妖精のギルドのクラフター (ルルー)
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クラフター、天狼島に現れる

クラフターが現れた!


 あなたは耳に届く波の音で目を覚ました。

 

 あたりを見わたすと、人の気配はなく、あるのは海と砂浜と森、そしてあなたが行ったことのある、とある森に生えていた木よりもはるかに大きな木が生えていた。

 

 そんな木を眺めながら砂浜で、あなたはここに来る前のことを思いだす。

 

 

 

 

 

 ここに来る前、あなたは別の世界へと渡るために次元を渡る本をしていた。

 

 枯渇してきた資源を新たに補給するためである。

 

 ある程度の建築資材と武器、帰還用の本、そして様々なアイテムを入れたバックパックをインベントリに入れて、次元を渡る本‥‥時代の書を開き世界移動をしようとしてた。

 

 が、その瞬間、シューという嫌な音が聞こえ急いで振り返ると‥‥

緑色のリフォーム業者、匠ことクリーパーがいた‥‥しかも爆発寸前の状態で。

 

――!?

 

 あなたが危機を脱しようと武器を手に持ち攻撃を放とうとしたのだが。

 時はすでに遅く、無情にもクリーパーは爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 これが気を失う前のあなたが見た最後の光景だった。

 思い出してすぐあなたは疑問に思った。

 

 あのにっくき緑色の悪魔の爆発に巻き込まれたなら、自分はベットの上でリスポーンしたはずだと。

 外で作業していたのでベットが破壊されるわけはないはずなのに、なぜか、こんな見知らぬところにリスポーンしてしまったのか。

 

 あなたは四角い腕を組んで考えていた。

 

――!?

 

 考えていたあなたは重大なことに気づいた。

 もしリスポーンしたのならインベントリに入っていたアイテムは死亡した場所に散らばってしまっているはずだと。

 

 もし、ここが自分がいた世界とは違う世界であるならば、自分が戻るまでアイテムは消えることはないだろう、だが、もし同じ世界であるならば早く戻らないと跡形もなく消えてしまう。

 

 あなたはアイテムを確認するため急いでインベントリを開いた。

 そこには気を失う前に持っていたアイテムが()()()()を除き全てそろっていた。

 

――!?

 

 アイテムが無くなっていないと思って安心したあなただったが、持ち物から二つ物がなくなっていることに気づいた。

 

 それは、クリーパーに爆破される前に使おうととしていた時代の書と帰還用の接続の書の二つだ。

 

 あなたは少し焦った。

 時代の書はなくなっても問題はない、だが、帰還用の接続の書がなくなってしまったのはまずいと。

 

 あなたは、頭を抱えていたがしばらくすると、まあ、いいか、といった風に落ち着きを取り戻していた。

 

 よくよく考えてみれば、あなたは元の世界にそれほど執着はしていない。元の世界にあるのはせいぜい寝床兼四角い家だけで、チェストに入っていたなけなしのダイヤモンドくらいが気にかかるがそれはまた見つければいいだけのことだと。

 

 元の世界への執着がないのは木と素材があれば様々なものを生み出すクラフターの気質ゆえか、はたまたあなたがのんきなだけなのか。

 

 あなたはここを探索することにした。

 

 もしかすれば、ここにまだ見たことのない素材があるかもしれないと思ったからである。

 

 あなたはインベントリを整理し、白い柄の日本刀をもって、とりあえず拠点を作ろうと場所を探しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何者なんでしょうか彼は‥‥」

 

 散歩をしていた私、メイビス・ヴァーミリオンは、この天狼島に突如として現れたかくかくの人‥‥人? を観察している。

 

「空間魔法でここに来た‥‥のでしょうか?」

 

 この場所は私たちギルドフェアリーテイルの聖地。

 ギルドメンバー以外は来ることはない場所のはずなのに‥‥

 

 「あ、手に斧が、換装? でも魔法を使ったようには見えなかった。

換装魔法に近い別の技術? うーん今ある情報だけではわかりませんね」

  

 換装魔法とは、別空間にストックしている武器や鎧を呼び出す魔法のこと。

 魔導士によってストックできる量や呼び出しスピードなどは違うのだけど、彼は熟練の換装を使う魔導士に引けを取らない速さで斧を出現させていた。

 

 疑問は尽きませんがあの斧で何‥‥を‥‥!?

 

「木が‥‥消えた!?」

 

 彼ががやったことは単純なこと。

 ただ斧を木にふるっただけ。

 

 それだけなら驚きはすれど、珍しいことではないのです。

 なぜなら魔法を使えばそんなことぐらい簡単にできるから。

 ならなぜ驚いたのかというと

 

「なんの魔法も使わずに‥‥?」

 

 そう()()()も使わなかったことです。

 

 あの斧の力とかならまだわかるのですが、あの斧からも力のようなものを感じないのです。

 

「木はどこに行ったのでしょう? ん?」

 

 何本か同じように木を切った後、更地になった場所の中心に彼が立っていた。

 いつの間にか斧は消え、手にはブロックのようになった木を出している。

 

「消えた木は彼が回収していたみたいですね、しかしあの木で一体何を?」

 

 彼が木のブロックをもって手を振るとそこにはさっきまで彼が持っていた木のブロック出現した。

 

「は?」

 

 驚いて呆ける私を置いて彼はポンポンポンっと軽快な音を立てて木ブロックを置いていく。

 しばらくすると彼が通れるくらいの穴をあけた長方形の箱のような建物ができていた。

 

「もしかして家‥…でしょうか?」

 

 開いている穴にいつの間にか持っていたドアを出現させて彼は中にはいていった。

 

「四角い家‥‥シンプルですけどなんだか味気ないですねぇ、作っている間にもう夜になっちゃいましたし」

 

 木のドアから明かりがこぼれている。

 もう今日は何もしないようだった。

 

「どうやらこの島に住み着くみたいですねぇ、なんだか面白そうですし、しばらくは置いておいてあげましょうか」

 

 私は彼が何を引き起こすか楽しみにしながら天狼樹にある自分のお墓に戻ってしばらく眠ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女メイビス・ヴァーミリオンはここでミスを犯した。

 

 それは(クラフター)を追い出さずこの島に置いたことである。

 

 クラフターを置いてしまった事の重大さを彼女が知るのは、天狼島に引き抜かれたような大きな穴が大量生産された後であった。

 

 妖精軍師と言われた彼女でもクラフターの行動は突然で、予想不可能であった。

 

 

――そうだ、整地をしよう

 

 

 天狼島が更地になるまであと数日。




たぶん続かない


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クラフター不法侵入する

 事故によりこの世界にやってきて三日目。

 

 あたりを整地し、資材確保のため露天掘りを行ったあなただったが、三つほど大穴を開けた後、露天掘りをすることをやめた。

 

 なぜなら、掘れども掘れども石と土ばかり、あなたが求めるような素材は何一つ出てこなかったからである。

 

 それに‥‥

 

 「グオオオオオオオオオオ」

 

 採掘中に襲い掛かってくる大型生物の存在である。

 

 あなたはインベントリ内にあった一本の刀を取り出した。

 

 「グッグォ‥‥」

 

 あなたが刀を出現させた瞬間、襲い掛ってきていた大型生物が突然怯む。

 

 その刀から発せられる力を感じ取ったからだろうか。

 

 怯む大型生物を気にも留めず、あなたは刀を抜かず腰をかがめ構えた。

 するとあなたの周辺に青い刃が現れる。

 

 あなたは、大型生物を視界に収め、刃を解き放つ。

 

「ガアアアアアア」

 

 幻影剣、と名付けられた青の刃は大型生物に深々と突き刺さり大型生物動きを止める。

 止まった瞬間を見計らい、あなたは一瞬で距離を詰める。

 

 距離を詰めたあなたはその手にもつ刀‥‥魔剣「閻魔刀」と名付けられた刀で大型生物の胴体を横一文字に切り伏せる。

 

 ずん‥‥と音を鳴らし原生生物は倒れこんだ。

 

 あなたは刀を振るい血を落とし、鞘に納刀する。

 

 この大型生物はあなたが露天掘りを開始しようとする旅に必ずこうして襲い掛かってくる、なのであなたは面倒だと思いながらも対処していた。

 

 野生に存在しているメイドを雇うことができれば多少は楽になるかもしれないが、この島には存在しておらずあきらめるしかなかった。

 

 あなたは、はぁ、とため息をつき、武器をインベントリに戻しながら思う。

 

 この島‥‥ろくな素材がねぇ‥‥と。

 

 採掘をしようとしても襲い掛かってくる生物が邪魔をする。

 さらには倒して採掘してもいい素材は出ない。

 

 この島はあなたにとって大外れの島だったようだ。

 

 ならばこの島に用はないと初日に作った小さな拠点に戻り、インベントリ内の土と石をチェスとに放り込み、木材でボートをクラフトし、海へと走り出した。

 

 そして海に着いたあなたは、さっそく船を浮かべようとするが、ここで一つ重要な問題が浮上した。

 

 そう、どちらへと進めばいいかということだ。

 

 船に乗ってしまえば空腹になることは無くなるので食料の問題はないが、当てのない旅ほどきついものもない。

 

 どうしたものかと考えていると。

 

「おい」

 

 後ろから声が聞こえた。

 大型生物とは違い人の声だ。

 

 あなたは振り返り、声の主を視界に入れる。

 白いローブを身にまとったご老人がそこにいた。

 ご老人はあなたに聞きたいことがあるようだ。

 

「この島をこんな風にしたのはお前か?」 

 

 あなたよりも小さく、弱弱しい見た目に反して威厳のある声があたりに響く。

 

 あなたはごくりとつばを飲み込み、ゆっくり首を縦に振った。

 すると

 

「そうか‥‥お前かああああああああ」

 

 刹那、あなたの視界は迫りくる何かでいっぱいになった。

 その何かとは、()()()()()()であった。

 

 突然のことであなたは避けることができず、その拳は直撃した。

 あなたは、頭の中で十あるハートが尽きるのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、しかしなんだったんじゃあやつは‥‥」

 

 一年に一度に行う初代様の墓参りのためにやってきたわしは船から奇妙な存在を見つけた。

 

 手や足や頭そのすべてが四角く、人間といっていいのかよくわからん奴じゃった。

 

 天狼島に着いたわしは、やつを探すことにした。

 しばらく探していると、不自然に切り開かれた木々を見つけた。

 

 更地になっている道を進むと、四角い建物のようなものを見つけた。

 周囲には箱のようなものが置いてあり、開けてみると中には土と石ばかり。

 なぜこんなに石と土が? と疑問に思っておったら答えはすぐ近くにあった。

 

 まるで、職人が掘ったかのような巨大な四角い穴。

 この箱に入っている土と石はすべてここから運び出したんじゃろう。

 

 我がギルド、フェアリーテイルの聖地である天狼島でこのようなことをしでかすとは、やつにはきつい灸を吸えなければならないようじゃな。

 

 四角い建物よりも奥を見ると奴を見つけた。

 

 わしはなるべく警戒されないよう、静かに近づいていく。

 

「おい」

 

 声をかけるとやつは四角い顔をこちらに向けた。

 

「この島をこんな風にしたのはお前か?」

 

 問いただすとやつは頷いた。

 こいつが我がギルドの聖地を‥…許せん!。

 

「そうか‥‥お前かああああああああ」

 

 わしはジャイアントの魔法を使い奴を殴り飛ばした。

 

「ふう‥‥ん?」

 

 殴り飛ばした後、奴の姿が消えた。

 周囲を見渡しても姿は見えない、海に落ちたような音も聞こえなかった。

 

 「空間魔法で逃げたか? いやしかし魔法を使ったようには‥‥」

 

 やつがなぜ消えたのかはわからんが、今は

 

「この大穴をどうやって塞ぐか‥‥」

 

 わし、一人で埋めなくちゃダメかのぉ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あなたはリスポーンした。

 

――?

 

 おかしいとあなたは思った。

 リスポーンしたのならば、元の世界か、この世界で初めて来た場所かベット置いた場所に復活するはず、だがあなたは見知らぬ場所で復活した。

 

 あなたが復活した場所は狭苦しい空間だった。

 あなたの体に何か柔らかいものが触れている。

 

 手で触ってみると、どうやら服のようだった。

 

 服? とあなたが困惑していると目の前から光が差し込んだ。

 

 光は広がっていき、暗闇に光を入れた人物の姿が見えてきた。

 

 濡れた金髪の髪をタオルで拭きながら、クローゼットを開けた女性があなたを見つけた。

 

「誰えええええええええ!?」

 

 金色の髪の女性‥‥ルーシィ・ハートフィリアは突如として自宅のクローゼットの中に隠れていた男の存在に絶叫を上げるしかなかった。




ネタが‥‥浮かんでは消えていく‥‥
シンフィギアとメガテン4F‥‥
ビッキーと将門様が一緒に戦っているとかシンフォギアと霊的国防兵器との合体とか浮かんだけどビッキーが悪魔とはいえ殺し合いしてる姿とか違和感しかねぇ‥‥

この話から先に行くかなぁ


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