俺の人生が詰んだ件について. (莉桜.。)
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Neo-Aspect
オッス、取り敢えず自己紹介させてくれ。
俺は、
好きなものは、幼馴染みが作る飯、オンラインゲーム、ドラム。苦手なものは、名前わからんけどファミレスとかで見掛ける葉っぱみたいなやつ。
…でさ、思いっきり話変わるんだけどよ…。なにも使わずに両手両足の手錠を外す方法って知らね?(;´^`)
なんかよくわからんけど…状況を整理しよう。まず今日は休日で約束通り、幼馴染みん家におじゃマップして、幼馴染みの飯を食って、幼馴染みの部屋で遊んでたら、気づけば寝落ちしてて、そしたらこうなってたんだが…。
まだ救いなのが目隠しされてないってことかな…状況把握は基本。
明らかに監禁場所、幼馴染みの部屋なんだが…あっ、めっちゃ女子らしいフローラルな良い香りする…って、今そんなこと呑気に考えてる場合じゃなかった。…って、あそこにあるぬいぐるみ、昔俺が彼奴の誕生日プレゼントであげたやつだ。飾ってくれてたんやな…って、そんな場合じゃねぇや。
ガチャ…ん、ドアが開いた音?ってことは、誰かが部屋の中に入ってきたってことか…。
「おっはよー、ミツ。起きた…?ねぇ、よく眠れた?」
「おっはよー、リサ。起きたよ。もうね、一言で表すなら最悪の目覚め。」
「そっかー、ならよかった。」
「何がっ?!!!ねぇ、リサさん。何が良かったんですかっ?!!つーか、この両手両足の手錠外せよ!!」
紹介しよう、リサ_こいつが俺の幼馴染みの一人、今井リサ。見た目は俺と一緒でチャラいが、意外と家庭的な良い奴だ。そして、俺ん家の御隣さんでもある。
もう一人幼馴染みの、湊友希那ってヤツもいるんだが。音楽に超ストイックで、音楽以外はポンコツだ。でもかなりのべっぴんさん。
…というか、今気づいたんだが、リサの目がすっごーく、すっごーく濁ってる気がするんだが…。おうふ、背筋が凍る…。
「嫌だよ♡」
「そこ♡マークつけて言う所じゃないよなぁっ?!!(`;Д;)」
「え~?そうかなぁ~。ぅ~んでも…ミツが私から逃げないって約束できるんだったら~、外さないこともないかなぁ~。」
「は…?な、なんで、俺がリサから逃げなくちゃならねぇんだよ?」
するとさっきまで此でもかと言うくらいの満面の笑みを浮かべたリサの表情が一変して、急に冷めた表情で先程の濁った瞳に逆戻りした…。
「さっき逃げてた癖に。」
「なんのことだよっ!!逃げた覚えなんかねぇぞっ!!」
「嘘つき。私の家に来る前に、黒髪の女の子と仲良さそうに一緒に羽沢喫茶店に寄ってたよね?そして楽しそうに雑談に興じてたよね?」
「それ逃げたって言わないと思うんですがねぇ、リサさんや?!!あと何で俺が羽沢喫茶店行ってたこと知ってるんだよ?!」
確かにリサん家に来る前にバッタリ道端で、NFO仲間…まぁ、ゲームで知り合って歳が同じで、住んでる地域が近かった為、リアルでも度々遊ぶようになった白金燐子と会って、お茶しないかって誘われたから、丁度時間も余ってたし誘いに乗って雑談に興じてたことは合ってるけど…。
べ、別にいやらしい思いとか下心とか持ってないぜ?否、でも白金は超べっぴんさんだから…多少持ってたこともあったけど…。
というより、本当になんでその時、その場にいなかったはずのリサがそのことを事細かく知ってるんだろうか?
「だって、アタシずっと、ずーっと見てたんだもん、ミツのこと。だから、そんな些細なことでも私が知らないはずないよ。」
「ずっと見てた…?ずっとってどういう事だよ。ずっとってよぉ…。流石の俺でも、そのリサの発言にはビックリだぜ…。」
「あはは、そんな恐がらないでよ、ミツ♪ずっとはずっとだよ。ほら、目に見えない言葉で言うよりも目に見えるモノで証明したほうがいいかなって思って……はーい、これ☆」
そう言われてリサが俺の目の前に差し出してきたのは数枚の俺が写った写真だった。
然し、写る俺の写真は全部何れも、その場にリサが居合わせるはずのない写真だ。例えば近場のスタジオで隠れて一人自主練に励んでいる、ドラムを叩く俺の写真。ベットの上で寝ている…、これでもかってくらいドアップされた俺の寝顔の写真。一番、何よりも可笑しく思ったのは、きっとあの日の放課後の写真だろうか…俺と謎の笑顔を求める少女_弦巻こころが同じベンチに座っている写真だ。弦巻こころとは此のときは初対面で、俺がちょっと浮かない事があって暗い顔をしていたときに急にグイグイきた為、印象深く覚えている。
「な、なんでこんな写真が有るんだよ!!?」
「だからいったじゃん。アタシはずーっとずぅーっとミツを見てるんだって。」
「こy…ま、まぁよ、此れからは逃げないから、頼む…、この拘束解いてくれ。」
「ん…まぁ、いいよ。今回だけはミツを信じてあげる。でも、次逃げたら…どうしよっかなぁ…もしかしたら、ミツの手足を切り落としちゃうかも♪」
カチャカチャ…カチッと鍵が鍵穴に入ってロックを解く音が二度聞こえた後、俺は自由になった。
そっからは、リサの制止を聞かずに慌ててリサの部屋から逃げ出し、隣の自分の家へと逃げ帰った。
親は共働きの為、夜まで帰ってこない。玄関やら窓やら抜かりなく戸締まりをしっかりして、自室に帰る。
すると、俺の部屋と面しているリサん家の部屋の窓にリサがハイライトが消えた目で此方を睨み付けていた。
部屋と部屋にはかなりの距離があるため、例えパルクール優勝者でも流石に届かないだろう。
あまりの恐怖に俺は顔を真っ青にしながら、自室のカーテンをサッと閉じ、スマホのLINEアカウントやらTwitterのアカウントやらのメッセージアプリ?を削除した。
_…そう此処までが中学の時の話。
今は、俺は通っていた中高一貫校の中等部を卒業しては、花咲川男子校を受験して、見事合格し、花咲川男子校に通う立派な男子高校生だ。
あの日の翌日、朝イチで両親の反対を振り切り家を出て、元住んでいた羽丘からとなり町の花咲川に引っ越し、独り暮らしを始めた。
だから、あの日以降リサや家族もそうだが、もう一人の幼馴染みの友希那にも会っていない。
というより、羽丘にはあんまり近づかないようにしている。で、此処で一つ、ラッキー?だったのは、俺の真向かいさんがまさかの大豪邸と広大な敷地を有する弦巻家だった事かな。
弦巻家に挨拶がわりに訪問したときに、偶々黒服?ボディーガード?に追われているという弦巻こころが過去に一度会っただけの俺を覚えていたようで、
「あれ、貴方は、あの時の青年…えぇっと、確か満だったわよね!お久しぶりね!」
と声を掛けられ、ついつい俺も、
「おう、あの時の青年こと瀬良満だ。お久しぶりだな、こころ。俺、真向かいに引っ越してきたから。これ等から宜しくな。あとこれは粗品だけ受け取ってくれ。」
明らかに弦巻財閥の一人娘に対しては粗品過ぎる粗品を上げて去ろうとした矢先に、
「あら、そうなのね!!なら良かったわ!私を匿ってはくれないかしら!」
と言われ、後先考えず、匿ってあげて、かくかくしかじか。
翌日、こころが俺んちに来て、まさかの弦巻財閥の豪邸に足を踏み入れることになった。
こころがこころの両親の真ん前でテンション高く俺を褒めるもんだから、こころの両親が何故か俺を大層気に入り、こころのお友達で居てくれる代わりにと食費と生活費、学費等に困らなくなった。
今では学校の日、休みの日問わず毎日のようにこころと遊んでいる。これが中々に疲れるんだが、楽しいので気にしない。
というより、普段からこうして女子高生と遊んでいるなんて(※至って健全)、多分一般的な男子高校生より充実した生活を送っていると思う。
だから、気づいてなかったのかもしれない。
「あはハハははっ、みィーつけタ♪今度ハにガさナイからね、ミツ♪」
恐怖がすぐ近くまで迫っていた事に…_。
やっとこさ幸福を掴んだと思われたミツにまたもや魔の手が!!
彼は、彼女に愛される限り何度でも詰む。逃げ切れない恐怖。
次回、「Re:」。
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Re:
今日も今日とて、弦巻財閥の一人娘、弦巻こころと共に花咲川のあちこちを駆け回る。
一昨日は山吹ベーカリーの隣の路地裏の一角を住処とする野良猫の散歩道調査を行い(※無事任務完遂出来ました)、昨日は花咲川にある幼稚園の子供たちと一緒に遊んだりと(※ボランティア活動)、中々に飽き足りない充実し(過ぎ)た日々。
どうやら今日は笑顔を届ける活動の一貫として商店街近くにある公園で突発ライブをやるらしい。こころはボーカル、俺はドラム。突貫だから、音合わせも出来てないし、たった二人しか居ないけど、他の楽器はドラムとボーカルだけを抜き取った音源を黒服?という名のこころのボディーガード的なひとが流してくれるらしい。
何気にドラムに触るのは久しぶりだ。あの日以来ドラムにすら触れる心身の余裕が無かったからな…。
「ミツ、行くわよー!!」
「おう、任せろ。…黒服の方々、音源の準備をよろしくお願いします。そんじゃいくぞー、ワン、ツー、スリー!!」
口に出しながら、シンバルを叩き合図を出してから、音源を流してもらう。うん、どうやらこころも歌い出だしもそのあとの歌も好調だ。なんというか、こうボーカルが楽しそうに歌ってくれていると見てるやつも楽しくなるよな。
右手のドラムスティックでシンバルでリズムを刻み、左手でスネアドラムを叩き、バスドラムのペダルを踏む右足もリズムを崩さず、順調にリズムと音色を奏でていく。
時折、合間にドラムスティックを回しながら、シンバルを叩くことも忘れずに技術を披露する。結構これ習得するの大変だったし、久しぶりだったので、一回目はミスしかけたが、何とか持ち直した。
暫くして…っつても、2曲分くらいの曲が終わる数分だけど。演奏後に襲って来る、この疲労感と達成感と爽快感は最高だ。
「ミツ、貴方やっぱりサイコーね!!皆、笑顔になれたわ!」
こころは呑気に周囲に集まってきた子供達をくるくると回りながら手を広げてアピールする。
確かに子供達の無邪気な笑顔を見れたし、疲労感が幾分か取れた…気がする。
「お、おう…っ」
マイクやらドラムやら機材やらが大勢の黒服に片付けられ、俺達も撤収するのかと思いきや、こころは子供達と一緒に鬼ごっこをして遊んでいた。
流石に疲労感は取れたかもしれないが、俺も参加してやるほどの体力は残ってなかった。近場のベンチに腰掛け、黒服から差し入れにと頂いた水を有り難く飲みながら、キャーキャー叫びながら子供達を楽しそうに追い掛けるこころの姿を眺めた。あ、別に下心有りませんよ?ただ、楽しそうだなぁ…あんなにはしゃいで転ばないかなっていう老婆心的なあれがですねっ…!!っとと、一旦落ち着こう…。
そういえば、懐かしいな…、とふと昔のことを思い出す。
リサや友希那、小学校の頃のクラスメイト達と、此処じゃないけど、羽丘にある実家から近場の公園で集まってよくかくれんぼなり鬼ごっこなり毎日のようにしたもんだ。今思うとよく飽きたりもせず、あんなにはしゃぎまわれたモノだと思う。こんなこと思っちまったり、考えちまうって……老いたかな、俺。(´;ω;)
そういや、いつもかくれんぼとかしたら、リサと友希那が最初に見つかってたな…。
で、逆に俺はいつも最後に見つかった…というよりかは、リサや友希那ですら俺を見つけられなくて、渋々わざと見つかりに行くってのがテンプレだった。
「満君、みっけ!隠れるも上手だね!」
あんときは、リサも満君呼びだったな…無邪気な笑みがいつのまにか濁ってたのに気づかなかった俺も俺で悪いんだろうなぁ…。
本当にいつリサの身に道を外れるきっかけがあったのだろう…。
「……ツ、ミツ、ミツ~?ミツ、聞いてるのかしら~?!」
「お、すまんすまん、こころ。ちょっと感傷に浸ってたぜ…。」
「かん…、しょう…?んぅ~、よく分からないけど、まぁいいわ!!このあとなのだけれど、デパートに行こうと思うの!!貴方も一緒にどうかしら?!」
ぅん…、別にこのあとなんかあるって訳じゃないし、確かいくつか補充しないといけない消耗品もあった気もするから、着いていこうかな…と重たい腰を上げた。
「おう、なら俺も着いていこうかな。」
「じゃあ、早速出発進行よー!!」
と意気揚々と如何にもザ・金持ち!!みたいな黒塗りの車体が長いあの車に乗って、デパートまで向かった。
然し、何時もならこう言うときでも騒がしい(※いい意味で)こころが、先程のライブやら子供たちとの鬼ごっこやらで疲れてしまったのか、仮眠を取ってらっしゃっている。その為、車内はしきりの向こう側には黒服達が待機している筈なのだが、やけに静かだ。
暇なので、外の景色でも見て暇を潰しておこうと、外からは見えないようになっていると言う特殊な作りの窓から外を眺める。
至って見えるのは閑静な住宅街…ではなく、赤ちゃんがスヤスヤと気持ち良さそうに眠っているベビーカーを押しながら元気な子供を連れているパワフルな母親や、散歩中なのだろうか、じいさんやばあさんが何やら微笑ましい顔で杖をついて歩いている活発な住宅街の風景が目に入った。
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リサside
はぁ…愛しのミツが私の目の前から居なくなってから今日で968日16時間52分32.59秒経った。
あの日から、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずーっと、ミツの御両親や友希那と一緒に探してるのに彼は未だに見つかんない。
そう言えば、ちっちゃい頃?いや、小学校の頃だったかな。
ミツはかくれんぼの隠れるのが上手で、いっつも最後に見つけたなぁ。
あっ…そっかぁ。ミツは、アタシ達とかくれんぼがしたかったんだね♡
ミツったら、いっつも素直じゃなかったから言えなかったのかなぁ??
アハハッ、アハハハハハッ!!
そういうことならちゃぁーんと見つけて上げなくちゃね??
見つけたら、絶対今度コソ逃ガサナイ…ッ!!!
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今日からは、隣町の花咲川に彼を探しに行こうかな。
羽丘はこれでもかってくらい長年掛けて隅の隅まで隈無く探したけど居なかった。
きっと優しい彼のことだ。そんなに遠くには逃げてないはず。
ねぇ、ミツ。今貴方は一体何処に居て何をしてるの?知りたい、知りたいよ、ミツ。
ミツ、私から逃げない約束したじゃん。ねぇ、ミツ。アタシ、寂しい、寂しいよ、ミツ。
寂シイ寂シイ寂シイ寂シイ…。
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アハハハハハッハハハハッ!!!
やっとやっとやっとやっとやっとやっとやっとやっと、見ツケタ見ツケタ見ツケタ見ツケタ見ツケタ見ツケタ!!!
絶対今度コソ逃ガサナイ逃ガサナイ逃ガサナイ!!!
でもでもでもでも、すぐにいったらきっとキミは逃げちゃう。だからだからだから、少しだけミツに執行猶予を上げる。
アタシもミツの回りについた害虫駆除の為に色々と準備が必要だからね♪
_だから、待っててね、ミツ♡
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??side
ミツ君、最近ゲームにログインしてないなぁ…寂しい。そんなにリアル忙しいのかな?寂しいよ、ミツ君…。
-パーティーメンバー
-ミツ ログイン一週間以上前 ▼.
堕天使あこ姫「りんりん、そう言えばさ、最近ミツ兄、全くログインしてないよね?も、もしかして、何かあったのかな!?ま、まさか、邪悪なる魔王の呪い?!」
RinRin「うん、全くログインしてないよね…ログイン一週間以上前って書いてあるし…。え、えぇぇ、何かあったのかな?!(;`・Д・)ハッ」
堕天使あこ姫「やっぱり、ミツ兄居ないと何か静かで寂しいよね…。うぅー、ミツ兄速く帰ってきてー!!」
RinRin「速くミツ君、ログインしないかな…。(´・ω・`) 寂しいね。」
堕天使あこ姫「あっ、ごめん、りんりん!!お姉ちゃんにご飯だぞー、あこー!って呼ばれちゃった!!一旦落ちるね!!」
-堕天使あこ姫がログアウトしました ▼.
徐々に彼女達の中に根付くヤンデレが表に出てくる!!
ミツは彼女達から逃れることが出来るか?!
次回、「リッサリサにしてやるよ♪【してやんよ】」。
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リッサリサにしてやるよ♪【してやんよ】
評価☆10、ちかてつ様、フルーツポンチサムライ様、
評価☆9、ヒロアキ141様、深々様、新庄雄太郎様、風見なぎと様、
評価☆8、猫鮪様、評価☆1、みねらるうぉーたー様
UA9,400以上、お気に入り登録数171件、感想を下さった紀伊様、藤崎様、閲覧してくださった皆様、ホンマに感謝感激です!!
これからも拙い文章ですが、宜しくお願いします!!
やっとこさ、ショッピングモール到着…っつても、数分も掛かってない。
「おはよう、ミツ!っさ、行きましょう!!」
「お、おう…おはよ…、いつの間に起きたんだ、こころ…?」
さっきまですやすや寝てたとは思えないくらいの元気さだ…若いって良いな。って俺もまだまだ若いよっ!!こころと一歳違いだよっ!!(`゚Д゚)
「そんなことどうだって良いじゃない!!っさ、行きましょう、ミツ!!」
「おうおう、分かったから、腕引っ張るなっ!!」
ガシッとこころに腕を掴まれ、引っ張られるようにして車から降りる。
「ってあれ、黒服さんは来ないんすか?」
いつもなら同じように数人の黒服も同行って形で降りてくるんだが、今日は降りてこない。
「我々は緊急事態以外はなるべく接触しないようにショッピングモール内に設置された監視カメラを買収…貸させて貰ったので、貸していただいた監視カメラと増設した監視カメラ併せて数百台と一般市民に紛れ込んだ黒服数名が、影ながら見守らせていただきます。ですが、万が一何かありましたら、遠慮無くお申し付け下さいませ。」
「あ、はい。」
思わずすんなり頷いちまった…。まぁ、気にしたら負けだ。(‥;)
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どうしてこうなった…\(^p^)/、と俺は最近滅多に流していなかった冷や汗が頬や背中をツーッと滑り落ちていくのを感じながらそう切実に思った。
「おひさー、ミツ♪元気してた~?」
「ひ、久しぶり、…だな。…リ、サ…。」
もう呼ぶこともないだろうと思ってたその名を…、暫くぶりに約束を放っておいてまで逃げている最中での久々に会うという緊張感とあの日のトラウマが甦り全身に襲ってくる恐怖感に支配されて掠れた情けない声で話す。
なんでだ…なんでだよ…っ。ついさっきまで多くのひとで賑わっているお昼過ぎのショッピングモールでこころと一緒にショッピングをエンジョイしてた筈なのに…こころがおもちゃ売り場に夢中になっている間、俺はショッピングモールの小広場的なところの近くにあるひとの少ないスペースのソファーに座って休憩している最中にまさかの数年ぶりの再会…。
遂に神は俺を見捨てたか…_!!(;_;)
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リサと再会した感想を一言で表そう。
誰だこいつ、あの日の今井リサとはまるで別人のようだぞ??!いや、まぁ、あの日が異常だっただけなのだが…。よく思えばこっちの方が素のリサっぽい気がする…うーむ…。
「あははっ、酷いな、ミツは~♪アタシはアタシ、だよ☆」
「さらっと地の文を読まないでくれ…。」
「だって、ミツは顔に出てるし。あとさー、数年ぶりの再会なんだしさ、なんかないの?」
「欲するのは謝罪の言葉か?それとも御世辞か?」
「ううん、違うよ。逆にアタシが謝罪したいんだ。あのさ、ミツが行方を眩ませたあの日のこと…本当にアタシどうにかしてた。そのこと謝りたくってさ。連絡取ろうとしても、ミツ、電話番号変えてるし、LINEやらTwitterやらのアカウントも削除してて、連絡取れなかったしさ…。」
本当にあの日のリサと同一人物なのか…?数年という月日はひとをここまで変えてしまうのか…?、というリサを疑う考えがポンポンと脳内に花を咲かせる。
「本当にごめんなさい、ミツ。」
俺に対して深々と頭を下げるリサ。端から見れば俺は、ギャルっぽい見た目をした美人に頭を下げさす極悪非道人男もしくはカップルの別れ話を彼女側から切り出された彼氏に見えるだろう。
うん、どっちも不味いな!!\(^p^)/
「俺は別に謝ってほしい訳じゃないし…っ、あの日のことを怒ってる訳でもない…っ、だから、頼む!!顔を上げてくれ!!」
どっちも本当のことだ。嘘はいっていない。俺はあの日のことはトラウマなだけであって、怒ってる訳ではないのだ。
さっきから周囲の目が痛々しい…そんなに見られたら俺(の胃)に穴が空いちまうぜっ!!
ってあれ…リサに対する恐怖感と話ベタが治ってる…あえ…、いつの間に…?(?_?)
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リサside
あははっ、ちょー簡単で楽勝じゃん♪
まずは失った好感度を取り戻さないとねぇ~…いずれ、アタシという
そしてミツが気づかないうちにアタシに溺れさせてあげる♡
「本当にごめんなさい、ミツ。」
アタシのミツを取り戻す作戦とは言え…、心にも思ってないことを口にする…この謎の罪悪感…、嫌悪感っていうの?それがとっても気持ち悪い。気持ち悪くて気持ち悪くて気持ち悪くて…汚い。そんなアタシの汚れを清めてくれる、癒やしてくれる愛する彼が、あの日から姿を眩ませて、私の前から居なくなった彼が、こんなにも目の前に居るのに…手を伸ばせないなんて。自分の気持ちとは違うことを、嘘を彼に吐露するなんて…気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…。
「俺は別に謝ってほしい訳じゃないし…っ、あの日のことを怒ってる訳でもない…っ、だから、頼む!!顔を上げてくれ!!」
ミツは苦虫を噛み潰したように、苦しそうにそう優しい言葉を私に掛けてくれた。ホントにミツは優しい…否、優しすぎる…。アタシ以外にこの優しさを振りまくなんて…
速くアタシとミツだけの楽園に連れて行ってあげないと…ミツが穢れちゃう…っ。
でも、まだ…っ、まだ我慢だ、今井リサ…っ。まだ準備は整ってないし、ミツのアタシへの信頼度も回復してないんだから…。
ジックリジックリ時間ヲ掛ケテイカナイト…。
愛する彼を巡って大惨事戦争が勃発の予感がするようなしないような?!!
この世界の良心は金髪の金持ち?!
次回、「双子の姉との接触」。
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