銀翼の凶星―天彗龍の転生記 (VerT-EX)
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Prolog"凶星の最期"

とりあえずこっちに集中しますかね。
こんにちは、閲覧ありがとうございます。

どうでもいい話ですが、私はカリピストです。
バルク笛の紅白は大草原。


『銀翼の凶星』『絶望と災厄の化身』

大地を絶望に染め上げる凶兆は、決して抗えぬ運命の証。

銀の鱗を身に纏い、翼より龍気を噴出し、天空を音を超えた速さで駆ける。

――"天彗龍"バルファルク。

極最近ギルドにその存在を認められた古龍。

個体数も限りなく少ないが、とある個体が遺群嶺へ出現し、多くの災厄をもたらしたため、龍歴院のハンターにより鎮められた。

 

これが、バルファルクについての記録。

バルファルクについて、"龍歴院"が知り得る情報である。

そんな災厄の化身である古龍・バルファルク。

うち一体は倒された。

しかしある日、とある個体は遺群嶺へと現れた。

キィィン、と言う甲高い音を鳴らしながら、遺群嶺の1番高い場所へと降り立った。

――――

 

何かを食べるでもなく、何をするでもなく、ただなんとなく。

本当になんとなく来ただけだ。

俺は……そうだな、バルクとでも呼んでくれ。

人間が言うところの「天彗龍」バルファルク。その内の1人だ。

仲間のひとりがやられたようだが、そこはとりあえずまあいいか。

よく、俺は「変わっている」なんて言われる。

多分、人間に対して友好的(にしようとしている)ことと、無闇に襲ったりしてないことだろう。

…ん、なんでそうしているのかって?

いやいやいや、あんな化物と争うよりも友好的にした方が圧倒的にいいじゃないか。

あ、それと…割と面倒臭がりなことか。

この前面倒だからと赤い竜…確かリオレウスか?をほっといたら肉をとられた。

流石にあれは俺も怒ったから刺した。

 

「……暇だなぁ。」

 

あ、一応わかりやすいように人語フィルターを通してある。

いや人語分かるからね?うん。

まあ、その辺は置いておく。

 

その場に伏せて、空を見上げる。

青い空。雲より高空なので雲は無い。そのため、日光がぽかぽかする。

なんとなく眠くなってきた…まあいいか、寝よう。

目を閉じると、意識が遠のいていき―――

 

 

―――ドガーン!

大きな音とともに強い衝撃が走る。

「―――ッ!」

 

あまりに急すぎて声すら出なかった。

急いで起きあがってみれば、そこに居たのは人間。

4人の人間だった。

1人は女で、黄色い髪に黄色い狼のような耳が生え、青緑の鎧を纏っており、大きな剣を持っている。

1人は男で、顔も見えないような白い蜘蛛のような鎧を纏って、軽そうな包を持っている。

1人は女で、黒紫の角が頭から生えており、黒い衣を纏って、ベルのようなものを持っている。

1人は男で、紫の妖しいような衣を纏い、霧さえ操れそうな雰囲気で、大きな盾と変な槍を持っていた。

 

やばい。

本能的に感じ取ると、甲高い咆哮を放つ。しかし、人間達は怯む様子も耳を塞ぐ様子もなく来る。

小さな石のようなものが当たり、痛い。

剣の女と盾の男が突っ込んでくる。

幸い今翼は前向きだ。叩きつけて吹っ飛ばす。

そう思えばベルの女が尻尾を踏みつけて上空から襲いかかってくる。

尾を振って何とかしようとしたものの、しがみつかまれる。

必死で暴れたもののこかされる。

起きようにも攻撃が畳み掛けられ上手くいかない。

なんとか起き上がる。が、攻撃の手は休まらない。

翼を後ろ向きに戻す。噴気孔に龍気を集めて、大きく空へと向かう。

ここなら、筒から放たれる石みたいなのも当たらない。

狙いを定める。

向こうも狙いを定めたようで、こちらが急降下を開始すると同時に向こうも突っ込んできて――

 

――俺は討伐された。

 

 

―――

意識がふわふわする。弱肉強食の世界なんだから仕方が無い。

まあ死んだ以上どうしようもない。

…ん?意識がある。どういうこった?

目を開けてみる。すると、目の前には純白の巨大な龍がこちらの顔を覗き込んでいて……

 

「Why?!」

「驚くでない。というか、リアクションがデカすぎじゃ…」

 

なんか見覚えがある。それ以上に懐かしい感じがする。まるでおじいちゃんかおばあちゃんのような……

 

「誰がおばあちゃんじゃ。全く、――は。この―――――に向かって失礼じゃの?」

「あ、あー…すみません。」

 

そうか、―――――なら納得だ。この懐かしさも、威厳も。

しかしとなると、俺達の祖である―――――が一龍の俺になんの用だろうか。

「それはじゃな、お主が1番変わっていたからじゃよ。」

「変わっていた…?」

 

というか、心を読むな。心を。

まあ確かに変わった奴とは言われていたが、それがどうかしたのだろうか。

変わったヤツなら色々いると思う。

ふわふわ浮いてる蛸(ヤマツカミ)とか、骨の烏賊(オストガロア)とか、嵐を巻き起こす浮いてる奴(アマツマガツチ)とか、龍じゃないけど金色の虫(アトラル・カ)とか。

あいつらにも結構変なのがいる。(というか存在自体が変なのだが。)

 

「ふむ。まあ、わたしの気分というものじゃ。あまり気にするでない。……ということで、本題じゃ。お主、死んだじゃろ?」

「率直ですね。まあ、はい。」

「じゃからな、別世界へ飛ばす。そこで唯一無二となるのじゃ。」

 

…ん?ん?one more please?

別世界…?訳が分からないです。

そもそも別世界なんて、ないだろうと。

 

「あるのじゃよ。銀翼の凶星。まあ、自由にするがよい。じゃ、おくるぞ?」

 

あ、ちょっとまってまってまって。

展開が早すぎる。ちょっと本当にま……

 

「いってらじゃよー」

「Why Dragons founder?!」

 

そのまま紅の雷へ飲み込まれていったのだった。




お気に入り・感想お待ちしております。


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Ⅰ"凶星の困惑"

こんにちは。早めの投稿となります。
Prologと1話はできる限り揃えたいものですから…。
閲覧ありがとうございます。

ディアブロス強いです。ソロ時間かかりました()
それでは、どうぞ!


「……ん」

 

目を覚ますと、そこは森の中だった。

木はそれなりに大きく、あまりぶつからない程度の高さだ。

しかし、少し狭い。おかげで飛翔しにくい。

仕方なく、歩いての散策となる。

 

キシ、キシと小さく翼が鳴る。

起きてすぐは気にしなかったが、そういやちゃんと同じ姿だ。いやー、本当に―――――は祖なんだな。

どう言った原理でこうできるのかはさっぱりだが。

しばらく歩いていると、足になにか冷たくて柔らかい、なんというか…こう、水みたいな。でもぷにっとしている。

足元を見下ろす。すると、そこには雫型のぷるぷるとした物体…生き物?がいた。

俺の足に体当たりをしている。とてもぷにんぷにんする。

正直言ってちょっとかわいい。が、少し鬱陶しい。

ちょっと追い払うか。

 

『…キィィィィィィン!』

 

思いっきり咆哮してみる。

生き物は吹き飛ばされた後、「ピキィィ!」と鳴きながら逃げていった。少し悪いことした気がする。

その後ものんびりと探索する。途中、元の世界の傷が治る草や解毒の草に似た植物も見つけた。

ある程度は同じなのだろうか?

 

…と、考えた瞬間。『グォォォ!』とでも言おうか。

そんな野太い雄叫びが近くから聞こえてきた。

声は左斜め後ろ。

そこを警戒してみれば、何かが飛びかかってきた。

青い色の、4本腕の獅子。

獅子かぁ……。火山には爆煙を操る龍の夫婦がいると旅の竜から聞いたことがある。

俺自身も一瞬だが、上を通った時に見かけた。

 

4本腕の獅子は引っ掻きを繰り出してきた。だが、俺の鱗の前にはそんな爪など、水獣のふわふわと同然。

逆に獅子の爪は砕け散る。

獅子は驚き、唸り声をあげる。

…さて、お腹すいたな。襲ってきたし、目の前には丁度よく獲物がいる。

獅子を睨みつける。まるで蛇に睨まれた蛙だ。いや、龍に睨まれた獅子なんだけど。

硬直している隙をついて翼を前に向けて突き刺す。

結果は、圧勝。1発で急所をうまいこと突いたおかげか、ぴくぴくと痙攣している。

「ん、いただきます。」

 

なんでこれを言うかと言うと、昔、人間が焼いた肉を食べる時に言っていたからだ。

なんとなく、言ってから食べると美味しく感じる。

ちなみに、龍気をうまいこと使って焼けないか試したことはある。結果は、調整がとんでもなく難しい。

10匹の丸い鳥でやったら9匹が消し炭になった。ちなみに焼けたやつは美味しかった。

とりあえず貴重な食料だ。このままいただこう。

 

バルクさんのご飯タイム。感想。肉硬い。

いやね、岩の龍とかみたいに硬いわけじゃないんだ。こう、なんというか雷の狼の肉みたいな…。

まあ、味自体は悪くないのでとりあえず完食。

そういや、なんで襲いかかってきたのだろうか?なんて考えてみれば、多分、あの咆哮だ。

そうだな、初めての土地で咆哮は危険だったな。

うん、肝に銘じよう。これで俺よりも強いのが寄ってきたらたまったもんじゃない。

さて、とりあえず胃は満たされた。まずは開けた場所へと行くことが先決だろう。

このまま飛んでもいいのだが、木にぶつかって痛い。

ある程度の広さが欲しい。

まだ日は頂上から沈む方に少し傾いた程度だ。

頑張りゃ何とかなるだろう!と。

そんな楽観的に歩いたのが多分間違いだったんだろう。

 

――夜。

 

「暗い!暗いわ!見えるけど!」

 

夜目は効く方だ。だから見えるんだけどさ……。夜になっちゃったわおい!

って、自分に怒っても仕方が無い。本当に。

まあ、だいぶ道も広くなってきたからいいか。

そしてその道を行けば、開けた場所へ出ることが出来た。

なんとなく奥に明かりも見えるが、とりあえず今日は寝よう。

目を瞑れば、しばらくすると意識が遠のいた。

 

―――

ネイル村。

 

小さな村ではあるが、前の勇者とともに魔王ハドラーを倒した戦士・ロカと僧侶・レイラが住んでいる―――――正確には、今はレイラが住んでいる村である。

 

ある朝、その村人……便宜上、クリルとしよう。

クリルは学者の夫と2人の子供がいるお母さんであり、毎朝井戸まで水を汲みに行っていた。

その日もいつも通り1番に起きて、バケツを持って井戸まで来た。来た、のだった。

なんということでしょう。そこには銀色に輝く鱗を持つ、見たことも無い、どこか機械的な龍が眠っているではありませんか。

バケツを落とし、そして、誰でも予想できるであろうことをする。

 

「キャァァァァァ?!」

 

大きな悲鳴を上げたのだった。

 

何事かと起き出した村人達が集まってくる。

その中にはレイラも含まれており、クリルに声をかけた。

 

「どうしたのですか?!」

 

「あ、あれ、あれ!」

 

クリルが指さした方を皆が見る。そこには銀色(中略)の龍が眠っている。

ザワザワと騒がしくなる。

そりゃあ、そうだ。見たことも無いモンスターが、しかも、竜種が。

そんな化物が自分達の村でいつの間にか眠っているのだから、誰だって驚く。

 

少し遅れて長老がやってくる。

 

「何事じゃ?」

 

「ああ、長老様。あの龍がいつの間にか村で眠っていまして…」

 

「ほほう。わしも見たことも無いのぅ……。仕方が無い、マァムが戻ってくるまで待つのじゃ。」

 

とりあえず、全員自宅待避ということになったのだった。




若干キャラを忘れかけている。やばいぞ。
評価・感想・お気に入り。お待ちしております。


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Ⅱ"凶星の戸惑い"

こんにちは。ウェルテクスです。
もう全部不定期更新だよパトラッシュ。
閲覧ありがとうございます。

オストガロアソロ、楽しいですね…(白目)
それでは、どうぞなのです


太陽の光が眩しくて目を覚ます。

大欠伸をしつつ目を開け、立ち上がろうとした……んだけど、何かが引っ張って立ち上がれない。

なんだ?と思って見れば、何か細い、植物を編んだみたいな茶色いのが絡みついていた。

とりあえず、引きちぎる。すると、ざわざわとする。

 

『……なんだ?』

 

周囲を確認すれば、人間、人間、人間……。

あ、成程。ここは人間の巣が密集する場所だったんだな。

確か、『街』とか『村』とか言っていた気がする。

それで、小さい方が村だったはずだから、多分、ここは村なんだろう。

や、まあそこはいい。迂闊に広いからと眠ったのがダメだったのか。

縄張りの侵害で攻撃されることは多々ある。

いつだったか、赤と緑の竜の夫婦の縄張りに侵入してしまい、酷い目にあったのを覚えている。

 

早いとこ立ち去ったほうがいいな。

人間の方もかなり俺を警戒している。攻撃される前にとっとと去りたいんだけど…

このまま龍気を放ったら、人間の雛がおそらく飛ばされてしまう。

そうなったら人間の団結力はやたらたかくて……って、とりあえず置いておこう。

 

どちらにせよ、はやいことどこかに行かないとやばそうだ。

なんでかって?いや、向こうも警戒しているようだが、特に桃髪の女がかなり警戒してきている。

なにかしでかした瞬間、手に持っている筒で撃ち抜かれてしまいそうだ。

目だけを動かし、空を見る。

快晴。飛ぶには最高の状態。

 

少しずつ後退する。太陽は登ったばかりの位置にいるし、時間はある。

そーっと森の方へ近づき、ある程度離れ、誰も吹き飛ばされなさそうな位置まで来る。

そして、翼に龍気を集めて───

────────

 

銀色の龍が目を覚まし、村人達は騒然とする。

皆が警戒し、特にマァムは魔弾銃を構えて、村人を守るために警戒している。

しばらく睨み合いが続いたが、銀色の龍は少しずつ後ずさりをはじめた。

 

それでも警戒は誰も解かない。

ある程度森に近づいたところで、異変は起きた。

銀色の龍から、ヒィィィンと言う音が聞こえ始める。

見れば、赤黒い魔力のようなものが集まっているではないか!

それにいち早く気がついたマァムが声をあげる。

 

「離れて!なにかしてくる!」

 

魔弾銃には、ヒャダルコが込められた弾が入っている。

いつかの旅人が込めてくれたものらしいが、それは知らない。

そして、突如として龍が飛翔する。

強い衝撃波を放ちつつも、ギリギリ誰にも当たらず、無傷だった。

 

──────

いやー、快晴の空はやっぱりいいな。

ごく稀に同種とぶつかりそうになることはあるけど……まあ、─────が別世界とかとやらに送ってくれたらしいし、その心配はないだろう。

とりあえずこのまま世界一周空の旅だ。

俺の速さなら、今日が終わる頃には良さそうな場所も見つけられるだろう。

暑さとかあんまり俺は気にしないし。

 

 

まず見えたのは、高い建造物(建物と言うらしい)が沢山ある、ひときわ大きな人間の巣だ。

確か、金色の蟷螂(アトラル・カ)がああいうのを壊して素にしていたっけな。

とても丈夫で、強いとは彼女の言葉だ。

 

そんな大きな人間の巣はいくつかあった。

6か7か……正確に数えてないため、よく分からない。

小さな巣…村とか街も結構あった。

 

そうそう、寝床候補もいくつか見つかった。

そのうちのひとつは、建物になるが、とても広い部屋がある、地面に近い建物。

死体のようなものが徘徊していたが、とりあえず無視だ。スルーだ。

 

まあ、何はともあれ。

現在俺は世界一周空の旅を一旦終えて、高い建物のある島に来ている。

とりあえず誰もいなさそうで、ある程度の広さがあるからだ。

さーて、まだ太陽は頂点にいるが、今日はもうここで寝ようか………

 

『早く、塔の中へ!』

 

……って、騒がしくなっちゃったよもう。

塔……は、この高い建物のことか。

塔のそばの茂みに伏せて、こっそりと様子を見る。

先導するのは、同じようなマントをつけた男1人と女2人。

雰囲気からして、兄妹だろう。

そして、茶色の毛をした女。リーダーだろうか?

ハッキリとした声で、鉄を纏ったりした者達を誘導している。

そして全員が入ったのを見届けたら、マントの人間3人も入り、塔の入口を閉める。

 

 

 

…何事だろうか?

まるで、俺が群れに近づいた時の生肉の竜(アプトノス)

だ。

同じところへ皆で逃げていく。

あんなに強い人間にも、人間に対する捕食者はいるのだろうか。

まあ多分、縄張りを追い出されたってところか?

ともかく、邪魔されないならいいかと、その日はもう眠りについたのだった。




今回短いですね、はい()
ちなみにこれ、バルジ島です。
おかわり…もとい、お分かりですね?←

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Ⅲ"凶星と勇者"

こんにちは。スランプぎみのウェルでございます。
Undertaleハマったせいで、また新しいものを書こうとしているという阿呆です。

カマキリカマキリカマキリカミキリカマキリカマキリカマキリカマキリカマキリカマキリ……

※フレイザードのセリフがウロボロス……じゃなくて、うろ覚えです。


夜中も騒がしかった。人間達はこの塔の上の方にいるみたいだが、休眠しているとは思えないほどうるさかった。

人間の雄がなにかを取り合う声、音、なにかが叩き落とされる音、人間の雌が何か言った声。

それらが響き、あまり眠ることが出来なかった。

 

とりあえず夜明け。食べるものは……とりあえず大丈夫だ。

俺は、ある程度食べればしばらくは食事を必要としない。ほぼ毎日食べてるのは、単に好きなだけだ。

ふと、空を見上げる。奥の方から、赤と青が近づいてくる。

それらはこの島へと到着するや否や、リーダー格と思われる、火と氷が半々の変なのが塔の上へと飛び入る。

 

 

……好奇心、と人間は言っていたと思うが、多分、それが出た。

龍気を静かに翼の先に集め、塔を中心に島の周囲を旋回する。

サイレント高速飛行。結構これ難しいんだよなぁ。

 

途中でなんか炎とか氷の塊的なのが飛びついてきたが、氷みたいなのは冷却してくれたし、炎みたいなのはそのまま補助燃料行きになったから気にしない。

 

遠くをまたふと見ると、なんというか、丸い何かがこっちに向かっている。

つつきに行こうかと思ったが、面倒くさくてやめた。

────

気球。

 

「ん?なんだろう、あれ……」

 

ダイは、バルジ島の上空を旋回している、銀色の何かに気がついた。

それは赤い尾を引きながら、かなりの速さでまわっている。

 

「ダイ、どうし……げえっ、ドラゴン?!」

 

ダイの言葉に反応し、ポップが見、やっとそれが「ドラゴン」だということが分かる。

いや、どちらかと言えば「ドラゴンに近しいもの」だが。

 

しかし、それは襲いかかってくる様子はなく、逆に速度を落として邪魔をしないようにしてるようにも見える。

 

「な、なんだったのかしら……」

 

最後に、マァムが少しの既視感を感じながらそう言った。

 

────

 

ちょっと飽きて、塔の近くに降りて様子を見る。

ズドーン!とでも言うような音が5回響いたりした。

しかし、このままだと寝るに寝れない……それに、最近特に動いていないせいか、ちょっとイライラしてきている。

 

……たまには、「すとれすはっさん」とかいうのが必要とか、人間も言っていた。

それに、人間を助ければ、襲われなくなるかもしれない。

 

なら、いっその事あの変なのを吹き飛ばしてしまおう!

とかいう思考にいきついて、もう既にまた、飛び立っていた。

 

超高速で塔の周りを旋回する。

まずは、上を塞いでいるのが面倒だ。

突進で壊す。ちょっと揺れたが、多分大丈夫だろう。

「な、何事ダァ?!」

 

「な、なんだ?!」

 

変なやつと、人間の子供……だけでなく、人間が騒いでいる。

が、まあとりあえず気にすることは無い。

その塔のところは結構広く、自分でも余裕で降り立てた。

 

(超竜軍団がオレ様の手柄を横取りにでも来たか……?いやでも、あんなモンスターは見たことねぇな……新手か?)

 

なんて、変なのが考えているような気配がしたけど、意味がわからないので無視だ。

 

問答無用で翼を前に向け、龍気弾を放つ。

 

「な?!何かはしらねェが、手柄を邪魔するんじゃねぇよ!」

 

できる限り時間を稼ぐ。人間たちは、ちょっと弱っているようだから。

変なのが仰け反ったところを狙って、叩きつける。

が、回避されてしまう。

 

「フィンガー・フレア・ボムズ!」

 

なんか炎が5つ飛んできたが、俺には効かない。

龍気を応用することで、耐性を反転させることに気がついて、随分前に出来るようにしたのがよかった。

 

そこから翼を反転し、鋭く突き刺す。

が、やっぱり横によけられてしまう。……けども、そのまま薙ぎ払って吹っ飛ばす。

 

「ガッ!……だけどなァ……諦めはしねえぜェ…?」

 

といいながら、茶色っぽい髪の、人間のリーダー格の奴を掴んで、凍らせた。

何があったかさっぱりだが、ヤバいことは分かった。

 

他はだいたい逃げられたようだし、とりあえずは退こう。

 

余波を残して、俺は飛び立った。




支離滅裂ヤバいですね、はい。
本当にすみません……

ダイ達影薄……


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