NARUTOは始まりませんでした。 (ウラウララ)
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ナルヒナを書きたかった。

第1部はアカデミー入学で終了予定です
第2部はR18にするか。このままでやるか悩んでいるのでいるので一応第1部で完結にします。


蜚蠊の里漆黒宮

 

そこにひしめくは無数のG世界中の人間に恐れられ嫌悪され見つかれば即殺される害虫の王。

感染症・寄生虫それらを媒介する事よりも最もその動き在り方そのものを恐れられた不快害虫達。

 

「そうか…アシュラの転生体とインドラの転生体が生まれたか」

 

そう話したのは玉座に腰かけた一際巨大な2メートルは有るG、漆黒のマントに艶のある漆黒の王冠を身につけたGはその瞳を七色に輝かせた。

 

 

Gの瞳は千の個眼が集まった二つの複眼、その目の全てが輪廻写輪眼と転生浄眼だ、そして額に正三角形を描く個眼は最高位魔眼・虹。

 

Gにとって黒は最も高貴な色で有り階級も黒から段々と明るくなる、ならば当然この黒を纏うGはゴキブリの王ゴキブリ大将軍。

彼の前には色とりどりのマント王冠を纏ったGが首を垂れている。

 

「我らは三億年間、神樹が産まれる遥か前からこの星で生きてきた星が命を持ちて神樹を作ったときもそれを受け入れてきた、人間達がどれだけ暴れようとも人間が対処するならと見逃してきたが今回は難しいやもしれん…そこで今回は我らもこの星を守る為に動く事に決めた。アシュラ転生体の育成任せたぞコクロー軍曹」

 

「我輩若輩の身なれど此度の任務遂行してご覧にいれましょう」

 

「うむ!行けィ!」

 

コクロー軍曹と呼ばれたGは無数のGを引き連れて漆黒宮を離れアシュラ転生体が産まれた木の葉を目指した。

 

 

 

ーーーーー

 

うずまきナルトは憑依者である。

 

気がついたのは目の前に狐が自分に封印される瞬間だった。パニックになろうにも泣くことしか出来なかった。

 

俺の前世は外宇宙生命体カグヤと呼ばれる種族と戦い男性の数が毎年度減少して一夫多妻が認められていたおかげで四人もの女に愛して貰った…だと言うのに何故こうなった・済まない真中・聖・静香・イルまだお前達の元には逝けそうにない。

 

前世では敵の母体カグヤを巻き込んだ自爆が最後の記憶だった、俺が死ぬ前に愛した女は戦場で一人また一人先に逝った。

 

さてそんな俺だが今まさに危機に瀕している、なんと俺の保護者らしいじいさんが仕事に出ているこの部屋に、前世で100年くらい前の記録媒体で見た忍びが入って来たのだそれもこっちを血走った目で見て手にはクナイ。

 

助けて、誰か助けて〜

 

 

あっ辞めろ子供を拷問するなんて何しやがる、痛って痛ってえってば爪を剥ぐな!

しかもこいつ鳴き声が漏れないように口に詰め物までしやがって。

暴れる事も出来ないように手足をベッドに縛り付けやがったな。

あっ辞めろそこはまずいって今なら許しちゃうよ?

痛ったー。俺の息子が切られたこの歳で切られるとかまじないわ〜。あっまずい気が遠くなって来た。

さよなら今世の俺せめてアイツらに精一杯生きたって伝えたかったよ。

 

 

追伸

 

前世で出来なかった青空の下でのアオカンしたかったな〜

 

 

 

 

 

 

 

気が遠くなったナルトは巨大な水道管の中に居て目の前には檻があり見上げるほどの狐が伏せている。

 

あれ?死んでねぇのか気絶しただけ?いやでも死ぬ前に息子を切り取られたからな〜これなら死んだ方がマシなんだけど。

 

『小僧何を呑気にしているこのままでは死ぬぞ?』

 

目の前の狐さんが話しかけてくるけど自分まだ赤ん坊なんだよね、乳飲み子がこの状況でどうするってんだよ、うける〜

 

『随分と緊張感がないやつだな貴様は、しかし参った貴様が死ねばワシも死ぬかも知れん。それは困るおい小僧檻の前の札を外せそうすればワシがお前を助けてやる』

 

なんか目の前の狐が言ってるけど俺的には全然死んでオッケー、だってアイツらがあの世で待ってるんだから。

 

『ええい、つべこべ言わず言うことを聞かんか貴様の女も恐らくこの世界に生まれ変わってるはずだ!

この世界の魂と別の魂を感じたからな、それにここは魂の間だまだ前世の記憶が有るお前なら好きな姿に魂の形を変えられる』

 

まじかよアイツらがこの世界にいるのか!

ああそれなら俺が諦める訳にはいかないな。

 

 

『さっさとやれ、やっばいぞ目玉も抉られて鼻も削ぎ落とされてんぞ、指なんか一本一本ペンチで潰されて手足の関節は一つ二つ増えてるし、あっ腹開きやがった』

 

いや〜しかしうまいねこいつ、こんだけやっても死なないようにうまく調節してるよね、意識が痛みを認識できないけど見た目は完全に死んでね。

 

『ワシが貴様が死なないように頑張ってんじゃん、早くしろよまじやばいんだって、いや死ぬよこのままだと死ぬ死ぬって』

 

 

な〜んか一回死んだから死ぬの怖くないんだよね〜まあでも狐さんが可哀想だしアイツらのためにも生きますか。

 

 

狐さんの手に乗って札に手を掛けるが乳飲み子の手では上手く掴めない、てか掴めてもこれ剥がせなくねまじうけるわ〜

 

 

『真面目にやらんか!あっまずいワシとお前の繋がりが頑張れワシ死なない為に!』

 

 

さっき言ってた前世の俺の姿を取ってみるか、思い出せ俺!おっ上手くいった狐さん上手くいったよ〜

 

『よしきたそのまま掴んどけお前ごと引き剥がす、ウオリャアァァァ』

 

バリバリと言う音とともに札が剥がれると、札の中から金髪イケメンが現れてなんか狐に話しかけてる。

 

『九尾の狐やってくれるじゃ無いか。この子は死なせないぞ……誰?』

 

『言ってる場合かお前の息子が今現実で死にかけてるんだそ!』

 

金髪イケメンが現実の俺を見て絶句してるみたいだ。

てかこの狐九尾の狐って言うのか。

ああ真中と静香で再び姉妹丼したいな〜。

 

『九尾俺にチャクラを回せ!それからクシナを呼ぶんだお前はナルトの体の治療に専念しろ』

 

『任された』

 

『なんだってばね!九尾!』

 

『クシナそんなことよりもナルトが』

 

『ぎゃぁぁぁぁナルト〜』

 

 

しっかしこの狐の肉球メッチャ気持ちいいわ、程よい弾力にいい匂いするし。

なんか眠くなってきたお休みなさい。

 

『おい小僧寝るな寝たら死ぬぞ!起きろ。ワシまだ死にたく無いんだけど‼︎』

 

 

カサカサ

 

 

 

 

 

 

ふわぁ〜よく寝たぜなんか部屋が鉄錆臭いんだけど。周りを見てみたら暗がりが蠢いてるよ。

 

カサカサ

忍びは皆んな死んでるし、これGがやったのか?いやいやそんな事ないよねきっと親切なだれかが助けてくれたんだ。

 

あれよく見たら俺の身体再生してね?スッゲェナニコレ再生医療なのこの世界の医術は半端ないわ。

 

『こいつ馬鹿だ』

 

おっどったの狐さん?

 

『時間が無いから簡単に話すぞ、お前の父親と母親はお前の身体を治すのに全力を費やして逝ったぞ、ワシらが身体を直している間そこの虫がそこらにいる人間を皆殺しにした』

 

なるほど。

 

『その上でその虫がお前の安全が確保された場所に連れて行くらしい』

 

 

オッケー!

 

『ノリかっるいな』

 

 

2年が経った。

えっ?あの後乳飲み子に何を期待するのさ。

取り敢えずあの襲撃の後俺の事は保護者役の爺さんに報告したってGのコクロー軍曹が教えてくれた。毎日毎日食っちゃ寝するだけだから他にする事なし。

 

実を言うとコクロー軍曹心も読めるらしいそのせいで意思疎通簡単なんだよね、俺を匿うついでに俺の女を探してくれてるんだけど早速聖の転生体日向ヒナタちゃんが見つかったらしい。早く会いたいぜ。

 

 

そして今日は何とGと一緒なら蜚蠊の里を歩いて良いことになりました〜

ドンドンパフパフ〜

ダンボールが欲しいぜあればきっと蛇の人のように上手く潜入できたのに。そんな事を考えていたら護衛の狐さんが呆れているぜ。

 

コクロー軍曹に腰帯を持たれて荷物のように運ばれてるぜ。

外に出て驚いたのはGの多さと大きさ、小さいものから見上げるほど大きなものまで大分差があるんだな、部屋の中だと部屋で活動しやすい大きさしか見なかったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ナルヒナを書いて見たかった

3歳になったぜ。

 

いっぱい人を殺したぜ嫌になるくらいコクロー軍曹が持ってくるんだもん。俺を殺すために動いている人間だからってまあ殺すけどさ。けど見つけるやつ皆んなゴキブリまみれなんだよな…忍びがGに負けるとか自信を絶対失って可哀想なのにトドメは子供とか悲惨だぜ

 

Gは三歳で大人だからと言われたけど人間に三歳で人殺しさせるなんてありえなくないか。他にもどっかから封印の完全開放に二つに分けた九尾の魂の片方を探してきて俺の身体に封印したし。

 

その後前世のこととか九尾と話したらクラマと呼べと言われたそれが名前らしい。

 

今日もご飯を取る為に部屋をヨチヨチ歩く、狩をメインにしているが鹿や猪なんかの肉はGが高速で走るから取れない、そもそもこの身体で食べて良いのか?

俺が選んで取っているのは木の樹液とか芋虫の素焼きとかだな、これは俺が頑張れば追いつけるくらいでGも走っている。

今日も沢山捕まえた美味いものではないが食えないわけじゃない、他にも虫かごのカイコなんかもいるがあっちはクリーミーで美味しいけど数が増えない。

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

「こんにちは」

 

青いマントに白く輝く鎧、長い触覚を揺らしながらどうやっているのか分からないが慇懃に頭を下げるGコクロー軍曹。

 

「今日はゴキブリ将軍からの使いで参りました食後時間を頂いてもよろしいですかな?」

 

「大丈夫だってばよ」

 

目の前のGに頷けば満足げに鳴き首を振る。

 

「では食後我が配下の者にお連れするように指示を出しておきます」

 

 

ーーーーー

漆黒宮

 

「まずこの世界のことをキチンと教えましょう」

 

目の前には夜のようなマントと王冠を身につけたゴキブリ達の王ゴキブリ将軍。相変わらずデッカいな〜そう思いながらもナルトは静かにコクロー将軍の話を聞き始めた。

 

まず見せられたのは四分の一欠けた球体、それは青と緑赤が美しい歪な球体だった。

 

「これが我々が住む星です…かつては完全な球体でしたが今は欠けているのは星が死にかけているからです

 

元々この星には神樹と呼ばれる木がありまして、神樹は星の命を汲み取り1000年に一度花を付け実をなして実が弾けることにより地上に命をもたらしていました。他の世界では世界樹などと呼ばれますね。

 

そして死んだ命を星に還元する役目も果たしていました、つまり星が生きるには神樹が必要というこです。

ですがカグヤと呼ばれた人間が本来は地上に溢れるはずの命の実を食べその力を独占し。その上で命を星に還元する神樹も取り込みました。

 

カグヤが死んでも人間はあろうことか神樹を独占し封印し、結果として星の命の循環が行われず星は一部を自死する事により命を紡いでいます。我々としてもどうにかしたいのですが神樹の力を受け継ぐ者の協力が必要なことは知っていますので神樹の孫にあたるアシュラの魂の転生体貴方が産まれることを待っていたのですが。

 

貴方はアシュラだけでなく恐らくここと極めて近く遠い場所の同位体の魂をも混ざっていると思います、心当たりはありませんか?」

 

確かにそうだ、俺には前世四十代まで生きて死んだ記憶がある、それは確かにこんな世界では無かった。

 

「ふむ、矢張り覚えがありましたか恐らく限りなく近い並行世界から魂を引っ張ってくることによって地上の魂の劣化と星の命の消費を抑えたのでしょう。

 

それをするということは星が自分の命を紡ぐことが出来ないということです、このままでは星が死にこの星に生きる全ての生命も死にたえるでしょうな」

 

とんでもない話だ、こんな重い世界だなんて知らなかった。

 

「そこまで絶望することはないですよ、我々としてもどうしようもなければ星を捨てて新しい星を目指します。

そうしないということはまだ可能性があるということです。私達は三億年前まだ神樹が生まれる前からこの星で生きてきた種族です、当然神樹が生まれた時にも生きておりました、神樹は本来一本では無いのです予備として蝦蟇の里や大蛇の里、蛞蝓、蜚蠊の宮我々自然チャクラと共に生きるものが神樹の苗を管理しております。

管理者権限の魂を持つものが居ればこの星に新しい神樹を育ててこの星を再生することも可能なのです。

つまり我々が待ち望んだのがアシュラ、そして木の魂と深いつながりがある千手柱間の転生体であるナルト君なのです」

 

⁇⁇⁇はい?⁇

 

話が大きすぎてついていけないんですけど…冗談ですよね〜。参っちゃいますよゴキブリ将軍でも冗談言うんですね危うく騙されるところでした。

 

…………

 

目の前には真剣な瞳でこちらを伺う将軍、その目が決して嘘では無いことを伝えてくる。

 

「ほ……本当なん…です…か」

 

俺の問いにコクリと頷くことで答える。

 

「君にとっては責任を押し付けるなと憤るかもしれません、ですが管理者権限との繋がりのある君にしか頼めないことなのですぞ」

 

もし俺が受け入れなければ?

 

「次はありませんので、私達はこの星を捨てて神樹の苗を携え他の命を作れなかった星に移動するだけです。当然人間以外の動植物を連れて、死ぬ為に殺しあう種族はこの星と共に死ねばいいと思いますので」

 

G達の考えは確かに会っている、彼らだって共食いはするがそれは生きる為だ人間の様に主義・主張・宗教など相手を殺す理由を一々見付けて同族を殺す種族は人間だけだろう、外から見れば確かに同族で殺し合う頭のおかしい種族かもしれない、前世でも外宇宙生命体カグヤのせいで人類の9割が死んだのに未だにお互いに足の引っ張り合いをしていたからな。

 

「どうされますか?私達としてはもう暫く待っても良いと思いますが」

 

「……取り敢えず俺に出来るかわからないけどやるだけやってみるてばよ」

 

「感謝します」

 

そう言っ将軍は自分の単眼を抉り取った。

 

「この目は転生浄眼、これで貴方の中の前世の魂三つを強制的に目覚めさせます」

 

将軍は俺の額に転生浄眼を押し付けた。

 

転生浄眼は俺の額を突き破り頭蓋に穴を開け脳を締め付け魂の奥深くまで潜り込んできた。

 

ーーーーー

 

私が貴方に稽古をつけて差し上げましょう。なに心配には及びません我輩はかのゴキブリ将軍に使えしコクロー軍曹ですので」

 

そんな話から始まった修行はアホみたいにキツかった…なんてことはなく身体が出来ていないのだから肉体的な修行ではなく術や精神的な修行を行なっている。

何でも仙術を使えるようにしたいそうだがいくら前世の記憶を思い出しからと言っても、出来ることと出来ないことがあると思うんだ?

 

コクロー軍曹とは多く話した、聖が素晴らしいこと。聖の転生体のヒナタちゃんに会いたいとか。また四人で暮らしたいとか色々話した。

 

はっ!

 

「じょじょじょじょじょじょじょじょ(いけないいけないまたゴキブリになってた)」

 

次の瞬間にはコクローに首を刎ねられた。

 

「全くなっておりませんな、仙術チャクラを練るには世界と一体になる事蝦蟇共は精密なチャクラコントロールを持って・蛇共は膨大な自然チャクラを無理やり肉体で抑え込んで・蛞蝓はその再生能力で肉体の崩壊を防ぐ・方法は違えど一体化する事は同じですな我々Gの特性は単体生殖と耐性強化死にそうになれば単体生殖でクローンを作り代を重ねる毎に自然チャクラに対する耐性を上げ動きながらも問題なくチャクラを練れるようにするのですな。必須の単体生殖は我輩が肩代わりしておりますゆえ何度でも行うとよろしい」

 

コクローは単体生殖で一人だったのが今では29人に増えている、俺も彼が使ってくれた単体生殖で同じ数になって修行しているが一向に成功する気配がない。

 

「やれやれ疲れましたかな?まあまだ未熟な身体ですからな、チャクラで傀儡の様に体を動かしていてもそろそろ限界でしょうここらで終わりにしましょうか」

 

「終わった〜」

 

そのまま倒れるとナルトは静かに寝息を立てはじめた。

 

 

木の葉の里

虫も眠る深夜に逃げるように木々の上を駆け抜ける男、その男の腕には意識を失っているのかダラリと手足をぶら下げた幼女がいた。

 

早く早く、ここを抜けてこの女を里に連れて帰れば我が里は安泰だ。

危険な賭けに出たが出た甲斐あって日向家宗家の幼女術の解析から身代金、子供を孕ませて日向の血を里に入れる事だって出来る。

 

もう少しあと少し里を抜けた!

 

 

「はっはっはっはは、木の葉めみていろ必ず」

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

 

「ひと~つ、この世の命を啜り

ふたつ、不埒な悪行三昧

みっつ、醜い浮世の人を

よっつ、星の為生物の為

いつつ、何時でも斬り捨て参ろう

むっつ、YESロリータ・NOタッチ

ななつ、己が性欲止める事なく

やっつ、厄災招く人間よ

ここのつ、此の世の悪全て

とお、見つけ次第見敵必殺‼︎」

 

カサカサカサカサカサカサカサカサ

 

周りは木の葉め里から抜けた深い森、何処からともなく聞こえる声にその足が止まる雲隠れの忍び頭。

気配を感じ振り向けばそこには誘拐した子供と同じくらいの子供が居た。

 

カサカサカサカサカサカサカサカサ

 

見られたそう感じた忍び頭は逃げるか殺すか一瞬悩む、その一瞬が命取りだった。

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

気がつけば周囲を覆う大量の虫・虫・虫・見渡す限り虫の壁大量の虫Gが雲隠れの忍び頭に襲いかかる、防ごうとクナイを振るってもGには当たらず術を使おうにも片方の手は日向の子供で塞がれている、必死で逃げようとするが顔に張り付いたGは執拗に目を狙い口に入ってくる。

気がつけば全身にたかられ体を齧られ耳・鼻からも侵入したGは齧りながら身体の奥深くへと入っていく。

忍びとして生きてきて切って死ぬ事も術で死ぬ事も覚悟してきたロクな死に方はしないと思っていたがこんな死に方だけは嫌だと思いながら忍び頭は命を落とした。

 

Gが津波のように蠢きヒナタと呼ばれた少女を連れてくる

Gの中から赤いマントを纏い黄金の王冠を被ったGが現れ首を垂れる。

 

「コクロー軍曹任務遂行してまいりました」

 

少年の姿は崩れて多数のGが足元に散らばった、その中から出てきたのはコクローと呼ばれたナルトの教官。

 

「ご苦労様です。全くあの子の思い人に手を出すとは次の任務ですが雲隠れの里は後で最初は雷の国の田畑と倉庫を襲って糧食を食い尽くしなさい、糞は井戸・川・人が集まる場所にばら撒いておくように」

 

「心得ております」

 

「終わり次第全尾獣のチャクラを僅かづつでも良いので集めるのです」

 

「はっ‼︎」

 

G達はカサカサカサカサと音を立てながら雷の国に向かって進軍を始めた。

 

「頼みますよ眷属達もう既に準備は始まっています、早く対策を立てねばこの星は終わってしまう。私もアシュラの転生体を使えるように教導せねば」

 

コクローは月を強い眼差しで睨みながら一つ頷き森の中へと消えていった。

 

 

ーーーーー

 

雷の国

 

「なんだありゃ?」

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

空を覆い隠し大地を埋め尽くす大量の虫の群れ。

人々は初めそれが何か分からなかった、空に雲がかかったとかそんな程度だと思っていたのだが、それが近くに来た時人は悲鳴を上げて家屋の中に逃げ込んだ。

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

余りにも多くのGは進む中で農作物を食い尽くし飼育された動物達の骨格のみを残し、人々の家屋に侵入し人に僅かばかり齧りついては糞を塗りたくる。

川や井戸、水瓶に糞と死骸をばら撒き喰らえば喰らうだけ無限に増殖していく。雷の国は非常事態宣言を持って雲隠れの里に救援要請を求めるがGの進撃は終わらない、ひたすら食い尽くし人に怪我を負わせ病をばら撒く。

忍具で殺せば切られたなら卵を周囲にばら撒き増え、燃やせば卵から増え燃えなくなり、水で溺れさせればその水を飲んで増え雷で焼けば焦げた体から増え、大地に埋めればその倍する量が大地から這い出してくる。

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

更に恐るべきことにGはチャクラも食い始めた。流石は生きた化石あらゆる環境に適応できるGだ、こことは違う世界でもGを殺す兵器は山のように有るがそれに耐性をつけ生きて来たのがGだ奴らは滅びない一匹居れば百匹はいると言われるG達。

遂にGは食べ物以外も食い始めた、それは油であり家を作っている木・紙・プラスチック鉱物以外は全て平らげていく。周囲の動物達はGを恐れて雷の国から逃げ出してしまった。雲隠れの里は全戦力を投入したがこの現状を打破出来る者は少ない。雷影が全身に雷遁のチャクラを纏っても死ねば増えるのだその上チャクラを喰らう。

八尾がどれだけ潰そうとも潰されたGの卵から十匹から三十匹生まれる。食い尽くし喰らいまくったGは遂に雷影を倒し八尾に遁走を決めさせた。

どれだけ強力な忍びが戦っていても所詮は個人戦力でしかない、十の戦場に対応出来ても百の戦場では対応できない百が大丈夫でも千の戦場は万の戦場は億越えの戦場が有れば対応しきれなくなるのはそう遅くはない。更に数日もすれば水も飲めず食料もなく怪我人感染症寄生虫などの難民も受け入れなければならず雲隠れの里は強力な戦力を残したまま雷の国は僅か数日で国としては滅んだのだった。

 

ナルトと契約したGは身なりを整え更なる仕事を行うために早速四方に眷属を走らせた。

 

 

ーーーーー

 

 

最近クラマとは死にたくない同盟を結んでいるから死なないように強くなるための情報は教えてくれるが、このクラマを操った写輪眼?とかデタラメだと思う。

 

あの数日後雷の国が終わったのを機に各地に放っていたGから情報が集まってくる。さっぱり分からないが修行の合間にコクローが噛み砕いて教えてくれたでもこの体のせいかどれだけ勉強しても眠くなるばかりで頭に入らない。

雲隠れの里の巻物禁術書もついでに持ってきてくれた更に修行に励める上に何人かの実験体も連れてきてくれた本当にこのGは役に立つ。このままGの里で神樹の管理者しながら穏やかに暮らすのも良いな。

 

 

 

 

 



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ヒナタが遠い

4歳になったぜぃ

 

仙術チャクラようやく練れるようになったぜ。

コタロー軍曹が各地から集めたチャクラを貰ったら六道仙人モードになれるようになったぜ。

 

「及第点ですな」

 

コクロー軍曹は強すぎるぜ、どうしてそんなに強いのか聞いたら。

 

「我輩達はこの身体が使えなくなったら直ぐに身体を変えますからな、こう見えても我輩一億年と二千年程前から生きておりますので、当然修行できる期間も練り上げてきた時間も違いますぞ」

 

だそうだ、ぶっちゃけGのみんなでこの星を守れば良いんじゃないのかな?と思ったが。

 

「その場合我輩達が間違って世界を滅ぼしかけた時止める存在がいなければ、今回のように対策を取ることさえ出来ませんぞ。そうなれば皆仲良く死にますな」

 

成る程、彼等は自分達が一歩引くことで世界に過度な干渉をせず星の守護者足らんとしているんだと知った。

 

「本来蝦蟇や大蛇・蛞蝓も我輩達と同じ守護者の一角なのですから人に力を貸すだけでなくキッチリ手綱を握って欲しいところですな」

 

ーーーーー

 

ある日俺はゴキブリ将軍に連れられて筍の様な植物が沢山生えている場所に連れてこられた。

 

「ここは?」

 

「ここに生えている植物こそが神樹の苗です。この中で貴方がコレだと思うものを選んでください」

 

どれ?

どれかを選べと言われても良し悪しが分からん。キョロキョロしながら歩く俺をゴキブリ将軍が離れた位置で眺めている。

 

フカフカの腐葉土に余計な雑草が一切生えていない環境、病気予防なのか巻藁されている物もある。本当にゴキブリ達がこの苗を大事に育ててきたのが伺える。

 

三時間程歩いたろうか、そんな中気になると木が有った、今まで見た中で一番弱く苗の周りは敷き藁されて強い日が当たらないように藁で編まれた傘で日陰の中ひっそりと生えている。

 

導かれるように歩いていけば、その苗の下の土からひょっこりと親指サイズのワームが顔を出した。

 

「この子に呼ばれた気がしたんだけど側で見ても良いかな?」

 

ワームは首を傾げる姿を見せると頷くように首を縦に振って地面の中に潜っていった。

 

手を伸ばせば届く距離で見るその苗は頼りないがそれでも他の苗と違い真っ直ぐに天を突いていた。

 

「ゴキブリ将軍…俺はこれを選びます」

 

「よろしい、眷属達よあの苗に全尾獣のチャクラを込めなさい」

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

ゴキブリ達が苗に集まってチャクラを与える、チャクラを与えたゴキブリ達はその命を使い切ったのか命の輝きを失っていく。

 

「さあナルト、前前前世からの贖罪を」

 

その言葉に導かれるように九尾のチャクラと俺のチャクラを神樹の苗に捧ぐ。

その瞬間魂が引っ張られるような感覚と共にあらゆる映像が川のように流れる空間を落ちていった。

 

長い、とても長い時間落ちた先にいたのは小さな石だその石から思念が頭に直接流れてくる。

 

《人間よ、漸く守護者の導きの元貴様ら種族の贖罪をしに来たか》

 

貴方は?

 

《我はこの星、貴様らの魂の親であり貴様らの魂の子である。》

 

《人間よ余りにも多くの命を我々は失った故に貴様に命じる。》

 

《人の魂を育てよ‼︎人の魂を回収せよ‼︎育て回収し集めた魂が人間が奪った分を超えることで貴様らは初めて許される。それまで貴様に死は与えん!不死の呪いを受けよ‼︎》

 

何か生き物として決して失ってはいけないものを奪われた気がした。

 

《殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ・殺せ》

 

頭に星の声を聞きながら俺は意識を失った。

 

ーーーーー

 

目を覚ませば見慣れた天井。

 

「起きましたかな」

 

コクロー軍曹…

 

「無事に星に認められたようですな、これで君以外が神樹をどうこうする権利を失い、神樹の抜け殻もカグヤも力を失いましたぞ」

 

それは理解してる、しかしカグヤとは何かと縁があるものだ、前世でもカグヤと一緒に自爆してこちらでも今まさにカグヤが死んだ事を感じた。この世界に根付いていたカグヤの端末も皆んな死んだはずだ。

 

「神樹の苗はここに用意しておきましたので空間忍術でナルト君だけの世界を作って保存しておくといいですぞ。

それからこれからのことに関して話し合いましょうぞ、このままこの里で暮らしますかな?」

 

それは良い、前世から付き合いのあるアイツらと一緒にここで静かに過ごせたらどれだけ良いだろう…

でもそれは出来ない、俺は人の元で人の魂を集めないと。

 

「そうですか…木の葉にはアカデミーと言って子供が通う学校があるそうですな、そこで人間について学ぶのもよろしいでしょうな」

 

一度木の葉に戻る。そう返事をすれば

 

「わかりましたぞ」

 

 

 

ーーーーー

 

木の葉の里に帰って来た、木の葉に行くと言ったら選別として将軍から万華鏡写輪眼を貰った。今俺の額には三つの目が正三角形の頂点にそれぞれ存在している。

 

目をつぶっておけば皺か、傷跡程度にしか見えないだろうな。

それから死んでも良いように単体生殖で作った卵はゴキブリの里と空間忍術で作った箱庭に植え付けていつこの体が壊れても良いように準備を整えておいた。

 

まず訪れたのは火影執務室当然夜遅くにこっそり潜入だ。

 

そこには草臥れたお爺さんが机に向かって書類仕事を行なっている。

机の上の写真は驚いた事に俺の赤ん坊の頃の写真があった、驚きと共に俺の事を覚えていたのかという思いが暖かく胸に染み渡ってくる。

 

「爺ちゃん」

 

ビクリと肩を震わせた爺ちゃんは勢いよく振り向くと俺を視界に納め、目を見開くとその目が潤み目尻から涙が零れだす。

 

「ナルト…生きて…生きておったのじゃな」

 

「うずまきナルト今戻りました」

 

爺ちゃんは俺の頭を痛いほど抱きしめた。

火影執務室には押し殺した爺ちゃんの鳴き声がいつまでもいつまでも続いた。

 

 

朝、爺ちゃんは必要な仕事は影分身に任せ俺の話を静かに聞いていた。当然神樹の事や管理者権限の事・前前世、前前前世など話せないことも多いが爺ちゃんは特に追求する事なく穏やかな笑顔で笑っていた。

 

「そうだ爺ちゃんにプレゼントがあるんだってばよ、ゴキブリの里で手に入れた秘薬なんだけどな老化を含めた全状態異常を回復させる秘薬なんだってばよ。

爺ちゃんも年だろ、五代目が決まるまで大変なら飲んで欲しいってばよ」

 

「む、しかしのうワシは充分に生きた、若返るつもりなどないがのう」

 

「爺ちゃんはそうでも周りが許さない事だってあるはず、実際この前も日向家のお嬢様が誘拐されたらしいって聞いたってば」

 

「はは…恥ずかしいのう、わかった預かっておこう」

 

その後俺は爺ちゃんの紹介でアカデミー併設の孤児院でお世話になる事になった。

 

ーーーーーーーーーー

 

町を歩く狐が見つかった。堂々と町の中を歩いているらしい。四代目火影を含め多くの仲間を家族を殺した狐がこの里にいる。

 

旦那は死んだのになんでお前は生きている!

 

兄ちゃんは死んだのに何故お前は生きている!

 

あの子は決して治らない傷を負って寝たきりなのにお前は何でその足で歩いてる‼︎

 

許せるか。許してなるものか。死ねよ。苦しんでしね。泣いてしね。ゴミのように、誰に思われる事なく…死ねよ。

 

狐が生きていたという情報は里を駆け回り狐に悪意ある者たちは、狐がまた

 

この里を襲う前に殺す為に。

 

これ以上犠牲を出さない為に

 

悲しむ人が出ないように。

そう自分を騙しながら。

 

狐を殺す為に集まって行く、人の憎悪が、憎しみが、怒りが人の目の死角にたどり着いた狐に襲いかかった。

 

鮮血が飛ぶ。周囲は血みどろの惨殺死体の山、ナルトは静かにそのざまを見る。その姿を隙だと思った者たちが襲いかかるが全てナルトに触れる事なく地面から突き出した木の根に切り裂かれ押しつぶされ、すり潰されていく。

 

《足りない……足りないぞ契約者…これでは足りないもっとだもっと寄越せ、貴様らがこの星から奪った命を、貴様らの戦いで失われた関係ない生き物の命を集めろ!殺せ!殺せ!殺せ!》

 

「黙れ……黙れぇぇぇぇッ」

 

ナルトを監視していた暗部は体が震えていた、アレはなんだとアレからは恐怖を感じない感じるのはただひたすらの嫌悪だ気持ち悪い。決して相容れない存在だとそれは分かる。

だがあそこまで強いとは思えない。だって強いならその風格か気配がするはずだ。

 

少しでもナルトの情報を集めようと集中すればそれに気がついた。

アレは人じゃない…狐でも無い…人は海に恐怖しない、人は空気に恐怖しない、人は大地に恐怖しない、人は空に恐怖しない。

 

アレはそういうモノだ。人が戦いを挑もうとは決して思わない自然災害、アレは津波で台風で竜巻で火事で雷で地震で噴火そして隕石だ。

 

だから嫌悪する、だがそれは恐怖の裏返し手を出してはいけない。手を出せば里が国が滅ぶ。

 

「あはははははははははははははははははははははははは」

 

気が狂った暗部はその首にクナイを突き刺し死ぬ事でこの恐怖から逃げた。

 

 

体が熱い星の人間に対する怒りが人間の殺気や憎悪を呼び水に呼び出された結果だ。

クソがこの力をコントロール出来ないと聖に会いにすら行けないぞ。他の人間がどうなろうと知った事じゃ無いが聖の転生体のヒナタが死んだら俺はきっと耐えられない。前世でだって一度気が狂ったんだ今回だってきっとそうなる。

 

里を離れなければ今すぐに戻ろう、俺にはまだ人の近くでは過ごせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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いい加減ヒナタを出したい

五歳になったぜ。

 

里は大丈夫かなぁ?まさかあんな風になるとは思ってなかったぜ、どうせ不死なんだしここのG達みたいに三億年単位で考えればいいと思ってたけどそれじゃあダメらしい。

星は割とせっかちだ記憶の通りなら四十六億年は生きてるはずなのに。

 

さてどうするか自然に命を回収するシステムを作ればいいんだが。こういうのに詳しいのは真中の妹の静香なんだけどな。

確かゲームで小鬼だったかな後オーガ?とかの魔物がいたよな、アレを魂の回収役にするか。

でも星の触覚として作っても良いけど弱いと意味ないからそこそこ強めで。後人間が成長すればするほど魂の強さが上がるから弱いのも含めて……強い奴らの近くには強いのをバンバン出して弱い一般人の近くには弱いのを出そう。

 

まてよこれ出して真中や静香・イルの転生体が死んだらどうする。そんなことになったら耐えられない。先ずはあいつらを探そう。

最初は雲隠れの里だな誘拐を頻繁にするみたいだし誘拐された中にあいつらの誰かがいたらと思うと星とは関係なく殺意が湧く。

ついでに里を移動して人前でも力を抑えられるようにしよう。

 

ーーーーー

 

着きました雲隠れの里‼︎

 

神樹の管理者になって星の触覚となったから星の上だけなら距離が意味をなさなくなったぜ。あそこに行きたいと思えば一瞬だ、ついでに変化の術で前世の俺の姿だぜ。

 

しかし雲隠れの里は本当に酷いところだな、誰もかれもが熱で苦しんでるし感染症…疫病に性病、免疫異常などなどこりゃ酷い道を歩けば其処彼処に人の死体が転がっている。

 

死体の腹が動いているのは寄生虫か?生きている人間の身体からも馬蝿の幼虫が覗いているし。

確かGの襲撃にあったんだよな……まじで人間滅ぼしてGだけで対応したら星の問題なんて速攻で終わったんじゃね。

 

「珍しいね、旅人さんかい」

 

おや珍しく元気なお姉さんだね。

気がつかないうちに変な雰囲気の場所に来ちゃったよ目の前には際どい服のお姉さん。

ゴクリと喉がなる、前世の記憶を思い出してから性欲も人並みに、いや若さ故か人並み以上にある出すこともできないのに何おと思うかもしれないが男はいつまでたっても男ということだ。

 

「話聞いてんのかい一発やっていかないか、ここ最近病人ばかりでまともにできるやつがいないんだよ」

 

申し出はありがたいが出せないんだよな〜……

いや待てよ前世風俗街で指先の魔術師と呼ばれた俺の手がこの世界でも効果があるのか試すチャンスでは。

これはあいつらに会う前にやらねばならないよう検証事案だ早速確かめよう。

 

お姉さんに入る事を伝えれば俺の手を引いて店内へ店の雛壇を見るがどの子も痩せて覇気がない。

 

う〜む食指が伸びないなぁ誰もが疲れ切った顔をしている、いや一人だけこっちをしっかり見ている女性がいるぞ。

清楚そうな雰囲気で胸も手に収まるくらい、しっかりとしたくびれ、これは行くべきだろう。

 

早速彼女を依頼、彼女が雛壇を降りて俺の手を取って二階へ案内してくれる。

そばで見れば分かるが彼女だけ栄養状態が良いわけじゃない化粧で隠してあるが目にクマと栄養失調による肌と髪の荒れが目に入る。

 

これはいかんこんな状態でもプロであろうとする彼女は一刻も早く気持ち良くさせねば。

 

部屋に入ると丁子が居た、話して見れば食事のメニューやお酒、シングルからフルタイムまで選べるらしい。

 

ちなみにシングルは一発出して終わり。フルタイムは朝までコースだ。

当然出せない身体なのだからフルタイムだ。彼女は優しげな顔で俺を見てくれている、ちょっと見栄を張った若者っぽく見えて微笑まれたみたいだ。

 

さて、食事の前にお風呂らしい彼女に案内され服を脱がされる彼女も服を全て脱いで、しっかりと体で泡だてた泡を使い体をお互いこすりあわせるようにして洗ってくれる、暖かいし程よい弾力と柔らかさ極上の柔らかさの中にある硬さが普通なら俺を高めてくれそうなものだが彼女の僅かに歪められた眉が萎えさせる。他が完璧だからこそ余計に申し訳なさが先に立つ。

 

風呂から出た時に彼女に謝らせてしまった、これは申し訳ない。

 

食事を終えて彼女がベットに案内されるが俺は彼女にベットにうつ伏せになるようにお願いする。

 

ーーーーー

 

久しぶりにお客様が来た、どう見ても田舎者だが恐らくこの状況でお金を稼ぐために地方から来たのだろう。

精一杯お金を貯めて来てくれたのだ、この娼館で少しでも疲れを癒して欲しい。

そう思ってお風呂に誘って奉仕して見たがまるで良い反応がないむしろ私を難しい顔で見ている、何か至らないところがあるのだろうか。

 

お風呂を出て食事中もじっと私を見るだけで楽しそうな顔をしない、ここまで乗りの悪い客は久しぶりだ。

次のベッドの上だけでも満足して欲しい。

 

そう思って彼をベッドに案内したら。

 

「ケイさんちょっとベッドにうつ伏せで寝てもらえませんか?」

 

あら、初めて意見を言ってもらえたはもしかして奉仕してもらうより自分で動きたいタイプだったのかしら。

 

うつ伏せに寝た私を彼の手がゆっくりと優しく撫でてくる。まるで壊れ物を扱うようなその手の動きが焦らされているようにも感じるが、直接敏感な所に触れているわけでもないのに気分が高まってしまう。

 

そして手を離された、危なかった撫でられただけで息も絶え絶えなのだ下腹部からは甘い疼きと前から水が流れているのを嫌でも感じる。ここで休憩だろうか?

そう思って気を抜いた瞬間彼の手がふくらはぎの中央を先程よりも強めにグッと押し込まれた、体を駆け巡る今まで感じたこともないような圧倒的な快楽。

このまま脳が溶けてしまうのではと思うような刺激とともにあられもない声と体から水が迸った。彼はそれを気にした風もなくふくらはぎから足裏、登って腿、お尻と揉みほぐして行く。

信じられないほどの快楽だ。だがここで気をやってはいけないこの技術は凄まじいふくらはぎや足の裏背中腰など一揉みされるたびに疲れが抜けて行く。それに伴う圧倒的快楽が何度も何度も襲ってくるがそれが嫌じゃないのだむしろもっともっとと望んでしまう。

 

うつ伏せで全身を揉まれた後今度は仰向けにされた、今更どこを見られようと恥ずかしいことはないが、彼の余りの真剣な瞳に飲まれるように私は快楽を貪って行く、自分でも驚くほどの水を吐き出し獣のような声を叫ぶ。

きっとオーナーや他の子達にも驚かれてしまっているはずだ恥ずかしい。

 

最後額の中心を押された瞬間今までにない刺激が全身を駆け巡り私は気をやってしまった。

 

ーーーーー

 

ふぃ〜

 

不味かったよこの子幾多もの性病に栄養失調、一番驚いたのは癌があった事だ。チャクラを針のように細く伸ばして他の健常な組織を傷付けないように癌細胞だけ焼くのは手間がかかった。

それもだいぶ転移していたし相当痛かったはずだ、それなのに必死に奉仕して俺は人間では爺ちゃんに次ぐ二人目の尊敬できる人を見つけた。

息を荒げ一糸まとわぬその姿は本来なら情欲を高めるのだろうが彼女のそのプロであろうとする意思には尊敬の念しか感じない。

 

これは拝んでおこう。彼女の足を開いてM字を作りその先にあるアワビとお供物の菊の花に彼女が健康に過ごせるように祈りを捧げた。

 

さていくら大人の姿でもマッサージを四時間もしたんだ流石に疲れた彼女の甘い匂いと淫靡な匂いに包まれてそのまま寝てしまった。

 

 

ーーーーー

 

心地よい眠りから意識が浮上する、何時もなら激痛が体を襲って寝付けないし寝ても直ぐに目を覚ましてしまうのに。

目を開いたらここがどこか一瞬わからなかった、昨日は確か…そこで横に寝ている人に気がついた。

 

そうだそうだったは彼と同衾したんだった、てことはここは店の部屋ね、そう思って起き上がろうと布団をめくったが可笑しい私の前に使った後がない、彼が出したものもないし。

さらに疑問が浮かぶ、体が軽いのだこんなに軽いのはこの娼館に身売りされた時以来だ。

慣れないうちは媚薬で強制的に高めて、慣れた後はひっきりなしにお客さんのお相手をしたせいで泥のように眠っていた。

 

まじまじと横の男性を見る彼は田舎の出だと思ったがもしかして高名な指圧の先生なのだろうか。もしそうなら定期的に治療をして欲しいほどだ。

 

「んん…ああ、おはよう。気分はどうかな?」

 

正直感じたことをそのまま答える。満足したのか昨日の仏頂面ではなくキチンと満足した顔で笑ってくれた。

これでは申し訳ないからと思い私のシフトを伸ばしてはどうかと聞いて見たが彼はどうやら探し他人がいるらしい。もし真中・静香・イルという子に出会ったら彼が探していたと伝えて欲しいそうだ、その程度全く問題ない他にはないかと聞けば。

 

そう言ったら今度きた時サービスしてくれとキスだけしてシャワーを浴びにいってしまった。

 

ちょっと最後狙い過ぎな行動だが多分彼の素の態度なのだろう。

 

 

彼が帰った後皆んなに心配された、あんなに激しくされたのに大丈夫なのかと。

 

全く問題ないと言ったがなかなか信じてもらえなかった、その上部屋を掃除していた丁子が通常の数倍、もう一度フルタイムできるだけの金額をチップとして残していったのでさらに心配されてしまった。

 

ーーーーー

 

里の中を歩くあてども無く歩くのもいいが今日は星の意識に引っ張られない訓練の為に。

 

[アクセス・我が星]

 

星との接続を自分と自分の近くの人の集まる場所に指定して歩いていく。

 

自分の頭から長い触覚があちらの匂いこちらの匂いと忙しなく動きながら人の負の感情を探していく。

 

見つけるのは困難だこの里はGの襲撃で食べ物も飲み物も殆ど無い、昨日の娼館なんてそこらに見える普通の宿屋と比べればゼロが二つ程多かった。

当然それに見合うサービスは有ったが、逆にそれだけ出さなければまともな生活は送れないということだ。

 

道を歩いていけば柄の悪いのに絡まれるは、引ったくりにぶつかられるは。

 

「おっとごめんよにいちゃん」

 

はぁまたか……しけてんな今のやつ、まあ持ってたらスリなんかしないか。なけなしの金を貰って後は捨てよう。

 

広場だろう場所に出ても屋台の一つもない店は押入られたものも多い、食料店などは真っ先に狙われたんだな。

人々は炊き出しの列に長い行列を作って汁気の多いスープを飲んでいる。

 

正直今日は得るものが無かった、少し高級そうな宿に早めに入り泊まりが可能か聞いてみる。

 

「ああ、可能だぜ」

 

ついでに何枚かチップを差し出して良い酒場を教えてもらう。

 

「酒場か、それなら雷影様のお屋敷の側の電気武乱がオススメだ」

 

お礼を言って夕食はその酒場に行くことを伝え、部屋に入って昌遁で宝石を鉱遁でお金を作って日が落ちるまで時間を潰す。

 

夕方そろそろいいかと電気武乱に向かった。

 

電気武乱はこの里の忍びが集まっているのか、中に入ればジロジロと気にならない人には分からない程度に見られたが、解る俺にはしっかり見られるよりも不快な視線だ。

 

店内はそこそこ小綺麗に掃除をしているのだろう埃などは目につかないが、客の質が悪いのか食べこぼしや酒の零れたシミなどがそこら中に見て取れる。

 

特に気にする事もなく店内で一番軽そうな兄ちゃんの席の横を通ってカウンターに向かえば、こちらのしてほしい態度で足を突き出してくれるので遠慮なく足を蹴り上げてやった。

 

湿った木を折ったような音と共に足が明後日の方を向き、何が起こったのかわからない男は痛みを認識した瞬間身体中から脂汗を流しながら床に転げ落ちた。

 

「ダン!」

 

「テメェ雲隠れの忍びにこんな事して無事に帰れると思うなよ」

 

「忍びねぇ、忍びだろうとちょっかいをかけたらやり返されるその覚悟を持ってその兄ちゃんは足を出したんだ他人がとやかく言う資格はないぜ。その上であんたらがここで拳を振るえば俺はあんたらを殴る理由ができる覚悟のある馬鹿だけかかってこいよ」

 

こういうのは前世の時から知ってるノリだ。久し振りに血が騒ぐ。術や体術は使わずあくまで喧嘩の範疇で殴り飛ばす。

さっきの兄ちゃんは力加減を間違えたが覚えてしまえば間違いは起きない。

 

楽しくなって笑い声が上がってしまう

 

「何だこいつ笑ってやがるぞ」

 

「いかれてんじゃねえのか」

 

楽しいな、飲み屋でも良くやったし聖や静香の祝福だとか言って基地の皆んなとよく殴り合ったなぁ。

 

気がついたら全員倒れていた、おいおいもう終わりかよ。

ハンガーの整備員なんて鉄筋ぶん回しても次の日の日の出まで殴り合ってたぜ。そのあと副司令官にトイレ掃除と機体の油落としまでがセットだっていうのにだらしがない奴等だ。

 

「おいマスターこいつら全員に一番強い酒をくれよ。」

 

仏頂面のマスターに店の修理費込みの金を払う。

 

「何お前らびっくりしてんだよ、こんなん俺の故郷じゃあ挨拶みたいなもんだぞ殴り合った後は勝った奴が酒を奢って朝まで騒ぐんだよ。」

 

「訳わかんねぇ」

 

「そこはどんな人外魔境だよ」

 

「はっ人外魔境?ちげぇよ人だからその日をめいいっぱい楽しむんだろうが、人以外が娯楽なんか求めるかよ」

 

「はは、そりゃそうか」

 

それじゃいくぜ「この出会いに乾杯」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ヒナタはどこですか?

ああ頭がいたい。

 

いくら大人の体だってこの世界で初めての酒だ、前世ほど飲めないのは体のせいか年齢のせいか。

 

しかしいい情報は手に入ったぜ、上忍以上だけに許された娼館があるらしい。少し里から離れてるみたいだが、今日はそこに行くか。

 

遠目にその建物を見る、里から少し離れた崖の洞窟をそのまま流用した様な入り口だ、扉は無く木の柵が天井から突き刺さり中から引き上げる構造、その前に見張り二人が常にいる事から奥に行くにはもう少し情報が必要そうだ。

 

しかし、俺の触覚には腐臭と汚物、そして消しきれない血の匂いが感じられる。間違いなくあそこは後ろ暗い場所だろう。

 

ゴキブリを召喚しあの柵の中を探らせることにして、一度里に戻り再び娼館に行くことにした。

 

 

ーーーーー

 

彼が来てから二日目、皆んなは見違えるほど回復した私に驚いていた。当然だろう治療するお金が無かったから無理をしていたが正直この仕事を辞める事をマネージャーに伝えていたほどだ。

 

しかし、自分が楽になったからか周りを見れば特に調子の悪い子が一人いることに気がつけた、浅黒い肌の銀髪に赤い瞳発育が悪く実を言うとそういう方面の方々に需要のあるミキちゃんだ。

 

「ミキちゃん大丈夫」

 

「先輩大丈夫です、皆んなより若いんだからこんな程度でへこたれて入られません」

 

私は長年やってきたおかげで身請け金も返せているし、貯金も生活していくのに困らないくらいは溜めている、でも新人のミキちゃんには身請け金すら払えない。心配することしかできなかったが

 

その数日後彼女は倒れた…

原因は不明だオーナーは使えないならと捨て値同然で、あの廃棄場に送ると言っていたが冗談じゃない。

あそこは地獄だ、女は上忍以上の男の子を産む道具として、子が産めなくなったら只の性欲処理要員として扱われる。

そんな事はさせたく無いそう思って店の寮から出てこの里からも逃げようとしたら。

 

「ケイさんこの前ぶりです」

 

彼に出会った。

彼なら彼女を直せるかもしれない。そう思って頼もうとしたら、彼は既に真剣な目でミキちゃんを見ていた。

 

「ずいぶん調子が悪そうですね治療しに行くんですか?」

 

そんな事は出来ない。治療するお金も無いしそもそも正規の医者は私達のような商売女は見ない。

血で性感染症になった医者が多くその危険度からまともな医者程避けるのだ。

 

「なら俺が看よう」

 

そう言って宿まで連れて来てくれた。宿の店主は彼が背負っているミキちゃんを見てついでに私を見ると嫌な顔をしたが彼が一掴みも宝石を出したら渋々許可を出した。

 

嫌な目と汚すなよという言葉、商売女としてお客さんに満足してもらおうと頑張っていたし貴方だって昨日も先週も私の中で何回も果てた癖に。

 

部屋に連れ込まれたら早速彼女の服を脱がし、彼女の身体を診察している、それは前回私にやったような優しい手つき壊れ物を決して壊さないように痛みを与えないように。

その思いが伝わったのかミキちゃんの息が甘いものに変わっていく。

 

部屋の中に響く甘い吐息と女の子の匂いとめどなく溢れる二つの液体と汗とともに吹き出る発情した香り。

知らず知らずのうちに立ち上がっていた自分を刺激していた。

 

彼女の身体を刺激してどの位経っただろうか、彼女の顔にあった苦痛は完全に消え失せ、只純粋に快楽を求めようと喘いで身体をくねらせている。

彼は最後とばかりに額に指を置いて僅かに力を込めればミキちゃんは全身をエビのようにそらして身体中から雫をほとばしって果ててしまった。

 

「ふう」

 

彼は椅子に腰掛け額の汗を拭うとテーブルの上の水指しからコップに水を入れて一息に飲み干した。

 

「それであんたは何の用だ」

 

彼の視線の先にはいつのまにこの部屋に来たのかオーナーと護衛が突っ立っていた。開いた口は塞がらず血走った目とズボンを痛い程押し上げている逸物。そしてズボンの中で果ててしまったのだろうズボンの前はしっとりと濡れ栗の花の様な匂いが漂ってくる。

 

後ろの護衛も真っ赤な顔して腰を引いてる事からミキちゃんの痴態に行ってしまったのだろう。

 

「こほん、お客様困ります当店でキチンと処理していただかないと。」

 

「すまんな、で二人を買うとして幾らだ」

 

「二人一晩で時間外ですので五万両で如何でしょうか」

 

なんてぼったくり、そもそも私も彼女も体調不良で売値は最安値に近いのにゼロが二つも多い。

彼に伝えるか迷うが彼は私を抱き寄せて。

 

「違う違う、一晩借りるんじゃなくてこいつらを買いたいんだよ」

 

そこで意味を理解した彼は私達を見受けしたいもの言っているのだ、この答えはオーナーとしても驚いたのか唖然としてる。

 

「取り敢えず二千万両でどうだ?」

 

その値段もビックリだ、田舎で買われた私の値段は十万両その百倍の値段。オーナーもこの値段を言われた時は不思議そうな顔をしていたが、意味がわかってからはだんだんと顔が青くついで興奮からか赤くなって行く。

 

「そっそうですな、普通の女性ならそれでもいいのですがそちらは二人とも当店自慢の一品ですので値段の方は「なら幾らだ?」……ハイ?」

 

「幾らなら売ると聞いている」

 

「そうですな、さっ三千万両でしたらお譲りしても…」

 

「決まりだ証文を持ってこい、金を渡してやる」

 

「かしこまりましたお客様。おいお前らいつまで突っ立ってるさっさと証文を持ってくるんだよ‼︎」

 

護衛の一人を蹴りながら指示を出し揉み手にいやらしい顔でヘコヘコしているオーナー。売り上げが伸びない子を傷がつかない様に鞭打つ男には正直見えない。

 

彼は立ち上がり荷物入れから革袋を取り出しオーナーに投げ渡した。

 

「その中に三千万入ってる確認してくれ」

 

硬貨の入った袋は重い音を立てて部屋の床に落ちその結び目から私でも初めて見る小判が数枚飛び出した。

 

小判は基本紙幣よりも価値が有るとされていて一枚十万両、それを300枚数えたオーナーは早く護衛が来ないかソワソワしながら待っていた。

 

 

ーーーーー

 

『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ』

 

さてと潜入していたゴキブリ達の情報を見た。正直言おうこの里滅ぼそう。

でも目の前のこの二人とは縁ができたからな、この里が完全に終わる前に逃げてほしいとお願いしてお金を幾ばくか渡しておいた。

 

「私達を買ったのに流すんですか?」

 

知り合いに死なれるのは目覚めが悪いからね。

じゃそういう事で機会があったらまた会おうぜ。

 

深夜俺はあの洞窟の前に来ていた、最早隠す気などない真っ向から突っ込んで殲滅しよう。

 

「止まれ!」

 

「誰だ貴様は!」

 

返せ。

 

只そう念じただけで彼等に貸し出されていた命は俺を通して星に帰って行く。

 

『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ』

 

黙れ、この気持ちは俺だけのものだ心無きものが俺に指図するな。

 

星がうるさい。

 

その怒りを目の前にいる雲隱れの忍びにぶつける。

死ね、その命を星に返せ。そう思うだけで藁の様に倒れて行く人々。

 

洞窟の壁には一面の檻。

誘拐されたのだろう少女や女性が鎖に繋がれてこちらに下半身を晒している。

陰部は何度も出産をして裂け。肛門も裂傷し本来閉じている穴は開きっぱなしになっておりその穴から白濁した液体がこぼれ落ちている。

 

彼女達にはもうまともな意思は無いのだろうただ近づいてくる俺に腰を振り、獣の様な鳴き声でアソコを慰めるよう懇願する。

 

これが人間のやる事か、彼女達にだって大切な家族がいて愛した人がいたのだ。

それを自分の里の為という免罪符で持って陵辱の限りを尽くすなどGにも劣る。

 

貴様らは震えながらでは無く只死ね。

 

最奥のドアを開けて目に入って来たのは。年端のいかない子供達の姿、有るものは解剖され、有るものは焼印を入れられて、有るものは椅子にタンスに楽器に。

 

周囲の騒めく声など聞こえない。誰かが肩を掴むが知った事か、身体を幾ら傷つけられようとこの冷え切った心までは届かない。

 

【急段・顕象】

 

お前らに誰かを思う気持ちがあるならきっと助かる、だからお前達人の輝きを俺に見せてくれ。

 

【大叫喚地獄】

 

星が歓喜の歌声をあげる俺の意識と同調する。

輝きを見せろ。ここまでお前達は落ちたんだ。だからこれ以上の愛を俺に見せてくれ。

 

自己を守ろうとしたものは己が罪に飲まれて死んでいく。

淫行にふけったものは自分と同じだけの淫行を経験した。

殺しをしたものは殺されたものが気の済むまで殺された。

暴食にふけったものは腹のなかに今まで食べた全ての食材が詰め込まれた。

 

罪を犯したのは意思持ってだろうならば耐えて見せろよ。足掻いて見せろ。絶望の中から立ち上がれ。彼女達や子供達を犠牲にしたのはそれだけの価値が有るんだろう?

 

なぁにたった数十万年の責め苦だ。

 

ーーーーー

 

マスターが泣いている。泣かないでくださいその為に当機はあるのですから。

 

 



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ヒナタって誰ですかマスター

荒廃した世界

 

外宇宙生命体カグヤの侵略から百年と少し。人類は危機的な状況に今日も陥っていた。

 

「こちらα状況を報告せよ」

 

こちらysーLモモタロウ級及びキンタロウ級と交戦中、すでに半数が死滅、このままの戦闘続行は不可能と判断します。

 

「こちらα了解した、しかし逃げる事は許されない貴君らは人間が退避するまでの5分間その場で時間を稼げ」

 

命令受領。これより全機終末戦争モードに移行残り三百秒に全てをかけます。

 

私がまた一機落とされた。

 

陽電子砲チャージ完了、全機包囲して発射。

直撃を確認対象無傷。

 

相変わらずキンタロウ級はおかしい防御性能を誇ってる。

 

深い雲が空を覆い尽くし、大地は焼け野原となり人類に最早後は無いという状況で私達は実戦投入された。

 

生きた人間の意識を機械の脳に入れて戦闘を行う事を望まれた戦闘機人。

 

小回りが利き、バックアップが有れば何度でも作り出せる安くて使いやすい兵器。

しかし、小回りが効くという事は攻撃力が弱いという事で小さいという事は防御力が弱いという事だ。

 

物語に出てきそうな羽織を着た人間に羽を付けた姿をし、純白に輝くモモタロウ級の羽が弾丸となって降り注ぎ私達は機能を停止した。

 

「ア……コ……ド…イナ」

 

声が聞こえる、まだボディが生きている?

再起動モードを発動…使える武装の殆どは死滅している。

 

瓦礫を退けて起き上がればそこはいくつものクレーターが残る荒野。

周囲にモモタロウ級とキンタロウ級は見つけられない。

 

「オッブジカ」

 

目の前には人間の男性、何故こんな場所にいるのだろうか。

 

「メズラシイナセントウキジンカのメガタカ」

 

声の入力が上手くいかない、昨日確認……破損箇所発見、自己修復までに十五秒

 

五四三二一完了。

 

データ通信開始……遠方に自己機体と同型を確認。現存する機体に通信開始……拒絶確認。

当機は破棄扱いされた可能性が大。

 

「…………お……い……おい……聞いてるか?」

 

確認当機は貴方を認識した。既に破棄された当機に何の用か?

 

「そんな連れないかというなよ。目の前に可愛い子ちゃんが居たらまず心配するのが当然だろ」

 

理解不能。

 

「そんな事はどうでもいい名前を教えてくれよ俺の名は葵だ」

 

……当機の名前はysーL 、Lは指揮個体の認識名だ

 

「成る程イース・エルか…ならこれからはイルな」

 

ーーーーー

 

人の集まるコロニーの一つに着いた、どうやら葵が所属するコロニーらしい。

 

「おいおいアオイ随分面白えモノを拾ってきたな、戦闘機人か女なら何でもいいのかよ聖ちゃん達に刺されるなよ」

 

「はっ俺がそんなヘマをするかよ皆んな揃って愛してやるぜ」

 

ハンガーには珍しく最新式の武士が待機している。この型ならばここは日本帝国だろうか。あそこは技術大国として優れていると認識している。

 

「なんだ?武士に興味があるのか。そんなことよりも綺麗にしようぜ、せっかく別嬪さんなのに勿体ねぇよ」

 

身体の各部を分解され必要なパーツを繋ぎ合わされる。OSとCPUも変更しレーザー核融合炉も最新の物に変えられた。

ほぼ新品に変えられた。残っているのは外装と人口頭脳だけだ。

その後初めてお風呂というものに入った。

 

「どうよ、気持ちいいだろ。」

 

理解不能。当機に入浴する必要性は無い。

 

「そっかそっか、それよりも人口スキンは問題ないか?」

 

 

風呂のドアが勢いよく開き女性が一人裸で駆け込んで着た。

 

「また女を連れ込んだの葵」

 

「生身の女はお前達が怒るからな今度は戦闘機人だ」

 

アオイの返事に女性は呆れた顔をしてこちらを見てきた。

 

「まあ人形遊びなら良いかな、それよりも今日は私の番なんだから」

 

その後行われた行為は実に興味深かった。人間の排泄器官は性交渉する為の期間でも有ったとは。このデータは何処を探しても無かった。

 

 

 

 

 

 

 

数ヶ月が過ぎた。

ここの武士達は実に強い。モモタロウ級やキンタロウ級程度なら一対一でも倒せる戦力を保持していた。

 

「ムサシ級を確認全機出撃!」

 

彼の部屋の中で用意されたメイド服を着ている当機は静香お嬢様にムサシ級とは何かを聞いてみた。

ちなみに静香お嬢様は彼女がメイド服を着た私に強く求めた為この呼び方をしている。

 

「カグヤ達はそれぞれ特色を持ってるいますよね、キンタロウ級なら圧倒的な防御力、モモタロウ級なら羽や刀を使った全距離対応能力、それで今回のムサシ級はキンタロウ級程ではないけど高い防御力と近接特化の攻撃力を有しています、そして攻撃対象は他と違い私達がいるコロニーなんですよ」

 

成る程ほかのカグヤ級は驚異度の高い相手を攻撃するがムサシ級だけは違うらしい。

当機も戦闘を見たいと言ってみたら部屋の中のスクリーンに外の映像を映してくれた。

 

三機のの武士が背中のバーニアを吹かして激しく攻撃を仕掛けるがムサシ級は気にせずまっすぐコロニーに向かって進んでくる。

 

隊長機だろう蒼く塗装された機体がムサシ級の前に立ち肩担架から近接長刀を抜き放ち切り結び始めた。

 

これは?

 

ムサシ級は出来るだけ戦闘を避けるけど自身を傷付ける可能性がある近接武器が邪魔をした場合だけ戦うそうだ。

 

ムサシ級の腕は6本、真ん中の腕に握られた刀が素早く何度も振るわれるが隊長機は舞うように刀わすり抜ける。

 

上の腕二本には近接散弾が握られていたが使う間も無く隊長機に釘付けにされた状態で背後からの二騎の奇襲で切り飛ばされそちらに意識を向けば隊長機が良い連携だ、さほど時間も掛からずにムサシ級は沈んだ。

 

「いやぁ姉さんも兄さんも強いですね」

 

その晩静香さんが私の身体を求めてきた。

やめてください静香さん当機は生殖を目的に作られていません。

 

「あれ?知らなかったこの前お兄ちゃんがメンテナンスって言って付けてたよ」

 

なんと‼︎

やっやめてください壊れてしまいます。何ですかそれはディルドそんなものを接続する拡張性は当機にはありません。

 

「大丈夫。お兄ちゃんはこれより太いし長いから、イルちゃんも絶対入るよ!」

 

あっあーーーーー

 

その後戦いで興奮した葵さんにも美味しくいただかれました。

 

 

 

 

あの頃は楽しかったです。心無い機械の私が普通の女の子としてご主人様の隣で皆さんと共に生きられたこと。

 

だから

 

目の前には討ち果たしたハゴロモ級、あの方々はカグヤ討伐の為に行きました。家を守るのはメイドの役目です。最後会えなかったのは残念ですが

 

「命ない機械ですが、この心持って逝きます、来世ではどうか人として皆さんのお側に……」

 

 

ーーーーー

 

雲隠れの里

 

 

 

私は生まれた生まれた瞬間に意識はあった。生まれた場所は糞尿塗れで肛門に腕を突っ込まれよがる女性。

 

「おいおい、生まれたぞ」

 

「泣きもしないガキは強くそだだねぇよ廃棄しちまいな」

 

足を掴まれ放り出されたのは腐乱臭漂う地の底、沢山の死体と事切れる寸前の女性達。

このままでは私も遠くない未来死んでしまう。申し訳ありませんがそこら辺の女性から乳を頂きましょう。

 

空腹は時々捨てられる女性の乳で癒し成長してからは腐っていない人肉をいただいて生きながらえました。

 

ここは時間の感覚がありません、でもわかりますご主人様もこの世界で生まれていることを。

 

そんなある日ご主人様の気持ちが流れてきました。その感情は怒りと悲しみ、いつだってご主人様は虐げられた女性・子供を放っては置けない性格ですからきっと今回も酷い目にあっている女性か子供を見てお怒りになったのですね。

 

近くに来てくれました私もここから出ないと行けません。

この世界では不思議な力が溢れています、前世での機能を再現するのも難しくは有りませんでした。

 

穴を出て前世の姿そのままのご主人様に出会いました。

正直不安です、ご主人様は私の事を気がついてくれるでしょうか?

 

「……イル?」

 

「はい、ご主人様。ご主人様のイルです」

 

ああ、その名で呼んでいただけるだけで胸が暖かい。

これが心、これが愛という感情なのですね。

ご主人様が金髪の目鼻立ちの整った少年になり私を強く強く抱きしめてくださいました。

 

ーーーーー

 

イルに出会った。正直こんなに早く会えるとは思っていなかったが会えたそれだけで良かった。

 

他コロニーの防衛戦に出ていた際コロニーが襲撃された事を聞いて戻ったら既に戦闘は終わり、相討ちだったのだろうハゴロモ級とイルが死んでいた。

 

あの時は初めて愛した者を無くしたから手がつけられないくらいふさぎ込んでいたっけな。

 

「マスターお願いがあります。今世でもお側に扱えさせてください、出来るなら一人の女性としてマスターのお情けを」

 

「当然だもう二度と失わない。失わせない」

 

言葉だけで無く魂で答えるつもりで彼女の柔らかな唇にキスをして舌を深く押し込んだ。

 

 

ーーーーー

 

雷影は必至に戦っていたこの里の人々を守る為に。

収容所から始まった大穴の侵食は次々と里の人間を飲み込んでいった、中がどうなっているのか確認の為に行かせた忍びも誰も戻ってこなかった。

 

このままでは拉致があかないと大穴に潜ってみれば。

 

「何だこれは」

 

雷遁モードで全身を覆っている俺は問題ないが他の忍びは大穴に入った瞬間足元から無数の腕が生えて連れ去ってしまった。

ここにキラービーが居ないのが悔やまれる。アイツは今治療中だ前回のGの襲撃の後俺を逃がす為にかなり無茶をしてまだ身体が本調子ではないらしい。封印中の尾獣も弱体化著しく今では殆ど力を失っている。

 

雷遁モードで出来るだけ進んでみる、大穴の中央には階段がありそこを降りて行けばそこには無数にひしめく腐乱死体。

何だこれは腕の一振りでバラバラになったが、その殺した女の顔に見覚えがあった。

アレは霧の里から誘拐した女だ…見回せば顔が崩れた者は分からないが殆どが誘拐した者やその子供が成長した者だ。

 

何だこいつらは亡者が仕返しにでも来たか?

 

そう思い一歩を踏み出せば足を掴まれる、何だと思えば先程バラバラにした死体が身体を修復し足にしがみついていた。

 

クソが貴様らは雲隠れの里に尽力できた事を誇って死ねよ。この里以外の劣等をこの里の為に使ってやったんだ感謝されこそ恨まれる謂れはない。

 

殺しても殺しても亡者は消える事なく、いつしか焦りが頭に浮かぶ、逃げなければそう思い振り返ったら先程まであった上への階段が今まさに消えていくところだった。

 

おい冗談じゃないぞ、ここの壁も床も壊さないほど硬いのにどうしろっていうんだ。

出せ、まだまだこの里を強く大きくしないと、この里に住む家族の為にも。

 

 

 

 

 

多くの人間を秘密裏に誘拐、その優秀な血を里に入れる為子を産む道具としていた雲隠れの里はその女性達を隔離していた場所に突如現れた巨大な穴が里をほぼ飲み込み。その日を境に雷影の姿を見た者は居なかった。

 

ーーーーー

 

俺はイルと一緒に穴を出てから宿に戻りベッドの上でお互いの事を話し合っていた。とは言えイルが話せる事は殆どなかったか。生まれてからずっと穴の中とか俺より酷すぎる。

 

この世界の人間は一部の人間がどうしようもなさすぎる。

 

話しているうちに眠くなったのかイルは寝てしまった安心したのだろう。綺麗な銀髪を撫でながらその浅黒い頬を優しく突く。

ムニュムニュと口を動かす姿が愛らしく続けたくなるが起こすと悪いので我慢する。

 

「ケイさんどうしてここに残っているんですか?」

 

そう聞けばトイレのドアが開きケイさんが出てきた。

 

「その…ミキちゃんは田舎に帰ったんですが、私には帰る場所がありませんので、それにお礼もしていませんから。良かったら抱いて見ませんか?こう見えても抱いた人は名器だって喜んでくれてるんですよ」

 

ふむ、抱きたいのは山々だがまだこの身体は反応しないのだ。

仕方がないから本来の子供の姿に戻ればびっくりしていた。それでも共に行きたいというのでその日は一緒に眠ることにした。

 

ケイさんのおっぱいいいおっぱい。

 

 



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ヒナタ?知らない子ですね

雲隠れの里を出て森の中。

 

俺たちは神樹の箱庭に入っている。

箱庭の中は巨大な神樹とその近くの一軒家。家の裏には畑が様々な野菜と果物を実らせている。

これも神樹効果だ神樹の側では作物が常に最高の状態で実っていて、神樹を挟んで反対側には草原が広がり牛や豚などの家畜が思い思いに過ごしている。

ちなみにクラマも完全に放し飼いにしている。

 

「凄い、世界を作ったんですか」

 

「ご主人様は、人間をお辞めになられたのですね」

 

「まだ辞めてはいないつもりでいるぞ。

 

家は好きに調節出来るから、イル前世でのキッチン道具は全て揃えておいたぞ。」

 

「ありがとうございますご主人様、早速今日から使わせて頂きます」

 

「イルちゃん私にも教えてくれないかな」

 

「かしこまりました」

 

いやあ、美女と美少女が増えて嬉しいね、ところでお前たち俺と一緒に不死にならないか?

そう言って取り出したのは神樹の横に生えた霊樹の種、これを飲めば俺と繋がりができて不死になる。

 

イルは迷う事なく飲み込み、ケイさんは少し迷ったが飲み込んでくれた。

 

今回の件でこの世界があまりにも理不尽に命を奪う事を知った俺は人間の生存圏全体にGを放って、情報収集を始めた。

 

結果が集まるまでこの家でのんびりするつもりだ。

 

 

ーーーーー

 

イルが用意してくれたご飯は前世で好きだった生姜焼き定食だった。

 

再開にはこれが相応しいと思ったそうだありがたい。

 

口に含めば生姜の風味が脂の甘さを引き立て口の中に広がる、この瞬間に白米を口に入れれば口の中を米の風味と脂が混ざって…美味い。

 

次は付け合わせのキャベツの千切りを肉で巻く。そのまま口に含めばシャキシャキした歯ごたえと脂の柔らかさ、肉の弾力が噛みごたえを次々と変えて行き楽しい。その上キャベツのさっぱり感が肉の旨味を引き立てる。

 

イルも前世では機械の身体だったし今世でもロクなモノしか食べてなかったからだろう。一口食べては味を確認するように噛み締めていた。

 

ケイも美味いらしい、正直娼館の飯は物足りなかった。彼女がその味に慣れていたらこの味は衝撃だろう。

 

皆んな食べ終わればイルはプリンを持ってきた。用意して冷蔵庫で冷やしてくれていたらしい。

プリンの上にはサクランボと生クリームが乗っていて簡易だがプリンアラモードみたいだ。

 

一口口にすれば濃厚な卵の味が下に広がりその中から優しい甘さとバニラの香りが鼻を抜けていく。

次は生クリームと一緒に味わってみようか。生クリームはフレッシュなミルクの味わいに会えて少なくしてある砂糖が物足りなさを感じるがプリンと一緒に食べる事でミルクと卵のハーモニーが生まれる、ここに強すぎる砂糖は邪魔だ。この少なめの砂糖で充分なんだ。

最後に口直しにサクランボを食べる少し若い酸味が口の甘さを洗い流し、充分な満足感と口の中にいつまでも残らずむしろサクランボの爽やかさによる爽快感が余韻として残った。

 

 

次は風呂だ、俺は前世の時から風呂が大好きだ、特に女性と入るのはたまらない。

 

当然今回は子供の姿だ、まずサッとお湯をかけてイルを椅子に座らせ。

手に取ったのはハンドソープよく泡だてて決してイルの絹のような肌を傷つけないように優しく乗せるように洗う。

決して手に強く力を入れない、肌は繊細だ元々皮膚の垢は病気などに対するバリア機能の役目を果たしている。

それなのに強く洗ってしまったらそれを落とし病気や皮膚炎、シミシワの可能性を上げてしまう。

 

しっかり洗ってシャワーで流した後は髪も洗うが髪はあくまで頭皮のみ優しく揉み洗い。髪の毛は泡を流すだけに留める。

シャワーで流す時も髪を擦らず手櫛で優しく梳きながら泡を完全に落とす。

 

次はケイさんだ今の洗い方を元にイルと一緒に洗っていく。くすぐったいのかくぐもった声を出しているがそれがなんともいやらしい。

椅子の上足を洗っているため閉じられない足の間からはシャワーのお湯とは違う粘度の高い液体が流れ床に滴っている。

 

 

次は俺が洗われる番だがケイさんがイルに見て覚えるよう言って洗い方を見せてくれた。

実に素晴らしい、男には無い二つの果実が俺の背中を優しく擦り上げその先端が程よい刺激となって快感を与えてくれる。

その足や手もきめ細かい肌を余す事なく洗ってくれる。

 

ケイさんは指を取ると迎え入れようと蜜が滴る穴の中に導いた、中で蠢く肉が指を蹂躙し絶え間なく吸引される刺激が指でありながら快感を覚える。

 

卑猥な水音を立てて指から口を離したケイさんはイルにも同じ事をするように指導を始めた。

 

全身洗い終わった後は俺を中心に川の字でベッドに横になる右から感じる甘酸っぱい幼女の匂いと左から感じる女性のミルクのような匂いに包まれながらその日は眠りについた。

 

 

ーーーーー

 

武士戦問学校

 

そこで彼女は美男美女カップルとして呼ばれていた。

 

別クラスで幼馴染の砂糖君と私佐々木・真中。正直に言おうそんな事は全く無かったと、たしかにかっこいいと思うが私は彼を好きにはなれない。妹の静香は好きだったみたいだが正直趣味が悪いと思う。

 

本当に困っていた、付き合ってないと言っても信じてくれないし女子には妬まれいじめにあっていた。

 

そんな中事件は起こった、なんとイジメの主犯が私の事を男達を使って誘拐したのだ。

倉庫に連れていかれて服を破かれ絶体絶命のピンチ正直もう諦めていた。そんな中で現れたのが彼と彼女だった。武士戦問学校生徒会長勇気・聖とその彼氏亞鳴る・葵。

彼等は男共をボコボコにしてイジメの主犯の女の子達を縛り上げて警邏に連絡した。あれよあれよと言う間に彼等は捕まって証拠のビデオも渡して一件落着となった。

 

正直何があったと思ったが。

 

「遅いから事情聴取は明日でお願いします」

 

そう葵さんが言って警邏も受け入れてくれた。

だが問題はその後だった、そもそもなんでこの倉庫にビデオカメラなんてあったのか考えもしなかったがなんと警邏がいなくなった途端二人はいきなり服を脱いだのだ。

 

「二人とも何してるの?」

 

「何って?」

 

「ナニだよ真中ちゃん」

 

ビックリしたとにかく驚いた、目の前でいきなり始めたこともそうだけど避妊のためと教えられたけど後ろの後ろで肉叩きを始めたのだ聖さんの柔らかそうな白いお肉に葵さんの逞しいお肉が叩きあってるのだ、ステーキでも作るみたいに。

 

気がついたら私も自分で慰めていた、自分でも一度も触ったことがないのに。

 

でも上手くできなくって、強く刺激しようとした私を見て聖さんが。

 

「真中ちゃんストップ、そこは大変デリケートな場所です。そんな力ずくでやっちゃうと粘膜が傷ついて感染症とかになっちゃいますよ」

 

そうは言われてもこの火照りをどうにかしたいのだ。そう思っていたら。

 

「ごめん葵見てらんないや」

 

「オッケー、レズプレイも見てるぶんには楽しいしな」

 

そこから始まったのはびっくりするほど気持ちのいい時間だった。手や足背中とかを触られる度に身体の感度が上がっていくのだ、自分でも驚くくらいの声が出てしまって恥ずかしかった。

その日は結局私の女の子の場所を触って貰えずに終わったが何度も果ててしまった。

 

そこから始まったのは三人での秘密の密会。聖ちゃんと葵さんが肉叩きとプロレスをして私と聖ちゃんがスライムプレイを楽しんだ。でも女の子の所は触らずに後ろの後ろばかり弄られ開発されるのは恥ずかしかった。どうしてか聞いたら。

 

「ここは、本当に好きな人にあげる場所だよ遊びなら後ろで充分だよ」

 

正直次第に羞恥心とか無くなっていったと思う。最後は葵さんにされるのも嫌じゃなくなって。毎日のように楽しんでいた。

 

特に葵さんは出撃後興奮しているのかいつもより強く求められてそれが可愛くっていつのまにか惹かれていた。

それが辛くって聖さんを裏切りたくなくって相談したら聖さんはあっけなく受け入れてくれた。正直勝てないと思った、普通は独占したいと思うはずなのに、理由を聞いてみたら。

 

「だって私一人じゃ身体が持たないもん、私が疲れてる時は彼商売女相手にしてるんだよ、それだったら彼の事を好きな人にそばにいてほしいよ」

 

私に置き換えて考えてみる、好きでもない人に彼の時間を取られるのと好きな人に同じく好きな人がそばにいる。

うん、絶対後者がいいに決まってる。

その後関係が変わったかといえば変わらなかった相変わらず皆んなで倉庫に行って後ろの後ろにパイルバンカーの日々こんな時間がずっと続けばいいと思っていた。

 

ある日事情が変わった、15歳の女性の出撃が決まったのだ、それまで女性18歳男性12歳だったのが変わってしまった。その変動で子供を産んでいいのも女性15歳男性15から女性15歳男性12歳になった。

 

 

度重なる出撃、妹の静香が薬頼って壊れてしまった事もあったしイルちゃんとの出会いと別れ。

 

そして今私の機体は複数のイッスンホウシ級に取り憑かれている。これは人型で大きさも人サイズだが他に比べて小さいからイッスンホウシ級と名付けられた。

 

もう逃げられない。戦術管制プログラムで皆んなの顔が観れる。ごめんなさい聖ちゃん一緒に葵さんの子供の子育て出来なくって、ごめんなさい葵さん貴方の子供を産めなくって。

来世はきっと、ううん必ず二人の元に行くから。

 

【ファフニール起動】

 

コクピット全体を包む光と大好きな二人の私を呼ぶ声を聞きながら私は意識を失った。

 

 

ーーーーー

 

 

ここどこ?

 

 

どうやら私は生まれ変わったらしい、前世とおんなじ人間にしてくれるなんて神様っていうのがいるなら感謝してあげてもいい。

 

でも正直これは無いと思う生まれたばかりの子供の首に首輪をするなんて、私のお母さんを見上げる、驚いた事にお母さんも首輪をしていて部屋の四隅から伸びた鎖のせいで身動きできなくされている。

 

正直酷いと思う、どうやらうちはカグヤ族と言われていて骨を自在に操るらしいのだが正直メッチャ痛いし、やった後皮膚が戻るけど皮膚が裂けて治るから傷跡残るしこの技は封印しよう。

 

母さんのオッパイあまぁ〜い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ヒナタはいつ出るんですか

五歳になりました。

 

カグヤ一族の前世真中だよ。

 

この種族不味いや、カグヤって前世の敵対種族だけどあれ程おかしな種族は他に無いと思ったけど甘かったよ、母さんのオッパイくらい甘かったんだ。

 

なんとこの種族メッチャ戦闘狂、男達はひたすら戦争に行って死んだり死なせたり、殺したり殺されたり。

 

おかしいよ〜

 

葵さん助けてよ〜

 

ある日起きたら里がうるさい、何かと思ったら霧隠れの里から襲撃を受けてますよ、確か馬鹿な男達が戦争仕掛けてる国でしたよね。

 

あっママンの首輪外されて戦いに行っちゃった。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

ママン……私はどうしたらいいの?

 

おぃーーーーー

 

燃えてる、燃えてるよ〜

 

タースーケーテー

 

どうしようかわちゃわちゃしていた私。

さっさと逃げろとか言わないでよ。仕方ないじゃん首輪付いたまんまなんだよ、犬みたいに床に突き刺さった棒につながれたままなんだよ。

 

どうしようもなく途方に暮れていたら空間にドアが現れて開いた先には。

 

あおいしゃん〜

 

「メッチャ燃えてんじゃん、俺の前世の名前を知ってるって事はお前が真中だな?」

 

そうだよあおいしゃん私が真中だよー、会いたかったよ、寂しかったよ。

 

「鎖外すから反対向いとけ」

 

はいはーい

 

金属が切れる音とともに首輪を引っ張られた。

グェ

変な声が出ちゃった。恥ずかしい、あああおいしゃんに犬みたいに首輪を付けられて引っ張られてる。

 

ここは抵抗しなきゃ、あおいしゃんは反抗すればするほどご褒美くれるから頑張っちゃうよ〜

 

「おい、引っ張んな襲撃されてんだぞ時間ねぇんだ」

 

ムゥまだ言葉で言い聞かせてるって事はまだまだ余裕があるな、あっ階段から忍びが走ってきた真中イッキまーす。

 

「オィィィィイ。何考えてんのォ」

 

グェィエ

キッ気持ちィィィイ!

もっ回もっ回、レッツゴー。

 

「行かない‼︎」

 

キャン‼︎

 

今度はチョップキタァァア。

えへ、えへへぇ

あおいしゃんに物みたいに担がれて運ばれていきますよ。これはきっととっても激しいお仕置きが貰える予感!

 

ーーーーー

 

ご主人様が戻ってきましたがだいぶお疲れのようです、真中様は相変わらずお元気ですね。

 

「ご褒美くださいあおいしゃん」

 

「ご褒美じゃないこれはお仕置きだ!」

 

ご主人様が真中様の履物をずり下ろしてその白いお尻を叩いています。ケイ様が止めようかとオロオロしていますが止める必要はございません。

 

真中様の気がすむまでこの流れは終わりませんので、下手をするとご主人様が疲れ果ててもちょっかいとイタズラをする様なお方ですので。

 

「ふっ不思議なご関係なんですね」

 

さてでは真中様がお好きだった激辛チゲ鍋を作りましょうか。

キッチンに着いた私は先ず昨日作った豆腐を取り出し常温に戻す、鍋にごま油刻んだニンニク、生姜を入れて香りが立ったら豚肉を炒める。

豚肉に火が通ったら鍋にキムチと豆板醤、コチュジャンを入れる。

火が通ったら水を入れてシメジ・エリンギの石づきを外し入れて長ネギを斜め切りで入れる。

豆腐を手でちぎりながら入れて一煮立ち、最後に粉末唐辛子と練り唐辛子、山椒をたっぷりと振りかける。

 

「お待たせしました、ご飯ですよ。」

 

「おお、この匂いは懐かしき激辛チゲ鍋‼︎」

 

「これか、イルご飯はあるか?」

 

「昨日の残りの冷や飯がございます。後牛乳もご用意いたしました。」

 

「あっあの目が痛いし鼻もズキズキするんですけどこれ食べ物何ですか?」

 

「はい食べ物です。」

 

「はじめましてケイさん、これは私の大好きな料理だよ。絶対病みつきになるから食べてみて」

 

前世では食べれなかったのでどのような味かわかりませんでしたので楽しみです。

 

「「「頂きます」」」

 

はい、頂きます

 

先ず一口…………………………………………………………

グフ…ウゥかっ辛い?いえ痛い痛い痛いデスゥ〜

なんで真中様はこんなのを食べたがるのでしょう。

ケイさんなんて一口食べたら吹き出してますよ、唇が真っ赤に腫れて可愛そうです。

ご主人様は冷やご飯にチゲ鍋の汁をかけて一口食べては牛乳を飲んでます。

ああすれば食べれるんですね、私もそうしましょう、そう言えば真中様は。

あり得ないのデスゥ、美味しそうに食べてます。これは舌も食道も胃も焼けますよ。真中様美味しいですか?

 

「美味しいよすっごく美味しい。口に入れた瞬間の口の中を焼き尽くす辛さと噛むごとに刺激される舌の激痛。

喉を通る際の熱さと痛みそしてその中に残る確かな旨味。スッゴイですよ美味しすぎて逝っちゃいそうですよ〜」

 

「そっそうですか……この料理は封印です二度と作りません。ご主人様申し訳ありません今すぐ新しいものをご用意いたします。」

 

「頼む」

 

「ええ〜こんなに美味しいのに〜、前世でだっていつも作ってくれたじゃん」

 

「当時は私に味を感じる機能がなかったからです。」

 

その後辛い舌を刺激しないように冷やし中華をご用意いたしましたが、旦那様とケイさんは喜んで食べていただけました、勿論私も美味しく頂きました。

 

ーーーーー

6歳になったよ

 

聖改ヒナタです。この世界の人間は異常だと思う何でナノマシン注入した強化人間と同じ動きができんのそう思わないハナビちゃん。

 

「シズカでも良いよお姉ちゃん、私的にはそれよりもお兄ちゃんの事が気になるかなこの世界に転生してると良いんだけどね」

 

そうだね、葵は寂しがり屋だから私が面倒見てやんないと何処かで泣いてるかもしれないし。

 

そろそろ修行の時間か、ハナビちゃんはどうする?

 

「一緒に行くよ、でも不思議な感覚だよね〜、聖ちゃんと兄弟だなんて」

 

ハナビちゃんどこで誰が聞いてるかわかんないから私の事はヒナタって呼んで

 

「はいはーい」

 

しっかしこの屋敷廊下長過ぎ、やっと玄関に着いてもそこから離れの道場まで歩くなんて非効率的だよ。

 

早く葵に会いたいな何処に居るんだろう。

道場に入ったらいつも通りお父様が正座で待っていた、ネジ兄様とおじ様も居るんだ。

 

なんか重い雰囲気だなお父様の前で正座嫌だなぁ

 

「ヒナタ」

 

何ですかお父様。

 

「お前も6歳になったのだから今度の入試試験を受けアカデミーに入りなさい」

 

アカデミー?良いですけど修行はどうするんですか?

 

「出来る限り家にいる間は修行に当たる、話は以上だ修行を始める」

 

「は〜い」

 

 

 

 

 

 

 

アカデミー入学しました。

さてと私の教室はっと。ここかぁアカデミーって言ったって小学校でしょ学ぶこと有るのかなぁ?

 

アカデミーのドアを開いたその先には金の髪に青い瞳頬には三番線。姿は前世の彼には似ても似つかない彼は私の目をしっかりとみていている。

 

まさか?

いえ間違いない!

 

思いを胸に彼の隣に座ると、彼は私の耳に優しく私の名前を呼んでくれた。

 

「聖」

 

「葵」

 

もう止まれないこのまま死ぬまで一緒に溶け合ってしまいたい。

前世ではともに生き抜くことが出来なかった、私が先に死んで彼はどれだけ寂しかったろう辛かったろう。私に置き換えれば耐えられない。

涙が流れそうになるのを必死に止めて彼の差し出した手を握った。

 

正直アカデミーは直ぐに終わって欲しいと願ったが、中々終わらない初日だったから半日で済んだがそれだけでもあまりにも長く感じた。

今まで六年間も耐えられたのに、彼に出会ってたった数時間だって耐えられない。

 

放課後彼は直ぐに私を、彼が買った家に連れて着てくれた。

そして家に入って玄関を閉じた途端に、強く私を抱きしめた、私も受け入れるように静かに目を閉じる、前世なんども重ねた彼の唇、触れた瞬間に涙が溢れた。

 

ただ一人あの世界においてきてしまった愛しい人。もう止まれないお互い貪るようにキスをする周りの目なんて気にならない、この場で本番を始めても良い。

 

会いたかった。彼に会えなかった時間があまりにも長すぎて。誰に見られようと構わない離させない私達はこの触れ合った状態が正しい姿なのだから。魂まで捕らえて欲しいと願いながら強く強く彼を抱きしめ深く彼の口内に自分を押し込んだ。

 

 

 



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ヒナタと出会って大円団…お兄さん誰か忘れていませんか?

ヒナタと出会えた、まさか木の葉に居たとは思いもよらなかった。

長い口づけはお互い触れ合えなかった時間を取り戻すかのようにイルが食事の用意が出来た事を知らせに来るまで続いた。

 

ヒナタにはこの世界の事を話し他の三人と同じ霊樹の種を飲んでもらった。

驚いたことに静香も生まれていたらしく彼女の分も渡しておいた。

 

食事をして全員で風呂に入りお互いを洗いあって、同じ布団に寝る。はじめケイさんは辞退したがヒナタもマナカもイルも問題ないと言ったら渋々受け入れてくれた。

 

後は布団の上でお互いを優しく求め合う。前世ではお互いが死に別れるまでしか身体を重ねられなかったのだ、ここで躊躇う理由なんて何もなかった。

 

朝起きて互いにシャワーを浴びて身体を清める。イルとヒジリが食事を作ってくれて、マナカは相変わらず虐めて欲しそうにチョッカイをかけてくるので、逆に褒めたり可愛い可愛いと言ったら変な顔をされた。

 

マナカお前何処を目指してるんだ?

 

今日はアカデミーを休んでお互いのことを話し合った。ヒジリはまだ家族がいるらしく、ここまで育ててくれた親がくれた名前で呼んで欲しいそうだ、そこで俺も考える親が残した名前がいいのか前世の名が良いのか…結果は外で間違って呼ぶことのないようにナルトと呼んでもらうことにした。

 

それぞれ話し合った後日向家に向かいケイさんを保護者に謝りに行った。ヒナタが怒られるのは嫌だと思っていたが、マナカやイルを見て友達が出来たことを思いのほか喜んでいて拍子抜けだった。

 

昼食をとった後はGの里に向かい報告をしに行った。神樹の管理者は。管理者が増やすと決めれば問題なく増やせるらしくGの王ゴキブリ将軍に管理者の一人になってもらい。

 

星中にもっと神樹を増やす事をお互い決め先ずはここ北半球にある一本とその反対側にもう一本植えることにした。

 

更にこんな事態が起こらないようこの星の外側に有る火の星・木の星・土の星・天の星・海の星・冥府の星に神樹の苗を植えていくことに決まった。最終的にはこの星がある銀河を神樹で生き物が溢れる星々に変えていくらしい。

流石三億年生き繋いできた種族だ人間とスケールが違う。

 

俺たちは神樹が何者かに独占されないようにする事、その力を奪われない事を条件に普通の人として生きていいらしい。

だがお互いが間違った事をしてしまった場合歯止めが利かず星が滅びるかもしれないので、相互協力はしないこととなった。だがまだ意識のはっきりしない眷属の口寄せは認められた。

 

再び里に戻り、この世界で生き抜くためにお互い修行に励むことに決まった。この星では誘拐殺人強盗など犯罪が溢れかえっている。

前世で死に別れたのだ、今世では死にはしなくても封印されたり宇宙に飛ばされたりと俺たちを分かつ方法なんていくらでもあるのだから

 

ーーーーー

 

 

今日は静香改めハナビちゃんに会いに日向家に来ました。

 

前世妹のハナビちゃん可愛いですよね、いつもおねいちゃんキモいとか言って私を喜ばしてくれたし、その後蔑んだ瞳付き!

たまりませんウェヘウェヘウェへ。いけないいけない涎が。

 

という事で見つけましたハナビちゃんでは突撃!

 

両手を広げ抱きしめに行きます勢いをつけて前世でのあの呼び方で。では皆さんご唱和下さい。

 

ハ〜ナビチヤ〜〜ン

 

「キモいですマナカ姉さん」

 

素晴らしい勢い良く踏み込んだ足の力を一切逃す事なく撃ち込まれた崩拳、こう内臓を抉るように駆り出された一撃が私の下腹部に当たりその奥の子袋を的確に刺激する事で甘い疼きが全身を巡ります、この痛くも苦しい快楽は本当はナルトしゃんにやって欲しいのですがここまでの威力は遠慮してお尻ペンペンしかしてくれません。

 

周りの日向家の方があまりの音にびっくりしてますが、この程度ドンと来いです、むしろもう一回お願いします。

 

再びハナビちゃんに向かおうとしたら襟を後ろから捕まれ首が閉まりました。フ・イ・ウ・チ大変良いもので御座います。その上チョップの二重コンボ…全くナルトしゃんはこんな所で始めたいんですか良いですよバッチコイです。

 

「辞めろアホ」

 

言葉責め来ました。さぁもっともっと、ハナビちゃんに子袋殴られてお股ビショビショなんです我慢なんてできません。

 

「…マナカ、お前は可愛いやつだな」

 

ハウ。

 

「マナカお前を俺は愛している」

 

ガッハ

 

「マナカお前は最高の女だ」

 

やっ辞めてください死んでしまいますゥ〜、もっとこう罵って欲しいんですよ、甘い顔で甘い声なんてご褒美じゃ有りません。鞭でもロウソクでもドンと来いです。だから!

 

「マナカ…俺の子を産んでくれ」

 

ハイ、ヨロコンデ‼︎‼︎‼︎

 

 

ーーーーー

 

漸くマナカが気絶した、鼻血を出してだらし無く舌を口から突き出し白目を向いて危険な感じで痙攣してる。

 

「エヘエヘエヘへ」

 

「マナカちゃんどんどん変態になってくね、最初は私達のエッチ見てあんなに可愛らしく自分を慰めてたのに」

 

「お姉ちゃん前世では武士戦問学校の清楚系アイドルで皆んなから憧れの目で見られてたのに」

 

ああ、それはわかるな確かにこいつは喋らない動かないでジッとしてれば間違いなく深窓の令嬢に見えるだろう、前世も今世も見た目だけなら最高だ…しかしこいつに付き合える奴は俺以外居ないだろうな。

 

警察に捕まって出て来た奴らがやり返しに来たが。俺たちが助けに行くまでに全員自分の白濁液の中で沈んでて男の機能失ったんだっけ。しかもマナカは服の乱れ一切なく殲滅したからな、あれ以降ちょっかいかける奴全く居なくなったな。

 

マナカのパンツを脱がして噴き出した汁を掃除している間にケイさんが来た。話は終わったらしい、日向家でも気兼ねなく来て修行していって貰って大丈夫だそうだ。

この後食事も誘われた。日向家の食事はどんな料理かと思ったが肉じゃがや漬物、味噌汁にご飯と普通の家庭料理で安心できる味だった。心配だったマナカもきまともに対応していたしホッと胸を撫で下ろした。

 

ーーーーー

 

次の日アカデミーにヒジリ・マナカと行く、因みにケイは家事をイルも家事をしたいとのことでアカデミーには入学していない。

周りからはからかわれる事はあまり無かった、どうやら狐憑きの俺を怖がった親が俺に関わるなと言っているらしい。

 

これはこれで好都合だ、未だに里に出ると俺を殺そうとする奴らもいるからな、皆んな平気で石とか投げてくるし。

 

お金に関しても鉱遁で幾らでも作れる金銀白金を売れば簡単に手に入るし。勿論換金はケイさんにしてもらうが。

 

今日も今日とてお勉強、低学年の時は基本の読み書きや足し算引き算、あとはお遊びみたいな事ばかりだ正直やる意味もないが皆んなで話し合って前世で楽しめなかった学園ライフっていうのを体験しようってことになった。

 

やはり忍びを育てる学校だからか面白い授業もある、例えば印の組み方の授業とか。正直皆んな指をあっちこっち動かしても上手くできない。そういってる俺も実は苦手だったりする。

 

これが出来ないとアカデミーって卒業出来ないのかな。

 

「ナルト君それ違うよ」

 

おっそうか悪いなヒナタ

 

横にいるヒナタは幼い頃から印の修行を積んでいるので全部出来るらしい。俺も修行したがあくまでも神樹の管理者になる為の修行だったし、神樹の管理者になった後は印を組まなくても術は使えるのでそこまで必要としなかったから練習もしていない。

 

学校が終わったら、皆んなで修行だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これで一章は完結です。
二章までは番外のアカデミー編を入れて中人試験までです。
基本このまま進めますが二章からは投稿は不定期になります。


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アカデミーの日常

アカデミーでの授業は基本の勉強は簡単でその間一緒に授業を受けている皆んなと小声で雑談したりしながら過ごすことが多い。

 

だが忍びの修行的な授業はかなり役に立つ。

 

前々世・前前前世の記録はあるがどちらかというと一人の人生を一冊の本にして読んだ程度でしか無い。

実際に経験した前世に比べると正直印の結び方やチャクラの練り方は今世が初めてだ。

これが前世に経験した武士の操縦ならお手の物なんだがな。

 

アカデミーでは基本お昼前の時間は料理の授業になる。何故なら忍びは何が起きても生き残ることが大事だからだ、食料が無くなり飢え死に、毒を食って服毒死などあってはならない。

 

そこで料理の授業なのだがまず食材を選ぶ、これは既に用意したものがあるが中には毒や。調理法によって毒を抜かなければならないものもあるので皆んなで図鑑を観ながら手に取って、ひとしきり選んだら先生に確認してもらう。

ここで選んだものが明日のお昼ご飯になる。

 

だが1週間に一度だけ皆んなで料理をする時間があり今日はその日だ。

 

基本俺たちはいつも一緒に調理していたが、今回は先生がくじ引きで決めることになった。

 

そして一緒になったのは。チョウジとシノそしてシカマルだ基本忍はスリーマンセルだからと言われたが女の子が居ないとやる気が出ないぜ。

 

今日の料理はどうするか。目の前には見るからに大食感のチョウジ、肉は少なくみんなに行き渡るように考え短時間で出来るもの……パスタにしよう。

 

よろしくなシノ、チョウジ、シカマル。

 

「ああ」

 

「よろしくね」

 

「めんどくせ〜」

 

それぞれ作る料理を決める。

 

「僕は焼肉を作るよ」

 

「サラダを」

 

「適当に任せるわ」

 

オッケー俺は主食を作るぜ。

 

ごっそり肉を持って行ったチョウジは凄まじい勢いで肉を焼きはじめた、その目は真剣そのもので焼きあがった端から食べていく。

 

オィ!何してくれてんのお前はァ!それこの班の肉お前だけの肉じゃないんだけど!

 

「ふっ肉は全て僕の物だ」

 

キメ顔で言うな[鎖条鎖縛]

 

彼の身体を封印術の鎖がボンレスハムのようにしてあげたのでベーコンの様に吊るしといた。

 

シカマルお前何もしないんだったらこいつ見張ってろ!

 

「え〜」

 

やれ

 

「は〜めんどくせぇ」

 

床に寝転んで居たシカマルは重い腰を上げてチョウジの側でめんどくさそうに横になると目をつぶって寝息を立てた。

 

この中でマトモなのはシノだけだ、野菜を的確に切って芋虫のハラワタと醤油酢を混ぜてドレッシングを作ってる。

周りは引いているが案外美味しいんだぞ芋虫。

 

俺は俺でフライパンで肉を焼きながらもう一つのコンロでお湯を沸かし、その間に干し肉を細かく切って卵を全卵四つに黄身四つと粉チーズを適度に混ぜておく。

 

親が沸いたので塩を入れパスタを入れて肉を盛り付け。そこにニンニクを潰して入れる肉の脂にニンニクの香りが着いたら干し肉を入れて、その間に残った白身を白くなるまで混ぜて胡椒を入れておく。

 

パスタが茹で上がる一般程前に茹で汁をフライパンに入れてパスタも入れておく。タイミングを見計らい火から下ろしたフライパンに卵液を入れて一気にかき混ぜる。

火が通りすぎない様にドロっと乳化した時点で皿に盛りフライパンを熱いうちにたわしで洗い水を拭いてコンロの上にフライパンが温まる間に鍋を洗い干しておく、フライパンに少量の油とチーズを乗せて溶けはじめたところに卵白を被せるように入れてその上にミニトマト手で潰しながら入れてバジルを散らす。蓋を閉じて焼きあがっていたら簡単卵白ピザの完成だ。

 

二人で三品か、少し少ないかと思ったらなんとシノが芋虫の串焼きとコオロギの串焼きをトースターで作ってくれていた。

 

見回りに来た紅先生に味見をしてもらったら文句無く合格だったが肉を勝手に食べたチョウジと何もしなかったシカマルはこの授業受けた意味があるのかと疑問だった。

 

当然チョウジの肉は食べた分他より少なめにして他人のを取らない様に鎖条鎖縛で椅子と床に縛り付けておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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アカデミーの日常2

アカデミーは忍びの修行も含めている。

 

今日の授業は体術の授業だ。

 

前回は顎クイだった。え?どんな技かって決まってんじゃん顎をクイッと動かして脳震盪起こす技だよ。

 

今日の授業は壁ドンだった。相手を壁に押し付け逃げ場を失った体に浸透系を打ち込んで内臓を破壊する技らしい。

 

そもそも浸透系がよくわからん、衝撃を身体の中の水に伝えて内臓を破壊するとか何それ奥義じゃないの?信じられるかこれをアカデミーの子供が使える様になるんだぜ。

 

今日の相手は当然の様になってマナカだった。いや俺だって嫌だったんだよ絶対こいつ喜ぶもん教室で酷いことするもん、俺が完全に社会的に死ぬじゃん!

 

でもヒナタ達もやりたくないから俺がやるしかなかったんだよ。

 

「早く早くハーリーハーリーハリーハリーハリーハリー」

 

目の前のこいつは変態です。潤んだ瞳で脚をモジモジさせてます。頬はピンクに染まってるし息遣いも荒いんです。

 

しかもさっきからハリーハリーハリーハリーとうるさいんです。

これは気合を入れて一発で終わらせる必要がある。周りのみんなを見てもワイワイキャアキャア楽しそうだけどここだけSMクラブになってる異様な雰囲気からかここだけポッカリ空間ができてるけど。

 

「おい、ナルトいつまで女の子のお腹を触ってるんだ」

 

見回ってたイルカ先生に注意を受けた…ええいままよ。

 

イルカ先生の見本の通り脚の重心移動と膝腰背骨一つ一つの動きで増幅して目の前の変態に撃ち込む。

 

はっ‼︎

 

「オウ!」

 

目の前の変態はあろうかとか拳を自分の下腹部に持って行って受けやがった。触れた拳から感じる肌の感触がビクビクと震えヤバい感じに上を向いた顔から舌を突き出し白目を向いてる。

 

流石に不味いと思ったのかイルカ先生が来て脈を取ったりして確認してるけど。

 

違うんです先生、そいつ喜んでるんです。先生に見えない様に俺に対してスッゴイ笑顔見せて来まし。ほらその笑顔です、ええ見えないですよね先生に気づかれない様にしてますもん。

 

「ナルトいい一撃だったぞ、みんな見たな熟練の域に達すれば相手を気絶させる事も殺す事だって十分に可能だ。

逆に今のうちにこういった攻撃に耐え耐性をつけておくことも重要だからこのまま授業を続けるぞ」

 

先生俺は…ナルトはマナカを観といてくれ。身体は問題なかったからなその内気がつくだろう。

 

俺は教室の後ろでマナカを膝枕しながら考える、これはお仕置き事案だと。どんな言葉をかければマナカは嫌がるだろうか……

 

マナカ愛しているよ

 

ビクッと体が跳ねたマナカ。誰にも観られたくないのか俺の方を向いている。

そんなマナカの頭を撫でながら確信した。こいつは放った言葉より直接的な言葉の方が効果があると。

 

マナカ最高に可愛いな

 

ビクビクッと身体が跳ね微妙に震えているもう一押しだっ。

 

マナカお前は誰よりも美しい。

 

陸に上がったコイよろしく周りに見られたくないのだろう。必死に堪えているのかブルブルと震えている。

まだ耐えるか。俺はそっと真っ赤になったうなじの髪をかきあげ息を吹きかけるとマナカは全身を硬直させて完全に果てた。

 

ふと静かだなと思い周りを見たらクラス中が顔を真っ赤にしてこちらを見ていて、般若の様な顔のイルカ先生の拳が俺の顔面を捉えた。

 

「木の葉流体術壁・ドン」

 

成る程これが浸透系か脳味噌がシェイクされるぜ。

 

 

 

 

 

 



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アカデミーの休日

朝六時に目を覚ました当機改イルは起きるとまずマスターにキスをします。

出来る事なら朝のご奉仕もしたいところですが当番ではありませんので。

ショーツと肌着をつけガーターでストッキングを止めます、イルの制服メイド服を着てカチューシャをセット。

顔と手を洗って料理開始です。

 

今日は良いサーモンが入りました。昨日の内に塩水に漬けておいて一夜干しにしてあるので、そのまま焼きます。

ご飯は釜の中で炊けていましたので軽く混ぜてフンワリさせておく。

 

お味噌汁はマスターの好物ナメコを入れましょう、後は豆腐を細かく切ったものと、最後散らす様のネギを。

 

冷暗所からぬか漬けを取り出します。ナスとキュウリが良い感じで使ってます。取り出した後ぬかは底から上へ天地返し表面をならしておく。

 

ぬか漬けはそれぞれ簡単に摘めるくらいにカットしてお口直し様に。菜っ葉をゴマ、醤油でお浸しにして鰹節とシラスを振りかけておく。

 

それぞれの用意をして六時半ケイさんが起きてきました。顔を洗いに洗面所に行かれたのでしょう。

マスターもそろそろ起きる時間です、料理をそれぞれの器に盛り付けテーブルの上に並べてお部屋に向かいます。

 

うまくいけばご奉仕に参加できるかもしれません。ドアを開ければ皆さん黄色い色の聖水を飲み会っています。

間に合いませんでした、落胆した気分を気づかれない様注意して朝ご飯の支度が整った事をご報告します。

 

するとマナカさんが。

 

「イルちゃん一番搾り出した」

 

いえまだです。

 

「そっかじゃあこっちおいで」

 

呼ばれるままに近づけばマナカさは私の服の中に潜ると蛇口に口付けして来ました、ピクリと身体が震えて少し恥ずかしいですが力を抜いて少しずつ一番搾りを出していきます。

 

口一杯に溜め込んで溢れそうなものだけ嚥下しているのか床は一切溢れてません。マナカさんは頬をリスの様に膨らませながらマスターの下に行くと口移しで一番搾りを飲ませました。

マスターも甘露を飲んだ様な充足した顔をして飲み干して。

 

「イルの一番搾りも美味しかったよ」

 

といってくださいました。皆さんでリビングに着くと朝食が始まります。サーモンの一夜干しは正直あまり美味しくはありませんでした、矢張りシャケでないとあの味は出せないみたいです。

 

その後お洗濯とお風呂場の清掃をします、その間マスターとマナカさんはお家のお掃除を、ケイさんは買い物に行って頂きました。

 

 

さて午前中にやるべき事はやりました。次はお昼ご飯の用意です。

基本的に1日2食しか食べないのでお昼ご飯が勝負です。

朝はガッツリ和食でしたのでお昼はガッツリお肉を用意します。

 

今日はトンカツにしましょう、ロース肉を厚切りで塩コショウをかけて後は小麦粉、卵、パン粉をかけて揚げるだけ。

 

その間にキャベツの千切りとご飯、お味噌汁は玉ねぎのお味噌汁にしましょう。

 

一度上げ上がったら取り出して放置、余熱で仲間で火が通るのを待ちます。

その間にテーブルをセッティング。

次は高温にした油でサッと揚げ表面をサクサクに、油を切って箸で撮りやすい大きさにカットしたら出来上がりです。

キャベツの乗ったお皿にトンカツを乗せセッティング済みのテーブルへ。

 

既に待機している皆様に料理の乗ったお皿を運んでもらい今日のお昼ごです。

 

 

こんな日常がいつまでも続いてください。

 

 

 

 

 

 

 



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小隊編
小隊編


アカデミーを卒業して

イルカ先生の判断で班を決められた。ヒナタ・マナカと一緒が良かったが。残念なことに上忍を待つ俺たちの班は俺、マナカあとよく知らないうちは。

 

今頃ヒナタは何処にいるんだろうか。班の仲間とはうまくやれているだろうか、寂しくて泣いてはいまいか。心配が尽きない。

 

「ナルトさん、ナルトさん。はい、あ〜ん」

 

イルが朝持たせてくれたショートブレッドをマナカに食べさせてもらう。

ザクッと小気味いい歯応え、それを噛み締める毎に広がるバターの風味と全粒粉の香ばしい香りが口一杯に広がる。

 

お返しと俺のショートブレッドをマナカの口に持っていけば頬を染めて口を開く。その姿が雛鳥が親鳥に餌を求めているみたいで実に愛らしい。

 

そんな事をしているとガラリとドアが開く音がしたが、気にせず行為を続ける。

正直アカデミーに通っていたのは人間を学ぶためだ、これ以降は人間を育てその魂を刈り取るシステムの構築をするだけでいい。

未だ木の葉に残るのもハナビが五年後に卒業するのでその間の暇つぶしでしかない。

 

だから自己紹介後にこれから下忍になる為の演習をすると言われてこれはチャンスだと思った。

 

「上忍さん忍びをやる気は無いんで俺たち二人は不合格でお願いします」

 

「……はい?」

 

 

ーーーーー

 

ハタケカカシは苛立っていた。

 

先程火影に呼ばれて次の任務を聞いてみれば、なんと子供の監視だと言う。

 

一人はうちはの生き残り、同じ写輪眼だから出来れば教えて欲しいそうだ、御免被る。

 

もう一人はあの狐憑き、確かに恩師の子供だが正直それがどうしたと思う、たかが子供忍術もロクに使えないならそれこそ中忍だって監視ぐらい出来る。

 

最後は他里の生き残り、骨を操る術を使うらしいが正直分からない。暗部にでも頼んでサスケ共々子を残すだけの道具にすればいい。

 

しかし今回は任務だ、今までのように気分次第で卒業生を辞めさせる事は出来ない。何としてでも下忍になって自分の監視下に置かなければならない。

 

だがこれでも暗部だ殺すだけでなく、数ヶ月から数年に渡る潜入任務なども当然ある、別組織に入り込んで組織の人間に好かれ情報を抜き取り木の葉に流す仕事に比べれば難易度は下がる、そう思わなければやってられない。

 

陰鬱な気分を感じながら教室に入ればイチャつく二人と無関心な一人、気に入らない。

そんな想いは表に出さず、にこやかに先ずは第一声。

 

「ん〜お前達の事俺は嫌いだ」

 

掴みはバッチリだろう、この位の年齢だ絶対に反発してくる。それが狙いだ反発すれば否応無く俺を意識する、意識されない相手より第一印象から衝撃的な方が後から上手くいく。

 

そう思っていたが、釣針に掛かったのはうちはだけ、イチャついてる二人は気にした風もなく乳繰り合っている。

盛大に爆死しろ。

 

落ち着け俺、これは任務だ潜入任務の為に何ヶ月もトイレ掃除だけをしていた事に比べれば屁でもない。

 

「そうだな…先ずは自己紹介してもらおうか、それじゃ右から順に」

 

「うずまきナルト以上、それからこいつは俺の女の人りマナカなんでよろしく」

 

おい!何だその自己紹介は舐めてんのか?それと12で俺の女とか何言ってんのこいつ。

それとナルトの膝に対面して座ってるクソ女、こっち向け背中と後頭部しか見せてねぇだろ。せめて顔ぐらい見せろ。

 

「そっそっか〜他には好きなものとか嫌いな物とか将来の夢とか趣味とか」

 

「あっそう言うのいいんで、次行ってください」

 

お前が決めんな!それと喋ってる途中でキスすんな発情狐!

 

やばい、自分でも額に青筋が立ってるのがわかる、もうお前ら俺の千鳥で殺してやろうか?

 

「そっ、そっかそれじゃあ次な」

 

今度はまともでいてくれ。

 

「名はうちはサスケ、嫌いなものなら沢山あるが好きな物は別にない。

野望はある!一族の復興とある男を、必ず…殺す事だ」

 

良かった…普通だ、いや普通じゃないよ両手を組んで口を隠す、何だかサングラスと無精髭が似合いそうなポーズしてるし。はたから聞けば普通じゃないよ。でも他二人と比べれば普通だ。

 

チラリと横を向けば女が口の中にクッキーみたいなものを入れて咀嚼した後口移しでナルトに与えている。

キモい。気持ち悪い。人の口で咀嚼して唾液まみれになった物を与えるって何してんのお前ら変態なの死ぬの?

 

気が付かれないように心を落ち着かせる。これは任務だ要人暗殺の為に上忍や暗部と戦うことと比べれば…いや戦う方が楽だわ実際。

 

組んでいる腕を握りつぶす勢いでその痛みでこのイライラを我慢する。

 

「自己紹介はそこまで、明日から任務やるぞ」

 

反応ないな〜もういいやさっさと進めよう

 

サスケはこっちを睨んでいるがそれ以上の行動を起こそうともしない。

問題は二人だ、イチャイチャしやがって任務じゃなきゃ絶対に仲間にしたくないタイプだ。

 

「くくく、余裕が有るのも今の内だこの任務は。

卒業生二十七名中下忍と認められるのは僅か9名・残り18名は再びアカデミーに戻される。

脱落率66%以上の超難関テストだ!」

 

どうだ、流石にこれを言えば

 

「上忍さん忍びをやる気は無いんで俺たち二人は不合格でお願いします」

 

……はい?

 

ああ、そう言えば俺の自己紹介をしてなかったな……

 

 

 

 

 

 

 

この任務もう失敗で良いや。

 

ーーーーー

 

火影執務室

 

ハタケカカシは執務室の机の前で対面する火影に。

 

「任務失敗でお願いします。他の任務なら何でもやりますんで」

 

カカシは祈るような気持ちで火影を見る、火影はキセルを吹かしながら任務表を選び。

 

「ふむ、この中なら可能かのぉ、どれをやりたい?」

 

渡された任務表は3枚、高鳴る胸を押さえて一枚目に目を通す。

 

〜アナル・スキー大名への潜入任務〜

 

波の国の大名アナル・スキーに使えて彼から重要情報を得ること!

 

アナル・スキーは波の国の大名、彼が犯罪組織と結託して違法薬物[後ろの菊の花]を販売、木の葉の里にも入ってきている為早急に取り掛かるべし。

 

アナル・スキーは紙媒体を残さず全ての情報を記憶しているため、火の国から男娼のプレゼントに紛れてアナル・スキーに近づき情報を得よ。

 

期間

小国とは言へ戦争になるのは避けたいので、情報を得られるまで何年も。

 

アナル・スキーは男娼と日夜励む性癖を持っている為後ろの後ろをしっかりと開発すること。

 

なお後ろの後ろを開発するための張り型は支給する物とする。

 

〜〜〜

 

辞めようこれはダメだ、俺は顔もばれてるしきっと任務についても良いことはない。これは暗部の山中一族向きだきっとそうだ。

 

次こそは。

 

そう思ってめくってみれば。

 

〜大名スレイブ・マスターからの情報を入手せよ〜

 

大名スレイブ・マスター(S・M)は火の国の大名。

男娼に対する激しい鞭打ちや蝋燭垂らし、菊の花への蝋燭を活けるなど激しいプレイを望む傾向があり、暗部の中でも激しいプレイ対応している忍びを求む。

 

波の国から違法薬物[後ろの菊の花]を仕入れてばら撒いている。

入手経路及び、S・Mがばら撒く為に使っている企業及び犯罪組織の情報を入手せよ。

 

期間

明確な証拠も無く大名を名指しで尋問できないので、情報を得るまで何年でも。

 

S・Mは男娼と日夜励む性癖を持っている為後ろの後ろをしっかりと開発すること。

 

なお後ろの後ろを開発するための張り型は支給する物とする。

 

〜〜〜

 

次だ次‼︎

 

〜うずまきナルトを監視せよ〜

 

木の葉の下忍うずまきナルトを監視せよ。

うずまきナルトは九尾が封印され里の者からは忌み嫌われ命を狙われて。

田里の忍びからはその体を狙われている。

護衛及び監視役として第七班に指導上忍として潜入し、その身を守り九尾が暴走しないようコントロールせよ。

 

〜〜〜

 

普通だ?

 

あれ?・いやいや違うだろ、この任務が受けたく無くて違う任務を頼んだんだ。

 

こちらを伺うことなくキセルを吹かし書類を片付ける火影を見て。

 

「あの……他の任務は…」

 

嫌な予感がする非常に嫌な予感が。

自分の脇が緊張から汗ばむのを感じるのだ。

 

ーーーーー

 

「……ふむ、何が気に入らんのじゃ」

 

目の前で緊張からか汗ばむカカシを見て火影は考える。

カカシは確かに優秀だ、しかしそれは戦闘に関してはと付く。

 

本来暗殺や抜け忍の始末、村の襲撃程度なら上忍で充分。それ以上に重要なのが対象が暗殺するに値するか、依頼人の情報が正確か、などの裏付け調査。

暗部はこの裏付け調査や潜入をメインとして動く部隊が多くいる、暗殺などの戦闘系の仕事は言わば暗部的には雑用でしかない、そんな物は顔の割れた上忍がやれば良いのだから、度々顔の割れていない暗部を使う必要は無いのだ。

 

「何が気に入らんのじゃ?」

 

「あの、自分的にはですね出来れば戦闘系を…」

 

「その戦闘系の任務をするための情報収集が上二つの任務じゃよカカシ、戦闘系の任務に就きたいなら先ずは情報を集めなければならん」

 

「……」

 

不満そうな顔をするカカシに対して火影は肺の中の煙と溜息を吐き出し。

 

「今までお主が戦闘系の任務に従事してこれたのは、これらの任務をこなして来た者があったからじゃが。

4年前うちはイタチがうちは一族を皆殺しにした後その行方を追った暗部、志村ダンゾウを含め多くの人員が行方不明。その後を継げる者がいない以上暗部でも古株のお主にこの様な任務について貰う必要が出てくるのじゃ。

今まで戦闘系の任務ばかりさせていたからのぉ、これも勉強じゃ、性的に相手を落とす技術を手に入れるためとこの二つ受けて見てはどうかのぉ?」

 

「あの……やっぱりこれでお願いします」

 

そう言ってカカシが出したのは第七班の担当上忍だった。

 



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ヒナタがまた出ない。

カカシが演習場に着けばそこにはサスケと手紙が切り株の上に置いてあった。

 

「サスケ、あいつらどうしたの?」

 

「忍び辞めるから宜しくだと」

 

「…………ちょっと連れてくるから弁当食ってていいぞ」

 

手紙を握り潰してナルトを探しに行こう。

 

ーーーーー

 

ナルトはマナカ、イルと一緒に結界内で修行していた。

 

「全武振動弾頭解放・山嵐発射」

 

イルが前世の背部装着型多弾頭振動弾頭山嵐をこちらの世界で再現した小型ミサイルを放つ。

片側6連、両方で12発の多弾頭は空中で分離し一発が6個の弾頭に分かれて全面に降り注ぎナルトとマナカを襲う。

 

「土遁・土竜壁」

 

「水遁・水陣壁」

 

ナルトが迎えるは土の竜の体を模した土の壁、限界までチャクラを練り込み硬さを上げる。

それに対してマナカは全体を水の壁が覆う。双方共に小山程の質量を作り出すも、振動弾頭は物体の運動に対する振動を相殺し破壊する。

次々と着弾する振動により見る間に水の壁も土の竜も破壊尽くされた。

 

「山嵐廃棄・対象消滅を確認・赤外線X線共に敵影なし…!ソナーに感有り上と下、対消滅弾頭展開・防衛プログラム起動イージス」

 

イルのパッシブソナーは上空から落ちてくる振動と地を掘り進む振動を感知し次の武装を展開する。

 

空から水の龍纏って落ちてくるマナカと大地から飛び出す土の龍が対消滅弾頭内の反物質と反応し巨大なキノコ雲を作り出した。

 

「イージス出力20%低下」

 

紅く輝きイルを守るイージスを量子化し、背中に機械のバーニアを展開してその場を離脱しようとして。

 

「火遁・火龍炎弾」

 

「風遁・気龍乱舞」

 

炎の龍と暴風の龍が混ざることで九尾の狐すら飲み込むほど巨大化した灼熱の龍、大地をマグマに変え空気を燃やす龍はイルに迫り。

 

「コキュートス!」

 

砲身が付いた巨大な盾に隠れながら、バーニアを全開に吹かして巨龍の肌を撫でるようにギリギリの回避をした。

 

ーーーーー

 

「イルちゃんお疲れ様でした」

 

「ありがとうございますマナカさま、おかげさまで前世の武装の5割まで作成出来ました」

 

「いいよなぁ、俺も武士に乗りてぇよ。忍術も良いけど巨大ロボットは男のロマンだよ」

 

神樹の管理者となって使えるようになった顕象は想像通りのものを作り出す事が出来たがその為にはしっかりとイメージしなければならない。

 

イルは前世機械だったお陰か細部までイメージ可能で、次々と前世使用していた武装を作り出し訓練していた。

 

「みんなお疲れ様飲み物用意しましたよ、レモンが美味しそうに実ったので蜂蜜レモンを作ってみました」

 

ケイさんが用意してくれた蜂蜜レモンは甘さが控えめで、運動後の身体にスルスルと入っていく。

 

「蜂蜜か、養蜂も有りだな」

 

「もしくはカエデを植えてメープルシロップっていうのも良いよね」

 

「ここの環境なら養蜂の方がいいかと、カエデなどの樹液は寒い方が甘さが増しますので」

 

「イルよく知ってんなそんな事」

 

「イルちゃんは、皆さんがアカデミーに行っている間家事と図書館で勉強をしていたんですよ」

 

ケイさんが教えてくれてイルをみれば、首を縦に振って応えてくれた。

 

「そっか、悪かったなお前もアカデミー行きたかったろ?」

 

その問いにイルは首を横に振って。

 

「皆様のお側でお仕えする事は前世からの当機の願いでした、こうしてお仕え出来る事それだけで私は充分に満たされています」

 

「そうか」

 

「イルちゃんはいい子だね、でも私達は家族なんだから我儘言っても良いんだよ。喧嘩して仲直りして良いも悪いも受け入れるのが家族なんだから」

 

その通りだ家族とはお互いに踏み込むもの、俺ももう少しイルに踏み込むべきかもしれないな。

 

「イル、今度二人で出掛けるか」

 

「はい、是非!」

 

のんびりした時間を過ごしたいたら突如結界の外、木の葉の里の家の結界が破られた警報が鳴った。

 

ーーーーー

 

 

カカシはナルトが暮らしている家に侵入するために四苦八苦していた。

 

ナルトの家の門をくぐれば、そこはどこまでも続く鳥居の道。

長年の忍びの経験から結界に捕らわれた事を感じた緊張感から直ぐに応戦できるように警戒し、近くの鳥居を調べる、何も仕掛けがない事を確認し一つづつ鳥居や周囲を確認するが10本を超えた辺りから疑問に思い10本前の鳥居を調べればそこには、確認用のマーキングは綺麗に消えていた。

 

このまま鳥居の中に居ても出られない事を悟ったカカシは左手から森に入れば直ぐに元の鳥居の道に戻された、では上はと思い木に登りそこから見渡せばあたり一帯森の中。

 

仕方なしと写輪眼を使って結界を破れるかと試すが全く現実と見分けがつかない。

 

「下忍と侮ってたかな」

 

そう言って胸から巻物を取り出し契約している犬を口寄せし四方に走らせ、この結界内を探させる。

 

犬を口寄せ出来たってことはここは幻術でなく現実何処かにある場所に封じられたって事かな。

 

そう思い周りを見回せば、鳥居の下に奇妙な者が有るのに気がついた。

それは根だ、鳥居には本来存在しないそれが気になったカカシは地面を掘ってみて、そこに有った光景にゾッとした。

 

そこに有ったのは木の葉で最近行方不明になっている人の姿、狐を殺すと息巻いていたとナルトの書類に書いて有ったのを思い出し、他の鳥居の足元を掘り返せば出てくるは木の葉で狐死ぬべしと息巻いていたものや他里の額当てを付けた忍びの変わり果てた姿。

 

「キャインキャイン‼︎」

 

遠くから聞こえた犬の声に嫌な思いを感じ飛び出せばそこには地面から生えた鳥居の様な赤い色をした木が犬の一頭を飲み込もうとしていた。

咄嗟の判断で犬の口寄せを解いてこの場所から解放した。

 

まっずいぞこの結界術、恐らく鳥居に捕らわれた人間の命を使ってこの結界を維持しているんだろうが全員殺せば出られるとも限らない、恐らくその前に俺が鳥居に取り込まれる。こんなのが展開出来るなんて完全に下忍のレベルを超えてるぞ。

 

「おや?この千本鳥居に封じられない存在とは珍しいですな」

 

声に振り向けば誰も居ない、何処だと探せば。

 

「何処を見ているのですかな?我輩は貴君の足元に居ますぞ」

 

なん…だと、俺がここまで気がつかないとは。

 

驚愕を隠すことなく、後ろに跳びのき先程までいた場所の足元を見ればそこには銀の王冠に銀のマントを纏ったゴキブリ。

 

「はじめまして、我輩はコクロー軍曹。ナルト君の教育係として幼少の頃から育ててきた者ですな、所で貴方は?」

 

「……これは……どうも俺は畑カカシと言います、ナルトの担当上忍でナルトを呼びに来たんですが」

 

「成る程それでで鳥居に取り込まれなかったのですな、ではここから出ましょうぞ。さあさあこちらへ」

 

「ありがとうございます、所で取り込まれなかった理由とか有るんですか?」

 

前をカサカサと進むゴキブリに問いかければ。多分一度振り向いたのだろうゴキブリが。

 

「有りますぞこの結界は悪意に反応して対象を取り込みその相手を苗床にするのですぞ。どんな悪意でも取り込まれますのでな、先程の犬の様に主人に対する敵に対して悪意を持っても発動してしまいますな」

 

成る程、カカシは悪意ではなく困惑が大きかった為に鳥居が反応しなかったのだと当たりをつけて、ゴキブリの後を追いながら、ナルトの家に来た理由を告げる。

 

「ふむ、カカシ君あの子はその身に受けた契約ゆえどうしても人間に対して嫌悪感を感じてしまう。

我輩としても人類の敵にあの子が成ってしまうのは望んでいないので少し話して見ましょう」

 

「お願いします」

 

ゴキブリが案内したのは一見普通の鳥居にしか見えないがゴキブリと共に鳥居の柱を8の字を描く様に10回回った所でナルトの家の門の前に出た。

 

出たと同時に来ていた事を知っていたのかドアが開き清楚な感じの妙齢の女性が出迎えた。

 

「うずまき家へようこそ、どうぞお入りください」

 

通された家は驚く事に外観よりも中の方が広かった。ドアから入れば土間があり、数歩先に一段上がった床。

 

床の前の踏み石に靴を置き上がらせてもらう。床はピカピカに磨き上げられ壁も落ち着いた土壁。その通路を奥へ進めば障子、その障子の先はぐるりと中庭を囲むように有る通路。

 

その通路を時計回りに歩き二つ目の障子を前に女性が「お客様をお連れいたしました」と言えば障子は開いてその先にナルトが座っている。

誰が障子をと見れば開いたのはマナカだった。

 

「コクロー軍曹お久しぶりですどうしましたか」

 

「はっはっは、あの子が敬語を使うようになりましたかな。結構結構、キチンと学んで目上に敬う姿勢それは人間の数少ない美徳の一つですぞ。」

 

「ありがとうございます」

 

コタロー軍曹は満足げに頷いている。

俺はどうしたらいいんだと、所在無さげに周囲を見ていたら案内してくれた妙齢の女性が別の部屋へ案内してくるそうなのでついていく事にした。

 

ーーーーー

 

ナルトは懐かしい育ての親を前に緊張していた。

 

「実はですな南半球の神樹が八年かけて充分に育ちまして、あちらの管理はエルフ族に任せてみる事にしたのですぞ」

 

「エルフ?ですか」

 

なんだそれはと思い聞き返せば、コタロー軍曹は何処から出したのか、一枚の地図を取り出した。

 

取り出された地図を見て驚いたのは、人間が暮らす土地の少なさだ、山に囲まれて海に面した比較的穏やかな地形が人間が暮らす土地なのだそうだ。

 

「木の葉を挟んだ、土の国と風の国の先に大地を隔てる巨大な山脈がありましてな、この山脈には鉄の国、その山脈を越えた先には鉄の国を属国とする日ノ本の国が有るのです。そこから海を越えた先に有る大陸には蝦蟇の妙木山、大蛇の龍地洞、蛞蝓の湿骨林我ら蜚蠊の漆黒宮、土人と書いてドワーフや森人と書いたエルフ、猫人やそこのカカシ君が口寄せした喋る犬の犬人族など多種多様な種族が様々な国々を作ってあるのですぞ」

 

たしかにアカデミーで習った地図では球体の星に対して土地が狭すぎた、ならば当然忍びが鎬を削る国々の先に様々な国々が有るのだろう。

これは是非行って見たい。

 

「所でナルト君、忍びになるつもりは無いと聞いたのですが」

 

「はい、星は一刻も早く人間の命を捧げて回復する事を望んでます、そこで雲隠れの里で作った迷宮が予想以上に上手く人間の強化と魂の回収に役立っていますので基本大国には全て設置しようかと考えています」

 

「成る程よく考えているのですね、しかし少々急ぎ過ぎでは?

もう少し人に紛れて人を知るべきと思いますぞ、人は君が思っているほど屑では無いのです、確かに間違いは犯します、しかしそれは仕方のない事なのですぞ。

そも間違いを犯さない存在などいやし無いのですから、我輩達さえもっと早く人間に干渉していれば、ここまでの事態になる前に防げたかもしれません。

ナルト君君はもっと学びなさい、片方の視点だけでなく多くの視点を学び君の考えを持つのです。このままでは只の星の触覚になってしまいますぞ」

 



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小隊編…ヒナタとニャンニャンしたい

誰かに触れていないと声が聞こえる。

 

『…セ』『ロセ』『コロセ』『コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ』

 

もう、限界だ。

強すぎる星の思念、矮小な人の意思を飲み込み人を皆殺しにするだけの機能に変えようとする。

 

近くにいたマナカを抱き寄せ、その匂いと柔らかい身体を全身で感じれば徐々に星の声は静かに聞こえなくなっていった。

 

「大丈夫だよ葵さん、貴方は葵私の愛しい人で私は貴方の物」

 

マナカは彼の身体が小刻みに震え、恐怖から逃れる様にしがみ付くさまに対して慈愛の笑みを浮かべながら、その頭を胸に抱く。

 

強い締め付けだ、12歳とは思えない。

当然だ星の触覚として常に十全な状態で戦える様に、地上にいる全ての人間を殺し尽くせる様に星からバックアップされているのだ。

 

しかし、それは彼が鍛え望んだ力ではない。

 

ミシリ

 

彼を介して神樹と契約している、この身体から鳴る骨が軋む音、少しでも力を入れ間違えれば人を抱きしめる事も出来ないおぞましい力。

その音を感じたのか彼がその手を緩め、逃げようとするが逃がさない。私はあの日彼に救われたのだ、その後も何度も彼と身体を重ね心を重ねた。

こんな所で手は離さない、より強くお互いの境界線が曖昧に成る程に彼を押し倒し足を絡めてその唇を貪る様に奪う。

 

「ぷはッ」

 

息苦しさから唇を離せばお互いを繋ぐ銀の糸。

頬を上気させ息苦しさからか息を荒げるその姿に、こんな状況でありながら彼を求める獣欲が高まり、その欲望のままに彼の服を破ってその胸の頂を触れない様に身体を舐める自分の物だと訴える様に自分の唾液でマーキングして。

 

服の上からも分かる彼の高まりに手を這わせれば、その熱さに火傷しそうになりながら、衣服を引き下ろして口に含んだ。

 

ーーーーー

 

ナルトは心地よい虚脱感を覚えながら必死に自分を求めたマナカの髪を梳く。白いものが僅かに付いた唇にキスすれば僅かに自分の味がしたが特に気にはならなかった。

 

服を整えマナカをお姫様抱っこで持ち上げ部屋を出ればそこにはイルが気まずそうに待機していた。

 

「どうしたイル?」

 

「あのマスターカカシ上忍がお待ちです…」

 

「そうか…軽く汗流してから会いに行くから夜飯用意しといてくれ」

 

「かしこまりました」

 

風呂に行く途中目を覚ましたマナカとお互い軽く洗ってから、客間の一つに行けば美味しそうな匂いの食事が既に用意されていた。

 

「カカシ先生、話は飯を食べながらにしましょう」

 

「ん、そだね」

 

カカシは目の前のナルトを見る、今までで一番落ち着いているその姿に少しは話を聞いてくれるかとホッと、周りに気がつかれないよう息を吐いた。

 

食事はデミグラスソースハンバーグ。濃厚なデミグラスソースとハンバーグのジューシーさが口一杯に広がり大変美味、野菜に関しても今まで食べた事がないほど味が濃くて美味かった。

 

「ナルト、俺がお前の担当上忍に選ばれたのはお前の中の九尾の監視の為だ、お前が忍びでなく平穏に暮らしたくともそれは許されない。

もしお前が忍びにならなければ檻に閉じ込められ一生幽閉されるはずだ」

 

「成る程」

 

目の前のナルトは理解を示すが。

カカシがここの結界を直に経験した今なら、ナルトの実力が普通でない事は理解している。

 

その上で考えれば良くて幽閉、悪ければ言うことを聞く相手を探して九尾の再封印…それはナルトの死を意味する。

例えそうだとしてもカカシの任務、九尾の監視は変わらないだろう。

 

「どうする?」

 

「……忍びにはなろう」(ただしいずれ木の葉からは出る)

 

後半は口に出すことなく答えたナルトに。

カカシは「そうか、なら明日同じ時間に演習をする」そう伝えれば食事を書き込んでその場から姿を消した。

 

 

ーーーーー

 

カカシはナルトの家に張っていた結界やゴキブリの事を火影に伝え、自らの家に戻った。

 

普通とかけ離れたナルト、恐らく今現在でも奥の手を使わざるおえないだろうと、今後面倒な展開になる事を感じいつも隠している左の写輪眼を瞼の上から触った。

 

 

 

 

 

 

 

「ヘックシ‼︎」

 

その頃カカシにもナルトにも忘れられたサスケは一人演習場で寒さに震えながらクシャミをしていた。

 

 

ーーーーー

 

翌日カカシが演習場に着くと、腕を組んで不機嫌さを隠しもしないサスケと相変わらずイチャイチャしているナルト。

 

「いや〜、済まないチョット遅れちゃったね」

 

「貴様等の中では日を跨ぐのをチョットと言うのか?」

 

「本当ごめん…ほらナルトとマナカも」

 

「悪かった」「ごめんなさい」

 

「それじゃあ演習を始めよう。ここに鈴が有るこの鈴を取ったものが下忍に成れる。

当然二つしかないから一人はアカデミーに戻ってもらう」

 

昨日と違い手を繋いではいるがナルトとマナカはこちらを見て話を聞いてくれている。

ホッとしながら開始を宣言すれば、ナルトとマナカ・サスケは姿を隠した。

 

「ん〜見事な隠形だな」

 

ナルトは以 依頼で監視しなければならないから、サスケとマナカの実力を調べるか。

 

 

 

その頃ナルトとマナカはカカシから遠く離れた演習場ギリギリの場所でこの演習の意義を話し合っていた。

 

「どう思うマナカ?」

 

「アカデミーの先生は三人一組って言ってたからこの三人チームを崩す様なことはしないと思うんだよ」

 

「確かに、それにアカデミー卒業生が上忍に一対一を選択して鈴を取れるとも限らないか」

 

「それならやっぱり目的はチームワークかな」

 

「そうだな、その上で俺はカカシに監視される必要が有るから落とされることは無いはず。その事も含めて俺を除いたマナカ、サスケで鈴を取るべきだろう」

 

二人は頷くとサスケの気配がする場所に向かう。

 

 

 

カカシはサスケの戦闘能力を見るために隠れていたサスケの正面から堂々と戦いを挑んだ。

 

繰り出される拳や蹴りはどう見ても下忍レベルを超えている。

右の拳を顔に当てに行けば素早くしゃがんで回避し足元から飛び上がり身体の中心に蹴りを放つ。

 

それを右手を戻す事で弾き、体制が崩れたところに左の拳を打ち込む、サスケは咄嗟に顔を捻り捻った反動で手を鈴に伸ばした。

一瞬早く気が付いたカカシが腰を引き膝を腹に打ち込んで距離を取る。

体術はアカデミーでもトップクラスだなこれは。

「サスケ体術だけでは勝てないぞ!」

少しの挑発を込めて言ってみれば

 

「はっなら次は術を見せてやる」

この年齢にしては素早く印を組み。

 

【火遁・業火球の術!】

 

サスケの口から噴き出した業火の球はカカシが居た場所ごと地面を抉って周囲に熱波を及ぼしたか。

 

「やり過ぎたか?」

 

サスケが心配するのも仕方がないだろう、術が当たった場所には小さなクレーターが出来て、その場所からはカカシの姿が見えない。もし焼け死んでいたらと考えたが、アイツが弱いせいだと思い気を抜く。

 

もっと戦闘経験が有れば気が付いただろう、火が燃えていても人間の焼けた匂いがしない事に。

炎に隠れてわかりづらいが地面のクレーターに違和感がある事に。

気が付いた時にはサスケは足首をカカシに掴まれ地面に引きずり込まれそうになった。

 

【土遁・心中斬首の術】

 

しまった、と思った次の瞬間ズボンを引かれ後ろに投げ飛ばされた。短い掛け声に上を見れば回転して落ちてくるマナカの姿、勢い良く踵を地面に落とせば地面は割れて周りの草木は薙ぎ倒され、その地割れの中からカカシが血を流しながら飛び出した。

二人はこの機会に畳み掛けるでもなく阿吽の呼吸で離脱する。

 

「ここまでくれば大丈夫だろ」

 

「ナルト君大丈夫?」

 

ナルトとマナカは手を繋ぎ、サスケが息を整えるのを待つ。

 

「テメェ等何のつもりだ」

 

「この任務の意味はチームワークだ、俺たちに色々思う事はあると思うが受かりたければ俺たちの作戦に加われ」

 

反抗的な態度を取ろうとするサスケに作戦を伝えてマナカとナルトはカカシの元へ向かう。

直ぐ様カカシの姿を捉えたナルトは木の枝を折って地を蹴ってカカシに向かいチャクラで強化した木の棒を振るう。

 

かつての世界で避けタンクとして近接長刀でカグヤを前線に縛り付けていた斬撃の結界。

向こうが突っ込めばいなして間合いを詰め、逃げる素振りを見せれば先手を打ってその先を潰す。

 

異常に戦い慣れている、それがカカシの抱いた感想だった。先手を打とうと動けどもその先の動きは尽く読まれ、かといって倒しに行っても反射レベルの動きながら的確に此方の動きを封じてくる。

その上余裕があるのだ、彼の目をみればわかるナルトは一切目をそらす事なく自分の目を見てその反応で先読みしていると。

 

しかしそのおかしさ、異常さがよくわかる。

彼の剣は長年の戦闘経験から来るものだ、まだ実戦経験のない卒業生がこのレベルの戦闘能力と先読み反射で対応できるわけがない。

 

 

 

 

 

声が聞こえる…星の声が目の前の魂を喰らって星に命を還元せよと。

 

『殺せ殺せ殺せ殺せ』

 

戦いが長引けば間違いなく星の意思に飲まれてカカシを含め木の葉に甚大な被害を出してしまうだろう、この身体では星の意思を抑えるなど、どうしようもなく木の枝とクナイで切り結びながら隠れているマナカとサスケに合図を送り、彼らが飛び出した瞬間周りに気を取られたカカシに殺気を叩き込んで虚をつく。

驚き無防備になったその身体に6連撃を打って更に隙を作れば飛び出したマナカとサスケがカカシが腰に吊るした鈴を奪った。

 

 

 

 

 

 

 

 



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小隊編…波の国までドライブゴーゴー

先程投稿の前後が間違っていたことに気がつきました。
修正いたしました。申し訳ございません。


今ナルトは任務で庭の草むしりをしている。

 

下忍の任務は基本雑用ばかりだ、今やってる庭の草むしりから迷子の猫探し、作物の収穫や下水の掃除など。

日々の生活の中で行う簡単な雑務が全て。

 

ナルトとマナカは基本直ぐそばで作業しているため作業効率は落ちそうだが、そこは影分身を使う事で人海戦術で終わらせている。

今もそこそこの広さの庭を一時間足らずで終わらせてしまった。

 

「はい、お疲れさん」

 

カカシ先生の労いの言葉を聞けばその瞬間庭中にいた分身は消え本物の二人だけが残る。

 

「お疲れマナカ」

 

「お疲れ様、ナルト君」

 

二人はお互いに微笑み合って手を繋ぐ。第七班の任務ははっきり言えば毎日この程度だ。

朝任務を受けて移動時間含め3時間を超えたことがない。

 

優秀なんだよねこの班は、特にマナカとナルトは半端ないわ。二人は中忍を超えているそう感じるカカシだがナルトの不安定さも気が付いていた。

 

封印された狐の影響か人間に対する破壊衝動が強いのだ。一度だけナルトに敵対的な依頼人に当たった結果、その依頼人は二度と物言わぬ骸になった。

 

それ以降は依頼を受ける際狐に敵対的か否かを事前に調べてから受けなければならず、ナルトが受ける任務に関しては正直下忍の任務には当てはまらない事前調査まで行われている。

その上、一定以上の殺意や悪意に敏感に反応してしまう。それ等に敏感なのは忍びとして褒められた才能だが反応して即殺す行動を取るのはやめてほしい。幸いマナカがコントロールしているため大事には至らないが第七班で里の中を歩くのですら苦労する始末だ。

 

ああ、めんどくせぇ。そう思うカカシを誰も責められないだろう。

 

 

 

 

ーーーーー

 

ある日の火影執務室

 

火影は第七班の優秀さからDランク任務の上、Cランク任務を受けさせるかどうかを考えていた。

しかしCランクでありながら、何かと巷を騒がせている違法薬物【後ろの菊の花】が出回っている波の国。

 

さてどうしたものかのぉ、実力的には確実に下忍を超えておる。それは今までの任務が全て3時間以内を切っているうえに依頼人からの評価も高い。その上この時期はアカデミーを卒業した下忍も増えてDランク任務が少ない。優秀なものにはなるべく早く上の仕事に慣れさせる必要があるしの。

 

火影が考えをまとめると丁度良いタイミングで第七班が執務室に入ってきた。

 

 

第七班は火影執務室で依頼人と一悶着あったが、タズナさんの波の国までの護衛任務を受けることとなり木の葉の里の前に集まっていた。

 

「先生さんよ、本当にこんなガキで大丈夫なのかよォ!」

 

タズナは今回の任務に対してある理由から出来るだけ手練れの忍びが欲しかったが、依頼して来たのは見た目は子供三人と頼りない大人一人。

確かに安い任務にしたがこれは無いんじゃないかと内心不満に溢れている。

 

「はは、まあ上忍の私がついてます、そう心配はいりませんよ。

ところでナルトその二人はどうしたのかな?」

 

カカシが気になったのは第七班の近くにメイド服で待機する少女と妙齢の女性。

二人共ナルトの家で会ったことのある女性達。その女性達が旅の支度であろう、馬も牛もいない鉄の馬車の点検をしていた。

 

「カカシ先生、あいつ等は波の国に薬草を買いに行くらしい。今は馬車を点検してるんだと」

 

「ケイです。波の国に行かれるとか、私達は自衛出来ますのでお気になさらず」

 

カカシはまあいいかと思い、タズナさんに暫く同行することになるかもしれないと話すが。タズナさんは契約違反だと頑なに聞く耳を持たない。

そんな中整備が終わったのか。静かなエンジン音と共に滑るように地面を走り始めた。

 

「マスター途中までご一緒しませんか?」

 

「カカシ先生どうする、あれ水陸両用車だから波の国まで簡単に着くよ」

 

 

 

 

全員乗り込んだサスペンションのよく効いた装甲車は道を滑るように進む、歩くのに比べれば何倍も早いその車は不安定な道の中であっても車内に振動はまるでなく実に快適な環境だった。

 

「ナルト、これすごいね何処に売ってるの?」

 

「売り物じゃないよ、イルが作ってくれたんだ」

 

「はー、凄いねぇイルちゃん、ところでその手に持ってるのは何かな?」

 

カカシが気になったのはケイが運転する後ろの席に座っているイルが持っていた木ノ実のような変わった物だった。

 

何かな?嫌な感じがするんだけど。

 

イルはその木ノ実の様な物のピンを外し窓から投げ捨てた。

鉄の木ノ実は道の端にあった水溜りに落ちると、凄まじい爆音を連続して響かせた。

 

「なんだ」「何じゃ」

 

サスケとタズナさんが慌てる中振動する車内でカカシは油断なく周囲を警戒するが、そんな中空から落ちて来たのはナニカの肉片と血の雨だった。

 

「先程投げましたのは爆札を改良した。転移爆札です、内蔵された爆札が爆札を連続召喚して破壊の威力をあげます」

 

「はは、そうなんだ」

 

ヤバイ威力だった、知らずに近くに落ちたら絶対に死ぬ。上忍でも逃げられるのは自分をライバル視しているガイくらいじゃないかと戦々恐々しながら冷や汗をかきながら微妙な笑顔を浮かべた。

 

 

水陸両用車というのは本当で木の葉の里から火の国を通り海を渡って波の国についた。

カカシは本気でこの車を購入しようか考えていた、旅で最も大変なのが水と食料だがこの車には保存用のボックスがあり今のところこの中の食料だけで十分腹は満たされて服などの洗濯物もドライクリーニングの中に入れておけば半刻程で済んでしまう。

何よりも空間忍術によるものか中が異様に広いのが良かった。

 

波の国に入り海から川に入り凄い霧の中見えて来たのは巨大な橋。

 

 

しかし、車内にいたからだろうか気がつかなかった。

 

装甲車を睨む人の視線を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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小隊編…鉄の車は走るよどこまでも。

ナルトは今回の任務に関して正直行く気はほとほとなかったが。前日イルと一緒に出かけることを約束していたことを思い出し、木の葉の里以外の国に行ってデートするのも有りではないかと思い直し。その旨をイルに伝えればケイさんも含めてみんなで家族旅行に行くことになった。

 

ヒナタとハナビを連れていけないのは残念だがこんな機会は木の葉の忍びである以上仕方がないと割り切りヒナタ・ハナビにも許可を取って波の国に行く支度を始めた。

 

しかし、行くと言っても用意は大事だ。

旅行に関して注意しなければならないのは身の安全これに尽きる。

この世界では移動は基本足だ、何故なら馬や牛は食料と休憩が必要になりながらもそこまで多くの物資を乗せることは出来ない。そこで考えたのは前世コロニー移動に使っていた空間拡張型装甲車だった。

 

ヒナタを含め四人で思い出しながら組み上げだ、一番難しい部分はイルに任せ外枠をヒナタが中の空間拡張をナルト、そして中の小物はマナカが顕象で作り上げた。

 

任務初日ナルト達の装甲車は安定した走りを見せている。いつものようにマナカと手を掴んで装甲車の中から外の景色を眺める。

 

人を引くことも考えそこまで速度を出してはいないが、普通に歩くよりも遥かに早い速度の中、ここ最近雨が降っていないのに道端に怪しい水溜りがあるのを見てイルに指差し教えればイルはこの世界の技術で作り上げだ手榴弾もどきを投げ爆殺した。

 

ああ、いい日だこれで今日は眠れる。

 

血の雨を見ながらナルトの中の星の声が落ち着くのを感じる、愛したものと共に居れば声は気にならないが矢張り人の魂を回収することで声が歓喜して静かになるのを感じると落ち着くのだ。

 

この任務に対してイルとのデート程度しか楽しみを見出せなかったナルトの口は静かに笑みを作っていた。

 

その様をイルとマナカは心配そうに見る、どんどんナルトが…葵が彼で無くなってしまう気がして。

その胸の痛みを隠しながら、自分達が彼の意思をここに留めようと決意を新たにその上がった口角にイルは口づけを交わした…カカシやサスケ、タズナな変な顔をしているが気にしない。

 

波の国に着いて霧の中陸地につけば感じる魂の波長。人間のものだと感じながらナルトは笑う。さあ来い殺しに来いよ、お前の魂は美味そうだ。

深く熟成した魂の波長如何程殺したのか、どれ程の惨状を作り出したのか。その香りは甘露、アレの魂に比べれば極上の酒すら水に劣る。

 

 

そしてその時は来た。殺気と共に投げられた巨大な剣ナルトは歓喜とと共に車内から飛び出して飛んで来た剣を掴んで自分の力を合わせて速度を上げ近づいて来た襲撃者に振り下ろす。

 

振り下ろされた剣は襲撃者のクナイ毎その右首に浅く刺さり皮膚を浅く切って止まる。

襲撃者がクナイで勢いを止めなければ彼の首は体から一生離れ離れになっていたはずだ。

 

「グ…」

 

「はは…なぁ置いてけ、その首を置いてけよ。充分生きたろ?殺したろ?なら死ねよ」

 

ギチギチと音を鳴らして剣がクナイを割り切っていき、それと同時に体から何か大事な物が吸い取られていく。既に襲撃者は両腕で支えているがそれでも押される現状に焦りながらも咄嗟に蹴りを放ってナルトと距離を取らせることに成功した。

 

「化け物が…」

 

「ナルトまて!そいつは桃地再不斬お前では勝てない!」

 

ナルトはカカシの声に振り向くがその瞳は金に輝き前髪の生え際からは小さな漆黒の角が天を突くように飛び出し、額には三つの目が開き、嘲笑う口からは牙が覗く。

 

「勝てない…そんな事は無いさカカシ先生、最近美味い魂を喰って無いんだ…無限鳥居の魂だけじゃ足りないんだ。

だからお前の魂俺にくれよ再不斬」

 

地面を揺らす程の踏み込みと共に振るわれる剣は再不斬が咄嗟に防いだクナイに阻まれながらもその巨体を川まで吹き飛ばす。

 

「ぐを」

 

しかし流石カカシを焦らせる忍び、再不斬は川の上に立ち咄嗟に片手で印を組むが、チャクラを練る暇など与え無い程の速さを持ってナルトの追撃に術を止められた。

 

「いいなぁ、いい反応だ」

 

先の飛ばされた一撃で骨を痛めたのか先程までの拮抗は無いが攻撃の反動を使い飛ぶ事で距離を離した再不斬は素早く印を組んで周囲に濃厚な霧を作り出し姿を隠す。

かなりの量のチャクラが練られているのだろう、霧に覆われた場所全てから再不斬の気配を感じる。

 

「くそ、サスケ、マナカタズナさんを守れ!」

 

焦るカカシが指示を出す中。

再不斬は己の不調を感じその場から逃げ去った。

 

しばらくすれば霧は晴れていきその場所にはタズナを守るサスケとカカシ、ナルトの側に駆け寄るイルとマナカ、ケイ。

その後第七班はタズナの家に招かれ。イル、ケイと別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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小隊編…波の国でムフフ

ナルトは第七班に関しては影分身に任せ、イルと共に波の国の都市に額当てを外して一般人として訪れている。

 

「波の国は初めてだからな楽しみだ」

 

「はい、マスター」

 

波の国は海に幾多か有る島に街が作られており、首都と呼ばれる場所でも新鮮な魚介類が売られている。

いい匂いが漂う方へ向かえば、朝採れたものだろう新鮮な魚介類が網の上や鉄板の上で焼かれている。

 

「美味そうだな、何か食っていくか?」

 

手を繋いでいるイルと屋台前のオッサンの前に向かえば、威勢のいい声。

 

「らっしゃい。ウチの秘伝のタレで焼いた貝は絶品だぜ!」

 

「ここの魚介類はこの辺りで取れるものなのですか?」

 

「おう、嬢ちゃん正解だこの島で取れるものを基本的に扱ってるぜ。特におススメはこのホンビノスだ、肉厚でジューシー噛み応えも一級品だ!」

 

「はん、バカ言っちゃいけないよ。ホンビノスだぁ?そんなもん誰も買わないから安く仕入れて高く売ったんだろうが、最高に美味いのはウチのハマグリよ!

坊ちゃん嬢ちゃん買ってきな!」

 

店主のオッサンの横から筋肉ムキムキでテカテカのボディービルダーみたいな隣の店主が話しかけてきた。

 

「えっとそれぞれ一本ずつでも良いかイル」

 

「はい、マスター」

 

 

マスターから渡された串焼きを一つ貰って大振りな貝、ホンビノスを口に入れてみる。炭火で焼いた香ばしさが口一杯に広がった後に咀嚼する事でホンビノスのエキスが口一杯に広がる。確かに旨味は少なく歯応えも硬い、恐らくこの貝の正しい調理法は煮込み料理だろう、煮込んで味を凝縮させて貝も柔らかくなるはず。

 

そう思いながらもう一つ口に入れてマスターの串と交換する。マスターはハマグリの串を大変美味しそうに食べていたのでこちらは期待出来そう。

同じ炭火の香りの後、一噛みで甘じょっぱいタレとハマグリの濃厚なエキスが溢れ口一杯に広がる旨味に知らず頬が緩んでしまう。

 

横を見れば眉をひそめるマスター、確かにこの味の後にホンビノスを食べたら物足りなさを感じてしまうだろう。

 

「ハマグリは美味かったが、ホンビノスはイマイチだな」

 

「そうですね、あのもう一ついかがですか?他にも色々食べたいので」

 

最後の一つをマスターに渡す、いいのか?と聞いてくるマスターに頷き渡した。

他の物も食べたいのは本当だ、初めて来たのだから有名なマグロやタイなども食べてみたい。

マスターが食べ終えるまでに次の屋台を探す。アレは何だろうか?細い魚を卵で巻いた料理が串に刺さって売っている。

様々な屋台を前にイルは胸をときめかせた。

 

 

 

 

いくつか屋台を周り腹が膨れた頃

マスターは最後に立ち寄った店員と波の国の見どころを聞いています。私としてはマスターと一緒ならばどんな所でも良いのですが。

 

「もし?お嬢さん良いお話があるのですが」

 

マスターから少し離れたベンチに腰掛けていたら荒事慣れしていそうな男性に声をかけられました。

イヤラシイ目で私を見てきます、前世この身体を整備してくださったマスターの目と同じですので間違いないです。

 

「貴方も気持ちよくなって、お金持ちになれるいい話です。興味ありませんか?」

 

「申し訳ありません、マスターにお仕えする事が私の喜びですのでお断りいたします。」

 

「そこをなんとか?」

 

しつこいですね、シズカ様が私の身体を求めてくるように鼻を膨らませて。

 

「イル、この道を少し進んだ所に劇場があるらしいんだ行かないか?」

 

「はい、マスター」

 

「ちょっとキミ、彼女は私が先に話していたんだが」

 

語気を強めてマスターの肩を強く掴みましたが、その瞬間チャクラごと魂を限界までマスターに吸い取られ気を失ってしまいました。

慌てる取り巻きを気にする事なくマスターは私の腰に手を回して促します。

 

劇場は名ばかりで見世物小屋が正しい言い方かもしれない平屋の建物、受付を済ませ小屋の中へ入れば客席が一面に広がりその先に一段高くなった舞台。

 

今日そこで催されたのはある男と女の生涯、違う里の忍びの悲恋の物語、敵対する里の中で敗れた男が逃げた先は敵対していた里の長の娘。

初めは敵対視していた男も徐々に女の献身的な支えを受け入れていきお互い愛し合うも里では認められず逃げ出すも最後は捕まり死んでしまう悲しい物語。

 

「悲しい、舞台でしたねマスター」

 

「そうだなあまり俺には合わん、前世も今世も悲劇などありふれてる、なら物語位はハッピーエンドが望ましいと思わないか?」

 

「そうですね、そう思います」

 

私達は前世確かに愛し合った、魂無き機械が心持つ程に愛を重ねた。

幸せだった事は確かだがそれでも、もっともっとお互いの愛を確かめ合いたかったのは事実。

 

 

マスターと私は喋る事なく静かに道を行く、重ねた掌の熱で心が踊り側にマスターの気配があるだけで身体が火照る。

マスターも同じ気持ちなのだろうか、繋いだマスターの熱が熱く心の臓の鼓動が穏やかにリズムを刻むのを感じる。

この腕を抱き締めたらどんな気持ちになるのだろう。そう思い腕を絡めて胸にマスターの腕を抱けば驚いたマスターが私を見てくる、きっと私の鼓動が踊るのを感じている筈だ、そう思うと頬が上気するのを止められない。

 

波の国の首都をいろいろ見て回り、その日は波の国の宿に泊まることにした。

 

 

 



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小隊編…家政婦のケイは見た‼︎

イルさんとナルトさんがデートに出かけた後、ステルス状態の車内を軽く掃除してから街に買い出しに行きました。

 

初めは都市内を散策しましたが、一部の商人や屋台が賑わっています。しかし一歩横道にそれればそこはスラムと言われてもおかしくない景色。

 

ほとんどの人に仕事をする気概が無く、地にうずくまるものや物乞いスリなどが溢れています。

物価に関しては木の葉に比べれば多少高めですが、買えないほどではないでしょうに。

 

裏道を進むと何処からか良い匂いが漂ってきました。

匂いを辿って当て所もなく歩けばそこは寂れたお店。ここから匂いがしますね。

入って見ましょう。

 

カラン

 

心地よい鈴の音を響かせ開いたドアの中は、建物の古さを感じるがそこが寧ろ店の雰囲気として成り立っていて、何時間でもいたくなる。

 

中の客は皆紙で葉っぱを巻いた手巻き煙草を吹かしながら、目を澱ませている。

 

カウンターでグラスを拭いていた店主に。

 

「この他のお酒とか無いかしら?」

 

無言のまま後ろの棚から赤茶色のお酒が入った瓶を取り、シングルのストレートで渡された。

匂いを嗅いで見たら微かな魚介の匂いと酒精の香り、喉に流し込めば思ったほどエグ味はなく、寧ろ旨味の方が強い、その中に馴染み深い味も感じる。

手巻き煙草から感じる催淫効果と合わせてこの店はきっと連れ込み宿的な場所なのね。

 

 

「美味しいわ、なんて言うお酒なの?」

 

「元魚酒」

 

「魚って何が入ってるのかしら」

 

「スッポンをメインに魚介系の旨味エキスと酒を合わせて熟成させたものだ」

 

「そう、美味しいわね何処で買えるのかしら?」

 

店主は確認してくると言って一度バックヤードに下がるとしばらくして出てきて住所を教えてくれた。

 

「ありがとう、またくるわ」

 

お酒の度数と店の中に充満していた煙の効果で身体が火照っている。

渡された地図に従って着いた場所は倉庫街、酒場から付けてきた気配を感じてなんだか楽しい気持ちで一杯だわ。

 

地図に書かれた倉庫の前には強面の男が睨んできたが地図を渡して酒場の名前を言えばすんなりと通してくれた。

 

倉庫の中はイメージと違い広々としていて、桃色の煙で満たされている。

その中に真っ裸の男性と女性が獣のように求め合っていた、後ろから付けてきた男達が私の背中を押して奥に突き飛ばされれば色んな液体で身体を濡らした人達が襲いかかってきた。

 

 

 

 

 

 

「ふう、こんなものでしょうか」

 

1時間ほど後ケイさんの周りには死屍累々の裸の男女達、追いかけてきた男達も自分の出した白濁液で溺れているんじゃ無いかと心配になる程出して潰れている。

 

グチュグチュと卑猥な音と

 

「オウオッウオォォォォ‼︎」

 

門番の屈強な男が尻を高く上げでんぐり返しした状態で、後ろの穴にケイさんの細っそりした腕を突き入れられている。

 

「はい、フィニッシュ!」

 

「ガァァァァァァ‼︎」

 

獣のような叫び声をあげ痙攣した男は最後の一滴までも出し尽くし自分の白濁液に沈んだ。

 

「だらし無いですね全く、私はともかくナルトさんやマナカさんなんて余裕で耐えるのに」

 

腕を色々な液体で濡らしたケイさんは。空間に穴を開けて箱庭と繋げれば軽くシャワーを浴びてから。倉庫内を物色して大量にあった酒とタバコの葉を渡されたマジックバッグに収納した。

 

「しかし、これは良いものです。いつも一人ダウンしていますから、これを飲み物に混ぜてナルトさんにより良い奉仕をしないと」

 

張り切ってその後も良い匂いがする倉庫や後ろ暗そうな酒場を襲撃し続けた。

 



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小隊編…ダンジョンダンジョン〜

ナルトはイルとデートしながら波の国の島々を移動しながら楽しむと同時にこの島に必要な迷宮を考えていた。

 

雲隠れでは怒りのままにその人が犯した罪の分だけ難易度の上がる迷宮にしたがこの国はどうだろうか。

現状この国が他国の侵略を受けないのはその価値がないからだ。売れるものは海洋資源それも海産物のみ。全くと言って良いほど旨味がない。

その上でこの国にガトーカンパニーという犯罪組織が麻薬をばら撒き大名やそれに連なる支配者階級や彼等に連なる商人だけが腐った果実に群がる虫のように集まって国の形を作っている。

 

ここで間違ってはいけないのは、ナルトにとって重要なのは育った人間の魂の回収出会ってこの国の民の救済ではないということだ。

 

先の戦闘で傷付けた再不斬の魂が身体に流れてきているから思考を保って居られるが、それもどこまで持つかわからない、現状徐々に魂が磨り減るのを感じ再不斬の寿命が長くないのを感じていた。

 

「やはり力ある者達が入りたがってなおかつ他国にとって旨味のない迷宮が一番か」

 

「この国の民にとって欲しいものら食料ですが、大名やガトー達が望むものは他国が望む資金その他に該当します」

 

「だよな」

 

こうして今日もイルと宿で話し合いの場を設けるがうまい考えが浮かばず悩む中、箱庭の門が開きケイさんが良い香りのするお酒を持ってきてくれた。

 

「三日ぶりですねナルト君、良いお酒が手に入ったので持ってきました」

 

口からは少し酒精の匂いがする事から、酔っていることがわかる。その手にしているお酒はこの宿では飲んだことのない酒で、興味も湧いてきて一度休憩する事にした。

 

「成る程な、魚の旨味を酒の力で熟成させた酒か美味いな」

 

グラスに注がれた赤みがかった琥珀色の液体を喉の奥に流せば魚の匂いなど気にならないほどの旨味を感じる。酒精を飛ばせばスープとして飲めそうなくらいに美味い。

 

ここ三日の出来事を聞いてみればケイさんは美味しそうな酒や薬草が置いてある倉庫に行って襲われては襲い返してその中の酒や薬草を慰謝料として根こそぎ奪っていたらしい。

そんな彼女ならターゲット層達の求める物が何か分かるかもと話を聞いてみたら。

 

「うんうん、成る程それならやっぱり食料かな。他国に狙われない事を一番に考えれば分かりやすく資金になりそうなものはダメ。

その上でターゲット層が求めるものは一に食料二に女、この国は現状食料を輸入で頼ってらから、それらが簡単に手に入るなら自分達の護衛に使ってる強者を迷宮に向かわせるだけで良い食料迷宮が一番だと思う」

 

「成る程な」

 

それならば、何階層に分けて始めの三回層くらいは簡単に狩れる食料を、三回層から下は美味いが強者でなければ命を落としかねない迷宮を作るとしよう。

 

やるべきことが決まれば、身体が火照っている事に気がついた。

何故か息子がズボン越しにも分かるほどそそり立ち、いつも以上にイルとケイが可愛く見える。

 

酒のせいか?

 

魚介類の中には性が高まる物も少なくない、これを持ってきたケイも望んでいたのだろう。頬を上気させて俺のそそり立ったテントを熱ぽい視線で視姦している。

 

その後お互いに求めるままに貪りあった。

 

 

 

 

ーーーーー

 

ガトーカンパニー波の国本社

 

「クソ・クソクソクソクソクソクソガァァァァァァ‼︎」

 

どういうことですか?何故倉庫街が襲われてそこに有った物資が根こそぎ無くなっている。

不味い不味いぞ、あの中には各国にばら撒く用の麻薬など大切な物が山程有ったというのに、このままでは他の国や里の奴らに殺される。いや殺されるならばまだしも契約不履行で、この俺の財産全てが奪われるかもしれない。幸い資財が破壊された形跡はない何としてでも回収しなくては。

 

「オウ、イエス。オウイエスイエス‼︎」

 

「黙れ貴様ら‼︎」

 

ガトーにとってもう一つ頭の痛い問題。監視と資財の護衛に置いておいた護衛どものドM化だ。

皆んな一様に後ろの穴に逸物や腕を突っ込んで喘いでいる。高い金を払った上でこの有様。ガトーは自分に逆らい[エロの伝道師]と名乗った女を絶対に許さないと心に誓う。

 

捕まえたらピーしてピーピーしてピーピーピーしまくってやる、俺の息子が痛くなるまでやってやってやりまくった後はカンパニーの男全員で慰み者にしてやる‼︎

 

 

 

ーーーーー

 

ナルトとケイ・イルは波の国の首都から少し離れ廃棄された村跡に来ていた、ガトーに逆らって見せしめに皆殺しにされたらしい。良い怨念と魂の叫びが感じられる。

 

「さあ始めよう【顕象・陂池処】」

 

波の国中の怨嗟の魂がナルトを通って大地に至り星に穴を開ける。それは星の口、神樹だけでは足りない人々の魂を喰らうための穴に他ならない。

 

 

 



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小隊編外伝…地の底へ挑んだ者達!

ガトーにその報告が入ったのはナルト達が迷宮を作ったその日の晩の事だった。変化と影分身を合わせたナルトがガトーカンパニーの資財を新しく作った迷宮陂池処に運び込む姿を確認した事でガトーに伝わった。

 

ガトーは自分が滅ぼした村の事など覚えてはいなかったが、今までそんな場所に大穴など無かった事は部下の報告で知っていた。

 

しかし、資財が無ければ他国に自分の会社も自分の何もかもが奪われる事は間違いがなく、ここで奪われたものを取り戻せるか否かで今後の人生が決まる。

だから彼は決めた。

 

「霧隠れの忍びも合わせて全員であの穴に挑むぞ!

明朝までに用意を済ませておけ‼︎」

 

 

 

翌日波の国は今までにない程静かだった、借金取りの怒声も泣き叫ぶ人の声も何も無い。

 

不思議に思った人々は固く閉められたドアを開け外をみればガトーカンパニーの社員は誰一人見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

ガトーは大穴の中心にある螺旋階段の前で祈るように部隊が戻るのを待っていた。既に全ての部隊を侵入させ終えてから日が沈むまで待っていた。側にいるのは最低限の腹心達だけだ。

 

最初の攻略は霧隠れの忍び再不斬を筆頭に全ての者達を行かせた。

霧隠れの忍びに連絡員としてガトーに付けられた男トニーが降りた場所は地下とは思えない光景だった。

見渡す限りの草原、その草原の上を美味そうなキャベツや白菜、人参や大根が走っていた。

 

「おい」

 

「はい!」

 

最初に出会った頃のに比べれば大分老けた再不斬に呼ばれて声が裏返りながらも必死に答え。

 

「先に周囲を調べてくる、お前はここで待ってろ」

 

凄みの効いた睨みに首を縦に振るう以外の選択肢は無かった。

 

再不斬が走り回る人参に近づくと人参は急に飛び上がり茎や葉を爆音と共に燃やしながら突っ込んでいく。

咄嗟に肩にかけた大きさだけは大きい普通の鉄の刀で叩き切れば人参は地面に落ちた。

 

そこで感じたのはえもいわれぬ匂い。この匂いだけで腹いっぱいご飯が食える。そう思うほどに美味そうな匂いが脳髄を刺激した。

 

再不斬は人参の半分を取って迷わず口に入れ、その動きが止まった。

もしや毒かとトニーが思い、白と呼ばれた少年が再不斬の元に向かい。

 

「再不斬さん大丈夫ですか⁈」

 

再不斬は次第に震え、限界まで目を見開き。

 

「うんめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

その声に反応したのか近くに居たキャベツが再不斬に突っ込むが再不斬は危なげなく十字に切って4当分に切り裂く。

 

そしてキャベツの中で最も甘く美味しい中の葉を大きく開いた口で食らいつく。

再び止まるが、今度は一瞬で直ぐに再起動すると貪るようにキャベツと人参の残りを食い始めた。

 

「白、お前も食ってみろ。今まで食ってたもんがゴミに思えるほどうめぇぞ」

 

「……わかりました」

 

白と呼ばれた少年は千本で近くを走っていた大根を仕留めて茎の近くに齧りつく。

びくりと身体が震えた跡ビックンビックンと身体を震わせて。

 

「うんまぁぁぁぁぁいゾォォォォ‼︎」

 

 

小一時間程して落ち着いた霧隠れの忍び達に呼ばれて一緒にこの草原を歩む。

この草原はまさに夢の国だった、霧隠れの忍び達が野菜を倒している間地面に生えている草をむしって食べてみたが、ガトーさんの元で食べさせてもらった高級料理屋の料理がゴミに思えるほどに美味かった。

 

しばらく歩けば地の底に向かう階段。

そこを行くと次の階層は食肉に向きそうなウサギやネズミ達が思い思いの姿でコロコロと遊んでいる階層だった。

 

霧隠れの忍び達は躊躇いなく殺して血の滴るその肉に食いつく。

ああ、なんて羨ましいんだ。僕も耐えられないと側にいたネズミを捕まえて息を止めるのも面倒くさいので、そのまま頭から齧り付く。

 

口に広がるのは芳醇な血の香り。甘く暖かい、母親の母乳とはこういうものかもしれない。咀嚼する中感じるのは彼らの内容物、この大穴の草を食べたのだろう美味いのだ。

内臓など臭くて食えたものじゃ無いと思うものも多いと思うが本当に美味しい内臓はこんなにも滋味に溢れた味なのだと初めて知った。

 

その階層でもひたすら食い尽くした僕たちは身体が重くなっている。しかしこれが食べられるなら多少身体が重くとも関係ない。

一階よりも二階の方が美味かった。

なら次の階層は?…皆んなの目は血走り鼻や耳・口からも血を垂れ流しながら何かに呼ばれるように三階層に向かう。

 

三回層は木々が生い茂る林だった。

木々には赤く色づいたリンゴやミカンなど様々な果実が成っている。

 

その果実の匂いに呼ばれるように木々に近づき果物を木々からとって口にする。

 

ああ……天国はここに有ったんだ。

 

誰も彼もが無言で食べる。ひたすら食べる。

 

身体から根が生え葉が茂っても食べる。

 

ふと気がついた、こんな美味しいものを食べてきたんだ僕もきっと美味しいぞ。

試しに身体から生えた葉を千切って食べてみる。

美味い。美味いぞ!感動する程の旨味では無いが不思議と心が落ち着く旨味だ。

 

其処からは一心不乱に食べて食べて食べ続けていたら食べるものが無くなってしまった。仕方がないと周りの木の実を取ろうと思ったが、何故だろう手がないぞ?

近くにいこうとしても足がない。何処だ僕の身体は、何処に行ってしまったんだろう。

 

 

ガトーの前に物資の一部を持って連絡係の男が来た、その男の言うには物資は地下3階に有って、其処には奪った奴らがたむろっているそうだ。

 

それを聞いたガトーは喜び全員に物資の奪還を命令した。最低限の部下を残して突撃した部隊。

 

しかし、そこからどれだけ待とうとも部隊は戻って来なかった。

いい加減部隊が全滅したのだろう事を感じたガトーは。横から感じる美味そうな物に目をやる。

 

つい先ほど、ガトーが知ることではないが部隊が全滅した瞬間に戻った雑草の山。

知らず知らずに匂いに誘われて食べたがもう無い。匂いに誘われてガトーは皿を舐めるが足りない。本物が欲しい。

 

ガトーが命令する前に既に腹心の部下達は大穴の下に進んでしまった。これは急がねば。あいつらが全て食い尽くしてしまうかもしれない。

運動などあまりしないガトーは自身が出せる全力で穴の中に潜ると辺り一面にある草や襲いかかる人参、大根キャベツ白菜をひたすら食べた。

 

いつしか太った身体は動かなくなり地面に帰って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無かった地面から腕が生えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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