新たな人生はポケモンの世界(ウルトラビースト編) (バロン)
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旅の再開?

1話

 

アローラ地方でチャンピオンとなったリョウタは、30年の時のチャンピオン防衛戦で息子のレンタに敗れた。

 

さてと…本気と言えチャンピオン戦で負けた俺はただのトレーナー。

久しぶりに冒険しようかな!

 

丁度その時、ウルトラホールから見たこともないポケモンが現れた。

見た目は派手なダンサーピエロ(スガドーン)!

ピエロは俺を見ると頭を放り投げてきた!

 

ちなみにココは…俺の島の森の中である!!

 

って!?あ、あたま!!!頭が飛んできた~!!!!

 

俺は姿勢を低くして頭を回避した後、直ぐにリオルを出した。

 

「リオル!発勁だ!」

 

リオルは出た瞬間、足に波導を纏わせ超加速しピエロに波導を纏わせた発勁を心臓があるであろう左胸の方に当て、更に波導を放出して吹き飛ばした!

 

「やったか!?」

 

だが…ピエロは吹き飛ばされたのが嘘の様にムクッと起き上がり、頭が再び出現した!

ピエロはその頭をお手玉の様に回し始めると同時に、頭を何個も出現させた…

 

「いったい、あのポケモンは…」

 

ピエロは5個ほどの頭を宙に連続で放り投げると、頭が破裂し花火みたいな綺麗な爆発がした!それと同時に、ウルトラホールが出現した!

ピエロはウルトラホールを見ると大ジャンプしてウルトラホールの中に入っていった…

 

「俺達も追いかけるぞ!あのピエロをGETしてやる!!」

 

ウルトラホールは木の天辺辺りに出現しているので、よじ登って行けば届くが既に閉まりかけているウルトラホールには間に合わない!

 

「リオル!俺を投げ飛ばせくれ!」

 

リオルは波導の極を発動させステータスを何倍にも底上げした後、俺をウルトラホールに向けて投げ飛ばした!

俺はウルトラホールに無事入ることが出来たと同時に、ウルトラホールは閉じた…

 

ウルトラホールの中は綺麗な宇宙みたいな感じになっていて、浮遊感もありフワフワしていた。

 

「あのピエロ。どこ行った?」

 

俺の声は洞窟の中みたいに反響し返って来る…

とりあえず、前に進もうと平泳ぎみたいに手を振ると、意外とスムーズに移動出来た。

 

息も出来るし、とりあえずは散策か。

 

平泳ぎの要領で前に進みながらピエロの事を考えていると、何かが抜け落ちていく感覚に陥ったが、その何かが思い浮かばない…

そのまま前に進んでいくと黒い渦が目の前に発生していた。

 

あれってブラックホールか!?

 

俺は急いで反転して逃げようとするが、渦の吸引力が強く俺は飲み込まれていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

私はふと目を覚ました。

体中がなぜか痛いけど動く事は出来るので、辺りを見渡すと…ここは洞窟の中みたいだ。

 

なんでこんな所にいるんだろ?

 

とりあえず、私は立ち上がろうとしたその時、ズボンが脱げそうになった!

 

「きゃっ!?」

 

すぐにズボンを見ると、明らかにサイズが違うズボンを履いていた!

服も大きくてブカブカ!

これって・・・男物?いやいや!私。女だし!

 

私は直ぐにしゃがみ込み、平らな胸を隠した。

 

「と、とりあえず…服とか縛ってと…」

 

よし!これで一応ずれ落ちないよね!うん!

 

私はそのまま洞窟の奥の方に差し込む光を目印に歩き出した。

 




どもども~!
バロンです!!

今日から復活!新たな人生はポケモンの世界(ウルトラビースト編)開幕です!

皆様もお解りになられたと思いますが、今回の主人公・・・
女です!


ー追記ー
少し文章変えました。
女の子の所です。


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目覚めた能力?

2話

 

差し込む光を頼りに進むと、洞窟から出れた~!

 

「まっぶし~!」

 

私は背伸びをしてから周りを見ると、海が見えたのでそっちに向かって歩いていると、浜辺の側に建っていた家から白衣を着た人が男性が出て来た。

私はその人と目が合ってしまったので、顔を逸らすと話しかけてこられた~!

 

「アローラ!」

「あ、アローラ~」

 

アローラってなに!?

意味分かんないんですけど!?

 

「君、見かけない顔だけど、どこから来たんだい?」

「え、え~と…」

 

どこからって…洞窟…

私…洞窟から前の事、何も覚えてないんですけど…

 

私が洞窟の方を向いたので、男性は頷いた。

 

「自己紹介して無かったね。僕はククイ。あの家でポケモンの技の研究をしているんだ」

 

私。自分の事、何も知らないのに…

なんて言えばいいの?

 

気がつけば、私は泣いていた…

 

「え、えっと…」

「ご、ごめん、なざい…」

「と、とりえあず家にお上がり」

 

ククイと言う男性は私を家の中に招き入れた。

 

それから数分。ククイに出して貰っていたお茶を飲み、漸く落ち着いた時に私は、自分の記憶が無いことを話した。

 

「記憶が…それじゃ名前も歳も分からないよね」

「はい…」

 

何も分からない。

ここがどこで、私は誰なのかも。何のために洞窟に居たのかも知らない。

 

「それじゃあ…僕が名付け親になっても良いかな?名前が無いのは不便だと思うんだ」

「はい。それで、いいです」

 

この人…多分だけどいい人だ。

 

私は女の勘でそう思い、名前を決めて貰う事にした。

 

「そうだね…君は綺麗な銀色の髪をしているし…綺麗な茶色の目・・・」

 

ククイは机の下にあった2枚の紙を取り出して書き始めた。

 

「どうだろうか!僕の考えた名前は?」

 

右側の紙には、フウカ

左側の紙には、ユキノ

 

「可愛い名前…私はユキノがいいな」

「よし!それじゃあ、今日から君はユキノだ」

「ありがとう。ククイ」

 

私は笑顔でそう言いお茶を飲んだ。

ククイは初めてユキノの笑顔を見れて笑顔になれた。

 

やっぱりこの子は、笑顔が似合う!

服は僕が買うとして・・・

 

「いつまでもブカブカの格好じゃ恥ずかしいだろうし、服を買いに行って来る」

「あ、ありがとう」

 

ククイは直ぐに支度をして車で出かけた。

1人残されたユキノは、水槽にいるハート型のポケモンを見つめた。

 

「変な形の生き物…けど、嫌いじゃない」

 

ユキノがそう言った時、部屋の奥で物音がした!

 

「だれ!?」

 

音のする方へゆっくり近づくと、尻尾?が見えた。

 

「なんだ…犬か」

『犬とはなんだ!』(ワンワン!)←ポケモン語

「え?」

『ん?』

 

茶色の犬…喋って来たんですけど!?

 

『気のせいか。腹減った~!』(ク~ン)

「あ。ご飯か。ごめんね。私じゃどこにあるのかわかんない」

『俺の言葉が分かるのか!?』(ワン!?)

「え?」

『無意識なのか。俺はイワンコ。おまえは?』(ワンワン!)

「私はユキノ」

 

私はククイが帰って来るまでイワンコとソファーに座り喋っていた。

 

その頃ククイは…

デパートでユキノの合いそうな服を一生懸命探していた…

 

 




主人公の名前はユキノ。

もちろん、美少女です!
そしてククイは、ワンピースにするか、Tシャツにするか悩んでいる最中です。


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親の気持ち

3話

 

ククイが帰って来た時、ユキノとイワンコはソファーで寝ていた…

時刻は18時を回っている。

 

ユキノを見付けた時は15時頃で、散歩に行こうとした時にあったんだよな。

幸せそうに寝ているユキノを見てるとほっこりするのだが、服やズボンがダボダボなんだよな…

 

ククイはタオルケットを掛けてあげ、夕飯の支度を始めた。

ちなみに、ククイが買ったのはワンピースとTシャツとズボン、スカート…決められなかったので、似合いそうと思う物を片っ端から買ったのだった。

 

今日の夕飯はオムライス。子供なら誰もが好きなはずと思いククイは作り始めたのだった。

 

『良い匂いだ!あ、ユキノは寝ているのか…』

「スースー」

『ったく…可愛い寝顔を晒しやがって。俺様が守ってやるよ』

「ふにゃ~イワンコ~」

 

ユキノは寝言でイワンコの名前を呼び、抱きしめた。

 

「しゅき~」

『ぬお!?』

 

それから数分語、ククイがオムライス2人分とイワンコのポケモンフーズを作り終えリビングに入って来た。

 

「本当、気持ちよさそうに寝ているな」

 

ククイは優しくユキノを揺すり起こしてあげた。

 

「寝てる所悪いね。晩ご飯が出来たよ」

「ふぇ」

 

ユキノは上半身だけ起こし服が少しだけズレた瞬間、ククイはテーブルの方に向いた。

 

「さあ!食べようか」

「ん~」

 

ユキノは大きく伸びをした後、テーブルの側に置いていた買い物袋を見付けた。

 

「ククイ。ありがと」

「うん」

 

ユキノもテーブルの方に行き、ククイと晩ご飯(オムライス)を食べ始めた。

 

イワンコはユキノから解放され、ポケモンフーズを食べ始めた。

色々とお疲れ様…

数分後、晩ご飯を食べ終えたククイとユキノは食器を片付け、買ってきた服などを見せた。

 

「どうかな?」

「可愛い~!ククイ!このワンピース可愛いよ!あっ!コレも!アレも!!」

 

ユキノは凄く喜び、ククイが買ってきた服を色々見て、実際に着てみた。

 

「どうどう!」

「うん。凄く似合ってるよ」

 

実際はもの凄く!似合ってるだけどね。

 

「えへへへ~ありがと~」

 

ユキノは笑顔で言い、ククイが買ってきてくれた服やワンピースを着ては披露するを繰り返した。

最後にパジャマに着替えたのだが、これはこれで可愛い…

 

「ねぇククイ?これ可愛い…」

「可愛いし似合ってるよ」

 

ヤバい!

破壊力高すぎ!!

 

ユキノに選んであげたパジャマは、ハイテンションになった時に選んだピカチュウの着ぐるみみたいなパジャマだ。

前側に腰から首元までチャックがあって、フードにピカチュウの耳。腰の後ろにはピカチュウの尻尾も付いている。

凄くベストマッチしていて可愛い!!!

 

「布団等はそこの階段登った所にあるロフトにあるからね。ロフトは好きに使ってくれていいよ」

「ありがとう!」

 

ユキノは直ぐにロフトに上がっていき、買って貰った服を置いた。

ククイは時間を見た後、ユキノに声をかけた。

 

「そうだユキノ。ちょっと外に出てみないか?」

「いく~!」

 

ククイはユキノと一緒に外に出た。

 

「わぁ~!!凄く綺麗!!」

「この場所は都会から離れててね。凄く綺麗に見えるんだ」

 

家の外の空は星空が綺麗に広がっていた。更に、海にも星空や月が映っていて凄く綺麗だった。

 

「私。ククイに会えてよかった」

「それならよかった」

 

ユキノの見た目は小学2年生ぐらいなのだ。

こんなに可愛い子が記憶喪失で、しかも1人で彷徨っていたら悪い人に掴まってしまうかも知れない。

一応、デパートに行くとき、ジュンサーにユキノの事を聞いたが、全く知らない案件だと言っていた。

とりあえずは、僕が責任を持ってユキノを保護するしかないだろう。

 

「私。出来る事あるなら何でもする!」

「何でもは付けなくていいからね。お手伝いしてくれるなら…イワンコの面倒をみてやってくれないか?」

「みる~!」

 

輝く笑顔で言ったユキノはイワンコを呼んで浜辺を走り回った。

 

「親御さんが心配していると思っていたが…」

 

ククイは、家庭でユキノが酷い目に遭い、家出をして洞窟で隠れていた。その洞窟で、嫌な思いを全て消したいと願っていたら、何かの拍子で記憶喪失になったと思っていた。

都合の良い解釈でしか思っていないが、ユキノの両親が捜索願すら出していないとなると、あり得そうな話しでもある。

 

「親御さんがもし見つかったら、僕が話し合いをしなくちゃね」

 

親の気分ってこんな感じなのかと思いながらユキノを優しく見守った。

 

 

 



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ククイ。ユキノの能力に気付く

4話

 

翌朝、ユキノと朝ご飯を食べ終えるとククイはポケモンスクールへと行く支度をした。

 

「ユキノがポケモンスクールへ通えるように手続きしてくるから、今日は家でお留守番してくれるかい?」

「うん!」

 

ユキノはポケモンとかも知らないみたいだしな。ポケモンスクールで色々学んで貰おう。

 

「それじゃ行ってくる」

「いってらっしゃ~い!」

 

ククイがポケモンスクールに行った後、ユキノはワンピースに着替え、イワンコと一緒に砂浜に行った。

 

「やっぱ外って気持ちいいねイワンコ!」

『だな!』

 

ユキノとイワンコはククイが帰って来るまで砂浜で遊んでいた。

 

「ただいま~」

「あっ!ククイ~!!」

『あっ!ククイ!』

 

ユキノとイワンコはククイが帰って来たと同時に走り出しククイに飛びついた。

 

「お帰りククイ!」

「うん。ただいま」

『俺様もいるぞ!』

 

イワンコは尻尾を勢いよく振ってククイの周りを走っている。

 

「イワンコもお帰り」

『おう!ただいま!』

 

ククイはユキノを抱っこしたまま家に入って行き、昼ご飯の支度をした。

 

「ねぇねぇ。私は何を手伝えばい~い?」

「そうだな…テーブルを綺麗にしてくれるかな?」

「わかった!」

 

ユキノはふきんを水に濡らし、精一杯絞った後テーブルを拭き始めた。

 

今日のご飯は何かな?何かな!?

 

ユキノは小さいながらも体全体を使ってテーブルを拭き、イスとソファーも拭いた。

丁度その時、ククイが2つの皿とイワンコのポケモンフーズを持ってリビングに入ってきた。

 

「今日はチャーハンだ!イワンコはいつものね」

「わ~!チャーハン!チャーハン!!」

『いつものご飯か。まぁ美味しいから文句はねぇがな』

 

ユキノはふきんをテーブルの隅に置いた後、手を洗いに行きコップとスプーンを用意した。

ククイはお茶を用意して、ユキノが持ってきてくれたコップに注ぎ込む。

 

「それじゃ、「『いただきます』」」

 

2日目だが、ユキノは家の事を手伝ってくれる。

後、これからもこの役割分担は変わることはないだろうな。

 

ククイはチャーハンを頬張るユキノをそう思いながら見つめた後、自分のチャーハンを食べ始めた。

 

昼ご飯を食べ終わった後は、ククイが食器を洗い、ユキノはテーブルを拭いてからお茶を冷蔵庫に戻して、ククイと食器を戸棚に片付ける。

これが自然に出来てしまうユキノは絶対に良い子に育つ!

 

その後、ユキノはイワンコとお喋りをしている…

ん?んんん!?

 

「ユキノ?イワンコと喋れるのか?」

「うん!」

『だな!』

 

ククイは開いた口が塞がらず、ポカーン【(゜Д゜)←こんな顔ww】としていた。

 

「あははは!ククイ~!なにその顔~!」

『おいおいw笑ってやるなwwww』

 

ユキノは盛大に笑い、イワンコは笑いを堪えていたが、最後の方は吹いてしまった。

 

「あ…ああ。そのだな」

「ん?」

 

ユキノはまだ少し笑いながらククイを見る。

 

「ポケモンと喋れるのは凄い事なんだよ?」

「そうなの!?」

「そうだよ」

「じゃあ!じゃあ!!ククイはイワンコとお喋りした事ないの?」

「した事はないけど、こんな事をして欲しいのかなって事は解るよ」

 

ユキノがポケモンと会話が出来るとは…

 

ククイは少し考えた後、ユキノを見る。

 

「ユキノ。あまりポケモンと会話が出来る事は秘密にしておいてくれ」

「え?」

「ユキノのその力を悪用する連中がいるかも知れないのだ」

「あくよう?」

「悪いことをする人達が居るって事だ」

『ユキノの事は俺様が守るぞ!』

「ありがとうイワンコ」

 

ユキノはイワンコをなでなでしながらそう言い、俯いてしまった。

 

私がイワンコと喋れるって、やっぱ普通じゃなかったんだ。

 

「落ち込む事はないよ。逆に言えばユキノだけの特別な力って事でもあるんだ」

「うん」

「ポケモンスクールでは出来る限り普通にポケモン達と接してやってくれないか?」

「わかった」

『俺様も一緒にスクールに通ってやるよ』

「イワンコが一緒にスクールに通ってくれるって」

「そうなのか?それじゃあイワンコ。ユキノをよろしく頼むよ」

「よろしくね。イワンコ」

『ああ!任せろ!!』

 

 

 

イワンコはユキノを守る為、一緒に行動する事になった。

頑張れイワンコ!

頑張れユキノ!

 

色んな苦労があると思うが、頑張れククイ!

 



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晩ご飯♪

5話

 

ユキノ達はお昼ご飯を食べ終えると、みんなでポケモンスクールへと向かった。

 

「あの丘の場所に見える建物がポケモンスクールだよ」

「あの丸い藁(わら)みたいな屋根の建物?」

「うん」

「へぇ~」

『あまり興味ないのか?』

「ううん。なんか、沖縄みたいだなぁ~って思っただけだよ」

「おきなわ?」

『おきなわ?』

 

ユキノが言った沖縄は2人には分かるはずもなく、頭に??マークが付くだけであった。

かく言うユキノも、実際に沖縄に行った事がないので、適当に言っているだけである。

 

ポケモンスクールの建物は殆どが木材で出来ており、この施設の一番高い屋根の場所に鐘が飾られている。

校内には池もあり、水ポケモン達が気持ちよさそうに泳いでいた。

校内の真ん中は広場になっているので、授業の一環でポケモンバトルもここですることになっている。

 

ユキノはククイに校内を案内してもらい、教員や食堂のおばちゃん、オーキド校長先生に挨拶をした。

 

この島の人達の挨拶って、「アローラ」って言えばいいみたい。

私の中じゃ「こんにちは」や「おはよう」だったのに。まぁいいや!

 

校内の教員、オーキド校長、食堂のおばちゃん達は、ユキノの超可愛い天真爛漫な挨拶を受けメロメロになっていた…

ちなみに今日着てきた服装は、水色のワンピースだ。

 

「明日から私もここに通えるんだね!」

「そうだよ。それと、この僕がユキノの教師だ」

「え?ククイって先生だったの!?」

「そうとも!」

『ただの博士じゃ無かったんだ…』

 

ユキノは明日から授業をしてくれる先生がククイと知ると凄く驚き、そして…

 

「あ、明日からよろしくお願いします。ククイ先生」

「普段はいつも通りでいいよ。子供達からはククイ博士って呼ばれる事の方が多いけどね」

「わかった!」

『やっぱ博士だな』

「だね♪」

「ん?」

「なんでもな~い!ね~イワンコ」

『おう!』

 

ユキノはイワンコをなでなでしながらそう言い、ククイと一緒に家に帰っていった。

 

その日の晩、ククイが用意した晩ご飯はクリームシチュー!

 

ククイは鶏肉の皮を先に焼き始め、表面が良い感じに焼けてきた時に玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジンを加え炒めた。皮から焼いているので、油いらずで出来るのだ。

その後、牛乳を加え煮込みクリームシチューのルーを入れ良くかき混ぜた。

その際に、バターを少量入れコクを出すことも忘れない。

クリームシチューを煮込んでいる間に、ブロッコリーの茎を切り落とし、軽く茹で上げるのも忘れないククイ。

流石だ!

ブロッコリーはクリームシチューを容器に移した後に、追加で入れる。

 

ユキノはククイがご飯を作ってくれている間に、テーブルのセッティングを済ませた。

 

ククイが晩ご飯をテーブルに乗せた後、ユキノはお茶を用意して、みんなで晩ご飯を頂いた。

イワンコには、ククイ特製のポケモンフーズを食べているので満足している。

 

『うめぇ~!今日の味はシチューか!!かぁああ!美味い!!!』

「イワンコ。凄く喜んでいる…」

「今日はフーズも頑張ったからね。良かったよ」

 

イワンコの尻尾の振りスピードが異常な程速い…

ユキノとククイは苦笑いしながらイワンコを見た後、クリームシチューを食べ始めた。

 

味は凄く美味しかった!

 

晩ご飯を食べ終えると、いつも通りに後片付けをしてからイワンコと外に出た。

夜空に広がる星が綺麗に見える時間帯になるからだ。

 

ククイもユキノと一緒に外に出て星を眺めた。

 

「今日も綺麗…」

「そうだな」

『ああ…』

 

ユキノは満足するまで星を眺めた後、イワンコと一緒に家に入り就寝した。




晩ご飯のシーンを唐突に書きたくなったので書かせて頂きました。
次回投稿でようやくポケモンスクールに入ります


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ユキノの歓迎会

6話

 

翌朝、今日が楽しみで早起きしたユキノは身だしなみを整え、白いがベースのワンピースを着た。

 

「おはようユキノ。今日は早いね」

「おはよ~!ポケモンスクール楽しみなの!」

 

ユキノは満面の笑みでそう言い、ロフトから降りて来た。

 

「今日の朝ご飯は簡単な物を用意したよ」

「ありがと~!」

 

ククイが簡単な物と言いテーブルに出した食べ物は明らかに時間が掛かっていただろう物が並べられた。

 

豚の角煮。カボチャコロッケ。貝の味噌汁。白ご飯。ポテトサラダ。

 

角煮は昨日の晩からじっくりコトコト弱火で煮込んでいたらしく、口に入れた瞬間とろけるほど柔らかかった。

味噌汁もコロッケもポテトサラダも美味しく、白ご飯と一緒に食べて完食した。

 

「今日の朝ご飯も美味しかった!ごちそうさま!」

「うん。ごちそうさまでした」

 

ユキノは食べ終わった食器を洗い場に持っていき、水で濡らした布巾でテーブルを拭いた。

ククイは洗い場の食器を洗い、お昼の弁当のおかずを詰めた。

 

ちなみに、いつもはもっと簡単な朝ご飯で白ご飯にふりかけ。味噌汁。豆腐があれば豆腐みたいな感じだ。

夜ご飯も肉とご飯でいいやみたいな感じなのだが、ユキノがいるのでしっかりと料理を作っているのだ。

 

「さて、お弁当も入れたし行くかユキノ」

「うん!出発~!!イワンコ、行くよ!」

『おう!』

 

ユキノはククイから貰った小さな鞄にお弁当を入れ、イワンコとククイと一緒に家を出た。

目指すはポケモンスクール!

 

ユキノはククイとイワンコと楽しく喋りながら行き、スクールに到着した。

スクールには既に来ていた男子生徒と女子生徒が教室からユキノを見ていた。

 

「お?あの子可愛くね?」

「ああ。ヤバいな」

「なになに?」

「いや…あの子」

「アイドル!?」

「いやいや!」

 

ユキノはその目線に気付き手を振り「アローラ~!」と元気に挨拶した。

生徒達も「アローラ~!」と元気に挨拶を返した後窓から離れた。

その後、ククイは職員室に行きユキノは自分の教室に入った。まだ朝速いので誰も居ない教室は涼しく、木で出来ている机に鞄を置いて外を眺めた。

 

教室の机、イスは木で出来ており、窓が無いので吹き抜けになっている。

ユキノの教室は2階にあり、木製の階段で上って行く。

 

自然の木で作った学校みたいで、おじいちゃんの写真に写っていた学校よりも自然に近いや。

 

ユキノはそう思い外を眺めていたら、スレンダーな褐色肌で2つ結びの長い緑髪が特徴的な女の子と、青い瞳が印象的で、髪も青色で襟足の跳ねたショートヘアに漁網のような黄色いカチューシャを付けている、私と似た白い肌の女の子が校門から入って来た。

 

「あ、アローラ!」

 

私は教室の窓からできる限りの大きな声で挨拶をして手を振ったら、2人は笑顔で「アローラ」と言い手を振り返してくれた。

2人は喋りながらそのまま校舎の中に入っていった後、ぽっちゃり型の小さな男の子が入って来た。髪は黄色。その子は私の方を向いた後慌てた様子で校内に入っていった。

 

なんだったんだろ?

まぁいっか!!

 

その後も続々と生徒達が入って来た後、先ほどの緑髪の女の子と青髪の女の子が教室に入ってきた。

 

「やっぱ転校生!?」

「なのかな?」

「アローラ。今日からよろしくね!転校生であってるかは分からないけど」

「「??」」

「あ、私の名前はユキノ!よろしくお願いします!」

「わたしはマオ!よろしくねユキノ!」

「わたしはスイレンでございます。よろしくお願いします」

 

緑髪の女の子がマオで、青髪の女の子がスイレン。必ず覚えなくちゃ!

 

その後、先ほどのぽっちゃり型の男の子も教室に入ってきて自己紹介してる時、外から赤い龍がこちらに向かって飛んできた!

 

「みんな!早く逃げなきゃ!!」

「大丈夫だよユキノwwアレはカキもポケモンで、リザードンって言うんだよ」

「ユキノ。慌ててる姿可愛いね」

 

マオ達が話している時、リザードンは窓の側に降り立ちカキが窓から教室に入って来た。

 

「アローラ!君は?」

「あ、ユキノです」

「俺はカキ!よろしくな!」

 

カキと言う男の人は、上半身半裸の筋肉質な人で、この人も褐色肌をしている。

カキの簡単な自己紹介が終わるタイミングでククイが教室に入ってきた。

 

「アローラ。もうみんなの自己紹介は終わっているみたいだな」

「「「アローラ!」」」

 

みんなククイが教卓に行くと同時に、席に着いた。

 

「今日はユキノの歓迎会をしようと思うんだが、みんな良い案はあるかな?」

「お菓子作りなんて良いんじゃない?」

「わたしは、釣りかな」

「ロボ作り!」

「ドッチボール!」

 

みんなそれぞれやりたい事あるんだ。私はお菓子作りが良いけど…

 

「ユキノはこの中からやりたい物はあるかい?」

「お菓子作りがいいな」

「うん。それじゃ今日はお菓子作りをしよう!マオ、頼めるかな?」

「もっちろん!それじゃ早速、厨房に行きましょ」

 

マオはみんなを連れて校内の厨房へと行き、みんなにお菓子作りを教えた。

今回はクッキー。ククイは料理が出来るので上々の出来映え。マオは一流職人に匹敵するほどの品。カキは堅めのクッキー。マーマネは丸いクッキー。平らじゃ無い。丸いんだ!

ユキノは…イワンコの顔をモチーフにした可愛らしいデザイン!

 

みんなそれぞれの形のクッキーを作り、それぞれ1つずつ交換してみんなでクッキーを食べた。

 

うん!マオのクッキーはすっごく美味しい!

カキのは堅い…マーマネのは丸いから食べづらいけど、最初の一口を頑張れば食べられる!

ククイのはいつも通り美味しかった!私のは…あれ?みんなより甘い?

 

「砂糖の入れすぎだね。でも美味しいから大丈夫だよ!」

「ありがとう」

 

マオは笑顔でそう言い、ユキノを励ました。

みんなも美味しそうにクッキーを食べ、喜んでいた。

 

そして、ユキノの歓迎会は終わり、みんなでグランドに出た。

 




リーリエは用事があり今日は欠席。


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初授業

久しぶりの~更新!!!
遅くなりました!


7話

 

ユキノの歓迎会を終えてからみんなでグランドに移動していると、バイクに乗っている黒装束の3人組が校門から入ってきた。

 

「ちょっと行ってくる」

 

カキはそれだけ言うとバクガメスと一緒に3人組の前に立ちはだかった。

 

「大丈夫なの?」

「カキなら問題ないよ。ユキノ、カキのバトルを見ておきなさい。」

「うん」

 

ククイがそう言うのだから大丈夫と信じてユキノはカキを見守った。

 

「お前達。また悪さをしやがって!」

「悪いことをするのが楽しいのさ!」

 

カキが『また』悪さをって事は1回だけじゃないんだ。

 

「俺達の邪魔をするならポケモンバトルだ!行けズバット!」

「行っておいでヤトウモリ!」

「行くんだダストダス!」

 

3人組はポケモンを出すと同時に攻撃してきた!

 

「俺の全身、全霊、全力!全てのZよ!アーカラの山のごとく、熱き炎となって燃えよ!ダイナミックフルフレイム!」

 

カキとバクガメスの全力攻撃「ダイナミックフルフレイム」の火球が3人組のポケモン達に向け打ち放たれた!火球は3体のポケモンの攻撃を焼きつくしそのまま吹き飛ばした!

この攻撃を受けた3体は戦闘不能になりボールに戻された。

 

「覚えてやがれ~!!」

 

3人組はバイクに乗り下り坂を降りて行った。

 

「今の連中はこの地方で悪さをするスカル団って言うんだ。無いと思うけど、勧誘されても入っちゃだめだよ?」

「うん!」

 

今の攻撃カッコイイ!

 

「ねぇねぇカキ!今の攻撃、私達にも出来るかな!?」

「アローラの島巡りを終えた者だけが持つ事を許される神聖な証なんだ。島巡りを終えれば仕えるようになるさ」

 

カキはユキノの目線まで腰を落とし頭を撫でた。

 

「島巡りをするには10歳にならないとダメなんだ。今は、ポケモン達と遊んでやってくれないか?」

 

カキはユキノの頭を優しく撫でながらそう言った。

 

Z技はトレーナーの体力も使う。幼い体では何が起こるか分からない…

 

カキはそう思いながらユキノの返答を待った。

 

「わかった!ありがとカキ!」

「うん。それじゃみんなの所に戻ろうか」

「うん!」

 

カキはユキノと手を繋ぎながらみんなが微笑んで待っている所へ戻って行った。

 

残りの授業は、教室で『ポケモンの驚異について』と『ポケモンの生態について』をして終わった。

 

ユキノには分からない事だらけなので、一生懸命ククイの話しを聞いて、マオから貰った可愛いポケモンの絵柄が描かれたノートにメモしていった。

ペンは、スイレンからアシマリの絵柄が描かれた物を貰っている。

 

「ユキノは熱心だね。今日、来られなかったリーリエと似てるかも」

「リーリエさん?」

「うん!凄く綺麗で可愛いんだ。ポケモンが大好きな女の子だよ」

「へぇ~早く会いたいな!」

 

ユキノは分からない所を熱心に質問したりしてノートの空欄を埋めていく。

その時の埋め型がとても綺麗に埋めていくのを見ていたマオ達は関心していた。

 

その後、授業が終わるとみんなそれぞれすることがあるみたいで、サヨナラの挨拶をしてから別れた。

 

早くククイ、帰ってこないかな~

 

「ねぇイワンコ。ククイが帰って来るまで予習したいから手伝ってくれる?」

『当たり前だ』

「ありがと!」

 

私は授業で学んだ事をイワンコと一緒に予習する事にした。

 



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ポケモンフーズ初挑戦

8話

 

授業が終わりユキノ以外はみんな帰った後、ククイは職員室で打ち合わせがあるのでユキノとイワンコだけが残った。

 

2人だけになった部屋で、ユキノはノートに纏めた事をイワンコと一緒に見て、どこかおかしな所が無いか一緒に確認することにした。

 

・ポケモンの脅威について

 

野生ポケモンは普段大人しいが、時々襲ってくる時がある。

時には人に被害を与える事もあるので、草むらや山に行くときは注意が必要。

 

「これについてなんだけど…襲ってくるポケモンってどんなポケモンなのかなって」

『う~ん…ポケモンにも、その時の心情によるから何とも言えないな。

俺も最初の頃は気性が荒かったからな…』

「そうだったんだ。それじゃ、そのポケモン達を鎮めるにはどうしたらいいかな?」

『鎮めるか…考えた事も無かった。いつも力でねじ伏せてきたから…』

「力か…私みたいな何も出来ない人には無理だね」

『そうだな。一緒に考えていこうか』

「うん!」

 

ユキノとイワンコはこうすれば、ああすればをククイが迎えに来るまでくり返した。

 

提案として上がった物は、ユキノのポケモンと喋れる能力で何があったのかを聞き、それを一緒に解決していく。

ユキノとイワンコが一緒に考えて出した答えだった。

 

「待たせて悪かったね。それじゃ帰ろうか」

「うん!」

『早くご飯が食べたい…』

「イワンコが早くご飯食べたいって」

「それじゃ早く帰らないとね」

「うん!」

 

ユキノとイワンコはククイの車に乗り自宅に帰っていった。

その日の晩ご飯は柿の葉寿司。

ゆずの風味をアクセントにして食べた。イワンコのポケモンフーズも柿の葉寿司風味にして出したので、イワンコが凄く嬉しそうに食べていた。

食後のデザートにかき氷も食べてからみんなで『ごちそうさま』をして後片付けをした。

 

その日の夜…

 

「ククイ。ポケモンフーズの作り方教えて」

「いいよ。それじゃあ…」

 

ククイは必要な材料をテーブルに用意して、ユキノにエプロンを着けさせた。

 

まず最初に生地を作り、ポケモンが食べやすい大きさにカットしていく。

それをオーブンに入れて焼けば完成。

味を変えたい時は、生地を作るときに一緒に入れる。

ユキノは生地をオーブンに入れた後、直ぐにメモをして作り方を覚えるようにした。

 

これでポケモンフーズを作れる!後は美味しく出来るようになるまで練習しなきゃ!

 

ユキノはオーブンで焼いているポケモンフーズを見ながらそう思った。

出来上がったポケモンフーズはホカホカで直ぐに食べたくなっちゃう程の美味しい香りが漂った。イワンコも直ぐにキッチンに入り尻尾を勢いよく振っている。

 

『ユキノ!それ食べて良いのか!?』

「ククイ。このフーズ、イワンコにあげていい?」

「勿論だとも。これはユキノが作った第一号なのだから」

「第一号。良い響き。イワンコ、食べて良いよ」

『ありがと!』

 

イワンコは大きく口を開けポケモンフーズにかぶり付いた。ちゃんと噛んでいるのか怪しい速度で食べていき、数分で完食してしまった…

 

『ふはぁ~満腹』

「どう?美味しかった?」

『最高に美味しかった』

「それは良かった♪毎日作るね」

『おう!楽しみに待っているぞ!』

「うん」

 

ユキノとイワンコが楽しそうに喋っている時、ククイは明日の献立を考えていた。

 

 

 




ユキノのやりたい事に1歩近づけた。

後は練習あるのみ!


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リーリエ登場

9話

 

翌日。いつも通り朝ご飯を食べ終えたユキノ達はククイの車でポケモンスクールに向かった。

 

今日はイワンコのポケモンフーズを朝から作ったので、瓶の中に入れてある。

 

教室はいつもユキノが一番乗りなので、ノートのメモをイワンコと一緒にテラスで読むことにした。

ククイと朝から来ているので、どうしても早く到着するのだ。

 

それから数分後にマオ達が来たので挨拶をして、教室で楽しくガールズトークを楽しんだ。

その数分後、長い車(リムジン)が校門前に横付けされ、綺麗で可愛い人が車から降りてきた。執事さんは車の所でお辞儀をしてその人を見送った。

 

その人は白いノースリーブワンピースに白のつば広帽子をしている『お嬢様』と言える綺麗な人だった。白い肌に淡い金髪がベストマッチしている。

 

「綺麗な人…」

「あの子がリーリエだよ」

「あの子がリーリエさん。ス~…アローラ!」

「え?あ、アローラ!」

 

ユキノが大きく手を振りながら挨拶したのがビックリしたのか、ぎこちない挨拶が返ってきたが、それでも手を振り返してくれた。

 

「ねぇねぇ!リーリエめっちゃ綺麗だね!」

「でしょ!もう可愛いし綺麗だし。マーマネやカキが襲わないか心配だわ」

「襲わないよ!」

「ったりまえだろ!」

「どうだか~」

 

 

マオやスイレンがカキ達をからかっているとリーリエが教室に入りもう一度『アローラ』と挨拶してくれたので、みんなで『アローラ』を返した。

 

やっぱ可愛い!そして綺麗!私もリーリエみたいになりたいなぁ…

 

「初めまして。わたくしリーリエと申します」

「私はユキノ。よろしくねリーリエさん」

「リーリエで良いですよ」

「それじゃ私もユキノでいいよ」

「わかりました」

 

その後、ククイが教室に入ってくるまでみんなで喋りながら時間を潰した。

 

ククイが教室に入った後、簡単なホームルームを終わらせいつも通り授業を開始した。

今日は『算数』と『国語』。昼からは『ポケモンの生態について』の続きの3点。

 

ユキノは現実世界なら小学2年生。算数もそれなりに出来るので自信があった。

 

算数のお題が…

スーパーでモンスターボール1つ200円を10個買いました。その時に10個購入特典で付いてくるプレミアボールを1つ貰えます。

モンスターボールをその後30個追加で買った場合、モンスターボールとプレミアボールの合計個数を応えなさいだった。

 

正解は44個。

なのだが、ユキノはこの『プレミアボール』が気になりすぎて問題に集中出来なくなり…

 

「ククイ先生!『プレミアボール』がどんな物か見てみたいです!」

 

先に現物を見て気になる物を先に見ることにしたのだった…

ユキノ以外は『プレミアボール』も知っているので、問題なく回答欄を埋めたが、ユキノはモンスターボールしか知らないので、ククイが『プレミアボール』を鞄から出して見せてくれた。

 

「これが『プレミアボール』だよ。ちょっと変わった色合いだけで、性能はモンスターボールと変わらないよ」

「これが『プレミアボール』…赤いモンスターボールと違って殆どが白いんだね」

「そうだよ。そうだ。この『プレミアボール』をユキノにあげよう。何かあった時用に持っておくといいよ。それと、さっきの質問の答えは解けたかな?」

「うん!正解は44個だよね?」

「うん!正解だ」

 

その後の授業もいつも通り分からない所を手を上げて質問していき、ノートにしっかりとメモしていき午前の授業は終わった。

 

 

 




追記
水曜、木曜、金曜の朝6時連続投稿します。


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リーリエ宅にて・・・

10話

 

午前の授業を終えたユキノ達は机を端の方に寄せ、教室の真ん中で輪を描くように座って昼食を食べ始めた。

ポケモン達もそれぞれ学園からポケモンフーズを出して貰う時、ユキノとリーリエが鞄からお手製のポケモンフーズの入った瓶を取り出した。

 

「私、ポケモンフーズ作ってきたからイワンコの分は大丈夫です」

「わたくしも持ってきましたので、大丈夫です。みなさんの分をお作りしていますので」

「凄いですね。足りなくなったらいつでも言ってね」

「「はい」」

「ユキノもお手製なんですね」

「リーリエもお手製だったんだ」

「2人とも凄いね!私はクッキー焼いてきたからみんなで食べましょ」

「うん!」

 

リーリエが出したポケモンフーズも一から作ってあるので、イワンコ、アシマリ、アマカジ、トゲテマル、バクガメスの分に別けた後、それぞれの弁当を広げてご飯を食べた。

 

「ユキノのポケモンフーズはイワンコ専用の物なんですか?」

「え?専用とかあったの!?」

「ええ。私はみなさんに食べて貰う為に、専用の物は入れていませんが」

「昨日、ククイに教えて貰いながら作ったから、詳しくは知らないんだ…」

「それなら、私の家に来て一緒に作りませんか?」

「いいの!?」

「ええ。みなさんもお時間がありましたら是非」

「やった~!私も行く!!」

「私も」

「俺も行くぜ」

「ぼ、ぼくも行くよ!」

 

全員がリーリエの家に行くことが決まった後、お昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。

午後の授業も、ユキノは一生懸命ノートにメモを取りながら質問しては空欄を埋めるを繰り返した。

 

午後の授業が終わり、簡単なホームルームが終わった時、ユキノがククイにリーリエの家に行くと伝えた。

 

「気を付けて行って来るんだよ」

「うん!」

 

みんなが帰る時間を見計らってか、校門にはリーリエ宅のリムジンが駐まっており、執事のジェームスが扉を開けてくれた。

 

「今日は友達も一緒にお願いします」

「かしこまりました」

「「「よろしくお願いします」」」

 

みんなはフカフカなリムジンのイスに座り、車の中を楽しみながらリーリエ宅に着くまで喋りあった。

 

リーリエ宅は別格と言って良いほど大きな屋敷だった。

白をメインとした壁に綺麗な青の屋根。敷地を囲む巨大な柵は花のデザインが施されていた。門からリーリエ宅の玄関まで距離があり、門と家の間にある大きな庭の植物を楽しみながら玄関に着くまで楽しんだ。

 

玄関に着くと既にメイドが2人立っており、ジェームスが車のドアを開けるタイミングで玄関のドアを開けてくれた。

 

「「お帰りなさいませリーリエお嬢様」」

「ただいま帰りました」

「「お邪魔します」」

 

リーリエ宅の中もとにかく豪華!

シャンデリアは勿論のこと。白い大理石が引き締められている玄関ホールは凄く綺麗だ。

 

「わたくしの部屋は2階です」

 

みんなそれぞれ感嘆の声を漏らしながら着いていくと、本棚がいっぱい並んでいる部屋に着いた。

 

「ここは図書室?」

「いえ。ここが私のお部屋なんです…」

 

リーリエの部屋は壁一面に本棚がぎっしりと並んでおり、隙間なく本が置かれていた。

 

「リーリエは本を読むのが好きだもんね~」

「はい!」

「いいなぁ…」

「みなさんも避ければ読んで頂いて大丈夫です」

「ありがと!」

 

ユキノは本棚を眺めていると『ポケモンフーズを作ろう!』のタイトルが書かれた本を見付け本棚から出した。

中身はカラー用紙で木の実や材料、その名前等が書かれており見やすくなっていた。

アレンジするときの応用も書かれた本だったので、ユキノは直ぐにテーブルに持っていき持参していたノートにメモしていった。

 

「ユキノはポケモンフーズの本ですか?」

「うん!この本、凄くいい!私の知りたいことが書かれてるよ!」

「それならその本。ユキノにあげます」

「え!?いいの?」

「ええ。わたくしは既に読み終えているいますでいいですよ」

「ありがとリーリエ!」

 

ユキノは満面の笑みでリーリエにお礼を言って本を譲り受けた。

 

やった~!!!

早速家に帰ったらククイに材料買って貰おう!!!

 

ユキノはルンルンでノートにメモをしながら書いていった。

リーリエは凄く喜んでくれているユキノを見て微笑んでいた。

 

 

 



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豪華な晩ご飯

11話

 

リーリエ宅でユキノが『ポケモンフーズを作ろう!』の本を譲り受けていた時、マオはお菓子の本を読んでいて、スイレンは釣り竿や海の本を読んでいた。

マーマネは電子工学の本を読んでおり、カキは…本をペラペラめくっていただけだった。

 

お腹空いたなぁ~

 

ユキノは時計を見ると夜の6時半になっていた。

ここに来た時は4時半頃だったので、思っていたより時間が掛かっていたみたいだ。

 

「そろそろ御夕飯にしましょう。食堂に案内しますのでどうぞ」

「いいの!?」

「もちろんです」

「「「やった~!」」」

 

どんな食べ物があるんだろ!

 

食堂へと案内された場所は凄く長いテーブルに色々な食べ物が大皿に乗っていた。

サラダや海鮮物、お肉料理、揚げ物など様々な物が並んでおり、壁際にはイケメンの男性が数名待機していた。

デザートも豊富に揃えられておりみんなの目がキラキラ輝いていた。

 

「お好きな物をお召し上がりくださいませ」

「「「ありがとリーリエ!いただきま~す!」」」

 

みんなそれぞれ食べたい料理を皿に盛って行き、部屋の真ん中にある丸テーブルで食べた。

ドリンクは壁際に待機していた男性が注文を受けテーブルに持ってきてくれた。

 

これがお嬢様の晩ご飯…なんか色々凄すぎ!!

 

ちなみに、今日の晩ご飯は子供達が来たので、シェフが子供向けの味付けをした物を出し、更に食べ盛りの子達なので色んな種類を用意した結果、長テーブルに並べたのだった。

いつもはリーリエだけの分なので、少量でバランスの取れた物を出す。

両親は仕事で殆ど家に帰ってこないので、ジェームスが身の回りの事をしている。

 

晩ご飯を食べた後、少し休憩をしてからジェームスがみんなを送り届けてくれた。

その日の晩、ユキノは欲しい材料を紙に纏めククイに買ってきて貰う事にした。

 

翌日、いつも通りスクールに登校して授業を受けた。

今日は午前中が『社会』と『国語』。午後が『ポケモンの生態について』と『ポケモンバトル』だった。

 

ポケモンバトル…

ホームルームで説明されたけど、ポケモン同士でバトルするんだ。

 

ユキノは心にチクッと来たが、イワンコの頭を撫でながらどうしたらいいのか悩んでいた。

お昼は昨日と一緒でみんなで楽しく昼食を食べて、午後の授業について相談にのってもらった。

 

「ポケモンバトルってポケモン達、傷付くよね…」

「うん。だけどね、ポケモンに襲われた時や、助ける時、一緒に戦ってくれるポケモンがいないと何も出来ないんだよ?バトルは好きじゃないかもしれないけど、ポケモンを信じてどうすればいいか等を考えていけばいいと思う」

 

マオはそう言いカキが続いた。

 

「最初に会ったときに、俺がスカル団の連中をぶっ飛ばしたろ。あれも勿論、ポケモンバトルだ。スカル団みたいな悪さをする連中は少なからずいる。そいつ等の悪事を止める為にも力は必要なんだ」

「あのときの…」

 

マーマネはトゲテマルを膝に乗せ撫でながら言う。

 

「僕もバトルは好きじゃないけど、いざって時に助けたいからね。トゲテマルにはいつも助けて貰っているからそれの恩返しもしたいし」

 

「助け合いか…」

「そうだよ。ポケモンとトレーナーは一心同体と言ってもいいと思うんだ。バトルを通してポケモンが次何がやりたいか、こうすれば良い動きが出来るとか色々考えるんだ」

「一心同体」

 

ユキノはイワンコを見つめた後、目に力が入った。

 

「頑張ってみる。私、イワンコに傷付いてほしくないもん!」

「その意気だ!」

「うん!」

 

ユキノはイワンコを撫でながらポケモンバトルをどうすればイワンコが傷付かないで出来るか考える事にした。

 

 

 



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ポケモンバトル【スイレンvsカキ】

12話

 

午後の『ポケモンの生態について』もあっという間に終わりの鐘がなり、10分の休憩が入った。

今日最後の授業である『ポケモンバトル』はグランドにて行われるので、みんなで移動した。

 

いよいよポケモンバトル…

イワンコが傷着かない方法、色々模索はしたけど…

① とりあえず逃げる!

② 相手の攻撃を回避する!

③ 隙が出来れば攻撃する!

④ 攻撃を受けたら回復!

 

今はこれぐらいしか考えつかなかったけど、私…イワンコと頑張る!

 

「ユキノ。リラックスリラックス。そんなに強ばっていたら上手くいかなくなっちゃうよ」(マオ)

「程ほどに緊張するぐらいがいいんだ」(カキ)

「うん」

 

ユキノは深呼吸を数回繰り返した後、しっかりと前を向いた。

 

その2分後、ククイがグランドに走って来た。

 

「お待たせ!みんな早いね」

「直ぐにグランドに移動したからね」

「そうか。ん!それじゃ『ポケモンバトル』の授業を始める」

 

ククイは、スイレンとカキを対戦相手に選び、先に試合をさせる事にした。

 

「どちらかのポケモンが先に倒された方が負け。使用ポケモンは1体だけだ」

「「はい!」」

「それじゃ開始!」

「行けバクガメス!」

「アシマリ行くよ!」

 

☆スイレンvsカキ☆

 

「先手必勝!みずでっぽう!」

「バクガメス、ひのこだ!」

 

アシマリは鼻から勢いよく水を発射し、バクガメスも鼻からひのこを発射した!

アシマリの水はバクガメスの火を蒸発させ小規模な爆発が起こった!

 

「今のうち!アシマリ、もう一度みずでっぽう!」

 

アシマリは右側に素早く移動した瞬間、勢いよく水を発射した!

 

「バクガメス!甲羅で防げ!」

 

バクガメスは直ぐに反転して甲羅でみずでっぽうを受け止めた!

 

「まだまだ!」

「バクガメス、スモッグだ!」

 

アシマリがみずでっぽうを放ち続けている時、バクガメスがどくガスをアシマリに向けて放った!アシマリはその毒を正面から受けてしまい苦しそうに地面に倒れた。

 

「アシマリ!」

「そこまで!この勝負、カキの勝利とする!アシマリにモモンのみを食べさせた後、オレンのみで体力回復を」

「はい!」

 

 

今のバトルを見ていたユキノにマオが言った。

 

「今みたいに技同士をぶつけたり、ポケモンの特徴を活かした攻撃をしたりとポケモンバトルは奥が深いんだ。多分、次がユキノの番だから、私かマーマネが相手だと思うよ。遠慮しないでかかってきてね」

「うん!」

 

「それじゃ次…ユキノ、ポケモンバトルをやってみてくれ。相手はマオ。よろしく頼む」

「わかった」

「まかせて」

 

ユキノは緊張しながら一定の距離まで歩いた。マオはいつも通りの感じで立ち止まる。

 

「ルールは先ほどと変わらず、どちらかのポケモンが倒れれば負け!それでは…開始!」

「アマカジ、行くよ!」

「イワンコ、よろしくね」

(おう!)

 

ユキノの初めてのポケモンバトルが始まる。

 



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ポケモンバトル【ユキノvsマオ】

13話

 

スクールの授業でマオと戦う事になったユキノ。

 

初めてのバトルでどこまで戦えるか、ククイは観察することにした。

ユキノは既にイワンコから何の技が仕えるか直接聞いているので、技名は覚えている。

 

更地のグランド…

障害物の何もないから、避けるにはイワンコの身体能力にかける。

後は、技の応用で何とかするしかない!

 

ユキノの思考は8歳とはとても思えないほど考え、悩んだ。

そしてククイからバトル開始の合図が言われた。

 

「先に行くね!アマカジ、なかよくする」

「え?なかよく?」

 

ユキノはポカンと呆けているとイワンコから注意を受けた。

 

(あれは特殊技だ!すなかけを命じてくれ!)

「わ、わかった!」

 

アマカジはよちよちと笑顔で歩いてくる。とても攻撃技とは思わなかったけど…

私はイワンコを信じる!

 

「イワンコ!すなかけ!」

 

イワンコは直前まで歩いてきたアマカジに勢いよく砂を巻き上げ、無警戒だったアマカジの目に砂が入りよろけた!

 

(今だ!攻撃技を!)

「う、うん!たいあたり!」

 

イワンコは足に力を溜め、一気にアマカジにたいあたりを喰らわせ吹き飛ばした。

この攻撃でアマカジは戦闘不能になった。

 

「や、やった~!」

(よく頑張ったな)

「ありがと、イワンコ!」

 

ユキノはイワンコを抱きしめながらそう言い凄く良い笑顔で笑った。

 

「あちゃ~流石に怪しまれたか~アマカジご苦労様」

 

マオはオレンのみをアマカジに与えて体力を回復させた。

 

「見事だっただぞユキノ。イワンコ。今日の授業はここまで!」

「「「ありがとうございました」」」

 

授業が終わった後、みんなで談笑しながら教室へと戻っていった。

その後ろ姿をククイは見つめた。

 

ユキノのあの言動だと、イワンコが先導したか…

人それぞれ戦い方があるけど、あれは違う気がするんだ!

 

ククイは頭を掻きながら職員室に向かった。

その後、簡単な終わりの挨拶を済ませた後、マオ達は帰って行った。

ユキノはククイが来るまでいつも通り待つ事にしたが、今日は結構早く来たのであまり待たずに帰れた。その帰りに…

 

「今日のバトル。イワンコから言われてやってなかったか?」

「なんでわかるの?」

「言動がおかしかったからね。バトル中に『わかった』や『うん』は言わないよ」

「あちゃ~」

 

ユキノはやらかしたねとイワンコに言いながら頭を軽く掻いた。

 

「ポケモンバトルは、難しいと思うけど、次からはユキノの考えで指示を出してみてくれ」

「うん」

「それじゃ!今日は食べに行くか!」

「え?」

「ユキノは悪いところは直ぐに直そうとするだろ?」

「うん」

「だからもう、同じ事は言わない。今日はユキノの食べたい物を食べて明日に繋げよう!」

「ありがと!それじゃハンバーグが食べたい!」

「よし!それじゃあ行くぞ~!」

「お~!」

(俺のせいでユキノが怒られずにすんで良かった…)

「イワンコ。悪いのは私なんだから気にしないでね」

(わかった…)

 

 

ちなみに、ユキノが頼んだのはチーズハンバーグだった。

ククイはおろしハンバーグにご飯特盛り…

 



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野生ヤングースを餌づけ?

14話

 

翌日。

今日は土曜日なのでスクールはお休み。

ユキノは早速台所に行き、とりポケモン用とむしポケモン用とイワンコ用のポケモンフーズを作り鞄に入れた。

 

「今日はどこかに行くのかい?」

「うん!今日は森に行くんだ!」

 

その時、ククイが顔から笑顔が消え、真剣な顔になった。

 

「ユキノ。森は授業でも教えた通り、野生ポケモン達が沢山いる危険な場所なんだ」

「そのためにポケモンバトルも出来るように頑張った」

「あれはイワンコが指示を出してやっただけだ。ユキノが考え行動した訳じゃない」

「うん…」

「どうしても行きたいなら僕が一緒に行くよ」

「え?」

「行きたいんだろ?森に」

「うん!ククイ…大好き!」

 

ユキノはククイに勢いよく飛びつき抱きしめた。

 

やれやれ…困った子だな。

 

ククイはそう思いながらもユキノの頭を撫でてあげ、自分も行く準備をする事にした。

 

「ユキノは森で何がしたいんだい?」

「ポケモン達と友達になる!」

「え?」

「ポケモンとね。いっぱい友達になって遊ぶんだ!かくれんぼや鬼ごっこしたりして!」

「それは楽しそうだ。だけど、かくれんぼは危ないからしないでくれないかな?」

「は~い!」

 

その後、ククイは腰にモンスターボールを2個セットしてユキノと一緒に森に向かった。

今回は歩きだ。出発したのは10時過ぎ。

 

家から数十分の所にある森には沢山の野生ポケモン達が住んでいる。

ククイが分かっているポケモンだけで5種類はいる。

ヤングース、コラッタ(アローラの姿)、ツツケラ、キャタピー、ミミロルだ。

ちなみに、いつもユキノと一緒にいるイワンコはちゃんとククイにGETされているポケモンなので安心だ。

 

森に入るとユキノは目を閉じて、手を耳に当てた。

 

「ここにいるポケモン達はみんな元気だね」

「そうだね」

(あの子可愛い!会いに行こうぜ!)

(ああ!)

「あ、ポケモンの群れが来るみたい」

「なんだと?」

 

ユキノがそう言った後、ヤングースの群れが現れた。

 

「ユキノは下がってて!」

(この男。ククイだ!)

(やるのか?)

(どうする?)

「ククイ。少し待って」

「え?」

「ねぇ。君達の名前を教えてくれないかな?」

(ん?僕達はヤングース。知らないのか?)

「残念ながら、ポケモンの事は全然知らないんだ」

(そうか…)

(ちょっリーダー!なに普通に話しているんすか!)

(あ…って!ええ!?)

「あ、私ね。ポケモンと喋れるみたいなんだ。そうだ、ご飯食べない?ポケモンフーズ私の手作りなんだけど」

(いいのか?)

「もちろん。どうぞ」

((ありがと!))

 

リーダーと呼ばれたヤングースとその横にいたヤングースが先にポケモンフーズを食べた後、後ろに控えていた子達をユキノが手招きしてフーズを食べさせてあげた。

 

「どう?美味しいかな?」

(めちゃくちゃうめぇよ!)

(最高じゃないか!)

(僕…ねぇさんと友達になりたい)

(僕も!)

(ずるいぞ!僕が先に友達になるんだ!)

「全員私の友達じゃダメなの?」

(((全然ダメじゃないっす!)))

「よかった」

 

ユキノが微笑みながらそう言った直後、ヤングース達は照れて顔が赤くなった。

 

この子達、良い子達で良かった。

明日も行こう。

 

「ククイ。明日も来たいんだけど、ダメ?」

「いいぞ」

「ありがと!」

 

ユキノはヤングース達に『明日も来るね』と言ってからククイと森の奥に入っていった。

ヤングース達はユキノを見送った後、再び森に入っていった。

 

 

 



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ユキノ。野生ポケモン達と友達になる

15話

 

ククイと更に森に入って行くと、木の上に鳥のポケモンが止まっていた。

 

「ねえねえ!そこのとりポケモンさん!」

(ん?僕の事?)

「そうそう!私ユキノって言うの!あなたは?」

(僕はツツケラ。知らないの?)

 

ヤングースもそう言っていたけど、もしかして結構有名なポケモン?

 

「ごめん。私、ポケモンの事全然知らないんだ」

(そっか。それより、なんで君は僕と会話が出来るんだい?)

「分かんないけど、出来るみたい!」

(答えになっていないけど、まぁいっか。僕に何か用事があるの?)

「うん!私と友達になって!」

(それはバトルしてGETさせろって事?)

 

ツツケラはそう言った瞬間、目つきが鋭くなった。

 

「違うよ~私と友達になって欲しいだけ。あ、私の手作りフーズあるけど食べる?とりポケモン用に作ってみたんだけど…」

(食べる!)

 

ツツケラは直ぐに気の幹から降りて来てユキノの前に降り立った。

イワンコはさっきから何も話してくれない…

 

「これなんだけど…」

(どれどれ…ん!?)

「ど、どうかな?」

(うんんんんっっっまああああああ!!)

「良かった~」

(もっとくれ!)

「いいよ」

 

ユキノはポケモンフーズを多めに出してツツケラにあげていると、その仲間達が木々の間から飛んできた。

 

(僕達もくれ!)

「どうぞ!」

 

ユキノは瓶に残っているフーズを全て出してあげると、ツツケラ達がそこに群がりフーズを食べ始めた。

 

(うっま!)

(美味すぎる!)

(幸せ~)

「良かった良かった。また明日も来るから、またね」

(君の名前は?)

「私はユキノ。よろしくね」

(((よろしくお願いしますユキノ姉さん!)))

「ね、ねえさん?」

 

ツツケラ達は何故か一斉に頭を下げて『姉さん』と呼んだ。

 

私、まだ8歳だし。妹いないんだけど…まぁいっか!

 

「うん。それじゃまたね~」

(((お疲れ様ッシタ!)))

 

面白いポケモン達だった~!

明日、必ず会いに行かなくちゃ!

 

その後もユキノは森のポケモン達と会話して、手作りポケモンフーズをあげて友好関係を広めていき、12時になった時には、1番道路に居たポケモンの大半がユキノと友好関係を結んだ。

 

ククイがまだ会えていなかったゴンベや、レディバ、ピチュー。ピカチュウ、ウソハチ、アゴジムシもユキノと友好関係を結んだ。

 

お昼ご飯の時、イワンコに何で無口だったのか聞いてみると…

 

『俺様以外と仲良くするのが許せなかったんだ』

「嫉妬ってやつ?」

『ち、ちがうわい!』

「図星?」

『噛むぞ!』

「ダメ~」

『むぅ…と、とりえあず、ユキノの事は俺様が守る!』

「うん!信頼してるよ」

『任せろ!』

 

ククイはユキノがイワンコや、この森のポケモン達と何を話していたか分からないが、友達になった事は何となく察した。

それと同時に、この森のポケモン達は餌付けに弱いのか?と思った。

 

 

 



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友達の力

16話

 

1番道路のポケモン達と友達になれた後、時刻は昼の1時を回っていた。

お昼ご飯もすませたので、1番道路を出ようとした時、コラッタ(アローラの姿)が群れをなして行く手を阻んだきた。

 

「もうご飯はないよ?」

(ご飯なんていらねぇよ!)

(ここは俺達の縄張り!勝手な事をするんじゃねぇ!)

「ご、ごめんなさい」

(謝って済むならジュンサーもいらねぇよ!)

『おいテメェら?調子乗りすぎだ』

(んだとテメェ?)

「ちょっとイワンコ…」

『お前等みたいな奴らが嫌いなんだよ!』

 

イワンコが雄叫びを上げた瞬間、先ほど友達になってくれたポケモン達が集まってくれた。

 

(ユキノ姉さん!状況は何となく把握しました!助太刀します!)

(僕達もだ!)

(僕達もだよ!)

 

コラッタ10体に対して、集まってくれた友達達は約60体…

 

「過剰戦力かも知れないけど…出てこいウォーグル!」

 

ククイも相棒のウォーグルを出して助太刀をする。

 

(コラッタ共~今更逃げるなんて言わねぇよなぁ?)

(グッ…お、お前達!行くぞ!)

(お、おう!)

(来るなら来いやぁああ!!!)

 

ウォーグルが雄叫びを上げた瞬間、周りのポケモン達も雄叫びを上げ一斉に襲い掛かった。1分後、コラッタ達は全滅。

 

「ククイ…コラッタ達の傷治してあげたい…ダメ?」

「ユキノならそう言うと思ったよ…この森にはオレンのみが生えているから、それをあげればいいよ」

「ありがと!行くよイワンコ!みんなも手伝ってくれる?」

(姉さんのためならなんだってしますぜ!)

「ありがと~!」

 

ユキノの友達達はそれぞれの方角に移動して木の実採取をしに行ってくれた。

ユキノが戻って来た時にはなかなかの量の木の実が集まっていた。

 

「みんなありがとうね!」

(当然のことですぜ)

「それでもありがと」

(う、うん…)

 

ポケモン達は笑顔で礼を言ってくれたユキノのまぶしさに言葉を失いかけた。

ユキノはオレンのみをコラッタ達に食べさせ体力を回復させた。

 

「これで大丈夫だと思うんだけど…どう?」

(助かりました…)

(俺達…舐めたマネしてすみませんでした)

(どうか…姉さんの配下に)

「友達になってくれるだけでいいよ」

(本当ですかい!?)

「うん♪」

(今日から俺等一同、姉さんの友達です!)

「ありがと」

 

周りに居たポケモン達も頷き、ユキノにサヨナラの挨拶をしてから立ち去って行った。

コラッタは謝りながら去って行く。

 

「なかなか、面白いものを見せて貰ったよ…」

「そう?」

「ああ。まさか、野生のポケモンでもこんな事が出来るなんて思っていなかった」

 

ククイはウォーグルをボールに戻してユキノと一緒に森を出た。

 

まだまだポケモンの事をわかっていなかったとククイは内心そう感じて、これからも技の研究と一緒にポケモンの事も更に研究しようと思うのであった。




次回投稿から、毎週月曜日0時00分の時に投稿します。
よろしくお願いします。


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ウツロイド現る

17話

 

今日はスクールが休みの日曜日!

ユキノは朝からポケモン達のフーズを作りククイに朝ご飯を作って貰っていた。

 

「今日も1番道路に行くんだろ?」

「うん!」

「気を付けて行っておいで」

「ありがと!」

 

ユキノはククイとイワンコと朝ご飯を食べ終わった後、1番道路に鞄を持って走って行った。

 

楽しそうだな…

昨日のアレを見たら少しは安心だな。僕は僕ですることをしよう。

 

ククイは食器を片付けた後、研究室に入って行った。

ユキノとイワンコが1番道路に近づくと、ヤングース達がお出迎えしてくれた。

 

(ユキノ姉さん!おはようございます!)

(((おはようございます!)))

「みんなおはよう~!」

(イワンコ師匠もおはようございます!)

(((おはようございます!)))

『おはよう』

 

ユキノ達はそのまま1番道路の茂みに入って行き、奥の場所にある切り株の所に向かった。

 

(ユキノ姉さん。今日は何をするんですかい?)

「う~んとね~」

 

ユキノは人差し指を唇に当てながら首を傾げ悩む。

その姿が凄く可愛いかったユキノに見惚れるポケモン達。全員が顔を赤くし、何体かは目をそらした。

 

「思いついた!今日はみんなで、この森を案内して?」

(お安いご用ですぜ)

 

ヤングースはコラッタ達とアゴジムシ達にアイコンタクトするヤングース達が案内するであろう場所に先回りして、ユキノが通りやすいように尖った木の枝や、通るのに邪魔になるツタを自慢のキバで整理していった。

見事な連携プレーだ。

ちなみに、ユキノがここに来るまでの道のりもコラッタ達が事前に整理していたので、凄く通りやすくなっていた。

 

ユキノはヤングース達と喋りながら森を歩いて行き、木の実がなりやすい木を教えて貰ったり、美味しい湧き水が出る場所を教えて貰ったりした。

昼過ぎぐらいまでヤングース達に案内して貰った後、再び切り株の所に戻って来てみんなでユキノお手製のポケモンフーズを食べることにした。

ユキノはおにぎりを持ってきていたので、それを食べながら午後は何をしようかなっと思い空を見上げた時だった…

 

「ねぇイワンコ…あれ、なに?」

『ん?』

 

ユキノが見上げている場所を見ると…

 

クラゲみたいなのが浮いていた。

クラゲはゆっくりと降下してくるとユキノの側に来た。

 

『それ以上近づくな!』

(ユキノ姉さんを守れ!)

 

ポケモン達は私の前に直ぐに移動して臨戦態勢に移った。

 

[ゴ・ハ・ン・ク・レ]

 

直接頭の中に流れてきた声に咄嗟に頭を押さえたユキノを見たポケモン達は、ユキノを攻撃したと勘違いし襲い掛かろうとした!

 

「待って!」

『しかし!』

「少しだけ待って!君の名前、聞いていいかな?」

[ボ・ク・ハ・ウ・ツ・ロ・イ・ド]

「ウツロイドって言うんだね?私はユキノ。お腹が空いていたんだね」

 

ユキノは鞄の中にまだ残っているおにぎりを差し出しウツロイドにあげた。

ウツロイドは無数にある足を器用に使い半透明な頭の中におにぎりを入れた。その後おにぎりが溶けていった。

その間も、ポケモン達は包囲網を崩さずに警戒し続けている。

 

[う・ま・か・っ・た・あ・り・が・と・う]

「うん!どういたしまして。そう言えば、ウツロイドは何でカタコトなの?」

[ふ・つ・う・に・しゃ・べ・る・と・コウナル←(めっちゃ早口)]

「んん!?」

[キキトレナイダロ?]

「んんん!?ご、ごめん!早すぎよ~!」

[ダヨナ]

『遊んでないで、普通に喋ってやれよ…』

[仕方無いな~]

「えええ!?」

『やっぱり喋れた』

[試したのか?]

『めんどくせぇしな。ま、普通に喋れるならその方が楽だし。ユキノに負担をかけなくてすむ』

[そうだな。こんなに美味いご飯を作れる者をほっとけねぇ]

 

え?どういうこと!?

イワンコとウツロイドで話しが進んでいってない!?

 

[とりあえず、お前等。すまねぇな。芝居に付き合わせてよ]

「え?」

『勝手に芝居言うな!ってか、お前がここに居ること自体俺等知らなかったぞ?』

 

なんだ…嘘か~

 

[まぁ、俺はいつでもどこでも出現出来るからな。からかうのが楽しくて遊んでしまったわ]

 

ウツロイドは甲高い笑い声を上げた後浮遊していく。

 

[ま、俺はユキノの敵にはならねぇよ。後、お前等如きで俺に勝てると思うなよ?]

『力の差は歴然だからな…』

[そういう事だ。まぁ今日は楽しめた。また来る]

 

ウツロイドが一気に浮遊した瞬間、突如空間から綺麗なトンネルみたいなのを見た。ウツロイドがそのトンネルに入った瞬間、トンネルは消えた。

 

あれ…?あのトンネル、見たことある気がする…

 

ユキノはそう思いながらも気のせいと思い、ポケモン達と遊ぶことにした。

 



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変態おじさん(ポケモン)

18話

 

ウツロイドが去った後、ポケモン達と森で遊んでいるとデカいポケモンが木の根の所で気持ちよさそうに寝ていた。

 

「凄くデカいね~」

『アレはカビゴンって言うんだ。普通はここまで大きくないからな?』

「そうなの?」

『ああ』

 

ユキノの目の前にいるカビゴンと呼ばれたポケモンの大きさ…

高さが通常2m程なのだが、目の前のカビゴンは4mあるのだ!とてつもなく大きい!!

 

それにしても気持ちよさそうなお腹だなぁ…触ってみたいけど怒るかな?

 

ユキノはそんな事を考えながらカビゴンを見た後、起こさないようにそっとその場を離れる事にした。

 

寝てるときに邪魔されたら私だって怒るし、カビゴンも気持ちよさそうに寝ていたから仕方無いよね…今度起きてたらお腹に乗らせて貰おう。

 

ユキノ達がそのまま森から出ようと歩いていると、道があったハズの場所に木が立っていた…

 

「あれ?こんな所に木なんかあったかな?」

『無かったハズだ』

(たぶんウソッキーおじさんのイタズラですね)

「ウソッキー?」

『なんだ…ウソッキーだったのか』

(ウソッキーは目の前にいる木に化けてるポケモンです)

「ありがと」

 

このポケモンがウソッキー。

みんながおじさんと呼んでるって事はそれなりの歳なのかな?

 

私がウソッキーに近づこうとしたら、ウソッキーの顔が急に私を見て飛びかかって来た!

 

「きゃあ~!」

『たいあたり!』

(((たいあたり!)))

 

イワンコとヤングース達が一斉にたいあたりをウソッキーに当てて地面に倒すとウソッキーが直ぐに起き上がった。

 

(むぅ…可愛いおなごを見付けたから襲おうとしたのにのぉ…)

 

えぇぇ…

このポケモン。ヤバい奴だ…

 

『ウソッキー。あまりユキノを虐めるな』

(そうだぞウソッキーおじさん!)

(むむむ?お主等、そこのおなごの知り合いじゃったのか?)

(おう!)

「ウソッキーさん。私を襲わないでほしいな…」

 

ユキノは困った顔をしながらそう言い、ウソッキーに頼み込むとウソッキーは顔を背けた。

 

その時のユキノの表情が困った顔をしていたのにも関わらず凄く可愛く見えてしまったからだった。

 

「ウソッキー?」

 

ユキノはウソッキーを覗き込むようにして声をかけると、ウソッキーは固まってしまった…

 

わ、わしが!このようなおなごに緊張しておるじゃと!?

あ、ありえんぞ!だ、だが…確かに緊張しておるしのぉ…

 

ウソッキーは心の中で色々考えた後ようやく動いた。

 

(むぅ…先ほどはすまんじゃったのぉ…もうせんから、許してくれんかの?)

「うん!しないなら許すよ!」

『良かったなウソッキー』

(そ、それでじゃな…ユキノと言ったか?)

「ん?」

(わしと…つきあっ(((それは許さん!)))ダメか…)

「ふふw」

 

ユキノはクルッと回った後、近くの木にもたれかかった。

 

「ねぇウソッキーおじさん?私と友達になるのはどう?」

(友達?)

「うん!ウソッキーおじさんがいいなら」

(全然OKじゃ!)

「うん!それじゃ今日からウソッキーおじさんも私の友達ね!」

(うむ!)

 

変態おじさんだけどいいポケモンっぽいし、みんなも仲良しみたいだし良かった。

 

「それじゃ私達は桟橋に行ってみる事にしてるからまたねぇ~」

(うむ。桟橋の奥にある遺跡には気を付けるんじゃぞ?)

「うん!ありがと~」

『またなじいさん』

(うむ!)

 

ウソッキーは森の中に入って行き、ユキノ達は桟橋に向かって行った。

 



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最強助っ人現る

19話

 

ユキノとポケモン達と桟橋に着くと、凄い強風が吹いた!

 

『ユキノ!俺に掴まっていろ!』

「うん!」

 

ユキノはワンピースの裾をしっかりと押さえながらイワンコに掴まった。

ポケモン達もそれぞれ地面に爪を立てて飛ばされないように踏ん張る。

 

「もの凄い風…いつもこんな感じなの!?」

(いつもはもっと気持ちの良い風です!)

(今日は何故か強風で僕達にも原因がわかりません!)

 

風は更に強くなっていく…

ユキノはワンピースの裾を押さえるのを止めてイワンコにしがみついた。そうしないと飛ばされそうだったから…

 

ユキノがイワンコにしがみつくとき、空をサッと見渡すと大きなとりのポケモンが羽を羽ばたかせ風を送っているように見えた。

 

「ねぇ!あそこにいるポケモンが原因じゃないの!?」

『ん!アレはバルジーナか!!』

(あそこか!)

『っち!1体だけじゃねぇから風が強いのか!』

(兄貴!)

『いつから兄貴になったか知んねぇけどなんだ!』

(バルジーナ達が何故僕達の邪魔をしているか知りたいのです!)

『そんなもん俺だって知りてぇよ!』

 

イワンコ達が喧嘩を始めそう…

 

ユキノがもう一度バルジーナの方を見ると、何体かは遺跡の方に顔を向けていた。

 

「もしかして…ねぇ!桟橋の奥にある遺跡ってあのポケモン達の巣になってたりしない!?」

(そんな話し聞いた事がありません!)

 

ユキノ達が必死に地面に踏ん張っているのに嫌気がさしたのか、空にいるバルジーナの内2体が突っ込んできた!

 

「こっちに来た!?」

(任せるのじゃ!!)

 

その声をした方向を見ると先ほど友達になったウソッキーおじさんが出て来て突っ込んでくるバルジーナを睨み付ける!

 

(ただの老いぼれじゃ無いところ見せちゃる!ストーンエッジ!)

 

ウソッキーの周りに無数の尖った岩が出現した事により、突っ込んできていたバルジーナが羽を羽ばたかせそのまま通り過ぎて行ったが、ある程度進むと更に上に飛び先ほどの場所に戻って行った。

そのまま仲間達に何かを伝えた後、更に先ほどよりも強い風を発生させた!その突っ込んできていたバルジーナも強風を巻き起こしたのだ!

ウソッキーはストーンエッジをバルジーナに向けて放つものの、強風が強すぎて技が届かずに谷の底に落ちて行く…

 

更に空にはどこから来たのか、バルジーナが2体ほど増えこちらに再び突っ込んできた!

ウソッキーはまもるを発動し、突っ込んでくる2体を受け止めた直後にストーンエッジを発動し攻撃しようとするものの、バルジーナは風を利用して急上昇して攻撃を難なく回避する!

バルジーナ達の風はもの凄く強くなっていき、ユキノ達が通ってきた森も大分木々が揺れ動き、その何本かは折れてしまっていた。

 

「このままじゃ森が!」

 

その時だった!

森から一際大きい揺れが数回おき、木々が大きく揺れ動いた!

 

(まさか…あの方が動いたのか?)

 

ヤングース達が言うあの方とは…

 

バルジーナ達も森の異変に気付き、先ほどの2体が森に突っ込もうとした時だった!

森からもの凄い光線が放たれ、突っ込もうとしていたバルジーナ2体を光線が貫き2体は谷に落ちて行った。

 

ユキノ達は直ぐの森の方を向くと、あの木の根の所で寝ていたカビゴンがそこに居たのだ!しかも何か変なオーラを纏っている!

 

「カビゴン!!」

(うむ…そこで踏ん張っておれ)

 

カビゴンは直ぐに空を見ると、バルジーナ達が羽を高速で振り払い鋭い風の刃、エアスラッシュを放って来た!

カビゴンは大きく息を吸い込んだ時だった。

 

『ユキノ!直ぐに耳を塞げ!!!』

「え?」

『早く!!!』

 

ユキノはしがみついていた手を話すことに躊躇したが、イワンコの指示通りに耳を押さえた時、地面からアゴジムシが出てきてユキノを支えてくれた。

 

「ありがとアゴジムシ」

 

アゴジムシ達は頷き、カビゴンの方を見た直後だった!

もの凄い大声量の声が轟き、目に見える程の波紋が周囲に巻き起こりエアスラッシュが掻き消された!ハイパーボイスだ!

あまりの声量にユキノは耳を更に強く押さえるが、声を遮断出来る事は出来なかった。

ヤングース達は直ぐにユキノの側に来て、ユキノの耳をその小さな体を当てて少しでも和らぐように協力してくれた。

 

バルジーナ達はその声量を直で聞いてしまったため、気絶し谷に落ちて行った。

 

(ふぅ…大丈夫じゃったか?)

 

カビゴンがこちらを向きながらそう言い先ほどのオーラを消した。

 

「あ、ありがとう」

 

ユキノはお礼を言ったが、あまりの大声量でまだ耳が回復しきっていなかった。

 

(まだ耳が回復しきっていないようじゃな。アブリーや。その子を回復させてやってくれんかのぉ?)

(お任せ下さい)

 

どこから飛んできたのか分からないが、小さな妖精みたいなポケモンが私の近くで緑色のオーラを解き放ってくれた。

そのオーラを受けた私は、耳が治っていく感覚に気付いた。

 

「ありがと。貴女は?」

(私はアブリー)

「私はユキノ。今度、治療してくれたお礼するね♪」

(うん!楽しみに待ってる!)

 

アブリーがそう言った後、カビゴンに一声かけてから飛び去って行った。

 




お気づきの方もいると思いますが、カビゴンは主ポケモンです。


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戦の加護

20話

 

アブリーが飛び去った後、カビゴンはユキノの所にゆっくりと座った。

 

「改めて、助けてくれてありがとうカビゴン」

『助かりました』

((ありがとうございます))

(うむ。守れてよかった)

 

カビゴンはニッコリ微笑むとそのまま横になって眠ってしまった。

 

「寝ちゃった…」

『寝るの早いな…』

「うん…あっそだ!みんなで桟橋の向こうにある遺跡に行かない?」

『行こうか』

「うん!」

(((着いていきます!)))

 

桟橋は思っていたよりも強度があり多少風の影響で揺れるものの、みんな渡りきれた。

 

ん~!もうじき遺跡に着くって思うとドキドキするぅ~!

 

ユキノは遺跡を見た事がないので、すごく気になっていたのだ。

ユキノ達は遺跡に続く坂道を登っていった。

その頃遺跡では、この島の守り神【カプ・コケコ】が遺跡の奥の祭壇で眠っていた。

 

ユキノ達が坂道を登り切るとまず最初に遺跡が目に入った。

遺跡は石で出来ており、所々にツタが絡みついて年期があると感じ取れた。

 

「遂に着いた…遺跡…」

『やっと着いたな』

(ユキノ姉さん。ここは戦の遺跡です)

(この島の守り神である)

(((カプ・コケコ様の遺跡です)))

 

ヤングース達が教えてくれたこの遺跡、戦の遺跡は島の守り神様を祀っていた場所だったんだ…

 

「そんな場所なら入っちゃダメだね。みんな、ここまで来てくれてありがとう。帰ろっか」

『いいのか?』

「うん。私のせいで神様を怒らしちゃうのも嫌だし」

『そうか。なら帰るか』

「うん」

 

ヤングース達もユキノの意見に賛成みたいで直ぐに受け入れてくれた時だった!

 

[もう帰るのか人間]

「え?」

 

その声がした方向を反射的に見ると遺跡の中から黄色いポケモンが出て来た!

 

[我は島の守り神、カプ・コケコ]

「わ、私はユキノです」

 

わぁ…神様だぁ~

私、怒らせちゃったかな…

 

[その後ろの大群…我を捕らえに来たのか?]

「違うよ!私はこの子達に頼んで道案内して貰ったんだ。遺跡って見た事なかったから…」

[そうか。なら中を見るか?我が許可しよう]

「ほんと!?ありがと~!!」

[うむ!]

 

ユキノがカプ・コケコと話している間、イワンコやヤングース達は驚いていた。

伝説ポケモンとも話しが出来ると思っていなかったからだ。

 

『ユキノ?一応聞くけど、カプ・コケコ様と会話しているのか?』

「え?そうだよ?」

『マジか…』

「??イワンコ達は出来ないの?」

[そう言えば気にしていなかったが、お主…いや、ユキノ。何故我と会話出来たんだ?]

「分からないけど、気がついた時からポケモンと会話出来るようになってたんだ」

[そうか。ユキノだけの特別な力じゃな。気に入った!我の加護をユキノに与えよう]

「え?」

『ん?どうかしたのか?』

[我の加護は戦の加護。色々な場面で仕える優れた加護じゃ!戦闘知識が無くても戦いの状況判断、ポケモンの個性を活かした戦いが出来るようになる]

「凄い…本当にいいの?」

[ああ!気に入った者にしか与えんからの]

「ありがとカプ・コケコ様!」

[様は照れくさいからカプ・コケコで良いぞ]

「は~い!」

 

ユキノがカプ・コケコと話している間、会話の内容が全く理解出来ないイワンコ達はずっと頭に???マークが付くのであった。

ちなみに、カプ・コケコとの会話…鳴き声すら発していないので、イントネーションすら無かったのだ。

言うならば、ただユキノを見ていただけ…ユキノは普通に喋っていたけど、イワンコ達からしたら、一方的にカプ・コケコに話しては驚いたり嬉しがったりしていただけなのだ。

 

話が一段落付いた後、ユキノはカプ・コケコと一緒に遺跡の中に入っていった。

イワンコ達も後を追いかけようとしたら特殊な結界が張られているのか中に入れなかった。

 

「あれ?イワンコ達は来ないの?」

[すまんなユキノ。我が認めた者しかこの遺跡の中には通さないのだ。ポケモン達は外で待って貰ってくれ]

「そうだったんだ。ちょっと待っててね」

[うむ]

 

ユキノはカプ・コケコに待ってもらい、外にいるイワンコ達に事情を説明して直ぐに戻って行った。

 

「渋々だったけど、ちゃんと言ったら許してくれたから行こ!」

[うむ!]

 

ユキノはカプ・コケコと遺跡の奥に入っていった。

 

イワンコ達は外でユキノが帰って来るのを待つ事になったが、まず1つ!

 

『伝説ポケモンに反論出来るかぁああ!!』

 

ついイワンコは口に出してしまったが、許してやってくれ…

 

(イワンコの兄貴!?)

『すまんな…だが、島の守り神に反論出来るわけなかろう!』

(そりゃそうですが!口に出してカプ・コケコ様に聞こえてしまったら!)

『その時は俺が責任を取るさ』

(兄貴~!!)

 

 

 



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ユキノvsククイ

21話

 

ユキノが遺跡探検を心ゆくまで堪能した後、カプ・コケコと一緒に外に出た。

そこにはイワンコ達がしっかりと待っていてくれていた。後、何故かバルジーナ達も居た。

 

『おかえりユキノ』

(((お帰りなさいませユキノ姉さん!!)))

「ただいま~」

[お前達ずっとそこで待っていたのか?](テレパシー有り)

『あ、はい!待っていました!』

[そうか。ご苦労だったな](テレパシー有り)

『ありがとうございます!』

((ありがとうございます!))

 

イワンコ達は一斉に頭を下げてお礼を言った。

 

「それじゃカプ・コケコ。また来るね~」

『っ!?ユキノ!カプ・コケコ様になんて事を!』

[我が認めた。お主等は黙っておれ](テレパシー有り(眼力がとてつもない))

『申し訳ございませんでした!!!』

[ユキノ。我も暇な時は会いに行くぞ?]

「いいの!?やったー!!!いつ来る!?明日!?明後日!?」

[それじゃ明日行こうか?]

「本当に!やった~!それじゃ家で待ってる~!!!」

[うむ!]

 

―イワンコ脳内―

ええ!?家に来る!?守り神が!?

おいおいおいおいおいおいおい!ヤバいでしょ!?いや、ヤバくないのか?わからん!

 

ユキノはカプ・コケコに手を振り「バイバイ」と言ってからみんなと帰って行った。

その帰り道バルジーナが何故居たのか聞くと、謝りに来たそうだ。

体力が回復してから直ぐにカビゴンに謝りに行ったその後に遺跡まで来てイワンコ達に謝りに来たと言う事だった。後、私にも謝ってくれた。

桟橋を渡るとそこにはもうカビゴンは居なかった。多分森に帰って行ったのだろう。

 

「ん~!今日も色々あったけど楽しかった~みんなもありがとうね♪」

『おつれさん』

(((お疲れ様です!!)))

 

ヤングース達はユキノが森を出る間で見送り自分達の住処に行った。

 

「ただいま~」

「お?お帰りユキノ、イワンコ」

『ただいま』

「ねぇねぇククイ!私とポケモンバトルして!」

「ん?やる気満々じゃないか。何かあったのか?」

「えへへ~色々あったよ♪」

「そうかそうか。それじゃ表でやるか!」

「やった~!」

『さて、ユキノのために本気で相手するか!』

 

イワンコもやる気MAX。勿論ユキノも。

 

「出てこいウォーグル!」

「行くよイワンコ!」

『おう!』

 

ちなみにイワンコはバルジーナ戦の時に、レベルアップして【いわおとし】を新たに覚えていた。

今覚えている技は、いわおとし、かみつく、すなかけ、にらみつける。

 

バトルが始まる瞬間、ユキノは今日授かった戦の加護が発揮され感覚が研ぎ澄まされた。

その影響はパートナーのイワンコにも発揮され、感覚が研ぎ澄まされる。

その変化をククイは感じ取った。

 

「いつもと違うな。ウォーグル」

 

ウォーグルはククイの方を向き頷いた。ウォーグルもユキノ達の変化に気付いたのだ。

 

「エアスラッシュ!」

 

ウォーグルは羽を高速で羽ばたかせ鋭利な風の刃を発生させイワンコに放つ!

 

風の刃。真っ直ぐにイワンコに来る。反撃?躱す?ここは砂浜。すなかけで錯乱?それとも…

ユキノは超高速で何が出来るかを頭の中で判断しイワンコに指示を出す。それは1秒にも達していなかった。

 

「イワンコ!すなかけで錯乱!」

『うぉらぁああ!』

 

イワンコはすなかけで地面の砂浜の砂ごと巻き起こした直後、前方に走っていく!

風の刃は誰も居ない場所を攻撃し更に砂を巻き起こした直後!

 

「今!いわおとし!」

 

砂煙の中から無数の岩がウォーグルに飛んで行く!

 

「ほう?ウォーグル、はがねのつばさだ!」

 

ウォーグルは翼を鋼鉄化させ飛んできた岩を鋼鉄の翼で防ぐ!

 

「にらみつける!」

 

イワンコは砂煙が僅かに消えている場所からウォーグルをにらみつけ恐怖(防御力を下げる)を与える。その時の目は赤かった。

 

「ウォーグル、おいかぜだ!」

 

ウォーグルはおいかぜを発動させ、イワンコが隠れている砂煙を晴らすがそこにイワンコは居なかった!

ウォーグルが恐怖した僅かな時間で砂煙から移動していたのだ!

 

おいかぜのせいですなかけは意味がな…ある!

 

「イワンコ!ウォーグルの背後に回ってすなかけ!」

「なっ!?」

 

イワンコはウォーグルの背後に回り込むと同時にすなかけで大量に砂を巻き上げた!しかもおいかぜの影響で真後ろからの砂は大量にウォーグルに襲い掛かったのだ!砂はウォーグルの羽に入り込みバランスを崩すと共に目にも入り視界を奪う!

 

「たたみ掛けるよ!いわおとし!」

『うぉぉぉおおお!!』

 

イワンコは限界まで岩を創り出しウォーグルに向けて発射した!

ウォーグルは先ほどの砂のせいで目が見えず、イワンコの攻撃を受け地面に落ちた!

ウォーグルが発動させているおいかぜはまだ効果中で砂に落ちた時にウォーグルは砂埃に襲われる。

 

「ウォーグル!はがねのつばさで守れ!」

 

ウォーグルは直ぐに羽を鋼鉄化させ自分を守るように丸くなった。

 

「いわおとしで追い打ち!」

『うぉぉぉおお!』

 

イワンコはいわおとしを発射しまくりウォーグルに当てていくと同時に砂埃が巻き起こる!

ククイとユキノは砂埃が晴れるのを待つと、そこには戦闘不能になっているウォーグルが横たわっていた。

 

「か、勝った?」

『勝ったぁぁああ!』

「ハハハ…こりゃたまげた。お疲れさんウォーグル」

 

ククイはウォーグルをボールに戻すとユキノの所に行く。

 

「ビックリしたよ。昨日までとは全く違うじゃないか」

「えへへへ~カプ・コケコのおかげだよ」

「え?」

「ん?」

 

その後、ククイはユキノとイワンコを家に入れ、今日の事を詳しく聞いた。



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朝から事件!?

22話

 

翌日の朝、事件は起こった…

 

[ユキノ~!来たぞ!]

 

時刻は朝6時。

ユキノはいつも6時半頃に起床するのだが、それよりも早くにユキノを呼ぶ声がした。

 

[寝ているのか?]

 

その声はそう言うと尖っている手を器用に扱い、家のドアを開けた。

 

[ユキノ~!来たぞ!]

 

その声の主はもう一度そう言い、玄関で大声を出してユキノに来たことを知らせる。

ちなみに、この時間帯に起きているのはこの家の主であるククイだ。

ククイは大慌てで台所からリビングに走って行くと、そこに居たのは…

 

「カプ・コケコ様!?」

[この男はなんだ?そんなことより、ユキノ~!来たぞ!]

 

カプ・コケコは3回目の台詞を言いユキノを探すが、目の前の男が身構えているのを見て少し不快になる。

 

[この男がユキノを隠しているのか?]

 

カプ・コケコは目の前に居るククイを睨み付けそう考え始めた時だった。ロフトの所からユキノが顔を出したのだ。

 

「うるさいよ~カプ・コケコ~」

[む?うるさかったか。すまんの]

「おいユキノ!カプ・コケコ様に向かって様を付けないとはどう言う事だ!」

 

あ~昨日の話でそれ言うの忘れてた…

 

[男。うるさいぞ。黙れ](テレパシー有り(眼力がとてつもない)

 

カプ・コケコがククイの頭に直接語りかけ事により、ククイは反射的に頭を押さえた。

 

「こ、これがテレパシーか」

「カプ・コケコは何をしに来たの?」

[昨日言ったじゃないか。暇な時に来てと]

「あ~それでかぁ。あ、じゃあ一緒に朝ご飯食べない?」

[うむ!頂こうか]

「うん!ククイ~一緒に朝ご飯作ろう~」

「う、うん」

 

ユキノはロフトから直ぐに降りて台所に向かおうとした時だった。カプ・コケコも一緒に行こうとしたので、ユキノがリビングで待つように言ってから台所に行った。

それから数分後、リビングにかみなりタイプが好むポケモンフーズをククイから教わって作った物をカプ・コケコにあげた。イワンコにはいつものあげ、ユキノとククイの分は定食を作りみんなで朝ご飯を頂いた。

 

「今日も美味しい~」

『流石ユキノ!美味いぞ!』

[うむ。これは美味い!]

「よかった~ククイ。カプ・コケコも美味しいって♪」

「おお。それならよかった」

[男。お主が作ったのか?](テレパシー有り)

 

ククイは条件反射でまた頭を押さえたが、直ぐに返答した。

 

「いえ。作り方を教えただけで、実際に作っているのはユキノです」

[そうか。ありがとうな](テレパシー有り)

 

その後、ククイが後片付けをしてくれる事になったのでユキノはイワンコとカプ・コケコを連れて遊びに行った。

 

「はぁ…まさか守り神のカプ・コケコが家に来るとは…」

 

ユキノは伝説ポケモンの恐ろしさがまだ分からないのかも知れないな。

けど…カプ・コケコがユキノを気に入っているみたいだから暫くは安全か?う~む…

 

ククイは大きな問題を抱える事になってしまったことになり、暫く悩むことになった。

ちなみに、伝説ポケモンに選ばれるポケモン達はとてつもない力を秘めている。

故に…伝説ポケモンが本気を出せば天変地異だって起こせるのかも知れない…

 



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テンカラットヒルで・・・

23話

 

朝ご飯を食べ終えたユキノ達はカプ・コケコと一緒に家の近くの洞窟前に来た。

いつからか分からないけど、大岩が洞窟の入口を塞いでしまっていたのだ。

 

「ねぇねぇ。この大きな岩ってカプ・コケコなら壊せる?」

[当たり前だ。少し離れておれ]

「うん!」

[エレキボール]

 

カプ・コケコは雷の球体を創り出し大岩に向け撃ち放ち爆砕した!

 

「すっご~~~い!!流石カプ・コケコ!」

[うむ!]

『もっと修行せねば…』

[めげることはない。日々鍛錬をしていれば力はつくものだ](テレパシー有り)

『はい!』

 

ユキノはカプ・コケコとイワンコを連れて洞窟に入っていった。

その際、大きな爆発音が聞こえたククイは直ぐに家から出て来て、カプ・コケコ達が洞窟に入っていったのを目撃した。

 

あそこは…まだユキノには早すぎる!

 

ククイは直ぐに支度と言っても、いつも上半身裸のククイはその上に白いコートを羽織るだけなので、直ぐに家を出ることが出来た。

ククイはそのまま洞窟に向け走り出した。

 

先に洞窟に入っていたユキノはカプ・コケコが一緒にいるからなのか、全くポケモンが姿を現さなかった。そのまま洞窟を歩いていると小さな穴が空いている空洞見付けたユキノはカプ・コケコを見てから今度でいいやと道なりにそのまま進み開けた草原に出た。

 

ユキノ達が開けた草原の場所に着いた頃、洞窟内ではククイが大量の野生ポケモン達に囲まれていた…

 

いったい何がどうなっているんだ~!!!

 

ククイはウォーグルとマニューラで野生ポケモン達と奮闘する事となった。

 

開けた草原に出たユキノは、草原で遊んでいるイワンコを見付けた。イワンコ以外も見付けていたが、まだユキノには名前が分からないのでイワンコを見ることにしたのだ。

ちなみにそのポケモンは、メレシー、ダンゴロ、ワンリキー、パッチールだ。それと…

 

[む?彼奴は…]

「どうしたの?」

[いや…カミツルギが居たのでな…]

「カミツルギ?」

[ウルトラビーストだ]

「??」

[知らないのか?まぁ無理も無いか…]

 

カプ・コケコはウルトラビーストについて軽く説明しカミツルギの所に向かった。

ちなみにカミツルギは何故か5体いる…なんでそんなに多いんだ!

それと、ワンリキー達は空手の練習をしていて(約10体)パッチールは変な踊りをしていて(フラフラダンスの稽古中約6体)ダンゴロとメレシーはイワンコ達と遊んでいた。(合計数10体)

 

カプ・コケコがカミツルギの所に行ってしまったので、ユキノはイワンコ達の所に向かった。

 

「おはようイワンコ」

(ん?おはよう)

「ねぇねぇ私も一緒に遊んで良い?」

(別に構わないが鬼ごっこだぞ?)

「むしろやりたい!」

(わかった。それじゃ仲間に加えてやるよ。そこのイワンコもやるんだろ?)

『あったりめぇよ。俺に勝てたらいいな』

(ほう?面白い事を言う。この俺に勝てると思っているとはな!)

「と、とりあえずやろ?」

(おう!)

『や~てやるぜ!』

 

その後…鬼ごっこが始まった瞬間、何故か戦の加護が発動し感覚が研ぎ澄まされたユキノとユキノのイワンコが無双する事になり、完全敗北したイワンコ、ダンゴロ、メレシーはユキノの仲間(友達)になった。

それを見ていたワンリキー達がバトルを申し込んできたので、イワンコでバトルしようとした時、カミツルギがユキノの所に来た。

 

[そこのお嬢。我を使ってみてくれ]

「え?一緒にバトルしてくれるの?」

[おう!]

 

カミツルギはユキノの前に行き仕える技を教えた。

 

このカミツルギ。覚えている技に癖があるので、ユキノがどう戦えるのかカプ・コケコが試していた事は秘密。

 

せいなるつるぎ、かげぶんしん、どくどく、てっぺき

 

[ワンリキー共、お前等全員で掛かってこい]

(あぁ?)

[それぐらいしないと相手にならん]

(やってやろうじゃねぇか!行くぞお前等!!!)

(((おぉぉぉおおお!!)))

「ちょっとカミツルギ!」

[お主なら大丈夫じゃ]

「頑張ってみる!」

 

ユキノはカミツルギと共にワンリキー10体とバトルする事になった。

 



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剣技の加護

24話

 

カミツルギと一緒に戦う事になったユキノ。

ワンリキー達の戦闘が始まる瞬間、ユキノとカミツルギの感覚が研ぎ澄まされた。

 

ユキノvsワンリキー(10体)

 

(ビルドアップ!)×10

「かげぶんしん」

 

カミツルギはワンリキー達がビルドアップで筋力諸々を底上げしている間に無数の分身を創り出した。

 

「どくどく!」

 

カミツルギは猛毒の液体を鋭く尖った手に纏わせ一気にワンリキー達に迫る!

 

(からてチョップ!)

(けたぐり!)

(かわらわり!)

 

それぞれの格闘技で迫って来るカミツルギに攻撃しようとしたが…カミツルギはその攻撃全てを紙一重で躱すと同時に猛毒をワンリキーに浴びせ毒状態にした。

猛毒を受けたワンリキー達は一斉に苦しみだした。

 

「直ぐに楽にさせてあげる…せいなるつるぎ!」

[チェックメイトだ]

 

カミツルギの両手から白く輝くオーラが剣状に形成され、ワンリキー達を斬り刻んだ。

この攻撃が決めてでワンリキー達は戦闘不能になりカミツルギの圧勝で終わった。

 

「勝った~!」

[お見事]

[流石はユキノだ]

『ウルトラビーストで戦えるとわ…凄いなユキノは』

「そうなの?わかんないけど良かった~」

 

ユキノはカミツルギにお礼を言い、ポケモンフーズを取り出した。

 

「合うかわからないけど…どうぞ」

[ポケモンフーズか。ありがとうお嬢]

「うん!」

 

カミツルギはユキノお手製ポケモンフーズを食べた瞬間、目が輝いた。

 

[むむ!コレはいいじゃないか!]

「よかった~」

 

カミツルギはポケモンフーズを直ぐに平らげるとユキノの頭に手を乗せた。

 

[お礼に我の加護を与える。存分に使うがいい]

「え?いいの!?」

[もちろんだ]

「ありがと~!」

[良かったなユキノ]

「うん!」

 

ちなみに貰った加護は…剣技の加護。

剣に関する物全ての攻撃が急所に当てる事が出来る。

更に、剣に関する物全ての攻撃で相手の攻撃を斬り裂く事も出来る。

 

戦の加護と剣技の加護。

攻撃技を剣状に出来る攻撃にすればとんでもなく強くなる事間違いない加護だった。

 

その後カミツルギ達はウルトラホールを創り出し自分達の世界に戻っていった後、ククイがやって来た。

 

「ユキノ~!」

「あれ?ククイ!」

 

ユキノは大きく手を振ってククイを呼びながらカプ・コケコ達と一緒に向かった。

 

「大丈夫だったか?」

「ん?何も問題なかったよ?」

「それならいいが…カプ・コケコ様。ユキノをお守り頂ありがとうございました」

[我は何もしておらん](テレパシー有り)

「え?」

[それよりも、ユキノ。次に行きたい所は無いのか?]

「私はこの島の事全然知らないから、カプ・コケコが案内してくれる?」

[よかろう。では行くぞ]

「うん!」

 

ククイは大分疲労してから来たので、ユキノが何を言っているのか頭に入ってこなかった。

そのままユキノはカプ・コケコと一緒に洞窟に入っていった。

 

「…っあ!待ってくれ~!」

 

ククイは急いで洞窟に入っていったが、そこには…

 

ああ…オワッタ。

 

先ほど頑張って倒したポケモン達が復活しておりククイを睨み付けていた。

 

 

 



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最高級の蜂蜜

25話

 

ユキノはカプ・コケコ達と一緒に洞窟を出た後、みんなでお昼ご飯を食べた。

 

「ねぇねぇ。この後お花畑に行ってみたいな」

[花畑か。それならメレメレの花園があるな]

『どこでも着いていくぜ。』

「ありがと。それじゃメレメレの花園にレッツゴー!」

 

ユキノ達はご飯を食べ終えてから花園に向けて出発した数分後、ククイがボロボロの状態で洞窟から出て来た。

 

洞窟のポケモン自体はそこまで強くはないが、数が多すぎる!

なんなんだあの数は!?軍隊レベルで襲ってくるな!

流石に今回はウォーグルからガブリアスに変えて戦ったが…

 

ユキノ達が花畑に到着したのはそれから1時間後だった。

その道中、野生のポケモン達はカプ・コケコを恐れて全く出会うことがなかった。その分ユキノはカプ・コケコとイワンコとずっと喋りながら歩いていた。

 

ユキノ達が無事に花園に着くとそこは綺麗な黄色い花が咲き乱れていた。

 

「綺麗…」

『だな…』

 

ユキノ達が花園に見とれているとアブリーがユキノの方へ飛んできた。

 

(ユキノ~)

「あっ!カビゴンの時のアブリー!?」

(うん!)

「ここに住んでたんだ」

(そうだよ~ねぇねぇ!遊びましょ)

「うん!」

 

ユキノはアブリーと一緒に花園に入って行きアブリー達と遊んだ。

アブリーの他にもフラベベ、オドリドリ、チュリネ、モンメン、バタフリーが居たからみんなで遊んだのだ。

 

1時間程遊んだ後、アブリー達から来てくれたお礼と言う事で蜂蜜を貰いカプ・コケコと一緒に家に帰った。

 

「今日はいっぱい楽しんだなぁ~」

[満足か?]

「うん!ありがとねカプ・コケコ」

[うむ!それではそろそろ帰るとする。またなユキノ]

「うん!今日はありがと~!」

[うむ!]

 

カプ・コケコはそう言うと飛び立って行った。

イワンコは家に着いた後、直ぐに寝てしまった。

 

ユキノはククイと一緒に晩ご飯を食べた後、貰った蜂蜜を鞄から取り出した。

 

「ククイ。今日アブリー達から蜂蜜貰ったの。料理に使って」

「ありがとう!」

 

ククイはユキノから蜂蜜が入った小瓶を受け取ると目を見開いた。

ちなみに、この世界で蜂蜜は高級食材になる物で、そうそう手に入る物ではない。

100g1万で取引されるぐらいなのだから…

しかもアブリーの蜂蜜に限り不純物が全く含まれないこの蜂蜜は軽く1000万を超える!

この蜂蜜は幻の蜂蜜とも呼ばれる物なのだ。

 

その蜂蜜をスッと手渡されたククイは驚き目を見開いたのだ。

 

「どうしたの?」

「こ、この蜂蜜…生で見たの初めてなんだ」

「そうだったんだ。ねぇねぇ!この蜂蜜を使った料理何かしてくれない?」

「勿論だとも!」

 

ククイは早速蜂蜜を台所に持っていき料理をし始めた。

 

数十分後、食卓に出て来た料理はぶりの蜂蜜バター焼き、ミニトマトの蜂蜜レモンマリネを持ってきた。

 

「「いただきま~す!」」

 

ククイとユキノがぶりを食べると満面の笑みになり顔がとろけそうになった。

 

「「うま~いぃぃぃ」」

 

蜂蜜の旨味も合わさったぶりの蜂蜜バター焼きはとっても美味しく2人は直ぐに平らげてしまった。

その次にミニトマトの蜂蜜レモンマリネを食べると、ほどよく聞いたレモンに蜂蜜が合わさりトマトがお菓子みたいな感じで食べられ食が進む進む。あっという間に2品を食べ終えてしまった2人は静かに箸を置き手を合わせた。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

ユキノは目を輝かせククイを見た。

 

「すっごく美味しかった!」

「だな!」

 

2人は笑顔で片付けを始めた。

晩ご飯を2回も食べるとは誰も思わなかったと思う…

だが、蜂蜜パワーがそれを成し遂げてしまった!

 



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来訪者

26話

 

時は遡り、ウルトラホールから女の子がホウエン地方へとやってきた。

彼女はバトルフロンティアのフロンティアプレーン。名前はリラ。

まだ10歳前後の彼女の容姿は男の子とも見れる紫色の短髪の子だ。

 

リラはホウエン地方で活動している国際警察ハンサムに気絶している所を救われ、今は一緒に国際警察の仕事をしている。

それから数年後…リラが18歳になった時…

 

「この地方の事件は小さいながらも逞しい子供達とそれに協力した大人達で解決した。俺達はまた別の地方で起きている事件の解決へと向かう」

「またですね。次はどこですか?」

「ああ。島が4つあるアローラ地方と言う場所だ。既に何名かは派遣されていると言う情報も入っている。その地方は謎のポケモンも時折出現すると報告が入っている」

「その謎のポケモンの調査と言う事ですね?」

「その通りだ」

「わかりました」

 

リラとハンサムは事前に呼んでおいたヘリに乗り込みアローラ地方へと向かった。

リラの容姿も数年経てば変わり、長身で長い紫色の髪をしている。服は支給された服を着ているが、リラにあった物を選んでくれるのでリラ自身も少なからず喜んでいた。

 

 

時は戻り、朝食を食べ終えたユキノ達は今日も元気にポケモンスクールへと向かった。

今日は火曜日!ポケモンバトルの授業がある日なので、カキとバトルしたい!

昨日は登校日と言う事を忘れてカプ・コケコと一緒に島を探検していたからお休み扱いになっていた。ククイは昼から学校に行きオーキド校長に謝りに行っていたみたいだ。

 

「みんなおはよう!」

「「「おはよう!」」」

 

今日はポケモンバトルの授業。

組み合わせはカキvsユキノ。マオvsマーマネ。リーリエvsスイレンとなった。

 

「カキ。今日は私達が勝つよ!」

「言うようになったじゃないか。だが、バトルに勝つのは俺だ!」

 

カキvsユキノ

 

「バクガメス、ひのこ!」

 

やっぱり初手は特殊攻撃!

 

「イワンコ、すなかけ!」

 

イワンコは地面の砂を巻き上げ、砂で火を受け止めた。

 

「やるじゃないか」

「でしょ!イワンコ、いわおとし!」

 

イワンコはバクガメスの横に移動して岩を発射しバクガメスを攻撃した!

 

「っち!ならば!!俺の全身、全霊、全力!全てのZよ!アーカラ島の山の如く、熱き炎となって燃えよ!ダイナミックフルフレイム!」

 

来た!カキ最強技!!

バクガメスが最大級の熱量を一点に集中する今がチャンス!

 

「イワンコ!炎の球体にいわおとし!」

 

イワンコは直ぐに岩を発射し炎の球体に攻撃しようとしたが、炎の球体は岩が当たる直前に発車され爆砕されていき、そのままイワンコを攻撃した!

イワンコは大きく吹き飛ばされユキノの元で倒れ戦闘不能になった。

 

「勝負あり!イワンコ、戦闘不能!勝者、カキ!」

「良くやったなバクガメス」

「ごめんねイワンコ」

『気にするな。俺がもう少し速く技を放てれば勝てた』

「もっともっと強くならなきゃだね」

『おう!』

「一瞬冷やっとしたぞユキノ」

「えへへ~」

 

ユキノはカキと握手をした後、スイレン達の試合を応援した。

マオとマーマネの試合はトゲデマルの電気によりアマカジに勝ち、スイレンとリーリエの試合は、ロコンの氷でアシマリを封じ勝つ事が出来た。

 

リーリエのポケモン恐怖症は既にイッシュ地方から旅行に来たNと言う青年によって治っている。その後、オーキド校長から2種類のポケモンのタマゴの内1つを授業の一環で授かり大切にしていると、タマゴが割れロコン【アローラの姿】が誕生した。

名前はシロン。オーキド校長のタマゴからはロコン【通常の姿】が誕生した。

 

「そのNさんって人と会ってみたいなぁ~」

「また来るって言ってから帰りましたので会えますよ」

「ホント!?やった~!」

 

ユキノはNといつか会えると信じてみんなと授業に戻って行った。

 

 

 

 

 

とある小さな島の一角に突如ウルトラホールが開き小さな紫色のポケモンが出て来たその数秒後、小さな青いポケモンも出て来た。

紫のポケモンは直ぐにどこかへ飛んで行きウルトラホールは閉じてしまった。青いポケモンは周りを見渡した後目を閉じた。

 

『波導の極…全開放!』

 

その瞬間、その小さな島から水色の波導が一気に広がり通常ではあり得ないアローラ全域に気配を察知する波導を放った!

 

『島が5つ…人工島か………見付けた。ご主人様の気配。だけど姿が違う気がする…何故?』

 

リオルは周りに実っている木の実を数個食べ体力を回復した後、足に波導を纏わせてご主人様、リョウタの居るメレメレ島に向けて海の上を走って行った。

もう一度言う!海の上を走って行ったのだ!!!

 

『ここまで来たんだ!必ずご主人様に会いに行ってやる!』

 

その為にわざわざウルトラビーストに頼みに行ったんだから!

ベベノムもここに来たがっていたから丁度良かったし…

 

紫のポケモン、ベベノムもここでやることがあり来たのだ。

青いポケモン、リオルもご主人様であるリョウタに会うためにこの世界に来たのだ。

 

2体のポケモン。1人の人間がこの世界、この地方に何をもたらすのか…

 

今は誰にも分からない…

 



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新しい仲間と謎の人物

27話

 

午後の授業は校外学習と言う事で港町のハウオリシティにやって来た。

今日はみんなで釣り体験だ!

釣り竿は貸し出しようを貰いみんなそれぞれ好きな場所で釣りをする事になる。

スイレンは自分専用の釣り竿があるので、アシマリと一緒に岬に向かい釣りを始めた。

カキ達も負けまいとそれぞれ釣れそうなポイントに移動して釣りを始めた。

 

「イワンコ。どこで釣りしよう?」

『堤防に行くか?』

「うん!」

 

ユキノとイワンコが堤防に行き釣りを始めてから30分程した時…遂に竿がしなった!

 

「きたっ!」

『頑張れユキノ!』

「ん~!重いぃぃ」

 

ユキノの竿がもの凄くしなっているのを確認したククイは急いでユキノを手助けし、カキ達も合流した。

 

「この引き…間違い無く大物」

 

スイレンがボソッと呟き竿を真剣に見つめた時、ククイとユキノが一気に竿を引き上げポケモンを釣り上げた!!釣り上げたポケモンは普通じゃありえないポケモンだった…

 

「え?」

「このポケモンは…リオルじゃないか!しかも大分弱っている!早くポケモンセンターに連れて行くぞ!」

「うん!」

 

ククイはリオルを直ぐに抱きかかえポケモンセンターに走り出した。

ククイは走りながらポケモンセンターに電話して女医さんに対応出来る準備をして貰うように頼んでから数分後、私達はポケモンセンターに着いた。

女医さんとククイの連携により手早く治療を施されたリオルは元気になりククイと一緒にロビーで待っていた私達の所に連れてこられた。

 

『我がある…じ、じゃない』

「ん?」

 

リオルは何かを呟いているが、声が小さくなっていくので聞き取れなくなってきた時…

 

『リオル。ユキノは俺の主だ。お前のじゃ無いぞ』

『気は確かに主の物…イワンコ。私はこの子と一緒に行動する』

『は?』

『これからよろしく頼む』

「うん!よろしくねリオル」

『ちょっ!ユキノ!?』

『なんで私の言葉分かるの?』

「生まれつきみたいなの。イワンコ、もしかしてヤキモチ?」

 

ユキノが微笑みながら言うのでイワンコはドキッとし、そっぽを向きながら否定した。

 

「それじゃリオル。これからよろしくね♪」

『うん!』

『よろしくなリオル』

『こちらこそよろしくねイワンコ』

 

ユキノは新たな仲間、リオルを仲間にしてみんなで学校に帰っていった。

 

その様子を遠くから覗き見ていた人が居た…

 

「あの子、ポケモンと喋れるのかしら?捜査しないとね…」

 

その人は物陰からサッと姿を消しユキノ達を密かに追いかけ始める…

その事を知る者は今はまだ居ない。

 



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初のZ技

28話

 

ユキノ達が学校に戻って来るとスカル団の連中が門の前で待っていた。

 

「なんでスカル団がいるの?」

「アンタ達を待っていたのさ!」

「俺達の邪魔ばかりするからな。ちょっとここら辺で懲らしめてやる!」

 

いつもの3人と違いピンク色の髪をツインテールの纏めた女と、イケメン男の2人だけだった。

 

「いくよ!エンニュート!」

「いくぜ!グラエナ!」

「珍しいポケモンだな」

「そりゃあな!グラエナを捕まえるためにホウエン地方まで行ったんだからな!」

「そりゃご苦労様で…」

「お、おう…あんがとな」

「こら!何敵と話してんだ!」

「あ、すまねぇ!」

 

ククイが会話している内にユキノはリオルと一緒に前に出た。

 

「さてユキノ。新しい相棒と一緒に俺とタッグバトルしようか」

「はい!行くよリオル!」

『うん!』

「出番だウォーグル!」

 

この瞬間、戦の加護・剣技の加護が発動しユキノとリオルの感覚は一気に研ぎ澄まされた。

リオルは研ぎ澄まされる感覚に少しだけ戸惑いながらも主の生まれ変わりはやはり、主なんだなと思い少し笑っていた。

 

「行くよリオル!」

『うん!』

「ウォーグル、エアスラッシュ!」

「リオル、はどうだん!」

 

ウォーグルのエアスラッシュは素早くエンニュートに迫って行くが、エンニュートは背を屈め攻撃を躱した。

リオルのはどうだんはウォーグルの攻撃が始まるよりも早く放たれグラエナを一撃で戦闘不能にさせた。

ユキノとリオルは攻撃を躱すエンニュートを視界に収めており、屈んでいるエンニュートの頭を勢いよく攻撃し戦闘不能にさせた。

 

「そんな…」

「あんな小さなポケモン1体に俺達が負けるだと?」

「あ、あり得ないわ!何かしたのよ!!出て来てアンタ達!!」

「お前等もいけ!」

 

2人は残りの手持ちポケモン全てを出してきたその時、この地の守り神が空から舞い降りてきた…

 

『我親友を痛めつけよとした罪は重いぞ』

 

カプ・コケコが2人を睨み付けながらプレッシャーを放ちユキノ以外が立ちすくむ…

 

「カプ・コケコ。来てくれたんだ!」

『当たり前だ。ユキノ、これを受け取ってくれ。我と共に悪を滅ぼすぞ』

「うん!行くよカプ・コケコ!」

『ああ!』

 

ユキノは受け取った虹色のリングを腕に付け、虹色に輝くクリスタルを填めた瞬間、クリスタルが輝いた。

 

「Z技!ガーディアン・デ・アローラ!!」

 

Z技が発動された瞬間、カプ・コケコから莫大なオーラが発生し巨大な人型が形成された。カプ・コケコはその頭部分の所に居り、スカル団を見下ろした。

 

『覚悟はいいな悪よ。我の渾身の一撃を喰らうが良い!』

 

カプ・コケコの巨大な拳がスカル団とそのポケモン達諸共を天高くに吹き飛ばした後、カプ・コケコは元に戻った。

 

「カプ・コケコすご~い!」

『ユキノのおかげだ。そのリングとクリスタルはユキノに与える』

「ほんと!?」

『ああ。大事に使いなさい』

「ありがと~!」

 

ユキノはカプ・コケコに抱きつき嬉しがったが、カプ・コケコは少し恥ずかしくどうしたらいいか激しく悩んだ…

リオルは…やはり主の生まれ変わりだと信じた。

伝説ポケモンに愛され、全てのポケモンを愛せる。天真爛漫で強気な性格。何より、私の動きに付いて来られるのなんて主だけ。

そこにいる半裸の男は何が起こったか見当も付いていなかったみたいだし…

 

後、凄く気になるのが遠くから私達を監視している者。最初こそ気のせいだと思っていたけど、ずっと着いてくる辺り何かあるにちがいないわね

 

カキ達はカプ・コケコの威圧に負けており既に立てなくなっていた。

遠くにいた者も少なからず恐怖心を覚え気分が悪くなっていた。

ちなみに、なぜユキノだけが平気だったかと言うと、カプ・コケコがユキノ以外にプレッシャーを放っていたからだ。勿論、スクールの子達には弱くはしていたが。

 

カプ・コケコはユキノと拳を当ててから飛び去っていった。

 

 

 

カプ・コケコが与えた虹色リングと虹色クリスタルは全てのポケモンのZ技を出せる。

専用Z技だと効果が更に上がる。

(ユキノはチート級アイテム!いやいや、国宝級アイテムを手に入れた)



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黒いルガルガン

29話

 

スカル団達を撃退し終わったユキノ達は校舎に入って行ったが、カキ達はまだカプ・コケコが放っていたプレッシャーの影響で具合が悪く、医務室で横になっていた。

 

よって、今はユキノとククイだけになってしまったので、先ほどユキノがカプ・コケコから貰った虹のZリングとクリスタルを見ることになった。

 

「全く分からない…こんなクリスタルは初めてみたぞ」

『私も初めて見た』

「リオルは他のも見た事あるの?」

『私は初代アローラチャンピオンの相棒だったポケモンよ。Zクリスタルなんて何度も見たわ』

「リオルって凄いポケモンだったんだね!」

『そ、そう?まぁ当然よ!なんたって天下無敵の主様だったんだから』

 

リオルが胸を張りながら良い、ユキノ達は笑顔になった。

だが、イワンコだけは納得がいかない…

突然やってきた者が自分より何倍も強い事…

あっと言う間にユキノと仲良くなった事…

前の戦いでカプ・コケコのプレッシャーを受けても平然としていた事…

攻撃もステータスも全てにおいて自分は、リオルに負けてしまっている…

 

イワンコはリオルよる更に強くなる事を決めた…

 

「ねえねえイワンコ。今日の晩ご飯何にする?」

『ん?何でもいいぞ?』

「それじゃリオルは?」

『私は肉だな』

「あら?意外とガッツリ系なんだね」

『スタミナ付けないとバトルに勝てないからね』

「そっか~わかった!今日はククイに奮発してもらっちゃう!」

「おいおいユキノ?いったい何の話しだ?」

「今日の晩ご飯の話し!リオルが肉食べたいって言ってるからククイに買って貰うの!」

 

ユキノの輝く笑顔で言われたククイはやれやれと言いながら仕方無く帰りに買って帰ることにしたのだった。

 

晩ご飯を食べ終わってからイワンコはリオルを連れて浜辺に来た。

 

『俺の鍛錬に付き合ってくれ』

『いいよ~いつでもかかってきな』

『ありがとう』

 

イワンコは腰を低く落とし一気に跳躍して【いわおとし】を放ったが、リオルは軽く避けて行きながらイワンコに迫って行く。

 

『もうお終いなの?他にもあるでしょ?』

『っく!オラァ!』

 

イワンコは【すなかけ】を使い大量の砂を巻き上げたがリオルは真空波を放ち、砂を掻き消した。

 

『はぁ…そんな力であの子を守れるの?攻撃はね?』

 

リオルの言葉が終わる前にイワンコは空中に飛ばされていた…

 

『こうするのよ』

 

それと同時にイワンコは自分が攻撃された事を悟りダメージが来た。

 

強すぎる。これが元チャンピオンだったポケモンの力。

いや、戦い方の問題なのか?全てにおいて俺はリオルより弱い。

そこを全て鍛え上げればあるいは…

 

『私はこの力を持っても慢心はしない。今より更に強くなり主を守るために戦う』

『主を守るため…』

 

その瞬間、イワンコの脳内にいくつもユキノとの記憶が巡っていく…

 

『ユキノを守れる強さ…ユキノに害をなす者全てを駆逐する』

 

イワンコが月を見上げ遠吠えをした瞬間、イワンコの体から進化の光が発せられ、イワンコは進化していく。

 

より早く…

より強く…

より強靱な肉体に…

ユキノを守れる強さを!

 

イワンコの遠吠えが終わった時、イワンコは黒いルガルガンに進化した。

 

強靱な2足の足。

屈強な体。

鋭利な爪。

目は赤く鋭い顔つきになった。

 

真夜中の姿のルガルガンに近い姿をしているが、体色等は少し異なる。

 

『さて、仕切り直しといきましょう』

『ああ!』

 

新生ルガルガンはリオルに飛びかかっていった…

 



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リオルによる猛特訓

30話

 

リオルによるルガルガンの特訓は明朝まで続き、凄い成果をあげていた。

 

『いいわ!その調子で飛んできなさい!!』

『うぉぉぉおおおおお!!!ブレイククロー!』

 

リオルとルガルガンは空中でぶつかり合っていたのだ…

 

この2体。もといリオルは何故か空を跳べる術を持っていたのだ。

リオルはこの術を【スカイウォーク】と呼んでいる。

 

空中からの連続攻撃に頭が来て、空気を蹴るイメージをしながら相手に突貫したんだとか…それからはこの力に磨きをかけて今に至る。

この【スカイウォーク】をルガルガンは物にしたのだ。

更に…

 

『物理攻撃より良い攻撃なんてないのよ!放って来なさい!』

『アイアンテール!』

 

ルガルガンは鋼鉄化した尻尾を勢いよく振り、斬撃波を飛ばした!それをリオルは軽く手で弾き水面に落とす。

2体は一度浜辺に着地し構え直す。

 

そう…物理攻撃を放つ事が出来るようになったのだ!

 

『いいよ!その調子よ!!』

『ストーンエッジ!』

 

ルガルガンは地面を踏みしめ【ストーンエッジ】を発動させ鋭い岩が無数に生えリオルに迫って行く!リオルはその尖った岩の上に飛び移っていきルガルガンに迫って行った時だった!

 

『貰ったぁ!!!!』

 

ルガルガンがリオルの背後をとり【ブレイククロー】で斬り裂こうとしたのだ!

 

『惜しかったわね』

 

リオルは体を捻りその勢いでルガルガンの腹を蹴り上げ吹き飛ばした!

 

『まぁ今日はこれぐらいに…しましょうか!』

 

リオルは急加速し蹴り上げたルガルガンの上に移動した後、発勁を腹に当て地面に叩き落とした。ルガルガンは一撃で戦闘不能になってしまった。

 

『まだ耐えきれないか…仕方無いわね』

 

リオルは笑顔でルガルガンに近づきオレンの実を食べさせ体力を少しだけ回復させ、そのまま2人で家に入っていった。

 

『特訓、感謝する』

『主を守れる強さのためなら何だってしてあげるわ』

『ありがとう』

『今日の夜も稽古するでしょ?』

『当たり前だ』

『オッケー』

 

2体は汚れた体をタオルで拭き取り明け方に就寝した…

 

その数時間後にユキノが起きたのだが、黒いルガルガンが居た事に驚いたのは当然の事。ちなみに、ククイはしっかりと2体の特訓中の記録を撮っており、朝ご飯の支度をしながら頭の中では夜の事をひたすら考えていた。

 

その数分後に2体も起きみんなで朝食を食べた後、カプ・コケコがまた遊びに来た…

 

[来たぞユキノ!]

「あ、カプ・コケコいらっしゃい」

[む?そこの黒いポケモン。名は?]

『ルガルガン』

[そうか。その横にいるのはリオルだな?]

『うん』

「どうかしたの?」

[久しぶりに強者と出会えたのでな。手合わせをお願いしようと思ったのだが、いいか?]

「私はいいけど?」

『『やろう!』』

『どっちから?』

[ん?2体同時に決まっておろう?]

 

この瞬間、2体の中で何かが切れる音がした…

 

『あっそ?わかったわ』

『やってやる…』

[いい気迫だ。さぁやろうじゃないか!!]

『このバトル。ユキノは無しで私達だけの力で勝負させて』

『リオルに賛成だ。ユキノに俺達の力を見せたい』

[わかった。ユキノもそれでいいか?]

「うん。みんな頑張ってね!カプ・コケコの分の朝食も作っておくね!」

[うむ!よろしく頼む!]

『それじゃ外に出ましょう』

 

3体は直ぐに外に出て構えた…

 



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波動の極はやっぱり最強

31話

 

ルガルガン&リオルvsカプ・コケコ

 

バトルが始まった瞬間カプ・コケコの特性でエレキフィールドが張られたと同時にリオルは【はっけい】ルガルガンは【ブレイククロー】を左右から同時に攻撃したが、カプ・コケコは拳でそれぞれの攻撃を防ぎ投げ飛ばした!

 

[やるな!]

『私達を舐めない方がいいわよ!』

『その通りだぜ!』

 

カプ・コケコが体に電撃を纏わせると同時にリオルも自身に波導を纏わせ、ルガルガンは【ストーンエッジ】を体に纏わせた。

 

[ほう?面白い事をするじゃないか。では行くぞ!!]

『『こい!』』

 

カプ・コケコの雷撃はエレキフィールドの効果により莫大な威力を発揮する。更に雷の力でリミッターを強制解除したので今まで以上に厄介な状態だ。

 

カプ・コケコが一瞬体を浮かせたと思った瞬間、ルガルガンの腹に拳が当たられており黄色い閃光が見えた瞬間ルガルガンは大きく吹き飛ばされていた。

リオルはカプ・コケコの真下に潜りこみ腹に【はっけい】を放ったはずだったが、そこにはカプ・コケコの拳がリオルの拳を受け止めていた!

 

[良い動きだが、我には届かぬ]

 

リオルはカプ・コケコから逃れようと必死にもがくが全く拳から離れる事が出来ない。ルガルガンは一撃で戦闘不能になっていたので助けはない。

 

ここまでか…

 

リオルが諦めかけた時リョウタとの記憶が駆け巡った。

 

相手に掴まった時自分の中の波導を解放しろ。リオルは波導の力を操り身体能力を底上げ出来る。素早い相手には全てに波導を巡らせ対応しろ。

リオルは既に波導の極を習得しているんだ。出来るだろ?

 

カプ・コケコはトドメをさそうと拳に雷を纏い始めた時、リオルから青白い波導が沸き上がった。

 

『つばめがえし』

 

リオルが技名を呟いた瞬間、カプ・コケコは吹き飛んでいた!

 

[なぬ!?]

『今の私は誰にも負けない』

[生意気な!]

 

カプ・コケコは神速の速さでリオルに迫り殴り掛かったが、小さな拳がカプ・コケコの攻撃を防いだその瞬間、凄まじい突風が巻き起こった。

 

『はっけい』

 

リオルはカプ・コケコを超える速さで頭に手の平を当て【はっけい】を発動した瞬間、カプ・コケコは地面に頭を強く打ち付け戦闘不能になった。

それと同時にエレキフィールドも解除されリオルは波導の極を解除した。

 

「凄いよリオル!なに今の!?」

『波導の極。元の世界の時に習得した奥義だよ』

「凄い!凄いよリオル!」

『けど、全身筋肉痛になるのよ…』

「ええ!早く休んで!」

『うん。ルガルガンとカプ・コケコも治療してあげてね?』

「うん!」

 

家の外で繰り広げられたもの凄い戦闘はククイを興奮させるに時間は掛からなかった。

バトルが始まる前からビデオを構えていたし…けど、超高速戦闘の分はカメラでは映像が追いつけず、目でも追えない速さだったのでどんな戦闘があったか興味津々になりながらも、ちゃんと治療をしてくれるククイはいい博士だ。

 

「さてと…朝からもの凄い物も見られたしそろそろ学校に行かないと行けないぞ」

「あ~!もうこんな時間!ククイ早くいこ!カプ・コケコまたね~!!」

 

ユキノは2体をモンスターボールに入れククイと学校へと向かっていった。

 

カプ・コケコは小さいながらも自身を負かした最強の相手、リオルに勝つため己を磨きに修練をしに行った。

 

他の3つの島ではカプ・コケコが一時的に戦闘不能になった事を知った守り神達がそれぞれ対策をするようになった。

島の守り神の中でも戦に関してはトップだったカプ・コケコが負けた事実は重い。

3体の守り神達はそれぞれのやり方で更に強さに磨きをかける修練を開始した。

 

更に…ウルトラホールの者達。ウルトラビースト達にも凄い速さで知れ渡り、もの凄い強大な力を持つウルトラビースト(略UB)がメレメレ島に向かってきていた。

その配下のUB達も一緒に…

 

 

 

 



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アクジキングvsユキノ

32話

 

ユキノ達が授業を受けている最中に突如、眩しい光が校舎を襲い地響きがなった。

ククイ達が直ぐに校舎の外を見ると、そこには腹が口の様に大きく空いたポケモン。いや、UBが居た。周りにはそのUBを守るかのように他のUB達が居る。

 

「アクジキングだと!?」

『あのポケモンは!』

 

リオルがリョウタを追いかけウルトラホールに入っていった後、一番最後に出会った黒いUBが居た。リオルの記憶はそこで消え今に至るのだ。

アクジキングはリオルを軽く見た後、ユキノを見る。

 

[貴殿がユキノか?]

「え?そうだよ」

[ふむ。やはり我の声も聞けるのだな]

「そうみたい」

 

アクジキングが動こうとした瞬間、リオルは波導の極を発動させ突貫したが…

 

[そう早まるな。貴様一人じゃ我には勝てんぞ]

 

アクジキングはリオルを軽く受け止めて静かに立たせたのだ!

 

「あのリオルがあっさり…」

『さすがに強いな』

[リオル。我に勝ちたいのだろう?]

『当たり前だろ』

[リョウタの生まれ変わりと一緒にバトルすれば少しはマシになるぞ]

 

【リョウタ】と言う言葉を聞いた瞬間、リオルは殺気を全開に放ちアクジキングを睨み付けた。

 

「落ち着いてリオル!アクジキングはどうしてここに来たの?」

[ユキノとそこの2体に会いに来たのだよ]

「ルガルガンとリオルに?」

[そうだ。ユキノが今得ている加護を使い我とバトルをしようぞ]

「わかった」

『望む所だぜ!』

『今度は負けない!』

「大丈夫なのかユキノ?」

「うん!行くよ2人とも」

『おう!』

『うん!』

[さて…やるか]

 

ユキノ達が戦闘モードに入った瞬間、戦の加護と剣技の加護が発動して感覚が研ぎ覚まされた。

 

「リオルは極を発動。ルガルガンは岩を纏って」

[ヘドロウェーブ]

 

リオルとルガルガンはそれぞれの技を纏い迫って来る【ヘドロウェーブ】を研ぎ澄まされた感覚で的確に避けて行きアクジキングに迫って行った。

 

「リオルははっけい!ルガルガンはブレイククロー!」

 

リオルが足に力を込め一気に接近しアクジキングの横っ腹目掛け攻撃しようとした時、龍の形をした舌がリオルを叩き落とした!

ルガルガンは【ブレイククロー】で斬撃波を発生させアクジキングを攻撃するがビクともせず、【ヘビーボンバー】が発動している舌で叩き潰された。

2体ともその舌にがっちり掴まれており、身動きすら取れなくなってしまっていた。

 

[こんなものなのか?]

『我が主はまだ諦めていない!』

『故に我らも諦めない!』

「その通りだよ!」

 

でも…あの龍の形をした舌でがっちり締め付けられてるし…

あの巨体。あのでかい口…口!?

 

「ルガルガン!口の中にストーンエッジ!リオルは手の平にはっけいを纏わせ一気に放出!」

 

ルガルガンは自身の周りに先が尖った複数の岩を出現させ、リオルは波導を手の平に集中させた。

 

[簡単に放てると思うなや!]

 

アクジキングは肩の部分から生えている腕?で【ストーンエッジ】を粉砕し更に【ヘビーボンバー】を発動させルガルガンを殴ろうとした!

 

「ルガルガン!岩の鎧を解除して離脱!リオルも!」

 

2体は身に纏っていた仮鎧を解除して空いた僅かな空間から抜け出しユキノの元に戻って来た。アクジキングは悔しそうに2体を睨み付ける。

 

「Z技行くよ…」

『まさか!?』

『片方だけしかダメだ!』

「あのポケモンに勝つにはそれぐらいしないと!」

『『ユキノ…』』

 

ユキノがZ技のポーズをしようとしたその時、アクジキングの周りにいたデンジュモクが背後からユキノを抑えた。

 

「なにコレ!?」

[我はデンジュモク。このまま君が2体同時にZ技を放てば君は…]

「はなして!そうしないとアクジキングに勝てないでしょ!?」

[それは出来ない。出来たとしても君が壊れる。アクジキング様の方をよく見て見ろ]

「え?」

 

ユキノがアクジキングを見ると笑っているようにも見えた。

 

[まぁそういう事だ。バトルはお終い。そこの2体もそれでいいな?]

『ああ』

『うん』

[デンジュモクの言う通り、もうバトルはお終いだ。俺の拘束から抜け出すとは、いやはや…面白い!]

 

アクジキングが高笑いしだし凄い暴風が巻き起こった!

 

[まぁアレだ。あの巨体が笑えば色々な事が起こるのさ…]

[ユキノ。その仲間達。我は満足した!故に我の城へ招待しよう!]

「え?」

『『え?』』

[さあ!行くぞ!]

「えええ!?」

 

アクジキングがドデカいウルトラホールを開けながらユキノ、ルガルガン、リオル、UB以外を金縛りにして皆で向こうの世界に向かって行った。

それから数秒後、ウルトラホールが閉じたと同時に皆にかかっていた金縛りも解けたが…

 

「ユキノが…」

「ねぇククイ先生!ユキノが!!!」

「島キングに頼むしかないな…」

 

また何も出来なかったククイは歯を噛みしめそう言い皆の方を向いた。

 

「俺は島キングにお願いをしにいく。君達は家に帰ってなさいと言っても聞かないのだろう?」

「当たり前じゃないか」

「友達を見捨てないよ!」

「私の持てる力全て使って見せます!」

「じゃあ行くか」

「「「はい!」」」

 

ククイ達は島キングに会いに向かって行った。

 



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1年間の修行

33話

 

アクジキングによって連れられて来た場所は、デカい城だった。

 

[ユキノよ。君にはまだまだ強くなれる素質が備わっている。ここでの1日は向こうの時間に置き換えれば1分にしかならない]

「それじゃあ…私達はここにいる間、強くなる鍛錬をしていくって事?」

[まぁそういう事だが、勿論楽しい事も色々用意してある。そこの2体も強くなりたいだろ?]

『当たり前だ。ユキノを守れる強さを手に入れる事が出来るなら頑張るぞ』

『私もよ!波導の極に頼りすぎていたし、なにより貴方に勝てないなんて嫌だもの!』

[決まりだな。2体は俺と共に来い。扱いてやるよ。ユキノはカミツルギ達と居ないさい。色々な事を教えてくれるように言ってあるから]

「ありがと!」

 

それからルガルガンとリオルは城の地下へといった。

地下は城の外と違い、更に時間軸が変わっていた。地下での一日はこの世界の1時間にしかならず、アクジキングの特訓はリオルよりも厳しい物になる…

ユキノはカミツルギや他のUB達と一緒に城の中で世界の事を勉強したり、バトルの事について学んでいった。

 

ユキノ達はこの世界で1年も修行し己を磨き経験値を積み、様々な事をウルトラビースト達から学んだ。

更に見た目もこの一年で変わり、白銀の綺麗な髪は更に綺麗に輝いており、成長期も合わさって絶世の美女になった。

ユキノはここでも料理はするし家事全般こなしていたのでウルトラビースト達から凄い慕われて、それぞれのUB達から加護を貰い受けていた。

 

城の地下から出て来たルガルガンとリオルは雰囲気が前とは違っていた。

後、アクジキングは満身創痍に近い状態で出て来たので直ぐに治療室へと運ばれていった。

 

ルガルガンは全身筋肉質になり黒い毛並みに艶もできて綺麗になっていた。

後は…逞しくなった?以前見た時より格段に強くなっていると分かるぐらい全身から溢れ出るエネルギーみたいな物がある。

 

リオルは毛並みが凄く綺麗になっていた。

ルガルガンと違いリオルは逞しくなった感じはなく以前より何故か可愛くすら思える。

 

「ねぇリオル?ルガルガンと感じが全く違うのはなんで?」

『内に秘めている力をコントロール出来たからです』

『自分はまだまだ未熟で力をコントロール仕切れていません』

「リオル。力の一端を見ていい?」

『ええ』

 

リオルが1歩前に出たと思ったら私の前に移動していた。

 

「え?」

『一応これぐらいは出来るようになりました』

『力を込める場所を更に極め、瞬間的に使う修行で得られた物です』

「凄いじゃない!ルガルガンも出来るんでしょ!?」

『ええ』

 

ルガルガンもリオル同様に一瞬で私の元に移動したが、風圧が凄い!

 

『今ので分かったと思うが、リオル様は移動の時でさえ風の抵抗を極限まで減らし風さえあまり発生させない術を得たのです。俺はまだまだ未熟』

『まぁこればかりは練習あるのみです』

「2人とも凄いわ!これならあのアクジキングにも勝てるんじゃない!?」

『いえ』

『私達は王には勝てないです。完全な防御。完全な反撃技。悪食を発動されてしまえば恐怖が襲い動きが鈍くなってしまいます』

「想像以上に強いのね…」

『ええ。流石はUB達の王』

『我らが束になっても勝てない相手なのです』

 

後ろからUB達も来て久しぶりにアクジキング以外が揃った。

 

『もう行くんでしょユキノ?』

「うん。外ではまだ6時間ほどだと思うけど、この1年は本当に充実したわ。それにみんなから授かった加護も大切にするね」

『ええ。また来たくなったらいつでも私達を呼んでね』

「うん!それじゃまたね」

 

ユキノ達は目の前に出現したウルトラホールに入っていき元の世界に戻っていった。

その際、アクジキングがこっそりと加護を授けたのはユキノしか知らない。

 

 

ユキノが有している加護一覧

戦の加護(カプ・コケコ)

剣技の加護(カミツルギ)

寄生の加護(ウツロイド)

吸収の加護(マッシブーン)

魅惑の加護(フェローチェ)

雷撃の加護(デンジュモク)

砲撃の加護(テッカグヤ)

悪食の加護(アクジキング)

破裂の加護(ズガドーン)

擬態の加護(ツンデツンデ)

発射の加護(アーゴヨン)

太陽の加護(ソルガレオ)

月の加護(ルナアーラ)

滅亡の加護(ネクロズマ)

 

UBの特徴が全て加護としてユキノに力を与える形となった。

寄生、悪食、擬態は使いどころが限られるが、魅惑に関しては美女であるユキノの専売特許になるだろう。

雷撃の加護は、雷を受けると全ステータスが大幅に上がるのと、雷を無効化する力がある。

太陽の加護では、日中だけ全ステータスが上がり能力値が減らない。月の加護は夜バージョンだ。

それ以外の加護についてはバトルよりなので、無双間違いなしだ。



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みんなの天使

34話

 

ユキノ達がウルトラホールから出ると外には大勢の人集りと警察、女医さん、学校のみんなが居た。

私はみんなから心配されていた事を感じ謝り、みんなと少し喋った後ククイと一緒に家に帰っていった。

 

「ユキノ。ウルトラホールから出た後と出る前で印象と見た目も変わった気がするのだが」

「え?あ~向こうの世界で1年居たからかな?」

 

そう答えるとククイが固まり私とリオル達を見比べた。

 

「1年…本当、みたいだな」

「うん。私もこの子達も一生懸命修行してきたから。前より強くなったよ」

「そのようだな。どうだ、少し手合わせしてみないか?」

「うん!しよう!ルガルガン、よろしくね」

『おう!』

 

ユキノ達は夕焼けが綺麗に映る浜辺に移動し構えた。

 

「俺のポケモンは、行くぞガブリアス!」

 

ドラゴンとじめんタイプを合わせ持つポケモン。ガブリアスを出してきた!

 

「それじゃルガルガン。よろしくね」

『おう!』

「先手必勝!ガブリアス、だいちのちから!」

「ルガルガン、接近してブレイククロー!」

 

ルガルガンは【だいちのちから】の放流を躱しながらガブリアスに接近し【ブレイククロー】で切り裂きもう片方の爪で切り上げた!

 

「秘技・四肢連弾!」

 

ガブリアスが仰け反った瞬間に顔を勢いよく蹴り上げ空中に吹き飛ばし更に空中で2連続蹴り飛ばした!そして・・・ガブリアスの腹めがけ会心の一撃を叩き込み地面に蹴り落とした!ガブリアスは大きな地面に激突し戦闘不能になった。

 

「素早さもさることながら、技のアレンジまでしてくるとは・・・まだまだ研究のしがいがあるな!戻れガブリアス」

「勝利のV!」

 

ユキノは満面の笑顔でVサインをしてルガルガンと一緒に喜び合った。

その日の夜はリリィタウンで島キング・ハラがユキノの為に祭りを催してくれたので、みんなで祝いながら楽しく過ごした。

島の住人達、野生ポケモン達、島の守り神カプ・コケコも祝ってくれて、更に中盤以降からはウルトラビースト達も乱入してみんなで騒いで楽しんだ。

ユキノのはじける笑顔は見るもの皆をときめかせドキドキさせていたことは本人には内緒の話。

中にはユキノに告白しに行こうとする猛者も現れたが、会場全員の【我らの天使に危害を加える気か!】の鋭い睨みが挑戦者を辞退させていっていた。

もちろんユキノは気付いていなくずっと楽しくみんなと話していたので知ることはない。

 

みんな優しくて嬉しい・・・

私にも何かできる事あるかな・・・

 

「ククイ。私にも何かできる事あるかな・・・」

「ん?ユキノはみんなを元気にさせる力があるじゃないか」

 

ユキノは祭りに参加してくれた者達を見渡し、みんなそれぞれ最高の笑顔でいることを再確認した。ユキノに見られていることを気づいた人は笑顔で答えてくれる。

 

「そうだね。ねえ、私・・・みんなを笑顔にさせる仕事したい!」

「それならアイドルか?」

「うん!アイドルになる!ポケモン達と協力して綺麗な技の演出をしたりして見てくれる人達にも感動してくれる素敵なステージを作るんだ!」

「いいじゃないか。俺も全力で応援するぞ」

「俺たちも応援するからな!」

「私たちもよ!頑張ってユキノ!」

「みんな、ありがと~!それじゃリオル。軽くお披露目しちゃおう!」

『うん!』

「テーマは波動の極。ステージ・オン!」

 

今、リリィタウンで新たなアイドルが誕生した。

 

ポケモンと心を通わせ、煌びやかなステージに舞う美少女。

人々は彼女を天使と呼ぶ

 



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魅せる特訓

35話

 

ユキノが帰ってきてからは、日々綺麗に見せる技の練習と研究をし続けた結果、ククイからこの島でポケモンショーをしようと言うことになった。

各島の代表達には既に通達済みで、それぞれ島では綺麗に見せる技の練習が始まっていた。

開催は一ヶ月後。それまでが練習期間となる。

 

ルールは簡単。

ポケモンバトル形式だが、技の演出や避け方、防ぎ方などがポイントとなる。もちろん相手を戦闘不能にさせても大丈夫だが、そこはポイントにはならない。

 

「う~!楽しみだねリオル!ルガルガン!」

『うん!私たちの技を魅せてあげましょう!』

『そうだな!俺たちの魅せる戦いをしよう!』

「うん!あ、UB達に相手してもらおう!」

『おう!』

 

ユキノは目の前にウルトラホールを開けリオル達と一緒にUBに会いに行った。

その光景を目撃したククイは開いた口が塞がらず更に頭もフリーズしてしまい数分間固まってしまっていた。

 

「ユキノ・・・君はもう本当の天使になってしまったのか」

 

ククイは項垂れながら人間から天使(神)に近づいているユキノを思いながらそのまま座り込んだ。

 

「ユキノ・・・帰ってきたら翼が生えていたなんて事がないようにしてくれよ」

 

ククイ自身自分が何を言っているかわからなくなりつつもそう呟き、ユキノが練習していた綺麗な技の研究を再開した。

 

UB達の世界に着いたユキノ達は直ぐに迎えに来てくれたカミツルギ達と一緒に喋りながらアクジキングに会いに行き挨拶をした。

 

『今日も技の特訓か。あまり根を詰めすぎるなよ』

「うん!ちゃんと休憩もしてるから大丈夫!」

 

アクジキングとの挨拶が終わると直ぐに中庭で動きが素早いフェローチェとバトルを開始した。

 

フェローチェはバトルが始まると同時に瞬足でルガルガンの真横に移動し回し蹴りを当てようとしたが、ルガルガンが紙一重で飛び上がり一撃を回避。直ぐにストーンエッジを発動し自身に纏わせ鎧として着地しようとしたが、フェローチェが飛び膝蹴りでルガルガンを蹴り飛ばした!

 

さすがに容赦ないなぁ~

素早い動きで死角からの攻撃とかホント止めてほしいよ・・・

 

「ルガルガン!鎧をパージ!ブイレククローで反撃!」

 

フェローチェが直ぐに追撃しようと迫ってきていたので鎧を勢いよく弾けさせフェローチェを妨害しようとしたが、その砕けた鎧の間を縫うように躱しそのまま迫ってきた!

ルガルガンは直ぐにブレイククローを発動させ迫り来るフェローチェに飛びかかったが、フェローチェは真横に移動しルガルガンの攻撃を避けた直後、背中に踵落としを食らわせ地面に叩き落とした!

 

[もう少し周りを見なきゃ駄目よ。私は接近特化なんだから]

「わかりました。ルガルガン、ごめんね」

『すまなかった。全く相手にならず・・・』

「もっともっと戦ってフェローチェに勝とうね!」

『ああ!』

「フェローチェはまだ戦える?」

[当たり前でしょ。かかってきなさい]

「ありがとう」

『感謝する』

 

それから数日間、休憩してはフェローチェにバトルを挑み徐々に動きが良くなっていった。

リオルは波導を更に磨き、己の肉体も磨き、カミツルギの大群と多対一で特訓していた。

全ての攻撃を避けフェローチェ同様、死角からの一撃で確実に急所を当てていった。

 

2体の強化は数日間で瞬く間に成長し、更に魅せる攻撃に磨きをかけつつしっかりと攻撃出来るようになっていった。

技の回避も魅せる回避に変わっており、綺麗に避けては反撃する。

 

半月が過ぎた辺りにユキノ達は元の世界に戻りしっかりと毎日の鍛錬を欠かさずポケモンショー優勝を目指し鍛錬し続けた。

天使ユキノの相棒、ルガルガンとリオル。

この二体を倒せる者、ポケモンはUB以外にいるのか?

多分居ないだろう・・・

 

 

ククイはユキノに羽が付いていなかった事に安堵していた。



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ポケモンショー第一試合

36話

 

数日後、遂にポケモンショーがメレメレ島で開催された。

出場者はメレメレ島からユキノ。ククイ。ハラ。ユキノのクラスメイトのカキ。マオ。スイレン。

アーカラ島からはライチ。リョウマ。

ウラウラ島からはクチナシ。アセロラ。

ポニ島からはハプウ。フォウ。

後、イッシュ地方から旅行に来ていたデント、アイリス、アデクが参戦。

更に偶然かシンオウ地方から旅行に来ていたシロナが参戦した。

総勢16名のポケモンショーが遂に始まる!

 

司会はオーキド校長がしてくれて、組み分けが発表された。

 

注目を集める第一試合はユキノvsリョウマ!

ポケモンショーという事でみんなそれぞれ舞台衣装を着ている。ユキノは銀色をメインとしたドレスをリョウマは侍?みたいな格好をしていた。

 

「拙者はリョウマと申す者。よろしく頼む」

「あ、私はユキノ。よろしくね」

 

ポケモンショーのルールは1対1のポケモンバトル!

審査は攻・防・避が綺麗なら得点が加算される。減点は綺麗じゃない時ぐらいだが、それはおこらないだろう。多分・・・

 

「拙者のポケモン。行くぞ、キリキザン!」

「リオル!ステージ・オン!」

『ポケモンショー第一試合はじめ!』

 

「先手必勝!つじぎり!」

「はっけいで受け流し!そのまま反撃よ!」

 

キリキザンの鋭利な爪が青白く輝き一気にリオルに迫る!リオルは水色の波導を手に纏わせキリキザンのつじぎりを下に受け流しつつ手首にしっかりとダメージを与え、更に顎にはっけいを喰らわせ宙に飛ばした!

 

「とどめのはどうだん!」

 

綺麗に魅せるために練習した【はどうだん】

水色に輝く弾を作り出し、更にリオルの二本の髪をなびかせキリキザンに発射した!

 

「ハサミギロチンで反撃だ!」

 

キリキザンは空中で体制を直し大きな半透明なハサミを作り出してはどうだんを切断した!キリキザンはそのまま地上に降り立ち構え直す。

 

「そう来なくっちゃ!行くよリオル!」

「そう簡単にやられはせん!行くぞキリキザン!」

 

2体は同時に動きキリキザンのアイアンヘッドがリオルに迫るが、リオルはキリキザンの真下に潜り込みはっけいで叩き上げた!更に波導を纏わせた回し蹴りでリョウマの方に蹴り飛ばしはどうだんを発射した。

キリキザンは体を捻り紙一重で躱し直ぐにつじぎりでリオルに攻撃したが、はっけいで再び攻撃を受け流し背中に回り込んではっけいを喰らわせ吹き飛ばす。

 

「なんたる強者。キリキザン。かげぶんしんで錯乱!ハサミギロチンでとどめじゃ!」

 

キリキザンは分身を複数体作りだしリオルを取り囲む。

リオルは目を瞑り波導でキリキザンの本体を見つけるとはどうだんで攻撃しキリキザンを戦闘不能にさせた。

 

「な、なんたる強さ・・・拙者の負けでござるな」

「貴方も強いですよ?またバトルしましょうね」

「うむ!よろしく頼む」

 

ユキノはリョウマと握手を交わし2人は会場を出て行った。

ちなみにユキノと握手をした瞬間、この島の者達からすごい殺気を向けられリョウマを冷や汗をかいていた。

 

第一試合の勝者は魅せるバトルをしながら相手のポケモンを圧勝したユキノが勝ち次のバトルが始まった。

 



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懇親会

37話

 

ポケモンショーは順調に進んでいき勝ち上がった者達が発表された。

 

ユキノ/ククイ/ハラ/クチナシ/ハプウ/アイリス/アデク/シロナだ。

 

この日はここで解散となり明日、第二試合目の相手が発表される事になるみたいだ。

 

「私の相手は誰になるかなぁ~」

「僕だったりするかもな」

「いやいやワシが相手じゃろうて!ガッハッハッハ!」

「この俺様が相手をしてやろう!」

「アデク?対戦相手を決めること出来ないからね?」

「ぬぅ・・・じゃあシロナでいいぞ?」

「だから・・・」

 

ポケモンショーに出場した者達が懇親会を兼ねてメレメレ島で宴会をしていたのだ。

この宴会でそれぞれ自己紹介もした時に判明したことが・・・

なんと!シロナはシンオウ地方のチャンピオンだったのだ!更に、アイリスはイッシュ地方のチャンピオンで、アデクは元チャンピオンだったのだ!デントはイッシュ地方でポケモンジムと言う物をしているらしい。

ポケモンジムは、ポケモンリーグに挑戦するための試練みたいな物で、ジムリーダーに勝てばその証、ジムバッチが貰える。そのジムバッチを合計8個集めればポケモンリーグに挑戦出来るのだ。

そのポケモンリーグに優勝すれば、頂点に君臨するいわば、チャンピオンとの試合をする事が出来るようになる。

 

「ポケモンリーグ面白そう!そのジムとリーグは作れないのククイ?」

「直ぐには出来ないが、その仕組みは面白いな。各島の代表達と話し合って決めよう」

「そうじゃな。ワシ自身はリーグに関しては賛成じゃが、ジムに関しては・・・」

「そうだな。11歳からは望む者には島巡りを通じていろいろな事を学んでもらう事もしてある。私もリーグに関しては賛成だが、ジムは別にいらないだろう」

「・・・島巡りを終えた者達がリーグの挑戦権を得ると言うことですか?」

「そういうことだ」

「そうするとリーグに参加する者達が多いと思うけど大丈夫なの?」

「そこは追々協議していくようにするよ」

「え~と?ジムは無いけどリーグはあるって事?」

「そういうこと」

「やった~!それじゃ今までより更に強くならきゃね!頑張ろうねリオル!ルガルガン!」

「今よりもか・・・(ボソ)」

 

ククイは苦笑いしユキノの対戦相手だったリョウマの目は・・・

その後は島の人達が交わり更に賑やかになり深夜遅くまで宴会は続いた。

 

翌朝、みんなで会場に行くと掲示板に対戦者が発表されていた。

第二試合

シロナvsククイ

アデクvsクチナシ

アイリスvsハラ

ハプウvsユキノ

 

試合の順番は上からになり、第二試合目、最初のバトルが遂に始まった!

 



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ポケモンショー第二試合

38話

 

第二試合のユキノまでの勝敗は必然か、シロナ、アイリス、アデクが勝ち上がった。

 

うん!元チャンピオン達が負けるわけないもんね!

 

そして今、ユキノが第二試合目のフィールドに対戦相手のハプウと一緒に居る。

 

「いよいよじゃな」

「はい!必ず勝ちます!」

「ワシも手加減なんぞせん。全力で行くぞ!」

「はい!行くよルガルガン!」

「行ってくるのじゃドサイドン!」

 

ドサイドン・・・頑丈な体に攻撃力も高いポケモン。だけど素早さは低い!

 

「ドサイドン、だいちのちから!」

「避けてアイアンテール!」

 

ルガルガンの真下から次々に襲いかかるだいちのちから。それらをステップを刻みながら避けていき尻尾を輝かせていく。

ルガルガンが技を全て避けきった瞬間、足に力を入れ一気にドサイドンに突貫!アイアンテールでドサイドンの腹を勢いよく叩き付け吹き飛ばしたが、流石に重たいドサイドンは数mぐらいしか吹き飛ばなかった。

 

「綺麗に避けよるわい!今度はそっちから来い」

「ありがと!行くよルガルガン!私たちの全力!ラジアルエッジストリーム!」

「ワシたちもじゃ!Z技・ライジングランドオーバー!」

 

ルガルガンが咆哮をあげた瞬間、周りの岩が浮上していく!ドサイドンは拳を地面に叩き付け地面を割りルガルガンに迫っていくが、ルガルガンは浮いている岩に飛び移っていきドサイドンに急接近し、アイアンテールで顎を打ち上げた!更にルガルガンが咆哮すると周りに浮いていた岩がドサイドンに向き、一気に発射され大爆発を起こした!

 

ドサイドンは地面に落ち戦闘不能になっていた。

審査員からの総合結果で、勝者はルガルガン。よって、ユキノは第三戦目出場が決定した。

 

「やったねルガルガン!」

『おう!』

「戻っておくれドサイドン。見事なバトルじゃった」

「ありがと!」

「第三戦目も頑張るんじゃぞ」

「はい!」

 

その後、会場の掲示板にユキノの名前が入り、第三戦目の対戦相手が発表された。

 

ユキノvsアデク

シロナvsアイリス

 

「アデクさんとバトルか~頑張らなくちゃね!」

『おう!』

「ユキノが相手か。いい勝負になりそうだな!」

『だな!』

「私の相手はアイリスちゃんね」

『そのようね』

「私の相手はシロナさんかぁ~頑張ろうねガブリアス!」

『おう!』

 

みんなそれぞれ楽しそうな笑顔で明日の第三戦目に向けて会場を出て行った。

ユキノも会場を出ようとした時、ククイから声をかけられた。

 

「呼び止めてすまないな。ユキノの対戦相手、アデクさんはかなり強いぞ」

「うん。全力でぶつかりに行くだけだよ。それで負けたらまた特訓だね」

「そうか。応援しているぞユキノ」

「ありがと!今日の晩ご飯楽しみに待ってるね!」

「おう!」

 

ユキノは満面の笑みでそう言いククイと分かれた。

 

「ねねルガルガン。今日の晩ご飯はカツ丼かな?」

『あ~カツ丼、あり得るな』

『絶対カツ丼でしょ~』

「だよね!」

 

そして夜・・・

ククイが用意した晩ご飯はトンカツだった。

 

「あ~惜しい!」

「え!?な、何がかな?」

「今日の晩ご飯、カツ丼だと思ってたの」

『残念だったな』

『カツはあってたけどね』

「野菜もあった方がいいと思ってね」

「そっか!ありがとククイ!」

「うん!それじゃあ「「「いただきます」」」

 

 

 



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ポケモンショー第三試合

39話

 

翌朝、会場には既に第三戦目の出場者達が朝早くから来ていた。

 

「今日はよろしくお願いします!」

「うむ。こちらこそよろしく頼む!」

「アイリスちゃん。いいバトルをしましょう」

「はい!全力で行きます!」

 

皆それぞれ挨拶を済ませた後、それぞれポケモンの手入れを始め係員に呼ばれるまで談笑していた。

そして・・・

 

『遂に始まりました第三戦目!最初の試合を飾るのは我らの天使!ユキノ~!』

「天使は恥ずかしいよぉ~」

 

ユキノが恥ずかしがりながら出場した時、会場の何人かは昇天してしまった。

 

『天使ユキノの相手はイッシュ地方の元チャンピオン!アデク~!』

「今はしがないポケモントレーナーだよ」

 

アデクは笑いながら出場しそれぞれの位置に着いた。

 

「では始めようか」

「はい!」

「出番だウルガモス!」

「ルガルガン、ステージオン!」

『それでは、第三戦目はじめ~!』

「ちょうのまい」

「ストーンエッジ!」

 

ルガルガンが無数の岩を打ち放つが、ウルガモスはそれらを舞うように躱した時、赤く爪を輝かせたルガルガンがウルガモスを切り裂いた!

 

「ルガルガン、ストーンソード装備!」

「ストーンソード?」

 

アデクはウルガモスをいったん後退させ聞き覚えの無い技を見ることにした。

ルガルガンはストーンエッジを手に纏わせていき、剣状に形成した。

 

「ほう!?これは面白いな!なら、ウルガモス、バーニングモード!」

「バーニングモード?」

 

ウルガモスは空中にだいもんじを発射し自身がその炎に飛び込んで炎を纏わせた。

 

「これがバーニングモードだ」

「接近戦をすると炎のダメージを与えるって事かな?」

「まぁそんな所だ。では、行くぞ!」

「ルガルガン、切り裂け~!」

「えんぷう!」

 

ウルガモスが熱風を起こし、更に自身に纏わせている炎と合わせ炎風を起こした!とてつもない暑さだが、風の軌道の一部には必ず空白がある!

ルガルガンは背を低くし炎風の赤く煌めく鱗粉を剣に纏わせて行きながら一気にウルガモスに接近しストーンソードでウルガモスを一閃。ルガルガンが地面に着地したと同時にウルガモスが爆発し地上に落ちた。

 

「ウルガモス!?」

「残念だけど決着です」

 

ルガルガンが手に装着していたストーンソードを掲げると色鮮やかな岩(ストーンエッジ)が出現した。

 

「発射!」

 

ルガルガンがストーンソードの矛先をウルガモスに向けた瞬間、無数の岩が発射されウルガモスを襲っていき七色の色の大爆発が起こった!

会場もアデクもウルガモスも見たことのない技と綺麗な色の技に見とれ、爆炎が消え去った時にはウルガモスは戦闘不能になっていた。

 

「見事!!」

「さすがユキノ~!」

「よっ!我らが誇る最強の天使!」

「綺麗だったわ!」

「素敵~!」

「うまく決まったねルガルガン!」

『おう!』

 

会場、審査員、アデクも全員が一致でユキノの完全勝利を祝った。

煌めく岩(ストーンエッジ)は炎風の鱗粉と光の反射で七色に見えるようになっていたのだ。ストーンエッジ自体は発生させた時に青く輝くのでそれも応用していた。

 

シロナもアイリスも七色のストーンエッジは見た事も無かったので即座に強敵判定したと同時に技に見とれてしまっていた。

 



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ポケモンショー決勝戦

40話

 

シロナとアイリスの試合はシロナが勝ちユキノとの決勝戦が始まった。

 

「いよいよね」

「はい!シロナさんに勝って優勝してみせます!」

「私も本気で行くわ。出てきて私の相棒、ガブリアス!」

「リオル、ステージオン!」

『それでは決勝戦・・・はじめ!』

 

「ガブリアス、ドラゴンダイブ!」

「つばめがえし!」

 

ガブリアスが竜のオーラを纏いながら急上昇した後、一気に急降下してきた!リオルは足に青白く輝く【つばめがえし】を発動しており間合いに入るまで構える。

 

「やっちゃえ!」

 

リオルの間合いに入った瞬間、更に加速したガブリアスはリオルに攻撃しようとしたが、リオルは横に移動した瞬間ガブリアスの横腹に回し蹴りを喰らわせ吹き飛ばした!

ガブリアスは直ぐに体制を整え構えた時、リオルはガブリアスの腹に手を当てていた。

 

「はっけい!」

 

リオルの拳から水色の波導が放たれガブリアスの腹から背中に向け放出された!

 

『いい攻撃だ』

『効いてないの!?』

『どうかな?』

 

リオルは直ぐに距離を取り構え直した。

 

「いい攻撃ね」

「ありがとうございます」

「ガブリアス。私達の絆見せてあげましょう!メガ進化!」

 

シロナが虹色の首飾りに触れた瞬間、ガブリアスと虹色の首飾りが光り出し二人が結ばれガブリアスの姿が変わっていき、メガガブリアスへと変わった。

 

「これがメガ進化・・・」

「いくわよ。ストーンエッジ!」

「躱してはっけい!」

 

メガガブリアスが青く輝くストーンエッジを発生させながらリオルを攻撃するが、それらの攻撃を舞うように避けていきメガガブリアスに接近していく。

 

「かわらわり」

 

メガガブリアスの両手の鎌が赤く輝きリオルに接近し鎌を振り下ろした!リオルはメガガブリアスの手首にはっけいを当て攻撃の軌道をずらしもう片方の鎌が来る前に移動して距離を取った。

 

「素早い動きね」

「特訓しましたから。シロナさん。まだ成功するか分からないんですが、試したい事があります」

「いいわ。待ってあげます」

「ありがとうございます。リオル。私達の特訓で起こったあの現象。もう一度起こしましょう!」

『うん!』

 

アクジキングの元で修行していた時、ユキノとリオルの心が完全に一つになったとき、視界や痛みなどが共有され、更に感覚が深くなった時、リオルの見た目が変わったのだ。

その現象を今、起こす!

 

「『私達の絆を!』」

 

ユキノとリオルの声がシンクロした瞬間、ユキノとリオルの目が黄色く変わりリオルから波導のオーラが放出された!

リオルの黒い髪は銀色に変わり、背中には水色の波導の翼が生えた。

 

観客もシロナも驚き、数秒後には観客から大歓声が巻き起こった!シロナは微笑みリオルとユキノを見つめる。

 

「貴女たちの絆、見せてもらったわ」

「お待たせしました!行きます!リオル、つばめがえし!」

「ガブリアス、かわらわり」

 

リオルとユキノは一緒の動作で腰に手を当て青く煌めく波導の剣を抜き、リオルはガブリアスに突貫した!ガブリアスは赤く輝くかわらわりでリオルを攻撃するが、剣で弾かれそのまま回転切りでガブリアスを切り裂き爆発した!

 

『ぐぅ・・・今のは効いたぞ』

『まだまだいくわよ!』

『こい!』

 

リオルは後ろに回り込み斬りかかろうとしたが、ガブリアスの鎌が周りをなぎ払った!リオルは翼を羽ばたかせ一気に急上昇し両手を上に合わせた。

 

「『はどうだん!』」

「ストーンエッジ!」

 

ガブリアスは無数の岩をリオルに発射し、リオルは頭上で作り出した特大級のはどうだんを発射しストーンエッジを粉砕していきガブリアスに迫っていく!

 

「あの大きさ・・・ガブリアス!避けてギガインパクト!」

「そう来ると思っていました」

『はっけい』

『見事だ』

 

ガブリアスが移動するより先にリオルは高速移動でガブリアスの前に移動していた!

そして・・・ガブリアスの腹に手を当て一気に波導を解き放ち頭上にある特大級のはどうだんまで吹き飛ばし大爆発した!

ガブリアスが地面に落ちてきた時、戦闘不能になった。

会場からは大歓声&拍手が鳴り響きユキノコールが始まった。

 

「見事だわ」

「ふぅ~」

 

緊張の糸が途切れた瞬間、リオルの姿が元に戻りユキノとリオルはその場で座り込んでしまい立てなくなってしまった。

 

「すごいわユキノちゃん」

「えへへ~ありがと」

「今日はゆっくり休みましょう」

「は~い」

 

ユキノはシロナにおんぶされ、リオルはガブリアスに抱っこされながら会場を出た。

その後、満場一致で栄光ある第一回ポケモンショー優勝はユキノに決まった。

 

その日の夜、リリィタウンで島中の人達が集まり、更にポケモンショーに出ていたみんなと一緒に今年一番の大宴会が始まった。

ユキノもリオルもその時には回復しており宴会に出て一緒に楽しんでいた。

 

「リーグ建設までに島巡りしなきゃダメだねリオル」

『そうですね』

「今のユキノなら島巡りの試練は簡単過ぎるだろう」

「私達、島キング・島クイーンあわせて4人倒せればリーグ挑戦権を与えるよ。みんなもそれでいいんだろ?」

「もちろんだ」

「簡単にはやられないぞ」

「ガッハッハッハ!思う存分暴れましょうぞ!」

「わかった!それじゃあ、皆さんの都合が合い次第試合しましょう!」

「勿論だとも!」

「私はいつでもいいぞ」

「いつでもこい」

「ワシもじゃ」

[貴様達ばかり楽しむとは!]

[私達も混ぜてもらうね]

 

いつの間にか島の守り神達もメレメレ島に来ていたみたいで一緒に楽しみだした。

まあ楽しむ事に関しては多い方がいいし楽しい!みんなカプ達も巻き込んで楽しくはしゃいで、楽しい夜は続いていった。

 

 

 



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ユキノvsハラ

41話

 

大宴会から数週間後、ククイから各島の代表達との試合日を教えられた。

 

一ヶ月後、メレメレ島の島キング・ハラ

二ヶ月後、アーカラ島の島クイーン・ライチ

三ヶ月後、ウラウラ島の島キング・クチナシ

四ヶ月後、ポニ島の島クイーン・ハプウ

 

四ヶ月という長い期間にしたのは、ポケモンリーグ設立がそれぐらいだからだ。

リーグ建設はメレメレ島に建てる計画をしていて、大きなドームを建築する予定だ。

それぞれの島の代表達は挑戦してくるユキノに負けないため、今まで異常に自己鍛錬をするようになった。

 

そして一ヶ月後・・・ユキノはハラに勝負をお願いした。

 

「この一ヶ月、ワシも以前よりは強くなっとるぞ。ガッハッハッハ!」

「私も色々特訓しましたので以前よりは強いはずです!」

 

まだ強くなるのか・・・(ハラ)

 

「ルールは先に相手のポケモンを三体倒すんじゃったかな?」

「はい!ククイからそう聞いています」

「ありがとう。それじゃあ始めるか!出でよ、キテルグマ!」

「いくよ、サーナイト!」

「むっ!?サーナイトじゃと?」

「はい!可愛いだけじゃないですよ♪」

「うむ!それじゃ行くぞ!キテルグマ、ばくれつパンチ!」

「サーナイト、躱してサイコキネシス!」

 

キテルグマがサーナイトを攻撃しようとした直後、サーナイトの姿が一瞬で消えキテルグマの動きが止まった!

 

「テレポートか!?」

「違いますよ。サーナイト、そのまま倒しちゃって!」

「振り切るんじゃ!」

 

サーナイトはサイコパワーを更に上げ逃れようとするキテルグマを宙に浮かし一気に叩き落とした!

この攻撃が決めてでキテルグマは戦闘不能になった。

 

「見た目以上の威力があるようじゃの・・・戻れキテルグマ」

 

サーナイトはキテルグマが居なくなってからユキノのそばに現れた。

 

「仕方ないか・・・いけ!ハリテヤマ!」

「相棒が早くも登場ですね」

「うむ!ハリテヤマ、はらだいこじゃ」

「動きを止めるよ!サイコキネシス!」

 

ハリテヤマが技を発動するより先にサイコキネシスでハリテヤマの動きを封じダメージを与える!

 

「ムーンフォース!」

「きあいだま!」

 

サーナイトが月の光を球体にする間に、ハリテヤマもきあいだまを作りだし同時に発射され二体の技がぶつかり合い相殺されるかと思ったが・・・

 

「なんじゃと!?」

「威力は私達の方が上みたいですね」

 

サーナイトのムーンフォースがきあいだまを押し返しそのままハリテヤマを攻撃して戦闘不能にさせた!

 

「戻れハリテヤマ・・・もうお前しかいない。頼むぞルカリオ!」

 

ハラの最後のポケモンはルカリオ!ユキノの相棒でもあるリオルの進化形だ。

勿論ユキノもかくとうタイプ使いのハラが使ってくると思っていたので対策はしてある。

 

「あまり驚かないと言うことは予想していたようじゃな」

「はい。ルカリオ、貴方を倒します」

『望むところだ』

「いくぞルカリオ!はどうだん!」

「かげうち」

 

サーナイトはルカリオが攻撃する直前に影から攻撃し吹き飛ばした!ルカリオは直ぐに右手で体制を整えた直後、真下の影からの攻撃でまた吹き飛ばされた!

 

『くそっ!』

『まだまだいくわよ』

 

ルカリオが再び体制を整えた時、背後の影がルカリオを襲おうとしたが、ルカリオは横に転がり紙一重で躱したが、更に背後から影がルカリオを攻撃した!

 

『師匠直伝・悪夢のかげうちよ』

 

相手が体制を整えても奇襲攻撃。何もしなくても攻撃。それを相手が倒れるまで永遠と繰り返す。サーナイトの師匠、ヌケニンが直々に教えたのだ!

更に一番嫌なのは、同時にかげうちを発動できる事・・・

 

『な・・・』

『チェックメイト』

 

ルカリオが疲労で片膝を着いたとき周りの影が無数に伸びルカリオを取り囲んだのだ!そして・・・無数の影がルカリオを襲い戦闘不能にさせた。

まさに悪夢の影打ち・・・

 

「参った・・・」

「さすがサーナイト♪手加減無しの無慈悲な終わらし方ね」

『それ、褒めてるの?』

「うん!褒めてる!」

『ならいいけど・・・』

 

ハラは手で顔を押さえながら「勝てん・・・」と呟いていた。

その後はハラから勝利した証を貰い一緒にポケモンセンターに行った。

 

「ユキノはどこで修行しておるのじゃ?」

「ん?ウルトラホールの中だよ?」

「うん?」

「快適なんだ♪」

 

満面の笑顔で言うユキノの顔を見た後では何も言えなくただ笑ってしまっていた。

 

 



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ユキノvsライチ

42話

 

島キング・ハラに勝利してから一ヶ月後、ユキノはアーカラ島の島クイーン・ライチに会いに行った。

 

「来た理由なんて聞かないさ。さぁ私を倒してみな!」

「はい!」

 

ライチは大雑把な性格なので早速試合をすることになり、ルールだけ再確認した。

 

「オーケー!それじゃ行くよ、プテラ!」

「行ってみよっか、ガブリアス!」

 

ガブリアスはフカマルが私に懐いていたのでそのまま育て進化したのだ。

 

「プテラ、ストーンエッジ!」

「はがねのつばさ!」

 

ガブリアスの両翼を鋼鉄化させ迫ってくる岩を全て切断しプテラに迫る!

 

「それなら!プテラ、私達もはがねのつばさ!」

 

プテラも両翼を鋼鉄化させガブリアスを攻撃しようとした時、ガブリアスは真下からアッパーでプテラの腹を殴り更に顔面にはがねのつばさで切り裂いた!

プテラは激痛で悲鳴をあげ地面でじたばたしている。

 

『楽にしてやるよ』

 

ガブリアスははがねのつばさでトドメをしてユキノの元に戻ってきた。

 

「ユキノのガブリアス、すごい動きするわね」

「そうですか?」

 

そんな事ないと思うんだけど・・・

 

ライチはプテラを手持ちに戻しボスゴドラを出してきた。

 

「行くよボスゴドラ!アイアンヘッド!」

「だいちのちから!」

 

ボスゴドラの頭が鋼鉄化しガブリアスに襲いかかろうとした!ガブリアスは目を閉じ、地面に手を着いてだいちのちからを地面全体に浸透させて行き、目の前まで迫ってきていたボスゴドラの真下からだいちのちからを放出させ吹き飛ばした!

 

「奇想天外な攻撃ばっか!」

「効率的な使い方してるだけです!ガブリアス、そのままトドメよ!」

「ボスゴドラ、ラスターカノン!」

 

ボスゴドラは地面に着地した瞬間ラスターカノンを放ったが、目の前にだいちのちからが放出されラスターカノンを相殺したと同時にボスゴドラの真下から再びだいちのちからが放出されボスゴドラは戦闘不能になった。

 

「かぁ!誰もそんな使い方した事ないぞ!」

「この方法が一番効率的だと思ったのですが・・・」

「そうかもな」

 

ライチはボスゴドラを手持ちに戻しルガルガン(真昼の姿)を出した。

 

「最後はやっぱ相棒だよな!」

「ですよね!ガブリアス、いったん戻って。私もルガルガンで行きます!」

『やっと俺の出番か!』

 

ルガルガン(漆黒の姿)は遠吠えをした瞬間、一気に真昼の姿に突貫した!

 

「早すぎでしょ!ルガルガン、アクセルロック!」

「ブレイククロー!」

 

真昼の姿と漆黒の姿がぶつかり合う直前、漆黒が真昼の真上に移動しており背中を切り裂いた!更に回し蹴りで吹き飛ばし地面に手をつけた!

 

「ストーンエッジ!」

「ルガルガン!避けて!」

 

真昼が体制を整える前にストーンエッジの攻撃が当たり爆発した。爆煙が晴れた時には真昼の姿は戦闘不能になっていた。

 

「恐ろしく強いわね」

「ありがと!」

「はいこれ。勝利の証よ」

「やった~!」

 

ユキノの笑顔を見たライチはかなわないなぁと思い微笑んだ。

 



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ユキノvsクチナシ

43話

 

ライチを倒してから一ヶ月後、ウラウラ島の島キング・クチナシに勝負を申し込んだ。

 

「やるか・・・」

「はい!」

 

クチナシはサザンドラを出し、ユキノはサーナイトを出した。

 

嫌がらせか?相性不利悪すぎる…

 

クチナシは頭を掻きながらそう考えた。

 

「行くぞ。あくのはどう」

「ムーンフォース!」

 

サザンドラの三つ首からあくのはどうが放たれたが、サーナイトが放ったムーンフォースにより押し返えされサザンドラは攻撃を受けて戦闘不能になった。

 

威力強すぎだろ…

 

クチナシはサザンドラをボールに戻しキリキザンを出した。

ユキノはサーナイトを戻しリオルを出す。

 

絶対無理だ…あのリオルは強すぎる

 

「やるしかないか…アイアンヘッド」

「はっけい!」

 

キリキザンが頭を鋼鉄化させたとき、リオルはキリキザンの背後に回っておりはっけいで吹き飛ばした!更に先回りしたリオルは追撃を与え地面に叩き落として戦闘不能にさせた。

 

速すぎるわ!あの速さに追いつけるポケモンなんぞ手持ちにおらん!

 

クチナシはキリキザンを手持ちに戻して笑みを見せた。

 

「なぁユキノ」

「ん?」

「俺の負けでいい」

「え?」

「今の俺じゃ勝てないと判断した」

「あ、わかりました」

 

クチナシは勝利を証をユキノに手渡すと「またな」と言い立ち去って行った。

 

「なんか終わっちゃった…」

『やり過ぎたかしら?』

「たぶん?」

 

その後、ユキノはラティアスとラティオスを呼んでメレメレ島に戻り特訓を始めた。

一ヶ月後はいよいよハプウとバトル!絶対に勝ってやる!

 

特訓メニュー

リオル達はフェローチェに素早さによる鬼の特訓をしてもらい、カミツルギから剣による鬼の稽古をしてもらい、マッシブーンとテッカグヤによる鬼の超攻撃を防ぐか躱すかの特訓をしてもらい、ツンデツンデの超防御力を突破しろと命じられたり、アクジキング直々に相手してもらい惨敗したり、アーゴヨンによる猛毒を克服しろと言われ猛毒を浴びさせれ苦しんだり大変だった・・・

ちなみに、猛毒は全員克服出来てしまった。

ツンデツンデの超防御力も隙を見つけるのが大変だったが、見事全員見つけ突破した。

マッシブーンとテッカグヤの超攻撃も無事全員回避したり防御ができた。

カミツルギの剣の修行は全員、それぞれの形で剣を形成し修行に取り組み成果を上げた。

フェローチェによる素早さの特訓はひたすら下半身を鍛えぬき、足を超高速で動けるようにした結果、空気を蹴り空を飛べるようになった。命名【スカイウォーク】

アクジキングには全員勝てなかったが、最後に総力戦で挑み一撃だけ入れることが出来たが、結果は惨敗してしまった。さすが王!

ユキノ自身も更に知識を増やし様々な事が出来るようになりつつあった。

 

 

 



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ユキノvsハプウ

44話

 

一ヶ月間によるウルトラビースト達の特訓のおかげでユキノのポケモン達は劇的なパワーアップを果たした。

 

「みんな!ハプウさんを倒してリーグ参加資格取りに行くよ!」

『『『おう!』』』

 

ユキノはラティアスを呼んでポニ島に飛び立ち、ハプウに会いに行った。

 

「ハプウさん!遂に来ましたよ!」

「待っておったぞ。早速始めるとするか」

「はい!」

 

ハプウも島クイーンとして3ヶ月間猛特訓し力を付けていた。

ユキノにどこまで通じかはポケモン勝負で決まる。

 

「ワシの初手は、行ってこいゴルーグ!」

「私の一番手は、出てきてギャラドス!」

 

ギャラドスだと!?こりゃやっかいだな・・・

 

「ゴルーグ、10万ボルトじゃ!」

「ハイドロポンプ!」

 

ゴルーグの体がわずかに光った瞬間、手を前に出し10万ボルトが発射されたが・・・ギャラドスのハイドロポンプはそこに電気があろうと全てを押し返していきゴルーグを攻撃して戦闘不能にさせた。

 

たった一撃で・・・

 

「戻ってくれゴルーグ。お前に任せてみるぞトリトドン!」

「ギャラドス。このまま行く?それとも交代する?」

『無論。どちらの水が強いかバトルするぞ!』

「了解。それじゃこのまま行くよ!

『おう!』

『あのギャラドス・・・怖いなぁ』

 

トリトドンは戦闘前からギャラドスの強さを肌身に感じており恐怖を襲っていた。

 

「行くぞトリトドン!ハイドロポンプ!」

「こっちもハイドロポンプ!」

 

トリトドンは力の限り水をため込み一気に発射した!そのハイドロポンプさえギャラドスのハイドロポンプのかなわず押し返されトリトドンを吹き飛ばした!

 

「たたみかけるよ!ドラゴンテール!」

 

ギャラドスの尻尾が青く輝き瞬く間に距離を縮めたギャラドスは尻尾を勢いよく振り下ろしトリトドンを地面に叩き落とし戦闘不能にした。

 

並大抵の素早さじゃないな・・・

ワシの相棒とは相性悪すぎるし・・・かと言ってそれ以外に対抗できるポケモンが居るわけでもない・・・

 

「仕方ないか・・・トリトドン戻っておくれ」

「次のポケモンは?」

「ユキノよ。お主の力はまだまだこれからなのじゃろ?」

「うん!もっと凄いことも出来るんだよ!」

 

ユキノは指に填めている虹色に輝く指輪を見せてあげた。

 

「この指輪ね。たまたま特訓中に見つけたんだけど凄いんだよ!見ててね♪」

『俺達の絆見せつけてやろうぜ!』

 

ユキノは指輪に触れながら言った。

 

「うん!私達の絆の元に!さらなる進化を!メガ進化!」

『メガ進化!』

 

ユキノの指輪から虹色の光が輝きだしギャラドスを結ぶ!すると、ギャラドスの体から進化を光が発生し姿を変えた!

メガギャラドス。これがメガ進化したポケモンだ。

姿も少し変わり元々厳つい顔は更に厳つくなり、図体も少しばかり大きくなっている。

勿論、ステータスも変わっておりこの状態のギャラドスは強い!

 

「ほう!これは凄い!」

「えへへ~メガ進化って言うんだ」

「メガ進化・・・ワシにも出来るかのぉ」

「石さえ見つけちゃえば出来ると思うよ」

「石?指輪じゃないのか?」

「うん!この指輪に填めている石が重要でね。色々調べて分かったんだ」

「ふむ・・・ゆっくり話を聞きたいな」

「いいよ!」

「うむ!それじゃワシの家で話を聞くぞ」

 

その後ハプウの家でメガ進化の事を聞いたハプウは様々な事をメモし石を探しに行った。

 



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ユキノの手持ちポケモン

45話

 

4ヶ月で各島の代表を倒し証を手に入れたユキノのポケモンをここで紹介しよう。

 

ルガルガン(漆黒の姿)♂

一番最初に懐いたポケモンでもある。

ユキノを守るために進化した姿。

通常のルガルガンより攻撃力、防御力、素早さが高い反面、防御関連が極端に弱い。

リオルやウルトラビースト達の特訓により劇的なパワーアップを果たした。

 

リオル♀

初代アローラチャンピオンのポケモンだった。

何らかの理由で別の世界に来てしまったリョウタを探すため、自身も別の世界に行きリョウタを探した結果、ユキノと巡り会った。

ユキノはリョウタの生まれ変わりだと悟ったリオルはユキノを守るために側に居ることにする。

前の世界とは違い、この世界の伝説ポケモン達は強い。まだまだ特訓していかないと倒す目標であるアクジキングに勝てないので日々鍛錬している。

 

サーナイト♀

島を歩いていた時、怪我していたラルトスを助けたことがきっかけで懐いたポケモン。

ポケモンショーの後、正式にユキノのポケモンとなることになり主を守るために強くなったラルトスはサーナイトまで進化し、今では頼れるポケモンだ。

ちなみにメガ進化も出来る。

 

ギャラドス♂

金色のコイキングの時からユキノに懐いたポケモン。

そう、色違いのポケモンだ。

ユキノは珍しいコイキングに会いに行き餌を与えていただけなのだが、コイキングは何かを勘違いしユキノに惚れ込んだ。

ポケモンショーの後、ユキノについて行きたいと懇願して正式にユキノのポケモンになった。コイキングのままだと弱いと悟り、コイキングはユキノと一緒に特訓しギャラドスになり今は頼れるポケモンとなった。

勿論メガ進化出来る。

 

カミツルギ

剣の修行をいつもしてくれているカミツルギの弟子。

ユキノと一緒に世界を見てこいと言われ共に行動する事になった。

戦闘ではカミツルギの加護が生かされ剣に関しての技がとてつもなく強い。

更に、素早さも磨きをかけているので、リオルに及ばないにしても一般のポケモンからすれば驚異的な速さを持っている。

 

 

他にもユキノについて行きたいと言っていたポケモンも大勢居たが、ユキノが「貴方達の力で島を守ってあげて」とお願いされ力強くみんなが頷き、それぞれ一生懸命使命を果たそうとしている。

ちなみに、元々平和な地方なのでそこまで頑張らなくても安心出来るのだが、たまにスカル団の連中が悪さをするのでその時は凄い勢力で撃退する。

そのせいか、スカル団の連中も悪さをする回数が減っていった。

 

ユキノのポケモン達はウルトラビースト達の加護もあり、ウルトラビースト以外には今の所ほぼ負け無しである。

島の守り神であるカプ・コケコが一度負けて以来強さに磨きがかかり、再戦しては勝ち、逆にこちらから再戦しては勝ちを繰り返しているのだ。

 

ポケモンリーグが設立されるとユキノは挑戦し、優勝候補筆頭となるだろう。

今日もユキノはウルトラビースト達の所に遊びに行き、ポケモン達を特訓したりみんなで遊んだりした。

 



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オープニングセレモニー

46話

 

ポケモンリーグが完成した夜、アローラ地方の島々に速報を届けみんなが大いに喜んだ。

リーグ設立を計画したククイは一番の功労者となりみんなから祝いの品などを貰い、そのお礼としてみんなで大宴会をすることにした。

ユキノはリーグ参加資格を既に取っているので凄く輝く笑顔でククイを祝い、その笑顔に射貫かれたククイとその周りにいた者達が撃沈した。

島中にいるポケモン達も大宴会に混ざり、更にはユキノがスカル団を呼び一緒に宴会を楽しむ事をした。

スカル団は全員にこれまでの事を謝った後宴会に入り一緒に楽しんだ。

この宴会がきっかけで後のスカル団はユキノ親衛隊に名前が変わっていく。

更に物陰に隠れながらこちらを見ていたハンサムとリラを見つけたユキノは宴会に招き入れ上空から見ていた各島の守り神達も呼んで更に賑やかになった宴会でユキノは満面の笑みで楽しんだ。

 

大宴会から数日後、ポケモンリーグの会場に大勢の観客達が押し寄せオープニングセレモニーが開かれた。その日の午後からはユキノがリーグの試合場でククイとバトルすることになっていた。

 

「いくよみんな!」

『『『うん!』』』

 

みんなそれぞれ頷きユキノのボールへと入っていく。

そのボールを少しだけ見つめた後、腰のボールフックへかけてから会場へと入った瞬間、会場の観客席から盛大な応援の声が鳴り響いた!

 

「凄い人達・・・」

「みんなこのバトルが楽しみなんだろ」

 

ククイが対面から手を振りながら出てきてそう言い、ボールを手に持った。

 

「ここに来たらやることは「一つ!」だな」

「行ってこいガオガエン!」

「行くよリオル!」

 

試合ルールは1対1のバトル!

どちらかのポケモンが倒れたら終了だ!

 

「先手必勝!地面にだいもんじだ!」

「真空波で炎を消して接近!」

 

ガオガエンが炎を吐き出したタイミングでリオルは真空波で炎を押しガオガエンの顔に炎を浴びせた!リオルは一気に接近し拳に波導を纏わせガオガエンの腹に手を当てた。

 

「はっけい」

「よけろ~!」

 

ユキノの指示と同時に技を発動した手から一気に波導が放出され青い爆発が起こりガオガエンは腹を押さえながら後退した。

 

「今のを耐えきったの!?」

「きあいのタスキを持たせておいてよかったよ・・・特性もうかの発動だ!」

 

ガオガエンは全身から真っ赤な炎を放出し雄叫びをあげた!

 

「俺達の全力技を受けてみよ!Z技・ダイナミックフルフレイム!」

「私達の全力をぶつけるよ!Z技・全力無双激烈拳!」

 

ガオガエンは【もうか】の炎とZ技の炎を合体させ大きな火球を頭上に作り出した!

リオルはZ技のエネルギーを全て拳に集め、姿勢を低くし拳を腰辺りまで引き力を溜めた。発射する時、反動が凄いので波導で自身を多い強化もする。

そして・・・

 

「発射せよガオガエン!」

「穿てリオル!」

 

2体の超攻撃力が発射され、灼熱の炎と具現化した極大の拳のオーラがぶつかり合い激しい火花を散らし大爆発が起こった!その爆風が2体を襲い爆煙が晴れた後、ガオガエンとリオルは立っており睨み合っていたが・・・

ガオガエンが笑みを浮かべた後、地面に倒れて戦闘不能になった。

その瞬間、会場からは大歓声が巻き起こりユキノの勝利が決まった。

 

「やった~!リオルありがと!」

『うん!』

 

リオルとユキノは抱きつき満面の笑みで褒め合い、ククイはガオガエンにお礼を言ってからユキノの元に来た。

 

「さすがだな」

『楽しいバトルだったぜ』

「ありがと!またバトルしようね!」

『私も楽しかったわ。ありがと』

「ああ!ユキノ、会場の人達に手を振ってあげなさい」

「うん!みんな見に来てくれてありがと~!ポケモンリーグには私も出場するから、良かった見に来てね!」

「「「「「おおおお!!!!」」」」」

 

会場は更に盛り上がり全員が立ち上がり拍手を送った。

ユキノはみんなに手を振りながらククイと会場を出て行った。

 

 

 



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リーグ戦 グラジオvsアセロラ

47話

 

オープニングセレモニーから早一ヶ月。

遂にポケモンリーグが開催される事になった。

この地方に初めて出来たリーグなので優勝者が初代アローラチャンピオンになるのだ。

参加者達は勿論、ユキノも優勝を狙っており白熱のバトルが期待できる。

リーグの試合ルールはシンプルに3対3の勝ち抜きバトル。これだけだ!

 

今回出場する参加者は・・・

ユキノ

グラジオ

ライチ

アセロラ

グズマ

リラ

以上の6名で競うことになる。

 

トーナメント形式の表が会場の大型モニターに映し出され、一番最初にユキノの名前が映し出された。

 

「私は一番右かぁ」

 

残りも次々に移しだれていき結果が出た。

 

ユキノvsグズマ

ライチvsリラ

グラジオvsアセロラ

 

その後グラジオとアセロラ以外は控え室に移動した。

 

「さぁ~はじめよ~」

「ああ」

 

二人はそれぞれ向き合いボールを手に持った。

 

「行ってこいルガルガン!」

「行くよ~ミミッキュ」

 

両者のポケモンが構えた瞬間、グラジオが先に動いた。

 

「ストーンエッジ!」

「つるぎのまい」

 

ルガルガンが無数の岩を発射してミミッキュを攻撃しようとしたが、つるぎのまいを発動しながら小刻みに動き回るミミッキュに当たることは無く、ミミッキュは攻撃力を大幅に上げた。

 

「行くよミミッキュ。シャドークロー」

「アクセルロックで躱せ!」

 

ミミッキュは影で出来た爪でルガルガンを攻撃するが、全て躱される。

 

「ストーンエッジ!」

「かげぶんしん」

 

ルガルガンが岩を発生させる前にぶんしんを複数体作りだし本体以外、ストーンエッジの餌食になり消えていった。

 

「やるねぇ~」

「お前もな」

 

ルガルガンはニヤリと笑い片手を地面にめり込ませた!

 

「ブレイククロー!」

 

ルガルガンはその片手を一気に振り上げ地面を割りミミッキュは地面の亀裂に挟まってしまった!

 

「えぇ!?」

「これで動けまい!ルガルガン、つるぎのまい」

 

ルガルガンは攻撃力を上げてから手を上にあげた。

 

「ストーンエッジ!」

「かげぶんしん!」

 

ミミッキュは地面に挟まったまま、かげぶんしんを発動して下から少しでも身動きを取れるように頑張るが・・・

全くビクともせず、ルガルガンが頭上に展開していた無数の岩を発射した。

ミミッキュは逃げることも出来ずに全弾当たり爆発した。

 

「ルガルガン、追撃だ!」

「ミミッキュ、シャドークロー!」

 

ミミッキュの特性は【ばけのかわ】

一度だけ攻撃を無力化出来るのだ!

 

グラジオもミミッキュの特性は知っていたので更に追撃をかけるが、シャドークローにより全て防がれてしまった。

先ほどのストーンエッジの爆発で身動きが出来るようになったのだ。

 

「厄介な相手だぜ・・・」

「そうでしょ~さて~そろそろ終わりにするよ~」

「終わるのは貴様だ!ルガルガン、ストーンエッジ!」

「ウッドハンマ~」

 

ルガルガンが放つ無数の岩は全て、ミミッキュの尻尾から緑色のオーラで形成されたウッドハンマーにより粉砕された。

ミミッキュはそのままルガルガンに向けウッドハンマーを振り下ろし戦闘不能にさせた。

 

「まずは一勝~」

「戻ってくれルガルガン」

 

アセロラはミミッキュを撫でながら次のポケモンを待つ。

 

ミミッキュはゴーストタイプ。ノーマル・かくとう技が効かない面倒くさいポケモン。

あく・ゴースト技は効果抜群・・・ブラッキーで行くか?それとも・・・

 

「このまま出さないなら私の不戦勝になっちゃうよ~?」

「む?すまない。少し考えすぎてしまった。行ってこいブラッキー!」

「先に行くよ~シャドークロ~」

「だましうち!」

 

ミミッキュが影の爪でブラッキーを攻撃したと思ったら、ブラッキーは霧のように消えミミッキュの後ろに現れた!ブラッキーはそのまま体当たりしミミッキュを攻撃し吹き飛ばした。

 

「追撃せよ!シャドーボール!」

「ウッドハンマーで打ち返して」

 

ブラッキーが放った弾をミミッキュは命令通り打ち返した!ブラッキーは直ぐに横に避け直撃は躱したがグラジオ同様、驚きを隠せないでいた。

 

「驚いたでしょ~」

「ああ。技は使いようだな」

 

グラジオは少しだけ考えると一つだけ考えついた。

 

「ブラッキー。試したい事がある」

 

ブラッキーは頷くと構える。

アセロラは待っている間に【つるぎのまい】を命じており攻撃力を更に上げていた。

 

「行くぞブラッキー!でんこうせっか!」

「かげぶんしん」

「その速度のままだましうち!」

「えぇ!?」

 

ブラッキーは高速で一気に接近し、本体に【だましうち】で攻撃して戦闘不能にさせた。

 

「良くやったブラッキー」

「ゆっくり休んでねミミッキュ」

 

アセロラはミミッキュをボールに戻した後、緑色のボール【ダークボール】を掴んだ。

ダークボールは夜や洞窟内だけ捕まえやすくなる変わったボールだ。

 

「敵を取って、ユキメノコ」

 

また厄介な相手・・・だが!俺のブラッキーで倒してやる!!

 



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リーグ戦 グラジオvsアセロラ 決着

48話

 

リーグ戦の1回戦目にして凄いバトルを見せた2人。

どちらのポケモンも1体目は倒されており、2体目のポケモンバトルが始まる。

グラジオはブラッキー

アセロラはユキメノコ

 

「ブラッキー、でんこうせっかだ!」

「あられ」

 

ブラッキーが高速で接近する間に天候をあられ状態にした瞬間、ユキメノコの姿が消えていった。ブラッキーは速度を維持しつつグラジオが命令するであろう技を待つ。

 

「だましうち!」

 

やっぱりあの技は邪魔・・・

 

「ふぶきで凍らせるよ~」

 

ブラッキーの攻撃が届くよりも早くユキメノコのふぶきがブラッキーを襲い氷付けにした。

 

「氷を割れブラッキー!」

「無駄だよ~このまま戦闘不能にしちゃうから」

 

あられが降っているせいで氷も溶けづらく、ブラッキーはユキメノコの攻撃で戦闘不能になった。

 

「っく・・・ブラッキー戻ってくれ」

「ユキメノコ。ありがと~」

 

ユキメノコは嬉しそうに舞いアセロラの周りを飛び回った。

グラジオは遂に最後のポケモン。

 

「俺の最後のポケモンは、みんなの敵を取ってくれ、シルヴァディ!」

 

シルヴァディはバトル場に出た瞬間、咆哮をあげた。

 

「ブレイククロー!」

「ふぶき」

 

シルヴァディの爪が赤く輝きながらユキメノコに迫るが、ふぶきを放っているユキメノコに辿り着く前にシルヴァディの体は凍っていく・・・

 

どうすれば・・・

このままだとシルヴァディは凍ってしまう・・・ん?そうか!

 

「シルヴァディ!炎のディスクだ!」

「させない。ふぶきよ。もっと吹き荒れろ~!」

 

グラジオが赤いディスクをシルヴァディに投げたが、ユキメノコのふぶきが更に勢いを増しディスクは違う方向に飛んでいくと同時に、シルヴァディの体も凍ってしまう。

 

「これで終わりだよ~Z技・レイジングイオフリーズ」

 

ユキメノコから先程の吹雪よりも強烈な氷の光線がシルヴァディを襲い、でかい氷の結晶となり砕け散った。

シルヴァディは戦闘不能となり地面に横たわった。

 

「勝利~!」

「俺の負けだ」

 

グラジオはシルヴァディにお礼を言ってからアセロラと握手をした。

 

「いいバトルだった。2回戦も頑張ってくれ」

「ありがと~次もアセロラ、頑張る~」

 

2人は応援席の人達に手を振ってから会場を出た。

 

グラジオvsアセロラは、アセロラの勝利で終わった。

 

次の対戦はライチvsリラ。

ライチはいわタイプ使いだが、リラはある地方の準伝説ポケモンの使い手だった。

そのポケモンは・・・

エンテイ

スイクン

ライコウ

 

このポケモン達にライチは勝てるのか

 



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リーグ戦 ライチvsリラ

49話

 

ポケモンリーグの二戦目はライチvsリラ。

 

「改めて私はリラ。優勝は私がもらうわ」

「改めて私はライチよ。優勝は渡さない!行け、ハガネール!」

「出番よ、スイクン」

 

ハガネールの巨体がバトル場に出ると同時に、準伝説ポケモンのスイクンがバトル場に出た。

バトル場に静かなプレッシャーが漂う。

 

「行くよハガネール!きんぞくおん!」

「オーロラビーム」

 

ハガネールが嫌な音を周囲に発生させスイクンを襲おうとしたが、オーロラビームのオーロラを広範囲に発生させ、きんぞくおんをシャットダウンさせたそのまま光線はハガネールを襲う!

 

「さすが伝説ポケモンの使い手ね」

「そういう貴方のポケモンも良く育っているわね。直撃したのにあまり効いていないわ」

「ありがと。ハガネール、ロックカット」

「めいそう」

 

ハガネールは自身の無駄な場所を削り素早さを格段にあげ、スイクンは目を閉じ自身のステータスを上げていく。

 

「アイアンテール!」

「ハイドロポンプ!」

 

ハガネールは命令とほぼ同時にアイアンテールでスイクンを攻撃しようとしたが、スイクンは少し動いただけでハガネールの攻撃を躱しハイドロポンプでハガネールを戦闘不能にさせた。

効果抜群に瞑想の効果も合わさり一撃で倒したのだ。ちなみに、最初のオーロラビームは特性【頑丈】だった場合体力がわずかに残るので放っていたのだ。

 

「さすがに水はつらいな」

「対策してあるのでしょう?」

「そりゃあね」

 

ライチはハガネールを戻した後、プテラを出した。

 

「面倒くさいポケモン・・・」

「失礼ね!行くよプテラ。こうそくいどう!」

「めいそう」

 

2体がステータスを上げた後、プテラが空中で羽を広げた!

 

「げんしのちから!」

「オーロラビーム!」

 

プテラは無数の岩を発生させスイクンに放ったが、それらはオーロラによって阻止された。

 

「なら!10万ボルト!」

「避けてからぜったいれいど!」

「はぁ!?プテラ!こうそくいどうで上空に避難しろ!」

 

スイクンが10万ボルトを避けその場でとてつもない冷気が発生した瞬間、氷が一気に広がり四方八方に迫る!プテラはこうそくいどうで上空に避難したのでギリギリ回避出来たが、バトル場は氷の花のようになっていた。

 

ぜったいれいど【絶対零度】

この技は一撃必殺技。当たれば即決着がつく最強技だが、当たらなければ意味が無い。

 

「くぅ~!寒いよ!」

「絶対零度ですからね。躱さないでほしかったんですが」

「やなこった!」

「アハハハ!貴方は面白い方だよ」

「あんたもね!」

「そうですか?」

 

スイクンは氷の花の上に移動し上空を飛んでいるプテラを見る。

プテラも眼下に広がる氷の花の上にいるスイクンを見ながらライチの指示を待つ・・・

 

2体とも満面の笑みで見ながら指示を待っていた。

 



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リーグ戦 ライチvsリラ 決着

50話

 

ライチのポケモンはハガネールが負け2体目のプテラ。

リラはまだ1体目のスイクン。

 

「それじゃ行きます。スイクン、オーロラビーム!」

「プテラ。躱してからアレをするよ!」

 

プテラは頷き、こうそくいどうで上げた素早さでスイクンの攻撃を躱した後、げんしのちからを発動させ無数の岩を周りに浮遊させる。

 

「打たないの?」

「まだね。プテラ、10万ボルト!」

 

プテラは浮遊させた無数の岩に10万ボルトを放ち岩に電撃を纏わせた!

 

「なるほど。それじゃあ私達も合体技を見せてあげましょう!」

 

スイクンはハイドロポンプをプテラめがけて発射し、その攻撃を難なく回避したプテラはスイクンを睨み付けるが、ハイドロポンプの水が少しプテラの尾についている事はリラとスイクン以外気づける者はいなかった。

スイクンはハイドロポンプを止めると同時にぜったいれいどを発生させハイドロポンプごと氷付けにし、その冷気に届く範囲にも氷は迫る!

プテラの体に着いていた水はその冷気により氷だし、プテラはバランスを崩した。

 

「プテラ!氷の柱に岩を発射!その後、体を高速回転させながら上空に移動!」

「まだスイクンの攻撃は終わらないよ。オーロラビーム!」

「なんだと!?」

 

プテラの岩により柱の中央が破壊され倒れだした!プテラは高速回転しながら上空に向かっていく!

スイクンはオーロラビームをプテラにではなく、その氷の柱に当てた瞬間、その柱が虹色に輝きだし光が四方八方に広がりバトル場全体にオーロラが発生した!

 

この場に居る全員がオーロラに釘付けになった時、リラがトドメの指示を出す。

 

「オーロラビーム」

 

スイクンの放ったオーロラビームは会場全体に広がるオーロラにより見えない光線となってプテラを襲い戦闘不能にさせた。

 

プテラが氷の花に落ちたと同時に絶対零度で作られた氷の花は全て砕け散り綺麗な粒子が会場に降り注いだ。

 

「ポケモンショーなら満点だったよ」

「ポケモンショーは知らないけど、この合体技は美学を追究した結果完成した技。綺麗じゃなきゃ嫌だよ」

 

ライチはプテラを戻した後、最後のポケモンであるルガルガンを出した。

 

「最初から飛ばしていくルガルガン!」

「一撃で終わらせるよスイクン!」

「Z技・ワールドエンドフォール!」

「ぜったいれいど!」

 

ルガルガンが巨岩石をスイクンに放つと同時に、フィールド全体まで冷気を浸透させた絶対零度が発動し、フィールド全体が一瞬で氷に覆われた!

まさに一撃必殺技。

ルガルガンを一撃で戦闘不能にさせた。

 

「いや~これは参った!」

「面白いバトルでした」

 

ライチとリラは握手を交わし合い、会場にも手を振ってから出て行った。

 

ライチvsリラはリラの勝ち。次はいよいよ天使ユキノvsグズマ。

天使のリオルにグズマは勝てるのか!?

 



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リーグ戦 ユキノvsグズマ

51話

 

お昼休憩を終えた後、ユキノvsグズマの試合が行われた。

 

「手加減はするなよ」

「もっちろん!行くよリオル!」

「行くぜ相棒!」

 

ユキノはリオルを出し、グズマはグソクムシャを出した。

 

「であいがしらぁああ!」

「つばめがえしで受け流しながら反撃!」

「細かい指示だな!」

「それを出来る力を持っているから大丈夫!」

 

リオルは瞬時に両手足につばめがえしを発動し、グソクムシャは出たと同時にリオルに襲いかかったが、リオルは円を描くように移動し手でグソクムシャの手首を攻撃しもう片方の手で背中を攻撃し空中に舞いながら両足で回し蹴りを喰らわせた!

四連撃のつばめがえしを受けたグソクムシャはそのまま地面に倒れ戦闘不能になった。

 

「はぁあああ!?なんじゃ今のは!!」

「ん?リオルの奥義みたいなものかな?」

「かぁ~!予定が大分崩れてしまったぜ!」

 

グズマはグソクムシャを戻しアメモースを出した。

 

「エアスラッシュ!」

「つばめがえしで弾きながら接近!そのまま攻撃!!」

 

アメモースは次々と鋭利な風の刃を発射するが、その全てをリオルは完全に見切り刃を弾きアメモースに迫っていく!

 

「なんで風を弾けるんだぁあああ!ハイドロポンプ!」

「水を切り裂け!いあいぎり!」

「水もかよ!!」

 

アメモースは迫ってくるリオルに勢いよくハイドロポンプを発射したが・・・リオルは技を具現化させた刀を腰に携え一閃。ハイドロポンプ(水)を切り裂いた!

リオルは刀を高速で3連撃振り払い斬撃波を飛ばし、アメモースを攻撃し戦闘不能にさせた。

 

「水を切り裂くとあり得ねぇ!!!しかも斬撃波だと!?」

「まぁ、それを可能にしたのはポケモン達の力があったからだけど」

「まぁ・・・言いたいことは分かるが、認めたくねぇなぁ・・・」

 

グズマはアメモースを戻し深呼吸した。

 

「とりあえず、ユキノのポケモンは常識が通じない事はもうわかった。だがな!一撃必殺技ならどうだ!行くぞカイロス!一撃で仕留めろ、ハサミギロチン!!」

「合体技使おうリオル!」

『うん!』

 

リオルは具現化させたいあいぎりを腰に2本携え、でかいハサミでリオルを攻撃しようとしているカイロスに向け1本抜き放ち一閃。斬撃波を飛ばしたがハサミギロチンで軽く振り払いそのまま迫る!

 

「さぁ、ここからが合体技だよ。つばめがえし起動。波導収縮。抜剣!」

『抜剣!』

「ハサミギロチンで終わりだぁああああ!!!!」

『うぉぉおおおお!!!』

「でんこうせっかで切り裂け!」

 

リオルが抜き放った刀は、刀身につばめがえしの青白い輝きが纏われており、更にリオルの水色の波導でいあいぎり全体を覆ってる。

 

リオルはでんこうせっかを発動して一気にカイロスに迫り、ハサミ、顔、胴体、足を高速で切り裂き、そのまま通り過ぎた後刀を一振り。その瞬間、カイロスから青白いオーラが吹き出し地面に倒れ戦闘不能になった。

 

「名付けて蒼穹鬼神斬」(そうきゅうきじんざん)

「完敗だぜ・・・」

 

グズマは苦笑しながらそう言いカイロスを戻した後ユキノと握手をした。

 

「俺にも稽古付けてもらいものだ」

「いいよ?」

「いいのか!?」

「うん!それじゃリーグ終わったら」

「おう!ありがとうな」

 

グズマはニカッと笑い、ユキノは微笑み2人は会場を出て行った。その際に観客達に手を振りながら行ったのだが、ユキノの微笑みに耐えきれない人達は次々倒れていく・・・

 

会場の外では既にククイ達が待っていてくれた。

 

「やあお疲れ様」

「ククイ~!私一回戦勝ったよ!」

「見事だったよ。あんな技、僕も知らなかったよ。それと、グズマ君もお疲れ様」

「ああ。あんたも色々大変そうだな」

「まぁね。けど楽しいよ」

「そうか」

 

ユキノはマオ達の所に行き談笑を始めていたのでグズマはククイと軽く話をしてから去って行った。

 

「それじゃ帰ろうか」

「うん!明日も頑張るよ~!」

 

 

 



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リーグ戦 ユキノvsアセロラ

52話

 

翌日の朝、リーグ関係者からユキノに電話が来た。

 

『朝早くに申し訳ございません。誠に勝手ながら、ユキノ様にリーグに勝ち上がった2名とバトルをしてほしいのです』

「いいよ?」

『良いのですか!?』

「うん!二人ともバトルしてみたかったし。どっちからバトルすればいいの?」

『アセロラ様からバトルしてもらおうと思っております』

「わかった!それじゃリーグで」

『ありがとうございます』

 

リーグ関係者はすぐさま残りの二人に電話をしてユキノと戦ってもらう事を話した。

二人とも了承してくれたので一安心した関係者はソファーに寄りかかった。

 

「これで観客達も喜ぶだろう」

 

それにしても・・・

蒼穹鬼神斬。あんな技を生み出すとは・・・ユキノか。

戦ってみたいな

 

それから数時間後、リーグにユキノ、アセロラは会場に入り、リラは特別観客席から見ることとなった。

 

「すっごく強いトレーナーって聞いてるよ~」

「ありがと!アセロラさんも強いトレーナーって事は知ってるから手加減なんてしないからね」

「もっちろん~それじゃいくよ」

 

アセロラから今までの緩い感じが消え鋭い目つきになった。

アセロラ本気モード!

 

「行ってゲンガー!」

「行ってきてカミツルギ!」

「あのUBを捕まえたの?」

「捕まえたと言うか友達になってくれたんだ」

「ふ~ん。ゲンガー、シャドーボール!」

「躱してからつるぎのまい」

 

カミツルギは発射されたシャドーボールを難なくかわしつるぎのまいので攻撃力を格段に上げた。

 

「リーフブレード!」

「かげぶんしんで回避!」

 

カミツルギの手が緑色に輝きその場で振りかざし斬撃波を飛ばした!

 

「え!?」

「まだ終わらないよ」

 

かげぶんしん達は斬撃波で全て消え、本体のゲンガーも攻撃した!

更にカミツルギはリーフブレードを維持したままゲンガーに迫る!

 

「シャドークローで応戦!」

「そのまま切り裂け!」

 

カミツルギは一気に加速し、ゲンガーがシャドークローを発動するよりも早く切り裂き戦闘不能にさせた。

 

「グズマの時もそうだったけど、常識が通じないの?」

 

ゲンガーを戻しながらアセロラは嫌みを言った瞬間、観客達からブーイングが巻き起こる。

ユキノは手を上げブーイングを止めさせるとアセロラに言う。

 

「みんなからしたら常識外か・・・私達は色々勉強して友達達にも協力してもらって今、ここにいるんだけど」

「常識が通じると思うなら常識内の行動をしてみなさいよ!」

「う~ん・・・はっきり言うと、その常識内の行動とかって普通のバトルでしょ?それだと無駄が多いし新しい発見が出来ないんだよね。私はもっと色々な事を知っていきたいから、もっと様々な事をしていくよ。例えば・・・」

 

カミツルギがつるぎのまいを発動させる時、具現化される剣をそのまま実体化させ、更にそれぞれの属性を付与させその剣を操るのを実際に見せてあげた。

 

「そんな事も出来るのね。しかもちゃんと操れるなんて・・・」

「凄いでしょ?この属性剣も斬撃波はちゃんと発生するよ」

「はぁ・・・ユキノのポケモンに勝つには今以上の努力や知識がいるみたいね。後探究心か。リーグ戦ではるけど、クチナシさんが負けを認めた意味わかったわ」

「って事は?」

「うん。ユキノには悪いけど負けを認めるわ」

「そっか。また今度バトルしましょうね」

「ええ。今以上の力を見せてあげるから」

「楽しみに待ってます」

 

ユキノはアセロラと握手を交わしリラと入れ替わりでアセロラは退場した。

 

 

 



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リーグ戦 ユキノvsリラ

53話

 

アセロラと入れ替わりで入ったリラは連戦になる事についてユキノに聞いたが、ユキノもカミツルギも全く疲れていないのでそのままバトルする事にした。

 

「そうか。ならえんりょうはしない。行くぞスイクン!」

「そう来なくちゃ!カミツルギ、そのまま行こうか!」

『おう!』

 

スイクンがバトル場に出るとやはり独特な雰囲気が辺りに漂う。特性『プレッシャー』が発動しているのだ。

 

「オーロラビーム!」

「光線を切り裂け、せいなるつるぎ!」

 

カミツルギは虹色の光線を簡単に切り裂きスイクンに迫る!

 

「リーフブレード!」

「そう来ると思っていたよ!スイクン!全てを凍らせろ、ぜったいれいど!」

 

周辺の気温が一気に下がった瞬間、氷が周りに広がった!カミツルギはリーフブレードで迫ってくる絶対零度の氷を切り裂きそのままスイクンを切り裂き戦闘不能にさせた。

 

「ぜったいれいどを突破してくるなんて・・・さすがね」

「凍らなければ問題ないからね。次のポケモンは?」

「その通りだよ。スイクン、ご苦労様。行くよエンテイ!」

 

エンテイもスイクン同様プレッシャーを放っており、緊張感が辺りに漂う。

しかも、体から炎も噴き出しているので熱い!

リラの服もそうだが、ユキノも温暖なこの地域で戦っている事もあって薄着。なのだが、二人ともなぜか服は透けない(笑)

 

「行くわよエンテイ。せいなるほのお!」

「いきなり大技!?だけどね、私のカミツルギは炎だって切り裂く!せいなるつるぎ!」

 

お互い聖なる技を使い攻撃するが、エンテイの出した炎はユキノが言った通り、切り裂かれる。そして、高速でエンテイに迫ったカミツルギはそのままエンテイを切り裂き元の位置に戻った。

 

「炎すら切るなんて・・・なら!しんそく!」

「せいなるつるぎ!」

 

神速の速度でカミツルギを連続で攻撃してくるエンテイに対し、カミツルギは的確に攻撃を防ぎ更にはエンテイに反撃している。

エンテイは連続攻撃中に受けたダメージが限界に達し動きが止まってしまう。

 

「これで終わりですね。聖帝幸斬」(せいていこうざん)

「ふんえん!」

 

エンテイはその場で灼熱の炎を放出しカミツルギを近づけなくさせたつもりだったが、先程同様に炎を切り裂き進路を確保したカミツルギは、白く輝いており、その手からは神聖な光が煌めいていた!そして・・・カミツルギが一気に加速し技無しで神速の域に入り、エンテイを3連撃切り裂きそのまま通り過ぎた後、光が収まり元の姿に戻った時、切り裂かれた場所からもの凄い光量が発生しエンテイは戦闘不能になり倒れた。

 

「凄い強さね・・・でもね、私の最後の切り札は素早さ特化なのよ!ライコウ!」

「やはりね。カミツルギ。ライコウを倒すよ!」

『もちろんだ!』

『雷の化身をなめるなよ』

 

ライコウは大きく咆哮をし戦闘態勢に入った。

 



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天使ユキノ(完結)

54話

 

ライコウが場に出た瞬間、今まで以上のプレッシャーが辺りに漂う。

 

「雨を降らせた後、雷を身に纏え!」

「させないよ!聖帝幸斬!」

 

カミツルギはその場で一気に加速しライコウに迫る!

 

っち!やはり技の準備をすると遅れるか!仕方ないな・・・

 

ライコウは自身の判断で雷を先に纏い、筋力を強制解除しカミツルギの攻撃を紙一重で躱した!

筋力の強制解除は、数分後に動けなくなる諸刃の剣。絶対にここで倒しきらなければならない。ライコウは躱した直後にあまごいを発動させ雨雲を呼び寄せるが・・・

 

「あ、雨雲なんて切ってしまえばいいじゃない」

「え?」

『は?』

 

リラもライコウは意味が分からず間抜けな声を出してしまう。

カミツルギは当然の如く雨雲に斬撃波の一振りを放ち、雨雲を消し飛ばした・・・

 

「えぇぇ・・・」

 

リラは嫌そうな顔を露わにしがらそう言い、ライコウに指示を出し始める。

 

「らいげき!」

「つるぎのまいので防ぎ、その後反撃!」

 

ライコウの雷撃もカミツルギのつるぎのまいの前では無力。

攻撃力を上げながら防御もすると言う規格外の性能を再び使ったカミツルギは、ライコウの放った雷撃を剣に吸収させると言う裏技までも使った。

 

「これでトドメだね。全属性解放斬り!」

「全力で避けて!」

 

言われるまでもない!一太刀でも当たれば確実に負けるからな!

俺の内に秘めている雷を完全解放!数秒としか持たないが俺の全力を持って攻撃を回避してやる!隙あらば反撃したい所だが・・・

 

ライコウは体内に蓄積していた全ての電撃を完全解放し青白く輝いた。

そして、カミツルギの超高速連撃が始まる・・・

 

まず毒の剣で真っ直ぐに飛ばすが僅かな動きで避けられる。

避けた直後に左右同時に剣が飛来するが、バックステップで避けられる。

更に3本の剣が後ろから迫っていた。ライコウは背を低くし右斜めに移動し躱すが、上空から4本の剣が僅かな時間差で降り注ぐ!

それらを左右に躱しながら回避していたが、最初に飛来してきていた3本がライコウめがけ3方向から迫ってきていた。更に3本僅かな時間差で迫っている。

ライコウは弧を描くようにそれらを全て避けていく。

この攻防は僅か2秒の出来事。青い線と虹色の線がバトル場に輝く。

更に攻防は続きカミツルギは攻撃が当たらない苛立ちに攻撃が少しずつ雑になっていく。

ライコウは自身の筋肉が悲鳴をあげているのを堪えながら攻撃を受けないようにひたすら避けることだけに集中した。

 

「キリがないわ・・・カミツルギ。戻ってくれる?」

『俺はまだやれる!』

「相手の早さに攻撃が追いついてないから交代よ」

『わかった・・・』

 

カミツルギ自身も分かっていた事だった。

無数の超高速連撃は驚異なのは確かだが、相手のライコウの素早さの方が若干だが勝っていたのだ。

カミツルギは攻撃を中断してユキノの元に戻った。

 

「え?」

『はぁはぁ・・・』

 

リラは確実にこのまま連続で攻撃してくると思っていたので疑問しかない。

 

「確実に倒すための交代です。いくよ相棒!」

 

ユキノはルガルガンを出した。

ルガルガン以外は仕方ないと譲る気持ちで戦闘を見届ける。出番が一番少なかったから・・・

 

「行くよルガルガン。アクセルロック!」

「らいげき!」

 

ルガルガンの速度は既に神速の域に入っており、雷撃は掠りもせずライコウを攻撃して吹き飛ばした!ライコウが空中で体制を整え着地した場所には既にルガルガンが待ち構えていた。この状態では回避すら出来ない・・・

 

「トドメのブレイククロー!」

「雷撃を解き放て!ほうでん!」

 

ライコウは自身に纏っていた雷撃を全て解放し広範囲に雷撃を放出した!流石のルガルガンもこの攻撃は防ぎきれず吹き飛ばされる。

 

「戻ってルガルガン。確実にトドメをしにいくよリオル!」

 

ユキノが最後に使うポケモンはリオル。

対してライコウは満身創痍の状態。動くのも辛い状態だ。

 

『我は最後まで諦めん!』

 

ライコウは大きな咆哮をあげリラにまだ戦える事を伝える。リラもそれを感じ取り最後の指示を出す。

 

「この攻撃が最後です!全ての力を出し切りなさい。ギガインパクト!」

「迎え撃ちましょう!Z技改!石破天驚拳!」

 

ライコウは自身が持つ最後の力を振り絞りギガインパクトを発動。

リオルは拳を腰辺りに引き、Z技のエネルギーを全て拳に集め石破天驚拳を溜めていく。

 

「いっけぇ~ライコウぉぉおおお!!」

『ぉぉおおおおお!!!』

「穿て!『石破天驚拳!』」

 

ライコウはリオルに突貫し、リオルは溜め込んだエネルギーを全て石破天驚拳に注ぎ込み発射した。

巨大な拳のオーラはバトル場を穿ちながら、対するライコウもバトル場を穿ちながら両者の技が激突して激しい火花が散った時、拳のオーラが手を開きギガインパクトを掴んだ!

 

「え!?」

「握りつぶせ」

『次は万全の時に戦いましょう』

『そうだな』

 

ライコウは巨大な拳により技ごと握りつぶされ戦闘不能になった。

 

リラは地面に座り込み空を見上げる。

 

「あぁ・・・負けたなぁ」

「私達の新必殺技、見事に成功したね!」

『うん!』

 

ユキノ達が使った最後の技は、まだ1回しか成功した事はなかった大技だったのだ。

 

「勝利の~『V』」

 

リラはライコウと共にユキノの側にいき握手をした。

 

「優勝おめでとう」

「ありがと!またバトルしようね!」

「ああ!」

 

二人は笑顔で観客席達に手を振り「応援ありがとう!」と伝えた。

その後ククイが表彰式を行い、ユキノをみんなで祝った。

満面の笑みでトロフィーを抱きしめたユキノの姿はまさに天使!

 

その笑顔を見た者達の何人かは昇天し、また何人かは意識を失い、また何人かはそれらを耐えきり見惚れていた。

 

天使ユキノの誕生だ。




この回をもちまして、新たな人生はポケモンの世界(ウルトラビースト編)は完結します。
ユキノは全てのポケモンに愛される力を持ち、更に様々なポケモンから加護を受け、更にウルトラホールで現実世界の倍以上の特訓をして最強になったチート主人公。
絶世の美少女!笑顔は完全な天使!バトルは最強!
最強主人公が負けるのは伝説(神)達ぐらいだろう・・・

書きたいことガンガン打ち込んでいたので楽しかったです。
今までこの小説を読んでいただきありがとうございました!
これからも小説は書いていきますので、また気になれば見てほしいです。
それでは、また会う日まで・・・
「「「またね~!」」」←ポケモン達


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