僕紅! (ゆっくり翼)
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ネタ
ダブルスカーレット!


これは「リトルバスターズ!」のパロディネタです。
設定は
・明久の強さは常人ぐらい。
・レミリアは3年生。他は同学年。
・他は本編と同じ……かな?

てな感じです。

それでは、ミッションスタート!


『スカーレット様が帰って来ましたぁ!』

 

「……ん?」

 

うーん、もう朝? それにしても外が少し暗いような……今、何時だろう。えっと、4時半ぐらいって

 

「変な時間に起きちゃったなぁ……」

 

6時に起きるから二度寝も出来ないしどうしよう……ってあれ、複数の足音が聞こえる、何だろう?

ドアを開けると丁度美鈴が通り過ぎる所だった。

 

「美鈴、こんな時間にどこ行くの?」

 

「戦いですよ」

 

へっ、戦い?

 

「どこで?」

 

「ここです」

 

そこまで言うと美鈴は走り去った。

てかここって……

 

「まさか家で!?」

 

た、大変だ、早く止めないと!

すぐに後を追いかけよう!

 

 

 

 

 

僕が着く頃には野次馬が沢山いた。

そしてその中心で美鈴と咲夜が戦っていた。

 

「りゃあ!」

 

美鈴が咲夜に殴りかかる。

咲夜はそれを紙一重で回避、

 

「はっ!」

 

そのままナイフを一閃。

 

「ぐっ!?」

 

その一撃は隙だらけだった美鈴に当たった。だけど余り効いてなさそうだ。

……って見ている場合じゃない!

僕はバトルを止める為に野次馬を掻き分けて、バトルの中心地へと向かった。

よし、後もう少しで着く―――

 

「ストップよ、咲夜、美鈴」

 

唐突に声が聞こえた。直後、その声がした方の野次馬が左右に移動した。そこから出てきたのが……

 

「……レミリア」

 

レミリアだった。

てかあの大声って夢じゃ無かったんだね。

とにかく、レミリアがバトルを止めてくれそうだし、この件は一件落着―――

 

「ここからは私が決めたルールで戦ってもらうわ」

 

―――って止めるんじゃ無いの!?

 

「素手だと美鈴が強すぎる。

ナイフを持たせると逆に咲夜が強すぎる。

だから―――」

 

レミリアはそこまで言うと野次馬のいる方を向いた。

 

「貴方達、なんでもいいから武器になりうるものを適当に投げ入れなさい。

それはくだらないものほどいいわ」

 

そこまで言ったレミリアは美鈴と咲夜の方に向き直った。

 

「貴女達はその中からつかみ取ったものを武器として戦いなさい。

くだらないものだから今よりか危険は少ないはずよ。

いいわね」

 

レミリアが問うと二人は直ぐに頷いた。

やっぱり、レミリアの発言力って凄いよね……これはもう僕に出来ることはないし帰ろ―――

 

「うわっ!?」

 

唐突に押される感覚がした。僕はそれに耐えきれず、そのまま中心に出てしまい、咲夜にぶつかった。

 

「あっ、ごめん咲夜」

 

「気にしないで下さい」

 

咲夜はそこまで言うと、投げ入れられる武器を取る体勢に……

 

「待ちなさい咲夜」

 

唐突にレミリアが止めた。

 

「何ですか?」

 

「今受け取ったから咲夜の武器は明久よ」

 

「……え?」

 

僕が武器!?

てか絶対咲夜納得しないでしょ。

 

「わかりました」

 

納得した!?

 

「咲夜さん、武器は本当にそれでいいんですか?」

 

武器を取り終えたらしい美鈴が話しかけてきた。

その手にはぬいぐるみが。

 

「……そのセリフ、そっくりそのまま貴女に返します」

 

「大丈夫です、結構鍛えているのでぬいぐるみ越しでもダメージを与えられるはずです!」

 

その自信はどこから出てくるんだろう……

 

「それじゃあ、バトルスタートよ」

 

レミリアの合図でバトルが始まった。

……ってまだ僕納得してな―――

 

「先手必勝!」

 

嫌な予感がしたから前を見るといつの間にか美鈴が目の前にって

 

「うわぁっ!?」

 

美鈴が突然のし掛かってきて。僕は身動きがとれなくなった。

ってこの体勢は色々とヤバい…………!

 

「さあ、ぬいぐるみの真の恐ろしさを味わいなぐへっ!?」

 

唐突に美鈴がバウンドしながらぶっ飛んだ。えっ、何で?

 

「あきひさをいじめるな!!」

 

よく見ると美鈴の近くに足を振り上げた状態のフランが立っていた。

成る程、フランが助けてくれたのか。

 

「フラン、ありがとう」

 

「どうもいたしまして……それで」

 

そこまで言った後、フランは倒れている美鈴に向き直った。

 

「何が原因なの?」

 

あぁ、そういえばバトルの理由を聞いてなかった。

 

「それは…………」

 

立ち上がった美鈴は少し溜めてから

 

「私が咲夜さんに勝ったら門番の最中に寝てても怒らないでくださいってお願いしたからですよ!」

 

そう答えたって

 

「うわぁ…………」

 

凄くしょうもない理由だ……

 

「……で、咲夜はそれに納得してくれたの?」

 

「いいえ、全然」

 

「じゃあだめじゃん!?」

 

まさかの無許可!?

 

「……では、私はこれで」

 

咲夜がその場から立ち去ろうとした。

 

「あっ、逃げる気ですか!?」

 

「しょうもない戦いはいくらやっても無駄なので」

 

そう言い残して咲夜は立ち去った。

 

「くっ…………こうなったら、咲夜様の武器である明久様を倒せばぐへっ!?」

 

「あきひさに手をだすな!」

 

美鈴がフランに蹴られた。まぁ自業自得だと思うけど。

 

「もしあきひさに手を出すんだったら、わたしが相手だよ!」

 

フランはそう言った後、構えをとった。

 

「……上等です、いくら妹様でも容赦はしませんよ! 皆さん、武器を投げ入れてください!」

 

美鈴がそう言うと、あっという間に武器が飛び交う状態になった。

そして数秒後、両者は武器を受け取った。

フランが受け取ったのは木刀、

そして美鈴が受け取ったのは

 

「…………」

 

うなぎパイだったってうわぁ……

 

「行くよ!」

 

フランが木刀で美鈴に斬りかかった。

 

「……くっ、まだ負けた訳ではない!」

 

美鈴はその一撃をうなぎパイで受け止めた。直後、うなぎパイは折れた。

……まあ当たり前だよね。

 

「……あ……ぐふっ!?」

 

フランの木刀はそのまま美鈴に当たった。

そしてそこからフランのラッシュが始まった。

って止めなきゃ!

 

「フラン、ストップ!」

 

僕はフランに抱き着いて動きを止めた。

 

「あ、あきひさ!?」

 

いきなりのことに驚いたのかフランがもがいた。でも、離すわけにはいかない!

 

「僕は大丈夫だから! だからこれ以上は止めて!」

 

そこまで言うと、フランはもがくのを止めて静かになった。

よかった、これで美鈴がこれ以上傷つく事はない……でも…………

僕は美鈴の方を向いた。

 

「…………」

 

そこにはピクリとも動かない美鈴の姿が……うん、どう考えても遅かったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような非日常は今日が初めてじゃない。

幼い日に出会い、彼女達と一緒になってからずっと繰り返された日常だ。

あの一番辛かった日々。

両親を亡くしたすぐの日々。

毎日ふさぎこんだ日々。

そんな僕の前に4人の女の子が現れて、手を差し伸べてくれた。

彼女達と過ごす日常は毎日がお祭り気分でとても楽しかった。

そして彼女達と過ごしていくうちに僕はいつの間にか心の痛みも寂しさも忘れていた。

ただただ楽しくて……いつまでもこんな時間が続けばいい、それだけを願うようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日もいい天気ね」

 

翌日、僕達は学校へ続く道を歩いていた。

 

「ところでレミリア、今回はどうだったの?」

 

レミリアの親は世界でもトップの一角である会社、【紅魔郷】の社長を勤めている。

レミリアはゆくゆくは親の後を継いで社長となる存在なので時々親に呼び出されて、紅魔郷の社長に相応しいかのテストを受けさせられる。

今回は確か最終試験だったはず……

 

「上々よ。これなら私が社長になる日も遠くはないわね」

 

て事は合格したのか。

 

「おめでとう、レミリア」

 

「おめでとう、お姉様」

 

「「おめでとうございます、お嬢様」」

 

僕らは皆でお祝いの言葉を言った。

 

「それほどでも無いわよ」

 

そう言うレミリアの顔は少し赤かった。

確実に照れてるね。

 

「でもそうなると、来年からお姉様に会う事が難しくなるね」

 

確かに社長となると、簡単には会えなくなりそうだなぁ……

 

「そうなると、咲夜とも会うのが難しくなるのかぁ……」

 

「当然です、私はレミリア様に仕えていますので」

 

「それで近い将来明久さんと妹様は就職をすると」

 

そして離ればなれかぁ……何か嫌だなぁ。

 

「うー、そんな先のこと、考えたくない……」

 

「そうね」

 

フランの一言にレミリアが同意した。

 

「今がずっと続いて欲しいわね」

 

そう、レミリアが呟いた。

―――レミリアがそう願うなら本当にそうなるような気がした。

 

「ねぇ、昔みたいに何かやろうよ!」

 

僕は唐突に思い付いたことを言ってみた。

 

「唐突に何ですか?」

 

「何かとは?」

 

内容が気になったのか、美鈴と咲夜が僕に聞いてきた。

 

「ほら、小学生の時にレミリアが考えたミッションという名の遊びで色々と遊んだでしょ」

 

「あれは楽しかったね」

 

フランが同意してくれた。

そして

 

「そうね……」

 

レミリアは急にしゃがみこみ、何かを拾った後立ち上がった。

その手にはボロボロのカードがあった。

 

「異変を起こしましょ。異変名は……」

 

そのままカードを僕らの方に向けて、宣言した。

 

「紅霧異変よ」




リトルバスターズリフレインが放送直前なので投稿してみました。
決して本編が書き終わってないからこれを投稿したわけじゃありません!
本当ですよ!


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僕と紅魔郷とスカーレット姉妹
ハロウィン


これは明久達が中学二年生の頃の話です。


「…………んぁ?」

 

……もう朝?

今日は……確か日曜日だね。

まだ寝てたいけどそろそろ起きなきゃな……

僕は欠伸を噛み殺しながらベッドから降りた。

そしてカーテンを開けると

 

「…………」

 

「…………」

 

窓に魔女の格好の魔理沙が張りついていた。

 

「……さて、顔を洗いに行くか」

 

完全に目を覚ます為に。

そうして僕が部屋から出ようとすると、突如、ガラスが割れるような音がした。

 

「…………」

 

何だろう、とてつもなく嫌な予感がする。

後ろを振り返ると、窓が割れていて、部屋のそこらじゅうにガラスの破片が落ちていた。

そして、部屋の中央には魔理沙が立っていた。

 

「……って僕の部屋が見るにも耐えない大惨事に!?」

 

最悪だ! 折角昨日掃除をしたばかりなのに!

僕はそんな最悪な状況に直面して、思わず膝をついてしまった。

そんな絶望している僕を見かねたのか、魔理沙は僕に手をだして言った。

 

「トリックオアトリート!」

 

「他に言うことあるよね!?」

 

 

 

 

 

「と、言うわけで、トリックオアトリート!」

 

「……何をやってるのさ?」

 

あれから大惨事になった部屋をある程度片付けた後、魔理沙が改めて言った。

因みに魔理沙は一切手伝ってくれなかった。

 

「おいおい明久、今日はお菓子を無償で貰うことが出来るハロウィンの日だぜ。私が動かない訳無いだろ」

 

「それは知ってるけど……」

 

てかその認識はどうかと思う。

 

「何で僕のところに? 他の人のところとかの方が良くない?」

 

僕の部屋にはお菓子とかは全然無いし。

 

「まぁ何となくだ」

 

「その何となくで僕の部屋が大惨事になったんだけど……」

 

あとで窓を直さないとなぁ……

 

「あきひさー、ごは……って何この惨状!?」

 

僕が窓について悩んでいると、フランが入ってきた。

 

「よっ、フラン、トリックオアトリート!」

 

「いや、持ってるわけないでしょ」

 

魔理沙がここに来るのは初耳だろうし。

 

「言いきるのはまだ「ごめん、無いや」早い……ぜ……」

 

ほら、やっぱり……ってあれ?

 

「何で驚かないの?」

 

普通家に招いた覚えもない友人がいたら驚くと思うけど……

 

「……何でまりさがここに!?」

 

気づいてなかっただけ!?

 

「……突然窓を割って入ってきたんだよ……」

 

「あぁ、だからこの惨状なんだ……」

 

「照れるぜ」

 

「今のどこに照れる要素があったの!?

……まったく、ここならともかく他の家でやったら犯罪だからね」

 

「大丈夫だ。この家以外の窓は割る気は無いからな」

 

「この家の窓も割らないでよ……」

 

そのうち、壁を壊して入ってくるような気がする……まぁ多分無いけど。

 

「あ、あきひさ、ご飯」

 

「えっ? あっ」

 

そういえばこの部屋に入ってきた時に言ってたね。

皆を待たせているだろうしすぐに行かなきゃ。

……と、その前に魔理沙に朝食をここで食べるかどうか聞こう。変な入りかたで来たけど一応客……客かなぁ……まぁいいや、聞こう。

 

「魔理……あれ?」

 

魔理沙に朝食について聞こうと振り向いたら当の本人がいなかった。

一体どこに―――

 

「とりゃっ」

 

「きゃっ!?」

 

唐突短い悲鳴が聞こえたからその方向を見ると、バランスを崩してこっちに倒れかかってくるフランの姿が―――

 

「ってちょちょちょぐぇ!?」

 

突然のことに対応出来なかった僕はそのまま巻き込まれて倒れた。

倒れる直前に上手く受身を取れたから怪我はないけど……

 

「全く、何を……ん?」

 

何だろう、右手にあるこの柔らかい感触?

ちょっと気になったから少しだけ握る力を強くしてみた。

……物凄く柔らか―――

 

「ひゃ…………ひゃあぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ごはぁっ!?」

 

突然誰かに勢いよくぶっ飛ばされた。

僕はそのままの勢いで転がって

 

「ぐほっ!?」

 

壁に激突した。

せ、背中が…………多分僕はぶっ飛ばしたのはフランだな。

何でぶっ飛ばされたんだろう……?

 

「痛たたた……」

 

僕は背中が痛むのを我慢して立ち上がり、フランの方を見た。

 

「あぅあぅあぅ……」

 

そこには胸を両腕で隠しているフランが……

 

「え?」

 

胸を隠す?

つまりさっきまで触ってたのはフランの胸?

……あぁだから柔らかかったのか……

 

「……ごごごごごめんフラン!」

 

僕は直ぐ様土下座の体勢に入った。

てか何で気づかなかったんだよ僕の馬鹿ぁ!

 

「あぅあぅあぅ……」

 

フランはさっきから同じセリフを繰り返しながら固まったままだ。

てかこの状況どうしよう……。

 

「ハハハッ、明久も健全な男なんだな」

 

「魔理沙、何て事するのさ!?」

 

僕は思わず元凶である魔理沙につっかかった。

 

「お菓子を貰えなかったから悪戯をしたまでだぜ」

 

うわっ、全然悪びれてないよこの人!?

 

「と、とにかく魔理沙もちょっと手伝―――」

 

「じゃ、そろそろ私は退散するとするぜ」

 

僕が最後まで言う前に、魔理沙は窓から飛び降りた。

 

「って逃げた!?」

 

てか本当にこの惨状どうしよう!?

……と、とりあえずフランを元に戻そう!

話はそれからだ!

僕はフランの肩を掴んで―――

 

「明久様、朝食の時間……」

 

と、そんな時に咲夜が来た。

咲夜は僕達を見たあと部屋を見渡して、

 

「……すいません、またあとで呼びに来ます」

 

そう言ってその場を去った。

……え? 何で?

……ちょっと今の状況を整理してみよう。

 

・フランの肩を掴んでいる僕

・胸を隠して顔を赤くしているフラン

・どちらの格好も少し乱れている

・散らかった部屋

 

…………うん…………。

 

「ご、誤解だぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

その後、皆の誤解を解くのに丸一日掛かった…………。




……ハロウィン要素、ほとんど無くね?


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僕と紅魔郷とスカーレットデビル
クリスマス


クリスマス特別編なのにクリスマス感があまり無いとか誰得だよ。
てか1日で書いたから駄文感が否めない。

因みにリメイクverの設定で明久が中学二年生の頃の話です。


今日はイエス・キリストの降誕を祝う祭の日、通称クリスマスの日だ。

詳しい説明は省くけどその日には家族と一緒にゆっくりと過ごしたり、企業開催のパーティを楽しんだり、恋人とのデートを楽しんだりと様々な過ごし方がある。

そんな日に紅魔館では何をやるかというと、友人とか呼んでちょっとしたパーティを開催する。

だから今紅魔館ではパーティの準備で大忙しだ。

そんな中、僕は何をやっているかというと―――

 

 

 

「喰らえ、あきひさ!」

 

「当たるか!」

 

 

 

―――準備を手伝いもせずにフランと一緒に罰ゲームありの雪合戦をしていた。

 

……いや、これでも最初は手伝おうとしたんだよ。でも咲夜が「これはメイドの仕事です」とか何とか言って手伝わせてくれなかったんだよね。

で、うろうろしてたら同じ理由でうろうろしていたフランとバッタリ会って、

で暇だから何かしようって話になって、

それで折角雪も積もってるし雪を使った遊びをしようってことになって、

んで結局ギブアップって言った人が負けの雪合戦になった。

因みに勝者の命令を1回だけ聞くという罰ゲームつきだ。

 

「隙あり!」

 

「おっと」

 

危ない危ない、考え事してたら危うく当たるところだった。

まぁ当たってもギブアップって言わなければ良いんだけどね。

よし、今度はこっちの

 

「番だ!」

 

僕は手に持った雪玉をフランに投げつけた。

それは中々の速度で雪玉を作っているフランの左腕に当たった。

フランは一瞬怯んだけど、すぐに雪玉作りを再開した。

……いや、これ終わるの?

 

「えいやっ」

 

僕がこのゲームのルールのいい加減さを改めて認識しているとフランが雪玉を投げつけてきた。

僕は少し横にずれることでそれを回避したあと、あらかじめ作っておいた雪玉を拾った。

そして雪玉を当てるためにフランを見ると、こっちに向かって全力で突っ込んでくるところだった。

 

「いや何でぐふぅ!!」

 

フランの予想外の行動に対応出来ず、僕はフランに押し倒されるような感じで倒れた。

うぅ、まさか突撃してくるとは思わなかった……。

でも何で突撃を?

 

「この距離なら当たるよね」

 

……なるほど、確実に攻撃を当てるためか。

確かにこの距離なら誰でも外さないね。

でもそれは僕だって同じだ。

僕は急いで左手で雪をかき集めた。

よし、これであとはフランの出方次第だ。

さぁどう出る?

 

「……よいしょ」

 

その一言とともに僕は後頭部に左手を添えられた。

そして、

 

「えいっ」

 

そのままフランの方に引き寄せられた。

その結果、僕の頭がフランの胸の谷間にうずまるということになった。

くっ、そうきたか……! でもこっちも負けるものか! とりあえずフランの胸を

……じゃないよ!

えっ、当たるって雪玉じゃなくて胸のことだったの!? てか今やっているの雪合戦だよね!? 何かさっきからフランの行動雪使ってないんだけど! これはもうフランの胸を気が済むまで揉んでもってこのままじゃ危ない! 主に僕の理性が!

 

「ギ、ギブアップ!」

 

僕は迷わず降参した。

ま、まさかフランが色気を使ってくるとは思わなかったよ……。

 

「やった♪」

 

僕のギブアップ宣言を聞いたフランは起き上がった。

ただし、僕の馬乗りになったまま。

……いや、退いてよ。重くないから良いけど。

 

「じゃ、罰ゲームだね」

 

うぅ、納得出来ないけど……仕方無いか。

せめて簡単な内容でありますように。

あと退いてくれないかな?

 

「内容は―――」

 

えっ、この状態でやるの?

 

「これからわたしが良いって言うまで動かないでね」

 

……? どうしてそんな命令を!?

 

「っ!?」

 

突然、フランが顔を僕の顔に近づけてきた。

ちょっ、避けないと……いや、フランに動いたら駄目って言われてるじゃないか! てか別に避けなくても良いよねフランとキス出来るならっていやいやそうだとしても今はまだ早いようなてか何考えてるんだ僕は!

って近い、近いって!

てかこれはもう覚悟を決めるしかないよね!

僕は目を瞑ってその瞬間を待った。

そして―――

 

 

 

「えいっ」

 

背中に冷たい何かが触れるのを感じた。

 

「ひゃうあ!?」

 

僕は反射的に飛び上がった。

お、驚きすぎて変な声だしちゃったよ……。

でもまさかあの状況で背中に雪を入れられるとは思ってなかったよ。

てか雪を入れたのってどう考えても

 

「あははははっ!」

 

フランだよね。

 

「フラン!」

 

「ごめんごめん、つい」

 

てか笑いすぎたよ、顔が真っ赤になっているし。

 

「全くもう……」

 

いつまでも座ったままだと雪の冷たさで風邪を引くから立ち上がる。

そのまま時計を見ると、パーティ開始まであと1時間を切っていた。

……さて、そろそろ頃合いかな。

 

「じゃあ行こう、フラン」

 

僕はフランに手を差し伸べた。

 

「うん!」

 

フランは迷わず僕の手を取った。

そのまま僕達は紅魔館へと足を向けた。




リメイクverの執筆状況。

設定はほぼ完成。
簡単な流れは第一章だけほぼ完成。
内容は一話すら完成していない。
新しいゲームを買った。

……いつ投稿出来るんだろう……。


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総合UA10000突破記念

……すみません、R18はさすがに無理でした。描写とかどうすれば良いか全然分からない……。
なのでこれで勘弁してください……。

一応時系列は高1の最後辺りです。


「…………」

 

フランと付き合うことになった次の日の朝、僕こと吉井明久はとある問題に直面していた。

 

「すーすー」

 

隣ではフランが僕をがっしりとホールドしたまま気持ち良さそうにすやすや寝ていた。ここまでは良い。

 

問題なのは、どちらも産まれたままの姿……つまり裸だってことだ。

 

「……………………うん」

 

なにこれなにこれなにこれ!? えっ、ほんとなにこれ!?

まさか朝チュン? 朝チュンなの?

と、とりあえず落ち着こう。そしてこのまま二回戦を

 

「そおいっ!!」

 

何考えているんだ僕は!? そもそも一回戦なんてやってないよ! ……ないよね?

ほ、本当に落ち着こう。そして思い出せ、昨日起こった事を!

……そうだ、確か昨日は僕とフランが付き合うことになったのを祝うパーティーが開かれて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明久とフランが無事くっついたことを祝して……」

 

『乾杯!』

 

レミリアの音頭を合図に僕らは一斉にグラスを掲げる。その後引き戻して中身を少し口に含んだ。

……うん、普通にジュースだ。良かった、お酒じゃなくて。レミリア達って未成年なのにこういう祝いの席で平然とお酒とか持ち込むからなぁ……。

 

「それにしてもまさかこんなにも早く付き合うことになるとは思わなかったわ」

 

「確かに。アキは優柔不断だからね、てっきり99年は悩むのかと……」

 

「私は45年だと思ってたー」

 

何か失礼なこと言われてる……。

 

「さすがにそんなには…………かからないよ?」

 

「明久君、そこは断言するところですよ」

 

うん、僕もそう思う……。

 

「ところで明久様、いつフラン様の初めてを奪うんですか?」

 

「ぶほっ!?」

 

「汚なっ(サッ)」

 

コアちゃんの爆弾発言に、僕は思わず口に含んでいたジュースを向かい側に座っていた霊夢に向かって吹き出した。

 

「ご、ごめん霊夢!」

 

「別に良いわよ。避けたし」

 

「え?」

 

避けれたの? 凄っ。

 

「汚ないですよ明久様」

 

「いや、半分はコアちゃんのせいだからね!?」

 

確かに話を聞くときにジュースを口に含んでいた僕も悪いけど……。

 

「……いや、ほとんどうちの妹の責任よ」

 

「えー、今の場面は普通私を庇うところですよね」

 

「……私は事実を言ったまでよ」

 

「むー、お姉ちゃんのいけずぅ。そんなことだからいつまで経っても彼氏が出来ないんですよ」

 

「……別に構わないわ。しばらくは作る気は無いし」

 

しばらくはってことはいつか作るのかな……?

 

「……さて、今度はだいちゃんの番かな?」

 

「…………ふえっ!? ど、どうしてそこで秀吉君が出てくるの!?」

 

「あれ? あたいは秀吉の名前は一回も出してないはずだけど?」

 

「…………あ、あうあう……」

 

あっ、向こうでシェーダさんがいじられてる……。

 

「……私も早く雄二と付き合いたい」

 

「翔子は相変わらず坂本君一途ね。あー、アタシも早くそう想える男性が欲しいなぁ」

 

へー、優子さんでもそう思うんだ……。

 

「……そういえば明久さん、大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

「いえ、いつもより口数が少ないので何かあったんじゃないかと思いましてね」

 

「……いや、大丈夫だよ」

 

「そうですか」

 

嘘だ。本当は余り大丈夫じゃない。

僕は空いている席をちらりと見る。そこは本来なら魔理沙が座る席だ。でも、今回は来ていない。

 

「…………」

 

僕は無事フランと付き合うことが出来た。でもその過程で魔理沙を傷つけてしまった。

 

「次会ったら何て言おう……」

 

ごめんなさい?

いや、それは想いを伝えてくれた魔理沙に失礼だ。

ありがとう?

いや、何に対して?

気にしないで?

……僕の言う台詞じゃ無いよ。

 

「……普通に接しよう」

 

多分それが魔理沙にとっても良いと思うし。

 

「あきひしゃー」

 

「ん? どうしたのフラっ!?」

 

フランに呼ばれたので振り返ってみると、突然唇が塞がれた。

 

フランの唇によって。

 

「んーっ!?」

 

突然のことに戸惑っているとフランの舌が侵入、そのまま僕の舌に絡み付いてきた。

そしてしばらく蹂躙された後、離れてくれた。

その結果、僕とフランの間には唾液による橋が…………じゃない。

 

「なななななな何をするのさ!?」

 

「何ってキスだよー」

 

慌てる僕に対して、平然と答えるフラン。その顔は少し赤く、目もトロンとしている。まるで酔っぱらいのようだ。

……酔っぱらい? まさか……

 

「フラン、さっきまで何飲んでたの?」

 

「これー」

 

僕はフランが渡してくれたグラスの中身の臭いを嗅ぐ。

その中からは、アルコール臭が……

 

「これ酒じゃないか!」

 

くっ、今回は無いと思ったのに……!

 

「あきひしゃー」

 

「うわっ!?」

 

フランに勢いよく抱き着かれ、その勢いで僕は椅子から落ちた。

 

「痛っ!」

 

うぅ、受け身に失敗した。しかもフランに押し倒されるような形になったし……これじゃ身動きが取れないよ。

あれ、これヤバいんじゃない? いや、さすがに考えすぎ――――

 

ガシッ(←フランが僕の服の裾を掴む音)

 

「あきひしゃ、食べて良い?」

 

アカン、食べられる(性的な意味で)。

このままじゃヤバい! こうなったらフランの姉のレミリアに止めてもらおう!

 

「助けて、レミリア!」

 

僕がそう懇願すると、レミリアは微笑んだ後席を立つ。良かった、助けてくれるみたい――――

 

「さあ皆、後は若い者二人に任せて私達邪魔者は退散でもしましょう」

 

「と思った僕が馬鹿だったよちくしょう!」

 

いや、皆なら助けてくれる…………って皆ドアに向かってる!?

 

「ちょっと待むぐっ!?」

 

助けを呼ぼうとした僕の口はフランの唇によって塞がれた。そしてまた口内を蹂躙された後、離れた。

僕の口周りはもうベトベトだよ……。

てかフランが獰猛な笑み浮かべてるんだけど!? これはもう駄目かも分からんね。

 

「あきひ……しゃ……」

 

と、ここでフランが倒れ込んできた。

 

「フラン?」

 

「すーすー」

 

ってあれ? 寝ちゃったのか。

ふぅっ、良かった。さすがにこんな流れでヤるのは勘弁だからね。そもそもこういうのは社会に出てからじゃないとね。

さて、フランをベッドに運ばなきゃ。こんなところで寝てると風邪を引くかもしれないからね。

 

「よっと」

 

僕はフランを右手に首、左手に膝がくるようにして、そのまま持ち上げた。俗に言う、お姫様だっこだ。

そしてそのままフランの部屋へと移動した。

 

 

 

 

 

フランの部屋に到着した僕は真っ先にベッドの近くまで行き、フランをそっとベッドに寝かした。

本当はパジャマに着替えさせてあげたいんだけど、恋人とはいえ僕がやるのは色々とまずいような気がする。まあきっと後で咲夜がやってくれるだろうね。

さて、皆のところに戻――――

 

ガシッ

 

「…………え?」

 

あれ、左腕に何かに掴まれているような違和感が……。

 

「なんうわわっ!?」

 

突如左腕が引っ張られる。

突然のことに抵抗できず、僕はなすがままに引き寄せられ、

 

「えへへ、あきひしゃー(ギュッ)」

 

終着点にいたフランによって抱き締められた。

むぅ、まだ寝てなかったのか。それとも今起きたのかな?

……まあいいや、このまま寝てくれるまで大人しく待とう。どうせ動けないし。

問題は理性のことなんだけど……まあこの程度なら問題無いね。何も着ていないフランが抱き着いてきたってなら話は別だけど。

……ヤバい、想像しただけで鼻が熱く……。

 

「……暑い」

 

……あれ、鼻が熱くじゃなくて暑くだっけ? いや、多分僕で合ってるはずぅっ!?

 

「な、何で脱いでるの!?」

 

気がついたらフランが服を脱ぎ始めていた。

ちょっ、暑いって言ったのって自分が暑かったからかよ!

てかさすがにそれは許容できないんだけど!? 主に僕の理性が!!

とにかく早く止めな――――

 

「フラン止めそおいっ!?」

 

慌てて僕は後ろを向いた。

……いや、止めないといけないのは分かってるよ。でもフラン既に下着姿だったんだよ。それに上はほとんど脱げかかってたし。

そんなのずっと見てたら理性がヤバい。

 

「あきひしゃも脱ご?」

 

凄く強い力で僕の服が引っ張られる。

ヤバい、このままだと大人の階段を昇りそうだ。

さすがに未成年でするのはまずいと思うし、何より酔ったままの勢いで……ってのは避けたい!

とりあえずいったん離れて

 

むにっ

 

「…………」

 

ウワー、ナンカヒダリテニヤワラカイモノガー。

 

 

 

 

 

っとぉっ、危うく理性が飛ぶところだったよ! とにかく一刻も早く――――

 

「っていつの間に裸に!?」

 

早くない!? まだ1分も経ってない気がするんだけど!?

……ええいっ、格好なんて気にしてられるか! とにかく一刻も早くこの部屋を――――

 

「んにゃー(ギュッ)」

 

「*◇#¥☆※◎£¢!?」

 

ぐおぉっ、じ、直に柔らかいものが…………!

てか背中に感じる二つのふくらみってまさかフランの……ってヤバい、この体勢はヤバすぎる! 思わずフランを真正面から抱き締めるほどって何してるんだ僕!?

と、とにかくなにがなんでも引き剥がさないと――――

 

ふにっ

 

「んぅっ」

 

「…………」

 

コンドハヒダリユビニヘンナカンショクガー。

 

 

 

 

 

って今のってまさかフランの――――

 

「んむ」

 

「むぐっ!?」

 

そして本日三度目のディープキス。

……何か、抵抗するのも馬鹿らしくなってきた。体は正直に反応してるし、脱出出来る可能性も無い。

もう、なすがままにヤられてもいいや。

 

「さあフラン、どこからでもかかって――――」

 

「すーすー」

 

……えー、そこで寝ちゃうの? なんかがっかr…………いやいや、これで良かったんだよ。初体験がこんなのにならなくてね。

……それにしても本当に疲れた。もう移動する元気もな……い…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ああ、あの後寝ちゃったのか」

 

だからフランの部屋で寝てたのか。

それにしても昨日は危なかった。理性もぎりぎりまで削られたし。

……まあ

 

「今現在も削られてる最中なんだけどね……!」

 

ヤバい、このままだと本能に従ってフランをヤってしまいそうだ……!

 

『良いじゃないかやっちゃっても。相思相愛の仲なんだしな』

 

君は僕の中の悪魔! 僕を悪の道に引き込む気だな!

だけど残念だったね! 僕の正義の心は君になんかに負けないよ!

 

『こんなやつの言葉に耳を傾けちゃだめだ! そんなことしたらフランたんに嫌われちゃうぞ!』

 

ほら、天使がすぐに来てくれた。フランの呼び方はともかく、言ってることは物凄く正論――――

 

『ここは一生離さないために孕ませる覚悟で――――』

 

おらぁっ!!

 

『ぐごふっ!?』

 

前言撤回。こいつも悪魔だ。

 

『まあまあ落ち着け明久。そもそもそんなこと出来ねえよ』

 

ぐっ……ぼ、僕はそんなヘタレじゃ無いよ!

 

『まあそれもあるが、お前の今の状況を思い出せ』

 

そんなこと言われても、裸のフランにがっしりとホールドされているだけ……そうか!

 

「結局身動きが出来ないから何もできないんだ!」

 

……なんか自分で言ってて悲しくなってきた……。

 

『そうだ、お前のその程度の筋力じゃフランの拘束から逃れることは到底不可能、だからお前はフランを襲うことが出来ない』

 

止めて、追い討ちかけないで!

てかそれじゃあフランが起きるまで僕はこの状況のままってこと?

 

『そういうことだな』

 

「ガッデムッ!!」

 

これじゃあ理性を失うのも時間の問題じゃ無いか!

そうなったらいくら動けなくても何するか分からないよ!?

 

『そうならない方法が一つだけある』

 

マジで!? それってどんなやつなの!?

 

『フランを起こせば良い』

 

…………え、それはちょっと……この状況を見られるのは……。

 

『大丈夫だ、フランはお前のことを信頼している。事情を話せば分かってもらえるさ。

……それとも、フランのことが信じられないのか?』

 

……そうだよね、フランなら分かってくれるよね。

ありがとうね僕の中の悪魔。

 

『気にすんな』

 

さて、そうと決まれば思い立ったら祝日だね。

 

『吉日だ、馬鹿』

 

い、今のは言い間違えただけやい!!

……さっ、フランを起こそう。

 

「フラン、起き――――」

 

「んー(スッ)」

 

「ん?」

 

突如後頭部に手が置かれた。

 

「むー(ギュッ)」

 

そしてそのまま胸に引き寄せられた。

そんなことしたら必然的に顔が胸に当たるわけで……

 

「ЯпоСγψζ↓→←↑℃§*☆!?」

 

当然こうなる。

…………何て言うか、フランって背の割に胸が大きいよね……あー、むしゃぶりつきたいって何考えてるんだ僕は!?

こ、これは理性が吹き飛ぶ前に何がなんでも離れないと!

僕はじたばたして脱出を試みた。

 

ズブッ

 

「んんっ」

 

「…………」

 

ウワッ、ユビガヘンナトコロニハイッタ。

 

「にゅぎゅあっ!?」

 

慌てて指を抜く。

い、今のってフランの…………駄目だ、考えちゃ駄目だ!

は、早くフランを起こさないと……!

 

「フラン、起――――」

 

コンコンコン(←ドアがノックされる音)

 

『妹様、もうそろそろ起床のお時間です』

 

…………ああ、そういえばここフランの部屋だっけ…………ってヤバい、こんなところ見られたら確実に誤解される!

 

『……起きていないのですか? それでは……』

 

「ちょっ、ちょっと待った!!」

 

僕は咲夜が入ってくるのを大声で制止した。

 

『……なぜ明久様が妹様の部屋にいるのですか?』

 

……ヤバい、止められたのは良いけど言い訳を全然考えてなかった。

が、頑張れ吉井明久! 最良の理由を考えるんだ! えっと、女の子の部屋に入る全うな理由を答えれば良いんだよね。でも一体どんなのが……?

と、ここで視界ぎりぎりの場所にフランの下着が見えた。

これだ!

 

「フランの下着の物色にってアホか僕は!?」

 

どう考えても全うな理由じゃないよこれ! てかこれだったら誤解された方がまだマシだ!

 

『……いくら妹様の彼氏とはいえ、さすがにそれは…………』

 

うわっ、やっばり引かれた! どうする? 本当の事を話す? でも一体どう説明すれば――――

 

『……というのは冗談です』

 

…………え?

 

『本当は妹様と裸で抱き合っているのでしょう?』

 

「何でそれを!?」

 

エスパー!? 咲夜はエスパーなの!?

 

『夜に一回様子を見に行きましたから』

 

…………え? 見られたの? この状況を?

 

「ねえ、ひょっとしてレミリアに報告を……?」

 

『しっかりとしましたが?』

 

「ガッデム!!」

 

もう手遅れだった!!

 

『それでは馬に蹴られたくないので、私は退散しますね』

 

「ちょっと待って! それ誤解!!」

 

僕の声も虚しく、足音は遠ざかっていった。

うぅ、絶対に今日皆にからかわれる…………そして夕飯は赤飯だ……。

 

「んー、あきひさうるさい……」

 

と、ここでフランが左手で目を擦りながら起き上がってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……んー……もう朝、なのかな……? でもまだ寝ていたい……。この抱き心地が良いのを手離したくないし……。

 

「……ん?」

 

わたし、何かを抱き締めてる? 一体何を? ……まあ抱き心地が良いから何でもいいや。

さて、このまま夢の中に――――

 

「ちょっと待って! それ誤解!!」

 

…………眠気、吹き飛んじゃった。

むーあきひさめ、後もう少しで夢の中だったのに……。

わたしは目を擦りながら起き上がって、原因のあきひさをジト目で…………。

 

「……何であきひさ裸なの?」

 

「あー、えっと、それは……」

 

あきひさの明らかに怪しげな態度を疑問に思いながらも周囲を確認。

……あれ? 何で服が脱ぎ捨てられてるの? ならわたし今何着て…………

 

「…………え?」

 

何も着てない……?

 

「あきひさ……?」

 

「あー、えーっと、フラン、昨日の事覚えてる?」

 

「昨日?」

 

えっと確か昨日はわたし達の為にパーティーが開かれて、そこで出されたジュースを飲んだら急に気分が変な感じになって、それであきひさに…………

 

「…………」

 

えっ、いや、そんなことは……でもその後記憶に無いし……

 

「ね、ねえあきひさ、昨日出された飲み物ってお酒?」

 

「フランのだけね……」

 

……つまりわたしは酔った勢いであきひさを……

 

「そ、そんな訳…………」

 

いや、否定出来ないや……。

 

「…………」

 

わたしはショックのあまりその場に崩れ落ちた。

 

「ご、ごめんフラン! 僕が弱かったばっかりにこんなことになって……!」

 

さ、最悪だよ……。

 

「初めては普通に捧げたかったのに……」

 

「そこ!?」

 

「え?」

 

わたし、何か可笑しい事言ったかな?

 

「いや、そこはさすがにそこまでは許してなかったとかそういうのだと思って……」

 

……全くあきひさは何言ってるんだか。

 

「そんなわけ無いよ」

 

そう、そんなわけ無い。だって…………

 

「あきひさになら、何されても良いから」

 

…………うぅ、やっぱりちょっと恥ずかしいよぉ……。

 

「フラン!」

 

「きゃっ」

 

突如あきひさに押し倒された。

 

「あきひむぐっ」

 

わたしの口があきひさの唇によって塞がれ、間を置くことなくあきひさの舌が入ってきた。

 

「んん……れろ……ちゅぱ……」

 

そのままあきひさによって舌を蹂躙される。さすがにやられッぱなしは嫌だからわたしも負けじと奮闘した。

 

「ぷはっ」

 

その十数秒の攻防戦の後、あきひさが唇を離してくれた。わたし達の間に唾液の橋が出来、そしてプツンと切れた。

あー、あきひさの舌おいしかった……じゃなくて

 

「むー、いきなりは酷いよ」

 

「ご、ごめん。フランが可愛くてつい……」

 

「別に謝らなくて良いよ…………ただし」

 

わたしはあきひさを抱き締めてそのまま半回転。あきひさが行動する前に向きを変え、あきひさのアレを掴んだ。

 

「もう我慢出来ないから覚悟してね」

 

そしてわたしはあきひさのアレにしゃぶりついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果的に言うと、僕はフランと何回か交わった。

……本当は一回だけにしようと思ってたんだけど、終始フランに主導権握られてたのが悔しくてつい…………おかげで何回も中に出しちゃったし……。

そのことをフランに謝ったら

 

「別に良いよ。でも次は負けないからね!

…………え? そっちじゃない? 中に出しちゃったこと? どうしてそんなことで謝ってるの?

……妊娠するから? あきひさは子供嫌いなの?

……ああ、そう言う事。別に良いよ、その時はその時だし」

 

とか言われたし……。

……まあ、後悔はしてないけどね。フランと一つになれて僕も嬉しかったし。

……だけど……

 

「じゃあ明久とフランが初体験を済ましたことを祝して」

 

『乾杯!!』

 

……その事を祝うのは勘弁して欲しかったよ……。




お酒は二十歳になってから。高校生になるまで甘酒もお酒だと思ってたゆっくりとの約束だよ♪

……こんなあまりエロスがないやつ書いてしまって申し訳ありません。
次回からはこうならないように気をつけたいと思います。


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???
不機嫌黒兎


この小説には以下の要素が含まれています。
・まだプロット段階のリメイク新作の番外編
・オリキャラ視点
・「天才とゲーマーと召喚獣」の圧倒的ネタバレ
・明久君どこ……ここ……?
・眠くてこれ以上思いつかない

ではどうぞ。


「あ」

 

ボタンを押し間違え、思わず声が漏れた。

僕の視線の先にあるテレビの画面では、宙に浮いた大陸から無様に落下していく男と、それを見下ろす女の姿。そして男はそのまま画面外に消え、画面中央にでかでかと「GAME SET」という文字が現れる。

ほどなくして画面は変わり、先ほど見下ろしていた女がポーズを決めていた。と思ったら多くのキャラクターが写っている画面に戻り、そしてすぐ色々な景色が写る画面になり、それをじっくりと見る間もなく、先ほどの大地で二人のキャラクターが対峙する画面になる。

僕は下ろしていた腕を上げ、コントローラーを構えながらも、隣に座る兎耳パーカー少女をチラリと見る。

 

「…………(むすーっ)」

 

彼女はフードを被っていて表情は見えずらいが、それでもわかるほど不機嫌そうな表情をしていた。

そのことに内心ため息を吐きつつも携帯を一瞬視界に捉えながらも視線を戻した僕の目が捉えたのは、先ほどの男が落ちていく姿だった。

 

「やべっ」

 

一瞬目を離した隙にとんでもないことに! まあでもまだ間に合う。急いで復帰を……!

 

「あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やーめた」

 

あの無様な落下芸から20連敗後、隣の彼女―――ゆかりはコントローラーを床にゆっくりと置きながらそう言い放った。

時計を見ると、7時をさしていた。始めたのは5時だから2時間も経っていたのか。

 

「やめたって……もうやめるのか? まだ2時間しかやってないぞ?」

 

……自分で言っておいてなんだが、2時間もやれば十分では?

いや、まあゆかりは時間が許す限りやり続けるからこの指摘は不自然ではないが。

 

「だって翼輝弱いし」

 

「うぐっ」

 

わりと単純で酷い理由だった。

このゲーム数回しかやったことないし、そもそもゲーム自体あまりやらないからそう言われてもしょうがないんだけど、こうまではっきり言われるとさすがに傷つく。

 

「動きワンパターンだし、二回に一回は勝手に落ちていくし、限界まで手加減しても1ストすら落とせないし。下手すると最弱CPUより弱いんじゃないの?」

 

……さすがに……傷つく……。

まあでも予想はついていた。ゲームやっている最中ずっと不機嫌だったし。

 

「まあそれよりも気に入らないのは」

 

ゲームの片付けをしていたゆかりが僕をジト目で見る。

 

「集中してやってなかったこと」

 

ゆかりの紫の瞳が僕を捉える。

 

「……いや、本気でやってたよ」

 

後ろめたい気持ちを隠しながら、僕はそう嘘を吐く。

 

「それにしてはさっきから私のことチラチラと見てなかった?」

 

「いや、まあちょっと今更ながらパーカーの兎耳が気になって「それに」」

 

僕のしどろもどろな言い訳に対し、ゆかりが言葉を続ける。

 

「スマホも、見てたよね?」

 

「……っ!」

 

しまった、気にしすぎた……!

 

「時間も気にしてたし。誰かから連絡くるの待ってたのかな?」

 

「……いや、別に」

 

嘘だ、図星だ。

実は彼女に対し、僕はとある隠し事をしている。といっても彼女にとって悪い事ではない。むしろ良い事だ。

ただ彼女に言ってしまったら台無しになってしまう。だからこそ隠し通さなきゃならないんだが……。

 

「ねえ」

 

「うおっ」

 

ゆかりの顔が近づき、思わず後ずさる。

 

「何か隠してない?」

 

「隠してなんか「教えて」」

 

ゆかりの追求に、冷や汗が流れるのを感じる。

いつものゆかりならちょっとの隠し事なら見逃してくれる。でも今の状態のゆかりは絶対に見逃してくれない。ここで適当な嘘を言ってもおそらくすぐ見抜かれるだろう。

だからといってばらすわけにはいかない。今頃皆一生懸命準備しているはずだ。だから僕は足止め役をきっちりと果たさないとな。

 

「ごめん、今は話せない」

 

ということで正直に話せないことを話した。まあ誰も今日が彼女にとって特別な日であることを話していない。僕らの計画に辿りつくことはないだろう。

 

「……そっか」

 

 

ゆかりはあっさりと僕から距離を置く。さすがにもう少し問答が続くと思っていた僕としてはこれは予想外だ。

ただそれよりも気になるのはゆかりが今顔を伏せたことだ。それはまるで何かを堪えているように感じた。

 

「どうしたんだよ、ゆかり」

 

気になって思わず声をかける。

 

「……翼輝は今日が私の誕生日ってこと知ってた?」

 

それに対し、ゆかりからとんできたのはそんな質問だった。

 

「それは……」

 

もちろん知っている。でも……

 

「……すまん、忘れてた」

 

正直に言うことはできなかった。

なぜなら僕らが計画しているのは―――――

 

「……そっか……」

 

ゆかりのとてつもなく落ち込んだ声。

 

「翼輝だけには、覚えていてほしかったな」

 

そんな彼女の頬から、涙が流れた。

 

「ゆかり……」

 

……ああ、そうか。

考えてみればあいつがゲームで不機嫌になることは基本的に無い。あいつが不機嫌だった本当の理由は、皆がゆかりの誕生日を話題に出さなかったこと。自分が生まれた日を祝ってほしかったんだ!

ああくそ、最悪だ。僕たちがよかれと思っていたことが、ゆかりを傷つけてしまった。

 

 

 

……しょうがない。みんな、ごめん。

 

「ちょっと待ってろ」

 

ゆかりにそう断りをいれ、自分の机の引き出しから、綺麗に包装された箱を取り出す。

そしてゆかりに近づき、その箱を差し出した。

 

「お誕生日おめでとう、ゆかり」

 

もちろん、決まり文句も忘れずにな。

 

「これって……」

 

その箱を見たゆかりの目が、驚きで見開く。

 

「そう、プレゼントだよ」

 

「でもさっき忘れてたって」

 

「すまん、あれ嘘」

 

とりあえず中々受け取らないゆかりに強引に渡しておく。

 

「実はちょっとサプライズがしてみたくてな。騙してごめんな」

 

「う、ううん。大丈夫。

ねえ、開けてみていい?」

 

「ああ」

 

ゆかりが包装を綺麗に取り外し、中の箱を開ける。

 

「わあ……」

 

その中にあったのは、兎の顔が入った月が付いた、黒色と金色のヘッドホンだった。

ゆかりはそれを手に取って様々な角度で眺める。その目はとてもキラキラとしていた。

 

「えへへ、似合うかな」

 

ゆかりがヘッドホンを装着しながらそう聞いてくる。

 

「すごい可愛いよ」

 

事実、いつもの彼女とは違って、何というか大人の魅力というものを感じる。我ながら良いものを作ったなこれ。

 

「えへへへへへへへ」

 

そしてこの感じだとゆかりも気に入ってくれたみたいだ。良かった。

 

「翼輝!」

 

ゆかりが飛び込んでくる。

 

「わっと」

 

僕はそれを抱きしめる。

 

「すてきなプレゼントありがとう。これだけで私はもう満足だよ」

 

それは彼氏として冥利につきるな。だけどな。

 

「おっと、満足するにはまだ早いぞ」

 

「え?」

 

僕はゆかりをゆっくりと引き離し、さっきから震えている携帯をポケットにしまう。

 

「ついてきな」

 

「え、う、うん」

 

そして僕とゆかりが向かった先はいつもの研究室。そのドアの前に立つ。

 

「じゃあゆかり、先に入りな」

 

「ここに何かあるの?」

 

「さあな。知りたかったら自分の目で確かめてみな」

 

僕の言葉にゆかりが、ドアを恐る恐る開ける。

 

 

 

 

 

『お誕生日、おめでとう!』

 

 

 

 

 

その声とともにいくつもの爆発音と紙吹雪がゆかりを出迎える。

 

「え? え? え?」

 

ゆかりはあまりのことに理解が追いついていないのか、困惑しながら辺りを見渡している。

そんなゆかりの姿に苦笑しながらも、僕は中に入る。

部屋の中は色とりどりの飾りつけでいっぱいだった。そして部屋の中央には、豪勢な料理が所狭しと並んでいた。

 

「えっと……翼輝、これって一体……?」

 

「サプライズパーティーよ」

 

まだ困惑しているゆかりの前に、パーティーの主催者(くろまく)であるレミリアが歩み寄る。

 

「貴女が誕生日を祝われたことがないってそこのフライング野郎に聞いたのよ。で、折角の初めてならこれぐらい盛大にした方が思い出に残ると思ってね」

 

そう力説するレミリア。でも多分ゆかり聞いてないぞ。まだ頭の整理できてなさそう。

てかフライング野郎ってもしかして僕のこと?

 

「といっても盛大に祝おうと提案したのはそこの足止め失格だけれど」

 

いやそれ秘密にしてって言ったはずだけど!?

てか足止め失格って! できてたからな! 失格じゃないからな!

 

「翼輝?」

 

「あー、いや、まあ、ゆかりを喜ばせたいと思ってさ。なんたって僕の……彼女、なんだし」

 

あー恥ずかし! だから言って欲しくなかったんだが!

 

「ありがと、翼輝」

 

「お、おう」

 

ああ、さすがにこれは照れるな。

 

「そこー! いちゃいちゃしてないで早く席につけー!」

 

誕生日席に座っている妹から声がかかる。

 

「あっ、そういえばあかりちゃんも今日誕生日だったね」

 

「ああ。だからあいつも今日の主役だ。ゆかり一人だけじゃなくて悪いな」

 

「ううん。大丈夫」

 

っと、座ってないのは僕らだけか。

 

「じゃあ行こうか、ゆかり」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生まれてきてくれてありがとう、ゆかり。




はい、というわけで結月ゆかり生誕祭2020作品です。

なんか置いてけぼりにしちゃってごめんね。でもどうしても書きたかったんや……。

まあとりあえずこんな二人も登場するよっていう紹介ってことで。
因みに二人とも明久より3歳年上なのでそこまで登場はしないかも。

では次はリメイク作品を投稿したときに会いましょう。




え? 進み具合?

…………うん!


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