自由と白式 (黒牙雷真)
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自由と百式

 

 

名前【黒牙 雷真 】

 

15歳 (実際は18歳)

 

 

作者より。

 

名前が同じなのは名前が思いつかないからです。

 

 

ごめんなさいm(__)m

 

 

経歴

 

 

雷真は転生者であり。また過去に2年間、行方不明になっている。だが実際はあり得ないことにC.E.に来てしまい。70年~74年まで、約4年間の間、キラ、アスランたちとモビルスーツに乗り戦うことになった。そして、元の世界に戻ると幼馴染の更識の屋敷に倒れていた。

その時に雷真の体には『IS』となった【ストライク】があったことにより、世界で二番目の男性操縦者に抜擢される

 

専用機【GAT-X 105 ストライク】

 

待機状態 羽の首飾り

 

【特典能力】

 

 

スーパーコーディネーター

 

SEED覚醒

 

ガンダムの復元 (どんな機体も作ることができる)

 

 

【趣味】

 

機械弄り :VRゲームを簡単に作れるほど

(キラとアスランの影響)

 

海と青空の観察 (キラの影響)

 

データのハッキング (キラの影響)

 

ピアノ (ラクスの影響)

 

 

 

【ヒロイン】

 

 

 

更識刀奈 (婚約者)

 

更識簪

 

シャルロット・デュノア

 

 

 

専用機

 

 

【GAT-X 105 ストライク】

 

 

装備は原作通り

 

 

 

【バックパック】

 

 

 

エール、ソード、ランチャー、マルチプル、IWSP、オオトリ

 

【性能】

 

フェイズシフト装甲

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

更識刀奈

 

 

15歳 (簪とは双子の姉)

 

 

雷真とは幼馴染で、過去に簪と誘拐された時に雷真の手によって救出される。それにより刀奈は雷真にベタ惚れ。自ら、両親に雷真と結婚すると告げ、、雷真と婚約関係になる。だがある日、雷真が行方不明になるとショックにより部屋に引きこもってしまう。簪によりなんとか改善する。

それから二年後、雷真が屋敷に倒れており、泣きながら帰ってきたことを喜んだ。

そして、雷真がISを持っていることを知ったことにより、雷真もIS学園に連れていくことにする

また、まだ『楯無』を襲名していない

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

更識簪

 

15歳 (刀奈とは双子の妹)

 

 

過去に刀奈と共に誘拐されてしまう。しかし、雷真によって救出される。それにより、簪は雷真に惚れるが、内気な生活なため雷真に告白できずに姉が雷真と婚約関係になってしまう。けれど姉の刀奈は簪と二人で雷真に奥さんに成る気満々だということを知らない。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

シャルロット・デュノア

 

15歳

 

 

フランス代表候補生として日本のIS学園に編入、そして男性操縦者である、一夏と雷真のデータを入手しようとするが雷真にバレてしまい、自分のことを全て話す。

フランスのやり方に激怒した雷真はフランスのネットにハッキングをし、シャルロットを救う

これにより、シャルロットも雷真に惚れてしまう。

 

 

 




今作は既存の作品と似ているかもしれませんが

楽しんでいただければ嬉しいです。

また作者は豆腐メンタルなので批判等のことコメントは

やめてください。お願いします。


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第1話





誰か声が聞こえる、辺りは真っ暗なのに……。

 

 

『卑怯だ、あなたたちは! そして、この艦にはMS(モビルスーツ)はあれしかなくて、今扱えるのは僕と彼だけだって言うんでしょ!!』

 

『気持ちだけで…… いったい何が守れるっていうんだっ!!』

 

『僕は……僕は……! 殺したくなんかないのにィィィ!』

 

『力だけが僕の全てじゃない!』

 

 

今度は違う声が聞こえる。

 

 

 

『言ったはずだぞ! 戦争に明確な終わりのルールなどないと!!』

 

『戦うしかなかろう!お互いに敵である限り!どちらが滅びるまでなァ!!』

 

 

 

まただ、今度違う人の声だ……。

 

 

『なんでこんなことを……。また戦争がしたいのか、あんた達は!?』

 

『どうしてこんな事を……そんなに殺したいのか!?』

 

『アンタは俺が撃つ、今日……ここで!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「ん、ん~。今の夢の声は確か……」

 

 

俺は今さっき見ていた夢の声が昔の戦友たちの声に似ていたことで考えていた。すると……。

 

 

???「雷真、起きてる?入るわよ?」

 

雷真「おい、刀奈。俺が返事をする前に部屋に入ってくるな」

 

刀奈「今さら何を言ってるのよ。それに簪ちゃんの美味しい朝ごはんが待ってるわよ」

 

雷真「今日は簪の当番か……」

 

刀奈「そうよ。だから早く制服に着替えて朝ごはんを食べるわよ」

 

雷真「へ~い」

 

 

そう返事をすると刀奈は部屋を出ていき下に降りる。

 

 

雷真「もう、あれから半年か……」

 

 

そう、俺は過去に行方不明と言うより異世界転移をしたらしく、こっちでは俺は二年間も行方不明になっていたらしい。実際のところ俺は、戦争のある世界でデカイロボットに乗って四年間も戦っていたのだ。

 

 

雷真「よし、行きますか」

 

 

俺はとある学園の制服に着替えて刀奈とその双子の妹の簪がいるリビングに向かう。

 

 

「「いただきます!」」

 

 

三人でごはん前の挨拶をして、簪特製の朝食を食べる。

 

 

刀奈「ああ、そうそう。雷真」

 

雷真「ん、なんだ刀奈?」

 

刀奈「アナタのIS学園への入学はイレギュラーだから、最初に職員室に来てほしいって担当の人から通知が来てるわよ?」

 

雷真「はぁ?俺、それ知らないんだけど?」

 

簪「だって雷真……部屋に籠って機械を弄ってたじゃん」

 

雷真「いや簪、あれはパソコンの調子が悪くてだな……」

 

刀奈「そんなことは、どうでもいいから。私は

ちゃんと伝えたわよ」

 

雷真「わかったよ……」

 

刀奈「それと、綺麗な先生に手を出したらわかってるわよね?」クロイエガオ

 

雷真「わ、わかってるから。そんな目をしないでくれよ刀奈……」ダラダラ

 

「「ご馳走さまでした!」」

 

 

俺たちは朝食を食べ終わったあと、それぞれの食器を流しに持っていき洗ってから、最後の準備をして、玄関に向かう。

 

 

更識父「ああ、雷真君。ちょっと待ってくれ」

 

雷真「なんですかお義父さん」

 

 

俺は刀奈と婚約しているので現当主の楯無さんは、俺の義理の父親になる。

 

 

更識父「何、刀奈と簪のことを頼んだよ、と言いたかっただけだよ」

 

雷真「わかってます」

 

「「それじゃあ、行ってきます!」」

 

更識父「気をつけて行ってくるんだよ」

 

 

俺たちはお義父さんに見送られ、玄関を出るとすぐにあるバトルが勃発した。

 

 

刀奈「さぁ、簪ちゃん。今回もやるわよ」

 

簪「うん。今回は負けないよ、お姉ちゃん」

 

「「最初は、グー、ジャンケン、ポン!」」

 

刀奈「やったー、またお姉ちゃんの勝ち!」

 

簪「また負けた……」

 

 

二人は俺のバイクの後部座席をかけた勝負をしていたみたいだ。

 

 

雷真「ドンマイ、簪。また今度、乗っけてやるから、な?」

 

簪「うん……」

 

刀奈「あっ、ズルい!私も私もー!!」

 

雷真「わかったから、わかったから、それよかホレ!」

 

 

俺は刀奈にバイクのヘルメットを投げ渡した。

 

 

刀奈「ありがとう、雷真」

 

 

それを受け取った刀奈はヘルメットをかぶり、バイクの後部座席に座る。

 

 

雷真「それじゃ、簪。先に行ってるからな?」

 

簪「うん、私もすぐに行くから」

 

雷真「了解。刀奈、しっかりと掴まってろよ?」

 

刀奈「わかったわ」

 

 

俺は自分のバイクである。【ビートチェイサー2000】のエンジンを入れて、IS学園に向かう。それと俺のバイクが何故、ビートチェイサーなのかは、子供のころに借りて見た、仮面ライダーのアニメのバイクで一番こいつがカッコいいからである、また子供のころにお義父さんにねだったらそれを複製させるのと改造で約三年かけて作ってくれたらしい。マジで感謝しても仕切れないぜ……。

 

 

雷真「着いたぞ、刀奈」

 

刀奈「ありがとう、雷真。私は先に行ってるから、また後でね」

 

雷真「ああ、また後でな。(早く、俺も職員室に行こう。周りの女子から見られてるし)」

 

 

俺は刀奈をバイクから降ろして、とっとと職員室に向かうことにした。

 

 

雷真「失礼しまーす。今回、二人目の男性IS操縦者になった。黒牙雷真です。担当の方はいらっしゃいますか?」

 

 

俺が職員室の中でそう尋ねると一人の女性が俺の前にきた。

 

 

???「その担当者は私だ。名前は織斑千冬。お前の

担任だ」

 

 

へぇ~、織斑先生ね。……って、ええええ!?

あの最強のブリュンヒルデ!?それにこの人の立ち位置は……

 

 

雷真「織斑先生。失礼ですが、過去に軍か何かにいましたか?」

 

千冬「ああ、一年ほどドイツにな。それにしても、よくわかったな」

 

雷真「いえ、ただ軍人独特の立ち位置と立ち方をしていたので」

 

千冬「ほう、黒牙の両親は軍人なのか?」

 

雷真「いえ、自分の両親は、自分が3歳のころに自分を捨て消息を断ったので……」

 

千冬「すまない。辛い話しをさせた」

 

雷真「大丈夫です。今は新しい家族と婚約者もいますから」

 

千冬「そうか。それと私も弟とともに実の両親に捨てられた人間だ」

 

雷真「そうですか……」

 

千冬「それでは、教室に向かうぞ」

 

雷真「は、はい!」

 

 

それからは、織斑先生に付いていき教室前になると。

 

 

千冬「お前は少しここで待っていろ、私が呼んだら入ってこい」

 

雷真「わかりました」

 

 

俺の返事を聞いた織斑先生は教室に入っていくと

もう一人の男性IS操縦者が自己紹介をしている最中らしい。それとここからでも聞こえるが多分、黒板の近くにいる女性が副担任の先生だ。

 

 

???「織斑一夏です。よろしくお願いします。以上です」

 

 

すると女子たちは何かを期待してたのかズッコける音がこちらまで聞こえた。

 

 

一夏「えっ?駄目でした?」

 

 

織斑とか言う男子が残念な自己紹介をしたら織斑先生がそいつに拳骨をおとした。

 

 

一夏「痛ってえええ、げっ!千冬姉!」

 

 

織斑が先生をそう呼ぶとまた拳骨が降りおりた。

 

 

千冬「学校では織斑先生だ」

 

山田「先生、もう会議は終わられたんですか?」

 

千冬「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けて悪かったな」

 

千冬「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物にするのが仕事だ」

 

 

織斑先生がクラスの中で、そう自己紹介をすると

女子たちの黄色い歓声が響く。

 

 

女子「「キャアアアアア!!」」

 

女子「千冬様、本物の千冬様よ!!」

 

女子「私、お姉様に憧れて、この学園に来たんです。北九州から」

 

 

俺は教室の外から、こう思った。

 

 

雷真「……。(おい、マジか……。こいつらはISが兵器だと言うことを理解しているのか?)」

 

千冬「はぁ~、よくもまぁ毎年、これだけバカどもが集まることだ。私のところだけに集まるようにしているのか?」

 

女子「千冬様、私をもっと叱って罵って!」

 

女子「時には優しくして!」

 

 

最後の女子の話を聞いて…………。

 

 

雷真「変態しか、ここにはいないのかよ?」

 

千冬「で、まともに挨拶も満足に出来んのか、お前は?」

 

一夏「いや、千冬姉、俺は……」

 

 

織斑が先生のことを千冬姉と呼ぶと、また凄い音が聞こえてきた。

 

 

雷真「やはり、姉弟か」

 

千冬「織斑先生と呼べ」

 

一夏「はい、織斑先生……」

 

千冬「あっ、それともう一人、このクラスに男子が入る」

 

みんな「えええええ!!」

 

千冬「入ってこい!」

 

 

俺は呼ばれたので教室に入り自己紹介をする、

 

 

雷真「え~、黒牙雷真です。趣味は機械弄りと青空と海の観察、他には多少ですがピアノができます。それと、そこの更識刀奈さんと自分は婚約しています。三年間、よろしく」

 

千冬「多少いらない部分もあったが自己紹介とは、ああやってするものだ。わかったな、織斑」

 

一夏「は、はい」

 

千冬「それでは、これから授業を始めるぞ」

 

 

 

それからは山田先生が主体の授業が始まった。

 

 

 

山田「皆さんも知っている通り、ISの正式名称は『インフィニット・ストラトス』、日本で開発されたマルチフォームスーツです。10年前に開発された。当初は宇宙空間での活動が想定されていましたが、現在は停滞中です。アラスカ条約によって軍事利用は禁止されているので、今ではもっぱら競技種目、スポーツとして利用されていますね。そして、このIS学園は世界で唯一のIS操縦者育成を目的とした教育機関です。」

 

山田「世界中から大勢の生徒が集まって操縦者になるために日々努力しています。様々な国の若者たちが自分たちの技術向上をさせようとしているんです。では、今日から三年間、しっかり勉強をしましょうね」

 

みんな「はい!」

 

雷真「俺はただ、のんびりとした戦争の無い世界であれば構わないよ」ボソッ

 

 

休み時間になると、やはりと言うべきか周りが五月蝿いのである。なので、俺はスマホでメモデフをやっていた。すると織斑がこちらにやってきた。

 

 

一夏「なあ、黒牙。お互いにこの学園で数少ない男子同士だから仲良くしてくれないか?」

 

雷真「いいぜ。それと俺は雷真で構わない。代わりに一夏と呼ばせてもらう」

 

一夏「ああ。よろしくな雷真」

 

雷真「ああ、よろしくな一夏」

 

 

俺と一夏は互いに握手をした。それを見ていたのか一人の女子がこちらに寄ってきた。

 

 

???「すまない、一夏を借りていいか?」

 

雷真「えっ?一夏、こちらさんは?」

 

一夏「ああ、俺の幼馴染で篠ノ之箒だ」

 

雷真「そうか、俺は黒牙雷真だ。よろしくな篠ノ之」

 

箒「箒でいい。名字で呼ばれるのは、あまり好かないんだ」

 

雷真「そうだな、姉がISの産みの親でも、妹のお前さんには関係ないもんな。よし、わかった箒。俺も雷真で構わないぜ」

 

箒「そうか、ならそう呼ばせてもらう」

 

雷真「ああ、よろしくな箒」

 

 

俺は箒と握手する。

 

 

雷真「それと一夏に用があるんだろ?」

 

箒「ああ、一夏、付いてきてくれ」

 

一夏「わかった。雷真、また後でな」

 

雷真「おう、また後でな」

 

 

俺は一夏に手を振り見送る。

 

 

???「ライライは相変わらず、すぐに友達をつくるね。それも男女構わず」

 

???「本当にね」

 

雷真「そうか?俺はそんなこと考えたこともないぞ?本音、刀奈」

 

刀奈「そうよ。行方不明からたった半年で足らずで友達とか普通はできないわよ」

 

本音「まあ~、ライライだからね~」

 

雷真「おい、本音。それは褒め言葉なのか?」

 

本音「誉めてるよ~」

 

本音「一応は」ボソッ

 

雷真「本音、最後の言葉は聞こえてるからな。お前のお菓子を簪に頼んで没収してもいいし。俺の手作りお菓子を無くしてもいいんだぞ?」

 

本音「そんな殺生な~!」

 

雷真「そろそろ次の授業が始まるぞ、戻れ」

 

 

二限の授業が始まると一夏は、なんか頭を抱えていた。

 

 

山田「では、ここまでで質問がある人?」

 

一夏「…………」

 

雷真「大丈夫か?一夏の奴」

 

山田「織斑君、何かありますか?」

 

一夏「グアッ!!え、えっと……」

 

山田「質問があったら聞いてくださいね、何せ私先生ですから」ニコ

 

 

すると一夏は手をあげた。

 

 

一夏「先生……」

 

山田「はい、織斑君」

 

一夏「ほとんど全部わかりません」

 

山田「えっ、全部ですか……」

 

 

山田先生は一夏の言葉を聞いて困惑していた。

 

 

山田「今の段階でわからないっていう人はどのくらい居ますか?」

 

 

俺も含めて誰も手をあげない。

 

 

千冬「黒牙、お前は理解しているのか?」

 

黒牙「多少はわかりませんが、今のところは配布された参考本に載っていたので理解できています。また刀奈さんに手伝ってもらい。3日で半分暗記しました」

 

千冬「そうか、わかった。織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

一夏「え~、あっ!あの分厚いやつですか?」

 

千冬「そうだ。必読と書いてあったはずだが」

 

一夏「あ……間違えて捨てました」

 

 

一夏がそう答えると織斑先生は手に持っていた。

出席簿で顔面をぶっ叩いた。

 

 

千冬「あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ」

 

雷真「一週間も猶予を与えるなんて、織斑先生は優しいな」

 

 

雷真の考えはコーディネーターたちによって変化しているため異常である。

 

 

一夏「いや、一週間であの厚さはちょっと……」

 

千冬「やれと言っている。それと黒牙、貴様の中では私は何日間猶予を与えると思っていた」

 

雷真「はい、最低でも1日、長くても4日です」

 

千冬「貴様はそれができるのか?」

 

雷真「暗記をするに関しては1日あれば」

 

千冬「更識、こいつが言っているのは本当か?」

 

刀奈「それが事実なので、私も困っています」

 

千冬「そうか」

 

 

それなら滞りなく授業は進み休み時間になる。

 

 

雷真「一夏、大丈夫か?特に頭」

 

一夏「大丈夫じゃ……ない」

 

雷真「だろうな」

 

???「ちょっとよろしくて?」

 

一夏「あ?」

 

雷真「ん?」

 

???「まー!何ですの、そのお返事!私に話かけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

一夏「悪いな。俺、君が誰だか知らないし」

 

雷真「同じく、なんせ行方不明からまだ半年しか経ってないんでね」

 

一夏「えっ、雷真、お前、行方不明になってたのか!?」

 

雷真「ああ、約二年ほどな。気づいたら刀奈の家の庭に倒れてたらしいしな」

 

???「そちらの方は仕方ないですが。貴方はこの私セシリア・オルコットを知らない?イギリス代表候補生で、入試主席のこの私を!?」

 

一夏「あっ、質問いいか?」

 

セシリア「フンッ、下々者の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

一夏「代表候補生ってなに?」

 

 

それを聞いた俺を含めた生徒はギャグマンガのようにズッコけた。

 

 

一夏「あ?」

 

セシリア「信じられませんわ!日本の男性というのはこれほど知識が乏しい者なのかしら、常識ですわよ、常識」

 

雷真「すまない、オルコット。多分、こいつだけだと思う。それにさっき一限の時に織斑先生から参考書を捨てて鉄拳をくらうほどだ」

 

セシリア「そうでしたわね。はぁ……」

 

一夏「で、代表候補生って?」

 

雷真「一夏。代表候補生とは字の如くだ。簡単に言えばオリンピック選手のIS版でエリートってことだよ」

 

セシリア「そう、エリートなのですわ!本来なら私のような選ばれた人間とクラスを同じくするというだけでも奇跡、幸運なのよ。その現実をもっと理解していただける?」

 

一夏「そうか、それはラッキーだ」

 

セシリア「バカにしていますの?」

 

一夏「お前が幸運だって言ったんじゃないか」

 

セシリア「それに何も知らない癖によくこの学園に入れましたわね。ただ男性でISを操縦できると聞いていましたが期待外れですわね」

 

一夏「俺に何か期待されても困るんだが」

 

セシリア「まー、でも、私は優秀ですから貴殿方のような人間にも優しくしてあげますわよ?わからないことがあれば……。まぁ、泣いて頼まれれば教えて差し上げてもよくってよ?何せ、私は入試で唯一教官を倒した、エリート中のエリートですから!」

 

一夏「あれ?俺も倒したぞ教官」

 

セシリア「はぁぁあ!?」

 

一夏「倒したっていうか……。いきなり突っ込んで来たのを躱わしたら、壁にぶつかってそのまま動かなくなったんだけど」

 

セシリア「私だけと聞きましたわ」

 

一夏「女子ではってオチじゃないのか?」

 

セシリア「貴方!貴方も教官を倒したって言うの!!」

 

オルコットはあまりのことに勢いよく一夏に詰め寄る

 

一夏「えっと……落ち着けよ、なあ?」

 

セシリア「こ、これが落ち着いてなんていられま……」

 

 

 

オルコットが言い切る前にチャイムが鳴った。

 

 

セシリア「話しの続きは、また改めて。よろしいですわね」

 

 

とオルコットは一夏に指差しをしてから自分の席に戻っていった。

 

 

雷真「途中から空気になってたな……俺」

 

 

それから授業は終わり、俺はこの学園でどこか落ち着ける場所を探していると屋上にきていた。

 

 

雷真「これくらいなら登れそうだな」

 

 

俺はすこし助走をつけて屋上への入り口の上に登り寝転がる。

 

 

雷真「風が気持ちいいなあ~」

 

 

俺はその気持ち良さに、うつらうつらしているとケータイが震えたためケータイを確認すると刀奈からメールだ。

 

 

『雷真へ

 

今どこにいるの?山田先生から雷真の部屋のこと説明を代わりに受けたから、◯◯◯◯室に来なさい。そこで簡単に説明するから。

 

刀奈より』

 

 

雷真「なんか呼ばれたし行くか」

 

 

すぐに屋上の入り口から飛び降りて刀奈のいる学生寮の指定された部屋に向かう。

 

 

 

雷真「お~い、刀奈。着いたから開けてくれ~」

 

 

俺が部屋の前でそう叫ぶがドアが開く気配がない。

 

 

雷真「はぁ……、またあれをやる気か……。仕方がない。刀奈、勝手にはいるぞ!」

 

 

俺は部屋のドアを開け中に入ると……。

 

 

刀奈「わたしにします?わたしにします?それともわ・た・し?」

 

雷真「いいから服を着ろい!!」

 

 

俺は部屋の前で上着を脱いでから部屋に入ったので裸エプロンならぬ下着エプロンをしているであろうバカに上着を投げ付ける。

 

 

刀奈「きゃっ!?いきなり何をするのよ!」

 

雷真「アホか!お前は、そんな格好で何をしてんだよ!!」

 

刀奈「ナニなんて、雷真のエッチ♥️」

 

雷真「あ“あ“あ“あ“あ“!!そうじゃなくて、そんな格好を一夏に見られたらどうすんだよ!!」

 

刀奈「ああ、それなら大丈夫よ。なんせ彼の部屋は私と貴方の相部屋から離れているもの」

 

雷真「そうか……ん?今、聞き捨てならないことを聞いたが?」

 

刀奈「あっ、そうそう山田先生から私と雷真でこの部屋を使うようにだって」

 

雷真「普通は俺と一夏が相部屋じゃないのか?」

 

刀奈「元々、二人ともイレギュラーだから部屋割りが決まってなかった雷真は生徒会長権限で私のルームメートにしたのよ」

 

雷真「話は理解した。それと、早々に生徒会長になったのかよ」

 

刀奈「えっへん!」

 

刀奈は扇子を出して口元を隠しなから、バッと開くと扇子には『強靭!無敵!最強!』と書かれていた。

 

おい。お前はどこぞの社長か?刀奈よ……。

 

 

雷真「とりあえずは服を着ろ、それから簪に本音、あと虚を呼んで飯にしようぜ」

 

刀奈「そうね、入学祝いだからパーティーでもしましょうか」

 

雷真「そうだな」

 

 

それから俺たちは簪、本音、虚と合流して夕食を食べて各自の部屋に戻ったのだが、なにやら一夏と箒の様子が険悪ムードであった。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

翌日の授業になると……。

 

 

千冬「これより、再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める。クラス代表者とは、対抗戦だけでなく、生徒会の会議や委員会への出席など、まぁクラス主と考えてもらっていい。自薦他薦は問わない。誰かいないか?」

 

 

それを聞いた女子たちは……。

 

 

女子1「はい、織斑君を推薦します」

 

女子2「私もそれがいいと思います」

 

一夏「え!!」

 

女子3「なら私は黒牙君を推薦します」

 

女子4「私も」

 

雷真「はぁ~、また厄介なことに巻き込まれた」

 

千冬「他にはいないのか?いないなら織斑と黒牙の内の一人に絞るが?」

 

一夏「ちょ、ちょっと待った!俺はそんなのやら「納得がいきませんわ!」……」

 

セシリア「そのような選出に認められません!男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!この、セシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえと、そうおっしゃるのですか?だいたい、文化として後進的な国で暮らさなければならないことじたい、私にとっては耐え難い苦痛で」

 

一夏「イギリスだってたいしたお国自慢ないだろ!世界一不味い料理で何年覇者だよ!」

 

セシリア「フンッ、美味しい料理は沢山ありますわ!貴方、私の祖国を侮辱しますの!」

 

雷真「お前等、すこし落ち着けよ」

 

一夏「雷真……」

 

セシリア「貴方……」

 

雷真「今回は互いに悪い。こんな子供みたいなケンカをして、二人は高校生になっても恥ずかしくないのかよ?」

 

一夏「くっ!」

 

セシリア「五月蝿いですわ!貴方のようにそこの女とヘラヘラとこの学園にいることすら腹立たしいのに!」

 

 

オルコットは刀奈を指で示しながら言い切った。

その時、俺の頭の中でスイッチが入った気がした

 

 

雷真「ふざけるのもいい加減にしやがれ小娘が。お前はイギリス代表候補だったな」

 

セシリア「それがなんですの?」

 

雷真「さっきの発言を全てボイスレコーダーに録音してある。それをイギリス政府と日本政府に渡したらどうなるんだろうな?」

 

セシリア「貴方、何を……」

 

雷真「まぁ、100%代表候補からの除名だな。それと悪く行けば、イギリスと日本の戦争だな、こりゃ」

 

 

それを聞いたオルコットは顔が青ざめる。

 

 

雷真「さあ、どうする?セシリア・オルコット」

 

 

それを聞いたオルコットは頭にきたのか、こう発言した。

 

 

セシリア「決闘ですわ!」

 

一夏「ああ、いいぜ四の五の言うよりはいいぜ!」

 

雷真「いいだろ。オルコット、お前に戦争の恐怖を教えてやるよ」

 

セシリア「わざと負けたりしたら私の小間使い。いえ、奴隷にしますわよ」

 

一夏「ハンデはどのくらいつける?」

 

セシリア「は?あら、さっそくお願いかしら?」

 

一夏「いや、俺がどのくらいハンデをつけたらいいのかな~と」

 

 

それを聞いた、刀奈と本音と箒以外の女子が笑いはじめる。

 

 

女子「男が女より強かったのはISができる前の話だよ」

 

雷真「そんなにおかしいか?」

 

女子「え?」

 

雷真「だってそうだろ、今はもう女子だけじゃない。現に俺と一夏がISを使えるのがいい例だ。それにISの絶対防御は、あれは完全に全てを防げる訳じゃないぞ。対物ライフルや核なんかだったら数発撃ってシールドエネルギーを完全に削り切れば操縦者は確実に死ぬぞ?他にはISが起動する前に操縦者を殺せばいいだけの話だ?間違ってないだろ?」

 

女子「それは……」

 

 

女子はそれを聞いて何も言えなくなった。そんな中、オルコットが口を開く。

 

 

セシリア「むしろ、私がハンデを付けなくていいのか迷うくらいですわ?」

 

雷真「俺はいらない。なんせ戦争で敵に情けをかければ、こちらが命取りだ」

 

一夏「俺もなくていい」

 

千冬「話は纏まったな。それでは、勝負は次の月曜、第三アリーナで行う。織斑、黒牙、オルコットはそれぞれ準備をしておくように」

 

 

こうして、俺のこっちでの初戦闘が決まった。

 

 

 



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第2話










オルコットの決闘宣言から数日が経ち、決闘当日になった。現在、俺たちはオルコットと決闘するため第三アリーナに来ている。

 

 

一夏「なぁ箒」

 

箒「なんだ?」

 

一夏「ISのことを教えてくれる……って話しだったよな?」

 

箒「」プイッ

 

一夏「なっ!目を逸らすな!一週間、剣道の稽古しかしなかったじゃないか」

 

 

一夏は箒にISのことを教えてもらうつもりだったのだが結局、剣道の鍛練しかしていなかったようだ。

 

 

箒「し、仕方がないだろう!お前のISはまだ届いていないのだから」

 

一夏「ISの知識とか基本的なことかあるだろう」

 

雷真「なあ、一夏。箒だけに頼ったお前も悪いだろう」

 

一夏「なんで?」

 

雷真「休み時間とか箒以外に聞くとかしろよ」

 

一夏「言われてみれば……。クソォォォ!過去の俺を殴ってやりたい」

 

 

一夏が自分の不甲斐なさを叫ぶとモニターに映像が映し出される。

 

 

一夏「あれがアイツの専用機か?」

 

 

と呑気に言っている。

 

 

真耶『織斑くん、織斑くん、織斑くん!』

 

 

山田先生から三回も名前を呼ばれる。

 

 

一夏「ッ!?」

 

 

真耶『来ました!織斑くんの専用IS』

 

千冬『織斑、直ぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番で物にしろ』

 

 

織斑先生からの通信が切れると待機所にあるシャッターの一つが開く。そこから銀色のパワードスーツのような物が現れた。

 

 

真耶『これが織斑くんの専用IS、白式です!』

 

千冬『直ぐに装着しろ、時間がない。そして、黒牙は第三待機所に行け、そこには更識姉妹がいるはずだ』

 

 

雷真「刀奈たちが?わかりました」

 

 

俺は第一待機所を出る前に一夏に一声かける。

 

 

雷真「一夏」

 

一夏「なんだ、雷真?」

 

雷真「必ず勝てよ」

 

一夏「ああ!」

 

 

 

一夏の返事を聞いて俺は第三者待機所に向かう。

すると、道中で虚さんと本音に出会う。

 

 

虚「雷真くん、こっちです」

 

本音「ライライ、こっちだよ~」

 

雷真「虚さんに本音、道案内サンキュー」

 

虚「中でお嬢様方がお待ちです」

 

雷真「わかりました」

 

 

俺は二人と共に第三者待機所に入ると中には刀奈と簪がテーブルの前で待っていた。

 

 

雷真「悪い、待たせた」

 

刀奈「いいわよ。男の子の友情ってやつでしょ?」

 

雷真「ああ。それで、俺の機体なんだが……」

 

刀奈「それについてはここにあるわ」

 

 

刀奈は右手をテーブルの上にあるアタッシュケースの上に置いた。だが、そのアタッシュケースは普通のとは違い、横にアタッシュケースを開ける留め金のようなものがない。

 

 

雷真「そのアタッシュケースの中に俺の機体があるのか?」

 

刀奈「ええ。ただし、このISは私たち更識の力を持っても解析が出来なかったの」

 

雷真「それはどういう意味だ?」

 

刀奈「とりあえず今は時間が無いからケースを開けるわ、簪ちゃん」

 

簪「うん、お姉ちゃん」

 

 

二人は首から掛けていた鍵のようなもの取り出す。その二本の鍵は金銀に別れていた。

 

 

雷真「何処かで似たような光景を見たような……」

 

刀奈「簪ちゃん、準備はいい?」

 

簪「いいよ」

 

 

鍵を挿して互いに息を合わせる。

 

 

刀奈「それじゃ、3、2、1、今!」

 

 

そして、刀奈の合図で鍵を回す。するとアタッシュケースはカシュッという音をたてながらケースを開き始め中から白い煙が床に溢れていく。

煙が止むとそこには白い翼を型通った首飾りがあった。

 

 

 

 

 

 

 

~BGM:翔べ!フリーダム~

 

 

 

 

 

 

 

 

刀奈「これがアナタのISよ、雷真」

 

雷真「これが俺の……」

 

刀奈「これはアナタが行方不明から帰って来た時にアナタの側にあったの」

 

雷真「えっ!?」

 

刀奈「そして、この首飾りからIS反応があって調べたんだけど、ロックが掛かっていて全然情報が得られなかったの」

 

雷真「そうか……。取り敢えず、触れてみるわ」

 

刀奈「ええ」

 

 

俺は首飾りに近づいて首飾りに触れると……。

 

 

雷真「まぶっ!?」

 

簪「きゃっ!!」

 

刀奈「何よ!?」

 

虚「お嬢様方!?」

 

本音「前が見えないよ~」

 

 

眩い光が視界を埋めつくし、光が止むとそこには…………。コズミックラ・イラでキラと交代で乗った、GAT-X105ストライクが存在していた。

 

 

雷真「す、ストライク!?なんで、こいつが……」

 

 

ストライクが何故、こちら側の世界にあるのかを疑問に思っていると……。

 

 

『音声認識システム起動。クロキバ・ライシンの音声をキャッチ。録音テープ1を再生します』

 

 

雷真「録音テープって……」

 

 

俺はストライクがあることに困惑している中、勝手に録音テープが流れるシステムが言った。

 

 

???『よう、坊主。これが流れてるってことは無事に元の世界に帰れたようだな』

 

 

雷真「この声は…………フラガ、一佐!?」

 

 

ムウ『お前は何故、ストライクがそこにあるのか疑問に思ってるだろう?その答えは神様からの予言だ』

 

 

雷真「はあああああ!?」

 

 

ムウ『何でもお前さん、また戦いの道を進むらしいな?だから、俺たち、アークエンジェルのクルーからの餞別だ。上手く使えよな?つってもお前は俺よりもそいつを上手く動かせるもんな』

 

 

雷真「色々とありすぎて何がなにやら」

 

 

ムウ『最後にもう一人、お前に激励してくれる奴がいるからな。それじゃあな、死ぬなよ、クロキバ・ライシン中尉』

 

システム『音声テープ1を終了。続いて、音声テープ2を再生します』

 

 

雷真「次は誰だ?」

 

 

???『やあ、ライシン。元気かい?』

 

 

雷真「この声は間違いない、キラ!」

 

 

キラ『このテープが流れてるってことは、やっぱり君の世界でも争いは絶えないんだね』

 

 

雷真「そうだな……」

 

 

キラ『けれど、争いは他の花まで散らしてしまう。だから、それを防ぐために、君にこの機体を送るよ。そして、この言葉も……【想いだけでも、力だけでも】とね』

 

 

雷真「想いだけでも、力だけでも……」

 

 

キラ『本当はもっと話していたいけど、時間がないから、これが最後だ。君に会えて、僕は本当に嬉しかったよ、親友』

 

 

雷真「そんなの俺だって同じに決まってんだろう、親友」ポロポロ

 

 

システム『音声テープ全ての再生が終了しました』

 

 

戦友たちの声を久しぶりに聞いて感動のあまり涙が流れていることを気づいていない俺は刀奈に心配を掛けていたようだ。

 

 

刀奈「雷真…………大丈夫?」

 

雷真「ああ、久しぶりに戦友と話しができたからな。それに一層、負けられない理由ができた」

 

 

そうして、俺は新たな闘志を燃やし、ストライクに乗り、システムを起動させると……。

 

 

Welcome to M,O,S

 

G eneral

 

U nilateral

 

N euro - Link

 

D ispersive

 

A utonomic

 

M aneuver

 

 

と表示された。

 

 

雷真「OSは………。(確か、キラは初めてストライクに乗った時、OSが無茶苦茶で死ぬ思いをしたって言ってたな)」

 

 

システムを起動し、OSを調べて行く。

 

 

雷真「おいおい、何だよこの出鱈目なOSの作りは!?こりゃ、キラだって戦闘時にOSを書き換えてれば死ぬ思いをするはずだ」

 

雷真「時間がない!」

 

 

俺はホロウウィンドウを出現させて、高速でタイプして行く。

 

 

雷真「キャリブレーション取りつつゼロ・モーメント・ポイントおよびCPGを再設定。クソッ! なら擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結、ニューラルリンゲージ・ネットワーク再構築。てかマジで、キラはこんなOSを戦闘時に書き換えたのか?本当、恐れいるぜ!ったく」

 

雷真「次、メタ運動野パラメータ更新、フィードフォワード制御再起動、伝達関数コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続、システムオンライン、ブートストラップ起動!!」

 

雷真「これで、終わり!」

 

 

最後のタイプを終えて、念のために再度システムの設定を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは雷真にアタッシュケースの中身を渡すと突然光りだし、待機所にはなかったはずの見たこともないISがそこにはあった。

 

 

雷真「す、ストライク!?なんで、こいつが……」

 

 

雷真は見たこともないISについて知っているようだけれど、次の瞬間。機械音声がなり、雷真の音声をキャッチしたことにより録音音声テープが再生されていく。

 

それを聞いた雷真は目から涙を流していた。

 

 

刀奈「雷真……大丈夫?」

 

雷真「ああ、久しぶりに戦友と話ができたからな」

 

 

それから雷真はストライクというISに乗り込み高速でホロウウィンドウをタイプしていく。

 

 

簪「は、早い……」

 

 

そう雷真のタイピングは約一秒間に20文字はタイプしているのではないかという速度でタイプしている。

また、私たちが聞いたこともない用語を口にしながらタイプしているのだ。

 

 

刀奈「簪ちゃん、雷真が口にしてる用語分かる?」

 

簪「流石の私でも分からない」

 

刀奈「雷真、アナタはあの二年間で何があったの……」

 

 

私は雷真が行方不明になった二年間のことを聞かされていない。私が聞いても、まだ決心がついていないから待っていてくれと言われるだけ……。

私に本当のことを言ってくれないことが悲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「ふぅ~、一通り確認は終わったな」

 

 

30分ほど、ストライクのOSやらを調べて行くと、なんとOS設定以外は第二次ヤキンドゥーエ攻防戦までの戦闘データとセカンドステージまでのザフト、連合、オーブの三軍のMS(モビルスーツ)ならびにMA(モビルアーマー)の情報も入っていた。

 

 

雷真「OS以外はまんま、あの時のストライクかよ」

 

刀奈「雷真、調子はどう?」

 

雷真「問題ない。セッティングも終わったから一度解除するわ」

 

 

ストライクに『解除』と念じ、ストライクを待機状態に戻す。

 

 

雷真「よし。ところで一夏の方は?」

 

本音「おりむ~、苦戦してるみたい」

 

雷真「そうか……」

 

 

モニターを見ていると一夏の機体がさっき見た時と少し違う姿に変わっていた。

 

 

雷真「あれは白式なのか?」

 

簪「多分、初期化(フィッティング)から一次移行(ファースト・シフト)したんだと思う」

 

雷真「へぇ~」

 

 

簪から一夏が乗る機体の変化の説明を受けてから少し経つと…………一夏は刀の刀身からビームのようなものを出し、オルコットに切りかかるが……。

 

 

『白式、シールドエネルギーempty。勝者、セシリア・オルコット』

 

 

雷真「あのバカ、武装の特性を理解しないで使いやがって」

 

本音「ライライ、なんで、おりむ~は負けたの?」

 

雷真「あれは、一夏の機体にある単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)である零落白夜の所為だろうな。それを発動するとSEを犠牲に相手のSEを無効化するんだよ」

 

簪「なんで、雷真は知ってるの?」

 

雷真「それは前に織斑先生がモンド・グロッソに出ていた頃の記事を読み漁ったからな」

 

刀奈「へぇ~、そんなこともしてたんだ」

 

雷真「まぁな」

 

 

三人に一夏の敗因を説明した後、織斑先生から通信が来る。

 

 

千冬『黒牙、約15分後にオルコットとの試合だ。準備はいいな?』

 

 

雷真「もちろんです」

 

 

千冬『わかった。それとそこに居る四人、その内の誰かが黒牙の出撃準備のアナウンスをしてやれ』

 

 

刀奈「雷真、誰にするの?」

 

雷真「そうだな……。簪、頼めるか?」

 

簪「えっ、私!?」

 

雷真「そう。簪に頼みたい」

 

簪「お姉ちゃんじゃなくて私に……。わかった、やってみる!」

 

雷真「頼んだぜ」

 

簪「うん!」

 

 

 

簪がアナウンスを務めることになり、オルコットの準備ができるまで虚が淹れるお茶を飲みながら待つ。

 

 

千冬『黒牙、オルコットの準備が出来た、お前も準備をしろ』

 

 

雷真「了解」

 

 

俺は首に掛けている白い羽の首飾りに『起動』と念じる。すると首飾りが光りだし、俺の体にストライクを装着する。

 

 

刀奈「やっぱり、全身装甲なのね」

 

雷真「ああ」

 

簪『雷真、カタパルトに乗って』

 

 

管制棟から簪の指示が飛んでくる。

 

 

雷真「了解だ」

 

 

簪『カタパルト接続、進路クリア、システム・オールグリーン、発進タイミングを雷真に譲渡するよ』

 

 

雷真「了解」

 

 

カタパルトにストライクの足を乗っけて接続、そして頭の中であるイメージをする。それはストライクの装備である、エールストライカーを背負うイメージだ。すると、背中に確かな重みが加わり……。

 

 

雷真「黒牙雷真、ストライク。行きます!」

 

 

エールストライカーのスラスターと脚部のバーニアを吹かし、カタパルトから飛び出し空を飛ぶ。

その際、ストライクの装甲である。フェイズシフトと起動させると灰色の装甲がトリコロールカラーに染まる。

 

 



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第3話

設定には書いてありませんが試合とかで

ストライクが放つビーム兵器は全て、

威力を5割以下にセーフティがかかっている

設定なので、よろしくお願いします。


他には今回の話しにBGMをつけるとしたら

INVOKEがオススメです。


雷真『黒牙雷真、ストライク。行きます!』

 

 

真耶「綺麗な飛び方ですね。それに全身装甲の機体だなんて私、初めて見ました」

 

千冬「それだけじゃない。黒牙の奴、かなり場馴れしているな」

 

真耶「え?」

 

千冬「黒牙、お前は何者なんだ?」

 

 

千冬は雷真のバレルロールを観て、初心者ではないと本能で確信した。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カタパルトから出撃した俺は空を飛ぶこと、ストライクに乗っていることを懐かしく感じていた。

 

 

セシリア「お待ちしておりましたわ」

 

 

オルコットからプライベートチャンネルで通信が来たので俺はそれに応じた。

 

 

雷真「すまない、待たせたな」

 

セシリア「いえ。それから先日のことを深くお詫び申し上げますわ」

 

雷真「どういった心境の変化だ?」

 

セシリア「ただ、先日の私は浅はかであったと感じただけです」

 

雷真「その心境の変化は恋でもしたか?」

 

セシリア「ッ!?」

 

雷真「図星か。まあ、人それぞれ色んな感情がある。俺はお前のその気持ちを応援するよ」

 

セシリア「黒牙さん」

 

雷真「今のお前なら、雷真で構わない」

 

セシリア「なら、私のことも気軽にセシリアと」

 

雷真「了解した、セシリア。だが、この戦いは真剣勝負だ。殺す気で来いよ」

 

 

俺はコズミック・イラでMS(モビルスーツ)に乗っていた頃の感覚を脳から思い出し意識を研ぎ澄ます。

 

 

セシリア「ッ!?」

 

セシリア「雷真さん、あなた……」

 

 

セシリアは俺の気配が一気に変わったことに驚いているようだが織斑先生から試合開始の合図が来る。

 

 

千冬『それでは、両者。共に準備はいいな?』

 

 

「「はい!」」

 

 

千冬『それでは、試合開始!』

 

 

織斑先生の合図で両者互いにスラスターを噴かせる。

 

 

セシリア「まずは私の舞踊曲(ワルツ)を受けていただきますわ!」

 

 

セシリアはブルー・ティアーズについている4つのビット兵器を使用して四方八方から狙ってくる。それを的確に観ながら俺は最低限の動きで回避する。

 

 

セシリア「なぜ、当たりませんの!?」

 

雷真「それは、狙いが単調なんだよ」

 

セシリア「くっ!」

 

雷真「次は後ろから。その次は左後ろ、右前、後ろ、下」

 

雷真「やっぱり、プロヴィデンスやレジェンドと比べると操作が甘いな」

 

 

雷真はセシリアのビット兵器の攻撃を先読みしながら回避する。雷真にとってはこんなお粗末なビット操作など取るに足らないものである。それもそのはず、コズミック・イラではこんな生易しい攻撃ではなく、集中力を少しでも落とせば即、死が迫ってくる。そんな命のやり取りをしたことがある彼からしたら、こんなのは遊びとなんら変わらない。

 

 

雷真「そろそろ、こっちからも行くぞ!」

 

 

雷真はスラスターを一気に噴かせながら、エールストライカーからビームサーベルを引き抜き、セシリアに突撃する。

 

 

セシリア「あまいですわ!」

 

 

突撃する雷真に対し、セシリアはビット兵器で雷真を牽制するが……。

 

 

雷真「そんなのは効かない」

 

 

某小説の黒い英雄がやったのと同じように雷真もビームサーベルでビット兵器のレーザーを切り裂いた。

これもまた、雷真はコズミック・イラでスペックが桁違いに差があるM1アストレイのカスタム機でプロヴィデンス相手にドラグーンの攻撃をビームサーベルで弾き切った経験がある雷真からしては当たり前のようにできてしまう。

 

 

セシリア「レーザーを切った!?」

 

雷真「そろそろ、邪魔になってきたから撃ち落とす」

 

 

雷真はビームサーベルを背中のエールストライカーに戻し、ストレージから高エネルギービームライフルを取り出して右手に持ち、スラスターのエネルギーを一度貯めてから二度噴かせ、一気に真上に向かって上昇する。

 

 

セシリア「まさか瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?ですが逃がしませんわよ!」

 

 

セシリアは雷真を追いかけるようにビットを操作する。しかし、セシリアは知らない、この行動が雷真の罠だということ。

 

 

雷真「いや、逃げてない。撃ち落としやすくしたんだ」

 

 

雷真は最高点に達した時、体を反転させて、真下に突撃する体制になるが、そのまま右手にあるビームライフルで四回、トリガーを引き、ビームライフルから放たれるビーム全てがビット兵器に命中し爆散、そして爆煙が巻き起こる。

 

 

セシリア「そんな、一撃で全て落とされるなんて…………」

 

 

セシリアはモニターで自分の兵器が破壊されたことを確認する。

そして、直ぐに後ろからロックオンされている警告の警報が鳴る。

 

 

セシリア「うしろ!?」

 

雷真「チェックメイトだ」

 

 

雷真は爆煙で姿を消し、高速でセシリアの後ろに回り、エールストライカーからランチャーストライカーに換装して、ランチャーストライカーの主力武装であるアグニをセシリアに向けている。

 

 

セシリア「チェックメイト?それはどういう……」

 

雷真「まあ、見てろよ」

 

 

雷真はアグニをセシリアから外し、地面に向かって五割の威力で放つ。その時、アグニからは赤と白のビームが放たれる。ビームが放たれた地面は約5mくらいのクレーターができており、またクレーターの中は黒く焦げていた。

 

 

セシリア「…………」

 

雷真「これでも、続ける?」

 

セシリア「いえ、降参ですわ……」

 

 

『セシリア・オルコットの降参により。勝者、黒牙雷真』

 

 

とアナウンスが流れる。

 

 

雷真「セシリア、お前はもっと伸びるから頑張れよ」

 

セシリア「はい!」

 

雷真「それからビット兵器を全て使うんじゃなくて二、三機で誘導しながらお前が止めを刺したほうが効率は上がるぞ」

 

 

俺はその言葉を残して待機所に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

雷真がカタパルトから出てセシリアと戦う姿を観ている刀奈たちは…………。

 

 

刀奈「何……あの動き」

 

簪「レーザーを切り裂いた……」

 

本音「ライライ、って本当にISを動かすの初めて?」

 

虚「私には、到底思えないのですが……」

 

 

刀奈たちは雷真がISの初心者だと思っているが雷真のストライクは第三世代型よりも高性能であり、また第三世代型と同じくイメージ・インターフェースが搭載されているため。コズミック・イラで培った経験はそのまま再現できるのである。

 

 

虚「あれは瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?」

 

 

虚は雷真がIS技術の瞬時加速(イグニッション・ブースト)をやってのけたことに驚いた。

 

 

簪「お姉ちゃん、雷真にあの技術を教えたの?」

 

刀奈「いえ、全く何にも教えてないわ。雷真に教えてあげようか尋ねたら、『実戦で覚えるからいらない』と言われたの」

 

本音「って、ことは……」

 

虚「あれが雷真くんの才能」

 

簪「凄いな、雷真は」

 

刀奈「本当ね……」

 

 

それから、瞬間加速(イグニッション・ブースト)で最高点に達した時、雷真は体を反転させ、ビームライフルでセシリアのビット兵器を的確に破壊した時の彼女らからは声が出なかった。

 

 

刀奈「……………」

 

簪「…………」

 

本音「…………」

 

虚「…………」

 

そして、ビット兵器を破壊した雷真は爆煙で身を隠し高速でセシリアの背後を取った後に緑色のランチャーを構えてセシリアに降伏するよう促したとことに彼女らは疑問に思った。

 

 

本音「何で、ライライはセッシーに降伏するよう言ったんだろ?」

 

刀奈「それは直ぐに分かると思うわ」

 

 

刀奈の言葉通り、雷真はセシリアからアグニを外し地面に向かってアグニからビームを放った。ビームを放たれた地面を見て、セシリアと同様に彼女らも驚く。

 

 

刀奈「何よ、あれ」

 

簪「あんなの受けたら」

 

虚「間違いなく、SEエネルギーが全損しますね」

 

本音「ライライ、怖い」

 

ビームを見たセシリアは降伏宣言をして、雷真vsセシリアの戦いは雷真の勝利で終わった。その後、雷真はセシリアと数回会話を交わし、こちらの待機所に戻ってくる。

 



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第4話





セシリアと試合で無傷のまま雷真は待機所に帰ってくるがSEの補給は必要である。なぜなら、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で多少SEを使用したからだ。

 

 

刀奈「お疲れ様」

 

雷真「ああ、サンキュー」

 

 

刀奈は待機所に戻ってきた雷真にタオルとスポーツドリンクを渡す。

 

 

刀奈「それにしても驚いたわよ。いつ、瞬時加速(イグニッション・ブースト)なんて覚えたの?」

 

雷真「織斑先生の過去の戦闘動画を見て、さっきの試合で見よう見真似でやったらできた」

 

刀奈「できた、って貴方ね……」

 

簪「本当に雷真は昔から出鱈目だよね」

 

本音「そうだね~、ライライはいつも人の技を見て直ぐに真似できるもんね~」

 

刀奈「それで次は織斑くんだけど、どっちの武装で行くの?」

 

雷真「どっち?ああ、刀奈たちはエールとランチャーしか見たことがないのか」

 

簪「エール?ランチャー?」

 

雷真「補給しながら説明するよ」

 

 

待機状態にしたストライクをSE補給機にセットして刀奈たちにストライクの武装について説明する。

 

 

雷真「まず、最初のジェット機みたいのがエール、これは高機動型のバックパックだ。次に緑色の奴はランチャー、こいつは砲撃戦に特化したバックパック。他にはソードがあるが、これは名前でどんなバックパックなのかは理解できるな。本当は他にもまだあるがお楽しみだ」

 

 

刀奈「3つも武装があるなんて凄いわね」

 

簪「アニメみたいでカッコいい!」キラキラ

 

 

刀奈は観賞深くストライカーパックのことを考えている、簪の方は……まあ、アニオタだから換装システムに目を輝かせている。

 

刀奈「それで次はエール、ソード、ランチャーのどれで行くの?織斑くんの戦いを観るからに近接のみみたいだけど」

 

雷真「なら、こっちも近接で行くさ。セシリアとの試合はストライクのテストを兼ねてたしな」

 

簪「なら、ソードで行くんだね」

 

雷真「ああ」

 

 

ストライクのSE補給が終わり、ストライクを起動させて、セシリアの試合前と同じようにソードのイメージを頭に浮かばせる。すると左腕と右の背中に重みが加わる感触を感じ、カタパルトに足を着ける。

 

 

雷真「よし、簪。頼む」

 

 

簪『カタパルト接続、進路クリア、システム・オールグリーン、発進タイミングを雷真に譲渡するよ』

 

 

雷真「了解。黒牙雷真、ストライク。行きます!」

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真『黒牙雷真、ストライク。行きます!』

 

 

 

雷真は一夏との試合をするために待機所からソードストライクで発進した。

 

 

真耶「黒牙くん、さっきとは別の武装ですね」

 

千冬「今回のは近接型のようだな。オルコットの試合で最初に見せたのが高機動型、また最後に見せた『緑』のやつが遠距離型と観て間違いないだろう」

 

真耶「今度は織斑くんが勝てると思いますか?」

 

千冬「無理だな。オルコットならまだしも、黒牙はそんな容易い奴じゃない。なんせ、奴は少しだけだが本気でオルコットを殺す気で戦っていたからな」

 

真耶「えっ!?」

 

千冬「あの『緑』の武装を出したのがいい証拠だ。あんな地面が焦げて燻るほどの威力だ。それをゼロ距離で撃たれたらSEなどあってないようなものだろ」

 

 

真耶「…………」

 

 

真耶は千冬からの説明で、もし本気で雷真がセシリアに向かってランチャーのアグニを撃っていたらと想像すると顔が青くなり背中が凍りつくのが自分でも分かった。

 

千冬「一夏、お前はどう黒牙と戦う?」

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナの中央で白い機体を纏う一夏とトリコロールカラーの機体を纏う雷真が対峙していた。

 

 

一夏「セシリアに負けたが雷真、お前には絶対に勝つ!」

 

雷真「ああ。俺も……一夏、お前と全力で戦いたい。だから、フェアな真剣勝負をするためにお前に俺の武装を説明する」

 

一夏「なんでそんなことするんだ?」

 

雷真「だって俺はお前の武装がその手に持っている刀だけだって分かっているからだ」

 

一夏「そ、そうか」

 

雷真「いいか。まず、背中にある対艦刀のシュベルトゲベール、これは一夏の武器とあまり変わらないが単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)はない。次に左肩にビームブーメランのマイダスメッサー。他にはシールドとアンカーが複合武装になっている。セシリアの試合では使わなかったが頭部には多銃身対空機関砲もついている」

 

一夏「なんだよ、その武装の数!?」

 

雷真「言わなかったら、一夏も不完全燃焼だろ?」

 

一夏「そうだな。教えてくれサンキューな、雷真」

 

雷真「ああ、こっからは真剣勝負だ」

 

一夏「おう!」

 

 

試合開始の合図が鳴る前に雷真は背中からシュベルトゲベールを抜き、ビームを出さずに一夏に近づく。一夏は雷真がやろうとしていることに気が付き一夏も雷真に近づき、シュベルトゲベールと雪片弐型の剣先を合わせる。そのやり取りは剣道の試合前の構えである。

 

 

千冬『両者、準備はいいな?』

 

 

「「はい!」」

 

 

千冬『試合開始!』

 

 

千冬の合図で両者は互いに剣を弾き、後方へステップを踏んでからスラスターを噴かせ突撃する。

 

 

雷真「ハアアアアッ!」

 

一夏「ウオオオオッ!」

 

 

雷真はビーム刃を出さずにただの対艦刀として、一夏も単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)を使わずただの刀として互いに得物をぶつけ合う。

 

少し鍔迫り合いになるが雷真がスラスターを噴かせて後退する。それに合わせ一夏もスラスターを噴かせ、雷真を追いかけようとするがストライクの頭部に備え付けられている、多銃身対空機関砲イーゲルシュテルンにより、妨げられてしまう。

 

 

一夏「クソッ!」

 

 

一夏は正面から突撃するのは良くないと考え、回り込むように飛行する。

 

 

雷真「流石に考えるな。なら、これだ!」

 

 

雷真はシュベルトゲベールを左手で持ち、右手で左肩にある、マイダスメッサーを引き抜き、一夏に向けて投げる。

マイダスメッサーは一夏の背中に着実に近づく。一夏はハイパーセンサーにより背後からビームブーメランが迫っていることに気が付く。

 

 

一夏「ブーメランかよ!?」

 

 

マイダスメッサーの刀身はビーム刃が発生しており、絶対防御で受けた場合、かなりのSEが削られることは素人である一夏でも理解できた。

 

 

一夏「迫ってくるなら、落とすだけだ!」

 

 

一夏は単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)である零落白夜でマイダスメッサーを弾き、そのままスラスターを一気に噴かせて雷真に突撃する。

 

 

一夏「ウオオオオオッ!」

 

雷真「デヤアアッ!」

 

 

零落白夜を発動したままの一夏に対し雷真もシュベルトゲベールのビーム刃を出し、零落白夜と一騎討ちをする。

 

しかし、雷真はシュベルトゲベールのビーム刃を出してもSEは削られないが一夏は違う。試合が長引けば長引くほど不利になる。

 

 

一夏「チッ!(さっきのバルカンみたいなのを数発受けたからSEが……どうする!?)」

 

 

雷真「戦いの最中で考え事とはいい度胸だな」

 

 

雷真は考えことをしている一夏から少し距離を置いて。シールドと複合武器になっている、パンツァーアイゼンを白式の足に巻き付け、一夏を投げ回し、その勢いを利用して上空へと投げ飛ばす。

 

 

一夏「うわああああ!!」

 

雷真「これで終わりだ」

 

 

投げ飛ばされた一夏に雷真は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で近づき、シュベルトゲベールで切り裂く。これにより一夏のSEがゼロになる。

 

 

『試合終了。白式、シールドエネルギーempty。勝者、黒牙雷真』

 

 

とアナウンサーが流れた。

 

 

一夏「クッソオオオオ!!また、負けた」

 

雷真「素人にしてはいい動きだったんじゃないか?一夏」

 

一夏「素人にしてはって、雷真だってISを操縦するのは初めてだろ?」

 

雷真「ISはな。だが、ISに似たやつなら動かしたことがある」

 

一夏「なんだよそれ……」

 

雷真「それよか、戻るぞ」

 

一夏「はぁ~、一度でもいいから勝ちたかったぜ」

 

雷真「精進したまえ」

 

一夏「むむ、なんかムカつく」

 

雷真「なら、早いうちに俺に一泡吹かせるんだな」

 

一夏「今に見てろよ。必ず、お前に一泡吹かせてやるからな!!」

 

雷真「楽しみにしてるよ」

 

 

それを最後に互いに待機所に戻る。

 

しかし、マイダスメッサーを弾き飛ばされたの驚いたな。今後の一夏に期待だな。

となれば、セシリアと手を組んで一夏にクラス代表を押し付けるか。よし、決まりだ!

 

 

 

 



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第5話











 

一夏との試合が終わり。待機所に戻り、刀奈たちに労ってもらったあと、更衣室でISスーツから制服に着替え、通路に出ると……。

 

 

千冬「黒牙、話しがある」

 

雷真「分かりました」

 

 

織斑先生と自販機がある場所で話しをする。

 

 

千冬「ほれ」

 

雷真「ありがとうございます」

 

 

織斑先生から今さっき自販機で買った。スポーツドリンクを投げ渡される。

 

 

千冬「黒牙。お前、さっきの二人の試合をどう思う?」

 

雷真「そうですね。正直に言うと死にます」

 

千冬「ほう」

 

雷真「あんな動きじゃ、何も守れはしない。あんなんじゃ、却って仲間を死なせかねない」

 

千冬「やはり、お前は……。本物の戦争というものを知っているようだな」

 

雷真「ええ、まあ」

 

千冬「お前が何を思っているかは私には分からない。けれど、あまり考え込むなよ」

 

雷真「はい」

 

千冬「それとお前のISを少し預りたい」

 

雷真「分かってます。流石に全身装甲の機体で、尚且つ、ビーム兵器に換装システムが搭載されているISは俺が使っているストライクだけですから」

 

千冬「性能を調べたら直ぐに返却する」

 

雷真「わかりました」

 

 

その後、約30分くらいだろうか。織斑先生に呼び出しを受けストライクを受け取る時、織斑先生の顔が窶れているようにみえた。その後、直ぐに真剣な目に変わった。

 

 

 

千冬「黒牙、お前はこの【GAT-X105 ストライク】を前から知っているようなことを更識から聞いたが本当か?」

 

雷真「ええ、本当です。ですが、この先を説明するは、少し待ってもらえませんか?この先の話しは婚約者である、刀奈にさえ話していませんから。決意が固まったら、その時に必ず話します」

 

 

その時の千冬は雷真の瞳から深い哀しみの色を見た。

 

 

千冬「わかった。だが、できるだけ早く、話してくれ」

 

雷真「わかりました」

 

 

 

 

 

クラス代表の決闘から翌日、ISを使用した授業を受けている。

 

 

千冬「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実戦してもらう。織斑、オルコット、黒牙それと更識、試しに飛んでみろ」

 

一夏「……」

 

セシリア「分かりましたわ」

 

刀奈「行くわよ、雷真」

 

雷真「ああ」

 

 

試合と同じくように首に掛けてある羽の首飾りに意識を集中させてストライクを起動させる。今回は直ぐに飛行できるようにエールストライクの状態で起動させる。

 

刀奈も自前の扇子に着いているアクセサリーに意識を集中させて、外装が少ない刀奈の専用機である。第三世代機、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)を起動させる。

 

雷真、刀奈、セシリアは難なくISを起動させたが一夏は……。

 

 

 

一夏「よし!んん、あれ?」

 

千冬「早くしろ!熟練したIS操縦者は展開まで1秒とかからないぞ」

 

一夏「集中……。来い、白式!」

 

 

やはり一夏には即時展開は難しい、音声認識で白式を展開した。

 

 

一夏「できた」

 

千冬「よし、飛べ!」

 

 

織斑先生の号令でセシリアたちは一気に上空へ上昇する。

 

 

セシリア「はい!」

 

刀奈「はい!」

 

雷真「了解!」

 

一夏「よーし」

 

 

一夏は見よう見真似で刀奈たちの動きを真似しようとするが決闘の時以外、ISを動かしたことが皆無な一夏はあちらこちらに飛んでいく。

 

 

一夏「うわああああ!?」

 

雷真「やっぱり、こうなったか。セシリア、一夏のことを任せていいか?」

 

 

雷真はプライベートチャンネルでセシリアに繋ぎ。一夏のことを任せる。

 

 

セシリア「分かりましたわ」

 

雷真「すまないな」

 

 

セシリアとプライベートチャンネルで話しているのを刀奈はヤキモチを焼いたのか。刀奈もプライベートチャンネルを繋いでくる。なので、頭部だけストライクの装甲を外し刀奈と顔を合わせる。

 

 

刀奈「何を話してたの?」

 

雷真「あ?セシリアに一夏のことを頼んだよ」

 

刀奈「ふ~ん。それと、いつからオルコットさんのことを名前で呼ぶようになったのかしら?」

 

雷真「なんだ、ヤキモチか?それなら、安心しろ。セシリアの狙いは一夏だ」

 

刀奈「ならいいけど」

 

 

刀奈はまだ拗ねているようだ。

 

 

雷真「わかった。今度の休みに二人で何処か行こう」

 

刀奈「本当!?」

 

雷真「ああ」

 

刀奈「やった!」

 

 

刀奈はデートができることが嬉しいのか声が弾んでいた。

 

 

雷真「そう言えば、デートするのも約2年ぶりか

……」

 

 

実際は4年ぶりですが……。

 

 

刀奈「そうね。雷真が家の庭で見つかってからは、貴方の体の精密検査や精神カウンセリングとかで入院生活だったしね」

 

雷真「その節は本当にご心配をおかけしました」

 

刀奈「なら、デートは雷真持ちでね」ニコ

 

雷真「ま、マジか!?」

 

 

 

刀奈とのデートの話しをしていると下にいる織斑先生から通信がくる。

 

 

千冬『そこのバカ夫婦!惚けてないで授業に集中しろ!』

 

 

「「は、はい!」」

 

 

それといつの間に一夏とセシリアも雷真たちの後ろにいた。

 

 

一夏「待たせたな」

 

雷真「いんや、素人なんだ仕方ないだろ」

 

セシリア「雷真さんはIS操縦は初めてではないのですか?」

 

雷真「ISはそうだが、似たような物はかなり動かしたことがあるからな」

 

刀奈「へ~え、そうだったんだ」

 

 

千冬『織斑、オルコット、黒牙、更識。急降下と完全停止をやってみせろ』

 

 

「「「了解!」」」

 

 

刀奈「誰から行くの?」

 

雷真「できれば、先に二人にやってもらいたい。お手本がないと分からないからな」

 

セシリア「分かりましたわ。それでは私から、お先に」

 

 

セシリアは一気に急降下して行き、滑るように完全停止をしてみせた。刀奈も同様に一気に急降下、完全停止をしてみせた。

 

 

一夏「上手いもんだな」

 

雷真「それじゃ一夏。俺も先に行くぜ?」

 

一夏「おう」

 

雷真「それと一夏」

 

一夏「なんだよ?」

 

雷真「俺の真似は絶対にするなよ?」

 

一夏「へ?」

 

 

雷真はISの基本システムであるPICを切り。電源が抜けたように真っ逆さまに急降下する。それを見た、一夏、セシリア、刀奈が声を上げる。他の生徒たちも同様に声を上げる。

 

 

一夏「お、おい!?」

 

セシリア「雷真さん!?」

 

刀奈「雷真!?」

 

「「きゃあああああ!?」」

 

 

そのまま地面スレスレまで降下したらエールストライカーのスラスターを噴かせ、そのまま織斑先生たちがいるまで滑るように移動し、逆さまのままで完全停止する。

 

 

千冬「黒牙、頭部の装甲を外せ」

 

雷真「わかりました」

 

 

織斑先生に言われた通り、頭部の装甲だけ外し顔を見せると…………。

 

 

千冬「このバカ者が!誰があんな危険な急降下と完全停止をやれと言った!!」バシン!

 

雷真「イッテエエエエエ!?」

 

 

織斑先生のお怒りと出席簿での下からスイングという、お仕置きを受けました。その時の痛みでストライクが展開状態から待機状態に戻ってしまい、宙に浮いていた雷真は頭から地面に落ちる。

 

 

 

雷真「グエッ!?」ドサ

 

雷真「いてててて」

 

 

だが、それだけ済めばいいのだが……。

 

 

刀奈「…………。」プルプル

 

 

刀奈が無言でプルプルと震えながら、こちらにやってくるではありませんか。

その時の俺の心境は……。

 

あっ、やっちまった!(゜ロ゜;)

 

 

である。

そして、刀奈が顔を上げると泣きながら俺に突撃してくるのだ。それも無意識なのか毎度鳩尾にくるのだ。

 

 

刀奈「バカああああ!!」ポロポロ

 

雷真「グハッ!?」

 

刀奈「バカ、バカ、バカ!あんな危ない操縦をして。見てるこっちの身にもなりなさいよ」ポロポロ

 

 

ああ、やっぱり。俺が行方知らずの二年間で刀奈は少し脆くなってしまったのか……。これは俺の責任だな。

 

 

本音「そうだよ、ライライ。お嬢様を心配させちゃだめだよ~」

 

雷真「すまん、心配かけた」

 

刀奈「本当よ」

 

本音「もし、次にお嬢様とかんちゃん、どちらかを泣かせたら……。」

 

雷真「泣かせたら?」

 

本音「あの"呼び方"を学校でするからね?」ギロリ

 

雷真「ちょっ、それは勘弁だ!?それと何で簪まで、この話しに出てくるんだよ!?」

 

 

あの"呼び方"とは、俺が刀奈の婚約者であるため、従者の本音と虚さんは形式上、俺の従者にも成る訳で……。更識が参加するパーティーでは俺のことを"若旦那様(わかだんなさま)"か"若様(わかさま)"と呼ぶのである。

 

 

本音「はぁ~。やっぱり、ライライは気付いてなかったのか~。お嬢様は気付いてました?」

 

刀奈「それはもちろん!だって双子だもの」

 

 

刀奈は本音の質問に答えながら、何処からか扇子を出して開き。扇子の真ん中には『意識疎通』と書かれていた。

 

 

雷真「ところで、他のみんなは?」

 

「「あっ」」

 

 

辺りを見渡すと、皆から暖かい目で見られ。俺と刀奈は、一気に顔が熱くなるのを感じた。

 

 

雷真「//////」

 

刀奈「//////」

 

本音「ひゅ~う、ひゅ~う!熱いね、二人とも」

ニシシシ

 

 

本音が俺たちのことを冷やかしていると……。少し離れて場所から……【ドゴーン!!】と音ともに何かがグラウンドに落下した衝撃が来た。

 

 

雷真「な、なんだ!?」

 

 

音と衝撃の原因はどうやら一夏が完全停止ができずに落下速度を誤り、グラウンドに向かってダイブしたことにより起きたものらしい。

 

 

箒「一夏!」

 

真耶「織斑くん!大丈夫ですか?」

 

 

一夏が落下したであろう場所は土煙が上がっており、それが止むと地面に首を突っ込み、それを引き抜こうと必死にもがいている一夏がいた。

 

 

雷真「刀奈、少し行ってくる」

 

刀奈「ええ」

 

 

俺は再びストライクを起動させて、必死にもがいている一夏に念のため声をかける。

 

 

雷真「一夏、引き抜くぞ?」

 

一夏「んん!んん~!」

 

 

声が届いたのか片手のハンドサインで"すまない"を表したので、一夏を優しく引き抜く。

 

 

雷真「そうっれ!」

 

一夏「ぷは~!?助かったぜ、雷真。さっきのは死ぬかと思ったわ」

 

雷真「死ななくて良かった。白式に感謝しろよ」

 

一夏「そうだな」

 

 

逆さまの一夏を優しく降ろし、刀奈と下へ戻る。何故、戻ったかは一夏のことを想っている女性陣のとばっちりを受けたくないからです。

はい、(o・ω・o)

 

それから一夏はグラウンドに穴をあけた罰として自力でグラウンドを整備するはめになったみたいだ。

 

ドンマイ、一夏。

 

 

 

 

 

 

 



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第6話






一夏がグラウンドに穴をあけた、後はスムーズに午前の授業が終わり。お昼は刀奈の手作り弁当を食べ、午後の授業も終了。そして、今は刀奈とアリーナで模擬戦をしている。ちなみに装備はエールだ。

 

 

刀奈「ヤアアアッ!!」

 

 

刀奈は自分の専用機である霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の武装の蛇腹剣を鞭のように扱いながら攻撃してくるがそれを雷真はストライクの初期武装である、両脚部に収納されているアーマーシュナイダーで弾いていく。

 

 

刀奈「なっ!?」

 

刀奈「だったら、これでどう!」

 

 

刀奈は蛇腹剣を自分の頭上でグルグルと回し始めた

 

 

雷真「ん?あれは……渦潮か!?」

 

刀奈「そうよ。霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)のナノマシンで水を操り渦潮を作ったの。貴方はこれを防げるかしら?」

 

 

蛇腹剣のよりグルグルと回転をさせたアクア・ナノマシンの渦潮を独楽のように飛ばしてくる。

 

 

雷真「エールじゃ分が悪い。あまり人に向けて使いたくないが仕方ない」

 

 

エールのスラスターで距離取り、バックパックをエールからランチャーに換装し、アグニの照準をギリギリ刀奈に当たらないようにして渦潮に合わせ、放つ。威力は二割。

 

 

刀奈「……」ニヤリ

 

雷真「ッ!?」

 

 

アグニで渦潮を霧散させたことで刀奈がニヤリと笑った気がした。

 

 

刀奈「ねえ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

刀奈「少し空気が熱くないかしら?」

 

雷真「そんなことは…………ッ!?。まさか!」

 

 

雷真の頭には3つの単語が浮かんだ。水、熱、空気。

普通はその3つが浮かべは水蒸気と考える人が大半だろうが。IS戦闘はダメージを与えることが当たり前なので、水蒸気で相手にダメージを与えられるとしたら、一つだけだ。それは『水蒸気爆発』。

 

 

刀奈「喰らいなさい、清き激情(クリア・パッション)!」

 

 

アリーナ内に【ドガーン!】と盛大な爆発と爆煙が舞う。次第に爆煙か止んで行く。しかし、刀奈が清き激情(クリア・パッション)を放ったであろう場所には誰もいない。

 

 

刀奈「い、いない!?」

 

 

刀奈は雷真がいないことに驚き辺りを見渡すが雷真の姿は見えない。すると直ぐにハイパーセンサーにより、ロックオンをされている危険アラームが鳴る

 

 

刀奈「何処から!?」

 

 

再度、辺り見渡す。すると上の方で何かがキラリと光るのが見えた。それを頼りに頭上を見ると右手でビームライフルのメイングリプを持ち、左手でフォアグリプを横にして照準を安定させて、こちらを狙らう、雷真が駆るエールストライクがいた。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

刀奈「でも、どうやって清き激情(クリア・パッション)を………。」

 

 

刀奈は今だに雷真が霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)清き激情(クリア・パッション)を回避また耐えた策がわからない。けれど直ぐにその疑問は解消された。なぜなら雷真の左腕に装備されているストライクの対ビームシールドがゆらゆらと少し陽炎を起こしていた。それは清き激情(クリア・パッション)の蒸気熱が残っている証拠である。

 

 

刀奈「なるほど、シールドで防いでその勢いで私の上に…………。やるわね」

 

 

雷真の策のタネがわかると雷真はビームライフルを撃ってくる。刀奈はそれを回避する。回避できないものはアクア・ナノマシンで威力を軽減させて、またアクア・ナノマシンを纏わせた蛇腹剣で弾いていく。(ビーム兵器は威力を落としてます)

 

 

雷真「流石は刀奈。やるな、けど!」

 

 

雷真はバックパックをエールから、まさかのオオトリに換装する。そのまま、小型ミサイルを放つ

 

 

刀奈「次はミサイル!?」

 

 

しかし雷真は刀奈のアクア・ナノマシンに当たる直前にビームライフルで誘爆させ、煙幕を張る。

 

 

刀奈「ミサイルを煙幕に?」

 

 

刀奈が雷真がミサイルで煙幕を張ったことに疑問を抱いた。次の瞬間、煙幕の向こう側からビームとレールガンの嵐が刀奈を襲う。

 

あまりの砲撃の数に刀奈は対象しきれずに被弾する。

 

 

刀奈「きゃああああ!!」

 

 

これにより、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)のSEがemptyになったアラームがアリーナに響く。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦が終了した後。雷真と刀奈は隣合わせで座り、スポーツドリンクを飲みながら、さっきほどの模擬戦の反省会をしている。

 

 

刀奈「あああああ、悔しいいいい!」

 

雷真「そう言うなよ」

 

刀奈「だって、私は一応生徒会長よ?なのに、負けるだなんて」

 

雷真「ビーム兵器に換装システムを扱う俺に、初戦であそこまで攻めたんだ。誇ってもいい気がするけどな?」

 

刀奈「それでも、悔しいものは悔しいの!!」

 

雷真「はいはい。刀奈は昔から負けず嫌いだもんな」

 

刀奈「なによ!」プクー

 

雷真「膨れても可愛いのは変わらないぞ?」

 

刀奈「…………バカ。//////」

 

 

反省会も終えて更衣室で交互に着替えて、アリーナを出ると本音がこちらに向かってきた

 

 

本音「お嬢様にライライ」フリフリ

 

雷真「どうした?」

 

本音「この後クラスの皆で、おりむ~のクラス代表就任のお祝いをするんだけど、二人も参加するでしょ?」

 

刀奈「そうね……。なら、参加しようかしら」

 

雷真「俺も腹が減ったし少し参加しようかな」

 

本音「少し?」

 

雷真「ああ。ある程度、食べ物を食べたら整備室に行こうと思ってな。ストライクの武装を少しいじろうと思ってるんだ」

 

刀奈「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

刀奈「なんで、貴方はクラス代表に成らなかったの?」

 

雷真「そんなの決まってるだろ?俺は刀奈の居る生徒会に入るからだよ」

 

刀奈「そんなこと言って。本当は面倒だからじゃ、ないわね?」

 

雷真「な、ナンノコトデセウカ」

 

刀奈「まあ、今回は生徒会に入ることで見逃してあげるわ」

 

雷真「サンキュー」

 

刀奈「ただし、雷真には副会長に就任してもらうわよ?」

 

雷真「はあ!?書記とか庶務じゃないのか?」

 

刀奈「だって、私の未来の旦那様なら副会長くらいやってもらわないとね♪」

 

雷真「はぁ~。まあ、クラス代表よりかはましか」

 

 

 

 

 

 

模擬戦が終わり一度部屋に戻った後、一年一組の生徒で一夏のクラス代表のお祝いパーティーをするために食堂に来ている。

 

 

「織斑くん。クラス代表決定、おめでとう!」

 

 

それを合図にクラスの女子たちがクラッカーを鳴らす。

 

 

「「「「おめでとう!」」」」

 

一夏「なんで、俺がクラス代表なんだよ?」

 

セシリア「それは、わたくしが辞退したからですわ」

 

一夏「なら、雷真!お前はどうなんだよ?お前は俺とセシリアに勝ったじゃないか!」

 

 

一夏は食堂の端っこで刀奈、本音と適当に料理を取り、今まさにフライドチキンを口にしようとしていた雷真に近づいて問い詰めた。

 

 

雷真「あ?そんなの辞退するに決まってるだろ?あの時、言い忘れてたが俺のISである、ストライクは実弾や実剣の攻撃を無効化できる装甲だぞ?そんなのでクラス対抗に出てみろ。如何様だ、何だと言われかねないぞ?」

 

一夏「そ、それは……」

 

雷真「それに、お前は『守る』んじゃないのか?」

 

一夏「ッ!?」

 

雷真「なら、クラス代表になって強い奴と刀を交えて強くなるしかないだろう。そうだろう、一夏?」

 

一夏「そうだな……。うん!雷真のおかげで目が覚めた。サンキュー、雷真」

 

雷真「気にするな。友達だろ?それに俺も守りたい者があるからな」

 

 

そう言って雷真は隣に座ってスイーツを美味しそうに食べている刀奈を見つめた。

 

 

一夏「なるほど、雷真にも守りたいものがあるんだな」

 

 

一夏は強い意思を宿した雷真の瞳を見て。自分も今よりも、もっと強くならないと、と思い雷真にある提案をする。

 

 

一夏「なあ、雷真」

 

雷真「今度はなんだ?」

 

一夏「明日から俺を鍛えてくれないか?」

 

雷真「はあ?」

 

一夏「なあ、頼むよ!」

 

 

一夏は頭を下げて、頭の上で両手を合わせお願いのポーズを取る。

 

 

雷真「刀奈、どうする?」

 

刀奈「ふぁいんひんにまふぁせるふぁ(雷真に任せるわ)」モキュモキュ

 

 

刀奈は雷真お手製のシュークリームを口一杯に頬張りながら喋っているため、雷真と同じ幼馴染である本音でさえ刀奈の言っていることが分からなかった。

 

 

本音「ライライ、お嬢様は何て?」

 

雷真「俺に任せるってさ。それと刀奈、喋るなら口に入ってる物を呑み込んでからにしろよ」

 

刀奈「ごめんなさいね。だって雷真の作ったシュークリームがあんまりにも美味しいんだもの」

 

雷真「材料さえ、用意してくれれば暇な時に作って置くから。あっ、ほら刀奈、こっち向いて」

 

刀奈「んっ」

 

 

雷真は刀奈の口回りと頬っぺたについた生クリームとカスタードクリームを合わせたミックスクリームをナフキンで拭き取る。

 

 

雷真「はい、取れた」

 

刀奈「ありがとう、雷真」

 

雷真「いつものことだ。気にするな」

 

 

この光景を見ていたクラスの女子たちはブラックコーヒーを頼んだそうな。その中で、ブラックコーヒーを飲まずに済んだのは箒とセシリア、そして本音の友達である、四十院神楽と鏡ナギだけである。また箒とセシリアは、いつか一夏にやってもらいたいと心の中で思っていたそうだ。

 

 

鏡「ねぇ、本音」

 

本音「なあ~に、ナギ」

 

鏡「黒牙くんと更識さんって、いつもあ~なの?」

 

本音「ん~?いつもより、控えめだと思うよ。ライライが行方不明になる二年前はかっちゃんはライライに口で取るよう、おねだりした時があったからね。今は人がいるからしてないけど」

 

四十院「なに、それ……」

 

鏡「甘い、甘過ぎるわ」

 

本音「あはははは」

 

 

しかし、本音の話しでやはり二人もブラックコーヒーを飲むことになった。

そして、一夏を鍛える話しに戻り。

 

 

一夏「ダメか?」

 

雷真「ん~。弱音を吐いても止めないからな?」

 

一夏「おっしゃ!」

 

雷真「明日の朝からやるからな」

 

一夏「わかった」

 

 

早朝特訓の話しを終えると一夏は箒とセシリアがいるところに戻る。そして、何やら二人と一夏は揉めているようだ。

 

 

刀奈「いいの、雷真?」

 

雷真「何が?」

 

刀奈「貴方の特訓って、普通の特訓じゃないじゃない」

 

雷真「そうだな。行方不明から帰ってきてからは、皆から言われるな」

 

 

それもそのはず。雷真の特訓は100m走を重さ40キロを超える重りで10秒切る走りを往復10セット。他には40キロの重りをつけた状態で片手腕立て伏せ、片手逆立ち腕立て伏せ、片手懸垂をやるのだ。

端からみたら、何処のボディービルダーだと言われても可笑しくない。

 

 

刀奈「まあ、彼を潰さない程度に鍛えてあげなさい」

 

雷真「そうする」

 

 

それからは普通に雷真は夕飯としてパーティーの料理を食べる。あらかた、腹が満たされたところで雷真は刀奈と本音に一言言ってから整備室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真が整備室に向かって、直ぐに首からカメラをかけた女子生徒が刀奈たちのところへやってきた。

 

 

???「どうも、新聞部で~す。二人目の男性IS操縦者の黒牙雷真くんは居るかしら?」

 

 

刀奈「彼なら、もう居ないわよ?」

 

???「そんな~」

 

刀奈「確か、貴女は虚の友人で……」

 

黛「黛薫子よ。虚には、いつもよくしてもらってるわ。だから、刀奈ちゃん。貴女は私のことを薫子でいいわよ」

 

刀奈「なら、私のことも刀奈でいいわ」

 

黛「了解。ところで刀奈」

 

刀奈「何かしら?」

 

黛「刀奈が黒牙くんと婚約してるって本当?」

 

刀奈「ええ、本当よ」

 

黛「そんで、そんで、二人の馴れ初めはいつ?」

 

刀奈「そうね………もう五年も前になるかしら」

 

黛「そんなに……」

 

刀奈「私と双子の妹が学校の帰り道に知らない大人たちに誘拐されてしまったことがあるの。そんな私たちを額から血を流しながら傷だらけで助けに来てくれたのが幼馴染の雷真だったの」

 

黛「まさにお姫様たちを救い出す王子様ね」

 

刀奈「その後は私の両親がその大人たちに制裁を下してからお父さんが雷真に何で自分一人で刀奈たちを助けに言ったんだ、って聞いたの」

 

刀奈「それで雷真は、『自分の手が届くのに、手を伸ばさないで諦めるなんて嫌だし。それに刀奈と簪が心配だったから』って言ったのよ。その時、私は、この人と共に人生を歩みたいと思ったの」

 

黛「なんとも王道なラブロマンスね」

 

刀奈「そうね。けれど、これが私と彼の馴れ初めよ」

 

 

~刀奈の回想~

 

 

 

 

 

私たちは小学校の帰り道で知らない黒服の大人たちに布を顔に当てられて誘拐されてしまった。今、自分たちが何処に居るのかすら分からない。

 

 

簪「お姉ちゃん、怖いよ……」グスグス

 

刀奈「大丈夫よ、簪ちゃん。お姉ちゃんがついてるから」

 

簪「う、うん」

 

 

それから何時間経ったろ?そんな時、外が騒がしくなり始めた。

 

 

『なんだこの、クソガキ、どこから!?』

 

『ガッ!?』

 

『野郎共、ガキだと思って手加減なんかするな!殺す気で殺れ!』

 

『『『おおおおお!!』』』

 

『グギッ!?』

 

『グボワッ!?』

 

『グギャッ!?』

 

 

大人たちの苦しむ声が私たちのところまで響いてくる。その声に私も怖くなる。

 

 

簪「おねぇちゃん……」ポロポロ

 

刀奈「大丈夫、大丈夫だ…から」ガタガタ

 

 

私たちが恐怖していると外から聞きなれた人物の声が届く。

 

 

雷真『助けに来たぞぉぉぉぉお!!』

 

 

その声は幼馴染の男の子。名前は黒牙雷真。彼は三歳の頃に両親が彼のことを捨てて居なくなってからは、うちで引き取り家族同然の付き合いだ。そんな彼がなぜ一人で?

 

ふと、あることを思い出した。前に私たちの誕生日に私と簪ちゃんに月と太陽のお守りをくれたことを。

 

 

雷真『誕生日にこれを渡すのは何だけど、お守り。二人を必ず守ってくれるから』

 

 

まさか、彼はあのお守りに私たちの居場所が分かるように細工がしてあった。そういうことなの?

 

そんな考えが頭のグルグルと巡る中、私たちを閉じ込めいた重い扉が開き、眩し光が私たちの目に入る

 

 

簪「ま、まぶしい!」

 

刀奈「うっ!」

 

雷真「やっと、見つけた」

 

刀奈「えっ?」

 

簪「えっ?」

 

雷真「助けに来たぞ。刀奈、簪」

 

 

光に慣れるとそこには、木刀を右手に持ち、額から血を流してボロボロの雷真がいた。

 

 

刀奈「なん……で?」

 

雷真「あ?助けたいから助けに来たに決まってんだろ?」

 

刀奈「でも、外には大人たちが」

 

雷真「そんなの全員、叩きのめした。ちょっとミスったけど」

 

刀奈「バカよ……貴方は本当のバカよ。そんなボロボロになって」ポロポロ

 

 

今までの我慢していた恐怖が今になって解放される。それに合わせて、雷真が助けに来てくれたことに嬉しくなる。

 

 

雷真「取り敢えず、今から縄を解くからじっとしてろよ」

 

 

雷真は大人たちから奪ったであろうナイフで私たちを拘束している縄を切り、解放してくれる。

 

 

雷真「よし。そんじゃ、かえ……」グラッ

 

雷真は私たちを助けたことにより、緊張状態が解けてアドレナリンの分泌が急激に低下したのか足が縺れ倒れそうになる。

 

 

「「雷真!」」ガシッ

 

雷真「わり……。気が抜けて転けそうになったわ」

 

刀奈「全く……。簪ちゃん、そっちの腕をよろしくね」

 

簪「うん!」

 

 

それからは私たちが雷真の両腕を首にかけて、彼を引き摺りながら外に出て、公衆電話で家族に連絡すると30分ほどで来てくれた。

 

これが私たちを魔の手から救い出してくれた。正義のヒーローのお話である。

 

 

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

刀奈「本当、貴方は私たちにとって唯一無二の正義のヒーローなんだからね。雷真」

 

 

私は久しぶりに彼に惚れた時のことを思い出して胸が熱くなるのが分かった。また、刀奈の首には過去に雷真からもらった、太陽のお守りがかかっている。

 

 

 

刀奈「さて、私も整備室に行こうかしらね」

 

 

 

 

 

 

 




刀奈が作りだした渦潮ですがイメージとしては

ポケモンのポッチャマが作りだした渦潮です



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第7話





雷真はパーティーから抜け出し整備室に行くと整備室の明かりが廊下に漏れていた。

 

 

雷真「誰かいるのか?」

 

雷真「失礼しま~す」

 

 

誰か居ると思い。一応、挨拶をしながら整備室に入ったのだが誰もいない、もぬけの殻のようだ。

 

 

雷真「誰かが明かりを消し忘れたのか?まあ、いいや」

 

 

明かりのことは放って置き。整備用のカタパルトにストライクを起動させて待機させる。

 

 

雷真「さっきの刀奈との模擬戦でストライクをランチャーからエールに換装するタイムラグが問題になることがわかったから、あとはそれを無くすためにOSをいじれば」

 

雷真「ストライクの換装接続タイムを1秒から0.05に書き換えて。よし、やってみるか」

 

 

雷真はキーボードでストライクの換装システムのOSを書き換えて実験するがやはり、タイムラグが発生してしまう。

 

 

雷真「駄目か……。そうだ、どこかにISの高速武装交換をする動画とかないかな」

 

 

雷真のストライクは今はMS(モビルスーツ)ではなくIS。なら、ISの機能や能力で高速で換装することを思いつきネットでその動画を漁る。

 

 

雷真「あった!えっと名前は高速切替(ラピッド・スイッチ)……。」

 

 

高速切替(ラピッド・スイッチ)の動画を再生すると雷真はこれだ!と頭の中でパズルピースが嵌まる感覚を感じた。

 

 

雷真「この高速切替(ラピッド・スイッチ)でタイムラグは解消できる。他にはストライカーを換えずに部分換装できるようにセッティングしてみるか」

 

 

それから約1時間ほどOSを書き換えて高速切替(ラピッド・スイッチ)の動作における不備がないかを確認しながら何回も繰り返していると…………。

 

 

???「…………真」

 

???「……雷真」

 

???「ねぇ、雷真ってば!」

 

雷真「うおわっ!?」

 

雷真はあまりにも高速切替(ラピッド・スイッチ)に熱中していたためか周りの声が全然聞こえておらず。簪の声で驚いてしまった。

 

 

雷真「なんだ、簪か……驚かすなよ」

 

簪「簪か……じゃないよ!何度も呼んだのに」

 

雷真「それは悪かったな」

 

簪「それで雷真はどうしてここに?」

 

雷真「今日の放課後に刀奈と模擬戦をしたんだが、途中でストライクの換装が間に合わなそうになったから、その対策だ」

 

簪「ふ~ん。ところで、その模擬戦はどっちが勝ったの?」

 

雷真「俺だ」

 

簪「えっ?えええええ!?」

 

雷真「どうしたんだよ?そんなに驚いて」

 

簪「いやいや、普通は驚くよ!だって、お姉ちゃんはIS学園史上で最も最速で生徒会長になったんだよ?それなのに、雷真はそんなお姉ちゃんに勝っただなんて………」

 

雷真「だからか、あんなに悔しがってたのは」

 

簪「本当に雷真は色々と無茶苦茶というか出鱈目というか…………。はぁ~、止めた、気にしてる私の方が疲れちゃうもん」

 

雷真「ところで簪はなんで整備室に?」

 

簪「それはね、私の専用機がまだ出来てないからなの」

 

雷真「はあ?」

 

雷真「ちょっと待て。なんで日本代表候補生である簪の専用機が完成してないんだ?日本代表である刀奈の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)は完成してるのに」

 

簪「ううん。お姉ちゃんの専用機は元々ロシアの専用機をベースに作ったの。ロシアで開発されていた第三世代機のプロトタイプが破棄されるところを日本が無理やりロシアと交渉して戦闘データ以外を提供してもらった後に虚さんや本音、私と力を合わせて完成させたの」

 

雷真「なら、簪の専用機が急ピッチで開発させるはずだろう?」

 

簪「本当はそのはずだったんだけど、イレギュラーが発生したんだよ」

 

雷真「イレギュラー…………まさか!?」

 

簪「雷真も気付いたみたいだね。そう、本来ならあり得ない、一人目の男性操縦者の出現。もっと正確に言うなら織斑一夏の発見によって、開発されるはずだった私の専用機が後回しにされて、織斑一夏の専用機である、あの白式が完成したの」

 

雷真「…………」

 

簪「それも運が悪いことに私の専用機を開発している企業と織斑一夏の専用機を開発した企業は同じ企業なんだよ」

 

雷真「そんなことって……」

 

簪「正直、なんで私がこんな目に合わないといけないの、って思ったよ。でも、泣いてる私を何も言わずに真っ先に慰めてくれたのは雷真だった。本当のヒーローみたいに何も言わずに慰めてくれた」

 

雷真「えっ?」

 

簪「今でも覚えてるよ。額から血を流しながら傷だらけでボロボロな状態で私たちを助けてくれたこと。あの時の雷真は、まさに私が憧れる大好きなヒーローみたいだった。だから、そんな私の大好きヒーローが近くにいるのに織斑くんを恨んだら、その人に嫌われちゃうから」

 

雷真「ちょっと待て、簪。俺はヒーローなんかじゃ……」

 

簪「いや、待たない!だって、これが最後のチャンスかもしれないから。だから、ちゃんと聞いてお願い」

 

 

雷真は簪の赤い瞳から真剣さが見て取れたので頷くことしかできなかった。

 

 

簪「すぅ~、はぁ~。よし」

 

 

簪は下を向いて深呼吸をしてから、何やら決意をして、そして顔を上げ、こちらの正面を向くと、彼女の瞳は少し潤んでおり、頬も少し赤くなっているように見える。

そんな簪の顔を見た瞬間、雷真は胸の奥が【ドクン!】と跳ねた。

 

 

簪「えっとね……その私、ね」

 

雷真「お、おう」

 

簪「私………雷真のことが好き!五年前のあの時からずっと雷真が好きだったの、けれど付き合ってとは言わない」

 

雷真「…………」

 

簪「だって、だって……雷真には……お姉ちゃんが……刀奈がいるから」ポロポロ

 

雷真「…………」

 

 

簪を泣かせてしまった。俺の所為で簪を泣かせてしまった。刀奈と同様に簪を守ると決めたのに……なのに俺は………。

 

 

簪「だから、答えはいらない。答えを聞いたら、今よりも辛くなって、きっと刀奈に当たっちゃうから」ポロポロ

 

雷真「…………」

 

簪「だから、これでいいの。胸の奥にしまってた思いを打ち明けて、スッキリしたから」ニコ+ポロポロ

 

 

バカやろ……。そんな泣きながら無理な笑顔を作っても説得力なんてねぇよ。

 

 

 

簪「ごめん私、先に出るから、戸締まりとかよろしくね!」タタタタ

 

 

簪は俺の横を走って通り過ぎ、整備室を出て行こうとするが………。

 

 

???「待ちなさい、簪ちゃん」

 

 

整備室の入り口から先ほどまで一緒に居た女性の声が聞こえた。

 

 

簪「なんで……お姉ちゃんがここに」

 

雷真「刀奈」

 

刀奈「さっきの話し、聞かせてもらったわ」

 

簪「そっか……聞かれてたんだ」

 

刀奈「やっと勇気を出せたわね、簪ちゃん」

 

簪「でも……」

 

刀奈「雷真、IS学園にくる前にお父さんは何て言ってたか覚えてる?」

 

雷真「それは……」

 

 

~回想~

 

 

 

更識父「ああ、雷真君。ちょっと待ってくれ」

 

雷真「なんですかお義父さん」 

 

更識父「何、刀奈と簪のことを頼んだよ。と言いたかっただけだよ」

 

雷真「わかってます」

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

出発前のお義父さんとの会話を思いだした。

もし、その言葉が俺の解釈通りなら…………

 

 

刀奈「どう、わかった?」

 

雷真「刀奈、お義父さんのあの言葉はそういう意味で解釈していいのか?」

 

刀奈「さあ、ね?私はさっき食堂でも言ったけど雷真に任せるわよ」

 

雷真「わかった」

 

 

俺は今だ、俺たちのやり取りを理解していない簪に近づき、正面で話しをする。

 

 

雷真「簪」

 

簪「なに、雷真?」

 

雷真「これは俺の意思だから、言わせてもらう。所謂、エゴってやつだ」

 

簪「…………」

 

雷真「更識簪さん」

 

簪「…………」

 

雷真「俺は……簪も刀奈も同じくらい好きです」

 

簪「へっ?」

 

雷真「だから、俺と結婚を前提に付き合ってください」

 

簪「えっ?うそ………でも、そんなことは」ポロポロ

 

刀奈「普通は出来ないわね。けど、雷真は今では世界で貴重な存在よ?なら、やり方によっては

"それを(一夫多妻)"を可能にすることはできるはずよ」

 

簪「本当にいいの?刀奈も本当に?」

 

雷真「俺から結婚を前提としたお付き合いを申し込んでいるんだがな?」

 

刀奈「この私が簪ちゃんが雷真の好きだってことを分からないとでも思った?」

 

簪「ありがとう、二人とも。ありがとう」ポロポロ

 

刀奈「それじゃ、私たち二人の未来の旦那様から好きである証拠を見せてもらうおうかしらね」

 

 

刀奈は艶かしく唇を人差し指でなぞる。その行動だけで雷真は刀奈が示す証拠とやらが理解できた。

 

 

雷真「わかったよ。ただし、簪からな」

 

刀奈「わかってるわよ。待たせた分、しっかりと証拠を残してあげなさい」

 

雷真「わかった。簪、目を閉じて」

 

簪「う、うん」

 

 

雷真は簪の前に立ち、優しく簪の肩に手を乗せる。手を乗せる際、簪の体がビクッと動いたのは無視する。

 

 

雷真「いくぞ」

 

 

雷真の合図で簪は少し顎をあげる。これにより、雷真と簪の顔はちょうど良い角度で交わる。

 

 

雷真「んっ……」

 

簪「んっ……」

 

 

今はただ唇と唇を当てるだけで終わり。

 

 

簪「しちゃった、ね」ニコリ

 

雷真「ッ!?。/////」

 

 

やはり、簪と刀奈が双子だからなのか。今の簪の笑顔が初めて刀奈とキスを交わした時によく似ていたが少し違う。

 

 

刀奈「雷真、何をそんな初々しい反応をしてるのよ」

 

雷真「す、すまん。さっきの簪の笑顔が初めてキスをした刀奈の顔に似ていたから」

 

刀奈「バカ……。/////」

 

簪「フフフフ」ニコニコ

 

刀奈「それじゃ、私の番ね」

 

雷真「わかってるよ」

 

 

刀奈も簪と同じように正面に立ち、優しく肩に手を置き顔を近づけキスを交わすが…………。

 

 

雷真「んっ、んふ……!」

 

刀奈「んっ、んむ……あむ…ぷはっ!」

 

 

腕を首の後ろに回されて、まさかのディープキスをやられるとは思わず雷真も目を白黒させてしまう。

 

 

刀奈「ごちそうさま」

 

雷真「か、刀奈、お前」

 

刀奈「フフフフ、二年と半年ぶりのキス。美味しかったわよ。ら・い・し・ん♥️」

 

 

こいつ、マジでお義母さんの血が一番濃いんじゃないかと疑いたくなる。それの理由は何とお義父さんが大学生の時、二つ上であるお義母さんに言い寄られた結果。お義父さんが四年のころに刀奈と簪がお腹に出来て結婚したそうだ。

 

 

簪「お姉ちゃんがエッチい」

 

雷真「はぁ~。ところで簪の専用機の話しなんだがストライクの中にある戦闘データを流用できないか?」

 

簪「多分できると思うけどいいの?」

 

雷真「大切な婚約者が困ってるんだ。いいに決まってる」

 

簪「う、うん、ありがとう。/////」

 

 

こうして、新たに雷真の婚約者に簪が加わった。

また、簪の専用機を担当していた企業である倉持技研が、ミスターKと名乗る男により破産一歩手前までにされていたり、極秘にしていた情報が日本政府に渡り家宅捜索をされたそうだ。

 

 

 

 




今回は簪の告白でした


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第8話







一夏とパーティーと簪が婚約者に加わった、翌日。朝、時計は時刻を5時30分と示している。

雷真は朝早くから起き、特訓をする。

これは、コズミック・イラのなごりで早朝特訓をしてしまうのだ。一種の職業病だ。

そして、雷真は1025号室の前にいる。扉の前でノックを三回する。すると寝間着なのか?浴衣姿の箒が出てくる。

 

 

箒「こんな朝早くに何の用だ?雷真」

 

雷真「昨日、一夏が強く成りたいから特訓してくれと頼まれてな。だから、早朝特訓だ。」

 

箒「なにっ!?」

 

雷真「箒、声を落とせ」

 

箒「す、すまない。それで、私も付いて行っても構わないか?」

 

雷真「ああ。第三者の目からの意見も特訓に必要だからな。取り敢えずは一夏を起こすから、入っていいか?」

 

箒「どうぞ」

 

雷真「お邪魔します」

 

 

箒に招き入れてもらい、ベッドの中で眠っている一夏を起こす。

 

 

雷真「一夏、起きろ。早朝特訓するぞ」

 

一夏「ん、雷真?何でいるんだ?」

 

雷真「昨日、お前が言ったんじゃないか。強く成りたいんだろ?」

 

一夏「そうだった!?」

 

 

一夏は昨日のことを思い出して、バッという効果音が鳴りそうな勢いでベッドから飛び起きる。

 

 

雷真「起きたなら、早くISスーツと動きやすい服に着替えろ」

 

一夏「わ、わかった。雷真はエントランスで待っていくれ」

 

雷真「了解」

 

 

一夏に言われるまま、エントランスで一夏と箒を待っていると、ジャージ姿の織斑先生に出会った。

 

 

千冬「黒牙か、早いな」

 

雷真「いえ、これはもう習慣なので」

 

千冬「いい心掛けだ。一夏もお前を見習ってほしいものだ」

 

 

織斑先生がそんなことを愚痴っていると……。

 

 

一夏「誰が雷真を見習えって?」

 

千冬「い、一夏!?」

 

 

織斑先生はこんな朝早くに一夏が起きているのに驚いているようだ。

 

 

一夏「おはよう、千冬姉」

 

箒「おはようございます。織斑先生」

 

千冬「お、おはよう」

 

雷真「それじゃ、まずは軽く準備体操してから4キロのマラソンな。制限時間は10分だ」

 

 

(作者も10分で4キロ走れちゃいます)

 

 

一夏「10分で4キロ!?」

 

千冬「ほう?」

 

雷真「あっ、織斑先生」

 

千冬「なんだ?」

 

雷真「ISとアリーナの使用許可をいただけませんか?」

 

千冬「何のためだ?」

 

雷真「一夏が昨日、強く成りたいから特訓してくれと頼まれまして」

 

千冬「なるほどな。許可しよう」

 

雷真「ありがとうございます。では、さっそく」

 

 

雷真はストライクを出さずに対ビームシールドだけを出現させて、それを担ぐ。

 

 

雷真「よ~し、マラソン始め!」

 

 

雷真は対ビームシールドを担ぎながらタッタと走っていく。対ビームシールドの総量は約60Kgはあるのだが、それを軽々と担ぎながら走る雷真はいかに……。

 

 

一夏「す、すげえ」

 

箒「本当だな」

 

 

4キロのマラソンが終わると一夏はゼハゼハ、と息切れしながら倒れ、箒も流石に10分で4キロはキツイようで息が切れている。雷真はというと全く息が切れていない。

また、織斑先生だが、まだ走るとのことで別れた。

 

 

雷真「うっし。今から30分休憩だ。休憩が終わったらISの特訓に入る」

 

一夏「ま、マジか……」

 

箒「雷真は凄いな……。毎日、こんな特訓をしてるのか?」

 

雷真「そうだな~。行方不明になる前は刀奈の家で両手足に10kgの重りを着けて走ってたけどな」

 

箒「そうか」

 

雷真「ほれ、二人とも」

 

一夏「さ、サンキュー」

 

箒「すまない」

 

 

一夏と箒に渡したのは簡易食。所謂、10秒チャージのようなものだ。それから休憩が終わり、アリーナでISの特訓に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「ほら、またロックオンされてるぞ。射線から逃げろ!」

 

一夏「クソォォォオ!」

 

 

今、行っている特訓は一夏を俺がエールストライクで追いかけ、ビームライフルのロックオンから逃げる特訓だ。

かつて誰かが、『当たらなければ、どういうことはない』と言ったようにそれを実現させるためにやっている。

 

 

雷真「また、速度が落ちてるぞ。蜂の巣に成りたいのか!」

 

一夏「キツイ」

 

雷真「今からはロックオンだけじゃなくて実際に撃っていくからな。当たるなよ?」

 

一夏「へぇ?」

 

雷真「行くぜ!」

 

一夏「うわああああああ!?」

 

 

雷真はギリギリ掠るところを狙って一夏にビームライフルを撃っていく。ギリギリとはいえSEは確実に削れていく。

 

 

一夏「クソッ、このままじゃあ」

 

 

一夏はあることを思い出した。それはクラス代表決定戦で雷真がやってのけたビームを弾く。それを零落白夜でも、やれるのではないかと考えた

 

 

一夏「一か八かだな。けど、何もしないで殺られるよりはましだ!」

 

 

一夏は高速移動しながら零落白夜を発動し、ビームライフルから放たれるビームを弾いた。

 

 

雷真「へぇ~」

 

一夏「おっしゃ、いける!」

 

雷真「なら、ちょっとギアを上げようか」

 

一夏「えっ?雷真さん、今ギアを上げると仰いました?」マッサオ

 

雷真「その通りだ、一夏」ニヤリ

 

一夏「あ、あ、あ、うわあああああ!!」

 

 

今回は容赦なく、完全に相手に当てる感覚でビームライフルの照準を合わせて、トリガー引いていく。

 

 

雷真「ほら頑張って、知恵を絞って!」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏の早朝訓練の話しを聞き付けたセシリアは刀奈と共に雷真たちが居るアリーナに来ていた。そこで目にしたのは地獄絵図。

 

 

セシリア「刀奈さん、貴女のフィアンセは鬼か何かですの?」

 

刀奈「ああなった雷真は、私も久しぶりに見たかも」

 

セシリア「久しぶりということは前にも?」

 

刀奈「ええ、調子に乗って私と双子の妹の簪ちゃんにしつこくナンパをしてきた男を笑顔でね」

 

セシリア「あー、なるほど。容易に想像できましたわ」

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

あれから、一夏の雷真による特訓が始まって早二週間が経ち。現在、早朝特訓を終えた一夏は教室の自分の席でボロボロの状態で突っ伏している。

 

 

一夏「…………」ボロボロ

 

本音「おりむ~、大丈夫~?」

 

一夏「のほほんさん、君にはそんな風に見える?」

 

本音「ううん、ぜ~んぜん。だって、特訓の相手があのライライだもん」

 

一夏「のほほんさんは雷真と長い付き合いなのか?」

 

本音「うん。私とお姉ちゃん、それにかっちゃんにかんちゃんはライライとは幼馴染なのだ!」

 

 

本音との会話の後はチラホラとクラスのメンバーが教室に入ってくる。その中の何人かがクラス対抗戦の話しをしている。

 

 

「もう直ぐ、クラス対抗戦だね」

 

「そうだ。二組のクラス代表が変更になったって聞いてる?」

 

「ああ。なんとかっていう転校生に変わったのよね?」

 

 

一夏「転校生?今の時期に?」

 

鏡「うん、中国から来た娘だって」

 

セシリア「フン!私の存在を今さらながら危ぶんでの転入かしら?」

 

雷真「それはないだろ。だったらなんで入学当時に来ない?大方、一夏か俺のデータ取りだろう。お偉いさん方はそんなことしかしないからな」

 

一夏「なるほどな。でも、どんなやつだろうな?強いのかな?」

 

雷真「どんな相手だろうが気を抜くなよ。気を抜いて恥さらしな負けた方をしたら、特訓内容を地獄にしてやる」

 

一夏「わ、わかった」ダラダラ

 

鷹月「でも今のところ専用機を持ってるのは一組と四組だけだから余裕だよ」

 

一夏「いや、雷真の言葉通り俺は余裕だなんて思わないことにするよ」

 

 

と一夏がいうと……いきなり教室の前の扉が開く。

 

 

???「そこの女子の情報古いよ。二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

一夏「鈴?お前鈴か?」

 

鈴「そうよ!中国代表候補生、凰鈴音よ。今日は宣戦布告に来たってわけ」ビシッ!

 

 

とまあ、漫画で出てくる。ライバル的なやつのセリフを言ってみせた。一夏の知り合いらしい、中国代表候補の凰鈴音がこの学園にやって来たみたいだ。

 

 

鈴「アンタね、二人目の男性IS操縦者ってのは」

 

 

凰はこちらにやってきて、俺にそう問うてきた。

 

 

雷真「ああ、そうだ。既にそちらから自己紹介があったから俺だけ言わせてもらう。黒牙雷真だ。俺のことは雷真で構わない」

 

鈴「こっちも鈴でいいわ」

 

 

そうして、互いに握手をする。

 

 

雷真「なぁ、鈴。そろそろ、自分の教室に戻ったほうがいいぞ」

 

鈴「どうして?」

 

雷真「一組の担任が織斑先生なんだよ」

 

鈴「うげっ!?それは本当?」

 

雷真「本当だ。あと40秒で来るぞ」

 

鈴「ヒイイイ!?」

 

 

鈴は悲鳴のような声を上げながら教室を出ていくが何かを忘れたのか戻ってくる。

 

 

鈴「一夏、このあと昼休みに話しがあるから、じゃあ!」

 

一夏「……………」

 

雷真「なんか嵐みたいなやつだな?」

 

一夏「まあ、良いやつだよ」

 

 

鈴との邂逅のあとは授業は普通に終わり。しかし、途中で何回か一夏は織斑先生の出席簿アタックを受けて頭から湯気を出していた。

 

そして、昼休み。今日は一夏たちと食堂で食べることにしたので途中で鈴とも合流した。

 

 

一夏「にしたもビックリしたぜ。お前が二組の転校生とはな。連絡をくれりゃ良かったのに」

 

鈴「こっちだって代表候補生として忙しいのよ。アンタと違って」

 

一夏「なんだよ、その言い方。それとお前、まだ千冬姉のことが苦手なのか?」

 

雷真「そうなのか?あんなに優しいのに」

 

鈴「雷真、アンタのその感覚を疑うわ」

 

雷真「いや、俺はあれより酷いのを知ってるからな」

 

 

雷真の頭には戦闘訓練と言う名の地獄。それもコズミック・イラの伝説の二本の剣、"ストライクフリーダム"と"インフィニットジャスティス"によるいじめが脳裏でよみがえった。

 

 

刀奈「雷真、戻ってきなさい。後ろが詰まってるわよ?」

 

雷真「す、すまん」

 

 

刀奈の声で半年しか月日が経っていないが、コズミック・イラのことがひどく懐かしく感じていた。

 

そして、席に着くと一夏は鈴と二人で、それに付いて来た輩は集まって座っている。

俺と刀奈は普通に二人で座っている。また、あのクラス代表決定パーティー以降から簪も俺たちと一緒に食べるようになった。

 

 

簪「ごめん、待たせちゃった?」

 

雷真「いや、そんなことはないぜ。ほら、簪のオムライスも取ってあるから」

 

刀奈「そうよ、簪ちゃん」

 

簪「ありがとう、二人とも」

 

 

そして三人で食事に感謝をする。これは俺がコズミック・イラで宇宙から地球に降りた際に、北アフリカ砂漠でアークエンジェルやストライクの補給物質を提供してくれた人達を見て思ったことだ。どれだけ自分たちが裕福な生活を送ってきたのか。どれだけ住みやすく、安全な環境に置かれていたのかを実際に体験すると、その有り難みが酷く、重く、大きく、感じてしまったのだ。

 

 

雷真「それで簪。専用機の調子はどうだ?」

 

簪「うん、雷真からもらったストライクの戦闘データが役に立ってるよ。特にランチャーストライクと【GAT-X102 デュエル・アサルトシュラウド】、【GAT-X103バスター】がね」

 

雷真「ああ、そいつらか」

 

 

コズミック・イラ71年の時に敵として戦ったGATシリーズのうちの二機。デュエルは白髪でプライドが高い性格のイザーク・ジュール。バスターは金髪で外見からしたチャラそうだが芯があるディアッカ・エルスマン。

そして雷真がストライクに搭乗して互いに命のやり取りをした相手だが、第二次ヤキンドゥーエ攻防戦後は良き友として仲を深めた二人だ。

 

 

簪「でも、あんなIS見たことがないけど。どうやって、あの戦闘データを手に入れたの、雷真?」

 

雷真「それは、ごめん。まだ、話せない。刀奈にも同じことを言ってるけど、あの二年間に関わる話は決心が着いたら話すから待っていてくれ」

 

簪は刀奈の方を見ると真剣な顔で頷く。しかし、その瞳には悲しみの色が混ざっていたことを簪は見逃さなかった。

 

 

簪「わかった。お姉ちゃんと一緒に雷真の決心が付くまで待ってるね?」

 

雷真「悪いな」

 

簪「ううん。だってヒーローはいつも、色んな感情が葛藤するから、それが落ち着くまでは待たないと」

 

雷真「ありがとう」

 

 

 

 



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第9話







一夏「ウオオオオオッ!!」

 

雷真「あまい!バカみたいに真っ直ぐに突っ込むな!」

 

一夏「クソっ!」

 

 

現在は放課後。今日、1日の授業を終えてから雷真の放課後特訓が現在は行われている。今、行われているメニューは一夏の白式に搭載されている単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)の零落白夜を効率良く最適な場面で使うやり方と近接型と戦い方を肌で覚える特訓をしている。

雷真の装備はソードストライカーである。

 

 

雷真「そんなので諦めるのか?」

 

一夏「まだまだ!」

 

 

一夏は雷真に何度吹き飛ばされようが立ち上がり、スラスターを噴かせて突撃する。しかし、この時、一夏の動きに変化が起きた。それは一夏が無意識下で白式のスラスターにエネルギーを二度溜め込み放出した、これにより雷真が手に持つシューベルトゲーベルが空を切ったのだ。

 

 

雷真「なにっ!?」

 

一夏「そこだぁぁぁぁあ!!」

 

 

この二週間で初めて一夏は雷真に一撃を入れることができた。

 

 

一夏「おっしゃああああ!」

 

 

一夏はやっと雷真に一撃を入れられたことに歓喜の声を上げるが端で観戦している刀奈から注意が入る。

 

 

刀奈「一夏くん、まだブザーが鳴ってないわよ。雷真はまだ終わってない!」

 

一夏「はっ!」

 

雷真「そうだぜ、一夏。気を抜くのは早すぎだ!」

 

雷真「セヤアアアアッ!」

 

 

雷真は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一夏に近づいて、二本の剣で縦横無尽に切り刻む。雷真の左手にはソードのシューベルトゲーベル。右手にはオオトリの大型対艦刀を持っていた。

前に整備室でストライクのOSを書き換えをしたため、換装しなくてもそのバックパックの武装が出せるようになっている。

 

 

一夏「ぐあああああ!!」

 

 

計16回の躊躇の無い斬擊で白式のSEはemptyしてしまう。

 

 

雷真「一夏、休憩。刀奈にセシリア、頼む」

 

刀奈「了解よ」

 

セシリア「わかりましたわ」

 

 

次に行うのは雷真の自己特訓。これは毎回、一夏がSEを補給している間に行っているものだ。内容はセシリアのブルー・ティアーズでドラグーンのような動きで雷真を狙い、それを回避する。刀奈はセシリアのブルー・ティアーズに当たらないよう気をつけながら、雷真から借りているビームライフルで雷真を狙撃する。

 

一般人が見ていたら、どんだけバカな特訓をしているんだと言われてもおかしくはない。

 

 

雷真「はじめてくれ」

 

セシリア「行きます!」

 

刀奈「行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって観客席。そこには二組のクラス代表であり、中国代表候補生の凰鈴音がいた。彼女は昼休みに一夏の特訓をしてあげようか提案したところ、『雷真に相手をしてもらっているから』と断られてしまったのだ。そして、その特訓内容が気になり、こっそりと見に来ていたのだ。

 

 

鈴「何よ…………あの動き」

 

 

鈴は雷真のあまりの動きに驚きを隠せないでいる。鈴は最初、雷真のことを一夏と同じでIS操縦はド素人と考えていたが、その考えは大きく外れた。雷真の動きは、代表候補生……いや国家代表よりも上を行く動きをやっているのだ。

 

 

鈴「あいつ、本当にISを動かして二週間なわけ?あんな動きをそんな短時間でマスターできる訳がないわよ」

 

 

そんなことを溢していると雷真が……

 

 

雷真「このまま次に移る」

 

鈴「次って何よ……」

 

 

鈴は雷真の特訓の状況を見てないで自分も今直ぐにクラス対抗戦に向けて改めて特訓をしないと思う自分と、雷真の特訓を見て自分の糧にしたいと思う。二人の自分がいた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

次の段階に移行した雷真はエールストライカーから二本のビームサーベルを引き抜き、ビームサーベルでセシリアと刀奈の狙撃を相殺する特訓。そのため雷真はターゲットをとなる物を置き、セシリアと刀奈はターゲットを狙ってビームとレーザーを撃つ。

 

 

セシリア「全く当たりませんわね」

 

刀奈「まあ、雷真だから」

 

セシリア「それを言われてしまわれると納得してしまう自分が不甲斐なく感じますわ」

 

 

白式のSE補給が終わったら、最初と同じ一夏を雷真が相手をしながら特訓。それを見てる間、セシリアはブルー・ティアーズを扱いながら自分も移動できるようになる特訓をする。刀奈の方は霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)で一夏と雷真の戦闘データを録画する。録画したデータはあとで簪に渡している。

 

 

雷真「それじゃ、今日の特訓はここまで」

 

一夏「お、おつかれ」ボロボロ

 

セシリア「お疲れ様ですわ」

 

刀奈「お疲れ様」

 

雷真「あまり、体を冷やすなよ?」

 

一夏「おう……」

 

雷真「仕方ねぇな。よっ」

 

一夏「わるい」

 

雷真「気にするな。毎回のことだ」

 

 

そう雷真の特訓に参加した一夏は初日から放課後の特訓後はグダグダになるのだ。そんな一夏を見かねた雷真は肩を貸して引き摺りながら更衣室に運び、ベンチに寝かせるのだ。

 

 

一夏「サンキュー」

 

雷真「おう」

 

 

一夏に返答してから更衣室を出て、アリーナの外に出るとそこに鈴がこちらに向かってきていた。

 

 

雷真「よう、鈴」

 

鈴「あら、雷真じゃない」

 

雷真「一夏なら更衣室のベンチでグダってるぞ」

 

鈴「そりゃ、あんな特訓してればそうなるわよ」

 

雷真「やっぱり観客席で見てたのは鈴だったのか」

 

鈴「気づいてたの?」

 

雷真「いや、視線は感じてたけど警戒するほどの殺気とかが感じられなかったから誰でもいいやって思ってな」

 

鈴「アンタ、本当にIS操縦といい規格外だわ」

 

雷真「それよか、一夏のところへ行ってやれよ」

 

鈴「わかってるわよ!それじゃあね」

 

雷真「ああ」

 

 

鈴と別れた後、すぐにアリーナの中から刀奈とセシリアが出てくる。二人ともシャワーを浴びていたのか髪が少し潤っている。

 

 

刀奈「お待たせ」

 

セシリア「お待たせしましたわ」

 

雷真「いや、そんなに待ってないよ。まだ、髪が濡れてるようだけど大丈夫か?」

 

刀奈「私は平気よ」

 

セシリア「私もですわ」

 

雷真「それじゃ、部屋に戻ろうか」

 

 

 

部屋に戻り、私服に着替えて刀奈と簪、本音を交えて今日の特訓の反省会をして食堂で夕飯を食べる。

 

 

雷真「簪、専用機の完成まであとどのくらいだ?」

 

簪「ん~、クラス対抗には間に合わないけど、武装の方は整備科の皆が助けてくれてるからなんとか、あとはOSとマルチロックオン・システムがね」

 

雷真「OSはなんとかなるけど、マルチロックオン・システムはな……」

 

 

まぁ、コズミック・イラでキラのフリーダムを整備するのを手伝った時にマルチロックオン・システムの作り方を教わったことがあるけど。この世界でフリーダムと同様のマルチロックオン・システムを作って流用されては困るし、どうしたものかな………と考えていると刀奈が……。

 

 

刀奈「雷真、貴方ならマルチロックオン・システムを作れるんじゃないの?」

 

雷真「」ビクッ!

 

簪「そうなの?」

 

雷真「えっと、だな……」

 

簪「雷真……」上目遣い

 

雷真「うぐっ!」

 

簪「お願い……」上目遣い+ウルウル

 

雷真「わかりました。作らせていただきます」

 

簪「やった!」

 

 

簪よ。その上目遣いとウルウルのやり方を誰に……。あ、もう犯人がわかりました。だって、双子の姉が妹とハイタッチを交わしてるもの。

 

こうして簪の上目遣いに負けて俺は、フリーダムのマルチロックオン・システムより性能を落とした、システムを後日、作ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴が転校してきてから一週間が過ぎた。そしてクラス対抗戦の対戦カードが今朝、発表された。

一回戦は、織斑一夏vs凰鈴音だ。

 

 

雷真「へぇ~、面白い対戦カードだな。この対戦カードにしたのは刀奈だろ?」

 

刀奈「ええ。強くなりたいなら遅かれ早かれ彼女とはぶつかるもの。なら今の実力でどの程度までやれるかを知っておくのもいいと思ったの」

 

雷真「なるほど。それじゃ、俺は少し一夏に激励を送ってくるよ」

 

刀奈「行ってらっしゃい」バッ

 

 

刀奈は懐から扇子を出し開くとそこには『熱き友情』と書かれていた。

 

まったく毎回、どうやって書いてるんだか……。

 

まさかとは思うけど、拡張領域(バススロット)に色んな言葉を書いた扇子を入れてるんじゃないだろうな……。

 

そんなことを思いながら一夏が待機している第三待機所に向かうと織斑先生と鉢合わせる。

 

 

千冬「黒牙か、どうした?」

 

雷真「一応、友であり教え子に激励を、と思いまして」

 

千冬「なるほどな」

 

 

待機所に着くと既に山田先生から鈴のIS情報の説明を受けて、白式を起動させていた。

 

 

雷真「一夏!」

 

一夏「んあ、雷真?」

 

雷真「必ず勝てとは言わない。だが、全力で戦え。そして、仮に負けてもそれを糧にしろ」

 

一夏「おう!」

 

 

真耶『織斑くん。発進どうぞ!』

 

 

一夏「雷真、お前の借りるぜ」

 

一夏「織斑一夏、白式。行きます!」

 

 

と声を上げながら一夏はフィールドへ発進して行った。そして雷真は一夏が発進したあとは刀奈たちがいる観客席に戻る。

 

 

本音「ライライ、お帰り~」モグモグ

 

 

本音は萌え袖にも関わらず、その手に持っているポップコーンのバケットからポップコーンを頬張りながら喋る。

 

 

雷真「お前は相変わらず、お菓子を食べてるな」

 

本音「えへへ~」

 

雷真「褒めてない!それよか、少しくれないか?」

 

本音「ライライだって、食べるんじゃん。はい」

 

雷真「そりゃ、俺だって食べるさ」モグモグ

 

雷真「それで、戦況は?」

 

刀奈「近接戦闘なら一夏くんが有利ね」

 

雷真「そうか」

 

簪「けど、あの中国の子のISにはまだ何かあるはず」

 

雷真「多分、あの両肩にある武装だな」

 

 

雷真の言葉通りに鈴は両肩に装備されている甲龍の龍咆で一夏を攻めて行く。しかし、一夏も負けておらず雷真との特訓の成果なのか龍咆の攻撃をどんどん避けていく。

 

 

刀奈「特訓の成果が活きているわね」

 

雷真「そうじゃなかったら、地獄を見せてやる」

 

 

試合は後半になり流れは鈴に向いているように見えるが雷真は一夏が何かをすると考えている。一日だけだが一夏は雷真とではなく姉の千冬と特訓をしたことがあるのだ。雷真はそれが今回、鈴に勝利するキーだと思っている。

 

そして一夏が鈴に仕掛けようとしたその時、上空からアリーナのシールドバリアを突き破り、爆発した。

 

 

刀奈「なにっ?!」

 

雷真「外部からの攻撃だと!?簪、熱源の探知を頼む!」

 

簪「わかった」

 

 

雷真は簪に熱源を探知させて、空をみるとチラリとだがアリーナを攻撃してきた黒いやつ以外にも空に紫色の機体が二機。水色の機体が四機をストライクのハイパーセンサーで見ることができた。その後は、すぐにアリーナの防護シャッターが起動する。

 

 

雷真「あれは!?」

 

 

まさか…………でも、あの機体は間違いなく、あっち側(コズミック・イラ)の機体だ。なんで居るんだ?

俺が…………こっちに帰ってきたから?なら、俺が終わらせないとだめだ。

 

 

簪「雷真、上空に未確認熱源反応が6ある!」

 

雷真「了解。織斑先生!織斑先生、聞こえますか!」

 

 

俺は上空にいるであろう他のアンノウン機体を破壊するために織斑先生に緊急通信を繋げる。

 

 

千冬『どうした、黒牙?』

 

 

雷真「上空に黒い未確認IS以外に、もう六機、未確認に機体を確認。これより、制圧に向かいます。処罰は後程受けますので!」

 

 

千冬『黒牙、お前は何を!?ちょっとま……』

 

 

織斑先生が言い終わる前に通信を切り、避難誘導とは逆にアリーナの外に向かう。

 

 

雷真「クソっ!なんで、アイツらがなんで!」

 

雷真「皆、そこをどけ!」

 

 

ストライクを起動させてソードストライクに換装して扉をぶった切り、アリーナの外に向かう。すると後ろから刀奈が追いかけてくる。

 

 

刀奈「雷真、待ちなさい!」

 

雷真「刀奈、なんで!?」

 

刀奈「何でじゃないわよ。雷真がアリーナの外に出て行くのを見かけたから追いかけてきたのよ」

 

雷真「バカ野郎。なんで、そんな危険なことを………ッ!?」

 

刀奈「そりゃ、雷真が……「刀奈!」…え?」

 

 

刀奈が言い終わる前に上空から高エネルギーのビーム砲が迫っていた。そして、【ドガーン!】と今まで聞いたことのない爆発音と爆風が刀奈を襲う。

 

 

刀奈「きゃああああ!!」

 

雷真「クソッ!」

 

 

 

 

 

~BGM:Zips~

 

 

 

 

 

 

雷真、尚もこちらにビーム攻撃をしかけてくる敵の攻撃を対ビームシールドで霧散させる。

 

 

雷真「刀奈、これを持ってアリーナにいる生徒を守れ」

 

刀奈「でも、雷真は?」

 

雷真「大丈夫だから、頼んだぞ!」

 

刀奈「ちょっと、雷真!?」

 

 

俺は対ビームシールドを置いて、ソードからエールストライクで上空にいる。アンノウン機体に迫りながらIS学園から遠ざかるように誘導する。

 

 

雷真「やっぱりか、あの機体!【AMA-953バビ】が二機に【ZGMF-2000グフ】が四機」

 

 

雷真が捉えたのはコズミック・イラでZAFT軍が開発した。セカンドステージのMS(モビルスーツ)。【AMA-953バビ】に【ZGMF-2000グフ・イグナイテッド】。

雷真はすぐにオープンチャンネルでバビとグフに通信を繋ぐ。

 

 

雷真「こちらは、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属、クロキバ・ライシン。そちらの搭乗名と所属部隊を聞きたい。繰り返す」

 

 

いまだ、攻撃を仕掛けてくるバビの二機とグフの四機に二度繰り返し、同じ通信をしているが返答がまったくない。

 

 

雷真「繰り返す。こちらは、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属、クロキバ・ライシン。聞こえているなら、搭乗名と所属部隊を答えてくれ……」

 

 

しかし、三回目の通信を返答がない。

 

 

雷真「答えろ、ZAFT!お前たちがやっていることは、あのラクス・クラインが掲げた理想を踏みにじる行為だぞ。なのに、何故それがわからない!!」

 

雷真「あの戦争で何を学んだんだ、お前たちは!!」

 

 

けれど雷真の叫びは虚しくバビたちには届かない。

 

 

雷真「これが最終通告だ。これを最後に返答がなければ貴君等を敵とみなし、撃墜する。以上だ。」

 

 

やはり、と言うべきかバビとグフから返答の通信は無く、ビーム攻撃がくる。

 

 

雷真「わかった、お前らは敵だ。だから躊躇なく俺は撃つ!」キュパーン

 

 

雷真は『殺す』と意識を決めると頭の中で何かが弾ける。すると一気に思考がクリアになり、撃つことに躊躇がなくなる。また、雷真の瞳からハイライトが消える。

 

 

雷真「…………」

 

 

雷真はストライクをエールからマルチプルアサルトに高速切替(ラピッド・スイッチ)で換装する。次に今までストライクにかけていたセーフティロックを全て解除する。

 

セーフティを解除すると、バビがMA(モビルアーマー)形態からMS(モビルスーツ)形態に変形し、腹部の砲門からアルドール複相ビーム砲が放たれるが、それを雷真はマルチプルアサルトのアグニで干渉させて相殺する。相殺に成功するとすかさず、イーゲルシュテルンとビームライフルでバビに近づきながら撃つが………グフが二機、雷真を左右で挟み、両腕についているうちの片腕でドラウプニル4連装ビームガンを撃ってくる。

 

それを回避しながらアグニでグフに放ち、一機を撃墜する。もう一機は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で近づいて、メインカメラをシュベルトゲベールで切り落とし、そのまま腕を掴みMS(モビルスーツ)形態のバビに投げつける。バビとグフがぶつかり合ったらシュベルトベーゲルを投擲して串刺し撃墜。

 

 

雷真「次!」

 

 

残りのバビが一機にグフが二機を倒すために背中からビームサーベルを引き抜き、グフに突撃する。その際、グフは雷真の突撃を防止するためにビームガンを撃ってくるが左腕のシールドで弾きながら突撃する。

 

 

雷真「ウオオオオオッ!!」

 

 

そして、シールドを構えたままビームサーベルを突き出し、挿し込む。そのあとは蹴りを入れてビームライフルで撃墜。残りのグフにはシールドに複合させれている、ロケットアンカーを放ち捕まえる。捕まえたら、そのままグルグルと振り回し、こちらを狙ってビーム咆を放ったバビのビーム咆の盾にする。それにより、爆煙が起きるがバビは居るはずなので、ビームライフル、アグニ、イーゲンシュテルン、ガンランチャー、対艦バルカンの5つをエネルギーが切れるか弾が切れるまで乱射する。

 

やがて、イーゲンシュテルン、ガンランチャー、対艦バルカンの弾が切れ、ビームライフルとアグニも撃ち過ぎて、ストライクのエネルギーが切れてフェイズシフトダウンを起こすまで撃ち続けた。

 

 

雷真「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」

 

 

SEEDを使った反動で疲労が一気に押し寄せてくるが、刀奈から緊急通信がきているので、それに応じる。

 

 

刀奈『雷真、無事なの!?』

 

 

雷真「ああ、敵機を全て撃破。残骸を持ってIS学園に帰投する。それと織斑先生に例の話しをすると伝えてくれ」

 

 

刀奈『なんだか、わからないけど。雷真が無事で良かったわ』

 

 

雷真「サンキュー」

 

雷真「…………」

 

 

 

 

俺は海に浮かぶ、バビとグフの残骸を見ながらこう思う。

もう、決心を付けなきゃいけない時なんだと。

そして残骸をある程度回収してISに帰投する。

 

 

 

 

 

 

 



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第10話







 

 

バビとグフを全て撃破した雷真はマルチプルアサルトからエールに換装して、夕陽に当てられながら刀奈たちが待っているIS学園に帰投する。そして、第三アリーナ付近に降りようとすると、そこに刀奈と簪の姿があった。

ゆっくりと地上に降り立つと泣きながら刀奈と簪がこちらに飛びついてくるのでストライクを解除する。

 

 

「「らいしぃぃぃん!」」ポロポロ

 

 

雷真「すまない、心配をかけたな」

 

刀奈「本当よ!」ポロポロ

 

簪「いつも、無茶をして!」ポロポロ

 

雷真「…………」

 

刀奈「でもね」

 

簪「うん、でも」

 

 

「「おかえりなさい、雷真」」

 

雷真「ッ!?。ああ、ただいま」

 

 

それから少しすると織斑先生と山田先生がこちらに来る。

 

 

千冬「黒牙。更識から聞いた。今回の件と例の件の話しはしてくれるのだろ?」

 

雷真「はい。ですが一度部屋に戻り、必要な物を取りに行きます。それから刀奈、虚さんと本音も呼んでくれ。織斑先生に話すことは俺が行方不明になった二年間に関わる話しだ」

 

刀奈「わかったわ」

 

千冬「それでは30分後にまたここ、第三アリーナに集合だ」

 

雷真「はい」

 

 

自室に戻り、お義父さんに送ってもらった着替えの入ったキャリーバックの中にお守りの代わりに入れておいた。オーブ軍の制服を取り出す。

 

 

雷真「本当はお守りのつもりで持ってきていたんだがな……」

 

 

学園の制服からオーブ軍の制服に着替えて、アリーナに向かう。

アリーナに着くと、そこには織斑先生、刀奈、簪、虚さん、本音が揃っていた。

 

 

千冬「よし、集まったな。ついてこい」

 

 

織斑先生に言われるままついていく。

 

 

刀奈「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

刀奈「その服はなに?コスプレ?」

 

雷真「それについても後で皆に話す」

 

千冬「着いたぞ。ここは、IS学園でも極秘区画に入る。他言するなよ」

 

 

織斑先生の言葉に皆、頷く。

 

 

千冬「では、黒牙。先日、話した。お前のIS、【GAT-X105 ストライク】について話してくれ」

 

雷真「わかりました。ですが、まずは謝罪をさせてください。刀奈たちもすまない。今まで待たせたな」

 

雷真「改めて自己紹介をさせていただきます。」

 

 

雷真は姿勢をただし、オーブの敬礼をする。

 

 

刀奈「雷真?」

 

雷真「自分はオーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属、クロキバ・ライシン中尉であります。そして、書類では満15とありますが、実際は満18であります」

 

虚「雷真くんが……」

 

本音「軍……」

 

簪「人……」

 

刀奈「うそ……」

 

 

刀奈たちはいまだに雷真が軍人であることを信じられないでいた。しかし、千冬だけは違った。クラス代表決定戦で見せた初心者とは思えないバレルロールに戦い方、殺気の出し方。何もかもが軍人なら納得できると思った。

 

 

千冬「それでは黒牙中尉。貴君が現在所持している専用機、【GAT-X105 ストライク】について話してもらいたい。ならびに、今回の襲撃時に貴君が私に緊急通信で話した未確認ISについて話してくれ」

 

雷真「了解!まずは山田先生、ストライクをモニターか、何かに接続できませんか?」

 

真耶「わかりました」

 

真耶「黒牙くん、接続できましたよ」

 

雷真「ありがとうございます。ストライク、コードファイル、コズミック・イラを起動」

 

 

『音声認識を起動。音声情報、クロキバ・ライシンを検知。コードファイル、コズミック・イラを起動します』

 

 

モニターにはストライクからコズミック・イラのデータが映し出され、皆、モニターに目が釘付けになる。

 

 

千冬「これは…………」

 

雷真「それでは、今から自分がこちら側の世界で行方不明になった二年間の話からですが、実際はコズミック・イラという世界で、年号が西暦ではなく、コズミック・イラ70から74までの四年間のご説明をさせていただきます」

 

 

それから雷真の口から出た話はみな、信じ難い物であったが、ストライクによって映しだされる映像は本物だと言わざるを得ない。

 

C.E.70に起きた、血のバレンタイン。C,E71に起きたザフトによる、ストライク以外のGATシリーズの奪取、ならびにヘリオポリス崩壊、低軌道会戦、第二次ビクトリア攻防戦、マラッカ海峡突破戦、オーブ防衛作戦、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦などのC,E74のユニウス戦役が終結するまでの四年間の話を包み隠さず全てを話した。

 

 

雷真「…………以上です」

 

千冬「ふむ……俄には信じ難い話だが、貴君の目を見るに本当のようだな」

 

雷真「信じていただき、ありがとうございます」

 

千冬「では、後日改めて、今回の襲撃に現れた、バビ、グフという機体の詳細を話して貰いたい。勝手にこちらが調べたらマズいのだろう?」

 

雷真「はい。もし、ストライクや他の機体がこの世界で作られたら戦争が起きかねませんから」

 

千冬「わかった。では黒牙中尉としての話は終わりだ。今からはIS学園の一年一組に所属する黒牙雷真に話す」

 

雷真「はい 」

 

千冬「明後日まで反省文50枚と1日の謹慎処分だ。今回は助けられた、黒牙」

 

雷真「いえ、俺は守るもののために戦っただけですから」

 

千冬「そうか。では解散!」

 

 

織斑先生の号令でその場を後にして、アリーナから出て寮に戻る。それと先ほどの話の所為か空気が重い。

 

 

刀奈「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

刀奈「さっきの話は全て本当なの………? 」

 

雷真「本当だ。俺はこの手で何人もの人を撃って、殺した」

 

刀奈「そう……。」

 

雷真「今から一方的に話すぞ。もし、こんな人殺し野郎と今後一緒に居たくないなら、二人とも婚約を破棄してくれて構わない。俺には止める権利はないから」

 

刀奈「ッ!?」

 

簪「ッ!?」

 

本音「ちょっ、ライライ!?」

 

虚「雷真くん!?」

 

雷真「それから虚さんに本音。もしかしたら、これが刀奈と簪の婚約者として最後のお願いかもしれませんが今日は二人をお願いします。じゃあ」

 

 

俺はそれを最後に逃げるように走り出した。本当は知ってほしくなかった。けれど、それは俺の勝手なエゴだ。

 

自室に戻り、月が照らす夜空を見る。

 

雷真「…………」

 

 

窓際の椅子に腰を落として、自分で淹れたコーヒーを飲む。

 

雷真「にがっ!」

 

雷真「やっぱり、ブラックコーヒーは苦いですよ。バルトフェルトさん」

 

 

雷真はコーヒーの良さを教えてくれた元ZAFTの隊長で、ストライクに敗れた後はZAFTのジェネシス計画を止めるために力を貸してくれた、戦友を思い出している。

 

 

 

 

バルトフェルト『まだまだ、君もお子ちゃまだな、少年。コーヒーが普通に飲めるようになれば、一人前の男さ。それに世界ではコーヒーのように苦い時があるのを忘れるなよ』

 

 

 

 

 

雷真「いつまでも甘えてられないんだよな」

 

 

 

コーヒーを飲み干すとシャワーを浴びて床に付く。明日、刀奈と簪からどんな答えが来ようが受け止めるしか自分にはできないと覚悟を決めて。

 

 

 

昨日の未確認ISとバビ、グフの襲撃から翌日。俺は今、寝苦しく感じている。

 

 

雷真「く、苦しい」

 

 

その原因を確かめるために首を動かすと掛け布団に二つの大きな山が出来ていた。

 

 

雷真「なんだ?」

 

大きな山の正体が気になり、掛け布団を剥ぐとそこには……寝間着姿の刀奈と簪が俺の横で人の腹を器用に半分こして枕代わりに使い寝ている。

 

 

雷真「こいつら……」

 

刀奈「すぅ~、すぅ~」

 

簪「ふにゅ~」

 

雷真「ったく。おい、起きろ二人とも」

 

「「ふぁ~あ、おはよう雷真」」

 

雷真「おはようさん。てかお前ら。昨日、あんなことがあったのに、よく人の腹を枕にして寝られるな?」

 

刀奈「だって、ねぇ?」

 

簪「うん。だって、ねぇ?」

 

 

その首を傾げながら顔を見合わせる所は本当に双子だからそっくりだな、おい。

 

 

雷真「で、昨日の答えは言うのか?」

 

刀奈「ええ」

 

簪「うん」

 

雷真「それじゃ、言ってくれ。どんな結末でも俺はお前たちの意見を飲み込むから」

 

刀奈「それじゃ……」

 

簪「せ~の」

 

 

「「今まで通り、私たちは雷真が好きだから、離れない!」」

 

 

雷真「それが答えでいいのか?」

 

刀奈「そうよ」

 

簪「雷真は私たちのヒーローだから」

 

雷真「でも、俺は人を殺してるんだぞ?お前たちと違って、俺の手は血で汚れているんだぞ?」

 

刀奈「そうね。でも、貴方は誰かを守るために銃を手にした」

 

簪「そうするしかないって思ったんでしょ?」

 

雷真「…………」

 

刀奈「けれど、そのことを仕方ないとは言わないし、言わせない」

 

簪「だから、その奪った命の分も幸せにならないと」

 

雷真「…………わかった。これからもよろしく頼む」

 

刀奈「ええ!」

 

簪「うん!」

 

 

本当に二人には敵わないな。こんな俺を受け入れてくれるのだから。

 

 

 



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第11話





刀奈「ほら雷真,いくわよ」

 

簪「いくよ」

 

雷真「わかった、わかったから、そんなに引っ張るな!」

 

今日は土曜日。なので学生の人間は大いに休日を楽しんでいる。そんな中、俺たちは久しぶりに実家に帰ってきていた。俺の場合、実家でいいのか?

 

 

「「「ただいま!」」」

 

更識父「おかえり、三人とも」

 

刀奈「お父さん、ただいま」

 

簪「ただいま」

 

雷真「ただいま戻りました」

 

 

俺のたちはそれぞれお義父さんに帰ってきたことを挨拶する。するとお義父さんは何か気づいたのか俺に後で書斎にくるよう伝えてくる。

 

 

更識父「雷真くん、あとで私の書斎に来なさい。話しがある」

 

雷真「わかりました」

 

 

手洗いうがいをしてから仏壇に向かい手を合わせる。今は亡き、刀奈たちのお母さんに帰ってきた挨拶をする。

 

 

【チーン】

 

「「「…………」」」合掌

 

刀奈「ただいま、お母さん」

 

簪「ただいま」

 

雷真「ただいま戻りました」

 

 

挨拶が済むと俺はお義父さん書斎へ。刀奈と簪は昼飯の用意をしに台所へ。

お義父さんの書斎の前に立つと四回ノックする。

 

 

更識父「入ってきなさい」

 

雷真「失礼します。それで、どんな話しですか?」

 

更識父「そんなに固くならなくていいよ。なに、簪のことだよ。まあ、座りなさい」

 

雷真「わかりました」

 

 

お義父さんに勧められるまま、お義父さんと対面するように座布団の上に正座で座る。

 

 

更識父「それでは雷真くん、簪は君に告白したかな?」

 

雷真「はあ?あっ、はい!」

 

 

ヤベぇぇ!一瞬反応に遅れた。まさかの簪の話しがあの告白の話しだとは思わなかった。それにお義父さんは義理の息子である俺には厳しい時があるが娘には稽古以外は激甘なの、わすれてた!

 

 

更識父「そうか、そうか!これで私も安心だよ。君になら娘たちを任せられるしね。」

 

雷真「ありがとうございます」

 

更識父「いっそのこと、【楯無】の名前も受け継ぐかね?」

 

雷真「それはまだ…………。けれど、刀奈か簪が襲名しなければならないのであれば、できることなら俺が襲名したいと思っています」

 

更識父「ハハハハハ!まさか、本気にするとはな、アハハハ。けれど自分で言っておきながら、言うがね。それは厳しいよ、なんせ君は世界で貴重な二人目の男性IS操縦者なんだがらね」

 

雷真「わかっています」

 

更識父「なら、更識を君の代で変えてみるのもいいだろう。暗部から離れ、普通の一般家庭にしてしまえば」

 

雷真「本気で言ってますか?」

 

更識父「君なら、それができるだろ?」

 

雷真「はぁ~、まあ、考えておきますよ」

 

更識父「それでは、これで話しは終わりだよ」

 

雷真「わかりました」

 

 

こうして、刀奈を含めた簪とも交際することをお義父さんへの報告は終了した。その後は昼飯を食べて、自室でゴロゴロしたり、刀奈、簪と後から帰ってきた本音、虚さんとゲームをしたりして、久しぶりにのんびりとできた。

 

 

そして、翌日の日曜日は早朝の特訓を終えたあと、俺は教員用駐車場に駐めてある、自分のバイクの【ビートチェイサー2000】の洗車をするために来ている。

 

 

雷真「やっぱり、埃を被ってるな」

 

 

洗車が終わると右グリップのビートアクセラーを着けて、暗証番号を入力してエンジンをかける。

 

 

雷真「よし、エンジンとかは平気だな」

 

 

一度、ビートチェイサーに乗り。何回か噴かせていると、簪とその友達らしき生徒がくる。

 

 

簪「雷真、バイクの調子はどう?」

 

雷真「ああ、問題ないよ」

 

「ねぇねぇ、黒牙くん。これって、ビートチェイサー2000?」

 

雷真「ああ、そうだ」

 

「凄い!本物のビートチェイサーを見られるなんて!」

 

「だよね~。ねぇ、黒牙くん。少し乗ってもいい?」

 

雷真「いいけど」

 

 

簪の友達たちは、やはり整備科の生徒らしく。みんな、ビートチェイサーに夢中だ。

 

 

「いいなあ、私もビートチェイサー欲しいな」

 

「でも、私はトライチェイサーかな?」

 

「私はブルースペイダーかしら」

 

「私はオートバジンもいいと思うよ」

 

 

皆、仮面ライダー好きの人なのか色々なライダーのバイクを話している。無論、俺はクウガ派だ。

(ちなみに作者もです)

 

 

雷真「そろそろ、俺は部屋に戻るからいいか?」

 

「ああ、ごめん」

 

「黒牙、ありがとう」

 

「夢が一つ叶ったわ」

 

雷真「それはよかった」

 

 

ビートチェイサーのエンジンを落として、ビートアクセラーを抜き、部屋に戻る。

部屋に戻ったあとは簪の専用機に搭載する、マルチロックオン・システムを開発するためにパソコンとにらめっこだ。

 

 

 

 

 

その日の夜、山田先生から…………。

 

 

雷真「引っ越し……ですか?」

 

山田「はい。部屋の準備が整ったので黒牙くんは一人部屋へ移動してもらいます」

 

刀奈「えええええ!?そんな…………雷真と離れるなんて」

 

山田「決定事項ですから……」

 

刀奈「だったら!」

 

雷真「会長権限を使うなよ?」

 

刀奈「うぐっ!」

 

雷真「今までは織斑先生のご好意で何にも言われてないが、他の生徒にバレてみろ?皆に何て言われるか」

 

刀奈「婚約者ならいいじゃない!」

 

雷真「親しき仲にも礼儀ありだ。お前は俺がそういうの我慢してるの知ってんだろうが」

 

刀奈「そりゃ、雷真だって男の子だし。発育のいい綺麗で可愛い婚約者の寝間着姿や寝顔を見たら?狼になりたくなるのも分かるけど」

 

真耶「あわわわわ!?く、黒牙くん、そうなんですか?」

 

雷真「山田先生、流石に本当の歳が18で軍人経験がある俺でも、今は健全な男子高校生ですよ?性欲だってありますよ。特に刀奈は他の女子より俺へのスキンシップが激しいんですよ」

 

雷真「その度に何度、煩悩退散と唱えたことか………」

 

真耶「それは、ご苦労様です……」

 

雷真「正直に言って、山田先生もその類に入るんですよ」

 

真耶「私もですか!?」

 

雷真「失礼を承知で言わせてもらいます。山田先生は男性経験が無さすぎで男性との距離感がわかっていません。少し、考えてください」

 

真耶「わ、わかりました。すみません」

 

雷真「今後、気をつけてくれれば構いませんよ。それで今から引っ越しをした方がいいですか?」

 

真耶「はい。できれば……」

 

雷真「わかりました。荷物もそんなにないので直ぐに移動できますよ」

 

真耶「ありがとうございます」

 

 

それから荷物を纏めて山田先生に付いて行くのが……。

 

 

真耶「ここが黒牙くんの新しい部屋になります」

 

雷真「てか、隣じゃないですか!」

 

 

そう、引っ越しと言うからもう少し離れているかと思えば。まさかの隣だとは…………。

 

 

刀奈「心配した、私がバカみたいじゃない」

 

雷真「そうだな」

 

刀奈「少しは否定しなさいよ!」

 

 

こうして、夜は更ける

 

 

 

 

 

 

 

雷真が引っ越しをした翌日。一組の教室では来月の学年別トーナメントで優勝したら一夏と付き合えるという噂が流れている。

その後は織斑先生が来て、ホームルームが始まった。

 

 

真耶「今日はなんと転校生を紹介します」

 

 

山田先生の説明の後に教室に入ってきたのは金髪の男子?だった

 

 

シャル「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さん、よろしくお願いします」

 

「お、男?」

 

シャル「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から転入を…………」

 

 

ヤバい、この展開は……!?。耳詮をセットして耳を手で守り

 

 

「「「きゃああああああ!」」」

 

 

女性特有の黄色い音波攻撃が耳栓をしていない、一夏に単独ダメージを与えた。

 

 

一夏「」ピクピク

 

雷真「一夏、ドンマイ」

 

黄色い歓声が止むとデュノアは驚いた顔をしていた。それもそうだろう。最初は誰でもそうなる。

 

 

シャル「ふえ?」

 

「男子、三人目の男子!」

 

「それも美形、守ってあげたくなる系の」

 

 

女子たちはそれぞれ感想を言っているが織斑絶対?によって静まる。

 

 

千冬「騒ぐな、静かにしろ。今日は二組と合同でIS自習を行う。各人は速やかに着替えて第二グラウンドに集合。それから織斑、黒牙」

 

雷真「わかってます。織斑先生の手を煩わせませんよ」

 

千冬「そうか。頼んだぞ」

 

雷真「了解」

 

千冬「解散!」

 

 

そんじゃまあ、いきますか。捕まらないにうちに。

 

 

雷真「一夏、デュノア、いくぞ!」

 

一夏「おう!」

 

シャル「君が黒き……」

 

雷真「デュノア、話は後だ。今は移動が先だ。」

 

 

俺は一夏の席に近づいてデュノアの手を取り教室を出る。一夏は離れないように俺たちに付いてくる。

 

 

シャル「うわっ!?」

 

 

デュノアの手を引いて走りながらアリーナに向かう。

 

 

シャル「ねぇ、なんでそんなに急いでるの?」

 

雷真「一夏、説明」

 

一夏「ああ。俺たち男子は女子と違ってアリーナで着替えないといけないんだ。そして、アリーナまで距離がある。着替えで時間が取られて授業に遅れたら千冬姉の出席簿が頭に落ちてくるし」

 

雷真「アリーナまでの行く道を妨害する奴等がいるしな」

 

シャル「そ、そうなんだ」

 

「あっ、織斑くんと黒牙くん、発見」

 

「見て、転校生の子もいるよ」

 

雷真「ヤバい!急ぐぞ」

 

一夏「おう!」

 

シャル「ちょ、ちょっと!?」

 

 

女子たちに追いかけられながら俺たちはアリーナを目指すが女子たちの連携が上手い。

 

 

雷真「クソっ、一夏、別れるぞ!」

 

一夏「了解」

 

雷真「デュノア、悪い!」

 

シャル「うぇっ?うえええええ!?」

 

 

雷真は一瞬でデュノアをお姫様抱っこで抱え、全力で走る。雷真はスーパーコーディネーターのため、常人より身体能力が上である。全力で走れば100mを9秒ほどで切れる実力である。

 

 

シャル「なんで、皆、僕たちを追いかけるの?」

 

雷真「それは俺たちが唯一ISを動かせる男子だからだよ」

 

シャル「そ、そうか」

 

 

なんとか女子たちの追尾を振り切りアリーナの更衣室にたどり着く。

 

 

雷真「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」

 

シャル「黒牙くん、ありがとう」

 

雷真「いや、大丈夫。そんじゃ改めて、黒牙雷真だ。雷真で構わない」

 

シャル「よろしく、雷真」

 

一夏「俺のことを忘れてもらっちゃ困るぜ?」

 

雷真「よう、一夏。お疲れ」

 

一夏「雷真こそ」

 

 

雷真と一夏は互いに拳と拳をぶつけあう。

 

 

一夏「俺は織斑一夏。一夏で構わない」

 

シャル「よろしくね、一夏。二人とも僕のこともシャルルでいいよ」

 

「「よろしくな、シャルル」」

 

雷真「あっ、そろそろ着替えないとヤバい……」

 

 

雷真の言葉で三人ともイソイソと着替える。その時、シャルルが何故か悲鳴を上げたり、顔を赤くて染めたりしていた。

 

 

千冬「本日から実習を開始する」

 

「「「はい!」」」

 

千冬「まずは戦闘を実演してもらおう。凰、オルコット!」

 

凰「はい!」

 

セシリア「はい!」

 

千冬「専用機持ちなら直ぐに始められるだろう。前に出ろ」

 

 

鈴とセシリアは渋々といった感じで出るが織斑先生が何か耳打をしたら、途端にやる気を出した。

 

 

セシリア「それでお相手は?鈴さんでも構いませんが………まさか!?織斑先生、雷真さんではありませんわよね……!」

 

鈴「無理よ!雷真の実力は国家代表となんら変わんないほどなんだから!?」

 

 

鈴とセシリアの二人はまさか、対戦相手が雷真ではないかと心配になり顔が青くなる。それもそのはず、クラス対抗以降は鈴も含めて一夏の特訓を行っているため、雷真と一騎討ちをすることが度々あり対戦すると毎回ボロボロに負けるのだ。また鈴とセシリアの発言で周りの女子から意外と言った声が上がる。

 

 

「へぇ~、黒牙くんって、そんなに強いんだ」

 

「知らなかった」

 

千冬「流石に私もそこまで鬼ではない。相手は黒牙ではないさ」

 

 

流石に死線を四年も生き抜いた、ベテラン操縦者の相手などさせるものか。今の私でも負けるかもしれんのに。

と思ったそうだ。

 

 

「「ふぅ~」」

 

 

織斑先生の言葉で二人は安堵の息を吐く。

 

 

雷真「なんだよ?人を化け物のような言い方をしやがって」

 

千冬「それで対戦相手だが……」

 

 

織斑先生が鈴たちの対戦相手の名前を言う前に空から緑色のISに乗った、山田先生が回転しながら落ちてくる。

 

 

真耶「うわわわ!?退いてください!」

 

雷真「一夏!回転速度合わせて、山田先生を救出」

 

一夏「おう!」

 

 

一夏は白式を起動させて、回転速度を合わせながら山田先生を捕まえ、白式のスラスターを噴かせて回転速度と落下速度を落とす。

 

 

真耶「た、助かりました。織斑くん」

 

一夏「いえいえ、無事で何よりです」

 

 

一夏の動きを見て織斑先生がこちらに来る。

 

 

千冬「黒牙、あの動きはお前が教えたのか?」

 

雷真「ええ、回転落下した状態での敵の攻撃を捌くやり方、相手との落下速度を合わせての距離の取り方、等々」

 

千冬「なるほどな。流石は死線を生き抜いたことはある」

 

雷真「どうも」

 

 

織斑先生はその後、一夏の下へ行き、何か言ったあと一夏が小さくガッツポーズを取る。

そして、鈴&セシリアvs山田先生の試合だが……。

まさかの鈴たちの敗北。

 

その後、グループに別れてIS操縦者の自習になる。そのため専用機持ちがサポートすることになるが、男子である雷真、一夏、シャルルの三人のグループは何故かお見合いのようになる。また雷真のグループは刀奈の"凍てつく波動"により普通に終了するが、一夏の方は一騒動あったようだ。

 

そして、授業が終わると一夏から昼ごはんの誘いを受ける。

 

 

一夏「なあ、二人とも」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「どうしたの?」

 

一夏「今日の昼、一緒に食べないか?」

 

雷真「一夏、先に聞くがメンバーは?」

 

一夏「メンバーは箒にセシリア、鈴だな」

 

雷真「はぁ~。俺は箒たちに悪いからシャルルと一緒に刀奈たちと食べるよ」

 

一夏「なんで箒たちが出て来るんだ?」

 

雷真「いい加減、気がつけよ。唐変木め」

 

一夏「はぁ?」

 

シャル「???」

 

 

着替えを済ませて、シャルルを連れて刀奈たちと共に食堂で食べることにした。メニューは刀奈が天ぷらうどん、簪が天ぷら蕎麦、俺が鴨せいろ、シャルルはクリームパスタだ。

やはり、ここでも刀奈と簪は双子の特性なのか天ぷらが被っている。

また、既に自己紹介も終えている。

 

 

シャル「それで雷真。なんで、さっきは一夏の誘いを断ったの?」

 

雷真「あ?それはな、一夏を求めて箒たちは恋の戦争をしてるんだよ」

 

シャル「じゃあ、一夏のあの反応は……」

 

雷真「ああ、まったく気がついていない」

 

簪「それ、雷真が言うの?」

 

雷真「うぐっ!」

 

刀奈「そうね。雷真は簪ちゃんのことを気がつけていなかったものね」

 

雷真「その節は誠に申し訳ございません」

 

シャル「えっと……何の話?」

 

雷真「いや、なんでもない」

 

 

流石に本音たち以外に俺が刀奈と簪の二人と付き合っていて、婚約関係にあるってバレたら色々と面倒になるか誤魔さないと。

 

 

シャル「そ、そう?雷真がそういうなら、聞かないけど」

 

雷真「助かる」

 

 

 

 

昼休みが終わって今日に行くと一夏が何故か青い顔をして机に突っ伏していた。

 

 

雷真「一夏、大丈夫か?」

 

一夏「ああ、三人と食べさせ合いをしてたら腹が、な」

 

雷真「御愁傷様で」

 

 

そして、今日の授業が終わり。いつも通り、一夏の特訓を終えて部屋に戻るとそこにはシャルルがいた。

 

 

シャル「あれ、雷真?」

 

雷真「なんだ、新しい同居人はシャルルなのか。よろしくな」

 

シャル「うん、よろしく」

 

 

その後は夕食を食べて今日の授業の復習をしながらコーヒーを飲む。一段落ついたらコーヒーを淹れ直す。

 

 

シャル「このコーヒー、美味しいね」

 

雷真「だろ?ある人から配合を教えてもらったんだよ」

 

シャル「そうなんだ。ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

 

俺はパソコンで簪のマルチロックオン・システムの最終段階を作りながらシャルルの話を聞く。

 

 

シャル「雷真はさ。いつも、早朝と放課後に特訓してるんだよね?」

 

雷真「ああ。一夏に頼まれてな、だから一夏の特訓にも付き合ってる」

 

シャル「ならさ、僕も参加してもいいかな?専用機もあるから、力になれると思うし」

 

雷真「ふむ……。わかった、明日から頼む」

 

シャル「うん」

 

 

 

 

 



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第12話





シャルルが転入、そして雷真の同居人になった翌日、一組に新たな転入生が…………。

しかし、山田先生も何故か戸惑っている。

 

 

真耶「えっと……。きょ、今日も嬉しいお知らせがあります。また一人、クラスにお友達が増えました。」

 

 

転校生は山田先生の隣にいる銀髪の女子だろう。てか、こいつ軍人じゃん。立ち姿がまんまだもん。

 

 

真耶「ドイツから来た、転校生のラウラ・ボーデヴィッヒさんです」

 

「どういうこと?」

 

「二日連続で転校生だなんて?」

 

「いくらなんでも、変じゃない?」

 

真耶「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから」

 

千冬「挨拶をしろ、ラウラ」

 

ラウラ「はい、教官」

 

 

やっぱり、軍人だったよ。てか、織斑先生が教官ってことは…………前に話した。ドイツに居た時の教え子ってことか。流石は教師。

 

 

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

ボーデヴィッヒが名前を言ってから、しばしの沈黙。

 

 

真耶「あ、あの……以上、ですか?」

 

ラウラ「以上だ」

 

 

ボーデヴィッヒがそういうと、一夏を見て動きだし、そのまま…………。

 

 

雷真「おい!」ガシッ

 

ラウラ「何をする、貴様!」

 

雷真「何故、一夏を殴ろうとした?」

 

 

そう、ボーデヴィッヒは一夏の前に行くと裏拳をかまそうとしたのを俺が止めたのだ。

 

 

ラウラ「何故だと?そんなのは決まっている!そこの出来損ないの所為で教官は偉業をなすことができなかったのだからな!」

 

雷真「なら聞くが、その偉業を成し得たかも知れない人の前で、その教え子が何の抵抗もしない人間に手を上げたら、その人はどう思うかな?」

 

ラウラ「ッ!?」バッ

 

 

ボーデヴィッヒは雷真の言葉で千冬のことを見る。

 

 

千冬「…………」

 

雷真「一夏と何やら因縁のようなものがあるのは分かった。けれど、お前がしようとしたことは相手に宣戦布告もなく、戦争を仕掛ける愚者のすることだ。気をつけろよ、ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

 

俺は殺意を少し向けながら言うと、ボーデヴィッヒは殺意に気押されたのか距離を取る。

 

 

ラウラ「き、貴様…………」

 

雷真「貴様じゃない、黒牙雷真だ。覚えたければ覚えればいい」

 

ラウラ「貴様が二人目の…………」

 

千冬「そこまでだ!黒牙、ボーデヴィッヒ。席に座れ授業を開始する」

 

雷真「すみません」

 

ラウラ「申し訳ありません」

 

 

 

 

 

 

 

朝のホームルームが終わって、放課後になり、今は一夏といつもの特訓メニューの雷真のギリギリの射撃から回避する特訓。

 

 

雷真「いくぞ!」

 

一夏「おう!」

 

 

まずは一夏が動き、それを追いかけるように飛ぶ

 

 

雷真「それじゃ、始め!」

 

 

雷真の合図、ハイパーセンサーにロックオンをされている警告アラームが鳴る。

 

 

一夏「ぐっ!やっぱり、まだ雷真のロックオンから簡単に抜け出せないか」

 

 

何度もバレルロールやジグザグ運動をするが雷真のギリギリ当たる射撃からは逃れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真と一夏の追いかけっこを見ているシャルルは歓喜の声をもらす。

 

 

シャル「凄い…………雷真はわざと一夏にギリギリ当たるか当たらないかの所を狙って撃ってるんだね」

 

刀奈「そうよ。雷真はいつも、放課後の特訓で一夏くんに射撃回避のやり方を教えるんだけれど、雷真曰く、『一夏は頭で覚えるより、実戦的にやった方が覚えがいい』って言ってたの」

 

シャル「そうなんだ」

 

刀奈「それにしても雷真ったら、特訓と言っておきながら遊んでるわね」

 

セシリア「そうですわね。雷真さん、遊んでらっしゃいますわね」

 

鈴「本当にね」

 

箒「だな」

 

シャル「え?雷真はあれで遊んでるの?」

 

刀奈「そうよ。雷真が本気を出したら、私でも勝てないもの。生徒会長である、この私ですら。

この前だって、手加減されたし……」

 

シャル「ちなみに皆、流石に雷真に一擊くらいは……?」

 

刀奈以外「「「………………」」」」プイ

 

シャル「うそ…………」

 

刀奈「本当よ。私も雷真との初戦でなんとか運良く一擊を入れられたけど、そのあとは滅多に入らないもの」

 

シャル「雷真って、そんなに凄いんだね…」

 

刀奈「当たり前よ。なんせ死線を生き抜いて来たんだもの」ボソッ

 

 

刀奈のその最後の呟きは誰にも聞かれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度、特訓が終わると一度休憩に入り、現在は刀奈とセシリアが模擬戦を行っている。

 

 

雷真「なあ、シャルル」

 

シャル「なに?」

 

雷真「悪いんだけど、一夏に射撃の特性を教えてやってくれないか?俺はビームライフルとコンバインシールドっていう、シールドと複合されたバルカンしかロックを外せなくて。あまり他の射撃武器を試したことがないんだ」

 

シャル「二つだけ?他にはないの?」

 

雷真「あるにはあるが、ストライクしか装備が出来ないんだよ。一種の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)みたいな?」

 

シャル「なるほどね。わかったよ、僕で良ければ教えるよ」

 

雷真「頼む」

 

 

シャルルに一夏の射撃特性の説明を頼んでいる間に簪のマルチロック・システムのテストを刀奈に手伝ってもらうことにした。

 

 

雷真「刀奈、頼む」

 

刀奈「わかったわ」

 

 

刀奈はアクア・ナノマシンでターゲットを10体作り、それを雷真がランチャーのミサイルで撃ち落とす。

 

 

雷真「いくぞ!」

 

刀奈「いいわよ」

 

雷真「ターゲット、ロック。ミサイル発射!」

 

 

ランチャーのミサイルを10発連続で放ち、ターゲットにちゃんと着弾するかを見ていると10発中、7発が命中。残り3発はあと少しの所で外れてしまった。

 

 

雷真「少し、ズレがあるな」

 

 

雷真はシステムのズレを直すためにホロウ・ウィンドウで修正していく。

 

 

雷真「熱源探知システムは問題無し。熱源追尾システムは………少しズレがあるな。他には、着弾までの射程距離の演算処理は問題無し。あとは…………」ブツブツ

 

刀奈「相変わらず、早いわね」

 

セシリア「刀奈さん。雷真さんは今、何をやってらっしゃるんですか?」

 

刀奈「雷真は、簪ちゃんの専用機に搭載する、マルチロックオン・システムの開発をしてるのよ。もうあと少しで完成みたいだけど」

 

鈴「はぁ!?マジで言ってるの?各国が必死こいて、そのシステムを作ってるのに、アイツは一人でそれを軽々と製作してるわけ!?」

 

刀奈「元々は簪ちゃんの作ってたデータを元に雷真が改良してたんだけどね」

 

鈴「それでもやっぱり、アイツは規格外だわ…………」

 

箒「本当にな」

 

 

箒、セシリア、鈴は雷真のマルチロックオン・システムを一人で大半を製作してしまうことに度肝を抜かれていた。

そんな中、観客席にいる生徒から声が上がる。

 

 

 

「ねぇ、ちょっとアレ?」

 

 

「うそ、ドイツの第三世代じゃない」

 

 

「まだ、本国でのトライアル段階だって聞いていたけど……」

 

 

そのドイツの第三世代機に乗っていたのは今朝ホームルームで一夏のことを殴ろうした、ラウラ・ボーデヴィッヒだった。

 

 

セシリア「ラウラ・ボーデヴィッヒ」

 

鈴「なに、アイツなの?一夏のことをひっぱたこうとした、ドイツの代表候補生って」

 

箒「…………」

 

ラウラ「織斑一夏」

 

一夏「なんだよ?」

 

ラウラ「貴様も専用機持ちだそうだな?なら話が早い。私と戦え」

 

シャル「えっ?」

 

一夏「嫌だ。理由がねぇよ」

 

ラウラ「貴様に無くても、私にはある」

 

一夏「今で無くてもいいだろ?もうすぐ、クラスリーグマッチなんだがら、その時で」

 

ラウラ「ならば…………」

 

 

ラウラは問答無用で一夏に向けて右肩に装備している、大型のレールカノンを放った。

がしかし、そのレールカノンは赤と白の混じったビームによって阻まれる。そのビームの正体は雷真の乗る、ランチャーストライクのアグニだ。

 

 

ラウラ「誰だ!」

 

雷真「そうカッカすんなよ。軍人ならば、冷静に状況を対処するのが常識だろう」

 

ラウラ「その声は今朝の……。貴様も専用機を持っているとはな」

 

雷真「どうする、このまま続けるか?けど、そろそろ教師陣が来るけどな」

 

 

雷真がそういうと、言葉通りアリーナ内に教師の声が響く。

 

 

『そこの生徒、何をやっている!』

 

 

ラウラ「フッ。今日のところは引いてやろう」

 

雷真「負け犬の遠吠えにしか聞こえないがな?」

 

ラウラ「…………」

 

 

ラウラはそのまま、シュヴァルツェア・レーゲンを待機状態に戻し、アリーナを去っていく。

 

 

箒「一体、どういうことだ。一夏?」

 

セシリア「あの方と貴方の間に何がありましたの?」

 

 

箒とセシリアが一夏とラウラの関係を聞き、捲し立てるが、それを雷真が止める。

 

 

雷真「ストップだ。二人とも」

 

箒「雷真」

 

セシリア「雷真さん」

 

雷真「二人とも、一夏にも知られたくない秘密があるはずだ。お前らだってそうだろう?俺だってそうだからな」

 

箒「それは……」

 

セシリア「確かに……」

 

 

腑に落ちていなさそうな三人に近づき、耳打ちをする。

 

 

雷真「それに一夏だって、しつこい女は好みじゃないかもしれないぜ。気をつけろよ、お三方」ボソッ

 

 

三人「「「ッ!?」」」

 

 

雷真「ああ~、場が白けたな。一度、休憩しようぜ。小腹が減ると思って、お菓子を作ってきたから」

 

刀奈「本当!」

 

雷真「ああ、今日はラスクを作ってきたんだ。よかったら食べてくれ」

 

 

ラウラによって場が白けてしまったが、雷真のお菓子で空気が穏やかになる。

また、女性陣は男である雷真の料理の腕に『女として負けた』と思ったそうな。

 

 

 

雷真のお菓子を食べたあと、放課後の特訓でアリーナの使用限界時間まで使い、女性陣と別れ、更衣室で着替えていると、一夏が何やら思い悩んでいるようだ。

 

 

一夏「…………」

 

シャル「一夏、大丈夫?」

 

一夏「あ、ああ。雷真もさっきは助かった、サンキューな」

 

雷真「気にするな、友達だろ?」

 

一夏「本当にお前と友達になれて、よかったぜ」

 

雷真「よせよ、照れ臭い」

 

シャル「男の友情だね。それじゃ、二人とも僕は先に部屋に戻るよ」

 

一夏「え?ここでシャワーを浴びて行かないのか?お前、いつもそうだよな?」

 

雷真「一夏、シャルルだって自分のペースでゆっくりとシャワーを浴びたいんだろう?アリーナだとゆっくりできないし、部屋に戻る前に湯冷めして風邪を引いちまうかもしれないだろう?」

 

一夏「なるほどな。悪かった、シャルル」

 

シャル「ううん、大丈夫。それじゃ、雷真。部屋のシャワー、先に使わせてもらうね?」

 

雷真「ああ」

 

 

一夏と一緒に制服に着替えてアリーナを出る。

 

 

雷真「それじゃ、一夏。俺はこの後は整備室に用事があるから」

 

一夏「そうなのか?わかった、またな」

 

雷真「おう」

 

 

 

一夏と別れた後は、簪が居る整備室に向かう。

 

 

雷真「失礼しま~す」

 

簪「あっ、雷真」

 

本音「お~、ライライだ」

 

雷真「専用機の調子はどうだ?」

 

簪「大分完成してるよ。あとは、テスト飛行と雷真が今作ってるマルチロックオン・システムを組み込んで完成だよ」

 

雷真「そうか。それじゃほい」

 

 

雷真は首から待機状態のストライクを簪に渡す。

 

 

簪「ありがとう。今日も特訓の戦闘データを貰うね」

 

雷真「それだけじゃないぜ」ニヤリ

 

簪「えっ………まさか!? 完成したの、マルチロックオン・システムが!?」

 

雷真「おう。性能はランチャーストライクで確証済みだ。そのデータもストライクに入ってるから抽出すればいい」

 

簪「ありがとう、雷真。これなら、クラスリーグマッチまでには間に合うかもしれない」

 

雷真「それは良かった」

 

本音「ねぇ、ライライ」

 

雷真「なんだ?」

 

本音「お菓子ない?」

 

雷真「まったく、本音。お前はいつも、そればっかりだな?」

 

本音「だって、ライライが作るお菓子は凄く美味しいんだもん。駄目かな、雷真?」

 

雷真「久しぶりに、お前に名前で呼ばれたな。ほら、ラスクだ」

 

本音「わ~い、ライライ。ありがとう」

 

 

俺は喜んでいる本音にラスクの入ったバスケットを渡す。

俺の年齢が実際、3つも離れているためか本音が妹のように感じてしまう。

バスケットを受け取った本音は、簪の専用機を作るのを手伝っている整備科の生徒にもきちんと分けてから食べている。

 

 

「なにこれ……美味しい!」

 

 

「それに味が4つもある!」

 

 

「プレーンに、チョコレート、メープル、ガーリック」

 

 

「なんか……女として負けた感が否めないわ」

 

 

「「「「確かに……」」」」

 

 

それから、しばらく整備科の皆とブレークタイムを楽しむ。簪がストライクのデータを抽出し終わり、シャルルもシャワーを浴び終わった頃だろうと思い、整備室を出て部屋に戻る。

 

 

雷真「簪の専用機もあと少しか……。」

 

 

部屋に戻ってきたので手洗いうがいをしようと脱衣場に入るとそこには…………。

 

 

雷真「えっ?」

 

シャル「えっ?」

 

 

束ねていた髪を解いて長くし前屈みになりパンツを履こうしているシャルルがいた。しかし、注目する点はそこではなく…………シャルルが持つパンツだ。それは男物のボクサーやトランクではなく。はたまた子供が履くようなブリーフではなかった。そう、シャルルの手には女性用のショーツがあった。

 

 

シャル「……………」

 

雷真「…………」

 

雷真「な、なんか、ごめん。シャルルがそんな性癖を持っているなんて思わなかった。大丈夫、安心して、誰にも言わないから」バタン

 

 

俺はその言葉と、共に脱衣場の扉を閉じる。すると脱衣場の中から…………

 

 

シャル『うわあああああ!?』

 

 

こんな時は冷静になるためにコーヒーを飲もう。うん、そうしよう。それと今度からシャルルに気をつけないと。

阿部さん、みたいに「ア"ア"ア"ア"ア"~!!」、みたいなことになりかねん。

 

シャルルの脱衣場での叫びと俺の脳内の叫びが終わって少し経ったころ、脱衣場からシャルルが出て来た。

 

 

シャル「ら、雷真……」

 

雷真「だ、だだ大丈夫だ、シャルル。マジでシャルルがあんな性癖を持っていることを誰に言わないから」

 

シャル「そうじゃなくて…………こっち見てよ」

 

雷真「わ、分かった」ギギギギ

 

 

シャルルに言われるまま、シャルルの方に向くと………二度目だが、そこには男の物でないものが俺の視界に入った。それはパンツとかではなく、もっと分かりやすい部分、そう胸部が男性ではありないほど、膨らんでいるのだ。

 

 

雷真「ん?えっ……。」

 

雷真「えええええええ!?」

 

 

今度は脳内では無く、部屋に響くほど叫んでしまった。

 

 




誤字、脱字、感想等がありましたら、お願いします。


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第13話






脱衣場の一件で空気が凄く重い。また、シャルルの胸部が膨らんでいることに理解ができないでいる。シャルルは男子のはず、なのになんで……。

 

 

雷真「…………」

 

シャル「…………」

 

雷真「えっと……シャルル。その胸部の、ふ、膨らみは……?」

 

シャル「…………」

 

雷真「まさか、パッド!?」

 

シャル「違うよ!」

 

雷真「ってことはつまり…………自前?」

 

シャル「…………」コクリ

 

雷真「えっとつまり、シャルルは……霊長類ヒト科の男じゃくて、男性でもなくて、はたまた男の子や男の娘でもなく。霊長類ヒト科の女で、女性であり、女の子で、一人称がMR.ではなくMS.で、トイレの標識は黒じゃなく赤の方で、生物表示では雄ではなく雌。そういうことなのか?」

 

シャル「うん……。てか、途中から質問の内容がおかしくなってない?トイレ標識とか、生物表示とかさ」

 

雷真「いや、俺でも流石にこれは……」

 

シャル「僕だって、女だってことを黙ってたのは悪かったけどさ」

 

雷真「まあ、とりあえず。なんで、シャルルは男に扮してIS学園に来た?なんてのは野暮か。まあ、大方予想はついてるから聞かないし。それに聞かれたくないだろう?」

 

シャル「なん……で?」

 

雷真「俺も人に聞かれて欲しくないことがあるからな」

 

 

その時の雷真の瞳には悲しみの色がシャルルには見て取れた。これにより、シャルルは決心をする。

 

 

シャル「ううん、雷真には知ってほしい。なんで、僕が男の格好をして、IS学園に来たのかを」

 

雷真「分かった」

 

シャル「僕がこの学園に来たのはね、実家からそうしろって命令されたんだ」

 

雷真「シャルルの実家って、デュノア社だよな?」

 

シャル「うん……。僕の父がそこの社長をやっているんだよ。その人から直接の命令でね」

 

雷真「は?なんで、シャルルがそんなことを命令されないといけないんだよ」

 

シャル「雷真、僕はね。父の本妻の子じゃないんだよ」

 

雷真「…………」

 

シャル「父とはねずっと別々に暮らしてたんだけど、二年前に引き取られたんだ。そう、僕の実のお母さんが亡くなった時、デュノアの家の人が迎えにきてね」

 

シャル「それで色々と検査を受ける過程でIS適性が高いことがわかって、で非公式であったけれどテストパイロットをやることになってね」

 

シャル「でも、父に会ったのはたったの二回だけ。話をした時間は一時間にも満たないと思う」

 

雷真「…………」

 

シャル「その後のことだよ、会社が経営危機に陥ったのは……」

 

雷真「世界第三位のISメーカーでも第三世代機が完成していないから、その立場は危うくなるわけか」

 

シャル「その通り、第三世代機の開発が形にならなくてね。このままだと、開発権限が剥奪されてしまうかもしれないところまで来てね」

 

雷真「それがシャルルの男装になんの関係があるんだよ?」

 

シャル「簡単だよ、注目を集めるための広告塔。それに雷真が思っている通り、男性操縦者情報とその専用機の機体情報が手に入るかもって…………。そう、雷真、君と一夏のデータを手に入れるために命令されたんだよ、あの人にね」

 

雷真「…………」

 

シャル「はぁー、本当のことを話せて楽になったよ、聞いてくれてありがとう。それと、今まで嘘をついていて、ごめんなさい」

 

雷真「シャルルはこのままでいいのか?一応、シャルルから秘密を聞いたから俺も話す。俺は軍人だ」

 

シャル「え?雷真が軍……人?」

 

雷真「だからシャルルがやっていることは他国へのスパイだ。それが日本政府にバレたら、日本政府がフランス政府に告発して、シャルルは本国に強制送還されて、牢獄に入れられるぞ?」

 

シャル「…………」

 

雷真「お前はそんなのでいいのか?それに俺たち子供は親を選べない。親は子を望めるが俺たち子供はそんなことすら望めないんだよ!俺たちは産まれてからじゃないと何にも望めないんだ」

 

雷真「だからシャルル。今は望んでいいんだよ。お前が生きたいように、暮らしたいように、過ごしたいように、心の底から願う、お前自身の生きざまをさ」

 

シャル「僕は……僕は……僕は」

 

雷真「大丈夫だ、安心しろ。だから、言ってごらん?」

 

シャル「僕は皆とまだ一緒に居たいよ!もっと普通の女の子みたいにお洒落したり、恋をしたいよ!誰か助けてよ!」ポロポロ

 

雷真「やっと本心から助けを求めたな」

 

シャル「えっ?」ポロポロ

 

雷真「安心しろ、俺がお前の……最後の希望だ」

 

シャル「雷……真」ポロポロ

 

雷真「さて、やりますか!俺の友達を泣かせたんだ。それ相応の制裁は受けてもらうぜ、フランス政府とデュノア社長様よ!」ゴキゴキ

 

 

肩の骨を鳴らしてからパソコンを開き、ネットで色んなサイトを経由しながら、偽造と撹乱工作を行い、デュノア社にハッキングする。これにより、フランス政府とデュノア社の黒い部分がアレよアレよと出てくる。

 

 

雷真「おいおい、マジかよ。フランス政府も真っ黒かよ。笑えねぇな、ああ笑えねぇよ」

 

シャル「雷真、君は一体何をやっているの?」

 

雷真「そんなの決まってるじゃん、フランス政府とデュノア社にハッキングをかけてるんだよ。てか、こんな簡単なセキュリティーでよくもまあ、今まで情報が無事だったな。マジでこんなのはお遊びと何ら変わらないぞ?"あっち側(コズミック・イラ)"なら小学生でもこんなことができるぞ」

 

シャル「あっち側って?」

 

雷真「いや、こっちの話だから気にするな。よし、これで終了」

 

 

ハッキングが終わると携帯を使い国際電話で、デュノア社に連絡を取る。そして、デュノア社の社長が出て来たら、まずは名前をミスターKと名乗り、デュノア社が秘密裏にしていたことを各国の政府に告発するぞと脅し、シャルルの親権を更識に変更させる。

次はフランス政府に国際電話を繋ぎ、フランス政府のお偉いさん方にミスターKと名乗り、これまたデュノア社と同様にフランス政府が秘密裏にしている情報を各国の政府に告発するぞと脅し、シャルルが仮にフランスに帰国しても投獄をしないよう約束させる。

 

 

雷真「ふぃ~、疲れたが全部終わった。あとはお義父さんの方に連絡を入れるだけか」

 

 

携帯を今度はお義父さんに繋げる。

 

 

更識父『どうしたんだい、雷真くん?』

 

雷真「いきなりですが、三人目の娘は欲しくありませんか?」

 

更識父『えっ?』

 

 

それからお義父さんにシャルルと俺のハッキングしたことにより得た、経緯や情報を話した。それにより、お義父さんは快くシャルルを三人目の娘として迎え入れてくれることを約束してくれた。

 

 

雷真「では、今度は夏休みに、はい。では、おやすみなさい」

 

シャル「終わったの雷真?」

 

雷真「ああ。それとコーヒーをありがとうな」

 

シャル「ううん。どうせ、これが最後になるかもしれないし」

 

雷真「それなんだが………。シャルルはフランスに帰国しても投獄されないことになったから。フランス政府をおど………ンン!フランス政府と話をつけたから、あとデュノア社にも話をつけて親権を奪ったから。だからシャルル、お前はもう籠の中の小鳥じゃなくて、自由に飛んでいいんだよ」

 

シャル「えっ?それ…………本当なの、雷真?」

 

雷真「ああ、本当だ」

 

シャル「ってことは僕は、牢獄に入れられないで済むの?」ポロポロ

 

雷真「ああ」

 

シャル「普通に自由に生きていけるの?」ポロポロ

 

雷真「ああ」

 

シャル「普通の女の子みたいにお洒落してもいいの?」ポロポロ

 

雷真「ああ。だけど、女の子としてこの学園で生活するはちょっと待ってな。今はまだ、早いから」

 

シャル「うん!雷真が救ってくれた命だもん、だから雷真が決めて」

 

雷真「ちょっとまて、シャルル!今の発言はいかんせん、良くないと思うぞ」

 

シャル「なんで?」

 

雷真「今の発言を端から聞いたら、一種のプロポーズに聞こえるから注意しろよ」

 

シャル「ぷ、ぷぷぷプロポーズ!?/////」プシュ~

 

 

雷真「それじゃ、飯に行こうぜ。先に出てるから準備をしてくれ」

 

シャル「うん」

 

 

先に部屋を出ると、そこには……鬼の形相をしている、刀奈と簪が居た。その後ろには虚さんと本音も居た。

 

 

雷真「ど、どうしたんだ?刀奈に簪。そんな鬼の形相で………」

 

刀奈「どうした、ですって?」ゴゴゴゴ

 

簪「そうだね。なぜ私たちが居ることが分からないなら自分の胸に聞くといいよ?」ゴゴゴゴ

 

雷真「え、えっと……」

 

 

一応、簪に言われた通りに手を胸に当てながら虚さんに助けを求める視線を送ると、虚さんはハンドサインで電話を表した。あっ、なるほどね。お義父さんからの電話………終わったわ。

 

 

雷真「えっと、お二方に新たな姉妹が出来て良かったですね」ガタガタ

 

刀奈「言い残すことは?」

 

簪「それだけ?」

 

雷真「ひ、いや!?」

 

更識姉妹「「私たちという者が居ながら………。他の女なんかに……いっそ一回、死んでこい!この浮気者!!」」

 

雷真「ギャアアアアア!!」

 

 

また、男の格好になって部屋から出て来たシャルルがまず見たのは、頭から湯気を出して地面にめり込んでいる雷真と、こちらを鬼の形相で睨んでいる更識姉妹の姿だった。

 

 

シャル「え、えっとこの状況は一体……何?」

 

雷真「…………」チーン

 

刀奈「シャルルくん、少しお話がしたいの」ゴゴゴゴ

 

簪「だから、一緒に来てくれるよね?」ゴゴゴゴ

 

シャル「は、はい!」

 

 

その言葉の後、シャルルと撃沈している雷真は刀奈と簪によって部屋の中でO☆HA☆NA☆SHIをされたそうな。

 



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第14話






刀奈と簪のO☆HA☆NA☆SHIを受けたあとは刀奈たちと共に食堂に行ったが、食堂にいる生徒が俺のボロボロの姿に驚いていた。

 

そして、その翌日。教室ではまた、一夏の例の噂が流れているようだ。

 

 

雷真「一夏も大変だな」苦笑

 

シャル「そうだね」苦笑

 

 

またそして、今日の放課後は一夏たちと特訓をせずに簪の専用機『打鉄弐式』のテスト飛行だ。

 

 

雷真「簪、なんかあったら叫べよ?助けるから」

 

簪「大丈夫だよ。雷真やお姉ちゃん、皆が協力してくれたんだから、きっと大丈夫」

 

雷真「けど、無茶はするなよ?」

 

簪「わかってる」

 

 

簪はそういって打鉄弐式を纏い、カタパルトに乗る。カタパルトの進路がクリアされたら出撃準備の完了だ。

 

 

簪「更識簪。打鉄弐式、行きます!」

 

 

その言葉を合図に簪は打鉄弐式で空を飛んだ。念のため、俺もストライクで出ることにする。装備はエールストライカーにするつもりだ。

 

 

雷真「ストライク、起動!」

 

 

今回は管制をする人が誰も居ないが頭の中でコズミック・イラの義姉である、ミリアリア・ハウの管制をする声を思い出す。

 

 

ミリアリア『APUオンライン。カタパルト接続。エールストライカー、スタンバイ。』

 

 

足をカタパルトに接続してからストライクにエールストライカーとビームライフル、対ビームシールドを一緒に装備する。

 

 

ミリアリア『各パワーフロウ正常。進路クリア。ストライク、発進、どうぞ!』

 

 

雷真「黒牙雷真、ストライク。行きます!」

 

 

カタパルトを起動させて、空へとストライクに乗る、雷真を射出する。射出された雷真は綺麗なバレルロールで空を飛ぶ。

 

カタパルトから出ると一度、地上に降りて、簪の様子を見る。

 

 

簪「機体制御は大丈夫。あとはハイパーセンサーの接続と連動。姿勢保持スラスター問題無し。展開時のポイントを調整。PIC干渉領域からズラして、グラビィティーヘッドを機体前方6cm調整。それから脚部ブースターバランスを4-で再点火」

 

 

簪は飛行をしながらホロウ・ウィンドウをタイピングして、打鉄弐式の微調整をしていく。

 

 

簪「全システム……良好。やった、ついに私の専用機が完成した!」

 

 

簪は空を飛びながら喜んでいるが、それもつかの間。いきなり打鉄弐式の全スラスターが止まったのである。

 

 

簪「えっ……?」

 

簪「きゃああああああ!!」

 

 

打鉄弐式の重さと重力により、簪は勢いよく地面へと落下していく。

 

 

簪「怖い…………怖いよ!お願い、助けて」ポロポロ

 

 

簪「助けて、雷真!!」ポロポロ

 

 

簪は自分のヒーローで恋人であり、婚約者の名前を叫んだ。その叫びに答えたかのように空の彼方から全身装甲でトリコロールカラーのISが高速で、簪に向かって飛んでくる。それは、雷真が乗る【GAT-X105ストライク】だ。

 

しかし、いつもデータで見ているストライクより、明らかに飛行速度が早い。

 

 

雷真「かんざしぃぃぃい!!」

 

 

 

簪「雷真……?」ポロポロ

 

 

 

 

雷真は通常はかけているストライクのセーフティを全て解除して、落下している簪を助けた。簪を安心させるために頭部の装甲を外す。

 

 

雷真「簪、大丈夫か?」

 

簪「うん……。雷真が助けてくれたお陰で無事だよ。それと雷真、目が……」

 

雷真「ああ、これか。前に話した、"あっち側(コズミック・イラ)"で覚醒した力だ。」

 

簪「なんか、格好いいね。それ」

 

雷真「そうか?」

 

簪「うん」

 

雷真「そうか」

 

 

簪をお姫様抱っこのまま、ゆっくりと地上に降りて、簪を降ろす。しかし、簪は落下する恐怖で腰が抜けた。そのまま簪のお願いでお姫様抱っこの状態で整備室に戻り、全てのスラスターのシステムを調べたが異常が見られなかった。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

~少し時間を遡り、簪が言った雷真の目について~

 

 

ストライクを装着して、地上から簪を見ているがあまり心配することはないみたいだ。

なので、簪と共に空を飛ぼうとエールのスラスターと脚部のバーニアを噴かせる。

また、俺は子供じみたイタズラをしようと思い、簪を驚かせるために遠回りをする。

 

しかし、この時、もっと早く簪に近づいていれば、もっと安全に助けることが出来たのではないかと後悔する。

 

 

雷真「なんとか、形に成ってるな。あとは実戦訓練で慣れていくだけだな」

 

 

そんなことを口に出していると、いきなり簪の専用機の打鉄弐式のスラスターが全て停止し、そのまま地面に向けて落下していく。

 

 

雷真「簪は何をやってるんだ?」

 

 

簪の行動を疑問に思い、簪に近づくと…………。

 

 

簪「助けて、雷真!!」ポロポロ

 

雷真「ッ!?」キュパーン

 

 

この時、簪の『助けて』の声がトリガーになったのかは分からないが、意識をしていないのに俺の頭の中の何かが弾け、SEEDの発動状況になった。

 

なんで、SEEDが……?それより、今は簪が優先だ。絶対に死なせない!

 

すぐにストライクにかけてあるセーフティを全て解除する。これにより、今までよりもストライクの速力が上がる。

 

 

雷真「かんざしぃぃぃい!」

 

簪「雷真…………?」ポロポロ

 

雷真「簪、大丈夫か?」

 

簪「うん……。雷真が助けてくれたお陰で無事だよ。それと雷真、目が…………」

 

雷真「ああ、これか。前に話した、"あっち側(コズミック・イラ)"で覚醒した力だ」

 

簪「なんか、格好いいね。それ」

 

雷真「そうか?」

 

簪「うん」

 

雷真「そうか」

 

 

 

~現在に戻り~

 

 

 

雷真「このまま、地上に降りるからな」

 

簪「う、うん……。//////」

 

 

ゆっくり、減速しながら地上に降りる。

 

 

雷真「簪、立てるか?」

 

簪「…………」

 

雷真「簪?」

 

簪「ごめん……腰が抜けたみたい」

 

雷真「プッ、アハハハハ」

 

簪「笑うこと無いじゃない!もう……。////」

 

雷真「なら、ちょっと我慢してくれな」

 

簪「えっ?」

 

 

俺は簪を一度観客席に座らせてから、簪に背中を向け、腰を落とす

 

 

雷真「よし、いいぞ」

 

簪「えっ?これって……」

 

雷真「そっ、おんぶの体勢だ」

 

簪「本当はあのままお姫様抱っこでよかったんだけどな……」

 

雷真「なら、そうするか?」

 

簪「いいの?」

 

雷真「ああ。俺は構わないよ?」

 

簪「じゃあ、お願いします」

 

雷真「了解、お姫様」

 

簪「お、お姫様!?」

 

雷真「だって、そうだろ?簪と刀奈は俺にとっては自分の命と同じくらい大切な《花》なんだ」

 

簪「花……。なんで、私たちは花なの?」

 

雷真「前にも話したが俺は"あっち側(コズミック・イラ)"で本当の戦争を二度も経験しているからな。それで戦争で散った《花》は戻らないけど、新しく植えることはできると、友達は言ってたんだよ」

 

簪「そうなんだ」

 

雷真「だから、思ったんだ。俺は、俺の大切な人の平和を守るために戦いたいと。もう二度とあんな悲劇は繰り返したくないから……。今度こそ、《花》を散らせたりなんかさせない、絶対に」

 

簪「雷真……」

 

雷真「湿っぽい話しは終わり。そろそろ、整備室に着くぞ」

 

簪「うん、ありがとう」

 

 

それから簪や整備科の人と共に打鉄弐式のシステム的不備を探していくが見当たらない。しかし…………。

 

 

雷真「簪、打鉄弐式は一夏が見つかる前までは開発が優先されてたんだろう?」

 

簪「そうだよ?」

 

雷真「一応、内部点検してみたら?」

 

 

それから色々と点検とかをしているがスラスターが止まった原因は分からなかった。

 

 

その後は簪たちと別れて、一夏たちを見に第三アリーナに向かっていると……。

 

 

一夏「よう、雷真」

 

雷真「おう、まだアリーナに行ってなかったのか」

 

シャル「うん。一夏が今日の授業で分からない部分があったみたいで僕が教えてたんだ」

 

雷真「なるほどな」

 

 

一夏がアリーナに行っていない経緯をシャルルに聞いているとクラスの女子たちが廊下を走りながら、こんなことを言っていた。

 

 

「第三アリーナで代表候補生三人が模擬戦やってるって」

 

雷真「おい、今の!」

 

一夏「ああ!」

 

シャル「急がないと!」

 

 

俺たちは全力疾走で第三アリーナに向けて走る。

 

 



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第15話







雷真たちはクラスの女子たちが第三アリーナで代表候補生が模擬戦をしていると聞き、急いで三人は全力で第三アリーナを目指し、途中で箒とも合流した。そして到着すると、そこにはセシリアと鈴がラウラに2対1で押されていた。

 

 

シャル「鳳さんにオルコットさんだ」

 

箒「ラウラ・ボーデヴィッヒも」

 

一夏「何、してるんだ。あいつら?」

 

 

 

 

 

 

鈴「喰らえ!」

 

ラウラ「無駄だ。このシュヴァルツェア・レーゲンの停止結界の前にはな!」

 

 

鈴はセシリアと共に吹き飛ばされて壁にぶつかかるがすぐに体制を直し、甲龍の龍咆をラウラに放つ。しかし、ラウラが右手を前に出すと結界のバリアのような物が生まれ、龍咆の攻撃がラウラに当たる前に爆発する

 

 

鈴「なっ!?」

 

一夏「龍咆を止めやがった!?」

 

シャル「AICだ」

 

雷真「AIC?」

 

箒「そうか。あれを装備していたから龍咆を避け様としなかったんだ」

 

一夏「A、I、C、なんだそれ?」

 

シャル「シュヴァルツェア・レーゲンの第三世代型兵器、Active Inertial canceller」

 

箒「慣性停止能力とも言う」

 

雷真「なるほど、だからか」

 

一夏「ふ~ん」

 

箒「本当に分かっているのか?」

 

一夏「今見た。それだけで十分だ」

 

雷真「なら、いいがな」

 

 

鈴は再び、龍咆でラウラを狙うが地上を滑るように龍咆を回避していく。またはAICで無力化していく。

 

 

鈴「ここまで相性が悪いなんて。でも、実力なら雷真の方が上ね」

 

 

ラウラはシュヴァルツェア・レーゲンから無数のワイヤーブレードを射出して鈴を攻め立てる。そして、ワイヤーブレードは鈴の足に巻き付く。

 

 

鈴「わあっ!!」

 

ラウラ「この程度の仕上がりで第三世代型兵器とは笑わせる」

 

 

ラウラが笑っているが、すぐに今まで攻撃していなかった。セシリアがビット兵器で攻撃し、ラウラの隙を狙う。これにより、ラウラはAICを使うために隙ができた。それをセシリアは見逃さずにスターライトmkⅡで狙う。

 

 

セシリア「動きが止まりましたわね?」

 

ラウラ「貴様もな」

 

 

セシリアはスターライトmkⅡをラウラはレールカノンをお互いに放ち、爆発。そして、ラウラはワイヤーブレードを巻き付けている鈴を引っ張り、セシリアに向けて当てる

 

 

ラウラ「フンッ!」

 

鈴「きゃああああああ!!」

 

セシリア「きゃああ!!」

 

 

鈴とセシリアは勢いよく、ぶつかり合い地面に向けて落下した。

倒れがらも鈴はお返しとばかりに龍咆を撃とうするが……。

 

 

ラウラ「あまいな。この状況でウェイトのある空間圧力兵器を使うとは」

 

 

ラウラはつまらないと言った顔をしながら鈴にレールカノンを放つ。それと同時にセシリアが至近距離でミサイルをラウラに向けて発射

 

 

鈴「ああああ!!」

 

ラウラ「なっ!?」

 

 

ミサイルがラウラに命中し、爆煙があがる。その内に鈴たちは一度距離を取り、ラウラの出方を見る。

 

 

鈴「この至近距離でミサイルだなんて、無茶するわね」

 

セシリア「雷真さんが仰っていましたの、『もし仮に至近距離でミサイルしか武装が使えなくなっても躊躇なく撃て。どんな戦いにもリスクの無い勝利などない』と」

 

鈴「なるほどね、今回はアイツに助けてられたってことね」

 

セシリア「ですわね。けれど、これなら確実にダメージが……」

 

 

ラウラが居た場所の爆煙が止んで行くとそこには……。

 

 

鈴「なっ!?」

 

ラウラ「終わりか?」

 

ミサイルを受けたのにも関わらず、無傷のシュヴァルツェア・レーゲンが佇んでいた。

 

ラウラ「ならば、私の番だな」

 

 

ラウラは脚部の近くにある武装からワイヤーブレードを出し、それを鈴とセシリアの首に巻き付ける。

 

 

鈴「ぐああああ!!」

 

セシリア「ぐううう!!」

 

 

そこからはラウラが行う、鈴とセシリアの蹂躙が始まった。

 

 

シャル「ひどい!あれじゃ、SEが持たないよ」

 

一夏「……」

 

箒「もし、ダメージが蓄積しISが強制解除されれば二人の命に関わるぞ!」

 

雷真「なにっ!?」

 

雷真「ストライク!」

 

シャル「雷真、何を!?」

 

雷真「決まってる、シールドバリアをぶち破るんだよ!だから皆離れてろ!」

 

 

雷真はストライクを起動させて、ランチャーを装備。

アグニをセーフティ状態でラウラに向けて放つ。

 

 

雷真「セーフティとシールドバリアがあるんだ。ボーデヴィッヒのSEは突破しないだろ」

 

 

ラウラは鈴とセシリアを蹂躙することに気が回っていたため、観客席から放れるランチャーストライクのアグニに気がつくのがワンテンポ遅れた。

 

 

ラウラ「なに、があっ!?」

 

 

アグニがラウラに当たると雷真はランチャーからソードに換装する。

 

 

雷真「一夏とシャルルは二人の救助を頼んだぞ!」

 

一夏「お、おい!」

 

シャル「ちょ、雷真!」

 

 

ソードストライクのスラスターを一気に噴かせながらシュベルトゲベールを引き抜き、ラウラに突撃する。その際、左肩にあるマイダスメッサーも一緒に引き抜き、バレないよう体で隠しながらラウラの後ろを大きく回るように投げて置く。

 

 

雷真「ウオオオオオッ!!」

 

ラウラ「またもや、貴様か!」

 

雷真「ハアアッ!!」

 

ラウラ「あまい!」

 

 

雷真の突撃はラウラの専用機、シュヴァルツェア・レーゲンのAICによって止めれてしまう。

 

 

ラウラ「この程度か?」

 

雷真「お目当てはこっちじゃ、ないんだよ!」

 

ラウラ「なに………なっ!?」

 

 

ラウラは鈴とセシリアの首に巻き付けていた。シュヴァルツェア・レーゲンのワイヤーブレードがいつの間に切断されていることに驚いた。

 

 

雷真「だから、言ったろ?お目当てはこっちじゃないって」

 

ラウラ「貴様ぁぁぁあ!」

 

 

ラウラは雷真にしてやられたことに怒り、雷真に向けて至近距離でレールカノンを放ち、命中する。それにより、爆煙が上がる。

そして鈴とセシリアを救助し、介抱しているシャルルは至近距離でレールカノンを受けた雷真に悲鳴をあげる。

 

 

シャル「雷真!?」

 

一夏「安心しろ、シャルル。雷真のストライクはあんな攻撃は通用しない」

 

シャル「え?」

 

 

シャルルは一夏の言っていることが分からないでいた。いくら、SEがあるとはいえ、あんな至近距離で攻撃を受けたら、かなりのダメージが体に受けるはず。

しかし、シャルルの予想は外れた。

雷真がいた場所の爆煙が止むとそこには先ほどのラウラと同じように無傷の雷真が佇んでいた。

 

 

シャル「うそ……」

 

一夏「なっ?だから、言ったろ?」

 

ラウラ「貴様!なぜ、あの至近距離で私のシュヴァルツェア・レーゲンのレールカノンを受けて無傷でいる!!」

 

雷真「悪いな。俺の機体はどの国よりも高性能でな。SEが無くても実剣、実弾は無効化できる装甲で出来てるんだよ」

 

ラウラ「なっ!?そんな………バカな」

 

ラウラ「何故、その様な機体を貴様なんぞが持っている!?」

 

雷真「教える義理はない!」

 

 

レールカノンによりAICから解放された雷真は装備をソードからIWSPに換装して、右手にビームライフル、左手にコンバインシールドのガドリング、レールガン、単装砲、イーゲルシュテルンをフルバーストする。

 

 

ラウラ「舐めるなぁぁぁぁあ!!」

 

 

IWSPのフルバーストで爆煙が上がるが、その中からラウラがシュヴァルツェア・レーゲンのプラズマ手刀を両手共出して、雷真に突撃する。それを雷真は両脇に装備している、試製対艦刀で待ち構える。

 

 

???「両者、そこまでだ!」

 

ラウラ「きょ、教官!?」

 

雷真「遅いですよ。織斑先生」

 

千冬「やれやれ、これだからガキの相手は疲れる。それと黒牙、緊急事態とはいえ。セーフティ状態のアグニを人に向けて撃つのはどうかと思うが?」

 

雷真「すみません。鈴とセシリアの命が危なかったもので……」

 

ラウラ「あの最初の砲擊がセーフティされていただと………?」

 

千冬「模擬戦をするのは構わん。だが、アリーナのバリアまで破壊する事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントで着けてもらおう」

 

ラウラ「教官がそう仰っしゃるのなら」

 

 

ラウラは織斑先生の言葉でISを解除する。

 

 

千冬「黒牙、お前もそれでいいなあ?」

 

雷真「自分よりも、一夏なんじゃないんですかね?」

 

千冬「現状では貴様だ」

 

雷真「了解です」

 

千冬「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁止する。それと黒牙、お前は反省文30枚を明日提出しろ」

 

一夏「なっ!?ちょっと待てよ、千冬姉」

 

千冬「織斑先生だ。なんど言えばわかる?」

 

一夏「雷真は鈴とセシリアを助けるために…………」

 

雷真「一夏!いいから……」

 

一夏「雷真……お前」

 

千冬「それでは、解散!」

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

第三アリーナの事件の後、俺たちは鈴とセシリアを医務室に連れて行き、今は喋るくらいまで回復している。

 

 

鈴「別に助けてくれなくてもよかったのに……」

 

セシリア「あのまま続けていれば、勝ってましたわ」

 

二人はそんなバカなことを口にしたので俺は頭にきた

 

雷真「ふざけるも大概にしろよ、お前ら!」ギロリ

 

 

「「「「ッ!?」」」」

 

 

雷真「あのまま、続けていたら勝っていた?あんなボロボロになるまで一歩的に蹂躙されてか?」

 

雷真「どこに勝てる要素がある。もしかしたら本当に死んでいたかもしれないんぞ!」

 

雷真「本当の死の恐怖を知らない奴等がふざけたこと抜かしてんな!シャルル、俺は先に帰る。二人とも少し頭を冷やせ」

 

 

俺はそう言い残し医務室を出る。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真が激怒して部屋から出て行った後の医務室は空気が重たかった。

 

 

一夏「二人とも、さっきのは流石に雷真が怒るのも俺にも理解できるぞ」

 

シャル「僕もちょっとね」

 

鈴「それは……」

 

セシリア「その……」

 

シャル「雷真は二人のことを思って、あんなに怒ってるだと思うよ?」

 

一夏「そうだな。最初に二人を助けようと動いたのは雷真だったしな」

 

鈴「そう……雷真が」

 

セシリア「雷真さんには、申し訳のないことをしましたわね」

 

一夏「自分が悪いと思うなら、ちゃんと謝らないとな?」

 

シャル「そうだよ。怪我を治しからきちんと謝れば雷真だって許してくれるよ」

 

鈴「そう……ね。そうするわ」

 

セシリア「私もそういたしますわ」

 

 

鈴とセシリアが雷真に謝ることを決めると医務室の中にある薬のビンがカタカタを揺れ始め、医務室の入り口が勢いよく開けられた。入り口から入って来たのは大勢の女子生徒たちだった。

 

一夏「な、なんなんだ?」

 

シャル「ど、どうしたの皆?」

 

「「「これ!」」」

 

シャル「えっ?」

 

 

女子生徒たちが見せたのは一枚のプリント。シャルルと一夏は女子生徒の中から一枚プリントを拝借してプリントの内容を確認する。

 

 

シャル「何これ?」

 

一夏「今月開催される学年別トーナメントでは、より実戦的模擬戦闘を行うため、二人組での参加を必須とする。尚、ペアができなかった者は抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする。締め切りは……」

 

「とにかく、私と組もう織斑くん」

 

「私と組んでデュノアくん」

 

一夏「え、えっと……」

 

シャル「ごめんね、皆。僕は雷真と学年別トーナメントに出るから。本当にごめん」

 

一夏「シャルル!?」

 

「なら、織斑くん。私と出よう!」

 

「いや、私と組もうよ!」

 

一夏「た、助けてくれ!」

 

シャル「ごめんね、一夏」

 

一夏「そんな……」

 

 

こうして、医務室での騒ぎは終了した。ただし、一夏とのペアを巡った騒ぎは続いているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室での一件で俺は頭にきていた。それも周りの皆が俺を避けて道を作るほどに…………?

 

 

刀奈「ちょっと雷真。どうしたの?そんな怖い顔して」

 

雷真「ん?刀奈か……。まあ、ちょっとな」

 

刀奈「取り敢えず、私の部屋に来なさい」

 

雷真「なら、そうしようかな」

 

 

刀奈に言われるまま、刀奈の部屋に入る。

 

 

刀奈「はい、お茶」

 

雷真「ありがとう」

 

刀奈「それで、本当にどうしたの?」

 

雷真「ああ、それなんだが……」

 

 

俺は第三アリーナでのことと医務室でのことを刀奈に話した。

 

 

刀奈「なるほどね。雷真が怒るのも無理ないわ。だってアナタは二度も本当の戦争を経験してるもの」

 

雷真「ああ、だから……命を粗末にして欲しくないんだ。それも俺の大切な人や友人なら尚更」

 

刀奈「ねぇ、雷真。アナタ、少し休んでもいいと思うわ」

 

雷真「睡眠ならちゃんと取ってるぞ?取れる内に取るのは軍人の鉄則だ」

 

刀奈「ああ、もう!そうじゃなくて、ちょっとこっちに来なさい!」トントン

 

 

刀奈が示すのは引っ越す前に使っていた俺のベッドだ。刀奈に勧められるまま、刀奈の横に座ると……。

 

 

刀奈「ほら」

 

雷真「うおっ!?」

 

 

俺は刀奈に引き寄せられ、頭が刀奈の膝の上に乗る。所謂、膝枕だ。

 

 

雷真「か、刀奈?」

 

刀奈「何を今さら緊張してるのよ。中学時代にもやってたでしょ?」

 

雷真「一年だけな……」

 

刀奈「あっ、ごめんなさい。私ったら……」

 

雷真「いいよ。でも、心残りはあるけどな」

 

刀奈「雷真……」

 

雷真「本当は刀奈や簪、本音たちと一緒に林間学校、修学旅行にも行ってみたかった…………。それに二年間も皆の誕生日を祝ってやれなかった」ポロポロ

 

刀奈「…………」ナデナデ

 

雷真「ごめん、ごめん、刀奈………君を泣かせて、心配をかけて……本当にごめん」ポロポロ

 

刀奈「いいわよ。貴方が無事で帰ってきて、今は一緒に居てくれるんですもの」ナデナデ

 

雷真「ありがとう」

 

刀奈「どういたしまして」ナデナデ

 

雷真は泣き疲れたのか、いつの間にか眠ってしまった。

 

 

雷真「すぅ~、すぅ~」ZZZZ

 

刀奈「やっぱり、知らず知らずのうちに色々と溜め込んでいたのね。全く、昔から心配をかけるんだから、私たちの旦那様は」ナデナデ

 

雷真「すぅ~、すぅ~」ZZZZ

 

刀奈「雷真…………私は、私たちは貴方を愛しているわ。今も、これからも、ずっとね」チュッ

 

 

 

 

それから、何十分経ったんだろうか?刀奈のお陰で、今まで我慢していた感情の奥底にある物を全て出したら、すごく楽になった。

 

 

雷真「んん~」

 

刀奈「あっ、おはよう、雷真」

 

雷真「おはよう、刀奈。って、今は何時だ?」

 

刀奈「今は、午後の8時くらいよ」

 

雷真「やばっ!シャルルがもう帰ってきてる時間じゃないか。それに食堂だって終わっちゃってるし。一度、部屋に戻るわ」

 

刀奈「それがいいかも。あと、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

刀奈「生徒会の仕事、手伝って」

 

雷真「わかった。暇になったら手伝ってやる。虚さんにも伝えとけよ」

 

刀奈「やった!」

 

 

そして部屋に戻ろうとする。部屋に入るまえにノックをあるテンポでしてから入る。これはシャルルが女の子だってバレないようにするための対策の一つだ。

 

 

雷真「ただいま、シャルル」

 

シャル「遅いよ!何処に行ってたの?」

 

雷真「えっと、刀奈のところにな」

 

シャル「刀奈の?」

 

雷真「そう。それと飯、サンキューな」

 

シャル「ううん。僕が勝ってに雷真と食べようと思って貰ってきただけだから」

 

 

そう、俺とシャルルの勉強机の上には冷めているいるが食堂の料理が置いてあるのだ。

 

 

雷真「なら、俺ができる範囲でシャルルのお願いを聞いてやるよ」

 

シャル「えっ、本当?」

 

雷真「ああ」

 

シャル「なら、僕と学年別トーナメントにペアして出て欲しいんだ」

 

雷真「なんだ、そんなことか。それなら、元々そうするつもりでいたぞ?だから、それはノーカン。他にないなら考えて置いてくれよ?」

 

シャル「うん、ありがとう雷真」

 

雷真「こっちが礼を言う方なんだがな?」

 

シャル「フフフフ、気にしない、気にしない」

 

 

 

シャルルと部屋で夕飯を食べたあと、のんびりしていると俺の携帯が鳴る。それも、こっち側に帰ってきてからお義父さんに貰った、刀奈や簪の介入無しで裏の仕事をやる番号だ。そのため、人がいない屋上に向かう。それと、何故俺が更識の裏の仕事をやるようになったのは、過去に刀奈と簪が誘拐されたのが発端だ。二人を守るために裏の仕事を覚えた。それだけだ。

 

 

雷真「どうしたんですか、"楯無"さん。こんな時間に」

 

更識父『現在、IS学園にいる。ドイツの代表候補生である。 ラウラ・ボーデヴィッヒに関わる案件でね』

 

雷真「ボーデヴィッヒですか?」

 

更識父『そう。その、ラウラ・ボーデヴィッヒの専用機であるシュヴァルツェア・レーゲンにVTシステムが秘密裏に組み込まれている可能性がある、という情報を得た』

 

雷真「なっ!?」

 

 

VTシステム。正式名称、ヴァルキリー・トレース・システム。これは過去のモンド・グロッソ優勝者の戦闘方法をデータ化し、そのまま再現・実行するシステム。パイロットに能力以上のスペックを要求するため、肉体に莫大な負荷が掛かり、場合によっては生命が危ぶまれる代物だ。

 

なのに、何でそんなものをボーデヴィッヒの機体に…………?

 

 

更識父『とにかく、刀奈と簪に危害が及ばないように頼むぞ。義息子よ』

 

雷真「わかりました、お義父さん。今回の案件には今まで通り細心の注意を払います。最悪は自分が介入するかもしれませんが」

 

更識父『わかっている。だが、くれぐれも娘たちを頼むぞ?』

 

雷真「わかってます。それでは」

 

雷真「はぁ~、盗み聞きはよくありませんよ…………虚さん」

 

虚「気づかれていましたか」

 

 

そういって虚さんは物影から出てくる。

 

 

雷真「今回は?」

 

虚「いえ、私の所には何も」

 

雷真「わかりました。では、サポートをお願いします。ボーデヴィッヒの試合時は極力二人から離れないでください」

 

虚「わかりました。若様」

 

雷真「その呼び方は慣れませんね」苦笑

 

虚「それでは、私はこれで」

 

 

その言葉と共に虚さんは闇へと消えた。

 

 

雷真「さてさて、学年別別トーナメントはどうなることやら」

 

 

嫌に丸くて大きな満月を見ながら、その言葉がこぼれた。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ついに来ました。学年別トーナメント当時。そして、今俺がいる場所は織斑先生がいる管制棟の中である。

 

 

千冬「それで黒牙、話とはなんだ?」

 

雷真「今はオーブ軍人としてここにいるつもりです」

 

千冬「それはすまなかった。それでは中尉、私に話とはなんだ?」

 

雷真「では、説明します。まだ確信とまでは行きませんが、自分の情報網からドイツの代表候補生である、ラウラ・ボーデヴィッヒの専用機、シュヴァルツェア・レーゲンにVTシステムが秘密裏に組み込まれている可能性があると情報を得ました」

 

千冬「VTシステムだと!?」

 

雷真「はい。仮にもし、そのVTシステムが起動した場合、自分は軍人として教師陣と連携を図り、国家首脳ならびに一般生徒を守ろうと思います。ですので、その許可をいただきたく、ここに参りました」

 

千冬「ふむ…………。わかった」

 

「織斑先生!?」

 

千冬「心配するな。こいつは、黒牙雷真中尉は本物の戦争を二度も生き抜いた強者だ」

 

「そんな……」

 

「黒牙くんが……」

 

「戦争を…………」

 

雷真「では、織斑先生が言っていることが本当か、今この場で全力の殺気を放ちます。殺気に当てられて失神しないでくださいよ?」キュパーン

 

 

目を閉じて、クラス対抗の時と同じように、『殺す』、に意識を集中させる。すると、頭の中の何かが割れて、思考がクリアになる。また、瞳からハイライトが消える。

 

 

雷真「…………」

 

「「「「ッ!?」」」」ゾワリ

 

千冬「どうだ、理解したか?」

 

「は、はい……」

 

雷真「では、自分はいつでも出られる様に待機場に居ますので」

 

千冬「わかった」

 

 



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第16話






織斑先生に許可をもらい。待機場にて、いつでも出撃できるように備える。

 

そして、学年別トーナメントの第一試合の対戦カードは、まさかの…………織斑一夏&鷹月静寐vsラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒、だった。

 

 

雷真「初戦から仕組まれたような対戦カードだな。てか、対戦カードを組んだの俺だったわ」

 

 

今回の対戦カードは生徒会の仕事で学年別トーナメント対戦カードを決めるために副会長である俺が、遊び半分にペアを書いたカードをシャッフルして、裏の状態で対戦カードを決めたのだ。だから、公平な決め方なのだが…………。

 

 

雷真「これでVTシステムが発動したら、どうしよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アリーナの中央では第一試合のカードが対面していた。

 

 

ラウラ「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ」

 

一夏「そりゃ何よりだ。こっちも同じ気持ちだぜ」

 

 

お互いに言い合うと試合開始のカウントが始まる。

 

 

『5』

 

 

『4』

 

 

『3』

 

 

『2』

 

 

『1』

 

 

一夏×ラウラ「「叩きのめす!」」

 

 

『0』

 

 

まず最初に動いたのは一夏だ。高速でラウラに突撃していく。それをラウラはAICで難なく止める。

 

 

ラウラ「開幕直後の先制攻撃か、わかりやすいな」

 

一夏「そりゃ、どうも。以心伝心で何よりだ」

 

 

そんな、子供みたいな言い合いをしているとラウラはAICで止まっている一夏にレールカノンの照準を当てる。

 

しかし、ラウラがレールカノンを撃つ前に鷹月が一夏の後ろから、ラウラを学園の量産型ラファール・リヴァイヴのサブマシンガン二丁を構えて撃ちながら飛び出てくる。

 

 

鷹月「ハアアアアッ!!」

 

ラウラ「くっ!?」

 

 

これにより、ラウラのレールカノンは一夏の頬を少し掠めて外れる。逆に鷹月が放った、サブマシンガンの雨はラウラに着弾する。

また、着弾したことによって一夏の動きを止めていたAICの結界が解ける。こんな絶好のチャンスを雷真による日頃からの特訓をしている一夏は見逃さずに攻撃を入れる。

 

 

一夏「ラアアアアッ!!」

 

ラウラ「ぐぅぅっ!?」

 

鷹月「まだまだ!」

 

 

鷹月はダメ押しとばかりに一夏の攻撃で吹き飛ばされた。ラウラを狙い撃つ。しかし、そこに箒がSEを犠牲に割り込んでくる。

 

 

鷹月「篠ノ之さん!?」

 

箒「私を忘れてもらっては、困る!!」

 

 

今度は一夏が箒の相手をするその隙に、鷹月が一度距離を取り、アサルトライフルで箒を狙う。

 

 

鷹月「当たって!」

 

 

鷹月がアサルトライフルを撃つが箒には当たらなかった。その理由はラウラのISである、シュヴァルツェア・レーゲンの黒いワイヤーブレードを箒が乗る、打鉄に巻き付けて力任せに引っ張る。

 

 

鷹月「えっ!?」

 

一夏「なっ!?」

 

箒「何をする!」

 

ラウラ「…………」

 

 

ラウラは箒の問いに答えずに一夏に突撃する。その途中でシュヴァルツェア・レーゲンのプラズマ手刀を二本で一夏と近接勝負をする。

それと同時にワイヤーブレードで鷹月にも攻撃する。

 

箒「ハアアアアッ!!」

 

 

箒はラウラに吹き飛ばされたが体勢を持ち直し、一夏に攻撃を仕掛けようとするが、それを鷹月がアサルトライフルからサブマシンガンに変えて抑える。

 

 

鷹月「織斑くんの邪魔はさせないよ」

 

箒「クソッ!」

 

 

次に鷹月は一夏に教えてもらった刀との戦い方を元にナイフで刀を受け止め、その隙にサブマシンガンで隙のできた相手に弾丸の嵐を降らせるやり方で、箒の乗る、打鉄のSEをゼロにする。

 

 

鷹月「やった!」

 

箒「ここまでか…………」

 

一夏「鷹月さん、喜んでないで、次!」

 

鷹月「あっ、ごめん」

 

ラウラ「話をするとは余裕だな?」

 

一夏「へぇっ!雷真と比べたら、お前なんて楽勝だぜ」

 

ラウラ「この減らず口が!」

 

鷹月「織斑くん、下がって!」

 

一夏「おう!」

 

 

一夏は鷹月の声で一度、後方に下がる。

 

 

ラウラ「逃がすか!」

 

 

ラウラは一夏を追撃しようとするが足元に何かが転がってくる。

 

 

ラウラ「これは…………グレネード!?」

 

 

そう、ラウラの足元に転がってきたのは鷹月が投げたグレネード。ラウラは一夏のことで視野が狭まり周りに気を配ることを疎かにしてしまった。

 

 

一夏「サンキュー、鷹月さん」

 

鷹月「どういたしまして」

 

一夏「なら、俺も決めないとな!」

 

 

一夏は白式のエネルギーを最大にして、単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)の零落白夜を発動させる。それに合わせて、鷹月は自分が囮になりラウラに隙ができるように地面を高速で滑りながら、ラウラに向けてマガジンを新しく入れ換えた。サブマシンガン二丁で狙い撃つ。

 

しかし、その動きもAICによって止められてしまう。だが、これは一夏たちには好機となる。AICは停止させるものに意識を集中させる必要があるため、鷹月をAICで止めた場合、鷹月を止めている以外は他のことが疎かになる。

 

 

一夏「セヤアアアッ!!」

 

ラウラ「ガッ!?」

 

一夏「まだまだ!」

 

ラウラ「この程度!」

 

鷹月「私だって」

 

ラウラ「クソッ!」

 

一夏「これで終わりだ!」

 

 

一夏は最後にSEをギリギリまで使い、零落白夜でラウラを斬り吹き飛ばす。

 

 

ラウラ「ぐあああああ!?」

 

 

ラウラはアリーナの壁にぶつかり、沈黙する。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

私は負けるのか…………。こんな、奴に……。私が憧れた、あの凛々しく堂々としている教官を変えてしまう。お前が………ゆるせないんだ!織斑一夏……貴様がいなければ!

 

 

力が欲しい…………奴を圧倒的に叩きのめす力が!

 

 

─願うか……?─

 

 

─汝、より強い力を欲するか?─

 

 

寄越せ、力を……。比類なき、最強の力を!

 

 

 

─よかろう、くれてやる。力を─

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

アリーナの壁にぶつかり、ラウラは沈黙していた。しかし、次の瞬間、ラウラの叫びと共にラウラが乗る、シュヴァルツェア・レーゲンがラウラを呑み込み、その形を変えていく。

 

 

ラウラ「うああああああ!?」

 

ラウラ「あああああああ!?」

 

鷹月「なに、あれ?」

 

一夏「……」

 

 

一夏たちはラウラに起きた現象に驚きのあまり動けないでいる。

 

 

 

 

 

~場所はアリーナの待機場に戻り~

 

 

 

 

 

雷真「やっぱり、始まったか。織斑先生、出撃の許可を!」

 

 

千冬『許可する!』

 

 

雷真「了解!ストライク、起動!」

 

 

雷真「黒牙雷真、ストライク。行きます!」

 

 

俺はエールストライクで一夏たちがいるところに向かう。

 

 

雷真「二人とも下がれ!ここからは、俺の仕事だ」

 

一夏「仕事って……。あれは、なんなんだよ!?」

 

雷真「話はあとだ。下がれ!」

 

 

一夏とボーデヴィッヒが呑み込まれた物を話していると教師陣が避難の放送を流す。

 

 

 

『非常事態発令!トーナメントの全試合は中止。状況をレベルDと認定。鎮圧のため、教師部隊を送り込む』

 

 

『来賓、生徒はすぐに避難すること』

 

 

 

警報と共に第三アリーナの防護シャッターが起動していく。

また、ラウラを呑み込んだ、シュヴァルツェア・レーゲンは元の形から黒い打鉄を纏った女性の姿へと変えた。

 

 

一夏「あれは雪片…………。千冬姉と同じじゃないか」

 

雷真「鷹月さん、君だけでも先に下がってくれ!」

 

鷹月「う、うん」

 

雷真「一夏、お前も下がれ!」

 

一夏「俺がやる」

 

 

一夏は雷真の言葉を無視し、雪片弐型を構えると黒いISは高速で一夏に近づき、左下から切り上げを繰り出す。

 

 

雷真「一夏!?」

 

一夏「ぐあっ!?」

 

 

それにより、一夏が手に持つ雪片弐型が吹き飛ばされてしまい、無防備になる。それを黒いISは追い討ちをかける。それを一夏は咄嗟に左腕を盾にするが、先ほどの零落白夜でSEを限界まで使ってしまい、黒いISの攻撃で白式が解けてしまう。

 

 

一夏「ぐぅぅぅぅ!?」

 

 

そのまま、再び、一夏に攻撃をしようとする所を

…………。

 

 

雷真「バカ野郎、熱くなりすきだ!」

 

 

雷真が手に持つ、対ビームシールドで黒いISの攻撃を受け止める。

 

 

鷹月「織斑くん!」

 

一夏「鷹月さん!?」

 

雷真「鷹月さん、ナイス!」

 

 

先ほど、避難したはずの鷹月が一夏を抱えて、雷真と黒いISから離れる。

二人が離れたのに合わせて、雷真も黒いISの武器を跳ね上げさせて一度距離を取る。

 

 

一夏「箒、離してくれ!俺がアイツを……」

 

雷真「『俺がアイツを』なんだよ?そんな状態で戦う気か?」

 

一夏「アイツは千冬姉の……」

 

 

俺はストライクの右腕装甲を外して、一夏の顔面を殴る。

 

 

一夏「ガッ!?」

 

雷真「熱くなって、頭に血が上って、感情的になって、今のお前に何が守れるって言うんだよ!なあ?」

 

雷真「そんなのじゃ、何も守れないし、かえって守りたいものを危険に晒すだけだ」

 

一夏「…………」

 

雷真「頭を少し冷やせ」

 

一夏「アイツは千冬姉と同じ、居合いの技を使うんだ。アレは千冬姉だけの物なんだ。だから!」

 

箒「雷真が言っていたように今のお前に何が守れる?白式のエネルギーも残っていない状況で、どう戦う?それに見ろ、一夏。お前がやらなくとも状況は収拾される」

 

 

箒は黒いISを指で示す。そこには黒いISを囲むように教員たちがラファール・リヴァイヴを装着して臨戦体制でいる。

 

 

一夏「違うぜ、箒。全然、違う。俺がやらなきゃいけないんじゃなくて。これは俺がやりたいからやるんだ!」

 

箒「ならば、どうすると言うんだ?」

 

一夏「それは…………」

 

雷真「全く、やっと頭が冷えたみたいだな。一夏?」

 

一夏「雷真?」

 

雷真「SEがあればいいんだろう?なら、ストライクから補給すればいい」

 

ストライクから一本のコードを抜いて、待機状態の白式に繋ぐ。

 

 

雷真「ストライクのコアバイパスを解放。エネルギーの流出を許可」

 

 

すると白式に繋いだ、コードが白く光りだす。するとSEだけではなくバッテリーまで白式に送られ、フェイズシフト装甲がトリコロールカラーから灰色に変色し、フェイズシフトダウンを起こす。

 

 

雷真「お前が最後を決めろ、一夏。それまでは俺が道を作ってやる」

 

一夏「えっ?」

 

箒「雷真、道を作ってやるって、お前のストライクはSEを白式に送っているのだから、もう戦えないだろうが」

 

雷真「もう、忘れたのか?前のボーデヴィッヒとの戦いで言ったよな?俺のストライクの装甲はSEが無くとも戦えるって」

 

箒「ということは……」

 

雷真「それにストライクは元々、SEが無いことを前提に開発された機体だ。だから、装備を換装すれば、SEは使えないが実剣や実弾の無効化はそのままだ」

 

一夏「ハハハハ、本当に俺はいい友を持ったよ」

 

雷真「行くぞ、一夏」

 

一夏「おう!」

 

雷真「ストライク!」

 

一夏「白式!」

 

 

俺はストライクをエールからソードへと換装する。すると灰色から再び、トリコロールカラーに変わる。一夏はエールストライクから移したエネルギーで白式のSEがMAXの状態で起動する。

 

 

雷真「オオオオッ!」

 

 

まずは雷真が瞬時加速(イグニッション・ブースト)で黒いISに突撃する。黒いISは武器を持った、雷真がテリトリーに入ったことを認識したのか雪片に似た黒い刀を振り下ろす。

 

 

雷真「セヤッ!」

 

 

それを雷真はシューベルトゲーベルで上手い具合に跳ね上げさせる。

 

 

雷真「一夏、スイッチ!」

 

一夏「これで、終わりだ!」

 

 

雷真のかけ声で一夏と立ち位置を入れ換え、一夏はそのまま、零落白夜で黒いISに一閃する。

すると、黒いISが真っ二つに切られ、中から意識を失っている、ラウラが出てくる。

それにより、宿主を失った黒いISはドロドロと溶けていき待機状態に戻る。

 

 

雷真「終わったな」

 

一夏「だな……」

 

雷真「織斑先生、現時刻をもって状況終了」

 

千冬『よくやった。それと、教え子を助けてくれたことに礼を言う』

 

雷真「自分は仕事をしただけです」

 

千冬『そうか』

 

 

こうして、VTシステムの騒動は幕を閉じた。

 

 

 



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第17話








ラウラのVTシステム事件後、雷真とシャルルは珍しく二人だけで夕食を食べている。

 

 

シャル「結局、学年別トーナメント中止だって。けれど、個人データを取りたいから一回戦は全部やるらしいよ」

 

雷真「みたいだな」

 

シャル「他の女子たちは酷く落ち込んでるみたい」

 

雷真「だろうな。トーナメントが中止なら、あの噂も無くなるからな」

 

 

そんな話をしていると一夏と箒が何やら話しているのが聞こえてきた。

 

 

一夏「箒、先月の約束な」

 

箒「えっ!?」

 

一夏「付き合ってもいいぞ」

 

雷真「へえ」

 

シャル「…………」

 

箒「なにっ?」

 

一夏「だから付き合ってもいいって……」

 

 

箒は一夏からそう聞くと嬉しさのあまり、一夏の胸ぐらを掴んでしまう。

 

 

一夏「ぐああっ!?」

 

箒「本当か、本当の本当なのだな?」

 

一夏「お、おう……」

 

 

箒は一度、一夏を離して、付き合うという考えに至った経緯を尋ねた。

 

 

箒「何故だ?理由を聞こうではないか」

 

一夏「幼馴染の頼みだからな。付き合うさ……」

 

箒「そうか!」

 

一夏「買い物くらい」

 

 

 

雷真「バカだ。正真正銘の唐変木のバカがいる」

 

シャル「あははは」苦笑

 

 

次の瞬間、一夏の顔面に左ストレートが炸裂。

 

 

一夏「ぐあああああ!!」

 

箒「そんなことだろうと思ったわ。フンッ!」

 

 

次は右足が一夏のボディーに炸裂し、体が宙に浮く。

 

 

 

【KO,パーフェクト!】

 

 

 

一夏「ぐぅぅぅぅぅ」

 

 

一夏は腹を抱えながら蹲る。

 

 

シャル「一夏って、わざとやってるんじゃないかって思うんだよね?」

 

雷真「その所為でこっちにまでとばっちりがくるんだぞ?主に箒、鈴、セシリアから……」

 

シャル「どんなの?」

 

雷真「大体は、男が女の子を好きになるタイミングとかだよ」

 

シャル「なるほどね。鈍感で唐変木でもある難攻不落の一夏が相手じゃねぇ」

 

雷真「無理もないか」

 

 

 

真耶「織斑くん、黒牙くん、デュノアくん。朗報ですよ!」

 

雷真「???」

 

一夏「???」

 

シャル「???」

 

真耶「今日は織斑くんと黒牙くんは大変でしたね。でも、二人の労をねぎらう素晴らしい場所が今日から解禁になったのです!」

 

一夏「えっ?」

 

雷真「場所?」

 

真耶「男子の大浴場なんです!」

 

一夏「本当ですか!?」

 

真耶「はい」

 

一夏「おっしゃあ!」

 

雷真「一夏、俺とシャルルは明日の試合の打ち合わせをするから、先に大浴場を堪能して来いよ」

 

一夏「なんでだよ?一緒に入ればいいじゃんか」

 

雷真「一夏、お前を信用しない訳じゃないが、俺たちの作戦がバレると面倒になるんだ。頼む、一夏」

 

一夏「そういうことなら、わかった。なら、先に一番風呂をもらうな?」

 

雷真「ああ。お前は今日一番の貢献人だからな」

 

 

な、なんとか一夏を丸め込めた。あのまま、一緒に大浴場に行ったらシャルルが女の子だってバレちまうからな。

 

 

 

そして、一夏と別れ、先ほど一夏に説明した通り試合の作戦を練ることにした。

 

 

シャル「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「さっきは僕を助けてくれたんでしょ?」

 

雷真「まぁな。前にシャルルに言ったろ?俺がお前の最後の希望だって」

 

シャル「そうだね。雷真は僕の……最後の希望だよ」

 

 

その時のシャルルはこの学園に来て一番いい笑顔だった気が俺にはした。

 

 

雷真「ところで、俺たちの対戦カードは誰だった?」

 

シャル「それがね……」

 

雷真「ああ」

 

シャル「刀奈と簪なんだよね」

 

雷真「はあ?」

 

雷真「はあああああ!?」

 

シャル「やっぱり、その反応するよね?」

 

雷真「当たり前だろう!」

 

シャル「多分、これは雷真に対するお仕置きだと思うよ。無論、僕にも」

 

雷真「あー、なるほどな。となると、装備はどうしよう?」

 

シャル「雷真の専用機、ストライクにはどんな武装があるの?」

 

雷真「そうだな。まずはシャルルにストライクの武装を教えないとか」

 

雷真「ストライクは主に換装システムを使うんだ。その場に応じた最適の装備で戦うことができるんだよ」

 

シャル「かなり、万能な機体だね」

 

雷真「まあな」

 

 

パソコンを開き、ストライクに装備できる、全てのストライカーをシャルルに見せて説明する。

 

 

雷真「高機動型のエール、近接型のソード、遠距離型のランチャー、その三つを合わせたマルチプルアサルト、他には複合兵装のIWSP。そして最後にIWSPが発展した、多目的型のオオトリだ」

 

シャル「色々とあるんだね」

 

雷真「どうするかな~」

 

シャル「ソードとIWSP以外はビーム系の射撃武器が付いてるんだね」

 

雷真「ああ」

 

シャル「それに最低限、何かしらのビーム兵器も付いてるし凄いよ、このストライクは」

 

雷真「俺が作った訳じゃないけど、凄いのは分かる」

 

シャル「でも、どうやってこんなにビーム兵器を………。それに、前のボーデヴィッヒさんとの騒動の時に、ボーデヴィッヒさんの専用機の攻撃をあんな至近距離で受けて無傷だなんて」

 

雷真「まあ、それについては話す時になったら話すよ」

 

シャル「うん、わかった」

 

雷真「ん?一夏からメールだ。大浴場から出たってさ、悪いが先にもらうぞ。俺が終わったらメールするから」

 

シャル「うん、行ってらっしゃい」

 

 

シャルルに許可をもらったのでお風呂セットを一式を持って大浴場に向かう。

 

 

雷真「あ"~、風呂は気持ちいな。今日は被害者が出なくて良かった」

 

雷真「もし、最悪の事態になっていたら……俺はボーデヴィッヒを殺すつもりでいたしな」

 

 

と今日の最悪の事態になった場合をひとりごちていると…………。

 

 

【ガラガラガラ】

 

 

 

シャル「お、お邪魔します」

 

雷真「はあ!?」

 

 

大浴場の入り口の方を見ると、束ねていた髪を下ろし、体をタオル一枚で隠しているシャルルの姿があった。

 

 

シャル「あんまり見ないで、雷真のエッチ……」

 

雷真「わ、悪い!」

 

 

何でだ?部屋では先にもらうって言ったのに!終わったらメールするって言ったのに!

 

 

雷真「ど、どうして入ってきたんだ?さっき、部屋で終わったらメールするって言ったのに」

 

シャル「雷真は僕と一緒に入るのは嫌?」

 

雷真「そういうことじゃなくてだな!俺だって健全な男子高校生だから、その……」

 

シャル「でも、刀奈や簪とは一緒に入ってたんでしょ?」

 

雷真「それは中学校に上がるまでの話だ!小五からはアイツらの発育が良くなったから入らないようにしたんだよ!」

 

 

なんでシャルルが刀奈のと簪との過去の話を知っているかは、前にお義父さんに三人目の娘は欲しくないかと電話した後に、俺の婚約者様二人から聞いたそうだ。その時、俺は二人によって撃沈していた。

 

 

シャル「迷惑なら上がるけど……」

 

雷真「いや、俺が上がるよ」

 

シャル「雷真、待って」

 

雷真「えっ?」

 

シャル「話があるんだ。大切な話をしたいから」

 

雷真「わかった」

 

 

それから俺たちは背中合わせで湯船に浸かっている。

 

 

シャル「前にも話したことなんだけど」

 

雷真「それなら学園に残れるようになったじゃないか」

 

シャル「うん。それを僕は自分の意志でこの学園に残ろうと思うんだ。居られるからじゃなくて、僕が残りたいから。それに雷真が居るからここに残りたいって思えたし、思えるんだ」

 

 

背中合わせのシャルルが俺の手の上に自分の手を重ねてきたことに歴戦の強者でも、流石にこれはビックリするし、心臓がバクバクだ!

 

 

雷真「そ、それは男としてシャルルみたいな美少女にそう言って貰えるのは嬉しいな。男冥利に尽きるな」

 

シャル「それとね、もう一つ決めたんだ。僕のあり方を」

 

 

そういうとシャルルは俺の肩に手を置き。身体を密着させる。

 

 

雷真「あ、あり方って?」

 

 

ちょっと待って!それ生だから、生だからさ!!

さっき巻いてた、タオルはどうしたんだ!?

流石にこの事が刀奈や簪にバレたら…………。今度こそ、俺は死ぬかもしれん。

 

 

 

シャル「僕のことはこれから"シャルロット"って呼んでくれる?二人きりの時だけでもいいから」

 

 

雷真「それが本当の君の名前なんだな?シャルロット」

 

シャル「そう、それが僕の本当の、お母さんからもらった名前なの」

 

雷真「改めて、よろしくな。シャルロット」

 

シャル「うん」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

大浴場でのシャルロットとのやり取りから翌日。今は第2アリーナで刀奈&簪の更識姉妹ペアと対峙しているのだが……。もの凄く怖い!!

だって二人の後ろから、般若と阿修羅が見えるもの。するとプライベートチャンネルで…………。

それと装備はIWSPにしました。

 

 

刀奈「昨日はお楽しみだったみたいね、お二人さん。それも大浴場で」ゴゴゴゴ

 

「「ッ!?」」ビクッ

 

 

なぜ、どしてバレた?昨日は刀奈たちはいなかったはずだ。

 

 

簪「雷真。今、昨日は私たちはいなかったはず、って考えてるでしょ?」ゴゴゴゴ

 

雷真「い、いや、それは…………」ダラダラ

 

刀奈「私たちもね。鬼じゃないのよ」

 

簪「だから一度目は許した。けれどね……」

 

刀奈「二度目はね。それもよりによってお風呂だなんて……」

 

 

刀奈と簪が目を閉じる、再び目を開くと試合開始の合図がなる。

 

 

更識姉妹「「許せるはずがない、じゃない!!」」

 

雷真「ヒイィィィッ!?」

 

刀奈「覚悟しなさい!」

 

簪「ボコボコにしてやるんだから!」

 

 

簪はいきなり打鉄弐式の春雷を、刀奈は霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の蒼流旋に装備されているガトリングガンで、雷真が乗るストライクを狙い撃つ。それを雷真はIWSPのコンバインシールドで防ぎながら回避する。

 

 

雷真「ちょっ、いきなりかよ!?試合中はストライクのSEかバッテリーが切れてフェイズシフトダウンしたら負け扱いなのに二対一とか……。それに、二人の動きが普段よりも良いってどういうことだよ!?」

 

簪「逃がさない!」

 

 

簪は打鉄弐式の山嵐を48発中、16発を雷真に向かって放つ。それを雷真はイーゲルシュテルンで迎撃するが、その隙に刀奈が後ろから蒼流旋のガトリングガンを撃ってくる。

 

 

雷真「クッ!?」

 

 

特訓の時と桁違いに連携が上手い!?ミサイルを俺が迎撃することを読んで、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で刀奈が後ろからガトリングガンで攻撃するなんて……。

それにシャルロットからの援護も刀奈の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)が作る、水の障壁で銃弾が止められてしまう。

 

 

シャル「雷真!?クソッ、この障壁が邪魔で雷真の援護ができない!」

 

刀奈「そう簡単に貴女は行かせないわよ?」

 

雷真「なら、これで!」

 

 

後退しながらコンバインシールドを構え、イーゲルシュテルンと単装砲で刀奈を狙い撃つが……。

 

 

簪「私を忘れてない?」

 

雷真「本当に連携が上手すぎだろ!?」

 

 

刀奈を狙っている俺に横から簪が接近してきて、近接武器であり対複合装甲用の超振動薙刀の夢現で攻撃をしかけてくる。

 

 

雷真「IWSPじゃ、部が悪い」

 

 

レールガンを地面に向けて放ち、土煙を上げさせて煙幕に使い、その隙に他の装備に換装するつもりだっのだが…………。

 

 

簪「そんなこと……」

 

刀奈「させないわよ。ハアアアアア!!」

 

雷真「なっ!?」

 

 

ストライクを他の装備に換装するためにIWSPを一度パージした、その時に土煙の向こう側から蒼流旋と夢現が此方に飛んできた。

 

 

雷真「やられた!」

 

 

これにより俺は今、武装がイーゲルシュテルンとアーマーシュナイダーしかない、丸腰と何ら変わらない状態だ。

 

 

雷真「まさか、刀奈と簪の連携にここまで押されるとはな。マズッたな……」

 

刀奈「さあ、今の貴方は丸腰同然よ?」

 

簪「どうするのかな?」

 

雷真「…………」ニヤリ

 

更識姉妹「「ッ!?」」

 

雷真「シャルル、今だ!」

 

シャル「OK!」

 

簪「なっ、瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?過去にそんなにデータはなかったのに!?」

 

シャル「そりゃ、今初めてやったからね」

 

刀奈「それに、どうやって水の障壁を…………ッ!!」

 

刀奈「グレネードランチャー!?」

 

 

シャルロットはその手に持つ、二丁のグレネードランチャーで刀奈が操る、アクア・ナノマシンをグレネードランチャーの爆風で霧散させて、その隙に瞬時加速(イグニッション・ブースト)でこちらに来てもらったのだ。

 

 

シャル「そう。昨日のうちに雷真から刀奈の専用機の特性を聞いといたのさ。簪の方は過去の戦闘データがないけど遠距がメインの機体だって聞いていたからね」

 

雷真「そういうとことだ」

 

シャル「それと、雷真に集中し過ぎて他が疎かになってるよ?」

 

刀奈「言ってくれるじゃない?」

 

シャル「雷真、今のうちに!」

 

雷真「サンキュー!」

 

刀奈「しまった!?」

 

 

シャルロットのおかげで、俺はストライクをオオトリに換装ができた。

 

 

雷真「こっからは反撃だ。シャルロットは簪を頼む!」

 

シャル「ッ!!(今、名前で……。これは恋する乙女としては勝つしかないね)」

 

シャル「うん、任せて!」

 

雷真「さっきまで、一方的にやられてたからな。本気で行くぞ、刀奈」

 

刀奈「ッ!?」

 

 

俺はビームライフルとレールガンで刀奈を狙いながら高速移動する。刀奈はそれを回避しようとするが回避が間に合わず、SEがどんどん削れていく。

 

 

刀奈「そんな高速で移動しながら、一発も外さないなんて……」

 

雷真「まだまだ!」

 

 

オオトリに備え付けられているミサイルランチャーと小型ミサイルを全弾、余すことなく刀奈に向けて放つ。

 

 

刀奈「ハアアアッ!!」

 

 

刀奈は回避ができないと思い、アクア・ナノマシンで水の障壁を作り、防御体制に入るが……。俺は背中から大型対艦刀を刀奈に向けて投擲する。しかし、それは水の膜によって途中で止められてしまうがそれでいい。少しでも水の膜を貫いてくれれば構わない。

 

 

刀奈「残念。あと少しだったわね、雷真」

 

雷真「刀奈、それは悪手だぜ?」

 

刀奈「えっ?」

 

雷真「セラアアアア!!」

 

 

刀奈のアクア・ナノマシンで刀身半ばで止まっている大型対艦刀の持ち手に向かって瞬時加速(イグニッション・ブースト)で刀奈に向かうように蹴りを入れる。すると力エネルギーが新たに働き、水の膜を突き破る。

 

 

刀奈「きゃああああ!!」

 

 

アクア・ナノマシンで刀身半ばで止まっていた、大型対艦刀は新たな力エネルギーによって刀奈の専用機である、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)にダメージを与え。SEが尽き、アナウンスが響く。

 

『更識刀奈、SEempty!』

 

 

 

雷真「シャルロットの方は……」

 

 

シャル「ヤアアアッ!!」

 

 

なんとシャルロットはゼロ距離で簪にパイルバンカー、通称:盾殺しを打ち込んでいた。

 

 

簪「ぐぅぅぅ!!」

 

シャル「僕だって負けられないんだ!こんな僕を救ってくれた雷真のためにも!」

 

雷真「シャルロット、お前…………」

 

 

 

パイルバンカーを打ち込んで後、二人はプライベートチャンネルで何やら話しているようだ。

 

 

シャル「僕は雷真が好きなんだ!だから、君たち二人みたいに雷真の隣に居たいんだ。そのためにもこの試合に勝って、君たちに認めさせてみせる!僕も君たちと同じくらい雷真のことを愛しているということを!」

 

簪「だったら、私もこのまま負ける訳には行かない!婚約者として、雷真を愛する一人の女として!」

 

シャル「それは僕も同じさ!」

 

 

それから二人の戦いは熾烈を極めた。簪が山嵐を撃てば、シャルロットがそれを二丁の連装ショットガンで迎撃。その迎撃によってできた爆煙を利用して簪が夢現を持って突撃。それを待ち構えるようにシャルロットが近接ブレードを構えて打ち合う。

 

それを俺は刀奈と一緒に見ている。流石にあの戦いに茶々を入れるほど野暮じゃないさ。

 

 

雷真「スゲエな……」

 

刀奈「あれは女の戦いよ」

 

雷真「えっ?」

 

刀奈「それも貴方が関わっている、戦いね」

 

雷真「おい、刀奈。その言い方だとシャルロットは俺のことを……」

 

刀奈「あら気づいていなかったの?それと彼女、本名はシャルロットっていうのね」

 

雷真「薄々は感じていたが、それが合っているのかは曖昧だったしな」

 

刀奈「なら、もしも彼女が貴方に告白したらどうする?」

 

雷真「それは……」

 

刀奈「全く、私たちの旦那様は女誑しで優柔不断なんだから」

 

雷真「本当にすみません」

 

刀奈「まぁ、私も彼女なら三人目に加えてもいいと考えてるわ。あんなに雷真のことを想って、簪ちゃんと正面からぶつかる程だし。それに大切な妹だもの」

 

 

シャルロットが俺に対して恋心を抱いているか刀奈と話をしているとシャルロットたちは互いに最後の一撃を繰り出そうと空中で対峙する。

 

そして…………

 

 

簪「ヤアアアッ!!」

 

シャル「ハアアアッ!!」

 

 

両者互いに瞬時加速(イグニッション・ブースト)で相手に向かって突撃をする。そして、アリーナ内に大きく、【ガキンッ!】と金属がぶつかり合う音が響く。音が止むと【プシュー!】と圧力が抜ける音が聞こえ。

アリーナにアナウンスが流れる。

 

 

『更識簪、ならびにシャルル・デュノア、SEempty!』

 

『黒牙雷真のSEが残っているため、よって勝者は黒牙雷真&シャルル・デュノア、ペアです!皆様、選手に大きな拍手を』

 

 

IS学園の生徒たちが簪とシャルロットに大きな拍手と喝采を送る。

 

 

そして、その日の夜。やはりと言うべきか、俺とシャルロットの部屋に刀奈と簪が来ており、刀奈が言っていたことが本当かどうかを確かめることになった。

 

 

刀奈「それではシャルルくん。いいえ、シャルロットちゃん。貴女は雷真のことが好きなの?」

 

シャル「うん……。好き、大好き。だって雷真は僕のことを救ってくれたから」

 

 

刀奈と簪はシャルロットの『救ってくれた』に大きなため息を吐く。

 

 

更識姉妹「「はぁ~」」

 

刀奈「この男は……。まさか、私たちと同じ理由でシャルロットちゃんを堕とすなんて……」

 

簪「本当にね」

 

シャル「え?え?え?」

 

簪「えっとね、シャルロット。私たちが雷真に惚れたのが今から五年前のことなの」

 

刀奈「ある日、学校の帰りに知らない黒服の大人たちに私たちは誘拐されたの」

 

簪「それを額から血を流して、ボロボロの状態で、尚且つ一人で私たちを救ってくれたのが雷真なの」

 

刀奈「だから、貴女と私たちは雷真に恋心を抱いた境遇がちょっと似ているのよ」

 

シャル「本当だ、ちょっと似てる。僕の場合はデュノア社によって、雷真と一夏の専用機のデータを盗んで来いって言われたんだけど。まさか、僕がシャワーから出て服を着ようとしている最中に雷真が脱衣場に入ってきて、僕が女だってバレるとは思わなかったよ」

 

雷真「ちょっ、シャルロット!?」

 

シャル「えっ?あっ!」

 

簪「へぇ~」

 

刀奈「脱衣場で服を着ようとしている最中に、ねぇ……」

 

雷真「あ、あれは不幸な事故と言うかなんと言いますか…………」

 

更識姉妹「「問答無用!もう、いっぺん死んで来い!この浮気者のド変態!!」」

 

雷真「ギャアアアア!!」

 

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、朝起きたら。何故か頭痛がひどいので薬を飲んでから、刀奈、簪、シャルロットの三人と共に朝食を食べて学校に行く。それと何故か、三人は凄く仲が良くなっていた。そして教室に向かう途中でシャルロットとは別れ席に着き、ホームルームになるがシャルロットの姿が見えなかった。

 

 

真耶「えっと、今日は皆さんに転校生を紹介します」

 

 

山田先生のその言葉で俺は刀奈の方に勢いよく振り向く。

 

 

雷真「ッ!?」バッ

 

刀奈「フフフフ」

 

 

その時の刀奈の手に扇子があり。それを開くと扇子の真ん中に『ビックリ大成功!』と書かれていた。

 

 

真耶「入ってきてください」

 

???「はい」

 

 

やっぱりだ!席についてないと思ったら、こういうことかよ!

 

そう、その転校生は女子の制服を着ていた。シャルル・デュノア、改め、シャルロット・デュノアである。

 

 

シャル「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

 

真耶「えっと、デュノアくんは…………デュノアさん、ということでした」

 

箒「はっ?」

 

「つまり、デュノアくんは女?」

 

「おかしいと思った。美少年じゃなくて美少女だった訳ね!」

 

「って、黒牙くんは同室だから知らないことは……」

 

「ちょっと待って、昨日と一昨日って男子が大浴場を使ったわよね?」

 

 

その言葉で隣のクラスからISを纏った、鈴がやってきた。

 

 

鈴「一夏ぁぁぁあ!」

 

 

そして、鈴は龍咆を一夏に向けて撃とうとする。

 

 

一夏「ちょっと待て!それは死ぬ、それ絶対に死ぬぅぅぅぅぅう!」

 

 

一夏は甲龍の龍咆を撃たれると思い、目を瞑るが………一向に龍咆の衝撃がやってこない。

 

 

一夏「あれ……死んでない?」

 

 

一夏が目を開けると、一夏の前にはシュヴァルツェア・レーゲンを纏い、AICを発動している。ラウラの姿があった。

 

 

一夏「ラウラ……。助かったぜ、サンキュー」

 

 

一夏がそう言い終わると………

 

 

ラウラ「んっ……」

 

一夏「んぐっ!?」

 

 

雷真「ワオ!」

 

刀奈「あらあら、フフフフ」

 

シャル「わあ~!///////」

 

 

俺と刀奈。それとシャルロット以外の女子は皆、ラウラが一夏にキスをしたので驚きのあまり口が開いたままだ。

 

 

ラウラ「お、お前は私の嫁にする。決定事項だ。異論は認めん!」

 

 

「「「え、えええええええ!?」

 

一夏「んあ?……はあああああ!?」

 

 

雷真「アハハハハ」

 

刀奈「面白くなりそうねwww」

 

シャル「いやいや、二人とも笑っちゃ可哀想だよ」

 

 

 

こうして、完全に学年別トーナメントの騒動は幕を閉じた。

 

 



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第18話






シャルロットが女子生徒として活動し始めた、翌日。

今日も一夏の早朝特訓をするために一夏の部屋に来ている。

 

 

雷真「一夏、起きてるか?入るぞ?」

 

 

一夏「雷真!?ま、待って!今は…………」

 

雷真「なんだ、起きてるじゃないか」

 

 

俺は一夏が起きてると思い。部屋のドアを開けると…………。

 

 

一夏「…………」

 

ラウラ「…………」

 

雷真「寝技の訓練と見せかけた、早朝から夫婦の営みとは…………これは失礼した。後は二人でごゆっくりと」

 

一夏「待て、待て!雷真、これは違うから助けてくれよ! 」

 

 

俺は無心で一夏の部屋から出る。すると部屋の前で箒と出会う。

 

 

箒「雷真、一夏はどうした?」

 

雷真「入ってみれば、わかる」

 

箒「わ、わかった」

 

 

箒はいまいち分からないと言った表情で一夏の部屋に入り少し経つと一夏の部屋の中から一夏の叫び声と竹刀のしなる音が何度も響いた。

 

 

一夏よ。いい加減、気がつけよ……。

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

そして、早朝特訓が終わり。今日は日曜日なので、俺はシャルロットと共に水着を買いに行く。なんでも近々、臨海学校があって、それで水着が必要なんだとか。刀奈と簪はシャルロットに気を使い、生徒会の仕事をしている。

 

 

 

雷真「まったく、一夏の鈍感さにも困ったものだ」

 

シャル「そうだね。僕の方にも箒に鈴、それにセシリアまで、どうやって雷真を堕としてみせたのか聞いてくるよ」

 

雷真「それは大変だな」

 

 

そう、あのラウラが一夏にキスをした後に刀奈が一組の皆に俺が刀奈だけでなく、簪とシャルロットの二人を新たに婚約者として迎え入れたことを公表したのだ。まあ、色々と言われたが刀奈が…………。

 

 

刀奈『文句があるなら、私に何でもいいわ、勝負して勝ってみなさい。私に勝てたなら、その言い分を聞きましょう?』

 

 

と言ったため。学園最強の生徒会長である、刀奈に誰も勝てないと思い。一瞬にして黙ったのである。

 

 

シャル「ねぇ、何で僕だけ買い物に誘ったの?」

 

雷真「だってシャルロットは今まで男子の振りをしてたろ?だから、水着がないと思ったんだ」

 

シャル「そ、そうなんだ……」シュン

 

雷真「ってのは建前だ」

 

シャル「えっ?」

 

雷真「刀奈や簪には渡してあるんだが、シャルロットには渡してないものがあるからな。それをシャルロットと買いに来たくてな。所謂、デートってやつだ」

 

シャル「雷真……」キュン

 

雷真「付き合って、早々で悪いが……。いや……だったか?」

 

シャル「ううん!とっても嬉しいよ!」ニッコリ

 

雷真「そ、そうか……。/////」

 

 

モノレールから降りて、デパートに向かうが途中ではぐれてはせっかくのデートが台無しになるので、シャルロットに手を差し出す。

 

 

雷真「シャルロット、手を繋がないか?」

 

シャル「えっ?」

 

雷真「はぐれたりしたら、面倒だろ?」

 

シャル「わかった」

 

 

シャルロットは普通に手を繋ぐつもりだったらしが俺は少し指を動かし、自分の指とシャルロットの指を絡める。

 

 

シャル「!!」

 

シャル「フフフフ」ニコニコ

 

 

シャルロットは指を絡めたことでニコニコ笑い始めた。理由は恋人繋ぎをしているからだろう。

 

 

雷真「それじゃ、行こうぜ」

 

シャル「うん!」

 

雷真「あれは一夏?」

 

シャル「どれどれ?あっ、本当だ。それに相手は鷹月さん?」

 

雷真「学年別トーナメントでペアを組んでたし、その時に仲良くなったんじゃないか?」

 

シャル「ってことは……箒たちに新たに恋のライバルの出現?」

 

雷真「あー、そうなるかも」

 

シャル「皆、苦労するね。まぁ、雷真は一夏と違って僕のことを一応は意識してくれてたみたいだから良しとしようかな?」

 

雷真「そりゃ、大浴場であんなことされたら普通は意識するだろうが……。//////」

 

シャル「……バカ。雷真のエッチ。//////」

 

雷真「すまん………俺も男だから」

 

 

話をしながら歩いていると、来ました!皆、大好き、レゾナンス。

 

 

シャル「それじゃ、まずはどんなお店に入ろうか?」

 

雷真「そうだな……。ん?シャルロット、あそこのお店に入ろう」

 

シャル「えっ?あれって……」

 

 

雷真たちが入ったのはジュエリーショップ。雷真はジュエリーショップに入ると店員に話しかけた。

 

 

雷真「すみません、オーナーはおられますか?」

 

「オーナーですか?少々、お待ち下さい」

 

シャル「雷真、ジュエリーショップのオーナーを呼び出すなんて……。君は本当に何者?」

 

雷真「あー、それも含めて追々な」

 

 

シャルロットと俺のことについて話していると奥の方からオーナーが出てくる。

 

 

オーナー「これこれは若様ではありませんか。御無沙汰しております」

 

雷真「いや、今は家の都合で来てる訳じゃないので……。一人の客として来ているのでそんなに畏まらなくて大丈夫ですよ」

 

オーナー「いえ、若様には我が社を支えていただいてますから」

 

雷真「そんな、たかだか株を数億買ってるだけじゃないですか」

 

シャル「す、数億!?」

 

オーナー「いえいえ、それだけではなく。前回、我が社か経営危機に陥った時は資金援助をしていただき誠にありがとうございます」ペコペコ

 

雷真「あんなの株で儲かった物なので大丈夫ですよ。そうですか……でしたら、彼女に星形のネックレスか何かを選んでもらえますか?」

 

オーナー「そんなことで、よろしいのですか?」

 

雷真「ええ。この度、彼女も自分の婚約者に成りまして」

 

オーナー「成る程、わかりました。では此方へ、どうぞ」

 

 

オーナーに勧められるまま、奥の部屋に……。

 

 

シャル「雷真、君って意外にお金持ちなんだね?」

 

雷真「そうだな……。小学校の頃に遊び半分でお義父さんのパソコンをいじってたら、いつの間にお金がかなり貯まっていてな。その時は怖くなってお義父さんに聞いたら、株だったてわけ。ああ、お義父さんってのは刀奈たちの父親な。俺の両親は俺を幼い頃に捨てて、何処かに行っちまったから、顔も覚えてないしな。」

 

シャル「…………」

 

雷真「それからはお義母さんにバレないように二人でコソコソと株をやってたんだよ」

 

シャル「なんか、雷真が色々と規格外過ぎて驚くのに疲れそうだよ……」

 

雷真「刀奈と簪はなんかもう諦めてるみたいだけどな」

 

シャル「それは君の所為だよ」

 

雷真「アハハハハ!」

 

 

とシャルロットに俺の過去の話をしていると、オーナーが大きなケースを持ってくる。

 

 

オーナー「お待たせしました。当店にはこれだけしか、現在種類が御座いません。我が社は、若様のお陰でオーダーメイド等を取り扱えるようになりましたが、如何なさいますか?」

 

 

オーナーが持ってきた、ケースの中を見ると色々な星形のネックレスがある。また、オーダーメイドも勧めてくるが……。う~ん、どれもいまいちだ。

 

 

雷真「すみません、同じ星形のブレスレットも見せてもらえますか?」

 

オーナー「わかりました」

 

 

次に持ってきた、星形のブレスレットの種類の中でピン!ときたのがあった。

 

 

雷真「すみません、これをお願いします」

 

オーナー「わかりました」

 

 

それから会計機で口座から引き落としされる決済をする。

 

 

雷真「はい。シャルロット」

 

シャル「本当にいいの?僕なんかがもらって?」

 

雷真「俺はシャルロットにつけてほしいから買って君に贈ってるんだけどな?」

 

シャル「じゃあ、ありがとう。大事にするね」

 

雷真「そうしてくれ」

 

シャル「うん!わああああ!」

 

 

シャルロットは俺が買った、星形のブレスレットを見てはしゃいでいる。

 

 

雷真「オーナー、悪いんだけどオーダーメイドを頼みたい」

 

オーナー「どんなオーダーメイドで?」

 

雷真「それはこの紙に書いてあるから、作成はそちらに頼みたい。代金は同じ口座から引き落としてください」

 

オーナー「畏まりました」

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

ジュエリーショップへ寄ったあとは、色々とウィンドウショッピングをしているのだが……。こちらを見張る視線が4つ。

 

 

雷真「はぁ~。アレでバレてないつもりか?」ボソッ

 

シャル「どうしたの、雷真?もしかして、僕とのデートはつまらない?」

 

雷真「そうじゃないよ。これを見てごらん」

 

 

俺は携帯の内部カメラで後ろに付いてきている奴らの姿をシャルロットに見せた。

 

 

シャル「えっ!?これって……」

 

雷真「そういうこと…………。まさか、あの人まで参加するなんて」

 

シャル「その人はどんな人なの?」

 

雷真「そうだな。その人は俺たちのお姉さんみたいな存在だな」

 

シャル「お姉さん?」

 

雷真「そう。俺には兄弟がいないから、唯一その人を血の繋がりがなくても姉だと思えたんだ、

それ以外は両親、幼なじみ、友人、目上の人、って感じでカテゴライズしてたな」

 

シャル「刀奈たちは兄弟とかのカテゴライズをしてなかったの?」

 

雷真「ああ。二人は幼なじみのカテゴリーかな?幼稚園では毎回、刀奈、簪、本音、虚さんの四人で遊んでたから。だから、自然に虚さん以外の三人は幼なじみで友人のカテゴリーだったのかもな」

 

シャル「だそうですよ。四人とも」

 

 

「「「ギクッ!?」」」

 

 

シャル「僕、産まれて初めてバレた時に『ギクッ!?』って言う人たちを見たよ……」

 

雷真「大丈夫だ。俺もだ」

 

 

俺たちにバレていた。四人には渋々といった感じで物陰から出て来た。

 

 

雷真「はぁ~。本音、5秒以内に出て来ればお菓子を大量に買ってやる」

 

 

渋々といった感じの本音だが、その言葉に目をキラキラとさせながら、高速で俺の目の前にくる。

 

 

本音「ほら、出てきたよ!約束通り、大量にお菓子を買ってね、ライライ」

 

雷真「わかったよ」

 

虚「まったく本音は……」

 

雷真「それを言うなら他の三人もですよ」

 

 

「「「すみません……」」」

 

 

雷真「で、何で尾行なんてしてたんだ?」

 

刀奈「そ、それは……」

 

本音「ライライたちのことが気になって、仕事に集中できなかったから、来ちゃったのだ~」

 

雷真「本音、お菓子の追加を許す」

 

本音「やった~!」

 

刀奈「本音、貴女!?」

 

雷真「はぁ~、こうなっては仕方ない。シャルロット、悪いがこの四人も一緒でもいいか?」

 

シャル「今度、二人きりでデートを改めてしてくれるなら、いいよ」

 

雷真「わかった」

 

刀奈「私とのデートも忘れないでよ、雷真?」

 

簪「何それ。私、聞いてないよ?雷真」

 

雷真「刀奈の方は簪と付き合う前の話な。で、シャルロットの方はデートとして来ていたんだが、何処かの誰かさんがな」ジトー

 

刀奈「うぐっ!?」

 

簪「お姉ちゃん……」ジトー

 

刀奈「いやん!そんな目で見ないでよ、二人とも」アセアセ

 

雷真「ここに居ても人の邪魔になるから行こうか」

 

 

「「「賛成!」」」

 

 

そして、俺、シャルロット、刀奈、簪、本音、虚さんの一行は臨海学校のための水着を買うために水着を売っているお店に向かった、

 

 

雷真「やっぱり、男性物が少ない……」

 

シャル「それは仕方ないよね」

 

刀奈「取り敢えずは自分たちの水着を選びましょうか」

 

簪「そうだね」

 

虚「私は雷真くんと居ますね。ここは女尊男卑の人間が多くいますから」

 

刀奈「そうね。お願いしようかしら」

 

 

刀奈たちと別れ、虚さんと共に俺は自分の水着を選んでいると虚さんから話しかけられる。

 

 

虚「雷真くん」

 

雷真「なんですか?」

 

虚「あの…………さっき言っていたこと、なんですが」

 

雷真「さっき?ああ、シャルロットに話したことですか」

 

虚「雷真くんが私のことを、血の繋がりの無い姉だって、アレは本当ですか?」

 

雷真「本当ですよ。虚お姉ちゃん」

 

虚「っ!!そう、私もそう思っていてくれて、嬉しいわ。雷真」ニコニコ

 

雷真「なんか久しぶりだな。砕けて喋るのは」

 

虚「そうね。雷真がお嬢様とご婚約してから敬語を使っていたから」

 

雷真「そうだったな」

 

雷真「ハハハハ」

 

虚「フフフフ」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

私たちは雷真と虚と別れ、それぞれ水着を選んでいる。

 

 

刀奈「簪ちゃん、これなんてどう?」

 

簪「お姉ちゃん、流石にスリングショットはないよ……」

 

刀奈「そうかしら?雷真をこれで悩殺してやれば……」

 

???「更識姉、私がそんな卑猥な水着を許すとでも思うか?」

 

刀奈「えっ?」ダラダラ

 

 

刀奈は凛とした女性の声がした方を機械が軋むような、【ギギギギギィ】という音の効果音が出そうな感じでそちらを振り向くと…………そこには。

 

 

刀奈「は、般若!?」

 

千冬「誰が鬼女だ!」ガシ!

 

刀奈「アイダダダダダダ!! 織斑先生!ギブ、ギブギブギブギブ!!」

 

真耶「先輩、そこまでにしてあげたらどうですか?他のお客さんの目もありますし」

 

千冬「ふむ、そうだな」

 

 

山田先生のお陰で織斑先生のアイアンクローから解放された。

 

 

刀奈「ぅぅぅぅ、ひどい目にあった」

 

簪「それはお姉ちゃんの自業自得だよ」

 

 

その後は雷真たちと合流してランチを食べて、学園に戻り、一日が終了。

 

 



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第19話






千冬「本っ当にすまない。こちらの不手際でバスの定員がオーバーするとは……」

 

雷真「そんな謝らないでくださいよ。俺もシャルロットも怒ってませんから」

 

シャル「そうですよ。逆に織斑先生のお陰で雷真が運転するバイクに乗れますし」

 

 

何故、織斑先生が俺たちに謝っているかというと……。臨海学校の一組のバスだけ定員オーバーで二人だけ乗れないという事態が起きたのだ。

なので幸い、バイクを持っている俺と後一人、俺のバイクの後ろに乗せることになったのだ。

 

そこで勃発したのが一組の刀奈とシャルロットの二人の婚約者によるバイクでタンデムする権利を競う勝負。結果はシャルロットが勝ち、刀奈がバスに乗ることになった。簪は他のクラスのため断念。

 

 

雷真「シャルロットさんや、それは単にお前が乗りたいだけでは?」

 

シャル「だって憧れなんだもん。好きな男性とバイクに二人乗りするの……」

 

千冬「そ、そうか……。では、十分運転には気をつけるように。それと先に宿に行っても構わないぞ?」

 

雷真「いえ、せっかくですから皆のバスと一緒に行きますよ」

 

千冬「そうか、では私はバスに乗るとする」

 

雷真「了解です」

 

 

織斑先生との話を終えて、俺とシャルロットは駐車場へビートチェイサーを取りに行く。

 

 

シャル「雷真、これが雷真のバイク?」

 

雷真「そう。ビートチェイサー2000だ」

 

シャル「ビートチェイサー2000?」

 

雷真「元々、このバイクはとあるアニメのバイクでな。それをモチーフにお義父さんが再現と改造をしてくれたんだ。その時に著作権や肖像権なんかで揉めたけどなんとかなったそうだ」

 

シャル「そ、そうなんだ」

 

 

ビートチェイサーにビートアクセラーを差し込んでエンジンを入れる。

 

 

雷真「シャルロット、はい」

 

シャル「ありがとう」

 

 

シャルロットにヘルメットを渡してからビートチェイサーに跨がる。その後にシャルロットもビートチェイサーの後部座席に跨がる。それとシャルロットには念のため長ズボンを制服の下に履いてもらっている。

 

エンジンが後ろ側にあるとはいえ、なんかの拍子でエンジンに触れて生足が火傷をされては困る。

それが大切な婚約者なら尚更だ。

 

 

シャル「乗れたよ」

 

雷真「それじゃ、次にこのベルトを腰の後ろをぐるりと一周させてから俺の腰にある、嵌め込みに差し込んで」

 

シャル「わかった」

 

 

後ろから【カチッ!】と音が鳴るのを確認してから、もう一度シャルロットに準備は大丈夫か聞く

 

 

雷真「準備は大丈夫か?」

 

シャル「うん!大丈夫」

 

雷真「じゃあ、しっかり捕まってろよ?」

 

シャル「了解」

 

 

俺たち以外の生徒を乗せた、バスが動きだす。それを追いかけるようにバイクを走らせる。高速に乗るとシャルロットは歓喜の声を上げだした。

 

 

シャル「うわー、ISと違うけどバイクも結構早いね?」

 

 

ヘルメットについているインカムからシャルロットの声が聞こえてきたので返答する。

 

 

雷真「まぁ、このビートチェイサーだけが特注品なんだよ」

 

シャル「どういうこと?」

 

雷真「普通のオフロードなら速度が250出せれば凄いほうだ。それに比べて、ビートチェイサーは設計上はアニメと同じで最高時速570kmなんだよ」

 

シャル「つまり、このバイクの最高時速は……」

 

雷真「あまく計算してマッハ0.5が最高だな」

 

シャル「す、凄い」

 

雷真「でも、そこまで出したら速度違反で捕まるけどな」

 

 

高速道路を走っているとIS学園のバスがサービスエリアに入ったので続いて俺たちも入ることにした。

 

 

雷真「シャルロット、トイレ休憩に入るぞ」

 

シャル「うん、わかった」

 

 

サービスエリアに入るとバイク専用の駐車場に停めてからタンデム用のベルトを外し、バイクから降りて体を伸ばす。

 

 

雷真「ん~、はっ!」

 

シャル「んん~、っぱ」

 

雷真「流石に体が凝ったろ?」

 

シャル「流石に一時間も同じ体勢だとね」

 

雷真「それじゃ、体を解すついでにサービスエリアの中を見てくればいい。それと小腹が空いているなら早目に食べておいてくれ。運転の最中に後ろでリバースされても困るから」

 

シャル「わかったよ」

 

 

シャルロットはそう言ってクラスの皆の所へ行ってしまった。俺は一応、織斑先生のところに行き、現状報告。休憩とはいえ、バスの中のような団体行動をしている訳ではなく、バイクでの行動。それもタンデムとなれば、それなりにリスクが生まれるので報告だ。報・連・相、が大切だ、何事も。

 

 

雷真「お疲れ様です」

 

真耶「あっ、黒牙くん」

 

千冬「おお、黒牙」

 

 

俺はバスでスケジュール表やらを確認している、山田先生と織斑先生に息抜きにと思って自作したブレンドコーヒーの粉と氷水を入れた魔法瓶をストライクの拡張領域(バススロット)から出して、その場でブレンドコーヒーを紙コップに淹れて渡す。

 

 

雷真「どうぞ」

 

真耶「ありがとうございます」

 

千冬「これは、すまないな」

 

雷真「いえ」

 

「「ッ!!」」

 

 

千冬「うまいな……」

 

真耶「美味しいですね、このコーヒー」

 

千冬「黒牙、このコーヒーはインスタントなのか?」

 

雷真「いえ、それは俺のオリジナルブレンドですよ。作り方は"あっち側"(コズミック・イラ)でザフトの元隊長に教えてもらいました。」

 

真耶「苦味や渋味が少なくて、コーヒーの香りがとても豊かで、リラックスできますね。先輩?」

 

千冬「そうだな。このコーヒーは心を落ち着かせてくれる。礼を言う、黒牙」

 

雷真「そんなたいしたことはしてないですよ」

 

 

それからは時間になるまで織斑先生と山田先生と共に雑談等を話しながら時間を潰していた。

 

そして、再びバスが動きだし、シャルロットを後ろに乗せてバイクを走らせるのだが…………。いきなり、一組を乗せているバスが待避所に止まってしまったため、バスを追い越してしまった。

 

 

シャル「何かあったのかな?」

 

雷真「分からない。けれど一応、刀奈の方に連絡を取ってみる」

 

 

俺たちも一つ先の待避所に止まり。刀奈に連絡を取ると……。何でも、本音がお菓子の食べ過ぎで、気持ち悪くなり、リバースしたらしい。

 

 

雷真「はぁ~」

 

シャル「心配して損したかも」

 

雷真「取り敢えず、俺たちはどうしたら良いか、織斑先生に替わってくれるか?」

 

 

刀奈『わかったわ』

 

千冬『電話を替わった』

 

 

雷真「織斑先生、俺たちはこのまま、どうしたらいいですか?先に行っているバスを追うか、それとも、そちらと合流した方がいいですか?」

 

 

千冬『そうだな……。そちらは先に行ってくれて構わん』

 

 

雷真「了解です」

 

シャル「織斑先生、なんだって?」

 

雷真「先に行ってくれってさ」

 

シャル「了解だよ」

 

 

それから、バイクを走らせる。そして、二度目のトイレ休憩になり、本音のところにお見舞いに行くと………。

 

 

雷真「本音、大丈夫か?」

 

本音「こ、今回は無理」グデー

 

雷真「こんな本音を見るのは何時以来だ?」

 

 

グロッキーな本音の見舞いを終えて、一人バイクに戻るとそこには四組の先生と顔を青白くして具合が悪そうな簪の姿があった。

 

 

雷真「簪!?。大丈夫か?」

 

簪「雷真…………」

 

先生「貴方が黒牙くん?」

 

雷真「あっ、はい」

 

先生「簪さん、バスの中で乗り物酔いになっちゃってね……。それで、簪さんが貴方のバイクなら多分、大丈夫だろうって」

 

簪「ごめん、雷真」

 

雷真「こんなんで謝んな」

 

雷真「わかりました。取り敢えずは学園からタンデムしてきてる、パートナーに聞いてから、どうするかを考えます」

 

先生「お願いね」

 

 

 

先生から簪のことを聞いて、シャルロットが戻るのを待った。シャルロットが戻ってきたら、簪のことを全て話し、タンデムを簪と交替することを伝える。

 

 

雷真「……ということなんだ」

 

簪「ごめんね、シャルロット」

 

シャル「ううん、これは仕方ないよ。じゃあ、僕は4組のバスに乗るから」

 

雷真「わかった」

 

簪「ありがとう」

 

シャル「それじゃあね」

 

 

シャルロットは4組の先生と共に4組が使用しているバスに向かった。

 

 

雷真「簪、俺たちもそろそろ行こうか?」

 

簪「うん……」

 

 

簪はまだ顔が青いが、先ほどよりは少しましになっている。ヘルメットを渡してバイクに跨がり、後部座席に簪が乗り、慣れた手つきでタンデムベルトを取り付けていく。

 

 

雷真「準備はいいか?」

 

簪「うん」

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

サービスエリアで簪を後ろに乗せた俺は、学園のバスと共に、今回の合宿先に無事に着くことが出来た。

 

 

雷真「くあ~、体がバキバキだ……」コキバキ

 

簪「運転お疲れ様、雷真」

 

雷真「ああ。簪も体調はどうだ?」

 

簪「うん。雷真のお陰で乗り物酔いも治ったよ」

 

雷真「それは良かった」

 

千冬「全員、クラス順に整列!織斑と黒牙は私のところに来るように」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

一夏「はい」

 

雷真「はい」

 

千冬「それではここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の皆さんの仕事を増やさないように注意しろ」

 

 

「「「はい!よろしくお願いします」」」

 

 

織斑先生の注意事項のあと、IS学園一年全員で女将さんに挨拶する。また、この花月荘は毎年IS学園の合宿所としているらしい。

 

 

女将「今年の1年生も元気があってよろしいですね。それじゃあみなさん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますからそちらをご利用なさってください。場所がわからなければいつでも従業員に訊いてくださいまし」

 

 

女将さんは優しい人らしく、優しい笑顔でIS学園の生徒にお辞儀をした。

そして、俺と一夏以外の生徒は従業員の人に案内をしてもらい、自分が寝泊する部屋に向かった。

 

 

女将「で、こちらが噂の……?」

 

千冬「えぇ、今年は男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません」

 

女将「いえいえ、いい男じゃありませんか。しっかりしていてそうな感じをお受けしますよ」

 

千冬「二人とも挨拶をしろ」

 

一夏「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

雷真「黒牙雷真です。御手数をお掛けしますが、よろしくお願いします」

 

女将「ご丁寧にどうも、清洲景子です」

 

千冬「それでは挨拶も終わったことだし、お前たちの部屋に行くぞ」

 

 

「「はい!」」

 

 

それからは織斑先生の後を追いかけ、花月荘の中に入り、南側の三階、つまり海側の部屋に着いた。

 

着いた部屋には『教師室』と書かれて札と、『更識』と書かれた札があった。

 

 

雷真「はあ?」

 

千冬「織斑は私と同じ部屋。黒牙は、お前の婚約者三人と同じ部屋だ」

 

雷真「いやいやいやいや!?。ちょっと待ってくださいよ!!」

 

千冬「なんだ?」

 

雷真「流石にまずいでしょ!?年頃の男女が同じ部屋だなんて」

 

千冬「お前は今更なにを言う。入学初日から更識姉と同居、デュノアが転校してきてからはデュノアと同居。そんな、お前が今更だろうに」

 

雷真「うぐっ!?」

 

雷真「そ、そうですけど!」

 

千冬「これは決まりだ。予備の部屋とかはないからな。異性交遊もほどほどにしろよ?」

 

雷真「流石に他の生徒がいるのにしませんよ!」

 

千冬「フフフフ」

 

 

織斑先生は笑いながら自分の部屋に入って行った。

 

 

一夏「雷真、その……なんだ?頑張れよ」

 

雷真「なにをだよ!」

 

雷真「はぁ~」

 

 

仕方なく、俺は『更識』と書かれた部屋に入る

 

【ガラガラガラガラ】

 

 

刀奈「お帰りなさい。ごはんにします?お風呂にします?それとも、わ・た・し?」

 

簪「そ、それとも、わ、わ、わ、私にしますか?//////」

 

シャル「そ、それとも、僕…………?//////」

 

雷真「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「ぶはっ!?」鼻血ブー

 

 

「「「ら、雷真!?」」」

 

 

刀奈「だ、大丈夫?」

 

雷真「お、お前ら、なんつう格好を…………」鼻抑え

 

シャル「こ、これは……」

 

簪「お姉ちゃんが雷真を驚かそうって……」

 

雷真「その下はちゃんと着てるんだろうな?」鼻抑え

 

刀奈「はい、ティッシュ」

 

雷真「サンキュー」鼻にツメツメ

 

シャル「うん。一応、このエプロンの下には水着を着てるよ」

 

雷真「それは良かった」

 

 

俺がなぜ、鼻血を出したのかは……。まさか部屋に入ったら中には刀奈、簪、シャルロットの三人が裸エプロンならぬ、水着エプロンをしていたのだ。三人の格好を光の加減のいたずらか裸エプロンをしているように見えたため、俺のキャパシティがオーバーフローして鼻血が噴出たのだ。

 

 

雷真「取り敢えず、服を着てくれ」

 

刀奈「水着を着ているじゃない?」

 

雷真「まあ、そうだが……」

 

シャル「雷真、僕たちは今から海に行くけど雷真はどうする?」

 

雷真「少し休んでから行くよ」

 

シャル「わかった」

 

 

刀奈、簪、シャルロットの三人は俺をおいて、海に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真にちょっとした、イタズラをした私たちは三人で先に海に来ている。

 

 

刀奈「簪ちゃん、シャルロットちゃん、早く!」

 

簪「待ってよ、お姉ちゃん」

 

シャル「そうだよ。待ってよ、刀奈」

 

 

私たちはそれぞれ、海に向かって走り出す。すると山田先生から注意事項が大声で説明された。

 

 

真耶「今、11時で~す。夕方までは自由行動、夕食に遅れないように旅館に戻ること、いいですね?」

 

 

「「「は~い!」」」

 

 

本音「かっちゃん、かんちゃん、デュッチー」

 

刀奈「あら、本音」

 

簪「本音……。貴女、やっぱり着ぐるみなんだね」

 

本音「ちゃんとこれも水着なんだよ?」

 

シャル「そ、そうなんだ……」

 

本音「あれ?ライライは?いつも三人と一緒にいるのに~」

 

刀奈「えっと、それは……」

 

簪「うん、それはね……」

 

シャル「雷真はバイクの運転で少し疲れたみたいだから少し休むって」アセアセ

 

刀奈「(シャルロットちゃん、ナイス!)」

 

簪「(シャルロット、ナイスアシスト!)」

 

本音「ふ~ん、そうなんだ。じゃあ、私はもう行くね」

 

刀奈「ええ」

 

簪「わかった」

 

シャル「うん」

 

 

本音はそのまま、一夏くんのところへ。友達と一緒にビーチボールを持って走って行った。

 

 

「「「はぁ~」」」

 

 

刀奈「シャルロットちゃん。さっきのはナイスよ」

 

簪「本当だよ」

 

シャル「なんとかなって、良かったよ」

 

簪「もしも、本音や他のみんなに私たちが雷真に水着エプロンをやって鼻血を出させちゃった、なんて知られたら……」

 

シャル「恥ずかしいもんね」

 

刀奈「そんなにかしら?少しだけ恥ずかしいのは分かるけど」

 

簪「そう思うのはお姉ちゃんだけだよ!」

 

シャル「そうだよ!」

 

 

こうして、刀奈、簪、シャルロットのちょっとした、黒歴史の拡散は避けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「まったく、刀奈にも困ったものだ。時と場合を考えてからやってくれよ………。こっちの身が持たないぞ」

 

 

俺は拡張領域からブレンドコーヒーの粉と魔法瓶を取り出して、一息入れる。

 

 

雷真「ふぅ~、青い海を見ながら飲むコーヒーはまた格別だな」

 

 

それから、約2時間ほどコーヒーを何杯か飲みながら小説を読み。ゆっくりと過ごしていると、俺の携帯が鳴る。

 

 

雷真「誰だ?人がのんびりしているのに……」

 

 

携帯を見ると、着信の主は刀奈からだ。

 

 

雷真「あ~、もしもし?」

 

刀奈『あっ、雷真?今すぐ、海に来なさい』

 

雷真「え~」

 

刀奈『いいから、来る!じゃあ、待ってるわよ~♪』

 

雷真「ちょ、刀奈!……切れてる」

 

雷真「はぁ~、仕方ない。行くか」

 

 

俺は仕方なく、刀奈たちがいるビーチへと足を運ぶことにした。

 

 

 



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第20話





雷真「熱い…………」

 

 

刀奈に呼ばれて水着に着替えてビーチに来たものの、日射しが強く、熱い。そして、ビーチの至るところに健康的な美人が水着ではしゃいでいる。

 

 

「あっ、黒牙くんだ!」

 

「本当だ!」

 

「ねぇ、黒牙くんの腹筋やばくない?」

 

「本当……6つに割れてるし、筋肉に無駄がない」

 

 

と女子たちから、俺の筋肉の話をされていたりする。

 

 

刀奈「ら~い~し~ん!」

 

雷真「あ?」

 

 

刀奈に呼ばれたと思い、声がする方に向くとそこにはパラソルの下でマットの上に寝そべる刀奈の姿があった。

 

 

雷真「来てやったぞ、刀奈」

 

刀奈「ありがとう。それじゃ、いきなりで悪いんだけど、はい」日焼け止め

 

雷真「はあ?なんで、俺なんだよ?簪かシャルロットとかに頼めよ」

 

刀奈「ええっ?だって、一夏くんはセシリアちゃんにやってたし」

 

雷真「一夏め…………。特訓メニューを地獄にしてやるからな」

 

雷真「はぁ~、やってやるからうつ伏せに寝ろ」

 

刀奈「は~い♪」

 

雷真「ったく……」

 

 

俺は刀奈から日焼け止めを受け取り、手の平に出して少し体温で温めてから、優しく刀奈の背中に塗っていく。

 

 

雷真「いくぞ?」

 

刀奈「いいわよ」

 

刀奈「んっ」

 

雷真「…………」ヌリヌリ

 

刀奈「んあっ……あっん……」

 

雷真「…………」ヌリヌリ

 

刀奈「くふぅぅっ……」

 

雷真「あのさ、刀奈」

 

刀奈「なに……かし……ら……あんっ!」

 

雷真「お前、わざとだろう、それ」

 

刀奈「あっ、バレた?」

 

雷真「当たり前だ。声は喘いでいるように聞こえるが汗が分泌されていない」

 

刀奈「あら?経験がある風に聞こえるのは私だけかしら?」ジトー

 

雷真「"あっち側"(コズミック・イラ)の上官が艦内のシャワー室で女性艦長とナニをしてたんだよ……。それを問い詰めて、あまり艦内でしないでくれって頼んだら、いろいろといらない情報を聞かされたんだよ」

 

刀奈「それってどんな情報?」

 

雷真「体験してみるか?まずは、肩甲骨の辺りから尾骨まで人差し指でツーと……」

 

刀奈「ひゃうっ……ああっ……んっ!」ビクビク

 

雷真「一度戻してから、今度は尾骨より少し下に……」

 

刀奈「ちょっ……らい……しん……そこはっ!」ビクビク

 

雷真「そして極めつけは……」

 

 

【パク】

 

 

刀奈「あんっ!」ビクン

 

雷真「耳たぶを甘噛みして……」アムアム

 

刀奈「雷真……ほんと……これ……以上は……」ビクビク

 

雷真「最後に……

 

『刀奈、めちゃくちゃ可愛いよ』」

 

この時の俺は暑さで頭をやられていたのか今まで我慢していたものが止められずに、周りの女子が見ている中、刀奈を愛でてしまった。

 

 

刀奈「らめぇぇぇぇっ!!」ビクン!ビクン!

 

雷真「…………」

 

千冬「止めんか、このバカ者が!」バシン

 

雷真「あうっ!?」

 

雷真「はっ!俺はなにを…………」

 

刀奈「はぁ はぁ、はぁ、はぁ。///////」グデン

 

簪「お、お姉ちゃん、大丈夫?//////」

 

刀奈「お姉ちゃんも……流石に……腰が抜けちゃった。雷真たら……テクニシャンなんだから……もう。/////」ハアハア

 

シャル「あんな刀奈、初めてみたけど……いろいろとすごいね。/////」

 

千冬「黒牙、貴様は公共の場でなにをしでかしている!」アイアンクロー

 

雷真「あがががががっ!?す、すびません、今までの鬱憤と暑さの所為で……。頭が、頭が割れるぅぅぅう!?」

 

千冬「次は無いぞ。いいな?」

 

雷真「イェッサー……」ピクピク

 

 

なんとか、織斑先生のアイアンクローから解放された俺は、簪たちに水着の感想を聞かれた。

 

 

簪「雷真、今更だけど、どう似合ってる?」

 

シャル「僕のも、どう……かな?」

 

雷真「簪は黒のビキニでシャルロットが黄色と黒か…………。うん、二人とも似合ってるよ」

 

簪「そっか、良かった……。/////」

 

シャル「えへへ、雷真にそう言ってもらえると僕も嬉しいな。///////」

 

 

二人のことを褒めていると背後から刀奈に抱きつかれ、刀奈の水着の感想も聞かれる。しかし、その抱き付かれている状態が少しヤバいのだ。

何故、ヤバいかは刀奈がトップの水着を着けていないのだ。

 

 

刀奈「雷真、二人の水着だけ褒めて、私にはないわけ?」ギュッ

 

雷真「か、刀奈!?お、お前、トップの水着はどうした!?///////」

 

刀奈「あら、雷真に抱き付いているから、今はいらないと思って……。それとも、私の胸の感触がそんなに、い・い・の?」ポヨポヨ

 

雷真「お前、万が一にも一夏に見られたらどうするんだよ!」

 

刀奈「大丈夫よ。彼なら織斑先生たちとビーチバレーをしてるもの」

 

雷真「それでもだ。前にも同じやり取りをした記憶があるんだが……」

 

刀奈「そうね、入学式の日にもやったわね」

 

雷真「取り敢えず、トップを着てくれ!でないと感想が言えん!」

 

刀奈「仕方ないわね」

 

雷真「仕方ない、ってお前な…………」

 

刀奈「はい、これでどう?」

 

 

刀奈はトップの水着を着直してから俺の前に周り込む。そして、刀奈の水着姿を見た俺は……。

 

 

雷真「///////」

 

刀奈「ねぇ、何か感想はないわけ?」

 

雷真「えっと、その……すごく、似合ってる」

 

雷真「めちゃくちゃ可愛くて、俺以外の男には見せたく無くなるほどだ」

 

刀奈「あ、ありがとう。///////」

 

 

刀奈は雷真の『俺以外の男には見せたく無いほどだ』の言葉に顔を真っ赤に染めて俯いてしまう。

二人して顔を赤くしているとビーチバレーをしている、一夏から声が掛かる。

 

 

 

 

一夏「お~い、雷真。お前も一緒にビーチバレーをしないか?」

 

雷真「わかった。今、そっちにいく」

 

 

一夏からビーチバレーに誘われたのでやることにした。俺のチーム、刀奈、簪、シャルロットで、一夏のチームはセシリア、鈴、ラウラだ。

まぁ、なんとも俺たちに好意を寄せている女子でうまくチームを組んだものだ。

 

 

 

 

 

~BGM: Straight Jet~

 

 

 

 

雷真「それじゃ、いくぞ?」

 

一夏「バチ来い!」

 

雷真「せーの、フッ!」

 

 

俺はビーチボールを少し前に高く上げ、助走を付けて飛び、ジャンピングサーブする。

 

 

一夏「なっ!ジャンピングサーブ!?」

 

一夏「ラウラ!」

 

ラウラ「任せろ!」

 

 

勢いよく、一夏側のコートに射し込むように放った俺のボールはラウラがドイツ軍で培った反射神経でレシーブして、ボールを空に跳ね上げさせる。

 

 

一夏「ナイス、ラウラ!」

 

ラウラ「当然だ!」

 

セシリア「鈴さん、行きますわよ!」

 

鈴「OK!」

 

 

ラウラが跳ね上げたボールをセシリアはトスでネット際にいる鈴に合わせて打ち上げ、鈴はセシリアから来たボールをスパイクする。

 

 

刀奈「させないわよ!」

 

 

しかし、鈴がスパイクする直前で刀奈がネット際に走って飛び上がり、鈴のスパイクを上から覆うようにブロックする。

 

 

鈴「なっ!?(制服越しでもわかるけど、水着になるとやっぱりデカイわね……)」

 

 

この刀奈のブロックにより、俺たちは先制点となった。

 

 

刀奈「そう易々とは先制点をあげないわよ」

 

鈴「ぐぬぬぬ」

 

雷真「次、いくぞ?」

 

一夏「今度こそと、止める!」

 

雷真「セイヨッ!」

 

 

再び、ジャンピングサーブで一夏たちに放つが、そのボールは先程と違い、まったく勢いがないがフワフワと浮かんでいるように見える。

 

 

鈴「無回転サーブ!?」

 

セシリア「まさか、あんな技まで!」

 

 

俺が放った、無回転ボールはそのまま、ネットに引っ掛かり、ネットの上で……

 

 

雷真「秘技、綱渡り」

 

 

コロコロとボールは横に転がり、そのまま一夏側のコートに落ちた。

 

 

一夏「マジかよ……」

 

雷真「う~ん、エクスタシ~!」

 

簪「雷真、さっきのも今のもネタだよね?」

 

雷真「あっ、わかった?」

 

簪「流石にね。中学の友達も同じこと授業中にやろうとしてたから」

 

雷真「授業中にやるのかよwww」

 

一夏「次はこっちの番だ!」

 

鈴「いくわよ!」

 

 

鈴は普通にアンダーサーブする。

 

 

雷真「簪、頼む!」

 

簪「わかった!」

 

簪がレシーブで上に上げ……

 

簪「お姉ちゃん!」

 

刀奈「了解よ!」

 

 

刀奈がトスをする。その時、刀奈からアイコンタクトが飛んでくる。

 

 

雷真「(なるほど……)」

 

雷真「シャルロット、一緒に頼む!」

 

シャル「わかった!」

 

 

雷真とシャルロットは一斉にネット際まで走り、飛び上がる。

 

 

セシリア「シンクロ攻撃まで!?」

 

雷真「刀奈!」

 

刀奈「いくわよ!」

 

 

刀奈によってトスされたボールは雷真に…………ではなく、シャルロットに回された。

 

 

鈴「雷真、じゃないの!?」

 

雷真「シンクロ攻撃は誰が打つか分からないのが利点だ」

 

シャル「セイッ!」

 

 

シャルロットが放った、スパイクはそのまま、コートギリギリに刺さると思いきや、そこへ。

 

 

一夏「うおおおおおおっ!!」

 

雷真「なに!?」

 

シャル「嘘、一夏は逆サイドに居たのに!?」

 

 

一夏は何と、逆サイドから滑り込む感じでシャルロットが放ったスパイクをブロックし、上に跳ね上げたのだ。

 

 

鈴「一夏!」

 

セシリア「一夏さん!」

 

ラウラ「流石は私の嫁だ!」

 

一夏「こんなのは、いつもの特訓と比べたら全然だぜ!」

 

 

それから、一夏チームvs雷真チームのバトルは白熱していく。そして、そんな中、ある人物がこの試合に参加する。

 

 

 

千冬「ほう、なかなかやるじゃないか、黒牙」

 

雷真「あっ、織斑先生」

 

千冬「オルコット、私と交代だ」

 

セシリア「わかりました。あとはお願いしますわ」

 

千冬「任せろ」

 

千冬「黒牙、貴様とは一度、本気で闘ってみたいと思っていたのだ」

 

雷真「マジかよ……」

 

千冬「いくぞ?黒牙」

 

雷真「みんな、しまってくぞ!」

 

 

「「「ええ!(うん!」」」

 

 

千冬「ハッ!」

 

 

織斑先生はボールを高く放り上げ、それは綺麗なフォームでジャンピングサーブを放つ。その勢いは常人のサーブを超えている。

 

 

雷真「任せろ!」

 

雷真「ッ!?(ぐっ!なんだ、このボールの重さは!?)」

 

雷真「うおおおおおおっ!!」

 

 

なんとか、サーブをブロックし、跳ね上げさせるが勢いを殺せずに俺は後ろに後転してしまう。

 

 

雷真「すまん、カバー頼む!」

 

シャル「僕に任せて!」

 

刀奈「簪ちゃん、いくわよ!」

 

簪「うん!」

 

 

今度は反撃にシャルロットがトスでボールをパスをして、更識姉妹が完全に息があったシンクロ攻撃をする。

 

 

千冬「一夏!」

 

一夏「おうよ!」

 

 

しかし、更識姉妹のシンクロ攻撃を、織斑姉弟がシンクロ攻撃ならぬ、シンクロブロックで二人の攻撃を止める。

 

 

刀奈「ぐっ!?」

 

簪「そんな……!?」

 

 

織斑姉弟にブロックされた、ボールはそのままコートに落ちると誰しもが思ったが……やはり、そこへ更識姉妹のヒーローである。黒牙雷真がスライディングでボールを跳ね上げる。

 

 

雷真「まだまだ!」

 

刀奈「雷真!」

 

簪「雷真!」

 

雷真「シャルロット、スパイク!」

 

シャル「いっけえええええ!!」

 

 

織斑姉弟の隙を突き、雷真によって跳ね上げられたボールはシャルロットのスパイクによって一夏チームのコートに決まる。

 

 

シャル「やった!」

 

刀奈「シャルロットちゃん、ナイス♪」

 

簪「ほんと、シャルロット、ナイスだよ」

 

雷真「ナイス、カバーだ。シャルロット」

 

 

「「「「イッエイ!」」」」パシンッ!

 

 

シャルロットのナイスプレイに俺たちはハイタッチを決める。

 

 

千冬「黒牙、まだ試合は終わっておらんぞ?」

 

雷真「わかってますよ。必ず、俺たちが勝ちます!」

 

千冬「やれるものならやってみろ?」

 

雷真「ええ!」

 

 

その後はどちらもお互いに譲らない攻防戦になったが…………やはり、ブリュンヒルデの名は伊達ではなく、織斑先生がいる、一夏チームの方に軍配が上がる。

 

 

 

 

 

 

雷真「だあ~!負けた」

 

千冬「まだまだ、ガキには負けんさ」

 

刀奈「まさか、雷真が居て負けるだなんて……」

 

簪「私も、雷真が居て負けたのは初めてかも……」

 

 

更識姉妹はチートのような身体能力を持つ雷真と同じチームになって、今まで一度も負けたことがなかったので二人は驚いている。

そして、一夏チームの千冬以外のメンバーは……

 

 

一夏「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

鈴「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

ラウラ「はぁ、はぁ、この……私が……体力……切れとは、落ちぶれたものだ」

 

 

砂浜の上でゼエゼエと息を切らしながら、仰向けで倒れていた。

 

 

真耶「皆さん、お疲れ様です」

 

 

 

 

 

 

 



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第21話








昼間にビーチで思う存分に遊んだ、俺たちは海の家のシャワー室を使い。ある程度まで、海水や砂などを落としたあと旅館に戻り、夕食の時間までのんびりと過ごし、今はみんなで大広間で夕食を食べている。

席順は…………。

 

刀奈、俺、シャルロット

 

【テーブル】

 

セシリア、一夏、相川さん

 

の順だ。

 

簪はクラスが離れているのでドンマイ……。

 

 

一夏「うん、美味い!流石は、本わさ」

 

 

一夏は夕食に出てくる。新鮮な魚の刺身にワサビを付けて食べたあと、感想を口にした。

 

 

シャル「本わさ?」

 

雷真「シャルロットはまだ、日本に来て日が浅いからな。一夏が言っているのは多分、本ワサビの方だ思うけど。で、本ワサビっていうのは、元々こんくらいの約10cmほどの緑色の物をすりおろした物なんだ。そんで、市販で売られているのは、わさびと化学調味料なんかを混ぜ合わせた物なんだ」

 

シャル「へ~、どれどれ?」

 

 

シャルロットは俺のワサビの説明を聞いて、興味が湧いたのか、お皿に乗っているワサビの塊をそのまま食べようとしたので慌ててそれを止める。

 

 

雷真「シャルロット!ストップ、ストップ!」

 

シャル「えっ?」

 

雷真「シャルロットは、ワサビは初めてなんだから、ほんの少しだけ、自分の舌に乗せて味を確かめた方がいいぞ?でないと、あとで後悔するから」

 

シャル「わかった。雷真がそういうなら」

 

 

そして、シャルロットは本当にお箸の端っこに付いたくらいの量でワサビを口にする。

 

 

シャル「っ!?」

 

雷真「どうだ?」

 

シャル「風味があって美味しいけど、雷真の言う通りにしておいて正解だったよ」

 

雷真「なら、良かった」

 

 

そして、俺も刺身を食べることにした。しかし、前の席に座っている、セシリアが何故かモジモジし始めたのだ。

 

 

セシリア「んん……」モジモジ

 

一夏「大丈夫か?正座がダメならテーブル席に移動したらどうだ?」

 

セシリア「へ、平気ですわ」ニコリ

 

セシリア「この席を獲得するのにかかった労力に比べたら、このくらい」ボソッ

 

 

セシリアも苦労しているようだ。俺は、一夏と違い、もう、あまり唐変木ではないので大丈夫な、はず……。

 

 

一夏「席?」

 

セシリア「い、いえ!何でもありませんわ!」アタフタ

 

 

セシリアが一夏の質問にアタフタしているところをシャルロットが援護する。

 

 

シャル「一夏、女の子にはいろいろあるんだよ」

 

雷真「そうだぞ、一夏。俺も、それでたまに後悔することがあるから、気をつけろよ?」

 

一夏「そうなのか……?」

 

 

「「そうなの(そうなんだよ」」

 

 

一夏「…………」

 

 

そのあと、一夏は何か視線を感じたのか箒の方を見た。

 

 

雷真「箒も苦労してたみたいだな」

 

セシリア「……んはっ!」

 

 

セシリアがなんとも艶かしい声を上げて、正座から膝を崩す。

 

 

一夏「セシリア、そんなにキツイなら、俺が食べさせてやろうか?」

 

セシリア「それは本当ですの?」キラキラ

 

 

セシリアは一夏の発言に目をキラキラと輝かせながら一夏に迫る。

 

 

セシリア「食べさせてくれると言うのは?」キラキラ

 

一夏「お、おう……」

 

セシリア「せっかくのお料理、残したりしては申し訳がありませんもの」

 

 

そう言って、セシリアは一夏に自分のお箸を渡した。

 

 

刀奈「ねぇ、雷真」

 

雷真「俺はやらないぞ」

 

刀奈「何も言ってないじゃない!」

 

雷真「言わなくても分かる。この場のあの状況で、分からないバカが一夏以外にいるか?」

 

刀奈「それはないわね」

 

雷真「なら、自分で食べろ」

 

刀奈「ちぇ~」

 

 

それからは、俺たちは普通に食べるが……。一夏がセシリアに『あ~ん』をするから騒がしくなってきた。

 

 

雷真「あのさ、静かに食わせてくれないか?それと、騒ぎ過ぎると織斑先生の出席簿が脳天に落ちるぞ?」

 

 

「「「「………………」」」」」

 

 

俺の言葉で、さっきまで騒いでいた女子たちの声が【シーン】となり止む。

そして、一夏の後ろの戸から織斑先生がやって来た。

 

 

千冬「織斑、あまり騒動を起こすな。鎮めるのが面倒だ。それと黒牙、騒動を鎮めるために私を使うな」

 

雷真「ですが、織斑先生がそれだけ偉大だと生徒たちが皆、理解していることの証明だと、俺は思いますが……」

 

千冬「この、屁理屈め」

 

雷真「褒め言葉と受け取っておきます」

 

 

そのやり取りの後、織斑先生は戸を閉めて、自分の席に戻って行った。

 

 

「「「はぁ~」」」

 

 

みんなは、俺と織斑先生のやり取りで息が詰まる思いをしていたようで、一斉に安堵の息を吐く。

 

 

一夏「という訳で、セシリア。悪いけど、自分で……」

 

セシリア「…………」プクー

 

 

セシリアは納得が行かない、という感じで頬を膨らませている。

その後、一夏はセシリアに何か耳打ちをすると、セシリアは頬を赤くする。

 

 

雷真「(また、面倒なことにならなければいいが)」ズズズズ

 

 

俺は緑茶を飲みながら、そう思っていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終わり、部屋でのんびりと昼間の小説の続きを読みながら、ブレンドコーヒーと売店で売っていたミルクを混ぜて、カフェオレを飲んでいると、扉からノックが聞こえる。

 

 

【コン、コン、コン】

 

 

雷真「は~い」

 

部屋の扉を開けるとそこには箒がいた。

 

 

雷真「あれ、箒。どうしたんだ?一夏の部屋なら隣だぞ?」

 

箒「いや、織斑先生からシャルロットたち、三人を呼んでこいで来いと言われて」

 

雷真「シャルロットたちを?」

 

箒「ああ。呼んでもらえるか?」

 

雷真「わかった。刀奈、簪、シャルロット、ちょっと来てくれ」

 

 

俺は三人を呼んで、箒が先程俺に言ったことを伝えると何故か三人は少し体が強張っていた。

お前たち、今度は何をしでかした…………?

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

私たち三人は、箒ちゃんに織斑先生から呼ばれていると言われたので、体が強張ってしまったが、なんとか体を動かし、隣の織斑先生の部屋に向かう。

 

 

刀奈「あれ?鈴ちゃんに、セシリアちゃん、ラウラちゃんも」

 

箒「織斑先生、三人を言われた通り、連れてきました」

 

千冬「ご苦労。座ってくれ」

 

 

織斑先生に言われるまま、私たちも畳に座る。

 

 

千冬「お前たちを呼んだのは他でもない。二人のことだ」

 

 

織斑先生が示す、二人とは間違いなく、雷真と一夏くんのことだろう。そして、この場にいるメンバーは雷真と一夏くんに好意を寄せている女子の集まりなのだから間違いない。

 

織斑先生は缶ビールを開けて、飲みだす。

 

 

千冬「で、お前ら。あの二人のどこが良いんだ?」

 

 

「「「!?」」」

 

 

千冬「まぁ、確かに一夏は役に立つ。黒牙の方は更識姉妹が一番知っているだろうが言わせてもらう」

 

千冬「二人とも家事や料理はなかなかのものだろう。黒牙の方は知らんが一夏はマッサージも上手い。付き合える女は得だろうな」

 

刀奈「…………」

 

簪「…………」

 

シャル「…………」

 

箒「…………」

 

セシリア「…………」

 

鈴「…………」

 

ラウラ「…………」

 

千冬「どうだ、欲しいか?」

 

「「「くれるんですか?」」」

 

 

私と簪ちゃん、シャルロットちゃんの三人以外のこの部屋にいる女子は織斑先生の言葉に一夏くんをくれると期待したのか前のめりになる。

 

 

千冬「やるか、バ~カ」

 

 

そう言って織斑先生は立ち上がる。

 

 

「「「ええ…………」」」

 

 

一夏くんのことを好いている女子たちは心底残念そうな声を漏らす。一夏くん、早くこの子たちの好意に気づいてあげて、見てる私がこの子たちを可哀想に思えてくるから。

 

 

千冬「女ならな、奪うくらいの勢いで行かなくてどうする?女を磨けよ、ガキ共」

 

刀奈「あの、織斑先生」

 

千冬「なんだ、更識姉」

 

刀奈「何故、私たちが呼ばれたのか、いまいち分からないのですが?」

 

千冬「そうだったな。単刀直入に聞く、お前たち三人と黒牙の馴れ初めを聞かせてほしい」

 

 

「「「へっ?」」」

 

「「「ええええええ!?」」」

 

 

刀奈「そ、そんなことをいきなり言われても……」

 

簪「そ、そうですよ!」

 

シャル「こ、心の準備が……」

 

千冬「なら、黒牙の奴に聞くとするか」

 

刀奈「雷真に言われるよりは自分の口で言いますよ……」

 

簪「私もお姉ちゃんと同じです……」

 

シャル「僕も……」

 

千冬「そうか、では誰から話す?」

 

シャル「じゃあ、僕から…………。みんなも知っている通り、僕はある都合で男の振りをしてIS学園に来たんだけど、それが雷真にバレてね」

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

シャル「もしも、そのことがバレたら、僕の人生は真っ暗だったはずなのに、雷真はそんな僕を救ってくれたんです。そして雷真は、僕にこんな言葉をかけてくれたんです」

 

 

 

~回想~

 

 

 

雷真『お前はそんなんでいいのか?それに俺たち子供は親を選べない。親は子を望めるが俺たち子供はそんなことすら望めないんだよ!俺たちは産まれてからじゃないと何にも望めないんだ』

 

雷真『だからシャルル。今は望んでいいんだよ。お前が生きたいように、暮らしたいように、過ごしたいように、心の底から願う。お前自身の生きざまをさ』

 

雷真『安心しろ、俺がお前の……最後の希望だ』

 

 

~回想終了~

 

 

 

シャル「だから、もし許されるのであれば、こんな嘘付きな僕だけれど……。彼の、雷真の側にずっと居たいって思えたんです」

 

千冬「そうか……。デュノアは黒牙に出会えて良かったようだな」

 

シャル「はい!」

 

刀奈「それじゃ、次は私と簪ちゃんね」

 

簪「そうだね」

 

千冬「なんだ?お前たち姉妹は偶然にも同じタイミングで黒牙を好きになったのか?」

 

刀奈「はい。実は私たちの家はある名家の家柄で、それなりに恨まれたりするんですよ」

 

簪「そんな家柄のため、小学生4年生の時にお姉ちゃんと私は誘拐されてしまって……」

 

刀奈「そして誘拐された私たちを助けに来てくれたのが……」

 

千冬「当時、10歳のお前たちと同じ歳である、黒牙だった訳か……」

 

刀奈「はい……。木刀を持って一人だけで雷真は、武器を持った何十人という大人たちを一人残らず行動不能まで追い込み、傷だらけで私たちを救ってくれたんです」

 

鈴「凄いわね、雷真の奴」

 

ラウラ「そうだな。当時、10歳で何十人の大人を相手するのは私でも辛いだろうな」

 

セシリア「まさに、お二人の白馬の王子様ですわね」

 

箒「そうだな」

 

千冬「黒牙は、その頃から戦いの道に進んでいたのか……」

 

 

その後は織斑先生の仕事の愚痴や箒ちゃんたちの一夏くんへの愚痴や私たちの雷真を落とした必勝法などを話していたら、就寝時間に近くなっていたので自分たちの部屋に戻ることになった。

 

 

 

 



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第22話





雷真「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

一夏「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

 

今日も俺たちは早朝のランニングをしている。合宿といえど、特訓は継続してこそ意味があるので、今日は普通ではできない裸足で砂浜ランニングをしている。

 

 

雷真「一夏、速度が落ちてるぞ!」

 

一夏「おう!」

 

 

何故、砂浜を裸足で走れるかは、走る前に準備体操代わりに昨日のビーチで遊んだゴミなどを拾い集めたのだ。

 

 

雷真「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

一夏「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

雷真「ラスト、一本!」

 

一夏「ラスト、一本!」

 

 

ランニングのあと、部屋に戻ろうと通路を歩いていると、旅館の庭で箒が何やら、地面にささっている謎の物体を見ていた。

 

 

一夏「箒?」

 

 

そして謎の物体の少し後ろには『ひっぱってください』と書かれてあった。

 

 

一夏「なぁ、これって…………」

 

箒「知らん。私に聞くな」

 

 

箒はそう言って何処かへ言ってしまった。

 

 

一夏「おい、放って置いて良いのか?」

 

雷真「なぁ、一夏。これを引き抜けばいいのか?」

 

一夏「あっ、ちょっ!」

 

雷真「えいよ」

 

 

俺がその物体を引き抜くと…………。空から【ゴゴゴゴゴ】と航空機のような音が聞こえてくる。

てか、これって何かが落下する音じゃあ…………。

そして10秒も経たずに空から大きな人参が降ってきた。

 

 

雷真「一夏!空から女の子じゃなくて、大きな人参が降ってきたぞ!?」

 

???『アハハハ、ウフフ、アハハハ』

 

 

俺がいろんな事で戸惑っていると大きな人参から女性の笑い声が聞こえて、声が止むと大きな人参が【プシュー】と音を立てながら二つに割れ。中から絵本の一つである、不思議な国のアリスのアリスの格好をした女性が出てきた。

 

 

???「引っ掛かったね、いっくん!ブイブイ」

 

雷真「…………」

 

一夏「…………」

 

一夏「お、お久しぶりです。束さん」

 

束「うんうん、お久だね~。本当に久しいね。ところでいっくん、箒ちゃんは何処かな?」

 

一夏「え、えっと……。」

 

束「あっ、私が開発した、この箒ちゃん探知機ですぐに見つかるよ。じゃあね、いっくん。また、後でね~!」

 

雷真「一夏、今の女性と知り合いなのか?」

 

一夏「ああ……。篠ノ之束さん、箒の姉さんだ」

 

雷真「マジかよ……」

 

 

篠ノ之束との邂逅のあと、俺たちの部屋に戻り、汗を流したあとは旅館の朝食を食べてから、今日の合宿本来のカリキュラムを行うのだが、何故か俺たち専用機持ちが織斑先生に呼ばれて集合している。

 

 

千冬「よし、専用機持ちはこれで全員揃ったな?」

 

鈴「ちょっと待ってください。箒は専用機を持ってないでしょ?」

 

箒「そ、それは……」

 

千冬「私から説明しよう。実はだな……」

 

 

織斑先生がこの場に箒が居ることを説明しようとすると…………。

 

 

???「やっほ~!」

 

「「「…………」」」

 

 

???「ち~いちゃ~ん!」

 

 

またもや、何処からか不思議な国のアリスの格好をした。箒の姉である、篠ノ之束が崖の上からやって来た。

 

 

束「やあやあ!会いたかったよ、ち~ちゃん!」

 

束「さぁ、ハグハグしよう!愛を確かめよう!」

 

千冬「五月蝿いぞ、束」

 

 

織斑先生は崖から飛んできた、篠ノ之束を片手で鷲掴みしたまま会話をする。

 

 

束「相変わらず容赦のない、アイアンクローだね!」

 

 

そして、織斑先生のアイアンクローから逃れた。篠ノ之束は岩影に隠れている箒に声をかける

 

 

束「じゃじゃ~ん!やあ?」

 

箒「どうも…………」

 

束「久しぶりだね~、こうして会うのは何年振りかな~?大きくなったね、箒ちゃん!特におっぱいが……」

 

箒は篠ノ之束の『おっぱいが』の言葉が頭に来たのか、何処からか木刀を取り出し、篠ノ之束の顔面に突き決める。

 

 

箒「殴りますよ!」

 

束「殴ってから言った!箒ちゃん、ひど~い!ねぇ、いっくん。ひどいよね?」

 

 

篠ノ之束は一夏に助けを求めるが……。

 

 

一夏「は、はぁ……」

 

千冬「おい、束!自己紹介くらいしろ」

 

束「ええ?面倒くさいな……」

 

 

織斑先生の言葉に渋々と言った感じでこちらに振り向き、自己紹介をする篠ノ之束。

 

 

束「私が天災の束さんだよ~。ハロー!終わり!」

 

 

もの凄い、簡単で幼稚園生でもできるほどの自己紹介だった。

 

 

鈴「束って…………」

 

シャル「ISの開発者にして、天才科学者の……」

 

ラウラ「篠ノ之束」

 

束「フ、フ、フ~ン」

 

 

篠ノ之束はなにやら、意味ありげな笑いをした後、空に向けて指を差し示す。

 

 

束「さあ、お空をご覧あれ!」

 

 

その言葉で、皆が空を見上げると空からひし形の金属が落ちてきた。

何これ?使徒のラミエルなの?

 

 

束「じゃじゃあ~ん!これぞ、箒ちゃん専用機こと、【紅椿】!」

 

 

篠ノ之束がリモコンを操作するとひし形の物体は粒子変換され、中から赤いISが出て来た。

 

 

束「全スペックが現行ISを上回る、束さんお手製だよ?でも、例外はあるけどね?そこのイレギュラーとか」

 

 

篠ノ之束はこちらを睨み付けるが、そんな程度では俺は怯まない。そんなので怯んでいたら、"<ruby><rb>あちら側</rb><rp>(</rp><rt>コズミック​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​・​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​イラ</rt><rp>)</rp></ruby>"に居た時に既に死んでいるはずだ。

 

 

束「で、紅椿だけど、この天災束さんが作った第四世代型ISなんだよ」

 

ラウラ「第四世代?」

 

セシリア「各国がやっと、第三世代型の試験機が出来た段階ですわよ?」

 

シャル「なのに、もう……」

 

束「そこがほれ、天災束さんだから。さぁ、箒ちゃん。今からフィッティングとパーソナライズをしようか」

 

千冬「さあ、篠ノ之。黒牙、お前も手伝え」

 

雷真「えっ?」

 

千冬「お前はクラス代表を決めるとき、自分でお前の専用機である、ストライクのOSを書き換え、且つ、各国がやっきになって現在製作しているであろう、マルチロックオン・システムを作り上げた。その能力は束とあまり変わらんだろう?」

 

束「アハハハ、ち~ちゃん。そこのイレギュラーがそんなこと……」

 

千冬「現にやっている。そこのメガネをかけている生徒の専用機には黒牙が作った、マルチロックオン・システムが導入されている。それと、コイツはIS戦闘では一度しか本気を出していない」

 

 

「「「「えっ!?」」」」

 

 

シャル「そうなの、雷真?」

 

ラウラ「本当か、雷真?」

 

雷真「……織斑先生の言う通りだ」

 

 

織斑先生が言う通り、俺はクラス代表戦の襲撃事件に出て来た、グフとバビの殲滅の時しか、本気、所謂『殺気』を出したことがないのだ。

 

 

束「ち~ちゃんがそこまで言うならやってもらうかな?お前、名前は?」

 

雷真「黒牙雷真。覚えたければ覚えればいい。それと一つだけ質問がしたい」

 

束「何かな?」

 

雷真「篠ノ之束。貴女は、ザフト、オーブ、地球連合、そしてロゴスと言う名の軍や組織を知っているか?」

 

束「知らないよ?なんで、そんなことをこの束さんに聞くの?」

 

 

そうか、彼女は白か……。だとなると誰が、あの六機を作り、襲撃させたんだ?

 

 

雷真「もしも、貴女がその三つの軍か組織に与して、尚且つ、クラス代表戦の襲撃事件にあの六機を作ったのであれば……。俺はアンタを止めないといけない。最悪は……殺さなければいけなくなる」

 

 

俺は篠ノ之束に向けて全力の殺気を放つが、その殺気が少し刀奈たちの方に漏れてしまった。

 

 

「「「!?」」」ゾワリ

 

 

雷真「戦争をこっちの世界で起こさせないためにも」

 

千冬「黒牙、殺気を収めろ。皆が呼吸がしづらそうだ」

 

雷真「すみません」

 

 

俺は織斑先生の言葉で殺気を収める。すると、皆、一斉に酸素を求めるように荒い呼吸をする。

 

 

「「「かはっ!?」」」」ハアハア

 

 

鈴「何……今の……」ハアハア

 

セシリア「今の感じは……雷真さんが出してたのですか?」ハアハア

 

ラウラ「まさか、あそこまで濃厚な殺気をだすとは……」ハアハア

 

一夏「雷真……お前は一体……」ハアハア

 

束「へ~。お前、少し気に入ったよ。今日から『らっくん』って呼ぶことにしたよ」

 

千冬「!!」

 

一夏「!!」

 

箒「!!」

 

雷真「ご自由に」

 

束「それじゃ、らっくん。箒ちゃんのフィッティングとパーソナライズを手伝って」

 

雷真「織斑先生にも言われたのでやりますよ」

 

 

俺は紅椿に近づき、ホロウ・ウィンドウをタイピングしていく。タイピング速度は篠ノ之束とあまり変わらない。

 

 

束「箒ちゃんのデータは、ある程度先行して入れてあるから、あとは最新データに更新するだけだね」

 

鈴「凄い……信じられないスピードだわ……」

 

ラウラ「そんなスピードに易々とついていく、雷真もなかなかの物だ」

 

束「ほい、フィッティング終了。らっくんもありがとうね」

 

雷真「いえ」

 

束「いや~、らっくんがあんなに私のスピードについて来られるとは、驚きだよ」

 

束「それじゃ、試運転を兼ねて飛んでみてよ?箒ちゃんのイメージ通りに動くはずだよ」

 

箒「ええ。では、試してみます」

 

 

箒は精神統一をしてから、紅椿で一気に空へ。飛んで行った。

 

 

鈴「何、これ、早い!」

 

シャル「これが、第四世代の加速って、いうこと?」

 

束「どうどう?箒ちゃんが思っていた以上に動くでしょ?」

 

 

篠ノ乃束は頭のウサ耳が通信機になっているのか、手では何も通信機のような物を扱わずに箒と通信をしていた。

 

 

箒『え、ええ、まあ……』

 

 

束「それじゃ、刀を使ってもみてよ。右のが雨月で、左のが空裂ね。武器特性のデータ送るよ~」

 

 

篠ノ之束は再び、ホロウ・ウィンドウを出し、高速タイピングしていき、箒に紅椿の武器データを送信した。

 

 

一夏「…………」

 

 

空中で急停止した箒は右の刀である、雨月を空の彼方へ振るう。

 

 

箒『雨月、いくぞ!』

 

箒『はっ!』

 

 

箒が振るった雨月から無数の紅い光線が空の彼方へ真っ直ぐに飛んでいき、途中に雲の塊があったがそれを簡単に霧散させた。

 

 

箒『ほお……』

 

 

箒は雨月のあまりの性能にド肝が抜かれ声を漏らした。

そして、篠ノ之束は量子変換してあった、多連装ミサイルを箒に向けてぶっ放した。

 

 

束「いいねいいね!次はこれを打ち落としてみてね!」

 

 

箒はミサイルを紅椿の飛行速度で回避し、左の刀である、空裂の一振りでミサイルを一掃する。

 

 

ラウラ「やるな」

 

一夏「すげえ……」

 

束「うんうん、いいねいいね!フハハハハ」

 

 

篠ノ之束は箒の乗る紅椿の出来に満足なのか、無邪気な笑顔で笑っている。

 

箒『やれる!この、紅椿なら……』

 

 

真耶「た、大変です!」

 

 

いきなり、旅館の方から山田先生の切羽詰まった声が聞こえ、声がする方を向くと、そこにはジャージ姿でこちらに走ってくる山田先生がいた。

 

 

真耶「織斑先生!これを……」

 

 

山田先生はそのまま、織斑先生に何かの端末を見せる。すると、織斑先生の顔が険しくなった。

 

 

千冬「特命任務レベルA、現時刻より対策を始められたし……。テスト稼働は中止だ。お前たちにやってもらいたいことがある」

 

 

何やら、不穏な出来事が起こるようだ。

 

 

 

 



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第23話

紅椿のテストのあと、俺たち専用機持ちは旅館に戻り。いろいろな機械が置いてある、なんちゃってブリーフィング室のような部屋に集まっている。

 

 

千冬「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあった、アメリカとイスラエルの共同開発の第三世代型のIS【シルバリオ・ゴスペル】、通称【福音】が制御下を離れて暴走、監視空域を離脱したとの連絡があった」

 

千冬「情報によれば、無人のISとのことだ」

 

一夏「無人……」

 

千冬「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2km先の空域を通過することがわかった。時間にして50分後、学園上層部の通達により、我々がこの事態に対処することになった」

 

千冬「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

一夏「は、はい!?」

 

ラウラ「つまり、暴走したISを我々が止めると言うことだ」

 

一夏「マジ?」

 

雷真「マジだ、一夏」

 

一夏「なんで、雷真は驚かないんだよ!」

 

雷真「俺は似たようなことを過去に何度も経験したからな」

 

一夏「マジかよ……」

 

 

千冬「それでは作戦会議を、と言いたいところだが……。黒牙、お前には他の作戦を行ってもらう」

 

雷真「他の作戦?」

 

千冬「コイツを見てくれ」

 

 

織斑先生は中央のスクリーンにある映像を映しだした。スクリーンには"あちら側(コズミック・イラ)"の機体であるザクが五機、グフが一機。それも全てカラーリングがされており、ワンオフ機だと直ぐにわかった。

 

 

雷真「なっ!?なんで、あの機体が!」

 

千冬「やはり、驚くか。この機体も"あちら側(コズミック・イラ)"の機体なのだろう?」

 

雷真「はい!なので、今から自分はIS学園の黒牙雷真ではなく、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属の黒牙雷真中尉として、その任にあたります」

 

 

俺は席を立ち上がり、オーブの敬礼をしながら、織斑先生に向けて言った。

 

 

一夏「雷真が……」

 

鈴「軍人……」

 

セシリア「信じられませんわ……」

 

ラウラ「雷真、お前が軍人だったとはな……」

 

千冬「了解した。黒牙中尉には、未確認ISの対処に当たってもらう」

 

雷真「はっ!」敬礼

 

一夏「千冬姉!雷真が軍人って、どういうことだよ!?」

 

千冬「その話は後だ。それでは改めて作戦会議を始める、まずは福音からだ。意見がある者は挙手するように」

 

セシリア「はい!目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

千冬「ふむ。だが、決して公開するな。情報が漏洩した場合、諸君らには査問委員会の裁判と最低でも二年の監視が付けられる。また、黒牙が担当する未確認ISは黒牙以外は詳細なスペックデータは知らない」

 

セシリア「何故ですか?」

 

千冬「あの未確認ISは我々と別の世界の代物だからだ」

 

セシリア「別の世界って…………」

 

鈴「そんな漫画の話じゃ……」

 

ラウラ「いや、教官が言っていることは本当かも知れんぞ?雷真の乗る、ストライクには実剣実弾兵器を無力化ができる装甲に、多種多様なビーム兵器。これが別の世界で作られた物ならば辻褄が合うはずだ」

 

雷真「さすがはラウラ。軍人として、冷静に状況を認識したな」

 

ラウラ「当たり前だ」

 

セシリア「……未確認ISはわかりました」

 

千冬「よし。それでは山田くん、頼む」

 

真耶「はい」

 

 

山田先生の操作により、中央のスクリーンに福音の詳細スペックデータが映しだされていく。

 

 

セシリア「広域殲滅を目的とした、特殊射撃型……。私のISと同じ、オールレンジ攻撃が行えるようですわね」

 

鈴「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ……」

 

シャル「この特殊武装がくせ者って感じがするね。連続しての防御は難しそうだね。」

 

ラウラ「このデータだけでは格闘性能が未知数。偵察は行えないのですか?」

 

千冬「それは無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だ」

 

真耶「一回切りのチャンス……。っということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

 

 

山田先生の言葉に専用機持ちは一様に一夏に目線を向ける。

 

 

一夏「うんうん、えっ!?」

 

鈴「アンタの零落白夜で墜とすのよ」

 

セシリア「それしかありませんね。雷真さんは未確認ISの担当ですから。ただ、問題は……」

 

シャル「誰が、どうやって、一夏を運ぶかだけど……。エネルギーを全て攻撃に使わないと難しいだろうから、移動をどうするか?」

 

ラウラ「目標に追い付ける速度が出せるISでなければいけないな……。超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

 

一夏「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺が行くのか?」

 

 

「「「「当然!」」」

 

 

女性陣の皆様は満場一致で一夏にそう答えた。

 

 

一夏「ユニゾンで言うな!」

 

千冬「織斑、これは訓練ではない……実戦だ。もし、覚悟がないなら無理強いはしない」

 

一夏「やります。俺がやってみせます」

 

千冬「それでは、この中で最高速度が出せる機体は…………」

 

???「待った、待った!」

 

 

天井から何やら天災の声が聞こえたと思ったら、本当に居たよ。この天災のウサギ……。

 

 

束「その作戦はちょっと待ったなんだよ」

 

一夏「また出た……」

 

雷真「神出鬼没だな、あの人は……」

 

そして、天井からくるりと回転しながら畳に着地。そのまま、脱兎の勢いで織斑先生にかけよる。

 

 

束「ち~ちゃん、ち~ちゃん!もっと良い作戦が私の頭の中で ナウプリンティング!」

 

千冬「出ていけ!」

 

束「聞いて、聞いて!ここはだーんぜん紅椿の出番なんだよ!」

 

千冬「何?」

 

束「紅椿は束さんが開発したIS中で最速を誇るんだよ。展開装甲ってやつで爆発的に加速するしね」

 

千冬「ふむ………わかった。福音の方は織斑、篠ノ乃の二名でいく。次に黒牙の方の作戦だが……黒牙、皆に未確認ISのスペックデータを説明してほしい」

 

雷真「わかりました」

 

 

織斑先生の指示でストライクから未確認ISのスペックデータを部屋の中心に出現させる。

 

 

 

 

~BGM:出撃!インパルス~

 

 

 

 

 

雷真「それでは説明する。まず、俺は過去に二年間行方不明になっているが、実際は異世界で四年間も過ごし、本当の戦争を二度、経験している」

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

俺の言葉に、刀奈、簪、織斑先生、山田先生の四人以外は信じられないと顔をしているが二人だけ違った。それはラウラと篠ノ乃束だ。

 

 

雷真「そして、スクリーンに映しだされている機体だが、名前は【ZGMF-1000 ザク】、【ZGMF-1001 ザクファントム】、【ZGMF-2000 グフイグナイデット】。元々、ザクのカラーリングは緑で、グフイグナイデットが水色なのだが、一機を除いた五機を見るに、どれもワンオフ機としてカスタムされた機体のようだ」

 

雷真「ザクの基本装備、『ビーム突撃銃』が一丁、『対ビームシールド』が1つ、またビームシールドの内に収納されている『ビームトマホーク』が一本、そして腰に装備されている、『ハンドグレネード』が4つ。しかし、この他にストライクと似た換装システムによって装備が異なる、システムの名前はウィザードシステム」

 

刀奈「ストライクと同じ……」

 

簪「万能機……」

 

雷真「まずは、ブレイズウィザード、こいつはザクの背中にストライクのエールを取り付けたような機動型のウィザード。武装は背中のウィザードに備え付けられている、『ファイヤビー誘導ミサイル』が28発。これは緑色の奴がそれだ」

 

雷真「次に、ガナーウィザード、これはランチャーと同じ、砲戦型ウィザードだ。武装は『オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲』だけだ。これはランチャーのアグニに匹敵する威力を持っている。これは赤と黒の機体がそれだ」

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

鈴「うそ……」

 

ラウラ「アグニに匹敵するだと……」

 

雷真「最後に、スラッシュウィザード、これはソードと同じで近接格闘型のウィザードだ。武装は背中に備え付けられている、『ハイドラガトリングビーム砲』が二門、『ファルクスG7ビームアックス』が一本だ。ビームアックスは易々とストライクの対ビームシールドを切り裂く程の切れ味がある。これは水色の機体がそれだ」

 

箒「あのシールドを易々と……」

 

雷真「次はグフだ。武装は対ビームシールドの中に収納されている、『テンペストビームソード』が一本。次に両前腕部に収納されている、格闘用鞭の『スレイヤーウィップ』。最後は両前腕部に内臓されている、『ドラウプニル4連装ビームガン』。これは黄色の機体がそれだ。」

 

雷真「他にはストライクのように実剣実弾を無効化する装甲はない、あとはザクたちもISとして改造されているのか、本来なら支援空中飛翔体の『グゥル』がないと長時間の飛行は出来ないという欠点が改善されている様だ。また、これは俺の憶測だが、どの機体も無人機だとは思うが、俺が二度の戦争で戦ったことのあるパイロットの戦闘データが組み込まれている可能性があるかも知れない」

 

刀奈「ということは、その六機は……」

 

シャル「雷真と同じくらい、強いってこと……?」

 

雷真「いや……もしかしたら、俺以上だ。それにどの機体もスペックはストライクより上だ」

 

簪「そんな……」

 

雷真「だから、これは俺、一人でやる」

 

刀奈「バカ言わないで!なんで、雷真が一人で行くのよ!?雷真が行くなら私も行くわ!」

 

雷真「刀奈、お前……」

 

簪「私も!」

 

シャル「僕も!」

 

雷真「お前ら、まで……」

 

鈴「しょうがない、私も雷真の作戦に参加するわ」

 

ラウラ「私もだ」

 

雷真「なんで……」

 

ラウラ「私はお前に少し恩があるからな」

 

鈴「私はどうせ、一夏の役にたてないから、参加するだけよ。それに私も雷真には恩があるし」

 

セシリア「私も雷真さんには恩義がありますわ。だから、私も参加いたしますわ」

 

雷真「これは遊びや訓練でも無い。本当の死が間近に迫りくる作戦なんだぞ!?」

 

鈴「わかってる。前に雷真に怒られた意味も理解した。そして、あの時、なんで雷真が怒ったのも今、理解した」

 

セシリア「ですから、あの時とは違いますわ」

 

千冬「それでは黒牙の作戦には、織斑と篠ノ乃以外のメンバーで当たってもらう。いいな?」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

千冬「作戦開始は30分後、各員準備にかかれ」

 

 

 

織斑先生の号令で各自、自分の機体を調整しに行くが、俺はセシリア、鈴、ラウラを呼び止めてあることを頼んだ。

 

 

 

雷真「三人に頼みがある。もしもイレギュラーが発生したら~~~~~ってくれ。頼む」

 

ラウラ「貴様、それは本気で言っているのか!?」

 

雷真「ああ、本気だ」

 

ラウラ「そうか……わかった!」

 

雷真「ぐっ!!」

 

 

ラウラは俺の頼みを了承し、そのまま歩き出すと見せかけて俺に腹パンを一つ入れた。

 

 

ラウラ「これは、シャルロットの分だ」

 

 

ラウラはシャルロットと親友であるため、俺の頼みはシャルロットを悲しませると理解したようだ。

そして…………。

 

 

鈴「これは、簪の分よ!」

 

雷真「かはっ!!」

 

 

鈴も簪と仲が良くなっているため、ラウラと同じように簪を悲しませるとわかったようで、俺の腹に一撃を入れた。

 

 

セシリア「これは、刀奈さんの分ですわ!」

 

 

セシリアは刀奈と色々と話しをして鈴と簪のように仲が良くなったみたいで、二人とは違い。ビンタを喰らった。

 

 

雷真「いっつううう」

 

 

三人はそれぞれ、俺に一撃を入れたあとは機体の調整に向かって行った。

部屋に戻ると刀奈たちが話しがあると言われた。

 

 

雷真「話しってなんだ?」

 

刀奈「雷真……貴方、一人で三機を相手する気でしょ?」

 

雷真「ああ……そのつもりだ」

 

簪「やっぱり……」

 

シャル「止めても、無駄……なんだよね?」

 

雷真「ああ。 本当なら俺があの六機、全てを破壊しなちゃいけないんだけどな」

 

 

俺は天井に顔を向けて、息を吐く。

 

 

刀奈「なら、これだけは約束して」

 

雷真「…………」

 

刀奈「もしも、何かあっても必ず、私たちの下に帰ってきて!」

 

雷真「…………」

 

刀奈「もう、雷真がいない生活は嫌なの!」ポロポロ

 

 

刀奈は俺が行方不明になって二年間の生活を思い出してしまったのか泣き出してしまった。

 

 

簪「私もお姉ちゃんと同じかな」

 

シャル「僕も、雷真がいない生活は考えたくないな」

 

雷真「わかった。その約束、なんとしても守るよ」

 

 

準備時間の30分が過ぎ。時刻は11時30分。各自、砂浜で集合して、ISを展開する。

 

 

雷真「いくぞ!」

 

「「「おう!(ええ!(ああ!」」」

 

 

そして、みんな空へ向けて飛ぶ。

 

 

雷真「黒牙雷真。ストライク、行きます!」

 

 

俺が終わらせないといけないんだ。この世界で………刀奈や簪、シャルロット。それに、皆がいる、この世界で戦争なんか起こさせてたまるか!

 

 



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第24話







未確認IS撃墜のために花月荘の砂浜からISを展開して、未確認ISである、ザク、ザクファントム、グフに向けて飛行する。また、ストライクの装備はエールだ。

 

 

雷真「各機に伝達。今回は本当の死線だと思ってくれ。そのため、刀奈と簪はグフを、シャルロットとラウラは赤いのを、鈴とセシリアは白いのを、それぞれツーマンセルで一機ずつ当たってほしい」

 

刀奈「やっぱり、雷真は三機なのね……」

 

雷真「ああ。俺が相手をするのは緑と水色、黒の三機だ。この三機は他の三機と比べてかなり強い」

 

雷真「シャルロットとラウラは赤いザクのオルトロスには絶対に当たるなよ」

 

シャル「わかった」

 

ラウラ「心得た」

 

 

シャルロットとラウラにガナーザクの一番脅威である、オルトロスを必ず回避するよう念を押す。

 

 

千冬『各機、聞こえるか?』

 

 

「「「はい!」」」

 

 

千冬『あと、約30秒後に未確認ISと接触する。気を引き締めろ!』

 

 

 

 

 

 

 

~BGM:ミッション開始~

 

 

 

 

 

 

 

織斑先生からのザクたちとの接触時間を聞いたあと直ぐにストライクのハイパーセンサーの危険アラームが鳴った。

 

 

雷真「!!」

 

雷真「全機、回避!!」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

何とか俺の叫びで回避が間に合うが、俺たちが居たであろう場所に赤と白が混ざりあった太いビームが二本流れた。

 

 

刀奈「今のは……?」

 

雷真「間違いない、ガナーウィザードのオルトロスだ」

 

鈴「あんな距離から……」

 

雷真「オルトロスは設計上、超遠距離からの砲撃を目的に作られてるからな……」

 

雷真「悪いが先に行く!ガナーウィザードを一機だけ抑える。あとの指揮はラウラに一任する」

 

刀奈「ちょっ、雷真!?」

 

鈴「あ~もう!」

 

 

俺はストライクのセーフティを全て解消して一気にザクたちに向けて加速し、高速切替(ラピッド・スイッチ)で装備をエールからIWSPに換装する。エールみたいにビームでエネルギーを使うより、フェイズシフト装甲を持たないザクやザクファントム、グフには実弾実剣兵器が多いIWSPが最適だと判断した。他には、エールの時にビームで消費するエネルギーをIWSPなら全て推進力に回せると判断した。

他には、この六機を墜としたら、直ぐに一夏の加勢に行くためだ。

 

 

雷真「さぁ、相手をしてもらうぜ?アスラン、イザーク、ディアッカ!」

 

 

緑のブレイズザク、黒のガナーザク、水色のザクファントムの三機にコンバインドシールドのガトリングガンで牽制しながら他のザクたちと距離を取らせる。

 

 

雷真「やっぱり、アーモリーワンの強奪事件からの戦闘データを元にしているか…………。」

 

 

やはり、三人は連携が上手い。こちらがガトリングガンやレールガンの遠距離兵器を撃てば、イザーク機が対ビームシールドで防ぎ、その隙にディアッカ機がオルトロスを放ってくる。

逆に近接に持ち込めば、アスラン機がビームトマホークで攻撃を捌き、その隙にイザーク機が背中のハイドラガトリングビーム砲でこちらを狙ってくる。

 

 

雷真「クソッ!本当に厄介だな」

 

 

そんな愚痴をこぼしながら、戦闘を続けていると刀奈からオープンチャンネルの通信が入る。

 

 

刀奈『雷真、聞こえる?』

 

 

雷真「どうした?」

 

 

刀奈『どうやら、このグフとかいう奴にはSEがないみたい。それにそこまで強くもないみたい』

 

 

雷真「はあ?」

 

 

三機から放たれるビームを回避しながら、刀奈の言葉に質問する。

 

 

雷真「どういうことだ?」

 

 

刀奈『さっき、グフの攻撃をナノマシンで防いでる隙に簪ちゃんが山嵐を撃ったの。そしたら、そのうちの何発がグフに命中してマニピュレータが一つ使えなくなったの』

 

鈴『こっちも刀奈と同じよ。セシリアのレーザーが白い奴の肩や足に当たったわ』

 

ラウラ『こちらも、シャルロットのサブマシンガンが何発もザクに命中しているが決定打にはなっていないようだ』

 

 

雷真「ってことは……。SEを推進力か武器の威力に回しているのか?それに戦闘データも……」

 

雷真「だとなると、持久戦が有利か……」

 

 

俺は三機にビームを無駄撃ちさせるように近接と遠距離を交互に攻める戦法に変えた。するとアスラン機のビーム突撃銃が弾切れを起こしたのか対ビームから替えのマガジンを出そうするがそれをさせるほど俺は甘くない。

 

 

雷真「そこだ!」

 

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)でアスラン機に近付き、対艦刀でマニピュレータを切り落とそうとするが……。やはら、近接はアスランのデータを持っている、アスラン機に対ビームシールドで防がれてしまう。

 

 

雷真「やはり、近接はアスランが有利かよ」

 

 

量産機で無人機とはいえど、中身はエース級パイロットのデータが搭載されている機体、操縦技術の差が出てくる。

 

 

雷真「なんとかしないと……」

 

雷真「ん?無人機にデータ?もしかして……」

 

 

俺は機体特有の発想、誰しもが思い浮かぶであろう発想をザクたちから放たれるビームを回避しながらプライベートチャンネルでセシリアに確認することにした。

 

 

雷真「セシリア、聞こえるか?」

 

 

セシリア『なんですの?』

 

 

雷真「戦闘中にすまない。クラス対抗の時の無人機はセシリアの射撃にどう対応していたか知りたいんだ」

 

 

セシリア『あの時は、急なことに反応が…………ッ!!』

 

セシリア『………無人機だから?』

 

 

雷真「それは分からないが、それが有効かどうか、こちらで試してみる」

 

 

セシリア『分かりましたわ。こちらでも試してみます』

 

 

雷真「何かあったら連絡を頼む」

 

 

セシリア『了解』

 

 

セシリアとの通信のあと、一か八かで海面スレスレまで降下し、滑るように海面で回避行動をしながら三機を誘う。

 

 

雷真「これなら、どうだ!」

 

 

こちらを追尾してくる三機の少し前に単装砲を撃ち、それをレールガンで爆発させ、海面から大きな水しぶきを上げさせる。これにより、無人機の三機は急なことに対応が少し遅れる。

 

 

雷真「いっけえええええっ!!」

 

 

その隙に三機に対して、ガドリングガンとレールガンを連射する。連射した何発がディアッカ機のオルトロスに命中し、爆発。

それにより、ディアッカ機の右腕が肩から破損する。

 

 

雷真「よし、いける!」

 

 

水しぶきが止むとイザーク機がビームアックスを腰から引き抜き、振り下ろして来るのでコンバットシールドに備え付けられているビームブーメランを短剣代わりに使い、ビームを干渉させながら受け止める。その際、ビームアックスとビームブーメランの間にプラズマが飛び散る。

 

 

雷真「隙ができたな」

 

 

イザーク機はそのビームアックスの重さに両手を使う必要がある。また、ビームアックスは上から振り下ろしているため、スラッシュウィザードの武装である、ハイドラガドリングガンが使えないのである。

そこへ俺はストライクの内蔵武装のイーゲルシュテルンでイザーク機のメインカメラを破壊する。

 

 

雷真「よし」

 

 

メインカメラを破壊すると、イザーク機の腹部へ蹴りを入れて、一度後退する。そして、体制が整ったらイザーク機に向けて、ディアッカ機と同じようにレールガンと単装砲を連射する。

 

しかし、狙い撃ちされるはずのイザーク機の前にアスラン機が対ビームシールドを前にしてイザークを守るようにレールガンと単装砲の射線に入ってきたのだ。

 

 

雷真「なっ!?」

 

 

いくら、本人のデータが内蔵されているとはいえ、自分を犠牲にしてまで仲間を守るのは無人機ではありえないはず……なのに……。

 

 

雷真「まさか、そこまで学習しているのか?」

 

 

あまり考えたくはないがアスランたちの戦闘データだけでなく、学習するAIがこのザクたちに搭載されているのであれば、非常に厄介だ。

 

 

雷真「けれど、イザークの方はメインカメラがやられてるんだ。そこまで脅威にならないは…………ッ!?」

 

 

イザーク機がメインカメラをやられたことで、そこまで脅威ではないと安心しているとストライクのハイパーセンサーの危険アラームが鳴る。

 

 

雷真「下だと!?」

 

 

先ほどの急なことに対応しきれずに右腕を失ったはずのディアッカ機がいないことに気が付かずに、ビームトマホークを左手で持ち、海水の中から出てくるディアッカ機の攻撃に対応が遅れ、コンバットシールドのガドリングガンがビームトマホークに切断されてしまう。

 

 

雷真「しまっ……!!」

 

 

ガドリングガンを切断されたので慌てて左腕からパージする。そして、パージされたコンバットシールドは爆発する。

その爆発により、ストライクのバッテリーが少し削られてしまった。

 

雷真「まさか、あの状態でまだ動けるとはな……」

 

 

また、爆発したコンバットシールドの爆煙からビームが飛んでくる。これは、アスラン機のビーム突撃銃だ。

 

 

雷真「さすがはフェイスって所かよ!」

 

 

メインカメラがやられてた、イザーク機もアスラン機、ディアッカ機から俺の位置情報を得ているのか、ハイドラガトリンガンを撃ってくる。

 

 

雷真「チッ!」

 

 

流石にこれ以上時間をかけるのは刀奈たちが心配なので瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い。IWSPのレールガンと単装砲をイザーク機に向けてフルバーストする。

これにより、イザーク機は至近距離でIWSPの砲撃を受け、撃墜。

残りは、アスラン機とディアッカ機だが、侮れない。

 

 

雷真「残り、二機!」

 

 

弾切れをしているIWSPから一気に二機共に仕留めたいのでマルチプルアサルトに換装する。

出来るだけ、アグニやビームライフルを使わずに近接で攻めるため、シュベルトゲベールとイーゲルシュテルンとマイダスメッサーのみで戦う。

 

 

雷真「ハアアアアッ!!」

 

 

シュベルトゲベールでアスラン機に斬りかかりながら、ハイパーセンサーでディアッカ機を追いながら、アスラン機の後ろにディアッカ機が回った所でイーゲルシュテルンを放つ。

それを何回か繰り返していると刀奈と簪のペアから通信が飛んでくる。

 

 

刀奈『雷真、こっちは終わったわよ?』

 

簪『そっちに加勢した方がいい?』

 

雷真「こっちよりも、セシリアたちの援護を頼む」

 

刀奈『分かったわ。あまり、無茶はしないでね』

 

 

雷真「分かってる」

 

 

通信が終わると先ほど同じようにアスラン機のビーム突撃銃を回避しながらシュベルトゲーベルで切り掛かろうとすると、アスラン機は左肩に装備されている対ビームシールドからビームトマホークを引き抜き、シュベルトゲーベルのビーム刃とビームトマホークのビーム刃でつばぜり合いになる。

 

これにより、シュベルトゲーベルとビームトマホークの間でビーム刃同士がぶつかり合いプラズマが飛び散る。

互いにビーム刃の脆い場所を探して、自分の得物を動かす。

 

それを何度もしていると後ろから危険アラームが鳴る。

 

 

雷真「またかよ!?」

 

 

後ろからの攻撃を回避するために、アスラン機に向けてイーゲルシュテルンでメインカメラを狙い、引き剥がす。

そして、後ろから攻撃してくるであろう輩の正体はディアッカ機だと分かっているため、ディアッカに、脚部のスラスターだけを強く噴かせ、逆上がりの要領で前後を反転させ…………。

 

 

雷真「おらぁぁぁっ!!」

 

 

オーバーヘッドキックのように後ろからくるディアッカ機に蹴りを入れる。蹴りを受けた、ディアッカ機はそのまま海面に向かって落下していくので、アグニの照準を合わせ、放つ。

これにより、残るはアスラン機のみだ。

 

 

雷真「残るは、お前だな。アスラン!」

 

 

ディアッカ機を撃破したあと、雷真はアスラン機と睨み合う形で宙に浮いたままでいる。そして、互いに出方を見ていると、両者共に同じタイミングで突撃する。

 

 

雷真「ハアアアアッ!!」

 

 

両者は先ほど同じように何度もビーム刃を高速で移動しながら交える。しかし、やはり無人機では雷真が操るストライクに負ける。

それは、ディアッカ機にもやった様にフェイク技だ。

雷真はアスラン機とビーム刃を交えるギリギリのところで瞬時加速(イグニッション・ブースト)で後退し、左肩に装備されている、マイダスメッサーを引き抜き、アスラン機に目掛け投擲する。

 

アスラン機は雷真から投擲された、マイダスメッサーをビームトマホークで弾くがそれが決定な隙になった。

そんな、絶好の隙を雷真は見逃ずにアグニを放つ。

それにより、アスラン機は撃墜。

 

 

雷真「よし、終わったな」

 

 

アスラン機、イザーク機、ディアッカ機の計三機のザクを倒し終わると刀奈たちから通信が飛んでくる。

 

 

刀奈『雷真。こっちは全部倒したわよ』

 

 

雷真「こっちも今終わったところだ」

 

 

そんな、通信で雷真と刀奈は安堵していると…………

 

 

箒『一夏!一夏!』

 

 

 

「『『『『!?』』』』」

 

 

オープンチャンネルで箒が一夏の名前を叫ぶ声が雷真たちに届く。

 

 

雷真「箒、どうした!?一夏に何があった!?」

 

 

雷真もオープンチャンネルで箒に通信を送るが返信が返って来ない。

 

 

雷真「クソッ!」

 

雷真「全機、これより一夏と箒のバックアップに向かう!」

 

 

『『『『了解!』』』』

 

 

刀奈たちと合流し、全機で一夏と箒のバックアップに向かう雷真たち。しかし、その途中で一本の赤と白が混ざり合ったビームが刀奈を襲う。

 

 

雷真「!?」

 

雷真「刀奈ぁぁぁぁあ!!」

 

刀奈「えっ?」

 

 

雷真はビームが刀奈に当たる前に瞬時加速(イグニッション・ブースト)を連続行い、二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)で刀奈の前に躍り出て、ソードストライカーの対ビームシールドでビームを弾く。

 

 

雷真「刀奈、大丈夫か?」

 

刀奈「え、ええ……」

 

雷真「それにしても、一体何処から……ッ!?」

 

 

雷真は刀奈に目掛けてビームを放った犯人を探しているとハイパーセンサーのレーダーに新たに四機の熱源が確認された。

それは…………【ZGMF-X88S ガイア】、【ZGMF-X24S カオス】、【ZGMF-X31S アビス】、【ZGMF-X23S セイバー】の四機だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第25話





何処からか刀奈を目掛けて放たれたビームを対ビームシールドで弾いた雷真はストライクのレーダーで敵機を探すとレーダーには四機の熱源が探知された。

それは…………

 

 

雷真「ガイア、カオス、アビス。それに…………セイバー」

 

 

その四機がハイパーセンサーで目視できる距離まで近付いてくると雷真はセシリア、鈴、ラウラにある指示を出す。

 

 

雷真「セシリア、鈴、ラウラ!イレギュラーだ、例の約束を頼む!」

 

 

そう言って雷真は再び、ストライクのスラスターを一気に噴かし、ガイアたちに向かう。

 

 

セシリア「わかりましたわ……」

 

鈴「分かったわ……」

 

ラウラ「了解……」

 

 

三人は仕方ないと分かっていても、約束を守るために刀奈、簪、シャルロットに抱き付き、自分たちから逃がれられないよう拘束して、戦線を離脱する。

 

 

刀奈「ちょっ!セシリアちゃん!?」

 

簪「鈴!?」

 

シャル「ラウラまで!?」

 

セシリア「申し訳ございませんわ、刀奈さん」

 

鈴「ごめん、簪」

 

ラウラ「すまない、シャルロット」

 

 

刀奈、簪、シャルロットの三人はセシリアたちによる拘束を解こうとするが上手くいかない。

 

 

刀奈「セシリアちゃん、離して!まだ、雷真が!?」

 

簪「そうだよ、雷真がまだ!」

 

シャル「何で、こんなことするのさ!?」

 

セシリア「それは…………」

 

ラウラ「これは雷真の願いだからだ!」

 

刀奈「雷真の?」

 

ラウラ「雷真は出撃する前に言っていたんだ」

 

 

 

 

~回想~

 

 

 

 

 

雷真『三人に頼みがある。もし、イレギュラーが発生したら。俺を置いて、刀奈たちを連れて逃げてくれ。頼む』

 

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

 

ラウラ「…………とな」

 

シャル「そんな…………」

 

簪「そんなことって…………」

 

刀奈「いや、いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ダメ!行かせちゃ、ダメ、絶対にダメよ!今、彼を行かせたら…………帰って来ない気がするから。

 

 

刀奈「雷真!らいしぃぃぃぃぃん!!」ポロポロ

 

 

刀奈は泣きながら雷真の名前を叫ぶが刀奈の目に映るのは新たな未確認機体に一人で挑もうと突撃する雷真の姿だけだった。

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

~BGM:狂気の果て~

 

 

 

 

 

 

セシリア、鈴、ラウラに刀奈たちを任せた雷真は一人でセカンドステージのエース機に挑んでいた。

 

 

雷真「まずは、刀奈たちから離さないと!」

 

 

雷真はザクやグフ、ザビのような量産型MS(モビルスーツ)が、この世界に存在しているだけでも困惑しているのにも関わらず、今回はセカンドステージのエース機で、尚且つ、ストライクから派生した特殊装甲、VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲を持つ機体が四機。

また、その四機の性能はキラ・ヤマトが乗っていた、フリーダムの性能に近付けているため、ファーストステージのストライクとの性能差は明らかである。

 

 

雷真「こっちだ!来い!」

 

 

雷真は、【ガイア】、【カオス】、【アビス】、【セイバー】の四機を刀奈たちと花月荘にいる、IS学園の生徒たちを守るためにかなり離れた場所にある孤島で一人で戦うために誘導する。

 

誘導している際に花月荘に居る、千冬から雷真へ緊急通信が飛んでくる。

 

 

千冬『黒牙!何故、お前だけ此方の帰投ルートから外れている!?』

 

 

雷真「すみません。現在、新たな未確認機体、四機と交戦。それも、よりによって"あちら側(コズミック・イラ)"のエースの専用機です!」

 

 

千冬『専用機だと!?』

 

 

雷真「念のため、四機の内の一機のデータを送ります!」

 

 

雷真は千冬に四機の内のカオスのデータを送ろうとするがカオスとセイバーの二機はMA(モビルアーマー)形態になりビーム攻撃を始める。

 

 

雷真「クソッ!」

 

 

千冬『どうした!?』

 

 

雷真「未確認機体からのビーム攻撃です!すみませんが通信を切ります」

 

 

千冬『待て!黒き……』

 

 

雷真は千冬の通信を一方的に切り、カオスとセイバーからのビーム攻撃を回避、または対ビームシールドで弾きながら千冬へ、カオスのデータを送る。

 

 

雷真「よし!データの送信完了。これで、戦闘に集中できる。けれど、ストライクで何処まで耐えられるか………」

 

 

ストライクのバッテリーはマルチプルアサルトのバッテリーパックは残り4つ。

他に使えるのは、バッテリーしか残ってないソードとオオトリ。それと武装の弾丸が無く、宿に戻る程度しかバッテリーが残っていないIWSP。

 

現在の武装で何処までカオスたちと殺り合えるかを考えていると左方向から三本のビーム、また下からは多数のビームが飛んでくる。

 

 

雷真「次はガイアにアビスのビーム攻撃か!」

 

 

ガイアとアビスのビーム攻撃をバレルロールやスプリットSで回避しながら海面にいるであろうアビスにバルカン砲で牽制しながら孤島に向けてスラスターを噴かす。

 

 

雷真「もう少し!」

 

 

スラスターを全開で飛ばしているが、性能差があるため、次第にカオス、セイバーのビームがエールストライカーパックの両翼に掠り始める。

 

しかし、それだけはなく海中ではMA(モビルアーマー)形態に変形したアビスが雷真の進行する方向に先回りし、海中から海面に出て、3連ビーム砲2門、カリドゥス複相ビーム砲、バラエーナ改2連装ビーム砲が襲ってくる。

 

 

雷真「クソッ、数が多い!?」

 

 

アビスから放たれる、計10門のビームを回避する。しかし、それが罠だとは雷真は直ぐに理解した。何故なら、回避した方向はセイバーの真ん前だからだ。

 

 

雷真「誘い込まれた!?クソッタレェェェェ!!」

 

 

セイバーはMA(モビルアーマー)形態のまま、雷真目掛け、アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲2門が放たれた。

雷真は最早回避は不可能、防御してもアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲の威力では防ぎ切れないと判断し、ランチャーパックのアグニで完全に相殺出来なくとも逸らすくらいならと思い放つ。

 

 

雷真「ぐぅぅぅぅ!!」

 

 

なんとか二発の内、一発は相殺。しかし、もう一発は逸らしは出来たものの残りがアグニに半分当たり爆発する。その爆発により、バッテリーが削られバッテリーパックが残り3つになってしまった。

 

 

雷真「このまま、じゃあ……」

 

 

続けて、カオスがファイヤーフライ誘導ミサイルを撃ってくる。雷真は誘導ミサイルをイーゲルシュテルンで迎撃。誘導ミサイルはイーゲルシュテルンで爆発し、爆煙が発生する。

 

 

雷真「次は…………」

 

 

爆煙でカオスを見失っていると爆煙の中から大量の実弾の雨が雷真に降り注ぐ。それはセイバーとカオスの武装であるCIWSだ。

 

 

雷真「ヤバイ、装甲が!?」

 

 

あまりのCIWSの量でソードの対ビームシールドでも防ぎ切れずにストライクのバッテリーが急激に減少し、やがてフェイズシフトダウンを起こしてしまった。

だが、それだけならよかったのだが、運が悪いことに先ほどのアグニの爆発でエールストライカーまで被弾したようだ。

 

 

バチバチバチバチ!!

 

 

ボンッ!

 

 

 

雷真「スラスターまで!?」

 

雷真「グアアアアアアアッ!!」

 

 

 

先ほど、カオスとセイバーのビームを擦った際にエールストライカーがおかしくなったのかスラスターが爆発。そして、スラスターが完全停止をしてしまい、雷真は空中で身動きが取れない状態になる。

 

 

雷真「オオトリ!」

 

 

雷真はオオトリを|高速切替《ラピッド・スイッチ》ではなく、コールで呼び出し換装する。すると灰色だった装甲が新たな電力を得たことにより装甲の色が灰色からトリコロールカラーに変わる。そして、カオスたちの攻撃網から脱出するために対ビームシールドを構えながらオオトリのスラスターを全開にする。

カオスたちの射程範囲から離脱に成功すると雷真は孤島に向かいながら反撃をする。

 

 

雷真「お返しだ!」

 

 

雷真はオオトリのレールガンとビームランチャーとビームライフルでカオスたちを狙うがやはりセカンドステージとファーストステージの専用機とでは性能差があるためか、なかなか思う様に攻撃が当たらない。

 

 

雷真「当たらない!?」

 

 

カオスたちと攻防を繰り返しながら、なんとか孤島に到着した雷真はアビスを海中ではなく地上に誘うように孤島にある森の中へと入る。

 

 

雷真「よし、このまま」

 

 

それを追いかけるようにガイア、カオス、アビスがMS(モビルスーツ)形態で追撃してくる。セイバーはMA(モビルアーマー)形態のまま空から索敵をしているようだ。

 

 

雷真「何処か身を隠せるところで武装の確認をしたいな」

 

 

雷真は森の中へ入るとオオトリをストレージに戻し、装備をソードへ換装し、木々の陰に隠れながら身を隠せる場所を探す。すると孤島の中央に山があり、その中へと繋がる洞窟入り口を見つけた。

 

 

雷真「行くか」

 

 

スラスターを噴かさずに自力でゆっくりと足音を立てないように歩きながら洞窟の入り口へと足を踏み入れる。

 

ストライクのツインアイで洞窟内を照らしながら奥へと進み。ある程度まで入ったら大きな岩を盾にするようにして腰を落とす。

 

 

雷真「残り武装とSEは…………」

 

 

ホロウウィンドウを出し。現在、使用できる武装を確かめていく。

 

 

雷真「ビーム兵器はバッテリーがあればなんとかなる。大鑑刀はソード、オオトリの二本。ビームシールドはソードとエールで二つ。あとアグニ以外のランチャーパックにガトリング砲にバズーカランチャー。他はオオトリの武装か……。SEは何回も瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使ったから残り5割か……」

 

雷真「それにしても、何であの四機があるんだよ。あの四機はキラとシンが墜としたはずだ。なのに、なんで?」

 

雷真「考えられるのは3つ。1つ、俺と同じように"こちら側"から|あっち側《コズミック・イラ》"に行って帰ってきた奴が作り上げたか。2つ、俺のケースとは違い、"あちら側(コズミック・イラ)"から来て作り上げたケース。3つ、元々、この世界にあの四機のデータがあった。」

 

雷真「最後の3つ目は除いていいだろう。けれど残り二つは厄介だな。もしも、これがブルーコスモスやロゴスの奴らだったら……」

 

 

ザクやグフ、バビのみならず、ガイアたちが何故"こちら側"の世界に存在するのかを考えていると洞窟の入り口から爆風が飛んでくる。

 

 

雷真「ま、まさか!?」

 

 

どうやら、雷真の嫌な勘というものは当たるようだ。

爆風の原因は入り口にいるであろう、ガイアたちが山もろとも雷真を押し潰そうと洞窟の入り口にビームを連射しているからだ。

 

 

雷真「無茶苦茶にも程がある!」

 

 

瓦礫で押し潰される前に出口を探し、洞窟から脱出することにした。雷真は洞窟の中央で上から射し込む太陽の光を見つけた。

 

 

雷真「多分、罠だろうな。けれど、今は時間がない」

 

 

バックパックをソードからオオトリに再び換装し、両肩にはソードとランチャーの装備を装備する。所謂、なんちゃってマルチプルである。そして、オオトリのビーム砲を太陽の光が射し込んでいる所へ放ち、そこから外へと出る。

 

けれど、やはりというべきか雷真が開けた場所にはカオス、ガイア、セイバーの三機が待ち構えていた。

 

 

雷真「罠と分かっていたが、嫌な物だな!」

 

 

カオスたちは雷真を捉えるとビームライフルで攻撃する。それに対抗するように雷真もビームライフルやビーム砲、レールガンを撃つ。

 

しかし、いくらファーストステージの機体よりもエネルギー効率が改善されたとはいえ、かなりの数のビームを放っているのにも関わらず、カオス、ガイア、セイバーのエネルギー切れが起こる気配が見えない。

逆にストライクのバッテリーが危険域に入り始めている。

 

 

雷真「いくらなんでもエネルギーの持ちが良過ぎるだろう!?」

 

 

愚痴を溢しながら三機の相手をしているとカオスが何故か今まで使って来なかった、機動兵装ポッドでのビーム攻撃までもが加わる。

 

 

雷真「ドラグーンまで!?」

 

 

ガイア、セイバー、カオス。そして、カオスによる機動兵装ポッドにより、四方八方からのビーム攻撃が雷真を襲う。

 

 

雷真「クソッ、捌き切れない!!」

 

 

ついに完全に囲まれてしまった雷真はガイアたちによるビーム攻撃をもろに受けてしまう。

しかし、ISにはSEがあるため致命傷は避けられたが装甲はフェイズシフトダウンを起こし、バックパックのオオトリは大破してしまい、そのまま海面に向けて落下してしまう。

 

 

雷真「うわああああああ!!」

 

 

しかし、これだけに終わらなかった。何故なら、雷真が戦闘しているのはガイア、カオス、セイバーの三機だけでなく、アビスもいるのだから。

そして、そのアビスは落下している雷真の真下で雷真に全ビーム兵器を向けていた。

また、上空からはセイバーたちがビームライフルと機動兵装ポッドを雷真に向けていた。

 

 

雷真「ダメだ…………避けきれない」

 

雷真「ごめん、三人とも。お前たちとの約束、守れそうに…………」

 

 

雷真が今頃、花月荘に無事に帰還しているであろう、刀奈、簪、シャルロットの三人に最後の言葉を残そうとしているとセイバーたちからビームが放たれる。ビームは雷真が乗る、ストライクに命中する。

 

しかし、命中する際にストライクのツインアイが光り、雷真は意識を失っていく。

また、雷真は意識が薄れ行く中である男の声を聞いた。

 

 

 

 

─今、君には死んでもらっては困るのだよ。

クロキバ・ライシンくん─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

~少し時間を遡り、花月荘にて~

 

 

 

雷真が単独で作戦領域に残り、刀奈たちだけが雷真から離れ、花月荘へ帰還するルートを飛行していることに気が付いた千冬は雷真に通信を送ろうとする。

 

 

 

千冬「黒牙!何故、お前だけ、此方の帰投ルートから外れている!?」

 

 

雷真『すみません。現在、新たな未確認機体と交戦。それも、よりによって"あちら側(コズミック・イラ)"のエースの専用機です!』

 

 

千冬「専用機だと!?」

 

 

雷真『念のため、四機の内の一機のデータを送ります!』

 

雷真『クソッ!』

 

 

千冬「どうした!?」

 

 

雷真『未確認機体からのビーム攻撃です!すみませんが通信を切ります』

 

 

千冬「待て、黒牙!おい!聞こえているのか黒牙!!」

 

千冬「クソッ!」

 

千冬は苛立ちに任せて通信機を畳に投げつける。すると真耶から雷真によって送られた、未確認機体一機のデータが送られたことを知る。

 

 

真耶「織斑先生!黒牙くんからの未確認機体のスペックデータです!」

 

千冬「直ぐに表示してくれ」

 

真耶「はい!」

 

千冬「いいか!今から表示される機体データはIS委員会に提出するな。そんなことをすれば、戦争が起きるからな?分かったか!」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

そして摩耶によって表示された未確認機体のスペックを見た千冬たちはあまりの性能に驚きを隠せないでいた。

 

束「何、この出鱈目な性能……」

 

千冬「【ZGMF-X24S カオス】………なっ!?VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲だと…………」

 

真耶「先輩!!」

 

千冬「ああ、間違いない。コイツの機体性能はストライクを大きく凌駕している。そんな奴らに黒牙の機体でも通用するはずがない。黒牙の奴め………無茶なことを」

 

 

これから、どうしたものかを考えていると、セシリアたちによって作戦領域から強制的に帰還させられた、刀奈たちが千冬たちの前に現れる。

 

 

刀奈「離して!」

 

簪「そうだよ!」

 

シャル「僕たちは雷真のところへ行かないといけないんだ!」

 

千冬「お前たちが行ったところで黒牙の邪魔だ!!」

 

 

雷真のところへ戻ろうとする刀奈たちを千冬はその一言で一喝する。

 

 

 

 

~BGM:君は僕によく似ている verオーケストラ~

 

 

 

 

刀奈「私たちが雷真の邪魔…………?それはどういうことですか!?」

 

簪「そうです!説明してください!」

 

シャル「織斑先生!」

 

千冬「なら、この機体データを見てみろ」

 

 

千冬は刀奈たちに雷真から送られてきた、カオスの機体データを見せる。

 

 

刀奈「うそ…………」

 

簪「なに…………これ」

 

シャル「こんな出鱈目な性能…………」

 

セシリア「それに私と同じビット兵器に…………」

 

鈴「雷真のストライクの上位互換の装甲だなんて…………」

 

ラウラ「雷真、貴様…………」

 

千冬「これで分かったか?黒牙はお前たちを生かすために今も一人で戦っているんだ!」

 

シャル「そんな…………」

 

簪「私たちのために…………」

 

刀奈「雷真…………」

 

 

千冬から雷真の思いを刀奈たちが聞いた時…………

 

 

 

ピ─────ッ!

 

 

 

………と心電図モニターが心肺停止を示す警告音が聞こえた。

また、それに合わせたかのように刀奈、簪は雷真からもらった太陽と月のお守りが、シャルロットも同じように雷真からもらった星のブレスレットが壊れる。

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

刀奈「らい………しん?」

 

摩耶「うそ……………でしょ?」ポロポロ

 

千冬「どうした、真耶!?」

 

真耶「せん……ぱい。ストライクのIS反応…………ならびに…………黒牙くんの生体反応が…………」ポロポロ

 

 

作戦室にいる人員皆が、真耶がこれから言おうとする言葉が自分たちの思っている言葉とは違ってくれと願うが現実はそんなに甘くはない。

 

 

真耶「…………ロストしました」ポロポロ

 

 

「「「「「………………」」」」」」

 

 

まさかの雷真のロストが涙を流す真耶の口から告げられた。

 

 

刀奈「そんな……嘘よ……いや、いや、イヤイヤイヤイヤ、イヤァァァァア!!」

 

簪「お姉ちゃん!?」

 

シャル「刀奈!?」

 

セシリア「刀奈さん!?」

 

鈴「刀奈!?」

 

ラウラ「刀奈!?」

 

千冬「更識!?」

 

 

雷真のロストを聞いた、刀奈は頭を抱えて叫び出し、意識を失ってしまう。それを簪が抱き止める。

 

 

刀奈「雷真が死ぬはずがない………絶対になにかの間違いよ…………」ポロポロ

 

簪「お姉ちゃん…………」

 

シャル「刀奈……」

 

鈴「簪とシャルロットは平気………じゃないわよね」

 

簪「平気ではないよ…………」

 

シャル「僕も雷真が死んだなんて、今でも信じられない。頭の中の整理が付いてないから、今はどういう反応をしていいか分からないだけだよ」

 

鈴「そう……ごめんなさい」

 

簪「織斑先生、私たちは一度部屋に戻ります」

 

千冬「すまない」

 

簪「いえ……」

 

 

刀奈、簪、シャルロットが作戦室から出て行ってから千冬はセシリアたちに一夏が負傷したことを伝えた。

それを聞いた三人は一夏の元へと走りはしなかった。

自分たちよりも今は辛い思いをしている者たちを目の前で見てしまっては走りだしたりはできないでいた。

 

 

千冬「真耶、束。少し、任せる」

 

束「了解」

 

真耶「わかりました」

 

 

千冬は作戦室から出て、海岸にある岩場へと行き。そして…………。

 

 

千冬「クソガアアアアア!!」ドゴン!

 

 

岩に向けて怒りと後悔を合わせた力任せの右拳を打ち込む。それにより岩には罅が入り、右拳からは血が流れ出る。

 

 

千冬「何が世界最強のブリュンヒルデだ!何が最強の女だ!生徒一人すら守れずに死なせてしまう、こんな有り様じゃないか…………」

 

 

千冬は涙を決して流さない。自分よりも涙を流したいはずの二人が理解が追い付かずに涙すら流せなかったのだから。

 

 

 



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第26話






とある宇宙に白い大きな艦が飛行している。それはかつて、二度の戦争で生き抜き、『不沈艦』と呼ばれた大天使。その名は【アークエンジェル】。

その、アークエンジェルの中には二度の戦争で英雄と謳われた青年も乗っていた。

 

 

???「もう直ぐだな、カガリ?」

 

カガリ「そうだな、アスラン。あと、少しでキラやラクスがいる、プラントに到着するな」

 

アスラン「分かっているとは思うが、今回は遊びでなく……」

 

カガリ「三度目のユニウス戦争終戦記念式だろう?それくらい、私だって分かっているさ。けれど、少しはリラックスしたいものだ」

 

アスラン「それは分かるが……。ラクスもあんな体なのに頑張っているんだ。君も頑張ってくれ」

 

カガリ「あと8ヶ月で私も叔母さんか…………」チラチラ

 

アスラン「お、俺も、その……子供は欲しいがもう少し待ってくれ。俺も君の仕事を引き継ぐために色々と根回しがだな…………」

 

カガリ「それも分かってる。アスランが私のために色々と努力してくれていることは」

 

アスラン「…………」

 

カガリ「でも、少しだけいいだろう?」

 

アスラン「カガリ……」

 

カガリ「アスラン……」

 

 

二人は熱い眼差しで互いの瞳を見つめ、そして…………。

 

【ピピピピピピッ!】

 

 

「「!?」」ビクッ

 

 

二人は艦内通信を知らせるアラームで咄嗟に距離を取る。

そして、アスランは艦内通信の応答ボタンを押す。

 

 

アスラン「はい!アスランです」

 

 

マリュー『ごめんなさい、アスランくん。お休み中に』

 

 

アスラン「いえ。それで、どうしたんです?」

 

 

マリュー『ただ、今後の日程を再確認しようと思って……』

 

 

アスラン「そうですか。なら、これからブリッジへ向かいます」

 

 

マリュー『なら、お願いするわ』

 

 

アスランは艦内通信を切り、カガリに一言言ってからアークエンジェルのブリッジへ向かうと…………。

 

 

ミリアリア「艦長!」

 

マリュー「どうしたの?」

 

ミリアリア「アークエンジェルのレーダーに突如、熱源を感知」

 

マリュー「えっ!?」

 

マリュー「熱源の照合はできる?」

 

ミリアリア「待ってください。熱源の照合は…………え!?うそ…………でも、そんな…………」

 

アスラン「どうしたんだ、ミリアリア?」

 

ミリアリア「熱源の照合…………照合されたのは…………【GAT-X 105】……ストライクです」

 

 

「「「ストライク!?」」」

 

 

マリュー「待って!ストライクは過去の大戦で大破して、まともに動けるのはないはずよ!?」

 

ムウ「そうだぜ」

 

アスラン「いえ、艦長!一機だけ…………もう、一機だけ存在します。けれど…………」

 

マリュー「まさか!?」

 

ムウ「おいおい!お前さんが言う、もう一機のストライクってアイツに贈った物じゃないだろうな?」

 

アスラン「わかりません。なので、ジャスティスで確認してきます。ミリアリアはオープンチャンネルでストライクに呼び掛けてくれ!もしかしたら、アイツかもしれないからな」

 

ミリアリア「うん、分かったわ!」

 

マリュー「アスランくん、お願いね」

 

アスラン「はっ!」敬礼

 

ムウ「待て!俺も出る」

 

 

アスランとムウは急いで更衣室に向かいパイロットスーツを着て、ジャスティスとアカツキが格納されている場所に向かい、自分たちの機体に搭乗する。

 

搭乗したあとはコックピットに座り、シートベルトを締め、機体の電源を入れる。入れたあとは機体をカタパルトに移動させる巨大アームによってカタパルトへ移動させられる。

 

その際、管制官のミリアリア・ハウの通信が入る。

 

 

 

ミリアリア『アスラン……』

 

 

アスラン「どうした?ミリアリア」

 

 

ミリアリア『それがアークエンジェルからストライクに呼び掛けても応答がないの。だから…………』

 

 

アスラン「なら、俺たちが近づいて直接連絡を取ってみる」

 

 

ミリアリア『ありがとう。どうか、私の義弟を…………ライシンをお願い』

 

 

アスラン「わかった」

 

 

ミリアリアの義理の弟であり、アスランの友である、雷真のことを話し、通信を切るとミリアリアにより管制のアナウンスが聞こえてくる。

 

 

ミリアリア『APUオンライン。カタパルト接続』

 

 

今まで機体を掴んでいた巨大アームはカタパルトの真上に行くと機体をカタパルトに接続するために機体を放す。すると放した影響でコックピットが少し揺れる。

 

 

ミリアリア『各パワーフロウ正常。進路クリア。インフィニット・ジャスティス。発進、どうぞ!』

 

 

アスラン「アスラン・ザラ。ジャスティス、出る!」

 

 

ミリアリア『続いて、アカツキ。発進、どうぞ!』

 

 

ムウ「ヨッシャーッ!ムウ・ラ・フラガ。アカツキ、出るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

アークエンジェルが発進した。アスランとムウは突如、レーダーに現れたストライクの元へと急ぐ。

 

 

ムウ『アスラン』

 

 

アスラン「何ですか、フラガ一佐」

 

 

ムウ『本当に、あのストライクにライシンが乗ってると思うか?』

 

 

アスラン「俺はそう思います。何故なら、アイツは別の世界からやって来て、そして…………帰って行った。だから、今回も、何らかの影響でこちら側に来てしまったんだと思います」

 

 

ムウ『…………』

 

 

アスラン「目標まで、あと7kmです」

 

 

ムウ『了解!』

 

 

 

二人とストライクの距離が5kmまで近づくと、ジャスティスとアカツキのメインカメラにストライクを目視できた。

しかし、メインカメラによって捉えられたコックピットのモニターに映し出されたストライクは…………。

 

 

アスラン「これは………」

 

 

ムウ『こりゃ…………ひでぇや……』

 

 

まさに、胴体……コックピット以外の部分がビーム兵器か何かで大破させられ、装甲もフェイズシフトダウンしている状態だった。

 

 

アスラン「ライシン…………」

 

アスラン「こちら、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属のアスラン・ザラだ。ストライク、聞こえるか?聞こえているなら、応答してくれ。繰り返す」

 

 

アスランが二度、繰り返した時にストライクから微かな声が聞こえてきた。その声は…………

 

 

雷真『アス…………ラン?』

 

 

ムウ『坊主!?』

 

アスラン「ライシン、お前なのか?」

 

 

しかし、それを最後に雷真の声が聞こえなくなった。それに気づいたアスランは雷真が何かしら負傷をしており、気を失っているので返答が出来ないのではないかと考えた。

 

 

アスラン「クソッ!フラガ一佐、至急ストライクを回収し、帰投します」

 

 

ムウ『索敵は任せろ!』

 

 

アスラン「お願いします。こちら、ジャスティス。アークエンジェル、応答願います」

 

 

アスランはムウと雷真を連れて帰投しながらアークエンジェルに通信を行う。

 

 

マリュー『こちら、アークエンジェル。どうしたの?アスランくん』

 

 

アスラン「目標のストライクと接触。パイロットはクロキバ・ライシン中尉と判明。ならびに中尉は負傷している模様。至急、格納庫に救護班を!」

 

 

マリュー『えっ!?』

 

マリュー『わかったわ。救護班を急がせて!』

 

 

アスラン「持ち堪えてくれよ、ライシン……」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

アスランとムウは、アスランがマリューに救護班を頼んだ後、急いでアークエンジェルに戻り、ボロボロになったストライクから雷真を収容する。

その際、義理の姉である、ミリアリアも格納庫に来ていた。

 

 

アスラン「ライシン!おい、ライシン!」

 

ミリアリア「ライシン!ライシン!」

 

雷真「…………」

 

アスラン「早く、担架を!」

 

 

ストライクから回収され担架に乗せられた雷真はそのまま、アークエンジェルの救護室に運ばれた。

そして、救護室の医者が見たのは…………。

 

 

医者「これは酷い…………全身、傷だらけじゃないか!」

 

 

パイロットスーツではなく、アンダーウェアのような物を着た雷真の身体にはあちらこちらに火傷や切り傷のような物があった。

幸い、出血はしてはいなかったが至るところがボロボロだった。

 

 

医者「それに、この衣類はなんだ?パイロットスーツと違うようだが…………取り敢えず、これを脱がさないと」

 

 

医者は雷真が着ていたISスーツを上半身だけ脱がし、アークエンジェルでできる、最大限の処置を施すことにした。

 

 

ミリアリア「先生、ライシンは!ライシンは大丈夫なんですか!?」

 

医者「今のところは呼吸、心肺共に正常だよ。けれど、かなり無茶をしたようだね」

 

ミリアリア「ライシン……」

 

アスラン「ミリアリア、君はライシンに付いていてくれ。艦長には俺から話しておくから」

 

ミリアリア「ありがとう、アスラン」

 

 

その後、ミリアリアはずっと雷真の側に居ることになった。そして、アスランは格納庫で何故、雷真がこんなにもボロボロの状態だったのかを知るために格納庫にいるマードック曹長にストライクの戦闘データを抽出してもらうことにした。

 

その結果…………。

 

 

マードック「おいおい、マジかよ……。誰か至急、艦長とフラガ一佐とアスランを呼んで来てくれ!」

 

「は、はい!」

 

マードック「こいつはヤベェ物がデータに残ってやがる」

 

 

マードックはストライクの戦闘データを見て、これは自分の手には余る物だと直ぐに理解した。

 

マードックが部下にマリュー、ムウ、アスランの三人を呼び寄せ、三人が集まった。

 

 

マリュー「それでマードック曹長、私たちを呼んだのは何かしら?」

 

マードック「それなんですがね……今、先ほど、ストライクの戦闘データを抽出したんですがヤベェ物が映っていて……」

 

ムウ「ヤバイ物?」

 

マードック「これでぇさ」

 

 

ストライクからデータを抽出する機械のモニターに映しだされたのは…………。

 

 

マリュー「これは…………!!」

 

ムウ「マジかよ……」

 

アスラン「バビ、グフ、ザク…………それに、ガイア、アビス、カオス、セイバー……!?」

 

 

アスランたち三人は雷真が乗っていた、ストライクがこんなボロボロになる理由は理解できたが、何故、ZAFTの機体が雷真の世界にあるのかが理解できないでいた。

 

 

マードック「まさか、こんな物が映ってるとは思わなくて……俺の手にはちょっと……」

 

アスラン「このデータのコピーをお願いします」

 

マードック「わかった」

 

アスラン「それから艦長。このことはキラに伝えます」

 

マリュー「ええ、その方がいいわ。お願いね、アスランくん」

 

アスラン「はい」

 

 

マードックから戦闘データのコピーをもらって、アスランはブリッジに向かい、キラへと連絡を取ることにした。

 

 

アスラン「こちら、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属のアスラン・ザラです。プラント、至急、キラ・ヤマト指揮官にお伝えしたいことがあります」

 

 

『こちら、プラント。少々、お待ちください』

 

 

プラント側の担当者に待たされること10分、プラント側から通信が来た。

 

 

キラ『もしもし、アスラン、どうしたの?いきなり、軍事回線で連絡してくるなんて……』

 

 

アスラン「それが、かなりヤバイ案件でな」

 

 

キラ『どういうこと?』

 

 

アスラン「アイツが……ライシンがまた"こっち側(コズミック・イラ)"に帰って来たんだ」

 

 

キラ『ライシンが!?』

 

 

アスラン「ああ。それでライシンが乗っていたストライクなんだが……この有り様だったんだ」

 

 

アスランはジャスティスのデータと格納庫に収容されているストライクのデータをキラに送った。

 

 

キラ『これは!?』

 

 

アスラン「これだけじゃないんだ、キラ」

 

 

続いて、アスランはストライクの戦闘データを再び、キラの元へ送った。

 

 

キラ『この機体…………でも、なんで?この機体たちは、僕やシン、それにバルトフェルトさんが……』

 

 

アスラン「ああ、わかっている。セイバーはキラが、アビスはシンが、カオスはオーブ軍が墜としたはずだ。それにガイアはバルトフェルト隊長の機体だ」

 

 

キラ『なら、どうして……』

 

 

アスラン「それはわからない。だが、ライシンは再び元の世界に帰るはずだ。だから、俺たちにできることは……」

 

 

キラ『ライシンに、僕やアスランの様に守るための【剣】を託すことだね』

 

 

アスラン「ああ。だから、俺はあの機体をライシンに託すべきだと思う。前にラクスからお前の伝言を聞いた様にアイツも何かしたいのに出来ないのが一番辛いだろうからな」

 

 

キラ『僕もそれは思うよ。僕の方でもあの機体の手続きはしておくよ。プラントに着いたら、また連絡をちょうだい、じゃあ』

 

 

アスラン「わかった」

 

 

それを機にアスランとキラは互いに通信を切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

アスランがキラと通信をしている頃、救護室では…………。

 

 

【ピトッ……ピトッ……ピトッ……ピトッ……ピトッ】

 

 

 

雷真「んん…………あ、れ?」

 

ミリアリア「ライシン?ライシン!」

 

雷真「ミリ……アリア?」

 

ミリアリア「よかった、目が覚めたんだね!もう、心配したんだから!」

 

雷真「俺は確か…………」

 

 

雷真は今まで自分が何をしていたのかを思いだすと、脳裏にガイアたちとの戦闘の記憶がよみがえる。

 

 

雷真「はっ!ガイアたちは…………グッ!!」

 

 

雷真はガイアたちのことが気になり、勢いよくベッドから身体を起こそうとすると全身に鈍い痛みが走り、身体を抱き抱えてしまう。

 

 

ミリアリア「ダメよ、動いちゃあ!」

 

雷真「ぐぅぅぅ……」

 

 

そんな雷真をミリアリアは優しくベッドに寝かせる。

 

 

ミリアリア「今は安静にしてなさい。貴方の身体は全身ボロボロなんだから」

 

雷真「それより、何でミリアリアが?」

 

ミリアリア「ここはアークエンジェルの救護室よ」

 

雷真「アークエンジェル?だとしたら、俺は、また…………」

 

ミリアリア「そう、コズミック・イラに帰ってきたの。こっちは貴方が元の世界に帰ってから3年の月日が経ってるわ」

 

雷真「ってことは……コズミック・イラ77年か……」

 

ミリアリア「そうなるわね。ところでライシン、貴方は何であんなにボロボロだったの?それにガイアって、確かZAFTの……」

 

???「それに関しては私たちも聞きたいわ」

 

 

ミリアリアがガイアたちのことを雷真に聞こうとすると救護室の入口からアークエンジェルのクルーの声が聞こえた。

 

 

雷真「艦長?それにフラガ一佐にアスラン、まで……」

 

ムウ「よう、坊主。元気……なわけないか」

 

雷真「ええ、今の状態では」

 

マリュー「そんな状態で悪いのだけれど。できれば、ライシンくんのストライクに記録されていた、ZAFT軍のMS(モビルスーツ)について教えてくれるかしら?今がダメなら後日でもいいのだけれど」

 

雷真「いえ、今で大丈夫です。ミリアリア、悪いけどの身体を壁に寄り掛からせる形にしてくれるか?」

 

ミリアリア「うん、わかった」

 

アスラン「俺も手伝おう」

 

 

ミリアリアとアスランによって身体を起こした、雷真は深呼吸をしてからストライクに記録されていた。バビ、グフ、ザク、ガイア、カオス、アビス、セイバーのことについて語りだした。

 

 

雷真「まず、最初にZAFTのバビとグフと会敵したのは俺の世界にあるISの学校でクラス代表トーナメントがあった日なんだ」

 

ムウ「ISって確か……」

 

アスラン「元々、宇宙空間の行動を目的とした。パワードスーツだったな」

 

雷真「はい……それで、何故か分からないけど、IS学園を奇襲してきた、バビとグフを俺がストライクで三回、警告通信を行ったんですが応答がなく、やむをえず…………撃墜した」

 

アスラン「パイロットは?」

 

雷真「それが全機とも無人機だったよ。ソードストライカーの大艦刀で串刺しにしたけど血飛沫が出なかったんだ」

 

アスラン「そうか……なら、ザクやガイアたちも」

 

雷真「ああ。ザフトのイザークが元々乗っていた、イザーク専用のザクファントムも、ストライクの戦闘データを見ていると思うから分かるように、あれも無人機だ。それにガイアたちも変形できるから無人機だ」

 

マリュー「そう…………ありがとう、ライシンくん。今はゆっくり休んでちょうだい。それとアークエンジェルは現在、プラントに向けて航行中よ」

 

雷真「わかりました」

 

 

話が終わると再び、ミリアリアとアスランに身体をベッドの上に寝かせられ、雷真は眠りにつく事にした。

 

 

 

 



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第27話






【パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!】

 

 

とある部屋の中で銃が発砲される音が響く。そして、その銃の発砲音の主は約10日前にIS学園の臨海学校の途中でカオスたちに撃ち落とされたはずが、何故か再び、コズミック・イラに帰ってきてしまった。黒牙雷真である。

 

 

雷真「クソッ!」

 

 

早く、刀奈や簪、シャルロット………みんなの所へ帰らないと行けないのに、帰る手段が見つからない。

前はジャンク屋のロウ・ギュールさんの試作型次元転送装置で帰れたけれど、今回はそうはいかなかった。

ロウさんに頼んで次元転送装置を使えるか聞いてみたら…………。

 

 

ロウ『ありゃ、ダメだ。俺も何度もやってるが上手く作動しねぇんだ。わりぃな』

 

 

との事だった。

 

 

なので、俺はカオスたちがいる世界に刀奈たちを置いて来たことやどうにかして早く帰らないということに焦り、射撃練習が上手くいかなかった。

 

そうしていると、射撃場の入り口からある人がやってくる。

 

 

バルトフェルト「随分と焦っている様だな、少年?」

 

雷真「バルトフェルトさん……」

 

バルトフェルト「今は焦っても、何にもならんだろう」

 

雷真「けれど、俺は…………早く帰らないといけないんです。でも、【想い】だけじゃ何にもならない。けれど【力】も足らない。その証拠に首飾りもこの有り様です」

 

 

俺は自分の首から元々は白く、今はその色を失ったかの様に灰色と化した。元ストライクの待機状態だった首飾りをバルトフェルトさんに見せた。

 

 

バルトフェルト「今はまだ、その時ではないのだろう」

 

雷真「『今は』ってどういうことですか?」

 

バルトフェルト「時が来るまで身体を休めるんだな。『その時』のために」

 

 

そう言って、バルトフェルトさんは射撃場から出て行ってしまった。

 

 

雷真「どういうことなんだ?」

 

 

俺は訳が分からないので、頭を冷やすためにプラントのアークエンジェルクルーが宿泊している施設に戻ることにした。

 

そして、宿泊施設の自室でシャワーを浴びて頭を冷やし終わり、ベッドで仮眠を取っていると呼び出しのベルが鳴る。

 

 

雷真「はい」

 

???『あっ、ライシンさん?どうも、メイリンです』

 

雷真「メイリン?どうしたんだ?」

 

メイリン『いえ、ただ……一緒にランチとかどうかなって……』

 

 

部屋の中の時計を見ると時刻は13時を示していた。

また、今頃になって急に腹の虫が栄養を求めて鳴き出した。

 

 

雷真「わかった。10分だけ待ってくれ」

 

メイリン『わかりました』

 

 

ミリアリアに買ってもらった私服に着替えてから、ウェストポーチに財布に携帯端末、身分証と羽の首飾りを首にかけ、それから念のため上着の下にショルダーホルスターを着用して、ホルスターにはオーブ軍の拳銃を入れてから部屋を出る。

 

 

雷真「悪い、待たせた」

 

メイリン「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

メイリンと一緒に施設のフロントへ行き、部屋の鍵を預けてから、自動運転自動車に乗り、メイリンがオススメするカフェへと向かう。

 

自動運転自動車に乗りながらプラントの街並みを見ていると昔より、子供や若い夫婦が増えた気がするのでメイリンに聞くことにした。

 

 

雷真「なぁ、メイリン」

 

メイリン「なんです?」

 

雷真「数年前より、プラントに子供や若い夫婦が増えてないか?」

 

メイリン「それはですね、ライシンさんが元の世界に帰られた後、プラントに『ナチュラル』の方々が技術交換のために来られたんですよ。それで、そのうちに『コーディネーター』と『ナチュラル』との夫婦が生まれて、今では『ハーフコーディネーター』の子供が多くなっているんです」

 

雷真「なるほどな。こっちの世界では、やっと『ナチュラル』と『コーディネーター』の平和が訪れた訳か……」

 

メイリン「そういえば……ライシンさんは『ナチュラル』と『コーディネーター』、どっちなんですか?」

 

雷真「何でそんなことを聞くんだ?」

 

メイリン「いえ、ただライシンさんの過去のデータを見ていた時に『コーディネーター』と『ナチュラル』……どちらも記録されていなかったので」

 

雷真「なるほどな。俺は多分……『コーディネーター』なんだろうな」

 

メイリン「多分?」

 

雷真「メイリンも知っていると思うが俺は別の世界の人間だ。その世界には遺伝子操作技術は"こっち側(コズミック・イラ)"の様に確立されていないから………技術的にはクローンまでだな」

 

メイリン「クローン……」

 

雷真「だから、俺は"こっち側(コズミック・イラ)"で言えば、『コーディネーター』なんだ」

 

メイリン「そうだったんですね。あっ、そろそろカフェに着きますよ」

 

雷真「わかった」

 

 

カフェに着いた俺たちはテラス席に座ることにした。

席に着いたあと、メニューで食べる物と飲み物を頼み。あっちでの事やこちら側のことを話合っていた。 話がいい感じで終わるとウェイターの人が俺たちが注文した品をとどけてくれた。

 

 

「以上でよろしいでしょうか?」

 

雷真「はい、大丈夫です」

 

「では、ごゆっくり、どうぞ」ペコリ

 

 

ウェイターが一礼して去ってから俺たちは品を食べる。

半分くらい食べ終わると店の向かい側から聞きなれた声が聞こえてきた。

 

 

???「オーイ!メイリン、ライシンさん!」

 

雷真「ん?」

 

メイリン「お姉ちゃん!?」

 

 

その声の正体はメイリンの実の姉である。ザフト軍のキラが隊長を努めている部隊の隊員の一人でインパルスのパイロットである。ルナマリア・ホークだった。

 

 

???「おい、ルナ。いきなり、走り出すなよ!車が来たら危ないだろう?」

 

メイリン「それにシンまで!」

 

シン「あれ、メイリンにライシンさんまで?」

 

 

ルナマリアに文句を言いながら着いてきたのはルナマリア・ホークの彼氏で、ルナマリアと同じくヤマト隊所属のデステニィーのパイロットである。シン・アスカだ。

 

 

雷真「よう、ルナマリアにシン。二人は今日は非番でデートか?」

 

シン「ええ、今日は珍しく。キラさんが急遽、2日間も休暇にしたんですよ」

 

ルナマリア「そういう、ライシンさんはうちのメイリンとデートですか?」

 

メイリン「お姉ちゃん!」

 

シン「バカ、ルナ、お前!」

 

雷真「デート……か」

 

ルナマリア「えっ、なに?」

 

シン「お前!前にキラさんからライシンさんが何で"こっち側(コズミック・イラ)"に帰ってきたのか、その理由を聞いていなかったのかよ!」

 

ルナマリア「あっ……すみません、私……」

 

雷真「いや、気にするな。今は焦っても何にもならないし、出来やしないから……」

 

 

俺はただ、ただ……自分の無力差にイラつきながら、今も尚、カオスたちと戦っているであろう、婚約者や仲間たちのことを思いながら人口の空を見上げることしかできなかった。

 

 

雷真「刀奈、簪、シャルロット…………俺は」ボソッ

 

メイリン「…………」

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

雷真たちがカフェに居るのと同時刻。複数の作業員がある機体の整備を急ピッチでしていた。

 

 

マードック「急げ!この機体の整備やらなんやらを明日の7時までの終わらすんだ!いいなあ!!」

 

「「「はい!」」」

 

 

マードックの掛け声でオーブ、ザフトの整備班は働き蟻の如く整備をしていく。

 

 

キラ「マードックさん」

 

マードック「おお、キラか」

 

キラ「どうですか、機体の整備は?」

 

マードック「動力原は前のをそのまま使得るから良いんだが、アレにISとかいう奴のデータを移すのがな……」

 

キラ「やっぱり、難しいですか?」

 

マードック「難しいってレベルじゃねぇよ……。一週間前に、ここのドッグにストライクをぶちこんでからコイツにデータを移してるが…………エラーが大量に発生して、その修正作業で手一杯よ」

 

キラ「そんなにですか?」

 

マードック「まったく、こんな物を作り出した。シノノノ・タバネって博士はお前さん並だよ」

 

キラ「え?僕たちと……?」

 

マードック「多分、アイツの世界には『コーディネーター』を作る技術なんてないはずだ。だから、アイツとシノノノ・タバネは……」

 

キラ「『ナチュラル』でありながら『コーディネーター』だと?」

 

マードック「そこら辺の詳しいことは俺には分からねぇ。けど、分かることはデータをコイツに移すだけだ」

 

キラ「そうですね。では、あとをお願いします」

 

マードック「あいよ」

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

カフェでメイリン、ルナマリア、シンと共に昼飯を食べたあと、四人でショッピングモールへ行くことになった。

 

 

メイリン「ライシンさん、どうですか?」

 

雷真「うーん…………少し派手過ぎないか?」

 

メイリン「そうですか?私は可愛いと思うんですけど……」

 

雷真「流石にレインボーは派手だろ」

 

 

現在、俺はメイリンとアパレル店でメイリンに服の感想を聞かれいる。

また、シンたちはというと…………。

 

 

ルナマリア「ねぇ、シン。これなんて、どう?」

 

シン「どれも似たような感じじゃん……」

 

ルナマリア「似てないわよ!こことか、装飾や絵が違うのよ」

 

シン「どれも一緒だよ」

 

 

と漫画でよくあるような、主人公のセリフとヒロインのセリフを言い合っていた。

その後は普通に夕食をショッピングモールで食べて宿舎へ戻った。

 

そして、翌日。時刻は7時30分。俺は、何故かキラに呼び出されて、キラ、ラクス、アスラン、カガリの四人について来いと言われたので四人の後を追っている。

 

 

雷真「なぁ、キラ。もう、行き先を教えてくれても良いんじゃないか?」

 

キラ「う~ん、そうだね。じゃあ、行き先を教える前に質問ね」

 

 

 

 

 

~BGM:キラ、その目覚めと決意~

 

 

 

 

 

雷真「質問?」

 

キラ「君は何のために、そんなに焦って力を求めてるの?」

 

雷真「…………」

 

キラ「僕は前に君へ【力だけでも、思いだけでも】と送ったはずだよ?」

 

雷真「分かってる。俺は元の世界で改めて理解したんだ。力と思いが合っても、それが足らなければ何にも守れないって…………」

 

キラ「…………」

 

雷真「今の俺には思いしかないから…………。だから、今度こそ、大切な【花】を守りたいんだ。あの時の様に守れたはずの誰かを守れないなんて…………俺は嫌だ!」

 

 

過去に俺は地球降下の時にキラと共にスペースシャトルに乗る少女に必ず守ると約束したのに、守れなかった。

 

 

キラ「分かった。やっぱり、君は何処か僕と似ているね」

 

雷真「えっ?」

 

キラ「さっ、着いたよ」

 

 

キラたちに連れて来られたのはザフトの機密施設の一番奥の扉の前だった。

 

 

雷真「ここ?」

 

キラ「うん。ラクス、カガリ、お願い」

 

ラクス「わかりましたわ」

 

カガリ「分かった」

 

 

ラクスとカガリは扉の左右にある、扉を開ける機械に近付き、そして…………

 

 

ラクス「カガリさん、行きますわよ」

 

カガリ「ああ」

 

ラクス「3」

 

カガリ「2」

 

ラクス「1」

 

「「0!」」

 

 

二人がドンピシャのタイミングで機械に何かカードの様な物をスラッシュすると【ピーーーー】と何かが反応する音ともに扉が開く。けれど、扉の先は真っ暗で何にも見えなかった。

 

 

キラ「着いてきて」

 

雷真「…………」

 

 

再び、キラに言われるまま扉の先に入る。

約25歩程、扉の先の部屋を直進に進むと…………

 

 

【パッ!】

 

 

雷真「まぶっ!?」

 

キラ「見てご覧、ライシン」

 

雷真「えっ?」

 

 

俺はいきなり照明が着いて目を瞑り。その後、目が慣れたのでキラに言われるまま正面を見るとそこには………。

 

 

雷真「フリー……ダム?」

 

キラ「そう、フリーダム。前に僕が乗っていた機体だよ」

 

雷真「でも、何で!フリーダムはインパルスに墜されたはずじゃ…………」

 

カガリ「それは、ザフトとオーブが共同で回収して、復元したんだよ」

 

雷真「回収って…………」

 

ラクス「元々は展示会に展示する予定の機体でしたのよ?」

 

雷真「ならなんで…………まさか!?」

 

キラ「そう。これが雷真、君へ送る。僕たちからの新たな【剣】だよ」

 

雷真「新たな、剣…………」

 

キラ「ちょっと、乗ってごらん?」

 

雷真「ああ…………」

 

 

俺は真っ直ぐにフリーダムへと近付き、コックピットへ乗り込むためにフリーダムに触ると首にかけていた、色褪せた羽の首飾りが…………

 

 

雷真「えっ!?」

 

 

摩訶不思議の現象で俺の首から羽の首飾りが独りでに動き。俺の目の前で色褪せた羽から新たな羽へ変えた。

 

それは青い羽に白いラインが入った、フリーダムに似た羽へと変わったのだ。

 

 

雷真「これは……………ッ!!」

 

 

分かる。これは……フリーダムだ。

もしかして、フリーダムがISになったのか?

 

 

キラ「どうしたの?」

 

雷真「キラ、首飾りが……フリーダムになった」

 

キラ「えっ?」

 

アスラン「多分、新たな力を得て、首飾りはフリーダムをISとして変化させたんだろう」

 

雷真「なら、フリーダムは……」

 

ラクス「貴方の専用機になったと言うことですわ。ライシン」

 

雷真「俺の新たな専用機、フリーダム」

 

カガリ「さっ、早く試運転をして来いよ。フリーダムの発進許可は取ってある。帰投はアークエンジェルの方だからな」

 

雷真「分かった」

 

 

俺は今度こそ、フリーダムのコックピットへと乗り込み、フリーダムの電源を入れる。

 

 

 

Generation

 

Unsubdued

 

Nuclear

 

Drive

 

Assalt

 

Module

 

 

 

次にフェイズシフトの電源を入れる。すると、フリーダムに繋がれていた、何種類もの配線やコードなどが外れる。また、フリーダムの装甲の色も、青、黒、白へと変化させる。

 

 

雷真「黒牙雷真…………フリーダム!行きます!」

 

 

出撃する前の……ルーチンワークと化した、言葉を言うと俺はフリーダムのアクセルペダルを踏み込み、一気に上へ飛翔する。



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第28話

明けましておめでとうございます

批判以外のコメントがあれば、どしどし



フリーダムを新たな専用機とした雷真はアークエンジェルの格納庫でキラの指導の下、フリーダムの雷真専用にシステムを書き換えている。

 

また、アークエンジェルは現在。地球に向けて進行中で、その護衛にキラがアークエンジェルに乗艦している。

 

 

キラ「ここが…………になってて」

 

雷真「なるほど」

 

キラ「あと僕がいじったりしてのは…………ここら辺だね」

 

雷真「分かった」

 

キラ「じゃあ、僕はカガリたちのところに居るから、何かあったら呼んで」

 

雷真「ありがとう」

 

 

キラは返事を聞くとフリーダムを蹴って、格納庫からカガリたちのいる船室に向かって行った。

 

 

雷真「これで終わりかな?やっぱり、ストライクよりシステムが複雑だ。それにキラの戦闘データも確認しないと……。元の世界に帰れたらカオスたちを倒さないといけないし」

 

 

雷真はシステムの調整が終わるとアークエンジェルの自室に向かい、ノートPCでこれまでのフリーダムの戦闘データを見ていく。

 

 

雷真「キラはこんな動きをしているのかよ……。フリーダムが第3世代IS以上だとは分かるけど、これを俺が出来るのか?」

 

???「どうしたんですか?また、そんな心気臭い顔をして」

 

雷真「えっ?」

 

いきなり後ろから声をかけられたので振り返るとそこには本来ならアークエンジェルに乗員していない人物が居た。

 

 

雷真「め、メイリン!?どうして!お前は、確か、ミネルバのクルーだろう?」

 

メイリン「今回はちょっと我儘を言って着いて来ちゃいました」

 

雷真「来ちゃいましたって、お前……」

 

メイリン「それで、何を悩んでいたんですか?」

 

雷真「はぁ~。それなんだが、キラの戦闘データを見ていて、元世界で再現が出来るのか悩んでいたんだよ」

 

メイリン「えっ、そんなこと出来るんですか!?」

 

雷真「まぁな。俺の世界にあるISは第3世代になるとイメージ・インターフェイスってのが搭載されていて」

 

雷真「それはパイロットのイメージを最大限、ISの動きで再現するシステムなんだ。だから、キラの動きも再現できるかなって?」

 

メイリン「ん~。何で、ライシンさんはキラさんの真似をしようとするんです?」

 

雷真「えっ?」

 

メイリン「ライシンさんはストライクに乗っていた時はキラさんの動きを真似しようと意識してましたか?」

 

雷真「いや、ストライクは交代で乗っていたから、そんな考えはなかった」

 

メイリン「なら、フリーダムでもキラさんの真似ではなく。ライシンさんが思う通りに動けば良いんですよ!」

 

メイリン「それとキラさんから聞きました。ISには意志があるって。なら、フリーダムに語りかけてみたらいかがですか?」

 

雷真「フリーダムに語りかける……」

 

メイリン「そうです」

 

雷真「ありがとう、メイリン。もう一度、格納庫に行ってくるよ」

 

メイリン「どう致しまして」

 

 

雷真はメイリンに言われるまま、再び、フリーダムの元へ行き。コックピットに搭乗すると目を瞑り、フリーダムに語りかける様に意識を集中する。

 

するとフリーダムのレーダーに何処を示す座標ポイントと…………。

 

 

【ピッ……ピッ……ピッ……ピッ】

 

雷真「ん?これは…………」

 

 

???『ら……い……しん』

 

 

雷真「えっ、この声は…………刀奈!?」

 

雷真「一体何処から?」

 

 

刀奈『貴方がこれを聞いていても聞いてなくても良いわ』

 

 

雷真「刀奈、聞こえるか?俺だ、雷真だ!」

 

刀奈『私たちは、あと少しであの未確認機体に挑むわ』

 

 

雷真「止めろ、刀奈!クソッ、こっちからの通信は届いてないのか!?」

 

 

刀奈『だから、もしも私たちが死んじゃったら』

 

 

雷真「そんなことを言うな、刀奈!頼むから!」

 

 

刀奈『ごめんなさい。そして、貴方を愛しているわ、雷真。それじゃあ』

 

 

雷真「おい、刀奈?刀奈!」

 

雷真「もしも、この座標ポイントが元の世界に帰れるゲートとなら…………。今は、これに賭けるしかない!」

 

 

直ぐにフリーダムを発進させるために艦長に頼む。

 

 

雷真「艦長!」

 

 

マリュー『どうしたの、ライシンくん?』

 

 

雷真「今、あちら側からの通信がありました」

 

雷真「それに、多分……あちら側に帰れるゲートの座標ポイントとフリーダムのレーダーに表示されした」

 

 

マリュー『えっ!?』

 

 

マリューは、まさか雷真の元の世界から次元を超えて通信が届くとは思わず驚愕する。

しかし、そんなマリューに新たに驚愕する情報が入る。

 

 

ミリアリア『艦長!アークエンジェルの進行方向にある、衛星起動付近に謎の重力波が発生しています!』

 

マリュー『何がどうなって……』

 

 

雷真「ミリアリア!今から送る座標と重力波の座標を照らし合わせてくれ」

 

 

ミリアリア『えっ?わ、わかった』

 

 

ミリアリアにフリーダムのレーダーに表示された、ゲートと思わしき座標データを送り、謎の重力波の座標と照らし合わせてもらうことにした。

 

 

ミリアリア『これは!!』

 

ミリアリア『雷真、聞こえる?』

 

 

雷真「ああ」

 

 

ミリアリア『さっき、雷真から送られてきたデータと照らし合わせたら、雷真のデータと重力波の座標が完全に一致したわ』

 

 

雷真「やっぱり!」

 

雷真「艦長、フリーダムで出ます!」

 

 

マリュー『待って!その、重力波が本当にライシンくんの世界に帰るゲートだとは、まだ確証が持てないのよ!』

 

 

雷真「それでも……俺は……『行かせてやれよ、マリュー』」

 

 

マリュー『ムウ!?』

 

ムウ『ライシン、男には何かを守る時は危険を承知で飛び込む必要がある。お前には、それが今なんだろう?』

 

 

雷真「はい!」

 

 

ムウ『ヨッシャ!俺たちも出る』

 

マリュー『もー、わかったわよ!ライシンくん、直ぐにフリーダムの発進準備をさせるからパイロットスーツに着替えて来なさい』

 

 

雷真「ありがとうございます!」

 

 

雷真は急いでフリーダムが飛び降り、パイロット専用の更衣室へと向かう。そして、更衣室に入ると既にキラとムウ、アスランが居た。

 

 

アスラン「ライシン、フラガ一佐から聞いた」

 

雷真「ああ」

 

アスラン「俺から1つだけ」

 

雷真「なんだ?」

 

アスラン「元の世界へ帰る前に彼女に会うべきだと思うぞ?」

 

雷真「…………」

 

 

アスランが言った彼女はメイリンのことである。

 

 

アスラン「彼女はお前が帰ってきた時、凄く喜んでいたし悩んでいた。だから……」

 

雷真「わかってる」

 

アスラン「なら、いいけど」

 

ムウ「ライシン、先に行ってるぞ」

 

キラ「僕も先に行くね」

 

アスラン「俺も先に行く」

 

雷真「…………」

 

 

キラとムウ、アスランが更衣室から出て行ったあと、雷真は悩んでいた。メイリンにどう声を話をしたら良いのかと。今さら、彼女のにどんな話ができるのだろう。

色々と考えていると更衣室の扉がノックされる。

 

 

メイリン「ライシンさん、居ますか?」

 

雷真「ああ、居るぞ」

 

メイリン「入っても、大丈夫ですか?」

 

雷真「大丈夫だ」

 

メイリン「失礼します」

 

雷真「…………」

 

メイリン「…………」

 

 

二人はこれで最後の別れとなる。それ故にどう話たら良いかわからない。

しかし、その沈黙をメイリンが打ち破る。

 

 

メイリン「あの、これ」

 

雷真「ハロ?」

 

メイリン「さっき、アスランさんからライシンさんに渡す様にと」

 

雷真「アスランが…………」

 

 

メイリンがアスランから雷真へと渡す様に言われた物は真っ白なハロだった。

 

 

雷真「ありがとう、メイリン。それじゃあ」

 

 

雷真が更衣室から出様とするがパイロットスーツをメイリンに掴まれてしまう。

 

 

雷真「メイリン?」

 

 

雷真はスーツを掴んでいるメイリンの方へ向くと…………。

 

 

雷真「んぐっ!?」

 

メイリン「ん……」

 

 

まさかのメイリンにキスをされていた。

 

 

雷真「メイリン、お前……」

 

メイリン「女々しいのは、分かっています!けれど、私はライシンさんが好きなんです。前の大戦でお姉ちゃんが敵になった時、アスランさんにも言われましたがライシンさんも…………

 

雷真『もし、仮に俺も君のお姉さんと戦うことになったら、俺が撃つ。そして、俺を恨むといい。そうすれば、君に責める先ができるだろう?』

 

……って言われて、私は戦う決心が出来たんです。だから……だから……」ポロポロ

 

 

雷真「メイリン、お前の気持ちは嬉しい。けれど、俺はアイツらを捨てることはできない。誰よりも刀奈を、簪を、シャルロットを……彼女たちを愛しているんだ」

 

メイリン「…………」ポロポロ

 

雷真「だから、すまない。こんなクズ野郎で」

 

 

雷真はそれだけ言い残して更衣室を出る。その際、廊下にはメイリンの泣き声が少しだけ響いた。

 

 

メイリンとの話を終え、格納庫に行くと先に出て行った三人が雷真のことを待っていた。

 

 

ムウ「よう、色男」

 

アスラン「話は終わったのか?」

 

雷真「ああ。俺は元の世界に帰る!」

 

キラ「わかった。途中まで僕たちも行くよ」

 

雷真「ありがとう」

 

 

そして、各人、自分の機体へと搭乗する。

すると、管制のミリアリアからプライベートチャンネルで通信が来る。

 

 

ミリアリア『ライシン』

 

 

雷真「なんだ?」

 

 

ミリアリア『これで、もう、お別れなんだよね?』

 

 

雷真「ああ、そうなるな」

 

 

ミリアリア『そっか……。ライシンが初めてこっちの世界に来た時は私の家の庭に倒れてたんだよね?』

 

 

雷真「そうだったな」

 

 

ミリアリア『それから色々とあったけど、楽しかったよ、雷真との生活。血は繋がってなくても、本当の姉弟が出来たみたいで』

 

 

雷真「…………」

 

 

ミリアリア『だから、お別れは言わない。その代わり、行ってらっしゃい!』

 

 

雷真「ミリアリア…………」

 

雷真「ありがとう、ミリアリア姉さん。行ってきます!」

 

 

それを最後にミリアリアとのプライベートチャンネル通信は終わった。

そして、発進シークエンスへ移行する。

 

 

 

~BGM:勇気の滑空~

 

 

 

ミリアリア『CPUオンライン。カタパルト接続』

 

ミリアリア『各パワーフロウ正常。進路クリア』

 

ミリアリア『【ZGMF-X10A フリーダム】、発進どうぞ!』

 

 

雷真「黒牙雷真、フリーダム。行きます!」

 

 

雷真はアークエンジェルからフリーダムで発進してゲートまで一気に向かう。

その護衛にキラ、アスラン、ムウの三人が付いた。

 

そして、ある程度ゲートまで近付くと、危険アラームが鳴る。また、複数のビームも飛んでくる。

 

 

 

雷真「これは!?」

 

 

キラ『ライシン、これはロゴスの残党だよ』

 

 

雷真「ロゴスの!?」

 

 

ムウ『その証拠に、おいでなすったぞ!』

 

 

ムウの声でレーダーにはある機械のデータが表示された。それは【GFAS-X1 デストロイ】だった。

他には、【GAT-02L2 ダガーL】、【GAT-04 ウィンダム】が複数存在していた。

 

 

雷真「デストロイ……まだ、居たのか」

 

 

アスラン『ライシン、デストロイたちは俺たちで何とかする』

 

キラ『だから、君はゲートへ向かって』

 

 

雷真「でも!」

 

 

ムウ『行け、坊主!お前さんには帰りを待っている奴らが居るだろう!』

 

 

雷真「フラガ一佐………ありがとうございます!」

 

 

雷真はキラたちがデストロイやダガーL、ウィンダムを足止めしている間にゲートへと急ぐ。

 

 

雷真「これがゲート……」

 

 

ゲート前まで着くと、一部だけ空間がグニャグニャになっている部分を見つけた。

 

 

雷真「フリーダム、頼む。俺を刀奈たちの所へ導いてくれ!」

 

 

雷真の言葉に答えたのか、フリーダムのツインアイが光る。

そして、ゲートへと入り込む。

 

 

雷真「今から行くぞ。刀奈、簪、シャルロット、みんな!」

 

 

 



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第29話








雷真がゲートを潜っている少し前。作戦室ではIS学園の教師陣が福音ならびにカオスたちの現在位置を随一確認していた。

 

 

摩耶「全機、停止していますね」

 

千冬「…………」

 

摩耶「本部はまだ、私たちに作戦の継続を?」

 

千冬「解除命令が出ていない以上、継続だ」

 

摩耶「ですが、黒牙くんがロストした以上。どのような手であの四機を沈黙もしくは撃墜しろと?」

 

 

千冬と摩耶が今後の作戦について話していると作戦室のドアがノックされる。

 

 

【コンコンコンッ!】

 

 

???「失礼します」

 

千冬「誰だ?」

 

???「デュノアです」

 

千冬「待機と言ったはずだ!入室は許可できない」

 

 

と千冬に一喝されてしまった。

ドア前で待機していたのはシャルロットの他にセシリア、鈴、ラウラの三人だった。

 

 

シャル「…………」

 

セシリア「…………」

 

鈴「…………」

 

ラウラ「教官の言う通りにするべきだ」

 

シャル「でも、先生だって一夏のことが心配なはずだよ。それに雷真だって、まだ本当に死んだ訳じゃないはすだよ…………」ポロポロ

 

鈴「シャルロット……」ギュッ

 

シャル「ありがとう、鈴」

 

セシリア「一夏さんもずっと目を覚ましていませんのに…………」

 

鈴「手当ての指示を出してから一度も様子を見に行っていないなんて……」

 

ラウラ「行っていないのではない。教官はいけないのだ、鈴」

 

鈴「どういうこと、ラウラ?」

 

ラウラ「私やセシリア、鈴はそこまで心に傷を負っていないだろう。無論、教官も」

 

セシリア「もしかして、自分よりも傷付いている者がいるから?」

 

ラウラ「ああ。十中八九、刀奈に簪。それにシャルロットもだ」

 

シャル「僕はまだ、二人に比べたら……」

 

ラウラ「お前が無理をしているのは皆、分かっている」

 

セシリア「ですが、箒さんに声をかけるくらい

は……」

 

ラウラ「今は福音とあのカオスとか言う未確認ISたちの補足に集中する。教官は自分ができることをやっているに過ぎない」

 

ラウラ「教官だって苦しいはすだ。苦しいからこそ、作戦室に籠っている。心配するだけで、一夏を見合うだけで、福音やカオスたちが撃破出来るとでも?」

 

ラウラ「それよりも問題は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、『更識』と部屋の表しに書かれた部屋の中では…………。

 

 

簪「お姉ちゃん……」

 

 

先ほど、摩耶から雷真のロストを聞かされて泣きながら意識を失った刀奈は、今まだに布団の中で涙を流してながら、雷真の名前を弱々しく呼んでいた。

 

刀奈「らい……しん……」ポロポロ

 

簪「グスッ……」ポロリ

 

簪「早く帰ってきてよ、雷真。約束、したじゃない。こんなお別れ、私は……私たちは嫌だよ」ポロポロ

 

 

簪も我慢が限界になったのか、その場で声をもらしながら泣いてしまう。

それから泣き止むまで少し経つと意識を失っていた刀奈が目を覚ます。

 

 

刀奈「う、う~ん。ここは…………?」

 

簪「お姉ちゃん」

 

刀奈「かん……ざし……ちゃん?」

 

簪「そうだよ、お姉ちゃん」

 

刀奈「私は…………はっ、雷真!」

 

刀奈「簪ちゃん、雷真は?雷真はどこに居るの!?」

 

簪「それは…………」

 

刀奈「あっ、そっか!雷真は今、お風呂に行ってるんしょ?じゃないと…雷真が…雷真が……雷真が死ぬなんて夢は有り得ないもの」ポロポロ

 

簪「お姉ちゃん……」ポロポロ

 

刀奈「なんで……なんで、雷真が死なないと行けないの?なんで、いつも雷真だけがこんな酷い目に合うの?」ポロポロ

 

簪「…………」ポロポロ

 

刀奈「なんで……なんでなのよ……」ポロポロ

 

 

刀奈は涙を流してながら雷真が死んだことによりできた。胸の奥の感情を吐き出した。

 

涙が止まると二人は気分転換をするために浜辺に行くことした。

そして、浜辺に行くと…………。

 

 

鈴「ざけんじゃないわよ!」

 

 

刀奈「鈴ちゃん?」

 

簪「鈴?」

 

 

二人が浜辺に着くと、そこには鈴と箒が揉み合っていた。

 

 

鈴「やるべきことがあるでしょうが?今、戦わなくてどうすんのよ?」

 

箒「もうISは…………使わない」

 

鈴「ッ…………!」

 

 

箒のその言葉を聞いた鈴は箒の顔を叩こうとするが鈴が叩く前に刀奈が動き出し、箒の頬を叩いた。

 

 

刀奈「甘ったれるな!」

 

鈴「刀奈…………それに簪も」

 

簪「…………」

 

刀奈「たかが、作戦を一回失敗しただけで、大切な人が傷付いただけで全てを諦めたような声を出すな!」

 

箒「…………」

 

刀奈「私なんか……私たちなんか、大切な人を失ったのに!」ポロポロ

 

箒「大切な人を……失った?」

 

鈴「箒は知らないだろうけど。私たちがザクたちを撃破した後に一夏たちのフォローに向かおうとした時、新たに未確認ISが現れてね」

 

鈴「それで、雷真が私たちを生かすためにそのまま…………」

 

箒「そんな…………」

 

刀奈「だから、貴女は甘ったるな!まだ、敵はそこに居るんだ!なら、敵を討ちなさい!」

 

箒「そうだな。やはり、私は甘ったれていたのだな。私は一夏の敵を討つ」

 

鈴「やっとやる気になったわね?」

 

鈴「あ~あ~、いい所は刀奈に全部持っていかれちゃったわ」

 

 

鈴は後ろを振り向き。そう声を発した。

そして、振り向いた先には、セシリア、ラウラ、シャルロットの三人がいた。

 

 

箒「な、なに?」

 

シャル「みんな、気持ちは一つてこと」

 

セシリア「負けたまま、終わっていいはずがないでしょ?」

 

シャル「それに、僕たちは雷真の敵討ちをしなくちゃいけないからね」

 

 

それからは各自、大切な人の敵討ちの作戦を練ることにした。

 

 

鈴「ラウラ、福音とカオスたちの位置は?」

 

ラウラ「確認済みだ」

 

 

ラウラがそういうと、部分的にISを展開し皆に福音とカオスたちの座標を伝える。

 

 

ラウラ「福音は、ここから30km離れた沖合い上空に確認した。カオスたちは雷真がロストした孤島から全くと言っていい程、動いていない」

 

ラウラ「カオスたちにはなかったが、福音はステルスモードに入っていたが、どうも光学迷彩は持っていないようだ」

 

ラウラ「衛星による目視で発見した」

 

鈴「流石はドイツ軍特殊部隊。やるわね?」

 

ラウラ「お前たちの方はどうなんだ?準備は出来ているのか?」

 

鈴「当然、甲龍の攻撃特化パッケージはインストール済み」

 

セシリア「こちらも完了していますわ」

 

シャル「僕も準備OKだよ」

 

簪「私も雷真のストライクからもらったデータにカオスたちのデータがあったから準備は万端」

 

箒「待ってくれ、行くというのか?命令違反ではないのか?」

 

刀奈「そうね、命令違反ね100%。けどね、箒ちゃん。私はね、自分の夫を殺した相手かもしれない奴を命令だからと言って諦められるほど、人間出来ないのよ!」ギロリ

 

箒「!?」ゾワリ

 

 

箒が見た刀奈のその目は、復讐を誓った目をしていた。その瞳の色はどんな赤よりも暗い負の感情が詰まった紅色だった。

 

 

刀奈「それに箒ちゃんは敵を討つと言ったはずよ?」

 

ラウラ「お前はどうする?」

 

箒「私……私は……戦う。戦って、一夏の敵を討つ!今度こそ、敗けはしない!」

 

鈴「決まりね。今度こそ、確実に撃破するわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

みんなで敵討ちの作戦を決まったあと、私、簪、シャルロットちゃんはカオスたちを撃破することにした。

福音は箒ちゃん、セシリアちゃん、鈴ちゃん、ラウラちゃんが撃破するになった。

 

そして現在は空から白んでくる頃、私たちはカオスたちがいる孤島へ向かう。

 

 

簪「見つけた!」

 

刀奈「アイツらが雷真を…………」ギリ!

 

シャル「刀奈、気持ちは分かるけど落ち着いて」

 

刀奈「ごめんなさい、シャルロットちゃん」

 

 

雷真の敵である、カオスたちを見た私は恨みや復讐の心のあまり奥歯を噛んでしまう。

 

また、カオスたちは東西南北を一機ずつ守るように背中合わせで立っていた。他には作戦室で見たような鮮やかな色ではなく。色を失った灰色をしている。

これは、雷真が発進する前のストライクに良く似ている。

 

 

刀奈「簪ちゃん、お願い!」

 

簪「うん!いっけぇーっ!」

 

 

簪は打鉄弐式の武装の連射型荷電粒子砲の春雷を放つ。すると荷電粒子砲はそのままカオスたちに向かい…………

 

 

簪「ヒット!」

 

刀奈「よし、行くわよ!」

 

 

「「うん!」」

 

 

春雷を自分たち突撃の合図にして、カオスたち突撃する。また、先ほど放った春雷でできた爆煙が止むと、そこには灰色から鮮やか色に変わったカオスたちが佇んでいた。

 

 

簪「やっぱり、雷真のストライクのようなビームライフルと違って、そこまで有効打にはなってないみたい」

 

刀奈「それでも、ダメージが入っているなら構わないわ」

 

シャル「そうだね。簪は引き続き、カオスたちに荷電粒子砲を当てて。この中で、簪だけがカオスたちにダメージを与えられるから」

 

簪「分かった」

 

 

 

刀奈たちの作戦は接近戦で刀奈とシャルロットがカオスたちと交戦し、隙ができた簪が荷電粒子砲でカオスたちのVPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲を超えてダメージを与えていく作戦である。

 

 

刀奈「お前たちは、雷真の仇!」

 

シャル「だから、僕たちが墜とす!」

 

刀奈「ハアアアアッ!」

 

シャル「ヤアアアアッ!」

 

 

刀奈とシャルロットがカオスたち近接攻撃を仕掛け様とするとカオスたちのツインアイが輝き。カオスとセイバーが二人の前に踊り出る。

 

そして、私の蒼流旋をカオスが、シャルロットちゃんの近接ブレードをセイバーが、腕で受け止め、反対側の拳で攻撃してくる。

 

 

刀奈「盾で受け止めるまで無い……。そう言いたいのか、お前たちは!」

 

刀奈「嘗めるなぁぁぁぁあ!!」

 

 

私は完全に頭に来たので右手に蒼流旋、左手に蛇行剣を握り、カオスに突撃する。

シャルロットちゃんは近接ブレードを拡張領域(バススロット)に仕舞い。新たにショットガンを二丁取り出し、セイバーに放つ。

 

 

刀奈「この、この、この、このォォォオ!」

 

 

槍と剣で連続の突き攻撃を繰り返すがカオスはそれを全て盾では無く腕で受け止める。

 

 

刀奈「くそっ!(このままじゃ、全然ダメージが与えられない!)」

 

 

カオスにダメージを与えられないことにイライラとしていると簪ちゃんから通信が来る。

 

 

簪「お姉ちゃん、離れて!」

 

 

簪ちゃんの指示でカオスから離れるとシャルロットちゃんが誘導してきたのかセイバーの位置とカオスの位置が一つに纏まり。そして…………。

 

 

簪「当たって!」

 

 

簪ちゃんの打鉄弐式から放たれた荷電粒子砲がカオスとセイバーに当たる。

その時、私の視界にはある物が映った。それを確かめるために私は浜辺の波打ち際に向かう。

 

 

シャル「刀奈?」

 

刀奈「…………」

 

 

波打ち際に着くとそこには…………。

 

 

刀奈「これは雷真のビームライフルとシールド。それにソードの剣…………」

 

 

何故か分からないけど、撃墜されたはずのストライクの武装である。ビームライフルとエールストライカーの対ビームシールドとソードのシュベルトゲベールが浜辺の波打ち際に漂着していた。

なので、それを直ぐに拾いあげる。

拾い上げているとシャルロットちゃんの声が聞こえくる。

 

 

シャル「簪!?」

 

刀奈「簪ちゃん!?」

 

 

シャルロットちゃんの声で簪ちゃんを見ると人型から変形したのか戦闘機の様な形に変わったカオスとセイバーが簪ちゃんを襲う。

 

 

 

 

 

─お願い、雷真。私に力を貸して!─

 

 

 

 

 

私はビームライフルを手に取りながら願った。すると目の前にあるメッセージが表示された。

 

 

 

 

 

 

【ビームライフル active】

 

 

 

 

 

 

刀奈「雷真……ありがとう」

 

 

私はビームライフルをカオスたちに向けて放つ。

 

 

刀奈「行けぇぇぇぇえ!」

 

 

私が放ったビームはカオスの爪の様な部分に命中した。するとカオスとセイバーは簪ちゃんから離れる。

 

 

シャル「今のは…………?」

 

簪「お姉ちゃん……?」

 

刀奈「簪ちゃん、大丈夫?」

 

簪「う、うん。でも……それって……」

 

 

簪ちゃんとシャルロットちゃんは私が手に持つビームライフルを見て驚いているようだ。

 

 

刀奈「これは雷真が残した物よ」

 

簪「雷真が?」

 

刀奈「だから、受け取って!」

 

 

私は簪ちゃんたちに近付いて、対ビームシールドを簪ちゃんに、シュベルトゲベールをシャルロットに投げ渡す。

 

 

簪「雷真……」

 

シャル「雷真……」

 

刀奈「さぁ、行くわよ!」

 

 

「「うん!」」

 

 

カオスたちの装甲に対する武器を手に入れたことにより、カオスたちも本気なりビームライフルを私たちに向ける。

 

 

刀奈「ここからが正念場ね」

 

 

次第に熾烈を極めて行く、カオスとセイバーの二機との戦闘。しかし、この二機以外に、もう二機居ると考えると絶望的だが、彼は………雷真はそんな絶望の中、私たちを生かすために戦ったんだ。

 

だから、雷真の妻である。私たちがここで諦めたら天国にいる雷真やお母さんに顔向けができない。

 

 

刀奈「デェェイッ!」

 

 

カオスは私が相手を、簪ちゃんとシャルロットちゃんはセイバーの相手を今はしている。

カオスから放たれる赤と白の混ざったビームは全て回避して、緑のビームは蛇腹剣にナノマシンで海水を纏わせて相殺する。

 

たまにビット兵器が襲いかかってくるがそれもナノマシンで防ぎ。一つ一つ丁寧にビームライフルで落としていく。

 

 

 

刀奈「これでラスト!」

 

 

最後のビット兵器を墜とすと、それによりできた隙にカオスがまさかの瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使って私の首を右腕を掴んで来た。

 

 

刀奈「かひゅっ!?」

 

簪「お姉ちゃん!?」

 

シャル「刀奈!?」

 

 

首を掴まれた私は、瞬時加速(イグニッション・ブースト)の加速力で掴まれたことによりビームライフルと蛇腹剣を落としてしまう。また、カオスは私を殺そうと首を絞め始め息が出来なくなる。

 

 

刀奈「ぁぁ……ぁぁぁ……!」ジタバタ

 

簪「お姉ちゃん!」

 

シャル「くそっ、邪魔だよ!」

 

 

二人は私を助けようと此方にやってくるがセイバーがそれを邪魔して思うように来れないみたいだ。

また、SEもカオスによってドンドン削られていく。

そして、残り僅かになり初めた。

 

 

刀奈「ぐぅ………ぁぁ……」

 

 

 

 

こんな所で、何も出来ないで私は死ぬの?

 

雷真を………大切な人を殺した仇も撃てないで?

 

私が死んだら次は簪ちゃんとシャルロットちゃんなのかな?

 

せっかく、雷真が命懸けで守ってくれた命なのに…………。

 

 

 

刀奈「…ゴメン…ネ……ライシン」ポロポロ

 

 

私は意識が遠退いて行く最後に力を振り絞り、雷真に謝罪の言葉を残した。

すると私の頭の中にある声が響いた。

 

 

 

 

 

─刀奈ァァァァア!!─

 

 

 

 

 

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

 

その声と音が届くとカオスが締めている息苦しさと喉の圧迫間がなくなる。

 

 

 

刀奈「カハッ、ケホッ、コホッ!」

 

簪「お姉ちゃん、大丈夫?!」

 

シャル「刀奈、大丈夫?!」

 

刀奈「ええ、私は大丈夫。でも、一体何が…………」

 

 

私は何故、助かったのか理解出来ないで居た。

 

 

簪「お姉ちゃんを助けたのは…………」

 

シャル「新しい未確認ISだよ」

 

刀奈「えっ?」

 

 

二人が見ている先を息を整えてながら見るとそこには蒼い翼を背中に生やした…………。

 

 

刀奈「天使…………?」



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第30話





~刀奈たちが出現して少し経った頃~

 

 

 

 

 

とある宇宙に宇宙服を着た青年が一人、漂っていた。

 

 

 

雷真「ん、ん~…………ここは?」

 

雷真「そうだ、俺はゲートをぐぐって…………フリーダム!」

 

 

俺は慌てて辺りを見渡すとどうやら宇宙に居るようでアークエンジェルから乗ってきたフリーダムを探すが見当たらない。

 

なので、もしかしたらと思い首元を探ると案の定。パイロットスーツの中に入れていたはずの蒼い羽の首飾りがパイロットスーツの外に出ていた。

 

 

雷真「ということは……俺は元の世界に還ってきたのか?」

 

雷真「取り敢えず、地球に行かないと」

 

雷真「フリーダム、起動!」

 

 

 

~BGM:ミーティア~

 

 

 

 

首飾りを握りながら『起動!』と念じると慣れた感覚でフリーダムが俺の身体を覆う様に展開された。

 

 

雷真「地球の座標は………こっちか!」

 

 

フリーダムのレーダーを確認しながら地球へと向かう。

また、地球の衛星起動付近になるとフリーダムのレーダーに熱源照合がされた。

 

何故、こんな離れているのに照合されたかは分からないが照合されたのは刀奈たちの霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)、打鉄弐式、ラファール・リヴァイブ・カスタムの三機だ。

 

 

雷真「刀奈たちは、もうカオスたちと戦ってるのか!?」

 

 

俺は直ぐにフリーダムで大気圏突入態勢に入る。

また、大気圏に突入する際、地球の花月荘に居るであろう。織斑先生たちに向けてフリーメッセージを送る。

 

 

雷真「座標誘導システム起動、姿勢制御システム起動、排熱、冷却システム起動!」

 

 

フリーダムで大気圏突入しながらフリーダムに搭載されている全ての大気圏突入用システムを起動させてからラミネートアンチビームシールドを構え。背中のスラスター翼を広げ、ハイマットモードにする。

 

 

雷真「間に合ってくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

雷真が大気圏に突入している頃。花月荘の作戦室では、無断でシルベリオ・ゴスペルとカオスたちに向かったIS学園の専用機持ちに真耶が必死に連絡を取ろうとするが通信が繋がらない。

 

 

真耶「まだ、通信は回復しないんですか!」

 

千冬「無駄だ。恐らく連中の方で切っている」

 

真耶「ですが!」

 

束「ちーちゃん!カオスとかいうISに向かった専用機持ちの子のSEが危険域に入るよ!」

 

千冬「なに!?」

 

千冬「周辺の封鎖中の職員に救出命令を出せ!」

 

 

千冬が指示を出しのと共に作戦室のレーダーに新たな未確認ISの反応が出る。

 

 

束「ちーちゃん、ちーちゃん!」

 

千冬「今度はなんだ!」

 

束「新らたに未確認ISの反応だよ!」

 

千冬「なんだと!?」

 

束「それに…………コイツ、宇宙から単独で大気圏を降下してるよ!束さんでも、単独で、ましてやこんな高速で大気圏内を突入できるISは作ってないよ!」

 

千冬「束がたどり着けいない性能のISだと…………?」

 

 

千冬と束は単機で大気圏内を降下する未確認ISに驚いていると真耶からの口からまた驚くべきことを聞かされる。

 

 

真耶「先輩、その未確認ISからフリーメッセージです!」

 

千冬「読み上げろ!」

 

真耶「『我、黒牙雷真。現時刻を持って前線に復帰する!』とことです。先輩、これって!」ポロポロ

 

千冬「黒牙…………本当にお前なのか?」

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

高速で大気圏を無事に通過するとフリーダムのレーダーを頼りに刀奈たちの所へ向かいながらフリーダムにかかる地球の重力や海風などをフリーダムのメインシステムで適切な状態にする。

 

 

 

雷真「これで行ける!」

 

 

システムの調整が終わると瞬時加速(イグニッション・ブースト)を連続で使用する。また、フリーダムの通常飛行速度は明らかに箒の紅椿を凌駕している。

 

 

雷真「見つけた!」

 

 

地球に降りて約10分ほどで刀奈たちをフリーダムのハイパーセンサーで目視できる距離までたどり着いた。

 

また、最悪の事態になる前に間に合ったと思った。その時 、カオスが瞬時加速(イグニッション・ブースト)で刀奈の首をつかんだのだ。

 

 

雷真「!!」キュパーン

 

 

それがトリガーになったのか俺の頭の中で何かが割れ、思考がクリアになり、二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)を使い。刀奈の首を掴んでいるカオスの右腕をフリーダムの腰に搭載されているラケルタビームサーベルで切り落とす。

 

 

雷真「刀奈ァァァァア!!」

 

 

カオスは右腕を切り落とされると一度後退し、セイバーと共に此方の様子を見ている。

 

 

刀奈「カハッ、ケホッ、コホッ!」

 

簪「お姉ちゃん、大丈夫?!」

 

シャル「刀奈、大丈夫?!」 

 

刀奈「ええ、私は大丈夫。でも、一体何が…………」

 

刀奈は首を絞められていたがそこまで強くなかったのか無事の様だ。

 

 

簪「お姉ちゃんを助けたのは…………」

 

シャル「新しい未確認ISだよ」

 

刀奈「えっ?」

 

 

刀奈は息を整えて俺を見ると、こう口にした。

 

 

刀奈「天使………?」

 

雷真「…………」

 

 

良かった、無事で……。さぁて、俺の大切な奴らをいたぶってくれた礼をしなくちゃな。

 

カオスとセイバーに向かう前に手が空いている刀奈にラミネートアンチビームシールドを渡す。

 

 

刀奈「これは?」

 

雷真「…………」

 

刀奈「ちょっと!?」

 

 

俺は無言でカオスたちに向けてスラスターを噴かせて刀奈たちをいたぶってくれた礼をすることにした。

 

 

雷真「お前ら、生きて帰れると思うなよ!」

 

 

右手に持っているラケルタビームサーベルを一度戻して後ろ腰にマウントしていたルプスビームライフルを取り、左手ではラケルタビームサーベルを引き抜き、近接戦と銃撃戦を両方行う。

また、カオスは腕が使い物ならないと分かるとMS(モビルスーツ)形態からMA(モビルアーマ)形態へと変形する。

 

 

雷真「そこっ!」

 

 

ハイマットモードで高速移動しながらルプスビームライフルでよく狙いながら撃つが思うように当たらない。

 

 

雷真「まだ、俺がフリーダムに慣れてないからか………なら!」

 

 

性能に慣れてないなら技術で補うまで!

ストライクの時には出来なかった、偏向射撃(フレキシブル)を使う。するとセイバーの左足に当たる。

 

 

雷真「よし!」

 

 

フリーダムの危険アラームが鳴り、後ろからカオスがビームクローで当てに来ることが分かったので、その場でバク転宙返りをしてカオスの後ろからラケルタビームサーベルで縦に真っ二つにして撃墜。

 

 

雷真「まずは一機。次!」

 

 

カオスを撃破すると下から複数のビームが飛んできたので全て回避する。回避に成功すると左手で持っているラケルタビームサーベルを右腰に付いているもう一本のラケルタビームサーベルの連結させてアンビデクストラス・ハルバードにする。

 

 

雷真「海から……なら、アビスか!だったら、これで!」

 

 

ラケルタビームサーベルをアンビデクストラス・ハルバードへと連結させた後、態勢持ち直し海面に向けてルプスビームライフル、バラエーナプラズマ収束ビーム砲二門、クスィフィアスレール砲二門をハイマット・フルバーストする。

 

 

雷真「当たれぇぇぇえっ!」

 

 

 

フルバーストを連射していると少し先の海面で何かが大きく爆発し、フリーダムのレーダーからアビスの熱源が消滅した。

 

 

 

雷真「残るは二機!」

 

 

アビスを撃破してからセイバーの方に視線を向けると今度は後ろの方から危険アラームがなるので後ろを向きながら指でアンビデクストラス・ハルバードを回転させて防御態勢に入る。

 

後ろを向き終わると複数のビームがアンビデクストラス・ハルバードに当たり弾かれる。

 

 

雷真「次はガイアか!」

 

 

右手に持つ、ルプスビームライフルを後ろ腰にマウントしてアンビデクストラス・ハルバードの連結を解き。二本のラケルタビームサーベルにすると緩急を付けながらガイアに向けて突撃する。

また、此方に撃ってくるビームは全て緩急を付けた高速移動で回避する。

 

そして、ガイアの前までに着くと右手に持つラケルタビームサーベルをガイアに向けて投擲し、ブラインドに使う。

 

ガイアは投擲されたラケルタビームサーベルを対ビームシールドで防ぐので、その隙にガイアの後ろに回り、後ろ腰にマウントしているルプスビームライフルを構えて撃つ。

 

 

雷真「この距離なら!」

 

 

四回ほど連射するとガイアから離れてガイアが爆発するのを見る。

ガイアの最期を見届けたら次はセイバーを狙う。

因みにだが、先ほど投擲したラケルタビームサーベルは一定時間が過ぎると自動的にフリーダムの腰にマウントされる様に設定してある。

 

 

雷真「最後はセイバー、お前だけだ!」

 

 

セイバーは俺と同じタイミングでスラスターを噴かせるとセイバーは左手肩に搭載されているヴァジュラビームサーベルを引き抜き、近接戦に応じてくる。

 

 

雷真「セヤアアアッ!」

 

 

互いのビームサーベルがぶつかるとサーベル同士の間でプラズマかバチバチと発生する。

また、互いにビームサーベルのビームが薄い部分を探すためにビーム刃の位置をずらし合う。

 

埒が開かないと分かったら『切り捨てごめん!』のような相手を切り捨てながら走り去る様に行ったり来たりを繰り返しながらビームサーベルを交える。

 

そして、10回ほどセイバーとビームサーベルを交えていると、ある時、俺の視界に映る物全ての物事がゆっくりと遅く見えるような不思議な現象が起きた。

 

 

雷真「!!(なんだ、これ!?)」

 

 

その現象の中、セイバーがヴァジュラビームサーベルを上から振り下ろして来るのでそれをフリーダムの機動性で横に反転し回避すると同時にセイバーの身体を腹から横一閃真っ二つにする。

 

真っ二つにされたセイバーは俺の後ろで爆発する。

 

 

雷真「…………。(今のは一体…………)」

 

 

無事にカオス、アビス、ガイア、セイバーを倒すことに成功すると海に浮かぶカオスたちの残骸をフリーダムの拡張領域(バススロット)に収納しながら刀奈たちの元へ行く。

 

刀奈たちの前に着くと刀奈が何故か知らないけどストライクのシュベルトゲベールを、シャルロットはサブマシンガン二丁を、簪は春雷を俺に向けていた。

 

 

刀奈「先ほどは助けて頂いた事とあの四機を撃破してくれたことに感謝します。しかし、貴方は一体何者?顔を見せてくれるかしら?」

 

 

うわー、三人ともスゲェ敵意を向けてくるよ

 

 

俺は刀奈の指示通りにフリーダムのヘッド装甲を解除し、オーブ製のパイロットスーツのヘルメットを取る。

 

 

簪「えっ……?」

 

シャル「うそ…………」

 

刀奈「らい……しん?」

 

雷真「ただいま。刀奈、簪、シャルロット」ニッコリ

 

 

笑顔で三人に『ただいま』を言うと次第に三人の顔がグズグズの表情になり泣き出し抱きついてくる。

 

 

刀奈「らい……しん……雷真!」ポロポロ

 

簪「良かったよ、本当に良かったよ!」ポロポロ

 

シャル「僕たち、雷真があの四機に殺されたと思って……」ポロポロ

 

雷真「悪かったな、心配かけて」

 

刀奈「本当よ!」ポロポロ

 

シャル「僕たちがどんな思いで居たと思ってるのさ!」ポロポロ

 

簪「あとで目一杯お説教してやるんだから!」ポロポロ

 

雷真「ああ、全て終わったら受けてやるよ」

 

 

 



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第31話







カオスたちを撃破して、刀奈たちの前まで行き。刀奈たちに武器を向けられながらフリーダムのヘッド装甲とオーブのパイロットスーツのヘルメットを取り、俺だということを分かった三人は泣き出してしまった。

 

 

雷真「いい加減、泣き止めよ」

 

刀奈「だって……」ポロポロ

 

簪「そうだよ……」ポロポロ

 

シャル「本当だよ……」ポロポロ

 

雷真「それより、刀奈が持ってるそれってソードの…………」

 

刀奈「ええ、ソードストライクの武装よ。これ以外にもビームライフルに対ビームシールドも貴方がロストした孤島の波打ち際に漂着していたの」

 

雷真「なるほどな。刀奈たちだけがこっちにいるってことは、他の皆はシルベリオ・ゴスペルの方か?」

 

刀奈「そうよ。箒ちゃん、セシリアちゃん、鈴ちゃん、ラウラちゃんで福音を撃破しに行ったわ」

 

雷真「わかった。俺は箒たちの手助けに行ってくるから三人はゆっくりと来るといい」

 

シャル「ううん。僕たちは花月荘に一度戻るよ」

 

簪「さっきの戦闘でSEがあまりないし。なにより、お姉ちゃんの霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)はSEが残り僅かだから」

 

雷真「なら、一度降りれる場所に移動しよう」

 

刀奈「何をするの?」

 

雷真「いいから」

 

 

俺は刀奈たちと孤島に降りてからフリーダムのSEを三人のISに譲渡することにした。

 

 

雷真「それじゃ、まずは刀奈。手を出して」

 

刀奈「え、ええ」

 

 

霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の手を掴み、フリーダムのエネルギーを譲渡する。

 

 

雷真「フリーダム。 霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)にエネルギーの譲渡を開始」

 

刀奈「えっ!SEが回復してる!?」

 

シャル「でも、そんなことしたら雷真のISのエネルギーが……」

 

簪「二人とも大丈夫だよ」

 

刀奈「簪ちゃん?今のはどういうこと?」

 

簪「雷真のISをストライクから抽出したデータで探して見たんだけだ。その、雷真の新しいISはエネルギーの枯渇の心配はないんだよ」

 

シャル「エネルギーの枯渇がない?」

 

簪「うん。 なんたって、雷真が乗ってる【ZGMF-X10A フリーダム】は動力原に核を使ってるから」

 

 

「「核!?」」

 

 

刀奈とシャルロットの二人は簪からされたフリーダムの動力原の説明を聞いて凄く驚いていた。

 

 

刀奈「ちょっと待って、核を動力にしているISなんて聞いたことがないわよ!?」

 

雷真「だろうな。なんせ、フリーダムは"あっち側(コズミック・イラ)"から乗ってきた物だからな」

 

シャル「"あっち側(コズミック・イラ)"って…………まさか!?」

 

雷真「そっ。俺はストライクで墜とされた時に、また"あっち側(コズミック・イラ)"の世界に行っててな。それでこっちに還ってくる時にフリーダムを貰ったのさ」

 

刀奈「はぁ~。もう、私たちの旦那様は何処まで規格外なのよ」

 

雷真「悪かったよ。次は簪とシャルロットも」

 

簪「うん」

 

シャル「よろしく」

 

 

簪とシャルロットの手も握り。フリーダムからエネルギーを譲渡する。

譲渡が終わるとシャルロットが刀奈から受け取ったであろう。ラミネートアンチビームシールドを受け取り、後ろ腰にマウントする。

 

 

雷真「SEの補給も終わったし、三人はゆっくりと来いよ?」

 

 

 

三人のSE補給が終わるとフリーダムのスラスターを一気に噴かして箒たちが居るであろう海域に向かう。

 

 

 

シャル「さっきの戦闘で分かってたけど……」

 

刀奈「やっぱり、速いわね……」

 

簪「マルチロックオン・システムはフリーダムの物だったんだ」

 

 

 

 

 

 

~BGM: STRIKE出撃!~

 

 

 

 

 

刀奈たちを置いて急いで箒たちの所へ向かっていると少し先の海上で爆発やレーザー、レール砲などが行き交っていた。

 

 

雷真「あれか!」

 

雷真「一夏の奴……白式が第二形態に進化したのか?」

 

 

箒たちが目視できる距離までになると福音以外にもう一機。白いISが居たので、その機体は一夏だと理解した。

 

 

雷真「まさか、一夏まで機体を新しくするとはな」ニヤリ

 

雷真「ッ!!」

 

 

一夏が強くなったことに少し笑みを浮かべていると福音が身体を捻るように回転させてエネルギー弾をばら蒔いた。

 

 

一夏「鈴!?」

 

鈴「はっ!」

 

雷真「させるか!」

 

 

二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)で福音のエネルギー弾が当たる前に鈴を抱き上げて射線上から離脱する。

 

 

鈴「アンタ、一体……?」

 

一夏「鈴、大丈夫か!」

 

鈴「ええ……私は大丈夫よ。ソイツが助けてくれたから」

 

一夏「そうか。誰か知らないけど鈴を助けてくれて……」

 

雷真「礼は後で聞いてやるか今は戦闘に集中しろ、一夏!」

 

 

俺はそれだけを言い残して福音に突撃する。

 

 

一夏「今のって……!」

 

鈴「雷真!?」

 

 

福音に近付きながらセシリアにオープンチャンネルで通信する。

 

 

雷真「セシリア、聞こえるか?」

 

セシリア「その声は……雷真さん!?貴方、生きて……」

 

雷真「話は後だ。ブルー・ティアーズのビット兵器で福音を牽制してくれ。やれるな?」

 

セシリア「お任せくださいまし!」

 

 

セシリアにビット兵器で福音の動きを阻害させる。その隙に俺がラケルタビームサーベル二本を引き抜き、二刀流で福音に突撃する。

 

 

雷真「まずは翼だ!」

 

雷真「そこだぁぁぁぁあ!!」

 

 

ストライクにもあったイメージ・インターフェースを利用して俺が出来るキラの動きを再現する。

それは福音とすれ違い様に福音の背中にあるエネルギー翼を発生させる翼を切断する。

 

すると福音は翼を失ったことにより海面へと落ちていく。

 

 

雷真「一夏!」

 

一夏「任せろ!」

 

一夏「ウオオオオオッ!!」

 

 

一夏は落下している福音を二次移行(セカンドシフト)で新たに追加されたデスティニーのパルマフィオキーナのような武装で近くの孤島の砂浜まで押し込み、砂浜に着くと零落白夜で留めを刺そうと雪片弐型を突き立てるが福音が抵抗する。

 

なので俺は一夏の上から急降下して雪片弐型の柄の部分を踏みつける様に真下に蹴りを入れる。それを何度も繰り返す。

 

 

雷真「一夏、そのままだ!」

 

一夏「分かってる!ウオオオオオッ!!」

 

雷真「貫け!」

 

一夏「貫け!」

 

 

「「貫けぇぇぇぇぇえ!!」

 

 

俺と一夏の声が重なり、俺が二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)で蹴りを入れるとあまりの力により福音を抵抗を打ち破り。そのまま、深々と白式の雪片弐型が福音の胴体を貫いた。

それにより、福音は完全に行動が停止した。

 

 

雷真「終わったな、一夏」

 

一夏「ああ。やっと、終わった」

 

 

福音か止まったことに一息着くと一夏は此方に向いた。

 

 

一夏「お前、本当に雷真で良いのか?」

 

雷真「この声で分かれよ」

 

 

仕方なく、フリーダムのヘッド装甲とヘルメットを取り、顔を見せる。

すると箒やセシリア、鈴、ラウラまでやってきた。

 

 

箒「雷真、お前、カオスたちに墜されたんじゃ……」

 

雷真「ああ、一度墜されたよ」

 

鈴「なら、その機体は?」

 

雷真「この機体は"あっち側(コズミック・イラ)"から乗ってきた物なんだ」

 

セシリア「あっち側って、雷真さんが言ってらした異世界ことですの?」

 

雷真「それであってる」

 

ラウラ「つくづく、貴様は異世界に飛ばされるようだな?」

 

雷真「それにはどう反応していいか分からないな」

 

 

しばらく、一夏たちと話しをしていると刀奈たちがやって来て、福音を回収してからIS学園の皆が待つ。花月荘へと帰る。

 

花月荘に着く頃には太陽が登り、朝になっていた。

そして、花月荘に到着したのでフリーダムを解除すると俺の身体の力がガクリと抜け、倒れそうになる。

 

 

雷真「うおっ!?」

 

刀奈「雷真!?」

 

簪「雷真!?」

 

 

倒れそうになる俺を昔と同じように刀奈と簪が支えてくれた。

 

 

雷真「悪い。やっぱり、宇宙から大気圏を突破してきたから身体がいうことを聞かないみたいだ」

 

刀奈「なら、私たちに任せない」

 

簪「任せて」

 

雷真「すまない」

 

 

二人に引き吊られながら花月荘の入り口に行くと、そこには織斑先生と山田先生が俺たちを待っていた。

 

 

一夏「千冬姉……」

 

雷真「織斑先生に山田先生……」

 

千冬「『作戦完了!』と言いたい所だが黒牙を除いたお前たちは重大な違反を犯した」

 

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

千冬「帰ったら直ぐ、反省文の提出だ。懲罰ようの特別トレーニングも用意してあるから、そのつもりで居ろ」

 

摩耶「あ、あの……織斑先生。もう、そろそろこの辺で………皆、疲れてるはずですし。何より黒牙くんを休ませてあげないと」

 

千冬「しかしまぁ……よくやった」

 

 

「「「えっ……?」」」

 

 

千冬「全員、特に黒牙、よく帰ってきた。ゆっくりと休め」

 

 

 

まさかの織斑先生からお褒めの言葉をもらって俺たちは解散し、朝食になるのだが。やはり俺は大気圏突破の影響で身体の筋肉が悲鳴を上げ、自分の力ではまともに飯を食えないので刀奈に部屋で食わせてもらうことになった。

 

 

刀奈「はい、あ~ん」

 

雷真「あ~ん」

 

雷真「うん。美味い」

 

刀奈「良かった。ところ、あのフリーダムは本当に核を動力してるの?」

 

雷真「ああ。だから、フリーダムのエネルギーは無尽蔵に精製される。それにパワーはストライクの四倍だ」

 

刀奈「四倍!?」

 

雷真「だから、その分、フリーダムの機動性も上がるから扱いがまだ慣れないんだよ。それにあの時に見せた目を覚えているか?」

 

刀奈「ええ。あの据わったような目ね」

 

雷真「あれはSEEDと呼ばれていて、所謂ゾーンみたいな物なんだけど。それを使っても上手く扱えなかったから学園に戻ったら特訓しないとな」

 

刀奈「あまり無茶はしないでよ?今回みたいに雷真が居なくなるなんて私たちは嫌だからね」

 

雷真「分かったよ。もう、あまり無茶はしないよ。お前たちの涙や悲しむ顔は見たくないからな」

 

刀奈「約束よ?」

 

雷真「ああ、約束だ」

 

 

 

 

 

 

こうして俺たちの波乱の臨海学校は終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある施設である男がモニターを見ていた。

 

 

???「よもや、ザクやグフのみならず、カオス、ガイヤ、アビス、セイバーまで撃破されるとは……」

 

???「全く、君も本当に彼や奴と同じで私の邪魔をしてくれるものだ」

 

???「ストライク、ムウ・ラ・フラガ、フリーダム、キラ・ヤマト」

 

???「いつか私と戦う運命にあるのかな?この世界のキラ・ヤマトである。クロキバ・ライシンくん?」

 

 

その男は椅子の背凭れに身体を預けながら顔に出来た傷を撫で高らかに笑い始めた。

 

また、男が見ていたモニターの横にあるもう一つのモニターがあり。そのモニターにはある機体の状態と名前が載っていた。

その名は…………【ZGMF-X666S レジェンド】

 

 

???「フッハハハハハ!!」

 

 




ネタ切れなので少しお休みします


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第32話








臨海学校の『福音暴走』ならびにZAFTの『MS(モビルスーツ)IS襲撃』の事件が終わり。無事、IS学園に帰ってくると、俺はまずメディカルチェックをされることになった。

 

 

摩耶「はい。これでおしまいです」

 

雷真「ありがとうございます」

 

 

俺はメディカルチェックをする検査機から降りて制服を着る。そして、検査機が置いてある部屋から出てて、織斑先生と山田先生が居るところに行くとあることを聞かされた。

 

 

摩耶「黒牙くん。少しいいですか?」

 

雷真「なんですか?」

 

摩耶「これは本当なら前例がないことなんですが、黒牙くんのIS適正が上がってるんです」

 

雷真「IS適正が?」

 

千冬「黒牙のIS適正は元々AランクだったのがSランクに上がっている」

 

雷真「AからSに…………あっ!」

 

千冬「どうした?」

 

雷真「前にカオスたちを撃破する時に妙な感覚に襲われて」

 

千冬「妙な感覚?」

 

雷真「はい。相手の動きというよりも視界に映る全ての動きが遅く感じたんです。その時は今とは違ってSEEDを使ってましたが」

 

千冬「ふむ……。山田くん、黒牙の女三人を呼んでくれ」

 

摩耶「わかりました」

 

 

 

少ししてから山田先生が呼んだ。刀奈、簪、シャルロットの三人が来た。

 

 

刀奈「織斑先生、私たちを呼んだのは……?」

 

千冬「黒牙のIS適正が上がった」

 

刀奈「IS適正が!?」

 

簪「そんなことが……」

 

シャル「これって前例がないことですよね?」

 

千冬「ああ。それに黒牙はカオスたちとの戦闘時に妙な感覚に襲われたそうだ」

 

刀奈「妙な感覚?」

 

千冬「視界に映る物全ての動きが遅く感じたそうだ」

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

千冬「黒牙ことだからお前たちには知らせておこうと思ってな」

 

刀奈「そうですか、ありがとうございます」

 

千冬「黒牙、悪いが今度はSEEDを発動しながら検査機に入れ」

 

雷真「分かりました」

 

 

俺はもう一度、検査室に入り。検査機の前で意識を『守る』に集中させて、検査機に入る。

 

 

雷真「…………」キュパーン

 

千冬「準備はいいか?」

 

雷真「はい」

 

 

SEEDを発動したままで検査機で検査すると隣の部屋にいる山田先生の声がマイクで伝わってきた。

 

 

摩耶「なんですか、これ!?」

 

千冬「IS適正値エラー、計測不可能だと……?」

 

雷真「はぁ?」

 

雷真「はああああああ!?」

 

 

俺は慌てて検査室から出て、自分の検査結果を見る。そこには、先生たちが言うようにIS適正の欄だけがエラーになっていた。

 

 

雷真「これってどういう……」

 

刀奈「多分、雷真がSEEDを発動している時はISとのシンクロ率が検査機では計れないくらい最大値まで上がるんじゃないかしら?」

 

千冬「更識姉が言った、それが妥当なんだろうな」

 

雷真「まぁ、取り敢えずは早朝特訓や放課後の特訓で試してみます」

 

千冬「うむ。また、何かあったら必ず報告しろ」

 

雷真「わかりました」

 

千冬「次に、黒牙。お前の新しい機体を見たい」

 

雷真「いいですけど、こいつは織斑先生たちからしたらストライクよりも厄介な代物ですよ」

 

千冬「なに?」

 

雷真「取り敢えず、はい」

 

 

首から待機状態のフリーダムを織斑先生に手渡して少し経つと、ストライクの時よりも窶れた顔のまま俺にフリーダムを返した。それから寮に戻り、部屋に入るとそのままベッドへダイブする。

 

 

雷真「くはー、疲れた」

 

雷真「それにしても、あの時の現象はフリーダムと俺のシンクロ率が最大値に上がっていたからと刀奈は言ってたけど。本当のところはどうなんだろう?」

 

 

俺は首に掛けている待機状態のフリーダムを握りながら仰向けで目を閉じ、意識をフリーダムに集中する。

 

しかし、いくらやっても何の反応や変化というかフリーダムの声のような物は聞こえて来なかった。

 

 

雷真「"あっち側(コズミック・イラ)"にいた時はこっちに還ってくるゲートの座標がレーダーに表示されたけど、流石に還ってきちゃったら何の反応もないか」

 

雷真「あっ!そういえば、ハロのことを忘れてた」

 

"あっち側(コズミック・イラ)"から還る時に更衣室でメイリンがアスランから俺への贈り物と言って白いハロを渡して来たのを忘れていた。

こっち側に還ってきた時にはなかったのでフリーダムの拡張領域(バススロット)を調べるとカオスたちの残骸以外にハロが入っていた。

 

 

雷真「ハロ、起動」

 

 

ハロを音声起動させると丸くなった状態でゴロゴロと動きだすと、耳をパタパタと出してからボールのような弾みだした。

 

 

ハロ「ラァァァイシン!」

 

雷真「アスランと同じ呼び方かよ!?」

 

ハロ「ライシン、gift to you!」

 

雷真「俺に?」

 

 

ハロがそういうとベッドの上に跳ね乗り。俺の元へ来ると口の部分からパカッと音を立てながら一本のUSBメモリーを見せてきた。

 

 

雷真「なんだこれ?」

 

 

ハロの中からメモリーを受け取り、差出人の名前を探すが表にも裏にも書いていない。

なので部屋に備え付けられているパソコンでUSBメモリーを解析するとそこには懐かしい物が映っていた。

 

 

雷真「うっわー、懐かしい」

 

 

その映っていた物は俺が"あっち側(コズミック・イラ)"に飛ばされた時から還ってくるまでの四年間の写真が大量に詰まったデータだった。キラ、アスラン、ラクス、カガリ、シン、ルナマリア、メイリン、ミリアリア、サイ、カズイ、トオル、フレイ、マリュー、ナタル、バルトフェルなど、今まで俺が関わってきた人たちの笑顔が映っていた。

 

 

雷真「本当、懐かしいな……」

 

 

思い出に浸っているとドアがノックされた。

 

 

雷真「はーい」

 

刀奈『雷真、私。刀奈よ。入ってもいいかしら?』

 

雷真「ああ、空いてるから勝手に入ってくれ」

 

 

そういうと直ぐに入り口からガチャリとドアノブが空く音が聞こえてきた。すると、どうやら刀奈一人ではなく。複数の足音が入ってきた。その複数の足音の正体は簪、シャルロット、本音、虚さんのようだ。

 

 

刀奈「雷真、何を見てるの?」

 

雷真「これか?これは俺の大切な思い出だ」

 

本音「思い出って、ライライが行方不明になってた時の?」

 

雷真「そうだ。お前たちも見るか?」

 

簪「見ていいの?」

 

雷真「いいに決まってるだろう?」

 

シャル「じゃあ、遠慮なく」

 

 

俺は一度、机からキッチンへと行き、蛇口から水をポットに入れて湯沸し器にセットしていると婚約者三名と従者二名が食い入るように俺の思い出を見ていた。

 

 

刀奈「この頃の雷真はまだ、あの時と同じね」

 

簪「でも、お姉ちゃん。この時からは少しずつだけど成長してるよ?顔付きだって」

 

本音「ホッホーウ、どれもライライの近くに綺麗なお姉さんが映ってるね~」

 

 

 

本音のその言葉で俺の部屋の空気がピシリと凍りついた気がした。

 

 

刀奈「そうね。言われてみれば」

 

簪「だね」

 

シャル「確かに」

 

雷真「え、えっと………その事に関してはというか、そこに映ってる奴らのことは後で説明するから、な?」

 

 

そうして、何とか三名の般若を出さない様にしてオリジナルブレンドのコーヒーを窓際にあるクッション椅子に座り楽しむ。コーヒーを飲み終わると五人に"あっち側(コズミック・イラ)"の仲間のことを話す。

 

 

雷真「えーっと、コイツがキラ・ヤマト。ストライクとフリーダムの元パイロットだ」

 

簪「ストライクとフリーダムの?」

 

シャル「じゃあ、キラさんの今の機体は?」

 

雷真「それはフリーダムの後継機でキラの専用機として製造された【ZGMF-X20A ストライクフリーダム】だ」

 

簪「ストライクフリーダムって、これ?」

 

 

簪は空間ウィンドウを開き、ストライクフリーダムのデータを表示した。

 

 

雷真「そう、それ」

 

刀奈「へぇー……って!何よ、この機体!?」

 

シャル「臨海学校の四機よりも遥かに高性能の機体じゃないか!?」

 

雷真「おい、シャルロット!」

 

シャル「あっ…………」

 

本音「なになに?臨海学校の四機って何?」

 

雷真「本音、このことには深く係るな。絶対に後悔することになるからな。虚さんも覚えておいてください」

 

虚「わかりました」

 

本音「それで、ライライの新しいISもいずれは、このストライクフリーダムって奴に進化するの~?」

 

雷真「可能性は無くもないな。けど、ISが進化する時はパイロットに合わせて進化するからな」

 

刀奈「だとなると、雷真の場合は特別な進化というか……乗り換えただけよね?」

 

雷真「そうでもないぞ?"あっち側(コズミック・イラ)"に飛ばされた時、羽の首飾りは色を失っていたしな」

 

虚「色をですか?」

 

雷真「ええ。白だったはずのコイツは灰色に色褪せてましたから。それで、キラたちに最高軍事機密の施設に連れていかれたら」

 

 

俺は首にかけている待機状態のフリーダムを見せ。

 

 

簪「本当だ。白から青に変わってる」

 

刀奈「じゃあ、そこに【ZGMF-X10A フリーダム】があったって訳ね」

 

雷真「そっ、フリーダムは一度墜されたはずなのにそこにあったんだよ。なんでも、俺が所属してたオーブ連合首長国代表とZAFTの代表が回収し復元したらしい」

 

刀奈「なんとも好都合なことね。でも、お陰で雷真が還って来られて良かったわ」

 

雷真「そうだな」

 

 

その後もパソコンに映っているメンバーの紹介していると、刀奈、簪、シャルロットの三人はアスラン、イザーク、ディアッカが元乗っていた機体を聞いて凄く驚いていた。

 

 

雷真「まぁ、こんな感じかな」

 

刀奈「私たち、よく生きてたわね」

 

簪「………うん」

 

シャル「雷真の説明を聞いちゃうと雷真が居てくれたことが改めて有り難く感じるよ」

 

雷真「そんな大層なことはしてないさ。俺はただ、大切な人を守りたかった、それだけだよ」

 

 

 

大体、説明が終わると時刻は夕食の時間になっていたので6人で食堂へ向かうことにした。

 

食堂に向かうと一夏と一夏ハーレムメンバーが勢揃いしていた。

 

 

一夏「おっ、雷真!」

 

雷真「よう」

 

一夏「検査はどうだった?」

 

雷真「まぁ、筋肉の衰え以外は別に異常無し。他には何かIS適性のランクが上がったらしい」

 

一夏「へぇー、そうな……「「「はぁぁぁぁあ!?」」」……な、なんだよ?」

 

鈴「なんだよ、じゃないわよ!?」

 

セシリア「そうですわ、一夏さん!本来、IS適性が上がるなんて前例は存在しませんのよ!」

 

一夏「でも、現に雷真がいるじゃないか?」

 

ラウラ「それがおかしいと言っているのだ、嫁よ!」

 

一夏「は、はあ……」

 

刀奈「皆が驚くのは仕方のないことよね。幼馴染で婚約者である私と簪ちゃんでさえ驚いたもの」

 

簪「うん」

 

シャル「幼馴染ではないけど、婚約者しては僕も驚いたよ」

 

鈴「やっぱり、雷真は規格外な奴ね」

 

本音「まぁ、ライライだから仕方ないよね~」

 

箒「それで納得してしまう、私たちも私だ」

 

 

俺と一夏以外の女性陣は箒のその言葉でため息を吐いた。

 

なんで?解せぬ。(´・ω・`)

 

 



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第33話





メディカル検査を受けてから、はや一週間が過ぎて現在は8月、時刻は朝の8時。学生である俺たちは夏休みのはずなのだが俺は例外だ。

 

 

千冬「それでは、黒牙中尉。職員の訓練を頼んだぞ」

 

雷真「了解」敬礼

 

 

織斑先生の頼みで、もしも仮にまたカオスたちのようなMS(モビルスーツ)型のISが現れた時に俺一人で対象できる数ではなくなった場合に備えてフリーダムでIS学園の職員と実戦訓練を行うことになった。

 

また、刀奈と簪は日本代表と日本代表候補のため、学園を離れている。なんでも、姉妹で歌の収録があるとかなんとか。

 

シャルロットは本国に一度帰国してもいいのだが、親とは最悪な仲だから俺と一緒に訓練に参加。

 

一夏たちは、一夏が補習のためレポート作成。箒は剣道場で竹刀を振っているとか。セシリアは鈴と特訓。ラウラは一時帰国、以上。

 

 

 

雷真「それでは皆さん。いきなり実戦をやると流石に戸惑うと思うので、同じクラスの本音さんと整備科の人たちに協力して用意してもらった。特製武器を使ったゲームをします」

 

 

本音を含めた今回の訓練のために特製武器を用意してくれた整備科の生徒には、ある店のスイーツ無料食べ放題のクーポンを渡して懐柔した。

 

 

職員「ゲームですか?」

 

雷真「そうです。ルールは簡単、この特製のペイント弾が入った射撃武器とペイント液が塗られてある近接武器で俺のことを当ててください。それも全員で」

 

職員「「「「「!?」」」」」

 

俺の『全員で』の言葉にアリーナに総勢30名の職員が驚きを露にした。まぁ、そうだろうな。なんていったて1対30なのだからな。しかし、俺はそれ以上の敵と"あっち側(コズミック・イラ)"では殺りあったことがあるから問題ない。

 

それにカオスたちの一件以来、どうやら戦争当日の感覚が完全に戻ったようで、どうも一夏との特訓の時も少々やらかしてしまう。

 

すまん、一夏。(≡人≡;)

 

 

雷真「それでは準備が出来次第、始めるので準備をしてください。あっ、それともう1つ。俺はフリーダムに搭載されている射撃武装は1つも"()()()()"ので」

 

シャル「…………。(射撃武器を撃たないだけで絶対に切ったり、構えたりするってことだよね)」苦笑

 

職員「そ、それなら………」

 

職員「い、行けるかも………」

 

雷真「他にも、もしも当てることが出来た先生方には俺からご褒美があります。そのご褒美とは、高級ホテルのスイーツ食べ放題チケットです」

 

 

この言葉を聞いた職員たちの目がギラリと代わりやる気が満ちた目になった。特に山田先生から獲物を狩るような視線が感じられる。

 

 

雷真「それでは準備が出来たらゲームを行います。では、準備をしてください」

 

職員「「「「はい!」」」

 

 

それから職員たちは打鉄やラファール・リヴァイブに搭乗して整備科の生徒が用意したペイント武装を手に取る。

 

 

雷真「それでは準備ができましたね?」

 

 

俺の問いに全員が頷く。

 

 

雷真「それでは…………本音、開始の合図を頼む」

 

本音『はいは~い。まっかせて~』

 

本音『それじゃあ、訓練…………か~いし!』

 

 

本音の合図で職員たちは一気に攻めてくるのでフリーダムの機動力やら武装の威力やらエネルギーやらセーフティをかけた状態で最大限出せる能力を使い、全て攻撃を緩急をつけた飛行で回避する。

 

 

職員「当たらない!?」

 

職員「それに何よ、あの速さ!?」

 

職員「早く、回り込んで!」

 

 

それから30分間ほどはずっと逃げるだけの簡単な作業を繰り返す。職員は連携や元々練っていた行動パターンを駆使し俺を追い込んでみるが全てが失敗に終わっている。

 

 

 

雷真「じゃあ、そろそろ始めようかな」

 

 

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

 

 

シャル「あの動きで、機動力に3割。それに加えて、ビーム兵器に7割に、他にも動力源にまでセーフティをかけてるなんて…………」

 

シャル「あっ、雷真、もうやるつもりでいる」

 

 

僕は雷真の動きを見て、そう口に出す。すると隣で一緒に雷真と職員の訓練を見ている山田先生が質問をしてくる。

 

 

真耶「デュノアさん、黒牙くんは何をやるつもりなんですか?」

 

シャル「まず、雷真が訓練を始める前になんて言ってたか、覚えてます?」

 

真耶「確か、黒牙くんは専用機であるフリーダムの射撃武器は()()()()と………」

 

シャル「そうです。その言い方をズルい様に言い換えると、撃ちはしないが構えたり、殴ったり、切ったりすると言うことなんですよ」

 

真耶「え………?」

 

真耶「それって屁理屈じゃないですか!?」

 

シャル「僕もそう思いましたが、雷真曰く…………

 

『戦争は騙し合いが常だ。弾切れと見せかけて、ここぞという時に撃ってくる。だから、常に敵を疑え、疑いを解く時は敵が死んだ時だけだ』

 

……と言ってました」

 

真耶「常に敵を疑え、疑い解く時は敵が死んだ時…………黒牙くんが言うとその言葉は重く感じますね」

 

シャル「そうですね。雷真は四年間で二回も戦争を経験している訳ですから」

 

 

フリーダムの射撃武器を撃たずに構えたり、ビームサーベルで弾を切ったり、シールドで殴ったりしている雷真を見て、僕と山田先生は雷真から言われた言葉を胸に刻むくことにした。

 

 

 

 

 

▽▲▽

 

 

 

 

【ピピピピピピピッ!】

 

 

 

雷真「はい、そこまで!15分間の休憩を挟みます」

 

 

セットして置いたタイマーがなったので一度、休憩を入れることにした。すると、職員30名全員がその場で座り込んだり、仰向けに倒れたりする。

 

 

シャル「お疲れ様、雷真」

 

雷真「サンキュー」

 

 

シャルロットがスポーツドリンクとタオルを持ってきてくれたのでフリーダムのベッド装甲とオーブのヘルメットを拡張領域(バススロット)にしまう。

 

 

シャル「ねぇ、雷真。ヘルメットは着けなくてもいいじゃない?ここは地球なんだし」

 

雷真「そうだな。言われてみれば、ヘルメットやパイロットスーツとかを着る必要はないんだよな。こりゃ職業病だな、あはははは」

 

シャル「あはははは、って……。(それよりもヘルメットを被って、あの動きって……)」

 

 

シャルロットと二人で話していると前半の職員に飲み物やタオルを渡し終えた山田先生が此方にやってくる。

 

 

真耶「黒牙くん、お疲れ様です」

 

雷真「お疲れ様です」

 

真耶「黒牙くんから見て、我が校の職員はどうですか?」

 

雷真「それはIS操縦者としてなのか、それとも戦争を経験した一人の軍人としてなのか、どっちの応えが欲しいですか?」

 

真耶「…………できれば、両方で」

 

 

山田先生は一度考えてからそう口にした。

 

 

雷真「では最初に、IS操縦者としての意見としては中々の物だと思いますよ?自分もまだISを動かして半年も経ってないので」

 

雷真「次に軍人としての意見は…………今のままだと確実にIS学園は墜ちますね」

 

真耶「…………」

 

雷真「これがもしも仮に"あっち側(コズミック・イラ)"なら俺でなくとも30人全員を殲滅。時間にして10分もかかりませんよ」

 

真耶「そんなにですか………」

 

雷真「ええ。まず、IS操縦者はSEと絶対防御に頼り過ぎている。そして、ないとは思いますが俺が何者かに弱味を握られてたり、あるいは洗脳された場合。この学園に俺を止められるのは織斑先生くらいですね」

 

真耶「そうですね。それを言われてしまうと何も言い返せません」

 

雷真「ですから、俺が学園を卒業するまでにSEEDを使わせるまでになってください」

 

真耶「そ、それは厳しいですよ………!?」

 

シャル「僕もそう思うよ………」

 

雷真「まぁ、それくらい頑張ってほしいってことだよ」

 

 

シャルロットと山田先生にウォーミングアップの感想を言ってから、次の訓練に移行するために休んでいる職員の人たちに声をかける。

 

 

雷真「それでは5分後に実戦式回避訓練を行います。皆さんは回避することだけに集中してください」

 

職員「回避だけ………ですか?」

 

雷真「そうです、回避だけです。整備科の皆はこれから忙しくなるから準備をよろしく」

 

 

俺の言葉に整備科一同は頷いて返答してくれた。

そして、回避訓練に移行したら、まず俺はフリーダムのマルチロックオン・システムを使い、ハイマットフルバーストで職員たちを狙い撃つ。すると職員たちから悲鳴が次々と上がる。

 

 

職員「な、何よ、これぇぇぇぇえ!?」

 

職員「いやいやいやいやいやー!?」

 

職員「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬー!?」

 

雷真「ほら、頑張ってください」ニコニコ

 

シャル「…………。(雷真、鬼だ)」

 

真耶「…………。(黒牙くん、鬼ですね)」

 

 

雷真による地獄の訓練は時間が経つにつれて熾烈が増していき。雷真の訓練を受けた職員は午後の仕事で役に立たないほど疲労したそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時と場所が変わり。訓練を終えた雷真は千冬と真耶と共にIS学園の秘密区画の中のIS整備場に来ていた。

 

また、三人の目の前には臨海学校で雷真が撃破し、残骸を回収した。【ZGMF-X88S ガイア】、【ZGMF-X24S カオス】、【ZGMF-X31S アビス】、【ZGMF-X23S セイバー】の四機が並んでいる。

 

 

 

千冬「それで、黒牙。この四機や他の未確認ISについて何か分かったか?」

 

雷真「どうやら、この四機とフリーダムにはISとは異なるコアが組み込まれていることがわかりました」

 

千冬「なに?」

 

雷真「臨海学校で自分がまだ"あっち側(コズミック・イラ)"にいた時に刀奈たちがストライクの武装を使っていたようなので、その解析をしていたら。その時に、篠ノ乃束が作ったISコアとは異なった代物だということがわかりました。なので、ISコアと異なったコアを《MS(モビルスーツ)コア》と名付けました」

 

雷真「他には、これといって………、分かったのは臨海学校で現れた。ザク、グフにはカオスたちの様なコアはなくバッテリーで動く仕組みと、やはり、"あっち側(コズミック・イラ)"の戦友の戦闘データが組み込まれていたことぐらいです」

 

千冬「そうか…………。では、これから………特にフリーダム。そして、ガイア、カオス、アビス、セイバーの4機はどうする?IS委員会にも引き渡す訳にはいかんだろう?」

 

雷真「そうですね。できれば、この四機については自分に一任させてもらえませんか?フリーダムは何とかなりますから」

 

千冬「ふむ………」

 

真耶「どうしますか、先輩?」

 

千冬「真耶、お前はどう思う?」

 

真耶「私は正直、黒牙くんにお任せしたいと思います。本当は、私たちがやらないといけないのですが、力不足ですから」

 

千冬「分かった。では、黒牙中尉。ガイア、カオス、アビス、セイバーの四機を貴君に一任することにする」

 

雷真「はっ!」敬礼

 

雷真「それと、もう1つ、いいですか?」

 

千冬「なんだ?」

 

雷真「ここのフロアだけ、セキュリティを自分がいじってもいいですか?」

 

千冬「何故だ?」

 

雷真「織斑先生に悪いですが、これは篠ノ乃束に限らず、あらゆる国がカオスたちやスペックデータを奪いにくる可能性があるので」

 

千冬「なるほど。それなら、分かった。セキュリティを書き換えて構わない」

 

雷真「ありがとうございます」

 

 

てな訳で、この区画だけセキュリティをフリーダムにかけているセキュリティと同等のファイヤーウォールを組み上げた。

まぁ、この世界の技術だと破れたとしても40年くらいはかかる代物と思ってくれ。



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第34話







【ピピピピピッ!ピピピピピッ!】

 

 

 

雷真「ん、ん~、んあ?」

 

 

目覚ましのアラームかと思って起きたら、どうやら刀奈からの着信音だったらしく。電話に出る。

 

 

雷真「しもしも?」

 

刀奈『あー、やっと出た!雷真、今貴方どこにいるのよ!?」

 

雷真「内緒、でも学園内にはいる」

 

刀奈『なら、とっとと部屋に戻って準備しない!今日は家に帰る予定でしょ?』

 

雷真「えっ?」

 

 

俺は身体を起こして、ケータイのカレンダーを見ると8月◯◯日。うん、マジで今日は家に帰る予定日のようだ。

 

 

雷真「分かった。部屋で着替えてからエントランスで集合でいいか?」

 

刀奈『ええ、それでいいわ。遅れないでよ?』

 

雷真「分かってる」

 

 

刀奈との通話を切り。自分の身体にかけていた毛布を剥いで立ち上がり、身体を伸ばすとゴキゴキッと骨の中にある空気が鳴る。

 

 

雷真「んー、やっぱりベッドの上で寝ないから身体が少し痛いな」

 

 

織斑先生にカオスたちとこの整備場を一任されてから俺は、ずっといびりたっているのだ。理由は簡単。カオスたちの復元とカオスたちの武装を元に刀奈たちでも使える武装の製作。

 

 

雷真「よし、行くか」

 

 

身体をほぐしたあと、カオスたちをそれぞれの色のペンダントの待機状態にしてから拡張領域(バススロット)にしまい。整備場内にある全ての機械の電源、証明などを落としてから俺がいじった異世界の技術を詰め込んだセキュリティをONにして整備場を出る。

 

寮の自室に入るとまずはシャワーで寝汗や寝癖などを落としてからバイクの鍵を持ってエントランスへと向かう。

 

 

 

刀奈「あー、やっときた」

 

簪「雷真、遅い」

 

雷真「悪い悪い」

 

シャル「今まで何をしてたの?」

 

雷真「まぁー、ちょっとな」

 

シャル「ふーん。あまり無茶はダメだよ?」

 

雷真「分かってるさ。それより、早く行こうぜ」

 

 

 

そんなこんなで三人にあれこれ質問されるも最終的にオーブの国家機密と言って納得してもらった。

マジで、これで納得してくれるなんて俺の婚約者様は優しいです。

 

そして着きましたは我が家である、更識の屋敷である。まずは屋敷の入り口門の敷居を跨ぐ。すると後ろでシャルロットが屋敷の門を見て固まっていた。

 

 

シャル「…………」

 

雷真「どうした、シャルロット?」

 

シャル「あ、いや、その………なんていうかすごいね」

 

雷真「なに言ってんだよ。もう、ここはお前の家でもあるんだぞ?」

 

刀奈「そうよ、シャルロットちゃん」

 

簪「血の繋がりがなくても私たちは姉妹」

 

雷真「だから、遠慮する必要はなんもねぇよ」

 

刀奈「ほら」

 

 

俺と刀奈でシャルロットの両手を引っ張り、敷居を跨がせる。そのまま俺たちはシャルロットの両手を引いて、簪はシャルロットの背中を押しながら玄関へと向かう。

 

 

「「「ただいま!」」」

 

シャル「お、お邪魔します」

 

刀奈「ノンノン!シャルロットちゃん『お邪魔します』じゃないわよ」

 

シャル「え………あっ、た、ただいま?」

 

刀奈「お帰りなさい、シャルロットちゃん」

 

簪「お帰りなさい、シャルロット」

 

雷真「お帰り、シャルロット」

 

シャル「うん!(やっぱり、家族にただいまって言うのは良いな)」

 

 

屋敷の中に入るとまずはそれぞれ、荷物を自室に置くことにした。荷物を置いたあとは、お義母さんに挨拶してから普段は襖で仕切っている部屋を襖を取り除き長い一部屋に変えて宴会場になっている部屋へと向かう。

 

 

 

シャル「ねぇ、雷真」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「これから何が始まるの?」

 

雷真「ああ。それは俺たちが帰ってきたから、その宴を行うんだよ」

 

シャル「宴?」

 

雷真「古い日本のパーティーのような物だ。祝いごとや縁起の良い時やお互いに仲を深める時に行うんだ」

 

シャル「なるほど」

 

 

シャルロットにこれから行われる宴会の話をしていると台所の縁側の方から料理を持って、刀奈、簪、それと更識家のお手伝いさんたちがやって来た。

 

 

刀奈「雷真、アナタも手伝いなさいよ」

 

簪「そうだよ」

 

雷真「俺が入ったら逆に邪魔になるだろう?」

 

刀奈「まったくも」

 

シャル「ぼ、僕も手伝った方が…………」

 

刀奈「シャルロットちゃんは大丈夫。シャルロットちゃんは今日の主役だから」

 

シャル「主役?」

 

刀奈「そっ。だから、座って待ってて」

 

シャル「分かった」

 

 

 

それから15分後。色々な料理がテーブルの上に溢れんばかりに並べられたあと、更識家のそれぞれの部隊の人やお手伝いさんも集まり。そして、乾杯の音頭はやはり、この人。第16代目、更識楯無であるお義父さんだ。

 

 

更識父「それでは、我が娘である、刀奈、簪。そして、その婚約者である我が義理の息子の雷真と、新たに私の娘となったシャルロットがここに集まった。この良き日に…………乾杯!」

 

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 

お義父さんの音頭が終わると部隊の人たちは料理の争奪戦を始めたり、酒で互いに家庭の愚痴を語ったりで凄い。お手伝いさんはお手伝いで、彼氏が欲しいだの、刀奈たちに何時になったら俺と結婚するだの恋愛トークで盛り上がっている。

 

で、俺はと言うと…………。

 

 

雷真「お義父さん、シャルロットの受け入れ。ありがとうございます」土下座

 

 

俺は頭を畳に付けて感謝の言葉をお義父さんに述べた。するとそれを見た皆がさっきまでのどんちゃん騒ぎが静かになり、後ろの方から誰かが畳の上を早歩きで此方に来るのが分かった。

 

多分、この足の運び方はシャルロットだろう。

 

 

シャル「ぼ、僕も、こんな僕を受け入れてもらい。ありがとうございます」

 

更識父「二人とも、頭をあげなさい」

 

 

お義父さんに頭をあげろと言われたので頭を畳からあげて、お義父さんの顔を見る。

 

 

雷真「…………」

 

シャル「…………」

 

更識父「まず、雷真君から。雷真君、君は今まで自分のために何かをねだったことは少なかったね」

 

雷真「はい。それは本当の息子ではない幼い俺を本当の息子のように育ててくれましたから。俺はお義父さんとお義母さんにできるだけ負担にならないよう頑張ってきました」

 

更識父「そうだったのか………」

 

雷真「だから、俺は将来、育ててくれた分の恩返しがでるきように更識の仕事を手伝いたいと思って、最初のお願いとして護身術や剣術、槍術を身に付けたいとねだりました」

 

更識父「それは君が6歳の頃だったかな?あれは……」

 

雷真「はい。それにあるアニメを見て、思ったんです。目の前で悲しみの涙を流している大切な人がいるのに何も出来ないなんて嫌だから。できることなら救いたい、救えなくても話を聞いてやれるくらいのことはできると思ったんです」

 

雷真「それが、俺がシャルロットを救いたかった本当の思いです」

 

シャル「雷真…………」

 

更識父「そうか……流石は我が息子だ。よくやった、雷真」

 

雷真「ッ!!」

 

雷真「………。(やばい、今の俺、泣きそうだ)」俯き

 

 

お義父さんは俺の話が終わると、視線を俺からシャルロットに変えた。

 

 

更識父「次にデュノアさん。すまないが、『シャルロット』と呼んでもいいかな?」

 

シャル「は、はい!」

 

更識父「まずは、さっきほどシャルロットが言った『こんな』なんて言葉は私は聞きたくない。ましてや、それが私の娘なら、尚更だ。それよりも、もっと聞きたい言葉があるんだがね」

 

シャル「ッ!!」

 

シャル「あ、ありがとう、お父さん」ポロポロ

 

更識父「なに、娘のためだ。気にするな」ナデナデ

 

 

俺とシャルロットは嬉しい涙を流してながらお義父さんの大きな、それは大きな、その手で頭を撫でられた。

 

 

更識父「さっ、湿っぽい話は終わりだ。皆、存分に酒を飲み、飯を食ってくれ!」パンパン

 

 

お義父さんは手を鳴らして、俺が作り出してしまった湿っぽい空気を消してくれてた。それにより、再び、どんちゃん騒ぎが始まりだした。

 

俺とシャルロットは元居た席に戻ると刀奈と簪にコップへジュースが注がれ。刀奈の掛け声の下、四人でグラスをコチンッと交わす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────チリーン

 

 

 

 

縁側の風鈴が夏の風で鈴の音を鳴らす

 

 

 

 

 

刀奈「そりゃあー!」

 

簪「お姉ちゃん、危ないよ!?」

 

シャル「そうだよ!?」

 

本音「ゴー、シュッ!」バチバチ

 

刀奈「ちょっ、本音!?」

 

簪「本音のバカーっ!?」

 

シャル「わわわわっ!?」

 

 

現在、宴が終わり。乙女たちは近くのスーパーで買った花火を庭で遊んでいる。

刀奈、簪、シャルロットは『手持ち火炎』と名の花火で。そして本音は何故か知らないが『ネズミ花火』を束で着火させて刀奈たちを困らせていた。

 

 

雷真「火傷をするなよー」

 

 

刀奈たちに一声かけてると台所の方から虚さんが御盆に乗せた切り分けられているスイカを持ってきてくれた。

 

 

虚「皆さん、スイカを持ってきましたよ」

 

本音「わーい、スイカだー!」

 

刀奈「私たちも頂きましょうか」

 

簪「うん」

 

シャル「そうだね」

 

 

花火で遊んでいた刀奈たちも燃え尽きた花火を水の入ったバケツに入れてから縁側に座り。虚さんが持ってきたスイカを食べる。

 

 

刀奈「う~ん、美味しい」シャクシャク

 

簪「うん、美味しい」シャクシャク

 

シャル「日本のスイカは丸いんだね」

 

雷真「フランスのスイカは日本のトウガンに似てるからな」

 

本音「それとスイカに塩を少しかけるともっと甘くなるよ、でゅっちー」

 

シャル「そうなんだ」

 

 

シャルロットは本音に勧められて、その手に持つスイカに少しだけ塩を振り、かぶり付く。

 

 

シャル「本当だ!さっきよりも甘味が増してる」シャクシャク

 

刀奈「やっぱり、夏はスイカが美味しいわね」シャクシャク

 

本音「ぷぷぷぷぷぷーっ!」

 

簪「ちょっ、本音、スイカの種を飛ばすのハシタナイよ」

 

本音「いや~、ついやっちゃうんだよね~」テヘヘ

 

虚「『つい』ではありません!掃除をするは誰だと思ってるの!?」

 

本音「は~い」

 

雷真「にしても、今年はちゃんと平和で夏らしいことができて良かった」シャクシャク

 

刀奈「そうね。半年前までは雷真は異世界に居たんですものね」

 

簪「言われてみれば」

 

シャル「僕も初めて雷真が『軍人だ』って聞いた時は驚いたよ」

 

虚「早い物ですね」

 

雷真「この平和が何時までも続いてくれれば良いんだがな」

 

 

俺たちは空に浮かぶ。夏の満月を見ながら、そう口にした。

 

 

 

 

 

 

─────カポンッ!

 

 

 

───ジャアアアアアアー!!

 

 

 

 

雷真「あ"ぁぁぁ…………」

 

 

スイカを食べたあと、本音と虚さんは隣の布仏家に戻り。刀奈、簪、シャルロットは居間で簪が所有しているゲームで白熱している。その間に俺は一番風呂をもらい、湯船に浸かっている。

 

 

雷真「IS学園の大浴場も良いけど。こういう普通のサイズの風呂がやっぱり一番だな」

 

 

我が家の風呂のサイズはIS学園の大浴場よりは狭く、一般的な家庭の風呂よりは少しデカい。もっと分かり安くいえば、旅館の部屋に備え付けられている檜風呂に似ている。

 

なんせ、大の大人が三人も入れるデカさの風呂なのだから。

 

 

雷真「ふぅ~」

 

雷真「こう、気持ちいいと成人してないが酒が飲みたくなるのが分かるな」

 

 

10分ほど、肩をマッサージしながら湯船に浸かってから湯船を出て脱衣場に繋がるドアを開けて風呂場から脱衣場に行こうとすると…………。

 

 

 

─────ガラガラガラ

 

 

刀奈「へ?」

 

簪「え?」

 

シャル「ふぇ?」

 

雷真「は?」

 

 

よくアニメであるあるのように、我が婚約者である美少女三人がバスタオル姿で出てくるではありませんか。

 

 

簪「はぅぅぅぅ!?/////」

 

シャル「うわああああ!?/////」

 

刀奈「もーう、雷真のエッチ♥️//////」

 

 

簪とシャルロットは悲鳴をあげながら身体を抱きしめながらしゃがみ込み、刀奈も悲鳴をあげはしなかったが身体を抱きしめながらしゃがみ込む。

三人のバスタオル姿に見惚れていた俺はワンテンポ遅れて我に返り、後ろを向く。

 

 

雷真「わ、悪い!?/////」

 

刀奈「雷真、バスチェアに座って目を閉じて」

 

雷真「わ、分かった」

 

 

俺は刀奈に指示されるまま、湯船と同じ檜の木で作られたバスチェアに座り、目を閉じる。

 

 

刀奈「そのままよ。そのまま」

 

 

刀奈の声の通りバスチェアの上でジッとしていると脱衣場から「ペタペタ」と水気を帯びたタイルの上を歩く音が一つ。その音がドンドン近付くと後ろから何かを目元にタオルか何かを巻き付けられるがこれは多分、目隠しだろう。

 

 

刀奈「これではいいわ。もう、いいわよ。二人とも」

 

簪「うぅぅぅ」

 

シャル「うぅぅぅ」

 

 

再び、脱衣場の方から「ペタペタ」と歩く音が二つ聞こえたきた。これは簪とシャルロットだ。

そして、その音が止むと…………。

 

 

簪「雷真の……エッチ。//////」ボソッ

シャル「雷真の……エッチ。//////」ボソッ

 

雷真「~~~ッ!?」

 

 

 

刀奈と違い。普段ではありえない、簪とシャルロットから熱を帯びた艶かしい声で両耳から囁かれた。それにより、今までに感じたことがなくて言い表し辛い感覚が俺の身体を駆け巡った。

 

また、その感覚と囁きで俺の頭は真っ白になってしまった。

 

 

 

そのあと、俺が三人によってどうなったかはご想像お任せる。けれど、一つだけ、一つだけ言わせて欲しい。理性のケーブルは一本だけ繋ぎ止めた、とだけ記しておく。

 

 

 



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第35話







雷真「アミューズメントパーク?」

 

刀奈「そっ。臨海学校の時は色々とあって最後まで満喫できなかったし。それに夏休みは雷真はどこか行ってるからデートも一人二回までしかできなかったし。夏休みの最終日くらいパーっと遊びたいのよ」

 

 

刀奈の言う通り、今日は夏休み最後の休みなのだ。そして、夏休み中、俺は特訓以外は周に4回ほど機密整備場に隠ってはカオスたちの復元に新武装の開発で、まともに刀奈たちに構ってやれる日がなかったのだ。

 

また、現在、俺はベッドで横になりながら小説を読んでいる。刀奈は隣で四つん這いになり此方を見ている。

 

 

雷真「デートはきちんと二回ずつしたろうが。それに夏休み中は俺の部屋で何回も泊まったりしてたろう」ペラ

 

刀奈「それでも、学生のうちに色々としてたいの!」

 

雷真「まだ、あと二年もあるだろう?」ペラ

 

刀奈「雷真は私たちと行くは嫌なの?」上目遣い

 

雷真「い、嫌じゃないけど………」

 

 

刀奈の上目遣い&ウルウル目に押されていると空間ウィンドウが開き一夏から通話チャンネルが開く。

 

 

雷真「ちょっと、悪い。もしもし?」

 

一夏『もしもし、雷真?』

 

雷真「なんだ?」

 

一夏『いきなりなんだが、さっきラウラにこれに誘われたんだが』

 

 

一夏が空間ウィンドウ越しの俺に見えるように見せたのは刀奈が行きたがっているウォーター・アミューズメントパークのチラシだった。

 

 

一夏『良かったら、雷真も行かないか?』

 

雷真「…………」チラリ

 

刀奈「……」(。◇ ∀ ◇。)ウキウキ

 

 

一夏の言葉を聞いて刀奈の方を向くと隣で四つん這いになっている刀奈が目をキラキラと輝かせながらウキウキワクワクとした視線を向けてくる。

 

 

雷真「はぁ~、仕方ない。分かった。準備ができたら駅前で集合な」

 

一夏『おう!』

 

 

一夏が通話を切ると俺は刀奈の方に向けて、呆れ笑いする。

 

 

雷真「どうやら、一夏も行くようだから。簪とシャルロットも誘って行くか」

 

刀奈「やったー!」( ≧∀≦)ノ!

 

 

刀奈はウォーター・アミューズメントパークに行けることが物凄く嬉しいのか、ベッドの上で飛び上がり。これまた、物凄い速さで簪とシャルロットの元に向かって行った。

 

刀奈が二人に呼びに行っている間にベッドの下の収納スペースにしまった臨海学校で着た水着と必要最低限の持ち物だけ持ってエントランスに行くと既に刀奈、簪、シャルロットの姿があった。

また、簪とシャルロットの目が先ほどの刀奈と同じ目をしている。

 

 

簪「……」(。◇ ∀ ◇。)

 

シャル「……」(。◇ ∀ ◇。)

 

雷真「分かったから、行くぞ」

 

 

そして、ウォーター・アミューズメントパークに行きたい子供三人(年下)を連れて駅前に着くと、何故か…………いや、絶対にこれはそうだ。

 

 

箒「…………」イライラ

 

セシリア「…………」イライラ

 

鈴「………」イライラ

 

ラウラ「…………」イライラ

 

 

唐変木で朴念仁の一夏の奴が箒、セシリア、鈴、ラウラの気持ちも理解せずに俺たちと同様に駅前に呼んだのだろう。

それもスゲエーご立腹だぞ。

 

 

雷真「刀奈、簪、シャルロット。悪いがあの四人に一夏に呼ばれたのか確かめてくれるか?男の俺が行ったら返って怒らせかねないから」

 

刀奈「分かったわ」

 

簪「うん」

 

シャル「任せて」

 

 

刀奈たちに機嫌が悪い一夏ハーレムズを任せて、俺は空間ウィンドウを開き。ハロや更識にいる俺専属の部隊たちに帰省してから製造させているある物の開発状況を確認する。

 

 

雷真「アスランがくれたハロに"あっち側(コズミック・イラ)"の武装や色々な設計図がインストールされてるお陰で作れはするが……。しかし、ISサイズまでに縮小するとなるとな…………」

 

雷真「アレもまだ25%………か。まだまだだな」

 

 

開発状況を確認し終わると刀奈たちの方へ視線を向けると何やら三人とも一夏ハーレムを宥めている。

そして、そのハーレムの中心はというと…………。

 

 

一夏「わりぃー、遅れた!」

 

一夏ハーレム「「「「遅い!!」」」」

 

一夏「お、おう。わりぃ………」

 

 

と遅れてきた一夏はハーレムメンバーに怒られた。

そこへ刀奈が一声かけて宥める。

 

 

刀奈「はいはい。怒るのはそこまで、早くアミューズメントパークに行きましょう」

 

シャル「そうだね」

 

簪「うん。プール楽しみ」

 

雷真「簪の場合はパークで行われる戦隊物のヒーローショーが目当てだろうが。それと一夏」

 

一夏「なんだ?」

 

雷真「女心を少しは学べ」

 

一夏「はぁ?」

 

 

 

念のため唐変木にアドバイスをしてから刀奈たちのあとを追う。

 

ウォーター・アミューズメントパークについたらまずは各人、男女に分かれて水着に着替える。

 

 

一夏「へぇー、ここは温水プールもあるのか~。ちょっと気になるな」

 

雷真「一夏、見取図を見てないで早く着替えろ。俺は先に行くぞ」

 

一夏「ちょっ!待ってくれよー!?」

 

 

準備が遅い一夏を置いて先にプールへと向かうとそこには既に刀奈、簪、シャルロットの三人が準備運動をしていた。

 

 

シャル「あっ、雷真」

 

雷真「よっ、お待たせ」

 

簪「他の皆は?」

 

雷真「一夏は置いてきた。んで、一夏ハーレムズは知らん」

 

刀奈「あっ?なるほど、それでか」

 

雷真「何か知ってるのか?」

 

刀奈「雷真、私たちを見て何か変化とかない?」

 

雷真「変化?あぁ」

 

 

刀奈に変化と言われたので刀奈たちを見て、刀奈が言っている意味を理解した。

 

 

雷真「そうだな。まずは刀奈から、臨海学校の時と違った、水色と紺の横縞模様のビキニが良く似合ってる」

 

雷真「次に簪。前のような白と黒のビキニではなく、オレンジのタンクトップビキニも良く似合ってる」

 

雷真「次にシャルロット。シャルロットも二人と同じで臨海学校とは違って、水色のビキニがシャルロットの綺麗な髪を際出せて凄い似合ってる」

 

 

それぞれ、三人の水着姿の感想を言うと三人とも顔を赤くして俯いてしまった。

 

 

刀奈「あ、ありがとう。///////」

 

簪「は、恥ずかしい。///////」

 

シャル「えへへ、綺麗だって。///////」

 

刀奈「って、それとは別に変化してるところがあるでしょ!?」

 

雷真「他に?だとなると………その足場に置いてる、イルカやサメの浮き輪か?」

 

刀奈「そうよ!」

 

簪「セシリアが気前良く私たち全員に買ってくれた」

 

雷真「なるほど、一夏と二人っきりなるためか」

 

シャル「まぁ、僕たちは雷真が平等に大切にしてくれるから抜け駆けなんてしないで済むから安心だよ」

 

雷真「そりゃ、お前たち三人は世界を敵に回してでも守りたい者たちだからな」

 

刀奈「雷真…………」

 

簪「雷真…………」

 

シャル「雷真………」

 

雷真「それよりも早く、プールで遊ぼうぜ?」

 

刀奈「そうね。行きましょうか」

 

簪「うん!」

 

シャル「賛成!」

 

 

それから、まずは流れるプールにて、浮き輪に乗りながらプカプカと漂う。それだけでも意外と楽しい物だな。

ある程度、流れに任せていると前方から聞きなれた声が聞こえてきた。

 

 

???「オー、隊長!セッシーがエッチぃ水着を着てます~」

 

雷真「この声は…………?」

 

簪「本音?」

 

 

浮き輪を回転させて目線を前方に向けてるとバナナボートに乗っている幼馴染の本音とクラスメートの相川清香、谷本癒子ともう一人。分からないので美也子さんとしよう。

そして、その四名でどうやらセシリアと一夏を観察しているようだ。

 

 

「「「「セシリアはエロいなー」」」」

 

 

セシリア「え、エロくないですわ!」

 

 

セシリアがそう本音たちに抗議の叫びを上げると一夏とセシリアの二人は後ろから激流に襲われて流されて行ってしまった。

 

 

本音「おりむー、バイバーイ」

 

雷真「おーい、本音」

 

本音「あっ、ライライたちだ」

 

簪「本音たちもプールに遊びに来たの?」

 

谷本「私たち以外にもIS学園の子達は来てるよ」

 

シャル「へぇー、そうなんだ」

 

刀奈「だから、虚も今日は用事があるって言っていたのね」

 

 

それから本音たちと平行するように駄弁りながら、ある程度流されていると先に進むルートとプールサイドに上がるルートの二手に分かれる分岐点が見えたので俺たちはプールサイドへ向かうルートを選んだ。

 

 

雷真「そんじゃ皆、また学園でなー」

 

本音「バイバーイ」

 

 

 

 

 

本音と分かれプールサイドに上がった俺たちは次にウォータースライダーに乗ることした。そして、ウォータースライダーの乗るための階段の前に着くとシャルロットがあることを見つけた。

 

 

シャル「ねぇ、このウォータースライダーにはペア滑りコースってのがあるみたいだよ?」

 

雷真「へぇー、ペア滑りコースがなら一人一回ずつ乗るか?」

 

簪「いいの?」

 

雷真「いいも何も、さっき言ったろうが。俺はお前たちが大切なんだ。だから、喜んでくれるならこれくらいはお安いごようだ」

 

雷真「んで、誰から最初に乗るんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷真「じゅあ、手を回すぞ?」

 

シャル「う、うん。//////」

 

 

あの後、三人はじゃんけんをした結果。シャルロット、刀奈、簪の順番となった。そして、今はウォータースライダーの入口で俺の前にシャルロットが座り職員に説明され、流れる準備をするためにシャルロットの臍の辺りに腕を回す。

 

 

職員「それでは、行ってらっしゃい!」

 

 

職員に背中を押されると、以外と早い流れに俺たちは驚きのあまり声を上げてしまう。また、縦横無尽に左右にカーブしたり、アップダウンをしたりとかなり楽しめるウォータースライダーのようだ。

 

 

 

雷真「うおああああ!!(これは、意外と早いな!!)」

 

シャル「きゃあああ!!」

 

 

ウォータースライダーの出口に着くと勢い余って、シャルロットを抱きしめたまま出口から吹き飛ばされる感じで下のプールへと着水する。

この時、普通に着水できていれば良かったのだが、吹き飛ばされながら着水したためシャルロットから手を離してしまった。

 

それで何が言いたいかというと…………。

 

 

雷真「んむっ…………!?」ブクブク

 

シャル「んんっ…………!?」ブクブク

 

 

水中で漫画やアニメのようにキスをしてしまったのだ。それもマウスtoマウスである。しかも、これがシャルロットとのファーストキスである。

 

そして、息が限界になった俺たちは直ぐに酸素を求めて浮上する。息が整い、シャルロットを見ると耳まで赤くしながら俯いていた。

 

 

雷真「シャルロット、えっと、その………」

 

シャル「え、えっとねぇ、雷真。/////」

 

雷真「お、おう………」

 

シャル「今のは…………僕のファーストキスだからね。///////」

 

雷真「あ、ああ。そうだな………」

 

シャル「でも、こんな事故みたいの嫌だから。その………」

 

雷真「その先は言わなくても分かるから、安心しろ」

 

シャル「…………うん。///////」

 

 

俺は、ここはケジメという何とかいうか。男として、大切な女の子の初めてのキスを事故で済ます訳にいかないと思ったので、シャルロットの肩に手を置く。するとシャルロットは少し驚いたのかビクッと身体を跳ね上げる。

 

 

雷真「シャルロット…………」

 

シャル「雷真…………」

 

 

シャルロットの名前を呼ぶと彼女は顔を徐々に上げて俺を見る。その時、シャルロットの瞳は潤んでおり、頬も少し赤らんでいた。

 

そして、今更ながら俺はこう思った。

 

ああ、なんてこんな、可愛いくて綺麗な女性を…………いや、女性たちと俺は婚約関係にあるのだろうと、改めてそんな贅沢な幸せを実感した。

 

 

雷真「んっ…………」

 

シャル「んっ…………」

 

雷真「んっは………」

 

シャル「んっは………ねぇ、雷真?」

 

雷真「なんだ?」

 

シャル「大切な人とのキスって、こんなにも心を幸せな気持ちにしてくれる物なんだね?知らなかったよ」ニッコリ

 

雷真「ッ!?//////」ボッ!

 

 

ヤバい、今のシャルロットの顔はスゲー色っぽい!!

そう思っていると忘れていた、二人の婚約者様から声がかかる。

 

 

刀奈「何、二人で良い雰囲気になってるのよ」ジトー

 

簪「シャルロット、ズルい。私も、まだキス一回しかされてないのに」ジトー

 

雷真「えっと…………次は簪だろう?早く行こぜ」

 

簪「誤魔化されないよ、雷真。あとでキスしてもらうからね」

 

刀奈「私も私もー!」

 

雷真「わ、分かったから、部屋に帰ってからな」

 

更識姉妹「「はーい!」」

 

雷真「はぁー、まったくこれも惚れた弱みだよな」

 

 

 

その後は、アミューズメントパークのプール全てを回っり。簪のお目当てであるヒーローショーを見て。夜は一夏たちと共にお祭りに行って、夏休み最後の日を満喫したのであった。

 

 



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第36話









  

 

 

一夏「デヤアアアアッ!!」

 

鈴「セヤアアッ!!」

 

 

夏休みが開けて二学期初めての戦闘訓練の授業。

現在、アリーナで一夏は鈴の専用機である甲龍の龍咆を掻い潜るり、近接戦闘を仕掛ける。やがて、互いに近接戦闘となり得物で激しくぶつかり合う。

 

そして、鍔迫り合いになると一夏は第二形態移行(セカンド・シフト)したことにより白式の左腕に追加され多機能武装腕《雪羅》の射撃モードで荷電粒子砲を鈴に向けて放つ。

 

そんな、二人を地上から雷真はいつもの面子で眺めている。

 

 

刀奈「ねぇ、雷真。この模擬戦どちらが勝つと思う?」

 

雷真「一夏の負け」即答

 

シャル「即答なんだ………」苦笑

 

セシリア「即答でしわね」苦笑

 

雷真「だって、あのバカは白式が元々、燃費が悪いって分かってて、新しく追加された。これまた燃費が悪い武装の荷電粒子砲バカスカと撃ってるからだ。てか、零落白夜を外し過ぎだ!」

 

刀奈「うんうん」

 

 

それと刀奈。頷いてるなら、教えてやれよ。

 

 

 

 

 

と専用機持ちに一夏の欠点を教えていると戦闘終了のブザーが鳴る。模擬戦の結果はやはり鈴の勝ちのようだ。

 

 

鈴「一夏。アンタ、バカスカと荷電粒子砲を撃ち過ぎなのとエネルギーの使い過ぎよ。もっと効率を考えなさいよ。ただでさせ、甲龍は燃費の安定性が第一に設計されてるんだから」

 

一夏「そんなこと言っても、第二形態移行(セカンド・シフト)してから前のよりもSE消費が多いんだよ」

 

鈴「なら、尚更よ」

 

 

と二人は白式のエネルギー効率の話しをしながら、此方に戻ってくる。

 

 

雷真「お疲れ」

 

鈴「ありがとう」

 

一夏「サンキュー」

 

 

千冬『次、黒牙とボーデヴィッヒ』

 

 

と織斑先生から指示が飛んでくる。

 

 

「「了解!」」

 

 

なので、返事をしてなら直ぐに首にかけている耐久状態のフリーダムに『起動』と念じるとゼロコンマでフリーダムが俺の身体に纏う。

 

 

雷真「黒牙雷真、フリーダム。行きます!」

 

 

地面を少し蹴るようにしてからPS(フェイズシフト)装甲を起動させてスラスターを噴かし、一気に高さ50mほどまで飛翔する。

また、少し遅れてからラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが飛翔してくる。

 

 

ラウラ「やはり、お前のフリーダムは驚異的な速さだな」

 

雷真「フリーダムの特性は高速起動と多種多様な射撃武装だからな」

 

ラウラ「なるほどな。しかし、今度は勝たせてもらうぞ、雷真!」

 

雷真「ああ、かかってこい!」

 

 

 

夏休みの訓練でフリーダムの操作に慣れるために幾度なく、専用機持ちと模擬戦闘を繰り返した。

戦績は一夏、箒、セシリア、鈴、シャルロットには被弾無しで全勝。他の三人は最初の内は数発被弾したが、全勝。

 

 

 

ラウラ「撃てーっ!」

 

 

ラウラは戦闘開始のブザーと同時にシュヴァルツェア・レーゲンのレールカノンを撃ってきたので後退しながらラミネートアンチビームシールドを構えて防ぎながら対ビームシールドの横に付いているガンポートにルプスビームライフルの銃身を差し込み、ビームを撃つ。

 

 

ラウラ「防ぎながら、撃ってくるとは!?」

 

雷真「そう簡単にはやれないさ」

 

ラウラ「まだまだーっ!」

 

 

俺からのビームをラウラは地面を滑るようにして回避行動をしながら、ワイヤーブレードを射出してくるのでそれを全て回避する。

 

 

ラウラ「やはり、レールカノンとワイヤーブレードではフリーダムを捉えられないか…………ならばっ!」

 

 

ラウラはレールカノンとワイヤーブレードだけではフリーダムの起動性を抑えられないと分かるとプラズマ手刀を両腕手首から出し、ワイヤーブレード6機全てを射出して近接戦闘を仕掛けてくる。

 

 

雷真「今度は近接戦闘か…………受けて立つ!」

 

 

俺はラウラのワイヤーブレードを避けながらルプスビームライフルを後ろ腰へマウントし、対ビームシールドを上へ高く放り投げてから両腰にあるラケルタビームサーベルを二本とも引き抜き、ラウラに応戦する。

 

 

ラウラ「ハアアアアッ!」

 

雷真「デヤアアアアッ!!」

 

 

ラケルタビームサーベルとプラズマ手刀がぶつかり合うとガキィンッという効果音を立てながら火花を散らしながらつばぜり合いになる。

 

 

ラウラ「くっ…………パワーで押される」

 

雷真「ラウラにしては、珍しく愚策に出たな?」

 

ラウラ「はっ………!」

 

 

ラウラは俺の言葉であることを理解したのは、前に一夏にやった戦法。ストライクやフリーダムのようなMS(モビルスーツ)型には頭部に近接防御機関砲が搭載されている。故に、つばぜり合いになるほどの至近距離に居れば、間違いなく近接防御機関砲の餌食だ。

 

 

 

ラウラ「くそっ!」

 

雷真「逃がしてやるほど、俺は甘くないっ!」

 

 

直ぐにつばぜり合いから後退しようとするラウラだが、そんなことをさせる俺ではなく。フリーダムの実弾兵器である近接防御機関砲ピクウスとクスィフィアスレール砲二門を連射して、一気にシュヴァルツェア・レーゲンのSEを削っていく。

 

 

ラウラ「このままでは!?」

 

雷真「ラウラ」

 

ラウラ「なんだ!」

 

雷真「前ばかり気にしてるのはいいけど頭上注意な」

 

ラウラ「はぁ?」

 

ラウラ「ぐはっ!?」ガゴンッ!

 

 

 

説明しよう。今、ラウラに何が起きたかというと、少し前に俺はラケルタビームサーベルを抜く前にルプスビームライフルを後ろ腰へ、ラミネートアンチビームシールドは空へと投げた。

そして、先ほどピクウスとクスィフィアスレール砲二門の攻撃をラウラは被弾しながら回避し続けていた。ここまでは、良い。

 

しかし、ラウラは知らず知らずのうちに俺の射撃によって対ビームシールドの落下地点へと追い込まれ、SEが心許ないままお笑いのように頭上から盥ではなく、対ビームシールドが落ちてきたのである。

 

そして、対ビームシールドを頭から受けたラウラは頭を押さえてしゃがみ込んでいる。でも、模擬戦とはいえ、俺は優しくはない。

 

 

ラウラ「いっっっっ!?」

 

雷真「ラウラ」

 

ラウラ「今度は、なんだ!?」

 

雷真「チェックメイト」

 

ラウラ「へ?」

 

 

ラウラが頭を押さえている間に俺はルプスビームライフルを右手に持ち、クスィフィアスレール砲二門、バラエーナプラズマ収束ビーム砲二門をハイマットフルバーストの構えを彼女の眼前に向ける。

 

 

ラウラ「こ、降参だ」

 

雷真「お疲れ様でした」

 

 

 

 

 

 

実戦訓練の授業が終わると俺と一夏は、今となっては俺たち男子専用となったアリーナのロッカールームでISスーツから制服に着替えている。

 

 

一夏「はぁ~。やっぱり、白式の燃費が今後の課題だよな」

 

雷真「それだけじゃないぞ、一夏」

 

一夏「え?」

 

雷真「お前はまだ雪羅の使い方が分かってない」

 

一夏「分かってない?なら、教えてくれよ」

 

雷真「いいけど、俺から教えてやれるのは戦闘のやり方だけ。使い方は自分で覚えろ。人のやり方を真似ると何処かで自分に合わなくなるからな」

 

一夏「…………」

 

雷真「それと夜、寝る前とかに目を瞑って白式に語りかけてみろよ。なにか、応えてくれるかもしれないぞ?」

 

一夏「語りかける…………」

 

雷真「あと俺から言えることは、『攻撃は最大の防御』ってことだけ」

 

一夏「攻撃は最大の防御……」

 

雷真「ヒントは教えた、あとは自分で考えろ。それと早くしないと織斑先生の出席簿が脳天に落ちるぞ」

 

一夏「へぇ?」

 

 

一夏は雷真の言葉でロッカールームに備え付けられているデジタル時計を見ると時刻は8時30分。アリーナから校舎まで距離は全力疾走で約10分。

 

故に、制服に着替えていない一夏は遅刻が確定した。

 

 

一夏「うわあああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

千冬「それでは、デュノア。ラピッド・スイッチの実演をしろ」

 

シャル「はい!」

 

 

シャルロットは織斑先生の指示に従い、教卓の前まで行き。両腕だけリヴァイブを部分展開させて、射撃武装をアサルトライフル、サブマシンガン、ショットガンと高速切替(ラピッドスイッチ)していく。

 

 

千冬「このように、ラピッド・スイッチは普通の武装切替よりも早いため、瞬時に格闘・射撃・防御といった必要な場面に合わせて切り替えることができる」

 

千冬「ちんたらと武装を切り替えていたら、黒牙のような射撃精度が異常なほど高い奴に撃たれる。それと先ほど必要な場面に合わせて切り替えると言ったが、特に良い例があるのでその映像を見てもらう」

 

 

織斑先生は教卓から一つのリモコンを手に取り、教卓に向けてリモコンのボタンを押すと黒板にある映像が映し出された。

それは…………。

 

 

千冬「これは黒牙の第一次形態の時のIS、ストライクだ。このストライクは、ストライカーパックと呼ばれる換装システムで必要な場面に合わせて、近接・遠距離・高速起動と武装を切り替えることができる」

 

「「「「おおおおお!!」」」」

 

 

雷真「(一応、許可は出したけど。まさか本当に授業で使うとは…………。)」

 

千冬「この様に黒牙はこの換装システムをラピッド・スイッチを使い瞬時に換装している」

 

 

次に映して出されたは授業や放課後の特訓、タッグトーナメントで撮影されたと思われるストライクの戦闘時の物だった。やがて、エール、ソード、ランチャー、IWSP、オオトリと色んなストライカーに換装している映像が終わる。

 

 

千冬「なので、諸君も必ず覚えるように」

 

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

本日のカリキュラムが全て終わり、放課後なったのでいつもの一夏の放課後特訓に行こうとすると、何故かセシリアに呼び止められる。

 

 

セシリア「雷真さん、少しよろしいですか?」

 

雷真「分かった。歩きながらでいいか?」

 

セシリア「はい」

 

雷真「で、話しって?」

 

セシリア「刀奈さんから臨海学校の時に雷真さんがビット兵器でもないのにビームを偏向射撃(フレキシブル)させたと聞いたので」

 

雷真「なるほど。それと、一夏に負けたのがそんなにも悔しいかったか?」

 

セシリア「はい。イギリス代表候補生としてのプライドが…………」

 

雷真「なら、俺は?」

 

セシリア「雷真さんには、実力的に勝てないと臨海学校の時より前に思い知らされましたから」

 

雷真「あははは。それ…………」

 

 

 

何ともフォローできないや。

 

 

セシリア「ですから、よろしければ私に偏向射撃(フレキシブル)のご教授をお願いしたいのですわ」

 

雷真「……分かった、協力しよう」

 

セシリア「本当ですの!?」

 

雷真「ああ、本当だ。代わりにセシリアに頼みたいことがある」

 

セシリア「頼みたいこと、ですの?」

 

雷真「ああ。それじゃ、今日は二人だけで特訓するか。一夏の度肝を抜いてやろうぜ?」

 

セシリア「はい!」

 

 

 

てな、感じで俺とセシリアは二人だけ特訓するために刀奈に一夏の特訓の指示を任せ。俺たちは別のアリーナで特訓することにした。

 

 

雷真「まずは、セシリアのビット稼働率を見せてくれ」

 

セシリア「わかりました」

 

 

セシリアによって、ブルー・ティアーズのビット兵器の稼働率を見せてもらうと45%だった。しかし、これでも良く伸びた方なのだろう。前はビット兵器を使用しているとセシリア、本人が動けなくなるため。そのデメリット克服のため、日々鍛練を積んだ結果、ビット兵器を二つまで使用しながら自身も移動できるまでに成長した。

 

 

雷真「セシリアはさ、偏向射撃(フレキシブル)のイメージは出来てたりするのか?」

 

セシリア「いいえ、全く。雷真さんがやるまでは机上の空論と…………」

 

雷真「そうか。なら、一か八か、俺がブルー・ティアーズのビット兵器で偏向射撃(フレキシブル)をやってみる」

 

セシリア「へぇ?ちょっ、お待ちなさい!雷真さん、貴方、ビット兵器の適正はあるのですか!?」

 

雷真「確か……先週のメディカルチェックでビット適性がCからA+に上がってたかな?だから、多分、平気だろう」

 

セシリア「……はぁ~、わかりましたわ」

 

 

セシリアは何か諦めたような溜め息を吐いてからビット兵器のアンロックをする。そして、ビット兵器をフリーダムに接続するとブルー・ティアーズのビット兵器について色々と分かった。

 

 

雷真「よし、行けるな」

 

セシリア「では、お願いしますわ」

 

雷真「了解」

 

 

スラスターを噴かせて、ある程度まで飛翔すると射撃用のIS型ドローンを出現させてからビット兵器を操る。

何回か試し撃ちでIS型ドローンを撃ったら今度はビット兵器を全て操りながら俺も高速移動する。

 

 

雷真「意外と難かしいな。でも、なんかストライクフリーダムに乗ってるみたいで、キラになった感じだな」

 

 

ビットを操作している雷真を見て、セシリアは呆れたように言葉を溢す。

 

 

セシリア「分かってはいましたが………四機全てを操りながら、あんな高速で移動するなんて」

 

 

ビット操作に慣れると今度はビット兵器も合わせて全てのフリーダムの射撃武装と共にハイマット・フルバーストをする。

 

 

セシリア「凄いですわ…………」

 

雷真「それじゃ、セシリア。そろそろ、偏向射撃(フレキシブル)をするから良く見ててくれよ?」

 

セシリア「わかりましたわ!」

 

 

ハイマット・フルバーストを撃ち終わると今度は偏向射撃(フレキシブル)をするためドローンにランダム回避をさせる。

 

 

雷真「行動パターン、算出、行けるっ!」

 

雷真「当たれぇぇぇえっ!!」

 

 

セシリアから借りたビット兵器のレーザーを山なりに撃ったり、左右に湾曲させて撃ったりと色々の偏向射撃(フレキシブル)をやって見せた。

 

 

セシリア「これが、偏向射撃(フレキシブル)……」

 

 

IS型ドローンを全て偏向射撃(フレキシブル)で撃ち墜とし終わるとセシリアに参考になったかを確かめる。

 

 

雷真「どうだ?見本にはなったか?」

 

セシリア「はい、それはもう。凄く」

 

雷真「なら、良かった」

 

セシリア「ところで、雷真さんが私に頼みたいこととは一体?」

 

雷真「それは一夏と射撃型の基礎行動の特訓に付き合ってほしい」

 

セシリア「そんなことで、よろしいのですか?」

 

雷真「ああ」

 

セシリア「わかりました。この、セシリア・オルコット。その申し出、謹んでお受けしますわ」

 

雷真「よろしくな」

 

セシリア「はい!」

 

雷真「あっ、それとセシリア」

 

セシリア「なんですか?」

 

雷真「早く偏向射撃(フレキシブル)を撃ちたいなら、お前のISであるブルー・ティアーズに語りかけて、そして信じろ」

 

セシリア「語りかけて、信じる」

 

雷真「それだけだ」



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第37話







セシリアとの特別訓練をした翌日。現在は、早朝の特訓をしている。

 

 

一夏「雷真、セシリア。もう一度頼む!」

 

雷真「あいよ」

 

セシリア「わかりましたわ」

 

 

特訓内容は俺が二人羽織のような形でスラスター翼以外を展開している一夏に覆い被さりながらフリーダムで『シューターフロウ』を行いながら一夏に射撃型戦闘の間合いの取り方を感覚的に覚えさせるやり方。

 

前までは射線上から逃げる特訓と近接戦闘の特訓だけだったが、一週間前の夜に"楯無さん"からある情報を聞いて、それを"()()()"に伝えたら悠長にやってはいられないと言われたので、この特訓をすることにした。

 

 

雷真「セシリア、準備はいいか?」

 

セシリア「いつでも」

 

雷真「それじゃあ、GO!」

 

 

俺の合図で、セシリアは俺と円を描くように飛行し回転速度を合わせながらブルー・ティアーズのメイン武装であるスターライトmk-Ⅲを構える。

 

 

雷真「一夏、構えろ」

 

一夏「おう」

 

 

一夏に指示を飛ばして《雪羅》を構えさせる。また、姿勢制御のデータは白式に後で送る。

 

 

雷真「射撃開始!」

 

 

この、合図で二人は己が射撃武装を撃ち合う。当然、それは当てる気で撃つので互いに相手の弾が当たらないように緩急を付けて円状飛行を止めないように回避する。

 

 

セシリア「流石は雷真さん。まったくと言っていいほど円状制御飛翔(サークル・ロンド)を崩しませんわね。それに比べて、一夏さんは…………」

 

雷真「良く狙え、一夏!」

 

一夏「分かってる!」

 

 

セシリアは向かい側で飛行と回避行動は全てを行う雷真と、射撃のみを行うが何発も明後日の方向へ荷電粒子砲を撃つ一夏。ここまで思い人と友人の実力の差を見せつけられると、少し深い溜め息を吐く。

 

 

雷真「セシリア、済まないがビット兵器を二機共使いながらシューター・フローを続けてくれないか?」

 

セシリア「…………わかりましたわ。ブルー・ティアーズ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、8時まで射撃型の特訓を続けたら刀奈たちが作ってくれた朝食用の弁当を食べてから教室へ向かう。そして、SHRが終わるとなんと、一限の授業を半分使用して全校集会を行うことになった。その内容は学園祭である。

 

そして俺は現在、ステージ裏に来ている。何故、来ているかは夏休み開けから生徒会副会長になったからである。

 

 

雷真「刀奈、そろそろ時間だ」

 

刀奈「分かったわ」

 

 

先ほどまで、事前に自分で書いた集会でのセリフを下書きした紙を読んでいた刀奈に一声かけてから、ステージの幕をあげるよう放送委員の女子に赤のペンライトを振り、合図を送る。

 

 

刀奈「それじゃあ、行ってくるわね」

 

雷真「おう、行ってらっしゃい」

 

 

刀奈に『行ってらっしゃい』を言うと放送委員の女子からアナウンスが流れてから堂々とした態度でステージの上にある学校のスピーチ台の前に進み、全校生徒を見据える。

 

 

刀奈「やあ、みんな。おはよう」

 

刀奈「さてさて、今年は私もピカピカの一年生として色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね」

 

刀奈「知っている人も居ると思うけど、私の名前は更識刀奈。貴方たち生徒の長よ。以後、よろしく」

 

 

と、かるーく挨拶を終わらせると本題の学園祭の話しになり、刀奈の奴はニヤリと生徒たち笑みを浮かべるとなんと学園祭に特別ルールなる物をもうけやがった。それは────

 

 

 

 

『各部対抗男子争奪戦』

 

 

 

 

────である。

 

まぁ、内容は部活動、クラスの催し物で、どれが一番良かったか、全校生徒に投票させて。一位に輝いた部活動に男子を1ヶ月貸し出すというものだ。無論、これには生徒会も含まれる。

 

俺と一夏的には、面倒なことを、と思った。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

放課後の特別HRにてクラスごとの出し物を決めるため、どこのクラスもわいわいと声が聞こえてくる。

 

 

一夏「えーと……うちのクラスの出し物の案ですが…………」

 

 

クラス委員長の一夏が学園祭で出す。1年1組の催し物の案について言い悩んでいる。

その理由は…………。

 

 

 

【織斑一夏&黒牙雷真のホストクラブ】

 

【織斑一夏&黒牙雷真とポッキーゲーム】

 

【織斑一夏&黒牙雷真と王様ゲーム】

 

 

…………と案は出ている。

 

 

一夏「全部却下!」

 

女子「「「「ええええー!!」」」」

 

一夏「アホか!誰が嬉しいんだ、こんなもん!」

 

 

一夏がそう叫ぶと複数の女子がそれに反論する。

 

 

女子「私は嬉しいわね。断言する」

 

一夏「え?」

 

女子「そうだそうだ!女子を喜ばせるために義務を全うせよ!」

 

一夏「はぁ?」

 

女子「織斑一夏と黒牙雷真は共有財産である!」

 

女子「「「「そうだそうだ!」」」」

 

一夏「………くっ!山田先生、ダメですよね?こういう企画は」

 

真耶「えっ!?わ、私ですか!?」

 

 

どうやら、山田先生も女子と同じ考えだったのか一夏の話しにワンテンポ遅れて反応した。

 

 

山田「え、えーと…………わ、私はポッキーなんか良いと思いますよ?」

 

 

ダメだ。この副担任。頬を赤く染めて欲に堕ちてやがる。

 

 

一夏「と、とにかく普通の意見をだな!」

 

ラウラ「なら、メイド喫茶はどうだ?」

 

 

なんと、あのラウラの口から『メイド喫茶』などと出たことに1組全員が驚く。

 

 

一夏「ら、ラウラ?」

 

ラウラ「客受けはいいだろう。それに飲食店は経費の回収が行える」

 

シャル「うん。いいんじゃないかな?雷真と一夏には執事か厨房を担当してもらえばオーケーだよね。刀奈も生徒会長としてどうかな?」

 

刀奈「そうね。最初の3つを案が出ていれば、流石に私としても許可を出せない物もあるし。ラウラちゃんの意見は生徒会長としても賛成ね。雷真は?」

 

雷真「それに関しては刀奈と同じだ。最初は皆の意見を聞くことに徹していたが。もしも、最初の3つの案が催し物として申請を出されたら即、却下しているところだ」

 

ラウラ「なら、メイド喫茶で決まりだな」

 

 

ラウラの案により1組は『御奉仕喫茶』に決まり。1組の女子はウキウキと学園祭の準備に取り掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラス会議が終わったあと、これまた習慣と化した一夏の放課後特訓が始まる。内容は今朝のメニューを一人で行えるようにバルーンの周りを延々と回るだけ。

 

 

雷真「一夏、姿勢が少し右に傾いてる、姿勢を直せ。それと速度も落ちてる」

 

一夏「くそおおおおっ!」

 

 

俺は一夏の円状制御飛翔(サークル・ロンド)をフリーダムのハイパーセンサーで確認しながら、学園祭までに終わらせないといけない書類を終わらせる。

 

また、刀奈の奴は学年別トーナメントのあとに文句があるなら『何でもいいから私に勝て!』と言ったのと学園祭の特別ルールが原因で色々な部活動で文句がある生徒とバトル中である。

 

他のメンバーは学園祭の手伝いや別のアリーナで自己特訓だ。

 

 

雷真「よし、これで終わり」

 

 

アリーナに持ってきていた、約5日はかかる書類が終わったのでケータイを取り出して本音に電話する。

 

 

本音『もしもし~、ライライ?』

 

雷真「書類が終わったから、次の書類をアリーナまで持ってきてくれ。もちろん、お前の分もな」

 

本音『わ~い!ライライ、ありがとう~』

 

雷真「ったく、なんで俺がお前の分まで処理しといけないんだよ。本音」

 

本音『ごめ~ん』

 

雷真「次からはちゃんと処理しろよ?でない………」

 

本音『でないと?』

 

雷真「簪に言って、お前のお菓子を書類が全て終わるまで没収」

 

本音『そんな~、ひどいよ~!』

 

雷真「それが嫌なら、ちゃんと書類の処理をしろ」

 

本音『は~い』

 

 

覇気を感じさせない返事を聞いてから通話を切り、視線を一夏に向ける。

すると、また姿勢が崩れてたり、速度が落ちているので何度か注意をする。約30分の間にある程度まで、一夏がマニュアルで姿勢制御を続けていると観覧席に大量の書類を持った本音がやって来ていた。

 

 

本音「お~い、ライラ~イ」

 

雷真「おう。一夏、15分休憩だ」

 

一夏「分かった」

 

 

一夏に休憩の指示を出してから観覧席へと向かう。

 

 

雷真「これがさっき言ってた書類な」

 

本音「じゃあ、こっちが新しい書類ね」

 

 

終わった書類は本音に渡して、新しい書類を受け取り。ペラペラと少し書類を流し読みをしていると、あることに気づいた。

 

 

雷真「なぁ、本音?」

 

本音「な~に?」

 

雷真「なんで、こんな赤ペケが付いてるんだ?えぇ?」

 

本音「それは…………」

 

雷真「お菓子没収な」

 

本音「そんな~!」

 

雷真「なら、生徒会室に戻って5日前の書類から確認して直せ!それとも"おばさん"に言いつけたほうがいいか?」クロイエガオ

 

本音「頑張ります」("`д´)ゞ

 

 

おばさん……つまり、本音と虚さんのお母さんに言いつけると言ったら本音の奴は敬礼をして、普段では出さないような速度で生徒会室へと走って行った。

 

 

一夏「副会長も大変だな?」

 

雷真「いや、事務作業ならそうでもないさ。異世界に居た時はこんな処理の何倍もの量をやっていたからな」

 

一夏「マジか!?」

 

雷真「ああ。あっち側(コズミック・イラ)に居たときはシステムの調整、OSの切り替え。弾薬やエネルギーの補給、やらなんやらと色々な種類の書類を処理したもんだ」

 

一夏「すげぇな……」

 

雷真「まぁな、これでも軍人なんでな」

 

 

 

 

休憩が終わるとアリーナの使用限界時間まで一夏にマニュアル操作で円状制御飛翔(サークル・ロンド)を続けさせる。

そして特訓が終わり、寮の自室に向かうと部屋の前で何故か箒が待っていた。

 

 

雷真「箒?」

 

箒「少しいいか?」

 

雷真「ああ。なら、お茶を出すから中で聞こうか」

 

 

そうして、箒を俺の部屋と招き入れた。

 

 

雷真「ほい、緑茶」

 

箒「すまない」

 

雷真「そんで、用件は?」

 

箒「頼みがあってだな」

 

雷真「頼み?」

 

箒「私も鍛えてほしいのだ」

 

雷真「ほう。それは何のために?」

 

箒「もう、臨海学校の時のようなことが無いように、己を戒めるためだ」

 

雷真「なるほど。誤りを繰り返さないためにも力の使い方を学びたいと」

 

箒「うむ…………」

 

雷真「箒はさ、紅椿をどう思ってる?」

 

箒「どう……とは?」

 

雷真「紅椿を信頼しているのかいないのか」

 

箒「……」

 

雷真「まずは、そこを軽く考えろ。それと、特訓は俺ではなく、刀奈、簪、シャルロットに頼め。アイツらも専用機持ちだからな」

 

箒「刀奈たちにか?」

 

雷真「ああ。万が一にも、俺が箒にラッキースケベなようなアクシデントが起きると婚約者三人の背後から般若がでるからさ」

 

箒「な、なるほど。しかし、お前たちは本当に仲が良いな。女三人と一人の男が恋人になってイザコザとかはないのか?」

 

雷真「なくはないけど。その時は両者の意見や要求を紙に書いてお互い見合わせて、妥協できるところは妥協して。出来ない物はチェスや将棋といった平和的なゲームで決着をつけてる」

 

箒「なるほど。一夏と違って、雷真は優柔不断でないのだな」

 

雷真「いや、俺は端から見れば十分に優柔不断だろ?婚約者三人も居るし」

 

箒「そうかもな。それでは、相談も終わったことだ。私はお前の婚約者三人の元へ行くとしよう」

 

雷真「刀奈たちは、俺から連絡を一本入れておくよ」

 

箒「そうか?それは有難い」

 

雷真「じゃあ、また明日」

 

箒「ああ。また、明日」

 

 

 



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第38話







一夏の射撃型戦闘と特訓を初めて、はや一週間が経過した。その間に、一夏は何とかマニュアル操作で安定した円状制御飛翔(サークル・ロンド)を習得した。

 

 

雷真「大分、安定してきたな。次はそのまま、シューター・フローの円軌道から瞬時加速(イグニッション・ブースト)または二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)を使い。敵の後ろから、ゼロ距離で荷電粒子砲を撃つことを想定した特訓な」

 

一夏「はぁ!? 瞬時加速(イグニッション・ブースト)ならまだしも、この状況から二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)をやれってか!?」

 

雷真「やらないと大切な奴を守れないぞ。それとも、守ることを諦めるか?」

 

一夏「…………いや、皆を守れるならやる!」

 

雷真「よし。じゃあ、見本を見せるからちゃんと見て置けよ?」

 

一夏「おう!」

 

 

一夏にシューター・フローからの状態からの瞬時加速(イグニッション・ブースト)で奇襲するやり方を見せるためにフリーダムで実践する。

 

 

雷真「行くぞ?」

 

一夏「ああ」

 

 

右手にルプスビームライフルを、左手にはラケルタビームサーベルを構え、円状制御飛翔(サークル・ロンド)をする。

そして、ある程度の飛行速度に到達したら、フリーダムのスラスターの角度をマニュアルで変化させてから一気に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で練習用のバルーンを接近して、少し掠る程度の距離を通り過ぎる。

 

しかし、掠るだけでもビームサーベルでは致命的な威力を持っているのでバルーンが割れる。

 

 

雷真「あっちゃ~。数mmズレたか………」

 

一夏「何が、数mmズレたんだ?ちゃんと攻撃は当てるじゃないか」

 

雷真「本当は割らないで終えるつもりだったんだよ」

 

一夏「マジか………」

 

雷真「バルーンが割れちまったから、メニューを変更して実戦形式でやるぞ」

 

一夏「分かった」

 

 

それから、俺たちはフリーダムと白式で円状飛翔をしながら、円状制御飛翔(サークル・ロンド)からの瞬時加速(イグニッション・ブースト)を行うことにした。

 

しかし、始めたはいいが、一夏はシューター・フローからの瞬時加速(イグニッション・ブースト)が上手くいかないようで、何度も墜落している。上手く成功する時は、ラミネートアンチビームシールドで攻撃を防いだり、ラケルタビームサーベルで攻撃をいなしたりする。

 

また、俺が使う武装は近接防御機関砲ピクウスとラケルタビームサーベル、ラミネートアンチビームシールドだけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから二週間が過ぎて。今日はいよいよ学園祭当日。IS学園は色々な企業や国が開発しているISの試作運用場のため、機密保持のため他の高校と違って一般公開はしていない。

 

その代わりに、IS学園の生徒たちに招待チケットを一枚発行して、家族や友人などに渡して学園に招待するらしい。他には国や企業、軍等のお偉いさんがやってくる。

 

そして、現在。1年1組にて、御奉仕喫茶の仕事を俺は全うしている。

 

 

女子「はい。これ、8番テーブル」

 

雷真「了解」

 

 

最初は二人で執事をやることになっていたのだが、それだと二人が休憩に入ったら売れ行きが落ちるとのことで、午前は俺で、午後は一夏となった。

 

 

雷真「お待たせしました。こちら、サンドイッチのAセットが2つとバルトフェルトブレンドが2つに御座います。以上でご注文はお揃いでしょうか?」

 

女子「は、はい……。//////」

 

雷真「それでは、お嬢様方。ごゆっくりとどうぞ」ペコリ

 

 

お客様二人に一礼してから次の料理をテーブルへと運ぶ。そして、運び終わると入り口の方からご指名が入る。

 

 

女子「黒牙くん、ご指名入りました」

 

雷真「了解」

 

 

はぁ~。これで何回目だろうか。分かってはいた、いたけれども!朝の9時からスタートして、今は11時。その間に何回、いや、何百回。ご指名を受けた?

 

 

雷真「お待たせしました。お嬢様……って簪じゃないか」

 

簪「来ちゃった」テヘヘ

 

 

簪は少し恥ずかしいそうに言った。

 

 

雷真「では、お席にご案内します」

 

簪「うん」

 

 

お客様として我がクラスへ来た、簪をテーブルへと案内をし、メニューを出す。

 

 

簪「ねぇ、雷真。何か、オススメとかある?」

 

雷真「そうですね。自分として、このバルトフェルトブレンドがオススメですよ」

 

簪「バルトフェルト………?それって確か………」

 

 

簪がストライクのデータでバルトフェルトさんのことを知っていたのか、バルトフェルトブレンドにの名前について話そうとした時、後ろからメイド姿の刀奈と本音がやってきた。

 

 

刀奈「あら、簪ちゃんじゃない」

 

本音「ほんと~だ~、かんちゃんだ~」

 

簪「お姉ちゃんに本音」

 

雷真「刀奈、生徒会の方は平気なのか?」

 

刀奈「ええ。どこかの異世界戻りの軍人さんが大幅にバッファーを持たせてくれたお陰様でね。あとは午後の演劇だけよ」

 

雷真「それは良かった」

 

簪「異世界戻りの軍人って…………それって、雷真のことだよね?」

 

刀奈「もちろん。本来は本音が処理しないといけない書類5日分を2時間足らずで処理するし。挙げ句には、本音を脅して働かせるわで、此方としては大助かりだけど」

 

本音「いや~、私もあの時だけは、めちゃくちゃ頑張ったよ~」アハハハ~

 

 

と呑気に喋っていると…………。

 

 

シャル「そこ、喋ってないで手伝ってよ!それと雷真、あとが詰まってるから早くして!」

 

雷真「す、すまん」

 

雷真「そんな訳でゆっくりして行ってな」

 

簪「うん」

 

 

シャルロットに注意された俺は、お嬢様方の『執事とゲーム』や『執事へのご褒美セット』や『執事とツーショット』などなど、やはり執事が関連するオーダーが飛んでくる。

 

 

女子「黒牙くん、四番テーブルで『執事へのご褒美セット』で~す」

 

雷真「四番テーブルって簪じゃんか」

 

 

『執事へのご褒美セット』を持って、簪が座っている四番テーブルに向かうとそこにはソワソワとしている簪がいた。

 

 

簪「…………」ソワソワ

 

雷真「お待たせしました」

 

簪「!!」ビクンッ!

 

雷真「こちら、『執事へのご褒美セット』になります」

 

 

とセットをテーブルに置いて、簪の隣へと座る。

すると、ソワソワしていた簪はセットから冷やしたポッキーを一本取り。それを俺に向けてくる。

 

 

簪「雷真……あーん」

 

雷真「あーん」モグモグ

 

簪「美味しい?」

 

雷真「お嬢様が食べさせてくれるので、とても美味しいです」ニッコリ

 

簪「はうっ!?///////」

 

 

マニュアルの通りにポッキーを食べさせてもらったあとに、『どう?』と聞かれたので笑顔で『お嬢様が食べさせてくれるので、とても美味しいです』と言ったら簪は顔と耳を真っ赤に染めて俯いてしまった。

 

 

雷真「おい、今更、恥ずかしいがるなよ。今よりも恥ずかしいことを昔も今もしてるだろう?」

 

簪「でも……さっきのは、ズルい。///////」

 

雷真「何がズルいんだよ?」

 

簪「ぅぅぅぅ……。/////」

 

 

そのあと簪は恥ずかしいさのあまり、『執事へのご褒美セット』を俺にはくれず全て自分で食べて、自分の教室へ帰ってしまった。

まぁ、自分で食べないで人にあげるのは損をしているから自分で食べれば納得だ。

 

簪とのやり取りを終えたあと、何組かお客様を対応していると鷹月さんから声がかかる。

 

 

鷹月「黒牙くん。織斑くんと交代して休憩していいよ」

 

雷真「あれ、もうそんな時間か?」

 

 

教室の時計を確認すると時刻は既に12時になっていた。

 

 

雷真「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

鷹月「婚約三人と学園祭を回るといいよ」

 

雷真「鷹月さんは一夏と回れたのか?」

 

鷹月「う、うん……まぁね」

 

雷真「そうか。じゃあ、まずは誰と回るかな?」

 

 

そう口にすると刀奈とシャルロットが俺の悩みに答えてくれた。

 

 

刀奈「そのことなら心配いらないわ。既に順番は決まってるから」

 

雷真「刀奈にシャルロット」

 

シャル「午前のシフト、お疲れ様」

 

雷真「ああ。それで順番は?」

 

刀奈「順番はシャルロットちゃん、私、簪ちゃんの順よ」

 

雷真「了解」

 

シャル「じゃあ、行こう。雷真」

 

雷真「ああ」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

という訳でトップバッターのシャルロットとまず最初に来たのは『料理部』だった。生徒会の仕事で料理部の出し物の内容は知ってはいたけど意外と賑わっている。特に主婦の方が多い。

 

 

雷真「シャルロットが来たかったのは、ここか?」

 

シャル「うん。更識のお屋敷に行ってから、日本の伝統料理にチャレンジしてるんだ」

 

雷真「へぇー、そうなのか。まぁ、シャルロットも刀奈や簪と同じで料理はうまいもんな」

 

シャル「ありがとう」

 

 

シャルロットは更識の実家に戻って以来。刀奈や簪、虚さんに何故か日本料理の教えてもらい。その味見役を俺と本音が担当したのである。

 

 

雷真「色々とあるな」

 

シャル「そうだね」

 

 

一言で言えば、料理部の中は駅地下のお惣菜売り場のような感じになっている。和・中・洋のお惣菜は多種多様である。それとお手軽価格だ。

 

 

雷真「おっ、豚の角煮じゃないか」

 

シャル「豚の角煮?」

 

雷真「豚の角煮は豚ばら肉を使った煮込み料理なんだ」

 

シャル「これは雷真の好物なの?」

 

雷真「ああ!ガキの頃に、お義母さんが作った豚の角煮を楽しみにしてたっけな」

 

シャル「豚の角煮には、雷真にとって思い出の料理なんだね」

 

雷真「そうだな。もう、4年くらい豚の角煮を食べてないな」

 

シャル「そっか、雷真は行方不明から戻るまでは………」

 

雷真「そういうことだ。だから、今度、刀奈か簪に作ってもらうことにするさ」

 

シャル「じゃあ!僕が作ったら、雷真は食べてくれる?」

 

雷真「もちろん、食べるよ。楽しみにしてるな」

 

シャル「うん!楽しみにしててね」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

雷真「刀奈はここか?」

 

刀奈「そうよ」

 

 

刀奈と来たのはなんと、『写真部』だった。

ここの出し物の内容は確か……コスプレ撮影だったような。

 

 

雷真「で、ここで何を撮るんだ?」

 

刀奈「それは、勿論。コスプレよ」

 

雷真「ですよね…………」

 

 

今度もてな訳で執事服から普通の高校生が着るような学ランに着替えさせられて撮影所に行くと、そこにはメイド服から女性教師の格好でメガネをかけた刀奈が待っていた。

 

 

雷真「えーっと……これは……」

 

刀奈「遅いわよ、黒牙くん。補修の時間に遅刻よ」

 

雷真「…………」チラリ

 

俺はカメラマンとしているのか定かでない。新聞部部長の黛薫子先輩に視線を送ると親指を立てて、グッジョブのサインをしてくる。

 

 

薫子「…………」(´∀`)b

 

 

このことから撮影が終わるまでは逃げられないことが確定した。

 

 

刀奈「先生の話しを聞いてるの、黒牙くん?」

 

雷真「刀奈、お前な………」

 

刀奈「違うでしょ。私を呼ぶ時は、更識せ・ん・せ・い、でしょ?」

 

 

刀奈は教師の役にすっかり入っているのか、ノリノリで人差し指を俺の鼻先にチョンとやるので少しイラッと来たので、少し仕返しをすることにした。

 

 

雷真「ねぇ、更識先生」

 

刀奈「なにかしら?」

 

雷真「先生って、綺麗で可愛いよね」机ドン

 

刀奈「ふぇっ!?//////」

 

雷真「だから、俺が食べてもいい?」

 

刀奈「え、えっと……それは……。//////」アセアセ

 

俺もイケナイ生徒役として、やり切ることにしたので刀奈を撮影セットして用意された中学とかで使われる机に押し倒す。そして、止めに刀奈の耳元へ顔を近づける。

 

 

雷真「このまま、めちゃくちゃにしてもいいよね?先生」ボソボソ

 

刀奈「きゅぅぅぅぅ……。///////」プシュ~

 

 

留めを刺すと刀奈はアニメの様に顔を真っ赤に染めて目を廻してしまった。それを見た俺は、一度、刀奈から離れて周囲の生徒を確認すると皆、顔を赤くして鼻を抑えていた。

 

 

雷真「どうです、先輩。おいしいシーン、だったでしょう?」

 

薫子「ご、ごじぞうざまでしゅ(ご、ごちそうさまです)」鼻抑え

 

雷真「それは良かった」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

雷真「簪が見たいのは吹奏楽部?」

 

簪「変?」

 

雷真「なんか簪が吹奏楽部を見るなんてイメージがな。昔から見ていたから、こう……模型部とかかなってさ」

 

簪「それはもう見たから。吹奏楽部に来たのは、お姉ちゃんから雷真がピアノを弾けるって聞いたから」

 

雷真「なるほど、それでか」

 

 

てな訳で簪が聴きたがっているので吹奏楽部でピアノの借りことにした。

そして、吹奏楽部の教室に入ると閑古鳥が鳴いているようで部長さんだけが部屋の真ん中でぼーっと楽器を手入れしていた。

 

 

雷真「こんにちは」

 

 

部長さんに一声かけると、ハっとした表情で此方に気付く。

 

 

部長「おお!おお!やっと8人目のお客さんだ!それも今度は織斑くんに続いて黒牙くんまで、写真撮っていいかな?」

 

雷真「いいですけど。俺たちの前に一夏が来てたんですか?」

 

部長「うん。セシリアさんと一緒にね」

 

雷真「あー、なるほど」

 

部長「それでそれで、黒牙くんは何を体験する?織斑くんはホルンを体験したけど、黒牙くんはワイルドにエレキギターとかどう?」

 

雷真「いえ。簪が俺のピアノを聴きたいと言ってるので俺はピアノで」

 

部長「へぇー、黒牙くんってピアノが弾けるんだ」

 

雷真「ええ。前にある人から教えてもらったので」

 

部長「じゃあ、お手並み拝見と行こうかな」

 

雷真「そんなに上手くありませけど、それでいいならどうぞ」

 

 

部長さんに許可を得たので部屋にある、グランドピアノを借りて、ラクス・クラインの大名曲である『水の証』を奏でていく。

 

 

雷真「…………」

 

部長「これは長々」

 

簪「綺麗な曲…………」

 

 

そして、『水の証』を奏で終わると入り口方から部長さんと簪以外にも拍手する何処かの組織の制服を着て、帽子を深くかぶり顔を見せない、二人の客人がいた。

 

 

???「まさか、こんな場所で彼女の歌が聞けるとは」

 

???「そうですね。私も彼女の、ラクス・クライン嬢の曲を聞いたのは宇宙で彼女を保護してた時以来です」

 

雷真「!?」

 

 

その二人の会話を聞いた俺は直ぐにグランドピアノから離れて簪と部長さんを守るように前へ出て警戒心を最大にまであげる。

 

 

簪「雷真?」

 

雷真「アンタら、何故ラクス・クラインのことを知っている!!」

 

???「支部長!私が最初から申し上げたように、やはり彼は警戒してしまったではありませんか!?」

 

???「いやはや、ここまで警戒されるとは思ってなかったのだかな。すまない、脅かすつもりはなかったのだがね」

 

雷真「一体、アンタらは誰で、何者なんだ。答えろっ!!」

 

 

俺がそう質問すると帽子をかぶった二人は自分の正体を明かすように帽子を頭から取った。

 

 

雷真「なっ、貴方たちは!?」

 

 



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第39話







雷真「貴方たちは、デュエイン・ハルバートン准将にナタル・バジルール中尉!?」

 

ナタル「久しぶりだな、クロキバ少尉」

 

デュエイン「本当に久しぶりだな、少年」

 

 

俺はハルバートン准将とバジルール中尉の二人がこちら側に、ましてや生きていることに驚いていると後ろにいる簪が二人について尋ねてくる。

 

 

簪「雷真、知り合い?」

 

雷真「ああ。この二人は、"あっち側(コズミック・イラ)"の元上官たちで、尚且つ、女性の方は同じ戦艦の乗組員だった人だ。前にデータで見たろう?」

 

簪「本当だ」

 

雷真「それで、何故お二人がこちら側に?」

 

デュエイン「その事についてや"あちら側(コズミック・イラ)"の事について、私たちも君に聞きたいことがある。だから、何処か落ち着ける場所はあるかね?」

 

雷真「でしたら、少々お待ちを」

 

デュエイン「分かった」

 

 

ハルバートン准将が落ち着ける場所と言ったので、ケータイを取り出し。直ぐに織斑先生へ電話する。

 

 

千冬『もしもし、私だ』

 

雷真「あっ、織斑先生。急な電話ですみません」

 

千冬『それで、どうした?』

 

雷真「それが"あっち側(コズミック・イラ)"の知り合いがこっち側に居まして」

 

千冬『なに!?』

 

雷真「できれば、織斑先生にも知らせて置こうと思ったので」

 

千冬『分かった。それで、他には?』

 

雷真「他には、悪いのですがこれから学園祭を抜けて、知り合いの方と話しをしたいのですがいいですか?」

 

千冬『………………分かった、許可をしよう。ただし、私も同席させてもらう』

 

雷真「わかりました。それでは、例の整備場で」

 

千冬『分かった。では、』

 

雷真「はい」

 

 

織斑先生から了承を得たので通話を切る。

 

 

雷真「簪。悪いが刀奈に午後にある生徒会の演劇には出られないと伝えてくれるか?」

 

簪「うん…………分かった」

 

雷真「すまないな」

 

簪「ううん、大丈夫。軍事関連なんでしょう?」

 

雷真「ああ、そういうことだから。それでは、お二人とも、落ち着ける場所へご案内します」

 

デュエイン「無理を言ってすまないな」

 

雷真「いえ。自分としてもお二人の情報が少しでも欲しいですから」

 

ナタル「君も立派な軍事だな」

 

雷真「まぁ、四年もやっていれば。あっ、部長さん。ピアノ、ありがとうございます」

 

 

ハルバートン准将とバジルール中尉のことで忘れていた。吹奏楽部の部長に、お礼を言う。

 

 

部長「う、うん。それと、もしかして、黒牙くんの家って軍人家系?」

 

雷真「あー、まぁ、そんなところです」

 

雷真「じゃあ、簪。刀奈によろしくな」

 

簪「うん」

 

雷真「では、お二人と行きましょう」

 

デュエイン「うむ」

 

ナタル「分かった」

 

 

俺は簪と部長さんと分かれたあと、ハルバートン准将とバジルール中尉を連れてカオスたちの機密整備区画へと案内する。整備区画に到着すると既に織斑先生が待っていた。

 

 

雷真「織斑先生」

 

千冬「黒牙か。で、そちらの二人が黒牙が言っていた…………」

 

雷真「はい、そうです」

 

デュエイン「デュエイン・ハルバートンです」

 

ナタル「ナタル・バジルールです」

 

千冬「ご存知かもしれませんが、織斑千冬です」

 

雷真「それでは、情報交換と行きましょう」

 

 

それから、情報交換すると………まず、ハルバートン准将なのだが。地球降下作戦時の時にガモフ艦の特攻によりメネラオスと共に殉職したはずが、気付いたら二年前のこちら側に来ていたという。

それに何と、ハルバートン准将は現在。この世界ではIS委員会の日本支部支部長の一人だとか。

 

バジルール中尉は、アークエンジェルのローエングリンをドミニオンが受けた際に死んだと思っていたら、ハルバートン准将と同じような形でこちら側に飛ばされており。来たの一年前とのこと。

また、ムルタ・アズラエルの生死は分からず。バジルール中尉はハルバートン准将の秘書をしているらしい。

 

 

雷真「本当に驚きましたよ。お二人とも"あちら側(コズミック・イラ)" では殉職認定されてましたから」

 

デュエイン「それはそうだろう。私はローラシア級ガモフと轟沈。彼女に関してはアークエンジェルの陽電子破城砲を撃たれているのだからな。無理もない」

 

ナタル「私もそう思います。奇跡とはいえ、無事生きて、尚且つ、ローエングリンの身体への汚染影響もない」

 

雷真「本当に奇跡ですね。それは」

 

デュエイン「私たちのことは以上だ。次は君の方から私たちがいなくなったあとの"あの世界(コズミック・イラ)"の話しを聞かせてくれるかね?」

 

雷真「分かっています。それでは、改めて、オーブ連合首長国、第二宇宙艦隊アークエンジェル所属の黒牙雷真中尉です」

 

デュエイン「ホホー、君はオーブの軍人で、中尉とは。それにアークエンジェルはオーブ軍に加わったのか」

 

雷真「はい。第二次ヤキン・ドゥーエのあとにも、また戦争が起こりまして」

 

ナタル「なに!?」

 

雷真「まずは、これを見てください」

 

 

俺はフリーダムの拡張領域(バススロット)から待機状態になっているガイア、カオス、アビス、セイバーを起動状態で二人に見せる。

 

 

デュエイン「これは!? ナタルくん、これは地球軍の新型MS(モビルスーツ)なのか!?」

 

ナタル「いえ! 私が知っているのは、フォビドゥン、レイダー、カラミティーです。ですから、このMS(モビルスーツ)は初めて見ました」

 

雷真「それはそうです。何せ、この四機はZAFTが開発したセカンドステージのMS(モビルスーツ)なんですから」

 

ナタル「セカンドステージ?」

 

雷真「セカンドステージとは、第二次ヤキン・ドゥーエ戦争以降にZAFTが開発したMS(モビルスーツ)のことです。現在、自分の専用機であるフリーダム、それにジャスティス、プロヴィデンスまではファーストステージ」

 

ナタル「まさか、キラ・ヤマトの次に、君がフリーダムのパイロットとは………」

 

雷真「まぁ、色々ありましたから。詳しくはこの端末にレポートにして纏めてあります」

 

 

再び、フリーダム拡張領域(バススロット)を開き。棒状の携帯端末を二人に渡す。

 

 

デュエイン「これは?」

 

雷真「これはZAFTの技術で作成した物で、端末の真ん中に指を当ててから左へ、スクロールしてみてください」

 

ナタル「なんと!?」

 

デュエイン「これは凄いな」

 

雷真「あとはタブレットなどを使うように指でスクロールしてもらえば、自分が作成したレポートが読めます」

 

デュエイン「うむ。では、暫し拝見させてもらおう」

 

ナタル「私もそうさせてもらう」

 

雷真「どうぞ。それとコーヒーをお持ちしますので、適当に座ってください」

 

デュエイン「ありがとう」

 

ナタル「感謝する」

 

 

そうして、二人は俺が渡した棒状の携帯端末のレポートを必死に読んでいる。コーヒーを二人の前に置くと感謝の言葉を一言言ったあと、また読み続ける。

 

 

千冬「黒牙、私は山田先生と本部へ戻る。あとは頼んだぞ」

 

雷真「わかりました」

 

 

 

織斑先生が本部に戻ってから約2時間くらい経過するとハルバートンさんとナタルさんは深く息を吐いた。

 

 

デュエイン「まったく。私が殉職してからというもの。連合の奴らは何を考えているのだ」

 

ナタル「それには私も同感ですね。ドミニオンのフォビドゥン、レイダー、カラミティのパイロットの詳細は知ってはいましたが、ここまで非道な物だったとは……」

 

デュエイン「それだけではない! あまつさえ、核を、それも三度もだぞ、三度!!」

 

ナタル「それは連合が完全にブルーコスモスによって掌握されていたのですから仕方がありません」

 

デュエイン「はぁ~。連合に所属していた者として、恥ずかしい限りだ。まったく」

 

ナタル「今となっては、それは私も同感です」

 

 

二人は《元》とはいえ自分たちが所属していた軍の悪行に頭を抱えてしまった。

 

 

デュエイン「黒牙中尉。この度の情報の提供、誠に感謝する」

 

雷真「いえ。自分としては、お二人に協力を仰ぎたかったですから」

 

デュエイン「協力?」

 

ナタル「具体的には、どういう協力をして欲しいんだ?此方としても、内容によっては、出来ることもあるが出来ないこともある」

 

雷真「そうですね。これは、遠くない未来。ISを使った、もしくはIS型のMS(モビルスーツ)を使った戦争が起きると自分は思っています」

 

デュエイン「戦争………だと?!」

 

ナタル「まさか………そんな」

 

雷真「現在、世界ではISは女性にしか扱えないと周知された女尊男卑です。しかし、ここに存在するIS型のMS(モビルスーツ)には男女関係なしに装着が可能なんです」

 

ナタル「そんなことが!?」

 

雷真「ええ。それに、ここにはありませんがこの四機以外にもZAFTのMS(モビルスーツ)である。ザク、グフ、バビというMS(モビルスーツ)にはISの様なコアはなく、バッテリーだけで動いています」

 

デュエイン「…………」

 

ナタル「…………」

 

雷真「他には、誰が、何処で、どの様に、どんな経緯で、これらを製造しているのか今の所、まだ自分には見当がつかないんです」

 

雷真「ですから、お二人にはIS型のMS(モビルスーツ)について何でもいいので情報があれば自分に流して欲しいんです」

 

デュエイン「ふむ…………」

 

ナタル「…………」

 

デュエイン「分かった。此方で、君に有益だと思える情報を耳にしたら流そう」

 

ナタル「支部長がそう言われるのであれば…………私は」

 

雷真「ありがとうございます」

 

 

 

二人から協力を得られたことが本日一番の収穫だ。本当は別の所にあったんだけど、儲け物だ。

 

 

雷真「それでは、自分もそろそろ学園祭に戻らないといけないので、出口までご案内します」

 

デュエイン「では、頼もう」

 

ナタル「よろしく、頼む」

 

雷真「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人を機密整備場から出口へ案内して、別れたあと。俺は、元々の仕事に戻ることにした。それは一夏の護衛だ。

 

そのために、生徒会主催の演劇が行われているアリーナに入ると、通路の奥。詳しく言えば、ロッカールームの辺りから爆発音が聞こえる。

 

 

雷真「まさか、もう始めてるとは………。ちょっと、ミスったかな?でも、これから挽回すればいいか」

 

 

少し相手の出方が早かったことに反省しながら、まずは一夏の様子を見てから援護に出るかを考えることにした。

 

そして、バレないようにロッカールームに入ると…………。

 

 

 

一夏「ハアーッ!!」

 

???「ぐあああああ!!」

 

雷真「…………」

 

 

あれれ~、可笑しいな?てっきり、一夏がピンチだと思って援護しに来たのに。何故か、一夏を狙ってたテロリストの方が一夏によってボコボコにされてるんですけど?

 

てか、あの機体は………先日、アメリカから奪取されたはずの第二世代型の『アラクネ』だな。

 

 

オータム「このクソガキッ!よくも、このファントム・タスクのオータム様を怒らせやがったな!?」

 

一夏「知るかよ、そんなこと。それよりもアンタの目的はなんなんだよ!」

 

 

そう言って、一夏は物理刀状態の雪片弐型の切っ先をオータムというファントム・タスクのメンバーに向ける。

 

 

オータム「そんなは簡単だ。お前の白式が目的なんだよ!」

 

 

オータムは一夏の問いに答えながら、その手に持っている射撃武装を一夏に向けて放つ。しかし、それを一夏は冷静に捉えながらロッカーを盾にして円状飛翔をする。

 

そして、オータムの武装が完全に弾切れを起こすと、一夏はオータムの背後から瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一気に間合いを詰める。

 

 

一夏「デヤアアアアッ!!」

 

オータム「ヘッ…………あめぇんだよ!」

 

一夏「なっ!?」

 

 

後ろから奇襲した一夏をオータムはその場で高く跳び。身体を捻り、蜘蛛のように天井に張り付くと両手から蜘蛛糸のような物を射出させて一夏を捕縛する。

 

 

一夏「くそっ…………このっ!」

 

オータム「無駄、無駄。この、アラクネの糸はそう簡単には引き千切れねえよ」

 

雷真「…………」

 

 

あちゃ~。これは場所が悪かったな。一夏には悪いがファントム・タスクについてもっと情報が欲しいから助けるのはあとな。

 

 

オータム「んじゃ、お楽しみタイムと行こうぜ」

 

一夏「…………」

 

 

オータムは捕縛した一夏を大の字に蜘蛛で吊し上げると懐から六本脚のついた機械を取り出す。

 

 

オータム「さて、白式をいただくとするか」

 

一夏「なに?」

 

一夏「がああああっ!!」

 

 

一夏はオータムによって装着された六本脚の機械から電流に似たエネルギーが流される。

 

 

 

オータム「フッハハハ!そうそう、ついでに教えてやんよ。第二回モンド・グロッソでお前を拉致したのは我々、ファントム・タスクだ!」

 

オータム「感動のご対面だな。フッハハハハ!」

 

一夏「てめぇ…………!」

 

雷真「(そろそろ、助けるか)」

 

 

一夏はオータムの言葉で頭に来たのか、無理に身体を動かし、その動きに反応して一夏の身体に装着されている機械から、更に強いエネルギーが流し込まれる。

 

 

一夏「ぐああああっ!!」

 

オータム「フッハハ!お前には、もう用はないから殺してやるよ」

 

 

オータムが一夏を殺すと言ったので一夏を助けるために出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~BGM:翔べ!フリーダム~

 

 

 

 

 

 

雷真「一夏を殺される訳にはいかないな。俺は友人を殺されるのを見逃してやるほど甘くはないんでね」

 

オータム「なっ!?」

 

オータム「てめぇ、何処から入った?今、ここの全システムはロックしてるはずだ!」

 

雷真「全システムをロック?ああ、あの子供でも解除できる三流のキーロックのことか」

 

オータム「てめぇ、誰が三流だと!?」

 

雷真「フリーダム!」

 

 

オータムがそう叫ぶと同時にフリーダムを緊急展開させて、ルプスビームライフルで一夏を縛り上げている蜘蛛糸を撃ち、一夏を解放する。

 

 

一夏「雷真…………」

 

雷真「よう、一夏。よく、戦ったな。あとは任せろ。ここからは俺のステージだ」

 

オータム「てめぇー!」

 

雷真「ごちゃごちゃと五月蝿いから少し黙れ」

 

 

お仕置き感覚でオータムが乗る、アラクネの両手のマニピュレーターをビームライフルで撃ち抜き、破壊する。

 

 

オータム「なにっ!?」

 

雷真「なにを驚いてんだよ。これぐらい、楽勝だろう?」

 

オータム「そうか………その武装に、その全身装甲のIS。奴と同じタイプのISか!!」

 

雷真「奴?お前、何か知っているのか!?」

 

オータム「そんなことを、てめぇなんかに教えるかよ!」

 

雷真「なら、吐かせるまでだ!」

 

 



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第40話









オータム「このっ!!」

 

雷真「甘いっ!!」

 

 

オータムは専用機である《アラクネ》の両手のマニュピレーターをフリーダムのルプスビームライフルで破壊されるも残りの六本の脚で仕掛けてくる。

 

なので、対ビームシールドと右腕で前二本を受け止め、残りの二本をクスィフィアスレール砲二門で破壊する。

 

 

オータム「くそっ!」

 

雷真「まだまだ!!」

 

 

後ろ脚の二本を破壊したことによりオータムは体勢が崩れるので、追い討ちに対ビームシールドでシールドバッシュを決めてオータムを壁に叩き付けると、そのままロッカールームからアリーナへと吹き飛ばす。

 

 

オータム「がはっ!?」

 

雷真「さぁ、答えろ。"奴"とは一体誰のことだ!!」

 

オータム「こんなガキに私は…………」

 

雷真「あくまで答えないつもりか………。なら、拷問してでも吐いてもらうぞ。ファントム・タスクのオータム」

 

 

あくまで答えないので、これ以上抵抗ができない様にルプスビームライフルでアラクネの全脚部のマニュピレータを破壊してから本部にいるであろう、織斑先生に連絡する。

 

また、アラクネの糸から解放された、一夏に周囲の警戒を頼むことにした。

 

 

雷真「一夏、悪いが周囲の警戒を頼む」

 

一夏「了解」

 

雷真「織斑先生、こちら黒牙。演劇アリーナにて、一夏を襲ったファントム・タスクの一人と思われるIS乗りを制圧」

 

千冬『分かった。そちらに更識姉妹、デュノア、ボーデヴィッヒを向かわせる。それまで、警戒を怠るな』

 

雷真「了解」

 

 

織斑先生との通信を切ってから約5分ほどで刀奈たちが専用機を展開させてやって来た。

 

 

刀奈「雷真!」

 

ラウラ「一夏、無事か!」

 

一夏「ああ、無事だ」

 

雷真「来たか。他の三人は?」

 

簪「箒たちは増援に備えてる」

 

雷真「分かった」

 

 

簪から箒たちのことを聞いているとマニュピレータを全て破壊され。尚且つ、シャルロットにサブマシンガン二丁を眼前に構えられ、ラウラにはレールカノンとAICによって完全に身動きが取れない状態に陥っているオータムが声をかけてくる。

 

 

オータム「おい、そこのお前」

 

雷真「…………」

 

オータム「全身装甲のISに乗ってる、お前だ!!」

 

雷真「なんだ?」

 

オータム「お前、名前は?」

 

雷真「何故、そんなことを聞く?」

 

オータム「いいから答えろ!」

 

雷真「黒牙雷真。IS学園生徒会、副会長だ」

 

オータム「なっ………二人目の男性IS操縦者……」

 

刀奈「ちなみに、私が生徒会長よ。それといいことを教えてあげるわ。IS学園で生徒会長は『最強』の称号なのよ」

 

刀奈「けれどね。その『最強』よりも今年のIS学園には上がいるのよ。誰だか分かるかしら?」

 

オータム「まさかっ!?」

 

刀奈「そうよ。貴女をボロボロにした彼が、現在のIS学園最強の生徒。『裏の生徒会長』と言っても可笑しくないわ」

 

オータム「くそっ……」

 

雷真「会長。テロリストに情報を話し過ぎだ」

 

刀奈「あら、ごめんなさい。うちの生徒が強いものだから嬉しくて」

 

雷真「はぁ~、まったく。じゃあ、会長にはここを任せるぞ。俺は箒たちの援護に向かう」

 

一夏「なら、俺も!」

 

雷真「ダメだ。コイツらの目的はお前の白式だ。その目標が敵の中に飛び込んでどうする?」

 

一夏「ぐっ……!」

 

雷真「お前には会長たちを任せるぞ。いいな?」

 

一夏「雷真…………ああ、分かった!」

 

雷真「それじゃ…………」

 

 

 

ズガァァァァアン!!

 

 

 

一夏と話していると突如、アリーナを覆う屋根が破壊され穴が空いた。

 

そして、空いた穴からは更識の諜報部隊から聞いていた、イギリス製ISのBT二号である《サイレント・ゼフィルス》の姿が確認できた。

 

 

一夏「なんだっ!?」

 

雷真「あれはサイレント・ゼフィルス……まさか、コイツまで居るとはな」

 

雷真「皆、ここは任せる!」

 

 

皆に一声掛けてから、空いた穴をくぐり外へと出る。すると、サイレント・ゼフィルスのパイロットはビット兵器を此方に向けてレーザーを放ってくる。

 

 

雷真「ビット兵器なら散々相手してきたんでね。そんな、お粗末な使い方じゃ俺はやられない」

 

 

ビット兵器からのレーザーを全て回避しながら、フリーダムに掛けているセーフティーロックを解除する。するとフリーダムのウィングスラスターから赤い光の粒子が漏れる。

 

 

???「なっ!?」

 

雷真「どうした?そんなに驚くことか?」

 

???「このっ………!」

 

雷真「だから、お粗末なんだよ」

 

 

俺は右手に持っているルプスビームライフルを後ろ腰にマウントし、ラケルタビームサーベルを左腰から引き抜き、高速移動しながらサイレント・ゼフィルスのビット兵器を一つずつ破壊していく。

 

 

???「バカな…………!?」

 

雷真「諦めろ、サイレント・ゼフィルスのパイロット。お前とは年季が違う」

 

???「くっ…………!」

 

 

サイレント・ゼフィルスのパイロットは顔は見えないが口元は見えており、唇を噛んでいる所を見るに悔しがっているようだ。

 

 

雷真「大人しく投降すれば命だけは保証してやる」

 

???「…………」

 

 

サイレント・ゼフィルスのパイロットにフリーダムのバラエーナプラズマ収束ビーム砲二門とクスィフィアスレール砲二門を構えて、投降を促しているとアリーナにいる簪から緊急通信が飛んでくる。

 

 

簪『雷真、新たに高速で接近する熱源を多数確認っ!』

 

雷真「照合できるか?」

 

簪『照合は……【GAT-01A1 ダガー】が40。他には……【GAT-X131 カラミティ】、【GAT-X252 フォビドゥン】、【GAT-X370 レイダー】の三機だよ!』

 

雷真「まさか、連合だと!?」

 

簪『どうする!?』

 

雷真「一夏、ラウラはそのまま、目の前のターゲットを拘束、監視。刀奈、簪、シャルロットはこっちに回ってくれ」

 

 

『『『『了解!』』』』

 

 

刀奈たちに指示を出してから、サイレント・ゼフィルスによって何処かへ飛ばされたと思われる、箒、セシリアと鈴に通信を繋ぐ。

 

 

雷真「箒、セシリア、鈴。聞こえるか?」

 

箒「ああ、聞こえている」

 

セシリア「聞こえましてよ」

 

鈴「聞こえてるわ。それと悪いわね。私たちがヘマしちゃたから、その尻拭いさせて」

 

雷真「気にするな。それより、コイツをラウラたちの所まで移送してくれ」

 

箒「分かった」

 

セシリア「わかりました」

 

鈴「了解よ」

 

雷真「一応、抵抗ができないように…………」

 

 

念のためにサイレント・ゼフィルスが抵抗できないようにクスィフィアスレール砲二門でサイレント・ゼフィルスの蝶羽のようなスラスターを撃ち抜き破壊する。

 

 

雷真「三人とも頼む」

 

 

三人にサイレント・ゼフィルスを任せると入れ替わる形で刀奈たちがやってきた。

 

 

刀奈「お待たせ」

 

雷真「大丈夫だ。簪、この際、仕方ないから専用機持ち全員に、105ダガー、カラミティ、フォビドゥン、レイダー、四機のスペックデータを送ってくれ」

 

簪「でも……いいの?」

 

雷真「いいもなにも、奴らはこっちに来てるんだろう?なら、既に人目に付いてるはずだ」

 

簪「分かった」

 

雷真「それと、刀奈とシャルロットにコレを……」

 

 

 

俺は拡張領域(バススロット)からカオスたちの武装を元に開発した試作型をアンロックして刀奈とシャルロットに渡す。

 

 

刀奈「雷真、これは?」

 

雷真「刀奈に渡したのは、グフの『テンペストビームソード』を元に開発した。ビーム刃を発生させることができる蛇腹剣と対ビームコーティングを施したラミネート装甲の…………フリーダムのシールドと同じ強度を持つバックラーで、剣の名前は『テンペストビームソードⅡ』。略して『テンペストⅡ』で、バックラーは『ラミネートバックラー』」

 

刀奈「テンペストⅡ……ラミネートバックラー……」

 

雷真「こいつはビーム刃をしまえば、アクアナノマシーンと併用して使用できるからな」

 

刀奈「すごいわね、ありがとう。雷真」

 

雷真「次に、シャルロットのは『ハイペリオン』と呼ばれる機体の『ザスタバ・スティグマト』と呼ばれる武装を元にIS型に軽量したビームサブマシンガンを二丁。名前は安直に『ラファール・ティラール』」

 

シャル「ラファール・ティラール…………意味は『疾風の狙撃者』……だね。ありがとう、雷真」

 

雷真「二人のビーム兵器には小型だが、ストライクのバッテリーの強化系を組み込んであるからエネルギーを心配する必要はない」

 

刀奈「分かったわ」

 

シャル「これなら異世界のISとも戦える」

 

簪「雷真、皆にスペックデータを送ったよ」

 

雷真「分かった。それと簪のは、まだ調整中だ。悪いな」

 

簪「ううん。私には春雷があるから大丈夫」

 

雷真「じゃあ、作戦を伝える。まずは、フリーダムのハイマット・フルバーストで、できるだけ105ダガーの武装を破壊する。もしも、無人機ならそのまま破壊する」

 

雷真「仮にハイマット・フルバーストで105ダガーを撃ち漏らしたら三人で撃墜させてくれ。その間に、カラミティ、フォビドゥン、レイダーの三機は俺が抑える」

 

刀奈「もう、あの時みたいに一人で戦わないのね」

 

雷真「今は刀奈たちも戦える力があるからな。それと、フォビドゥンのシールドに気を付けてくれ。あれには『ゲシュマイディッヒ・パンツァー』と呼ばれるビームを歪曲させるシステムが導入されてるから」

 

シャル「なら、そのフォビドゥンは実弾の攻撃が有効だね」

 

雷真「ああ、だから、もしかししたらシャルロットたちにもフォビドゥンたちを相手してもらう。これで作戦は以上だ。30km先に敵影を捕捉したから備えろ」

 

 

「「「了解!」」」

 

 

雷真「織斑先生、先ほどの会話は聞こえてますね」

 

千冬『ああ、聞こえている』

 

雷真「なら、念のために未確認ISに警告を送ってください」

 

千冬『分かった。やってみよう』

 

 

それから織斑先生の警告はカラミティたちに向けて発信されたがカラミティたちからは何の返答もないまま、IS学園まで18km圏内までに入った。

 

 

雷真「織斑先生。未確認ISが10km圏内に入ったら迎撃に向かいます」

 

千冬『分かった。こちらも教師陣にISを展開させてある』

 

雷真「了解」

 

 

織斑先生に最終確認を通信を終えるとカラミティたちは、あと僅かで10km圏内に入るため、動きだす。するとカラミティ、フォビドゥン、レイダー以外の105ダガーがビームを放ち始めた。

 

そして、念のためフリーダムに搭載されている生体反応を確認できるカメラを起動させると、カラミティ、フォビドゥン、レイダーには生態反応があり。他の105ダガーには生体反応が皆無だった。

 

 

雷真「カラミティ、フォビドゥン、レイダー、ダガー…………そして、フリーダム。これだけのMS(モビルスーツ)が集まると、オーブ解放戦を思いだすな」

 

雷真「目標を確認。尚、生体反応はカラミティ、フォビドゥン、レイダーのみ確認。他のISには生体反応無し。これより、迎撃行動に移行する」

 

 

『『『『『了解!』』』』』

 

 

雷真「105ダガーの装備はエール、ジェット。それにIWSPか……これは他にもありそうだな。距離算出、ターゲット確認、マルチロック」

 

雷真「いけぇぇぇえっ!!」

 

 

こうして、こちら側の世界で戦争の始まり。

『IS学園防衛戦』の火蓋が切って落とされた。

 

 



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第41話 武装設定有り

予約投稿、ミスったああああああ!!


そして、令和だあああああ!!



批判以外のコメントなら、どしどし!!

誤字、脱字があったら報告もよろしく。







フリーダムのハイマット・フルバーストで105ダガーたちを狙い撃ったことで105ダガーたちも反撃にとばかりビームライフルを撃ってくる。

 

 

雷真「クソッ、五機逃した!」

 

簪「それは私たちがやる」

 

シャル「任せて」

 

刀奈「だから、雷真は例の三機をお願い」

 

雷真「分かってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

~BGM:悪の三兵器~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刀奈、簪、シャルロットと分かれ。俺は、カラミティ、フォビドゥン、レイダーの三機を相手をするために、三機へ突撃する。

 

 

 

雷真「おい、カラミティ、フォビドゥン、レイダーのパイロット。何故、IS学園を狙う!」

 

???「あ?」

 

???「へ?」

 

???「はい?」

 

雷真「なっ……俺と一夏以外の男性操縦者!?」

 

 

三機からの返答から聞こえたのは男性の声だった。まさかの、新たな三人の男性IS操縦者に驚くが直ぐに思考を元に戻す。

 

 

雷真「何故、お前たちがその機体に乗り、IS学園を狙う!」

 

 

俺はそう、三機へオープンチャンネルで問う。しかし、返答は…………。

 

 

???「何故って………。俺たちは、ただやれって言われただけだから?」

 

???「そうだぜ?俺たちは、あの人にやれって言われたから殺るだけさ」

 

???「シャニ、クロト。ごちゃごちゃうるせぇぞ」

 

シャニ「面倒くさいけど、あの人に頼まれてるからね。邪魔な奴は消すよ」

 

クロト「ですね。俺たちはあの人に恩があるから。だからやるよ、あの白いの!」

 

シャニ「ハンッ!」

 

オルガ「俺に命令するんじゃね!墜ちろぉぉぉぉお!!」

 

雷真「なっ……!?」

 

 

カラミティのパイロットが対ビームシールドに複合されているケーファー・ツヴァイと背部にある2連装高エネルギー長射程ビーム砲 シュラークを何の躊躇なく撃ってくる。

なので、直ぐにそれを回避する。

 

 

雷真「交渉の余地はないのか!?」

 

クロト「そんな物は最初からねぇーよ!」

 

シャニ「だねー」

 

オルガ「ハハハハハッ!」

 

雷真「クソッ!」

 

 

レイダーはMA(モビルアーマー)形態でカラミティを乗せたまま此方へ、飛行しながら左腕に装備されている2連装高初速機関砲を放ってくる。

 

 

雷真「そんな物……!」

 

 

2連装高初速機関砲に合わせる形でフリーダムのクスィフィアスレール砲で相殺する。

 

 

シャニ「後ろ、がら空きだよ。白いの!」

 

雷真「チッ……!」

 

 

レイダーの攻撃を相殺すると直ぐにフリーダムの後方からの危険アラームが鳴なるのでフリーダムのウィングスラスターを動かして仰向けになる形で回避運動をする。すると、さっきまでそこに俺の首元があった所を狙った様にフォビドゥンの物理武装であるニーズヘッグが目の前で空を切る。

 

そして、完全に空を切ったら。前にストライクの時にやった様に逆上がりをする形で脚部スラスターを動かし、オーバーヘットキックをフォビドゥンに決める。

 

 

雷真「オラァァァア!!」

 

シャニ「ぐああああ……!?」

 

オルガ「あめぇんだよ、シャニ!」

 

クロト「なにやってんだよ。このバァーカ!」

 

雷真「このっ………!」

 

 

やはりと言うべきか、この三機を動かしているパイロットは素人のIS乗りではなく。

"あちら側(コズミック・イラ)"で戦った。『オーブ開放戦』や『コロニーメンデル』、『第2次ヤキンドゥーエ攻防戦』の時の地球連合軍のパイロットと戦い方が酷く酷似している。

 

 

雷真「キラも、あの時は一人でこんな奴らを相手してたのかよ!?」

 

クロト「必殺っ!」

 

雷真「くっ……!」

 

 

カラミティ、フォビドゥンの攻撃を回避していると二機の攻撃の合間で上手い具合にレイダーの頭部のビーム武装であるエネルギー砲ツォーンを放ってくる。

 

 

 

シャニ「逃がさないよ」

 

 

それを左へ大きく回避すると、フォビドゥンがわざわざツォーンに当たりに行くように動き。両肩部にあるシールドに搭載されている対ビーム防御のゲシュマイディッヒ・パンツァーを使い、ツォーンを此方へ曲げてくる。

 

 

雷真「なにっ………コイツら!」

 

 

流石に回避と防御、相殺だけでは埒が開かないので、こちら側で三度目の《本気の殺意》を持ってビーム兵器を三機へと放つ。

 

 

雷真「そこっ!」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

~ところ変わってアリーナにて~

 

 

 

 

一夏「なんだよ………あれ」

 

箒「あれが雷真の………本気の動き」

 

鈴「次元が違うわ………」

 

ラウラ「あーまで、我々の動きと違うとはな」

 

セシリア「私たちも力があれば…………」

 

 

俺たちは雷真に言われた通りにファントム・タスクの二人を監視しながら自分たちの専用機のハイパーセンサーで簪さんから送られて来たデータに載っていた。確か……カラミティ、フォビドゥン、レイダーとかいうISの戦闘を見ている。

 

 

鈴「なっ……ビームが曲がる!?」

 

ラウラ「あれがデータに載っていた。フォビドゥンの特殊武装、ゲシュマイディッヒ・パンツァーか……」

 

箒「防ぐのではなく、反らすといった感じだな」

 

セシリア「ですが、ビーム兵器がダメでも雷真さんのフリーダムには実弾兵器がありますわ!」

 

ラウラ「ゲシュマイディッヒ・パンツァーは何とかなるだろうが、あの三機にはフリーダムやストライクと異なる装甲が組み込まれているようだな」

 

一夏「うそだろ!?」

 

鈴「まさか、臨海学校の時に現れた。カオスたちと同じ、VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲とかいう奴なの!?」

 

ラウラ「いや、そうではないらしい。あの三機にはPS(フェイズシフト)装甲を元に改良された装甲、 名前はTP(トランスフェイズ)装甲と呼ばれる物らしい」

 

一夏「トランスフェイズ装甲……」

 

ラウラ「PS(フェイズシフト)装甲の省電力化で、内部に搭載されている圧力センサーによって適宜、TP(トランスフェイズ)装甲が作動するようだ。実質、PS(フェイズシフト)装甲と何ら変わらん」

 

箒「何とも厄介な装甲だな」

 

鈴「PS(フェイズシフト)装甲と変わらないんじゃ、私の甲龍じゃあ…………歯が立たないISね」

 

ラウラ「私のシュバルツェア・レーゲンも大して有効打になる装備はない」

 

セシリア「私はブルー・ティアーズやスターライトmk-Ⅲを使ったとしても、雷真さんやあの三機の動きに合わせられる自信は皆無ですわ……」

 

箒「私の紅椿でも無理だ」

 

一夏「今は無理でも、俺はこう思うんだ。いつか、雷真の様に強くなりたい。雷真に背中を預けて貰えるようになりたいって………」

 

箒「一夏…………」

 

セシリア「一夏さん……」

 

鈴「一夏、アンタ…………」

 

ラウラ「フッ、流石は私の嫁だな」

 

一夏「いつか必ず。雷真の隣に……いや、雷真を越えてみせる」

 

 

この時に俺は、明確な目標を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

~再び、ところ変わって、学園付近の海上にて~

 

 

 

 

雷真が撃ち漏らした。五機の105ダガーを相手をしている私たちは、雷真がくれた新武装のお陰で優勢に立ち回れている。

 

 

刀奈「やっぱり、カオスたちと比べると弱く感じるわね」

 

簪「それは分かる」

 

シャル「それだけじゃないよ。夏休みにやった雷真との特訓と新しい武装の恩恵が大きいよ」

 

刀奈「確かにそうね」

 

 

105ダガーがビームライフルを撃ってくれば、私は雷真からもらったアンチビームバックラーで弾き。シャルロットちゃんは、自前のガデーン・カーテンでビームを防ぐ。簪ちゃんは、遠距離からのバックアップをしているからビームの心配はないけど、念のためと言って何とストライクから抽出したデータを元にビームを阻害させる自作型アンチビーム爆雷を作成し、それを学園に向けて放ってくれた。

 

そのお陰で、105ダガーのビームライフルから放たれるビームは学園には届かずに霧散している。

 

また、仮にシャルロットちゃんのラファール・ティラールを連射して学園の方へ向かってもアンチビーム爆雷が阻害してくれる。

 

 

 

刀奈「二人とも、そろそろ105ダガーの行動パターンは読めたかしら?」

 

簪「うん、大丈夫」

 

シャル「僕も、いつでも行けるよ!」

 

刀奈「じゃあ、行くわよ!」

 

簪「うん!」

 

シャル「行くよ!」

 

 

 

三人で五機の105ダガーへと突撃しながら、私は臨海学校の時に戦ったグフの動きと同じようにバックラーに仕舞っているテンペストⅡを引き抜き、ビーム刃を発生させ、蛇腹剣形態にして鞭の様に105ダガーへ振るう。

 

 

刀奈「さぁ、この子の試し切り相手になってもらうわよ!!」

 

シャル「僕も、ラファール・ティラールの的になってもらうよ!!」

 

簪「いいなぁ、二人とも………」

 

 

テンペストⅡを振るいビーム刃が105ダガーに当たる。するとその時の手応えは余りにもスーっと物が切れる感じだった。

 

 

刀奈「なに、この手応え…………!?」

 

 

もしも、ラスティー・ネイルが錆び付いた刀と例えるなら、このテンペストⅡは宛ら……鍛え抜かれた刀だ。

 

 

刀奈「もしも、私が斬るための刀なら、雷真はそれを鍛え直す小槌ね」フフフフ

 

 

そんなことを口にしていると視界にシャルロットちゃんが踊る様にラファール・ティラールを105ダガーへ撃ちまくっていた。

 

その、撃たれまくった的である105ダガーは既に蜂の巣状態に陥っていた。

 

 

 

刀奈「シャルロットちゃん、絶好調ね」

 

シャル「うん!この、ラファール・ティラールは凄く撃ち安いんだ。今まで、こんなに撃ち安い銃は初めてだよ!!」

 

簪「二人とも、嬉しいの分かる。けど、残りの二機が学園に向かってるよ!!」

 

 

シャルロットちゃんと雷真からもらった武装の感想を言い合っていると少し怒っているのか、いつもよりも強い声を出しながら105ダガーを打鉄弐式の物理武装である夢現で真っ二つに両断していた。

 

 

刀奈「分かったわ!」

 

シャル「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

~三度ところ変わって、学園から離れた海上~

 

 

 

クロト「撃滅っ!」

 

シャニ「ぶっ壊れな!」

 

 

 

MS(モビルスーツ)形態のレイダーの右腕部から射出された物理武装のミョルニルを回避すると、フォビドゥンの誘導プラズマ砲フレスベルグから放たれたビームが、ゲシュマイディッヒ・パンツァーで歪曲させた様に此方へと曲がって襲いかかってくる。

 

それを対ビームシールドで防ぐと後ろからカラミティによって複列位相エネルギー砲スキュラと2連装高エネルギー長射程ビーム砲シュラークが此方へ飛んでくる。

 

 

雷真「ぐっ……!」

 

オルガ「もらったぜぇ!」

 

 

実戦で試すは初めてではあるがフリーダムのメインスラスターとウィングスラスターを個別に吹かし、個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)を行い、カラミティからのビームを全て回避する。

 

回避に成功すると、お返しにハイマット・フルバーストを放つが、カラミティは瞬時加速(イグニッション・ブースト)でハイマット・フルバーストを回避する。

 

 

雷真「瞬時加速(イグニッション・ブースト)まで使えるのか!?」

 

オルガ「この野郎ーっ!」

 

シャニ「残念でした~」

 

クロト「下手くそ」

 

オルガ「シャニ、クロト、てめえらーっ!!」

 

 

 

カラミティとレイダー、フォビドゥンのパイロットがケンカをしているようなので、夏休みの特訓で物にした。30秒しか持続できない"アレ"を使うことにした。

 

そのためにはまず、SEEDを発動させる必要があるので意識を『守る』に集中させる。すると、何度も経験した。頭の中で何が弾け飛び、思考がクリアなり、瞳からハイライトがなくなる。

 

 

雷真「…………」キュパーン

 

雷真「守るために、俺は…………」

 

 

SEEDを発動させてから、もっと深く集中しようとさせると今度は頭の中で、何が弾け飛ぶのではなく。一つの雫が水溜まりに落ちて、水面に波紋が広がって行くように視界に映る物、全てがゆっくりになっていく。

 

 

雷真「行ける」

 

 

前にテレビで見た。タキサイキア現象と呼ばれる物に似た感覚になると、左右の腰からラケルタビームサーベルを二本とも引き抜き、まずは、カラミティに向かって二段階瞬時加速(ダブル・イグニッション)を連続で行う。カラミティの目の前まで行くと、プラズマサボット・バズーカ砲と連装高エネルギー長射程ビーム砲の砲身を切断。

 

 

オルガ「なに……!?」

 

 

次は、フォビドゥンのニーズヘッグと、ニーズヘッグを持っている両腕のマニピュレータを切断。

 

 

シャニ「なっ……!?」

 

最後にレイダーの超高初速防盾砲とミョルニルをマニピュレータごと切断する。

 

 

クロス「僕まで!?」

 

雷真「どうする。その状態で、まだやるのか?」

 

オルガ「こいつーっ……!」

 

シャニ「白いのーっ……!」

 

クロト「てめえーっ……!」

 

 

カラミティたちの武装を破壊するとタキサイキア現象の様な、あの現象が元に戻る。

 

元に戻るとそのまま、カラミティたちにルプスビームライフル、クスィフィアスレール砲、バラエーナプラズマ収束ビームの照準を合わせ、いつでもフルバーストできる様に構えながら睨み合う。

 

睨み合いが約5秒ほど続くと一夏たちがいるアリーナの方に爆発が起こる。

 

 

雷真「爆発!?」

 

オルガ「チッ!タイムアップかよ!?」

 

クロト「見たいですね」

 

シャニ「次は必ず殺るよ。白いのっ!」

 

 

爆発が起きたことに驚いた一瞬の隙に、目の前にいるカラミティ、フォビドゥン、レイダーの三機がそれぞれの機体の本体に搭載されているエネルギー砲が此方に向けて放たれる。

 

 

雷真「しまったっ!?」

 

 

直ぐに、対ビームシールドで三発のエネルギー砲を防ぐが、余りの威力に衝撃を殺しきれずに後方へ少し飛ばされる。

 

 

雷真「ぐああああ………!!」

 

 

何とか姿勢を直し、直ぐに三機からの攻撃に警戒をするが、攻撃は来ず。何故か、分からないが三機は後退しており。既に距離が離れていた。

 

多分、追えば追い付くだろうが今は、あの三機よりも一夏たちが心配なので演劇アリーナに向かう。

 

 

雷真「皆、無事か!?」

 

 

アリーナに着くと、そこには爆発した何かの破片と、多分だが、刀奈のISである霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)のアクアナノマシンで今も尚、形成し続けている水のドームがあった。

 

 

雷真「おい、刀奈!」

 

 

水のドームに近付いて、ドーム越しに刀奈の名前を呼ぶと水のドームが上から綺麗に水が流れる様に消滅していく。完全に消滅すると刀奈以外の皆は意識を失っているのかISスーツの格好で倒れていた。

 

 

刀奈「私たちは皆、無事よ。それとごめんなさい。亡国企業(ファントム・タスク)の二人には爆発の時に逃げられたわ」

 

雷真「そうか……。でも、皆が無事で良かった」

 

 

あの爆発で誰もケガをしていないことに俺は安堵する。すると、その拍子でSEEDが解けてしまい、今まで気にならなかった額の汗が気になりだす。

 

そのため、フリーダムの頭部装甲とオーブのヘルメットを拡張領域(バススロット)に収納して、頭を左右に振り汗を飛ばす。

 

 

刀奈「すごい、汗じゃない」

 

雷真「流石に臨海学校とは違って、今回のは有人機だからな。それに、奴らの実力は"あっち側(コズミック・イラ)"で戦った奴らと同じくらいだった」

 

刀奈「そんな…………」

 

雷真「まぁ、取り敢えずは一件落着だろう」

 

刀奈「なら、いいけど」




キャラの名前が同じなのは、ごめんなさい。
思い付かなかったからです。
by作者




武装設定



《テンペストビームソードⅡ》


『ミステリアス・レイディ』の試作型ビーム兵器。グフのテンペストビームソードを元にIS用に軽量・縮小化したビーム蛇腹剣。しかし、軽量・縮小化してもその威力は元となったテンペストビームソードと同等の威力を誇る。
(セーフティ有り)

また、ビーム刃を発生させるバッテリーはストライクのバッテリーを強化した物を採用。理論上にでは約1時間のはビーム刃を発生維持が可能。

他には、バッテリーが切れてもアクアナノマシンと併用して切れ味は落ちるが実体剣として大抵の物体は切断可能である。




《ラミネートバックラー》


『ミステリアス・レイディ』の試作型対ビームシールド。フリーダムのアンチビームシールドのデータを元にIS用に軽量・縮小化。耐久力はフリーダムの対ビームシールドと同等。

しかし、アクアナノマシンを併用することにより、通常の対ビームシールドよりもビームを拡散することができる。

また、アンチビームバックラーの内部にはテンペストビームソードⅡを収納することが可能。




《ラファール・ティラール》


『ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ』の試作型ビーム兵器。ハイペリオン・ガンダムのザスタバ・スティグマトを元にIS用に軽量・縮小化したビームサブマシンガン。その威力は元となったザスタバ・スティグマトよりも上でビームライフルよりは劣る。また速射性はグフのドラウプニル4連装ビームガンと引けを取らないほどの速射性能を誇る。
(セーフティ有り)

他には、ビーム弾を生成するバッテリーはストライクのバッテリーを強化型を採用。エネルギーの効率は理論上では、約1時間の間は補給無しで連射が可能。





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第42話









雷真「それじゃあ、刀奈。あとの処理を頼むな」

 

刀奈「分かってるわ。けれど、早く帰ってね」

 

雷真「ああ。じゃあ、行ってくる」

 

刀奈「気をつけて、いってらっしゃい」

 

雷真「黒牙雷真、アビス。行きます!」

 

 

今回はフリーダムではなくアビスを纏って、学園の船着き場からMA(モビルアーマー)形態で海へと入る。

 

何故、今回はアビスを纏っているのかはカラミティたちが撤退したため、フリーダムのハイマット・フルバーストで撃破した。105ダガーたちの残骸を回収して、外部へ情報が漏れないように証拠隠蔽をするためでもある。

 

他には、海中に沈んだ105ダガーたちの残骸を回収するのに、宇宙用のフリーダムよりも海中用にも設計されているアビスの方が適切だと思ったからだ。

 

 

雷真「確か、座標だとここら辺に……あっ!」

 

雷真「あれだな!」

 

 

海底に105ダガーの頭部や対ビームシールド。他には、ストライカーパックの残骸などを見つけた。

 

 

雷真「早く回収しないと、105ダガーを欲しがる奴らが回収しに来そうだな」

 

 

直ぐに回収するためにMA(モビルアーマー)形態からMS(モビルスーツ)形態に変形して、地道に一つずつ回収していく。

 

それから一時間ほど地道に残骸を回収し終わると海面に何隻か船がやって来ていた。

 

 

雷真「危ねぇ……。あと少し遅かったら、105ダガーたちの残骸を回収されていたな、こりゃ」

 

雷真「それにしても、105ダガーのストライカーパックの中に面白いのがあったな。これを使わない手はないよな」

 

 

105ダガーの残骸の中に、面白そうな物を見つけた俺は、少しウキウキしながらMA(モビルアーマー)形態で学園に向かおうとするとアビスのレーダーとソナーに背後から高速移動する熱源が五機。

 

 

雷真「後ろ!?」

 

雷真「次から次へと、今度は何だよ!?」

 

 

カラミティ、フォビドゥン、レイダーだけでも頭を悩ませているのに、水中で高速移動する熱源にイラついてしまう。

 

因みに、この世界には水中型のISは存在しない。ISは宇宙空間を主に想定されているため、水中を主にした機体は作られていないのだ。

 

これらのことから、現在、水中を高速移動する熱源の正体は間違いなく。MS(モビルスーツ)だ。

 

 

雷真「熱源照合………。【UTA/TE-6P ジオグーン】が三機。【UMF/SSO-3 アッシュ】が三機」

 

雷真「連合の次はZAFTかよ!?」

 

 

直ぐにアビスをMA(モビルアーマー)形態からMS(モビルスーツ)形態に変形させて、アビスの物理武装である。ビームランスをビーム刃を出さずに構える。

 

一応、俺も更識の人間なので更識流の槍術は習得している。

 

 

雷真「…………」

 

 

徐々に此方へと近づいてくる、ジオグーンとアッシュ。そして、此方との距離が50mほどになると六機は静止し。頭部とモノアイを左右に動かし、海底に何かを探すような仕草を見せ、何もないも確認すると、そのまま来た方角へ撤退して行ってしまった。

 

 

雷真「一体、何なんだよ…………」

 

 

ジオグーンとアッシュの目的は分からないが、一つだけ分かったことがある。それは、この世界でも戦争が起きるかもということだ。

 

 

 

 

 

 

 

ファントム・タスクとカラミティたちの襲撃、105ダガーの残骸回収、ジオグーンとアッシュの接触の後、学園に戻って来た俺は刀奈と共に後処理などをしてから理事長室の前へと足を運んでいた。

 

 

雷真「1年1組、黒牙雷真です」

 

刀奈「同じく、更識刀奈です」

 

 

理事長の扉の前でノックをしてから学年と名前を言って少し待つと理事長室からお年の男性の声が聞こえてくる。

 

 

???「どうぞ、入ってください」

 

雷真「失礼します」

 

刀奈「失礼します」

 

 

声の主である男性は普段、用務員の仕事をしているが実質、この男性、轡木十蔵こそがIS学園の運営者にして、第16代更識楯無の武術の師匠であり、俺の武術の師匠であり、例のあの人だ。

 

また、師匠以外には織斑先生と山田先生もいた。

 

 

雷真「ご無沙汰しています。師匠」

 

刀奈「ご無沙汰してます。十蔵さん」

 

十蔵「お久しぶりですね、二人とも。特に雷真くんは行方不明……異世界から帰ってきて以来ですかね?」

 

雷真「…………」チラリ

 

千冬「…………」コクリ

 

 

どうやら、俺が"あちら側(コズミック・イラ)"に飛ばされたことを織斑先生が師匠に話したようだ。

 

 

十蔵「それでは、報告をお願いします」

 

 

師匠に報告をするために一歩前に出て、今までの事を報告する。

 

 

雷真「分かりました。まずは、織斑一夏に関してですが、彼のIS訓練についてはかなり順調です」

 

十蔵「ほう」

 

雷真「亡国企業(ファントム・タスク)の一人であり、アメリカから強奪された第二世代型ISのアラクネのパイロットである。オータムと名乗る工作員を後一歩の所まで追い詰めていました」

 

十蔵「それはそれは」

 

雷真「彼も、呑み込みが早いので教え甲斐があります」

 

十蔵「そうですか。次をお願いします」

 

雷真「はい。今回の亡国企業(ファントム・タスク)以外に襲撃して来た。四種の未確認ISですが、この四種は自分が飛ばされた異世界の起動兵器です」

 

雷真「まず、このストライクに似ている機体ですが名前は【GAT-01A1 ダガー】。略して、105ダガーと呼ばれています。また、この機体はストライクの正式量産機です」

 

十蔵「ストライクと言えば以前、雷真くんの専用機の名前ですね」

 

雷真「そうです」

 

千冬「なら、この105ダガーにもストライクと同じPS(フェイズシフト)装甲が?」

 

雷真「いえ、105ダガーは量産機のためコスト面を配慮してPS(フェイズシフト)装甲は使われていません。しかし、コックピットだった胴体部だけフリーダムや霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)の対ビームシールドと同じ。ラミネート装甲が使われています」

 

真耶「胴体だけ………」

 

刀奈「でも、雷真。105ダガーはストライクの量産機なんでしょ?なら、ストライクと同じで状況に応じて武装を換装できる。ストライカーシステムが使えるってことよね?」

 

雷真「ああ、そうだ。105ダガーの胴体フレームはストライクと同じX100系フレームだからな」

 

千冬「だとなると、ランチャーストライカーのアグニが厄介だな」

 

真耶「そうですね」

 

雷真「次に残りの三機ですが、この三機は正直。105ダガーよりも厄介です」

 

千冬「105ダガーよりもか?」

 

雷真「ええ。まずは、【GAT-X131カラミティ】」

 

千冬「GAT-X……?まさか、コイツはストライクの後継機か?」

 

雷真「そうです。こちら側の世界で言えば、第一世代型GATシリーズ、通称:G兵器である。ストライク、イージス、デュエル、バスター、ブリッツのデータ、主にストライクから抽出されたデータを元に製造された。第二世代型のGATシリーズ内の一機です」

 

真耶「内の一機?では、他の二機も?」

 

雷真「その通りです。【GAT-X255フォビドゥン】、【GAT-X370レイダー】。この二機もカラミティと同じ、第二世代型GATシリーズに当たります」

 

雷真「今回、かなりの人にカラミティ、フォビドゥン、レイダー。それに、105ダガーを見られてしまったので詳細は口頭よりもデータで見た方が早いと思うのでデータを提出します」

 

 

俺はポケットからハルバートンさんとナタルさんに渡したのと同じ機械を三本。師匠と織斑先生、山田先生に渡す。

 

 

十蔵「確かに受けとりました」

 

雷真「それと、105ダガーの残骸を回収している際に、先ほど説明した四種の機体以外にも新たなに二種の機体と接触しました」

 

千冬「なにっ!?」

 

十蔵「その機体の正体は?」

 

雷真「カラミティたち、地球連合軍とは違い。接触したのはZAFTの機体でした」

 

真耶「ZAFTというとクラス代表トーナメントの時のグフにザビ。臨海学校のザク、ガイア、カオス、アビス、セイバーを作った組織じゃないですか!?」

 

雷真「それは"あちら側(コズミック・イラ)"ならですけどね。それで、接触した機体は水中型MS(モビルスーツ)、【UTA/TE-6P ジオグーン】が三機。【UMF/SSO-3 アッシュ】が三機。計、六機と接触」

 

雷真「しかし、戦闘は起きず。何かを探している様な行動を見せ。その後、撤退しました」

 

十蔵「わかりました。報告、ご苦労様です」

 

雷真「いえ」

 

 

報告が終わると、一歩下がり。次の指示を待つと師匠は此方に笑顔を見せる。

 

 

十蔵「それでは、堅苦しい話はここまでにして。お茶にしましょう」

 

刀奈「わーい!十蔵さんの御茶請けセンス良いから楽しみ!」

 

十蔵「それはそれは、嬉しいことを言ってくれますね」

 

雷真「では、お茶は俺が入れますよ。師匠は、緑茶とコーヒー、どちらがいいですか?」

 

十蔵「そうですね……。では、雷真くんのお任せで」

 

雷真「分かりました。織斑先生と山田先生は、どうしますか?」

 

千冬「私は、あのバルトフェルドブレンドを頼みたい」

 

真耶「あっ、私もそれで!」

 

雷真「分かりました。刀奈は?」

 

刀奈「私は緑茶がいいなあ」

 

雷真「分かった」

 

 

全員分のお茶を用意すると、俺たちは寮の夕食時になるまでティータイムをすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

師匠たちとのお茶会や夕飯を食べ終えた俺は、一夏と共に大浴場で疲れを湯船に溶かしている。

 

 

 

雷真「くあぁぁ…………」プカプカ

 

一夏「雷真、湯船で浮かぶな」

 

雷真「悪いが無理だ。流石に今日は疲れが溜まってるんだ」プカプカ

 

一夏「そりゃ、あの三機を一人で相手してればな。どのくらい、神経を磨り減らすか俺には分からないけど」

 

雷真「(連合のあのMS(モビルスーツ)たちが出てくるのは予想外だった。例のモノを急がせる必要がありそうだな)」プカプカ

 

一夏「なぁ、雷真」

 

雷真「あ、なんだ?」

 

一夏「どうやったら、お前みたいに強くなれるかな?」

 

雷真「…………」

 

一夏「今日の雷真の動きを見て、次元が違うって知った。だから、いつかは俺も、雷真みたいに強くなりたいんだ。皆を守るために」

 

雷真「俺のように……か………」

 

 

 

 

~BGM:君と僕、届かぬ想い~

 

 

 

 

 

 

一夏が俺の様に強くなりたいという言葉を聞いて、俺は思い出した。

初めて、人を殺した感触。初めて殺意を持って殺した感触。俺の所為で死んだ仲間の悲しみ。

 

 

雷真「一夏、お前は俺とは違う強さを手に入れろ」

 

一夏「え?」

 

雷真「俺のは、それしか他に出来なかったから身に付いた力だ。でも、一夏は違う。一夏は、まだ、どんな強さを身に付つけるのか選べるんだ」

 

一夏「…………」

 

雷真「だから、今はまだ考えるんだ。お前が本当に付けたい力を、その意味を」

 

一夏「本当に付けたい力にその意味…………」

 

雷真「それとこれは俺の戦友が言っていた言葉だ。

 

 

 

 

『戦場で、初めて人を撃った時、俺は震えたよ。だが、すぐ慣れると言われて、確かにすぐ慣れた』

 

 

 

 

 

…………とな」

 

一夏「…………」

 

雷真「俺もその人の言葉通り。一時期、人を撃つことに慣れてしまった。でも、ある夢を見てから少し変わった」

 

一夏「夢?」

 

雷真「俺が………。この、両の手で刀奈や簪、本音、虚さん。大切だと思っている家族や友人たち、皆を殺している夢だ」

 

一夏「なっ………!?」

 

雷真「その夢を見たあとから、俺は力の意味を探して、考えて。そして、見つけた」

 

雷真「今は刀奈に簪、シャルロット、本音、虚さん。この五人を守るためなら、俺は国だろうが世界だろうが何だろうが敵に回す覚悟がある」

 

雷真「全ての大切なモノを守ることは出来ない。だから、俺は、この両の手で守れるだけの大切なモノだけを守る。それが今の俺の力の意味だ」

 

雷真「話は終わりだ。先に上がる」

 

 

 

一夏に、本当に身に付けたい力と、その意味を話したあと。俺は大浴場を先に出て、自室に着くと、そのまま倒れ込むようにベッドに倒れて眠った。

 

 



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第43話 人物設定有り





色々とあった学園祭の翌日。俺は振替休日を使って、一人でとある場所に来ている。

その、とある場所とは、『モーニング・グロー』と呼ばれる会社だ。

 

元々、この会社は経営危機により廃業が決まりそうな所を偶然、お義父さんが助け。資金援助を行う代わりに会社の敷地を何割か『更識』の人間が使える様にするという条件で今も経営は続いている。

 

そして、その『更識』の人間。正しくは刀奈、簪、本音、『表の更識』の人間でなく。俺や虚さんとその部隊の人間といった。『裏の更識』が使えるようになっている特別区画の格納庫への俺は進んでいく。

特別区画の格納庫に繋がる扉の前に立つと、扉に搭載されているセンサーが自動的に起動し色々と身分認証のチェックを受ける。

 

チェックは、指紋、網膜、等々。生態に関する色々なチェックを受ける。何せ、この扉の奥には世間にはまだ、公表できないモノがあるからだ。

 

やがて、チェックが終わると扉が開き。なかはエレベーターとなっている。

因みにだが、このセンサーを搭載されている扉はラミネート装甲で作られている。

 

 

雷真「…………」

 

 

エレベーターの『ORB』と書かれたボタンを押すと、エレベーターはそこへ向かうように動き出す。

 

そして、目的の区画に到着してエレベーターの扉が開くと、そこには約50人くらいの白衣を着用した。30~50代くらいの男女がいそいそと何かISのような物を製造していた。

 

今度こそ、目的の区画へ入ると特別区画の格納庫にいるハロが俺の名前を叫ぶ。すると段ボールの中に、色々な機材を詰め込んで運んでいる一人のメカニックが俺を見つける。

 

 

ハロ「ラァァァイシン!」

 

 

「え?あっ、雷真さん!」

 

「え?」

 

「雷真さん?」

 

「雷真の旦那?」

 

 

その、一人の一声で今まで必死にIS擬きをいじっていた人々が手を止め。此方を向いて、俺の名前を呼んだ。

 

 

雷真「よう。皆、ご苦労様」

 

???「おはようございます。若様」

 

雷真「おはよう、シノブ。今日はこっちに来ていたのか」

 

 

俺の事を、『若様』と呼んだ男。名前は彰島シノブ。

この男は、俺の部隊の武装研究、及び、諜報班のリーダーを勤める男だ。

 

 

シノブ「はい。若様は、例の武装の確認ですか?」

 

雷真「いや。昨日、またIS学園が未確認ISに襲撃を受けてな」

 

シノブ「なっ!?」

 

雷真「その際、撃破した未確認ISの残骸を持って来たんだよ。それに簪の試作品も受け取りに来た」

 

シノブ「そうですか。では、その未確認ISを改修されるのですか?」

 

雷真「ああ。出来れば、『アストレイ』に転用させようと思っている」

 

シノブ「アストレイに、ですか?」

 

雷真「回収した残骸は、俺のフリーダムやストライク、アストレイと同じ、この世界と違う。別の世界の技術で作られてた機体だ」

 

シノブ「まさか…………」

 

雷真「近い未来、戦争が起きる可能性がある。それに、未確認の数が多かった。まさか、四十機も来るとはな」

 

シノブ「よ、四十…………!?」

 

雷真「それで、アストレイの状況は?」

 

シノブ「あっ、はい。アストレイは、現在、若様が作られた。オリジナルを元に、量産を進めていますが、なにぶんISとは違って完全な宇宙戦闘を目的とした機体ですから、今だに四機が精一杯です」

 

雷真「となると、オリジナルを含めてアストレイの数は計五機。秘密裏のなか、一ヶ月で四機とはやるな。なら、残骸を活用してくれ」

 

シノブ「わかりました。それと、アキトが例の武装が約六割が完成したとかで一度、来て欲しいそうです」

 

雷真「分かった。それじゃ、残骸を置いてから俺は、アキトがいる。第5格納庫へ行く」

 

 

フリーダムの拡張領域(バススロット)から105ダガーの残骸を、開けた場所に取り出すと俺の話を聞いて105ダガーの残骸が気になって仕方ないメカニックの集まりが瞳をキラキラと輝かせながら見ている。

 

 

「オオオオッ…………」

 

「これは、初めて見るタイプの武装だ」

 

「こっちは雷真さんのISにあった武装だ」

 

「て、ことは新たらしいビーム武装を触れるのか!?」

 

「これはテンションが上がるわ!」

 

「私、雷真さんのスカウト受けて良かった」

 

 

今更だが、ここにいる白衣を着用したメカニックたちは七割が男性、三割が女性だ。主に男性のメカニックの方は、男だからという理由でISの研究所からリストラされた能力はあるのに職を失った人たちだ。

 

女性のメカニックは、偶然、集まった。メカニックオタの人たちだ。

 

残骸を取り出し終わったあと、アキトが待っている。第5格納庫へとハロと共に向かう。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

雷真「おーい、アキトー。来たぞ」

 

アキト「…………」カチャカチャ

 

雷真「聞いてない感じ?」

 

アキト「…………」カチャカチャ

 

 

第5格納庫に入ると、そこには全長約3mはある縦長のウェポンアームが二本、左右に並べられている後ろで全長約6mはあるデカイ飛行ユニットをカチャカチャといじっている男。彰島シノブの弟の彰島アキトに話をかけるが、集中しているのか俺の声が聞こえていないようすだ。

 

アキトは昔から何かに没頭すると周りの声や音が頭からシャットアウトされてしまう性格。故に、コイツは研究員として配属したのだ。

 

 

それから30分…………。

 

 

 

アキト「ふぅ…………」

 

雷真「やっと満足が行ったか?」

 

アキト「え?」

 

 

アキトが飛行武装をいじるのを止めるの待ち。手が止まったところで声をかけると、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で此方を向く。

 

 

アキト「ら、雷真さん!?」

 

雷真「そうです。私が雷真です」

 

アキト「す、すみません。雷真さんに頼まれた《ミーティア》のエンジン部の配線に少し気になった部分がありまして………」

 

雷真「気にしないでいい。で、俺を呼んだのは?」

 

アキト「はい。それは、ミーティアのウェポンアームが完成したのとドッキングシステムを確認したくて」

 

雷真「ドッキングシステム確認なら、フリーダムとドッキングさせればいいか?」

 

アキト「はい、お願いします」

 

雷真「了解」

 

 

アキトに頼まれた通りに、フリーダムを起動させて、ミーティアとドッキングさせる。すると、ミーティアのシステムや武装の詳細などがフリーダムに流れてくる。

 

 

雷真「フリーダム、ミーティアとのドッキングを確認。FCS接続。エネルギー配分開始」

 

雷真「メインシステムと大方完成してるな。あとは、マルチロックオン・システムの調整と火器のエネルギー配分。他にはドラグーン・システムにビーム兵器の試しとテスト飛行くらいか…………」

 

雷真「アキト、そっちの方はどうだ?」

 

 

少し離れた所で液晶か縦に2つ、横に3つ並んでいるコンピューターを全て見ながら、ミーティアのフリーダムとの接続状況を確認するアキトに声をかける。

 

 

アキト「そうですね………。ドッキング状態は正常。FCSも正常に稼働をしてます。エネルギー配分はそちらで調整してもらえば大丈夫ですし。パワーセル・エクテンダーも稼働は良好」カタカタ

 

アキト「他には…………」

 

雷真「ミーティアのドラグーン・システムはどうなってる?」

 

アキト「すみません。ドラグーン・システムはまだ調整が終わってません」

 

雷真「なら、そっちは俺がやるからアキトは他の方のチェックと調整を頼む」

 

アキト「わかりました」

 

 

アキトに他のチェックを任せてた俺は、ミーティアをストライクのオオトリやインパルスのシルエットシステムのように、ドッキングさせる機体が離れていてもミーティアを誘導させるためのドラグーン・システムのプログラムを調整する。

 

 

雷真「誘導信号をフリーダムのコアに設定。誘導信号の周囲5kmに敵影を補足時は自動迎撃システム設定。単独、マルチロックオン設定。フリーダムとのドラグーン・システムをリンク」カタカタ

 

雷真「他には…………」カタカタ

 

 

それからはアキトと共におやつ時になるまでミーティアの調整を行っていた。

ある程度、作業が終わると今まで集中していた所為か今頃になって身体が栄養を求めて腹の虫を鳴かせた。

 

 

雷真「アキト、少し遅いが飯にしよう」

 

アキト「は、はーい」

 

 

第5格納庫から出た俺たちは、『モーニング・グロー』を出て近場のラーメン屋に行くことにした。

 

 

雷真「ちわーす、二人でお願いします」

 

「お好きなお席へ、どうぞ」

 

 

店員に促されるまま、窓辺の席へと座った。

 

 

雷真「どれにするかな………」

 

アキト「あの、雷真さん」

 

雷真「なんだ?」

 

アキト「失礼を承知で聞きますが、ぶっちゃけ美人の婚約者が三人もいるって、どんな感じなんですか?」

 

雷真「そうだな…………一言で言えば。大変だな」

 

アキト「大変?」

 

雷真「ああ。惚れた女が三人もいて、尚且つ、ゆくゆくは自分の妻になるんだぞ?なら、そのうち子供も生まれるだろう」

 

アキト「あっ…………」

 

雷真「だから、大変なんだよ。今は両の手で守れる。けれど、この先、俺にはもっと守るべき奴が増える」

 

アキト「雷真さんは凄いですね。到底、15の学生には思えませんよ」

 

雷真「まぁな。あの空白の二年間で色々とあったから、その影響が大きいな。それより、お前はどうなんだよ?」

 

アキト「僕ですか?」

 

雷真「兄貴のシノブは、来年には結婚するだろう?」

 

アキト「はい。元、大学の同じゼミ生で刀奈お嬢様の部隊の人だそうです」

 

雷真「大学のゼミで、それに刀奈の部隊の人間か……。少女漫画のようなあるあるだな」

 

 

刀奈の部隊といっても、俺や虚さんの用な裏の仕事をメインでするような部隊ではなく。刀奈や簪の部隊は主に二人を陰ながら護衛するための部隊だ。

まぁ、俺が側にいる時は心配も少ないのだが……。

 

 

アキト「それなら、雷真さんだって少年漫画のあるあるじゃないですか!?」

 

雷真「"あんなの(<