ケレンツェラ~世界の墓場・異常者の楽園~ ((´・ω・`)レンジ)
しおりを挟む

第1節 異常の素質

小説を初めて書かしていただきます(´・ω・`)レンジです。
この作品はかなりキツい描写もありますので苦手な方はブラウザバック推奨します。


ガタンゴトン…。ガタンゴトン…。

 

無機質な列車の音だけがこの空間を支配する。

 

自分が今、何処にいるのか、どの位置にいるのかも解らない。

 

周りの人間は人形の様に静かで動こうとしない…

 

そこで、戦闘服を着た大男の声が響く。

 

「もう間もなく、ケレンツェラ精神隔離更正施設に到着する‼ これから貴様らは社会から切り離され、更正プログラムを受けてもらう。」

 

「しかしだ‼ この隔離更正施設に収監されるとことは更正不可能と判断された者達だけだ‼ 私も、1級精神異常者に更正の余地など欠片も思っていない‼」

 

あぁ…、俺はそんな施設に収監されるんだ…。どうでもいいや…。俺はもう死んでるんだし…。

 

もう、何でも受け入れてやるさ…。この世に救いなんてあるわけ無い…。そんな事とっくの昔に経験したじゃないか、友達や親、全てに対してな‼

 

「私、個人としては死刑にしてしまった方が世の為だと思っているがな‼」

 

「最後に一つ‼ 貴様らには既に人権が剥奪されている‼ つまりだ、ここで殺し合いをしても誰も咎めん…好きなだけ自分の異常さを表現すればいいさ‼ 一生この島で‼ このケレンツェラ精神隔離更正施設で隔離されて死んでいけ、ゴミが‼ ここが‼ この島が貴様らの死地だ‼」

 

ここなら…。あの時の俺が正常なのかもな…。

 

アナウンスが流れる。

 

「ケレンツェラ島~。ケレンツェラ島に到着しました。」

 

列車が停止して、ドアが開く。

 

そして…。

 

「ようこそ、ケレンツェラ精神隔離更正施設へ‼ 歓迎するよ‼」

 

そこには白衣を着た金髪のサングラスをかけた白人の男性が迎えた。

 

「申し遅れました‼ 私は、グロヴィッツ・アーテスと申します。」

 

「これからあなた達の更正プログラムとカウンセリングを担当する者です。今後ともよろしくお願いしたいものですね。」

 

「では点呼を取りたいので、名前を呼ばれたら返事をお願いしたいので頼みますよ。」

 

順番に名前を呼び、返事をしていくだけかと思ったが、こいつに話しかけられ終わった奴は何かしらの反応を示した。

 

一人は笑いだして、一人は泣きだし、また一人は喜びだした。

 

こいつは一体何をしているんだ!? 物言えぬ恐怖が俺を包み込む。

 

そして、ついに俺の順番がやってきた。

 

「今回の列車の中では珍しいですね~。日本人じゃないですか、名前は? 藤城歩でいいのかな?」

 

俺は恐る恐る返事をした。

 

「はい、藤城歩で間違いありません。」

 

グロヴィッツは笑顔で話しかけた。

 

「声が小さいじゃないか、緊張しているのかな? どうして緊張する必要がある? 君は母国で3人の資産家の息子を殺害しているのに何を怯える必要がある? 私には解らないね~。」

 

違う…。違うんだ…。それは…。それは…。俺は…。

 

「ここには君の同類が大勢いるのに? むしろ喜ぶべきではないだろうか? 君は日本ではまず社会不適合者だ! 無論、君の顔を見れば大体の考えは予想がつくけどね。」

 

嘲笑うかのように言葉を繋げるグロヴィッツ

 

「無論、私も異常者だよ。」

 

「ここに居るのは例外なく異常者だけだ‼ 大きいも、小さいも全員同類なんだよ‼ わかるかい?」

 

「つまりだ!私と同類ってことだ‼ 私も君みたいに殺したよ? 強力な塩酸で顔がドロドロになるまで溶かしてさ‼ 最初は罵声とか抵抗はするんだけど‼ ヤバくなってるくると強制からお願いに変わるんだよ‼ 可笑しいよね!? そして泣きだすんだよ‼眼球が溶けて目かどうか判らないところから涙が出てくるんだよね‼ そして、最後にはどう言ったと思う?」

 

聞きたくない‼ もう嫌だ‼ 俺はこんな奴じゃない‼ 一緒にしないでくれ‼

 

「マ……マ……ダ…ズゲ……デ。」

 

「だぜ!? 笑っちまったよ‼ そして、そいつの頭蓋骨を粉砕して脳ミソをぐちゃぐちゃにかき回してやったよ‼」

 

そう言ってグロヴィッツは白目をむいて

 

「だのじがっだな~…。ウケケケケ。」

 

「君も殺した時は何とも言えない快感があっただろう? こう…。そいつの全てを奪ってやったって感じだろ!? 判るよ~♪ なんたって同類なんだもん‼」

 

俺の頭は混乱していた。

 

俺は異常者じゃない‼ 殺してなんかない‼ あれは事故だったんだ‼ お前と一緒にするな‼ 俺は正常だ‼

 

ずっと繰り返し、また俺の心があの時のよいに壊れないように保つので精一杯だった。

 

すると、先ほどの大男が催促をするかのごとく。

「グロヴィッツ‼ 何をやっている!? さっさとやれ‼ 貴様もこの中に居る奴と同じようにされたいか!?」

 

グロヴィッツはやれやれとした表情で振り向き。

 

「少しは待ってくれませんかね? こちらにも収監検査があるんですから。」

 

「後、また殺したんですか? いくら何でもやり過ぎてませんかね? もう桁が2つじゃききませんよ? いくら異常者が嫌いだからって、その異常さはここに居る異常者と何ら変わりないと思いますがね? 大森2尉。」

 

その言葉に苛立ったのか大森はグロヴィッツに銃口を向けて。

 

「殺されたいようだな? どうせここで殺しても罪には問われん。ここに居る全員を殺してもいいのだぞ? 口の聞き方を慎むのだなグロヴィッツ‼」

 

呆れた顔をしながらグロヴィッツは大森に近寄り話し始めた。

 

「や………。判っています?」

 

「知らん‼ 奴らは罪人だ‼ 殺されてもおかしくない存在だ‼」

 

諦めたグロヴィッツは。

 

「今回も隠しますが、そう毎回やられると管理報告でそちらに送る時に発覚しても知りませんよ? 以上です!」

 

大森は銃をしまい高圧的に吐き捨てる。

 

「それでいいのだ。最初からそうしとけば良いのだ劣等種が‼ 発覚すれば皆殺しだ。…ただそれだけだ。」

 

そう言い残し列車に乗り込み大森は去っていった。

 

そして、グロヴィッツが大声で言い放つ。

 

「ここが今日から君達の新たなる世界だ‼ 異常者よ‼ ようこそ楽園へ‼ そして‼ 正常者よ‼ ようこそ‼ この世の地獄へ‼ 異常こそ正常‼ 正常こそ異常のケレンツェラ精神隔離更正施設へ‼」

 

地獄の門が開かれる…。世界が変わってしまう…。

 

新たなる世界が俺を待っていた。




藤城歩
本当ならば普通の高校3年の男子だったのだがとある事件でケレンツェラ精神隔離更正施設に収監されることになる。

グロヴィッツ・アーテス
この施設のお偉いさんのようだ。

大森
藤城達を列車で輸送した人物。
今回の輸送でも10人は殺害している。
累計では余裕でトリプルスコアを叩き出す。
異常者。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2節 異常の常識

(´・ω・`)レンジです。
2話が完成したのでよろしければお付き合い下さい。


入島検査は普通の健康診断と大差なく進んでいった。たった一つを除いて…。

 

「番号22番!! 藤城歩くんどうぞお入り下さい。」

 

医者から入室の指示が出され、俺はそれに促され入室する。

 

「・・・・なっ!!」

 

俺は絶句した…。入室した医者の姿…、そして手に。

 

しかし、医者はその反応を気にせずに着席を促した。

 

「どうしたのかな? 私の顔に何か付いているのかな? もしかして私の姿に驚いているのかな?」

 

歩はその医者の姿に驚いていたのだ。

 

全身が包帯まみれで、腕は古傷であろう物も含めても夥しい数の傷があった。

 

医者は笑いながら話を続けた。

 

「こんなの普通だよ? 私はね、医者なんだよ? 血が怖くては治療は出来ないんだよ? だから普通なの、解るかな?」

 

何なんだその考えは!? ありえない!! この島は医者までもがこんなにも異常なのか!?

 

入島してからまだ数時間しか経っていない歩にとっては衝撃的な姿であり、発言であった。

 

そう考えてる内に医者が催促の言葉を入れてきた。

 

「早く座ってもらっていいかな? それとも私を誘ってるのかな? 君の血は何色なんだろうね?」

 

俺は慌てて席に着いた。

 

「そうそう、お利口だね~。そういう子は私は好きだよ~♪」

 

「君の驚いてる事はまた後で説明してあげるから、今は気にしないでいいよ~。」

 

そう言って医者は一つの機械を渡してきた。

 

「はい、これが君のレートを調べる機械だから君の利き腕に着けてね~。」

 

俺は無言で腕に着けた。いや…、着けさせられたんだ。

 

この医者…完全に狂ってる!! 医者が隠してる左手に青白い光が見えたのを歩は見逃さなかった。

 

スタンガンを隠し持ってる医者なんか聞いたことないぞ!!

 

そんな事など気にせずに医者は検査の説明を始める。

 

「君の経歴はグロヴィッツから聞いてるからね♪ その中から何個かの質問をさせてもらうよ~。」

 

俺は無言で頷く事しか出来なかった…。

 

「じゃあ、質問させもらおうかな…。その前にもう一つあったね。私の質問の返答は簡素な答えでもいいけど必ず私の(目)を見て答えてね?いい?ゼッタイだからね?」

 

最後の言葉にはもの凄い威圧感…、いや殺意すらも感じた。

 

人はこんなにもあっさり殺意を表面化できるものなのかと歩は戦慄した。

 

「君は父子家庭だったんだね?」

 

歩は即答で答えた。

 

「はい。」

 

医者は上機嫌そうに言葉を続ける。

 

「いいよ~、その調子だよ♪ じゃあ、次だね…。君は虐められてたのかな?」

 

歩は予想していた、必ず心を抉る質問が来る事を。

 

「はい。」

 

医者は淡々と質問を続ける。

 

「君は神って信じるかい?」

 

「いいえ。」

 

「詳しく聞いてもいいかな?」

 

「神がいるなら家族は離婚なんかせず、虐められず……。こんな事になんか…。」

 

医者は笑った。

 

「君は悲観的だね~、確かにねこの世に神なんて居ないさ!! 私だってそう思ってるさ!! 馬鹿でも解る!! けどね…、ここは違うんだ。もう悲観的にならなくていいんだよ…なんたってここは楽園なんだから! 神は居なくても楽園は人の手で創れるんだよ!! 異常者の楽園を!! だから曝け出そう!! 君の異常性を!! 私は楽しみだ!!」

 

「そして、君は最初に私の姿を見て驚いたよね? 理由が知りたいよね? 教えてあげるよ!!」

 

医者は冷静を取り戻したかのように話し出す。

 

「私はね元々、血が苦手だったんだよ…。可笑しいでしょ? だから慣れようとしたんだ…自分の血でね? それを何年か続けてきたけどね。痛いんだよ、傷跡が…。だから考えたんだよ。」

 

予想は出来ていた…。だけど歩はただ医者の話を聞くだけしか出来なかった。

 

「他人の血で克服すれば良いんだってね♪ まずは手短な死体でやったんだ!! けどね…生きてる人間みたいに血が出なかったんだ…。だから今度は、学校の友達で実験したんだ!! そしたらね!! 首の付け根を切った時に、…鮮やかな赤色だったんだよ!! 今も忘れられないよ!! あの時の興奮を!! だから私はここで医者をしてるの!! あの興奮がまた経験できるから!!」

 

俺は目を離すことが出来なかった…。完成された狂気を目の前に震える事しか出来なかった…。

 

医者が紙にペンで書き込んでいって完成された紙を渡してきた。

 

「診断終了!! ごめんね、私の話に付き合ってもらって。」

 

そして、医者がアナウンスマイクで放送をする。

 

「番号22番藤城 歩はレートDに所属する事になる!! 繰り返す!! 番号22番藤城 歩はレートDに所属する!! 以上。」

 

レートD? 俺は解らなかった。

 

「レートDとは一体何なんですか?」

 

医者は上機嫌に答える。

 

「この施設には異常レートがあってA~Gまであるの、Aが一番の落ち零れかな。そして、レートGは紛れもない最凶クラスの異常者だよ♪」

 

「しかし、最初からレートDは優秀だよ!! 最初は大概Bか高くてCなのに凄いね!! 私が驚いちゃった♪ 君は本当に才能あるよ!! 私が保障するよ!!」

 

「レートAとかBはすぐ自我を無くしちゃうから困っちゃうんだよね~。…だけど、君は私の威圧、いや…殺意に反応した上で自我を残した!! そして目をみた!! こんなの私が担当した中では始めて!! それが理由でレートD!! おめでとう!!」

 

俺は絶望した…。大丈夫だと思っていた…正常だと思っていた…。

 

「俺は…、異常者なのか…。」

 

医者は告げる。

 

「異常者でなにが悪いの!? 良いじゃん!! 人間誰しも異常じゃない奴なんて居やしないんだから!! ここは楽園なんだから!! 落ち込むんじゃない!! 笑おうよ♪」

 

「おっと、もうこんな時間だ、早いもんだね~♪ 君にはまた会いたいから私から名前を名乗らせてもらうよ…。君なら知ってるよね? 私の名前は…。」

 

「島越 藍(しまごし あい)」

 

俺はその名前を知っていた。まさかこんなところに居るなんて…。

 

そしてドアが開き黒服の男にレートD区域に誘導された…。

 

俺は解らなかった…。何で、何で彼女が…この島に…。

 

「彼女は…、2年前に行方不明になった先輩じゃないか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




島越 藍(しまごし あい)

歩の2つ上の先輩であったが、歩が高校1年の冬に行方不明となった先輩。
当時は傷など無く、容姿端麗の美少女であった。
生徒会長も務めていた。
歩との接点は彼女が何度か話しかけた程度。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3節 異常と生活

(´・ω・`)レンジです。第3話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


黒服に案内された場所は自分の部屋であろう場所であった。

 

「ここが今日から、藤城君が住む場所となる2人一組の共同寝室なのでよろしく頼む、何か質問等あれば受け付けるが?」

 

俺はその部屋を確認して把握する。

 

部屋はホテルでもあるベットが二つある部屋でキッチン・トイレが着いてあり、シャワーのみ完備してある、風呂に入りたければ共同浴槽を使えとの事である。

 

「男女とかの性別で分けられてるんですよね?」

 

男は不思議そうにこちらを見た。

 

「何故分ける必要がある? スペースの無駄なだけであろ? そんな事などしてるのはレートF以上からだな。」

 

俺は唖然とした。

 

「じゃ…。じゃあ!!時間指定は!?」

 

黒服は同じ反応を示し

 

「決める必要があるのか? 甚だ疑問に思えるがな?」

 

「レートEまでは性別で仕切る事のないルールだ、無論共有トイレもだ!!」

 

どういう事だよ!!! こんな所も異常なんて思っても見なかったぞおい!!

 

「じゃあ、せめて相方の性別を教えてくれませんか?」

 

黒服の答えは簡単だった。

 

「そんなもん自分で見てみればよい話しだろう?」

 

おかしい!! おかしい!!ナニを見るの!? ナニヲミレバイイノ!?

 

黒服は笑いながら言った。

 

「下の奴が有れば男だ。無ければ女だ。解りやすいではないか!!」

 

薄々予想はしてたけどお前は幼稚園児以下か!!

 

俺はあくまで自分は正常だと思って行動する!!こんな所まで異常になってたまるか!!!

 

「俺は一人の男として!! 一人の紳士として生活したいので時間指定をして下さい!!!」

 

いやね…。女子のたくさんの裸を見ながら風呂なんて夢にまで見たけどさ!!

 

こんな所でハーレムルート突入しても良いかもしれないけど!!男のロマンだよ!!

 

逃したくないけど!! 俺はこいつらと一緒じゃない!! 俺は正常なんだ!!

 

そこで、この部屋に急接近する足音が廊下から聞こえた。

 

ドドドドドドドドッ!!!!!

 

いきなり黒服の男が吹き飛ばされて俺の目の前の現れたのは…。

 

「ふ~っ…。邪魔なんだよデスタ、もう少しその無駄にデカイ体何とかならねえのか? それともアタシが縮めてやろうか? むしろよこせ!!」

 

俺の目の前に立っていたのは、綺麗な金髪のショートヘアで身長は155前後で、まだ発育途中なのか胸は残念ながらどうがんばってもBとはいえない貧相なバスト、今の行動を考えると結構ボーイッシュ…。いや…。かなりかな?

 

「何だよお前? ここはアタシの部屋だぞ?よそ者は帰った帰った!!」

 

俺に気づいたみたいだが全く動じてないみたいだ…。何故だ!?何故パンツ一枚で男の前に立てる!!

 

黒服のデスタが起き上がりその少女に説明する。

 

「ディーナよ…。クローバーJの言葉を聴かなかったのか? 今日の新人で唯一初期からレートD入りを果たした優等生が来ると…。」

 

クローバーJ? 気になる言葉がでてきたが…。多分、島越さんの事か…。

 

そういえば彼女はどのレートに居るのか聞き忘れたな…。

 

ディーナはデスタに勢いよく反論する。

 

「そんなの知らね~よ!! 確かにアタシの部屋はアタシ一人だけど!!レートDにはまだ空き部屋があるはずだぞ!! 何でアタシの部屋で暮らす事になってんだ!! 納得いかね~ぞ!!」

 

デスタは呆れた顔で返事をする。

 

「クローバーJの命令だ…。仕方ないだろ…。あと…。お前は暴れすぎだ…。いくら楽園だとしてもレートDの暴君なんていわれたら抑止するために誰か人を入れられるのは目に見えてただろうに…。」

 

ディーナは笑いながらデスタに言った。

 

「じゃあさ、こいつで賭けをしようよ!! こいつを1週間泊めてあげるよ…。一週間後に生きていたら大人しくしてやるよ。」

 

「でも、殺したらまたいつもどうりにさせてもらうぜ!!いいな!!デスタ!!」

 

デスタは呆れながら。

 

「そう、クローバーJに取り次いでおこう…。あのお方は怖いのであまり話したくないのだがな…。」

 

そしてディーナは笑いながらこちらを向いて言い放った。

 

「いいな!! 一週間だけアタシのおもちゃとして遊んでやる!! アタシの勝利条件はあんたを殺す事!! そしてあんたの勝利条件は1週間生き延びる事!!簡単なルールだ。」

 

「正確なルールはここのルールに則って毎日16時~19時まで自由時間の間とさせてもらう…。この毎日続く地獄に耐えられるかな?もちろん逃げ続けるのもありだし・ドロップアウトもありだぜ! 命は大事にしないとな?チキン君♪」

 

そういいながら笑顔で木刀を磨いていた。

 

俺は決めた…。1週間逃げ続けてやる!! こんな危険な奴にまともにやりあえる訳が無い!! しかも、男としての尊厳を傷つけられた!! 例え、格好が悪くても勝ってやる!!

 

顔は可愛いのにやっぱり異常者でしたよ…。

 

そう思いながら俺は。

 

「このレートD区域は大体敷地的に東○ディ○ニー・ラ○ド並あると聞いている…。逃げ切ってやるさそのサバイバル!!」

 

でも…。何か…。俺が欲してた物が少し有る気がしたんだ…。

 

こんなに明るくできなかったし…。口は悪くても人して見てくれる…。

 

もしかしたら死んでしまうかもしれない遊びに確かに俺は興奮していた!!

 

ディーナは驚いた後、笑って言った。

 

「驚いた…。私の威圧を物ともしないで…。ふっ…。ふふふふ……。明日から楽しくなりそうだ!! 藤城歩とか言ったな? 絶対!! 殺してやる!!」

 

俺も笑いながら言い返した。

 

「絶対逃げ切ってやる!! そしてお前を正常にしてやる!!」

 

俺は判っていた…。確実に俺は異常に傾いてるのに…。だけど…。心地良いんだ…。

 

あのころから無くした感情が蘇ってくるような気がして…。

 

そしてディーナが俺に命令してきた。

 

「おい、歩!! とりあえずアタシを着替えさせろ!!! 早くしろ!!お前は今日からアタシのおもちゃだぞ!! ほら言う事聞け!!殺すぞ!」

 

「早く脱がせろ!!」

 

あの~…。あなたが身に着けてるのは…。パンツしかないんですが…。

 

俺は更なる異常領域に踏み出しそうです…。

 

いや…。股間は正常でした…。はい…。

 

今夜…。眠れるかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ディーナ・ワーデン  
歩と同室となる少女
身長は低く、髪は金髪のショートヘアー。
容姿だけでいえば美少女。
しかし、言動は男性にも勝るとも劣らず、口が悪いのも特徴。
あまり性の意識はない模様。
歩の2つ年下。

デスタ
無口な黒服の男性。
身長が高く、かなりガッチリとした体形。
常に帽子をかぶっていて素顔が見えない。
常識に疎い模様。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4節 異常の学び方

(´・ω・`)レンジです。第4話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


目覚ましの音は鳴らなかった…。

 

でも俺は体に違和感を感じた…。

 

俺が目を開けて、眼前にいる少女が。

 

「おい!! お前は今日からアタシのおもちゃなんだぞ!! 誰が主人より遅く起きていいと言った!!」

 

「アタシより遅く起きた罰だ!! 早く着替えさせろ!! 学園に行くぞ!!」

 

俺は確実に嫌な顔をしながら。

 

「学園なんてあるだ…。俺は…。行きたくないな…。」

 

ディーナはその言葉に共感する。

 

「アタシだって行きたくない!! あんな場所なんか牢屋と同じだ!! 人はみんな同じではないんだ!! 集団なんか孤立させてあざ笑うための愚かな概念だ!!」

 

「だがな!! アタシは弱くない!! だから一人でいいんだ!! だからお前は必要ないんだ!! だから殺す!! いいな!!」

 

最後の言葉を発した時に俺は見えた。

 

ディーナは優しく微笑んでいた事に。

 

俺は少し安心したのかもしれない…。

 

こいつも何かしらのことで一人になってしまったのではないかと…。

 

嬉しかった…。孤独を少しでも共感してくれる人がいたのだから。

 

俺は笑いながら返事をした。

 

「そうだな!! お前は弱くない!! けど!! 俺は嬉しい!! だからこそ!! 俺はお前に殺される訳にはいかない理由が更に増えた!! 絶対お前に勝つ!!」

 

この島に着いてから初めて心からの言葉を出せた。

 

ディーナも笑い返して。

 

「威勢はいいな!! いいよ…。潰し甲斐がありそうじゃないか!! 楽しみだ!!」

 

ピピピピピピピピ!!!

 

アラームが鳴り響く。

 

ディーナは露骨に慌て始めた。

 

「もう15分前じゃね~か!! 嘘だろ!? おい!! 歩!! 早く着替えさせろ!! あの糞担任のカウンセリングはもう懲り懲りだ!!頭がおかしくなっちまう!!」

 

俺は子供をあやすかの様に笑顔で。

 

「はいはい!! じゃあ脱がすからじっとしとけよ!!」

 

あぁ…。俺は求めていたのかもしれない…。こんな、光に満ち溢れた生活に…。

 

例え歪でも…。異常でも…。この輝きを求めていたのかもしれない。

 

制服に着替えた…。基、俺が着替えさせたディーナが。

 

「早くしないと置いてくぞ!! アタシは待つのが嫌いだからな!!」

 

ディーナは走って学園へ急ぐ。

 

俺もディーナを追って学園へ急いだ。

 

そこにあるのは本物の異常者だけが集う魔窟だと知らずに…。

 

学園にはレベル毎に教室が割り振られてあった。

 

幸か不幸か俺はディーナと同じクラスに配属されていた。

 

ディーナは不満げに。

 

「何だよ教室までお前と一緒かよ!? 部屋も一緒で…。もしかしてお前、アタシのストーカーか何かか?」

 

俺は冗談めかしに。

 

「そんなわけあるか!! 今にも殺される相手をストーカーする奴が何処にいる!? そんなの狂っている。」

 

ディーナは不適に笑いながら答えた。

 

「解ってないね~。クローバーJに言われなかったか? ここは異常者のみが存在する場所だ!! お前の異常と思う事もここでは普通と判断されるんだ♪ もしかしたらお前がそうかもしれないって思っただけだよ♪」

 

「お前はまだここの事を理解してないようだな…。いいよ♪ 教えてあげる!!」

 

「あそこを見な…。お前にはいい薬だろ…。そして考え方を変えな…。ここではこれが()()だ……。」

 

ディーナが指を向けた方へ視線向けると…。

 

俺は物言えぬ苦しさと強烈に押し寄せる嘔吐感を抑えるのでいっぱいだった。

 

俺は…。今という現実という鈍器に後頭部から殴りつけられたかの様だった。

 

ここはどういう事があろうと、()()()しかいないのだと…。

 

そして俺は目を離すことが出来なかった…。そこにいた女性が美しかったのではなく…。

 

たとえ、公衆の面前でシャワーを浴びる事などディーナで慣れたといえばおかしいが…。耐性は付いたと自負していたが…。これは…。あまりにも…。

 

まるでそこだけが異世界の様に感じた。

 

その女性が浴びているのはお湯ではなく…。真っ赤に染まった鮮血であった…。

 

しかも、死体の数は1や2じゃなく…。5・6単位だった…。

 

その死体の至る所から血飛沫が上がり…。死後硬直で今も痙攣が続いてる…。

 

それをシャワーの様に浴びている…。

 

この世界はこれが普通…。これがおかしいはずなのに…。これが…。フツウ…。

 

ディーナは言う…。

 

「これがアタシ達が住んでいる世界なんだよ、多分生贄になったのはレートAにも満たなかったゴミ共か…。」

 

命はここまで軽いものなのか!? ただ異常のレートがAに満たなかっただけなのに!! だたこの世界の基準に満たなかっただけで!!

 

「これもアタシは見ててあまり気分の良いものではではないからな…。だが良い勉強にはなっただろう?」

 

俺は無言で頷いた…。

 

「アタシはお前を殺す…。だけど殺す気になるのはその3時間だけだ…。ルールは守る…。それすら守れないのは只の蛮人だ…。教室へ行こうか…。」

 

俺はディーナの言葉に従った…。

 

そして俺は思った…。ディーナはどのような異常者なのかと…。

 

ただ見ているだけだとただ単に幼いだけで何ら周辺の奴らとは違うような気がする…。

 

もしかしたら彼女も俺みたいな境遇にあったかもしれない…。

 

だったら彼女は救ってやれるかもしれない…。

 

絶望もした…。けど…。彼女がこのような異常者じゃないかも…そんな希望を抱いた。

 

 

 

 




この場所は新キャラ紹介の欄とさせてますが、今回は登場してないのでキャラ紹介はありません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5節 異常更生施設

(´・ω・`)レンジです。第5話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


逃げるかの様に教室に入り込んだ…。

 

ここに来てディーナの様子に変化が出た。

 

ディーナは何も喋らなくなり…。全てに興味をなくした顔をしていた。

 

そして教室の中には誰も俺の存在に反応する奴もいなかった。

 

「俺がいた世界では人気者になっていてもおかしくないシチュエーションなのにな。」

 

そう呟く…。クラスの連中は全員下を向き…。そして震えていた…。

 

そこに唯一知っている顔が声をかける。

 

「歩か…。ここは異常者が異常と思う…。場所…。ここに来る時に聞いたであろう…。この学校こそが更生プログラム施設なのだよ」

 

放送が流れる。

 

「ようこそ!! 久しぶりな人は久しぶり!! 昨日会った人はおはよう!! みんなの指導者グロヴィッツだよ!! 今日から新学期だよ~!! みんなが心躍らす新学期!!  良い響きだよね~♪ みんなは今年も更生プログラムを受けてもらって社会の適合するように頑張ろうね~。」

 

放送からグロヴィッツの陽気な声が聞こえてきた。

 

「私も心が痛いのだよ…。私の同胞達が更生プログラムを受けて悶絶して発狂してる姿を見てると凄く胸がね……。こう……。ウキウキするんだよね~!!! 私はレートGだから外の異常者からすれば私は更生不可能と判断されてるから、もうこの施設に通う事なんて無いんだよね~♪」

 

グロヴィッツはあざ笑いながら言葉を続ける。

 

「これから君たちの担任の先生がもう少ししたら到着すると思うんだけど…。逆らわないほうが良いと思うよ~♪ 何たって今年担当する奴らはレートFだからね~♪ 下手に逆らうと簡単に殺されるから気をつけてね♪ アハハハハ」

 

「当然だけど逃げる事は出来ないよ!! 君たちはこの異常になる為の苦痛を受けるかわりに、この天国にいるんだから!! 当然だよね? 逃げる奴は拘束して私の研究施設に来させるように担任に指示してるから、まぁ私に会いたいと言うなら無理にとは言わないけどね~。」

 

「おっと、時間のようだね~。もう少し話していたいところだが仕方ない…。君たちが更生して異常者になる事を期待してるよ!! じゃあね♪ アハハハハ」

 

グロヴィッツの放送が切れた。

 

その直後に教室全体が騒ぎが起きた…。

 

全体がその絶望を何らかの形で表現していた…。

 

泣き喚く・自分の手を掻き毟る・ノートにひたすら書き残す奴…。

 

俺は何故このように反応するのかが全く理解不能だった。

 

ディーナは呟く。

 

「レートF………。奴以来だな……。私がこのクラスにいるって事はそういう事か……。こんな事をしでかすのは奴ぐらいか……。今年は運が良いかもしれないな…。」

 

そういっている内に教室の扉が開く…。

 

今…。この扉が開く…。それは…。

 

俺は知らないうちに…。口に出していた…。

 

「レートF…。」

 

そして、そのレートF…。俺達の担任が姿を現した…。

 

俺は………。何も言えなかった……。ただ震えた……。あの恐怖を昨日知ったばかりだったから……。

 

担任は言った。

 

「今日からこのクラスを受け持つ事となった……。クローバーJだ……。最初に言っておく……。私はお前達を異常者にする気も無いし、プログラムも受けさせる気もさらさら無い…。」

 

「何故ならここは楽園だから!! 苦痛を感じる事は地獄と同じ!! だから私はここに居る!! 私もこの役割は最初は辞退したんだ…。けどね…。フフフフフ………。そこに金の卵がいれば話は別だよ……。その卵がどんな形で孵化して成体になるか私は凄く気になる!! こんな役割、誰にも譲るわけないでしょう!!」

 

その後にも何か言おうとしていたが…。

 

それをディーナの声が遮った…。

 

「クローバーJ!! 会いたかったぞ……。やっと……。やっと表舞台に引きずり出せた!! 壊してやる!! 殺してやる!! 骨の形すら判らないぐらいにな!!」

 

クローバーJは無表情でかつ威圧するかのようにディーナに返した。

 

「吼えるな………。犬は黙ってろ…。」

 

「お前も廃人にして検体にしてやろうか? アリッサと同様にな……。アハ…。アハハハハハ。」

 

「お前は歩が成長する踏み台だ……。アリッサの時のようにより良い人材に育成してくれたまえ!! アハハハハ。」

 

ディーナが狂気に染まった顔でこちらを向く。

 

「そうか…。お前はJのお気に入りなんだ……。じゃあ一週間なんて待たなくていいや……。ルールなんていいや!!! Jはアタシの世界に一人しか居ない友達を殺したんだ!! じゃあ、Jのお気に入りをこわしちゃえ……。エヘヘ。」

 

Jは淡々と言葉を返す。

 

「やってみればいいだろう…。どうせ無駄に終わるがな……。所詮万年レートDのお姫様にはこの金の卵には勝てないだろうがな。」

 

「まぁ、殺された場合は本気で貴様をとことん陵辱して精神を犯してやろう…。ディーナ・ワーデン」

 

ディーナは声を荒げてJに叫ぶ。

 

「その後は、貴様だJ!! 貴様の全てを壊してから殺してやる!! 全てを奪ってやる!!」

 

そして、ディーナは俺に笑顔で。

 

「私のために死んでね♪ お前がJのお気に入りだから悪いんだ。」

 

俺は…。逃げるのではなく…。戦う決意を固めた…。

 

おそらく幾多の悲しみを背負った少女を壊したのは別の人間だとしても…。

 

ここまで狂わしたのは紛れもなく奴だ…。俺は覚悟した。

 

「俺は死なない…。お前をこの呪縛から解放してやる…。」

 

ディーナは怒り狂った

 

「知った口を利くな!! アリッサは…貴様と違う!!」

 

この教室で初めてJが大声で言葉を発した。

 

「時間は本日の13時!! それ以前に死合を始めた場合は、ディーナ・ワーデン……。今度は何を壊させたい? アハハハハ」

 

ディーナは時間だけを聞き、教室を飛び出した…。

 

そしてJは俺に近づき…。

 

「君なら勝てるよ…。私が保障してあげる……。君は素晴らしい人材だ!! 来年まで待てないよ!! 君の過去…。そして私が…。島越 藍の時から気になっていたんだからね。アハハハハ」

 

俺は初めてJの狂気を感じなかった……。俺は……。

 

俺は…。彼女を救いたい…。ただそれだけを考えていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまで見てくれた閲覧者様方ありがとうございます。
新キャラが登場しないので、少しこれからの投稿頻度でも書かせていただきます。
私自身あまり書きなれていない事もありまして、書く速度も遅いので4~5日間隔で投稿出来たらと思っています。
なるべく早く投稿できるよう精進していきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6節 異常の過去

(´・ω・`)レンジです。第6話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


俺はその場に立ち尽くしていた…。

 

ディーナの過去に何が遭ったのか…。

 

俺は判らなかった…。

 

短い間だったが、彼女の言動にはちゃんとした理論があり義もあった。

 

そして、約束を破るような奴では無い様に感じていたのに何故…。

 

更に、Jが言っていたアリッサと言う人物とは一体何者なのか?

 

そして、その後にJが語った言葉の内容を紐解いていくと回答は出てしまうが…。

 

では、何故そのアリッサと言う人物がJの検体という事に遭わなければならなか

たのか…。

 

そして、あのディーナの反応にも疑問が拭えない…。

 

この島に居るという事は何かしらの異常が有るという前提でこの島に入った事に

なる。

 

更に、前の会話で彼女は「孤独」と言葉にしていた…。

 

では、何故…。孤独な彼女があそこまで狂気を前面に出して狂ったのか…。

 

俺の頭ではこのような考えが渦を巻いていた…。

 

いくら考えたって答えが出ない…。

 

その時だった。

 

「どうやら思考が纏まらないようだな。」

 

聞いたことのある声が俺の耳に入ってきた。

 

「無理も無い…。この島に来てまだ3日も経っていないのだからな。」

 

俺は、後ろを振り返った。

 

そこにはさっきまで姿の無かった黒服のデスタだった。

 

「お前は? ディーナの事を知っているのか?」

 

俺はデスタに問いた。

 

そして、デスタは頷いた。

 

「まぁ、私とて彼女のことを全て知っていると言えば嘘になるが、少なからず貴

様よりは彼女の事を知っている事を自負している。」

 

俺は気になった…。彼女の過去を…。そして知りたい…。何故…彼女がこの様になってしまったのかを…。

 

そして、俺はその考えをデスタに口にした。

 

「俺は知りたいんだ…。何故、彼女があんな様になってしまったのか…。」

 

しかし、デスタは首を横に振った。

 

「ダメだ…。」

 

俺は、混乱した…。こいつはディーナの過去を知っていると言った。

 

こいつは俺を挑発しに来たのか?

 

俺は頭がボーッとした…。

 

オレ……ハ………ナニ……ヲ……

 

そこで、吐き気のする声が耳元で聞こえた。

 

「良いよ~…。興奮してるね~♪ 君の能力は素晴らしい…。ジュルリ」

 

「君のその顔・目・口・腕・足、そしてウフフフ濡れてきちゃうかも。」

 

「早く、君の能力が開花するのが楽しみだ・け・ど。」

 

誰かが俺を抱きしめる。

 

そして、俺の意識が元に戻った時……。俺は本当の恐怖を感じた。

 

「今はダメだぞ~…。まだ殺しちゃだ~め♪ 君が成長したら沢山殺さしてあげる

らね…。だからもう少し待ってねアハハハ。」

 

Jが俺の体を抱きしめて完全に拘束していたんだ。

 

「クローバーJ貴女は何を……何で?」

 

クローバーJは不思議そうに答えた。

 

「君は、何故()()()()()場所に向かって喋りかけた上にナイフを突きつけたんだい? これからの死合いが楽しみなのかな? 判るよ~アハハハハ」

 

俺はJの言葉に疑問しか抱けなかった…。

 

何故ならそのナイフを向けたのは……。

 

俺は振り向いた時、本来ならありえない光景を目撃した。

 

「何故だ………。なんで……。」

 

そこには、デスタの姿が消えていたのだ…。

 

あの、目立つはずの黒服の切れ端すら残っていなかったのだ。

 

意識が朦朧としてから数秒と経過していないはず…。なのに何故!?

 

そして、Jが言葉を続ける。

 

「君は、過去とか云々を呟いていたが…。気にしない方が良いな~。」

 

「あんな2流の奴なんかの過去なんか聞いて、君が腐ったら…。」

 

俺は嫌な予感がした…。だけど……。体が……。動かない……。

 

「あの、無駄に綺麗な体を前も後ろも完全に壊して、全ての陵辱しても気がすま

ないから…。私の精神面的にも~♪ 聞かない方をオススメするよ~♪」

 

完全に壊れてる……寒い……早く……ハヤク…

 

俺は恐る恐る、口を開いた…。

 

「準備……を…じだいんで……」

 

呂律が回らない!! 何で!! 早くここから離れたいのに!!

 

「ずごじ………ぜぎヴぉ……はなじでも?」

 

言葉が出ない!! 早く!! 早く!! ハヤク!! ハヤク!!

 

そしたらJは笑って言った。

 

「あ~♪そうだったね!! ここは教室だ!! 私は先生で君は生徒だ!! いや~…♪忘れてたよ!!まぁ、午後にはお姫様との戦いもあるから一旦帰って準備してきなさい!!」

 

俺は心の底からホッとした…。

 

このままだと俺の心までJの言葉で陵辱されそうな気がして…。

 

「ありがとう…。ございます……。先生……。」

 

俺はこの言葉を言うのが精一杯で教室を出て走った…。

 

「4時間後には戻って来るんだよ~♪私の……。」

 

Jの声が後ろから聞こえるが無視した……。

 

俺はJの事を心から恐怖して且つ、心から拒絶した。

 

そこで、俺の袖に何かが入ってる事に気が付いた。

 

俺は袖の正体は小さな紙だったがそこに。

 

「これに気づいたという事は、奴の片鱗を味わったという事だ。」

 

「我、彼女の部屋で待つ。」

 

こう書かれていた、これの意味は只一つ!!

 

俺は、全力で走った!!

 

この行動で何かが変わると思ったから!!

 

だから俺は走る…。只ひたすらに!!

 

つい、2時間ほど前に見た扉を開けるとそこにはあの黒服が座っていて言った。

 

「ほう…。奴の狂気と恐怖を受けてなお、我と面会を望むか……。」

 

「覚悟は出来ていると判断するが……。そう捉えてもかまわんか?」

 

俺は大声でその黒服に言った。

 

「当たり前だ!! 奴が何だ!! 狂気や恐怖が何だ!! 俺はそんなのに屈しない!! 俺に夢や希望をたった一瞬でも与えてくれた子を見捨てたりしない!!」

 

そう言い切った時…デスタは優しく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまでお付き合いありがとうございます。
次からの過去編はなるべく短期間で投稿できるように頑張ります。
出来れば2日~3日間隔で投稿したいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7節 異常少女の開花

(´・ω・`)レンジです。第7話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


「歩よ……。何故、彼女にこだわるのだ? 何故……。彼女だったのだ?」

 

デスタはそう言って口を開き始めた。

 

「彼女は永遠の歪姫……。何もかもが歪んでしまったんだ…。」

 

デスタは言葉を続ける。

 

「彼女の出生は、ヨーロッパ王族の血筋で……。まぁ、本当のお姫様と言っても

良いぐらいだな。」

 

「だが……。彼女の一族は、旧制の王族の体制を重んじる過去思考主義の思考を重んじていたらしい…。」

 

「過去思考主義?」

 

俺はデスタに疑問をぶつける。

 

「あぁ…。中世ヨーロッパの王族は純血を美徳として扱い、自らの階級の保持や権力を確実のものにしようとしていたのだよ…。」

 

「今の時代で言うと、近親相姦を完全に推奨していた時代だ……。」

 

「そんな、時代はもう過去の物だと思われ風化されていくはずの忌むべき文化だ……。しかし、その過去に取り付かれたかの様にその思考を信じ……。」

 

「彼女はワーデン家の第2王女として生まれた……。私の考えとしては……。生を与えられなかった方が彼女の為だったかもしれないと思う……。」

 

一体、彼女の家系に何があって……。

 

これだけ聞いていれば、彼女がここにいる理由が全く判らない…。

 

俺は、デスタの話に只ただ無言で聞いていることしか出来なかった。

 

「最初は、家族円満な生活を送っていたらしい……。しかし、それは最初だけだったと彼女は言った…。」

 

「彼女が生まれて5年の月日が経とうとしてる時に……。最初の事件が起きた。」

 

「母の急逝だ……。夫であり弟であった父は、その死を真実と捉える事を拒絶した。」

 

「彼女の母は貴族院の最大決定権を持つ人物であったらしい……。」

 

「そして、彼女の父は初めて、権力を失う事を知り錯乱したのだ……。」

 

「そこからは、悪夢の様な日々が始まったと聞く。」

 

彼女が、この島に来た原因は少なからずその父によるものがあると俺は認識した。

 

しかし、疑問もあった。

 

「少し待ってくれ!彼女の父の妻は彼女の父の姉でもあったのだろう?何故、権力を

失う事になってしまったんだ?」

 

デスタは表情を変えずに言った。

 

「理由は簡単だ、その一族の体制に決定的な綻びがあった事だよ……。」

 

「通常の王族や貴族は王や公使は外様から姫を招き結婚する……。つまり、招く事は常に男性が権力を持ち、その姫に世継ぎに王になる教育を施すのだ…。」

 

「しかし、彼女の一族の場合、前提が違う……。完全に隔絶された、閉鎖的な一族の場合、優秀な方に権力を集中させれば一族の血を守れた上で一族の繁栄が約束される事になる…。」

 

「しかし、優秀な片割れが欠けてしまった時ほどこの体制の弱みが出るのだよ。」

 

「端的に言おう…。彼女の父は只のお飾りの無能だったのだよ。」

 

「その無能はあろう事か狂気の考えに至ってしまったのだ…。」

 

「まだ10の娘……。彼女の姉の幼すぎる体を使い、姉の復活を実行したらしい。」

 

戦慄した……。あまりにも、行き過ぎた狂気の結論に……。

 

失われた権力…。

 

決して戻らぬ最愛の妻…。

 

その二つを失った時……。人はここまで正常な判断ができなくなってしまうのかと…。

 

「これは、彼女本人から聞いたのだが……。この言葉はあまりにも生々しかったな。」

 

一体……。狂気に取り付かれた王は何を……。

 

「メイは死なない……。お前の腹の中に眠っているのだろう? 早く出てきておくれよ……。そして、また私を叱っておくれよ……。子供もまた作ろう!!だから……。こんな出来損ないなんて、生贄にでもするからさ……。」

 

信じられない……。彼女の父は、彼女たちを只の物としか認識していなかったのだと。

 

「そして、彼女に更なる悲劇が襲った……。」

 

もはや、予想するのも難しくなかった…。

 

「彼女の姉の自殺だ。」

 

「彼女の姉の死は彼女にとってどれだけの衝撃だったかは図りかねるが…。」

 

「残された彼女はどれだけ…。苦しかったのであろうな…。」

 

「狂気に取り付かれた父の手によって、あまりにも惨たらしく殺されたと言っても

いいほどの姉……。」

 

「それでも、彼女は強かったのだろうな……。」

 

「彼女は、父に考えを改めるように言ったのだよ……。祖父や祖母に頼みながら…。」

 

「だが、彼女の頑張りとは逆に状況は悪化していく……。」

 

「彼女が8つの誕生日……。父は祖父・祖母を殺害したのだ…。」

 

「父は言葉少なくにこう言ったらしい。」

 

「血族では無いものが私に口を聞くな。」

 

「そう……。彼女の父の中では既に血族とは妻……。姉だけであったのだよ。」

 

「王族の政治不安等で、治安が悪化していく中で……。父は言ったらしい…。」

 

「全てはディーナが悪いのでは? そうだ!!! そうに違いない!! 貴様は魔女だ!!」

 

「中世ヨーロッパであった、魔女狩りの魔女の汚名を実の娘に着せたのだ…。」

 

「狂気に囚われた王は……。彼女を独房に閉じ込めた。」

 

「まともな食料を与えられず……。水分すら満足に取れなかったと聞く。」

 

「そんな生活は2年も続いたある日……。彼女の運命を変える時が来たのだ。」

 

「彼女が10になり、もうすぐ11になる時だったと聞く。」

 

「王の政治に対して、不満や怒り等を抱えた民が反乱を起こしたのだ。」

 

「王は自らの命を守るべく、衛兵を出動させたが……。政治不安の元凶を守るのは

たかが知れている……。」

 

「王の残された道は、民に今までの政治不安を払拭させる為に、自らの政治責任

彼女に向けたのだ……。」

 

ふざけるな……。何故……。自らの娘をこんなにも……。

 

俺は拳を強く握りこみ、唇を強くかみ締める事しか出来なかった。

 

「王は実の娘を魔女と罵り、全ての責任を押し付けて且つ彼女を処刑するという

事で今までの政治不安を解消しようと図ったのだ。」

 

「王は民に彼女の処刑日を宣言し、彼女を始めて公の場に出さしたのだ……。」

 

「王はここで完全に安心したのであろうな……。」

 

「数日間の猶予を設けて、行動範囲を限定した上で自由の身にしたのだ。」

 

「今までの愛を全て奪われ……。大切な家族をたった一人の男に殺され…。

悪の象徴である魔女の汚名を着せられ……。2年余りの時を暗い独房で過ごし……。

自らの政治不安が招いた責任を全て押し付けられた……。」

 

「彼女は既に正常な判断など捨てていたのだよ……。」

 

「彼女は感情を完全に無くし……。それ以降の記憶を曖昧だったと聞く…。」

 

「その後ではっきり覚えていたのは……。」

 

「自分が憎みに憎んだを男が十字架に貼り付けられ燃えている時だったらしい。」

 

「彼女は笑いもせず……。泣きもせず……。只ただ……。悲鳴をあげてて燃える男を見ていたらしい。」

 

「まぁ、当然の報いだな……。我でも当然だと思う。」

 

「しかし、周りは当然との判断が出来なかった……。」

 

「彼女は王殺しの名を着せられ……。処刑を行うのも恐れられた彼女は、国家永久

追放としてこの島に収監されたのだ…。」

 

俺は気が付いたら思いっきり壁を殴って叫んだ。

 

「彼女は何も間違っていない!! 例えそれが間違いであってもそれは異常でも何で

もない!! それが正常なんだ!! 俺がこの島の思考に染まってなくても解る事だ!!」

 

「彼女があのまま処刑されることが正常と言うのなら!! 俺はその世界の正常を

否定してやる!! 彼女は俺を少なからず人して見てくれた!! 不器用なりに世話や

ルールを教えてくれた!! 彼女は異常じゃない!! 俺がそれを証明する!! それが

俺の出来る恩返しだ!! 時間なんて関係ない!!」

 

デスタは笑っていた……。

 

「その言葉を口にするのはまだ早いのではないのであろうか?」

 

「我はまだアリッサやJの存在を話していないぞ……。」

 

「この島からだよ……彼女の本当の異常性が開花したのは……。」

 

不敵な笑みを浮かべるデスタ……。

 

俺は、本当の彼女の異常を知るときがきたのだ…。

 

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまでお付き合いありがとうございます。
今回は3000文字を超える長さとなり、少し予定より遅れてしまいましてすいません。
次はなるべく早めに書けるように努力します…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8節 異常の花が満ちる時

(´・ω・`)レンジです。第8話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


「ここからは、我も見ているので不明瞭な点はないと思われる。」

 

と前置きを挟んで、デスタは話を進めた。

 

「彼女は貴様も乗ったであろう電車で連れて来られたのだ。」

 

「そして、貴様も受けた異常度の計測が行われたのだ…。」

 

「結果はその当初最高初期レートのレートDを授かった……。」

 

「しかし、彼女はこの島に着てから言葉を一つも発していなかったのだ…。」

 

「当然だな……。彼女の過去を知っていればその行動にも正当性が伺える。」

 

「まぁ、この島の人間は基本的には自己中心的な人間が大多数を占めるので

彼女に干渉する人間は皆無だった……。たった一人を除いてな。」

 

俺はデスタがその人物の名前を発する前に声にしていた。

 

「その人物こそが……。アリッサなのか?」

 

デスタは表情を変えることなく頷いた。

 

「そうだ……。アリッサ・ビーニング……。彼女の2つ年上にあたる少女だ。」

 

「彼女もレートDにあたる異常者だった。」

 

「そもそも、この島の異常レート検査はレート判定ともう一つの検査が行われるのは知っていたかい? 藤城歩?」

 

俺はJのあの検査の過去を振り返ったがそんな事をされた記憶が全く無く困惑した。

 

「何なんだ? その検査とは? 俺は何の検査をされたんだ?」

 

「俺はJから何もそんな事を聴いてもないし知りもしないぞ!?」

 

取り乱す歩をデスタがトーンを落としたドス黒い声で制止を促す。

 

「取り乱すでない……。貴様はまだ開花していないだけだ……。ただそれだけだ……。」

 

解らない……。一体何が開花してないんだ!?

 

そんな中デスタは話を続けた。

 

「もう一つの検査とはその固体が有する異常の名称だ……。慌てるほどでもない……。」

 

「その当時のディーナは貴様と同様に開花していなかったのだよ…。」

 

「だから、その話しもする必要も無かったという訳だ…。」

 

「アリッサは固体の異常名称が判明されていたのだ。」

 

「アリッサの異常名称は()()()()()()()()。」

 

「その異常名称はまさに彼女を表すには一番であった名称だった…。」

 

「彼女は頭脳明晰であり、明るい性格をしており誰とでも友人を作ろうとした……。」

 

「外の世界では人気者であったであろう人間だが……。この島はそうでは無い……。外の世界の正常がこの島ではどれだけ異常であるか……。貴様も経験したであろう?」

 

「彼女の異常性は突発で起こる、凶暴性にあった……。」

 

「身体の限界を超えた力量で、自らの敵とみなした者を容赦無く血で染めた…。」

 

「表は明るく、友人思いの人間で・裏は自身の赴くままに暴虐を振るう暴君……。」

 

「どちらかしか、その体で生きる事しかできない人間……。片割れが表面化する場合もう片割れは裏で死人となる……。」

 

「まさに……。()()()()()()()()……。これ以上に彼女を表す言葉はなかった。」

 

「彼女は何とかしてディーナに振り向いて欲しかったのだろうな……。」

 

「ディーナに会えば、毎日おどけて見せて……。話しかけ……。」

 

「どれだけ無視されても、彼女は声をかけるのを辞めなかった……。」

 

「何が彼女をそうさせたのか……。我には理解に苦しむな……。」

 

「そして、5ヶ月の月日が過ぎる時……。ディーナはやっと重い唇を開けた…。」

 

「何で私に構うの?一人ににさせてよ……。」

 

「ディーナにとっては拒絶の言葉であったのであろう……。しかし、彼女は嬉しかったのであろうな……。彼女は。」

 

「やっと話してくれた!! 長かったんだから!! だってあなたはこの中で違うと思ったもん!!」

 

「その後も、彼女はディーナに話しかけた……。最初は嫌々ながら対応していたディーナも時を重ねる事により、昔の明るさが顔を覗かせる事も多くなった。」

 

「凄い事に、その翌年には同じ部屋割りで同居する仲までに進んだ。」

 

「レートDで、アリッサとディーナは唯一無二の友人であると言える存在となった。」

 

「アリッサはディーナと関わる事により、今までの突発的な激情発作の頻度が減っていった……。約1週に一度の頻度の発作が月に1度の頻度になったようだった…。」

 

「不思議に発作が起きても彼女の為と言い、自制をきかせれる程に、自身の異常を

制御できるほどの成長を見せたのであった…。」

 

「このまま幸せな時間が続くと誰もが思っていた時に、アリッサに不幸が押し寄せた…。」

 

「ディーナと出会って3年の月日が過ぎたある日…。」

 

「原因不明の常時型での激情が起きたのだ……。」

 

「通常では30分もあればその激情は収まるのだが……。常時型激情を発生してからはその激情時間は4倍以上に膨れ上がり……更に日に日にその時間が延びていった……。」

 

「アリッサの激情状態の被害者はこの島の上層部にも伝わる程の数に達したと聞く。」

 

「しかし、アリッサはディーナだけは……。ディーナだけは傷つけはしなかった…。」

 

「常時型異常を発症し、激情状態で理性も崩壊状態でも関わらずに……。」

 

「彼女は何を思ってディーナに近づいて……。彼女は何を彼女に求めたのか…。」

 

「アリッサとディーナに何かしらの共通点があったのだろうか?我とてその過去の疑問が晴れない…。」

 

「アリッサの過去の経歴は不明であり……。唯一の友と言えるディーナも口を割ろうとしない。」

 

アリッサは過去にどの様な経歴を経てこの島に来たのか……。

 

そして、ディーナに何故近づいたのか…。

 

デスタも第三者としての視点からでしか考えるとしかできない……。

 

俺はデスタに友好的な感情が芽生えた。

 

そして、その言葉を俺は少し笑いながら口にした。

 

「お前も後悔してるんだな……。解らない……。疑問が晴れない……。今の俺と同じだ。」

 

「お前の言い方は基本的に第三者として立った中立姿勢で感情がと乏しい奴だと

思っていた……。けど、違う!! 少し見直したよ!!」

 

デスタは苦々しく笑いながら言った。

 

「我とて、その程度の感情は持ち合わせておる……。ただ、無駄に感情を表に出すと残るのは無念と後悔だけだと知っているからな……。話しを戻そう…。」

 

何故か、最後の言葉は少し悲しそうだった…。

 

「彼女の常時型激情状態が進行していく中で、事態を収束に向かわせる為に上層部が研究員と戦闘専用のレートC部隊を派遣したのだ……。」

 

「上層部の考えは、所詮レートDの異常者1人に対して30を越える戦闘員を向かわせれば事態の収束が約束されると思っていたのであろう…。」

 

「しかし、これを期に状況は深刻さを増す……。」

 

「あろう事かアリッサは戦闘員30人をわずか30分で血で染めたのだ……。」

 

「戦闘専用レートCは通常団体レートでDに匹敵する奴らだ……。それを僅か30分で…。」

 

「予想を裏切る結果に対して、上層部では色々な案が浮上されたと聞く……。」

 

「戦闘専用レートⅮに引き上げ…。又は殺処分にするか……。他にも案はあったらしいが。」

 

「その現状を判断する為に一人のレートFが送りこまれた……。」

 

「レートFは更に細かく階級区分がされており、トランプの絵札で階級が決まる。」

 

「その階級はハーツQ……。そして……。後のクローバJだ……。」

 

遂に、現したディーナの仇……。

 

俺は、彼女の本当の悲劇を知る……。

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまでお付き合いありがとうございます。
色々の予定でごたごたしたので投稿が遅れてしまいました・・・。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。