元医者は転生して大航海時代へ (皐月の王)
しおりを挟む

プロローグ

どうも皐月の王です!
また書き始めました!よろしくお願いします!


現在進行形でここはどこだろう?最後の記憶は雷雨の日の夜の病院からの帰り道。遅くなった理由はあともう少しで病の特効薬の完成がまじかに迫っていたというのがある。急いては事を仕損じるという言葉を呟き私は帰ることにした。そのあとは傘をさして帰っていたら、どういう確率か雷に撃たれてしまった。最初は何が起こったのが分からなかった、だけど意識が遠のくのと同時に落雷の音を聞いて悟った、嗚呼、雷に撃たれたんだと。

 

それからは白い部屋にいた。最初は手術室かと思ったけど誰もいなかった。それに何も無い、棚も手術台も、何も。そして現在に至る。私は溜息をつき仰向けに寝転がった。

 

「どうしてしまったんだろうなぁ」

 

私は帰りにコンビニによってジャンプ買うつもりだったのに。すると私の顔を覗き込むように白髪に白い髭のおじいちゃんの顔がでてきた。私は条件反射で拳を突き出してしまった

 

「ぬおおお!?いきなり顔面パンチってどういうことじゃあ!?」

 

「あっ……すいません!つい反射的に大丈夫ですか?」

 

私はとりあえず謝る。どうあれいきなり顔面パンチは良くない。白髪のおじいちゃんは

 

「よいよい……わざとじゃないなら責めることはせぬよ。それに、儂の方が顔面パンチより、してはいけないミスをしてしまったのだからな」

 

「私の顔面パンチより悪いことですか?いったい何をしたんですか?」

 

興味本意で聞く私がいる一方、そうではないかと言う予想もある。

 

「そうじゃな、儂のミスでおんしに神雷を落して、おんしを死なせてしまった。そしてそれは輪廻の枠を外れてしまうのだ、ただの天災の雷ならそんなことは無かったんだが、今回は儂の落ち度で神雷を落としてしまった。誤ちで死んだ者は輪廻の枠を外れてしまうのだ。だから儂がおんしを転生させてやる!」

 

私はその言葉を聞いて嬉しい半分驚き半分だった

 

「それは嬉しい話ですけど。良いのですか?たかだか私一人のためにそんなことをしてしまっても?」

 

そのおじいちゃんは

 

「構わんさ、これは儂の償いじゃ、だからいいんじゃよ。それはそうとおんしの転生したい世界はあるか?」

 

構わないと言った。転生したい世界かあ……私はまだジャンプ卒業出来てないし、あの中から選ぶとしては……

 

「ONE PIECEの世界でお願いします!」

 

「あいわかった。一応いうておくと、ONE PIECEの世界じゃが平行世界だと思って構わん。転生する世界がおんしのONE PIECEの世界じゃからな。次は悪魔の実じゃなどうするんじゃ?」

 

悪魔の実かあ、オリジナルとか考えていたなぁ。医者としてはオペオペとか言いたいけど……

 

「太陽をイメージした能力ですね」

 

「ほう、つまり名付けるとしたらサンサンの実じゃな。メラメラとマグマグの上位互換か……面白い。光もあるからほむほむ面白い!覇気はどうする?」

 

覇気は重要な項目だ、正直に言うと欲しい。自然系とかは武装色の覇気で当てれるようになるし。見聞色の覇気では防御や回避に使える。覇王色の覇気とかロマンの域だ

 

「そうですね。覇気も三つ、見聞色の覇気を少し強め?にお願いします!あと身体能力も向上お願いします」

 

「あいわかった。じゃあおんしを転生させる。それだけでいいのか?」

 

「そうですね。そんなものですね」

 

「こちらで調整はするか。じゃあ往くが良い、二度目の人生、試練があろうともおのが道を信じるが良い」

 

「はい、私の運命は私が変えます。それじゃあ、お元気でおじいちゃん!」

 

視界が真っ白に染まる。転生したのだ

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「殺してしまった、者に元気でか……面白い嬢ちゃんだ。全く……おぬし生に艱難辛苦が待ち受けていてもおんしならなるようになるわい。少し未来を見てやるかい」

 

おじいちゃんと言われた人物は、女性の未来を見た。すると溜息をつき手を顔に当てる

 

「ほう……あやつ、運が少し無いの試練が10数年で来るのか。まぁどうなるかはあの娘次第かほっほっほ」

 

 

 

 

 

 

 




感想お気に入りお願いします


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ2

転生して十年。私は現在必死に逃げている。理由は住んでいた村が海賊達の襲撃を受けたからだ。私は刀一本と変な模様の実を渡され逃げるよう言われ走っている。この実は絶対悪魔の実だ……。森までの距離は少し遠い、そして村は一面の炎に包まれている。周りから悲鳴や鳴き声や助けを求める声が聞こえるが、私はそれを無視しながら走ってる

 

 

「……ハァ……ハァ……」

 

小さい時からお母さんに鍛えられてきた剣術や覇気の修行など、だけど修行の日々が生きなかった。ただ逃げるだけの体力と敵の数が分かる見聞色の覇気。全くじゃないが、何が出来たのだろう。転生前も救えない命はあった、病院来た時には、手遅れだったり、手の施しようがない重症だったり、不治の病だったりと、自分の力の無さを呪ったことなんて何回もあった。だから平気で……

 

「いたぞ!!村の餓鬼だ!悪魔の実も持ってるぞ!」

 

「殺しても構わねぇ!悪魔の実を奪え!!!」

 

海賊達が集まって来た。手の悪魔の実を見る。こいつらはこれの噂を聞いてきたらしい。こんな奴らに奪われるくらいなら食べてやる

 

「……うえ……不味い……」

 

なんとも言い難い味をこらえ飲み込む。吐き出したい不快感を抑え込む。

 

「あっ。この餓鬼悪魔の実を食いやがった!」

 

「能力を使わる前に殺せ!」

 

だから人の命を奪う海賊(こいつら)は私を殺そうと襲いかかる。だけど、その前に私の感情が爆発する。自分の不甲斐なさと、簡単に命を奪う目の前の海賊達に向かって

 

「ふざけんなぁぁぁあああ!!!」

 

限界を迎えた私は叫ぶ。叫び終わると同時に海賊達は事切れたように気絶してゆく

 

「ど、どういうこと?……まさか覇王色?」

 

確か覇気には三種あるのは知ってたけど、生まれてから使えた試しがない……お母さんは武装色と見聞色しか教えてくれなかったし。とりあえず今のうちに逃げよう。私は刀を抱えまた走り出す、無我夢中で森の中を

 

「……ハァ……ハァ……」

 

足も体力も気力も限界を迎えていた、私は思いっきりこける顔から転ける。

 

「いっ……!」

 

刀と置き、自分の名前と自分の状態を確認する。転生後の名前はスメラギ・ツバキで、大きな傷は無し、あるのは転んだ時の擦り傷くらい

 

確認してまた走り出す、止まったら砕けてしまいそうになる、吐きそうになる、何もかもぶちまけてしまいそうになる。

 

「(あのおじいちゃん会ったら、顔面パンチしてやるんだから!!!)」

 

転生させてもらったおじいちゃんに悪態をつきながら走る。体力の続く限り、足が動く限り、無我夢中で走り続けた。

 

 

 

そして走り続けて、再びコケる。すぐに立ち上がろうとするが、呼吸が乱れ、すぐに立ち上がってもまともに走れないことを悟る。そして

 

くぅと腹の虫がなる。私は木に体を預け肩で息をしながら残ってる悪魔の実を見る。もう食べたくないと思ったものだが、空腹で動けなくなるくらいならと思い、食べる、食べるたびに母さんの顔が浮かぶ、この実を持たせてくれて、刀も授けてくれ、覇気や料理も教えてくれた。そんなことを思い出していると、ポタリ、ポタリと水が落ちる。

それを無視して不味い悪魔の実の残りを食べ切る。

 

転生する前は、海賊で白ヒゲのところ入って、頂上戦争でエースを救うんだ。とか思っていた、だけどそんな余裕今はない。思うのは強くなりたい、この身は何がなんでも生きて誰か助けないと。あの村の皆を見捨てて生きているんだ、足掻いて生きなきゃ行けない。再び立ち上がり足を動き出す。死ねないという思いと、助けて欲しいと言う思いが交差する。

しばらく歩いて、足を滑らせ、斜面を転がり落ちる、刀を抱え、身を委ねる、そして転がり続け、地面に落ちる。波の音が近い、浜辺らしい。私は刀を杖にして海の方に数歩進んで倒れ、意識を手放す。

 

誰か……助けて

 

 

 

 

 

 

 

 




感想お気に入りお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話::海賊船にて

「……(知らない天井だ……)」

 

気づいたらここにいた、と言うには語弊がある。誰かが駆けつけて、声をかけてくれたと言うのは覚えてるけど、何日たったか分からない。助けてもらって……どうしたんだっけ?そこから記憶がない。

 

ベッドで寝てた私はそこまで大きくない部屋を見渡す。腕には点滴の管が刺されている。

 

すぐ近くに刀が立てかけられていた私は刀に手を伸ばして抱き抱える

でもいいだろうか?ただ倒れていた正体不明の私の刀を近くに置くなんて、余っ程うっかりなのか、それとも暴れたところで意に返さないと言うのだろうか?

 

「おっ?目が覚めたようだな?具合はどうだ?」

 

ガチャと扉が開き白っぽい髪のおじさんが入ってきた、顔には十字の傷がある人物だ

 

「普通より少し優れない、と言うところですね。ここは?」

 

「海賊船レッド・フォース号の中だ」

 

「か……海賊船のなか!?」

 

私は驚く、村が海賊に襲撃を受けたことを思い出すが、そんな雰囲気が無いのは見聞色の覇気で分かるが、それ以上にとてつもなく強く私なんて赤子の手をひねるようなものだろう

 

「ああ、お前を海岸で見つけて治療した。船長がどうしても聞きたいことがあるらしいからな。という訳だ船長呼んでくる(あの人に似てるな……)」

 

そう言うと言うと白いぽい髪のおじさんは部屋から出ていった。それから数十秒後、赤い髪に左目の所に三本の傷があるおじさんが入ってきた。あれ?この人見たことあるようないやまさか

 

「よう、目が覚めたみたいだな、自己紹介体な、俺はシャンクス。この船の船長やってる。お嬢ちゃんの名前は?」

 

「私はスメラギ・ツバキです」

 

自分も名を名乗るとシャンクスは驚いた表情になる。そして

 

「ツバキ、君のお母さんはスメラギ・リンじゃ無いのか?」

 

シャンクスは私のお母さんの名前を言い当てた、私は驚く、シャンクスは私が持つ刀を見て、少し貸してくれないか?と言う私は何も思わず、すんなりと渡す、そういえば、母さんが言っていた

 

『ツバキのお父さんはとても強くて、面白くて、仲間想いのいい人だよ。案外子供ぽい所もあるけどそこに惚れたのよね、名前?シャンクスよ赤髪が特徴のね。一緒に行きたかったけど、私の夢はあの人に預けて私はあの人の船を降りたのよ』

 

「この刀……懐かしいな、リンの使っていた『掛カル雲無キ』ワノ国を連想させる刀だって大切に使っていた」

 

母さんの言葉と私の記憶が合致し思い出した。シャンクスって言うのは、ルフィの恩人で四皇の一角で元ロジャー海賊団のクルーだった人物だ。そして私の父さん。父さんは村のことを把握してるようだった。多分だけど、助けてもらった時に状況を把握して、襲ってきた海賊と戦ってきたんだろう。父さんの表情は暗い。

 

「……ツバキ、父親の事は……」

 

「聞いてるよ」

 

「……そうか」

 

「とても強くて、面白くて、仲間想いのいい人だよ。案外子供ぽい所もあるけどそこに惚れたって。お母さんがシャンクスさんのことを話してる時楽しそうに自慢してきた」

 

シャンクスさんの表情が変わる。驚いたような嬉しそうな恥ずかしいそうな表情に

 

「……娘にそこまで熱く語っていたのか………そうなのか?」

 

私は頷く、母さんはとりあえず、シャンクスさんのことが好きだった

 

私がもう一度頷くと、シャンクスさんは天井を仰ぎ見る。部屋に響くはシャンクスさん声だけ

 

「…そ…うか」

 

その声はくもぐっていた。

 

「改めて、はじめましてシャンクスさん……ずっと会ってみたかった。けど、会ってみると……何を言えばいいのか……分からないよ」

 

私は肩をすくめて笑う。正直な思いを告げ、私は下を向く。

 

「…………俺も、会いたかった」

 

ふわりと暖かいものに体を包まれた。大切なものを大事に扱うように壊れないようにそっと。抱きしめられる。因みにお母さんとお父さんが出会った経緯はロジャー海賊団にいた時らしいです。お母さんが年が上だったみたい

 

「リンは俺に航海を続けて…欲しいって……」

 

「お母さんは、語った時も世界中を見て周りたかったって、でも……その夢はシャンクスさんに預けたんだよ」

 

「……そうか」

 

顔は見えないが、シャンクスさんの腕が私を抱きしめた。それはとても力強かった。

 

「……村は?」

 

「俺達が来た時は、もう……」

 

「そう……なんだ……」

 

「すまん、俺達が早く来ていたら」

 

多分そのあとに続く言葉はお母さんを助けられた村の人を助けられたと言うものだろう。でも私は

 

「ううん、お父さんは悪くないよ」

 

「え?」

 

シャンクスさんは驚いた表情になる。多分私がお父さんと言ったからだろう。私はため息をついて

 

「私のお父さんなんでしょ?シャキッとしないと」

 

「おっおう!」

 

沈黙がしばらく続き笑いが起こる。

 

「リンは半年前から病にか……」

 

「うん、咳に血が混じる様になってから、体力が落ちて、昨日ことで私を逃がすに精一杯で。悪魔の実とこの刀を渡されて、悪魔の実は食べちゃったけど」

 

今思えば、あれは結核じゃないだろうか、この世界じゃまだそれを治す薬も無い見たいだ。

 

「どんな模様だったんだ?」

 

「なんか、太陽ぽかったけど」

 

お父さんは少し考え込んで

 

「太陽の模様、サンサンの実か……どういう能力なんだ?」

 

「分からない」

 

右手に力を入れると炎が出てきた

 

「うわ……!?」

 

「自然系見たいだな……それよりツバキ、お腹すいてないか?」

 

そう言われると、くぅ…とお腹がなる

 

「ハッハッハ!!!今日は宴会だ!!辛いことは胸にとどめ忘れず、乗り越えろ時間はいくらかけてもいい」

 

その言葉を聞いた途端、涙が溢れ出る。ひたすらお母さんに謝り村のみんなに謝った。お父さんに抱きつきながら、お父さんは頭を撫でてくれた。

 

そしてその日晩は、村のある島とは別の村で宴会が行われた。

 

「紹介するぜ。俺の娘だ!」

 

みんなの前で紹介された。私は

 

「スメラギ・リンとシャンクスの娘のスメラギ・ツバキです」

 

とお母さんの名前も入れて自己紹介する

 

「ええ!お頭の娘ですか!?」

 

「やっぱりか、リンに似てると思ったぜ」

 

中には白いぽい髪のおじさんもいた

 

「俺はベン・ベックマン、この船の副船長だよろしくな」

 

「よろしくお願いします、ベン・ベックマンさん」

 

一通り挨拶をした。その後はみんなは飲んで騒いでいた。お父さんも楽しんでいた、私?私はお水を飲んでいながら、お肉を食べてます。すると

 

「なぁ、ツバキ、このあと行きたいところあるか?」

 

お父さんことシャンクスさんが尋ねてくる。私の行きたいところか……お母さんが言っていたもう一人の所に行きたいお母さんがロジャー海賊団にいた時にお世話になった人のところへ。

 

「私は、シャボンディ諸島のレイリーさんのところへ行きたい。そして強くなりたい!それとお父さんの航海を邪魔したくない。」

 

「レイリーさんの所か、なるほどリアが話してそうだな。強くなりたいか……父ちゃんも頑張らないとな!」

 

そう言ってジョッキの酒を一気に飲むお父さん。そして私はもう一つのお願いをする。

 

「おこがましいけど、幾つか頼み事をしてもいい?お父さん」

 

「あぁ、俺に出来ることなら何でもいってくれ」

 

予想はしていたが間髪入れずに応えてくれたお父さん

 

「医療関係の本や器材、お願いします」

 

頭を下げてお願いする

 

「頭を上げろよツバキ。少し時間がかかるがそれでもいいなら構わないが、何をするんだ?」

 

「そうだね」

 

頭をあげて私は少し間を置き言う

 

「病気と戦争するためかな」

 

宣言するようにそう言った。




感想お気に入りお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話:シャボンディ諸島にて

お気に入り見たらすげー増えてて驚いた!
嬉しい限りです!


数日の航海の後にシャボンディ諸島に到着した。名前の通りにシャボン玉が至る所に浮いている。そして大きな樹木ことヤルキマンマングローブが並んであるその樹木には番号も書かれている。

 

「凄い!シャボン玉がいっぱいだ!大きい樹木…ヤルキマンマングローブ凄い!!!」

 

私は年相応にはしゃぐ。本当にすごいと思ってるし。お父さん達はその様子を見て大笑いする

 

「ハッハッハ!!!年相応の反応できるじゃねえか!!!」

 

「全くだ、背伸びしてただけか!!!」

 

「むぅー」

 

私は膨れる、それは火に油を注ぐだけになり腹抱えて笑われる始末。ひたすら笑ったあと、お父さんは私を連れて歩き出す。

 

「それで、どうしてレイリーさんなんだ?」

 

「お母さんが、『私の師匠だから、海に出たら鍛えてもらいなさい』って言ってたからかな。それに海賊は引退してるんでしょ?」

 

「なるほどな……リンなら言いそうだな。そうだツバキ、肩車してやろう!」

 

そう言うと無理矢理右腕だけで肩車するお父さん。正直に言うととても恥ずかしい歳的にも、精神年齢的にも

 

「お父さん恥ずかしいよ!」

 

「いいじゃねえか。硬いこと言うなよ」

 

そういう事じゃないと言いたいが、せっかくだから楽しむことにした。肩車の時、いやあった時からの疑問をぶつける。聞き辛いが聞かないと行けない気がしたから。

 

「そう言えば、お父さん。左腕どうしたの?」

 

「ああ、友達を助けるにな、近海の主にくれてやった。友達の命に比べたら安いもんだ」

 

友達のためとはいえ腕を犠牲にするなんて簡単じゃない。思い出した、確か、モンキー・D・ルフィを助けるために腕を犠牲にしたのだったその後お父さんは麦わら帽子をルフィに預けたんだったんだ。お母さんの言っていた通りの人だ仲間想いの人だ。この人が私のお父さんでよかったと思える

 

「そうだツバキ、服を買ってやる。幾ら何でもその格好はダメだよな」

 

「え?………そう言えば」

 

私の服装は村の襲撃以降変わらない変えがないのは辛い。着飾るつもりは無いし、動きやすい服があれば十分だ。

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

レイリーさんの所へ行く前に服屋による事になる。私は簡単に歳相応の動きやすい服を選んだ。そして着替えた。赤を基調とした服で袖元は黄色で黒い短パン、ベルトは赤で淵は黄色、中のシャツは黒だ。

 

「ありがとう、お父さんこれいいよ!」

 

「気に入ったのならいい。そんじゃレイリーさんのところ行くか!」

 

そしてレイリーさんがいると言われるコーティング屋に辿り着く。外には白い髪に白いヒゲ、メガネをかけた老人がいた。

 

「レイリーさん」

 

お父さんが声をかける。レイリーさんと呼ばれた老人は静かに立ち上がり

 

「シャンクスか元気そうだな!東の海で腕を失って来た以来か。うん?そこのお嬢さんは?」

 

レイリーさんは私を見る、懐かしい者を見るようだったそれも誰かに面影を重ねているようだった。

 

「俺とリンの娘だ。なんでもレイリーさんに鍛えて欲しいとの事だ。俺達の事を考えてか、航海の邪魔をしたくないという始末だ。だからレイリーさんツバキを鍛えてやってくれ」

 

お父さんは頭を下げる私も頭を下げてお願いする

 

「レイリーさん、これからお願いします!」

 

「うーん」

 

レイリーさんは考えているようだ。

沈黙がしばらく続き

 

「良いだろう。リンの子なんだろう?なんとも鍛えがいがあるじゃないか。こちらとしても良い刺激になる」

 

レイリーさんは快く引き受けてくれた。

 

「助かるよレイリーさんありがとう。今から仲間達を連れてくる。宴しましょう」

 

お父さんはそう言うと、船を止めた方へ行く。私はここで待つことにした。

 

「それじゃあ、改めて自己紹介だ。私はシルバーズ・レイリー。コーティング屋さ。昔は君のお母さんと同じ船で副船長をしていたさ」

 

「スメラギ・ツバキです。これからよろしくお願いします!レイリー師匠!」

 

私は"オッス"って感じで挨拶する

 

「ハッハッハ気が早いが、やる気は十分のようだね」

 

「はい!」

 

そして夜になりお父さん達が来て

 

「野郎共!宴だァああああ!!」

 

お父さんの号令で宴が始まる。因みに宴をしている場所はバー『シャッキー'S ぼったくりBAR』と言う場所である。シャクヤクさんの店である。各々楽しんで飲んでいる。私はシャクヤクさんにジュースを貰いそれを飲んでいる。

 

「貴女レイリーさんに鍛えてもらうのよね?」

 

「はいそうです」

 

「どうして強くなりたいと思ったの?話を聞いたら数日前に海賊に村を焼かれたと聞いたわ、それで赤髪のシャンクスにつまり君のお父さんに助けてもらったと」

 

「はい、確かに私はあの日、村を海賊に焼かれました。普通なら海賊が憎むのでしょう……でもそれ以上に私は自分の無力さを恨みました。それに海賊の中には仁義を通す人達もいるとお母さんから聞いていました。『海賊は世間から見たら悪だけど、全部が全部悪い人じゃないわ、中には縄張りとして守ってる海賊だっているのよ』と聞かされてましたから」

 

シャクヤクさんは驚いたように私を見る。そんなにおかしいかな?いや多分おかしいのだろう。自分でも、おかしいとは思うけど、あの時感じたのは紛れもなく "自分への情けなさの怒りだ" それを爆破させたのが海賊達だ 。復讐を考えるのが普通だけど相手はどこの海賊なのかもわからない。どのみち海に出るならそれなりの実力は欲しくなる

 

「強くなりたいんです。強くなって自分が信じる道を進みたいんです。私の運命を変えれるのは私だけですから」

 

私が知る『頂上戦争』の運命を変える為に。私は決意し刀の柄を握りしめて言う。シャクヤクは手を肩にポンと置き

 

「頑張りなさい、自分の道ならどうにでもできるわ」

 

そう言いレイリーさんのところに行きました。その後はみんなの輪に混ざり、お酒を飲まされました、すぐに酔いつぶれましたよ。

 

レイリーside

 

今日はシャンクスが娘を連れてきた、一目見てリンの見習いの時の姿を幼くした感じだった。だが凛としていて幼いながらもしっかりした印象だった。 聞けば、シャンクスとリンの娘だと言い、私に鍛えてほしいと言ってきたのだ。私の返事は勿論受ける。ロジャー海賊団が解散し隠居をしてから世界を見守ってきたが老け込むにはいささか早い気がした。そこにこの話だ、この娘、ツバキを鍛えるのは良い刺激になるし、何より久方ぶりに昂る心が喜びを感じたのだ。私は少し考えるふりをして、二つ返事でその話を承諾した。

 

 

 

 




お気に入り 感想お願いします!

次回は来週かも!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 修練にて

遅れて大変申し訳ございません!

そして名前をアイリス→ツバキに変更しました!
前の方が良いと言うなら!戻します!


私が冥王レイリーに鍛え始められて半年が経った。ええ、そうですね、予想の一千倍程辛いです。年齢と少女という事で手は抜きながらも、段階に合った修行を組んでくれているですよ。元医師という事でそういう事にはわかるんですが、やっぱ疲れます。だけど

 

「はぁ……はぁ……まだまだ!」

 

「ハッハッハ!流石リンの娘だ、根性と才能があるな。だが無理は行けない。時間はあるから次打ち終わったら今日は終わりだよ」

 

レイリーさんに言われて、私は頷く。そして切りかかる。まだ実力差は天と地ほどあるが、教わった通りに学んだ事に忠実に切り結んでいく。そしてレイリーさんの木の棒でノックアウトされ、本日の修行は終わりを迎える。

 

「はぁ……疲れたーー」

 

地面に大の字になって夕焼けに染まる空を眺めている。勿論汗だくだが。それは気持ち悪くもあるが、吹き抜ける風により心地よいものにもなる。

 

「ツバキ火を頼めるかい?」

 

レイリーさんに火を頼まれ返事を返して、薪のところへ行き、能力で炎を出して点火する。我ながら便利な能力だ、サンサンの実の太陽人間。だめだ考えただけで、太陽の子が思い浮かんでしまう。何か不思議な事が起こりそうだ。そんな事を考えながら、私は火をつけたあとは、柔軟体操と刀の素振りを行う。急いでも焦っても仕方ないが、軽く流すだけでもやっとけば、身にはつく。

 

「は〜今日も疲れたぁ……」

 

軽く流した後に、再度大の字になって寝転がる。息を大きく吐き出す

 

「こらこら。女の子がそんなだらしないことするんじゃないよ」

 

「だって疲れたんですもん。こうやってしたくもなりますよ師匠」

 

女の子としてはだらしないのは分かるけども、こうするのが個人的に気持ちいいものだ。さてここで、師匠がご飯を作ってくれている間に自分が分かることを考えよう。現状はレイリー師匠に稽古をつけてもらっている。お父さんことシャンクスと会ったのは半年前。その頃には片腕がない状態だった。つまり、ルフィが七歳より上と言う事だけは何となく分かる。考えられる事は私より歳下という事だ。エースやサボも含めて。だけど現在が物語のどの辺かが分からない以上どうしようもない。頂上戦争の結末を変えるといき込んだが、白ひげ海賊団を勝たせても、世界の均衡なる物が崩れるかもしれない……

 

「そもそも、今の私が悩んでも仕方ないよねぇ……あーやめた。考えるのはもう少し先の私に任せようそうしよう」

 

「ツバキご飯が出来たからお食べなさい」

 

レイリーさんから声が掛かる。色々考えていたらもうそんな時間になったんだ。私は起き上がり、火の近くに行き

 

「ありがとう!いただきます」

 

手を合わせていただきますといい、ご飯を食べ出す。うん美味い!こういう料理はめいいっぱい動いた後には最高に美味しく感じる!

 

「うっ!」

 

「こらこら、急いで食べて喉につまらせたら意味が無いだろう?」

 

喉につまらせた私に水を受け取り、一気に飲み干し、食べ物を流し込む。

 

「ふー……死ぬかと思った」

 

半年の成果は……大分伸びたと思う……と言うか思いたい。前世ではさほど運動が得意では無かった。だからこその不安がある!一抹の不安は消えるわけがない!能力が強くても他が弱かったらこの先が不安すぎる。

 

「ほら、まだあるんだから食べなさい。ツバキ」

 

「はーい」

 

「(ここ最近、疲労の色が抜けないでいようだ。頑張ってついてきてるというのもあるが、なにか考え事が疲れを癒す事を阻害しているのだな……聞くのは簡単だが……若いからもう少し考えて見なさい)」

 

レイリーはツバキの疲労と大体だがその原因も分かっていた。だがその問題はツバキ自信が解決するものだと思ったので、口にせず少し鍛錬メニューを少なくして無理なく行こうと考えていた。

 

 

 

とりあえず今は食べて、体力を戻さないと。さーていっぱい食べて、明日も頑張るぞ。そう意気込んで再び食べ出す。たべ終えると眠気に襲われ、私は目を瞑り、眠りにつく。

 

夢を見た。前世の記憶……苦労した記憶。楽しかった日々の記憶。苦々しい思いした記憶。嬉しいことがあった記憶をパノラマの如く見た。笑いがこぼれた、苦笑いをした……そして涙を零した。そして今の自分に戻る。十年間の記憶……スメラギ・リン……私のこの世界のお母さんとの生活。剣術は厳しかったし容赦も無かった。覇気の練習もそれなりに厳しかった。するとお母さんが立っていた。

 

『何ぼさっとしてるの!』

 

「お母さん!?」

 

『そんなんじゃ、やりたい事も出来ないわよ!頑張るんでしょ!?』

 

いきなり、夢に出てきて叱咤激励を飛ばしてくる。

 

「は、はい!」

 

『全く……似ないでいい所は似てしまうなんてね……。流石私の娘ね……。安心なさい貴女は覇気の才能も剣術の才能も私以上よ!しっかり鍛錬すれば誰よりも強くなるわ!』

 

相変わらず凄いお母さんだよ……。夢でもそう言ってもらって嬉しいんだから

 

『いつも貴方は言ってたでしょ?「夢を抱きしめて行くんだ」って』

 

それは前世でFFをやってたの影響を受けてそれを胸に生きてきただけなんだよね。それがこっちでも言うようになってた。

 

「そうだね……未来に不安を募らせるのは、私だけじゃない……うん!頑張るよお母さん!私は頑張るから、だからお母さんも!」

 

『大丈夫よ、ツバキ。私はいつも通りに見守ってあげるから』

 

その言葉と共に目を覚ます。正確な時間は分からないけど、日の出という事を鑑みて朝だろう。今日も一日が始まる。

 

「スーハー、スーハー。よし……頑張るぞ…」

 

深呼吸してやる気を出し、今日も頑張るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話修練終えてにて

今回は早めに挙げれました!




弟子入りしてから四年半が経ちました。

ルフィの修行が二年であって私は四年半です。まだまだ強くなりたいし強くなるつもりですよ。歳は十四になりました。はい前世なら中学二年生くらいの歳ですね。四年半を修行に費やしたからそこそこ強くなったのかな?島の猛獣程度なら楽々倒せるけど、師匠が冥王レイリーだから実戦形式の練習試合でも勝てないから、成長してるだろうけど自信がつかないね。最初の一週間で殴られる回数がほとんど無かった気がする。武装色の覇気も使えるようになった。覇王色の覇気もレイリー師匠には及ばないけど制御は使いこなすことは出来る。後は獣が凄かった。森に行けば猛獣は居るわ、海に行けば海王類がいるわで、流石ワンピースの無人島だよと思った。強くなるにはうってつけだけど……自然系の能力者出なければ、何回死んだんだろう。そして今は

 

「よし……このまま維持して放つ」

 

手のひらに小さな太陽を形成し海に向かって放った。海の中を照らし沸騰し始める

 

「ヤバい早く解除しないと!」

 

解除するのに爆発させる。水飛沫は50m位まで衝撃で伸びる。そしてそれで打ち上げられた魚や海王類は茹で上がっていて落ちてくる。魚を拾いレイリー師匠の所へと持っていく。

 

「魚いっぱい取れましたよ師匠」

 

「おう……うん?もう茹で上がってるじゃないか。さては能力であげたなツバキ」

 

「バレました?」

 

「さっきの大きな音を聞いたら分かるものだよ。とりあえず食べたあとに話があるから、そのことだけ覚えておきなさい」

 

話ねぇ……一体どんな話なのだろうか?まぁ気になるかな。ご飯食べ終わり話になる。

 

「最後の仕上げに移ろうと思う」

 

そう言うと立ち上がり、剣を抜き構える。ツバキはどういうことか察し立ち上がり、刀に手を置き構える。ツバキはその場から姿を消す、そして斜め後ろから切りつける。ツバキは驚くこと無く、瞬時に察知し刀を抜き放つ。互いの刃は黒く染められている。武装色の覇気で染められたものだ。鍔迫り合いをし、レイリーは武装色の覇気を纏い蹴りを放つ、ツバキも同じように応戦する。そして互いに離れ、ツバキは刀を一閃振るう。レイリーはそれを難無く交わす、その斬撃は山に当たり、大爆発を引き起こした。

 

「おやおや、やっぱり破壊力は並じゃないようだね……!」

 

レイリーはツバキの刀を剣で受け止める。素早い歩法で一気に距離を詰めていたのだ。甲高い金属音が響き再び両者は距離を置く。レイリーは剣を鞘に収めた。

 

「十分だよここまで出来れば多少なら生き残れるはずだ」

 

そう言われ、ツバキは刀を鞘に収める

 

「ありがとうござい―――」

 

ツバキが気を抜いてお礼を言おうとしたその瞬間、レイリーからとんでもない威圧が放たれた。少し息が詰まるが、負けるものかと睨み返し、能力を発動させようとする。直後、レイリーから放たれる威圧は消えた。

 

「意地悪ですね?師匠」

 

「ハッハッハ、まぁ許してくれ。」

 

最後の最後で覇王色の覇気で威圧をかけてくるのに対し、ツバキも覇王色の覇気で返し、能力を発動させようとしたのだ。レイリーからしたら十分な成果を見ることから満足はしている。

 

「これからどうするのかね?」

 

「そうですね、シャボンディ諸島に戻って身体を休ませて、お父さんがくれた荷物を持って、旅に出ようと思います」

 

「旅かね?」

 

「はい、私は一人でも困ってる人に自分が持ちうる知識と技術でその人達を助けたいんです。海軍入るという手もありますけど……正義とか私のがらでもないんで。それに特効薬も理論上は完成しかけているので……後は完成させるだけですし」

 

ツバキは楽しそうに話す。レイリーは頷き

 

「じゃあ、新しい旅の準備をするのに、シャボンディ諸島に戻ろうか」

 

「はい!」

 

レイリーが乗ってきた小船でツバキも刀を持ち乗り込み、シャボンディ諸島へと向かう。そしてシャボンディ諸島に特に何事も無く到着する。

 

「うーん!こっちに来るの二年ぶり……私が一度倒れてこっちに戻ってきて、お父さん達が持ってきた荷物を受け取った以来かなぁ」

 

「そういうこともあった、よく覚えているなツバキ」

 

「そりゃ師匠の心配する顔は見られる物じゃないし、お父さんにも心配させたからね。自分の体調管理はしっかりしないと生きていけないし」

 

二年前にツバキは高熱を出して、1週間眠る事になった事があった。レイリーは一時的にシャボンディ諸島に連れ戻して寝かせてた、そのタイミングでシャンクス達がツバキが頼んでいた追加の器材、資料を届けに来ていたのだ。

シャンクスはツバキが倒れたことを聞いて心配した。ツバキの熱が下がるまで、赤髪海賊団はその間シャボンディ諸島に滞在することとなったのは言うまでもない。

 

「シャンクスはとても心配していたのは間違いない。なんせ『頑張れ!ツバキ!病気なんかに負けるなよ!』って言ってたくらいだからな。まぁ私も預かっていた身だからね、心配はしたさ」

 

そんな事を話していいると『シャッキー'S ぼったくりBAR』に到着する。ドアを開けると

 

「おう、帰ってきたかツバキ!」

 

そこにはツバキの父親シャンクスと赤髪海賊団の面々が居た。

 

「うん。ただいまお父さん。今回の航海はどうだった?」

 

「勿論楽しかった。色々なものが見れたしな。そっちはどうだ?修行の方は上手くいってるか?」

 

「それについては、私から言うとするよ」

 

レイリーがツバキの横に立ち、修行の成果を報告する。

 

「今のツバキなら、並の海賊が相手でも簡単に勝てるほど強くなったよ。この年で武装色も見聞色もかなりの練度まで習得し徹底的に叩き込んだ。覇王色も使えるようだから、覇王色の制御も叩き込んだよ。能力のほうもこの四年半でほぼ完全にものにしている感じだね。剣技も流石はリンの娘と言うべきだよ。才能と惜しまない努力でここまで成長してくれたものだ」

 

「そこまで成長したのか!よく頑張ったな!」

 

シャンクスはツバキの頭を乱暴に撫でる。

 

「やめてよ!恥ずかしい!」

 

店内がツバキのセリフでまた笑いが巻き起こり、騒がしくなる。

 

「野郎共!宴だァ!!」

 

そして宴会が開かれたのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

 




感想、お気に入り登録お願いします!

質問も受け付けます!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 旅に出てにて

えーワンピース遅れまして誠に申し訳ございません。
不定期更新ですが生暖かく見てください


宴が終わった次の日に、師匠に舟を貰いました。大きさは大人数人くらいなら普通に乗れるものです。そこにお父さんに頼んだ道具を入れて、いざ出発というわけです。

 

「いよいよ旅立ちだね、ツバキ。忘れ物はないかい?」

 

「はい!師匠。荷物の確認はしました。旅立ちの舟から荷積みまでありがとうございます!」

 

お礼を言い頭を下げる。師匠は笑いながら

 

「ハッハッハ!気にしなくていいよ。それで旅と言っていたが宛はあるのかい?」

 

そう聞かれ私は少し考えた。今回の航海は世界を知ることと、今後住むのに良さそうな島を探す事だ。出来れば気候が穏やかな所が一番いいのだが

 

「そうですね、とりあえずは、東の海を目指してみようと思います」

 

「ほう……なるほど。なら、必然と凪の帯(カームベルト)を超えることになる。私が挙げた舟は海楼石を詰めてある。海王類からの襲撃はされないとは思うが、海面に出てきたら意味は無い。それは自分で対処するんだよ」

 

「何からなにまでありがとうございます!」

 

そう言い私は舟に乗り込む。お父さん達はまだ寝ている。お酒をいっぱい飲んでいたから仕方ないちゃ仕方ないけど、肝臓をいたわってほしいものだ

 

「シャンクスには何も伝えなくていいのかい?」

 

「大丈夫です。宴の内に言っておきました。それに。一生会えなくなる訳では無いので。言うとしたらお酒の飲みすぎは注意とだけお願いします」

 

そう言い、数着あるうちの白衣を身にまとい、舟を漕ぎ出し

 

「じゃあ行ってきます師匠!!」

 

「世界を楽しんできなさい!旅の無事を祈るよ」

 

そして私の旅が始まった……

 

――――――――――――――――

 

天気は快晴でいい航海日和だった。平和だなぁと航海を楽しみながら、釣りや、舟で勉強をしたりと、それなりに航海を楽しんでいた。

 

「なかなか釣れないなぁ……舟があまり大きくないから、食糧もあれだし……凪の帯も風が無いらしいし、どうしよう……と言うかこの舟によく海楼石詰めたよね、何処から入手しているんだろう……」

 

航海に当たり、その地域、海域の特性や航海術も師匠から教わっていた。丁寧に教わったから、並程度の航海の知識はあるとは思う。風が吹かなければずっと漕ぎっぱなしに成る。正直に言うとそれは面倒なものがある。

 

「まぁ、嵐荒さばれて、船沈んだら、私は泳げないから死ぬけどさぁ……あ、魚釣れた」

 

今日のご飯の魚を釣り、それを捌いて刺身にして食べる。あとは持ち込んだ食糧を用いて料理をしたりしている。が、凝った料理をすれば直ぐに食材は尽きるため、簡単な料理で済ましているのが現状である。師匠との生活でそれに対する抵抗感は無いが唯一の救いなのかもしれない。

 

「今持ってるこの世界の医術関連の本は半分以上読んだし、私の記憶にある医術の知識と照らし合わせながら、ノートにまとめよう。そうしたら時間も経つでしょ」

 

そして舟の中でペンを走らせ、ひたすら書き続ける。勿論海王類が出てきたら何時でも対処できるように見聞色の覇気で索敵はしている。舟を沈められたら能力者である私は溺れて死ぬだろう。その前に海を切るとか蒸発させればいいのかもしれないが、そんな事したら海軍のお世話になりかねない。そんな面倒なことは起こしたくないのだ。

 

私が中に入って何時間か経った頃。海面に上がってくる気配を感じた。凪の帯にはまだ入って居ないが、海王類が来るのだろう。ちょうどよかったと思う。せっかくだから、叩きのめして、舟を引っ張て貰おう。そう思い、私はペンを片付け、ノートも本棚に入れ外にに出る。外に出て数秒後、水面から海王類が姿を現した。凪の帯前の海という事で十数メートルということあり、まだ良心的だと思った。そんな思い関係なく、海王類は襲いかかろうとした。

 

「やー、初めまして、私はスメラギ・ツバキ。貴方にお願いがあるんだけど、話を聞いてくれないかな?」

 

勿論、襲いかかろうとするのだから、覇王色で圧をかける。勿論気絶しないように。海王類は怯えあがり、動きを止める。

 

「よし、いい子だ。じゃあ、縄をかけるから、凧の帯を超えて、東の海まで引っ張て行ってね」

 

縄を海王類の胴に括り、縄を握り、武装色の覇気で硬化して、確りと握り

 

「さぁ、頑張れ!」

 

と声をかけ、海王類を泳がせる。風に任せるより速く進んでいくのに私は上機嫌になる。これなら、そう日数かからず、東の海に辿り着くだろう。はじめに行くのならフーシャ村に行ってみたい物だ。今のルフィって何歳だろう?私は十四だけど、お父さんと初めて合った時にはもう左腕は無かったし。少なくとも十二歳以上だろう。そう考えればサボはもう革命軍の所だろう。エースはまだ海賊になっては居ない。運が良ければ会える可能性があるという。まぁ、あった所で道が変わるわけじゃないし、私は私の目的のためにとりあえず東の海を目指すだけ……

 

「この海王類ペットにしようかな……以外にカッコいい部類の海王類だし……」

 

夜には止まるように声をかけて、休ませている。縄を解き、日の出に帰ってくるように言い、ご飯を食べに狩りに行くのも、休むにも自由にするように。私も夜は日課の体幹トレーニングと木刀の素振りをして眠る。せっかく身についた技術も少しでも磨かないとすぐに錆び付いてしまうだろう。そうなればとあの日々が水泡と帰す。あの充実した地獄が無駄になるなんて考えたくない。そんなことを考えながら、日の出まで眠る。とりあえず明日に凪の帯に入るのは間違いはない。その1日で抜けないと行けない。明日は何があっても、あの海王類には頑張って貰わないと。その日は別に夢を見ることは無かった。目が覚めて、外に出る。朝日が出ていて、前日に手なずけた海王類も戻ってきていた。頭を撫で、再び武装色の覇気で硬化した縄をかけ、走らせる。手元の懐中時計で半刻がすぎた頃。凪の帯に入った。風が一切吹かない領域。固唾を呑んで冷や汗をかきながら、縄を握る手に力が入る。

 

正直に言うとカームベルトは速く抜けたい気持ちでいっぱいだ。百Mクラスの海王類とか遭遇したら死を意識してしまう。しかも私は能力者海に落ちたらそこで終わり。それだけは本当に嫌なものだ。まぁ、私がカームベルトを超えるという事は、あらかじめ相談していたため、師匠は海楼石を積んでいてくれた。それが救いだ。引っ張ている海王類も下の気配を感じているのか、昨日より速い速度で泳いでいる。そして半日でカームベルトを突破した。特に何もなく運良く突破した。

 

「と、突破したぁ……やった……!」

 

思わずガッツポーズをとり喜んでいた。出会わなかったこと。何事も無くカームベルトを突破したことが嬉しくて大袈裟に喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 




百Mクラス海王類なんて会いたくないよね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 フーシャ村にて

凪の帯を抜けて海図を見る。現在地の把握の為だ。

 

「ええと、今はここだから……フーシャ村って地図に載ってるのかな?」

 

海図とにらめっこしながら、捕まえた海王類に舟を引っ張て貰いながら進む。旅に出てそうそうに目的地に辿り着けないなんてどうしようもないものだ。とりあえずなんとしてでも辿り着きたい。

 

「そう言えば、フーシャ村ってゴア王国の僻地にあるってお父さんに聞いたっけ。まぁ、海王類とか連れた状態で国の港に入れば騒ぎ待ったなしになるだろうし……」

 

口に手を当てながらそうしようと考え、とりあえずゴア王国のある大陸に向かわないと。海図を見ながら、海王類に伝えて再び引っ張てもらう。私は舟の中に戻り、再び勉強する。この世界の医術と前の世界の医術は異なる点、共通する点が合った。でもこの世界の医術は私にとったら未知数で私がいた世界の医術はこっちの世界の未知数でもある。それを纏めて、治療に役に立てばいい。と考えながらペンを置き、本を持ち出し舟の外に出て、本を読み出した。しばらくすると、家々が並ぶ喉かな風景の村が見えてきた。

 

「彼処が、フーシャ村かな?よし、あそこにつけて。私が降りれるようにお願いね」

 

本を閉じ、白衣のポケットに手を入れて本を片付けるべく一度中に入り、着替えと最低限の道具を入れたトランク を手に持ち、着陸の準備をする。ふと異変を感じ取る。住人が怯えたり、警戒した感じで、集まっていた。その警戒の対象が明らかに私だ。

 

「おかしいなぁ、別に警戒される旗じゃないのに」

 

旗は白、帆も特に柄のない白だ。警戒されるものは一切無いはず。腕を組んで考えるが思いつかない。周りを見渡しながら考えるが、舟には大砲なんて積んでいないし警戒されるものなんて……

 

「あ、海王類……」

 

二日で馴染んでしまった海王類のことをすっかり忘れていた。そりゃ海王類に引っ張られて舟が来たら、そりゃ警戒もするよね。そりゃそうだ。まぁ、この子は私の言うことを聞くし、言い聞かせて、しばらく自由にさせよう。そんなことを考えながら、港に海王類と舟をつけさせる。そしてトランクと形見の刀を持ち上陸する。周りからは

 

「あの海王類を従わせたのあんな子供なの!?」

 

「な、なんだ!?この女の子、白衣来てるぞ!?」

 

「新手の海賊か!?」

 

失敬な。と言いたいが、自分も反省している。凪の帯を出た時に海王類を解放しておくべきだったと。勘違いされていい気はしないがそれでも何かを言うべきだろうか。そんなことを考えていたら、帽子を被り眼鏡をかけ、杖をついた老人が出てきた。分かる、フーシャ村の村長だ。周りの人も道を開けて行く。

 

「この村になんのようじゃ?娘さん」

 

「私はスメラギ・ツバキ。偉大なる航路から来ました。その旅をしてまして、東の海に来ました。その、海王類の件でお騒がせしてしまいすいません。危害を加える気はありません。しばらくの間滞在させてください」

 

頭を下げて、お願いする。周りはざわざわとざわつき始めた。私をどうするかを話し合っているようだ。ダメなら別の場所に行くしかない。そう一人で考えていたら

 

「そうだったか、ならこの村に滞在するといい。子供が一人で旅をしてこの村に来たんじゃ、それに危害は加えないと言う。その言葉守ってもらうぞ、娘さん」

 

「勿論です」

 

私はそう言い、荷物をその場に置き、一度舟のところに行く。縄を解き海王類に

 

「今から自由にしてもいいけど、ここ近海の船は襲ったらダメだよ。襲ったら分かってるよね」

 

海王類は頷き、潜って行く。それだけを言い私は戻る。そしてトランクの中身から財布を出す。それと同時にグゥーっとお腹が鳴る音がする。

 

「すいません、お腹がすいたのでなにか食べさせてください」

 

私は顔を赤くしながら言う。そして酒場に入りご飯を出してもらう。

 

「え!?それじゃあ、あの凪の帯を渡ってきたの!?」

 

「はい、その前にさっきの海王類を手なずけまして、なんとか来れました」

 

今はバーのマスターのマキノさんと話をしながらご飯を食べています。

 

「へえー凄いなぁ。まだ子供なのに」

 

「まぁ、マキノさんから見たら子供ですけど。これでも私鍛えられているので、そこそこ腕に自信はありますよ。でもまぁ、私は医者ですので、護身程度ですけど」

 

「それでもすごいよ!海を越えてくるなんて。ルフィやエースが聞いたら反応するのかなぁ」

 

「ルフィがここに居るんですか?」

 

マキノさんは私の質問に驚いたように聞く。私は飲み物も飲み干し、チャーハンを食べ終える。

 

「ルフィを知ってるの?」

 

「はい、お父さんから聞きました。帽子を預けた友達だって。マキノさんご馳走でした」

 

「え!?ツバキちゃんのお父さんってまさか!」

 

「さぁ?どうでしょう。それはご想像にお任せします」

 

そう言って私は山に向かう。マキノさんの言葉を聞こえないふりして山に向かう。それまでの道のりでの風景を見て、生まれ育った村を思い出す。

 

(彼処も、こんな感じに長閑な所だったなぁ……母さん……)

 

風が優しく頬を撫でていく。今は亡き母との過ごした日々を思い出す。十年間過ごした村とフーシャ村を重ねて大きく息を吸う。今も色鮮やかに残る日々、この世界での私の原点。覇気も剣も教わったあの地。フーシャ村を見てこみ上げて来たものは懐かしい気持ちだった。そんな思いを抱いて、背負い。再び足を進める。緩やかな傾斜を登り森の中に入る。傍から見たら森に入るのには不釣り合いの服装だが、そんなのは、私からしたらどうでもいいことだ。森に入りしばらく歩く。その道中で植物や動物を観察しながら、軽い運動がてらに体を動かす。

 

(師匠と修行した森のこと考えたら、穏やかでいいなぁ。風も通るし気持ちいい)

 

そんな森を心から楽しみにしながら足を進める。すると、誰かが戦っている声が聞こえてくる。

 

「ゴムゴムの銃!!」

 

「はっ!甘いぜルフィ!!」

 

そして伸びてくる拳は私のところまで来る。勿論私も躱す。と言うか驚いた、拳が伸びてきたのだ。驚いて声も出てしまう

 

「うわ!?危ない!?」

 

「誰かいるのか?」

 

「居ますよー」

 

拳が飛んできた方向に歩き、二人の前に姿を現す。

 

「女?」

 

「女だな。なぁお前名前なんて言うだ?」

 

「私?私はスメラギ・ツバキ。医者で今は旅の途中よ。舟でここまで来て、しばらく滞在予定です。よろしく。二人の名前は?」

 

知って入るが、質問をする。ルフィはお父さんの話で知っていてもエースは知りえないのだから。

 

「俺はポートガス・D・エース。麦わら帽子を被ってるのが義弟の」

 

「ルフィ!モンキー・D・ルフィ。海賊王になる男だ!!」

 

「ルフィ……お父さんが言っていた通りの人だ」

 

「ん?ツバキは俺のこと知ってたのか?」

 

「うん。よくお父さんにルフィの話を聞いていたんだ」

 

「へぇ、ルフィのことを話すお前の親か。じゃあ、シャンクスの関係者じゃねぇのか?」

 

エースの言葉でルフィは考え、頭にびっくりマークを浮かべ

 

「そうか!ヤソップの言ってた息子ってお前のことか!」

 

「それなら娘というだろルフィ。子供というなら分かるが」

 

「うーん、他に知り合いなんてうーん。そう言えばお前の髪赤いな」

 

「うん、父親の遺伝なんだよ。母親に似たら白くなりそうだけど」

 

ほぼ答えを言っているとは自分でも思うけど、出来れば当ててほしいとは思う。その方がきっと面白そうだから

 

「そう言えば、ルフィ。お前の恩人の赤髪のシャンクスは名前の通り赤い髪じゃねえのか?ツバキの髪も赤いし。ルフィのことを聞いていたと言うなら。そう考えられるぞ」

 

それを聞きルフィは注意深く私をを観察する。顔を覗き込んできたり、髪を見たり色々見る。

 

「お前の父ちゃん、シャンクスか!?」

 

「正解!私のお父さんはシャンクスだよ。改めて宜しくね。ルフィ、エース」

 

「「ああ、よろしくな」」

 

―――――――――――――

 

「と、言うわけだダダン。今日はツバキを泊めてやってくれ!」

 

「にしし!」

 

「ど、どうも」

 

山賊ダダンが住む家に今日は泊まる事になった。幸い着替えとかは持ってきていたので、泊まることが出来る。

 

「ど、どうします、お頭」

 

「住み着くわけじゃ無いなら、良い。その代わり!掃除とかはして貰う!客人としては扱わないからな!」

 

「はい!喜んでします」

 

なんとか泊まれる事になりました。そのあとはご飯の準備をして、ちょっとした宴会みたいになった。

 

「じゃあツバキは偉大なる航路から、東の海に来たのか!」

 

「うん。旅でね来たかったんだここに。お父さんにから色々聞いていたし、来たかったんだ」

 

「でも、すげえよな。俺より年下で一人で来るなんてよ」

 

「まぁね……色々鍛えてもらってたしね。そう言えば二人とも大きくなったら何になるの?」

 

「「海賊だ!」」

 

「そんな気はしてた。二人とも、海軍って感じじゃないしね」

 

「ああ、俺は海賊王になるんだ!!」

 

「ルフィには悪いが王になるのが俺だ!」

 

そう言って二人は肉を取り合いしながら食べる。私はゆっくりお肉を食べる。こんなに賑やかなのは、お父さんたちと宴をする以外では無いなぁと思いながら食べていました。

 

「そういや、ツバキは海賊なのか?」

 

「ううん。私は医者兼冒険者って感じかな。海賊も海軍も柄じゃないし。まぁ海軍の体術には興味があるけど。それだけだしね」

 

「シャンクスの娘だから、海賊になると言うと思ったんだけどな。そうは思わなかったのか?」

 

「ううん。今はまだね、私の住んでいた村。海賊に襲われて私以外全員死んだんだ。お母さんも村長さんも。私は悪魔の実と、この刀……お母さんの形見を持って逃げた。気を失って目が覚めたら、お父さんの船だった。話を聞いたら、お父さんが来た時にはもう燃えていたらしいんだ。まぁ、全ての海賊が悪いだなんて思ってないけどね」

 

「そうなのか……」

 

「じゃあさ!ツバキ!俺が海賊になったら俺の船に乗れよ!!」

 

ルフィが笑顔で私を勧誘してきた。それを聞いたエースは負けじと

 

「いいや!俺の船だ!乗るなら俺の船の方がいい!」

 

「いいや、俺だエース!!」

 

「譲らねぇぞ、ルフィ!!」

 

二人はまた取っ組み合いをはじめて争う。私は苦笑いをしながら

 

「ははは……二人とも私が戦えるかどうかもわからないのにいいの?」

 

「「海賊に船医は必要だ!!」」

 

「さ、さいですか」

 

私はそんな二人を見ながら肉を食べ苦笑いを浮かべていた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 海軍の英雄に連れられてにて

キャラの口調に不安がある皐月の王です。

生暖かい目で見てください


私がフーシャ村に来て一ヶ月。ルフィとエースと年相応に遊んで過ごしていた。修行?にも付き合ったし、怪我をしたら私が手当をした。修行をしていた四年半に比べてのんびり過ごせています。

 

「すげぇなツバキ。俺達に余裕でついてくるなんて」

 

「まぁね!私もこういう所で過ごしたことあるからね!」

 

「にっしし!また競走しようぜ!エース、ツバキ!」

 

私たちがダダンさんの家まで競走をした。結果は鍛えていた私の勝ちです。ふっふっ私に勝とうなんて3年早いね!

 

「やったーまた私の勝ち!」

 

「くっそ、また勝てなかったか!」

 

「俺なんかずっとビリだぞ!」

 

私に歳が近い友達ができるのは村を焼かれる前の話だ。それを思うと少しさみしい気持ちにもなるけど、今は楽しい。ダダンの小屋に入ったら、見慣れない大男が居た。

 

「帰ったかルフィ、エース」

 

「げっ!その声は……!」

 

「じいちゃん!」

 

二人は半歩下がった、うわー凄い嫌そう。ルフィのおじいちゃんと言えば……海軍中将のガープだったよね

 

「じいちゃんが帰ってきたのになんという反応だ!!」

 

ガープさんが立ち上がり、一歩迫って言うと。うわー迫力あるなぁ。

 

「ん?何じゃ、この娘は」

 

ついにこっちに気づいた!自己紹介しないと。

 

「私は、スメラギ・ツバキと言います。今はダダンさんの家でお世話になってます!」

 

そう自己紹介すると、ガープさんは驚いた表情を浮かべて

 

「何ぃ!スメラギという事は!スメラギ・リンの娘か!」

 

「お母さんを知っているんですか!」

 

「知ってるも何も、アイツはロジャー海賊団そして赤髪海賊団に所属していた女剣士じゃないか!」

 

あ、そう言えばお母さんも海賊してた。私を産んだあと暫くして病気になって船を降りたって言ってたけ。

 

「それが何で、娘のお前さんがここにいるんだ?」

 

「旅をしてましてここにきました。父さんが友達がいる村だって教えてくれたので。それに旅に出るならまっさきにここに来たかったので」

 

私は正直に言う。ここに来たかったのは本当だし、隠すことでもない。

 

「ツバキは俺が海賊になったら船医になるんだ!」

 

そ、それは言ってない!

 

「何言ってんだルフィ!ツバキは俺の船に乗るんだ!」

 

二人とも!?ガープさんがいるんだよ!そんなこと言ったら……

 

「まだ海賊なりたいとまーだそんなこと言っとるのか?お前らが成るのは海兵じゃと言うのが分からんのか!」

 

ガープさんの拳骨が二人の頭を強襲した。一発でノックアウトだ……うわ……たんこぶ痛そう。

 

「なるほど、ワシに鍛え直してほしいバカもんがまた一人増えたということか?」

 

「あの、別に私は海賊になる気は無いですよ。私は冒険家兼医師を目指してますから」

 

ガープさんは少し何かを考えているポーズ?をして、閃いたと手をポンっとして。

 

「そうじゃ!海軍に入らんかお嬢ちゃん!世界も見れるし、医学も学べるぞ!」

 

海兵のお誘いだと……!?なんとなく来そうと思ったけど本当に来るなんて。でも、悪くは無い話ではある。

世界を見て回ることも出来るし、しかも六式も医学関連も学べる。強くなりたい私には六式を覚えれる機会があるのはありがたい

 

私も考える。ただ、海賊を追い回すだけなら速攻辞めるのもありかもしれないが、なんか最低一年は頑張りたい気もする。

 

「海軍……ですか……分かりました。学べることだけを学ぶと言う名目で海軍に入ります」

 

ここで一時的に旅をやめて海軍に行くのはあれだけど。それよりも得るもの得たい。何かあった時に守れる力はあった方がいい。

 

エースとルフィの反応は

 

「「ええええええええぇぇぇぇええ!!??」」

 

「よし来た!いい収穫じゃ!じゃあ早速海軍本部に行くぞ!」

 

え?早速!?今から?

 

「え?今からですか?」

 

「善は急げと言うじゃろ!ほら行くぞ!」

 

そのまま私は勢いに流され、海軍の軍艦まで連れていかれました。まぁ行くと行ったのは私だし、仕方ないんだけど。

 

荷物を持って、軍艦が動き出した頃には、少し後悔のようなものをしていた。私には海軍は合わないだろうなぁと。

 

「ガープさん。私のお母さん海賊だったのそのまま報告するんですか?」

 

「この事は黙っといた方がいいじゃろ。海軍にいる時は、スメラギの名は出さんほうがいい。うるさい奴もいるしなぁ」

 

多分赤犬だろうなぁ。私の両親は海賊だし、そんなの知れば殺しにくるだろうなぁ。可能性の内に芽は摘み取らないかんとか言って……

 

「それに、私の実力の確認無しに海軍に入れるの大丈夫なんですか?」

 

「そうじゃなぁ。なんか手頃な相手がいたら……そうじゃ!本部に着いてから新人と手合わせしてもらおうか、どれほどの実力か見ておきたいしのう」

 

新人との手合わせ……そう言えば私が最後に手合わせをしたのは、師匠のレイリーさんだったなぁ。あれから鍛錬を欠かしたことは無い、磨くのは大変だけど、錆びさせるのは簡単。それはお母さんの教えだった。小さな積み重ねでもやらないより毎日するほうがいいと。

 

私は鞘に刀を収めたまま、素振りと型の確認を夜の甲板にて行っていた。

染み付いた私の日課。医師の勉強している時よりも私らしいと思うようになってしまった私は、もうこの世界に馴染んでしまったのだろう。

 

「さて、もう少し夜風に当たったら寝ようかな」

 

夜の潮風を少し浴びながら、空に浮かぶ三日月を見上げる。転生前はこんなにゆっくり月を見ることなんてなかったなぁ

 

「よし、今日は休もう」

 

割り当てられた部屋に戻り、私は眠りについた。

 

そんな生活が続いて、到着しましたマリンフォード。海軍の総本山にいや……来ると緊張するなぁ。

 

ガープさんに案内され、新人訓練のグランド?に連れてかれる。

 

「ガープ中将!とそちらの娘さんは?」

 

「ああ、儂が拾ってきた海兵になるツバキじゃ。訓練生同士の手合わせ中じゃろ?ツバキを混ぜてやってくれ、報告は後で聞くからのう」

 

それだけを言うとガープさんはどっかに行ってしまった……え!?投げやりすぎない!?

 

「……まぁ、ツバキと言ったな。早速で悪いが実力を見るために、訓練に混ざってくれないか?」

 

「分かりました……あ、私の刀預かっといてください」

 

教官であろう人に刀を預け、私は歩いていく。そしてスイッチを入れた……

 

ガープsaid

 

「というわけじゃ、ツバキを海兵にするんじゃが。異論はあるかセンゴク」

 

儂は拾ってきたもとい、勧誘してきたツバキの説明をセンゴクにしたんじゃが

 

「何を言い出すかと思えば、それをわざわざ言うために俺の部屋で煎餅を食べなが言うのか?」

 

なんじゃあセンゴク。儂の目に狂いがあるというのか?

 

「今訓練生の所にいるから見に行くぞ!」

 

「俺は仕事があるんだぞガープ!お前もふざけている時間があるなら仕事しろ!!」

 

「ガープ中将!!」

 

何か慌てて来おったな。

 

「ハァハァ、さ、先程訓練生に混ぜてやってくれとおっしゃった少女ですが」

 

「どうじゃった?」

 

「はい、その場にいた訓練生を全員を無力化させてしまいました!しかも、どれも一撃で沈めています!」

 

ほう、流石スメラギの娘というわけか。これだけじゃ、本当の実力が分からんのう。

 

「ハッハハハハ!! こりゃ面白いものを拾ってきたわい。どうれ、儂が直接実力を見てやるかのう!」

 

儂は心を踊らせながら、訓練場に向かった。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 海軍本部にて

エイリアンマンさんの『ONE PIECE世界に彼等を転生させて見た件』とコラボさせてもらっています!
是非、エイリアンマンさんの作品を見てください!


私の周りには気絶した訓練生が横たわっている。実力を見せる為に訓練に混ざって全員と手合わせしたら、こうなってしまった。

 

(凄い、レイリーさんとの修行ここまでのものなんだ……まだ何かできるのかな?)

 

私は自分の両掌を見ながらクスッと笑った。ここまで好戦的だったのか疑問に思うけど、それでも自然と笑がこぼれてしまう。

 

「ほう、随分やるみたいじゃなぁツバキ」

 

声のする方を振り向くと、ガープさんが煎餅をバリバリ食べながら歩いてきた。人をほっといて煎餅ですか……美味しそうですね。ガープさんは気絶した訓練生を医務室に運ぶように指示を出し、私と向き合う。

 

「訓練生じゃ実力をはかるには至らんか……どうれ、儂が見てやるか」

 

え?次はガープさんと戦うの?勝てるわけがない!海軍の英雄ですよ?相手は

 

「遠慮は要らんぞ!ほれ、早くかかってこんかい!」

 

し、仕方ない。やれるだけのことをするしかない!私は目を瞑り、大きく深呼吸をする。

 

「行きます!」

 

目を見開き武装色の覇気を纏い拳を硬化させ、私は縮地をしてガープさんとの距離を詰め拳を突き出す。

 

「武装色の覇気を使えるのか!」

 

ガープさんは驚いた声を上げながら、私の拳を受ける。

 

「ぬぅ!」

 

私の一撃をもらったガープさんは大きく退る。

 

「いや、驚いたわい。その年で武装色をここまで鍛え上げているとは、流石アイツの娘と言わざるを得んなぁ。今のは少し効いたわい」

 

ガープさんは笑いながら言った。一応武装色の覇気で殴ったのにその位しか効かないとなると、やっぱり海軍の英雄は凄いと思う。

 

「次は儂から行くぞ!」

 

ガープさんが拳を振り上げ、殴りかかってくる。私はそれを見聞色の覇気を使い躱していく。

 

「今度は見聞色か!ワッハハハ!!見た目に似合わない実力があるようじゃな。……まだなにか隠しておるんじゃないか?」

 

ガープさんが面白そうに私を見据える。ガープさんの一撃を大きく下がって距離を置き躱す。隠しているものと言えば、サンサンの実の能力と剣技。今刀は預けているから剣技は無理

 

「あります、これが私の能力です」

 

私は一度脱力をして、深呼吸して力を入れる。私の体が灼熱の煌炎となり、燃え輝く。

 

「ほう、ボルサリーノ見たいに光っとるのう、それでいて熱を放つか。それも尋常じゃないの」

 

ガープさんは汗を流しながら言う。冷や汗ではなく、暑いからかく汗だ。かいた汗は熱により蒸発していく。今この島のこの場所は、昼間の砂漠以上に暑いだろう。

 

「行きます!ソルストライク!!」

 

私は姿勢を低くし、ガープさん目掛けて前方に

 

「ガッハッハッ!!甘いわ!」

 

私の拳は届くことは無かった。それよりも先にガープさんの痛烈な拳骨がは

私の頭に命中した。おかしい!私一応自然系の能力者なのに、覇気使ったのかな?ガープさんは。そう考えた私の意識は暗転し体は力無く崩れ落ちた。

 

私が意識を取り戻したら、知らない天井があった。多分医務室だろうか、そこには私の刀もあった。

 

にしても

 

「私しかいないんじゃん」

 

体を起こして外を見ると、外は夕暮れとなっていた。お昼頃についたからそんな時間になったんだね。

 

「でも、ガープさんやっぱり強かったなぁ……」

 

流石、海賊王ロジャーと渡り合った伝説の海兵。私が全力を出しても敵わないだろうなぁ。それ以上に周りの被害のことを考えると、能力使用を全力でやる事はダメだ。

 

「で、どうなんだろう……私。海軍に入れるのかな?入れないなら入れないで帰るしかないんだけど……」

 

私が考えていると、

 

ぐうぅぅ~〜~。

 

「お腹空いた……」

 

お昼から何も食べてないからお腹がなってしまった。……は、恥ずかしいなぁ、どうしよう食堂なんてわからないし。取り敢えずこの部屋から出てみよう。

 

うん、分かんないや。取り敢えず歩いて回って食堂を探そう。それにしても、アニメで見たマリンフォードを実際に歩く日が来るなんて、これはこれですごい事だよね……

 

「本当にどこだろう!?食堂!」

 

約三十分さまよったけど全然見当たらない。荷物は軍艦の中だし、しかもどの軍艦か分かんないし!あーどうしよう!

 

私が途方に暮れながら歩いていると

 

「あーらら。お嬢ちゃん迷子?」

 

後ろから声が掛かる。後ろを振り返ると、アイマスクを頭につけ、モジャモジャな頭、青い袖に長身……間違いない青キジのクザンだ!

 

「は、はい。少し……」

 

ぐうぅぅ~〜~。

 

お腹が鳴ってしまった。顔が熱くなるのを感じる。とても恥ずかしい!人前でお腹を鳴らすなんて!恥ずかしいよ!穴があるなら埋まりたいほどに恥ずかしい!

 

「お嬢ちゃんお腹すいてんの?」

 

クザンがしゃがみ、私の顔を覗き込んでくる。見ないで今絶対顔赤いから!

 

私はプルプル震えながら、首を縦に振る。

 

「あー、しょうがねえな。俺が食堂まで案内してやるよ。お嬢ちゃんがお腹空かしてるのに見ない振りできねぇしな」

 

うわ……凄い優しい。この人、マンガやアニメで見てたけど、本当に優しいなぁ。冷たい能力なのに温かい人だなぁ。

 

「お、お願いします……」

 

「しっかりついてこいよ。お嬢ちゃん」

 

クザンさんはそう言って、私を先導する。

 

「それにしても、初めて見る顔だね。名前なんていうのお嬢ちゃん」

 

海軍大将から名前を聞かれた。答えようとして、ガープさんの言葉を思い出した。

 

『海軍にいる時は、スメラギの名は出さんほうがいい。うるさい奴もいるしなぁ』

 

そう、私の両親は海賊。そしてどっちも有名な海賊だ。お母さんのスメラギ・リンは四年前に村が襲撃された時に亡くなった。お父さんが赤髪のシャンクス。スメラギの名前はお母さんの名前だ、出せば知られるし、ここにいられなくなる。それだけは折角ガープさんに連れてきてもらったのに勿体ない……

 

「ツバキ。私の名前はツバキです。ガープ中将に連れられて来ました。実力をはかるという事で手合わせして、気絶させられ、お腹がすいて……」

 

「医務室からでて、迷子になったというわけか。初めてきたら迷うよなこりゃ」

 

クザンさんは肩を落とし、なるほどなと納得する。

 

「そういう事です」

 

「あー、俺の自己紹介まだだったな。オレは海軍大将やってるクザンだ。よろしくなお嬢ちゃん」

 

「か、海軍大将だったんですか!?これは失礼しました!」

 

知ってたけど、一応こうしないと。

 

「別にそう言うの気にしなくていいから。まだ入ったわけじゃないだろ?」

 

「そ、それはそうですけど……」

 

「まぁとりあえず、飯食ってガープさんに届けてからだな」

 

このあと、私はクザンさんの案内で食堂に着き、無事に食事をとることが出来ました。何やら視線が集まっていた気がしますが……まぁ、気にせず食べましたね。海軍の食堂のご飯は美味しかったです。その後ガープ中将に首根っこをつかまれ回収されました。私は猫じゃ無いんだけど……。

 

 

 




お気に入り、感想お願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 海軍になってみて

こちらも早く進めなければ


私が海軍に来てから半年になりました。私はガープさんとの手合わせて、覇気を使ったのでそれが認められ、少尉スタートです。まぁ、半年の間は六式や座学を学びながらだったんですけど……とりあえず半年の訓練で、月歩と剃は覚えましたね。見聞色の覇気の感覚で紙絵もモノにしました。

 

あとは、嵐脚を覚えたら、個人的には満足です。鉄塊と指銃?私には合いませんね……できる気がしない。いいよ、別に使えなくても!後悔しませんだー。

 

そして海兵の服を着ているですが、思いの外似合ってる自分が居てどうしようかと思いましたよ。私の目的は、戦場での医術と六式、そして海軍の航海術ですね。それを学ぶ時の私はきっと目が輝いていたでしょうね。座学の先生が鬱陶しいがってましたし。

 

そんな私がしていることは、大参謀のつるさんの元で働いています。話に聞きますと……

 

『ワシが拾ってきたからワシが面倒を見る!』

 

『お前に任せられるか!ガープ!折角の期待の新人をお前の元には行かせんぞ!』

 

ガープさんと元帥のセンゴクさんが睨み合って譲らなかったらしい。ガープさんは私の秘密を知ってるしね……それもあるんだろうけど……

 

そして次は大将三人組にうつり

 

『じゃあ、ガープさんのところまで連れていった俺のところはどうよ。俺がバッチリ面倒を……』

 

『たわけ!不真面目の見本のような貴様のトコに配属させるくらいなら儂がもらっちゃるわ!』

 

『こっちも人員が少ないから、出来たら欲しんだけどねぇ』

 

犬猿の仲の二人がいがみ合って、ボルサリーノさんが控えめに言ってたそうな。うん、サカヅキ大将のところにならなくて良かった。あの人とは絶対に意見が合わない未来しか見えないよ……階級関係無く突っかかりそうだよ……主に私が。

 

そこでつるさんが鶴の一声で私の行き先が、つるさん所に配属されることになりました。正直に言うと私はほっとしました。まぁ、スメラギの名前を出さないように頑張らないと。

 

そんな私が今していることは、デスクワークです。書類仕事をしています。前世の頃にもしたことがある仕事の一つなので、やり方さえ覚えてしまえば黙々とできます。

 

「ツバキ、この書類をセンゴクの所に届けておくれ」

 

「了解しました!すぐに行きます!」

 

私はつるさんから書類を受け取り、元帥のセンゴクさんの所に持っていく。

 

「お、ツバキちゃん今日も頑張ってるね!」

 

「大変だろうけど頑張ってねツバキちゃん!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

男性海兵から声援を受けてセンゴクさんの所に書類を届けに行きます。……こうして働くようになってからよく視線が集まるような気がします。何故だろうね?

 

「失礼します。センゴク元帥、書類を持ってきました」

 

「ツバキか、持ってきた書類はここに置いておいてくれ。終わった書類はこっちにある」

 

「はい。……湯呑み空ですね、今淹れますね」

 

そう声をかけて、お茶の準備をする。能力を少し使って、お湯を沸かします。こういう時便利だよね、私の能力は。湯呑みにお茶を注ぎ、センゴクさんの机の上に置く。

 

「ああ、スマンな。少し余裕があるな、ツバキもお茶飲んでいかんか?」

 

「いえ、また仕事があるので、またの機会にご馳走になります!では、失礼します!」

 

完成している書類を手に取り、一礼してその場から離れる。一度つるさんの所に持っていき、また別の書類を他の人の所に届けなくては!

 

書類を崩さなように持ち、せっせとつるさんのところに持っていきます。

 

「センゴクさんから書類を貰ってきました」

 

「お疲れさん。じゃあ、次はこの書類をクザンに届けておくれ。サボってたら、早く捕まえるようにね!」

 

「分かりました!行ってきます!」

 

次はクザンさんに書類を届ける仕事ですね。まあ、どうせ素直に仕事をしていないだろうなぁ。追いかける心構えでもしておこうかな……

 

「クザンさん、書類を届けに……やっぱり居ないよあの人!!海に出られたら嫌だから早く自転車見に行かないと!!」

 

私は書類を一度置き、月歩を使い探しに出る。恒例行事となりつつあるクザンさんを探せが始まる。ウ〇ーリーを探せの如くマリンフォードのどこかに居るクザンさんを探す隠れぼか鬼ごっこが始まる。私が鬼限定の……。

私の勝利条件は、クザンさんを見つけ、机に座らせて仕事をさせる。敗北条件は、海に逃げられること、急がないと!

 

「♪~♪~」

 

あ、鼻歌を歌いながら、自転車に乗ろうとしてる……!

 

「すいません!そこにいる大将を止めてください!」

 

近くにいる海兵に頼む。海兵は何のことかをすぐに理解し、クザンさんを止める。

 

「クザン大将ダメですよ!ツバキ少尉が困ってますから行かないでください!!

 

「あーらら、もう見つかったの。まぁ、俺はいく……」

 

「行かせないからァああああああああ!」

 

「ぐお!?」

 

私は腕を武装色の覇気を纏い、月歩から、剃に変えて、勢いよく人間ロケットのように、突っ込んで捕まえる。勢いよく突っ込んだせいで、壁に激突する。

 

「イテテ……捕まえましたよクザンさん」

 

「思ったより、早く見つかっちまったな。慣れてきたんじゃない、俺との鬼ごっこも」

 

「そうですね、もう十分楽しんだんで、今からもっと楽しい書類仕事しましょうね?クザン大将」

 

私は笑顔で言う。笑顔は大切だ、相手の心も綻ぶし、楽しい気分になるし、印象も良くなる。だけど、周りの海兵とクザンさんは引きっつてますね。なんでだろう?私はクザンを引っ張り、クザンの椅子に座り

 

「はい、クザンさん。これ今回の書類仕事ですけど、出来ている書類ありますか?」

 

「ここにあるか、持って行ってくれ」

 

出来てるんじゃないですか!せめて遊びに行くなら、出してから行ってくださいよ!毎回鬼ごっこしなければいけないこっちの身にもなってほしいものです。

 

「分かりました。じゃあ次はこの書類お願いしますね。今度どこか行くと時は、書類を出してからでいいですか?」

 

「分かったよ。それはそうと、書類仕事手伝ってくれない?」

 

「私はこの書類を、つるさんに届けなければならないので、失礼しますね。……サボらないでくださいね?」

 

最後に釘だけをさして、クザンさんの部屋を出ます。クザンが書いて出してくれた書類が、心無しか重く感じるのは何でだろうか。とりあえず私は、つるさんに書類を届けなければならないから、思い気分を引きずりながら、つるさんに部屋に戻った。

 

「ただいま戻りました。クザンさんからの書類です。ここに置いておきますね」

 

「お疲れさん、ツバキ。少し休憩しな疲れただろ?」

 

つるさんから休憩してもいいと許可が出る。ありがたい、私はお礼を言い、つるさんのお茶を淹れた。休憩に、私は薬草や、薬に使えそうなものが書いている本を見る。少しの休憩だから、六式の復習は出来ないしね……少しでも読めば役に立つ筈だ。

 

読書に耽っていると、つるさんから

 

「ツバキ、四日後に航海出るよ。しっかり準備しておきな」

 

四日後に航海出るらしい。そうなると、海賊と戦う事があるかもしれない……多分沈めるんだろうけど、それでも、海賊でも私はできるだけ、殺したくない。私にできることをしなければならないと、そう思った……。今日の業務を終え、宿舎に戻る。

 

「お疲れ様です!ツバキ少尉」

 

「お疲れ様です、たしぎさん」

 

私のルームメイトはたしぎさんです。同じ女性剣士で歳も近くて仲がいいんですが、真面目すぎて、言わないと年下の私に敬語で話すんですよね。

 

「たしぎさん、私の事は呼び捨てで、敬語じゃなくていいって言ってるじゃないですか……」

 

「あ、すいません。どうしても敬語で話すのが癖になっていまして」

 

それは素敵だと思う。礼儀正しいし……あ、ちゃんと伝えとかないと

 

「そう言えば、たしぎさん。私は四日後に航海に出るの。だから、しばらく剣の特訓出来ないかも……」

 

「ええええ!?でも、仕方ないですよね……無事に帰ってくる事を祈りますね」

 

「ありがとうございます。そう言えば、たしぎさんは夜ご飯済ませました?」

 

「いえ、まだですけど」

 

それは丁度いい、私のまだだから、せっかくだし、マリンフォードのレストランにでも行こう

 

「よかった、これからレストラン行こうよ。私も食べてないしね」

 

私はたしぎさんの手を引っ張り、レストランに向かった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。