冒険の書 武装商人の生き様 (わくわくさん)
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武装商人

どうもワクワクさんですよろしくお願いします!


「もうすぐでグルー城下町だな」

男は馬車を操作して小さく呟く、しばらく走ると関所に着いた

「やあ、旦那かい!いつもご苦労さん。」

「あんたか、まあ通してくれ。」

「顔見知りだからって通すわけには行かないんだよなー、さ、荷物を見せてくれ。」

「はいはい分かりましたよ。」

と男はしぶしぶと荷物を下ろす。すると変なガチャガチャした棒がたくさん入っていた。

「奴さん、それはなんだい?」

その変なものに疑問を感じた警備兵が聞いた。

すると「アリア公国の新兵器さ。ライフルと言うらしいぞ。」男は説明した。

「へぇー新兵器ねぇ、アリアの奴さんもありがたいもんだねぇ。でも商人も大変だねぇ。」

その言葉にムッとした男はこう言い放った。

「俺は商人では無い、武装商人だ。」

「あぁ、すまん」

「まあ、いいか。じゃ、そろそろ行くわ。」

男は重い荷物を片付けて言った

「そうだ、顔は知ってるがあんたの名前は知らねぇ、あんたなんて名前だい?」

すると男は答えた。

「リュウだ、リュウ、ハラダ」

「へぇー、あんたニポン人か。」

「どうでもいいだろ、もう行くわ。」

「おーう!またこいよー!」

 

グルー城下町

「はーい!今日はスライム製の枕が大量にあるよー!安いよー!」

リュウは大声で言い放つ。すると人が集まってきた。

「枕2個おくれー」

「はいよ!計200ゴールドです!」

どんどん彼の商品は売れていく

「はーい!今日はこれでお開きねー!」

周りからえぇー!と聞こえる。自分の店の閉店に残念がってくれるのは心底嬉しいが大事な用があるのだ。

「皆さんまた今度なー!」

そう言ってリュウは高くそびえ立つ王城へ向かった。

 

グルー王城

多分ここに住んでる民ならば一番緊張する場、王城

だがリュウはそんなの気にもせず

「すいませーん!!」

「あなたですか。許可証を見せてください。」

「はいはーい!」

リュウは懐から出した丸まった紙をひろげて警備兵に渡す。

「確かに見せてもらったよ。今日は何を持ってきたんだい?」

リュウは例のブツを一丁出した。

「そいつはなんだい?」

「アリアの新兵器さの飛び道具さ。」

「茶化すなよ。矢がないじゃないか!」

「ライフルと言うらしいぞ。」

「よくわからんな。」

「矢じゃないんだ。弾を打ち出すんだ。」

「?」

「ま、説明書入ってるからよんでね。」

「お疲れさん。今度はどこに行くんだ。」

「ヤナン帝国でも行こうかな。」

「また、お前はそんな遠くに行くんだな。」

「まあ、良いだろう。」

「がんばれよ。国に一人の武装商人だからな」

リュウは何も言わずに、ただ誇るように頷いて去っていった。

 

馬車乗り場

 

リュウが出かける準備をしていた時一人の少女が話しかけてきた。

「またあんたどっか行くの?」

「おお、エリか」

エリ、キタジマ

リュウの幼なじみだ

「まったく、いつもあんたは危ないことして心配だし、退屈なのよ。」

「すまんな。今度はお土産買ってくるよ。」

「今度はどこ行くのよ…」

エリが心配そうに聞く

「ヤナン帝国だよ。」

リュウがぶっきらぼうに言ったら

「ヤナン帝国!?今、スコール国と戦争になりかけてるんでしょ!大丈夫なの!?」

「大丈夫だy、「私もついていく!」ってはぁ!?」

エリがすごいことを言った

「とってもあぶないんだぞ!」

「私が弓の名手って事しってるわよね。」

そうだったとリュウは思う。

「はぁ、分かったよ。」

「え?やった!!」

なんか異様な喜びようだ

「ほら、待ってやるから早く準備して来い。」

「ん、わかった。」

まあエリが同行したのは極たまにあったから地味に手馴れている。

 

関所

「やあ。」

「こんにちわ!」

相変わらず退屈そうに関所にたっている

「ああ、奴さんにエリちゃんか。今日は随分とはやいねぇ、どこ行くんだい?」

「ヤナン帝国だ。」

「あー、あっこか。戦争ばっかしてるが街なんかはいい場所だよ。」

「そうなの?」

エリが意外そうに聞く

「ああ、あそこはいい場所だ。真面目な人が多い。」

「ま、奴さんら気をつけてね。」

「おうよ!あんたもがんばれよ!」

関所から離れて行く

「なんかドキドキするね!」

「ああ、だけど気を付けないとな。」

「私には弓があるわよ。」

「弓はもう古い。やっぱライフルだろ。」

「らいふる?何その棒!?」

冒険の続きが始まる。

 



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足音

グルー王城
「王よ!大変です!」
王座の間に従者が慌ててくる
「何用だ、申せ。」
「国境のアラー大橋でヤナン、スコール両軍が交戦を開始しました!!」
アラー大橋はヤナン帝国!スコール国の国境である世界一大きい橋だと言われている。
「王よ、どうなさいますか。」
グルー王はうむ、と少し考えるような仕草をして、
「あいわかった。様子を見よう。伝令ご苦労。だった、下がって良いぞ。」
「ははっ!」
伝令兵は敬礼をして王座の間から出ていった。
その横で話を聞いていた男、彼は旅立つ前にリュウと話していた男だ。
男は静かにリュウの無事を祈っていた。


リュウがそのことを知ったのはアリア公国についた頃だ。ヤナン帝国は余りにも遠いので一旦アリアで1日過ごすのだ。

その頃二人は宿で

「へぇー、ライフルって凄いのね!」

「そうだろう、そうだろう!」

ライフルトークで盛り上がっていた。さすが幼馴染だ。

「あ、そうだ。ライフルも弾が無くちゃあ意味がない。…買いに行くか!」

「そうしましょう!」

異様にテンションの高い二人は外に出た。

すると

 

アリア城下町

「ごーうがーい!」

一人の男が大声で歩いていた。それを見て

「ねぇ、リュウ、ごうがいって何?」

「今入った最新の情報だ。グルーで言う緊急掲示だ。」

「ふぅーん。」

「けど号外って余程でかいことが起きたときしか出ないぞ。」

「例えば?」

エリが聞く。

「戦争とか」

迷わず言ったリュウにエリは苦笑いを浮かべる

「止めてよね」

「まあ、聞いてみよう。」

気付けば男の周りは人でいっぱいだ。

「号外!ごーうがーい!」

「なんだなんだ、早く言ってくれ!」

周りの人が急かす。

すると男は答えた。

「アラー大橋でヤナン、スコール両軍が衝突!全面戦争勃発の可能性大!」

この男の言葉で恐怖の足音が聞こえた気がしたような気がした。

 

宿屋

「で、これからどうするの?」

エリが話を切り出す。その事についてはリュウも考えていた。

「アリアでずっといるのも何だしな。でも行くとすれば今のうちに行った方がいい。」

「なんで?」

エリが訳を聞く。するとリュウから返答が来た。

「今の戦線区域は恐らくアラー大橋付近だ。グズグズしてると戦線が拡大して行けなくなる」

「成程…」

相槌を打つ。こっからヤナン帝国に行くのはとても危険だ。だからと言って引き返せば金が入らなくなり生活が困難になる。リュウにとっては重大なことだった。

考えているとまたあの声が響いた。

「ごーうがーい!ごーうがーい!」

 

「号外だよ!えー、国外からはるばる来てくださった旅人、商人の方々には申し訳ない。この度起きた戦争で下手にに外に出られないのは承知の上だ。しかし、この戦争について各国々の方針も変わるかもしれない。その為にお主たちにはこの国を一旦去ってもらいたい。これは近隣国との会議で決まったことだ。おぬしたちの帰路に祥あることを願う。…とこれは王の言葉だよ!」

リュウは不自然に思った。戦争が起きただけで総員帰国令が出るのか?もし出るとすればそれはもう世界を巻き込んだ大戦争…!

「エリ!帰る支度をしろ!」

リュウは思い立ったように言う

「え!なんなの急に!もう少しくらい休んでもいいでしょ!」

「嫌な予感がするんだ。それも飛びっきりの。」

リュウに近づく足音は徐々に大きくなっていく。

まるで先ほどリュウが想像したように…




グルー王城
「王よ、ヤナン帝国からのご客人です。」
男は静かにグルー王に近づく。
「会えて光栄です。グルー王よ」
「回りくどいのは良い…要件を申せ。」
「なら、遠慮なく…」
男は紙を王に渡す。
「我がヤナン帝国皇軍はグルー王国に対し宣戦を布告する!」
家来達が唖然とする中グルー王は待っていたかのように冷静な笑みを浮かべていた。


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