魔法科高校の一方通行 (メカ好き)
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プロローグ

俺、浅間白斗(あさまはくと)は只今会議の真っ只中である。

 

「今年から、沖縄防衛戦にて魔法師として規格外の能力を示した司波達也が妹を伴って日本の魔法大学付属第一高校に入学する」

「ここ最近、日本では外国シンジケート無頭竜や反魔法組織ブランシュの活動が活発化してきています。また大亜連合もキナ臭い動きを見せているため彼がそれに巻き込まれないとも限りません」

「ローマ正教内では彼の排除を求める声もある」

「なら、俺がコイツらを監視してやるよ」

 

この言葉の他の6人が俺に顔を向ける。

 

「あら、あなたが自分から出張るなんて珍しい事もあるなりきね」

「なあに、俺も今年からこいつと同じ学校に通うんだ。俺の回りの安全の為にもこいつを見極めねえといけねえからそのついでだ」

「なるほど、確かに道理だ。君の人を見る目は信用できるしここは一つ任せて見るのが一番か」

「私は構いません」

「僕も良いよ」

「反対する理由が無いなりけるのよ~」

「異議無し」

「右に同じく」

「うん、おめえら俺の評価高過ぎ。『ギャグはギャグにシリアスはシリアスに、楽しめる(モン)は十二分に楽しみ厄介事は早々且つ冷酷無慈悲に片す』が座右の銘な自己中千万な快楽主義者に何期待してやがる」

 

俺から言い出した事とはいえあっさり決めすぎだろ、コイツら。

 

「つまり『楽しむ時は目一杯楽しんで自分の身内に被害が出る事は赦さない』って事なりけるのよ~」

「快楽主義の皮を被った身内想いなお人好しが何を言うか」

「相変わらず自己評価が低いを通り越してぶっ飛んでますね」

「こう言うのをツンデレって言うんだったか」

「孫曰く捻デレと言うそうだ」

 

コイツら…

 

「はあ、今日のお題はこれで終わりだろ。なら帰らせてもらうぜ」

 

俺はそう言って会議室を出る。別に生温い視線から逃げた訳じゃねえからな!振りじゃねえぞ!

 

 

 

 

俺、浅間白斗(あさまはくと)は転生者である。転生先は死亡フラグがインフレした魔法科高校の劣等生の世界、得た力はとあるシリーズの一方通行(アクセラレータ)の能力、更にこの世界にはとあるシリーズの魔術も宗教も存在し聖人もいると言う退屈しないデンジャラスワールドだ。

そして聖人や宗教と激突したり共闘したりしていく内に何時の間にやら有力宗教トップ達と一部の無所属聖人が議員を勤める教会連盟なる者の議員になっていた。で、さっきのがその会議だった訳だ。

 

「さあて、こっからどうなる事やら」

 

魔術サイドも警戒する特異点(イレギュラー)『司波達也』

魔法、魔術両サイドにコネクションを持つ異分子(イレギュラー)である俺

快楽主義者を自認する俺でも気を引き締めなければならない波乱の学校生活が幕を開けようとしていた。



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入学式

2095年4月3日日曜日 魔法大学付属第一高校

 

俺は二人の幼馴染みと共に入学式会場である講堂に向かっていた。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、ダリイイイィィ」

「やめてよシロ。回りの人が見てる」

「ほのか、これはもう病気。諦めよ」

 

はい、皆さんもお分かりの通り光井ほのかと北山雫が俺の幼馴染みです。出会ったのが八歳の頃でかれこれ8年くらいの付き合いになる。

 

「入学式なんてよ、堅苦しくて詰まらんってのが定番だ。快楽主義者には苦痛でしかないんですよ」

「もう、折角目出度い日なのに~」

「でもここは魔法科高校。一般人なんて居ないんだからシロも少しは退屈しないんじゃない?」

「まあ、それもそうか」

 

原作知識は宛にならんと大まかな所しかもう覚えていない。まあ、もしもの時はコイツらさえ守れれば良いや。

 

 

講堂に入ってみると既に多くの生徒が座っていた。にしても…

 

「こりゃあ見事に別れてやがるな」

「そ、そうだね」

「時間もないし早く座ろ」

 

こりゃ当分はつまらねえ生活が続くかと思った。が、良い意味で新入生総代が予想を裏切ってくれた。「皆等しく」、「一丸となって」、「魔法以外にも」、「総合的に」等々際どいフレーズのオンパレード。こりゃあ明日からでも楽しめそうだ。

 

 

「何だかシロが上機嫌」

「ホントだ。何かあったのシロ?」

「あの総代の答辞、「皆等しく」とか「一丸となって」とか「魔法以外にも」とか「総合的に」とか際どいフレーズ盛りだくさんだったろ?あんなのをあの場で言う女が総代を勤めるんだ。こりゃあ当分退屈せずに済みそう、いや愉快な学校生活になりそうだと思ってな」

((ああ、司波さん御愁傷様))

 

これからの学校生活を思いケタケタと笑っていると窓口に着いたので3人でIDを受け取る。

 

「私、A組。二人は?」

「俺もだ」

「私も!すごい、同じクラスだ!」

 

ほのかは余程嬉しい様だ。俺としても二人を守りやすくなるから大歓迎だ。

 

「これからどうする?」

「取り敢えず帰ろうぜ。潮さんがパーティーするって言ってたろ?」

「そうだね、おじさん張り切ってたし。あ、」

「?どうしたほのか?」

「あれ」

 

ほのかの視線の先を見ると新入生総代と監視対象がいた。

 

「(司波達也…)新入生総代じゃねえか。男の方は彼氏か?」

「何で…」

「「?」」

「何であの人が雑草(ウィード)なの!?」

「落ち着けほのか、どうしたんだ?」

「何で、何で…!?」

 

って聞いちゃいやしねえ。はあ、面倒かけんなよな…

 

「ほのか!」

「っ!?」

 

俺は無理矢理ほのかの視界に入り少し大きな声を出す。昔から興奮したときや錯乱したときにほのかに対して有効な手だった。

 

「正気に戻ったか?」

「う、うん…ごめんね。あと、その」

「?」

 

ほのかが慌て出したので不思議に思っていると視線を感じ横を見る。案の定、雫だったわけだがなぜか不機嫌そうだ。ここはほのかに呆れる所だと思うんだが…

 

「雫?」

「…ふん」

「おいおい雫さん、俺なんかしました?」

「知らない」

「ええ~…」

「(か、顔が…シロの顔があんなに近くに)」

 

拗ねる雫に顔を赤くしイヤイヤと首を振るほのか。カオスだ。



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