アズールレーン Geschichte von braun (瑞翼 翔)
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Flamme-00

Über die Geschichte dieses Romans gibt es nicht viel zu sagen. Überprüfen Sie deshalb bitte mit eigenen Augen―――.


 見渡す限り赤、赤、赤。がれきが崩れ去る音、人が叫ぶ音、海の向こうからやってきた異形のものが持つ丸い筒から出る音、その筒から出た何かが建物に当たる音、それらが一緒くたになって私の耳を叩く。

 

 

 

 

この光景、いつだったか見た気がする。あれはいつだったか。

 

 

 

 

そして、血と海のにおいを漂わせた異形のものが私に近づいてくる

 

 

 

 

 

 

 

あなたは誰?

 

 

 

 

 

 

私はこの鎮守府の指揮官。そういうあなたは?

 

 

 

 

 

 

私は私。この鎮守府についてのデータを「観測」しにきたの

 

 

 

 

 

 

観測?どこからどう見ても急襲じゃない

 

 

 

 

 

 

そうね、そちらの感覚ではそうかもね。じゃあ、あなたのデータも「観測」するわね

 

 

 

 

 

 

え……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああああああああああああああああああああああアアアAAああああああああああああAAAAAAアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜AAAAAAアアアアアアアaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜ああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜aaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア亜亜亜亜亜亜亜亜ああああああaaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜ああああああ亜亜亜亜亜亜aaaaaaaaaaaaaaあああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜あああああっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――様っ!―――ん様っ!ね――――――官様っ!お願―――――――――揮官様っ!指揮官様っ!ねえっ目を覚ましてっ!指揮官様っ!」

 

 

「あか……ぎ……さん………?」

 

 

 いつの間にか気を失っていた。あるいは、すべて夢だったの?だけど、夢だと決めつけるにはおかしいくらいに現実だった。特にあの異形と相対した時の感覚は………。

 

 あれ?左側がうまく見えない(・・・・・・・・・・)や………。それに、なんか全身イタイや………。

 とりあえず、眠くなってきたから寝よう。全部夢だ、鎮守府が燃えてるのも、赤城さんが泣いてるのも、少し前に来てくれたローンさんが昨日きたZ18(ハンス)ちゃんに詰め寄ってるのも………、

 

 

 

 

 

ゼンブユメダ、ユメニチガイナイ

 

 

 

 

 

 




感想、ご意見、誤字脱字のご指摘、お待ちしております。また、質問等有りましたら、(伏線やネタバレにならない限り)お答えします。


(この話、運営さんから注意されそうで怖い)


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Flamme-01

 さて、(私にしては)早いペースで書き上げることができました。今回の話に関しましては、スマートフォンで閲覧している方には見づらい段落で書いているため、読みづらかったら、画面を縦ではなく横にして閲覧していただくと幸いです。

 それでは第二話どうぞ。


20XX年6月22日  

 

宛先:軍令部危機管理部セイレーン対策課

 

差出人:若松第4鎮守府所属指揮官代理 HMS Hood

 

 

若松第4鎮守府セイレーン襲撃について

 

 

表題の件につき、下記の通り、ご報告いたします。

 

                    記

 

1.襲撃日時       :20XX年6月20日 午前2時57分

 

2.襲撃場所       :若松第4鎮守府

 

3.被害状況       :執務棟半壊、厚生棟損壊、燃料タンク全16個中6個破壊、燃料タンクからの火災により資材庫半焼

 

4.負傷者        :当鎮守府指揮官(みやび)D(デュノア)斑鳩(いかるが)がセイレーンと遭遇したと思われ、左目失明、顔面を除く全身に深い切創あり。また、セイレーンと相対し、このような負傷をしたことから、精神面でも何らかの障害が発生する可能性あり。

 

5.被害額(概算)    :1億2500万円

 

6.襲撃状況       :6月20日当時の鎮守府運営としては、作戦として迫っていた、通称『M海域』への侵攻準備のため、所有していたすべての艦を動員しての委託を行っており、防衛としては手薄であったことは認めざるを得ない。セイレーンは海上で鎮守府敷地へと推定16回砲撃を行い、燃料タンク、資材庫がその際に被害にあった。その後、セイレーンは鎮守府敷地内へと上陸し、敷地内奥の執務棟を砲撃。当時、秘書業務を行っていた『USS CV‐6 Enterprise』によると、その際に、執務室から逸れて着弾したため(みやび)D(デュノア)斑鳩(いかるが)にはその際怪我はなかった。その後、(みやび)D(デュノア)斑鳩(いかるが)は前線に出て指揮をしようと海辺へ向かい、その際にセイレーン一体と遭遇したと思われる。その後、どのような経緯かは不明だが、上記の負傷をした。そして、セイレーン侵攻から1時間後の午前4時に、委託第一陣が緊急で母校に帰投し、セイレーン迎撃へ。それから約30分後の午前4時34分、セイレーンは撤退した。

 侵攻してきたセイレーンは、『ナビゲーター』、『テスターβ』、『スマッシャーⅠ型』そして、空母クラスの未確認艦(恐らく、『コンダクター』の亜種かと思われる。)

 そして、襲撃後に、負傷した(みやび)D(デュノア)斑鳩(いかるが)を『重桜所属 赤城』が発見。発見から一分後に昏睡状態となった。早急に応急処置を行い、『鉄血所属 Prinz Eugen』が要請した救急車によって近隣の大学病院に搬送。目下治療中であり、現在も昏睡状態のままである。

 また、『鉄血所属 Roon』が負傷した(みやび)D(デュノア)斑鳩(いかるが)を見た際に『鉄血所属 Z18』に掴みかかるという事態が起きたが、すぐに鎮圧をすることができた為、それによる被害は最小限に抑えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………こんな感じでよろしいでしょうか?綾波さん」

「ちょっと見せてください、フッドさん。――――いい感じです。最も、この書類を書くことは綾波も初めてなので実際わからないのです。」

「そうでしたの。では、軍令部にこちらを送りましょう」

 

 

 人が、わたくし、フッドと指揮官を着任当時から知る、初代秘書艦である綾波さんの二人しかいない、若松第4鎮守府執務室。本来の部屋の(あるじ)は今はいらっしゃいません。先のセイレーン侵攻によって、負傷したからです。

 それによって、この鎮守府全体の空気は重くなっています。指揮官は、私たちにとてもやさしく優秀なお人でした。執務を午前中に終わらせ、午後からは非番の娘たちと歓談してましたり、駆逐艦の娘たちのためにお菓子を作っておりました。

 

「ちょっと邪魔するわ」

「プリンツさん、どうしたのですか?」

 

 少々物思いにふけっていましたら、プリンツさんが執務室にいらっしゃいました。どうなさったのでしょうか?

 

「今日、ローンが謹慎解かれたのは知ってるわよね?」

「ええ」

「解かれて早々、壁にヒビ入れていったわ」

 

「えぇ~」

「」

 

 上から綾波さん、わたくしです。わたくしとしては、正直謹慎解かれてすぐ問題行動を起こすとは思いませんでした。しかも、確かローンさんの謹慎部屋は昨日治した場所の近くのはずですが……。

 

「プリンツさん、まさかと思いますが……」

「ええ。そのまさかよ」

 

 わたくしはその言葉の意味するところを理解して、頭を抱えました。先ほど書いていた報告書の被害金額を修正する必要があるからです。

 

「綾波さん。被害状況の確認、してきてもらえますか……」

「わかったのです」

「しなくていいわよ。報告書の修正」

 

 報告書の修正作業にかかろうとすると、プリンツさんがそれを止めました。

 

「なぜでしょうか?」

「なぜって、それは今回の件とは別でしょ?ローンが払うべき修繕費を上に請求するのはそれこそお門違いじゃない」

「それもそうですわ………」

「というか、あなた最後に寝たのいつよ?目の下にクマができてるわ」

「確か………三日前ですわ」

「寝なさい」

「ですが……」

「寝なさい」

「わかりましたわ………。ではプリンツさんこの後の業務を頼めますか?」

「いいわよ。ゆっくり休みなさい」

「ええ、ではお休みなさい」

 

 そういってわたくしは執務室から出て、寮舎のほうへと歩を進めました。寮舎への道も半分を過ぎたところで、

 

タッタッタッタッタッタッタッ

 

前からユニコーンちゃんが走ってまいりました。どうしたのでしょうか?かなり焦っているようですが………。

 

「ひゃうんっ!」

 

あら、ユニコーンちゃんが転んでしまわれました。

 

「ユニコーンちゃん大丈夫ですの?」

「あ、フッドさん………」

「急いでいたみたいですが、どうなさったのですか?」

「お姉ちゃんが………」

「指揮官がどうなさったのですか!?」

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんの目が覚めたって!」

 

 

 

 

「よ、よかったですの……」

「みんなに教えよ?」

「ええ。もう一度執務室に行かないといけませんわね」

「それじゃ……痛っ!」

 

 ユニコーンちゃんが立ち上がろうとしたときに、そう言って(うずくま)ってしまいました。

 

「どうなさいました?」

「さっき転んだ時に足をひねっちゃったみたい……」

「ではユニコーンちゃん。わたくしがおんぶしてあげましょうか?」

「え?でも………」

「いいのですよ」

「じゃあ、よろしくね」

「任されましたの」

 

ユニコーンちゃんをおんぶしながら来た道を戻っていく。三日前からの疲れがユニコーンちゃんが伝えてきてくださった吉報によって取れていくようでした。

 

「プリンツさん!、綾波さん!」

「フッド、あなた寮舎に戻ったんじゃなかったの!?」

「戻ろうと思いましたが、ユニコーンちゃんから聞いた話がありまして。――――言ってくださいまし」

 

 わたくしはユニコーンちゃんを降ろしてそう言いました。

 

「お姉ちゃんの目が覚めたって!」

「「指揮官の目が覚めたの(ですか)!?」」

「そのようですわ。とりあえず、お見舞いに向かう人員を選抜いたしましょうか?」

「それは私と綾波でやるわ。フッドはとりあえず寝なさい。もちろん、ここにいる四人は人員の中には入れとくわ」

「ありがとうございますの。ではおやすみなさいですの」

 

 そうしてわたくしは今度こそ執務室を出て寮舎の自室へと向かいました。ふと、ローンさんが入れたヒビの規模がどのようなものなのかが気になりましたので、そちらのほうへと足を向けました。

 

「あら………」

 

 そこには直径60㎝はあろうかという大変大きなひびが入っておりました。

 

(これはひどいですわね………)

 

 この規模でしたら、ローンさんに支払ってもらうのであれば今月のお給料がすべてこちらに向かうことになるでしょう。少しかわいそうに思いましたが、―――――――

 

(自業自得、ですわ)

 

 ヒビの規模もわかりましたので、自室へと向かいましょうか。三日ぶりの睡眠、楽しみですわ。




感想、ご意見、誤字脱字のご指摘、お待ちしております。また、質問等有りましたら、(伏線やネタバレにならない限り)お答えします。


(フッドさんの口調合ってるかどうかがすごく不安………。その辺のご指摘もどうぞ)


2018/9/19 一部修正


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