冴えない弟の育ちかた (有明の海)
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プロローグ?

初投稿です。駄文です。それでもよければ、ぜひ。
7/17 タイトル修正しました
8/1  本文修正しました


「おぎゃあ…おぎゃあ…」

 

そんな産声をあげて生まれたのは日本人のような髪色の、しかし目の色は外国人のようなハーフの子だった。

産んだのは日本人の女性のようだった。

外にいる夫に医師が声をかける。

 

「生まれました。男の子です」

 

夫は喜び、妻に興奮気味に声をかける。

それに妻が答え、少しした後笑いながら聞く。

 

「ねぇ、名前は何にする?」

 

夫は困ったように頭を掻き、苦笑いをする。

どうやらまだ迷っているようだ。

妻が苦笑しながら問いかける。

 

「まだ決めてなかったの?しょうがないわねぇ…。ほら、何で迷ってるか言って見なさい。私が決めるから」

 

妻の呆れ顔にまた夫が苦笑いをする。

妻に言われたとおりに案を書いている紙を妻の前に出していく。

 

「私は言って、と言ったのだけれど…。まぁいいわ。ふうん…。一応3つくらいには絞ってるのね。そうね…。よし!これにしましょう!」

 

そう言って選んだのは…。

 

 

 

「この子の名前は《澤村・スペンサー・英二》よ!」

 

 

 

そうしてこの子…英二は世に生まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、もう辛いから休むわ。産後に張り切り過ぎちゃった」

 

てへ☆と聞こえてきそうなポーズをとり、妻の女性はベットに横になり、そのまま寝てしまった。

あたふたする夫。

けれど、その口角は上に向いていた。

 

やはり自分の子供の誕生は二人目でも嬉しいようだ。

これからの生活に思いをはせる様に目を細め、英二を見る。

これからよろしく、と言い頭を撫でる。

 

 

彼の人生はここからはじまるーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

これは「冴えない彼女の育てかた」の澤村・スペンサー・英梨々に弟がいたら、というIFのお話。

主人公はこれからどうするのか、どう関わっていくのか。

それはまだ誰にもわからない。

 

 

 

けれど必ずハッピーエンドにしてみせる。

そんな意気込みを持ってその世界に降り立つのは転生者の主人公。

ろくなチートも無い、才能も無い、けれど意気込みはある。

そんな主人公が、冴えかのの世界を精一杯生きていく。

彼と周りの人が織りなすコメディのようなラブコメ(?)

そんなかんじの物語

 

 

「冴えない弟の育ちかた」

 

 

始まり始まり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛇足 その頃の姉

 

 

 

 

「やー!わたしもあたらしいかぞくみたいのー!パパとママのところにいくのー!はーなーしーてー!」

「困りますよ!お嬢様!旦那様に留守を頼まれているのですから!」

「ママにあえてないから、あいにいくの!はなしてよー!」

「あー、もう!早く帰ってきて下さい!旦那様!奥様〜!」

「いーくーのー!」

 

 

 

 

 

 

蛇足、終了




短いですがここらへんで一度区切ります。次は主人公視点でいける…はず


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本当のプロローグ

この世界に来ることになった理由的なやつです。
7/17 タイトル、本文修正しました
7/20 本文修正しました
8/1  本文修正しました


僕は普通の高校生だった。

 

勉強もそこそこ、運動も少し苦手なだけ、友達付き合いも悪くない。

素行も寝坊以外はまとも、誰にも優しく、贔屓もしない。

 

皆の評価はだいたいこの通りだった。

別に特別なことはなにも望んでない。

ただ、普通に生きてた。

 

けど、一つ。ただ一つだけは違った。

高校生なのに?と言われ続けてもやめなかった、大好きなものがある。

 

 

そう、仮面ライダーだ!

 

 

ただ、学生だったのでベルトとかは買わず、レビューを見て楽しんだり、放送で盛り上がってただけ。

それでも、大好きだった。

そんなこんなで割と人生を謳歌してたわけなんだけど。

 

 

でもある時、僕の人生は文字通り終わった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ハッ…ハッ…」

 

やばい…。本当にやばい…。

調子に乗って仮面ライダー見直しなんかするんじゃなかった…。

まあでもね?仕方ないよね?OOOかっこいいもんね?

深夜ぶっ通しで見ても仕方ないよね?

 

はい、現在進行形で遅刻してます、ありがとうございました。

学校まであと3分でつく。

けれど遅刻の時間まであと1分もない。

 

「うん、諦めて事故しないように行こう」

 

僕はもう諦めて、ゆっくり行こうとする。

でも、たまたまその時…

 

なんて事はなかった。

いやそもそも登校してる時点で他の人いないでしょ。

僕なに考えてるんだろ…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

学校でこってり絞られた後、普通に授業受けて帰ってます。

いやあ、遅刻ダメ絶対だね!

先生顔怖かったよ!

何回も同じ事繰り返してたらそうなるよね!

寝坊常習犯で、昨日に続いて遅刻したら流石に怒るよね!

はあ…。

 

落ち込んでる僕の耳に、

 

「あ、ボールが!」

 

子供かな?そんな声が届いた。

そっちを振り向いた、その時。

車が向こうから来るのが見えた。

流石に子供も止まるだろう、そんな事を考えていた。

 

でも子供は止まらなかった。

 

それが見えた時には身体が動いていた。

 

ちょうど昨日見ていた「仮面ライダーOOO」

その作品の中の名言に、こんなのがある。

「手が届くのに、手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんだ。それだけ」

というもの。

僕はその言葉が大好きで、座右の銘にしていた。

 

だからこそ僕は子供に手を伸ばした。

手が届くと思ったから。

子供を突き飛ばして助ける事はできた。

でも、僕が動ける程の時間は無い。

 

(僕の手は、ちゃんと、届いたのかな…?)

 

そんなことを考えながら、僕は車に轢かれた。

 

 

 

 

 

 

 

(……い)

 

あぁ…もう…死んじゃったんだ…。

まだ…いっぱいやりたいこと…あったのにな…。

 

(…ーい………えて…ー?)

 

あれ…なにか…声が…?

 

(聞こえてますかー?)

 

「……はっ!…ここは…?)

「やっとおきましたか。ずいぶんねぼすけですね」

 

僕が起きたのは真っ白な部屋。そして目の前にいる、頬を膨らませたこの子は…?

 

「あー、はいはい。ここは天界…とかのテンプレいる?いらないよね」

 

…雰囲気ぶち壊しだなぁ…。

 

「待って、一ついいかな?」

「何?手短にね」

「君は誰?」

「私?私は…」

 

「神様。あらゆるものを操る神様よ」

 

wow…。まさかそんな人とは…。だってさ、信じられる?

見た目ロr

 

「言っておくけど、見た目はアンタの想像通りになってるわよ?」

 

…サーセン…。

「さてと…。それで終わりよね?一つって言ったし」

「あ、はい」

「今から重要な説明するからよく聞いててね」

 

「説明よく聞いててね。まずアンタは死んだ。そして私の気が向いたから転生させてあげる。

一応閻魔のとこには許可とってあるから気兼ねなく転生していいわよ。

アンタが選べるのは

『転生先』『転生先での立ち位置』『チートっぽいもの』

の3つ。それぞれでいいものを選ぶと、他がしょぼくなるからね。

以上、質問は?」

 

「…転生先の制限とかありますか?」

「一応、仮面ライダーとかFateは埋まってて、ラノベ系は基本空いてるけど?」

 

そっか…。やっぱり…。人気だもんね…。

 

「僕を選んだ理由ってありますか?」

「気まぐれよ。だからアンタの死に方とか生きてた時とかは一切知らない」

 

…うーん…どうしよ…。

あっ、そういえば知り合いが勧めてきたアニメの世界に行こう。

アイツ鬱とか嫌いで優しい世界しか見てないとか言ってたし…。

アレは一応設定なら知ってるから…

 

「決めました。転生先は『冴えない彼女の育てかた』の世界でお願いします」

「わかったわ。立ち位置は?」

「えーと…。澤村・スペンサー・英梨々の弟でお願いします」

 

澤村・スペンサー・英梨々は知り合いが散々押しとして喋ってきていたのでよく知っている。

だから選んだ。まぁ、少し見て好きになったっていうのもあるけど…。

 

「そこまで原作キャラに近いと、チートなんてないわよ?いいの?」

「はい。ライダーのベルトなんてあの世界じゃ役に立ちませんから」

「そ。じゃあ、何にするの?」

 

そう言われると考えて無かった。どうしよう…。

 

「アンタが決めて無いならランダムでいいかしら?」

「あ、それでお願いします」

「んー、ちょっと待ってよ。…よし、アンタの能力は『器用貧乏』よ!」

「ありがたいです。ありがとうございます」

 

その後、転生に関する色んなことを教えてもらい、いよいよ転生することになった。

 

「最後の確認よ。転生先は『冴えない彼女の育てかた』転生先での立ち位置は『澤村・スペンサー・英梨々の弟』転生にともなう能力は『器用貧乏』ね。後、記憶を思い出すのはアンタが5歳の時。これでいい?」

「はい。よろしくお願いします」

「まぁ、あとは確認しなくてもいいわよね」

「ええ、今すぐ、というわけでもないですから」

「じゃ、最後にそれっぽいことやってみましょうか。…あなたの第二の人生が、どうか幸せでありますように」

「いってまいります」

 

そうして僕は転生した。

 




誤字、脱字等ありましたらご報告よろしくお願いします。
感想があると作者はとてもとても喜びます。


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第一話

タイトル方式はそのうち原作っぽく変えれたら…と思ってますがいい案があったら感想にてお送り下さい(露骨な感想稼ぎ)
7/25本文修正しました


さて、今までのことは思い出した。

 

今の状況を整理しよう。

僕は前世の記憶持ちの転生者。

チートっぽいのはこれまでの生活で感じてきた。

前世がぱっとしないちょっとズレてる普通の男ってことも思い出した。

 

で、そのぱっとしない人が運良く転生できた。

この記憶がない時のこともちゃんと覚えてる。 

 

例えば、僕は割と目つきが悪いかんじのあまり喋ることが得意じゃない人だった。

だから今世はどちらかといえば中性的な見た目にしてもらえる様に頼んだ。

そうしたら、時々女装させられたり、初めて会う人に女の子に間違えられたり…。

そんな事ばっかだったせいか、割と男の子らしく育ってしまった。

女の子扱いされる事が嫌だったのだろう。

今日もそんな男の子が外に遊びに行っていたのだけど…。

まぁ、記憶を思い出す時になにもないわけないよね。

改めて僕の今の状況を話すと…

 

 

遊んでる時に急に倒れた、危険な状態にある子供である。

 

 

前世の記憶とか思い出す時、頭痛くなる描写ある作品何回か(前世の)友人に見せられたけどその気持ちがよ〜くわかりました。

凄い痛い。なにあれ、本当に痛い。

こう、ガツンって殴られたような痛みが続くかんじなのかな…。

もうね、倒れるのはしょうがないと思う。

 

でもさ、そうしたら一緒にきていたお姉ちゃんが心配するわけですよ。

 

さて、ここで突然問題です。子供1の目の前で子供2が倒れました。

当然子供1は焦ります。

次のうち、取った行動はどれでしょう?

 

 

1頑張って家まで担いで運ぶ

 

2周りにいる人に頼る

 

3謎のすーぱーぱわーで助ける

 

 

正解は…

 

まぁ、普通に考えたら2だよね?

でもうちの自慢の姉はひと味違う…。

そう!1の《担いで運ぶ》をやったんですよ!

2つ上のお姉ちゃんならこの年にしては

かなり軽い僕の体くらいなら運べでしまうのです。

凄いでしょう!うちのお姉ちゃんは!

 

 

現実逃避してすみません。

うちに運ばれたのは確かです。

その後ベットに寝かされたっぽいです。

そうしたらさ?なんか親が仕事ほっぽりだして駆けつけてきたんだよ。

ありがたいですけど?でも仕事ほっぽりだすのはなぁ…。

本当に仕事場の人にすみません。そのうち大きくなったら菓子折り持ってきます。

まあ、助かって意識は戻ってるけどまだ目が開けれない。

だって、意識はあるけどまだ体が馴染んでないし…。

もう一眠りしたら起きますので、どうか胃が痛くなることが起きませんように…。

 

 

 

 

 

 

 

 

おはようっ!

バッチリ回復したぜ!

さて、目を開けて見るかな…。

 

 

姉の顔がアップで映し出されました。

 

 

「…お姉ちゃん?」

「…おき…た…?」

「お姉ちゃん、ちょっとどいてくれないかな?体が起こせない」

「あ、うん。ごめん…」

 

うん、体はしっかり動く。

ちゃんと馴染んでくれたみたいだね。

 

「あ、起きたなら、パパとママに知らせないと!」

「え?ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?……行っちゃった」

 

うーん…まぁ、行っちゃったならしょうがない。

お父さんとお母さんになんて説明するか考えなきゃ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは僕が転生した先で頑張るお話。

僕の、冴えない弟の物語はここから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ!!!

「英二っ!起きたのっ!」

 

お母さん、ドア開けるときは静かにね…。

 




後半がだいぶ駆け足になってしまいました…。
誤字、脱字等ありましたら感想と一緒によろしくお願いします。


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第二話

もう幼少期マジで無理っす。
次から一巻始めます。
駆け足でごめんなさい。
8/11 本文修正しました


さて、お母さんにドアを壊されかけていくらかたったある日。

そろそろ作品が始まるかな、と思っていた。

けど、お姉ちゃんが僕に自慢げに言ってきたある一言で作品が始まってる事を確信した。

 

「英二!今日ね、入学式で面白い子と会ったの!」

「へえ、どんな子なの?」

「凄いのよ!私と話があうの!」

 

それは凄い。うちの親のおかげ?でお姉ちゃんはかなりのオタクなのにそれについてけるとは…。

でも待てよ?入学式でお姉ちゃんが会う人って…。

 

「お姉ちゃん、その男の子の名前ってなに?」

「え?名前?え、えーと…。たしかあきともやって言ってたけど…」

 

やっぱり。主人公の安芸くんだった…。

しょうがない、原作ブレイクを起こしてバッドエンドにならないよう関わるのは最低限にしておこう。

 

「ねえ、英二」

「なに、お姉ちゃん?」

「なんで男の子ってわかったの?私なにも言ってないよね?」

 

あ、まずい…。どうしよう…。

 

「な、なんとなくだよ。勘ってやつ」

「へぇ…。英二って凄いね!」

 

純真な姉で助かった…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それからはお姉ちゃんと安芸くんの仲を壊さないように、なるべく関わるのを避けた。

けど、やっぱりというかなんというか。

お姉ちゃんに引っ張られて無理矢理会わされたり、一緒に遊んだり。

初の顔合わせの時は怖くて顔が上げられなかった。

いやあ、僕って年の割に背がちっちゃいし。

しかも相手は2つ上だし。

少したった今でもまだ怖いです。虫よりかは怖くないけど。

 

でも、不思議と楽しいと感じる事が多かった。

これも主人公だから、なのかな?

またしばらくたってからのこと。

僕も小学校に入学して、学年もいくつか上がったある日の事。

それは訪れた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕はお姉ちゃんといつも一緒に帰っている。

だいたいお姉ちゃんが先に待ってくれている。

一人でも大丈夫なのに過保護なお姉ちゃんだ。

まあ、一人だと寂しいし嫌じゃないんだけどね。

 

この日は珍しく僕か先に待ち合わせの場所についた。

珍しいな、と思いつつもまあ少しすれば来るだろう、と思って待っていた。

5分…10分…と時間が過ぎていく。

僕は流石におかしいと思いお姉ちゃんのクラスに足を運んだ。

 

「お姉ちゃーん。なにかあったのー?」

 

少し大きな声を出しながらお姉ちゃんのクラスを覗いた。

 

 

そこにはひっく、ひっくと泣きながら座り込んでいるお姉ちゃんの姿があった。

 

 

「お姉ちゃん!!どうしたの!!??」

「えいじぃ…もう、だめなのかなぁ…」

「と、とりあえず家に帰ろう!家なら落ち着いて話せるから!」

 

それから僕は家に帰り、お姉ちゃんから事情を聞いた。

 

その話をまとめると

 

いつものように安芸くんと話していたらクラスメイトにからかわれた。

そこまでならよくやられているから普段と変わらないけど今回はその後に直接的ないじめが始まった

その時に安芸くんに

「お前が悪い」「なんでお前なんかが澤村さんと」

と言っていた。

だから自分が悪いと思って泣いていた。

 

ということらしい。

これは嫉妬からするものっていうのはわかるけど。

解決方法なんてたった一つ、それも一番最悪なものしか思いつかないし、まずいな…。

 

「一旦我慢してみよう?もしかしたらやめてくれるかもしれないし、ね?」

「ううん、やめないよ。あの子達は。他の子にも似たようなことやってたから」

 

そこまできっぱり言ったとなると、本当にやめないかな。

断言されるほどのことはやってるみたいだし。

…。もう、諦めるしかないかな…。

 

「お姉ちゃん、一つだけ安芸くんがいじめられない方法があるよ。もちろん、お姉ちゃんもいじめられないやつが」

「え…?」

「ただし、誰も得しないけどね。それでもいい?」

「…聞いてから考える」

 

これは抗って、戦って勝つわけじゃなくて相手に挑む勇気のない人がとる方法。

最低な方法だけど、誰も傷つかない方法。

 

「家以外の場所でお姉ちゃんがオタクであることを隠せばいい。それこそ、安芸くんの前でも」

「っ!それって、倫也と縁を切れってこと?」

「…うん」

「いやよ!絶対にいや!だって、倫也は私の大切な親友なのよ!」

 

お姉ちゃんが嫌がるのもわかる。僕がやれって言ってるのは親友と別れて他人のふりをしろってことだから。

けど…。

 

「…お姉ちゃん、安芸くんがいじめにあってる理由がわかる?」

「え?わ、わからない…」

 

言いたくない。言ってしまったらお姉ちゃんはとても悲しむ。

そんなことわかってる。わかってるけど…!!

でも…それでも言わなきゃいけない。

 

「…お姉ちゃんと一緒にいたからだよ」

「嘘よ!そんなことあるわけ…」

 

もちろんお姉ちゃんは否定する。それはそうだ。

認めてしまったら親友を間接的にいじめてしまったことになる。

 

「お姉ちゃん、違うなら一つおかしいことがある」

「…なによ」

「お姉ちゃんと一緒にいない時の安芸くんはいじめられてた?」

「そ、それは…」

「認めようよ。もう、縁も切るんだ。そんな人どうだっていいだろう?」

 

僕はあえて強く、辛辣な言葉を言う。

こうでもしなきゃお姉ちゃんはいじめてた人達を恨む。

そんな事にはなっちゃいけない。その人達がいじめたのだって単純な嫉妬から。

そんなことよくあることで、同級生を恨むなんて時間の無駄だしこれからが大変だ。

だからこそ僕にヘイトを集める。他に目を向けさせない。

 

「なんでそんなに酷く言うの!倫也はなにも…!」

「いいや。お姉ちゃんがいじめられたのは安芸くんのせいだよ」

「…っ!!もういい!!英二なんて知らないっ!!!」

 

お姉ちゃんが部屋を飛び出していった。

ここまでいえば後はお母さんに相談をして、お姉ちゃんのしたいようにできるだろう。

僕以外が汚れない、いい方法だ。

お母さんと少し話さなきゃ…。お姉ちゃんにすすめてほしい行動を一つ、言っておかなきゃ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

結果からいえば僕の望んだ展開になった。

お姉ちゃんはオタクであることをひたすら隠し、見た目はお嬢様な女の子になった。

安芸くんは自分の力でクラスに居場所を作り、誰にも文句を言わせない状況にした。

 

ただ一つだけ誤算があった。

それは僕についてだ。

あの後お母さんと話したらまずげんこつをもらった。

目を白黒させてるうちに首根っこを捕まれお姉ちゃんのもとに連れてかれた。

そして無理矢理謝らされた。

いや、抵抗しようとしたら「うるさい!さっさと謝りなさい!」って、げんこつを落とされましたよ。

もう、謝るしかなくて。

謝った後はお姉ちゃんを交えて事情聴取。

なぜそんなことを?どうしてそんなことに?

全部喋らされ、仲直りさせられ、予想をいい意味で裏切ってくれた。

 

そしてこの問題はここで解決した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

時は流れて何年か後。

僕は中学3年になった。受験生です。

お姉ちゃんから呼び出されて学校終わりにこっちに来るようにと朝言われた。

こっちとはもちろんお姉ちゃんのいる高校。

今はもう春、桜を見ながら高校へ向かう。

前の世界では…って前の世界?

 

「そういえば僕転生者だっけ。あれ?確か僕が転生したのって…」

 

冴えない彼女の育てかたってお姉ちゃん、澤村英梨々が高校2年の時にスタートだよね…。

 

「あ、原作始まるや…」

 

どうしよう、まるで考えてないよ…。




いきなりだいぶ飛びましたが、一応その間にも主人公は色々やってます

誤字、脱字がありましたら報告お願いします
感想も待っています。作者は感想が来ないと心配なんです。つまらないのかな…とか考えてしまうのです。本当に感想下さい。つまらないとかだと心が折れかけますが、指摘してくださったなら直しますので本当に感想下さい


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第三話

原作開始です。最初は主人公視点ですが途中から安芸くんに変わり、最後にまた戻ります。


お姉ちゃんに来るように、と言われて校門に待機中。

この場に来たはいいものの…。

 

凄い目立ってるよぅ…。

 

めちゃくちゃ見られてる。

チラチラ見てくる人はまだいいけど、隠そうともせずこっちを見てちょっと血走った目で見られると怖い。

見てくる人は男子が多いけど…。

僕は男だよ?野郎を見てなにが楽しいのかな。

よくわかんないや。

 

10分後

 

そろそろ来てもいいと思うんだけど…。

用事でもできたのかな?

まあ、20分くらい待てばいいでしょ。

 

さらに10分後

 

流石に遅くない?

絵を描いてるとしても約束に遅れるなんてないと思うけど。

先輩達もいい加減気になってるみたいだし、職員室によって聞いてみよう。

あとあの先輩大丈夫なのかな?ここに来てからずっと見てるけど。

あ、後ろに誰かきた。

……。連れてくにしてもチョップしてから連れてくのは流石にどうかと思いますよ…?

 

さらにさらに10分後

 

職員室で先生に聞いたところ、お姉ちゃんは同級生に呼ばれてたそうだ。

その同級生はよく聴覚室でなにかやってるそうなのでそこによってみることに。

…まあ、おおかたあの人だろうけど。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

場所は変わって視聴覚室近く

 

あ、あの部屋かな?

ようやくついた…。

方向音痴とよく言われるけど、学校で迷うとは思わなかった。

さてと、お姉ちゃんはいるのかな?

 

「…つも全力で生きてるだけよ!」

 

…ん?この声はお姉ちゃん?

 

「だからそうやって扉を壊さないの」

 

この声も聞いたことがある。どこでだっけ…?

って、ちょっと待って。扉を壊す!?

何やってるのさお姉ちゃん!?

 

「壊れてない!ちょっと大きな音しただけじゃない!」

 

お姉ちゃん、それを壊れたっていうと思うんだ。

ああ、行っちゃった。お姉ちゃんの後ろにいるのがさっきの声の人かな?

 

「お、おい待てよ!ちょっと待ってくれ〜!」

 

あ、うん。予想の通り、問題児な先輩のせいで怒ってた。

お姉ちゃんが怒ったわけを聞きたいし、ちょっとO☆HA☆NA☆SIしないといけないから

問い詰めよう。うん、そうしよう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

視点が変わります

 

「さて、話も終わったしそろそろ帰ろっか?ちょっと寄りたいところあるし」

「……あっさりしてんな、加藤は」

俺と加藤と英梨々と詩羽先輩の話し合い?が(約2名のせいで)終了した放課後。

加藤と俺は帰ろうとしていた。まあ、やれることないしね。

「閉めるよ?鍵」

「……ああ」

「ま、待って下さ〜い!」

そこに1人、新しい人が来た。

ショートボブの黒い髪。

しかし、その瞳は青色。

外国人とのハーフであることがすぐわかるそんな女の子…。

そんな子に俺は…

「……誰?」

…と素で返してしまった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「……誰?」

「えぇ…嘘ぉ…」

 

まさか憶えていないとは…。

 

「先輩!僕ですよ!僕!」

「新手の詐欺?」

「違いますよ!小さい時によく遊んだじゃないですか!」

「えーと…まさか…!」 

「思い出してくれましたか!?」

「ギャルゲのキャラがリアルにでてきてくれた…!」

「もうヤダこの先輩…」

 

はあ…わからないのかぁ…。

 

「また今度でいいですよ。今日はお姉ちゃんを探しに来ただけですから」

「ご、ごめんな。また今度!」

 

そういって帰っていこうとする先輩。

 

「ねえ、安芸くん。扉直してからいこうよ」

「あ、手伝うよ」

「僕も手伝います」

 

このあとめちゃくちゃ修理した。




主人公くんは前世をほとんど憶えてないです。あるのは転生直前の時と英梨々に関する多少のことのみです。
誤字、脱字等ありましたら報告お願いします


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