やはり彼女が帰ってくるのは間違いなくまちがっている (マッキーガイア)
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1話:失った記憶

前にも言った事があると思うがやはり青春なんて嘘だ。

彼らリア充共が青春と言うものは決まって友達と言う信用のできない無価値な存在が付いている。

知っているだろうが俺に友達などいない

だが青春とやらは謳歌できている

人は一人でも生きてはいけるのだ

教室の端に座り本を読む

これも一つの青春だといえよう。

よしっ!これで君もリア充だ!

 

「ヒッキーおはよう!!」

 

そして青春は音も無く崩れ落ちる

ああ、いつもの事だ。

 

「なんだビッチ?」

 

「ビッチじゃないし!ヒッキーキモい!」

 

まぁ今のは俺が悪かったな

 

「で?何の用だ?」

 

「あのね今日この教室に転校生が来るんだって!」

 

「へぇ、でそれがどうした?」

 

「ヒッキーは気になったりしないの?」

 

「どうせ俺との交流なんてないだろうし転校生が来る事自体どうでも良い」

 

「はぁ、いつも通り捻くれてるね?」

 

「うっせー、通常運転だ。」

 

すると平塚先生が教室に入って来た

「おい、そこうるさいぞー」

 

さっきまで話ていた奴らが話を止める。

 

「よし、じゃあ男子には嬉しいお知らせだが今日からこの教室に転校生が来る」

 

するとまた教室がガヤガヤし始める

 

「うるさいぞー次喋った者には私の“衝撃のファーストブリット”を食らってもらうから覚悟しろよ?」

 

その瞬間教室は静かになる。

うん、平塚先生って恐ろしい

みんな分かっているのだそれはどう言う事か

先生プライベートでもこうなんだろうな

だから独s.........

 

 

ザッ!!

 

 

何かが横を通った気がした

 

「すまん比企谷、手が滑った」

 

平塚先生がそう言うと

俺はゆっくり顔を後ろに目線を向ける.........そこにはチョークが刺さっていた

絶対殺す気だったよねコレ?

 

「では、紹介しよう。入って来なさい。」

 

あ、こっちは無視な方向なんすね?

 

「はい!」

 

元気な声で返事をして入って来たのは白髪の彫りの深いどう見ても外国人の女の子だった。

しかしこの娘どこかで・・・

 

 

 

ああ、確かハ〇ウッド映画に出てた娘だ!

あの『リア充爆発するんです』は衝撃だったな

リア充共がどんどん爆発していくだけのストーリーでたしか彼女はリア充を憎む中学生役だったけ。

小町が好きで毎日のように観てたな。

 

「リーラ・エルフェですよろしくお願いします。」

 

器用な日本語でそう言う。

 

「みんな仲良くしてやってくれ。では次の時間は実習だ気になることが有ったら聞いてやってくれ。」

 

そういい平塚先生は出て行く。ん?なんかこっちを憎らしそうに見ているがどうしたんだ?

そして、クラスのみんながエルフェに飛びつき質問攻めをかける。

たしかに可愛いししかも外国のスターとなるとだれもが飛びつきたくなるだろうな

すると、由比ヶ浜が興奮した様子でこっちに来る

 

「ヒッキー!!すごいよ!!有名人だよ!!握手してもらった!!」

 

「知らねーよってか、暑苦しいからこっち来んな。」

 

そう言うがちっとも離してくんない。

すると戸塚がこっちに来た

 

「八幡!!すごいね!有名人だよ!握手してもらったよ!」

 

「良かったな!!戸塚は今日も可愛いなぁ!」

 

「私と言ってる事同じなのに反応が全然違う」

 

由比ヶ浜がそううなだれるが当たり前だろ!戸塚と由比ヶ浜どっちを取るって言われたら絶対戸塚だろ!!100人中100がそう答えるわ!!

 

そしてしばらくすると教室も静かになりエルフェも席に座ろうとする。

まぁそれは普通だ。じゃないと授業出来ないもんな。

だが、言いたい事がある。......なんで俺の隣なんだよ!

 

そう、は席を自由に選べたんだ。だが、他の奴らの誘いを断って俺の席に座っている。

 

かなりの視線が俺に直撃している。とくに外野の。

 

「ああ、エルフェさん?何でここに座ってるすか?」

 

「え?それは私の自由じゃないですか?」

 

「でも俺みたいな目が死んだ魚みたいな奴の隣よりも葉山みたいなイケメンの隣の方がいいんじゃないっすかね?」

 

「・・・・・・・やっぱり変わってしまいましたね。ハチ君は・・・」

 

 

 

ハチ君?変わった?何を言ってるんだこいつは

 

「変わったって、俺たち今日会ったばかりじゃないっすか。」

 

「いいえ、あなたとは会ったことがあります」

 

え?

 

「あ、そういえばハチ君とは結婚の約束もしましたね?」

 

彼女がいたずらっぽく舌をだして笑うと教室の時が止まる。

 

 

・・・・・・・・いや実際に止まった訳じゃないんだ。ただ時間が止まったように周りの人間たちが行動するのを辞めたのだ。

そして目が飛び出そうなほど目を開けてこっちを見ている。

 

「・・・・・・・・ね、ねぇ、リーラちゃん今のはどういう意味?」

 

皆が絶句していたところに一人の女子が質問してきた。勇気があるな異世界だったら職業勇者だな

 

「え?結婚しようって言うつもりで言ったのだけれども。分からなかった?」

 

いや、この娘は分かっていたんだよ。でも、普通こんな目が腐ってるような奴に言う言葉じゃねんだよそれは!

その子が「も、物好きだね~」と言って元の位置に戻っていった。いや物好きってなんだよ!?分かってたけど!!

 

「ハハハ、冗談よしてくれよ。ヒキタニだぜ?ありえねーって」

 

するとみんなが笑い初めて「確かにな!びくったぜ」とか言ってやがる

おい、お前!!ヒキタニだぜってなんだよ!?俺が幸せになっちゃダメなのか!?

するとエルフェはぷーと頬を膨らませる。

 

 

 

 

 

 

「なんでそういう事言うんですか!!!」

 

エルフェは涙を流して叫ぶ

 

 

どうしたんだ?何で泣いてる?

 

 

 

『ハチ君、大きくなったら私と結婚してよ!!約束だよ!!』

なっ!?

なんだ?今のは?

 

「がっ!?」

 

体がふらつき、頭に何か引っかかるような感覚が襲ってくる

頭が痛い。何故?

 

「え?ど、どうしたの!?ハチk・・!?・・・し・・・保・・・」

 

意識がもうろうとしている。その証拠に彼女の声がうまく聞こえない。

何だっていうんだ・・・・・・・俺は何かを忘れてる・・・・ダメだ・・・

そこから俺は意識を手放した・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い闇の中で彼女を感じていた・・・・

 

 

 

『君はなんでそんなに違うの?』

 

 

 

隣に7歳くらいの女の子が居たことに気付く

 

 

「何が?」

 

 

『君はなんでそんなに違うの?』

 

 

何かが口から飛び出てくるように俺は答える

 

 

「・・・・・・・・・・俺は違わないさ。ただみんなが俺を違うと認識しているだけ」

 

 

『じゃあ君は何で誰かのためにそんなに頑張れるの?』

 

 

「誰かに俺という存在を認識してほしから。」

 

 

口から次々と出てくる言葉に迷わされながら質問に答える

また、質問が来る。

 

 

 

 

 

『じゃあなんで私を見てくれなかったの?』

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

さっきまで喋れていた言葉が行き止る

 

 

『ねぇ、なんで?なんでよ?』

 

 

彼女はどんどん焦るように言う。

 

俺は小さい声で言った

 

 

「ごめん・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

それは謝罪の言葉それはだった。

 

 

「・・・・・・・そっか」

 

 

そう言って彼女は目の前から消えていった。

 

 

 

 

 

 

    ☆   ☆   ☆   ☆

 

 

 

 

 

 

「ぅ・・・・・ん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

目覚めると真っ白な情景が見えてくる

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・知らない天井だ。」

 

「学校の保健室の天井です。」

 

ツッコミが入る。ベッドの隣に座って本を読んでいる声の主を見つけた

 

「・・・・・・・・・雪ノ下か?」

 

「誰ですか?雪ノ下って?もしかして浮気?」

 

外れたクソッ、エルフェだった。

いや、その前に付き合ってもないんだから浮気もクソも無いだろ

 

「それより大丈夫なんですか?いきなり倒れてここまで運ぶの大変だったんですからね?」

 

「は?もしかして、お前ひとりで運んで来たのか?」

 

「まぁ、教室の男子たちがほとんど運んでましたけど・・・」

 

顔を真っ赤にして言うエルフェ。うん可愛い

 

「それと、みんな心配してましたよ?『なんかあったら俺たちに言え』って。ハチ君みんなに好かれてるんですね。」

 

いや、んな訳あるか。ぜってーエルフェ狙いだろ。

 

「でも、ほんとに大丈夫なんですか?頭抱えてたし」

 

「・・・・今は結構大丈夫だ、体も動かせるし痛みも感じない」

 

「そうですか・・・またあの時みたいなことがなければいいけど・・・・・・・・・」

 

「・・・・あの時?」

 

「忘れたんですか?10年前、交通事故で頭を打って。退院後もよく頭が痛いとか言って頭を抱えていたじゃないですか。」

 

「10年前?交通事故?何だそれは?・・・・・・・・・」

 

すると彼女は「・・・・え?」と小さく声を出して驚く

 

「交通事故を知らない?どういう事?・・・・・・・・・・もしかして」

 

「どうした?」

 

「最近、交通事故にあいました?」

 

「え、あったけど1年前学校登校中に・・・・・」

 

「まさか、その時にまた記憶が・・・・・・・・」

 

またってなんだよ?って言うか10年前に交通事故ってなんだよ・・・・・

 

「帰り、あなたの家に行っても良いですか?」

 

「は?なんで?」

 

「小町ちゃんに用があります。」

 

「なんで小町知ってるんだ!?」

 

「そりゃあ知ってますよ。というか結構仲良かったですよ?私達。」

 

 

知らなかった・・・・・だから良くエルフェの映画を観てたんだ

 

 

 

 



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2話:まだ何もない。

こっちには出さないと言いましたね?
それは嘘だ。
こんにちはガイアです。


昼休み、普通の高校生は教室で『みんなと一緒に』とか言いながら食事を始めているころ

俺もいつものベストプレイスでしずかーに戸塚の部活動風景を見ながらに昼飯を食べようとベストプライスに来ていたのだが・・・・・・・

 

 

 

「・・・・遅かったですね?ハチ君」

 

 

 

エルフェさん・・・・なぜお前がここに居る?

 

「どうしたんですか?早く食べないと昼休み終わっちゃいますよ?」

 

「その前に聞きたいこと山ほどあるのだが。まず何故ここを知っている?」

 

「ハチ君ならここが好きそうだなぁ、って思いまして」

 

「マジかよ、女の感ってすげー」

 

「ほめても何も出ないですよ////」

 

顔を赤く染めながらエルフェはそう言った。何?この子マジ萌えるんですけど。そして怖いな

 

そして俺は彼女から1mほど離れたところに腰を掛ける。するとエルフェは不服そうに睨んでくる

 

「・・・・なんでそんなに離れてるんですか?」

 

「俺なんかがお前みたいな美人の隣で飯を食ってたら、その~・・・色々まずいだろ?」

 

「美人って/////・・・って!何もまずくないですよ!さぁここに座ってください!!」

 

そう言いながらエルフェは自分の隣をパンパンと叩く。いや待て俺に死ねと?

 

「いやそれは~あれで~これが、それで無理っす。」

 

「無理な意味が分かりません!!さぁ座ってください!!」

 

俺は諦めて「へい、へい」と言いながら渋々隣に座る。すると彼女は嬉しそうにニッコリと笑った

 

「でもこんな風に二人でご飯を食べるのも久しぶりですね。」

 

「いや、俺まだ思い出してないからな?二人で食べてたとかも知らんし・・・」

 

「話に合わせてください!!」

 

「無茶言うなよ!!」

 

どうでもいいことを話しながら昼を食べ終わるとエルフェが何かを思いついたように聞いてくる。

 

「そう言えばハチ君は部活とかやってるんですか?」

 

「ああ、やってるがなんで俺の部活が気になったんだ?」

 

「私日本の漫画が好きでして・・・・・だから漫画みたいな変な部活ってないのかなーって。」

 

ああ、そういうね感じねそんな漫画みたいなSOS団やらスケット団みたいないかにも変な部活なんてありゃせんよ・・・・・・・・・・・いや俺そんな変な部活に入ってたわ

 

「じゃあ、俺が入ってる部に来てみるか?」

 

「どんな部活なんです?」

 

「う~ん、漫画に例えるとスケット団的な感じかな?根本的には違うけど」

 

「なんですか!?それ、ものすごく楽しそーなんですけど!?」

 

「まぁ依頼がなけりゃほとんどボーっとしてるがな」

 

「絶対行きます!!絶対に!!」

 

ものすごーく興奮してるエルフェを横目で見ながら弁当を片付けながら思った。

『ああ、日本のアニメってやっぱ人気あるんだなー』と

 

「早く放課後にならないかな~~♪」

 

 

 

 

 

 

   ☆    ☆    ☆    

 

 

 

 

 

 

放課後になるとエルフェは興奮した状態で俺の手を引き教室を出る

それを他の男子が見て「ッチ、リア充が・・・」と吐き捨てながら横目で見ている。

 

うん、死にたい

 

第一こんなリア充っぽい事は葉山あたりに任せればいいんだよ。なんで俺が・・・・・・・

 

「早く場所を教えてください!!」

 

そう言えばコイツ場所知らなかったな。じゃあなんで俺を引っぱっていったんだよ・・・・

 

「はぁ・・分かりましたよお嬢様・・・・・・・」

 

「早く!早く!」

 

子供か!!

 

 

 

 

 

しばらく階段を上り下りしていると教室の名札がシールだらけの部屋が現れる。

 

「ほうしぶ?ですか?」

 

「ああ、発音はあってるよ」

 

そう言い教室のドアを開ける

 

 

「うす。」

 

 

そこには教室の端で本を読んでいる雪ノ下がいた。

するとこっちに気が付いたように向き直し口を開く

 

「あら、遅刻ヶ谷くん遅かったじゃない?・・・ところでそのk「かぁぁわぁいいいいいいいい!!!!!!」えっ!?」

 

次の瞬間エルフェは俺の隣から教室の端の雪ノ下の胸元に瞬間移動していた。いや、可愛かったからと言って速すぎだろ

うん、雪ノ下さんはいつもは由比ヶ浜とだけど百合百合してんなぁ

 

「ちょ、ちょっとはなして貰えるかしら?・・・・・・・・・比企谷君・・・・・」

 

助けてほしそーにこっちを見られても困る。ハッキリ言って無理だ残念だったな雪ノ下そのまま百合百合してろ・・・

 

「ああ~もう!!ハチ君この娘、飼ってもいい!?」

 

「駄目ですよ!世話できないでしょう!?というかいやらしく聞こえるからやめろ!!」

 

「ハチ君のケチィィィィィ!!」

 

ケチとかじゃねーよ。てか完全にキャラ崩壊始まってるんですが!?

 

 

 

 

 

ガラッ

 

「ヤッハロー!!ってリーラちゃん!?」

 

ドアの開く音とともに由比ヶ浜が手を振ってバカっぽい挨拶をしながら入ってくる。

 

「ヤッハロー??由比ヶ浜さん」

 

後、エルフェさんよそのバカっぽい挨拶は止めてください。あと、ハテナマーク入れるのも。

 

「というか、由比ヶ浜さんも奉仕部だったんですか。ハチ君なんで言ってくれなかったの?」

 

「すまん由比ヶ浜、紹介し忘れてた。」

 

「ひどくない!?」

 

由比ヶ浜はそう叫ぶ。すると雪ノ下が話に割り込んできた。

 

「由比ヶ浜さん、彼女は誰かしら?どこかで見たことがある顔なんだけれども」

 

「ああ、ゆきのんは知らなかったんだ。今日転校生来るって話があったでしょう?」

 

「ええ、あったわね」

 

「この子が転校生のエルフェ・リーラちゃんだよ!」

 

「そうなの?でもどこかで見たことがあるような?」

 

「ああ、彼女ハリウッド女優だから」

 

そう言うとエルフェは少し驚いた顔をする

 

「な・・・なんでそのことを知ってるんですか?」

 

「え?みんな知ってるよ」

 

「じゃあなんであんなに普通に接してこれたんでしょう?」

 

「まぁ、うちの学校の生徒はみんな個性豊かだからね。その中にハリウッドスターが居てもおかしくないよ」

 

ハリウッドスターが普通ってそんなに個性豊かだっけうちの学校!?

 

「そ、そうなんですか・・・・」

 

ちょっと困ってるじゃないっすかエルフェさん

 

「すごいですね!!日本って」

 

違うからねこの学校がおかしいだけだから

 

 

 

すると雪ノ下が止めに入る

 

「まぁまぁ、由比ヶ浜さんエルフェさんが困ってるじゃない。」

 

「そう?ごめんねリーラちゃん」

 

「大丈夫ですよ。由比ヶ浜さん結構重要な事聞けましたから」

 

「そうなの?」

 

「そうですよ!有名人って大変なんですからね!ストーカーとか!いたずら電話とか!」

 

それなりに苦労してたんだな~って全部犯罪やん

 

「うへぇ、ほんとに大変そうだね」

 

「今までは学校とかに普通に侵入者とかきちゃったりしてたんですけど。ここなら大丈夫そうです!」

 

それは日本でもたまにあるな。後、結構大丈夫じゃないかもね

 

 

 

 




pixivを書ききれたら、あっ暇だ・・・・
って感じななったのでこっちにも出しました。

コピーって楽だわ。


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3話:顔と目

どうもガイアです
良かったらコメントしてください


部活が終わり雪ノ下が職員室にカギを届けに行くのを由比ヶ浜が追いかけていくところを見ながら

エルフェと帰路に着こうと玄関に向かう

 

靴入れの少し手前でエルフェが話し始める

 

「・・・・・やっぱり良いですよねこう言うのって」

 

「・・・・・どういうことだ?」

 

「私こういう日常にあこがれてたんです。いままで世界のあちこちに行ってたからロクに友達とか出来たことが無くて」

 

「そうか・・・・・・・・・」

 

やっぱり女優って大変なんだな、俺にも友達がいないけど理由が天と地の差だ

 

「ええ、だから女優を辞めて色々あってこっちに来ましたけどやっぱり日本に来て正解でした。」

 

すると、エルフェはちらっとこっちを見て悪戯っぽく「ハチ君にも会えたし・・・」と言う。柄にもなく照れくさいな

 

「と、とりあえず今日は俺ん家に来んのか?」

 

「ええ、小町ちゃんにも会いたいですし・・・ちょっと用があるので・・・」

 

靴を履き替えながら言う

 

「俺の記憶がどうたらって奴か・・・・・・」

 

「ええ、そうです。では行きましょうか。」

 

そう言ってエルフェは靴を履き替え帰路に着く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

門に向かおうと足をそろえて歩き出すと門の前になんだか人だかりができていた

 

「なんだ?人だかりは」

 

俺はその人だかりに興味がわいていたが、エルフェはその中の人を見るなり顔を青くする

 

「・・・・・!! は、早く行きましょう!!ハチ君!!走って!!」

 

「へ?」

 

エルフェは俺の手を持つと一気に走り出そうとする。

 

 

 

「ん?ちょっと待って!!・・・やっと見つけたよハニー!!」

 

すると人だかりの中から金髪のイケメンが現れ俺たちの道をふさぐ。そしてエルフェの前に立った・・・・・・いや待てハニー??

 

 

さっきまで騒いでいた人間たちは「え?ハニーってどういう意味だっけ?」「いや、さすがに勉強したでしょ」「あれ?あの娘って今日来た転校生?」と話し始める。

 

「さぁ一緒にアメリカに帰って。そして結婚しよう」

 

へ?結婚?

 

「だからいやだって言いましたよね?私は帰りませんし、貴方とも結婚しません」

 

いや、待てよ。いよいよマジで話が分からなくなってきた

 

「すまんがちょっと待ってくれるか?」

 

俺が間に入る

 

「なんだ?庶民が俺に話しかけるとは身の程知らずにも程があるだろ?」

 

なんだこのイケメン?かっちーんときましたよ?

もー切れちゃいました。ぷっつんします。

 

「いや、その定理だと少なくともお前は庶民ではない何か高貴な者だと言ってるように聞こえるが?」

 

「お前、俺を知らないのか?」

 

は?知る訳ねーだろお前みたいな典型的な駄目イケメン

こんなんがイケメンだというなら葉山の方が100倍マシだわ

 

「ハ、ハチ君!」

 

小さい声でエルフェは俺を呼ぶ

 

「なんだ?」

 

「この人は、俳優のローマン・ゴードンさん海外ではトップクラスのイケメン俳優って呼ばれてる人・・・ほら」

 

彼女はスマフォを取り出し雑誌の記事を見せる

そこには“世界一のイケメン俳優ローマン・ゴードン”と書かれていた。

はぁ、こんなのがイケメンだとか世も末だな。

 

「で?そのイケメン俳優が何の用だよ?」

 

「な~に、我が愛しのハニーがこんな端の小国に引っ越しとは示しが付かないだろうと思ってね。連れ返しに来たんだよ」

 

「バカかお前は、そんなんは彼女が決める事だろ?」

 

「何がバカだこの畜生。というかお前何故彼女と歩いている?貴様にそんな権利あるとは思えないが?」

 

「権利とか知るかよ、この世にそんなどうでもいい権利なんかあったら逆に引くわ」

 

「彼女は人類の宝だそんなの当たり前だろ」

 

「それはどこの世界の話だ?そんな権利があったらエルフェは一生誰とも話せないし会えないじゃないか」

 

「話さなくて良いじゃないか!俺さえ居れば!!」

 

「……は?馬鹿なの?本当に。それは本気でエルフェを愛している奴のセリフか?

彼女の権利を否定するか、」

 

イケメン君はプルプル震えていて、隣ではエルフェが驚いた顔をしてこっちを見ている

 

「クソッ話にならんな!」

 

「はっ、同感だ・・・・」

 

そう言って彼は足早に帰っていく。

最後に「覚えてろよー」とか言ってそうだな

 

 

 

 

するとエルフェは目を見開いてこっちを眺めて言った

 

「ハチ君・・・・・・・・・」

 

「なんだ?」

 

「ありがとうございます。なんだか、安心しました。」

 

「安心?」

 

「やっぱり、ここは違うなって。自由じゃないですけど。

 

 

 

そっか・・・・私にも権利があるんだ・・・」

 

 

 

   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 

 

 

 

それからしばらく、俺たちは比企谷家に向かっていた

さっきから隣でそわそわしているエルフェ、何だってんだ?

するとエルフェはさっきのイケメン騒動について聞き始める

 

「いや、それにしてもさっきの八くんはかっこよかったですよ!どうやったらあんなにカッコよくなるんですか!?」

 

「いや、どうやったもこうやったもただ普通に本当の事を述べていただけだが・・・・」

 

後、アイツ雑魚だったから楽勝だったよ

 

「はぁ、あなたはホントに凄いですよ。」

 

「なんでだ?」

 

「それは・・!・・・・・・・・ま、まぁ、もう過ぎたことです。とりあえずさっさと行きましょう」

 

彼女は何かをはぐらかすように話を進めていく。

なんだか腑に落ちないが・・・・・・彼女がそれでいいならもういいか

 

 

 

 

すると家が見えてきた。

 

「さぁ着いたぞここが比企谷家だ」

 

俺はやる気がなさそーに言う

それを見てエルフェはニッコリ笑う

 

「やっぱりハチ君ですね♪」

 

「は?何が?」

 

「何でもないです♪さぁ行きましょう!」

 

「はぁ仕方ねーな」

 

そう言って俺はドアを開ける

 

 

 

 

 

「「ただいまー」」

 

 

 

 

 



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4話:小町は言った

期末テストで遅れましたすいません。


「「ただいまー」」

 

ドアを開ける音とともに俺たち二人はそう言う。

玄関をくぐると俺にとってはいつも通りの空間が広がるしかしエルフェにはそうではなかった

隣の方ではエルフェが「久びりだなぁ」とか「変わってないなぁ」とか言っているのが聞こえる。

しばらくするとリビングから声が聞こえてきた。

 

「おかえりーお兄ちゃん、おねぇ・・・・・・あれ?」

 

気が抜けるような声の持ち主、我が愛しの妹“比企谷 小町”だ

しばらくして小町の「ふぁ!?」という奇鳴がきこえてきた

その瞬間、奥の方から急ぐ足音が聞こえてくる。

 

 

「お姉ちゃん!!??」

 

 

走ってきた小町の目には少し涙が溢れていた

 

 

「ただいま小町ちゃん............」

 

 

エルフェは静かに笑って小町を安心させるような声でただいまを言う

すると小町はエルフェの顔を見るとエルフェに抱き着き泣き始めた

 

 

「おねぇちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん・・・・!!」

 

 

抱き着きながら泣く小町の頭を撫でながらエルフェは言う

 

「ごめんね寂しかったんだよね小町ちゃん。ごめんねなかなか帰ってこれなくて」

 

 

そんな二人を見ている俺はまるで離れ離れだった親子が再び出会ったようなそんな感覚に陥る。

 

その後10分ほど玄関ではしばらく小町の泣き声がずっと響いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして小町が落ち着いてきた

そして小町は目を真っ赤にして俺の方をを見て言う

 

「・・・・・・・・お兄ちゃん、話さなきゃいけないことがあるの・・・・」

 

「・・・・なんだ?」

 

小町は悲しい顔をしながら答える

 

「・・・・・・お兄ちゃんの記憶について・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・ああ、分かった」

 

俺は静かに答えるとリビングに行こうと靴を脱ぎこわばった小町の頭を少しなでた後リビングに入る

真っ先に冷蔵庫に向かい飲みものを出す

 

「エルフェと小町はコーヒーでいいか?」

 

後から入ってきたエルフェと小町に飲み物を聞く

 

「うん、それでいいよ」

 

「お願いします。ハチ君」

 

「オーケー、コーヒーね。」

 

 

しばらくして自前のコーヒーメーカーでコーヒーを入れ二人の前に出す。俺は買い置きのマッカンを持ちソファーに座った。

ハッキリ言ってまだ聞く姿勢にはなれない。俺は俺自身を落ち着けるためにカンを開け少し飲む

 

「・・・・・・ハチ君やっぱりそんなの飲んでる。体に良くないですよ。」

 

「いいんだよ俺は、人生が苦いんだったらコーヒーくらいは甘くてもいいだろ・・・・」

 

するとエルフェはため息を吐いて言う

 

「何言ってんですか?ハチ君もう人生の悪いとこ全部見てきたみたいに言って。まだまだ若いんですから」

 

お前は俺のお母さんかよ...............

そんなどうでもいいような話をしながら俺たちは小町と向き合う

 

 

 

 

  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

 

 

 

 

「このことを話す前にお兄ちゃん一つ聞いてもいい?」

 

小町は俺の方を見て聞く

 

「え?ああ、いいが。何だ?」

 

俺がそう答えると小町は真剣な表情で聞く

 

 

「お兄ちゃんはさ、いつから自分がボッチになったと思ってる?」

 

「は?いつからって・・・・・・小学生・・・・・・いや、もっと前からだったと思うが?なんだ?もしかして俺の黒歴史あさりたいの?」

 

そんなの事されたら俺死んじゃうよ?

 

「ふざけないで小町はちゃんと聞いてるの!・・・・・・・まぁいいやごみぃちゃんだし・・・」

 

いや、なんだよごみぃちゃんってひどくない!?

あれ?エルフェがなんかこっち見てる?

 

「じゃあお姉ちゃんお兄ちゃんはボッチだった記憶がある?」

 

小町はエルフェにそう聞く

何当たり前の事を・・・・・・・・・

 

「な、無いよ。だってハチ君、クラスの中心だったし」

 

は?何言ってんだコイツ?俺がクラスの中心?んな事無理に決まってるだろ?

すると小町は俺を見て言う

 

「ほら、話が食い違ってるでしょ?」

 

「ああ、確かにな。だがそれは何の根拠にもならんぞ?もしかしたらエルフェが話に合わせてるだけかも・・・・・・・・・まぁ、それはないだろうけど」

 

そう言うと小町は「やっぱりお兄ちゃんは捻デレだなぁ」と言いながらクローゼットを開ける。うるせぇ!俺は捻デレじゃない

 

 

「どこだったかな~これ?違う・・・・これも・・・違う・・・・・・・・あった!これだ!!」

 

 

すると小町が8冊のアルバムを出す

 

「なんだこれ?2008年から2016?一昨年までのアルバム?」

 

「じゃあお兄ちゃんこのアルバムの中からお兄ちゃんがひとりで写ってる写真を全部見つけて!」

 

「・・・・・・・はぁ?」

 

「良いから!」

 

小町に無理やり渡された一つのアルバムを渡される

渡された限り探さない訳もいかないので「なんでそんな公開処刑みたいなことを・・・」とぼやきながら渋々開く

 

「んなもんない訳が・・・・・・・・あれ?誰だこいつ?」

 

そこには俺の隣に女の子が3人程映っていた。

一人はエルフェだと思うが、他の二人がわからない。短髪の茶髪と黒髪のロング、どこかで見たような。

 

 

「あ!それ私とユーちゃんとニューちゃんじゃない!?懐かしいなぁ」

 

ユー?ニュー?分からん

 

「私も良くリューって呼ばれてたなぁ。あっハチ君はそのままだったけど」

 

皆そんなネームセンスだったんだね。

 

「だがこんな奴覚えてないんだがなぁ、俺そんなに記憶力悪かったっけ?」

 

すると小町が現れる

 

「それはこれから教えるから。で?あった?無かった?」

 

「あっ、忘れてたわもうちょっと待ってくれ。・・・・・・・・」

 

俺はアルバムをめくりながら探していく。いくつかどう見ても盗撮だろ?と思うものもあったがそれですら一つたりとも必ず俺の隣には人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・は?・・・・・・・・・・・・なかった?ありえないだろ?」

 

最後のアルバムの最後のページを見てからそうつぶやく。

ましてや何故か俺の盗撮らしき物まであったのにそこにもなかったのだ。

 

「どう?無かったでしょ?」

 

隣でコーヒーを飲んでいた小町はそう聞く

 

「・・・・・・・・・・ああ、無い筈はないんだけどな」

 

「だよねぇ~ましてお兄ちゃんだよ?無いわけがないよね?さぁどうしてか・・・・説明するね」

 

さっきまで泣いていた奴とは思えないほど張り切ったように小町は答える

 

「ここからはおふざけなしで答えるね。単刀直入に言う実はお兄ちゃんは・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そう続けて小町は言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「去年の事故で一回死んだんだ・・・・・・・・・」

 

 

 



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5話:そしてある朝

皆さまはこれを読んで「あ、逃げたな」って思うでしょう

ああ逃げましたよ!!
逃げて何が悪いんですか!!




・・・・・本当にすいません

後今日は短めです


あれからどれくらいたっただろう?

 

傷つくのが当たり前になっていた

 

俺は俺という存在を決して認めない

 

一つの道があった。

 

俺はそれを進むしかない

 

何も知らずに

 

いや・・・・・・・ただ一つだけわかるものがある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先には一つだけ()が存在する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・ぅ・・・ぅん?」

 

 

 

 

俺は重たい目を覚ました。見渡すとそこは自室のようだ

 

 

「はぁ、またか・・・・・・・・・」

 

頭を支えながら立ち上がる。まだ少しクラクラするがしばらくすれば元に戻るだろう

 

「・・・・・てかなんで俺寝てるんだ?昨日寝た記憶がないが」

 

たしか俺は小町に何かを言われて・・・・・ここからの記憶がない?

 

 

「まぁいつものことだ・・・うん」

 

 

そう自分に言い聞かせリビングに向かうため服を着替える

 

 

ガラッ

 

 

「ハチ君大丈夫ですか?」

 

「ヘッ?」

 

パンツを脱ごうとした時エルフェが俺の部屋のドアを開られる

 

「あ、服ここに置いておきますからね。あと学校に行く前にシャワー浴びといたほうがいいですよ」

 

「ねぇ・・・・」

 

「あ、朝食ですか?だったらさっさと着替えて下に来てくださいね?今日の朝食は私と小町ちゃんで作ったので味の保証はできますよ。」

 

「いや、違うお前さ・・・・・」

 

「もしかして私をご志望ですか?すみませんがそう言うのは大人になってからにしましょう?ね?」

 

エルフェは顔を真っ赤にしてそう言う

 

「まて何故そうなる!?違うよ俺今裸なんですけど!?普通女子ってそう言うの見たら「きゃー」とか言って逃げるだろ!?」

 

「?なぜ逃げなきゃならないんですか?未来の夫に向かって」

 

「いや待て俺はまだお前の事を認めてないぞ!」

 

「知りませんし。これは強制ですよ。・・・後、別に私ハーレムでも良いですがその場合はユーちゃんニューちゃん連れてきてください。」

 

「俺はハーレム造れるほど人気じゃないし第一そのユーちゃんとニューちゃんとやらは会ったことすらない」

 

「じゃあ雪ノ下さんと由比ヶ浜さんで許して上げます」

 

「なんか一気にレべル高くなった気がする・・・」

 

「でもさっさと下に来てくださいね。ご飯冷めちゃいますから。」

 

「ああ、分かった。」

 

俺がそう言うとエルフェは「さっさとしてくださいよ」と言いドアを閉め下に降りて行った

 

 

 

 

エルフェが下に降りたのを確認し。体を伸ばす

 

「ぐっ・・・・っとさっさと着替えるか」

 

 

 

エルフェがもって来た学校の制服に着替え、下に降りる

 

 

 

 

 

「あっ!遅いよお兄ちゃん!!」

 

 

 

そう小町が言うと俺は「おはよ」とだけ言って席に着く

重たい瞼を開けて食卓を見る

 

「・・・・・・・・・なんつーか。すっげぇー御馳走だな」

 

「でしょ!お姉ちゃんと一緒に朝ごはん作ってたら楽しくなっちゃっていっぱい作っちゃった」

 

「いや限度っつーもんがあるでしょ?なにこれ?優に100人前位作っちゃったんじゃないの?」

すると

 

「流石に100人前は作ってないですよせいぜい50人前」

 

「いやそれでも多いからね!?」

 

目の前の大盛に摘まれた料理たちを見ながら叫んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50人前の料理を3人で平らげ学校の用意をする。腹がマジでギリギリだったぜ!!( ´Д`)=3 フゥ

 

すると前を通り過ぎようとした小町を俺は止める

 

「すまん小町ひとつ聞いても良いか?」

 

「何?お兄ちゃん?」

 

「お前昨日のこと何だが・・・・・」

 

そう昨日の「死んだ」の話だ

 

「そのことは昨日全部話したでしょ?」

 

「は?いや待て一個話されたも記憶にないのだが」

 

「いやいや冗談言わないでよ。お兄ちゃん「がんばったな」って頭をなででくれたじゃん」

 

いやいやいやそんな訳ないだって俺が愛しの小町の頭をなでたんだぞ?絶対覚えてるはず

だって俺は今までの人生で小町の頭を触った数を忘れた事は無いぞ!?

 

そんなことを考えてると小町が『キモッ』と言う感じの顔してたのでやめた

 

「でも、どういう事だ?・・・・・・・」

 

「何いってるか知らないけど。早く行かないととまずいんじゃない?私達」

 

は?と思い時計を見ると8時20分になっていた。ホームルームまで後20分前、一言で言うと『か~な~りまずい』。

 

 

「やばッ!?さっさと行くぞ!!小町!エルフェ!!」

 

「はーい」

 

「ていうかお兄ちゃんを待ってたんだからね!」

 

 

俺たちは急いで鞄を持ち玄関を通り自転車を運ぶ

 

 

「お姉ちゃんは確か私の自転車あったはずだからそれ使って!!」

 

「うん、分かった!!」

 

「やばい!!もう25分だ!!早く行くぞ!!」

 

「わかってるよっ!!もう、行ってきまーす」

 

そして俺は小町を後ろに乗せて発車する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18分後

 

小町と別れやっとの思いで学校に着く。

 

 

「ふぅ~ギリギリセーフっと」

 

 

俺は背伸びして校舎に入ろうとする

 

「にしても速いですよ~もう少しで置いて行かれるところでした。」

 

「なんか言い方が、あざといなぁ。お前一色か?」

 

「何言ってるんですか?一色って誰ですか?また誰か落としたんですか?」

 

「何言ってやがる?俺は今まで落ちた事はあっても誰かを落としたことはねーよ。」

 

 

そう言いながら俺は靴箱に向かい靴を取る。

 

「キャッ!?」

 

するとエルフェが靴箱の前で叫び声を出しながら座り込んだだろう音がした。

 

「ど、どうした!?」

 

そう言い向こうの靴箱を覗くと

 

「た、助けてくださーい」

 

 

そこには無数のラブレターに埋められたエルフェがいた。まるでどっかの漫画みたいな感じで・・・・

 

「ていうかあれ?この学校そんなに生徒いたか?というかどんな感じでこの手紙の山をその靴箱に詰めたんだ?」

 

深まる謎に対してエルフェはいう

 

「もぅーそんな事考えるより助けてください!!このままじゃ手紙に殺されます!」

 

 

その後手紙の中からエルフェを助けた後ホントにギリギリで着席したとさ

 

 

 



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6話:意味のない時間

皆さまお久しぶりです!!
ガイアです。

今回はリアルなんて求めてはいけません。作者のスランプによってできた駄作だと思ってください

今回は短めです。


 

「......なぁ、エルフェよ」

 

昼休み。

俺は不機嫌そうに隣に座っている少女の名前を呼んだ。

 

「なんですか?」

 

少女も不機嫌そうに言う

 

「.........この状況は何だ?」

 

俺たちは昼飯を食べようといつも通りベストプライスへ来ていたのだが、

そこには、20人ばかしの人だかりができていた。

その人だかりの視線はどう見ても俺たちに向いていた。

 

「ぐっ...どう見ても俺たちを見てるよな?」

 

好奇の視線に弱い俺は少しひるんだ

するとエルフェは答える

 

「......私は結構慣れっこですよ。だけど、こういう視線は初めてですね............ハチ君はどうですか?」

「ボッチの俺に聞くなよ。ていうか俺は友達がいないんだぜ?一緒にご飯とかも昨日エルフェと食べたのが高校中学に掛けて初めてだ。あ、自分で行ってて悲しくなってきた」

 

するとエルフェは「は、初めて......///」と言っていたのを無視して手元にある大きめの弁当を口に掻き込んだ。

しばらく外野を無視して食べ続けると一人の男子がエルフェに近づいていた。

 

 

「ねぇ、君がエルフェさんだよね?こっちに来て一緒に食べないか?皆で食べたほうがきっとおいしいよ?」

 

 

話しかけてきた男を見たところコイツ、葉山ほどではないがかなりのイケメンだ。しかもこの笑顔この笑顔でどれだけの女を落としてきたのか分からんが少なくとも100人は落としてきている顔だ。クッソイライラすることを思い出した。小学校の時............あ。ま、まぁ俺の黒歴史は後にしてやっぱり嫌いだ(作者本心)

すると気に入らない顔でエルフェは言う

 

「ごめんなさい、私先約居ますので」

 

「先約ってそこの男子でしょ?そんなさえない奴より俺たちと一緒に食べようよ。ね?」

 

おい、冴えないとはなんだ..................あながち間違ってないかもしれないと思っちゃったじゃねーか

 

「冴えない奴って、貴方ハチ君の事を言ってるんですか?貴方自分を過大評価してるみたいですが。彼が貴方ごときに劣っているとでも?」

 

おい、今一瞬悪意を感じたぞ?

まぁ、言わばナンパ相手にしてるわけだからそうなるのも当然と言えば当然だが...

すると相手は俺を軽くにらみつけた後、視線をエルフェに戻して言う

 

「ごときって............。」

 

「ごときですよ。貴方の取柄は顔だけでしょう?そんな男なんてハチ君の足元にも及びませんよ。」

 

うん。今、目の前に雪ノ下が見えたのは俺だけか?

しかし、男はまだ諦めきれていないようだ。

 

 

「と、とにかく俺たちと一緒n...「おい、そこのお前何してる?」...な、何だ?お前たちは?」

 

 

黄色の法被を着た男たち10人程がイケメン野郎の目の前に現れる。

 

すると男たちはたちその法被をイケメン野郎に見せつける

その法被には大きく『八オリ命!!』と書いてあった。......なんかメタい奴らだな

 

 

 

「俺たちは“八オリ親衛隊”!!八幡を見守りオリヒロを助ける!!」

 

 

 

隊長らしき奴がそう言ってみるに堪えないポーズをとる、一見どうもオタクの集まりに見えるがどこか頼りがいのあるメンバーの集まりらしい。あとメタい

 

 

「なんだオリヒロって?............ガッ!?」KUBISIME!!

 

「なんだ?貴様オリヒロを知らないのか?まったく最近の若者は......」ギュ~~~

 

「「「「HAHAHAHAHAHA」」」」ギュ~~~......ガクッ

 

 

うん、笑い方がウザイ。あと何気にそのイケメンの首を絞めるのは止めてもらえないっすかね?そいつ死んでるし怖いんで

 

「はぁ~もう終わりか。つまらんな~次までに鍛えろよ?ったく」

 

男はイケメンの屍を地面に投げ捨てる。そして俺たちの方を向く

 

 

「失礼しましたっ!!どうぞお話の続きを続けてくださいっ!!後、困った時は私たちを呼んでください!!いつでも駆け付けますから!!」

 

 

男たちはそう言って手元にあった謎の腕時計で空中に穴を造りそこへ入って行った。

そして俺は思う。『作者よ。いくらスランプだからってふざけるのもたいがいにしろよ......』と。

 

「さっきのは何だったんだ?......」

 

「いいえ?私たちは何も見ませんでした。見たとしても、ただの駄目イケメンだけです」

 

「え?でも............」

 

「私たちは何も見なかった。ね?」

 

「は、はい」

 

俺はそれからそのことに対して口を開く事は無かった。

 

 




俺ガイル二次創作の作者様方へ

八オリ親衛隊はフリーとして使ってもらって構わないです。
ご自由に好きな場面でお使いください。
たとえば、ヒロインが絶体絶命のピンチなど作者様のスランプ時の緊急手配などの扱いで良いです。
場合によっては、ボコボコにして頂いてもかまいませんし。(私個人の)基本設定に元図いて最強にして頂いても結構です


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7話:否定と肯定

因みに原作は1年の時に終了した設定です。一色が生徒会長の奴はまぁ、なんか色々あったんですよ。はい


放課後、昨日と同じように俺たちは奉仕部に向かっていた。

まだ日が落ちるのが遅いため太陽がまだ高い位置に居る。携帯の温度計を見るともう38度という猛熱。そんな日にクーラーも無い部室に行くのはただの拷問でしかないが行かなければそれはそれで地獄が始まる。うん、逃げるという選択肢がもう無いね!!

隣を一緒に歩いているエルフェも汗だくになっている。というか、昨日からエルフェと離れてる描写が無いというのが気になるがまぁ、もういい加減諦めた

 

「日本の夏ってなんでこんなに蒸し暑いんですか......なんか気持ち悪いです」

「本当だよ。はぁ、もう帰っていいかな?帰っていいかな?」

 

そう文句を言いながら地獄に向かう。

 

「せんぱーい♪」

 

すると、あざとい声が聞こえてくる

俺は溜息を吐き今いる位置から少し横にずれた。

さっきの位置から風を感じた。

 

 

ズザザザザザザザz

 

 

「ふぁ!?」

 

いきなり出てきた陰にエルフェは驚いく。

そこに横たわっていたのは少し茶髪がかった髪の見る限り一年生の女子。

 

 

 

「......はぁ、なんだよ一色?」

 

 

 

そこにはこの総武高校生徒会長の“一色 いろは”のあわれもない姿があった

 

「あ、生徒会長さん」

 

エルフェはやっとの思いで彼女の事を思い出す。

 

「......せんぱーい、なんで避けるんですか?あ、こんにちはリーラ先輩。」

 

やっとの思いで立ち上がった一色がうなだれながらそう言う。

 

「避けるに決まってるだろ。第一考えてもみろお前のタックルで俺が傷ついたらどうすんだ?後、暑苦しくてかなわん。」

「私の方はどうでもいいですかぁ?」

「俺は自分が一番なの。」

 

プクーと頬を膨らませながら俺を睨む一色。

なんかゴミを見るような目で俺を見るエルフェ。

えっと...俺が悪いの?

 

「まぁ、先輩はそう言う人ですしね。」

 

諦め口調で一色がそう言う。やっぱ俺が悪いんだ?

 

「で?一色何の用だ?お前が俺に意味もなく会いに来るとは思えんのだが......」

「ああ、忘れてました。平塚先生から伝言いただいているんでした。じゃあ、伝えますね。

コホン『比企谷、今日は部活は休部にしようと思う。今年最高温度であのクーラー無しの地獄に君のような引きこもりが耐えられるとは思えんしね。雪ノ下や由比ヶ浜からは私から言っておこう』だそうです。」

 

何気に似ていた一色の平塚先生の真似を見て少しびっくりしてから。すぐ正気を取り戻し話の内容を思い出す。

 

「あ、ああ分かった。OK」

 

「はい♪では私生徒会に戻るんで!あ、今度の生徒会の荷物運び手伝いお願いします!」

 

「ああ、分かった分かった」

「ふふ♪よろしくお願いしますね~」

 

そう笑いながら一色は生徒会室へ戻っていった。うん、あざとい

するとエルフェが少し驚きながら呆気に捕らえていたのを思い出した。

 

「大丈夫か?」

「え、ええ。なんか、嵐みたいな人でしたね。」

「ああ、キャラ崩壊も甚だしいというか......いや何言ってんだ俺は?一色はいつもあんな感じだったろ?」

 

俺は自分にそう言い聞かせ。自分のポジションを再確認する。

そう言えば今日は休部なんだっけ。

 

「お前今日なにか用あるか?」

「え?無いですけど。」

「じゃあ、夕飯食べてくか?聞きたいこともあるし。」

 

分かっている。こんな言葉俺に似合うわけがない。だが、一つだけどうしても気になって仕方ないことがある。気にはなっているが否定されることを承知で聞いている......

 

「え?良いですよ。」

 

はい、昨日今日2日付き添ってただけで分かる。こいつ結構ガードが緩い。

 

「その~良いのか?俺、男だぞ?普通こういう時って大体の返答は「無理」か、「死ね」だろ?お前大丈夫か?そのうち変な男に騙されたりして〇〇とかあったりしないよな?」

「死ねって......大丈夫ですよ。ハチ君ですもんむしろハチ君ならh......」

「やめんしゃい!!」

 

エルフェが何か言いかけたところで俺は口を封じた。

これ以上〇〇〇やら〇〇やらは出したくない!!それに俺のメンタルに傷が付く。

 

「と、とりあえずっ。今夜の買い出し行くから付いてくるか?」

「はい!!分かりました!!」

 

間も開けずに正定を言うエルフェに困惑しつつ校舎玄関に向かって歩み出した。

 

 

 

 

             ☆  ☆  ☆

 

 

 

 

 

買い物が終わりビニール袋を持ちながら。夜道を歩く。ここに居る人は俺とエルフェだけ。

 

「—――――――でね。雪ノ下さんがそこで...」

 

エルフェのたわいもない話を軽くうなずきながら俺は聞く。

ふと街灯の下で俺は足を止めた。

 

するとエルフェは俺の方を振り向く。“これだけはどうしても聞かなければならない。”俺は自分自身にそう言い聞かせる。

そして俺は口を開いて尋ねた。

 

 

 

 

「なぁ、エルフェ......お前は大丈夫なのか?」

 

 

 

言った言葉がうまく自分に突き刺さる

彼女は軽く驚いたように「え?」と呟いた。

 

 

「聞いたんだろ?俺の話。」

 

......俺の話、つまり今まで俺がやらかしてきた事の数々。文化祭、修学旅行などの俺の害悪。これは俺の中では間違ったことをしたつもりはないが他人からしてみればただの害悪でしかない話。

 

「........................」

 

 

 

「一応言っておく。あの話は全部本当だ。」

 

俺は釘を刺す。

 

「......ハチ君はなんであんなことしたの?」

 

震える声で彼女は聞く。

今にも泣きそうな顔で彼女は自分の唇を噛む。

彼女の目から少し涙が零れ落ちる。

それでも俺は言わなくてはならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女は俺に背を向け走り出していた。

 

暗闇に光る雫が落ちて行く。

これは俺への罰だ今までの報いだ。俺の中の何かが壊れる。いやとっくに壊れていたのか......気付くのが遅かったのか?......いや

 

 

 

「......これでよかったんだ」

 

 

 

 

一言。俺はただ彼女の背中を見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《そして彼らの関係はまた振出しに戻る。》

 

 

 

 

 



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8話:優しい女の子

いつもより更新速いなって?暇だったんですよ!


俺は優しい女の子が嫌いだ。

 

ほんの一言挨拶を交わせば気になるしメールが行き交えば心がざわつく電話なんかかかって来た日には着信履歴を見てつい頬が緩む。だが知っているそれが優しさだってことを......

俺に優しい人は他の人にも優しくてその事をつい忘れてしまいそうになる。真実が残酷というのならきっと嘘は優しいのであろう。だから優しさは嘘だ

いつだって期待していつだって勘違いして......いつからか希望を持つのは止めた。訓練されたボッチは二度と同じ手に引っかかったりしない百戦錬磨の強者。

負けることに関しては俺が最強

だから......

 

 

いつまでも優しい女の子は嫌いだ......

 

 

 

 

 

    ☆  ☆  ☆

 

 

 

 

“彼女の事はこれでよかったんだ。これでもう誰も傷つく事は無い”

 

重い足取りを無理やり動かしながら。夜の道を行くスーパーのビニール袋にはいつの間にか穴が開いてそこから食材が出そうになっていたが気にせずただ下を向いてひたすら歩く。

人はとっくに寝静まり俺は再スタートを切るため交差点の真ん中に居た。俺の隣を影法師がひたすらすれ違う。自分の輪郭さえもはっきりとしなくなっていく。俺は何ら変わりもんでも特別でもない......ここに居る人たちと同じいつかは消えていく......誰にも覚えてもらえるわけじゃない。覚えてもらえるのはこの中のごくわずかの人間...もしくはここには居ないかもしれない。死んだ人間はいつかは存在すらも忘れられる...

 

 

 

 

 

 

 

忘れられた人間は()()()()()()()()()()()()()()。人は忘れたことも忘れていく。じゃあ、俺はこの先何を糧に生きて行けばいい?

ふと、道端で抗争が耳に入ってきた

 

「ねぇ、君可愛いじゃん?俺と遊んでいかない?」

 

「や、やめてください!警察呼びますよっ!!」

 

金髪の男が茶髪の女の子を襲っている。男は20代前半くらいで女は10代後半の高校生のようだった。

だんだんその抗争はヒートアップしていってついに男が手を上げようとしている。

俺はそっぽを向こうとするが出来ない。頭の中ではあれをどうにかしようしか考えていない。

 

“関係ない。関係ないんだ俺には......だけど..どうしても”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...............体が動いちまうんだ...

 

気付いたら俺は男の手を掴んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――数分後。俺はやっぱりボコボコにされていた...

明らかな力の差。分かっていたさ、こうなることくらい。人間は平等に作られていないからな...

 

するとさっき襲われていた女の子が近づいてきた。まだどこか怯えてるみたいだが大分落ち着いたみたいだ。

 

 

「......そ、その大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だ。慣れてるから......」

 

俺はそっけなく返す。こんないいこの娘だ罪悪感でも感じてるんだろうか。その必要もないのに。

彼女はハンカチを取り出し傷口を拭こうとしてくるが俺はそれを手で拒む。

 

「ちょっと、手をどけてください傷口にばい菌でも入ったら......」

 

「必要ない...」

 

ふらふらと立ち上がり帰路に着こうと落ちてたビニール袋と鞄を拾う。あれ?鞄のチャックが開いてる?

殴られたとき何かの拍子にチャックが開いたか?

中身を確認しようとチャックに手を付けた時......

 

 

「...............はーくん?」

 

 

さっきの女の子が俺の生徒手帳を持ってこっちを見ていた。

彼女は呆気にとられた様子でこっちをしっかり視界にとらえていた。

 

「......俺は“はーくん”なんて名前じゃない......」

 

「忘れたの!?私だよ!霧雨 優香!!」

 

「知らん。俺にそんな名前の知り合いは居ない。人違いだ......」

 

どこかで見たことがある顔......だがきっと他人の空似だ。

自分で言うのもなんだが目以外は顔は良いからな。

すると彼女が話しかけてきた。

 

「所でリューちゃん元気にしてる?」

 

「だから、s......え?」

 

それは確か昨日エルフェが言ってた。アイツのあだ名...それを知ってるのは

 

「あれ?どうしたの?」

 

次は俺が呆気に取られている。すると霧雨が慌て始めた。

 

「あれ?はーくんどうしたの?もしかして傷に悪いばい菌が入ったの?ねぇ大丈夫!?はーくん!?はーくん!?」

 

 

 

あ、こいつあれだ天然だ。

 

 

 

「いや、大丈夫だ。その...お前もしかしてエルフェが言ってた?」

 

「エルフェ?だれそれ?」

 

「いやリーラ・エルフェだろ?あいつ。だからエルフェ」

 

「そんな名前だったんだ!?初めて知った!!」

 

友達の名前くらい覚えておこうぜ?な?

あっけらかんとした様子でそう言う霧雨にまじめにそう思った

 

「ところで霧雨はなんでこんなとこに居るんだ?」

 

そう聞くと霧島は頬を膨らませる。いや、何で怒ってるの?

 

「もー、はーくん昔のあだ名で言ってよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――――――――――――――――――――――ユーちゃんって」

 

それを聞いて瞬間俺は思った。

 

“やっぱりか......”と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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9話:ただ一度も

今回はガチで短いです。
だってここに次の日とか入れたら負けるような気がして......うん、ガチで短いです


「ふーん。そうなんだ~」

 

 

俺は今なんやかんやあってエルフェの事を霧雨に説明していた。彼女は聞き上手なのか話しやすい。関係ないこともどんどん話してしまいただいま夜の10時.........うん、やヴァい。特に小町のお説教が......

 

「まぁ、そっちの事情はよ~く分かったよ。でもリューちゃん帰って来たなら教えてくれればいいのに...」

 

「いや、連絡方法が分かんないっぽかったからな」

 

「そっか~そう言えば教えてなかったしな~ハー君と交換しとけばよかったな。いつも一緒に居るから大丈夫だと思ってたからねぇ」

 

「そもそも違う高校なのに大丈夫の何もない気がするんだが......」

 

「あ、そう言えば久しぶり~」

 

そう返す霧雨に俺は戸惑いながら「ひ、久しぶりぃ?」と返す。一応言うぞ!!俺はこんな可愛い子とお知り合いになった記憶はない!!

すると霧雨は少し茶色がかった髪を手でくるくると弄りながら俺の顔を覗いてきた...

 

「な、なんだよ?」

 

「うんうん♪ただなんかハーくん変わった気がしたんだけど......根本的なとこは全然変わってないな~って思ってさ」

 

「は?意味が分からんのだが......それにお前たちが知ってる俺とはほとんど変わってると思うが......」

 

「うんうん、全く変わってないよ。ハーくん毎回無茶するんだもん。そういう所全く変わってない。自分を切り捨ててでも他人を救っちゃうところ............」

 

首を横に振りながら霧雨は少し悲しそうに言う。

それに対しての俺の心境は少し照れくさくどこか悲しかった。何でこの娘はなんで俺の事をこんなに見ようとしてるんだ?他人をなんでそんな目で見れるんだ?

そんな事を考えていると霧雨は少し寂しそうにまた話し始めた。

 

「ハーくんってさ自分を過小評価しすぎなんだよ。何かと自分の方が他人より劣ってると思ってる。もっと自分を信じてあげなよ」

 

優しい声でそう語る霧雨の前に俺はただ立ち尽くしている。

自分を信じる......?俺にそれができるのか?

不安と安心が入り混じった心の中。ただひたすらに考える

 

「......いくつもの可能性を見てきて。いくつもの現実を見てきた......その中で最悪な結果もたくさん見てきた。自分がどれだけ弱いかさえ感じた...でも諦めなかったから今がある。それがハーくん......でしょ?」

 

「だ、だが!!俺じゃ彼女は守れない...ならいっそ......」

 

震えた声で俺はそう反発する。

空振った言葉の壁はそれを受け入れてくれない

 

 

 

 

「―――――――――――――だから、無責任にリューちゃんを捨てるの......?それが出来る人なの?はー君は」

 

 

 

 

その言葉は確信に迫っていた。胸が苦しい。

 

 

俺はそろそろ自分の道を走り出さねばならない。

すると霧雨はバッグを持って立ち上がった

 

 

「じゃあ、そろそろ時間も時間だから帰るね。」

 

「あ。ああ、そうだな。今日は...その..ありがとな...」

 

「うんうん、私も楽しかったよ!!特に最後なんか言ってみたかった言葉ランキングに入ってたやつだし!!」

 

うん、遊んでたのか?あの状況で?嘘やろ?心めっちゃ揺れまくってたのに最後の言葉で全部台無しだよ。

 

 

 

「――――――――ああ、でも。君に会えてよかった。」

 

 

 

 

 

    ☆    ☆    ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――そして時間はいつも過ぎていく。

 

 

 

 

 



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10話:盗み聞き。

来週から中国に行ってきます。なので来週から2週間ほど休みます。すみません。


次の日学校に朝早く着くとエルフェが俺の隣に座っていたがそっぽを向いて話そうともしてこなかった。まぁ、俺が悪いんだけどなそう思いながら時間は一刻一刻と過ぎて行く。授業が進むにつれ居心地の悪さも薄れてきた。謝罪は今日は無理そうだ。と俺は判断し俺の方からも積極的には話しかけなかった。

 

 

 

 

昼休み。

 

いつも通りベストプライスへ行こうと弁当を持って教室を出ようとした時。生徒全員が教室のドアを覗いていることに気が付いた。覗くつもりもないから無視していると反対隣りに座っていた男子が俺に話しかけてきた

 

「おい、お前大丈夫なのかよ?」

 

「は?何が?」

 

珍しく話しかけてきたそいつに戸惑いながら俺がそう聞くとその男子生徒が廊下側を指さす。

 

「あれだよ。」

 

指の先にはエルフェが葉山に勧誘されている光景が目に入った。

ほぅ、葉山あいつナンパ癖なんてないと思ったが...まさかなぁ。

それを見ていたトップカートスの人たちも戸惑っているように見える。由比ヶ浜がこっちをチラチラ見ている...根拠はないが《多分、大丈夫だろう》とアイコンタクトで伝える。いまいち良く分かっていないようだが...

 

 

「おい、屋上に行くってよ!隠れて付いて行くか?」

 

 

そう俺に向かって言う男子生徒(名前は知らん)の言葉に耳を傾ける。それと同時に外で話をしていたエルフェと葉山が歩き出した。

 

「......じゃ、行ってみるか?」

 

俺はぶっきらぼうにそう答えたが内心好奇心であふれかえっていた。そして俺は手に持っていたマッカンを一気に飲み干す。

うん、めっちゃ甘いっ!!

 

「......お前、絶対糖尿病で死ぬからな」

 

そう、それを見ていた男子生徒に真面目に言われた。分からなくもないのが辛いな。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆★

 

 

 

屋上

 

俺達男子一行は葉山の道順よりも近い道のりで屋上に先回りしていた。まぁその近い道のりっていうのが2階から3階までベランダからよじ登ったりとかなり無茶な内容だったが先回りできたのだから文句は言えない。

 

「ふぅ~、だから言っただろう?こっちの方が早いって?」

 

「いや、危険すぎるだろ!?俺以外の奴がけがしたらどうする?」

 

因みに5人で見に来ている。俺のボッチ感が最近薄くなってきていると思ってるのは俺だけだろうか?周りを見ると皿に先回りしたチームがいくつか見渡せたが。まぁ良いか...見ないふり見ないふりっと

 

「じゃ、俺はあそこの裏に居るんで」

 

そう言って俺たちは各自移動を開始する。俺は意外と高い位置にいて周りの人の場所を特定できるのだが。逆隣の名前も知らない男子生徒よ・・・・・手すりの下の部分にぶら下がるのはいくら何でも危険すぎるんじゃありませんかね?一歩間違えれば死ですよありゃ。

そんな事に肝を冷やしながら待っているとしばらくしてドアを開ける音が聞こえてきた。

 

来たか.........遊び気分で来てしまった分、緊張が凄いことになっている。俺は手汗を拭きとりながら観察を続ける。

 

 

 

「......で?話って何ですか?」

 

 

 

エルフェが葉山にそう聞く。そう言ったエルフェの瞳は闇を持ったような......そんな暗い瞳をしていた。

 

「比企谷の話だ...彼の話は聞いているだろう?」

 

「...あなたまでハチ君をバカにするんですか?」

 

殺気。こんな場所遠い場所にまで感じた濃い殺気。これはヤバいと多分ここに居る誰もがそう思っているに違いない。あ、やばい逆隣りの子がぶるぶる震え始めてる。このままじゃ落ちるぞ?

 

「違う。バカにしに来たわけじゃない。むしろ彼には感謝している...」

 

「.........感謝?」

 

 

まさか...アイツ言うつもりか?

止めろ、それじゃあ意味がなくなる。こんな人が多い場所(向こうには気付いてない)でそれを言うのはお前の信用にかかわる。駄目だ。絶対に。

 

 

 

 

「教えよう。彼が今までやって来たことの真実を。」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――それだけは止めろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンッ!!

 

 

 

 

数分後、葉山の顔は真っ赤に膨れ上がっていた

周りの男子たちも驚いた様子で俺の方を見ている。視線がきつい

するとエルフェは涙を流しながら

 

 

 

 

「...............最低」

 

 

 

 

そう呟いてエルフェは屋上から姿を消した。しばらく俺はそこから動けなかったが、しばらくして俺は葉山に近づいた。

真っ赤になった顔はどこか晴れ晴れとしていた。俺はそんな葉山の手を無言で手に取り立たせる。

 

「見てたのか比企谷...」

 

「ああ......だがなんでこんな事を......?これじゃお前の信頼は完璧に崩れるぞ?」

 

「分かってる。それも承知の上だ...........こんな事になったのも俺の責任だ。俺が不甲斐ないから...」

 

それは否定もしないしする気もない。だがこいつの場合自分の事が精一杯になっていて他人をどうする気にはなれないはずだ。どうしてここまでの事をやったのかそれが一番の問題だ。

 

「実は彼女の耳にお前の噂が入ってきたのは俺のせいなんだ。」

 

「なんだと?」

 

俺が聞くと少し間を開けて話し始めた

 

「君は相模さんを覚えているかい?」

 

「ああ、あの文化祭実行委員長だった奴だろ?それがどうした?」

 

「実はあの娘あれからもお前の悪口を言ってるみたいでな...お前に罵倒されて泣かされたってお前に関わった人、全員に言い回ってるらしい。」

 

「......まぁ、知ってはいたがそこまで酷いとは思わなかった」

 

そこで葉山は話を切るが。やはり何かまだあるらしく言いづらそうにまた話し始める

 

「実は、エルフェさんも相模さんの話を聞いて後、その場に関わった俺に真偽を訪ねて来たんだが......俺がそれを正定してしまったんだ。」

 

そこら辺の話は俺も聞いていた(盗み聞きで)。まぁ、あの立場からすると。仕方がないと思ったが。しかしそれで彼女が傷ついているとは思ってもみなかったそれが俺の罪だろう。

 

「すまない比企谷......全部俺のせいだ。」

 

葉山は頭を下げる。そこには今までのか輝かしい何かは見えなくなっていた。

 

「いや、全部が全部お前のせいじゃない。それに俺の件はどうにでもなるさ......今はとにかく自分の心配だけしてろ。」

 

俺は葉山にそう言う。お前の世話まで今はできないからな。自分で蒔いた種は自分で何とかしてくれなくては困る。

 

「比企谷...すまない。ありがとう。」

 

葉山はそう言い屋上を出て行った。

 

ふと周りでこちらの事を観察していた奴らが現れる。あ、すっかり忘れてた。すると全員が興奮したようにこっちにやって来た

 

 

 

 

「お前スゲーな!!漫画の主人公みたいだったぜ!!」

 

 

 

 

男子生徒の一人がそう言い始めた。......は?(真心)

 

「比企谷俺はお前の事を間違えて解釈していたらしい...すまんな...」

 

「葉山の話を聞く限り凄い事してきたんだな。お前ホントに学生か?」

 

「お前の事ただのむかつくリア充野郎だと思ってたけど見直したぜっ!!」

 

「噂とかあまり信じない派だけどやっぱりお前の場合はその噂のせいで苦労してたんだな。頑張ったな」

 

「ダークヒーローって奴だな?分かる!」

 

最初の男子生徒を中心に口々にそう言ってくる。ただいま、混乱中。

すると一人足りないことに気が付いた。

 

 

 

「あ、“逆隣りの名も知らない男子生徒”どこに隠れてたんだっけ?」

 

 

 

「「「「「「「「「「あ!?」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

その後、“逆隣りの名も知らない男子生徒”と思われる遺体が丁度屋上の真下の花壇から発見された。

 

因みにその後彼は、賢明な治療によって無傷で帰ってきたと言う。

 

 

 

 



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11話:闇=光

日本に帰ってきてそうそうやることが二次作作成っていうね。楽しいからいいんですけど。
あと駄文でスイマセン



リーラ・エルフェは迷っていた。

昼休み“葉山隼人”によって真実を知った。彼が自分を犠牲にしてまで誰かを守っていたことも。彼がそれを行う事によって多くの人々が救われていたことも...

 

彼女にとって彼“比企谷八幡”は昔から特別な存在だった。もちろん今もだ。

 

しかしそんな存在の彼を自分はあろうことか否定してしまったのだ...

その真実は彼女に重くのしかかっていた。

 

 

 

「彼にも事情があっただろうに...何も聞かないで......ハハ、私最低だ...」

 

 

 

彼女は小さく呟く。

そのつぶやきは誰にも届かない。届いたとしてもきっとそこに自分の求める答えはない。

 

『きっと......私は彼の隣に居ちゃダメなんだ。』

 

自分に言い聞かせる。答えなど出やしない。むしろそれが答えかもしれない。彼にとっても彼女にとっても...

いく度も夢見た彼との幸せ。...それはきっと幻想なのだろう。

 

 

そんな未来は絶対に来ない...来てはいけない...

 

 

 

「もう...私......駄目かな?......」

 

 

諦めた目で彼女は近くにあったスマホを手に取り。ある人物に連絡を取る

 

 

 

相手は先日八幡に言い負かされた相手...“ローマン・ゴードン”だった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『ハリウッド俳優ローマン・ゴードンさんと女優リーラ・エルフェさんがご婚約を発表しました!!』

 

 

朝、比企谷八幡は朝ごはんを食べている時。たまたま見たニュース番組に呆気に取られていた。

通常の俳優の結婚予告などだったらあまり気にしていなかっただろう。しかし、テレビに映っていたのは学校のクラスメイトであり。自分で婚約者だと名乗った美少女リーラ・エルフェだった。しかも一緒に写っていた男は彼女が嫌っていたイケメン野郎。

 

「ねぇ?これどういう事なの?お兄ちゃん!?」

 

妹の小町がそういいはじめる

かなり焦っている様子だ

 

「知るか。」

 

「ねぇ、もしかしてお兄ちゃんお義姉ちゃんと何かあったの?喧嘩とか......」

 

 

小町はこちらをじっと睨め付けながら見つめる

 

 

「......何かあったんだね...」

 

 

小町がそう言う。

 

「さっさと学校行こうぜ?時間がヤバいだろ?」

 

俺は話をそらそうする

 

 

 

「お兄ちゃん!!!!!!!」

 

 

 

小町がかつて今までないほどの大声で怒鳴った。今までないほどに怒っている。それを感じさせるような姿勢でこちらをしっかり見定めている。

 

「お兄ちゃんはこれでいいの?このまま誰かもしれないような男とお姉ちゃんを結婚させて。私は嫌だよ」

 

「だ、だがな、これはエルフェ自身で決めた事なんだろ?俺たちが口を出すのもな「甘ったれてんじゃない!!!!」...」

 

彼女は本気で怒っている。今までのように茶化したりとかじゃない。本気だ。

答えは決められた。ここで俺が出して言い答えはただ一つ。

 

 

 

「......はぁ、わかった。白状するよ...」

 

 

 

俺は小町にあの事を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――で?まだ謝れてないと」

 

腕を組みながら小町はそう言う。うん、うちの妹は怒らせたら本気で怖い。それがはっきりとわかった気がした。

因みに俺は正座させられている。

 

「あ、ああ、そろそろ時間ヤバいんじゃないか?」

 

「そんなのどうでもいいよ!!.........で?これからどうするの?」

 

ふと小町が聞いてくる

 

「どうするって?」

 

「決まってるじゃん。お姉ちゃんだよ」

 

「......どうもできねえよ。アイツが自分で決めてしたことだ...」

 

 

俺はそう言う.........あれ?震えてる?俺が?

 

 

 

「お兄ちゃん......」

 

「分かったらさっさと支度しろ...」

 

 

そう言うと俺は鞄を持って自転車に向かって行った。

 

 

体に怠さが感じられる。苛立ちも感じられる。狂気も感じられる

 

 

 

 

 

ガシャーン!!

 

 

 

手元から力を失い鞄が地面に落ちたと同時に自転車が倒れる。

 

「...何だよ?......」

 

落とした鞄を拾おうと手を伸ばすが力が出ないため鞄が握れない。

 

 

 

「なんなんだよ!!!!本当にっ!!!!」

 

 

一人でただこの苛立ちを声に出す。はたから見るとただのヤバい人だ。しかしそれでも俺は続ける。

 

「お前は何がしたい!!?俺に何をさせたい!!?」

 

何度も何度も鞄に手を伸ばす。だが鞄を握りしめることが出来ない。苛立ちだけが募っていく。

 

「クソッ!!クソッ!!...」

 

 

 

 

 

 

ぬぐい切れない記憶。短い間だったがそれは決して消えない記憶。消したくない記憶。

 

「クソッ!!......」

 

自覚は無かった。自覚する勇気もなかった

 

「クソッ!!...」

 

これはきっと恋などではないかもしれない。

 

「クソッ!」

 

だが、どうしても知りたくなってきた。

 

「クソッ」

 

この気持ちは嘘であるかどうかを。

 

「くそ...」

 

 

 

 

 

 

きっと、俺は...彼女に惹かれたんだと思う。

 

 

 

 

彼女の純粋さに。

 

『あ、そういえばハチ君とは結婚の約束もしましたよね?』

 

 

 

真面目さに。

 

『これ結構重要なんですからね!?』

 

 

 

優しさに。

 

『ごめんね。寂しかったんだよね。』

 

 

 

強さに。

 

『彼が貴方ごときに劣っていると?』

 

 

 

 

昔俺は本物が欲しいと言ったことがある。

 

この気持ちは偽物だ。彼女もきっと昔の“比企谷八幡”を俺に重ね合わせただけの偽物...

偽物は本物にはなれない...だが偽物が本物に負ける道理があるのか?それは(いな)

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「お待たせ~おに...ちゃん?......」

 

 

小町が玄関から出てきたときそこに比企谷八幡の姿は無かった。あったのは落ちた鞄と倒れた自転車だけ。

だけど何故か小町は安心していた。

 

 

 

「はぁ~、...良かったね。お姉ちゃん......でも、お兄ちゃん可愛い妹を置いてくなんてポイント低いからね?」

 

 

 

 

 

 

 

 



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12話:僕と俺…

先に謝らせてください
【すいませんでしたぁぁぁぁぁ!!!】


リーラ・エルフェは記者会見に出ていた。

内容はもちろん結婚報告だ。

好きでもないむしろ嫌いな男と一緒に笑いながらカメラの前でマスコミたちにあることない事喋りながら媚びを売る。自分でやってて吐き気がする。

 

「付き合って何年くらいですか?」

 

「半年ですかね」

 

マスコミの質問にローマンはそう答えるがもちろん嘘だ。言い寄られたことがあっても付き合ったことは一度もない。はっきり言って外見だけの嘘だらけなこのイケメンは嫌いだ

じゃあ、なぜこんな男と結婚しなければならないのか、なぜ自分でこの男を選んでしまったのか

 

理由は彼女の家にあった。

 

元々彼女の家は裕福な家庭ではなかった。それに伴って彼女の事を道具としか見ない連中が多すぎたのだ。

もちろんハリウッド女優の経歴も彼女の意志ではない。家の人が勝手に応募して勝手に仕事を受けた結果である。

 

はっきり言ってエルフェ家にとって彼女“リーラ・エルフェ”は金の生る木なのだ・・・・・

 

この結婚も家の人間たちが自分の欲望を再現させるための茶番に過ぎない。

ローマン・ゴードンはイケメンと言われてるだけあってもかなり儲けている。それにこの男は大の女好きだ。

彼らはこれに付け込んで、ゴードンと娘を結婚させ自分たちが使える金を造ろうという魂胆だった。

 

(なんでこうなっちゃったんだろう・・・)

 

エルフェはこっちの気も知らず話しかけてくる記者たちに苛立ちを覚える。

昔からこういう連中は嫌いだったが、なかった好感度がさらに急下降していくのが感じられた。

 

(学校とかどうなるんだろう・・・奉仕部まだ続けたかったな・・・)

 

――――分かっている。

 

この男と結婚したらもうこの人生で心から笑って過ごせるような幸せというものは感じる事は無いと。

 

この男とは一緒にご飯を食べても、一緒に映画を見ても、一緒にお買い物に行っても・・・・・・・・・きっと楽しくない

それを裏付けるようにいやらしい目でこっちをチラチラ見てくる。

 

(その汚らしい目でこっちを見ないでよ・・・)

 

ローマンにとってエルフェは買ったばかりの愛玩具に過ぎないのだ。それは決して愛など無い。この結婚に愛なんてものは決して絶対に無い

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「はぁ、・・はぁ、・・はぁ・・・・・」

 

比企谷八幡はひたすら走っていたどこに行くわけでもなく走っている。

息詰まりがして立ち止まった。

 

「はぁ、はぁ・・・何処だ・・・・ここは?」

 

見渡すと、そこはどこか見たことがあるような景色・・・

いや、確かに俺自身は来たことが無い場所だ

すると、話し声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

『ハチ君、大きくなったら私と結婚してよ!!約束だよ!!』

 

『僕なんかで良いの?』

 

『ハチ君だから良いんだよ。それに

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――私には貴方しかいないから。』

 

 

 

 

 

 

 

 

確かにまだ幼いがエルフェの声だ。

忘れていた記憶が蘇った?・・・・・いや違うな。

 

 

――――――これは俺じゃない。

 

 

 

――――――俺は、僕ではない。

 

 

 

――――――僕も俺じゃない。

 

 

 

その瞬間胸の奥から声が聞こえてきた気がした。

 

 

 

【―――――――――――――良く分かったね?】

 

 

 

俺の声のようだが、雰囲気が違う。好青年のような甘い声をしている。

それが問題じゃないこいつはきっと・・・

 

「ああ、こっちは初めましてだな“()()()()()”」

 

【そうだね~やぁ、僕♪】

 

 

挨拶を適当にかわす俺達。この仮説は正しかったか・・・

 

俺が立てた仮説、それは()()()()()()()()という可能性。

 

俺も最初は否定したが。よく考えたらおかしい。

すべての記憶がまるで人格が変わったように入れ替わったのだ。そんな事普通はあり得ない。

 

だから考え方を変えた()()()()()()可能性を

 

 

【・・・じゃあ、何か聞きたいことでもあるのかい?】

 

 

あっけらかんとそう言う自分に驚きながら質問をしてみることにした

 

「じゃあ、まず一つここでお前が出てきたってことは俺の人格は消えるのか?」

 

【さぁ、それは分からない。でも、どっちかが消える場合俺じゃなく僕の方が消えるだろうね】

 

「・・・何故そう思う?」

 

【実は、僕ここから動けないんだよ。】

 

「つまり俺と入れ替わることが出来ないと?」

 

【うん、そう。詰まるところ俺が消えちゃったら。僕はじっとこの体の中から動けなくなる。うん、植物人間の完成だね♪】

 

何気に怖い事を楽しそうに言う。

 

「わかった。今の所俺が消えることはは無いんだな?」

 

【そだね~♪】

 

こいつ自分が消えるかもしれないというのになんか楽しそうだな。

 

【あっ、あと君の心の声は僕に直で届いてるからね~】

 

「じゃ、喋るときは心の中でもいいと?」

 

【うん、そう!!】

 

俺に向かって指を立てながらそう言った。と思う。

 

 

 

【だけど~、お兄ちゃん感心しないな~】

 

「おい、いつからお前はお兄ちゃんになったんだよ?」

 

【うん?だって、この体の元の持ち主僕だもん♪君は精神年齢は僕より高いけど実年齢ハッキリ言って1歳だからね?】

 

「1歳!?・・・つまりあの事故の時俺が生まれたと?」

 

【そゆうこと~。まぁいいやでも、そろそろ不味いんじゃない?リューちゃん】

 

「って!そうだ!!行かないと!!・・・・・・ってどこに?」

 

【まったく・・・何も考えずに出るからそうなるんだよ・・・僕が言ったとおりに道を進んで】

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

―――――――――――――で?ここ何処だよ?」

 

言う通り進んだ先にはでっかいマンションが立っていた。

 

【うん、此処は八オリ親衛隊アース234支部だ】

 

なんかアースとか言ったけどナニソレオイシイノ?

 

【とりあえず入ればいいよ。君は八幡だから歓迎されるよ。僕はHACHIMANだから追い出されちゃうけどね。】

 

え?ちょっと発音違ったような

 

【とにかく入れ。アイツがきっと助けてくれるから。きっと】

 

「そいつは頼りになるのか?」

 

【うん、君も知ってるだろう?】

 

いまなんかニヤッと笑った気がしたが。少し貯めてから話始める

 

 

 

 

 

 

 

【―――――――――ニューちゃんここの三番隊隊長なんだ。】

 

 

 

 

 

 

 

なんか寒気がした。




出来心って怖いね・・・まぁ、二重人格は元からその設定だったけど。
ホントにあと付けじゃないよ?マジの大マジ


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13話:・・・時々メタいな

遅れてすいませんでしたぁぁ!!


「会場のみなさま!!!今回はスペシャルゲストに来ていただいています!!」

 

 

 

ステージの上で司会らしき人が大声でそう言う。

目の前には30000人近くの人込みがステージを見つめていた。

 

「比企谷八幡様でーす!!」

 

煙とともに俺は姿を現す。

 

 

 

一つだけ聞きたい・・・何故こうなった?

 

 

 

俺は中の僕の言う通りに進んだだけなのにあれよあれよと言う内にステージに半強制的に立たされていた。

なんだよ、玄関前に立っただけなのに警備員に止められてそのままずるずる引きずられるとかって。

しかもこのビル結構でかいんだよ巨大ホール、コンビニエンスストア、社員の住居スペース付きって。馬鹿げてる・・・

 

「はーい、こんにちは~」

 

「え、あ、ハイ、こんにちは。」

 

司会の軽い挨拶に戸惑いながら挨拶を返した。

その瞬間凄い歓声がホール内に響き渡る。いや、オカシイでしょ?なんで挨拶しただけなのに歓声が来るん?

 

「すごい人気ですねぇ~他の人だと此処までなることないのに」

 

「え?・・・そうなんですか?」

 

そう言われると悪い気がしないが・・・・・今俺、急いでるんですが・・・・

 

 

「そう言えばここには何の用で?」

 

 

司会は俺に質問をする。

 

「え?ああ、・・ちょっと知人から助けてほしければここに来いと言われて・・・・」

 

俺はそう言う。

すると司会の笑っていた顔は少し悲しそうに落ち込む。

 

 

「―――――――――――すみません。それは無理ですね・・・」

 

 

「・・・・え?」

 

「私たちの方にも規則というものがありまして・・・私たちは物語に直接的に干渉してはいけないんですよ。」

 

マジか・・・・徒労だったか。

 

「すみません。私たち八オリ親衛隊の創設者であられるマッキーマンさんがその場しのぎで作った結社なだけあって結構そう言う規則が厳しいんです。」

 

うん、メタいなぁ。

 

「私たちの方にあなたのストーリーのキーになる存在が居れば別だったんですが。」

 

落ち込んだようにチラチラこちらに目を向ける司会者。

あ~れ~?

これはフラグかな?フラグかな?ああ、(察し)フラグだね♪

 

「そう言えば三番隊の隊長が俺の幼馴染だって聞いてきたんですが・・・」

 

 

「良し!!三番隊に連れて行って差し上げろぅ!!!」

 

 

その後また引きずりまわされた。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

――――疲れた。

作者もそこで活躍する俺も。(魂抜けてるヲ)

 

30分引きずられ続けるとか・・・

 

「ここです。」

 

着いたようだ。質素な扉に3番隊と書かれている。

すると「隊長とはどんなご関係なのでか?」とここまで案内してくれた男の隊員が聞いてきたが、俺にわかる訳がない。とりあえず幼馴染と言った。てかこの人三番隊のメンバーだったのか・・・

まぁ、そんなことは置いておいてドアに手を掛ける

 

「あ!、ちょっと!!!」

 

すると隊員が叫ぶ。

何なのだろう?

 

 

 

「敵襲だぁ!!!やれぃ!!」

 

 

 

へ?

 

大勢の屈強な男たちが俺に向かって殴りかかってきた。

・・・敵?敵なの?俺?

 

 

 

 

 

「ちょっと待ちな。」

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえる。

いや、正確には俺は知らない。多分僕が知っているだけだろう。

多分こいつは・・・

 

「久しぶりだな・・・ハチ。」

 

スラっとしたたたずまいでこちらをニヤリと軽く笑いながら見つめる美少女。いや、もう美女と言っていいレベルの女が立っていた。

 

【この娘がニューちゃんだよ】

 

さっきまでだんまりだった()が喋った。てかお前の幼馴染何かとレベル高いよな。

そう思っていると例のニューちゃんの目がいきなり鋭くなる

 

「・・・お前・・・私が知ってるハチじゃないな?」

 

何で分かったん?

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「ほぅ・・・・確かにアイツは昔からトラブルに巻き込まれやすい体質だったが・・・二重人格のお前も満更でもないらしいな」

 

あれからしばらくして俺は事情を聴かれていた。

筋肉質の男女が俺を囲んでいる。怖いよ。

余談だがあれから俺は彼女の事を姉御と呼ぶことにした。・・・・理由は・・・・聞かないでくれ・・・・

 

「それで、私たちに協力を頼みたいと?」

 

「ああ、そうだ・・・強制はしない・・・というか出来ない。もしそうなった場合は俺が一人で突っ込む」

 

俺がそう言うと姉御はフッと笑う。

 

「お前さんの覚悟は理解した。・・・曲がりなりにも幼馴染だ協力しよう。」

 

姉御はそこまで言った後「だが」と付け加える

 

「彼女を助けるのはお前自身だぞ。私達は協力をするだけストーリーのキーキャラとして働くだけだ」

 

俺はその言葉に相槌を打つ。

この場合ではその言葉はどれだけ報われるか分かったものではない。

 

「・・・・・・で?何時出発予定だ?」

 

「今すぐだ。今すぐでなくては意味がない。」

 

俺がそう答えると姉御は時間を見る。午前11時。煽れを確認すると姉御は言う。

 

「11時30分出発だ。」

 

「いや、今すぐd・・・」

 

「残念だがそれは無理だ。私たちはともかくお前は少し休憩を取った方がいい。働き過ぎだ。」

 

そう言えば今朝から走ってばかりだったなロクな休憩も取ってなかった。

 

「・・・・ああ、分かった」

 

「よろしい。ではいったん解散」

 

姉御がそう言うと周りのメンバーたちがそれぞれに散っていく。すると姉御がこっちに来る

 

 

「そう言えばお前には自己紹介してなかったな私は“万木(ゆるぎ) 和子(かずこ)”よろしく。」

 

 

あだ名なはずのニューの字が一つも無かったことに驚いた。

 



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14話:リーラ・エルフェ

遅くなってすいませんでしたぁぁァ!!!

あと、今回は短いです。どうか・・どうかご容赦を!!



楽しく読むヒント~:TAMANITATEYOMI


―――――――夢を見たことがある。

 

私の前には何もない、皆んな消えちゃった。

 

私に幸せになる権利なんかない。だって…私は自分を売ったんだから

 

 

 

――――――――光がある。

 

自分だけしか見えない苦渋の光が。

 

それは自分にはあまりにも遠い。

 

遠すぎて輪郭さえも分からない。

 

 

 

――――――――屍しかない。

 

最後は死骸のみ。

 

自分も他者も最後は死骸。

 

 

 

私は私として生きる事は許されない。許してくれない

私は私じゃない

 

私の中で彼は生き

私自身が彼との距離を放す

彼を愛する事はない。

なかには愛をも私を放す

ただ彼を愛したかっただけなのに

私の全てを奪いたいものが私を奪う

操り操られそれでも終わらない

理由は無くただの贋作は真作とはならず

人の闇はこの世で最も深く

形などは光が無くてはなにも意味は無い

できそこないの夢など誰にも耳にされない

はるの風など感じない。感じれない

無くなったものは数えきれない。

いくつものルートは確立した。私のせいでこのルートのみが行方不明

 

 

 

これもあれもすべて私のせい。

 

彼の物語に私は居なかった。

 

居なくてよかった。

 

居てしまったこと自体が問題。

 

私は作られた贋作

 

彼の物語は順調だった。

 

彼の物語を正すために私は静かに退散するとしよう。それが彼にとってもわたしにとっての一番の幸せ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

それでも・・・・・・・

 

 

 

 

 

最後くらいは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼に・・・・比企谷八幡(愛する彼)に会えたらいいな・・・

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

「ここで少し待っててくれないか?」

 

ローマンが突然そう言った。

あれから1時間が過ぎ。私たちは近くのホテルに足を運んでいた。

ロビーでチェックインを済ませ近くで開いていた席に腰を下ろし荷物を運んでいた時の事だ。

 

「・・・どうしたんですか?」

 

興味はないが気晴らしに聞いてみる。

すると親指を立てて後ろに指を向る。・・・・・・・・・女か。

 

「じゃあ、行ってくる。」

 

そう言うと彼はナンパに向かった。

その行動にイラつきを覚えたが・・・まぁ、何を言っても無意味だろう。

諦めよう。

 

 

 

 

「・・・はぁ・・・ハチ君ちゃんと学校行ってるかな・・・・」

 

 

 

 

その時、息抜きに呟いたその言葉に私は違和感を覚えた。

 

『あれ?わたし何考えてるんだろう?・・・もう諦めたはずなのに・・・・・』

 

身勝手すぎる要望に自分でも吐き気がする。

 

「・・・はぁ・・・コーヒーでも買って頭冷やそ・・・」

 

ふと近くにあった自販機に向かう。

どうやらコーヒーメーカー特有の自動販売機だったらしい中にはコーヒー系の物しか入ってない

 

「どれがいいかな・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――あれ?これは・・・・・」

 

自販機のラインナップを見ると一つの黄色と黒の蛍光色で覆われているパッケージが目に入る。

“マックスコーヒー”

それは彼が好んで良く飲んでいた物だった。

そう言えばすごく甘いって言ってたけど一度も飲んだことないな。

 

「・・・一回くらいは買ってみようかな」

 

私は少し迷いながら言う

これは私の周りでははっきり言ってあまり評判は良くない。けれど興味はあった何せハチ君の好きな飲み物だ。

少しは彼の気持ちが知れるかなって思って・・・まぁ結果勇気がでなかったけど

でも、少なくとも今だったら飲める気がする。

 

 

私は戸惑いながら財布から120円取り出し自販機の入金口に入れ。

すこし高い位置にあるボタンにすこし背を伸ばしながら押す。

 

するとガタっと甲高い音がした。下の取り出し口から中から一つ取り出すと

いつも彼が持ってたやつと同じ柄・・・ちょっとした安心感がそこにはあった

 

 

パシュッ

 

 

開けた瞬間その辺に甘い香りが充満していく。

普通のコーヒーとは断然甘みが違う。普通なら吐き気ももよおすほど強烈な甘い香りなのに・・・・・・何故か心地いい。

 

 

 

そして私は一口それを口に含む。

 

 

 

 

 

甘かった。

 

 

 

 

 

 

私にはあまりにも甘すぎる。

 

 

 

 

 

 

『人生が苦いのならコーヒーくらいは甘くてもいいだろ・・・』

 

 

 

 

 

そしてふと、彼の言葉を思い出す。

愛しいほど愛していたはずの彼の言葉を・・・

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、静かに瞼の奥から涙が一つ零れた気がした

 

 

 

 




駄文でスイマセン・・・

本当に・・・・・・すいませんでした!!


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15話:違和感

ホント遅れてすいませんでした!!!
遅れた理由はpixivの方に書いてあるのでよかったら見てください。



「良い買い物だったよ。」

 

 

ホテルの裏路地。

ローマン・ゴードンは向かい合っている執事姿の男にそう言った。

執事姿の男の足元には大量の金が山のように積んでいる。

 

「お気に召しましたか。あんな物でも」

 

「ッフ・・・ああ、かなりな・・・にしても自分の娘を金で売るとは・・・まさに外道だな。だが面白い。」

 

すると執事はムッとした表情になって言った

 

「口をお控えください。それは私たちに対しての屈辱です。」

 

そう言ったその姿が気に入らなかったのかローマンは不愉快な顔を示す。

 

「ふんっ・・・しかし、たかが執事がその家の長女を物扱いとは・・・」

 

「なにを仰いますか。私達にとってあれはただの商品です。まぁ、商品がお客様に届く前に傷ついてしまっては困りますからね。それなりの扱いは保証はしてはいましたがね。」

 

執事は何食わぬ顔でそう言い放つ。

 

「・・・・・はぁ、まぁいいだろう。それはそっちの事情だ俺には何ら関係ないし。それに巻き込まれる道理もない。俺は俺でこれからの人生を今までどうり楽しんでいくさ。

たまに女でもつまみ食いしてな・・・フフフフ・・・」

 

「はい、そうですか。では私はこれで・・・」

 

「ああ、・・・叔母さまによろしく言っといてくれ」

 

そう言われると執事はローマンにお辞儀をして下に転がっていた札束を鞄に突っ込みその場を離れていく。

 

すると執事は「あ、」と呟きローマンに向きなおす

 

「そうだ、これからの援助お願いしますよ。」

 

ふと、執事が言った言葉でちょっとびくっとしたローマンだが

思い出し何事もなく軽く返す。

 

「はいはい、分かってるよ毎年200万ドルだっけ?」

 

「はい。お願いしますよ」

 

そう言うと執事は次こそ帰っていった。

 

 

 

空に目を向けるともう暗闇が周り一帯を包んでいた。

 

「8時か・・・・」

 

ローマンはそう呟いて車へと向かって行った

 

 

☆☆☆

 

 

その日の夜。

 

ローマンはホテルへ帰ってきていなかった。

多分其処ら辺で遊びまわっているのだろうとエルフェは考えていた。つくづく最低な人間だと思う。

いや、それは私も同じか・・・

 

 

「・・・はぁ、どうなっちゃうんだろうな・・・私」

 

 

いや、本当は分かっている。分かってるから現実逃避がしたいのだ。

 

正直言ってさっさとこの場所から逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。

けれどそれは何も意味を持たない

どうせすぐ捕まって終わりだ。

そんな無駄な事をして体力を消費したくない。

 

すると後ろの方からドアの叩く音が聞こえた。

 

「すみません。ここに持ってくるよう言われたのですが。開けてもよろしいですか?」

 

ウェイターらしい。

同時に何かを転がす音が聞こえてくる。話的にそれが持ってくるように言われたという物なのだろう。

 

「はーい」と空返事だけしてドアを開ける。

ドアは最初開けた時よりも幾らか重く感じた。

 

ドアの先には銀色のワゴンをもったウェイターが立っていた。

ウェイターの割には筋肉質な人だなと思う。

 

「あ、すみません。これ中まで運んでも良いですか?」

 

ウェイターはそう言うとワゴンを見せた

すこし無礼方な気がするが、なかなか美味しそうな匂いがしてくる。多分ローマンが頼んだものだろう。

 

「はい、ありがとうございます。お代は?」

 

「いえ、大丈夫です。先に頂いていますので。では失礼しました。」

 

そう言うと台をそのまま中へ置いて出て行った。

なぜ台ごと置いて行ったかはとやかく言わないでおこう。

 

暫くはどうも出来ないので放っておくことにする。触らぬ神に祟りなしと言うし。

 

そして私はさっきまで座っていた椅子にまた腰を下ろす。

もう時間は夜の9時を回っていた

 

 

 

 

「にしても。暇だな・・・・」

 

 

 

 

フラグと言うべきなのか。

そう呟いた次の瞬間ドアが開く音が聞こえてきた。

 

「今帰って来たぞ。ハニー」

 

そこにはローマン・ゴードンがニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながらこっちを見ている。

 

「おかえり・・・」

 

「なんだ。ハニー元気ないぞ?」

 

心配した様子で見つめているが視線が胸の方に向いている。

 

 

――――――――――――――偽物

 

 

これがハチ君が言うそれなのだろうと思う。

これが本物なのなら私はこんなもの要らない。

 

「大丈夫ですよ。何も・・・」

 

私がそう言うと彼は少し不服な声で言い返す

 

 

「・・・・・・・まさかお前、あの()()の事を思い出してるんじゃないだろうな?」

 

 

 

その瞬間、胸の奥が軋む音がした。

 

 

 

「はぁ~・・・あのな、お前は今日からこのローマン・ゴードンの妻なんだよ。あんなただのガキのどこがいいんだ」

 

 

 

何も・・・・何も知らない人が何を言っている。

 

 

 

「大体あんなガキと俺を比べないでくれ。不愉快だ。」

 

 

 

そう言ってのけるローマンに苛立ちを隠せない。

気付くと私は拳を強く握っていた。

 

 

 

「そんな奴の事忘れろ」

 

 

 

ローマンは一言そう言った時。

 

 

 

 

 

 

――――――私は彼の頬をぶっていた

 

 

 

 

 

 

「ガッ・・・・・・・!!??」

 

叩かれたところを必死に抑えるローマン

見るとローマンの口から少し血が出ていた。

 

 

「このアマぁ!!調子に乗りやがって!!!!」

 

 

するとローマンは私の胸倉を掴む。とても興奮している様子だ。

 

 

「こうなったら徹底的に犯してやる!!薬漬けにして俺の屋敷の地下で一生調教してやる!!!他の女と一緒にな!!!」

 

 

吐き気がする。こんな男と同じ空気を吸っていることも。こんな男に触れられていること自体も。

 

 

「フフフ・・・・ハハハハハ!!!!!これでお前は俺のものだぁぁァ!!!!!!」

 

 

そう言うとローマンは私の腰のベルトに手を掛けた。

それに対抗しようと手を掴むが逆につかみ返され身動きが完全に取れない。

 

「キャッ!!・・・」

 

ベットに押し倒される。

悔しさと侮辱の念がこみあげてくる。私は憎々しくローマンを睨むがどうでもいいとばかりに顔を近づけてきた。

 

「ハハハ・・・悔しいか?どうだこれから女になる感覚は・・・あんな奴の事なんか綺麗さっぱり忘れるくらい気持ちいい体験をさせてやるぜ・・」

 

その手は胸に向かって伸びている。

 

 

 

「・・・・やめて・・・や・・・」

 

 

 

「黙れ!!!もうお前は俺のもんなんだよ!!!いい加減それに気づいて俺に体を差し出せよ!!」

 

 

 

 

 

 

意識が遠のいていく。瞼を閉じまいと必死に目を見開く。それ自体が私の忘れたものだと言わんばかりに。

 

 

 

 

 

 

 

 

苦しみがあった。悲しみがあった。自由があった。

 

 

 

 

 

 

 

私はその中の何一つ残ってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

だけど、ただ一つ忘れた物があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

例えどんな時でも誰にでも。苦しむ人がいるのなら愚痴を言いながら。でも何だかんだ助けてしまう人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんなに人に嫌われようと。どんなに人に避けられようと。その人は他人のために生きていた。他人のために自分が汚れていくことも顧みずに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の生き方は不器用ではない。だけれど器用でもない。寧ろ泥臭く。清潔とは程遠い存在・・・でも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けて・・・ハチ君・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――このクソ野郎!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもその拳と心は誰の物よりも綺麗だった。

 

 

 




うん、後半の無理やり感ね・・・


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16話:判決


皆さまこんにちはマッキーです!
最終回じゃないだと!?終わるつもりで書いたのい終わらないって…まぁ、ずっと放置だったんであれなんすけどね…
あ、最終回はなる早で


青春バンザーイ青春バンザーイ……まぁ、そんな風に人は青春というビッグイベントを好む。

 

アイスにも青春の味とか言っちゃう時代だ。そもそも狂ってる気がしなくも無いが…

だが、言っておこう。そんなバンザーイと言える青春はほんの一部しかない。

青春には二種類のタイプがある、

 

 一つはいわばリア充タイプ。自分の思い通りに行かずともそれなりに楽しんで日常を過ごすことが出来る。つまりバンザーイできるタイプ

 二つ目はいわばインキャタイプ。リア充どもの影に隠れ何もなく青春を終えるタイプ。

 

俺は間違いなくインキャタイプだろう。

 

むしろインキャの王様とまで言いたいくらい拗らせていると自覚しているしこれはきっと周囲も感じている事だろう。

 

え?なんだって?女の子二人に囲まれて、しかも幼なじみがいる時点でインキャじゃない?インキャ舐めんなだって?

はて、何のことだろうか、

 

まぁ、いいや、そんなインキャにも一つ二つの問題がある。友達が出来ないこととか、恋人が出来ないこととか…etc、

 

だが、それとは裏腹にキチンとインキャにもメリットがある。

 

それは、一人でいる時間が多かったり、居なくなっても悲しむ人間がいないと言う点だ、まぁ、人によってはデメリットだろうけど、

 

 けれど、今の俺としてはこれ程、好都合なメリットは無い。

 

 

 

 何故かって?……簡単だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーこのクソ野郎!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グハァ……!!??」

 

 

 

だって、そのおかげでこのクソイケメンをブン殴ることができるのだから。

 

 

 

 

奴はズザザザザと床を這いずり壁にぶち当たった。

 

 

俺は奴を殴った拳を突き上げる。するとベッドの方で腰をかけていたエルフェがこっちを見る。

 

「…………ハチくん、」

 

 

「よぉ、エルフェ。奇遇だな…たまたまよ、たまたま近くに寄ったからたまたま助けに来た。」

 

 

 言い訳しつつ彼女から視線を外した。

 次の瞬間、胸のあたりに振動が来て、そのまま重みが加わった。

 

「………え、エルフェ?」

 

抱きついているエルフェに目を向ける。

 

 

 

「……ごめんね、ごめんね、ハチくん…」

 

 

ゆっくりと嗚咽まじりに聞こえる声に息を飲む。少し、少しずつ、その重みは軽くなっていったような気がする。

 

「大丈夫、大丈夫だから…よく頑張った。今は俺が居るから、安心しろ」

 

「ヒツク………ウン…ウン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ……き、貴様ぁぁぁぁ!!何故ここにいる!?」

 

ゆったりとゴードンは起き上がる。殴られた頬を片手で抑えながら言った。

 

 

「お前、何したか。分かってんのか!?この俺様の!俺様の顔を!!!俺の至高な顔を傷つけてただで済むと思ってるのか!?」

 

 ゴードンを俺は睨め付ける。

 

分かっている。あいつの商品は顔だ。あの顔には何百億とつく保険がついている。殴った時点で俺は犯罪者だ。

 だが、俺の中で何よりも許せない事があった。

 

 

 

「……傷ついたのはどっちだよ?」

 

 

 

 

もはや許せない事がどれなのか分からない。

 

あいつがエルフェに俺を忘れろと言った事か?

 

あいつがエルフェを押し倒した上で犯そうとした事か?

 

 

 

それとも、彼女が泣いていたからか?

 

 

 

「傷ついた?お前がか?……はっ、女が取られて悲しいって訳か、ふざけるなよ。」

 

ゴードンはそう言い、拳を作る。

 

「ヒキガヤハチマンだったか?お前は知らないだろうがな。その女はもう俺のものだ。!その女は……」

 

「金で売られたんだろ?……知ってる」

 

「…何?」

 

 

俺はすかさず、ポケットに入っていたスマホをだす。

 

「これが全てを物語ってる」

 

 

 

 

そして再生ボタンを押した。

 

 

 

 

 

『フ・・・ああ、かなりな・・・にしても自分の娘を金で売るとは・・・まさに外道だな。だが面白い。』

 

『口をお控えください。それは私たちに対しての屈辱です。』

 

 

 

 

 

エルフェは少しずつ顔が青ざめていく。

 

「……………セバス?」

 

 

 

「因みに、10分前に相方の方を確保したと言う連絡がきた。次はお前だよ。ローマン・ゴードンさん。」

 

キッとゴードンは俺を睨めつけた。

 

「ありきたりな表現だが……お前はもう死んでいるってやつか?」

 

「貴様…どこまで俺をコケにすれば気が済むんだ…」

 

「ハっ……それは、お前もだろ」

 

俺は拳を作る。

 

「何が、世界一のイケメンだ。

 何が、ハリウッドだ。

 何が、人気俳優だ。

俺はお前を許さないし、俺はお前を理解しようとは思わない。

お前は俺の敵だ。」

 

 

言い捨てる。

ただただ、必死に奴に対抗する。

前に、俺は奴を雑魚といった。訂正しよう、アイツは本物のクズだ

 

 

「貴様は!貴様は!貴様はぁぁ!!」

 

 

銃を持ち出す。

 

「銃刀法違反か……とうとう終わったな、お前…」

 

「そんな物、全て金で解決できる。お前と一緒に全て闇の中さ。」

 

まったく、分からないのだろうか…少しゴードンが可愛そうに思える。

 

「全く……俺が一人でここに来たと思ってたのか……つくづく残念な奴だ。」

 

「何?」

 

 

 次の瞬間だった。

バキッと何かが鳴った。

 

「拘束!!」

 

 いつのまにかゴードンの後ろに回っていた筋肉質な男達。それを指揮する女が出てきて、ゴードンは一瞬にして、身動きが取れない状況に陥る。

 

「ぐ、なんだ?なんなんだお前たちは!?」

 

慌てふためくゴードン。

しばらくして、エルフェは筋肉質の男を指揮をするの女を見つめる。

 

「……ニューちゃん?」

 

呟くと万木はゆっくりエルフェを見定める。しばらくするとニヤッと笑いエルフェに見せた。

 

「久々だな。リュー、助けに来た。

まぁ、お前の夫に無理やり連れてこられたって方が正しい気もするが」

 

「おい、姉御、あんまそう言う事言うなよ、恥ずかしくなる。」

 

 

すると、エルフェは真っ赤な顔をするが気にしない、気にしない…

 

 

ふと俺はゴードンを見下げる。

こいつには中々苦労した。

 

 

「まぁ、そうだな。ゲームオーバーだ。ゴードン」

 

 

「、、、くっ」

 

 

ゴードンは暴れ疲れたのかぐったりと下を向いた。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、ゴードンは捕まった。

後々の家内調査で彼の自宅かは女性の遺体が12体ほど出てきた。その女性たちは皆、ハリウッド女優でしばらく前から行方不明だった女優たちとの事だったらしい。

彼曰く、ハーレムを作りたかったとの事、

これに怒ったのが死んだ彼女たちのファンだった。

 

ある日彼の家は何者かによって放火された。

 

それはだっだんと広がり世界中のすべてのローマン・ゴードンの別荘が完膚なきほどに叩き潰されたり放火されたりした。

これを「ローマン炎上事件」と呼ばれ、

彼は世界一のイケメンから世界一のクズ野郎に格下げされたのだった。

 

 

因みに彼の判決は終身刑らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

2ヶ月後、

皆ローマン・ゴードンの事を忘れた頃。

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!
終わらないですけど


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最終回:君じゃなきゃダメみたい

書いている日にちがズレたりするとキャラの性格が変わったりします。ご了承ください。


 変にゆったりした時間だった。

 

 最近は忙しくてこんな時間は久々だ。ゴードンが捕まった後、エルフェの両親についても色々な黒い事実が浮かび上がってきた。人身売買、麻薬の密造、兎に角金になる事は何でもしたという。そしてエルフェの稼ぎを根こそぎ奪い取って自分は豪楽に酔っていた。これだけでも腹立たしいのにまさか自身の娘を金持ちに売るとは……もはや手に付けられないほど、腐っていた。

 金は人を惑わせるというが、まるでそれを体で表現したような話だ。

 ……あ~、話がずれたな。忙しくてこんな暇なのは久々だって言う話だっけ?まぁ、理由としては、あれだ。エルフェの事だ。結局両親が捕まったエルフェは孤児みたいな立場にいた。なんでも親戚は誰も頼れないらしい、で、俺の両親が彼女を養子として請け負った。親父もお袋も彼女の事は気にかけていたという。

 

 

 ………その時のアイツの顔が忘れられない。

 

 

何度も、何度も、何度も親父たちに感謝していたのは言うまでもない。ずっとずっと、自分自身に無理を強いていたのだ。誰にでも幸せになる権利はある。なのにそれを許されなかった。哀れという言葉では言い表せないほどの悲しみが俺の中を渦巻いていた。

 

彼女は言う。苦しくても悲しくてもハチ君との思い出があったから頑張れたんです。って、そのハチ君は俺じゃないってわかっていながら俺は頬を染め上げた。

 

正式にエルフェが養子入りした頃には世の中からローマン・ゴードンという名前は無いものとして扱われていた。アイツが終身刑だと聞いた時なんというかほっとした。今後アイツがあそこから出られたとしても、もはや、居場所なんて無い。なら出れない方がアイツの為にもエルフェの為にもいいんじゃないかって思っていたからだ。

 

 この様に2カ月で色んな手続きが終わった。エルフェの持ちもんとかいろいろ持ってくるのにちょっと時間かかったがそれもいい思い出だ。

ただいま日曜日の午前10時、先週とか先々週のこの時間は色々あって死ぬかと思ったけど今週は久々の暇だ。俺はリビングの日当たりのいいソファーで惰眠をとっていた。

 

【ねぇ、″俺″……】

 

ふと、頭の中で何か声が響いた。

 

「なんだよ″僕″」

 

この″僕″……いや分かりにくいな…とりあえず八幡(表)、と表しよう。こいつは2年程眠っていた挙句、俺に寝る前の尻拭いをさせた張本人なのでちょっと、反省してもらおうと最近は神経系つかって奴にちょくちょくちょっかいを掛けてる。たまに仕事が長引いてイラついてるときに精神内で寝てるコイツのケツを思いッきし蹴り飛ばしたりするとそりゃあもう、面白い反応を見せてくれる物だ。

 

【これからどうするのさ?】

 

「ん、そだな。普通に学校行って…」

 

【いや、そうじゃない】

 

話を区切らされる。

 

 

 

【………リューちゃんの事だよ。】

 

 

 

「………………」

 

静かに風が流れる。気づいた時には手汗がソファーにこびりついていた。

 

【リューちゃんはさ、君の事が好きだよ?】

 

分かってんだろと言葉を付け足す。

 

【君は彼女の気持ちを無碍にする気かい?】

 

「そうじゃない、そもそも、それはお前への気持ちだ。俺への気持ちじゃない。」

 

そもそも彼女がここに来た理由はこの八幡(表)に会うためだ。俺なんかはそのおまけに過ぎないのだ。

 

『たしかにそうだ。だけど、それが変わって来てるのを分かってるんでしょ?君は』

 

「………」

 

黙秘権を行使する。やっぱりコイツ俺だ。俺が今一番言われたくないことを軽々しく言いやがる。

俺はケータイの電源を付けると、ゲームを始める。

 

『ピリン♪』

 

軽快な受信音と共にメールの通知が届く。なんとなく通知タブに触れてメール画面にたどり着いた。

 

【へぇ、リューちゃんから…ねぇ…】

 

こいつ、笑ってやがるな…顔があったらぶん殴りたい。

 

【えぇっと…今から出かけられますか?だってよ。暇だろ?行ってこいよ。】

 

コイツ…あとで覚えておけよ

俺はとりあえず『大丈夫』とだけ送る。すると僕がブーブーと反論しやがったが、俺はしばらく無視を突き通す。

とりあえず俺は立ち上がり出かける準備を始めた。ん?何処に行けば良いのかわかるのかだって?

実は今日、エルフェは霧雨と万木と一緒に女子会だそうだ。場所は事前に知っているし、どうせ、霧雨辺りが『久々に幼なじみ全員で集まろうよ!幼なじみ3人が集まってて八くんだけ仲間外れなんて可哀想だよ!』とかなんとかかんとか言って他の二人が肯定したんだろう。なんだかんだいって彼奴ら、奉仕部のメンツみたいに由比ヶ浜みたいな天然キャラには弱いから…いや、あいつはバカだな…しまった、差が深まってしまった…

 

そんな事をしていると、メールが帰ってくる。

 

えっと……地図をスクショで撮って送ってきたらしい。……あれ?カフェじゃない…公園…?

 

しかも、この地図何処かで見覚えがある

 

「おい、僕。この地図知ってるか?」

 

【まったく!…全くもう、使い魔扱いしやがって……え〜っと?】

 

すると八幡(表)はへぇと小さく頷いたように声を漏らした。あまりに深妙そうに呟くものだから俺は八幡(表)に問いかける

 

「で?どうなんだよ?」

 

すると八幡(表)は楽しそうな口調で返してきた。

 

【いんや?知らない♪】

 

ぜってぇ、嘘だろ…

 

 

 

 

 

☆★★★★★

 

 

 

 

 

「はぁ……送っちゃった…」

 

とある、公園。ブランコに捕まったままリーラ・エルフェは呟いた。ここにあと10分程で彼が来る。そう思うと胸の辺りがキュッと苦しくなる。

 

「……っ」

 

ふと、ブランコの下に溜まった水溜りに自身の顔が写しこまれた。その顔は真っ赤に染まっていてとても人様に見せられた顔じゃない。

 

 まずい!まずい!まずい!送ってしまってあれだけど、今彼にこの顔を見られるのは非常にまずい。

 

 真っ赤になった顔は白い髪に合い重なってすごく目立つ。とりあえず頭を冷やそうと水道の近くに歩き出した。

 

 

 最初に言っておくと。この公園に彼を呼んだ理由。それは、、、……うぅ…い、一般で言う所の…こ、告白です///

 

 言おう、言おう、言ってしまおう…私はハチくんが…すす、好きです!……まぁ、これに関しては最初から言ってた事だし、周囲の事実なんですけど……よ、良く考えてみたら…ほ、ほら、すすすすすす…好きなんて言葉一回も言ってないなって…///(番外編以外で)

 

 そ、それに一度ここに二人だけで来たかったって言うのもあって、ここは私が初めて彼に会った所なんです…そして、私が彼に結婚しようって言った場所でもあります。

 ハチくんは私が初めて会った時の八くんじゃないと言う話を聞いて、まだ、昔のハチくんに期待しているのかって言われると……まぁ、そんな所もあるでしょうが……正直に言うと、、、今は今の彼が好きです。

 

あれ?これって、不倫になっちゃうのかな?私ってこんなにいやらしい女だったんですね…

 

で、でも、この気持ちはもう止められないから…

 

「………ふぅ、頑張らなくっちゃ…」

 

 

 

 

 

「何をだよ?」

 

後ろから声が響く。

 

「ヒッ…!?」

 

私は声を少し漏らしてしまった。この声の持ち主を私は知っている。

私は少しずつ、少しずつ、後ろを見渡した。

 

「よ、エルフェ…どうしたんだ?こんな所で?顔洗って…?」

 

「は、は、は、ハチくん!?」

 

彼の顔を見てまた、顔が真っ赤になった様に感じる。

 

「エルフェ!?どうしたんだよ!?なんかお前の顔真っ赤だぞ!!一回病院でも…」

 

「いやいやいや、違うから!大丈夫ですから!」

 

私はケータイを取り出した彼の手を掴む。こんな事で救急車呼ばれたらたまったものじゃない。必死につかまった。

最近彼は心配症な節がある。私の事を優先的に考えてくれるのは嬉しいけど…少し行き過ぎる傾向がありそうだ。小町ちゃん然り。

 

「そ、そうか?そうは見えないが…」

 

不安そうに私を見ると渋々携帯をしまった。

 

「で?どうしたんだ?今日は女子会だって聞いたが…」

 

「そ、それは、え〜っとね…その……えっと…」

 

女子会は嘘ではない。みんなに告白するにあたってどうすれば良いか話し合っていた。さっきまでは。

でも、いざ、言うとなるとやっぱり口が噤まれる。断られたら怖いとか、今まで感じなかった恐怖もだんだんと積み重なってきた。

 

 

「………そ、その…」

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーしばらく無言の時間が流れる。

彼は、頭の上にハテナを浮かび上がらせながらも真剣に待っていてくれた。

 

「そ、その……私は…」

 

私ってこんなにどんくさかったっけ?嗚呼、ひどいな。これは…自分が恨めしく思う。もっとパッて言えたら楽になれるのに…

 

「だ、大丈夫か?」

 

「は、はい…大丈夫です……けど、これだけは…」

 

私はまだ言い出せない自分な腹立たしく思いながら軽く自分をつねった。

 

「そう、自分をあまり責めない方が良いぞ…逃げるのも手段の一つだ。」

 

「でも、それじゃあ!」

 

私がそう言うと彼はニヤッと笑った。

 

「いいんだよ、逃げても、戦略的撤退だ。逃げないで、お前が傷つく、位なら。」

 

 

彼はそう言うと遠い目をする。彼は何を考えてるんだろう、それは世界7不思議の一つに値するだろう…

だけど

 

「……ふぅ…もう大丈夫です。言えます。」

 

私がそう宣言すると、ハチくんは私を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーー私、貴方のことが好きです。」

 

 

 

 

 

 

 

☆★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

「………っ」

 

 

正直、こんな時どうすれば良いのかわからない。

俺は、真っ直ぐに、真っ直ぐに俺を見つめる彼女に圧倒された。

 

「……………………お前の言うハチくんは俺じゃないぞ……」

 

振り絞った言葉に覇気はない。エルフェは俺を見て言う。

 

「たしかにあっちのハチくんも好きです。けど、…。今は、私は貴方を所望してるんです。」

 

「なんで、俺なんだよ…俺は、俺は!」

 

 

Q、捻くれて、めんどくさいし…

 

A、それだけ、色んな事を考えてるって事ですよ。めんどくさいのはただ貴方が奥手なだけ…

 

 

 

 

 

Q、ボッチだし…

 

A、浮気の心配が無いですね。

 

 

 

 

 

 

Q、あとは…あとは…

 

 

A、私にハチくん問答で勝てるとお思いですか?

 

 

「貴方が自分の嫌いな所をいくつあげても。私は、私の全てを持って貴方を愛してるって言いましょう。他の誰でも無い……

 

私は貴方が好きなんです。」

 

俺の頬は真っ赤に染まった。きっとそれは先程のエルフェの様に、嗚呼、そうかさっきはそれを考えていたか…

 

【君は…君はどうしたいんだい?】

 

俺は……俺は

 

何も返せない、返す言葉もない。

ただただ、唖然と彼女の顔を見つめた。

 

【君は頑張った。本当に……だから君は君の望むままにしなよ。】

 

 

お前は良いのかよ?……お前は…エルフェはもともと俺じゃなくお前を求めに来てたんだろ。お前は……こんな結末で…

 

【僕は君だ。そう大差ないさ】

 

大差あるだろ。お前と俺では意識が違う、

 

 

 

【大差ないさ。僕は君だ、いくら見繕ってもそれは変わらない。それに君も…好きなんだろ?】

 

 

 

…………っ

 

 

【自分の事は自分が良くわかってる。さぁ、どうするか、君が決めて。僕は決断に従うだけだ……まぁ、ちょっとは文句言わせてもらうけどね】

 

 

 

俺は……俺は…

 

 

俺はしばらく固まったまま動けなかった。正直いまだに頭の整理の目処がついてない、中学の時の告白とは違う。いやその告白自体なかった事なんだけど、

俺は口を開かない口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

「お、……俺は…心を出すことが苦手だから、はっきりとは言えないし、そう…何度もいえないと思う、だけど、今だから言える。」

 

 

正直この返答があってるかは分からない。

 

でも僕がこの場にいても答えはきっと変わらない。俺がそうだった様に

 

 

 

 

 

 

「好きだ。」

 

 

 

 

 

 

返答としてはあまりにも不格好な言葉を返事として返す。だけど、この言葉に迷いは無かった。さっきまで俺を押さえつけていた迷いはこの青空の彼方に消えた。

 

運命なんてものは初めから決まっていては意味は無いなんて言うが、それは通して見てから言える事だ。決してこの結末が正解だとは思わない。

 

だけど間違いではないと思っている。

 

 

 

 

 

 

そして彼女は笑って、言うだろう。

 

 

 

 

 

 

「はい!私も愛してます。」

 

 

 

 

 

って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★

 

 

END

 

 

 




ご愛読ありがとうございました!いつかまたお会いしましょう。さようなら、さようなら!


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番外編:煩悩退散、煩悩退散んんっっっ!!!!

すいません次回、遅れます。あと、三週間もさぼってスイマセン


日曜朝、いつもはプリ〇ュアの時間なのでもうとっくに起きてテレビの前に居座っている時間帯だったのにその日に限って寝過ごしてしまった。

プ〇キュアを犠牲にした代理条件で素晴らしい朝(プリキ〇アを見てない時点で今日のやるべきことは終わっているが)になった。もうやることないけど。

 

でも、まぁ、何と言うかまだ怠い。まだ寝てたいって言うか。寝るわ。〇リキュア見れなかったし

 

どうせわざわざ俺を起こしに来る奴なんかいないだろうし...「キャッ...」...ん?

 

今誰か「キャ」って女っぽい感じで言わなかったか?

あれぃ?なんか手に柔らかい感触とぬくもりが.........

 

 

 

「......って!!何やってんだエルフェ!!??」

 

 

 

そこにはいつの間にかベットに潜り込んでいたエルフェの姿があった。

なぜか『やってやったぜ☆』と言う顔をしながらこちらをニヤニヤと眺めてくる......クッソ可愛いじゃねーかコノヤロー。

 

するとエルフェは白い髪をバサッと撫でながら俺の顔を覗き込んだ

 

「おはようございます。ハチ君?昨日はお楽しみでしたね?」

 

「まて、お前俺に何をした?」

 

エルフェの発言に俺はすこし動揺しながら聞く。

するとエルフェはニヤケながら答えた

 

 

 

「知ってますか?女の子には秘密が付きものなんですよ?」

 

 

 

「おい!!!おまっ!!何しやがったぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

結局答えてくれなかった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

とまぁ、そんな事色々がありまして。

 

俺は自分の理性を鍛えなおすことにした。

理性とは抑えてなんぼの長物である。抑えられない人はドSかドM。それかただの変態だ。

 

俺は理性の化け物とまで言われた比企谷八幡だぞ?それをよくもまぁもて遊んでくれたなぁ?なぁ?エルフェさんよぉ?俺のテクニックで泣かせてやるぜっ(意味深〔特に変な意味ではないことは確か〕)

 

と言う事で。私くし事、比企谷八幡は土曜と言うサマーじゃないバケーションを削って。神社へ座禅を組みにを来ております。

 

「フンッ!!!」

 

「あいったぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「煩悩退散っ!!!」

 

「ぼ、煩悩退散!!!」

 

 

ていうか、なんだこの人。さっきから煩悩退散、煩悩退散。痛いし、うるさい。

 

 

「何か言ったかね?」

 

「いっ、いえ何もっ!!!」

 

 

心を読んだだとぉ!!??

 

 

 

「はぁ......」

 

 

 

でも、まぁ。よくもここまで今の俺にぴったしの神社が見つかったよな?

インターネットを探したらすぐに見つかった。なんだか、うさん臭かったけどな。

隣を流れる滝もきれいだし。なんか滝行も出来るらしいし。ここまで俺にぴったりな神社もなかなかないよな。

 

まぁ、神主の姿が中学生っぽいのは置いておくとして。

 

 

「そうだ、滝行してみないかね?」

 

 

ニヤニヤと俺を見る神主。

うさん臭いし。よく見ると頭の禿げの部分ズラだ。そこから髪の毛ボサッて出てきてるし。でも、出来るならやりたいし...めんどくさいけど...

 

「じ、じゃあ、やってみようかな?......」

 

「そうかそうか...やぁ...りぃ...たぁ...いんだねェ...?」

 

今なんか言い方可笑しかった!!言い方おかしかった!!

俺は少し動揺するがそれを知らんとばかりに手を取る神主。なんか怖い。

 

「さて、行こうか迷える子羊よ。俺の神道、見せてやるよ」

 

ニッコリと今日一番の笑顔を見せる神主、結論「この人怖い」

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—―――――――私は無である。

 

 

 

 

 

 

 

 

滝にあたりながら思った。

 

 

そうなんだみんな無なんだ。

 

 

今の私には性欲などない。

 

 

欲望もない。

 

 

つまりこの状態こそが仏に一番近い状態。

 

 

仏とは無欲なのだよ。

 

 

だから人々に等しく愛を与えてくれるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は悟りを開いt「はい!はい!はい!悟りなんか開くな!!目を覚ませ!!」

 

俺は目を覚ます。目の前にはやっぱりハゲのズラなエロい中学生が居た。

どうやら悟りを開く一歩手前だったらしい。危なかった。

 

「じゃあ、取り合えず次の修行をするぞ?」

 

「あ、はい、分かりました」

 

俺は濡れた服を持ちながら立ち上がる。

神主についていくと仏間に連れていかれた。多分、雑巾がけかなんかだろう。そう思っていた.........この時までは

 

 

 

「じゃあ君にはこのおっぱい仏像の手入れをしてもらう雑巾でしっかり拭くように!!」

 

 

 

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや...おかしいだろ!!色々と!!」

 

 

 

そこには大仏と言うよりは裸の女の像が立っていた。

 

 

「うん?何がおかしいのだね?キミィ?」

 

「いや、ここ神社でしょ?なんで仏像じゃないんだよ!!??」

 

「HAHAHA、面白い事を言うねェ...神社によってそれぞれ祭っている神が違うのは知らないのか?つまり俺の神社が祭っているのは............おっぱいだ」

 

こ、コイツ...煩悩退散とか自分で言っておいて。おっぱい祭ってやがるだとぉ?

 

「とりあえず、しっかりと拭いておきたまえ。ガハハハハハ...」

 

笑いながら何処かえ消えていく神主。クソッ、とんだ変態神社に来てしまったようだ。

 

 

 

 

「......しかし、どこから拭いたらいいんだ?......これ...」

 

 

 

 

俺は目の前の自分の現状に焦り始めたのだ。

 

『これを拭くとしてだ...もし、こんなところを誰かに見つかったらどうする?どうすればいい?こんな山奥の小さな町だ。俺の知っている奴が来るとは思えんが。それでも見つかったらやヴぁい...警察に連絡されるのがオチだ』

 

「すみませーん。誰かいますか~?」

 

ふと、声が聞こえた。今一番聞きたくない奴の......

 

 

 

 

「......ハチくーん?」

 

 

 

 

『え、え、え、え、エルフェェェェェェ!!!???』

 

心の中で叫ぶ。叫びそうなのを一生懸命我慢して心にしまった。

 

「でも、ここに居るって聞いたんだけどなぁ...ですよねぇ?雪ノ下さん?」

 

 

 

『はぁぁぁ!!??雪ノ下ぁぁぁぁぁぁ!!!!???何故お前もここにぃ!!??』

 

 

 

一人じゃないようだ。てか、この作品で雪ノ下ほぼ一話しか出てなかったからすっかり忘れてた。

 

「ゆきのん...どうしたの?」

 

「いや...なんだか比企谷君が私の名前を呼んだ気がして...」

 

『分かってたけど、由比ヶ浜さん来てたのね?』

 

何故か由比ヶ浜には少し冷たい八幡だった。

 

 

 

「どうしたのかね?君たち?」

 

 

 

神主登場。やばい。絶対ダメな奴やん。

だってほら神主の目見てみ?来てから由比ヶ浜のある一定の部分しか見てないもん。他は......まぁ、ごめん

 

「すみません。比企谷八幡くんっていますか?」

 

エルフェが神主にそう言った。

 

「ああ、今日来てる訓練生の事かね?それがどうしたのかね?」

 

え?待って訓練生って何

 

「お弁当持ってきたんですけど。良いですか?」

 

「ああ、いいよ私もそろそろお昼にしようと思っていたからね。」

 

わざっとっぽいんだよ。神主!!もっと自然にしろ。

 

 

「じゃあ失礼しまーす」

 

 

ニコニコと神主は笑っているのを横目にエルフェたちはずかずかと館内に入り始めた。

クソッ!!仏間まであと、10メートルどうする!!どうする!!

 

 

「あ、じゃ、ここで待っててね?」

 

 

へ?......神主!?

 

 

 

「おい、早く来い。昼飯だぞ」

 

 

 

「おぉぉぉい!!神主ィィィ!!!今のはあれだろ!!??エルフェが入りそうになってるところを俺がどうにかするって感じの所だろーが!!」

 

「知らねぇぇぇよ!!ここにゃあ俺の趣味の異物だってあるんだ!!女には見せられないものだらけだからねェ!!女に見せたら完全に破壊される。どっかのチョップ女みたいになぁ!!」

 

女にどんなトラウマがあるんだよ。おっぱい祭ってるくせに。

そう思いながら渋々付いて行く。

 

「あ、ハチ君久しぶりです」

 

「こんにちは比企谷君」

 

「やっはろーヒッキー」

 

上からエルフェ、雪ノ下、由比ヶ浜の順である。

俺は神主の隣に座る。

 

「どうしたんだ?お前ら。此処のことは誰にも言っていないはずだが」

 

「小町ちゃんに聞いたんだよ。おそらくここだろうって」

 

どんな情報網してんだよ。妹よ。そしてそれを完全に信じるお前ら、どこから出るんだよその小町への絶対信頼は。

 

「にしても、どうしてこんな場所で修行なんかしてるのかしら?休みを削ってまでして」

 

雪ノ下、それは聞かれたくなかった

 

「いやな?なんか休みだからと言ってだらけてるのh「嘘ね?」......」

 

そこで横やり入れるな雪ノ下

 

「まぁいいわ。何かしらの事情があるのでしょうけど聞かないでおきましょう。それよりお弁当を作ったのだけれども食べてくれないかしら?」

 

おっと~ここでデレるとはなかなかやりますな。

そう思いながら弁当を見る。どうやらサンドイッチのようだ。

俺はそれを一つ取り口に運ぶ。

 

「旨いっ!!」

 

「よかったわ。作ったかいがあった」

 

そういう雪ノ下。なんか違くね?そう思う

 

 

 

 

 

「わ、私のも食べてよ」

 

 

 

 

その瞬間時間が止まった。

最終兵器、由比ヶ浜である。ああ、死んだな俺...

 

弁当を見ると、安定のダークマター。

 

「あ、これ、卵焼き」

 

この炭が卵焼きですか...俺がおかしいのか、由比ヶ浜がおかしいのか。

俺は勇気を振り絞って逝くことにした。

 

 

「いただきます。」

 

 

それを言ってしまえば後戻りはできない。箸を使って上手く取りゆっくりと口に運んだ

 

『サクサクとチップスのように食べやすく。時々ぐにょぐにょしてる部分がいじらしくて。本来の卵焼きの甘さを打ち消して辛さだけが残った感じ』

 

つまりまとめて言うと『死』である。

 

 

 

俺は死んだのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

目が覚めると体が縮んでいるわけでもなく、異世界に行ってるわけでもなくただただオレンジ色の空が広がっていた。

周りには死体の山が。何があった?

 

「あ、起きたんですか?」

 

お茶を持ってきていたエルフェに気が付いた。

神主は...うん、死んでる。

 

「ああ、目が覚めたらこの惨劇だったから驚いた。」

 

「あの後大変だったんですよ?由比ヶ浜さんの卵焼きがみんなに行き届いちゃって」

 

そうかだから...ご愁傷さまです。

 

「そろそろ帰んなきゃヤバい時間だよな?みんなそろそろ起こすか?」

 

「はい。でも少し話に付き合ってもらいえませんか?」

 

その真面目な雰囲気で俺は首を縦に振る事しかできなかった。

するとエルフェは隣で寄り添いながら語り始めた。

 

「私ね?ホントは少し怖かったんです。」

 

「...怖かった?」

 

「はい、ハチ君に否定されたらどうしようとか。嫌われたらとか...まぁ、ホントはもっとひどいかったんですがね?」

 

「それは~すまなかった」

 

エルフェは「いえ」と返した

 

「でも今はハチ君はどっちのハチ君でも大好きです。前のハチ君もカッコよかったし。今のハチ君も...その~...かっこいいです///」

 

俺はその言葉を聞いて少し顔を赤くする。

 

 

 

「でも、私はどっちにしても............あなたが好きです。」

 

 

 

だからだろう、彼女の姿に俺は少し見とれてしまっていたのは。

彼女はただただ真っすぐなのだ。真っすぐに恋をしている。だから俺は.........

 

 

「そうかよ......そろそろ、みんな起こそうぜ」

 

彼女はにっこりと笑って「はい!」と言った。

 

 

 

 

 

これが俺の番外編である。

 

 

 

 

「とーもーちゃーん?」

 

「へ?...そ...は...ら?」

 

「こんなところで神主って...何やってるのかな?」

 

「いや~その~...」

 

「あと、この像何?」

 

「あ、ああ~それ~ね...」

 

 

 

 

その後、ある少年の断末魔が町中に聞こえたそうな。

 

 




完全にやらかしてるね?この作者


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やはり彼女が帰ってくるのは間違っている!!Re:make!!!
Re:make!!1話:間違えてる。


こんにちはマッキーマンです。
リメイク版、実はpixivで投稿していたのですが。
こちらでの投稿をしていませんでした。理由としては4回投稿に失敗してイラついたからです。どーみても自分のインターネット空間が悪いのですがね…
まぁ、兎にも角にも!一応投稿途中ですが、最新までは投稿したいと思います。あと、リメイク前もそのうち続きを描きたいと思います。


いったいどこで間違えたのだろうか。

 

「は~ち~く~ん!!!」

 

そう言いながら抱き着いてくる白髪の美少女の声を聴きながら天を仰ぐ。

教室はこの少女の気迫に飲まれ静かに動揺を示す。とある者は嫉妬の炎を燃やし。とある者は妄想を膨らます。人とは清純であるべきである。

今日は別段特に何もない日だったはず。何も起こる訳の無い平凡な夏だったはずなのに......

 

 

俺は一体どこで間違えたのだろうか

 

 

――――それは1時間ほど前に遡る

 

 

「おにぃーちゃーん!!!お兄ちゃん!!!」

 

7時30分俺はいつもと同じ時間に同じように小町に起こされる。窓からは日が差し込み鳥のさえずりが聞こえてくる。良き朝である。

 

「お兄ちゃん、朝ですよ~起きて。もう、小町の愛情たっぷりの朝ごはんが覚めちゃうでしょ?」

 

いつも通り愚痴りながら小町は俺の顔を覗く。

何気ない仕草に少しドキッとしてしまったが。妹だからと思うと流石に冷めた。

 

「ああ、おはよ。」

 

俺がそう呟くと小町もニッコリと笑っておはようと言う。なんとも幸せ空間なのだろう。いつまでもこの時間が続けばいいのに...いや待てそれフラグだな

 

「早く下に降りてね。ご飯冷めちゃうから」

 

「わ~たよ。着替えたら下に行く」

 

小町の問いに俺がそう返すと小町は下へ降りて行った。

別段何もない日こそ幸せなものは無い。中二の夢はもう覚めた。

近くに掛けてあった学生服に身を包み。鞄と自転車カギを持って下へ降りる。そこにはいつも通り自分の席に座ってもきゅもきゅ朝ごはんを頬張っている小町が居た

 

「おっは~。八幡降りるの遅かったね。小町ちゃんが起こしにいってからもう十分ぐらい経ったんじゃない?」

 

ソファーの方から声が聞こえてくる。誰だろうと顔を向けると

そこにはいつもはこの時間帯には居ないはずの母がソファーでゆったりとコーヒーを飲みながらテレビを見ていた

 

「母さん?なんで居るんだ?今日も出張だったはずだろ?」

 

俺がそう尋ねると母はあっけらかんとした口調で答える。

 

「いや~ね?私もそのつもりだったんだけどさ。なんかその出張が無くなっちゃってさ。どうやら海外の大きな会社に取られちゃったみたいでさ」

 

そう母は答えたが。実態が分からない状態で俺は「はあ?」と答えるしかなかった。

すると母はテレビを指さす

 

「それよりねぇ、八幡。これ知ってる?」

 

「あ?ハリウッド女優引退?なんで日本のテレビがそんな事特集してんだ?」

 

「いや、そんな事はどうでもいいとしてこのハリウッド女優の子の事覚えてる?」

 

「は?覚えてるって?」

 

そう言った瞬間母はニヤケ出した。不気味なほどに

 

「ふ~ん、そうかそうか。覚えてないか...じゃあこれは楽しいことになりそうだねぇ?」

 

完全に何か企んでいる顔である。

 

「おい、かあちゃ「お兄ちゃん!!時間時間!!」」

 

小町に途中で話を途切れさせられる。

時計を見ると8時ちょうど。はっきり言うと...かなりやヴぁい時間である。

 

「やべっ!!小町行くぞ!!じゃあ行ってくる母ちゃん!!」

 

「うんじゃあね~小町ちゃん。八幡...フフ」

 

母の最期の笑い声になんか嫌な予感を感じながら玄関を出て自転車にまたがる。

すると小町が俺の自転車の後ろにいきなりまたがり指を前に刺す。

 

「じゃあ出発シンコー」

 

「お前乗るんだ...仕方ないな...」

 

そうため息をつきながら自転車をこぎ始める。

 

 

☆☆☆

 

 

「あ、じゃあここでいいよー」

 

小町は俺に止まる場所を指示する。時間にはまだ余裕がありそうだ

 

「じゃあ。行ってくるでありまーす!!」

 

そう敬礼して小町は校門に走っていく。すると男子たちは小町を前にしてニヤケ出す。おっと、野郎ども。小町に近ずいてみろ...即死刑だぞゴラァ?

暫くして自転車を再び出発させようとハンドルに手を差し伸べると籠に黒いものが見えてきた。特徴ある小さめの丸い箱...あれ?......弁当

 

「おっにいちゃーん!!」

 

 

 

 

 

「......バカ」

 

俺は小さく呟いた。

 

 

 

暫くして俺も学校に着き。自転車を駐輪場に置き教室に行くいつも通りの毎日。

だが、今日は何かが違った。教室がいつもより少しうるさい。賑やかがクラスの特徴であるこのクラスでもこの賑わいは異常である。

 

すると近くに座っていた由比ヶ浜が声を掛けてきた何か知ってるようだ。

 

「おはよ!!ヒッキー!!なんかね。今日転校生が来るんだって!!それでみんな盛り上がっちゃってるんだよね~」

 

「ほう転校生ねぇ...だからこんなに賑やかなのか...」

 

合点が行った。そうか転校生か...そりゃあ一世一代の大盛り上がりになる訳だ。

 

「その転校生、女の子らしいよ。しかもかなり美人!!」

 

「その情報はいらないが...女かぁ~...嫌な予感しかしない...」

 

俺は項垂れながら机に突っ伏す。別に意味など無い。ただ眠いだけだよ。

 

「でも、ヒッキーなんかみんなと違うね?何も期待してないっていう感じがさ...」

 

「そりゃあそうだろ。もし来た時その子が残念な子だったらどうする?」

 

あ、残念っていうのは顔だけじゃないぞ?性格もろもろを刺しているが...やばい、これ以上は墓穴を掘っている気がする。

 

「ヒッキー。いつも通りひねくれてるねぇ」

 

「うっせ。こりゃあ俺のアイデンティティーだ」

 

「あいでんててぇ~?」

 

「あ、ごめん難しい言葉を使ちゃって。」

 

バカにするなし―とか言っている由比ヶ浜を尻目に俺は眠りに入る。

転校生と言ってもどうせ俺とは関係ないだろうし...寝てもいいよね?

 

 

「あ、ヒッキー!!平塚先生来たよ早く起きて!!」

 

 

――――――――――って!!待て、何故平塚先生なんだ!?うちの担任じゃないはずだぞ!!??

 

 

「全員静かにしろ。ホームルームの時間だぞ。あと比企谷後で職員室な」

 

何☆故☆に☆!!??

 

扉が開く音とともに甲高い大人の女性っていう感じの声が聞こえてくる。ついでに死刑宣告された。

さすが進学校だけあって先生の声を聴いた瞬間一気に教室の喋り声と言う雑音が消える。

 

「冗談はともかくとして。今回のホームルームは担任の先生が出張でいないので私が担当する。よろしく」

 

よろしくお願いしますと皆が言う。

だが、今一番気になっているのはそんな事ではなかった。担任の先生が変わるというのは一年に一回は必ずある事。はっきり言ってどーでもいいのだ。

 

「あ~、知っている者も多いだろうが。今日転校生が来ることとなった。」

 

一気にざわっと盛り上がる。

 

「やはりな流石高校生...情報が早い。まぁ良い入れ」

 

平塚先生は扉に向かって手を促す。

扉の外に転校生がいるのだろう。よくあるパターンだな。俺はひっそりとそう思う。そして入ってくるのを待っていた。

......しかし、誰も入ってくる気配はなかった。

 

「あ、あれ......?入ってこーい。」

 

平塚先生は柄にもなく焦っている様子だ。手を必死に振っている

 

 

 

「---は---くーー」

 

 

 

後ろの方から気配と小さな声が聞こえてきた。

冷汗が流れ出しついでに涙も出てくる。

何かに怯えてる?いや違う歓喜の涙だろう...しかし何故...

お前は誰だ?

俺は振り返る

 

 

「は~ち~く~ん!!!」

 

 

腰のあたりに衝撃が迸り。

俺は天を仰いだ。

 

 



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Re:make!!2話:フロリダって…あれ?

嫉妬、怒気、興味、衝動

そんな視線にはもう慣れた。負の感情から俺の思想は生まれたようなものだし、そういう感情の思想は一生俺についてくるのは分かっている。

自分で蒔いた種だからそれを拾うのも自分自身だ......だが...ひとつ、今回のはなんか...違うんだよなぁ

 

「は~ち~く~ん!!」

 

俺は白髪の女の子に抱かれながら必死に現実逃避を図る。

 

教室は沈黙と化し。まるで時間が止まったように動きを止める。

ある者は目の前の衝動に身を任せ怒りを感じ、ある者は考えるのをやめ、ある者は今後の展開へと期待を膨らませる。

 

「はちくん?どうしたんですか?」

 

この場を作った張本人は何も気づいていない様子(もしくは気にしてない)。その後も何事もなかったように俺の腰を締め付け続ける。

 

しばらく止まっていた時間は最初に気が付いた平塚先生によって動かされる。

 

「え、エルフェ。ホームルーム中だぞ仲が良いのは結構だが今はTPOを考えてくれ。」

 

すると腰に引っ付いている白髪の少女は顔を真っ赤にする。

やっと気が付いたみたいだ。

 

「あ、ああ、す、すいません!」

 

やっと離れてくれた。少し締め付けられすぎた腹を抑え彼女に目をやる。

見事なまで真っ白な白髪を伸ばし。雪のように白い肌を晒している。

 

「あ、あれ?」

 

教室の誰かがボソッとそう呟いた。何かおかしい。いや、彼女におかしい所がある訳ではなくここに居る誰もがその子を知っていることがおかしいのだ。彼女とここに居る全員は今初めて会った筈。なのに知っている。彼女を知っている。

察したように平塚先生は口を開く

 

「あ~、では。エルフェ自己紹介を頼む」

 

「は、はい。り、リーラ・エルフェと言います。前までアメリカのフロリダ州のほうの学校に通っていました。よろしくお願いします。」

 

彼女は悠長な日本語でそう語る。

 

「ふ、フロリダって......は、は、は、ハリウッド!?」

 

誰かがそう叫ぶ。なかなかに滑稽な合間に叫ぶのだがそれは笑い事ではない。

ハリウッドと言えば映画の都。しかも今朝のニュースでハリウッドで事件が起きていた。急にとある有名女優が引退を発表し表舞台から姿を消したのだ。

 

「ま、まさか.........」

 

あり得るはずがないあり得てはならない。

この広い世界のしかもこの日本の千葉の高校に...

 

 

「あ、はい、す、少し前まで女優をやってました......」

 

 

 

元とは言えどハリウッドの女優が居るなどとは

 

 

 

 

「「「「「「「「「「はあああああああ????????!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

 

☆☆☆

 

 

「ど~いう事なんです!?平塚先生!!うちの学校にこんな有名人が来るなんて!!」

 

「知らん!!私だって驚いてる!!第一にだそんな情報をだ。私が知っていると思っているのか!?」

 

さっきから生徒と先生の問答が激しい。

ホームルームはとっくに終わり一時限目が始まろうとしている。因みに次の教科は国語、平塚先生の担当科目だ。

 

「ああ、もう!!わかったわかった!!次の時間は自習だ!!エルフェに聞いて来い!!」

 

それでいいのか国語教師!?俺は心の中でそう叫ぶ。それが自分の得意科目の時間が消えた瞬間だった。

するとエルフェが困ってることに気が付いた先生は口を開く

 

「エルフェ。席は自由に座って構わない。開いている席に座ってくれ。」

 

先生がそう言った。その瞬間の出来事だった。

隣の席が空いている男子たちがエルフェの周りに囲いだす

 

「リーラちゃん!!僕の隣なんてどうかな?席が空いてるんだけど...」

 

「それなら俺の隣もどう?窓の近くで日当たりもいいよ」

 

「それなら俺の...」「オレの...」「僕の...」

 

とまぁ、テンプレとも思うような現状を目の当たりにしながら寝ようと手を机に敷く。

 

「ヒッキー!!!さっきのはどういう事!!??なんでリーラちゃんはヒッキーに抱き着いたの!!どうして!?」

 

だが寝かせてくれないのが理不尽なところだと思う。由比ヶ浜が俺の前で騒ぐ。

 

「うるさい。あと、俺も知らん。抱き着く抱き着かないはもう関係ないだろ?」

 

「関係あるよ!!ありまくるよ!!!.........」

 

オギャオギャ―と騒ぎまくる由比ヶ浜。

まぁいいや無視しようかと少し考えていると隣に誰かが座った。

たしかに俺の隣の席も開いてはいたが...と目を向かせると

 

「さっきぶりです♪ハチ君」

 

俺の隣にエルフェが座っていた。

前でさわいでいた由比ヶ浜がもエルフェを見て目を大きくする。

 

「あ、あのぉ~?リーラちゃん?開いてる席はたくさんあるでしょ?なんでヒッキーの隣なのかな?」

 

そう由比ヶ浜はエルフェに聞いた。するとエルフェの頭にハテナマークが浮かぶ。

 

「ヒッキー?ハチ君の事ですか?すいません。こういうあだ名っていう文化に疎くて。」

 

というエルフェ。一応君のその“ハチ君”って奴もあだ名なのだが...それは?

 

「ああ、大丈夫大丈夫。ヒッキーってわかりづらいよね?ごめんね。」

 

由比ヶ浜は手を合わせ謝るポーズをとる。

忘れているんじゃないだろうか?と少し不安になったがエルフェの方から話してくれた。

 

「実はハチ君とは幼馴染でして...」

 

「そ、そうなんだ~」

 

チラッとこっちを見る由比ヶ浜。『やっぱり嘘だったんだね?』と目で訴えかけてくる。

『いや、知らん。今初めて知った』と俺は反論するが少し焦っている。

 

「にして由比ヶ浜さんとハチ君って仲が良いんですね。」

 

「え?...あ、うん。同じ部活に入ってるからね」

 

由比ヶ浜が少し焦っている。

 

「へぇ~、あのハチ君が部活に入るとは...どんな部活なんですか?」

 

「奉仕部って言ってね。釣り人?に魚を取ってあげるんじゃなくて取り方を教える部活だって」

 

待てぃ!!由比ヶ浜それではただの釣り同好会になっっちゃうよ!?と俺は目で訴えるが気が付いていない模様

 

「釣り...?ですか...」

 

ほらぁ、言ったじゃん釣り同好会になるって。そう思うと俺は口を挟む。

 

「一応言っておくが。違うからな。コイツの表現が残念過ぎるだけだから。まぁ、言わば何でも屋ってところだ」

 

「へぇ~何でも屋ですか...面白そうですね!!」

 

エルフェが目をキラキラさせている。自分で言うのもなんだがそんな楽し気な部活ではないのだが

 

「じゃあ、リーラちゃん。放課後一緒に行こうよ!!」

 

と由比ヶ浜は提案をする。別に損はないと思うし大丈夫だろうが...

 

 

「えっと...はい分かりました。放課後ですね」

 

と、当のエルフェは少し迷っていたが行く事に決めた模様。

すると、由比ヶ浜はうっしと手で拳を造る。まぁ人数が少なかったからな。

 

「そういえば。リーラちゃん。ヒッキーに抱き着いていたけどどうしてなの?」

 

思い出したように由比ヶ浜は口にする。

別に俺としてはどうでもいいのだが少しは気になっていたことだった。

すると、エルフェは顔を赤くする。やはり恥ずかしかったようだ

 

「え、えっと、あ、あのぉ...そのぉ~...は、」

 

何かはっきりしない。由比ヶ浜はそんなにぼそぼそと呟いているエルフェ肩ゆらしながら

 

「ねぇ~おしえてよ~ねぇ~」

 

と言う。うんあれやられたらウザイ。

するとやっとエルフェが口を開いてくれた。

 

 

 

「は、は、は、ハチ君との約束...」

 

 

 

約束...?俺が約束?

と少し思い出そうとするが。第一彼女の事を思い出せない以上彼女の約束を思い出すもくそもあったもんじゃない。

するとまた口を開いた

 

 

 

「け、結婚の約束...............」

 

 

 

―――そして、また教室が静かになった。

嫉妬の炎を残して



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Re:make!!3話:兎にも角にも

「け、結婚............?」

 

由比ヶ浜が小さく呟く。

盗み聞きしていた。教室の皆はあり得ない物を見るようにエルフェを見ていた。

そうだろう、何せ学校一の嫌われ者。及びボッチだそうなるのは当たり前だ。

するとその内の一人の女子が口を開く

 

「そ、それ本気?」

 

たった一言。たった一言エルフェに尋ねる。それは色んな意味を持っていることが誰にでも伝わった。

その女子の俺への評価も。振り返ったエルフェは少し貯めて言う

 

「.........本気とは?」

 

質問を質問で返す。

ホントはそれは日本語としてはやってはいけない行為。だが咎める人間は居なかった。咎める必要もなかった。

その言葉にさっきまで感じられなかった怒りや恐怖を感じる。それは逆に答えとなっていた。

 

――――――この娘、本気だ。

 

「本気って...だってヒキタニだよ?なんで貴方みたいな有名人の美人がそんな奴が好きな訳?おかしいでしょ?」

 

全くもって同感。いや、それが当然の反応だ。

しかし当然過ぎてその娘は気づいてなかった。これ以上進んではいけないという事を、なによりそれ気付かなくてはならない存在が気付いてないのだ。当然雲行きは怪しくなるし。空気が濃くなっていく。

これ以上話が続くと危ない。

その瞬間ドアが開く音が聞こえてくる。

 

「おい、チャイム聞こえなかったのか?自習と言っても授業は授業だ席につけ」

 

この時、ほとんどの生徒が平塚先生に感謝を示した。

 

☆☆☆

 

昼休み。

俺はいつも道り、ベストプレイスに足を運ぶ。なにより今日半日すごく色濃かったのだ。昼くらいは一人で居たい。それにこんな場所にはいくら何でも誰も居ないだろう

そう思いいつも座っている場所に目を配る。

 

「お久しぶりです。ハチ君。」

 

ポツンと。そこにはリーラ・エルフェが座っていた。

 

「は......?」

 

一人絶句する。誰も居ないはずの我が領土に他者がいつの間にか入り込んでいた心境だ。

 

「エルフェ...なんでここを知ってんだよ?」

 

少し気力を取り戻しながらも質問するとエルフェは親指と人差し指で円を造る。金か!?金なのか!!??

 

「なんて冗談ですよ。ただ、なんとなくここに来るだろうなと思っただけです。」

 

「なんでだよ?俺の性格を熟知してんのか?いや、それはそれで怖いが...」

 

そういうと俺はエルフェから少しはなれた一に座り。パンを開ける。

マッカンはこの時期になると温かいから外で昼をとる俺としてはうれしい次第だ。

 

「なんでそんなに離れた位置に座ってるんですか?」

 

少したってからエルフェがそう聞く。何やら寂しいらしい。隣をポンポンと叩きながらこっちを睨みつける。

 

「うん?...いや無理だろ。俺みたいなやつがお前みたいな美少女の隣に座るとか...レベルが高すぎる...」

 

「そんなことないですよ。はぁ......もう、私からそっちに行きますね」

 

そう言いエルフェは小さな弁当と水筒を持ち。俺の隣に座る。

俺はパンとマッカンを持って移動しようと立ち上がろうとするが。エルフェの視線が痛い。睨みつけているみたいだ...

はぁ、諦めるしかないな。俺はパンとマッカンを置いた。

 

「うん、良い判断です。世の中諦めも大事ですよ。」

 

諦めさせた張本人が何を言うか。俺は彼女に目を配る。

まぁ、最も諦めた本人が一番の加害者ではあるが...ああ、もう言い訳はよそう。俺は負けたんだ。結論、全部俺が悪いと。

 

「で?何の用だ?こんな場所まで追いかけてきて...それに結婚ってなんだよ?俺は聞いてないぞ?」

 

俺は今まで疑問になっていたことを彼女に聞き出す。もっとも、今日帰っているであろう母親に聞けばいい話なのだが...それでもなるべくなら早く答えが欲しい

 

「ん?......あれ?覚えてないんですか?あの約束を...」

 

弁当を食べながらエルフェは驚いた顔をして俺を見上げる。

特に昔の特別な思い出は無かったはず。あったとしてもいじめられていたという事くらいで、そんな約束はした覚えも全くない。

 

「悪いが何にも覚えがない。大体いつくらいの話なんだ?」

 

「えぇっと、多分小学3年生ごろかと。」

 

小学三年か......ああ、なにも思い出せない...

俺は軽く頭を抱える。するとエルフェは急接近してきた。顔が近い

 

「思い出せませんか?......何にも?」

 

少し声が小さくなっている...不安そうだ

 

「ああ、すまん。思い出せん」

 

「そう、ですか......」

 

目に見えて落ち込んでいる。そりゃそうだ、大切な約束をした本人が忘れているのだ。誰だって怒りたくもなるし泣きたくもなる。

 

「すまないな。俺だって思い出せるのなら思い出したいのは山々なんだがな......」

 

第一この子の事を何も知らない自分。要すると女優だったこと以外彼女の事は何も知らない。そう、どんなものが好きなのかもどんなものが嫌いなのかも何も知らないのだ。

――――――何と言うか...悔しい。彼女は俺の事をよく知っているというのに...俺は何も知らない。いわば不平等だ。

 

「良いんですよ...そんな昔の事覚えてるわけないですよね...ハハハ...」

 

彼女の空笑いが空を切る。

そこには感情がこもっていない。いや、籠っているは籠っている。『一人で何を盛り上がっていたんだろう』という絶望。本当にそれしかないそれ以外ないのだ。

じゃあ、これから俺は何をする?何を成してこの状況を打破する?

俺は口を開く

 

「じゃ、じゃあ、今からだ...」

 

「......え?」

 

「今から、お前の事を教えてくれ。俺はそれを覚えよう。絶対に忘れない。結婚等は置いておいて。俺はお前について知りたいんだよ。」

 

俺は言ってから自分がどんな恥ずかしい事を言ってるかを確認する。ヤバいかなり恥ずかしい。

でも今はそんな場合ではなかった。とにかく話を続ける

 

「じ、じゃあ、とにかく好きな物から教えてくれ」

 

「え、えっと、す、好きな物はですね―――――――――――」

 

 

 

 

俺たちは暫くの間。自己紹介を含めた二人だけの交流会を行っていた。

別に彼女と付き合う気も何もないが兎に角自分の事彼女の事を知ってほしい知りたかった。

 

 

 

 

 

まぁ、ここで思う事はただ一つ読者様。分かりますよね?

 

 

 

 

『とにかくリア充爆破しろ』

 

 

 

 

と、そんな目で彼らを見ていた非リア充共が居たとかいなかったとか...

 

 

 



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Re:make!!4話:恐怖を感じて

放課後。

 いつも通り部室に向かおうと鞄を手に取り立ち上がる。別段何かに依頼がある訳ではないだろうしそんなの滅多にある訳もない。ただこれが俺の生活の一部になっているのはもう分かり切っていることだった。ここまで来たら強制入部等はもう関係ない。ただ自分の為に行っているようなものである。それに関しては平塚先生には頭が上がらない。

 そう俺は心の中で平塚先生に感謝する。何かと今日は先生に感謝を示すことが多いな。

 

「すみません、ハチ君」

 

 誰かが鞄を持っていた手を掴む。俺はその方向に目を配る。やはりエルフェだ。

 

「どうしたんだ?」

 

俺は尋ねる。何か困ったことがあるのだろうか。すると、彼女は困ったように言う

 

「実は由比ヶ浜さんがお友達に遊びに誘われたそうなんですけど断り切れなかったそうで...それで......」

 

「ああ、つまり。部室に行きたいが場所が分からないと?」

 

 そう言うと彼女は首を縦に振る。まったく、由比ヶ浜の奴。自分で言ったのなら最後まで突き通せよな。俺はそう内心毒づく。まぁ、別にいいんだけれども

 

「分かった。着いて来てくれ案内する。」

 

「ありがとうございます!!」

 

次の瞬間彼女は感謝のあまり俺の手を握る。その瞬間一気に周りの視線が一気に集まった。その視線は大体興味心、大部分嫉妬および妬みである。

やめて!!俺を見ないで!!!俺が何をした!!??悪いのはこの世の中だろ!!てかおい材木座ぁ!!何外から敵意を刺しながらこっち見てんだよ!?助けろ。主に俺を!!

 

何の関係もない材木座に後で当たることにした八幡であった。

 

「じゃあ、行きましょう?部室」

 

彼女はなんの関係も無さげに話しかけてくる。いい加減この惨状に目を向けてくださいお願いします。

 

「あ、ああ、そ、そうだな...」

 

言えるわけもなくただとりあえず俺は部室に向かう事にした。............彼女と手をつないで.........

 

 

☆☆☆

 

 

「ここ、、ですか?」

 

何かとシールが張ってある教室の名札を眺めるエルフェ。もちろんシールがあるだけで名刺には教室名はない。彼女はなんとなく。しかし確実にそこを当てた。

 

「......良く分かったな。ここが奉仕部部室だって」

 

「やっぱり。なんかここだけ少し雰囲気が違いましたから。」

 

雰囲気か...たしかに何もない教室が続くなかポツンと人気のある教室。異端だ。

 

「......まぁ、ぼちぼち入りますかね」

 

俺は覚悟を決める。このまま、俺が部室に入ったら確実に不審者扱いだろう。あの毒舌部長がこの状況をネタにしないわけがない。ソースは俺

なにもしないのは出来ないことの理由にはならない俺はとりあえず部室の扉を開ける。(ただ何となくそれっぽく仮面〇イダーネタがやりたかった行)

 

扉を開けるとやはり“雪ノ下雪乃”が奥の席にただ一人座っていた。本に向き合ってただ次のページを待ち望みそれを待っている。

するとすぐにこっちに気付く雪ノ下。まぁ、気付かなければ呼んでいたが。すると彼女は口を開く

 

「あら?遅かったわね?遅ヶ谷く.........キャア!!??」

 

......きゃあ?言葉で話は途切れ何かに怯えてるように叫び声をあげる雪ノ下。

 

「え、エルフェさん??ど、どうしてここに????」

 

え?雪ノ下?なんでエルフェの名を?

 

「あれ?雪ノ下さん?お久しぶりです!!」

 

嬉しそうに雪ノ下の名前を呼ぶエルフェ。ここで互いの反応の違いに違和感を感じる。怯える雪ノ下と愉快そうなエルフェ全く真反対だ。

 

「お、お久しぶりね?え、、え、エルフェさん」

 

この二人の間に何かあったのだろうか。心配になってきた。あと、雪ノ下。声が震えてるぞ?大丈夫か?

俺はとりあえず震える雪ノ下に話しかける事にした。

 

「お前エルフェと知り合いなのか?」

 

「え、ええ、知り合いと言えば知り合いね。昔から彼女の家のパーティーによく御呼ばれされてたから。」

 

なんとも世間は狭い。まさか有名人と知り合いな奴が俺の近くにいるとは......まぁ、俺も言えた義理ではないが。するとエルフェは雪ノ下に抱き着く。別に百合と言うつもりはないが...雪ノ下さん最近そんなシーン多めじゃありませんかね?

 

「ど、どうしたのかしら?エルフェさん?」

 

「いやぁ~やっぱり雪ノ下さんの匂いは落ち着くな~って思いまして。」

 

やばい。ヤバいよ!!由比ヶ浜!!雪ノ下取られてるよ!!取られるよ!!(大事な事なので二回言う精神)

しかし、ここまで仲がよさそうな二人なのに何故雪ノ下は怯えてるんだ?実質俺が聞く理由はないが何かと気になる。

 

「あ、ごめなさい雪ノ下さんハチ君。ちょっとお手洗いに行ってきます」

 

いいタイミングでトイレに行ってくれるらしい。このチャンスを逃す手はない。

 

「あ、ああ、。場所は分かるな?」

 

「ええ、分かってますよ。じゃあ行ってきます」

 

そう言って部室を後にするエルフェ。では質問Timeと行きますか。

俺は雪ノ下の方向に向きなおす。すると向こうから話しかけてきた

 

「比企谷君。今日まさかエルフェさんを怒らせるような事してないわよね?」

 

「ん?ああ、まぁ、そういや教室の女子が怒らせかけたが......どうした?」

 

すると雪ノ下は青い顔になりかけるが。少し立ち止まる。何故か不安になるからやめてそう言うの。

 

「そ、それならいいのだけれども...」

 

「......何かあったのか?」

 

俺がそう言うと部室は音を失う。

雪ノ下はまだ少し怯えているらしい。すると雪ノ下は話を始めた。

 

「2年前の事だったわ。私は毎年の通り彼女のパーティーに御呼ばれされてアメリカまで足を運んだの。姉さんも丁度アメリカに用があったから一緒に行ったのだけれども。その時はエルフェさんの誕生パーティーで色んな有名人が来ていたの。」

 

渋々と話していく雪ノ下。なかなか深い仲だったらしい。

 

「それで普通にエルフェさんと話しをしていたのだけれども。その時だった、私たちに話しかけてきた男がいたの。確か名前はゴードンだったか、ゴリラだったか...」

 

コイツその男に結構恨みがあるな?

 

「まぁいいわ。とりあえずその男はかなりのロリコンで。いきなりエルフェさんに結婚を前提に付き合ってくれと言ったのよ。それが問題だった。」

 

なんとなく察してきた。俺は耳を貸す。

 

「彼女は結婚を約束している人が居るから駄目だと言ったのだけれども、彼は無理矢理話を進めようとして彼女の肩に手を掛けたの...そしたら」

 

すると雪ノ下は顔を青くする。

 

「ご、ごめんなさい。少し吐き気を催しただけだから...話はもういいかしら?すこし体調がすぐれなくて......」

 

感じる。雪ノ下から哀愁と絶望そして恐怖を。旨い怪談を聞かされているようだ。いや。もっと質の悪い何かを。

 

 

 

「すいません。遅れました」

 

 

 

「「ひぃ!!」」

 

奉仕部のドアが開く音とともに俺たちは声をあげてしまう。

少なくとも今は目の前の少女がとてつもなく大きな悪魔および死神に見える。とくにその綺麗な白い髪がそれです。

 

「どうしたんですか?」

 

エルフェはそう聞く。死刑宣告か?殺す気なの?俺たちを?どんなえぐいやり方で?

 

「あ、もしかして......二人とも付き合ってると「「いや、それは無いです」」...そうですか...」

 

即座に否定する。

絶対ないこんな毒舌女とは。

 

「じゃあ、なんでs「そう言えばもう時間ね。帰りましょう?エルフェさん比企谷君」」

 

なんか部長が凄く頼りになると思った瞬間であった。

俺はエルフェを連れて帰ることにした。

 

 

 

あれ?エルフェって今どこに住んでんだ?



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Re:make!!5話:曰く

部活も終わり。片付けも一通り終わった。言っても俺は何もしていないが...

鍵を閉め。帰路に着こうと玄関に向かう。

 

「じゃあ、私は先生にカギを返しに行くから。さようなら」

 

雪ノ下がカギを持って言う。

 

「ああ、じゃあな」

 

「はい、さようなら」

 

各自で雪ノ下に挨拶を言い。自身の帰路に向かおうと玄関に立った時だった。

暫くしてエルフェがポケットに入っていた紙を見せて言う。

 

「すみませんハチ君。ここ、わかりますか?なんでも、この住所の場所がホームステイ先だそうなので。」

 

「ホームステイ?お前引っ越してきたんじゃないのか?」

 

「いやぁ、ほんの少しの間なんですけど。私一応留学生ってことになってるらしくて...」

 

へ~そうなんだ。うなずきながらメモを覗き見る。どこかで見た住所だ。しかし、思い出せない。

自身の住所ですら分からない俺だぞ?他人の住所なんかわかるかよ。(どうやって高校行ったんだよ...)

ちと、愚痴りながらその書かれている方を向く。

 

「はぁ......仕方ないか...俺が連れてってやるよ。」

 

溜息をつきながら言う。本当にめんどくさいが...本とぅに!!めんどくさいが

 

「ホントですか!!??ありがとうございます!!」

 

またもや感謝のあまり手を握る。止めろよ、エルフェ。勘違いするだろ?

ふと悪態を着くと。俺は手を向ける。

 

「じゃあ、ついてこい。まぁ、言うて俺も分からんがな。」

 

そう言うと俺は、あまり自身なさげに自転車を片手に持ちながら歩き出す。校門を抜け信号を渡りメモ通り歩き進める。その間二人とも何も言わないし何も喋る気配もない。

するとエルフェは真面目にメモを見る俺に対して質問をする。

 

「ねぇハチ君。どうしてそこまでしてくれるんですか?」

 

「ああ...?仮にも頼まれた身だからな。それをないがしろにしたら後々気持ち悪いくなるのは俺だからな。まあ、自己満足って奴だ。気にすんな。」

 

俺がそう言うとエルフェは不思議そうに俺の顔を覗き見る。

 

「.........」

 

「な、なんだよ?」

 

「いえ、ただ何となく。やっぱりハチ君だなぁって」

 

「ああ?何だよそれ...」

 

するとエルフェはフフと笑い。また歩き出す。なにか知らんが嬉しそうだな。そして俺はメモに目を戻す。

 

そう言えば、この道どこかで...いや、そんなことが...

一瞬頭によぎった可能性を否定する。いや、したい。

 

「にしても、まだ付かないんですか?」

 

「ああ、もう少しのはずなんだがな......ん?」

 

やはり違和感。周りには見慣れた景色が広がっている。

住所まんまの場所には見覚えのある青っぽい屋根。見覚えってか覚えがあり過ぎるいわく表札。とても普通で何もないはずの一軒家に目が映る。

 

「うん?どうしたんですか...?」

 

エルフェは何も知らずに俺に質問をする。此処は何処なのだと...

まさか、まさかと思っていたが...まさか...

 

「あれぇ~?お兄ちゃん今日帰るの早くない?てか、隣の人だれ?」

 

聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「こ、小町...」

 

ふと、呼び主名前を言う。

すると、エルフェは気になったように俺に話しかけてきた。

 

「......ハチ君の妹さんですか?」

 

「え?ああ、妹の小町だ。小町、転校生のリーラ・エルフェだ。」

 

俺がそう紹介すると小町は目を大きくして驚く。

 

「り、り、り、リーラ・エルフェさんって!!ゆ、有名なハリウッド女優じゃん!!な、なんで此処に!!??」

 

大げさな程にビビってる。

そう言えば、コイツが見てる映画って大体海外映画だったな。

 

「り、リーラ・エルフェさん!!ファンです!!特に『リア充爆発しろ』は最高でした!!」

 

何!?そんな映画あんの?

あまりの映画のネーミングセンスの悪さに流石の俺もビビる......いや、ああそうか、日本のネーミングセンスの悪さは国内でも評判だからな...とりあえず、スパ〇ダーマンはああならなくてよかった。

 

「え?あ、ありがとうございます。それは私の初主演の映画ですね。ちょっとすぐに出てこなくて...すいません」

 

「いえいえ、仕方ない事ですよ。」

 

小町は笑いながらそう返す。

 

「そういえばお兄ちゃんどうしたの?こんなところに突っ立ってて」

 

さっきまでエルフェと仲良く話していたのに急にこっちを見る。小町。

 

「いやな、エルフェのホームステイ場所探してるんだが...なんか歩いてたら此処に着いちまってな」

 

「ああ、そう言えば。今朝お母さんがホームステイの子が今日来るって言ってたけど。」

 

「え、そんな話聞いてない。」

 

「あぁ~............(∀`*ゞ)テヘッ」

 

ホント、イラつくなこのマセガキ。

 

「とりあえず入ろうよ、ほら、リーラさんも。」

 

「え、あ、はい」

 

はぁ、仕方ない...あれ?もしかして朝の母さんのあれって...

 

梅雨もないような事を考える八幡だった。後にこれをリーラの咆哮と呼ばれるとは誰にも予想できなかったという。まぁ嘘なんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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Re:make!!6話:了解と睡眠と珈琲

ホームステイ―――人はそれを勉強と揶揄する(実際そうなのだが)。

 

たしかにしてみれば英語などの上達スピードも上がるだろう、その国の文化や風習なども知ることも出来るだろう…

しかし、そこで問題となるのは“人間関係”人間とは醜いものでそれは何処へ行こうとどこを見ようと垣間見れてしまう。

中学の英語の教科書をを覚えているだろうか。そこに確かホームステイについての話が軽く乗っていたと思う。そこになんて書いてあったか…いまだに覚えてるだろうか。(直訳)「ホストマザーがウザイ」「ホストファミリーに気を遣うの疲れる」「なんでホストなんですか?」

はい、学校の教科書なのに愚痴にしか聞こえないのはなぜだろうか。そもそもそこまでのデメリットを背負っていく意味などあるのだろうか。

 

と、前置きはここまでにして

そんなデメリットを背負って家にホームステイをしたい(しなければならない)という少女が現れたら君はどうするだろうか。

俺?…そりゃあもちろん

 

 

 

「―――――――――反対だ」

 

 

 

「なんでよぉ?良いじゃない別に」

 

母さんは面白くなさそうにそう返す。

 

「なんでもクソもあるか、若い男女が同じ屋根の下で生活するなんざ容認できるか。」

 

「彼女だって好きで此処に来てるんじゃないのよ?家がまだないから、仕方なく仕方なくここに居るのよ?それを反対なんてするもんじゃないと思うけど?」

 

「知るか!…とは言えんが、金なら俺の金使ってもいいって言ってるだろ?それにエルフェだってこんな小汚い家に泊まりたくないと思うし。それに母さん、育ち盛りな子供を二人も抱えてるのにまた一人ってそれを抱えるだけの財力が家にあると?」

 

会心の一撃、これだけはどうにもこうにも母さんだけでは言い返せないだろう

 

 

「ぐっ、さすがは父さんの子……口だけは達者のようね…」

 

 

ふっ、諦めたようだ。少し体を和ませる。

 

「けど、甘いわね!!この子の母親に生活費くらいは頂いたわ!!」

 

「な、なにぃ!!」

 

母が出してきた通帳を凝視すると0が3つ増えていることに気が付く。

 

「ば、バカなっ!!??あの赤字寸前だった通帳には見えん!?」

 

がっつり黒字どころか軽い金持ちになってしまったようだ。

 

「ホォ~ホホホ!!お小遣いが欲しければ跪きなさい?」

 

「おい、生活費を無駄にすんな」

 

調子に乗ている母さんに一喝すると話を戻す。

 

「くっそ、貰っちまったもんは仕方ないし……仕方ない家が見つかるまでだからな、、、」

 

俺がそう言うとエルフェは嬉しそうに「はい!!」と返した。その雰囲気がまたも可愛らしい

 

「なぁ~に?八幡ニヤケちゃって~」

 

「んなっ!?にやけてない!!」

 

やばい、顔に出ていたか…はぁ、これからの生活が思いやられるな…

ふと、俺は窓から月を見上げた。

 

☆☆☆

 

「ふむ……」

 

 

朝5時ごろ、俗にいう朝早く俺は何気なく目が覚めた。いつも時間ギリギリだったところなのに今日ばかしは早起きになっていた。何故かって理由はまぁ、なんとなく察しがついているだろうが昨日から家にホームステイすることになったエルフェがその理由とやらだろう。

言っても同い年のしかも女子が同じ家に居るのだ、そりゃあそうなる。しかもとどめに元女優ってのは最悪も最悪。死ぬわ、主に俺のメンタルが。

そろそろ起きよう。久しぶりに朝飯でも作ってみようかな。

 

「……I love…」

 

「…………タイム。」

 

少し待ってくれ…隣から声が漏れてきた気がするのだが。

そんでもって何か威圧を感じる。多分これは席が隣になった女子が無意識に放ってくる特有のあれのようだが…

 

「いや、まさか…あり得ないだろう?」

 

隣の少し膨れた布団を凝視する…これは…ラノベとかによくあるあれか?なに?俺いつの間に大人の階段上ってたの?

すこし布団から白い髪がはみ出ている…うん、家に居る白い髪の女って……ふぅ、落ち着けよ、落ち着け……?おーけー?

さて、起こそうか。

 

「おい、起きろよ。エルフェなんで此処で寝てるんだ?」

 

俺は勢い良く膨れた布団をめくる。やはり、昨日からうちに来たリーラ・エルフェだった。

 

 

「う……ん?……は、ちくん?なんでここに………いっ!?」

 

 

やっと目が覚めたようだ、彼女は驚きのあまりベットからずり落ちた。なんとも締まらない。

 

「大丈夫か?」

 

「え、は、はい。でもなんで私ここに………って、ここ八くんの部屋じゃないですか!!」

 

彼女も驚いたような姿勢をとる、やはり彼女もワザとって訳じゃないらしい。少し安心した、エルフェがもし、いきなり人の布団に入り込んでくるようなビッチだと思わなくて済む。

 

「ああ///昨日一晩八くんと同じベットで寝ていたって事ですか///そういう事ならもうちょっと早く起きたかったな八くんの寝顔……」

 

ブツブツと独り言をしゃべっているエルフェ

 

「あ、あのぉ、いい加減退いて頂けないですかねぇ?そのね?色々とマズイというか…」

 

そう俺が言うとエルフェは顔を真っ赤にして退いてくれた。

 

ふぅ……これからが思いやられるな…

 

 

☆☆☆

 

「ごめんね!昨日いっしょに行けなくて」

 

ホームルーム前の暇な時間、由比ヶ浜がエルフェに謝っている光景が横目に見えた。まぁ、昨日いきなり友達と遊びに行くからと言って約束していた物を断ってしまったんだ仕方が有るまい。

 

「今度から気を付けてくれれば大丈夫ですよ」

 

エルフェはニコリと笑いながら言う。もう少し怒っても良いと思うんだけどな。

 

「いや、それじゃ申し訳がたたないよ。後でジュース奢るよ。何がいい?」

 

そうエルフェに聞く由比ヶ浜、基本由比ヶ浜は優しい。だからこの事をずっと気にしてたのだろうと勘ぐりを入れる。するとエルフェがその問いに返す

 

 

 

「う〜ん、じゃあ。マックスコーヒー?」

 

 

 

「「……………っ!!??」」

 

その答えに隣にいた、俺でさえ息を飲んだ。

つまりだ、このご令嬢は自分からイバラの道(最強の甘党)を目指すと言ったのだ。しかもかなり極端に好き嫌いが分かれるマックスコーヒーを初戦に選んだ。やはりこの娘正気じゃないのかも知れない。

 

「お、おい、いきなりマックスコーヒーを選ぶのか?」

 

「え?…ええ、」

 

「や、やめておいた方がいいんじゃ無いのかな?あまりいきなりそういうのは」

 

由比ヶ浜が言うと声を荒げてエルフェは言った。

 

 

「いえ!八くんが好きな物を私も好きになりたいんです!」

 

 

天使が見えた。

 

なんか羽が生えてるように見える!くっそ、なんかお小遣いあげたい気分になっちゃったぞ!!

現にとなりで由比ヶ浜も財布に手をだして………っておい!3万!?幾ら何でも…マジで?

 

「は⁉︎…じゃ、じゃあマックスコーヒーだね?うん分かったよ」

 

途中で気がついたらしい、金を財布に入れなおし席に着く。これがスターのオーラって奴か…少々ハリウッドが怖くなった。金が無くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆エルフェの初めてのマックスコーヒー。ダイジェスト

 

「甘っ!?……で、でもなんかす、す、す、好きかも」

 

「嘘付くな、嘘を。」

 

「あはは…やっぱりそうなるよね。」



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Re:make!!7話:アヒル、お昼

4時間目の終了のチャイムが響き、授業が終わる。

やっと昼休み、ただこれを楽しみに学校にきてる気がする。まぁ割に会ってないんだが、そんな事を思いながら俺は購買に行くために財布を握った。

 

「エルフェさん、お昼ご飯一緒にどうだい?」

 

瞬間、ふと隣からイケメン野郎のいけすました顔が視界に入る。

 

葉山か…

 

そういえば此奴エルフェが転入してから一度もエルフェに話しかけた覚えが無かった。転入生なんかが来たら一番に話しかけて来そうな感じなのに、なぜ今更?

 

「え、えっと〜……」

 

エルフェは困っている。チラッチラッとこちらを見ては何かを望んでいる様だった。

 

 

 

ーー俺の事は気にすんな、行きたいんなら行け。

 

 

 

アイコンタクトでそう言うとエルフェは諦めた様に頷く。

 

何だろうかアイコンタクトでここまで意味が通じ会うとは思はなかった。自分のあいつへの信頼度の高さが伺える。

 

「…分かりました。良いですよ」

 

「じゃあ決まりだね由美子、みんな、エルフェさんも一緒でいいかい?」

 

「いいよ、うち丁度エルフェさんと話したいと思ってたし」

 

「私もいいよー」

 

そうそれぞれが返すとエルフェは由比ヶ浜の席の近くに座った。

まぁ由比ヶ浜も居るしあんまり心配する必要は無いかな?

そう思うと俺は購買に向う。あ、やばいもう売り切るてるかも

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

結果、無事パンを入手する事が出来た。やはりコンビニなどで買える物くらいしか無いがそれでも無いだけマシだろう

 

パン片手にマイベストプレイスに居座る。いつもはそこにエルフェがいるのだが今日は居ないのでいつもより隣が広くなった感じがする。あれから十数分が経った。まぁ何ごとも無いって事は大丈夫なんだろう。

正直彼女が隣に居なくて寂しいという気持ちはない。寧ろ安心した。ボッチの俺ばかり相手にしていたらあいつのカーストが下がる一方だったからな。丁度いいタイミングできてくれたとあのイケメンに言ってやらんでも無いまである。でもまぁ、なんだかやはり隣が寂しい感じが否めないのも確か。なんだかんだ言って俺は寂しいんだなって思う。

 

「寂しい…か」

 

久々にそんな気持ちになった。

中学生の頃は一度もそんな事を感じた事は無かった。たしか最後にそんな事を感じたのは…………。

 

 

「ああ、そうか、そうだった」

 

 

あの娘が転校した時だった。

 

あの娘が転校してその次の日もこんな気持ちだった気がする。たしかその後一回も会ってないんだっけ。たしか名前は…

 

あれ?……

 

 

「……何がそうだったんですか?」

 

 

ふと、いつも聞いた声が聞こえた。

 

ふわっと白い髪が目の前を通りすぎる。

 

一瞬、その青い瞳に見惚れた。

 

そして輪郭に懐かしさを覚えた。

 

 

「…………リーちゃん」

 

 

そう、つい何気なく発した言葉に俺は違和感をもてなかった。

するとエルフェは目を大きく開き驚く。

 

 

「思い…出したんですか…?」

 

 

そう聞かれる。少し涙が出ている様子だ。

 

「いや違う、ちょっと名前が出てきただけだ。」

 

「そう、ですか。でも名前が出てきたって事はハチくんはやはりはちくんだったって事ですよね?」

 

そう聞かれると俺は少しもごるが、まぁそれしか無いと言わざる得ないほどにその部分的な記憶はハッキリしていた。だがここでそれを言う訳にもいかず

 

「し、知らん」

 

と一言言うしか無かった。

でもエルフェの顔は確信に満ちていた。

 

「そ、そういえばエルフェ。葉山たちと食べるんじゃ無かったのか?」

 

「いやぁ、やっぱりここの方が安心しますからね。何せはちくんの隣ですから。」

 

「いや、その方が不安しかないと思うが、むしろ葉山たちの方が…」

 

良いと言おうと思ったがやめる。

するとエルフェは能弁になって語ってきた。

 

「だってあの人たち(男限定)色眼鏡で私を見てくる様な人たちばかりですよ?長年ああいう仕事をやっているとそうい目にも慣れてくるものですが。でもやっばり嫌なものは嫌ですから」

 

そういうとら彼女は隣に腰を掛けた。

 

「それと一つ怒っていることがあります。」

 

「何?」

 

「なんで葉山くんが話しかけた時私を連れ出してくれなかったんですか!」

 

「えぇ……」

 

「私!貴方がきっと連れ出してくれるって信じてたんですよ!!なのになんで!いきなりアイコンタクトで行けみたいなこと言うんですか!私の方が引けなくなっちゃったじゃないですか!」

 

えぇ、理不尽。

エルフェはぷんぶんと怒りながら俺を見ているが、いやすまん、怖くない、むしろスッゲーかわいいです……

 

「まったく…………ん?由比ヶ浜さん?」

 

エルフェは俺の向こう側を見ながら言う。俺も振り返ると其処には由比ヶ浜が申し訳なさそうにこっちに歩いてくるのがわかる。

 

「リーラちゃん、ごめんね。なんか嫌な気分にさせたみたいで」

 

「いえいえ、ただ私がハチくんと一緒に居たかっただけですから」

 

「でも…………」

 

「由比ヶ浜さんが気に病む必要は無いですよ。ただあのグループが私に合わなかっただけで」

 

「……う〜んわかったよ。ごめんね変な気を使わせちゃって」

 

そう言うと由比ヶ浜は手を振って離れてった。あれは…奉仕部の方面か。雪ノ下はいつも休み時間はあそこに居るからな。用でもあるんだろう

 

「由比ヶ浜さん雪ノ下さんとすごく仲が良いですよね」

 

「まぁ、そうだな。部活の時のあの接近度はヤバい」

 

放課後の百合百合とした場面を思い出す。

 

「羨ましいなぁ~」

 

ん?何を言った?この娘?

 

「羨ましくないですか?あんなに仲いいの」

 

「いやまて、あのレベルがか?」

 

「はい、っていう事で雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの所へ行ってきまーす」

 

なんの躊躇もなくエルフェは走り出して逝った。

 

 

はぁ、今日もいい天気だな。



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Re:make!!8話:ゲームと日常

お久しぶりです。マッキーです。いやはやバットマン書きすぎてこっち書いてない。しかも出し忘れ…
はぁ、次作すぐ作ります


5分ほど前。

 

最近始めた某スマホゲーでせっせと集めた宝石を全部ガチャに回しました。

 

ただおっぱいが大きくて可愛い女の子が欲しかっただけなのに

 

 

大爆死しました。

 

 

これだけでも死にたいのに

その時にエルフェが来て「ふぇ!?どうしたんですか!!目が目がいつも以上に腐ってますよ!!え、キモっ」と言われ。

 

妹には「何?ガチャで爆死した?何狙ってたの?…………え?キモっ」と言われました。

なんか心も体も限界らしいです。

 

 

「いやぁ〜お兄ちゃんがそんなゲームにハマるなんてねぇ。」

 

小町が言う。

 

「そうですね〜、まさかこんなに死んだ目してどんな悩み抱えてるんだろうと思ったらこれですからね」

 

エルフェが言う。

 

もう辞めてぇ!八幡のライフはもうゼロよん!!

 

 

「にしてもどうしてそんなロリコンじみたゲーム始めたの?」

 

小町はどーでも良さそうに聞く。

そして俺は言う。

 

「始めは、材木座に勧められたからです。

『八幡!!これ神ゲーだからやってみ、!まじハマるから!!』

って、その時の材木座は目が澄んでいてさ、いつもの中二病も抜けていた。

 

いや、俺だってこんなゲーム、最初はハマるなんて思わなかったさ。ただただ金をむしり取るだけの糞ゲーだろって正直そう思ってた。

 

なんとなく開いてみたら気づいたら総プレイ数20時間を切っていた。昨日入れたばっかなのにもかかわらず。」

 

死んだ目で言う。

 

「ガチャも全員俺好みの可愛い子が揃っていて。

強さ弱さ関係なく楽しんでいたしbgmも映える物ばかり絵も綺麗だし作り込みが半端じゃなかった。

 

ストーリーも感動爆笑喜怒哀楽が俺の中で区別しやすくて楽しかったさ。

 

一つミッションをクリアすると次をやりたい次をやりたいって言う欲求にかられ

 

一つキャラが増えると次のレベルに上げたい次のレベルに上げたいって

 

いつの間にか泥沼状態片足どころか半水浴してました。

もうダメだやめようって思ってもスマホが手から離れてくれないんです。苦しくて苦しくて。

段々、ガチャの確定演出が出る時の感覚が忘れられなくて次に次にって」

 

 

「後半言ってることなんかやばいのやってる人みたい。」

 

 

「気づいたらこんな状態。

はっ、自分が惨めになってくるよ」

 

「大丈夫だよ!そんな惨めなお兄ちゃんでも小町絶対見捨てないから!

あ、今の小町的にポイント高い〜☆」

 

惨めって、そこ認めちゃうんだ。

あとお兄ちゃん的にはポイント低いぞーそれ

 

「でも、このキャラほんとうにおっぱいが異常にでっかいねぇ。ほんとバケモノ級」

 

こら小町ちゃん!?何、人の推しキャラバケモノ呼ばわりしてるんですか!?ほらエルフェだって自分の胸見て意気消沈しちゃってるじゃない!辞めなさい!

 

「うぅ、ヘンタイ!」

 

「あぁーお兄ちゃんがリーラおねーちゃんを泣かせたー、いーけないんだーいけないんだーお母さんに言っちゃおー」

 

「辞めてぇ!!マジで俺死ぬかも知れないからぁ!!」

 

嗚呼、今日も家は賑やかです。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『青春とは嘘であり悪である。』

 

 

 

そんな言葉から始まる作文が俺の元に帰ってきた。

これが俺が奉仕部に入ったキッカケでありこれが俺の苦労の始まりだったと思う。

 

書き直した作文には特に変な事は書かなかった、と思う。先生にガン見されたけど。

 

まぁ、一応思い出の品だし保存して置こう。

 

そう思いポケットに作文を詰め込む。なんだかぐしゃぐしゃになりそうだがこの作文が皆んなに見られる程恥ずかしい事はない。

しっかり隠さなくては

 

「あら?比企谷くんどうしたのかしら?気持ち悪い笑みを浮かべて…気持ち悪いわ」

 

雪ノ下?雪ノ下!?

 

「ゆ、雪ノ下こそどうしたんだ?職員室に用なんて」

 

「?普通に部室の鍵を取りにきたのだけれども。」

 

やばいこいつにだけは見られたく無い。絶対に後で罵倒のネタにされる!!

 

「そ、そうかぁ。ま、まぁ俺も後で向かうよ、じゃあな!」

 

「へ?あ。わかったわ?」

 

俺は教室に走った。

 

しばらく一本道を走っていると廊下を走らないでという張り紙があったので歩き出す。さてここで抜ければもう少しで教室だ!

 

「あれ?ヒッキー?どうしたの?」

 

 

 

ーー俺は走り出した。

 

あれれぇ?おっかしいぞぉ〜?なんか偽な恋のヒロインみたいな声が聞こえたけど気の所為だよね〜、いっけね☆

 

「な、なんで無視するしぃぃ!!」

 

後ろから由比ヶ浜が追いかけてくる。

 

ッチ(舌打ち)

騙されなかったか…

 

「なんか舌打ちされたし!」

 

「はぁ、分かったよ。何の用だ?」

 

「無視の上に質問系!?こっちが質問したんだけど!」

 

「いいからいいからTime is the moneyだぞ」

 

「た、たいむいずざまねー?」

 

「あ、すまん日本語で時は金なりな」

 

「なんで日本語で言わないしぃー」

 

いや普通に分かるだろ…大丈夫かなホント

そんなことを思っていると忘れた事を思い出す。

 

「まぁ、あれだ。ただただ教室に用があるんだよ、」

 

「あ、そっかーごめんね?取り押さえて」

 

「あ、うん、じゃな!」

 

俺は教室に走った。

ただ作文を片付けたいが為に。

 

「あっれぇ〜せんぱーい?」

 

ぐっ!また面倒いのが!こちらに気が付いた一色が走ってくる。

 

「せんぱい、なんでこんなところにいるんですか〜?まさか私のストーカーとか?」

 

「な訳ねーだろ。教室がここの目の前なの!わかる?パーデゥン?」

 

「うわ、ウッザ。そんなんだとモテませんよ。」

 

「モテなくて結構。俺は目が無ければ顔は整ってるし結構高スペックなんだよ」

 

「なんなんですか?この自信はどこからでるんでしょうね」

 

「うっせ」

 

「ま、いいや。で、それなんですか?」

 

一色は作文が入っているポケットを指差した。

いつもより少し浮いてるスボンに違和感を覚えたのだろう。……いやそこまでじゃなくね?

 

「え、、えっと、、これはだなぁ、、、」

 

「まさかエッチな何かだったり?」

 

何を言い出してるんだろうこの子は。

煩悩たいさーん

 

「な訳ねーだろ」

 

「怪しいなぁ、見せてください」

 

「嫌だね。俺の存亡に関わる」

 

「なおさら見せてくださいよー、気になって夜も眠れませんよ」

 

「いーやーだー、絶対!」

 

「えー、いいじゃないですかケチィー」

 

「ちょっ……やめっ!!」

 

 

次の瞬間だった。なにかが俺の前を通り、いつのまにか一色が倒れていた。

 

「おい!大丈夫か!!」

 

一色を抱き抱えると息はあった。

が、何かが飛んできた方向からやばいオーラを感じる。

 

 

 

「フー…フー…やっと見つけましたよぉ会長」ゴゴ

 

 

 

俺はひっと小さく悲鳴を上げた。

ふ、副会長?こわっ!?

鬼の形相で一色を睨みつけていたのでついに俺は一色を手放した。

 

すると副会長は一色を引きずって生徒会室に向かって行った。

アディオス、生徒会長。

 

さて俺もそろそろ行きますか。

 

俺は教室のドアをあけ席に着きカバンを開ける。

カバンの中にファイルが見つからないので

とりあえずプリントをいつも誰もいないとなりの席におきカバンを探る。

 

 

本当に次の瞬間だった。

 

 

「えっと、

『青春とは嘘であり、悪である。

 青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境

 を肯定的にとらえる。

 彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も

 捻じ曲げてみせる。

 彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも、青春のスパイスでし

 かないのだ。

 仮に失敗することが青春の証であるのなら友達作りに失敗した人間

 もまた青春のド真ん中でなければおかしいではないか。

 しかし、彼らはそれを認めないだろう。

 すべては彼らのご都合主義でしかない。結論を言おう。

 青春を楽しむ愚か者ども、

 

 砕け散れ。』

…………何これ?」

 

そう、エルフェに音読された。

そうだったとなりの席今はエルフェがいるんでした忘れてた。完全なる自分のミスに恥ずかしくなってくる。

周りのみんなこれを聞いて肩をピクピクと揺らしながら笑うのを堪えている。

 

やばい恥っずい。

 

明日から不登校になろうかガチで考えた瞬間だった。

 

 



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Re:make!!9話:死スコン

いやはや、投稿随分経ってしまって…いやはやすいません…本当に反省してますんで許してつかぁさい…

3ヶ月いや4ヶ月経ってんやんか…


「おはようございます……」

 

 

朝、いつもより遅い時間帯にエルフェが起きてきた。

なんというか珍しい。いつもなら6時くらいには起きてリビングでコーヒーを飲みながらティータイムを楽しんでいるのに今日は。

嗚呼、なんでだろう?

 

機嫌悪いのかな?

 

さっきから一向に目を合わせてくれる様子はない。

てか明らかにそっぽ向いてるし……

 

そっと、小町の方をみるが、小町も良く分かっていない雰囲気だ。

 

「ど、どうしたの…?リーラさん。なんか元気ないみたいですけど…」

 

小町がそう聞く。

するとエルフェがやっとこちらの方を向く。白い髪がシャッて、、、女の子はやっぱロングかな?いやショートだろ!(作者論)

 

 

「い、……いや、、ですね。あ~~~!!」

 

 

いきなりテーブルに突っ伏すエルフェ、なんだか今日は俺より目が腐ってる気がする

 

「どうしたんだ?相談があるなら乗るが……」

 

耐えかねた俺がそう言うと少し顔を上げるエルフェ

 

「……昔からハチ君はそうですよね……困っている人を見ると放っておけないというか…そんなハチ君を私は好…」

 

「誤魔化そうとしてんじゃねーよ。さっさと吐いちまった方が楽だぜ?」

 

「お兄ちゃん、女の子の告白を凄いスタイリッシュに避けたけど。やってること結構最低だよ?」

 

「知らねえよ。って言ったら世界中の男子を敵に回すな……あれ?俺の足元地雷だらけじゃね?むしろ現在進行形で地雷踏んでるよね?」

 

「いや、とっくの昔から爆発し続けてるでしょ、なんだっけ?転校の時にリーラさんに初っ端から抱きつかれたとか……その辺りから」

 

「え!?もうあれ、一週間はたってるよ!?よく俺、原型保ててるな」

 

そんな他愛ない話をしていると

エルフェが何か羨ましそうな感じの目をしてこちらを見つめてる…なんかやり辛い…

 

「やっぱり羨ましいなぁ、妹とそんな感じに話が出来るんなんて…」

 

「ん?お前妹居たっけ?」

 

「え?ええ、まぁ」

 

おお、初めて聞いた。リメイク前は無かった設定だな。そう思いながら彼女をみると少し疲れていた。

 

「実はその子にちょっと問題がありまして…」

 

「問題?」

 

「ええ、実は……」

 

ちょっと、死んだ目が腐っていっている

 

 

 

 

 

「じ、実は重度のシスコンなんです!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

お、おう?……………

 

 

 

「よ、よかったじゃないか、俺もシスコンだから仲良くできそうだな!」

 

「そ、それならいいんですけど……あの娘極度の人見知りでして…特に男の子への嫌悪は激しくて、最悪、ハチ君殺されるかもしれませんね」

 

なにそれ怖い、

 

「それにあの子ハチくんの事、ゴキブリより嫌いって言ってたから。……本当に…死ぬかも」

 

「ゴキっ!?…」

 

なんか、俺が知らぬ間に俺アンチが増えてた件について…

 

 

「ドンマイ、お兄ちゃん…」

 

 

小町が肩をポンっと叩く

 

 

 

技;小町の肩ポン

 

効果:虚しくなる。

 

 

80000のダメージ

 

 

八幡「ぐほっ!?」

 

ーーはちまんは死んだーーー

 

 

てれってっててー

 

 

小町はレベルが2上がった。

 

「嬉しくないけどね」

 

はちまんの死骸の防御力が4減った。

 

「死骸でも防御力あるのかよ……

……だが、合点が行かないな…何で今そんなに落ち込んでるんだ。落ち込む程じゃないだろ?…」

 

すると、エルフェはケータイを取り出した。

 

「とりあえず、これ見てください。」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

受信者:妹

―――――――――――――――

題名:あいにいくよ

―――――――――――――――

本文:

 

 

 

 

 

あいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよあいにいくよ

 

 

 

        あいにいくよ

 

 

       -END-

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

「「………怖っ!?」」

 

現在進行形で鳥肌がたっている。

小町も目から涙が出ている。

 

「母から聞いたら明日来るって…もう不安しかなくて…」

 

 

「いや、不安とかそう言うレベルじゃないでしょ!どうしてこんなになるまで放置してたの!?」

 

「いや、だって。……ねぇ?」

 

「いや、『ねぇ?』じゃなくて!」

 

「私だってよく分かんないですよ。ハチくんと遊びに行って帰ってきたら急にベッタリでしたから」

 

…………え、

 

 

 

 

「え?俺のせい?」

 

 

 

 

小町は俺を親の仇の様に睨みつけた。

なんだか言われもない事で恨まれてるんだが…え?俺が悪いの?それ、

 

「あー、そうか、そう言えば、それからですねぇ、男の人に嫌悪感を抱き出したの…」

 

 

……小町よ、俺をそんなクズを見る目で見ないでください、SAN値が減ります。

 

「おにぃちゃん…?」

 

「いや、俺のせいじゃ…」

 

「お詫びとして…お兄ちゃん?」

 

「ぐっ……なんでございましょう?…お嬢様……」

 

「妹さん…更生してきて」

 

「、、、、無理でございます。お嬢様…もう…」

 

「やって。」

 

「はい。」

 

俺に選択権なんてなかった。ここにもし雪ノ下がいたら『自分のことも更生できて無いのに生意気ね』って罵倒されるんだなぁ…

そう、噛みしめつつ、俺はまるで紐なしで100メートル上空からマグマダイブして生き残るくらい高難易度な勝負に出ることにした。

 

 

まじで、死ぬかもしんない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずだ。触らぬ仏に祟りなし。という事で暫く放置して置こう、そうすれば、、、」

 

「お兄ちゃん?」

 

「はい…」

 




次回はちゃんとやるんで!次回こそは!


次回!妹、来日!来週もサービスサービスぅ!(タイトルは変わります)


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