不明な艦娘が建造されました?! (BeatFran91)
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第1話「とある日の午後」

 暖かい日差しが窓から差し込み俺のいる執務室をちょうどいいぐらいに温める昼下がり。

昼食後で満腹を感じている脳から、睡眠したいと体に伝えてくる。

寝てたまるか、また徹夜してたまるか、そう思いながらも

俺「・・・・・zzz」

寝てしまう俺氏。

俺「・・・んがっ?!寝てない!寝てないからな!!」

って、誰に言ってるんだ俺?

・・・まあいい、気晴らしにちょっとコーヒーでも飲むか。

そう思い、ふと秘書艦の机を見る。

その机には、誰もいない。なぜなら・・・

俺「・・・昼休みはとっくに終わってるんだが・・・どこで油売っていやがる・・・」

なぜなら、秘書艦が昼休みに行ってからまだ戻ってきていないのだ。

俺「もう2時・・・いや3時になるぞ。いくらなんでも遅すぎるぞ・・・・」

コーヒーをマグカップに注ぎ終わり柱時計を見てつぶやく俺。

その時、

「・・・!!・・・・・・!!!!!」

本館の中で大声で叫ぶ声が聞こえ、ドタバタと廊下を走る音が聞こえる。

確かこの声は・・・

暁「まてーーーー!!!このバカひびきぃーーーーー!!!」

・・・暁型駆逐艦、そのネームシップである1番艦『暁』だ。

(追いかけっこか?やるんなら外でやってくれよ・・・)

そんなことを思いながら、コーヒーを口に含んだとたん

     ドォォォォォォォォォン!!!!!

ドアが宙を舞った。

ドアが宙を舞った。(大切なことだから2回言うけど)

響「・・・あっ、しまった。ここ執務室だ。」

先に入って来たのは、暁型駆逐艦2番艦、不死鳥の二つ名をもつ駆逐艦『響』だ。

響「ま、たぶんこの時間あいつ寝てるだろうし、ちょうどいい目覚ましか・・・・な?」

そう言いながらこっちを向く響。

俺と目があった。

~目と目が合うー♪しゅんかーん♪~

俺「だれが()()()だって?響さんや?」

響「・・・」サァー

アイエエエ!?ナンデ?ナンデオキテルノ?!と言わんばかりに顔を青くする響。

響「ど、ドーモ、オハヨウゴザイマス。シレイカン=サン。」

アイサツは大事、古事記にもそう書かれてある。アイサツを返さないのは

俺「いや、書かれていたとしても返さないよ?ニンジャのフリを投げられても返さないからね?」

響「なんだい指令官、ノリが悪いね。君には失望したよ。」

俺「いやいや、失望してるのはこっちだからね?お前今何時かわかってる?」

響「()()()おやつのケーキを食べたから・・・3時ぐらいかな?」

俺「昼休みって何時から何時までかしってる?」

響「12時から1時だね。」

俺「この鎮守府の秘書艦は誰だか、知ってる?」

響「当り前じゃないか、この私響だよ!!」

どこぞの吸血鬼が登場する時の効果音が聞こえんばかりに威張るうちの秘書艦。人選間違えたかな・・・。

暁「ひぃ~びぃ~きぃ~、もう逃がさないわよぉ~!」

響「?!しまった、司令官と話し込んでいる場合じゃなかった!」

ものすごい形相で執務室に入ってくる暁。いったい何があったんだ・・・。

暁「よくも・・・よくも私のケーキをぉぉぉぉ!!!」

ケーキかよ。うらやmゲフン くだらない姉妹喧嘩か。

響「姉さん、何度も言うけどあれは姉さんのじゃない。正真正銘、この私のケーキだっ!!」

暁「うるさいっ!あれは私が先に()()()()ケーキなのよっ!あれは私のケーキよっ!!」

()()()()って・・・・

響「いいや違うね!あれは私が先に()()()()ケーキだよっ!」

二人とも自分で買ってきたやつじゃねえのかよ!

俺「おい二人とも、そのケーキほかのやつのじゃないのか?」

響「なんだい司令官?私たち姉妹の話に首をつっこまないでよ?」

暁「そうよ!それにみんなに聞いてもみんな自分のじゃないって言ってたもん!!」

あ、そうなの?ならなんでケーキがあったんだ?

響「それに姉さんみたいなお子様舌はあんな大人の苦さのビターチョコケーキなんてたべないでしょ?」

暁「お、お子様言うなぁ!!食べれるもん!大人な苦さなんて一人前のレディである私にしたら、ちょうどいいもん!!!」

ん?ビターチョコケーキ??それって・・・

俺「なあ二人とも、そのケーキって、どこにあった?」

暁「え?食堂の冷蔵庫だけど・・?」

俺「そのチョコケーキって、上にトリュフチョコが乗っかってるやつか?」

響「そうだよ。よく知ってるね?」

俺「そりゃそうさ、だってそれ、()のだし。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

執務室が一瞬にして静かになるのが分かった。

二人とも俺のその言葉を聞いて固まってしまった。

暁「あっ、えっと、そ、そのっ・・・・」

響「・・・・・・」

暁&響「「ごめんなさいいいい」」 orz

土下座をする二人。小さな体をこれでもかと小さくする。ちょっとかわいい。

俺「ま、いいよいいよ二人とも。食堂の冷蔵庫なんかにしまった俺に落ち度があるんだし。」

響「司令官・・・」

俺「なに?」

暁「怒った??」

俺「怒ってないよ?」

喧嘩の種をまいたのは俺だし、本気で悪いということが見えたので、怒る気がしない。ただ・・・

俺「ただし響、テメェは別だ。」

響「ナンデッ!?」

俺「そりゃそうだろ?!秘書艦の仕事ほっぽりだして!挙句の果てに遅刻した理由が俺のケーキを食べていたからとか!」

響「ち、違うよ司令官!誤解だ!!司令官のケーキを食べて、そこを姉さんに見つかって追いかけられていたから遅れたんだっ!!」

俺「響さん?さっき君はなんて言ったっけ?」

 

みんなも少し戻って響のセリフをみてみよう!!

 

響「・・・・」カオマッサオ

俺「さて?響。どうなるかわかってんだろうなぁ??」

そういった後、響は涙目になりながら暁を見る

響「姉さん・・・」

暁「助けてって言っても何もできないわよ?」

響「私の最後の名はВерныйだ・・・До свидания ・・・」

まさかのここで轟沈時のセリフ

暁「し゛れ゛い゛か゛ん゛ぅぅぅ~~響を解体させないでぇぇぇぇ」

おもっくそ助けているじゃないですか暁さん。

俺「しないし、弾除けにもさせないよ。騙されてますよ暁さん??」

暁「ふぇ・・・そうなの??」

響「チッ・・ばれたか」

こいつ・・・騙し通す気無いのかよ・・・・。

暁が顔を真っ赤にして怒り始めようとする前にさっさと響に与える罰を言おう。

俺「響お前にはフタマルマルマルに俺の部屋に来てもらう。」

響「えっ、なに?私にいやらしいことする気なの?エ□同人みたいに!!」

俺「隠せてねぇし、やらねぇよ。」

暁が一瞬顔を別の意味で真っ赤になりかけたが見なかったことにしよう。

俺「あ、暁。君も雷、電を連れて響と同時刻に俺の部屋にきなさい。」

響「ま、まさか私たち姉妹全員にいやらしいことを・・・」

俺「だからやらねぇっての!お前の目の前で俺のとっておきのケーキをみんなで食べるんだよ!!」

響「な、なんだってーーーー!!」

暁の顔が一瞬にして輝きだした。

響「それじゃまるで拷問じゃないか!鬼!悪魔!DTロリコン!!」

俺「うるせぇ!だれがDTロリじゃボケェ!これはもう決定事項!!さぁ!とっとと持ち場に付け!!」

納得してない響はほっといて暁はスキップしながら執務室から出て行った。去り際に

暁「しれいかんっ!ありがと!楽しみにしてるわねっ!!」

と残して。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれからすぐに響には建造を頼んだ、レシピは大型建造の4000/6000/6000/4000/100

レシピを見ての通り大和ねらいのレシピだ。

D(どーせ)M(みんな)M(陸奥になる)にはなるなよと願いつつ・・・執務を続ける俺。

その時、執務室前で声が聞こえる。

???「なっ?!なんなんだこれは?!一体なにがあったのだ?!」

この凛々しい声は・・・

俺「おう長門、最近暑いから扉を夏の間だけ撤去することにしたんだよ。」

長「そ、そうなのか??」

長門型戦艦1番艦、連合艦隊旗艦にもなったネームシップ、長門だ。

俺「んなわけねぇよ。響に吹っ飛ばされただけだよ。」

長「まあ、そうだろうと思ったさ。」

執務室のドアは壊されるもの。だれだ最初にこのことを言ったやつは・・・。

俺「で、どうしたの?」

長「ああ、そうだった。作戦の結果を報告しに来た。」

長門のその言葉を聞いて、部屋の空気が鋭くなった、俺も彼女も真剣になったのだ

俺「・・・・ん、成果はどうだ?」

長「提督のおっしゃっていた通り、やはりあの鎮守府では・・・」

長門が報告内容の要を言いかけたその時

 

チュドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

鼓膜が破れそうになるほどの爆発音が聞こえた。

俺「!?な、なんだ?!?!」

長「提督!!ご無事ですか!?」

俺「俺は大丈夫だ!お前は?!」

長「大丈夫です!・・・!!て、提督!!」

長門が指す方を見ると

俺「な、なんだぁ?!?!」

黒煙が鎮守府内で上がっている。確かあの方向は・・・

長「工廠から煙が!!!」

俺「すぐ向かうぞ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

工廠の周りには鎮守府に残っている艦娘みんなが集まっていた。

俺「なんだ!何が起きた!!」

青葉「い、いえ、私にも何が何だか・・・」

俺「明石!夕張!」

明石「1番ドックが急に爆発しました!」

夕張「近くに響さんが!!!」

俺「なんだって?!」

響が爆発に巻き込まれた・・・?

響は?無事なのか?まさか爆発に・・・?

頭が嫌な想像ばかりを映してしまう。いくらあんなにふざけていても、いくらあんなにうざくても

響は・・・鎮守府の・・・俺の・・・

俺「ひびきぃぃぃぃぃぃ!!!!」

家族だ!!!

 

 

 

?「司令官、なんだい?」

 

 

俺「?!」

聞き覚えのある声。

見覚えのある髪の色。まぎれもない、あれは・・・

俺「響!!無事だったか!!!」

響「うん。爆発ですこし吹っ飛ばされたけど、けがはないよ。」

俺「そ、そうか・・・よかった・・・・。」

はぁぁぁぁぁぁ、と大きくため息をつく俺。そりゃそうだ、あんな大爆発が起きたんだ。

陸奥の第三砲塔なんて比じゃないくらいの爆発だ、誰しもが心配するだろう。

響「それより、司令官」

俺「なんだ?」

響「新戦力が加わったみたいだね。」

俺「・・・は?」

爆発が起きた1番ドックを指す響、煙の中をよく見ると・・・

俺「!?」

そこには、艤装を背負い立っている少女がいた。

体型からして、巡洋艦クラスだろうか。それにしても、

見たこともない艤装だ。

右手には、巡洋艦クラスがよく持っている20.3cm連装砲。

左手には、バックラー(小型の円い盾)?に似たようなもの、よく見たらプロペラがついている。

太ももには、魚雷発射管

背中には、煙突を中心に左右対称に四角く縦に長い箱が3つずつ。

左右の肩には、背中の艤装から小さく顔をみせる対空砲。

そして頭には、ヘッドホン。

?「あ、あの・・・・その・・・」

その少女が口を開く。

?「は、初めまして!!!」

この艦娘の建造完了から、俺の鎮守府が動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




響「今後の展開は?」
俺「昔妄想してた物語だ、大抵は決まってる」
響「そんな考えで大丈夫なのか?」
俺「大丈夫だ。問題ない」
暁「不安しかないわ・・・。」

誤字、脱字、感想などあったらどんどん送ってください。


※2018/8/17 
 誤字報告を確認しましたので、直させていただきました。
いやホント、読みづらい物語で申し訳ないです。


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第2話「不明な艦娘が建造されました。」

~前回までのおはなし~
響「ケーキ!!!」
チュドォォォォォォォォォォォォン!!!
?「ドーモ、ハジメマシテ!」



ーー『???鎮守府、正面海域』ーー

時をさかのぼり、響がケーキを食べるずっと前のこと。

 

 

日向「・・・・・」

長門「どうだ、日向?」

日「・・・どうやら、()()()()()()。」

長「そうか・・・」

日向のその言葉を聞いて、苦い顔をする長門。瑞雲からの報告を受けた日向も長門と同様な、苦い顔をする。

その会話を聞いていた、川内、時雨も顔をうつむせて、暗い表情になっている。

長「・・・よし、一度我が鎮守府に戻るz」

?「その必要はありません」

長門の言葉を遮るように、後ろから声を掛けられる。かけた相手は、

不知火「あなた方は、何処の所属の船でしょうか?」

陽炎型駆逐艦、その2番艦である不知火だ。

不「何故、このような場所に隠れているのですか?」

日(まずいな・・・)

長(どうする・・・)

長門と日向が策を考えていると。

川内「あたしたちは、第14補給鎮守府のものだ。」

時雨「隠れているんじゃなくて、僕たちは帰還途中でちょっとここで一休みしていただけさ。」

フォローに入る2人、

長「そ、そうだ。我々は任務を全うして、いま少しここで小休憩をとっているだけだ。」

日向もそのセリフに合わせて、ゆっくりうなずく。

不「・・・・・・・・。」

不知火の鋭い視線が少し痛い。

かなり怪しまれている。

不「なるほど。わかりました。」

ほっとする川内、時雨。しかしさし

不「あなた方の言っていることは、()()()()()()()()()()十二分にわかりました。」

「「「「!!!」」」」

不「あなた方の任務は、差し詰め、()()()()()()()()といったところでしょうか?」

まずい、バレてる。完全にバレてる!

不「申し訳ありませんが、あなた方は、ここで沈んでいただきます!!!」

長「総員!散開!!川内!!!」

川「了解!!!!」

不知火がポケットに手をいれ、()()()()()()()()()()()()()、長門は指示を出した。

長門の指示を受けて川内が撃ったものは、

不「・・・チッ」

煙幕だ。

周囲が真っ白で何も見えない。

 

煙幕が晴れたころには、そこには誰の姿もない。

不「・・・不知火です。申し訳ございません。ネズミを取り逃がしました。」

?「・・・・・・・・・」

不「!!違います!!決してそのような気はありません!!!」

?「・・・・!・・・・」

不「申し訳ありません!次こそは!次こそは必ず!!!だから・・・」

不「だから()()だけはぁ・・・」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

響「そして時は動き出す・・・。」

俺「いや何言ってんの?」

ーー響が言った様に、時は戻り現在、『鎮守府執務室』ーー

俺「んで、君の名は?」

響「やっとぉ~目を~♪さましたかぁぁ~い♪」

俺「あんたはだあっとれ!」

あの爆発の中、建造()()()()()()()艦娘の情報を聞くために、その子と提督である俺、秘書艦の響の3人で執務室にいる。

?「えっと・・・その・・・」

俺「?どうかしたのか??」

?「あ!いえ!!たいしたことではないのですが・・・なんていうか・・・その・・」

名前を聞いただけで困り果ててしまっているようだ・・・まさか

響「んじゃ、名前は後回しにして、艦種は?」

?「・・・・・・・」

響の質問にも、困り果てたような顔をしてしまっている・・・

俺「おい、まさか君・・・」

響「記憶喪失、あるいは名前も艦種も全く自分のことを知らないかの、どちらかだね。」

?「ううっ・・・」

うそでしょうそでしょ??え?なに??そんなパターンあるの??

響「んで、どっちなんだい?」

?「・・・たぶん、自分のことを全く知らないの方だと思います。」

まじか?マジで??

俺「え?なに??名前も艦種も()()なの?」

?「は、はい・・・」

響「不明な戦力が加わったようだね。」

?「大きな音に驚いて起きて、目を開けたら皆さんがいて・・・。」

少女の説明を聞いている限り、本当に自分に関する情報が無い様だ。

俺「じ、じゃあ君のことはなんて呼べば・・・」

響「”ああああ”でいいんじゃないかな?」

響の言ったことは無視しよう。うん。

響「んじゃ・・・”くぁwせdrftgyふじこlp”で。」

少女の顔から見ても「いや、それはないんじゃ」と言いたそうだ。

響「・・・んじゃ”ヴァッ〇ュ・ザ・スタn」

ていとく の じとめ!こうかはばつぐんだ!

ひびき は おしだまってしまった!

俺「にしても、さすがに名前がないのはこまったなぁ・・・。」

?「すみません・・・。」

少女が暗い顔で謝る。

俺「いやまぁ、君が謝る必要はべつに・・・」

響「謝る前に、ちゃちゃっと名前きめようか?」

お、響が復活した。

とりあえず、もう一回ジト目で響を見る。

響「司令官、ここからは真面目にやるよ。」

俺「・・・次ふざけたら、1ヶ月、甘いもの禁止な。」

響とそう約束して、話を戻す。

俺「ん~、にしても名前かぁ・・・。」

響「その艤装・・・どういう戦い方をするんだい?」

?「え?えっとぉ・・・この四角い箱の中には『対艦ミサイル』が各箱の中に一発ずつ収容されてます。」

ふむふ・・・・ん?

俺「いま、なんと?」

?「え?ですから、各箱の中に一発ずつ『対艦ミサイル』がはいってます。」

俺&響「「・・・・・・ふぇ?」」

2人とも驚いた顔をする。

それもそうだ、ミサイルを運用する艦娘なんて、見たことも聞いたこともない。

いうなれば、この子のみがもつ大きな特徴の一つだ。これは・・・

俺「・・・閃いた。」

響「あ、もしもし憲兵?」

俺「・・・・・。」

響「ごめんなさい。」

全く、やっぱり秘書艦間違えたかな・・・。

そんなやり取りをやっていると

?「失礼します」

誰かが執務室にやってきた。

長「長門、入ります。」

川「川内、入ります。」

日「日向、入るぞ。」

扉のない執務室に入って来たのは長門、川内型軽巡洋艦のネームシップ、川内と、伊勢型航空戦艦二番艦の日向だ。

俺「ん?どうした、3人とも。」

長「先の工廠爆発の被害報告と、先ほどの報告の続きを、と思いまして。」

俺「ん、いまは被害報告だけを聞いておく。作戦報告は、今夜にでも聞こう。」

本当なら作戦報告の方を優先して聞きたいが、今はこの子の前であまり暗い話をしたくない。

長「では、工廠爆発の被害は、負傷艦は0ですが、1番建造ドックがしばらく使えなくなりました。それ以外にも、もともと旧い工廠でしたので、あちらこちらにヒビが入っていて、倒壊寸前です。」

建造ドックが一つ使えなくなったのは、少し痛いが、まあけが人0なら良しとしよう。

俺「そうか、わかった。すぐに修復作業に取り掛かるよう、明石ら技術班に伝えてくれ。それと、安全が確認されるまで、誰も工廠に近づけさせないようにしてくれ。」

俺はそう長門に伝えると、長門は一礼して執務室から出て行った。

俺「んで、川内と日向は?入渠完了の報告か?」

川「あ、うん。そうだよ」

日「ちなみに、まだ時雨は入渠中だ。」

長門以外の3人は帰還途中に深海棲艦による奇襲を受けて今まで入渠していた。

俺「そうか。ま、時雨少し損傷が酷かったもんな。とにかくお疲れ。ゆっくり休んで・・・」

そこで口を止めてしまう俺。さっき閃いた内容を川内を見て思い出してしまったのだ。

俺「・・・川内、お前今から『演習』ってできるか?」

川「?もちろん大丈夫だけど?もちろん!夜戦なら何回でもOKだよ!!」

俺「そうか・・・なら決まりだ!」

俺が考えていたこと、それは、

響「なるほど、歓迎パーティーか。」

?「歓迎・・・パーティー?」

響「そうだよ、我が第十八鎮守府のやりかたさ。」

注:そんなものございません。

響「我々はきみのことを歓迎しよう、盛大にね。」

絶対それ言いたかっただけだろお前。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーー鎮守府、演習用海域ーー

300m×500mの長方形になっている演習用の海域、そこの見物台に俺、響、そして何故かいる日向。

俺「日向、休んでもいいんだぞ?」

日「何を言っているのだ提督。戦力不明な新顔、どのように戦うのかとても気になるだろう?」

まあそうだけどさあ。

・・・まあいっか。とりあえずこっちが先か。

俺「よし、二人とも準備ができたら返事をしてくれ。」

無線を通して呼びかける俺。

?『私はいつでも大丈夫です。』

川『川内、準備完了よ!』

2人の合意の返事が聞こえてきた。

俺「川内、相手は新兵だ。手加減してやってくれよ?」

川『了解。でも、相手がかなりやるようなら、こっちも本気で行くからね?』

俺「ほどほどにな。」

名前を決めるだけなのに、こんな大事になってしまったが、まいいか。

俺「よし・・・演習開始!!」

俺の合図をもとに、戦闘がはじまった。

 

 

 




憲兵「・・・なにか言うことは?」
俺「全世界不知火ファン及び不知火を妻としている提督方、
           ま じ ス ま ん じ !」
不「謝る気ゼロですね・・・。」
 アホな提督に代わりまして、作者がお詫び申し上げます。
すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!
憲兵「ハイクをヨメ、テイトク=サン!カイシャクしてやる!!」
俺「しるもんか
     おれはまったく
          わるくない!!」
憲兵「ナムサン!!!イヤーッ!!」
俺「グワーーーーーーーッ」


※2018/8/17
 誤字報告を確認しましたので、直させていただきました。
 誤字報告を見て「あ、しっかり読んでもらってるんだぁ」と涙する作者です。( T∀T)ダバー


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第3話「名前決め演習開始!!」

~前回までのおはなし~
不「しらぬいに何か落ち度でもっ!!」グスン
響「歓迎しよう、盛大にね。」
俺「よし・・・演習開始!!」



~川内side~

俺『よし・・・演習開始!!』

提督のその合図と同時に私は飛び出した。

うちの提督はやっぱ甘い。お子様カレーに砂糖を大量に入れたぐらい甘い。(謎)

だいたい、私は思う。

新人に対して手を抜く行為はシツレイに値するってね。

だから私は、手を抜かない。

全力でぶつかって、気持が良いほど完膚なきまで相手を潰す!!

・・・ま、まずは、()()()()()()をやるまでだかどね。

 

 

~???(新人)side~

俺『よし・・・演習開始!!』

提督さんのその合図を聞いた途端、私は頭の中が真っ白になってしまった。

まずなにをすればいいの?いま私にできることは?相手はどこから?

等々・・・頭の中でいろいろな考えが目まぐるしく回っている。

なんで名前を決めるのに・・・決める()()なのにこうなってしまったのだろう?

そうこう考えているうちに、私の付けているヘッドホンからスクリューの音・・・川内と呼ばれる人がこちらに移動している音が聞こえ私はその音で目が覚める。

だが、時すでに遅し。川内さんが目視できる距離まで近づいてきている。

どうしよ!撃たれる!撃たなきゃ!どれを?!

川内さんが近づくにつれ頭の中がパニックになる!

川内さんも私もお互い有効射程距離にはいった!!

撃たなきゃ撃たなきゃ撃たなきゃ・・・・!!!

 

お互い有効射程範囲に入ったところで、急停止する川内、そして・・・

川「ドーモ!ハジメマシテ。センダイ=デス。」

ドーーーーン

新「・・・・へ?」

アイサツは大事、古事記にもそう書かれている!アイサツを返さないのはシツレイである!

川「・・・・」

新「????」

待っている!センダイ=サンはアイサツの返事を待っている!!

川「・・・」

新「え・・・えーっと・・・」

川「・・・・・・」

新「あ、あの・・・その・・・」

川「・・・・・・・・・」イラッ

新「えと・・・えええ・・・」

川「アイサツをされたら返すのがレイギでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

新「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃ?!?!」

ナムサン!キレた!相手がなかなかアイサツを返さないのでついにセンダイ=サンは

キレてしまった!

川「はい!もう一度!!」

新「は、はいぃ・・・。」

川「ドーモ!ハジメマシテ。センダイ=デス。」

ドーーーーン

新「ど、どーも?せんだいさん?・・・あ、そのっ・・・」

川「あ、名前まだなかったんだっけ?」

新「は、はい・・・すみません・・・」

川「ま、いいわ。アイサツも済んだし。んじゃ、行くよ!!」

新「!! はいっ!!!」

一度くしゃくしゃになっていた頭であったが、川内さんとのこのやり取りで一気に整理がついた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺「・・・なぁにこれ」

響&日向「艦これ」

俺の呆れて出た一言に対して、響と日向、二人同時に答える。ハモるなよ。

俺「ま、まぁ、何時もの川内らしいけどな。」

日「だが、あのやり取りのおかげで、新人の方の顔にさっきまであった不安や焦りといった表情は消えているぞ。」

響「お、ほんとだ・・・さっきのオロオロな表情がきえてるね。」

まぁ、確かにさっきよりも表情がやわらかい。川内のふざけた行動のおかげで緊張がほぐれたようだ。

俺「さて・・・二人とも、ここからはあの子がどんな戦いをするのか目が離せないぞ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

川「砲雷撃戦よぉーい!てぇーーーーーッ!!」

鳴り響く砲音、

新「くぅっ?!」

泡立つ水柱。

新「お願い・・・当たって!!」

お互い被弾は無し。

川「おっとぉ。危ない危ない」

二人とも相手の弾をかわしている。

一定の距離を保ちつつ二人とも今は主砲のみの撃ち合いになっている。

川内は余裕がある表情をしている。

川(すごい・・・重巡並の大きさの艤装なのにあんなに速く動いている。そしてこの命中精度・・・少しでも気を抜けばすぐに捉えられてしまう。)

しかし内心冷や汗をかいていた。

艤装に見合わず軽巡と等しい速度、しかし砲の威力は重巡と同じ。

そんな風に感じながらも

川「・・・!そこっ!!」

相手の足元に冷静に砲を放つ川内。

新「うわわわっ!?」

川内の砲撃によってバランスを崩してしまう。

川「いただきぃ!!」

それと同時に川内から魚雷が発射される。

新「な、なんのぉ!

アンバランスになりながらも砲を放つ。

直撃コースの魚雷にうまく当て、かなり大きい水柱が立つ。

川(ちっ・・・落とされたか。)

おおきな水しぶきのせいで視界が一時的に悪くなる。

川「・・・いな、い?」

水しぶきが収まったころには、そこにいるはずである新人の姿がない。

顔をあげ、少し遠いところを見ると

川「いた!でも、あの距離じゃ砲は届かないね・・・。」

砲の射程範囲外のところに新人がいた。今もまだ離れようと移動している。

川(敵前逃亡・・・?いや、もしかしたら何か策があるのかも・・・・。)

川(ここは少し回り道をして・・・)

そうこう川内が考えていると

バッ

一瞬の大きな音とともに、空へ向かって移動する光、その光の後に流れ出る白い雲・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

響「光の・・・昇天・・・。」

日「ミサイルカヒビキー?」

俺「・・・ほぅ」

その光にみとれる俺(どこぞの蒼い閃光ネタはほっておいて)

それをみてつぶやく俺

俺「まるで・・・”流星”だな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

川「なに・・・あれ・・・。」

新人ではなく、空に上がるそれをみてつぶやく川内。

しかし少しずつ時間がたつにつれ

川「・・・・?! ちょ?!こっちに落ちてくる?!」

こちらに落ちてくることを確認した川内

川(落とす?!対空砲を?!いや回避?!)

今まで見たことのないことに戸惑う川内、

川「っ!!回避ぃ!!!」

しかしすぐに冷静になり、回避行動に入る。

川内が回避行動をした直後

ドバァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

先ほどまで川内がいた場所に大きな水柱が立っていた。

川「うわわわっ!!」

爆発の衝撃でできた強い波に川内のバランスが崩れる。

 

 

 

新「着弾確認。命中ならず!2番、着弾地点合わせ・・・発射!!」

彼女のその号令と同時に彼女の左側の一番手前の筒から大きな音とともに空へ上がる光。

彼女の最大の特徴であり、彼女の最強の攻撃法

「対艦対ミサイル」

彼女のヘッドホンから聞こえる音と左腕に格納されている観測ヘリコプターからの情報で敵の正確な位置を把握し目的のポイントへミサイルを放つ。

彼女の艤装でしかできない戦法だ。

 

 

 

川「はぁ・・・はぁ・・・あ、あぶなかっ・・・たぁ?!」

回避しバランスを立て直し一息つこうとする川内であったがすぐに2発目が来ることを確認し回避行動に入る。

川(やばい!あれはもらったら一発でアウトだ!!てかあれ演習用の弾だよね?実戦用の弾じゃないよね??)

回避しながらも頭を整理させながら次の手を考える川内。

川(たぶんあの子が離れた理由はこの攻撃をするためだ。この攻撃は離れた相手にしか与えられないとみていいね。だったら・・・)

進行方向を新人に向ける川内。

川「近づけばあれはもう撃ってこれないとみた!!」

 

 

 

新「着弾確認。命中ならず!3番、着弾地点合わせ・・・。 !!」

川内さんがこっちに猛スピードで迫ってくる!

まずい、有効射程範囲から逃げられる!どうしよ・・・

そうこう考えてる内に、川内は対艦ミサイルの射程範囲より内側に来てしまった。

新「・・・こ、こうなったらぁ!」

新人も川内に向けて進路をとる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

響「お、決着がつきそうだね。」

日「だな、お互い全速力で近づいているな。」

俺「・・・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

新「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

川「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

雄たけびとともに全速力で近づく二人。そして

川&新「「魚雷全弾射出用意!!てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

二人同時に魚雷を射出、川内の魚雷と新人の魚雷のいくつかがぶつかり合い爆発する。

川「!?うわぁぁぁぁ!?」

新「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

二人共魚雷が命中。大きな水しぶきが二人を覆う。

・・・・・・・・・・

水しぶきが収まり、そこにあった光景は。

中破になり服が破け、その場に座り込んでいる川内

大破になり豊満なbustをさらしながら仰向けになり目を回している新人。

響「司令官・・・・。」

俺「・・・そ、それまで!! 勝者!川内!!」

目をそらしながら戦闘終了の合図を送る俺。

正直みt・・・日向さん主砲こっちに向けないで。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新「・・・・ん。ぅん?」

目が覚めるとそこは、白い天井だった。

ーー『第十八鎮守府 医務室』ーー

???「あら?、目が覚めましたか?」

新「ふぇ・・・!!ここは!?戦闘は?!どうなったの?!?!」

???「まあまあ落ち着いて・・・。いま提督をお呼びしますね」

・・・・・・・・・

俺「氷川~。来たぞ~。」

響「氷川先生。お疲れ様。」

氷川丸「はい響ちゃん。お疲れ様です♪」

数分後提督さんと秘書艦の響さんが医務室に入って来た。

新「あ、あの・・・」

俺「おう、お疲れさん。気分はどうだ?」

新「あ、はい。大丈夫です。それよりも先ほどの演習!どうなったんですか??」

響「君が大破、川内は中破で君の負けだよ。」

新「そ、そうですか・・・。」

下を見てうなだれる私。

俺「ま、演習の結果はどうだっていいんだよ。また次があるしな。それよりも、だ。」

響「君の名前、さっき正式に決まったよ。」

新「あ、そうだ名前!!すっかり忘れてました・・・。」

戦うことに必死になりすぎて、なんのための演習かすっかり忘れてしまっていた・・・。

俺「まあ、そうだろうな。響。」

響「じゃあ、発表するね・・・君の名前は・・・」

ゴクリ・・・と唾を飲み込む私・・・いったい私の名前は・・・

響「"первый этаж туалет"だ!!!」

・・・

一瞬にして静まり返る空気。なんだろう、寒い。

俺「すまねぇ響、ロシア語はさっぱりなんだが。なんて意味だ?」

あ、たぶんこれ提督さん怒ってる。

響「?なんだい司令官。これくらいの言葉もわからないのかい?」

俺「・・・」

響「意味はかんたんさ、そう、”一階トイレ”といういm」

俺「氷川、赤チン響の目の下にたっぷり塗っといて。」

響「ごめんなさいまちがえましたすみませんまじめにやります。」

提督さんの冷たい声に冷めた目で提督さんの指示を実行しようとする氷川丸さん。

響「じゃ、まじめに発表すると、今日から君の名前は"流星(りゅうせい)”だよ。」

流「りゅう・・・・せい・・・?」

俺「そう、”()()() 流星”それがお前の艦種と名前だ。」

流「とくむ・・・かん?」

響「ま、たんなるどの艦種にも属さないイレギュラーな艦種ってことだよ。」

イレギュラー・・・なるほど。

響「じゃ、あらためて。」

俺「ようこそ、我が第十八鎮守府へ。我々は君のことに大きく期待している。」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、提督私室』ーー

 

響「くっ、はなせぇ!司令官!!なにをするきだぁ!」

縄でぐるぐるに縛られている響の前に座る暁型駆逐艦『暁』三番艦『雷』四番艦『電』

電「はわわわ・・・響おねぇちゃん、なんでしばられているのですか?」

暁「電、響のことはほっておいていいから。」

雷「ほんと、響ねぇ、今度は何をやらかしたのよ」

響「うーん・・・いろいろありすぎてわからないね。」

なんじゃそりゃという雷の声が聞こえるよりも先に

俺「うーいみんな、好きなやつ2個づつたべていいぞー」

暁「きたぁぁぁぁぁ!!!」

雷「わ!なになにケーキ!?」

電「ど、どれもおいしそうなのです♪」

ショートケーキにチーズケーキ、そのほかにもいろいろなケーキが提督私室の中央に置いてあるちゃぶ台におかれる。

暁「ど、どれにしようかまよっちゃうわぁ~♪」

雷「ほんとねぇ!あ、チョコケーキもーらい♪」

電「じ、じゃあ電はシュークリームをいただくのです♪」

暁「あ、コラ!!!おねぇちゃんよりも先に選ぶなぁ!!!」

俺「おいおい、喧嘩するなよぉ。」

わいわいキャーキャーいう暁型3姉妹。やべぇものすごくかわいい。

響「こ、粉☆バナナ!!拷問だ!!」

電「あ、響おねぇちゃん、電の選んだやつですけどどうぞなのです。」

電の優しい行為に響の顔が満面の笑みに変わる。電ちゃんマジ天使。

暁「ちょ、ちょっと電だめよ!!」

俺「おう、もう響はこれよりも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだからね」

雷「は、はぁ?!ちょっとそれどういうことよ響ねぇ!!」

響「な?!そ、それは・・・えーと。」

電「でも、みんなで食べたほうがおいしいのです。」

必死に響をかばう電。天使すぎやしませんか電ちゃん。

俺「電」

電「?」

俺「それ、1個108円・・・」

電の頭の上にまだ?マークができているのが見える

俺「響食べたやつ、1個300円」

電の笑顔が消えた

俺「みんな、2個。響、4個」

電の目のハイライトが消える

電「・・・響おねぇちゃん。」

響「な、なんだい電?」

つめたい電の声。それに汗をかく響。

電「そのケーキ。おいしかったですか?」

みんなの、姉さんの妹たちの目線が痛い。

響「そ、その・・・・」

もう逃げ場がなく、冷たい空気、冷たい視線が響を覆う。

響「とても、おいしかったです。」

電「・・・そうですか。」

電の声のトーンがいつものように戻り、口元も笑顔が見える、だが・・・

電「じゃあ、このケーキは()()()()して、電達より()()()()()()()()()()()を食べた()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

あ、プラヅマ先輩ちーっす。

雷「そうねぇ、それなら響ねぇには、わ た す ひ つ よ う 無いのね。」

俺「もうおいしいおいしいものを俺たちよりも多く食べているしね。」

暁「さ、散っていった響の分もしっかりたべましょ?」

響「勝手に私を殺さないでよ!?うわぁぁぁぁん!!鬼!悪魔!!プラヅマブラザーズ!!!」

これで響もこりてくれたらいいんだがねぇ。

 




テストのおかげでしばらく投稿できませんでした。
プラ「うそこけなのデス。指揮官としてずっとがんばっていたのデス。」
ちょ、ちょいちょいプラズマさん?!
いや、皆さん?!マジでテストのため投稿ができなかったんだからね?!ごかいしないでね?!





感想書いていただけるとものごっつうれしいです。
プラ「書きやがれなのデス」
おちついてプラさん。



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第4話「第十八鎮守府」

~前回までのおはなし~
川「アイサツをされたら返すのがレイギでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
新「着弾確認。命中ならず!2番、着弾地点合わせ・・・発射!!」
俺「ようこそ、我が第十八鎮守府へ。我々は君のことに大きく期待している。」


ーーフタサンマルマル『第十八鎮守府、執務室』ーー

大半の者達は明日に備え眠りに入るこの時間

ヤセンダァァァァァァァァァァァァァァァァァ

・・・とある者を除いて、

今夜は満月、月の光が執務室の窓から入り込んでくる。

コンコン

いつの間にか直っているドアに何者かがノックをする。

俺「・・・入れ。」

俺はノックしてきた者に対して入室を許可する。

入ってくるのは、たぶん長t

川「提督!!夜戦の時間だよ!!!」

俺「カエレ!!!」

長門ではなく川内だった。

川「えー、せっかくこんなにいい夜に夜戦しないなんてもったいないよぉ~?だから夜戦しyあだだだだだ!!!」

長「川内、貴様は明日朝一に遠征任務があるだろ?それに備えてもう寝ろっ!!!」

川内の頭をがっしりと掴み持ち上げる長門。

そしてそのまま、執務室から追い出す。・・・さすがは世界のビッグセブン

俺「ありがとな、長門」

長「いえ、お気になさらずに。・・・では、」

俺「ああ、たのむ。」

執務室の空気が再び鋭くなる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー翌日『第十八鎮守府』ーー

・・・・!!・・・・・・・・!!!

 

流「・・・う・・・むぅ」

遠くで誰かの叫び声が聞こえる・・・。

その声を聞いて薄目を開く私・・・名前は”流星”。艦種は”特務艦”。

・・・で合ってたよね?

まだ眠くて頭がうまく働かない。

流「あと、ごふぅん・・・」

そう考えてもう一度眠りにつこうとした途端。

 

ドォォォォォン!ドォォォォォン!!

 

_人人人人人人人_

> 突然の砲撃 <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 

流「ふァ?!」

いきなり聞こえた2発の砲撃音で飛び起きる私。

砲撃?!敵?!どこから?!行かなくちゃ!みんなは?!戦え!ここどこ?どうしよ?!

飛び起きてすぐに頭がパニックになり部屋から出て廊下を走る。

まずは艤装を!と自分の頭が最終的な判断を下した。が

流「あ・・・私の艤装・・・どこにあるんだろ。」

ここに建造されてからまだ一晩しか経っていない。

昨日も建造後、いきなり演習。被弾。医務室だったので建物の構造、施設、部屋など全く理解していない。

流「って、ここ何処?!玄関ってどっち?!」

そんな状態で闇雲に走り回ってしまったのでもちろん迷子。いままで自分が寝ていた部屋の位置もわからない。敵の攻撃がまたいつ来るのかわからない。そんな慌てふためいてさらに頭がパニックになる。

・・・あれ、そういえば敵って・・・?

?「・・・なんやきみぃ。そないあわててどしたん?」

突然、後ろから声がした。声がした方を振り返ると、そこには小柄で髪をツインテールにし、紅い服を着た小さな女の子が立っていた。

流「敵です!敵の攻撃ですよ!なにやってるんですか?!早く出撃しないと・・・」

?「敵?・・・あ~、今の砲撃のことをいってるんか?」

流「そうですよ!それ以外何があるんですか?!」

?「まあまあちょっちきみ、落ち着いて落ち着いて。」

流「落ち着いてなんかいられませんよ!!」

?「・・・はぁ。百聞は一見に如かず。こっちきいや。」

流「ゆっくりしてる暇はありません!!急ぎましょ!!」

?(こりゃ完全に頭混乱しとるわ・・・)

慌てふためく私をみてめんどくさいと思いながらゆっくり歩く女の子。

?「・・・そーいやきみ、見ない顔やね?新しい子か?」

流「こんな緊急事態になに聞いてるんですか?!」

?「あ~はいはい、ほな急ごかー」

なんで敵が攻撃したのにこの人はのんびりしているんだろ?

そんなことを思いながら女の子の後ろを歩いていくと・・・。

?「ふぅ・・・」

大きな艤装、おかっぱ頭で和服を着ている女性が前から歩いてきた。

?「お、日向。()()()()おつかれさん。」

日「む、龍驤と・・・確か君は昨日建造された」

流「”特務艦 流星”です!ってそれよりも敵が!!」

龍「あ~やから落ち着いて落ち着いて。ほれアメちゃん食うか?」

そう言ってスカートのポケットから飴を出す女の子。

私はそのゆっくりとした対応に少しずつ怒りがこみあげてくる。

そしてこみあげてきた怒りがどうやら顔に出たらしい。

日「なんだ?そんなに怖い顔をして。何かあったのか?」

龍「うぉっと?!かんにんな?きみをおちょくってる気はないんよ?」

流「でしたらなぜそんなにもゆっくりしているのですっ?!こうしている間にも敵は!?」

もう完全に頭にきている私。この人たちを倒して自力で自分の艤装を探しに行こうかと考えてしまっている。

龍「あ~。かんにんな?待たしてしもうて。さっきの砲撃は空砲で日向が撃ったものなんよ。」

そう言い、日向と呼ぶ人を指す女の子。

流「?!それってどういう・・・」

日「なんだ?()()()()()にでも驚いたのか?」

クスッと笑いながら状況を把握した日向と呼ばれる女性。

流「目覚まし・・・砲?」

龍「せや。ここでは毎朝マルロクマルマル起床。その時間に起きん子のために、マルロクサンマルに空砲を撃つんよ。はよおきや~!ってな。」

日「そして、今さっきその目覚まし砲を撃ってきたのが私だ。よくよく考えてみろ、先の砲撃から今の今まで砲撃はあったのか?」

そういえば、その砲撃から今まで砲撃音を全く聞いていない。

日「それにもし、敵だったら警報が鳴る。だから落ち着け。」

確かに、敵が来たらもっと皆さん大慌てするはずだ。

頭を冷やしてよくよく考えてみればおかしなところが多い。そのことに気付いた私は、さっきまで慌てふためいた自分がとても恥ずかしく思えてきた。

流「あっ、あの・・・その・・・ご、ごめんなさいぃっ!!」

龍「いいっていいって、初めての子なら誰だって勘違いするし。次きぃ付ければええことやしな?」

日「初めてなら、まあ、そうなるな。」

二人に慰められながら深々と頭を下げ続ける私。恥ずかしくて一刻も早くここから逃げ出したい。

龍「そ、そや!きみと日向まだ朝飯すんでへんやろ?一緒に行って来たらどうや?」

日「なんだ龍驤、お前は来ないのか?」

そういえば朝起きてから何も食べていない。そう考えているとお腹の虫がわめきだした。

龍「うちはちょっち用事があるんや。ほら!新入りの体は正直やし、とっとといきぃや。」

日「ふむ、そのようだな。しかし、一度艤装を置いて報告をしてからでないといけないのだが・・・。」

流「?!あ、あのっ!一緒について行ってもよろしいでしょうか?!」

日向さんのその言葉に反応して、同行を願う私。

その言葉をきいて考えだす日向さん。

龍「かまへんやろ?提督からは一人でこいなんていわれてへんし。」

その言葉を聞いて、また考え込む日向さん。しかし、さっきよりかは考える時間が短かった。

日「ま、確かにな。良いだろう。ついてこい。」

流「!!あ、ありがとうございます!!」

そう言ってすぐに移動を開始する日向さん。

流「あ!その、龍驤さん?でしたっけ。お騒がせしてすいませんでした!」

龍「まあ、済んだことやし気にすんなや。ほな!」

そのまま、龍驤さんはどこかにいってしまった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、執務室前』ーー

龍驤さんと別れてから最初に来たのは『執務室』、昨日建造されてから最初に私が来たところだ。

・・・、・・・・・・・・。

中から話し声が聞こえる。そんなこと気にせずにドアをノックする日向さん。

?「どうぞ」

中から聞き覚えのある声が返事をしてきた。

日「失礼する。航空戦艦日向。報告に来た。」

返事が聞こえるやすぐにドアを開けて入室する日向さん。私は廊下で報告の様子を見ていることにした。

俺(以後提督の提)「おう。ありがとな。艤装外してすぐ朝食をとってきてくれ。」

日「了解した。・・・ん?吹雪か?」

吹「はい!おはようございます!日向さん」

執務室には、提督、秘書艦の響さん、いまはいっていって日向さん以外にもう一人いた。

外見はどこにでもいそうな女の子。セーラー服を着ていて完全に女子学生にしか見えない。

?「じーーーー・・・・」

?後ろから視線を感じる?そう思い後ろを見ようとすると

響「そんなところに突っ立ってないで、君も入ればいいよっと。」

後ろからおもいっきり押された。押した人は、さっきまで秘書艦の机で話をしていたはずの響さん。

いくら相手が小柄な駆逐艦でも不意に押されれば誰でも前に進んでしまう。

そして

流「わぁ~~~~~?!?!」ドタバーン

バランスを崩してコケる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

提「おはよう流星。気分はどうだ?」

流「おはようございます。とくには問題ないと思います。」

簡単に挨拶を交わす二人。

提「ん、問題ないならいい。吹雪。」

吹「はい!」

そう呼ばれて提督の横に来る地味な女の子。

提「紹介しよう。今日一日君の面倒を見るように頼んだ。駆逐艦の『吹雪』だ。」

吹「特型駆逐艦吹雪型1番艦、吹雪です!本日はよろしくお願いしますっ!」

流「と、特務艦 流星です!こちらこそ今日一日よろしくお願いしますっ!」

元気が良くピシッと決まった敬礼で自己紹介をする吹雪。それにつられて私もしっかりしなきゃ

と思い。自分なりのかっこが付く敬礼を返した。

提「よし、んじゃ吹雪、流星のこと頼んだぞ。」

吹「はい!了解しました!」

そう言って、私と吹雪と呼ばれる地味な子は執務室を後にした。

吹「流星さん。朝食はもう済ませましたか?」

流「あ、いえまだです。」

そういえば、朝起きてからまだ何も食べていない。さっきも同じようなことを考えていたきもするけど・・・まいっか。

吹「では!朝食にしましょう。」

そう言って吹雪さんと一緒に食堂へ向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、食堂』ーー

吹「鳳翔さん。おはようございます!」

鳳「あら吹雪さん、おはようございます。あら?そっちの子は?見ない顔ね?」

そう言ってこちらを見る和服の上からの割烹着を着ている女性。

・・・なんとなくお母さんと呼びたくなるのはなんでだろう。

流「あ、えっと昨日建造されたばかりの特務艦 流星です。今後ともよろしくお願いします!」

鳳「まあ!あなたが噂の新入りさん?」

噂?噂ってなんのこと?

鳳「私は航空母艦の鳳翔よ。こちらこそ今後ともよろしくお願いします。」

そう言ってお辞儀をされたのでこちらもお辞儀を返した。

流「あの、先ほど仰っていた噂とはどのようなうわさなんですか?」

挨拶を交わして早々に今ある大きな疑問をぶつけた。

鳳「私もまだ『第十八鎮守府通信:朝』を見てなくてほかの子らの話でしか聞いてないけど、川内さんをぎりぎりまで追い追い込んだのでしょう?」

川内さん・・・昨日演習して下さった人のことだ。

吹「えぇ?!そうなんですか??」

流「でも、負けちゃいましたけどね・・・。」

最終的に魚雷で気絶させられてしまったあの演習。初めてにしてはできた方かな?

鳳「はい!お二人とももうすぐ八時ですよ?早く食事済ませてください。」

吹「うわわっ、もうそんな時間?!流星さん!急ぎましょう!」

鳳翔さんの手を鳴らす音と告げられた時間に吹雪がはっとなって急いで朝食のおかずの入った皿を取り、ご飯をよそった。私も急ぐ吹雪につられて朝食の準備をした。

吹「では、いただきます!」

流「いただきます」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、作戦司令室前廊下』ーー

吹「ここが作戦司令室です。大規模作戦や海域攻略作戦などでは、ここで作戦の概要を受けます。」

そう吹雪さんから説明を受ける。中は見せてくれないようだが。中はどんな感じなのだろうか?

吹「ここは、司令官の指示がある時まであかないので中はみせられないんです。」

流「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。吹雪さん。」

そして、作戦司令室を後にして移動中。

?「お?なんだ吹雪。新入りの案内か?」

正面から眼帯を付けた目つきも柄も悪そうな人が歩いてきた。

吹「あ、天龍さん!おはようおはようございます!」

紺色の服を身にまとっている天龍と呼ばれる女性。

流「初めまして!特務艦 流星です!今後ともよよろしくお願いします!」

天「おう!俺の名前は天龍だ!ふふふ・・・怖いか?」

・・・へ?

怖い?怖いってなにが?

流「あ・・・えっと、その?・・・あ、あはははは・・・」

天「おい!微妙な反応するんじゃねぇよ!!」

いきなりの事で微妙な反応をするしかできない。

吹「あ、流星さん。大丈夫ですよ?天龍さん見かけによらずすごく優しい方なので」

天「ちょ、吹雪!余計なことは言わなくていいんだよ!!」

吹「え?でも事実じゃないですか。遠征や任務では毎回駆逐艦(わたしたち)の事気にかけてくれてますし。」

へー。と思いながら天龍さんを見る

天「そ、そりゃ俺の目の前で誰かが死なれたらその日の寝つきが悪くなるからだよ!」

そう言いながら顔をそらす天龍さん。

天「そ、それよりも吹雪、鎮守府の案内の途中だろ?とっとと次の場所に案内してやれよ!」

吹「ふふ、はいはいわかりましたよ天龍さん。では、失礼します!」

そう言って次の場所へ案内された。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、医務室』ーー

吹「失礼します!流星さんの鎮守府の案内できました!」

そう言ってやってきたのは、昨日お世話になった『医務室』

氷「あら吹雪ちゃん。いらっしゃい。」

吹「おはようございます!氷川丸先生!」

出迎えたのは、白い看護服を着た水色の髪をストレートにしている優しい雰囲気の女性。

昨日お世話になった人、氷川丸先生。

流「昨日は大変お世話になりました。特務艦 流星です。」

氷「病院船の氷川丸よ。気分がすぐれなくなったらいつでもいらっしゃい。」

吹「あれ?氷川丸先生の事知ってたの?」

流「はい、昨日の演習の後ここで目が覚めました。」

氷「それはそうと、流星ちゃん?」

・・・?なんか急に寒気がした・・・。

氷「今朝勝手に走ってどこか行っちゃったけど。どこ行ってたのかしら?」

氷川丸先生の声のトーンが鋭くなった。どうやら怒ってらっしゃるようだ。

流「あ、その・・・い、いきなりの砲撃に驚いちゃって、その。」

氷「・・・フウ。まあいいわ。元気そうで何よりだし。でも今後は私の許可なく勝手に医務室から出ないでちょうだいね?」

寒気が収まった。どうやら氷川丸先生は怒らせるととことん怖いらしい。

氷川丸先生と今後のことを約束して、医務室を後にした。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、入渠ドッグ』ーー

吹「ここは入渠ドッグ。いわゆるお風呂場です。任務でのケガや疲れは、ここに入ればすぐに治っちゃいます!」

お風呂かぁ・・・そういえば、昨日の演習の後ずっと医務室で寝たまんまだから、お風呂に入ってない。

流「あの、吹雪さん」

吹「はい?どうしました?」

流「いまから、お風呂に入ることって・・・」

吹「あー・・・今は司令官からの許可がないと入れないんです。で、でも夜7時からは許可なしでも自由に利用できるのでそれまで我慢してください。」

えー・・・と思いながらしぶしぶ入渠ドッグを後にする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、通信室』ーー

吹「ここは通信室です。出撃している人たちからの定時報告や他の鎮守府からの連絡を受け取る場所です。」

?「おや!あなたは例の新人さん!!」

通信室に入るや突然目を輝かせてこちらに歩み寄ってくる人。

吹「この人は、通信室を任せられてる青葉さん。」

青「どもっ、恐縮です。青葉ですぅ~。昨日の川内戦について一言お願いしますっ!」

流「ふぇ!?え、えっとぉ・・・」

ピピピピッ!ピピピピッ!

私が慌てふためいていると青葉さんの後ろの機材から音がした。

青「おや?通信ですか・・・後であなたの事でいろいろ聞かせていただきますので、コメント、考えておいてくださいね!」

そう言って機材に向かい作業をする青葉さん。

吹「通信の邪魔にならないようにそっと出ましょう」

コメントかぁ・・・何をいえばいいんだろう?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、工廠』ーー

カーン、カーン、カーン

そのパーツこっち~ この資材は・・・ これどこ~? この2-4-11って~・・・

吹「ここは工廠です。新しい娘の建造、装備の開発はすべてここで行われています。」

?「さらには、艤装のメンテナンスもここでやってるのよ」

そう言ってこちらに歩み寄る2人組、

一人はピンク髪で横髪をおさげ風にまとめ、水色のシャツの上にセーラー服を着ている

もう一人は頭髪は少し緑がかった銀髪、服装はへそ出し半袖の黒いセーラー服、そして小さい

?「あの・・・何か変なこと想像しませんでしたか?」

流「い、いえ、別に・・・」

明「私は工作艦 明石。よろしくね!新入りさん。」

夕「私は兵装実験軽巡 夕張。よろしく!」

流「特務艦 流星です!よろしくお願いします。」

吹「この二人は技術班の主任と副主任なんです。」

おお・・・それは今後ものすごくお世話になる人たちだ。

そう考えていると。

夕「ねぇ、ちょっといい?」

突然話しかけてくる夕張さん。

流「?はいなんでしょう」

夕「あなたって確か、ミサイル撃てるんだよね?!」

ミサイル・・・対艦対ミサイルが撃てる、私の唯一の特徴である。

明「お願い!あなたの艤装、ちょっとバラしてもいいかな??」

流「はい、だいじょうb・・・・へ?」

今なんて言った?バラす?バラすっていったこの人?

夕「明石さん、聞きましたか?」

明「ええ、聞きましたとも聞きましたとも!!」

二人の目がシイタケになっている。

流「え、いやあの、ちょ、こ、困りま・・」

明「そうと決まれば善は急げ!早速バラしますよ!」

夕「フフフフ・・・技術屋としての腕がなります!!」

そう言って、どこかに走り去っていく二人。

やばい!どうしよ!!私の艤装がなくなる!!!

流「ふ、吹雪さん・・・ど、どうしましょう。」

顔を蒼くして涙目になる私・・・

吹「あー・・・たぶんあの二人ならバラバラにした後もすぐに組み立てなおして、またいつもの状態にまでできると思うし・・・き、きっと大丈夫ですよ!」

きっとじゃふあんですよぉ!必ずっていってくださいよぉぉ・・・。

そんなやり取りもあったが、工廠を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、出撃ドッグ』ーー

吹「ここは出撃用のドッグ、任務や遠征に行くときは必ずここから出撃します。」

先ほどの精神的ダメージもあり、あまり内容が頭に入ってこない。

吹「それと、こっちの横の建物が艤装保管格納庫で・・・」

流「え!?艤装!!じゃあ今明石さんらはここに?!?!」

艤装保管という言葉に反応する私。すぐにでも明石さんと夕張さんをとめないと!

吹「うぇ?!いや、たぶんあのお二人の事だから、自分用の整備室に持ち込んでこもってるんじゃないかな・・・」

吹雪さんのその言葉を聞いた途端、力なくうなだれてしまった。

吹「だ、大丈夫ですよ。全然心配しなくても問題ありませんよ!」

流「ほんとぉ・・・・」

吹「ほ、本当ですよ・・・」

明後日の方を見ながら慰める吹雪さん。

面と向かって大丈夫と言えないあたり、自身がないんだろうなぁ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、寮』ーー

吹「ここが私たちが寝たり休んだりするための寮です。」

鎮守府本館の真横に併設された、艦娘用の居住スペース。ここで、いろいろな人が寝泊まりしている。

流「あの、私の部屋ってどこになるんですか?」

吹「え?・・・さ、さぁ?司令官からはとくには何も聞いてないですけど・・・。」

え?そうなの?じゃあ私の部屋はどうなるのだろうか。

吹「だ、大丈夫です!空き部屋はいっぱいありますし!後から司令官から指示が出ると思います!」

今度は面と向かっていってくれる吹雪さん。

無かったらなかったで、大問題ですけどね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

吹「後は、訓練所と演習場、資料室だけですね・・。」

まだほかにも部屋はあったっぽいけど。無視してもいいのかなぁ?

そんなことを考えていると。

キーンコーンカーンコーン

突然チャイムが鳴り響いた。

吹「あ、もうお昼ですか。」

どうやら、お昼を示すチャイムらしい。

吹「では、昼食を取りに食堂まで・・・」

吹雪さんが昼食を提案しようとした途端

ピンポンパンポーン

『特務艦流星、特務艦流星。至急食堂まで。繰り返す、・・・・』

呼び出しをされてしまった。

吹「ちょうどいいですね。食堂まで急ぎましょう!」

流「は、はい!」

呼び出しの放送を聞いて食堂まで急いで移動することになった。

 

 




今回、少々長くなってしましましたが。内容は薄いです。
吹「いや、少々って、前回や前々回と比べると2倍ですよ?!それなのに内容が薄いって・・・」
ごめんなさい。妄想を形にするのってなかなか難しくて・・・。
天「ほんと、無計画すぎだぜ。」
さーせん

~オリ艦娘紹介~
病院船 『氷川丸』
氷川丸(ひかわまる)は、日本郵船が1930年(昭和5年)に竣工させた日本の12,000t級貨客船。
1941年(昭和16年)11月末、氷川丸は日本海軍に徴用され、病院船として使用される。 海軍側からは病院長・金井泉軍医大佐(院長当時)、郵船側からは船長・石田忠吉らが乗組んだ。同年12月に横須賀海軍工廠で病院船に改造された。 12月20日、改造完了。 国際法により病院船であることを示すため、船体は白色に塗装、緑色の帯を引き、赤十字が描かれ、夜間はイルミネーションのような電飾を実施した。「白鳥」という愛称があった。
姉妹船「日枝丸」(特設潜水母艦、のち特設運送船)と「平安丸」(特設潜水母艦)が戦没する中、本船は終戦の日を舞鶴海軍工廠で迎えた。
                                 ~Wikipediaより引用~





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第5話「自己紹介」

~前回までのおはなし~
俺「カエレ!!!」
流「目覚まし(んちゃ)・・・砲?」
『特務艦流星、特務艦流星。至急食堂まで。繰り返す、・・・・』


時間は少し戻って

ーー『第十八鎮守府、執務室』ーー

吹雪と流星が通信室ぐらいに居る頃のお話

提「そーいや、響。」

響「司令官、なんだい?」

唐突に響に話しかける。

提「流星の建造に資材以外で何入れた?」

響「・・・・。」

確かに不思議である。

一般的な資材(軍や補給鎮守府から受け取った資材)と開発資材のみで建造、または大型建造をすれば、特務艦(イレギュラー)なんて建造されるはずがない。

つまりは、開発資材+各資材+αをしなければ特務艦なんて建造されないはずだ。

響「・・・・。」

提「黙ってないで、正直に話してみろ。」

響は黙ったまま、机の上の書類を片付けている。

提「うんとかスンとか、なんか返事したらどうなんだ?」

響「スン」

スンって・・・いや確かにうんとかスンとかとは言ったけどさぁ・・・。

ジリリリリン!ジリリリリン!

唐突に執務室においてある電話が鳴った。

響「はい、執務室の響だよ。」

青『どもっ、通信室青葉ですぅ~。第十七鎮守府から通信が来ました。』

響「了解。司令官。第十七鎮守府から電話だって。」

第十七鎮守府・・・ここよりも先に出来た鎮守府。あそこの提督とは、昔から仲が良く。ときたま合ったりしている。

提「わかった。こっちに回してくれ。」

あいつは真面目だから下らない電話はしてこない・・・つまり、

提「・・・第十八鎮守府提督『八谷(はちや)』だ。久しぶりだな」

七『ああ・・・久しいな八谷。第十七鎮守府提督『七塚(しちづか)』だ。』

互いに簡単に挨拶を澄ます。なんか久しぶりに名乗った気がする・・・。

八「どうした?大規模作戦か?」

七『まあ、それに()()()()()()()だ。』

八「似たようなモノ?それってどういう・・・」

七『お前の力を貸してほしい』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーー『第十八鎮守府、食堂前廊下』ーー

放送を聞いてから私と吹雪さんは急いで食堂に向かった。

食堂まではそう遠くは無かったので、すぐ着いた。

吹「あれ?あそこに立っているのは・・・」

吹雪さんのその言葉を聞いて食堂前を見た。そこに立っているのは、

流「提督さんと・・・秘書艦さん・・?」

食堂前に立っていたのは提督と秘書艦の響さんである。あっちの二人もこちらに気づいたようだ。

流「特務艦 流星。ただいま到着しました。」

そう言い吹雪さんと私は提督の前で敬礼をする。

提「おし、来たな。吹雪、君は先に食堂で昼食を取ってくれ。」

吹「はい!じゃあ流星さん。また後で!」

そして吹雪さんは食堂に入っていった。

提「流星。君にはこれからやって欲しいことがある。」

やって欲しいこと?なんだろう・・・

流「はい。なんでしょうか?」

少し不安に思いながらやって欲しいことを聞く。

提「なに、簡単な()()()()をやってもらうだけだ。」

流「じ、自己紹介・・・ですか?」

内容を聞いて、少しホッとする私。というより、さっきまで不安に思っていた私がバカに思えてきた。

提「そう、この艦隊で全員お前のことを知っている訳じゃない。そいつらに、艦種と名前だけでも知ってもらおうと思ってな。」

確かに。この鎮守府に何人いるかわからないけど。まだ挨拶していない人もきっとたくさんいるだろうし。これを機に皆さんのことを知りたいと思う。

提「おし、そいじゃあさっそく・・・」

響「ちょっと待って。」

いきなり止めに入る響さん。

響「流星、君に一つ聞きたいことがある。」

流「はい、なんでしょう?」

さっきのこともあり、今度は軽い気持ちで返事をする。

響「君は、我々の()を知っているかい?」

敵・・・そういえば、まだ知らない。今朝、敵だ敵だとわめいていたのに、私はまだ敵を知らない。

響「その様子だと、まだ知らないみたいだね。」

私の反応を見て響さんはどうやら理解したらしい。

流「は、はい・・・」

響「まあ、昨日建造されたばかりだし、しかたがないね。」

しかたがないとはいえ、ずっと気になっていたことだ。私たちの敵って・・・。

提「おーい、まだか~?」

そう言って、食堂から顔を出す提督。どうやら先に食堂に入っていたようだ。

響「ま、この件は後でどうにかするさ。さ、行こうか」

そう言って食堂へ向かう響さん。私もそのあとに続く。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、食堂』ーー

提「あーあーえーっと、我が艦隊の諸君?聞こえてるかな?」

どこぞのみんなのことが大好きな人みたいな口調で注目を集める提督。

提「みんなの大切な休憩時間を借りて話したいことが2つある。」

ウバッタジカンヲカエスデチィー

提「うるせぇオリョクルすっか?」

オリョクルハイヤデチ!

そんなヤジとのやり取りで笑い声が発生する。

提「話は戻して、まず一つ目。」

そういうと笑い声は止まった。

提「実際に合った奴や、演習した奴、はたまた耳の良い奴から聞いた奴もいるとは思うが、我が第十八鎮守府に新たなる仲間が増えた。」

センダイネェサンヲヤッタコカシラ アササワガシカッタコカナ ヤッターナカチャンノファンガマタフエルー アサノシンブンニノッテタコカナ

ざわざわとした話し声が聞こえる。

提「新しい仲間のことを知ってもらうために、艦種と名前だけではあるがこれから自己紹介をしてもらう。皆、しっかり覚えてやってくれよ?」

そう言って提督は私を手招きした。

私が提督の横まで来るとみんなの視線が全部私に集まった。

ここにいる人が全員だろうか?あ、あの人ら三人服装似ている。あの人キレイだなぁ。等々緊張のせいで色々考えてしまい半分パニックになる私。

そんなとき、横にいた提督が私の背中を軽く押してくれた。

そのおかげではっとなり、自己紹介をしようとした途端に

響「うらー、時間の無駄だぞ~はやくしろ~。」

と、私をあおってくる。その行為に少しむっとしながらも感謝をして、

流「特務艦 流星です!よろしくおねがいしましゅっ!」

・・・噛んだ、

全員「・・・・・・・・」

やめて、静かにならないで。ものすごく恥ずかしい。

・・・パチ・・・パチ

誰かが拍手をしてくれた?

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

誰かの拍手をきっかけに食堂に居たみんなが拍手をしだした。

・・・と思っていたのだが、横で提督がプルプル震えている。

よくよく見ると笑顔ではなく笑い顔の人や笑いをこらえている人、爆笑しながら拍手している人もちらほら見える。

みんな悪い人や怖い人では無い様で少し安心しながらも本当は今すぐにでも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

提「お、おし、自己紹介ありがとな。良い事故紹介だったぞ?」

字がおかしい、字がおかしいですよ提督。

響さんから「じゃ、事故紹介も終わったし、適当に席について」と言われ、少し顔を下に向けながら食堂の端の席に座る。

提「んで、次に二つ目!」

少しざわついている中、提督は話を続ける。

提「我らが敵、『()()()()』がとあるポイントで集結しているとの情報がきた」

その言葉に場の空気が一変して、鋭くなったのがわかる。

提督の我らが敵という言葉からすると、その深海棲艦というものが敵だということは分かったような気がした。

提「まだ詳しい規模、正確なポイントが分からない。ただ近々第十七鎮守府と合同でこの敵連合艦隊を討つということを知っておいてほしい。以上だ!」

ババッ!!!

みんなが一斉に立ち上がり、敬礼をする。私は少し遅れて敬礼をする。

響「じゃ、お昼に戻っていいよ。」

響さんの間の抜けた一言を聞いて、食堂は騒がしくなる。

響「あ、ごめんそのまえに!以下の者は、本日ヒトサンマルマルに執務室まで出頭するように~」

その言葉を聞いて、ほんの少しだけ静かになる食堂。

響「特務艦 流星、駆逐艦 吹雪、正規空母 大鳳。以上、よろしく」

そのことを伝えると、響さんは食堂を出て行った。

正規空母 大鳳さんってどんな人だろう、なんでよばれたのかな?等々考えながら食事をしていると

?「お前か?川内をぎりぎりまで追い込んだっていう新人は?」

突然横に誰かがやってきた。眼帯を見て天龍さんかな?と思ったが服装や髪形、体型等多くの場所が違っていたので天龍さんではない

木「おっと、自己紹介がまだだったな。俺は球磨型軽巡5番艦、『木曾』だ。よろしくな」

流「あ!はい!こちらこそよろしくお願いします!」

木「そうかしこまらなくていいぞ?俺たちは『仲間』なんだからさ?」

?「なにクセェこと言ってんだ?木曾」

また誰かが近くによってくる。今度は先ほど(前話)作戦司令室前廊下であった『天龍』さんだ。

木「あ”?んだよ別にいいだろうが。可愛い後輩にかっこいいとこみせるぐらいさぁ?」

天「だったら戦場でみせろよ。お前この間の戦闘、魚雷全部外したってきいたぜ?」

木「ちょ、バカ!ありゃ太陽の逆光が目に入って狙いが定まらなかったんだよ!それにお前だって、相手駆逐艦のみの編成にもかかわらずお前()()が大破して戻って来たって聞くじゃねぇか!」

天「んだとこの野郎!」

木「やんのか?あ”あ”?」

わたしの目の前で喧嘩になりそうになる。私は慌てふためいてどうしようもなかった

?「もう二人とも、いきなり新人の前で喧嘩はやめなさいよ。」

?「そうですわよ、みっともない。そんな二人に『馬鹿め』と言って差し上げますわ。」

そんなとき、また別の人がやってきた。

衣「あ、あたし青葉型重巡2番艦の『衣笠』。困ったことがあればおねぇさんに相談しなさい。」

高「高雄型重巡『高雄』よ。よろしくお願いいたしますわ」

?「おおっ?喧嘩ですか?記事にしちゃいましょうか??」

あ、この聞いたことがある声は・・・

青「どもっ!先ほど通信室でお会いしましたが改めて自己紹介を!青葉型重巡『青葉』ですっ!」

木曾さんと天龍さんの喧嘩を境に、食堂に居た人みんなが自己紹介に来た。

日「伊勢型航空戦艦2番艦の『日向』だ。もう毎朝さわぐなよ?」

伊「伊勢型航空戦艦1番艦の『伊勢』よ。なになに?日向から聞いたけど、目覚まし砲で一人大騒ぎしたんだって?」

流「だ、大丈夫ですっ!もう騒ぎませんよ!」

綾「あ!あの朝敵だ敵だ~って騒いでいたのは流星さんだったんですか!?・・・あ、特Ⅱ型駆逐艦綾波型1番艦『綾波』です!」

流「うう・・・もう掘り返さないでください・・・恥ずかしいので。」

龍「いんや、もうしばらくはそれでいじられるでぇきみぃ・・・・あ、航空母艦『龍驤』や。」

龍驤さんのその言葉にショックを受けて少し固まる私。

雷「心配しなくても大丈夫よ!この特Ⅲ型駆逐艦暁型3番艦の『雷』様がついてるんだから!」

電「雷ちゃん。流星さんがなんの心配しているかわかっているですか?あ、暁型4番艦『電』なのです。」

暁「そーよ雷!この特Ⅲ型駆逐艦暁型1番艦『暁』というレディがいるんだから!なにも問題ないのよ!」

響「ねえさん。それじゃ答えになってないよ。あ、暁型駆逐艦2番艦『響』だよ。後にロシアに見世物として売り飛ばされて『Верный(ヴェールヌイ)』と名前を変える不死鳥だよ。」

流「な、なんかいまサラっとすごいこといいませんでしたか?!」

長「ま、事実ではあるがな。長門型戦艦1番艦『長門』だ。よろしく頼む」

流「あ、はい!よろしくお願いしまs」

長門さんの後ろの方から、強い視線を感じ一瞬止まってしまう私。

誰のか確認しようとする前に、目の前に誰かが現れた。

それは、私が最初にお世話になった人

川「ドーモ、リュウセイ=サン。センダイデス!」

ナムサン!センダイ=サンだ!手を合わせ、独特な口調でアイサツをするセンダイ=サンだ!

あ、このパターンは・・・咄嗟に昨日の戦闘での出来事をおもいだす。

流「ドーモ、センダイ=サン。特務艦 リュウセイデス!」

目の前のセンダイ=サンと同じく手を合わせ、同じ口調でかえす私。なぜなら、アイサツを返さないのはシツレイなのだから!

神「姉さん。真面目に自己紹介してください。川内型2番艦『神通』です。よろしくお願いしますね?流星さん。」

深々とお辞儀をされ、礼儀正しく自己紹介をする神通さん。

流「あ、ご丁寧にありがとうございます。流星です。今後ともお願いします。」

それにつられて、こちらも深々とお辞儀をする。

川「なによ神通。それじゃ堅苦しいでしょ?私は、もっと気軽に会話ができるようにと思ってさぁ・・・」

那「そうだよおねぇちゃんたちっ!アイドルは笑顔が大事!艦隊のアイドル『那珂』ちゃんみたいにもっとスマイルスマイル!」ニコッ

満面の笑みで自己紹介をする那珂さん。

後ろにいた神通さんが大きくため息をついて

神「姉さん、那珂ちゃん。少しお話があります。」

そう言って、川内さんと那珂さんを引っ張っていき、正座させ、お説教が始まった。

?「さすがは『鬼の神通』怒らせるととっても怖いっぽい・・・」

時「そうだね・・・。あ、僕は白露型駆逐艦2番艦『時雨』。『佐世保の時雨』とも、呼ばれていたよ。」

夕「夕立は白露型駆逐艦4番艦『夕立』よ!よろしくお願いするっぽい!」

吹「こ、この流れは、私も自己紹介する流れね・・・特型駆逐艦『ふb「ちょっと失礼」はうっ!」

吹雪さんの自己紹介を割って入って来たのは、髪は短めに纏めた黒髪のサイドテール。青い袴を身にまとい、こちらに冷ややかな視線を送っている。

しばらくじっとこちらをにらみつける・・・しかし、そんなに恐怖を感じないのはなぜだろう?

そしてしばらくして

?「こら。あまり新人をいじめちゃだめですよ?加賀さん?」

また別の人が先ほどまでこちらに冷ややかな視線を送っていた人にやさしくチョップを入れる。

加「なんですか?赤城さん。私はいじめる気なんて毛頭ありませんよ?」

赤「初対面の人にそんな目でにらみつけられたら怖いですよ。ね?」

突然こちらに話を振られる。

流「え?は、はい・・?」

突然のことで曖昧な返事をしてしまう私。

赤「ほら加賀さん。めっ、ですよ?」

加「ですから、いじめる気はありませんよ。ただ私は、この新人が私たちの足を引っ張らないかどうか心配していただけです。」

その言葉を聞いて、私は下をむいてしまった。

不安が頭の中で増幅していく・・・みんなと歩調を合わせられるのか?敵味方の区別がつくのか?等々色々考えてしまう。

赤「何を言っているんですか加賀さん。まだこの子は建造されて間もないのですよ?誰でも最初はうまくいかないものです。しっかり鍛錬を積めばきっと、この艦隊の旗艦になれますよ。」

その言葉を聞いて、私はハッとした。

そうだ、まだ建造されたばかり。これから頑張っていけばいいんだ!

流「あの!ありがとうございます!!・・・・えっと」

赤「そういえば、自己紹介がまだでしたね。正規空母、一航戦『赤城』よ。」

加「・・・加賀型戦艦『加賀』よ。よろしく。」

流「はい、よろしくお願いします!」

へぇー、二人とも似たような恰好をしているから、てっきり同じ艦種なのかなーって思っていたけど・・・

龍「いや、なんでやねん!加賀!あんたは正規空母やろ!一航戦やろ!」

流「・・・へ?」

え?加賀さん空母?戦艦?加賀さんの隣でプルプル震えている赤城さん。

加「・・・龍驤、あなたもう少しネタというものを勉強することをお勧めします。」

龍「なんでやねん!!」

加賀さんと龍驤さんのやり取りで回りが笑い出す。

加「ハァ・・・もう少し、あなたであs(ゲフン」

え?遊ぶ?遊ばれていたの私?

加「改めて、正規空母、一航戦『加賀』よ。あなたの活躍、期待しているわ。」

さっきの冷たい視線とは変わって、今度はあたたかな視線を送ってくる加賀さん。

?「うむぅ・・・さすがは一航戦。やることがちがうでちぃ・・・」

また別の二人がこちらに近づいてくる。すると髪を一つに縛った水着を着た人が

イ「伊号潜水艦『伊168』イムヤよ。お前をいつでも狙っているわ!」

流「うぇ?!私ねらわれているんですか?!」

?「い、イムヤがこわれたでち?!」

イ「なによ?海のスナイパーと呼ばれてたんだから。こーいう自己紹介もありでしょ?」

?「そ、そうだけどさぁ・・・?ってそのセリフ、大丈夫?」

イ「なにがよ?」

?「いや・・・やめとくでち。」

海の狙撃手(スナイパー)だから、狙っている、なるほど

と、理解していた横で話を進める二人。

ゴ「ゴーヤは伊号潜水艦『伊58』ゴーヤっていうでち。」

流「はい!よろしくお願いします。」

いつの間にか、食堂に居た人全員が私の周りに集まっていた。

そして、自己紹介大会が開かれていたのだった。

夕「さっきもあったけど、この流れ的には自己紹介をするべき!兵装実験軽巡 『夕張』。よろしく!」

明「さっきもしたけど、流れ流れ。工作艦 『明石』よ。」

その二人を見たとたん。私はこの二人に艤装が壊されていることを思い出す。

流「わ、私の艤装!すぐ返してください!!!」

明「心配しなくても大丈夫!もうバラバラにして、図面取ってあるから!」bグッ

流「どこがです?!」

夕「あとは、組み立てるだけね。」

流「うう・・・不安です。」

そんなやり取りをしていると。

?「はいはい!流星さん!吹雪さん!!もうすぐじかんですよ!!」

元気よく名前を呼ばれ時間という言葉で時計を見てみると。ヒトフタヨンゴー。確かに集合時間は近いが・・・。

大「あ、申し遅れました。正規空母『大鳳』よ、今後ともよろしくお願いともするわね」

大鳳さん・・・確かこの人も呼ばれていた・・・。

大「みんなとの自己紹介も終わったし、集合時間もそろそろだから、早く食事澄ましなさい!」

大鳳さんにせかされて、私と吹雪さんは、食事の手を急がせる。

 

 

 




夕「やばい、これじゃあ夕張か夕立かわからないっぽい!」
夕「そうっぽい。これじゃあどっちが何しているかまるで分らない。」
え~ん~じゃあ、こうだ
張「ん?」
立「お?」
よし、これで解決!

~オリ艦娘紹介~
『特務艦 流星』
 作者が勝手に考えた「ぼくのかんがえたさいきょうのかんむす」の一人、とても耳が良く。ヘッドホンからは細かい船の起動音や魚雷の接近からなんでも聞き取れる。おまけに彼女専用の武装、「対艦対ミサイル」を持つ唯一の艦娘。ただそれ以外はただの足の速い重巡となんら変わりない。性格はまっすぐ。ただあまりにもまっすぐすぎたので、よくイレギュラーなことがあるとすぐに混乱することも多々。体型は高雄や愛宕ほど胸部装甲は無いが、そこそこある。
 ゲーム(本家)では、そのマップの敵艦編成を高い確率で見えるようにすることができ、一度だけミサイルを敵艦隊に向けて放つことが可能。


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第6話「出撃」

~前回までのおはなし~
響「スン」
提「あーあーえーっと、我が艦隊の諸君?聞こえてるかなぁ?」
イ「伊号潜水艦『伊168』イムヤよ。お前をいつでも狙っているわ!」


 

ーーヒトヨンサンマル『第十八鎮守府、資料室』ーー

大「ーーー以上が我々の敵、『深海棲艦』の現状まででわかっていることです。」

ここは過去にあった戦術や作戦、敵である深海棲艦の図鑑や兵器図鑑等が置かれている『資料室』

多くの本に囲まれている中、本を読むためのスペースで移動式の黒板を引っ張り出して、正規空母『大鳳』先生による深海棲艦に関する授業が開かれていた。

大「理解できましたか?流星さん。」

流「な、なんとなくですがわかりました・・・・。」

吹「まあ、いきなりこんなにいっぱいの事言われてもピンとこないよね・・・」

流「うう・・・」

突然現れ、世界中の海を制圧したモノ・・・『深海棲艦』、それに対抗できるのは・・・私達古の船の魂を受け継ぎしモノ『艦娘』

そのほかにも、姫や鬼、駆逐級や戦艦級など種類がある・・・。

他にもいろいろ教わったが、情報が多すぎて頭の整理が追い付かない。

大「まあ、百聞は一見に如かず。この後の巡回任務で、うまくいけば会敵しますし、そこで実際に見た方が早いと思います。」

吹「でも響ちゃんもひどいよねー。いきなり『ヒトゴーマルマルから任務に出てもらう』って。」

そう、この授業の後は初の実戦が控えている・・・。

 

ーーヒトサンマルマル『第十八鎮守府、執務室』ーー

時は戻って、昼食を食べ終え、大鳳さん、吹雪さん、私の3人は秘書艦の響さんに呼ばれ、執務室に来ていた。

響「さて、時間も押してるし手短に話そう。流星、君にはこの後すぐに我々の敵である『深海棲艦』について学んでもらう。」

敵・・・そう、私はまだ敵のことを知らない。提督が食堂で話していた内容も、ただただ敵がどこかに集まっているだけ。としか分からない。その敵がどんなに恐ろしいものなのかも全く分からない。

響「そのために、吹雪だけじゃ()()()心もとないからこっちの正規空母『大鳳』を中心にして学んでくれ。」

流「は、はい!わかりました。」

吹「あ、あの~・・・」

響「ん?なんだい、吹雪?」

吹「そ、そんなに私だけじゃ・・・不安です・・・か?」

響「うん不安。」

即答である。吹雪さんの質問に対して響さんはすぐさま答えた。

その答えを聞いて、放心状態になる吹雪さん。そんな吹雪さんをほっといて話を続ける響さん。

響「大鳳、君にはすまないが、流星に深海棲艦についてヒトヨンサンマルまでに叩き込めること全て叩き込んであげて欲しい。」

大「ヒトヨンって・・・1時間半で?!せめてもう1時間くらいほしいのですが・・・」

響「ごめん、流星をすぐにでも戦えるようにしたいからあまり時間がない。それに流星にはヒトゴーマルマルから巡回任務に出てもらうから。」

巡回任務?つまり・・・

吹「しゅ、出撃?!まだろくな訓練もしていないのに?!」

あ、吹雪さんが帰ってきた。

響「訓練なら問題ない。流星は十分に自分の艤装は扱えてる。」

大「戦術や連携は?」

響「それに関しては数しかないさ。」

大「実戦を積んで体で覚えろ・・・ですか」

吹「そ、それじゃあ危険すぎますっ!いくら大規模作戦が近いからって!」

流「わ、わたし・・・やります!」

吹雪さんが猛反対する中、私は声を出す。

流「た、確かにまだ皆さんのことはよく分かってなく、上手く連携を取れるか不安ですが・・・で、でも頑張ります!」

吹「で、でも・・・「吹雪さん!」っつ?!」

大鳳さんが吹雪さんを止める。

大「本人が意志を固めたのですから、それを無駄にしないよう私達で支えてあげましょう・・・。」

大鳳さんの表情が苦々しい。大鳳さん自体、あまり良くは思って無い様だ。

吹「・・・わ、わかりました・・・」

吹雪さんもしぶしぶ許してくれた。

響「よし・・・それじゃ今日のこの後のことを簡単に紙にまとめたから目を通しておいて。」

 

13:00~    『正規空母』←ここ重要 大鳳、吹雪による深海棲艦について

15:00~    ドッグ集合・出撃「巡回任務」   

~19:00    任務終了

終わったら、執務室までまた来てね♡

 

大・吹・流「・・・・・・・・・」

響「よし、じゃあ早速取り掛かってもらうよ。」

色々突っ込みたい、そんな風に思っていると。

大「あ、あの・・・」

響「ん?なんだい。もう解散していいよ?」

大「『正規空母』←ここ重要 って・・・どうゆう意味?」

顔面を引きつりながら質問する大鳳さん。

響「・・・ハァ、そんなくだらないことであまり時間を使いたくないんだけど?まあ、一様答えておこう」

やれやれ、といった様子で話し始める響さん。

響「君の体型、完全に『私達(駆逐艦)』と変わらない、というか()()()()かもしれないだろ?」

その言葉を聞いて、大鳳さんの中のナニカが切れるような音がした。

大「だれがぺったんこじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

急いで吹雪さんと私で大鳳さんを抑える。その時大鳳さんの腕を抱く形で止めてしまったので、私のモノが大鳳さんに当たる。ましてや吹雪さんのモノまで当たる。

大「ああそうですよ!私なんて『海防艦』と同じですよ!駆逐艦にも負けますよこんちくしょう!!!」

二人の大きさを感じて開き直る大鳳さん。心なしか大鳳さんの頭の上に『大破』の2文字が見えたような気がした。

 

ーーヒトヨンヨンゴー『第十八鎮守府、出撃ドック』ーー

立「巡回任務とか・・・つまんないっぽぃ~~」

時「だからって、油断しすぎはよくないよ夕立?」

大鳳さんたちと別れて、すぐに出撃ドックに向かった。出撃ドックの中にはもうすでにほかの人たちが集まっていた。

木「ん?来たか『新入り』。よし、これで全員揃ったな。」

どうやら私を含め5人で巡回任務を行うらしい。

木「よしお前ら!よーく聞け!今回の巡回任務の旗艦を務める雷巡の『木曾』だ!」

ライジュンという聞きなれない言葉に疑問を抱えていると

綾「雷巡とは、『重雷装艦』の略称で、簡単に言えば魚雷をこれでもかと言うほど載せた巡洋艦のことです。」

流「あ、ありがとうございます。えっとたしか…」

綾「駆逐艦『綾波』です。」

流「あ、ごめんなさい。まだしっかり名前覚えてなくて」

綾「大丈夫ですよ。」

木「コラそこ!話聞いてたか?!」

そう言ってこちらを指す木曾さん。

立「ポスィ………ポスィ………」

木「夕立!寝るな!!」

立「ぽ?!敵?!レッツパーティータイムっぽい?!」

時「夕立、まだ出撃もしてないよ?」

木「お前ら緩み過ぎだ!」

そうこうしている間に出撃予定時間5分前になり出撃ドックにビィィィィィと音が鳴り響く。

木「む、もうこんな時間か。各員!出撃!!」

そう言って各々出撃用のレーンへ入って行く。

流「あ、あの綾波さん!」

綾「はい?なんでしょう?」

綾波が6レーンある内の5番レーンに入る前に呼び止める

流「私って、何こ「流星さんは4番レーンみたいですよ?」」

私の質問を聞き終わる前に答える綾波さん。

綾「各レーンの上の方に名前が出ているので、そこを見て何処から出るのか分かるんです。」

よく見ると各レーンの上の方にパネルがあり、そこに『木曾』『夕立』『時雨』『流星』『綾波』の順に名前が表示されていた。

綾「初めてならびっくりするかも知れないですが、落ち着いて出撃してくださいね?では!」

そう言って5番レーンに入って行く綾波さん。

びっくりするって何だろうと思いながらも綾波さんに教えてもらった通りに、上のパネルを確認して、4番レーンに入る。

出撃用レーンの中はとても長細く、横には人三人並べるほどである。入ってすぐ横には六角形の台とそこから真っ直ぐに伸びる水路。台の上には『出撃』の2文字がうっすらと光っていた。

なんとなく、ここに乗るんだろうなと思い、少し戸惑いながらも台の上に水路を向くように乗る。すると台が少し下がり前に出る。前に出ながら大腿部魚雷発射機が取り付けられ、手持ち武器の主砲、観測機発着装置(バックラーのようなものの正体)が出てきてそれを手に装備する。さっきの台が下がって来ているのかどうかはわからないが、だんだん水位が上がって来て、いつの間にか水の上に立っている。それを確認した途端に背中に軽い衝撃が走る。艤装が取り付けられたのだ。そのまま艤装に押されるように徐々に加速していく。物凄い速さで長細い水路を少し目尻に涙を浮かべながら走らされて段々と出口であろう光が見えてくる。辺りが急に明るくなり少し目を細める。ゆっくりと目を開けて前を見て、前方に私以外の人達が集まっているのを確認する。

木「新入り!遅いぞ!」

流「す、すみません!」

木「まあいい。各員!単縦陣!!」

全員「「「「了解!」っぽい」」」

えーと確か単縦陣ってことは……

時「旗艦を先頭にして、そこから夕立、僕、君、綾波の順に並ぶよ。」

流「あ、ありがとうございます」

悩んでいると、綾波さんでは無い黒髪の人、たしか『時雨』さん?だっけ??が教えてくれた。

そのまま、教わった通りの場所に付き、しばらく海の上を走る。

 

 




大「いや、確かに小さいですけど。吹雪さんよりは有ると思いますよ。というか、吹雪さんと同じ位ありますよ!」
【審議中】 ( ´・ω) (´ ・ω・) (・ω・`) (ω・` )
うーん。やっぱり吹雪よりは無いね。
大「ギリィ」
吹「メソラシアセアセ」
木「ま、それよりもこんだけ空いた理由は?」
大「ギリィ」
いやー色々とありましてね。忙しかったんでsうっは!PS4たんのしー!!!(ゲームのダウンロードでデータ容量全部吹っ飛んでPCが使えなくなりました)
木「ハラァキルェイ」

 後半スマホで打ってみました、やっぱPCのほうが楽ですね。
 感想等ありましたら是非とも是非とも


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第7話「戦闘」

~前回までのおはなし~
流「うう・・・」
大「だれがぺったんこじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
立「ポスィ………ポスィ………」


ーー『鎮守府近海』ーー

青い空、白い雲、キラキラと光を反射する海。

木「各員、定時報告!」

立「こちら夕立、異常なしっぽい!」

時「こちら時雨、問題ないよ。」

流「こ、こちら流星、周囲に反応無しです!」

綾「こちら綾波、異常無し。」

最初は少し戸惑った定時報告。何回かやっているうちにうちにほんの少しだけだけど馴れて来た気がした。

立「あ"~ヒマっぼいぃ~すごく暇っぼいぃ~」

時「夕立、油断しすぎだよ。」

木「まぁ、確かに暇だけどな」

綾「しかし変ですね。この辺りはよく敵と出会うことが多いはずですけど···」

流「でしたら、もっと警戒したほうが···」

立「でも暇なものは暇っぼいぃ~」

木「もしかすると、昼に提督が言っていたように敵が何処かに集まっているせいでここら辺に敵がいないのかもな」

そういえば、私の事故紹介の後に提督さんそんな事を言っていた気がする···

そんな事を考えていると()が聴こえた。

何の音だろう?と思いヘッドホンを付け、背中の擬装から細い糸を海の中に入れ、ソナーを展開させる。

「·········」

いくつか聴こえる音、これは···

綾「どうかしましたか?」

突然の呼び掛けに少しびっくりする。綾波さん以外の人たちも私の事を見ている。

木「なんだ?敵でも見つけたか?」

流「あ、いえ···つい先程、何か音が聴こえたもので····」

その言葉を聞いたとたんに、空気が引き締まる感じがした。

時「木曽、確かこの方面に遠征に出掛けてる人たちって···」

木「ああ、()()()な。」

立「とーすーるーとぉー!!」

木「流星、その音について詳しく話せ。」

流「は、はい!1時の方向、このままの速さで進めば10分程で目視可能かと思います。」

綾「数や艦種は?」

流「数は4、艦種についてはまだよく分からなくて···」

時「じゃあ、4つの音のうち、大きい音や小さい音はいくつあるか分かるかい?」

流「ちょっと待っててください···」

時雨さんの質問を聞いて、もう一度()に集中する。

「··· ········」

流「他よりも大きい音が1つ、後は全部同じような音です。」

木「それだけ分かれば十分だ。綾波!」

綾「鎮守府に打電します!」

木「よし!テメェら!戦闘準備だ!!」

立「さあ!素敵なパーティをしましょ!!」

戦闘···その言葉に少し体が強ばる。

昨日のような演習ではない、実戦。

聞いただけでまだ実物を見たことがない、敵。

初めての艦隊戦。

いろいろなことが砲を持つ力を強くさせる。

海を滑る足を重くさせる。

額に汗がにじみ出る。

私以外の人たちはやる気、殺る気に満ちている。 

いろいろなことを思い、不安になりながらも隊列を治し、敵に向かって舵をとる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

木「弱い。弱い弱い弱すぎる!!!」

木曽さんのその言葉と同時放った砲弾は敵に見事命中。そのまま敵は炎を上げながら海中に沈んで行く···

時「今のが最後みたいだね。」

立「むぅ、まだまだ撃ちたりないぃ~」

綾「夕立ちゃん落ちついて···」

流「····」

敵は話や資料で見た、『軽巡へ級』を旗艦とし『駆逐イ級』で編成された水雷戦隊。

そこまで怯える必要はない。

筈なのに私は何も出来なかった。

砲を撃つ機会は何度もあった。

魚雷だって、撃とうと思えば何回でも撃てた。

それなのに。

目が合ったとたん、砲を向けたとたんに、

身体が言うことを効かなくなった。

頭では、撃て、沈めろ、当たる、イケると指示が出ていたのだが身体がその命令を受け付けない。

たぶん、頭では自信が有ったのだが、身体は···

 「···い?おーい。流星??」

流「ふ!?ふぁい!?私が流星でしゅ?!」

時「ち、近くに他に敵がいないか調べて欲しいんだけど···だ、大丈夫かい?」

流「へ···?あ、はい!今調べてみます!」

時雨さんの呼び掛けで我に返り、急いでソナーを展開する。

時「うーん···」

綾「どうしたんです?時雨ちゃん」

立「流星のこと心配してるっぽい」

木「なんだ?被弾でもしたのか?」

時「いや、そうじゃないんだ。さっき声をかけたとき凄く不安そうな顔をしてたからちょっと気になってね。」

木「そうか??」

綾「というより、夕立ちゃんよく分かったね?」

立「うん。時雨のことなら何だって分かるよ!例えば、昨日トイレで「ゆうだち?」はいごめんなさいなんでもないです」

綾(なんだろ···うーん気になるっ!)

流「私が分かる範囲では、周囲に敵と思われる反応はありません。」

ソナーを仕舞いながら調べた結果を知らせる。

木「よし!任務に戻るぞ!」

木曽さんの号令を聞いて、隊列を組んで移動する。その間、敵と出会うこと無く鎮守府にたどり着いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーヒトキュウサンマル『第十八鎮守府、執務室』ーー

コンコンっとノックをする音が聴こえた。

響「どうぞ」

入室を許可する。

入ってきたのは···

木「失礼する。重雷装艦『木曽』、入るぞ。」

流「失礼します、特務艦『流星』入ります!」

木曽と流星だ。

そのまま木曽は司令官に今回の任務について報告を始めた。流星は····

流「·····」

その場で立ち尽くしている。

響「流星、君はこっちだよ。」

私に呼ばれ、こちらに移動してくる。あのまま呼ばなかったら···あ、そっちの方が面白かったかも。

流「あ、あの···」

響「任務お疲れ様。どうだった、初めての敵は?」

その言葉を放ったとたん、少し目線を下に反らした。

少し沈黙が続いたが、流星が口を開いた

流「私は····」

響「ま、多分その様子じゃ、()()()()()()()()()()()ってことが分かるけどね。」

流「ううぅっ···」

図星を付かれたからか、少し唸って今度は顔を下に向ける。

響「ま、今回は初めてだったし、多目に見ておくよ。でもこれだけは覚えておいて。」

流「····」

響「次、君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える。」

流「!!」

その言葉を放ったとたんに流星は目を丸くし、唇を噛みしめた。

その後、流星の部屋の鍵を渡し、「今日はお疲れ様。もう休んで明日に備えてね?」と言って、流星を下がらせた。

提「『次、君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える』か···なかなか怖いこと言ったな」

響「フフ怖?司令官フフ怖ー?」

提「いや別に。ただある意味、それは納得したと思っただけだ。」

響「だろう?秘書艦としての威厳を取り戻せたかな?」キリリ

提「まあな、今まで-500位のが、さっきのセリフで+100ポイント、そして最後のドヤ顔で-100ポイントかな?」

響「結局-500ポイント!?」

そんな下らない会話と笑い声が、執務室に広がった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『入渠ドック』ーー

流「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ····」

建造されて初めて入るお風呂。

周りを見ると、解放時間なせいか、多くの人で賑わっていた。

流「·······」

響さんから言われた一言。

『次、君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える。』

その言葉が頭から離れない。

ご飯のときも今もずっと離れない。

もしかして、私····

流「ふにゃぁ!?」

背後から急に胸を揉まれ変な声を上げてしまう。

青「この重さ!このサイズ!これはまさに、戦艦級!!!」キリッ

後ろにいたのは青葉さん(だったはず···)

流「ちょ!いきなりなにするんですかっ!!」

青「取材ですよ取材。あなたのことを知りたい人はまだまだたっくさん居ます!その人たちに

 代わって私が色々見て聞いて触ってあなたのことを記事にして、少しでも分かって貰い、

 もっと知りたいと思うようになってもらうためです!」

な、なるほど···青葉さん(だったよね···)の熱弁についつい納得してしまう。

青「というわけで、次はお尻の方を···ブッ!?」

手をわきわきさせてこちらに近づく青葉さん(でもういいよねあってるよね···?)を風呂桶で沈める

衣「青葉姉····あんたは毎回毎回新入りに変なことしすぎ···」

青葉さん(であってたよ···)を沈めたのは衣笠さん(つぎはこっちだよ···)

衣「ごめんね?うちの姉が迷惑かけちゃって」

流「あ、いえ!大丈夫でふにゃん!?」

響「確かにこれは···戦艦級!!!」

次に揉んできたのは響さん(こっちはわかる···)

響「だがしかーし!この人の超弩級オパーイには程遠いなぁ!」

そう言い放ち、立ち上がり手をヒラヒラして紹介する

響「見よ!重巡でありながらどこぞの正規空母を圧倒的に凌駕する!このサイズをぉ!!」

湯煙の中から二つの風船をゆらゆら揺らしながらこちらに来る人、それは!!

響「超弩級おっぱい型重巡、『高雄』さんd」

高「誰がおっぱい型重巡よ!」

響さんが言い切る前にげんこつをかます高雄さん(しょうかいされたからわかる···)

時「でも本当に大きいよねぇ」

流「し、時雨さんまで何を言うんですか···」

そんな風におっぱいの話題で盛り上がる入渠ドック。そんな中、嫉妬と殺意がこちらに向いて放たれていることに気がついた。

その方向を見るとそこには···

響「流星、あっちをみるんじゃあない。あれは()()()()()()()()よ。」

響さんに言われて見るのをあわてて止めた。というより、一瞬チラッと見えたが、ものすごい形相をした3人がそこにはいた。

暁「···私も大きくなったら、もっと大きくなるかな?」

電「電は毎日牛乳のんでいるから大丈夫なのです。」

雷「どうだろうね····」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時「で、どうしたんだい?任務からずっとうつむいてばかりいる様だけど?」

時雨さんに言われて、さっきまで考えていたことを思い出す。

すると自然に顔が下を向き、水面に写った自分と目が合う。

時「あ、ごめん。辛い事だったら無理に話さなくてもいいよ?」

衣「なに?悩み事?」

流「あ、いえ。たいしたことじゃないです···」

そういって湯壺から出ようとしたとたん。

響「逃げるのかい?」

響さんに言われて、足をとめる。

響「まぁいいよ。今は海の上じゃないし。好きにするといいさ。でも···

                   次海に出た時、今の君では仲間が沈むだろうね?」

またあの言葉が頭の中でループする。

恐怖。沈む。私のせいで。誰かが。仲間。だったら私は····

ザバァァァァァァァ

流「うひぃい!?」

頭から急に冷たい水を浴びせられる。

身体が急に冷えたのですぐに湯壺に入る。

 「悩み事が有るのなら、話した方がすっきりするし、何かアドバイスが貰えるかもしれんぞ?」

そういって隣に座ったひとは、

日「それに、何があったのか気になって夜眠れなくなるやもしれん。」

航空戦艦の『日向』さんだ。

流「···」

日向さんに言われて今思っていることを全て話してみた。

~かくかくしかじか まるまるうまうま~

日「ふむ···なるほど」

時「何も出来なかった···かぁ。」

衣「響ちゃんも重たいこと言うわねぇ」

響「秘書艦の威厳を出してみた」キリッ

話終わった後、少しだけだが気が楽になった気がした。

時「でも、別に何も出来なかったわけではないと思うよ?」

流「でも、戦闘中、敵を見ても何も出来なかったんですよ?」

時「というより、血の気が多い2人が暴れ回っていたし。そのお陰で僕も全然撃ってないよ?」

日「それに聞けば、流星が先に敵を見つけることが出来たから、スムーズに勝つことができたのではないか?」

時「そうだよ。」

衣「それに今回の戦闘が初めてだったわけでしょ?だったら大抵そんなもんよ?」

皆から励まされているが、やはりあまり納得しない。

響「それに、執務室で言った言葉、よく噛んで理解してみてよ。」

衣「あー、『君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える。』って言葉?」

響「そうそう。」

流「噛んで理解って、そのままですよね?私が怯え動けなくなったら、他の仲間が犠牲になるってことですよね?」

響「甘いね」

時「確かに」

衣「甘い」

日「砂糖のようだな。」

全員が口をそろえて甘いと言った。

なんだか納得いかなくて、少し頬を膨らませる。

響「誰も()()()()()()()()()()とは言ってないよ?」

流「···?どういうことですか?」

日「そうだな。例えば長門。」

突然の長門さん

日「あいつは時たま素手で敵を殴り沈める。」

····へ?

時「僕の場合なら夕立。この間チ級の首に噛みついて沈めたところをみたよ。」

いやいや?へ?

時「噛みついた理由が、『お肉と間違えたっぽい?』だって。」

どこをどうして間違えるんだろう。

衣「あたしの場合は夕張。」

なんだろ。擬装でもバラバラにされたのかな?

衣「ちょっとヲ級が調子にのってかどうか知らないけど。急に胸を張ってさぁ、」

···あ(察し)

衣「そのとたん、夕張走り出したと思ったらヲ級の顔面をパンチしたんだもん。」

····うん。

響「私の場合は電かな?」

うーんと、確か栗色の髪を後ろで縛っている人だっけ?

響「電にどっきりとしてクリーム砲を撃ち込んだときだけど」

何してるんだろこの人。

響「ちょうどその時機嫌が悪かったらしくてクリーム砲を撃ち込んだとたん。頭に錨(怒り)を下ろされた」ナンチテ

「「「「····」」」」

響「····とまぁ、こういった様に、仲間に恐怖することだって有るんだ。」

あ、この人今無かったことにしようとした。

日「それに、一度だけ動け無かったからってそれがどうした。」

時「そうそう。次のチャンスで巻き返せばいい。」

衣「小さな失敗したから何よ?その失敗を糧にすればいいのよ!」

響「お昼に赤城に言われたでしょ?『誰でも最初はうまくいかないものだ。しっかり鍛錬を積めばきっと、この艦隊の旗艦になれる』ってさ?」

確かに、私はまだ建造されてから1日しかたっていない。全然鍛練もなにも積んでいないのにめげてどうする。

幸い、まだ私のせいで居なくなった人はいない。まだまだ私にはチャンスがあるんだ!

流「皆さん!ありがとうございます!お陰で吹っ切れた気がします。」

そして湯壺から出たとたん。目眩で倒れてしまった。

どうやら逆上せてしまったらしい。

結局、その日の夜も医務室ですごしてしまうが。とても気持ちよく眠れた気がした。




流「長い!1日が長いよ!?」
えーっと、流星建造から初日終わるのに3話、そしてバカみたいに騒いで始まった1日が4話かけてやっとおわったね。
流「いらない部分多すぎじゃないの?!」
そんなことはないよ?それにこの日がいろいろ有りすぎたたけだしさ?
青「そして、嫉妬と殺意を放つ3人組の正体とは?!」
流「もうやめて!その話はやめて!!」
張·龍·大「ギリィ」

感想、誤字脱字報告是非とも頼みます。
次回ちょっと時間が飛びます。


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第8話「打ち合わせと言う名の集合」

~前回までのおはなし~
立「あ"~ヒマっぼいぃ~すごく暇っぼいぃ~」
響「次、君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える。」
日「あいつは時たま素手で敵を殴り沈める。」


ズイウゥゥゥゥン ズイウゥゥゥゥン

流「んぅぅ···」

妙な音で目が覚める。

音の正体は昨日日向さんからもらった目覚まし時計『時雲(じいうん)』だ。

流「これ···こんな怖い音出すんだ···」

そう呟きながら時計を止める。

チャッカン!!

いろいろと突っ込みたいけど、そこは少し我慢しよ···

ーー『寮、流星部屋』ーー

流「········」

まだ頭がボーっとしている。

私が建造されてから、かれこれ5日が経った。

あの初めての出撃以降何度も出撃したが、結局敵と交戦したのはあれっきり。私以外の人は何度かは敵と遭遇、戦闘しているらしい。

戦闘をしたいかしたくないかと聞かれたら、したくない。

でも、やらなくちゃ誰かが死ぬのなら。私は迷わず砲を撃つ。

···つもりだ。

まだ確証が出来ないのは、頭ではそう考えているが、心がどうなのかまだ分かっていないからだ。

流「って、そんな考えじゃ、ダメだよね。」

寝起きのせいで、ネガティブな考えばかりしてしまう。

そう、これは寝起きだから暗い気持ちになっているのだ。うむ。

?「····、········!!」

誰かの叫び声が聞こえる?

ふと、時計を見るとマルロクサンマル。

確か今日の当番って····

長「てぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

ドォォォォォン!ドォォォォォン!!

1日の始まりを告げる砲音が鳴り響く。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『執務室』ーー

響「司令官、出来たよ。」

そう言って、机の上に丸められた紙が置かれる。

その紙を手に取り、広げる。そこに書かれていたものは。

愛宕と高雄が紐に近い水着の格好で、大きくm(これ以上は黙秘します。)

提「·······」

響「司令官?どうしたんだい?」ニヤニヤ

そう言われて、ハッとなる俺。

提「呆れて少し言葉を失ったぞ。響」

そう、呆れて言葉が出なかったのだ。

呆れて言葉が出なかったのだ!(ここ重要!!)

響「あそ。ま、()()()()()()みたいだし良かったよ。あ、こっちが本物の方だよ。」

そう言って、机の上に丸められた紙が置かれる。(part2)

その紙を今度はゆっくりと広げる。

広げきり。ゆっくりと目を通す。

提「上出来だ。ありがとうな。響」

そう言って、響の頭を撫でる。

少しくすぐったそうにしながらもにへらと笑う響。かわいい。

提「よし、あいつに連絡して、打ち合わせするか!」

そう言って執務室に置いてある電話を取ろうとしたとたん。

響「···始まっちゃうの?」

響が不安の顔でこちらを見ている。

提「なに、心配することはない。仲間に無理をさせること、仲間を殺すことは絶対にしないしさせない。」

響「···ほんとうに?」

ゆっくりと頷く。頷いた俺を見て、少し安心したのか、いつもの響の顔に戻った。

それを確認して、俺は受話器を取り、通信室に繋げた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『鎮守府近海』ーー

高「皆さん!もう一息です!油断せず頑張りましょう!」

日が西に傾いている。今日も敵との交戦なし。

そう考えながら鎮守府に帰る途中。今回の編成は、高雄さん、吹雪さん、綾波さんと私、流星。

吹「今日も何事もなくおわったねー。」

綾「やっぱり平和がいちばんですよねー。」

高「はいはい!まだ鎮守府に着いていないのだから油断しない!」

吹·綾「「はーい」」

流(平和ダナー···)

そんなことを考えていると

「··········」

音が聞こえた。

流「!!皆さん!少し止まってください!!」

急いで停止。そしてソナーを展開する。

「·············」

吹「た、確かここ。鎮守府に近いし、遠征から帰ってきた人たちじゃないの?」

流「え?約20隻位いるんですけど?」

綾「だ、大艦隊じゃないですか?!」

高「ほ、方向と艦種は!?」

流「え、えーっとぉ····」

もう一度、耳を澄ます。すると妙なことに気がついた。

流「あ、あれ?高雄さんがいる?」

吹「···え?」

綾「た、確かに高雄さんならここにいらっしゃるけど···?」

流「そ、それに天龍さんに···長門さん?あ!木曾さんが二人も??」

高「···まさか?」

聞こえてくる音で聞いたことのある音がいくつかあった。

高「とにかく、通信してみましょ。」

吹「うぇぇ!?も、もしかしたら敵かもしれないのにですか?!」

高「この間提督仰っていたでしょ?『第十七鎮守府と敵艦隊を討つ』って、だから多分、大丈夫よ。」

そう言って通信を始める高雄さん。

高「そこの航海中の艦隊、聞こえていますか?私は第十八鎮守府所属、高雄型重巡洋艦『高雄』と申します。貴女方の所属と目的を述べてください。」

そう高雄さんが言い終えると。

流「こ、此方に一人向かってきます!」

猛スピードでこっちに向かって誰かがやってくる音がソナーから聞こえてきた。

吹「ふぇ!?」

綾「どどどどうしましょう!?」

吹「おおおおちおちおちち落ちつくズラ!?」

高「吹雪、あなたが落ちついて。」

遠いけど、確実にこっちに向かってくる水飛沫が見えた。

高「ああ、やっぱり。」

姿まで見える距離になり、こっちに来る人の姿が見えた。

服装は、高雄さんと同じ、髪は金色、そして大きいオパーイ。

その人は手をブンブンふりながら近づいてきた。

?「()()()()()()()()!!」

高「相変わらずね。()()

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

提「·····なあ。」

?「なんだ?」

提「お前んとこに連絡したのって、今日の午前だったよな?」

?「正しくはヒトマルフタサンだな。」

提「細かいのはいいよ。でさ、俺『打ち合わせするぞ』って言ったよな?」

?「ああ、言ったな。」

提「じゃなんでお前んとこの娘みんなここに連れてきた?!」

?「全員ではない。俺のところの防衛用に何人か残してきたさ。」

提「それでも何で陸奥やら扶桑、飛龍とかこっちに呼んだんだよ!」

?「どうせ近々呼ぶのだし、別にいいじゃないか?」

提「こっちの準備ってものがあるだろ!?」

?「なんだ?はっちゃんのところ、余裕無いのか?」

八(第十八提督)「はっちゃん言うな!いや、余裕とか云々の話じゃねえよ!」

?「安心しろ、こちらの分の物質はしっかり持ってきた。」

八「いやだーかーらー!」

?「それに、飯の準備ならしっかり手伝うよう指示してある。」

八「手際良すぎ!いやそーぢゃねーよ!」

?「ただ、気になることがひとつ。」

八「···なに?」

?「あいつらの寝床、有るか?」

八「そーいうところの準備期間をよこせゆーとるやろがい!」

?「あ、それと。」

八「···今度はなに?」

?「俺、いつまでシークレットキャラにされるの?」

八「メメタァ!!」

ーー『第十八鎮守府、応接室』ーー

あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!

七(第十七提督)「俺☆登場」

今日の午前に第十七鎮守府に『打ち合わせするぞ』と連絡した結果、第十七鎮守府提督『七塚 東次郎(しちづか とうじろう)』のみではなく、彼が保有している艦娘達全員(本人いわく、何人か残してきたらしい)連れてきた。

八「いやさ?俺のプランだとさ?作戦を立てて、準備して、みんな揃えて、作戦開始にしよーかなーって思ってたんデスガ?」

七「そんなゆっくりしていて大丈夫なのか?」

八「大丈夫だ。問題無い。」

七「カミは言っている。その間に敵が来るであろうと。」

八「···まあ、今日はもう遅いし、部屋はなんとかしてみるさ。」

七「当然だな。」ドヤァ

八「···」イラァ

応接室の扉がノックされる。

響「失礼するよ。空き部屋の数のチェックに準備出来たよ。」

七「うむ、感謝する。響さん」

八「どれぐらい空いていた?」

響「確認してみたところ、十七の人達全員分の部屋はあったよ。ただ···」

途中で言葉を切る響。

八「なんだ?何かあったのか?」

七「···ふむ、『七塚司令の部屋の準備が出来なかった』といったところかな?」

響「···申し訳ありません。」

七「なに、謝る必要は無いさ。いきなり来た私達に非があるのだからな。」

そう思うなら、事前に連絡しろ。

七「いや、私の感が言っているんだ。()()3()()()()()()とね。」

八「?!」

響「?それってどういう···」

七「あと3日以内に敵艦隊を倒さなければ、被害は深刻になる。」

その言葉で、応接室の空気が氷ついた。




七「ほー、俺のフルネームって、七塚東次郎ってのか。」
作っている途中でてけとーに着けたので、深い意味はない。
八「んじゃあ俺は?」
んー···八谷···あー···
八「んな?!無いの?!」
いやある!今作る!だからまって!!
七「ちなみそ、俺の名前に深い意味はないって言われたけど、一様『十七』って事を記してあるぞ。」(『七』塚 『東(十)』次郎)
八「おいまだかよ?」
八谷···じゅう、とう、てん···!
命名、『八谷 天馬(はちや てんま)


感想、誤字脱字報告があれば作者がゲッダンします。


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第9話「制限時間」

~前回までのおはなし~
流「これ···こんな怖い音出すんだ···」
吹「おおおおちおちおちち落ちつくズラ!?」
七「あと3日以内に敵艦隊を倒さなければ、被害は深刻になる。」


ーー『第十八鎮守府、応接室』ーー

七「あと3日以内に敵艦隊を倒さなければ、被害は深刻になる。」

その言葉を聞いて、一度時間が停止したかのような感覚にとらわれる。

何度も何度も頭の中で繰り返される七塚の言葉。

何分、何秒たったのかはわからないが頭が急にフル回転しだす。

八「!?響!この付近に誰かいないか確認しろ!」

俺の命令でやっと響の頭も動いたようだ。命令を聞いて直ぐに応接室から頭を出して応接室前廊下に誰かいないかを確認する。

響「だ、誰もいないと思うよ。」

八「そうか···七塚!テメェもう少し場所を考えて冗談を言えよ!」

七「安心しろ。誰もいない時に言ったのだ。そしてこれは()()()()()()。紛れもない()()()。」

八「···まじかよちくしょう。」

響「し、司令官?そんな根拠もない戯言信じるの?」

響が不安そうな顔で聞いてくる。

確かに、初めて会った人なら「なんだこいつなにいってんの?」「ああ、イタイやつか。」と思って終らせるだろう。だけど俺は七塚(こいつ)のこの直感が外れた所を見たことがない。良いことも悪いことも全てだ。

だからこいつが真顔で言う冗談みたいなことも本人が「真実だ」と言ったことは実際に起きる。

八「響、悪い。こいつの勘が外れた事って今まで一度も無いんだ。」

響「そ、そんな···しかし!」

七「だから、早いめに作戦立てて、とっとと敵連合艦隊潰すよ。」

八「···わかっt「でももう今日は眠いし、明日な。」なんでやねん!!」

七「いやだって、眠いし。こんな頭じゃいい作戦も思いつかないだろ?」

八「いやいやいやいや!?ちみ言ったよね?あと3日しかないって?だったら余計急がねぇと時間足りないぞ?!」

七「昔のエロい人の言葉で『急いては事を仕損じる』と言うだろ?」

八「エロい人じゃねーよ。偉い人だろーがよ。」

七「(おとこ)はみんなエロいんだっ!」キリッ

響「それより、あと3日ってことは、もう1日過ぎてるからつまりは···」

七「ん?ああ。それなら安心したまへ。()()()()()()()()から。」

八·響「···は?」

七「いやね。俺の直感では、『あと3回日が落ちるまでに方をつけろ』って感じたのだよ。」

その言葉を聞いたとたん、俺は七塚の顔面にアイアンクローを決めていた。

響「司令官、落ちついて餅ついて。時間が無いことには変わりないんだし。」

八「ま、まあ確かにな。」

響に言われて手を離す。

七「と、とりあえず。今日は俺もう疲れたし。今後の作戦は明日の俺達に任せてさ?今日はもう御開きにしよや?な?」

まるで自分の家にいるかのように指揮をとる七塚。もっかいアイアンクロー決めてやろうかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『執務室』ーー

七塚の提案を呑んで御開きにし、あいつは響の案内で用意された部屋に向かった。

しばらくしてから、執務室の扉からノックが聞こえる。

八「どうぞ。」

響「響だよ。七塚司令の案内終わったことを報告にきたよ。」

八「ん。ありがとな。」

そう言って残っている書類を片付ける。

少ししてからふと顔を上げると、響がずっと執務室入口に立ったまま、俯いていることに気づく。

八「どうした?響?」

響「いや、何でもないさ。」

そう言いながらもずっと下を向いている。

俺は書類を切りのいいところまで片付けてから立ち上がり、響の、『Верный』の頭を撫でた。

八「不安か?」

響「···うん。」

八「そうか···。」

響「資材的に、まだ作戦を実行するのは早すぎて不安だよ。」

八「いやそっち?!仲間や姉妹を失うかもしれない方じゃなくて!?」

響「?なんでだい?」

八「いやなんでって「司令官さ、」?」

響「司令官言ったよね?『仲間に無理をさせること、仲間を殺すことは絶対にしないしさせない』って。」

確かに言った。その記憶はまだ新しいので覚えている。

響「だからさ。その言葉を信じているから、そっちの心配はしないさ。」

八「そっか···」

響「だからさ司令官、私のわがままを聞いてほしい。」

八「···なんだ?」

響「私を···いや、第六駆逐隊に遠征の任務を命令してほしい。」

そう言って、真っ直ぐこちらを見つめる響。

八「···あえて理由は聞かないでおくよ。」

響「じゃあ··!」

八「ああ、特三型暁型駆逐艦『暁』『Верный』『雷』『電』の四隻で明日マルキュウマルマルより、『資源輸送任務』を遂行せよ!」

響「了解!」

そう告げると敬礼をし、返事をする響

八「すぐに他三人にも伝えに行ってくれ。そして、明日のためにもう休んでもいいよ。」

そう言うと、敬礼から直り回れ右をして執務室入口を向き、執務室から出ていく。

響「···ありがとう」

そう言い残して。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「・・・・ ・・・・・・・・・・」

・・・誰かの声が聞こえる・・・。

そう思い、重い瞼を懸命に開ける。

しばらく視界がぼやけているが、段々とピントが合ってくる。

目を開けるとそこは、()()()()

見知った男の顔(七塚)があった。

七「・・・やあ、おはよう。はっちゃん」

・・・とりあえず、目覚めのアイアン・クローを一発かました

ーー『提督私室』ーー

長「て、提督よ、もうその辺にしておいた方が・・・」

八「ん?長門か。おはよう。」

そう言いながら、七塚(バカ)の顔面をがっちりつかむ。

八「あれ?そーいや響は?」

そのままの状態で長門に問いかける。

長「響なら、私に秘書官代行を命じて30分前に遠征に出かけたが?」

・・・は?

八「・・・長門、今何時だ?」

七「今はもう10時だぜ?お寝坊さん」

長門の30分前という言葉に驚いて力が抜けてしまったのだろう。七塚が答える。

八「ん、ありがとなっ!!」

そして、また力を加える。

陸「ま、まあまあ落ち着いてください。八谷指令。」

七塚の所の陸奥に言われて手を放す。すると何かを思い出したかのようにハッとする七塚。

七「八谷!お前昨日の夜伝えたこと覚えているかっ!!」

昨日の夜?たしか・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は戻って夜。

七「やあ、はっちゃん遊びにk「カエレ!!」」

時刻はもう午前2時を過ぎていたころに唐突に来る客人。

七「あーごめんよはっちゃん。ただし、伝えたいことがあるのだ。入れてくれ。」

その顔はとても真剣な顔だったため、俺は・・・

八「断る」

断った。

七「ナンデッ?!普通は今の流れだと入れるだろう?!」

八「おめーのその手に持っている大袋はなんぞ?」

そう言って七塚の左手にぶら下がっている袋を指す。

七「何ってお前・・・酒だが?」

八「真面目な話するんなら手ぶらで来いよ!酒持ってくんなよ!!」

七「む。すまん。柿の種(ワサビ味)持ってくるの忘れていた。」

八「いやそーぢゃねーっつの!!」

七「まーまー。とにかく入れろ。重いのだから。」

という下らないやり取りが続いたが、結局俺が折れて部屋に招きいれた。

七「さて、俺の言いたいことは一つだけだ。」プシュッ

八「真顔で缶を開けるな。」プシュッ

七「明日・・・というより今日か。誰も海には出すな。」

その言葉を聞いて、俺も真面目になる。

八「・・・何故だ?」

七「俺の直感が言っている。『出撃は控えよ。明日は誰かがキエル。』とな。」

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時は戻り今

俺は夜のやり取りを思い出し、長門に大声で命令する。

八「長門っ!!今すぐ出撃任務中の艦隊に通信!現在遂行中の任を放棄し直ちに帰還せよ!」

長「り、了解した!」

俺の圧に驚いてか、理由も聞かず部屋を出ようとする長門。しかし、

青「提督!大至急報告することがあだっ!」

扉を開けて入ってくる青葉と部屋を出ようとする長門が衝突。青葉が吹き飛ばされた。

長「青葉かっ!ぶつかってすまないが、至急通信を頼む!」

青「は、はい!ってそれよりも!提督!」

八「どうした!?」

嫌な予感がする。背筋に汗が走る。

青「巡回任務中の艦隊より通信!『我、敵ト交戦。結果、流星大破、意識不明』とのこと!」

い、意識不明?!一体敵はどんな編成で?!

青「それと・・・」

青葉が言葉を続ける。

青「遠征任務中の第六駆逐隊の反応がロスト!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『鎮守府近海』ーー

青葉に通信が届く前のこと。

流「魚雷!来ます!!」

今回の編成は、天龍さん、吹雪さん、時雨さんと私である。

天「方向と数!」

流「正面より3発が2回!」

現在、敵と交戦中。

時「・・・!見えた!」

そう言って砲を2回放つ時雨さん。

二発とも各真ん中の魚雷に命中し、大きな水柱を上げる。のこった魚雷は私達を通り過ぎていく。

吹「お見事です!時雨ちゃん!」

天「こりゃあ敵は雷巡だな。」

時「しかし、こんなにも正確な魚雷。絶対どこかにほかの敵がいるね。」

吹「だね。それに雷巡一隻だけなんておかしい。流星さん!ほかになにか聞こえませんか?」

言われるまでもなく懸命に音を聞き分ける。すると、先ほどとは別の方向より「ガコン」という音がした。

流「!!後方より魚雷装填音!」

天「なにっ?!後ろだと??」

流「さらに、前方でも装填音感知!」

吹「は、挟まれた?!」

時「・・・流星!後方の魚雷装填音って深さどれぐらいかわかる?」

”深さ”というあまり考えたことがなかったことについて時雨さんから問われる。

流「ええと・・・あっ!!」

時「やっぱり。」

流「ご、ごめんなさい。」

時「まだ2回目の実戦だし、次からはそこも視野に入れて考えよう!」

そう言いつつ。魚雷を目で確認して落していく時雨さん。

天「な、なんだ?どういう事だ??」

吹「敵は雷巡だけではなく、潜水艦もいるってことです!」

流「敵潜水艦の位置を確認!後方100m!」

時「吹雪!」

吹「了解!」

敵潜水艦の場所をすぐに聞き分けて通達すると、時雨さんと吹雪さんは駆け出した。

流「!各方向より魚雷!後2、前5の2回!!」

二人が駆け出したと同時に、敵の魚雷が発射された。

私と天龍さんは前からくる魚雷を破壊、大きな水柱が立つ。

しばらくすると、後ろで一際大きい水柱が立つ。

吹『こちら吹雪!敵潜水艦の撃破に成功!』

吹雪さんからの通信で、少しホッとする。

そのせいか、はたまた魚雷の爆発音、潜水艦の爆発音に紛れていたせいかもしれないが、

私に魚雷が一本近づいていたことに気が付かなかった。

目で見て、耳で聞こえた時には時すでにもう遅し。

魚雷が爆発、大きな水柱が立つ。

それにより、私は後ろに転倒。

天「流星!!」

流「だ、大丈夫です!」

幸い、ダメージは少なかった。そしてその時、とある音が聞こえた。

流「・・・!て、天龍さん!!今までに聞いたことのない大きな駆動音が2つ!」

天「何?!」

立ち上がりながら天龍さんに伝えるとあたりを見渡しだす。

時「何かあったのかい?」

吹「流星さん!大丈夫ですか?!」

時雨さんと吹雪さんも合流。二人にもすぐにさっき聞こえた音について話した。すると

天「・・・まじかよ」

天龍さんがつぶやく。

天龍さんと同じ方を見ると、両腕に黒く大きな艤装を持つ黒い深海棲艦・・・『戦艦ル級』だ。

天「ル級か・・・お前ら、まだ余裕あるか?」

時「まだまだ弾薬、および燃料に余裕はあるよ。」

吹「わたしもまだm「ッシャア!行くぜ!!」はうっ?!」

天龍さんを先頭に三人がル級に向かって突撃しようとする。

流「距離良し、着弾地点合わせ、1番及び2番準備良し・・・」

私はミサイルを打ち上げようとしていた。

天「お?お前ら少し待て!」

天龍さんが二人を止める。

時「おお・・・これが噂の・・・」

吹「あの川内さんを追い詰めた攻撃・・・」

三人の目線がこっちに集まる・・・

少し緊張しながらも、私は号令をかける。

流「第1番及び2番、発射!」

ポコン

・・・

・・・・

・・・・・あれ?

天「ど、どうした?」

時「ま、まさか・・?」

吹「ふ・・・不発?」

ゆっくりと三人を見る私。

流「・・・」ダバー

何故だか涙が止まらない。

天「あ~ほら、泣くな、泣くなって!」

吹「そうですよ!誰にだって失敗はあるんですから。ね?」

流「うぅっ・・・どうせ私なんて、私なんてぇ・・・」

二人に慰められる私。惨め。

時「・・・あれ?さっき『ポコン』って音がしたよね?」

時雨さんが何かに気が付いたように聞いてくる。

時「つまり、一様発射されたってことなんじゃあ・・・」

時雨さんのその言葉を聞いて突然二人は離れていく。

流「わ、わぁ~~~?!?!待って!まってくださいぃ~!?!?」

天「うるせぇこっちくんな!」

吹「流星さんありがとう!私は決してあなたのことは忘れないよ!!」

流「勝手に殺さないでください?!」

そんなやり取りをしているうちに、敵戦艦はこちらに向けて発砲してきた。

天「うおっ?!もう敵がこんな近くにまで?!」

吹「ど、どうします?!こっちには爆弾が一人いますし・・・」

時「流星!戦艦ル級に向かって『とっしん』だ!」

流「私に死ねと?!もう皆さん私の扱いひどすぎます!!」

そう言いながら、ミサイル発射管の1番と2番を外し、手に持ちながら怒る。

天「なんだそれ?」

流「問題の1番と2番です!」

吹「すぐに捨ててぇ~!!」

時「いや!それもって『とっしん』だ!」

時雨さん・・・いや、時雨を睨む。

睨まれて時雨は「冗談に決まっているじゃないかアハハハハ」と笑っている。

天「いや、そりゃいい案だな!」

今度は天龍を睨む。

天「いや、特攻じゃなくて···」

そう言いながら藪から棒に私のミサイルを持ち···

天「コイツをル級に投げつkうおっ!?重っ!」ボトン

上げられず海に落としてしまう。

それを見た私達は、一目散にバラバラにその場から逃げ出した

しばらくすると、大きな爆音と共に水柱が立ち上がった。

それを見てル級二隻は少し驚いたような様子を見せた。

天「へへっ!お前ら!巻き添え食らいたくなけりゃここは一旦、ぬおっ!?」

天龍さんが言葉を言いきる前にル級二隻は発砲。そのまま砲撃戦が始まった。

だがそれもすぐに終わる。なぜなら、鈍い音と共に片方のル級の()()()()()()()だ。

敵味方問わずその場にいた全員が驚いた。

?「ぴょーん。ボールがどっかに消えちゃったぴょん。」

いつの間にか、私達の後ろにピンクの髪に三日月型の髪飾りを着けた小さな女の子が立っていた。

?「まいっか。もーひとつあるし、サッカーするぴょん!」

そう言いながら海面を蹴り。ル級の下まであっという間に飛び込み、

?「シュートぴょん!!」

ル級の頭を蹴る。

鈍い音が広がり、後から遠くで『ポチャン』と音が聞こえた。

?「あーあ。ボール()()()()なくなっちゃったぴょんねぇ····ん?」

天「····」

吹「あ···うわ···」

流「····」

時(···黒···)

全員その場で黙って女の子を見ている。

?「いやー、そんなに見つめられると照れちゃうぴょん♡で、おねーさんはどこぞの誰ぴょん?」

天「お、俺は第十八鎮守府の『天龍』だ。増援感謝するぞ。」

吹「あ、わたしは「あ、後の二人はいいぴょん。」はうっ!!」

?「うーちゃんが知りたいのは、そこのおねーさんぴょん。」

そう言って私を指す。

卯「はじめましておねーさん。うーちゃんは『卯月』ってゆーぴょん。おねーさんの名前はなーに?」

流「と、特務艦 『流星』と言います。」

卯「とくむかん?なにそれ?」

時「いわゆる、『イレギュラー』ってことさ。」

時雨さんの説明を受けて「ふーん。」と適当な反応をする卯月さん。そして、一度口角を大きく上げると。

時「?!」

時雨さんのお腹に一撃。そのまま時雨さんは気を失い、前のめりに倒れる。

吹「···へ?」

天「時雨っ!!ガッ!!!」

次に天龍さんの顎を蹴り上げる。少し宙を舞い仰向けに倒れる。そのまま動かなくなる。

流「天龍さんっ! !!吹雪さん右へ走って!!」

吹「···へ?···右?」

突然の事で戦意を無くしぼーっとする吹雪さん。その吹雪さんの後頭部に卯月さんの手が近づく。

卯「ぴょーん。うーちゃんの動きについて行くとは、さすが特務艦(イレギュラー)ぴょんねぇ」

そのまま、吹雪さんの顔面を海面に押し付ける。

吹「ガボボボッ!!ガッ!!グボッ!!!」

卯「でも、指示する相手がこれじゃあ意味ないぴょんねー。」

もがき苦しむ吹雪さん。

流「ふ、吹雪さんから手を離して!!」

私は卯月さんに砲を向けながら叫ぶ。

卯「····」

流「はやくっ!!」

卯「········」ニィ

流「早く手を「撃てよ。」!!!」

卯「警告なんて無意味ぴょん。だったらとっとと殺してしまう方がいいぴょん。」

そう言って、ゆっくり手を離す。だが、吹雪さんはもう動いていない。

そんな吹雪さんを海面から顔が出るように蹴る卯月。

卯「あ、そーか。おねーさん()()()だから生き物に向かって砲がうてないんでしょ?」

流「!?」

卯「現にほら。震えてるね?」

そう言って一瞬にして私の左腕を握る卯月。そしてそのまま···

卯「誰であろーが、敵は直ぐに殺しちゃったほーが、身のためだぴょんよっと!」

左肘を反対の方へ曲げる。

流「あああああああっ!?!??!?」

鈍い音と共に身体中に『痛い』と言う信号が駆け巡る。その信号と共に、頭からいくつかの命令が発せられる。

そして、その信号は一つになり、体に流れ、行動になる。

殺せ、ころせ、コロセ!!!

いつの間にか、砲を卯月に向けている。

卯「おっほー♪そんな目でにらみつけられちゃうとぉ♪うーちゃんはぁ♪」

そう言って今度は右腕を掴みにくる卯月。しかし私は無意識にそれをかわす。

卯「こわしたーくって!避けるのかぴょん!」

砲の先が卯月を捕らえる。そして、引き金に力を加え···

流「···くぅっ!!」

卯「ぴょん?」

なかった。なぜだか加えることができない。

相手が同類だから?相手が女の子だから?殺したくないから?

卯「···あーあ、びびっちゃったぴょんね。」

びびる···その言葉と共に思い出す。

響『次、君が恐怖したとたん。必ず誰かが海に消える。』

卯「んじゃ、そんなビビりなおねーさんにうーちゃんからプレゼント~」

そう言って、今度は確実に右腕を掴む。

卯「まずは、『痛み』ぴょ~ん」

右肘を笑顔で逆に曲げる卯月。

流「あああアアアっ!!!」

卯「次に、この『()()()()()()()』ぴょ~ん」

そう言って、ポケットから何かの薬品が入った注射器10本を私のポケットに入れる。

卯「これすごいよ~?()()()()()()()()()なれるぴょん~」

私の顔色なんて知るものかと言わんばかりに勝手に物事を進める。

卯「さぁーて、これが最後のプレゼントぴょ~ん。」

そう言って、私の頭を両手で持つ。

卯「これはぁ~『痛み』ぴょん♪」

そう言って、私の首を横に曲げる。

鈍い音と共に、意識が遠退く。

卯「あ?パパ?命令どーり···し········」

意識が消えた。

 

 

 




卯「う、うーちゃんはこんなことするキャラじゃないぴょん!!」
はい、卯月ファン及び嫁の方々ごめんなさい。
ル「ワレワレノ扱イモ酷クナイカ?」
うるせぇル級てめえ等敵だから別にいいだr
ル「ヨクナイ!」
アッハイサーセン。
とゆーことで、更に酷い展開が今後とも出てきます。ごめんなさい。

戦争だもの、恨みっこなしだよね···

感想、誤字脱字やらなんやらかんやらいつでも待っています。舞っています。


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第10話 「仲間」

~前回までのおはなし~
響「···ありがとう」
青「遠征任務中の第六駆逐隊の反応がロスト!」
卯「警告なんて無意味ぴょん。だったらとっとと殺してしまう方がいいぴょん。」

※Warning!※  グロ描写、狂描写注意。次の区切りまでのスキップを提案

・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・OK?








GO・・・


流「・・・ふぇ?」

気が付くと真っ暗闇で私は立っていた。

どこを見渡しても暗い黒い世界。誰もいない、段々と不安になってゆく・・・。

そんな中、突然白い髪の小さな女の子の姿が見えた。たぶんあれは・・・

流「ひ、響・・・さん?」

秘書艦の響さん?と出会った。

流「響さん。ここ何処ですか?」

響?「・・・」

流「みんなは何処なんですか?」

響?「・・・・」

流「あ、あの~・・・・」

響?「・・・・・()

流「は、はい?」

突然、ボソッと何かを言い出す響さん。

響?「・・・撃て、流星」

流「えっ・・・・」

その言葉は段々と明確になる。

そしていつの間にか、右手は砲を握っていた。

その砲を見て一瞬心臓が大きく跳ねた。

?「撃て、流星」

流「!!」

その一瞬で回りに十八のみんなが突然現れた。

撃て、撃て、撃て、撃て、撃て・・・・・・・・

皆が皆、口をそろえて撃てと言う。そしていつの間にか・・・

流「ル級に・・・卯月・・・?」

卯月を先頭に2隻のル級が現れた。そのとたん

天?「殺せ、流星」

天龍さんから唐突に発せられる言葉。するとみんなの言葉も変わる。

殺せ、ころせ、コロセ、ころせ、ころせ・・・・・・

すると唐突に、背中に重み、左手に細長い物の感覚が現れた。私の頭は瞬時に何か理解した。

背中のは艤装で・・・左手には()()()

流「へ・・・何・・・これ・・・嫌っ!!!」

すぐにでも逃げたい、でも足が動かない。

耳を塞ぎたい、でも手が言うことを聞かない。

嫌だ・・・嫌だ・・・

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!!!

卯?「あ~あ、とっトと殺しちゃエバ良かったノニ」

卯月のその言葉が聞こえたと思ったら、目の前で赤いものが弾ける・・・

そして白いモノ・・・()が足元に転がる・・・。

流「あ・・・・ぅわ・・・・」

すると周りでどんどん赤いモノ・・・人が破裂していく。

その血は私の服を、手を、顔を、砲塔を染めていく。

流「あ・・・ああ・・・」

目を瞑りたい、でもなぜか目が閉じない。

気持が悪い、体が震える、いやな汗が出る。

響?「りゅう・・・せい・・・」

目の前に()()響さん・・・

響?「何故・・・だい・・・」

しかし、その体は無く・・・頭だけ・・・

響?「何故・・・コロサ・・・ナイ・・・?」

流「うわあああああああああああああああああアアアああああアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああアアアアアアあ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

  (りゅ・・せ・・・)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

天「流星!おい!!」

氷「流星ちゃん?!落ち着いて!!」

流「ああああああああアアアアアアアアアアア!!!!」

天「クソッ!!こうなりゃあ!!!」

唐突に頬に強い痛みが走り、正気に戻る。

患者衣が体に張り付く。ベッドのシーツがくしゃくしゃで濡れている。

息が荒い、心臓が早く強く鳴っている。

天「流星、大丈夫か?」

氷「酷くうなされていた様だけど・・・」

流「てん・・・りゅう・・・さん?ひ・・かわまる・・・せんせ・・い??」

呼びかけられて、二人の顔を見る。とても心配そうにこちらを見ている。

そして周りを見渡す・・・。ここは・・・

ーー『第十八鎮守府、医務室』ーー

流「ここは・・・鎮守府・・・?」

頭がうまく回らない。

氷川丸先生が触診を終えると同時に思い出したかのようにハッとなる。

流「天龍さん!時雨さんは?吹雪さんは?卯月は?どうやってここまで?私の服は?!」

急に頭が回転し始めたせいで逆に混乱する。

天「お、落ち着け。順に話す。まず卯月だが、俺が気が付いた時には伸びてる時雨に息が浅い吹雪、両腕が変な方向に曲がっているお前が転がっていただけで影も形も無かった。時雨と吹雪は呼びかけりゃすぐ気が付いたんだが、お前はなかなか起きづじまい。さらには吹雪は気が付いたはいいが意識が薄く、なんかやばそうだったからお前ら二人唯一無事の俺と時雨で鎮守府(ここ)まで運んで来たんだよ。」

流「そ、そうですか。すみません、ご迷惑をかけてしまい・・・。」

天「気にするな。目ぇさましてよかったぜ。」

?「失礼します。」

時雨さんが医務室に飲み物を持ってやってきた。

時「あ!流星起きたんだ!よかったぁ・・・」

流「心配かけてごめんなさい」

時「ほんとだよ、入渠中もずっと目を覚まさなかったし・・・。あ、はい天龍、イチゴ牛乳。」

そう言って、ピンクの紙パックを天龍に渡す。

時「流星も何か・・・飲ませて大丈夫ですか?」

氷「ええ、診たところ特に問題はないし大丈夫よ。でも、お酒とか炭酸系の刺激の強いものはやめて頂戴ね。」

時「だって。何か要望はある?」

流「えっと・・・じゃあ、お茶で。」

時「了解。ちょっと待っててね。」

そう言って時雨さんは医務室から出て行く。

ふと思い出したかのように聞いてみる。

流「吹雪さんは大丈夫ですか?」

天龍さんがその言葉を聞いて少し下を見る。

そしてゆっくり立ち上がり、横へ移動、隣のベッドが見えるように移動する。

隣のベッドをみて、私の心臓が大きく跳ねあがり、鼓動が早くなる。そこに寝ていたのは

流「吹雪・・・さん?」

呼びかけてみてもピクリとも動かない。

記憶がよみがえる。

卯月によって溺らされていたことの。

私が会話ばかりして助けなかったことの。

私が・・・卯月を撃てなかったことの。

流「ごめん・・・なさい」

涙があふれる。息が苦しい。

流「ごめんな・・・さい。吹雪「呼んだ?」・・・ふぇ?」

顔を上げて、もう一度吹雪さんを見てみる。そこには、

明るい笑顔で座っている吹雪さんがいた。

流「あ・・・ああ・・・!」

吹「あ、オバケじゃないよ?しっかり足も生えてるし。」

ほら、といって布団をはがし足を見せてばたつかせる。

流「よ・・よがった・・・」

それをみてさらに涙があふれる。

流「あたしの・・・せいで、吹雪さん、死んじゃったんじゃ・・・ないかって・・・」

涙としゃっくりがとまらない。そんな私を吹雪さんは優しく包み込んだ。

吹「よしよし・・・私はちゃんといきてるよ・・・」

そんなやり取りの横で笑顔で「目の下にかゆみ止めの塗薬をぬってもよいかしらぁ?」と聞く氷川丸先生と「すんません悪ふざけしすぎました」と正座で謝る天龍さんがいたことなんてわからなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

天「よし、落ち着いたか?」

あれからしばらくたち、時雨さんからもらったお茶を飲み干すと、唐突に天龍さんが聞いてきた。

流「は、はい。だいぶ落ち着きました。」

天「お前に聞きたいことが2つある。1つは、俺が気絶してから、何があった?」

天龍さんが真剣な顔でこちらに聞いてくる。

流「天龍さんが襲われて、すぐに吹雪さんが襲われました。天龍さんと時雨さんは一発で気絶させましたが。吹雪さんの時は顔を海面に付けて無理やり溺れさせていました。」

そのあとも、卯月との出来事を細かく話した。

私が・・・砲を撃てなかったことも。

時「僕が気絶してから・・・そんなことが・・・」

天「なるほどな・・・その時にもらったのが()()か・・・」

そう言って私の服が置いてあるところから長細いモノを取り出した。

天「()()については卯月はほかになにか言ってなかったか?」

そう言って取り出したのは、卯月から無理やり渡された()()()

卯月いわく、『つよくなる薬』らしい。

流「いえ・・・『打てば打つほど強くなる』としか・・・。」

天「そうか・・・とりま、提督にこのことを報告に行ってくる。」

流「はい・・・あれ?もう一つの聞きたいことって?」

天「ん?ああ、この薬の事だったんだが。もう十分聞いたから大丈夫だ。」

そう言って、医務室から出て行く天龍さんだったが・・・

ゴォォォン!

そのすぐ直後に倒れるなんてだれがおもっていたのだろうか・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

?「も~天龍ちゃんったら、慌てんぼさんなんだからぁ~♪」

そう言って笑顔で看病するのは、紫がかった黒のセミロングヘアーで頭の上に謎の輪っかが浮いている人。

時「もう、なんで扶桑と山城は艤装付けて館内歩いてたんだい?」

?「いえね?こちらの明石さんに艤装のメンテナンスを頼んでいてね?」

?「終わったって聞いたから、取ってきて部屋で管理するために装着して帰ってたらね・・・」

時「もう!ここは十七じゃないんだか、艤装の管理は各自の部屋じゃなくて艤装専用の格納庫にしまうんだよ?」

?「いや・・・私たちの艤装って大きいでしょ?だから他の人の・・・特に十八の人の艤装入れるスペースがなくなるんじゃないか心配で・・・」

時「君たち2人の艤装が入ったくらいじゃいっぱいにはならないよ・・・もう」

そう言って、艤装からして戦艦の人2人を叱る時雨さん。

ちなみに、天龍さんの代わりに吹雪さんが報告に向かいました。

?「時雨ちゃんったら、久しぶりに会えたからはしゃいじゃってるはねぇ~」

そう言ってさっきまで天龍さんの看病をしていた人がこっちに来た。

龍「どぉ~も、私は天龍型軽巡洋艦2番艦の『龍田』よぉ~」

流「あ、初めまして。特務艦 流星です。」

龍「とくむかん?聞いたことがない艦種ねぇ?」

時「簡単に言ってしまえば、イレギュラーってことだよ。」

説教が終わったらしい時雨さんがこっちの話に混ざってきた。

時「流星、紹介するよ。僕の昔からの仲間の『扶桑』と『山城』」

扶「初の日本独自設計による超弩級戦艦、『扶桑』です。」

山「同じく、扶桑型戦艦2番艦、『山城』です。」

時「それで、扶桑、山城。この子がイレギュラーの『流星』だよ。」

流「どうも、特務艦 『流星』です。」

時「流星はすごいんだよ。ミサイルを発射できる()()()んだ。」

流「いえ!実際に撃てますよ?!」

時「え?でも今回おもいっきり失敗していたじゃないか。」

流「あ、あれはその・・・たまたま艤装が壊れてて・・・」

扶「まあまあ、流星さんも、たまたまその時不幸だったってこと、ですよね?」

山「全く、時雨、あなたのそういうところはよくない癖よ?」

そう言いながら笑顔で話しをする三人。

この三人を見ていると、本当に仲がいいんだなぁって思う。

そんな時だった・・・

ピンポンパンポーン

『以下の者は作戦司令室に集まるように。航空戦艦 『伊勢』『日向』『扶桑』『山城』駆逐艦 『時雨』『夕立』『朝潮』『荒潮』。繰り返す・・・』

山「あら?何かしら?」

扶「時雨、ここの作戦司令室って、」

時「十七と変わらない所にあるよ。」

扶「では、すぐに向かいましょう。」

時・山「「了解」」

そう言って、三人は医務室から出て行った。

 




流「最初の方・・・だいぶひどい内容ですね・・・。」
気分を害してしまった人、本当にごめんなさい。
天「なぁ、不幸担当って本来ならあの不幸姉妹じゃブベラッ!!」
山「ああ・・・同じ人に二回もぶつかってしまった・・・不幸だわ・・・」
山城さんは怒らせるととてつもなく怖いイメージですよねぇ。


感想、誤字脱字、質問募集中・・・
評価の所に☆1つあってものすんごくニヤニヤしてるこの頃です♪


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第11話 「作戦準備」

~前回までのおはなし~
流「・・・ふぇ?」
時「あ!流星起きたんだ!よかったぁ・・・」
扶「では、すぐに向かいましょう。」


ーー『第十八鎮守府、会議室』ーー

天龍が轟沈(ごちーん)するちょっと前。

八「・・・。」

七「・・・なぁ、はっちゃん?」

八「・・・。」

七「お前・・・無理して「ねぇよ」・・・そうか。」

八「それよりも、今は目の前のことに集中しろ。」

そう言って、机の上に広げられている2枚の海図を睨みつける。

片方が七塚の所で作った海図でもう片方がここで作った海図だ。

八「敵の進行方向と思われるのは、第十八鎮守府(うち)と思っていいんだな?」

七「あ、ああ・・・交戦記録から見て、お前の所と敵の部隊が多く戦っているしな。」

八「・・・。」

七「・・・なあ、はっちゃん。おまえやっぱ「くどい」・・・すまん。」

八「まだ第六駆逐隊も、流星も轟沈とは聞いてない。だからまだ、希望を持てる」

といっても、不安なものはやっぱり不安。

捜索隊を出そうにも、木乃伊取りが木乃伊になる可能性がある。更には、今日も含めてあと3日で何とかしないといけない時に、無駄な資源を使いたくない。

だからと言って六駆の四人を見捨てる事なんて絶対したくない。

だからまずは、この目の前のでかい壁をさっさとぶち壊す。

八「・・・。」

七「・・・。」

八「なぁ・・・。」

七「・・・どうした?」

八「いい案・・・ない?」

七「・・・そっちこそ、はよなんか考えろや。」

さっさとぶち壊したいのだが、なかなかいい作戦が思いつかない。

八「だったら、単縦陣で一気に突っ込んで・・・」

七「お前・・・殺す気か?」

八「いや、ごめん。なんでもないっす。」

この一大事の時なのにバカみたいな冗談を言っていると、突然会議室のドアをノックする音が響く。

俺はその音に対して。

七「今忙しい、カエレ!」

八「なんでやねん!!誰だ!!入れ!!!」

入るよう促すはずだったが、ふざける七塚。

ゆっくりと扉が開きそこから顔を出したのは・・・

吹「えっと・・・し、失礼・・・します?」

おどおどした表情を見せる吹雪。

七「ん?どうした吹雪君?早く入ってきたまへ」

キリリとした表情で今度は七塚が入ることを促す。

二人の提督(バカ)から許可が下りたことを確認して、入室する吹雪。

八「それで、どうした?」

吹「はい、先ほど流星さんが目を覚ましました。」

八「!!・・・そ、そうか・・・起きたか・・・!」

吹雪からの報告を受けて、少しだけ笑みがこぼれる。

それと同時に一つ疑問が現れる。

八「そういえば、天龍はどうした?流星が目を覚ましたら天龍が報告にくるよう聞いていたが・・・?」

そう聞くと、吹雪は苦笑いをしながら目をそらす。

吹「天龍さんは・・・その、山城さんと衝突して、今は医務室に・・・」

そう吹雪から言われ、軽く肩を落とす俺。

七「む?山城・・・?お前の所のか??」

八「おめぇのところのだよ!」

七「そうかそうか!ならば後で賞でもやるか。『ぶつかったで賞』でもな!ハハハ・・・・」

くそ寒いことを言い笑っていると、突然うなじを抑え真顔になる。

俺が「大丈夫か?」と聞こうとする前に、ハンドサインで「大丈夫だ」と伝えてくる七塚。

そして少し顔を下げ、眉間に皺を寄せる。

七「なぁ、八谷・・・」

八「お、おう?どうした、唐突に・・・」

七「()()()()()()()()ってのを考えたんだが・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『作戦司令室』ーー

時「お、遅くなりました!!」

息を切らしながら入ってくるのは白露型の二人。『時雨』と『夕立』。

放送が終わり、なかなか来ない夕立を探しに行ってくれた時雨。

七「うむ、ちなみに夕立君。遅れた理由はなにかな?」

立「ポイっ!寝てました!」ケイレイッ

七「うむ、素直でよろしい!では、席についてくれ。」

いやよくねぇよと思いながらも時雨と夕立が席についたことを確認する。

八「よし、ではこれより『敵連合艦隊迎撃作戦』の()()()の役割を説明する。」

そう言うとここにいる全員の目の色が変わる。

八「君たちには航空戦艦2隻、駆逐艦2隻で隊を作ってもらい、敵集結地点を大きく左右に迂回し敵艦隊の後方より攻撃を開始、殲滅してもらう。」

伊「え?!私達だけで敵艦隊を潰すの?!」

日「伊勢、落ち着け。我々は陽動をかけるだけだ。」

七「まあ、陽動というより挟撃だな。真正面から艦全員で敵を殲滅する中、君達は後方より敵を殲滅するってことだ。」

朝「なるほど、敵は2方向からの攻撃に混乱し、一瞬かもしれないけど動きが鈍り、そこを徹底的に突く。ということですね。」

八「そういう事だ。君たちは明日、マルゴーマルマルより出撃、ヒトフタマルマルまでにこの地点まで到達、合流してほしい。」

そう言って、黒板に張り出されている海図を指し棒でたたく。

七「そして、こちらから合図を送るので合図の後、攻撃を開始してくれ。」

荒「ちなみに、その合図とはなんですかぁ~?」

七「む・・・詳しく決めてなかったな・・・どうする八谷?」

八「ん?・・・『各員、奮励努力せよ』でいいんじゃないのか?」

立「なんか、ちょっと古臭いっぽい。」

荒「そしてあじけないわねぇ~」

時「提督・・・君には失望したよ・・・」

八「おめぇらそれでも軍艦か!?」

俺の提案に大半の者達は不評を訴える。

七「ここはやはり・・・『イスラエルニトルネェドスピィィィン』ってのは?」

八「どこのキー〇ードクラッシャーだ?!」

伊「お、それでいいんじゃない?」

日「アリだな!」bグッ

朝「いいと思います。」

なんでや!なんでそんなパクリがいいんだよ!!しかもなぜ日向は木曾の真似してるんだ!

山「いえ・・・提督!それじゃだめよ!!」

よかった、真面目なやつがいてくれて・・・。

山「ここはやはり!『扶桑おねぇ様万歳!!』で行きましょう!!」

真面目な奴なんていなかったよこんちくしょう。

七「まあ、おふざけはこの辺にして。合図は『第49艦隊、陣形崩れる』だ。」

扶「なんだか・・・不吉な言葉ね・・・。」

八「おまえ・・・そーいうのはあんまり・・・」

七「まあ落ち着け。確かに”4”やら”9”やら不吉な数字に”崩れる”とかあまり戦場で聞きたくない言葉だが。だからこそ敵にバレにくいのだよ。」

確かに、敵に通信傍受されても後方艦隊のことは悟られにくいし、敵はその”崩れる”という言葉に反応するかもしれない。

七「とまぁ、合図も決まった。時間も決まった。あとは編成だが・・・」

七塚が編成を言う前に、手を挙げる者が一人。

七「・・・発言を許可。どうした、()()?」

ゆっくりと椅子から立ち上がるのは、扶桑型戦艦『扶桑』。

扶「はい・・・今回の作戦。私の様な「今回の作戦は、」?」

扶桑が意見を言いきる前に答えだす七塚。

七「今回の作戦は、足の遅い早いや、運の有無は関係ない。それに君達航空戦艦はとても優秀だ。戦艦としての大口径砲を装備し、かつ航空母艦又は水上機母艦に準じた航空機運用能力を有する軍艦。それが君達、『航空戦艦』だろ?」

そう言って、まっすぐ扶桑を見る七塚。

七「・・・頼りにしているぞ。扶桑。」

その言葉が決め手となったのか、扶桑の顔は少し紅潮し頷き、座る。

伊「アツいねぇ・・・」

日「アツいな・・・。」

時「アツいね・・・。」

立「お鍋食べたいっぽい」

荒「あらあらぁ~♡」

朝「窓を開けましょうか?」

皆が皆口をそろえてアツいアツいという中・・・

山「ワタサナイワタサナイワタサナイワタサナイワタサナイ・・・・・」ブツブツ

一人爪を噛みながら黒いオーラを出す者が一人・・・。

八「よ~し、砂糖吐き出す前に、今回の編成を言う。」

その言葉で、全員が背筋を伸ばし真剣な顔になる。

八「まず右回りは、旗艦『伊勢』とし、『日向』、『朝潮』、『荒潮』。左回りは旗艦『扶桑』とし、『山城』、『時雨』、『夕立』。この編成で臨む!」

編成を言いきると各々のメンバーが顔を合わせる。

八「お前たち、全員必ず戻ってこい!敵前逃亡しても構わん。だから必ず戻ってこい!!以上!各員解散。作戦開始時刻まで待機!」

バッ

俺の最後の一言の後、全員が立ち上がり敬礼をする。

七「必ず・・・帰ってこいか・・・。」

八「?何か言ったか?」

七「いや、何もないさ。」

俺の隣で寂しい顔をし、うつむく七塚。

 

 

(「すまない・・・・」)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『大議堂』ーー

時雨さんたちが呼ばれてからしばらくして。放送で全艦娘招集の指示があった。

今ここには私が所属している第十八鎮守府の人達以外にも、第十七鎮守府の人達もいる。

初めて見る顔が多く、少し緊張する。

そうして大議堂の隅で立っていると

?「あら?あなたはたしか・・・」

茶髪の少しボブカットで頭に角?のカチューシャを付けた人がこちらに気が付いた。どことなく長門さんに似ている・・・

流「は、はい!特務艦 流星です!えっと・・・」

陸「長門型戦艦2番艦『陸奥』よ。第十七鎮守府の秘書艦を任されている者よ。」

流「え?!失礼しました!」

陸「気にしなくていいのよ。まともに話したの今が初めてだし。」

長「む?陸奥!七塚指令が呼んでおられたぞ~!!」

突然、長門さんが陸奥さんを呼び出す。

陸「あらあら、呼び出されちゃった。流星さん?もしよかったら後でお茶しましょ?」

流「あ、はい!ぜひとも!」

陸「フフッ、ありがと。それじゃあ、後でね。」

そう言ってステージの脇にむかって歩いていく陸奥さん。

その後ろ姿をぼーっと見ていると。

?「流星さ~ん!そろそろ整列ですよ~!」

そう言われ。周りの人に誘導されつつ場所につく。

 

 

八「・・・各隊の編成は以上!最後にこれだけは言っておく。敵を深追いするな。よく自分を見て行動しろ!諸君らの命を捨てるのはいまではない!これからもない!!諸君らが優先すべき命令は、『帰って最高の笑顔をする』ことである!!以上!!!」

バッ!!

大議堂での今回の作戦の概要を聞き終え、全員が敬礼する。

私の所属は『主力攻撃隊』に任命された。メンバーは、旗艦『長門』さん、『陸奥』さん、『吹雪』さん、『綾波』さん、『夕張』さん達である。

『主力攻撃隊』・・・その名の通り、強力な火力で敵を殲滅する艦隊・・・果たして、私にその隊で任を果たせるのだろうか?

また撃てなかったらどうしよう。

また見てるだけだったらどうしよう。

また・・・恐怖してしまったらどうしよう。

色々なことを考え、不安になる。卯月との戦闘を思い出し、胸が苦しくなる。怖くなる。

その時、なぜかスカートのポケットに手が行ってしまった。

カランという軽い音がする。卯月からもらった(押し付けられた)あの()()()が入っていることに気が付く。

『射てば射つほど強くなる』

まだいまいちその言葉の意味が分からない。

いくら筋力が上がったって、頭が撃つことを否定しては意味がないのでは?

だいたい、筋力が上がっても砲の威力が変わるわけでもないし・・・。

そんな風に考えている時だった。

?「何か悩み事?」

突然呼びかけられてドキッとする。急いでポケットから手を放し。声の主の方を見る。

陸「さぁ。行くわよ。」

声の主は、陸奥さん。陸奥さんの先には、長門さん、吹雪さん、綾波さん、夕張さん。『主力攻撃隊』の人が集まっている。

陸「団結力や各々の得意分野を再確認するために。みんなでお茶することになったのだけど・・・大丈夫?」

流「は、はい!大丈夫です!!」

陸「そう、良かったわ・・・じゃあ行きましょ。」

そう言われ。少し不安を残したまま。6人でいろいろ話合いをして、その日を過ごした。

 




ハァ・・・ハァ・・・ま、まにあったぁぁぁぁ・・・
赤「ギリギリですね。」
加「え?不定期更新だから別に期限とかないのでは・・・?」
いや、なんとな~く月に3話更新みたいな流れになっていたから・・・
加「ならば、『鎮守府』から離れて、『母港』や『S09地区』に行かなければよいのでは?」
加賀さんおだまり!!
赤「それと、この『もしドラ』っていうタイトルは何かしら?」
赤城さんまって!それだしちゃらめぇぇぇぇぇ!!!


感想、誤字脱字等あれば作者のテンションという名の棒がサイズアップします。
台風24号で笑顔が見れなくなる人が出ないことを大きく望みます!!


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第12話 「作戦開始」

~前回までのおはなし~
七「今忙しい、カエレ!」
立「お鍋食べたいっぽい」
陸「さぁ。行くわよ。」


ーー『寮、流星部屋』ーー

流「・・・」

時計が鳴っていない。それなのに目が覚めてしまった。

緊張と不安のせいでずっと眠りが浅かったようだ。

流「4時45分・・・」

目指し時計を見ると、何時もよりかなり早く起きてしまった。

流「・・・」

もう一度寝ようと目を閉じる。しかし頭が冴えて眠ることができない。

流「・・・ハァ、水でも飲んでこよ・・・。」

そう思い、部屋を出ようとする。

 「・・・・!・・・!!!」

・・・?何やら外の方が騒がしい?

様子を見るために窓から外を見る。

時「夕立!早く!!みんなに迷惑かかってるんだよ!?」

立「うぅ~・・・まだねむいっぽぃぃ~・・・」

夕立さんと時雨さん・・・?こんな朝早くにどこへ行くんだろう・・・?

少し気になり。私は寝巻のまま外を目指した。

ーー『出撃ドック前』ーー

時「お、遅くなりましたぁ~・・」

時雨さんらの後をつけていたら『出撃ドック』についた。

そこには、提督や七塚指令。それに伊勢さん日向さん扶桑さん山城さんと・・・

()()()()()()()がいた。

流(今から出撃?作戦開始はたしかマルキュウマルマルのはずなのに・・・)

八「よし、では()()()()。」

全員「「「「「「「「はいっ」~い」っぽい」」」」」」

八「全員必ず帰って来いよ!」

必ず帰ってこい?どういうこと?

七「扶桑・・・山城・・・」

扶「どうされました?提督?」

七「いや・・・気を付けて行ってこい。」

山「?なによ。はっきり物いいなさいよ。」

七「そうだな・・・帰ってきたら・・・」

扶・山「「?」」

七「・・・パンツ見せてくr「アホ!」(´・ω・`)ショボ~ン」

何を言っているんだろうあの人・・・・。

そう思いながら建物の陰からこっそり様子を見ている。

八「よしっ!各員!抜錨!!!」

提督がそう叫ぶと。皆出撃ドックに入っていった。

日「では行ってくる。八谷提督、七塚指令。そして・・・」

そう言って私をまっすぐ見つめる日向さん。

あ、バレてるなと思い、建物の陰から出て敬礼をする。

日「流星、今夜できるなら酒でも飲もう。」

流「は、はいっ!ぜひとも!!」

こちらに手を振る日向さんに対して。笑顔で送り出す私。

私お酒飲めるのかな・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーマルハチゴーキュウ『執務室』ーー

今日は鎮守府全体が静かだ。そしてどこもかしくもピリピリしている。

ここ第十八鎮守府執務室はとくにピリピリしている。何も知らずに入ってきた者はたぶん胃の中の物を戻すだろう。

長「提督方・・・そろそろ時間です。」

長門が柱時計を見て、第十七鎮守府提督『七塚 東次郎』と第十八鎮守府提督『八谷 天馬』に作戦開始時間が近いことを知らせる。

八「七塚指令・・・準備はいいな?」

七「ああ・・・もちろんだ・・・」

その言葉をきっかけに、さらに執務室の空気がピリピリする。七塚の陸奥が俺の所の長門が、あまりの空気に思わず唾を飲み込む。

八「各員・・・時計合わせ・・・」

俺のその言葉で各々時計を見る。

その時だけ、秒針が一つ動くのが1分、いやそれ以上に遅くなるような気がした。

ーーマルキュウマルマルーー

八「作戦開始!!!」

時計の秒針が真上に到達したことを確認し、作戦開始の合図を送る。

合図と同時に、鎮守府全体にサイレンが響き渡る。

長門と陸奥が執務室出入口で敬礼をし、回れ右して執務室から出て行く。外では、この鎮守府に居る艦娘たちが出撃用ドックに険しい顔で向かってゆく。

七「なぁ・・・八谷指令。」

八「なんだ?」

七「実は・・・俺はあることをお前に、みんなに隠している。」

唐突に七塚がそんなことを言い出す。

七「実はな・・・-----------。」

八「・・・・は?」

このほんの一瞬。執務室のピリピリした空気がなくなり。時間が止まったかのように感じた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『作戦海域前』ーー

重い・・・

 

海を滑る足が、

背中の艤装が、

太ももの魚雷が、

右手の主砲が、

今この場の空気が、

 

重い・・・。

 

苦しい・・・

 

今着ている服が、

頭のヘッドホンが、

この空気が、

 

苦しい・・・。

初めての大規模作戦。

まだ建造されて間もないのにいきなりの連合艦隊主力艦隊。

周りの空気、自分自身の緊張。

それらすべてが私の呼吸を狂わせる。

私の鼓動を早くさせる。

周りの音が遠のく感じがする。

暑くもないのに汗が噴き出る。

?「・・・せ・・ん・・・つ・・で・」

誰かの声がかすれかすれに聞こえてくる。その声の主を探そうと頭を回す。

すると、突然肩にポン、と何かが触れる。

私は驚きながらすぐさまその方を見る。そこには・・・

吹「落ち着いて。流星さん。」

必死に笑顔を作る吹雪さんがいた。

長「流星。」

前を走る長門さんが、前を向きながら話しかける。

長「お前は、一人か?」

その言葉を聞いた途端。一瞬思考が止まった。

長「周りを、よく見てみろ。」

そう言われ、ゆっくりと首を左右に振る。

周りには吹雪さん。綾波さん。夕張さん。陸奥さん。長門さん。

さらに前の方には、木曾さんが率いる雷撃隊。

後ろには赤城さんや加賀さん達の空母艦隊。

綾「流星さん。」

唐突に綾波さんが話しかける。

綾「流星さんや長門さんから見ると、駆逐艦の綾波は火力が弱く。装甲も薄くて頼りがいがありませんが。・・・あ、綾波を頼ってください!」

綾波さんがそう言い切ると、綾波さんのあごから汗が落ちる。

陸「あら?綾波ちゃんかっこいいこと言うわね。だったら、戦艦であるおねーさんには、ドーンと寄りかかってきなさい。」

張「あ、あたしにだってどんどん頼ってくれても構わないからね!・・・艤装の相談なら。」

長「今お前は一人ではない。周りには仲間がいる。だから頼れ。」

そう長門さんから言われると、少し重さが軽くなった。少し苦しみが減った。耳が良く聞こえるようになった・・・。

私は大きく返事をしようとすると・・・。

「・・・・・・・・・・・」

流「!?ソナーに感あり!!」

大声で前方に敵がいることを知らせる。

長「空母艦隊!第一次攻撃隊全機発艦!!」

長門さんが無線で後方にいる赤城さん達に艦載機の発艦を指示する。その数秒後、多くの飛行機が私たちの上を通過してゆく。

長「流星!具体的な数は分かるか?!」

長門さんにそう聞かれ、もう一度ソナーに集中する。

流「敵数、およそ50!潜水艦は無しです!」

長「よし!全雷撃隊!!前へ!!敵艦隊を殲滅せよ!!」

そう指示すると、高雄隊、古鷹隊、青葉隊は速力を上げ敵艦隊に向かい進んでいった。

長「流星!対艦ミサイル発射用意!」

流「り、了解!」

その言葉を言われ、先ほどまで薄れていた緊張がよみがえる。

そんなときだった、唐突にスカートのポケットから()()()()()()()()()()()()()ような音が聞こえた。

私は思い出す。何故だか持ってきてしまった()()のことを。

ポケットに手を入れ、一本だけ取り出す。

()()()()()()()()()()()()()()()

中には蒼い透明な液体が入っている。

()()()()()

強くなるとはいったいどういう意味なのだろうか。

筋力的に強くなっても、砲の威力は変わらない。速力も結局は缶の性能によって変わる。魚雷の威力だって・・・

だから、筋力的に強くなっても意味がない・・・・はず。

じゃあ、あの卯月の動きは?卯月の攻撃力はなに?

そうこう考えていると頭の中でおかしな考えが生まれた。

ーー仲間を守りたい?

も、勿論守りたい!

ーーどんな形でも?

う、うん。

ーーたとえあなたが犠牲になっても?

・・・・

ーー守りたくないの?

・・・やってやる。

ーーなら・・・

頭から体に指示、ではなく命令が下りる。

その命令どおりに私の右腕に・・・

 

針を突き刺す。

 

中の液体が体の中に入り込んでゆく。

すると次第に、頭からどんどん命令が下りてくる。

その命令が体の隅々までいきわたる。まるで・・・

流「・・・夕張さん。」

張「どうしたの?」

流「どんどん撃つので、順次箱の交換をお願いします・・・。」

張「?り、了解?」

そう言い、私・・・『()()』がミサイルを構え、

流「全弾・・・順次射出!!」

そう言い放ち、6本のミサイルが天へめがけて登ってゆく。

 




流星 現在10本中1本使用。残リ9本。
   状態 青・・・正常。



感想、誤字脱字等よろしくお願いします。


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第13話「矛盾」

~前回までのおはなし~
立「うぅ~・・・まだねむいっぽぃぃ~・・・」
七「実は・・・俺はあることをお前に、みんなに隠している。」
流「全弾・・・順次射出!!」


今回は時雨sideのお話です。



 

提督らに見送られ、しばらくは右回りの伊勢達と一緒に行動をしていた。

各々緊張して

立「ぼぉぉぉぉ、いぃぃぃぃ。ぼぉぉぉぉ、いぃぃぃぃ。」※いびきです。

荒「ん~。おねいちゃ~んにゅ~・・・むにゃむにゃ」※ねごとです。

その他「「「「「「・・・」」」」」」

・・・いるんだと思う。うん。

朝「荒潮!!起きなさい!!!」

荒「んにゅ~?・・・あら~?ここはどこぉ~?」

時「ゆうだち・・・?」

立「ぽひっ?!殺気!?」

山「あなた達・・・もう少し緊張感を持ちなさいよ・・・」

伊「まぁまぁ、いいじゃないの。それだけ心に余裕があるってことでさ?」

日「寝ならがら移動か・・・今度練習しておこうかな・・・」

扶「衝突すると思うから止めたほうが・・・」

そんな感じに各々緊張して?目的の場所まで移動していた。

しばらく経ち、伊勢達と別れるポイントまで到達した。

伊「よし!それじゃあたし達はこっちだから、ここでお別れね。」

時「そうだね。頑張ってね!」

日「うむ。そちらも無事を祈る!」

山「伊勢、日向。あなた達より必ず先に着いているわ!」

荒「あらぁ~?競争?」

立「勝負なら全力で受けて立つっぽい!」

朝「では!ご武運を!!」

扶「そちらも!お気をつけて!」

それぞれが言葉を交わし、それぞれの航路を進む。

今日の天気は晴天だ。雨は降るとはとてもじゃないけど思えないほど青々としている。

なんだか、今回は全員戻ってこれる。そんな気がしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

立「・・・ねぇ時雨。」

時「まだ目的地まで着かないよ。」

立「そ、そうじゃないよ!?」

時「ご飯もまだだよ?」

立「ぽ?!まだっぽいの?」

時「ぽくなくて、まだだよ。」

立「(´・ω・`)ポイーン」

伊勢達と別れて、しばらく経った。 

おそらく、目的地まで半分ぐらいのところで、夕立がぐずりだした。

扶「山城?今の時刻は?」

山「現在マルキュウフタサンです。」

山城からの返事を聞いて少し考え出す扶桑。

扶「みなさん。あそこの小島で5分の休憩をとりましょう。」

立「休憩・・・ごはん!」

時「大丈夫なのかい?」

扶「ええ、大丈夫よ。時折休憩を取っても十二分に間に合うわ。」

山「扶桑姉様、休憩の前に索敵を行いましょ?」

山城からの提案で、僕はソナーを扶桑と山城は瑞雲を飛ばした。だが・・・

立「あそこでごはんがまっているっぽいぃぃぃ!!!」

ただ一人、小島に向かって走る夕立。

時「ちょ、ゆ、夕立!?勝手に行動したら・・・」

そんなときである。夕立が()()()()()()()

それと同時に、僕のソナーに反応がでた。

時「!?扶桑!山城!ソナーに「危ないっ!そこから避けて!!」・・・え?」

二人に報告しようとすると、突然夕立が叫びだした。そのとたん・・・

ドォォン!ドォォン!!

僕たちの所に砲弾の雨が降った。

僕は驚き、その場で伏せて目を瞑ってしまった。

その後である。変な()()がしたのは。

おそるおそる目を開けると、そこには扶桑が立っていた。

そのとたん、嫌な考えが頭を過る。

時「ふ・・・そう?」

呼び掛けても返事をしない。

時「ねぇ・・・扶桑?」

扶桑の口から赤いモノが出ている。

扶桑が口を開く。

扶「し、ぐれ・・・はやく、逃げ。」

とても近くで聞こえた、砲音と爆音。

そのとたん、扶桑の後ろから大きな煙が出る。

山城が扶桑の名前を叫びながら砲を撃つ。

時「あ、ああ・・・。」

扶桑が僕の目の前でうつ伏せになる。その後ろに、白く伸びる線が此方に向かってくる。

時「扶桑っ!避けて!!」

そう叫び、扶桑を動かそうとしても、あまりの大きさに動かすことが出来ない。そして、

ドォォォォォォォォォォン!!!

僕の目の前で、大きな水柱が立つ。

 

扶桑が沈んだ?

僕のせいで?

 

だんだんと小さくなる水柱。

 

大丈夫、きっとこの水柱が収まれば横になっている扶桑が見える。

 

そう願いながらただただその水柱を眺めている。

やがて水柱は収まる。そしてそこには・・・

時「あ、あああ・・・・」

誰も居なかった。

扶桑が、僕を庇って、沈んだ。僕の、せいで、シズンダ。

その結果に放心状態になる。

山「立てェェェェェェ!時雨ェェェェェェ!!!」

山城の叫び声にが聞こえる。そう思い、山城を見る。そのとたん

ドォォォォォォォン!

山城の隣が爆発した。

よろめき、傾く山城。そんな状態になりながらも懸命に何かを叫ぶ。

山「立って・・・任務を・・・は、たし・・・」

そう叫び、山城はまた敵の砲を浴び、水柱と共に姿をくらませた。

 

時「かえ・・・して・・・」

 

空に向かう黒煙

 

時「ねぇ・・・かえしてよ・・・・。」

 

懸命に自身の主砲を撃つ夕立。しかしすぐに敵の集中砲火を受け、頭に被弾。その場に倒れ込む。

 

時「()()()()()を・・・」

 

此方に向かって何かが近づいてくる。おそらく、敵戦艦ル級だろう。

 

時「()()()・・・カエセェェェェェェェェェェェェ!!!!!」

 

そう叫び、目の前の敵に砲を向け、引き金を引く。

時「沈め沈め沈め沈め沈め沈メ沈メ沈メ沈メシズメシズメシズメシズメシズメ!!!!!」

今ある全ての弾を目の前のル級に撃ち込む。流石の戦艦でも、駆逐艦の砲を雨霰の様に受ければひとたまりもない。

目の前のル級は、炎を上げ沈んで行く。

それでもなおも、叫びながら砲を撃ち続ける。

やがて主砲の弾が切れたのだろう。いくら引き金を引いてもカチッカチッと鉄と鉄がぶつかる音しか響かない。

時「ハァ・・・ハァ・・・」

全ての弾を出しきり、呼吸が荒くなる。顔を上げると、此方に向かってくる深海棲艦。残りは、ル級2、ロ級1。

それを確認した僕は、敵艦隊に向かい全速力で突っ込む。

勝てる筈がない?そんなことは分かりきっている。

それでも。それでも、僕は・・・

時「お前ラ!みンな!!シズメェェェェェェ!!!!」

アイツらが、憎い。

 

 

 

?「だからって、特攻はバカじゃないの?」

 

 

 

 

その声が聞こえたと同時に、戦艦ル級の()()()()()

目の前に突然と現れる、小さな女の子。だけどその手には二振りの刀が握られている。

?「ま、そんなに死にたいのなら、好きにしなさいな。」

そう言いながら、鋭い目付きで此方を睨む女の子。

その女の子に気を取られていたせいで、ル級の砲撃が此方に飛んで来ていることに気づくのが大きくおくれてしまった。

時「!?」

?「安心して。()()()がいるし。あたしらには弾は当たらんさ。」

そう女の子が言うと、目の前に戦艦ル級のような大きな二枚の盾を持った女性が現れた。

そして、僕の代わりにその女性が()()()()()()()

しかし、その女性は二枚の盾を自信の前で揃えて敵の弾を防ぐ。

?「あまり、過信は、しないでほしい、です。」

そう呟きながら、守りの構えをゆっくり解く。

?「なに言ってんのよ!現に今のも()()なんでしょ?」 

?「確かに、そうです、けど・・・」

?「なら信用したっていいじゃないの?もっと()は自信もちなさいよ!」

盾「で、でも・・・」

?「はいはい!二人とも今は目の前に集中して。」

ふと聞き覚えのある声が聴こえた。

その声の方を見ると、

時「ヴェール・・・ヌイ?」

暁「時雨ー!無事ー?!」

暁と(ヴェールヌイ)が此方に向かってきた。

?「んで?ヴェル。アイツら沈めていいのね?」

響「うん。よろしく頼むよ。()

そう響が言うと、矛と呼ばれた女の子は口角を大きく持ち上げて。

矛「了解。」

と、短く返事をする。

するとその直後、彼女の姿が消えた。

矛「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

その雄叫びと同時に空に舞う真っ二つに別れたロ級。

矛「あと・・・一つ!」

そう言って、ル級を睨む。

先ほどの光景を見ていたル級は、白い顔を青く染めていた。

それでもル級は矛に背を向けず、自信の擬装を前に構え、砲を撃つ。

しかし()()()()()

それどころか、ル級との距離を一気に詰める。

咄嗟にル級は自分の擬装で防御の構えをとる。

しかし、ル級が予想していたところとは、違うところから攻撃がきた。

矛「あのさぁ?敵から目を離すとか、あんた死にたがり?それともバカ?」

そう呆れながら、ル級の背中を十字に斬る。

その攻撃を受けよろめくが、直ぐに後ろに振り向いて砲を向ける。

だがそこには矛の姿はない。

そのままル級は自身の回りをキョロキョロ見渡す。

矛「なに?まだあたしの姿探してるの?」

そう矛がいい放つ。矛はル級とは少し離れた所に立っている。

ル級は直ぐに矛に向かい砲を向ける。

矛「おーおー。怪我してるのにまだやるのねぇ。」

そう煽りながら、矛は二振りの刀を自分の腰にある鞘にしまう。

そして片方の刀を鞘ごと外し、腰を落として居合いの様に構える。

すると、彼女を中心に海面から波が立つ。だんだんと波は大きくなってゆく。

矛「とっておきよ。しっかり味わいなさい!!」

ル級の発砲、矛の回りに着弾し水柱を立てる。

しかし・・・

矛「狙うの遅すぎ。」

矛は先ほどいた場所には居ず、ル級の後ろに刀を振り抜いた姿で居た。

()()()が暁の目の前に落ち、少しだけ浮きあがる。

暁「ヒッ!?」

響(あ、これはちょっとマズいかな・・・?)

暁の爆音の悲鳴と共に、その場で崩れる()()()()()()

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

矛「だからごめんって言ってるじゃない暁~。」

暁「許さない!絶対に許さないんだから!!」

戦闘後、近くの小島で一休みしている私たち。

響「時雨。大丈夫かい?」

砂浜で体育座りで顔を埋めている時雨に声を掛けてみる。

響「なんでこんなところに夕立と()()で居たんだい?」

時「・・・。」

反応なし。

響「夕立()無事だよ?何かあったのかい?」

時「・・・。」

少しピクリと動いたが、此方を向く様子はない。

響「さっきの()()()()()()()()、あれはなんだったんだい?」

その言葉を聞くと、いきなり立ち上がり、私の肩を強く握る時雨。

響「ちょ!痛い!痛いよ「・・・らだい?」・・・え?」

時「いつから見ていたんだい?」

そう言って此方をじっと見つめる時雨、だがその目には()()()()。ただただ時雨の水色の瞳がじっと此方をみている。

響(あ・・・これは、マズな。)

時雨のその瞳を見てわかった。

()()()()()()()()()()()()

言葉を間違えたら、多分仲間内で()()()()()()

そう感じ、必死に言葉を選んでいると。

時「・・・そうか。そうナんだ。ずっと見てイたんだネ?はじメから、ズット・・・。」

響「ち、違うっ・・・ぐぅ!?」

時雨の手が私の首を絞める。

時「ヴェールヌイ・・・どうヤら君ハ僕が知ってイるヴェールヌイジャナイネ?」

響「ちが・・・お、おちつ・・・し・・・」

呼吸が出来ない。だんだんと意識が遠退いていく。

暁「ち、ちょっと時雨!?何やってるのよ?!」

暁の声を聞いて、絞める力を入れるのを止める時雨。

時「アア、ソウカ。暁、君モナンダネ?」

暁「ちょっと響!時雨に何したのよ!?」

なんでこんな状況で私を疑うの!?

時「暁、君モ僕ガシッテイル暁ジャナインダネ?」

暁「は?はぁ?!何言ってるの時雨?!」

すると先ほどまで気絶していた夕立が立ち上がる。

盾「あ、まだ、動いちゃ、だめ、です。」

盾の言葉を聞いても何も反応しない。

時「ソウダ、敵ダ。ミンナニセモノダ・・・ダカラ、」

夕立が砲を盾の顔に向ける。

時「ミンナ・・・」

 

 

 

時「シズ「ませねぇよ!!!」」

時雨が大きく横に吹き飛ぶ。時雨の手が無理やり外れたので私も横に倒れる。それと同時に、夕立も糸の切れた人形のように崩れる。

響「ゲホッ、ゲホッ!!た、助かったよ、矛」

矛「ヴェル!アイツはもうダメよ!ここでぶった斬る!!」

そう言って、刀を構える矛。

響「まって!待つんだ矛!!」

矛「なんでよ!?ここでアイツ殺さなきゃあたしらが殺されるかもしれないのよ!?」

響「違うんだ!時雨はただ勘違いをしているだけなんだ!それに・・・」

そう言って時雨を見る。まだ横たわっている。

響「もう意識がないからしばらくは安全だ。」

矛「・・・目を覚ましたら?」

響「説得か、また寝かせる。今の内に鎮守府に帰ろう。」

暁「・・・誰が時雨と夕立を運ぶの?」

暁のその一言で全員が一瞬止まる。

矛「あ、あたしそんなに力ないしぃ、ここはリーダーのヴェルなんじゃないの?」

響「な、なにを言っているんだい?ここは完璧で幸福な大人なレディの姉さんが」

暁「うぇ!?む、無理よ?!」

響「え?じゃあ姉さんは完璧で幸福な大人なレディじゃないの?」

暁「なにその否定したら殺されそうな肩書き!?ここは一番力のありそうな盾さんに譲るわ!」

盾「一人なら、ともかく、二人は、さすがに、きつい、です。」

そうやって二人の擦り合いをしていると。

立「うぅ~ん?うるさいっぽい~。」

夕立が目をs

響「zapzapzap!夕立!!」

立「ぽいっ?!」

ボーーーーン。

夕立のクローンが送られてきま、

暁「せんっ!!!」

響「夕立!起きて大丈夫かい?」

立「ちょっとくらくらするけど、大丈夫っぽい。」

暁「鎮守府までいけそう?」

立「ん~、ちょっと自信ないっぽい。」

響「とりあえず、夕立は私と姉さんで曳航、時雨は盾がよろしく。」

矛「あたしは、役なしね・・・ホッ」

響「矛は時雨が起きないかどうかの見張り。起きたら私に直ぐに報告。」

矛「暴れたら?」

響「峰打ち。絶対に殺すな。」

矛「ん、了解。」

こうして、私達は鎮守府まで舵を取った。

 

 

 

 




左回り艦隊
作戦:失敗
  航空戦艦『扶桑』・・・ロスト
  航空戦艦『山城』・・・ロスト
  駆逐艦 『時雨』・・・小破および戦意喪失
  駆逐艦 『夕立』・・・大破

ドロップ(回収)
  駆逐艦 『暁』
  駆逐艦 『Верный』
  ??? 『矛』
  ??? 『盾』

感想、誤字脱字や質問等よろしくお願いいたします。


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第14話「狂気」

~前回までのおはなし~
立「ぼぉぉぉぉ、いぃぃぃぃ。ぼぉぉぉぉ、いぃぃぃぃ。」※いびきです。
響「うん。よろしく頼むよ。矛」
時「いつから見ていたんだい?」


ーーヒトマルサンマル『作戦海域』ーー

ーー撃て

張「流星!交換完了よ!!」

ーー撃て

川『くっ!こちら第183隊!那珂中破!』

ーー守るタめに

長「よくやってくれた!後退しろ!」

ーー敵ヲ・・・

流「全弾・・・順次射出!!」

ーー殺していいのだろうか?

撃っている最中に嫌悪感が湧き出し、集中できなくなる。

咄嗟にポケットから注射器を取り出し、腕に突き立てる。

中の液体が体の中に広がると同時に嫌悪感が遠のいていく。

流「夕張さんっ!!」

張「これがラスト!交換完了!!」

夕張さんからの「ラスト」という言葉を聞いて長門さんが口を開く。

長「流星!撃ち方やめー!!」

流「り、了解です!」

すぐさま撃とうと考えていたが、長門さんの命令で艤装を止める。

陸「そろそろ前衛の子たちが危ないわね・・・」

長「うむ・・・よし、我々も前に出るぞ!」

綾・吹・張・流「「「「了解っ!!」」」」

そう言って、敵の連合艦隊へ進路を向ける。

陸「長門、空母艦隊より入電!『我、敵主力隊ヲ発見!』」

長「敵戦力は!?」

陸「・・・どうやら、『レ級』がいるみたいね・・・。」

陸奥さんがそう言ってとたん。周りの人達の顔色が蒼くなった。

長「『レ級』・・・か。」

吹「ふぇぇ・・・・」

綾「ふ、吹雪ちゃん!弱気になったらだめだよっ!」

吹「で、でもぉ~」

張「たしかに・・・相手が『レ級』ならちょっと嫌ね・・・」

綾「ゆ、夕張さんまで!?」

夕張さん吹雪さん達の戦意が大きく落ちている。

私がなんとかしなくちゃ・・・そう思い、口を開こうとすると。

長「喝っ!!!」

長門さんの一喝が入った。

長「まだ始まってもいないのに負けを認めるのか?なにもやっていないのに負けを認めるのか!」

そう言われ、吹雪さん、夕張さんの表情が変わる。

吹「そうだ、まだ始まってもいないのに尻込みしちゃだめだ・・・」

張「兵装実験軽巡のくせに実験もせずに失敗するなんて決めつけて・・・バカみたい」

二人の戦意がみるみるうちに回復していった。

さすがは長門さんだなぁと長門さんを見ていると、

「・・・・・・・・・・・」

流「!!前方より重巡2、戦艦2きます!」

長「よし!行くぞ!!」

綾・吹・張・流・陸「「「「「了解っ!!」」」」」

そう力強く返事をして、私は腕に針を突き立てる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、執務室』ーー

作戦開始時はピリピリとした空気を放っていた執務室。

・・・だが今は

八「・・・・」

七「・・・・」

どうしたものかと頭を抱える俺と、冷静に静かに座っている七塚。

八「お前・・・もっと早くに相談してくれよ・・・」

七「そのセリフ、何回目だ?」

八「知るか!つーかテメェも作戦が始まってからすぐに爆弾発言するなよ!!」

七塚が言った爆弾発言・・・それは・・・

八「急に『()()()()()()()()()()()()。』って、なんでそういうことを早く言わないんだ?!」

七「それ以外に作戦が出なかっただろ」

八「だがそれでも!もっと早くそういうことを言ってくれれば別の案が考えつくかもしれないじゃねぇか!!」

そんな風に言い合いをしていると、

明「ていとくぅぅぅぅ!!!!!」

どたどたと廊下を走る音と共に明石の叫び声が聞こえ、ドアをこれでもかと言わんばかりにおもいっきり開け放つ。

八「どうした?!」

肩で息をし下を向く明石に不安な気持ちがどんどん膨らんでいく。

しかしそんな不安も顔を上げた明石の顔を見てすぐさま消えていく。

明「だ、第六駆逐隊がたった今帰投しました!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、入渠ドッグ』ーー

響「ふぅ・・・」

あれから、時雨は一回も目を覚ますことなく鎮守府にたどり着き、すぐに入渠した。

暁「ねぇ・・・響。」

響「ん?なんだい姉さん?」

暁「()()()()()大丈夫かしら・・・。」

心配な顔でいる姉さん。しかし・・・

矛「うお・・・夕立あんた本当に駆逐艦なの?」

立「ぽい?」

矛「なんであんたそんなに・・・。」

立「矛は・・・ぽぽっw」

矛「あ”あ”!?」

そんなシリアスな気持ちを吹っ飛ばすほどに暴れる二人。

響「別に大丈夫だと思うよ?」

暁「そう・・・?」

響「うん。あの二人は姉さんが思っているよりもすごくしっかりしているし。なにより・・・」

再びシリアスな話をしていると。

暁「ひゃぅん?!///」

姉さんの胸をわしづかみにする手。

矛「お?私よりないかも?」

そう言いつつ、姉さんの胸を執拗に揉みしだく矛。

矛「ねぇヴェル?あんたの知り合いじゃあやっぱり暁が一番まな板なの?」

その言葉を聞いて、何処からかプツンという音が聞こえた。

矛「ヴェルは服脱いで分かったけど、暁より大きそうね。」

またプツンという音が聞こえる。

矛「雷や電もぱっと見だけど暁よりありそうよねw」

3回目の音が聞こえたと思ったら、姉さんを中心に湯壺のお湯が波立っている。それに矛も気づいたようだ。

手を放し、少し距離を置く。

暁「ほぉ~こぉ~?」

矛「あ・・・か、完璧な大人のれでぃ~な暁ならこんなことじゃ・・・」

暁「ゆ”る”さ”ん”っ!!!!」

唐突に始まる追いかけっこ。

ドッグの中をドタバタと駆け巡る2人。するとそこへ・・・

八「みんな無事か?!」

唐突に入渠ドッグの扉を開け放ち入ってくる司令官・・・。

響「・・・・」

立「・・・・」

盾「・・・・」

八「・・・・(oh)

走り回っている二人、いまだ目を覚まさない時雨以外全員の時間が止まった。

暁「あ!司令官!!私と矛、どっちの胸が大きい?!」

暁もやっと司令官の存在に気が付いたらしいが、怒りで自分が今どんな状態なのか忘れてしまっている。

暁の言葉で矛も司令官を見て、

矛「・・・へ、変態ぃぃぃぃぃ!!!!」

近くにあった木製の風呂桶を司令官に向けて投げ放ち、見事顔面に命中。

数センチ足が浮き、後ろにふっ飛ばされ仰向けになり脱衣所で気を失った司令官。

どれだけ心配していたのか分かったが、さすがにこれはやりすぎだね・・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『作戦海域』ーー

足『ちっくしょう・・・この私が、ここまでやられるなんて・・・』

長「足柄!!よくやってくれた!!後退してくれ!!」

足『ごめんなさい!すぐに戦線復帰するから!!!」

まただ、また大破した人がでてきた・・・。

吹「あぐぅ?!」

張「吹雪ちゃん?!」

吹雪さんも限界みたい・・・。

陸「くっ・・・ここまで来たのに・・・!!」

陸奥さんも苦しそう・・・。

相手は・・・。

レ「キャハハハッ!アト3ニン~♪」

ものすごく楽しそう・・・。

長「陸奥!()()を連れて戻れるか?!」

陸「駄目よ!すぐ追いつかれてしまう!それにあなたたちだけを残してなんか嫌よ!!」

三人・・・二人の間違えじゃないのかな?

綾「あ、綾波なら・・・まだ・・・いけます・・・」

長「無茶をするなっ!・・・ぬぉ!?」

レ「ア~ア、ヨソミスルカラ・・・ヒヒヒッ」

長門さんも限界みたい・・・

張「くっ・・・せめて()()()()だけでも・・・!」

え?私?・・・あれ?いま私どうなっているんだろう?

そう思い、なかなか動かない頭を動かし始める。

ここは何処で、今は何をやっているのかをゆっくりと考える。

頬やお腹が冷たくて気持ち良い。

周りは・・・少し煙たく、焦げ臭い。

体は・・・重い。

今は・・・戦闘中・・・!!!

頭がフル回転しだし、海の上で寝そべっている体に対し、すぐに立つよう命令が下る。

流「ううっ・・・」

陸「流星!?大丈夫!?」

よろよろとしながら、足に力を込めて立ち上がる。

立ち上がったことを確認すると、頭から別の命令が下る。

ーー撃て

その命令に従い左手をポケットに伸ばす。

ーー打て

ポケットから注射器を4本取り出した。

ーー敵ヲ

残りはあと2本・・・

ーーコロセ

左手の注射器4本すべてを腕()()()()()()()()()()()

中の液体が体中をめぐっていく・・・

とても気持ちがいい・・・

そんな考えと同時に、無性にモノを壊したくなってきた。

張「ち、ちょっと流星?!あなた今なにしたの?!」

()()がこちらに向かって話しかけてくる。

流「アハハ・・・ユウ張さン・・・大ジョウ夫でスよ~?」

張「ど、どこがよ!?それにあなたさっきまで・・・」

二人で話をしている時だった。

()()()()()()()()()()()()()()()()

長「夕張!!流星!!!」

()()の掛け声で夕張はすぐに回避行動に出るが・・・

レ「ズイブンヨユウナンダネェ~。キミタチ!!」

レ級はすぐに夕張の腹部に拳を、私の顔面にしっぽをめり込ませた。

張「う・・・っぷぁ・・・・」

レ「キャハハハッ、ハイ2リオーシマイ」

夕張がその場で白目をむき、口から赤黒いモノを出して倒れる。そして私は・・・

ガブリ

レ「へ・・・?」

流「ン~・・・クロ星ミッツかな?不ズい」

レ級のしっぽの一部をかみちぎり、すぐに吐き捨てた。

レ「ハ・・・?エ・・・??」

レ級本人も何をされたのか分かっていない。しかしすぐに()()()()()()()()()()()()()()()

そのまま、長門のいるところまで吹き飛ばされる。

レ「テメェ・・・ナニシヤガルッ!」

流「アは、それハこっちのセリフだよ♪」

長「り、流星・・・大丈夫か?」

()()()()がこちらのことを心配そうに見つめる。

流「長門・・・さん。」

唐突に頭が痛くなる・・・邪魔な思考が入ってきた。

流「皆さんを・・・鎮守府に・・・!」

長「!?い、いやだめだ!!私もまだ戦える!!だからお前だけを「いいからっ!!!!」っ!?」

流「そんな・・・オンボロなアナタはァ、邪魔なんデすよ。アハハ♪」

頭痛が引いていく・・・完全に引いたことを確認してレ級を見る。

レ「テメェ・・・コロス!!」

ものすごい形相でこちらを睨んでいる。

それを確認し、長門から離れるようにしてレ級をあおる。

後ろから長門の声が聞こえるが・・・まいいや。

レ級に砲を向け、口角を上げ、

流「サァ・・・コロシテアゲル」

そうつぶやく。

 




吹「・・・・」
・・・・。
吹「こんなに遅れた理由は?」
・・・い、いろいろ忙しかったんです。許してください!
吹「・・・からの?」
いやまぢです信じてください!!
吹「・・・そして?」
いや、秋は学園祭とか家族のこととかで忙しかったんですよ。
吹「・・・冬は?」
あ・・・いや・・・て、テストとか・・・
吹「何か言うことは?」
お待たせしてすいません。しかし!不定期更新だから別に!
吹「・・・・ジー」
すいません、また月1つぐらいは上げれるようにしてみます。
ということで、本年もこのぐしゃぐしゃな作品と馬鹿な作者のことをよろしくお願いします。
感想、誤字脱字があればお願いします。なんでもs


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第15話 「桜と蓮と決着と」

~前回までのおはなし~
長「『レ級』・・・か。」
矛「お?私よりないかも?」
流「そんな・・・オンボロなアナタはァ、邪魔なんデすよ。アハハ♪」
狂気描写注意です。


 

日「・・・・・。」

時刻はヒトヒトヒトゴ。

右回りの私たちが到着してから15分が経過していた。

伊「日向・・・あんたも少し休んだら?」

到着してすぐに、近くの小島に上陸、待機していた。

・・・日向を除いて。

日「・・・・・・。」

伊「扶桑たちならもうそろそろで来るわよ。」

日「・・・・・・。」

先ほどから扶桑たちが来るであろう方向の水平線をじっと見つめる日向。

ずっと見つめたまま、動かない・・・。

伊「日向!」

日「ん・・・あと少ししたら戻る・・・。」

やっと戻ってきた言葉。だがこちらを全く見ない。

ふつふつと湧き上がってくる気持ちが、いよいよしびれを切らした。

伊「・・・・あぁ~んもう!!!」

日「・・・?伊勢??」

伊「私もあんたの横にいるっ!!」

そう言って、日向の真横に立つ。

日「・・・休んでいた方がいいぞ。後から「うるさいっ!!」!!」

伊「あんただけ休んでいないとか不公平じゃん!」

腕を組み、日向が見ているであろう所を見る。

日「・・・・・・・・・。」

伊「・・・・・・・・・。」

そうやって、無言で日向と一緒に扶桑たちを待っていると・・・

朝「見張り交代します!」

荒「伊勢さん達そろそろやすんだらぁ~?」

朝潮と荒潮が私たちが見張りをしていると()()()してやってきた。

伊「あ、これ見張りじゃないから別にいいわよ。」

朝「え、では何を・・・」

伊「扶桑たちを待っているの。」

そう説明すると、

朝「わかりました!では、私も・・・」

荒「じゃあ~わたしもぉ~」

なぜか二人も扶桑たちを待ちだした。

 

そしてしばらくして・・・

 

荒「・・・あらぁ?なにかしらぁ?」

朝「?どうしたの荒潮?」

唐突に荒潮が別の方向を向いた。

荒潮につられ、朝潮と私もその方向を向く。

するとそこには・・・

伊「・・・船?」

私のその言葉に日向が反応する。

日「む?かなり大きく迂回していたのか?」

伊「ん~・・・でも編成が・・・・ん~?」

少しばかり遠くよく見えない。そんな中・・・

荒「あれ、普通に敵じゃないのぉ~?」

朝「!?皆さん!戦闘準備を!!」

荒潮の一言朝潮がハッとなり、砲を構える。

伊「ん~?敵?でもな~んか違う・・・ん~??」

そんな中、私一人だけ唸り、必死に見つめる私。

日「・・・瑞雲を出す。」

伊「え?出しちゃっていいの?」

日「偵察用にだ。敵ならそのまま攻撃隊を出す。」

そう言って飛行甲板を展開し、瑞雲を出す。

瑞雲を放つこと数分後・・・。

日「・・・ん。瑞雲から連絡が来たぞ。」

そう日向が伝えると全員日向に注目する。

伊「で、どうだって?」

日「うん・・・・ん?」

朝「やはり敵ですか?!」

日「いや、敵ではないのだが・・・。」

日向が言葉を濁す。

伊「なによ日向、らしくないわね。」

日「あ、ああ。すまん。」

そうして、ひと呼吸おいて、日向が報告を再開する。

日「どうやら、あれは敵ではなく艦娘とのことだ。」

朝「ということは、増援?」

伊「え?他の鎮守府から?」

荒「あらぁ~。ずいぶんとやさしいていとくさんなのねぇ~」

日「いや、他の鎮守府からじゃ・・・」

日向が否定しようとしたときに、突然通信が入る。

?『伊勢さん!日向さん!聞こえますか?!』

聞いたことのある声。

電『()です!聞こえているのでしたら返答をお願いしますっ!』

通信の主は『電』と名乗り、私は驚き目を丸くする。

伊「こちら伊勢!ほ、本当に電ちゃんなの?!」

電『なのです!』

電は強く返事した。

その返事を聞いて笑顔を作る伊勢だが日向は・・・。

日「なら電、その後ろにいる艦娘(ひと)は誰だ?」

日向一人は、警戒している。

雷『え?雷の事忘れたの??』

日「いやそっちじゃなくて・・・。」

伊「ともかく、まずは合流しましょ!話は後から聞くから。」

そう言って手を打ち鳴らす伊勢。

日「伊勢よ。少し無用心すぎではないか?」

伊「大丈夫よ日向。逆にあんたは気が張りすぎよ。」

そう会話をしながら帰ってきた瑞雲を戻す。しばらくして『電』と『雷』、そして見知らぬ艦娘も合流した。

合流したその艦娘を見て、伊勢と日向は少し驚き、朝潮と荒潮は目を輝かせた。

身長は、戦艦の伊勢や日向よりもかなりあり、がっちりしている。

背中には、大和型、いや、()()()()()()()()数の多い砲の数。

鋭い目つきで伊勢と日向、荒潮、朝潮を見ている。

?「電、雷よ。この者たちは?」

ゆっくりと、威厳のある声で小さな二人に問う。どうやら、少し警戒しているようだ。

雷「『桜華(おうか)さん、この人たちは私達の仲間よ?」

電「そ、そうなのです!だからそんなに睨まないでほしいのです!」

そう二人から言われ、「ふむ・・・」と言いながらも四人を見つめる。

桜華と呼ばれる艦娘を中心にピリピリとした空気が漂っている。

そんな中・・・

朝「お初にお目にかかります!朝潮型駆逐艦1番艦『朝潮』です!」

伊勢や日向の前に立ち、敬礼をする朝潮。

荒「同じく朝潮型駆逐艦4番艦の『荒潮』よぉ~」

そう言って、日向の後ろから顔をだす荒潮。

その二人の挨拶をきっかけに、場の空気が和み始めた。

伊「あっちゃぁ~。駆逐艦の二人に先越されちゃったか~。」

日「ふむ・・・。」

伊勢はポリポリと後頭部をかきながら笑顔を見せ、日向は腕を組み目を瞑る。

伊「あたしは『伊勢』、伊勢型航空戦艦1番艦の伊勢よ。」

日「同じく。航空戦艦『日向』だ。」

そう四人が自己紹介をすると、

桜「ふむ、自己紹介感謝する。『桜華』だ。よろしく頼む。」

と、桜華と名乗る艦娘は握手を求めた。

伊「こちらこそ。よろしくね!」

そう言って、握手を返したのは伊勢。そのあとも、桜華は全員と握手を交わす。

その様子を見て、ほっとする電と笑顔でうんうんとうなずく雷。

そして雷は何かを思い出したように「あ。」という。

雷「そういえば電。『水蓮(すいれん)』は?」

電「え?あ、あれ?どこ行ったのです??」

きょろきょろとあたりを見回す二人。すると唐突に朝潮の足元の海が泡立つ。

朝「て、敵潜水艦?!」

そう朝潮が叫ぶと、三人が驚き、警戒する。

電「う、撃っちゃダメーーーーー!!」

電がそう叫び全員の目線が電へ向く。

やがて、影が見え、そこからポコンと頭が出てくる。

そして・・・・

?「白パン・・・白パン・・・くまさんプリント・・・ストッキング・・・」

そう言って、ひとりひとり指をさしていき・・・

?「ストッキングの下は・・・黒・・・」

そう静かに言って、また沈んでゆく・・・。

四人はポカーンとしてその場に立ち尽くしている。

日「い、雷よ・・・」

最初に口を開いたのは日向だ。

日「い、いまのはいったい・・・」

止まっている思考を懸命に動かし、情報を得ようとする。

雷「・・・今のは潜水艦の『水蓮』ちゃん。見ての通り、物静かな子よ・・・」

そう情報を伝えて、はぁとため息をこぼす雷。すると先ほどとは違う場所から、頭(すいれん)が出てきた。

水「臭う・・・臭う・・・」

水平線の彼方を見て静かにつぶやく水蓮と呼ばれる艦娘。

水「血と・・・硝煙の臭いが・・・。聞こえる・・・聞こえる・・・。1つの魂が・・・崩れ始めている音が・・・」

すると、くるっと六人を見て、静かに、重くつぶやく。

水「急がないと・・・あの子・・・死ぬよ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『作戦海域、深部』ーー

レ「ナンデッ!?ナンデナンデナンデッッッ!!!!」

レ級が叫びながら砲を放つ。

しかし弾は当たらず、水面に落ちて大きく水柱を立てるだけ。

レ「オカシイダロッ!アンナ状態ナラ普通ッ!!!」

そう悪態を吐きながら後ろから迫る()()から距離を取ろうとする。

しかしいくら離れようとしても、迫ってくる。

レ「ッ!!クソッタレガァ!!!」

砲を放つ、今度は顔面に命中。

大きくのけぞるが、ぐんと体を直し、レ級を見つめる。

・・・その口角を、裂けんとばかりに持ち上げながら。

レ「ナンデ?!ナンデシナナイ?!ナンデトマラナイ?!」

・・・なんで?ナンデってそれは・・・

流「イタクないからダヨ?」

イタクナイ。そう、さっきから全く()()()()

脚が軽い。体が軽い。心も軽い。

重い砲や艤装を装備しているはずなのに、今じゃ何にも装備していないぐらいに体が軽い。

レ「イタクナイッテ・・・オカシイダロ?!オマエ、サッキ・・・」

レ級の顔が恐怖している、こちらを指す指が震えている。

レ「左肩、ワタシニ食イ千切ラレテイルンダゾ・・・?」

流「・・・へぇ」

そう言いながら、止まったレ級の顔面目掛けて砲を撃つ。

油断していたレ級の顔面に見事命中。レ級は大きく叫び声をあげる。

流「ダカラ・・・ナニ?」

そう言って、さらに砲を撃っていく。やがて弾がなくなり、金属と金属のぶつかる音だけが響く。

レ「ハァ・・・ハァ・・・ヘヘッ、弾切レミタイダナッ!?!?!」

弾切れと分かったとたんにワタシは手持ちの砲を全力でレ級に投げつける。

レ級はすぐさま飛んできた鉄の塊を払い落とす。しかし直後ろの拳には何の反応もできずに、直で顔面にもらう。

その時、ワタシの手首から鈍い音が聞こえた気がするけど、まいっか♪

レ級はあまりの痛みに顔を抑えながら悶絶している。

流「ドウシタノ?レ級?イタイノ??」

そう言いながらレ級を蹴り倒す。

流「ネェ?イマドンナキモチ?!ドンナ感じ??イタイ??苦しい??悔しい??ねぇねぇねぇねぇ??!!!」

そう言いながらレ級を踏みつける。

レ級はうずくまりながら「ヤメテ・・・イタイ・・・」と小さくつぶやく。

しかしその途中、ワタシの体に異常が生じる。

ズキン、と頭が痛む。

それをきっかけに、体のあちこちが痛みだす。

流「ヴッ?!ぐあぁ?!」

すぐにポケットにあるクスリを使おうと手を伸ばすが、指が動かない。

左腕を動かそうとするが動かない。

そうこうしているうちに、どんどん痛みが増して、ついには体中が痛みだす。

流「イタイ!いたい!!」

さらには眩暈と吐き気が生まれ、ついには立てなくなりその場でうずくまってしまった。

流「イタイいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ痛い痛いイタイイタイイタイイタイイタイ苦しいくるしいクルシイイタイきもちわるいイタイイタイイタイイタイ助けてイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ嫌だ気持ち悪いイタイいたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そう悲鳴を上げだし、レ級はなんだ?と体を起こす。

やがて悲鳴は止まり。か細く息をこぼす。

レ級は、何事かと目を丸くしていたが、やがてニィィと笑い出す。

レ「ナンダァ?ドウシタンダァ??」

そう言って、わざわざ私の左肩を踏みつける。

すると体中に尋常じゃないほどの痛みが走り、叫ぶ。

レ「アア?ドウシタ?痛クナインジャナカッタノカ?エエ??」

そう言い、傷口をぐりぐりとえぐる。

レ「ネェ?イマドンナキモチダ??ドンナ感ジダ??イタイカ??苦シイカ??サッキマデハ優勢ダッタノニ一気ニ逆転サレテ悔シイカ?!」

そう言って、何度も何度も傷口を踏みつける。

私は途切れそうな意識の中、懸命にポケットに手を伸ばす。しかし指がうまく動かず、ポケットの中のモノは取れない。

レ「ア?ナンダァ??」

その動きを見て、レ級が代わりにポケットの中のモノを取り出す。

レ「ナンダコレ?注射器??」

レ級が持っているそれに懸命に手を伸ばす私。それを見て、レ級の口角が大きく持ち上がる。

レ「ナルホド。コレノオカゲデオマエアンナニツヨカッタノカ・・・・。」

そう言って、自分の腕に針を突き刺すレ級。注射器の中の液体がレ級の中に入っていく。

レ「クククッ・・・・アハハハッ!!コレデ!!コレデワタシモイタミガキエルッ!!!ツヨクナレルッ!!!キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」

レ級が高笑いしながら空になった注射器を投げ捨てる。

私はそのまま意識が遠のき、やがて目の前が真っ暗になった。

・・・あ、私死ぬんだな・・・。

そう感じ、考えながら。意識が消える。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レ「ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!ア?」

目の前に転がっているモノの活動が完全に止まったことを感じたレ級。

完全に止まったはずなのに、まだ浮いている。

レ「・・・キモチワルイシ、トットト沈メ。」

そう言い、砲を流星に向けるが。

レ「ッァ!?」

レ級が唐突に苦しみだした。

レ「ナ、ナン・・・・ダ?・・コレ・・・」

唐突に吐き気や眩暈がレ級を襲う。

レ「コレ・・・イタミヲケス・・・モノジャ・・・?」

やがてレ級はせき込む。

レ「キ、キモチ・・・ワルイッ!!」

やがてレ級は、休む場所を探すべく流星から目を離し、よろよろと移動を開始する。すると・・・

ボコボコボコボコボコ

流星の近くの水面が泡立ち始めた。

レ「チッ・・・コンナ時ニ!!」

レ級はその泡に向かい砲を向けようとするが。

パパパパンッ!

小さな衝撃が背中を襲った。

レ「ナ、ナンダ!?」

後ろを振り返るが、誰もいない。

また、背中に走る衝撃。

だが、振り返っても誰もいない。

それが2,3回繰り返される。

決して痛くはない。レ級にとっては、肩をポンポンとたたかれる程度だが・・・

パパパパン!

こうも何回も繰り返されると

レ「アーモウ!!ウットオシイ!!!」

気分が悪くてイライラしているレ級にとって、これほどうっとおしいことはないだろう。

レ「ナンダヨ!!ナンナンダヨ一体!!!!」

そう叫びながら周りを見渡す。

しかしそこには誰もいない。あるのは邪魔なゴミのみ・・・。

懸命に周りを見渡していると・・・

ドォォォォォン!!

今度は先ほどよりも大きな衝撃がレ級を襲う。

その方角を見ると・・・・

電「あ、あたった・・・のです??」

雷「な、ナイスよ電!!」

レ級に砲を向ける二人の駆逐艦。『雷』と『電』

レ級はその二人をジーッと見て

レ「・・・コロス!!!!」

と叫んで全速力で走ってくる。

雷・電「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」」

悲鳴を上げながらその場から逃げる二人。それを物凄い形相で追いかけるレ級。

しかしその追いかけっこもすぐに終わった。

レ級の顔面に一発の砲弾がめり込む。それをきっかけに、レ級の周りに有に50は超える砲弾が雨のように降り注ぐ。

レ級はその中、悲鳴を上げながら砲弾を体に浴びる。

やがて砲弾の雨は止み。大きな水柱が落ち着くころには、そこに()()()姿()()()()

それを確認して、その場で大きく息を吐きながら座り込む二人。そしてすぐに雷は通信を開き

雷「こちら雷。レ級の撃破を確認したわ。」

と、相手に伝える。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

水「・・・・・」

流「・・・・・」

生きているのか死んでいるのかわからない流星を見つめる水蓮。

水「・・・・・どうする?」

と、返事ができるわけがない流星に聞く。

もちろん、返事はいくら待っても来なかった。その代わり。

長「りゅうせぇぇぇぇぇいいい!!!!」

長門が夕張と共にやってきた。それを確認した水蓮は流星の頭をつかみ長門たちの所へ運ぶ。

長「!!!おい!!流星!!しっかりしろ!!!!!」

張「流星さん!!!大丈夫ですか!?!?!」

目の前に、生きているのか死んでいるのかわからないモノを見て懸命に声をかける二人。

その二人を見て水蓮は

水「・・・たすけたい?」

と聞く。

その言葉に二人は目を丸くする。

長「当り前だ!!!我々の仲間なのだから助けたいに決まっているであろう!!!!」

長門は怒鳴るように返事をする。

その言葉を聞いた水蓮は「そう・・・」と短く返事をする。そして二人を交互に指さし。

水「のろま・・・のろま・・・」

そうつぶやく。さらには自分を指さし、

水「わたしは・・・非力・・・」

とつぶやく。

長「た、確かに私も夕張も足は遅い!だが!!やれることはやる!!!」

そう叫び、流星を抱き上げる長門。そしてそのまま鎮守府に走り出そうとするが、

張「ま、まってください!長門さん!!」

夕張が長門を止める。

長「夕張!!お前まで!「流星さんを私の背中にっ!!!」!?」

張「流星さんは私が運びます!!」

そう言って、自身の艤装を操作し始める夕張。

長「しかし!お前の速さでは・・・」

張「まさか、なんとなく用意したこれがここで使えるなんて・・・」

そうつぶやきながら、操作する夕張。すると・・・

ガチャンガチャガチャ!!!

夕張の艤装が今までの形とは別の形に変形した。

長「ゆ、夕張・・・これは・・・」

張「説明は後で!早く流星さんをっ!!」

長「!?わ、わかった。」

疑問を持ちながらも、夕張の背中に流星を担がせる。

張「よし・・・少し離れてください!!」

そう夕張が叫ぶと、夕張の周りの水面が大きく波立ってゆく。

すると、大きな水しぶきを上げながら、夕張がものすごいスピードで遠のいていく。

長「・・・・・」

水「・・・・・」

それをただただひたすら眺める二人。

水「・・・・ところで、あなたはだぁれ?」

長「えっ?」

 

 




月1つ上げていく!成功!!
伊「月1って、もう2月終わりじゃん!!」
2月終わりでも2月は2月だよ!!
日「さて、次は何か月後だ?」
うっ・・・・さ、3月には上げるよ!!
伊「作者・・・あんたいろいろまだなんだよね?」
ま、まあそうだけどさぁ・・・・。
日「ん、まぁ、気長に待とう・・・。」

(久々の)オリ艦娘紹介~
『特務艦 矛』
 作者が考えた「ぼくのかんがえたさいきょうのかんむす」の一人。高機動力、高攻撃力(火力ではなく攻撃力)な艦娘。性格や戦法は「猪突猛進」。まるで一本の刀のように鋭くまっすぐである。身長は暁型と同等、もしくは若干それより小さい。砲塔は無く代わりに艤装から自身の身の丈ほどある二振りの刀で戦う。仲間から「おう砲雷撃戦しろや」と突っ込まれるが知ったことかの一点張り。航行距離も短く、2,3回全力で戦えばすぐにガス欠になる。
 ゲーム(本家)では、誰よりも早く攻撃する。その機動力と小ささでなかなか被弾することはないが、耐久力が紙すぎるので、被弾すれば即大破。さらに、すぐに燃料切れになりやすい。補給画面では、弾薬の補給は0、燃料補給は、最大Lvでも10という低コスト。
 運用する時は『特務艦 盾』と運用することをすすめる。


『特務艦 盾』
 作者が考えた「ぼくのかんがえたさいきょうのかんむす」の一人。超装甲のみが売りの艦娘。彼女専用の装備として両手に身の丈以上の大きさの盾を装備する。その姿はまるで『戦艦ル級』。体型は軽巡クラス(長良型軽巡ぐらい)で排水量も軽巡と同等か少し多い程度。性格は物静か。彼女自身に攻撃方法はなく、何があろうとも仲間を守ろうとする。その役割のおかげか、仲間からは「砲戦しろや」とはなかなか言われない。毎回最前線に突貫する矛を心配している。
 ゲーム(本家)では、旗艦でもないのに高確率で仲間をかばう。装甲も異常なほどあるので、なかなか大破どころか、中破もしない。ただし、攻撃力は皆無。ただ守れるのは砲弾のみで、魚雷や前面以外の攻撃はなかなか守れない。補給画面では、矛と同様、弾薬は0。だが、燃料は軽巡並みに食べる。『特務艦 矛』用の専用補給缶を装備しているので、一緒に運用すれば自動で矛のみ補給できる。
 運用する時は『特務艦 矛』と運用することをすすめる。

感想、誤字脱字、質問等があればどんどんください。


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第16話「作戦終了」

~前回までのおはなし~
桜「ふむ、自己紹介感謝する。『桜華』だ。よろしく頼む。」
流「ドウシタノ?レ級?イタイノ??」
水「・・・・ところで、あなたはだぁれ?」


ーー『鎮守府付近海域』ーー

張「流星!もう少し!!もう少しだからね!!!」

そう後ろの()()に呼びかける夕張。だが反応は帰ってこない。

現在夕張は、自身が試験的に開発、搭載していたタービン。

『戦艦でも島風のように速くさせよう!』という無謀なコンセプトで創られたタービン、『VOT(Vanguard Overed Turbine)』を全力で稼働させている。そのおかげで10分足らずで鎮守府が見える距離まで移動できた。

張「よしっ!このまま!!」

鎮守府が見え、少し安堵した夕張。

・・・だが。

張「えっ?なんで・・・?」

どんどん失速していることに気が付いた。

張「まさか・・・燃料・・・切れ?」

そう思い、自身の艤装をチェックすると、そのまさかだった。

張「クソッ!こんな時に!!あとちょっとなのに!!!」

そうわめくも、どんどん速度が落ちていく。

そしてついには、推力がなくなり、潮の流れに身を任せることになった夕張。遠くに見える鎮守府に右手を伸ばすが、届くはずがない。

張「っ・・・・!そうだ!!通信!!!」

そう思い、急いで通信機を動かすが・・・。

張「こちら夕張!こちら夕張!!・・・・嘘・・・故障!?」

聞こえてくるのはノイズばかり。

張「なんでよ!?なんでこんな時ばっかり!!!」

そう叫び、自身の艤装を思いっきり殴る。そのとき、艤装の砲塔部からカランと金属が転がる音がきこえた。

張「そうだ!砲を撃って!!気づいてもらえば!!」

そう思いすぐに砲を撃とうと構えるが。

張(でも・・・背中の流星さんが砲の衝撃に耐えれるの?)

そう考え、すぐに撃つのをあきらめる。

張「クソッ!クソッくそぅ!!!!」

度重なる不運で自分を責めだす夕張。

張「誰か!誰か気付いてよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

そう鎮守府に向かい大声で叫ぶ。

しかし誰からも返事はこない。

張「誰か・・・・だれかきてよぉ・・・・」

顔をしたに向け、涙がこぼれる。

 

「・・・・ぃ」

 

すると、どこか遠くから声がした気がする。

そう思い、すぐに顔を上げる夕張。視線の先には・・・。

川「夕張-!どうしたー!!」

鎮守府からこっちに向かってくる川内の姿が見えた。」

張「か・・・・」

その姿を見て、さらに涙がこぼれる夕張。

張「かわうちぃぃぃぃ!!はやく!!早く流星さんを!!!!」

川「かわうちいうな!で?流星がどうし・・・・!?」

合流した川内は夕張の背中で赤黒く染まった流星を見て、息を止めた。

張「早く・・・!流星さんを!!!」

川「わかった!!!」

そう短く返事をし、すぐに流星を背負う川内。そして、そのまま鎮守府の方へと走り出す。

張「お願い・・・!」

そうつぶやく夕張。

 

 

 

張「あ、そういえば」

ふと、我に返る夕張。

張「あたし・・・・どうやって帰れば・・・」

そう考える、海にポツンと取り残された夕張だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、波止場』ーー

響「・・・・。」

入渠を終えて、海を眺める響。

響(みんなは大丈夫だろうか・・・電と雷はいまどこらへんだろうか・・・)

等と不安を抱きながらじっと水平線の先を見ていると、

響(?なにか猛スピードでこっちに?)

こちらに近づく何かが視界の隅に見えた。

そこにピントを合わせる前に。

ドッパァァァァァァァァァァァァン!

海水を頭からかぶる響。

響「・・・・・・・・」

その直後()()が響の歩いてきた方向へと走っていった。

響「・・・せっかくお風呂入ったのに・・・・。」

ぐっしょりと濡れた着替えたばかりの服を軽く絞る。

響(しかし、今のは川内さんと・・・?)

一瞬見えた光景を懸命に思い出す。

川内ともう一人、背中に力なくうなだれていた人がいたことを思い出す。

響「・・・・まさか」

すぐに駆け出す響。だが川内が走っていった方向とは別の方に走っていく。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、医務室』ーー

青「しつれいしまぁす!!!!」

勢いよく開け放たれるドア。

氷「医務室ではお静かに。」

青葉に向けられる殺気。

八「いや、今回は見逃してやってくれ。で、どうした青葉。」

そう言われ、少しムッとする氷川丸。

青「は、はいっ!主力攻撃隊、および他の艦隊より入電。『敵主力、および残党の殲滅、無力化に成功』です!」

そう青葉が喜々とした声で告げる。

七・八「「・・・・・」」

その言葉を聞いて、俺たち二人の提督は立ち上がり、

七・八「「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」

と歓喜の声を張り上げる。

氷川丸も笑顔になり、ふぅっと息を吐く。

しばらく二人の提督(バカ)がわっちゃかわっちゃか騒いでいる。しかし、青葉の顔は少し浮かない表情をしている。

そのことに気が付き、すぐに青葉に向き直る俺。

八「どうした青葉?ほかに何かあったのか?」

そう聞くと、青葉は口を開ける。

青「轟沈・・・2です。」

その言葉を聞いた途端、全員の表情が一変する。

するとまた、勢いよく開け放たれるドア。

響「氷川丸先生!すぐに入渠ドッグまで!それと司令官!高速修復材を準備して!!」

入るやすぐに指示を出す響。氷川丸は一度こちらを見る。

八「すぐ向かってくれ。」

そう再度指示を出すと。氷川丸は医務室から飛び出していった。

八「修復材も準備しよう。俺たちもドッグに向かう。その道中、何があったか聞かせてもらうぞ。」

そう響に聞くと力強く頷いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、入渠ドッグ』ーー

響からは2つのことが分かった。

1、川内が重症な誰かを背負ってきた。

2、だれが重症になったのかは分からないが。響が見るには意識がないとかんじた。

この二つのことを聞いてさらに移動速度を上げて、入渠ドッグに向かった。

俺たちが入渠ドッグに着くころには、あわただしく駆け回る川内と、指示を出す氷川丸、手術衣を着た明石が居た。

八「氷川丸、状況を。」

氷「はい、特務艦『流星』が意識不明、かなり危険な状態なので、すぐに手術室に移動し、手術を行います。」

響「そんな・・・流星が・・・!」

氷「一刻を争う状況ですので、詳細は後程お伝えします。」

そう伝え、すぐに明石と共に手術室の方に向かう氷川丸。

八「・・・なぁ、七塚。」

七「・・・すまん、俺にはこうなることと、この後のこともわからん。」

八「・・・そうか・・・」

そう短く会話し氷川丸らが向かった方を向きただただ立ち尽くす3人だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『鎮守府付近海域』ーー

張「・・・・・」

ただただぼーっと鎮守府の方を見つめる夕張。

張「流星さん、大丈夫かなぁ・・・・。」

静かに、そうつぶやく。

張「・・・・・」

日が傾き、水平線に沈む太陽に照らし出される海。

張「いつまで私、このままなんだろう・・・・。」

そうつぶやき、錨の鎖をいじる夕張。

張「かわうち・・・なにやってんのよぉ・・・・。」

ーーーー

川「ヤセンッシュイ!!・・・だれよ、私の噂してる人・・・・」  

ーーーー

張「・・・・さみしいなぁ・・・」

そう言って、少し夜のとばりが見える空を見上げる。

張「・・・・」

・・・・

張「・・・・」

・・・・

張「誰か!誰か気付いてよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

!?

唐突に叫びだすが、何処からも反応は無い。

張「ハァ・・・ハァ・・・」

・・・・

張「迎えにこいやぁぁぁ!!かわうちぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!

張「あ”か”し”さ”ん”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”!!!!

少し泣きながらわめく夕張。しかしそのわめきも、ただただむなしく海の波の音にかき消される・・・。

張「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!「るせぇ!!!!」ファッ!?」

矛「なんなのよさっきからあんた!!ギャーギャー騒がしいのよ!!!!」

夕張の前には少し小柄な少女とレ級の様な盾を持った少女が現れた。

張「・・・・」

矛「なにあんた?敵のスパイ??それとも敵そのもの??叩き切っていい??」

そう言いながら腰に提げている刀に手をのせる矛。

矛「なにかいいなさいよ!それとも「・・・たぁ」・・・は?」

張「たすかったぁぁぁぁぁぁ!!!!

矛「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

そんな二人を見て、自身の盾を前に構えてその陰でプルプル震える盾。

矛「笑うな!・・・あ~もう切る!こいつ斬る!!たたっキル!!!」

盾「ま、まってw矛w」

矛「笑いながら止めるな!!」

盾「コホン・・・たすかった、とは、どういう、意味?」

そう言い、夕張を睨む盾。

張「あ、ごめん。いきなり叫んじゃって。あたしは『夕張』。第十八鎮守府所属の兵装実験軽巡洋艦よ!いきなりで悪いけど、あたしを曳航してくれない?」

そう夕張が説明すると、矛と盾は目を合わせ警戒を解く。

矛「わかったわ。あたしたちもちょうど今から()()ところだったし。」

そう言われ、顔面いっぱいに笑顔を作る・・・

張「ん?()()?」

盾「一応、本部に確認、してみますので、ちょっとまってて、ください。」

張「・・・本部って、どこ?」

そう夕張が聞くと、盾は第十八鎮守府の方へ指を指した。

張「・・・へ?」

そしてしばらくすると。

盾「え・・・()()()も、もうじき、ですか?・・・はい。・・・はい。・・・了解です。急ぎ帰還します。」

という盾と通信機の会話が聞こえてきた。

盾「お待たせ、しました。えっと・・・夕張、さん?本部に、確認ができた、ので、曳航、します。つかまって。」

そう言って盾は左の腕を伸ばす。

張「あ、うん。ありがと・・・。」

張(この子たち、新しく配備された子かな・・・?)

盾の腕を取りながら二人の艤装を見る夕張。

張(この二人の艤装・・・まだ開発途中なのかな?砲がない・・・それに、見たことのないタイプだ。)

そう考えながら見ていると、視線に気付いた矛が刀の刃を少し見せる。

矛「なにじろじろ見てんの?失明したいの?」

盾「矛、夕張さんは、味方、です。利敵行為は、重罪、ですよ?」

そう言って、矛を睨む盾。

矛「・・・冗談よ。でも、言いたいことがあるならはっきり言ってほしいのよね。」

そう言って夕張を睨む矛。

張「あ、ご、ごめんなさい。あなたたちのこと見たことのないなって、思ってて。」

矛「そりゃそうさ、ついさっき着いたばかりだし。」

盾「詳しい、ことは、あとで。つきました。」

そう言って、ドッグに入っていく三人だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『第十八鎮守府、港』ーー

長「艦隊、帰投しました。」

今回の作戦に参加し、戻ってきた艦全員が整列し、敬礼をしている。

八「ん、皆よく頑張ってくれた!君たちのおかげで、敵の脅威は去った!今夜はゆっくり休み、また明日からよろしく頼む!第十七鎮守府の皆も、作戦に協力してくれてありがとう!!」

そう言い、今いる全員の顔を見る。各々安堵した顔、疲れている顔等、様々な表情をしている。

・・・ただ一人を除いて。

八「では皆、解さ「提督」・・・」

疲れている皆に長々話すのは酷かと思い、早々に話を切り上げようとすると、手を挙げる者が一人いた。

八「・・・発言を許可する。手短にな。」

日「ありがとう。扶桑は何処にいるのだ?」

その言葉を聞いて周りがざわつき始める。

八「・・・・」

日「山城は?時雨は?夕立はどうした?」

そう言いながら、俺の前まで寄ってくる日向。

日「合流時間になっても現れなかった。それに今この場にもいない。なんの連絡もない。」

そして俺の肩をつかむ。

日「教えてくれ・・・提督よ・・・。4人は何処なんだ・・・・。」

目じりに涙をためながら、懸命に問う日向。

八「・・・「時雨と」!?」

七「時雨と夕立は、今は、医務室で休んでいる。」

俺が悩んでいると、唐突に話し出す七塚。

日「・・・扶桑、山城は?」

七「・・・今回の作戦遂行のために全力を注いでくれた。」

そう言葉を濁す七塚。

日向は肩に置いた手を下し、七塚を睨む。

その視線を受けながらも、七塚は口を開く。

七「扶桑型航空戦艦一番艦『扶桑』、扶桑型航空戦艦二番艦『山城』。両名共に反応が無い。」

その言葉を聞き、一部の者は驚き、一部の者は泣きだす。

その報告を聞いて日向は、

日「・・・・は?

うつむきながら何かをつぶやく。

七「どうしたのかな、日向さん?」

日「捜索はしたのか?」

顔を上げ、強く問う。

七「作戦中だったのだ。捜索する暇なんてなかった。」

その言葉を聞くや否や、日向は海に向かい飛び込んだ。

伊「あちょ、日向?!どこ行くの?!?!」

八「日向!!戻ってこい!!」

俺と伊勢が叫ぶが、全くこちらを見ようとしない。

日『伊勢!提督に伝えてくれ!後でなんでもすると!!』

伊勢の通信機から日向の声が聞こえる。

伊「ちょちょ!日向!!」

八「伊勢・・・・」

伊「あ、ごめんなさい提督!!おこ「通信機を貸せ」・・・はい」

渋々通信機を渡す伊勢。

八「日向・・・・。」

日『止めても無駄だ!私は信じぬ!!』

八「いや、捜索隊を出す。それにお前、燃料はあるのか?」

日『・・・・・・あ』

通信機越しに間の抜けた声が聞こえる。

八「全く・・・・暁!響!川内!神通!行けるか?」

そう呼びかけると、4人は、前に出てきて大きくうな

川「やせんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ずくもの以外にも叫ぶバカが一人。

八「暁、響。悪いが日向に燃料を届けてくれ。」

暁・響「「了解」」

4人に準備をさせ、出そうとすると

古「あの!八谷指令!!」

七塚の所の古鷹型重巡洋艦『古鷹』が話しかけてきた。

八「どうした?」

古「わ、私も同行させていただいてもよろしいでしょうか?」

それを筆頭に、「私も!」「私も」とどんどん志願する船が出てくる。

八「だ~もう!!損傷している奴はすぐに直してこい!それに顔色が悪い奴は留守番!空母達はまだ明るいうちに出せるやつ出せ!!」

こうして、第二次大規模作戦『扶桑型捜索』が始まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーフタフタニーマル『第十八鎮守府、執務室』ーー

七塚、俺の二人は今回のことの報告書を作成中・・・

そんな中、扉をノックする音が聞こえる。

俺は入るように

七「今両提督は不在だ、後にしろ。」

促したかったです。てか促します。

青「ど、ども、青葉入ります・・・。」

そう言って入って来たのは、青葉だ。

八「どうした?」

青「は、はい!先ほど扶桑型のお二人を発見したと連絡が入りました!」

八「おおっ!!!そうか!!そりゃよかった!!!」

七「・・・状態は?」

喜ぶ俺に対し冷静に青葉に続きを聞く七塚。

青「はい!お二人とも艤装は全壊ですが、お体の方は特に異常はないらしいです。」

七「そっか・・・・」

青葉のその言葉を聞いて、今度こそほっとする七塚。

八「よっし!すぐウチで検査しよう!氷川丸と明石に・・・・あ」

すぐに二人に検査を頼むよう青葉に命令を下す前に思い出す。

青「・・・まだ、手術室からの報告はありません・・・・。」

そうして全員でうつむいていると。

バンッと執務室のドアが勢いよく開く。

氷「失礼します!」

八「氷川丸!?」

氷「手術は成功しました!脈拍、呼吸は正常値です。ただ、血液が少し足りないので、しばらくは目を覚ましません。」

手に持っていたカルテを俺の机に広げ説明をする。その目はとても嬉しそうな目だった。

八「そうか!ああ、氷川丸。この後二人ほど身体検査をしてほしいんだが。大丈夫か?」

七「いや、()()だな。」

そう言って七塚が立ち上がる。

氷「三人ですか・・・少しつらいですが大丈夫です。で、患者は?」

八「ああ・・・・ああ、扶桑と山城。それに・・・」

七塚が扉をゆっくり締めると、扉の後ろから白目をむいた青葉が現れた。

八「お前が気絶させた青葉。」

こうして、全ての作戦は成功し、幕を閉じた。

 




大規模作戦ーー成功ーー

ということで、一つの区切りがつきました~ ワ~パチパチパチ~
いや~なんやかんやとできました!!
朝「あ、あの~」
ん?どったのアサシオチャン?
朝「私達の出撃したいみって・・・」
・・・・・(メソラシ)
朝「やっぱり意味ないんですか?!」
いやいや!ある!あったでしょ??新戦力(桜華と水蓮)連れてくるって!!
朝「それでも、全く戦闘描写が無いというのは・・・」
お、お迎えに行けたし!桜華さんに高く見られてたでしょ!
朝「そんな描写あったでしょうか・・・」
えぇ~い!!物語的には必要不可欠なの!!
朝「は、はぁ」
荒「次回は暁型の子達のお話よぉ~(よてい)」
荒潮ちゃんかってに進めないでよ!?

感想、誤字、脱字、質問、文句、あーしろこーしろがあればどうぞ。

今回特殊タグ使ってみたけど。どうでした?


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第17話 「響の報告書」

~前回までのおはなし~
張「流星!もう少し!!もう少しだからね!!!」
青「主力攻撃隊、および他の艦隊より入電。『敵主力、および残党の殲滅、無力化に成功』です!」
古「わ、私も同行させていただいてもよろしいでしょうか?」


ーーーー

 やあ、多くの司令官諸君とそうでない諸君、『響』だよ。

・・・いや、書類上では『Верный』だ。

あまりこの名前は好きではないから、響と名乗っているよ。

 諸君は、『特務艦』の子達をどう思う?

かわいい?よくわからない?ゆるせない?もっとわかりやすく記せ?・・・それとも、

・・・バケモノ?

 私?私は『よくわからない』に一票入れるね。

なんでこんな話をしているのか?って疑問に思う?(思ってくれ。)

それは本編に急に出てきた特務艦。『矛』『盾』『桜華』『水蓮』がいかにして我が鎮守府に来たのか謎だっただろう?

今日はこの4人に出会い、今回の作戦に参加するまでの流れを綴った『報告書』を君たちに公開しようと思う。

え?そんなモノを見せても大丈夫かって?大丈夫だよ。理由はともかく、まぁ見てくれ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーマルキュウサンマル『南西諸島海域』--

私達は、司令官の命令で『資源輸送任務』を遂行中だった。

暁「も~しれいかんのばかっ!」

雷「暁姉またそれ?」

暁「だってこの私が遠征任務に行くのだから見送りぐらいしなさいよ!」

響「姉さん、それ、5回目。」

電「まぁまぁ暁お姉ちゃん。司令官さんは昨日夜遅くまでお仕事頑張っていたのですから、今回ぐらいは許してあげてほしいのです。」

そんな風に4人で仲良く遠征(えんそく)していた。

旗艦は1番艦の『暁』

響「ほら姉さん。前見て。」

暁「見てるわよっ!」

電・雷「暁姉「お姉ちゃん前前!!」」

暁「いやだからみてるってbうわぁ?!」

唐突に暁が下に下がる。

前は見ているが集中していなかった暁は、足元に発生した渦潮に気が付かず、暁のみが渦潮の被害にあった。

暁「わぁあああぁぁぁぁああぁああぁああ?!」

幸い、小さな渦潮だったので、転覆まではしないだろう。

・・・と思っていた。

雷「?!なんかこの渦潮変じゃない?」

電「そ、そうですか??」

響「う~ん・・・たしかに少し違和感が・・・?」

そう思い、ピャーピャー叫ぶ暁と渦潮を眺めていると、

響「おっ?!」

雷「へっ?!」

電「きゃ?!」

いつの間にか、私達まで渦潮に飲まれていた。

雷「なんでぇぇえぇぇぇぇぇぇぇええぇぇ?!」

電「きゃぁぁぁぁぁああああぁぁぁ?!」

響「どうやら、少しずつ大きくなっていた様だね。」

各々叫びながら渦潮の回転に巻き込まれていた。

そしてしばらく渦潮が収まるまで踏ん張っていると

暁「ひびきっ?!たすけt」

響「!!姉さん?!」

暁姉さんが渦潮の中心で姿()()()()()

いや、()()()()()()()()()

雷「暁姉ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

電「・・・うそ・・・」

響「ッツ!!」

私は、姉さんを助けるために、渦潮の中心目掛けて飛び込ん・・・

響「・・・・あ。」

雷「響姉?!」

電「えぇ・・・・」

だはずなのだが、足元が悪く、とても中心まで距離が届かなかった。

響「あぁぁぁぁああぁあぁぁああぁあぁ?!?!」

そして洗濯機のごとく回転し、渦潮の中心に飲み込まれた。

響「あ、あいるびぃー。ばぁあっく・・・」b

そう言い残して。

電「雷お姉ちゃん!!どうしよう!()()()()()()が!!」

雷「・・・響姉は?」

電「ヒビキオネイチャンハギセイニナッタノデス」

雷「えぇ・・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・・・・

・・・・・

・・・・

響「・・・・んぅ」

目を開けるとそこは、見知らぬ天井

響「・・・天井すらなかったか・・・。」

雲一つない蒼い空が広がっていた。

体を起き上げると、髪についていた砂が首筋から服の中に入っていく。

響「・・・どこかの浜辺?」

辺りを見渡すが、それといって目立つものが無い砂浜。

そこに私だけが打ち上げられていた。

響「お、良かった。艤装も一緒か。」

少し遠くではあったが、自分の艤装が見つかり、それを取りに向かう。

響「燃料は・・・少しあるな。」

すぐに装備し、軽くチェックをする。

響「あぁでも、いろいろ海水に浸って、とてもじゃないが動けそうにないね・・・・。」

そうぼやき、艤装に備え付けの時計を見るが、どこかの岩に強くぶつけたせいで画面が割れて見えない。

響「さて、と。どうしたものかな・・・。」

とりあえず、海に沿って浜辺を歩く。

漂流物が多く、はるか遠くの無人島というわけではないように感じる。

ペットボトル、流木、浮き輪、よくわからない物、電、雷・・・・。

響「・・・・えっ?」

電と雷が二人仲良くうつ伏せで倒れていた。

響「雷!電!!」

すぐに叫びながら駆け寄る。幸い、二人ともただ気絶しているだけだった。

目だった外傷は擦り傷と打撲ぐらいで、二人ともゆするとすぐに目を覚ました。

雷「・・・あ、響ねぇ、おはよ・・・」

電「・・・あれ?あかつきおねいちゃん、髪脱色したのですか?」

響「雷おはよ。電、私は響だよ。」

二人とも目を覚ましたばかりで寝ぼけモードの様だ。

雷「・・・!!ここどこ?!」

電「はわ・・・はにゃ!?」

響「ようやく目覚めたみたいだね。」

パニック状態になる二人を落ち着かせながら、今の状態を確認する。

響「二人とも、一応確認するけど、所属は?」

雷・電「「第十八鎮守府」」

響「よし、私も第十八鎮守府。記憶は大丈夫そうだね。艤装は?」

雷「どっかに流れちゃったみたいね・・・。」

電「なのです。」

響「私たちの現状は?」

雷・電「「遭難している」」

響「そうなんです。」

雷・電「「・・・・。」」

妹二人の視線が痛い。

響「とにかく、ここ周辺を探索してみよう。何か些細なことでも見つけたら。すぐに情報共有。いいかい?」

電「了解なのです。」

雷「バラバラで探すの?」

響「いや、バラバラになったらせっかく会えたのに二度と会えなくなるかもしれないから、三人固まっていこう。」

そう確認し合い、三人で浜辺を歩き出す。

しばらく歩くと、

響「二人とも、あれを見て。」

雷「なに?」

電「あれって・・・?」

大きく赤い、人工の建造物・・・鎮守府を見つけた。

電「鎮守府に近いところに打ち上げられたのですか?!」

雷「なにそれ!超ラッキーじゃん!!」

響「・・・たしかにラッキーだね。でも・・・」

見つけた鎮守府は外装は第十八鎮守府によく似てはいるが。

響「別の・・・しかも、()()()()()()()()だね。」

十八にはあるはず物がなく。いたるところにツタが絡まり、まったく人気が無かった。

電「誰もいない・・・のです?」

雷「ここなら、雨風をしのげるし!体を休めることができそうね!!」

響「・・・とりあえず、入ってみようか。」

そう決めて、入れるような所を見つけ、中に入る。

中に入ると、ほとんどの所が瓦礫の山と化し、舗装されていたであろう所が割れ、そこから多くの草が生い茂っていた。

電「な、なんだか怖い・・・」

雷「ま、まさかここまでひどかったとは・・・・」

怖気づく二人のために、どんどん先陣を切っていく。

倒れ、中身が空のコンテナを見つけ、中にいたフナ虫を追い払い、二人を呼ぶ。

響「よし、ここを中心として二手に分かれよう。私は本館に向かって、コンパスと海図が無いか探してみる。二人は工廠跡や食堂、ドッグ跡で燃料や弾薬、飲み水、食料を探してきてくれ。」

雷「ふ、二手に分かれるの?!」

響「うん。島全体じゃなくてこの廃鎮守府内なら何かあったら叫べば問題無い。司令官も心配しているだろうから、いそいで帰る方法を探したいけど、ダメだった時用に漁船とかを待つために長期滞在するための食糧が必要になる。効率よくこの2種類のことを澄ませるのなら別れた方が早いだろう?」

雷「そ、そうね。わかったわ。」

電「い、電も了解なのです・・・。」

響「よし、じゃあ1時間後・・・って、時計が無いや。まぁ、適当な時間がたったらここに集合ね。」

そう言って、二手に分かれ探索を開始した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『廃鎮守府、本館』ーー

漁船を待つことはたぶん不可能だろう。負けた海域なんて、深海棲艦が多く出没するから、漁船なんて通るわけがない。そのためにも、必ず海図を見つけなければならい。

そう考えながら、廃鎮守府本館の扉を開ける。中は薄暗く、ところどころ木が腐っている。造りや部屋なんかは十八鎮と同じように感じたので、海図がありそうなところはすぐに目星がついた。

そう考え、足を一歩踏み出すと。

ミシィ・・・・

木製の床が軽くきしむ音がでた。するとその直後、

コンコンコンコンコンコンコン・・・・・

奥の方に逃げていくように遠ざかる足音が聞こえた。

響(誰か居る?!)

足音の方を見るが、暗くよく見えない。しかもその方向は、先ほど目星をたてた部屋があるところ。

恐怖と緊張で心臓の音が耳に脳に響く。

呼吸が無意識に荒くなる。

背中に冷たいものが流れ落ちる。

さっきは先陣を切っていたが、私だって怖い。今すぐにでも泣き出したい。目が覚めた時だって、独りぼっちじゃないか不安だった。

でも、そんな態度を取っていたら、妹たちが余計不安に陥ってしまう。だから、平然をよそってきたが、

響(怖い・・・こわいよ・・・姉さん、雷、電・・・・)

やはり恐怖には、孤独には勝てそうになかった。

頬にあつい物が伝って、顎から落ちる。

響(落ち着け私!こんなところで泣くな!!)

そう自己暗示をかけて、胸を思いっきり殴る。そのせいでせき込むが幾分かましになる。

響(今会敵するのはやめた方がいい。何かが逃げた反対側にも目星をつけた部屋があるし、そこから探そう。)

そう考え、足音の反対側に歩を進める。

しばらく歩き、階段を上り、目的の部屋を見つける。

響「・・・執務室」

目の前にある扉の上の札を読み、確認する。

扉に耳を当て、中の音を聞こうと試みるが、特に音は聞こえない。ノックを軽くして、様子をうかがうが、反応は無い。

私は、意を決し、恐る恐る扉を開ける。入ってみて最初に入ってきた光景は、正面の壁から海が見える。敵の砲撃で穴が開いたのであろうと簡単に予想ができた。

そして、提督机の付近に転がる鉄の塊、上に乗っている白い丸いモノ。

中に入り、それが何なのかを確認する。・・・予想はできていて、頭からは『見るな』と命令が出てきたのにも関わらずに。

鉄の塊は、艤装。

ーーヤメロ

机の上にある

ーーミルナ

白いモノは

ーーイヤダ

・・・頭蓋骨

響「はは・・・・あはは・・・・」

よくよく見ると、机の向こうにも骨が散らばっている。

鉄の塊はよく見ると駆逐艦・・・特に暁型であると予想ができる。艤装の側面に骨の艦娘の名前であろう文字が刻まれている。

響「・・・ま・・・」

文字はかすれて読みづらかったが、かろうじて読めたのが『ま』の一文字。

それだけで、誰だかわかる。わかってしまった。

唐突に眩暈が起こり、心臓が強く脈打つ。

呼吸が荒くなる。

吐き気が込みあがる。

気持が悪い。

いやだ

いやだいやだ

響「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

目の前の現実を受け付けたくないと心が、体が否定する。

ついには、その場に座り込み、その艤装を抱きしめ、泣いてしまった。

違う人。そのはずなのに。ただの同一個体で全くの知らない人なのに自分の身近な人と被さる。

しばらく泣いていると。

?「ひ、響なの!?」

唐突に後ろから声がした。

その声にハッとして、手で口を押え、どこかに隠れようとする。

?「だれ?!響?!いるの?!それとも、お、おおおおおオバケ??!!」

その声をよく聞くと、とてもよく聞いた声だった。

響「・・・姉・・・さん?」

?「ひ、響?響なのね??」

執務室の入り口から恐る恐る顔を出すのは暁だった。

その顔を見てすぐに、目の前がかすむ。

響「姉さん!!ねえさん!!!」

暁「うわぁ?!ちょ、響!?どうしたの?!」

とびかかる私を受け止め尻もちをつく暁。

しばらく、泣き続けるわたしと、困惑するもすぐに私の頭をなでてあやす暁の二人が執務室に残った。

・・・・・・

暁「・・・落ち着いた?」

響「うん・・・・」

暁「何があったの?」

響「怖かった・・・。」

暁「そう・・・(わたしもめっちゃんここわかった)」

響「姉さん・・・」

暁「ん?なぁに?」

響「・・・・ぺったん娘」

そのとたん、頭に強烈な痛みが走った。

・・・・・・

合流した暁に、現状を伝える。

響「・・・・というわけで、姉さんには、私と行動してもらうよ。」

暁「了解。・・・あ、後二人の艤装なら私の倒れていたところにあったわよ。」

響「! 本当かい!?」

暁「え、ええ。」

響「・・・本当みたいだね。」

暁「嘘なんか「姉さん」ん?」

響「・・・それ、電の艤装・・・。」

それを聞いてすぐに艤装を確認する暁。

艤装の側面には、堂々と『いなづま』の4文字が書かれていた。

響「・・・姉さんと電の艤装って・・・」

暁「おだまりひびき」

※暁は改二です。

響「姉さん、所属は?」

暁「第十八鎮守府」

響「最近建造された娘の艦種は?」

暁「え?たしか『特務艦』だっけ?」

響「・・・私の知る姉さんで間違えないね。」

暁「当然よ。」

響「まぁ、それはそれとして・・・姉さんはそっちの棚、私はこっちの棚を見るから、海図があったら教えて。」

そう言って立ち上がり、すぐに行動を再開した。

私が立ち上がりすぐに「ひっ」という悲鳴が聞こえたが、気にしない。

棚の中にあるファイルの背表紙をざっと見ていく。

作戦報告書、会敵報告書、演習報告書、遠征報告書・・・どれもこれといってめぼしいものが無い中、何も書いてないファイルを見つける。

どれもこれもしっかりナンバーやタイトルが書いてあるのにも関わらず。ただ一冊だけ何も書いていない。

少し気になり手に取り、適当なところを開く。

『〇月×日、気温XX℃ 湿度YY%』

分量   ・燃料    ・・・XXX

     ・弾薬    ・・・X▢X

     ・ボー▢▢イ▢ ・・・XXX

     ・鋼材    ・・・X▢▢

      ・▢▢▢▢の▢ ・・・▢▢▢

   ・開発資材  ・・・X

     結果・・・・失敗

完成物:▢▢すらと▢▢▢お▢▢、会▢▢意▢▢▢も不可。完全なる▢▢。

 

ところどころ虫に食われたり、文字がかすれて読めないが、どうやらなにかの結果を綴ったモノの様だ。

響(なんだこれ?燃料や弾薬、開発資材とかあるから、建造や、開発なんだろうけども。なんだか一つ材料が多いような・・・?)

他のページも同様で何かの結果の様だった。真剣に読み漁り、最後の材料が何なにかを必死で考える。

響「深・・・木?・・・海??・・・・???」

暁「響?」

響「ふぇっ?!どうしたの??」

唐突に声を掛けられ、少し驚きながらも返事をする

暁「海図あったけど・・・大丈夫?」

そう言いながら、暁は自分の手に持っている『海図帳』という本を見せる。

響「ああうん。ナイス姉さん。」

暁「れでぃとして当然よ。にしてもずいぶん古い海図ねぇ。見てこれ、鎮守府が5つしかない。」

鎮守府が5つ?

響「姉さん。ここは第何?」

暁「え?た、たぶん第四・・・・!!」

響「なるほど・・・・ここは『第二次防衛大戦』の時に落された、『発展の鎮守府』なんだね。」

『第二次防衛大戦』・・・人類が海域を深海棲艦に制圧され、日本やその他の首都にも深海棲艦が集結するのを防いだのが『第一次防衛大戦』、その後すぐに始まったのが『第一次反抗作戦』その後人類は多くの鎮守府や補給府を日本各地に設立し、多くの艦娘を建造した。計5つの鎮守府が完成したときに、敵の大艦隊が日本の首都東京めがけて進行しだしていた。その艦隊を撃退した大戦のことを『第二次防衛大戦』となっている。その時のこちらの被害は、約鎮守府2か所分の艦娘、人材。一つの鎮守府という大きな損害を食らった。その時落ちた鎮守府が『第四鎮守府』。

 原初の鎮守府の4つは『第一次反抗作戦』やそれ以外の成績を讃え、二つ名が授与されていた。第一鎮守府は首都や漁船などの防衛、避難誘導等の功績を讃え『正義の鎮守府』。第二鎮守府はどこよりも深海棲艦の轟沈数を稼いだことにより『力の鎮守府』。第三鎮守府は、多くの場所で幅広く作戦を遂行していたことにより『自由の鎮守府』。そして私たちがいまいるここ第四鎮守府は、艦娘の装備、開発資材、修復材を開発したことにより『発展のの鎮守府』となった。

響「となると・・・十八はここだね。」

暁「うわぁ・・・地味に遠いわね・・・。」

響「この距離を今ある分で・・・・うん、無理だね。」

全速力で飛ばしても半日以上かかる距離。今私の艤装の中にある燃料じゃ目的地のはるか遠くで停止してしまう。

暁「誰か一人でも向かわせればいいんじゃないの?」

響「うん・・・それでも足りるかな?」

渦潮に巻き込まれたとき暁は直に流されたから、燃料は少し余裕があるはずだ。私はしばらくは踏ん張っていたが、途中で自分から流されたので、少ないがある。問題は・・・

響「・・・姉さん。電の艤装の燃料って、どれぐらいある?」

暁「え?えっと・・・・・あ~ほとんどないわね。」

響「となると、雷もだろうなぁ・・・。う~ん」

暁「これって・・・」

響「多分・・・」

暁・響「「無理ね」だね」

二人の言葉がハモり、それがおかしくて笑い合うが、すぐに現実に戻りため息を漏らす。

響「・・・とりあえず、コンパスをさがそう・・・。」

暁「そ、そうね・・・。」

そう決め、移動を開始した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『廃鎮守府、集合場所』ーー

私達が集合場所に向かうと、そこには雷と電の姿があった。

響「お~い。二人とも~」

私が叫ぶと、二人はすぐに反応し、こちらを見るやすぐに駆け寄ってくる。

雷「あかつきねぇぇぇぇぇぇ」

電「おねいちゃんぅぅぅぅぅ」

妹二人によるタックルを正面から受け、3人ともに地面に倒れ、そのまま感動の大声で喚く二人と、行動は嫌がっているが顔はまんざらでもない表情をしている暁。

わいわいぎゃあぎゃあ騒ぐ三人を見ていると少し寂しい・・・。

その気持ちで少し力み、手をたたくと普段より大きな音が鳴り、3人が少し驚きながらこちらを見る。

響「はい!で?そっちは成果は?!」

雷「あ。うん・・・カンパンみたいな保存の効くものは見つかったけど。飲み水はどれも日が経っていてダメだったわ・・・。」

暁「弾薬と燃料は?」

電「響お姉ちゃんの大声が聞こえたので、食堂を探索してすぐここへ来たのです。」

私の大声・・・たしか・・・いや、忘れよう。

響「ということは・・・」

暁「4人で工廠探索ね。」

ということになったが・・・。

響「その前に、二人(姉さんと雷)は艤装を取ってきた方がいいよ。」

雷「え?あるの?!」

電「い、電の艤装は?!」

雷は驚き、電は私に顔を近づける。私は、その二人に対しゆっくり人差し指を出す。向けた先には・・・

暁「・・・・。」

顔をそむける暁。私はその暁の背中をさらに指さす。

雷「・・・暁姉、それ「うっさい」アッハイ。」

電「と、とりあえず。艤装をとりにいくのです!」

暁「場所は私が知っているから。雷、電ついてきなさい。」

電「暁お姉ちゃん。私の艤装おいてけ。」

~艦娘艤装回収中~

響「よし、じゃあ工廠行こうか・・・。」

各々それぞれ自分の艤装を装備し、工廠へ向かう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『廃鎮守府、工廠』ーー

どこの鎮守府の工廠も作りはがっしりしている。そのおかげか、この廃鎮守府の工廠も崩れずに形を残したまま建っている。

・・・違うところといえば、

雷「な、なんだか・・・ものすごく怖いわね・・・」

響「人気・・・いや、妖精さんが一人もいない」

通常、工廠では艦娘の艤装や装備、建造を手伝ったり率先してやってくれたりする『妖精さん』がたくさんいたりする。だがここには、その妖精さんが一人?もいない。

電「と、とりあえず、中に入ってみましょう・・・」

工廠の入り口は鍵がかかっていたり、古錆びて開かないということはなかった(開け辛かったけどね・・・)

暁「中は・・・やっぱり真っ暗ね・・・」

電気なんて、当然通っているはずがない。

響「姉さん。探照灯を」

暁「了解。」

暁の持つ『探照灯』のおかげで、部分的にだが明るくなった。

響「えっと・・・あ、あった」

そう言って、工廠のシャッターを上げる。おかげで、工廠の中が良く見えるようになった。

電「これでいろいろ探せそうです!」

雷「よぉ~っし!使えそうなもの片っ端から見つけるわよ!!」

雷の掛け声で暁、電が返事をしている中、私は()()()()()()に目を向けていた。

響(建造ドッグが閉まってる・・・?)

通常、建造ドッグは、建造中もしくは建造完了して艦娘を迎えるとき()()閉まっている。つまり・・・

私はすぐに建造ドッグに近づく。すると、作業台の上に一枚の紙が置いてあった。

内容は・・・

『建・は、・・し・ やはり・・・・の・・だけ・・なく、体の・・も必要だったらしい。今後とも・・・・・・・・』

後半や一部がかすれていて読みづらく、一部しか分からなかった。

響(これは・・・あの執務室のファイルと関係があるっぽいね・・・。)

そう深く考えていると

暁「響!!」

響「!?ね、姉さん?どうしたの??」

暁「何難しい顔してるのよ!電と雷が、奥の密閉格納庫で燃料と少しの弾薬見つけたみたいだから、行くわよ!」

響「あ、うん。すぐ行くよ・・・」

ここはとにかく後回しにして、補給を済ませよう・・・。

~艦娘補給中~

雷「・・・お!動いた!!」

暁「私の艤装も動いたわ!!」

電「はわわ・・・う、動かないのです・・・」

響「私のもダメみたいだね・・・」

私と電の艤装だけ、内部に少し異常があった。

響「う~ん・・・どこかに同じ型の艤装でもあれば・・・」

電「あっちにまだ未探索の部屋があるです。そこを探索してみるのです。」

電が指さす方を見ると、鉄製のスライドドアが見えた。

雷「ちょっと待ってて、見てくるわ!」

そう言って、雷一人で扉を開けようとする。が、

雷「ふんっぬぬぬぬぬぬぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!!ったぁ!ダメ、開かない・・・。」

全体重を乗せてドアをスライドさせたようだが、びくともしない。

暁「私も手伝うわ。」

雷「暁姉だけじゃ無理。っていうか、私達じゃ無理ね。」

そう言って、鉄扉を眺めていると。

ジャキン!

暁が砲を鉄扉に向け、弾薬を装填した。

響「ちょ!姉さん!!雷!伏せて!!!」

その声を聴いて、雷がこちらを振り返ると同時に、暁の砲が赤く発光する。

大きな音と共に鉄扉の一部が爆ぜて、亀裂が入る。

暁「あともう一発ってところかしら?」

暁がどや顔を決めてると、

響・雷「「バカあねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

妹二人から全力の突っ込み。

響「なんで!?なんで撃った??もしも今の砲撃で工廠が崩れたらどうすんの?!」

雷「なぜに!?何故に撃った??もう少しであたしに当たるところだったじゃない?!」

暁「うっさい!!レディである姉を侮辱するからよ!」

響・雷「「ふざけるな!!」」

そう3人でギャーギャーやっていると。

電「えい!」ゴイン!!

電が錨を鉄扉に向け振り下ろした。すると程よい小さな穴が鉄扉に開いた。

電「いい感じの穴があいたのです!先に進んでみましょう!!」

暁・響・雷「「「ナイス末っ子!!!」」」

電「名前を呼べ」

扉の先は、艤装置き場だった。特型、睦月型、長良型等々・・・大小さまざまな艤装が置いてある。

響「よし!ここのパーツをもらっていこう!」

そう言って、自分の壊れた艤装のパーツと同じパーツを探す。

雷「ん?なにあれ??」

そんな中、雷は一枚の扉を見つける。

雷「・・・開けちゃえ」

一瞬考えたが、考えることをやめ、ためらいも無く扉を開けた。そのとたん、工廠の中にひどい悪臭が充満した。

暁「何この臭い!!」

電「はわわ・・・うっぷ・・・」

響「おなら・・・なわけないよオrrrrrrrrrr」

各々すぐに臭いに気付きどこからか辺りを見渡す。すると

雷「ぎゃああああああああぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

突然、雷の叫び声が聞こえた。

すぐに声のした方を見てみると、腰を抜かし、床に尻もちをつく雷の姿があった。

雷のもとに駆け寄り雷の目線の先をみてみると。

響「っ!!!!なんだ・・・・これ!!!!」

中には、多くの骨、複数個ある円柱の水槽。一部の水槽は、割れていたり中が無かったりしているが、中が紫色の謎の液体で埋め尽くされたものもある。

暁「何?どうしたの??」

電「ひ、響お姉ちゃん?なにがあったのです?」

響「見ちゃダメだ!!」

暁と電もこちらに近づいてこようとするが、私は全力で中を見せないようにした。

暁「な、なによ「姉さん!!!」っ!わ、わかったわ・・・」

私の顔を見てすぐに、理解してくれたらしい。すぐに見るのをあきらめた。

響「電、すまないが私の艤装の修理も頼む。姉さん、探照灯を貸して。それと雷を外へ。少し風にあたってくるといい。」

顔を蒼くし、小さく震えている雷の肩に手を置いて、気を落ち着かせようとする。

それぞれが私の指示通りに動き、部屋の前には私一人になった。

ーー『???』ーー

窓もなく、出入口もここだけ。暁から借りた探照灯で部屋を軽く見てみると。床や壁、天井のいたるところが黒くなっている。

響(これはもしや・・・いや、考えちゃダメだ。)

中身の入っている水槽の一つを照らしてみる。すると、液体の中に何か固体があるように見えた。

ぼんやりとしていたり、一部無かったりするが、私、いや、誰もが見たことのある影が見えた。

すぐに水槽のコントロールパネルを見つけ照らすと、予想は確信になった。

響「駆逐・・・イ級・・・!!!!」

このビーカーの中には深海棲艦駆逐『イ』級が入っている。すぐさまほかの中が入っているビーカーを見て回ると。イ級以外にもホ級、ワ級や人型に近いル級、ヲ級等多くの種類の深海棲艦が入っていた。

響「なんで・・・深海棲艦を・・?」

そうやって回っていると作業机の上に一つのファイルを見つけた。適当なところを開いてみると

実験はひとまず成功した。

やはり、深海棲艦の・だけではうまくいかないらしい。

・の一部を使用することで、・・・・と考えられる。

あとは、・・の問・だ。

今後も・・・・・・・

 

響「深海・・・棲艦!!??」

ところどころ読めないが、なんとか読めるところで、この4文字が中心に入ってきた。

響(?!どういうことだ???一部を使用する???いったい何に???まさか・・・・・)

そうこう考えていると、外の方で鈍い音が聞こえた。それと同時に電の叫び声が聞こえてくる。

電「響お姉ちゃん!!!敵なのです!!」

響「!!数は?!」

電「確認できたのは駆逐3、軽巡4、戦艦3!ほかにも空母が少なくとも1隻はいるはずなのです!!」

その報告を受けて、私は頭の中が真っ白になった。

戦力差は圧倒的、さらには弾薬、燃料共に補給できたとはいえ少ない。逃げようにも空からの監視もある。

どうあがいても勝てるわけがない。逃げられるわけがない。

暁「響!!逃げるわよ!!!」

雷「電!響姉の艤装は?」

電「修復は完了したのです!」

それぞれが逃げる準備をしている中、私はとあることを考え走り出す。

暁「うぇ?!響!?」

電「響お姉ちゃん!!どこいくです!?」

走り出し、たどり着いた先は、建造ドッグ

響「ハァ・・・ハァ・・・か、完成しているのなら・・・・!」

建造ドッグの開閉ボタンを力強く押す。なぜかここの機能だけは生きていたらしく。大きな音と共にシャッターが持ち上がる。それと同時に

バァン!!!!

敵の砲撃音が聞こえ、その数秒後、この工廠の中に敵の砲撃が命中する。

雷「ひびきねぇぇぇぇ!!!!」

暁「う、うそ・・・・」

電「は、はわわ・・・・あああ・・・・・」

砂埃が充満し、視界が悪くなる。姉妹の声が聞こえる中、私は唯一見えるその()()の背中をただただ見ていた。

?「大丈夫、ですか?」

戦艦ル級にも似た身の丈ほどある大きな盾を持った女性がこちらを心配そうに見つめる。

?「歓迎の花火にしては、ずいぶん物騒ね」

?「これお前、いつまで寝ておるのだ。シャキっとせんか。」

?「んぅ・・・あと・・・5年・・・」

そんな会話が後ろから聞こえてくる。

?「あ?あんただれ?ってかここどこ?」

響「説明はあとでなんでも受け付ける。今は少々、私達に手を貸してくれないか?」

?「ん?・・・なんでも・・・?」

?「ふむ・・・了解した。我もいろいろ情報がほしい。」

?「たのしけりゃなんでもいいわ。で、あんた名前は?」

響「響・・・いや、正式には『Верный』だ。好きな方で呼んでくれ。」

?「ふむ、自己紹介感謝する。響よ、敵はどれだ?」

砂埃が晴れて、それぞれの姿が見える。

一人は小柄で、腰の左右にそれぞれ一振りの刀を下げている。

一人はとても大きな体、それと多くの主砲が付いたとても大きな艤装。

一人はスクール水着、両腕にはそれぞれ一門の長い砲が付いている。

計四人の不明な艦娘、『()()()』がそれぞれ姿を見せる。

響「・・・あの正面に居る、黒い者たち・・・『深海棲艦』だ。」

そう言うと、小柄な少女が口角を持ち上げ、腰の刀に手をのせる。

?「了解・・・・さぁ、始めましょう!!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この後は、言うまでもない。矛が大暴れ、桜華が大乱射、水蓮はかく乱して敵はあっという間に全滅。そして、私が適当な艦名を命名し、家に帰る準備をした。

これが、『矛』『盾』『桜華』『水蓮』との出会いさ。

大体わかったかな?この報告書を捨てるように命令された意味が。

ふふ、この報告書を見た時の司令官の顔。すごかったんだよ?

私だって信じたくなかったけど、これが真実なんだ。

流星は・・・いや、『特務艦』は・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・いや、それでも彼女らは、私の仲間。

この鎮守府の『家族』だ。




へ、平成最後の投稿じゃぁぁぁぁぁぁい!!!!
桜「む?間に合ったか。」
月1投稿してやったぜ!!!
桜「しかし驚きだな。まさか・・・」
昔から妄想していた内容だよ。ありえないことだから妄想し放題だね!
桜「まさか、間に合うなんてな」
そっちかい!!!
水「ちなみに・・・流星は・・・どうやって・・・・?」
ん?それなら当事者に℃ぞ。
ヒ「イヤーマサカシレイカンヲコマラセテヤロウトシテレキュウノアタマノアノショクシュ?ヲイレテミタラネ、デキチャッタノデスネ。」※本人の要望により音声を変更しております。
水「なぜ・・・それが・・・あった・・・?」
ヒ「エ?アソビハンブンデヒッパッタラトレタカラモッテカエッテキタ」
水「エェ・・・」

そこのところは、ガバガバだったりではなかったり・・・・。

あ、感想、誤字脱字報告まってま~す!


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