綺羅ツバサの弟《リメイク》 (しろねぎ)
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最初の生徒会日誌

リメイク行きます……申し訳ありません。


これを読んでいる人は“スクールアイドル”と呼ばれる物を知ってるだろうか?スクールアイドルとは高校に在学している生徒達がアイドルの活動をしていると言う物だ。スクールアイドルと言われて居るが、スクールアイドルは高校のみだ。何故ハイスクールアイドルでは無いのか…。失礼、話を戻そう。スクールアイドルは学校によって部活動として認められている所も有り、人気を集めている。

 

どれ程人気かと言うと、その学校で活動をしているスクールアイドルの人気が高ければ、入学希望者が数倍に増える事もある程だと言えば分かりやすいだろうか?その場のノリで入学していると言ってしまえばそれまでではあるが、スクールアイドルが、これから一大コンテンツになってくる場合は大きな武器になるのも事実ではある。

 

そして、現在スクールアイドルの頂点と言われる人気を博しているのが“A-RISE”と言うグループだ。メンバーは3人で、長身で、クールなイメージが有り、女性からの人気が高い“統堂英玲奈”

 

おっとりとした雰囲気を放ち、正にゆるふわ系を体現した“優木あんじゅ”

 

そしてA-RISEのリーダーであり、センターポジションに居る、前髪が短い“綺羅ツバサ”

 

この3人が現在のスクールアイドルでは最も有名と言われている。

 

何故急にこんな話をしたかと言うと、先程話した綺羅ツバサは俺の姉なのだ。別に自慢等では無い。姉が有名人だと苦労する事の方が多い。家の前の出待ちだとか、ツバサ目当ての奴が俺に絡んで来るとか面倒だ。俺は目立つのは嫌いだし尚更だ。

 

そして、俺の通う高校“音ノ木坂学院”にもA-RISEに影響を受けた奴が居た。ソイツ自身もスクールアイドルになって、廃校を阻止するつもりらしい。そして、俺を巻き込もうとしている。ソイツは俺がツバサの弟だと言う事を知らないで巻き込もうとしているから驚きである。あと、パーソナルスペースに無遠慮に入り込むのはやめて欲しい。

 

さっきの話で分かって貰えたと思うが、音ノ木坂学院は廃校の危機なのだ。理由は入学希望者の減少。来年度の入学希望者が少なければ、廃校になってしまう。数年前まで女子校だったが、共学にする等の改革を行った。しかし生徒の減少は変わらず、現在に至る。人が多すぎても嫌だけど。

 

一応俺も生徒会の一員であり、廃校阻止には賛成ではある。手段もスクールアイドルと言うのは悪くない。成功すれば入学希望者が増える可能性は高いし。ただ、スクールアイドルで成功するのはかなり難易度が高い。自分の姉がトップのスクールアイドルと言う事もあり、その努力も良く知ってる。レッスンで帰る時間は遅いし、プライベートの時間もかなり減る。それに今でこそトップではあるが、それは長い間の努力に裏打ちされた物だ。

 

そんな大変な事をやろうとしているのが同級生の“高坂穂乃果”だ。一度別の方法で廃校を阻止しようとして、失敗している。それでもまだスクールアイドルと言う、全く別の手段で廃校を阻止しようとしているのは学校が大好きだからだろう。その考えは生徒会役員としても嬉しいし、去年の縁もあるから一応は手伝ってやろうと思う。完全に目立たない裏方で。いや、人前に出るとか本当に無理。

 

どうせなら姉と同じ土俵も悪くは無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会の日誌ってこんな感じで良いのだろうか?

 

音ノ木坂学院2年 生徒会庶務 綺羅ツカサ




最初はそんなに変わりません。


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1年生ピアニストと生徒会長

2話目。


朝、教室に入ると俺に気が付いた“高坂穂乃果”が駆け寄ってくる。俺にスクールアイドルの活動を手伝えと言ってくる張本人である。凄い勢いでこっちに来る。コミュ障には辛いわ。

 

「師匠!スクールアイドルの話は考えてくれた?」

 

満面の笑みで聞いてくる。高坂は手を貸して貰えると信じて疑ってないみたいだな。まぁ手を貸すんだが、ここで『手を貸そう』なんて言ったら調子に乗りそうなので、少し意地悪をしてやる。と言うか師匠呼びやめろ。

 

「まだ考え中だ。それにお前、去年も少し手を貸したよな?“剣道”で。只でさえ強引に協力させたんだぞ。マジで勘弁してくれよ……人とあんまり関わりたくないんだよ」

「うっ、それは……確かに師匠が手伝ってくれたお陰で優勝は出来たけど、結局新入生は増えなかったし……と言うか最高の結果を出したのに増えないのがおかしいんだよぉ……」

「俺の机に顎を乗せるな。パーソナルスペースに侵入してくるな」

 

高坂がバツの悪そうな顔をする。去年に行われた剣道の大会で優勝して、廃校を阻止しようとした高坂。見事に優勝した高坂だったが、それでも新入生が増える事は無かった。最高の結果を以てしても、生徒の減少は変わらない。剣道って結構人気無いからな……多分。

 

「寧ろ優勝したのに生徒が増えなかったんだ。もう諦めろよ。何より優勝するとは思わなかったわ」

「ダメだよッ!私、この学校が大好きだもん!優勝したのは師匠のお陰だし!」

「だからってスクールアイドルってなぁ……あれは数ヶ月でどうにかなる物では無いだろう」

「それでも何とかしたいの!」

「やめろそれ以上顔を近づけるな」

 

正論をぶつけても高坂は食い下がる。顔が近い。俺の精神が磨耗する。それにしても手を貸すとしたら、やることは多い。現状を把握しておこう。行き当たりばったりの可能性が高いし。

 

「お前の熱意は分かったが、どこまで話が進んでいるかだな。衣装、作詞、作曲、メンバーは、お前と南だけか?」

 

高坂に問い掛けると高坂は自慢気に答えた。

 

「衣装はことりちゃん!作詞は海未ちゃんにお願いしたよ!作曲はピアノの上手な1年生の子が居たから、その子にお願いしようかなって!」

「成る程、それなりに進んでるのか。お前に計画性があったとは」

「あの、ツカサ?何故メンバーの話で穂乃果とことりの名前が出てきて私の名前が出ないんですか?」

 

横から高坂の幼馴染みである“園田海未”が話し掛けてくる。

 

「南はともかく、園田は人前で踊るのとか嫌がるタイプだろ?違ったか?俺の仲間だ。人前は嫌いだろ」

 

園田は大和撫子と言った感じであり、人前で踊るのは無理だと思っていたが、どうやら巻き込まれたみたいだな。御愁傷様。

 

「な、何ですか!?何故そんな哀れみの目で見るのですか!?確かに最初は嫌でしたが穂乃果が本気でやろうとしているので!だから後悔はしていません!」

「どうせ南に懇願されたんだろ?しかし作詞なんか出来るとは意外だな」

 

実際スクールアイドルといい、作詞といい、園田のイメージとは随分とかけ離れている。

 

「海未ちゃんは中学生の時にポエムを書いてたんだよ」

「ちょっ、ことり!?その事はあまり言いふらされてはっ!」

 

南にポエムを書いていた事をばらされ、顔を真っ赤にする園田。成る程中学の頃の黒歴史を活用されているのか。地味にえげつないな幼馴染は。

 

「ああっ!またツカサが私に哀れみの目を!」

「で?高坂。作曲は1年生に頼むんだったな?今日頼むのか?」

 

とりあえず、園田はスルーしよう。話が進まない程に不憫なエピソードが出てきそうだからな。

 

「うん!今日の休み時間に頼みに行こうかなって!」

「そうか、なら着いていっても良いか?1年の奴にノート貸してやる約束してるんだよ」

「分かったよ!それで、結局師匠は手伝ってくれるって事で……」

 

高坂が言い終える前に、チャイムが鳴り、先生が入ってきた。

 

「後で答えを聞かせてね!」

 

そう言い残し、高坂は自分の席に戻って行った。さて、ピアノが上手い1年生って言ったら、恐らく西木野だろう。作曲を引き受けてくれるとは思えないが、まぁ、とりあえず様子見をさせて貰おう。

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

さて、休み時間になった訳だが、自信満々に1年生の教室で『こんにちは!スクールアイドルの高坂穂乃果です!』って宣言した高坂だったが、教室に居た1年生全員がポカンとしてるぞ。浸透してないな。まぁ、当たり前か。さっきグループ名とか決まってるのか聞いたら、『絶賛募集中だよ!』なんて言い出すからな。この結果は仕方無いだろう。さて、下級生にガン見されるとかただの処刑でしかないから気配を消そう。俺は今から空気だ。

 

「あれ?全然浸透してない!?」

「当たり前です!」

 

高坂が慌てふためき、園田が高坂にツッコミを入れた。漫才しに来たのかお前らは。

 

そんな様子を見ていたら、教室の入り口が開き、目的である“西木野真姫”が入ってくる。

 

「あっ!あなた!」

 

西木野を見るなり西木野の肩をガシッと掴む高坂。あれはビビる。

 

「あなたに用事があったの!ちょっと良い!?」

「う゛ぇえ!?」

 

ほら、強引過ぎて西木野から変な声が出てるぞ。西木野も地味にコミュ障だからな。

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

「お断りします!」

 

西木野を屋上に連れてきた高坂は、作曲をして欲しいと言う旨を西木野に伝えるが、一瞬で断られていた。正に瞬殺だったな。

 

しかし高坂も一度断られた程度では諦めない。

 

「もしかして、ピアノは弾けるけど、作曲は出来ないとか?」

「出来るわよ!それくらい!」

 

高坂の言葉に西木野が噛み付く。少しプライドが傷付いたらしい。

 

「え〜!それじゃあ何で!?」

「と、兎に角やりたくないんです!」

「学校を救う為だよ!?」

「お、お断りします!」

 

そのまま立ち去ろうとする西木野を俺は止めた。ノート渡さないといけないし。

 

「ちょっと待て西木野」

「う゛ぇえ!?先輩!?居たんですか!?」

「気付いて無かったんかい……まぁ確かに一言も喋って無かったけどな。目立ちたくないから気配も消してたし」

「どんな原理ですかそれ」

 

それにしても西木野の驚いた時の声が気になって仕方ない。

 

「先輩はスクールアイドルに賛成してるんですか?」

「どっちでもないな。俺が目立たない裏方だけをやれるならやっても良いって認識。あと、コレが約束のノートだ。高1の時の奴を纏めて持ってきた。頑張れよ」

「そうですか……ノートありがとうございます……失礼します」

 

西木野はノートを持って屋上から出ていった。西木野の態度が不満だったのか、高坂が文句を垂れていた。

 

「お断りします!だって…海未ちゃんみたい!」

「あれが普通の反応です!」

 

さっきと同じ様に漫才を始めた二人。それと同時に、屋上に一人の生徒が現れた。

 

「あなた達……ちょっと良いかしら?」

 

生徒会長の“絢瀬絵里”先輩だった。嫌な予感がする。逃げる準備を……

 

「ツカサ、貴方もよ」

 

ギロリと睨まれる。どうやら逃げられないらしい。いや、怖いです。気配消したのに何で気が付くのこの人。

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

「失礼しました……」

 

正に意気消沈と言った感じで高坂達が生徒会室を出ていくのを見送ると、生徒会長が口を開いた。

 

「ツカサ……どう言うつもりかしら?」

「どう言うつもり、とは?」

「惚けないで!」

 

絢瀬会長が机を叩く。備品は大切に扱って下さい会長。壊したら弁償ですよ。

 

「惚けるも何も、生徒の相談に乗っていただけですよ?生徒会として……」

「……そんな事に構っている暇は無いのよ?放っておきなさい」

「何?生徒会とは生徒の相談には親身になるのでは無いのか!?」

「ふざけないで!真面目な話をしてるのよ!」

 

うわ、渾身のネタがバッサリと切り捨てられた。滅茶苦茶勇気出して頑張ったんだけど。しかし今ので確信した。絢瀬会長は焦っている。

 

「何をそんなに焦っているんですか?大体、スクールアイドルにそこまで反発する理由は何ですか?さっき高坂達に言った事だけじゃ無いですよね?」

「………軽いのよ。スクールアイドルなんて唯のお遊びにしか見えないの。一番実力の有ると言われているA-RISEも同じよ」

 

“お遊び”か。成る程、確かに第三者から見ればどのスクールアイドルも同じに見える事は有る。人間って自分が興味が無い事に関しては結構厳しいからな。

 

「会長の考えは分かりました。でも、それは高坂達を止める理由にはなりませんよ」

「どう言う意味かしら?」

「簡単な話が、高坂達がスクールアイドルをやることにデメリットが無いんですよ」

 

俺の言葉を聞いて絢瀬会長は溜め息を吐いた。何でだ。

 

「私の話を聞いてたかしら?もし失敗して駄目でしたってなったら皆どう思うかしら?」

「別にどうも思わないと思いますよ?元々こっちは廃校寸前の崖っぷち。スクールアイドルだろうが、何だろうが打てる手は全て打っておくのが当たり前です。駄目だったら廃校になるだけで、別に現状と変わらないでしょう?」

「そんなギャンブルみたいな方法じゃなく、もっと…そう、正攻法なやり方もある筈よ!」

 

ギャンブルか……負けても内臓とか取られる訳でもあるまいし。

 

「会長、正攻法が通用するのは自分が有利な状態か、最低でも対等な状態じゃないと通用しませんよ。それに、正攻法でどうにかなるならとっくに理事長が何とかしてますよ。あの人は人脈はかなり広い方なので。引きこもりの俺には出来ない事ですね」

「……」

 

絢瀬会長が閉口する。議論においての閉口は敗北を意味する。

 

「……もう、アカンよツカサ君?あんまりエリチを虐めたら」

「虐めてるつもりはありませんよ。それに、会長も状況が分かってるからこその閉口でしょうし。焦るのは分かりますけど、ゆっくりと考える時間も必要でしょう」

 

ずっと俺と会長のやり取りを静観していた“東條希”副会長が口を開いた。

 

「それはそうやろうけど、エリチ泣きそうやで?」

「えっ?いやいや、あの絢瀬会長が泣くわけ……」

 

東條副会長に言われて絢瀬会長を見ると、うっすらと目尻に涙が浮かんでいる。マジで泣きそうだった。この人打たれ弱いのか。豆腐メンタルの仲間が増えるね。

 

「……える」

「えっ?何ですか?」

 

会長がボソッと何かを呟いたので、耳を傾ける。すると耳をつんざく大声で会長が叫んだ。

 

「エリチカおうち帰る!!ツカサのバカーッ!」

「ああああぁぁぁ!?耳がああああぁぁぁッ!?」

 

そのまま絢瀬会長は生徒会室を飛び出して行った。なんて破壊力!音割れ絢瀬!!

 

「あーあ、エリチせっかくお気に入りのツカサ君と一緒やって喜んでたのに……でも、変わったよね、ツカサ君も……他人に興味が無いって感じやったのに。これからもエリチを宜しくね?」

「え?何ですか?耳が聞こえないんですけど……耳から血が出てないですよね?」

「何でも無いで〜」

 

その後、聴力が回復したのは放課後の事だった。音割れ絢瀬は絶対に流行らせろ。




音割れエリチカ


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カレーにするか。

生徒会長と一悶着あった後の放課後、教室で帰る準備をしていると、スマホにメールが届いた。差出人はツバサ。嫌な予感がする。

 

やっぱりと言うべきか、メールには面倒な事が書いてあった。

 

《今日、家に英玲奈とあんじゅを呼んでパジャマパーティーする事にしたの!だから夕飯の買い出しお願いね♪》

 

パジャマパーティーとか勘弁して欲しい。結構皆に誤解されがちだが、ツバサが居るからと言って家は豪邸とかに住んでいる訳では無い。普通の一軒家だ。確かに普通の家庭よりは多少裕福ではあるが、平均の域を大きく逸脱する事は無いと断言出来る。

 

何が言いたいかと言うと、“部屋が足りない”この一言だろう。リビング、両親の部屋、ツバサの部屋、俺の部屋が、大雑把ではあるが家の間取りである。そして、それぞれの部屋も広いと言う訳では無く以前に英玲奈さんと、あんじゅさんが泊まりに来た時も部屋が足りないと言って、ツバサが俺の部屋で寝て2人はツバサの部屋で寝たのだ。そして俺はリビングのソファーで寝た。酷くないか?何でツバサが俺の部屋に来るんだよ。頑張って3人同じ部屋で寝ようぜ。

 

「とは言うものの、拒否権は無いんだよな。一度決めたら絶対にやるだろうし」

 

半ば諦めて買い出しへと向かった。まだ耳が若干痛いけど。

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

スーパーに到着。これより買い物を始める。もうカレーで良いよな?当たり障り無いし。カレーは万能。そうしよう。

 

カレーに決めた俺は材料を買っていく。すると精肉売り場がタイムセールをしているらしく、人だかりが出来ていた。その中に見知った顔が居た。あの黒い髪のツインテールは……!

 

 

 

「矢澤先輩か?あ、人に飲み込まれてく。あの中入る勇気無いわ。矢澤先輩……南無三」

 

“矢澤にこ”先輩。アイドル研究部の部長である3年生の先輩だ。A-RISEのファンで、ツバサの弟である俺にちょくちょく絡んでくる。因みに身長はツバサと同じ154㎝らしい。

 

そんな小柄な先輩があの人だかりに勝てる筈も無く無情にも流されて行く。あれ?こっちに来てる?うわ、逃げよう。

 

「何で逃げるのよ!」

「何でって……自分の買い物を優先するに決まってるでしょう。矢澤先輩も買い物ですか?」

「別の意図が見えた逃げ方だったけどまぁ良いわ……豚肉を買いに来たのよ。安いから」

「豚肉かぁ……ポークカレーも良いな。良し、カレーはポークカレーにしよう」

「じゃあ私の分の豚肉も取ってきなさいよ」

「人混み嫌なんで勘弁してくださいよ。普通の値段の肉で良いです」

「アンタ私を放っておくの!?」

「えぇ……」

 

そんな事急に言われてもな。深い付き合いでも無いし。

 

「私の部屋に毎日入り浸ってるのに!」

「部室ですよね」

「とにかく買ってきなさいよ!」

「頑な過ぎ……」

「妹達が待ってるのよ!」

「しょうがないな……社会的弱者からの頼みなら仕方無い」

 

子供は極力食べたい物を食べないとな。まぁ俺達も大人って訳じゃないけど。

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

「あ、ありがとう…今度何かお礼するわね?」

 

何とか肉を入手し、矢澤先輩に渡せた。しかし何あれ?最近の主婦は弱体化したと思ってたら寧ろ主夫が増えててパワー勝負になったぞ。気配を消してすり抜けなければ即死だった。まだ人混みに流されていた序盤はマシだったのか。あれに矢澤先輩が入ったら……

 

「ええ、命の恩人なので滅茶苦茶感謝して下さい。矢澤先輩が潰れて御臨終するのを救ったんですから」

「私は潰れたりしないわよ!」

「そうですか。じゃあ次からは矢澤先輩を見つけたら、人だかりに放り込みますね?」

「私が悪かったわよ!感謝するから!」

 

さっきの人だかりを思い出したのか、焦り出す矢澤先輩。動きが子供っぽくてツバサと同じ身長とは思えない。

 

「そう言えばアンタ…」

「何ですか?」

 

真剣な表情で話す先輩。大方高坂達の事だろう。

 

「スクールアイドルの活動を手伝ってるって本当なの?」

 

予想通り過ぎて…… 

 

「まだ手伝ってる訳では無いですけどね。まぁ、反対はしてないですよ」

「綺羅ツバサの近くに居るアンタがあんなのを認めるの?」

 

矢澤先輩の考えは当然と言うべきだろう。矢澤先輩はスクールアイドルが大好きで、スクールアイドルの苦労、そして挫折を知っているのだから。だが、だからこそ言いたい。

 

「綺羅ツバサの近く……弟だからこそ、反対はしないんですよ。勿論スクールアイドルの辛さは知っているつもりですよ?でも、それ以上にスクールアイドルの楽しさも知っているつもりです。毎日遅くまで練習して帰ってくるツバサは充実した顔をしてますから。人前に自分を晒すとかあり得ませんけど、楽しそうなのは伝わってきますし」

「……そう、アンタの言い分は分かったわ。でも、誰もが綺羅ツバサみたいに強い訳じゃ無いのよ。少なくとも、にこの周りはそうだったわ。今日はありがとう、また学校で会いましょ」

「ボッチ同士仲良くしましょうや」

「ボッチじゃないわよ!」

 

そう言って、矢澤先輩は帰って行った。俺も帰り道を歩きながら考える。

 

「ツバサみたいに強い訳じゃ無い…か」

 

まぁ、考えても無駄だろう。少なくとも高坂はツバサと似たような物を持っていると確信していた。良い意味でも悪い意味でも。

 

「ん?」

 

スマホが鳴ったので確認してみると、またもやツバサからのメールだった。

 

《今日はポークカレーが良いな~》

 

「……あいつ見てたんじゃないよな?」

 

そんな事を考えながら家に帰った。



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カレーうどんにしてやろうか?

無事帰宅した俺は早速カレーの準備を始める。ツバサ達が帰って来る頃には仕上がっている状態にしたい。

 

 

 

 

 

 

 

カレーが良い感じになってきたと同時に、外が少し騒がしくなってきた。つまりツバサ達が帰って来たと言う事だろう。外にはそれなりの数のA-RISEファンがツバサ達の帰りを待っていた。まぁ、道の邪魔にならない様には注意喚起をしているから大丈夫なんだがツバサ達の帰宅方法は学校が用意したリムジンだ。もう一度言うがリムジンだ。学生の身分でリムジンとか何様だよ?あれか?毎回移動がリムジンだから金持ちと誤解されるのか?

 

そんな若干の僻みを考えていると家の玄関が開いた。

 

「ただいま!ん~!カレーの良い匂い!」

「「お邪魔します」」

 

玄関からツバサとあんじゅさんと英玲奈さんの声が聞こえた。やっぱりあの騒がしさは3人だったらしく3人が家に入った途端に外の騒がしさは消えた。現金過ぎるだろ。

 

「お久しぶりです、あんじゅさんに英玲奈さん。ツバサもお帰り、予想よりも少し早かったが何かあったか?……その格好は何だ?」

 

リビングに入った3人を迎えると“ステージ衣装”のA-RISEが居た。

 

「久しぶり~!ツカサくん!どぉ?私達のステージ衣装!」

3人の格好に唖然としていると俺に衣装の感想を聞きたいのか、あんじゅさんがその場でクルリと1回転して衣装を見せつけてきた。しかしまぁ何と言いますか……

 

「……似合ってますよ?」

「む?何だツカサ。我々の衣装の感想が何故疑問系なんだ?」

 

俺の感想が気に入らなかったのか英玲奈さんが不満げに尋ねる。

 

「いや、英玲奈さん?俺が言いたいのはですね?」

「私達の姿が可愛すぎてツカサは脳が追い付いて無いのよ。そうよね?ツカサ?」

 

自信満々にしているツバサ。人の言葉を遮ってドヤ顔しているところに悪いが、そうじゃないんだ。ドヤ顔ムカつくからカレーの量減らしてやろうか。

 

「普通に理解しているし似合っているとは思うが、まさかその格好でカレーを食べるつもりじゃないよな?だとしたら責任は取らないからな?」 

「「「あっ」」」

 

俺の言葉を聞いてハッとした表情の3人。パジャマパーティーとか言ってたからパジャマはあるだろうし学校帰りだから制服もあるだろうし大丈夫だよな?カレーうどんにしてやろうか?

 

「大丈夫!制服も私服もパジャマもあるから!いざとなったらツバサちゃんの私服を借りて……」

 

あんじゅさんが言いかけたその時、ツバサを見てあんじゅさんが静かになった。簡単な話が英玲奈さんとあんじゅさん、そしてツバサは全員が体格が違うのだ。つまり衣服の貸し出しは不可能である。

 

「ある意味私達ってお互いに持って無い物を補い合っている素敵なチームだと思うわ」

「背が低くて悪かったわね…」

 

あんじゅさんの発言を聞いて若干いじけるツバサ。それにしても英玲奈さんが静かだ。気になって英玲奈さんを見てみると何やら唸っている。

 

「私の体格ならツカサとあまり変わらない……上手くいけばツカサのTシャツ等を借りれるか……?いや、しかし……」

 

何か凄いブツブツ言ってて怖い。触らぬ神に祟りなしと言うから放っておこう。

 

「とりあえず着替えましょうか。このまま衣装が汚れるのは困るし」

「そうね。せっかく私が作った衣装だもの」

「そうだな、ツカサのTシャツは次回にしよう」

 

そう言って3人は着替えにツバサの部屋へと消えた。Tシャツって何ですか英玲奈さん?

 

「ステージ衣装か……結構スカート丈が短めだったが、園田がああいう衣装を着るとは思えないな。衣装担当は南と言っていたが大丈夫か?大丈夫じゃなさそうだよな」

 

まだグループ名も決まっていないが、他の問題も色々あると実感した瞬間だった。裏方だけで済まなくなったらどうするか……

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

「「「ごちそうさまでした」」」

 

パジャマに着替えた3人は早速カレーを平らげた。特にツバサが食べるのが早かった。正に“カレーは飲み物”状態だったぞ。やっぱり今度はカレーうどんにしてやろうか。

 

「お粗末様。片付けは俺がやるからツバサ達は風呂でも入ってきたらどうだ?」

「そうね。英玲奈、あんじゅ行きましょう」

「ではお言葉に甘えるとしよう。しかしツカサは料理が上手いな……良い婿になれるぞ」

 

英玲奈さんが俺の作ったカレーを褒める。一生独り身で良いから料理の練習してるんです。

 

「カレーは誰が作っても美味しい物ですよ」

「前にカレーを作って失敗した私への嫌味かしら?」

「あれは単に牛乳の入れすぎだ。少しで良いのにドバドバ入れるからああなるんだよ。何でカレーの色が白いんだよ」

 

少し前にツバサがカレーを作った時があったが、隠し味の牛乳を入れすぎて隠し味じゃないレベルになっていた。ツバサはスクールアイドルや勉強に関しては無敵と言っても差し支えないがプライベートでは抜けている所が少しある。

 

「うっ……あれはそう!カレーミルクよ!新しい料理に挑戦したの!常に挑戦を続けてるのよ!」

「あれ?さっき失敗したって言ってなかったかしら?」

「あんじゅは余計な事は言わないの!」

「私はカレーミルクは嫌だな」

「英玲奈まで……酷いわ。今日の私は枕を濡らして眠るのね……」

「枕を濡らすなら自分の部屋で濡らせよ。俺の部屋は明け渡さんぞ」

 

その場に座り込んで泣き真似をするツバサ。ここまで素の自分を見せられているツバサを見ると改めて実感できる。A-RISEとしてだけではなく人としての絆がしっかりと出来ているのだと。これが現在のスクールアイドルの頂点に居る3人の強さの理由なのだろうか。



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ベッドの下

ベッドの下漁ろう


今日のパジャマパーティーの発端は私の一言からだった。それはいつもと同じ様にA-RISEとしてのレッスンを終えた後のメンバー同士の何気無い雑談が引き金。

 

「そう言えばツカサが音ノ木坂に入学して1年近く経つけど、中々面白い学校みたいよ」

「ほう。どう面白いんだ?」

「ツカサくん絡みでツバサちゃんが面白いって話題を振るのは珍しいわね」

 

二人とも興味津々みたいで思わず話してしまったの。『私達以外の人間に興味を持ったみたい』と。あのコミュ障が。

 

今思えばそれは失敗だった。私を始めA-RISEは結構自尊心、つまりプライドが高い。ツカサは中々人に興味を示さないタイプだから、A-RISEに興味を持って貰うのに一時期躍起になっていた時もあった。それはもう必死にやったわ。

 

私達はそれだけ必死にやったのに、高校で他の人にもツカサが興味を示したと言ったら、ツカサが興味を示したのがどんな人物か気になるのは当然だった。それからは英玲奈とあんじゅの行動は早かったわ……

 

「先ずはツカサに会わないとな。ツバサ、今夜はツバサの家に泊まれるか?」

「……えっ?両親は仕事で今年中に帰って来るかも怪しいけど……まさか?」

「ならパジャマパーティーって事にしましょう!ついでに今度のステージ衣装も持って行って驚かせましょう!サプライズよ!」

「良いアイデアだあんじゅ!ツバサ、ツカサに連絡を入れておいてくれ」

「えぇ……?」

 

それからツカサにメールして現在に至る。ポークカレーは私の個人的なリクエストだけれども。

 

「それにしても……何でそんなにもツカサに対して必死なのよ。確かに私もツカサがどんな人に興味を持ったのかは気になるけど、そこまで必死になる必要はないでしょう?衣装まで持ってきて……」

 

私は体を洗いながら、既に湯槽に浸かっている英玲奈とあんじゅに問い掛ける。

 

「ツバサには分からないだろうな……あの素晴らしい魅力は。常に観察していたい」

「そうね。完璧超人で特に、ツカサくんの家族であるツバサちゃんには分からないわね~。ツカサ君の持つ強大な庇護欲をそそる存在感は」

「何よそれ……庇護欲って。それよりもあんじゅ、また大きくなった?」

 

よく分からない返事をする二人。でもそれよりも私の興味は、未だに発達を続けるあんじゅに実っている二つの果実に移っていた。何よあれ。何でまだ大きくなるのよ?

 

「ツバサちゃんの視線が怖いわ。獲物を狙う獣の眼光よ!」

「そんなもの育てるのが悪いのよ!」

「ツバサ……いや、何でもない」

「何よ英玲奈、ハッキリ言いなさいよ?らしくないわよ?」

 

普段と違って良い淀む英玲奈。彼女らしくない態度に私は不安を覚えた。英玲奈がこんな態度を取るのは大体が良くない時だ。

 

「その、ツバサ……お前も何と言うかな、ある意味立派だと思うぞ?A-RISEの非公式の掲示板を覗いていたら“ツバサは尻だろう”って盛り上がっていてな」

「…………」

 

知らなくても良い事実ってやっぱりあるのね。闇が深いわ。

 

「ツバサちゃん?無言でシャワーを冷水に切り替えないでくれる?」

「そしてそれを私達へ向けないでくれないか?」

「ごめんなさい…八つ当たりしたいの♪」

「「理不尽!」」

「知ってる」 

 

☆☆☆☆

 

 

 

風呂が滅茶苦茶騒がしくなっている。ご近所に迷惑では無いだろうか?そんな事を考えながらも学校から出された課題を解いていく。

 

綺羅家の家訓と言うか、父親の理念が“勉学は出来て当たり前。綺羅の人間ならば他にも一芸に秀でるべき”だそうだ。今時古い考えだとは思うが別に勉強が出来て困る事は無いので従っている。ツバサの一芸、と言うのは正しくは無いと思うが、スクールアイドルとして秀でている。俺はと言うと“システマ”と言う格闘技だ。軍用格闘技だな。絡まれるの嫌だから護身も兼ねて。

 

父親だけではなく、母親も仕事でいつ帰って来るかも分からないから実質ツバサとの二人暮らしみたいな物だが、先程の親の理念のお陰か、お互いに熱中する事が出来て両親が居ないという寂しさを感じる事は少ない。

 

「帰ってきたら、それはそれで面倒だしな……」

 

不意に出た独り言だったが気にしないでおこう。そんな時、部屋のドアが開いた。

 

「ツカサ、お風呂空いたわよ」

「お前、ノックくらいしろよ。究極のプライベート空間だぞここは」

 

そんな言葉も聞かずに平然と俺の部屋に入ってくるツバサ。そして俺の部屋を見渡して溜め息を吐いた。失礼だな全く……

 

「本当に統一性の無い部屋よね、参考書の隣にライトノベルに漫画。その下には洋書とゲームの攻略本と格闘技の本」

「良いだろ別に……」

「それで色々と網羅出来てるのが凄いわよね。普通は大抵が器用貧乏で終わるのに」

「まどろっこしいな……無駄な会話が1番嫌いだぞ」

 

普段はしない会話をしてくるツバサ。何か裏があるな。面倒な話は勘弁だぞ。

 

「……そうね。単刀直入に聞くわ。音ノ木坂にはツカサが興味を持つ程素敵な人が居るの?」

「パジャマパーティーの理由はそれを聞くためか。外の2人の提案か?」

 

俺の言葉が聞こえたのか、観念する様に二人が出てきた。いや、だから何で平然と部屋に入ってくるの?男の部屋だよ?

 

「バレたか……「部屋に平然と入らないで下さい」いや、君が興味を持った人がどんな人物なのかが「部屋に入るな」気になって「部屋から出ろ」な……教え「出ろ」てくれないか?」

「メンタル凄いな英玲奈さん!俺の話を聞いてます!?」

「ゴメンね?でもやっぱり気になって……A-RISEの私達に興味を示すのには時間が掛かったし……もしかして彼女さんかなぁ?って」

「アンタもだよ!何を平然と俺のベッドに腰掛けてるんだよ!」

「ベッドの下漁ろう。何か隠してるでしょ?」 

「俺の姉は頭が沸いたのか!?」

 

何このサイコパス集団。本当にスクールアイドルの頂点なの?高坂もそうだったけど、頭のネジが弛んでる奴がスクールアイドルやるのか?

 

「俺にはやっぱり荷が重いかも」

「何よ急に……」

「いや、ベッドの下に上半身の殆どを入れた状態の姉を見てると何かな……スクールアイドルって、やべーやつしか居ないのか?」

「やべーやつって失礼ね。……何もなかった。つまんない」

 

やべー姉がベッドの下から出てくる。何を期待したんだお前は。

 

「ツカサ君はベッドの下とかに本とか隠さないの?」

「隠す物なんて無いですし、はよベッドから降りろ。しれっと横になるな」

「えー」

「ツカサよ。ベッドの下が空いているのなら私はベッドの下で寝ても良いだろうか?」

「良いわけ無いだろサイコパス」 

 

スクールアイドルのトップ怖い。何とかして部屋から追い出さなければ。

 

「英玲奈、冗談はそれくらいにしなさい。本題に戻れないでしょ?」

「私は本気だが」

「良し、俺はリビングで寝る!!」

「では私はリビングのソファーの下に」

「もうやだ野宿する」

「土の下に」

「サイコパス過ぎるだろアンタ!!」 

 

コミュ障に対する仕打ちが酷すぎる。何それ。自分が寝てる場所の真下に、常に人が居るとかコミュ障じゃなくても怖いわ!

 

「ツカサ……本題に戻るわね?」

「コレを放っておくつもりかリーダーさんよ?」

「手遅れだもの」

「ひでぇ……」

「本題に戻るわ。どんな人に興味を持ったの?」

 

真面目な表情になるツバサ。あんじゅさんは寝てる。いや待て。何で寝てるんだ。

 

「せめてあんじゅさんを起こしてから……」

「本題に戻るわ。どんな人に興味を持ったの?」

「いや、だからあんじゅさんを」

「本題に戻るわ。どんな人に興味を持ったの?」

「だから」

「本題に戻るわ。どんな人に興味を持ったの?」

「ループ!?思考を放棄するなよ!何とかしろよ!」

 

取り敢えず質問に答えてあんじゅさんを起こして貰って、英玲奈さんも引き取って貰おう。

 

「とにかく人を巻き込むタイプだよ。何事にも全力で、視野の狭いバカだ」

「成る程……巻き込まれて嫌な感じはしてないみたいね。なら私は構わないけど……ほら、あんじゅ、私の部屋に行くわよ。英玲奈も」

 

思ったよりもあっさりと済んだ……訳無いよな。俺の言葉を聞いた後のツバサは滅茶苦茶楽しそうに笑ってたし。

 

「私はベッドの下で寝るぞ!」

「眠いわ……ここでツカサ君と一緒に寝る……」

「俺リビング行こう……」 

「なら私も」

「寄るなサイコパス」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局リビングで寝ました。英玲奈さんは何とか部屋に閉じ込めたから大丈夫だった。俺のコミュ障の悪化の原因は英玲奈さんじゃないよな?




ベッドの下潜ろう


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