ダークソウルVRMMO (南洋)
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ダークソウルVRMMOー巨人編

大病を患い、長い間休んでいましたがある程度回復したのでリハビリがてら投稿。拙い設定と語呂力のない文章ですが生暖かい目で見てください。
次話は別の人の視点や掲示板の話しです。

一部修正しました。
誤字脱字報告を誤ってそのまま記載してしまい申し訳ありません。すぐに修正しますのでしばしおまちを

修正しました。銀蠱さん誤字脱字報告ありがとうございました!

更に改行を修正しました。以前の方がいい!という方は感想で報告お願いします。


今日から俺、転生します!

と言っても転生したからと言って今回転生

した世界は前世と変わらない日本でした。

なんでや!

 

とまぁ、転生した自分だが、違う点があるとすればこの世界にはVRMMOがある点だ。前世でもゲーム好きだったが、今世はゲームの種類がそんなに多くないのだ。

箱型のゲームは一通り終わり暇だなーと思っていたら友達からこの話を聞いた瞬間、母親に飛びついてお願いして買ってもらった。

この時、普段は物静かで通っている自分がこんなにも強引におねだりをする姿を見て目を白黒させていた。

 

まぁそんなことはさておき、

このVRMMO

「ファンタジーオンライン」は

正統派のRPGみたいに人類と魔族が敵対しあっていてそれぞれどちらにつけるか選べるみたいだ。

後は中立な種族も選べるらしく自分はのんびりやろうと思いランダムで中立種族を選んだら何故か巨人族になった。

最初は慣れない操作でその巨体を満足に動かせなくて何もない所で転んだり力加減がわからず食器をこわしたりなど。

これはキャラクリ失敗したかなと思ったが、ふと鏡に映る巨大な自分を見てあの神ゲー、ダークソ◯ルを思い出した。

 

これはチャンスと思い前世で大好きだった

ダークソ◯ルに出てくるヨームさんと同じロールプレイをしてみたら何故か巨人の王になるわ、人類と魔族両方から狙われるわで色々大変だった。

ずっとソロでやってたからNPCと間違われる始末でフレンドなんてできなくて数ヶ月経つとなんていうか・・・飽きてきた。

巨人族は結構レア種族なのだがその怖い顔と無表情で不人気。なので他のプレイヤー巨人がいない。しかもレベルを上げると余計に喋れなくなるというオマケ付き。

正に不遇の種族だ。

 

ただ、戦闘時はその巨大な体から振りまかれる暴力は魔法やスキルで防御しても貫通するという完璧な脳筋キャラ。

なのである程度レベルを上げると人類や魔族なんて紙屑のように消し飛ぶ。しかも高レベルになると進撃の巨◯みたいに走れるのだ。正直人間と同じスピードで放たれる鉈と大盾は敵がミンチより酷い物になる威力だ。

 

その威力を活かし、毎度のことだが自分をモンスターと勘違いして攻撃してくるプレイヤーをちぎっては投げ、引き千切っては投げを繰り返していたらなぜかレイドボスと勘違いされ掲示板にレイドボスとして紹介されてた。

まぁ勘違いされてた方が面白いかと思いそのまま続けていたら掲示板で触発された30人の高レベルプレイヤーが高難度のレイドボスと勘違いして人類と魔族が組んで戦いに来た。

おい、敵対関係はどうした。

実際戦ってみて結構なダメージを食らったがやはりその巨体での防御力と無尽蔵なスタミナ、ヨームさんの大盾と鉈は鉄壁で全ての攻撃を耐えて相手が魔力切れやスタミナ切れを起こした瞬間に猛攻を加えて壊滅させた。正に蹂躙だった。

あれ?俺ってプレイヤーだよね?

と何度も思ったけど考えるのはやめた方が精神的にいいと思い、何も考えずいつも通り国境の警備及び視察をしていた。

 

この頃から何故か腕試し用のボスとしてちまちま高レベルのプレイヤーかやってきたのだが正直いちいち相手にするのも面倒なのでもういっそ逃げ出そうかとぼんやり考えていたら面白いプレイヤーが来た。

何故かあの有名な玉ねぎ騎士みたいな鎧を着た人が勝負を仕掛けて来た。

転生した人か?

と思ったけど偶然だと思いその後は他のと同じように踏み潰した。殆どのプレイヤーはこの時点でもう二度と姿を現さないのに今度は酒を持ちこちらに話し掛けて来た。

 

「ガハハッ!貴公は凄まじいな!

あんな巨体で俊敏に動かれたらこちらは

まるで手出しができなかったぞ! だが、

貴公との闘いは心踊る闘いだった!その

闘いを祝して乾杯しないか!?貴公?」

 

呆気に取られたがまぁ悪くないと思いその玉ねぎ騎士と一緒に乾杯をして談笑した。まぁ、こちらは喋れないのであちらから一方的に話してくれた訳だが。どんな物を食べたらそんな体になるのかとか、あの攻撃はどうやって繰り出しているのか。その話しを聞いて実演してみると玉ねぎ騎士は愉快、愉快と言わんばかりに笑いこりゃひとたまりもないと笑っていた。

それからはチマチマとこちらに来て酒を飲み交わしてくれた。他愛のない話だったり、今どのような世の中だったり。わざわざ国境付近に来てくれる玉ねぎ騎士に申し訳ないと思い3回目あたりからは自分も酒を持っていつもの森の中で待っていたら相手も驚いていたがより一層話し掛けてくれるようになった。

相変わらずこちらをNPCと勘違いしていたが何回か酒を飲み交わしていると何故かこちらの意思がある程度わかるようになったらしく、玉ねぎ騎士の話しを聞いて行ってみたいなと思っていたら一緒に冒険をしないかと向こうから言われた。

余りにも嬉しくてその玉ねぎ騎士を肩に乗せて雄叫びをあげてしまった。玉ねぎ騎士もノリがいいのか一緒に雄叫びをあげていた。

 

そこからは今までとは違う楽しい時間だった。知らない未知の場所と冒険。襲ってくるプレイヤーは玉ねぎ騎士が説得してくれたのか襲って来るプレイヤーも激減した。

そのお礼もかねて道中の移動はもっぱら自分の肩に乗せての移動した所、玉ねぎ騎士も自分の肩から見える景色が余程いいのかことあるごとに自分の肩に乗ってきた。楽しい冒険の日々だったががやはり巨人なので、地下やダンジョンには潜れず玉ねぎ騎士も申し訳無さそうにしていた。

一緒に旅をして2週間ぐらいたったとき、楽しいけどやっぱりキャラクリをやり直そうと思っていたところ、そう言えば原作のヨームさんはあの玉ねぎ騎士と戦っていたなと思いある計画を思いついた。

それからはこうしちゃいられないと思い急いで自国に戻り巨人の鍛冶屋に風属性が付いた某ストームルーラーに似せた魔剣を作らせて、サブ属性に対巨人用の雷属性を限界まで注ぎ込んだ。

その魔剣を早速あの玉ねぎ騎士に渡してみてとある約束をした。

自分がおかしくなったらこの剣で眠りにつかせて欲しいと。

やはり最初は困惑していたが自分が受け取るまで固まったままいると覚悟したのかちゃんと受け取ってもらった。

その後はいつも通りに冒険をしていたが時々自分が暴走状態に陥った用に見せかけるため必要以上に暴れたりした。

玉ねぎ騎士もいきなり暴れ出した自分に驚き剣を向けて戦ってくれた。計画通りに進んでいると自分はほくそ笑み、

最後の計画に突入させた。人類と魔族どちらの都市でも単独でその巨体で暴れてとある置き手紙を残したのだ。

「約束を。」と。

それからはひたすら玉ねぎ騎士が来るまで仇討ちと来たプレイヤーを蹂躙していった。

まだかまだかと思い不眠不休で待ち続け、3日ほどしたところあの玉ねぎ騎士が4人パーティーで来た。この時自分は無表情だったが寝てないせいでテンションがアゲアゲ状態だった。

キターーー!

と、そんな風に思っていたが玉ねぎ騎士が味方からの制止の言葉を振り切りゆっくりとこちらに歩いてくる。

 

「ヨハン・・・我が友よ。

あの日交わした約束を守りに来た。

巨人の王に栄光あれ。

この忌まわしい闘いに幸あれ!」

 

遂にこの時がきた。

落ち着け、落ち着け俺!ゆっくりと立ち上がるんだ!当初の計画通りに大盾を横に置き、ゆっくりと、傲慢に自分は立ち上がり巨大な鉈を構えた。

無言で剣を構える四人の騎士達。

数秒時が止まる。

自分が少し足を上げると玉ねぎ騎士が雄叫びを上げる。

 

「ヘイヤァーーーーー!!!!!!!!」

 

約束が始まった。

 

そこからは激しい闘いだった。

盾を捨てた自分だがそれでも構うものかと本気で闘った。玉ねぎ騎士はあの魔剣で嵐を使いこちらに攻撃し、二連続で続けて食らうと体勢が崩れる程の衝撃で来た。

このチャンスを見逃さないと他の三人もこちらに猛攻を加えてくるが、自分も負けじと根性で攻撃を耐え相手パーティーがほんのすこし油断したところに質量からくる斬撃と打撃を四方八方に繰り出した。

やはり高レベルなのか一撃では落ちないがそれでもかなりダメージを与えていき、切ったり切られたりを繰り返していた。

 

その後二時間にも及ぶ激闘を繰り広げ、相手を瀕死に追い込んだが遂に自分のHPが尽きた。やはり盾を持っていないとその分防御力も下がるし遠距離攻撃をまともに食らう。結構ガチで戦っていたのだが倒されてしまい悔しいと思ったが満足な闘いだった。

満足したぜ・・・・・

そう思い目を閉じようとすると足音がした。倒れた自分に対しゆっくりと玉ねぎ騎士が近づいてくる音だった。

HPが0になった自分は足先から粒子となっているがこのゲーム、追加でダメージを与えれば消滅する勢いが増す。

なるほど、

とどめを刺しにきたかと思い目をつむった。

 

・・・・・・・

 

????

 

いつまでたってもとどめが来ず、不思議に思い目をあけると玉ねぎ騎士が胡座で自分の顔の横に座っていた。悲しそうな雰囲気を纏い、空いた手でゆっくりと自分の顔に触れる。

めっちゃ凹んでる・・・・

なんか玉ねぎ騎士が滅茶苦茶凹んでいたので顔だけでも笑おうと思い口角を限界まで上げた。

へこむなー、わらえー

 

すると玉ねぎ騎士が驚いたような雰囲気を出した。

・・・兜のせいで顔が見えないけど。

その後直ぐに丁度良いタイミングで全身が粒子化し、自分は死んだ。デスペナで30分程魂の状態だったがあの玉ねぎ騎士が闘いが終わった直後、ドロップした鉈であの者の墓を作りたいと言い出した。

正直驚き、困惑したが他の三人もそれに追随し墓を巨人の森の中で作り、最後と言わんばかりに墓の目の前で座り乾杯を墓に向けて行った。巨大な鉈の前で胡座で座りジョッキを掲げる玉ねぎ騎士+α

・・・シュールと思ったのは内緒だ。

 

 

「巨人の王に栄光あれ!」

「「「栄光あれ!」」」

 

 

それを見届けた自分は満足してメニュー画面に戻り自キャラを消去した。

 

あの闘いから数日経った日、自分は自室で何になろうか迷っていた。

金ピカ女神騎士か、

それともダイスンスーンさんか、

意外なところでパッチか。

うーんとキャラクリ画面の前で悩んでいたところ、ポーンと画面から通知が来た。なんだろうと思い通知を開けると

 

「運営:シナリオキャラになりませんか?」

 

・・・・・え?




殿堂入りキャラクター

名前:ヨハン・ヴァンゲルク
種族:巨人
職業:兵士→国境警備隊長→遠征騎士→
近衛隊長→王

解説:巨人の国「ミスガルド」出身。
元は国境を守る兵士だったが低位な巨人は知能が低く奴隷となっていることを嘆き単身で奴隷巨人の解放に尽力した。
その後、功績を称えられ英雄となり先王が亡くなった直後、国民からの熱狂的な支持を受け王になる。
だが力をつけた巨人の王は徐々にその力に狂っていった。
英雄は最後に必ず悲運な最後を遂げる。
完全に狂ってしまった後、英雄は小さな友により眠りに付いた。
やはり約束とは、重いものだ。


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掲示板ー巨人編その1

掲示板回。次話は玉ねぎ騎士の視点。




ファンオン雑談掲示板20スレ目

1:ここはファンタジーオンラインの雑談掲示板です。

誹謗中傷や嵐行為はお控えください。

攻略に関してはこちら。「攻略がしたいです、先生!18スレ目」

職業に関してはこちら。「ファンオンハローワーク受付12スレ目」

対人はこちら「(ヒャッハー!)対人道場&溜まり場(近接職は消毒だー!)15スレ目」

人類側はこちら「(王女マジ)人類防衛軍(ポンコツ)8スレ目」

魔族側はこちら「(魔王マジ)魔王親衛隊(働きすぎ)9スレ目」

中立側はこちら「ニュートラルdeゴー避難所7スレ目」

ロールプレイ&コスプレはこちら「まずは装備をだな、10スレ目」

 

次スレは>>9900で。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

1012:初心者なんだが職業は何がおススメ?

 

1013:魔法はMPがなー、効率を考えないとつらいで

 

1014:>>1012最初は近接職がいいぞ。魔法職は柔らかいし、体力無いから最初はイライラする。

 

1015:でも瞬間火力は魔法が一番だよな。この前対人でインフェルノ食らったら一瞬で溶けたわ

 

1016:やっぱ今は魔族側で魔法職プレイが一番強いか。修正はよ。それか王女のバフはよ

 

1017:種族が骸骨ってwww・・・どないしよ

 

1018:>>1017悪いことは言わない、今すぐキャラクリをやり直すんだ!

 

1019:巨人強すぎwww

 

1020:巨人?奴隷じゃなくて?

 

1021:巨人なんてモンスターいた?

 

1022:>>1018大人しくキャラクリしてきまふ

 

1023:始まりの街「オーラン」から西にずっと行くとでかい森があって、そこで探索してたら巨人と戦闘になったんだけど文字通り踏み潰されたwww

 

1024:新しいモンスターとな!?

 

1025:画像も貼らずに書き込みとはな?

 

1026:マジつえぇwこっちの攻撃が全部盾で吸われてロクな抵抗もできずに撃沈。チクショウメー・・・

 

1027:解析班!解析班!未知のモンスターが出たぞ!であえであえ!!

 

1028:ちょいいってくる

 

1029:解析班来たー!これでかつる。

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

1050:ええい、解析班からの報告はまだか!?

 

1051:ただいまうす

 

1052:解析班のお帰りだ!

 

1053:囲め囲め!

 

1054:とりあえず報告。

巨人のモンスターはいた。ただしボスなのかわからないが鎧を着込み巨大な盾と鉈で攻撃してくる個体と遭遇。ちなみに最大バフと盾スキルを使っても貫通してくる模様。味方2人が瞬時に溶けた。その他の巨人もいたがこちらから攻撃しない限りノンアクティブみたい。至急追加情報求む。

 

1055:巨人やべえええ!!!

 

1056:うっはwww貫通はヤバすぎぃ!

 

1057:シールドマスター俺氏涙目になる。

 

1058:その鉈持った巨人以外は倒せた?

 

1059:>>1058こちらから攻撃するとすぐ逃げた。だけど仲間を呼んだのか鉈持った個体が走ってこっちに来た。

 

1059:巨人なのに走るのか!?

 

1060:追記、魔法職の最大火力叩き込んでもピンピンしてた。

 

1061:ふぁ!?

 

 

ーーーーーーーーーーーー

攻略がしたいです、先生!18スレ目

1:ここは攻略掲示板です。

誹謗中傷や嵐行為は特定して前線送りにします。

 

次スレは9900で。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

3085:天空城に挑戦した人はいるかー?

 

3086:あそこ挑戦したけど経験値的には美味しくないぞ

 

3087:>>3086マジか!じゃあ大人しく地底で頑張ります。

 

3088:雑談掲示板で新しいモンスター見つけたっぽいぞ

 

3089:お、マジか

 

3090:>>3088ちょい見てきます。

 

3091:えぇ・・・

 

3092:どったの?

 

3093:>>3092見た方が早いで。しかし巨人かぁ、、、

 

3094:貫通がやばいな。当たったら即死か。

 

3095:強いな、魔法職の瞬間火力でもむりとか・・・

 

3096:ギルドで挑戦する感じのボスか?

 

3097:鑑定したら巨人の英雄、ヨハンって出てきたぞ。そして全滅しますた。

 

3098:>>3097はえーよ、ホセw

 

3099:NPC?レイドボス?

 

3100:多分レイドボスじゃね?

 

3101:ボスだったら厄介だぞ・・・一発受けたら即死とか。

 

3102:つまりようやっと盗賊が輝けるんですね!

 

3103:>>3102盗賊君!大人しく牢屋に戻ろう!

 

3104:遠距離は盾で塞がれ、回避する前に鉈で凪ぎ払われ、近接は防御貫通と・・・・無理じゃね?

 

3105:???「我が名はヨハン!この世の全てをそこにおいてきた!」

 

3106:>>3105それなんて海賊王?

 

3107:>>3104・・・奇襲しか勝ち目無くね?

 

3108:ちょっとガチでイテクルー

 

3109:イテラー

 

3110:イッッテラー

 

 

~~~~~~~~~

 

 

3225:たでま・・・・

 

3226:お、帰って来た

 

3227:どうだった?

 

3228:報告というかまとめ。箇条書きでスマソ

巨人の英雄「ヨハン」

Lv「不明」

推定HP「最低40000~」

攻撃力「92Lvの盾マスターが即死するほど」

防御力「全部盾に吸われる+状態異常を高確率でレジスト」

俊敏「回避はほぼ無し。しかし間合いをつめる際に走ってくる」

魔法「こちらは無し」

戦闘スタイル「超脳筋」

 

辛うじて戦闘中に名前とHPは鑑定してみた。だけどその後直ぐに盾で潰されますた。

/(^O^)\ナンテコッタパンナコッタ

 

3229:HP40000・・・!?

 

3230:絶対プレイヤーじゃないなwwww

 

3231:うへぇwレジストすんのかよww

 

3232:NPCと願いたい・・・・・

 

3233:運営さん、これ調整ミスじゃ・・・?

 

3234:もうこいつがラスボスでよくね?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(ぷちっと)巨人被害者の会(むしけら)2スレ目

1:ここは巨人被害者が集う対策スレです。

誹謗中傷や嵐行為は巨人に向けて遣りましょう。

指名手配 巨人の英雄「ヨハン」

特徴 大盾と大鉈を装備。鎧も装備。

対策 にげろ

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

8027:強すぎぃ!他の個体は全然強くないけど仲間呼ばれるからきついし高確率でヨハンが呼ばれるw

 

8028:ギルドが壊滅ってマジスか・・・?

 

8029:盾のスキルがなぁ・・・守っても無理とかwww

 

8030:あいつ学習AIあんのか?奇襲も通用しなくなってきたぞww

 

8031:>>8028フルパどころかギルドの全戦力で攻撃しても耐え抜いたバケモンやぞ

 

8032:回避スキル使ってもあの巨体で暴れられたら回避のしようがないw

 

8033:ヨハンっ!!!俺にとってお前は光だぁ!

 

8034:若干巨人がトラウマになったよ・・・

 

8035:おれさま、おまえ、まるかじり

 

8036:ゆうても俊敏性はないんじゃ?

 

8037:>>8036ばっかおめー、あの巨体で鉈ブンブン丸やぞ。回避してもランダムだから回避できねぇぞ

 

8038:盗賊、いっきまーす!

 

8039:逝ったか・・・

 

8040:てんてー!種族の差がありすぎて拙いです!

 

8041:運営はトチ狂ってるとしかおもえんw

 

 

 




アイテム名 ヨハンの大盾
ヨハンが生涯を通して使っていたなんの変哲も無い大盾。
しかし幾多の攻撃を防いだため、魔法に対してもある程度防御できるように変質した。ヨハンはその大盾を使い巨人の民を守り抜いてきたが最後はその大盾を捨てた。それは決別の証なのか、それとも狂った上での凶行なのか。
その事実は小さな友にしかわからないだろう。


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冒険者が玉ねぎになるまで

お待たせしました!次回も玉ねぎ騎士の
視点になります。何故玉ねぎ騎士の話を
書いたら2万字以上になる・・・なんでだ。
5000文字以下になるよう編集中です。
次回は2〜4日後の投稿予定です。
あと誤字脱字報告ありがとうございました!


僕は何の変哲も無い社会人だ。

根暗で引っ込み思案。

そんな性格だから上司には怒鳴られ頭を下げて謝る。

先輩や後輩にもこき使われ、毎日クタクタになるまで働く。仕事でのミスは自分だけ許されない。

仕事は正に生きる為に行く。

飲み会だって苦痛でしかなかった。

 

平日はいつも憂鬱。

休日はどこにもいかず、唯一の癒しのゲームをする。自室が僕の居場所。ゲームだけが僕の日常でのたった一つの楽しみ。ゲーム仲間と会話して、冒険して、一緒に遊んだ。現実ではダメダメな僕がゲームの中なら輝けていた。だから自然とゲームに、仮想の現実にはまり込んでいった。

 

そんなある日、クタクタになり帰宅してもはや日課となりつつあるネットサーフィンをしてるととあるゲームでの掲示板を見つけた。

 

「まずは装備をだな5スレ目」

1:この場所はロールプレイをする者が

崇高な使命を持ち、生き様について語る

酒場だ。人の生き方にケチをつける輩は

大人しく帰りたまえ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

302:いや、しかし王女様の胸はやはり・・・

 

303:王女様・・・おいたわしや・・・・

 

304:>>302死に急ぐこともあるまいに!

 

305:このスレのモラルも限界とみた。

 

306:>>302貴公・・・死にたいらしいな

 

307:淑女を悪くいう者は立派な騎士にはなれんぞ。

 

308:若いのう・・・

 

 

ロールプレイをする人が集まる掲示板だった。

姫プレイをする人、アイドルになる人、無口な職人になる人。果ては馬鹿になる人。

 

新鮮で衝撃で、馬鹿馬鹿しいなんて毛ほどにも思わなかった。

だって羨ましかったから。

 

そこから自分はロールプレイをする掲示板をずっと見てた。飽きもせず毎日、仕事の合間にも。

だって楽しそうだったから。

現実ではできないことが出来るから。

英雄になれるから。

ヒーローになれるから。

本やゲームでの体験を生身で感じてみたかったから。

 

掲示板を見た日からしばらく経ち、掲示板を見ているだけでは物足りなくなる自分がいた。

 

「やってみたい・・・」

 

そんな言葉が出るぐらいに悩み、もしできたらどんなロールプレイをするか妄想する日々。仕事も手がつかず、怒鳴る上司の言葉も右から左に抜けて行く。

 

そこからまた数日、悩みに悩み、

遂に決心した。

 

「やろう。」

 

決心してからは僕の行動は早かった。今まで貯めてきた貯金を崩しVR専用のカプセルを買った。貯金はそんなに多くなくて懐は寂しくなったけど構わない。不思議と後悔はしなかった。

 

買ってからは早速有休を取り、ルンルン気分で帰宅する。

家の前にはもうすでにカプセルと業者さんが居てすぐに設置してもらった。設置した後、我慢出来なくて注意事項が書いてある説明書を読まずにカプセルの中に入りゲームを起動する。もちろんやるゲームはあの

「ファンタジーオンライン」だ。

ドキドキと胸が踊る。

 

起動した後チュートリアルとキャラクリをしてこの仮想現実に降り立った。

 

「おぉ・・・」

 

最初の街の中心にある噴水。

辺りを見回すと初心者装備の人や明らかに凝った鎧を着た人。冒険者が辺りを埋め尽くしていた。

他にも賑やかな露店、市場。

酒場やギルドなど現実では無いお店。

楽しそうに話す人々。

獣人やハーフなどの色々な種族の人々。

 

画面から見ていた景色が

今、目の前にある。

 

感動でしばらくその場から動けなかった。

 

 

「貴殿、その場から動いていないが

どうしたのだ?」

 

いつまで経っても動かない自分に対し装飾が豪華な鎧を着た人に声をかけられる。

 

「あ、いや、ちょっと感動してて・・・」

 

「あぁ、確かにわかる。

我も最初はこの街並みが圧巻で

感動に胸が震えたものだ・・・」

 

「すごいですよね・・・

現実ではありえない光景ですし。」

 

「そうだな、

この景色はリアルではありえん。

他にも様々な景色があるぞ?

王城だったり地底湖や天空にある

都市などな。

そうだ、貴殿が良ければこの辺りを

案内しようか?」

 

「・・・!是非!お願いします!」

 

「・・・おぉ、随分と食い気味だな貴殿」

 

余りに食い気味で少し相手が引いてしまう。恥ずかしいけどこれから冒険が始まると思うと僕は居ても立っても居られずにいた。

 

その後親切な人はこの街を案内してくれたり、ステ振りとスキル構成やおススメの狩場、戦闘スタイルまで教えて貰った。更には

 

「お下がりで申し訳ないが

貴殿の役に立ててくれ」

 

「いえ!受け取れませんよ。

ここまでしてもらったのに・・・」

 

「ふ、我にはもう使わない代物だ。

貴殿が使ってくれる方がその装備も

喜ぶだろう。受け取りたまえ。」

 

親切にも初期では買えない装備を譲って貰い別れ際には

 

「貴殿の旅路に祝福あれ!」

 

と激励を受けた。

「ありがとうございました!」

と僕は返し、早速あの人のアドバイス通りにクエストやシナリオを有休二日間丸々使い進めていった。

有休が終わった後、すっかり僕はこのゲームの魅力に囚われてた。

リアルでは味わえないスリルだったり、

非科学的な魔法とスキルを体験したり。

有休が終わっても楽しすぎて会社に遅刻しそうになるまでやりこみ、終いにはカプセルのセーフティーモードが入り強制的にログアウトさせられたりもした。

 

会社では早く帰って冒険がしたい一心で必死に仕事をする。その余りの気迫にお前どうしたんだと言わんばかりの顔を仕事仲間は浮かべていたけどそんなのはどうでもいい。上司の呼び出しも理不尽に怒鳴られはするけどゲームのためだと思うと楽に思えた。

 

二週間経った日、ロールプレイする際は必須の見た目を変えれる強化素材を全財産を使って遂に買った。

このゲーム、鎧や衣服の見た目をオリジナルで作れるのだ。もちろん剣や盾も出来るのだが値段が高い。

明日からまたゴールド稼ぎだな、

そんな風に思いながら早速鎧の見た目を前々から考えいた見た目に変える。僕はリアルぽっちゃりでゲーム内でも体型は変更しないで遊んでいた。何故かと言うとその方が身近に感じられると思ったからだ。そのため既存にある鎧や格好は似合わず、どうしても重装甲な鎧しか似合わない。

だけどそれだと面白くないから見た目は奇抜な鎧にしようと前々から考えていた。

 

強化素材を使うとウィンドウが開き設定画面が出る。嬉しくて震えてしまう手で慎重に設定していく。

まず現実での鎧でもあり得ない丸っこい形の胴体。

おまけに三段腹のような装甲。

玉ねぎみたいなヘルム。

篭手も指が無いタイプに。

 

そして出来上がったのが自分が考えていた見た目の玉ねぎ騎士だった。この見た目にした後しばらく鏡の前で自分の姿をまじまじと食い入るように見ていた。

まるで玉ねぎのようだと心に思いながら鎧の見た目を変更したら見せてくれてと約束していたフレンドに早速この姿を見せに行った。

見せた瞬間にフレンドが固まる。

 

「おま、おま、なんだその見た目!?」

 

「玉ねぎにしかみえねーぞwwwww」

 

「三段腹www三段腹www

腹いてぇwwwww」

 

結果はご覧の通り。更に悪戯心が芽生え、無言で剣を構えてスキルを発動する。使用するスキルは動きが派手な特大剣用の回転切り。しかも連続で。

 

「玉ねぎが回るとかwww」

 

「ふぁーwww」

 

途中で気分が良くなり

 

「まわれ〜玉ねぎ〜命を抱いて〜♪」

 

一斉にフレンドが崩れ落ちていく。一通り笑かした後、回転を止めて未だ腹を抑えて笑うフレンドに対しかっこよく右手を振り上げて大袈裟に、しかし優雅に一礼をする。

 

「ブッフォwwww」

 

「ハッハッハッハッ!!やめ、やめてぇ!」

 

フレンドの腹筋は崩壊したようだ。

満足した自分はその後ロールプレイをするため自分の性格とは反対の豪快で騎士のような口調に変えた。その見た目で豪快な口調は掲示板でも話題となり

 

502:おいwwwなんか変な見た目のやつがいるぞwww

 

503:何故玉ねぎが回ってるんだwww

 

504:玉ねぎの妖精かな?

 

505:お、玉ねぎ騎士さんもこっちに来てるのか。

 

506:玉ねぎだけでわかる見た目よwww

 

颯爽と戦場に現れ回る玉ねぎ騎士。何故か見た人は幸せになれると噂されるようになった。

なんで?

 

その後数ヶ月、この見た目でロールプレイをしてたある日、最初に出会った親切な方からとある興味深いメッセージが来た。

 

「貴殿、巨人に挑んでみるか?」




アイテム名 ヨハンの大鉈
ヨハンがとある巨人を参考に鍛冶屋に作らせた特注の鉈。その見た目からくる威圧感と圧倒的なリーチは対峙した者を恐怖させる。
ヨハンはこの鉈を日常でも手放なさずいつも背中に背負ったままだった。
しかしヨハンが亡くなった後、この鉈は今どこにあるのか分からず小さな友もその所在について決して語らなかった。
わかることと言えばこの鉈は今も主人と共にあることだけだ。


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玉ねぎと巨人とその1

おおぅ、早速運営から注意が・・・
とりあえず修正です。

次回はバトル回です。明日か明後日投稿予定。

あ、ちなみに次編は皆さんお待ちかねのシフ+蜘蛛姫+ソラールさんになる予定です。お楽しみにぃ(ねっとり)

(゚∀゚)ラビィ!←編集中の作者の状態


いつものようにその独特な見た目でロールプレイしながら戦場を駆け回っていたある日、あの親切な方からメッセージが飛んできた。すぐに戦闘を中断し近くのセーフエリアに避難して慌ててメッセージボックスを開く。

 

「貴殿、巨人に挑んでみないか?」

 

読んでみてすぐに?マークが頭に浮かぶ。巨人?そんなモンスターがいたか?疑問に思いその問いに対しすぐさま質問をする。

 

「巨人?そんなモンスターがいたのか?」

 

「最近話題になっているモンスターでこれが恐ろしく強くてな。高ランクのプレイヤーが軒並みやられている。未だ誰も勝てなくて掲示板では誰が最初の巨人殺しになるか競っているようだ。どうだ、貴殿も興味があるなら巨人に挑戦して最初の巨人殺しになってみないか?」

 

うーむ・・・と思わず考える。挑戦しても良いがそんなに強いボスなのか?メッセージを見ても強いのはわかる。だが巨人が物凄く強いイメージがあまり湧かなかった。悩んでも仕方ないので直接掲示板を確認しようと思い早速話題になってる掲示板を開く。

 

(野郎ぉ!)巨人被害者の会(殺す!)4スレ目

1:ここは巨人被害者が集う対策スレです。

誹謗中傷や嵐行為は巨人に向けて遣りましょう。

指名手配 巨人の英雄「ヨハン」

特徴 大盾と大鉈を装備。鎧も装備。

対策 にげろ

弱点 特になし

解説 勇敢な被害者のお陰でHPは4万あることが判明。高い防御力と圧倒的な攻撃力を兼ね備えている。もし戦う際は持久戦だと確実にこちらが不利なので出来るだけ速攻を意識して戦おう。出し惜しみは無しだ!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

502:勝てねぇしこえぇよ!誰だ最初の巨人殺しになるって言った奴は!?

 

503:つぇぇw回避しても無理だわありゃw

 

504:>>502おまいう

 

505:>>502おかえり。生半可な覚悟じゃトラウマになるからやめときゃよかったのに

 

506:他の巨人はそうでもないのにヨハンが出てくるから大概負ける。しかもお供についてる近衛騎士も強いんだよなぁ

 

507:近衛騎士の巨人なんていた?

 

508:最近出てきたぞ。ヨハンじゃなくても糞強いから気をつけろ。鉈じゃなくて剣だけど虫けらのように潰してくるからな

 

509:>>508マジかぁ・・・ヨハン並みの戦闘力なのか?

 

510:強さはヨハン以下だけどそれでも強い。しかも小隊組んでるから迂闊に刺激しない方が良い。もれなく潰される。どれくらいかと言うと高ランク30人パーティーでも近衛騎士一個小隊に負ける。それぐらいにやばい

 

511:ダメだぁ、お終いだぁ・・・

 

512:お客様の中に運営はいらっしゃらないですか!?

 

513:対巨人特攻の属性とかわかる人おる?

 

514:>>513魔法で試して見ても全部盾に吸われるから正直わからん。雷属性が多分一番効くと思うんだけど・・・間違えてたらごめん。

 

515:おっしゃぁ!いいこと聞いたぜ!試してくる!

 

516:あっ・・・

 

517:これは負けてトラウマになるフラグw

 

・・・・・・

思わず掲示板を閉じる。正直巨人にそこまでのイメージは無かったが掲示板では巨人に対して阿鼻叫喚のようだ。過去ログを読んでもその理不尽な強さは充分に伝わる。これと戦おうと思うのは自身に満ちた強者かただの馬鹿だと思う。馬鹿馬鹿しい。自分もそう思ったがすぐにその考えが変わった。その巨人と戦えればあの感覚が蘇るのでは?

 

そう思った時は既に自分は挑んでみたいと思った。初めて戦った時のあのスリルと恐怖、そしてなんとも言えない高揚感をもう一度味わってみたい。最近はレベルが上がってきたからか普通のレイドボスでもソロで戦ってもあまり感じなくなってきた所だ。

戦ってみたい。

あの感覚をもう一度。

・・・我ながらバトルジャンキー思考だと思うけど考えないことにした。挑んでみたいと思う気持ちだけで充分だ。巨人と戦うことを決意して親切な方に挑戦すると返信する。するとすぐにメッセージが返って来た。

 

「そうかそうか!巨人に挑むか!ならば我と貴殿で競争だな!最初の巨人殺しがどちらかになるか!我は一足先に挑んでくる。貴殿も早く挑戦するといい。誰かに取られては元もこうも無いからな。遅れて悔しがるマネはよせよ?」

 

どうやらあの人も巨人に挑むようだ。自分も遅れてはならないと急いで街に戻る。街に戻った後、市場で消耗品を買いながら装備を整えている間にあの巨人に勝算があるか考えてみる。

 

「うーむ、うーむ・・・」

 

「あ、玉ねぎさんだ。また何か考え込んでるみたいね」

 

「ありゃ邪魔しちゃ悪いな。そっとしとこう」

 

何やら聞こえた気がするが無視。市場の隅で腕組みをして最近ではお決まりの熟考スタイルで考える。考える。考え・・・

・・・・・考えてみたがはっきりしているのは正直今回の敵、巨人は自分の戦闘スタイルでは明らかに不利だ。重装甲な鎧と対人に特化した丸い盾。そしてあの人から譲り受けてからずっと使用し続けている特大剣。けどロールプレイをしている手前、このスタイルは崩すことはできない。

どうしたものか・・・あの巨大な鉈を小さい丸盾で受け止める?潰されるのがオチだ。回避スキルを駆使してずっと避ける?無理だ。重装甲な鎧のせいで回避スキルは思うように使えない。ならば遠距離はどうだ?ダメだ、巨人は走ると掲示板に書いてあった。毒による奇襲は?レジストされて反撃されるだろうな。

 

「うーむ、うーむ・・・うーむぅ・・・」

 

・・・・・・・・

ええぃ考えても埒があかん!とにかく戦って見てから対策を考えよう!そう思った自分は装備を整え終えるとオーランからあの巨人がいる西の森を目指して出発した。

 

 

西の巨人がいる森は案外徒歩では遠く、時間がかかってしまい気づけばゲーム内時間で深夜になってた。やはり重装甲はこういう長距離の移動には不向きだな。今度からは貯金して馬を買おうと心に静かに誓う。そんなことを思いながらあの巨人が居ないか周りを探し始める。

・・・数十分探したがやはり居ない様子。流石にこの時間はいないか。がっくり肩にを落とし帰ろうと踵を返そうとした所に、森の中で複数の小さな火の光が見えた。

 

「む?他のパーティか?何にしろ丁度いい、聞くだけ聞いてみよう」

 

他のパーティーに巨人がどこにいるかダメ元で聞いてみようと思いその光目指して森の中を進む玉ねぎ騎士。しかし距離が近づくにつれて光の大きさが明らかに人がもつ松明ではない大きさになっていく。

・・・まずい、新手のモンスターか?

この森は巨人に合わせて作られているのか雑草は小さいが木は巨大だ。隠れる場所が殆ど無い。俊敏性が高ければ木に登り隠れることもできるのだが自分は見ての通りそんな物は無い。すぐに戦闘態勢に身構える。数十秒後に会敵する。さぁ鬼がでるか天使がでるか。緊張しながら待っていると・・・

 

 

出てきたのはあの噂になっている巨人だ。しかも最悪なことに近衛のような巨人が8人もいてその中心には他と違う鎧を着てる巨人が居た。あれが恐らくヨハンと呼ばれる者だろうか。暫し圧倒され立ち尽くしていると近衛騎士が自分を見つけ素早く反応しヨハンの前で剣を構える。拙い、この人数では無理だ!気を見て逃げるしかない!そう思いすぐさま逃げ出せるように身構える。だが、

ポンッ

中央にいるヨハンが近衛の肩に手を置き近衛を下がらせる様指示した。近衛は困惑していたが素早くヨハンの両横に並び剣を儀礼式に持ち待機する。その後ヨハンが前に出て来た。相対する玉ねぎ騎士と巨人の王。

・・・・・・舐められているのか?そしてそれを肯定するかのようにまるでかかってこいと言わんばかりに立ち尽くすヨハン。ギュッと剣を持つ手に力が入る。

・・・・・・いいだろう、そっちがその気なら近衛を参戦させないことを後悔させてやる。グツグツと自分の中で憤怒の感情が渦巻く。いつまで経っても動かないヨハンは相変わらず無表情のままだ。その態度に自分は思わずうつむき言葉を漏らす。

 

「人を・・・・・」

 

自分の声が震える。それが怒りからなのかそれとも恐怖からなのかはわからない。ただ一つ言えるのはこの巨人に一泡ふかせたいと強く思っていることだ。

 

「人類を、騎士ジークフリートを舐めるなよぉ!!!

ヘイヤァーーーーー!!!!!」

 

雄叫びをあげながら特大剣で斬りかかろうと走る。それに対しヨハンがようやく反応し鉈と盾を構える。こうして玉ねぎ騎士と巨人の王との初めての戦いが始まった。

 




アイテム名 近衛騎士隊長の特大剣
巨人の王に付く近衛騎士隊長が持つ特大剣。
巨人からみてはただの剣だが人からだととてつもない大きさを誇る特大剣。代々王に付く近衛騎士はその巨大な剣を用いて王の障害になる者を薙ぎ払ってきた。
だが近衛騎士隊長が持つこの剣は一度だけ王に向けて振るわれたことがある。王が誤ちを犯した時に振るわれる剣としてヨハン亡き今は近衛騎士隊長に代々受け継がれるようになった。
臣下が唯一王に反逆できる剣として。
王を正しく導くために。


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玉ねぎと巨人とその2(修正予定)

一日遅れ+省エネですみません!
あと後日大幅な修正をします。ご了承下さい。
あ、あと次回の投稿は一週間後です。
その間に短編を二本出すので・・・w
さーて来週の短編はー?
「ガルパン、転生したら戦車になっちゃった!」
「ソラール、ブラボに行く!」
の二本です!多分書く!・・・と思う。

※ここから先はこの小説に関係無いです。
飛ばしておーけー。

今日の昼、昨日投稿し忘れたなと思いつつ
日間ランキングを確認する。
「ダークソウルVRMMO」3位
・・・(゚ω゚)
('A`)ウ~ンウ~ンンンンンウ~ンウ~ンン・ン・ン
テ~ケテ~ケテケテケテン~テ~ケテ~ケテッテッテ
(・∀・)ラヴィ!!

どうせ低評価だろうと思って放置していたUAとお気に入りを急いで確認。
UA15000以上
お気に入り800件以上
・・・・・ふぁっ!?
と、とりあえず投稿しなくちゃ!
↑今ここ!

・・・正直言います。
なんで・・・?
いや、高評価していただき大変有り難いんですが・・・
「あああああ胃がいたぃいいいい!!!」
と、とりあえずお気に入り登録とご評価ありがとうございます!こんな糞団子のような小説をご評価してあまつさえお気に入り登録してくれるなんて・・・
期待に応えられるよう頑張りますが・・・
胃が痛いです・・・
胃薬を用意しろ、水と感想もだ。
マギ、なんとかならねぇのかよ!
くそ、やるだけやるしかってやつか!?





玉ねぎ騎士は巨人に向かい走る。ただひたすらに走る。わかっていたが敵の巨人は巨大でその力も未知数だ。掛け声をあげても勝率が上がるわけでもない。それでも前に出なくてはいけない。重たい鎧で必死に走りその距離を縮めていくが近くになるにつれてその巨大な鉈と盾が威圧感も増し反射的に体が恐怖で縮みあがりそうになる。しかし気合でねじ伏せる。そんな体と違い頭の中では体の感覚とは真逆で興奮に満たされていた。

ああ、これなのだよ!

あの感覚をもう一度!もう一度だ!

頭の中はそれで埋め尽くされ、何も考えられない。

ひたすらに走りながら巨大な敵、ヨハンを見据える。

このまま一気に詰める!

そして巨人まで残り10mになった所でヨハンが盾を地面に置き構える。構うものか!と思いそれでも怯む事なく走り、何が来ても避けれる態勢にいたが、

ガンッ

鈍い音が聞こえた瞬間視界が宙を舞っていた。視界の端に映る巨大な盾と木々。周りの景色がスローモーションで流れていく。何故自分は飛んでいる?訳が分からないままそのまま木に叩き付けらる。装甲がひしゃげた嫌な音がした。

 

「ぐぉ・・・ゴホッゲホッ・・・」

 

肺の中の空気が一気に吐き出され呼吸しようにも思うように呼吸できない。あぁ、一体何を食らったんだ?木に叩き付けられた反動で体が鈍く、しんどくてしょうがないが顔だけは正面を見据えた。巨人は盾を構えたまま。なるほど、そういうことか。

なんて事はない、ヨハンは盾を置き構えてそのままシールドバッシュをしたのだ。巨人の体格でやられたら当然体格がまるで違う人は吹っ飛ばされる。四つん這いになりながらも現状を理解したが絶望的だ。今の一撃でHPは8割近く減らされ、自身の自慢の鎧を見ても今は無残に装甲がベコベコに凹み体が鉛のように重い。だがまだだ。まだいける。気合を入れ悲鳴をあげる体にムチを打ち立ち上がる。そのまま巨人は構えを解きじっとこちらを見たままだ。まるでさっさとかかってこいと言わんばかり。自分はボロボロでふらふらだ。視界もぼやけている。しかし不思議とこの状況下で自分は笑っていた。

・・・面白い、面白い!

こんな興奮が!あのスリルが!

また体験できる!忘れたくない!

ずっと続けていたい!

息を吐き荒い呼吸を整える。そして

 

「ヘイヤァーーーー!!!」

 

再び剣を構えて尚も突撃する。何度でも、倒れるまで。

無謀にも走っていく自分にふと影がかかる。一瞬何だと思ったが慌てて上を見ると巨大な鉈が自分の頭上に迫っていた。

 

 

視界が暗転して気づいたら街のリスポーン地点にいた。その景色を見て理解する。あぁ、自分は負けたのかと。それでも今は不思議と清々しい気分だった。興奮は未だ冷めきらず、自分の中で熱を持ったまま。その場で自分は耐えきれず大声で笑う。

 

「アッハッハッハッハァ!」

 

「玉ねぎさんどうしたんだ?あんな笑い声上げて?」

 

「遂に玉ねぎさん狂ったか?」

 

ひとしきり笑うと何故か自分に街の人達の視線がこちらに全て向いていた。・・・流石に不気味だったかと思い素早くログアウトする。ログアウトした後、自室で何もせずあの戦いでの疲れと衝撃でぐったりしていた。だがそれでも思った。また戦いと。そう思った後眠くなってしまい結局明日の昼まで眠った。

 

 

後日再度ログインしてボロボロの装備を修理してからあの親切な人に結果を報告した。

 

「戦ってみたが私では無理だったようだ。貴公はどうなった?」

 

直ぐに返信が返ってくる。

 

「やはり貴殿もか。掲示板で昨日の事が書かれていたぞ?広場で玉ねぎさんが大声で笑っていたとな。そこで我は察したよ。負けたかと。まぁ我も負けたがな・・・」

 

「あの巨人は凄いな。まるで手出し出来なかったぞ?」

 

「そうだな。我も実際に戦ったが一撃も入らなかった。巨人とは凄まじいものだな・・・なぁ、貴殿よ」

 

「あぁ、そうだな。死んだ後、笑うことしか出来なかったな。ガハハハハハハッ」

 

二人して巨人の強さにしみじみと回想する。

 

「我は今回で自分の力不足を痛感したよ。また一から修行してくるとしよう。貴殿も頑張りたまえよ」

 

「あぁ、またな貴公!貴公もあまり無理はするものじゃないぞ?ガハハハハハハッ」

 

返信が終わるとすぐに自分はもう一度あの巨人のいる森へと目指し街を出る。何故向かうのかというと巨人と戦うのではなくあの巨人と祝杯を交わしたいからとあの戦いが終わった後からずっと思っていた。あの見事な自分の負けっぷりと巨人の強さに敬意を表して祝杯をと。曲がりなりにもロールプレイをしてる身。自然とそういう思考になっていた自分だった。

 

そんなこんなでまた馬を買うのを忘れてしまい徒歩での移動でかなり時間を食ってしまった。少し気持ちが萎えたがすぐに森の奥で巨人と会うために向かう。すると運がいいのか昨日と同じ編成の巨人の集団が現れた。今度は近衛ではなくヨハン本人が私に気付いたようでヨハンが戦闘態勢に構えるのをみて自分は慌てて巨人の前に出て弁明する。

 

「ま、待ってくれ貴公!今日は戦いに来たのではないのだ!」

 

いきなりの自分の言葉に周りの近衛も、もちろんヨハンも困惑した。その困惑している隙を逃さずすかさず声をかける。

 

 

「ガハハッ!貴公は凄まじいな!あんな巨体で俊敏に動かれたらこちらはまるで手出しができなかったぞ! だが、貴公との闘いは心踊る闘いだった!その闘いを祝して乾杯しないか!?貴公?」

 

相変わらず困惑したままだが、ヨハンは少し考えた後、構えを解き、近衛にも構えを解くよう指示する。相変わらず無表情で無言のままだが自分に近づき胡座を書いて座る。これは了承したという事でいいのか?ヨハンも胡座のままカップを取り出し乾杯の姿勢をとる。いいみたいだ。自分も同じように胡座で座り乾杯の姿勢を取った。

 

「昨日の戦いに!そして貴公のその真の強さに!祝福あれ!ガハハハハハハッ!」

 

自分が高らかに祝杯を掲げるとヨハンも無言だが同じように杯を掲げた。その後自分はその強さの秘密について質問をヨハンにぶつけた。どうやらヨハンは喋れないらしく必死に身振り手振りで伝えてきたのだがその姿が少しおかしくてヘルムの中で笑ってしまったのは内緒だ。

ちなみに質問内容は

どうしたらあんなに強くなれるのか?

もう一度貴公の武具を見せてくれるか?

普段何を食べたらそんな体になるのか?

などなど。

質問毎にヨハンも必死にジェスチャーで伝えようとするがやっぱりおかしくて吹き出してしまった。吹き出した自分に対しヨハンはその体に見合わず首をコテンッとしていた。更に笑ってしまった自分は悪くない筈。その後も談笑が続き、時々自分も愚痴を言うのだがヨハンは真摯に聞きに徹してくれて落ち込んでいるとそっと肩を叩いてくれた。その瞬間、もうヨハンをモンスターとして見れなくなっていた。

 

「すまんな、貴公。こんな愚痴を聞いても面白くなかろう。聞いて貰って感謝する」

 

ヨハンは首を縦に振り無表情だが少しだけ口角を上げてくれた。その顔を見て唐突に自分は何をおもったのかとあるお願いをした。

 

「その・・・だな・・・」

 

「?」

 

「貴公が良ければ・・・またここへ・・・敵ではなく友としてまた一緒に乾杯をしないか?勿論貴公の都合が悪ければ断って貰っていい。どうだ?貴公」

 

その言葉を言うとすぐに自分は何て馬鹿なことを言ったのだと思い顔を伏せる。どうせ断られる。そううなだれていたが肩をつつかれ顔を上げるとそこには予想とは違いヨハンは首を振り一緒にまた乾杯をしようと杯を掲げていた。

 

「貴公・・・そうだな、貴公!また乾杯をしよう!よし、そうと決まればもう一度乾杯をしようではないか!新たなる友の誕生とその絆に!祝福あれ!ガハハハハハハッ!」

 

友としての祝杯を上げた後、次の日からはちょくちょくヨハンがいる森に行きヨハンと共に談笑と乾杯をした。ヨハンは日没後は毎回必ず乾杯した場所で待っていてくれた。更に3回目の来訪時になんとヨハン自身も酒を持ってきて振舞ってくれてその日の自分は一日中テンションが上がったままだった。更に数日経つと相変わらず無表情に見えるが微かに動くヨハンの顔で喜怒哀楽がわかるようになっていった。ヨハンは意外と顔に出やすいタイプらしい。なんだか嬉しくなりヘルムの中で少し吹き出すとまたヨハンは首コテンッをしていた。なんだ、この巨人可愛いぞ。

それからまた数日経ちいつものようにヨハンと共に乾杯をする。この日は自身が行った場所を話すとヨハンが不意に寂しそうな表情をした。もしや?その時自分はまさかと思い一つ提案をしてみた。

 

「貴公も良ければ一緒にこの大地を冒険してみないか?」




アイテム名 ストームルーラー
巨人の王ヨハンが作らせた対巨人用の魔剣。風を操り雷を纏う竜巻を作り出すことができる。この魔剣をヨハンは小さな友に託した。決別の証か、それとも友情の証か。小さな友もそのことは語らずヨハンの唯一の形見として生涯大事に保管していた。
約束とは例えどんな事が起きようと守らなくてはいけない。その様はまるで一種の呪いのようだ。



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設定集

ただの設定集です。
見なくてもOKです。

一部追記しました。
それといつも誤字脱字報告ありがとうございます!
只今編集中ですのでしばしお待ちを。

更に追記。(6/21)
次回は明日投稿予定です。


◯この世界について

この世界は任天堂によるゲームの発展(主にファミコンとか)が起きていないためだいたいのゲームは海外の大手か国内の中小企業しかありません。Steamも無いためBFやマインクラフトなどの大作は出ず、パソコンはシュミレーション、箱型は規模の小さいローグライクが流行っています。

そんなところにVRゲーム機の登場。これによりゲーム市場への投資が増え国も援助したため、VRゲームは価格は安くタイトルも続々と出ていき徐々に発展していきます。

 

◯VR機器について

二種類タイプがあります。

まず低価格のヘッドギアタイプ。

こちらは長時間のゲーム(大体4〜8時間程度)はできなくなっており超過した場合は強制的にシャットダウンします。次に高価なカプセルタイプ。こちらはヘッドギアタイプより高性能で味覚や嗅覚が再現されており思う存分遊ぶ際はこちらのタイプがより楽しめるようになっています。更にプレイヤーの体調を逐一管理出来るようになってます。

 

◯今作のVRMMO

「ファンタジーオンライン」

通称ファンオン。

VR機器が出てしばらく経ってからの今作。それまではVRゲームはFPSが主流だったところに突如出現したMMORPG。売り文句は「日常に無い冒険と未知を」王道を行くゲームとなっており剣と魔法が主流となっている。発売当初は売り上げはイマイチだったが徐々に人気を伸ばし続けていった。アップデートも頻繁にしており種族の追加、スキル魔法武具防具などの種類の増量、職業もユニークなものを追加、敵モンスターやダンジョンを大幅追加と運営の本気っぷりが見える。更に見た目や武具防具をカスタマイズすることができ、世界にただ一つの物が作れる。これがきっかけで爆発的に全世界で飛ぶように売れ、今ではプレイヤー数がVRゲームの中ではFPS系を抑えて堂々の一位となっている。しかしまだ発売から一年で大型アップデートはまだやってない。この頃から主人公が興味を持ち今作の物語が始まります。

 

◯VRゲームでの痛みや呼吸について

プレイヤーに痛みや呼吸困難などを錯覚させる機能がヘッドギアとカプセルタイプ両方に付いている。ただその痛みや呼吸などは0にはできないが度合いを設定できるようになっている。ちなみにガチ勢は全部100%の模様。あのジークフリートも。ガチ勢曰く度合いが低いのは甘えらしい。

 

◯ゲームについて

この世界ではダークソウルは存在しておらず、ダークファンタジー系のゲームは出ていない。ちなみにドラクエやポケモン、FFもこの世界には無い。格ゲーもマイナーな部類に入っている。何故かというとゲーセン自体が無いから。自分だったら発狂している世界である。しかし本やアニメは発展してる模様。ごちうさはあるみたい。

 

 

 

 




一話終了後とある部屋にて
「ふぅ、いきなりびっくりした・・・何考えてるんだ運営は・・・・・・けど、もしやこれチャンスじゃないか?運営に取り込めればもしかしたらソウル系シリーズが復活、ついでにAC5の続きも・・・ふぉぉぉおおおお!!!」

「真由美ー?何大声出してるのー?もうゲームはお終いにしなさい。ご飯よー?」

「あ、はーい!やべ、考え事してたらもうご飯か。とりあえずシャットダウンしてっと」

「ごっはんー、ご飯ー♪」

「真由美ー?如月さんから電話来てるわよー?」

「え?急だなぁ、はーい!今行くー!」


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