トモダチと戯れる異世界テンプレ (プラハ市民)
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だいいちわ

どうも、まったく執筆に手を付けていなくて失踪を超えて消失疑惑があったプラハ市民です。
今回はリハビリ兼自身の欲望発散用としてこの小説もどきを書きました。
皆様が楽しめるかの保証はありませんが、読んでみてまた読みたいなと思ってくださる人がいたら是非楽しんでいってください。




 

 

 

 私は木々が生い茂る森の中で、鳥の囀りを目覚ましに意識を覚醒させた。

木々の合間から差し込む父なる光に、目を窄ませながら人の指が通らないほどにしっかりと編まれ、張り巡らされた()()()()から体を起こし、手足を目一杯伸ばした。そして意識を覚醒させた時より自分を見つめていた巣の持ち主の頭を撫でる。持ち主である人と同じくらいの大きさの蜘蛛は気持ちよさそうに身を揺すりながら触肢を動かし、キーキーと音を漏らす。

 そんな姿に思わず頬が緩むが、あまり表情が顔に出ると嫉妬を抱く子が出てくるため、いつものようにニコニコしながら撫で続ける。元来攻撃用の道具の一つである毛は、この子の種ではカモフラージュ用の道具に変化しており、非常に柔らかくフサフサしているのでかなり気持ちがいい。まるで犬っころを撫でまわしている時のような感覚と言えばわかるだろうか?

 

 私と一匹は寝起きのスキンシップをとっていたが、暫くすると少し離れたところから木が軋んで倒れる音がし始め、一匹の頭を上げると一軒家よりも大きいムカデかヤスデか判別できないものが、高い位置に張られているこの巣に向かって木々を薙ぎ倒しながら一直線に来た。

私は一瞬その光景に唖然とするが、向かって来ているものが何かわかると苦笑しながら、一旦蜘蛛を撫でることを止めて立ち上がり、一匹の蟲がこちらに来るまで待った。

蟲は巣の前まで来ると私が自分に気づいていることに気づき、低く響き渡るような音を出しながら頭を上げて、立っている私の顔の前に自身の頭を突き出した。

私は眼前に突き出された彼の口が何を意味しているのか分かっていたので、両手で閉じてある口の先端に触れながら顔を近づけ・・・・・キスをした。

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 やっはろー皆。今トモダチと絶賛スキンシップ中の「ナイン」だよ。

 いやーやっぱり人外に囲まれた生活は最高だね!睡眠は蜘蛛の巣の上で取って、朝になると愛嬌のある蜘蛛の「アヴィ」に起こされ、お礼に撫でてるとそれに気づいて嫉妬したムカデ……なのかな?まあムカデの「ソル」が暴れてそれの鎮静化のためにキスをする。

他にも魅力的な子たちはまだまだいるし、これから日課として会いに行くけど、そろそろちゃんとした説明が必要かな。

 

 よぉし、じゃあ早速私がこんな話をしている理由を話そうか。

まず私がこんな話をしているのは、私が元々いた世界から今こうして生活している世界にトリップしちゃったからなんだよね。俗にいう異世界転移物…かな?

ああ別に中二病を発症して妄想の中でトリップしているとかそんな業の深いものではないよ。

 

 ほらよくあるじゃん?

ゲームして寝落ちとかしたら異世界にゲーム内のキャラのまま行ってたとかさ。そんな感じ。

私も今からどれくらい前かは興奮しすぎて忘れちゃったけど、「テラの英雄」って名前のMMORPGをやっていたら油断していたせいでゲーム中にも関わらず寝落ちして、目が覚めたら森の中。

 テンプレもここまで来ると呆れちゃうほどのものだけど、逆に私からしたら好都合だった。

私はゲーム内で龍人族ってクラスを使い、「テイマー」という職業を極めていた。名前から読み取れるように「テイマー」はゲーム内の敵モンスターを捕まえて使役する職業で、癖の強いモンスターを使って割と色んな事ができるため、それなりに人気のある職業だった。

私は結構長い期間このゲームをしていたので、それなりにゲーム内では名の通るテイマーだった、というのは実際どうでもよくて肝心なのはテイマーという職業を選んでいたことだ。

 

 テイマーはモンスターを召喚できる→つまり捕まえて友好的にしたモンスターを呼び出せる→触れ合える!!

 

という理論を脳内で組み立てて私はすごく興奮していた。

 

 だってゲーム内でかっこいいとか可愛いとか思っていたモンスターを召喚できるんだよ!?

さっきまで触れ合っていた蜘蛛やムカデだけじゃなくて、ドラゴンやSF的な無機物とも交流できるんだ。ロマンチックな思考をしていた私の脳みそが興奮する物質を分泌しない道理はない。

召喚した直後はそれはもうすごい状態でしたよ。えぇ召喚したモンスターが何事かと引くくらいにはね。

 

えっまじで召喚できた!?やっふー私のトモダチー!!

 

あああああもう辛抱たまんねぇ!すげー気持ちいい手触り!!!

 

ひゃっはー新鮮なモンスターだ!!どれ手触りは・・・

 

 と散々興奮しながら暴れ散らしたみたいで、トモダチにはその後聞いたら「すわ主人の一大事か」と思われたらしい。恥ずかし……。

で、でも憧れていた存在との触れ合いって皆興奮するよね!?えっ別にそこまで取り乱さない?

 

んっんん。ごめん、話がヤスデの体液でスリップした列車並みに逸れたね。

 

 上記の通りゲーム内のシステムを使って異世界転移を満喫した(まだしてない)私は、そんなこんなで生活してたんだけどゲーム内のキャラが女の子だったから性別が変わって、最近では体に引っ張られて精神も女の子化し始めたんだよね。俗にいうTSだね。

まぁ別にただTSしたとしても初めの混乱とか葛藤しか問題はなかったし、むしろ私のトモダチが性別的に♂ばっかだったから逆ハーレム的な状態で最高です(満足です)

元の世界での未練も大学卒業してないなー程度しかなくて、この話をするまですっぽり頭から抜け落ちていたよ。

あぁでも自分の息子を使用しないまま終わったのは残念かな。両親には申し訳ないが私で末代です。

 

 さあ!こんな話はこれくらいにしよう。皆も私の身の上話的なのはぶっちゃけどうでもいいよね?

 重要なのはこれまでじゃなくてこれからなんだ(キリッ

 

 ではアヴィには寝床の警備をしてもらって、ソルに乗ってトモダチ交流の日課をしに行こうか。

ソルの頭部の堅い甲殻にしがみ付いてトモダチの寝床にレッツゴー!!

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 ソルにしがみ付いて約10分。

本日三度目のスキンシップの相手の寝床に到着した。

場所は私の寝床のある森と別な森の間くらいにある沼が点在する所。

想像するならおとぎ話で出てくる暗い森みたいなところだね。といっても光は一定以上木の合間から差し込んでくるし、小さな植物もちゃんと育つ。まあギャップがなければかなり暗いところもあるんだけどね。

私のトモダチの寝床は別にそんな光は関係ないからどうでもいいよね。

 

 今回訪れた場所私は「マナの森」って呼んでるけど、ここに住んでいるトモダチは三種類。

何かは会ってからのお楽しみだけど、大きさも生態も私たちが住んでいた世界のものとは段違い。

ムカデのソルが頭を上げると家の同じくらいかそれ以上の大きさだから、今更驚く人はいないと思うけど、それでもかなりビックだよ!

 

 よぉし!じゃあ早速この森最初のトモダチと御対面と行きましょうか。

 

 えーとあの大きな倒木はどこかなーっと。おっ、あったあった。

太さが5メートルくらいあるめっちゃでかい木を、こう引っくり返すようにしてっと。

 

おりゃああ!龍人パワーー!!

 

 ふぅ、いい汗かいたぜぇ・・・。

 ってうおっと。

思わずその場に大きく鋭利なモノが飛んできたので、その場から飛び退き、鋭利なモノが飛んできた方向を見る。

するとその場にいたものは、私のトモダチである3mはくだらない大きさを持つサソリがいた。

先ほど飛んできた鋭利なモノは彼の有する三本の尾の内、毒を持つ尾から発射された毒針であり、飛び退いた場所の後ろにあった木は40㎝にも及ぶ大きさの針が根深く刺さっており、人間が受けたら一たまりもない状態になっていた。

このサソリの名前は「セル」で、蜘蛛のアヴィが男の娘的な感じ、ムカデのソルが独占欲の強いヤンキー的な感じならば、このサソリのセルはふわっとしていてドジっ子的な感じ。

多分今回の攻撃は寝ていたところをいきなり起こされてびっくりして、優れた感覚器官で感知した私の場所に牽制用の毒針を飛ばしたのだと思う。

だってほらこの子見た感じ、今起きたばっかりで気分がほわほわしているもん。(すげー可愛い)

今話しかけたら「あぅ~ごめん、ナインだと気づかなくて撃っちゃった(意訳無し)」って返事がきたから間違いない。

 

まあそこが堪らないんですけどね。

 

セルの頭胸部を撫でてから、悪戯心で三本ある尾の内一本を息子をしごくように愛撫したら「はぅ!」ってテレパシーがきたのでついつい意地悪してしまった。

 

あぁ~堪らないぜ~。

でもなんかこれ以上こんなことをするのも可哀そうなので、今日はこれくらいにして一旦お別れすることにした。サヨナラの意味も込めて大きな鋏にキスをしてから、引っくり返した倒木を元の位置に戻し、待たせていたせいで機嫌が若干斜めなソルの触覚に申し訳程度のお触りをして頭部にまた登ってしがみ付き、次のトモダチのいる森の場所に移動しはじめた。

 

一日はまだ始まったばかりだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は一旦ここで切ります。

次回は残りの二種類との触れ合いを書いて、+αなものも含めていきたいと思ってます。

感想と評価はできればお願いいたします。





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