とある科学の能力強化《AIMブースター》 (夜鳴)
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プロローグ:どうやらよくわからんうちに憑依したっぽい。
異世界転生。
まあ、ネット小説やラノベなんかではよくある話だ。
二次創作だと好きな作品の人物になったり、オリジナルの人物になったりしてその世界を堪能する。
まあ、ぼく——
その作品では存在しないはずの人物に。
***
目が覚めたらそこは近未来的な壁がある通路だった。
何があったのか思い出そうとすると、二つの記憶が一気に入り込んできてひどい頭痛に襲われた。
どうやらとある魔術の禁書目録の世界に転生したようだ、と二つの記憶を比べることでわかった。
前世での名前はまあ、よくあるようなありふれた名前だった。
別に必要ないし、使うこともないだろう。
今世での名前が風狩翼。
風でも操れるんじゃないかと思ったが全然違った。なぜこの名前なんだよと軽くツッコミたくなったが、まあどうでもいい話だ。
ぼくの能力はレベル3の
空間に漂うAIM拡散力場——能力者が無意識に発生させている五感で感じることのできない微弱な力場、測定するには精密機械で調べる必要があるらしい——に触れているか、能力そのものに触れているか、能力者に触れていることが条件の能力で、文字通り能力の出力を上げることができ、さらには一応下げることもできる。その副次作用からか、AIM拡散力場を見て触れることができるようだ。
他人がいなきゃ使えないとか学園都市から出たら無能そのものだなと思わざるを得ないけど、まあなんとかするしかない。
ぼくがいる場所は能力開発専門の研究所だ。
ぼくの能力自体がレベルが低いとはいえ珍しいものであり、伸びる可能性があるようなのだ。
ほかにも珍しい能力の持ち主は多いようで、植物の成長を促進させ、その指向性を制御する能力者や、物質間の力を操作する能力者や、現実世界に基盤を用意してその基盤から情報を運用する次元を作り上げる能力者などがいるらしい。
らしい、というのはぼくが入る前の記憶の中にはそのような人物がいると聞かされただけで、研究所の中では同年代の人間と話した記憶がないのだ。
こればっかりはしょうがない。
なんとしてでも交流くらいは持ちたいな、とは思う。同年代の友達がいないのは寂しいし(精神年齢がどうのこうの言われると困るのだが)、その交流で能力が強くなるかもしれない。参考にすることとか色々ありそうだし。
今は研究員の人に少し待ってなさい、と言われたから扉の前で待っている。
研究員さんにあとで能力者の子達に会えるかどうか聞いてみよう。
感想や批評などをもらえると嬉しいです。
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第1話:幽霊少女との出会い
「他の能力者の子とも会ってみたいです」
研究員さんが部屋から出てきたらすぐにそう言ってみた。
まあ許可が出る確率は案外低いかもしれない。
ぼくの能力の影響が出た場合の損失はある意味大きいのだから。
「あら、別に良いわよ。というか一人会ってもらってやってほしいことがあるの。あなたにしかできないことがあってね」
なんですかそれ。もはやぼくの能力使う気満々じゃないすか。
別に良いけど。
というかできたじゃん、過去の自分よ、なぜ言わなかったんだ。そこまでして交流を持ちたくなかったのか。
「ぼくの能力を使って暴走でも止めるんですか?」
「ええ、その通りよ。毎回のように暴走しちゃって施設の修繕費がとてつもないことにならないうちにね」
それは怖い。
研究所はある程度能力の使用に耐えられるように通常とは異なる素材で作られているはずだ。
それをぶっ壊すことができるとなるとかなりの能力の持ち主であることに違いない。
「今からですか?」
「いいえ、今日は単なる検査よ。先程も言ったでしょ? それは明日よ」
「ああ、すみません忘れてました」
「しっかりしなさいよー」
そう言われながら検査を始めるために部屋に入った。
***
検査が終わってとりあえずぼくの部屋に戻る。研究所の中にある一室なのだが、他の子たちの部屋とはある程度離れているようだ。なぜかは知らないけど。
そのままベッドの上で寝転がっていると美少女の顔が天井から現れた。
白くふわりと揺れる髪、大きな瞳は優しげで、それでいて誰かをからかうよう。それらに加え、小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。
…………
「はぁ‼︎⁇」
その顔は徐々に降りてきて首、上半身、下半身と出てきた。
その服は研究所に所属している能力者の女子のもの。
光学系の能力者か、それとも精神干渉系の能力者がやっているのか?
なんで今になって……
驚いた声に反応してその白髪の美少女は不思議そうな顔をする。
つまり、ぼくの反応を見ているということだ。
つまりは精神干渉系の能力者か。
「君は誰?」
そう聞くと美少女は驚いた顔をして、徐々に喜ぶような笑顔になった。
「君は、わたしはが見えるの⁈」
「いや見えるよ。君が見せているんでしょ?」
どこか予想外の反応だな。
そう思いながら質問すると、美少女はふざけた答えを返した。
「わたしは……幽霊さんだよ?」
ふざけるな、と言いたい。
もしかしたらこの街に魔術師が隠れていてそれで降霊したのかもしれない。けれどもその服を着ている以上この子は研究所に所属している子だ。この研究所は極秘扱いされているから少なくとも魔術師が入り込む余地はない。
「いや、それは嘘でしょ? 本当のことを教えて」
「いやほんとだってば。わたしはもう死んでるのよ」
埒があかない。
とりあえず、名前を聞いてみる。
「君の名前は?」
「んー、わたしの名前は
「ぼくの名前は風狩翼。レベル3の
「んー、ほんとなんだけどなぁ。わたしは昨日までこの研究所で能力を伸ばしてたの」
つまりぼくと同じ境遇だ。
「わたしの能力はレベル4の
「ならなんでこんなところにいるの?」
「昨日、研究中に事故が起こったの。限界を超えて運動をしている時に施設の一部が崩壊して消し飛ばされた。わたしの体もそれで消し飛ばされたの」
「その事故の原因は?」
「とある能力者の暴走よ」
おい。それもしかしたら巻き込まれてたかもしれないやつじゃないか。
というか研究員さんの言っていたのって多分そいつでしょ。
「その能力者の能力は?」
「なんだっけ? ……《
「その情報はどこで手に入れたのさ」
「わたしが幽霊になっている時に聞いたの。わたしは能力使用中だったけど再生しきれずに崩壊したみたい。けど能力の影響からか、わたしの意識は幽霊みたいに残っているのよ。今まで他の研究員や能力者の子に会ったけど誰にも気づいてくれなかったのに、君は気づいてくれた」
なぜ他の人には気づかれなかったのか。なぜぼくには気づけたのか。
ぼくが特別だから? ……それなら能力しかない気がする。
「うーん。君はたまたま能力そのもののおかげで意識だけが残ったんじゃないかな。君の能力のAIM拡散力場に意識が宿ったんだと思う。気づかれなかったのはAIM拡散力場はそもそも精密機械で測ろうとしないと調べられないから。そしてぼくが君を見れるのも同じ理由。ぼくの能力がAIM拡散力場を見て触ることができるからだ」
そしてAIM拡散力場を強くしたり弱くしたりする事でそれに付随して能力の出力が上がったり下がったりさせる能力なんだけど。
今は関係ない。
そして、彼女の幽霊という表現もあながち間違いではないようだ。
「え、じゃあ君になら触れるの?」
「たぶんね」
そう答えると優花はぼくの手に触れてきた。きちんと手の感触がする。
「……っ!」
声にならないほど感激しているのか、もう片方の手で口を押さえて目を細めている。
「……良かった」
何が良かったのか。ぼくには想像するしかない。
もう孤独に過ごすしかないと思っていたからか。
まだ意識があって、ある意味生きていることか。
他にもあげられるけど、想像でしかないし聞くのも野暮でしかないと思う。
他のことを考えよう。
彼女の能力について。
彼女は本当に肉体再生の能力者なのだろうか。
高位の肉体再生ならばすぐに欠損を治せるのだろう。
けれど、肉体再生があるからといって幽体になって生きられるのだろうか。
ぼくは二つ思いついた。
一つ目は、はじめから別の能力だった。《
二つ目は崩壊している最中に能力が変質した。その時に
まあ真実はわからないけど。
「あー、その、感激しているところ悪いけどさ。これからどうするの?」
「……あ。ど、どうしよう」
「とりあえずここにいたら? 話し相手もいないんでしょ? きっと退屈すると思う」
「う、うん。そうさせてもらおうかな」
「あとそれから明日はここにいてね。ちょっと仕事があるから」
「え、じゃあ明日一人でお留守番……⁉︎」
「いやかな?」
「なんかちょっと嫌だなぁ」
あ、なんか怒っているのかプルプルしてる。
というか若干体が光ってませんか……?
そして優花はそのまま床ドンした。
床が軽く凹み、衝撃と振動で若干ぼくの体が浮き上がる。何してくれてんの⁉︎
「あ……」
「あ、じゃないよ! 危ないな!」
そう言っているうちに優花の体が軽く薄くなり、端から崩れ始めた。
やばい、と思うとすぐに優花の腕を握って能力を発動。優花のAIM拡散力場を強化する。
するとまた若干優花の体が光り始めて崩壊が止まり、崩れた部分が元に戻った。
これ、優花の寿命短くないか……? おそらく自身のAIM拡散力場を消費して能力が行使されたんだ。強化したら放っておいても優花に限っては力場はそのままのようだけど、案外やばい。
「わかった。明日ついてきていいからもうやめて」
そう言いながらベッドの中に潜り込んで寝た。
視界の端にいた優花は僅かにガッツポーズしていたような気がした。
良かったら感想、批評などよろしくお願いします!
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第2話:暴走したのは疑似的な錬金術師やんけ
朝起きる時間になって幽霊こと優花に叩き起こされた。
伊達にAIM拡散力場に触れてしまうからかそれなりの速さで叩かれるとやはり痛い。
形を持ったAIM拡散力場の意識体だからだろうか。そんなことを考えながらベッドから出て施設のお手洗いに行き、トイレを済ませて手と顔を洗う。
流石に優花を連れて行ってはいない。
そのあと優花とともに研究員さんの元に向かう。
「おはようございます、美玲さん」
「あら、おはよう風狩くん。昨日言ったことは流石に忘れてないわよね?」
「あははは。忘れているわけないじゃないですか。ただ疑問に思ったんですけど、これから先ずっと付き添わなきゃダメなやつですか? それだとぼくの実験にも影響が出るんじゃ……」
「流石にそれは無いわ。今日の夕方ごろ精神のスペシャリストがくる見通しよ」
「それならぼくいらなくないですか? 一応今は暴走してないみたいですし」
「そういうわけにもいかないわよ。ずっと薬漬けにしておくのも実験に影響が出るから。可能な限り薬は最小限にしなきゃダメなのよ」
「ああなるほど確かにそうですね」
「あと少ししたら目が覚めてもおかしくないからついて来てちょうだい」
促されるままついていく。
テレビ局の中のように階段を登ったら廊下を渡り、階段を登ったら廊下を渡り、を繰り返して問題の能力者の部屋についた。
「その子は主に背中を打撲しているわ。もう少し暴走が続いていたら脊髄を骨折して死んでいたかもしれない」
「それは怖いですね」
「まあ、頼んだわよ」
美玲さんがドアの隣についている機械にiDを入力、扉が開く。
そして部屋に入ると点滴を左腕に刺した少年がベットの上で眠っていた。
やべ、あの子の名前聞くの忘れてた。まあいいか。
とりあえず右腕を握ってみて能力を発動。この子の能力の出力を低下させる。
能力を発動させ続けるのは辛いけどいつ目覚めるかわからない状況ではしょうがない。
最悪死ぬかもしれないし。
あれ、これってよく考えると押し付けられたよね。
なぜ気づかなかったぼくよ。
普通に考えりゃ気づくだろ。
「……怖いなーどうしようか」
「まーわたしみたいにならないようにがんばってね」
そういえば優花の存在忘れてた。
「そりゃ応援ありがと。出力下げてどこまで能力が抑制できるんかな……? それで全然ダメだったらやばいじゃん」
「なるようになるでしょ。諦めたらそこで試合終了だよ」
確かに。なるようになるしかないか。
「ん……?」
ベッドの上の少年が目を覚ました。
「——ッ⁉︎ ああああああああアアアアアアアアアァァァァァァ——‼︎」
掌から衝撃が走り、衝撃音を上げながら少年の体がベッドから思いっきり跳ねる。
とても痛い。
それでも能力の行使はやめない。やめたらどうなるかわからない。おそらくこれも能力の暴走なんだ。出力が低下しているから崩壊現象が起きていないだけなんだ、きっと。
それでも触れているものすべてに対してこれほどの衝撃を与えるなんて普通できない。それほど強力な能力者、ということだ。
少年がベッドに着地してからとりあえずなだめる。
「あ、あの落ち着いて。何もないから、怖くないから」
「赤ちゃんをなだめるようなやり方してもダメだと思うけど〜?」
うるせえ黙れ。今それどころじゃないから。
「——っ」
「大丈夫。深呼吸して? とりあえず落ち着こう?」
そう言ってみると素直に従ってくれた。
「えーっと、ぼくは風狩翼。よかったら君の名前を教えてくれないかな?」
「……えっと、その……」
「あー、ゆっくりで大丈夫だからね?」
「
「よろしく、敦」
「あ、あの。よろしくです」
よく見てみるとかなり顔立ちが整っている。
垂れ気味で弱々しい瞳と表情。
髪も綺麗に切られているし、その色もチャラいとはどこか思わせない、顔に似合う茶色。言いにくいけど、小さい男の子好きのお姉さんが食いついてきそうな感じの雰囲気がある。
それにしてもすごいな、と思った。
何がって《
物質間にはたらく力を操る能力。それは分子間力のような物質を結合し、構成する力だけではなく、圧力すら操ることができる。
でなければ、ベッドからノーモーションで跳ねることなんかできないし、ぼくの掌に走った衝撃も説明がつかなくなる。
つまり、応用範囲が非常に広い能力だということだ。
うまくいけば周りの流体を操ったり、圧力を増減させて状態変化すら引き起こせる。
化学変化など物質を理解していれば余裕でできるだろう。
さあどうするかな。
何か話でもしてみるかな、能力の話は避けるようにして。
「敦、好きな食べ物って何がある?」
「あ、うーん……ハンバーグとか、かな……」
「あーハンバーグおいしいよね、チーズかけるとより美味しくなるし」
そんな感じで敦のことを知るために色々と話をした。
***
たくさん話したのに加え、昨日の事故の疲れからか、敦は途中からスヤスヤと眠ってしまった。
その隙に優花のAIM拡散力場を強化したり、色々自身の能力について考察したりして時間を潰した。
もちろん、能力の制御は少しだけは残している。
そしてドアが開き、金髪の美少女が現れた。
どこか不機嫌そうだが、まあこの子が精神のスペシャリスト、能力者だろう。
「あなたはどちら様ですかね?」
「あら、私のことを何も聞いていないのかしらぁ? 私は食蜂操祈。暴走力の高い能力者の鎮静のために呼ばれたわぁ」
食蜂操祈、か。
学園都市最高強度の能力者の一人であり、精神に関する能力を持っている。
スペシャリストとは聞いていたけど、この子が来るとは思わなかった。
「君が、精神のスペシャリストか。なるほど、早速彼を見てくれないかな?」
そう言うと、リモコンを向けられた。やべ、記憶を覗かれる。
そう思ってももう手遅れだった。
「ふーん、この子ねぇ。わかったわぁ」
さほど興味がなかったのか軽く覗かれておしまいのようだった。
転生のこと見られてたらどうしよう……
多分名前も知られているよねこれ……
しばらく敦にむけたリモコンでポチポチしたらぼくたちに背を向けた。
「終わったわぁ。じゃあ、私これで帰るから、あとはよろしくねぇ」
「敦を治してくれてありがとう。またね、操祈さん」
「ああ、言い忘れてたけどぉ、彼、暴走したとき、よくわからない苦痛力がはたらいてたわぁ」
なにそれ。
要するに敦が暴走したのは精神系の能力による干渉があったってことか……?
「そりゃ、教えてくれてどうもありがとね」
そうお礼を言うとどこか意味深い目線でぼくを軽く見たあと、部屋から出ていった。
うわぁ、これ。少しだけど転生のことバレてるんじゃないかな……
感想や批評などもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。
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第3話:比較的良心的だと思っていたけど結局は学園都市の研究者だったわ
めちゃくちゃ嫌な話になると思います。
読んでくださる人が減りそうで怖いです。
……感想がほしい……(←感想乞食)
ああどうしよう。とそんなことを考えているうちに美玲さんがやってきた。
「子守お疲れ様。明日からまた研究と実験に戻ってもらうわよ」
「了解です」
というか子守とか言うなや。それなりに敦は大きいぞ。
そんなことを思いながら心の中で敦にまた今度、と言い部屋を出る。
「ところで今回の事故で何人死傷者が出たんですか?」
これはどうしても気になっていた。
どうせ優花が聞いたのは直後やらある程度事故の時間に近いと思うから。
優花が驚いた表情で何やら言っているがスルーする。
「……はぁ。
ため息をついたあと、小声でなにかを言ったあと親切に教えてくれた。
「というかなんであんな貴重な能力者が二人も巻き込まれるのよ。一人は他とは違う周りのAIM拡散力場を自身のAIM拡散力場で変質させている特殊な
かなり疲れているのか小声では言っているものの愚痴と思われる言葉が次々と出てきた。ぼくには聞こえているのだがもう言葉にしないと気が済まないらしい。ぼくには御構いなしとはいかないまでもそれなりに聞こえてしまう。
まあ良心的とは思っていてもやはり研究第一なんだよね。
「ただ、そのおかげで例のプロジェクトが始まるからいいんだけど。でも今考えると死の間際になるとかなりの確率で変質するっておかしな能力だったわね、要谷さんの能力。それの観測ができなかったのは残念だわ」
その言葉でかなりイラッときたし殴りかかりたくなったけど我慢。ここの人にとってそれは当たり前なんだから。それに敦の能力を暴走させたやつを突き止めないといけないし、ここから追い出されるわけにはいかない。
(優花も落ち着いて、お願いだから)
小声でそう呟く。能力の関係で優花にははっきりと聞こえたはず。
「まあそれも今度始まるプロジェクトのおかげで観測できる可能性が増えるしいいかしらね。あの失敗の計画を拾い上げてより効率よく実践的な能力者を量産できるわけだし、経験も記録できるわけだし。あのクローン実験自体は実践されているしね」
ちょっと待て、優花のクローン作って【
だとすればやばい。やばすぎる。
優花の立場からしてみれば絶対に耐えられないはずだ。こんなもの聞いていて。
ただでさえぼくですら怒りが沸騰しているっていうのに本人からしたら殴りかかってもおかしくない。
「すみません、声、漏れてますよ……!」
それでもどうにか抑えてそう言う。
これ以上聞いていたら抑えられないし、何より優花の存在がバレてしまう。
はっきり言ってしまえばもう優花は人間の枠から外れてしまっているのだ。バレてしまえばその計画とともに体調などの概念など一切考慮されずに使い潰されるだろう。
「あら、ごめんなさいね。聞いていて気分が良いものでもないし、本当にごめんなさい」
ふざけるな。
それはぼくが実験動物だと改めて認識しているからだと思っているからの言葉だろう? そうじゃない、死者を、優花達をなんだと思っているだよ。
そのプロジェクトの詳細は聞いてみたいと思う。けど、そんなのはないだろ……! 抑えていて放っておいた自分が馬鹿だった。
「いいえ、別にいいですよ」
必要な演技とはいえ自分に腹が立つ。
優花の気持ちがほんの少しでもわかるのに抑えているのだから。
どうにも矛盾している気がする。自分の行動がおかしい気がする。今までのところを抑えてこうして客観的に今見れていることが。
やはり人としてぼくも壊れているのかもしれない。
……まあ一つ言えることは、この人も良心的とは思っていたけど勘違い。学園都市の
***
美玲さんと一緒に軽く報告してから部屋に戻った。
そして第一声。
「ごめん、優花。さっきはその、あの話を止めないでいて……」
「んー、別にいいよ。わたしの気持ちをわかって代わりに怒ってくれてたようだし」
てっきりもっと怒っているかと思っていた。
いや、多分今も怒っているんだと思う。表情にも出ていないからわからないけど、あの話を始めるきっかけを作ったのはぼくだし、その時優花の話を無視したのもぼくだし、なによりあれをある程度スルーしたままで放っておいたのだから。
優花を傷つけたのはぼくなんだ。
ぼくは、考え知らずの大馬鹿者だ。
この出来事を忘れてはいけない。
優花には、多分嫌われたな。
それでもそんなことを考える時点でやはりぼくは最低な人間なんだろうな。
感想、評価など、良かったらお願いします。
これからもよろしくお願いします!
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第4話:どうせ最低で自己中な人間なのだから。
話しづらい。
優花に話しかけるのが憚られる。
昨日最低なことしといて、話しかけるのはどうかと思う。それに反省は自分ではしているけど、こんなことを考えてたら結局反省していないのと同じように思える。
とは言えこのまま何も話さないわけにもいかないだろう。
本当にどうしようか。
しかしいつまでもこのことを考えているわけにもいかない。
実験があるのだから。
ということでとりあえず実験のために部屋を出て準備する。
「おはようございます、美玲さん」
「おはよう、調子はどうかしら」
「完璧ですよ。実験でヘマすることはないと思いますよ」
「なるほどね、んじゃ今日もいつもと同じように他の部屋から流れてくるAIM拡散力場を強化、弱化させて頂戴」
そんな話をしながらいつもの実験室に向かう。
「ああ、そういえば」
美玲さんは他愛もない話から突然真面目な雰囲気で声をかけてきた。
「なんですか?」
「明日から直接ほかの人に会って能力を使って頂戴」
「なぜですか?」
「いやそのね、君が少し前まで無口で同年代の人に興味もないかむしろ関わりたくないと思ってたから必要かと思って他の子とは会わせないようにしてたのだけど、その心配はついこないだからなくなったみたいだから」
つまりあれか。憑依する前のぼくが基本的に話しかけんなオーラを出していたと。
確かに誰かと必要以上に話した記憶がないがどんだけ無愛想な顔をしていたんだ、憑依する前のぼくよ。
道理で関わりがないわけだ。こんな基本的にコミュニケーションが必要そうな能力だったのに、他の能力者との記憶が一切ない理由がわかった。
「そうだったんだね〜、時々強化の能力者の実験に付き合ってって言われてたのに君が姿を見せなかったのはそういうことだったのね〜。てっきりその子が人見知りなのかなんなのかと思ってたよ〜」
緊張感の抜けた呑気で可愛らしい声が響く。優花だ。もちろん美玲さんには聞こえてないだろう。
返事がしづらいけど話しかけられたのでとりあえずいつものような感じで小声で応えた。
「と言われても、って感じだけどね。ぼくこそなんか事情があるのかーって思っていたから」
「それにしてもそんなに愛想がなかったんだね〜、今のからじゃ想像もつかないよ」
「スーパーうるさいよ、ぼくにはそんなつもりなかったからね」
未だに自分から話しかけるのは難しい。憚られる。
でもだからって優花にそのことを気取らせちゃ結局のところ変わらない。
本当に難しいな、こういうのって。
***
実験は特に面白みもなく終わった。というかAIM拡散力場に触れてそれを強化し、そこからどのような強化された能力がどれほどの出力になっているか、調べてそこからどのように能力を使用すれば良いかデータを取りながら手探りで行うものだからだ。
そこから先は勉強してまた実験をする。それがいつものサイクルだ。
昨日のような例外はほとんどなく、それを繰り返すことで能力の上達を確認していく作業。
そこに面白みがあるわけがない。
いつもの日課が終わったところで気になったことを聞いてみる。
「美玲さん、敦はどうなりましたか?」
「あー渡錬くん? 一応明後日から開発できるくらいの体調よ。一応様子見で今日と明日は休みって感じだわ」
「なるほど、ありがとうございます。そういえば、敦の能力ってどのくらいの
「レベル3よ。けど、一昨日暴走していた時に限ってはレベル5に近いレベル4って感じの出力はあったみたいね」
あれでレベル3かよ、というか暴走するとあそこまでの出力になるのか。
でも体晶なんかは使わないだろう。
いくらなんでもあれを使えばどうなるかぐらい研究者はわかっているはずだし、何より体がボロボロになるはずだ。
昨日考えた、能力者による干渉という仮説ともいえないものがぼくの頭をよぎる。
誰がいつ、何のために? そして、どうやって? それがわからないことにはなんともいえないだろう。
難しいな。
そんなことを考えながら部屋に戻った。
「ところでさ、強化お願いできないかな〜」
「あ、ごめん、忘れてた」
「……あーこのなんとも言えない心地よさ、なんか癖になりそうだよ〜」
「そりゃどうも」
さて、強化で思い出したけど、昨日ぼくが暇な時間考えていた能力強化の応用。
過去の自分は一切試さなかったみたいだけど、自身への出力を上げたらどうなるのだろうか。出力を強化してから出力をさらに強化なんてことも可能になるだろう。ただ、それが可能ならレベル3なんて枠組みにはいない。おそらく限界があるはず。
こんなこと、誰でも思いつくはずなんだけどなぁ。
さっそく試してみるか。
……そういえば、自分のAIM拡散力場について意識したことねーや。どうやって見ようか、触れようか。
悩むなぁ。
「どうしたの、考え込んで」
「……あー、自分のAIM拡散力場を察する方法について考えてた」
「自分の無意識を意識するってなかなか難しいもんね」
「他人の無意識なら意識できるんだけど、こりゃ、参ったな……」
「でも、わたしに触れたり、見たりしているのって君の能力の片鱗だよね? 意識してみたりしているの?」
「そりゃ、ある程度はまあ。いつも見えていたら視界がふさがれるからね。いや、でも優花ははじめから見えてたし、意識せずとも触ったり叩かれたりしてるかな」
「なら、体表に沿ってその力場が貼られてて、それは広がらずに留まっているんじゃない?」
なるほど、それなら無意識、というのもある程度納得がいく。……いくのか?
ぼくの体表に沿って力が出ている、までならわかる。けれど力が貼り付けられているとなるとぼくの力場は常に体表に留まってより強くなっていくはずだから多分、その仮説は半分くらい間違いだ。
無意識のうちに出ている力場を体に沿って操っている。そして出ていった力場は漂ったままで何もすることはないって感じなはず。
「ありがとう、なんとなくわかった気がする。でも優花の体表に力が貼り付けられて留まって広がらないって考えは間違っているかも」
「え、でもじゃないと触れられないでしょ?」
「その力を無意識のうちに操っているとしたら? そして広がっていった力場の制御を無意識のうちに放棄していたらきっとできると思う。じゃないとぼくの力は体表に留まって力を増していく。そうすれば何もしなくてもレベル5になれてしまうんじゃないかな。だから見て、触れて、その力を増減させることで能力の出力を上げ下げする能力じゃなく、
これは応用すればやばいことになる。
AIM拡散力場を増幅して操ってしまえば
机上の空論かもしれないけどね。
感想、批評など良ければよろしくお願いします!
翼くん、滞空回線のことを知らないので、思考したことをペチャクチャ喋るとその会話が拾われているかもですよ……?
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5話:強化やってみまっせ!
大変お待たせしました。読んでいただければ幸いです。
机上の空論かもしれないけど、さっそく自身のAIM拡散力場を探してみる。時間ならたっぷりあるから、たくさん検証できるだろう。
無意識を意識する、というどこぞの武芸者がやってそうなことをやるのは難しいだろう。
そんなことよりまずはわかる範囲から試してみる。
掌を見つめ、能力を行使する。意識してAIM拡散力場を利用する、という感覚を持って。
するとたくさんの混じり合った力が見えてくる。この都市に広がっているたくさんのAIM拡散力場だろう。すごく邪魔だ。
能力の出力を上げる際に触れる場合、被強化能力者の出しているAIM拡散力場とその人が出して遠くに放出されるAIM拡散力場は同じ色をしている。その力場に注目すると強く光るようになり、他の力場は薄くなって気にならなくなる。
その感覚のせいで今は周りの力場がものすごく邪魔だ。大切なことなので2回言った。
もう片方の手で掌をなぞってみる。
違和感がないか確かめて、そこから手の感触とAIM拡散力場による感触の違いを探る。
難しい。何しろやったことのないことに挑戦しているのだ。
ただ、できるようになれば何かあった時に役に立てる可能性が増える。そうすれば、後悔することはなくなるだろうと思う。
***
結局できませんでしたはい。
なんとなく感覚はわかりそうではあるのだけれど、まだ掴めない。
んで寝落ちしてしまいました。
優花はぼうっとして暇なのをごまかしていたようだ。
どうやらその状態だと眠くならないらしい。
ものすごく心配だ。脳がなくなった状態とはいえ、いずれその弊害が出そうで怖い。代わりの肉体があれば良いのだけど……
とりあえず実験は考えていたら近づいてくるのでさっさと準備する。
さてどんな人たちが出てくるのやら。
***
顔洗ってトイレを済ませてさっさと実験室に向かう。
途中の廊下は見てて飽きない、SF調の壁と床なのでちょっと楽しい気分すらある。
「おはようございますー」
扉を開けて挨拶。美玲さんと男の子三人がいた。
僕から見て右の方の男の子は目つきが暗い。根暗と言われても納得の顔つきで少しだけ茶髪だ。
真ん中の子は金髪の白人で柔らかな笑みを浮かべているけど他の子よりも若干ゴツい。
左の男の子は黒髪でとにかく調子に乗ってそうな明るい顔つきをしている。
「おはよう。今日も体調は良さそうね。紹介するわ、右のこの子は
根暗そうな子が重石鐡也、黒髪の調子に乗ってそうな子が花畑遥、か。
「「「よろしく!」」」
どちらも明るく声をかけてきた。
マジか、人は見た目によらないな。
「そしてあなたたちの正面にいる子が風狩翼。能力はレベル3の能力強化。AIM拡散力場を強化、弱化させて能力自体の出力を上げ下げさせる能力ね」
「こちらこそ、よろしく」
そういうと鐡也が声をかけてくる。
「しかし、いつも強化の実験に参加してたのがこんな子だったとはなぁ」
どういう意味だそれ。
そこまで人嫌いとでも思われていたのかね?
その目線の意味がわかったのか鐡也は軽くあわてた。
「あー、そういう意味じゃなくて病弱なんかなとも思ってたんだよ」
いやなぜに?
誤魔化すのが下手だな。まあいいけど。
「ま、よろしくね」
ところでこれだけなんだろうか?
もっといるだろ、常識的に考えて。
「美玲さん、これだけですか?」
男子三人には聞こえないような小声で話しかけると。
「わざわざ今日実感しない子を呼び出すのも面倒でしょ」
そう返された。まあ、確かにそうかもしれないけど。
「あとどのくらいいるんですか?」
「五人ほどよ」
九人か。妥当なのかどうなのかよくわからない。
いや、亡くなった能力者の人たちも含めれば十一人か。
研究所の限界も近いんじゃないんだろうか。
人為的な暴走に気づけなかったり、研究者の数も減っているし。
まあ、それは僕の考えることではないか。
そんな感じで実験が始まった。
***
「鐡也の能力って金属によって違いとかあるの?」
「ああ、あるぞ。鉄が一番操りやすいんだ。んで原子番号が鉄から離れると操りにくくなるって感じだな」
雑談しながら実験を続けていく。
まあ色々な話を聞けたし、みんなとより仲良くはなれた。
しかしまあ金属変調、鉄から原子番号が離れていくごとに操りにくくなるってかなり不便な能力に思える。
鉄しか操れないのならば水流操作のような限定的な念動能力みたいな感じで一極化できるだろう。
しかし、普通の念動能力と違って操れるものは基本的に鉄に原子番号が近い金属のみ。
帯に短し襷に長しって単語が似合うと感じてしまった。
「俺の能力はうまくいけばサイボーグなんかの治療技術に使える可能性があるんだってよ」
そう言いだしたのは花畑遥。
調子に乗っているように見える顔だが、声はどことなく暗い。
その治療に親友や家族が関わってくるからだろうか。
今聞くのは失礼だから聞かないけども。
「それはすごいね。命を救われるひとが増えるんだし」
植物自体は細胞だから拒絶反応を減らせるような植物に変質とかできれば可能なのか。
骨に親和性の高い物質を使うことで負担を減らしたり、単純に機械と生体をうまく繋げるために必要な技術もあると聞くから、植物の細胞をうまく使えばその辺もより確実になるのだろうか。
「大輝の能力は遥の能力を補助できそうだよね、植物には光合成とかも必要だし、波長をうまく合わせればより能力がうまくいくんじゃない?」
「ん、たしかにそういうことができるかも、ときいたことがある。そういういみではあいしょうがいいのかも」
大輝の言葉はどこか舌ったらずというか聞き取るのに時間がかかる。なんでもクォーターで、日本より外国にいた期間が長かったから話すのが苦手らしい。手紙をよく書いていたので読み書きに支障はないらしいが。
いつも以上にゆっくりと話す必要があった。
なんとなくだけどみんなのこともわかってきて、雑談と実験で時間が流れていく。
気づけばあっという間に終了時間となった。
あまり人と話す性格ではないけどコミュニケーションって重要だなとしみじみ感じる。
「ねえ、風狩くん、ちょっと来て頂戴。話があるから」
面倒事の臭いがする。
やめてくれませんかねぇ……
感想、批評など良ければお願いします!
次こそはエタらないと信じたい。
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6話;発想
超電磁砲T!
いっぱいうれしいことがありますわ()
(全然かけなかったのつらい)
「それでなんですか、話って」
歩きながら話すわ、と美玲さんは歩き出す。
それを駆け足でついていき、隣の位置まで移動したら唐突に質問された。
「あなたって自分の能力についてどこまで把握してる?」
え、なんで。
把握してなきゃ能力使えないでしょ、と思いながらもとりあえず返答する。
「他人の能力、またはAIM拡散力場に触れることを条件に能力の出力を上げ下げする能力ですよね? そのくらいは把握してますけど」
うんうん、とうなずきながら美玲さんは続けて問いかけてくる。
「なら、あなたの能力は成長すればどのようになると思う? ……仮に
なんじゃその質問は。
ぼくの能力が仮に、だ。順当に成長したところで
なんでもあれ、太陽系の外まで射程あるみたいだし。それを検索、捕捉するとかぼくの能力でできそうにない。そんな頭のおかしいことできるはずがない。
……もし、この能力が
そのレベルまでいくと想像もつかない。
「……想像できませんね。所詮は補助的な能力ですから、能力の出力を限界まで引き出すのがせいぜいなんじゃないんでしょうかね」
この答えに不満だったのか。
美玲さんは顔を少し歪ませていた。けれど、その表情から何故か感情が読み取れない。怒りでも、落胆でもない気がする。
「なるほどね。……もうすぐあなたに対して大規模な実験が行われるわ。それまでに考えておいて。あなたの能力の完成形を」
「なぜ、それをぼくに? この施設の研究員なら予測を立てられそうですし、なんなら
ここまで話していて気づいた。
これは能力の方向性を決めるために必要なことなんだろう。
そしておそらく研究所はぼくの能力を好きなかたちに調整するつもりなんだろう。
そのために今の話が必要になっているんじゃないだろうか。
「確かに研究員の間での予測は出てたわ。でもね、私はその予測を裏切って欲しいの。私の予測はみんなと違うから」
その言葉を言いながら狂気の中の笑顔とでも呼べる表情をしている。
なにを言っているんだろうか。
可能性があるって、まるで増幅以外の使い道があるみたいじゃないか。まるで僕が前に予想したような。
「どういうことなんですか?」
「……。ごめんなさい、今の言葉は忘れて頂戴」
そう言って早足で去っていく。
いや待ってよ。
謎が多すぎるよ今回の話。
美玲さんを追おうとしたけどここはもうぼくの部屋の前だった。
長々と話していて気づかなかった。
しょうがない、今日は諦めよう。
***
部屋に入ってから三十分ほど自身の能力の増幅について試していた。
どうしてもうまくいかない。
イメージさえうまくできればできると踏んだけど、そんなに現実は甘くないみたいだ。
そこで打ち切ると優花が退屈そうにしていた。
「どうした、退屈そうにして」
「どうしたもこうしたもないよ。会話できる相手がきみしかいないんだもん、実際に退屈だよ。さっきまできみは考え事してたし」
まあたしかに。
どうにかして体が元に戻ればいいけど、僕の今の能力じゃ不可能だし、どうすればいいのかわからない。
「そう言われてもだなー、どうしようもなくない?」
「……確かにそうだね。どうすればいいのかなぁ。もうみんなと話せないのかな……」
……研究資料を盗んだらわかるかもしれない。
ぼくはそれについてどうするかを考えはじめた。
一応続きは考えてて書いてもいます(いつ出せるのかは自身に対して信用がないのでわからないです、すみません)
感想頂けるとありがたいです
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