コードギアス・ザ・オーバーロード (アインズ様バンザーイ!)
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第0話 魔王ガ 転生シチャッタ 日

書いてみたくなったので書きました

後悔は多分するかしないかで言ったら

「私にもわからん」


私の話をしよう

 

私は田中 洋一

 

普通の人生を歩みを、普通の人生で生涯を終えた者だ

 

そんな私だが、今現在変な孤島に立った屋敷でバカンスを楽しんでいる

 

おっと失礼、なぜ私がバカンスを楽しんでいるかを説明しよう

 

まず、生涯を終えた私が最初に目にしたのは

 

「おめでとうございます!貴方は本日1000万人目の死亡者です!」

 

と書かれたくす玉だった

 

それで訳も分からず混乱していると、色々な特典をつけて問答無用で私を転生させたのである

 

なんでこうなったかは不明だが、転生した後備え付けられていた手紙によると

 

「1000万人目の死亡者様へ

 

貴方様は我ら天界にこられた人間様の中で1000万人目になりました

 

これを称え、我ら天界の者からささやかな贈り物と転生特典を差し上げます

 

贈り物には本当にささやかではありますが、豪邸屋敷と転生先に合い尚且つ死亡者様にとって最高の贈り物とさせていただきます

 

転生特典は、以下の文になります

 

1:不老不死特典 「その名の通り不老不死の特典です。しかも、老いることがないように設定してありますので、いつでも若いままを保つことができるでしょう」

 

2:乗り物特典「こちらはどんな乗り物でも触れただけでマスターするようになっています。是非転生先の世界でお楽しみ下さい」

 

3:催眠特典「こちらは身を守る為の特典となります。もし何かしらのトラブルがあった場合は、こちらの特典を使用して危機を乗り越えていただけるようお願いします。尚、この特典もほかの特典同様に好きに使っても構いませんのでお楽しみいただければと思います」

 

4:財産特典「こちらは死亡者様の財産に関する特典です。財産についてですが、死亡者様が生前持っていた財産、つまりお金を勝手で申し訳ありませんが、1000万人記念にあやかりまして、1000万倍に増やさせていただきました。さらにこの財産は死亡者様が止めるまで50%ずつ増え続けますので、一旦止める際は同封してある紙に書いて、空に投げていただきますようお願い申し上げます」

 

5:子孫特典「こちらは死亡者が童貞だと聞いて、失礼だとは思いましたが私達天界の者たちで選ばせてもらった特典になります。この特典はその名の通り、死亡者様の子孫をおつくりになるのを手助けする特典になります。この特典があれば、死亡者様の任意で女性の方と性行為をする際、孕ませるか孕ませないかを自由に選べる特典になります」

 

6:伴侶の不死化特典「こちらは死亡者様が伴侶となる女性を見つけて、その後結ばれた時に使用できる特典になります。

この特典を使用すれば、伴侶の女性はあなたと同じように不老不死となり、子供が生まれた場合、子供の判断次第で同じく不老不死になる事ができます。

なお、この特典は両者の判断にお任せする事になるので、慎重に決める事をオススメします」

 

7:特別仕様特典「こちらは死亡者様の強い心を尊重して我々が用意した特別な特典になります。

この特典は、死亡者様の憧れの存在の力及び能力を仕様できる能力になっていて、1日の使用制限は一部を除いて解除させていだだいています。

但し、この特典は悪用性が高いので、他者や死亡者様の子孫には受け継がれないようになっておりますので、ご注意下さい」

 

以上で特典の説明を終わります

 

最後に、死亡者様が転生した世界ですが、厳選な抽選の結果「コードギアスシリーズ」の世界に転生させました

 

ちなみに時代は原作前となっているので、ご注意下さい

 

それでは、よい転生ライフをお楽しみ下さいませ!

 

天界の者より」

 

ということで、私は半ば強制でコードギアスの世界に転生したが、それでもまさかこんな大富豪みたいな生活をプレゼントしてくれるんだから、私は文句を言う気持ちも引っ込み、しばらく好きに暮らしていた

 

私的には憧れのアニメキャラがいる「オーバーロード」の世界が転生先になって欲しかったが、今更何言っても仕方ないのでこのように平和に暮らしているといった感じだ

 

そんなある日

 

たまには人との交流も悪くないんじゃないかと思い、天界の人たちがくれた贈り物に乗って世界中を旅した

 

その時に私はある少女と出会う

 

記憶が曖昧な為名前は思い出せなかったが、長い緑色の髪をしていた

 

その少女と出会った私は、忘れている記憶を必死に思い出して、その少女が愛がどうこうの言っていたのを思い出した

 

それを思い出したのをキッカケに、私は毎日のように彼女に会いに行き、最初は酷く怯えていたのに、今ではお互いタメ口で会話できる程までに発展した

 

今思えば、私は転生してから友達がいなかったから、彼女とこうして会話ができるのは、とても楽しかった

 

そうして月日が経ち、少女と出会って丁度1年の時に、彼女と結婚した

 

ちなみに告白したのは私だ

 

最初はからかわれたと思ったのか、大笑いされたが、私は本気だと言うことを彼女に言うと

 

彼女は「私なんかで…いいのか?」と涙ながらに言って、私も「君だからいいんだ」と言った

 

そういう事もあり、彼女と結婚できたのはとても良かった

 

ただ、私はこの時

 

何かとんでもないことをしてしまったのではないかと思った

 

そう、例えば

 

『原作改変』してしまったのではなかろうか?と

 

しかしこの時の私は浮かれ気分だったので、そんな疑問もあっという間に消し炭になってしまう

 

ちなみに、緑色の髪の少女、つまり私の妻の名前だが

 

頑なに名前を教えてくれなかったので、私が名前をつけた

 

頭の片隅にあった記憶を頼りに、『C.C』と名付けてみた所

 

これが結構喜ばれ、本名のイニシャルが似てるとか言われたので、悪い気はしなかった

 

まあ、彼女が良ければそれでいいかと思い

 

以後、この件は忘れる事になった

 

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【C.C視点】

 

私に名前などない

 

いや、あったのだが、とうの昔に忘れてしまった

 

なぜ忘れたのかと言うと

 

それは、私が夫と出会う1年くらい前だったか

 

突然変な光が私の目の前に現れ、「君本名わかんないから名前忘れさせるね☆」と言って私のおでこに木の枝を当てて、そこから光の糸のような物が出てきた

 

そらが完全に抜け出ると、私は自分の名前を忘れてしまった

 

それから私が途方にくれている時に突然現れたのが、私の旦那となる男だ

 

私は当時人見知りが激しかった為、あまり話せなかったが

 

次第に話していくうちに段々と私も心を許し、最終的にはタメ口で話せるくらいになっていた

 

ちなみにこの時、アイツは私の名前をしつこく聞いてきたので教えないでいた

 

その前に名前を忘れたなど、死んでも言えるか

 

そしたらアイツは、私に『C.C』と言う名前をつけた

 

名前がなければ不便だと言って私に付けた名前だ

 

正直に言うと、名前を付けられた時

 

私はすごく嬉しかった

 

名前を忘れた私に名前を付けてくれた時は本当に嬉しかった

 

それからだったか、私がアイツを異性として本格的に見始めたのは

 

異性として見始めてみたら、会話もたまにたどたどしくなるし

 

アイツが近くにいると胸がドキドキして、ポカポカしてきていた

 

そんな事もあり、アイツに会ってから丁度1年経った日

 

アイツは私にこう言った

 

「私と結婚して下さい」と

 

最初、私は冗談かと思って大笑いしてしまったが、アイツは真剣に私と結婚したいと言ってきた

 

…それを聞いたら、私の溜め込んでいた感情が爆発するするかの如く、涙を流しながら「私なんかで…いいのか?」と言うとアイツは「君だからいいんだ」と言って私を抱きしめた

 

私はその時、嬉しくて嬉しくてたまらなかった

 

ようやく愛を知る事が出来たことがなによりも嬉しかった

 

それからしばらくしてアイツと結婚し、今はこのデカイ屋敷で2人で暮らしている

 

…いや、2人ではないな

 

『3人』

 

だな

 

ああ…早く会えるのが楽しみだ

 

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【数十年後】

 

この世界に転生してからもう数十年も経った

 

妻のC.Cと結婚した後、私は自分の事を少しだけわかるように説明して、不死の存在である事を教えた

 

そしてこの力は、妻や子供達にも使える事も話した

 

私は最初信じてもらえないと思っていたが、妻はなんとなくわかっていたらしく、驚く事はなかった

 

不老不死の力を妻や子供達に使う事に関しては妻はあっさりとこの力を受け取ったが、子供達に関しては子供達の判断に任せたかったので、ちゃんとわかるように私の事を話した後に、不老不死の力はいるかどうかを話した

 

当然子供達は妻と違う為、最初こそ信じなかったが、妻が真剣な表情で本当の事だと教えた為、ようやく信じてもらえた

 

因みに、現在子供達の数は13人だ

 

それで結局不老不死になると言った子供達の数は13人中7人で、他は自分の人生を全うしたいとの事で、不老不死の力をは受け取らなかった

 

そんな事もあり、不老不死を選んだ子供以外はそれぞれ違う道を進み、そこで天寿を全うしている事だろう

 

ーーーそういえば、転生してから名前を変えたんだだった

 

では、改めて自己紹介をさせてもらおう

 

私の名は

 

『アインズ・ウール・ゴウン』

 

何故私がこの名前を使ったかと言うと

 

私の憧れのキャラクターが出ている小説の「オーバーロード」に出てくる主人公の名前だ

 

本来の名前は違うがな

 

使った理由については、単に他の名前が思いつかなかったのと、どうせならこの名前を世界に轟かせたいからだ

 

どうやって轟かせるかについてだが

 

現在、この世界を事実上支配しているのは、神聖ブリタニア帝国だ

 

彼らの行なっている戦争は少し覚えているが

 

思い出す度に、私から見ればそれは侵略行動に見えて仕方ない

 

だったら私がそれをやり返して、世界を変え、アインズ・ウール・ゴウンの名が世界に轟けば面白いのではないだろうか?

 

そう思い、現在まで妻と子供達と共に身を潜めていたと言う訳だ

 

勿論、後ろ盾も必要な為、候補として日本やユーロピアなど、コードギアスに関わっている国を対象に交渉を進めている

 

ただ、ユーロピアの方は中々交渉が進まず、膠着状態が続いている

 

まあ、あそこはまだ重要ではないので、しばらく様子を見ている事にしている

 

「ーーーさて、そろそろ行動を移す為に拠点でも作りに行きますかね」

 

私は支度を済ませて、妻の待つ場所へと向かうのだった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ルルーシュ視点】

 

日本に送られた僕とナナリーは、そこでスザクと出会い共に過ごしていた

 

初めは喧嘩ばかりしていたけど、それでも段々と仲良くなっていき、ナナリーを任せても大丈夫だと僕は判断していた

 

しかし、ブリタニアは日本に電撃的な奇襲を仕掛け、日本は大打撃を受けてしまった

 

……許せない

 

こんな一方的な奇襲で、多くの日本人が犠牲になった

 

そんなの虐殺じゃないか…!

 

僕は同じブリタニア人として、こんな戦争を許してはいけないんだ!

 

「ーーースザク、僕は…ブリタニアを…ぶっ壊す!」

 

そうだ、だったらぶっ壊せばいいんだ

 

そうすれば、世界はもっと平和になる

 

そうに決まっている

 

ナナリーが望んだ優しい世界を、僕が作っていくんだ!

 

「ーーー欲しいか?」

 

「え?」

 

僕とスザクの前に立っていたのは、ローブを見にまとった男と女、それに何人かの大人や子供達がいた

 

誰だ?

 

一体誰なんだ?

 

「力が欲しいのかと、聞いている」

 

男は繰り返しそう言った

 

ーーー答えなんて決まってる!

 

「…欲しい、ブリタニアをぶっ壊す力が…僕は欲しい!」

 

「いい返答だ」

 

男は手を出す

 

まるで、おいでと言わんばかりに

 

「君もこい」

 

そう言ってスザクの方にも手を伸ばした

 

スザクは躊躇っていたけど、僕が迷わずに行くと、スザクもそれに続いてくれた

 

「名を聞こう」

 

「ルルーシュ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」

 

「枢木スザク、この子はルルーシュの妹のナナリー。貴方は一体?」

 

「ーーー我が名を知るがいい」

 

男は手を広げる

 

「我こそは」

 

僕達はじっと彼の言葉を待つ

 

「アインズ・ウール・ゴウン!この世界に死を撒き散らす、死の支配者なり!」

 

死の支配者……オーバーロード……

 

僕は生涯、この名前を忘れないだろう

 

だって、ようやく世界をぶっ壊せる存在と出会ったのだから

 

 

 

To Be Continued




C.Cがコードを受け取らなかった為、かなりの原作改変が行われていますが、その辺の説明は必ず致しますので、今しばらくお待ち下さい


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第1話 死の支配者

この話は主に、カルネ村(最初)のエピソードをコードギアス風にオマージュしております

それらが不満な方は、ここで閲覧を辞めることをお勧めします

それでも良い方は、このまま閲覧をどうぞ



【C.C視点】

 

夫がいきなり日本に行くなんて言うものだから、気でも狂ったのかと思ったが

 

着いたら着いたで拠点になりそうな物件を探して、そこを改築作業させる手続きをしただけだった

 

こんな事するくらいならネットを使えば良いのではないかと聞いたが、子供達に今の日本を見せてやりたいと言っていたから、あまり強くは言えなかったがな

 

全く、最愛の息子や娘達を連れてまで何をしたいのやら

 

…まあ、そういう所も嫌いではないがな…///

 

まあ、そんなこんなで拠点を後にした私たちは折角だから辺りを見渡して、今の日本を見物していた

 

すると、突然夫が止まった

 

何かを見つけたかのように

 

「おい、どうした?」

 

私がそう言うと、夫は指を前に刺した

 

そこには3人の子供がいた

 

1人は…ブリタニア人か?

 

2人目は日本人だな、一目でわかる

 

それで3人目は、2人目の子供におぶさられてよくは見えんが、あれはブリタニア人だな多分

 

「あの子供達がどうかしたのか?」

 

そう言うと、夫はそのまま子供達の元へと向かう

 

私は訳がわからなかったが、仕方なく子供達を連れて一緒に向かう事にした

 

夫の元に辿り着くと、夫は3人に「力が欲しいか?」と言っていた

 

何を言っているんだ?

 

こんな子供に特別なナニカがあるようには見えんが…

 

しかし、私の予想とは裏腹に、ブリタニア人の子供は、ハッキリと欲しいと言った

 

それも、ブリタニアをぶっ壊す力が欲しいとな

 

…成る程、アイツが注目したのはこれか

 

夫はさらに2人目の子供にも勧誘して、3人の自己紹介が終えると、夫も自己紹介した

 

「ーーー我が名を知るがいい、我こそは。

アインズ・ウール・ゴウン!この世界に死を撒き散らす、死の支配者なり!」

 

ああ……毎回この名乗りを聴くと惚れ惚れする♡

 

全く、嫁を惚れ直させるのが上手い夫だな♡

 

っと、いけないいけない

 

夫が名乗った以上、私も名乗らねばな

 

「C.Cだ。巷では魔女とも呼ばれているな。精々喰われぬよう用心しろよ坊や?」

 

「あ、因みに私の嫁だ」

 

「んなっ⁉︎い、いきなりバラすな!」

 

全く!いきなりバラす奴があるか!

 

私の威厳が台無しではないか!

 

ほら見ろ!こいつら笑ってるじゃないか!

 

くっ!この屈辱は絶対に忘れないからな!

 

そう思いながら、私は先ほどの慌てぶりを無かったことにし、後ろにいる子供達を紹介した

 

私達の自慢の子供達だからな、挨拶もしっかりしてて私としても嬉しい限りだ

 

さあて、アイツはこいつらをどうするつもりなのやら

 

まあ、アイツの事だから、絶対に酷い事はしないだろうがな

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【数年後】【ルルーシュ視点】

 

あれかはしばらく経った

 

俺とナナリーはあの後、アインズさんの養子になり、戸籍上では俺たちは家族になった

 

アインズさん達は、力以外にも色々と教えてくれた

 

力では、主に戦略を中心とした事を教えてくれたり

 

ナイトメアを動かせるようにする為の訓練もしてくれた

 

力以外では、主に義母さんが教えてくれた

 

掃除、洗濯、畑作業なんかを俺やナナリーなんかに教えて、本当の家族のように俺たちを可愛がってくれた

 

何故、目の見えないナナリーがそれを学べるのかというと

 

アインズさんが治してくれたんだ

 

今住んでる豪邸に着くや否や、ナナリーの顔の前に手を伸ばし、不思議な光と共に徐々にナナリーの目が開いたんだ

 

単純に奇跡だと思った

 

いや、本当に奇跡だったのかもしれない

 

治るかどうかもわからなかったナナリーの目や足が治ったのだから、俺にとってはもう奇跡としか言いようがなかった

 

あの時程、アインズさんに感謝した覚えはなかった

 

それ以来、俺はその恩に答える為に、もっと力をつけようと努力した

 

しかし、そんな中、スザクがどこかに行ってしまった

 

置き手紙には、アインズさんのやり方では世界は変わらないとして、アイツなりに世界を変えようとしたらしい

 

…あのバカ

 

お前が居なくなった時、一番悲しんだのはナナリーだけじゃないんだぞ…!

 

だから俺はスザクの分まで、力を付けて、アインズさん達を守ろうと決意したのだ

 

気がつけば数年以上経ってたけど、俺にはそんな事どうだっていい

 

ナナリーが望む世界や、アインズさんの恩に必ず報いるべく、俺はアインズさんの勧めで入ったアッシュフォード学園に通うことになり、そこでブリタニアの情報を掴むべく、行動しているのだった

 

ちなみに、義兄さんや義姉さん達もこの学園に通っている

 

…毎回会う度に撫でられるのは、恥ずかしいがな

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ視点】

 

「父さん、兄さんや姉さん達からの報告によると、今日ゲットー付近で何かよくないことが起こるらしいよ」

 

「そうか、わかった」

 

長男と長女はルルーシュのいる学園に入学させているが、裏では軍やレジスタンスの情報を入手している

 

全く、教えてないことばかり覚えて、私としては複雑な気分だよ

 

そういえば、なぜ私がナナリーの目や足を治す事が出来たかというと

 

単純に言ってしまえば、私の催眠能力のおかげだ

 

ナナリーの目や足の原因は、記憶を思い出しながら見ると、彼女はナニカのギアスの呪いにかかっている事がわかり、催眠能力を使って彼女のギアスの呪いを解いてやったという訳だ

 

まあ、催眠を使う時に緑色のエフェクトが出た時には内心焦ったけどな

 

さて、ナナリーの件はこれくらいにして、今は目の前の問題を片付けるとしよう

 

次男が報告してくれた奴を思い出す限り、多分ゲットーて一波乱起きる筈

 

なら、それに答えるのも、私の仕事だな

 

さあて、アインズ様と同じように言ってみますか

 

「ーーー聞け、守護者達よ」

 

守護者達

 

それは私の考えに同調して、一緒に来てくれた人達の事だ

 

「時は来た、今こそ我ら死の支配者が、ブリタニアに打撃を与える日がやってきたのだ。

我らに逆らう者には苦痛にまみれた死を、抵抗する事なく降伏した者には苦痛なき死を撒き散らせ、この世界に我らの名を知らしめろ」

 

守護者達の顔が一層際立つ

 

「各員!行動を開始せよ!これより、『日本奪還作戦』を開始する!」

 

私の言葉を聞き追えた守護者達は、すぐ様行動を開始し、それぞれの持ち場に戻る

 

さあて、私も日本に向かうとするか

 

丁度、贈り物の力も確かめてみたいしな

 

そう思いながら私は、開放(ゲート)を使って贈り物と妻と一緒に入っていく

 

「さあ、鏖殺の時間だ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ルルーシュ視点】

 

俺は今、殺されようとしている

 

リヴァルと共に貴族どものチェスの代打を

いつもの様にこなし、帰路に着く筈だった

 

しかし、その途中でテロリスト達の車と遭遇し、何とかリヴァルが避けてはくれたが、車は激突してしまう

 

そして誰も通報などせずに、事故車を見て写真や動画を撮るなどして、誰も通報しなかったのだ

 

…この国は腐っている

 

確かにテロリストも悪いが、誰も通報しないのは明らかにおかしすぎる

 

俺は居ても立っても居られずに車に向かい、安否を確認するも、途中で車が動いてしまい、車の中に入ってしまう

 

携帯も圏外な中、俺はここでできる最善の方法を考え尽くし、とにかくバレないように身を潜めていた

 

途中、テロリストの一人の顔を見る事ができたのは、不幸中の幸いか

 

奴らはKMFを使用して、警察や軍に応戦しているのを見て、本物のテロリストだと確信した

 

しばらく走った後、トンネル内に止まったのを最後に俺は脱出しようとすると

 

そこでブリタニアの兵士に拘束される

 

奴は俺をテロリストだと勘違いしていたから、違う事や、ブリタニアに関する不満を言ってやった

 

すると、その兵士の正体がわかった

 

「僕だよ、スザクだよ」

 

そう、スザクだったのだ

 

あいつは名誉ブリタニア人となり、軍人になっていたのだ

 

俺は友人との再会に喜ぶ前に、アインズさんを裏切ったこのバカに対して憎悪とも言える感情を抱いた

 

そんな時だ、あのテロリスト共が運んでいた大事そうなカプセルが開き始めたのだ

 

スザクは俺にいきなりガスマスクを被せて、押し倒した

 

最初は何事かとは思ったが、カプセルの中から出てきた物を見て、そんな思いは消えた

 

中に入っていたのは、テロリスト達の会話を思い出すに、毒ガスカプセルだとは聞いていたが、そんな者ではなかった

 

入っていたのは、女だった

 

俺は駆け寄り、女の方を見ると

 

一瞬、義母さんかと思った

 

顔が似ていたのだ

 

しかし見た目は母さんとは全然違う

 

スザクも一瞬義母さんだと思ったのだろう、かなり驚いていた

 

だか、それよりも

 

「スザク、これが毒ガスのカプセルか?どう見ても全然違うじゃないか」

 

スザクも混乱していたようだが、そんな事をどうでもよくさせる事態が起きた

 

他のブリタニア軍人に見つかったのだ

 

オマケに俺はテロリストのままだ

 

スザクが取り計らって、俺は巻き込まれた民間人だと言うが、そんな事をお構いなしに、カプセルの目撃者を生かしておく事は出来ないなどと言って、スザクに俺を殺させようとする

 

しかしスザクは

 

「…自分には、できません。民間人を、彼を撃つような真似は」

 

しかし、スザクが言い切る前にそのまま撃たれてしまう

 

軍人はスザクをイレブンと言って毛嫌いしていた

 

やはりコイツらは腐ってる!

 

どうしようもないくらいに

 

俺は再び命を狙われようとするも

 

咄嗟に車が自爆しその混乱に乗じて、俺はカプセルの中に入っていた女と共に逃げる

 

本当なら、全部コイツの所為にして怒りを撒き散らすとこだが、義母さんや義姉さんが女はどんな事があっても優しくしろと言われているので

 

俺は歩きにくそうにしていた女を、何も言わずに抱き抱えて、そのまま逃げる

 

出口に着くと、そこではブリタニアの軍人達が日本人達を皆殺しにしていた

 

そこには幼い子供の姿もあった

 

ならどうする?

 

このまま別の場所に逃げるか?

 

いや、それはまずありえなかった

 

後ろには追ってきている兵士達がいる

 

なら、このままやり過ごすしかない

 

しかしここで最悪にも携帯が鳴ってしまい、軍人達にバレてしまった

 

そして、現在に至る

 

奴らは俺の死のエピソードを勝手に作って笑っていた

 

くそっ!俺はまだ何もやってないのに、こんな所で死ねない!

 

いや、死にたくない!

 

俺がそう思っていると、突然兵士達の銃が下される

 

「な、何だあれは⁉︎」

 

兵士達が指を指す方に目を向けると

 

そこには巨大な異空間の穴のようなものが広がっていた

 

そして、俺はそれに見覚えがあった

 

そう、これは

 

「開放(ゲート)…⁉︎」

 

俺の言葉に答えるかのように、アインズさんと義母さんが出てきた

 

兵士達は混乱していたが、すぐ様銃を構える

 

それを見たアインズさんは

 

「心臓承枠(グラスプ・ハート)」

 

左手に心臓のようなナニカが浮かび上がり、それを潰すと、軍人の指揮官が倒れた

 

「ふむ、私の得意とする死霊系、特に第9位階魔法が効かなければ、逃げるしかないと思っていたが、まさかこうも簡単に効くとはな」

 

「ば、化け物⁉︎」

 

兵士達は指揮官が倒れた事よりも、目の前に現れたアインズさんの能力を見て、怖がっていた

 

「フフフ…どうした?女子供は殺せても、毛色の変わった物は殺せないか?」

 

義母さんがそう言うと、兵士達は周りの死体を見て、何かに怯えていた

 

「まあいい、私の大事な息子を殺そうとしたんだ。無理矢理にでもこの魔法の実験に付き合ってもらうぞ」

 

兵士達がそれを聞くや否や、一目散に逃げる

 

「やれやれ…戦わずして逃げるのは、いささか寂しいな。それに、敵を前にして後ろを見せるのは、愚か者のする事だと教わらなかったのか?『マキシマイズマジック『魔法の矢(マジックアロー)』」

 

アインズさんが唱えると、四方八方から光の矢が飛び出し、兵士達全員を皆殺しにした

 

「…弱い、第1位階魔法を強化したとはいえ、この程度で簡単に死ぬとはな」

 

俺はこの光景を見て思った

 

『やれる』と

 

アインズさん、いや、アインズ様と共に行けば、俺の頭脳も大いに役にたつ

 

それなら、きっと

 

この世界を壊せる

 

そう、俺は確信したのだった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ視点】

 

うーん……愉悦……!

 

やはりアインズ様プレイは最高だな!

 

てか、登場の仕方といい、まんまカルネ村の時の奴だよなぁ

 

まあ、私としては再現できたからよかったけどさ

 

さてさて、到着したはいいが、やはりルルーシュはここにいたか

 

なんとなくそうかなとは思っていたがな

 

あまり覚えてないが、確かここでなんかヤバいことになりそうな気がしたので、ゲートを起動してまでここに来たからな

 

しっかし、やはり見れば見るほどひどい場所だな

 

ここは

 

日本人の死体で溢れかえっている

 

その中には女子供もいる

 

やはりコイツらは女子供だろうと容赦がないのだな

 

イレブンだからという理由で

 

なら、最早コイツらに慈悲など不要だな

 

早速行動に移りたいが、その前に

 

私はルルーシュの隣で怯えきった表情で抱きついている女を見る

 

一瞬、妻にソックリだと思ったが、やはりどこか違う

 

まず髪の色が違う

 

妻は緑だが、この娘は黒と一部ピンクだ

 

だが何処かで見たことがある

 

確か…ユーロピア戦線の時か?

 

わからん

 

なんか思い出せん

 

まあ、そんな事は今はどうでもいい

 

私はルルーシュから事の顛末を聞き、ルルーシュがより一層ブリタニアに対しての恨みが強くなった事がわかった

 

その事を聞いた妻はルルーシュを抱きしめて頭を撫でていた

 

「よしよし、怖かっただろう坊や?今だけなら私の胸を貸してやるぞ?」

 

「は、離せ!義母さん!俺を子供扱いするな!」

 

「私から見れば十分に子供さ、ほーらほらもっと甘えてもいいんだぞ〜?」

 

やれやれ、ルルーシュが嫌がってるじゃないか

 

まあ、長いこと会ってやれなかったしな、妻も寂しかったのだろう

 

それにしても、ルルーシュの隣にいたあの女、私を見るや否や、さっきから同じ事を言ってる

 

しかも、よく見ると顔も紅いし

 

声が小さいから聞き取れんが、口の動きから何を言ってるかはわかるから、ちょっと解読してみよう

 

何々……「ミ・ツ・ケ・タ・ワ・タ・シ・ノ・イ・ト・シ・イ・ヒ・ト」

 

…つまり翻訳すると

 

「見つけた、私の愛しい人」か?

 

何の事だ?

 

私には妻がいるというに、まあ今はこの問題は後回しにしとおこう

 

「C.C、じゃれ合うのもそれくらいにしておけ」

 

「…ふん、仕方ない、今日は仕事だからな」

 

「仕事?」

 

「そうだルルーシュ。お前の知恵を借りたい。頼めるか?」

 

「成る程…ならばこのルルーシュ、アインズ様の御心のままに知恵を貸しましょう…」

 

あー、義理とはいえ息子に様付け呼ばわりはなんかやな感じだな

 

でも言っても聞かないだろうし、そっとしておくとしよう

 

さあ、ブリタニアの諸君

 

果たして生き残れるかな?

 

To Be Continued




次回はいよいよ皆大好きあのKMFが出ます


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第2話 喝采の日

この話もカルネ村の話をオマージュしておりますので、ご注意下さい


【紅月カレン視点】

 

ブリタニアの基地から盗み出したこの毒ガスのカプセルを運んだのはいいけど、結局ブリタニアの軍に見つかって、私の機体もボロボロになってしまった

 

扇さんやみんなも捕まって、さらには他の日本人まで巻き込んで

 

ブリタニアはどこまで私達を殺したいんだ…!

 

「よし、これで全員だな、射殺しろ!」

 

軍人達が銃を構える

 

私の中にあった死の恐怖がここに来てやってきた

 

怖い…怖いよ…お兄ちゃん…!

 

誰もが死を覚悟したその時だった

 

『ウォォォォォ‼︎』

 

突然なんかの叫び声が聞こえると、兵士達の悲鳴が聞こえて来た

 

それもゆっくりと近づくかのように

 

そして、倉庫を破って現れたのは

 

巨大な屍が剣と盾を持ってブリタニアの軍人達を殺していたのだ

 

軍人達はあたし達を殺すのはやめて、あの化け物を殺そうと躍起になった

 

しかし、抵抗せずに逃げた奴には剣で切り裂き

 

逃げない奴には剣を使わず盾で吹き飛ばしたりしていた

 

私はこれを見て思った

 

「楽しんでるの…?」

 

あの化け物は、人殺しを楽しんでいるかのように思えた

 

銃なんて御構い無しに突っ込んでは殺し、手榴弾を食らっても傷一つ付かずに、手榴弾を投げたやつを殺したりと、ホントにやりたい放題だった

 

でも、もしあの化け物が兵士達を殺し尽くしたらどうする?

 

次は…私達⁉︎

 

ありえる…

 

殺しを楽しむような奴だ、私達を見逃すなんてありえない

 

「みんな!この隙に早く逃げろ!じゃないとあの化け物に皆殺しにされるぞ!」

 

扇さんがみんなを連れて逃げようとしたその時

 

「デスナイトよ、そこまでだ」

 

突然何処からか声がして、私やみんなが声のした方に目を向けると、そこには空中に浮かんだ『骸骨の仮面を被ったナニカ』がいた

 

ゆっくりと降りてきて、あの化け物の近くに来た

 

「初めまして、諸君。私の名はアインズ・ウール・ゴウン」

 

自己紹介してるの?

 

何を考えてるの?

 

「諸君らには生きて帰ってもらう。そして君達の上司…いや、飼い主に伝えろ。この辺りで騒ぎを起こすようなら今度は貴様らの国に死を撒き散らすとな」

 

軍人達は何度も首を縦に振り、命乞いをするかのようにしていた

 

「行け!そして確実に我が名を伝えろ!」

 

軍人達が一目散に逃げる

 

見ててなんか情けなくて笑いそうになったけど、問題はアイツだ

 

アインズ・ウール・ゴウン…

 

一体何者なの?

 

「さて、君達はもう安全だ。この辺りで騒ぎを聞きつけて、助けに入った者だ。安心してもらいたい」

 

…そんな事言われて、ハイそうですかって言うわけないでしょ

 

きっと何か裏があるに決まってる…!

 

「ふむ……とは言え、タダという訳にはいかない。それなりの礼をいただきたいのだが?」

 

「待ってほしい!」

 

扇さん?

 

「君は?」

 

「ここでレジスタンスをしている扇と言う。我々やここの人たちは、ブリタニアの所為で金や財産がほとんどない、だから、満足のいく報酬が渡せるかどうか「誰が金をくれと言った?」え?」

 

え?お金じゃないの?

 

じゃあ一体なんだって言うの?

 

「礼と言うのは、ちょっと私の軍師の考えた作戦に協力してもらいたいだけだ」

 

「作戦?」

 

…そういうこと

 

つまりアイツは、ブリタニアと戦いたいけど、戦力がないから力を貸せってとこか

 

ホント、わかりやすいわね

 

「先ずは、この積荷をプレゼントしよう」

 

そういうと突然見たこともないKMFが現れて、何かを運んでいた

 

それを開けると、そこにはあのブリタニアのKMFと、それに私が使っていた機体まであった

 

それも完璧に修理された状態で

 

「どうして…あの時完全に…」

 

「おい見ろよ⁉︎武装もみんな最新式ばかりだぜ⁉︎」

 

「こりゃ話だけでも聞いてみる価値あるかもな!」

 

私が自分の機体を見ていると、あのアインズとか言う奴がキーを渡してきた

 

「それは君のKMFだろう?私の優秀なスタッフによって完全に修復しておいた。武装も全て最新式だ、有効に使ってくれたまえ」

 

「…一応礼は言っておくわ」

 

キーを受け取った私は、早速乗り込み合図を待っていると

 

『ではこれより作戦の説明を行う。まず、私はアインズ様の軍師、今はキングと名乗らせてもらう。今から君達は私の直下に入ってもらう。異論や不満はあるだろうが、それらは後で聞こう』

 

…偉そうな奴!

 

これでもし無能だったら死んでも恨んでやる

 

『では、これより、ゲットー奪還作戦の説明を行う。各自よく聞いておくように、ではまずは…』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ視点】

 

うーん、やっぱりアインズ様プレイは最高だな!

 

兵士の死体を使用してのデスナイト作成の実験は見事成功

 

死体に乗り移って現れる所まで再現済みだ

 

私がデスナイトに、ブリタニアの兵士を殺せと命じたら、主人はそっちのけで走って行ってしまう所なんかも全部同じだ

 

その後私は妻とルルーシュ、そしてあの女を天界からの贈り物であるKMFに乗り込んで後を追う

 

え?なぜ4人以上乗れるのかだと?

 

それは簡単だ

 

このKMFは『3人乗り』で、しかも中々に広く設計されているからだ

 

その為従来のKMFより2.5倍近くまで大きくなってるがな

 

…にしてもこの女

 

付いてくるのも勝手だし、乗り込むのも自由だからあえて何も言わずに乗り込んだが、何故私の膝の上なんだ?

 

妻もルルーシュも嫉妬みたいな視線送ってるし

 

まあでも、女、女って呼ぶのもなんか嫌だし、名前くらいは聞いておくか

 

「そう言えば、お前の名はなんだ?」

 

女に向かって言うと、女は私の方に体ごと向けて答えた

 

「…名前、『忘れた』、愛しい人、名前、付けて」

 

ええ…

 

私が付けるのか?

 

と言うか私の事は愛しい人で確定なのね

 

というより、忘れた?

 

どういう事だ?

 

…まあ、他人の過去に入り込むには、まだ信頼関係も気づけてない訳だし、深くは聞かないでおこう

 

とりあえず…名前か…

 

んー、そうだな

 

ユーロピア戦線の時に出てきたやつにソックリだったし、それに関係する名前…

 

…よし

妻と同じような名前になるが、顔も似てるしいいだろう

 

「では、今日からお前の名は、『U.U』だ」

 

名前を付けてやるとU.Uは

 

「……!、U.U、私、U.U!、私、嬉しい、愛しい人からの、名付け、すごく、嬉しい!うふ、うふふふ!」

 

嬉しそうに笑って私を抱きしめてくるU.U

 

そんなに嬉しい名前か?

 

なんか妻と同じくらい喜ばれてる気がするが…

 

まあ、名前がないのは不便だし、いいだろう

 

「私の夫にあんなにベタベタとぉ……!う、羨ましい…!」

 

「アインズ様の身体にあんなに易々とぉ…!誰かに命令できる力があれば、死ねと命じたいぃ…!」

 

…こいつらなんかナザリックのNPCみたいになってきたな…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【数十分後】【アインズ視点】

 

さて、ルルーシュの立てた作戦によって、ブリタニアの軍勢は徐々に追い詰められていく

 

終いには私やルルーシュでさえ、最も愚かな手を打ってくる始末だ

 

これには私や妻それにルルーシュも笑うしかなかった

 

敵が一点に集まった所で、ルルーシュが起爆装置を起動し、予め仕掛けていた爆弾を爆破させ、敵をゲットーの地下に落としてゆく

 

それにより、敵のKMFは次々とLOSTしていき、終いには数機ぐらいしか残っていなかった

 

「おいおい、呆気なさすぎじゃないか?それともただ単に敵が馬鹿なのか?。ま、いずれにせよ、これで奴等も懲りただろうさ、なあ?夫よ?」

 

「油断するなC.C。忘れたのか、デミウルゴスの情報を」

 

「デミ義兄さんの?」

 

デミウルゴス、オーバーロードを知っている人ならわかるとは思うが、この名前はあのオーバーロードの最高の知恵者の一人であるデミウルゴスの事だが、こちらでは違う

 

デミウルゴスとは、私が長男につけたコードネームだ

 

本名はデミードと言うのだが、本人がこのコードネームをえらく気に入ったので、そのままにしている

 

しかもこれを機に私は何を血迷ったのか、潜入調査やこれから活躍するであろう子供達にまで、オーバーロードの守護者の名前をコードネームとして付けてしまった

 

しかもそれを皆かなり気に入っているという謎仕様な為、これではオーバーロードの世界とまるで変わらない始末だ

 

幸いにも二人だけまだ幼いから、違う性格になって欲しいとは思うが、いずれにせよ、それも子供達次第だな

 

ちなみに、デミウルゴスからの情報とは、相手が第7世代型KMFの開発に成功したとの情報の事だ

 

記憶にうとい私でさえ、これはわかる

 

恐らくランスロットの事だろう

 

あれはある意味コードギアスシリーズの顔とも言うべきKMFだ

 

しかも他のKMFと違ってかなり強い

 

…ま、天界からいただいたこのKMFと比べたら、まるで歯が立たないだろうがな

 

私はデミウルゴスからもらった情報をルルーシュに教える事にした

 

「ーーーという訳だ。奴等が第7世代型のKMFを持っているとすれば、私達が直々にでる必要がある。だからこそ、油断も慢心もせずにこのKMFを持ってきたと言う事だ」

 

「…!流石はアインズ様!そこまでお考えだったなんて!このルルーシュ、誠に感服いたしました!」

 

「愛しき人!すごい!」

 

「世辞はよせ、ルルーシュ、それにU.Uよ。全てはデミウルゴスのお陰だ。私はただそれに合わせただけにすぎん」

 

「そうだぞ坊や達?私達の主人、もとい私の夫は、この世界の頂点に立つべき存在。デミウルゴスの考えに合わせるのも造作もない事だ」

 

「成る程…!」

 

「私、坊や、違う!」

 

「フフッ、すまんな。お前はお嬢さんだったか?」

 

「ムカー!」

 

……やっぱりこいつらナザリックのNPCだろ?

 

てかなんだよこの忠誠心!

 

まんまアインズ様に向ける奴じゃねぇか!

 

ルルーシュにいたってはデミウルゴスみたいに感服するし、C.Cにいたっては私が頂点に立つべきだとか言うし

 

まあ頂点に立つのはいいにしても、やっぱりどこかしらナザリックのNPC達に似ている

 

はあ…アインズ様も苦労したんだな〜…

 

さて、無駄な考えはこのくらいにして、そろそろかな

 

『こ、こちらT6!高速でこちらに何かが、ううわあああああああ⁉︎ーーーーーピーガガガッ…』

 

「⁉︎おい、どうしたT6⁉︎」

 

「…来たな、どうする?」

 

「愚問だな、ルルーシュ、シートベルトはしっかり締めておけ」

 

「はっ、行くのですね?」

 

「無論だ。このゲットーの人間達、もとい日本人達を、私は手間をかけてまで救ったのだ。それを無残に殺させる訳にはいかんのでな。C.C、運転は任せたぞ?」

 

「無論だ、私の愛する夫よ♡」

 

C.Cが私に軽く口づけし、操縦席に戻る

 

さあランスロットよ、お前は何秒この機体に付いてこれるかな?

 

あと、U.Uさん?

 

そんな負けじとほっぺにチュッチュしないで?

 

君が私を好きなのはわかるからさ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【スザク視点】

 

よし、これで敵の殆どが片付いた

 

最初、セシルさんからこれを見せられた時には驚いたけど、まさか僕にランスロットを任せてくれるなんてな

 

ロイドさんにも感謝しないと

 

…よし、後は敵のエースと指揮官さえ潰せば、こちらの戦力も持ち直せる

 

なら、ここは一気に!

 

『それくらいにしてもらおうか?』

 

⁉︎

 

声?何処からだ⁉︎

 

周りを見ても何もない

 

じゃあ、一体どこから?

 

『スザク君!上だよ上!真上を見て!』

 

ロイドさん?

 

上って、上には何も…………⁉︎

 

上を見た僕は、思わず目を疑った

 

巨大なKMFが空を飛びながら、こちらを睨みつけるかのように見下ろしていた

 

その光景に、僕は思わず唖然としてしまう

 

『…成る程、コックピットは狙ってないようだな。だが、だからと言って容赦はしない。お前にはこの、【ガウェイン】の性能テストに付き合ってもらうとしよう』

 

ガウェイン?

 

あのKMFの事か?

 

いや、それよりも

 

僕が倒したKMFを見て何か知っていたようだった

 

なら、あれが指揮官か!

 

図体はデカイけど、その分こちらは動ける!

 

やってやる!やってみせる!

 

「うおおおおあおお!」

 

ランスロットを走らせながらスラッシュハーケンを撃つ

 

そして怯んだ所でMVSを使って無力化させる!

 

僕がスラッシュハーケンを撃った、その瞬間だった

 

 

パキーン!

 

 

「な、何⁉︎」

 

ハーケンスラッシュがガウェインに当たった瞬間弾き返された⁉︎

 

そんな!あの機体の装甲はKMF以上なのか⁉︎

 

『ふむ、『上位物理無効』が発動したか。なら、あのKMFはこのガウェイン以下で間違いないようだな』

 

上位物理無効?

 

一体何を言っているんだ?

 

『では、今度はこちらから行かせてもらおうか

『テレポーテーション』』

 

シュン…

 

⁉︎

 

消えた⁉︎

 

何処だ⁉︎

 

レーダーにも映らない、一体何処に⁉︎

 

『スザク君!後ろ!』

 

 

セシルさんの通信きた直後、後ろからすごい衝撃がきた

 

さらに今度は右

 

次は左

 

今度は前と

 

僕は何もできないまま、このまま一方的に殴り続けられた

 

気がつくと、あちこちから警告文が出て、もう何が何だかわからない状態だった

 

『ふん。本気を出さないでこれか。随分と未熟なパイロットがいたものだな』

 

そしてガウェインはそのまま僕を置き去りに、そのまま何処かへと姿を消した

 

くそっ…

 

僕はまだ…

 

なに…も…

 

僕の意識は、ここで途絶えた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ視点】

 

さて、ガウェインの実験結果についてだが

 

一言で言えば拍子抜けだ

 

簡単に言うと強すぎて他の奴じゃ相手にすらならない

 

妻の操縦が完璧なのもあるが、これでは私が操縦してたらもっと酷い結果になっていたであろう

 

ちなみに、このKMFの正式名所だか

 

あの時はガウェインと言ったが、厳密には違う

 

このKMFの名は【ガウェインMk-Ⅱ】

 

原作に出ていたガウェインをさらに強化し、私仕様に改造された機体だ

 

コックピットが増えたのは予想外だったが、基本的には一人か二人で動かす

 

三人乗りな理由は、一人がメインパイロット

 

もう一人はサブ

 

そして三人目は部隊を指揮する為の特等席といった感じだ

 

だから、基本的には二人か一人で動かすのが主流だ

 

まあ、説明書には3人乗れば【隠された兵装が起動する】って書いてあるけど、未だにそれっぽいのは確認できてないし、今後も実験を続けないとな

 

さて、これで敵の主力は戦闘不能

 

であれば、後は指揮官の元に行って、アインズ様プレイをするだけだ

 

「C.C。指揮官の場所はわかるか?」

 

「容易くわかるぞ?」

 

「では話が早い。そこへ向かってくれ。奴らが何を相手にしたのかわからせる必要があるからな」

 

C.Cは私の表情を読み取ったのか、くすりと笑いながら指揮官の元へと向かう

 

そしてたどり着いた時には敵もやはり残っていたKMFで防御を固めていた

 

まあ、ランスロットのボコボコ映像を見てたみたいだから、相手は何もしてこないけどな

 

さて、それじゃあアインズ様プレイといきますか

 

「初めまして、指揮官様。私の名はアインズ・ウール・ゴウン。アインズと呼んでいただければ幸いです。もし私の声が聞こえたなら……抵抗する事なくその命を差し出せ、そうすれば痛みはない。だかそれを拒絶するなら、絶望にまみれた死をお届けしよう『ま、まって欲しい!待ってくれ!アインズよ!いや、殿!』ん?』

 

なんだなんだ?いきなり?

 

どうやらこいつが指揮官みたいだが

 

ルルーシュがさっきからこの声を聞いてからかなり苛立っている

 

知り合いか?

 

「何を待って欲しいのだ?」

 

『ど、どうか、い、命だけは、私のい、いいい命だけは助けて下さい‼︎他の者はどうなっても構いません!もし助けてくれるのでしたら、望むだけの物を‼︎』

 

………こいつニグンかよ

 

決めた

 

殺す

 

絶対殺す

 

こう言う奴は生かしておく価値もない

 

少しはマシな命乞いをしたら、利用してやろうと思ってたのに

 

まあ、なら一芝居ってもらうかね

 

「C.C。ルルーシュとU.Uを任せたぞ」

 

「行くのだな?」

 

「すぐに戻る。『テレポーテーション』」

 

私は魔法を使って指揮官のいる場所にテレポートする

 

そしてテレポートした先には、見覚えのある顔があった

 

…成る程、こいつ確かクロヴィスとか言ったが

 

テレビ何度か見たことがある

 

まあ、多分こいつだろうとは思ってたがな

 

んで、クロヴィス達は突然私がやってきてかなり驚いてるようだけど、それで驚いてもらっても困るけどな

 

これからもっと困ってもらうからな

 

私はクロヴィスの前にあるものを投げる

 

それはカランといい音を立てた

 

私が投げたのは、ダガーナイフだ

 

それをクロヴィスの足元に投げたのだ

 

「ひっ⁉︎」

 

クロヴィスは訳もわからず怯えてるが、私には関係ない

 

なんせ、こいつには今からこれで死んでもらうからな

 

それも、『自分の手』で

 

「日本にはこういう物があったろう?部下を助ける代わりに、敗軍した将軍が腹を切って自決するというものがな?」

 

「な、なに?」

 

「確かクロヴィスとか言ったが、それで自害しろ。それで私への行いをチャラにしてやろう」

 

「 な、なぁ⁉︎」

 

クロヴィスは訳がわからないような表情をしているが、何度も言うがそんな表情を浮かべても私には関係ない

 

「さあどうした?早く自決しろ。そうしたら部下達の『命』だけは助けてやろう」

 

嘘は言っていない

 

そう、嘘、だけはな?

 

クロヴィスは横に首を振りながら拒絶するが、私はここで精神支配の魔法をかける

 

意識はそのままにな

 

「命令だ、自決しろ」

 

クロヴィスの体が勝手に動き出し、ダガーナイフを手に取る

 

それを見た部下達は、かなり驚いているが、中には安堵している奴もいる

 

全く、上司が死ぬというに、随分といい神経をしているな

 

「な、なんだこれは⁉︎か、体が、勝手に⁉︎、や、やめろ!、よせ!、やだ、やだやだやだやだ‼︎死にたくない!、やめろ、やめろおおおおおおおおおおおおおおお‼︎」

 

グサっ‼︎

 

クロヴィスは首にナイフをを突き刺しそれを一気に引き抜く

 

プシャーッ‼︎

 

血が噴水のように吹き出て、そのままクロヴィスは何回か痙攣したのち、完全に動かなくなる

 

それを見て、悲鳴を上げた部下達を私は見逃さず、チャームの魔法をかけて全員眠らせた

 

そして、マイクを手に取る私

 

ボリュームをゲットー全域に聞こえるように設定し、喋る

 

「ゲットー、いや、ここに住む全ての日本人に告ぐ。喝采せよ、今ここに、指揮官たるクロヴィスが死んだ。故に喝采せよ、我が至高なる力に喝采せよ!。我が名は!アインズ・ウール・ゴウン!この世界に死を撒き散らす、死の支配者なり!」

 

私が喋り終わってしばらくすると、あちこちから勝鬨をあげる叫びが聞こえてきた

 

そしてそれは次第に大きくなり、遠くにいる私でさえもその声に圧倒される

 

「ふ、フフフフフ…フハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

思わず笑ってしまう

 

まさかここまでうまくできるとは

 

これなら、予定よりも早く

 

ブリタニアを滅ぼせるかもしれない

 

けど、慢心できない

 

なんせ、まだ始まったばかりだからな

 

その日、ゲットーから聞こえてきた喝采は、ブリタニアの市民達にも聞こえたらしく

 

後に、この日を、喝采の日と呼んだ

 

 

To Be Continued




ランスロット出番少なかったですが、アインズ様が相手じゃ、仕方ないですねw


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第3話 その名は アインズ・ウール・ゴウン

長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。

しばらく風邪なり、家庭の事情とかで精神的に参ってしまい、進行が遅くなってしまいました。

ですので、今回は短めかもしれませんが、ご理解の程、よろしくおねがいします。


【ルルーシュ視点】

 

シンジュクゲットーでの戦いから数日

 

世界は変わったようで変わってはいなかった

 

日本人は、ゲットーを救った英雄であるアインズ様を讃えて、ブリタニアに対してさらに強い反発を抱いていた

 

しかし、ブリタニア軍はこれをなんの躊躇もなく撃退し、結局以前と変わってはいなかった

 

強いて変わったとこと言えば、アインズ様を讃える声が強くなってきた事ぐらいか

 

そんな小さな事で世界が変わったとは思えなかったが、それでも俺の目的は変わらない

 

アインズ様と一緒にいれば、目的もすぐに果たせるだろう

 

そんな考えを抱きながら、アッシュフォード学園に通っていると、クラスに普段見かけない女子がいた

 

名前はカレン・シュタットフェルト

 

病弱でたまにしかクラスに出れないと聞いていたが、俺にはそうは思えなかった

 

そう、俺はあの日彼女を見ているのだ

 

テロリストの車の中で

 

俺は彼女について少し観察した上で調べてみようと思い行動する

 

その途中でシャーリーやらリヴァル達に見つかったが、どうにか誤魔化してカレンの観察と調査を続ける

 

…ただ、シャーリーは誤魔化したはいいが、何を思ったかのかふくれっ面をしていたので、今度ちゃんと誤解を解こうとも思った。

 

…解けるかは別としてだが

 

こうして数日間カレンを観察と調査した結果だか、結果はやはり当たりだった。

 

カレンはやはりレジスタンス達の一員だった。

 

病弱設定にして、学校を休みがちにしたのも、全てはレジスタンス目的だった。

 

このことを知った俺はすぐ様アインズ様に連絡を取ることにした

 

「……アインズ様ですか?」

 

『ルルーシュか、どうした?今は学校の筈だが、急ぎの用事か?」

 

「はい、実は…」

 

俺はアインズ様にカレンについて隠さず全てを話した

 

『ふむ…、その女は使えるかもしれんな。また後で連絡を入れる。お前はこのことをデミウルゴス達に伝えてくれ』

 

「…義兄さんにですか?」

 

『苦手か?』

 

「…」

 

正直言って、デミ義兄さんとアル義姉さんは苦手だ

 

アル義姉さんとは、アルベド姉さんの事で、本名はアンジュと言う

 

二人が苦手な理由としては、とにかく俺を見つけては、頭を撫でるわ抱きつくわでとにかく困っている

 

特にアル義姉さんは俺が嫌がる素振りを見せると泣きそうな顔になるし、それを見たデミ義兄さんはニヤニヤしてるわで、とになく気苦労が絶えない

 

『まあ、とにかく頼んだぞ、ルルーシュ』

 

「はい、アインズ様…」

 

俺はその場でため息をついて、仕方なくデミ義兄さん達のいる生徒会へと足を運ぶのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【カレン視点】

 

学校の帰り道に、デミードって人から渡された手紙に「旧東京タワーに日本人のお友達と来い」と書かれていて、最初は罠かと思ったけど、確かめたい事もあったので扇さん達にこのことを話して、指定された場所に向かった。

 

するとアナウンスが鳴り、私に預かり物があるといわれ、そこへ行くと紙袋が渡され、中を見ると通信機が入っていた。

 

それが鳴ったのでとると『環状5号線、外回りに乗れ。お友達も一緒だ』と言って切られた

 

この声に私は聞き覚えがあった。

 

そう、あのアインズとかいう胡散臭い奴の軍師だ

 

私達は言われたとおりに乗ると、また再び通信機が鳴った

 

「もしもし?」

 

『進行方向に向かって右側を見ろ。何が見える?』

 

…成る程、私を試しているのね

 

「ブリタニア人の街だ。私達の犠牲の上になりたつ、強盗の街」

 

私は嘘偽りなく答えた

 

『では左を見ろ、何が見える』

 

「私達の町だ。ブリタニアに吸い上げられた町。絞りかすの町」

 

『いい答えだ。では先頭車両に来い』

 

私は扇さん達に目配りして、先頭車両まで進む

 

すると、そこだけ雰囲気が違っていた

 

そこにいたのは、一人ではなかったからだ

 

そう、あのアインズもいたからだ

さらに周りにはアインズの部下と思う人物が何人もいた

 

「貴方は…」

 

「罠じゃ…ないよな?」

 

「なあ、シンジュクのあれは本当なのか!?本当にクロヴィスは自殺したのか!?」

 

しかし、アインズは何も言わない、まるで試しているかのように

 

「おい!なんとか言ったらどうなんだ!」

 

するとアインズは手をこちらに向けて、私達を見た

 

「騒々しい!静かにせよ!」

 

「ヒィっ!?」

 

私達はそれを聞いた途端、よくわからない恐怖に触れたかのように、体が動かなくなった

 

私に至っては、あまりの恐怖に顔が恐怖に満ちていた

 

「おっと、すまんな。あまりに質問が多かった故、つい強く言いすぎてしまった」

 

そう言うと途端に恐怖的なナニカはなくなり、私達も冷静になってきた

 

するとアインズの隣に立っていた黒い仮面の男がこちらに向かって言った

 

「租界ツアーはどうだった? 感想は」

 

「ツ、ツアー?」

 

「正しい認識をしてもらいたかった。租界とゲットー!」

 

男は両手を広げで言った

 

やはり私達を試していたみたいだ

 

「た、確かに、我々の間には差はある。絶望的な差だ。だからレジスタンスとして…」

 

「違うな」

 

違う?どういうこと?

 

この男は私達に何を言いたいんだ?

 

「テロでは、ブリタニアは倒せないぞ。……テロなんて子供っぽい嫌がらせにすぎない」

 

「何だと!?」

 

「俺達がガキだってのか!?」

 

この男の言っている事はわかる

 

確かに私達のやってる事は嫌がらせなのかもしれない。

 

でも、だからといっても、ブリタニア人のやってることをそのまま見過ごせと言われたら話は違う

 

みんなが怒るのも、無理はないのかもしれない

 

「相手を間違えるな。敵はブリタニア人ではない。ブリタニアだ!」

 

男は強く言って私達に話した

 

「やるなら戦争だ!民間人を巻き込むな! 覚悟を決めろ。正義を行え!!」

 

…偉そうに

 

私達の事を何も知らないで好き勝手に…!

 

「そのくらいにしろ、ゼロ」

 

突然アインズが止めた

 

どうやらあの男はゼロと言うらしい

 

「…はっ」

 

ゼロは後ろに下がってアインズがそのまま話す

 

「君たちの憤りも理解できる。顔も見せない相手を信用するのには、ある物を見せなければ納得しないからな」

 

「ある物?」

 

「それは力だ。ブリタニアという国を敵に回す程のな。私、いや、我々にはその力がある。それはお前達がよくわかっているのではないのか?」

 

「な、何を言って…」

 

扇さんやみんなも混乱している。

 

私も信じられないし、混乱している

 

そんな力がある訳がない。

 

「だからこそ、その力の一端を見せる。その為の催しも数日後に迫っている。デミウルゴス、例の新聞を」

 

デミウルゴスと思わしき男が私達に新聞を見せる

 

そこに書かれていたのは

 

『枢木スザク クロヴィス殺害の容疑で逮捕 公開処刑間もなく』

 

要約すると、そう書かれていた

 

「数日後に新聞に書かれているように、枢木スザクの公開処刑が行われる。お前達も知っての通り、クロヴィスは自らの行いに恐怖し、その罪を死をもって償った。…だが、ブリタニアのシナリオではそうもいかないらしくてな。だからこそ、その間違いを正すために、枢木スザクを奪還する。お前達には私の力を見せるついでに協力してもらいたいということだ」

 

「そ、そんなの、できる訳…」

 

扇さんや誰もがそう思った

 

私でも無理だ

 

こんな無謀な作戦

 

護送車には何人もの警備兵がいて、さらにはナイトメアフレームまでもが付いている

 

普通に考えたら、こんなの私達でもできる訳がない

 

「これは君達にとってもチャンスだとは思わないか?枢木スザクは名誉ブリタニア人とはいえ元は日本人だ。彼を助ければ、それなりの知名度も上がると思うのだが?」

 

扇さんは難しい顔していた

 

私や他の皆も恐らく同じだ

 

しばらく私達が考えていると、扇さんが答えを出した

 

「…貴方には、シンジュクでの借りがある。正直無謀だとは思うが…やるだけの事はやってみる。みんなもいいな?」

 

その言葉を聞いて、私達は頷いた

 

「取引成立だな」

 

だけど、私達はまだ気づいていなかった

 

この取引が、後に悪魔の取引だというのに気づくのは…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ視点】

 

遡る事1週間前、アインズは日本に作った秘密のアジトにて今後の事を考えていた時だった。

 

突然部屋の扉をが開き、私が扉の方に目を向けると、そこには娘のシャルティがいた

 

「お父様!テレビにスザクお義兄様が!」

 

それを聞いた私は慌ててテレビのある部屋へと向かう

 

着くと、そこには妻のC.Cや子供達も集まっていた

 

そしてテレビを見ると、そこには捕まったスザクが映っていた

 

『本日未明、クロヴィス殿下を殺した実行犯とおぼしき人物が逮捕されました。逮捕されたのは名誉ブリタニア人、枢木スザク一等兵。容疑者は元イレヴン。名誉ブリタニア人の枢木スザク。繰り返し、お伝えします。逮捕されたのは……』

 

「…何ということだ…」

 

私はそれを聞いて、顔を抑えるしかなかった

 

そして同じくテレビを見ていたナナリーも不安がっていた

 

「お義母様…嘘ですよね?スザクさんがクロヴィスお兄様を殺したなんて…」

 

不安がるナナリーに、妻は優しく頭を撫でていた

 

「ああ、嘘だな。スザクが人殺しなんて、私も信じたくないし、そんな事をしないのも、私がよく知ってるからな…」

 

妻はああ言ってはいるが、やはり不安を隠しきれていない

 

それはそうだろう

 

スザクが出て行った時、真っ先に心配したのは、ナナリー、ルルーシュ、そして何より妻だからな

 

私がここに来たのに気づくと、ナナリーや他の子供達も寄ってきた

 

「お父様…」

 

「スザクお義兄ちゃんはそんな事しないよね?お父さん?」

 

そう言ってきているのは、アウラとマーレだ

 

私は優しく頭を撫でて、安心させる

 

「ああ、スザクに限ってそんな事はしないさ。お前達だって、それはよくわかっているだろう?」

 

そう言うと、二人の顔は少し明るくなった

 

「…デミード。これは予定より早く動くことになりそうだな」

 

「はい父上。こんな頭の悪いニュースを聞いた以上、この国には早々に痛い目に遭った方が良いかと」

 

こうして私達は、ルルーシュから聞いた情報を元にレジスタンス達との協力で奪還作戦を練った

 

それから数日後、ついにその日は来た

 

私がアインズ・ウール・ゴウンの名を使って、世界に知らしめる、その第一歩を…。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ルルーシュ 視点】

 

公開処刑当日

 

デミード義兄さんから最初事情を聞かされた時はかなり驚いたが、それ以上にどこまでも真実を隠そうとするブリタニアに腹が立った

 

それに、スザクには借りもある。それを返せるのなら、それもここで返したいとも思った

 

そして今、俺達は護送車に近づくのだった

 

近づくと聞こえてくるのは、恥知らずだの人殺しだの酷い野次や罵声が一斉に聞こえていた

 

ちなみに移動に使っているのは、レジスタンス達に作らせたクロヴィスの車のハリボテだ

 

着いてきたのはカレンと扇とか言う奴だけだったが、それだけでも俺達には十分だった

 

ハリボテが護送車に近づき、しばらくすると

 

「出てこい!殿下のお車を汚す不届き者が!」

 

ジェレミアとかいう男の声を聞いた俺は、隣にいるアインズ様に合図をして、仕掛けのスイッチを押す

 

車の天井部分が燃え上がって俺達の姿がさらされ、一部の人はアインズ様の姿を見て悲鳴をあげていた

 

「初めまして、ブリタニア人の諸君。私の名は、アインズ・ウール・ゴウン。その隣にいるのは、私の忠実な軍師、名をゼロと言う」

 

「アインズ・ウール・ゴウン?…はっ、貴様!シンジュクの!?」

 

「覚えていてくれたか。感謝しよう」

 

どうやらジェレミアはアインズ様を知っていたようだ

 

しかし、アインズ様を思い出したジェレミアは、手が震えていた

 

「時にジェレミア卿?何故枢木スザクを逮捕した?」

 

「な、何故だと?この男はクロヴィス殿下を殺した大罪人だぞ!捕まえるのは当然だろう!」

 

「違うな」

 

アインズ様の目が光ると同時に、隣にいる俺ですら恐怖に感じる程のナニカを発していた

 

「クロヴィスは殺されたのではない。自殺したのだ」

 

それを聞いたブリタニア人達は皆信じられないような顔をしながらざわつき始めた

 

「何故貴様らはその事実を隠す?クロヴィスは敗戦し、部下達を生かす為に自らの命を犠牲にしたにもかかわらずだ。納得のいく理由を聞かせてはくれまいか?」

 

「だ、黙れ!!クロヴィス殿下が自殺した証拠などどこにある!?それに敗戦だと?馬鹿も休み休み言え!我らブリタニアに敗戦などあり得ない!」

 

ジェレミアの声を聞いたナイトメアフレーム隊はこちらに銃を向ける

 

カレンは今にでも逃げ出しそうな表情だが、必死にハンドルを握って耐えている

 

「さあ、君のショーは終わりだアインズ。先ずはその被り物を外して貰おうか?」

 

強気なジェレミアに、アインズ様は骸骨の被り物を外そうとした時、俺は咄嗟に指を鳴らし、後ろの仕掛けを作動させる

 

するとハリボテの一部が外されて、そこにあったのは、あのU.Uが入っていたカプセルがあった。

 

「何ィ!?」

 

「ジェレミア卿、あれは!」

 

そうだよ、ジェレミア。中身を見ていないお前達にとっては、これは毒ガスのカプセル。

 

本当は何でもない奴だけどな

 

「違う!それは、あぐっ!?」

 

スザクが叫ぼうとしたが、電気ショックによって言葉を止められる

 

民衆達もなんだあれと言って不安がっている

 

中身を知らない民間人、そしてその中身が毒ガスカプセルだと知らされているジェレミア達

 

そう、今ジェレミア達は、民衆を人質に取られている状態だ

 

そして俺が声を発する

 

「撃ってみるか?わかるはずだ。お前なら」

 

そう言うとジェレミアは仕方なく銃を下ろした

 

「………わかった、要求は?」

 

「決まっているだろう?無実の人間の釈放だ」

 

アインズ様がそう言うも、ジェレミアは聞こうともしない

 

「笑止!何度も言うがこの男はクロヴィス殿下を殺めた大罪人!引き渡せる訳がない!」

 

「…………はあ」

 

アインズ様はため息を吐くと「そこで待ってろ」と耳打ちした

 

「ならば仕方ないな」

 

そう言うといつの間にかアインズ様の姿は無く、気づくとジェレミアの後ろに立っていた

 

「ジ、ジェレミア卿!後ろ!」

 

「何!?」

 

ジェレミアはアインズ様に顔を握られてそのまま持ちあげられる

 

「ぐ、ぐうぅ!?は、離せ!」

 

「麻痺」

 

アインズ様がそう言うと黒い靄のような物がジェレミアの体を包み、しばらくしてジェレミアを離すと、ジェレミアはそのままグッタリとしていた

 

それを見た民衆や兵士たちも何が何だか分からなくなっていた

 

そしてそのままアインズ様はスザクのいる所まで向かう

 

途中兵士たちが銃を構えて撃とうとしたが、また一瞬でアインズ様の姿が見えなくなり、気がつくと兵士たちの後ろにいて、そのままジェレミアと同じことをしていた

 

「帰るぞ、スザク」

 

「え?」

 

アインズ様はそのままスザクを抱き上げる

 

そしてまたしばらくするといなくなり、気がつけば俺の隣にいた

 

民衆は消えたり現れたりしているアインズ様を見て、もう訳がわからなくなっていた

 

「さて、ブリタニア市民の諸君。今見せたのは私の力のほんの僅かだ。私の力がこんな物でないというのを、肝に命じておいてくれ」

 

「ゼロ、そろそろ」

 

カレンから時間のタイムリミットを聞いた

 

「ではブリタニア市民の諸君。次に会う日を楽しみにしておこう」

 

そう言って俺はカプセルを起動させて煙幕を発生させる

 

そして見えなくなった隙に橋の近くに待たせていた扇の作業用ロボットに回収させ、そのまま逃げた

 

こうして、スザクの奪還は成功したのだった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【アインズ 視点】

 

廃墟に着き、仲間たちにしばらく待っててくれと言って、スザクを妻や子供達の待つ所に向かう

 

着いた途端、妻が気づいて早足でこちらに近づくなり、スザクをぶった

 

「ッ……!」

 

「この馬鹿息子!私や父さん、それにナナリーがどれだけ心配したと思っているんだ!?勝手に家を出て、再開したと思ったら処刑されそうになった?一体どれだけ私を心配させれば気が済むんだ!?」

 

そう言ってスザクを怒る妻。

 

その目からは、涙で溢れていた

 

「…ごめん、義母さん」

 

「…馬鹿者、謝っても許すものか…」

 

妻はそう言いながらも、スザクを抱きしめて離そうとしなかった

 

スザクはごめんと言いながら優しく抱きしめた

 

しばらくして、妻が離れると、スザクは私の方を向いた

 

「お久しぶりです。義父さん」

 

「ああ。お前も変わらんな」

 

「一つ、聞いてもいいですか?」

 

「なんだ」

 

「何故民間人を巻き込んだんですか?」

 

スザクのその口調には怒りが混じっていた

 

どうやら民間人を人質にしたのを怒っているようだ

 

「毒ガスまで使って、貴方は民間人を殺す気ですか!?」

 

…こういう事はあまり言いたくないが、こちらがやっているのは戦争だ

 

スザクの言っている綺麗事はりかいできるが、それは甘さという物

 

だから、私の答えは決まっている

 

「これは戦争だぞスザク。甘えた事を言うな」

 

「だからって、無関係な民間人を巻き込んでまで、貴方は勝ちたいんですか!?ブリタニアに!?」

 

「そうだ」

 

「ッ!?」

 

「お前だって見ただろう?シンジュクの虐殺を?奴らは不都合な真実を隠す為だけにシンジュクゲットーでの虐殺を行った。民間人を多数殺傷した挙句、その上で自分達は悪くないと言う始末。それを黙って見逃せと?」

 

「違う!僕が言いたいのは」

 

「内部からブリタニアを変えようと言うのだろう?だから私達の元を去った。違うか?」

 

スザクはそれを言われた途端、何も言わなくなった

 

「いいかスザク。私達が今やっているのはブリタニアとの戦争だ。どんな理由であれ、あの虐殺を見せられた以上、あの腐った国は滅ぼさなければならない。その上でお前が立ち塞がるのなら、たとえ義理の息子とはいえ、容赦はしないぞ?」

 

そう言って俺は絶望のオーラⅠを出す

 

こちらの本気をスザクに知らしめる為だ

 

今自分が言っているのは、義理とはいえ父親として最低な言葉だ

 

だけど、今更後には引けない

 

日本や他の国の人達が、ブリタニアの支配から解放されるには、こうするしかない

 

しばらくスザクの言葉を待っていると、帰ってきた答えは予想通りだった

 

「……確かに義父さんの言う通り、今のブリタニアはそうなのかもしれない。でもだからこそ僕は、価値のある国に変えるんだ。ブリタニアの中から。間違った方法で手に入れた結果に、価値はないと思うから」

 

「…そうか」

 

私は扉を開ける

 

「行け、裁判所に行くのだろう?」

 

「え?」

 

「全く馬鹿な奴だ。自ら死にに行くなどとな。だがクロヴィスが自殺だとマスコミや民衆に知られた以上、殺される事はないだろう」

 

「義父さん…」

 

「ふっ、お前のようなどうしようもない馬鹿など知らん。とっとと行け」

 

そう言うとスザクは歩み、外に出る前にこちらに向いた

 

「義父さん。義母さん。ありがとう」

 

そう言ってスザクは出て行った

 

ルルーシュは仮面を乱暴に外して投げ捨てた

 

「あの……馬鹿が!アインズ様の気持ちもわからないで…!」

 

私はそれを見る事しか出来ない

 

今声をかけても、帰ってくる答えなんて決まっているから

 

妻はそんなルルーシュを見て優しく抱きしめている

 

ルルーシュはただ肩を震わせていただけだったが、少ししたらすすり泣く声が聞こえた

 

結果はこうなってしまったが、後悔はしない

 

これから始まるのは、ブリタニアとの戦争

 

もう、綺麗事も言ってられるような状態ではない

 

そう、私は思うのだった

 

 

To Be Continued




またしばらく更新が遅れるかもしれませんが、よろしくおねがいします


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