Aqoursの日常 (そらよう)
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黒澤ルビィの憂鬱

はい!!そらようです!!
超不定期更新となりますが、Aqoursメンバーの日常を描きたくなって書かせてもらいました!!
楽しんでもらえると幸いです!!
baseball storyは3rd福岡が終わって来週には再開したいと思っておりますのでそちらもよろしくです!!


曜「だからー、私が千歌だって言ってるじゃん!!なんで信じてくれないの??」

 

千歌「そうだヨーソロー!!ルビィちゃんなら分かってくれると思ってたんだけどなあ…」

 

ルビィ「いや、この状況を100歩譲って理解出来たとしても受けいられるわけないよ、曜ちゃん、千歌ちゃん。」

 

曜「だから、私が千歌だって!!」

 

千歌「だから、私が!!」

 

どうして、こんな状況になってしまったのかは私、黒澤ルビィが責任を持って説明させてもらいます。

いや、この普通じゃないことの責任を取るよりも全然大丈夫なので心配しないでくださいね。

昨日からもうすぐユニットカーニバルが近いということでCYaRon!の今までの曲とダンスの確認をしようという話で千歌ちゃんのお家に曜ちゃんと泊まりに行っていました。

初日は楽しく、何事もなく過ぎたのですが…眠くなったのでルビィは先に寝てしまったのです。

これが行けなかったかもしれません……

いや、もっと更なる混乱を招く可能性を考えると寝ていてよかったのかもしれませんね。

朝、目が覚めると……

 

曜「ルビィちゃん!!起きて!!大変だよ!!私、高海千歌だよ!!どうなってるの!!」

 

千歌「た、大変であります!!まさか、千歌ちゃんと私の体が入れ替わってしまったのであります!!」

 

ルビィ「え??2人とも何言ってるの?ルビィ眠いからもう少しだけ寝させてもらうね…」

 

千歌「ちょ…ルビィちゃん起きて!!かなり大変なことになってるんだよ!!」

 

ルビィ「2人して口調まで真似てさすが親友だね…でも、それを悪ふざけに使うのはちょっと……」

 

曜「しょうがない…千歌が千歌だって証拠見せてやる!!」

 

千歌「へ?千歌ちゃん何する気??」

 

そう言ったときにはとんでもないことをはじめていた。

 

曜「てえい!!」

 

なんと、果南ちゃんとの特訓の末、編み出したMIRACLE WAVEで使ったロンダード+バク転のコンボを千歌ちゃんの部屋でやり始めたのです。

 

バタァン!!

当然、すごい音を立てながらふすまは3mほど飛んでいって壁に当たった。

まだ、朝5時半です。

この時間に人の家で曜ちゃんがこんなことするとはルビィには思えませんでした。

ということは……

 

ルビィ「ほ、ホントに千歌ちゃんなの??」

 

曜(千歌)「やっと、信じてくれたんだね!!ルビィちゃん!!」

 

ルビィ「いや、100%では無いけど…曜ちゃんは人の家でこんな非常識なことしないだろうなあ…って思ったらね。」

 

千歌(曜)「何はともあれよかったよ〜!!」

 

曜(千歌)「千歌は非常識って言われたから良くないよ!!千歌、ご立腹!!」

 

いや、非常識でしょ…あの飛んでいった千歌ちゃんの部屋のふすまは誰が直すの…っていうのは怖いので聞かなかったです。

 

 

―――

 

 

というわけで冒頭に戻るってわけです。

ここからは()抜きで、入れ替わってるけど話してる中身の人を表記しておきますね。

あ、そういえば、一番大事なことを聞くことを忘れていました!!

 

ルビィ「そういえば、曜ちゃん、なんで2人は入れ替わっちゃったの?」

 

曜「それはね…ルビィちゃんが寝た後に……」

 

 

―――(回想)

 

 

千歌「ルビィちゃん、寝ちゃったね!!」

 

曜「もう遅いから私達も寝よっか〜。」

 

千歌「え〜、まだ遊び足りないよ〜、曜ちゃん!!」

 

曜「明日も練習するんでしょ!!そろそろ寝ないと〜。」

 

千歌「曜ちゃんのケチ〜!!そんな曜ちゃんはこうしてやる!!くすぐり攻撃だ!!」

 

曜「ちょっ!千歌ちゃん!やめっ!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!や、やめて〜。」

 

千歌「曜ちゃんが寝ないというまでくすぐるのだ!!」

 

曜「どっちが頑固なのさ!!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

千歌「まだ、くすぐりが足りぬのかお主!!じゃあ、もっとくすぐってやる!!千歌必殺!!百裂くすぐり!!うわっ!!」

 

曜「千歌ちゃん!!」

 

 

―――

 

ルビィ「それで千歌ちゃんがバランスを崩して曜ちゃんの上に落ちてきて、二人とも気を失って起きたらこうなっていた、こういうことですか??」

 

曜「そうなんだよ…面目ない…」

 

ルビィ「ってことは原因は!!!!」

 

千歌「違うの!!くすぐった千歌が悪いんじゃなくて頑固な曜ちゃんが悪…ひっ、ルビィちゃん、今まで見たことないような顔してるよ?スマイルがんばルビィだよ!!ほら!!」

 

ルビィ「バカなこと言ってないで巻き込んじゃった曜ちゃんに謝るのが先でしょ!!」

 

千歌「うっ…ごめんね、曜ちゃん……」

 

曜「千歌ちゃん、泣かなくてもいいんだよ…絶対戻る方法はあるはずだから、心配しないで!!」

 

まあ、千歌ちゃんも反省したところでそろそろ考えなければいけないのはユニットカーニバルのことです。

1週間前に迫っているということでなんと、リハーサルは明日!!

今日中に解決しなければなりません!!

 

ルビィ「と、とりあえず、漫画とか小説であるような戻り方を試してみようよ!!」

 

曜「それはいい考えでありますな!!どんなのがあるの??」

 

ルビィ「えっと…ありがちなのは…1日遊んで仲良くなってからキスしたら元に戻るとか、同じ衝撃を与えたら戻るとか、もっとブラックなのだったら、いっそ死んで異世界転生するとか…そんな所かな??」

 

千歌「ブラックすぎるよ!!最後のは千歌達、死んでるじゃん!!」

 

ルビィ「ごめんごめん、さすがに最後のは冗談だよ。まずは同じ衝撃またはそれ以上の衝撃を与えることから始める?」

 

曜「いや、それは最終手段の方がありがたいかな……まずは3人で今日一日遊びに行ってみる?」

 

千歌「さんせーい!!どこにいく??」

 

3人「うーん……あっ!!

 

3人「遊園地!!」

 

 

―――

 

 

はい、というわけで3人で遊園地に来ました。

遊園地に来るのはお姉ちゃんとずいぶん前に来て以来だからちょっと楽しみかも!!

 

ルビィ「最初はルビィ、コーヒーカップに乗りたいなあ…」

 

曜「おっ、ルビィちゃん、分かってるでありますね!!」

 

千歌「そうだね!!あれほどスリリングなアトラクションないもんね!!」

 

ルビィ「スリリング?コーヒーカップが??」

 

2人「うん!!」

 

コーヒーカップがスリリングって言うくらいだから案外ジェットコースターとかが怖いのかもしれない…

人は見かけによらないですねっ!!

 

ルビィ「じゃあ最初はコーヒーカップに行こう!!」

 

そう言って3人乗りのコーヒーカップに乗った私はこのとき気づいてませんでした…

この2人のテンションの上がり方とこれから起こることに……

 

曜「やっぱりコーヒーカップは楽しいでありますね!!千歌ちゃん、ルビィちゃん!!」

 

千歌「このぐるぐる回る感じ!!最高だよっ!!二人とももっと行けるよね!!!!」

 

ルビィ「ちょっ、二人とも回し過ぎだって!!ヤバいよ!!目が回るぅぅぅぅ……」

 

ルビィ達のコーヒーカップだけ異次元の回り方をしていたのです。

これは確かにスリリングなアトラクション…

って言ってる場合じゃなくて!!

 

ルビィ「ちょっと二人とも!!もう少しスピードを……」

 

2人「え?スピードが物足りないって?そう言うと思ったよ!!行くよ!!!!」

 

ルビィ「えっ、違うって、ピギャァァァァァァァ!!」

 

 

―――

 

千歌「いやあ、大回転コーヒーカップは楽しかったね!!」

 

曜「回し過ぎていい汗かいたね!!ルビィちゃんも楽しかった??」

 

ルビィ「……楽しかったよ……」

 

千歌「それはよかった!!」

 

この先輩達は基本的に元気なのである。

さすが元気ユニットCYaRon!である。

体力が持たない……

 

千歌「じゃあ、次はジェットコースターに乗りたいな!!」

 

曜「賛成であります!!ルビィちゃんは?」

 

ルビィ「ジェットコースターは…いいよ!!」

 

正直苦手だけれど、この二人を元に戻すためです、頑張ります…

 

曜「………」

 

―――

 

 

階段を一段ずつ上がるたびに死への階段を登っているようなそんな感覚がします。

ついにルビィ達の順番が来てしまいました…

こ、怖い……そう思っていると…

 

曜「私、真ん中に乗っていいかな?千歌ちゃんが右で、ルビィちゃんが左!!」

 

千歌「あー、ずるいよ、曜ちゃん!!ルビィちゃんの隣に座りたかったのに〜、千歌、ご立腹!!」

 

曜「ごめんごめん!!へへっ、でもこれで両側に可愛い女の子が2人!!両手に花であります!!」

 

そう言うとルビィの方を見て小声で

 

曜「ごめんねルビィちゃん。順番待ちしてるときにどんどん顔面蒼白になっていくルビィちゃんを見ると我慢して乗ろうとしてるんだなってことが分かっちゃったんだ……ごめんね…」

 

ルビィ「い、いいですよ!!すぐに終わるから大丈夫だよ!!」

 

全然大丈夫じゃないけど……

 

曜「ルビィちゃん、私の手を握っておいて。ジェットコースターは絶対落ちないから、私が保証する。それにこのスピードで景色を見れるなんてなかなか無いよっ!!景色を見るようにして下を向かないようにしてみて。」

 

ルビィ「ありがとう、曜ちゃん!!」

 

さすが曜ちゃんです!!こんなにイケメン度高いから水泳部にファンクラブとか出来るんだろうなあ…って思います。

 

スタッフ「それでは発車しますっ!!」

 

坂を登って降りていく!!ヤバい!!って思うけど、曜ちゃんの手の温もりがとても優しくて…景色を見ているとジェットコースターがいつの間にか怖く無くなっていました。

 

ルビィ「曜ちゃん!!ずっと手を握ってくれてありがとう!!おかげで全然怖くなか…‥…」

 

そこには驚きの光景が広がっていた。

 

ルビィ「曜ちゃん!?!?」

 

鼻血を流しながらダウンしている千歌ちゃん(中身は曜ちゃん)であった。

 

曜「全速前進ヨーソローしちゃったであります……」

 

千歌「ちょっと曜ちゃん!?ジェットコースターは得意なはずなのにどうしたの??」

 

曜「なんでもないであります……」

 

気になったので小声で原因を曜ちゃんに聞いてみました。

 

ルビィ「もしかしてルビィの手を握ってたせいで鼻血流してたの?」

 

曜「ち、違うんだよ。ジェットコースターで落ちていくたびに揺れる自分の胸を見ると…」

 

ルビィ「ま、まさか……」

 

曜「千歌ちゃんのたわわみかんが揺れているであります!!( ゚∀゚):∵グハッ!!って感じだったからルビィちゃんは関係ないよ!!」

 

フォローしてるつもりなんだけど、出来ていないのが曜ちゃんらしい……

ドスケベヨーソローだよ……

まあ、気を使ってもらった先輩にこれ以上は言えなかったので次のアトラクションに向かうことを提案したのです。

 

ルビィ「次はどこに行く??」

 

曜「やっぱり、もう夏だし、涼しくなるためにもここは!!」

 

千歌「お化け屋敷だね!!!!」

 

こうして、ルビィ達はお化け屋敷に向かうことになりました。

 

 

―――

 

 

幸い、ルビィもお化けの類いは怖くないので大丈夫なのです。

 

千歌「ここのお化け屋敷って怖いらしいよ!!」

 

曜「それは楽しみだね!!」

 

ルビィ「どんなお化けさんが出るのかな??」

 

そんな話をしているとパークスタッフさんがやって来て

 

スタッフ「ここのお化け屋敷は戦国時代にあった城の跡地にあるので天涯孤独、最強の戦国時代の武将の霊が住み着いてるらしいんで気をつけてくださいね…フフフ……」

 

とこんな話をしていった。

 

千歌「大丈夫かな??やばいんじゃないの??」

 

曜「千歌ちゃん??や、め、る??ニヤニヤ」

 

千歌「や、やめない!!絶対!!」

 

相変わらず、曜ちゃんは千歌ちゃんを乗せるのが上手いなあ…

 

ルビィ「まあ、仕込みだと思うからたぶん大丈夫だよ!!」

 

曜「そうであります!!このまま、お化け屋敷に向かって全速前進!!」

 

3人「ヨーソロー!!」

 

 

―――

 

 

こうして、3人の順番が回ってきていざ、お化け屋敷にこれから突入です!!

 

曜「うわあ、雰囲気あるね!!なんか出そうだね!!」

 

千歌「怖いこと言わないでよ、曜ちゃん!!」

 

バタン!!

 

千歌「うわぁぁぁ!!」

 

ルビィ「板が倒れただけだよ、千歌ちゃん。よくある仕込みだよ〜。」

 

千歌「し、心臓が持たないよ…」

 

曜「よーし、千歌ちゃんの恐怖を克服するためにも千歌ちゃん、先頭よろしく!!」

 

千歌「もう、怖いよ…曜ちゃん、ルビィちゃん…」

 

そのとき、前の箱が揺れだした。

 

お化け役「ウオァァ!!」

 

千歌「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

曜「あの武将コスプレ凝ってるでありますね…」

 

ルビィ「でも、ルビィと曜ちゃんならもっとすごいの作れそうじゃない?」

 

曜「それもそうだね!!」

 

そんなことを言ってると天井からお札が落ちてきました。

 

ルビィ「曜ちゃん、見て、まるで本物みたいなお札だね。」

 

曜「よく出来てるね〜。」

 

そんな呑気なことを言ってると千歌ちゃんが顔面蒼白な顔でこっちを見てこう言った。

 

千歌「曜ちゃん、、後ろの人、、誰???」

 

2人「へ??」

 

後ろを振り向くととてもコスプレとはおもえない血だらけの鎧を着た人がそこにいた。

 

幽霊「主ら、何者じゃ?名乗りを上げい!!我が名は…………」

 

名前など聞き取れる訳がない。後ろに明らかに本物の幽霊が現れたのです……

 

ルビィ「あわわわわわわ…曜ちゃん、助けて……」

 

曜「こ、腰が抜けて無理であります……」

 

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい

とりあえず、キャパオーバーである。

 

幽霊「名乗りを挙げぬとは曲者かたた切ってくれるわ!!」

 

2人「だ、誰か助けて……」

 

お姉ちゃん、先立つルビィ達を許してください…そう思ったそのとき!!

 

千歌「待て、我が名は高海千歌、沼津に住む17歳であるのだ!!」

 

2人「千歌ちゃん!?」

 

千歌ちゃんは震えながらも名乗りを挙げて幽霊を睨んでいた。

 

幽霊「お、お主!!なんだそのヒラヒラした格好は!!子供のような顔をして、その乳は……」

 

千歌「へ?スカートのことを言ってるのかな??」

 

そう言いながら千歌ちゃんはスカートをたくし上げた。

 

幽霊「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!破廉恥なぁぁぁぁ!!!!無念!!!!」

 

幽霊はそう言いながら消えていった。

おそらく、天涯孤独だったそうだから、女の人の免疫なしで千歌ちゃんの無自覚ロリ巨乳っぷりに悩殺されたのだと思います。

憐れな成仏の仕方です…

 

ルビィ「ありがとう、千歌ちゃん。助かったよ!!ねえ、曜ちゃん!!」

 

曜「千歌ちゃんのパンツ………」

 

なにやら、うわごとを言っていた。

どうやら、千歌ちゃんの勇気ある行動は2人を再起不能に追い込んだようです。

ルビィ「あれ?千歌ちゃんがロリ巨乳って??」

 

千歌「え?あっ!!元の体に戻ってる!!」

 

曜「私も戻ってるであります!!」

 

よく考えたらわかる事だ。

いつ入れ替わったのかは分からないけど、幽霊に会ったときにはもう戻っていたから撃退出来たのです。

 

ルビィ「ふう…これで一件落着だね。よかったよかった!!」

 

千歌「今日は私達2人のせいでごめんね!!」

 

曜「ホントに振り回してごめんね!!」

 

確かに今日はいろいろと先輩2人に振り回されました、それは否定しないです。でも…

 

ルビィ「今日は楽しかったよ!!CYaRon!メンバーで遊園地楽しかったからまた行こうね!!」

 

2人「ルビィちゃん!!」

 

ルビィ「さあ、戻って練習しよう!!」

 

2人「うん!!」

 

 

―――

 

 

千歌「さあ、盛り上がってるユニットカーニバル!!AZALEAの後の私達で会場を湧かせるよ!!」

 

曜「3人でステージなんて初めてだね!!」

 

ルビィ「呼んでくれた理亞ちゃん、聖良さんに負けないような最高のステージにしようね!!」

 

千歌「じゃあ、出番だね!!行こう!!」

 

 

 

―――

 

千歌「千歌です!」

 

曜「曜です!」

 

ルビィ「ルビィです!」

 

3人「3人合わせてWe are CYaRon!よろしくねっ!!」

 

 




はい!!一本目はCYaRon!小説となりましたね!!
CYaRon!ホントに大好きなんで書いてて楽しかったです!!
ルビィちゃんしかツッコミいなくなるのヤバいですね。
次の更新はいつになるか分かりませんが、また書きたいとは思ってますのでそれまで待ってもらえると幸いです!!
高評価、お気に入り、コメントなどお待ちしております。


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もう1人の私

お久しぶりです!!渡辺曜生誕祭ということで急ぎで書いた駄作です。それでは……


千歌「ねえ、よーちゃん聞いてる?」

 

曜「えっと、千歌ちゃんが夢の中で宇宙人に襲われたって話だったっけ?」

 

千歌「違うよ〜、それは今の話の前にしてた話だよ!!」

 

何の話してたんだっけ?

ある春の日、私渡辺曜は千歌ちゃんの話を聞きながら、居眠りしていたようだった。

高3の春。私達は静真高校に編入した。

なんとまた、千歌ちゃんと同じクラス!!

神様に感謝したいなって本気で思っちゃう。

隣のクラスには梨子ちゃんも月ちゃんもいるからよく4人でお昼ご飯を食べることが多いんだ。今は二限が終わって三限に入る前の休憩時間。千歌ちゃんの話を聞きながらウトウトしていたのであります。

 

曜「それで、宇宙人に襲われてどうなったんだったっけ?」

 

千歌「えっとね、宇宙人に謎の薬を飲まされて私が2人になっちゃったんだよ…2人になったら、夜ご飯も減って大変だったよ……」

 

曜「アハハ、大変だったね……」

 

千歌「まあ、夢で良かったよ。ホントに……って、そーじゃなくて!!歌詞の話だよ!!」

 

曜「歌詞??」

 

千歌「ほら、この前梨子ちゃんと言ってたじゃん。ソロ曲を作ろうって話だよ。」

 

そういえば、そんな話をしていた気がする。確か、6人になって行うワンマンライブの2回目はソロ曲を披露しようって話だった。

作詞は全員自分でして、作曲は梨子ちゃんと相談しながらという話である。

 

曜「あー、そうだったね…千歌ちゃんは何か考えてるの?」

 

千歌「私はね…まだだよ!!なんとかなるでしょ!!」

 

千歌ちゃんらしいなあ…

真っ直ぐで純粋で輝いている。そんな千歌ちゃんの隣に立つために私は…

 

千歌「よーちゃんは??」

 

曜「私は……まだだよ!!」

 

千歌「そっか〜、梨子ちゃんに怒られないように頑張ろうね。」

 

私に歌詞は思いつかないかもしれない。私の本心。それは一体……

そんなことを考えているとまた眠くなってしまったのだった。

 

 

―――

 

 

ここはどこだろう。路地裏の暗い通りにある一軒の店。看板には「Shop East Dream」

物凄く怪しいが、好奇心が勝って入ってしまった。

 

曜「こんばんわ…誰かいますか?」

 

誰も…いない?怪しい薬や瓶など所狭しと並んでいる。誰もいないから戻ろう…と思ったその瞬間……

 

??「お客さんやん。何をお探しかな?お嬢ちゃん。」

 

曜「うわぁぁぁぁ!!」

 

後ろから声をかけられたからびっくりした。

白衣にほうき、謎のステッキが腰に刺さっている様子を見ると博士かはたまた魔法使いかっていう出で立ちである。

 

??「お嬢ちゃんは何を悩んでるのかな?歌詞作りだったっけ?」

 

曜「なんで分かるんですか?魔法使いか何かみたい……」

 

??「その通り、ウチは魔法使いなんよ。君の悩みは歌詞作りと…それ以外にもありそうだけど……」

 

曜「そんなのない…ですよ。」

 

??「そっかあ。まあ、いいよ。お嬢ちゃんにぴったりの商品があるんよ。」

 

曜「なんですか?」

 

??「このショージキニナレールXを飲めば、歌詞に自分の正直な気持ちを込められるよ。どうかな?」

 

曜「いや、魔法使いさん。そんな怪しい薬飲む人いないでしょ…」

 

??「目の前におるやん。君なら飲むと思ったんやけどなあ…ウチの見込み違いやったね。」

 

なんだか少し、バカにされた気分である。

 

??「こんな安全なの飲まないなんてもったいなくて涙出てくるわ…まあ、歌詞を自分で考えるのもありやんね。」

 

曜「分かりましたよ。いただきます、お代はいくらですか?」

 

??「毎度あり。お代は…君のこれからの物語を見せてもらえるだけでいいよ。」

 

言ってることがよくわかんないけど、飲んでしまった。あれ?また眠くなっ……

 

??「千歌ちゃんと上手く頑張るんやで〜」

 

その声はどこよりも遠い場所から聞こえた気がした。

 

 

―――

 

 

千歌「よーちゃん!!よーちゃん!!大丈夫!!よーちゃん!!」

 

曜「うーん、何…頭が痛い…」

 

千歌「早く目を開けて今の状況を理解してみてよ!!」

 

目を開くと驚きの光景が広がっていた。

 

曜「私の前に私がいる??なんで??」

 

ここから導き出される答えは一つだった。

 

曜「まさか……」

 

千歌「よーちゃんが増えちゃった!!」

 

 

―――

 

曜「えっと、君は一体何者なのかな?」

 

??「僕は私だよ。自分がよく知ってるんじゃない??」

 

千歌「えっと、よーちゃんがよーちゃんでよーちゃんが2人??うーん……」

 

曜「私が実際の渡辺曜だから、君は…ダーク渡辺曜って所かな?」

 

??「まあ、そんな所かな。」

 

曜「ちょっと屋上で話さない?千歌ちゃんのいない所で。」

 

ダーク曜「いいよ。その方が都合がいいや。」

 

千歌「ちょっとよーちゃん。私にも詳しく……」

 

その言葉を聞いて、ダーク曜はとんでもないことをした。

 

ダーク曜「ごめんね、千歌ちゃん。君の笑顔が眩しすぎて話にならないから、屋上で話して来ていいかな?」

 

千歌「ひゃ、ひゃい……」

 

この歯の浮くセリフに顎クイ。梨子ちゃんなら卒倒するだろうなあ……千歌ちゃんは真っ赤だし、こいつは何がしたいんだ!!

 

曜「ほら、早く行くよ!!」

 

ダーク曜「は〜い。」

 

 

―――

 

 

曜「ところで君は何者なのか、教えてくれない?」

 

ダーク曜「渡辺曜、君は僕のことを誰か分かってるんじゃない?」

 

全く心当たりがない……

何も変なことは………あのショージキニナレールXくらいである。

 

曜「もしかして、あの薬が原因?」

 

ダーク曜「ご名答。そして、僕の正体も気づいてるのに気づいていないフリをしているはずだよ。僕の正体を当てないと千歌ちゃんを奪っちゃうよ?いいの?」

 

曜「ダーク渡辺曜の正体は……」

 

考えろ。ホントに分かっていないが、あのムカつくほどの爽やかさ、私がやりたいことをやるあの鬱陶しい感覚。そう彼女は……

 

曜「君は私の欲望の姿。だよね。」

 

ダーク曜「ご名答。」

 

曜「人を見て、何もかも嫌いな感覚に陥ったのは初めてだったよ。何が目的なの?私と入れ替わるとか?」

 

ダーク曜「うーん、僕は君だからね。君の深層心理にある自分のエゴと欲望が主人格と何かの原因が重なって分離したからこうなったんだね。」

 

まさか、あの店主さんが渡してきたショージキニナレールXは人格分離薬と間違えて渡してきたのかなあ。

 

ダーク曜「ところでは、君に聞きたいんだけどさ。いいかな?」

 

曜「ん?何?何でも言ってよ。」

ダーク曜「君は高海千歌ちゃんが好きなんだよね?」

 

曜「千歌ちゃんは…友達だよ。」

 

ダーク曜「はあ…我が身ながら、ホンットにイライラする!!そんなだから、10年以上も告白できないんでしょ!!いい加減認めなさい。」

 

曜「だって……女の子が女の子を好きなんておかしいよ。君はそう思わないの?」

 

ダーク曜「もちろん、僕は君だからね。そう思うよ。でもさ、そんなことよりも千歌ちゃんのことが好きって気持ちを大切にしたいと思ってるんだ。」

 

ああ、この感覚をどこかで忘れてしまったような気がする。

千歌ちゃんの隣にいることのために何もかも犠牲にしてもいいとさえ思って、「なんでも出来る天才」の渡辺曜になろうとしていたのが懐かしい。でも、そうなればなろうとするほど、千歌ちゃんは私から離れていってしまうような気がしていた。

これなら、作詞のことも聞いてみるべきなんじゃないかな?

 

曜「ねえ、君が作詞するなら何をテーマに渡辺曜として作詞をする?」

 

ダーク曜「聞くまでもないでしょ?その答えは僕じゃなくて君の心にもうあるはずだよ。」

 

そうだ…私の憧れたもの。キラキラしたもの。それを見せてもらえる場所、そんなものを曲として作るべきだった。

そんなこと…最初から分かっていたはずなのになあ……情けないなあ。

 

曜「ありがとう。君のおかげでヒントが貰えた気がするよ。そして、君のことを嫌いとか言ってごめんなさい。」

 

ダーク曜「どうして謝るの?」

 

曜「私自身の嫌な所。嫉妬、欲望。それがあなた。でも、それも含めて渡辺曜なんだよ。そう自分を好きじゃない奴が人を好きなんて言うのはおこがましいよね?」

 

ダーク曜「なるほどね。こちらこそありがとう。私のことを好きって言ってくれて。そして、これからも一緒によろしくね。」

 

曜「よろしくであります!!」

 

ダーク曜「とりあえず、作曲頼んだわよ。さっさと千歌ちゃんに告白しなさいよ!!」

 

曜「そ、それは……」

 

ダーク曜「じゃあ、私もう行くね。結構楽しかったよ。私と喋るの。」

 

曜「うん!!」

 

そう返事したとき、首元に痛みが走って意識が無くなったのであった…

 

 

 

―――

 

 

 

??「よーちゃん!!よーちゃん!!大丈夫?よーちゃん!!」

 

首元が痛い……

目を開けるとそこに千歌ちゃんがいた。

 

曜「どうしたの千歌ちゃん?」

 

千歌「ずっとよーちゃん起きないから…死んじゃったのかと思ったよ……」

 

曜「うわあ、泣かないで千歌ちゃん!!」

 

千歌「ホントに良かったよ……」

 

曜「アハハ、寝不足かなあ…ところで千歌ちゃんはもう1人の私のこと知らない?」

 

千歌「どーいうこと?」

 

曜「……分かんないならいいや!千歌ちゃん、歌詞出来ちゃったよ。お先であります!」

 

千歌「あっ、ずるーい!!何かいい夢でも見たの?いいな〜、宇宙人の夢じゃ作詞出来ないよ……」

 

さっきのがどこまで夢だったのか分からない。

でも、正直な気持ち。

これを曲にするしかないってことを魔法使いさんのおかげで私から学べた。

 

だから……

 

 

 

―――

 

 

??「いやー、さっきのショージキニナレールXが上手くいったみたいで良かった良かった。試作段階から考えると予想以上に上手くいったよ。これは曜ちゃんの素直な性格のおかげだった気がするよ。甘酸っぱい恋の物語の味。お代は確かにいただいといたよ。」

 

 

―――

 

 

千歌「次はよーちゃん出番だよ!!」

 

曜「行ってくるであります!!」

 

大観衆の前で初めて一人で立つステージ。

でも、きっといろんな自分とこのステージに立っているはずだから。

何も怖くないよ。

 

曜「この曲は私の大切な人を思って、一生懸命作詞した曲です。それでは聞いてください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「Beginner‘s Sailing」

 

 




ようちかはすこです。感想などいただけるとありがたいです!!(笑)


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