Re:Game Start (ウルト兎)
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戦姫絶唱シンフォギア/ステージ
ステージ1/時は今、始まりけり


では、存分に目を汚してください。


 

 

手を伸ばす

破片を取る

血が溢れる

手に持っていた糸で

血管を締め

溢れ出す血液を止める

先程からこれを繰り返してる

だが可笑しい

何故、私はこの少女を治療している?

何故、手術の仕方を知ってる?

何故、自身の口調が変化している?

何故、私はノイズと戦える?

何故、ノイズと戦える手段が有る?

そもそも事の前提として

 

私は一体、何者なんだ。

 

時は遡る。この状況が作り出される前へと

 

 

 

ピピピ…ピピピ…ピピ、パン‼︎

(……11時か。)

 

 

真っ白で必要最低限の家具、それと音楽楽器以外ない部屋で鳴り響く目覚まし時計。

 

その部屋に眠る彼こそがこの物語の主人公である。

 

 

(古典的な目覚ましを止めてオハヨーゴザイマス)

 

今日も今日とて起床し、遅めの朝ごはんを作る少年。時間は11時。

 

朝ご飯を作りながら有ることを自身の確認を始めた。

 

(日課の自分の確認を始めまーす)

 

(僕の名前は天崎 総使。何処でもいるわけではない不思議な記憶喪失者でここの孤児院の最年長の1人。現在は高校三年生になり、就職に頭を悩ませる日々をこれから過ごす予定の男性。空から落っこちて来たみたいに木の上に引っかかていているのがファーストコンタクト)

 

(仮に名乗っている名前の由来はふざけたもので枝に引っかかる僕を見たアニメ好きの先生は某映画のワンシーンみたいだって、面白がり厨二的名前にしとこうとかなんとかで、そんな名前にしたんだとか。)

 

 

孤児院に入ったばかりの時は周りの子供達も自分を心配して、駆け寄ってくれた。

 

(でも、自分というのが分からない僕はどうしても仲良くなることができなかった。)

 

その事に対して院のみんなは僕をいじめること等はしなかったが、友達が出来ることもない。

 

(そりゃそうだ、こっちから避けているのだから。)

 

別にその事が悲かったわけではない。

ただ自分が周りとは決定的に違う何かが有る。

 

(そんな僕の願いは普通であること。アニメ好きの先生はやっぱり厨二病だね。とよくほざくので、毎日の様に目潰しを食らわせる日々を過ごす。)

 

これが僕である…付け加えるなら毎日こうやって確認していかないと、変なことが起こりそうで怖いというところだろうか。

 

(…確認している間に孤児院の最年少メンバーが来たから、昼飯も作っておくか。)

 

 

窓の外から小鳥のさえずりのハーモニカを聴きながら男、天崎 総使は二階の部屋から降りていった。

 

 

 

 

 

(遅めの朝ごはん兼昼ごはんを食べたので、先日作り上げたものを出しに行こうと思う。)

 

(孤児院は比較的に裕福な孤児院だと思う、ここの孤児院を出て行った人達全員がここに仕送りしているし。だから、子ども一人一人に好きなものも買ってもらえるし、趣味のための道具も認められている。)

 

僕の趣味は、つい最近始めた楽曲制作、といってもコレから社会人になるために色々頭を悩ませなければいけないのだから、思い出づくりと趣味作りのための気休め。

 

ただの…その場限りの趣味だが。

 

昨日出来上がった楽曲を今日レコード会社に届けてみた。 …流石に大物アイドルの様になれるとは思ってないが。

 

 

 

 

 

届けた後何となく散歩をしてながら、今までのアイドルを振り返る。

 

どれも個性的なアイドルばかりで自分がもしなれたのなら記憶喪失をウリにしたアイドルだろうか?…こんな感じだから厨二とか言われるのだが。

 

アイドルではないが一番衝撃的だったのは演歌歌手、刀を持って歌うとは思わなかった。

 

 

 

そんなこんな打算のない妄想を広げていると、いつの間にか遠くの場所へ来てしまっていた。

 

辺りが騒がしいと思って周りを見ると背後にアリーナがあるのが見えた。

 

そういえば今日はツヴァイウィングのコンサートだったなと思い。踵を返して前に歩き出すと、

 

ふと爆発音が聞こえ後ろを振り返る。

 

 

 

他者を押しのけ互いを潰しあいながら、自分だけが助かろうと画策する、人の醜い部分を象徴するような群れと

 

 

人類にとっての絶対の死神、ノイズがいた。

 

 

「そこをどけぇ!」

 

 

 

(あっ‼︎)

 

 

 

player change Zwei wing

♪君ト云ウ 音奏デ 尽キルマデ♪

 

壊れたアリーナの天井から覗かせる黄昏…即ち夕方の刻

 

そこでは二人の少女がノイズと戦っていた。

 

「奏、大丈夫⁉︎」

「あぁ、大丈夫だ‼︎、そんな事より早く、このノイズを倒さねぇと。」

 

そう言いながら戦う二人の名は天羽 奏、風鳴 翼。

 

『F.G.式回天特機装束、シンフォギア』という装備を使い、ノイズと戦う者達だ。

 

本日、彼女達が所属する特異災害対策機動部ニ課は、完全聖遺物と呼ばれる欠損の無い聖遺物を起動させる実験をした。

 

その実験の内容は2人のユニット『ツヴァイウィング』、そのライブによって発生されたフォニックゲインを使用して起動させるというものだ。

 

実験結果は成功、を通り過ごして失敗。

 

フォニックゲインが大量に集まる事による暴走が発生。

 

それによって引き起こされるライブ会場の爆発、合わせて出現したノイズの大群により、観客席はパニックを起こした。

 

この2人は観客が去った後のライブ会場で少しでも被害を減らそうとして、ノイズを倒しているのだ。

 

 

 

だが、いかなる時でも運命は残酷である。

 

 

「⁉︎逃げ遅れ‼︎⁉︎」

 

1人の少女が逃げ遅れていたのである。

 

天羽 奏は少女を庇うため、槍を使い防御する…だが無茶な使い方だからか、アームドギアはヒビ割れ砕け、破片が飛び散る。

 

そして、そのうちの破片の1つが少女の胸を貫いた。

 

天羽 奏にはその様がスローに見えた。

 

自分が少女を守るために行った行為が、結果的に少女の命を奪ってしまった事に。

 

彼女は走り、少女の元へ辿り着く。

 

「おい、死ぬなぁ‼︎眼を開けてくれ‼︎」

 

力はだんだん失われ、少女の目が閉ざそうとした時に。

 

「生きる事を、諦めるなぁ‼︎‼︎」

 

奏のその言葉に応えるように少女は眼を弱々しく見開き、顔を見つめる。

 

「良かった。まだ生きている。」

 

彼女は周りを見渡す。

 

 

あれだけ戦ったにも関わらず、大量のノイズが未だに存在する。

 

このままでは、この少女や自身の相棒でもある翼も生き残れないことを悟った彼女は…

 

シンフォギアシステムの禁じ手を使う事を決心した。

 

「いつか、ココロとカラダ、全部空っぽにして思いっきり歌ってみたかったんだよな......」

 

「だめ‼︎、奏、歌ってはだめ‼︎」

 

奏が何をしようとしているか、分かった翼はその行為をやめさせようとして、叫んだが

 

当然止まる訳が無かった。

 

 

「絶唱‼︎......」

 

そうして禁じ手を放とうとして、再び歌い始めようとしたその時

 

 

《CRITICAL SACRIFICE》

 

 

その言葉と共に緑色の回転鋸がライブ会場の入り口から解き放たれ、大量のノイズを消し飛ばしていった。

 

「ッ!、なんだ今のは⁈」

 

彼女はライブ会場の入り口を振り向いてみると、其処には

 

右手に小型の機械を取り付けた一人の戦士が立っていた。

 

 

 

 

player change Amasaki

 

(オ、カシイ。ボクハノイズノナミニノマレタ。ナゼ、ノイズハボクヲブンカイシナイ)

 

少年はパニック状態の観客の手によって死神の海を漂っていた。

 

完全に観客達が逃げ去った後。先程の哀れな少年は生き残っていた。

 

ただしこれは異常なことである。ノイズは人間に触れると自身を巻き込んで、炭素へと変換して、殺すのだ。

 

それ故、少年はノイズを死神と表現するのである。

 

(ウゴケナイ…ヨカッタウゴケナイトイウコトハボクハシンダボクハシンダオネガイダソウデアッテクレ)

 

しかし、気が狂いながらも少年は生きている。

 

ということは、とどのつまり少年の感は間違ってはいなく…

 

自身が思う通り。普通の存在ではなく、周囲とは違う『異常な存在』だったのだ。

 

ただそれだけの話である。

 

(イヤダ、イヤダ、フツウガヨカッタ。オレハニンゲンデアリタカッタ。キラワレルノガコワイ。ヒトリガコワイ。ワカラナイノガコワイ。シヌノガコワイ。)

 

少年も先程の観客と同じ様に混乱していると、ふと自分の下腹部に何か取り付けられているのに気づく。

 

ナンダコレ?

 

《バグル アップ》

 

少年が埋もれていたノイズの海から緑の輝きが溢れる。

 

その輝きにノイズは吹き飛ばされ、少年は浮かび上がる。

 

それと共に特徴的な声と音声が流れた。

 

『天を掴めライダー、(Wooo!!)刻めクロニクル(Wooo!!)、今こそ時は極まれりぃィィィ‼︎』

 

声と共に様々な色に変化するパネルが頭上に現れ少年を通り抜けると共に、少年の姿が変わる。

 

その姿は所々、欠損した部位がある。緑色の戦士だった。

 

変化は凄まじかった。

 

先程ノイズの炭素変換が通じないとはいえ、抵抗はできなかった少年が…立場が逆転し、ノイズが手も足も出せない程に強くなっている。

 

その証拠にノイズを蹴り、殴る、投げ飛ばし、まるで子供の癇癪の様に戦うにもかかわらず、次から次へとノイズが倒されていく。

 

途中から飽きたのか腰についていたチェンソーを取り外して、手に持っていたグリップに取り付け、ノイズを切り裂く。

 

そうやっていくうちに少年はこのチェンソーの使い方を知っていく。

 

「そうだ私はこれを知っている。これには強力な力があったはずだ。」

 

少年はそうぼそりと呟き、大人しくなった…先程の暴走とも、悲壮とも呼べる行動をやめて

 

その事に気付き辺りを見回すといつの間にか、ノイズの発生源と思われるライブ会場の中にいた。

 

「だめ‼︎奏‼︎歌ってはだめ!」

 

声がした方向を見ると、ノイズの群れが見えた。

 

(歌ってはだめ?…どういう事だ、いや、何故私は戦えているんだ?…口調も変になってるし…他にもノイズを倒せる手段はあった、でも歌うってどういう事だ?、私とは違う力ということか?、でも、1つだけ言える事がある。私はこいつらが......)

 

混乱の極みにいた少年が出した結論は

 

「絶唱‼︎......」

 

(憎たらしい‼︎‼︎)

 

先程までと同じく、苛立ちをノイズにぶつける事だった。

 

少年はさっき知った使い方。チェンソーの刃の反対側についているボタンを押したあと、今度はチェンソーの刃の方のボタンを押す。

 

《CRITICAL SACRIFICE》

 

音声とともにチェンソーを振ると緑色の回転鋸が放たれ、大量にいたノイズを一つ残らず切り裂き殲滅した。

 

「なんだ今のは⁉︎」

 

戦士は声の方向をよく見ると、ボロボロになったラバースーツ?を着ている女性と、

 

血だらけになっている少女が居た。

 

それを見た少年は再び暴走を始める。

 

言葉より行動が先だった。

少年は走りだすと、その方向にいた女性は壊れた槍を構えるが、通り過ごし、呆気にとられているうちに少女の元に辿り着き、少女を近くで見た。

 

(......酷い怪我だ。このままだと、死んでしまうかも知れない。)

 

「おい、お前‼︎、その子になんかしたら、ただじゃ済まさねぇからな‼︎」

 

少年は背後から叫ばれた声に振り向くと、先程の女性が苦しそうにしながら、此方に向けて槍を突き出していた。

 

「お前は、誰だ?なんでノイズと戦える?」

 

............

 

沈黙した戦士が口に出した結論は

 

「分からない。分からないから1つ試してみたい事がある。」

 

「はぁ?、何「この子の応急処置」‼︎出来るのか⁉︎「出来るという確信はあるがやった事がない。」はぁぁ‼︎⁉︎」

 

次何か言われても面倒だから、とっとと行動に移す。少年はそう考え、左手にいつの間にかあった十字マークのついた箱から糸を取り出すと。

 

「今から必要最低限、この子中にある欠片をとる応急処置をする。」

 

此処で今の時間とつながる。

 

そして必要な処置を終えた。

 

まわりを見ると、いつの間にか青い髪の少女もいた。

 

私は呆然とする赤髪の女性に預けると、私はよろめいた。というか、身体がぶれだした。

 

身体が別の所にある。そんな奇妙な感覚が戦士になったばかりの少年の体に流れる。

 

何かを言おうとした赤髪の彼女の心配を他所に、彼は雑音と共にその場から消えた。

 

 

 

夕日が落ちて、月が見えない新月の夜。

少年は気づくと、ライブ会場から余りにも離れた場所に立っていた。

 

少年は先ほどの事は白昼夢だったのかと思いかけたが未だに続くこの状態が否定した。

 

これを止める方法を考え、何故か解除手段を知っていたことに気づく。先程のチェンソーをベルトに取り付けた後、チェンソーに取り付けられていたカセットを取り外した。

 

すると緑の戦士の状態から、いつも通りの見慣れたジーンズにパーカーの地味な男子に戻った。

 

手に取ったそのカセットそのカセットのタイトルを見ると英語で書かれてあり、

 

KAMEN (仮面)RIDER (ライダー)CHRONICLE(クロニクル)

 

少年は小さな声でその名を言った。

 




なんか色々と申し訳ありませんでした。
よければこれからも見ていってください。


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ステージ2/針が指し示す2年後

読んでくれている方々ありがとうございます。
初めて読む方もありがとうございます。
天崎が自身が人間ではないかもしれないという事実に気づいた1話目、2話目はその二年後の話となります。
では、どうぞ


あれから時は流れた。

その間に新たなに判明した事。

緑の戦士の能力、名称。

彼女らとは違う能力だという事。

......僕は人間ではないという事。

そして、音楽の才能を持っていた事。

 

本番入りまーす。とスタッフの声。

これから収録するためにマイクの前に立つ男性アイドル。

オカマっぽいマネージャー。

 

僕は今、新曲の収録するためにスタジオにいる。

 

あの後、僕は何気無い顔を作って孤児院へと戻った。

おかえりという院のみんなの言葉が来た後、帰ってくる事が遅かったな、とだけ先生に言われた。

 

普段は通らないコースを通ってきただけと答えた。……正直、今日起きた事を話しても信用してもらえないだろうし、僕も自分がバケモノであることを話したくはなかった。

 

その雰囲気に院長は何を勘違いをしたのか、喧嘩にして来たんだな青春だね〜と言ってきたので、脛を蹴った後、目潰しした。

 

脛ガァ〜、目ガァ〜と言う汚いBGMを他所に少年は今日の出来事を思い返す。

 

あの時起きた事は冷静に振り返ってみれば、僕はただの被害者に過ぎなかった。

 

この少年何言ってやがんだ⁉︎と思う人は思い返してほしい。

 

少年は散歩の帰り道で、運命のような形で特異災害出くわし、粗暴な人によって巻き込まれた結果、自分自身の異常性に気づかされてしまった。

 

そこから先のことでやったことといえば、自衛と応急手当てぐらいで何も悪い事はしていない。

 

そう、しなかったのだ。

 

この事が後にある事件を引き起こすがそれは少し先の話だ。

 

天崎くんの思考にもどろう。

 

 

だが、早い内に判明して良かったと思う自分もいるのも、また確かだ。

 

あの時いた2人の女性はツヴァイヴィングだった。

 

顔が剥き出しになっている以上その存在もバレやすい。

 

にも関わらず、公にならないのは政府の機関、もしくはそれとは別の何らかの組織が情報隠蔽している。そう考えられた。

 

なので、これからは自分の身の振る舞いにも気をつけなければならない。

 

出来る限り自分に繋がる情報を断つと同時に、この謎の力でどんな事が出来るのか、どんな事に使うのか。

 

それを考える必要があった。

 

そう思いたった翌日、先日楽曲提供したレコード会社の人が来てると先生から言われた。

 

それを初めて聞いた時、ゾッとした。あの時の「歌ってはだめ」という言葉を、今頃思い出したのだ。

 

『歌う』×『アイドル』=『音楽関連の会社』。

 

昨日の自分の行動が恨めしい。

 

断頭台に行く囚人のような気分で、二階にある部屋から降りて行くと、そこには何時もより嬉しそうな顔で微笑みを浮かべる先生。

 

白いスーツを着た見慣れない人が居た。

 

下手な作り笑いかも知れないが僕も微笑みかいそうとした結果苦笑いになってしまい、緊張していると思われたのか、レコード会社の人から「急な事ですまないね。」と気を遣われた。

 

その後、話を聞いてうちに「君の歌を聞いて感動した!」、「すぐには決められなくても良い‼︎、でも、もしデビューするなら是非、我が社でのデビューを考えて欲しい」といった様な言葉が流れてきて、不思議に思い「会社にはどんな人達がいるんでしょうか?」と聞いてみたところ、どうやらツヴァイヴィングとは全く関係ないアイドルや業務の人の説明多く、純粋に僕をスカウトしにきてるかもしれない。

 

その後考がる時間が欲しいと言い、スカウトマンの人に帰ってもらった。

 

先生には自分が音楽界に行くにしても本当にあの会社で良いか確認したいから、ネットが使えるところに行ってくると、言って出かけた。

 

その後、ネットカフェで先程のレコード会社、ツヴァイヴィングが所属してる事務所、他の音楽関連の企業、それと関連する会社をひたすら調べた。

 

そのおかげで、一先ずあのレコード会社はツヴァイヴィングと何ら関係が無い事が分かった。

 

白スーツを着ている理由は分からなかったが。

 

調べ終わった後、孤児院に帰ると、どうだった。と先生に聞かれた。

 

そう言われると悪い所はない様な気がする。

 

自分が普通だったら、迷わずやっていたんだけど...。

 

僕の気が沈んだことに気づいた先生が、「やりたい事をやりなさい。でも、自分がやった事には自分で責任を取るんだよ。」

 

.....................それなら僕は......

 

 

 

「はーいOK、終了でーす。お疲れ様でしたー」

 

スタジオのスタッフがそう言うと、機材を片付けたり、アイドルとマネージャーが話し合いをはじめながら、晩御飯の話をして、それに便乗する自分のマネージャー。

 

結局、最初スカウトしにきたレコード会社に作曲兼作詞家として就職した。

 

この結果が後で、悪い事に繋がるかもしれない。

 

だけど、自分が決めた事だ。

 

もし周りに被害が出るようならば、その責任はしっかりとる。

 

それが、我儘をしている僕がすべき事だと思うから。

 

天崎がそう考える中、機材の片付けを終わり、天崎は打ち上げをいつやるかを聞いてからスタジオから出て帰った。

 

その帰り。電車の中で再び考えを巡らせる。

 

あれから、2年も経つその間能力の確認のために、出現したノイズと戦いこの力を知っていった。

 

その際にあの二人組と、赤髪の超人、スーツ忍者とも交戦したが、何とかバレずに済んでいる。

後者二つに関しては、今は逃げるようにしている。多分、後々脅威で無くなるという確信が有るので警戒を怠らなければ大丈夫のはず…だよな…?

 

(今日は美味しい物をたべて、明日も有る曲の収録に備えて寝よう。)

 

しれっと、人類の砦を軽くあしらっていることを心の中で暴露した少年は、ゆるい危機感を持ちながら今晩の晩御飯はガッツリ系にすることを決めた。

 

 

 

player change Tokkibutu

 

 

 

 

ここは特異災害対策機動部二課の本部、あ此処では2年前からある会議が行われている。

 

「では、今回もクロノスについての会議を始めよう。」

会議を取り仕切るのが赤髪の大人は「風鳴 弦十郎」この二課の指令を任されてる人物だ。

 

それ以外にはツヴァイヴィングの2人、そのマネージャーであり天崎にスーツ忍者と名称された「緒川 慎次」、シンフォギアシステムの提唱者「桜井 了子」、その他の二課の職員が揃っている。

 

「まずは、彼が使っているあの力について、了子君。」

 

「はいはーい。最初に現れた時に使った丸鋸みたいなエネルギーや時折彼が放つ光弾を何度も調べてみたんだけど、やっぱりフォニックゲインではないわね。何なのかしらねぇ、あのエネルギー?」

 

2年前、現れた謎のシステムを使う人物についての会議が始り、各々が自分が思っている事、気になっている事を発言する。

 

「でも旦那、あいつは悪い奴じゃないと思うぜ?もし悪人だったら、初めて会ったとき、あの子の手当てなんかしないだろうし。それに名前をあっさり教えてくれるほどだしな。」

 

「奏君、確かにそうだが、上の人間はあの謎のシステムが気になって仕方ないらしい。「それは私もよー」了子君もああ、言っているしな。」

 

「奏、確かに悪い人では無いかも知れないが信用するのも私は如何かと「なぁ、翼その話し方は止める事って」止めない。第一クロノスは何処から、何故あの時現れたんだ⁉︎そんな力があるなら、何故すぐ来ない‼︎」

 

「確かに。翼さんの言う通り、彼が現れるタイミングが可笑しいですね。それに加えて会場を去ったときの、あの消え方...まるで......」

 

「(...翼はあの事が未だにトラウマになっているな。)了子君、この前に頼んでいた事だがあれは矢張り

 

 

 

 

ノイズ寄りの力なのか?」

 

その言葉に対し、周囲から息を飲むような声が聞こえた後、場の緊張感が高まった。

 

「うーん、そうとも言えるし、そうとも言えないと言えるわね。使われているエネルギーは分からずじまいだけど、彼が消え去る時に使うあの移動の仕方は...ノイズが突然現れるときと、よく似ている。ひょっとしたら彼はあのゲームのキャラクターみたいな姿こそが、本当の姿かもしれないわね。」

 

桜井 了子と言われた人物はそう聞かれて悩んでいるような素振りを見せながら、そう発言した。

 

「もしそうだとするならば、謎が多いノイズについても何か知っているかもしれない...皆、これからもクロノスの追跡を続けるぞ。」

 

周囲の殺伐とした空気になり始める変化を感じとったのか言い放ったその言葉共で会議は終了し、自分の持ち場に戻り始める。

 

クロノスの正体が明らかになるまでこの会議は続くだろう......今はそれ程意味がある行為ではないのだが。

 




活動報告欄にこの作品の投稿ルールが載っています。
読んでくれた皆様、どうかご了承下さい。

因みに今回の作品はジャスト3400文字です。


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ステージ3/運命の音が響き始める

本日の文です。
第2話を読んでくれた方々。
感想をくれた人に感謝します。

前回のあらすじ
天崎が職についている最中、トッキブツではクロノスの会議が行われていた…どうやらノイズと同じかどうか、疑われているらしい。

第3話では天崎の仕事が終わった頃から始まる。


「はーぃ、OK、これで新アルバム『クロウ』収録曲全部終わりましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

いつの間にか、恒例になって言ったシャウトを聞きつつ、僕は拍手をする。

 

(何故かこうなのだ。)

 

周囲の人が言うにはこれを聞いてテンションが上がらない方がおかしいと...今回のアルバムは曲調が速い曲だったからか?

 

(次のアルバムは落ち着いてる曲調にしてみよう。周囲の反応が気になる。)

 

スタジオから、段々と馴染んできたスタッフの方々と帰りの挨拶を交わしながら帰路に着く。

 

普通なら、この後打ち上げなどあるのが一般的な光景なのだが、うちの会社は楽曲が売れてから打ち上げをするのが定番らしい。

 

そんな理由で帰路についていたのだが、

 

 

今はノイズを踏み潰している。

 

 

なんて事のない、帰ってる最中でノイズが出現したのだ。

 

現在の私の住居は孤児院の先生の迷惑が関ってはいけないと思い、給料でマンションの部屋を借りそこを本住所としている。

 

それ以外にも今後を考えて、内緒でもう一部屋借りたのだが、今回はマンションに帰ってる最中にノイズが出て来た。

 

(...休むときには休ませてくれ。)

 

周りにいた人が、あの時のように周囲を犠牲にしていく光景を見ながら、人目のつかない位置に逃げ、2年前からの付き合いを続けてる装置...『バグヴァイサーII』を手にした。

 

何故、『II』なのか、疑問に感じるが脳内に浮かび上がるのは何時も『II』だ。

 

それをバックルを取り付けた後、腹筋の下の部分に押し付けて、ベルトとして装着する。

 

次にゲームカセットのような形をした変な名前のアイテム『ガシャット』を取り出した。

 

この二つの道具のスイッチを押し、起動。

 

ゲームのスタート画面のような音楽が流れ、自動的にバグヴァイサーIIの穴にガシャットが装填。

 

ベルトの別のスイッチを押し...あの姿へと『変身』する。

 

『今こそ時は極まれりぃィィィ』

 

言葉が鳴り響いた後、あの姿になった。

 

(..何時も事だが何か足りない気分になる。)

 

脳内に浮かび上がるLevel5の数字が離れない。

 

いまいち気分が乗らない中、普段通りに考えを巡らせる。

 

この二年間でLevelが2上がってるのだから、RPGのように上がるものだと認識しているのだが、どうやったら上がるのかが分からない。

 

取り敢えずノイズを倒せばゲームのように上がるものだと信じ戦っていたが、Levelが上がる条件ではないことを、一年間で認識した…未だ上がる条件は不明。

 

ギッポ、ギッポと独特な足音が鳴りひびいた。

 

ノイズが少しずつ近づいてくることが分かり、思考を中断。

 

 

今いる路地裏から飛び出て、ノイズとの戦いを始めた。

 

player change ???

 

私は逃げていた。

この子を抱えて逃げていた。

私は助けなくちゃいけないんだ。

 

私は親友の未来に言われて、ツヴァイウィングの限定アルバムを買えない可能性に気づいて、買いにいったさきそこでノイズの襲撃にあった。

 

私一人なら逃げられたかもしれない。でも、この子を見捨てるなんてことはしちゃいけない。

 

(だって、奏さんや翼さん、名前も分からないあの人は、私を助けてくれたんだ‼︎)

 

たとえあれが夢だったとしても、私があの時言われた言葉は忘れられない‼︎

 

私は絶対に、生きることを諦めない‼︎

 

(...なんだか、歌いたくなってきた。)

 

そうだ、歌を歌えばこの子の怖いって気持ちを抑えられるかもしれない。

 

よし、歌おう‼︎

 

『Balwisyall nescell gungnir tron』

 

歌うと、同時に身体に痛みが走った。

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

私は次々現れるノイズを格闘に限定して倒していた。

 

普段使うバグヴァイサーIIは強力な威力はあるかもしれないが、サイズが小さいせいで、多勢を相手にした戦闘に向いてない。

 

その為、銃としての形態を普段使って戦闘している。

 

このモードでの技が奴等を殲滅するのに向いてると、今までの経験が裏付けしてくれる。

 

《キメワザ...CRITICAL JUDGMENT》

 

音声と共にレーザーを放ち、ノイズを焼き払う。...どうやら今のが最後らしい。

 

傍受した通信によると、そろそろ奏者がつくようなので、この場の撤退を決めると。

 

 

「何ぃッ⁈」

 

不意に何時の波長が近くのダムの上から発生し始めた‼︎

 

(真逆、通信の傍受に気づいて、わざと⁉︎...いや、ない。)

 

お人好しな人達が多い特務災害対策機動部だ、先程まで周りにいたノイズを一刻も早く倒したいはずだ

 

(では、これは一体?。)

 

ダムの上に目を向けると、巨大な機械が出ては消えてを繰り返しているのが見えた。

 

(…そこか‼︎)

 

緑の戦士が飛び上がり先程見えた所と別のダムに乗り、身を隠しつつ少しずつ壁から少し顔を出し、それを見ると。

 

あの日、処置を施した少女がいた。

 

 

 

player change

 

 

 

「え、えぇ‼︎ナニコレ⁈私、どうなってるの?」

 

これってあの日の...て、ことはアレは夢じゃなくて現実?

 

「おねぇちゃんカッコいい‼︎」

 

‼︎...うん、そうだ。今はこの子をとにかく助けるんだ‼︎迫り来るノイズから逃れようと駆け出すと、空中にいた。

 

「ヘッ?」

 

え、まさかアレッぽっちの力でこんなに飛んじゃった?此処まで?て、危ない⁉︎

 

子供をこれからくる衝撃から守るために抱き抱え、背中が地面とぶつかった、

 

さっき怪我した場所が痛むが、それでも諦めない‼︎私は奏さん達のように「少女、君は二課の一員なのか?」え?

 

声の方向を見るとダムの上から落ちてくる

 

あの時、私を助けてくれた人がいた。

 

 

 

movie start

 

 

 

緑の装甲に身を包んだ人物はゆっくりと、地面に着地し少しずつ少女に近づいてくる。

 

「えっと二課?てのは分からないですけど、二年前助けてくれた人で合ってますよね?」

 

「?…⁉︎。あぁ、そうだ。だが、「あの時はありがとうござます‼︎」こちらの話を遮らないで欲しいだがね?君は「でも、何でここにいるんですが?」ノイズがいるからだ。君は一体何故「成る程、私と同じ人助けって事ですね‼︎」いや違う、そんな高尚な理由ではない。というか私に話を「えぇ、違うんですか⁈」...うっとうしい!君は私の話を黙って聞く事は出来ないのか⁉︎」

 

「ご、ごめんなさい!「お、お姉ちゃん。」な、何?」

 

幼き女の子は次々と驚くことが起きた為興奮して目を輝かせていたが、すぐ側に近寄ってきてくるノイズを指を指す。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ、そうだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!私、ノイズに追われていたんだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!‼︎」

 

あぁ、もう私のバカ‼︎さっきまで追いかけられていたのに‼︎と、取り敢えず

 

「逃げましょう‼︎緑のひ…と?」

 

緑の人に目を向けると、その様子をしっかりと見ていたせいか、大きな溜め息を吐いた後、手に取り付けられたゲーム機?ノイズに向けると、大量の光が雨の様に放たれた。

 

その光景に眼を見開いたまま見ていた少女と子供は着弾してノイズを倒す様を目撃した。

 

「えぇ⁈や、やっぱ「これはノイズを倒せる力の一つだ。」えっ、「少女が身に纏っているそれも、ノイズを倒せる力だ。」えぇぇぇぇぇっ、じゃあツヴァイウィ「君は少女を守る事を第一に考えろ、第二に歌を歌い続けろ、それは歌うことによってエネルギーを確保している。」えぇでも何でそんなものが「知らない。だから君は君のやりたい事をやりなさい。」あっ…はい!分かりました‼︎」

 

先ほどの仕返しをするように今度はことごとく少女の声遮る大人気(おとなげ)ないクロノス。

 

だが言われた通りにしようと思い、その会話の後再び少女は歌い出した。

 

戦いを始めようとする緑の戦士、ふと何か思い出した様子で後ろを見て、

 

「遅くなったが、私の名前はクロノス、クロノスと呼んでくれ、最もこの力の名称だがな」

 

少女はそれを聞き、呆気にとられたような顔をした後、嬉しそうな顔をして一旦歌うのをやめ、

 

「分かりました!私の名前は立花 響、好きに呼んで下さい!‼︎」

 

そう言って顔を引き締め歌をまた歌い始めた。

 

「では、フルネームで呼ばせてもらおうか!」

 

その言葉と共に『クロノス』はノイズへと飛び出し、戦闘を開始した。




皆様如何でしょうか?
明日も投稿します。時間は未明でーす。


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ステージ4/事後報告

3話を読んでくれた方々、ありがとうございます。
感想もご自由にどうぞ。

前回のあらすじ
天崎はノイズを撃退するなか二年前の少女にであう…でも、その様子は何かおかしそうで?
4話は、その後のノイズとの戦いから始まる。



クロノスは響を追いかけ回しているノイズをグリップに取り付けた、バグヴァイサーⅡで切り裂き。

 

立花 響は幼い少女を守る為必死に逃げる。

 

「ッ立花 響‼︎大丈夫か「はいッ、大丈夫ですッ。私はまだやれますッ‼︎」ならばよし‼︎」

 

返答と共に集団のノイズに対して、『CRITICAL SACRIFICE』によるチェンソーの切断攻撃で、切り裂いた。

 

戦う内に、剣と槍が降り注ぎクロノスが倒し損ねたノイズを破壊していく。

 

「へ?、あっ、奏さんと翼さんだ‼︎」

 

「お前は?、まぁ、よく分からないけど今は取り敢えず。」

 

「ノイズを倒すぞッ‼︎奏ッ‼︎」

 

「あいよッ‼︎」

 

シンフォギア奏者に加え、異端の能力を持つクロノスがそれぞれのやり方でノイズを倒していき

 

そして、戦闘の音は止んだ。

 

早い話だが、ノイズは殲滅に成功したといことだ…だが同時に、別の問題が発生した。

 

目の前に風鳴 翼が突き出した刀がある、すぐ近くには二年前のあの日から変わらずシンフォギアを纏う天羽 奏もいる。

 

「何度も逃げられたが、今日こそは着いてきて貰うぞ、クロノス‼︎」

 

「おーい翼?今そんな流れじゃなかっただろ?さっきまで、あんなに連携をとって戦えただろ?「無理だ、奏」あぁ、はいはい、じゃあちょっとこっち来てくれるか?」

 

「え、えぇ⁉︎⁇」

 

立花 響の戸惑う様子を横目に見につつ、ガンモードのバグヴァイサーIIを構えた。

 

「⁉︎抵抗するというならば、力尽くでついて来てもらうぞ‼︎」

 

ほんの少しの間緊迫した空気が流れた。だが、それを壊すように、

 

「なにぃ‼︎」

 

風鳴 翼の後ろを見て私は叫んだ、いや叫ばずにはいられなかった。

 

 

 

「‼︎………」

 

 

 

その様子に風鳴 翼や周りの者達が其方を見ると………何もなかった。

 

「おい翼⁉︎引っかかるな‼︎」

 

「その通りだ。子供騙しに引っかかるな、いい加減学習しろ。」

 

地面を撃って、煙が立ち上っている間にワープする。

 

(…しかし、何で毎回毎回睨むのだろうか?さっぱり分からない。)

 

 

 

player change Kanade

 

 

 

(………翼また引っかかりやがった。)

 

2回目の遭遇を思い出すなぁ。

 

あの時は死にかけだったところを助けてくれたことに対する礼を言ったんだが、

 

あの後翼が「奏を助けてくれたことには礼を言う、ても、私達と一緒について来て欲しい。」って話したら、「断る」って言って、言い合いになってる時に彼奴が急に黙りこんで、静かに上を指差したから、思わず上を見た隙に逃げられたんだよなぁ…。

 

自分の名前を言いながら……まるで映画に出てくる怪盗みたいな逃げ方だったから少し興奮したけど。

 

「………/////////////.........」

 

(あ、やべ。翼の気そらさねぇと、後でめんどくさい事になるわ。)

 

 

 

「おーい翼、次こそはクロノス連れ行こうな?、それにこの子にも、ついて来てもらう必要があるしな。」

「‼︎分かった奏。さぁ、一緒について来てもらおうか‼︎」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…」

 

・・・あー、選択ミスった。考えるべきだった、翼のポンコツ具合。

 

(後で旦那と一緒に説教だな。)

 

急にお姫様抱っこで連れて行ったことに対して。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

(もしかしてわざと、引っかかっていてくれるのか?)

 

毎回、風鳴 翼が引っかかっている理由を考えながら歩いていると、マンションに到着した。

 

ドアを開けて自室に入ると、電話が鳴っているのに気づいた。…番号は事務所だ。

 

「はいもしもし、天崎ですが。『天ちゃん大丈夫‼︎?』……大丈夫です。シャチョさん。」

 

社長じゃないのにあだ名がシャチョさんという個性的なマネージャーから連絡が来た。二年前から面倒見てもらってるいいオカマだ。

 

『ついさっきノイズが出現したってニュースがあってビックリしたんだよ‼︎「大丈夫です。ケーキを買いたかったので何時もと違う道を通って帰りましたので。」本当に?「本当です。今日は甘酒を使ったケーキが販売されてましたよ。」良かったぁ……もう、心配かけさせないでよぉ〜天ちゃん。』

 

……シャチョさんありがとう。こういった何事の理不尽のいない日常が好きなんだって事を自覚するよ。

 

(『あまちゃん』というアダ名は納得しないがな‼︎)

 

『あ、ごめん別の連絡が入ったから切るね?「分かりました。お仕事頑張って下さい。シャチョさん」有難う、じゃあね〜。』

 

ツー、と音が鳴った後、受話器を戻した。…さて今回の殲滅の反省を行うとしよう。本当に買ってきたケーキを食べながらね。…少し甘すぎるな。

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

「あのー、奏さん翼さん。」

「何だ?えーと、今更だけど名前なんていうんだ。」

「あ、立花響です。」

「なら、響って呼ばせてもらうぜ。」

 

「あ、はい…ここリディアンですよね?」

 

目の前の学校を指差して響は言う。

 

「そうだな。」

「何でここに来たんですか?」

 

奏は何か思いついたように意地悪そうな笑みを浮かべ

 

「そ・れ・は・だなぁ〜、ここに秘密の基地があるからだよ。」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎、ど、何処にそんな物が⁉︎」

 

「アッハッハッハ、いや〜いいリアクションするね〜響は。」

(奏さんて、こんな人なんだ。でも私には言いたいことが。)

 

自分の憧れの人がどんな人か、若干響は掴見始めた頃に、お礼の言葉を言う

 

「あの、奏さん「何だ?」あの時助けてくれて有難うございました‼︎」

 

(さっき翼さんがお姫様抱っこで車まで連れていかれたから、言うの忘れてたよ〜、どうしよう白状者とか、思われてないかな?大丈夫かな?)

 

「…ぁあ‼︎響、ひょっとして二年前のあの子なのか⁉︎」

 

「はい!「…先に謝っておくけどごめんな。」いえ、大丈夫です!あの時、奏さんが助けてくれたからこそ今の私がいるんですから。」

 

(そう。あの時、奏さんと翼さんが助けてくれたから今の私がいるんだ。…あれ?)

 

「奏さん。翼さんは何処に行ったんですか?」

 

「(旦那に呼び出されてんだろうなぁ)…多分先に行ったと思うから。私らも行くぞ。秘密の場所、特務災害対策機動部二課にな。」

 

 

 

movie start

 

 

 

少女等が隠されたエレベーターに乗り、地下に降りていく。

 

「こんな所にエレベーターがあったんだ…」

 

「そうさビックリするよな。初めてくるとさ。」

 

「あ、はい。でも、私大丈夫なんでしょうか?翼さんにここに連れてこられてのはビックリしましたけど…何か悪いことをしちゃったみたいだし。」

 

「悪いことはしてないぞ。ただ、あのままだと別の意味で危険だったから注意も含めてのことだとし。「へ⁉︎」それと、多分次もビックリすると思うぞ〜。」

 

「えぇ‼︎…一体何が起こるんですか⁈」

 

ゴトンと音がなった。如何やら目的の階層に着いたらしい。

 

「はわわわわわわわわわ!……」

 

響はこれからどんな物が飛び出してくるのか緊張し身を強張らせていると。

 

パン ‼︎パパン‼︎銃声のような音がして。

 

「立花響君ようこそ‼︎特務災害対策機動部二課へ!」

 

熱熱な歓迎が待っていた。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

(…無理だ。何という絶望的状況なんだ。)

 

 

 

このケーキ想像以上に甘すぎる。

 

例えるなら、そう。二日酔いならぬ三日酔いで頭がズキズキと痛んでいる所に、断れない飲み会に誘われ、四次会まで付き合わされることになった、社員の絶望…その名も永遠酔獄。

 

 

(こんなの全部食べたら、確実に胃がいかれちまう…)

 

いや、しかし、買っておいて食べないのは失礼じゃないか?

 

厨二先生も、「お残しはあきまへんでぇ〜。」ってふざけながら言ってたし。…残したら地獄を見たし。

 

でも完食したらしたで、問題がある。

 

明日は大事な会議が、アニソン関係で新曲の会議がある。…欠席は許されない。

 

(…捨てるべきか、胃を殺すべきか。人生の為を思って、捨てるべ)

 

 

 

そのとき、唐突に三重奏が響いた。

天崎少年は恐る恐る見ると、自分の携帯の画面に、孤児院の先生の名前がでてる。

 

 

(…取るか。)

 

 

「はい、天崎です。先せ「なんかさぁ、俺の第六感が告げてんだよね?」はい?」

 

突然の言葉に疑問符を浮かべると

 

「お前、食べ物捨てたら…また地獄を見せるぞ。」

 

そう言ったあと、通話が切れた。

 

 

ツーツーツーという音を他所に、周囲の状況を確認する。

 

監視カメラ、盗聴器、監視者など、ありとあらゆるいま置かれている状況を察しできる物は周りになかった。

 

…その後、天崎少年はその瞳を濁らせながら甘・THE・ケーキを完食した。

 

翌日、食事が喉を通ることはなかった。

 




第4話も見てくれた方々に感謝します。

因みに作者は、自分の表現能力が低いことがわかっているので省けるとかは省く派です。
なので、シンフォギア無印の話全てに、天崎を関わらせるつもりはありません。
結果、所々話が飛びます。
ご了承下さい。

第5話も明日投稿します………


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ステージ5/赤緑の戦い

ここまで読んでくださった皆様、この作品を読んでくださってありがとうございました。ウルト兎の次話投稿に御期待下さい。

グレートな海馬様、誤字報告ありがとうございます…こちらがお礼のブルーアイズです。

前回のあらすじ
ツヴァイウィングの翼はクロノスに毎回いじられていた…クロノスに変身する天崎は甘・THE・ケーキによって自身の胃袋に強力な一撃を喰らった。

今回の話は天崎の悩み事から始まる


僕は今、考えながら作曲している

 

あの時助けた少女、立花響がシンフォギアを使っていたことについて、なぜ使えるか疑問が出来たが

 

あれから例の奏者達と共に出現することが増えたので、知ることができる機会が増えたので、いずれは解消するのだろう

 

今はそんなものより、新曲の開発の方が大事だ

 

新しく始まるアニメOPの作詞がまだまだ、というか全くって言っていいほど進まない

 

途中まではタイトル無しで書き綴ることができだが、ここから先は曲名を決めないと先には進めない

 

軽快な言葉の掛け合いからなる光のイメージ

 

このイメージを曲名に込めたい

 

(其れが僕が見出してきた音楽と曲名の関係だから…また散歩でもして答えを探すか。)

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

「今ここで私と戦いなさい。貴方には戦うための覚悟というものが出来ていない‼︎」

 

…立花 響です。翼さんに協力して戦いましょうと言ったら、戦いなさいと言われました。

 

「おいおい翼、幾ら何でも言い過ぎだろ。もうちょっと考えてからな?っな?」

 

「…奏。すまない其れは無理だ。」

 

(奏さんも若干呆れながら止めようとしているけど、全く止まりそうになさそうなんだけど‼︎)

 

「立花。貴方には戦う気はあるの?「え!、あっ、有ります‼︎」「ならばどんな思いで、武器を握る?」「え?、武器を…?」

 

「この刀はアームドギア。常在戦場の意思を示す物。もし戦う気が無いのなら、その手に握ることは不可能だ。」

 

(…どうしよう。言ってることが全然分からない。)

 

「あー。響?翼は不器用だけど、お前のことを心配してくれているんだよ。これから先、武器を握らずにノイズと戦う何てことは難しいことだし。」

 

 

そう言って奏は目を細め、響にこう言った

 

 

「其れにお前は本来こんなことをしなくても良いんだ。無理なら、今のうちに無理って言っとけ。」

 

(…心配してくれてたんだ翼さん。独特の話し方だから分かりづらい…でも私は。)

 

「私は人助けがしたいんです!私がいることで誰かが助かるかもしれない。それが私はここにいる意味です‼︎」

 

そう、私は誰かを助けたいんだ‼︎ツヴァイウィングの2人とクロノスさんみたいに!

 

「!…やっぱりそう言うのね。ならこの一撃をどうにか出来たなら考えてあげる。」

 

…へ⁈それって?……て、いつの間にか高く跳んでる‼︎

 

 

「ハァァァァァ…ハァ‼︎」

 

《天の逆鱗》

 

えぇぇぇぇぇぇぇ!あんなにおっきい剣をどうしろと‼︎

 

「馬鹿‼︎翼、何してんだお前は⁉︎」

 

えーと、えーと、早く何とかしないとって!もう近くに‼︎

 

 

『CRITICAL SACRIFICE』

 

 

(へ⁉︎、でっかいチェンソーが剣を叩き割った?…あ!、あの人は‼︎)

 

「何しているのかね、諸君らは?」

 

「「「クロノス⁉︎」」さん‼︎」

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

散歩中

歩いていたら

ノイズ会う。

 

(…五七五で韻を踏んでも駄目だな。腹だたしい。)

 

いつも通りの作業でノイズを殲滅すると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。

…二課奏者か。

 

あの時の少女もいるな、ということは二課に入ったか。

 

(もののついでだ。)

 

どうせ見つかりづらいようにジャミング昨日があるんだし。

 

コッソリ見てみるか。

 

 

(そう思っていたらこれだよ。)

 

 

何かすごい場面にはちあったよ。

大人気ない先輩が後輩を虐め…いや、小獅子を崖から突き落とす親獅子か?

 

何れにせよ、すごく面白い場面だ。……曲の材料になりそうだ。

 

「何をしているのかね、諸君らは?」

 

「「「クロノス⁉︎」」さん‼︎」

 

なぜあの少女は私にさん付けするのだろうか?…まぁいいか

 

「幾ら何でも弱いものイジメが過「やっぱり来ていたんですね!」黙れ‼︎「あ、はい‼︎」まぁ、それ以上そこの少女にそのようなことをするのなら私がお相手しよう。」

 

風鳴 翼は少し間をおいてから「なぜ、お前がその少女を気にする…‼︎」と言い放った。

 

「…私はこれでも紳士なのでね、立場が上の者が下の者を痛ぶるのは正直見ていて辛くてね。」

 

まぁ、本当は曲作りの題材探しだけど。

 

「…全然そんな気がしないのは気のせいか?」

 

鋭いな天羽 奏。

 

「ということで、如何かな?…風鳴 翼、その少女の代わりに、私と戦うというのは。」

 

 

 

player change Tubasa

 

 

 

…今私の目の前にはクロノスがいる。

 

(いつもいつも私を馬鹿にし虚仮にするクロノスが‼︎)

 

だいたい奴は何なのだ‼︎あのライブ会場で奏やあの子を助けてもらったことは感謝している…だけど、そんな力を持って自由に行動ができるのなら何故‼︎

 

 

奏の家族を助けてはくれなかったのだ‼︎

 

 

酷い言いがかりなのは理解してる。だが、奴は奴で今まで何もしてこなかったのもまた事実だ。

 

…だからせめて、

 

「その誘い…乗ったッ‼︎」

 

尋常にお縄についてもらおうか‼︎

 

 

 

 

battle…gamestart

 

 

 

 

クノロスはその言葉を聞くと。

 

「では、逃げないことの証明として接近戦で戦おう」と言い、こちらへ走ってきた‼︎

 

「…なに‼︎」

 

明らかに五百メートルはあったはずなのにもう目の前に‼︎会議で分かっていたことだが性能は、やはり此方より向こうの方が上か!

 

(ならば守り徹し隙を…刀で奴の武器の攻撃を受けるッ‼︎)

 

奴の武器とぶつかり火花を散らすが…妙に火花の量が多い…それにこの音は、まさか!

 

「気づかなかったのか?、これはタカールやダガーなんでものではなくチェーンソーだよ。風鳴 翼」

 

(私達の見通しが甘かったかッ…)

 

 

その言葉と同時、私の剣が切られ、攻撃を食らった…

 

 

game clear winner Kronos

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

分かっていた結果だが、この力は異質だ。そして、彼女は…歪だ。

 

彼女はずっと、戦ってきたはずだ。私が自分が普通だと思っていた時も、何故そこまで頑張るのだ。

 

通信を傍受した限りは彼女が始まりの奏者だ。

 

(だからこそ理解できない。)

 

彼女の叔父が国を守る役職についているとしても、シンフォギアを彼女が使えるとしても、それを彼女が手伝う理由が見つからない。

 

だから、聞くことにした。

 

「風鳴 翼。君に一つ聞きたいことがある。」

 

私はふき飛ばされた風鳴 翼に近づいて言った。

 

「君は何故戦うのだ?」

 

(命に関わるレベルの怪我ではないから、まだ話せるだろう?)

 

傷だらけの風鳴 翼が声を上げる。

「お前は…何故そんな力…持っているのに…」

 

……こっちが質問しているのだが…‼︎

 

 

こっちに向かって飛んでくる大男の拳をかわす。

 

「…また随分とした不意打ちじゃないか…MR.弦十郎」

 

「生憎。姪をそんなになるまで攻撃した相手に手心を加えちゃ、こっちがやられそうなんでな。」

 

…撤退の準備しておこう。まだ、この人間超越者には勝てない。

 

弦十郎は足で地面を揺らし、こちらの動きを止めようとしてくる。

 

バグヴァイサーⅡで、ビームを撃ち足止めを…

 

「ハァァァァァァァッ…ハァッ‼︎」

 

⁉︎気合いでかき消した‼︎⁉︎物理法則はどうなっているッ⁉︎って不味い。拳が…

 

「イナズマをくらぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ」

 

何故イナズマ⁉︎

 

irregular battle game clear winner Genjyurou

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

(…さっきから衝撃の展開の連続で頭が混乱しちゃう…

 

翼さんが私と戦うって言い出して、私はなんかやられそうになって、

 

クノロスさんが助けてくれて、クノロスさんが翼さんに喧嘩を申し込ん

で、

 

翼さんが…翼さん‼︎⁉︎ )

 

 

響の脳内に先程、飛ばされた風鳴 翼が浮かび上がった。

 

 

 

「翼さん⁉︎大丈夫ですか‼︎‼︎」

 

走って翼さんの元へ駆けつける。

 

(翼さんは血を流してるけど、傷は本当に浅いっぽい…良かったぁ。…!)

 

安堵している響をよそに、豪快な破砕音が轟いた。

 

(何か砕けるような音、ってクロノスさん⁉︎…クノロスさんが地面に激突してる‼︎)

 

破砕音の方向を向いた響は、クレーターの中にクロノスがいるのを確認し、近づいた。

 

「大丈夫ですか、クロノスさん‼︎何で翼さんを怪我させたんですか‼︎」

 

クロノスは起き上がると

 

「君は…安否を…確認するのか、質問…するのか、どっちか選べないのかい?「はい‼︎」はいって 、言うなぁぁぁぁぁぁぁあぁッ‼︎」「ッご、ごめんなさい。」

 

クロノスは無駄な話をしたとでもいうかのように、フンと息を吹くと

 

「もう一度言うが、私のことはクロノスで良い、間違っても『さん』づけはするな。そして、質問の答えだが、気になることがあって確認しようとした。しっかり怪我をさせないように気を使ってるから見た目より軽傷のはずだ。と、言っておこう。」

 

そう言うと、響から見ておかしな形した武器を構え、地面を撃ち土煙を上げた。

 

「響君ッ‼︎大丈夫か‼︎」

「あ、…えー、っと。大丈夫です‼︎」

 

響は辺りを見回すともう自分しかいないことが分かり、弦十郎にそう言う。

 

「弦十郎さん、翼さんもクロノスさ…クロノスの話が本当だとしたら、軽い怪我の筈です…」

 

(…クロノスさんは何で、こんなことをするんだろう……)

 

その言葉は口に出すことはなかった。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

少女の中に疑問が生まれた数時間後。

 

件のクロノスは

 

「オェェェェェェェぇぇぇぇ」

 

胃を完全にやられていた。

 

 

(巫山戯んなよあの人類超越者胃が治りかけていたところに又胃を攻撃してくれたなこれいつ治るか分からない分からないぞネタは辛うじて得たからいいけどもう対峙したくねえ)

 

 

脳内で一気に先程起きたことを確認して、赤毛の司令官の危険性を再認識した。水洗レバーを引いてトイレからでると、フラフラとした足取りで、作業机に向かった。

 

 

 

先程、混乱した思考の中にもあったが、構想できた曲を忘れない内に書く為だ。

 

 

「…巫山戯んなよぉ、甘・ザ・ケーキ。何するものぞぉ、人外司令官。」

 

 

愚痴を言いつつも手は止まらない。

 

確かな熱意はそこにはあった。…作曲に集中する為にか自身に言い聞かせ始めようとしている。

 

 

(僕の曲は、才能だ。

 

水底が見えることがない泉だ。

 

僕はそこから一つ一つの音符を拾い上げ曲を記している。

 

北欧神話のこの世の全ての知恵を手に入れるために、自身の目を捧げた神様の様に。)

 

 

そして、自身の信念を言い放った。

 

「僕の作曲は‼︎僕の全てを捧げて完成するッ‼︎それ故に、それ故にッ‼︎、それ故にッ⁉︎」

 

自身の欲望を…願望を…

 

「僕は僕の全てを知りたいッ‼︎」

 

 

そう、言い放った。

 

冷静になった後、菓子折を持って隣の部屋に迷惑をかけたことを詫びに行った、

 

入居者は誰もいなかった…

 

 

 




ここまで読んでくださってありがとうございます。

作者は無印まで書いていますので、それが終わったら暫く本編は投稿しません。

ですが、G編を書き終わったら一日一投稿を再開します。ご了承下さい。


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ステージ6/成長の時、下す判断

みんな読んでくれてありがとうございます…

前回のあらすじ
指令はOTONAだった。TURUGIは面倒くさかった。天崎は腹壊した。

…今回の話は前回から一ヶ月後になる。


一ヶ月間の頑張りと歌手との歌詞の確認変更、シャチョさんの各所への対応。

 

それらを持って新曲『ZERO RIGHT』が完成した。

 

実際に完成してみると、あのアニメに合う曲はこれ以外ないと言える出来に仕上がった。

 

だが、スタジオに出ようとしたときに、シャチョさんに言われたことについては正直あまりいい気がしない。

 

「貴方は最近働きすぎよ、天ちゃん。歌や歌詞が自分の中から沸き立ってくるからそれを書きたいのは分かるけど、最近の貴方はオーバーペースが過ぎるわよ。…悪いことは言わないから休みなさい。もうすでに休暇の申請してあるから拒否権は無いわよ。」

 

スタッフさんの都合もあるし…と言って話を終えた。…シャチョさんの言うことはわかるんだけどなぁ。有意義な休暇の過ごし方がちっとも分からない。

 

「…外出でもするかぁ。」

 

 

 

そんなわけでマンションの外に出た訳だが、何をしたらいいか全く分からない。

 

いくら考えても答えが出ないので、何時ものように、この町の美味しいものを探すぶらり旅でもしようと思い。

 

「開始したワケですよ。たこっちゃん。」

 

「またそれかよ。というかたこっちゃんって何だ?」

 

「…うまいたこ焼き屋のおっちゃんの略称ですよ。」

 

行きつけの店に来ていた。ここのたこ焼き屋は学生時代の時からここに通い始めて早五年といったところだ。

 

通い始めた理由はここのたこ焼きがなぜ美味しいのか?というテーマで、高校の宿題で提出して、高評価をもらったもの、未だに美味しい理由の解明ができていないからだ。

 

「にしても人は変わるもんだねぇ」

 

「変わる?僕のことであってますか?」

 

「うん、そうあってるあってる。最初来た時は幽霊でも立ってんのかってくらい浮世離れした無表情だったし。今では少し笑えてるからな。」

 

「…そんなに変わっているのか?」

 

 

しみじみとたこ焼きの店主はそう語る。

昔の自分の話を聞いて、呆気にられる少年。

 

それなりに長い付き合いなのだろう。

 

 

「しかし、何でここのたこ焼きは美味いんだ?当たり前の中空洞は勿論のことだから分かるんだが。」

 

たこ焼きを一つ頬張りながら聞いてみた。

 

「あー、そうだなー、長い間通ってもらっているし、特別に教えてやるよ。「本当かッ‼︎」がっつくなッ、がっつくな‼︎」

 

謎が一つ解けそうになって興奮する天崎を他所に、自分のペースが崩されそうになって驚く店主。

 

この二人のくだらない話を続けて行くと、やけにうるさいサイレンが鳴り響き始めた。『緊急警報ッ‼︎緊急警報ッ‼︎ノイズが出現しましたッ‼︎住民は直ちにシェルター内に避難してくださいッ‼︎』

 

 

「ッまたかよ‼︎、最近多くねぇか?なぁ‼︎」

 

呆れつつも天崎は

 

「確かにそうですね。それじゃあ」

 

「シェルターまで逃げるぞッ」

「シェルターまで逃げましょうか」

 

たこ焼き屋の店主と避難することにした。

 

 

…奏者三人いるから手間取るはずもないうえ、下手を打ったとしても平気だという判断を天崎は下したうえで。

 

 

 

 

player change Tubasa

 

 

 

時は、天崎達がフィルター内部への避難が完了した時まで進む。

 

空は黒に染まり。流れ星が降った後、奏者達は…

 

「おいおい、たいしたことねぇな。二課の奏者ってのは?」

 

完全聖遺物も纏った少女と対峙した。

 

 

 

「なんなのこれぇ〜」

 

情けない声を出す立花 響は特殊なノイズの粘液に絡まれて動けないでいた。

 

「おい響‼︎大丈夫か⁈」

 

「ッハイ、大丈夫です‼︎」

 

そんな響を確認した後、助けに行こうとする天羽奏を阻むように完全聖遺物・『ネフシュタンの鎧』を装着した少女が両肩についた鞭で攻撃してくる。

 

「ハッ、行かせるかよッ‼︎」

 

「お前の相手は私だッ‼︎」

 

風鳴 翼は鎧を纏った少女と戦う。

 

白い髪がたなびいている少女は舌打ちした後、手に持った杖を天羽奏に向ける。

 

「ッ奏‼︎気をつけろ‼︎ノイズが其方に向かう‼︎」

 

「あぁ、旦那から聞いてるよ。ノイズを操ることができるだろ、それ‼︎」

 

奏者達は知る由も無いが、その杖も完全聖遺物であり、名は『ソロモンの杖』。

ノイズを呼び出し、数十種類のコマンドで統制可能な力を持っている。

 

杖から放たれた光から現れた、ブドウ型のノイズが天羽奏の相手をし始める。

 

以前立花 響は捕らえられたままだ。

 

「奏やその子にかまけて私を忘れたのかッ‼︎」

 

「…はっ、ちょっせぇッ‼︎」

 

不意を突いて攻撃をした翼だったが、攻撃する直前で気づいていたのか、鞭で剣を弾いた。

 

「甘い‼︎」

 

「甘ぇのはッそっちだ‼︎お高くとまってんじゃねぇッ‼︎」

 

弾かれた直後に足払いを仕掛け転ばそうとするも、読まれていたのか左肩に取り付けられた鞭で攻撃され、とばされる。

 

腹を攻撃されたのか、少し辛そう咳き込むと、少女が嘲笑うかのように話し始めた。

 

「残念だったなぁ?お仲間さんを助ける事が出来なくて。」

 

「…何?」

 

そう聞き返されると同時に、こう言い放った。

 

「二年前のライブもあんた一人じゃ相棒を失っていた…違うか?」

 

そう言われて僅かに目を見開いてからその顔を下に向ける。

 

「そうだよなぁッ‼︎あんたはクロノスって奴が居なきゃ助からなかったもんなぁ‼︎」

 

「ついでだ。教えてやるよ‼︎あたしの狙いはそこの融合症例だ‼︎」

 

「響だと‼︎どういう事だ‼︎」

 

その言葉に奏が反応した

 

「それをあんたらに語る義理はねぇッ‼︎風鳴 翼ァ‼︎、あんたにとってそこの仲間も‼︎この鎧も‼︎…すぎたもんじゃねぇか?」

 

…その言葉を皮切りに翼は静かに立ち上がった。

 

 

「…その通りかも知れないな。」

「あん?」

 

 

様子がおかしい翼を見て、今度は聖遺物のエネルギー弾で攻撃しようと考えたが

 

「‼︎ッ動けねぇ。」

 

「動きは封じさせてもらった。」

 

《影縫い》

 

翼は少女の影に小刀を刺し投げ動きを封じた…翼は何もせず俯いていたわけではなく、少女が得意げに話している間に相手の動きを封じることにしたのだ。

 

…自身の命を賭けて少女を倒すために。

 

 

「…私は未熟者で鈍の剣だ。お前の言うように仲間というものは過ぎたものかもしれん。だから、」

 

少女の元へ歩いていた翼は目を見開いて

 

「この命が潰えても、ネフシュタンの鎧は返させて貰おうか。」

 

「歌うのか…絶唱を⁉︎」

 

静かに笑い禁断の歌を、歌い始めた。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

「おい翼‼︎、辞めろ‼︎絶唱は歌うな‼︎」

 

そのリスクを知る奏は、歌わせる事を辞めさせようとする。

 

Emustolronzen fine el baral zizzl

 

「翼さん…?」

 

先程から続く展開についていけない響は不安な表情で翼を見ている。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

「クソ、やっぱり動けねぇ」

 

自身に危険が迫ってる事を理解しているからこそ、そこから逃れようとする少女

 

Emustolronzen fine el zizzl

 

それらを無視して、翼は歌え終えた。

 

 

 

 

変化は一目瞭然だった。響や奏の周辺にいたノイズは消し飛び、ネフシュタンの鎧が砕け、少女は吹き飛ばされた。

 

少女は鎧の破損部分を見つめた後、何かを呟き空を飛んでその場を撤退した。

 

たった一回の攻撃でここまで逆転できた驚きに、翼さんはスゴイと思った響は翼にその事を言おうとして、

 

その口が止まった。

 

 

足元に血だまりが出来て

 

「…大丈夫だよ、奏。」

 

その姿は今にも崩れそうで、

 

「奏は私が、守るから。」

 

顔は先程の面影が残らないほど血に塗れ

 

「それと安心して。」

 

誰の目から見てもその悲痛さが伝わった

 

「私は奏の側から居なくならないから。」

 

 

 

そう言って翼という一人の不器用な人間が倒れた。

 

「翼さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ/さぁぁぁぁぁぁぁぁん。」

 

残った奏者の悲鳴で、その勝負は幕を閉ざした。

 

 

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

戦闘の終わった後、風鳴 翼の緊急搬送や後処理が行われている時、シェルター内部では

 

「…それが俺んところのタコ焼きの秘密だ。」

 

「成る程、鰹節と紅生姜にこだわっていたのか。あの風味の良さはそういうこと…」

 

…タコ焼きの話をしている店主と阿保がいましたとさ。

 

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

 

翼が絶唱の代償として、身体に酷いダメージを受けた翌日。

 

響は、顔をうつむかせていた。

 

 

(…私のせいだ。私がいつまでもアームドギアを作れない程の未熟なせいで、翼さんが)

 

「なーに落ち込んでんだ。響」

 

(‼︎ッこの声って)

 

「奏さ「ほい♪」ッひゃあ‼︎」

 

振り向こうとしていた響は、頰に冷たい缶が当たって驚いた。

 

「いや〜、響が何を飲むか知らなかったからさぁ、缶コーヒーにしたけど…苦いの大丈夫か?」

 

「え…あっ、だ、大丈夫です」

 

驚きながらも、缶コーヒーを恐る恐る手に取った。

 

「…奏さん。ごめんなさい。私のせいで、翼さんが…」

 

コーヒーの飲み口をじっと見つめながら響はそう語った。

 

「…響だけが悪いわけじゃないさ。………もし良かったらさ、あたしの昔話を聞くか?」

 

「…昔話?」

 

「あたしがノイズと戦う事になった話さ。」

 

響は声を出さずに、静かに頷いた。

 

 

…そこから聞かされた話は、今の奏を見ただけだと想像もつかない話だった。

 

ノイズによって自身の家族が殺され、復讐を誓い。

 

自力での操作で二課を探し出し、奏者になるための実験に参加。

 

実験に成功した後は、シンフォギアの力を使ってノイズを倒し続ける日々を送った。

 

 

 

「それでさ、あるときにさ。助けた人にこう言われたんだよ。」

 

「なんて言われたんですか?」

 

「「あなたの歌が聞こえていたから、もう少し頑張ろうと思えた。」ってさ。」

 

その言葉が何か琴線に触れたのか、響は目を見開く。

 

「…翼はさぁ、響が融合症例になったあのライブでトラウマを抱えたんだ。」

 

その表情から何か確信を得たのか、先程とは違う話をし始めた。

 

「あたしは、あのノイズの量だと響や翼を守れないと思って、絶唱を使おうとしたんだ。」

「翼さんが大怪我を負ったあの技ですか?」

 

「そう。シンフォギアに搭載されている捨て身の大技…莫大な威力と引き換えにあたしら奏者自身の命が危険に晒される技だ。」

 

「ぇ、じゃ、じゃあ奏さんは。あのとき…」

 

「そう、死ぬつもりだった。」

 

「なんで、ですか‼︎」

 

クロノスのおかげで助かったけどなぁ…そう奏がぼやき終えるよりも早く、響はそういった。

 

「「なんで」って?」

 

「だ、だって奏さんはノイズを倒す為に奏者になったって…「今は、違うさ。」えっ?」

 

「別にノイズを倒したいっていう気持ちが消えたわけじゃねぇけど。もっと大切な事に気づいたから、そうする事にしたのさ」

 

「それって一体?」

 

「響ならいずれ分かる。それよりもさっきの話に戻すぞ。」

 

「…分かりました。」

(…いったい何なんだろう。私が分かる事?)

 

響は先程の奏の発言が気にしつつ、話に耳を傾ける。

 

「翼は、あたしが死を覚悟して絶唱を使おうとした事を、自分のせいだと思いこんだんだ。」

 

「翼さんが…?」

 

「そう。そっからあんな変な武士みたいな言葉使いをし始めるわ、あたしとの会話が減るわ。…ホント何やってんだか。」

 

少し哀しげにそう呟いた。

 

「だからさ、響。あたしはお前にそんなに深く考え込んで欲しくないんだ。翼みたいに思いつめることなんてしないでくれ。」

 

「でも、私このままじゃ嫌ですッ‼︎、奏さんや翼さん。ツヴァイウィングのお二人の力になりたいんですッ‼︎」

 

 

(…だって私は、私は、誰かの為にならないと。他の人の命のぶんまで。)

 

 

奏は響の様子を見てから

 

「…よし、だったら旦那に鍛えてもらおうか‼︎」

 

「旦那って、司令のこと…ですよね?」

 

「そうだ。…変なトレーニングだけどしっかりとした効果はあるからな。」

 

意味深な笑みで奏は笑った。

 

 

 

この後メチャクチャ映画トレーニングをした。




映画トレーニングとは、映画を見て、映画の真似をするトレーニングのことである。
なぜか、強くなれるかは学会案件である。

次回の投稿は明日です。お待ちください。


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ステージ7/start up tempo『LIFE』

作者は主人公をクロノスにしたのは、ある理由があったからです。

ご了承下さい。

前回のあらすじ
風鳴 翼は絶唱を使い重症をおった、響は責任を感じた、天崎は間抜けだった。

今回の話もまた少し時が流れる。


今日は日曜日、たいていの学校も仕事も休みの日、そんな日に天崎はスマートフォンの画面を見て固まっていた。

 

…朝起きて自分の変わった色の髪を整えながら、スマフォを弄っていたらこれだよ。

 

天崎の目に映った画面には「過労で入院中の風鳴 翼。その原因とは?」というネットの記事が書き込まれている。

 

(…ひょっとしてチェーンソーモードの時の攻撃で…)

 

事実は全く異なるのだが、自分にその原因があるかもしれないと、天崎は内心焦り始めた。

 

(…他‼︎、ッ他には‼︎、他に何か情報はないのか‼︎)

 

その焦りから、ネットの記事を漁り始めると、妙な記事が出できた。

 

(「ノイズによる被害?工場地帯の大爆発‼︎」?……コレはシンフォギアだけではこうならないよな、わずかに見える被害の後からして切られたみたいだし。)

 

風鳴 翼が入院したことが嘘の可能性を考えながらその記事を読み続けいたが

 

「ダメだな情報が足りない。」

 

暫くクロノスに変身していなかったから、手に入れる機会がなかったしな…

 

 

うだうだ考えてもしょうがない、そう考えた天崎は無駄に長い休暇を満喫する為にも、散歩をしに行く事を決めた。

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

天崎が散歩に出かけて暫くした後、事件の真相を知る響はランニングをしていた。

 

 

工業地帯の斬撃の痕跡。それは響が傷つけた物だった。

 

事のあらましを詳しく述べると、翼が不在の中で二課はある作戦を実行する事になった。

 

二課が保持する完全聖遺物『デュランダル』を別の保管場所へ移す計画

 

弦十郎の機転で何とか、移す保管場所である記憶の遺跡までたどり着けたものの。

 

例の如く、白髪の少女と戦闘する羽目になった。

 

奏は別の地点に発生したノイズの相手をしていて救援に行けず、響が少女が率いるノイズの相手をした…ノイズを一体相手するのにも、大変な響では大量のノイズに加え少女の相手をすることは不可能に近い。

 

 

されど、結果は違った。

 

弦十郎と奏とともに行った映画トレーニングの効果によって響は格闘術の習得に成功、そこで得た格闘術を活かし、アームドギア無しでのノイズの撃退を可能にした。

 

それだけではなく、起動できなかった完全聖遺物『デュランダル』が起動した。

 

 

 

だが成功しすぎた代償か。この後事件が起きた。

 

 

完全聖遺物が起動したことを確認する為に、櫻井 了子が入っていたケースを開けたいたせいでか、デュランダルが宙高く浮かび上がってしまったのだ。

 

それを強奪しようと、したネフシュタンの少女を退けて、デュランダルを手に取った。

 

その時、辺りが異様に光った。

 

デュランダルから光が漏れ出し、灰色の燻っているような石みたいな剣が、金色の輝きを放つ剣になったのだ。

 

それに合わせるかのように響に異変が起こる。上半身の殆どが黒く染まり目が赤一色に染まった。

 

過剰なフォニックゲインによる暴走。この現象の正体はそれだった。

 

暴走した響は、全てを破壊する衝動に駆られ、デュランダルを一回振り下ろした。

 

 

 

そう一回だけなのだ。

 

 

だったの一回で工場地帯が破壊されたのだ。勿論、燃焼物に引火した事による二次被害の影響もあったかもしれない。

 

だが、その結果を引き起こすキッカケがたった一回の斬撃でもたらした事実に響の心に、また一つの影を落とした。

 

 

(私は、私はッ、あのライブで犠牲になった人のぶんまで、頑張らないとッ、そうじゃないと私の生きている意味って…無い…と…思う)

 

響も、翼と同じような歪んでいるのか…少なくともその過去に今は触れることはないだろう。

 

 

目の前の橋に綺麗整えられた靴があるから

 

橋の高さはそれほど高くはなかった

 

飛び降りたとしてもきっと生きているだろう

 

それでも、何か嫌な予感がして橋の下を恐る恐る見てみると、

 

 

 

緑がかった黒髪をもつ青年がその頭を川に沈めていた。

 

(……………‼︎)

 

「何があったんですかぁぁぁぁぁぁぁぁあぁッ‼︎」

 

しばらく放心した後、橋の下に降りて青年を助けに向かった。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

声がする。

 

悲鳴のような声がする。

 

途端、体を揺さぶられて仰向けにされる

 

心配そうな表情で、立花響が僕を見つめる…

 

 

…?

 

…‼︎

 

(立花響‼︎ッ何故ここに‼︎)

 

「……いったい何があったのだ?」

 

(一先ず、それとなく理由を聞こう。)

 

「えっ、覚えていないんですか…?」

 

「覚えているも何も、何が起きているのか理解できないのですが?」

 

(そう、確か…僕は曲作りの題材集めをしようと思っていたのだ。)

 

(そのために…)

 

「…何か嫌な事とかあったんですか。」

 

「?…いや何も嫌な事はここ最近ないですけど」

 

「…嘘ですよね?だったら何で靴を揃えて落ちたんですか」

 

(…あ‼︎、そうだった。)

 

「嫌な事があったら、相談に乗ります。だから生きる事を「勘違いさせてすみませんでした。」へっ?」

 

「今後の為に、水泳の飛び込みスタートする気分はどうなんだろうと思って実践してみただけなんです。」

 

(夏が近いしな、海系の曲のベストシーズンだ。)

 

「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼︎」

 

 

 

player change Kanade

 

 

 

(いや〜、早いなぁ、響。全然追いつけねぇわ)

 

響と一緒にランニングしていた天羽奏は異常な速さで走る響を眺めながらそう思った。

 

(あんなに早く走れるのも、シンフォギアと融合した影響なんだよな…)

 

奏は表には出さないが自身のせいで、響を奏者にした事に後ろめたい感情があった。

 

奏は周りから頼りにされやすい姉御肌だが、まだ高校生。まだ子供なのだ。

 

大人でも悩むだろう問題を抱えて、全く重荷にならない訳ではない。

 

それに加え、少女が持っていた完全聖遺物とそれを持っていた少女のおおよその正体の目星、そこから導き出された……黒幕ないし関わりがあると思われる人物を、弦十郎から聞かされており心労は少し増してしまった。

 

(…本当に了子さんが関係あるのかよ…旦那……?)

 

そんな心配を他所に目の前に自分より速く走っていた響が見えて変に思い、

物陰から響を眺めると

 

 

響が男性と言い合いになってる所を見てしまった。

 

 

(おっ、おっ‼︎、これってぇ〜ひょっとして〜)

 

 

そんなのを目撃した恋バナが好きな乙女はこう考える。

 

(カップルの喧嘩か⁈)

 

さっきの悩みは何処へ行ったんだか、わりと乙女なところがある奏は、その様子をそのまま観察する事にした。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

…やっぱりこの子は元気が良すぎて相手にするのを疲れる。

 

「本当にッ、本当に違うんですよねッ‼︎」

 

(本当につかれるッ‼︎)

 

「何度も言うけど、違うから安心して」

 

その言葉を聞いた響は、ホッとしたような顔した後。

 

「良かったぁぁぁぁ、自殺じゃなくてぇぇぇ」

 

「…言っとくが僕は自殺するなら首吊りと決めているんですよ…仮に変えるとしても入水は無い。「エッ⁉︎、自殺する気は有るんですか?」ありません、予め決めておいた方が条件を揃えるのが難しくて、中々しにくくなるとは思いません?」

 

 

澄み切った青空の下、太陽にさらされながら二人は話していた。

 

「なんなんですか…その考え…」

 

「自殺をする準備をしていくうちに頭が冷えて止まるんじゃないかっていう話ですよ…因みに僕は首吊り」

 

「やめた方がいいですよ、そういうの…」

 

天崎は自身の持つ独特の思考回路を響に開示して、響はそれに対し苦言をいいたてるが天崎はそれを無視して、話を切り出す。

 

「所で、君は何か悩みを抱えていないですか?」

 

彼女から、事件のあらましを引き出す為に

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

悩み事と言われたとき、響は背筋に冷たい物が走った感覚がした…確かに悩んでいることがあったからだ。

 

と言っても、それはデュランダルの一件では無い、彼女はそれを自分が克服すべき事だと思っているからである。

 

では悩んでいる事とは何か?それは響の口から語られた。

 

「…あります。私は親友に隠し事をしちゃってるんです。」

 

目の前にいる男性は静かに響を見つめ、じっと話を聞いている。

 

「その友達は隠し事をするのは辛かったから、私には隠し事をしないでほしい。」

 

「…そう言われたんです。」

 

そう言った響はまた一層表情を曇らせた。

 

「…ねぇ、君の方からはなんて言ったんだい。」

 

「えっ⁈えーと…隠し事はないって答えましたけど。」

 

それを聞きおえた人は変わった黒髪を弄りながら

 

「それに対する一番良い受け返しは『隠し事はしてる、だけど今は内緒。』だと思いますよ。」

 

「?……!、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 

分からない方もいるので説明しよう。今回の事例は響が親友に対し隠し事をするのが辛いのである。

 

しかし、隠している内容は国家機密に関わっている事なので迂闊に話せば、親友の身に危険が及ぶ可能性が有るのでは喋ることはできない。

 

ならば、隠し事をしているのを隠すのを辞めたら良い。

 

親友は隠し事の内容を教えてくれないから、多少不機嫌になるかもしれないが、隠し事がある事自体を隠すよりは良いはずである。

 

「すごい‼︎ッすごいですよ〜‼︎…て、名前なんでしたっけ?」

 

「あぁ、そう言えば自己紹介がまだでしたね。」

 

そう言ってクルクルと一回転した後

 

「僕の名前は天崎 総使、気軽に天崎とお呼びください。」

 

 

 

player change Kanade

 

 

 

(へぇ…響はそう思っていたのかぁ)

 

珍しいものが観れるかもしれないと思った奏は、先ほどの話を盗み聞きしていた。

 

そしたら、自分の予想は大外れで…妙に真面目な話をしていたが。

 

(響の親友ねぇ…あの小日向 未来って子だよな、あたしや翼には考えることが難しい問題だよな。)

 

奏は先程の話を吟味して、司令官である源十郎にその件を話しておこうと考えた。

 

そんな考えを巡らせていると、響達のほうでまた話に進展があった。

 

「…しかし、一度ないと言った手前、どう切り出すかが問題になりますよね?」

 

「ですよねぇ…天崎さんはなんか良い考えあります?」

 

「……勢いですかね。」

 

(勢い?…ちょっと待った!なんか嫌な予感がするぞッ⁉︎)

 

影で話を聞いていた奏は、天崎が放ったその言葉に心当たりがある悪寒がする。

 

「勢い?それってどういうことですか?」

 

(バ、バカ‼︎、響‼︎それを聞き返すな)

 

「例えば、『御免ね親友★、実は隠し事をしてるの★‼︎』とかだな。」

 

「……………」

 

(やっぱりそういうのかぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎)

 

響は突然の変わりようについていけず、フリーズし、奏は嫌な予感が当たって顔が青くなった。

 

「そうすると、この様に驚きの衝撃が優ることで何とか誤魔化せる、他のパターンを出すと、『私の秘密、暴いて観てね☆?』とか、『君を守るためにこれは隠しておきたいんだ』」

 

響の状態はおかまないなしで、話し続ける天崎…近くに他の人がいる可能性は全く考えてなさそうだ。

 

「いやいや‼︎恥ずかしいですよ!それッ」

 

「だったら、ポーズ付きで今やってみせますね、僕が保護者を勢いで誤魔化したやつ。」

 

えッ、いやいいです。という声が聞こえていないのか天崎は助走とって、

 

「『隠し事、御免つかまつる。許してざむらい‼︎』……ッ‼︎」

 

 

ベンチの上でスライディング土下座を行った…直後物陰を見て固まってしまったが。

 

(あ、やべ‼︎バレた!)

 

「どうしたんですか…⁉︎奏さん、い、いつからそこに」

 

「…響たちが真面目な話をする前辺り、ほらあの自殺論理ぐらいの時に…」

 

「い、いたなら言ってください‼︎」

 

未だ固まったままの天崎は他所に、二人で話を始めた、響と奏。

 

奏が響に謝り切った所で天崎はベンチから降りて

 

「…響ちゃん、じゃあそんな感じだから、あとは頑張ってね…」

 

「天崎さんごめんなさい‼︎、なんかごめんなさい‼︎」

 

「あぁ、大丈夫。気にしてないから。」

 

その言葉に安心したのか、二人は天崎を直視して

 

「ホームセンターで丈夫なロープと脚立を購入してくるね」

 

自殺を止めに行った。

 

 

 

これは後日談だが結局隠し事はバレたが、天崎に教えてもらった勢いで誤魔化す謝り方が功をこうしたのか、それ程怒られずに済んだらしい。




…作者に対して聞きたいこと、疑問に思ったこと、おかしいと思ったことは、メッセージ機能で送って下さい。作者自身把握しきれていない部分もあるので…

あ、クロノスのレベルは仕様ですので違和感があるかもしれないですがご了承ください。

次回も、明日でーす。


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ステージ8/終焉と奏者と無名

早いですが無印もあと少しで終わりです。

読んでくださってありがとうございました。

前回のあらすじ
響悩んで、奏心配して、天崎は自爆した

今回の話はカフェの中から始まる


休暇が終わり、六月の半ばに近づくこの頃。

 

つい最近、天崎としての自分とも親しくなった立花 響のことを考えながら仕事をしていた。

 

「ねぇ、天ちゃん?最近恋してない?」

 

ふとそんな事を言われた天崎は国に含んだ珈琲をカップに戻した。

 

「ッゲホ、ゲホ、何行ってんすかシャチョさんッ」

 

「だってそうじゃない。最近響ちゃんって子とよく話をするんでしょう?」

 

「確かにそうですけどねぇ…ッ」

 

前回の作戦がうまくいった事を響は天崎に報告しにきたのだ…その際にワタシガ正妻デスとオーラを漂わせる親友を連れて。

 

親友の名前は小日向 未来というらしいが、明らかにアッチ系の人間だと思った。

 

天崎自身そういう事は自分が関わらないのならどうでも良い方だが、この時は人類超越者と同じ気迫を感じる黒髪の少女に恐怖を感じた。

 

(今では和解できているから問題はないと思うけど…)

 

「その子の親友と…響ちゃんが壊れそうで心配なんですよね…」

 

「壊れそう?」

 

「響ちゃんって人助けが好きなんですけど、何でか偶に狂気を感じるんですよね…」

 

ふーん、私は見てないから何とも言えないわねぇ…そんな声を他所に響の事を振り返ってみた。

 

(人助け、協力、特訓?、ご飯、人助け…其ればかりだな…何で其処まで人助けが出来るんだ?)

 

そうやって考えていてふと気付く

 

(…何で私は人助けが気になっているんだ?)

 

マネージャーの声を聞こえないふりをして、その事に考えようとしたとき

 

爆発音が聞こえた。

 

(何だ‼︎今の音は⁉︎)

 

打ち合わせのために来ていた喫茶店を飛び出し、外を見るとノイズが宙を舞っていた。

 

(飛行タイプの、ノイズ…⁉︎)

 

今まで地面を歩くタイプのノイズばかり戦ってきたためか、初めての事例に天崎は内心、驚きを隠せなかった。

 

「天ちゃん⁉︎逃げましょう‼︎」

 

マネージャーのシャチョに言われて、避難場所へ向けて天崎は走りだす

 

 

人混み、押し付け合い。そんな喧騒の中、天崎は

 

 

 

あのときと全く同じ状況を見てしまっていた。

 

 

 

「退けよ‼︎、テメェッ‼︎」

 

中学生くらいの少年が大人に押し出されてノイズの群れに飲まれるのを見た。

 

 

 

…………

 

 

天崎は並走するためのスピードを少しずつ落とし、誰も居ないビルの中に入っていった。

 

トイレの所まで行ったら、ノイズが居たのでバグヴァイサーⅡで光弾を放ち、炭素に帰した。

 

トイレの中と外に誰も居ないことを確認してから、バグヴァイサーⅡを腰に当てスイッチを入れた。

 

テクノ音が流れだし、ガシャットを起動

 

『仮面ライダークロニクル』

 

ガシャットは宙を無意味に漂った後、ベルトについたバグヴァイサーⅡに装填され

 

スイッチを押した。

 

 

『天を掴めライダー(Woooo‼︎)刻めクロニクル(Woooo‼︎)今こそ時は極まれりぃぃぃぃッ‼︎』

 

 

変身が完了した後首を数回鳴らし、息を整え走りだす。

 

 

(私は、ワタシハ、僕は何してんだろうか…本当にイマサラこんな事に気がつくなんテ)

 

そして自身の過ちを心の中でぶちまける。

 

(助けられる人が近くにイルノに見殺しするのは無責任なことに違いないだろォォォォォォォがぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎)

 

それ、クロノスは望まずとも力を手に入れた責任を果たしに向かう。

 

 

 

player change Kurisu

 

 

 

(ちくしょう、ノイズの数が多すぎる‼︎)

 

ガトリング砲を撃ちまくるこの少女は、完全聖遺物の少女、名を雪音 クリスという。

 

天崎がグータラと休みを過ごしている間に奏者達にまた進展があり、クリスは黒幕から用済み判定されて縁を切られたのだ。

 

その際に完全聖遺物は全て没収された。

だが、聖遺物の欠片には興味がないのかイチイバルのシンフォギアは取らなかった。

 

響やその親友の少女、司令官である弦十郎達の出会いによって、心境に変化が訪れて今はこうして、ノイズの被害が周りに行かないようにしている。

 

「クリスちゃん大丈夫⁉︎」

 

そうこうして戦っていると、奏を除く二課奏者達がやってきた。

 

「お前らはッ…⁈何しにきた」

 

「ノイズを倒しにだ…ともに協力して倒すぞッ」

 

「余計なお世話だッ‼︎こいつらを倒すのは一人で十分だ‼︎」

 

「まだ、そんなことを言うか‼︎」

 

言い争いをする二人を見て、響は近づいて止めようとしたとき

 

緑の閃光が七体いた飛行型ノイズの内、一つを貫いた。

 

「ッ‼︎、今のは‼︎」

 

風鳴 翼は見覚えのある光景を見たのか、閃光が飛んできた方向を見ると、一人の人物がビルの上に飛び乗ってきた。

 

「…君達は何で仲間内で争いをするのかな?」

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

(…二課の奏者も彼奴らと同じか)

 

先程の争いをクロノスの能力で傍受していた天崎はそう思考した。

 

(自分の意思を押し付け無責任にそのものに被害を与える…私は人間でありたいと願うが、本当に正しいことなのか?)

 

思考の中、感情でぶれた口調をクロノスのとき戻しつつ落胆し

 

(人がこんなにも醜いのなら、私が人間になる意味など無意味なのではないだろうか…)

 

そう自分の中で結論づけようとしていたところだった

 

立花、響が手を握ったのは

 

「久しぶりですね、クロノスさん。」

「立花 響…君は何をしている?」

「手を握っています。」

 

(…いったい何故?周りにノイズがいるからそれらをいち早く倒すのが、今の最優先事項だろう。こんな無駄で意味があまりないことをする理由が分からない。いったい何の意味が)

 

「翼さんも」

 

そう言われた翼は、何かに気づき静かに手を握った。

 

(?風鳴 翼まで何を…)

 

「クロノスさん、翼さん、クリスちゃんの手を握ってくれませんか。」

 

(⁈本当に何を考えているッ…いや…何も意味もなしに行動するような子ではないな、この子は。)

 

天崎はそれを聞き入れ、クリスと呼ばれた少女の手を握った。

 

翼も手に握ったアームドギアを地面に落として手を差し出し開いた方の手に繋いだ。

 

(…あの風鳴 翼までもか)

 

「クロノスさん、クリスちゃん…翼さん。私ってなんでアームドギアが無いのかなってずっと考えていたんだ。…半人前でい続けるのはやだなーって」

 

響は一人でに言葉を紡いだ

 

「でも、今はなんとなくわかったんだ。この手に何も握らないからこそ誰かと分かり合える。こうやって手を繋いで仲良くすることができる…何かを壊し、誰かと手を繋ぐこと、それが私がアームドギアを持たない理由かなって?」

 

(ッ‼︎)

 

「だからクロノスさんもクリスちゃんも仲良くしよう…皆んなやりたい事は同じだから…ね?」

 

そう言って響はクロノスの方を向いた。

 

 

(…立花響は私が違和感に気づかなかった二年間…ずっと人助けに尽くしてきた人間だ。ならば、聞く人が聞けば偽善とも取れる言葉を本気で言っているのだろう。)

 

「あんたらこのバカに当てられたのか?」

 

「そうだと思う…貴女もきっと」

 

(だから、こんなふうに信じられる。啀み合いを止められる。)

 

天崎は思考を終えて、返答をだした。

 

「…私もどうやらそうみたいだ、何か作戦はあるか?」

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

「ありませんッ‼︎」

「そのくらいは考えたまえ‼︎、思考は誇り高い物だが、考えなしでいく世の中ではないぞ‼︎」

(そうかもしれないけど、ないものはない‼︎)

 

クロノスに尋ねられた事にそう返答した響はまた怒られた。

その様子を見ていたクリスは呆れながらこう言った。

 

「あたしのシンフォギア。イチイバルは遠距離広域攻撃の特性がある…ギアの出力を上げて、限界までエネルギーを溜め込んでぶっ放してやる。」

 

「その間はどうするのかね?」

 

「無防備になる。だか「だったら、私達がクリスちゃんを守って上げたらいいだけの話ですね‼︎」お、おう。」

 

(やっと、やっとみんなと一緒に戦えるよ。)

 

響はクリスの話を遮ってそう言った…後ろにいるクロノスがじっと黙って見つめていたが

 

「…雪音 クリス…だったな?」

「な、なんだよ、クロノ…ス。」

「初対面でこういうことを聞くのは失礼な事だが、君はアレを全て撃ち落とせる自信はあるかね?」

 

クリスへの作戦の質問を優先させた。

 

「…分かんねぇ、初めてやる事だしな、なんでそんなことを聞くんだ。」

「決まってる。いくつ倒せばいいか確認する為だ。」

「ハァッ‼︎あんた、あれ一人で相手するのかよ。」

「そうだ…見知った相手の方が連携しやすいだろう?…私は囮役を兼任しながら倒す事にする…立花響!」

「はい‼︎」

 

クロノスはその声を聞き、小さく笑うと

 

「君のだした答えは悪くはない、寧ろいいものだと思う…たとえ偽善者だと言われても貫け‼︎」

 

(クロノスさん…)

「もちろんです‼︎貫き通してやります‼︎」

 

その言葉を皮切りに作戦は開始された。

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

(さて、あぁ言ってしまったから、一二体は倒したいところだな)

 

空を漂う気味の悪い色をしたノイズを見てそんなことを考える天崎

 

(響に助けられたな、あのままだとシャチョさんや先生、他のみんなに迷惑をかけるところだった。)

 

クリスが歌い始めるのを聞くと

 

 

 

(…さぁ、いくか。死神ども)

 

 

 

クロノスはバグヴァイサーをチェーンソーモードにして構え、ビルから飛び降りた。

 

(まず地面にいる奴ら一気に殲滅する)

 

宙で何回も回転して、着地地点にいたノイズを切り払った。

払った後はそのまま走りだし道中にいるノイズを殴る、切る、蹴るなどの行為で破壊していく。

 

(さて、そろそろ真下まで行けるはず)

 

蹴りでノイズを倒しながら、バグヴァイサーを取り外し向きを逆に取り付け、光弾を前方に放ちノイズを貫いていく。

 

(ここだ、ここがあのノイズのちょうど真下、必殺技で一気に決めるッ‼︎)

 

バグヴァイサーのボタンを押してエネルギーの充電を開始、待機している間もノイズは襲いかかってくるが徒手空拳で対応、エネルギー充電完了と同時に

 

《CRITICAL JUDGMENT》

 

緑の閃光は放たれ、飛行型…フライトノイズを貫いた

 

(まだだ、このまま腕を動かしてもう一つ焼き切る‼︎)

 

クロノスは腕を動かして、二つ目のフライトノイズを閃光で両断した

そして、最初のフライトノイズが地面に落下しきる頃

 

《MEGA DETH QUARTET》

 

多段ミサイルが残りのフライトノイズを撃墜した。

 

 

(…戦闘終了だな)

 

 

 

player change Tubasa

 

 

 

誰一人いない街並み中で翼はノイズを一体ずつ倒す、地味な作業をやっていた。

 

(全く、立花は…土壇場で雪音だけではなくクロノスまで協力を頼むとは…まぁ、立花らしくはあるが)

 

最後のノイズを倒し変身を解いた後、先程の事を考えてふと気になったことがあった

 

(クロノスはなんでここにいた?…奏は別の任務をやってもらうと司令には聞いていたが、クロノス関連のことではないとなると…例の内通者か?)

 

翼は今回の任務は内通者を炙り出すためのもの、そして

 

(内通者はあのフィーネという輩と通じている人物ということか…)

 

今回のタイミングを計って出てきたようなノイズを見てそう結論づけると、クロノスが近づいてきた。

 

「…クロノスか…何の用だ」

「怪我は大丈夫なのかと思ってね」

(…何故、クロノスが私の怪我の心配を)

 

クロノスの理解しづらい言動に頭を悩ませると…他の二人もやってきた。

 

「翼さ〜ん、大丈夫ですか〜」

「立花、案ずるな私は無事だ」

 

クロノスが本当に何か言いたそうな雰囲気を出していたが、翼はそれよりも、自身の後輩への返事を優先した。

 

(最初は、考えなしで事を言うこの子に腹を立ててばかりだった)

「クロノスさんは…大丈夫そうですね」

「私の心配するより自分の心配をしたまえ…雪音クリスは大丈夫だったか?」

「あたしなら大丈夫だ…本当にゲームのキャラクターみたいな見た目をしてやがる。」

 

翼が思考の海を漂っている間も、三人は会話を続ける。

 

「私もなんでこんな外見になるんだか分からないさ」

「え、そうなんですか?」

「そうだ…そろそろ風鳴 翼をこっち側に戻してやれ」

「…何ボーっとつったんでんだ?あんた…」

「心外だ、話はちゃんと聞いている‼︎」

 

以外にも人の話を聞いていた翼、反論を言おうとしたとき響の通信機から着信音が鳴った

 

「はいッ‼︎響で『響、大変リディアンが…ツー、』未来ッ」

「立花、何かあったのか‼︎」

「分かりません‼︎、でも通信の未来の声が急に途絶えて…」

「まさか、フィーネかッ⁉︎」

 

三人の奏者はその通信の内容に驚いていると

 

「何かあったならばさっさとゆけ、私は他にやることがある」

「え、クロノスさんは一緒に来てくれないんですか?」

「…先ほどの戦いで、逃げ遅れて怪我負った人がいないか確認するだけだ」

「…分かりました。でも、後で来てください‼︎」

 

そう言って立花は走っていった

 

「立花…また勝手に」

「あいつ、バカだからしょうがねぇんじゃないか?」

「…風鳴 翼、問題はないか?」

(組織的には問題があるんだが…ことがことだな)

 

残されたもの達はその行動に唖然とし、その中でクロノスは念入りに翼に確認を取った。

 

「問題はないということにする。だが、立花が言うようにあとで来てくれ」

「…本当に影響されたな、風鳴 翼」

「あぁ、だがそんなに悪い気はしない、行くぞ雪音ッ‼︎」

「お、おい。気安く名前を…て、引っ張るな‼︎」

 

残った二人の奏者もリディアンに向かった

 




天崎は響に対して、興味が湧き始めた今回の話。

皆さんは天崎を浅はかだと、笑うでしょうか?
笑ってもいいです。彼は気づかなかったのですから…
…皆さんは大丈夫ですか?ちゃんと気づけていますか。

失礼なことを聞いてすいませんでした。

ご了承下さい

明日も投稿します。


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ステージ9/シンフォギアwith仮面ライダー final symphony

次の話の投稿は18時です。

前回のあらすじ
響は強くなった。天崎は強くなかった。終わりが始まった。

クロノスが人命救助しているところから今回の話は始まる。


(ここはもう大丈夫そうだな)

 

現在クロノスに変身中の天崎は、瓦礫に埋もれた人を数人だが見つけ…二年前と同じ様に治療し助けた

 

「さて、君達は動けるかな?」

「はぁ、はい。」

 

天崎はそのなかの一人の女性に話しかけた…と、同時に巨大な塔がせり上がっていくのが見えた

 

「あ、あれは何だ‼︎、いつになったらこの悪夢は終わるんだ…」

(…立花響)

 

四十路ぐらいの男が慌てふためいている中、天崎は奏者達を心配した…先程の言葉が心に響いた結果だった

 

 

「ここからだと、緊急避難所までかなり遠いが頑張ってくれ」

「え…あ、貴方は一緒について来てくれないんですか?」

「先約がある…彼らはまだ戦っているのだ」

 

 

先ほどの男にそう言って天崎はリディアン音楽院へ向かって走っていった。

 

 

 

 

player change Kanade

♩君ト云う 音奏デ 尽キルマデ♩

 

 

 

時は塔が地上に露出される前まで遡る、デュランダルに繋がる通路の中

 

「おらぁぉぁぁぁぁぁッ」

《LAST∞METEOR》

「無駄だ、小娘‼︎」

 

天羽奏は事の元凶と対峙していた

 

散々天崎が人類超越者といっていた弦十郎が不意を突かれる形でやられ、その代わりに櫻井 了子…否、終わりの名を持つ巫女フィーネと対峙しているのだ

 

そんな彼女の心は迷っていた

 

(なんでだよ、了子さん。あたし達が今まで過ごして来た日々は偽りだったのか)

「…何をそんなに怪訝そうな表情をしている?」

 

フィーネはその表情の変化を感じ取ったのか、奏でに対しそう問いかけた

 

「…了子さん、旦那やあたしらと過ごした日々は偽りじゃないんだろ…」

「何?」

「不意をつく時に使った旦那に見せたあの顔、あれは本心じゃないのか?」

「ッ‼︎」

「…図星だな、了子さん今なら引き返せる。あたしも頑張って罪が軽くなるように頼むから…もうこんな事は辞めてくれ」

 

 

さて此処で閑話休題だ、天羽奏は心理的には立花響と然程変わらない奏者である、ある一点。ノイズに対する強い憎しみ以外は…その理由はノイズが自身の家族を殺した事に起因する。

 

ある聖遺物を捜索していた天羽一家は、その場所を突き止め、聖遺物とは目と鼻の先まで、来たところでノイズが出現したのだ

 

天羽奏はそこで自分を守って、ノイズに飲まれる両親。自身が守るべきだった妹がノイズに炭化していくところを目撃してし、ノイズに対する復讐心が生まれた

 

では、何故ノイズが出現したのだろうか?

 

 

「笑わせるな…」

「了子さん…?」

「いい機会だから教えてやろうッ‼︎あの時、皆神山でノイズが出現したのは‼︎

 

私が呼びだしたからだ‼︎」

 

(…え?)

 

その言葉に奏の思考が真っ白になった…その隙をフィーネが見逃すはずがなく、ネフシュタンの鎧の鞭で弦十郎と同じく腹を貫かれた

 

腹を貫かれ、倒れた奏は血を吐きながら問い返す

 

「嘘だよな…了子さん…そんな事ってあるわけないよな…」

「あの聖遺物は私の計画に必要な物の一つだ…それを奪う為ならこれくらいのことはする。」

「嘘だッ‼︎……嘘だといってくれよ了子さんッ‼︎」

「…お前の家族を殺したのは紛れもなく私だ」

 

そういってフィーネはデュランダルが保管されている場所に歩んでいった。

取り残された奏は

 

(なんだよ…何なんだよッそれは、じゃああれか、わたしがいままでずっとノイズを殺し続けたのは全部、全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部あいつの困惑通りだったのかよ‼︎……………許さねぇ…許さねぇぞッ‼︎)

 

「フィィィィィィィ・ネェェェェェェェェッ‼︎」

 

自身の口から血を撒き散らすのを気にせず怨嗟の咆哮を上げた

 

 

 

player change Khronos

 

 

 

時は現在に戻り、事態は常に進行している

 

天崎はリディアン音楽院に向かっている中、塔から光が放たれ月の一部分が砕ける瞬間を目にし、その足をさらにはやめつく頃には塔が破壊されたあとだった

 

「ハァ、ハァ、どうなっているのだ」

(空間転移は今は使えないから走っているが、ここまでかかるとは…)

 

 

 

天崎は周囲の壊れた建物、そこが学校だったと思えない光景に足をすくませると近くで女の叫ぶ声が聞こえた

 

(そっちか‼︎)

 

天崎が声のする方向に向かって走りだすと、先程自身を救ってくれた少女が嬲り痛めつけられるのを見た

 

何かが切れる音がした

 

「…取り敢えず死ねッ‼︎」

《CRITICAL SACRIFICE》

 

巨大な丸鋸を投げつけてその身体を裂くも、瞬時に切られた肉同士が繋がり元どおりなっていた。

 

「わたしの邪魔をするな‼︎、クロノスッ!」

「そう言えば止まるとでも?…残念ながら私は怒りの絶頂にいる…よって、不可能な話だ」

 

その言葉を聞くと天崎の目の前の女性は顔を歪め、肩に取り付けられた鞭を響に向かって繰り出した

 

(不味い‼︎)

 

天崎は女性の、フィーネの考えに気づき響の前まで走り、その攻撃を防ぐ

 

「…お前が一連の事件の犯人でいいんだな?」

「何だ?わかっていなかったのか?そうだ、この私…フィーネである私の企みだよ」

「…なら、その企みは失敗したのだな、でなければ嬲る理由がない」

 

天崎は響達、奏者がこのアパズレの企みを阻止した事を知り内心ほくそ笑んだ

 

「立花響ィ‼︎、何倒れている‼︎」

「クロ…ノスさん?…」

「私を動かした君はそんな人間じゃないだろう‼︎しつこくうるさく絡んできて、かかる迷惑は全く気にしない‼︎、だが、人助けの信念の元に行動しているからなんだかんだで許される、そういう人だろ君は‼︎」

 

天崎は倒れている響に檄を打って立たせようとしている

 

「…でも、私が助けたかった皆んなはもう…」

「何故いないと言い切れる‼︎、君はその目で確認したのか?見てないだろう⁉︎」

「何をごちゃごちゃ言って「アバズレは黙りたまえッ‼︎」ア、アバズレだと…」

 

響に檄をいれている中、アバズレと言われたフィーネはその言葉に怒り、クロノスへの攻撃を開始した

 

「…町の人を助けていて、分かった‼︎、助けられる人は一生懸命に助かりたくて動いているってことが、それと同じだ‼︎」

《CRITICAL CREWSーAID》

 

飛んでくるフィーネの鞭に対し、クロノスは回転蹴りで対抗する

 

「彼女らはそこまで脆い人間か‼︎、君が今まで助けて来た人たちは、そんなに弱い人間か?、違うだろ!違うだろ‼︎…立花響キィィィィィィィッ‼︎」

 

そうやって感情のおも行くままに叫んだ

…暫くすると校歌がうたわれはじめた。

 

「何故だ、何故、歌声が響いているのだ」

「どうやら、君が助けたい人はまだ生きているようだな⁈」

 

その歌声に反応するかのように響もその身を動かす

 

「だったら、その命も摘んでくれる…「そうさせると思うかね?」ックロノス、…いや、まてそもそもなんで立ち上がれる…私が作ったものはそういうのじゃない。」

 

響の足に力が宿り、強く地面を踏みしめる

 

「お前の纏うそれは何なのだ…何なのだ」

「知らないのかね?なら聞くといい」

 

響は完全に立ち上がり、その名を叫んだ

 

 

 

「シ・ン・フォ・ギィィッーーヴウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

 

その言葉とともにギアの形が通常とは異なる形を見せ空へと舞い上がり、倒れていた3人も響はへ目掛けて飛んだ

 

 

「バカな…シンフォギアに…奏者にそんな力がある訳が」

「立花響の力だ」

 

完全に困惑の真っ只中にいるフィーネに対し、そう告げた

 

「立花響の力は誰かと手を繋ぐ力…他者の歌声を自分達の力に変える事は簡単なことではないのかね?」

「クロノスッ‼︎」

「そうそう、私の持つこの力の名前だがね?」

 

「仮面ライダー、と言う力だ」

 

クロノスは静かにそう言った

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

「仮面ライダー…何だその名前はっ‼︎」

「さぁな、そこまでは知らんよ?」

(クロノスさんありがとう…お陰でまた皆んなと歌える)

 

響は、空を飛んでいる事を深く考えずに地面にいるクロノスを見つめそう思った

 

「奏?険しい顔してるぞ」

「翼…さっきから驚きの展開が連続したから顔が引きつっちゃってさ、あんま気にすんなって」

「フィーネ、あんたの負けだッ‼︎」

翼は奏での心配をする中、クリスはフィーネにそう宣言した

 

「…私の負けだと…いや、まだだ‼︎」

 

その言葉に合わせてにしたソロモンの杖から大量のノイズを町中に召喚した

 

「いい加減諦めたまえ‼︎、往生際が悪いぞアバズレ‼︎」

「貴様もノイズの相手をするがいい‼︎」

 

地面を砕き地下通路を露出させ、そこにもノイズを召喚させるフィーネ

 

「ッ‼︎、立花響、私は避難所にいる人間を守る君は「はいっ‼︎了子さんを止めてみせます」返事が早い、だがよし‼︎」

 

クロノスがそう響に確認を取り地下通路へ降りていった。

 

(クロノスさんがみんなを守っているその間に私達が了子さんを止めてみせます‼︎)

 

 

かくして、終焉と奏者の最終決戦の火蓋は切って落とされた。




次回エンディング…

みなさん笑ってください。


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ENDING 流星は消えた。そして夢が残った。

まぁ、これを見ている君はこの先の展開については大体予想がついているだろう?

御料車下さい。


フォニックゲインを集める事で起きたこの奇跡、その後の勝利。

 

だからかな、最後の最後であんな事が起こるとは思わなかった。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

《Synchrogazer》

 

ノイズを全て倒し、奏者達の応援に駆けつけた私に待っていたのは太陽を思わせるほどに眩い一つの剣、その光景に目を奪われていた。

 

 

 

 

フィーネとの戦いは凄まじいの一言に尽きた。

 

戦力の差を悟ったフィーネはノイズを大量に呼び出し時間を稼ぎノイズとの融合、その後三つの完全聖遺物をその身にまとい、奏者達と交戦した。

 

対する奏者達は、逆転の一手としてフィーネの持つ『デュランダル』を奪い、それを立花 響に与えることにより『ネフシュタンの鎧』を突破するという策を実行した。

 

立花 響の暴走により、失敗するかの様に見えたが、駆けつけた二課メンバーや響自身の級友からの応援で、デュランダルの力のコントロールに成功。

 

その一撃が放たれた。

 

 

その眩い光を目にしていた私の身体に一つの衝撃がはしった。

 

 

 

 

 

player change Kanade

 

 

 

「奏さん、ありがとうございます。」

 

「...まぁ、皆今までの了子さんを信じているし、正直、私も信じていたいしな」

(...あたし自身まだ聞きたいこともあるしな)

 

暫く探していると、リディアンの校舎の瓦礫が広がっている中、積み上げられた山から物音がすると、そこにフィーネを担いだクロノスが居た。

 

「え?えぇ⁉︎クロノスさん、まだ居たんですか⁈「いたら、何か悪いことでもあるのかね?」いや、そんな事は無いですけど、何時もだとすぐどっかいっちゃうじゃないですが‼︎」

 

(確かに、あの空間転移を使用して逃げないのは可笑しい。...何かあったのか?)

 

そんな事を考えているとクロノスは説明しはじめた

 

「いや、単純に君達に言いたい事があってね」

「へ?」(うん?)

 

「聞いていて、とても心地が良い歌だった。私の心にも衝撃がはしったよ。少なくとも逃げる事を忘れるぐらいには。」

 

そう言いつつ、響にフィーネを預けた。

 

「え⁈あ、ありがとうございます。「では、さらばだ。」あ、ちょっと待ってって...行っちゃった...」

 

その言葉とともに、クロノスの姿はぶれ、そして消えた。

 

(あいつ、それだけを言うために...うん、そうだな。私の歌は復讐の為だけにある歌じゃない、だから、…しっかり聞こう。フィーネ...了子さんの偽りのない言葉を。)

 

 

 

 

 

 

player change Hibiki

 

 

奏者とフィーネの戦いはルナアタックという事件と称され一ヶ月が過ぎた頃、星空が見え始める夕暮れの中、響はそこで空を見上げていた

 

 

 

(あの戦いの後からクロノスさんは見ていない。けれども、きっと何処かにいるんだろう…クロノスさん。私、夢を見つけましたよ。)

 

それは、了子さんに託したし、託された夢。

 

(みんなが互いを理解し合い一つになる事です…私はこの胸の歌と供に頑張って生きていく…そう誓いました。)

 

 

響はクラスメイトが呼ぶ声に反応し振り向いて、走りだした

 

 

(だからクロノスさん。またいつか会いましょう‼︎その時は私の歌を存分に聞かせてあげますからね‼︎)

 

 

その胸に歌を宿して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

アバズレとの戦いから3日後、世間は月が壊れ、その破片も、壊れたニュースで話題になっていた。

 

 

様々な憶測、陰謀論、その影響を評論家、記者、ニュースキャスターがテレビや本で話す中、天崎は秘密裏に借りたマンションの一室に居た。

 

どうしようもなく痛いらしいのだ……腕に刺さってしまったデュランダルの破片が。

 

立花 響とアバズレ…フィーネと言うらしいが…そいつとのぶつかり合いの中で砕けた剣の破片が、この身体に突き刺さった。

 

 

これまで何度も、切られたり撃たれたりされても肉体に傷がついた事が無かった天崎は、あの姿で肉体に擦り傷などの外傷を受けるとは考えていなかったのだ。

 

 

(……………失態だ。

どうしようもないほどの失態だ。

これでは自分の正体がいずればれてしまう。ゆくゆくはバレてもしょうがないとは思うが、今はダメだ。)

 

天崎が持つ何故か知っている医療の知識を用いて目に見える破片は取り除いたが、腕と融合して取り除けない破片もあった。

 

これでは二課に自分が誰だかバレてしまう可能性が高いと、天崎は考えられた。

 

(このままでは、この手掛かりも無駄になるかもしれない。)

 

自らの手に持ったバグヴァイサーⅡの画面に映る黒い靄を見てそう思った。

 

 

 

 

 

地下通路にいたノイズの群れを倒しているときにそれは現れた

 

特に被害を与えるわけでもなく、自らの周囲を漂う黒い霞

 

 

それはそのままバックルに装着していたバグヴァイサーⅡの中に吸い込まれっていた。

 

 

 

 

 

(この黒い靄みたいなものが気になる。バグヴァイサーⅡの中にはいっていったものだし何か関連はあるだろう)

 

フィーネはバグヴァイザーIIに全く心当たりがなさそうなところを見ると、この靄が私が何だが示す手がかりなのだ

 

私が知らずとも、バグヴァイザーⅡとこの霞は何らかの繋がりはあるのだ。

 

その繋がりを明らかにする為にも、あの場を逃げた。…口にした言葉には偽りは無かったが。

 

何がともあれ、先ずは先程の靄を如何にかして出さないといけない。

 

先程の靄を出す方法を知ろうとして、目をつぶると、出し方が脳の中に浮かんだ。…バックルから外した状態でボタンを押し続ければ良いみたいだ。

 

早速やってみることにした。

 

 

Movie start

 

 

天崎少年がバグヴァイサーIIから靄を取り出す為に、ボタンを押し続けると黒い靄が出てきた。

 

そこで異変は起こった。

 

その靄が急に蠢き出し、人の形に変化し始めたのだ。

 

そして、段々気が狂ったような笑い声が響き始める。

 

それが完全に人の姿をすると、急にそれは

 

「私は神だぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

と、誕生の咆哮を鳴り響かせた。

 

 

 

直後、反射的に家主の右ストレートが顔面に入ったのは、必然の事だったが。

 

happy end?…




作者はトリロジー三巻をレンタルして借りて見ました。

いい作品でした。

活動報告欄にあるように、G編を書き終わるまでは投稿しません。

ご了承下さい。


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ネクステージ
ネクステージ1 /第一印象危険人物第二印象やべーやつ


不定期投稿のネクステージ、無印とGを繋ぐ物語です。

繰り返します。不定期投稿です。

Gはまだです。


分かった。

 

その存在が初対面だろうが

バグヴァイサーⅡから出てきて僕を知っている存在かもしれないが

黒いスーツでOTONAらしさを見せつけて、危険かもしれないが

勝手な決めつけだが間違ってはいない。

 

こいつはあからさまな危険人物だ

 

だから、力加減を間違えて白い壁にめり込んでいることは気にしない。

 

壁から覗かせる顔が白眼を見せていても気にしない。

 

次また起きた時には、「いきなり何をする貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

(生きてた‼︎、生きていて良かったが取り敢えず横腹にキックを食らわす。)

 

 

自己弁護をしていた家主が、安堵と供に不法侵入者?に対して蹴りで追撃する。

 

 

「ゔぇはぁッ‼︎」

 

うん良い感じだ。とても心地がいい。初対面なのに、こいつにはどんな事をしても許される気がするのはきっと、間違いでは「間違いだ!」うるせぇ。人の心読むな。つか何で読める。

 

「簡単な事だ。表情の些細な変化、先程の私に対する攻撃、何より私のこれまで培ってきた経験が‼︎、君の心を読んでいるん」何だ、蹴られるはめになるような経験してんじゃねーか。「納得しつつ蹴るなぁ‼︎」

 

 

ある意味真理をついた行動をする天崎だった。…何度も蹴っているのであとの報復が怖そうだが。

 

 

話があるけど、何なのお前、いきなり現れておいて、自らを神だと名乗るなんて、本当に神様だったら、元から頭いかれているフィーネの恋愛感情を疑うよ?

 

 

哀れな狂人からただの厄災にレベルダウンするよ

 

 

「...すまない、喋ってくれないか?予測は出来るが、結構面倒なのだが。」

 

やだ、汚物の口から出てくる言葉で会話すると自分が汚れる。

 

「...君は私を苛立たせるなぁ?」

 

 

すいません。暫くお待ちください。

 

 

 

♪EXCITE〜ピアノバージョン〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長らく、お待たせしました。

 

 

時間にして、一時間程しょうもない喧嘩してしまった。無駄な時間だった。「それはこちらのセリフだ。全く、せっかく私が君が気になっている事を説明してあげようと思っていたのに。」

 

...本当に知ってるのか?やべーやつ。

 

「知っている。だがその呼び方は何だ。」

 

お前の名前知らない。

 

「…私も、今は君に教えるつもりがない。君が私の呼び名をつけるといい。」

 

よし、やべー「ただし、ちゃんとした名前じゃないと、出鱈目を言うかもなぁ?」...わかったよ。.........「ドガミなんてどうだ?」

 

 

「漸く、口に出して発言したか。それにしてもドガミ、漢字に変換すると神という文字がつきそうな名前から、少なくとも君自身の私に対する尊敬を表しているように見えるが、実際は違うだろう?まぁ、一応しっかりした名称だから特別詮索はしないでおこう。」

 

...バレてたか。

 

 

因みに名称の理由は、I'm a godを逆にした名前で、暗にお前は神じゃねえという意味がバレれば第2戦が始まってました。

 

 

「さてと、まず君の扱う力に関してだがそれの大元となるエネルギーは、ある特殊なウイルスから作られてる。」

 

「いきなり‼︎⁉︎、いきなり、あの力についての話⁉︎」

 

もう心の中での発言が面倒くさくなったのか、天崎は口に出して驚いた

 

「長話は面倒だろぅ...?そのウイルスは生物学上のウイルスとコンピュータウイルスとしての特徴を合わせ持つ、『バグスターウイルス』と言うのさ。」

 

そんなウイルス、一体誰が作ったんだ...「自然に発見されたのさ。第1発見者はこの神たる私だ。」...人の心読むのを止めろよ。

 

「やめなぁい...。それに私も君という存在は信用していいのか、分からないからなぁ...?」

 

......スイッチを切り替えるか

 

「すまない。話を続けて欲しい。」

 

「ふむ...では、話を続けるとしよう。余計な考えをしないでくれたまえ。」

 

............

 

「よし、説明を再開する。私はそのバクスターウイルスを使い、作ったのが君が持っているそのカセット、『ガシャット』だ。それを起動させる為の装置は数種類のタイプに分かれる。」

 

........................

 

「又、機動装置とガシャットが揃ったから誰でも変身出来るわけではない。変身するためにはバクスターウイルスがなければならない。その為予め少量のバクスターウイルスに感染する必要がある。」

 

‼︎.........

 

「驚いたなぁ?だが、それとは別に変身できるパターンも存在する。」

 

?......

 

「バクスターウイルスによって誕生する生命体『バクスター』が変身するパターンだ。」

 

‼︎⁈⁇

 

「バクスターウイルスの感染した者は自身の感じるストレスによって病気にかかる。その病気はゲーム病と呼ばれ、末期になると、バグスターが発生する。」

 

その後どうなる!

 

「バグスターが発生した患者は少しの時間が流れた後。手術をやらない限り、データに分解されて消失する。」

 

僕は誰かの命を奪って生まれてきたってことか!「だが、君もこのケースには当てはまらない。」⁉︎

 

「君の腕の傷を見る限りそれは無いだろう。バクスターは人の姿をしているものもいるが、血を持っていないからな。さらに付け加えるなら、目に分かる成長という変化もない。証拠に私の怪我したところからは血が流れてないだろぅ?」

 

そう言ったドガミは自身の顔についた傷を指差した。主張の通り、血液は流れ出ていない

 

.........それなら、僕はどうなんだ

 

「これ以外の変身条件は特殊な例になる。まぁ、傷から血液に見えるものが流れる以上、間違いなく人間のような物に属する生物が君の正体だろう。」

 

......自身の悩みを喋った覚えはないぞ

「さっきの話を聞いて、異様に動揺したからな。普通に分かる。」

 

………

 

「私からしたら君の悩みはどうでもいいことだ。自分の姿形がどうなろうとも、自身の夢を忘れなければいい。実際、君をそう思ったことがあるだろう?」

 

......確かに

 

でも腹立つから殴っていい?

 

「君は猿か?それとも脳みそが足りないのか?次は私が君から欲しい情報がある。」

 

...何だ?

 

「君が関わってきた事件。全て私に話せ。これからは私も関わる…言っとくが拒否権はないと思い給え…」

 

.........ぺッ...

 

「...どうやら、上下関係を叩き込む必要があるようだなぁ?」

 

 

♪EXCITE〜ピアノバージョン〜♪

 

 

 

 

 

 

 




天崎は、ドガミを敬う心はありません。だって、不法侵入者?兼狂人兼やべー奴ですからね…信頼ゼロです。

作者はある種の信頼をしていますが。


繰り返しますが不定期投稿ですので、暇つぶし程度に読んで下さい。


あと、私は小説の詳細内容に記載されている通り、黎斗神教に入ったばかりです。なので、神の御言葉を聞き間違えることも多いので、先輩の信者様、もしくは宣教師のひとはメッサージ機能で教えてくれるとありがたいです。


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ネクステージ2/CR『クリエイターリターン』

前回のあらすじ
ヤベーやつ、マジやばーやつ



今回の話は1話の直後から始まる


ゼーハーゼーハーゼーハーゼーハーゼーハーゼーハーゼーハーゼーハーゼーハー

「...五月蝿いぞ、君ぃ、もうちょっと静かに出来ないのかねぇ?」...何で平気そうなんだぁ?テメェは?

 

「段々と口調が悪くなったなぁ?だがよろしぃい…元気が出てきた。君が元気になると‼︎私も刺激さぁれぇる…。」

 

......?

 

「よし、君の持ってるガシャットを貸してくれ、それが一番手っ取り早い」

 

...事件の詳細はいいのか変顔?「後で聞く‼︎いいから、寄越せ‼︎」

 

嫌だなぁ...はいどうぞ。後で話すからね、知りたかった事件。てか変顔は良いんだ。

 

「自覚はある。それとその腕をよく見せろ、これは今すぐにだ。」

 

......分かった...どうぞ。

 

「漸く、理解したか。そうだそれでいい。私の指示に従え。」その前に...「?」

 

「何に使うか教えてもらおうか?」

 

「・・・・・?」

 

何だその顔?

 

「いや、これと君の血液を使って君の正体を確かめようとしただけなのだが...他に何かあるのか?」

 

......どうやらお互いにもっと話し合う必要がある様だな...‼︎⁉︎

 

 

〜♪EXCITE(オルゴールversion)♪〜

 

 

「…だがら月は欠けているわけだ。」

 

漸く終わった。この二年間の事件、聖遺物、シンフォギア、フィーネ、それにまつわる事、僕が知っているすべてを話した。…そういや僕はドガミ自身については全然聞いてないな。

 

「今は教えない、君も理解しているだろぉう?」

 

あーはいはい。で、納得した?

 

「納得したさ、そんなことが起きてたのか。私では無かったら、一つ一つの事にいちいち騒いでた頃だ。」

 

私では無かったら、大丈夫じゃない理由は?

 

「シンフォギアのような与太話、嘘や世迷言の一言で切り捨てられるからな。」

 

…まぁ、信じてくれて有難う。

 

「そうだ。私に感謝しろ。最も君からの感謝は雲の上へと飛び、水の底に沈むような扱いだがな。」

 

…やっぱ、しない。

 

「で、その右腕にはデュランダルの破片が融合しているということか。少し見せてくれ。」

 

はいどうぞ。

 

「………成る程、これを使って歌を歌えばを聖遺物の力を使えるのか。「あぁ、そうみたいだ。」だがやめたほうが良いな。」

 

それは何故?

 

「この力は悪魔との契約。解除不可能の時限爆弾だという事だ。」

 

⁈…どういうことだ?

 

「欠けらが融合したにしては腕の神経、血管、骨髄、etc…つまり、腕の一部に見えた侵食は既に腕全体に広がっている。

だったの3日ほどの時間でだ。もしこれを聖遺物として使えば侵食が急速に広がり人体の生命活動が維持できなくなる。」

 

…立花 響はどうなる?

 

「遅かれ早かれ、死ぬ事は間違いないな。最も死ぬ時は聖遺物になるかもしれないがな。」

 

……そっか。

 

「話は変わるが君にやってもらいたいことがある。」

 

…なんだ?変なことか?

 

「変かどうかと言われれば、人権の侵害と言われることさ。神たる私には然程関係ないことだがね?」

 

「…何だ?」

 

この男の異常性を察している天崎は恐る恐るそう聞き返すと、

 

「君をモルモットにして、立花響の治療手段を確保したい。」

 

「…出来るのか??」

 

「私は神だ。つまり不可能はない。君が協力を拒んだら、立花響が死ぬだけだ。」

 

「…悪影響は?」

 

「分からない、それでもやるかい?「やろう。」では、始める前に。」

 

前に…?

 

「コーヒーを淹れてくれ、良い加減喉が渇いてきた。」

 

喉乾くのか⁉︎

 

 

うだうだ愚痴を言いながら、珈琲を注ぎに行く天崎であった

 

 

 

player change Hibiki

 

 

 

白い壁が見える。ただそれだけ…

 

「私達いつまでここにいればいいんですかぁ〜〜〜〜〜‼︎」

 

 

立花響十五歳、二課緊急本部にて叫ぶ。その声は日頃のストレスが込められていた‼︎

 

「立花、静かにしろ」

「そうだぞ〜、響。…騒いでもどうにもなんないだからさ?」

 

先輩奏者の奏と翼も、同じ部屋に居た…奏に関しては気持ちよく寝てて居たのか、少しムスッとしている

 

 

「うー、理由は分かりますよー。機密が漏れたから処理しないといけないって…でも、いくらなんでも長すぎます。もう一週間ですよ‼︎、絶対未来に怒られるー…」

 

立花は機嫌が少し悪そうな奏を見て、騒ぎたい気持ちを抑えて、焦っている理由を発言した

 

「…なら、クロノスことについてまとめてみないか?」

「翼?、旦那達は居ないのに恒例のアレやんのか?」

「え、なんなんですかソレ?」

 

翼は何を思ったのか、クロノスに対しての会議を始めようと言い出した。響は奏からその会議の詳細を聞き終えると

 

「分かりましたッ‼︎クロノスさんについてお話しするんですね‼︎」

「立花…いちおう言っておくが、会議だからな?」

「わぁーかってますってッ‼︎」

 

翼は全くわかってなさそうな響を見て困ったような顔しているのを見かねた奏が

 

「でも、急にどうしたんだ?翼」

「奏…クロノスの発言に可笑しなところがあったんだ。」

「変なところ?一体なんだ?」

「『怪我は大丈夫なのかと思ってね』」

 

奏のその質問にクロノスの言葉で問い返す翼

 

「翼さん…それのどこが変なんですか?」

「…最初は、絶唱を使った私に対して労りの言葉をあげに来たと思った…だが今考えると別の意味にも考えられてな」

 

そういうと、奏は何か閃いたような表情をして、

 

「響が二課に正式に入ったあの日か‼︎」

「…そうだ奏。「翼さんに《天の逆鱗》で試されたあの日ですね‼︎」…立花…その話は辞めてくれ。」

「…すいません‼︎」

 

聞きたくなかった一言を聞き、割と鈍い響でもわかるレベルで翼は落ちこみ、響は謝った。

 

(でも、あの日の出来事であったことの何が…)

「響。わかってなさそうだから言うけど、クロノスは翼に怪我させてただろ。」

「?そうですけど…それと発言がどう関係しているんですか?」

 

ここまできても理解できていない響を見て溜息をはいた翼は、自身の想像を話す。

 

「クロノスはその時の怪我を、私が病院で入院するキッカケになったと思ったかもしれないということだ。」

「え!、でも、あの日から一ヶ月後に入院したんですよね?…普通そう思わないんじゃ。」

「考えられる可能性は2つ」

 

続けざまに翼は話す

 

「一つ目は、クロノスはノイズと同じ場所に居て情報を集めづらい。これは、了子さんが今までクロノスを知ることがなかった事から、その可能性は殆ど無い。」

 

自分で挙げた可能性を自ら否定した後、本命を告げた。

 

「もう一つは、クロノスは人間でこちらの情報を何らかの方法で入手しているという事だ。」

「……ぇッ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

考えもしなかった事を聞き、思わず叫んだ響、暫くすると騒ぎを聞きつけたのか扉が突如開かれる。

 

「響くん‼︎大丈夫か⁈」

「あ、師匠‼︎、大丈夫です。何もありません‼︎」

「では…今の叫びは一体?」

「旦那、実はな…」

 

今までの話し合いを、弦十郎に話す奏

話を聞き終えると風鳴司令は

 

「翼も同じ事を考えていたのか…」

「師匠もそう考えてたんですか‼︎」

「あぁ、藤尭からある報告があってからな」

「叔父様、それは。」

「…奏者との通信が盗聴されている可能性があるという報告だ。」

「ッ‼︎」

 

翼の想像を裏付けするかのように、盗聴の事実が出てきて更なる驚きがその場に広がる

 

「叔父様ではッ‼︎」

「だが、クロノスと決めつけるにはまだ早い…某国の可能性も考えられるからな」

「確かにな…でも今までと違ってえらく前進したな」

「翼さん…やっぱりスゴイ‼︎」

 

周りが良いムードになりはじめたその時

 

 

「あのー…入ってもいいか?」

 

 

シャワールームに行っていた雪音 クリスが帰ってきていた。

 

「クリスちゃん、いつからそこに。」

「…会議が始まったばかりの頃からあたしはここに居た。」

(なんで、入ってこないんだろう?)

「クリス、いつでも入って来ていいんだぞ。」

「あぁ、そうだぞ雪音。我々はもう仲間だ。」

 

翼のその言葉に安心したのか、雪音クリスは頰を染めて、ゆっくりと入って来た

 

 

この後の会議はその様子を見て、『クリスちゃんカワイイ』、と騒ぐ響によってブチ切れたクリスが響と喧嘩し始めた事で幕を閉じた。




前回の話でも言っていますが、神の言葉を本気で募集しています。

こらから先、現れる杉◯と格差をつけるぐらいの神の言葉を本気で募集しています。紳士的な社長の言葉でもいいです。

皆様どうか本当にお願いします。

活動報告欄にも、たてましたので。


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ネクステージ3/いや、お前本当に煩い。

不定期投稿3回目です

作者は用事があるので暫く投稿できません。ご了承ください。

天崎に荷物が届いた後に今回の話が始まる。


 

 

突然だが、自室が機材の山と化した。

前々から注文していた作曲用の機材が一度に届いたからである。

 

ドガミとの生活も今日で一ヶ月、奴の治療方法の被験体となって三週間程といったところだ。

 

(…忘れてた。妙なテンションになって注文してたの)

「この機材の山はいったいどうしたんだ」

「…あまり言いたくないが使わないのに、深夜テンションで騒いだ勢いで買ってしまったものだ。」

「…?…‼︎そうか、これが君が私の真似をした時に買ったものか」

「おいまて、私の真似って何だ。」

 

聞き捨てならないといった表情で、ドガミを睨みつける。

 

「真似だよ…私もそれとよく似た言葉をよくいっているからね」

(…言葉遣い改めよう。)

「そうしろ、話は変わるがこの機材使わないのなら、この私が有効活用してあげよォう。」

 

 

天崎は一ヶ月の間ドガミのあしらい方を学び、以前よりは喧嘩する回数は減った。一日に二回喧嘩するのは流石に避けたいと互いに思ったそうだ。

 

 

「勝手にしてください。」

「そう、その敬語がいい。勝手にさせてもらおう」

「…僕は散歩に行きますから「少し待て」?」

「君の持つ仮面ライダークロニクルのガシャットも貸してくれ」

 

ドガミは不気味に笑った。

 

 

 

player change Miku

 

 

 

嗚呼、夏の日差しで汗を流す君の横顔。

私はそこに細やかな幸せを観るんだ。

 

(やっぱり、ぐったりしている響も綺麗だなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ)

 

此処は私立リディアン音学院、新しい場所、新しい校舎…と言うわけでもなく廃校になった設備を一部新調して、再活用でやっている…世の中は世知辛い

 

そんな中、ドガミとは違ったベクトルで恐怖を駆り立てる少女。彼女の名は小日向 未来。

 

響の幼地味であり親友であり、天崎がそっちのけがあると判断された少女だ

 

「未来〜、此処の問題どうやって解くの?」

(嗚呼、その困った顔もいい‼︎)

「うん、此処の問題は此処の値に三を掛けて…」

 

言動と思考が合わせておらず混乱しやすいが、これが小日向 未来という少女である…響は本日の最後の宿題を解き終わった頃で、未来は質問する

 

「…ねぇ、響。あの天崎さんって人どう思っているの?」

 

小日向の中で危険人物認定された天崎についてだ…自分の太陽を盗み出すかもしれない盗人の可能性が高いからだ。

 

「え、どう思うってそれ「好きとかそういう感情」えぇ‼︎、それは〜…うん、どうなんだろ?」

 

響ははっきりしない答えを未来に返した

 

「天崎さんは、私と未来が仲直りしやすい様に色々と教えてもらったし…何か申し訳ないし、困っていたら助けてあげたいんだよね…でもね、好きっていうわけじゃないんだ。」

「どういうこと?」

「天崎さん、一人ぼっちじゃないかな〜って」

(ひとりぼっち?)

 

考えてもいなかった一言を言われて、困惑する未来…天崎はそういう人間でもなさそうにみえるが、そんなことを考えていると

 

「いや〜、ドラマとかである。孤高の天才って感じがするんだよね〜天崎さん。『お前の存在はノーサンキューだ』〜て感じの」

「響、現実はドラマじゃないんだよ…説得力はあまり無いけど。」

 

相変わらずの響に、思わず微笑んでしまい、こんな日々が続けば良いなと思う。リディアン音楽院のやべーやつ予備軍だった。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

(夏だっていうのに寒い)

 

気温が32℃を超える中、場違いなことを考えていた天崎、散歩がてらスーパーで食料の調達をやっていたようだ。

 

(…ドガミをほっといて大丈夫なのか)

 

手にした袋の中身を確認しながら、不安を募らせた

 

(僕の正体を知る為の有力な手掛かりだが、アレは危険人物だ…このまま放っておいたらフィーネのときより危険な事が起こる気がする。)

 

 

天崎はドガミの事が信用しきれていなかった。立ち振る舞い、雰囲気、言動、どれを取っても特撮の黒幕の条件に当てはまるドガミは…限りなく黒に近い灰色だからだ。

 

だが、その分彼の実力もまた本物で、立花 響を救う為の手段は理論上は完成している…天崎は響を助けるまではドガミの言うことを聞くしか無いのだ。

 

 

(現実はドラマッチックのような展開を見せつけるが、御都合主義はなかなか起こらないもんだなぁ…)

 

天崎がそんな哀愁に浸りながら、自分の部屋番号が書かれた扉の前に立った。

 

 

チャイムを鳴らした

 

 

 

 

「ヴェハハハハハハハハハハハハハァ、遅かったなぁ‼︎、ソウシィ‼︎…君に話したい事がある。」

 

例の如く狂笑してきたので、言葉を言い終えたドガミに対して右ストレートをぶちかました。

 

 

 

 

 

時は変わって自室、部屋がオレンジ色に染まる中、天崎はドガミの話を聞いていた。

 

「…私は気分が高揚すると、あんな風に笑ってしまう。それは仕方がないことだ。分かったな」

「わかった。でも、止める努力はしてくれ」

 

喧嘩が終わったのか、二人で原因について話し、それも終わったようだ

 

 

「ところで話したいこととは?」

「3つのニュースだ。」

 

天崎は喧嘩する直前で言っていた。ドガミの言葉について尋ねると、そうドガミはいった。

 

「1つ、君のクロノスは普通じゃない、私が作った仮面ライダークロニクルにはLevelが存在しない…だが君のは」

「Levelが存在する。」

「そう…君のガシャットを調べてみたら私がクロノスに搭載させていた機能の殆どが機能不全だ。」

 

1つ目は天崎のクロノスのことだった。ドガミは他にも、バグヴァイサーⅡで変身したにしては可笑しい機能がついていたことも告げた

 

「2つ目、立花 響を助けるのに必要な物が完成した」

「本当か?」

「私を誰だと思っている…神の才能を持つ男だぞ…使い方は後で教える」

 

ドガミはその後理論について語ったが、理解が難しく話半分にドガミの話を聞き、

 

「3つ目、ルナアタックはまだ終わっていない。」

 

その言葉に戸惑った

 

 

 

Movie start

 

 

 

「終わってないってどういう事だ‼︎」

 

数秒の放心の後、そう言葉を切り出す

 

「君は、月を砕いておいてその程度で済むと思ったのかぁ?…済むはずがないだろぉぉぉぉぉぉッ…」

 

その言葉に怒鳴り返すドガミ

 

「第一どうやっ「NASAからデータを盗んだ」何やってんだ邪神。」

「…邪神…その響きは悪くないな」

「おい、はぐらかすな」

 

ドガミはゆっくりと歩きだし椅子に座った

 

「簡潔に説明すると、バラルの呪詛とやらがら消えても人が団結することは難しいということだ…アメリカの上層部は他の人々を見捨てるようだ。」

「この世界そういう屑が多すぎる…‼︎」

 

木製の机を思いっきり殴り、ヒビが入った。

 

「元気なことはよろしいが、F.I.S.というアメリカの機関が上層部の意向とは関係なく行動するらしい。」

「…ちょっと待った、何が起こるんだ。お前のいうことだからあっさり信じてしまったが、何が起こるか聞いてないぞ。」

「そうだったな、月が地球に落下する。被害は全人類の約90%で済めば、良いところだな。」

「…あのアパズレ、ロクなことをしねぇ」

 

天崎はフィーネのやらかしたことにうんざりしながら、ドガミから目をそらす

 

「話を戻すが、先ほど言ったF.I.S.がその月の落下を阻止するために勝手に行動することを決断したそうだ。」

「どうやって」

「フィーネの計画を利用するらしい」

 

ドガミは席を立ち、天崎の周囲をゆっくりと回り始める

 

「フィーネはどうやら、月を破壊した後、フロンティアと呼ばれる物体で人類を支配しようとしていたらしい…それを使えば月の内部機構をコントロールもできる可能性がある…と、睨んでいるそうだ」

「可能なのか?」

「知らん。私も調べ始めたばかりだからな」

「藁にも縋る思い…ということか」

 

そういうことだ。その言葉が出てはっとして、言った

 

「二課と協力して行えば「二課の上層部もアメリカの上層部もほぼ同じだ。ひょっとしたら状況が悪化する可能性もありえる」ダメなのか」

「…だが、協力するという考えはいいな…総使、私に1つ考えがある。」

 

 

「…何だ」

「二課もF.I.S.も全て利用して、私達の現状の問題を打破しよう。」

 

 

唖然とする天崎を他所に、私の計画に乗るか?とドガミは囁いた。




ところで皆様

小日向 未来ってこんなキャラであってますよね?
作者は少し不安になりました


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戦姫絶唱シンフォギアG/ステージ
ステージ1/だからこそ、私は意味が欲しい


久々の投稿ですがすいません。
まだ全話書ききっていません。
ルールを破るようで申し訳ないですが
生存報告を兼ねて投稿させてもらいます。


追記
ゲンムコーポレーションは永遠也。


 

 

player XXXXX

 

…今でも思いだす。

 

あの時の不甲斐ない私を、思いだす。

 

自分の妹でさえ守れずに、逆に守られて、恩人まで怪我を負わせた自分を…

 

だから私は、やり遂げる。

 

例えそれが悪だとしても。

 

この命に意味を持たせる為に。

 

 

player change Kurisu

 

現在走っている列車の車両の一室、クリスはぶちぎれる

 

「くっそ、他にもノイズを操るもんがあんのかよ‼︎」

 

貨物列車を追尾してくるノイズ、それに立ち向かう軍人達。

二課はアメリカと合同で、ルナアタック事件で唯一残った完全聖遺物、『ソロモンの杖』の護送任務にあたっていた。

 

だが、護送している最中にノイズが出現。今現在戦っているところだが。

 

「ダメですッ、ノイズが銃弾を避けます‼︎」

『何を言っている⁉︎、やたらと頭がいいノイズがいるとでもいうのかッ』

 

米軍はそう混乱を極めつつ、仕事をしっかりとこなしていく。

 

『響君、クリス君、知っている通り奏君と翼はライブでいない。』

「わーってるよ、おっさん‼︎」

「師匠、二人のぶんまで私たちが頑張ります‼︎」

 

「二人共、これでもノイズがこちらに来ているから早くこっちに‼︎」

そんな二人の会話を聞きながら、二課職員の友里 あおいは呼びかけた。

 

「しかし、なんなんですかねぇ。このノイズは。ここまで統率ができるノイズはそうそういないものだと思っていたのですが…」

アメリカの生物学の天才。ウェル博士は弦十郎が内心思っていたのと同じ疑問を持ちながら友里 あおいより先に前の車両へと向かう。

 

(ソロモンの杖…仕方がないことら分かってるだけどな「クリスちゃん‼︎」⁈)

「大丈夫だよ」

「…バカ‼︎、お前っ本当に、バカッ‼︎」

 

クリスの罪悪感を感じ取ったのか響はクリスを励まし、クリスはうれしかったのか、照れ隠しに響を罵倒する。

その後息を整えたクリスは

 

「やるぞ、バカ。「もちろんだよ。クリスちゃん‼︎」『Killter Ichaival tron』(ケルトー イチイバル トロン)

 

聖詠を口にし、ノイズの殲滅にかかった。

 

 

player change Tubasa

 

 

その一方風鳴 翼はどうしているのかとういうと、本日の合同ライブに向けて精神統一を行なっていた。

 

(自分はノイズを倒すだけの防人で有らず…歌で皆を癒すためでもある)

 

今の翼は響と会ったことによって、以前の翼とまではいわないが、心に余裕があり年頃の少女の面も見え始めた。

 

立花 響がもたらしたいい傾向の一つといえるだろう。

 

 

 

「なーに黄昏てんだ?翼。」

そんな心境を無視する人もいるが

 

 

 

「!奏こそ、いつもより元気がないぞ。」

「…いやー、外国のビックアーティストだから、妙ぉーに緊張しちゃってさ」

 

話してないと落ち着かないんだよねー。と奏はぼやき続ける。

そこに緒川 慎二が

 

「翼さん、奏さん、そろそろライブ会場のチェックを…」

「おー、緒川さん。…響の方でなんかあったか?」

「え?」

「緒川さん、貴方はメガネで自身の切り替えをしているでしょう…メガネ外れてますよ。」

 

そんな話をしながら、ライブ会場へ向かった。

 

 

 

player change XXXXX

 

 

 

ライブ会場の近くで佇む影が一つ。

 

「いよいよ、この時が来た…さぁ、

ゲームを始めようじゃないか」

 

不穏な空気を作り上げていた。

 

 

 

player change Amasaki

 

 

 

事務所の休憩室。そこに集まったのは会社の精鋭達。

 

「あーまちゃーん‼︎、あともう少しで始まるわよォォォ」

 

やたら元気のいいオカマネージャー(24時間戦士)、シャチョさん。

 

「そんな大声ださなくても、聞こえていると思うぞ」

 

この事務所の社長。特徴なし‼︎

 

「天崎さん。飲み物何がイイっすか?」

 

言葉の尻が軽い。スタッフ一同(ノリノリ集団)‼︎

 

「…黄色いヤツある?元気ハツラツの」

 

この物語の主人公。天崎‼︎

 

 

アルっすよー、の声と共に手渡される瓶を握って、近くの椅子に座る。シャチョさんは招き猫並みにオイデオイデしてくるのを無視して、スタッフの近くの場所をとった。

 

 

何でこうなったかというと、スタッフ一同の親睦会の意味合いを兼ねて、クイーン・オブ・ミュージックの鑑賞をやることになったからだ。

 

「あまちゃん…私のことが嫌いなの?」

 

スタッフ達も、なぜかこの日を待ち遠しく待っていたので、まぁ参加することにした。…不安事項もあるが。

 

「天崎君、出来ればもっとこっちに来てくれないかい?、シャチョが泣きそうだ。」

 

社長の言うことを聞いて、椅子をマネージャーの近くへ持ってくる…一ヶ月前から音信不通になっているドガミは、ちゃんと予定通りやるのだろうか?

 

て、いうかF.I.S.は今は何処にいるんだ?

詳細全く聞いてないぞ‼︎、ドガミ(狂神)

 

「いやー、新曲とてもイイっすねー……⁉︎何すか、アレ?」

 

アレ?

天崎はテレビの方を見ると、

 

ガングニールのシンフォギアを纏ったマリア・カテンツヴァナ・イヴがいた。

 

(……ライブ会場にいるのかよぉおぉぉぉぉ⁉︎)

 

 

 

player change Kanade

 

 

(歌姫マリアがシンフォギア奏者⁉︎…一体どうなってんだ‼︎)

 

マリア・カテンツヴァナ・イヴが世界各国に向けて国土を要求する中、奏は戸惑っていた。

 

(…少なくとも国土を貰うことが本当の目的じゃなさそうだな…もっとスケールの大きい何か。)

 

「何を意図しての騙りかしらぬが…」

「私が騙りだと?「そうだッ‼︎」

(ッ‼︎ヤベェッ‼︎)

 

嫌な予感がした奏は

 

「ガング「翼、落ち着け‼︎」って奏⁉︎」

 

翼の手をとって聖詠をやめさせた。

 

 

「奏、何で⁈」

「今動いたらあたしらが奏者ってバレる…ファンのみんな為にもツヴァイウィングをやめるわけにはいかないだろ?」

 

 

翼はそう言われて頷いた。

 

 

その様子に業を煮やしたのか、マリアは

 

「会場のオーディエンスを解放する‼︎」

 

テロリストとは程遠い発言をした。

 

 

 

player change Miku

 

 

 

時は少し進んで会場の外、マリアの発言は実行され、人質のはずの観客が外へと解放された。

 

 

「ねぇ、ヒナ?」

「?」

「歌姫マリアは、ビッキー達と同じなのかな?」

「…そんなの分からないよ。」

 

 

 

会場の外に出た、響の友達四人は先程宣戦布告を行なったマリアのことについて話をしていた。

 

 

 

「私も小日向さんと同じ意見ですわ、ただ…」

「ただぁ?」

「きっと、悪いことではないと思いますわ。」

 

 

 

先程のマリアの人質解放によって、悪人だと言い切りづらい…それがこの友達の間での意見だった。

 

 

「…ねぇ、みんな」

「どうしたの、弓美」

「私の見間違いじゃなかったら、自転車に乗った仮面ライダー(クロノス)が会場に入っていたんだけど。」

「………冗談?」

 

 

 

『冗談じゃないって』、そんな言葉をどうでもいいかのように、騒ぎの夜は深まっていった。

 

 

player change Maria

 

「いくぞ、奏ッ‼︎」

「分かってるさ。翼‼︎」

「グゥッ‼︎」

 

ライブ会場では戦況が一変していた。

緒川による映像中継の中断。それによる奏者たちの心配がなくなり、マリアは攻めこまられていた。

 

もちろんマリア自身も戦況を変えるための手段を有してる、だがこの戦闘を出来るだけ長引かせたい理由があった。

 

次の手を考えさせる余裕すら無くなるほど闘いに集中しているマリアには無理な話だが。

 

「しまった‼︎」

 

パ、キィーンと音がなり手にしていた槍を弾かれてしまった。

 

「貰ったぁッ‼︎」

 

だから、このテロ騒動は奏のガングニールによる一撃で終わりに…

 

 

 

 

『チュ・ドーン』

 

 

 

ならなかった。

変な効果音と共に光弾が放たれ、奏を背後から攻撃した。

 

「奏‼︎、貴様、何者だ‼︎」

 

マリアはその声に反応して光弾が放たれた方向を見ると

 

 

1人の戦士がいた。

 

 

 

「私の名前はゲンム。仮面ライダーゲンムだ。」




全話書ききったら連日投稿始めますので御了承下さい。


次回も楽しみにして待っててねー


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ステージ2/Gの意味はそっちじゃない。

作者の驚き。

《yellow》イエローはイエローじゃなくて《/yellow》、ゴールドだった


長らくお待たせしました


 

 

 

「痛〜っぅうぁぁッ‼︎」

 

 

なんだ今の背中の痛みは、それほどでもないけど誰にやられた⁉︎「何を言っているのだ‼︎クロノス‼︎」ックロノス⁈…目の前のマリアは呆けているから、背後を見ても良さそうだな。

 

 

「クロノスってどういうことだ…つば………」

 

 

…翼、あのさあたしは思うんだけどクロノスってこんな色じゃないだろ、なんでこれをクロノスって言ったんだ?

 

 

「アホ。「阿保ッ?」よく見ろクロノスは緑色ッ‼︎、紫色じゃないしあんなにみすぼらしくもないわッ‼︎」

 

 

「…私が目にした時は暗いところにいて色がよく見えなかったんだ。」

「いや、ねーから。」

 

 

クロノスはあの色的に蛍光色だと思うし、暗いとこで目立っていたからな

 

 

「…私の名前はゲンム。仮面ライダーゲンムだ。」

 

 

あ、自己紹介してくれた

 

 

「何故。我々に銃口を向けるッ‼︎」

「私の目的を達成するためにも、彼女達と協力が必要だと思ったからだ…それにこの件は君達も悪い。」

 

 

…なんか衝撃の発言してきたよ、こいつ。

 

 

「私達が悪いだと‼︎」

「どうやら本当に気づいていないようだな」

 

 

…まぁ、どのみち。

 

 

「翼、形成が優勢から平等に戻っただけだ。あたしはあのゲンムってやつと戦う。」

「奏…分かった。私はマリアと戦う。」

 

「…マリア・カテンツヴァナ・イヴ。ここは共闘をお願いできるかな」

「…ええ、分かったわ。一先ずその共闘は飲んであげる。でも、あなたの目的に協力するつもりはないわ。」

「今はそれでいいさ…それでは始めようか、ガングニール?」

 

 

 

 

 

 

(テレビ中継は途切れたから戦えていると思うけど…大丈夫だよね?)

 

 

響達は未だに輸送ヘリの中にいた。見ていたテレビ中継が中断されたことから、何かとすごい緒川さんがなんとかしてくれただろうという認識はしていたが…

 

 

(やっぱり、なんか嫌だ。嫌な予感が拭えない…何で?)

 

 

響だけが言いようのない不安が残っていた。

 

 

「おいバカ、どうしたんだそんな顔して」

「クリスちゃん…奏さん達は大丈夫…だよね?」

「ハァッ?当たり前だろ、あの2人がそんじょそこらのやつに負けるかよ。」

 

 

だよねー、そんな言葉を言っても響の胸の内の不安は取れないまま、ライブ会場へと近づいていった。

 

 

 

 

 

 

 

槍と剣がぶつかり合う音がする中、戦士と装者がにらみ合っていた。

 

「随分と、バグヴァイザーに注意をするのだな。」

「…前に翼がそれでやられていたからな。」(こいつ思っていたより…)

 

この拮抗状態を奏は想定外だった。というのもクロノスの力を何度も見てきたからこそなのだが…

 

(弱いッ‼︎)

 

そう、弱かったのだ。普段戦っているクロノスならこうはならない。

相手の攻撃を防ぐことを常に考えないと押し負ける危険性があるクロノスに対し、ゲンムの攻撃にそれほどの脅威は感じられない。

 

「そういうお前はクロノスより大分弱いな…本当は戦うのが苦手なんじゃないのか?」

 

だから煽った。挑発で相手のミスを誘ったのだ、もし挑発に乗らなかったとしても自分に目を向けたままにしてくれるのならそれでよし。

 

今も向かってきている頼もしい後輩達がいるのだから。彼女らが来る時間稼ぎを出来れば良いと考えたのだ。

 

 

「成る程…ではレベル3と行かせてもらおうか。」

 

 

思惑は想定外で崩れ去るのだが

 

 

「レベル3?」

 

 

普段こういう場所では聞きなれない単語に疑問符を浮かべる奏を尻目にゲンムは緑色のカセットを取り出し、スイッチを押した。

 

『シャカリキ‼︎スポーツ』

 

そのカセットはタイトル名をコールすると、ゲンムが乗り捨てた自転車が急に動き出しその全長を縮ませながら回りだした。

 

(まさかッ⁈)

「グレード3…変身ッ‼︎」

 

そしてゲンムがカセットをベルトに挿してレバーをもう一度開くと、奏が想像していた通りの変化が訪れた。

 

『マイティジャンプ!マイティキック!マイティッアクショォーンXッ!アッガチャ‼︎シャカリキシャカリキ!バットバッートッ!シャカット!リキット!シャカリキスポーツッ』

 

自転車がそのまま鎧として、ゲンムの体に装着された。

 

 

(…おーい、やっぱりこいつぶっとんだ考え方してんなーおい。)

「あのさー。それ本当に強くなったの?」

「君自身が確かめると良い…いくぞ」

 

 

ゲンムは肩の部分にあった車輪を取り外して、投げた。

 

「投げんのかよッ‼︎」

 

またもや面食らった奏はその攻撃を弾いたが…回転して戻ってきた。

 

「はぁッ⁈」

「その程度で私の攻撃が防げるとでも…?」

 

戻ってくる車輪に奏は被弾し、弾き飛ばされたところをゲンムはバグヴァイザーで追撃を仕掛ける

 

「させるかぁッ‼︎」

 

奏もアームドギアを振るいゲンムに攻撃し、お互いが攻撃受けた。

 

「がはッ…さっきより強くなってるッ!」

「…これで均衡はこっちの有利に傾いたな。」

 

 

2人の戦いはゲンム優勢となり、進んで行った。

 

 

 

 

 

(まさか天羽奏の実力がここまであったとはな。)

 

 

ゲンムに変身しているドガミは評価を改めていた。元々ゲンムはレベル2だけで奏を倒す予定だったのだから、彼女がここまで強いのは少し想定外だった。

 

(だが…均衡は崩せた、後はターゲットが来るのを待つだけだ。)

 

ドガミは不気味な考えを持ち…ここに向かって来る少女を待ち構え空を見上げた

 

空は相変わらず月は欠け、破片は土星のような輪を作っていた

 

 

 

 

 

「おいバカやべぇぞッ‼︎、あいつ紫の仮面ライダーに押されているッ‼︎」

「えぇッ!」

 

響はクリスの顔を見てから

 

「クリスちゃんの目が悪くなったッ⁉︎」

「ド阿呆ッ‼︎」

「ッあいたッ⁉︎」

 

どつかれた

効果音にするなら『コォーン』となりそうな拳骨を響は受け、涙目でクリスが言っていたライダーを見た

 

 

「本当に紫のライダーだッ‼︎」

「さっきからそう言ってんだろッ…友里さん後はお願いします。」

「任せて、響ちゃんもクリスちゃんも頑張って。」

 

 

「はい、勿論ですッ‼︎」と力強い声を出して響は言い、クリスと共にヘリから飛び降り、聖詠を歌った

 

 

『Balwisyall Nescell gungnir tron』

『Killter Ichaival tron』

 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁッ、ハァッ‼︎」

 

響は聖詠が終わると直ぐに、紫のライダーに自慢の拳で攻撃をした。だが、紫のライダーには気づかれており、あっさりと回避されてしまう。

 

「立花響、君のようなお手本通りの攻撃は私には通用しない。」

「私の攻撃が無理でも…」

「こっちの攻撃はどーよッ‼︎」

 

かわされることを予期したクリスがすかさず両手のガトリングガンで攻撃する。

 

 

「ふん…」

 

 

だが、ゲンムは車輪を操って違う場所へと弾く。

 

「外されたッ⁉︎」

「そして不意打ちは君達だけではない。」

「ハァッ⁉︎」

「デェェェェッ、スッ‼︎」

 

驚いてるクリスの背後から、飛び出してきた新たな装者が手にした鎌を振りかぶり、その刃を飛ばした‼︎

 

ゲンムに自慢の銃撃が阻止されてショックだったのか、クリスは防御が間に合わずモロに食らってしまい吹き飛んだ。

 

「クリスちゃん‼︎」

「貴方は私。」

「へ?」

 

同様に立花響の所にも不意打ちする者がおり、ヘッドギアと一体化した回転鋸で猛攻を仕掛け始める。

 

クリスとは違いその猛攻をステップで躱したり、腕部の装甲で防ぎながら後退し言葉を言い放った。

 

「ねぇ、止めようよッ‼︎こんな戦いッ」

「ッ‼︎⁉︎」

「今日であった私達が戦う理由なんて無いよ‼︎」

 

響はそう桃色の装者に話しかけてると…

 

「そんな綺麗事を‼︎」

「綺麗事で戦うヤツの言うことなんて信じられるものデスかッ‼︎」

 

翠の装者と共に反論に戸惑いを見せる響

 

そんな響の肩が急に叩かれた。

 

「へッ⁈」

「そちらに気を取れてばかりいると…自分の身が危ないぞ…立花響。」

「ッ‼︎バカ、逃げろ‼︎」

 

肩を叩いたゲンムが響に銃口を向けると、そこから光弾が放たれ…るわけではなく良く無い色をした煙が出て、響に纏わり付いた。

 

「ゔぇ、ゲホ、ゲホ…なにぃ、コレェ。」

「それを君に教える義理は…」

「テメェ、響に何しやがった‼︎」

「人の台詞を遮るな。天羽奏…だが、「ねぇ、桃色の子ッ‼︎、私は困っている人を助けたいだけで」いや、「それこそが偽善ッ‼︎」…もういい、戦おう天羽。勝てば教えてあげよう。」

 

「あぁ、いくぜぇッ‼︎」

 

 

内心少しだけ申し訳ないと思いながら、奏はゲンムに再び戦いに行こうとすると

 

 

「何だ、あれはッ‼︎」

「ッ‼︎どうした翼‼︎」

「…成る程、奥の手か。」

 

 

 

翼の驚いた方向に目を向けると、矢鱈とイボイボしたノイズがそびえたっていた

 

「…何だあのノイズは?」

 

あたり一同が漠然としている最中、マリアは手にしている槍型のアームドギアをノイズに目掛けると

 

『HORIZON†SPEAR』

 

光線を放ち、ノイズに攻撃した‼︎

攻撃を受けた部分が弾け飛び、ノイズが散らばるが、瞬く間もなく増殖していく。

 

「どうやら、私の出番はこれ以上は要らないようだな…」

「あ、コラ、待てッ‼︎」

 

奏の呼びかけに答える事もなくゲンムはバグヴァイサーから放たれた煙に紛れ消えていった。

 

 

 

この後の顛末はこうだ。

増殖膨張型のノイズは二課の奏者達が磨きあげたコンビネーション・アーツによって撃破。

その後、響が膝をつき自分のやっている事が偽善かどうか悩みを抱える。

こうして、この夜は更けていった。

 

 

 

そして朝日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

寂れた廃病院にの中に設置された機器類を横目に見ながら、長身の男が歩いていた。

 

手を見ると長い指をしており、ピアノなどが上手く弾けそう感じである。

 

 

男があるドアの前に立ち、ノックを二回すると

 

「えぇ、待ってましたよゲンム…それで私達に持ちかける話とは一体なんですか。」

「貴女方にとっても悪くない話です…私も混ぜてもらっていいかな?」

 

 

そう、ドガミは言葉を発した。




どうだったでしょうか?

感想を受け付けますので…どうぞ。


此処まで待ってくれてありがとう。


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ステージ3/『やせいのカミがあらわれた』

みなさんにクイズです‼︎

G編の間でドガミは三つのガシャットをアガッチャさせるのですが、それが何か当ててみてください‼︎

当てた方には先着三名で…………神の言葉で喜ぶ権利を与えます‼︎



………まぁ、誰もやらないか。


とある廃病院の中で、ライブ会場の事件の首謀者達は体の汚れを落とす為にも、シャワーを浴びていた。

 

「彼奴なんだったんだデスかねぇ?」

 

シャワールームから出てきた、バッテンの髪飾りを付けた特徴的な喋り方をする少女、暁 切歌はぼやいた

 

つい先日のマリアのライブに行われていた作戦で、突如乱入してきたゲンムについて話をしているようだ。

 

「キリちゃん、何でもいいよ…彼奴が何かしてくれるわけでもないし」

 

ぼやきに返答を返した少女は月読 調。ツインテールが特徴的な女の子だ。

 

彼女はゲンムがやってきた理由は、ただの便乗。立花響に対する毒を盛るために参加したと考えていた。

 

「二人共、今はその話をしている場合じゃないわ…マムとコンタクトを取った人物に会わないといけないわ。」

 

早く着替えましょ。1番遅くにシャワールームから出てきたマリアはそう言って着替えに向かった。

 

 

 

そうして着替えた後に、3人はマムのいるモニタールームに向かうと

 

 

「私達の新たな協力者となったゲンムです。」

「マリアさん。キリカ君。シラベ君。これからよろしくお願いするよ。」

 

「「「…………………」」」

 

 

3人は放心してしまった‼︎

 

 

 

 

場所は変わって、新リディアン音楽院。使われなくなった校舎を再利用した校舎である…以前までの奇抜な形をした校舎ではなくなった為、正直こっちの方がいいとは思うが、その校舎の教室の中で立花響は表情を曇らせていた。

 

 

(…私のやっていることは偽善なのかな。)

 

 

ライブ会場で調に言われた偽善者という言葉が頭の中から離れないようだ。

どうやら心配事はそれだけではないようで…

 

 

(それにしても、謎の病原菌ってなんなんだろう?)

 

 

時は振り返る…ライブ会場の事件後まで

 

 

新生された二課本部の潜水艦にて、リンカーの後遺症による影響を確認している奏、今日はそれに加えてゲンムから謎のガスを食らわされた響も検査を受けていた。

 

 

「………………」

「おーい響ぃー、大丈夫かー?」

「大丈夫ですッ!私は大丈夫です!大丈夫ダイジョーブ‼︎」

「ありきたりだなおい‼︎」

 

 

こういう検査に慣れていないのかガチガチの状態になっている響のリアクションに、ツッコミをいれる奏。

 

そんなやりとりをしていると、医務室のドアが開いて緒方 慎二が出てきた。

 

「お、緒川さん。検査終わったのか?」

「奏さん、響さん。少し部屋の中に入ってくれませんか?」

「えぇッ‼︎ま、まさか悪い結果がでたんですか?」

「いえ、悪い結果がでるよりまずい結果かもしれません…」

 

?が二人の頭の中にうずまきながら、医務室に入って結果を聞かされた。

 

奏はこの事件を終わった後、リンカーを暫く使用禁止が言い渡された、奏自身が思っている以上にリンカーが身体を蝕んでいるようだ…

 

そして響は…

 

 

 

 

(病原菌…一体どんなものなんだろう…お医者さんも今迄こんなもの見たことがないと断言されているし…私生きていけるのかなぁ…)

 

自身の生存と、偽善だと言われた自分の善意…二つの悩みを抱え響は思考の海に落ちていくのであった

 

そして授業中に寝てしまい、先生の堪忍袋の尾を切ってしまう結果になる

 

 

 

 

 

 

「どういうことなのッ、マム‼︎」

「そーデスよッ!こんな意味わからないやつをメンバーに加えるなんて」

「……説明してマム、彼が私達の計画に必要な理由について」

「マリアさん、私が代わりに答えます。」

 

 

マリアはいつもマムと慕っているナスターシャ博士に説明を求めたが、それを遮るようにゲンムが前に出て説明の代理を申し上げた

 

ゲンムをきつく睨みながら納得したのか近くの椅子に座るマリア、その様子につられて近くの椅子に座る切歌と調

 

その様子に満足したのか、楽しげな顔でゲンムは説明し始めた…

 

 

 

「先ず、初戦のとき判明したのは人数差による均衡状態の破壊」

「人数の埋め合わせするから入れろって言ってるデスか?」

「話は始まったばかりだ。まぁ、正しいが。それを補うための手段の一つとしてソロモンの杖を奪ったのだろう?」

「…えぇ、そうね。致命的にまで人数差があるのは否定できないから」

「二つ目にあげるのは米国からの追っ手、それに伴う他のF.I.S.メンバーの安全の確保」

「………貴方にどうにかできるの」

「そんなにジーっと見つめているから答えよう。既にやった。」

「本当?」

「証拠にこれが今の米国のF.I.Sに関するデータベースです…念の為に他国、国連にも見つからないようにしています。」

 

ゲンムがそういうと、パソコンを持ってきて調に見せる。

 

「…真っ白」

「嘘ッ‼︎」

「嘘ではない…ナスターシャ教授や…ウェル………博士にも見てもらって確証を貰ったよ。」

(いま名前忘れていたデス)

「まぁ、名前を忘れてしまったのは申し訳ないと思ってるよ」

「デスッ‼︎な、なんで心読めるんデスかッ⁉︎」

「それが三つ目の理由だ」

 

 

ゲンムがそういうと爽やかな笑みを見せると

 

 

「私はよく遊び相手に騙されてね…次会ったときに騙されない為にも相手の表情、仕草だけで心を読めるように訓練したんだ。それ以外にも、私は計画をよく立案していてね…途中でつまづくこともあるが、つまづいたときの為の立ち上がり方もよく考えている。そこでどうだ

 

 

 

私は君達の計画を徹底的にサポートすることができる」

 

「……それふたつ目と同じ」

「そうデスよ、それともふたつ目はサポートの内に入らないって言うつもりデスか?」

「そうだね。今のはジョークも兼ねて言ったんだ。」

 

 

悩み事のタネがもう一つ増えたと呆れたように頭を抑えるマリアを他所に…ゲンムが自分に出来ることの話は止まらなかった

 

 

 

 

夕日が差し込む中、リンカーの使用を控えるように言われた天羽 奏は

 

「『奏さん!これ何処』その材木は右側の看板部分『かなでー、ここにあった黒いペンキ何処に行ったー』たしかー、隣の教室が使うからって持って行ったぞ『奏!試作品出来たから食べてみて‼︎』あいよッ‼︎」

 

文化祭の準備のまとめ役をやっていた、

元々奏は姐御肌の人間性持つ、だからか周囲に困っている人がいたら、取り敢えず助けてきた…その結果周りから自然とまとめ役を任されることになった

 

そんな忙しい仕事をこなしている中で、昨日、司令から言われたことを思い返しているあたり、彼女自身の有能さが伺えるものである

 

 

 

 

響が体内に謎の病原菌が感染していることが伝えられて出ていった後、奏は何故か残された

先程から痛みを堪えるように目を瞑りつづける風鳴司令に嫌な予感を覚えながら奏は待っていた

 

「なぁ旦那?、さっきから何でずっと黙ってんだ。あたしに装者を辞めろって言っても無理だってことは分かってんだろ…」

「それは前から承知している…今もう一人呼んでいるんだ」

「もう一人?翼か?」

「いいや、翼ではない。」

 

 

奏は自分を説得するためのメンバーを呼ぶ為に親友である翼を呼んだと思ったが弦十郎はそれを否定すると、ドアが開かれた

 

 

「…あのー、大事な話って…」

「小日向ッ⁉︎、旦那何考えてんだよ?」

「………奏、小日向君」

「「???」」

「……響君の命が危ないかもしれない」

 

 

弦十郎から言い渡された話はこうだ。

曰く、体内に埋め込まれたシンフォギアの破片が響君の身体を深く蝕んでいると

曰く、肝心の病原菌を最新鋭の医療機器で観測しようとすると機器の方が何故か壊れてしまうと

曰く、このままシンフォギアを纏い続けると確実に命が危ないと

 

 

「うそ、だって、響はいつもあんなに元気に…」

「…その元気もシンフォギアの破片と融合した副作用だということだ…くそッ俺は何で気付けなかったんだッ‼︎」

「………旦那、小日向、話がある。」

「「?」」

「…響は人助けが好きだ…でも、だからと言ってそれが原因で死なせるわけにはいかねぇ、……だから響にはこの事を隠し通して、この事件が終わったら二課の奏者としては辞めさせよう」

「奏さんッ⁉︎、この事件終わってからだなんて言わないでくださいッ‼︎、響の命はどうでもいいって言っているんですかッ!」

「(…奏の身体も危ない……あとで恨まれたとしても…)……あぁッ、俺も同じ事を考えていたんだ」

「弦十郎さんまでッ⁉︎」

「小日向、今回の相手は態々世界的なライブになる予定だったクイーン・オブ・ミュージックで事を始めたんだ……奴らの狙いが何らかの理由で達成できなくなったら、彼奴らが持っているかもしれないソロモンの杖で無差別攻撃をする可能性だってあるんだ…そんな状況になってみろ。響は終わらない人助けをしているうちに身体に限界がきてしまうかもしれないんだぞ」

「ッ‼︎」

「それなら、危険だとしても目に届く範囲でいつでも治療ができるようにしていたほうがいい…向こう側から仕掛けてくる可能性もゼロじゃない」

「その通りだ奏君…だが、響君は動いてから考える節がある、小日向君酷な事を言っているのは理解している…響君に身勝手な行動をさせない為にも、響君の枷となってほしい(………了子君が言っていた神様に見られたら罰なんてものでは許されないかもな……響君を奏のストッパーとして扱うなんて)」

「私が?」

「響君にとっての安息の場所は君なんだ…だから君なら止められるはずだ」

「………分かりました、私やりますッ!それで響が守れるなら‼︎」

 

 

 

 

「奏さーん?奏さーんッ⁉︎」

「うぉっとッ‼︎」

「ごめん、そこの白のペンキ取ってくれない?」

「あぁ、いいぜ。悪りぃなー、ボーっとしちまって」

「ううん、いーよー」

 

どうやら考えている内に話しかけられたようだ。話しかけていた相手に詫びを入れた後、顔を叩いて意識を切り替えた。

 

(どのみち、やる事は変わらねぇッ。彼奴らをとっとと捕まえてこの事件を終わらせるッ‼︎)

 

そうして奏はまた決意を固くした

 

 

 

 

 

 

 

「次は第87のお得なポイントです。」

「…スー…スー…スー」

「ぐろっきーデース………」

「もういい、もう分かったからッ、貴方が何を何としても私達の味方になりたいことが分かったから、それ以上説明しないでッ⁉︎………頭が変になりそう。」

 

ゲンムのセールス話が長くて、ナスターシャは先に部屋から退出し、そもそもこの場にいないウェル博士、寝てしまった調、目がぐるぐると回している切歌、いい加減この話を辞めさせたいマリアだけがゲンムの話を聞いていた

 

 

武装組織フィーネの先行きは光が一つもささない暗闇のようだ………

 

 

廃病院の外から、響く鳥の鳴き声が虚しく感じられる一日となった




まぁ、セールスもそつなくこなせるよね…


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ステージ4/廃病院24時

前回の問題に修正を………シャカリキを含めて三つなのです………

今回で一つわかってしまいますので……

当たった人はココロの中で神の言葉で喜んでください。






『ヴェハハハハハハハハハハハァ、遂に、遂に、アハァ?、完成したゾォォォォォオ』

『開幕から五月蝿いよ。ドガミ』

 

朝起きて、牛乳飲んでトーストに抹茶ジャムを塗って食べていたとき、突然ドアを勢いよく開けて突然宣言したドガミは

クレームを気にしない

 

『で、何が完成したの?』

『君から預かっていたガシャットから一通りのジャンルのガシャットが完成したのすぅぁぁッ‼︎』

『ほー、そうかそうか』

『そこでだソウシィッ⁈……二人でガシャットを分けておこう。』

『急に紳士なテンションにもどんな、ビックリする』

 

〜とある日の朝の話〜

 

 

 

 

 

 

新しい二課本部である潜水艦の中に装者達は集められていた、敵組織の潜伏地が判明しブリーフィングするためだ

 

「ここ数日で、不自然な金の流れがあり慎二に調べさせたら、廃病院に医療機器が持ち込まれていることが分かった……敵組織の無力化及び逮捕、今回でこの事件を終わらせるぞッ‼︎みんなッ」

「「「「ハイッ」」」」

 

 

とまぁ、ブリーフィングが終わった後は場所は案外近いもんで、目的の廃病院はリディアンから二駅離れた場所にあった

その外見から、いかにもバイオなハザード感じられる。ホラーゲームの舞台として十分な見た目をしていた。

 

 

「な、なぁ、本当にここなのか?」

「そうだけど、クリスちゃんどうかしたの?…ひょっとしてー、お化け怖いの?」

「んなわけねーだろッ、お前と二人で廃病院に突入することになったから心配でたまらねぇんだよッ」

「足ー、震えてるよ?」

「武者震いだッ‼︎」

 

 

実はお化けが怖いクリスだが、ここにおいての心配事はそれではなく、善人だが考えなしで突っ込みやすい此奴を如何やって制御出来るのかということだった……考えてもしょうがないと思ってしまう程に如何しようも出来ないと感じているのだから、余計に心労が掛かる

 

 

「わざわざ二手に別れた意味は分かってんだろうな?」

「モチロンだよッ、クリスちゃん。あのゲンムっていう仮面ライダーが何してくるか分からないからだよね?」

「そうだ、だから先輩達はゲンムが現れたときに迎撃するために別行動してる…もしゲンムが現れたら全員で叩くぞッ‼︎おっさんの見立てだと彼奴が一番厄介らしいしな」

 

 

そんなことを話しながら廃病院の中を歩いていると、突如赤い煙が流れ始めた

 

 

「ックリスちゃん⁉︎」

「毒かもしれねーな…だけど、そんな暇なさそうだ」

 

クリスが向いている方向に整列されたノイズが歩みを続けていた

 

二人は目を合わせて聖詠を歌い、ノイズの群れに戦いを始めた

 

 

 

 

 

 

廃病院の外、草木が茂る森の中で別行動しているツヴァイウィングは整列されたノイズの知らせを聞いて敵が間違いなくソロモンの杖を持っていることを確信した

 

 

「…ひょっとしたらフィーネみたいに、ソロモンの杖なしでノイズを呼んでいる可能性もあったが、整列までされているとなるとソロモンの杖以外ありえねぇな」

「嗚呼、そうだな奏……だが、どうやらこっちにも相手が現れたようだな」

「ほぅ…如何やら私がこの場所に来ていることは理解しているみたいだな」

 

 

翼がそういうと、木の陰から手拍子しながら、先の戦いで使ったアーマーを纏ったゲンムがでてきた

 

 

「ゲンム、また会えたなッ‼︎」

「貴様が響に感染させた病原菌…その詳細は牢獄で聞かせてもらおう…ッ」

「失笑物だな…私を閉じ込めるなど不可能な事だ?」

 

 

3人はそれぞれの口上を唱え、戦闘に移った

 

 

 

 

♪君ト云ウ音奏デ尽キルマデ♪

 

 

 

 

戦闘が始まってすぐにゲンムは肩から車輪を外して投げようとすると

 

「させっかッ‼︎」

 

『LAST∞METEOR』

 

奏は一度戦った経験から、車輪を竜巻の中に閉じ込めることができるLAST∞METEORを放った

 

 

ゲンムは気にせずに車輪を投げると、狙い通りに竜巻の中に閉じ込めることは出来たが、ゲンムはアクロバティックな移動をしながら、奏に近づきバグヴァイサーで切りつけてきた。

 

対する奏は、トリッキーな行動に翻弄されずにゲンムの姿を捉え続け、確実に攻撃が出来る機会を待ちながら、その攻撃を躱し続け、ゲンムが二度の大振りをからぶった時に槍で突こうとすると

 

 

「…君はこの間のことを忘れたのか?」

「忘れちゃねぇさ、翼ッ‼︎」

「嗚呼、任せてくれ奏ッ‼︎」

 

 

竜巻で飛ばされた車輪が戻ってきた、しかしその車輪を翼が対処にあたり、車輪に攻撃を加え奏での近くに近づけないようにした

そうしているうちにゲンムに槍の突きが数回はいり、ゲンムは後退した

 

 

その際にゲンムの胸に描かれたゲージが減った

 

 

「そのゲージ、まさかッ⁉︎」

「察したようだな…これは私の残り体力を示す物だ、名をライダーゲージという……どのくらい攻撃すれば死ぬか分かりやすいだろう?」

「死ぬだと、貴様死ぬ迄戦う気かッ‼︎」

「必要となれば、なッ‼︎」

 

 

ゲンムは車輪を肩のアーマーに戻し、今度はベルトに挿してあったガシャットを腰につけてあったホルダーに挿して、ホルダーのスイッチを押した

 

『キメワザ‼︎』

 

「決め技ッ、てことは…」

「奏、退がるぞッ‼︎」

「…ッ⁉︎、いやまて多分違う⁉︎」

「矢張り……君は鋭いな天羽奏…」

 

その返答を返すようにゲンムはボタンを押して、必殺技を発動させた

 

『SYAKARIKI‼︎ CRITICAL STRIKE‼︎』

 

ゲンムが発動させた必殺技はチェンソーの回転を強め、そのまま滑るように移動し翼に目掛けてチェンソーを振るった

 

翼も持っている剣でその攻撃を防ごうとはせずに『天の逆鱗』を使い空へ逃げようとするが

 

「無駄だッ‼︎」

「何ッ」

 

ゲンムはチェンソーを大剣に突き刺し、チェンソーの回転の力を利用して、剣を削り裂きながら翼を追跡していった。そして翼がその攻撃を受けそうな時に

 

「させっかぁッ‼︎」

 

奏が投げ槍でゲンムを吹き飛ばした、翼危なげなく着地し、ゲンムはその投げ槍を受けた慣性の力で近くの木々に突っ込みチェンソーが当たった木はアッサリと2つに分かれた

 

「…やっぱり、こいつはクロノスじゃないんだな…」

「奏?」

「おいゲンム⁉︎お前の目的はなんだッ‼︎武装組織と協力してなに企んでいやがるッ‼︎」

「……今はその質問には答えられないな」

 

そういって切り倒された木々の中から、ゲンムがゆったりと歩みを進め、また構えた

 

如何やら戦闘はまだ続くらしい

 

 

 

時間はそのままで、廃病院のほうではまともにノイズを倒せなくて苦戦していた、ノイズを倒して炭素と返そうとしても砕いた部分から再生するようにノイズが色を取り戻し復活する

 

 

「何でッ⁉︎」

「ギアの適合係数が低くでもなったのかッ……ッ‼︎さっきの煙はそういうものかよッ‼︎」

「お察しのとぉーりッ」

「「ッ‼︎」」

 

 

二人が苦戦している最中、クリスが原因が何だか考察していると、突如喜びの感情が含まれた、聞き覚えのある声が響いた。二人が声のした方向へ目を向けると、そこにいたのは行方不明になっていたウェル博士が立っていた。

 

 

「ウェル博士ッ⁉︎」

「…そーか、そーか、お前が黒幕なんだなッ⁉︎」

「その答えは、ノゥッ‼︎、私は黒幕ではないです…ですがぁ、如何です。このソロモンの杖の力は、この様に意のままにノイズを操り、編成し、攻撃する事が出来る…そしてコレを使いこなす私は英雄に相応しいッ‼︎、そう思いません?」

「三文芝居が過ぎるぞお前ッ‼︎それは人間が使っちゃいけないもんなんだよッ」

「人の身の丈に合ってなくとも、英雄たる身に合ってるッ‼︎」

 

 

これまでの存在感がほぼ空気だったとは思えない発言をするウェル博士、その発言に怒りを覚えるクリス、そして最初にウェル博士の名前を言っただけの響は

 

 

「クリスちゃんッ危ない」

 

 

クリス抱えて跳んだ、その後に白い生物が上から落ちてきた…否、やってきたのだろう。

 

 

「何だあれは…」

「んー…そう簡単には上手くいきませんか…なら、こうですね」

 

 

ウェル博士は、白い生物でクリスを倒すことに失敗したからか、落ち着きを取り戻しながらソロモンの杖から緑光を放ち気球の様なノイズを呼び出した。それは触手を生物へと伸ばし、搦め捕り、そのまま空へと浮上していった

 

 

「お前、あの生物無しであたしらに勝てるとでも『こーさーんでーす』ッハァ‼︎」

「降参ですと言ったんですよ…貴方達は無抵抗で降伏してる相手を攻撃することは出来ないでしょう?」

「くそッ『クリスちゃんそれよりッ』分かってるッ、あのノイズへの攻撃だろ」

「おやぁ?いいんですか…今の貴方の適合係数は激減…そんな状態で大技を使ったら…死んじゃうかも知れませんよ?」

「ッ‼︎…そんなの関け『クリスちゃんッ‼︎』なんだバカ…」

 

 

クリスがウェル博士の宣告に御構い無しに『MEGA DEATH PARTY』を撃とうとすると、クリスが制止をかけるように声をかけた、苛立ちながらクリスは響に顔を向けると……やけに真剣な顔をしていた

 

 

「駄目だよ、命を粗末するのは…命は1つしかないんだから…」

「…バカに言われなくても分かってるての……おっさん、聞こえてたかッ‼︎」

「『ああ、最初から聞いていたッ、今翼に向かわせてる、響君はウェル博士の更迭を、クリス君は奏と共にゲンムと戦ってくれッ』」

「「了解ッ‼︎」」

 

 

響の説得で立ち止まるクリス、そしてそれを如何でもいいといった感じで見つめるウェル博士。そして、飛ばされた謎の生命体とそれを追いかける翼。敵アジトでの戦いはまだ止まらない…

 

 

 

 

 

今度は少し遡る。

ゲンムと激闘していた二人、いや両翼は司令からの通信で輸送された謎の生物を追うように言われた翼、司令は敵の計画の要があの生物にあると睨み、翼に生物の奪取若しくは撃退を頼んだのだ…普段の司令との違和感を覚えながら翼は生物の所へと向かった。

 

 

その間、ゲンムと奏は一対一である。となると、この前の結果と同じ

 

 

「しぶといな、君も…」

「へへ、生憎お前の攻撃は散々みたからな…この前の分も合わせて攻撃を食らわないようにするのは充分だ。」

 

 

防戦一方である。だが、あの時とは状況が違う。ライブ会場の時は狙われたが、今回は狙う側…つまり時間稼ぎをしている間に、翼が敵の計画の要を潰せばこっちは勝利できるのである

 

 

「すまねぇ、遅くなった‼︎」

「いーよ、気にしなくて…寧ろ心強いからさ」

 

 

そこで援軍のクリスの登場である…余談だが翼はまだ先輩呼びをされておらず、結構落ち込んでいる…何処から見てもゲンムの詰みと思える状況だった

 

 

「援軍か、なら私も隠し球を出すとしよう。」

「ハッ、強がってんじゃねーよ…たとえ隠し球を持っていた所であたしとこいつに敵うと思ってんのか?」

「思うさッ…今の君達二人のようなこのガシャットを使えばね…」

 

 

ゲンムはそう告げるとホルダーに挿してあるオレンジの色をしたガシャットを取りだし、スイッチを押した。

 

 

『ジェットコンバット‼︎』

(コンバット…コンバットって確か……あーもう何だっけ‼︎、とにかく今は気を引き締めるッ)

「クリス構えろッ。どんな攻撃がきてもいいように」

「分かったッ」

 

 

そのタイトル名に奏は、どこか引っかかたが、直ぐに変身するんだしその後で見極めばいいと気を引き締めた…そしてガシャットの取り替えが終わったゲンムはレバーを開いた

 

 

『マイティジャンプ!マイティキック!マイティッアクショォーンXッ!アッガチャ‼︎ジェットーッ‼︎ジェットーッ‼︎インザスカーイ‼︎ジェットジェット‼︎ジェットコンバーット‼︎』

 

 

ゲンムの背後から戦闘機をデフォルメしたようなキャラクターが出て、ゲンムの頭に噛みつきアーマーとなった。両手にガトリングガン、オレンジのゴーグル、背中には戦闘機の翼が取り付けられたゲンムを見てクリスは

 

 

「はんッ、その両手のガトリングガンはあたし、オレンジのカラーがこいつ、それであたしらみたいな……力って事か?」

「まぁ、概ねその通りだ。連射力、火力、精密力が君のガトリングより凄い事以外はね…」

 

 

あからさまな挑発、そこで奏は何か既視感を覚えた。いつも誰かがやっていた行為だ…

 

 

「…その勝負乗ってやるッ‼︎」

「では食らえ…」

「……あッ、ちょっと待て‼︎」

 

 

ゲンムはクリスの勝負に乗るかのように、ガトリングガンを構えると……空に上昇し飛んで行った、飛んだことに驚いたクリスだが気を切り替え銃を構えて攻撃しようとし………出来なくなった。ゲンムがその飛行能力をコントロール出来なくなったのか、あっちこっちにぶれながら飛んだのだ。

 

 

「オイオイ、空を飛ぶ力をコントロール出来ないのに勝負を申し込んだのか…無謀だしマヌケすぎんだろ」

「クリス早く彼奴を撃ち落とせッ」

「はぁ?…何でだよ?」

 

 

奏の忠告は遅かったのか、そのままゲンムは何処かに飛んでいった………飛んでいった方向は気球型ノイズが向かった方向だ

 

 

「くそ、やっぱりかッ‼︎」

「…………まさか」

「そのまさかは当たってるッ、彼奴はあたしらとは戦う気はゼロッ‼︎、はなからあたしらを此処に足止めする気満々だったんだよッ、走るぞクリス‼︎」

「ちょっと待て、さっきも全力で走ってきたばかりなのに、また走れーてかッ‼︎」

 

 

クリスの言葉を聞き終える前に奏は走りだした…その様を見て、クリスも後をついていくように走った、ゲンムに対する殺意を湧き上がらせながら

 

 

まだこの夜は終わらない…




………深夜何時までなら皆さん起きていられるんでしょうかねぇ………


因みに後……十数話はありますので……明日もご覧になってね?


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ステージ5/困惑のシチュレーション

寝ぼけながら………更新準備したので…誤字があるかもしれません…


その時はお願いします


『ソウシ君、君はどのガシャットを選ぶのかな?』

『…ドガミそのしゃべ『これは向こうでの顔づくりのための予習だ』あぁ、はいはい…じゃあ取り敢えずコレとコレ、それと…これかな?』

『…最後に選んだやつ以外はよし…そのガシャットだけは譲れない。』

『なんで?』

『恥ずかしいから言わせないでくれるかな?』

『羞恥心あったのッ⁈』

 

 

〜とある一日の続き〜

 

 

奏とクリスが走っていた。特に先程まで走っていたクリスは顔を引きつらせ、呼吸を荒くしながら走っていた。

二人の全力疾走のかいがあってかある場面を目撃する事が出来た。

翼がガングニールのアームドギアで弾き飛ばされるところだ。

 

 

「翼ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ⁉︎」

 

 

奏はその場面を見て、全力で走っていた足を更に速めた。身体が無理をしていると言ってるかのように、喉の奥底から血のような匂いが口に充満する。クリスの方は、途中でついていけなくなり倒れそうになっている。

そして奏は手にしている槍を使い、棒高跳びの用法で空高く飛び上がり翼をキャッチした。

 

 

「奏ッ?なんでここに…」

「ヒュー、ハー、ヒュー、ハー、ヒュー、ハー、ゲンムの、狙いは、あたしらの、足止めだったんだ、」

「か、奏?、説明はいいからゆっくり休んで‼︎」

 

 

ゲンムを足止めしていた筈の奏がこっちに来たことに驚く翼だったが、奏の様子を見て休むように言うと

 

 

空からマリアが降りて、槍の上に乗った。槍は潜水艦に突き刺さってあった。

 

 

 

「歌姫マリア⁉︎」

「………旦那、反応は?」

『全くなかったはずだ、奴等は一体何処から…』

「随分と疲れているようだな、天羽奏」

「ゲンムッ‼︎」

 

 

 

突如現れたマリアに、二課一同は混乱するが…ゲンムが来たことで再び緊張感が高まった

 

 

 

「……ふむ、此処まで来ると何か褒美もあげたくなるな…」

「褒美なんかいるわけねーだろッ‼︎」

「貴様をただ捕らえるのみッ‼︎覚悟しろゲンム」

「翼さん、奏さん、クリスちゃん、戻って来たよッ‼︎」

 

 

 

装者の二人がカッコよく啖呵を切っていくなかで、場違いなセリフを言いながら現れたのは、立花響。軽く走って来ているせいでか、息は普通である。手には手錠がかけられてあるウェル博士と、ソロモンの杖、両手にラフレシア(危険物)である。

 

 

 

「……成る程、そう言う態度をとるわけか」

「当たり前の話だろッ⁉︎、人を都合のいいように甘言で操る奴はイヤってほど見たんだよッ」

「私は奏を信じている……何事も隠さず胸を張って戦う奏を」

「あのー……」

 

 

 

だが、ゲンムは仕切り直すと言わんばかりにすぐに発言を繰り返した。それに乗っかるように言葉を返していると、またもや響が話を遮った。

 

 

 

「あー、もう‼︎響なんだッ」

「マリアさんがさっきから槍の上に乗ったままなんですけど話さなくていいんですか?」

「………あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ナイスッ‼︎……本当、敵なのが残念なぐらい)

 

乙女マリアは困っていた。

誰がどう見てもカッコイイ登場をした筈なのに、直後に登場したゲンムによってインパクトが薄れて皆がそっちの方向を向いたからだ。この状況をどうにかして欲しくて、二課装者のクリス・雪音。響・立花の方を静かに見つめていたのだが、クリスはグロッキーのまま、あとは立花響が気づくしかなかったのだ…空気的に。

 

 

そして気づいてくれた。

このときばかりは敵対しているのに感謝の言葉を送ってしまった。

 

 

「(とにかく言うべき言葉は言わないと…)わた『待ってましたよ、フィーネ』(あ、)」

「フィーネだとッ‼︎」

「…………」

「終わりを意味する名は我々組織の象徴であり彼女の二つ名でもある」

「まさか…じゃあ…あの人が…ッ!」

「(止めろ、Dr.ウェルッ‼︎)『新たに目覚めたフィーネですッ!』(…言うことが…もう何もないじゃないの…)」

 

 

マリアが落胆にいじけて、自分の妹の名を心の奥底で叫ぼうとしたとき

 

 

「おいッ…何だんまりとしてんだぁ…フィーネさんよぉ…」

「(天羽奏?、とにかく話を繋ぎましょう)えぇ、何も話すことはない。私はまだ完全にフィーネと至ってないわ…でも、いずれそうなるでしょうね」

「ほー、そうか、そうかー……なら」

「(何この悪寒ッ⁉︎、まだ言いたい事を言ってないのに戦闘になりそうな感じはッ)なら?」

「そうなる前にお前を倒してやるよッ‼︎」

「(もうやだセレナ…)…ええ、かかってきなさい」

 

 

外見激情の奏、内見弱気のマリア、もう勝負が目に見えている勝負が始まろうとすると、奏の背後から銃弾の嵐が飛んできて潜水艦に蜂の巣が空いた。

 

 

「君の相手はこの私だ。天羽奏」

「…ゲンムッ」

「君の様なタイプでは、マリアさんの相手は難しいと思ったんでね…それとも何だ?君は四方八方に喧嘩を吹っかけて逃げる、臆病者か?、いや卑怯者か」

「……あぁ、はいはい、上等だ。今からお前を叩き潰すッ」

「(ゲンム有難うッ)…そうか、なら私は風鳴 翼、貴女と戦うわ」

 

 

ゲンムは奏とマリアの様子を見て、奏の怒りやマリアの戸惑いを見ていたからか、別の思惑があるのか奏を挑発し自分と戦わせる。マリアはゲンムに心の中で感謝の言葉を伝えながら、翼に勝負を申し込む。それを遮るように、クリスがマリアに銃を突きつけた

 

 

「おいおい、歌姫さんよぉ、真打ちと戦うには早いんじゃないか?」

「(気持ちが落ち着いてきたわ)…君は頭上に注意した方がいいと思うわ」

「なッ『なんとぉッ、イガリマ‼︎』ぐわぁッ‼︎」

「クリスちゃんッ『……消えて』‼︎」

 

 

クリスはマリアに挑発し、自分と戦わせる様に仕向けるわけではなく、翼が受けたダメージを少しでも回復させるための時間稼ぎだったが、頭上から突然現れた切歌に攻撃され、響は調の攻撃を防ぐなど、其々が戦う相手が決まり勝負が始まった

 

 

 

 

 

 

奏とゲンムの戦いは飛行能力があるゲンムが有利の様に見えたが、飛べはせずとも跳べる奏にはそれほど意味がなく、ゲンムの掃射には槍を回してガードすればいいので、持ち前の技量と力で五分五分の戦いを繰り広げていた。

 

 

「…大した実力だ、恐らく二課だけではなく、奏者の中で君が最強なのだろう…」

「御託はいい、さっさと倒されろッ」

「だから私も、もう少し上手く戦おう。」

 

 

ゲンムはそういうと手に何かを持ちそれを放り投げた後、機関銃で撃った。

 

 

『高速化‼︎』

「高速化?」

「文字通りの高速移動さ、これに加えて…『ガシャット‼︎キメワザ』ガシャコンブレイカーでのキメワザだ、ではいくぞ」

『JET CRITICAL FINISH』

「なッ」

 

 

奏は何か言葉を紡ごうとしたが、それより速くゲンムが手にした剣での攻撃が命中した。その剣を見てみるとキメワザの影響でジェット噴射されており、それがさらなるスピードアップに繋がっているのだろう。そのままゲンムは何度も奏に攻撃し、最後の一撃で爆発し奏を吹き飛ばした。

 

 

「奏ッ‼︎」

「余所見をしてもいいのかしら?」

「ッ‼︎」

「マイターンッ‼︎」

 

 

奏がゲンムの攻撃でやられた事を契機に翼はマリアからの槍の一閃を食らう

 

 

(くそ、距離をあけさせてくれねぇッ)

「せーのッ、デースッ‼︎」

「が、ハッ」

 

 

クリス対切歌はクリスとの距離を詰めてスピードで攻めた切歌に分配があがった左右の手で鎌をブンブンと振り回しながらクリスに近づき、刃の部分ではなく柄の部分で横腹を殴打し、クリスは肺から空気を吐き出す。

 

 

『α式・百輪廻』

「たぁッ‼︎はぁッ‼︎やぁッ‼︎たぁッ‼︎」

「(数で無理ならパワーで押すッ)」

『非常Σ式・禁月輪』

「突進ッ⁉︎」

 

 

調の攻撃に対応するために、両手を離し拳で一つ一つ飛んでくる丸鋸を落としていく響。調はこのまま同じ事を繰り返しても意味がないと感じ、強引な攻撃で弾き飛ばそうとしたが、紙一重で躱された

 

 

「(取ったッ‼︎)」

「ソロモンの杖がッ⁉︎」

 

 

だが、元々の狙いはソロモンの杖。ウェル博士は両足が縛られていない事と単純に触りたくない事から、自分で歩かせようと思い、調はソロモンの杖を奪取した。

 

 

「よくできましたねぇ、調…それじゃぁこのまま…『帰還しなさい。マリア、調、切歌。適合係数が下がってます。』…名残りお『時限式ではここまでなのッ‼︎』ではさら『リンカーを使っているのか、おまえらッ…』……帰りますよ。」

 

 

ウェル博士は、落ち着いて話し方で戦いを続行しようとすると、ナスターシャ博士からこれ以上の戦闘は無理だと…それを示唆する発言を聞き、発言を変え帰還しようとすると、先程の腹いせを晴らすかのようにマリアが発言を遮り、奏も意図せずに発言を遮った。

おかげさまで、ウェル博士の機嫌が悪くなった。

 

 

その後、武装組織フィーネは突如空に現れた輸送機に乗って去っていた。その場に残された人の感情を置き去りにして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輸送機が周りの風景に溶け込み消えていった後も奏はその方向を向いていた。

 

 

(フィーネ…あんたは私の家族を奪った…)

 

 

先程フィーネと名乗った…マリアに対する思いを独白しているようだ。

 

 

(だが、了子さんは私を利用するつもりだったとしても、あたしを助けてくれた)

 

 

了子として過ごした日々、フィーネとして奪った日、そしてマリアとして再誕を果たした日…

 

 

(だからな、フィーネ。もしあんたがまた、あたしらやマリアから何かを奪おうとするなら………響には悪いが、そのときはあたしが殺すよ。)

 

 

それがあたしの責任。と、奏は独論を締めくくり、響達へと歩み寄った。




……両手にラフレシア……何となくお気に入りのフレーズである。

この気持ちわかります?


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ステージ6/学園に時を、拠点に幻を、

皆さん主人公のターンです。


………え、主人公はゲンムだろって?
…………まぁ、どうぞ


あ、あと今回はいつもより早めの投稿でーす。


 

 

 

今日もマンションの一室で目がさめる。

クイーン・オブ・ミュージックから二週間、連絡がないまま幾つか事件が発生したようだ。

傍で起動しているパソコンの画面を見て、把握した。

 

 

『ソウシ君?…君はどうやって、二課の情報を集めたんだい?』

『クロノスの力を使って通信傍受してただけだ。』

『………君よくバレなかったな』

 

 

その発言の後、ドガミからの指摘がはいって怒られたな……その後調子に乗ったから逆海老反り固めやったけど。

その結果ゲンムが作ったのは、このパソコンだ。

 

 

『いいか、次から通信を傍受するのはこのパソコンを使ってやれ…このパソコンにはこの神たる私が作り上げだクラッキングプログラムやシークレットコールなど数々のスパイゲームの機能がつけられている…』

『バレない保証は?』

『…以前までの私は愚問だと評したが、特別に答えてやろう、ほぼある。とはいえ、何が起こるか分からないのがこの社会だ…だからバレそうになった時用のマニュアルをここに作っておいた、よく見ておくように。』

『はーい。』

 

 

その後マニュアルに書かれてあった、ワタシハカミダ柄のシャツを着たドガミをみて、趣味悪と声に漏らし、喧嘩になった。

それ以外はよくできた本だった。

 

 

「しかし、彼奴は文化祭の日でも戻らないな…死んでないといいんだが…」

 

 

そう言って天崎は玄関の扉を開けてリディアンに出かけに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある建物の一室、アジトを追われた武装組織フィーネのメンバー達は…

 

 

「ゲンム、次はレアで焼いてください。」

「ゲンム、僕のは『君は自分のミスを反省して自分で作れ』……はいはい。」

「ところで、どうしたんだいマリアさん?、もっと食べないと此処から先がキツイと思いますが…」

「………こんなにくつろいで良いのか悩んでいたのよ…」

 

 

くつろいでいた。いや、なんでアジトを襲われたのにそんなにくつろげんの?と、疑問に思ってる方々が多いと思うので、なんでこうなったか説明しよう。

 

 

 

〜アジト強襲前〜

 

 

 

『すいません、ナスターシャ博士、ちょっといいかい?…』

『何です?、ゲンム。我々にはあまり時間もないので、手短にお願いします。』

 

 

ナスターシャ博士はゲンムの長文セールスに警戒してそう言った。

 

 

『分かりました。ここ数日の医療機器の搬入の仕方が雑で怪しまれやすいので…恐らくですが、後もう少しでこのアジトバレますよ。』

『何ですってッ⁉︎』

 

 

それはこれからが本番の『フィーネ』にとっては、信じたくない事実だった。あわてて、ゲンムに原因をきいてみると

 

 

『さぁ?、私にも分からないよ。医療機器を仕入れた人間はDr.ウェルだったけど…彼はああ見えて頭が回るほうだからね(この私からしたら五流もいいところなんだが)、彼はこの組織を潰そうとしているんじゃないかな?』

 

 

案の定返ってきた答えが自分の想像の通りだったことに頭を抱えるナスターシャ、その様子をみてゲンムは

 

 

『私からの提案があるのですが…私のアジトに場所を移しませんか?、あそこなら二課以外の追っ手からも容易に逃げることができますし…』

『ッ⁉︎、よろしいのですか?其処は貴方にとっても重要な場所なのでは…』

『いえいえ、いいんですよ。私との契約の報酬も貰わないといけませんし…それにアジトは其処だけではありませんから。』

 

 

そういったゲンムの提案によってアジトを移すことを決定した次の日に二課が強襲したのである。

 

 

そして今現在は、強襲を乗り切った会をやろうとゲンムが言い出し、ゲンム自身が各々の好みの料理を作って振舞っていたのである…ただ疑問があるとしたら

 

 

「そういえばマリアさん、調君と切歌君は?」

「『気遣いは嬉しいデスが、私達にはやるべきことがあるデス』って言って買い出しに行ったみたいだけど…」

「…一応また拠点を変える準備しときますね、不測の事態に備えて」

 

 

ゲンムは確実に何かやらかすと確信した

 

 

 

 

 

リディアン音楽院、現在は学園祭の真っ最中である。今日はゲストとして、この学園に呼ばれた。

 

(学生が出している店、て感じがするがこれはこれで趣があるしな…携帯の写真で撮ると失礼だし、それに曲にするならぼんやりとしたイメージのほうが良いな…思い出はぼんやりとしたものだと思うし)

 

天崎はこの機会を活かして、全く感傷も達成感もない自分の学生生活の補完しようとしていた。

彼の学生生活は学生としては寂しいものだったので、普通の学生生活をこの目で見て覚えようとしていた。

 

 

『デースッ、あっちに美味しそうな物があるデスよー、調』

『待ってキリちゃん。こっちの方向にある綿飴が気になる』

 

 

(…他所の学校の生徒か…今日は特別休日だったのか、ズルしてきたか、私服が認められているのか分からないが、少なくとも僕の頭に三択を浮かび上がらせたのは大きい。これで学校に来る人の種類で歌詞と曲調も変える必要があることが分かった……ズル休みして憧れの先輩に会いにきた人の歌にするか?)

 

 

イヤでも、大和撫子な女子高生のハイカラソングでも良さそうだな。そんな事を考えながら歩いていると、看板に小指をぶつけた。靴越しだったが勢いよくぶつかったので痛い。

無言で靴紐を直す振りをして、小指を撫でていると

 

 

「おーい、どうした。あんた…て、天崎じゃないか?」

「……靴紐解けていたので、直そうとしたんですよ。奏さん。」

 

 

そこで天羽奏と出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

売店の近くに置いてあったベンチに座りながら、二人は話をしていた。

 

 

「へー、学園祭のスペシャルゲストとしてねー…そんな話聞いてなかったんだけどなぁ?」

「僕はそう聞いていますけど、ひょっとしたらマネージャーのいらないお節介かもしれません」

「へー、例えば?」

 

 

ニヤニヤしながら、こちらを見てくる奏の意図を考えながら、彼は発言した。

 

 

「まず、恋愛関係ではない事は確かです。作詞、作曲家だといえ熱愛報道は醜聞に繋がる可能性もありますからね」

「…ふーん、それで?」

「そこで次に関係してくるのはここの学園祭の特別イベント……乱入可能の、のど自慢大会」

「あぁー、あったなアレ。一年の時に優勝したんだけど、特に何も願わなかったなー、何の関係があんだ?」

「元々僕は自分自身で作詞作曲歌唱録音編集と、一人で作った曲でこの業界に入ってきたんです」

「えッ?そうなのか?、じゃあ、なんで歌わないんだ」

「…人前で歌いたくないし、自分の歌を何処かの誰かに聞いて欲しくないんですよ」

「???」

「元々、歌っていうものは不特定多数の誰かと繋がる為のもの…だと思っているんですよ、僕は」

「それで……?」

「僕は見知らぬ他人に自分の事を理解して欲しくないし、繋がりたくもない、自分と関係がある人だけで世界を閉じておきたいんです」

「……それつまんなくねぇか?」

「つまらなくはないですよ、世の中に生まれてきた天才的センスを持った芸術家達は、自分だけの世界を持っています、僕からしたら他の誰かと繋がるなんて……侵略者に自分の世界を滅ぼされるところを見届けるのと同じ事ですよ。」

 

 

その台詞を天崎は吐いた後、奏は何か考えるようにしてベンチから去っていくと、出店の前で止まって何かを注文し、戻ってきた。

 

 

「…どうしたんですか?『あたしはそうは思わないけどな?』はい?」

 

 

そう言って奏は手に持った物、クレープを天崎に差し出した。それを受け取ると更に言葉を紡いだ

 

 

「あたしはさぁ、元々歌う事は手段だったんだ」

「はぁ、それでどうなんですか?」

「その手段だった歌が、何度も歌っていく内に別の理由が出来たんだ…誰かを元気づける為の歌だってね」

「……話の繋がりがよくみえませんが?」

「だからさぁ、あんたも一回自分の歌を手段でもなんでもなく歌ってみたらどうだ?」

「…その経験は貴女だけのものであって僕には関係あるようには見えない。」

「なんでだ?、誰にも自分の歌を聞いてもらった事はないんだろ…別にアイドルになれと言ってる訳じゃないんだよ、只全力で歌った事はないんじゃないんかなーって」

「…メリットは」

「自分の事が分かる」

「ッ⁉︎」

 

 

やっぱり、とそう言って奏は笑った。

 

 

「何故?」

「んー、身勝手な妄想かな?あんたは人と触れ合う事を恐れまくってるから自分の事を理解できる機会も捨ててんじゃないか…そう思っただけさ」

「…貴女は誰かと強くなった人なんですか?」

「……ははは、まぁ、そうだな。あたしらツヴァイウィングは両翼揃えば何処までもいけるんだーって思ってるさ。」

 

 

奏の言葉を聞き終えた天崎はふと立ち上がると一人で何処かに歩き始めた。

奏は呼び止めようとしたが、携帯を取り出して何処かに電話をかけている様子を見て、したり顔で見送った。

 

 

「奏さーん。休憩時間は終わりだよー、速く代わってー」

「はーいはい、ちょっと待ってろよ」

 

 

そして自分たちの出店へと戻っていった…『メイド茶店、橙翼』、メイド服を着て料理を売る店へと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリスちゃーん‼︎」

「うっせぇッバカッ‼︎」

 

 

今体育館ではのど自慢の真っ最中だったクリスの歌が終わった…その歌う姿に皆が魅了されている中、新たなチャレンジャーが登場した‼︎

 

 

「チャンピオンに」

「挑戦デース」

 

 

それはフィーネの奏者二人組だった。二人が歌うのはツヴァイウィングの名曲『ORBITAL BEAT』だった

 

 

不安げな雰囲気を漂わせながらも力強く歌う二人の姿も周りの人を注目を集めた

 

 

なんでこんなに投げ槍的な表現をしているかというと、某国の機動部隊がアジトを見つけられず迷子状態であり…歌詞を載せることは禁止されているからである。

 

 

 

だが、ここからは違う。

 

 

 

『いやー、お二人ともいい歌いっぷりでしたッ‼︎審査員達の採点も高評価、まさかブッチギリで優勝しようとしていた雪音 クリスさんと同点とは…さぁッ、次なるチャレンジャーはいないのかぁッ!』

 

 

手をあげる者も、声をあげる者もいないなか扉が開かれたッ

 

 

「いやー、まいったよ。真逆ここまで時間が……て、あれ?」

『おおっとー、真逆の天羽奏がメイド服を着たまま登場したぞぉぉ、』

「あーあたし歌わないから…『エェッ‼︎じゃあ、誰が歌うんですか?』…そのカーテンの向こう側から来る奴さ」

 

 

エ?、そんな声もしたが奏の言ってることは当たっていた。

 

 

奥からゆっくりと誰かが歩いてきたのである。その者の格好は白地のズボン、薄緑色のシャツ、そして何よりも特徴的なのが『目玉の様な紋様がついた仮面』だった。

 

 

『ええっと、お名前は?』

「恐縮ですが、吾輩の名前は語りたくない。『はい?』なので偽名を、吾輩の名はメダマ、メダマである。」

『…うーん、メダマさんですね。歌う曲は?』

「故あって、歌えなかった歌だ。」

『えーと、持ち込み可ですけど…念の為に曲名を』

「………この喋り方とは合わないが、曲名は『メルティランドナイトメア』、会場の皆皆様、どうかご静聴をお願い申し上げる」

『わかりましたー、謎のシークレットチャレンジャーメダマの曲、『メルティランドナイトメア』、皆様で審査しましょうッ』

 

 

そして曲が流れ、彼は自身の原点となる楽曲を歌った…




因みにメダマは歌ったのは一番の歌詞だけです。



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ステージ7/禁断の 『 ¿ 』(クエスチョン)

………若干ユニークアクセス量が増えすぎて怖くなってきた。


 

 

 

 

仮面の男(メダマ)の歌は、不思議な歌だった。

聴く人によっては解釈も感じ方も別れる、そういう歌だった。

仮面の男からどういう曲か理解しようとした人間もいたが、表情が見えないせいでか、泣いている。笑っている。と様々意見があった。

 

 

そしてその歌は歌い終えると、仮面の男は一礼をし、壇上から去っていた…吾輩は諸事情でこれで離れますので後はよろしくお願いします、と言って。

 

 

『…あ、メダマさんありがとうございました‼︎、さぁさぁ審査員の皆様この曲に採点をお願いします‼︎』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天崎(メダマ)は歌い終わった後、男子トイレにいた。薄緑色のシャツを脱ぎ、代わりにここに来た時の英語がプリントされた黒地のシャツを着なおした。

 

 

(思っていた以上に得るものは無かったが…ただ、僕はこういうのは嫌いではないということは良い収穫だったと思う……ただ、人前では歌いたくないのは人の歌を聴く方が好きだったからかもしれない。)

 

 

先程歌った歌の感想を内心で纏めた後、トイレからでた。後は、どうせ待っているだろう…奏に対してどんなことを話すかだが…

 

 

(???、何故来ない?奏の性格を考えると、この後ニヤリとしながら来るはず…何かあったのか?)

 

 

まぁいい、と切り替えて校門から帰ろうと歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうデス、決闘デースッ』

 

 

色とりどりのクジラの出し物が前から来たところを見ていると、奥からそんな声が聞こえてきた。

決闘とはまた変なことを言うなと思いながらそっちを見ると

 

奏者達が二人の少女と対峙していた

 

 

(え、何が起こってるの?)

 

 

 

 

 

 

 

 

会場に残った。響の親友四人集が先ほどの歌について話しあってる。

 

 

「うぅ…悔しいけどフルに歌っていたとしても…完敗だわ」

「それにしても、不思議な曲でしたわね?」

「不思議?、私は悲しい曲だと思ったんだけど……ねぇ、ヒナはどう思う?」

「………え、私?ぇえーッと……」

「ヒナ、大丈夫?」

「ううんッ、大丈夫だよ‼︎、ちょっと響達が不安だからみてくるね‼︎」

「待ってヒナッ‼︎……行っちゃった」

 

 

小日向が響を探しに、ダッシュしてどっかに行ってしまうところを見た三人は

 

 

「やっぱり、小日向最近変だよね?」

「あの感じは、響さんと喧嘩したときみたいですわ」

「だったら、私達は私達で出来ることでビッキーやヒナを助けようッ‼︎」

 

 

この三人娘は相変わらず、いい親友だった。その一方、ある事実を知る小日向は

 

 

(…もしこれ以上、響が傷つくことがあったら……無理矢理でもこの事件に関わるのをやめさせよう)

 

 

病んだ思いを抱えながら、陸上部の現役時代より速いスピードで走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………あの子供達は本当に武装組織なのか…?)

 

 

恐らく武装組織フィーネのメンバーの二人の会話を盗み聞きしてしまった、天崎は只々そんな事しか思いつかなかった。

 

 

(……いや、待てよ決闘する場所を言っていない。つまりこれはこの場を凌ぎきる為のフェイク‼︎、きっと僕が風鳴(サキモリ)にやっているような騙し逃げに違いないッ‼︎……そうであってくれ。)

『ん、あれは…天崎さん?』

 

 

一人で悶々とそんなはずがないと悩んでいると、響に気づかれてしまった。

響はこっちに向かって走ってきて

 

 

「文化祭に来てたんですかッ‼︎」

「…文化祭に騙されて行かされたんだ、マネジャーに」

「そうなんですかー、いやー、最近の子って凄いですよねー」

「凄いとは?…いったいどういうことで?」

「だって、歌の上手さで決闘を申し込むぐらいですから」

 

 

天崎は驚いた。響は嘘とか誤魔化すのが下手だと思っていたのに、この場を誤魔化すための嘘をついてきたのだ。

人というのは成長するもんなんだなー、と天崎は思いつつ返答した

 

 

「…あー、あの決闘ってそういうものなのか……確かに最近の子は凄いね」

「ですよねー、本当、スゴイですよねー、あはははははは…」

 

 

…多少無理な誤魔化し方だと理解しているのか、棒読みで笑って誤魔化す響。

天崎は、不信感は持たれて当たり前なので、もう充分なくらいに誤魔化せていると思った。

 

 

そして奏がきて、案の定揶揄われて今回の文化祭は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ゲンム一つ答えてちょうだい」

「いいですが、どうかしましたかマリアさん?」

「貴方は自分は生きていいと思えてる?」

 

 

ナスターシャ教授は輸送機の確認、Dr.ウェルはリンカーやソロモンの杖の力の確認と、いろいろな作業をしているなかでもゲンムは料理を作っていた…マリアの分だ。

マリアから注文された料理を一通り作ると唐突に妙な質問された。

 

 

「それは…自分が生きている理由は何かとかそういう話ですか?」

「…えぇ、まぁ、そうね」

「それなら生きたくて生きることは当たり前なので…あまり答えることはできなくてすまない」

「……ッ、なら代わりに私の話を聞いてくれないかしら」

 

 

そう言うとマリアは自分の幼い頃のトラウマを話しはじめた。自分より聖遺物との適合率が高かった妹…セレナの話を。

 

 

人工的に作ったフォニックゲインで、完全聖遺物ネフィリムの起動実験が過去にあり、起動した結果制御できずに暴走。

 

 

当時の研究所は火の海とかしていた…このままでは研究所の職員の命達も危ないというところで、アガートラムのシンフォギア奏者でありマリアの妹『セレナ・カデンツァナ・イヴ』の絶唱によってネフィリムの起動する前の状態に戻せた。

 

 

だが、研究所のメンバーは感謝するどころか、無駄死に、タダでは無い、など心にない言葉を言うなかで、セレナは落下物で死んだ…と、なった。

 

 

「私はあのときのセレナの顔が忘れなれないのよ…私の方を見て、生きてて良かった、と言ったセレナの顔が…」

「…すいません、苦しいと感じているかもしれませんが、こちらからも一つ質問を…貴女のセレナに対する思いは後悔ですか、それとも恐怖ですか?」

「それはッ………どっちもかもしれないわね……」

 

 

ゲンムの言った指摘に戸惑いながらしっかり答えるマリア、続けさまに言葉をはなった。

 

 

「私はセレナのように誰かのために生きて死んだ、たとえその力が望んだものじゃなかったとしても、妹はみんなを守って死んだの……私はそこまで強くはない駄目な姉なのよ…」

「……君の話を聞いて一つ疑問がある。」

「…なに…これ以上聞きたいことなんて…」

「君の妹は本当にみんなを助けようとしたのか?」

 

 

ゲンムがマリアの怒りの動線(堪忍袋)に火をつけた。間も無く、その怒りの炎は解き放たれる‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…ゲンムと連絡が取れないのは良いことだな……あの決闘騒ぎは歌の勝負、若しくは、騙して逃げる為だという僕の予想は当たってそうだ)

 

 

文化祭が終わり自室に帰った後、天崎はリラックスしながらパソコンを見ていた…相変わらずゲンムからの連絡はない。このことが自分の推測の裏付けをしている。

 

 

「どーやら、このままで大丈夫そうだから……抹茶プリンでも食べてから寝るか」

 

 

そういって自分の好物である、あまいものを食べにいくこの作品の主人公であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女達はなにをやってるのですかッ‼︎」

 

 

そういったナスターシャは二人のことをぶった。

 

 

「マム…だって聖遺物がないと」

「ネフィリムを覚醒できないデスよ」

「…聖遺物を全て食べ尽くしても、まだ起動できないのは此方の想定外の出来事でしたが…だからといってこんな無謀な勝負を申し込むのはダメなこ『いいじゃないですか、しましょうよその決闘ッ』…Dr.ウェルどうしたのですか。」

 

 

聖遺物を全て食べ尽くしても覚醒しないネフィリム、その事に危機感を抱いてあの二人がした愚行をナスターシャは怒ったが、それと反対にDr.ウェルは微笑を浮かべながら現れた。

 

 

「ふふ、それは後のお楽しみです…それとその決闘は私がソロモンの杖を持って戦いを申し込みます、調と切歌は貴女が責任を持って引っ込めさせてください、こんなところで英雄の足を止めさせるのは勿体無いことですからね。」

「……一度フィーネの確認を取らせてください。」

 

 

これはマリアに止めさせないと、そんな事を思いながらナスターシャはマリアのいるパーティー会場へと向かうと、扉の前にゲンムと名乗る男が立っていた。

 

 

「ゲンム、なぜ貴方が此処に?」

「…どうやら、マリア・カテンツァヴナ・イヴの逆鱗に触れたようでね…追い出されてしまったよ…今は誰の話も聞けない状態だ」

「…マリアに何を言ったんですか?」

「何、ただの今まで生きてきた経験からのアドバイスを……それよりナスターシャ、この私との契約(・・)は遵守してくれよ」

「……えぇ、わかってますとも。」

 

 

ナスターシャは今までとは全く違う態度、違う声色のゲンムに戸惑わずそのまま会話を続けた。

 

 

「しかし困りましたね…このままでは。」

「私で良ければ相談に乗ってやろう、大方あの愚か者が何か駄々をこねたんだろうがな?……『例えば、ネフィリムに二課奏者のシンフォギアを食べさせろ。僕が英雄となる世界にシンフォギアは不要ッ‼︎』とかな。」

「ッ‼︎、ネフィリムを用いての……駄目ですッ‼︎、それでは」

「欲望のままに振るう暴力は只のテロリストと同じ…と言いたいんだろうが、理想だけでやっていけるほどこの世は甘くはない……私がいなかったらな」

 

 

ゲンムは不敵に笑ったあと、続けて

 

 

「その戦闘に私も出よう…シンフォギアは何人か使い物にならなくなるかもしれないが、死者は出さない事を約束しよう」

「…重ね重ねありがとうございます、ゲンム」

「礼などいらないさ、私にも他の目的があって君達の企みに参加させてもらっているからね」

 

 

そう言ってゲンムは、先程とは違う……爽やかに笑った…この状況の爽やかさは逆に不気味なのだが…

 

 

ここで話は一旦切られる。




明日も投稿します。


因みに作者が好きなレベル3ゲーマーはギリギリチャンバラです。
弓と鎌のあのデザインがいい………


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ステージ8/ファイト‼︎奏者。FAIGHT‼︎...who is?

………このあと展開がだんだん心配になってきたよ私。


この話の展開が楽しくなってきたよ私‼︎




『…じゃあ僕はなんのガシャット使えばいいんだよ…』

『その点に関してはこのガシャットだ』

『…二刀流でもしろと?』

『このガシャットの武器は弓と鎌だ』

『チャンバラどこいったッ⁉︎』

 

〜とある一日の会話〜

 

 

 

耳に響くアラート音が鳴る中、二課司令部は行動していた。

 

 

「ノイズの反応を検知、場所は、……嘘だろッ、旧リディアン音楽院、カディンギル跡地ですッ」

「なんだとッ、それは本当か?」

「此方でも確認をとりましたが、同じくカディンギル跡地と出ました、本当だと思います」

「ならこれは、狼煙ってわけか…奏達を集めてくれ、作戦会議に移りたい」

「「「「了解ですッ」」」」

 

 

こうして日々、情報を纏め処理していくことで、日本の平和を守る為の活動を地道に支えていくのだ。決して日の目に当たる戦いが、全てではないのだ。

 

 

そうやって装者が集められ、ブリーフィングが始まった。

 

 

「師匠ッ、F.I.S.の人達を見つけたって本当ですかッ‼︎」

「本当だ……響君、翼、奏、クリス君……全員揃っているようだな」

「で、場所は何処なんだ旦那ッ」

「…カディンギル跡地だ」

「なんだとッ」

「彼奴ら、ふざけてやがる…くそッ」

 

 

装者達四人にとっての因縁の場所、ルナアタック事件が起き、フィーネと戦った所を言われて、様々な感想を述べる四人。

 

 

「…響君、君達はいくのか?」

「師匠ッ、勿論ですよ‼︎」

「そうか、翼、クリス君、奏…響君は謎の病原菌が体内に潜伏している状態だ…万が一の事がないように頼む…ッ」

「おっさん、そんなの言われなくてもあたりめーだろッ」

「そうです叔父様…私達は立花の事を助けます…最も助けられるほど弱くはないと思うがな」

「……りょーかい旦那、任せろ」

 

 

弦十郎の問いかけに三者三様の受け答えをする中、出撃の準備が整った……かくして、二課は敵の誘いに乗って決闘に向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、武装組織フィーネでは、次のアジトに移る為の準備が終わったところだった。調と切歌は、マリアとゲンムの仲の悪さについて話し合っていた。

 

 

「…調、ついさっきまでは普通の仲だったデスよね?、あの二人」

「うん、私達がうまいもんマップを完成させている間何かあったのかな?」

 

 

二人の視線の先には、パーソナルスペースを必要以上にとるマリアと、その様子を見てやれやれとした顔を浮かべる黒髪の男がいた。

 

 

「…ひょっとしてー、ゲンムのヤツがマリアに告白して振られたにも関わらず、しつこくつきまとったとかデスかねー?」

「切ちゃん、そんな事があったら今もゲンムはしつこくつきまとっているはずだよ……そんな事があったら私達で辞めさせるけど」

「そうデスね、でも気になるデスッ」

 

 

二人は聞こえてない事を良いことに好き勝手なもしも(if)を話しまくってると、後ろから歩く音がした。

 

 

「お二人とも、何を話しているのですか?」

「………貴方には関係ない。」

「しくじったヤツはとっとと行ってこいデースッ」

 

 

後ろから来たウェル博士に対する塩対応にも変わらず、ウェル博士は笑みを崩さずこう言った。

 

 

「私のやったしくじりなんかより、貴女方が勝手に申し込んだ決闘の方が余程ヤバイしくじりですよ…この僕にかかれば状況打開する為の手段になるんですがね」

「どうせムリデス、直ぐに私達に泣き寝入りするに決まっているデスよ」

「……うん、無理」

 

 

そんな二人の声が聞こえていないように件の人物は上機嫌で歩いて行った。

その影が見えなくなった頃、ゲンムは二人に近づいて来た。

 

 

「ゲンム、貴方も私達に何か用事?」

「はい、実を言うと私も今回の決闘に参戦するんです」

「ゲンムも参戦するんデスかッ‼︎、それなら安心デース」

 

 

先程のウェル博士とは打って変わってハキハキと喋る切歌と調。彼の人望のなさがここに良く現れていると思う。

二人の元気な様子に満足したのか、続け様にこう言った。

 

 

「君たちのマムが、どうもウェル博士を警戒しているようなのでね…ただのテロリストと変わらない行いするんじゃないかって……そうならないために私はいくことになった。」

「…ゲンム無事に帰って来てね」

「死んだりとかしないでくださいデース」

「大丈夫さ、私は死んでも蘇る不死身のような生き物だからね」

 

 

そう言うとゲンムはウェル博士の方向に向かいながら歩いていたが、ふと立ち止まり振り向いた。

 

そして、手を振った。

 

調と切歌は顔を見合わせ、手を振り返した。ゲンムはその様子を見届けて、背を向けたが次の角を曲がって見えなくなるまで手を振り続けた。

 

 

 

 

 

 

そしてその時がやってきた。

 

 

「待ってましたよ、シンフォギア奏者」

「ウェル博士ッ」

「決闘を申し込んだ彼奴らはどこに行ったッ‼︎」

 

 

クリスは二課の装者とフィーネの装者+仮面ライダーとの戦いになると思っていたが…肝心の決闘を申し込んだ人間がいないことに腹を立てて怒鳴り立てた。

ウェル博士は眼鏡をぐいっと上げた後

 

 

「まぁ、まずはこのノイズ達と戦いながら話を聞いてください」

 

 

♪正義を信じて、握り締めて♪

 

 

 

手にしたソロモンの杖で、あっちこっちにノイズを放つウェル博士。

クリスは舌打ちをした後、奏者達はそのノイズの殲滅に向かった。

響は得意の拳で、ノイズを一体ずつ粉砕。翼は『千の落涙』などの広域殲滅技を使い。クリスは『BILLION MEIDEN』のガトリング攻撃で撃ち抜いた。

そして奏は

 

 

「悪りぃけどな、テメェの話を聞く気はさらさらねぇんだよ」

「ッ、天羽奏‼︎」

「ぶっ飛ばされて寝込んでろッ」

「ヒッ、顔はやめてッ‼︎」

 

 

ウェル博士に接近し顔をぶん殴ろうとした。だがそれを阻止するかのように、ガトリングの弾が飛んでくる。

 

 

「…ゲンム、テメェも居たのか」

「君との勝負はまだついていないからね……そういうわけでどうだい?」

「どーせ断っても攻撃してくるよなッ」

 

 

奏はゲンム(彼女は後で知るがコンバットゲーマー)と戦うことになった。

 

 

 

 

 

奏はゲンムの二門ガトリングガンを動きまくることで回避していた。

槍を回転するように振り回して防御するという手段もあったが

 

 

(それで弾き飛ばした弾丸が翼達に当たるとまずいッ‼︎…それに彼奴はこの間の戦いで幾つもの隠し球を用意していた……だったらこのままそいつだけを使わせていた方がいいに決まってる。)

 

 

ゲンムの隠している攻撃手段を考えて攻撃には移さなかった。では、奏はゲンムを倒す気がないのかといえばそれも違って

 

 

(一撃だ……たったの一撃に殆どの力を費やして仕留めてみせるッ)

 

 

ゲンムを倒す為の最適な手段を思いついていた。実質これは正しいと思える考え方である。トランプでいうと、相手が強いカードを切るのを躊躇っている間に勝利する。奏はこれを狙っているのである。

 

 

(…ここまで回避に専念していると天羽奏は、一撃で私を仕留める可能性が高いな)

 

 

だが、そんな作戦はゲンムも思いつく。ゲンムは取り敢えず今は時間稼ぎを出来ればいいと考えている為に、奏の作戦に乗せられているだけなのである……この読み合いの勝負はゲンムの方が上手だった。

 

 

「何を企む、F.I.S.ッ」

「企てる?、人聞きの悪いッ、我々が望むのは全人類の救済ッ、月の落下で損なわれる命をできる限り救済することだッ」

 

 

深刻な戦いはDr.ウェルとの戦いだった。

翼がDr.ウェルに対して、敵の企みについて問い詰めると、帰ってきた答えは予想外の答えだった。

 

 

「なんだとッ」

「月のッ」

「そうだッ、各国は都合の悪い事実を隠して、自分達だけが助かろうと画策しているッ…そんな自分勝手の上層部に変わって私達が世界を救う英雄となるんだッ」

 

 

続け様に衝撃の事実を話し続けるウェル博士に、三人の奏者は足を止めてしまった。

………その様子を待っていたかのようにその笑みをさらに深くして、こう言った。

 

 

「私達の答えがッ、ネフィリム」

 

 

ウェル博士の発言と共に地中から、異形の生命体ネフィリムが出現する。その登場と同時にクリスを吹き飛ばして攻撃した。

クリスは気を失わずとも、身体は動かなくなった。

 

 

「雪音ッ…なッ」

 

 

慌てて雪音クリスを助けようとした翼をトリモチを口のような機関から放つノイズで攻撃され、雪音もろとも動けなくなった。

 

 

「翼さん、クリスちゃんッ」

「…さぁ行きなさいネフィリム…二人とも丸ごと食べるのですッ‼︎」

 

 

ウェル博士は勝利を確信したのか、その声色は限界を超えていた。

それを聞いた響は周りにいるノイズを次々と倒しながら、二人の元へと走って近寄り、ネフィリムと対峙しに行った。

 

 

「…やっぱりだッ、君は、誰かを守るための、拳でより多くの誰かをブッ殺してみせる訳だッ、調が言った通りの偽善者だッ‼︎」

(えッ?)

 

 

その言葉に調に言われた偽善者という言葉、自分が人殺しと言われた過去、様々な事を脳裏を過ぎ去り

 

ネフィリムが響の腕に食らいついた。

 

 

「立花ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

「おいバカ…嘘だろ⁈」

 

 

響の腕から血飛沫が上がり、そのまま立ち尽くした。

 

「ヤッタァぁぁぁぁッパクついたぁぁぁぁぁぁッ」

「へ、え、ああ、エ?」

 

 

何が起きたのか理解が出来ない立花響、歓喜の叫びを上げたウェル博士。

そんな二人をよしに、事態の急転を察した奏は

 

 

「テメェぇぇぇぇえ、よくも‼︎」

「おっと、貴女にはこうですッ‼︎」

 

 

ウェル博士は急接近する奏に気づいて以前から考えていた、対奏対策を実施した。それは、

 

 

「ッ、翼、クリス、危ねぇ⁉︎」

 

 

クリスと翼の周りにノイズの追加召喚である。これで更に奏は追い詰められる結果になる。

クリスと翼を守るためにノイズを倒していると、ウェル博士はさらなる命令を下した。

 

 

「さぁ、ネフィリム‼︎、そのままガングニールを丸呑みしちゃいなさいッ‼︎」

 

 

響に対するトドメを命じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゲンムッ、何をしているのですッ‼︎契約と違いますよッ‼︎』

「焦るなッ、こっちも今行動をしているッ‼︎(私を焦らすな…早く来いッ)」

 

 

ゲンムはここで立花響が致命傷を受けるのは想定の内だった。だが、彼にとっての想定外はウェル博士が下した命令だった。

ウェル博士は『ガングニールを丸呑みしろ』と、言ったがこの場にあるガングニールは一つではなく

 

 

「ギュオオオオッ」

「は?」

 

 

奏の持つガングニールでもある。

咄嗟に回避をしたものの、シンフォギアを展開するための赤い結晶を丸ごと食べられた奏は…強制的に解除されてしまった。

そのまま、ネフィリムは腕を振るって弾き飛ばした。

 

 

「奏ぇぇぇぇえ」

「(まずいッ)やれやれしょうがないな?」

 

 

内心焦ったが、それを表には出さない余裕があったのか、落ち着いて変身が解除された奏を受け止めるゲンム。

そして、何処からともなく取り出した毛布で奏でを包んだ。

 

 

「離せッ、この野郎、響がッ、あの子がッ」

「…その心配はいらない」

「ふざけるなッ‼︎、響を苦しませた要因の一つであるお前にそんなことを言われたって信じ『ネフィリムが覚醒するように、立花響も覚醒し始めている』…ハッ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響は苦しんでいた。

肉体的にも精神的にもそのストレスは最高潮を極めていた。

 

 

(私は死んでいた方が良かったのかな?)

 

 

奏が聞いていたら、その頰を何度も殴りそうな言葉を心の中で一瞬だけ考えたとき。

 

《ソイツは違う。どんな命でも無くなるのはいけないことだ…だから一個しかない命を懸けて誰もが真剣に生きている(プレイしている)…だから今は俺が代わりに遊んでやる(プレイしてやる)

(え?)

悩み(パズル)を解いてみせろ響、お前の心はそこに有る》

 

 

誰かの声がした。

そして響の意識は消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立花?」

 

 

最初に異変に気付いたのは翼だった。

全身が暴走するときと同じように真っ黒に染まり腕を修復したと思ったら、突然全身にヒビがはいった。

そこから殻が剥がれるように、立花が再び現れた。

 

 

「お、おいバカ?、そのガングニールはどうしたんだ?」

 

 

そのガングニールは響や奏、マリアのオレンジの色をしておらず、クリスのような赤い色をしており、ガンドレットの部分は炎を形取った模様がついていた。

 

 

「響…なのか?」

 

 

何より違ったのはその顔の部分、目元までかかるバイザーがあり、顔をよく見る事が出来なかった。

 

 

「ギュッ、ギュオ?」

 

 

自分が食べだ餌が、傷を完治したばかりが異質な存在になってることに疑問を抱いたネフィリムは響の方を見るが…より美味しそうになったと思い、また響を食べようとすると…

 

 

「ギュ、ギュアー‼︎」

「ネフィリムッ⁉︎」

 

 

片手で思いっきり殴られ、吹っ飛んでいた。殴られたところには焼印が入れられたように殴った跡が残り、ネフィリムが簡単に吹っ飛ばされたことにウェル博士は悲鳴を上げた。

 

 

「……………」

 

 

響は何一言も言わずに構えた。

 

 

ここから無慈悲な暴力がネフィリムを襲い始める。

 




次回…フルボッコタイム‼︎

明日もお楽しみに〜…………この後の展開に盛大に怒られそうな展開待ってんだよなぁ…


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ステージ9/LETS GAME

…ジオウガイム編前編の最後の演出が気に入った…顔を近づけて息を吐きかけて拭き取る演技……




「あいつどうなったんデスか?」

「分からない…分からないけど、パワーアップしたの…かも?」

 

 

輸送ヘリの中で戸惑う二人は響を見ていた。先程腕を食いちぎるというウェル博士の鬼畜の所業に驚いていたばかりなのにすぐ様に、腕を生やしてガングニールの模様を変えたのだから当然である。

 

 

「一体何が起こってるの…」

「…おそらくゲンムが何かしたんでしょう」

「ゲンムがッ‼︎」

「フィーネ、私と彼は個人的な契約をしているのです…なので彼はその報酬を支払って貰える条件を達成するまで、裏切らないでしょう……Dr.ウェルより安全です」

 

 

マリアとナスターシャは離れた場所で話し合いをしていた。

そんな中、今回の立花響の異常はゲンムによってもたらせたらものと知り驚く、マリア。

 

 

「マム、なんでゲンムとそんな取引をしたのよッ‼︎」

「……ハァ…マリア、私達だけで米国を欺けると思っていますか?」

「それは…」

「欺けるわけがありません…だからこそ現地に詳しいゲンムに依頼をしたのです……それに彼は悪人かもしれませんが信用はできます…」

「ッ、それこそなんでよッ‼︎」

「…ゲンムが何か気を触ることを言ったのは理解しています、ですがゲンムが言った言葉の意味を考えてください…きっとマリアの為に『ふざけないでッ‼︎』…ッ」

「セレナは命を懸けてみんなを助けておいて、みんなを助けたつもりはないと彼奴は言ったのよッ…そんな奴のことを信じられる訳ないじゃない…」

「………マリア…」

「………ヘリを移動させてくるわ、マムは休んでいて」

 

 

そう言ってマリアは操縦席に向かった。

ナスターシャはその背中をただ静かに目を見つめるだけであった。

しかし、見つめていた目は確かに母親(マム)の目だった。

 

 

 

 

 

 

♪???? ????♪

 

 

「ギュ…ギュイヤーッ‼︎」

「落ち着け、ネフィリムッ、落ち着くんだッ」

 

 

ネフィリムはさっきまで餌だった物に攻撃されて腹がたっている。

なので、何が何でも食べてやると思っている所をウェル博士が必死になだめている。

だが、その静止を気にもとめず響へと直進するネフィリム。

 

 

「………」

「バカ、逃げろッ‼︎」

 

 

それを気に留めず、突っ立ている響にクリスは発破をかけて逃がそうとさせるが

 

 

「ギュアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

「……嘘だろ?……てか、離せッ‼︎」

「……ぐゔぇッ‼︎」

 

 

直進してきたネフィリムを、何処にそんな力があったんだと言わんばかり、アッパーカットで宙へと飛ばした響。

そして、ゲンムが毛布で包んだあといつまでも抱えていたことに腹を立てて……多少見えてしまうことを覚悟で思いっきり顔?と思われる部分を殴る奏。

幸い、ゲンムは紳士だったので奏の方をしっかり見ておらず攻撃はあたり…奏を手放した…あと彼は一切見ていないことをここに明言しておく。

 

 

「止めろ、やめてくれッ、それは人類の明日への第一歩なんだッ」

「………ンーンッ‼︎」

「ギィャァァぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 

ネフィリムの殴られた痛みを代弁するかのように叫び声をあげる、ウェル博士。正直気持ち悪い。

だが、ネフィリムに対して放った灼熱のストレートは綺麗に横腹に入り、ネフィリム地面に叩きつけることに成功した。

 

 

そのままゆっくり動きながら、体をじたばた動かしてどうにか逃げようとするネフィリムに近づいていく…トドメを刺すために。

 

 

「お願いだ、後生だ、やめてくれ、それがないと僕の未来は…」

「……知るかよッ」

「「「ッ‼︎」」」

 

 

さっきまで暴走していた響が、突然言葉を話したことに驚いた。

だが、その言葉はいつもの響の言葉ではなく、冷たい言葉だった。

 

 

「ッ‼︎、嫌だ、嫌だ、やめてやめてやめて」

「これで、フィニッシュだッ‼︎」

 

 

響は片手を思いっきり、引いて響はそう言い放った。

その言葉をトリガーにして、尋常ではない炎をその腕にまとわせながらネフィリムの胸を貫いた。

 

 

「ギィィィィヤァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

ネフィリムのあげたかったであろう断末魔もウェル博士が叫ぶと同時に。

ネフィリムの体が爆散し、熱で溶解()けていった。

 

 

完全勝利(K・O・)ッ‼︎…あー、楽しかった…」

 

 

そう言って響は倒れて、シンフォギアは解除された。

ウェル博士は断末魔をあげたときに崖から落ちていった。

それを見ていた、三人の奏者は響の元へ駆けつけた。

 

 

「今のは…いったい?」

「こいつに何が起こってんだよ…」

「……その答えはお前が答えてくれるよなぁッ、ゲンム‼︎」

 

 

奏のその言葉と同時に、ゲンムはこっちに顔を向けると

輸送機が動き出し、姿を消したまま何処かに行ってしまった。

 

 

「…それはもちろん、私に勝てたときの話だ。」

「ならッ」

「あたしら二人で相手してやるッ‼︎」

「奏は響を連れて下がって、彼奴は人質をとるかもしれない」

「……ああ『それと』?」

「後で話はみっちり聞かせてもらう」

 

 

奏はその言葉に、翼が気づいたことを確信した。そして自分の胸をみてシンフォギアはもうないことを今一度理解して…ゆっくりうなづいた。

そして響を連れて二課の潜水艦へと走っていた。

翼はそれを横目に見て

 

 

「準備はいいかッ‼︎ゲンム」

「閻魔様が例えお前を許しても、あたしらがお前をゆるさねぇッ‼︎」

「よかろう…かかってきたまえ。」

 

 

こうして、ゲンム対奏者がまたまた始まった。

 

 

 

 

 

 

さて、奏者のテンションは最高になっているが、ゲンムのテンションは

 

 

(そうシィィィ‼︎君はまだ来ないのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎)

 

 

逆の意味で最低(最高)に成っていた。

内心顔芸キメまくりである。

ずっと前に連絡した人物が『ごめーん、待った?^_^』でも、許されないぐらい遅れているのである。

響たちに関しても総司(主人公)の力を借りようとしたのにも関わらず来なかったりなど……予定外が多すぎて大変である。

 

 

「(ここは出来る限り伸ばしておく…勝てないわけではないが酷だ……)、まさか君達が相手だとはな…となると少々酷かな?」

「はッ、今更怖気ついたってか?」

「戯言はいいッ‼︎とっとと押して参る‼︎」

「(この装者どもがぁぁぁぁぁ、神の()を聞ぃけぇ゛ぇぇ゛ぇぇ゛ぇ゛)…ならばよし、来るといい」

 

 

そして風鳴が火蓋が切って落とされようとしたとき。

クリスの目の前に光弾が着弾した‼︎

 

 

「ッ‼︎こいつは……」

「…何故ッ、よりよっても貴様が私達の邪魔をするッ‼︎」

「「クロノスッ‼︎」」

(………遅すぎるぞぉぉぉぉぉそうシィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛)

「(今回に関しては本当に御免なさい)…彼は私の……友人?なのでね、これを態々見過ごすわけにはいかないのだよ…諸君」

 

 

後から来たのにも関わらず、格好のイイ台詞を並べて誤魔化すクロノス……正直に言って、先程時間稼ぎしようとしていたゲンムと同じである。

 

 

「ッ‼︎…友人だと……立花を殺そうとした者を、貴様は友というのかッ‼︎」

「(…やっぱ、さっきの謝罪は無しだ。ドガミは後で逆海老反り固めしとこう。)……あくまで一応だ。」

「ッ⁉︎(いやいやそうに……まさか何かで脅されているのか‼︎…なら)」

「風鳴 翼ッ‼︎……戦いは良いのかな?」

「言われずとも‼︎、私の相手はクロノスッ貴様だ‼︎(戦いの最中で聞き出してみせるッ)」

「あんたがあっちなら、あたしはテメェだなぁ?、ゲンム」

「良かろう…泣きべそをかきながら戦うと良い……」

 

 

今度こそ戦いの火蓋は切って落とされた‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼と対峙したクロノスは…一回息を吸って吐いた後こう発言した。

 

 

「この呼吸に不快に思ったなら、失敬……私自身も実戦では初めての試みでね」

(初めての……?)

「こういう武器を使うことだよ」

 

 

そう言って、右手を前に突き出すとクロノスの周りに光の輪が生まれ、そこから何やら三つの画面が現れた。

その内の一つがクロノスの手元へと近づいて。

 

 

『ガシャコンソード‼︎』

 

 

(つるぎ)となった。

その様子に翼を目を細め

 

 

「私と剣で戦うとは……随分と甘く見られたものだな?」

「別に甘くは見ていない……君の剣技の腕が凄いから使うだけだ………私の剣技通じるかどうか確かめるためにね?」

 

 

言葉への返答は剣で返すといわんばかりに翼は剣での攻撃をクロノスに開始した

クロノスはその攻撃をしっかりと剣で受け止めながら後退していく。

 

 

「…どうやら、私は守りに関しては大丈夫のようだな?」

「そう考えるのは、まだ早いのではないか?」

「何?」

 

 

剣での攻撃を一旦やめて、もう一本剣を作り出し柄を合わせて回転し始めた翼。

すると剣から炎が噴き出て、火車と化した。

 

 

風林火山

 

 

そのままクロノスに地面を滑る様に急接近していくと…クロノスは剣に付けられているボタンを押した。

 

 

『カ・チーン』

 

 

すると剣は一回転をし、燃える炎の様な見た目から凍える氷に変化した。

先程とは違うボタンを二回押すと…クロノスはこう言った。

 

 

「その技名は知らないが、私はこの技をこう言おう…上杉謙信が信仰していた仏の名を関する技とね。」

 

 

ゲンムはそう言って、取り出したカセット状のアイテムを剣の裏側に差込…

 

 

『ガシャット‼︎キメワザ‼︎……TADORU CRITICAL FINISH』

 

 

その音声と共に、地面が次々と凍りついていき…翼の足を捕らえた。

 

「何‼︎」

「驚くのはまだ早いッ‼︎、技はまだ終わりではない」

 

 

クロノスはカセットを抜くと、違うカセットを取り出し差し込んだ。

 

 

『ガシャット‼︎キメワザ‼︎……GIRIGIRI CRITICAL FINISH』

 

クロノスは足と剣にエネルギーを貯めた後、刹那の移動をし翼の背後遠くへと移動してた。

剣を残心の様に振るうと、翼の体に氷の斬撃の後が残り、吹き飛ばされる‼︎

 

 

聖剣・ヴァイシュラヴァナ………と、個人的にこの名前をつけた」

「…毘沙門天だとッ」

 

 

 

…なんで風鳴翼は、こういうのスラスラ出てくんだろうな、とクロノスは疑問に思ったがこの勝負はクロノスの勝利で終わった。だが…

 

 

「……立花響の容態に関しては安心してほしい」

「ッ‼︎」

 

 

翼の元からそう言って、立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方こっちは双方、機関砲を打ち合う戦いに成っていた。

少し時間が経つとその展開は変わり、雪音クリスはガトリングにはガトリングでと言わんばかしに打ちまくっている。

ゲンムは、それを交わすことに集中して銃を撃てないままでいる。

 

 

(とりあえず、此奴に銃を打たせる隙を与えないッ‼︎、構えさせてたまるかッ)

 

 

雪音クリスはこいつとの機関銃の連射率は変わらない。だから撃たせなければいずれ当たるタイミングがくる、と考え

 

 

(そのときに少しずつチャージしてきた余分を解放して一気に仕留めるッ)

 

 

クリスはそのタイミングをじっと待っていた。

 

 

(と、考えているんだろうな…無駄な努力だかなッ‼︎)

 

 

ゲンムはクリスの狙いをおおよそ把握し、その浅はかさに失笑した。

その狙いを撃ち砕くかのように、ベルトからカセットを抜き出し腰のホルダーに挿した。

 

 

『ガシャット‼︎…キメワザ‼︎………JET CRITICAL STRIKE』

 

 

その音声と共に何かをロックオンして、収束しているような音が流れ始め…背中の戦闘機から無数のミサイルが飛び交った。

 

 

「嘘だろッ‼︎」

「私の読み通りぃ…君も浅はかな人間だな?」

 

 

先程まで浮かんでいた必勝パターンが全て覆る様な光景に、クリスは驚いた。

それでも、ガトリングで何発かはミサイルを撃ち落とせたのだが、数発残り…周りの地面に着弾。

爆発を引き起こした。

 

遠くへ飛んでいくクリスを見ながらゲンムは心の中で狂笑し、夜空へ飛んで消えてった。

 

 

クロノスもゲンムが彼方へ飛んでいったのを見て、背を向けて去っていった。

 

 

この戦いは、ゲンム達の勝利となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クロノスッ‼︎、君は今日なぜ遅れた‼︎』

『寝てた。「寝るなッ⁉︎」それよりゲンムッ、お前逆海老反り固め覚悟しとけ』

『………なに一つ悪い事をした覚えはないが?』

『今の間、罪悪感覚えたろお前、帰ったら即実行するからな』

 

 

まぁ、下らない通信をしながら其々の拠点に帰っていったが。

 




ジオウ系のオリジナルライダー……一人思いついたので活動報告欄に載せときます。


それと、翼は何で毘沙門天かと言ったかはヴァイシュラヴァナで検索してみると分かりますよ


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ステージ10/中間のRESULT

今回は短めです3000文字


ステージ10/中間のRESULT

 

 

『ゲンム、ところでクロノスの真の力って何だ?』

『どうせ聞いたところで使えないから意味がない、そんな事よりとっとと今日のリハビリを済ませろぉぉぉぉぉッ』

『叫ぶなよ…てか高難易度ゲームをクリアすることがリハビリで良いのか?』

『……ついでのパワーアップだ、君が言っていた特異常者の風鳴 弦十郎は映画を見てトレーニングしてあそこまで強くなったそうだからな』

『ドガミ、エイプリルフールはまだ先だぞ?』

 

 

 

〜とある一日の光景〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィーネ第3のアジトにて、ナスターシャは窮地に陥っていた。

ナスターシャが抱えている持病が悪化したのだ。その結果寝込み、目も開けられずに横になっている。

 

 

「……やっぱ、行かなきゃダメなんデスか?」

「切ちゃん彼奴のためじゃない、マムの為…それに追加のリンカーも彼奴じゃなきゃ作れない……それにゲンムも探さないと」

 

 

マリアがマムの為を思って歌を歌っている部屋の外で二人はそんな話をしていた

 

 

「…調ぇ、確かにその通りデス……でも、ゲンムは…」

「セレナの事を悪く言った…ってマリアは言うけど、ゲンムが言っていたことが本当なら、きっと、あの言葉には別の意味があるんだよ」

「私も信じたいデス…」

「君達ありがとうッ」

 

 

突如聞き覚えのある声が響き、二人は笑顔で振り向いた

 

 

「「ゲンムッ」」

「二人とも信じてくれてありがとう…これはちょっとしたプレゼントだ」

 

 

渦が描かれたペロペロキャンディを二人に渡すゲンム。渦の色に緑とピンクを使用しているあたり、結構準備されている(※着色には抹茶やグレープジュースを使いました。)

それを渡した後も、その手にはりんご飴があった。

 

 

「それって、マリアのぶん?」

「…正直、オレンジのキャンディを作っていいのか悩んでね……前に彼女が歌う子守唄の名前を君達のマムから聞いててよかったよ」

「…ハッ、ゲンム質問デース」

「何だい、切歌君?」

「セレナがみんなを助ける気が無かったってどういうことデスか?」

「ッ!、切ちゃん‼︎」

「…それを聞くのか……申し訳ないけど、まだそれは言えないんだ」

 

 

その言葉を聞いた切歌は残念そうな顔をしたが、そもそも突拍子もなくそんな質問したら困るのはゲンムのほうである。

 

 

(…最初の方だと、暁切歌の方が常識人だと思ったがこの分だと、どっちもどっちだな)

「そーデスか……でも、マリアにそういう理由はあるんデスよね?」

「それは約束する、取り敢えず暇つぶしのためにも、ゲームをやりませんか?」

 

 

そういってゲンムは手に二つのゲーム機を持って差し出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアンでの授業を終えて、二課に集まった奏者達四人……いや、三人と言いなおすべきだろうか

 

 

「…知っての通り、奏君のシンフォギアはネフィリムに食べられて使えなくなった」

「………ごめんみんな、あたしドジっちまったよ。」

「奏……」

「今はそれについておいておくべきだッ、このバカの身体に何が起こってんだよおっさんッ‼︎」

「ク、クリスちゃん落ち着いて…お願いだから」

「……響君の身体は残留したシンフォギアの侵食によって危ない状況にある」

「「「ッ⁉︎」」」

「ッ旦那、それはまだ」

「あんな事があったんだ…隠し通せるわけでもないだろう、それにもう一つ伝えておかなければならない事がある」

 

 

観念した弦十郎は語り始める。響の体内のアームドギアの侵食が命を奪うレベルで侵食していると、奏や未来と話しあってそれを今回の事件が終わるまでは黙っておくことにしたこと。

そして、

 

 

「立花が急激に変になったのは、ゲンムが感染させたウイルスのせいッ⁉︎」

「了子君が残した論文を見ていても…あの状態の響君に関する情報が一切無かったことから、そう推測された……響君を治すためにはゲンムを捕らえる必要がある」

「…おい、おっさん、奏先輩……じゃあなんだあたしらに…」

「隠し事をしていた……正直に言おう、俺自身でも褒められるような行為ではないと理解している……だが、響君や奏君の事を考えると、これしかないと思ってしまった」

「……⁉︎、旦那まさかッ」

「俺は響君を奏のストッパーにするつもりだった…四人共、本当にすまない」

「ッ……ちょっと頭ひやしてくる、おっさん暫く一人させてくれ」

「雪音……」

 

 

そう言って、クリスが部屋から出て行く姿を眺めることしかできなかった。

…すると、奏はあることに気づく。

 

 

「響?、なんでさっきから黙ってんだ」

「……いーや、コイツの命を守るにはそれが一番だと思うぜ…ゲンジュウロー」

 

 

そう言って、響は目を赤く光らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃.F.I.Sでは

 

 

「ゲンム、ドクターを探してちょうだい」

 

 

突然、マリアが開口一番にそんな事を言い出した。

 

 

「マリアさん…別にリンカーはまだ足りているので、ナスターシャ博士については私が治療できますから『貴方の意見は聞いてないッ‼︎』…分かりました」

 

 

ゲンムは心の中のイメージは、マァリィアッ‼︎、と言いたそうな顔をしていたが、顔には出さずただ一言で従った。

 

 

そうやってゲンムがアジトから何処かにいるウェル博士を探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って、響が変になった事に二課は驚いた。その声に驚いたクリスは響にまた何かあったのかと駆けつけ、また目が赤くなった響を見て声をなくした。

 

 

「おいおい、そんなクリア直前でゲームの電源が切れたような顔するなよ…」

「…君は響君なのか?」

 

 

周りの人間を代表するかのように弦十郎がそう尋ねるが

 

 

「違うぜ……まぁー、俺の事を知ってるやつも殆どいないと思うけどな」

「そんなことはどうだって良いッ‼︎、なんで響の体に」

「んー、それは………秘密だ、今回はある警告をしに来たんだ」

「んだと、テメェッ」

 

 

奏とクリスが、目の前の存在に対して憤慨を隠さず見せると、本題といったばかりに警告の内容を喋った

 

 

「これ以上こいつにストレスを与えるな、あんまりストレスが溜まりすぎると……死ぬぞ」

「ッ‼︎、どういう事だ‼︎、立花が死ぬ…とは」

「んー、それについては今は詳しく教えられないな…少なくとも今回の事件の間にはな」

 

 

それじゃあな、と言って目を瞑り暫くして開かれたとき、全身から冷や汗を流す響がそこにいた。

 

 

「……師匠、今のって…」

「響君…だよな?」

「…は、はい、立花響です」

「ッ、大丈夫か何処が痛いとかそういうことはねーよなッ?」

「クリスちゃん、落ち着いて私は大丈夫だって」

「大丈夫なワケねーだろッ‼︎」

 

 

突如、大きな声で奏は叫んだ。

 

 

「奏…」

「ゲンムにのことをよく考えてみろ、クロノスとは違って人命を考えずに攻撃していやがる、翼のときだって…あの攻撃が当たってたら死んでいたかもしれないんだぞッ………響もそのウイルスが原因で死ぬかもしれないんだぞ…」

「あはははー…大丈夫ですって奏さん」

「響ッ、お前は何を言ってんだ⁈」

「…多分死ぬことはないんだ〜、って感じているんです…」

「〜ッ、駄目だッ、ちょっと頭を冷やしてくる」

「おい、あんた……行っちまった」

「…雪音…立花を見ていろ、私は奏に用が出来た」

「え、ちょっと…行っちまった…あー、バカ」

「クリスちゃん…バカはひどいよ……何?」

「さっきのどういう意味だ?」

「…さっきの人?に変わってる間変な夢を見たんだ……『大丈夫…お前の運命は俺が変えるッ』って声が」

「「???」」

 

 

クリスと弦十郎は互いの顔を見合わせて、もう一度響の方を見直した。

 

 

響は苦笑いを浮かべながら頰をかいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あった、あったぞ、これで僕も英雄だッ」

「見つけたか?、ならすぐ戻るぞ…マリアさんの面倒も見ないといけないんだ」

 

 

次の戦いの狼煙はもう既に上がっていたが




じゃあ次回もお楽しみに


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ステージ11/友達

アガッチャミステリー解決編………みんなから忘れているでしょ…


『なぁ、ドガミ、お前に一つ質問していいか?』

『何だ?』

『お前にとって命って何?』

『………大事なものさ、増やす時も失う時も』

『とりあえず命を増やすという言葉に驚きなんだが?』

 

 

〜とある一日の会話〜

 

 

響の中に何か抱えてる報告は小日向 未来にも行った。

そしてその頭の中に浮かんだのは……

 

 

「ヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌヒビキガシヌ」

 

 

訂正…口に出して部屋の中で考えなしにその最悪の事実だけを連呼していた。

部屋の中で言っていたので…幸い周りには引かれなかった…

そして不意に顔を俯いたまま立ち上がると

 

 

(ヒビキガシヌグライナラ、ワタシガドウニカスレバイイヨネ?)

 

 

顔は見えなかったが、完全に新たなヤベーやつの誕生していた(happy birthday)

玄関を出るときは皆んなが知っている小日向 未来だったので余計にそう思える一場面だった。

 

 

 

 

一方時を遡って、ゲンムに変身したドガミがウェル博士を探すと

 

 

「君は何をしているんだ?」

「…ゲェンムゥ、英雄たるこの私は諦めたく無いだけですよッ」

 

 

案外すぐ見つかった…ウェル博士は完全に憔悴しきっており、眼は血走っていた。

 

 

「探すとは…ネフィリムの心臓か?」

「そのとーりッ‼︎、僕は見た、あのとき肉体がバラバラに溶け出していったネフィリムの中で、唯一心臓だけが全く溶けてなかったのをッ‼︎…心臓はまだ生きているかもしれないんだッ‼︎、だったら英雄であるこの僕が諦めるわけいかないだろうッ‼︎」

「…言っていることだけ聞けば、まともな善人だな『失礼な、僕はいい英雄だッ‼︎』…分かったから一旦戻れ、私が探す」

 

 

ドガミは現実的な事を言ったが、ウェル博士は聞くとは思わなかった。推測が正しければウェル博士は

 

 

「やだねッ‼︎、そう言ってお前は僕が英雄になる機会を奪おうとしてんだろッ‼︎」

 

 

英雄症候群(病気)だ。

 

 

「仕方がない…では、心臓が見つかるまで君と同行しよう…心臓が見つかり次第、私のコンバットゲーマーで帰還するぞ」

「…フンッ、余計な真似はするなよ…」

 

 

お前が言うなッ、と読者の皆様は言っただろう。今の所余計な真似をしているのはウェル博士であるから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ひーびき)♪」

「えぁ、未来ッ?」

 

 

リディアン音楽院では、放課後未来が響に対して声をかけていた。

 

 

「今度さ、デートしない?」

「デートって…私達付き合ってるわけでも無いんだし…」

「細かいことはいいの、それで行く?」

「…うーん、最近翼さんと、奏さんの仲が悪くなってるし…ッ‼︎、ダブルデートしない?」

「?」

「翼さんと奏さん、私と未来でのダブルデートッ‼︎…未来も気にならない、あの二人が普段どんな感じで会話しているのか…」

「(響、少し悪そうな顔も素敵…)うん、響のアイデアだしね、いいよッ♪」

 

 

響は親友の笑顔に、何か疑問を思いながら…笑顔でうんと返した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まだ、つかないのですか、いい加減この体勢も疲れるのですが…?」

「…戦闘機は普通一人用だ…二人乗るやつも有るが、それは役割分担やアシストの為だ……つまり重量オーバー…次、私の許可なしに喋りでもしたら海に落とす…いいな」

 

 

それを聞いた途端、ヒッ、と小さい悲鳴をあげて、黙るウェル博士……その様子を見て満足気に仮面の内側で微笑んでいると、弾丸が仮面のすぐ近くで横切った。

 

 

「ッ!、今のは」

「あたしだぁッ、この外道供ッ‼︎」

「ゆ、雪音クリスッ‼︎」

「ようやくてめえらを見つけたぜッ‼︎、覚悟しなッ‼︎」

 

 

そう、ウェル博士が呼んだ方向に赤いシンフォギアをすでに纏ったクリスはいた。

二課の情報網は伊達じゃない。

 

 

 

 

『みんな、聞いてくれッ』

『司令、どうしたんです?』

『この間のウェル博士の言動からして、ネフィリムは計画の要となるパーツだ……それが壊されたと敵は信じるだろうか?』

『それって…そうか!、敵はまだ現場にいる可能性が高いと言うことかッ‼︎』

『そうだ藤尭……奏がシンフォギアを纏えなくなった以上、これまでより気合を入れてフィーネを止めるぞッ……そして可能ならば、月の落下を食い止める手段を知る…いいなみんなッ』

『『『了解ッ‼︎』』』

 

 

 

と言うわけで、ここに彼女がいるのは二課のおかげ。ようやくと言っておきながら彼女の成果ではない。

彼女はその時間、ナポリタンの綺麗な食べ方の練習を家でしていただけである。

 

 

「そういうことだ…観念しろ」

「閻魔様に土下座してきなッ」

 

 

タイミングを合わせたかの様に翼も現れ、ウェル博士はさっきから萎縮しまくっていて使えないお荷物と化しているため実質一体二。

…ゲンムは覚悟を決めるには充分な時間があった。

 

 

『ガッシューン…』

「ゲンムッ‼︎何して……うわぁぁぁぁぁぁ落ちるぅぅぅ」

「落ちないから黙ってろッ」

『ジェット‼︎コンバット』

 

 

ゲンムは一度ガシャットを抜き、ふたたびボタンを押す事で、ゲーマーを単独召喚した。

そのままコンバットゲーマーはウェル博士を噛み付いて飛んでった。

 

 

「あっ、こら待ちやがれッ‼︎」

「…自分が身代わりになると言うのか?」

「まさか、君達二人を相手にして勝つだけさ…天羽奏と立花響がいない君らに私に勝つ事などできやしないからな」

 

 

そういってゲンムは新たなガシャットを取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『奏、私に黙ってたのか?』

『…翼…あぁ、そうだよ』

『……そうか』

『あたしってなにやってんだろうな…響に自分自身の身体のことも伝えないでさ…あたしがやったことは全部裏目に出ちまった……装者としても戦えなくなっちまったしさ、翼の言いたいことは分かってるよ…』

『…そうか、なら当ててみろ』

『ツヴァイウィングの解散「ッ‼︎」、肩翼のあたしがお前を裏切っちまったしな…そうだろ』

『バカなことを言わないでッ‼︎奏』

『⁈』

『私は心配したんだよッ、奏が装者としての力が失って悲しんでるとか、今までの戦いで無責任な言葉を言った事とか、それに、私は奏がいないと何もできないよ…』

『翼…』

『……奏、約束して、ツヴァイウィングを解散しない事と、二課を辞めない事……装者じゃなくても出来ることはいっぱいあるから』

 

 

「(…あそこまで啖呵を切ってしまったのだ…ここで逃したら奏に対して合わせる顔がない)…ゲンム、今度は簡単に逃げることはできぬと知れ」

「逃げないさ…ただ、私自身の心に挑戦するだけだ」

 

 

翼は長い回想をしている間にゲンムは手にしたカセットのスイッチを押した。

 

 

『爆走バイク‼︎』

(ッ‼︎、バイクだと)

「逃げる気あんじゃねーかッ‼︎」

「同じ事を二度も言わせるな、これは私の心に対する挑戦だ…三度目は言わない」

 

 

そう言ってゲンムはカセットをベルトに入れレバーを開いた。

 

 

『レベルアップ‼︎、マイティ!ジャンプ!マイティキック!マイティアクショーンッ!X!アッガチャ!、バー‼︎バー‼︎バイクで爆走‼︎ロンリーウェイ!ライド爆走バーイク‼︎』

 

 

その姿は両手にバイクのタイヤ、顔から生えている髪の毛状のパーツに黄色ヘッドギアが付け足されたデザインのゲンムだった。

 

 

「…風鳴 翼、君も負けられない様だが私も、このガシャットを使って負けたくない…大事な思い出もあるからな」

「ッ‼︎…なら負けられぬのは同じか、行くぞ雪音ッ」

「応ッ‼︎」

 

 

ゲンムは対戦開始の合図の代わりにバイクのマフラーを吹かし、回転を高め風鳴翼に突撃しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ドガミ?」

 

 

自宅で作曲を行なっていたソウシは、手にしたマグカップが突如大破したことにより、ドガミの身に何かあったのかと思ったが別にそんなわけでもないと思い返し、マグカップを片付けた。

 

 

 

 

 

 

「クソ、ちょこまかとッ‼︎」

「そっちじゃない、後ろだッ‼︎」

 

 

背後に現れたゲンムバイクアクションゲーマーはバイクのマフラーを銃口代わりにエネルギー弾を放ち、クリスを攻撃した。

 

 

「雪音ッ‼︎」

「仲間を気にしていいのかな?」

「ッガハァ」

 

 

クリスを攻撃したゲンムは、翼の目の前まで来て、今度はバイクのタイヤを丸鋸の様にして翼に攻撃したッ‼︎

 

先程から、ゲンム優勢の戦いを行われていた。

翼達も高速移動になんとか対応しようとしているが、機動力が高い翼のシンフォギアもあともう少しのところで攻撃が辿り着かず…攻撃を当てられないままでいた。

 

 

「ッ雪音、少し聞け…」

「…‼︎、良いのか?」

「何やら作戦を立てた様だが…私を止められると思ったのかそれで?」

 

 

翼は何か思いついたのか…クリスに耳打ちする。それを聞き終えたクリスは翼に背を預けた。

 

 

「(成る程、そういうことか)…私の攻撃パターンからお互いをより近い場所に居れば攻撃が届くと思ったのか…浅はかだな」

 

 

そういうと片手を離し、腕に装着されているバグヴァイサーを見せる。

 

 

「ならば、近づかないまま撃ち続けるだけだッ‼︎」

 

 

ゲンムはそういうと、バグヴァイサーとマフラーから出るエネルギー弾で翼を攻撃し始めた。

翼はそのエネルギー弾を剣を回転させ続けることで防いでいる。

だが、完全には防ぎきれず何発か当たり始めたとき

 

 

「準備いいぞ、覚悟はあるかッ‼︎」

「嗚呼、やれ雪音ッ‼︎」

(ッ何をする気だ)

 

 

次の瞬間ゲンムも想像してなかったことが起きた。雪音クリスの側面からミサイルが展開され発射……されなかった。

点火したままのミサイルから出る炎がブースター代わりに翼ごと前進したッ

 

 

「なんだとッ」

「流石に是迄は躱せまいッ」

 

 

流星(MISSILE)一閃

 

 

そして、その剣戟がゲンムに辿り着いた…

 




最近疲れるなぁ……

それと合体技はいかがだったでしょうか?


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ステージ12/剣戟の先に

そろそろ前書きに書くこともなくなってきた…、


剣戟が届く…そう思った瞬間に

 

 

「ところが、ギッチョンデースッ!」

「私達がいる…」

「ッ‼︎、『フィーネ』ッ」

 

空から、二つの斬撃武器の装者達が降りてきて、その剣戟を防いだ。

調が回転鋸でその剣戟を弾こうとし、そんな調を後ろから支えているのが切歌。

今の所は拮抗していたが…

 

 

「二人でのコンビネーションで」

「私と調に勝てる奴は何処にも…いないデースゥゥゥゥゥゥゥッ‼︎」

 

 

切歌の叫びと共に、その剣戟の方向性を完全に別方向へと飛ばした。

行先をズラされた翼とクリスはミサイルのブースターによって遠い場所へ飛ばされた。

 

 

「ゲンム‼︎、大丈夫?」

「…(ハート)がブレイクした以外は大丈夫だ、調君、切歌君」

「えぇッ‼︎、彼奴らに酷いことを言われたんデスか‼︎」

「……友を友だと思いきれなかった自分が、自分をブレイクしたので…関係はないですよ」

「「???」」

 

 

ゲンムは何故落ち込んでいるのかが分からない二人、一方でゲンムは自分自身の心に向き合って静かに自問自答し始める

 

 

ところで、何故この二人がこの場所に来れたかというと…

 

 

『調ッ、ゲンムの戦闘機モドキがウェル博士加えてキタデスッ…ドラネコデースッ』

『切ちゃん、その表現の仕方は危ない』

『デ、デース?』

『うん、そうだね…ゲンムが帰って来ない』

『センモドッ‼︎、私達をゲンムのところに連れていくデースッ‼︎』

『…お願い』

 

 

という訳である。ウェル博士の発言が一言もないのは、コンバットゲーマーが遊んで『恐怖の錐揉み大回転〜命の実感〜』を行ったため、失神しているからである。

二人運ぶのは重量オーバーだが、ただ滑空するだけなら問題なしと判断し、運んできたコンバットゲーマーは何処か誇らしげである。

 

 

「ッゲンム‼︎待ちやがれッ」

「……勝負は君たちの勝ちだ、一つ教えておこう……後少しで立花響は完治する」

「…ッ‼︎、どういうことだ‼︎…」

「…あのウイルスは彼女にとっては薬だったということだ」

 

 

ゲンムはそういうと、手に取り付けていたバグヴァイサーで地面を打ち砕き、土煙を上げた。

煙が完全に消える頃には、切歌と調も合わせてこの場から消え去っていた。

 

 

「だーッ‼︎、くっそ…おっさんすまねぇッ‼︎、逃した」

『いや、クリス君が無事なら良かった…それにしてもゲンムが言ったことは本当なのか?』

「…本当だと思われます、叔父様」

『何⁉︎』

「この間のクロノスとの果し合いで…彼が去るとき、立花の容態は安心していいと…そう言ったのです、私は…その言葉は聞き間違いかと思い、報告してませんでした…すみません」

『…そう思ってもしょうがない、今でも死にかけている事には変わりのない響君が、大丈夫な訳がないからな』

「ッて、事は何だ?…あのバカ助かるのかッ‼︎」

『分からん…完全に未知の異端技術だからな…思わぬ落とし穴が有っても可笑しくはない…取り敢えず二人とも本部に帰還してくれ』

「「了解ッ‼︎」」

 

 

かくして、この戦いはゲンムの宣言によって、二課装者達の勝利で終わった。

…ゲンムが敗北を認めた理由がイマイチ不明だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、フィーネのアジトでは。

 

 

「ゲンムッ‼︎、何なんだあれは‼︎、僕を殺す気かッ⁉︎」

「それは私ではなくてコンバットゲーマーの遊び心がそうしたのだろう…良かったじゃないか、度胸がついて」

「急にエンジンが止まって海にめがけて垂直に落ちていったとき、走馬灯が見えたからなッ⁉︎」

 

 

矢鱈ハイテンションなウェル博士が終始苦言を申し立てていた。

その様子をジト目で見るザババ神の聖遺物のシンフォギアを持つ二人は、このトンデモまだ言っている…といったような事を思ってた。

 

 

「というか…治したのかナスターシャ教授を」

「治したさッ‼︎、なんたって英雄だからねッ」

「それは理由になるんデース?」

「……ならないね切ちゃん」

 

 

マリアの命令がちゃんと通ってるのか確認したゲンムは…もう一つ気になっていたことを口にした。

 

 

「なら、ナスターシャ博士達は何処に?」

「…チッ、世界を救う手段の顕現の為の準備をしにいきましたよ」

 

 

その言葉を聞いたゲンムは内心落ち込んでいた心がほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その頃奏と響は〜

 

リディアン音楽院で席に座って黄昏をじっと眺めている天羽奏……外から何やらバタバタと走る音が聞こえてきた…

 

 

「奏さーんッ、奏さーんッ⁉︎」

「ん、響か…?」

「私と未来とでデートすんですけど、奏さんも翼さんと一緒にデートしません?」

「ダブルデートの誘い?」

「もちのロンです‼︎」

「いいぜ、場所と日時は?」

「次の休みの日、スカイタワーで‼︎」

 

 

突如登場した響と突拍子のない言動はいつものことなので、奏は慣れた。

 

そして響からの提案に翼と微妙に離れてしまった距離を埋められるかもな…と思い、その誘いに乗った

 

着々と次の休日の予定を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、とある海上の上にて…

フィーネは其処に居た。いつもの輸送機の中から機械を操作して、ステルス機能の大元でもある…神獣鏡を使用し、ある巨大聖遺物を起動させようとしていた。

 

 

「聖遺物由来のエネルギーを中和する神獣鏡の力を以ってして、フロンティアに施された封印を解除します(…恐らく駄目なのでしょうが……)」

「あぁ、やっと…やっとその姿をこの目で見れるぅ…(その時こそがッ、僕が英雄になる第一歩ッ‼︎)」

「(……もし無理なら、その時こそが私のリカバリーを見せるときだ)その偉業、私にも見せてくれてありがとう、ナスターシャ教授?」

 

 

三者三様の思惑、発言をしているナスターシャ教授、ウェル博士、そしてゲンム。

そして、海中に奥深くに封印されているフロンティアに目掛けて、神獣鏡の魔を払う光が放たれた。

瞬間、海上から気泡が溢れだす。

 

 

「これで封印が解けるぅ……解けるぅ………解け…………?……解、けない?……解け、解けない…」

「やはり、解けませんでしたか…」

 

 

だが、それも短い間…気泡はすぐに収まった。

 

 

「どういうことだッ‼︎、何故解けないッ‼︎」

「…出力不足か?」

「……ゲンムの言うとおりです、機械的に増幅された力ではフロンティアの封印を解くまでには至らないと言うことでしょう…」

「…なんだってッ」

 

 

そこでナスターシャ教授が語った言葉にウェル博士は反応した。

 

 

「そんな事…予備調査に来ていた貴女は、聖遺物の権威である貴方は知っていたはずだッ‼︎、貴方は最初からこの実験で我々に世界を救う力をないことを知らしめるためだけにやったってのかッ‼︎」

「(…もうこれ以上、マリアに負担をかけないほうがいいはず……すみませんマリア)…それだけではありません、米国に本腰を入れさせて動かさせるためです……私達がこれだけの騒動を起こせば米国政府もきっと動いてくれるでしょう『無いな』…ッゲンム、貴方は何を言ってるのですッ」

 

 

ナスターシャ教授が自身の真意を話している最中に、待ったをかけるようにゲンムが声を上げた。

 

 

「……ゲンム?、マムの話はまだ終わってないデスけど…」

「よろしい説明しよう、時間を省くために略すぞ、君たちのマムは自分一人を犠牲にして世界を救おうとしていただけだ。」

「ッ…ゲンム、分からないから教えて」

「駄目だ、だが一つ事実だけ、このままだとマムも君達も犬死だ」

「そんなの嫌よッ、何も残せないまま死ぬなんて…」

 

 

ウェル博士はゲンムの解答に…少し笑いながらじっと見ている…

 

 

「なら、私から提案がある」

「聞かせてくださいッ‼︎、ゲンム…君自身の英雄的発想をッ‼︎」

「神獣鏡の奏者を作る…それが最適解だ」

 

 

そして、あっさりとその答えがでた。




……、次回をお楽しみに


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ステージ13/幻夢TRICKVENT

ほんじつのしょうせつもじすつは5500近く。


お楽みください


 

 

 

『ドガミ…この際だからはっきり言おう、僕はこの作戦に賛同は出来ない』

『ヴェェ゛ハハァハハ、君が賛成するかどうかなんて、今の私にはどうでもいい……これが正しいと思って突っ切るだけだ、君は非道に手を染めることが嫌でもな』

『違う、そういう意味じゃない』

『???』

『お前以外にもヤベー奴がいるんだよ…立花響に異常な愛情がある奴が』

 

 

〜とある一日の会話〜

 

 

時は移って響達のダブルデート当日。

彼女らは、スカイタワーで待ち合わせした。

 

 

「…立花遅いな、奏」

「あーあ、響…また目覚まし壊したのか…」

「ハハハ…響がごめんなさい」

 

 

だが、肝心の立花響が来てなかった。

…衝撃的な事に、彼女は目覚ましを壊す程の力を身につけているらしい。

融合症例の障害の一つなのだろうか?

 

 

三人が遅れていない響の話をしていると、一人の男がスカイタワーに入っていくのが見えた。

 

 

「ん、あれは…」

「おー、天崎じゃん、久しぶり?」

「(気を使ってるのか、使ってないのか…)お忍びできているんですか?、金谷さんに……燕さん?」

「(…この人何言ってるのかな、こんな人が響と親しいのはおかしいと思うの、ねぇそうだよねイマジナリヒビキ?)…天崎さん…名前が…」

「…態々変装してあるのに、言う気になれませんよ」

 

 

天崎だった。

天崎は気を使って、奏と翼の名前を別の名前で呼んだとき、妙な感覚が背筋を通ったので、目の前のヤベー奴がまたヤベー事を考えてるなと実感した…ヤベーイセンサーは絶好調である。

さて何故天崎がここにいるかというと…

 

『Fromドガミー要件。明日スカイタワーにこい。バグヴァイザーⅡを持っていつでも戦えるようにしてね★』

 

ということである。

ちゃんと暗号化されていたので、解いてみたらこれである……ドガミは頭が言い分そのぶん言動がヤベーイ事は理解していたので…5秒だけ固まるだけで済んだ。

初めて小日向 未来(ヤベーやつ)に会ったときは1分程固まった。

 

 

「…まぁ、今回は普通に観光なんですけどね、曲の題材探しじゃなくて」

「え、マジでッ‼︎」

「一応、美味しい料理を提供する店をリストに纏めてあるんですよ…リスト・オブ・グルメとかそんな感じの名前で」

「…その名前は如何なものだろうか…?」

「(……なんか響みたい……もっと警戒しなくちゃ)私もそう思います、翼さん」

 

 

天崎のネーミングセンスに疑惑の声が上がりはじめると、走ってくる音がした、

 

 

「すいませぇぇぇぇぇぇんッ、遅れましたぁぁぁぁッ‼︎…あ‼︎」

 

そして転んだ。

 

 

「ぐほぁッ‼︎…」

 

 

立花響が物凄い勢いで天崎の背中にCRITICAL DEAD‼︎

そのときの天崎の声が、周りにはエコーがかかっている様に聞こえたらしい………南無三

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方スカイタワー内部では、ナスターシャ教授がマリアに車椅子を押して貰い、待ち合わせの場所に向かっていた。

 

 

「…マリア、大丈夫ですか…無理は…」

「…マム、たとえ無理だとしても諦めてはいけないのよ……私達には、あのライブからもう後戻りは出来なくなっているのよ……なら道を切り開くしかないじゃない」

 

 

長い廊下を二人は歩いて行った。

ナスターシャ教授とマリア、二人の役割を果たすために。

 

 

 

 

 

『いいか、振りではないからな…余計な真似はしないでくれよ…したら失敗する…いいな』

『駄目ですか?』

『……切歌君、調君、このメガネ掛け縛って寝かせといてください』

『了解デースッ』

『分かった…』

『やめろぉぉぉぉ、英雄の邪魔をするなぁぁぁぁぁぁッ』

 

 

 

 

「(………ウェル博士に対してまだ警戒は必要ですが……なにも)マリア…もとはといえば私が出した錆、貴女だけが緊張する必要はありません…」

「…気遣いありがとう、マム」

 

 

どうにも、ナスターシャ博士の回想で締まらなくなってしまったが、ここで天崎の方へ戻そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイタワー、ゲームセンターエリア…にて、あの五人はというと。

翼は奏と一緒にホラー系ガンシューティングゲーム、響は何かが燃え上がったのか、格闘ゲームの特殊ルール『倒れるまで』でドンドンスコアを伸ばしていき、未来はそれを見る振りして響のいろいろな表情を隠し撮りしたり……残る天崎は

 

 

「………トイレはどこかのぅ…」

 

 

お爺ちゃんの変装をしていた……なんかはたから見れば探偵にも見えなくはないが、腰をぷるぷるさせながら杖を使って歩いてるので、お爺ちゃんに見える

 

響が背中に激突したときに、思いっきり背中を痛めてしまい…歩くとき痛くて猫背になってしまうようになってた。

幸い、背中の痛みはもうとれたのだが、そこから次の曲は祖父に対する思いの歌にしようと思い。このような格好をしているのである。

 

因みに、響は天崎の背中に激突したことに気づくと、勢い任せに御免なさい、許してザムライッ‼︎と、大声で叫び赤っ恥をかいたらしい。

 

 

(……結局僕はなにすればいいんだ?)

 

 

そう考えていたときに、スマートフォンが鳴った……画面を見てみると携帯のアプリではなく、ドガミが作ったスパイゲームのアプリから着信されている。

 

 

「もしもし…要件はなんじゃ『…すみません、そのケータイを落としたものですが』…冗談、僕だよ」

 

 

通話先から舌打ちが聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…マム頑張って……彼等を騙して……そう静かに願っているマリア。

今現在、ナスターシャ教授は米国の秘密部隊と交渉をしていた

昨日のゲンムのアイデア……マリアにとっては気にくわないものだったが……感情論だけで自分達の将来を決めるわけにいかないわね、といった感じでそのアイデアに乗った。

 

 

「…これが今までの聖遺物の研究成果です」

 

 

そして、交渉が終わりに近づいた。

その手にしていたデータチップを目の前の黒服サングラスの男に渡すと……銃を突きつけてきた。

 

 

「ッ‼︎(本当にゲンムが言った通りになりましたね…)」

「私達が欲しいのは、このデータだけなのでね……貴方方には消えてもらおう」

 

 

ゲンムの予想通りになった事に、驚いたナスターシャ教授は、車椅子に備え付けていたボタンを押した。

 

 

 

瞬間、スカイタワーに爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏達はお土産屋のある階層に向かってる間、響達は水族館エリアにいた………響が展示されている海老をみて、今日の晩御飯はエビにしようと考えていたら

 

 

地鳴りのような音が下の階層から発生した。

 

 

「……え、今のって……ひょっとしてッ‼︎」

「響?」

 

 

響はその音が、何かが爆発する音だと気づき非常階段を登って上のフロアへと向かった。

小日向 未来もその響の真剣な表情を見て、それを脳内のアルバムに収め、響を追いかけてると、外の風景がよく見える窓に辿り着いた。

そこから見える風景は、あからさまにやばかった。タワーの下の方で大量の煙が登っていた。

周りの人も段々とそれに気づき始め、パニックがあちらこちらで起こっている。

 

 

「皆さん大丈夫ですッ‼︎、落ち着いていけば助かりますッ‼︎」

「ッ…未来、避難誘導を‼︎、私はこのフロアを担当するから、未来は上を‼︎」

「うん、任せてッ‼︎」

「…え、君達…手伝ってくれるのかい!」

「はいッ、このフロアは私に任せてくださいッ‼︎」

「そうか、ありがとう…君はとても優しいんだね、私も上に行く、そこの白いリボンの子もそれでいいかい?」

「はいッ‼︎」

 

 

そういって響はこのフロアに残り、未来は警備員と供に、上の展望台フロアへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…輸送機の中で待機している人達は

 

 

「…調、このカタツムリは食べれるんデス?」

「…食べれるみたいだけど、勇気が……ウェル博士食べます?」

「………僕を使って毒味させないでくれるかな?」

「死んでも誰も気にしないから別にいいデス……ハッ、Deathデースッ‼︎」

「切ちゃん、寒い…」

「ガーンッ……デース」

 

 

ゲンムが持ち込んできた食材の確認をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方マリア達の方はというと、

 

 

「何だ、その異端技術はッ‼︎」

「(ゲンム…貴方は何処でこんな技術を…)見てわかりませんか…バリアです」

「分かるかッ‼︎」

「(……でしょうね、私も分からないから)これが、私達の技術……貴方達はもっと利口だと思っていたけど…買い被りが過ぎたようね」

 

 

ナスターシャ教授の車椅子を中心として白っぽい光の壁が囲んだ。

マリアとナスターシャは前もって聞いていたとはいえ、此処までの効力があるとは思わなかったのか、内心驚いていた。

特に、マリアの方は前もってゲンムに渡された台本通りの言葉を黒服が叫んだため、尚更驚いている。

 

 

「我々が阿呆だとでも言いたいのか‼︎、別働隊を集めろ、取り囲んで一斉射撃だッ‼︎」

「馬鹿のひとつ覚え、日本にはそういうことわざがあるって聞くけど…今の貴方達がまさにそれね……それと仲間は来ないと思うわよ(…やだ、何だか楽しくなってきたわ)」

「何だとッ」

「今頃、ゲンムの仲間が全員縛り上げているんじゃないかしら?」

 

 

 

その時、どっかでパロスペシャル(柔らか目version)を決めていたクロノスがクシャミをして、力の加減をミスった。

 

 

 

「…我々を完全に出し抜くだと……そんなバカな…」

「逆に言うわ……いつから私達が貴方達より劣っていると決めつけていたの?……とんだ、勘違いだったわね(ふふ、ひょっとして私は女優もいけるかもしれないわね?)」

「……………なら、このタワーを爆破するッ‼︎」

「…………(え?)」

 

 

そういった黒服は懐から、何かのスイッチを取り出した

 

 

「そ、それも無駄なことだと思うわね(ゲ、ゲンム、聞いてないッ‼︎、私こんな展開聞いてないッ‼︎)」

「(……少し手助けしないとまずいですね)……フィーネ、相手を刺激するのはやめてください、そしてあなた方は……まだ諦めていないのですかッ」

「ナスターシャ教授、貴女が止めてももう無駄だ‼︎、例え何度でも蘇るフィーネでも、一度死んでしまえば条件が整わないと蘇れないッ‼︎………私達もろともここで『話が長すぎたのが君たちのミスだ』ッ‼︎、ぐぁッ‼︎」

 

 

男が持っていたスイッチが紫色のエネルギー弾で壊された。

振り向いた先を見ると……

 

 

「待たせてすまない……作戦は成功したァ…」

 

 

一人の少女を俵担ぎしたゲンムがそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

響は避難誘導を始めた階から、下10階の展望台から下の風景を見た。

 

 

火災など起きていなかった。

 

 

 

 

 

〜昨日の会話〜

 

『それで、小日向 未来なら神獣鏡の装者になれる可能性が高い……貴方の言ってる事が本当だとして、どうやって小日向未来を連れてくるの?』

 

マリアはゲンムの変わらない主張を聞いて、敵意剥き出しでそう発言した。

 

 

『簡単な話だ……明日の休日、小日向未来、立花響、風鳴翼、天羽奏、この四人がスカイタワーに向かうらしい………そこで偽のボヤ騒ぎを起こして、小日向未来を分断する』

『……どうやって?』

 

 

ゲンムに調がそう聞くと

 

 

『窓ガラス一面に偽の映像を流す……神獣鏡は周囲の風景に溶け込む機能がある……それなら偽りの風景を投影することも出来ないことはないと思ってね……映像は徹夜して作った』

『ナスターシャ教授、聖遺物は貴女の担当……此処まで僕を騙していたんだ、正直に答え「可能です」、「やはりな、それとウェル博士、君に発言する権利はない」………』

 

 

余りにもあんまりな扱いに……ウェル博士は変顔を披露するしか無かった。

 

 

『で、でも……誰が攫ってくるんデスか……それに、これは本当に正しい行いなんかじゃ…』

『正しくはない…その感性は君達にとって重要なものだよ、それこそ栄光の様な夢を手に入れるためにね……攫ってくるのは顔が割れてない私がやる……後はマリアさんの決断次第です』

『ッ‼︎…………私は……』

『マリア……もう良いのです、全てをお話しします』

『ナスターシャ教授…全てとは?』

 

 

そこで武装組織フィーネの根底が覆る話を聞いてしまった。

マリアはフィーネの魂を全く受け継いでいないことを知ってしまった。

 

 

『……びっくり…』

『お、驚きデース………』

『マリアッ‼︎、貴女まで僕を騙していたのかッ‼︎、なら君に組織を率いる責任はないッ‼︎、…この英雄たる僕が「はい、英雄は黙って寝てくれ」ッグヘェッパ‼︎』

 

 

また変な事を言い始めたバカを、ゲンムは鳩尾に一発入れて気絶させた。

調と切歌は黙ってマリアの方を見て…

 

 

『なら、良かった…』

『そうデース、私達はフィーネだから言う事を聞いていたんじゃなくて、マリアだから言う事を聞いていたんデスッ‼︎』

『…調…切歌………ありがとう』

 

 

マリアは二人の発言に……感動し、顔を見せられなかったが涙を少し流していた。

 

 

『……なら組織の代表はナスターシャ教授でいいですか?』

『えぇ…構いません、ただ攫うだけにそこまでする必要があるとは思えませんが…』

『……あぁ、説明が途中で終わっていましたね、この作戦の最大の目的は……彼奴らに決定的な証拠を残させる事ですよ』

『?……どういうことです?』

 

怪訝そうな顔をするナスターシャ教授に対し、何か覚悟を決めた様に話し続けるゲンム

 

『交渉する場所はまだ決めてませんでしたよね?、ならスカイタワーにしてください』

『ッ‼︎、待てゲンム、民間人も巻き込むつもりかッ』

『…向こうにどうしようもない証拠を残させて、作戦終了後の君達の安全を保障させるためでもある………何より君はまだ歌いたいのだろう?』

『それは……』

『なら、やってくれ……何もマリアさん、貴女一人のためじゃない……調君や切歌君の為でもある…演技しやすい様に台本も作る……できるだけ彼奴らをスカイタワーに残してくれ……その隙に彼奴らを気絶させて日本の二課に捕縛させることができたのなら……決定的な証拠になる』

 

 

そう言ってゲンムはマリアとナスターシャの顔を交互に真剣に見つめた。

 

 

そして、今日に至った。

 




トリックだよ、(某どんとこい教授感、)


次回もお楽しみにー


因みにこの小説を書く際の悩み事は……ウェル博士の口調とドガミの口調が若干かぶることだ……


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ステージ14/オチルオチルドコマデモ

破滅の足音が聞こえていく………


そろそろファンから怒られても文句言えない様な気がする……でも、これが最適解なんだ…


「響ッ‼︎」

「奏さん、未来はッ」

「翼も探してくれているが、見つかってねぇ……それどころか、他国の特殊部隊があっちこっちで、たおれていやがる…」

「えぇッ‼︎…いったい何が起きていんですか……?」

 

 

奏と響はいなくなった小日向 未来を探していた。警備員と一緒に行っていたことが分かっていたので直ぐに合流できると思ったが……

 

 

「(携帯ならまだしも、二課の通信機が全く繋がらないのはおかしい……いったい何があったんだ…?)…、響もっと探すぞ、クリスもこっちに来ている」

「クリスちゃんも……そっか」

 

 

クリスも一緒に探してくれることに…自分にも大事な人達が、自分を助けてくれる人達がいる事に嬉しさを感じる響。

 

 

「(…あの子は私のやっていることが偽善だというけど……これが偽善だというならこれでいい……自分の気持ちを偽らない為にも、私はこれを貫いてみせる『どうやら迷い(パズル)は解けたみたいだな』)ッ‼︎」

「お、おい響?」

「…また、あの声が……(『…なら、後もう少しで…お前にプレゼントが…届くぜ……そのときが…お前のニューステージだ……』)ま、待って貴方の名前って……」

「響ッ、大丈夫かッ⁉︎」

「…大丈夫ですッ、けど、話しかけてもらったのに途切れちゃったよ〜……プレゼントが届くとか…そんなことを言ってたけど…ッ、今はそんなことより未来をッ」

 

 

奏は若干呆れ顔でその話を聞いていたが、未来という言葉を聞いた途端顔が引き締まった。

その時翼からの通信が入った。

 

 

「ッ、翼見つかったか⁉︎」

『いや、だが一人だけやけに重傷な特殊部隊員を見つけたッ、そのままにしておくと危ない可能性がある、すまないが私はこの人を連れて行くッ』

「分かったッ…」

 

 

自分が期待していた要件ではなくて、少し気を落とす奏、頭を下げる様を見て未来がまだ見つかってない事を悟る響

そこに一人の人間が歩いて近づいて来た。

 

 

「…あのぅ、どうかしましたかの?金谷さん…響ちゃん?」

「…天崎さ『そうじゃよッ、天崎ジイチャンじゃよッ⁉︎』あ、はい…いやッ、未来を見ませんでしたかッ」

 

 

響はこっちに気づいて来た天崎…爺ちゃんに対してそう聞いてみたが

 

 

「はて…?、何かあったのかの?…特にみておらんのぉ〜」

「…そうですか、すいません」

「………まぁまぁ、そう気を落とさないで…わ…僕も探すから」

「(いま、わしっていいかけたな)、そうか、なら一階を頼む………あたしらはもっと上を探すからさ」

「(…演技しすぎたな…若しくは役にはまりすぎたか…)わかりました…降りながらも一応探します‼︎」

 

 

そう言って天崎は下の階層へと降りていくのをみてから、二人は上の階層へと向かった。

 

 

「(……間も無くやってくる雪音クリスの相手をしなくてはならないようだな……)……ドガミ……言われたことはやったぞ」

『あぁ、ありがとう……それとあともう少しで完治するぞ』

 

 

なら良かったと、誰もいない階段を降りながらそう告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?ここは?」

「目が覚めたのね…まずはごめんなさい」

「ッ‼︎、歌姫マリア⁉︎」

 

 

小日向 未来は輸送機……いや、エアキャリアの中に移動されていた。

周りを見渡すと、マリア以外に三人のメンバーがいるのが見えた。

 

 

「私を攫ってどういうつもりなの……」

「いやいや、ゲンムはちゃぁーんと仕事をしてくれたみたいですねぇ?、マリア」

「………えぇ、そうみたいわね…未来って言ったわよね?、セレナに似ている貴女にこんなことを言うのは嫌だけど、貴女には二つの選択肢があるわ」

「(セレナ?)二つの?」

 

 

二つの発言に疑問を浮かべる未来………考える暇も与えさせないように、白い服を着た男が近づいてきた。

 

 

「一つはこのまま拘束され続けること…ふたつ目はシンフォギアの奏者になることです」

「ッ‼︎、シンフォギアの‼︎」

「神獣鏡って言う聖遺物のシンフォギアですよ………しかしさっき測って見たときは驚きましたよぉ……神獣鏡の適合係数が高いなんて、これなら私の力で後押しすれば奏者になれます…」

「……何が目的なんですか?」

「聞いていませんか?、世界の救済ですよ……その様子だと二課は君に正しい情報を与えていないようですね?」

 

 

世界の救済、その言葉を聞いた未来は顔を下げ………途端、深淵の様な目を男に向けた。

 

 

「ねぇ?そんな事で私と響の仲を邪魔したの、最近貴方達のせいで響の笑顔が曇ってばっかり、あのゲンムとかいうやつはどこにいるの?、響にあんな事をしといてなんで生きてるの?、私が殺してあげるから連れだしてくれない?」

「分かった、落ち着きましょうレディ、そんな目はしてはいけない」

 

 

これにはウェル博士も真顔でそう答えた。

 

 

 

 

 

 

クリスは全力で走っていた……思っていた以上に近い場所にいたからだ。

なぜ近くにいたかというと

 

 

「(なんか仲間外れにされた様な気がしたらこんなことが起きるなんてな)……待ってろよ小日向ッ‼︎」

 

 

まぁ、こんな理由だが。一人になるのに危機感を抱えるクリスならではの行動。それが功をこうして、いまここにきてる。

だが、周囲に異変が起きた事でそれが関わる。

 

 

『STAGE SELECT』

「ッ?…なんだッ⁉︎」

 

 

その機械音(マシンボイス)が辺りに響くと同時に…周囲の風景が変わっていき……見慣れない街の風景になった、いや普通は行けないと思う風景だろうか?

 

 

「…嘘だろ、おい?」

「嘘ではない、君の目の前にある風景はロンドンの街並みだよ」

「クロノスッ‼︎」

 

 

クリスが驚愕している間少しずつ歩いて近づいてきたクロノス…

クロノスは黙って、虚空に手を伸ばして

 

 

『ガシャコンマグナムッ‼︎』

「立花響がもう直ぐ完治するらしいからな……その最後の仕上げの為にも私は足止め役というわけだ」

「ッざっけんなよ、コミカル野郎ッ‼︎、とっととそこを退()きやがれッ‼︎」

 

 

クロノス対クリスの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

響達が階段を勢いよく登っている間に、ふと奏は足を止めた。

 

 

「奏さんッ‼︎、はやくッ‼︎」

「…響、ちょっと頼んでみようぜ?」

 

 

そういって奏が指さした先には監視室があった。奏が何しようとするのか理解した響は目を輝かせた。

奏は監視室のドアをご丁寧にノックした後からドアを開けた。

 

 

「やぁ、遅かったね?」

「誰だッ⁉︎『あの時の警備員さんッ⁉︎』はぁッ」

「そして、その正体は…『マイティアクションX‼︎』」

 

 

テンポよく、それぞれの反応をし男は腰につけたベルトにカセットを刺して、レバーを開いた。

 

 

『マイティジャンプ‼︎マイティキック‼︎マイティアクショーンXッ‼︎』

「仮面ライダーゲンムだ」

「ッゲンム、お前が小日向をどっかに連れ去ったのかッ⁉︎」

「そんな…未来を返してくださいッ‼︎」

「小日向未来は君達の所有物ではないだろう?、まぁ我々の物でもないが」

 

 

そう軽口を叩きながら、バグヴァイサーの銃口を周囲の簀巻きされている警備員に向けるゲンム。

 

 

「テメェ…何処までッ」

「話を聞いてくれるのなら素直に解放するさ……それが君達の仕事に対する報酬でもあるしね」

「…話ってなんですか」

 

 

敵意を剥き出しで響はゲンムを睨んだ。ゲンムは少し笑いながら

 

 

「君に挑戦状を申し込みたいんだ…立花響、君がいないとうまくいきそうもないからね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノスとクリスの戦いは、クリスの有利で進んでいた。

 

 

「ハ、あたしに銃での勝負を挑んだのが間違いだったな‼︎」

「(やっぱり銃での戦いは苦手だな…要復習だ)…実際少し後悔してるよ」

 

 

クロノスはそういってガシャットを取り出してガシャコンマグナムに刺した

 

 

『ガシャット‼︎キメワザ‼︎』

「(また変な技を使う気か‼︎)これでも食いやがれッ‼︎」

『GIGA ZEPPELIN』

 

 

クロノスがどんな変な事もしても、回避させないための広域攻撃をクリスは繰り出すが…

 

 

『TADORU CRITICAL FINISH』

「(技名をつけるとするなら『聖奇・ワンダランダ』とかか?)残念だからこれは撤退技だ…用事はもう終わったらしいからね?」

 

 

クロノスは銃で撃った所に魔法陣を作り出し、そこを通り抜けた。直後矢の雨が辺りを濡らした。

煙が晴れた頃にはどこにもいなかった。

 

 

「……ちくしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…本当に響は助かるんですよね?」

「えぇ、もちろんですよッ、その点で僕は嘘をつかないッ‼︎」

 

 

響達がこんな事をしている間も、残酷なひと時は近づいていたが…




なのでみんな許してね?


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ステージ15/You Are Heart?

ひびみくファンの皆様……怒らずに明日も明後日もみてください


 

 

 

………不穏な空気を振りきながら、響達は二課の潜水艦に帰還した。

 

 

「それで、ゲンムのやつはなんと言っていたんだ奏?」

「……こちらの秘蔵の装者と響との決闘…だってよ、しかもそうしなきゃ小日向未来を返せない…だそうだ」

「小日向がッ‼︎………だから立花はあんなに黙っているのか…」

「いやッ……それはちげぇみてぇだぞ……あのスクリューボール…」

「(えッ?)えッ⁉︎」

「(……まずったかなぁ?、パパとママが教えてくれた言葉、変らしいし…)…何でも、自分の中の何かと話をしているみてーだぞ?」

 

 

クリス達が話している間と件の立花は、目を閉じて直立不動の状態だった。

ただ、それだけなのに真剣さが伝わってくるような気迫があった。

その集中力を乱すわけいかないと思った司令は

 

 

「よし‼︎、未来君を助けるための救出作戦のためにも全員でトレーニングだッ‼︎」

「(ハァッ⁉︎)ハァッ⁉︎」

「(マリアに対抗できるようにしないとな)分かりました」

「(装者じゃなくなったとしても肉体の衰えさせるわけにはいかねぇな…)旦那?、あたしも全力で取り組むぜッ‼︎」

 

三者三様の回答、再び。

これに後から響も加わり、四人でゲンムから指定された日時までトレーニングすることが決まった。

 

 

「慎次、分かってるな?」

「はい、任せてください司令」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方エアキャリアのフィーネ達は…

 

 

「「ゲンム、あの人怖い」デースッ⁉︎」

「落ち着け君達、あれは一応人間だ」

 

 

未来に対する恐怖感を覚えていた。

 

 

「人間なワケ無いデースッ⁉︎、人間が一体どうしたら鉄格子を素手で曲げられるんデスかッ‼︎」

「愛だろ」

「愛ッ⁉︎、私が知ってる愛とは違う漢字だよねッ⁉︎」

「調君、君が思ってる愛は、愛する、恋愛の愛かな?……私が思い浮かべたのも同じだ」

「「愛で人があんなに強くなるわけがないッ‼︎」」

「いい加減にしろッ‼︎、さっきから何度同じことを言ってると思ってるッ、第一向う側にも映画みてトレーニングしただけでシンフォギア以上のパワーも手に入れた怪物がいるんだぞッ‼︎」

「「それこそが偽証ッ」デースッ‼︎」

 

 

ゲンムは混乱の極みに至った、二人をなんとかして宥めようとしている。

マリアは……『セレナかと思ったらセレナじゃなかった、邪神だった……セレナァ……』と呟いてショックの余り自室に閉じこもった……最近、調と切歌懐いてくれないから拗ねていたのあるが…

 

 

「(…面倒い……実に面倒い………ッ本当に面倒い‼︎…………子供をあやすことも彼の才能の一つに入れたほうがいいな)……なら私は危険な任務に就く」

「危険な任務?」

 

 

涙目で調がゲンムを見つめると………

 

 

「万が一脱獄させないためにも、小日向未来の監視ver.寝ずの番」

「「ゲンム、自殺するのはやめてッ‼︎」」

「心配は要らない………君達風に言うならば、それこそが不要ッ‼︎」

 

 

ゲンムは二人が必死に止める声を聞かずに、小日向未来の元へと行った。

 

 

「………君は私が憎いか?」

「ふふふ、そんなの聞く必要あります?」

「まぁ、そうだな……だからあんな約束事をした」

「……響を治したら、貴方を殺します」

「好きにすると良いさ、私の命一つ程度で彼らが進むならそれで」

 

 

そう言ってゲンムは冷やかに笑った。

 

 

 

「ゲンム、大丈夫?」

「あぁ、調君……少し良いかな?、ちょっと確かめたいことがある」

 

 

 

 

 

〜決闘日…当日〜

 

 

二課の潜水艦は決戦のポイントまで近づいていた。

 

 

「ッ、あの場所か⁉︎」

「けっ、御誂え向きの場所してらぁッ‼︎」

 

 

クリスと翼が見ているモニターには六角形のリングが見えていた。

 

 

「響、特訓の成果を見せてやれッ‼︎」

「はいッ」

「立花、常在戦場だ」

「……はいッ‼︎」

「正直…誘拐犯の言うことを聞く事は間違っている……響君の身体が聖遺物の融合で危険に晒されると思ったらすぐに止めるからな」

「大丈夫ですッ‼︎、もう、へいきへっちゃらですッ‼︎」

「………(生卵をジョッキで飲むとか…あれ特訓でいいのか?)なぁバカ、本当にあの特訓意味あったのか?」

「あったよ、クリスちゃんッ‼︎」

 

 

ちゃんつけるな先輩つけろ、内心クリスはそう思ったが場の空気を読んで言わなかった。

そうして、響は決戦のリングへと上がった。

 

 

 

 

 

一方、エアキャ(以下略)

 

 

「ふふ、待っててね?響…」

 

 

そう言って小日向未来はウェル博士とともに先に向かった。

 

 

「「ゲンム…大丈夫?」デース?」

「問題ないだろう、最悪が私が死ぬだけのようだからな」

「「問題あるッ⁉︎」デース⁉︎」

「ふふふ、本当この世の中どうなっているの?」

「ていうか、マリアさん…いい加減立ち直ってください」

「えぇ、マリア…彼の言う通りです、恋する乙女の力は無限大なのは当たり前なのですから」

「「「え?」」」

「……冗談です、忘れなさい」

 

 

檄を贈るよりも、恐怖を贈られた三人の心が悲鳴を上げていた……だが、ナスターシャ教授の冗談で幾らか平静を取り戻していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響はリングの元に辿り着いて、辺りを見回した。

いつ、エアキャリアがこっちに来るか分からないからだ。それに不意打ちしてくる可能性もある。

そう思っていたのに、普通にその姿を晒しながらこの場所にエアキャリアはやってきた。

 

 

そして、響が助けたいと思った親友が降りてきた。

 

 

『小日向?』

 

 

翼がなぜ未来が降りてきたことに疑問に思っていると……

 

 

Rei(レイ) shen(シェン) shou(ショウ) jing(ジン) rei(レイ) zizzl(ジー)

 

 

聖詠がその口から放たれた。

 

 

『おい、嘘だろッ‼︎、なんで彼奴がそんな物持ってんだ』

『…クソッ‼︎、そういうことかよ…だから小日向を』

『響君‼︎、戦わなくていい戻って来いッ』

 

 

 

司令官である弦十郎は響が未来と戦わせるのをやめさせようとしているが

 

 

「いやです‼︎『響君‼︎』師匠‼︎、大丈夫ですッ………私の中にいる誰かが多分そうなるって言っていましたから『何だとッ⁉︎』」

 

 

響はこの事を前から理解していた……自分の中にいる誰かによって

 

 

『響君⁉︎、君の身体が本当に治っているか分からないッ、だから戻「師匠ッ‼︎………此処が私の正念場なんです、見ててください」……分かった、身体に何らかの異常があったらすぐ辞めやせるからな「……多分異常は起きるって中の人は言ってます」……響君、中の人にそういう事は前から言って欲しいって「すいません、師匠に伝えておいて欲しいって中の人に言われてました」響君、戻ってきたら説教』

「(旦那が「(叔父様が「(おっさんが「(司令が真顔になったッ⁉︎)」」」」

 

 

普段目にしない司令の真顔に一同は驚いた。肝心の司令の脳内では、響君に話し方の特訓もさせた方がいいかもしれん、と考えていたりする。

 

そんな様子を見ていて、ちっとも慌てふためかない響に舌打ちするDr.ウェル。

 

 

「いやはや、まさかルナアタックの英雄が周りに此処まで頓着しないとは思いませんでしたよ……随分と酷い外道ですねぇ?」

「……これは中の人からの発言だけど…『白髪ハゲカケは(ブレイン)がおかしいのか?』……ごめん、勝手に出てきた」

「…はぁんッ‼︎、好きに言うがいいさッ‼︎、それでもそこにいる奴が自分の親友を手にかけることは変わらねーからなッ‼︎」

「…響……」

 

 

ウェル博士が遂に吹っ切れて、キチリ始めた頃、バイザーに閉ざされその目が見えない未来が唐突に響の名を呼んだ。

 

 

「未来…」

「響は偽善って言われて苦しかった?」

 

 

そして響に質問し始めた。

 

 

「…苦しかったけどしょうがないよ、私の思いは行動しないと伝わらない、次会ったときは助けるよ…例え敵だとしても」

「響は自分の命を無くしてまでも誰かを助けたいの?」

 

「最近まではそう思っていたけど…中の人に自分の命も救えない奴は他の命を救う資格がないって言われたんだ、だからちょっと考えてる」

「響は何で私の気持ちを考えないの?」

 

「未来の気持ちも教えてもらわないと本当の意味で伝わらないよ」

「響はどうして奏さん達ばっかりかまってるの?」

 

「…ごめん寂しい気持ちにさせていたんだね?」

「響は響は響は響は響は響は響は何で………こんなにも愛してるのに……私の気持ちに気づいてくれないの?」

 

 

その質問に響は固まった。空を見上げた後、未来の方を見て深呼吸をした。

 

 

「…スー、ハー、私も自分の感情がよく分からないんだ、だから未来を思う気持ちがLIKEかLOVEなんか分かるはずも無いよ……未来は本当に私を愛してるの?」

 

 

その正直な言葉に、場が凍りついた。

 

 

「ヒ、ビキ?……ヒビキ?」

「(あ、これヤベー奴じゃねぇぇぇぇぇぇかぁぁぁぁッ、離れないと死ぬゥッ)わ、私は一応下がらせて貰いますよ…」

「未来……納得いかないっていうなら、気がすむまで喧嘩しよう」

 

 

その言葉を聞いた途端、未来の顔に笑みを浮かび上がった。

 

 

「ヒィィビィィキィィィィィッ‼︎」

「行くよッ、未来‼︎」

 

 

そして喧嘩が始まった。

 

 

 

 

 




マジでお願いしますッ‼︎


土下座マンになりますから…


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ステージ16/What's gear name?

喧嘩勃発……思ったよりヘイトが溜まることはなかったな。


『なぁ、分かっただろ?……僕が何でそのガシャットを欲しいのかが』

『……悔しい話だが、これは私の…遊び相手が使ってたガシャットだ…嘘で私を何度も勝ってみせたのだ…』

『…で?、それが逃走用にこのガシャット貰ってはいけない理由になるの?』

『……私が友人と呼んでもいいと思った相手のガシャットを、そんな理由で使って欲しくはない』

『……(悪いことしたな…)分かった』

『それとただ逃げるだけなら、タドルクエストを使えば可能だぞ、ワープで』

『それを早く言えッ‼︎』

 

〜ある一日の会話……この後パロス◯シャル〜

 

「ヒィィィィビィィィィキィィィィィィ‼︎」

「行くよッ‼︎、未来‼︎」

 

 

最初に仕掛けてきたのは未来の方からだった。

手にした鏡張りの扇を振るって響を弾き飛ばそうするが、響は両手を狭めて手甲で防御する。

そのまま回転し未来に対して蹴りを加えようとするも、地面を滑るように移動する未来には当てられなかった。

 

 

『閃光』

 

 

回避して直ぐに、未来は扇を丸い鏡の様に変形させ、そこから光弾を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なんか、凄い告白を聞いてしまったのだが…こういうときはどうすればいい…奏」

「いや、あたしにふるなし」

「…先輩、あいつらの痴話喧嘩は家でやれって言ったワケはもう分かんだろ…」

「ッ‼︎、雪音今何と‼︎」

 

 

余りの迫力に、つい心の中で言っていた先輩呼びをしてしまうクリス。

もう一度、もう一度、とせがむ翼に対し、今はそんなことしてる場合じゃねーだろと顔を真っ赤にしてぶちぎれていると、奏はふと気づいた。

 

 

「ん?、緒川さんはどこに行ったんだ」

「緒川には、ある事を頼んでいる」

「…ふーん、了解旦那」

「大変ですッ、司令」

 

 

そんな話をしていると、緒川さんが部屋の隅から突然現れた。

 

 

「調べは終わったのか?」

「はい、ですが了子さんの残したデータをサルベージしていたら神獣鏡のシンフォギアの特徴が載ってあったんですッ、響さんとは絶対に戦わせてはダメです‼︎」

「本当かッ、緒川さん‼︎」

「神獣鏡には魔を祓う力……聖遺物を分解してしまう力が有るんです、その力を今の響さんに使えば…どうなるかは不明…と書いてあったんです」

「ッ何だと‼︎」

 

 

その言葉は周りをざわめかせたが、勿論響のところまで届いていた。

 

 

 

二課の通信を聞いていた響は

 

 

「(だとしたら、当たらなければいいッ‼︎)」

 

 

そういう考えに至った。響は飛び交う光弾を躱す為に、大きく横に走り始めた。

未来は、走り出した響を追って鏡を響の方向に向けさせるが…戦闘経験の差か、鏡を移動させるスピードよりも、響が未来の背後に来る方が速かった。

 

 

「ッ⁉︎」

「未来ッ、痛いからねッ‼︎、…ハァッ‼︎」

 

 

思いっきり未来の横腹に目掛けて正拳突きを繰り出した。

遠くに吹き飛ばさせる未来を、響は悲痛な表情で見ていた。

 

 

「ヒー?、ビーキー?」

 

 

眼は隠されている為、響の事をどんな目で見ているか分からないが、顔は確実に響を捉えていた…そして

 

 

『歪愛』

「(ッしまった‼︎)」

 

 

脚部から無数のワイヤーパーツを伸ばし、響を手脚を捕らえた。

親友を傷つけてしまったことに対しての罪悪感が心をかき乱し、響に隙が生まれていたからうまくいったのである。

未来はそのまま、追加のワイヤーパーツを出し、それを円環状に繋げた。

未来は顔を下げると小さく呟いた。

 

 

「これで助かるよ、響」

「ッ⁉︎」

『流星』

 

 

輪となったワイヤーパーツから巨大な光線が放たれ、響を飲み込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間をエアキャリアで見ていたマリア達は…

 

 

「あの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖い」

「落ち着きなさいッ⁉︎調」

 

 

調がひたすら、未来に対して恐怖していた。

 

 

「切ちゃん…」

「大丈夫デス調、私はここにいるデスよ〜」

「……ねぇゲンム?」

「何ですか、マリアさん?」

「(…勢いで思わずこの二人への愛を語りそうになったわ…)あの言葉の意味って何なの?」

 

 

ゲンムはその言葉を聞いて、何かキョトンとした顔で…

 

 

「君はあの二人を長く見ているのに、まだ気づかないのか?」

「……え?、どういう事…」

「…すまないが質問の回答は後でする…そろそろ、私の目的の一つが達成されそうだからな」

「待って‼︎、待ちなさい⁉︎」

「待たなぁい……う゛、う゛ん…こればかりは待ってはいけないからな…ナスターシャ教授と共に自分の仕事はやってくれよ…」

 

 

 

ゲンムはそう言って、エアキャリアから飛び降りていった。

 

 

 

 

 

 

響の顔、未来の顔、二人の両親が運動会で響や未来を応援する姿、響の大食いが昔からであることの証明する光景など……此処には響の思い出がたくさんあった。

それが一つ一つ大事に額縁に飾られている。

 

その響美術館ともいえる場所に一人の白衣を着た男が立っていた…ただ白衣を着ているって言っても…その下に着込んでいる服のせいでコスプレにしか見えないが…

 

その男は映写機の光景が、紫の光が迫って来る光景になった事を確認すると、徐ろに目を瞑って歌い出した。

 

 

「ぶっ壊せ〜♪、突撃〜」

 

すると映写機の光景が変わって、赤い光が満たした。

 

「激突、パンチ〜…」

 

響の周りに現れているのだろうか?

ロボットのアームの様なパーツが響の周りを移動し始める。

 

「激突ロボッツ‼︎」

 

男が歌い終わると同時に、響の体が赤く発光した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?、何これ?」

『ギアのリビルト…だと?』

 

 

赤い光が完全に収まると響の片腕に拳状のパーツが取り付けられていた。

それだけではなく、ギアの所々にロボット的なパーツが追加されていた。

 

 

『拳のアームドギア…なのか?』

『いや翼、それより何で聖遺物を分解する光を浴びて響は平気そうなんだ?、緒川さん何か知らないか?』

『分かりません、ただ言えるのは』

『あのバカはもう大丈夫ってか?……よっしゃぁぁぁぁぁぁッ』

 

 

二課の通信でクリスが大喜びする音声が流れて、響は少し笑った。

響が未だにギアを纏っている事に、驚き唖然とする未来…そこに空からアクションコンバットゲーマーになったゲンムが降りてきた。

 

 

「言ったはずだぞ、もう完治していると…小日向 未来」

「……ゲンム?」

 

 

響は何故、ゲンムが降りてきたのか理解できなかった…すぐにその理由はわかるのだか。

 

 

「立花 響…完治おめでとう、そして回収させてもらおう」

 

そういって、戦いの余波でいつの間にか気を失っていたウェル博士を担ぐと同時に、手にしたバグヴァイサーで響から何かを抜き取った。

 

「ッ⁉︎」

「君のいう中の人を抜き取った……まだ必要だからな…そしてもう一言、小日向未来のギアをウェル博士が改造しているせいでか、脳に多大な負荷を生んでいる…彼女自身の力で彼女を攻略しないと最悪、君の親友が死ぬ」

『何だとッ‼︎』

「私もそうなると目覚めが悪いんでね…この情報は伝えておくよ…さらばだ」

 

 

ゲンムはそういうと空へを飛び去っていった。

響は自分の中の人に話しかけてみるが…返事は返ってこなかった。

 

 

♪私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ♪

 

 

「…本当にいない、ありがとうって、まだ言ってないのに…」

「ヒビキヒビキヒビキヒビキ?」

「ッ未来?」

「ヒビキ……ナンデ…ヒビキ?」

 

 

未来の言ってる言葉が可笑しくなる状況に混乱していると。

 

 

『響君、未来君の限界が近いのかもしれないッ‼︎』

「師匠ッ⁉︎」

『(ゲンムの言う事は今迄正かった…なら今回、ゲンムが言った事は…)…響君、未来君が繰り出す聖遺物の光を未来君自身に当てろッ‼︎、ゲンムが言ったことが正しければそれで助かるはずだッ‼︎』

「分かりましたッ‼︎」

 

 

その声に反応したのか…再び動き始める未来(393)、ホバー移動で響の近くに来ると響を捕らえたワイヤー攻撃を再び繰り返した。

 

 

「ッ、未来痛いけどごめん‼︎」

 

 

だが響は新しくなったギア?の機構……脚部の油圧式ピストン様なものを利用して普段より力強い蹴りを未来に当てる。

すると、未来が思いっきり吹き飛んだ‼︎

 

『えぇぇぇぇッ⁉︎』

 

 

藤堯の情けない叫び声が飛んだ。まぁ、そうだろう油圧式ピストンが蹴りと同時に作動して普段の蹴りの威力より上がったのだから…響は軽く蹴りを入れただけなのに未来を遠くに飛ばした事にビックリして、その足を地面に叩きつけてしまった。

瞬間、再びピストンが作動。

鉄で出来た舞台に穴が空いてしまった。

 

 

「うわぁッ…とととと…とッ?」

 

 

響は舞台にめり込んだ足を引っこ抜いたときに、その穴の中が見えた。そして、どうすればいいのか分かった。

 

 

「未来ッ⁉︎、こっちだよ!」

「ッ‼︎、ヒィィィィビィィィキィィィィィィッ‼︎」

 

 

響がそうやって両手をあげてアピールしていると…その声に反応した未来が一気に近くにやって来た‼︎

未来が近くにやって来るまでは響の計算の内だったが…未来は『混沌』の光弾を撒き散らしながらきたのは想定外だった。

 

 

「(だったら、この腕のパーツでッ)」

 

 

だが、今迄の戦闘経験がある響は光弾を右腕のパーツで、弾いていった。一つ一つ弾いていくと、すぐ近くまで未来がやってきた。

 

 

「ヒービキ?」

「(今だッ)ハァァァァァァァッ‼︎、ハッ‼︎」

 

未来を思い切り蹴り上げた、天高くエアキャリアの近くまで未来が舞い上がった。響もまた、強力になった脚力で鉄の地面を蹴り跳び、未来より高く跳んだ。

 

 

「(…あのとき穴から見えた光は紫の色をしていた……このリング自体に聖遺物を分解する光が集まっているんだ‼︎)だから、これで……」

 

 

響はそう言って、右手を思いっきり後ろに引いた、

 

 

「その聖遺物なんか、全部砕けて消えちゃぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェッ‼︎」

 

 

前に突き出した…左腕の鋼鉄の腕のパーツがとれ、とれた部分から火がつきジェット噴射が始まった。

そして飛んでいき、未来の柔らかい腹に突き刺さるように命中‼︎、そしてロケットパンチは地面に激突した後も止まらずに噴射を続けている。

 

 

「ヒビキ…ヒビキ…私ノ力デタスケルカラ……ウェル博士がそうすればタスカルッテ、言ッテイタカラ…」

「ッ‼︎」

 

 

そして、リング自体が衝撃に耐えきれなくなり…響が開けた穴からリングが崩壊した。

 

 

我流・機械流星

 

 

 

そして紫の光の中に未来は落ちていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……本当に、出来たのですね」

「ナスターシャ教授、この私の才能を疑っていたのかい?…だとしたらとんだ間抜けとしか言いようがないが?」

 

 

それはこの事件の最終章の幕開けでもあるのだが…




いかがでしょうか……オリジナル技は…

え?、オリジナル技じゃ無いだろって?
……そこは突っ込まないで


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ステージ17/Death The Crisis



ふふふ……これで山は乗り切った…はず……エンディングまで載せるぜ‼︎





 

 

立花 響が戦っていたリングの機能(ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤ&ゲンム(本名不詳)の共同制作…後害悪ジョン・ウェイン・ウェルキンドリゲス)には幾つかの機能が備わっている。。

一つは必要以上の出力をセーブし、小日向未来の容態を健康のままにするというもの…これはウェル博士によって必要以上の出力が常に出続けるようになっていたが…

二つ目は神獣鏡の光を機械的に取り込む事で、光を溜め込む事。

三つ目は溜め込んだ光を使ってフロンティアの封印を解く事。

 

尚、この一つ目のやった愚行の所為でゲンムの怒りをウェル博士は買ってしまった。

 

〜フロンティア事変の報告書作成の為のメモより〜

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ‼︎、嘘でしたごめんなさいぃッ‼︎」

「うるさいデス、とんでも」

 

 

突拍子も無くウェル博士は目を覚まし、切歌に速攻にディスられる……まぁ、当然である。

 

 

「…暫く一人にさせてください」

「いいデスよー、もう殆ど計画成功してるようなもんデス…でも、とっととコッチにこいデース、フロンティアの操作はお前にしかできないみたいデスからねー」

 

 

そう言って暁 切歌はエアキャリアの一室から出て行った。エアキャリア内部で足音が完全にしなくなった後……ウェル博士は人が変わったかのように、鉄の足場を思いっきり蹴ったッ。

 

 

「クソッ‼︎、あのゲンムとかいう男が来てから僕の英雄計画がうまく行かないッ‼︎」

 

 

ウェル博士は世界を救う気が無かった、いや、英雄になりたいというのは本心からの台詞だし、以前から変な様子は見えていたが……とにかく『フィーネ』が掲げるような世界救済の仕方では無いのである。

 

 

「(月の落下による、人口の大減少……そうすれば僕と言う英雄が全ての人間の管理が出来る……その為の(ネフィリム)手段(フロンティア)は先史文明の巫女が遺した………後は邪魔なシンフォギア装者をどうにかできれば、僕はヒーローになれたのに、あのゲンムという男のせいで…)」

 

 

ウェル博士はこの世界には人間が多すぎる……今までの英雄がどうしても成し遂げられなかった偉業、人間の完全支配を達成する為には支配可能まで人間を減らす、それがウェル博士が今回の作戦に乗った意義だった。

 

 

だが、ゲンムの所為で折角手にいれた力をまったく使う機会が恵まれなかった。

試運転する為にも、フロンティアやソロモンの杖を使いたかったところだったが……

 

 

「…………待てよ、ひょっとしてゲンムは……」

 

 

だが、英雄ウェルは挫けない。目の前の障害は持ち前の知性を持って突破する。

そして、英雄ウェルの輝かしい(愚かしい)一歩は訪れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…眠るような微睡みの中、君と喧嘩した…

 

…いつから私は響が好きだったんだろう?…

 

…陸上部の練習を続けるのが辛くなった時?…

 

…響が人助けを大事にし始めるようになった時?…

 

…違う、私が響の事を好きになったのは…

 

 

「…?此処は?」

「未来ッ‼︎、…大丈夫、私が分かる?、何処か動かない場所とか無い、手足に痺れとか『落ち着けッ、バカッ』あだッ‼︎」

 

 

二課本部の潜水艦、その中の医務室で小日向 未来は目覚めた……まだなんとなくぼんやりとした様子だった。

 

 

「?、あれクリスに、翼さん…奏さんまでいったいどうしたんです」

「…小日向……さっきの事は覚えてるか?」

「さっきの事……ッ‼︎」

 

 

奏が未来にそう尋ねたとき、頭の中にさっきまでの戦闘がフラッシュバックする。

それに気づいた途端、顔が赤くなっていくのを感じつつも心は絶望していた。

 

 

「………(………響に私の思いがバレた…振られた…終わった…)」

「………(…クソッ‼︎、なんて声をかけりゃいいんだよッ…パパとママの教えて貰ったことの中にもないし……)」

「………?(何故、皆は黙り込んでいるのだ?、小日向が助かったのだから、良いのでは?)」

「………(フォローしてやるか、この空気のままだと耐えきれないし)…どうやら小日向が纏ったシンフォギアには『未来』響ッ⁉︎」

 

 

天羽奏が無理矢理誤魔化そうとしようとしたとき、響が声をあげた。

 

 

「未来は私のことが好きなの?」

「………うん」

「そっか、なら良かったぁ…『え?』だって嫌われているよりは好きでいてくれる方がいいし、それに未来は私にとって大事な陽だまりなんだよ?」

「…気持ち悪いとか思わないの?」

「ぜーんぜん………だって、人が誰を好きになるかなんて、個人の自由でしょ?」

 

 

私も将来、未来のことが好きになったとしてもおかしくないし、と響は続けざまにいう中で小日向 未来は心の中にあった暗闇が晴れていく気がした。

 

 

「…はぁ、バカはバカか……でも、確かにあんまり難しく考えねぇ方がいいな……思い出の自己防衛だ」

「……奏、クリスの言ってる言葉は何故こうも独特なんだろうな?」

「そんなの大事な思い出の一つだからだろ?、翼の防人語だって十分に独特さ」

「何だとッ⁉︎」

「「いや、気づいてねーのかよッ⁉︎」」

 

 

言葉口調が似ている二人のツッコミが重なったとき、小日向や響達は笑った。

小日向は笑いながら、何で響の事が好きになったか思い出した。

 

 

「(あぁ…そうだった、響がこうやって周りを明るくする所が好きになったんだ…私は)………ねぇ、響?」

「なぁに?」

「私はまだ諦めないからね?」

 

 

小日向は少し圧を感じさせる笑みで響を見つめると

 

 

「うん、分かったッ‼︎」

 

 

響は柔らかい笑みで未来を微笑み返した。

 

 

……尚、この微笑みの所為で小日向未来が失神しかけたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

『…というわけだ、出来れば来い』

「いや、言ってる意味が分からない‼︎そこまでする必要はないだろッ‼︎」

『適切な計画の処理の仕方だ……それともこの私の才能を……疑っているというのカァぁぁぁぁッ‼︎』

「……あーッ‼︎、分かったよ‼︎、好きにしろッ‼︎」

 

 

ゲンムからの連絡があって、その内容に腹を立てながら、天崎は立ち上がり手にコートを持ちながら外に出て行った。

 

 

ドガミからの要請に応えるために…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…不思議…」

「確かにそうですね調ちゃん、マリアさんはどう思いますか?」

「…どうも何も、人類の救済は目の前にある、けれどこれでも上手くいかなかったら…」

 

 

小日向未来と立花響の二人の戦い……その戦いの舞台の機能は、神獣鏡の魔を払う光を貯めて解放することで…フロンティアを起動させることだった。

 

 

「……ところで切歌ちゃんは何処に?」

「切ちゃん、ならDr.を起こしに『待ってくれデース』…もう来るみたい」

 

 

声がしてから暫くすると、全速力で走ってくる切歌の姿が……見えるより先に脇の通路からDr.ウェルが来た

 

 

「ウェル博士?、そこのエレベータ使えたのですか?」

「…僕の作ったネフィリムリンカーでな、此処の施設をある程度コントロールできる……二課の装者も接近して来ているぞ…とっとと対応しろ」

「…どうします?、マリアさん……彼の言い方には問題がありますが…対処しないといけない…私が『調、切歌、いけるかしら?』『うん』、なら後は切歌君だけだね」

「…ゼーハー、私も、いい、デース」

 

 

マリアはゲンムの問いかけに答えずに、調と切歌に行かせることにした。

それを聞いた二人は早速迎撃にへと、走って向かった。

 

 

「で?、他の要件があるのではありませんか?…ウェル博士」

「…えぇ、貴方に確認を取っておきたいこともありますが…先ずはフロンティアを上昇させましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

ウェル博士が提案した、数十分後

場所は二課本部に戻る。

 

 

「何だッ‼︎」

「分かりません‼︎、ですが、海中から急に反応が‼︎」

「何よ、これ…大きすぎる‼︎」

 

 

二課の本部でもある潜水艦が潜水を強制的に辞めさせられた。いや、空へと浮かんだの方が正しいのだろうか?

 

二課の潜水艦の下から急に大地が出現した。その様子を見て緒川は、はっと思い出した。

 

 

「司令‼︎、了子さんか残したデータの中に海底に眠る聖遺物がありましたッ‼︎」

「何だとッ‼︎」

「これがそうなのかもしれませんッ‼︎、この聖遺物の名前は、フロンティア」

 

 

その発言とともに完全にその全容が文字通り浮かび上がった……それは遺跡のような外見をしているように見えるが、全体的な形は違う…まるでアニメや特撮で見るような巨大な戦艦を思わせるような形をしていた。

 

 

「フロンティア……こんなにでっかい聖遺物があるなんて」

「?…奴らが世界を救うために使うのはネフィリムではないのか」

「翼さん、その事なんですが」

「どーだっていいだろッ‼︎、兎にも角にも彼奴らのところに攻め込むぞ、てめーら‼︎」

 

 

けっせんじゃいッ‼︎、といった雰囲気で矢鱈とヤル気を出している雪音クリス……奏は後で知るのだが、弦十郎の映画トレーニングの成果だったらしい。

 

 

「なぁ、旦那?……お願いがあるんだけどさ?」

「何だ?」

 

 

 

 

 

 

 

人気のない部屋、マリアは先にコントロールルームに向かっていたのだが、ゲンムはウェル博士とある一室で待ち合わせをしていた。

 

 

「遅い……遅すぎるぞ……私を焦らすな゛あ゛ぁッ‼︎」

 

 

すると、部屋の一室が空きゲンムは開いた方向に顔を向けた。

 

 

 

そこには死神(ノイズ)の群れがいた

 

 

 






あ………さよならドガミ…




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ステージ18/決戦・風雲フロンティア

残りステージ数3,

また長い眠りにつくか





フロンティアの通路を歩く影が一人……その影は何か気になったのか、自分の腰に巻き付いていた装置を取り外して耳に当てた。

 

 

 

 

 

場所はいきなり変わって、二課潜水艦ドックルーム。

 

 

「……翼、サイドカーの取り付けは終わったか?」

「あぁ、勿論だ奏」

「お、おい先輩…安全運転でたの『全力で一直線に、突っ込んでください‼︎、奏さん‼︎』ハァッ⁉︎、おいやめろバカ‼︎」

「うし、分かった‼︎……じゃあいくぞ翼?」

「ふふ、こんなときに言う話ではないが……楽しみだな奏‼︎」

「待ってくれ、これ案外車体が低くて少し怖えーんだよッ‼︎、だから」

 

 

その声を無視するように二人のバイクに火がついた‼︎

 

 

「安全運転で、頼むわぁぁぁぁぁぁッ」

「フルスピードでぶっちぎりー♪イェーイ‼︎」

 

 

無視されたクリスは、急発進したバイクの動きについてこれず、首を一回後ろに傾けた後、叫んだ‼︎

対する響は陽気に歌いながら、笑っていた

 

 

『なぁ、ここまできたら迅速な対応が必要だと思うんだよね……だからさ、あたしらが使ってるバイクにサイドカーを取り付けてさ………敵陣に突っ込んでみても良いかな?』

『危険だ………といっても奏のことだ、無視するつもりだろうな…許可する……元々こちらも後で向かう予定だったしな』

「(………旦那は我儘を聞いてくれたし、もうこのまま響の言う通りに…)翼‼︎、もっとスピードを上げて突き抜けるぞ‼︎」

「分かった‼︎……すまない雪音耐えてくれ」

「〜〜ッ‼︎」

 

 

声にならない絶叫を上げながらバイクは進むのであった‼︎

 

 

 

 

 

時は少し戻って……コントロールルームにて……

 

マリアとウェル博士だけがその現場にいた。

 

「Dr.ウェル?…ゲンムはどうしたのかしら?」

「あぁ…彼は……今回の我々の行いがもう成功すると踏んでクロノスのところに戻ったそうですよ…彼が上司のようなものみたいでしたし」

 

 

…マリアはこれまでのゲンムの発言からそんな事を一言も言われていなかったが、確かにゲンムよりクロノスの方が強そうな見た目をしていたので一応納得し、少し残念に思った。…直ぐになぜ残念がっているんだ‼︎、私‼︎と自分で自分にツッコミをいれたが

 

 

「…それでDr.ウェル、フロンティアを浮上させると言ったけれども…いったいどうやって浮上させるの?」

「僕が作ったこの…ネフィリムリンカーでやるんですよッ‼︎」

 

話題を変えるためにもウェル博士にそう尋ねた。

ウェル博士は返答してキチエミを浮かび上げたまま、注射器を自身の腕に突き刺した……腕が不気味に脈を打ち、ネフィリムのような腕へと変貌した。

 

 

「それはッ‼︎」

「ネフィリムのようになるのは当たり前のことですよ…この腕がネフィリムと同じになったんですからねぇ……そして‼︎これをこう‼︎」

 

 

変貌した腕を球体状の操作装置に突き出したウェル博士、すると幾何学的な模様に光が宿り…フロンティアは起動した。

ウェル博士はその前で不気味な笑みを浮かべながら

 

 

「先ずは、このフロンティア自体をさらに浮上させる‼︎、こんな海面接した状態じゃぁ、多方面の攻撃が激しくなりますからねッ‼︎」

『君という存在は…何処までも私の癪に触る人間だな、一周回って冷静になったよ』

「ッ、ゲン……ム?」

 

 

そこにいたゲンムは左腕が無かった。

最早、そこにその姿がある事自体が不快なのかウェル博士は糾弾する。

 

 

「テメェッ‼︎あのノイズの群れで死んどけよッ‼︎面倒クセェなぁッ‼︎」

「君が気づいたことには驚いたが……あの程度の量で私を殺せると思っているのなら大分…浅はかだな?」

「ま、待てゲンム‼︎…その腕はノイズにやられたのか⁉︎」

 

 

その言葉に呆れたように反応を示すと…

 

 

「そんなの当たり前のことだ、私が作ったゲームにノイズに対抗する機能なんてつけていないからな、当然君を助けに行くとなると腕がこうなる」

 

 

衝撃的な言葉を発した

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスト、ダァァァァァァイッ‼︎」

「ッ‼︎、翼」

「分かってる奏‼︎、ここは任せて先に行けッ」

 

 

暁 切歌が断頭台(ギロチン)をバイクに目掛けて攻撃してくるのを見て、翼は聖詠を歌いシンフォギアを纏ってバイクと一体化して放つ技『騎刃一閃』で飛び上がり迎え撃った‼︎

 

所でサイドカーの方はというと………

 

 

「〜〜〜〜〜」

 

 

切り離された勢いで、思い切っり後方に落ちていった……シンフォギアがなければ大惨事間違い無しのやらかしにあったクリスには調が何とも言えない表情をしながら、自慢のローラーを回しながら近づいていった。

 

 

 

 

「…奏さん……奏さんはあんな事しませんよね?」

「後で翼に説教だな」

 

 

一方、双槍バイク組の方はスピード出しつつも安全な運転で基地の中に入って行った

 

 

基地の中を進んで行くと……意外な人物と出会った。

 

 

「‼︎……何で此処に⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういう事だゲンムッ、説明しろッ‼︎」

「?、私は説明したが……あぁ、クロノスの方か?」

「違う‼︎」

「…私としてはクロノスの方が気になりますかねぇ…?」

 

 

マリアは突如として現れたゲンムが自分を救いに来たと言った訳を聞いたが、ゲンムはそんなことはどうでもいいと言った感じでそう返答した。

 

 

「あぁ、クロノスがノイズの攻撃に対して耐性が有るのは、クロノスの方がノイズより強く周囲と拒絶しているからだ………言ってしまえば歌わなくていいシンフォギア状態だからな、まぁそんな彼も目的を果たした以上ここには来ないと思うが…」

「随分ペラペラと喋りますねぇ?……何か作戦でも有ると思っているのですかぁ⁉︎」

「作戦はシンプルだ、『いのちはだいじに』だ」

 

 

そう言ってマリアを突き飛ばした、呆気にとられるマリアを他所にゲンムは……

 

 

「妹の真意を知れ、そしてナスターシャ教授のところに向かえ、それが世界を救う為の最後の鍵だ……それは任せた」

 

 

そう言い放ちながら、閉まっていくエレベーターの扉を眺めていた。

 

 

 

「ゲンムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

「デェェェェェェェスゥゥゥゥッ‼︎」

「甘い‼︎、その攻撃は見切った‼︎」

 

 

風鳴 翼対暁 切歌の戦いはアッサリ着いた。翼はこれまでの訓練で培ってきた技量を遺憾なく発揮し、切歌の攻撃を全て見切った上で喉笛に刄の刃を置くことで動きを制限して止めた。

 

 

「グッ、調はッ‼︎」

「ちょ〜ッせぇッ‼︎」

 

調の方も高速機動で移動しながら、回転鋸を射出していたのだが……火力と広域殲滅能力において雪音クリスの上をいく存在はまだいない。矢、銃弾、ミサイルの雨でそれらの攻撃ごと、爆撃で全て焼き払った。

 

 

「ギリ……」

「チェックメイトだッ‼︎、大人しくお縄につきな…」

 

 

爆撃から逃れる為に、後退していた月読 調の後頭部に、先回りしていたクリスの拳銃型アームドギアの銃口が突きつけられた。

 

 

二人の状況は完全なる詰み…今回の勝負の軍配は二課組の勝利だった。

 

 

「…にしても、本当に上手くいくとは思いませんでしたよ……先輩」

「あぁ、マリア・カテンツヴァナ・イヴが居なかったのでな……技量において向こうの装者最強の彼女が居なければ簡単に抑えられると思ったのだ、念の為にも雪音が苦手とするこちらのシンフォギア装者の抑えればな………ッ‼︎、雪音‼︎、今先輩ってまた呼んだか‼︎」

「………わりぃかよ……」

 

 

そうクリスが赤面していると周囲に異変が起こった。

フロンティアの一部分から巨大な光の手が登場し、月を掴んだのだ‼︎

 

 

「ッ⁉︎」

 

 

その手はそのまま月を支えにして人が起き上がる様に………フロンティアが浮上した………暫くすると聞き覚えのある足音がしてきた。

 

 

『ギッポイッ、ギッポイッ、ギッポイッ』

 

 

突如としてノイズの群れが出現したのだ

 

 

「ッ‼︎…クソ、忘れちゃいけねぇもんを忘れてたぜッ‼︎、ゲンムが出て以降あんまり使ってなかったから、すっかり忘れてちまってた……クソッ」

「雪音…あんまりそういう口調は…『どういうことッ‼︎』ッ‼︎、どうした‼︎」

「もうソロモンの杖を使う必要はないのになんで使ってるんデースッ‼︎」

「ハァ⁉︎、お前らソロモンの杖を使わないならなんで奪ったんだよ⁉︎」

 

 

その問いの答えに翼がきづく。

 

 

「……戦力の差を埋めるためか?」

「⁉︎、それって…」

「………私達はもともと戦力と計画を実行させる為の力がなかった」

「ちょッ、調‼︎」

「切ちゃんッ、私も嫌だけどマリアやマムを助ける為なら関係ないッ‼︎……話を聞いてもらおう」

 

 

そう言って調は手短にこれまでのいきさつを二人に語った。

 

 

「……ってことはお前らの中に『フィーネ』の魂を継いだやつは一人もいなくて……」

「……この騒動の主犯はウェル博士というわけか……雪音」

「あぁ、分かってる‼︎、行くぞお前ら‼︎」

「⁉︎、貴女達本気?、敵のいう言葉を信じるのッ⁉︎」

「調のいうとおりデースッ⁉︎、そんなのおかしいデ『うるせぇッ!』‼︎」

 

 

 

「こちとら人助けが趣味の偽善者に本当に救われてんだッ‼︎、だから人助けが大事だって事がよく分かってんだよ‼︎、馬鹿野郎供ッ‼︎」

「バ、バカじゃないデースッ‼︎、私には暁 切歌っていう名前があるデースッ‼︎」

「……ねぇ、貴女もあいつの偽善に救われたの?」

「……あぁ、そうだ……戦うばかりの剣だった私に夢を思い出させてくれたのが立花だ………立花は君にとっては偽善者かもしれないが、私にとっては違う……とっても大事な後輩だ、もちろん雪音もな」

「今ここで言うことかッ⁉︎、取り敢えずうだうだ悩んでいる暇があったらこのノイズの群れを片付けっぞッ‼︎」

 

 

そういってノイズの群れに二人は向かっていった‼︎……暫くした後、二人は顔を見合わせて……

 

 

「調、彼奴らの言うこと信じられますか?」

「……信じられない、って以前の私はいっていたと思う……でも今は分からない……」

「だったら答えは一つデスッ‼︎」

 

 

そして大きくうなづき

 

 

「「考えるより先に行動する」デースッ‼︎」

 

 

二人も死神退治に参加しに行った‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

エレベーターに乗りながら何処か別の場所へと移動しているウェル博士……どうやらゲンムはウェル博士に敗れた……のか?

 

 

 

「…くそ、彼奴ゼッテーに生きていやがる……だが月はフロンティアの浮上に伴い落下の速度を増した……もう直ぐだ……僕の英雄になれるときが来るのが……」

 

 

どうやらゲンムは戦いの最中に逃げたらしい…その隙を突いてウェル博士はフロンティアを浮上させて、世界の寿命を短くさせた。

 

 

「このまま月が落ちた場合人類の総数が決定的に減る、そうすれば支配する為の強力な力が三つ……僕の理想通りとはいかなったが……概ねよしの結果だ」

 

 

自身の手に握られたソロモンの杖を持ちながら狂人はそう笑った……まるで自分が世界のルールだと決めた神様のように……

 

 

「これで僕は歴代のどの英雄も超えたヒーローになる……異名はなにかなー…フロンティアの英雄?、いやいや超大英雄Dr.ウェル?…楽しみだなぁ…」

 

 

ところでその杖邪魔じゃない?、私が預ろうか?

 

 

「あ、こりゃどうも丁寧に…………ッ⁉︎、今の誰ッ‼︎」

「……獲物を狩った余韻に浸りすぎた何とか博士……ゲンムとはえらい違いだな……」

「クロノスッ⁉︎」

 

 

 

 

ウェル博士の前に最大級のピンチが訪れる‼︎







シンフォギア感……でてます?


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ステージ19/刻まれていた想い出。




誰もドガミを心配してくれない………おぉ、神を何故ですか……何故読者はドガミを見捨てたのですか





 

 

 

『ソウシィ……恐らくだがこれから私は腕を喪う大怪我をするだろう………』

『いやまて、何でバグヴァイサーⅡが携帯として機能するんだ?』

『トランシーバーだぁぁぁぁぁぁッ‼︎』

『どっちでもいいよ……で、その大怪我を防ぐにはどうすればいい?』

『いや、これはわざとだ……君はスカイタワーでの出来事を忘れていないかい?』

『………おいまて、あれはシンフォギア無しでもいけるのかッ⁉︎』

 

 

~クロノス(総使)、フロンティア突入前の会話~

 

 

 

 

「グビャアッ‼︎」

「(結構弱めに殴ったんだが……確かに以前より力を増してる…これがゲンムの言う『リハビリ』か)……どうしたのかね、そんな驚いた顔をして…?」

 

 

ソロモンの杖を手にしたクロノスは、片方の腕でウェル博士を殴った、そうすると思っていた以上に飛んだことに天崎は少ない驚きを得た。

そうしていつものようにねっとりとした男性の声(美声)でウェル博士に質問した。

 

 

「な、何で此処に?」

「……ゲンムにいわれて来たんだが、彼は何処に?」

「ふ、ふふ、だったら無駄だったな、彼は僕が始末したよ、目の前で‼︎」

「いつ?」

「5分ほど前にさッ‼︎」

「なら仕留めきれていない……彼からの最終連絡は3分前……私が好きな時間だ……」

 

 

そう答えるとウェル博士は、ショックを受けたかのように、何も言わずに顔を下に向けた………

 

 

「さて、その手は聖遺物を操る力があると聞いている………Dr.ウェル、君を捕まえて二課の元へと差し出しに行こうか……」

「……ククククク……それが出来ますかねぇ?」

「何?」

 

 

ウェル博士は笑いだすと、自分の懐からあり得ないものを取り出した。

銀色に輝くそれは…………

 

 

「ソロモンの杖だと‼︎、馬鹿なッ‼︎」

「馬鹿と鹿も馬も無い‼︎、君が握っているそれは僕が作ったダミーさ‼︎、何分暇が多かったんでね、念のために作って正解だったよ………こいつ含めてねッ‼︎」

 

 

ウェル博士が本物のソロモンの杖から、今までに無い大きさの光を放ち、そこから今まで見できたノイズの中で一際巨大なノイズを放った。

 

 

「こいつはタイラント型‼︎、過去にこいつ一体だけで街が滅んだ件もある超大型のノイズだ‼︎、こいつに君が手こずってる間に僕はゲンムを殺す‼︎……それで僕の勝ちだぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

今巨大なノイズの腕がクロノスに襲いかかるッ‼︎

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんな結果はさておき、エレベーターに叩きつけられたマリアはゲンムに言われた事を思い返していた…

 

 

「…私が世界を救う?……いや、セレナの真意って一体……『聞こえますか、マリア』マム‼︎、無事だったのね」

 

 

自分達の母親であるマムの声を聞いて安心するマリア……ナスターシャは苦しげにこう言った。

 

 

『…どうやら私の残りの命も少ないようですからね…この事件が終わる頃には私は死んでいるでしょう』

「ッ‼︎……そんな」

『ですが、全人類の救済は私の願いです……マリアに頼みたいことがあります』

「……分かったわ、言ってちょうだい」

『歌ってくださいマリア、全世界に向けて貴女の歌声を響かせるのです……もしその歌に世界中の人々が共感し、共に歌ってくれるのなら、月の遺跡を再起動することができます。』

 

 

言われた言葉にマリアはただ唖然した……世界を救う為に歌を棄てた自分に歌を歌うことで救えとナスターシャは言ったのだ

 

 

「マム、私は⁉︎」

『分かってます……歌うことが好きな貴女に歌を棄てさせたのは私です…ですが、これが唯一の手段なのです……』

「……分かったわ、マム」

 

 

マリアはナスターシャの声を聞いて思い返した……厳しい事ばかりいうマムだったが、それは自分達の命を無駄にさせないために、心を鬼にして言ってきたことだった……そして今も世界中の喪われようとしている命の為に、私に酷なお願いをしているのだ………マリアはそう察し決心を決めた。

 

 

「最高のステージにしましょうッ‼︎」

 

 

 

 

 

マリアの決心が観れたところで、クロノスの方に戻すと……

 

 

「それで、君の作戦はそれだけか?」

『CRITICAL CREWSーAID』

 

チュドーン‼︎、そんな効果音が出るような回転に合わせたガシャコンソードの攻撃であっさりタイラントは倒された。

 

 

「ハ?、ハァァァァァァァッ⁉︎」

「(さっきの攻撃の名前何にしようか?)…いや、君は周りを過小評価しすぎではないかね?」

「ッ、ソロモンの杖がぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

呆気にとられているウェル博士…その様子を見てソロモンの杖を強引にぶんどった。

じっとそのソロモンの杖を見つめて、天崎は、ウェル博士に向かって

 

 

「さぁ、大人しく連行されようか……」

 

 

そう言った。

 

 

「ひぃ、まだだ、まだ僕は諦めないぞッ⁉︎」

 

 

ウェル博士はそれから逃れるように地面に変質した腕を突きつけて大穴を開いて落ちていった。

 

 

 

「………どこのコントだ⁉︎」

 

 

そんな変なコメントを聞かずに落ちていった。

 

 

 

 

 

「奏さん、この歌声って……」

「マリアが歌っているんだッ、歌が聞こえる先にコントロールルームがあるのかもしれない‼︎」

 

 

バイクに乗りながら、そんなことを話し合ってる二人は、歌声が聞こえている先に向かっていった。

 

 

「ソロモンの杖はクロノスさんが取りいくって言っていましたから、私達はマリアさんに会いに行きましょうッ‼︎」

「………あたしは少し心配だけどなぁ…」

 

 

二人があった人物とはクロノスだった…そのクロノスが言った言葉は二つ。

 

 

『完治おめでとう…立花響、それとソロモンの杖は私に任せてくれ』

『ッ…はい、任せます‼︎』

 

 

その事を思い返しながら奏は……

 

 

「あの時もっと質問があったのになぁ……」

「………ごめんなさいッ‼︎」

 

 

響をジト目で見ながら、バイクを進めていくのであった。

 

 

 

 

 

 

奏達が目指す場所にはコントロールルームでは無かった………そこは一種のステージの様な場所だった。

 

辺り一面に満ちる黒い花びらは彼女のガングニールを象徴しているようだ。

 

そこで彼女は渾身の力を込めながら歌っていた。

 

 

『ッ、ハァ…ハァ……』

 

 

それでも世界には彼女の戦う為の歌がとどかなかった。ナスターシャはそんなマリアの様子を見て…ゲンムの見解が正しかったことを理解した。

 

 

 

 

『彼女……マリアの歌を聴いていたのだが、彼女の歌には何処と無く偽りが感じられる………恐らく今まで歌っていた歌は彼女の本心からくる歌ではない………全くそれなのに2ヶ月で全米トップアーティストとは、恐れ入るよ』

『……では、マリアの本当の歌とは何ですか…?』

『私も少ししか聴けてないが………病気で床に伏せていた君に対して歌っていた子守唄だろうな?………取り敢えず、歌うためのステージは私が作ってあげよう……後はマリア次第………』

 

 

ゲンムから言われた内容、マリアの本当の歌……それがどういう歌なのかナスターシャは理解はしている……だがらこそ、マリア自身が気づく必要があると、マリアなら気づけると信じている。

 

 

 

だが、そこに無粋な輩が落ちてくる

 

 

 

『何歌ってんだテメェッ‼︎』

 

 

Dr.ウェルである。

ウェルは穴から落ちてくる角度に傾斜をつけて滑り台のように滑りながら、勢いよく飛び出し左手で殴った(全国中継中に)

 

 

激唱に疲れきっていたのか……大きな抵抗もなくマリアは吹き飛ばされた。

その様子を見ていたナスターシャ教授は

 

 

「やめなさいウェル博士‼︎、地球を救うためにはマリアの歌が必要なのですよッ‼︎」

『…ハッ、オバハン、僕は別に地球なんて救いたくないんですよ?………月が落ちてこなきゃ好き放題、やり放題できないじゃないか‼︎』

 

 

説得した。だが、無意味だった。ウェル博士は自分勝手な理想の為に世界を亡ぼす一歩手前までいく男。こんな言葉聞くわけがないのである。

 

 

『そんだけ、月をどうにかしたければ‼︎、テメェが月に行けばいい‼︎、さよならロケットぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎』

 

 

ウェル博士がそう叫んだあと、ナスターシャ教授の意識が遠くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

マリアは壁に写っていた映像を見ていた。

 

 

自分達の母親が、フロンティアの一室ごと月に飛ばされていく様子を

 

 

マリアの中で何かが切れそうになるが、何故か最後の最後で切れなかった。

 

 

「マァ…リィ…ア?………次は君だッ‼︎」

 

 

ウェル博士は変質した腕を壁につけたまま、フロンティアを操作しマリアの頭上の天井で押し潰そうとした

だが、マリアは自分に向かってくる天井を黙って見ていた……

 

 

 

また、誰かに押し飛ばされたような感覚がした。

 

 

 

 

「へ…あ……ゲンム?」

「何を……しているんだ……マリア」

 

 

 

黒い髪をした長身男性の胴体が押しつぶされ、完全に二つに分かれているゲンムを見てウェル博士は

 

 

「ハハ、ハハ、ハ………してやったりぃぃぃぃぃぃぃぃ‼︎、そうだよなぁ?、だってお前にとってマリアは世界を救う為の鍵‼︎、歌えなければただの小娘にしかないこいつを‼︎、お前は守らなくてちゃァならない‼︎」

 

 

明らかに真っ赤な液体が、ゲンムの体から流れているのをみて、彼の状態を悟って、マリアは、マリアは

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

その口から歌が出ることは無かった。

 

 

そして心地いい排気音が響いた

 

 

「テメェ、何やってんだぁぁぁぁッ‼︎」

「グヘェッ‼︎」

 

 

ウェル博士を思いっきりバイクで弾いた奏は、マリアの方を見る。

その光景を見て、もう手遅れであることがわかった。

 

 

「ゲンムさん‼︎」

 

 

手遅れだということは響も分かっていた、だが、だからといってその脚を、彼に手を伸ばす為の歩みを止めるつもりは無かった……

 

 

「………立花響と、天羽奏か………どうやら、この私も年貢の納め時らしいな…」

「ゲンム‼︎、生きているのね‼︎、しっかりして‼︎、お願いだから‼︎」

「……ふはは、どうした?、君は私のことが嫌いなのだろう?」

「だからといって、死んで欲しいとは思ってないッ‼︎」

 

 

奏はそんな二人の様子を見て、あることに気づくが……あえて黙っていた。あたしが関わっては行けない気がしたからだ。

響は気にせずゲンムの近くに行き

 

 

「生きる事を諦めないでくださいッ‼︎、貴方が死んだら悲しむ人が……『もういない』……え?」

「私のような存在が死んだところで悲しむ人など殆どいやしないさ……立花響………むしろ死んで精々するとしか思われないだろうしな」

「そんな風に‼︎、自分の事を言わないでくださいッ‼︎」

「そうよッ‼︎、調や切歌に私はなんて言えばいいの‼︎」

 

 

二人の少女がゲンムの言葉を否定するように生きろと説得している最中………ウェル博士はその手を伸ばし

 

 

「まだだぁぁぁぁッ‼︎、まだ英雄になる事を諦めて‼︎、たまるかぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

また地面に穴を開き落ちていった。

 

 

「………響、翼たちのところに加勢しに行け…」

「奏さん⁉︎、でも、ゲンムさんが‼︎」

「あたしがみてるッ‼︎、今は戦っている翼達を助けにいく方が優先だろ⁉︎」

「ッ‼︎」

「…あいつの手にソロモンの杖は無かった……クロノスが奪ったんだろう、だけど彼奴はきっとネフィリムを操るはずだ………あれにはより多くの装者で戦った方がいいはず………あたしは戦えないからさ、あたしの代わりに頼む…」

「……分かりました、ここは任せますッ」

 

 

そう言って響は聖詠を歌い、壁を突き破って外へと出て行った。

 

 

 

「………マリア、お前は何してるんだ?」

「…戦いに行けって…?、無理よ…世界に届かない私の歌声なんて…」

「……いつまで気づかないつもりだ…マリアッ‼︎」

 

 

座り込んだままのマリアにスーツを着ているゲンムは怒りを露わにする…

 

 

「君に以前言った筈だッ、妹は研究所の人間を救うつもりで歌ったわけがないとッ」

「……ゲンムッ、貴方はまだそういうのッ⁉︎」

「いいか、マリアッ‼︎………君の妹が一番救いたかったのは………君だ‼︎」

「ッ‼︎、何でそう言えるの‼︎」

「自分にとって大事な人だからだ‼︎、人は個人にとって大事な人の為なら幾らでも力を出せる‼︎……君の妹は皆んなを救いたいと言ったかもしれないが……その皆んなの中に君は入っていないわけないだろう……」

 

 

ゲンムの発言に憤りを見せるも、ゲンムの真剣な言葉に思わず、自分の記憶を疑うマリア……そんなマリアに奏は

 

 

「………なぁ、マリア……」

「天羽、奏?」

「あたしにも妹がいたんだ………だから時々あんたみたいに、自分じゃなくて妹が生きていれば、って思うときはあるよ……でもな、それだと妹は私がいないことで悲しむと思う」

「………セレナもそう思うかもね……」

「だから、あたしはあのノイズの群れの中に遭遇しても、自分が生きている理由は、託されたとか、そういうものじゃなくて単純に生きているからだと思う…」

「でも、私にはセレナの思いに答える必要が………『必要ありません』マム⁉︎」

『マリア、貴女は本当に優しい子………ただのやさしいマリアです……決してセレナやフィーネではありません……貴女自身の思いを隠す必要なんてないのですよ……』

 

 

奏や、生きていたマムとの話に……マリアは過去を思い出した……妹と遊んでた日々を、辛い実験の日々もあったが、それでも妹と一緒にいたから………そんな妹が私が死んで喜ぶだろうか……

 

 

「……いえ、ないわね……」

 

 

そう自分(思い出)自分(思い込み)を否定した、私が歌が好きになったのはセレナが笑うところが見たかったから、私が世界を救いたいと思うのは、私が救いたいと思ったからだ……そうひとつひとつ理解して………マリアは歌った。

 

 

 

 

妹との思い出の歌を………







マリアの夢と引き換えにドガミは………




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ステージ20/歌われる銀の聖詠……




ゲンム……さよなら?





『いや、待って…ゲンム、それって』

『………あとで殺されるかもな、殴打で……渾身のストレートで』

『ゲンムが悟ったッ‼︎……心がレベルアップしたのか?』

『今の誰ッ⁉︎』

 

 

~バグヴァイザーを使った会話~

 

 

 

 

その歌は不思議な子守唄だった……何かの意図が隠されているかもしれないが、綺麗な歌だった。

歌い終えた後のマリアに奏とナスターシャは話しかける…

 

 

『マリア……これだけのフォニックゲインがあれば月の遺跡の再起動が可能です……月は私が責任を持って受け止めますッ……』

「綺麗な歌だな……」

「……ありがとう天羽奏、少し我儘なことだけど…お願いがあるの」

 

 

自身の首ぶら下げていた、シンフォギアのペンダントを外し、奏に差し出す。

 

 

「ッ‼︎、お前……」

「……ガングニールを使った戦闘は貴女の方が上手……私が戦いにいくより貴女が戦いに行った方がいい」

「いいのか?」

「……えぇ…これでいいのよ……セレナもそう思ってくれているはず……ゲンムも、………ッ⁉︎」

 

 

マリアが目撃したのは………

 

 

「……やれやれ、漸く妹の真意に気づいたのか……ショックを与えないと気づかないのは困り者だな?」

 

 

五体満足で背を伸ばしたり、手足曲げたり、柔軟運動をしているゲンムだった。

着ているスーツにも、血の跡がどこにも無く…まるでそんな怪我自体が無かったようだ。

 

 

「なんで無事なのッ‼︎」

「あー、やっぱり…」

「天羽奏……君は気づいていたようだなぁ?」

「スカイタワーの時と同じだろ?、ガラス一面のプロジェクションマッピング」

 

 

ゲンムはこのままだと、マリアは妹の真意に気づかない……なので一層の事ショックを与えて追い詰めることによって気づかせようとした。

 

 

「なんでこんなことしたのッ⁉︎」

「それはあれだよ、死に掛けの状態なら私の事が嫌いな君でも話を聞くだろう?」

 

 

ゲンムのその言葉を聞いたマリアは……無言で思いっきり殴った。

元から脆かったのか、壁を突き抜けゲンムは飛んで行った。

様になっている右フックだった。

 

飛んで行ったゲンムとすれ違いになるように、二課司令の弦十郎とその右腕の緒川マネージャーもこの場所にやってきた。

引きつった顔で緒川はマリアに尋ねた。

 

 

 

「……えーと、マリアさん、今のは?」

「ただのバカよ………天羽奏、私も戦闘に参加していいかしら………この鬱憤を少しでも晴らしたいの」

「……いいけど、戦う事はできるのか?」

「…今なら妹の力を借りれるような気がするから」

 

 

そう言ったマリアの手には、壊れかけのシンフォギアのペンダントが握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノスは走っていた…ソロモンの杖を持ちながら…この膨大な通路の中で……彼は道に迷っていた。

 

 

「………どこに行けば外に出れるのか全くわからん……」

 

 

そうして走っていると前から………

 

 

「う゛ぇは゛ぁぁぁぁッ!」

 

 

ヘッドスライディングしながら、件のゲンムがやってきた………

天崎は、先程の会話の通りに渾身のストレートを食らったと悟った。

 

 

「違う‼︎、右フックだぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

「お………君の読みが外れたのか?、ゲェンムゥ………」

「…そのネットリした声を辞めたら、新しいガシャットを授けよう」

 

 

天崎は新しい技を作りたいので、その取引に応じた。

 

 

 

 

フロンティアの外……ちょうど甲板にあたる部分だろうか……そこで五人の装者がネフィリムと戦っていた。

 

 

切歌がギロチンの刃で片腕を完全に切った処で上から声が聞こえた。

 

 

「待たせたわねッ‼︎、みんな‼︎」

「「マリアッ‼︎」」

「あたしもいるぜ‼︎」

「奏ッ⁉︎」

 

 

上空にある土の塊に二人が背を合わせて立っていた。奏はガングニールのシンフォギアを纏って、此処まで連れてきたのだ…

他の場所にいた装者達も二人の隣に立とうと飛び上がり、塊に乗った。

 

 

「てか、なんでそんな所にいるんだッお前ら⁉︎」

「ははは……マリアが、『私のガングニールのシンフォギアを使うのだからこのぐらいのお願いは聞いてちょうだい』、って……」

「…マリアさん……」

「さっきゲンムを殴ったときに、もう吹っ切れたわ」

「「ゲンムを殴ったの」デース⁉︎」

「あれは殴られてもしょうがない…」

「後で聞かせてくれないか奏?……妙に気になる」

 

 

つい先程まで、敵同士だった装者達は語り始めていると、どこからか声が響いた。

 

 

『君達がいくら束になっても、僕のネフィリムには敵わないッ‼︎、せいぜいそのちっぽけな歌を歌いながら死んでいきなッ‼︎』

 

 

ウェル博士だった……正直勘弁してほしいところだがそうもいかない。黒く巨大に変貌したネフィリムの口から火球が放たれたからだ。

その火球が装者達に当たろうとしたとき

 

 

「それぽっちの力で届くと思ったのかね?」

『MAGIC THE CRITICAL FINISH』

『CRITICAL JUDGMENT』

 

 

クロノスがバイクに乗って走るゲンムに魔法の鎖で縛り付けて、水上スキーのようになりながら登場した。

登場してすぐに、両手に持った武器の銃口から必殺技を放つクロノス。

 

放たれた赤と緑の光弾は火球にぶつかり、互いを打ち消しあった。

 

 

『クロノスッ‼︎、ゲンムッ⁉︎、お前らはぁぁぁぁぁぁぁぁッ』

「もう少しでクリスマスだからね……私からのプレゼントは嬉しかったかな?」

「はいありがとうございますッ‼︎」

「………君に対しては言っていないのだがな…」

 

 

いけしゃあしゃあと気分良く、ウェル博士を煽ろうとしていたクロノスだったが……響からの見当違いの言葉に、少し残念に思った。

 

 

「だったらクロノスさんッ、時間を稼いでくださいッ‼︎」

「それがクリスマスプレゼントととして欲しいと?」

「はいッ‼︎、その間はネフィリムを任せます‼︎」

 

 

そのときのクロノスの感情は伏せておくが……

 

 

「了解したッ‼︎、いくぞゲンム‼︎」

「……君が私に合わせろよ?」

 

 

自分に巻きつけられた鎖を全て外したゲンムと共に、戦いに行った‼︎

 

 

 

 

 

 

黒いネフィリムは、自分の食事が邪魔をされたと言わんばかりに此方を睨むように顔を向ける。

そんなのどうでもいいかのように二人は顔を見合わせ

 

 

「ところで、私が倒してもいい、とか話さなかった理由は何だ?」

「それを言ったら私が死ぬ………ゲンム、君は私が死んでもいいのかね?」

「………駄目だな、少なくとも今はまだ…」

 

 

そんな話をするぐらいには余裕があるようだ。

ネフィリムは懲りずに口元を押さえ火球を放つ姿勢移ると、二人のバグヴァイザーからまた光弾が放たれた。

 

 

「君の話は聞いていないッ‼︎」

「大人しく……我々のモルモットになるがぃぃぃぃぃぃぃぃッ‼︎……コホン、失礼した」

 

 

その言葉の返答(ツッコミ)を入れずに天崎は走りだした、ネフィリムの周りを走りながらバグヴァイザーから光弾を放ち続けた。

ネフィリムは光弾を受けるたびに、その身を抉られながら天崎を追うように身体の向きを動かすと…

 

 

「隙だらけだな……所詮食欲しかない生命体か」

『SYAKARIKI CRITICAL STRIKE』

 

 

ネフィリムの背中を見ているゲンムのバグヴァイザーにエネルギーが充電され、それを大きく振りかぶると、クロノスの攻撃のような大きな回転鋸がネフィリムの背中を傷つけ、その巨体を揺らめかせた。

だが、同時にゲンムの胸のゲージが幾らか減った。

 

 

「?……なんで体力減ったのかね、ゲンム」

「リミッターを外したからダァッ‼︎、此処からは次々と連撃いくぞ、クロノスゥゥゥゥッ‼︎、フォォォォゥゥッ‼︎」

 

 

そう言ったゲンムは、ホルダーに挿していたガシャットを外して違うガシャットを挿し込む

 

 

『JET CRITICAL STRIKE』

「ミサイルの雨でぇッ‼︎、とっとと消えろォッ‼︎」

 

 

また減るライダーゲージを気にせず、ゲンムはバグヴァイザーからミサイルの雨を撃つ、クロノスはそんなゲンムを見て早めに終わらせないと、マジでゲンムが死ぬなと思い、

 

 

「退がれゲンム……三連必殺技で仕留めてみせる…」

『ガシャットッ、キメワザ‼︎ガシャットッ、キメワザ‼︎、キメワザァ……』

 

 

手にしたガシャコンウェポンに二つのガシャットを挿し入れ、腰のバグヴァイザーⅡのボタンを1回押した。

ゲンムはその様子をみて、エキセントリックなバク転をしながら後ろに下がった所でクロノスは

 

 

『TADORU CRITICAL FINISH』

『BANBAN CRITICAL FINISH』

『CRITICAL CREWSーAID』

 

右手の剣での袈裟斬りを行い光刃を発生させ、左手の銃から撃った光弾で推進力をつけさせ、駄目押しに回転蹴りで思いっきり蹴飛ばした。

ネフィリムはまともにその攻撃を食らったせいで、腹部と思われる部位に大きな切れ込みが入りながら倒れる

 

 

『ネフィリムッ‼︎、立つんだ、君の力はそんなものではないはずだッ‼︎』

「…なるほどではその言葉を信用しよう…」

『MAGIC THE CRITICAL STRIKE』

 

 

ウェル博士の焦る声を聞いて、ゲンムはその声に喜びを含めながらホルダーにまたガシャットを挿し込み、スイッチを押す。

そうして、ゲンムの両手にエネルギーが充電されゲンムは地面に両手を押しつける。

すると倒れこんだネフィリムを御伽噺の巨人に間違えられた人間の様に鎖で縛られた。

 

 

『ゲンムッ‼︎、クソッ、またお前か?、またお前の所為で僕が好き勝手出来ないのかッ⁉︎』

「フハハハハハッ‼︎、それは違うなぁ………」

「私からそれを教えよう、Dr.ウェル……君には最初っから好き勝手できる実力など無かったのだよ………どうやらトドメの時間のようだ……」

 

 

クロノスがそう言って、隣り合った二人は離れた。

ウェル博士の目には………

 

 

「クロノスさん、ゲンムさん、ありがとうございますッ」

 

 

エクスドライブ状態の装者が七人そこに立っていた。

 

 

『エ、エクスドライブ状態の装者達七人だとしても、ネフィリムは負けやしないッ‼︎』

「ほぅ……所で立花響……それが君達だけの歌の力かね?」

「いいえ、歌い合うこの星全員の……」

 

 

七人の装者はネフィリムに突撃し、

 

 

「七十億の絶唱だぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

ネフィリムの身体を完全に砕き、貫いた。

 






ゆるさねぇぞ、ゲンムッ‼︎
バイクの後ろに鎖でくくりつけて一生走ってやるッ‼︎




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ステージ21/ファイナルバトル……ロストワン




最終決戦後編ですね……

またお会いする日を待っててくれ。
戻らないかもしれないが


 

 

 

 

この船の心臓部といえる場所でDr.ウェルは立ち尽くしていた……無敵だと思っていたネフィリムがやられたのだ……

 

 

「…そんな、ネフィリムが……僕の力がぁ………」

 

 

だらし無くメガネをずり上げて、落としたウェル博士の元に、二課人外組(弦十郎と緒川)がやってくる。

 

 

「どうやら、お前の手には世界は大きすぎたようだな……緒川」

「はい、ウェル博士、貴方の身柄を拘束させていただきます」

 

 

ウェル博士はその言葉を無視して、手を先に伸ばし端末に触れようとするが、

 

 

「させませんッ‼︎」

『影縫い』

 

 

弾丸を陰に向かって放った……影縫いである。

翼も習った影縫い……それをまともに受けてしまい動けなくなる…

 

 

「あ……きら……めてたまるものかぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

だが、無理やり身体を動かし端末に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

「おい旦那ッ‼︎、それは本当かッ」

「天羽奏………まさかあれ(連戦)か?」

「クロノス…言わずもがなのあれ(ゲームの定番)しかないだろぉう…」

 

 

天羽奏が受けた通信の内容は傍受しなかった……さすがに目に見える距離にあるのにやる必要がないからだ、それに何と無くだが、こういう時のお約束が起こるのではと思った。

 

 

「Dr.ウェルが、ネフィリムの心臓を切り離してッ、それがあともう少しでフロンティアを巻き込んで暴走するだってッ‼︎」

「何だって、それは本当かい?」

「………ゲンム、君から言ったんだろう……そうなると」

「こういう時のお約束さ、クロノス」

 

 

同じXだからなぁ……そう呟きながらガシャットを挿して、コンバットアクションゲーマーに変身するゲンム。

自分はどうやって空を飛ぼうか悩むと、クロノスの脳内に一つの案が浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

「………あれが暴食し続けるネフィリム……」

 

 

響の目には先程までの黒いネフィリムとは打って変わって、どこか洗練されたフォルムを持つ赤いネフィリムを見つめていた。

最もその赤は、急速的に高まっていく熱のせいで赤く見えるだけだが……目の端になんかすごいものが見えた気がして、一回、目をこする。

 

 

「………」

 

 

目を凝らしてみたが、どうやら自分の恩人が宙に浮かんだ時計盤の上に立っているのは変わらない事実らしい。

 

 

「あのー…クロノスさん…なんですかーそれ…」

「私は攻撃を受け止めるときに、時計盤のような紋章が宙に浮かぶときがある……それを過剰使用し足場を作っているのだがね……どうやら無理らしいな……」

 

 

そう呟くと、足場の時計盤が消えクロノスは宙を漂い始めた………宇宙の前にはクロノスもただ無力だった……

 

 

『MAGIC THE CRITICAL STRIKE』

「クロノスッ‼︎、タドルクエストのキメワザを使えッ‼︎」

 

 

が、ゲンムが気づいていてカバーした。

魔法の鎖に繋ぎとめられている間に、クロノスは手にしたガシャコンマグナムにタドルクエストを挿すと、必殺技を放つと、

 

 

『TADORU CRITICAL FINISH』

「……こういうものがあるなら先に言えッ‼︎」

「………私は切り札は隠し持っていないと、安心できないのでね………逆に君は不用心すぎるなぁ……?」

 

 

背中から魔法的な光翼を広げた。

これでクロノスの飛行問題が解決された。

そうこうしている内に、調と切歌はネフィリムに攻撃を仕掛け、逆に返り討ちにあった。

 

 

「あの子達がッ‼︎、今い『待ちたまえ、響…』クロノスさん?」

「約束の物を忘れているぞ?」

 

 

そう言ってクロノスはソロモンの杖を響に渡した………そのとき響の頭に名案が浮かんだ

 

 

 

「クリスちゃんッ‼︎、パスッ」

「うぉッ、急に投げつけんな……そういうことかッ‼︎」

 

 

クリスはソロモンの杖掲げ、バビロニアの宝物庫を開いた。エクスドライブのおかげでネフィリムが丸ごと入りそうである。そんな行為を防ぐようにクリスのことを攻撃するネフィリム。

 

 

「ぐわぁッ‼︎」

「私に任せてッ‼︎………セェレェ…ナァァァァアッ‼︎」

 

 

咄嗟にソロモンの杖をマリアは掴み、自分の妹の名を叫び、完全にネフィリムより大きいバビロニアの宝物庫の入り口が出来た。

このままだと自分がただ一人で終わるとでも判断したのか、はたまた命令主の底意地の悪さが出たのか……ネフィリムはソロモンの杖を握ったマリアを掴み、バビロニアの宝物庫に沈んでいく。

 

 

「「マリアッ‼︎」」

「マリアさんッ⁉︎」

 

 

そして、その様子を見て追いかけていく装者達………

 

 

「ゲンム……」

「…はー、宜しい、この神の恵みを君に授けてあげようぅ……」

 

 

とっとと行こう……その言葉を返さずにクロノス達もバビロニアの宝物庫の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

バビロニアの宝物庫の内部はさすがと言った感じで、死神(ノイズ)が満面なく散らばっていた。

 

 

「……そういえば…ゲンム?、君はノイズは平気なのかね?」

「とうの昔に対策は取れてる、Dr.ウェルは対策が取れていないと勝手に思い込んだようだがな?……まぁ、そう思わせたのたが……」

 

 

クロノスは向かってくるノイズに光弾を撃ちながら、他の装者達の様子をみる。

 

響は相変わらず、拳?のアームドギアでノイズを倒していた…あれ槍の穂先か?

 

翼は、足の剣大きくなりすぎじゃないか?

 

クリスは……まぁ、SFかロボアニメの趣味があったんだろう。

 

奏は何か、見てて安心する戦い方だ…基本に忠実なんだな、あの四人の中で一番まともに見えてしまう。

 

あのピンクと緑の子供は、マリアに絡みついた触手の切断作業に取り掛かっている。ピンクの子の丸鋸で切断している………

 

 

「……宜しいか?ゲンム」

「君の考えはわかってるさ、では………助けに行こうかァァァアッ‼︎」

 

 

ゲンムはそう叫びをあげながら、マリアの周りにいるノイズを機関砲で撃ち抜いていく。

そうやって開けた空間にクロノスが通過していった。

 

 

「くっ、全然斬れない……『お困りかな?』ックロノス⁉︎」

「私が斬ってみせよう……『キメワザ…』

 

 

クロノスは手にしたバグヴァイザーIIを手に取り付けて、ボタンを押した。

チェーンソーの部分に緑の光が集まったところでもう一度ボタンを押した。

 

 

『CRITICAL SACRIFICE』

「ッ‼︎、斬れた‼︎……ありがとう」

「いや、礼はいらない……ゲンムが迷惑をかけたからな…」

「…?……ゲンムはいい人だと思うけど?」

「「それはない」、確かに優しいかもしれないが、それを帳消しして余りある汚点がある」

 

 

クロノスとマリアがハモり、クロノスが理由を説明するが、いまいち調は納得がいかない様子だった。

そんな中、切歌が叫んだ‼︎

 

 

「何しでいるんデスか‼︎、出口が出来たんデスからとっとと脱出するんデスッ‼︎」

「その通りだ…クロノス、君はもうすぐ消滅する、ここに住みたいのか?」

「……行きましょう、調」

「……本当に申し訳ない、マリア・カテンツヴァナ・イヴ…」

 

 

いつの間にか、紳士口調に戻っているゲンムの処に三人は向かった。

すると、マリアが脱出した報せを聞いた二課の装者達も、その場所に集まる。

 

 

「クロノスさん、マリアさん、後は此処から出るだけですッ……ッ⁉︎」

 

 

響の声に反応したのか、装者たちが一点に集まったのに反応したのか、バビロニアの宝物庫の出口の前にネフィリムが立ち塞がる。

 

 

「…どうやら彼は状況をよく理解していないらしいな?……響」

「はいッ、そうですねクロノスさんッ!、マリアさんッ‼︎」

「……‼︎、一点突破ねッ、了解したわ」

 

 

マリアは長剣を取り出しそれを宙に放り投げる、響は空に手を掲げじっとした。

そこに、シンフォギアのパーツが集まって金と銀の腕を作り上げ、手を握り繋いだ。

装者たちも腕を繋ぐ中、仮面ライダー達は手を握らなかった。

 

 

「クロノスさん?」

「…私は君と手を繋ぐ資格はない……だが」

「あのネフィリムを止める資格はある」

 

 

そうゲンムが呟くと、ネフィリムの四肢に鎖が纏わり付いた。

 

 

「動きを封じている今がチャンス……安心しろ後をついていくッ」

「……はいッ」

 

 

すこし影を落としながら響はそう返した。

そして………

 

 

「「「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ」」」」

 

 

繋ぎあった両手が、ネフィリムを貫いた。

 

 

 

 

 

 

気がつくと、砂浜に装者達は倒れていた…

 

だが依然として、バビロニアの宝物庫が空に浮かんでいた……

 

 

「………誰かが閉じないとッ…」

 

 

そう口にするも、誰もが立ち上がれないこの中、ソロモンの杖に全力疾走していく影があった。

 

 

「大丈夫ですよ……マリアさん、私達にはまだ心強い仲間がいる…ッ」

 

 

小日向未来だった、二課の潜水艦はドックのみを切り離して、海上に降りていたのだ。

尚、心理的なトラウマを抱えている調と切歌はこの時点で気を失った。

 

 

小日向未来が、砂浜に落ちていたソロモンの杖を拾うと、何かに気づきながら思いっきり投げた‼︎

 

 

槍投げの要領で投げられたソロモンの杖は…遥か彼方へのバビロニアの宝物庫に………届かなかった

 

 

そのまま砂浜に再び刺さろうとしたそれを、先程まで一緒にいたクロノスがキャッチした。

 

 

「任しました…クロノスさん」

「任された…受け取れッ、ゲンム‼︎」

 

 

未来が、自身の恋敵でもあるクロノスにそう頼むと、クロノスは杖を再びバビロニアの宝物庫に向かって投げ、空を飛んでいたゲンムがそれ掴み、上昇して行った。

 

 

「取ったぁッ‼︎……何ッ⁉︎」

 

 

バビロニアの宝物庫の目の前に来た所で、餌に気づいたのかネフィリムがゲンムを触手で絡めた。気持ち悪いのに気持ち悪いのが絡みつく地獄絵図がそこにあった。

 

 

「ゲンムッ‼︎、今助け『必要ないッ‼︎』何故ッ‼︎」

 

 

ゲンムを助けるために、バグヴァイザーIIの銃口をネフィリムに向けたがそれを要らないとゲンムは否定した。

 

 

「……クロノスも含めて覚えていくといい………私は永遠に不滅だぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」

 

 

その掛け声と供に、バビロニアの宝物庫が閉ざされ、数秒後に空間が揺れた。

 

ネフィリムが臨界点に達し、爆発したのだ。

 

 

「………」

 

 

誰もが何を言ったらいいのか、分からない中、クロノスは一人でに粒子の波に乗って消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリアは黄昏の中で装者達と話し合った後、国連に連行されて行った。

未だ気を失っている、調と切歌を膝に乗せながら……だがその中で思ったことがある。

 

 

(……ゲンム……ありがとう)

 

 

結局、最後まで馬が合わなくて言えなかった感謝を心の中で述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪Believer♪

 

 

一連の事件がフロンティア事件と名付けられ、テレビで報道されるようになった頃。

 

天崎は、今日もケーキを二つ買って帰っていた。

 

 

そのケーキはビターチョコレートケーキと………ドガミの好物であった雨漏苺のショートケーキだった。

 

 

(………なんだかんだ言っておきながら、いざ居なくなると此処まで悲しくなるのか……ドガミどうしてくれる)

 

 

最近悲しい曲ばかり思い浮かぶ天崎は……ドガミが居なくなってからずっとケーキを買い続けてる。

自身の不滅を謳った、ドガミ(邪神)の帰りを待って。

 

 

今日もマンションの階段を登って、自室のドアの鍵を開ける

 

 

 

『遅かったなソウシィッ‼︎』

 

 

そうすると、居なくなってから聞こえる幻聴が耳に響いた。

そろそろ医者に行くことも考えないといけない。

 

 

ケーキをテーブルの上に置くと、飲み物を取りに冷蔵庫のドアを開ける。

 

 

『ん、ゲンム……それケーキか、』

『……パラド……やらんぞ』

『ケチだなー……そんなんだから嫌われんだぞ』

『余計なお世話だ』

 

 

今日の幻聴は特にひどいらしい…何処かで聞き覚えのある声まで幻聴として響いてくる。

 

 

『じゃあ、こっちのケーキ貰うか』

『……まぁ、君も一応客だから見逃すが……叱られても庇わんぞ…』

 

 

入れていたアイスコーヒーのペットボトルと牛乳パックを取り出すと、その二つを混ぜてカフェオレを作る天崎。

 

 

『…苦ッ(にっがッ)‼︎』

『ふははははぁッ‼︎、引っかかたなッ、ソウシが食べるケーキは特別苦い‼︎……彼は甘いカフェオレが好きだからなぁ…』

『ゲンムゥッ‼︎』

 

 

作ったカフェオレにガムシロップを二個注いだ天崎は…マグカップを持って、テーブルに向かった。

 

 

「………」

 

 

ケーキはなかった。

その目を咀嚼音がする方へと向けた。

 

 

「…あ、悪い……お邪魔しているぜ…」

「ゔぇははははッ‼︎、只今戻ったぞソウシィ‼︎」

 

 

思いっきり手にしたマグカップを邪神に目掛けて投げた‼︎







G編も見てくれてありがとな……読者



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ENDING/21(世界)が終わった後で


あー、そういえばエンディング忘れてたわ


みんなごめん、戻ってきたよ


 

 

 

「ッ〜、だからやめろソウシィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛…」

「やめられない、止まらせない、この組付は永遠のものォォォオッ‼︎」

 

 

天崎は若干楽しそうに歌いながらゲンムに関節技をかけていた。

それをじっとした目で、黒髪の白衣を着た男は見ていた。

 

 

「……えーと、貴方は誰ですか?」

「あ?、あぁ、ゲンムがこんな感じに関節技をかけられているのが珍しいからな……もうちょっと見てみようと思ってな」

「とっとと助けろォッ、パラドォッ‼︎」

「宝生つけろよ、ゲンム」

 

 

ゲンムが白衣の男の名前を言うと、それに反応しそう返した。勿論助けなかった。

 

 

「………で?、これで地球に月が激突するのは防げたのはいいけど……こっちは色々聞いてないことあるんだけど?」

「……話すから関節技を外してくれ……痛いものは痛いからな」

 

 

そう言われて天崎は関節技を解いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『何故だッ‼︎、何故テロリストの奴らを庇う‼︎』

「かばうも何もねぇ………」

 

 

テレビ通信で、ある二人の男が会話をしていた。片方はよく蕎麦を食べる日本人に見えて、もう片方はくすんだ金髪を見せている男だ。

 

 

「…第一お前さん方、テロリストが日本にいるからって好き放題にあんな部隊送っていいと思ってんの?」

『テロリストがいるから当然だろうッ』

「それで死者が出てもしょうがないってか?……あの子達は自分達の行いで死者は出さなかったぞ」

 

 

フィーネが齎した混沌の話をしているらしい。

 

 

『それは………いや、ソロモンの杖の奪取の際はどうなんだッ‼︎』

「あれはDr.ウェルの独断だ、僅かな繋がりはあるかもしれんが、関係は全く無い……ところでお宅らの良心的な人達がね……あんたの指示でやった、やりたくなかったって言ってるだけどね………そこはどうなんだ?」

 

 

どうやらフィーネの扱いはウェル博士以外は大丈夫そうだ。

蕎麦好きの男、斯波田賢仁は脳裏に入院中の米国隊員を思い浮かべながら……笑った。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ一つ、ドガミの目的って何?」

「言えない、君にはまだ早すぎるから」

 

「二つ目、ここにいる男は誰?」

「それは彼自身から聞いた方が早い」

 

「三つ目、結局お前はどういうやつだ?」

「無論、私は神だ、神と言っても可笑しくは無い基準に達しているからなぁ…」

 

 

ドガミに対して天崎は次々と質問続けているが、どれも煙に巻かれて少し腹立っている。

 

 

「(だったら……)…すいません、彼奴の頭診てもらっていいですか…お医者さん。」

「無駄だ、ゲンムはいくらデバックしても、治らない…それにあれはゲンムがある程度ハートに余裕がない時しか、しない顔だからな……仲良くていいなお前ら」

「「どこが」だぁッパラドォッ‼︎」

 

 

天崎は衝撃の発言に敵意を見せるが、言葉がドガミと被った。

その事に苛ついているとふとドガミは……

 

 

「総使ィ………次からは私のことをゲンムと呼んでくれ……ドガミは飽きた」

「…分かった」

 

 

嫌がらせのアダ名を呼ぶことをやめる事にした天崎だった。

 

 

 

 

「あ…ドガミって、I,am godを逆さからローマ字で呼んだアダ名か」

「ソウシぃぃぃぃッ‼︎」

 

 

ROUND 2 FIGHT

 

 

 

 

 

 

 

「響……大丈夫?」

「……うん…未来、私は大丈夫だから、そんな過保護にしなくて良いからね」

「ははは、仲いーなお前ら…でも小日向そのおかゆを食べさせるのは、不味いからよせ」

 

 

響の目の前には……小日向がおかゆを作って差し出していた……何故か妙に赤い。

 

 

響と奏はフロンティア事件が終わった後強制的に病院に入院されていた。というのも……

 

 

『響君は治ったとはいえ、その原因がはっきりしていないのが不安だ、だから精密検査を受けてくれ……そして奏、F.I.S.の技術の中にリンカーのより良い除去方法があった……これを使えば奏はまだ装者として活動できるが……俺はやめてほしいと思ってる…』

『……旦那、もう答えは分かってんだろ』

『………すまない』

 

 

弦十郎は奏に装者を続けて欲しくないと思う反面……奏の仲間や人々を助けたいという気持ちを理解していた……その『すまない』にはどんな気持ちが込められいたのだろうか?

想像することは難しいことだ。

 

ただ、それでも

 

 

「(旦那はあたしの身体を心配してくれていることがわかったしな……響やクリスも成長してきたし、暫くは安静にしておくか……さてと)…ナースコール押すぞー」

 

意味があったようだ。

健康を気遣う事にした奏の目の前には……顔を真っ青にして倒れ伏した響がいた。

 

その口もとには、赤い米粒が付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや元の部屋の原型を留めていない天崎のリビングにて

 

 

神はマウントを取られて殴られていた。

そして今、天崎の留めの振り下ろしで意識を失った。

 

 

「…パラドさん、次からは気づいてもやめてくださいね?」

「いーや、やめない……こんなゲンムを見ているのがワクワクしてココロが踊るからな?」

「踊らないでください、てかどうやってあの爆発から生き残ったんですか?」

 

 

素朴な疑問を口にするとパラドは

 

 

「ゲンムは何度死んでも蘇ってくるゾンビみたいな奴だ。深く考えても白けるだけだ」

「…あー、分かりました」

 

 

真顔でそう答えられたので納得するしかなかった。

 

 

「私がどうやって蘇ったかを知りたいのかぁぁぁぁ゛ぁ゛ッ‼︎」

「あ、起きたならとっとと教えて」

 

 

天崎は起き上がった神に真顔で向き合った。

 

 

 

 

 

更迭中の牢獄にて

 

 

「………」

「………デース…」

「……なんでかしらね、いざいないと淋しいものね…」

「「(……ものすごく気まずい)」」

 

 

ゲンムがいなくなったフィーネの三人は窓の景色ばかりを眺め、それを気まずそうにクリスと翼は見ていた……クリスと翼……音楽のグループ名のようであるか人名である。

 

 

「……ところで貴女達は何か用があってきたのでしょ?」

「あ、あぁ……これからの話だ……」

「単刀直入に言おう、マリア、切歌、調……これから設立する新たな二課に入らないか?」

 

 

そして、要件を言った。

 

 

「そういえば……」

「どうしたんデスか、調?」

「ゲンムがくれた音楽ゲームのソフトどこにいったんだろう?」

 

 

 

 

 

「で、ゲンム……どうやって蘇ったの?」

「私が扱っているガシャットは特別製でね……β版のガシャットをさらに改造を加えて作っている」

「えッ?」

「(なぜ、パラドは疑問符を……?)ほー、それで……」

「β版には、コンティニュー機能が搭載されていてね……99個の命の数だけコンティニュー出来たのさ……だが、アップグレードしたγ版は違うッ‼︎」

 

 

そう言って大きく手を振り上げて

 

 

「NEOマイティアクションエックスは999個の命の数だけコンティニュー出来るのさぁぁぁぁッ‼︎」

「「いい加減にしろよゲンム」」

 

 

997と書かれたハートを見せびらかしながらゲンムはキチった。

 

 

 

「てか、99でも白けるには十分なのに桁数をあげんなゲンム……また、過労死するぞ」

「(過労で死ぬのか、この邪神)……ところで何で態態数日前から準備していたんだゲンム……直前までは俺のケータイに入ってた方がいいだろ」

白衣の医者は呆れ、黒ズボンの作曲家は過労死ン、とか次のアダ名を考え、疑問に思ったことを言う……

そんなよく頭が回るなど言われる状況に

 

 

「……やらないといけないことがあったんでね」

「それは?」

「F.I.S.の元メンバーの安全の確保、リンカーのレシピ、ナスターシャ博士の秘密……とかね…」

「……ゲンムが周りに気を使った……⁉︎」

 

 

ゲンムが人助けを曲解することなく、行動していた事に、妙な悲しさを覚えたパラドだった。

 

 

「ところで、ゲンム…ドレミファビートのガシャットを何に使ったのか聞いていないんだが…?」

「それこそが最大の目的だぁ……ソウシィ」

 

 

 

 

Movie start

 

ゲンムは徐ろに立ち上がりながら天崎のことを指を指す

 

「何故、私が何週間もかけてフィーネの子孫の情報を探ったか」

 

 

そして言葉を紡ぎ出す、そう、ドレミファビートのガシャットがない理由を

 

 

「何故、情報を隠蔽したかッ」

 

 

そう、ゲンムはしなくてもいいF.I.Sの子供達の情報を隠蔽してた。

隠蔽したということは子供達の情報を全て調べたのだろう

 

 

「何故、フィーネの一員となって活動したかッ」

 

 

その後はフィーネと共に行動していた、これも、全身を粒子にして動けるゲンムにはあまり意味がない行為とも言える。

寧ろ、単独で自由に行動した方が幾らか良いはずなのに

 

 

「何故ドレミファビートのガシャットが無いのかァッ‼︎」

 

 

そしてその全てにドレミファビートのガシャットが関わっていると暗に告げた。

 

 

 

そしてその場にいる生命の呼吸が聞こえなくなった時、ゲンムは徐ろに金と紫のガシャットを取り出した。

 

 

「その答えは唯一つ………武装組織フィーネの中にあったフィーネの魂をガシャットの中に封印したからだァァァアッ‼︎、ヴェーハハハハハハッッ‼︎」

 

 

その手に握られていたガシャットのタイトルは『ANCIENT BEAT』と書いてあり、タイトルには白い服を着た女性が描かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






みんな忘れてたでしょ、フィーネの対処


わたしの答えはこれです


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