fate/zero 外なる神との接触 (卯月如月)
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召喚

今のfateはわからんぜよ
情報収集しながら修正していきたい。



 誰しも一度は考えたことがあるだろう?

 

ヒトはなぜ生きるのかそしてなぜ死ぬのか

 

ある人はこう説いた

 

「一人の人(アダム)を通して罪が世に入り、罪を通して死が入り、死がすべての人が罪をおかしたがゆえにすべての人に広がった」

 

 

だがある者はこう言った

「そこに意味などなく、人は宇宙の端にある取るに足らない存在でごみ屑に過ぎない」

 

 

___________

 

 

 

 

 

「所詮は落伍者か、出来損ないめ」

 

吐き捨てるように言うと老人は瀕死の重傷者をその場に棄てた。

 

 

 

「ま、待て臓、硯、、」

 

床にはいつくばっている男は呼吸することも苦しそうだ

呼吸だけではない。

全身の血管が浮き出ており、所々出血している様は見るに堪えない。

 

 

「魔術回路の暴走、それによってほとんどの魔術回路が断絶、おまけに左半身の完全麻痺、まこと生きていること自体が不思議じゃ」

 

 

 

 

「だ、がまだ、俺、は生きて、いる、」

そういい終えると

がぼっと喉音とともに虫を吐き出した

 

 

 

「その貴様が吐き出した刻印虫を見てみろ、

焦げて死んでいるではないか、

貴様もそれと同じだ今はなぜか生きているがもう少しで死ぬ

せいぜい、己の無力さを悔いるがいい」

 

 

壊れたおもちゃにもう用はないと言わんばかりに蟲蔵から臓硯は去った

 

残された雁夜を遠巻きに蔵の蟲たちが見ている。

獲物が絶えるのを待っているのだろう。

 

 

 

雁夜は臓硯の修行というなの拷問に1年近く耐えてきた

長く耐えた苦痛もこれが最後だろうと、死が迫っているのになぜか冷静だ

冷静であるがゆえに自分の人生が無駄であったと嘆く

愛した人の涙を見たくなかった、だから思いを伝えずに身を引いた

愛した人の涙を止めるために自身の運命に向き合った。

 

その結果がこれだ。

 

 

ごほっ

もう吐き出せる蟲もいなくなった。

出てきたのはわずかな血だ。

だがまだわずかに右手が動く、

 

何かできることは・・・

死ぬ望む雁夜が導き出した答えは

 

糞ったれな魔術師にちょっとでもケチをつけたい

聖杯戦争にトラブルが少しでも生じればいい

そんな思いから昨日から準備していた儀式の手順を思い出す

 

 

雁夜は血で魔法陣を、残った生命力で詠唱を行う

 

 

「そ、に銀、とてつ。 礎に石と、けい約の・・・

 

 

 

・・・ワレはとこよ、すべての、悪をしく、もの。」

 

遠のく意識の中で雁夜は

 

「さ、れど、なんじはその、めをこんとん、にくもらせはべるべし。

 

――」

 

 

身体の隅々を絞るように魔力が捻りだされた瞬間

辛うじて動いていた機能が軒並み停止した。

 

それと引き換えに雁夜は最後に繋がりを得た。

 

 

 

 

「汝が私のマスターですか?ってあらあら死にかけですね。」

 

 

サーヴァントの顕現である。




サーヴァントはギルガメッシュが好きです。
女性は桜が好きです。


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謎のサーヴァント

最初の投稿からかなり時間が空いてしまった。
我ながら不出来とは思いつつも時間などの制約の中でなかなか思うようにいかない。

fate関連の知識、特に新しい情報に疎いがそれでも読んでいただけたら幸い。




 雁夜は暗い地下で目を覚ました。

本来なら目を覚ますことはできなかったであろう彼は奇跡的に一命をとりとめた。

 

 

まだ生きている。

それだけでも驚愕に値したのだがさらに雁夜を驚かせたのは麻痺していた半身が動くことだった。

 

 

「まだやれるというのか,桜を救えるのか!?」

 

両手を見た。

浮き出た血管、ところどころ内出血している

 

 

 

 

 

 

 

 

「目覚めはどうですか雁夜?」

 

 

突如暗闇から投げかけられた声に驚き、慌てて声のするほうを見た。

そこには女性?恐らくだが女性が佇んでいた。

ただ、顔ははっきりと見ることができない。

薄暗い蟲蔵だが、これほどまで闇が濃かっただろうか?

 

「貴女は・・・?」

 

 

「私は貴方に呼ばれたサーヴァントといえばよいかしら?」

女性は、答えた。

 

ここに至り雁夜は思い出した、

自分は儀式を強行しサーヴァントを呼んだということを

 

 

「成功したのか、」

雁夜は驚きを隠さなかった。

しかし、返ってきたのは否定の言葉

 

「通常の聖杯戦争におけるサーヴァントの召喚という意味であれば失敗です。私はじきに消えます。召喚自体が完璧でなかったこと、私が本来のサーヴァントに割り込んで入り込んだことが原因ですね。」

 

「割り込んだ?いや、それよりも消えるのか!?」

 

彼女はとんでもないことを言った気がした。

急ごしらえの魔術師である雁夜にとって彼女の言葉の意味を正しく理解することはできなかったが、事の重大さは理解できた。

 

「はい、私の魂はたとえ仮初の存在だとしてもサーヴァントの器には収まりません。器無くしてはサーヴァントとしての現界はかないません。」

 

彼女はサーヴァントとしてこれ以上現界できないという、

「そんな・・・」

 

落胆する雁夜に彼女は近づき雁夜の頭に手をのせた。

 

「な、なにを」

 

彼女はさやしげな声でこう言った

「目を閉じなさい雁夜、目覚めたら貴方は聖杯戦争2年前に戻っているでしょう、桜がまだ間桐の家に出される前です。あなた自身が間桐の魔術を継げば少なくとも遠坂の家から間桐の家に養子に出されることはないはずです。平凡とはいえ唯一間桐でまともな魔術回路を持つ貴方は種馬として子をなすでしょうし、来るべき聖杯戦争で臓見に捨て駒としてすりつぶされるでしょうが、あなた以外誰も不幸になりません第一選択と言えるでしょう。」

 

「・・・・・・」

無言で耳を傾ける雁夜、現状、願ってもない選択肢だ

 

 

 

「そもそも桜を救わないというのも選択肢ですね。貴方は平凡に世界の片隅で生きて行けるでしょう。第二の選択肢です。」

 

「それは論外だ」

 

「でしょうね。」

 

 

「今回は第三の選択肢を用意しました。_________の___受けたうえで桜が養子になる前の1年前に臓見の元に戻りなさい。そして聖杯に願うのですあなたの本当の願いが叶います」

 

 

「なんだって?それに俺の本当の願いとは?」

 

大切なことなのに聞こえない

急に意識が遠くなる____

 

雁夜が意識を飛ばす前に彼女はこう言った。

 

 

「___から貴方は抜け出せるのでしょうか?見ていますよ」

 



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再開・分岐①

雁夜が目覚めた。

記憶にある天井だ。

そこはルポライター時代に下宿していたアパートだった。

 

 

「まさか本当に戻ったというのか?」

 

 

答える者は誰もいない。閑散とした部屋に雁夜一人だ。

 

 

「桜ちゃんは無事か?」

 

当然答える者はいない、が雁夜には確信めいた何かがあった。

”時間が巻き戻ったと”

傷も消えているし刻印虫もいないことがさらにそれを根拠づけた。

ふと日めくりカレンダーが目に留まった。

 

19××年12月×日

 

おおよそ聖杯戦争の2年前で止まっている

 

雁夜は・・・

 

 

___________________________________________

 

 

 

①間桐邸へと急いだ。

②葵さんと連絡を取った。

③サーヴァントの最後の言葉が気になる。

 

___________________________________________

 

①間桐邸へと急いだ。

 

 

出かけようとしていた臓硯と玄関先で繰り広げられたささやかな押し問答の末、雁夜は間桐邸の中で応接室のソファーに腰かけていた。

 

「その面二度とワシの前に晒すでないと申し付けたはずだがな」

 

冷たく憎々しげに言い放ったのは間桐の主、臓硯だった。

 

「聞き捨てならないうわさを聞いた、間桐がとんでもない恥をさらそうとしているとな」

 

「はて?何の事やら」

 

臓硯は眉をひそめた。

 

「とぼけるなよ吸血鬼、間桐の家に養子をとろうとしているそうじゃないか」

 

雁夜の詰問に臓硯は苛苛しげに答えた。

 

「貴様どこで知った?それもあるがよもや貴様がそれを言うのか?ほかでもない貴様が?間桐がここまで零落したのは誰のせいじゃと思っておる?貴様の兄が成した子には魔術回路が備わらなかった。雁夜、貴様が間桐を継げばこのような事態にはならなんだ、それを貴様というやつは・・・」

 

 

老人の剣幕に雁夜は思いもかけぬ一言を言い放った。

 

「だからだよ、俺が間桐を継ぐ、それでいいだろ?」

 

雁夜の一言に臓硯は激高した

 

「今更何をぬかす、落伍者がおめおめと戻ってよい場所ではないわ」

 

「茶番はやめろよ。貴様が生きながらえるのに、聖杯を手に入れるのに間桐の魔術師は必要だろ?」

 

雁夜がそう言い放つと臓見はにやりと口元を歪めた。

 

「碌な死に方をしないぞ、雁夜?」

 

「それもこれも血筋のなせる業でね。間桐の魔術が枯れぬよう子をなしてもいい。間桐の魔術も継承してやる。」

 

「何故じゃ雁夜、今更魔道に未練があるのか?」

 

 

「・・・・・・遠坂葵が欲しくなった。時臣にやったままでは惜しい。娘たちもだ。そして俺の横からすべてを掻っ攫った奴に復讐してやる。魔術師としては完敗だが、聖杯戦争でサーヴァントを呼びだせば俺にも勝機はある」

 

 

本心ではなかった______はずだった。

 

だが突いて出た言葉は真実味を持っていた。

 

「カッカカ、貴様聖杯戦争に出る気か?今まで修行もしてこなかった貴様がわずか二年でサーヴァントのマスターになろうだと?」

 

 

「刻印虫を使え、臓硯。この体は間桐の血肉でできている、馴染むはずだ」

 

 

「雁夜・・・貴様死ぬ気か?」

 

「まさか心配だとは言うまい?おとうさん」

 

雁夜の本気は臓硯も理解した。冷ややかに値踏みするまなざしで雁夜を眺めながら言い放つ

 

「まだ貴様に死なれるわけにはいかん。少なくとも間桐の魔術を残すためにな。1年間修業をしたうえで基礎を作りそれを土台にして刻印虫に魔術回路を拡張させる。兄よりましな貴様の素養なら可能性はある。刻印虫を入れた時にもよるが、聖杯戦争を勝ち抜いたとして1月も余命はないじゃろうがそれでもやるか?考え直すなら今だが?」

 

雁夜に迷いはなかった。

自分は一度失敗した。幸運に恵まれ抗してやり直すことができたんだ。これで桜ちゃんは救われるだろう。少なくとも間桐の家に来ることはない。間桐の業は間桐が背負う。

 

 

 

 

数か月後、雁夜は子を成した。

名を咲夜、時夜といった。幸いにして二人とも魔術回路を持って生まれたため雁夜は用済みとなった。

その1年と数か月後、聖杯戦争にて帰らぬ人となった。

第四次聖杯戦争はアインツベルンのマスターの裏切りにより破綻し、誰も勝利することはなかった。

遠坂の家も長女の凜が継ぎ、桜は遠縁のエーデルフェルトに預けられた。

 




雁夜が最初から大人しく間桐を継げばどうなったのでしょうね?

雁夜は自身の、間桐の血を嫌っていたようですが、この可能性の中では自身の血脈を残すことができました。
子を成し血を残す、これも一つの幸せと私は考えるのですが、雁夜にとってどうだったのか・・・。


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分岐②

今回は短い。
それでもお付き合いいただけたら。
(中々話が進まなくてすまない)


雁夜は・・・

 

 

___________________________________________

 

 

 

①間桐邸へと急いだ。

②葵さんと連絡を取った。

③サーヴァントの最後の言葉が気になる。

 

___________________________________________

 

 

②葵さんと連絡を取った

 

 

 

 

しかし、遠坂邸に電話をかけたが繋がらない

 

 

「留守なのか、くそ。」

 

受話器をたたきつけると母と娘が良く出向く公園に向かった。

 

 

 

 

目当ての女性の面影はすぐに見つかった。

ひと月に一度会うかどうかの間柄でも、彼女を見紛えようはずがなかった。

 

「———やあ、葵さん」

 

「あら―――雁夜君」

 

彼女は口元をほころばせながら読みかけの本から目を上げた。

 

 

雁夜はこの幼馴染が好きで好きでたまらなかった。

だからこそ身を引いた。穢れた間桐の魔術にかかわらせないために。

この笑顔を守るために1年にわたる拷問に耐えた(実際には肉体が耐え切れなかったのだが)

今改めて遠坂葵をみた。幸せそうな笑顔だ。きっと大きな悩みもなく過ごしているのだろう。

 

覚悟を完了した。

もう一度拷問にかけられるような状況になろうとも彼女を守る。

 

 

 

 

「どうしたの雁夜君?難しい顔して。」

 

「いや、今日も葵さんは美しいなって・・・あ、その違うんだ、いや決して葵さんが美しくないというわけではなく・・・」

 

しどろもどろになりながら弁明する雁夜

 

「くすくす、雁夜君たら面白いわね」

 

「からかわないでくれよ、葵さん。」

 

少し赤くなった雁夜は、近くで近所の子供たちと遊ぶ凛と桜に助け舟を求めた

 

「凜ちゃん、桜ちゃん」

 

「あ、カリヤおじさん!おかえり」

「カリヤおじさん、こんにちは」

 

葵の娘、遠坂凛と遠坂桜が駆け寄ってきた。活発なツインテールが凜でその姉の陰に隠れるようにしてついてきたのが桜だ。

桜はこの時間軸では間桐の養子になっていないようだ

あくまでは、今のところは・・・だろう。

 

「凜ちゃん、桜ちゃん、ひさしぶり。変わりなかったかい?」

 

「うん?何もないよ?」

 

「桜ちゃんが別の家の子になるなんてことはないかい?」

 

「桜、別の家の子になるの?そんなの嫌」

悲しそうな目で桜が訴えた

 

「そんなことないもん!桜とはずっと一緒だもん、カリヤおじさん変なこと言わないでよ」

凜が憤慨しながら答えた。

 

「ごめんね、凛ちゃん、桜ちゃん。変なこと言って」

 

雁夜は彼女らをなだめるのにお土産のアクセサリーをわたした。

 

「「ありがとう、カリヤおじさん!」」

 

二人は喜んでくれたようだ。

 

 

「雁夜君、さっきの話・・・」

 

「零落した間桐が養子をとる可能性がある、けれど葵さんは心配しないでいい、それはなんとしてでも俺が阻止するから」

雁屋はその場から立ち去った

 

 

「雁夜君・・・」

 

葵は不安そうに彼の背を見送った。

 

 

 



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