ラッキーとテストと召喚獣 (テカサナ)
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プロローグ

アニメでみたらすごく面白かったので、つい衝動で書いてしまいました。


 

『文月学園高等部』(ふみづきがくえんこうとうぶ)

革新的な学力低下対策として画期的なシステムを導入している進学校である。

その一つは、「試験召喚戦争」。最先端技術によって、実現された「召喚獣」という自分の分身を駆使しての、クラス間戦争だ。

もう1つは、「成績累進式の設備」。一年の終わりに振り分け試験をやって、その成績の高い順にAからFクラスまで6段階にクラス別けがされる。

 

 

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謎の教師side……

 

今、実際にその振り分け試験が行われている。自分のクラスつまり未来が決まってしまうテストだから、みんな一生懸命解いる。すらすらと解く生徒もいれば、悩んで固まっている生徒もおり、学生の緊張感がこちらにも伝わってくるようだ。このような生徒の頑張っている姿をみると、教師という役職も中々捨てたものじゃない、と実感する……。

 

 

カラン!

 

 

 

 

静かな試験中に変な音がしたので、その方向を見てみたら………生徒が鉛筆を転がしていた。しかもどや顔で。

 

……この生徒は一体何をしているんでしょう?まさか、鉛筆転がして出た目が答え!、なんて小学生でもやらない幼稚なことをしている訳ではありませんよね?

 

しかし当の生徒はそのつもりらしく、次々に鉛筆を転がしては答えをうめていく。しかもそれらしく、一々鉛筆を代えているので余計腹が立ってしまう。

 

……見なかったしよう。多分、この生徒は私を笑わせるために、わざとこんなふざけたことをしているんだ。じゃなかったら、ただのバカだ。こんな大事なテストにまるっきり運任せなんて、正気の沙汰とは思えません。

 

謎の行動をとる生徒から目を離し、クラス全体を見渡した。すると空白の席が二つもある。

 

やっぱりどちらとも来ませんでしたね。一人はたしか姫路瑞希さん。風邪との報告を受けています。かわいそうですが、体調管理も試験の一環、Fクラスいきは避けられないでしょう。

もう一人の「宮本 啓太」君は………報告は受けてませんが……まぁ、彼のことです……サボって、ゲームでもしてるんでしょう。

 

 

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啓太side……。

 

…… 今、俺は重要な場面を迎えようとしている……それは、ゲームのエンディングだ。中古のゲームなのだが、結構難しく時間がかかってしまった。一週間前から無断で学校を休んで始めているのだが、気づいたらあっという間に過ぎており、今になって、やっとクリアーできたということだ……。

 

 

「あ~~~いいゲームだった!」

 

エンディングを見た後、俺はゲームの電源をおとし、ベッドに横たわった……すると、直ぐに物凄い睡魔が襲ってきた。なぜなら、ゲームを始めてからろくに寝てないからである。やはりゲーマーとして、クリアーしないうちに寝ることは許されない。それはしっかりと攻略本にも記載されている。しかしやっとクリアーしたので、これで心置きなく寝れる。

 

………そういえば、今日試験があったような………まぁ、どうせたいしたテストじゃないだろう。だって、何のテストか覚えてないんだから………。

 

…そう結論付けて、俺はふかい、ふかい眠りについた。

 

 

 

 

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……次に目が覚めた時には、もう日が変わって、太陽が出ていた。眠り過ぎたせいか頭痛と目眩がする。これは今日も休むしかないようだ。無理して倒れたら本末転倒だからね!

そう決めて、再び寝ようとしたら………家の電話がなった。因みに、両親は出張中なので、家には俺しかいない……。

 

めんどくさいので、無視した……しかしいつまでも鳴り続けるので、いい加減頭にきた!俺はドタドタと歩きながら、乱暴な手付きで受話器をとった。

 

「あのー!俺眠いんです!勘弁してください!」

 

そう言って、通話をきった。少し乱暴だが、仕方ない。こっちも眠いのだ……後でかけ直して、謝罪しよう…。

 

しかし、ベッドに戻ろうとすると、また電話がなった。それも同じ番号だ。これで俺は完全にきれて、受話器をとった。

 

「あのー!」

 

「おい、宮本!」

 

「ゲッ!鉄人!」

 

相手の声を聞いた瞬間、俺は桶に監禁されたミイラの様に固まってしまった。だって、その声の主は、俺を数々の修羅場に投げ込んだ張本人だからだ。

 

「……あのー、間違い電話です。僕は高橋です。文月学園の西村宗一先生とは何の関係もありません」

 

「ほぉーなんでそんな奴が、先生の通称を知っている上にフルネームまでいえるんだ?」

 

自らのアホな間違いに気付き、黙ってしまった…………。

 

 

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「バッカモーーーーーーーーーーン!貴様どういうつもりだ!振り分け試験を無断欠席など、前代未聞だぞ!そもそもなんで、無断で休み続けている!」

 

「いや、ちょっと、ゲームに没頭してしまいまして……」

 

「黙れ!そんないいわけが通用すると本気で思ってるのか!」

 

「………いや、その、ちょとくらいいかな~~、なんていってみたりして?」

 

 

「いいから来い!貴様のクラスを言い渡す!」

 

そう怒鳴って鉄人は、すごい勢いで受話器をきった……

 

 

 

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仕方いないので身支度を整え、すぐに学園に向かった。途中の桜が綺麗なのが、余計学校への道を憂うつにさせた……。

学校に着くと、門の前鉄人と一人の男がいた。

 

 

「遅いぞ、宮本!」

 

「鉄人……」

 

「西村先生と言え!ほら、吉井とお前が最後だ、振り分け試験の結果だ、受けとれ」

 

鉄人は俺と吉井に白い紙を渡してきた。因みに、吉井とは本名を吉井明久といい、俺の悪友みたいなものだ。

 

「宮本、吉井。今だからいうが、去年一年間お前達をみてきて……もしかしてバカなんだじゃないか、と疑いを抱いていた。だが試験の結果をみて、先生は自分の間違いに気づいた。すまんな、お前達を疑うなんて俺はどうかしてた……

 

鉄人の話を聞きながら……俺達はゆっくりと紙を開いた………

 

「……お前達は、疑いの余地のないほどの正真正銘のバカだ!」

 

……開くと、でっかくFという文字が書かれていた……。

 

 

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プロローグ2

「なんだよFクラスって、最下位のクラスじゃないか!振り分け試験は自信あったのにな、十問に1問は解けたのにな」

 

「……それって、問題が100あるとしたら、10しか解けてないことになるぞ?あいかわらずバカだな、明久」

 

「なんだよ、啓太なんて受けてないじゃないか!それよりはましだ……多分、きっと」

 

そう、この吉井明久はバカなのだ。俺も分数の足し算ができないくらいのバカだが、そんな俺とタメを張るぐらいにバカだ………まぁ、だから気が合うのかもしれないな。

 

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…そんなアホを会話していたら、自分のクラスに着いた。一瞬、豚小屋かと見間違える程、ボロく汚かった。中も期待を裏切らず、外見に見あった造りになっていた。

 

「これが格差社会というものなんだね、啓太」

 

「というより、単なる学園長のいやがらせだろう。この環境なら、公園で勉強してほうがましだ……くそ、あのババー、いつか殺す!」

 

 

教師に促され、俺達は好きな席に座った。ボロい座布団に、壊れそうなちゃぶ台、そして畳……いつの時代の人間だ、と突っこみたくなるような、設備だった………。

 

 

 

 

 

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…教師が壊れた机を治すため、工具をとりにいったので、クラスは一気に騒然となった。

 

「本当に酷い教室だな、ここで一年過ごすのか?」

 

「文句があるんだったら、振り分け試験でいい点数とっとけよ」

 

「雄二!」

 

寝ていたとても無愛想な赤髪が、明久に正論を言ってきた。この男は坂本雄二という。不良がカッコいいと勘違いしてるバカだ。明久と同様、俺の悪友の一人である。

 

「おい、啓太!今失礼なことを思わなかったか!」

 

「べっつにーーー、雄二が中二病を抱えた可哀想な人なんて思ってないよ!」

 

「よし、表にでろ!」

 

明久と違って、こいつはすぐキレて手をだしてくる。俺はケンカは強くないので、こういう時は決まって……

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、明久が言ってたぞ」

 

「えっ、僕?」

 

「あきひさ!」

 

ボコっ!!

 

俺の代わりに、明久は雄二の右ストレートを顔面に喰らってくれた。まったく、友達思いのいいやつだろ?こんな損な役割を進んで引き受けてくれるんだぜ……有りがたすぎて糞で茶沸かしてしまう。

 

 

「あいかわらず、にぎやかじゃの」

 

「なんだ秀吉も同じクラスか?」

 

こいつは木下秀吉、外見は美少女だが、実は男らしい。しかし真実を確かめたものは誰もいない。というか、誰もその気がないのであろう。だって、本当に男だったら、接し方に困ってしまうからだ。例えば外見はゴリラなのに、中身が犬だったら困るだろう?のし掛かってこられたら、すぐに死んでしまう。

 

 

「木下だけじゃないぞ」

 

雄二が示した先には、島田と土屋がいた。島田は本名を島田美波といい、胸の無い女だ。土屋は土屋康太で、エッチなことが大好きなドスケベだ。

 

「ねぇー宮本、今失礼なこと思った?」

 

島田はさっきの雄二同様、腕をならしながら、近づいてきた。

 

「……これは明久が言ってたんだが、島田は胸の無いペッタンコだって…」

 

「吉井!」

 

「ぐはっ!」

島田は意識を失っていた明久のみぞおちに、正拳突きを喰らわせた。ふむ、あいかわらずいいキレだ。これは世界も夢ではない……それにしても明久、どれ程俺に尽くしてくれたら気が住むんだ……?嬉しすぎて俺は明久の頬を叩いておいた。

 

 

「みえる、みえる!」

 

土屋は寝そべって、島田のパンツをみようと努力していた………。

 

 

 

 

 

 

 

「すいません、保健室にいってたので、遅くなりました」

 

そんなカオスなクラスに、一人の美少女が入ってきた。明らかに、Fクラスのむさい雰囲気に似合わない柔らかな品格が、彼女にはあった。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、宮本君」

 

俺の名前を呼んで、こちらに近づいてきた。

 

「姫路さん………あれ、啓太知りあいだったの?」

 

島田の攻撃を受けながら、明久は聞いてきた。

 

「知りあいっていうか、去年同じクラスだったからな。顔馴染みではある」

 

そう、去年、俺は明久達のとは別のクラスに居た。そこに偶々姫路瑞希が居たってだけだ。

 

 

 

「へー……でも、姫路さん頭いいんでしょ、なんでFクラスに?」

 

「それは、試験当日風邪をひいてしまって、休んだからです」

 

姫路は体を申し訳なさそういった。その仕草は、みているだけでこちらが申し訳なってしまう……。

 

「バカ、そんなこと察しろ!島田、明久に天誅を!」

 

「任せといて!」

 

「ぐひゃゃゃゃゃゃーーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その後普通通りに、授業が始まったが、姫路の様子は明らかに悪そうだった。やはり、こんなくそみたいな環境は、病人にはよくないみたいだ。別にそんなに親しかったわけじゃないが、やっぱり顔馴染みの女が苦しんでいるのは心苦しい……

 

……といっても、どうすることもできない……そうだ!あのシステムを使ってみてはどうだろう?あのシステムなら、クラスを変えることも出来るはずだ………!

 

 

掃除の後、明久と雄二を教室の外に呼び出した。

 

「雄二、明久、俺は思うんだ、人間とは生れた時から平等であり、差別とは後から取って付けた無用なものだって。でも、最下位の俺らはが言っても誰も耳を傾けない。だから、しかるべき権利を得た後でしかるべき所でこのことを……」

 

 

 

 

「なるほど、つまりお前は姫路のため試召戦争をやりたい、ってわけだな?」

 

「いい考えだよ啓太、それなら姫路さんを救える!」

 

「恥ずかしいから遠回りに言ってるのに、なんで直球に言い直すんだ!それから、このことは誰にもいうなよ?俺はほんらいこんなキャラじゃないんだから!」

 

「わかった、いいだろう。実は俺も世の中学力だけが全てじゃない、て証明してみたくてな……それで、明久お前は?」

 

「いいに決まってる!姫路さんを早くこの豚小屋から、まともな環境に変えなきゃ!」

 

 

「試験召喚戦争」

文月学園では、先生の立ち会いのもと、各科目に応じた戦闘力を持つ召喚獣を召喚することができる。その召喚獣で戦争を行い勝つことで上位のクラスと設備を変えることができる、というシステムだ。

 

 

「みんな、聞いてくれ、おれたちFクラスはEクラスに試召戦争を行おうと思う!」

 

その日に、 Fクラス代表の雄二がみんなの前で話してくれた。ほんとうにこいつは、やる気になると行動が早い。もっとそれを勉強にいかせば、学力も伸びると思うのだが………。

 

雄二はお得意の弁舌で、Fクラスのみんなをその気にさせていった。そして、なぜか側にいた俺と明久に指をむけた。

 

「みんな、こいつらはなんと観察処分者だ!」

 

そう言った瞬間、クラスのみんなが騒然とした。それもそうだろう、観察処分者とは、。学習意欲に欠けたり、問題がある生徒に学園が送るバカの代名詞だからだ。

 

「雄二、いっておくが、俺は明久より観察処分者になるのが遅かったぞ!だから、こいつよりはましだ!」

 

「なに言ってるさ!送られた時点で大差ないよ!それに、啓太は学校こなさ過ぎて、直接家に送られたでしょ!」

 

「なんだと、やるのかこのバカ!」 

 

「バカっていったほうがバカなんだ、このバ~~カ!」

 

「よし、おめえらその元気でEクラスに宣戦布告してきてくれ!」

 

宣戦布告だと!そんなの、痛い目に遭うのに決まってるじゃないか!雄二の奴、自分がそうなりたくないからって、おれたちに押し付けやがったな!

 

「明久、こうしょう。ジャンケンをして負けたほうが、宣戦布告しにいく。いいな?」

 

「望むところだよ、いまこそ長年の戦いに決着をつける時」

 

各々ポーズをとりながら…………

 

 

「「ジャンケン、ぽん!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

結果、俺が勝った。明久はどこかの俳優のように涙をながら、宣戦布告しにいった。

明久が帰ってきた時、どんな姿だったかを述べる必要はないだろう………。

 

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