不良共が艦これの世界で艦息(かんむす)になりました (鯣伊賀耕作)
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プロローグ
死亡届


はじめまして鯣伊賀耕作です
それではさっそくどうぞ!



俺の名前は鮫崎慎二(こうさきしんじ)、高校3年。

世間一般で言う不良だった。

そして俺はその不良軍団「タイガーシャーク」のリーダーだった。

しかし、名前からは想像しにくいが、良い方の不良達の集まりだった。

誰かがボコボコにされているのを見かけたり聞いたりしたら、仲間とその現場に向かって、殴っている輩共を返り討ちに合わせたり、困っている女子供を助けたり・・・と言ったような感じだった。

返り討ちにした輩共には「鮫」と呼ばれたな・・・。

まぁそんな過去の事は今はどうでもいい。

 

それは何故かって?

 

答えは簡単だ・・・

 

 

 

 

 

 

 

俺は死んだ。

 

それ以上でもそれ以下でもねぇ・・・

 

 

 

 

 

死因は俺たちのグループがヤクザに目をつけられちまったんだ。

夜中に俺たちのチームのメンバー全員が港の倉庫に呼び出された。

そこで殴り合いの乱闘が始まったのさ・・・

最初こそは殴り合いで済んでいたが、段々ただの殺し合いに成り果てたのさ。

俺は、親友5人と共にヤクザのトップ5人と戦った。

俺たちタイガーシャークとヤクザグループ幸前組(さちまえぐみ)の殺し合いは、多大な死傷者を出しながら、一応タイガーシャークの勝利で何とか終わった。

しかしトップと戦っていた俺たち5人は勿論、ほかの俺の部下たちも、出血が酷く、まともに動ける奴は、下っ端の奴等だけだったぜ。

しかも動けるとは言ってもそいつらも軽傷だが怪我をしていたぜ・・・可哀想に・・・。

そしてそいつらは泣きながら俺の所へ集まってくるんだ、「兄貴~死なないでくだせぇ~」って。

まったく可愛い奴等だったぜ、思い出しただけで泣けてくるぜ。

それだけ心配してくれたんだから。

 

しかし現実は非情であった。

俺の親友4人は次々と死んじまった。

俺の意識も朦朧としてきて、その可愛い下っ端たちに言った。

「お前達、この訳のわからない争いのせいで仲間が多く死んだ・・・普通にまともに生きていればこんなことはなかった筈だ・・・だからよぉお前達・・・これをもってタイガーシャークは・・・解散だ・・・お前達・・・まだ人生は長い・・・だからぁ・・・まだ・・・やり直・・・せる・・・ぜ・・・・だから・・・よぉ・・・明日からは・・・まとも・・・に・・・生き・・・ろ・・・俺・・・達の・・・ぶ・・・ん・・・まぁ・・・」

『『『『兄貴ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』』』』

俺は可愛い部下たちの叫び声と、パトカーのサイレンの音を聞きながら意識を手放したんだぜ。

 

 

 

 

 

 

そして今、俺はよくわからない空間にいるんだが・・・。

周りは真っ暗だ・・・。

ここが俗に言う天国って奴か?

それにしては寂しすぎる。

周りには真っ暗な空間しかねぇし、光が当たってるわけじゃねぇのに何故か体ははっきりと見えるぜ・・・。

何よりさっきから地面との設置感がまるで無い。

それどころか重力すら感じ無ぇぜ・・・

きもちわりぃ・・・

 

 

 

あぁ・・・こんな地獄みてぇな空間・・・早く出てぇなぁ・・・。

 

 

 

 

俺がそう思った瞬間、目の前の空間から光の点が見え、それが急激に近づいてきた。

目の前が真っ白になって思わず目を伏せた。

そして目を開けた瞬間、目の前には美しい女性が俺の目を覗き込んでいた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう自称不良少年!目は覚めたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はそれに対して急激な怒りがこみ上げてきた




やはり難しい!
もう少し文才があればいいんですが



次回 美女の正体は!?


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仲間がいるならどこでも良いです

何とか今日中にあげれた・・・


「おはよう自称不良少年!目は覚めたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はそれに対して急激な怒りがこみ上げてきた。

何なんだこの人は!?急に明るくなったと思ったら突然目の前に現れやがって!

「まぁまぁそう怒らないでよ!どうせ殴りもしなければ怒鳴りもしないでしょう?」

 

な、何なんだこいつ!

人の心を読んでやがる!

 

「当たり前でしょう?私はあなたたちのところで言う神様なんだから!」

そういって神は豊かな胸を張る・・・

 

え?

本当に言っているのですか?

「何?疑っているの?」

だってこんなフレンドリーに接してくるしテンション高いし・・・

「そりゃ神様でもテンションは高い時は高いわよ!」

そ、そうですか・・・

「さて!それじゃぁ早速本題に入るわね!あ、私は栲幡千々姫(たくはたちぢひめ)よろしくね!」

「俺の名前は・・・「あ、あなたの記憶からあなたの名前は消してあるから」・・・は?」

「だって転生した時ややこしいでしょ?」

え?転生だと?

「だってあなた、ここから出たいって言ったでしょ?だから私はここに来たのよ?」

どこへ転生させるつもりだ?

「さぁ?あなた次第よ?私はあなたの行きたい所へ連れて行ってあげるわ!」

 

何処へでもか・・・

 

「さぁ!何処でも好きな所を言いなさい?」

 

う~む・・・

 

「俺の親友5人がいれば何処でも良い」

 

「は~い!分かりまし・・・て!ええ!?」

どうしたのだ?

「あなたの親友がいれば何処でも良いのですか!?」

あぁ・・・

「う~む・・・それは困りましたね・・・何しろ貴方方みたいな人材を求めてる会し・・・じゃなくて世界がいくつもあるんですねぇ・・・」

今会社って言いかけ「気のせいですね~」

 

暫く栲幡は悩み、やがて俺の方を向いてにやりと笑った。

「なかなか面白そうな世界を見つけたのでそこへ転生させますね?その時に同時に必要な情報も贈りますね!それではがんばってくださいねぇ~!」

 

 

そう言うと栲幡は指をパチンと鳴らすと突然さっきまで感じなかった重力が俺を襲い、地上へと引き摺り込む。

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

久しぶりに俺の喉から出た声は、空中へと吸い込まれていった。

そしてその時、俺の目にコンタクトレンズ型の何かが付いた。

「何だこれ?」

それをつけると空中に英語で文字が大量に表示されていた。

それと同時に頭の中に様々な知識が詰め込まれていく。

 

 

 

 

 

やがて、少しずつ地上が見えてきた。

どうやら下は海のようだ。

すると目に入れているコンタクトレンズに『Warning!』と表示された後、横にどんどん下がる数値が表示されていた。

「こ、これはまさか・・・!」

その時、警報音が変わり、危険度が高まった事が分かった。

そして数値は既に150を切り、地面が真下に見えたところで目の前が水柱で見えなくなった。

 

 

 

数分後、何とか水柱も収まり、落ち着きを取り戻した時、体に違和感を覚えた。

「ん?・・・何だ・・・これ・・・」

俺の体にはよく分からない物が付いていた。

 

まず服装は俺が着ていた様な学ランだが、色が黒からグレーに変わっており、胸元には胸ポケットサイズの縦長いダイヤ型の何かが右と左、前と後ろに計4つ付いていた。(SPY1レーダー)

 

腰周りには蓋付きの箱がいくつか付いている。(VLS)

手首には銃のようなものが付いていた。(120mm速射砲)

そして背中には灰色の箱のようなものを背負わされていた。(マストと後部構造物)

その箱には鉄塔が生えており、レーダーのようなものが回っていた。

鉄塔の後ろには排気口のような穴が開いており、さらにその後ろにパラボラアンテナが二つと白くて丸い機関砲(CIWS)が付いていた。

さらには、足に筒を3つ重ねたものが付いていたりなど、よく分からなかった。

ただし、何処か見たことがある気がした。

 

「まるでイージス艦だな・・・」

 

俺は海上自衛隊に興味があり、人よりは詳しかった。

さらに、親友の一人とよく護衛艦の話をしてたな・・・。

そのお陰か、今見た装備がすべて護衛艦の装備であることに気づいた。

「あれ?・・・まさかこのコンタクトレンズ・・・」

そう思って、ある画面が表示できないか探してみたが見当たらない・・・。

そもそも、探す必要など無かった。

その画面をイメージした瞬間、目の前に表示されたのだ。

 

画面には船体の図が表示され、各箇所にダメージが無いかと、残弾などが表示されていた。

そう、俺が探していたのはダメコンだ.

「落ちたときの衝撃で壊れてなくて良かったぜ・・・!」

ふぅっとため息をついた瞬間、胸元のSPY1レーダーが空中にUnknownを探知した。

「数は4!恐ろしく早い!ミサイルか!?・・・駄目だ!回避!」

俺はそう思って動こうとした。

その時、自分が何処に立っているのか気づいた。

「な!?」

なんと俺は水上をローラースケートの様に水面を滑っていたのだった。

「これは面白い!」

なぜそんなことを思っている余裕があるのか分からないが明らかに俺はこの状況を楽しんでいたのだった。

そして一度は言ってみたかったセリフを言ってみた。

「最大戦速!」

『最大戦速!』

突然耳元から声がした。

「え?」

思わず耳元を触ってみると耳にはヘッドフォンをつけており、さらには帽子をかぶっていた。

とりあえず何だ今のは?

『ただの復唱じゃないですか艦長』

だから何なんだこいつらは。

『艦の乗組員じゃないですかこんごう艦長!』

乗組員・・・こんごう艦長・・・そうかそう言う事か!

俺はようやく状況を理解できた。

『はぁ・・・しっかりしてくださいよ艦長』

「すまねぇ・・・部下達」

俺は笑いながら新しい小さな部下たちに謝った。

 

 

 

落下予想地点からある程度距離を置いた俺は落下地点を見た。

水面に4つの物体が落ち、水柱と水しぶきを上げた。

俺は何処からか取り出した双眼鏡を覗き、落下地点を確認した。

しかし水しぶきのせいで何も見えない。

『こちらCIC!落下位置に感あり!数4!IFF応答あり!』

「何!?」

IFFとは敵と見方を区別する装置だ。

それに反応ありと言うことは友軍だ。

俺はすかさず部下たちに指示を出した。

「両舷前進2速!」

俺はゆっくりと落下地点に向かった。

 

だんだん視界が開けてきて、4つの人影が見えた。

聞きなれた声で口々に文句を言っていた。

「何だよあいつ!急に落としやがって!」

「全くだ!危うく船体に傷つくところだったぜ!」

「あんた船体傷つくとか船かいな!」

「ははは!・・・てあれ?」

「「「ん?」」」

そう言って一人が俺に気づき、みんな俺の方を見た。

全く、こいつら顔も声も身長も・・・何も変わってないぜ・・・格好は・・・やはりか・・・。

3人は灰色の学ランに、一人は小さなスパイレーダーをつけている。

二人は鉄塔に大きめのレーダーをつけていた。

そして一人は真っ黒な学ラン・・・というよりかはマリンスーツみたいな格好だった。

「え・・・まさ・・・か・・・」

俺の親友の中で、一番背が高く、涙もろいそいつが今にも泣きそうな顔で俺を見てきた。

巨大なヘリ用飛行甲板を片手に持っている・・・いずも型かな?

・・・やめろ・・・そんな顔されたらこっちまで泣けてくるやろ・・・

「あ、あんた・・・ほ・・・う、うそやろ・・・」

唯一の関西弁でムードメーカーのそいつまでうれしそうに涙を浮かべた。

スパイレーダーは無いけどそのVLSのつき方だと恐らくむらさめ型かな?

ムードメーカーのお前がそんな顔してどうするんだ?全く・・・

すると、俺に近づいてきて頬を掴んできた奴がいた。

「ねぇ?幽霊じゃない!本物だ!」

超童顔でよく女子と間違えられるけど優秀で強い奴・・・

腕に速射砲の後ろにアスロックのランチャーがついている、はつゆき型だな?

・・・そんな顔するな・・・男なのに惚れてしまうだろ・・・

「・・・よかった・・・また逢えたな・・・相棒・・・」

あぁ・・・よく自衛隊の話したな・・・お前のお陰でこの格好になれちまった気がするぜ・・・

しかしその格好・・・完全に潜水艦だな・・・そうりゅう型か?

お前はその嬉しさはその格好のせいか?

 

でも何はともあれ・・・

 

「また逢えたな!俺は生きているぞ・・・いや・・・俺たちか!」

「全くだぜ・・・」

「せやな・・・」

「生まれ変わったの方が正しいかな?」

「そうだな」

 

 

 

やがて何故か仲間と向かい合わせになった。

「久しぶりだな・・・」

「こんごう」

「かが」

「いかづち!」

「いそゆき・・・」

「そうりゅう」

 

そして数分の沈黙があり・・・

 

 

 

「「「「「あれ?こんな名前だっけ?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな男5人を笑っていた一人の女神に大量のハープーンがお見舞いされたのはまた別のはなしである・・・




ちなみに男どものスペックは実際の艦のデータを参考にしますので・・・





超オーバースペックですww


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1.やってきましたぁ!平行世界!
第一話 Unknow


さーてやってまいりましたぁ第一話


ちょっと分かり辛い表現がありますがご了承を・・・
(表現力ほしい・・・)


とある平行世界にある広い海のど真ん中・・・

そこに灰色の学ランと黒色の学ランを着た5人の男が水面に立っていた。

その中に俺、こんごうがいた。

そして俺の目の前にはかが、いかづち、いそゆき、そうりゅうの四人がいた。

俺たちの名前は俺たちの世界に存在した海上自衛隊という組織の艦の名前と同じだ。

そして名前だけではなく、俺たちが身に着けている服の色、そして何より俺たちが身につけている装備は、その名前の艦と同じ装備である。

 

正直理解しがたいが、俺だって同じだ・・・

 

すべての説明はあのくそ女神に聞いてくれ!

 

取りあえずだ・・・

 

「・・・なぜお前らまでそんな格好なんだ・・・」

「しらねぇ・・・何故かしらねぇけど突然女性が現れて『じゃ、がんばってね!』と言われたんだ!何の事か分からず戸惑っていたらこの様さ」

かがはあの女神と会ったらしい。

他のやつらも同じ事を言っていた。

そして全員、転生したことは覚えているが、生前の名前を忘れ、不良集団「タイガーシャーク」の一員だった事と、自分自身の人柄、学んできたことだけを覚えており、それ以外の家族の名前、地域の人々の名前が思い出せない。

なにより、うろ覚えで記憶が残っているのが妙にもやっとする。

僅かに残っている記憶のせいで、思い出したときにこの人の名前が何だったのか、気になって仕方が無いのだ・・・。

 

「取りあえず、俺たちはどうやら護衛艦の名前と機能を身にまとった何かになってしまったらしい・・・」

「そのようだな・・・」

因みに、俺たちの脚には船体を模した様なブーツ状の靴を履いており、艦首部分には艦の所属

「せやけど・・・こんな格好になってしもたけど、どうしろっちゅうんや?」

「どうするのこれ・・・」

「分からん・・・」

5人は悩んでいた。

「あとここ何処だ?」

「分からん、携帯も持ってへんし・・・」

「GPSの表記もあるけど『No GPS』って出てるぜ」

「時刻も日が出ているからわかるけど・・・日付が分からないよ」

「結局この装備の使い方と今の時刻が15時過ぎぐらいだって事は分かったぜ」

「うーむ・・・取りあえず情報を・・・!?8時方向にUNKNOW目標8!距離150Km!IFF応答なし!速力25ノットで陣形を組んで東へ進行中!」

「こんごう!こっちも探知した!データリンクで共有する!」

かがは僚艦である3人にデータリンクを使って情報を共有した。

「む、Unknowか・・・敵か?」

「どうするこんごう?偵察するか?」

「む、俺が旗艦でいいのか?」

俺に指示を求めてきたかがたちに、俺は聞いた。

「「「「むしろ兄貴(お前)以外に指揮官(リーダー)が務まるとでも?」

どうやら俺は結局リーダーのままか・・・

 

いいだろう!

「かが、艦載機は何がある?」

「SH60J/K哨戒機、MCH101輸送機が4機ずつと、AH1Sが2機、F35が3機あるけど・・・」

「え?」

いやいやいやちょっと待て!

何なんだその装備!

おかしいでしょ!

誰だよこんなの積もうとか考えたの!

 

 

 

その頃、上空で栲幡千々姫がくしゃみをしたのは誰も知らない・・・

 

 

 

「取りあえず、シーホークで現場海域を偵察してくれ!」

「了解!」

「残りのものは、周辺の警戒を!」

「「「了解!(アイサー)」」」

俺は全員に指示を出すと、かがの方を見た。

ヘリ甲板には、メインローターを折りたたんだ模型ヘリサイズの小さなシーホークが2機並んでいた。

やがてメインローターを展開し、回し始めた。

指示を出して2分後には離陸し、Unknowの艦隊のいる海域へと飛んでいった。

俺は、かがのうしろにいる3人の方を見た。

「ところでお前らのスペックが、異常な事になってないか?」

「特に何もあらへんよ?」

「特になしだよ」

「異常なし」

「ならいいんだが・・・」

何故かかがのスペックだけが異常な事になっていた・・・。

 

「シーホークより無線、目標を確認した。画像を送信」

あれから20分、シーホークは艦隊の目視圏内に入った。

向こうからは少し見えにくいようにかなり距離を置いていた。

そしてその映像を母艦であるかがに送った。

「データリンクにアップ」

送られたデータはすぐにデータリンクに上げられた。

そこには奇妙な姿のものが映し出されていた。

「何じゃこれ?」

「人・・・にしてはえぐいな・・・」

「何だこの鮫みたいなのは・・・」

「生き物なんかこれ?」

「まるでモンスターだな・・・」

 

そこにいたのは、白い肌に黒い装飾品を身につけた人型の何かが3体と、黒い鮫の様な生物4体、そしてそいつらに囲まれている、きのこの傘の様なものを被った人型の何かだった。

「何やあいつら・・・化けもんか?」

「知らないよ・・・」

「何だか不気味だな・・・」

後ろの3人は口々に感想を言った。

「こいつら何処に向かって・・・!進路変更、北へ向かっている!」

「何か見つけたのか?・・・!真ん中の奴がなんか出てるぞ!数40!艦載機か?」

「分からん・・・恐らく真ん中の奴・・・艦種で言ったら空母とちゃうか?」

いかづちは真ん中の奴を空母とみた。

「となると、周りにいてる鮫みたいな奴は駆逐艦級かな?」

「じゃぁ残りの人型は重巡洋艦級だな?」

後ろにいるいかづち、いそゆき、そうりゅうの3人は、敵艦隊の規模を予測しようとしていた。

「!0時方向より新たなUnknow目標!数6!南下中!」

「シーホークで確認できるか?」

俺は新たな目標を探知した。

「またUnknowかいな!」

「南下してるって事は・・・こっちに向かってる!?」

「でもその前に黒い化け物がいるぞ」

「取りあえずシーホークで南下してきている集団を確認できるか?」

「えーっと・・・・見えた!データリンクにアップ!」

そう言ってかがから画像が送られてくる。

 

そこには俺たちのように、水上を滑走する6人の少女達の姿が映し出される。

真ん中に立つ弓道着を着た女性を中心にセーラー服姿の5人の少女達で陣形を組んでいる。

女たちは俺たちと同じ様に、いろんな装備を身につけていた。

しかし、装備と言っても周りにいる少女達は砲が幾つか付いているのと、腰や脚に魚雷発射管が付いている位で、電子装備はおろか、レーダーすら付いていない。

そして何より、砲の形や魚雷発射管はどこか古い感じがする。

真ん中に立っている女性は、空母のような飛行甲板を持っており、片手に何故か弓を持っていた。

そしてその女性の持っている飛行甲板にはカタカナで『カ』とかかれており、日の丸も描かれている。

何より、甲板が木製であるのに違和感を持った。

 

「どうやら真ん中にいるのは空母のようだが・・・」

俺は空母と思わしき女性に注目した。

「何や古めかしいなぁ・・・旧型艦かいな?」

「でもその他の艦も何処か古くない?」

「確かに・・・何だか第二次世界大戦時の艦の装備に似ているような・・・」

「取りあえず人で助かった・・・」

後ろにいる3人はまたしても感想と戦力について考えており、かがは人を見つけて安堵していた。

「こんごう、彼女らの装備から見て恐らく彼女らは第二次世界大戦時の旧日本海軍の艦艇の可能性があるぜ」

「うぅむ・・・取りあえずs・・・!南下してくる艦隊から艦載機発艦!数同じく40!」

「恐らく化け物どもに攻撃するつもりやろ」

「どうする?偵察を続行するか?」

「そのまま続行してくれ!俺たちは進路を変更。戦闘海域を迂回して北上!」

「「「「了解」」」」

 

俺たちは進路を少し東にずらし、前方で繰り広げられる戦闘海域へ向けて進行した。

「化け物艦隊と人間艦隊との距離30km。俺たちと化け物艦隊の距離は130kmを切った」

「了解や!!」

「俺はこれから潜行するぜ」

「音紋の解析を任せたぞ!あとくれぐれも気づかれないようにな」

「任せとけ!」

いかづちといそゆきもレーダー探知圏内に突入し、そうりゅうは密かに化け物艦隊の音紋解析に向かった。

そして、人間艦隊の通信も傍受できた。

『こちら加賀、敵艦見ゆ。これより航空機による爆撃を開始する』

『こちら響。深海凄艦に砲撃を開始する』

『こちら電。・・・』

 

 

次から次へと入ってくる無線を傍受、記録し保存する。

さらに戦闘データを全て戦術データリンクにアップする。

 

「どうやら、あの化け物は深海凄艦って言うらしいな」

「それにわいらと同じ名前の艦もおるみたいやな」

「にしてもあんなまだ中学生位の少女達がなぜこんな所で戦っているんだろう?」

「さぁな。何かしらの事情があるんだろう・・・それにしてもあんな小さな女子どもに戦わせるなんざ穏やかじゃねぇな」

俺は戦況を見、無線を聞きながらつぶやいた。

「何ならわいらが介入すっか?」

「確かに射程圏内だけど・・・!」

その時、深海凄艦側の数が1つ消えた。

『やった!一体倒したっぽい!』

『やったのです!この勢いで押し進めればいけるのです!』

『油断は禁物です・・・空母の撃沈を確認』

『やったぁ!流石加賀さん!』

『一航戦として当然です』

「どうやら、空母を撃沈したようだ」

「せやけど、まだ6体のこっるやん。大丈夫か?」

「油断はできないね」

「取りあえず引き続き偵察を続ける」

「「「了解!」」」

 

しかしその後、戦況は悪化して行った・・・

 

 

『きゃっ!痛いのです!』

『大丈夫電!?』

『左舷に被弾したのです!・・・!雷ちゃん危ないのです!!』

『!きゃぁっ!』

電を心配して近寄ってきた雷に敵の砲弾が当たる。

向こうはまだ5体残っている。

そして中破した敵の重巡が隙をみせた雷の右舷に狙いを定めて撃ってきたが、間一髪で回避した。

『雷、電!しっかりしなさい!』

暁という少女に言われて、雷は立ち上がるが、ヨロヨロとしている為、まともに戦えそうに無い。

加賀はそれを見て指示を出す。

『暁!二人を援護してあげて!夕立!援護して!』

『はいっぽい!』

 

加賀と呼ばれる空母がどうやらリーダーで、各艦に指示を出していた。

 

「なんやヤバそうやで!」

それを見ていたいかづちが、慌てた様に言う。

「なんとか出来ないの?」

「介入する?」

俺は4人に問われる。

 

俺たちはこの戦いに介入すれば、今の戦力評価的には深海凄艦を倒して人間たちの圧勝である。

しかし、俺たちはこの世界の戦いなど関係ない。

それが俺の本心であり、本当であれば介入する気などさらさら無い。

だが、俺には戦う術がある。

さらには俺はレーダーとモニター越しにこの戦闘を見ている。

目視では見えない、モニター越しで見える世界では今、中学生位の少女達が、得体の知れない怪物によってやられそうになっている。

電という少女は至る所に傷が付き、装備もボロボロである。

砲身が折れ、もう戦えそうに無い・・・

加賀という女性は、飛行甲板がボロボロで、飛行甲板から煙を上げている。

そんな加賀を守ろうと必死になる暁も、至る所から煙が出ている・・・

雷も、電ほどでは無いが、至る所に傷が出来ている。

響や夕立も、傷ついている彼女らを守るのに必死である・・・

 

俺は唇を噛み締める・・・

 

このまま、彼女たちを見殺しにするのか・・・?

 

それとも、助けるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――― そんな事  考えるまでも無かった  ―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の体は既に無線機を持って僚艦である4人に指示を出す気しかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総員対水上戦闘用意!目標、前方深海凄艦艦隊!絶対に少女達を守れ!俺たちは護衛艦だ!所属は海上自衛隊 第0護衛艦隊 タイガーシャーク!その組織は守る事に徹底するチームだ!絶対に一匹残らず駆逐しろ!」

俺は半ば何を言っているか分からなかったが取りあえず言うことは言った。

 

 

 

「「「『了解!』」」」

 

 

 

 

俺たちは第一戦速で戦闘海域に向かった・・・

 

まだ目視できていない深海凄艦をレーダー越しに睨みながら・・・




次回 ついに彼らが戦闘を開始します




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第2話 攻撃開始!

大変長らくお待たせしました!

戦闘編です!


なお、所々設定が変わっています・・・すみません


広い大海原に、4人の男たちが海面を滑走していた。

体には護衛艦の装備のようなものを身につけ、灰色の学ランを着ていた。

4人は空母型の艦を中心に、3隻で守るように陣形を組んでいた。

 

「現在、敵目標までの距離90kmを切った!かがは女どもを保護してくれ!俺たちはかがの援護だ!絶対にかがに1発も当てさせるな!」

「了解!それじゃぁ僕といかづちでこのトラックナンバー1~4番を攻撃するよ!」

「よっしゃぁ!任されたで!」

「頼んだ!俺はお前たちの後ろでデータ収集と指揮を執る!まぁほとんどやることが無さそうだが・・・」

これじゃぁ俺の出る幕はなさそうだな・・・こいつらに任せて大丈夫そうだ・・・

「ほな、兄貴は後ろからレーダー情報をわいらに共有してな!」

「僕たちのレーダーは兄貴程高性能じゃないから・・・」

「言われずとも、そのつもりだったんだが・・・」

全く・・・相変わらずこいつらは心配性だぜ・・・

「よし、兄貴の期待に応えやんとな!トラックナンバー1~2番、ハープーン攻撃用意!」

「トラックナンバー3~4番、ハープーン攻撃用意!」

いかづちに続いて、いそゆきもハープーンの攻撃準備に入った。

FCSが深海凄艦艦隊を捕らえ、諸元が入力される。

「諸元入力完了!トラックナンバー3~4番・・・」

「トラックナンバー1~2番・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ハープーン攻撃始め!!」」

二人の背中の装備に取り付けられた発射キャニスターから白煙が吹き出し、各艦から2本、計4本のハープーン対艦ミサイルが打ち上げられた。

ハープーンは白い白煙を残しながら、深海凄艦艦隊の方へと姿を消した。

「目標到達まであと3分・・・」

俺はモニターに表示されたハープーンの航路と到達時間を見ながら、ハープーンの飛び去った方を眺めた。

 

俺たちはハープーンを追いかけるかの様にひたすら針路を北に取っていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー戦闘海域真下  深度60m付近 潜水艦そうりゅうーーー

 

俺は一人、深度60mで深海凄艦と味方艦の音紋を記録していた。

ひたすらスクリュー音を記録していくこの作業もそろそろ飽きてきた。

「・・・ふぅ・・・暇だ・・・ん?」

そんな事を思っていると、データリンクに新たな情報が入ってきた。

「いかづちといそゆきがトラックナンバー1~4に攻撃・・・なるほど・・・」

5番だけががら空きなのは恐らく・・・

「・・・俺に攻撃しろってことか・・・」

初戦闘で撃たしてもらえるなら光栄です!

「トラックナンバー5番、ハープーン攻撃用意・・・発射(ファイア)!」

 

俺の魚雷発射管から一本のミサイルが発射された。

そのミサイルは、深海凄艦艦隊へ直接は向かわず、発射位置を特定されないように、間逆の方へ向かって浮上して行った・・・

 

 

 

 

 

ーーー??海軍 ??艦隊 加賀ーーー

 

国境付近の哨戒活動中に敵を発見して、私たち、大和国海軍所属、呉鎮守府所属、第3艦隊は敵である深海凄艦との戦闘を開始した。

最初は空母を航空機により撃沈、重巡一隻と駆逐艦一隻も第三艦隊所属の駆逐艦の子達が倒してくれたお陰で戦況はこっちが有利に思えた。

しかしその後、重巡や駆逐艦の私に対する集中砲火により、私は中破。

他の駆逐艦の子達も、敵の重巡の砲撃により小破・・・。

そして今もなお、攻撃は衰える事無く続いている。

 

「加賀さん、大丈夫なのです?」

「大丈夫よ、私の事より暁たちの援護を・・・!危ない!!」

「きゃぁ!」

電の方に重巡からの砲弾が飛んでくる。

私は咄嗟に電をこっちに引き寄せ、抱き寄せて回避させる。

砲弾は電から外れ、私の横に落ちる。

拙いわ・・・このまま続けば・・・

「・・・撤退しましょう・・・」

「え!?加賀さん!ここで引き返せばこいつらは・・・!きゃぁ!」

暁が私が出した撤退命令に対し、反論して来たが、彼女の近くに砲弾が落ちた。

「「「暁!」」」

その様子を見ていた雷、夕立、響が慌てて暁に近寄る。

「う、うぅ・・・痛いよぉ・・・」

暁は今の砲撃が掠り、さらに水面で爆発した時に飛んだ砲弾の破片により、中破の傷を負った。

「暁!しっかりするのよ!この状況では私たちは全員沈みかねない!私は誰も失いたくないの!だから・・・!」

そう言いかけた時、再び暁に向けて砲弾が飛んできた。

その光景を見た私は、言葉を発するよりも先に体が動いた。

暁を庇い、抱きかかえて壁になった。

 

 

そして砲弾に背を向けた直後、背中に凄まじい衝撃が走った。

 

 

「うっ!!」

背中に猛烈な熱さと何かが刺さる感触が走る。

「「「「「加賀さん!!」」」」」

みんなの叫び声が聞こえ、それと同時に体全身に力が入らなくなる。

倒れるかと思いきや、暁が後ろから支えてくれる。

「何やってるのよ!?何で私なんかを庇ったの!?私が食らってたら貴方は大破しなくて済んだのに・・・」

暁は目に涙を浮かべながら言ってくる。

「だって・・・あなたは・・・私の・・・優秀な・・・子だから・・・」

私は何とか声を出し、撃沈寸前の身体で手を何とか動かし、暁を撫でる。

暁はさらに目を潤し、涙を流した・・・。

 

良かった・・・この子は小破で済んで・・・。

 

そして他の子達も私の周りに集まり、私を支える。

「あなた・・・達・・・そんなに・・・密集すると・・・」

「何言ってるのよ!?自力航行できないのにどうやって戻るって言うの!?」

「でも・・・あなた達が・・・狙われる・・・わよ・・・私を・・・置いていって・・・」

「何言ってるのです!?みんなで戻るのです!呉でみんな待ってるのです!こんな所で終わりたくないのです!」

この子達だけでも逃がしたいのに・・・本当にこの子達は優しい・・・。

その時、深海凄艦の重巡が、こっちに砲を向けてきた。

 

「「「「「「ー!!ー」」」」」」

 

私たちはその砲身の穴を見つめたまま、固まった。

距離は30mくらいしか離れていない。

こんな距離で当たったら、私は間違いなく撃沈・・・もしかしたら駆逐艦でも怪しい所・・・。

せめてこの子達だけでも逃がしてあげたいのに・・・。

 

しかし問題の駆逐艦の子達は怯えたまま、離れる所か、私にくっついて来た。

そんなにくっついたら余計に被害が増えてしまう・・・

 

 

そしてついに重巡の砲から砲弾が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発射されず、重巡が爆発した・・・。

「「「「「「え?」」」」」」

 

何が起こっているか分からず思わず唖然としていた。

そんな中で、重巡や駆逐艦は次々と爆発し、撃沈されていった。

 

「・・・増援・・・ぽい?」

「分からないのです・・・でも周りには何もいないのです・・・」

「最新兵器?」

「違うと・・・思う・・・」

「・・・ハラショー・・・」

私はただ呆然としていた。

何が起こったかまだ理解できていない・・・。

 

「取り敢えず・・・助かった・・・ぽい?・・・・!」

しかし、ギリギリ生きていた深海凄艦の重巡が、最後の力を振り絞って砲をこっちに向けて撃ってきた。

深海凄艦はそのまま力尽きたが、砲弾はこっちに向かってくる・・・

距離は100m位離れてはいたが、今の私が食らって平気では済まない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそ・・・終わりかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし次の瞬間、砲弾は目の前で爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー 海上自衛隊 第0護衛艦隊 タイガーシャーク いそゆき ーーー

 

現場海域に着くと、丁度目の前で、女の子たちが殺されそうになっていた。

そんな光景を目の辺りにして、僕はじっとしていられなかった。

 

ふと、こんごう兄貴の方に目をやった。

 

都合良くか、目が合った。

そして兄貴はコクリと頷いた。

『一発で仕留めろ』

兄貴は目でそう言っている気がした。

 

 

僕はそっと単装砲を構えた。

FCSは砲弾の軌道を予測し、既にスタンバイしていた。

敵が撃った瞬間、そっとトリガーを引いた。

オート・メラーラ社製62口径76m単装砲が火を噴き、薬莢を吐き捨てる。

宣言通り、撃ったのは一発だけだった。

弾丸は吸い込まれるように、敵の砲弾を射抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして女の子たちの前で盛大に爆発した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




留めさすのおまえかよ!って思った人・・・

いいじゃないですか!

因みに僕は護衛艦の中では一番いそゆきが好きでした!(退役しちゃったけど・・・)

と言うわけで次回はついに接触です!


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第3話 接触(コンタクト)

ツイ●ターをはじめてみたが使い方が今一分からんままもう2ヶ月放置している・・・
もう3ヶ月目に突入じゃぁ・・・
そして部活が社畜並にハードスケジュール・・・






はぁ・・・やれやれだぜ・・・


ーー大和国海軍 呉鎮守府所属 第三艦隊ーー

~加賀Side~

私はまだ目の前で起こった事が理解出来ていなかった。

私たちがもう駄目だと思った時、突然目の前にいた5隻の深海凄艦が突然爆発し、轟沈した。

最初は相手の弾薬庫で爆発が起こってそれが原因で沈んだのかと思ったけどそれにしては出来すぎている。

増援かと思ったけど周囲には私たち以外味方はいなかった。

そして、沈みかけての深海凄艦が放った砲弾が私たち目掛けて降ってきた時、今度こそ駄目かと思ったわ・・・。

でもどう言う訳か、その砲弾は私の目の前で何かに当たって爆発した。

私にはもう何が何だか分からないわ・・・。

 

 

 

「加賀さん!南方向より感ありなのです!距離は30km先なのです!」

「あ!ほんとだ!数は・・・なにこれ・・・分からないわ・・・」

「ちょっとぉ!分からないって何よ!」

「もうちょっと正確に情報が・・・!」

「「「「!?」」」」」

少女達が揉め合っていると、突然海中から何かが飛び出してきた。

真っ黒な船体に、鯨のようにスラッとした上に、申し分程度の司令塔(セイル)がついた儀装を背中に着けた何かが姿を現した。

そして少女達は何よりも、その浮上してきた人物の顔を見て驚いていた。

「あぁ~!やっぱり海上はいいぜぇ~空気うめぇ!!」

「「「「「「だ、だだだだだだ男性(なのです)(ぽい)!?」」」」」」

海面から出てきた少年は、大きく息を吸いながら、少女達を見た。

少女達は海面から突然現れたその少年をただただ驚きながら見ていた。

その少年の司令塔(セイル)には白い文字で「501」と書かれていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    第3話    接触(コンタクト)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~そうりゅうSide~

「あ・・・あなたは・・・何者・・・なの・・・?」

「ん?・・・・っておいおい!お前大丈夫か!?」

少女達に抱きかかえられ、体全身がボロボロになった女性が死にそうな声で話しかけてきた。

おいおい、まじかよ・・・。

見た感じ、出血が酷いな・・・。

「ちょっとそこのえぇっとぉ~・・・茶髪のお前!」

「は、はいなのです!」

俺は女性の一番傷が酷い箇所の近くにいた茶髪の少女を指差した。

その少女は怯えるように大きな声で返事した。

「ちょっとどいてもらえるか?」

俺は口角を引きつらせながら少女に話しかけた(だって子供苦手だし・・・)

「は、はいなのですぅぅぅっ!」

少女は慌てて退くと、俺は酷い患部を見た。

「こりゃひでぇな・・・相当刺さってるぜ」

「あ、あなたは・・・一体・・・」

「俺は日本国海上自衛隊、第0護衛艦隊所属 そうりゅうだ」

俺は応急処置をしながら彼女に言った。

「か、海上・・・自衛・・隊?」

「日本国なのですか?」

「そうだ。知らねぇか?」

「はい・・・そのような組織・・・聞いたことも・・・無いです・・・」

全員聞いたことも無ぇ見たいな顔してるぜ・・・困ったな。

「そうか。あと数分で仲間が来る」

「もしかしてそれって、あれのことかい?」

そう言って銀髪の少女が指差した方向には俺の仲間たちがいた。

「そうだ。あれが俺の仲間たち、第0艦隊だ」

そういえば俺こんな適当な身分偽ってるけど・・・大丈夫か?

俺は口裏を合わせるべく、コンタクトレンズ型の端末でメールを作ってこんごうに送った。

 

 

~~こんごうSide~~

「目標地点まであと100m」

「了解・・・ん?そうりゅうからメール?」

「なんや?なんかあったんかい」

「読んでみて?」

「あぁ。『こんごう。俺たちの所属は取り敢えず海上自衛隊第0艦隊所属って事で伝えました・・・まじすまん』だって」

「なんやそんな事かい!」

「はぁ・・・捕まったのかと思って心臓止まるかと思ったよ・・・」

「ま、何はともあれ、接触には成功したみたいだな」

かがは、合流地点で手を振っているそうりゅうに手を振り返した。

 

 

 

ーー取り敢えず現場着ーー

「俺は海上自衛隊第0艦隊旗艦、こんごうだ」

「同じく第0艦隊所属 かがだ」

「わいはいかづちや」

「僕はいそゆき」

現場に着いた俺たちはまず自己紹介をした。

かがは空母の装備を身につけた女を治療しながら名乗った。

しかし、女たちは名前を聞くなり驚いた顔をしていた。

「し、信じられないわ」

「雷ちゃんと同じ名前なのです」

「すごいっぽい・・・」

「あと金剛さんと同じ名前だわ・・・」

「ハラショー・・・」

どうやら俺たちの名前とかぶっている艦でもいたのだろう。

すると空母の装備をつけた女性が名乗ってきた。

「私は・・・大和国、海軍、呉鎮守府、第3艦隊所属、加賀・・・」

何?・・・加賀だと?・・・。

「てことはあんたは旧日本海軍の正規空母の・・・」

「はい・・・」

「俺と同じ名前だ・・・」

かが(護衛艦)は、女性が自分と同じ名前を名乗った事に驚いていた。

「そういえば私も貴方と同じ名前よ?」

そう言っていかづちを指差して言ったのは茶髪の八重歯が特徴的な少女だった。

「となると嬢ちゃんもいかづちって名前なんか?」

「そうよ。私は雷。かみなりじゃないわ」

「分かってるわそんぐらい!」

「そう、ならいいわ!」

雷は嬉しそうに笑った。

しかしいかづち(護衛艦)は複雑な表情を浮かべていた。

 

そして一通り自己紹介の様なものを終え、全員の名前を知った。

 

駆逐艦 雷(気が強そうな奴)・電(気が弱そうな奴)・響(銀髪)・暁(レディー)・夕立(ぽい)

空母 加賀

 

大体特徴で覚える事にした。

 

「所であなた達の航行目的は何なの?」

雷の質問で、空気が重くなった。

「航行目的か・・・無いな」

「無いね」

「んなもんあらへん」

「無いな」

「うんうん」

「え?どう言う事?」

俺たちの回答に雷は眉をひそめた。

「じゃぁあなた達は何故この海域を航行していたの?」

「さぁな?・・・何故俺たちがここに居るのかすら分からないな?」

「?・・・どう言う事なのです?」

電は首を傾げながら聞いてきた。

「俺たちは目を覚ますとこの海の上に居た。突然にね」

「そして理由も自分の位置も分からずこの海を彷徨っていた。そして死にそうになっていたお前たちに逢った」

すると暁が死にそうに反応した。

「死にそうって・・・」

「事実俺たちが介入していないと死んでいた」

「うっ・・・それは」

「ちょっそうりゅう!何でそんな喧嘩ごしなんや!柔らかくせんかい!」

「俺は事実を言ったまでだ」

「まぁせやけどさぁ・・・もうちょっと柔らかくせんか?」

「俺は笑顔が苦手なんだ・・・」

そうりゅうといかづちはそうりゅうのしゃべり方で何やら話していた。

「取り敢えず俺たちには帰る宛ても無ければ行く宛ても無い漂流者って訳だ」

「因みに目覚める前は何処に居たの?」

雷はなおも不審そうな目で俺たちを見ていた。

「さぁな・・・俺たちも分からない・・・何もかもが突然だった・・・」

実際は俺たちは覚えているが、当然その内容はどう取っても信憑性に欠ける。

だから疑われるのも無理は無いか。

「まぁなんや。死に欠けのあんたらを何とかあんたらの基地まで送り届けるわ」

「何故なのです?」

「あほ言え!あんたらどっからどう見てもボロボロやないか!そんなんで戦ったら死んでまうで!」

「だから僕たちが基地まで護衛するよ!無いよりは良いでしょ?」

いそゆきが「ね?」と言わんばかりにこっちを見てきた。

「はぁ・・・それはそっちに聞いてやれ」

そう言って電達の方を見た。

すると何やら加賀の周りに集まって何やら話している。

 

暫くしてこっちを向いた。

「そうね。あなた達にはどっち道私たちの鎮守府に来て貰うことになるわ」

「ん?どうゆう事や?」

「どっち道っていったよね?」

「そうなのです」

「だってあなた達・・・」

 

そう言うと駆逐艦の小娘たちは一斉に砲身をこちらに向けた。

 

 

「「「「「不審艦だから(なのです)(ぽい)」」」」」

 

 

その瞬間、俺たちは反射的に両手を頭より上に上げ、武装にロックをかけた。

 

 

 

 

「な、なぁそうりゅう・・・俺たち囲まれてもうたんちゃうん?」

「そのようだな・・・・」

「完全に僕達敵だと思われてるよこれ・・・」

「仕方ないぜ。俺達が彼女たちの立場だったら同じ事してただろうな」

「違いねぇ」

 

 

こうして俺たちは海軍に捕らわれてしまった・・・・

 

 

 

 

はぁ、やれやれだぜ・・・




つかまっちゃった・・・テヘ!(Byいそゆき)

ノリと勢いだけでよく分からないクロスオーバー作品(クソ作)を描き始めたのと部活多忙で更新がた~いへん遅れました。お許しを。
クソ作品書かずにこっち書けよって思った人・・・後で体育館裏に・・・

私の謝罪会見を開きます・・・(そんな大げさな・・・Byいかづち)


では次回!囚われの彼らの運命は・・・お楽しみに!!


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第4話 鎮守府

や・・・休みをくれぇ・・・ガクッ


とある世界の広い洋上にボロボロの6人の少女達が海面を滑走していた。

そして6人の少女に囲まれる5人の男たち・・・

しかし、男たちは少女達から砲を向けられていて、どういう状況か分からない。

なぜこうなったのやら・・・

 

 

 

 

 

~数時間前(こんごうside)~

「あなた達には今から鎮守府に来てもらうわ」

「逮捕、みたいな感じか?」

「そうね。そんなところかしら」

「俺らを捕まえてどうするんだ?」

「分からないのです。そのまま逮捕って事もあるのですが・・・」

すると俺ら5人はごくりと唾を飲んだ。

「まぁその先は私達が決める訳じゃないからわからないわ」

「取り敢えず付いてくるのです」

俺たちは6人に囲まれ、彼女らの鎮守府に向けて移動し始めた。

「なぁ、彼女らのトップの人間ってどんな人だろう?」

かがは不安を隠しきれないっと言った表情で俺に聞いてきた。

「さぁな・・・話が通じる人だと良いんだが」

「話が通じない人だったらどうしよう・・・」

「考えたくもないわ・・・」

不安そうないかづちといそゆきを煽るようにそうりゅうが言った。

「研究所に連れて行かれて実験材料にされるとか・・・」

「「ひぃ!」」

「ちょっ、やめんかい!ビビったやないか!」

「無くも無い話を言ったまでだ」

俺達が捕まった身であるにも関わらず、後ろの4人はガヤガヤと騒いでいた。

 

 全く・・・少しは緊張感を持って貰いたいものだ・・・。

 

 

そんな空気のまま航行すること1時間・・・

 

 

「あれ、レーダーに感あり。Unknow目標5、方位060、距離60km」

ふとかがが呟く様に言った。

俺もレーダーを見ると、確かに5つの光点が表示されていた。

しかし、まだ距離が十分あり、目視では見える距離では無い。

「ほんまや。まだだいぶ離れてるけど、こいつら俺らの前横切って行くコースやけどこのままやと数十分後に接触するで!」

「そもそもUnknowとなると・・・敵かもしれないぞ?」

「敵だった場合厄介だ。確認を取ろう」

俺はそう言って前を航行していた雷に話しかけた。

「雷、お前たちの仲間で今日この辺りを航行している奴っているか?」

「うん?・・・たぶん居ないわ。どうしてそんな事聞くの?」

「3時方向から5隻の艦が接近しているだろ?」

すると雷はキョロキョロ辺りを見回した。

バッカ、目視じゃまだ見えるわけ無いだろ。

「どこよ?」

「目視で見えるわけねぇだろ」

「はぁ?大体その艦隊との距離は?」

「距離58kmだ」

それを聞いた他の娘達も驚いていた。

一体お前らどんなレーダー積んでるんだ・・・。

「え・・・58km?」

「信じられないのです」

「本気で言ってるのそれ?」

「ハラショー」

明らかに信用されてないな・・・。

「あぁそうだ。あと数十分で目視距離に入るが、それまでに敵か味方か知りたいのだが・・・」

「・・・ねぇ、あなたの電探が壊れてるんじゃないの?」

電探・・・レーダーの事か?

腹立つな・・・最新鋭艦舐めんな!。

俺はイラつく心を抑えて何とか平常心を保つ。

「壊れてないな。他の奴らも探知してるからな」

そう言うと、いかづちがこちらにグーサインを出した。

「えっと・・・じゃぁ・・・深海凄艦が迫っているって事?」

顔を真っ青にした暁が震えながら聞いてきた。

「・・・取り敢えず東に針路変更よ!」

「「「「了解((なのです)ぽい)!」」」」

 

こうして何とか難を逃れることが出来た。

 

そしてそれから数時間後・・・

 

俺たちは、娘達の基地(鎮守府)があると言う小さな島に着いた。

その頃には日はとっくに落ちており、灯台の明かりが少し眩しかった。

 

俺たちはそのまま港内に侵入していった。

港内はレンガ造りの建物が多く、外灯はガス灯ばかりであった。

「なんや古めかしいな・・・」

「どうやら艦だけでは無く、科学技術も第二次世界大戦レベルのようだ・・・」

「技術開発が遅れているのか?」

「さぁね?もしかしたら年号も昭和だったりして・・・」

そうこうしている内に桟橋が見えてきた。

桟橋には古い軍服に銃を装備した男の姿や、セーラー服や巫女服を纏った女共がヒソヒソ話しながらこちらを見ていた。

・・・ッチ、鬱陶しい・・・。

はたまたイラッとくる心をねじ伏せながら平常心を保った。

その後俺たちはスロープを使って上陸した。

そして、スロープを昇り切ったところにある倉庫に誘導された。

倉庫に入ると前に居る娘共と同じ様な装備が沢山置いてあった。

俺たちは奥へ奥へと誘導され、一番奥にある分厚い鉄扉で隔たれた部屋へと誘導された。

そして雷がこちらへひらりと振り返って言った。

「じゃぁここで艤装を外して」

俺たちは素直に艤装を外した。

だって全員銃向けられてるんだもん・・・。

「外したら私に付いて来て。今から提督のところに案内するわ」

「提督?」

「そう。私たちの頼れる上司。そして優しいお母さんみたいな存在よ」

・・・男じゃないの?」

「男じゃないわよ」

しまった・・・声に出ていた・・・。

そして後ろの4人はこの状況を死んだ魚の様な目で飲み込んでいた。

後ろの四人には銃口を頭の後ろ10cmくらいの所から向けられている為、ヘマを仕出かすと命は無いも同然だ。

・・・可愛そうに・・・。

 

そして俺たちは木製の建物に入り、木で出来た床をコツコツと歩きながら、ただただこの後の待っているであろう拷問について考えていた。

そしてこんな運命に逢わせた女神に何発叩き込もうか考えていた。

そうしている内に、提督が居るという部屋に着いた。

「ここが提督の部屋よ。提督、入るわよ」

雷はドアをノックし、入った。

そして俺たちも後に続いた。

 

 

 

 

中に入ると真っ先に目に入ったのは、よく校長室で見かけるようなデスク。

そしてそのデスクの手前にフカフカのソファが置かれており、ソファに挟まれるようにガラス張りの背の低い机が置いてあった。

 

そして何より目を引かれたのは、窓際に立ち、背中をこちらに向け、白の軍服に身を纏い、軍帽の隙間から黒い後ろ髪を垂らし、白い手袋をつけた手を後ろで組んだ女性の姿だった。

やがてその女性は俺達(後ろの兵士含む)全員が部屋に入った事を感じ取った様にくるりと俺たちの方に向き、俺たちの方へ歩いてきた。

(どうでもいい事だが俺は気づけば仲間の4人に2:2で挟まれていた・・・つまりセンター)

整った顔立ちに、何処と無い幼いその顔はまだ中学生か高校生くらいに見える。

俺よりも5cm位小さいその身長の割には豊かな胸部装甲・・・。

そして、吸い込まれそうなその黒い瞳は、人を魅了するだけの力がありそうな気がした。

 

俺は生まれて初めて人を見て美人だと思った・・・。

 

やがてその女性は、少し釣りあがったほんのり赤みがかった唇を動かした。

 

 

 

 

「やぁ諸君。大和国海軍呉鎮守府へようこそ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、心の底から「え?」って思った・・・

 

 

 

 

 

 




最後の方からこんごう君のお口が悪くなっていってるよぉぉぉ!
(うっせぇな!喧しいぞ耕作!)
はいぃ!すみません!

というわけで次回、連れて来られたこんごう君たちはどうなるのでしょうか?


気長にお待ちください!




では!


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5話 契約

お久しぶりですぅー!
ようやく投稿できました!
一体ドンだけ放置するんだろうって思った方、ごめんなさい!


ーーー執務室ーーー

「まぁ取り敢えず掛けたまえ」

俺たちは提督に促され、ソファーに腰掛けた。

その際、他の兵士は雷だけを残して出て行った。

兵士たちが出て行くのを確認すると、提督は話し始めた。

「さて、自己紹介がまだだったね?私は大和国海軍呉鎮守府提督、那須龍子(なすりゅうこ)だ。よろしく」

そう言って手を差し出してきた。

これは俺たちも挨拶せねば・・・。

「日本国海上自衛隊第0護衛艦隊所属護衛艦こんごうだ」

そう言って提督と握手を交わす。

「同じく第0護衛艦隊所属護衛艦かがです」

「かがくんだね?よろしく」

「同じく第0護衛艦隊所属いかづちや」

「いかづち君だね?君は関西弁なんだね」

「出身が関西やからね」

「同じく第0護衛艦隊所属いそゆきです」

「いそゆき君だね?君は・・・女?」

「違います!」

「同じく第0護衛艦隊潜水艦そうりゅう」

「そうりゅう君だね?よろしく」

「・・・」

全員と挨拶と握手を交わすと、さてとと呟いた。

「君達には聞きたいことがいくつもある。まず君たちの所属だ。どこなんだい日本国って?」

「俺たちの居た世界の国だ」

「居た世界?」

するといかづちが入ってきた。

「せや。簡単には信用して貰われへんのは承知の上や。やけどわいらにとっては紛れも無い事実なんや。どうか聞くだけ聞いてほしいんや」

 

 

そうして俺たちの経緯を一部それっぽく誤魔化しつつ、説明した。

1.俺たちの居た世界の歴史。日本の歴史。自衛隊の発足そして彼女たちがつけている装備は第二次世界大戦時、日本が造った艦の装備に酷似していること。

2.そして俺たちは自衛隊の艦だったことにして艦隊で航行中にハリケーンにあったことにした。

3.目覚めたらこの世界にいて、人間の形になっていて内蔵もろもろも人間と同じ・・・でも男。

4.雷たちの艦隊にあって助けた。

 

 

「そうか・・・そんなことが逢ったのか」

(ほんまに信じ込んでるやん)

(さすがかがだ)

(ちょっと前に読んでいた2次小説にこんな感じのシチュエーションがあったからな・・・その世界とここまで類似しているとはな・・・)

(ちょっと何言ってるか分からんが結果オーライだ・・・)

(すごいよかが!)

何とかかがのでっち上げでうまく誤魔化せてしまったことに俺たちは関心していた。

「つまり君達はこの世界のことを知らないって事だな?」

「そうだな。今の西暦、年号日付、時間もおよそ、現在地も怪しい所だ」

「情報も曖昧だしな」

「成程・・・では今度はこっちのことを教えないとね」

そう言って提督はこっちの世界の話をしてくれた。

 

 

1.今は1960年10月25日20:23であること

2.まず第2次世界大戦が起こらなかった事と、その代わり深海凄艦が出現したこと。

3.それによって日本近海の島が侵食され、アメリカが半分壊滅し、ヨーロッパを残してユーラシア大陸が侵食された。それ以外の国の安否は確認できていない。

4.そこで大和国は打開策を模索し始めた。そこで大和国各地に奇妙な力と記憶を持って生まれてきた少女達と妖精の話が出てきて、彼女たちを招集し彼女たちの力を元に、彼女たち専用の武器を与えた。それが艦娘である。

5.彼女たちは期待以上の活躍を見せ、見事壊滅寸前の日本近海の島々を取り戻した。

 

「とまぁこんな感じだ」

「つまり今世界は大変なことになってるってことやな?」

「そうだね。そこで君達にお願いがある」

俺たちは話の流れで大体分かってしまった。

(断る理由は無ぇな)

(知ってた)

(あんたがこう言う頼み事を断った試し無いしな)

(だね!)

(全力でいくぜ)

「どうか私たちに「いいぞ」・・・え?」

「どうせ俺たちに力を貸してほしいとでも頼むつもりだったんだろ?ならばオーケーだ」

すると龍子は涙を流し始めた。

「瀕死状態のこの世界を、傷付くあの子達を救ってくれるの!?」

するとそれにかがが応えた。

「当たり前だ。俺たちは護衛艦だ。国を守る為なら全力で戦おう。そして必ず生きて帰る」

(うわぁ。かが厨二病発動してるやん)

内心いかづちが突っ込んだ。

「ただし条件がある」

「はい!なんでも!」

「余程の事が無い限り、俺たち5人は一つのチームとして扱ってくれ」

「つまり一つの艦隊として扱えって事ね?」

「そうなるな。ただし、俺たち5人一緒だったらどんな組み方をしてくれても構わない。あと俺たちの武器は特別扱いで、情報は慎重に扱ってくれ。出来れば誰にも見られたくない」

「分かりました。では、あなた方はこれから、大和国の所属ということになりますがよろしいですか?」

「構わない」

そう言って、4人を確認すると4人ともうなずいた。

「わかりました。では改めて・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそ!呉鎮守府へ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はちょっと短めです!

また近いうちにあげると思います!






では!


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第6話 戦力評価

さぁーて続きあげま・・・
「おいてめぇ、しばらく何処に行ってた?」(127mmチラチラ)
「まさか忘れてたんとちゃうわなぁ?」(76mmチラチラ)
え、えぇ、ま、まさかそんなことは・・・
「じゃあこの空白の期間は?」(アスロックランチャートマホークイリクパァ)
い、いやぁー・・・色々あったの・・・
「「「「「氏ねぇ!」」」」」
ドォオオオオオオン!


ー05:00 呉鎮守府沖 -

東の空が徐々に明るくなり始め、朝の訪れを告げていた。

そして、朝日に照らされた洋上には5人の艦息(かんむす)達がいた。

中心に一人おり、それを囲むように3人、後ろを一人が付いて行くように陣形を取っていた。

先陣を切って航行するこんごうが地図を広げながら呟いた。

「フムン・・・どうやら俺たちの居た世界とは地名は一緒でもその位置や形はまるで違うな」

「そうだねぇ、なんか複雑」

地図に書かれている日本は確かに彼らが知っている日本の形はしているが、周辺の島々、近隣の国名、形状が違っていたり、国内も国内で地名地形が多少異なっていた。

「まぁ覚え直せばええやん!」

少しややこしそうないそゆきとこんごうをよそに開き直ったようにいかづちが言った。

それに便乗するかのようにかがが言った。

「そうだな、それよりも早速作戦に参加させられるとはな」

 

そう、彼らは昨日配属されて早々任務を与えられていた。

鎮守府周辺海域を警戒せよと。

 

「絶対俺たちのスペック探りだろ」

「間違いない」

「なら少し遊んでやるか?」

「いいね!やっちゃおう!」

「ご丁寧に調査するためか偵察機が後ろを飛んでるからな!やってやんよ!」

 

そう、当の偵察機は遥か彼方にいるため、気づかれていないと思っているが、彼らとは少なくとも50年の技術格差がある。そして彼らのその50年も恐ろしく早いバージョンアップが行われ、最先端技術を盛りに盛りまくった彼らである。おまけに神様補正で旧式艦も最新データリンクが使用可能になっているため、アホほどスペックアップしていた。

 

なので遠くにいる偵察機を確認するなど朝飯前なのである。

そんなこととはいざ知らず、偵察機の妖精は満面の笑みを浮かべていた。

 

「へっへっへ、まさか自分達が監視されているなんて、夢にも想うまい」

「どれ、お手並み拝見と行こうか」

 

 

 

「・・・とでも思ってるんじゃないのかな?」

そして当の彼らは、まさか自分達が思っている会話が本当に空の上で繰り広げられているとはいざ知らず、のんきに会話していた。

「絶対そんな会話してるやろな!丸見えやっちゅーに!」

「さて、敵艦隊もどんどん近づいてきてるし、俺は潜航するぞ」

「そうだな、さて俺もシーホークを3機ほど出して偵察するか」

「頼んだ」

そうりゅうは潜行し、かがはシーホークを甲板に並べて発艦させ、偵察に向かわせた。

「さて、こいつらとどう遊んでやるか」

こんごうは迫り来る艦隊をレーダー上に映る大型の1隻を中心に覆うようにして配置された大小7隻を睨みながら呟いた。

 

 

ー06:00ーーー

「そろそろ目視圏内だよー!」

いそゆきの報告にこんごうはにやりと笑った。

「了解。さて、お前たち、ダンスは好きかい?」

「おーおー、急にどうしたんや?楽しそうやんか!わしはダンス好きやでー」

「僕も好きだよー!」

いそゆきといかづちが答えた。

「俺は・・・まぁまぁかな?」

かがだけはどこか微妙な表情を浮かべた。

「そうか。まぁ無理はしないでくれ。俺たちは今、敵にものすごーく近づきすぎた。さぁ、やつらの砲弾が当たったらどうなる?」

「そりゃわしら紙装甲やからイチ殺やろうなぁ」

「そうだ。だがしかし、やらなければやられてしまう。

かといってアスロックなんか撃ったところで手の内を見せることになるし勿体ない。

となると・・・我々がとらなきゃいけない行動はただひとつ・・・」

 

するといそゆきは何かを察した顔をした。

「ま・・・まさか!」

こんごうはさらに口角を上げて鋭い八重歯を見せた。

「そう・・・我々がやることは・・・」

 

そうしていると、空中に空気を引き裂くような甲高い音が響いた。

「全員避けロォ!!」

「「ひぃ!」」

「・・・(唖然)」

寸手で全員が回避に成功し・・・

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォオオオオオオオン!!

 

 

 

 

 

戦艦級の砲弾が背後で爆発し、水柱が上がる。

「つまり我々がやるべき行動は!」

「アホやろお前・・・」

「えぇ・・・」

そして大量の砲弾が降り注ぐ。

 

「避けながら相手をこうげきするんだぁぁぁぁぁああ!!」

「アホやろあんた!」

「命がけぇ!?」

「・・・あぁ無理だぁ」

全員がもといた場所に水柱がたち、間一髪で避ける。

「各自!優秀なレーダーと射撃管制システムを信じ、主砲だけで相手を撃破すべし!なお!かがは敵艦隊の外周を回りながら回避し、航空機による火力支援を頼む!さて!レッツパーティー!」

「「了解!」」

「俺一応母艦だよね!?」

 

 

 

 

そういって波乱万丈な戦闘が始まった・・・

 

 

 

ー深海棲艦ーー

「テキガチカヅイテクル」

「タカダカ4セキダ、ソレニクウボガタンドクコウドウダ」

「テキハナニヲカンガエテイル?」

彼らのとった行動に、深海棲艦は困惑していた。

しかし、それもつかの間。

「オマエタチ、ヤレ」

その一言で、次々と砲弾をうち始めた。

 

 

ー深度50m程ー

「うっわぁあいつら何やってんだ。よかったぁ潜水艦で。にしても、潜水艦さっき倒したやつだけだったんか?雑魚かったなぁ」

そう、そうりゅうは潜行しはじめてすぐに敵の潜水艦を発見し仕留めていた。

静かなそうりゅうは敵に急接近して挑発したにも関わらず気づかれなかったため、ほぼゼロ距離で敵の潜水艦を撃破。

よって敵艦隊の真下は文字どおり、がら空きとなってしまったのである。

「さぁてと、暴れますか!」

そういってそうりゅうは、敵艦隊の中央にいる戦艦に狙いを定めた。

 

 

ー海上 かがーーー

「うわぁきたぁ!っひょいっと!あれ、案外よけれる!」

かがは、その巨体をブンブン振り回しながら回避行動をとっていた。そして相手の命中精度の悪さに驚いていた。

「まって?これ俺が上手いの?相手が下手なの?分からないなぁ、まぁいっか。スーパーコブラに・・・対戦車ミサイルでいいか。あいつら海の戦車だし。発艦!」

こうして、スーパーコブラを発艦させ、戦艦めがけて飛んでいった。

「・・・実質シーコブラのような扱いだなぁ」

そっとかがは回避行動を取りながら呟いた。

 

 

ーーこんごう、いかづち、いそゆきーーー

「さてと、お前たち!恐らくかがとそうりゅうが真ん中の戦艦を仕留めてくれる!俺たちは回りを潰すぞ!」

「「了解!」」

「撃ちまくれぇ!」

そしてこんごうたちの単装砲に炸薬弾頭が装填され、打ち出された。

打ち出された砲弾は駆逐艦目掛けて飛んでいった。

弾丸は綺麗な放物線を描きながら駆逐艦の口に飛び込み、爆発した。

さらになにやら弾薬庫のようなものに引火したらしく再び爆発し、駆逐艦三隻は沈んでいった。

「命中!やったね!」

「アホぅ!気ぃ抜いたら死ぬで!ほら踊るでぇ!」

いそゆきといかづちはくるくると回りながら弾を避けながら喜んでいた。

そして無駄口を叩きながら再び単装砲が火を吹く。

今度は雷巡と思われる艦に命中した。

しかし、命中したものの弾けてしまった。

「あれま!」

「なんやあいつ硬いやんけ」

「当たり処悪かったら弾かれるな。流石2次大戦」

三人は再びくるくると回り避けながら口々に感想を漏らした。

 

『なら支援させてもらいますぜ兄貴たち!』

 

突然無線のようなものが耳に入ってきたと同時に空からパタパタと音がした。

見上げるとそこにはスーパーコブラがいた。

「かがからの支援か。有難い」

「戦艦には戦車ミサイルってか?」

「頼んだよー」

『任せてくだせぇ!』

スーパーコブラは華麗に機銃掃射を避けつつ対空兵器を潰しながら雷巡に接近した。

 

『TOWミサイル、撃てぇ!』

 

スーパーコブラから発射されたミサイルが雷巡の腹部に命中した。

そして爆発した。

「っしゃあ!命中!」

「ありがとう!さぁてどんどん潰していこうねぇ」

そして同時に隣で二隻の軽巡が魚雷で沈んだ。

「・・・流石潜水艦だな」

「突然やからビックリするわ!」

 

戦闘開始から30分、深海凄艦の艦隊は残すところ戦艦一隻になった。

「あれ何級や?」

「さんざん気にせず暴れといて今さら敵の種類気にするの?」

「確かル級とかいうやつだな」

「へぇー。ほな行こか」

「作戦通りに、ね」

3人は残った戦艦ル級からの砲撃を雑談しながらかわし、どんどんと接近していった。

 

ーーー戦艦ル級ーーー

私は動揺していた。

今までそれなりの戦価を上げていた編成で、敵を攻めようとしていたところ、突如現れた4隻にあっという間に殲滅されてしまったのだ。

「ナ、何ナンダアイツラ。タッタ数隻ニ我が艦隊ガ敗北スルナド・・・」

そうしている内に、彼らは目の前まで迫っていた。

そして明らかに私達よりも小さな砲身をこちらに向けていた。

「ック。ソノ程度ノ豆鉄砲デ私ヲ倒セルト思ワレテイルノカ。ナメラレタモノダナ」

そしてル級は彼らに向かって火を吹いた。

しかし、至近距離にもかかわらず、華麗にかわされてしまった。

「ナンダト!?」

そして彼らが口を開く。

「そんな重武装じゃぁ、踊ることすらも難しそうだな。最も、踊る時間があればの話だったがな」

そういって彼らは、回避したことにより照準がずれた筈の砲を撃ってきた。

四方八方から小さな弾丸が降ってくる。

私にとっては痛くも痒くもない筈の弾丸だった。

 

しかしその弾丸は私に当たったどころか、見事なまでに私の弱いところを突いてきた。

そして当たって爆発し、さらに内部からも爆発した。

機関部が抉られる感触と、中から破裂するような感触。

当たったのは3発の筈なのに。

「ッガ!」

口から血が出る。

そして奇妙な音を聴いた。

まるで羽音のような軽快な音を。

見ればそこには緑色に塗装され、大きなプロペラのような物を頭で回転させている奇妙なものがいた。

「・・・小賢シイ真似ヲ」

私は奴等がどうやって私にここまでの傷を負わせたのか分かった。

そしてそのうるさいハエを叩き潰そうとしたとき、下から音が聞こえた。

何かが軽く弾けるような規則正しい音を。

状況を理解できぬまま、私は意識を飛ばした。

 

ーーーこんごう達ーーー

俺は、静かに黙祷をした。

相手は敵だ。

それでも、なにかを目的に戦っていた。

生きていた。

その事に敬意を称え黙祷した。

まぁ、少し罪悪感を誤魔化すためでもあるのかもしれないが。

 

俺が黙祷を捧げ終えると後ろで大きな水切り音がした。

見ればそうりゅうが浮上してきていた。

「敵艦に黙祷かい?」

「敵とはいえども、彼らは生きていた。生きるために戦っていた。そのことに敬意を称えていただけさ」

「単なるエゴだとは言われそうだけど、自分もそう思うから、拝んでおくか」

そういってそうりゅうは俺の横で手を合わせた。

「さて、戦闘報告しとくか」

「それならしておいたよ~」

「ありがとう」

「鎮守府から、残党おるかもしれんから回りに気ぃ付けて帰ってこいやってさ」

「了解。俺らの戦闘はどうだったか?って打っといてくれ」

「りょーかい」

そんな会話をしていると、今日のMVPが合流してきた。

ぜぇぜぇと息を切らしてはいるが、まだまだ行けそうな表情をしていた。

「まだ行けそうだな」

「・・・もう嫌だ。あんた全通甲板紙装甲の艦に恨みでもあるんか?」

半狂乱っぽくかがは言ってきた。

「あーこいつまだいけるやろ?」

「うせやろ?あんたら殺す気かぇ?」

そうは言っているが、かがは生前(今もか)無茶な要求を色々押し付けてきたが、口では言うものの何食わぬ顔して片付けてしまうのだ。

それも嬉しそうに。

そこへそうりゅうが追い討ちをかけるが如く、かがに言った

「じゃあ、まだ踊れって言われたら?」

「はぁ?やっぱりあんたら殺す気やろ?・・・はいはい分かりましたよぉ!いくらでも踊ったるけん任しときぃ!」

かがはそういって鎮守府の方へ進み始めた。

躍りながら。

「サァサァみなさん元気ですかぁ?まさかもうへばってあはるんっすかぁ?全通甲板に負けてどないするんすかぁ?さぁさぁ行っきますっすよぉー」

かがは疲れたアピールで捲し立てながら、しかし体は砲弾回避戦並みに素早く動きながら踊っている。

「何やてぇ?わいらも負けてへんでぇ」

いかづち達も躍りながら帰路についた。

全く、こいつらは変わらねぇな。

これだから、楽しくって仕方がない。

 

俺たちは、鎮守府に向けて帰るのであった・・・

しかも、かががふざけて撃ったSeaLAMが後をつけてた偵察機を落とすと言う土産話つきで・・・




はい、更新遅れて大変申し訳ございません。
気づけば卒業して新たな進路へって訳でございますわ。
みなさんすみません。
気まぐれですが、更新しますので、どうかお付き合いくださいまし・・・


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