神喰い?いいえモルモットです (斑尾 彌禮)
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第1話

2年ぐらい前に書いたやつを直したやつですので、あまり期待しないで読んでください。


「ヒタキくん、君には僕が試作した新型神機の実地試験を行ってもらいたいんだ」

 

「……はい」

 

 

 フェンリル極東支部の研究室で、私は死の宣告を受けた。

試作型神機の実地試験。この任務を受けて帰らぬ者となったゴッドイーターを私は二人知っている。

 

 

「知っての通り、実地試験では大型のアラガミと戦ってもらう。大型のアラガミであれば相手は君の自由だ。

 勿論、いざという時の為に護衛を付けるよ」

 

「…………はい」

 

「気分が乗らないようだね」

 

「……気にしないでください」

 

「そうか、では1週間以内に希望のアラガミの依頼を持ってきてくれるかい?」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

 1週間後、私の神機が魔改造されて帰ってきた。

 これまで私はスナイパー型の神機を使ってきたのだが、今は、その銃身の下部に刀身がくっついている。

 

 これって銃剣じゃん。

 いや、効率的なのは分かるけど、私はスナイパーだからね。接近戦なんてできないよ。

 

 

「この銃剣型モジュールは、オラクルの回復手段を回復錠から攻撃に変えてくれるんだ」

 

 

 リッカさんが銃剣の利点をやたらと輝いた目で説明してくるけど、前提条件が間違ってるよ。

 それと接近戦をするために必要不可欠な装甲が無いんだけど…………

 やはり私はあの二人と同様の末路を辿るのだろうか?

 うぅ……頭が痛い。

 

 私は頭を押さえながら任務を受けるために受付に向かった。

 

 

 

 

 任務を受け、やはり頭痛に襲われながら贖罪の街に来たが、そこに護衛の姿はなかった。

 取り敢えず、通信でヒバリさんに聞いてみる。

 

 

「ヒバリさん、護衛の方が居ないんですけど……」

 

『安心してください。今回の護衛はリンドウさんです』

 

 

 おお!ヒバリさんの言葉で頭痛が治まった。

 リンドウさんが居れば生きて帰れるだろう。

 

 

『ただ……寝坊で遅れるみたいで………作戦開始予定時刻の5分後に到着予定だそうです』

 

「……作戦開始時刻の変更は…………」

 

『作戦地域の周辺に複数のアラガミがいるため、原則禁止となっています。私としてもオススメできません』

 

 

 希望が絶望に変わるとこんなにも虚しくなるのか…………

 

 

『ヒタキさん、ヴァジュラがそちらに接近しています。時間を考慮すると、そろそろ交戦したほうがよろしいかと』

 

 

 ひばりさんに言われて覚悟を決める。

 

 5分……5分持てば生存確定なのだ。

 ヴァジュラは何度か討伐したことがある。ミスさえしなければ問題ないはずだ。

 

 

 

 ヴァジュラの死角に入るように移動し、神機を構える。

 

 接近戦はリンドウさんが到着してからやるとして、銃としての使い心地を確認しないと。

 

 スコープの倍率を目一杯上げて尻尾の付け根を狙い撃つ。

 

 神機から放たれたレーザーは寸分違わぬ箇所に的中し、ヴァジュラが突然の攻撃に怒り咆哮する。

 

 銃身に剣が付いても特に感覚は変わらなかったので、今まで通りの戦いにシフトする。

 

 

 

 

 

 

 

 何度もレーザーを当てるが、ヴァジュラは怯むことなくこちらに突っ込んでくる。

 

 ヴァジュラが飛び跳ね、私を踏みつぶそうとしたところで銃剣を構え、ヴァジュラの下を掠めるよう回避しながら刀身を空中に浮いた無防備な体に叩きつける。

 

 こうすることでダメージを与えつつ、op(オラクルポイント)を回復することができる。

 

 こちらの攻撃が掠った程度でも最低でもレーザー1発分のоpが確保できた。

 

 接近戦はさっきのが初めてではない。リンドウさんがいつまで経っても到着しないので、оpが切れてしまったのだ。

 

 私は今日は護衛の方にほとんど任せるつもりだったため、Оアンプルを持ってきていなかった。つまり、оpの回復手段は接近戦しかなかった。

 

 оpが切れたからといって逃げ続けていても、体力が切れてやられるのが目に見えている。

 

 そんなわけで銃剣による接近戦をやってみたのだが、案外楽しい。特にギリギリで躱した時の快感は狙撃でピタリと当てた時と同じ位気持ち良かった。

 

 私は案外、接近戦に向いているのかもしれない…………スナイパーだけど。

 このままいけば、一人で倒せるかも。

 

 そんなことを思っていたのが悪かったのだろうか?突然、ヒバリさんから緊急の通信が入る。

 

 

『作戦地域に大型のアラガミ反応!

この反応は……ヴァジュラです!』

 

 

 まさかの2体目追加!?

 

 

『ヴァジュラ付近にゴッドイーターの反応!

リンドウさんです』

 

 

 まさかのリンドウさんが既に戦っていたパターン。

 でもヴァジュラに合流されると、私というハンデもあるし、いくらリンドウさんが強いといってもまずいかも?

 

 

『現在増援を要請しています。ヒタキさん、もう少し頑張ってください』

 

 

 増援を待つのも良いけど、待ってたら確実にヴァジュラに合流されるよね。

 ここはリンドウさんを信じて、こっちのヴァジュラを移動させないように誘導した方が良い。

 

 仕方なく此方からヴァジュラに接近する。

 

 

「ヒバリさん、もう一方のヴァジュラは何処にいるの?」

 

『作戦エリアの西方面です』

 

 

 現在私がいるのは作戦エリアの東にある教会の中だから、結構距離は離れてる。

 

 ヴァジュラが電撃を飛ばしてくるのを転がって回避する。

 

 ヴァジュラは中型のアラガミと比べて攻撃の威力や体力などが厄介だが、攻撃そのものは慣れてしまえば単純で回避しやすい。

 それが私が試験にヴァジュラを選んだ理由だったが、別の事でも良い感じになっている。

 

 電撃がなかなか当たらないのにしびれを切らしたのか、ヴァジュラは突進を多用してくるようになった。

 狭い教会の中では回避しづらいので外に向かって走る。

 

 

 

 

 

 

 外に出ると、私の前には何故かヴァジュラがいた。

 

 どうして!?ヴァジュラが此方に来ているといった通信はなかった筈。

 

 

『…タキ…ん!応答……さい!……キさ………』

 

 

 通信機からノイズが混じった声が発せられる。

 

 嘘でしょ!こんなときに限って通信障害!?

 

 私は驚きの余り動きを止めてしまっていた。

 

 

 

 前後からヴァジュラの咆哮が聞こえる。

 

 

 

 私はやはり死ぬのだろうか?

 

 そもそも、小型アラガミが居ないことから気がつくべきだったんだ……

 

 此処は私を死へと誘う場所(大型アラガミの楽園)だってことを…………

 

 

 前後からヴァジュラが駆けてくる衝撃が伝わってきて、

 

 

 

 

 そして…………




2話は多分今日か明日に上がると思います。
なお、5話以降は書き溜めなんてないので投稿日時は完全に未定です。

7/21 22:30 :擬音語を削除


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第2話

前書きや、後書きを書くのはなんか新鮮で面白い。


 独特の破裂音と共に視界が白く染まる。

 

 

「ヒタキ!今だ、逃げろ!」

 

 

 スタングレネードによって視界が奪われたままだが、私は誰が来たのかはっきり分かった。

 

 

「リンドウさん!」

 

「すまん、ちょっと面倒な奴に絡まれちまってな」

 

「次からは遅れないでくださいよ」

 

 

 まだ視力は回復しきっていないが、ぼんやりとした視界の中、直ぐにリンドウさんの後ろまで走って逃げる。

 

 どうやら私は死神から逃げ切ったらしい。

 

 リンドウさんの後方で息を整えていると通信が入った。

 

 

『ヒタキさん!良かった。合流できたんですね』

 

「なんとかね。ヴァジュラはあの2体だけ?」

 

『はい、リンドウさんが倒した個体を除けば、あの2体だけです』

 

「因みにリンドウさんは何体倒したの?」

 

『2体です』

 

 

 格が違った。改めて自分とリンドウさんの実力差をはっきりと認識させられた。

 

 というかヴァジュラ4体も居たの!?

 

 

「ヒタキ!体制を整えたら反撃するぞ」

 

「りょ、了解」

 

 

 落ち着け、落ち着くんだ。ジーナさんのようにクールにいこう。

 幸運なことにopは結構回復してるし、銃撃だけでも充分いける!

 

 でも……銃剣も楽しかったなあ……

 

 いやいや!装甲無いのに接近戦とか死んじゃうし!

 やっぱり銃剣は取り外してもらおう。

 

 

「ヒタキ!」

 

 

 危なっ!

 

 リンドウさんの声で現実に戻ってきた私はヴァジュラの電撃をギリギリで回避する。

 

 いかんいかん、集中しないと……

 

 お返しにさっき攻撃してきたヴァジュラに狙いをつけて撃つ。

 

 狙ったヴァジュラは元から私が相手をしていた個体だったらしく、顔面への銃弾2発だけで沈んだ。

 

 よし!あと一匹!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気がつくと、私も前に出て戦っていた。

 

 あれ?こんな筈ではなかったのに……

 

 銃剣でヴァジュラの後ろ足を切りつけ、中距離から銃撃。それをひたすら繰り返す。隙ができたら銃剣を刺して零距離射撃。我ながら酷い戦い方だと思う。

 

 途中、リンドウさんのフォローが無ければ確実に死んでいたと思う。うん、ほんと、3回くらい放電くらって気絶しそうになったからね。

 

 そんなこんなで戦うこと5分、既にヴァジュラの後ろ足は穴だらけで、リンドウさんがとどめを指していた。

 

 なんだかヴァジュラが可哀想に思えてくる。

 最後のほうとか足の回復が間に合わずに立ち上がれなくなってたもん。

 

 自分なりに今回の戦闘を振り返ってみる。

 

 私が仕留めたのは一匹のみ。しかもリンドウさんがいなければ確実に死んでいたっていう醜態。リンドウさん強すぎですよ!うぅ…もっと強くならないと……

 

 私が暗い表情をしているのに気がついたのか、リンドウさんが話しかけてきた。

 

 

「ヒタキ。その神機なんだが……あれだ……博士のおふざけなのか?」

 

「ふざけてやっているんだったら、まだましでしょうね」

 

「…………その……あれだ……強く生きろよ」

 

「……はい」

 

 

 どうやらリンドウさんもこの神機がおかしいと思ってくれたようだ。

 正直私はリッカさんがおかしな物を作るわけがないと思っていたので、リンドウさんの意見は私に自信を取り戻させてくれた。

 

 取り敢えず帰ったら銃剣外して貰おう。このままだときっと普通に戻れなくなる。

 

 

 

 

 

 

 帰投後、ヒバリさんに任務の結果を報告していると、アナグラの皆に神機を見られて笑われた。珍しくソーマ君まで苦笑してるし。

 泣いていいですか?




3話目は明日投稿します。

7/21 22:37 :擬音語を削除


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第3話

 UA数が増えてるのにお気に入りや評価が無い(朝7時時点)のは、やっぱり小説がダメだからなんだろうなって思って、心当たりを探すと、出だしの部分が突然過ぎたかなぁと感じた。
 でも、あれは主人公の名前を読者に手っ取り早く伝えるためだから、直すつもりはない。というか文才がないから直せない。
 あとは1話1話が短すぎることかな。正直にいうとこれはもう直せない。理由はやはり同じ。


 後日、私は博士の呼び出しを受けて研究室に向かっていた。

 先日の試験は試験内容はあれだったけど、使い心地や威力などは報告してあるので、別件である可能性が高い。

 

 そう、別件である可能性が高いのである。

 

 これでまた実地試験とか言われたら泣く自信がある。

 

 研究室に入ると、そこにはやたらと大きい神機のような物があった。

 よくよく見ると持ち手やトリガー部分が私の神機と似ている……というか同じだった。

 

 

「ヒタキくん、今回君には試作新スナイパー型神機の実地試験を行ってもらいたいんだ」

 

 

 出た~博士の無茶ぶり。まさかの連続ですか?泣いていいですか?もうゴールしても良いですよね?

 

 

「ヒタキくん?大丈夫かい?普段と様子が違うようだが……」

 

「サカキ博士、私じゃないといけないんですか?」

 

 

 もうなんか涙が出たりしてだいぶ恥ずかしいことになってるけど、実地試験をさせられるよりはましだ。ここは女の子の涙という武器を使って阻止しないと。

 私はモルモットじゃない!ゴッドイーターなんだ!

 

 

「うっ。ヒタキくん。私が悪かったのは認めよう。

 しかしね、この試作型神機はヒタキくんじゃないとデータが取れないんだ」

 

 

 うわっ。これ断りづらいパターンだ。

 仕方ない。取り敢えず話だけでも聞いてから断り方を考えよう。

 

 

「分かりました。それで、その試作型神機は一体何なんです?」

 

 

 あ、ミスした。博士にあんな質問なんてしたら……

 

 

「よく聞いてくれたね。今回の試作した神機は超遠距離対応のスナイパー型神機だ。射程はアラガミに捕捉されないように2キロあるし、万が一に備えてサプレッサーも付けた。ついでにこの神機専用の特殊なバレットも開発したんだよ。それでこのバレットは対象のアラガミの表面を突き破って内部で爆発を起こすんだ。この爆発には狙撃者の方向をある程度誤魔化す狙いもある。この試作型神機の試験が成功したら、将来的には街を覆う防壁の上やヘリからの狙撃をさせる予定だ。これが実現すればゴッドイーターの安全性も格段に上がるだろうね。それでこの神機の試験を、普段からスナイパー型の神機を使っていて尚且つ前の試験の時に集めたデータが色々と残っている君にやってもらいたいんだ。

……聞いているのかい?」

 

 

 はっ!いけないいけない。いつの間にか寝てしまったようだ。

 

 

「すみません、博士」

 

「仕方ないね。では大事なところだけ掻い摘んで「試験内容の説明をしてください」……分かった。それでは試験の内容を説明しよう。

 今回の試験は、輸送ヘリに乗って上空から狙撃、その後ビルの屋上に降りてそこから二キロ先まで誘導されたアラガミへの狙撃の二つだね。

 個人的には輸送ヘリからの狙撃を特に頑張ってほしい。これができれば、それ専用の強襲部隊を作れるからね。

 

 今回も護衛としてリンドウくんが付く予定だ。時間通りに来なくてもヘリが待つから遅刻の心配はないよ。前回のことは私も色々反省したからね。

 

 では、明日午前10時までに出撃ゲートに来てくれ。頼んだよ」

 

「はい、分かりました」

 

 

…………あ、了解しちゃった。博士の話がやけに長いのが悪い。たとえ私じゃなくたって聞き流して了解してしまうに違いない。

 

 

 

 

 

 

 皆さんこんにちは。私は今、贖罪の街の上空にいます。勿論というかリンドウさんはいません。遅刻だそうです。ヘリのパイロットさんはリンドウさんが居ないことに気づかずに発進してしまいました。

 あの人、私が新人じゃないからってわざと遅刻してるんじゃないかな?

 

 そんなわけで作戦開始!

 

 私の撃ったオラクル弾は普段より鈍く篭った音を立てて、捕食中だったオウガテイルを肉塊に変えた。

 

 グロッ!

 

 現代兵器でもびくともしないあのオウガテイルをいとも容易くぶち抜くなんて……いや、よく考えたら普段使ってるレーザー弾でも貫通するね。

 

 でもまあ、明らかにオーバーキルだったし威力はとんでもないものなんでしょうね。

 

……私の右腕が変な方向に曲がってなければ完璧だったね。

 

 

「何で博士はそういう基本的なことを考えてないの!?おかしいでしょ!威力を上げたら反動も凄いことになるなんて自明でしょ!」

 

「あの、このまま支部に帰還しますので、安全のために扉を閉めてください」

 

 

どうやらヘリのパイロットに気を使わせてしまったようだ。私としたことが、なんて情けない。

 

 

『リンドウさんが現場に到着したそうです。任務が中止になったので回収をお願いします』

 

 

 そしてこのタイミングでリンドウさん到着。

 

 

「パイロットさん、このまま基地へお願いします」

 

「いいんですか?」

 

「はい、遅刻したあの人が悪いんです」

 

 

 今の私は激おこですからね。こうなったら博士を脅して休暇でも貰っちゃいましょうか。




 3話の内容はこうすれば良いのに、と思うであろう理想の神機を博士に作ってるもらいました。
 遠距離狙撃は距離減衰を考えるとエネルギーが必要。オラクルは質量を持つと考えると反動がある。あの射程のアラガミ弾であの反動ということを考えると、遠距離狙撃弾は勿論肩がいかれる反動になってしまう。という、式とかは使ってない考え方です。

 あと、リンドウさんは好きですよ。でも、話を面白くするために犠牲となってもらいました。あまり新キャラは出したくないですしね。え?次の話には使い捨ての新キャラが出てくる?そんなことあるわけないじゃないですか。


7/21 22:39 :擬音語を削除


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第4話

 これを予約した時点でもう書き溜めはないです。5話の進捗は約半分。う~ん、終わるのか、これ?
 頑張るしかない。
 あと、お気に入り登録してくださった方、ありがとうございます。モチベが上がります。


 怪我の治療も終わり、いつものようにエントランスで暇を潰していると、突然、周囲が騒がしくなった。

 

 

「どうしてですか!?」

 

「どうしても何もない。この任務はお前には無理だ」

 

「この前のボルグ・カムランだって1人で倒せたんだ!シユウ2体同時なんて楽勝ですよ!」

 

 

 どうやら、若手のゴッドイーターが無茶言ってるっぽい。

 あ、相手をしていたツバキさんがこっちを見た。いや、私に説得なんて無理ですよ。

 

 

「おい、ヒタキもなんか言ってやれ」

 

 くっ、仕方ない。ここは私が先輩としてはっきりと言ってあげよう。

 

「……失礼ながら、あなたに2体同時はまだ早いと思います」

 

「あ?なんで俺がモルモットにそんなこと言われなくちゃいけねぇんだよ」

 

 

 うん、やっぱり聞く耳を持たない。

 因みにモルモットっていうのは私のあだ名。博士や神機整備班からの試作装備の試験依頼をよく受けていることから付いたらしい。

 まあ、こういう人には実際に体感してもらう方が早いでしょうから、ツバキさんに提案して誰かをついていかせましょうか。

 

 

「ツバキさん、ベテランを一人ついていかせて危なくなったら助けさせるのはどうでしょう?自分の実力が解ってないと後々事故が起こるかもしれませんし」

 

「そうだな。となると現在暇そうにしているベテランは……ヒタキ、お前しか居ないな」

 

「……へ?いや、私はベテランでh「よし、ヒタキ、上官命令だ。この馬鹿を連れて贖罪の街に行ってこい」」

 

 

 やらかしたぁぁ!またしても自分で自分の首を絞めるようなことを。

 よし、こうなったらこんな任務直ぐに終わらせてやろう。私は休むんだ。休暇……休暇が欲しい。

 

 

 

 

 で、やって来ました贖罪の街。解説はこの私、ヒタキでお送りします。

 現在、若手のゴッドイーターこと、リチャードさんがシユウ2体と交戦中。

 リチャードさんはロングブレード使いで、攻守のバランスが上手く取れた戦い方をしている。しかし、それは相手が1体の場合だ。相手が2体だと、どうしても守りが厳しくなってくる。

 とはいえ、彼も慣れてきたのか動きが良くなってきた。

 シユウのエネルギー弾をギリギリで躱し、1体がダウンしている間にもう1体を攻撃する。

 少々危ない場面もあったが、このままいけば倒せるだろう。

 

 このままいけば……なんだけどね。

 

 頭部に集中攻撃を受けたシユウが活性化する。それにより、今まで優勢だった状況がどんどん悪化していく。

 そして、何とか一撃を返したところで、2体目のシユウまでもが活性化。彼も奮闘するが、次第に被弾が多くなり、遂に突進を受けて吹き飛ばされてしまった。

 

 よろめきながらも体制を整えた彼の前には、2体のシユウが並んで迫っていた。

 

 正に絶体絶命の状況。

 死の恐怖で足がすくんだのか、動かない彼にシユウが攻撃しようとした時、銃声が鳴り響き、貫通レーザーが2体のシユウの頭部を突き抜けていった。

 

 勿論、撃ったのは私だ。

 

 彼がピンチに陥ってから救助したのは、2度と実力以上の事をしないようにするため。実際、彼は絶望の表情を浮かべていたし、目的は達成した。

 

 で、ここからは私のターン。

 

 

「ヒバリさん、救援を一人でも良いから寄越して」

 

『わ、分かりました。直ぐに救援を送ります』

 

 

 ヒバリさんに連絡し、応援を寄越してもらう。シユウ2体程度なら私一人で十分だが、今は固まってしまっているリチャードさんが足手纏いだ。

 スタングレネードを使い、シユウを混乱させ、その間に恐怖からか気絶していたリチャードさんを担いで離脱。

 彼が動けたのなら挑発フェロモンを使って2体とも私の方に引き寄せて、その間に逃がしたのだが、できないものは仕方ない。

 

 建物を使ってシユウの視界から外れ、彼を安全な場所で下ろす。小型アラガミは殲滅済み。2体のシユウにさえ気を付けていれば、彼が死ぬことはないだろう。

 

 彼を置いて、2体のシユウを引き付けるためにわざと見つかり、別の方向へ誘導する。だが、こんなときに限って良くないことは起こるようだ。

 

 

『ヒタキさん、作戦エリア内に向かって大型のアラガミ反応が急速接近中!

 これは……スサノオ!?』

 

 

 まずい。このままでは私の所為でリチャードさんが死んでしまう。

 

 

「!?…方角は?」

 

『作戦エリアの西から接近しています。

って、そっちは西ですよ。早く避難してください』

 

 

 今の状況、3体同時、しかもその内1体がスサノオとなると、リチャードさんの方へアラガミを行かせないのは不可能に近い。

 だが、やれなければ、人が死ぬ。

 

 

「救援部隊にはリチャードさんを回収したら直ぐに避難するように言っておいて」

 

『ヒタキさん!?ヒタキさん!?』

 

 

 時間が無い。意識を目の前のアラガミに向け、神機を構える。

 

 贖罪の街に銃声が鳴り響いた。




 CM入りまーす(ゲス顔)
 今回出てきたリチャードさんですが、今後、登場する予定は一切ありません。なので、名前なんて覚えなくて大丈夫です。
 乱入してきたアラガミをスサノオにした理由ですが、個人的にボルグ・カムラン系がすごく苦手なんですよね。
 基本的にガードを使わずにステップで避ける派なんですが、あの尻尾回転はステップだと避けられなくてよく当たってました。
 レン君と2人のミッションの時は初めて回復アイテムを使いきりました。もう2度とやりたくないです。
 まあ、そんなわけで、強いアラガミでパッと思い浮かんだので採用しました。


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第5話

ヤバい。書き溜めが消えた。


 結果として、私もリチャードさんも生きて帰れた。

 

 どうやって戦ったのか覚えてないけど、増援が来た時には私は意識を失っていたらしい。

 

 こんなこと、前にも確か……あの時は見たことないアラガミに襲われて……駄目だ、思い出せない。

 

 アナグラに帰ると皆が無事に帰ってこれたことを祝ってくれたけど、私はあまり喜べなかった。

 

 私のせいで他人を危険に晒してしまったのだ。

 次からはもっと安全なやり方にしないと……

 

 そんな風に悩んでいたからか、最近試作神機のせいで知り合った神機整備のおじさん達が絡んできた。

 

 

「おい、モルモット!そんなに落ち込むなよ!

 それより聞いたか!?新型神機だってよ。なんでも銃と剣が両方使えるらしいぜ!

 もしかして、お前が以前使った銃剣なんじゃねぇか?」

 

「あれは傑作だったな。ギャグ的な意味で」

 

「「ハッハッハッハッハッハ!」」

 

 

 うぅ…人が落ち込んでいるのに黒歴史を掘り返さないで欲しい。

 

 

「ちょっと!ヒタキをからかうのは止めなよ!」

 

「ありがとう、リッカさん。ちょっと休んでくるよ」

 

 

 居心地の悪さを感じ、私は自分の部屋に向かった。

 

 

 

 自分の部屋で昼寝でもしようと思ったのだが、ベテラン区画の廊下でリンドウさんと出会った。

 

 

「よう、ヒタキ。どうした?やけに暗い顔してるじゃねぇか。

 何か辛いことでもあったのか?」

 

「私は……どうすれば良かったんですかね……?」

 

「ヒタキ、お前はリチャードを守れた。

 それで良いんじゃねぇのか?」

 

「それは運が良かっただけです!

 結局どうしてアラガミが居なくなったのか、分かってないじゃないですか!

 私は、もう2度と私の前で人を死なせないと誓ったんです!!

 それなのにこんな……こんなことに……」

 

「なあ、ヒタキ。

 お前さんちょっと勘違いしてねぇか?

 ゴッドイーターってのは、アラガミを喰らい人を助ける。

 自分の前で人を死なせたくない気持ちも分かる。

 だがな、ヒタキ。ゴッドイーターはどんなに強くたって、1人の人間だ。

 救える命には限りがあるし、ミスもする。

 大事なことは、生きて帰り、ミスの経験を次に生かすことだ。

 自分を必要以上に追いこんじまうと、次また同じことが起きたときに、緊張してまたミスをしちまう。

 運が良かったなら、運が良かったで良い。

 ただどんな形であれ、この経験を次に活かせば良い」

 

「……リンドウさん……。

 分かりました。

 私、もっと強くなります!

 もっと強くなって、今度は運に頼らずに助けられるようになります!」

 

 

 よし!そうと決まれば早速トレーニングだ!

 

 リンドウさんが何か言っていたような気がするが、私は急いで自分の部屋に向かった。

 

 

「そうじゃないんだけどなぁ。

 まあ、あいつが立ち直れれば一先ずそれで良しか」

 

 

 

 

 

 翌日、自己トレーニングを終えた私が任務を受けるためにエントランスに向かうと、新人さんが2人居た。

 どっちかが噂の新型使いで、もう片方が旧型のガンナーらしい。

 今はツバキさんに任務の説明を受けているようだ。

 私にはそこまで関係の無いことなので、受付のヒバリさんに現在受けれる任務を聞く。

 

 

「今は……そうですね。

 人数を揃えて、贖罪の街での殲滅任務なんてどうですか?ヒタキさんの役割なら、終わったらそのまま偵察任務を受けて新型の彼の実戦を見ることができると思いますよ」

 

「最近贖罪の街で良いことがないのでパスで。

 他の任務は無いの?」

 

「愚者の空母でクアトリガの討伐依頼が出ています。

 あとは、鎮魂の寺院でコンゴウ3体の討伐ですね」

 

 

 愚者の空母は障害物が少なく、前衛が居ないと真正面からの撃ち合いになるため、少し不安が残る。鎮魂の寺院は障害物ならたくさんあるが、コンゴウが3体いると奇襲が怖い。

 どちらも1人では受けたくない任務だ。

 仕方ない。ソーマ君でも誘ってクアトリガに行くか。

 

 

 

 

 そんなこんなで現在愚者の空母、ソーマ君を誘ったらエリックまで付いてきました。

 

 

「先輩である僕が華麗な戦い方を教えてあげよう」

 

 

 正直に言うとうざい。私は前衛が欲しかったので後衛は要らないし、分け前が減るので人数は少ない方が良い。

 

 私はソーマ君と目を合わせ、無言で任務を開始した。

 

 

「見よ!僕の華麗な射撃を!

 どうだ!これが華麗な避け方というものだ!」

 

「エリック!右だ!」

 

「ひっ!?

 ふぅ、中々ビックリさせてくれ…うわぁっ!」

 

 

 エリックが敵を引き付けてしまうから狙いにくい。やっぱり連れてくるんじゃなかった。エリックが転んだ隙に撃ち、ついでに回復弾も撃ってあげる。

 クアトリガの放ったミサイルがこちらにも飛んでくるが、ローリングしながら回避する。エリックが少しピンチなのでスタングレネードを投げて、回復弾を撃ち込む。

 さらにスタンしているクアトリガに連射し、ソーマ君がチャージクラッシュを叩き込んで終了。

 

 

「どうだい?華麗なる僕の華麗なる戦闘は!」

 

 

 精神的に凄く疲れたので直ぐに帰投することにした。




 今話から本編突入。
 次回更新は土曜になるかもしれません。
 後半は急ピッチで書いたので、後々修正が入る可能性がありますが、ストーリーを変えることはありませんので、ご安心ください。


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閑話 ヒタキという少女

 はい、ギリギリセーフです。
 すんごい焦った。間に合わないと思ってたもん。
 今回は閑話です。今までの話はヒタキ視点での話だったのですが、今回はリンドウさんから見たヒタキの過去ですね。


「リンドウ、この間の子がゴッドイーターになるらしいわよ」

 

「なんだ、サクヤ?この間の子ってのは?」

 

「任務の帰りに拾った子よ」

 

「あぁ、思い出した。あの身元不明のサバイバル少女か」

 

 年はソーマと同じかもしくは少し年上だろうというところ、記憶を一部失っているため身元は不明、壁の外で1人で暮らしていたということで話題になり、アナグラ内で人気だった少女だ。

 だが、暫く前から姿が見えなくなっていた。

 

「そしたらあれか?身元は判明したのか?」

 

「残念ながら、今も不明のままだそうよ。名前はヒタキに正式に決まったみたい」

 

 彼女は名前も分かっておらず、本人も知らないようなので、彼女が身に付けていたアクセサリーの鳥から、ヒタキと名付けられていた。

 

「それと連絡だけど、あの子と他の新入りの教育は貴方が担当だって」

 

「そうか、それは責任重大だな」

 

「遅刻しないように、だそうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいか、命令は3つ。

 

 死ぬな。

 死にそうになったら逃げろ。

 そんで隠れろ。

 運が良ければ不意をついてぶっ殺せ。

 

 あ……これじゃ4つか。

 とりあえず死ぬな、それさえ守れば後は万事どうにでもなる」

 

「「はい!」」

「どうにでもなるって…そんなアバウトなこと……」

 

 緊張もいい感じに解けたようだし、早速任務開始しますか。

 ヒタキは問題ないとして、ちょっと張り切ってる青年と真面目そうな少女は様子見だな。

 

「それじゃあ早速任務開始だ。

 相手がオウガテイルだからといって油断はするなよ。

 よし、ヒタキ、あの1体を殺ってこい」

 

「ちょっと待ってください!

 最初は俺にやらせてください!」

 

 最初はヒタキの戦闘能力を確認したかったんだが……

 

「まあ良いか、お前が殺ってみろ」

 

「あんたはまた張り切っちゃって。油断しないでよ」

 

「わかってるって。やってやるさ」

 

 青年は1体で徘徊していたオウガテイルに向かって走り出し、その背丈程もある大剣(バスターブレード)をオウガテイルへと叩きつけた。

 オウガテイルは少し怯んだがすぐさま反撃に移り、身体を器用に回転させ、大きな尻尾で青年を弾き飛ばした。

 

「くそっ!こいつ、怯まねぇぞ」

 

「ちょっと!何やってんのよ!

 油断するなって言われてたじゃない」

 

 青年は追撃を仕掛けてきたオウガテイルをなんとか避けると、先程よりも力を抑えた一刀を放った。刃が脚を深く切り裂き、オウガテイルが転倒する。

 なんとか立ち上がったオウガテイルを待っていたのは、青年の全力の一撃(チャージクラッシュ)だった。

 

 

「よし、よくやった。

 ただ、バスターブレードは隙が大きい武器だ。初めての敵には慎重に行けよ。

 さて、次はどっちがやる?」

 

「あたしがやります」

 

「ヒタキもそれで良いな?」

 

「はい」

 

「なら、あのオウガテイルを殺れるか?」

 

「はい!」

 

 少女は物陰に隠れながらひっそりと近づき、背後からショートブレードで切りつけると一度バックステップして距離を取った。

 少女を見つけたオウガテイルが飛びついてくるが、少女はサイドステップで避け、切りつける。

 それを10回ほど繰り返したところでオウガテイルは倒れ、彼女の神機に捕食されることとなった。

 

 

「あの、どうでした?」

 

「良くできていたと思うぞ。

 ただ、油断はするなよ」

 

「はい!頑張ります!」

 

「よし、じゃあ最後はお前だ、ヒタキ」

 

「はい」

 

 

 この小柄な少女が、訓練で1番の成績を取ったと聞いたときは驚いたが、実地で一緒に移動するだけでも、彼女の実力は確かなものだと分かった。

 他の2人が戦闘してる間も、彼女は周りの警戒を怠ってはいなかった。そして何より、彼女は身のこなし方が違う。音がしないのだ。走ったときも無音で着いてきて、他の2人が息を上げても、彼女は息の音が聞こえなかった。

 壁の外を1人で生き残れたことも納得した。

 

 そんな彼女がオウガテイルと戦闘を行っている。使っているのはスナイパー型の神機だが、遠距離ではレーザー、中・近距離では弾丸を撃ち分け、弾種を変える動作にも隙がない。エイムは正確でホーミングを使わずにオウガテイルの眼を撃ち抜いている。

 彼女は度々距離を取ろうとしているようだが、前衛がいないためか、距離を詰められてしまっているようだ。

 そうこうしている内に、オウガテイルの脚をレーザーで撃ち抜き、近づいて弾丸を連射したところでオウガテイルが力尽きた。

 

 

「え、えげつねぇ」

 

「こらっ!女の子に向かってそんなこと言わないの!」

 

 青年が言ったことは確かにそうだが、この喰うか喰われるかの世界では当たり前ことだ。

 

「よし、よくやった。

 だが、お前の動きは集団戦向きだな。眼の周りが固かったり動きの素早い相手には、遠慮なくスタングレネードを使え。

 命あってのゴッドイーターだ。1つのミスで戦術が崩れない用にしとけ」

 

「はい」

 

 一応助言はしておいたが、ヒタキの動きは前衛さえ居れば中・大型アラガミにも通用するものだ。

 

 

 

 こりゃあ、とんでもない大型新人がやってきたなぁ。と、この時は思っていたのだが、あの時の一件から全て変わってしまった。

 新人2人が亡くなったのだ。

 どうやらヒタキも同じ任務を受けていたらしく、現在は自信を無くし、いざという時の道具を持ってこない等、狩りに対する準備を怠っている。

 それはまるで、死にに行こうとしているようだった。




 次回の更新は来週の土日になりそうです。まだ忙しいんです。許してください。
8/6 追記 土日更新は無理でした。現在の進捗25%


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第6話

 大変遅くなりました。やっぱりモチベが一度下がると上がらなくなる。終わり方が気になるけど、これ以上待たせるわけにはいかないため投稿(投降)しました。文章力が欲しい


 新入り2人の内、藤木コウタ君と偵察任務で同行した。

 個人的にコウタ君は偵察には向いていないと思う。集中が続かないタイプで、任務中によく欠伸をしていた。コウタ君には第一線で頑張ってほしい。

 もう一人の神薙ユウ君は、作戦エリアの安全確保のため、周りを偵察している時に彼の任務中の姿を見かけただけで、ほとんどわからない。彼が使う新型神機は変形するらしく、剣型と銃型を使い分けられるそうだ。博士が作ったガラクタとは大違いだ。

 次の任務はユウ君の補助らしい。なんでも、隠れて見守るだか何だか。任務の依頼人は博士だった。しかも私を名指ししていたらしい。博士は私をなんだと思っているのか……。

 それと、本部のお偉いさんがアナグラにやってくるらしく、博士は対応の準備に忙しいと言っていた。

 

 

 で、やってきました鉄塔の森。

 そして私の右手にはビデオカメラがあります。

 なんと、この任務の真の目的はお偉いさんの為に新型神機の映像を撮影することだったようだ。しかも、このデータを送ったあとには2泊3日の楽しいドキドキ(ガチ)野外キャンプが待っている。

 博士は私をなんだと思っているのか……(2回目)

 確かに壁の外で生活してたけど、それは付近にいたアラガミの生息や行動パターンを把握していたからであって、知らない場所でやるのはただの自殺行為だから!

 

 

 ユウ君の任務に同行しているのはソーマ君とエリック。エリックがユウ君の足を引っ張らなきゃ良いんだけど、それは無理な話だよね。

 エリックが建物の近くでなにやら喋っているが、どうやら屋上にいるオウガテイルには気が付いていない様子。仕方ないのでカメラを(ほう)って神機を構える。少し遠いけど、ここからでもまだ狙える。オウガテイルがエリック目掛けて飛び降り、少し遅れて私がレーザーを発射する。

 

「エリック!上だ!」

 

 なんとかレーザーが間に合い、オウガテイルは空中で体勢を崩し、エリックはオウガテイルの下敷きになるだけで済んだ。幸いなことにカメラも壊れていなかった。

 エリックとユウ君が自分を探しているが、擬態している自分を見つけるのは大変だし、出ていくつもりはないので、早く任務を開始してほしい。

 

 

 その後、3人は無事に任務を終わらせた。

 エリックが意外と活躍していた。普段はミスが目立つけど、それさえなければ普通に強いからね。

 ミスさえなければ(・・・・・・・・)

 さて、私はこのデータを送信し終わったら地獄のキャンプ(ガチ)の準備を始めるとしよう。

 場所は嘆きの平原。最近ウロヴォロスが目撃されたらしい。これは……ウロヴォロスにまるごと飲み込まれないような拠点を作らなければ……

 でも、ウロヴォロスを見たことがない私にはどうしようもないから、初日は簡易拠点を作っていつでも廃棄出来るようにしておかないと…………

 

 

 

 私が地獄のキャンプを終え、五体満足で帰ってくると、博士に連行された。

 何故だ……任務は終わった筈なのに……

 今回の任務はゴッドイーターの長期任務の前段階として行われたものらしい。確かに、一人で生き延びた私が適任かも知れないけれど、普通は他にも人をつけるよね?

 で、その任務の場所は他の任務の場所と被らないようにした結果、嘆きの平原となり、たまたま任務開始直前になってそこでウロヴォロスが目撃されたという噂が流れたらしい。

 いや、その時点で中止してよ。こっちはウロヴォロスに怯えながら3日間も過ごすはめになったんだぞ!

 結局ウロヴォロスとは遭遇しなかったし、私がどれだけ精神的に疲労したことか……

 

 で、次の任務はカメラマンらしい。どうやら、私が撮ったユウ君の動画をお偉いさんが気に入ったらしく、ユウ君が新人の域を抜ける間は私が護衛兼カメラマンとして働くことにしたそうだ。

 やっぱりカメラはエリックを助けるときに壊れてしまえば良かったのに……

 なんでそんな私は変な任務しか受けられないの?

 私が選ばれた理由としては、スナイパーだから狙撃ができる。ついでにカメラのぶれも少ない。生存能力に長けている。といったものがあるらしい。

 解せぬ……

 

 

 

 

「エリック!上だ!」

 

 ソーマさんがそう叫んでオウガテイルの存在に気がついた瞬間、オウガテイルは爆発した…………って爆発!?

 爆風はオウガテイルの大きく開いた顎を閉じさせるだけでなく、巨体を空中で1回転させるに至った。

 オウガテイルに止めを刺し、下敷きになっていたエリックさんを助け出すと、ソーマさんがボソリと呟いた。

 

「ヒタキがいるな」

 

 ヒタキさんのことであっているのだろうか?ヒタキさんとはまだ一度も任務を共にしていない為、どんな人かは詳しくは分からない。

 コウタから聞いた印象だと、普段は近所のお姉さんみたいだが、任務中は忍者みたいらしい。忍者とは極東に昔存在した暗殺集団のことだそうだ。とにかく静かに気配無く移動するため、見失いそうになったという。

 

「な、ヒタキが来ているのか!?」

 

 エリックさんが復活して辺りを見回す。自分も探してみるが全く見つからなかった。

 

「無駄だ。隠れたあいつを見つけるのは至難の技だ。

 それより、任務を始めるぞ」

 

 ソーマさんの声で諦めて任務に集中する。エリックさんがとても張り切っていたが、いつもこうなのだろうか?




※エリックとのラブコメ展開はありません。ちょっと意図せずアンチヘイトっぽくなっていたので活躍(省略されましたが)してもらっただけです。
 主人公が他キャラをなんて呼ぶかかなり迷いました。特にソーマ。「君」にするか「さん」にするか呼び捨てにするかかなり迷いました。結局全員「さん」づけで統一することにしました。

※1/20追記 4、5話の修正を行います


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