蒼きフレンズ (アFOX)
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私とおまんじゅう

勢いのまま書いた、後悔はしてない。


 「んん……お腹減ったぁ……」

 

 どこからか、美味しそうな匂いが漂ってくる。かつてのトレーナーから貰ったおまんじゅうのような、甘い匂いが……

 

 「おまんじゅう!? どこ、どこにあるの!? 」

 

 最後におまんじゅうを食べたのはいつだろうか。もう思い出せないほどに昔のことであるのは確かなのだ。

 かつて私は1人のトレーナーのポケモンだった。そのトレーナーはとても優しく、才能に満ち溢れ、色んなポケモンに愛される……そんな不思議な人。しかし、とあるリーグを制覇し、彼はどことなく変わっていった。出会ったトレーナーと狂ったようにバトルしては勝ち続ける……いつしか彼は修羅と呼ばれた。それから私は育て屋に預けられ、彼の姿をそれ以降目にしていない。

 最後に彼と食べたのが、おまんじゅうだったのだ。なんて、過去を振り返るのは私らしくないよね。そんなことよりおまんじゅうはどこだー。

 

 おまんじゅうを探すべく私は体を起こし、前脚を踏み出そうとした……はずだった。いつもより地面に触れる感覚がやけにリアルだなー、とか現実逃避してみたり。なんか人の手になってない? 私のキュートな前脚は?

 そう、調べてみると私は人になっていたのだ。What?

 

 「そういえば私、人の声も喋れるようになってる! こりゃーすげぇや」

 

 さてと、私の体がハイスペックになった事も確認したし、探しに行きますか。どうやら今いる場所は育て屋ではないらしい。目の前には雄大な自然が広がっており、匂いは雪山の上へと続いていた。

 

 「遠そうだけどおまんじゅうのためなら活力が湧き溢れてくる気がする……!」

 

 おまんじゅうへの気持ちを胸に秘め、私は銀世界へと足を踏み入れる。

 

 ◆◆◆◆

 

 「一体この匂いの先に果てはあるのか……」

 

 歩くこと体感で十数分。けして気が短い訳では無いのだが、匂いがするだけで肝心のおまんじゅうは未だ視界には入らず。これでは待てと言われて焦らされているようなものだ。早くー、おまんじゅうカモーン。

 

 それから歩くこと30分くらい? ようやく建造物らしきものが見えてきた。おまんじゅうの匂いもあの建物の中から匂ってくる。ヒャッハー! 私にそのおまんじゅう全部よこせー!!

 おまんじゅうへの渇望のあまり、駆け出して行く。思いのほか早く走れるんだなぁ、なんて思っていると急にドアが目の前に現れた。さてここで問題です。走っているものは急に止まることは出来るでしょうか。いや、出来ない。(諦め)

 

 「アブっ!!」

 

 私、こんな声出るんだなぁとか思いながら意識が遠のいていった。

 



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蒼の私と灰の彼女

何ヶ月ぶりだろう……


 知らない天井だ……ほのかに香るおまんじゅうの匂いに誘われ目を覚ます。するとどうだろう、目の前には耳の生えた可愛い女の子がいるではありませんか。

 

 「あなた、この宿の前で倒れてたけど大丈夫? 」

 

 目の前の女の子に見蕩れていると、彼女から大丈夫か、と尋ねられた。自分は大丈夫だと告げると、彼女は胸に手を当て「良かった……心配したのよ……? 」と返してきた。

 

 「あのー、ここってどこなんですかね? 」

 

 「ここはユキヤマ温泉っていうお宿なの。私はギンギツネよ、貴方、このお宿の前で倒れてたんだけど大丈夫なの? 」

 

 どうやら彼女はギンギツネというらしい。なるほど、可愛い娘だなぁー。あ、でも、私にはエーフィのエーちゃんという心に決めた娘がいるしなぁ…と、考えている折に恋焦がれたおまんじゅうが視界の端に映る。

 

「おまんじゅう!! ギンちゃん、食べてもいい!? 」

 

「ギ、ギンちゃん……? おまんじゅうならあげるわよ。はい」

 

 そう言ってギンちゃんはおまんじゅうを手渡してくれる。はぁー! これが長い間待ち望んだおまんじゅうだぁー……このおまんじゅうは凄いカラフルなんだね、くんくん……!? なんだ、この香ばしい匂いは!新手の味が生み出されたとでも言うのか……

 

「あなた、色んな顔をするのね。」

 

 ハッ!!! いけない、いけない……危うく我を忘れるところだったよ。じゃあ早速食べようかな。まずは1口……

 

「!? お、美味しい!?!? 」

 

 なんだこれは! 今まで食べてきたおまんじゅうとは一線を画すほど濃厚な味わいじゃないか!これは病みつきになりそう……いかりまんじゅう……多分こっちの味付けの方が美味しいや。

 

「……あなた、顔によく出るって言われない? 」

 

「?」

 

 顔に……よく出る……? なんだそれ。そんなことより凄い美味しいんだけどこのおまんじゅう! はー……生まれてきて本当に良かったぁー。

 

 ♢♢♢♢

 

「ギンちゃんは私の恩人だねぇー……けぷっ……」

 

「まさか、あれだけあったジャパリまんを食べ切るとは思わなかったわ……」

 

「そうだ、一宿? 一飯の恩だし、何かお返ししなきゃ! 」

 

「そんなに大したことしてないわよ」

 

「いやいやー、そんなに謙遜しなくても! 私に出来ることだったらなんでもするよ! 」

 

「んー……それなら、実験を手伝って貰おうかしら」

 

「じ、じっけん? 」

 

 ♢♢♢♢

 

「着いたわ、ここが私の研究部屋よ! 」

 

 案内されたのは薄暗い部屋。中には雑多に積み上げられた本や、液体の入ったビンが所狭しと並んでいた。

 

「ここで私は、薬とか機械を作っているんだけど……ってシャワーズ、なんで怖がってるの? 」

 

「く、薬かぁー……イヤな思い出しかないんだよね……」

 

 そう、私はよくご主人に葉っぱを食べさせられていて薬には軽いトラウマがあるのだ。あの薬、ほんとに苦かったなー。

 

「えぇと……あったあった。この薬を飲んでもらってもいいかしら」

 

 そう言ってギンちゃんは禍々しい緑色をした液体を取り出した。え、うそ、何あの色。多分飲んじゃいけないやつだよね……

 

「あのあの、確かに手伝うって言ったけど、この薬大丈夫なの……? 」

 

「わからないから実験するんじゃない。はい、飲んで! 」

 

「あ、無理矢理は嫌いじゃないけど待って、それはちガバヴォッ!!! 」

 

「即効性のある薬のはずだけど……どう? なにか変わったことはある? 」

 

「なんらかあたまがおかしくなってきひゃような……」

 

「よし、ちゃんと効いてるわね! 」

 

「ギンひゃん……なにのまへたのぉ……? 」

 

「一応フレンズを混乱させる薬なんだけど、その調子ならよく効いてるみたいね!」

 

「ふぇええ……まっへ……きぶんが……ほんほにわるふなってきは……」

 

「あ、あら……? 予想以上に効いてる……? もしかして、配分間違ったかしら……」

 

「う、うぅぅ……ギンひゃんたひゅけへぇえ! 」

 

「ちょっとまずいわね……一旦横になって安静にしてた方がいいかもしれないわね。シャワーズ、手を握って。解法出来るところまで連れていくわ」

 

「うぅぅ……ひょっとまっへ……ウッ」

 

「へ、ちょっと、嘘でしょ!? シャワーズ! 待ちなさい!! 」

 

 

 イャアアアア




この二次創作は独自の設定が多々あります。予めご了承ください(遅い)


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過ちは繰り返されるのだ

深夜テンションの勢いのまま書いた。大丈夫だ、問題ない。


「うぅぅ……まさかあんなことになるとは思わなかったよ……」

「あの薬はまだ改良が必要ね……気分は大丈夫? 」

「まだマシになったかなぁ……おぇっ……」

「……まだゆっくりしてた方が良さそうね、これは……」

 

 まだまだ酔いが醒めないなぁ……もうちょっとギンちゃんに介抱して貰おうかなぁ……あれ、これって役得だったり? うへへぇ

 

「なんだか顔が赤いけど、大丈夫……って、し、シャワーズ!? 身体が溶けてるわよ!? 」

「んー……あー、ほんとだあ」

「ほ、ほんとだあ……って大丈夫なの!? まだデータは取ってないけどあの薬なら固めれるかしら……いやでも固めたあとどうしましょう……(ボソボソ」

 

 んぇ!? いま薬って聞こえた気がするんだけど……ほ、ほんとに大丈夫かな、他に何とかできる方法はー……!! そうだ!

 

「ギンちゃんー、お風呂とかお水の入った桶とかないー?」

「え、お水……? それなら外に温泉があるけど……どうするの? 」

「んー、ありがとー」ズルズル

 

 よしよし、温泉があるんならこっちのものだね!ちょっとずつでも移動して行ったらいずれつくでしょー……あれ、もしかして結構遠い?

 

「え、大丈夫なの……それ」

「溶ける癖が着いてるんだよねぇー……それでぇ、もし良かったら私を温泉まで連れて行ってくれないかな……」

「あなたいま溶けてるから掴みにくそうなのよね……待ってて、お湯を桶に汲んでくるわ」

「至れり尽くせりだねぇー、待ってるよぉ」

 

 少し経ってギンちゃんが桶を運んできた。あれ、見た目の割に案外力持ち……? あ、でも10メートルくらい飛んでる子もいたしなぁ。こんなものか(達観)

 

「それで、お湯の中に私を入れてくれないかなぁ」

「え、えぇ……(ポチャン) !? し、シャワーズ!? 」

 

 ん? あぁー、そういえば水に入ったら姿が見えなくなるの言ってなかったっけ……やっぱり皆ビックリするのかぁー、クールなエーちゃんも驚いてたしね。

 

「んふふー、ビックリした? シャーさんは水に入ったら見えなくなるのだぁ! ここ、テストにでるよ」

「そんな性質があるのね……やっぱりあなた、変わってるわね……」

 

 そんなに褒めても何も出ないぞー! ええぃ、皆まで言うな! なんて、1人で茶番をしながら驚愕が顔に表れてるギンちゃんを見る。ほんとにビックリしたのか。可愛いなぁ。

 

「まぁ、無事そうで何よりだわ。ほんとに心配したのよ? 」

「シャーさんは満足です! 」

「あのねぇ……」

 

 ギンちゃんはジト目でこっちを見てくる。あー、そんな目で見ないでー。ちょっと興奮しちゃうなぁ! あ、ごめんなさい冗談です何でもしますから!許してください!(なんでもするとは言ってない)

 

「なんだか毒気を抜かれちゃったわね……次から気をつけなさいよ?」

「はーい! 」

「まったく……調子だけはいいんだから……あら? そういえば酔いは大丈夫なの? さっきまですごく調子が悪そうだったけど……」

 

「それに関しては心配ご無用! なんとですねぇ、私ことシャワーズ、うるおいボディなんですよ! 」

「う、うるおいボディ……?」

「つまり、温泉とかの水に触れると気分爽快ってわけですよ! 最高にハイッてやつだぁー! 」

「そ、そうなの……」

「というわけでギンちゃんも一緒にハイになろうよ! 」

「え、シャワーズ? この桶そんな2人も入るスペースないわよね!? って話を聞いて、お願い! キャアアアアア!! 」

 

 その後はもちろんたっぷり怒られましたとさ。めでたしめでたし()

 



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彼女の宝物

気合と根性と深夜テンションを煮込みました。


「あら、もう陽が落ちてきたのね」

 

 ギンちゃんがふと呟く。そんな時間かぁ、なんて思いながら外を見てみると夕焼けが雪を照らし、幻想的な景色が浮かび上がっていた。

 

「ふわぁあ! ギンちゃん、何これ!? すごいキレイ! 」

「そうでしょ? 私のお気に入りなの、この景色」

 

 今まで色んなところを旅してきたが、こんなにも美しい景色を見たのは数えられるほどだろうか。そんな余韻に浸っているとギンちゃんが満足そうにこちらを見ているのに気づく。

 

「んー? どうしたのギンちゃん?」

「……気に入ってくれて良かったなって、そう思ってたの」

 

 そう彼女は呟くと私のそばに来て腰を下ろす。頬を撫でる心地よい風が、温泉で火照った体を冷やしてくれる。私はふと、かつての主人との思い出を呼び覚ます。たしかフエンタウンと言ったか、あの町の温泉は実に気持ちよかった。温泉に入った後のモーモーミルクは本当に美味しかったなぁ……なんて、らしくもない回想に浸りながら刻々と時は過ぎていった。

 

 

 それからどれくらいの時間が経ったのだろうか。夕焼けは顔を隠し、星々が閑散と瞬いている。気付かぬうちに夜の帳が落ちていたらしい。ギンちゃんは隣に腰掛け、未だ遠くの方を見つめていた。

 

「ねぇシャワーズ……もし良かったら当分の間、ここに住まない?」

「ほほぅ……ギンちゃん可愛いから夜襲っちゃうかもしれないぞー?」

「? 狩りごっこはあまり好きじゃないのよね……」

 

 彼女は頬を掻きながら、申し訳なさそうな笑顔でこちらを見てくる。あ、その比喩的な表現でね……? ピュアすぎて心が痛い。

 

「その……私気がついてからずっと一人でね……短い間だったけど、シャワーズと過ごした時間。すごく楽しかったの」

「一人……」

「だからー……そのー……シャワーズさえ良かったら、一緒に居てくれないかなって(ボソボソ」

 

 恐らく照れ隠しで意図的に小声で喋ったんだろうけどそうは問屋が卸さないってね!このシャワーズイヤーは地獄耳、遠くの音でさえも聞き取れるのだ!

 

「そっかー……素直に最初から一緒にいて欲しいって言えばいいのに……頭がいい子ってどうしてこうひねくれてくのかねぇ……」

「!? い、今のなし!私は何も言ってない! 」

「はいはい。わたしは何も聞いてないですよー」

「ならそ、そのニヤニヤした顔をやめなさいよー!」

 

 エーちゃんもそうだったけどギンちゃんもなかなか抜けてるなぁ……あー、ホントに可愛い。それはさておき、今の私はどこに居るのかも分からない流浪の旅人。あちらこちらを宛もなく旅するのはあんまり現実的でないときた。だったらなおさら……

 

「……決めたよギンちゃん。当分の間、お世話になります」

「……! そ、そう……えっと、よろしくね、シャワーズ」

「うん! こちらこそよろしくね、ギンちゃん!」

 

 こうして不肖シャワーズ。ギンちゃんの家に居候になることが決まったで候。はてさて、今後はどうなります事やら。何はともあれ、末永く平穏でありますよーに。

 

「まずはシャワーズのお部屋を決めなきゃね! 安心して!このお宿には沢山お部屋があるの。きっとシャワーズも気に入るお部屋があるはずよ。着いてきて!! 」

「え、手を掴んでどうするのって急に走らないでよギンちゃん転けちゃうあぶないよアベシっ」

 

 はてさて、どうなります事やら



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ピッピ人形

久しぶりに書いた気がするが、恐らくは気の所為だろうと


「知ってる天井だ……」

 

窓から差し込む光に目を覚ます。ここら辺は標高が高いためずっと雪が積もっているのだろうか、朝の陽射しがキラキラと白の絨毯を照らしている。身体を起こそうと腕に力を入れると、身体に纒わり付く違和感に気づく。

 

「スゥ……」

 

目を下ろした先にはなんとギンちゃんが、わたしの腕に抱きついて寝ているではありませんか。よく観察してみると、わたしの布団に入るだけでは飽き足らずその大部分を占領し、それどころかわたしの腕に噛み跡さえ残っている始末なのだ。

 

「これはもう……そうゆうことだよね……?」

 

わたしは少しづつギンちゃんの顔へと近づいていく。長いまつ毛に凛とした顔、ギンちゃんは美人さんなんだと改めて実感する。観察を続けていると、ふと彼女が目を覚ます。

 

「んん……シャワーズ……? おはよう……」

 

寝惚けているのであろう、何時ものような張りのある声ではなく何処か甘えているかのようにも聞こえるその声に、思わず胸が高鳴ってしまう。

 

「お、おはようギンちゃん……よく寝たねぇ」

 

「なんでシャワーズがわたしの布団に……し、シャワーズ?!」

 

「ここ多分わたしの部屋だよぉ?」

 

そうなのだ、昨日ギンちゃんに案内された部屋の間取りはバッチリ覚えているためここはわたしの部屋のはずなのだ。とゆうことは、ギンちゃんが部屋を間違えたということになる。

 

「ギンちゃん、昨日の夜自分の部屋に行ってなかった?」

 

「昨日の……あ」

 

「あ?」

 

「な、何でもないのよ! お、おかしいわね昨日私の部屋で寝てたはずなんだけどー!」

 

挙動不審気味な気もするが、ギンちゃんは自分の部屋で寝たはずと言った。つまり、ギンちゃんが寝惚けてこの部屋に間違えて来ちゃったのかな?

 

「もうギンちゃんったらドジっ子なんだねぇ」

 

「! そ、そうね……私ったら部屋を間違えちゃったみたいね!」

 

「そういえばわたしの手に噛み跡がついてたんだけどギンちゃんわたしの手に噛「あーーー!!!!! そうだ私お風呂の掃除するんだった! 席を外すわね、それじゃあ!」……え?」

 

疾風の如く去っていったギンちゃん。一瞬身体からオーラのようなものが溢れていた気がするが恐らく気の所為だろう。ピカさんのボルテッカーみたいだったな、なんて物思いに耽る。

 

「今日は何をしようかな?」

 

また今日も、一日が回り始める。

 

のののののののの

 

「ここは……?」

旅館の中を探索しているとたくさんの機会が置かれた部屋に出た。これもしかして、前にご主人がやってゲームというものでは!

 

「前は見るしか出来なかったけど今ならできるもんね!」

 

意気揚々と椅子に座ったわたしは、ゲームをやってみ……あれ?

「画面が全然動かないぞお?」

 

恐らくゲームを操作するのであろうボタンやレバーをガチャガチャしても、全然画面が変わる気配はない。一体どういう事なんだろうか。

 

「ん? これ確かご主人がテレビで見てたえいごとかいうのでは?」

ゲームの画面に映し出された 1credit という文字がきっと何かのヒントなのだろう、しかし、なんと書いてあるか読むことは出来ない。

 

「エーちゃんに教えてもらっておくんだったあぁぁ……」

 

ゲーム機の上で項垂れる。パーティの中でずば抜けて頭の良かったエーちゃんは、ご主人がたまに教えくれる文字をある程度理解していたのだ。何故わたしも教わらなかったのかと絶賛後悔中である。

 

「ここはまたでいいか……」

ゲーム機を後にすべく立ち上がる。すると、ゲーム機から「お前の負けだ!」という煽り文句が聞こえてくる。

 

「い、いいか!逃げるんじゃないんだからな!またわたしは戻ってくるぞ!!!」

 

そう、これは決してバトルに負けた訳ではない。これはいわゆる次に繋げるための にげる なのだ。

 

「覚えてろよ!!!!」

 

シャワーズ は にげだした



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