。

 

「とりあえず全員、自分から告白できるようになるまで……」

 

ダメだ、セリフを考えてなかった

そう思い

 

「まぁ…頑張れ」

 

『陽兄ぃさん!!』

 

「もう帰れお前ら!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後

大部屋の中では

 

「にしてもさっきのすごかったな、なぁ蘭」

 

「うん、陽菜さん本気で止めてたもんね」

 

「あはは☆ホント、陽菜ってばよくあんな事言ったよね〜♪」

 

笑いに満ちていた。

 

「どんだけ笑ってんだよ…」

 

「でも陽菜?わかってるよね?」

 

「えっ?」

 

何の事かわからずにいると

 

「えっ?じゃないよ〜。

陽菜も好きな人に告白する時は自分から言うんだよっ?」

 

「え…いや待って?なんで俺が好きな人がいる事になってんの?」

 

「陽菜いないの?」

 

「いや……小中の頃はずっと独りだったからそんな事考えた事もないな」

 

するとこころと香澄が

 

「そうなの?じゃあ高校は大丈夫ね!

だって、こんなにたくさんの友達がいるんだもの!」

 

「そーだよ陽菜!私達友達だよねっ!」

 

「そ、そうだから落ち着」

 

「やったあー!」

 

ゴンッ!!

香澄が飛びついてきて頭をぶつけた。

ふつうに痛い…

 

「本当に今日はついてないな…」

 

そう呟き起き上がると

 

「それで〜?あの指輪は誰に渡すの?」

 

「あ〜、それあたしも気になりました〜」

 

「さて、と…俺は自分の部屋に戻って休もうかな」

 

扉をみるとそこには香澄とはぐみが立ち塞がっていた。

 

「…手の早い事で…」

 

「さ〜て、陽菜は誰に渡すのかな〜?」

 

「いや待て!なんで俺に好きな人がいる前提なんだ?」

 

「いないの?」

 

「いや…だって小中の頃は」

 

「待ってそれ、無限ループだから」

 

そんな会話が続いて、しばらくすると

 

「そうだ!みんなで攻略組になろうよ!」

 

そんな香澄の突拍子もない提案に

 

「そうか、諦めてくれ」

 

「ここにいるみんなで!」

 

「うんそうか、諦めてくれ」

 

そう言ったが

 

「それは楽しそうね!香澄いい案だわ!」

 

「あたし達も…攻略組には興味あるし」

 

「私もみんなの役に立ちたい!」

 

みんなして行く気じゃねぇか…

そこで

 

「…一応、俺も攻略組だから次の階層からボス戦に参加し」

 

したいんだけど、と言おうとすると

 

「ダメよ」

 

友希那に止められた。

 

「あのー…友希那さん?最近俺が言う事ほとんど拒否してませんか?」

 

「…そんな事ないわよ。

それより、今のあなたのレベルなら後25階層ほど先はギリギリ間に合うでしょう。

それにまず最初はみんなのレベルを上げないといけないわ」

 

「いやでも」

 

「あなたはみんなが攻略組になるのが嫌なの?」

 

友希那がそう言うと

 

「陽菜さん…」

 

「ハルナさん…」

 

つぐみとイブの目が『嫌なんですか?』と訴えかけていた。

 

「…はぁ……攻略組になるのはいいけど、絶対に危険な事はしないでくれ」

 

『はーい!』

 

もはや子供の遠足

なんて思っていると

 

「じゃあ出発は明日の朝にしましょう」

 

「そうしよ〜それにモカちゃんはもう眠たいよ〜」

 

「うん☆もう夜も遅いし、みんな寝ようか♪」

 

「ええ!陽菜もみんなと一緒に寝ましょう!」

 

「アホか、俺は自分の部屋に戻るよ。

じゃあな」

 

そう言って部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……」

 

月が輝き、その光に照らされた主街区の屋上で木の柵によりかかって、ため息をついた。

すると

 

「…如月」

 

「!ど、どうした友希那、こんな所で」

 

「あなたこそ、みんなに『自分の部屋に戻る』と言っておいて、こんな所で何をしていたの?」

 

「まぁ…息抜きしに来たんだよ」

 

「…まぁ、あなたには必要な事ね。

あなたは1人で抱え込む事が多すぎるわ」

 

「はは、それを友希那が言うのか」

 

「っ……別にいいでしょう」

 

「それで?こんな時間にどうした?」

 

「少し、疲れてしまったから…」

 

「まぁ、約一年半ぶりにみんなが集まってあの集団できてるからな。

ついていける方がすごい」

 

「そうね…。

わかってるとは思うけど、如月があの子達のレベリングしてあげないと今の攻略組には追いつけないわ。

だから、頼んだわよ」

 

「う、そうだな…」

 

あの人数をレベリングはしんどいなぁ…

そう思ったが、まぁいいや、となり考えるのをやめた。

すると友希那が

 

「……ねぇ如月。

この世界で起こった事は現実世界でも起こっているのかしら…」

 

「……人の死、以外は起こってないだろう」

 

「……そう……」

 

「どうした急に」

 

「…いえ、ただこれを作った人はどうしてこんな世界を創ったのかがわからなくて」

 

「…そうだな。

でも、こんな世界だからこそ、いい事があったりするんだよ」

 

「?例えば?」

 

「……美味しいものが食べれる、とか…?」

 

「……っふふ」

 

「おぉ…珍しく笑ったな」

 

「!……別に、笑ってなんかいないわ」

 

「いやいや、今完全に笑ってたって」

 

「……」

 

「……そうやって笑えるようになったのは、友希那が変われたから、なんだろうな…」

 

「…そうね。

…変われた一因にはあ…」

 

「?あ、って?」

 

「…なんでもないわ」

 

「?」

 

「………」

 

「…………」

 

少し気になり友希那の方を見ると、友希那も柵によりかかって夜空を眺めていた。

その景色は幻想的な光景で、実に綺麗だった。

 

「…っ…」

 

言葉が出なかった。

なんと表していいのか、俺の表現力では決して表しきれないものだった。

そして、夢中になって見ていると

 

「?如月、どうかしたの?」

 

「!いや、な、なんでもない…」

 

「嘘よ、また何か隠し事?」

 

「いや……これ言ったら友希那怒りそうだから」

 

「怒るかどうかは聞いてからにするわ。

それで、何を考えてたの?」

 

「…夜空を眺めてる友希那が綺麗だったから…つい見過ぎた…」

 

「!な、何を言っているの!」

 

「ご、ごめん!そんなに長く見る気はなかったんだ!」

 

「…あなたは本当に…」

 

友希那は何か言いかけてたが、やめた。

そして

 

「と、とにかく明日からのみんなのレベリング頼んだわよ」

 

「わかった」

 

「…リサが心配してるでしょうから、もう戻るわ。

おやすみなさい」

 

「ああ、おやすみ」

 

そして友希那は戻って行き、俺は夜空を見上げ

 

「はぁ…」

 

また一つ、ため息をついた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

朝、目が覚めてすぐに起き上がり時間をみるとギリギリだった。

 

「眠いな…」

 

とりあえず用意をしてから外に出るとみんなが待っていた。

 

「陽菜くん遅ーい!」

 

日菜にそう言われ、腑抜けた声で

 

「ごめん、遅れた」

 

「それじゃあみんな揃った事だし、レベリング行こっか♪」

 

リサに言われて行こうとすると後ろから

 

「陽菜か!?」

 

どこかで聞いたような、声だった。

そして振り向くと

 

「お前…もしかしてクラインか!?」

 

そこにいたのは、悪趣味なバンダナをして仲間を引き連れたクラインだった。

 

「おお!やっぱり陽菜じゃねぇか!

おめぇこんなとこ…ろ…で、何……を……」

 

クラインの動きが止まった。

ラグかな?

と思った次の瞬間

 

「テメーこの野郎!」

 

「うわっ!?」

 

クラインはそう言うと同時に首を絞めにかかってきた。

それを両手で抑えながら

 

「ど、どうしたクライン!」

 

「なんでお前の周りにはこーんな可愛い女子しかいねぇんだよ!」

 

「それかよ!!」

 

「それ以外におめぇの首を絞める理由なんかねぇ!」

 

「お、落ち着けクライン!

そ、そうだ、この子達とはただの知り合いだから!」

 

「ただの知り合いで、こんな有名な5バンドが集まるわけねーだろ!」

 

「いや、ホント偶然だって!」

 

「そんな偶然あってたまるかーー!!!」

 

「ちょ!落ち着けーー!!」

 

すると友希那が

 

「如月、この方は?」

 

「ああ、コイツは」

 

説明しようとすると、クラインがまた一瞬硬直した後

 

「は、初めまして!わ、私、くく、クラインと申します!

23歳どくし」

 

「とりゃぁっ!!」

 

言い終わる前に腹に蹴りを入れ、後ろに飛ばした。

すると

 

「如月…何も吹っ飛ばさなくても…」

 

「!ごめん、つい反射的に…」

 

そう言うと同時にいつの間にかクラインが戻って来ていた。

 

「あの!Roseliaの湊 友希那さん…ですよね」

 

「ええ」

 

「友希那さんのサイ」

 

『リーダー…』

 

「ン…を貰おうと思いましたが、やめておきます」

 

落ち込むクラインに対して

 

「いい判断をしたなクライン。

そのまま言い続けたら普通に殴ってた」

 

「ちょいと過保護すぎやしねぇかおめぇ…」

 

「普通だ普通」

 

そう言うとみんなから

 

「いや〜……陽菜って結構過保護だよ?」

 

「うん、本当、父親みたい…」

 

「自分で気づいてないだけだよ」

 

つぐみにもそう言われ

 

「いやいや、そんな事ないって」

 

そう返すと

 

『ある』

 

「……はぁ…ていうかクラインはここで何してたんだ?」

 

するとクラインが急に真剣な表情で

 

「最近ここいらで奴らがうろついてるらしくてな。

その調査だ」

 

「…まだ何も起きてないか?」

 

「ああ、今んとこはな。

でも、必ず動き出すから、陽菜も気をつけろよ」

 

「ああ」

 

「そこのお嬢さん方もな!」

 

「待て、この子達は何も知らないんだよ」

 

「おめぇ何も教えてねぇのか!?」

 

「話す機会がなかった…後で話しておく」

 

「ならいいけどよぉ…」

 

そんな会話をしていると

 

「陽兄ぃ!早く早くー!」

 

元気なあこの声が聞こえて、わかった!と返事すると

 

「てンめぇ……」

 

「はは……じゃあな。

クラインも気をつけろよ」

 

「おう!またな陽菜!」

 

「ああ」

 

そして、みんなの所に行き旅に出た。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

転移門に向かっている最中

 

「それで、さっき話してた『奴ら』って誰の事ですか?」

 

蘭に聞かれて

 

「…まぁ、いいか」

 

そう呟いてから

 

「それを説明する前に、みんな、この世界には人を好んで殺す輩がいる」

 

『!!』

 

この子達はまだ何も知らない。

だから、教えて、現実を受け入れてもらわないといけない。

 

「今から話すのはそれを前提にした話だ。

念のために聞かせておく」

 

『……』

 

「『奴ら』ってのは『ラフィンコフィン』って呼ばれてる人殺しが集まる殺人ギルドだ。

笑う棺桶のマークをつけているのは『ラフィンコフィン』の証だ」

 

「!待って陽菜。

ギルドって事は…そういう人達が集まって作った、って事…?」

 

「そうだ。

アイツらが狙うのは自分達よりレベルが低い人達、つまり下の階層に止まってる人は格好の餌だ。

そして、最近奴らがうろついてるのがこの下の階層なんだ」

 

「っ!どうして…その人達は……そんな事を……」

 

怯えた様子でいる燐子の質問に

 

「…俺も一度だけラフコフの1人と出会った事がある。

俺も燐子と一緒で気になったから、そいつに聞いたんだ。

そしたら『楽しいから』」

 

「!!」

 

「ただそう返ってきたよ……」

 

「じゃあ……その人のカーソルは……」

 

「ああ、黒になってた。

あれはもう戻らない、例え、戻れたとしてもあいつは戻る気はないだろう」

 

「……」

 

「まぁ、心配する必要はない」

 

「?陽菜くん、どうして心配する必要ないの?」

 

「彩もそうだけど、みんなレベルが現時点で攻略組には少し劣るけど普通以上に強いからな。

香澄達とこころ達は今後レベル上げするとしても、こんなレベルが高いところを襲うのは稀なんだ」

 

「じゃあ、あたし達は狙われにくいって事?」

 

「そういう事だ。

でも、ただ狙われにくいだけだから、そこんところはしっかりな」

 

「……わかった」

 

そして転移門が見えてきた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数時間後

 

「はぁ……」

 

アルゴに戦闘レクチャーを教えてもらってから、なんとか、階層を上がりながらのレベリングをして行くうちにモンスターとの戦いに慣れたが、過度なレベリングでみんなはかなり疲労していた。

かく言う俺も25人の面倒を見るのが大変だった。

香澄とこころは「楽しそうね!」とか言う意味のわからん事を言い出してどこかに行こうとするし、花音がいつの間にかみんなと違う方向に行ってたり、と色々あった。

そんな疲労した中で

 

「………レベルはいくつになったか、各バンドで教えてくれ」

 

するとたえが

 

「隊長!ポピパは全員レベル48まで上がりました!」

 

「隊長言うな」

 

そして今度は

 

「隊長!あたし達はレベル63まで上がったよ」

 

「ひまりもか…」

 

「陽菜、私達もレベル63よ」

 

「おお、千聖が普通に答えてくれた」

 

「隊長!あたしはみんなよりも結構倒したから64だよ!」

 

「日菜のおかげで台無しだよ…」

 

「隊長さん……私達はレベル……70になりました……」

 

「燐子毒されたな?」

 

「隊長!隊長!隊長!はぐみ達はレベル50まで上がったよ!」

 

「隊長を連呼するな」

 

とりあえず全員現時点で攻略組に匹敵するけど……さすがにこの人数を前線に出すとなるとなぁ…

攻略組にはどうやって出そうか、考えていると

 

「そう言う陽坊のレベルはいくつになったんダ?」

 

「88だ」

 

「オオ、ゾロ目じゃないカ」

 

「ゾロ目だとなんかあるのか?」

 

「ないヨ」

 

「思わせぶりな事を言うな。

…とりあえず、全員攻略組くらい強いから、今の攻略組が70階層を超えた所から俺達は参加する。

それでもいいか?」

 

そう言うとリサが

 

「?どうして70階層からなの?

アタシ達が攻略組みたいに強いなら今から行った方が効率良くない?」

 

「それは無理だ」

 

「どうして?」

 

「みんなのレベルが攻略組より強くても、装備が整ってない。

25人分の装備が整うのに、大体…2ヶ月くらいだな」

 

「そ、そんなに!?」

 

「ああ。

それにしばらく休んだ方が身体的にも精神的にも良いから」

 

すると紗夜が

 

「…そうですね。

確かに2ヶ月ほどなら、今の攻略組のペースでちょうど70階層くらいにはついている事でしょう」

 

「そういう事だ。

…じゃあ、戻るか」

 

そして1ヶ月経ち、その間に装備を半分以上揃えた。

それから、1週間同じようなレベリングをした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第22層

 

「やったー!レベルアップだー!」

 

そう喜ぶ香澄がいた。

 

「ここは難度が低いからな。

確か3日くらいで攻略されてた気が…」

 

なんか可哀想だったのでこれ以上は言わない事にした。

そして、ちまちま倒しながらレベル上げをしていた俺はウィンドウでアイテムを確認しながら敵を倒していた。

すると

 

「あっ、落ちた」

 

そう思わず呟いてしまったのは、エリュシデータのレア強化素材が手に入ったからであった。

すると

 

「陽菜くん!ちょっとこっちに来て!」

 

「ちょ!日菜、どこに行くんだ!」

 

「早く早くー!」

 

そう言って日菜は俺の手を無理矢理引っ張っていった。

そして、森についた途端に日菜が止まった。

 

「?どうした日菜、こんな所まで来て」

 

「ほらあれ!」

 

そう言って日菜が森の奥を指差した。

 

「あれは……水?」

 

そう言った瞬間に思い出した。

 

「あ!そういえばここの階層には湖があったんだ!」

 

「やっぱり!あれって湖なんだよね?」

 

「まぁそうだな。

でも、モンスターはいなかった気が…」

 

あっ、しまっ

そんな思考を遮り日菜は

 

「わあ…!

お姉ちゃん達呼んでくる!」

 

「あ、おい!ちょっと待て日菜!その先は!」

 

「えっ?」

 

しかし、止めるよりも先に日菜は崖に落ちてしまった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……はぁ」

 

日菜のHPが緑になってる事を見て少し安心した。

一緒に落ちて俺がクッションになったのだろうと思い、日菜を起こした。

 

「おーい日菜…大丈夫か?」

 

「ん……あれ…ここどこ?」

 

「ここは崖の下にある大穴だ。

とりあえず登らないとダメだな」

 

「うんっ!でも、どうやって上がるの?」

 

「俺1人なら上がれるんだけどなぁ…。

……仕方ない、やってみるか」

 

「?」

 

「日菜、ちょっと失礼」

 

「え!ええ!?」

 

そして俺の肩でバタバタしている日菜を抱えて、数歩下がり

 

「よっ!!」

 

壁を走っていった。

すると

 

「あはは!楽しいー!」

 

「楽しんでる場合か!もうすぐ着くぞ!」

 

そして、そのまま脱出した。

 

『えっ!?』

 

「えっ?」

 

そこにいたのはみんなだった。

そして予測していた着地地点にいたのもみんなだった。

 

「ちょ、危な」

 

危ない!と言おうとしたが、みんなは避けた。

ので、日菜は無事に着地させたが、俺の顔を湿った土に思いっきりぶつけた。

 

「……あの……大丈夫……ですか…?」

 

「……多分な……」

 

そう言いながら、立ち上がった。

そして日菜は案の定

 

「お姉ちゃん!こっちに湖があるんだ!みんなで一緒に行こうよ!」

 

「えっ!?ちょっと日菜!」

 

「湖!楽しそうね!行ってみましょう!」

 

「あっ!待ってこころ」

 

日菜はまたしても無理矢理紗夜を引っ張っていった。

そしてみんなもそれについて行った。

すると

 

「如月、そろそろ私達のレベリングは終わりにしたらどう?」

 

「…そうだな。

友希那レベルは?」

 

「71よ」

 

「……なら、もういいか。

みんなも70は超えてるだろうからな」

 

「そう言う如月はレベルいくつになったの?」

 

「…98になった」

 

「!あなた…私達に隠れてレベリングしていたの?」

 

「……」

 

怒られる

そう思った。

しかし

 

「…あまり、無理はしないで」

 

「!…あ、ああ、わかった…」

 

「早く行きましょう、追いつけなくなるわ」

 

「ああ」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「すごーい!ねぇ、りんりん!」

 

「うん…!……水が透き通ってて……すごく…綺麗だね」

 

「でも蘭、水着ってあるの?」

 

「ないよ」

 

『う〜ん』

 

みんな悩んでいるところ悪いけど

 

「ここモンスターいないけど、中に魚がいっぱいいるから入るのはやめといた方が…」

 

そう言うとリサが

 

「でも、足をつけるくらいなら大丈夫じゃない?」

 

「まぁ…それくらいなら」

 

「やったあ☆じゃあ、早速つけて来よーっと♪」

 

「待ってリサ姉!あこ達も行く!」

 

「ま、待って…あこちゃん……!」

 

「あたし達も行こうよ蘭!」

 

「ちょ、ひまり早いって!」

 

「私達も行こっ!」

 

「うんっ!早く行こう!」

 

「!待って彩ちゃん、日菜ちゃん!」

 

「みんな楽しそうね!美咲達も一緒に行きましょう!」

 

「あ、こころ!」

 

「ま、待って…こころちゃん!」

 

「有咲〜!私達も早く行こう!」

 

「ちょ、落ち着けっ!一緒に行ってやるから!」

 

みんなはノリノリで向こうのベンチと屋根がある所に向かっていった。

 

「!…はぁ…やれやれだな…」

 

そう呟きみんなの所へ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第48層

 

それから2週間が経った。

そして、みんなが別々の行動をしていると

 

「陽菜〜☆これ見てー!」

 

武器強化をしていた俺の元へリサが扉を開けて入ってきた。

 

「どうしたんだリサ」

 

息を切らしているリサに聞くと

 

「これ!」

 

そう言って目の前にウィンドウが表示された。

そこには

 

「!73層攻略!?」

 

しまった、ゆっくりし過ぎたか。

しかし、そんな焦りもすぐになくなった。

 

「…あっ、でも全然問題ないわ。

リサのレベルって86だったよな?」

 

「うん、そうだよ?」

 

「みんなもそれくらいなら次の階層から参加してもいいだろう」

 

「!ホント!?」

 

「ホントだ」

 

「やったぁ☆じゃあ、みんなにメッセージ送るね♪」

 

「ああ」

 

するとプレイヤーの鍛冶屋に頼んでおいた剣の強化が終わったようで

 

「はいコレ、強化+40にしといたわよ」

 

そう言って剣を渡してくるのは、ピンク髪の鍛冶屋プレイヤーだった。

 

「ありがとう、それじゃあ行くか。

キリトによろしく言っとくよ」

 

「っ!よ、余計なお世話よ!」

 

「わかった」

 

そう言ってからリサと一緒に外に出た。

そして

 

「…面倒だけど、上に行くか」

 

「面倒なんて言わない!

ほーら、早く行くよっ♪」

 

そして、73層で待ち合わせになった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後 転移門前

 

「全員揃ったな。

じゃあ、早速だが次のボス戦から参加する」

 

「ついに…ですね」

 

「ああ、だからそのために今から一度迷宮区に潜る。

それで、もしボス部屋が見つかったら、その時点でマッピングは終了、そのボスに向けて準備をする」

 

「わかりました。

ですが、パーティはどうしますか?」

 

「5バンドでやりたいけど人数が多いから、その内の2つは演奏隊、3つは前線に出て戦う。

まずは…誰にしようか」

 

『えっ!?』

 

「まさか…何も決めてないの?」

 

「まぁ…勝手に決めたら怒りそうだし…」

 

「私達が演奏するわ」

 

そう言ったのは友希那だった。

 

「…みんなも1つはRoseliaでいいか?」

 

すると

 

「湊さんがやるならあたし達もやる」

 

「お〜、蘭がやる気に満ち溢れるじゃん〜」

 

「じゃあ、Roseliaとアフロが演奏隊、後の3バンドが前線に、って事で」

 

『わかった』

 

「……じゃあ行くか」

 

そして、迷宮区に向かって行った。




アバババ!の時間ですよ。

Bacon0112様 瑠璃ぃぃぃ様
黒夜様 関飛様

また新たに2人増えましたね。
ありがとうございます!

本当に今更なんですが、お気に入りしてくれている方の中に何人か小説投稿している人がいるんですよ。
なので、紹介しようと思うのですが、嫌なら感想に書いてください。
別にいいっすよ、と言う方は感想に書かなくて大丈夫です。

では次回また会おうではないか!





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 ユニークスキル

第74層 迷宮区

 

「イヴちゃんスイッチ!」

 

「はい!」

 

返事と同時にイヴの刀が薄緑に発光し、上下に素早く斬ってからリザードマンのクリティカルポイントの心臓を的確に貫き、モンスターは雄叫びを上げた後、結晶のかけらになった。

 

「やりました!」

 

「イヴちゃんすごいよ!」

 

「ありがとうございます!アヤさんのタイミングが完璧でした!」

 

あの2人は連携がよく取れてる。

彩は後ろにいるイヴの位置を確認する事もなく把握して、そのイブも確実に敵のクリティカルポイントを仕留めてる。

 

というか、いつの間にイブはエクストラスキルを手に入れたんだ?

 

そう思いながら、もう片方のコンビに目を向けた。

 

「日菜!」

 

「任せて!」

 

日菜の片手剣が青白く輝き、骸骨の騎士モンスターに正方形を鮮やかに描いたが、敵のHPが削りきれず、日菜がしゃがみ込んで硬直した所をモンスターは攻撃しようとした。

しかし、それを紗夜が緑に発光する一つの突きで、敵を結晶のかけらに変えた。

 

「お姉ちゃーん!」

 

「日菜!急に抱きつかないで、敵は後1匹いるのよ」

 

「はーい!」

 

あの2人に関しては完璧すぎる。

スイッチも言わず、意思疎通だけで互いの動きを把握してる。

 

あの姉妹だからこそできる事だな…

 

そんな事を考えていると

 

「ハルナさん後ろ!」

 

「ん?」

 

振り向いて見てみるとそこには先程のリザードマンロードとデモニッシュサーバントがポップしていた。

 

「…あっ、ちょうど試したい事もあったんだ」

 

「何をするんですか?」

 

「まぁまぁ、そこで見ててくれ」

 

そう言うと同時にリザードマンとの距離を4メートル開けた。

するとそれに反応してリザードマンは剣を後ろにし剣をオレンジに発光させて、一瞬で距離を詰めて来た。

 

しかし俺はそれを狙っていたので、手をCの形のまま前に突き出して、敵の武器を指で挟み奪い取った。

体術スキルの一つ『空輪』だ。

 

「…ソードスキル発動してる武器も取れるんだな。

じゃあ、後は頼んだ」

 

確認が終わり、武器を投げ捨ててからみんなに任せようとした。

ところが蘭とモカに

 

「頼んだ、って陽菜さん一回も戦ってないけど…」

 

「それどころか、剣すら抜いてないもんね〜」

 

「いや…戦った事あるから別に戦わなくてもいっかなぁ、って…」

 

「戦ってください」

 

「えっ、だっ」

 

「早く」

 

珍しく蘭が怖い

 

「…わかった、戦うから…」

 

そう言ってからエリュシデータを右手に持ち、先程武器を取ったリザードマンにソードスキル『シャープネイル』を放ち、硬直が起きる前に体術スキル『エンブレイザー』を心臓に撃ち込んだ。

 

[グルあっ!!]

 

その雄叫びとともに空中には獣の爪痕と結晶のかけらを残した。

残りの1匹の骸骨の騎士に目を向けるとすぐ近くに接近しており、剣は青白く輝いていた。

 

そして、1回目の斬撃を左にかわすと流れるように2回目の斬撃がきた。

それをソードスキル『ソニックリープ』で弾き、その反動で体術スキル『弦月』を敵の顔に蹴りを入れてから、一回転し着地した。

 

「…」

 

やっぱり敵の動きが俊敏になってきてるな…

多分、階層を登っていく事にそれは上がっていくんだろう

 

そんな事を考えてから、剣を青白く発光させ、斜めに敵の肩から腹部まで斬り込み、腹の中で剣の刀身を回転させそのまま斬り上げた。

そして、モンスターは結晶のかけらとなり消えていった。

すると目の前にウィンドウが表示され、レベルが91になっていた。

 

「ふぅ……全員片付いたか。

じゃあ、先に進もう」

 

そう言って歩いてからしばらく経った時

 

「!陽菜さん……あれ……!」

 

燐子にそう言われてマップから目を離し前を見ると

 

「あっ、あったなボス部屋」

 

そう呟いてからボス部屋の前まで近づくとマップにボス部屋が表示された。

そして見上げてみて

 

「やっぱり覗くか」

 

「ええ!?陽菜くん危ないし、見ない方が…」

 

「ボスの姿くらい見とかないと攻略法が見つからない。

それに覗くだけだから」

 

「それなら大丈夫だと思うけど……」

 

「まぁ、とりあえず全員転移結晶の用意をしてくれ」

 

そう言ってから扉を開けようとすると

 

「ああっ!」

 

「?どうしたあこ」

 

「転移結晶買うの忘れてた!」

 

「マジか……」

 

覗くだけ、だけどもしもの事があったら大変か…

 

「これあげるから、危なくなったらそれ使って逃げてくれ」

 

「えっ?でも、陽兄ぃの分が…」

 

「大丈夫だって、見るだけだから」

 

「本当?」

 

心配そうに見てくるあこに

 

「本当だから、そんな心配しなくてもいい」

 

「わかった…ありがとう陽兄ぃ!」

 

「ああ」

 

そう短く返した後、灰色で不気味な彫刻が施された大扉に手を添えて、ほんの少し力を入れた。

すると重々しい大扉はギギギと音を立てて開いていき、真っ暗闇の部屋を見つめている中、完全に開いた音でズシンという衝撃とともに止まった。

しかし

 

「何も見えないな…」

 

そう言って奥に進んでいった。

すると

ボボボボ…という連続音を鳴らして真っ暗だった部屋の中が青白い炎によって照らされてよく見えた。

そして、その部屋のボスも

 

「なっ…!?」

 

目の前にそびえ立ち見えたのは、青い眼、青い肌、山羊の頭、筋肉に包まれた体格、これはまるで

 

「…悪魔…」

 

誰かそう呟き、後ろを振り返ると燐子が中に入ってきていた。

 

しまった、外で待っておくように言うのを忘れてた!

 

「!燐子!中に入ってくるな!」

 

しかし、俺が中に入った時点で俺はボスにタゲをとられていた。

その事に気づいてすぐに前を見たがもう遅く、ボスの大剣、斬馬刀が振られていた。

 

「っ!?」

 

ギリギリの所で剣で受け止めたが、ボスの筋力だけでそのままボス部屋の外まで吹き飛ばされて、地に身体を何回かぶつけながらそのまま寝そべってしまった。

HPバーを見ると2割ほど減っていた。

 

「っ……」

 

ゆっくりと身体を起こし、剣を拾って鞘に納めた。

すると

 

「陽菜さん……!……大丈夫ですか…?」

 

ボス部屋から数メートル離れた所に燐子が駆け寄って来た。

 

「大丈夫だ…。

ただあのモンスターは厄介だな…」

 

「ごめんなさい…わたしが勝手に中に入ったから…」

 

「いや、俺が中に入るなって言ってなかったからな。

俺の責任だ。

それより、一旦近くのセーフティーゾーンに戻るか」

 

「はい…」

 

そしてみんなを呼んでからセーフティーゾーンに戻った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

セーフティーゾーン

 

みんな座りながら、少し休憩をとっていると向こうから誰かが来た。

 

「ん?あれって…」

 

俺が確かめようとするとリサはすぐに気づいたらしく

 

「おーい!

アスナとキリトじゃん♪」

 

「リサ!久しぶり!

50層以来ボス攻略に来てなかったから心配したよー!」

 

「あはは☆ごめんごめん。

でも、次からはちゃんと攻略して行くよ♪

それで、こんな所でどうしたの?」

 

「うん。

今ね、この人と一緒にボス部屋を探してるんだ。

リサ達はどうしたの?」

 

「アタシ達もボス部屋を探してたんだ〜♪」

 

「えっ!?そうなの!?

なんだ〜じゃあリサ達と一緒に行けば良かった…。

それで、どうだった?ボス部屋見つかった?」

 

「うんっ♪さっき見つけて今休憩してる所なんだ」

 

「ホント!?ここって迷宮区の中でも迷いやすいからすごいね!」

 

そんな会話を横目に聞いていると

 

「よっ、元気そうでなによりだな」

 

「キリトも、久しぶりにあったけど相変わらず黒ずくめだな」

 

「そういう陽菜こそ、若干黒ずくめじゃないか」

 

「いやいや、ちゃんと他の色もあるって……多分…」

 

「それより、ボス部屋見つかったんだって?」

 

「ああ、ボスの見た目は、悪魔みたいで武器は斬馬刀?って大剣だけだったけど、多分特殊攻撃あるだろうな」

 

「そうか…。

となると、前衛に堅いタンクを設置してどんどんスイッチして行く感じになるか……盾持ちが10人は欲しいな」

 

「そういえばキリトって盾持ってないけど、やっぱり盾は遮蔽物になるから持ってないのか?」

 

そう聞くとキリトは慌てたような感じで

 

「あ、ああ!そうなんだ!

それに盾持ってたらこのエリュシデータを上手く扱えないからな」

 

「まぁ、見た目より結構重たいからな。

今じゃ、筋力パラメータが足りて前の剣と一緒くらいだけど…。

そうだ、キリトもボス見に行ってきたらどうだ?」

 

「いや…いいよ。

陽菜達が見に行ったのなら、その情報でいいと思うし、足りなかったらたまにボスに何回かちょっかいかけて様子見だろうから」

 

「そう」

 

そうか、と言おうとすると誰かがセーフティーゾーンに入ってきた。

急いで見るとそこには

 

「いや〜疲れた疲れた…ってキリトと陽菜じゃねぇか!」

 

「「なんだ、クラインかよ」」

 

「相変わらず冷てぇな2人とも…って!?」

 

クラインが何かキリトの方を見て驚いていた。

すると

 

「そ、ソロのおめぇがなんで女性プレイヤーと…」

 

そして、どこかで見たような感じで硬直した。

それにキリトが、ラグってんのか?と聞いた瞬間

 

「こ、こんにちは!く、くく、クライン!24歳独」

 

どこかで聞いた事があるセリフを言い終わる前に、キリトは腹に1発入れ後ろに飛ばした。

 

ていうか、クラインいつ誕生日過ぎたんだろ…

 

そんな事を考えていると向こうからかなりの人数が向かってきた。

そして、それは

 

「《軍》…」

 

それはあまりいい評価は聞かない《軍》と呼ばれるギルドだった。

第一層に住みついており、犯罪プレイヤーを取り締まって助かっている面もあるが、狩場を長時間も独占する迷惑行為もしている。

そしてその中に1人見覚えのある顔があった。

 

「ほんならここで休憩や、全員休んどけ」

 

そう言って自分の部下を休憩させるキバオウの姿が見えた。

するとこちらに近づいてきて

 

「覚えてる奴もおると思うが、一応名乗っとくわ。

ワイはキバオウってもんや、アインクラッド解放軍に所属してる」

 

「……」

 

黙って見ているとキバオウはこちらを見て

 

「…どっかの殺人鬼がおるみたいやけど、まぁええわ。

あんたら、この先もマッピングしてんのか?」

 

《殺人鬼》と称される人物はこの中で俺の知る限り俺だけだろう。

そんな事は1年間言われすぎて最近じゃあまり聞かなくなったが、久しぶりに聞いて少し戸惑った俺がいた。

そしてその質問に

 

「…ああ、一応ボス部屋まで」

 

「そうか、ほんならそのマッピングデータこっちに渡してもらおうか」

 

当然だ、と言う風に言ってきた。

この男、キバオウは視野が狭い上に図々しい事ははっきり言う。

すると後ろにいた蘭が

 

「ちょっと待って。

あたし達が苦労して手に入れたマッピングデータをなんで渡さないといけないの」

 

「ワイらがやってんのは、こんクソゲームをクリアする為にやってる事や。

どこの誰かも知らんお前さんが口出すなや」

 

「だからって、人の苦労を無駄にするような事、許」

 

「蘭、落ち着いて」

 

そう言って蘭の前に手を出し止めた。

 

蘭が落ち着かない事になると、この男が面倒だ。

きっと煽ってくる。

 

そう思っていると更に誰か来た。

 

「!あれは…!」

 

「…《聖龍連合》…か」

 

ややこしい事になりそうだ。

 

キバオウと聖龍連合のリーダーはかなり仲が悪いので、そのリーダーがいない事を願った。

しかし、そんな願いは叶わなかった。

 

「全員休めー!!」

 

その声とともにこちらに近づいて来たのは

 

「俺はリンドと言うものだが…ちっ、なんだ?第一層に住みついて離れない奴がこんな所で何してる」

 

リンド…ディアベルの意思を継ぐと言っておきながら、作り上げたギルド《聖龍連合》は命を奪わないがレアアイテムを手に入れる為なら何でもする、という中々最悪な連中だ。

そして先の挑発に

 

「ああん!?そう言うお前らこそ、ちまちまとレアアイテム盗む為にわざわざ人を瀕死状態にしてるやろうが!!

それでディアベルはんの意思を継いでるつもりなんやったらやめたらどうか?」

 

「はぁ!?お前らこそ、ちまちまと狩場を独占してるだろうが!!」

 

面倒くさいなぁ

 

そう思っていると

 

「話を戻すが、おいそこの殺人鬼。

さっきの話を聞く限り、お前らはこの先もマッピングデータを取ってるらしいな」

 

俺が過去に起こした事を知ってるのはこの場にいる5バンドとキリト達、そしてこの仲が悪い2人だけだ。

そしてその質問に

 

「…あんたもそれが欲しい、と?」

 

「ああ、そうだ」

 

「はぁ…」

 

一つため息をついた後

 

「あんたら、いざ最前線に立つと自分達の方が優位に立ってると勘違いしてるんじゃないか?」

 

「!なんや…ワイらに先に攻略されんのがそないにいやか!?」

 

すると後ろにいた友希那が

 

「その前に、どうしてあなた達にマップデータを渡さないといけないのか答えて」

 

「そんなん決まってるやろ!

コイツらよりも早く攻略したいからや!」

 

そう言って隣にいたリンドに指をさした。

すると

 

「俺たちだってこんな奴らに先を越されたくない!」

 

それらを聞いて友希那は

 

「…そんな自分勝手な考えで、仲間の事を考えているの?」

 

「っ……そんなん考えてるに決まってるやろ!」

 

「大体演奏隊のあんたにそんな事を言われる筋合いはない!」

 

「演奏隊かどうかは置いといて。

あなた達じゃ、この先のボスも倒せないわ」

 

「っ!……なんやおんどれ…さっきからえらっそうに…!」

 

そう言うとキバオウとリンドは自分の剣を抜いた。

 

「あんま調子乗った事言ってんちゃうぞ…」

 

そのセリフを聞いて

 

「はぁ……お前ら、第二層の時に起きた事を忘れたのか…。

あの場を収められなかったお前らが協力してボスを倒せるわけがないだろ」

 

「「ああ!!?」」

 

「それに…」

 

2人を少し睨みつけてから

 

「剣先をこちらに向けた、という事はもちろんそれ相応の覚悟があるんだよな?」

 

「っ!…ワイやてオレンジは嫌やからな。

今回は引いたる」

 

「……ちっ」

 

2人が剣を納めたのを確認した。

そして

 

「……今回だけだ」

 

そう言ってマップデータを渡した。

 

「!…どういう風の吹きまわしや…」

 

「気にするな」

 

「…さよか」

 

そう言ってから向かおうしていたが、二つのパーティを見て気づいた。

 

「!待て!演奏隊を連れてないのか!?」

 

「演奏なんか聞いとったらボス戦に集中出来んからな。

ほな、行くぞお前ら!」

 

「俺たちも出発する!アイツらに先を越されるぞ!」

 

そう言ってキバオウとリンドは行ってしまった。

すると

 

「陽菜さん!いくらなんでも優しすぎます!」

 

「いいんだよ。

それに、もしかしたら途中の道でモンスターに足止めくらってるかも知れないから。

とりあえず俺達も行くか」

 

そう言ってキリト達と進んで行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モンスターの集団に数回出会ったが、なんの問題もなく進んでいた。

しかし

 

「うわあぁぁああ!!!!」

 

『!!』

 

確かにそれはモンスターではない、人の悲鳴だった。

そしてそれを聞いてキリトとアスナは一瞬で走り去って行き、それについて行こうとして、すぐにキリト達の後を追った。

しばらくして、キリト達の姿が見え、その奥のボス部屋も見えた。

そしてその中の光景は地獄絵図だった。

 

「何……これ……!」

 

彩がそう呟くとキリトの隣にいたアスナが

 

「ダメよ……もう……」

 

「アスナ…!?」

 

キリトが気づいて名前を呼んだが

 

「ダメーー!!!」

 

しかし、遅かった。

叫び声と同時にアスナは鞘から剣を抜き、ボスに向かっていった。

 

「アスナ!!」

 

キリトがそう叫ぶと同時にクラインが

 

「な、なんだ、これ…おい!早く転移結晶を使え!!」

 

するとHPが赤色に陥っていたキバオウが

 

「あかん!ここはクリスタルが使われへんようになっとる!!」

 

それを聞いたクラインが

 

「!クソっ!どうとでもなりやがれ!」

 

そう言ってクラインも助けに向かって行った。

向こうでは、アスナが剣を薄緑に発光させ、軍の1人を狙っていたボスの背中にソードスキル『カドラプルペイン』を撃ち込んだ。

しかし、ボスのHPバーは4本のうち1本の1割ほどしか削れていなかった。

そして、怒ったかのような表情を見せて、ボスは振り返りざまに斬馬刀をアスナに振り切り、アスナはそれをギリギリの所で避けたが、すぐに次の攻撃でボス部屋近くまで吹き飛ばされた。

そしてキリトが1人でボスと交戦していた。

 

「っ!『演奏スキル』頼んだ!

演奏隊以外は生き残りを安全圏まで、クリスタルが使えない事を忘れるなよ!」

 

「わかった!

陽菜はどうするの?」

 

「引きつける!」

 

そう言い残し、ボスの斬馬刀に捕らえられたキリトの横を走ってボスの横腹を斬り裂き、こちらを向かれる前にソードスキル『ヴォーパルストライク』で背中を削るように放った。

 

「陽菜!下がれ!」

 

「キリトが下がれ!お前のHPバー半分切るぞ!」

 

「っ!」

 

「俺が時間を稼ぐからどうにかしろ!」

 

「!!…わかった!10秒だけ時間を稼いでくれ!!」

 

「ああ!!」

 

そして、ボスのこちらにヘイトが溜まり、ボスとの交戦が始まった。

 

「っ!!」

 

水平斬りを後ろに飛び避け、上段斬りを『ソニックリープ』で弾き、次の殴りの追撃を体術スキル『閃打』をブースト最大で発動させ相殺し、同時によろめいた後、突き刺し攻撃を剣で軌道を逸らし地面に突き立て、相手の斬り上げ攻撃を避けてから次の上段斬りを『レイジスパイク』で弾いた。

そして

 

「スイッチ!!」

 

その声とともに俺とキリトはすれ違いざまにスイッチをした。

するとキリトの背中にもう一つの白い長剣が現れた。

そしてキリトは、もう1本の剣を抜きざまに一撃をボスの胴に入れた。

 

[グオオオオオオ!!!]

 

ボスは叫ぶと同時に、上段斬りを放ってきた。

しかし、それをキリトは剣を交差し確実に受け止めた瞬間、押し返した。

 

「うおおおおおあああ!!」

 

キリトは叫びながら、二本の剣を青白く発光させ、剣撃のラッシュを間を空けずにボスの身体に叩き込んでいった。

その間にも、ボスは怯まず斬馬刀を振ってキリトのHPをジリジリと減らしていっている。

そして…

 

「……ぁぁぁぁああああ!!!!」

 

そんな絶叫とともにキリトは左手に持っている剣をボスの身体の中央を貫いた。

 

[ゴアアアアアアアアアア!!!]

 

ボスは雄叫びを上げて硬直した。

そして、部屋中にキラキラと輝いた結晶のかけらが舞った。

するとキリトは剣をゆっくりと鞘に納めると同時に力が抜けたように倒れ込んだ。

 

「!キリト君!!」

 

そう言ってアスナはキリトに駆け寄って行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後

 

「キリト君!キリト君ってば!!」

 

アスナが呼びかけてしばらく経つと

 

「いててて……」

 

そう言って起き上がるキリトにアスナが回復瓶のハイ・ポーションを口に入れ込み、飲み干したと同時に抱きついた。

そしてその2人を見ながら、報告をした。

 

「キリト、軍が生き残ったのは1人、聖龍連合は全滅。

おそらく過去最悪の死亡人数だ」

 

「……そうか。

ボス攻略で犠牲者が出たのは、確か67層以来だな…」

 

するとクラインが

 

「こんなのが攻略って言えるかよ……キバオウとリンドの馬鹿野郎が……死んじまったら何にもなんねぇだろうが……」

 

苦しそうに言ってから首を左右に振って、気分を切り替えるようにキリトに質問した。

 

「そりゃそうと、オメェ何だよさっきのは!?」

 

すると口ごもるようにしてからキリトが

 

「……言わなきゃダメか?」

 

「ったりめぇだ!見たことねぇぞあんなの!」

 

「……そこにいる君や団長と一緒だ。

ユニークスキル『二刀流』だよ」

 

友希那はピクッと反応した。

そして

 

「友希那ってユニークスキル持ってたのか!?」

 

『ええ!?』

 

「えっ…」

 

「あっ!そういえば、陽兄ぃがいない時に友希那さんがユニークスキルの『歌姫』使ったんだっけ?」

 

「待てあこ!それいつの話だ!?」

 

「えーっと50層で陽兄ぃが来る前だよっ!

それに最近その話をしたのは…昨日の女子会の時!」

 

「じょ、女子会はせこいだろ!!」

 

「せこくないよっ!」

 

「陽菜さんはユニークスキル持ってないんすか?」

 

「持ってないよ。

てか、なんでキリトはそれを隠してたんだ?」

 

するとその質問にクラインが

 

「そりゃあ…この世界でそんな事を言ったら嫉妬するネットゲーマーが多いからなぁ」

 

「なるほどな……」

 

「まぁ、そこにいる友希那さんはピッタリだから何も言われないと思うけどな」

 

「そうだな…」

 

『歌姫』か……確かにピッタリだな。

 

「…とりあえず、キリトは少しここで休んどけ。

上のアクティベートはクラインに任せる」

 

「……陽菜は行かないのか?」

 

「ああ、俺はな。

この子達は先に上がってもらうけど」

 

「そうか…じゃあ、休ませてもらうよ。

倦怠感がすごいからな」

 

「ああ」

 

そう言ってからみんなとボス部屋の外に出た。

何かクラインが言っているみたいだったが気にせず進んで行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ボス部屋前

 

「それで陽菜さん。

どうして私達だけが先に行かないとダメなんですか?」

 

その沙綾の質問に

 

「ああ、ちょっと用事がな。

別にここで済ましてもいいんだけど…」

 

そう言うと蘭が

 

「ならここで済ませてください」

 

「……じゃあ、気をつけてくれよ」

 

『?』

 

そう言ってから剣を抜いた。

 

「は、陽菜!?」

 

「どうしたんですか!?」

 

薫と美咲が驚いていたが気にせず、青白い光に照らされてる一見何もない道の端を斬りつけた。

するとそこには

 

「はワワ……」

 

アルゴの姿があった。

 

「なんだアルゴだったのか」

 

「い、いきなり斬りつけるなヨ!

死ぬかと思ったゾ…」

 

「いや、2ヶ月も尾行されてたらそれは斬るだろ。

レッドやオレンジだったら大変だし」

 

「気づいてたのカ」

 

「まぁ、気づいたのは湖にいた時だけどな。

それで?なんで尾行してた」

 

「陽坊、ちょっと来てくレ」

 

「?」

 

するとみんなから数メートル離れた所で

 

「これはオレっちの予想なんだけド、友希っちが持ってるあのユニークスキル『歌姫』は何かデメリットがあるんじゃないのカ?」

 

「えっ?」

 

「さっきキー坊の二刀流、あれは攻撃をしている時に防御力がほとんどなくなる超攻撃型ダ。

それがあれの弱点とも言えるだろウ。

そこデ、友希っちのユニークスキルはどうダ?」

 

「どうだ…と言われてもな。

見た事ないからわからない」

 

「おそらくそれもなんらかの間接的なデメリットかシステム的デメリットがあるはずダ。

探しておいてくレ」

 

「…わかった。

でも、なんで尾行してたんだ?」

 

するとアルゴにニヤッと反応されてから

 

「いヤ〜、たまに陽坊、友希っちを目で追ってるかラ。

陽坊は友希っちの事好きなんじゃないのかナ〜って」

 

その質問に少し考えてから

 

「好き、というより、心配なんだろうな」

 

「心配?」

 

「ああ、あの子にはどっか心配させられるから。

1人で空回りして、周りと離れて行ってしまう。

だから、心配なんだよ」

 

「…ふ〜ン。

ま、いい情報どうモ」

 

「上に行くのか?」

 

「あア、上に行って早く新しい情報を集めたいからナ。

先に上がるヨ」

 

「そうか…じゃあな」

 

そしてアルゴは手だけを振って先に進んで行った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第75層 主街区

 

あれから3日後。

いざ平和な生活に戻れると思っていた。

ところが

 

「陽菜くーん!!」

 

名前を呼ばれて振り返ると彩が駆け寄って来た。

 

「どうした?」

 

息切れしてる彩にそう聞くと

 

「た、大変だよ!!こ、この前ボス戦にいた黒ずくめの男の人が最強って言われてるギルドのボスと戦うんだって!!」

 

ボスって……

 

内心そう思いながら平和に暮らしたい俺は

 

「そうか」

 

ただ一言だけ返した。

すると

 

「そうか、じゃないよっ!!

早くこっちに来て!」

 

「あっ、ちょっ!!」

 

彩は俺の服を掴んで走った。

 

普通は手を引っ張って行くんじゃないんですか?

 

とはとても言えなかった。

そして進み続ける彩が止まると

 

「おお…でかいな」

 

コロシアムを見上げて安い感想を言った後に彩が

 

「こっちだよ!」

 

そう言ってまた引っ張って行った。

すると裏ルートみたいな所を通り始めた。

 

「お、おい!ここ入って大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ、アスナさんに許可もらってるから」

 

「…なら大丈夫か。

にしても結構暗いなここ」

 

そう言うとそれに反応したかのように彩が立ち止まり

 

「そ、そうだね…」

 

「?」

 

「……陽菜くん、ちょっと前に行ってもらっていい?」

 

「えっ?いや俺道知らないけ」

 

「い、いいから!

後ろから教えてあげるから!」

 

「…何も遮らなくてもいいだろ…」

 

そしてしばらく歩いていると光が見えた。

すると彩は

 

「外だ!」

 

ダッシュで光の方へと向かって行った。

 

「置いてかれた……」

 

そう呟きながら、外に出た。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「で、なんだこれは」

 

コロシアムの中央では2人のユニークスキル持ちが立っていた。

そして観客の声がうるさい中聞いた。

 

「んー…アタシもよくわかんないんだけど。

キリトが血盟騎士団の団長と何か約束をして、それの為に戦うんだってさ」

 

リサが答えてくれた。

 

「へぇ…まぁ、面白そうだし、見て行くか」

 

そして、表示されているデュエルのカウントがゼロになった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数分後

 

両者HPが黄色に陥る寸前にもかかわらず、一歩も譲らない戦いだった。

戦いは長く続くと思ったが、団長の反撃が少なくなった時、キリトがこの前のボス戦の時に見せたソードスキルを発動させ、団長に猛攻撃を撃ち込んでいく。

 

そして、団長の体勢が崩れ、キリトがそのまま団長に上段斬りでの一撃を入れた。

いや、入れるはずだった。

 

「っ!!」

 

団長の盾は確かに体勢が崩れた時にはキリトの剣と自分自身の身体の間にはなく、防御範囲外の右にあった。

しかし、盾はまるで瞬間移動をしたかのように、キリトと団長の間に移動した。

 

そして、上段斬りを弾いた団長はソードスキル発動後の硬直を狙い、的確にクリティカルポイントを刺した。

キリトのHPバーは5割を切り、デュエルは団長の勝利となった。

すると

 

「今のすごい速かったわね!どうやって動いたのかしら?」

 

「いやいや…あれは速すぎるでしょ…」

 

「確かに〜、めっちゃ速かったね〜」

 

「あれって、両方人間なの?」

 

「速すぎて見えなかったな…。

…ユニークスキルの補正、とはいかないか」

 

そう言うと千聖が

 

「ええ。

あんなに速かったら、今頃75層なんかいない…と思うわ」

 

「……そうだな」

 

そして、疑問を抱きながらもそのままコロシアムを出た。




では!張り切って行きましょう!

アーペ様 Bacon0112様 瑠璃ぃぃぃ様
黒夜様 関飛様

またまたお気に入りありがとうございます!
では、前回言ったこちらの方も

夜刀様超燃え萌え隊様
テスアクエリポカ様
岬サナ様
月季様
勇気ブレイブ様
天駆けるほっしー様

この方達の小説を皆さんも是非読んでみてください!

ドラゴンボールやリリカルなのは。
フェイトやバンドリ、アカメが斬る。
緋弾のアリア、ハイスクールD×D
中にはオリジナルがありました。

可愛い物があったり、カッコイイ作品など色々ありました!
本当にありがとうございました!(?


オマケ
なんでそんなに書くの上手いんですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 え?

第55層

 

「では、オレとデュエルをしてもらおうか…!!」

 

片手剣を持った男を相手にして

 

「いいよ〜」

 

「ちょモカさん!?俺の意思は!?」

 

「ふっふっふ…大丈夫、勝てますよ〜」

 

「いやいやいや!!戦うの」

 

すると

 

「遅い!!」

 

男の1人が剣を青く輝かせ、そのまま斬りつけてきた。

 

 

どうしてこうなっているか。

それはほんの約10分前の事だった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10分前 第55層

 

「如月、どうしたの?」

 

「いや……そこら辺にいる騎士の目が小心者の俺にかなりのダメージを与えてるなぁと思って…」

 

「HPは減ってないんでしょう。

なら大丈夫よ」

 

「そ、そういうもんかなぁ…」

 

「いいから先に進むわよ。

街を歩いて少し疲れているの」

 

「あー…みんな有名人だから、人だかりが出来て大変だったもんな。

友希那とかすごい二つ名だったなぁ…」

 

「その話をするのはやめて。

私だって女神なんて呼ばれたくないわよ」

 

「『歌姫の女神』って誰が考え」

 

「如月?」

 

「すみません…」

 

やっぱりあの二つ名のネーミングセンス疑うな…

 

そう思っていると

 

「それはそうと、私はここに入っていたから呼び出されるのはわかるけど、どうしてあなたまで呼ばれたのかしら…」

 

「……さぁ、俺が団長と最後に話したのは50層の時だから。

それよりも、聞きたいことがあるんだけど」

 

「?何かしら?」

 

「友希那のユニークスキル『歌姫』って何か制限あるのか?」

 

「制限…『演奏スキル』と一緒に使えなくなる事ぐらいかしら?」

 

「なるほど…」

 

じゃあ『歌姫』は、アルゴが言ってたシステム的なデメリットがあるのか…

 

そう思っていると

 

「そういえば、このスキルを使っている時はHPバーが15ずつ減っていったわね。

後、一曲終わるまで途中で止めることはできないわ」

 

「えっ!?」

 

「それに、自分には『歌姫』の効果は付かないようね」

 

「そ、それかなり大事な事だぞ…。

なんでもっと早く言わなかったんだ」

 

「聞かれなかったもの。

それにどうしたの?そんな事を聞いて」

 

「いや、気になって聞いてみただけだ…」

 

マズイな。

HP減少効果がついてその上自分に『歌姫』の効果が付かない。

しかも、15ずつ減っていって、その時の曲が5分ほどだとすると…約5000ほどHPが削られるのか…

付け加えるなら、モンスターのヘイトも溜まるし…

 

「……」

 

どうしようか迷っていると

 

「如月、あれよ」

 

そう言って友希那が指差したのは騎士の彫刻が施された大扉だった。

 

「…無駄にでかい扉だな」

 

「…否定はしないわ。

とりあえず入るわよ」

 

「ああ」

 

そして扉を開けて中に入った。

すると

 

「やぁ、久しぶりだね。

友希那君、陽菜君、2人とも元気にしていたかな?」

 

そこには椅子に座って独特な雰囲気を放っている団長と幹部的な4人がいた。

 

「ええ。

それで、なぜ私達だけを呼び出したの?」

 

直球ですね友希那さん…

 

そんな事を考えていると

 

「…君達2人に血盟騎士団に入ってもらいたい」

 

こっちも直球ですね…

ていうか…

 

恐る恐る横を見てみると

 

「っ」

 

やはり友希那さんは怒っていらっしゃるようだ。

すると

 

「…それは、私達以外他のみんなは要らない。

そう言っているの?」

 

そう友希那が団長に聞くと隣にいた男達が

 

「何を言っている。

実際に役に立つのは君達…いや君だけだろう」

 

「それに『演奏スキル』の効果はランダムなんだろう?

だったら、効果が決められている『歌スキル』の方が良いじゃないか」

 

「確かに…なら、あの男も要らないな。

君が持っているユニークスキル『歌姫』さえあれば、我々血盟騎士団の戦力は一気に増すだろう」

 

「ユニークスキルを持っているのが2人ともなれば、血盟騎士団の信頼度も上がるというものです」

 

「それもそうだな」

 

「信頼は必要ですからな」

 

「っ!…」

 

などの会話を聞いて友希那は本気で怒りそうだったので

 

「はい、友希那はちょっと落ち着こうか」

 

「!でも…」

 

「冷静にならないと勝てる試合も勝てないからな。

……まぁ…とりあえず」

 

『っ!!!』

 

「な、なんだ今の悪寒は…」

 

「殺気…」

 

ムラマサに教えてもらった殺気、今でも使えたのが幸いだったな。

ハイパーセンスの応用ってだけ、だけど

 

そう思ってから幹部的な4人を見て

 

「やっと静かになったな。

まず、あんたらに言っておくけど、この子は道具じゃないんだ。

ましてや自分達のことしか考えてない奴らに友希那は渡せない。

それに、この子達が『演奏スキル』を使っているから、あんたらも助かっているんだろ」

 

「助かってる?

はっ!よくそんな事が言えたな。

今まで『演奏スキル』を使って救えずに死んだ人間は何人いる?

優に100は超えている!」

 

「同時に、助けた人数は今の攻略組全員の数だろ。

……この中に第一層からずっと最前線に出てボス戦に参加してる奴はいるか?」

 

『……』

 

すると男の1人が手を挙げ

 

「わたしがそうだ。

わたしはずっと最前線に立っている」

 

「なら、わかるはずだ。

3〜10階層の間に『演奏スキル』無しで攻略していった時の事を」

 

「……確かに、第三層以来急に演奏隊が来なくなり、演奏隊無しでの攻略を進めて行った。

しかし、ボス攻略をするたびに必ず人が死んでいった。

そして、我々は改めて演奏隊の存在が必要なものに変わっていった…」

 

「そうだ。

なぜ、あの時にいた演奏隊が来なくなったかわかるか?」

 

男は俯いたまま首を横に振った。

 

「それは第二層の時、ある男が演奏隊にこう言ったからだ。

『俺達攻略組の邪魔をするからだ』と」

 

「!!」

 

「あんたも知ってるだろ。

1人の鍛冶屋を殺そうとして、1人の関係のない女の子が死にかけた」

 

「!お前…まさか、あの時の…!!」

 

「…まぁ、とりあえず何が言いたいかと言うとだな…。

これ以」

 

これ以上、それを言い終わる前に扉が勢いよく開き

 

「頼もう〜!」

 

「モカ!?」

 

しかし、そこにいたのはモカだけではなく

 

「友希那っ!」

 

「リサ…!?」

 

「なんでみんな来てるんだよ」

 

すると蘭と香澄が

 

「だって、すぐ終わる、とか言っといて帰ってくるの遅かったし」

 

「友希那先輩と陽菜に何かあったんじゃないかなぁ、って心配だったんだよっ!!」

 

「はぁ……まぁ、いいか。

それで話を戻すぞ、このギルドに友希那が入りたいなら止めないけど…」

 

「嫌よ」

 

「ていう事だから、友希那は入らないって事で」

 

すると一番端に座っていた男が立ち上がって

 

「なっ!?…いいのですかヒースクリフ殿!

あんな男に貴重なユニークスキル使いの彼女を渡してしまって!!」

 

「別に構わないさ、それが彼女の決めた事なら尚更だ」

 

「っ!!」

 

すると男はこちらに怒りの表情を向けて

 

「おいお前、お前が出て行くのは勝手だが、そこのユニークスキル使いを置いていけ!」

 

「はぁ……何回言ったらわかる。

この子は道具じゃない、ましてやあんたなんかに渡す子は1人もいない」

 

「っ!侮辱する気か…!!」

 

「事実、あんたより俺の方が強いからな」

 

今、物凄い意地張ったな…

俺のレベル、確かに高いと思うけど相手のレベルと戦闘技術は知らないから圧倒的にこっちが不利なんだよなぁ

 

そう思っていると

 

「では、オレとデュエルしてもらおうか…!!」

 

そう言うと男はデュエル申請をして、目の前にウィンドウが表示された。

 

えぇ…めんどくさい

断ろうか

 

そう考えて断ろうとすると

 

「いいよ〜」

 

するとモカが俺の手を操作して丸ボタンを押した。

そしてデュエルカウントが始まった。

 

「ちょ、モカさん!?俺の意思は!?」

 

「ふっふっふ…大丈夫、勝てますよ〜」

 

「いやいやいや!!戦うの」

 

俺なんだけど

 

そう言おうとしたが、デュエルカウントは0になっており

 

「遅い!!」

 

男の1人がそう叫ぶとともに剣を青く輝かせ、そのまま斬りつけてきた。

 

「っ!」

 

しかし男は、隙をついたにも関わらず、体術スキル『空輪』で武器を奪われ、エリュシデータに右肩、左腕、胴を一瞬で斬り裂かれた。

そして空中には【Winner 陽菜】と表示された。

 

「…はぁ…」

 

意外とレベル低かったな。

 

そう思っているとヒースクリフが

 

「フム…陽菜君のレベルは90強と言ったところか…これなら次のボス戦に参加しても問題なさそうだ……。

どうかな、私と一度デュエルをしてみないか?」

 

レベルは大体当たってる上に冗談めいた事を言ってきた。

 

「いやいや無理だろ。

普通に考えて、ユニークスキル使いに一般スキルだけの俺が勝てるわけない」

 

「ははは、そうか。

…では、君達2人はギルドには入らない、という事でいいのかな?」

 

「ああ。

それと、みんながこのギルドに入るのなら勝手にしていいから。

俺はしばらく平和な暮らしをしたいから攻略は休む」

 

『は、はい!?』

 

「だーかーら、しばらくは平和に生きたいって言ったんだ。

次のボス戦まで期間はあるだろ?」

 

そうヒースクリフに投げかけると

 

「そうだね。

しばらくはレベリングをして満を持してから、次のクォーターボスに挑むつもりだ。

それに、君のレベルなら次のボス戦も大丈夫だろう」

 

「でも油断は禁物だ」

 

ん?なんか前、誰かに言われたような…まぁ、いいか。

 

そう思ってから

 

「まぁ、とりあえずそういう事だから、ボス戦をする時はメッセージしてくれ」

 

「待ちたまえ陽菜君」

 

「?」

 

「君は、自分を犠牲にしてでも大切な人を守る事は出来るかい?」

 

「……そういう考えは、もうやめた。

…前に一度、誰かさんに怒られたからな」

 

「…そうか」

 

そう言うとヒースクリフは半円形の机の下で小さくウィンドウを操作するような動作を行った。

ジッと見つめたが、ウィンドウが他プレイヤー不可視モードにされていてウィンドウの切れ端すら見えなかった。

そしてその動作が終わるのをみて

 

「…まぁ、いいか。

今度こそ、じゃあな」

 

「ああ、ボス戦を楽しみにしているよ」

 

そして、扉を閉めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さてと……家買おう、かなぁ」

 

う〜ん…家買ったら財布が羽になるからなぁ。

まぁ、財布という入れ物が無いからどっちにしろ羽だけど…

 

そして、この一言を言った後の出来事に俺は後悔した。

すると

 

「ハルナさん家買うのですか?」

 

「えっ!?いや言ってみただ」

 

言ってみただけ、そう言おうとしたが

 

「ええ!陽菜くん家買うのっ?」

 

「いや別にそうい」

 

「陽菜、今の本当!?」

 

「だから、そういう事じゃ」

 

「陽菜さんの家か〜、どんなのにするんだろ〜」

 

「モカ、それ以上は」

 

「いい事思いついたわ!

これからみんなで家を選びましょうっ!!」

 

「おお!さすがこころだよー!!」

 

「ちょ、ま」

 

「「じゃあ早速、行ってみよう!!」」

 

「だから、まっ」

 

香澄とこころはどこかに走っていき

 

「あたしも行くー!!」

 

「あっ、待って!はぐみもー!」

 

それに日菜とはぐみもついていった。

 

「……」

 

すると紗夜が

 

「如月さん、大丈夫ですか?」

 

「………うん。

とりあえず追いかけようか」

 

「ですが如月さん、家を買うお金はあるんですか?」

 

「うーん……豪邸を買うほどの金はあるけど、買ったら買ったでそこに住むだろ?」

 

「はい」

 

「そうしたら、そこから引っ越し出来なくて移動に時間がかかるんだよなぁ…」

 

「それならマイホームを上の方に買ってみてはどうですか?」

 

「それが、下の方にしかいい家がないんだ。

上の方は人通りが多い所でしか家は売ってないからな」

 

「……でしたら、下の階層ですが、いい物件があったと思いますよ」

 

「!そ、それどこの階層?」

 

「確かあれは…47層だったと思います」

 

「47層か…とりあえずあの4人を捕まえてからだな」

 

「そうですね」

 

そして、しばらくすると香澄と日菜を見つけて、その後にこころとはぐみも見つかった。

 

「4人ともあんまり勝手な行動はしないでくれ」

 

「?私達は陽菜の家を探しに行ってただけよ?」

 

「こころとはぐみに関しては武器屋の前にいたからそれはないだろ」

 

「ううん!はぐみ達、ちゃんと家探してたよ!」

 

「?どういう事?」

 

「でもね、同じ事ばっかり言う人で、その人とお話し出来なかったの」

 

「あーうんわかった。

ずっとNPCに話しかけてたんだな、とりあえず行き先は決まったから行くぞ」

 

「次はどこへ行くのかしら!」

 

「次はだな…」

 

説明しようとした。

その刹那、耳元で冷たく凍りつかせるような声でその思考は停止させられた。

 

「…みーつっけた……ケヒッ…♪」

 

「っ!」

 

急いで振り向き、フードを被った男を見つけた。

その男は黙ってこちらを見ていたが、顔がフードで隠されており、口元の不気味な笑みしか見えなかった。

そして、男は走って路地裏に入っていった。

 

「っ、待て!」

 

「えっ!?ちょっと陽菜!?」

 

入り組んだ路地裏の道を走って追いかけていると曲がり角で男の姿が消えていた。

 

タッ!

 

「っ!」

 

見上げるとそこにはさっきの男が壁を蹴って登っていた。

 

「ちっ!」

 

同じように壁を走って登り、瓦屋根の上に乗ってから周りを見るとすでに男は遠くの屋根をつたっていた。

敏捷度全快で追いかけたが、追いつく後一歩のところで男は転移結晶で逃げてしまった。

 

「…アルゲード…」

 

確かにそう聞こえた。

しかし、あの街は街が広すぎて誰も街全体を把握している人は1人もいない。

ましてや、今は転移結晶を持っていなかった。

 

「……はぁ」

 

ため息を吐き、みんなの所へ戻っていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第47層 主街区

 

「………」

 

あの男は一体誰で誰を探してたんだ。

この子達だとしたら話はしておくべきだが、俺の耳元で囁いたという事は、俺が狙い…でもあんな男、この世界で会ったことは…

 

「…ん!…さん!ハルナさん!!」

 

「っ!!ど、どうしたイヴ」

 

「ハルナさん大丈夫ですか?

さっきからずっと元気がないように見えます…」

 

「ちょっと考え事してた…。

もう大丈夫だ」

 

「……本当ですか?」

 

「…ごめんな心配かけて」

 

47層に着き、人通りが少なく、自然豊かな所で暮らせる場所を探していると向こうから香澄と日菜が走ってきて

 

「ねぇねぇ陽菜っ!こっち来て!!

いい家あったよ!」

 

「わかったから、落ち着け2人とも」

 

「陽菜くん早くっ!るんっ♪ってくるでっかい家見つけたんだ!!」

 

「それは大丈夫なの」

 

「ほら行くよ!!」

 

「かっ!?」

 

言い終わる前に腕を全力で2人に引っ張られて行った。

そして

 

「はぁ……はぁ…ふ、2人のスタミナ値どうなってんだ…」

 

レベル差的にこちらの方が圧倒的にスタミナは上のはずが、全力疾走した後の疲れ具合が2人から全く感じられない。

 

むしろ、元気出してるんですけど…

 

そう思っていると

 

「ほら陽菜!これこれ!」

 

「おお、確かにいい家って……待て待て待て待て」

 

「?どうしたの?」

 

香澄が首を傾げて不思議そうに見てきた。

 

「いやこれどう考えても……ただの豪邸だろ!!」

 

そこには人通りが少なく色とりどりの花に囲まれた立派な豪邸だった。

 

「なんでこんな見るからに高そうな家を見つけたんだ…」

 

その疑問に花音が

 

「え、えっと…わたしが道に迷っちゃって…その時にこれを…」

 

「なるほどな。

花音はとりあえず誰かと一緒にいてくれ、誘拐とかされたら大変だから」

 

「う、うん…ごめんなさい…」

 

「いいよ、花音が家を見つけてくれたんだから。

…かなり大きいけど、まぁ、ありがとう」

 

「そ、それなら、良かった……!」

 

「…俺1人で住むにはこの豪邸は広すぎるからな。

どうしようか」

 

別の所を探したら、なんか花音に申し訳ないし…

かと言って、この家は広すぎて暮らすのが大変だろうなぁ

 

そう思っていると日菜が

 

「私もここに住みたいっ!!」

 

「いや、男女はさすがにダメだろ」

 

「えー…こんなに探すの手伝ったのになー」

 

「うっ……!それはひきょ…う…

確かに手伝ってもらったけど、それはさすがにマズイって」

 

「?なんでー?」

 

そう首を傾げて言う日菜に千聖が

 

「あのね日菜ちゃん。

私達はアイドルとしても活動しているから、こういう男性との同棲は絶対にダメなのよ」

 

「ええー?

…じゃあ千聖ちゃんは?ここに住んでみたくない?」

 

「それは…一度は住んでみたいけど…」

 

………ん?

 

「あれ?ちさ」

 

「じゃあ一緒に住んでみようよ!

それに、ここは人通りも少ないし、誰も来ないと思うよ?」

 

「それも…そう、だけど…」

 

「だから、ちさ」

 

「陽菜くんなら大丈夫だって!問題ないよっ!」

 

「……わかったわ。

でも、あまり陽菜の事は周りに話したりしたらダメよ?」

 

「え?あの、ちさ」

 

「やったぁ!!みんなも一緒に住むよねっ!」

 

「はいっ!私も住んでみたいです!!」

 

「え?ちょ、イ」

 

「彩ちゃんと麻弥ちゃんは?」

 

「私もっ!ここに住みたい!」

 

「え?あ」

 

「ふへへ。

ジブンもここなら皆さんとゆっくり過ごせそうです!」

 

「え?」

 

「お姉ちゃんも一緒に住もうよっ!!」

 

「ダメよ日菜。

如月さんの迷惑にもなるわ」

 

「ええ〜?おねーちゃんと一緒がいい〜!!

ねっ?お願い!!」

 

「……わかったわ…」

 

「え?」

 

「やったあ!!おねーちゃん大好きっ!!」

 

「!日菜!

急に抱きつくのはやめなさいっていつも言っているでしょう!?」

 

すると香澄の方でも

 

「ねぇねぇさーや!

私達も陽菜の家に住んでもいいかなっ?」

 

「う〜ん……ダメとは言わないけど…。

香澄が危ない事しそうで心配だなぁ、って思ってて…」

 

「大丈夫だよっ!

それにみんなで住んだ方が合宿みたいで楽しいよ!きっと!」

 

「合宿かぁ…いいね香澄!」

 

「やったあ!!じゃあ決まり!」

 

「え?」

 

そんな会話を聞いてから他の所も見てみると

 

「合宿って楽しそうねっ!私達もここに住みましょう!」

 

「ちょ、こころ。

決めるのが早いって」

 

「?どうして?みんなきっとここに住むわ!

そうしたら楽しい事がいっぱいできるじゃない!」

 

「それはそうだけど…」

 

「美咲は嫌なの?」

 

「いや、別にわたしは嫌じゃないけど…。

あの、こころ、陽菜さんが…ちょっと…」

 

「なら決まりねっ!ここに住むことにするわ!」

 

「え?ちょ」

 

「すみません陽菜さん…」

 

「いや……別に美咲が悪いわけじゃないんだけど…。

…なんか頭が混乱してきた」

 

「あー…混乱してるところ、悪いんですけど…。

陽菜さん後ろ」

 

「えっ…」

 

指を差された方向へ振り向くとつぐみがいた。

 

「陽菜さん。

私達も住んじゃ…ダメ、ですか?」

 

今住むと言っているのは5バンド全員か……ははは…

 

「うん……もう、いいよ」

 

「!ありがとうございますっ、陽菜さん!」

 

「…ああ…」

 

すると日菜が

 

「じゃあ、ここには26人で住むって事で!

陽菜くん!これからもよろしく!!」

 

「……あの、その前にちょっといいか?」

 

『?』

 

「…みんなはここに住むんだよな?」

 

「うんっ!」

 

「俺はどこに住むんだっけ?」

 

そう聞くと日菜とリサが

 

「どこ、ってここじゃないの?」

 

「も〜陽菜ってば!さっき話し合いで決めたじゃんっ♪」

 

「え?」

 

嘘だろ…

さっきの会話に俺の意思ほとんど入ってなかったぞ…

 

「えっと…つまり、同棲するって事?」

 

「うんっ!」

 

いや元気よく笑顔で返事されてもね?

 

「ちょ、千聖さん?

さっき同棲は絶対にダメって言ってなかったっけ?」

 

「そうは言ったけど…別にあなたと同棲をしている事を周りに話さなければ大丈夫よ」

 

「え?じゃあ千聖さんも入ってしまわれるのですか?」

 

「ええ…。

それとその変な話し方やめてくれるかしら…」

 

「すみません……いやなんで謝ってんだ。

おかしくない?

別にハーレム作りたい訳じゃないんだよ?

ゆっくり寝てゆっくり過ごせればそれでいいんだよ?」

 

「ヒナさん、ハーレム…とは何ですか?」

 

「いや、今それは」

 

「えーっとねっ!

ハーレムって言うのは、陽菜くんの周りに女の子がいっぱい集まって1人ずつ付き合って行くのっ!」

 

「おい待て日菜、それなんか違うし、それだと俺がただのク」

 

「ハルナさん!

ユウジュウフダン、ですよ!!」

 

「ちがーうっ!そうじゃない!」

 

「ハーレムかどうかは置いといて。

悪い気はしているわ、ごめんなさい」

 

「いや待て、謝られたらなんかこっちが悪いみたいになるから。

……とりあえず全員ここに住んでしまうんだな?」

 

『うん!』

 

「はぁ……まぁ、いいや。

中を見てからだな」

 

俺の大事な部屋割りを決めるのは…

 

そう思いながら、家のドアノブを触るとウィンドウが表示され、1000万コルと、みんなが少し払ってくれたにも関わらず、致命傷になりそうな額を支払った。

そして、手元に家の鍵が現れた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家の中 数分後

 

入ってからすぐにみんなそれぞれ家の中を歩いていった。

 

「にしても…現実世界と家具がほぼ一緒で汚れが一つもないとは…」

 

まぁゲームの中だから出来る事なんだろうけど…

 

そう思っていると

 

「如月さん。

そろそろみんなを集めて部屋割りを決めないと夜になってしまいますよ」

 

「えっ!?もう夕方か」

 

リビングにある大きな窓ガラスを見てみると夕焼けに染まる花が見えた。

 

「メッセージ送って全員呼ぶか」

 

そう言ってから招集メッセージを飛ばした。

そして数分後

 

「…まぁ…わかってたよ、うん」

 

香澄とこころが遅れることは

 

「陽菜さん、香澄とこころなら、今二階で熟睡中です」

 

「嘘ぉ……」

 

「こころが急に『夢の中で香澄と遊んでくるわ!』とか言い出しちゃって…すみません…」

 

「いや、あの2人が遅れるのは、むしろ予定通りだけど…まさか寝てるとは…。

とりあえず部屋割りを決めよう…。

そう、大事な部屋割りを…」

 

「陽兄ぃなんで必死になってるの?」

 

「それは陽菜さんにとって部屋割りは死活問題でしょうから…」

 

「それじゃあ始めるか」

 

そうしてしばらくの話し合いが始まった。

 

「俺は3階か…」

 

そして部屋割りが決まった。

途中何度か、日菜やイヴに部屋を決められかけたがなんとか回避し、少し気になったのでその後に一階を見回った。

 

この家の構造は迷路のようにはなっていないけど、広すぎるな。

花音と燐子が心配だ…

 

そんな事を思いながら3階に上がって、奥にある自分の部屋を見つけたので向かっていると

 

「きゃああーーー!!!」

 

そんな悲鳴が聞こえ、すぐ隣の扉を開けると

 

「どうし…ぐふっ!!」

 

「こっちに来ないでーー!!!」

 

今起きた事を説明すると

扉を開けた瞬間、目の前に何か飛んできて真っ暗になり、そのまま倒れた。

そして、その悲鳴の相手は

 

「あっ!ごめんなさい!大丈夫?」

 

「…千聖、何をしてんだ」

 

「ご、ごめんなさい。

お茶をしていたら、扉に虫みたいな物が見えたから。

それでついビックリしてティーカップを…」

 

「投擲スキルで投げるなよ…。

…それに家の中で虫は出ないから安心しろ」

 

「そうなの…良かった。

それなら安心ね」

 

「まぁ、何もないならそれでいいか。

俺は自分の部屋にすら着いてないからな」

 

「あっ…」

 

その声は、何か思い出したような感じで発せられた。

そして

 

「?どうした?」

 

「いえ…なんでもないわ。

あなたの部屋って、あの一番奥よね?」

 

「そうだけど…どうかしたか?」

 

そう聞くと千聖はドアノブを握ってゆっくり閉め、ほんの少し隙間を開きながら

 

「……頑張って」

 

扉が閉まった。

 

なんか最後、不吉な事言ってた気がするけど…

 

「…気のせいだろ」

 

そう決め込んで部屋に向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

おかしい…

 

まず自分の部屋の前に来てそう思った。

 

「なんで中から声が聞こえるんだ…」

 

そう思ったがここが俺の部屋には変わりがないので、開けることにした。

しかし、やっぱり中には

 

「あっ!やっほ〜陽菜☆

お邪魔してるよ♪」

 

「陽兄ぃお邪魔してます!」

 

「お、お邪魔…してます……」

 

そこにいたのはリサとあこ、燐子だった。

 

「ねぇねぇ!陽兄ぃ陽兄ぃ!」

 

「ん?どうしたあこ」

 

「あのねっ!りんりんがRoseliaの衣装を絵に描いてくれたの!

それでね!この衣装をいつか現実世界で着ようって!!」

 

「…よしよし」

 

そう言ってはしゃぎそうなあこの頭を撫でた。

 

「えへへ、陽兄ぃの手、お父さんみたいっ!」

 

「いや、俺まだ高校生だよ…」

 

そう言ったのだが燐子が

 

「確かに……陽菜さんってお父さんみたいで……どこか安心できます……」

 

「そんな事よりも、なんでここに来てるんだ。

俺の部屋だよなここ……」

 

その質問にリサが

 

「そうだ!忘れるところだった!」

 

「ど、どうした…?」

 

「今日の晩ご飯のメニューを何にしようか、悩んでてさ〜。

それで陽菜の部屋に来たんだけど、なぜかいなくって」

 

「ちょっと一階を見回ってたんだ。

それで、なんでメニューなんて俺に聞く?」

 

「だって陽菜、1年間くらい1人で過ごして来たじゃん?

もしかしたら、自分で料理とかしてたのかなぁーって思ったからここに来たんだ」

 

「う……む…」

 

俺、あの1年間、パンとか店で買える同じ物しか食べてなかったんだよな。

しかも、最近も同じような食べ物しか食べてないからな…

 

そんな味気ない1年間を思い出していると

 

「陽菜さん……もしかして、1年間同じ物しか……食べていないんですか……?」

 

「っ!な、なんでわかった…」

 

「陽菜は顔に出やすいからね〜☆」

 

「うっ……」

 

「じゃあリサ姉!

今日は陽兄ぃの好きな食べ物にしよっ!!」

 

「うんっ♪そうしよっか☆

陽菜の好きな食べ物ってなぁに?」

 

「えっ、と……シチューとか?」

 

「おっけー☆晩ご飯期待してていいよ陽菜っ♪」

 

「あっ…わたしも手伝います……」

 

そう言ってみんな出て行こうとしていた。

そこである事を思い出し

 

「あっ!リサ、料理スキルかなり必要になってくるんじゃないか?」

 

そう言うとリサは振り返って

 

「あっ、それならダイジョーブ☆

昨日、料理スキルコンプリートしたから♪

それじゃ、出来たら呼ぶねっ!」

 

そう言ってリサは扉を閉めた。

 

「…………えっ?」

 

今なんかサラッとすごい事言ってなかったか?

 

そう思って自分の進めていた料理スキルを見ると

 

「…『醤油ラーメンの作製』

……いや、この世界に醤油なんてないけど…」

 

どこの階層にも店には醤油やマヨネーズと言った調味料は売っていなかった。

それなら、作るものだと思ったが、何が素材なのか未知の為作れなかった。

しかし

 

リサはコンプリートしたと……

 

「どんなチートだよ……」

 

そう呆れたような事を呟き、そのまま部屋で装備の見直しを始めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……っ!なんだ…これ……!」

 

晩ご飯が出来るまでベッドの上で寝そべっていたのだが、ウィンドウを見ていると思わず飛び起きた。

すると

 

「陽菜〜☆ご飯出来た…よ、って!?

まだそんな格好してたの!?」

 

そう言われて自分を見下ろすと、まだ、戦闘の時に着ているコートと剣がある事に気付いた。

 

「えっ…あ、ああ。

すぐに着替えてから行く」

 

「うんっ♪わかった。

冷めないうちに陽菜も早く来てねっ♪」

 

「わかった」

 

そう返すとリサは扉を閉めて行った。

 

「…今は保留だな」

 

そう呟いてから装備ウィンドウを開き、普通の服に着替えて下に降りた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

階段を降りてすぐ目の前にあるリビングに行くと

 

「つぐみ、何してんだ?」

 

目の前で料理を持っているところを見ると、料理を運んでいる事は一目瞭然だが、なぜつぐみが食べていないのか気になり聞くと

 

「あっ!陽菜さん、すみませんもうちょっとで運び終わるので」

 

「……つぐみは作るのにも手伝ってたのか?」

 

「えっ、と…はい」

 

「じゃあ、後の料理は俺が運ぶから、つぐみは食べてこい」

 

「えっ!?でも、晩ご飯は陽菜さんの好きな食べ物なんじゃ…」

 

「いいよ、それにもうちょっとで運び終わるなら、俺1人で充分だ」

 

「それじゃあ、2人で運んだ方が私も陽菜さんも早く食べられますから、2人で運びましょうっ」

 

「…それもそうだな。

2人で運ぶか」

 

「じゃあ陽菜さんはそっちの料理をお願いします」

 

「ああ」

 

そう言って最後の二つの料理、チーズダッカルビとグラタンを持って行った。

 

「チーズ系が多い気がするけど、材料はどこで取ってきたんだ?」

 

「確か、第二層だったと思いますよ。

あこちゃんと紗夜さんが一緒について来てくれて」

 

「……変な奴には会わなかったか?」

 

「?別に…会いませんでしたよ?

どうしてですか?」

 

「…いや、もし変な奴に会ってたらどうしようかと思っただけだよ」

 

「ふふっ、陽菜さんって本当に父親みたいですね」

 

「やめてくれ、俺まだ高校生だぞ…」

 

そんな会話をしていると部屋に着き、だだっ広いリビングの真ん中にある大きな机の上に料理を置いた。

 

「俺で最後だったか」

 

すると香澄が

 

「みんな揃ったし、いただきますっ!!」

 

「ちょ、早えよ香澄!」

 

「まぁま