星のカービィティンクルものがたり  (鋼の彗星)
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第1話登場人物紹介

カービィ 誕生日 4月27日 性別 男

色 ピンク

エアライドマシン ワープスター

一人称 ぼく

好きなもの トマト、スイカ、射撃

嫌いなもの 毛虫、断食

 

ご存知みんなのヒーロー。食いしん坊で食べ物に目がなく揉め事を起こすこともあるが、皆からは慕われている。ダンスが得意。食べ物のことになると頭がキレる。

普段は大体友達と遊ぶ、寝る、食べるのどれかをしている。

 

キービィ 誕生日 9月21日 性別 男

色 イエロー

エアライドマシン ロケットスター

一人称 僕

好きなもの プラモデル(特にガンプラ)、カレー、ファンタジーものの物語、ロボットアニメ

嫌いなもの こんにゃく

 

色違いカービィの代表格で、みんなで遊ぶことが好き。家では大体本を読むか、プラモデルを作っている。

 

 

アオービィ 誕生日 3月24日 性別 女

色 ソーダ

エアライドマシン フォーミュラスター

一人称 私

好きなもの カービィ、魔法使い

嫌いなもの 辛いもの、お化け

 

カービィが大好きな女の子。カービィにアタックするが、ひかえめな性格とカービィの鈍感さに空回りすることがほとんど。  

彼女の部屋の壁にはカービィのポスターが大量に貼られており、限定品やプレミア品も網羅している。

 

 

パービィ 誕生日 4月15日 性別 男

色 グレープ

エアライドマシン ルインズスター

一人称 オレサマ

好きなもの 発明、嫌がらせ、嫌われること

嫌いなもの 運動、純粋な心の持ち主、愛されること

 

カービィの友達で天才的発明家・・・なのだが、陰湿陰険な性格。丸いぐるぐる眼鏡が特徴で、人に嫌われることを好む。

プププランド経済の40%を占める大企業、PSCの創始者であり社長で、エアライドマシンや携帯通信機など数多くの発明をしている。だが発明品は基本的に自分の趣味であり、一般販売するものは全体のごくわずか。

 

アドレーヌ 誕生日 3月27日 性別 女

エアライドマシン なし

一人称 あたし

好きなもの 絵を描くこと、リンゴ

嫌いなもの 散らかった部屋

 

絵の修業に来た女の子で、描いた絵を自身の意思で実体化させる能力をもつ。カービィの友達の中ではまとめ役になることが多い。

家はウィスピーの森のプププタウン側入口。

カービィたちをあだ名で呼ぶことがある。例として、カービィをカーくん。

 

ワドルディ 誕生日 3月21日 性別 男

エアライドマシン ウィリースクーター

一人称 ボク

好きなもの カツサンド

嫌いなもの 大王の無茶苦茶な命令

 

カービィの友達。ワドルディにしては非常に珍しく言葉を喋れる。

普段はアドレーヌの家で暮らしているが、当番の週はデデデ城で生活。(デデデ城の仕事は4班が1週間ごとに交代)ワドルディ兵士の副隊長をつとめていて、頭のバンダナは彼の一番の宝物。



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第1話 ひみつきちを作ろう! 

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!


ここは、あきれかえるほど平和な国、プププランドの首都プププシティ・・・の中にある小さな町、プププタウンだ。そのはずれの原っぱでは、子供たちが今日も元気に遊んでいる。しかし・・・。

 

 

カービィ「ぽよっ!?雨が降ってきたぁー!」

ワドルディ「たいへん!たいへん!どうしよう!」

 

突然降りだした雨に、みんなは大慌て。急いで原っぱの入り口の大きな木の下へ駆け込んだ。

 

キービィ「雨だなんて聞いてないぞー!」

アオービィ「びしょびしょになっちゃったぁ・・・。」

ワドルディ「濡れたバンダナ巻くのは気持ち悪いぃ。」

アドレーヌ「あーあ、せっかく上手く描けてたのに、台無しになっちゃったわ。」

 

この雨で、みんなびしょびしょ。アドレーヌの描いていた水彩画は、濡れて滅茶苦茶になってしまった。

 

カービィ「ねぇねぇアドちゃん、他に雨宿りできる場所はないの?」

アドレーヌ「この遊び場の入り口から走ったとしても、広い公園があるし・・・、無理ね。建物にたどり着く前にびしょびしょだわ。」

キービィ「ここは広くて色んな遊びができるけど、今日みたいに雨が降るとこまるよなあ。」

ワドルディ「ここに、ボクたちだけで自由に使える家があればいいんだけどねぇ・・・。」

 

すると、アドレーヌが何かを思い付いたようだ。

 

アドレーヌ「それよ!みんなで秘密基地を作れば!」

カービィ「ひみつ・・・きち?」

アドレーヌ「雨が降っても大丈夫な基地をつくるの!テレビや本なんかも置いたら、雨の日とか暑い日でも遊べるでしょ?」

 

その提案に、みんなの顔がぱぁっと明るくなった。

 

アオービィ「賛成!今度、みんなでつくりましょう!」

キービィ「秘密基地かぁ!何だか面白そう!」

 

みんなはおおはしゃぎ。たが、ワドルディはふとあることに気がつき・・・。

 

ワドルディ「ねぇみんな。作るのはいいんだけど、材料なんかはどうするの?テレビを付けるなら、電気も必要だよ?ボクなら建物は何とかつくれるけど、電気配線のことはわからないよ?」

 

全員「「あっ・・・。」」

 

そう、みんなはいきなり困難にぶつかったのだ。建物については、デデデ大王の命令でつくったことのあるワドルディがいるので問題ないが、電気や機械の詳しい知識は、だれも知らないのだ。

 

アオービィ「困ったわね。いきなり行き詰まっちゃった。」

カービィ「コピー能力のスパークを使ったら?」

アドレーヌ「電力はいいかもしれないけど、やっぱり詳しい人に聞かなきゃ・・・。素人がやって火事にでもなったら大変だし。」

キービィ「でも、詳しい人っていったら・・・。」

 

全員「「・・・あぁー・・・。」」

 

そう、彼らの友達には天才的な発明家がいるのだ。彼の力を借りれば、立派な秘密基地が完成するだろう。

 

・・・そう。力さえ借りられれば。

 

 

翌日、みんなでその発明家の家を訪ねることになった。取り敢えず建物だけはということで、ワドルディは仲間のところへ材料と人手の確保に向かっている。

 

アオービィ「・・・着いたわね。」

キービィ「着いたね。」

アドレーヌ「・・・行かないの?」

キービィ「きみが行きなよ・・・。」

 

みんな、なかなか扉を叩こうとしない。それもそのはず。彼は確かに天才的な発明家なのだが、なかなか相手にするのがややこしいのだ。

 

 

 

 

???「(ガチャ)ケッケッケー!おいお前。今の説明修正がひつようなんじゃねぇのかぁ?」

キービィ「・・・誰にいってんの?パービィ?」

 

何やら怪しいセリフと共に登場した彼こそ、天才科学者にしてプププランドの大企業、PSC(パービィサイエンスカンパニー)の社長のパービィだ。

 

パービィ「チッ・・・まあいい。んで、何の用があって来たんだ?」

キービィ「僕たち秘密基地をつくるんだ。だから」

パービィ「協力してほしいと?生憎だが、オレサマは誰かのためだけに動く奴じゃねぇんだ。」

 

カービィ「お願いだよぉー、パービィも自由に使っていいんだからさぁー。」

パービィ「ヤだね。もうちっと誠意ってもんをみせてもらわないと」

アドレーヌ「その辺にしたらどう?みんなこうしてちゃんと頼みにきてるんだから・・・。」

 

アドレーヌは少しイラッときたようで、口調を少し強めてパービィにちかづく。

 

パービィ「・・・しゃあねぇな。これ以上からかってると後が怖そうだから、やってやるよ。ケケッ!」

カービィ「やったぁ!!」

 

カービィは大喜び。じつは以前、パービィはアドレーヌの逆鱗にふれてしまい、そのせいでアドレーヌに強く出られなくなっているのだがカービィたちの知るよしもない。

 

すると、カービィの携帯通信機が鳴った。ワドルディから連絡がきたようだ。

 

カービィ「あっ、ワドルディ聞いて聞いてっ!パービィが協力してくれるって!」

ワドルディ『よかったぁ!こっちも仲間のワドルディが協力してくれるよ。材料もあつめてくれるって!明日みんなで集まろう!それじゃあ!』

 

その電話を聞いたみんなは、どんな基地をつくるか考えるべくそれぞれウキウキと家に帰って行った。

 

パービィ「・・・へぇ、オレサマの発明品もそこそこ役に立ってんだな。さぁて、あいつらがどんな無理難題言ってくるかわかんねぇし、準備するとするか。」

 

 

 

 

 

翌日、原っぱにみんなが集まった。それぞれがどんな秘密基地にしたいかを考えてきたのだ。

 

キービィ「僕は、冒険者たちが集う酒場みたいなのがいいな!酒場みたいなのがあって、みんなで食事したり、掲示板があって、事件とかの貼り紙をしたり・・・!」

 

冒険やファンタジー好きのキービィは、冒険モノに出てくるギルドを参考にしたようだ。

 

アオービィ「私はカービィといっしょなら、どんなレイアウトでもいいよ。」

 

そういいながら、アオービィはカービィをちらっと見た。どうやら、カービィといっしょの空間にいられるだけで彼女はしあわせらしい。さて、当のカービィは・・・。

 

カービィ「ぼくはー、遊びながら美味しいものをたべたいなー!」

 

花より団子、いや、色気より食い気のようだ。

 

 

パービィ「・・・勿論、オレサマの第2研究所も忘れずにな。」

 

アドレーヌ「またろくでもない研究に使われそうね・・・。まぁいいわ。協力してもらってる訳だし。」

 

ワドルディ「材料はたくさんあるから、みんなの希望にそった基地ができそうだよ。」

 

アドレーヌ「・・・よしっできた!」

 

アドレーヌはそう言うと、スケッチブックに描いていたものをみんなにみせた。それは、みんなの希望を余すことなく盛り込んだ秘密基地のイメージだった。

 

(パービィをのぞく)全員「「おぉーっ!」」

 

キービィ「すごい!この通りなら、みんなでおもいっきりあそべるよ!」

アオービィ「早速つくりましょう!」

カービィ「絶対、すっごい基地をつくるよっ!」

全員『おぉーっ!』

 

みんなは完成予想図におおはしゃぎだ。

パービィも地下室に自身専用の部屋を構えられるということで、不気味な笑い顔がさらに不気味になっている。

 

ワドルディは仲間のワドルディと材料を運んできた。どれも丈夫で長持ちしそうな素材だ。

 

キービィ「よし!組み立てなら任せてよ!」

ワドルディ「カービィたちは、家具の注文とかをしておいて!」

パービィ「外観は大まかでいぃぜぇ~。あとはPSC(ウチ)でアップデートしていく。」

 

カービィ「上手くできるかなぁ。わくわく。」

 

 

 

 

 

 

それから一週間後、ついに秘密基地が完成した。

 

アオービィ「広ーい!」

ワドルディ「壁には耐久性に優れたものを使ったから、例えコピー能力でもそう簡単には壊れないよ!」

 

パービィ「さらに、頼めば一品百デデンで飲み物がなんでも(酒を除く)出てくるマシンや、高性能アンテナを搭載。おまけに大画面テレビがはっきり観られるぜぇ~。さらにさらに、あんな機能やこんな機能も・・・。ま、使ってくうちに追々わかるよなぁ。ケッケッケー!」

 

アドレーヌ「これなら、雨の日でも大丈夫だし、遊びのバリエーションが増えるわね!」

キービィ「よーし!今日は何して遊ぶ?」

 

こうして、立派な秘密基地が完成。みんなの夢が詰まった基地で、カービィたちの楽しい時間が今日も始まるのだった。

 

 

おしまい

 

 



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第2話 カービィは名探偵!?前編

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!


ここはあきれかえるほど平和な町、プププタウン。

子供たちは出来たばかりの秘密基地で、今日も楽しく過ごしている。

 

カービィ「ここは快適で過ごしやすいなぁ。いっそのこと、ここに引っ越そうかなぁー。」

???「だめですよカービィさん。ここはみんなの秘密基地なんですから。」

 

カービィに声をかけたのは、ピンクの髪に紅いリボンが可愛らしい妖精の女の子。リップルスターの妖精、リボンだ。以前カービィたちに星を救ってもらい、それ以来ポップスターに遊びに来るようになったのだ。

 

アドレーヌ「そうよカーくん。あなたがここに住み着いたら、食べ物や飲み物がなくなっちゃうわ。」

カービィ「アドちゃんまでぇ~?僕が見境なく物を食べ尽くす悪魔に見えるー?」

 

全員「「見えるっ!」」

 

そう。ご存じの通り、カービィは食べるのが大好き。そこに食べ物があれば、大体全部平らげてしまう。それが原因でもめ事に巻き込まれることもしばしば・・・とは言うものの、時計は3時のチャイムをならそうかという時間。みんなも小腹がすいてきた時間のようだ。

 

カービィ「おなかすいたぁ~!」

ワドルディ「持ってきたサンドイッチはもう食べちゃったし・・・。」

アオービィ「たまには、どこか美味しいレストランで食事をしたいわ。」

キービィ「そんなお金ないよ。僕なんて、昨日お店でかっこいいプラモデル見つけて買っちゃったから、もう500デデンくらいしかない。」

 

みんな、この空腹をどうすることもできずにいた。カービィに至っては、腹の虫で歌い出す始末だ。

 

その腹の虫の歌が盛り上がりかけたころ、基地の扉ががちゃりとひらいて、剣を携えた大きい目玉が特徴的な、ワドルドゥ隊長が現れた。手にはいくつもの封筒が握られている。

 

ワドルドゥ「失礼いたします。ここだと聞いたもので。」

ワドルディ「隊長、どうしたんですか?まさか、勝手にここに秘密基地を建てたのが問題に・・・?」

ワドルドゥ「いえ。実は・・・(this is channelDDD!)・・・テレビを見た方が早いようで。」

 

ワドルドゥが説明しようとしたその頃、テレビチャンネルのひとつ、チャンネルDDDの明るい音楽が鳴り始めた。どうやらニュース番組らしい。

 

アナウンサー「えー、いよいよ今夜、デデデ城において、デデデ陛下が招待客をお招きしての、大食事パーティを開催するでゲース!招待された者は、招待状をわすれずに持参のもと、デデデ城正門に集まるでゲース!」

 

カービィ「食事会だってぇ!?」

 

真っ先に食いついたのはやはりカービィ。

 

アドレーヌ「でも、招待状がないと参加できないみたいね?」

リボン「私たち、招待状もってないから、いけないですね。今夜はお城に入れません。」

カービィ「あぁぁぁー。ごちそうたべたいよぉーっ。」

 

全員「「残念・・・。」」

ワドルドゥ「そこでであります!」

 

ワドルドゥの一言に、落ち込みムード漂うみんなは弱々しく振り向いた。

 

ワドルドゥ「さるお方から、人数分の招待状を渡すよう頼まれたのであります。ただし、『カービィが他のお客様に迷惑をかけないこと』という条件付きでありま・・・」

カービィ「かけないかけないかけないからぁ!!その招待状ぼくたちに頂戴!」

 

カービィは必死だ。

 

ワドルドゥ「・・・わかったであります!では、これを持って夜6時に正門にあつまること。招待状がないと、お城には入れないであります!そして、迷惑をかけようものなら、我々がなにがなんでもつまみだすであります!」

 

カービィ「よっしゃあ!パーティに乗り込むぞぉ!!」

全員『おぉーっ!!!』

 

ワドルドゥ「大丈夫でありますかなぁ・・・?(ヒソヒソ)」

ワドルディ「なんとかがんばってみます。(ヒソヒソ)」

 

みんなは早速、夜のパーティにむけた準備のために家へ帰っていった。

 

 

そして夜6時。招待状を持ってきた大人気のアイドルや話題の作家など、大勢の人々で正門の前はごった返していた。

 

カービィ「うわぁー・・・、有名な人がたくさんだぁ!」

ワドルディ「さすが大王さま主催のパーティ。国の内外問わずいろんな方を招待されたみたいだね。」

アドレーヌ「いい?こんな大勢の前で、すいこみとかマナーの悪い行動は絶対だめよ?特にカーくん!」

カービィ「わかってるよぉ・・・。」

 

リボン「あれっ?アオービィさんは?」

 

そう、もうすぐ門が開く時間だというのに、アオービィの姿がなかった。何かあったのかと心配するカービィたち。すると・・・。

 

キィィィィィン・・・!

 

高いエンジンの音がかすかに聞こえた。アオービィのエアライドマシン、フォーミュラスターだ。

 

アオービィ「遅れてごめんなさーい!修理に出したマシンを引き取ってたらおそくなっちゃったー!」

 

こうして、なんとか間に合ったアオービィ、その時、上がっていた城のつり橋がぎぃぃっとたおれた。パーティ会場の用意ができたのだ。

 

 

会場にはいると、そこはカービィにとって夢の世界。たくさんのテーブルに、一流シェフによってつくられたたくさんの料理。そのひとつひとつに、職人のこだわりが感じられる。

 

カービィ「すっごぉーい!あのお寿司をみて!きらきらかがやいて、まるで宝石みたいだよ!うわぁ!この食材なんて、手に入れるのも料理するのも大変な食材だよ!すごいや!こんな料理を作れるシェフに会ってみたいな!」

 

その時、会場のステージにデデデ大王がやってきた。

 

デデデ「あー、集まってくれた招待客の皆様、我がデデデ城へようこそお!知ってのとおり、ワシがこの城の主、デデデ大王ぞい!今夜は、とびっきりのごちそうを用意した!存分に楽しむがよいぞい!」

 

デデデの登場に、参加者からは拍手がおくられた。

 

デデデ「そしてぇ!今夜並んだこの料理!これらを作ったシェフの長、料理長こそ!かの有名なシェフ、ミスターコックンぞい!」

 

招待客「「おぉぉーっ!!」」

 

デデデに紹介され、拍手でステージに招かれたのは、プププランドだけでなく、世界、いや、宇宙的に有名な全宇宙レストラン協会の理事、コックンだ。

 

コックン「ご紹介いただきました、コックンです。今日は、シェフ一同喜んで頂きたい一心で料理を作りました!どうぞ、ご堪能ください!」

 

シェフの挨拶に、カービィは大喜び。コックンを知らないアドレーヌたちも、コックンに対し拍手を贈った。

 

そして食事が始まり、みんなは普段食べられない豪華で心のこもった料理に舌鼓をうった。いつもならすいこみで丸のみにしてしまうカービィも、一口一口、しっかり噛み締めながらたべている。するとそこへ、だれかが追加の料理を持ってきたが、カービィを見るとびっくりして詰め寄ってきた。

 

???「!?カービィ!お前がどうしてここにいるでゲスかっ!まさか、パーティの料理を独り占めにするために潜り込んだでゲスね!?」

 

カービィ「モグモグ誤解だよエスカルゴン。モグモグ僕たちちゃあんとモグモグ招待状をもらってきたんだよ。ゴックン」

エスカルゴン「食いながらしゃべるな!」

 

アドレーヌ「本当よ。それに勝手に入れるほど、チェックは甘くなかったわ。」

エスカルゴン「むう・・・わかったでゲス!しかしワドルディ!妙な真似をしたらつまみ出すでゲスぞ!」

ワドルディ「はっ!こころえております!」

 

エスカルゴン「しっかし誰がカービィなんか・・・」

???「私が彼らに招待状をおくりました。」

 

そういって現れたのは、仮面をつけたマントの騎士、メタナイト。手にはいつもの剣ではなく、パフェをもっている。どうやら甘党らしい。

 

エスカルゴン「げっ、メタナイト!」

メタナイト「招待状は、誰に渡しても構わないとのことでしたので、」

エスカルゴン「・・・ケッ、わかったでゲス!どうぞ、パーティをおたのしみくださーい!ふぅんだ!」

 

エスカルゴンはふてくされて戻っていった。彼はカービィのことが気に入らないのだ。

 

キービィ「助かったぜメタナイト。」

アオービィ「危うく料理がまずくなるとこだったわ。」

メタナイト「礼にはおよばん。・・・ところで、気がつかないか?」

 

全員「「え?」」

 

みんなは周りを見渡してみた。すると、シェフや会場スタッフたちが慌ただしく走り回っている。他の客はまだ気づいていないらしい。

 

カービィ「お料理が間に合わないのかな?」

アオービィ「おかしいわ。それならシェフが走ってる訳がない。シェフは厨房で料理を作るはずよ?」

メタナイト「先程スタッフの会話を耳にしたのだが、どうやら料理長や一部の客が行方不明になっているらしい。」

 

みんな「「えぇっ!?」」

 

カービィ「ぽよ?そういえばリボンちゃんは?リボンちゃんがいないよ!」

アオービィ「リボンちゃんなら、アイドル仲間の人たちといっしょにいたわよ?」

 

キービィ「すみません。リボンちゃんをみていませんか?」

 

キービィはアイドルの客に話を聞く。

 

アイドル客1「貴方もリボンちゃんを探しているの?実は、トイレに行くって行ったきり帰ってこなくて・・・。」

アイドル客2「トイレを探したんだけど、どこにもいなかったの。」

 

どうやら、行方不明の客とはリボンのことらしい。

それに料理長が消えたとあっては、シェフたちも落ち着いて料理できるわけもないだろう。

 

メタナイト「スタッフとしてはパーティに影響が出ぬように、なるべく客に気づかれずに解決したいらしいのだが、自由に動ける者がいないらしい。そこでだ。君たちに調査を頼みたい。仲間を見つけるためにも力を貸してくれないか?」

 

キービィ「もちろんだよ!リボンちゃんやシェフが心配だ!」

ワドルディ「万が一誰かにさらわれたとしたら、二人があぶないよ!」

カービィ「ようし、リボンちゃんとおいしい料理・・・じゃなかった。料理長さんのためにも、絶対に二人をみつけるよ!」

 

こうして、パーティの最中に起こった行方不明事件解決のため、カービィたちは捜査に乗り出した。タイムリミットは、パーティがお開きになるまでのあと3時間。果たして、彼らはこの事件を解決できるのだろうか?

 

まず、手分けしての聞き込みがはじまった。子供たちはスタッフやシェフから、メタナイトは、城の警備活動の一環と称して、参加者からそれとなく不審な人やものがなかったか聞いてまわった。

 

そして20分後、みんなはそれぞれ得た情報を共有するために中庭へ集まっていた。

 

ワドルディ「入口をはじめ、各場所の警備係に聞いたんだけど、人の出入りはなかったって。」

キービィ「シェフに聞いたんだけど、コックンが消えたときに厨房に紙切れがおちてたらしい。『料理長は預かった』って書いてたみたい。」

 

アドレーヌ「じゃあ誘拐・・・?リボンちゃんは?」

キービィ「たぶん、その現場を見ちゃって、いっしょに・・・」

アオービィ「そんな・・・。」

ワドルディ「おかしいな。誘拐なら、身代金の要求とかが来るはずだよね?そんな報告は無かったよ。」

 

カービィ「お客さんは、会場のホールとトイレとバルコニー、中庭しかはいれないみたい。お客様は他の場所へはいけませんってスタッフさんがいってたよ。」

 

アドレーヌ「じゃあ、犯人はスタッフのなかに?」

カービィ「多分そうなんじゃない?ちょっと、あやしいスタッフがいなかったかきいてくるね!」

ワドルディ「あっ、カービィ!・・・なんか今日のカービィ、いつもと雰囲気違うなぁ。」

アオービィ「友達と食べ物が絡んでるから張り切ってるのね・・・。メタナイトは?」

ワドルディ「パフェでもたべてたりして。」

アオービィ「流石にそれは・・・。」

 

そのころメタナイトは、呑気にパフェをたべてゆったり・・・するわけもなく、怪しい場所を探したり、スタッフから聞き込みをしたりしていた。

果たして、料理長とリボンは無事なのか?

 

後編へつづく

 



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第3話 カービィは名探偵!?後編

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!



前回のあらすじ

 

デデデ城で開かれるパーティに参加したカービィたち。だが、パーティの途中でリボンちゃんと料理長のコックンさんが誘拐されてしまった。二人を助けるために、カービィたちは調査を開始。パーティ終了までに事件を解決できるのか・・・?

 

 

 

カービィ「ちょっと、あやしいスタッフがいなかったかきいてくるね!」

 

カービィはそう言って走っていった。会場には、招待状をもった招待客やスタッフしか入れないらしい。誰かが招待客やスタッフに成りすまして潜入したのではと考えたようだ。

 

スタッフ1「・・・いえ、招待客は、全員本人確認を行っております。お客様が別人に成りすますことはできません。」

カービィ「じゃあ、スタッフは?シェフはどう?」

スタッフ1「・・・・・。」

 

突然、スタッフたちは黙りこんでしまった。皆険しい顔をしている。

 

カービィ 「・・・どうしたの?」

 

スタッフ2「申し訳ありません!お客様はチェックしたのですが、我々スタッフは・・・チェックを行っておりませんでした」

 

スタッフ3「人数確認はしたのですが・・・本人かどうかまでは・・・」

 

カービィ「え?ちょっと待って。人数は合ってたの?」

スタッフ1「は、はい!確かに人数に間違いはございません。」

カービィ「うーん・・・。ありがとう。ちょっといってくるよ!」

 

カービィは再び走り出した。向かった先は厨房。料理はすでに作り終わっており、何人かのシェフが洗い物や飲み物の支度をしている。

 

シェフ「・・・え?いなくなったシェフがいないかって?」

 

カービィ「うん、料理長さんのほかに、ふらっと消えちゃったシェフなんだけど。」

シェフ2「うーん、わからないなぁー。ごめんな、力になれなくて。」

 

するとその時、1人のスタッフが駆け込んできた。

 

スタッフ「大変です!さらわれた料理長とお客様が、発見されました!城の医務室で保護されています!」

 

カービィ「何だって!?」

 

大急ぎで医務室に駆け込むカービィ。そこには、さらわれていた料理長とリボン、そしてキービィを初めカービィの友達が集まっていた。

 

コックン「すみません、心配をおかけしました。偶然部屋のカギが開いていたので、この子をつれて逃げてきたんです。」

リボン「料理長さんが誰かにさらわれるところを見てしまって・・・そこからはよく覚えてません。」

アドレーヌ「でも、二人とも無事で良かった!」

 

キービィ「・・・あれ?大王は?」

エスカルゴン「陛下なら、酔いがまわってお休みでゲス。」

 

メタナイト「ふむ。・・・しかし妙だ。犯人はいったいなぜ部屋にカギをかけなかった?」

コックン「おそらく動揺していたんでしょう。スタッフからカギをスっても、そのカギをかけるのをわすれるなんて。まあ、お陰で助かりました。」

 

カービィ「・・・あれ?」

 

みんなが和やかになりつつある中、カービィはある違和感を覚えた。そっとその場をはなれ、さっきとは別のシェフに話を聞く。

 

シェフ「ん?いなくなったシェフ?・・・そういえば、細目のやつがいないなぁ、どこ行った?」

見習いシェフ「あれ、いつの間に、騒ぎになる前は確かにいたのに・・・?」

 

カービィ「細目のシェフ・・・?」

 

続いて向かったのは、ワドルドゥのところ。

 

ワドルドゥ「お二人が発見された場所?あぁ、食糧倉庫でありますか。そこなら警察がくるまでの現場保存のため、見張りをつけてるであります。当然、その見張りも中には入らせていないであります!」

 

カービィ「やっぱりそうだ!もしかして・・・!」

ワドルドゥ「え?」

カービィ「ワドルドゥ、部屋の中をみせてよ。」

ワドルドゥ「・・・えぇ?」

 

それから10分後、城の会議室にキービィたちやスタッフ、コックンやメタナイトらが集められた。

 

カービィ「みんな、事件のしんそーがわかったよ!」

ワドルディ「えっ!?まさか、犯人が分かったの?」

 

カービィ「うん、犯人はね・・・。コックンさん、あなただよ!」

 

みんな「「えぇーっ!?」」

 

コックン「ぬひょっ!?ちょ、ちょっと待ちたまえ。私は拐われた被害者だよ。なぜわたしが犯人なのだ?」

 

カービィ「確かにコックンさんは被害者だよ。本物のコックンさんはね。」

アドレーヌ「・・?カーくん、つまりどういうこと?」

 

カービィ「今ここにいるコックンさんは、偽物だよ!」

 

みんな「「えぇーっ!!?」」

 

カービィ「パーティの挨拶が終わったコックンさんは、シェフに紛れて潜入した偽シェフにつかまったんだ。シェフの人数は合ってたみたいだから、本物のシェフはどこかに捕まってるんだとおもうよ。そして、誰にもバレずに会場を出るには、コックンさんに成り済ます必要があるんだ。そして、自分を本物と思い込ませるために、いっしょに捕まる証人が必要だった。そこで選ばれたのが、偶然見られちゃったリボンちゃんだったんだよ。」

アドレーヌ「ひどい・・・。」

 

コックン?「きみ、ちょっと待ちたまえ。証拠は、わたしが偽物だという証拠があるのか?」

キービィ「そうだよカービィ。証拠がなきゃ、犯人とは言えないよ。」

 

カービィ「その変装を剥がしちゃえばいいんだけど、そうじゃなくても、ぼくはあなたがコックンさんじゃないってことを証明できるよ。」

 

コックン?「なんだって?」

 

カービィ「それは、たばこの臭いだよ!」

コックン?「・・・!?」

カービィ「コックンさんはね、雑誌の取材に、『舌が命の料理人にたばこは厳禁。だから、レストラン協会のスタッフはみんなたばこを吸ってはいけない決まりになってる』って答えてるよ。確かに、全宇宙レストラン協会の人はたばこ厳禁なんだ。

・・・それなのに、コックンさんからたばこの臭いがするのはおかしいよね?」

メタナイト「どうなのかな?ミスターコックン?」

 

詰め寄るメタナイト。しかし、彼もまた真相を大体把握しているようだ。仮面の下からははっきりとした眼差しがみえる。

 

カービィ「あとついでにもうひとつ。(パチン!)」

 

カービィが指を鳴らした(鳴らす指があるのかと言ってはいけない)。それを合図に入ってきたのは、先程保護された正真正銘のコックンだった。食糧貯蔵庫の中につかまっていたのをカービィが発見したのだ。

広くて薄暗い倉庫の奥の方に捕まっていたので、入口付近に捕まっていたリボンちゃんやスタッフたちは気がつかなかったのだ。

 

コックン「全てこの子のいうとおりだ。さあ、あきらめたまえ。私のレシピ本は、皆様に美味しい料理を食べてもらうためにあるのだ。君のような、お金儲けのためだけに使うものではない。さあ、返したまえ。」

 

コックン?「ぐぬぬぅ・・・上手く行ったとおもったのに、ええぃ!(バッ!)」

 

偽コックンは遂にその正体をあらわした。それは、プププランドにて数々の盗みをはたらき、指名手配がかかっている大泥棒、タックだった。タックはレシピ本を盗み、闇のルートで高く売り付けるつもりだったらしい。

 

タック「ぬっひょっひょ。ばれちゃあしょうがねぇ。だがこのレシピ本はわたさねぇ!」ガシャーン

 

タックはそう言うと窓を叩き割り、さらに煙玉をつかって逃げ出した。流石のメタナイトもタックの素早い動きに反応が遅れてしまう。

 

キービィ「ごほっげほっ!しまった、逃げられた!」

 

タックは外に止めてあった車に乗り込み、城門を強行突破してしまった。幸い客や兵士にケガはなかったが、タックはどんどん城からとおざかっていく。

 

ワドルディ「たいへん!たいへん!どうしよう!」

 

カービィ「・・・そうだ!メタナイト、剣をかして!アオービィはマシンのカギ!」

 

そう言うとカービィは、メタナイトの鞘から剣を、アオービィからフォーミュラスターのカギを奪い取るようにうけとり、(剣に関してはメタナイトの抵抗こそなかったものの、完全に奪い取っている。)アオービィのマシンにまたがった。アオービィのエアライドマシン、フォーミュラスターは直線コースのスピードに優れたマシン。これでタックを追いかけるのだ。

カービィをのせたフォーミュラスターは、ものすごいスピードで発進し、タックを追いかけどんどん加速していく。

あっという間に、カービィの姿は見えなくなってしまった。

 

アオービィ「大丈夫かな?・・・カービィ。」

メタナイト「フッ。彼なら心配いらないだろう。」

 

 

タック「・・・ぬひょっ!?もう追い付いて来やがった!くそう!もうすぐプププシティ行きの高速だってのに!」

 

カービィ「待てぇタック!それはみんなに笑顔をあたえる本なんだ!きみなんかにわたさないよ!」

タック「いいのか?そんな剣なんざ使っちまって。大事な大事なこいつも真っ二つだひょー!」

 

タックはそう言うと、レシピ本をひらひらとさせる。

 

カービィ「本は斬らない!くらえ!『ギャラクシア・ソードビーム』!」

 

カービィの渾身の一撃は凄まじい速さで正確に車だけを斬り裂いた。流石は数々の危機からみんなを救った星の戦士といったところだろう。

 

タック「ぬひょひょー!?レシピ本がぁー、お宝がぁ~!」

 

タックがレシピ本を離してしまった。カービィは占めたとばかりに本をキャッチ。その後タックは、駆けつけた警官に逮捕された。

カービィもスピード違反で捕まりそうになったが、後にメタナイトが事情を説明。おとがめはなかった。

 

星のカービィが事件を解決。その一報は瞬く間に話題となり、カービィとその仲間たちの活躍は沢山の人に称えられた。

そして後日。コックンからお礼として、カービィたちにご馳走が振る舞われたのだった。

 

おしまい



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登場人物紹介

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
登場するメインキャラを全て紹介しています。ネタバレがお嫌いな方はご注意ください。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




カービィ 誕生日 4月27日 性別 男

色 ピンク

エアライドマシン ワープスター

一人称 ぼく

好きなもの トマト、スイカ、射撃

嫌いなもの 毛虫、断食

 

ご存知みんなのヒーロー。食いしん坊で食べ物に目がなく揉め事を起こすこともあるが、皆からは慕われている。ダンスが得意。食べ物のことになると頭がキレる。

普段は大体友達と遊ぶ、寝る、食べるのどれかをしている。 

 

 

キービィ 誕生日 9月21日 性別 男

色 イエロー

エアライドマシン ロケットスター

一人称 僕

好きなもの プラモデル、カレー、ファンタジー、ロボットアニメ

嫌いなもの こんにゃく

 

色違いカービィの代表格で、みんなで遊ぶことが好き。家では大体本を読むか、プラモデルを作っている。

一方的にアカービィのライバルにされ、時々仕方なく勝負に付き合っている。

とある有名キャラクターが大好きで、真似をする時の声色は本物そっくり。

 

レービィ 誕生日 9月21日 性別 女

色 レモン色

エアライドマシン ロケットスター

一人称 私

好きなもの キービィ、プラモデル

嫌いなもの 嵐の日の夜

 

キービィの2つ年下の妹。兄であるキービィが大好き。その思いは他人から見れば兄妹愛以上であり、キービィを困らせることが多いが自覚はない。

 

 

アオービィ 誕生日 3月24日 性別 女

色 ソーダ

エアライドマシン フォーミュラスター

一人称 私

好きなもの カービィ、魔法 

嫌いなもの 辛いもの、お化け

 

カービィが大好きな女の子。カービィにアタックするが、ひかえめな性格とカービィの鈍感さに空回りすることがほとんど。  

彼女の部屋の壁にはカービィのポスターが大量に貼られており、限定品やプレミア品も網羅している。

 

 

パービィ 誕生日 4月15日 性別 男

色 グレープ

エアライドマシン ルインズスター

一人称 オレサマ

好きなもの 発明、嫌がらせ、嫌われること

嫌いなもの 運動、純粋な心の持ち主、愛されること

 

カービィの友達で天才的発明家なのだが、陰湿陰険な性格。丸いぐるぐる眼鏡が特徴で、人に嫌われることを好む。

プププランド経済の40%を占める大企業PSCの創始者であり社長で、エアライドマシンや携帯通信機など数多くの発明をしている。だが発明品は基本的に自分の趣味であり、一般販売するものは全体のごくわずか。

 

 

アドレーヌ 誕生日 3月27日 性別 女

エアライドマシン なし

一人称 あたし

好きなもの 絵を描くこと、リンゴ

嫌いなもの 散らかった部屋

 

絵の修業に来た女の子で、描いた絵を自身の意思で実体化させる能力をもつ。

カービィの友達の中ではまとめ役になることが多い。

家はウィスピーの森のプププタウン側入口。

カービィたちをあだ名で呼ぶことがある。例として、カービィをカーくん。

 

 

ワドルディ 誕生日 3月21日 性別 男

エアライドマシン ウィリースクーター

一人称 ボク

好きなもの カツサンド

嫌いなもの 大王の無茶苦茶な命令

 

カービィの友達。ワドルディにしては非常に珍しく言葉を喋れる。普段はアドレーヌの家で暮らしているが、当番の週はデデデ城で生活。(デデデ城の仕事は4班が1週間ごとに交代)ワドルディ兵士の副隊長をつとめる。 

頭のバンダナは彼の一番の宝物。 

 

 

ワド吉 誕生日 3月21日 性別 男

エアライドマシン ジェットスター

一人称 僕

好きなもの 剣術、料理、カツサンド

嫌いなもの 大王の無茶苦茶な命令

 

ワドルディの弟。デデデ城に仕えるワドルディのなかでは唯一の剣の使い手。以前はメタナイトの下で剣を習っていた。

愛用の剣はメタナイトからもらったもので、いつも頭にゴーグルを着けている。

休みの日はレストランカワサキでアルバイトをしており、彼が店にいる日は料理が不味くない。 

 

 

リボン 誕生日 不明 性別 女

エアライドマシン なし

一人称 私

好きなもの カービィたちと過ごすこと

嫌いなもの 暗い場所

 

リップルスターに住む妖精。最近はよくポップスターに遊びに来る。 

プププランドでアイドルのスカウトを受け、かなりの人気者。

リップルスターを救う旅の一件で出会ったカービィやアドレーヌを尊敬している。 

 

 

ミービィ 誕生日 4月1日 性別 男

色 グリーン

エアライドマシン スリックスター

一人称 オイラ

好きなもの ジョーク、面白いもの

嫌いなもの まじめなこと

 

カービィの友達。まじめなことは苦手だが、悪いやつじゃない。冗談が大好き。

 

 

アカービィ 誕生日 10月15日 性別 男

色 レッド

エアライドマシン ワゴンスター

一人称 俺

好きなもの 運動、歌うこと

嫌いなもの 勉強、反抗されること

 

典型的なガキ大将。彼の歌声はカービィを大きく上回る(パービィ曰く1時間も歌えばポップスターが滅ぶ)ほどの破壊力。

キービィを勝手にライバル視している。

自分勝手な性格で皆に疎まれているが、本当に必要なときは助けてくれるので完全に憎む者はいない。

 

 

シービィ 誕生日 1月1日 性別 男

色 スノウ

エアライドマシン ウィリーバイク

一人称 俺

好きなもの 勉強、しらたき

嫌いなもの ふざけること、甘ったるいスイーツ

 

天才的頭脳の持ち主。運動もできる。黒渕の四角いメガネが特徴で、アドレーヌと共にまとめ役になることが多い。

銀河戦士連盟などから協力要請がくることがあり、連盟での階級は中佐。

(連盟にはカービィも名誉戦士として名前があり、彼は大尉。)

 

 

シャドウ 誕生日 4月27日 性別 男

色 シャドウ(シャドーカービィ)

エアライドマシン デビルスター

一人称 オレ

好きなもの いたずら

嫌いなもの トマト

 

鏡の世界のカービィ。鏡の国の一件でカービィたちと共闘した。

普段は鏡の世界にいるが、ときどきプププランドに遊びに来る。

イタズラ好きでアカービィとよくつるんでいる。

 

 

シノビィ 誕生日 11月10日 性別 女

色 ラベンダー

エアライドマシン ウイングスター

一人称 私

好きなもの 忍者修行、友達

嫌いなもの 悪い行いを平気でする人

 

カービィに仕える忍。ある理由でカービィに助けられて以来、彼を慕っている。言動や知識に少し時代錯誤な部分がある。

 

 

チェリービィ 誕生日 5月3日 性別 女

色 チェリー

エアライドマシン フライトワープスター

一人称 私

好きなもの 記者としての活動、人間観察

嫌いなもの 〆切に追われること

 

カービィの友達。

新聞や雑誌に調べたことを記事として発表しているが、大体が不定期更新になっている。

 



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第4話 ワドルディのバンダナ

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!


ここは、プププタウンの隣にある、あきれかえるほど平和な村ププビレッジ。そのはずれにあるドーム型の家が、カービィの家だ。

この日、カービィはアオービィを招いてお菓子をたべていた。

 

カービィ「おいしい!やっぱりアオービィの手作りクッキーは最高だね!」

アオービィ「ほんと?ふふっ、嬉しいな。今度はもっとたくさん作ってくるね!」

 

大好きなカービィに喜んでもらえて、アオービィは幸せそうだ。すると、だれかが家の扉を叩いた。

 

ワドルディ『カービィ、いるー?(ガチャ)』

 

カービィ「あ、ワドルディ、いらっしゃい!今、アオービィの手作りクッキーを食べてたんだ。」

アオービィ「よかったら、いっしょにどう?」

ワドルディ「あ、ありがとう。でも、えーと、邪魔じゃないかな?」

カービィ「え?なんで?」

アオービィ「そんなことないよ。」

 

カービィとの二人きりの時間を邪魔してはいけないと思ったワドルディだが、アオービィは快く迎えてくれた。

ワドルディは、頭に巻いたバンダナを解いて座った。

 

アオービィ「そういえば、いつもそれを巻いてるよね?」

ワドルディ「このバンダナのこと?うん、ボクの宝物なんだ。」

アオービィ「綺麗な生地・・・、肌触りもよさそうね。どこで手に入れたの?」

ワドルディ「そっか、アオービィは知らなかったね、このバンダナはね・・・」

 

ワドルディは、ゆっくりと話し始めた。

 

 

※これから話すお話は、ワドルディ本人の解釈でお送りいたします。

 

 

 

・・・これは、ボクがリボンちゃんの星を救うために星々に散らばったクリスタルをカービィたちと集めながら旅をした時のおはなし。

 

ボクたち5人は、ブルブルスターっていう、寒くて工業が発展した星を訪れたんだ。デパートを訪れたとき、自由行動になったからみんなで見てまわったんだ。

 

リボン「主人公さんが負けてしまいます!」

デデデ大王「どわっはっは!リボンちゃんはわかっとらんぞい!ヒーローとは大体ここから盛り返すものぞい!」

カービィ「そうだよ!がんばれーなんとかマンー!」

 

みんなでテレビを観たり、

 

カービィ「なんか美味しそうな香り!」

アドレーヌ「カーくん、売り物なんだから、たべちゃだめよ?」

カービィ「わかってるよぉー!」

みんな「あはははは!」

 

冗談を言ったり、

 

デデデ大王「おぉ!このハンマー、超カッコいいぞい!」

ワドルディ「お似合いです!大王様!」

アドレーヌ「だんな、ハンマー選ぶのに1時間かかってるわよ・・・。」

 

品物を見て回ったりと楽しい時間をすごしてたんだ。

でも、ボクはなにもしなかったんだ。急に旅に合流することになって準備をあまりしてなかったのと、大王様にハンマー代としていくらかお金を貸した(徴収された)おかげで、お財布がすっからかんになっちゃったんだ。

 

そんなとき、旅に役立ちそうなものをみんなで探すことになったんだ。アドレーヌは絵の具やキャンバス。カービィはドリンクやキャンディーにマキシムトマト。リボンちゃんは傷薬や包帯なんかを買ったんだけど・・・。

 

デデデ大王「おいワドルディ。あの食糧を買い占めるぞい!」

ワドルディ「大王さま・・・ボクのお金はさっきハンマー代に全て使ってしまいました。」

デデデ大王「何だと?それではワシらは飢え死にか!?どうしてくれるぞい!?」

カービィ「落ち着いてよ大王。アドレーヌが描いてくれるから食べ物は大丈夫だよ。」

デデデ大王「ん?・・・おぉそうか。すっかり忘れておったぞい!どぅあはははは!」

 

大王さまは笑って歩いて行ったけど、ボクはなんだかしょんぼり。こんなことなら、お金をもっと持ってくればよかった。そう思ってたとき、アドレーヌが声をかけてくれたんだ。

 

アドレーヌ「ワドルディ、あなたは何も買わないの?」

ワドルディ「お金がないんだ。」

カービィ「お金なら、ぼくやアドちゃんが出してあげるよ!ねっ?」

アドレーヌ「えぇ、あなたの欲しいものをさがしましょ!」

 

それで、ボクは何か身につけるものがほしくて服屋さんに行ったんだ。そこで見つけたのがこの青いバンダナ。

 

ワドルディ「うわぁぁ。綺麗だなあ・・・。」

 

陳列棚に飾られていた真っ青なバンダナに、ボクは釘付けになった。

 

カービィ「それがいいの?」

アドレーヌ「えっと、値段は、どれどれ・・・。」

 

アドレーヌが値札を見ようとしたとき、スーツを着たお店の人がやって来て、説明をしてくれたんだ。

 

店主「お客様お目が高い。こちら、一部の星にのみ生息する特殊な綿を使っておりまして、優しい肌触りと何年も使える耐久性やはっ水性にすぐれた一品となっております。因みにお値段ですが、・・・。」

 

店主は分かりやすく説明をすると、値札を見せてきた。その値段なんと・・・。デデンに換算して2万デデン。

 

ワドルディ「た、高い・・・!カービィ、アドレーヌ、やっぱりやめ「「これ、下さい!」・・・えぇっ!?」

店主「かしこまりました。」

 

こんなに高いバンダナなのに、カービィたちはボクにバンダナを買ってくれたんだ。

 

ワドルディ「どうして?」

カービィ「大王があんな高いハンマー買ったんだもん。ワドルディだって、たまには贅沢したってバチはあたらないよ!」

アドレーヌ「それに、あなたのように喋ることのできるワドルディには一目でそれと分かる目印があれば便利じゃない?」

 

そう、ボクたちワドルディは、基本的に言葉を喋ることができない。思い出してみると、確かに大王さまが『喋れるワドルディはどこぞぉーい!』といってたことがよくあった。それが一目でわかるのはボクも助かるし、何よりボクのためにあんな高いものを買ってくれたのが、とても嬉しかった。

 

 

 

 

 

アオービィ「・・・へぇー、そんなことがあったんだ。」

ワドルディ「うん。旅を終えてプププタウンにかえってから、バンダナを巻くようになったんだ。」

 

アオービィが話を聞くなか、カービィは恥ずかしそうにクッキーをかじっていたが、ふっと思い出したように

 

カービィ「モグモグそういえばさぁ、」

ワドルディ「?」

カービィ「ワドルディって、初めてバンダナ巻いた日に公園で嬉しそうにおどってたんだけどさあ、」

ワドルディ「ギクッ。」

 

カービィ「モグモグ大勢の前でつまづいてずっこけて笑われたんじゃなかったっけ?ゴックン」

 

アオービィ「そうなの?」

ワドルディ「・・・もう、カービィのいじわる!思い出したくなかったのにー!」

カービィ「(キャッキャッ)わーい!ワドルディがおこったー!」

 

家を飛び出し追いかけっこが始まった。カービィを追いかけるワドルディの頭には、今日も手入れの行き届いた綺麗なバンダナが巻かれているのだった。

 

おしまい



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第5話 プププタウンごみ一掃作戦!

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!


ある秋晴れの日、今日はプププタウンをあげての清掃活動が実施される日だ。本来プププタウンはとても綺麗な町なのだが、最近はマナーの悪い人によるごみのポイ捨てが問題になっており、ポイ捨ての啓発や清掃活動が頻繁に行われるようになったのだ。

そして、どうやらいつもの彼らも清掃活動に参加するようで・・・

 

アドレーヌ「さあみんな!張り切って掃除にゴミ拾いやっていきましょ!」

 

パービィ「ケッ 何でこのオレサマが、外に出てバカといっしょにゴミ拾いなんざしなきゃいけねぇんだ?」

 

めったに外に出てこないパービィまでも参加しているが、どうやらカービィやアドレーヌたちに無理矢理引きずり出されたようだ。

 

シービィ「お前は会社の社長だろ?企業は利益の追求だけじゃなく、環境保全に協力する必要があるというのはお前も知ってるだろ?」

 

パービィ「ケッケッ わざわざ無駄に手を動かさずとも、オレサマの発明品で掃除なんかちょちょいのちょいだぜぇ?」

ミービィ「ほんとぉ~?」

 

そう言ってパービィがどこからともなく出してきたのは、ラジコン戦闘機のようなメカだった。

 

パービィ「パンパカパーン!ゴミ殲滅戦闘機~。」

 

・・・某猫型ロボット風の取り出し方である。

 

パービィ「こいつは、設定範囲内にあるゴミをひとつ残らずミサイルで木っ端微塵にしちまう優れもんだぜぇ~。ポチッと!」

 

パービィがスイッチを押すと、メカは勢いよく空へ飛び上がり、小型ミサイルでゴミを攻撃しはじめた。

だが、爆発でゴミが細かくなって広い範囲に散らばり、よけいに周りがよごれてしまった。

 

ミービィ「あらら~。」

アカービィ「手間増やしてんじゃねぇ!」

 

パービィにアカービィの跳び蹴りが炸裂。さらに、これは危ないと感じたカービィが小石を投げてメカを撃ち落とした。メカで楽をしようというパービィの作戦は失敗に終わり、発明品の残骸はごみ袋送りとなった。

 

 

 

気を取り直しゴミ拾いを再開するカービィたち。タバコの吸い殻や空き缶などのポイ捨ての代表格はさることながら、コンビニの近くではカップ麺の容器におしぼりの袋や割りばし、本屋の駐車場には本を包む透明なフィルムなど、場所によってゴミの種類に変化があることが分かった。シービィはそのデータを余すことなくメモ帳に記していく。今後の対策に役立てるためだ。

先程は楽をしてサボろうとしていたパービィも、アドレーヌに睨まれて渋々ゴミ拾いをしている。そしていつしか、カービィが握っていた大きなゴミ袋はゴミでいっぱいになっていた。

 

 

一息つこうと、公園で休むことになった。パービィは待ってましたとばかりにベンチに腰かけると、どこからともなく出してきたノートパソコンをつつき始めた。しばらく休んでいると、難しい顔をしてアカービィが口を開いた。

 

アカービィ「なあ、ゴミがポイ捨てされると、どんな影響があるんだ?確かに、町が汚いのは気に入らないけどよ。」

シービィ「・・・例えば、食べ物のゴミが捨てられた場合。まず悪臭が問題になるだろ?そしてその臭いに釣られ、ハエや蚊がたかる。また、山からやって来た野生の動物がポイ捨てされたゴミのたまり場を見つけ、味をしめて頻繁にやってくるようになる。・・・ゴミひとつで、大きな問題になることもあるのさ。」

ミービィ「こんなときにもお勉強~?・・・でも、ごみが自然にすごい影響を与えることもあるんだね~。」

 

ポップスターから遠く離れた地球でも海に漂うゴミを食べてしまったウミガメなどの生物が死んでしまったり、マンホールにタバコの吸い殻をつっこみ、内部に溜まったガスに引火して爆発を起こしてしまったといった事案がある。

 

ワドルディ「・・・あっ、ごみが一杯だね。回収していくよ。」

カービィ「ワドルディ!」

 

いつもの青いバンダナのワドルディと、2人のワドルディ兵士がリヤカーを引いてやって来た。リヤカーにはごみ袋がいくつか載っている。

 

アカービィ「ようワドルディ!お前もゴミ拾いか?」

 

ワドルディ「うん。ボクたちお城のワドルディは、町を回って一杯になったごみ袋を回収してるんだ。・・・よし、これをリヤカーに積んで!」

ワドルディ兵士「わぎゃっ!」

 

1人のワドルディ兵士はビシッと敬礼すると、カービィの持っていたごみ袋をリヤカーに積み、代わりに新品のごみ袋をカービィに渡した。そして、3人のワドルディはリヤカーを引いて次の回収に向かっていった。

 

その数時間後にゴミ拾いが一段落ついたため、カービィたち参加者たちは掃き掃除をすることになった。

カービィは支給されたホウキをすいこみ、クリーンのコピー能力を手に入れた。不思議なホウキでゴミを消滅させたり、仲間との連携次第ではぞうきんがけや水撒き、ホウキで空を飛ぶといったこともできてしまう、見掛けによらず多芸な能力だ。

 

クリーンカービィたちの活躍により、町はすっかり綺麗になった。

 

カービィ「ふぅーっ、やっと綺麗になった。」

アドレーヌ「お疲れ様!」

アカービィ「よし、今日は俺の奢りでラーメンでも食べに行こうぜ!」

カービィ「珍しい!アカービィ太っ腹!」

ミービィ「やったね~。」

ワドルディ「パービィもいっしょにどう?・・・パービィはどこ?」

 

辺りを見渡したがパービィの姿はどこにもなかった。あるのは積まれたゴミ袋の山。よく見ると、ゴミの山の手前にメモがおちていた。

 

ワドルディ「なんだろ?」

 

罠だった。ワドルディがメモをひろうと、くっついていたタコ糸が引っ張られ、ゴミの山がワドルディたちめがけて崩壊した。なんとか脱出はしたものの、ゴミの袋が散らばってそこらじゅうにころがっている。

 

アカービィ「・・・なんだってんだ!」

シービィ「どう考えても人為的なものだな。」

カービィ「あれ?ワドルディが拾ったメモは?」

 

ミービィ「えっと何々~?『やっぱ面倒なんでぬけるわ。最後に素敵な素敵なアトラクションを用意しといたんで、せいぜい楽しみな。ケッケッケー!』・・・だって。」

 

アドレーヌ「・・・あのムラサキメガネぇーー!」

 

その後、みんなは散らばったごみ袋を片付けた。

後日、パービィがアドレーヌやアカービィたちに殴られたのは言うまでもない。

 

おしまい     



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第6話 開幕!第二回グランプリレース!

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




ある日、チャンネルDDDで一本のニュースが報じられた。

 

ワドルドゥ『チャンネルDDDより、臨時ニュースのお知らせだ。

発表する!本日、デデデ陛下は第二回プププグランプリレースの開催を正式に発表された!』

 

カービィ「なんだって!?」

 

キービィ「グランプリレース!?」

 

パービィ「・・・ケッケッケー!」

 

アカービィ「おおお!?」

 

アオービィ「・・・へぇー!」

 

シービィ「ほう。この間のゴミ拾いはこのためか。」

 

プププグランプリレースは、デデデ大王主催で行われる耐久レースだ。ちなみに、前回の第一回大会では、ププビレッジのレン村長が優勝している。この発表に、それぞれの家でテレビを観ていたカービィたちもびっくりだ。

 

ワドルドゥ『レースは7日後に行われる。優勝者には、賞金100万デデンが贈られることになっている。なお、エントリーは本日よりデデデ城にて受け付ける。以上!』

 

 

この放送を観ていたのは、もちろんカービィたちだけではない。ププビレッジにある不味さが有名な店、レストランカワサキでは、村長のレンと妻のハナ、ププビレッジ警察署署長のボルン、ガソリンスタンドを経営する元暴走族のガス、スナック経営のサモ、そして、大臣夫妻の子供でカービィの親友であるフームとブン姉弟が放送を観ていた。

 

フーム「またデデデが何か企んでるのかしら?」

ブン「でも姉ちゃん、デデデは出場しねえみたいだぜ?俺たちもレースに出場しよう!おもちゃ屋のガングが改造してくれたゴーカートがまだあっただろ?」

フーム「まあ、カービィが出場するかも知れないし、そうするわ。」

 

レースのルールとして、ナビゲーターの乗車が認められているため、二人で出場することも可能なのだ。

 

カワサキ「こりゃ、俺の弁当がうれそうだね~。添加物いっぱいで腐らないよ~。」

 

さらっと料理人とは思えない発言をするカワサキ。もっとも、彼には他にも様々な迷言があるのだが、その話はいつの日か。

 

レン「ハナ!わしらも出場するぞ!」

ハナ「はい!今年も優勝をねらいましょう。」

 

前回の大会ではカービィを追い抜き優勝を勝ち取った村長夫妻。連覇をねらうようだ。

 

ガス「おっと、前回は協力したけど、今回は俺もバイクで出場させてもらうぜ!」

 

前回は村長のピットクルーに参加したガス。今回は愛するバイクで優勝をねらう。

 

サモ「・・・これは、盛り上がりそうだねぇ。」

ボルン「うぬぬ、スピード違反を取り締まれんとは。」

 

一方、放送を観たカービィたちは、連絡を取り合ったわけじゃないが、全員が秘密基地に集合していた。

 

カービィ「みんなもレースに出場するの?」

アカービィ「あぁ!俺様のワゴンスターで、優勝をいただきだ!」

キービィ「おっと!そうはいかないぞ?僕のロケットスターだって!」

アオービィ「あたしのフォーミュラスターも、負けてないんじゃないかな。」

 

みんなは自分のエアライドマシンで出場するらしい。そんな中、自分のエアライドマシンを持っていない者がいた。

 

アドレーヌ「・・・私もレースに興味はあるけど、マシンがないからなぁ・・・。ライセンスはあるんだけどな。」

 

カービィ「あっ、そっか。アドレーヌはまだマシンを買ってないんだったね。」

パービィ「どうするぅ?俺んとこでマシンを買ってくか?今なら、安くしといてやるかもだぜぇ?ケッケ-!」

 

エアライドマシンの開発、販売元のパービィ。この発言は、はたして本当なのだろうか。

 

アドレーヌ「うーん、なんか裏がありそうだけど・・・。よし、決めた!パービィ、お言葉に甘えてマシンを買うわ!ワドルディ、いっしょにレースを楽しみましょ!」

パービィ「了解。」

 

ワドルディ「楽しみだなぁ!」

 

その後、アドレーヌとカービィの2人は、プププシティにあるエアライドマシンの店へ移動した。ここでは、たくさんのエアライドマシンが自分を乗りこなしてくれるエアライダーが来るのを待っているのだ。

 

カービィたちが店に入ると、ピンクの髪の毛に金の髪飾りが可愛らしいスタッフがやって来た。

 

 

???「ようこそ、PSC(パービィサイエンスカンパニー)のエアライドマシンショップへ。わたくし、社長秘書のスージーと申します。アドレーヌ様ですね?お待ちしておりました。」

 

 

秘書スージー。かつては宇宙企業ハルトマンワークスカンパニーの秘書をしていたが、会社のプロジェクトだったポップスター侵略はカービィに阻まれ失敗し会社は倒産。その後、ビジネスの腕を買われパービィにスカウトされていた。

 

カービィ「スージー、早速アドレーヌにマシンをみせてあげてよ。」

スージー「わかってるわよ。・・・では、こちらへ。」

 

スージーに連れられた先には、たくさんのエアライドマシンが並べられていた。

 

バランスの取れたカービィの愛車、ワープスター。

チャージに時間はかかるが爆発力があり、最高速の限界がないマシン、ロケットスター。

空を飛ぶ能力に優れたウィングスター。

カクカクとした走行が特徴的なルインズスター。

直線コースが得意なフォーミュラスター。

チャージを燃料にして走るヘビースター。

離着陸時に爆発的なスピードを出すジェットスターなど、様々なマシンが並んでいる。どのマシンも綺麗に磨かれてピカピカだ。

 

スージー「社長から、マシンはどれでも半額でお売りするようにと伺っていますので、どうぞご自由にお選びください。」

アドレーヌ「うーん・・・。このマシンは?」

 

アドレーヌが最初に興味を持ったのは、レースカーのような赤いマシンだった。

 

スージー「それはターボスターでごさいます。優れたスピードを持っておりますが、ハンドル操作が少々難しくなっております。」

カービィ「滑るみたいに曲がるから、難しいんだよ。」

 

アドレーヌ「へぇ~。・・・。あ、これアカービィの。」

カービィ「ワゴンスターだね。」

スージー「プッシュチャージができない代わりに、各能力が高めの機体でございます。」

アドレーヌ「・・・プッシュチャージって?」

スージー「プッシュチャージというのはですね・・・。」

 

こんな調子で15分が経過。説明が長くて待ちくたびれたカービィが居眠りを始めたころ、アドレーヌが結論を出した。

 

アドレーヌ「これにしよう!」

 

アドレーヌが選んだのは、ワープスターを少し小さくしたようなマシン。

 

スージー「ライトスターですね。ワープスターよりスピードを少し下げた代わりに、コーナリングをしやすくした初心者用のマシンになります。」

 

こうして、アドレーヌのエアライドマシンが決定。晴れてレースに出場できるようになった。

 

 

そしてやって来たレース当日。スタート地点の特設スタジアムには多くの観客が押し寄せ、超満員状態だ。

 

カワサキ「グランプリ弁当、美味しいよ~!」

ガング「エントリーカーのミニカーだよ~!」

 

キービィ「ミニカー全種類1つずつ!」

アオービィ「おこづかい大丈夫なの?」

キービィ「大丈夫大丈夫。」

 

グッズ販売も大盛況だ。

そして、各選手は、ピットでスタート前の最終チェックを行っていた。

 

フーム「パパ!ママ!またお願いね!」

パーム大臣「私たちに任せなさい!」

メーム「頑張ってね。」

ブン「カービィには負けないぜ!」

 

 

 

ワドルディ「隊長、クルーチーフ頼みます!」

ワドルドゥ「了解であります!大船に乗ったつもりで走るであります!」

ワドルディ兵士「わぎゃー!わぎゃー!(バンダナ副隊長頑張ってー!)」

ワドルディ「みんな、ありがとう!」

アドレーヌ「ワドルディ、気合いはいってるわね。」

ワドルディ「アドレーヌこそ、そのレーシングスーツ、にあってるよ。」

アドレーヌ「ありがと!」

 

アドレーヌはこの日のために、緑を基調としたレーシングスーツを買ったようだ。裾のところに小さくPSCのロゴが描かれている。

 

 

 

ガス「(ガチャガチャ...)・・・よし、問題なし!優勝は俺のもんだ!」

 

ガスはピット作業も1人で行うようだ。

 

 

 

カービィのピットでは、カービィの友達イロー、ハニー、ホッヘの三人組と、クルーチーフとして妖精リボンと小鳥のトッコリがインカムを装着していた。

 

ホッヘ「この日の為にみんなで練習したんだ。

ピット作業はまかせとけ!」

リボン・イロー・ハニー「頑張って、カービィ!」

トッコリ「いいか、居眠りなんかしやがったら承知しねぇからな!」

カービィ「わかってるよ!頑張ってくるね!」

 

ミービィ「頑張ってよ~カービィ。オイラも応援するからね~。」

???「私も応援してます!レースが楽しみです!!」

カービィ「ミービィ!シノビィ!来てくれたの?」

 

ピットに顔を出したのはミービィと、訳あってカービィに(ほぼ一方的に)仕える忍者の少女シノビィ。二人で応援に来たようだ。

 

ミービィ「そりゃあさ~、こんな盛り上がりそうな大会にオイラが来ないわけがないよ~。・・・じゃ、観客席から応援してるからね~。」

シノビィ「ご武運を!」

 

 

 

 

キービィ「・・・ふぅ。・・・よし、バッチリだ。頼むぞ、ロケットスター。」

アカービィ「念入りだなぁ、黄色いの。」

 

キービィのピットに、アカービィがやって来た。

 

アカービィ「悪いが、優勝は俺のもんだ。俺様のワゴンスターに近づくやつは、容赦なく吹っ飛ばすぜ?」

 

キービィ「ふっ。・・・見せて貰おうか。君とエアライドマシンの性能とやらを!」

 

 

しばらくして全員の準備が整い、いよいよ開会式がはじまった。

 

???『会場の皆さん、テレビの前の皆さん!いよいよ第二回プププグランプリレースの開催だぁー!!!』

 

観客「「「ワァァァァァァ!!!」」」

 

???『実況担当は僕、ロロロと、』

???『私ラララ、そして・・・。』

???『PSC(パービィサイエンスカンパニー)の、カスタマーサービスがお送りいたしまぁーす!」』

 

ロロロ『さてさて、サーキットコースを紹介しよう!』

ラララ『このスタートを出たレーシングカーは、一度ププビレッジの広場のヘアピンカーブを曲がったあと、村をでるの。』

カスタマー『そこから森、プププタウンメインストリート、荒れ地、キャンディ山、海岸線をまわり、スタートにもどります。』

ラララ『それをぐるぐる夕方まで12周!』

カスタマー『ホホホホホ。随分なボリュームですねぇ~。』

 

ロロロ『では、スタートに先立ち、主催者のデデデ大王によるスピーチです!」』

ラララ『別にどうでもいいけどねー。』

 

観客「「「ワハハハハハ!」」」

 

ここからデデデ大王によるスピーチがあったのだが、観客のブーイングによりほとんど聞こえなかった。

 

ロロロ『ではいよいよ、出場者の入場です!』

 

ラララ『エントリーNo.1番!前回のチャンピオン!レン村長とハナ夫人!』

ロロロ『エントリーNo.2番!前回は準優勝、今回こそは優勝を狙います!我らがヒーロー、星のカービィ!!』

 

観客「「「ワァァァァァァ!!」」」

 

ワドルディ「すごい歓声だなぁ・・・。」

キービィ「僕らとは格が違うね。」

 

シノビィ「流石は星の戦士ですねぇ。」

ミービィ「黄色い声援だね~。」

 

 

ラララ『そして、アカービィ、キービィ、アオービィ、ガソリンスタンドのガス、ブンとフーム、ワドルディ、アドレーヌ、シービィ、そして、今大会のスポンサーでもあるパービィと続きます!』

 

アドレーヌ「・・・やっぱりあいつスポンサーだったのね。」

 

ロロロ『さあ各車スタートラインに・・・?おぉーっとここで突然のエントリーだ!』

ラララ『え?』

 

聞こえてきたのは、迫力のあるエンジンの音。そして、無駄の少ないF-1カーのようなフォルムの青い車がやってきた。乗っているのは・・・。

 

ロロロ「締切ぎりぎり!滑り込んできた最後のマシン!前回はデデデの妨害からカービィを庇って惜しくもリタイア!メタナイト卿だぁー!」

 

女性観客「「「キャー!キャー!」」」「「「メタ様ー!」」」

 

 

流石はメタナイト。女性客から熱烈な声援が贈られる。

 

ミービィ「メタナイトも負けてないね~。」

 

カービィ「メタナイトも参加するの?」

メタナイト「前回はゴールすらできなかったのでな。今回こそは優勝を狙う。」

シービィ「これは、手強いな・・・。」

パービィ「ケッケッケッ!面白いじゃないの。」

 

全員がスタートラインに並び、カウントダウンがはじまった。

 

 

5

 

 

アドレーヌ「ワドルディ、がんばろうね!」

ワドルディ「うん!」

 

 

4

 

 

シービィ・メタナイト「・・・。」

アオービィ「カービィ、負けないよ!」

カービィ「僕だって!」

 

 

3

 

 

ブン「優勝は俺達のもんだ!」

ガス「そいつはどうかな?」

キービィ・アカービィ「絶対に勝つ!」

 

 

2

 

 

ハナ「あなた、しっかりね。」

レン「まかせときなさい!」

 

 

1

 

 

スージー(無線)『社長、ご武運を。』

パービィ「ケケッ!まあ、楽しんでくらぁ。」

 

 

合図のブザーと同時にチェッカーフラッグが降り下ろされ、全員が勢いよく一斉にスタートした。

 

 

ロロロ『さ~あ各車、一斉にスタート!』

 

キービィ「キービィ、いきまーす!」

アカービィ「優勝は俺のもんだー!」

 

ついに始まったグランプリレース。はたして優勝は誰の手に!?

 

続く!



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第7話 白熱!プププグランプリ

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




 

前回のあらすじ

 

デデデ大王主催の第二回プププグランプリレースが開催。華々しい開会式も終わり、いよいよスタート。果たして、レースの行方は・・・?

 

 

 

 

 

 

ロロロ『さあ各車、一斉にスタート!真っ先にスタジアムを抜けたのは、ウィリースクーターに乗るワドルディです!マシンの加速性能を利用して、ロケットスタートをかけました!』

 

ラララ『さあ、最初に待ち受けるのは広場のヘアピンカーブです。急なカーブを上手く抜けられるでしょうか!?』

 

ロロロ『さあ各車、どんどんとヘアピンカーブに入っていきます!おおっと流石はワドルディ。小回りの良さを活かしてカーブを通過。ほとんど減速していません!』

 

続いてパービィがカーブを通過。カクカクとしたルインズスター特有の走りは、急カーブくらいでは乱れない。続くアドレーヌも問題なくカーブを突破した。

ただ、このヘアピンカーブで唯一遅れてしまったのはアオービィだ。彼女のフォーミュラスターは直線での最高速に特化したマシンの為、曲がるのが苦手なのだ。

 

アオービィ「むぅー、遅れを取り返さないと・・・。」

 

 

続いてレーサーたちは、ププビレッジとプププタウンの間の森の中のコースに差し掛かった。舗装がされておらず、石ころや水溜まりが所々にみられるダートコースだ。

 

カスタマー『おやぁ?村長夫妻の車が減速しているようですねぇ~?』

 

レン「しまった!すべるぅ!」

ハナ「きゃあぁっ!」

 

泥道にハンドルをとられ慌てるレン村長。そのすぐ上をワゴンスターが、そのすぐ後をロケットスターが飛んでいった。

 

レン「んなあっ!?危ないじゃないか!」

 

コースの至るところにジャンプ台が設置されているのだ。エアライドマシンの飛行能力を活用する為に用意された仕掛けである。

 

アカービィ「へっ!先にいくぜ!」

キービィ「させないぞ!ブースト全開だ!」

 

ここでキービィのマシンが加速。はち切れんばかりに膨らんだ風船型ロケットが、一気にしぼむと同時にエネルギーを放出。キービィはぐんと順位を上げた。

これをバイクのミラー越しに見ていたのはガス。水溜まりを避けつつ、メタナイトのマシンの後ろにぴったりくっついた。

 

ガス「エアライドマシンってのもなかなかやるなあ。こりゃ油断はできなそうだ!」

 

ガスはスリップストリームを活用しメタナイトを追い越し、3位に躍り出た。

 

 

 

 

 

第1ラップ、第1チェックポイント現在の順位

 

1位 ワドルディ

2位 ブン&フーム

3位 ガス

4位 メタナイト

5位 キービィ

6位 シービィ

7位 パービィ

8位 カービィ

9位 アカービィ

10位 村長夫妻

11位 アドレーヌ

12位 アオービィ

 

 

 

 

森を抜けると、プププタウンへと続く舗装された道に出た。先程のようなガタガタ道や水溜まりはなく、走りやすいエリアとなっている。

8位で走っているカービィがなんとか上位につきたいと考えていると、カーブの前にジャンプ台を見つけた。

 

ロロロ『おっと!?どうやらカービィは、ジャンプ台を使ってカーブをショートカットするようです!』

 

ラララ『でも、カービィのとった角度だと進路上には観客席が!失敗すればたいへん!どうなるの!?』

 

カービィは侵入角度を合わせると一気に加速。機首を上にぐいっと傾け、空へ飛び上がった。

 

観客「「「ワァァァァァァ!!!いいぞーー!」」」

観客「「「いっけぇー!」」」

 

結局ラララの心配は杞憂に終わった。カービィはいとも簡単に観客席を飛び越え、ショートカットに成功。ちゃっかり観客席にウインクを決める余裕さえ見せた。これにカービィのファンや女性客は大喜び。カービィは8位から一気に3位に浮上した。

 

リボン(無線)『やったねカービィ!』

トッコリ(無線)『まったく、ヒヤヒヤさせやがって。』

カービィ「やだなあ。ぼくがどれだけワープスターに乗ってると思ってるのさー。」

 

そして、町エリア最初の直線コースで猛然と加速しているのはアオービィ。フォーミュラスターが得意とする直線コースであり、しかも舗装されて走りやすいこのエリアは前のコースで遅れてしまったアオービィにとって絶好の追い上げチャンスだった。たちまちカービィに追い付いていくアオービィ。

 

アオービィ「えへへ、カービィ!あっという間に追い付いちゃった!」

カービィ「わわっアオービィ!?いつの間に?」

アオービィ「ふふっ!優勝して賞金もらったら、二人で旅行にいきましょ?」

カービィ「え?いいけど、優勝するのはぼくだよ!」

アオービィ「・・・ううん。今回は負けない!あたし、カービィに勝ってみせるから!じゃあお先!」

 

アオービィはぐんぐんスピードを上げ、走り去っていった。

 

 

 

 

 

そして、各車一歩も譲らぬまま1時間が経過した。

 

ロロロ『さあ、各車2周を走り終え、ほとんどのマシンがピットに入りました!』

 

ピット作業ではマシンの燃料補給やタイヤ交換などを行う。レーサーを素早くコースに戻さなくてはならないため、ピットクルーの腕前と連携が問われる。

 

カービィ「みんな!ピットインするからお願いね!」

 

リボン(無線)『了解!』

トッコリ「おいお前ら、ミスは許されねえぞ!?」

イロー「任せてよ!」

ハニー「タイヤは要らないから、マシンの燃料だよね!」

ホッヘ「任せろ!カービィに頼まれてから毎日、水とドラム缶で練習してきたんだ!」

 

カービィのピットでは、3人のクルーたちが的確に燃料補給を行った。

 

トッコリ「・・・よし!再スタートだ!」

 

カービィは発進のためチャージを始める。

 

リボン「待って!カービィ、これ持っていってっ!」

 

そう言ってリボンがカービィに投げたのは、昼食用の手作りハンバーガーだ。

 

カービィ「(パシッ!)ありがとう!行ってくるよ!

 

カービィは元気よくピットを出発。

 

ミービィ「・・・おっ!カービィが行ったね~。」

シノビィ「順調みたいですね!」

 

 

メタナイトの所では、部下のソードとブレイドがピットクルーを務めていた。

 

メタナイト「コースの特徴は把握した。あとはチャンスを逃さなければ、勝機はある。」

ソード「・・・卿、作業完了です。」

ブレイド「ご武運を。」

 

 

こちらはパービィのピット。pscの職員たちがマシンの補給を行っている。

 

スージー「社長、調子はいかがですか?」

パービィ「ケッケッ!・・・上々だな。こりゃ優勝も夢じゃねぇかもな。ま、的確な指示を頼むぜぇ。」

スージー「はっ。」

 

 

ワドルディのピットでは、ワドルディとアドレーヌが一緒にピット作業を受けていた。実は手違いでピットスペースに空きがなかった為、二人が同じピットを使っているのだ。

 

ワドルディ「相手が近いなら、後ろに回り込んでスリップストリームを狙うといいよ。あと、スケボーのような構えをしてるみたいだけど、不安定なときは四つんばいのような体勢がいいかも。」

アドレーヌ「うん。あとはチャージを上手く使わないと・・・。」

 

ワドルドゥ「お二人とも、準備完了であります!」

ワドルディ「はっ!ありがとうございます!じゃあアドレーヌ、事故には気を付けて。」

アドレーヌ「そっちこそね!」

 

二人もレースに復帰。ちなみにピットクルーを必要としなかったガスは、僅か5秒という驚異的スピードで作業を終え、現在トップを走っている。クルーを必要としないのもうなずける。

 

 

 

 

第3ラップ開始現在の順位

 

1位 ガス

2位 アカービィ

3位 キービィ

4位 アオービィ

5位 カービィ

6位 ワドルディ

7位 アドレーヌ

8位 村長夫妻

9位 ブン&フーム

10位 シービィ

11位 パービィ

12位 メタナイト

 

カスタマー『おや?どうやらアカービィはピットに入らずに行ったようですねぇ~。」

ロロロ『え?・・・あっ、どうやらそのようです。現在アカービィは、キービィと二位を争っています!』

 

ロロロの言う通り、アカービィとキービィは森エリアで熾烈な戦いを繰り広げていた。互いのマシンは何度もぶつかり合い、抜きつ抜かれつの状態だった。

 

アカービィ「くそっ、ピットインやめてリードを広げたと思ったのにもう追い付いてきやがったか・・・!」

キービィ「こっちはピットでたっぷり補給したんだ。これくらいの差はどうとでもなる!」

アカービィ「ぬぅー、ならこいつでどうだぁ!」

 

アカービィはキービィに横から体当たりを仕掛けた。反則ギリギリである。衝撃を受け、キービィとロケットスターが横に飛ばされる。

 

キービィ「くっ!・・・まだだ!まだ終わらんよ!」

 

どうにか体制を立て直し、ブーストをかけてアカービィに追い付こうとするキービィ。

その時、アカービィのワゴンスターが急に減速を始めた。ぶつかりそうになったためキービィは避けたが、アカービィの減速は止まらない。ワゴンスターからはうっすらと白煙が立ち上っている。

 

キービィ「・・・ん?」

アカービィ「な、なんだ!?どうした!?」

 

どうやらピットで補給を受けずにそのまま走り、尚且つ無理な操縦をしたせいでマシンがオーバーヒートを起こしたようだ。コースの真ん中で停止してしまったアカービィ。勿論脱落である。

 

アカービィ「チキショー!賞金もらって、美味いもん食いに行きたかったぜぇぇ!」

キービィ「ふっ。残念だったね。まあ、君の分も走りきってみせるよ!」

アカービィ「くそーっ!!!」

 

アカービィをあざ笑うかのように走り去るキービィ。そしてアカービィの脱落により、レースは11人で争うこととなった。

 

ラララ『さあ、序盤から波乱の展開を向かえたプププグランプリレース!トップは依然としてガス。無駄のない走りを見せています!』

 

ロロロ『続いてメタナイト卿、村長夫妻、キービィと続きます!』

 

現在、メタナイトと村長夫妻が追い上げて先頭集団の先に出ようとしている。アカービィの脱落で三位に繰り上がったアオービィだったが、ヘアピンカーブと森の入りくんだ道に苦戦し、なかなか順位が上がらない。

 

アオービィ「ううっ、思うように動かない・・・!」

 

 

それからおよそ2時間が経過し、レースは半分の6周に差し掛かろうとしていた。果たして、優勝と賞金100万デデンを勝ち取るのは、一体・・・?

 

 

次回、決着!

 

第5ラップ後半第4チェックポイント現在の順位

 

1位 ガス

2位 メタナイト

3位 キービィ

4位 村長夫妻

5位 アオービィ

6位 カービィ

7位 ブン&フーム

8位 ワドルディ

9位 シービィ

10位 パービィ

11位 アドレーヌ



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第8話 栄光のプププグランプリ

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




前回、アカービィの脱落により波乱の展開となったプププグランプリレース。レースはついに半分の6週に差し掛かった。果たしてレースの結末は?

 

 

 

現在の順位

 

1位 ガス 

2位 メタナイト 

3位 キービィ 

4位 村長夫妻 

5位 アオービィ 

6位 カービィ 

7位 ブン&フーム 

8位 ワドルディ 

9位 シービィ 

10位 パービィ 

11位 アドレーヌ

 

 

 

 

カスタマー『・・・さてさて、時刻は午後1時をまわりまして、各車6週目を走っております。依然としてトップは元暴走族のガス。現在、プププタウンエリアを疾走しておりま~す。』

 

ガスの後方の集団では、アオービィが驚異の追い上げを見せていた。キービィやメタナイトを抜き、一気に2位に浮上。また、最下位付近を走っていたパービィが6位となり集団の中に入ってきた。

 

パービィ「ケケッ、こりゃぁいい。丁度単調でつまらねえ展開だったし、ちょっくらこの集団をかき乱してやるか。」

 

パービィはそう言うと、マシンとマシンの間を縫うように走り始めた。ルインズスターの独特の走りで妨害をしようとする彼らしい作戦だ。

たちまち集団の中からブレーキの音が聞こえだした。多くのマシンがパービィを避けてブレーキを踏んだのだ。

 

レン「うわぁぁぁぁあ!」

ハナ「あなたぁぁぁ!」

 

突然レン村長の車が左右にジグザグ走行を始めた。パービィの妨害により急ハンドルをきってしまい、コントロールが効かなくなったのだ。

ブレーキをかけるが、スピードを上げていたためなかなか減速できない。集団がレン村長を避けたため、村長夫妻は2位に浮上。そのまま進んでいるのだが、真ん前には急カーブが。

 

どぉーん!ガラガラ・・・

 

大きな音をたて、村長夫妻の車は壁にぶつかった。ブレーキによりある程度スピードが落ちていたため二人に怪我はなかったが、車のボンネットからは白煙が吹き出し、村長夫妻はリタイアを余儀なくされた。

 

レン「・・・ハナ、すまん。優勝して、またお前にトロフィーをプレゼントしたかった。」

ハナ「いいえ。あなたとレースができただけで、私は幸せです・・・。」

 

ロロロ『なんと!優勝候補の村長夫妻が脱落!これでレースの行方は全くわからなくなりましたーっ!』

 

この一連のトラブルで、先頭集団と後方集団が合流。順位に変動がおこった。そして、レーサーたちはキャンディ山へ差し掛かっていた。

キャンディ山は急な坂が多い山道エリアだ。

ここでブンとフームのマシンが追い上げを見せた。馬力を高くカスタムしたゴーカートは、山道での減速がすくないのだ。

逆に、長らくトップだったガスが順位を落とした。連続するカーブと、安定しない路面に苦戦しているのだ。

 

ガス「くそぅ。フームたちに追い抜かれてたまるか!・・・あ、あれ?」

 

ガスがスピードを上げようとしたその時、ガスのバイクがオーバーヒートを起こした。長い間最高速に近いスピードで走っていたことと、ピットでエンジンの点検を行わなかったためエンジンにかなりの負担がかかっていたのだ。

彼のバイクはもはや修理しなければ動くことはできないだろう。

 

その後は各車一歩も譲らず、夕陽が見える時間になっても均衡状態がつづいていた。

 

そして、最後の一周をむかえ、各車最後のピットインを行った。

 

トッコリ「いいか!?この一周に、全てがかかってんだ。居眠りなんかしやがったらただじゃおかねぇぞ!」

イロー「事故にも気を付けてね。」

リボン「大丈夫。カービィならできる!頑張ってね!」

カービィ「うん。ワープスターを信じてやるだけだよ!」 

 

ワドルディ「最後の勝負だね。ここまで来たら、とことん楽しむだけだよ!」

アドレーヌ「そうね!」

 

スージー「社長。整備が完了しました。」

パービィ「了解。」

 

キービィ「あと一周だ。優勝すれば、プラモ天国が待ってるぜ・・・!」

 

そして各車再スタートをきり、町エリアに差し掛かった。

 

 

ラララ『さあいよいよ最後の1周!先頭を走るのは、アオービィ、カービィ、シービィ、キービィ、ブンとフーム、アドレーヌです!どうやら優勝争いはこの6組に絞られたようです!』

 

ここで、ピット作業に時間をとられたメタナイト、ワドルディ、パービィが離されてしまい、先頭集団とは500メートル程の差ができてしまった。

 

ファイナルラップ第4チェックポイント現在の順位

 

1位 アオービィ

2位 シービィ

3位 カービィ

4位 キービィ

5位 アドレーヌ

6位 ブン&フーム

7位 メタナイト

8位 ワドルディ

9位 パービィ

 

6位を走るブンとフーム姉弟チームでは、ブンが順位が上がらないのを気にして焦っていた。

 

ブン「・・・姉ちゃんどうする?この集団を抜けなきゃ、とても1位になれないぜ?」

フーム「慌てないで。直線コースを抜けたらチャンスよ。アオービィが失速するわ。」

 

フームの読み通り、町エリアを抜けキャンディ山に差し掛かったところで悪路に阻まれてアオービィが失速。アオービィを追い抜いた。

 

アオービィ「ああっ!・・・もっと速く曲がって!」

 

そしてここに来て、これまで全く目立った活躍のなかったシービィに動きがあった。キャンディ山のエリアは中腹から海岸エリアに降りる急な崖の道があるのだが、なんとそこから飛び降りた。

 

ロロロ『な、なんと!?』

ラララ『シービィがまさかの大ジャンプ!・・・でも、マシンが耐えきれるの!?』

 

シービィ「・・・仮にもPSC開発のマシンだ。そう簡単には壊れまい!・・・そらっ!」

 

下手をすればマシンが大破するところだが、砂浜の砂がクッションとなったため大差をつけトップに躍り出た。

 

シービィ「・・・ふっ。せめてメタナイトには勝っておきたいからな。」

 

「・・・ぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

シービィ「ん?・・・なにいっ!?」

 

ロロロ『おーっと!カービィがシービィを直撃ーっ!ウィリーバイク大破ーっ!』

 

シービィが着地してすぐ彼を真似てワープスターで飛び出したカービィ。しかし、下降の際勢いをつけようと機首を下げすぎて制御が効かなくなってしまい、シービィのマシンに激突してしまったのだ。互いに怪我もなくカービィのワープスターは無事だったが、シービィのウィリーバイクは大破。このレースにおける彼の数少ない出番はこれでおしまいである。

 

シービィ「くっ・・・!悔しいが、マシンを壊された以上俺の負けだ。先に行け。」

カービィ「ごめんねシービィ!おわびに今度すき焼きおごるからねー!」

 

シービィに謝罪し走り去るカービィ。現在トップだ。熾烈なトップ争いが行われている先頭集団からかなりうしろ。最下位を走るウィリースクーターがあった。ワドルディだ。

 

ワドルディ「・・・みんな、そろそろゴールしたころかな?優勝は誰になったんだろう?」

 

レースの結末を予想しボーッとするワドルディ。すると、カーブを曲がりきれずにマシンの側面が壁をこすってしまった。カランカランと部品の落ちる音がしたが、ワドルディは気づかない。

 

ワドルディ「わわっ!危ない危ない。気を付けて走らないと・・・。」

 

そう彼が呟いた瞬間だった。ワドルディのウィリースクーターのスピードメーターがぐりっと振り切れ、尋常ではないスピードに加速した。

 

ワドルディ「・・・へ?わぁぁー?!」

 

先程脱落した部品はエアライドマシンのチャージタンクの出力を制限するリミッターだったのだ。そのリミッターが外れ、ウィリースクーターのチャージタンクが暴走してしまったのだ。下位集団を抜き、あっという間にキャンディ山を降り、猛然と先頭集団に迫る。

 

ラララ『どうしたことでしょう。最下位確実と見られたワドルディが猛然とスパート!あっという間に先頭集団を捉えました!』

 

カービィ「へ?」

トッコリ『大変だ!ワドルディのヤツが追い上げてきやがった!』

 

カービィが振り向くと、少し後ろに砂煙が上がっていた。よく見ると、ウィリースクーターのハンドルにしがみつき、滝のように涙を流し絶叫しながら迫るワドルディの姿がみえた。

 

ワドルディ「「カービィー!アドレーヌぅー!みんなどいてぇー!とまんないよぉぉおー!!」」

 

全員((・・・まずい。))

 

あの速度だ。ぶつかれば大怪我は確実だろう。

 

キービィ「「逃げろ!ヤバイぞこりゃ!」」

 

アオービィ「きゃーーっ!」

アドレーヌ「わぁぁぁっ!」

 

一斉にコースを空けるレーサーたち。そのままワドルディはスタジアムに突入。審判が一瞬見逃す程のスピードでゴール。

 

ロロロ『ゴ、ゴォールッ!優勝はなんと、ビリ確実とみられたワドルディ!しかし、とまらなーい!ワドルディのマシンが止まりません!緊急事態です!!』

 

マシンは止まらない。そのままコースをもう一周走ろうとしている。

ワドルディがスタジアムを通り過ぎた少し後、スタジアムには後からゴールしたカービィたちが集まっていた。

 

アドレーヌ「はやくワドルディを止めないと危ないわ!」

キービィ「でもどうやって!?コピー能力のホイールじゃ、追い付けたとしても止めることはできないぞ!?」

 

悩むカービィたち。そこへやって来たのは、ゴールしてきたパービィと、スタジアムで観戦していたミービィとシノビィだった。

 

ミービィ「なんだかとんでもないことになっちゃったね~!」

シノビィ「私に手伝わせて下さい!」

パービィ「そーゆーことなら・・・!(パンパカパーン!)コピーキャンディー!」

 

パービィが取り出したのは、模様つきの飴玉が入ったケースだった。

 

パービィ「こいつはコピーのもとをキャンディーにして、持ち運びできるようにした試作品だ。・・・まず、誰かがジェットのキャンディをなめてこいつを乗せてワドルディに追い付け。」

 

シノビィ「そこで私がマシンのタンクを斬って、ワドルディさんを助けだせば!」

パービィ「無事に助けられるかもな。ケッケッケ-!」

 

カービィ「わかった!ジェットで運ぶ役、ぼくがやるよ!」

 

カービィはパービィからキャンディをもらい、口にほおばった。すると、たちまち戦闘機を思わせるジェットパックとゴーグルの被り物を被ったジェットの能力をコピー。そのままシノビィを抱えて空へ飛び立った。

 

 

 

町エリア入り口。先回りしてたどり着いた二人は、シノビィがコース上、カービィがコース上空にスタンバイ。ほどなくしてワドルディがやって来た。

 

ワドルディ「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

カービィ「シノビィ、来たよ!」

シノビィ「任せてください。・・・!」

 

落ち着いて刀を構えるシノビィ。そして、ワドルディとすれ違うその瞬間・・・。

 

シノビィ「・・・せやっ!!」

 

彼女の居合い抜きは正確にウィリースクーターのチャージタンクを斬り裂いた。ワドルディのマシンは少しずつ減速し、無事停止に成功した。

 

カービィ「ワドルディ!大丈夫!?」

ワドルディ「たすかったぁー。生きた心地がしなかったよぉー。」

 

その後、第二回プププグランプリレースは閉会式をむかえ、閉会式に無事登場したワドルディには、優勝トロフィーと賞金100万デデンが贈られた。

 

 

 

 

ちなみに、コックカワサキが販売したグランプリ弁当で食中毒にかかった人はいなかったそうな。

 

 

 

 

最終結果

 

1位 ワドルディ

2位 カービィ

3位 アオービィ

4位 キービィ

5位 アドレーヌ

6位 ブン&フーム

7位 メタナイト

8位 パービィ

 

おしまい

 



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第9話 えっ!?無人島でサバイバル!?

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




ここは、とても綺麗な海が目の前に広がる白い砂浜。カービィたちは楽しく泳いだり甲羅干しをしたり・・・していなかった。というのも、実はここ、リゾート地ではないのである。

 

事は前日の朝にさかのぼる。

カービィたちは、ワドルディの招待でプププシティ外れの港に来ていた。先日のグランプリレースの賞金でポップスターの南に浮かぶリゾート地、ポポポアイランズに向かうことになったのだ。

 

アカービィ「うぉーー!」

カービィ「・・・でっかい!クジラよりでっかい!」

 

カービィは初めて目の前で見る豪華客船に圧倒されている。

 

アドレーヌ「こんなすてきな船に乗れるなんて夢みたい。」

リボン「感激ですーー!」

アオービィ(こんなすてきな船でカービィと旅行できるなんて・・・。)

 

当然みんなのテンションも高い。みんなが乗る船が、完成したばかりで今回が初めての航海となる豪華客船、プププダイナミック号だからだ。

 

ワドルディ「せっかくの賞金だから、みんなで旅行に行こうと思って。そしたら、この船の団体格安チケットが手に入ったんだ。」

キービィ「いやー、ワドルディ!招待してくれてありがとう!」

シノビィ「でも、パービィさんも来れば良かったのに・・・。」

 

アドレーヌ「そんなガラじゃないでしょ。」

 

パービィは、「強い直射日光は苦手だ。ついでにオレサマにゃ会社の会議があるから。」と言って、旅行には参加していない。

 

シービィ「・・・さて、各自客室に荷物を置くぞ。貴重品は俺に預けるように。」

 

シービィに続いてカービィたちも乗船。客室はホテルの部屋のようで、カービィはふかふかのベッドに大喜びだ。

 

しばらくして、プププダイナミック号は華々しく最初の航海に出航した。

船内には、劇場やプールなどさまざまな設備があり、みんな思い思いに楽しんでいた。

 

昼下がり頃、船内アナウンスが流れた。

 

アナウンス「ご乗船のお客さまに連絡します。これより、劇場にてカラオケ大会を開催いたします。参加をご希望の方は、劇場へお越しください。」

 

カラオケ大会が開催される。せっかくのイベントだから観覧に行こうということで、カービィたちも劇場に集合。

 

リボン「カラオケ大会ですかー。楽しみですね。」

アオービィ「アイドルとして活躍してるリボンちゃんなら、優勝間違いなしね!」

キービィ「僕だって、優勝をねらうぞ!」

 

シノビィ「そう言えば、アカービィさんがいませんね?」

シービィ「まだスポーツジムにいるんだろう?」

アドレーヌ「それに、アカービィに歌わせたらコピー能力なしでも恐ろしいわ。」

カービィ「アカービィが歌い出したら死んじゃうよー。」

 

そんなやり取りの後、エントリーが終了し、カラオケ大会が始まった。

 

司会「さあ、始まりましたカラオケ大会!トップバッターはこの人だあ!」

 

紹介され出てきたのは、かっこいいコスチュームに身を包んだ少年。カービィたちと同い年くらいだ。

 

カービィ「かっこいい衣装だね。」

アドレーヌ「・・・?どこかでみたような?」

ワドルディ「・・・ねえ、ボクなんだか嫌な予感が。」

キービィ「・・・右に同じく。」

 

ワドルディの嫌な予感は見事に的中した。

 

少年「一番、アカービィ歌います!」

 

シービィ「やばい!ふせろ!」

 

アカービィ「「「かぁーあびぃぃい!!!ゆぅめぇのたぁぁぁんばりぃぃぃいん!ならぁぁしはぁじめよぅおお、いぃますぅぅぅうぐぅぅぅぅー!!!」」」

 

曲が始まったとたん、みんな苦しみはじめた。それだけならまだよかったかもしれない。船がズンズンと揺れ、ビシビシッという音が響いた。

しばらくして、船長とみられる男が駆け込んできた。

 

船長「大変です!船体にヒビが入りました!水がどんどん入ってきて、この船はまもなく沈みます!」

 

カービィ「えぇーーっ!?」

 

アカービィの歌声で船体にヒビが入ったのだ。

 

・・・後の調査で、プププダイナミック号の船体は手抜きされて鉄板が脆くなっており、そこにアカービィの歌声で船体にヒビが入ったことがわかるのだが、カービィたちの知るよしはなかった。

 

さて、船が沈むとあって乗客も大騒ぎ。一斉に甲板に走り出した。

カービィたちも苦しみながらどうにかアカービィを止め、荷物を取って甲板へ向かったのだが、彼を止めるのに時間をとられてしまい、備え付けられていた救命ボートは全て満員になってしまった。

 

キービィ「どうしよう!僕たち助からないの?」

アオービィ「そんな!まだカービィとやりたいことがまだまだたくさんあるのに!」

 

アカービィ「おい、何だって船が沈んでんだ!?おい!」

アドレーヌ「あんたのせいでしょーが!!」

 

そうこうしていると、ついに船体が傾き始めた。

 

シノビィ「どうにか助かる方法は・・・。」

アオービィ「いやだぁぁ!カービィ助けてぇー!」

 

シービィ「・・・!そうだ!」

 

シービィは貴重品袋からコピーキャンディーを取り出した。

 

シービィ「カービィ!海に飛び込め!」

カービィ「えっ!?わ、わかった!」

 

カービィは海に飛び込み、水面に浮かび上がった。

 

シービィ「よし!口を開けろ!こいつを吸い込むんだ!」

 

シービィが投げたのは、風船の模様が描かれたキャンディー。コピー能力『バルーン』のキャンディーだ。

吸い込んだカービィは、たちまち何倍もの大きさに膨らんだ。

 

シービィ「みんな、カービィの口の中に飛び込め!」

カービィ「そっか!ぼくが救命ボートの代わりになるんだね!」

 

アドレーヌ「えいっ!」

シノビィ「はっ!」

キービィ「くっ!」

 

全員意を決してカービィの口の中に飛び込んだ。

 

アドレーヌ「ふう・・・。シービィ、荷物もみんなも無事よ。でも、これからどうするの?」

シービィ「カービィ、島は見えるか?」

 

 

カービィ「えーっと・・・ダメだ。みえない。それに、波が強くてこの体勢じゃあとても泳げそうにないよ!」

シービィ「・・・そうか。仕方がない。落ち着くまで口に邪魔させてもらうぞ。」

アカービィ「食うんじゃねえぞ!」

 

こうしてカービィたちは大海原をさまよい、次の日の朝、無人島に漂着したのだ。漂着したバルーンカービィの口の中から、みんなが這い出てきた。

 

アドレーヌ「うぅ・・・みんな、大丈夫?」

アカービィ「まだ身体がフラフラするぜ。」

リボン「喉が乾きましたぁ。」

カービィ「まだ波に揺られてるみたい~。目が回る・・・。」

 

全員を口の中に乗せて一晩中漂流したカービィ。流石にフラフラである。みんなが這い出た時にバルーンの能力も切れ、地面に突っ伏したままだ。

 

シービィ「・・・携帯通信機が生きてるが、どうやらここは無人島らしい・・・。電話が繋がるかどうか・・・。」

ワドルディ「・・・とにかく、まずはここを拠点に食料を確保しよう。アドレーヌはリボンちゃん、シノビィと森に食料を探しに行って。ボクは火を起こすよ。」

 

キービィ「コピーキャンディーのファイアをつかえばどうだ?」

アオービィ「それが、脱出のどさくさでキャンディーが海に落ちたみたいなの。」

アドレーヌ「それは厄介ね・・・。」

 

ワドルディ「キービィとアカービィは魚を捕まえて。アオービィとカービィは飲み水を探して。」

 

シービィ「俺は何をすればいい?」

 

ワドルディ「もし通話が繋がったら、メタナイト卿に連絡して助けをよんで。あとは、拠点に残って指示を出してくれると助かるな。」

 

シービィ「了解した。」

 

ワドルディ「みんな、くれぐれも一人で行動しないでね!何が潜んでるか分からないから!」

 

的確に指示を出すワドルディ。デデデ大王の命令でサバイバル訓練をうけたことがあり、サバイバルの知識がある程度あるのだ。

 

みんなは早速、それぞれの役割に向かった。シービィも携帯通信機で連絡を試みる。

パービィ開発の通信システムを使っているため、無人島でも繋がるはずなのだが・・・。

 

シービィ「頼む、繋がってくれよ・・・。」

メタナイト『こちらメタナイト。どうしたのだシービィ中佐。君から私に連絡とは珍しい。』

シービィ「良かった、繋がったか!・・・プププダイナミック号が沈没して、カービィたちと無人島に漂着してしまったんだ。すまないが救援を要請する。」

メタナイト『なるほど、了解だ。通信機の電源を可能な限りいれておいてくれ。座標を割り出して救助に向かう。』

 

そう言ってメタナイトは通信を切断した。これで救助が来るのは確実となった。あとは救助まで生き延びるだけだ。

 

 

 

 

アドレーヌ「シノちゃん。この木の実は食べられるかしら?」

シノビィ「はい!それは焼いて食べると美味しいんですよ。」

リボン「シノビィさん。この山芋のようなのはどうですか?」

シノビィ「あ、それはだめです!『くわずいも』と言って、毒がある危ないものなんです。」

リボン「ひえっ!危うく収穫してしまうところでした・・・。」

 

森では、シノビィが食べられるものを選びながら着実に食料が集まっていた。

 

砂浜では、キービィが流れ着いた流木を使って釣竿と釣り針を作り、アカービィと魚の確保をしようとしていた。

 

アカービィ「どっちがたくさん釣れるか勝負だ!」

キービィ「よし!負けないぞ!」

 

・・・協力というより勝負になってしまっているが、この調子なら食料には困らないだろう。

 

 

火起こしも、すんなり火がついた。ワドルディが薪をつぎたしながら火の管理をしている。

 

時間がかかったのは水の確保だ。アオービィとカービィは、地面に穴を掘り、荷物に入っていたビニール袋と紙コップを使った仕掛けや火を使い、海水を水に変えようとしているのだが、全員分となると仕掛けが大量に必要な上、真水になるのに時間がかかるのだ。

 

カービィ「アオービィ大丈夫?ずっと作業してるし、日陰でやすんだら?」

アオービィ「大丈夫だよ。カービィがいてくれるから。」

カービィ「・・・ぼくが?」

アオービィ「うん。カービィがそばにいるだけで元気がでてくるの。それにあたし、いつもカービィに助けられてるから、あたしも頑張らないと。」

カービィ「ふーん。無理はしないでね?」

 

 

 

そして夕方。みんながそれぞれ成果を持って拠点に集まった。

 

シノビィ「見てください!美味しそうな果物がたくさん採れました!」

森の食料班は、リュックから溢れそうなほどの果物を見つけていた。

 

アカービィ「オレ達も大漁だぜ!」

キービィ「ちぇっ、一匹負けた・・・。」

 

アカービィとキービィは、海遊び用に持って来ていたバケツにたくさんの魚を釣っていた。早速串に刺して火で焼いていく。

 

カービィ「水もたっぷりだよー!」

 

カービィたちは、一夜を乗り切るには充分過ぎる量の水の確保に成功していた。

 

そして、無人島でのディナータイムの始まりだ。 

メニューは焼き魚と焼き木の実。調味料は一切なしの料理だが、必死で集めた食料は、とても美味しかった。

 

カービィ「はぁー。・・・美味しかったー!」

アカービィ「満腹だぜ!」

シービィ「・・・さあ、確保した薪をどんどんくべろ。一晩は火を燃やし続けるんだ。」

アドレーヌ「それにしても、大変なことになっちゃったね・・・。」

リボン「ほんとなら、今頃船のベッドでぐっすり寝ていたんですよね・・・。」

ワドルディ「ポポポアイランズ、楽しみだなぁって、みんなで語りあっていたんだろうね・・・。」

 

みんな「「「はぁー・・・・・・。」」」

 

辺りを静寂が包んだ。波の音と、炎のパチパチという音だけが聞こえる。

 

そして静寂の中、カービィたちはいつの間にやら夢の世界へと誘われていった。

 

 

 

 

・・・どのくらい眠っただろうか。波とも炎の燃える音とも違うゴォォォッという音が聞こえてきた。カービィたちが目を覚ますと、朝日が昇ってきていた。上空を見ると、巨大なウィングに沢山の大砲がついた巨大な戦艦が浮かんでいた。それはゆっくりと高度を下げ、島の少し沖に着水した。独特の仮面を模した装飾。間違いない。メタナイトの戦艦、ハルバードだ。すぐにボートが出され、メタナイトと部下のソードとブレイドがやってきた。

 

ソード「ご無事で!?」

カービィ「メタナイト!ソードにブレイドも!」

アドレーヌ「た、助かったぁ・・・。」

メタナイト「遅くなってすまない。位置情報の解析に思いの外時間がかかってしまってな。」

ブレイド「さあ、乗ってください。プププランドに帰りましょう!」

 

こうしてカービィたちはハルバードに乗り込み、無事プププランドに帰りついた。リゾート地には行けなかったけど、今回の経験は彼らをすこし成長させることになっただろう。

その証拠にカービィたちは、普段の生活がどれほど幸せかを実感することができたと、この出来事を振り返るのだった。

 

おしまい



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第10話 キービィ、妹がやって来た!

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




プププタウンの公園入り口に、たこ焼きの移動販売車がやって来ていた。

このたこ焼き屋はカービィのお気に入りで、彼は見かける度にたこ焼きを買っている。今日はキービィたちを誘って来ていあ。

 

キービィ「・・・うん、おいしい!」

カービィ「でしょ~?ここのたこ焼きは最高なんだ!」

アオービィ「流石カービィ!美味しい食べ物屋さんのことはなんでも知ってるわね。」

 

たこ焼きを食べ終えしばらくしていると、キービィが立ち上がった。

 

キービィ「ごめん。もう帰らなきゃ。」

カービィ「え?まだお昼過ぎだよ?」

キービィ「じつは今日、妹が引っ越してくるんだ。」

アオービィ「え?キービィって妹いたんだ?」

 

キービィ「レービィって言うんだ。2つ下の妹だよ。」

カービィ「へぇー。・・・もしよかったら、引っ越しの手伝いをさせてよ。」

アオービィ「あたしも!」

キービィ「本当?それは助かるな。」

 

???「あーっ!見つけたぁ!」

 

カービィ「ん?」

 

カービィたちが振り向くと、そこにいたのはカービィたちより一回りくらい小さい女の子だった。キービィの色をそのまま薄めたような色をしていて、とてもそっくりだ。

 

キービィ「やあレービィ。」

カービィ「あの子が?」

 

レービィ「おにーちゃぁーん!!!」

キービィ「・・・へ?どぶぇっ!」

 

レービィは『お兄ちゃん』の「い」の字まで言うまでは普通に走っていた。だが、「ち」の字が聞こえたとたん、コピー能力ジェット並のスピードでキービィに抱きつき、そのまま後ろの木に激突した。キービィは目を回している。

 

レービィ「やっと会えた!会いたかったよ!」

キービィ「レ、レービィ。久し振りだねぇ・・・。だけどな、公共の場でこうゆうのは控えるようにな・・・。」

 

カービィ「元気な女の子だね!」

アオービィ(なんだろう。恋人の再会にしか見えないなあ。)

 

騒ぎを聞きつけ、近くで遊んでいたアドレーヌとワドルディがやって来た。

 

アドレーヌ「カーくん。あそこにいる女の子は?キービィのガールフレンド?」

カービィ「妹のレービィだって。」

ワドルディ「・・・恋人にしか見えない。」

 

家に帰るまでの間も、レービィはキービィにべったりだった。結局引っ越しの作業はキービィとワドルディに任せ、カービィたちはキービィの家のリビングで話をしていた。

 

レービィ「へー!じゃああなたがあの有名な星のカービィ・・・?あえて光栄!」

カービィ「なんだか恥ずかしいなぁ。」

 

アオービィ「それで、あなたにとってキービィはどんなお兄ちゃん?」

 

レービィ「優しくて、かっこよくて、頼りになって、・・・。最高のお兄ちゃんなの!」

 

アオービィ(やっぱり恋人にしか見えない。)

 

しばらくして、今度はキービィに話を聞くことにした。

 

アドレーヌ「レービィの態度、どうみても妹というより恋人みたいなんだけど・・・。」

キービィ「うん。・・・ブラザーコンプレックスって言うんだっけか。小さいころはこうじゃなかったんだけど。」

ワドルディ「そうなったきっかけってないの?」

キービィ「うーーん・・・。あの時・・・かな?」

 

 

 

 

 

 

キービィがプププタウンに引っ越してくる前のある日のこと。近所のプラモデル屋で欲しかったプラモデルを買ったキービィが、ウキウキ気分で家に帰ろうとした時だった。

 

キービィ「・・・?今レービィの声がしたような・・・?」

 

声が聞こえた路地裏に行ってみると、レービィが不良グループにからまれていた。レービィは怯えきって、いまにも泣き出しそうだ。

 

不良A「お嬢ちゃん、おれたちゃ難しいこといってんじゃないんだぜ?ただ、この道の通行料を払ってくれないかっていってんだ。」

レービィ「私、お、お金、もってないんです。み、見逃してください・・・。」

不良B「それじゃあここを通すわけにゃいかないねぇ。あっ、そうだ。俺の彼女になってくれるんなら、通してやってもいいよぉ?」

レービィ「い、いやだ・・・。怖いよぉ。」

 

タチの悪い不良である。路地裏の入り口から様子を伺う通行人も釘バットやヌンチャクを携えた不良を恐れ、見て見ぬふりである。

 

キービィ「おいっ!!」

 

不良C「あん?なんだおめぇは?」

レービィ「お兄ちゃん!」

不良A「お兄ちゃんだぁ?おいチビ。こいつの兄貴か?」

キービィ「あぁ。僕の可愛い妹を返してもらおうか?それと、路地裏だろうが何だろうが道はみんなの物だ。金をとって良いもんかよ!」

不良D「生意気なヤツだ!ガキはすっこんでろ!」

キービィ「・・・あいにくだけど、お前たちみたいなケダモノに、妹は渡したくないんでね。」

 

その一言に怒った不良がヌンチャクを投げつけた。だが、キービィは怯むことなくヌンチャクを吸い込んだ。

コピーしたのは、赤いハチマキがトレードマークの格闘技に特化した能力、ファイターだ。

 

不良A「ガキ、どうやらやる気みたいだなぁ。・・・いいだろう!俺たちに勝ったらこのお嬢ちゃんは返してやる。」

不良B「へっ、まあ俺たちに勝てるわけが・・・。」

 

キービィ「バルカンジャブ!」

 

不良B「ぶっ!?べっ!うぎゃあ!」

不良がセリフを言い終わるのを待つことなく、キービィは先制攻撃をしかけた。

 

キービィ「スマッシュパンチ!スピンキッ

ク!」

 

不良C「そげぶっ!」

不良D「ヒバタッ!」

 

キービィの容赦のない攻撃に不良たちは次々と吹き飛ばされ、レービィをつかまえている不良だけが残った。

 

不良A「な、なかなかやるな。だが、俺の前には可愛い可愛い妹がいるんだぜぇ?こいつがどうなってもいいのかゴラァ!?」

レービィ「ひっ!・・・お兄ちゃん・・・。」

不良A「どうだ。こいつが大事ならおとなしく・・・。」

キービィ「レービィ伏せとけよ~?・・・ライジンブレイクッ!」

 

不良A「ウボァー!」

 

キービィの一撃はレービィを避け、不良の顎にクリーンヒットした。

 

不良A「に・・・逃げろー!」

 

先程の威勢はどこへやら、不良たちは真っ青になって逃げていった。

 

キービィ「レービィ、大丈夫か?怪我は(ギュウッ!)・・・え?」

レービィ「グスッ、ありがとう!怖かった・・・。・・・お兄ちゃん大好き。」

 

 

 

 

 

 

キービィ「・・・ってことがあってさ。」

アドレーヌ「納得だわ。・・・男の人が苦手になって、キービィにくっつくようになったのね。」

 

 

アオービィ「怖い思いしてたのを助けてくれたんだもん。当然だわ。キービィ、レービィを末長く大切にね。」

 

キービィ「まあ、すぐにまた明るすぎるレービィに戻ったけどな・・・。あと、何結婚みたいな話になってんの?・・・カービィもなんか言ってよ。」

カービィ「ごめん、なんかよくわかんない!」

キービィ「・・・これだ。」

 

その日の夜、レービィはキービィの部屋にやって来た。久し振りにいっしょの部屋で寝たいそうだ。彼の部屋にはベッドは1つしかないため、レービィは敷き布団をだしてきて寝ることにした。

 

レービィ「・・・お兄ちゃん。」

キービィ「ん?」

レービィ「いっしょに寝るの、久し振りだねぇ。」

キービィ「そうだな。嵐の日の夜なんか、よく僕の部屋に来たりしたな。・・・姉さんは元気か?」

レービィ「うん!・・・時々ちょっと寂しそうにしてたけど。」

キービィ「いい薬になるといいんだけどな。・・・おい、ベッドに上がってくるな。」

レービィ「けちー。」

キービィ「・・・フッ。」

 

こうして二人は仲良く眠りについた。翌日キービィが目を覚ますと、彼はレービィに羽交い締めにされていたのだが、それはまた別のお話。

 

おしまい



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第11話A ぞくぞく?秋の怪談

注意!

・この作品は、星のカービィの二次創作作品です。
・pixivに投稿したものを修正して投稿しています。
・オリジナル設定、パロディ要素を多く含みます。
・ゲーム、アニメ、文庫版の世界観がごちゃ混ぜになる場合があります。
・戦闘シーンや冒険はほとんどありません。


※今回のお話は、pixiv版とは別のオリジナル回となります。今回のようにタイトルに「A」(AnotherのA)と付いているお話は、pixiv版にはないオリジナルの話となります。

あらかじめご了承のうえ、お楽しみください!




とある新月の夜。カービィたちは秘密基地でお泊まり会をしていた。アドレーヌとワドルディの料理やミービィのマジックショーでお泊まり会は大盛り上がり。そして全員が入浴を終えたところで、アカービィがこう切り出した。

 

アカービィ「まだ7時半か・・・。寝るにはまだまだ早いし、怪談話でもしようぜ?」

アオービィ「え゙っ。」

 

カービィ「かいだん?昇り降りする階段?」

キービィ「ちがうちがう。こわい話の怪談。」

アドレーヌ「面白そうね!」

ミービィ「やろやろ~。」

レービィ「さんせーい!」

 

アオービィ「わ、私パス・・・。」

アカービィ「どうせなら、誰のが一番怖かったか勝負しようぜ!パービィ。なんかいい道具ないか?」

 

アオービィの意見はスルーされた。

 

パービィ「オーケー。パンパカパーン!『恐怖メーター』!・・・こいつを誰かに取り付ければ、誰の怪談が一番怖かったかがすぐわかるぜぇ~。」

 

アカービィ「なるほど・・・。(チラッ)」

 

アカービィはアオービィを見つめてニヤリと笑った。

 

アオービィ「な・・・何?まさか・・・!」

アカービィ「審査員はお前だぁぁぁ!!!」

 

アオービィ「いやぁぁぁあ!!!」

 

アオービィは恐怖メーターを付けられ、逃げられないように部屋の柱に縛り付けられた。

 

アカービィ「よーし!早速始めようぜー。誰かネタのあるやつー?」

 

だが、誰も手を上げなかった。やろうやろうと言って集まったはいいが、全員ネタがすぐに思い付かなかったのである。

 

キービィ「怪談・・・。知ってるのあったかな。」

カービィ「シノビィでもいてくれたらなあ。何か知ってそうだし・・・。」

 

???「(にん)ッ!!」

カービィ「わっ!?」

 

シノビィ「お呼びとあらば即参上!シノの嬢推参!」

 

突然床が円形にくりぬかれ、シノビィが飛び出してきた。

 

キービィ(な、なぜ床から・・・。)

 

シノビィ「・・・なるほど。カイダン話ですか。・・・わかりました。私も参加しましょう!」

カービィ「やったあ!」

 

アドレーヌ「あ!はいはーい!最初は私からでいい?」

アカービィ「よーし決まりだ!最初はアドレーヌから!」

ミービィ「待ってましたぁ~!」

 

~一番手・アドレーヌ~

 

アドレーヌ「私たちの学校に密かに伝わる話なんだけど・・・。」

 

ミービィ「へえ~。学校の怪談かあ。」

 

アドレーヌ「放課後誰もいないはずの教室に、人影があるんだって。でも、よく見ると・・・。体の下半分が無いの!それで動き出すんだって!スイーって!スッゴく怖いの!」

 

最初は調子のいいスタートだったアドレーヌだが、途中からどんどん自分の感情が話の主になってしまった。

 

アカービィ(気持ちが先走ってうまく語れねえやつだな・・・。)

キービィ(下半身がないか・・・。まるでジオングだな。)

ミービィ「さ~判定は~?」

 

アオービィのメーターは・・・。100のうち15の目盛りを指していた。

 

アドレーヌ「えー!?こわいと思ったけど・・・。」

アオービィ(あ、あんまり怖くなかった・・・。)

 

アカービィ「よし。次!」

 

シノビィ「は、はい!」

 

~二番手・シノビィ~ 

 

シノビィ「あの、その・・・。カイダンとは言えこんなことお話ししていいのか・・・。」

ミービィ「ほうほう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノビィ「・・・男の子の××って・・・。○○が△△で凹凸・・・?」

 

アドレーヌ「!?」

アカービィ「(ガタァン!)」

キービィ「キャーッ!」

レービィ「ふむふむ。」

カービィ「・・・???」

ミービィ「・・・。(ポカーン)」

パービィ「おやおやぁ。」

 

キービィ「・・・ストップストッープ!!」

 

シノビィ「・・・へ?」

キービィ「全っ然怪談じゃないぞ!これはY談じゃないか!」

シノビィ「えっ。これカイダンじゃないんですか!?・・・忍の里で色仕掛けの術の書を読んで習ったことを言ってみたんですけど・・・。」

アカービィ「・・・怪談を知らんとは・・・。いいか?怪談ってのはあーだこーだ・・・。」

 

シノビィ「なんだぁ。そうなんですね。・・・ならとっておきのがありますよ!」

キービィ「ほんとに大丈夫なんだよね?」

 

~仕切り直し~

 

シノビィ「・・・雪山で男を助けた娘は、雪女でした。男は寒さで凍え、がたがたと震えが止まりません。娘はどうにかして男を助けてあげたいと思い、火を起こし始めました。・・・ですが、火で周りが暖かくなると雪女は消えてしまうのです。・・・『忍法・細雪(ささめゆき)』。」

 

シノビィの話は、忍術による臨場感溢れる演出によりカービィたちを引き付けた。

 

シノビィ「・・・翌朝、男は雪女に助けられたと言って里に帰りつきましたが、以来この山で雪女を見た人は誰もいませんでした・・・。」

 

話し終わったシノビィに、全員が拍手を贈った。

だが恐怖よりも感動が勝っており、恐怖メーターはほとんど動いていなかったのだった。

 

アカービィ「結局だめか・・・。次ー。」

ミービィ「はぁ~い~。オイラがやるよ~。」

アドレーヌ「ミーくん・・・。怪談ってたちじゃなくない?」

ミービィ「ひどいなぁ~。」

 

~三番手・ミービィ~

 

ミービィ「むか~しむかし。お饅頭が大好きな、たいそう自分勝手で、それはそれは素行の悪い真っ赤な男がいました。」

アカービィ「・・・ん?」

 

ミービィ「お饅頭をもっと食べたい男は、知り合いの発明家を脅してお饅頭を増やす道具を作ってもらいました。」

 

パービィ「『バイバイ菌』~!こいつを振りかければ、なんでも増えるぜぇ~。」

レービィ「・・・なんでパービィ君が喋ってるの?」

パービィ「手伝いってやつさ。ケッケッケー!」

 

ミービィ「発明家の言う通り、お饅頭はみるみる増えていきました。・・・ところが流石に40個も食べれば、さしもの大好物と言えどすっかり飽きてしまいました。」

カービィ「えー?ぼくなら1000個はいけるよ?」

アドレーヌ「あはは・・・。」

 

キービィ「おいミービィ。あんまり怖くないぞー。」

ミービィ「これからだよ~。・・・・・・さて、男が目を離した隙に、お饅頭はあれよあれよと増えていきました。ついには屋根を突き抜け、男は家を失った!!」

シノビィ「そ、それは恐ろしい・・・。」

 

ミービィ「200個が400個。1000個が2000個。1億個が2億個・・・。困り果てた男は発明家に泣きついた!」

パービィ「『はひふへ砲』~!」

ミービィ「発明家の気転でお饅頭を宇宙に飛ばし、危機は過ぎ去ったのです。・・・が!」

 

キービィ「・・・が?」

 

ミービィ「なんとまあ発明家が飛ばす方向を間違えて、隣の星にお饅頭が!これまたあれよあれよと増えていき、次の朝。男がニュースを見てみると、隣の星はお饅頭で滅びていたのでした・・・。」

 

レービィ「うわぁ。地味だけど怖かったねー。」

 

ミービィ「結果は~?」

 

アオービィの恐怖メーターは、45を指していた。

 

ミービィ「やったね~!オイラが1番~!」

アカービィ「・・・おい。たいそう自分勝手でそれはそれは素行の悪い真っ赤な男って、誰のことだ?」

 

アカービィがミービィの肩をぽんと叩いた。

 

ミービィ「あはは~・・・。ほ、他にネタのある人いない~?」

全員「・・・・・・。」

ミービィ「いないみたいだね~。じゃあ~、1番怖かったのはオイラってことでいいかな~?」

 

みんな「「はーい!」」

 

シノビィ「・・・あ!私夜の見回りがあるので、これにて失礼します!」

アカービィ「おう!」

 

ミービィ「えーと、シノビィが抜けたから~。1、2、3・・・10・・・、10?あれ~?オイラたち9人だよね~?」

 

全員「「えー??」」

 

見ると、カービィたちに混じって、半透明な女の子が手をあげていた。

 

アオービィ「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

レービィ&アドレーヌ「でたぁぁぁ!」

カービィ「すごーい!本物の幽霊だあ!たのしかったねー!」

幽霊「はい!とても!」

アオービィ「・・・ガクッ!(ボンッ!)」

アカービィ「あぁ!?メーターが壊れた!!」

ワドルディ「ひぇぇぇ!」

パービィ「ケーッケッケッケ!」

 

怪談の場には呼び込みやすい・・・そう言われているが、幽霊もやはり、怪談に興味があるのだろうか。

・・・ともかくこの晩、ほとんどのメンバーが眠れなかったのは言うまでもない。

 

おしまい




投稿が空いてしまってすみませんでした。ちょっと忙しい時期にはいってしまったりスランプになったりと散々ですが、失踪するつもりはありませんので、どうか温かく見守って下さると幸いです。


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