異世界転生したら、長身グラマラス女軍人なヒロインに死ぬほど愛されている件について (KEY(ドS))
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この世界について 随時更新

【大陸について】

 

創造神、女神アクライアの名前を取って作られた大陸。

アクライア大陸にて人々は生活をしている。

国は五大国に別れている。

極寒の地、傭兵国家の、北のリルド王国。

灼熱の砂漠が続く、交易地、西のアルス王国。

樹海が人の営みを隠す、南のローグ連合国。

100年の鎖国を続ける、東の軍事国家、アルバーツ連邦。

そして拡張主義にして、中央の最強国家、リーダス帝国。

 

2000年前に、エル・マルグスとその仲間たち、"十王"は

世界を滅ぼさんとした"破壊神"、アルバスを打倒し、平和をもたらした。

 

この戦争は"神話大戦"と呼ばれており

伝説として語り継がれている。

 

破壊神の置き土産、人間を超越した力を持つ尖兵、

"魔人"が大陸のどこかにいまだいるという噂がある。

 

その後、"覇王"と呼ばれていた彼は、リア大陸の中央にて

最初の国となるリーダス帝国を建国する。

 

地理的位置としては、丸型の大陸に対して、

中央にリーダス帝国が。

山岳地帯や、湖、森林、砂漠地帯と違いはあるものの、

帝国を囲むように三方に北にリルド王国、

西にアルス王国、南にローグ連合国が位置している。

 

東の浮島にはアルバーツ連邦が存在している。

 

 

【人種】

 

魔物、人間、機械人の3種に分かれる。

魔物と人間のハーフも多数おり、本編に出てきたドラクルは人間とヴァンパイアのハーフ。ウルフマンはウォルフと人間のハーフ。

 

機械人は"十王"の一人、"機械王"という科学者によってつくれられた人間を模した機械であり、伝説では、"神話大戦"を目撃し、その戦いに身を投じたものもいまだ生きていると言われている。

 

【ステータス】

 

魔力晶と呼ばれる魔力の塊である水晶に手を触れることでステータスを見ることができる。

 

レベルの概念が存在しており、目安は以下のとおりである

 

 

レベル1 子供

レベル2~5 一般的な大人

レベル6~10 Eランク冒険者 or 一般兵

レベル11~15 Dランク冒険者 or 下級騎士

レベル16~30 Cランク冒険者 or 中級騎士

 

------超人の壁---------

 

レベル31~50 一般的な超人

レベル51~60 超越者

レベル60~ 魔人 or ドラゴン or etc 十王

 

 

 

 

レベル??? "鏖の覇王"エル・マルグス 神殺しを成した英雄。測定不能。

      ??????(詳細不明)

??????(詳細不明)

 

 

~タレント~

タレントと呼ばれる才能を生物は皆持っており、

以下のレベルであがっていく

 

タレントレベル0 初心者

タレントレベル1 初心者超え

タレントレベル2 中級者

タレントレベル3 上級者

タレントレベル4 超上級者

タレントレベル5 超越者

 

元々の才能は決まっており、後天的にタレントが生えてくることはまずない。

鍛えれば鍛えるほど強くなるが、上にレベルがあがるほど必要となる取得経験値が多くなる。

まれに、死の淵を超えるなどの経験をすることにより、

新しいタレントに目覚めることがある。

 

タレントレベル4が人間の限界点であり、タレントレベル5は

"神話大戦"に出てくる""十王"や"魔人"レベル。

 

ルビーたち十王は、タレントレベル4持ちである。

 

【魔法】

 

人間は血液と同じく、体中に巡る命、"魔力"を生まれながらにして持っている。

その魔力量は人によって量が違い、主に貴族や王族関係の人間が多く持っている。

平民は魔力をあまり持たないため、魔法を扱うことは少なく、

武器の扱いに長けることが多い。

 

基本的な属性は、火、水、風、雷、土である。

そのほかの属性は"希少属性"である。

例としては、"闇"、"光"、"毒"、"時"、"幻"などである。

 

詠唱することにより、魔力の解放イメージを固め、

術を放つのが一般的である。

 

魔力が尽きれば生物は死に絶える。

 

【リーダス王立学院】

 

リーダス帝国に存在する最高位の学府。

主人公、エド・マークスが入学した場所でもある。

様々な国の人間を受け入れており、人材育成にどの学院よりも金と手間をかけている。

"神話大戦"にて活躍した"十王"にならい、"十王制度"と呼ばれる制度を取り入れている。

 

上に行けば行くほど当然特権がある。

序列10位以内は自分で寮を管理、支配でき、そこで君臨することができる。

後は、500位以内から『ブロンズエリア』、100位以内から『シルバーエリア』、50位以内なら『ゴールドエリア』、10位以内から『プラチナエリア』と呼ばれる特別な場所に入ることを許される。

 

"従者"や"ギルド"を所属できる特権を"十王"は持っており、

商売を行ったりしている者も多い。

 

 

リルド王国のファティマ学園に立ちはだかるは四人の聖者、"四聖"。

 

 

アルス王国にあるリコック学園にて生まれた六の怪物、"六怪"。

 

 

ローグ連合国のティラード学園を支配する三の強者、"三凶"。

 

それぞれが十王に匹敵する怪物たちである。

 

 

 

 



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【登場人物について】~主人公から十王まで~※先に本編を呼んでおくことを推奨

こちらは登場人物について
ネタバレがあるため、先に本編既読を推奨


【エド・マークス】

幼少期

LV 4

体術2 魔力操作2

青年期

Lv 38

体術4 魔力操作(無)3

 

前世での名前は江戸 聡。

神様転生させられた男性。

女性に興味はあるが、

話すのは苦手。

少女相手なら大丈夫の模様。

望みは特になく、しいて言うなら幸せな家庭を築くこと。

女性が苦手だが、性欲はある。

タイプは『グラマーな女軍人系』。

ルビーが自分の理想を体現したような存在で毎日誘惑に屈する日々を送っている。

元々はネグレクトされていた青年。

前世では体のいたるところに火傷後と、生傷があり、左耳が聴こえない状況だった。

特技はぼーっとすること。

良く話の聞き手に回っている。

 

【ルビー・ファーガス】

幼少期

Lv11

魔力操作(炎)3 剣術3

成熟期

Lv69

魔力操作(炎)4 剣術3

才気あふれる『紅蓮』の家系。

その唯一の子供にして、後継ぎ。

若干、10歳にして軍略、帝王学、政治、経済学のことごとくを収めた神童と呼ばれる異端児。

勝ち気、傲慢、不遜、不屈のリアリスト。

13歳の頃に初陣で山賊を全滅させたことから、その戦の才能を両親に認められ、軍への

入隊を決める。

が、才能ゆえに孤立し、人脈が築けない中、それをまずいと思った父によって田舎の村に転校させられる。

 

それを"親に落ちこぼれだと思われた"と受け取った彼女は悪態をつくようになる。

エドのことは学校によくいた男子と変わらないという認識を持ってたるが・・。

 

どうしてこうなったかは別として、成人した彼女は出世街道をひた走る女将校、『紅蓮の悪魔』として名を馳せ、ファーガス家にルビアあり、と威光を知らしめることとなる。

 

幼少期の態度と180度違い、病んでいるレベルの愛情を主人公に注ぐようになる。

 

 

【ブル・ファーガス】

Lv ???

魔力操作(炎)4 剣術4

『赤牛』の異名を持つファーガス家現当主。

全てを焼き尽くす『炎剣』の使い手。

エドの村の村長とは何やら因縁もありそうだが---?

娘が逞しく育って嬉しいと思う反面、相応しい婿がいない、貴族的にやばい、と焦っていた模様。

エドに対する評価は『どこにでもいる年相応の子供』だったが---。

 

--速く娘をもらってやってください。

--お義父さん、まだ早いと思います。

出会うたびにアイコンタクトでそんなことを言いあう仲になっているとか。

 

【アルバード・●●●●●】

Lv ???

体術4 盗賊4 隠密4 エンジニア3

エドが住む村の村長。

懐には、いつも青い刀身のナイフを忍ばせており、飄々とした態度で食えないことを言う狸じじい。

ほっほっほ、というのが口癖とは村人の説。

ファーガス家現当主、ブル・ファーガスとは何やら因縁があるようだが・・・?

エドにとっての祖父のような存在。

彼にとってはエドは孫替わりとか。

3か月に一度、ふらふらっといなくなるとか。

 

 

【アンジュ・●●●●●●】

Lv 55

魔力操作(雷)4 体術3 指導3 探索3

彼女が初恋の相手だという男子生徒率が99%だとか。

年はxx歳。温厚であり、誰にでも優しい教師の鑑だが、エロジジイ相手には辛辣な態度をとる。

かつて、冒険者家業をやっていた過去を持つ。

いつも黄金の装飾が施された、竜の刻印が入っている白い杖を手に持っている。

 

【ブレンダン・アックス】

Lv 56

魔力操作(水)4 剣術4 指導3

リーダス帝国最強の水魔法使い。別名、"血の雨"。

彼が行く戦場では、その赤い雨が止むことがなかったことからつけられた名前。

舌ったらずな言葉遣い。

黒のコートに白のスーツという奇抜な格好をしている140cmくらいの子供。

 

【イリヤ・ボルティクス】

Lv 52

魔力操作(雷)4 剣術4 指導3

金色のツインテールに巨乳のメイド服を着た意味不明の格好をしている女性。

見た目はブレンダンと同じくらいで小学生くらいにしか見えない。犯罪臭がすごい。

ブレンダンとは旧知の仲であり、互いの過去を知りあっているのだが・・・?

 

【"酒吞童子"】

LV ???

タレント不明

本名不明。序列2位、"酒吞童子"。"十王"の一人。

純粋な肉弾戦であれば、彼にかなう者はいないと言われるほどの人物。

ヴェルフェゴールが戦略ありきの戦いで恐れられているのに対し、

彼は純粋な肉体の力によって人々から恐れられている。

酒を呑むのが大好きな身長2Mを超える大男。

角が生えている鬼であり、アルバーツ連邦からとある理由でやってきた。

十王の一人、"聖騎士"ピエールとは犬猿の仲・・・とはいいつつも、なんだかんだ仲がいい。

とある拳法の達人でもある。

 

【ピエール】

LV 65

騎士4 盾術4 魔力操作(聖)3

序列10位、"聖騎士"。"十王"の一人。

語尾にアールとつける今時なかなか見ないキャラ。

貴族出身の出であり、祖国、リーダス帝国にて最高の騎士になるため、

日々鍛錬を欠かさずに行っている。

常に鎧を身にまとっているが、それも本人曰く鍛錬とのことである。

序列的には下の方であるが、他の十王とそん色ないほどの戦闘力であり、

特に防御力のおいてはリーダス帝国どころか、リア大陸全土でもトップクラスの

能力を誇る。

酒呑童子とは水と油・・・のはずだが、案外ノリが合う。

殺し合うこともあるが、それも互いの実力を認め、

全力でやりあってもどちらも死にはしないという信頼の裏返しでもある。

 

【パペットマスター】

Lv ???

タレント不明

 

本名不明。序列?位

詳細不明。彼なのか、彼女なのか、知る者はいない。

自分の人形で腹話術をしながら会話する癖がある。

性格は好きな話題に喰いつく研究者気質であり、

内向的なため、あまり知り合いは多くない。

しかし、ピエールや酒呑童子とは仲がいいのか、

良く話している。

 

独りで他国の都市を落とした過去を持つ。

 

【ミヤモト・クルツ】

Lv 72

剣術4 サムライ3

序列3位、"剣王"。"十王"の一人。

白銀の髪をポニーテールで後ろにくくっている少女。

身長は175cmの高身長であり、ナイスバディである。

メイトウと呼ばれる貴重な刀、"天龍"を所持している。

穏やかで、当たり障りのないさわやかな性格である。

それとは裏腹に、強者を見ると斬りかかりたくなる性質も持っており、

危うい人物ともいえる。

一応、学園の風紀を取り締まっているが、

"十王"関連のいざこざに関しては防ぐことを諦めており、

起こってから対処するスタンスを取っている。

 

 

 

 

 

 



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神様転生したが、幼馴染のヤンデレグラマー女軍人の愛が重すぎる件について

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

なんで、ヤンヤンな女軍人に愛されるだけの話を書くつもりが、
設定を練り込んでしまったのかわからない()

ヒロインはグラマーな女軍人のガチヤンデレ女王気質系。

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


転生番号11946926593869796384947..後は長すぎて忘れた。

それが、俺が死んだ時に言われた番号である。

人は死ぬと無になるか、あの世に行くかと言われているが、

なるほど、どうやら死んですぐには消えないらしい。

 

霞む目であたりを見回すとそこは何もない空間である。

何だ、これはと驚く間もなく、何かがぽんと音を立てて俺の目の前に白い人型のもやが姿を現わした。

思わず後ずさりしてしりもちをついた俺の不安を和らげるかのように、それは落ち着いた声で語り掛けてくる。

『やあ。はじめまして、ではないけどはじめまして。

あ、僕が一方的に知っているというだけだからこれは気にしないで。』

「・・・・・・。」

上手く舌が回らず、声を絞り出そうとしても喋れない。

 

目の前で起きている超常現象に呆気に取られていると、白いもやは嬉しそうに揺れながら話を進めていく。

 

『うんうん。そういう反応を待っていたんだ。

いつもは部下に任せっきりだけど君みたいなちょっと特殊な子は僕が直接対応することにしているんだ。結論からいうね。---君は死んだ。OK?』

「・・・・。」

わずかに頭を動かしてこくりと頷く。

 

『んで、君はゲームやアニメとかの二次創作に詳しいようだから説明をはしょるとこれから異世界に行ってもらいます。』

「・・・・・・?!」

意味が分からない。俺みたいな人間を転生させてどうしようというのだろうか。

というか、なぜそうなったのだろうか。

『ああ。心配はしなくていい。ちゃんと生きていけるようにフォローするから。』

そういう問題ではなかったが、話はどんどん進んでいってしまう。

 

『んでね。君はどうやら生まれつき絶望的に女運が悪く、呪いレベルでモテないようになっているみたいなんだ。』

余計なお世話である、とは言いたくても喋り方がわからないので喋れない。

 

『だから、君にはスーパーグラマラス美女の軍人なパートナー、しかもずっと若いままで不老の娘を君にプレゼントしよう。』

いや、やめてくれ。女が近くにいるだけで寒気が止まらないんだ。

というか、まだ転生するって返事もしていないし--。

『はい、ドーン。』

「・・・・・!!」

自分の足元にぽっかりと黒い大穴が空き、頭から落下していった。

 

『----第二の人生。楽しんできなさい。不遇なる我が子よ。』

神様のそんな悲しそうな声が最後に聞こえた気がした。

 

 

「・・・・・・・・。」

とても懐かしい夢を見た気がした。

俺が前の世界で死んで、転生した時の事。

有無も言わさず生まれさせられ、この世界にやってきた。

最初に目を開けて知ったことは、人は生まれるときに自分の両親の顔をまず見るということであった。

俺が泣かなかったので両親が心配し、医者に見せようとしたので慌てて泣いて見せたときは胸をなでおろした。

 

声を出せるというのはこんなに素晴らしいモノなのか。

 

周りに目を見いやれば、いつもの見慣れた六畳くらいの木でできた空間が目に飛び込んでくる。

古いコテージのような、それでもってどこか懐かしさを思わせる造りの家である。

白いシーツがかかっている木製のベッドから降りようとすると、何者かに手首を掴まれ、ベッドの中に引きずり込まれる。

 

「----どこに行くつもりだ?」

「・・・・・いえ、自分は、その。」

妖艶な黒の下着を身につけた赤髪、長髪の女性に間近で目を合わせられて

問い詰められる。いつものことではあるが、心臓に悪い。どうやら彼女を放ってベッドから降りようとしたことが気に食わないらしい。理不尽にもほどがある。

 

「大佐。自分はそろそろ宿舎に戻ろうかと---。」

「・・・・駄目だ。」

あっ、と気が付いた時にはもう遅く、彼女のスイッチが入ってしまったことに自分の顔から血の気が引いていく。いつもの金色の瞳が赤く染まり、変質していく。

 

「駄目だダメだダメだダメだめだ。それはだめだ。

離れるくらいなら一緒に死ぬ。燃えつきて灰になる。

だから私の傍を離れるな。これは、上官命令だ。」

「------------。」

「なぜそんな他人行儀に話す。なぜ私の名を呼ばない。」

「・・・・いえ。俺は、そんなつもりは・・・。」

「・・・・まず敬語をやめろ。お前だけに許している私の愛称を呼べ。」

「・・・・・・ル。」

「ル?」

「・・・・ルビー。」

「・・・・・・♡」

がばり、と伸し掛かられ顔をぺろぺろと舐められる。

俺よりも身長が高い彼女に両腕を組み敷かれ、なすすべもなく貪られていく。

本当に、どうしてこうなったんだっけか---。

ぐちゅぐちゅと音を立てて彼女と接合しながらこの世界に来た時のことを思い出していく。

 

 

生まれた。育った。

そして今は10歳児。

ざっくりと状況整理するとこんなもんである。

我ながら適当にもほどがあるが、面倒なのでそこらへんは割愛である。

 

神が言っていた"パートナー"とやらも出てくる気配もないし、平穏無事な毎日である。

どうやら神様は失敗したらしい。

 

幸いなことに両親はまともな人たちだった。別に俺の身体に傷跡や、火傷後を残すようなことはしてこないし、性処理道具として春を売らせようともしない。

かといっても、彼らは血のつながっているだけの他人であるだけに、どこか遠慮してしまっていた。

 

「エド。何か欲しいものはあるかね?」

「いえ、何も。強いて言うなら毎日三食食べられればそれでいいです。」

「そ、そうか・・・・・。」

またやってしまった。父はいつも俺にそう尋ねてくる。生まれてこの方何もねだったことのない俺に対してさぞやつまらないと感じているであろう。

肩を落としながら、俺の部屋から出ていく父の背中から目を離し、本に目を落とすと、

父が何かを思い出したかのように振り返る。

「・・・あ。そうだ。私たちの村に新しい人たちが移住するそうだよ。」

「・・・・・。」

 

父の話は俺の興味をそそるものだった。

閉鎖的で、信心深い良くも悪くも『昔ながら』な感じであるこの村にはあまり外からのよそ者はやってこない。

国と国の境目にある山の奥に位置するここは、昔、近くで戦争が起きた時に敗残兵や、

脱走兵に襲われ、以来、警戒するようになったとか。

なので、よほどのことがなければここには人を入らせないし、観光に来る人もそんないない。

秘境のような扱いを受け、質素ながらも豊かさが感じられる場所というのが俺の感想である。

ちょっと気になったので新しく来る人たちについて尋ねてみることにした。

 

「・・・父さん。その人たちって?」

「ああ。それがな・・・・。」

 

『きたぞーーー!!』

「!?」

「・・・・もうか。速いな。」

父さんはそういうと、俺の部屋から出ていく。読んでいた本を放り出して、俺もその背中を追い、彼の左手を手に取ってつなぎながら一緒に外に出る。

 

そこには、簡素な馬車と、その後ろの荷台に乗っている3人の家族連れらしい人たちが見える。40代くらいに見えるオールバックの赤い身長が180cmを超える屈強な男性。

その横に控える黒のローブに身を包み、わずかに除くその隙間から美形であることが伺える30代くらいの美人。

そして、その彼女が抱きかかえている俺と同じくらいの赤髪の子供である。

 

「おお。良く来なすったな、あんた達。

・・・・思っていたより早いようだが?」

「うむ。王都での粛清が思っていた以上に速く終わったのでな。こうしてすぐに

来ることができたわけだ。」

「それはそれは・・・。」

ははは、と朗らかに笑いあいながらしゃべっているように見えるが、長老はいつでも懐に忍ばせたナイフを手に取れるようにしている。

あの男性は腰につけている剣をすぐに抜いて切りかかれるように間合いをうまくとっている。

 

一触即発。

 

固唾をのんで、俺たちがちょっと離れたところから見守っていると、ふっ、と二人が笑いあい、警戒を解いた。

 

「・・・・じじい。腕は落ちていないようだな。

俺に傷をつけた数少ないあんたがそんなわけもないだろうが。」

「ほっほっほ。儂は今でも、この顔の傷がうずくよ。どうじゃ?

今ならその澄ました顔にステキな模様をつけてやるがの?」

「寝ぼけるな。そん時はてめえも道連れだ。」

「ほっほっほ。」

「ぐははははは。」

 

---警戒、解いたんだよな?

その軽口が冗談には聴こえなくって、俺の胃をキリキリと締め付けた。

 

 

ワーストなコンタクトを終え、村は一転して歓迎ムードに入る。

前の収穫祭で取れた野菜がふんだんに使われる歓迎会では、月に一度しか食べられないような豪奢な食事がテーブルの上に所狭しと並べられる。

 

村長、アルバードが金属のカップを右手に掲げ、ほっほっほ、といつもの怪しげな笑いを浮かべながら皆の前に出て、あいさつをする。

 

「ほっほっほ。新しくやってきた彼ら、ファーガス一家を祝して、乾杯。」

『カンパーイ!!』

「・・・・・。」

大声にびくり、と体を反応させながら、皆と同じようにカップをぶつけて乾杯する。

 

ずずず、と恐る恐る飲んでみると酒ではなく、どうやらただの水であるらしい。

前の宴会ではひどい目にあったので油断は決してできない。

 

皆は思い思いに席を立って、楽しくやり取りをしている。

それをしり目に、村長の隣という一番目立つ席からそっと移動し、一番目立たない席で

じっとしようとすると、首根っこを引っ張られる。

「ほっほっほ。お主はこっちじゃよ。」

「・・・・・え。」

助けを求めるために両親に視線を送ると、二人とも既にほかの大人たちと飲み比べを

していて、顔を赤くしていた。ふぁっく、と微妙に舌足らずな口でつぶやくと、ぽすん、ととある席に座らせられる。

 

「おっ。なんだじじい。子どもなんか連れて。あんたの孫か?」

「儂が今まで見てきた中で、一番才気ある子じゃよ。」

「・・・・・・・・・。」

あの屈強なちょっと強面なおじさんの正面席であった。

こういう体育会系っぽい人はどうも苦手である。

身体がそわそわして落ち着かない。

村長の言葉を聴いて、それまでとは違う笑みを浮かべる赤髪の男性。

 

「・・・・・・へえ。それは、俺よりもか?」

「うむ。」

「・・・・・・・・・・。」

過度な期待はやめてください。

背中に汗がびっしょりと浮かび、正面にいる男性の視線から逃げるように村長の背中に隠れる。

微妙に殺気が混じっているようで、下手をすれば失神しそうである。

 

「前に言っていた子供はそいつか・・・・。

見たところ、普通の子供、って感じだが?」

「見る目がないのう。お主。」

「・・・・・あ?」

「・・・・・。」

喧嘩やめて、やめてと心の中で悲鳴をあげる。

巻き込まれるのはご免である。

「っと。悪い悪い。ほら、こっちこいよ。」

(・・・・・・。)

 

隙をついて逃げ出そうとしていると自分の隣をぽん、ぽんと叩いてそう言ってくるおじさん。

先ほどまでとは違う柔らかな笑みに引き寄せられて隣に座る。

まあ、とって食われたりはしないはず。

・・・・たぶん。

 

「そうだ。ちょうど俺にも子供がいてな。

紹介してやるよ。・・・・ルビア!!」

大声で赤髪の少女がいる方に声をかけると、自分の母親に抱っこされていた少女がとてとてと歩いてくる。

「・・・・なんだ?」

「・・・もうちょっと言葉遣いをな・・・・・。」

「知らん。」

 

ぷいっとそっぽを向いてそういう自分の子供にため息を吐くおじさん。

どうやら相当苦労しているらしく、その表情には疲れが見えている。

 

「ったく。紹介するぜ。うちのルビアだ。

ルビア・ファーガスな。」

「・・・・・・・よろしく。」

「・・・・・あ、ああ。」

恐る恐る手を出して握手を求めてみると、それに対応して手を出してくるルビア。

何かを忘れているような気もするが気のせいだと考えて、手を握る。

 

---熱さを感じ、思わず手を引っ込めた。

「・・・・バーカ。」

「あっ、おいっ!!」

そういって、彼女は遠くに走り去っていく。

握った右手を見てみると、ちょっと赤くなっているのが見えた。

 

「あいつ・・・イタズラのために魔法を使いやがって。悪いな坊主。

手、見せてみろ。・・・ああ、これくらいならもう治した。」

感じていた手の痛みが完全に消え、開いたり、閉じたりして感覚を確かめてみる。

どうやら、無事らしい。

 

「・・・悪く思うな。あいつ、同世代の奴とまともにコミュニケーションとったことなくてな。学校でもぼっちだったらしくてな。」

「・・・・・。」

見たところ、人付き合いが上手そうにも見えない。孤立しているのは容易に想像できてしまった。

「このまんまじゃまずいと思って、縁があるここに帰ってきたのさ。」

「・・・・ファーガスさんは。」

「ん?」

「あの娘のことが、大切なんですね。」

「・・・あたぼうよ。」

 

自分の娘のことを話す彼の顔はいつも家で見ている父の顔つきそのものだった。

 

---これが、彼女、のちに『紅蓮の悪魔』と呼ばれるルビーとのファーストコンタクトである。

 

 

 

「・・・・・。」

「・・・・・・・。」

机に座って書類仕事をしているが落ち着かない。

原因はわかっていた。

仕事中だというのに、俺の頭の上にその豊かなモノを乗っけて俺の気を引こうとしている彼女の存在である。

甘い匂いがして、柔らかな感覚に誘惑され、思わず逃げてしまいたくなる状況である。

 

「・・・・あの、大佐?」

「・・・・・・・。」

「・・・・・・ルビー。」

「・・・なんだ?」

「我慢できなくなってしまうので、

俺の頭を胸で挟むのはやめてくれ・・・。」

「・・・早くケダモノになってしまえ。というかなれ。

上官命令だ。」

「・・・・・・。」

無茶苦茶すぎる。

だが、これがいつものことである。

公衆の面前でキスをするよりはましかもしれないが、二人きりだと途端にスイッチが入って、365日24時間誘惑している彼女から逃げたい。猛烈に。

嫌いなわけではもちろんない。

気心の知れた相手である。

だが、物事には限度がある。

注意しなければならない。

 

「・・・ルビー。ちょっと離れてくれ。」

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

上官の命令は絶対で、部下からの命令は知ったこっちゃないと

ばかりに幸せそうな声を出しながら、今度はほおずりしてくる。

「・・・・んへへ♡えへへへへ♡」

「・・・・・・・・」

ゴリゴリゴリゴリ、と理性が削られていく中、

コンコンとドアがノックされ、声がかけられる。

 

『ルビア大佐。アリー少尉です。よろしいでしょうか。』

「うむ。入れ。」

「!?」

いつの間にか自分の席に戻って、

机の上で両腕を組んでいる彼女にビックリしていると、

俺と同じ緑の軍服を着た30代くらいの眼鏡をかけた禿げた男性が入ってきた。

「失礼いたします。いつもの報告書です。」

「うむ。ご苦労。さがっていいぞ。」

「・・・・・・。」

お願いします。下がらないでください。

そうすがる俺の願いはアリーさんには届かず、彼は出て行ってしまった。

すると、ぱさり、と生温かい何かが自分の頭の上に乗せられる。

手に取ると、それは黒のブラジャーだった。

弾かれたように後ろを振り返ると、黒い軍服をはだけさせた彼女が俺の真後ろに立っていた。

 

「・・・!??!」

「・・ふふふ♡ふふふふふふふふ・・・・♡

今日の仕事は終わり♡定時報告も完了♡

・・・・さて、エド♡今日も死ぬほど気持ちよくしてやるからな・・♡」

「・・・・・・・た、たまには休みの日とか・・・。」

「----そんなものは必要ない。」

 

本当に、どうしてこうなったんだっけ---。

彼女に唇を奪われながら、朦朧とした意識の中こうなった原因を思い返していくのであった。




エド・マークス

前世での名前は江戸 聡。
神様転生させられた男性。
女性に興味はあるが、
話すのは苦手。
少女相手なら大丈夫の模様。
望みは特になく、しいて言うなら幸せな家庭を築くこと。
女性が苦手だが、性欲はある。
タイプは『グラマーな女軍人系』。
ルビーが自分の理想を体現したような存在で毎日誘惑に屈する日々を送っている。
元々はネグレクトされていた青年。
前世では体のいたるところに火傷後と、生傷があり、左耳が聴こえない状況だった。
特技はぼーっとすること。
良く話の聞き手に回っている。
転生特典は『■■■■■』

ルビー・ファーガス
才気あふれる『紅蓮』の家系。
その唯一の子供にして、後継ぎ。
若干、10歳にして軍略、帝王学、政治、経済学のことごとくを収めた神童と呼ばれる異端児。
勝ち気、傲慢、不遜、不屈のリアリスト。
13歳の頃に初陣で山賊を全滅させたことから、その戦の才能を両親に認められ、軍への
入隊を決める。
が、才能ゆえに孤立し、人脈が築けない中、それをまずいと思った父によって田舎の村に転校させられる。

それを"親に落ちこぼれだと思われた"と受け取った彼女は悪態をつくようになる。
エドのことは学校によくいた男子と変わらないという認識を持っているが・・。

どうしてこうなったかは別として、成人した彼女は出世街道をひた走る女将校、『紅蓮の悪魔』として名を馳せ、ファーガス家にルビアあり、と威光を知らしめることとなる。

幼少期の態度と180度違い、病んでいるレベルの愛情を主人公に注ぐようになる。
その理由についてはまた今度。

ブル・ファーガス
『赤牛』の異名を持つファーガス家現当主。
全てを焼き尽くす『炎剣』の使い手。
エドの村の村長とは何やら因縁もありそうだが---?
娘が逞しく育って嬉しいと思う反面、相応しい婿がいない、貴族的にやばい、と焦っていた模様。
エドに対する評価は『どこにでもいる年相応の子供』だったが---。

--速く娘をもらってやってください。
--お義父さん、まだ早いと思います。
出会うたびにアイコンタクトでそんなことを言いあう仲になっているとか。

アルバード・●●●●●
エドが住む村の村長。
懐には、いつも青い刀身のナイフを忍ばせており、飄々とした態度で食えないことを言う狸じじい。
ほっほっほ、というのが口癖とは村人の説。
ファーガス家現当主、ブル・ファーガスとは何やら因縁があるようだが・・・?
エドにとっての祖父のような存在。
彼にとってはエドは孫替わりとか。
3か月に一度、ふらふらっといなくなるとか。

世界観
リア大陸と呼ばれる一続きの大地が存在する。
現代社会とは全く違う進化を遂げたいわゆる『ファンタジー』。
大国は5つある。
極寒の地、傭兵国家の、北のリルド王国。
灼熱の砂漠が続く、交易地、西のアルス王国。
樹海が人の営みを隠す、南のローグ連合国。
100年の鎖国を続ける、東の軍事国家、アルバーツ連邦。
そして拡張主義にして、中央の最強国家、リーダス帝国。

魔法について
多種多様にわたる。
毒などのマイナーな系統もあれば、炎、雷といった王道なものもあり、その使い手は家系によって決まることが多い。
北であれば氷、西ならば炎、南は木、東は大地と言った風に地域によって魔法の発展度は違う。

なろ〇風味の小説が書きたくなって書いてみた。
女軍人ヒロインとイチャイチャするだけの話を書くつもりが、なんで設定をちゃんと書いてしまったのか(自問自答)

エド君はルビーにヤンヤンされているゾ。
エド君の身長は170cm。
ルビーは180cmだから男のプライドはボロボロだぁ。

感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。

続き?需要がありそうだったら。

KEY(ドM)




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幼少期編 前編 紅蓮の少女

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

日間ランキング1位をなんで取ってるの?アホなの?といういいようのないこの気持ち。

ちなみに 幼少期編 ~いかに彼女の愛が重くなったのか~
王都学園生活編 ~幼馴染だった彼女が学園の高嶺の花になって襲ってくる件について~
戦争編 ~~え?女軍人ヒロインが増殖するって?~

となる予定だゾ(飽きなければ)

ヒロインを書いていると震えが止まらないんだよなぁ・・・。
なお、他の設定も全部考えてあるが、反映させるかは別問題の模様。

幼少期編でもエロイことはしまくるゾ

では、幼少期編(白目)のはじまりはじまり(平穏とは言っていない)

あ、普通に女軍人のルビアといちゃつく話も書いていくから
そこは安心するといいゾ

女軍人姿のルビアといちゃつく話を求める声が
多くって草。
幼少期編はすぐに終わり、女軍人姿になる
学園生活編が3話目から始まるから安心するといいゾ(二度目の強調)



それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


ファーガス一家がこの村にやってきて一週間が経とうとしていた。

馴染めるかどうかという心配は杞憂に終わり、彼らはこの村に受け入れられていた。

しかし、それは彼女を除いての話である。

「・・・・・・・。」

 

自分の隣の席を見れば、そこにはつまらなそうな顔つきで授業を受けている彼女、

ルビアの姿があった。

ため息をつく姿が様になっているのは、美少女だからだろうか。

そんな彼女に対して先生が問題を出す。

「ルビアさん。100年の鎖国を続けているアルバーツ連邦の主力兵士の名前は?」

「---サムライです。その発端はさらに数百年前に遡ります。数では帝国と傭兵国家に劣るものの、1人当たりの戦闘力は最強種、"ドラゴン"に匹敵するとも言われています。」

「正解です。よくできました。」

にっこりと笑って彼女をほめる、眼鏡をかけた茶色のポニーテールの女性、アンジュさん。

俺が知る限り、全校生徒が最初に惚れる女性とのことであり、彼女のことを狙っている男は多いとか。

 

褒められたというのにそれがあたかも普通のように、クールに受け流す彼女の姿に俺はどこか違和感を覚えた。

何というか、これは---。

「---エド君?」

「?あ、はい。」

彼女のことを考えていて、アンジュ先生に返事をするのが遅れた。

「ルビアさんの事が気になるのはわかるけど、授業に集中してくれると先生嬉しいかなって・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

まさかのつるし上げであった。

 

 

 

お昼休み。

日本に居た時と同じようなカリキュラムで進み、午前中の授業が終わった。

皆がお弁当を取り出し、思い思いの場所でご飯を食べている。

さて、一番困る時間である。

一緒に食べる相手など特にいないので、こういう時は人のいないところに逃げるに限る。

 

校舎裏のベンチで座り、母さんに作ってもらった弁当を広げる。

中には、色とりどりのおかずと、白米らしきものが入っており、

食欲をそそる。

 

いただきます、と手を合わせて食べようとすると隣に

誰かがどかり、と座る。

何だと思って隣を見ると、そこには赤い髪を揺らし、

不機嫌な表情で弁当をぱくつくルビアの姿があった。

「・・・・・・・。」

 

すすす、と相手に気が付かれないように腰をほんの少し浮かせて離れる。

先ほどの授業で皆からからかわれてご機嫌斜めなようである。

彼女も、居場所がなくてここで食べている感じなのか。

真実はわからないが退避した方がいいのはわかっていたので

そっと移動しようとする。

「・・・・・・おい。」

「・・・・・。」

 

声を掛けられ、浮かせていた腰を再び下ろす羽目となる。

一体俺に何の用なんだろうか。

とげとげとした雰囲気が俺の胃を削っていく。

「なぜ、私の方を見ていた?・・・・貴様ごときが私に釣り合うとでも思っているのか?痴れ者め。」

「・・・・・・。」

開いた口が塞がらないといった感じである。

まさかそんなことをいきなり言われるとは思っていなかった。

 

「・・・・ところでだ。貴様、見たところ知り合いがいないようだが?」

「いや、それは君も・・・・。」

「"あ"?」

「いえ、何も・・・。」

自分の事は棚に上げるらしい。

何という暴君。

ここから早く逃げ出したいが、メンチを切られると思わず身を縮めてしまう。

 

「ふむ。喜べ。ならば、貴様を私の子分にしてやろう。」

「・・・・・・・。」

何がどうなってそんな結論に至ったのだろうか。

素直に、"友達になってほしい"とは言えないのだろうか。

父親のファーガスさんがどうして悩んでいるのかわかり、思わず右手で頭を抑える。

「近々、魔物討伐の実施授業がある。ペアを組んでのことらしい。

----後はわかるな?」

右手に炎を浮かばせながらそういって笑みを浮かべる彼女に対し、俺は激しく頭を上下に振ってうなずいた。

 

 

「はーい。では、皆さん二人組になってくださいねー。」

アンジュ先生が死の呪文を吐いた。

それは俺みたいな人間にとっては一番恐ろしい言葉である。

あっという間に周りの子たちはペアを組んでいってしまう。

俺も他の子に交ろうとしたらルビアに首根っこを掴まれ強制的にペアを組まされた。

 

「貴様は私とだ。エド。」

あれ、名前を言ったか?と疑問に思う間もなく、

先生が実施授業の説明を進めていく。

「それじゃあ皆ペアを組めたみたいだから説明するねー。

日が暮れるまでが期限。それまでにF級のモンスターを1匹以上

倒して、この"魔晶石"にモンスターの魔力を取ってくれば合格。

どのモンスターを倒したら何点か書いてあるリストを配るよ。

一番得点が多かったペアには先生が何か一つ言うことを聴いてあげる。」

その言葉に、それまで好き好きに話し合っていた男子達が静まり返り、

目が血走り始める。

それを察した女子生徒たちがサイテー、と口々に男子生徒たちを非難し、

それに反発した男子達が彼女たちに突っかかるというカオスが出来上がった。

「・・・貴様は、違うのか?」

「・・・・・え?」

 

子供たちのやり取りをぼーっと眺めていたら、隣にいたルビアにそう尋ねられる。

俺がアンジュ先生からのご褒美を狙わないのを、興味がないふりをしているだけで、本当は周りの男子達と変わらないと思っているのだろうか。

実のところ大して興味もないが、あいまいに苦笑いで返すと、彼女がふんっ、とそっぽを向く。

 

渡されたリストを見ると、そこには"F級モンスター"と呼ばれる魔物たちがずらりとイラストで描かれている。横には、得点らしき数字が書かれていた。

「あと、絶対に村の外れにある祠には行っちゃだめだからねー。

あそこは危ないから。・・・わかった?」

『はーい。』

「・・・・・・・。」

(・・・・やりずらいなぁ。)

こうして不安だらけのハンティングが始まった。

 

 

実施訓練が始まってから既に1時間が経過。

あちこちでは、俺たちと同じようにモンスターを探して

走り回す生徒たちの姿が見える。

「どこじゃああああ!!モォォォォォンスタアアアアちゃあああん!!」

「俺と先生の恋愛成就のための生贄となれやああああああ!!」

「は?」

---一部では、アンジュ先生をめぐる男子生徒同士でなぜか戦いを始めているが。

冷たいまなざしをルビアが彼らに向けているのをしり目に、この村の全体図を見ながらどこに行くかを考える。

「・・・・・おい。宛はあるのか?」

「・・・・まあ、うん。」

「ならさっさと案内しろ。一匹倒したらすぐに帰る。」

「・・・・・・。」

相手が子供だから許せているが、他の子からしたら確かにルビアとどう接したらいいかなどわからないだろうなぁ、と遠い目をしながら森の中に入っていく。

 

「どこに向かっているんだ?どんどん村から離れているぞ?

・・・・・まさか、私に不埒な真似を。」

「絶対にしないから。」

「・・・・・。」

「熱っ!!」

 

ちょっと熱くなっている手を後頭部に押しやられる。

何で機嫌が悪いか知らないが、さっさと帰りたいのだけは確かである。

他の子たちが知らないスポットを目指して歩き続け、

ようやく目的地に着いた。

「・・・・ここは?」

「・・・・ウォルフの住処。」

俺の言葉にほう、と言葉を漏らす彼女。

ウォルフとはそのまんまで"オオカミ"の事である。

地球にいるそれとの違いは、炎を吐いたり、毒を持っていたりするとことであるが、

ここら辺にいるウォルフはただのオオカミであり、せいぜいが牙や爪で攻撃してくるぐらいである。

等級もFなので魔法が使えるなら子供でも狩れるレベルである。

・・・・・ただし、油断せず、注意を払えばであるが。

 

「よくやった。後はそこで見ていろ。すぐに燃やし尽くして・・・・。」

「・・・・待って。」

「・・・・。」

「あっ。」

 

巣に突っこもうとする彼女の首根っこを掴もうとしたら彼女のポニーテールを間違えて掴んでしまい、ぴょいん、と彼女が後ろに引っ張られて倒れる。

後から地面に倒れた彼女はぷるぷると震える。

辺りがちりちりと焼けていきシュボッ、という音と共に彼女がゆらりと立ち上がって俺の胸倉をつかんでくる。

「死にたいのか?貴様?」

「ちょっ、後ろ後ろ!!」

 

俺の言葉に反応して後ろに向かって炎をまとった裏拳を放つ彼女。

その拳は襲い掛かってきていたウォルフの頬に当たり、遠くに弾き飛ばした。

ジュウウウ、とウォルフの肉が焦げる音が響く。

周りを見ると、既に囲まれてしまっていた。

背中合わせになって、互いをフォローしあう俺たち。

「・・・・ふん。貴様への仕置きは後だ。まずはこの犬っころどもを焼き尽くしてくれる。」

「・・・・・。」

一匹だけ倒して帰るんじゃなかったのだろうか。

どうやら、彼女のストレス発散に付き合わされるようであった。

 

 

「はい、おっけー。よく頑張ったねー。」

「えへへへへ・・・。」

「・・・・・・。」

アンジュに頭を撫でられ、鼻の下を伸ばす男子をゴミ屑を見るような目で見る女子生徒。

その眉間にはしわが寄っており、デレデレとした顔をしている男子生徒の頬をつねっている。

 

実施訓練の期限がそろそろ終わるというころ、アンジュはいまだに帰ってきていないルビアとエドのことを心配していた。

彼らだけがいまだに学校に戻ってきていないからである。

 

(・・・・・エド君がいるから、大丈夫だと思うけど・・。)

そう考えるもやはり不安は晴れず、はあ、とため息を彼女はついた。

そんな彼女の後ろに誰かが立っていた。

「・・・校長先生。パンツを見ようとするの、やめてくれませんか?」

「ほ?」

 

---アンジュのスカートの下に潜り込んでパンツを見ようとした校長、

アルバードは後頭部をアンジュに踏まれ、地面とキスしていた。

「まったくもー。やめてください。子供たちだって見ているんですから・・・。」

「ほっほっほ。嫌じゃ。」

「・・・・。」

涙目になりながら、握り拳を作り、ぷるぷると震わせるアンジュ。

このジジイ、どうやって締めたろか。

そう思っていた彼女は立ち上がった校長に真剣な顔つきで状況を伝える。

「・・・・・まだ、2人帰ってきていなくって・・・。」

「・・・・・ほう?」

それまでの雰囲気とは打って変わり、あたりが静まり返るほどの重圧が広がっていく。

おびえる子供たちの姿を見て、その殺気を引っ込めた校長は踵を返し、ふらふらと歩いていく。

「エドとルビアじゃな?・・・・ふむぅ。ちょっと様子を見るとするかのう。」

「あ、私も・・。」

「阿呆。誰がこの子たちを守るんじゃ。

「・・・・・・!」

その言葉に歩みを止めるアンジュと、森の中に入っていくアルバード。

---木々がざわめき始めた。

 

 

「はっ、はっ、はっ、は・・・!!」

「走れっ!!走れ走れ走れええええっ!!」

それまでとは違い、泣きそうな顔になっているルビアの右手を手に取り、

必死になって走り続ける俺。

ウォルフを自慢の炎で虐殺していた彼女もどうやらまだまだ子供だったらしい。

無理もない。・・・・俺だって今にも心臓が止まりそうである。

 

『・・・・グオォォォォォォォ!!!』

---後をちらりと見れば、そこには明確な"死の脅威"が差し迫っていた。

D級モンスターのグレート・ウォルフ。

大人の冒険者3人がかりでようやく勝てるレベルの相手である。

その巨体による突進は進路上にある木々を容易くへし折っていき、確実に俺たちに迫っていた。

 

「なんだ!!なんだあれは!!私の炎が効かないなんて!!」

「喋っている暇があったら走れ走れ走れえええっ!!死ぬぞっ!!」

「・・・ううっ・・・。」

決して後ろを見させないようにしつつ、前を走り続ける。

だが、小さな子供の身体では限界らしく、そろそろ体力が切れそうなのが震える足でわかった。

「はっ、はっ、はっ、うう・・・。ひっぐ・・・。もう走れない・・・・。」

「・・・くっそ!!」

「うわっ!?」

 

立ち止まりそうになる彼女を思わずおんぶして走り続ける。

止まるわけにはいかない。後ろにはグレート・ウォルフがいる。

走るのをやめれば死ぬ。何か、何か策はないか・・・?!

走り続けていると、目の前につり橋が見えた。

・・・・やるっきゃない。

 

「ルビア!!俺が合図したら炎を出して橋を焼き切れ!!いいな?!」

「・・・・・・ふえっ?」

「行くぞおおおっ!!」

「グルアアアァァァ!!!」

俺が橋を渡り始めると、橋が激しく揺れ始める。

後からグレート・ウォルフが付いてきているのがわかる。

橋の3分の2を渡り切ったその瞬間、俺はルビアに向かって叫んだ。

「・・・今だぁっ!!やれぇっ!!」

「・・・・え、えいっ!!」

『・・・・・!?』

 

俺とグレート・ウォルフの間に炎を壁を作り、一瞬足止めをしたのち、

橋を支えていた横のロープが炎によって焼き切れ、橋がバランスを崩していく。

後をほんの少しだけ見ると、慌てた様子のグレート・ウォルフが逆走し、

戻ろうとするも、上手く行かずに落下していくのが見えた。

だが、こっちもだいぶマズイ。

橋の後ろが崩壊したということは、つまり前の方も同じく----。

 

「うあああああああっ!!」

「きゃあああああっ!?」

足を必死に動かし、橋が崩れかけた瞬間、崖に向かってジャンプする。

届け、届け、届け、届け---!!

「---届けえええええっ!!」

 

---その願いも空しく、俺の跳躍は届かなかった。

 

「・・・・・えいっ!!」

---彼女がいなかったらの話だが。

炎によってジェット噴射の要領で上に打ち上げられた

俺たちは空中に放り出され、地面へと落下した。

「・・・・・げふっ!!」

「・・・・きゃっ!!」

上手く着地したと思ったら、上から彼女が降ってきて、

それで潰される。

「・・・・お、重い・・・・。どいてくれ・・・。」

「・・・・・あ、ご、ごめ・・・。・・・・おい?!

重いとはなんだ!?女子に向かってそれはないだろう!!」

悪態をつきながらもどいてくれるルビア。

仰向けになってころがり、深呼吸をして乱れた息を整える。

今回ばかりは本当に死ぬかと思った。

今も心臓が鳴り響いてやまない。

口の中がカラカラに渇いていた。

 

「・・・あのウォルフは?」

「・・・・恐らくだが、落ちた。さすがにもう追ってこないだろう。」

「・・・・・そうか。」

ルビアの返答に少し安心してため息を吐いた。

それにしても、まさかあんなデッカイのに襲われるとは思わなかった。

ホッとしたら体の痛みに気が付き、うう、とうめくと彼女が心配そうな

顔つきでオロオロとしだす。

「おっ、おい?!大丈夫か!?」

「・・・・ああ、うん・・・。」

震える手で近くにある洞窟を指さす。

「とりあえず、川があるそこまで運んでいってほしい。・・・なるべく、はやく・・・・。」

「わ、わかった!!任せろ!!」

ふんす、と胸を張って俺の肩を担いで歩き出す彼女の顔つきを横目で見て、どうやら彼女は悪い子ではないらしい、と思うのだった。

 

 

 




ルビア「あの時のグレート・ウォルフ絶対に許さん。エドを傷つけるなど万死に値する。
・・・いっそのこと、根絶やしにするか?」
エド「そうか。これが、恐怖か・・・・。」

E級モンスター
攻撃魔法が2、3個使えるレベルであれば子供でも倒せるモンスターを指す。

D級モンスター
武装した大人でも複数でかからないと厳しいレベルのモンスターを指す。

グレート・ウォルフ
D級モンスター。ウォルフの上位種。馬並みの大きさのオオカミであり、
その巨体から繰り出される突進は木さえも容易くへし折ってしまう。
このレベルのモンスターを1人で倒せるなら、一人前と言ってもいい。

アンジュ
彼女が初恋の相手だという男子生徒率が99%だとか。
年はxx歳。温厚であり、誰にでも優しい教師の鑑だが、エロジジイ相手には辛辣な態度をとる。
かつて、冒険者家業をやっていた過去を持つ。
いつも黄金の装飾が施された、竜の刻印が入っている白い杖を手に持っている。

エロはどこ・・・?ここ・・・?(自問自答)

なんでエロ小説なのにバトルを書いているんだ、俺は・・?

ここからルビアはデレるから。・・・・え?デレはデレでも
病むだろうって?
知らんな。

ちなみに 幼少期編 ~いかに彼女の愛が重くなったのか~
王都学園生活編 ~幼馴染だった彼女が学園の高嶺の花になって襲ってくる件について~
戦争編 ~~え?女軍人ヒロインが増殖するって?~

となる予定だゾ(飽きなければ)

ヒロインを書いていると震えが止まらないんだよなぁ・・・。
なお、他の設定も全部考えてあるが、反映させるかは別問題の模様。

幼少期編でもエロイことはしまくるゾ

あ、普通に女軍人のルビアといちゃつく話も書いていくから
そこは安心するといいゾ

女軍人姿のルビアといちゃつく話を求める声が
多くって草。
幼少期編はすぐに終わり、女軍人姿になる
学園生活編が3話目から始まるから安心するといいゾ(二度目の強調)

感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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幼少期編 後編 紅蓮の少女

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

これまでのどんな小説よりもお気に入りの数が多く、
評価が10中、9.2以上とか草生える。
なんで、ヤンデレエロばっかり高評価を得るのか、
わからない(真顔)

今回で幼少期編は終わりだぞ。

ルビーが今のデレモードに変わるゾ。
次回の王都学生生活編ではグラマー女軍人へと成長した
ルビーにイロイロなことをされるゾ(意味浅)



それでは、ご覧ください。


「・・・・・・・。」

「・・・・・・。」

 

川の流れる音が反響し、耳に届くのを目を閉じて聴く。

幾分か気分が良くなり、少し体が軽くなった気がした。

痛みもだいぶ引いてきて、さっきよりはマシになっている。

洞窟の壁越しに伝わるひんやりとした感覚が気持ちいい。

 

「・・・・・・なあ。」

「・・・・・・何?」

身体を休めていると、ルビアに声を掛けられる。

 

「・・・なぜ、私を助けたんだ?」

「・・・・・・・・・。」

・・・・なんでだろう。

俺が首をかしげると、声を荒げる彼女。

 

「おかしいだろっ!?私はお前に暴言を吐いたりしたんだぞ!?

そんな奴をどうして助ける?!」

「・・・・・・・。」

両腕を組んで首をひねって考えてみる。

しかし、それでも答えはわからない。

気が付いたら、彼女の手を取ってグレート・ウォルフから必死に逃げていた。

それが答えである。

 

「馬鹿か、貴様!!」

そういわれるとぐうの音も出ない。

やってしまったことは仕方ない。

----ああ、でも、ちょっとだけならなんとなくわかる。

頭の中には、村にやってきたばかり時のファーガスさんが歓迎会でルビアの事を嬉しそうに話す姿が思い出されてきた。

 

 

「・・・・・・・大分、落ち着いてきた?」

「・・・・・自分より、傷ついている奴が目の前にいるんだ。冷静にもなる。」

「・・・・・・ごめん。」

「・・・・なぜ謝る。」

「・・・・なんとなく?」

「・・・・・・・。」

「・・・・うわっ。」

 

壁にもたれかかりながら休む俺を横に倒し、

自分の膝に乗っけるルビア。

これは、俗に言う膝枕という奴だろうか。

後頭部に柔らかな感触が伝わり、

太もものむちむちさが感じられる。

・・・・何だか心地いい。

 

「・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

洞窟を流れる川のせせらぎだけが聴こえる。

お互いの呼吸の音も聴こえそうなほど近くで触れ合う。

頭を優しく撫でられる。

「・・・・これからどうする?」

「・・・・・ちょっと休んだら、別ルートで村に戻ろう。」

大分村から外れたので、速く戻ったほうがいい。

---夜になったら、モンスターの強さが跳ね上がる。

グレート・ウォルフレベルのモンスターが出てくるようになったら、

もう生きては帰れなくなるだろう。

幸い、ルビアは炎魔法を使うことができる。

枯れ木に灯をともせばたいまつ代わりにはなるだろう。

そろそろ起きて、準備をしようとすると、頭を手で抑え込まれ、

膝枕させられる。

 

「・・・・・ルビア?」

「・・・・し、仕方なくだ!!仕方なく!!まだ、ふらついているようだから、

仕方なく私の膝を堪能させてやろう!!」

「・・・・・・・。」

いや、そろそろ帰らないとまずいんだけど。

起き上がろうとしても、なぜか彼女が上から抑え込んできて、

上手く立ち上がれない。

----致し方ないので、目をつむってもう少し休もうとすると

それは聴こえてきた。

 

『---グルルルルルル・・・。』

「・・・・・あ・・・ああ・・。」

目を開けると、そこにはびしょびしょに濡れた

グレート・ウォルフが川の中から姿を現わした。

所々から血を流しており、傷を負っていることがわかる。

だが、目は若干血走っており、完全に怒っているようである。

冷や汗が止まらない。

立ち上がり、彼女を自分の後ろに隠して対峙する。

 

「・・・・そんな・・。まだ生きて・・・・。」

「・・・・体がでかい分、生命力もあるんだろう。

・・・!!来るぞっ!!」

「うわっ!?」

 

有無を言わさず突進を繰り出してくるグレート・ウォルフ。

彼女を横に突き放し、俺も転がって回避する。

寸でのところで攻撃を免れると、グレート・ウォルフの

頭突きによって、壁にヒビが入る。

ぱら、ぱら、と天井から土が落ちてきている。

俺たち、いや、俺の方をじっと見つめてきて、

また突進の構えを取る。

「・・・・エドっ!!」

「・・・・!?っ・・・!」

二度目の攻撃をもう一度かわそうとすると足ががくつき、

避けるの遅れ、腕をかすめてしまう。

そのまま上に伸し掛かられ、身動きが取れなくなってしまう。

「・・・うぐっ!!」

「・・・・くそっ!!くそぉっ!!離れろっ!!離れろよっ!!」

ルビアが必死に炎を放つも、効いていないのか彼女の方さえ見ない。

喰われる、死ぬ---。

そう思っていた矢先、耳をつんざく轟音が響く。

 

『-----グオオオオオオオオオ!!!!』

『!!?』

それまで、俺を食べようとしていたグレート・ウォルフが突然体の動きを止め、

洞窟の奥を震える体でじっと見つめ始めた。

----次の瞬間、グレート・ウォルフの頭と胴体が二つに別れた。

血しぶきをあげて舞うグレート・ウォルフの首。

どたり、と倒れふす巨体。

目の前にいた俺は、その血をもろにかぶってしまう。

 

---何だ。何が起きた。

やばいやばいやばいやばいやばい---!!

「・・・ルビアっ!!逃げろっ!!早くっ!!」

「・・・えっ!?えっ!?」

俺の必死に声も虚しく、彼女は戸惑うばかり。

そして、そいつは姿を現わした。

 

『---グオオオオオオオオッ!!』

グレート・ウォルフを一撃で葬ったそいつは洞窟の奥からやってきた。

----オーガ。最強種、"ドラゴン"と同レベルのモンスターである。

 

 

「・・・・・ああ、懐かしいなぁ。そんなことも確かにあった。」

「・・・・・・エド、何を見ているんだ?」

「ん?これ?昔つけていた日記。」

俺がそういうとへえ、と声を漏らす彼女。

そして、机に座って呼んでいたそれを手に取って取り上げしまう。

「あ、おいっ!」

「ふふふ・・・♡あの出来事か・・・♡全く、先ほど搾り取ってやったというのにまたほしくなってきてしまったではないか・・・♡」

(・・・・あのルビアがなぁ。)

昔のつんけんしていた彼女と、今の彼女が同じ人物とは信じられない。

彼女は昔の面影を残しつつも、色々な意味で成長していた。

昔のページをぱらり、ぱらりとめくっていく彼女。

「そうだな。あのオーガが出てきたときはさすがにもうだめかと思ったぞ。」

「・・・・まあ、B級モンスターに出会ったら死を覚悟するのが普通だろう。」

「・・・それで、昔のことを話してくれるんだろう?♡」

「・・・・・・・。」

 

その豊満な体をこすりつけ、後ろからぎゅうううっと抱き着いてくる彼女の誘惑を我慢しつつ、昔のことを思い出していく。

そうだ、あの後は---。

 

 

「・・・・逃げろっ!!逃げろぉっ!!」

「・・・お前を置いて逃げられるかっ!!来いっ!!怪物っ!!」

「ばっ・・!!」

『・・・・グオオオオオオッ!!』

「きゃあっ!!」

 

俺をかばうように前に出た物の、オーガから放たれる

風魔法によって弾き飛ばされるルビア。

それに追い打ちをかけようと、手に持っていた

こん棒を彼女めがけて振り下ろそうとする。

「・・・・うおおおおおっ!!」

その間に割り込むように、自分の身体を滑り込ませる。

オーガのこん棒が俺の胴体に喰いこみ、メシメシメキィッ、と音を体が悲鳴をあげる。

 

(・・あっ。やばいっ---骨がっ--。というか臓器がつぶ)

『---オオオオオオオオオォッ!!』

「・・・・っ!!」

吹き飛ばされ、ゴロン、ゴロンと床に打ち捨てられる。

ごふっ、と血が口から出てきた。

どうやら内蔵もやられたらしい。

---どうやら、死ぬかもしれない。

ルビアの方を見ると、どうやら吹き飛ばされただけで、

まだ生きているようである。

 

軋む体を起こして、彼女を守るように立ちふさがる。

---父さん、母さん、ごめんなさい。親不孝することになりそうです。

「・・・大丈夫。・・・そこの出口から逃げて、真っすぐに走れば村に戻れるはずだから・・・。」

「馬鹿っ!!私のことはいいっ!!早く逃げろっ!!・・・逃げてぇっ!!」

『グルアアアアアアアッ!!』

「----あ。」

オーガが持っていたこん棒を俺に向かって振り下ろしてくる。

その瞬間、すべての景色がスローモーションとなり、あたりの動きが止まったかのようにゆっくりとなる。

(---駄目だ。駄目だダメだ---。彼女を守っ)

 

 

 

 

「---ほっほっほ。」

『・・・・!?』

---来ると思っていた衝撃に耐えるため、目をつむるもそれはやってこない。

そして、いつも聴きなれた胡散臭い飄々ジジイの笑い声。

目を開けると、そこには氷の刀身が青い刃のナイフから飛び出ている奇妙な剣で、

こん棒を受け止めている村長の姿があった。

「・・・・そ、んちょう・・・?」

「おお。エド。大分やられたようじゃの。・・・ふむ、そっちのお嬢ちゃんは・・・。

まあ、無事みたいじゃの?ほっほっほ。」

『!?・・・!!?』

それまで、意気揚々と俺たちを嬲ろうとしていたオーガの

動きが初めて止まった。

まるで、先ほどグレート・ウォルフがオーガに出会ったときのような・・・。

 

「さて。---眠れ。鬼よ。」

『・・・・グ・・。』

ザシュリ、という音が聴こえ、次いでどちゃりと何かが倒れる音が聴こえ、

俺はそこで意識を手放した。

 

 

「・・・・・・・。あれ?」

がばり、と起き上がるとそこはいつも俺が使っている自室ではなく、どこか別の場所であった。

ベッドは赤色で、金色の装飾が施された豪華なものであり、うちにあるそれとはまったく格が違う逸品であることが見て取れる。

布団を押しのけようとすると、何か温かなものが俺の身体に巻き付いているのに気づく。

 

「・・・・・。」

そこには、紅色のネグリジェを着たルビアが俺の身体に巻きつくように、俺の腰元にしがみついていた。

手でさわさわと俺の身体の中を触れてきてぞわぞわとする。

 

「・・・・・ん?」

起こしてしまったのか、それまで目をつむっていた彼女が瞳を開け、

その金色の眼で俺を見つめてくる。

息が触れ合う距離で見つめあう俺とルビア。

どうすればいいんだ、とまごついているとルビアががばりと首元に抱き着いてきて、

ぎゅううううとしがみついてきた。

「うう・・・!よかった・・・!!よかったぁ!!!」

「・・・・!?・・・!??」

何が起きているかわからないがどうやら彼女に抱きしめられているのだけは

確かであることがそのぬくもりから辛うじてわかった。

 

 

起きてからというもの、俺とルビアはこっぴどく怒られてしまった。

なぜ、ボスがいるかもしれないということを考えず、ウォルフの巣に突っこんでしまったのか。なぜ、祠に入ってしまったのか。なぜ、村の方に逃げて助けを求めようとしなかったのか散々絞られた。

俺とルビアはけが人なので、とりあえず説教は切り上げられ、

後はゆっくりと休むように言われた。

それはいいのだが・・・。

 

 

「・・・・・♪」

「・・・・・・。」

---なんで俺と彼女が一緒の部屋にいるのだろうか。

いつの間にか俺のベッドは彼女の部屋に移動させられており、

生活圏を脅かされていた。

いくら何でも男女で同室はないだろうと抗議するも、

子供が何を言っていると一蹴され、取り合ってもらえず、

しぶしぶと自分のベッドで寝転ぶ。

寝返りを打って、壁の方を見ているのだが、背中にものすごく

視線を感じて落ち着かない。体がそわそわする。

たまらずに振り返り、彼女に聴いた。

 

 

「・・・・なあ、ルビア。」

「・・・・ルビー。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・ルビー。」

「・・・・ル、ルビー。そうしているの、楽しいか?」

「ああ♡」

ほほえましい子供同士のやり取りのはずなのに、

なぜか寒気が取れない。

ぶるぶると体が震えてやまず、背中に汗をかいていた。

「と、とりあえず俺はここから先は侵入しないから。

・・・・・ルビーも最低限それだけは守ってくれ。」

「・・・・・・。・・・・わかった。」

「・・・・・。」

今の間は何だろうか。とても、とてつもなく恐ろしい。

まるで、何か火を着けてはいけないものに着火させてしまったような・・・・。

 

「・・・疲れた。もう寝る・・・。」

「・・・ああ。おやすみ♡」

「・・・・・・・ルビー?なんで俺と同じベッドで横になってるんだ?」

「~~~♪」

「・・・・・・・。」

どうやら、これから先彼女に振り回されるのは確定事項らしく

軽くめまいがしたのだった。

 

 

 

 




ルビア「"紅蓮"の名を継ぐ私が、燃やされてしまったよ・・・・♡」
エド「」←生きてくれていてよかったとは思うが、あまりの変貌ぶりに毎晩、悪夢を見るほど不安に悩まされている。

【オーガ】
レベル50
オーガ4 棒術4
ドラゴンと並ぶ最強種。
天を支配するのがドラゴンであれば、地を揺るがすのはオーガと呼ばれている。
村長によって瞬殺された個体は、一番弱い普通のオーガであるが、
それでも一流の冒険者が束になっても勝てるかどうかというレベルである。

幼少期編終わり!!
後はテンプレで王都での学生生活編だから
楽しみに待つんだゾ。

ちなみに学生生活編から既にルビーはグラマラス女軍人系に
成長していて、誘惑まくってくるゾ。
なお、そんな高嶺の花が見知らぬさえない男にモーションをかけていると
知ったチャラ男や、一部の女好き貴族などは・・・・。

感想に草生える。

感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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幼少期編最終話 ~ステータスと、プレゼントと~

「--では、水晶に手をかざして・・・・。そう。・・・ああよく頑張ったね。」

アンジュが教室内にて、自身の子供たちのステータスを測り見ていく。

この世界においては、ステータスがすべてであり、

高ければ高いほど強さを得ることができる。

 

2000年前。このアクライア大陸において、世界の命運をかけた戦いがあった。

世界を滅ぼさんとする"破壊神"アルバスと、それに従う十人の"魔人"。

それに対して、"十王"と呼ばれる超越者たちと、それを支えた創造神、"女神"アクライアとの闘い。

のちの歴史において、"神話大戦"と語り継がれる伝説である。

 

これらの戦いに身を投じた者たちは皆、高いレベルであり、

かつ、高位の"タレント"と呼ばれる能力を持っていた。

 

通常であればレベルは最高でも50程度までであり、

そこから先は伝説上の人物、生物でしか到達しえないレベルである。

 

例えば、一般人のレベルは大抵、3~5程度。

闘いに身を投じて10レベルといった人間たちばかりである。

その中のより選りすぐりのの者たちは、次の段階に進む。

 

この物語の主人公、エド・マークスも自身の能力を確かめるため、

水晶に手をかざす。

すると、エドのパラメータが空中に表示される。

 

エド・マークス

 

Lv 4

タレント 体術2 魔力操作2(無)

 

これと言って変哲もない、どこにでもいる少年のステータスが表示される。

はあ、と軽くため息をしつつも、エドは自身の席に戻り、

入れ替わるようにルビアがアンジュの近くまで歩み、

手をかざす。

先ほどのエドと同じように、パラメータが表示されるが、

それまでとは桁が違った。

 

ルビア・ファーガス

 

lv12

タレント 剣術3 魔術(炎)3

 

まだ10歳程度の少女だというのに、そこらへんの冒険者はもとより、

傭兵よりも強く、このまま戦いに出てもまず死にはしないであろう才能を彼女は持っていた。

ふふん、と胸を張りながら自身の実力に対して自信を持ち、

そしてエドの席まで近づくと、首元に抱き着きながらニコニコと笑う。

 

「エド!!私すごいだろ!!?すごいだろ!!?」

「ああ・・うん・・。ちょっとこっちが落ち込むくらいには・・・。」

「えへへ・・・。」

純粋な子供のじゃれつきに対して悪態をつくこともできずに、

ただただ、陰ながら努力していてもここまで差があるんだな・・・と背中を陰らせ

、エドは肩を落とす。

多少鍛えている自負があり、もう少し成長しているものかと思っていたが、

それはしょうがない。

自身はまだ子供の肉体であり、目の前の紅い少女が規格外すぎるだけなのだと

考え直し、気を取り直した。

 

彼らと同じクラスメイトである少年、少女たちもレベルは高くてせいぜい5。

持っているタレントレベルも2がいいところであった。

だが、これと言ってそこまで落ち込んだりもしておらず、

むしろ毎年確実に実力が伸びていることを喜んでいた。

 

「まあ、仕様がない。・・・ああ、そういえば、俺、村長のところに行かなきゃだから。」

「ええ?もっと一緒にいたいぞ・・・。」

「ごめん。・・・明日は一緒にいてあげるから。」

「本当か!!?わーい!!お父様に言っておかないとな!!」

うきうきと目に見えてはしゃぐルビーと対照的に、

エドは、あのおじさんルビーが俺になつくようになってから怖い顔を時々するんだよなぁ・・・と手で目元を抑えながらその原因について考察する。

 

オーガから辛くも生き残った二人。そして、ルビアを助けたエド。

それからルビアはいつもエドの後ろをくっついていくようになり、

気が付けばクラスでも付き合っている、と噂されるようになっていた。

 

ルビアの父、ブル・ファーガスは自身の娘が死にかけたと聞き、

顔を青くさせ、その後、エドによって助けられたことをしり、

エド、そしてエドの家族の家まで訪問し、謝罪と感謝の言葉を投げた。

ルビアはブルによって叱られ、正座で1時間説教をされた。

娘にはことのほか甘いブルも、さすがに命の危険とあっては黙りはせず、

自身の妻がにこやかに微笑む横で、家長としてあるべき姿を示した。

 

その結果、お転婆であるところは変わっていないが、

ルビアは他のクラスメイト達とも話すようになり、

孤立した状態から、知り合いが数人できるところまで変化した。

 

エドに取ってもそれは嬉しい変化だったが、

それでもこうも好意を示されたことがなかったため、

それをどう受け取るべきか判断できずにただただ、ルビアに押されるまま困惑の表情を浮かべ、あちこちへ連れていかれていた。

 

(・・・まあ、明るくなったんだし、きっといいことなんだよなぁ・・・。)

自身の横で、目に見えて笑顔を浮かべ、明日は一体どうしようと考えるルビアの横顔を見て、彼はそう思うことにするのだった。

 

 

 

「・・・・・村長?」

「・・・・・。」

 

エドが村長の住んでいる家を訪ね、扉を開く。

ぎぃ、と木の作りの扉が内側に開かれ、中には気の丸いテーブルがあり、

その横では安楽椅子で座りながら、こく、こく、と首を軽く揺らし

寝ているであろう村長の姿がエドに見えた。

 

「・・・おお。エドか・・・。少し・・・まどろんでいたよ・・・。ほっほっほ・・・。」

ふああ、と軽くあくびをしながらあごひげを右手でさすりながら、

懐かしそうに眼を細め、何かを思い浮かべる村長。

エドもいい夢をきっと彼が見たことを想像し、

そして自身が呼ばれた要件について切り出し始める。

 

「そういえば、俺が呼ばれた件って・・。」

「---エド・マークス。」

フルネームで呼ばれ、それまでとは違う鋭いまなざしを向けられたエドは、

直立の姿勢で気をつけをする。

真面目な話をする。それも、たぶんオーガと遭遇した時のことだろうと、

エドはあの時のことを思い浮かべる。

 

「----君は年齢の割に、どうも大人びているようじゃな。」

「・・・・・。」

ぎくり、と核心を突かれ、エドの心臓が軽く飛び跳ねる。

かすったところではない、大当たりの事実について、

自分以外誰も知らないはずのことを見抜かれて、

エドは額に汗を軽くにじませ、右手に握りこぶしを作る。

 

 

「ほっほっほ。大丈夫じゃよ。それについてどうのこうの言うつもりはない。

・・・さて、こっちが本題じゃが。・・・ちょっと待っておれ。」

「??」

そう言って、村長が家の奥に消えて、エドが待ちぼうけを食らうこと1分。

何かを手に抱えた村長が戻ってきて、それに気が付いたエドが首を傾げ、

不思議そうな表情で尋ねる。

 

「・・これ、何ですか??」

「・・・ほっほっほ。おぬしは剣よりもこういう装備のほうが合うようじゃからな。・・・これも天のめぐりあわせなのかもしれんな・・・・。」

「・・・籠手?」

「良く知っておるのう。」

それは、銀色の金属と、黒の革が融合した籠手であった。

まだ子供であるエドの手には合いそうもなかったが、

村長はそれをエドに差し出し、着けるように促す。

 

「・・・・えーと?」

「ほっほっほ。・・・・儂からのプレゼントじゃよ。・・よくぞ、少女を護り切った、エド・マークスよ。」

「あ・・・・。」

それまで眉間にしわを寄せ、鋭い目つきでにらむようにしていた視線を解き、

ほほを軽く動かし、ほがらかに笑いながら村長はエドの頭をなでながら褒める。

自分の孫にするように、彼は自然とそうしていた。

 

「・・・・ありがとうございます。・・・じゃあ、着けてみますね・・・。」

村長から受け取った籠手を両手に着ける。

エドの体にはやはり大きかったが、着け切った瞬間、籠手が軽く白の光をまとい、

彼の手足に合った大きさへと変わっていく。

普段あまり動揺しないエドも、そのギミックに目を輝かせ、感嘆の声をあげる。

 

「おおおお・・・!!」

「ほっほっほ。すごいじゃろ?・・・それをおぬしにやろう。使い続ければ慣れるはずじゃ。」

「ありがとうございます!!」

籠手を着けたまま軽くパンチを空中にうつと、明らかに先ほどまでよりも力が湧き上がってくるような感覚を感じ、何度も何度もシャドーボクシングをする。

 

「おおおお!?なんか、動きの切れが良くなった気が・・・。」

「ほっほっほ。・・・ちょいと、訳アリの品でのう。使用する際に魔力を消費して装備者の能力を引き上げているんじゃよ。・・・まあ、使いこなすには修行が必要じゃがな。」

「大切にしますね!!」

「・・・ああ、あともう一つ。」

「?」

籠手をもらってテンションがあがっていたエドは、村長がつぶやいた言葉を

聞きとる。

 

「--わしの名前は、"ザルドルフ"。・・・もし、将来この村を出て、都会に行くことになったらこの名前を出すとよい。伝手が聞くところなら、多少の優遇はしてくれるはずじゃからな。」

「・・・はあ。」

ぽり、ぽり、と右手で頭を掻きながらエドは村長の本名について頭の中に疑問符を浮かべた。

知り合いではないが、どこかで聞いたような名前だと。

 

「--さて。儂は自分の武器を研がねばならんのでな。今日はもう帰りなさい。」

先日、オーガを切り殺した時の青いナイフを懐からちらりと出して、

エドに見せると、それだけいって家の奥に戻っていってしまった。

 

(・・・ざるどるふ・・・。まあ、きっとまたどこかで思い出せるだろう。)

そう判断して、彼は村長、ザルドルフが消えていった方角に一礼をし、

帰宅するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エド・マークス(幼少期)

Lv 4
タレント 体術2 魔力操作2



ルビア・ローズ(幼少期)

lv12
タレント 剣術3 魔術(炎)3


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王立学園編 第一話 序列制度

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

みんなお待ちかねの学生生活編だゾ。
なんで、こんなに設定練っているのかマジでわからない(困惑)

国の成り立ちとか、文化とか、一人一人の国にいる将軍とか、
王様とか、学院にいる教師の性格とかどうしてここまで決めているのか。
ただ単にグラマー長身女軍人といちゃつくだけの予定だったはずが・・・。(白目)

あ、ルビアはいつも通り(常時暴走)だぞ。

やったね()


それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


リーダス帝国初代国王、『鏖の覇王』。

彼が最初に打つ出した政策は、優秀な人材を育てることであった。

 

---人こそが礎であり、国そのものである。

これが、リーダス帝国の基本理念となっており、今日まで続く基本方針である。

例え、戦争が起きようと、流行り病がたたろうと、何があろうと教育のため、ひいては

国を支える人材を育てるため、予算を惜しまずに使い続ける。

その一例として、この国では『特例留学制度』が設けられている。

つまり、テストに合格すれば身分問わず、学生として学ぶことができるという制度である。

基本的に、人々は生活圏内にある村や町などのコミュニティで育ち、そこで子を産み、死んでいく。

 

そうした理由から、国においても他の国の人間さえあっさりと受け入れるというのはスパイや、難民による治安悪化を考えれば到底ありえないことである。

リーダス帝国の王都、『ヴァルフレア』には『リーダス王立学院』というリーダス帝国の中で一番大きな学校がある。

かつて、ここにはエドの父や、ルビアの両親も通っていた過去がある。

退学者の数は多いが、それと同じくらい、のちに世に名を残す人物が排出されることでも注目の的を浴びている。

 

かつて、ルビアから聴いたことを頭の中で思い返しながら列車の外を見る。

村の中に居た頃では見ることもなかったような景色がそこには広がっていた。

---装備を身にまとい、行き交う冒険者たち。

蒸気を体から発し、人々と同じく道を歩く魔導機械。

そして、上半身は人間なのに、下半身は蛇である人物や、

頭だけ犬の頭である亜人。

 

(・・・・・・・・すごい。)

父さんや、ルビアからは良く聴いていたが、リーダス帝国がこれほど多くの人がいる場所とは思わなかった。

期待に胸を膨らませていると、列車の中でアナウンスが響いた。

『-----次は、リーダス王立学園前。リーダス王立学園前です。降りのさいは

お忘れ物にご注意を--。』

自分の荷物をまとめていると、列車が停まった。

どうやらついたらしい。

個室から外に出ると、他の部屋の人たちも出てきて皆駅に降りていく。

 

人の波に飲まれそうになりながらも、駅に降り立つと、そこはまるで

別世界だった。

改札口を出ると、すぐ奥にはとてつもなく大きな学校が見える。

赤いレンガでできている、城のような巨大な建造物だ。

窓の枠は白で彩られており、かなりの年月が経っていることが、

少しボロボロになっている壁からわかった。

 

(・・・・・行くか。)

荷物を背負い、固い動きしかできない手足でかちかちに

緊張しながら、『リーダス王立学院』の門をくぐるのだった。

 

 

「お前知っているか?」

「は。何でしょう。」

そう尋ねられた男はぴしぃっ、と音が鳴りそうなほどの真っすぐとした姿勢で立ちながら、女性の質問に答える。

その顔には汗が浮かび上がっており、委縮しているのが見て取れる。

 

「--あの"紅蓮"が目をかけている人間が、今年から入ってくるそうだぞ?」

「・・・・・・。」

そういわれた男の顔には驚愕の表情が浮かぶ。

リーダス学院、序列4位の『紅蓮』にそんな相手がいるとは思いもしなかったからである。

次いで、出た言葉は茶化すような物言いである。

 

「まさか。・・・・そんな話は聴いたことが・・・。」

「ふふふ。----ま、どちらにせよ、私にとっては吉報だよ。

あの女にそんな相手がいるとは。・・・・ああ、男だったら取ってしまうのもいいかもしれんな?」

「・・・・・・。」

「おっと。もう喋れなくなったか。」

----何てないことのように、氷漬けのまま立ち尽くす男に興味を失くしたかのように、

その横を通り過ぎていく。

カツン、カツン、とヒールを慣らしながら氷でできた部屋から女性は出ていった。

 

 

 

 

「はいはーい。ちゅうもーーーーーく。・・・・・ちゅうもくしろってんだこのやろー。」

舌ったらずな言葉遣いでそういう、黒のコートに白のスーツという奇抜な格好をしている140cmくらいの子供。

広い場所に集められ、突然魔法陣が出てきたかと思うと、あの子供がにゅっ、とやってきた。

 

グラウンド近くの校舎や、すぐ近くでは野次馬の上級生たちが面白そうなものを見る顔つきで俺たちを見つめている。

一体、何をするつもりなのだろうか。

「うんうん。ようやく静かになったなこのやろー。早速だが、入学式を始めるぞこのやろー。・・・おっと、自己紹介をしていなかったなこのやろー。俺はブレンダン・アックス。水属性の魔法を主に教えている教師だこのやろー。よろしくはしなくていいぞこのやろー。」

何というか、とてつもなく濃い相手である。

彼が自分の名前を言うと、途端にあたりがざわついた。

 

『ブレンダン・アックス?!マジかよ!!リーダス帝国最強の水魔法使いじゃねえか!?』

『うっそー!?あんなちっ・・。』

「今ちっこいって言いかけたやつ。・・・次それを口にしたら、土の中に生き埋めにして殺すぞ。クソガキが。」

怒気を孕んだ冷徹な言葉にしん、とあたりが静まり返る。

びりびりと肌を刺すような威圧感が体を突き抜けていった。

(・・・あれが、『血の雨』・・・。)

噂には聞いていたが、予想以上である。

 

「・・・うんうん。力の差をわきまえているのはいいことだこのやろー。

長生きするぜこのやろー。・・・・んじゃあ、校長先生のお出ましだこのやろー。」

それだけ言うと彼は一瞬で姿を消してしまい、そしていつの間にかブレンダン・アックスがいたところには黒色の鎧を着けた人物が鞘に収まったままの剣を地面に突き立て、そこに立っていた。

 

「・・・・入学、おめでとう。君たちは晴れてこの学校の生徒となる。」

その声は重々しく、先ほど、ブレンダンが発していたプレッシャーと同じか、それ以上の物である。

余りの覇気に、皆息をすることさえ忘れたように、彼の言葉に聴き入る。

「私から特に言うことはない。・・・・だが、一つだけ。」

鞘から剣を抜くと、それは姿を現わした。

刀身が真っ黒に染め上げられている、名剣。

九つの首を持つドラゴンのしっぽから出てきたと言われる、伝説の剣。

--クサナギノツルギが引き抜かれ、天に向かって振るわれると

空にあった雲が真っ二つに割れた。

 

「---戦え。強者が真理である。諸君は今、この瞬間から上級生たちに

狙われる最弱の立場である。ゆえに、喰らえ。格上相手であろうと諦めるな。

最後の最後まで足搔け。---私からは以上である。」

 

 

「さて、それじゃ皆席についたかナー?」

自分の寮に行って、荷物を降ろして教室にやってきた。

ここが、今日から俺が学ぶ場所。

日本の大学にありそうな大きな講堂。

木でできたテーブルに椅子。

一番前の方では、金色のツインテールに巨乳のメイド服を着た意味不明の格好をしている女性が立っていた。見た目はさっきのブレンダンと同じくらいで小学生くらいにしか見えない。犯罪臭がすごい。

 

「皆いいこだネー。私の名前は、イリヤ・ボルティクス。主に、雷魔法の扱い方を教えている教師だヨー。皆よろしくネー♡」

『はいっ!!!』

『・・・・。』

巨乳を揺らしてそう言うイリヤ先生に元気のいい返事をする男性生徒たち。

白い目でそんな男子生徒たちを見つめる女子生徒たち。

その光景を見て、アンジュ先生の顔を思い出し、あの人は今、

元気かな、と思いふける。

 

「それじゃあ、この学校のシステムについて改めて説明するネー。」

---この学校、リーダス学院では主に二つのシステムがある。

『特例留学制度』、『序列制度』である。

「特例留学生制度については、この学校に入った時点でもうあんま関係ないからもう一つの『序列制度』について補足するネー。」

序列制弩はそのままの意味である。

----生徒は全員ランキングがある。

入学当初は実技試験と筆記試験の両方で判断され、ランキングの順位に乗る。

序列の高い、低いにかかわらず、下克上も、そのまた逆もし放題。

戦いあい、お互いが持っている『ランキングカード』を奪い合い、上を目指すのが

序列制度である。

上に行けば行くほど当然特権がある。

序列10位以内は自分で寮を管理、支配でき、そこで君臨することができる。

後は、500位以内から『ブロンズエリア』、100位以内から『シルバーエリア』、50位以内なら『ゴールドエリア』、10位以内から『プラチナエリア』と呼ばれる特別な場所に入ることを許される。

 

そして、10位以内の人間は寮の支配者だけが参加する『十王会議』に出ることを許される。

 

「説明はこんなところかナー。ナニか質問はあル?」

先生がそういうと一斉に手をあげる生徒たち。

確かに気になることばかりだろう。

イリヤ先生はそのうち一人の男子生徒を指し、質問させる。

「10位以内の人たちが強いことはわかりました。どれくらい強いんですか?」

「うーン。そうだねェ。ハッキリ言うと皆11位以下と桁が違うからねェ。」

先生の言葉に眉を顰める。

つまり、10位以内は不動である可能性が高い。

見たところ、イリヤ先生も相当な実力者だが、彼女がそういうということは

10位以内の学生は文字通りレベルが違うのだろう。

 

「それじゃあ、さっそく授業を始めるヨ。」

首元に掛けている紅いペンダントが、今日は嬉しそうに

揺れている気がした。

 

 

きた。

遂に、彼が、エドが、私の愛しい人が来た。

駄目だ。顔が熱い。心臓の鼓動が鳴りやまない。

どうしてだろう。どうして彼の事を考えるだけでこんなに頬をだらしなく緩んでしまうのだろう。

魔力パスを通して伝わってくる彼の心音が心地よい。

今日も彼は元気なようだ。

 

「・・・あ。・・・・・ああ。」

「・・・・・ん?ああ、なんだ。ただのゴミか。」

私を取り囲んでいたらしい生徒たちが真っ黒になって転がっていた。

死んではいないが、どうやら虫の息らしかった。

まあ、どうでもいい。

 

「---相変わらずだな、"紅蓮"の。」

「----"剣王"か。一体私に何の用だ?」

そこにいたのは、銀色のポニーテールに巨乳を揺らす、端正な顔つきの女だった。

私と同じ、軍人の家系出身である。当てつけなのか、私と同じく軍服を着ているのが気に入らない。さっさとくたばればいいのに。

 

「容赦がないな。---だが、今日は明らかに違う部分がある。

お前も女だったんだな。」

「・・・・・。」

----こいつ。気が付いた。

彼にまず気づいてもらおうとした私の気持ちに、

彼より先に気が付いた。

それが何よりも許しがたく、気が付いたら腰に差していた剣を抜き、

切りかかっていた。

 

それを、同じく剣を抜き、帯刀していた刀で受け止める"剣王"。

「-----燃やすぞ。灰になりたくなければ、黙っていろ。」

「---ふっ。どうやら楽しくなりそうだ。」

続く二撃目を繰り出そうとした瞬間、剣王が刀を引き払い、

鞘にしまう。

「---お前とは後だ。---気になる相手がいるんでね。」

「・・・・・。」

その背中が見えなくなるまでにらみ続け、

見えなくなった瞬間、胸元にしまっていたペンダントを

取り出し、ほおずりする。

 

「ああ♡エド♡エド♡今日もかっこいいなぁ♡

エドの心臓の音が聴こえてきて嬉しいよ・・・・♡

絶対に逃がさないからな・・・・♡」

今日は何ていい日だ。

エドのぬくもりを感じながら、しばらく達していた。

 

 

 

 

 

 

 




ルビア「ああ♡エド♡エド♡エド♡エドのことを考えるだけでこんなに
なってしまったぞ・・♡」
エド(なんか今日はやけにペンダントが熱いな・・・)

まさか、ペンダント越しにルビアの○○〇〇のぬくもりを感じているとは
思っていないエド君。

序列制度

ランキング100位~11位はそこそこの強さ。
10位からは『一個軍隊』に相当するといわれるほどの怪物ばかりであり、
将来を約束された傑物のみがその名を連ねている。
有名な所で言うと、"紅蓮の悪魔"、"氷結の魔女"、"雷帝"、"パペット・マスター"、
"剣王"などである。

小ネタ

村を離れ、エドと別れることになったルビアの反応

「いやだあああああああああ!!エドとずっーーーーと
一緒だもん!!!絶対に離れないもん!!!ずっとずっと
ずーーーーっと一緒じゃなきゃいやだああああ!!」
「・・・・。」←頭を抱えるファーガスさん
「・・・・・・。」←同じポーズで頭を抱えるエド君
「・・・・・・。」←何かよからぬことを考えているルビアのお母さん。

お互いのぬくもり(エド君は知らない)がわかるペンダント(強調)を
付けることで、しぶしぶルビアは王都の学校に一足先に戻ることを
受け入れた模様。

まあ、相手が何をしているか、どんな状態なのか
(ルビア側から一方的に)わかるペンダントだから・・・(白目)
ぼ、防犯ブザーみたいなもんやし(現実逃避)



感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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王立学園編 第二話 "十王"

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

今回からようやくルビアと再会だぞ(嘘は言っていない)

学生生活編とかいう、ルビアとエドがいちゃつくためだけの
舞台装置なのに、なんでこんな"十王"の描写を細かくしているのか・・。

あ、ヒロインは皆軍人系だから(約束された勝利のネタバレ)


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


最初の授業を終えた俺は、寮に戻ってきた。

この学院では、生徒ごとに部屋が割り振られており、

そのグレードはランキングによって変動する。

1か月ことに部屋が変更され、上の序列にいるほど

豪華な設備を使うことができる。

 

俺たち新入生は一番下のランク扱いから始まり、

そこから這い上がっていくことになる。

血気盛んなモノたちは、この学園の頂点である

序列10位以内の"十王"に挑もうとしていたが---。

(・・・・まあ、そうなるか。)

 

---誰もかれもが、その取り巻きや部下に敗れ、

傘下に入るよう勧誘されていた。

腕に自信がある新入生はずいぶん多いみたいであるが、

それでも、さすがは上級生というべきか相当な強さ

である。

 

 

"十王"に関しては写真的なものは注意書は見ることができるが、

その姿を直接見ることは叶わなかった。

(・・・・どうしようか。)

まずは、この学園にいるというルビーに会いたいな、と思い、

荷物をもって、学園をうろつこうと思っていた矢先、ドアが

ノックされる。

「はい?」

『おーい。今、いいか?』

「はいよ。」

 

その声に対して返事をすると、がちゃり、と木製の扉が開けられ

中に入ってきた。

「おう。実は今、学園内を回ろうと思っていたんだけど、

一緒に回らねぇか?」

屈託のない笑みでそういってきたのは、同じ教室の生徒。

金色の髪に、日本のチャラ男風の髪型。

身長は160cmと15歳にしては大きい男。

ジョー・ホプキンス。イリヤ先生のおっぱいに目が釘付けになっていた生徒の1人である。

席がたまたま隣だったので声をかけてみたら、歴史好きで気が合い、知らぬうちに仲良くなった相手だ。

 

「実は今、俺も回ろうと思っていたんだ。」

「お、そうか。---見ておきたいものとしちゃ、噂の"十王"の顔。それと、教師陣の実技演習。後は修練場の設備とかか?」

「・・・ところで、"十王"の何人かは新入生に向けて演説をしているって聞いたけど。」

「・・・・そっちに行った方がいいか。十王の顔なんざそうやすやすとみれるものでもないだろうしな。」

「準備はできているから今すぐ行く?」

「おう。行こう行こう。」

食堂の食べ物、愉しみだ、と二人で話しながら廊下を歩いていく。

 

 

「・・・・・・・。」

『・・・・おい、あれって・・・。』

『しっ。目を合わせるな。・・・・ありゃあ、十王の1人、"紅蓮"・・・!?』

『何で新入生の寮に!?』

 

周りからの奇異の視線を気にすることなく、ブーツを踏み鳴らして新入生の寮にやってきたのは、十王の1人、"紅蓮"の二つ名を持つ女性、ルビア・ファーガスである。

彼女は今、まっすぐにとある男子生徒の部屋を目指していた。

新入生徒の授業が終わり、午後から自由時間となることを知っていた彼女は、胸元に入れてあったペンダントを首から外し、手で握り締めて彼のぬくもりを感じながら一人、感慨にふけっていた。

(・・・・ふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・♡

・・・・エド♡ああ、エド・・・・♡)

彼女の中で思い起こされるのは、あの村で過ごした、彼との幸せな思い出。

時に一緒のベッドで寝たり、ときに同じお風呂に入って体を洗いあったり、時にご飯を食べさせあったり・・・。

(もうすぐだ・・・・♡もうすぐで会えるからな・・・・♡)

その足取りは軽く、ずんずんと彼がいるであろう部屋まで一直線である。

そして、目的地までついた彼女は折り畳み式の手鏡で自分の顔や髪型をチェックする。

(・・・・おかしなところはなし。彼に見せても恥ずかしくない姿。・・・・よし。)

さあ、感動の再会だ。

そう思ってドアノブに手をかけ、引こうとすると鍵がかかっていた。

「・・・・・・・・。」

 

もう一度がちゃ、がちゃりといじってみても結果は同じである。

ルビアはドアノブから手を離すと胸元から一つのカードキーを取り出し、

ロックを解除する。

(・・・・・・ふむ。いかんな。いかん。もしベッドで寝ていたらどうしよう・・・。

自分を抑えられる自信がない・・・。ああ、食事中だったら口移しで食べさせあうのも・・・。いやいや、まずはシャワーを浴びて、それから誘い受けして・・・。)

---彼女が中に入ると、そこはもぬけの空であった。

「・・・・・・・・・・・。」

ぼわっ、と彼女の周りを火の粉が舞った。

 

 

「ウッ。」

「?どうしたエド?」

「いや・・・。」

今、ものすごく首の後ろがぞわぞわしていたが、気にせずに、

目の前で行われている十王の演説に耳を傾ける。

今、修練場で演説を行っているのは十王の1人、

"氷結の魔女"である。

軍服を着ていることから軍に所属しているらしく、

白を基調とした軍服に、その青くて長い髪も、出るとこは出ていてくびれている体型も、

高めの身長もマッチしており、彼女の魅力をうまく引き立てていた。

 

「---さて。我が徒党に入るメリットについては以上だ。では、入党希望者は我がギルドまで来てくれ。

----楽しみに待っているぞ?」

ぺろり、と唇を怪しくなめるその動きに食い付くように見入る男子生徒たち。

どうやら魅了されてしまったようだ。

お供を連れて、カツカツとヒールを踏み鳴らして歩くその姿は、まさしく"女王"というべき姿である。

続いて、十王の1人である、"剣王"がその姿を現わす。

「・・・ここは、女軍人ばっかなのか・・・?」

困惑した様子でそういうジョーに俺も思わず賛同しかけた。

入れ替わりで姿を現わした女性、"剣王"と呼ばれる彼女は先ほどの女性と同じく、

軍服を着ていた。紺色のコートに、紺色の軍服を着ており、赤色のネクタイが胸の真ん中に入っており、

そのスタイルの良さを強調していた。

身長はこれまた高く、175cmはあることが伺える。

中腰になる男子生徒たちに生温かな目を向けていると、彼女がしゃべり始める。

 

「---新入生の諸君。初めまして。私は十王の1人、"剣王"。名を、ミヤモト・クルツという。

どうかよろしく。」

凛とした表情でにっこり笑うミヤモトさん。

その笑顔にやられたのか周りの男子生徒の顔が赤いのがわかった。

・・・・・ブルータス、じゃなかった。ジョー。お前もか。

「さて。我がギルドの方針は簡単だ。----強い奴が上に君臨する。

そこには、年齢、性別、種族、国籍は関係ない。

剣を扱う人間が多いのも特徴の一つだ。」

なるほど。穏やかそうな見た目とは裏腹に、なかなかの人物らしい。

 

「我がギルドは強い者を歓迎する。・・・・・・。」

(・・・・・ん?)

気のせいだろうか。壇上にあがっているミヤモトさんと目があったような気がする。

「どうした?」

「いや・・・。」

隣にいたジョーにそう心配されたが、気のせいだと返した。

---それにしても、ミヤモト、か・・・。

村に居た頃にわかっていたことだが、前の世界に関するものがこの世界には存在している。

(・・・・・そして、あからさまな"日本刀"・・・。)

入学式で校長が持っていた剣もそうであるが、彼女が持っている剣も、

前の世界で"刀"と呼ばれていた武器である。

銃の発展と共にその姿を消していった武器であるが、

この世界では普通に存在している。

「我がギルドの門戸を叩いてくれ。強者は歓迎しよう。

----以上だ。」

 

 

 

「・・・・・さてと。」

先ほどまで演説をしていた剣王は、

とあるテーブルの席につき、腕を組んで目をつむる。

先ほどの場所で、どんな新入生がいたのかを思い出すかのように

一人一人、その戦闘力を判断していく。

(・・・・・あの少年。面白い・・・。)

 

その中でも特に目を引いたのは、珍しい黒髪の男子生徒。

見た目はただの凡人であり、これといった特徴はないが、

クルツにとってはどこか心がざわめく相手であった。

目をつけられたことを青年、エドはまだ知らない。

 

「---ああ?なんだぁ?呼び出しやがったってのにぃ、

おめぇしかいねぇのかぁ?剣王ぅ?」

考え事にふけっていた彼女にそう声を掛けるのは

身長が2Mを超える、頭に角を生やした大男。

両腕には鎖のようなものがつけられており、

足には鉄球がはめられていた。

 

「----他の奴らはどうしたぁ?」

「さあな。それより、"酒吞童子"。酒臭いぞ。

貴様はまだ飲酒できる年齢ではないはずだが?」

「かてぇこと言うなよぉ。俺の能力知ってんだろうがよぉ。

グアッハッハッハッハァ!!」

悪びれもせずにその大口を開けてげらげらと笑う"酒吞童子"。

そんな彼に向かってしかめっつらを向ける剣王はいつものことだ、と

言った様子でそっぽを向く。

 

「それにしても遅いな。いつも来ない、1位の"正体不明"はともかく。

他の奴らは---。」

『-----ここにいるよ。』

すうう、とそれまで何もいなかったところから1人の人影が姿を現わす。

全身を黒い衣装でまとっており、両腕には腹話術師が身に着ける、

猫と犬の腹話術人形がその口を開けて喋っていた。

『ずっとここに居たのにきづかないなんてひどいにゃー。』

『なんという放置プレイ!!いや、ずっと気づかれないなどなんという偉業!!・・・おお!!まさにワンだふる!!』

『---いいのです。僕は、どうせ影が薄いのです。

薄すぎて味がしない、アルバーツ連邦のサヌキうどんのような

ものなのです---。』

ずーんと体育座りをしながらいじけ始める"パペット・マスター"を見て、

2人は、こいつ相変わらずめんどくせぇ、と内心思うのだった。

 

 

 

次の日。

寮に帰って起きて、授業を受けに教室に行くと、皆が窓の外を見ていた。

何だ、と思って近くに行くと、グラウンドの方から歓声が聴こえてくる。

「おお?エド?やっときたか。」

「ジョー?これ、一体何が?」

「すげえぞ!!序列10位以内の学生同士の決闘だ!!」

「・・・・・・!?」

え?と本気で思考が停まった。一体なぜ、序列10位同士で戦っているのか。

昨日の説明では、10位から~1位は特権の内容に変わりはないはず。

では、どうしてその10位同士が戦っているのか、本気でわからず、

とりあえずジョーに薦められるままに窓の外を見る。

----そこでは、次元が違う戦いが繰り広げられていた。

 

「・・・・オラオラオラオラァッ!!」

「・・・・諦めるのでアール!!」

「はっ!!誰がぁっ!!テメェを倒して飲む酒はさぞや

うめぇだろうなぁ!?"聖騎士"ぃっ!!」

「酔いどれはさっさとアル中になって死ぬのでアール!!」

中世の騎士が着ているような真っ白な甲冑を身にまとい、

その大盾で、鬼のような大男の攻撃を防いでいる人物。

 

「いい加減に飲酒などやめて、吾輩と一緒に健康的な学生生活を送るのでアール!!

・・・・拒否ったら、"パペット・マスター"に、お前が悪口を言っていたと告げ口するのでアール!!」

「陰湿にもほどがあるだろうがぁ?!・・・"金剛樹"!!」

「"大防護"!!」

大鬼の右腕に木のようなものが生えて絡まっていき、

その腕で聖騎士と呼ばれた相手を殴りつける。

しかし、防御力が高いのか、その盾はびくともせずに、

後退するだけであった。

 

「くそぉっ!!相変わらず死ぬほど硬いやつだなぁ!?おめぇはよぉ!!」

「貴様こそ、相変わらずのバカ力なのでアール!!吾輩の防御を

崩すなど、どんな脳筋なのでアールか!?」

「これでくたばれやぁっ!!・・・"神殺し"・・・」

「迎撃するのでアール!!・・・"ラグナロク"・・」

とんでもない魔力を放つ二人の間ににゅっと人が落ちてきて、

二人の頭をぱこん、と水のハンマーでたたく。

頭を打たれた2人は手で頭を押さえ、のたうち回る。

「あああああぁ!?7日酔い並にいてええええぇっ!!」

「ぬおおおおおおっ!!マグマ遊泳やったときより

身体が痛いでアール!!吾輩、ちょっと涙目なのでアール!!」

「・・・てめぇら、"禁術"を使おうとしやがって・・・!!この馬鹿どもが・・・!!」

「先生よぉ。それはこのアホのせいで・・。」

「この酔いどれがわる・・・。」

「・・・・”あ”?」

「「・・・なんでもないです。」」

----なんか、ブレンダン先生が一瞬で鎮圧してしまった。

他の教師陣に連れられ連行されていく二人は、それでもお互いを罵倒しあっていた。

・・・・あれが、序列10位以内の"酒吞童子"と、"神聖騎士"。

そして、"血の雨"と恐れられるブレンダンの実力。

・・・でも、どうしてか、それほど恐ろしいとは感じていなかった。

 

「すっげーなー。マジで住む世界が違うわー。なー?エド?」

「・・・え?ああ。うん。」

興奮した様子でそういうジョーに生返事を返す。

・・・そう言えばまだ、彼女に会えていない。

彼女もこの学園にいるはずだが・・・。

「他にもさ、すっげー奴らがいるんだってな。

"氷結の女王"、"剣王"、"パペット・マスター"、"雷帝"、

"死神"、それとその容姿とSっ気から有名な"紅蓮の悪魔"!!

くうううう!!サインもらえねーかなー!!」

「・・・ああ。そうだな。」

ルビアにあげたら彼女は喜んでくれるだろうか?

10位以内の人間とは面識はないから、難しいだろうが・・・。

 

「----ほう。エドは私のサインがほしかったのか?」

「・・・はえ?」

「・・・・ん?」

俺たちが会話している中にいつの間にか混じっている声。

その主が誰か知るために後ろを向くと、そこには黒い軍服を着た、

とてつもないグラマラスなモデル体型の美人が立っていた。

髪はまるでルビアのように紅蓮に染まっており、

目は爛々と輝いていた。

 

「え?え?!そ、そのいで立ちは・・・ま、まさか・・・!?」

周りの生徒たちも彼女に気が付いたのか、一気にざわつき始める。

『え?あの人もしかして・・・?』

『序列4位の、"紅蓮の悪魔"!?』

『マジで!?』

一気に教室の中が騒がしくなり、窓の外でのやり取りを見ていた

生徒たちから一斉に視線が集まり、落ち着かなくなる。

ジョーに至っては、憧れの人物が目の前にいるからか、

目がちょっと涙目になっていた。

 

「・・・・ふふふ。どうやら注目を浴びてしまったらしい。」

「はわわわ!?サ、サイン!?色紙はどこだ!!ええい、

こうなったら制服に書いてもらって・・・!!」

隣で制服を脱ごうとしているジョーを完全にスルーし、

俺の傍に近寄ってくる彼女。

甘い香りが脳内を刺激し、くらりと身体が揺れる。

腕を組まれ、その大きな胸が押し付けられていた。

突然のことに混乱しながらも、彼女に声をかける。

 

 

「・・・あ、あの・・・?」

「どうした?・・・もしかして、緊張しているのか?

かわいいなぁ・・・♡なあに、先輩である私が、

じっくりとお前の面倒を見てやろう・・・♡

何も心配する必要はない・・・♡そう、何もな・・・・♡」

「・・・・・・。」

生徒たちの視線が降り注ぎ、嫉妬などの悪感情も向けられて、

生きた心地がしない中、俺は"紅蓮の悪魔"にどこかへ連行されるのだった。

 

 

 

 

 

 




十王を書いていてクッソ愉しい。

ルビアのヤンヤンがメインだって言っているだろ!?(自分のせい)

あ、全員の強さとか、設定集はあるから
どこかで公開するかもしれないぞ。

ちなみにルビアは4位で、あと上に3人いる模様。

次回、"紅蓮の悪魔"こと、ルビアがとある新入生に目をかけていると知った、
チャラ男や、不良たちがとった行動とは(予定調和)

この学生生活はルビアがヤンヤンするための舞台装置だから。


感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


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王立学園編 第三話 会議と、再会と、お仕置きと

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

感想の速さに草。

毎度愉しみにしているでぇ。(ねっとり)


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「---それでは、定例の"十王会議"を始める。」

その言葉にうなずく、テーブルを囲む曲者たち。

学園最強の人形使い、"パペット・マスター"。

高速の剣士、"剣王"。

悪鬼羅刹、"酒吞童子"。

歩く城壁、"聖騎士"。

そして、全てのモノを停止させるといわれる"氷結の女王"が、

一同に会していた。

 

「まずは、最初の議題についてだが・・・。」

「その前にちょっといいかぁ?」

「なんだ?」

剣王が会議を進めようとするのを待ったする酒吞童子。

その顔には不敵な笑みが浮かび上がっており、長い付き合いである、

彼女、剣王は警戒しながら話を聴く。

 

「---あの"紅蓮"の奴が目をかけている新入生がいるって本当かぁ?」

「・・・・・。」

「・・・・!」

にやりと笑いながら、愉快そうに話す酒吞童子は、

腰元にひっさげていたひょうたん酒を手に取り、ぐいっとあおる。

 

「---あの、まともに会議に出ることもない"紅蓮"がか?」

『それって一体どんな案件だにゃー。』

『つまり!!わんじゃこりゃああ!!ってことである?!』

「明日は世界が滅亡するのでアールか!?吾輩、まだ死にたくないのでアール!!」

「・・・・・くだらん。」

口々に騒ぎ始める面々をしりめに、そう吐き捨てたのは、

序列5位の"氷結の魔女"だった。

長い足を組みなおし、あたりに冷気を漂わせ、続ける。

 

「だからどうしたというのだ?あのメスの事など、

どうでもいいだろう。」

「ちょっ・・。寒いのでアール!!吾輩、

熱いのは大丈夫だけど、寒いのは出身上慣れていないのでアール!!」

隣に座っていた"聖騎士"の訴えをスルーし、両腕を組んで、

大きな胸を強調しながら話す"氷結の魔女"。

しかし、それに待ったをかける者がいた。

 

『・・・・・いや。でも、それが本当だったらどんな奴なの?

目をかけられている"新入生"っていうのは?』

「あ、いたの?」

『・・・・・・。』

パペット・マスターの存在に気づいていなかった聖騎士からの心無い言葉によって、

壁の隅っこに向かって体育座りしながらいじけ始めるパペット・マスター。

彼の言葉に賛同したのは意外にも剣王であった。

 

「・・・ふむ。まあ、気になるな。もし、逸材だったら我がギルドに・・・。」

「おい、待てやコラァ。勝手に勧誘しようとするなぁ。」

「そうなのでアール!!うちのギルドにも欲しいのでアール!!」

---瞬間、空気がざわつき始める。

毎年のことではあるが、"十王"は自身の勢力を強くするため、

新入生を熱心に勧誘している。

将来、自分の後を継ぐものを育てていくという意味もそこにはある。

この学園で最大勢力を誇るのは"氷結の魔女"率いる、"永久凍土"であった。

 

「・・・・ほう。男だったら、私の虜にしてしまってもいいかもしれんな?」

くすくすと笑う氷結の魔女に、鋭い視線を投げかける他の十王たち。

一触即発の空気の中、ぱん、ぱんと剣王が手を叩いて鳴らし、

空気を緩める。

 

「はいはい、そこまで。そこまで。---あまり調子に乗ると、

明日を迎えることなく、冷たくなっているかもしれんぞ?」

「・・・・ふん。」

剣王が鞘に手を掛けると、氷結の魔女は冷気を収め、

目をつむって口を閉じた。

 

「---さて、それでは今度こそ、会議を始めるとしよう。

・・・最初の議題は、学内の"懸賞金制度"に関してだ。」

 

 

 

「・・・・・・・・。」

「・・・・・。」

テーブルに所狭しと並べられた食べ物。

その前に座らされ、苦笑いを浮かべる俺と、

ニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべつつ、

見つめてくる紅蓮さん。

ちらりとあたりを見回せば、王族の部屋と見まごう、

20畳くらいの広さ。

部屋が他にもいくつかあり、自分みたいな平民には、

あまり落ち着かない。

 

何よりも、彼女みたいな俺にとって、タイプの見た目の女性から、

こうもあからさまに好意を示されるのは顔が熱くなる。

もしかして、美人局だろうかと警戒して、テーブルの上にある

食べ物に手をつけずにいると、彼女が首をかしげて言う。

 

「・・・どうした?エド?食欲がないのか?」

「・・・いや。そういうわけじゃ・・。」

「・・・おお。そうか、そうか。すっかり失念していた。」

がたり、と自分が座っている席を立って、俺の隣に座ってきた。

太ももに手を置かれ、ねっとりとした触れ方で優しく触ってくる。

「ふふ♡ほら、あーん・・・♡」

「・・・・・・。」

俺は今、夢の中にでもいるのだろうか。

見た目が超絶美人の長身グラマーな女性に、あーんをされていた。

フォークに焼いた肉の切り身を刺して、こちらに向けてくる。

おずおずと口を開けて食べると、肉の旨味が口いっぱいに広がる。

 

「・・・・おいしい?♡」

「・・・・え、ええ。」

「よかった♡・・・・まだまだおかわりもあるから、好きなだけ食べてくれ♡」

「・・・・・。」

そんな調子で、味などわかるわけもなかった。

 

 

「---以上が、懸賞金制度についてだ。何か質問は?」

「あるのでアール。」

「なんだ。聖騎士。」

「懸賞金の手配は、一体どこが行うのでアールか?」

 

聖騎士の質問に同調するかのように、他の面々は一斉に剣王の方を見やる。

自分がどれくらいのバウンティ(懸賞金)を掛けられるのか、

ちょっと期待している十王たちは誰が自分たちの首に金額をつけるのかを、

大分気にしていた。

 

「----"裏ギルド"だ。」

「「はあっ!?」」

『そう来たかー。・・あ。素の喋り方しちゃった。

・・・にゃんじゃこりゃああああ。』

「・・・・・・。」

剣王の言葉に、がたり、と立ち上がり反応する聖騎士と酒吞童子。

パペット・マスターは1人マイペースに。

氷結の女王は、腕を組んで沈黙していた。

 

「おいおいおいおいぃ!?あんな犯罪者集団に任せんのかよぉ!?

教師の奴らは一体何を考えていやがんだぁ!?」

「そうなのでアール!!あいつらの世話になるくらいだったら、

この酔いどれと飲み比べしたほうがマシなのでアール!!」

『僕はぼっちー♪人形が友達―♪』

憤慨する二人。会話に入れずに人形で遊ぶパペット・マスター。

 

裏ギルドに任せるといった瞬間、それまで穏便だった会議の空気に、

緊張の糸が張りはじめる。

 

「・・・・本気かぁ?」

「問題ない。・・・何かあれば、イリヤ先生と、

ブレンダン先生、ひいては、校長先生が"処理"すると言っている。」

「・・・マジかよぉ。・・・にしたってぇ・・・。ああくそぉっ!!

どう考えても、俺が裏で作っている酒のあがりをタカリにくるじゃあねえかぁっ!!

畜生っ!!対策のために先に帰らせてもらうぜぇっ!!酒がない人生なんて

まっぴらごめんだぁっ!!」

ドスドスと音を立てて部屋を出ていく酒吞童子。

同じく、聖騎士も席を立ちあがり、出口の方に向かう。

 

「・・・吾輩も、急用があるので失礼させてもらうのでアール。

学園がどこと組もうがそれは知ったことではないでアールが、

吾輩のギルドにちょっかいを出そうものなら、消し飛ばすのでアール。

・・・・・そう"裏ギルド"の連中に伝えておくのでアール。」

「わかった。」

ガシャ、ガシャ、と音を立て、鎧を着たまま同じく

部屋の外に出ていく聖騎士。

後に残ったのは氷結の女王と、パペット・マスターである。

 

「・・・・貴様らは、どうする?」

『お、今日は無視されなかったぞ!!にゃんてこったい!!』

『ふーむ。これはなんという出来事。・・・おお。おお。

上手い犬的な言い回しが思いつきませんぞ!!ワタクシ、反省。』

「・・・・くだらん。私が興味があるのは、序列だけ。

・・・・いずれ、貴様も蹴り落としてやる。---剣王。せいぜい、

その首を洗って待って居ろ。」

「・・・・そう来なくてはな。」

ふふふ、と楽しそうに剣王は笑った。

 

 

 

 

彼女との食事も終わり、後は寮に帰って明日の準備をしようとしていたところ、

彼女が何やらベッドを整理しているのが見えた。

俺と同じく、早めに寝て、明日の授業に備えるのだろうか。

「さ。」

「え。」

ぽん、ぽんとベッドを手で叩き、来るように催促している紅蓮さん。

しかし、さすがにそれはやりすぎだと思い、やんわりと断る。

「・・・あの。さすがにそれは・・・。」

「?なぜだ?いつも一緒に寝ていただろう?」

「え・・・?いつも・・・?」

 

---脳裏に、ルビアの顔が浮かび上がる。

いつも一緒に寝ていたのは彼女である。

決して、この人ではない。

「・・・あの。初対面でいきなりそういうのはどうかと・・。」

「・・・・は?」

「・・・・え?」

それまで笑顔だった彼女の顔から感情が抜け落ちたような顔つきになる。

・・・あれ?待て、待てよ・・・?

紅い髪に、"炎"属性が得意という家系。

ちびだったころとは全く違い、175cmを超える高身長だが、

顔つきには彼女の面影が。

まさか----。

 

 

「・・・・もしかして、ルビー?」

「・・・今まで、気がついて、いなかったのか?」

「あ、いや・・・。」

じりじりと彼女が、炎を手から放出しながら近づいてくる。

壁際に追い込まれ、どん、とぶつかり後頭部が痛い。

彼女に胸で壁に押し込まれ、壁ドンならぬ、胸ドンをされて

息が苦しくなる。

「・・・・?!・・・!!」

「・・・ふ、ふふふふふ。そうか。そうかそうかそうかそうか。

私は一日たりともエドのことを忘れたことはないというのに。

自分を磨き続け、お前好みのスタイルになるよう、努力を続けてきたというのに。

・・・・・ふ。ふふふふふふ。」

彼女の胸元から顔を出し、手を見ると赤色の首輪を持っていた。

鎖がすれて、金属のじゃらりという硬質な音が響く。

 

「---お仕置きだ。徹っっっっっっっっっっっっっっっっ底的にな・・・・!!」

彼女の瞳が、興奮して赤く染まっているのが見えた。

 

 

 

 

 




酒吞童子
嘘か本当か、国を滅ぼしかけた鬼。
その鬼の血を引く末裔だとか。
能力の関係上、酒を良く飲んでいる。
聖騎士とは、なんだかんだ言って仲がいい。
"禁術"という、切り札を持つ。

聖騎士
その出身上熱いの平気。寒いのダメダメ。
異常なまでの防御力が売りの男。
うっとおしい喋り方をするものの、
十王の中ではかなりマトモ。
"禁術"と呼ばれる切り札を同じく持つ。

次回はルビアとねっとりする話。

エロエロなのでちゅうい。

あれ?そういえばチャラ男とかは・・・?

・・・・・。
エロが先(譲れぬ想い)


感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


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王立学園編 第四話 ※R18 まぐわい、溶けて、絡み合う

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

またせたな。

エロの始まりだっっっっ!!

逆レ、テクノブレイク寸前ドロドロックスだけど。

おぎゃり成分。疑似母子プレイ成分。ドMホイホイ成分があるので注意。


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「さて・・・・。まずはこれだな・・♡

ほら♡これで今日からお前は私のペットだ♡

・・・ああ♡夫でもあるがな?♡」

首にがちゃりと首輪を嵌められた。

特殊な金属を使って作られた、

ずっとつけていても人体に害のない、

人間用の首輪である。

 

逃げようとしても逃げられない。

壁と彼女の胸に挟まれ、身動き一つとれず、

彼女の呼吸が聴こえてくるほど近くで、

じっと見つめあう。

その眼は真赤に染まっており、

ぺろりと舌で唇を舐める仕草に思わず、

胸の鼓動がとくんと高鳴った。

 

「----エド♡全くお前というやつは、本当にしょうがない奴だ・・・・♡」

「・・・うああっ・・・。」

股間に衝撃を感じ、下を見てみると彼女の手が俺の股間に触れていた。

服の上からさすり、さすりと優しくしごきあげてきて、足が震える。

正面にいる彼女にすがりつくように、腰に両腕を回して抱き着くと、

彼女が嬉しそうに左腕で力強く抱き返してくる。

「全く・・・・・♡私の身体で興奮しているのか?♡

・・・この、変態め♡そんな変態にはいじめられるのがお似合いだ♡」

「ぐっ・・!ううっ・・・。」

 

先ほどまでの触り方とは少し変わり、今度は弄るように、

手でわっかを作り、亀頭の先っぽをいじめてきた。

顔を上にあげて声をあげようとすると、彼女にキスをされる。

 

「・・・んちゅ・・♡・・・はあ・・・♡はあ・・・♡

んん・・・♡」

「う・・・う・・・。うああ・・・。」

にちゅにちゅと舌が絡み合うたびに唾液が滴り、

お互いの唇に透明の橋がかかる。

身体をぶるぶると震わせながら、一体どれほどの時間、

その行為に没頭していたのか。

汗が一筋首元に流れ、体が熱くなっていくのを感じる。

誰ともなく、彼女が顔を離すと、お互いのくちからよだれが垂れて、

口周りがべとべとに汚れていた。

 

「・・・ほら♡次はこうだ♡」

首輪のリードをぐいっと引っ張られ、連れていかれたのは

キングサイズのベッドの上だった。

彼女がその上にぽすりと腰掛けるように据わると、

その彼女の上に乗せられる。

こちらの身長が155cmしかないのに対し、彼女は優に175cmを超えている。

すっぽりと彼女の中に収められてしまい、顔から火が出るような思いだった。

「ふふ♡ふふふ♡ほーら♡ママになってほしいのか?♡それとも、

お姉ちゃんがいいか?♡・・・ああ、耳に舌を入れて、

くちゅくちゅしてやると、さらにここが大きくなったぞ・・・♡」

「うおうっ・・、・おおっ・・・、・・あおおおっ・・・・。」

彼女に後ろから羽交い絞めにされ、耳に舌を入れられ卑猥なくちゅ、くちゅりという湿った音が聴こえてくる。

それと同じくして、彼女の手が俺の股間に触れ、服越しに激しくさすってくる。

遠慮のない触れ方に、もうすでにイってしまいそうだった。

 

「ほら♡さっさとイってしまえっ♡ザーメン無駄撃ちしてしまえっ♡」

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ああ・・・・・・。」

脳が真っ白になり、びくんと体が跳ねた。

倦怠感と疲労感が体を満たし、ぐったりと彼女の身体に背中からもたれかかると、

よしよしと頭を撫でられる。

「よーしよし♡いい子でちゅねー♡ママの、ご主人様の言うことを聴くなんて、

エドは良いペットの素質があるぞ♡いっぱい感じてくれて、私もうれしい♡」

「う・・・うう・・・・。」

肩で呼吸する俺にお構いなしに、彼女がベッドにあおむけに倒れ込み、

その上から俺が覆いかぶさる形になる。

 

「・・・・ふふ♡次は、こっちにいっぱい出すんだぞ・・・♡」

「・・・・うー。ううー。・・」

頭がぼうっとしてきた。

彼女が軍服のスカートを脱ぐと、黒のガーターベルトと赤い下着が見えた。

真紅の色合いがいやらしさを強調しており、既に興奮しているのか、

しっとりと濡れていた。

指で押すと、彼女が「ひうっ♡」とあえいだ。

 

「ほら・・♡早く脱がせるんだ・・・♡そう・・♡

ご主人様の言うことは絶対だからな・・・♡」

「うー。ううー。うー。」

「ははは♡いいぞ♡もっとケダモノになれっ♡

壊れろっ♡壊れてしまえっ♡」

我慢できず、うなるような声をあげて彼女の下着を剥ぐ。

自分の太ももを両腕であげ、俺が下着を脱がせやすいように態勢を変えるルビー。

剥いだ下着を脇にどけると、彼女が首についているリードを引っ張てきて、

耳元で囁いてくる。

 

「ほら♡どうした♡さっさとペニスを入れて、腰を振れっ♡

・・・孕ませるつもりで種付けしないと許さんぞ・・・♡」

「ううー・・・。・・・ああおっ・・・。」

「あうう・・・♡・・・ひぐう・・・♡

・・・これがぁ・・・痛みぃ・・・♡

エド♡エド♡エドっ♡いっぱい腰振ってぇ♡」

「ルビー・・・・。好き・・・。

大好き・・・・。」

「はあっ♡はあっ♡あんっ♡私もぉっ♡」

 

ぐちょぐちょに濡れている彼女の性器にペニスを入れて、

ぐぐぐ、と腰を押し込むと、彼女がその爆乳を揺らして、

びくんと天井に顔を向けて震える。

無我夢中で腰を振ると、甘い声を出し始め、それに耐え切れず、

更に動きを速めてしまう。

長い手足は逃がさないように、俺の身体に絡められている。

 

「んっ♡んんっ♡んむぅっ♡あんっ♡もっとぉ♡もっとおちんちんついてぇっ♡

はあっ♡はあっ♡ママにいっぱい種付けしてぇっ♡」

「うっ・・・"お"お"お"・・・。でるぅ・・・・。」

ぐいっと彼女の太ももを手で掴んで、ひっくり返し、

でんぐり返しの状態で腰を振っていると限界を迎える。

「"う"あ"あ"あ"・・・。”あ”・・・すご・・・きもち・・・いい・・・。」

「おっ♡"お"お"お"お"お"っ♡中にぃっ♡出されてるぅっ♡」

ルビーの中に精子を思いっきりぶちまけ、ぽすりと体を重力に委ねると、

彼女の胸に顔を挟まれる。

 

「・・・はあっ♡はあっ♡はあっ♡・・・・ふふ♡

そろそろまた、出したくなってきたんじゃないか?♡」

「・・・あうう?・・・・うー?・・・うおお・・・。」

何だかまた、あそこがたぎってきた。

早く。早くまた彼女の中に出して、ご主人様にいっぱい種付けしなければ。

そうだ。ペットの役目は果たさなきゃ。

「・・・次は、後ろから頼む・・・・♡ああ・・・顔が見えないのもいい・・♡

これから、犬のようにエドに犯されてしまう・・・・♡しまうんだ・・♡」

「う・・・。締め付けすごい・・・。ルビー。きもち、いい・・・?」

「あんっ♡ああんっ♡いいっ♡すごくいいっ♡はあっ♡はあっ♡

もっと♡もっとついてくれぇっ♡」

「おっ。おっ。おっ。おっ。」

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」

カクカクと必死に腰を動かすと、ご主人様が嬉しそうな嬌声をあげる。

 

 

「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡イっちゃう♡イっちゃうぅぅぅ♡」

「・・・・・・・・お・・・。」

どぷり、と彼女の中でまた射精する。

それと同じくして、彼女もがくがくと体を震わせ、

絶頂した。

 

 

「・・・・。」

こつり、こつりと自分が支配する寮を歩く青色の髪の女性。

服は白と銀色が混じったような軍服であり、金色の瞳は、

何も映さず、ただ目の前にあるものを睨んでいた。

氷結の魔女、サファイア・ローズ。

学園の序列5位にして、十王の一人である。

彼女は今、あることに気を向けていた。

 

----紅蓮が、とある生徒に目をかけているとの噂。

酒吞童子と聖騎士も気にしていた事項である。

どれほどの逸材なのか、どんな相手なのか、

そして、どこにいるのか彼女は気になって仕方がなかった。

 

(・・・・ふん。どうせ大したことのない男だろう。

あの紅蓮を相手にするなど、まともな男ではあるまい。)

何度も殺し合いをしているだけに、ルビアの気性の激しさを知っているサファイアは、

ふんと鼻を鳴らす。

自分にだって、そういう部下はたくさんいる。

胸と尻が強調される服を来て、少し揺らせば誰も彼もが、

食い入るように見てくる。

彼女にとって、男はその程度の存在であった。

 

(・・・・馬鹿馬鹿しい。男など。・・・男などっ!!)

自分の歩いた後が氷で固まっているのにも気づかず、

彼女は自分の部屋に戻り、悶々とした気持ちのまま、

眠りにつくのだった。

 

 

「・・・・・・・。」

「・・・・エドぉ・・・♡もう気を失ってしまったか・・・♡

ふふ・・・・♡明日からは、精の付くものをもっと食べさせてやるからな・・・♡」

---その彼女にとってのライバルが、今まさに大人の階段を一足先に昇っていることを、

サファイアは知らない。

 

 

 

 




サファイア・ローズ

序列5位。
十王の一人、"氷結の魔女"。
自分のスタイルを見せつけ、男を虜にした結果、
学園で最大の勢力を誇るギルドを作り上げた。
しかし、内心では男の事を嫌っている。
体目当てで近づく男を凍らせて生きてきた。
協調性のなさと、プライドの高さはルビアに通ずるものがあり、
ルビアが一匹オオカミなら、サファイアは"孤独な王様"。
心の奥底で、彼女が密かに望んでいるものとは・・・?


エロをやったぞ。

次回は、テンプレチックな話。

学生トーナメントとか、ルビア目当てのチャラ男や、イケメンが
ちょっかいかけてくるとかなろ〇風味

エロをやると知ったときの読者からの怒涛の感想に
草生えた。



感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


KEY(ドM)


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王立学園編 第五話 ~一夜明けて~ 学生トーナメント『Hell or Hevean』

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

逆レされた後の軌道修正(王道への)

まだだ・・・。まだなろ〇風味になるはず・・・。

エドがルビー目当ての相手に絡まれる話より先に、
王道の学生トーナメントやるぞ。

え?サファイアと剣王はヒロインかって?
・・・・。


それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


『---さあ。ついに始まりました!!入学式後に行われる、

リーダス王立学院の祭典!!その名も、"Hell or Heaven"!!』

実況の熱い声にこたえるかのように、修練場が観客の声援で揺れる。

空気が震えるかのようにびりびりと圧がかかり、その熱狂さに呆然とする。

『実況を務めるのは、序列13位、"大怪盗"こと、アルセーヌ・ルパンと!!』

『・・・・序列14位、"義賊"、イシカワ・ゴエモン。よろ。』

 

待ちきれないといった様子の声と、明らかにやる気のなさそうな声が響く。

序列13位と、14位。十王ほどではないにしろ、彼らもまた、相当な実力者である。

だれる相方の脇腹を肘鉄し、実況用のマイクを握り締めるルパン。

『今年はまれに見る豊作の年!!去年は小粒ぞろい!!しかし、今年は違う!!

もしかすると、十王に匹敵するかもしれない逸材ばかりだーー!!』

『誰が小粒だごらぁっ!!』

 

観客から実況に向けてヤジが飛ぶ。

恐らく、去年入った新入生だろう。

が、そんなことも気にすることなく実況を続ける"大怪盗"。

メンタルが強いのか、面の皮が厚いだけなのか。

恐らく後者であるが、それにしても愉快な面々である。

 

『まずは、我がリーダス学院が誇る、"十王"!!

一番上の特等席で見ている憎いあんちきしょうどもだああああっ!!

・・・はやくその座を俺に渡せや。』

私情が混じった声と共に修練場の上を見てみると、十個の席が俺たちが今、

立っているフィールドを見下ろすかのように鎮座している。

学泉最強の10人。"十王"。その面々が座っている・・・はずだが・・・。

なぜかいくつかの席が空いている。

 

「うーいぃ。たくよぉ。こちらとちら"裏ギルド"対策でてんやわんやだっつーのにぃ。

聖騎士ぃ。おめえんとこも大変だったんだろぉ?」

「うむ。だが、心配無用でアール!!吾輩のギルドの騎士たちは、

それくらいでうろたえる奴らではないのでアール!!

・・・ところで。かわいい女のはいないでアールか?

吾輩、ちょっとスレンダーな女性のほうが・・・。」

『聖騎士。さすがに新入生の子に色目を使うのはどうかと、思う・・。』

「まさかのマジレス!?吾輩ショックなのでアール!!」

「・・・貴様ら。新入生が見ているんだぞ。少しは真面目にやれ。」

「・・・ふん。全員凍らせてやろうか?アホども?」

「「『冷血女は黙っていろ(いろぉ)(なのでアール)』」」

「・・・・コロス。」

---椅子に座っているのはなぜか6人で、後は空席になっている。

そこに座っている面々のやり取りに呆気にとられる新入生たち。

俺だって、事前にルビーから話を聴いていなければ同じリアクションを取っていただろう。

あれが、十王。

そして、そのうち一席に座るのは俺が良く知っている彼女。

燃えるような紅い髪。すらりと伸びた長い手足に175cmは以上ある高身長。

モデル体型のグラマラスボディに、黒の軍服を着た軍人姿の女性。

---序列4位、"紅蓮の悪魔"ことルビア・ファーガスがそこに座っていた。

・・・ただし、俺にねっとりとした何とも言い難い視線を向けてきながら。

彼女にまなざしを向けると、ぴくん、と彼女が動く。

にこにこと俺にだけわかるように少しだけ不機嫌そうな顔の口角をつり上げ、

こちらに手を振ってきている。

応援してくれているようだ。

 

『さあ!!愉快な芸人共の紹介が終わったことで、さっそくトーナメントを

始めていくぜ!!まずは!!Aブロック!!さっそく優勝候補が

紛れ込んでいるこの波乱のグループを勝ち残るのは誰だああああ!?』

『・・・・zz』

隣で寝ている"義賊"の頭を小突きながらそういう実況。

苦労しているなぁ、と考えていると俺が今立っている円形の修練場の上に立っている、

他のメンバーたちの紹介が始まる。

 

『優勝候補の一人!!北のリルド国家出身の傭兵!!ディック!!』

「・・・・・・。」

両腕を組んで、自分が持っている大剣を背中に背負ったまま、無表情で俺たちをじっくりと観察するように見てくるディークと呼ばれた青年。

青色の髪に、短く切りそろえられた髪型は硬派な印象である。

 

『対するは!!東のアルバーツ連邦から流れてきたという"侍"の家系!!

名刀、"ムラマサ"を所持するヨシツネ!!』

「あ。どうもどうもー。」

軽い調子でそう答えるのは、長い黒髪に、侍が着ているような袴、道着を着こむ女にしか見えない美形の少年。

その腰には、紫色の鞘に収まっている一本の刀が差してある。

 

『----後の紹介はめんどくせぇから省くぜ!!』

「「「「「「おいこらぁっ!!!」」」」」

実況の適当さに切れるAブロックの面々。

そりゃ、俺だってその他扱いされていい気はしない。

しかし、無情にも試合開始の合図が下される。

 

『---さあ、最後の2人になるまで戦え!!お前らぁっ!!

特にヨシツネぇっ!!てめえには金賭けてんだっ!!

絶対優勝しろよおらぁっ!!』

「はいはーい。・・・メンドクサイ身内だ事。」

試合開始のゴングが、カンと鳴らされた。

前日に、ルビーから教わったことを思い出していく。

 

 

それは、トーナメントが始まる前日の事。

ルビーの部屋、というかほぼ強制的に彼女に

部屋に引きずり込まれ、ソファーで正面から

抱き着かれながら。

「---え?新入生だけの学生トーナメント?」

「そうだ。毎年恒例らしくってな。・・・まあ、

私は面倒だからぶっちしているが。」

「・・・・・。」

仮にも十王の一人なのに、それでいいのか・・・・と思ったが、

スルーして話の続きを聴くことにした。

 

「今年も絶対にあるであろう、この祭典。

勝てば"十王"の誰にでも優先的に挑める権利を得ることができる。」

「・・それって。」

「うむ。・・・私にも挑むことができるぞ?あ、夜の勝負だったら

いつでもぉ・・・♡」

「・・・。」

発情しかけている彼女に反応しないようにし、話の続きを促す。

 

「・・・それって、序列とかどうなるんだ?」

「ん?学生トーナメント『Hell or Heaven』で入賞すれば、

序列は一気にあがるぞ。・・・その直後、他の生徒から襲われることも多いがな。」

「・・・・。」

何の勢力も持たない優勝して一気に序列があがった新入生。

狙うには絶好の相手だろう。

 

「・・・で、エドはどうするんだ?」

「・・・・うーん・・・。」

特にこれといって考えていなかった。

村長や、両親の"もっと世界を知るべき"というアドバイスに従って、

リーダス王立学院に来た。

そういう意味では、自分がいた村以外の事を知るためにも、

戦ってみるのもいいかもしれない、けれど・・・。

「・・・・目立つのは、あまり得意じゃないんだ。」

前世でもそうしたことには縁がなかった。

人前で何かやるというのに気後れする。

そんな俺をいつくしむ様に、彼女が俺の手をそっと握ってきた。

「?ルビー?」

「・・・・出るも出ないも、手を抜くも、エドの自由だ。

・・・・目立たずに上手くやり過ごしたっていい。私は、

エドがいいなら、それでいいさ。」

「・・・っ。」

 

てっきり、出て優勝してほしいと言われるかと思っていた。

それだけにその言葉は衝撃的だった。

---きっと、彼女は俺のことを信じていてくれるのだろう。

俺の中で考えはまとまった。

 

 

(今、私すごいエドの嫁っぽかった♡・・・あ、やばい・・、

ペンダント越しじゃない温もりすごいぃ・・・♡)

---彼女がどう考えているか、知らないのは彼にとっては幸運だったのかもしれない。

 

 

 

ごそごそと懐から"武器"を取り出す。

すぐ近くにいた人物たちからはバカにするような冷ややかな目線が飛んできた。

村長からもらった"籠手"。かれこれ数年の付き合いがある装備であり、

自身の体術にあった武装だ。

 

十王が座っている席からはメラメラという音も聴こえてきた。

『わちゃちゃちゃちゃちゃ!?なんで炎を出しているのでアールか?!

ぬおうっ!?反対側からは氷っ!?』

『・・・・・・。』

『・・・・・・・・。』

 

念じる。イメージし、武器に魔力を流し込む。

村長が渡してくれた、魔力の少ない俺でも扱える、

身体強化の効果を持つ武器。

 

『さあ!!戦いの火ぶたは切って落とされたあああぁっ!!』

戦いが始まった。

 

 




Hell or Hevean

新入生が参加する学生トーナメント。
勝って、天国に行くか、負けて地獄に行くかの
二択を示している。
かつて、十王たちもこのトーナメントに参加した経験がある。
今年は特に豊作であり、"傭兵"ディック、"サムライ"ヨシツネなどの逸材がいる。
エドはまだ無名。

ルビーは自分より立場が強くなれば、エドと四六時中くっついていても、
彼のことを悪く言うやつがいなくなると考え、密かになりあがらせようとしている模様。
本編でエドが好きにすればいい、と言っていたのは嘘ではないが、好きにさせるとは言っていない。愛なら仕方ない。


感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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王立学園編 第六話  Aブロック "ラッキーマン"

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

Aブロックの話。

感想の多さに草。

それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


「---死ねやぁっ!!」

『ああーっと!!ゴングと同時に一斉に襲い掛かられたのは、

優勝候補のディックと、義経だあああっ!!』

横を見ると、そこでは数人の男がディックとヨシツネに襲い掛かっているのが見えた。

一気にカタをつけて有利になろうという腹なのか。

 

「・・・・・・。」

「うぎゃあああっ!!」

「な、なんだこいつっ!?つよ・・・うぐあっ!!」

「か、敵わねぇっ!!敵いっこねぇ!!」

「にげ・・ぎゃっ!!」

「はいはーい。徒党を組むような悪い奴らはぶった切っちまおうねー。」

襲われているはずの二人が剣を振るっただけで、

徒党を組んで攻撃した学生たちが一瞬で切られていく。

実力の差がありすぎて、集団でかかろうと敵になっていなかった。

 

「よそ見してんじゃねーぞ!!おらぁっ!!」

「うわっ。」

あの二人の方を見ていたら、後から槍で突かれる。

魔力をまとっているのが、炎で穂先が燃えていた。

「へっへっへ。俺は魔力を武器につけられんだっ!!

---そらそらそらそらぁっ!!」

「うわっ。っと。おっ。」

相手の正面を向きながら、なんとか体を横にひねって躱していく。

掠った個所がちりちりと焦げて、痛みを感じる。

 

「避けるばかりかぁっ!?そ・・うげっ!?」

「・・・あ。」

後から不意打ちで倒される相手。

名前も知らない相手であるが、少し可愛そうに感じた。

その後ろには、大槌を構えているジョーが立っていた。

どうやら俺を助けてくれたらしい。

「大丈夫かっ!?エド?!」

「ああ。うん。」

自衛しようとしていたけど、手間が省けたので礼を言う。

「ならいいっ!!----あの二人に巻き込まれないように、

離れるぞっ!!」

ジョーがそういってバトル・フィールドの隅っこに向かうのについていきながら、

ちらりと後ろを見ると、轟音が鳴り響く。

 

「・・・・・。」

「せいやぁっ!!・・・・おおっ。やるねぇ。キミ。」

『ああーーっと!!やはり一番強いのはこの二人なのか!?

ディックとヨシツネがバトル・フィールドのど真ん中で激しい戦いを繰り広げているぞおおおおおおっ!!』

ヨシツネの高速で首元に振られた剣戟を、剣の柄だけで受け止めるディック。

それに対して、感心したような声をあげ、そのままつばぜり合いをする形で二人の動きが停まる。

「よ、よし・・・。今なら・・・!!」

「ばかっ!!やめとけって!!」

それを、安全なところにいる生徒たちが魔法で狙い撃ちしていく。

炎、雷、風、氷、水、土。

ありとあらゆる魔法が2人に襲い掛かる。

ジョーの制止の声も虚しく、それは放たれる。

 

 

「邪魔。」

「・・・・。」

剣でその魔法が切り裂かれ、返す刀で衝撃波を放ってきた。

「へ?」

「・・・・!!」

「うおっ!?」

反応できず、ぼうっとしていたジョーの首根っこを掴み、

横に思いっきり飛んで避ける。

その次の瞬間、衝撃波がバトル・フィールドを襲い、

それに当たった生徒たちが吹き飛ばされていくのが見える。

 

土煙によってバトル・フィールドが煙幕に覆われたように何も見えなくなる。

『ああーーっと!!二人をあわよくば仕留めようとしていた生徒たちが

一斉にやられたあああっ!!なにも見えないぞおおおっ!!

いいぞー!!ヨシツネ!!俺の金のために頑張れぇっ!!』

『・・・・ん。あいつ、速い・・。』

『?何か言ったかゴエモン?』

『・・・zz』

実況の言うとおり、何も見えないが、激しく金属がぶつかり合う音だけが

聴こえてくる。

恐らく、ディックとヨシツネが切り結びあっているのだろう。

「ひいいいい!?何だよあの二人っ!?とんでもねーバケモンじゃねーか?!」

横ではジョーが低い体勢を取りながら、恐怖におびえていた。

「く、くそぉっ!!でも、俺だって!!俺だってぇえええ!!」

両手で大槌を上に振り上げながら、2人がいるだろう場所まで

走って行くジョー。

(・・・どうしよう。)

 

ブロックで最後まで残るのは2人まで。

ジョーと一緒に残りたいが、あの中央で戦っている二人は、俺よりもレベルが上の相手だ。

まともに戦って勝つのも難しい。

 

『・・・・・・・。』

(・・・・はっ。)

 

背後から強烈な視線を感じる。

煙で何も見えないはずだが、それでも彼女が俺のことをじっと見つめてきているのがわかってしまう。

--ルビーが見ている。

このまま競り負けたふりをして、敗退するのも一つの手だろう。

そうすれば、後は平穏な日々を送り、ジョーやほかの仲間たちと楽しい学生生活を送れるかもしれない。

でも、それはルビーにとって立場を悪くしてしまうのではないかという考えが頭をよぎる。

彼女が俺に目を掛けているというのは、一部では噂になっている。

そんな人間が予選であっさりと敗退したとなったら、ルビー、ひいてはファーガスさんにも悪評による被害が及ぶかもしれない。

後ろに下がりそうになる足を力を入れてこらえ、地面を踏みしめてジョーの後を追う。

 

「うああああっ!!」

「・・・・また邪魔か。ほらっ。」

「・・・・・・。」

「うぐあっ!!」

あっさりと二人にやられて俺の方に吹き飛んでくる彼を受け止め、

優勝候補の二人に相対する。

「・・・えーと。キミ、誰?」

「・・・・・。」

 

ジョーを横にそっと寝かし、拳を握りしめ、構える。

俺が武器を抜いたことに肩をすくめるヨシツネ。

完全にこちらを軽く見ている。

「まあいいや。今、ディック君と遊んでいるんだから、

さっさとあっちいってよ。」

「・・・・。」

「お?」

ヨシツネが放ってきた斬撃を魔力を込めた籠手で相殺し、

今度はこちらが左ストレートを放つと、それを防がれる。

「おおー。やるね。・・・・遊びがいがあるなぁっ。」

「・・・・。」

ヨシツネの後ろから大剣を振るってくるディック。

まとめて薙ぎ払うつもりらしい。

 

「----"強化"」

ズズン、とバトル・フィールドが大きく揺れた。

 

 

『おいゴラァっ!!何も見えねーじゃねーかぁ!!』

『うるせーぞ観客共ぉっ!!こっちだって実況することなくって

大変なんだよおらぁっ!!』

実況の"大怪盗"は観客と言い合いをしながらもなんとか目を凝らし、

はっきりと見えてきたバトル・フィールドが今どうなっているのかを

見ようとしていた。

見えなくなっていたのはほんの数十秒。

しかし、それよもようやく晴れてきた。

---そして、そこには一人の人影が立っている。

 

『ああーーーっと!!立っているのはディックか?!

ヨシツネかっ!?どっちだ?!どっちが勝ったんだーー!?』

誰が立っているか見えるようになり、

そして、歓声が。

---続いて、どよめきがあがる。

 

 

 

「----はれ?」

「・・・・・。」

----白目を向いて立っていたジョーが何が起きたかわからないといった様子であたりを見回す。

その隣では、エドがあぐらを組んで座っていた。

そして、ディックとヨシツネは少し離れた場所で倒れ伏していた。

 

『な、な、な、なんということだぁああっ!!この男があのディックとヨシツネを倒したというのか?!しかも、それにあやかってもう一人の生徒が生き残っているぞおおおっ!!何という波乱っ!!何という幕開けっ!!優勝候補がまさかの予選落ちだああああっ!!』

「え?え?・・・・何?何があったんだ?・・・あれ?へ?」

(・・・・ジョー。ごめん。)

両手でジョーに向かってエドは合掌する。

 

 

決着がつく瞬間、何があったのか?

ディックがまとめて薙ぎ払おうと一撃を繰り出したところまで遡る。

 

 

倒れ伏しているジョーをちらりと横目で見る。

俺を助けようとしてくれた彼を利用するようだが、

かといって、ここで手の内をさらすわけにもいかない。

俺に与えられた能力があることに気が付いたのは、

村長に戦い方を教えてもらっていた時である。

 

『---無属性?』

『ほっほっほ。それが、エド。お前の属性じゃ。』

青いナイフを右手に持ちながら、地面に倒れ伏す俺に

そう言ってくる村長。

あれだけ動いたのに汗1つかかないとは一体どういう

身体をしているのか。

『魔法をまともに使うことはできないと言われている属性系統じゃよ。』

『・・・・・。』

この世界において、魔法が使えない。

普通であれば、死刑宣告に等しい言葉であるが、俺は不思議と落ち着きながら

彼の言葉を受け止められていた。

 

『じゃが、お前には可能性がある。』

『・・・・。』

相変わらず、人をやる気にさせるのが上手い人だ。

むくり、と上半身だけ起き上がりながら話の続きを聴く。

『じゃがのう。この属性は魔力がないわけではないのじゃ。

・・・あくまで属性系統が"無"であるだけじゃからな。』

『・・・じゃあ、どうやって戦えば?』

『ほっほっほ。簡単じゃよ。・・・むんっ。』

『うわっ!?』

いきなり村長が顔に向けて放ってきた蹴りを魔力を込めた右足で蹴り止め、

相殺する。あ、危なかった・・・。

 

『今の一撃。・・・それを受け止められたのが答えじゃ。』

『・・・?』

『・・・よいか。お主は魔法を扱うことはできん。だが魔力を使って・・・。』

 

「え?・・・・俺、勝った?生き残った?」

『----試合終了ぉぉぉぉっ!!Aブロックを生き残った二人は、

ジョー・ホプキンスと、エド・マークスだああああっ!!』

実況の終了宣言によって一気に湧き上がる会場。

何はともあれ、最高の形で決勝リーグに勝ち進むのだった。

 

「・・・・・・・・・。」

--熱いまなざしが、ずっと"十王"の席から注がれているのは気のせいだと思いたい。

今は、はやく人目がないところに行って、ゆっくりと休みたかった。

 

 

 

 

 




ディック
レベル40
戦闘術3 剣術3 ボウガン3

北の傭兵国家、リルドからやってきた戦いのエキスパート。
若くして幾多の戦場を駆け抜ける本物の戦士。
身体のあちこちに刻まれた傷跡が、その実力を物語る。
ヨシツネと同じく優勝候補だったが、運悪くヨシツネと相打ちにされエド、
予選で敗退する。

ヨシツネ
サムライ3 剣術3 弓術3

女子人気ナンバーワンの新入生。
好きなものは女の子と火遊び。
名刀、"ムラマサ"を所持している。
ディックと同じく優勝候補であるが、こちらも予選敗退。
病室で起き上がったときに自分が負けたと聴かされたときには、
ショックで近くにいた看護師にナンパする事さえ忘れていたという。

ジョー・ホプキンス
Lv 25
鍛冶4 ハンマー3 剣術1
エドの策略によってヨシツネとディックを倒した
スーパー・ルーキーに仕立て上げられた運がいいのか、
悪いのかわからない男。
そこそこは強い。
自分が作ったローグ連合ゆかりのミスリル製大槌を振るって戦う。


エド君、いまだに人前に出るのが苦手な模様。
ルビアが見ている手前、やっぱり敗退するのはまずいと考えたが、
かといって、一気に目立ってしまうのもちょっとあれかな、と思い、
近くにいたジョー君を生贄にした模様。
ルビー的にはギリギリセーフの判定を下した模様。

感想早くない・・・・?

この時点のエド君、まだレベル30ぐらいだし、ヨシツネとディックと相打ちにさせられなかったらアウトだったで


感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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王立学園編 第七話 Bブロックの計算外

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

書いたぞ

腕いたいひ

でも、もっとなろ〇風味を書きたい

エロもしたい

だから投稿する



それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「エードっ♡」

「・・・・・。」

 

試合が終わり、一旦自分の部屋に戻った俺は、

ルビーに連行され、彼女のベッドの上に押し倒される。

彼女と一晩過ごしてから、あっという間に俺は転寮させられ、

彼女が支配している縄張りまで連れてこられたのだった。

興奮した様子の彼女が俺の頭に胸を押し付けてきて、

圧迫させて来る。

じたばたともがいても抜け出せず、彼女の肩をぽん、ぽんと叩いても、

ルビーはどいてはくれない。

顔に感じる胸の柔らかさと、後頭部に感じるベッドの柔らかさが

抵抗の無意味さを示していた。

 

「ふふふ・・・♡まったくもう♡目立ちたくないからと言って、

他の奴に手柄を押し付けるなど、かわいい奴だな♡

・・・ウリウリ♡どうだ?おっぱい気持ちいいか?♡」

その前に死にそうであったが、すりすりと体をこすりつけてきている

彼女はうっとりとした声で話し続ける。

「さあ♡通信ができる"通信石"を持ってきたぞ♡これで一緒に試合を見ような♡エド♡」

「・・・・。」

彼女の胸で何も見えないが、しゃべることもかなわず、彼女に嫐られつつ、

ラジオのように試合の様子が聴こえてきた。

 

 

『----大波乱のAブロックが終わって休憩時間も終了!!

次のブロックにいくぜ!!ファーック!!俺の賭けた

金が消えたぜ!!』

『・・・んー。うるさい・・・。』

金をヨシツネに賭けていたのに、彼が負けてスってしまった"大怪盗"。

それでも、きちんと実況をしようとするあたり、根は真面目である。

 

『Bブロオオオック!!嘘か本当か!!異世界から召喚された勇者と

その一行がいるブロック!!"勇者"、サカモト・トオル!!・・・異世界って本当にあるのか?』

『・・・知らない。』

実況の声が響いたかと思うと入ってきたのは、

鎧を身にまとった、少年と少女たち。

その誰もが緊張で固まっており、ガチガチになっていた。

 

その様子を見ていた十王の面々は眉を顰める。

「・・・ありゃ何だぁ?戦い慣れしているようには見えねぇ。」

「・・・ただの子供でアールな。」

『・・・どうしよう。喋ることがないや。』

『にゃんてこったい!!あ、これ前にも言った!!』

『わんわんわんっ!!何だか匂うのでありますっ!!』

「・・・・ふん。」

「・・・・・・。」

散々な評価であるが、剣王だけは目を細め、特にリーダーらしき

茶髪の少年が持っている剣に目を向けていた。

白を基調とした、金色の豪奢な装飾が施された一振りの剣。

 

 

「----え?」

「・・・全く、眉唾物だな。異世界などと。」

実況の説明にエドは混乱していた。

自分の息が苦しいことも忘れて、彼は思考に没頭する。

(・・・なんで。何で彼らが?)

そして、汗が流れる。自分以外の、あちらからやってきた人物。

ルビーはエドの様子に気が付き、慌てる。

 

「どうした?エド?おっぱい、もっと強く押し付けた方がいいか?」

「・・・いや。」

何とか彼は動揺しかけたのを抑え、彼女に虚勢を張る。

知らなかった。--過去に転生者がいたが、自分と同じく、

今の時代に転生者がいたことは。

それまで、彼女の胸の中に埋もれていた俺は顔を何とかして出し、

彼女と一緒に寝転びながら、通信石越しに試合を眺めるのだった。

 

 

 

 

『さあ!!有名な生徒たちの紹介も終わったことだし早速

始めていくぜえええっ!!・・・おめえらっ!!最後の最後まで

戦えっ!!』

実況の声援によって試合は始まった。

先手を取ったのは、異世界召喚された彼らの周りにいる生徒たちである。

「しゃあっ!!」

襲い掛かってくる生徒たちに同じく、武器を抜いてそれぞれ戦う面々。

男子生徒はサカモトの指示に従い陣を組み、女子生徒は後ろから魔法を放って迎撃していく。

 

「うわあっ!!」

「んぎゃっ!!」

「く、くそっ!!だったらリーダーのてめぇをっ!!」

「・・・"神速"。」

「うぎゃっ!!」

「ああああっ!!」

頭を叩けば倒せる。そう思ってサカモトに襲い掛かった生徒たちは、

一刀のもとに切り伏せられる。

その背後から攻撃をしようと複数の生徒が飛び掛かる。

「もらったぁ!!」

「覚悟ぉっ!!」

 

 

『---全く。危ないです。』

更にその後ろにいつの間にか立っている女性が、

生徒たちを吹き飛ばし、場外に飛ばした。

『いつの間に現れた!?この美女っ!?

勇者の後ろに居る謎の女性っ!!

一体何者なのかっ!?』

『・・眩しい。』

 

背中から羽の生えた、神々しい槍を持つ、

金髪の美女が勇者の隣に寄り添うように立つ。

銀色の鎧をまとっており、肌面積の露出が多い、

痴女のような格好である。

「シア。心配しなくてもいいのに。」

『だめです。・・・全く。勇者様は本当に

鈍感なんだから・・。』

「?何かいった?」

『な、なんでもないですっ。』

二人のやり取りをほほえましく見る、恋人持ちの生徒たち。

対して、非モテの男性達は涙を流しながら、

サカモトに私怨たっぷりに襲い掛かる。

 

「ちきしょおおおおっ!!このモテ男めえええっ!!」

「俺らの哀しみを思い知れええええっ!!」

「えっ?なんで僕に・・・?」

「ぎゃああっ!!」

困惑しながらも、その身体能力で敵を圧倒していくサカモト。

女子生徒からは黄色い悲鳴があがり、男子生徒たちは面白くなさそうにその光景を見つめている。

 

「・・・・・。」

「な、んだ、お前・・・。」

「つ、つええ・・・。」

そこから少し離れた場所では、白の仮面を身に着け、

黒のコートに身を包んだ少年らしき人物が、

真っ黒に染まった刀で参加者を次から次に斬っていた。

倒れ伏していく生徒たちには目もくれず、じっと勇者たちの方を見つめている。

 

『---勇者様。気をつけて。あいつ、不気味・・・。』

「・・ああ。どうやら相当強いらしい。」

白く輝く剣と、真っ黒にまがまがしい気配を放つ、黒の剣。

正反対の格好に、色合いの二人はじりじりと近づき、警戒しあう。

 

「・・・あの勇者、ってやつぅ。ステータスたけぇなぁ。いくつだぁ?」

「少なくとも、既に吾輩のギルドの上級騎士よりは高いでアールな。」

『・・・僕のお気に入りといい勝負。』

「・・・くだらん。雑魚どもの競り合いなど。」

(・・・・あの剣。)

 

「サカモトくーん!!がんばってー!!」

「私たちもいるからぁっ!!」

「・・・ありがとうっ!!」

『・・・・。』

女子生徒たちの声援を受けて、ニッコリと彼女たちの方に笑顔を向けるサカモト。

ぎりぃ、と歯ぎしりする音が響く。

一直線に駆け抜け、仮面の男はサカモトの首めがけて刀を振り払う。

『勇者様っ!!・・・このっ!!』

その間に入るように、シアと呼ばれた女性がガードする。

ギリギリと拮抗は一瞬で、仮面の男がシアを弾き飛ばし、

勇者の方に向かう。

 

『きゃあっ!!』

「シア!!・・・よくもっ!!」

「---相変わらずのアホが。」

「----え?」

「きゃああああっ!!」

 

仮面の男は勇者の横を素通りし、その後ろにいた生徒たちに襲い掛かった。

刀を地面に刺すと、あたりを衝撃波が襲い、まともに食らった生徒たちは

吹き飛んでいく。

『おおっとーー!!勇者に勝負をしかけると思ったが、狙いはその後ろにいた

支援部隊だったーーー!!』

『・・・・常套手段。弱い奴を狙って楽して勝つ。・・・zzz』

 

それ以上の言葉が実況から紡がれる前に、

フィールド上は仮面の男と、勇者だけになった。

『---試合終了おおお!!Bブロック!!勝者は!!

仮面の男!!デビアスと!!"勇者"サカモトだああっ!!

ああああ!!あいつに賭けときゃよかったあああああ!!』

『・・・金稼ぎに手堅さは必要。・・・zz』

『うるせぇっ!!』

 

「・・・あ。皆、大丈夫か!?シア!?」

『・・・・うう・・・。』

「ああ・・。」

「痛い・・・。」

「・・・大げさな奴らだ。体を打っただけだろうに。」

「・・・・。」

「睨むな。・・・・次はお前の番だ。」

それだけ言い残すと、黒い刀を引っさげて、

仮面の男はフィールドから出ていった。

 

 

「・・・ほう。なかなか強い奴らだな。」

「・・・・・・。」

衝撃的なものを見てしまった。

絶対にもう会うことのないと思っていた人物たちが、

まさかいるなんて、一体だれが考えるだろうか。

(・・・・いや。今の俺はエド・マークス。

あまり深く考えないようにしよう。)

頭を振って悪い考えを追い払おうとする。

しかし、前世で聞こえなくなってしまった左耳を思わず、

手で抑えた。

「・・・エド?エド?大丈夫か?」

「・・・ああ。うん。それより、ルビー。

一緒にお茶でも飲もう。・・・淹れてくれると嬉しい。」

「わかった♡すぐにお前のために用意するからなっ♡」

抱き着いていた手足を緩め、俺から離れてお茶を入れに行くルビー。

(・・・・・・本当にどうしようか・・・。)

---時差ありで転生するなど、完全に想定外だった。

 

 

 

 

 

 




サカモト
異世界召喚されたテンプレート勇者。
と、その一行。
鈍感イケメンのサカモトに女子は惚れており、
男子生徒たちの不満が溜まっている。
テンプレチートとして、シアという使い魔と、
勇者の剣を持っている。
女性が自分に好意を持っているなど思っておらず、
無自覚にハーレムを築き上げている。
エドと同じクラスだったが・・・・?

仮面の男
今の名は、デビアス。なろ〇風味で、よく異世界に勇者召喚されて、
落ちこぼれだと判明して、特に能力もなく、
周りからいじめられて、崖に落とされて、
実は生きていて、チートな能力を得て、
なぜか封印されていた幼女に懐かれ、
セック〇しまくって、いちゃいちゃしていて、
クラスの生徒たちに復讐しよう、なんて
キャラのはずがない(嘘)
比較的まともな感性の人間であり、
好きだった子は全員、サカモトのハーレムに
入った過去を持つ。
サカモトと接するたびにその取り巻きに
サカモトから離れるよう言われており、
サカモトにそのことを言っても信じれ貰えず、
『大丈夫!!彼女たちがそんなことをいうはずないからっ!!』と
言われて、見限る。
正体不明の黒い刀を所有している。
エドとは同じクラスだったが・・・・?


なろ〇風味どころか、なろ〇そのものになってきた。
ほら、
人気のある作品って主人公落ちこぼれ+、おさなじみにイケメン鈍感に好きだった女の子をNTRされる+勇者召喚されて巻き込まれる+いじめっこに殺されかける+ご都合主義のパワーアップをする+何か封印されていたちょうつよい幼女に惚れられる+刀や銃と言った装備を引っさげてクラスメイトに復讐するために帰ってくる、とかってよくあるから・・。

ちなみに、どうあがいても、サカモトはデビアスには勝てない模様。
エドはルビーには(夜の)勝負で勝てない模様。

鬱はない(断言)

色んな趣旨の話しを書いていて、今は試している
最中。

ルビーにヤンヤンされるのは確定で、
それ以外の+aを今はどうしようか色々試して
やっているところ。

なろ〇テンプレの鈍感チート勇者出してみたら
評価ちょっと下がって草。

このおもちゃ(テンプレ)をどう料理して楽しもうか。



感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


KEY(ドM)


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王立学園編 第八話 休憩 そして・・。

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

一日に小説を4本書いているアホがいるらしい。
全く、誰だよ()

予選がすべて終わって、束の間の休息。

食堂に行って、そこで起きる波乱。
あ、ルビーは平常運転だぞ。


それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


 

全ての予選が終わり、一緒に食堂まで行くことになった。

波乱のBブロックに合わせ、Cブロック、Dブロックも猛者ぞろいだった。

彼女に腕を組まされながら廊下を歩いていると、ものすごく視線を感じる。

『・・・・なあ、あいつってAブロックに勝ち残っていた・・・。』

『まぐれだろ?あのジョーってやつが優勝候補を倒したんだし。』

『・・・・すげえ美人と歩いている。・・・ちきしょう。

どうしてあんな奴に・・・。』

 

隣でルビーはそんなことをつぶやいていた奴らの身体を、

熱風で炙ると、生徒たちがのたうち回る。

「・・・ルビー。俺は、気にしていないから・・・。」

「駄目だ。エドのことを悪く言われて抑えられん。

・・・もうすぐでつくからな。」

「・・・・。」

頭を撫でられると複雑な気持ちになる。

それも、長い付き合いであるルビーであるならなおさら。

食堂の中に入ると、そこでは人だかりがとあるテーブルにできていた。

 

「----おめぇ。うちのギルドに入らねぇかぁ?今なら酒飲み放題だぜぇ?」

「お前はすっこんでいるのでアール!!ぜひ、我がギルドに入るのでアール!!」

『・・・僕のギルド"手芸部"に入ってよー。』

「・・・・あ、あはははは・・。」

十王のうち、3人に囲まれて冷や汗を垂れ流しているジョーが

その取り巻きの真ん中に居た。

彼の方に哀れみを込めた目線を送ると、こちらに気づいたのか、

アイコンタクトしてきた。

 

(・・・・おい!!エド!!助けてくれっ!!なんかめっちゃ勧誘が来るんだよっ!!

十王に囲まれて、生きた心地がしねーんだけど!?)

(・・・・。)

隣にいるルビーをちらりと見て、ジョーに向かって十字を切って、

視線を外す。

悲痛な叫びが聴こえてきた気がするが、気のせいだろう。

 

とりあえず、Aランチをもってルビーと一緒に目立たない隅っこの席に座る。

皆、ジョーの周りに注意を払っていて、俺とルビーには気が付いていないようだ。

十王とジョー様様である。

「それじゃ、ルビー。食べ」

----横から人が吹き飛んできて、俺のAランチが空中に弾き飛ばされた。

ルビーのは無事だったが、俺のだけ不運にも巻き込まれてしまい、

がしゃり、と地面に落ちた。

 

「----てめぇっ!!てめぇのせいで俺たちは・・!!」

「・・・。」

人が吹っ飛んできた方を見れば、そこには勇者と同じブロックにいた

異世界召喚されたクラスメイト達が、黒のフードに、サングラスで

顔を隠しながらそばをすすっているデビアスと呼ばれた男に

突っかかっていた。

「あの勇者の野郎を後ろから消そうと思っていたのによぉっ!!

てめぇにやられて、全部パーだ!!」

「・・・クズだな。」

「なんだとこらぁっ!!」

たった一人で取り囲まれているのにも関わらず、

涼しい顔で食べ続けるデビアス。

だが、それに怒った面々が武器を取りだして襲い掛かると

女子生徒から悲鳴があがる。

 

---それよりも早く、椅子から飛び出し、

襲い掛かった生徒たちに本気気味で拳をみぞおちに叩き込み、

またすぐに同じ席に座る。その際に、デビアスから

料理をかすめ取るのも忘れない。

食べ物の恨みは恐ろしい。

「がっ・・!?」

「・・・うぐあ・・・。」

『な、一体何が・・・?』

『あのデビアスって奴、何者だ!?

一瞬で片付けちまったぞ!!』

「・・・・。」

 

ざわつく生徒たちの間を縫うように、

先ほどまでジョーを勧誘していた他の十王が、

駆けつけてきた。

「おらぁっ!!何やってやがるぅっ!!」

「そこまででアール。・・・ふむ。見たところ、

お主がやったように見えるのでアールが?」

『・・・・暴力はんたーい。

おいしい食事はかんげーい。』

「・・・・俺じゃない。あい」

 

 

「・・・・騒がしいな、貴様ら。静かに食事を摂ることもできんのか?」

デビアスが俺の方を指さそうとした瞬間、

辺りの気温が一気に下がった。

足元を見ると、パキパキと音を立て、

氷の柱が立ち始めているのが見える。

 

声のする方を見ると、そこにはルビーと同じく、

軍服に身を包んだ女性が立っていた。

冷気が彼女の周りを包みこんでおり、あたりには

氷でできた剣や槍が浮いている。

「・・・・全員、まとめて凍らせてやろうか?」

「あぁ?てめぇはおよびじゃねぇんだよ。すっこんでろぉ。」

「話がややこしくなるのでアール!!」

『・・・僕の人形を凍らせるのはやめてよー。

・・・じゃないと、その四肢もいじゃうよ?』

「・・・クソが。」

一触即発の中、それぞれが武器に手を掛けたり、

構えようとした瞬間、上から大量の水が降ってきた。

もろにかぶった十王がずぶぬれになり、唯一濡れなかったのは、

冷気で凍らせてしのいだ青髪の女性だけだった。

 

 

「---やめないかっ!!」

そこには、サカモトとその取り巻きの女性生徒たちが立っていた。

「・・・てめぇ。死にたいらしいなぁ?」

「皆でよってたかって一人を囲むなど、卑怯だぞ!!」

「・・・・は?何を言っているのでアールか?」

「やめないと、痛い目にあうぞっ!!」

『・・・本気?決勝リーグ前に死にたいなんて・・・。

よほどの馬鹿なんだね。・・・・いいだろう。

舐めるなよ、小僧・・・。』

「・・・なんだ、貴様は?」

「・・・そこ・・の・・。」

それまで十王と言い合いをしていたサカモトが、

青髪の女性を見た瞬間、固まり、挙動不審となる。

 

「あ、あの・・・。あなたのお名前は・・・。」

「・・・貴様に名乗る名前などない。」

「ちょっと!!サカモトくんの質問に答えなさいよっ!!」

「そうよそうよ!!」

「・・・・うるさい。」

「きゃあっ!?」

「足が凍って・・!?」

 

ルビーの腕をつかんで、こっそりと遠くに避難する。

すると、銀色の髪の女性とすれ違う。

それは、十王の一人、剣王だった。

「----いい加減にしろぉっ!!」

 

---ドゴム、と壁に何かがめり込む音が複数聴こえた。

 

 

 

「・・・・・・。」

全く、ひどい目にあった。

ただ食堂で飯を食っているだけなのに、因縁をつけられると思わなかった。

こっそりギッてきたパンを口の中に放り込み咀嚼していると、

声が聴こえてくる。

 

『・・・レン。大丈夫?』

「・・・ああ。久しぶりにクソッタレどもと話したが、

大丈夫だ。・・・・もう昔の俺じゃねぇ。心配してくれて、

ありがとうな。ユイ。」

『・・・・レンが幸せなら、私も幸せ。』

「・・・・そうかよ。」

気恥ずかしさを隠すために頬をぽりぽりと指で掻き、

ベッドに寝転ぶ。

予定通り、決勝リーグには進んだ。

だが、食堂で思わぬ馬鹿どもに絡まれていらぬ注目を浴びたのは、

自分の不注意である。

 

「・・・・次からは、食べ物を買い込んでおいて、

部屋で食べるか・・・。」

『・・・・お菓子、食べてもいい?』

「・・・・ああ。買い込んでおくから、楽しみにしておけ。」

『・・・レン、大好き。』

「・・・・・。」

どうもこいつといると調子が狂う。

でも、こんなやり取りも不思議と嫌いではなかった。

にしても、気になるのは食堂に居た、十王の一人、"紅蓮の悪魔"とその手下の男子生徒だった。

俺が倒そうとした瞬間、何者かが割り込んできて、一瞬で倒してしまった。

あの女の仕業だろう。

この先戦うかもしれない相手なので、注意しておくに越したことはない。

 

刀を抜いて、柔らかな布切れで拭いていくと、

ユイが嬉しそうな声をあげる。

『・・・ん♡・・・・あっ♡』

「・・・・いちいちそんな声を出すのはやめろ。」

『・・・だってぇ♡んあっ♡・・レンが激しいからぁっ♡』

「誤解を生むようなことを言うんじゃないっ!!」

強いのだが、どうにも直情的すぎる。

俺をからかっているのか、それとも。

 

しかし、勇者であるあいつはともかく、

十王はなかなか強そうだ。

それでも、負ける気はしないが。

(・・・・・絶対に負けねぇ。・・・・あいつらには・・・。)

ユイを握り締める手に、思わず力がこもった。

 

 

 

 

 

 

 




ジョー「」←剣王の攻撃で巻き添えを喰らった何も悪くない人
ルビー「・・・・・。」←エドの食べ物が台無しにされ、
静かにブチ切れていた。それを察したエドが急いで彼女を
連れて、食堂を離れた。
サカモト「」←氷結の魔女、サファイアを口説こうとしたら剣王の攻撃に巻き込まれる。

賑やかな食堂なだけだから。
何も問題はない。



感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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王立学園編 第九話 いざ、決勝リーグ

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

このリーグには二人のラッキー・ボーイがいる模様。

一体何ホプキンスと、何マークスなんだ・・・。

それでは、ご覧ください。

KEY(KBTIT)


『--さあ!!昼休みも終わって、ついに始まるぜ!!

決勝リーグ!!ベスト8に残った猛者共の紹介だぁっ!!』

『・・・・しょうかーい。・・・zzz。』

意気揚々と高らかに決勝リーグの始まりを告げる"大怪盗"。

それとは対照的にやる気がなさそうな"義賊"。

一体、ナニを思って誰がこのコンビを実況に推薦したのかは、

不明である。

 

『まずは!!Aブロックにて優勝候補のディックとヨシツネを倒し、

決勝リーグに勝ち進んだ実力者!!こいつがもしや優勝するのか!?

ジョー・ホプキンス!!』

「う、うおおおおおお!!!」

『またやっちまえー!!』

『ジャイアント・キリング!!期待しているからなー!!』

 

観客からの声援に、胸を張って精一杯答えるジョー。

しかし、明らかに無理をしているのがわかり、

足はぶるぶると少し震えている。

『同じくAブロックからの進出者!!気が付いたら勝ち残っていた

"ラッキー・ボーイ"!!果たして、この決勝リーグでも運良く生き残ることはできるのか?!エド・マークス!!』

「・・・・・。」

ぺこり、と頭を会釈だけしてすぐにフィールドに視線を戻す。

会場からはたいして声援は来なかった。

やはり、運だけで勝ち残ったと思われているからか、期待は薄いらしい。

 

『Bブロックからの進出者!!"勇者"サカモトと"仮面の男"デビアス!!

この二人からも目が離せないぞーー!!』

「・・・・・絶対に、お前を倒すっ!!」

「・・・・・はっ。」

今にも剣を抜いて襲い掛かってきそうなサカモトの威嚇も受け流し、

鼻で嗤うデビアス。相変わらず、その刀からは異様プレッシャーが噴き出ており、

観客の何人かからはうめき声があがっていた。

 

『Cブロック出身!!ローグ連合国出身!!フェンリルの末裔!!

ハーフのウルフマン!!ウルフ!!そして、吸血鬼の能力を持つ、

ドラクル8世だあああっ!!』

「おいおいおい。俺っちの紹介適当すぎない?

まあ、いいけど。---だって俺はいいオトコだからっ!!」

「・・・・・・ワインおいしい。」

実況からの紹介に突っこむウルフと、なぜか赤ワインが入ったグラスを傾け、

人前で堂々と飲酒しているドラクル8世。

あまりにもフリーダムすぎやしないだろうか。

 

『Dブロックからの刺客っ!!その強さは随一!!

まるで"酒吞童子"のごとき巨体!!"傭兵王"、

ヴェルフェゴールだああああっ!!』

「ハーッハッハッハッハ!!俺と戦いてぇ奴はどいつだぁっ!!」

『そしてそしてぇっ!!魔法を駆使して戦う"大魔導師"の一番弟子!!

アレックス・ターナーだあああっ!!』

「・・・負けたら、師匠にどやされる・・・。」

身長が2Mを超える大きな体つきの"傭兵王"と呼ばれた剣闘士姿の男。

そして、全身をグレーのローブで覆い、魔法使いで持って居そうな茶色の杖を両手で持ち、ぶつぶつとつぶやき続ける緑髪の少年。

こちらもなかなか濃いメンツである。

 

『じゃあ!!決勝リーグについて説明するぜえええっ!!』

「うおっ。」

「おおっ!?」

実況の声と共に、会場のパネルに映像が映し出される。

そこには、大量のモンスターがバトル・フィールドで暴れており、

それに巻き込まれた生徒が吹き飛ばされている様子が見える。

『ルールは簡単!!最後の最後までたっていれば勝ち!!

1分ごとにモンスターを投入していくぞ!!

しかも、その強さは段々あがっていくから注意しろ!!

最初はF級の雑魚だけだが、どんどん厳しくなっていくので

早く他の奴らを倒して勝ちあがることをオススメするぜっ!!』

『・・・・おすすめ。・・・・zzz』

なるほど。つまり早いうちに決着をつけなければ、

グレート・ウォルフや、あのオーガ、もしかしたらドラゴンレベルの

怪物が出てくるかもしれない。

---これは、使える。

 

『それじゃあっ早速行くぜっ!!----"Hell or Heaven"!!』

戦いのゴングが鳴らされたと同時に、さっそく俺に襲い掛かってくる

ウルフとドラクル8世。

ウルフはその鋭い爪を振りかざし、ドラクル8世は小さなコウモリに分裂して、

こちらに向かってくる。

「まずは一番弱そうなお前からやらせてもらうぜぇっ!!」

「・・・・・この状態だと、ワインが飲めない。・・・・つらい。」

じゃあ、解けばいいじゃん、と思ったが予想以上に攻撃が鋭く、

体勢を低くしてウルフの攻撃を避けると、頭の上をわずかに掠める。

「・・・・ちうちうちう。・・・ワインのために、やられろー。」

その後ろからコウモリが攻撃を仕掛けてくる。

すぐに横に飛んで回避すると、コウモリが俺がさっきまでいた場所を通過し、

ウルフがそれに巻き込まれる。

「あだだだだぁっ!?てめぇっ!!なにしやがるっ!!」

「・・・・邪魔。」

「・・・・ああ?---だが許す!!なぜなら俺はいいオトコだからなっ!!

・・・・・でも、ちょっとだけ殴らせろ。ちょっとだけでいいから。」

「・・・・・許してないじゃん。」

「うるせぇっ!!チクチクうっとぉしんだよっ!!こらぁっ!!」

 

二人で戦闘を始めるドラクル8世とウルフの近くからこっそりと退避する。

運よく、ターゲットを押し付けることができた。

あと5人を何とかしなければ。

そう思ってバトル・フィールドを走り回っていると、

背後からとてつもない殺気を感じ、とっさに身をひるがえす。

「----"キャノン"っ!!」

大気が震える轟音と共に、チャンピオンが空中を殴りつけると

圧縮された空気砲が押し出され、解き放たれた。

すさまじい破壊音が響き渡り、観客席からは悲鳴の声があがる。

「---あっ。やべっ。またやっちまった。・・・手加減って難しいよなぁ。

・・・なあ、あんたもそう思うだろう?」

「・・・・・。」

こいつ、この男は---。

懐にしまってある武器を取り出して先手を取ろうとした矢先、

チャンピオンと俺の間に何者かが割り込んできた。

 

「せいやっ!!」

「・・・・・・。」

勇者、サカモトと仮面の男、デビアスが切り結びながら

フィールドを駆けまわっていた。

つばぜり合いは拮抗しており、両者の実力は伯仲していた。

「よそ見は禁物だぜ?兄ちゃんっ!!」

「おっ。」

目の前にいるチャンピオンの攻撃を体勢を低くして躱し、

相手の腹に右手をそっと添える。

「はっ。そんな攻撃、俺には---。」

「・・・・"ソニックブロー"!!」

「---ぐがっ!?」

弾き飛び、後ろに吹き飛ばされていくチャンピオン。

右手がちょっとしびれた。

思っていた以上に硬い相手だった。

『あああーーっと!?チャンピオン、突然後ろに吹っ飛んだあああっ!

なんだああっ!?何が起きたああっ!?』

実況や観客席からは見えていないようだ。

それは何よりの事だったので、続いて、次の相手を探していると

ついにその時間がやってくる。

 

『---さあ!!ついに1分を切ったぞおお!!

ということはあああっ!!モンスターが召喚されるぞおおおっ!!』

実況の言葉にわあああっ、と歓声をあげる人々。

一体、ナニが来るのだろうか。

『さあ、さあ、さあ!!最初にでてきたの・・・は・・・。』

「・・・・え?」

「・・・・は?」

実況がそいつの姿を見た瞬間、言葉を失っていく。

他の戦闘をしていた者たちも、思わずその手を止め、

そのモンスターの方を見ていた。

その翼は天を支配する者の特徴。

その鋭い顎は獲物をかみ砕くための武器。

黒いうろこがびっしりと覆われている分厚い装甲。

息とし生ける生物たちの中で間違いなく、"最強の種族"として

扱われている伝説の生物。

 

「----Guoooooooooo!!!」

---ドラゴンがそこにいた。

 

 

 




ドラゴン
王道

これには読者もニッコリやろ

え?いいからルビーのR18書けって?
女王様なルビーにいじめられる話なら考えてあるぞ。


感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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王立学園編 第十話 強襲 "ドラゴン"

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

ドラゴンの乱入・・・・。

一体どこの魔人の仕業なんだ・・・?(ネタバレ)

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


 

「なっ、ドラゴンだと!?」

まさかのモンスターの登場に席を立って驚く聖騎士。

周りの面々も驚愕の表情を浮かべ、動揺を露にしていた。

本来なら、出てくるはずもないモンスターが

バトル・フィールドに召喚された。

それも、最強種、"ドラゴン"が。

 

「くそぉっ!!俺が今ぶっ倒してやらぁ・・!!」

「---"酒吞童子"様!!」

右腕に魔力を溜め、ドラゴンに向かって解き放とうとしていた

その時、酒吞童子の近くに黒装束を着た女性の忍者が膝をついて現れ、

彼の名を呼ぶ。

「---学園から十王に対して、至急応援の要請とのことです!!」

「---なっ!?何言ってやがるぅ!?あそこにドラゴンがいんだぞぉ!?

野放しにしていたらぁ、生徒の奴らがぁ」

「---6匹。あれ以外にも、ドラゴンが現れたと。」

「----は?」

「--他の生徒や教師たちも対応にあたっておりますが、

何故か、ワイバーンなどの魔物も侵入しており、

このままでは・・。」

 

忍者の報告を聴いて、顔をしかめる面々。

サファイアとルビアだけは涼しい顔をしていたが、

突然のことに、躊躇せずにはいられなかった。

目の前でドラゴンと戦っている生徒を放って、

他の場所に行くなど。

 

「---わかった。それじゃあさっさと焼き殺してくるとしよう。」

周りの待ったの声も聴かずに、彼女はスタスタとマイペースに歩き、

一人、戦場に向かう。

「---ふん。」

それとは反対方向の出口から、サファイアは出ていき、

自分の獲物を狩りに向かう。

 

「----はっ!!ぼうっとしている場合ではないのでアール!!

ブレンダン先生は!?校長先生は!?」

「そ、それが・・・。通信が取れず・・・。

やられているとは思えませんが・・。」

「---行くぞ。おめぇら。さっさと倒して

ここに戻ってくる。あいつらも、なんとか時間稼ぎぐらいは

できるだろう。」

「--吾輩は、北の方に行くのでアール。あそこには

吾輩のギルドがあるでアールからな。」

『--それじゃあ、僕は南に行くよ。

・・・・人形を解放しておく必要がありそうだ。』

他の面々も同じように散る中、剣王だけが

その場に残り、ドラゴンと戦っている生徒たちの

姿をじっと見つめ続けていた。

「---"剣王"!!あなたも早く---。」

「----ああ。いたのか?うん。そうだな。

行くから、君も早く応援に行くといい。」

「---はい。」

 

剣王の前から姿を消す忍者。

しかし、彼女はその場に立ち尽くし、自分の愛刀を右手で撫で、

うっとりとした顔つきで微笑む。

「---斬りがいのある相手ばかりだ。」

彼女のつぶやきは、誰に聞こえることもなく、

ドラゴンの咆哮にかき消された。

 

 

 

『---おおーっと!!まさかのドラゴンが出現だあああっ!!

これも、学園側の取り計らいなのかああああっ!!?』

『・・・そんなわけない。ルパン、さっさと生徒たちを避難させるよ。』

未だにマイクを握り締め、実況しようとしていた"大怪盗"の首根っこを掴んで

引っ張る"義賊"。

ぐえっ、という鳥が絞められたような声を出しながら、2人は生徒たちを誘導していく。

「皆!!落ち着いて!!先生の指示に従ってここを離れて!!」

「押すな!!駆けるな!!整列して出口を通るんだ!!」

 

「---わあお。俺、これでも野性味あふれるウルフさんって呼ばれている

いいオトコだけど、あんなワイルドな奴、初めて見たわ・・・。」

「----言っているばあいかっ!!来るぞっ!!」

ウルフの軽口に対して声をあげて注意するチャンピオン。

ドラゴンがその口を開けたかと思うと、炎が

吐き出され、バトル・フィールドを包む。

灼熱の炎がちりちりと肌を焼き、ずきりと痛む。

 

「ぐおおおっ!!?熱いっ!!熱いっ!!

熱いワンッ!!」

「おいっ!!お前ただの犬みたいになっているぞ!!

オオカミキャラはどうしたっ!!?」

「あれはキャラづくりだしっ!!わっちゃああ!!

毛が多いからよく燃えるうううう!!」

自分の身体についてしまった火を地面に転がって

消そうとするウルフ。

助けようとすると、仮面の男デビアスが彼に手をかざすと

黒い靄のようなものがウルフを覆い、火が消える。

 

「おお・・・。ありがとう・・・。わん・・・。」

「・・・・・。」

息も絶え絶えになりながら礼を言う彼を無視し、

その鞘から黒刀を引き抜くデビアス。

魔力が刀を取り巻くように、渦巻きはじめ。

圧縮されていく。

「----Guooooooo!!!」

 

正面に居たデビアスに向かって炎を吐き出すドラゴン。

「やべぇっ!!躱せっ!!」

「逃げろ逃げろ――っ!!」

「------""」

何かをつぶやいたデビアスが、魔力をまとった黒い刀を

炎に向かって振るうと、一瞬で火が消え去ってしまう。

「----!?」

「・・・へえ。トカゲも驚くモンなのか。」

 

 

「準備は良いか?!行くぞっ!!」

「ああ、頼む!!」

「---ぶっ飛べぇ!!"キャノン・ボール"!!」

「----はああっ!!」

その後ろからチャンピオンの攻撃によって

サカモトが勇者の剣を構えながら

ドラゴンに向かって跳躍していく。

構えた剣はドラゴンを両断せんとその首元に

差し迫っていく。

「もらったああああ!!!」

「----GU」

ドラゴンが首を少し下に向けると、小さなドラゴンのような

翼竜が入り込んできて、サカモトの攻撃を代わりに喰らう。

真っ二つに斬られた翼竜は光の粒子となって消えていき、

ドラゴンの周りを小さな竜たちが取り囲む。

 

地面へと着地し、すぐに剣を構えてドラゴンの方を向くサカモト。

「くそっ!!あいつ以外にも敵がいるのか!!」

「まずは、あの雑魚どもをやるぞっ!!」

「おっしゃああ!!いいオトコである俺の出番だぜえええ!!」

バトル・フィールドの壁に向かって走り出し、その壁を

蹴って翼竜に襲い掛かるウルフ。

倒した翼竜が消える前に、それを蹴ってまた別の翼竜に飛び掛かるのを繰り返し、

曲芸師のような技を披露していた。

 

「---やる。うん。---僕もちょっとだけ本気出す。」

「狼族は敏捷がたけぇんだ!!あんぐらいならできるだろうよ!!

---うおおおおお!!おらぁあっ!!」

「ひいいいいっ!!?ちょっ、くんなくんなくんなーーー!!」

魔導師のアレックスが杖からビームのようなものを放出して

翼竜を一掃し、チャンピオンのヴェルフェゴールが持っていた瓦礫を

持ち上げ、翼竜に向かって投げつけ、押しつぶしていく。

ジョーは翼竜たちに追いかけまわされ、大槌を振り回しながら逃げていた。

 

「よし。今ならワイン飲んでも---。」

「--グギャァッッッ!!」

「---あっ。」

声のした方を見ると、ドラクル8世が翼竜に飛び掛かられ、

手に持っていたワイングラスを落とした。

辺り一面に赤ワインがまるで血が飛び散ったように絵を描き、

ぷるぷると彼が震える。

「----ゆるさない。ぜったいにだ。----"影食い"!!!」

彼が翼竜たちの影に向かってコウモリを放つと、

コウモリたちがその影を食べていく。

影が消えていくにつれて、その姿がボロボロになっていく翼竜たちは、

消滅していく。

 

「良しっ!!行けるっ!!行けるぞっ!!」

「ワオオオオオン!!あ、やべっ。---アオオオオオオオン!!」

「----""」

「---GU?!」

ウルフとチャンピオンによってドラゴンの周りにいた

翼竜が殲滅され、デビアスが何かをつぶやくとドラゴンが

何かに引かれるように地面へと墜落していく。

 

「-----居合。"竜狩りっ"!!」

ザシュリ、という音共にドラゴンの翼が斬られ、

次いでその巨体が落ちてくる。

 

「ちょちょちょちょちょ!!?墜ちてくる!!墜ちてくるううう!!」

「退避退避ー。・・・・あ、コウモリになれば無事だった。」

---ズズン、という音と共にバトル・フィールドが揺れた。

 

 

 




クローン・ドラゴン
レベル 55
竜4 魔力操作(炎)3

エド君はどこ・・・?
やったぞ!!
ドラゴン倒したぞ!!
これでもう安心だ!!(フラグ)

なお、ルビアはエドなら大丈夫だと思って、
彼ならきっと"自分なら大丈夫だから他のところに行って、戦ってきてほしい"というと思って、自分からエドの元を離れていた模様。
(なお、彼女があるいた道は、よほど彼と離れさせられて怒っていたのか、
歩いた後が足跡みたいに炎がくっきり燃え去っていた模様。)

参加者たちも普通に強いで。
ヴェルフェゴール、デビアス、サカモト、エドが
抜きんでているけど。

トーナメントやっていたら謎の強襲。
これは読者からも王道と呼ばれるに違いない。

感想に草ぁっ!!


感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


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王立学園編 第十一話 倒せ、ドラゴン 

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

ドラゴン相手に健闘できている理由はおいおいわかる。

次はルビーとの濡れ場を書くよ。
番外編として。たぶん。

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「-----なんて、奴だ・・・。」

ヴェルフェゴールのつぶやいた言葉に思わず

賛同しそうになる。

どれほどの攻撃をその生物に与えたのだろうか。

翼は斬られ、右目は塞がり、体のいたるところには

切り傷のようなものが刻まれている。

身体はボロボロに傷ついているはずだ。

動くのも苦しいほどだ。

---だというのに、確かにその生物は確固たる

戦意をもって、その場に立っている。

 

「-----Grrrrrrrrr・・・。」

これが、天を支配したといわれる最強種。

人々が恐怖を抱くといわれる幻想の竜。

「はあっ・・・。はあっ・・・。おい、

お前ら、まだ生きてるか?」

「魔導師の奴はへばって寝てるよ。

---ウルフは、ワイバーンを一掃するために体力

使いすぎて疲れたところをあのトカゲに吹きとばされた。」

「へっ・・。全く、戦場でもこんなしつこい奴は

そうそういなかったぜ・・・。ハーッハッハァッ・・。」

肩で息をしながらも、軽口をたたくヴェルフェゴールに応えるよう、

サカモトもまだあきらめずに剣を構える。

デビアスも、ドラクルも同じく戦う意思をまだ見せる。

そんな彼らと同じように、俺も武器を構え、警戒する。

 

「--ーしかし、まいった。実のところ、あいつの攻撃を受け続けて

俺の体力も大分使っちまった。・・・あの憎たらしい竜を仕留める

必殺技とか持っている奴はいないか?」

「・・・僕の技にはタメが必要だ。ほんの1分ほど時間を稼いでくれれば

あの竜を消し飛ばせる。」

「--オーケイ。それじゃあ、俺たちが死ぬ気で時間稼ぐから、

てめーは死ぬ気で必殺技のため時間を短くしろ。」

「----"光輝くものよ。我が叫びを聴け---"」

 

ヴェルフェゴールの言葉を聴いて、サカモトが後ろに飛びのき、

剣を天に掲げて詠唱を行う。

太陽の光が県に収束されていき、絶大な魔力と熱量が

集まっていく。

「---Gruaaaaa!!!」

「うごっ・・!」

「・・・・っ!」

ドラゴンの左手で弾き飛ばされるヴェルフェゴールと、

その尻尾をお腹にぶつけられ、転がされる俺。

その後ろからデビアスが刀を構えてドラゴンに飛び掛かり、

その巨体を斬りつける。

 

「---ッチ。浅かったか。」

「---Gyaooooooo!!」

「---トカゲ野郎っ・・!」

痛む体を抑えて顔を向けると、デビアスが

刀でドラゴンの前足による攻撃をうまくそらして、

受け流しているのが見える。

だが、彼もどこか辛そうに見える。

ずっと戦い続けているときに、魔力を使って

いるのだろう。

 

続いてデビアスに攻撃を仕掛けようとするドラゴンが

その動きを止め、自身の後ろ側に首を向けると、

その後左足をヴェルフェゴールが抱きかかえ、

後右足を大量のコウモリが噛みついて抑え込んでいる。

「----行かせるかよっ!!」

『---竜の血ってとってもこってりしてる・・・。うえっ。』

「G」

邪魔だと言わんばかりにドラゴンがその巨体をひるがえし、

2人を振り払う隙に、懐にもぐりこんで、拳を打ち込む。

ガキィン、という音を立ててその巨体が宙に浮く。

 

「----"讃えよ。光を。崇めよ。聖なるものを。----"神剣"!!!」

サカモトが天に掲げている剣を振り下ろすと、

収束していた光が解き放たれ宙に浮いているドラゴンを

光が飲み込んだ。

 

 

「-----。」

剣王は、その光景を恍惚とした表情で見ていた。

学生たちに手を貸すつもりで残っていたというのに、その一人一人が

ドラゴン相手にまともに戦い、生き延びている。

弱肉強食を信条とする彼女は、鞘に納められている

剣の柄をそっと撫で、熱い息を吐く。

体の内側から燃えるように湧き出る熱がやまず、

彼女の身体は疼く。

 

中でも、見込みのある者、いや、それどころか

自分とまともに戦える相手がいることに

笑みを浮かべる。

十王としての義務も忘れ、彼女は至福の傍観を続ける。

 

(・・・ああ。素晴らしいな・・・。

一体、何者なのだろう・・。)

 

うっとりとした表情を浮かべ、彼女は

立ち尽くしていた。

 

 

「・・・・G」

「・・・・・・。」

燃え盛る大地の中、ルビアは立っていた。

最後の一匹を燃やし尽くしたことを確認すると、

その足を動かし、歩を進める。

自分が一番見たいものが見れる特等席に行くために。

そんな彼女の行く手を遮るように、氷の壁が

その眼前に姿を現わす。

 

「---紅蓮の悪魔。」

「---氷の女か。ふん、なんだ?」

自分の前に立ちそびえる氷を一瞬で燃やし尽くし、

背後にいるサファイアに目を向けることもなく

ルビアは問いかける。

「---どうやら、おおかた狩りつくしたようだな。

とはいっても、私の氷の方が優秀なようであるが。」

「・・・。」

自分より序列が上の相手に突っかかるサファイアに対して、

ルビアは何も返さず、その歩みを再び進める。

こんなところで遊んでいるつもりは彼女にはなかった。

 

「・・・哀れだなぁ。氷の。男を知らない、誰にも理解されない

魔女よ。」

「------。」

それまで、ルビアに向かって直接攻撃することのなかった

サファイアはルビアのほうに巨大な氷塊を放出する。

自分の周りを発火させ、氷の塊を溶かした彼女は

もう、サファイアの前にはいなかった。

 

「----何がわかる。同じ化け物の癖に。

---誰にも理解されていない怪物の癖にっっ!!」

彼女の叫びは、誰にも聞こえることなく空に響き渡った。

 

 

「・・・・・。」

「はあっ・・・。はあっ・・・。」

「・・・・・。」

 

焼き尽くされたドラゴンが

バトル・フィールド内に転がるのを確認し、

他の面々と同じように倒れ込む。

それぞれが死力を振り絞ってようやく

倒せた相手。

かくいう、俺もちょっと疲れていた。

 

「---ああ。やっと終わった・・。

腹減ったぞ、俺ぁ・・。」

「・・・・・。」

「・・・・やった・・・。」

 

『----あらら。まさか倒されちゃうとは。』

「!?」

 

いきなり聴こえてきた声に反応し、

そちらの方を向く俺たち。

いつの間にかドラゴンの横に

黒ローブを羽織った人物が右手で

自分のあごを擦り、立っていた。

 

『---うーん。やっぱり複製じゃこんなもんか。

とはいっても、そんなやわなつくりはしていなんだけど、

しかし、量産化のために製造費をケチったのが

原因でもあるから、もうちょっと金をかけて・・・。

あ、そうだ。』

 

それまで自分の思考に没頭していた人物は

こちらを振り向いて、思いついたように

言った。

 

『---お前らを殺して、材料にしよう。』

「!?ぐっ!?」

「ヴェルフェゴール!!くっそ!!ぐあっ!!」

疲弊していて黒フードの攻撃を避け切れなかった

ヴェルフェゴールが顔に蹴りを喰らって地に沈み、

その近くにサカモトの腹にミドルキックを喰らわせて

吹き飛ばした。

 

「---!!」

『--疲れているんでしょ?眠っていなよ。』

「---くっ・・・。」

デビアスの手に蹴りを放ち、持っていた刀が

からん、と金属音を立てて地面に落ちる。

続く二撃目の攻撃を両手を交差して防御した

彼は、地面をバウンドして転がる。

 

『---ドラゴン相手にここまで戦えたんだ。

健闘だよ。----まあ、疲れ切っているだろうから

そのまま死んでね。』

デビアスの頭を踏み砕こうとする人物。

---その男の足に向かって蹴りを放ち、防いだ。

 

『---ん?・・・んー?

何だ、君?どこにいたの?』

「・・・・やめろ。」

自分の蹴りを止められたことに、ではなく、

それまで俺に気が付かなかったらしいことに

驚きの声をあげる相手。

 

『んー。見たところ、参加者みたいだけど、

弱っちそうだなー。・・・・まあいい、

死んでよ。』

拮抗していた足を振り払い、今度は

俺めがけて蹴り技を放ってくる。

あたればタダで済まないだろう。

---ゴシャッ、と骨と肉が砕ける音が響いた。

 

 




次回は8/11(土)から再開。

ちょっと小休止。

質問のあった特に強い4人の強者の強さ比べ


体術
ヴェルフェゴール>>>エド>>デビアス>サカモト

魔力

サカモト>デビアス>ヴェルフェゴール>エド

経験値

エド>ヴェルフェゴール>デビアス>サカモト

ちなみにヴェルフェゴールは単純に
身体能力の高さと、経験の多さで元奴隷から成り上がった本物の"戦士"

デビアスは片足と片腕を失い、そこから再起した不屈の男。

エドはルビアからは逃げられない運命を持つ転生者。

感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


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【幕間】 ※R18注意 ルビアと一日中セックスしまくる話 

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

約束通り8/11(土)に投稿。
濡れ場見たいという声が多かったので早速投稿。

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


これは、時間軸とか関係なしにただただ書かれる幕間の物語である---

 

 

「ジョー。」

「おう。エド。飯か?」

「ああ。」

いつものAランチを食堂で頼み、ランチが載ったプレートをもって

席を探していると見慣れた顔を発見したので、声をかける。

入学当初からの付き合いであり、今では親友でもある

ジョー・ホプキンスが大量の白米と、おかずがよそられた

定食をぱくつきながら、俺に呼ばれてこちらを振り返る。

その正面の席に座り、何気なく会話する。

 

「いつもの紅蓮は?」

「部屋で寝ているからそのままにしておいた。」

「・・・・・。」

ジョーが真顔で何やら思案に暮れた顔をしたかと思うと

何かを察したような顔に変わる。

彼は俺とルビアの関係を知っている数少ない人物である。

ジョーは男なのでルビアからセーフ判定を出されており、

俺と一緒にいても焼かれることのない相手である。

 

こう見えて、ジョーは着実に実力を蓄え続け、

今では"十王"に次ぐ実力者として数えられているほどである。

 

すぐ近くではヴェルフェゴールとデビアスが

何かを話ながら食べたり、聖騎士と酒吞童子が

喧嘩して、ブレンダン先生にしばかれているのが見えた。

---なんか変な光景があった気がするが気のせいということにしておいた。

「にしても羨ましいもんだな。・・・くううう。

俺も彼女ほしいいいい・・・。」

「・・・・そうだね。」

ちらりと彼の後ろを見ると、紫色の長い髪を

ツインテールにまとめている小学生にしか

見えない少女がジョーの背中を見つめているのが見えた。

 

「・・・・・・・・・・。」

目を絶対に合わせないようにして、下を向きながら

話し続ける。

「・・・ところで、ジョーは進路とかどうするんだ?」

「あ?俺か?・・・・元々鍛冶師の家系だからなぁ。

鉄を叩いたりするのが好きだし、そっち方面の職人を

目指そうと思ってんだ。」

ぐっと親指をあげてサムズアップしながらそう言ってくる。

学生トーナメントの時も金属製の大槌を振るっていたが、

あれも彼の自作だという。

その手に詳しい先生に聞いてみたところ、「"ありえない"」と

称するような代物らしい。

ただ、そう語った先生の顔がひきつっていたところから

あまり突っ込まないほうがいいと感じ、

下手に探ったりはしていない。

 

俺もそろそろ自分の進路を決めなければならない時期であった。

 

 

 

学生生活を送るようになっていくばくかの時が過ぎた。

トーナメントに参加したり、懸賞金制度が原因で他の生徒たちから

狙われるようになったり。

"十王"の面々が自勢力を伸ばすためにしのぎを削りあって、

互いに相手の予算を減らそうとしたり。

ジョーがストーカーに襲われたり。

まあ、多くの出来事が起きた。

 

かくいう、俺もルビアと再会し、彼女と親睦を深めているところである。

 

「----んちゅ・・♡・・・・んんー・・・♡」

思いっきりだいしゅきホールドされ、

ベッドに引きずり込まれてディープキスされているのは

その一環である。

現実逃避でもしなければやっていけない。

氷の彼女や剣の彼女とよろしくやっていたと判定され、

真顔の彼女に「愛が足りない」と言われて

このようにまぐわることになった。

何より、自分を置いて一人で食堂に行ってしまったのが

やはりまずかったらしい。

彼女の朝食をもって、部屋に戻ったが結局のところ

何回かシたら許してくれるとのことで、手を打つことになった。

 

俺としても気心の知れた彼女と

こうなるのはすごく胸がドキドキするのだが、

がっつかれるとちょっと引いてしまう。

それが原因で、愛が足りないと勘違いした彼女に

また襲われるというループも起きるのだが、

体力をごっそり持っていかれる。

 

最近では、身長差を活かした圧迫プレイや

疑似オネショタ、疑似母子、主従逆転と

中々に業の深いことを彼女としていて

ファーガスさんの顔が浮かんできては

どうご実家に説明したものかと胃が痛くもなっていた。

 

「・・・・・ふふ♡今日はおっぱいで

挟み込んでやろう・・・♡」

「うお・・・・。」

俺のペニスをその巨乳で挟み込み、

上下に擦り始める彼女。

柔らかく、きつい感触がペニスに伝わり、

擦れるたびに声が漏れてしまう。

それに加え、口でも責められ、フェラされているのだから

たまったものではない。

じゅっぽじゅっぽと下品な音を立てて、

その紅い瞳を怪しく輝かせながら彼女が

奉仕していく。

 

「んぶぅ・・・・♡びくびくしている♡

もうでてしまいそうなのか?♡情けない早漏チンポめ♡

そんな奴は私がきっちり鍛えてやらないとな・・・♡」

「うぐ・・・。」

容赦ない言葉に、ぞくぞくと快感がほとばしる。

彼女はこうするのが好きらしく、よく俺を言葉で

嫐っては幸せそうな顔つきで俺のモノを体で咥えこむ。

あの高嶺の花であるルビーが俺の前だけではメスの顔を

しているのが、たまらなく俺を興奮させ、ペニスに

血液が集まり、さらにガチガチに硬くなる。

胸の圧力、言葉の暴力、口でのすぼみこみによって

我慢の限界を迎えてしまう。

 

「"あっ"!!でるぅっ・・!!」

「♡きゃあっ♡♡」

胸の谷間から彼女の顔や髪めがけてびゅるびゅると精子が

噴き出し、その豊満な体を穢していく。

うっとりとした顔つきでぶるぶる震えながら射精する

俺をじっと見つめてくるルビー。

左手で自分の性器をいじりながら、荒い呼吸をしている。

 

「はっ♡はっ♡はっはっ♡ダメェっ♡我慢できないよぉっ♡

早く犯してぇっ♡ハメハメしてぇっ♡」

するすると下着を脱ぎ、四つん這いでベッドにはいつくばり、

ふりふりとお尻を振ってこちらを挑発して誘ってくる。

顔や体にかかった俺の精子で汚れたルビーを見て、

先ほど出したばかりの愚息が元気を取り戻していく。

彼女の大きな尻を掴み、秘部に亀頭を押し当てると

くちり、と湿った音がした。

 

「早くぅっ♡早くぅっ♡」

「・・・!」

「ひああああっ♡ああああっ♡あー♡あー♡

お!?♡おおおおんっ♡いいー♡ああー♡

あー♡」

一気に奥まで腰ごとぶち込むと、彼女が獣のような

雄たけびを上げてよがり狂う。

人のモノとは思えない妖艶な叫び声を甲高く上げながら

枕に顔をうずめ、、必死に声を押し殺そうとしている。

それがたまらなく興奮し、思わず腰を振る速度を速める。

 

「お”お”お”お”っ♡”あ”っ”♡”く”る”ぅっ♡

メ”ス”イ”キ”す”る”ぅ”っ♡♡」

「あっ・・!!ルビー・・・!!

やばい・・!!出そう・・・・!!」

「いいよぉっ♡出してっ♡出してぇぇぇっ♡

”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡」

締まりが更によくなり、きゅうきゅうと絶え間なく

膣で締め上げられ、刺激を加えられる。

腰の動きを緩めようとしても体が言うことを聴かずに

彼女を貪らんとせわしく腰を動かし続けてしまう。

 

「ぐっ・・・!!で・・・るぅ・・・!!」

「♡♡♡~~~~~♡♡」

彼女の中に精子を吐き出す。

体の奥底から一気に放出され、体力が削られていくのを感じる。

彼女の性器がもっと欲しいと言わんばかりに俺のモノを

締め上げ、咥え込み続ける。

その動きを受けて、精子が更に搾り取られていき、

がくがくと一緒に体を震わせる。

「・・!・・くうう・・・!!」

「♡♡♡♡~~~~♡♡♡」

 

声も出すことさえできずに、大きな体をけいれんさせ、

幸せそうに放心するルビーからペニスを引き抜くと、

出した精子が彼女の秘部からあふれ出て、ベッドに黒い染みを作る。

うつぶせになって寝ている彼女を横に転がして正常位にし、

その首元にぎゅっと抱き着いて、頭をよしよしと撫でる。

「えどぉ・・・♡私のからだぁ・・・♡きもちよかったぁ・・・?♡」

「・・・ああ。さい・・・こう・・・だった・・。」

「えへぇ・・・♡うれしいぃ・・・♡」

目の焦点はあっておらず、口元からだらなくよだれを垂らし、

舌を出しているをぎゅっと抱きしめると、

彼女も同じく抱きしめ返してくる。

 

「んんぅ・・・♡これすきぃ・・・・♡

えどをいっぱい感じられるぅ・・♡」

 

どうやら彼女も満足してくれたようで、

それが何よりうれしく、彼女と肌を重ねあっていると

身体をからめとられ、一晩中搾り取られた。

 

 

---後日、俺を起こしに来たサフィーとクーに詰め寄られ、

順番が来たらルビア以上にまぐわること約束して

ひと悶着あったがそれはまた別の話。

 

 

 

 




FGOの夏イベがだるすぎて笑う。

小説投稿して気分を変えていく(自己暗示)

毎日投稿するかどうかは気分。
モチベーションがのっていれば
もっとたくさん、はやく書くけど。

相変わらずの感想草。
ルビーはドSであり、ドMの変態だから
安心するといい。

サフィーとクーが誰かは呼び方で大体察しがつくと思う。
(ヒロインは全員宝石関係の名前が元)

感想、くれ。

読者の感想読みたいからくれ。


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王立学園編 第十二話 十王の"膝元"

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

とにかくルビー出したい。


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「ああああああ!!糞が!!糞がああああ!!」

暗く閉ざされた部屋で、自分の足を両手で抑えながら絶叫する男。

右足は何かに踏みつぶされたようにひしゃげており、

痛々しいまでに傷を負っていた.

黒のフードに身を包んでいる男は、ごろごろと転がりながら喚き散らす。

「お、俺の足!!足をよくもおおお!!」

「----よう。負け犬。」

 

そんな痛む体でのたうち回る人物に対して声をかける、同じ黒フードを被った人物。

顔は見えないが、その声に喜びの感情が含まれているところから、笑っているであろう存在。

おかしくてたまらない、といった風にその人物は呪詛の言葉を吐き続ける同僚をあおる。

「仮にも、No.3のお前がそんな体たらくとは・・・。あー、受けるなぁ。」

「・・・笑ってんじゃねぇ!!糞アマぁっ!!」

男が吠えると、大気がビリビリと振動し揺れた。

しかし、そんな咆哮を受けても委縮する様子さえ見せずにケラケラと笑うもう一人の人物。

「いいや。笑っちまうね。一番強い個体を引き連れて学園にい行っておきながら、

実験体をみすみすと失い、逃げかえってくる。十王にでもやられたのか?くくく・・・。」

「・・・・・・。」

ぶちぶちぶち、と転がりまわる人物は堪忍袋の緒が切れたように、

とある名前をぼそり、とつぶやく。

「・・・アメジスト。ああ、アメジスト。いい名前だな?」

「-----。」

 

それまでけらけらと笑っていた女性はぴたり、と笑いを止め、

そして、跳躍して男の顔めがけて飛びけりを放つ。

ゴロゴロと転がってよけた男は下種な笑い声をあげる。

「げひゃひゃひゃひゃっ!!怒ったか?!怒ったかアメジストちゃん!!?

どこにも居場所のない、魔女っ!!ぎゃひゃひゃひゃひゃ!!」

「・・・・・・。」

目の前の男を殺すため、手に紫色の魔力を込め、放出しようとアメジストと呼ばれた女性がしたその瞬間、手を何者かに掴まれた。

「・・・何を、している。」

「・・・・副リーダー。」

「・・・・・・。」

 

副リーダーと呼ばれた同じく、黒フードに身を包んだ人物は、

ぎろり、と紅く燃え上がる眼で二人をにらみつける。

それまで、壊れた人形のように同じ笑いを繰り返していた男は、

副リーダーと呼ばれた男の前に立っていた。

「・・・・お前も、だ。レイズ。いつまで、遊んでいる。」

「・・・はいはい。わーかーりーまーしーたーよっ、と。」

 

--スっと彼が手を足にかざすと、それまで陥没していた箇所が何事もなかったかのように戻っていた。

「ふん。せっかく、の希少属性同士。もっと、うまくやりあえんのか。」

「けっ。先に喧嘩売ってきたのは、こっち。俺はやり返しただけ。」

「・・・っち。ところで、何の用だい、副リーダー?」

アメジストと呼ばれた女性はフードを頭から外し、その紫色の髪をあらわにする。

ツインテールにまとめられた髪型は腰あたりまで伸びており、服によってボディラインが強調され、彼女のスタイル良さを引き立てている。

 

「・・・招集が、かかった。それも、我らがリーダーからのな。」

「・・・・・。」

「・・・・・。」

その言葉に、それまで緊張感のない表情を浮かべていた二人の顔つきが強張る。

彼らにしてみれば、そのリーダーは畏怖の対象である。

そうした反応も無理もないことだった。

「一体いつぶりだ?全員招集など。」

「なあに、ちゃっちゃと行けってこったろ?あの人、時間に厳しいからね。」

「・・・その、通りだ。では、行くぞ。」

副リーダーと呼ばれている人物が空中に手をかざすと、

人一人が入れるくらいの大きさの黒い円模様が発生した。

「本当にその能力、便利だよな。俺もほしいーー!!」

「いいから、さっさと行くぞ。」

---3人がその円の中に入ると、跡形もなく消え去り、後には誰も残らなかった。

 

 

「----ふう。」

肩に担いでいた木材を降ろし、一息つく。

周りを見渡せば、だれもかれもが駆け回り、あわただしく動いていた。

「おーい!!」

「・・・・お。」

声がした方を見れば、闘技場で一緒に戦ったウルフとヴェルフェゴールが笑みを浮かべてこちらに歩いてくるのが見えた。

手を振って返す。

「いやぁ、こっちはようやく修練場の修復が終わったぜ。ま、この俺様にかかればちょちょいのちょいよー!!」

「そっちはどうだ?」

「・・・・見ての通り。」

肩をすくめて現状を示す。

校舎は先生たちが守っていてくれたらしく、無事だった。

しかし、実習訓練で使う校庭は、もろに被害を受けておりあちらこちらにクレーターができている始末。

生徒や教師が一丸となって治してはいるが、まだまだ時間がかかるだろう。

 

「そうか・・・。まあ、そうだよな・・・。ところで、お前、アレのパートナーは決まったか?」

「・・・いや。」

首を振って否定する。

彼が言っているアレ。それは今、俺にとって憂鬱な問題の一つである。

思い出すたびに、ふう、とため息が出てしまう。

「俺はこのあほ狼と組むが、お前も早く誰かと組んだ方がいいぞ。」

「だーれがあほだ!!この筋肉達磨がぁっ!!」

「いたっ!!おいこらぁっ!!爪はやめろや!!」

ぎゃーぎゃーと騒ぐ二人をしり目に、先日の襲撃事件、

そして、その顛末を思い返す。

 

それは襲撃事件から少し後のこと。

 

「---えーと。ということデ。そろそろギルドに行って、クエストを受けてもらおうかなーっテ。」

担任の先生が言っているギルドでのクエスト。

ルビーのお父さんから聞いた話を思い出していく。

『---エド。学園に行ったら、ギルドとはコネを作っておけよ?』

『え?なんでかって。・・いいか?将来何の職業に就くにしても、ギルドとは絶対にかかわりを持つ。』

『昔、俺が冒険者やってたことは前の時に話したろ?・・・紅蓮の騎士?

恥ずかしいから二度とその二つ名を言うんじゃねぇ!!』

『とにかくだ。副業にしろ、そうでないにしろ、冒険者としての籍は学園で作らされるはずだ。』

『あそこはな。生徒にタッグを組ませて、ギルドのクエストを受けさせる。』

『だから、うちのルビーかそれ以外の奴らに・・・。ル、ルビー?

いつからそこに・・・。ちょ、おいまてっ!!やめろっ!!そんなどでかい炎を俺にぶつけようとすんなっ!!・・・・エド!!お前からも・・!!いねぇっ!!

てめええええっ!!』

チリチリと髪の毛を燃やされたおじさん。

あの時から大分生え際が怪しくなっているが、見て見ぬ振りも優しさだろう。

 

頼みの綱のジョーは、いつの間にか可愛い女子と組んでいた。

えへへ、と鼻の下を伸ばしていたジョーのほっぺを引っ張ろうとしたが、

隣にいた少女からルビーと同じ感じがしたのでスルーした。

彼もこれから大変だろう。

 

ふう、とまたため息をつく。

目当ての相手はまだ決まっていない。

そう、タイムリミットはそろそろなのである。

本来なら、学園の修繕に手を貸している場合でもないだろうが、

そうも言ってはいられない。

現実逃避として、目の前の労働はピッタリである。

 

「お、おい!!大変だ!!お前らっ!!」

話し込んでいた俺たちの近くにやってくる青年、ジョー。

---そして、その後ろを無音でストーキングしている紫髪の美少女。

彼女と目を合わせないようにそらしながら、ジョーに話しかける。

「どうした?」

「慌ててんな。何かあったか?」

「ぐるるるる!!」

「---エド!!お前だよ!!お前!!早くこっち!!」

「??え?」

ぐいっと腕を引っ張られ、あれよという間に連れていかれた先は--。

「連絡板?」

 

学園で様々な連絡事項が伝達される場所。

魔法による通信ではなく、こうした形態をとっているのは、学園側曰く、

「生徒同士でのやり取りの場を残すため」だそうである。

ほへー、と見上げているとあたりがざわめきだす。

『おい・・。あいつ・・・。』

『ああ・・・。あいつだな・・・。』

周りの生徒たちの視線が一気に向けられ、鳥肌が立つ。

思わず、ジョーの背中に隠れようとするも、無駄だった。

「あそこ!!あそこ見ろって!!」

「あそこ?・・・・・え。」

 

ジョーが指さす先には、"十王の膝元"という、生徒の名前が記載されたプレートがあった。

確か、十王の座についている人物が使える"特権事項"の一つで、

気に入った生徒を自分が目をかけている、と周りに公表するシステムだったはず。

 

そして、紅蓮の魔女、ルビアの"膝元"にはこう書かれていた。

----"エド・マークス"と。

 

 

 




ジョーには素敵なヒロインができた。
やったね()

次回から、さらに波乱。

ルビーからすると、ひゃあ、もう我慢できねぇ!!だから。

エドの自由意志とは一体。

感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その1

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。


続き書いたので投稿。

つよきすの方、人気あって草生える。


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「---それじゃ、まだ指名していないってことかぁ?」

「うむ。・・・このタイミングで指名をしてしまうと、

わがギルドの後輩たちの士気が下がるのでアール。・・・ゆえに、もうちょっと後にして、モチベーションアップの材料にするのでアール。」

「気ぃ使いすぎじゃねえかぁ?」

「こういうのは、いくら使いすぎても、足りないということはないのでアール。」

「あー。僕としてはどうでもいいけどね。人形たちが一緒にいるしー。

・・・・あ、キャラ付け忘れてた。」

『そうだにゃあ。いっつも君は演技を忘れるんだからしょうがないにゃあ。』

『おお・・・。私たちの影が薄くなっている・・・!!何といぬことに・・・!!』

「いや、無理やり犬に絡めなくってもいいから。」

 

---王立学園の一室。

限られた者だけが入ることを許される、"十"の椅子が鎮座している"王の間"。

その中にて、珍妙な格好をした集団が会話を進める。

学園序列7位、通称"聖騎士"。鉄壁の守りを誇る守護者。

序列2位、単純な身体能力なら最強クラスの"酒呑童子"。

序列6位、未知数の戦力を持つ、"ドール・マスター".

会議があるときには必ず出席している面々である。

 

とはいえ、真面目な性格の聖騎士以外は授業がサボれるので来ているだけである。

いつものようにコントをしている3人をしり目に、ピリピリとした空気をぶつけ合う者たちがいた。

 

「・・・・・・。」

両腕を組み、その豊かな胸を強調しながら不機嫌そうな表情で椅子に座る学園序列5位。

"氷結の魔女"。サファイア。

学園最強の氷魔法の使い手であり、どんなものだろうと一瞬にして凍らせてしまう、

恐ろしい魔法使いである。

ぎろり、と向けられた目線に思わず緊張する。

 

「・・・・。」

そんな彼女に大して、同じく殺気をむき出しにしながら勝ち誇った笑みを浮かべるルビー。

あおっている。間違いなくルビーはサファイアさんをあおっている。

まるで、"お前、まだ恋人もいないの?行き遅れ?"という感じに。

女子同士の争いに割って入りたくなかったので、何気なく目線をそらしつつ、

辺りを見ると、もう一人の十王と目が合う。

「・・・・・。」

 

俺の方をじっと見ながらニコニコと笑みを浮かべ、手を振ってくる"剣王"。

肩から背中にかけて流れるように束ねているポニーテールがまるで嬉しそうに揺れている。

馬の尻尾みたいである。

 

「----さてと。それじゃ、そろそろ議題に入るのでアール。」

聖騎士が、おほん、とせきをして取り仕切る。

---こうなったのもすべて、数日前にあの出来事がきっかけである。

その時のことを、椅子に座っているルビーに周りにばれないよう、

手をつながれながら俺は思い出す。

 

 

十王の膝元指名から幾日か経ち、俺は"あの紅蓮がつばをつけている男"として学園の脚光を浴びる羽目となった。

ランキング順位をあげようと企む生徒たちに挑まれたりもした。

ちなみに、修練場での戦いが終わった時点で30位となっていた。

1年生で50位以内に入っているのはそんなにいないらしい。

 

「・・・おらぁっ!!」

「・・・・しっ。」

「ぐほぉっ!!」

現に今も、休み時間に乱闘を吹っかけてきた相手を誰もいない場所まで誘い込んで、

打ちのめしているところである。

胴体に魔力を込めたこぶしでボディーブローを繰り出すと、吹き飛んでいく生徒たち。

落としたランキングカードを拾ってみると、110位と書かれていた。

そんなに強くない相手である。

 

ルビアは「す、すまない・・・。エドのことを、みんなに自慢したくって・・・。

い、嫌だったか・・・?」と上目遣いで言ってきて、怒るに怒れずに、黙って彼女の頭を撫でた。

彼女が俺のことを思ってやったことなので、許さざるを得ない。

おかげで、彼女のような美女に目をかけられていることに嫉妬した生徒からも襲われてはいるが。

 

と、全員倒したので空き教室から出ようとすると突然目の前が真っ暗になる。

後頭部にふにゅんと柔らかな感触が伝わり、甘い匂いがしてくる。

「・・・・だーれだ。」

「・・・・ルビー。」

「正解だ♡エド♡・・ふ、ふふふ・・・♡ふふふふ・・・♡」

俺がそう答えると、真っ暗だった視界が元に戻り、

後ろを見れば彼女がおんぶされる形で俺に抱き着いていた。

意外と重い、と思ったのは内緒である。

怪しい笑みを浮かべながら、ご機嫌そうな様子で俺に話しかけてくる。

 

「まったく。エドがこの程度でやられるとも思わんが、目障りだな。

・・・燃やしていいか?」

しゅぼっ、と手に炎をまとって倒れている男子生徒たちに向けるルビア。

よく見ると、青筋が若干浮かんでおり、目の瞳孔は開きかかっている。

「・・・・やめときな。相手にするだけ無駄だから。

それに、ルビーの親御さんが悲しむ。」

「・・・・。」

不満げに火を消すルビア。

どうやら、幼馴染を殺人犯にしなくて済んだ。

「ああ、そうだ。そういえば今度な--。」

 

思い出したかのように彼女は言った。

----近々、自分の関係者として十王会議に出てもらうと。

 

で、今に至る。

こうして間近で見るとわかる。

見た目はふざけているように見えるが、誰も隙など見せてはいない。

時々こちらに殺気を飛ばしたりして、実力を測ろうともしている。

だてに、学園の頂点ではない。

1人1人がB級モンスターをまとめて相手にしても無双できるレベル。

ルビーもそうだが、とてつもない力の持ち主たちだ。

 

「・・・で、だぁ。そこのそいつは、誰なんだぁ?」

それまで、酒を飲んでだらけていた酒呑童子がぎろり、とその鋭い目つきで俺の方をにらんできた。

身長が2M以上の大男。

普通の人間であれば体がすくみ、指一つ動かせない。

「ふむ。確か、紅蓮の指名した生徒・・・だったでアールか?」

「・・・見たことない顔だねー。ま、どうでもいいけど。」

聖騎士とパペット・マスターも俺の方に視線を投げてくる。

誰だといわんばかりである。

 

「・・・・・・。」

そして、そんな俺に対して冷気と殺気を叩きつけてくる氷結の魔女。

ルビー曰く"この世で一番愛想のない女"だそうである。

(普段のルビーもかなり愛想がないと思うが。まあ、これは黙っておく。)

なぜ、お前みたいなのがここにいる、と思っているのだろう。

 

「で、紅蓮。そいつをお前は指名する、でいいんだなぁ?」

「ああ。・・・まあ、エドはお前たちよりも強いからな。」

「・・・・・・・。」

ルビーの言葉に目を細める酒呑童子。

目には怒りの炎がメラメラと燃えている。

真っ向から喧嘩を売られたのだ。無理もない。

 

「・・・そこまで。会議中の喧嘩厳禁。破ったら1週間禁酒だぞ?酒呑童子。

・・・ルビア。君は1週間反省室行きになるぞ?」

「っち。」

「・・・・・・。」

すんでのところで剣王が仲裁し、事なきを得る。

つう、と冷や汗が首筋を伝う。

いつもこんなピリピリとしているのか。

 

「・・・だが、まあ。言い分はわかる。私も彼の実力を知りたいところだからね。」

収まったはずの話は、続き、剣王が告げる。

つまり、それは・・・・。

「----君には、ギルド・クエストを受けてもらおう。それも、Bランク以上の。」

「!」

「・・・・。」

ギルドにてクエストを受ける実習授業が近々行われる。

そこで、Bランク以上のクエストをクリアして見せろということか。

おそらく、うちにも、外にも"十王"の膝元としてふさわしい力を示せ、ということだ。

目立つのは苦手だ。

だが、しかし、ここで逃げるという選択肢はあり得なかった。

 

後日、俺は十王の指定したクエストを受けることとなった。

----ルビーと一緒に。

 

 

 

 

 

 

 





聖騎士は貴族の家系だから政治もできる。
酒呑童子は脳筋。

サファイアは男嫌いの処女。
ルビーは(エド以外の)男嫌いの淫乱。

どうしてこうなった。

Bランク以上は一流の冒険者がチームを組んで達成できるかどうかというレベル。
十王ならクリアできる。

エドは・・・。

KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その2

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。


久しぶりの投稿。

パソコンぶっ壊れたり、恋人(大切な人)ができたり、
ニンテンドースイッチ買ってスマブラやりまくったり、最近女子からなんか
やけにやさしくされたりこわいといろいろあったけれども、
わたしはげんきです、へーきへーき()


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


ギルドクエストにおける学内の試験。

サポーター制度には様々な特徴がある。

 

一つ、ギルドクエストを受ける新入生と、

既存の在校生、それも少しうえの年級の互いが、

好きな相手を指名しあう。

 

いうまでもなく、お互いの指名が被らない限りは、

サポーターを組むことにはならない。

 

"十王"はその強さと指名度から様々な生徒から指名を受けるも、

それを受けることはまずない。

派閥を持っているというのもあるが、単純にその指名してきた一生徒が,

周りの学生たちからの嫉妬によって、

攻撃されるかもしれないという配慮である。

 

そしてもう一つは、これが成立した場合、

その二人はほかの生徒とのサポータータッグを1か月間組めないという特徴である。

 

無論、相性が合わない場合は解消も可能なものの、

通常は互いの動きや息の合い方を見て、

今後も組み続けるかを決める。

 

さて、われらが主人公、エド・マークスの話に戻るとしよう。

 

 

「おらああああああっ!!!」

「エド・マークスウウウウウ!!死ねやああああ!!」

「・・・・・。」

 

休み時間。ひっきりなしに俺のもとにやってくる挑戦者たち。

いや、嫉妬の炎をもやし、目からは血の涙を流す亡者である。

武器を、魔法を持って襲い掛かってくる面々を

体術のみでさばき、胸部への手刀や、投げ技で昏倒させて眠らせていく。

 

「ちくしょおおおおお!!お前もどう見てもモブ顔じゃねえかあああ!!」

「あんなスタイルがいい美人にあんなことやこんなことしてんのかあああ!!?

うらやましいいいぞおおおお!!」

「・・・・・。」

どうしよう。ものすごく近寄りたくない・・・。

負のオーラが強すぎて、空気が澱んでいる気がする。

 

そんなに強い相手はやってこないのが幸いだが、

こうも連続してこられるとさすがに疲れる。

ふー、と最後の一人の顎に掌底を放ち、肩で息をする。

 

前世では、自分も全くといっていいほどモテず、連敗記録更新者だった。

気持ちがわかるだけに、なんというか、胸につっかえるものがあった。

ルビーという幼馴染がいなければ、自分だって女子とはかかわらず、

前世と同じような男やもめの状況になっていただろう。

 

誰もいない校舎裏から出ようとすると、

背中から声をかけられる。

 

 

 

「----大変だねぇ。」

「・・・・!」

 

ぴり、と肌に突き刺さるプレッシャー。

思わず腰にしまっていた剣の柄を手に取り、

声のしたほうに向きなおる。

 

「あ、びっくりさせてしまったね。ごめん。」

 

すっ、と声をかけてきた人物が姿を現す。

 

「・・・・ミヤモト先輩?」

「ははは。いやあ、モテモテだねぇ。」

はっはっは、と笑いながら木の陰から姿を現したのは、

十王の一人である"剣王"、ミヤモト・クルツ先輩だった。

 

 

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

 

リーダス王立学院にある、一室。

職員室の一角にある来賓室にて、

3人の人物が向き合っていた。

 

リーダス帝国最強の水魔法使い、"血の雨"の二つ名を持つ。

見た目が子供にしか見えない黒のコートに白のスーツを羽織った

奇妙な格好の人物、ブレンダン・アックス。

 

ツインテールに巨乳のメイド服を着ている、見た目はブレンダンと同じくらいで小学生くらいにしか見えない女性。エド・マークスのクラスで担任をしているイリヤ・ボルティクス。

 

---そして。

 

「・・・なんで、お前がここに呼び出されたかわかるか、このやろー?」

ぴきぴき、と額に青筋を浮かべながら、自分の周りに大量の水を浮かび上がらせ、

今にも目の前で不敵な笑みを浮かべている人物に当てようとしているブレンダン。

 

「ええ。私の愛する夫、・・・・・おっと、まだでした。

・・・私の愛する愛しい、愛しいエドのことですか?」

 

ブレンダンが浮かび上がらせた水球を一瞬で蒸発させ、

体から熱気をほとばしらせる、黒の軍服に身を包んだ

グラマラスなボディラインの女性、ルビア・ファーガス。

赤く燃えるように染まっている長髪は、いつもより

朱色に輝いているように見えた。

 

「・・・なんで、"十王"のお前が一年棒を指名しやがったって聞いてんだ!!!」

いつものふざけた調子はそこにはなく、ただただ、ルビーに怒りをぶつける、

一人の男の姿があった。

ブレンダンの眉は顰められており、目には鋭い光が灯っている。

般若のごとき表情で、目の前の人物を糾弾している。

 

「わからないわけじゃねえよな!?暗黙の了解で、"十王"は

"新入生を指名してはならない"ってなってのをよぉ!?

指名された奴が、今後どんな生活を送るか、わからないわけねえだろうが!!!」

 

学園に君臨する十王。

その権力、実力、影響力はすさまじく、学園の支配者たる者たちである。

軍の特殊部隊を相手取ってもおつりが出るレベルの猛者を抱える派閥の

トップとくれば、早々に軽率な真似をするべきではないのは、

誰の目にも明らかである。

 

「・・・だったら、こんな制度などなくしてしまえばいいではないですか。」

「・・・・・!」

ルビーの言葉に沈黙するブレンダン。

彼がこの制度を作ったわけではないが、正論を言われ、返す言葉がなかった。

 

「・・・ま、そうだネー。この点に関してはルビアちゃんが正しいよネー。」

それまで、事の成り行きを見守っていた、イリヤ・ボルティクスが口を挟み、

ルビアを擁護する。

怪訝な顔をしてブレンダンが彼女のほうを見る。

「・・・・イリヤ?」

「だってサー。ルビアちゃんは学園の制度を使って、

彼を指名しただけでしょー?本来ならそれに対してあーだこーだいうほうが

おかしいんだってバ。」

「・・・・・・・っち。わーってるよ。んなことは・・・・・。」

 

腰を浮かせて、臨戦態勢をとっていたブレンダンが黒のソファーに腰をおろし、

深々と座る。

何かをあきらめたような表情でふう、と息を漏らし、

そしてもう一度鋭い目つきでルビアのほうを見た。

 

 

「・・・わかっているんだろうな?もう、学園には広まっちまっている。

・・・・今更取り消しても、エドという生徒への注目は消えないぞ。」

「ええ、ええ。わかっています。・・・・・わかっていますとも。」

---くっくっくっ、と小さく笑う彼女は、まるで魔女のようだった。

 

 

 

「・・・ふふふ。」

「・・・・・・・・。」

どうしてこうなったのだろうか。

ルビーにサポーター制度で指名されてからというものの、

確かに何かがおかしくなっている気はした。

 

入れ替わり、立ちはだかる男子生徒たちは倒し、

平穏な生活を享受できるはずだった。

ミヤモト先輩の登場でまた、注目を集めてしまうと思い、

体がこわばったが、人目のつかない場所で休んでいるから平気だと、

大丈夫だと思っていた。

 

「-----エド、なぜ、その女と一緒にいるんだ・・・・?」

 

両手に巨大な炎の塊をうかび上がらせながら、彼女、

ルビーがゆらゆらと幽鬼のようにふらついた足取りで近づいてきていた。

 

----俺とミヤモト先輩が結んでいる手を凝視しながら。

 

 

 

 




ギルドクエストについて、次回から動きあり。
ほんと、ほんと()


さっきまで悪女ムーブしていて、エドを探して見つけたらクルツと
よろしく(ルビア視点)やっていたので、ヤンヤンしている模様。

ちなみに、彼女が今一番エドにやりたがっていることは、
炎でエドの体に"私はルビ・ファーガスのものであり、彼女もまた、私のものです"と、
やさしく(意味深)タトゥーを彫ること。()

読者からの要望を詰め込むと、こんなヒロインになるのか・・・(今更)

KEY(ドM)


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※R18注意【幕間】氷の女王、サフィーと甘えっクスする話(あまあま編)

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

ちょっと一足先に、サフィーとの幕間を。

読者からの要望がすさまじくって草生える。
まさか、ルビーとメインヒロイン交代する可能性が微レ存・・・?

なお、エドの負担は重くなる模様。

氷の女王と呼ばれる彼女だが、エドの前では・・・・?

年末年始なんで連続投稿。

オラ行くぜ!オラ行くぜ!オラ行くぜ!
オラオラオラオラオラオラァ!!!(某鬼畜王エロゲのリスの魔人並感)

このセリフほんとすこ。

それでは、ご覧ください(KBTI)


KEY(ドM)


リーダス王立学園に君臨する、十王。

その一人、"氷結の女王"異名を持つ青色の髪をなびかせ、

白色の軍服をきた、モデル顔負けの美女。

名を、サファイア・ローズという。

 

学園最大派閥のギルド長であり、

学園最強の氷魔法使いである。

 

その美しさと、グラマラスな体型は男の目を引き、

また、その優れた容姿を自覚している彼女の謀略により、

最大派閥の集団を形成するに至る。

 

近寄る男をぞんざいに扱い、

にらみ、時には氷のオブジェに変えることから、

同性愛者ではないかという噂も流れるほどであった。

 

今日も、彼女は部下たちを恐怖で凍らせる。

 

自身が部下に用意させた専用の部屋、

そこに立てつけられた豪華なつくりの椅子に座り、

ひじかけながら彼女は報告を聞いていた。

 

「・・・・であることから、"聖騎士"の右腕、

"湖の騎士"が"黒騎士"と交戦し、

決着がつかなかったため、勝敗は教師権限で引き分けとなりました。」

「・・・・・。」

男の必死の報告を、ふあ、とあくびをしつつ、

手で顔を抑えながら彼女は窓の外を見る。

普段の彼女であれば、まだ"仕事中"であるため、

こんな気の抜けた姿はまず見せない。

しかし、心ここにあらずといった今の彼女には、

緊張感の欠片もなかった。

 

(・・・・・・・つまらん。)

この学校全体を凍らせて、騒ぎでも起こしてやろうか。

そう思っていた彼女の目に、望んでいた、

何よりも欲している人物が写った。

 

 

「・・・・なあ、エド。昨日は紅蓮が独り占めしていただろう?

・・・今日は、私の番、だよね・・・?」

「は?ふざけるなよ、剣王。エドの身も心もすべて私のものだ。

独占して何が悪い。」

「・・・なます切りにされたいのかい?

私のすべては彼のものだ。そして、彼と私は運命の赤い糸で結ばれている。

つまり、私は彼そのものであり、彼は私そのものである。」

「」

 

-----剣王と紅蓮のが、私の宝物に体をこすりつけているところが。

足元にピキィ、と音が響く。

下を見ると、無意識に氷を出しているのに気が付いた。

「ひっ・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」

 

腰を抜かして、地面に手をついて倒れる男を無視して、

つかつかと外まで向かう。

あの剣狂いも、忌々しい放火魔も、邪魔だ。

 

 

この学園、リーダス王立学園における"十王"はそれぞれ、あり方が違う。

 

ギルドを大きくしようと利権を争うもの、

ただただ、貴族としての務めを果たさんとするもの、

自分を倒せる相手を探し続けるもの、

そして----。

 

「・・・・ふーっ♡ふーっ・・・♡」

「・・・・。」

---愛する人を、探し続けていたもの。

凍てついた自分の心を溶かしてれる、

そんな相手を求めていた一人の少女もかつてはいた。

 

「・・・うー。」

「・・・・。」

ベッドの上で一組の男女が絡み合う。

正確には、青髪の美女が若干ひきつった笑みのさえない風貌の白髪の男性の首筋にかみついている。

不満を飼い主にあらわにする飼い犬のように、女、サファイア・ローズは、

甘えるように男の顔をなめだす。

 

「うー。うー。ずるい。・・・ずるいずるいずるいずるいずるい・・・。」

「・・・・・。」

女性、いや、少女のそんな不満の声に困ったような顔をしながらも、

彼女からのスキンシップを受け入れる男、エドは彼女の頬に口づけをする。

 

「♡♡あはぁっ・・・♡♡エド♡♡・・エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド、エド・・・♡」

「・・・・今日は、一段と激しいな・・・。」

少女の頭をなでながら、彼はそうこぼす。

『本当の顔』を彼女が見せることはない。

それを見せていたのは、今はもういない、家族。

----そして、いま、彼女の目の前にいるたった一人の人物に対してのみ。

それを知っているからこそ、彼は彼女の好きなようにさせているともいえた。

 

「えへへ・・・♡ねえ♡エド♡私ね♡今日もギルドをちゃんとまとめあげていたよ♡うるさいパペットマスターや、からんでくる聖騎士をちゃーんとあしらってきたし、

今日は誰も凍らせていないよ♡ね♡ほめて♡ちゅーして♡頭なでて♡」

「・・・・サフィーはえらいな。」

「♡♡きゃううううっ♡♡」

若干甲高い声で嬉しそうにサファイアが鳴き声をあげ、

胸元に甘えるように飛びつく。

 

「んんーーー♡♡すき♡もう♡なんでそんなにサフィーの欲しい言葉を言ってくれるのぉ♡」

「甘えん坊だな・・・。」

自分より身長がずっと高い長身の美女に組み敷かれ、

ベッドに体を押し付けられて身動きが取れない中、

エドは自分の股間に感じる違和感に視線を向ける。

 

「サフィー?・・・今日は、甘える予定じゃ・・。」

「んん・・♡ほしく、なっちゃったぁ・・・♡・・・だめ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

小首をこてんとかしげて、ニコニコと屈託なく、

セックスしたいといわれ、エドは彼女の背中に伸ばした手をわななかせる。

抱きたいという思いと、いや、たまには自制しないと、と無駄に理性を働かせた結果なのだが、そんな揺らぎも彼女には全く関係がない。

 

「うおっ・・!?」

「はーい♡ぬごうねー♡・・・あ。すっごい大きくなってるー♡

・・・ね、ねえ・・・。サフィーに興奮しているの?♡ね♡ね♡」

「あっ・・・おおっ・・・!!」

ズボンと下着を無理やりはぎとられ、

サフィーに陰茎を擦られる。

白い長手袋のざらざらとした手触りが彼を責め立て、

追い込んでいく。

 

彼女に背中を向け、横に体を倒して耐えていると、

サフィーがエドの背中にしがみつき、その豊かな二つの山を、

背中に押し当てる。

ふにゅり、と巨大で、柔らかな感触が彼の背中に伝わる。

 

その間も、彼女の手は休まることなくエドの体をもてあそび続ける。

 

「うっ・・!」

「あ♡でそうなんだ♡・・・・いいよ♡いっぱいぴゅっ、ぴゅっ、って出して?♡」

「お”っ・・・。」

それまで耐えていた彼も、耳元で甘えるような声で囁かれると同時に、

我慢できず、彼女の手の中に放出する。

白い手袋がさらに白く染まり、出し終わっても彼女の手はまだ搾り取らんと動き続ける。

 

「おっ”・・お”お”っ・・!!も、もう出た・・・!出たから・・・!」

「えへへー♡普段の大人なエドもいいけど、エッチに弱いエドも大好きだよ♡」

「・・お・・・。」

しゅっ、しゅっ、としごかれ続けていた手がようやく解放され、

びく、びくと彼はほのかに体をけいれんさせる。

体力はあるほうだが、憎からず思って、というかルビーと同じくらいには大切にしたいと感じる相手からの責めにはさすがのエドもなすすべがなかった。

 

「あー♡また元気になったね♡」

「・・・う・・。」

先ほどまでとは違う、やさしくしごきあげてくる手つきにまた、

ペニスを大きくしてしまうエド。

手がペニスから離されたかと思うと、彼女が彼の体をひっくり返すように倒し、

仰向けにさせる。

 

しゅるしゅる、と布切れ音が部屋に響く。

それまで、軍服に収められていた裸体が露になった。

Fカップは超えているであろう胸、腰はモデルよりも細いと思えるほどに、

尻は思わず男が目線を送ってしまうような形のいい肉付き。

そのすべてを使って、彼女は彼を誘惑する。

 

「えへへ・・・♡こんな体、男から下衆な視線を送られるだけだと思っていたけど・・・。」

「あ・・・。」

 

ぎぃ、とベッドが音を立てる。

彼女がエドの上にまたがり、ずらした下着の間から見える割れ目に、

つかんだペニスを押し当てている。

 

「う・・・うう・・・♡エ、エドをゆーわく、できて、

よかったぁ・・・♡」

「・・・・あ。」

 

 

夜空に上る星は彼らを祝福するように、

いつもより一層輝きを増している。

 

---まだ、夜は始まったばかりであった。

 

 

 

 

 





サフィーのエロが見たいと言っていたので書いた。(本番があるとは言っていない。)

嬉しいダルォォォォ!?()

本番はサフィーと本編でからんでからやで(ニッコリ)

剣王?知らない子ですね・・・。

サフィーに何があったかはおいおい。

この作品が『ちょっと童貞捨ててくる』と、『おじさんのつよきす転生』と並んで、
お気に入りが3000近くあって草。
ただ、指を動かして書いているだけやぞ・・・。
割とマジで困惑。

読者はどんだけこういうのが好きやなねん。


活動報告でアンケートやっていまっす。

2019年1月4日までで、どんな話を見たいかアンケートしているので、
コメントしていってください。

読者の意見をもとに小説を書いているので、
活動報告でぜひ。

感想、くれ。

れ。

KEY(ドM)


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※R18注意 十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その3 ~抜き打ち、ルビーの浮気チェック☆()

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。


続けての投稿。

小説を投稿すると元気がでるなぁ!!(ヤケクソ)

あと、俺の女装コスを見たがるユーザーが多くって草。

ツイッターでコスプレ画像あげているからそこのリンクを、
マイページに貼っておこうか悩むこの頃。

ヤンデレはいいぞ、ジョージィ・・・・(引きずり込み)

剣王と浮気していた(ルビー視点)エドの運命は

この後また出かけるので今のうちに投稿。


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「・・・・・・。」

「・・・・・ふふ。」

「・・・・・・・・・。」

 

つなぎとめられるように俺の右手に絡められる、ミヤモト先輩の左手。

にぎにぎ、と彼女は嬉しそうにそれを何度も力を入れて握っては、

緩めるのを繰り返す。

 

当然、その光景は目の前でふらふらとゾンビのように近づいてきている、

彼女、ルビーの目にも止まってしまっている。

じわ、と背中に汗が浮き上がるのを感じる。

 

「・・・なあ、エド。」

「・・・はい。」

いつものように、甘ったるい猫なで声ではなく、

聴いたものの心臓を止めてしまうかのような冷たい声に、

思わず敬語で返す。

 

「・・・・なぜ、その女と手をつないでいるんだ?」

話さなければ、わかっているよな?と言わんばかりに、

彼女の両手に生み出されたバレーボールほどの大きさはある、

火の玉がその激しさを増し、チリチリと火の粉をまき散らす。

 

「・・・彼女と偶然出会い、散歩していたら、彼女が足をもつれさせて、

それを支えるために・・・。」

「・・・・・・・・・ほう。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

俺の言葉に目をスッと細めて、まだつながっている俺の右手と、

彼女の左手をにらんでくるルビー。

そういえばまだ手をつないでいたことに気がつき、

慌てて離す。

あっ、という声が聞こえたような気もするが、

それを気にしている余裕もなかった。

 

「・・・まあ、いい。剣王。エドのやさしさに感謝するんだな。

・・・・うぬぼれるなよ?・・・行くぞ、エド。」

「あっ。ルビー。・・・ミヤモト先輩、すみません。失礼します。」

「・・・・・・うん、またね・・・・・。」

俺の左腕に自分の腕を絡めて組んできて、

その大きな胸を押し当てながら引っ張るルビー。

心なしか、その目がいつもの金色ではなく、

真紅に染まっている。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・へえ。」

聴いたこともないような、ミヤモト先輩のそんな、

冷徹な声が背後から聞こえた気がした。

 

 

 

「・・・・・・ルビー?」

「・・・・・・・・。」

つかつか、と俺の手を握ったまま学内にある、自分の部屋まで向かうルビーに声をかけるも、返事はなく、どんな表情なのか背中越しで見えない。

ただ、力を込められた手はミヤモト先輩よりも、強く握りしめられ、

痛みに思わず眉を顰める。

 

引きずられるように、彼女に連れてかれた先は、彼女の部屋であり、

ドアをくぐり、鍵が閉められた瞬間、彼女に体が浮くのではないかという力で、

ベッドまで引きずり込まれた。

 

ベッドに身を投げ出す形になったが、彼女の柔らかな体で受け止められ、

きゅっ、と抱き着かれる。

 

「・・・・・エド。」

「ハイ。」

先ほど、ミヤモト先輩と手をつないでいた時にかけられた声色のように、

心臓をきゅっとつかまれたような錯覚さえ覚える、冷徹な声。

胸に顔をうずめさせられながら、彼女の顔を上目遣いでそーっと見上げると、

ぷくー、と頬を膨らませているのが見えた。

 

 

「・・・・・私たちは、肉体関係を持っているよな?」

「・・・・・ハイ。」

後頭部に手を置かれ、胸に顔を埋めさせられながら、

確認するように彼女にそういわれる。

耳の穴に彼女の細い指が入ってきて、

くりゅくりゅ、と優しくかき乱してくる。

 

ぞくぞく、と体中に快感がほとばしり、

う、と声を漏らしてしまう。

 

 

「・・・そういう男女は普通、どんな関係なんだ?」

「・・・・・・・恋人。」

「・・・そ、そうだ。・・・・こ、こ、恋人・・・・だというのに、

エドは、エドはぁ・・・!」

自分で言わせておいて、目だけでなく、顔も紅く染め上げながら、

彼女がどもりながらそういう。

不覚にも、ドキリとした。

 

「・・・・そんなお前には、罰を与える。」

「え?・・・・っう?!」

あっという間に身ぐるみをはがされ、

右手でペニスをしごかれる。

唇を奪われ、ちゅるちゅると音を立てながら唾液を交換する。

 

「ふっ・・むうう・・♡」

「むうう!!・・・・ううう!!」

息も苦しくなるほどの口づけと、

陰茎への刺激に絶頂を迎えそうになる。

歯を食いしばって耐え、射精しないようにする。

 

「んちゅ・・・♡んんんん・・・♡」

「むうううっ!!?うううううっ!!!」

俺が耐えているのが気に喰わないのか、

じゅるじゅるじゅるとわざと音を立てて、

よだれを吸い上げるルビー。

口元からとろとろのよだれがたれ落ちていき、

ベッドに染みを作り上げていく。

 

「んー♡・・ははは♡変態め♡やっぱりお前は私に溺れているのが一番なんだ♡

・・・お前の一番は私♡伴侶は私♡・・・愛し合っているのも、一緒の墓に入るのも私だけだ・・・♡」

「うっ・・・。」

「♡♡ふああっ♡♡」

我慢の限界を迎え、射精する。

ペニスの鈴口から白い液体が弧を描いて放出され、

彼女の白い肌を穢していく。

どろりと濃い精子はそれだけでは飽き足らず、

ベッドに黒い染みとなっていく。

 

「あっ・・・!!あああっ・・・!!」

「よーしよし♡いい子だ♡・・・いっぱい、いっぱい出したな・・・・♡」

「うう・・・。」

頭を撫でられ、まるで子供のように扱われて、

顔から火が出るような屈辱を浴びる。

彼女がするする、と黒のスカートと下着を履き捨てて、

下半身をあらわにする。

 

「・・・さあ、おいで・・・♡」

---両手を俺に向かって広げてくる彼女。

そんな姿を見ていると、先ほど出して萎えているはずのペニスが、

また大きさを取り戻し、がっつくように彼女の秘部に自分のモノを押し当てる。

 

「あひぃ・・・♡あああああっ・・・♡入ってくるぅ・・エドがぁっ♡

入ってきちゃううう・・・♡」

「・・ぐっ・・おおっ・・・!!」

こちらが責めているはずなのに、彼女は悦びの声を上げ、

枕を後ろ手にもって俺を迎え入れていく。

徐々に、徐々に腰を沈めていき、最後のほうまで入ると、

一気に腰を突き上げた。

 

「~~~♡♡♡」

「あっ・・・!!」

うねうねと中でうごめき、俺のモノを搾り取らんとしてくる。

ぎゅっ、ぎゅっ、と絶え間なくしごき上げられ、

肩で息をして耐える。

 

キツキツだというのに、ドロドロに濡れており、

腰を動かすたびに射精してしまいそうになる。

 

「ううっ・・・!!や、やばいっ・・!!気持ち良すぎるっ・・!!」

「きゃんっ♡あううっ♡うああっ♡あんっ♡あっ♡ああっ♡あんっ♡」

突き上げるたびにぱちゅ、ぱこ、という湿った音が部屋に響き、

彼女が嬌声をあげ、口からよだれを垂らしてだらしない表情を浮かべている。

---あの"紅蓮の悪魔"と恐れられている、学園の高根の花が、

俺だけにメスの表情を見せている。屈服している。俺にを支配されている---。

 

その事実が俺をますます興奮させていき、

ぶるぶると体が震えだす。

 

「あぐっ・・!!ううっ・・!!」

「ああーーっ♡だしてぇっ♡いっぱい出してぇっ♡」

「ぐうあっ!!」

「ひあああああああああああああああああっ♡・・・・あ・・・・ああ・・・♡」

射精すると同時に思いっきり腰を突き上げ、動きを止める。

彼女の中で出すと同時に、その頬に手を添え、やさしく口づけをする。

 

「・・ん・・・・。」

「・・・んむぅ・・・♡」

数分の間、そうして愛し合い、どちらかということもなく、

自然と顔を離すと、俺と彼女の唇に銀色の橋が架かる。

 

「・・えへへ♡・・・エド♡」

「・・なんだ?」

「・・・大好き♡」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、俺も・・・・だ。」

好きだ、というのは恥ずかしかったが、ひっそりと隠していた気持ちを、

今だけは言うことができたのだった。

 

 

 

 




いろいろと質問っぽいのがあったので答えるぞい

Q 読者からの意見を求めている理由について
A 読者に向けて書いているので、読者の意見をもとに書くのは当然。
なので、定期的にどんな話が読みたいかを読者から聴いています。
これをしないと、そのうち"読者はきっと、こんな話が見たいに違いない"と、
勝手に自分の妄想で書くようになってしまうので、どんな少なくとも、
1か月に1回はとるようにしています。

Q ヤンデレもの書きすぎじゃない?
A 読者の意見を聴いていると、"主人公がヤンデレ肉食系の女子から逆レイプされ、
死ぬほど愛される話"を見たがっていることが判明しているので、
それを中心に書いています。
というか、読者からメッセージが来るたびに、"ヤンデレのKEY(ドM)さん"、
"ヤンデレ逆レイプのKEY(ドM)"と読者から呼ばれ、そう認知されてしまっているので、
今更変える気もないというか・・・。

Q 執筆スピードどんくらい?
A ・・・45~50分で3000文字くらい?
調子がよければ40分で3500文字超える。

Q リクエストした話書いて。
A 時間と気力があったら



二人ともなんだかんだ言って相思相愛だゾ。

NTR(寝取られ)とか、鬱とかはこの作人にないから安心して読むといいゾ。

次回は、ようやくギルドに。

果たして。

活動報告でちょっとしたお知らせを実地中。

見に来てネ




KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その4

こんにちんこそば。
KEY(ドM)と申します。

話がどんどん思いつくので投稿。

これから毎日投稿しようぜ?(白目)


今回はついにギルドクエストに。

設定は書きながら改良していく(狂気)

全部指に任せて書いているからへーきへーき。

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


「ふーんふふーん♪」

「・・・・・・・・・・。」

鼻歌をご機嫌そうに交えながら、俺の腕を組んで、

つかつかと歩くルビー。

彼女のその美しい容姿に街ゆく人たちは目を奪われている。

 

で、なぜ俺がこんな風に連行されているかというと---。

 

 

「---さあ、ついたぞ、エド。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

物々しい、木製のクラブのような外見の建物。

西部劇で出てくるような作りの扉からは、

甲冑を着込んだ人物や、獣耳を生やしている女性などが、

出たり入ったりしている。

---ジョーが、死んだような目つきで紫色の髪の幼女に引きずられながら、

建物の中に入っていったのは気のせいである。たぶん、きっと。そうであってくれ()

 

意気揚々とする彼女と、対照的に体を緊張させながら中に入る俺。

酒場や、道具屋、武器防具の店がテナントとして中に入っていたり、

二階に続く大きな階段が正面の奥のほうに見えたりした。

 

辺りは喧騒に包まれており、まるで前世で行った夏祭りのようである。

 

「・・・ふむ。受付はどこだったかな・・・・?」

「・・・・・・。」

建物内部の道筋が書かれている案内板の前まで彼女と一緒に歩いていく。

が、その途中、こう、周りから視線を感じる羽目となる。

『・・・十王?ありゃ、"紅蓮の悪魔"か?』

『ルビー・ファーガス・・・隣の男は誰だ?』

『見ない顔だな・・。』

「えーと。」

「・・・・・・。」

 

早く受付まで行きたかったが、彼女が指を口元にもっていき、

んー?とかわいらしく首をかしげながら案内図を見ているので、

もう少しここにとどまらなければならないのだった。

 

 

 

 

「・・・・・・・・。」

リーダス王立学園、最高階に位置する一室。

扉の前には"学園長室"と書かれた金色のプレートがかけられており、

中では、漆黒の鎧をまとった一人の人物が窓から見える景色を見降ろしていた。

 

彼が思案に暮れている最中に、扉がノックされる。

「・・・入れ。」

彼の重々しさを思わせる低い声が発せられるとともに、

がちゃり、とドアが開けられる。

 

「・・・失礼します。」

パタム、とドアが閉じられると、学園長は椅子から立ち上がり、

来訪者にソファーに座るよう顎で指し示した。

相手が腰を落ち着けたことを確認すると、学園長もまた、

ソファーに腰を降ろす。

 

その来訪者は、黒のスーツに白衣を上から羽織っている、

見た目が小学生にしか見えない人物であった。

 

「学園長。今年の十王の指名制度の結果について、

まとまったのでその資料を・・・。」

「ありがとう。・・・・・・。」

ブレンダンから受け取った資料に目を通す、

学園長は黙々と分析を始める。

そして、ぴたり、ととある資料のところで、

指の動きを止め、ブレンダンに尋ねた。

 

「・・・・これは?」

「・・・・・お察しの通り、また、あいつですよ・・・。」

疲れたような表情でソファーにもたれかかりながら、

ブレンダンはつぶやいた。

 

---そこには、序列4位、十王、"紅蓮の悪魔"の指名者。新入生エド・マークスと書かれていた。

「・・・・通したのか?」

「・・・・丸め込もうとしたら、正論で押し通されましたよ。

・・・・あの、ガキ・・・。」

「・・・・ふむ。」

論破された時のことを思い出して、忌々し気にそう吐き捨てるブレンダン。

これから先、エド・マークスという一生徒のことを案じてのことであったが、

ルビーは取り付く島もなく、ゴリ押しした。

 

「・・・学園長。すでに、うわさは学園中に広まってしまっています。

・・・何か、対策を取らないと・・・。」

「・・・・・ギルドクエストだけでは、周りへの示威にはならんか・・・。」

ブレンダンの言葉に、学園長は顎に手を置きながら、

そうつぶやいた。

 

仮に、ギルドクエストをルビー監視の下でエド・マークスが攻略したとしても、

周りからはルビーがいたから、ルビーのおかげで合格できた、としか映らないだろう。

それをわかっているだけに、二人は有効な策を考えるために、もう一度資料に目を通す。

 

ちくたく、と時計の針が秒針を刻む音だけが部屋に響く。

そして、学園長が先に口を開いた。

「・・・ブレンダン先生。」

「はい。」

「・・・・私から、この件について案がある。」

「・・・それは?」

「-------。」

「-------。」

---学園長の提案は、ブレンダンが一瞬我を忘れるものであった。

 

 

「あ、あらー?どうして十王のあなたがこちらに・・?」

「ふっ。なあに、毎年恒例の"指名制度"の件でな。」

受付嬢に目的を尋ねられ、ルビアが周りに聴こえるようにはっきりと答えた。

しん、とギルド内の一部が静まり返り、そして、次に爆発的な驚嘆の声が響く。

 

『『『『『はああああああああ??!!』』』』』

「・・・む。なんだ?この反応は?」

「・・・・・・・。」

耳をつんざくような叫び声に、思わず両手で耳を抑える。

俺とは対照的に、ルビーはその豊かな胸を張りながら、

えっへんとほめてほめてー、と頭を差し出してきた。

無論、人前だから撫でるわけにはいかないのだが、

彼女はつむじを俺の頭にぐりぐりと押し付けてくる。

 

 

『ありえねぇ・・・!!あの"紅蓮の悪魔"が?!指名!?』

『去年、指名しなかったあいつが!!?』

『どういうことなんだ!!?』

「・・・ええ・・・。」

どういうことなの?とルビーのほうを向くと。

「いや、エド以外指名する気なかったから」とさらっと理由を告げられ、

また、ええ・・・と困惑した。

仮にも学園トップの生徒なのに。

それでいいのか、十王。あまりに適当・・・。

 

--脳裏に、この前の顔合わせ後の風景がほわんほわんと不意に浮かんできた。

 

『あー。酒がうめぇ。・・・ひっく。今日はもう帰るかー。』

『にゃんということでしょう。いつも飲んだくれているこの阿呆が、

酒を切り上げて早退するなんて・・・。はっ!!明日はきっと、

"隕石雨"が降るのかにゃ!?』

『わんということだ・・?!!』

『ええい、酒呑童子!!貴様、いつにもまして適当すぎるでアールぞ!!

吾輩が今日こそその根性を叩きなおして・・。』

『・・・そういえば、ピエール。新入生の女の子を口説いてたんだって?

あー、僕の人形も狙ってそうでこわいこわーい(棒)』

『・・・・・・。』

『ちょっ、あれは困っていた女性を助けていただけ・・、

剣王も、氷の魔女もその目をやめるのでアール!!!』

 

(・・・・・サーカス?)

心の中で思わずつぶやく。

あ、そういえばだいぶ愉快な人たちだったと一人納得する。

 

がやがやと騒ぎが収まらず、受付嬢さんもその動きを止めて、

固まっていたその時、声が聴こえてきた。

 

「---おんやぁ~?」

高いハスキーボイス。

男っぽさがあるものの、どこか甲高い声。

かつかつ、と階段から誰かが降りてくる。

白の白衣を身にまとい、眼鏡をかけている褐色肌、

紫色のポニーテールの男性。

 

「これはこれは、いったい何があったんですか?ドーナツちゃーん?」

「・・・・」

ドーナツと呼ばれた受付嬢さんが、俺たちの前からふっ、とその姿を消す。

---そして、階段を下りてきていた人物のほうに視線を戻すと、

いつの間にかさっきまで話していた受付嬢さんが彼の背後をとっていて、

両手を腰に回し・・・ん?

 

「・・・だ、か、ら、アタシはドーナツじゃねええっ言ってんでしょうがあああああ!!」

「ノオオオオオオオっ!!!?」

----思いっきり地面にジャーマン・スープレックスを叩きこんだ。

ドゴン、という音を立てて白衣を着ていた人物の体が地面にめり込む。

それをやった当事者の受付嬢さんはぱん、ぱんと手を鳴らし、

ふん、と両腕を組んでそっぽを向く。

 

「ええ・・・。」

「いつものことだな。」

「えええ・・・。」

 

---俺は、果たしてこれから先こんな濃い面々がいるギルドとうまく付き合っていけるけどうか、不安でしょうがなかった。




エド「」
ルビー「知ってた(知ってた)」
周りの野次馬『ドーナツちゃーん!!』
受付のお姉さん「(全員コロス)」

一方そのころ
紫髪の幼女?「この人とペアでクエストを」
ジョーだったもの「」
別の受付嬢「ええ・・・。」


なんだこのカオス?!(指が動いた結果)

ジョーにも、エドにも、平穏はないんだよなぁ・・・(確定)

これも全部、乾巧ってやつのせいでだが、私は謝らない最初からクライマックスだぜお前の罪を数えろゴルゴムの仕業かさあ、ショータイムだその時不思議なことが起こった祝え、新しい王の誕生をっていうことなんだ(ライダーファン並感)

感想くれ。

れ。

KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その5 ~すごく愉快ですね・・・(比較的穏当な表現)~

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

ギルドは愉快な面々だなぁ()

もし、転職してこんな職場だったらハゲそう(他人事)

はやく俺のもとにルビーみたいなヤンヤンした娘が来てほしいなぁ(本音)

・・・う、うわきちゃうぞ・・?(言い訳)

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


 

「----へえ。推薦ねぇ。・・・ほうほう。ふーむふむ・・。」

「・・・・。」

じろじろと、ギルドマスターである、ジーノさんから見られ、

少し落ち着かなくなる。

興味深そうに、顎に手を当てて、ほうほうと何か一人で納得する彼と、

そんな彼に肘打ちしてたしなめる、ドーナツと呼ばれた女性。

 

「い、痛いですねぇ・・・・。」

「ふん。・・・ああ、言っておきますけど、私の名前はドル・ナッツですからね?」

「はい。」

この二人の力関係はわかった。

苦労しているなぁ、と思いつつも自分も同じような境遇であることを思い出し、

少しブルーになった。

 

「ええ。・・・えーと、ルビアさん。彼、エド君を指名でいいのですかねぇ?」

「ああ。・・・問題ないだろう?」

「・・なくはないのですがぁ・・・。」

ちらり、とこちらを見てくるジーノさん。

その目には、さきほどあった興味深そうなものを観察するような視線ではなく、

どちらかというと、心配するような感情が含まれていた。

何か、あったのだろうか。

 

「いいじゃないですか。あの、ルビアちゃんが連れてきた人ですよ?」

「・・・ああ、そうですねぇ。・・・感慨深し。・・・うむ。」

ずず、とティーカップに入れられているお茶をすすりながら、

ジーノさんがそうつぶやく。

ことり、とカップをテーブルの上に置いたかと思うと、

それまでのふざけた雰囲気はなりを潜め、刻然とした態度の、

風格が伴っている人物が目の前に現れた。

 

「・・・よろしい。それでは、あなた方にはギルドが手を患わっているBランクのクエストを依頼するとしましょう。」

「・・・!」

話に聞いていたとおりである。

俺は、十王に指名されたものとして、このクエストをクリアし、

周りにその実力を示さなければならない。

でなければ、ルビーだけでなく、そのご両親、ひいてはファーガス家全体に迷惑をかけてしまう。

ルビーはすでに将来を約束された、才女だ。

嫁に出る予定はなく、婿を迎える家系とも聞いているので、

風評を保つのは必須といえるだろう。

 

「ドーナ」

「・・・・・・・・・。」

「・・・ナツちゃん。あれ、持ってきてください」

「・・・・はい。」

ドーナツ言おうとして、にらまれたジーノさんが、

ちょっと口元をひきつらせ、言い直すと、

ドルさんが手に持っていたとある資料をテーブルの上に置いた。

 

 

「お二人に依頼したいのはほかでもないこれですねぇ。」

 

 

同時刻。

リーダス王立学院の食堂にて。

「・・・ああ?ドラゴン?」

「ああ。」

「・・・この前のやつか?」

 

ばくばく、と皿に盛られた食事を片っ端から食べるヴェルフェゴールと、

意外と礼儀正しく、美しい所作で箸を使って食事を行うウルフ。

そして、その二人と同じテーブルに座ってパンにかぶりつくジョー。

三人は今、とある噂について話し合っていた。

 

「ああ。学院の近くで、ドラゴンを見かけたっていう情報がある。」

「・・・うへぇ。あんなのがまだいんのかよ・・・。」

「・・・思い出したくねぇわ・・・。」

むしゃり、と骨がついた丸焼きの肉にかぶりつきながらそういうヴェルフェゴールに対して、ウルフとジョーはもう勘弁、といった風に顔をしかめて反応する。

 

「いや、この辺はドラゴンの生息地域じゃねえはずだ。」

「・・・・おい、それって・・・。」

「え?なに?どういうこと?」

理解できたウルフに対して、何が何だかわからないとジョーは二人の顔を見比べながら、

頭の上に?マークを浮かべて首をかしげる。

 

 

「あほ!!少し考えりゃわかんだろ!!・・生息地域が違うモンスターがほかの地域に移っている。考えられるのは、縄張りを広げるためか、もしくは・・・。」

 

 

「・・・・・もっと、強いモンスターに追い出されたきたから、ですか。」

「ええ。ざっつらーいと、なんですねぇ。」

ジーノさんの説明に対して導かれた答え。

つまり、あのドラゴンが何らかのモンスターに追い出されて、

生息地域を変えた。その結果、このリーダス王立学院の近くまで来たのではないかと。

 

「とはいっても、ここは王都の近く。・・・・・軍の出動は・・?」

「それがですねぇ。できないんですよぉ。」

「・・・・・え?」

「・・・ま、そうだろうな。」

ルビーは思い当たる節があるのは、両腕を組んで、ふん、

と鼻を鳴らした。

 

「表立って軍が出動すれば、それは何かが起きている、有事であることは周りに示してしまう。・・・・だからか。この話をよりにもよって私の指名に対してつけたのは?」

「さあて、何のことでしょうなねぇ。」

とぼけるジーノさんのわきっぱらをまた、ドルさんが肘打ちし、

のおお・・と彼が悶絶する。

 

「・・あのファーガス家の長女なら大丈夫だろう、という上のお達しがあったんですよねぇ。軍は身内に甘いですし、あなただったら手柄を立ててもブルさんがバックにいるし、余計な茶々も入らんでしょうねぇ。」

「くだらんな。」

はっ、と吐き捨てるルビー。

つまるところ、いいように利用されそうだということだけはわかって、

思わず顔をゆがめた。

眉にしわが寄っているのを感じる。

 

「そんな顔をしないでくださいねぇ。・・・私だって、まだ生徒であるあなたたちにこんな依頼受けさせたくないんですからぁ。」

本当に申し訳なさそうな表情で、彼が頭を下げてきた。

いきなりそんなことをされるとは思っていなかったので、

慌ててそれを止めようとする。

 

「い、いやそこまでしなくても。」

「まあ、討伐ではなく、あくまで捜索です。本当にドラゴンはいるのか?

いるとしたら一体だけなのか?・・まあ、ルビーちゃん監督のもとなら、だれも文句は言わないでしょう。だからへーきへーき。」

「なんで、貴様が偉そうなんだ。」

「のおおおおおおっ!!?」

いらっとしたのか、ルビーが指を前に出すとしゅぼっ、とジーノさんの前髪にろうそくような炎がともる。

それに慌てた彼がソファーから立ち上がって、地面に転がる。

はあ、とため息をついたドルさんがぱちん、と指を鳴らすとジーノさんの天井からどばーーーと大量の水が降ってきた、ジーノさんを冷たく濡らした。

 

「マ、マイハニィー・・・・。最近当たり強くない?」

「・・・だったらもっと早く家に帰ってきなさいよ、バカ。」

「・・ごめんね。今日は、定時で帰れるから、一緒にお買い物してから帰ろうか。」

「・・・ふん。・・・今日は何を食べたい?」

「そうだねぇ。」

 

「ええ・・・。」

「あの二人は夫婦だぞ。」

「えええええ・・・・。」

人の関係性とは、意外とわからないものである。

 

 

王立学院に帰ってきて、夜。

まだまだ眠らない生徒たちも多いのか、

窓から外を見ると、明かりがついている部屋が多数ある。

「エード♡」

「うわっ」

 

窓から外を眺めていると、ぐいっと背中から引っ張られ、

ぽすん、とベッドに押し付けられた。

 

「ふふふ♡エドはかっこいいなぁ♡いとおしいなぁ♡

へへへ♡」

「ちょっ、まっ」

俺の静止もお構いなしに、彼女はぴちゃぴちゃ、と音を立てて俺の顔をなめてくる。

熱い吐息が時折耳にかかり、ゾクゾク、と背中に快感がほとばしる。

 

「んっ・・♡エド・・・♡エドぉ・・♡好き・・♡すきぃ・・・・♡」

「ル・・びぃ・・・・♡」

恋人つなぎに結ばれた手が、ベッドに上から押さえつけられる。

 

 

---俺と彼女の声が部屋に響きつつ、夜は静かに更けていった。

 

 

 

 

 

「あれ・・・・。なんか寒気が・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「気のせいかなぁ・・・・。」

---ルビーと同じような重さの紫髪の少女が、自分のベッドのすぐ下で寝ていることに気が付かず、ジョーの夜も静かに更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジーノ・ナッツ
ドルさんとは幼馴染。
とある出来事により、視力が弱まり、眼鏡で矯正している。
ギルド・マスターにして、元十王の一人。
"ゴーレム・マスター"の異名で知られている。
ブレンダン・アックスとは同級生。

ドル・ナッツ
ジーノさんとは幼馴染。
とある出来事により、視力が弱まったジーノを支えることを決めている。
ドーナツと呼ばれるとキレる。
ジーノさんの奥さん。
リーダス王立学院の元生徒であり、今は王都、ヴァルフレアにあるギルドで、
受付嬢かつ、副ギルドマスターである。
ブレンダン・アックスとは同級生。

エドにだって、ジョーにだって救いはあるはず・・たぶん()


ドラゴンは何かのフラグだって?
へーきへーき()今は、ドラゴンだって、安全な家を買いに不動産に相談しに行く時代だから(なろう並感)

クエスト受けるのはエドだし(非情)

エドに何かあったらルビーが発狂するんだよなぁ(他人事)

感想、くれ。

全部読んでいるから、くれ。
KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その6 ~始まりました、ギルドクエスト(ルビーは病まないからへーきへーき())~

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

気が乗ったので投稿。

あまりに情熱的な感想はやめろ。

照れる(本音)

ギルドからのクエストを依頼された二人が向かった先は・・・?

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


ギルドでジーノさんから依頼を受けた俺とルビーは、

ドラゴンの目撃情報があるという、リーダス王立学院と、

その周辺の街から少し離れた場所にある山脈にやってきていた。

ここの生態系ではF~Cランクのモンスターが生息しているとのことで、

Bランク、それも上位のほうのドラゴンがいることはありえないとのこと。

 

いつもの軍服姿のルビーと、学院から受け取った、黒のブレザーに近い制服を着ながら、

山を歩く俺。

あくまで、俺が今回のクエストに関してメインで働かなければならず、

ルビーはその補助でしかない。

俺が不正や、途中でリタイアした場合にしかるべき対応をするためだ。

とはいっても。

 

「・・・へへへへへぇ・・・♡」

「・・・・・。」

その監督役であるはずの彼女が、頬をだらしなく緩ませ、

巨乳を腕に押し付けてくるなんて、ギルド側も想定していないだろう。

彼女は普段はしっかりしているのだが、二人っきりになると途端に、

こんな調子になってしまうのだ。

 

初めて会った時の彼女はどこへやら、

デレデレ度数200%のあまあまルビーをあしらいながら、

山に入っていく。

がさがさ、と近くの草が揺れ、何かが俺たちの前に飛び出してきた。

 

「くえええええっ!!」

「うおっ。」

しっぽが蛇になっている、鶏のようなモンスター。

確か、Dランクモンスターのスネーク・チキンである。

そのまま突っ込んできたのでルビーを安全なところまで押しのけ、

自分も回避し、すぐに向き直って剣を抜く。

 

かつて、このスネーク・チキンと同じDランクのグレート・ウォルフに俺とルビーは、

手も足も出なかった。

少しは強くなれたのか、確かめるいい機会だ。

 

「そいつは確か、尻尾に毒をもっている。・・・何なら、私がやろうか?」

「ルビー。」

「・・・わかっているさ。本来だったら、エドを襲った時点で死刑だが、

エドの頼みなら断れん。」

 

彼女はそういって近くの木にもたれかかりながら、

両腕を組んでじっと俺を見つめる。

さて、彼女の前だ、少し張り切るとしよう。

右足と右腕を前において構える。

 

「・・・くええええっ!!」

「・・・・。」

「・・く?」

 

---突っ込んできたモンスターを正面から拳で叩き落す。

目を見開いたまま絶命し、そのまま地面に落ちる。

かつて、俺は全くこのレベルのモンスターに適わなかった。

だが、少しは成長したらしい。

ふう、と息を吐く。

 

 

「・・・・やるな。・・・だが、残念なお知らせだ。エド。」

「・・・・何?」

俺の動きを称賛したかと思うと、彼女がすっと目を細めて、

告げる。

 

「・・・どうやら、団体でのお越しのようだぞ?」

「・・・・・・・・・・。」

 

「くえ?」

「くええええっ!!」

「く、く、くええええっ!!」

 

----辺りを見回すと、先ほどと何十体ものモンスターが俺たちを取り囲んでいるのが見えた。

 

 

「・・・学園長、本気ですか?」

「・・・ああ。」

学園長室に呼ばれた剣王は、彼の提案にそう聞き返す。

だが、返ってきたのは変える気はないといわんばかりの返答である。

渡された資料を剣王は興味深そうに見つめる。

 

「・・あくまで、エキシビジョン・マッチ。・・・つまり、

勝つのではなく、どこまでやれるのかを周りに示す。

・・・そのための戦いですか。」

「そうだ。・・・・貴様も知っているだろう。その生徒の立ち位置は今や、

相当に危うい。」

「・・・・・・・。」

学園町の言葉に、剣王は思い当たる節があったのか押し黙る。

先日の指名制度による騒動。その中心人物が彼、

エド・マークスだったからである。

彼女自身も、彼に対して並々ならぬ興味を抱き始めていた。

 

「なるほど。まあ、ほかの十王たちは私が何とか。

その代わり、教師の方々は学園長がどうにかしてくださいね。」

「無論。」

はあ、とため息を履きながら、剣王は自慢の銀色にきらめくポニーテールを揺らしながら、学園長室を後にした。

楽しみで仕方がない、と言わんばかりに。

 

「・・・・さて、吉と出るか、凶と出るか。」

戸棚に飾られた、"十王 序列1位 "紅蓮の騎士" ブル・ファーガス"と書かれたトロフィーを見て、彼はつぶやいた。

 

 

「はあっ・・・はあっ・・。」

「・・・ようやく全滅したな。」

「ああ・・・・。」

数十体に及ぶスネーク・チキンとの死闘。

一発でも尻尾の攻撃を食らえば、毒を受けることになるので必死によけた。

いつもより大きく体を動かしたせいか、だいぶ疲れており、

肩で息をしながら、地面に座る。

 

「・・・ああ。だいぶ時間を使ってしまった・・・。」

「そろそろ休憩しようか。・・・ちょっと待ってろ。」

そういうと、彼女はバックからごそごそと何かを取り出し、

ふぁさり、と地面に敷いた。

 

「・・・ピクニック・シート?」

「それだけじゃないぞ。」

また、バックの中から何かを取り出し始めるルビー。

もう一つは、木の皮を編んで作られたランチボックスだった。

ぱかり、と中が開くと、色とりどりのサンドイッチが入っていた。

 

「必要だと思ってな。持ってきたんだ。」

「・・・・ルビー。いつの間に料理なんて・・・。」

「私はエドの嫁だからな。当然だ。」

ふふん、とどや顔しながらその大きな胸を揉んでいいぞ?と言わんばかりに、

こちらに見せつけてくるルビー。

すっと手を出して、胸、ではなく頭にそっと乗せてよしよし、と撫でる。

 

「ルビー。ありがとう。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ぴたり、と体の動きを止め、彼女の顔が徐々に紅くなっていく。

そして、ぼふん、という音ともに小爆発起きて、彼女は帽子を両手で胸の前で抱きしめながら、もじもじと体をくねらせる。

 

「ど、どういたしまして・・・・・。」

「・・・う、うん・・・・。」

いつもはガンガン攻めてくる彼女のそんなしおらしい姿に、

思わずこちらの顔も熱くなってくる。

結局、サンドイッチの味もわからないまま、

彼女と背中合わせで黙々と一緒に食べるのだった。

 

 

 

「・・・・・・これ、本気かぁ?」

十王の椅子が鎮座する十王の間。

エドがルビー監督のもと、ギルドクエストを受けに行っている同時刻、

ほかの十王たちはとある案件について剣王から説明を受けていた。

最初に疑問の声を上げたのは酒呑童子である。

 

 

「ああ。本気だとさ。・・・学園町のお墨付きだ。」

「・・・・・・・吾輩は、反対でアール。」

酒呑童子の次に反応したのは聖騎士、ピエールであった。

鎧越しでその表情は周りから見えないが、声には明らかに怒りの感情が含まれていた。

 

「これでは、見せしめのようなものでアール!!」

「では、"紅蓮の悪魔"が選んだ彼は、凡骨だと?」

「ぐ。」

憤慨しながらそういうピエールに対して、

剣王は極めて冷静な声でぼそりとつぶやいた。

思わず彼は口を紡ぐ。

 

 

「あーあ。紅蓮に言っちゃおうかなー。ピエールのやつが、

紅蓮の選んだ男をバカにしていたってー。」

「ちょっ、バカにしているわけではないでアール!!

というかパペットマスター!!お前、演技しろでアール!!」

「つかれた。今日はしない日。」

「こいつっ・・・!!キャラ作りをついにやめやがったのでアール・・・!!」

パペット・マスターのマイペースに引っ掻き回され、

思わず両手で頭を覆う聖騎士、ピエール。

酒呑童子は巻き込まれないために、酒をかっくらいながら、

傍観者と化していた。

 

「・・・一つ聴かせろ。」

それまで口を開いていなかったサファイアが、

パキパキ、と足元に氷のつららを生み出しながら、

剣王に対して鋭い視線を投げかける。

 

「----自分から名乗りを上げるのはありなのだな?」

「もちろん。」

「・・・なるほど。・・くくくくくく。

・・・おい、貴様ら。このブ男は私の獲物だ。

手を出すなよ?・・・殺すぞ。」

ビュオオオオ、と吹雪が部屋に吹き荒れ、

ぱらぱら、と窓から机の上に置いてあった資料が一枚飛んで行った。

 

校庭に落ちたそれには、こう書かれていた。

 

---"エド・マークスVS十王 エキシビジョンマッチ"と。

 

 

 

 

この戦いが、氷の魔女と呼ばれる少女の心を救うことになるのを、エドはまだ知らない。

エドという青年に、自身が救われることになるとは、彼女もまた知らないことである。

 

 

 

 

 

 

 

 




スネークチキン
危険度D
レベル15
チキン3 スネーク3

チキンと、スネークってなんのタレントだよ(すっとぼけ)

ヤンデレっていいよね。

自分がリアルにここまで愛されたら、
全力で愛し返すわ()

今回はエドの前で素の少女に戻るルビー。
サフィーと一緒で、人前で面目を保つために、
強がっているものの、彼の前だけでは素顔を晒すという。

しかもヤンヤンしてくるという。

皆、こういう女子は好きだろう?(確信)

感想の速さに草。


超スピード?!


感想、くれ。

全部読んでいるから、くれ。
KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その7 ~暗躍と交錯と~

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

時間があるので今のうちに投稿。

小説を書くと、気分が良くなる(確信)

クエストをこなす二人と、エキジビジョンマッチに関して
話し合う面々は・・・?

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


 

ルビーが作ってきてくれたお昼ご飯を存分に堪能し、

一休みして再びドラゴンの探索に戻る俺たち。

が、先ほどの甘酸っぱい雰囲気が残っているからか、

互いの顔がまだ熱くほてっているような感じがした。

指で自分の頬に触れてみると、まだ温かかった。

 

「エ、エド。そろそろ目的のポイントだぞ。」

「あ、ああ。」

付き合いたてのカップルのように、

若干緊張しながらも、ギルドから情報のあったところまで、

やってくることができた。

山頂に近い、洞窟の中。

ゆっくりとその中に入っていくと、

天井には飛行機がヘリコプターが入ってこれそうなほど、

大きな穴が開いていた。

 

目の前には、わらがしきつめられた巣のような部分に、

大きな卵が置かれている。

 

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

ルビーと顔を見合わせ、そしてもう一度正面を向く。

見直してみても、やはり目の前の卵が消えてなくなることはなく、

近くに近寄ってみる。

 

「・・・これ、モンスターの卵?」

「・・・・ああ。の、ようだな。」

そっと手で触れると、中からとくん、とくんと生命が鼓動を鳴らし、

中に何かがいることがうかがえた。

すっ、と伸ばしていた手を戻して、顎に手を当てる。

 

(・・・天井に空いた穴。巣に置かれた卵。・・・そして、はたから見れば、

俺たちは---。)

「・・・エド?」

まずい、何かがまずい気がする。

早くこの場を離れるために、彼女の手をつかんで外にかけだそうとした

その時だった。

 

 

『----何を、している?』

「・・・・・・・・!」

「・・・・・・・・。」

バサリ、バサリと翼が動くような音が聴こえてきた。

それと同じくして、恐ろしく低く、それでもって感情がこもっていない声も、

頭の中に響き渡る。

天井から光がさしていた洞窟内部が急激に暗くなったかと思うと、

体全体に風圧が襲い掛かる。

近くにいたルビーを抱きとめると、彼女がきゃっ、という短い声を挙げた。

 

『----ここならば、安全だと思ったのだが。』

ずずん、という音とともに上から何かが降ってきた。

その正体を確かめるために、風圧で閉じていた目を開けると、

そこにそれはいた。

 

『----盗人め。我を誰だと思っておる。』

グルルル、という低くうなるような声がした。

怒りに満ちた声色と、敵意の視線を向けてくる、

翡翠の瞳。

 

『---ここで朽ちて、躯を晒すがいい!!』

----学園内で出会ったドラゴンの、何倍ものプレッシャーを放つ、

漆黒のドラゴンがそこにいた。

 

 

「ああー・・・。」

「・・・ちうちう。」

「勝手に人の血を吸ってんじゃねー!!」

図書室のテーブルでたくさんの本に囲まれながら突っ伏すジョー。

そして、そんな彼にいつの間にかなついたのか、

首元に噛みついて、吸血をするドラクル。

その近くでは爆睡しているウルフと、静かに歴史書物を読みふけっているヴェルフェゴールの姿があった。

 

「お前ふざけんなよ!!なんで俺ばっか狙ってんだよ、オイ!!

モンスターから血を奪えよ!!」

「・・・あいつらの血は脂っこい。お前のはちょうどいい塩梅だから。」

「吸血鬼がこだわってんじゃねええええ!!おい!!ヴェルフェゴール!!

ウルフ!!なんでこいつもいるんだよ!!」

「・・・・zzz」

「・・・そいつが勝手についてきただけだ。適当にかまってやれ。」

「畜生・・・!!盛大な貧乏くじを引いた気がする・・・!!」

課題をやりに図書館に来たはずなのに、いつのまにかまざっていたドラクルに噛みつかれ、ままならないジョーが叫ぶと、近くにいた司書が彼にぎろり、と戒める視線を投げかけ、ジョーは委縮する。

 

『・・・・くそう。最近運が悪い気がするぜ・・・。』

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

その言葉に、彼ら3人はちらり、とジョーの真後ろの棚から、

顔だけ出して、こちらを覗き見ている少女の姿を盗み見る。

 

 

『はあっ♡はあっ♡ああっ♡ジョー君♡ジョーくううううんっ♡

かわいいなぁ♡かっこいいな♡なんでもしてあげたいなぁ♡

甘やかして、溶かして、交わりたいなぁ♡へへ♡えへへへへ♡

夫婦になれば、問題ないよね♡ああ、今日もずっと見ているからね♡

あなたが手を出してくれないなら、私が手を出すよ♡』

 

「あー。ついてねぇ。」

いや、確実に何かが憑いているぞ、と3人は思ったが、

怖いので触れぬことにした。

自身が、念願の女子から好かれる状態になっているとは、

彼は思ってもいないのだった。

 

 

 

『・・・ぬうぅんっ!!』

「うおっ!!」

「おっと。」

その、大木のような太い前足から繰り出される一撃を避けると、

地面が丸ごとえぐれた。

あまりの威力に思わず冷や汗を垂らす。

次いで、繰り出される左前脚の攻撃に対して剣で受け止めようとするが、

パワーのあまりの違いにすぐに拮抗は崩され、吹き飛ばされた。

 

「・・・くっ!」

『ほう。後ろに飛んで、威力を殺したか。・・・小賢しい!!』

「せいやぁっ!!」

首を前に出して、噛みついてくるドラゴンの顎。

つまるところ逆さに生えている逆鱗があるという個所に向けて、

すれ違いざま剣をふるう。

 

---手ごたえはなく、ガキイィンというまるで、鋼のような金属音が鳴り響く。

相手の攻撃を食らいそうになるのを、剣がはじかれた衝撃を利用して、そのまま

後ろに飛んで回避する。

 

『・・・この程度か?』

「・・・・・・。」

これはだいぶまずいかもしれない。

相手の攻撃を食らう可能性は見たところ低い。

図体がでかい分、モーションも遅い。

こちらは相手より小さいので、死角に入りながら、

攻撃をよけていけば致命傷を負うことはない。

 

しかし---。

 

(・・・硬すぎるっ!!)

剣を持つ手に力を込める。

一体どんな鱗なのか、剣が全く突き刺さらない。

こいつは学院のコロシアムで出会ったドラゴンと同じような姿であるが、

そのランクはさらに上だろう。

人型の相手ならともかく、体術を使うのは的が大きすぎる。

ヴェルフェゴールのような大男を相手にするのであれば話は別だが、

これはそんな次元を超えていた。

 

しびれる手に再度力を入れて、向き直る。

後ろをちらり、と見るとルビーが腰に差している炎剣を抜いて、

今にも加勢しそうな状況だった。

 

「・・・エド。そいつはコロシアムにいたというドラゴンより格上だ。

私が・・・。」

その申し出に俺は首を横に振った。

「・・・駄目だ。ルビーが手を出すのはまずい。」

命の危険を前にして、何を言っているのか自分でもよくわからなかった。

本来であれば、彼女に助けてもらえばいい。

そうしたほうが安全であろう。

しかし。

 

(・・・ここで、彼女が手を出せば、俺だけではなく、彼女と、ひいてはブルさんにも悪評が及ぶ・・・!)

あくまでこれは、俺が超えるべき試練なのだ。

ドラゴンの存在は確認できた。

で、あるならばあとはスキを見て逃げるだけ。

その逃げるだけというのを、目の前の存在はやすやすと見逃してくれるわけもないのが、

最大の問題であるが。

 

「ルビー!!映像はとれたか!?」

「ああ。大丈夫だ。」

背後にいる彼女に向かってそういうと、

返事が返ってきた。

ならば、よし。

魔晶石に収めるべき映像はすでに録画できた。

 

『・・・・。』

「・・・・・・・。」

ドラゴンは翼を広げ、口を大きく開けて息を吸い始める。

俺は、ドラゴンに向かって駆け出し、近づいていく。

 

 

『・・・燃え尽きるがいいわっ!!』

「・・・!!」

そんな叫び声が聴こえたかと思うと同時に、

灼熱のブレスが、俺に向かって解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あれ・・・。なんでガチバトルを書いているだろうか・・・?

ちなみに、今回のバトルはゲームでよくある負けイベ。

逃げないと死ぬ的な。


????・ドラゴン
詳細不明。
見るものを震え上がらせるプレッシャーを放つ、
その身を漆黒に包んだドラゴン。
ランクは?

ジョーがなぜ、少女に好かれるようになったかに関しては、
ちゃんと話は考えてあるゾ。
(書くとは言っていない。)

しおらしいルビーを見て、荒ぶる感想たちに草ぁっ!!

感想、くれ。

全部読んでいるから、くれ。
KEY(ドM)


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十王会議 ~ギルド・クエストを完遂せよ~ その8 ~逃亡と崩落~ヤンヤン発狂まであと10・・・9・・・(白目)~

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

今回は、また戦闘回。
あまあまややんでれもいいけど、
たまにはこういうのも入れておかんとな!()

たまーに、ガチで設定練りまくった小説を書いてみようかなー、と
思うこの頃。
それやると、30時間くらいかかるからなぁ・・・。
脚本家や原作者の作品の練りこみ具合はマジですごいと思うわ。
こっちは大抵見切り発車だもん。

ヤンデレをさらにヤンデレにした極上の作品を作って、
読者に提供してやろうか(ゲス顔)

それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


『燃え尽きるが良いわ!!』

「---!!」

灼熱どころか、溶岩を吐いているのではないかと思うブレスが、

俺に向かって解き放たれる。

両足に魔力を込め、身体能力を強化する。

 

(----"縮地"--!!)

重力とともに、相手のほうに向かって落下するイメージを伴いながら、

喉元まで近づこうとするが、あまりの熱気に一定以上近寄ることもかなわず、

そのまますれ違いざまに相手の後ろ側に飛び込む。

 

『ちょろちょろと・・・む?』

「・・・・やばいなぁ・・・。」

相手の背中、引いては翼があるところに着地した。

ここなら攻撃もされないはずだ。

そう思い、背中に魔力を込めた拳を突き立て、再度攻撃を試みようとした俺の考えは甘かった。

 

「--ぐっ!?」

『--阿呆が。』

尻尾が横から薙ぎ払ってくるように振りかざされるのをかろうじて、腕で払い流し、

片手でドラゴンの翼の根元をつかみ、落とされないようにする。

再度、しっぽが襲い掛かってきそうになったが、

今度は頭の上に乗っかって、回避する。

構造的に、ここならば尻尾さえも届かない。

 

「・・・。」

『・・・くくく。』

一瞬の静寂のあと、ドラゴンが不気味な笑みを浮かべたかと思うと、

次いで、その口を開き、叫んだ。

 

 

『---人間ごときがぁぁぁっ!!よくも!!よくも我の頭をおおおお!!』

「うおおおっ!?」

それまで、冷静だった龍が体をあらん限りに動かし、

洞窟のあちこちにドラゴンの大きな体がぶつかる。

ガラガラ、と岩のような大きさの石が落ちてきたりして、

思わず喰らうところである。

 

 

「エド!!」

「ルビー!!マズイ!!このまんまじゃ入り口がふさがれる!!

ルビーは先に出ろ!!」

「エドは!?」

「何とかする!!・・・おわっ!?」

『人間ごときがああああああ!!!よくも!!よくもおおおおお!!』

ルビーが入ってきた個所から出ていったのが見えたと同時に、

入り口が崩落し、閉じ込められる。

ひとまず、ルビーが上から落ちてきた岩に押しつぶされるといった状況は、

これでもうないはずだ。

あとは逃げるだけ、とはいうものの、それがどうも難しそうであることが、

目の前の怒り狂ったドラゴンの様子を見て気が付く。

 

『-------振り落としてくれる!!』

「うおおおおおっ!!?」

 

その両翼を激しく動かし、バッサバッサと上の穴に向かって飛ぼうするドラゴン。

急上昇によって、態勢が崩れかけ、右手で必死にドラゴンの背中にしがみつく。

高度が50、100、200は超えているだろうか。

あれだけ大きいと思った山や、森が見る見るうちに小さくなり、

体中に冷たい風がまとわりつく。

 

(やばい・・!!落ちたら死ぬ!?)

ぐるぐると回転して、俺を落とそうとしながら空を飛ぶドラゴンと、

落とされまいと龍の背中に乗っかっり続ける俺。

下を見ると、思わずうわっ、という声が出た。

スカイツリーの高さはすでに超えているだろう。

 

『いい加減に離れんか!!』

「そしたら死ぬだろう!!ぬぎぎぎぎぎぃ!!」

なんで、ドラゴンの捜索に来ただけなのに、

そのドラゴンの背中に乗って空中遊泳を堪能する羽目になっているのだろうか。

加えて、あやうくルビーがけがをするところだったことを思い出し、

思わず左拳でドラゴンの背中の鱗にブローを叩き込む。

 

『何度やっても効かぬわ!!』

「・・・・だろうな!!」

鱗や、甲殻類の口角は確かに硬い。

こんな大きさのドラゴンの鱗ともなれば、鉄の剣さえ通らないだろう。

---だけども。

 

「----継ぎ目はどうだ!?」

『!?キサ--』

どんなに硬い鱗を身にまとおうとも、その鱗と鱗の間には、

構造上、継ぎ目がある。

そのうっすらと、見えている鱗と鱗の境界線に魔力を込め、高質化させた五本指を突き立て、刺し込む。

ザギュ、という小気味いい音が聴こえて、鱗が一枚はがれる。

ドラゴンが咆哮を挙げた。

 

『グオオオオオオオオッ!!!?』

「こんな硬い鎧に守られいちゃあ、痛みを感じるなんて久しぶりだろう!!

黒トカゲ!!」

高度がどんどん下がっていき、地面が近づいてくるのが見えた。

一体どれくらいの高さまで下がったかは分からないが、

これが最後のチャンスだろう。

生きるか死ぬか。着地を失敗すれば終わり。

かといって、このまま空に居続けても、今度こそ振り落とされた死ぬだろう。

地面を見てごくり、と唾を飲み込んだ後、ダイブした。

「---南無三!!」

 

----ドガッ、という音が聴こえたかと思うと、俺はそこで意識を失った。

 

 

『・・・・・。』

龍は、久しぶりの二つの経験によって体を震わせていた。

自分の頭の上に人間が乗っかったという数十年ぶりの出来事。

そして---。

 

(・・・一体、いつぶりだ?血を流したのは?)

----龍に転身した彼が、その身に傷を負った事。

すでに飛行体勢は元の状態となっており、彼は再び、

高度数百メートルの世界に戻った。

そして、先ほどまで自分と戦い、そして生き延びて逃げた男が落ちた先をその真紅の眼差しで見つめる。

 

(・・・・リーダス王立学院の者か。・・・懐かしいな・・・。)

しばらく、ドラゴンはエドが落ちた森を見ていたが、

やがて興味を失ったように再び元の山まで帰っていった。

 

---この出来事からしばらく後に、再びエドと彼が再会することになるのは、

もう少し後の話である。

 

 

 

「・・・・・・・・。」

ルビーは、洞窟から少し離れた場所で、先ほどドラゴンが上昇していった先を見つめていた。

背中には、彼女の愛しの人が乗っていたことも当然認識していた。

そして、その姿に向かって必死に走って追いかけようとするも、

当然追い付けるはずもなく、姿が見えなくなった。

 

「・・・・・・さない。」

ぶつぶつ、と彼女は親指を噛みながらつぶやく。

先ほどまで、イチャイチャしていたというのに、

ドラゴンに卵泥棒と勘違いされて、

攻撃された。

さらには、エドを連れてどこかにしまったのだから、

許せるはずもなく、彼女はその目を真紅に染め、

牙をむき出しにする。

 

(・・・落ち付け。・・・エドにつけたペンダントはまだ生きている。

・・・なら、エドも無事のはずだ。)

辺り一帯を焼き尽くせるほどの炎を体から出しかけたが、

かろうじて、まだエドが生きていることが分かった彼女は、

必死に理性で魔力を抑えた。

ただし、半径5Mほどの草木は燃え尽き、荒野と勘違いするような、

死の大地と成り果てたが。

幸いにして、周りの物体に燃え移らなかったのは、

不幸中の幸いである。

 

(・・・確かあっちのほうに飛んで行ったな。・・・待っていろ、エド。

エド、エド、エド、エド・・・・。)

スッと目からハイライトをなくした彼女は、

陸上ランナーもびっくりの速さでエドが消えていった方角に向けて、

走り続けるのであった。

 

 

 

 

「・・・・ん?」

なんだかあったかい。

というか、ものすごく心地いい気がする。

目を開けてみると、木でできた天井が見えた。

顔を横に向けてみると、ベッドに自分がいることに気が付いた。

 

「んお・・・。ルビー・・・?」

ここは、ルビーの部屋だろうか。

そう思って彼女の名前をついつぶやいた。

しかし、彼女からの返事は帰ってこない。

 

「・・・お?」

声が近くからした。

そちらのほうを見てみると、黒のローブを被った人物が、

興味深そうに、俺のことを見ている。

「起きたのか。・・・・ふん、とぼけた面してなかなか頑丈じゃないか。」

「・・・えーと?」

「ああ、起きなくていいから。そのまんま寝てな。」

起き上がろうとしたら、いつの間にかそばまで近づいていた彼女に、

とん、と押されてベッドに戻された。

 

「・・・・?」

「状況が飲み込めてないようだね・・・。・・・森でぶっ倒れていたあんたを拾ったのさ。つまり、アタシはあんたの命の恩人。」

そういって、彼女がふぁさり、とローブのフード部分を外し、

その顔を露にする。

 

「---アタシの名前はジスト。・・・ジスト・オルタナさね。」

紫色の髪をツインテールに結った童顔の女性が、

そう名乗った。

 

 

 

 

 

 

 




ジスト・オルタナ
レベル65
?????4 ?????3

ジスト・・一体何アメジストなんだ・・・?()

ドラゴン相手に一人で勝てるわけないだろ!!いい加減にしろ!!

ルビーが手を出していたら、倒せていたかもしれない模様。
ただし、その場合はお互いにむっちゃ深手を負うけど。
普通のじゃなく、さらに上位種の別個体だからね。仕方ないね(♂)

このドラゴンの設定も考えてあるし、割と重要キャラだゾ。
ちなみに、彼はドラゴンの形態が一番弱いです(ガチ)

ルビーが発狂するまであと何分だろうなぁ(愉悦)

次回は、ジストとの会話から。

伏線は入れまくってるけど、回収するかどうかは別の模様。

ヤンヤンはやっぱええなぁ(思考麻痺)

感想くれ。



KEY


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幕間~メイド服姿のルビーとイチャイチャらぶらぶ~逆レは基本~

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

久方ぶりの投稿。

ルビアのエロシーンを見たいと読者から要望があった。

ならば、書きたい。

けれども、本編的にはちょっと時間がかかりそう。

よし、なら前々から考えていた話を出せばいい

ちなみに、主人公の身長は155cmでルビアはそれより20cmは高いゾ

逃げ切れるわけないんだよなぁ()




それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)



何がどうなってこうなったのだろうか。

混乱するばかりの頭を必死に冷やし、

自分が得ている情報をもとに考えていく。

 

「~~♪」

----嬉しそうに鼻歌を歌いながら、

はたきをぱたぱたと動かし、棚の中や、

テーブルの上のほこりを落としていく、メイドさん。

 

トレードマークの真っ赤な色の長髪は、

嬉しそうに揺れており、黒のインナーに、

白のエプロンタイプのメイドドレス。

黒の長手袋を付け、頭には白いメイド用のヘッドドレスがつけられている。

 

そう、このメイドさんは私がよく知る人物なのである。

 

 

「エド♡」

 

紅蓮の女王と呼ばれている、クール系美人のルビーが、

誘い受け系、エロメイドになってしまったのだった・・・。

 

時は遡る。

 

 

「---休校かぁ。」

 

掲示板に貼られた紙を見て、ふうとため息をつく。

あのドラゴンの襲撃から幾日か経ち、

校舎や校庭に生々しく残っている傷跡もなくなっていた。

 

とはいうものの、教師は今回の件についての責任説明を関係者に果たさなければならなかったり、修理の手配をする関係上、どうしても手が回らない状態があるのだった。

今回の休校、数日ばかりのお休みもそれが原因だと予測できた。

 

ブレンダン先生辺りはいつもの悪態をついて、怒っているところが想像できる。

 

仕方ないから、図書館に行って本を読もうと思い、踵を返すと、

ぼふり、と何か柔らかで、いいにおいのする壁にぶつかった。

視界が黒に染まる。

 

 

「・・・・・・・。」

「」

----上をちらりと見ると、そこには顔を髪の色と同じく、

紅くそめながら、若干息が荒い状態でこちらをじっと見下ろしてくる、

幼馴染の姿があった。

 

当然、掲示板前でそんな態勢をとっていれば、

周りからの注目もされる。

 

ざわざわ、ひそひそと小声で何やら噂されているようだ。

胃が痛い。というか、お父さんのブルさんになんていえばいいのだろうか。

 

「・・・・ハア・・・ハア・・・・。」

「」

彼女に声をかけようとしたら、今度は、

肩で息をし始めた。

呼吸が荒い。・・・・発情・・・してる・・・?

 

 

『おい・・・。あの"膝元"・・。』

『ああ・・。いくら紅蓮のお気に入りだからと言って、

あんな態度取られて、相当怒ってるな・・・。』

『こええー』

『死んだな』

『エドのやつ、うらやましいいいいい・・・・。もげろ!!』

『・・・ジョーサマ。ワタシハイツデモウェルカムデスヨ・・・・?』

 

何か私の知らないところでジョーの貞操が危うくなった気もするが、

今はそれどころじゃない。

周りが誤解している今のうちに、

彼女の右手を引いて、走り出すのだった。

 

 

 

「ルビア。大丈夫?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!!?結婚式は!?

私とエドの子供は??!!ハネムーンは!!?」

それは夢なんだよなぁ、とまだ意識が正常になってない、

彼女のおでこに向かってチョップする。

 

---し か し 身 長 が 足 り な か っ た 。

 

「・・・・・。」

「・・・・・・。」

 

気まずい空気が、私とルビアの間に流れる。

 

 

「・・ところでだ。」

私の失態を見て見ぬふりをして、

話の続きをしてくるルビア。

相も変わらず、こうした気遣いをしてくれるのは、

助かる。いや、本当に。

 

「どうやらあと数日は休校になるそうだが・・・。」

「ああ、うん・・・。」

彼女もそのことを知っているらしい。

いや、”十王”ならば私の知らない情報源の一つや二つ、

持っていても不思議ではないか。

私は学業に専念するつもりだが、彼女はどうするのだろうか。

 

「・・・・その、だな・・・・。」

胸や尻が強調されている、

いつもの黒い軍服を着たまま、もじもじ、と体をくねらせ、

ほんのりと紅く染まっている顔を隠すよう、帽子で隠しつつ、

俯きながらつぶやく。

 

 

 

「----こ、この数日は、私とずっと一緒にいてくれないか??!!」

「・・・・・・・・・・・・・え?」

 

 

で、今に至る。

ちなみに、メイド服を着る意味は全くない。

しいて言えば、やけにスカートが短かったり、

胸元が開いていたり、こちらに熱っぽい視線を何度も向けてくることが多かったりと、

様々だが意識はしてない。本当に。

 

---しかし、こうして見ると同学年の知り合いたちが夢中になるのもわかる美しさだ。

身長の高さは、ルビアの性格と相まって、長身美人としての魅力になっているし。

長くて真っ赤に燃えるような色合いの髪は、宝石のごとききらめきを放っている。

プロポーションはいうまでもなく、グラビアアイドルとしてトップにたてるほど、

バスト、ヒップは大きく、腰は私よりもずっとほっそりとしている。

そして、一途に好意を伝えてくれる素直な性格----。

彼女の本当の魅力、中身を知れば、さぞやもっとモテるようになるのだろう。

だが、ほかの男子がもしルビアに色目を使ったらと思うと、

胸のあたりが痛むのだった。

 

しかし、本当にきれいだなぁ・・・。」

 

「・・・え?」

「あ。」

 

それまで、部屋の掃除をしていた彼女がぴたり、と動きを止め、

こちらに振りかえる。

私は、思わず右手で自分の口元を抑えた。

弁解しようと言葉を口にしようとしたが、それは叶わなかった。

 

 

 

 

「ル」

「----エドおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡好き♡♡好き♡大好きいいいいいいいいいい♡」

 

---ベッドにダイブしてきた彼女のダイナマイトボディに押しつぶされ、

キスされまくっているからである。

「ちょ、ルビ」

「好き♡好き♡大好き♡ね♡ね♡愛し合おう?♡いっぱい♡

二人っきりで♡」

 

体格差で抵抗もむなしく、両手首をつかまれて、ベッドに押し付けられる。

胸が顔を埋めるかのように襲ってきている。

柔らかく、温か。そしていいにおいがする母性の塊に、

頭がくらくらとしてくる。

 

「むう・・・。」

「ふふふ・・・♡エドが悪いんだからな・・・?♡

節度を持たねばならない・・・♡耐えなければいけない・・・♡

そう思っていたのに・・♡」

耳元でぼそぼそと彼女が嬉しそうにつぶやく。

 

「・・・ご主人様♡赤ちゃんください・・・♡」

 

---ああ、そうか。これが肉食系ってやつか・・・。

前世で見た、恋愛雑誌の肉食系女子の特集記事を今更思い出し、

手遅れであることを悟った。

 

 

 

 

 

 

 




ルビアの気質はヤンデレでもあるが、
淫乱気質でもある。
惚れた男を落とすだけでなく、堕とすために何でもする。

ちなみにルビアのお父さんである、ブル・ファーガスさんは、
単なる政略結婚だったが、相手の令嬢に一目ぼれされ、
薬を盛られて既成事実でハメられたゾ()

なお、互いの家としては、つながりを強化できるかつ、
貴族としての格をあげることのできる結婚だったため、
ニッコリだった模様。

ルビアはエロとかなら持ち前のバイタリティで誘ったり、
押し倒せるが、なんかデートとかを申し込むときは緊張するタイプ。
何だこの恋愛クソザコナメクジ!?(驚愕)

氷の女王?剣王?なんのこったよ(すっとぼけ)

ジョー君には合法ロりという約束された勝利の許嫁がいるから、
勝ち組。


メンヘラ、ヤンデレストーカーだけど()
ちゃんと向き合えば良妻になるが、
早く何とかしないとどんどん火薬の量が大きくなる爆弾でもある。

次回はルビアとエドの濡れ場の予定。


感想くれ

れれれのれ

書く際に読者の感想を参考にしているから、
何かしら意見が採用されるかもよ

KEY(ドM)


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【幕間】動き始める世界

こんにちはんこそば
KEY(ドM)と申します。


久々の投稿。


必要なので挟むスタイルの幕間




それでは、ご覧ください

KEY(ドM)


 

「・・うーん。」

ギルド長だけが使うことのできる一室。

ギルドマスタールーム。

 

そこの黒革でできた椅子に座りながら、彼、

ジーノ・ナッツは資料にペンで記載をしていく。

 

すなわち、エドが持ち帰った情報をまとめているところだ。

有益な情報は得られたものの、その取扱いに頭を悩ましている。

 

(・・どうしたものでしょうかねぇ)

 

エドから得られた情報。それは、ドラゴンの存在。

彼の衣服についていた龍の鱗がその証明となった。

その硬さから加工するのさえ手間がかかり、

上流階級の貴族がこぞって欲しがるアクセサリーの材料にもなる。

当然、ドラゴンを倒せる人間は一流の冒険者ぐらいなので、

価格も高い。

 

ドラゴンの存在を資料としてまとめて、王都に届けなければならない。

しかし、その際に証明としてこの龍の鱗も一緒に送らないといけない。

これをチャンスとみた貴族らは私兵を動かし、

龍がいたというポイントに軍事訓練として派遣してくるかもしれない。

近隣を支配する貴族はその大義名分をほかの貴族にも使わせるため、

金と引き換えに私兵を置かせる許可を出すかもしれない。

 

パワーバランスの安定を図っているというのに、

争いの種にもなりそうで、彼はうんうん、とうなり続ける。

 

(・・・・しかし、あまり見たことのないタイプですね・・・?)

ジーノはここ、ギルドマスターに在職してから10年以上の経歴を持つ、

ベテランであった。

当然、彼自身もゴーレム・マスターの二つ名を持つほどに強いし、

経験に裏打ちされた観察力も並大抵のものではない。

 

 

その彼でさえ、エドが持ち帰ってきた龍の鱗が、

それまで見てきたどれにも当てはまらないと判断していた。

 

色は黒。漆黒と言ったほうがなおいいだろう。

 

そういえば、前にここに来た少年が持っていた刀に似た色をしているな・・・と

彼はどうでもいいことを思い出したが、まあ、関係ないなとすぐに頭の中から追い出す。

 

 

(・・・・さて。これが吉と出るか、凶と出るか・・・・。

エド君。どうか、頑張ってくださいね?)

 

 

自分が歩いてきた道を、これから歩くであろう少年に向かって、

ジーノは笑みを浮かべながら、エールを送った。

 

それが、険しいものだと知っているから。

 

 

 

 

---エドの故郷 レグルス---

 

 

ここはレグルス。

エドとルビアが育った故郷。

若者は一番近い帝国方面で働くために出ていく者が大半。

 

 

けれども、何人かは村の暮らしを忘れられずに戻ってきたり、

最初からどこにも行かず、この村で一生を終えるものに別れる。

 

 

かつて、ルビーを連れてやってきたブル・ファーガスも、

故郷の暮らしを懐かしみ、一時的に戻ってきた口であった。

 

 

木造りのコテージのような小屋。

その中で、眼鏡をかけた40代くらいの白髪の男性は、

ずず、とティーカップを口に近づけ、お茶を飲みながら本を読む。

 

 

近くにいた、その彼の妻である女性は、洗い物をしながら、

かちゃかちゃと音を立て、自分の仕事をしていた。

 

 

洗い物をする音と、時折ずずず、とお茶を飲む音だけが部屋に響く。

 

「・・・ねえ、あなた。」

「・・・なんだい?」

洗い物をすべて終えたのか、エプロンをはずして、

妙齢の女性は男性が座っている椅子の隣に座りながら話しかける。

 

 

「・・・あの子は、元気かしらねぇ。」

「・・・・。」

彼らの頭の中に浮かぶのは、ずっとこの村で生まれ、育っていた一人の少年の姿。

すなわち、彼らの息子のこと。

小さいころからしっかりとしていて、手間もかからない。

 

 

----けれども、特に何もねだってもこなかった不思議な子。

どこか、遠慮しているようにさえ思えたほどに。

 

前世のことなど知る由もない彼らにとっては、

あんなにできた子供が生まれ、育ったことが今も信じられないほどである。

 

寂しそうにそういう妻を安心させるように、

男性は彼女の手を握りしめる。

 

 

「・・・大丈夫さ。僕と、君の子供なんだから・・・。」

「・・・そう、ね・・・。」

 

窓の外から出る月を二人は眺めた。

きっと、自分たちの息子も同じく見ているであろう、

青く光る月を-----。

 

 

---エド・マークスの名が世界中に知れ渡るまで、

もう少しかかるのだった。

 

 

 

 

 

「学園長。」

「・・・・・・・・。」

 

リーダス王立学院の学園長室にて。

3人の人物が一堂に会していた。

 

1人は、リーダス帝国最強の水使い、

"血の雨"ことブレンダン・アックス。

 

1人は、リーダス王立学園、教頭、

"雷神"イリヤ・ボルティクス。

 

 

そして、リーダス帝国最強の剣士、

"剣神"、学園長こと-----。

 

 

「----やるのか?やっぱりよ。」

「・・・・・無論。」

「・・・・・・・・・。」

 

ブレンダンの言葉に、当然と返す学園長。

テーブルの上には、サファイアローズと、

エド・マックスについての資料。

そして、黒い鱗と、その隣に置かれているギルドのマークがしるされた、

とあるペンダント。

青色の鉱石によって作られたそれは、鈍く輝いている。

 

イリヤ・ボルティクスは不機嫌そうに、顔をぷくーと膨らませ、

明後日のほうを向いている。

 

その見た目と相まってふざけているようにも一瞬見えるが、

彼女の眼は笑っていなかった。

 

 

「・・・・・あの子は、私の教え子なんですけドー?」

「・・・しょうがねえだろ。だからといって、ひいきするのはありえねえし。」

「・・・・そりゃね?Bクラスのクエストをクリアしたってことは、

"十王の膝元"レベルはあるってことだけどサ・・・。」

「これは、決定事項だ。覆らん。」

 

いまだに納得いかないという顔のイリヤに対して、

たしなめるように言うブレンダン。

それでもまだ文句を言う彼女に対して、

学園長はきっぱりと言い放った。

 

「・・・わかってるよ。それぐらい。

才能のある子を放っておくのは、教育者としてありえないっていうのも。

・・・・でもさ、

あの子はさ、レグルスにいる私の姉の、大切な---。」

「----私情を挟むな。自分の仕事を全うしろ、教頭。」

「・・・・・。」

 

----パリパリパリ、とイリヤの周りを電流が流れ始める。

自分の言葉を遮られたからか、それとも、石頭すぎる学園長にムッと来たのか。

ブレンダンはそれを見計らっていたかのように、彼女の周りに水の膜を作り出し、

取り囲んでいた。

 

 

「・・・ちったぁ冷静になれや。・・・たく。自分の教え子に恋する教師なんざ、ろくでもねーだろうに。」

「-----今、なんつった?」

「・・・あっ。」

 

ゆらり、とイリヤは体を動かし、立ち上がる。

それまで、張り付けていたかのような笑みは引っ込み、

真顔でブレンダンのほうを向いていた。

 

「ちょっーー?!!おまっ、ここ室内だぞ!!!?

やっと修復したばっかの校舎でやるんじゃねぇええ!!」

「・・・・・。」

「くっそ!!これだからシスコンはよぉ!!!

・・・・学園長っ!!てつだ---」

 

自分が彼女にとっての地雷を踏んでしまったことに気が付いた彼は、

慌てて学園長に助けを求める。

 

 

---が、彼が振り返った先にはすでに誰もおらず、

出口のドアがきいきい、と音を立ててわずかに動いていた。

 

「あ、あ、あの野郎おおおおおおおおお!!!!逃げやがったああああああ!!!!」

「・・・・・"●●"」

 

 

---その日、リーダス王立学院に雷が降ったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







以上、終わり!!

閉廷!!解散解散!!

必要だったので入れた幕間。

自分の子供を心配する親ってこんなカンジ。

ちなみに、学園長はいつものことだけれども、
ブレンダンがいるから大丈夫だろ、
訓練しに行こ、と考えてさっさと出ていったゾ。


やったね!!ブレンダン君!!!信頼されているね!!!




そして、頭を悩ますジーノさん。


エドはどこ・・・?ここ・・・?

感想くれ。

全部見ているからくれれのれ。



KEY(ドM)


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エキシビジョンマッチ~"氷の女王"VS"紅蓮の従者"~ その1

こんにちはこそば。
KEY(ドM)と申します。


なんやかんやあってようやくエキシビジョンマッチ。

サフィーがルビー並みに人気があって草。

ちなみに、エキシビジョンマッチの難易度はエド、マストダイ。

ルビーをただの淫乱美女だと思っているそこの読者。

ちょっと焼かれてきなさい。

序列1位~10位、"十王"=学園最強クラス
(サフィー、ルビーはここ)

序列11位~30位、"十王の膝元"=一流"半"の冒険者クラス
(エド、べルフェゴール、ウルフマン、ドラクル、アレックス・ターナー、サカモト、デビアス、ディック、ヨシツネはここ(※ただし、ベルフェゴールだけは別格))

つまり(エド君ぴんち)

ただし、11位と10位の間には、
11位と最下位の間よりも大きな実力の壁がある。


それでは、ご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


あのギルドクエストが終わり、ギルドマスターである、

ジーノさんへの報告が終わった。

さすがのギルドマスターといえど、今回の情報は、

上の権力者たちが動きかねないほどのものであり、

頭を悩ませるほどのものだったらしい。

 

情報をまとめた報告書を彼に提出したところ、

最初はふんふん、とうなずきながら読んでいたが、

そのうちぴたり、とフリーズし、頬に冷や汗が流れていた。

 

そして、冷静さを取り戻したのか、いつもニコニコしていた彼が、

眼鏡をきらりと光らせながら、真顔で言ってきた。

 

『--絶対に、このことは内緒で。最悪国が割れるか、他国と戦争になるので・・・。』

『あ、はい・・・。』

 

そういわれてはうなずくほどないが、あの時のジーノさんは、

本当に鬼気迫るという表現がぴったりなほど、威圧感を放っていた。

 

まあ、お茶を入れに来たドルさんにヘッドロック掛けられて、

すぐにいつもの調子に戻ってきたけれども。

 

んで、俺をずっと探していたらしいルビーとは無事に合流。

ジストさんが滞在していた小屋から街に帰る矢先、

街が見えてきたところで横からどどど、と何かが走ってくる音が。

振り返ろうとした矢先、大変大きな胸がとびかかってきて、

そのまま地面に押し倒された。

そして、街の近くだろうと知ったこっちゃないと言わんばかりに、

キスをされまくる。

 

俺と少し離れていただけだというのに、

寂しかったと見える。

いや、俺もこうしているのは好きだ。

好きなんだけど・・・ちょっと・・・恥ずかしいというか・・・。

 

 

 

 

 

ちなみに、それはそれとして、とてもとても心配したと主張するルビーに、

背中から抱き着き地蔵のようにおんぶされ、そのまま近くの宿屋までいったん

帰ることになった。

(学院にこのまま帰るとさすがにやばいと思ったので)

 

そこからはあまり記憶がない。

体がやけに渇いていたがきっと気のせい。きのせい。

 

 

そうして平和な日々が続くと思っていた。

 

 

 

 

 

『エキシビジョンマッチ!!序列5位"氷の女王" サファイア・ローズVS序列30位"紅蓮の従者" エド・マークス』

 

修復が進み、部分的にならすでに使えるようになった修練場にて、

その表示は映っていた。

 

----夢じゃなかった。うん。・・・うん。

ルビーに十王の膝元として指名され、ギルドのBランククエストを受けることになり、かろうじて成功させてほっとしていたのもつかの間。

 

担任である、イリヤ・ボルティクス先生に来賓室まで呼ばれたかと思うと、

大事な話がある、と言われて、話の内容を聴いて卒倒しそうになった。

 

---序列5位、"氷の女王"サファイア・ローズとのエキシビジョン・マッチが決まった、頑張ってネ♡、とのこと。

いや、無理でしょう。死ぬでしょう。マストダイでしょう、と反論するも、

ギルドランクBのクエストをクリアできているし、大丈夫へーきへーき、と押し切られてしまい、あれよあれよという間に話が進むことに。

 

自室のベッドでごろごろと寝転がる。

同居人にであるジョーはジョーで、何やら最近忙しいらしく、

序列をあげるためにクエストに行ったりしているらしい。

なので、今は俺一人だけだった。

 

 

(・・・・ああ。でも、なんで突然・・・・?)

 

どうしてこうなった?どうしたこうなった?

膝元に来たと思ったら、いきなり十王との決闘など。

あれこれ考えていたが、疲れからかまぶたが重くなっていき、

しだいに夢の中へと意識が薄れゆくのだった。

 

 

 

 

---十の椅子が鎮座する、"十王の間"。

 

許された者だけが入ることができるその場所にて、

先日学園長によって決められた、サファイア・ローズと、

エド・マークスのエキシビジョンマッチ。

 

十王へ挑める生徒は少ない。

それはつまり、十王の戦いを目にする機会が少ないことを意味していた。

ゆえに、彼らの実力は新入生にとって疑問だ。

実際に見ることがなければ、恐れることもない。

 

 

だが、時折こうした催しが行われることがある。

 

多くは十王と十王の決闘。

隔絶した実力を新入生達に見せることによって

モチベーションアップにつなげようという狙いがある。

いずれ、自分もあんなふうに・・・と。

才能によって魔力量は絶対的に決まっている。

魔力があるものはあるし、ないものはない。

扱える魔法の属性も増えることもない。

 

例えばだが、過去の大戦において、

敵将を討ち取り、男爵位を当時の王からもらった、

ルビアの家系であるレイ・ファーガス発祥のファーガス家は、代々炎属性の魔法を得意とする。

これは、一番扱いが上手い炎属性の魔法をどの代でも一番長い時間をかけて鍛え、

次の代に継承し、ファーガス家の力を増すためである。

 

子の魔法量は、先祖からの遺伝によって決まる。

ゆえに、ファーガス家では炎属性の扱いに長け、魔力量が多い子供が生まれるのも必然である。

すべては、次代につなげるため。

 

話を戻そう。

 

そんな遺伝子のバトンタッチによって生まれた女傑、

我らがルビア・ファーガスであるが・・・・。

 

 

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

 

--めらめらめら、と瞳を金色から紅く染め上げ、体面に座る氷の女王、

サファイア・ローズに熱風を送っていた。

対する、サファイアも以前の意趣返しとばかりに冷気を送り返し、

テーブルの上では氷と炎が躍る地獄絵図となっていた。

 

 

「ちょちょちょちょ!!?やめるのでアール!!寒い!!熱い!!寒い!!熱い!!というか痛い!!めっちゃ痛い!!」

「おうごらぁ!!俺の秘蔵の酒がまずくなんだろうがぁ!!!」

『・・・・僕の・・・わんじろーと、にゃんたろーが・・・。』

"聖騎士"ことピエールは鎧越しに伝わる熱気と冷気にサンドイッチされ、

痛みにあえぎ、酒呑童子は十王の間でこっそりひとめにつかず飲もうとしていたお気に入りの酒を呑もうとして、それが冷気と熱気でいい具合にまずくなってしまいマジ切れし。

そして、パペットマスターは凍り付いて動かなくなった犬人形のわんじろーと、燃えてしまったにゃんたろーを呆然と見つめながら、悲しんでいた。

 

「・・・・・貴様か?冷徹女。」

「・・・・何の話だ?色ボケ女。」

お前がやったのか?というニュアンスを含めて、ルビアはふふ、と笑うサファイアをにらみながら、問いかける。

サファイアは答えずに、はぐらかす。

---キレていた。

 

あの、紅蓮の悪魔が。

 

それは、同じ十王であるほかの面々も見たことのない表情だった。

なんの感情も示さない、真顔ばかりのあの女が・・・、と内心、

驚愕をあらわにしていたものの、事のなりゆきを見守っていた。

 

「・・・・はてさて。そういえばだがな、私の対戦相手、

名前は何と言ったかな?・・・・ああ。そうそう、

確か、エド、とかいうあの平凡顔。・・・さぞや凍らせると、

いい表情で泣---」

 

---その先をサファイアが言う前に、彼女を炎が包み込んだ。

炎の竜巻がルビーの体から生み出され、氷の女王の笑み事燃やし尽くさんと。

一瞬にしてすべてを焼いてしまう高熱の炎。

こんなものを浴びればどんな人間だろうと普通は死ぬだろう。

だが。

 

 

「----。」

「----慌てるな。お前のお気に入りのあの男を凍らせたら、次は貴様だ。紅蓮の---。」

 

炎は凍りつき、サファイアはなんでもないかのように、

話を続ける。

 

ルビーはスッ、と目を細めた。

(・・・レベルアップしている。前に殺し合った時よりも・・・。)

 

「---さて。私はそろそろ英気を養うとしよう。」

 

かつん、かつん、と靴音を鳴らしながら、彼女は先ほどまでのことを何でもないことのように受け流し、十王の間を出ていった。

その後ろ姿を、ルビーはじっと見つめ続ける。

 

そして、ふっ、と笑った。

 

(-----お前は知らない。私が惚れた男の強さを。

優しさを。・・・・なあ、エド?)

 

自分の想い人の顔を浮かべながら、彼女も部屋を出ていくのだった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・痛い・・。」

「・・・・・酒が・・・まずい・・・・。」

『・・・・・また・・・なおさなきゃ・・・。』

 

 

----横で落ち込んでいる愉快なトリオを置いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




剣王「え?またあの二人が喧嘩した?ふむふむ。まあ、放っておいていいんじゃないかな。」
ジョー「実家に仕送り+学費稼がないとやべええええ!!どんどんクエスト受けるぞおらぁああ!!」
エド「・・・・・・・・・(久びりに熟睡)」


ルビー「・・・・・・・(エドの寝顔をじっと見つめながら、
同じベッドにもぐりこむ)」


エド君!!起きないとまずいぞ!!エド君!!

ちなみに男はそんなに出せないから、
女性諸君はもっと手心を加えようね!!!(体験談)

いや、一日8回イった時は体がマジで渇いた・・・。

愉快なトリオはこんなんでも十王です(目そらし)

補足

~リーダス王立学院 エキシビジョン・マッチ~

スポンサー(貴族と商家)からの意向をくみ取り、
有力者を招いたエキシビジョン・マッチが行われることがある。
今回の件は、先のドラゴン襲撃事件による警備の不備を問われているので、
その挽回のためでもある。

感想、くれ

れれれのれ

KEY(ドM)


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エキシビジョンマッチ~"氷の女王"VS"紅蓮の従者"~ その2 準備と、準備と、応援と

こんにちはこそば。
KEY(ドM)と申します。


続きを望む声が多かったのでこっそり投稿。

ルビーの濡れ場を見たがる読者が多すぎぃ!!

エキシビジョンマッチに向けて。

それでは、ご覧ください(KBTIT)


KEY(ドM)


それは一瞬のことだった。

 

魔力を込めて、映像を記録として残す映像石によって投射されたその映像は、

圧巻の一言である。

 

「----結局のところ、あの冷徹女の強さはここにある。」

 

ルビーは胡坐をかき、その間に俺をすっぽりと収めながら、

すりすりと体をこすりつけてくる。

何でも、こうしていると落ち着くという。

 

「奴が"十王"になって間もないころの映像だ。おおよそ、一年前だな。」

 

壁に投影された映像。

そこには、今よりも髪が少し短いあの"氷の女王"が修練場で戦っている場面だった。

いや、これはもはや戦いではない。

----彼女の周りには数十人の生徒たちが。

あるものは、絶望の表情を浮かべながら氷像と化し、

あるものは、凍り付いてはいないものの、その寒さに耐えきれず、

膝を屈して崩れ落ちていた。

 

対して、彼女はどうか。

汗一つかかず、息一つ乱さず、そんな周りにいる敵を見下ろしていた。

サーベルのようなものを帯刀しているが、それを抜いてすらいない。

 

「あの空気を一瞬で凍らせる絶対零度を超えて、やつに近づくには、

魔力で自身を強化し、抵抗するか、私みたいに炎属性を操れなければならない。」

 

確かにそうだ。

あの氷の女王の攻撃をかいくぐって、近くまで来たと思ったら、

剣を振るった生徒の両腕が氷漬けになっていたり、

脚がいつの間にか凍り付いていたりしている。

これでは、近づいての戦闘は難しい。

これが、"十王"。

これが、"氷の女王"。

 

 

「お前が持っているあの"籠手"。・・・また、珍しいものをなんでもっているかは置いておくとして、あれにありったけの魔力を打ち込めば、あいつの氷壁も撃ちぬくことができるだろう。」

自分の腰もとに収まっているあの柄だけの剣。

それをくれた、いつもほっほっほ、と笑っている村長の顔と、

父さんの姿が浮かんだ。

 

「---んで、魔力で身体能力を強化し、あいつと対峙することになったとして、

タイムリミットがある。」

「タイムリミット?」

「そ。」

「そうそう。---例えばだな。」

 

むん、と彼女が気合いを込めたかと思うと、部屋の室温が一気にあがった。

当然、蒸すような暑さと、喉が焼けるような痛みが体に広がっていき、

思わず叫ぶ。

 

「あつあつあつあつ?!」

「そうだな。暑くてたまらないよな?それじゃあ、エドはどうする?」

言われるまでもなく、体中に魔力をみなぎらせる。

幾分か、暑さがましになり、ふうと一息ついた。

 

「で、だ。---その状態、何分続けられる?」

「-----。」

なるほど、と頭の中に浮かんだ。

つまり、ルビーと戦うときには熱波から身を護るため、

対する、サファイアさんと戦うときには寒波から身を護るために、

まずは魔力を身体強化に回す必要があると。

そして、それが続けられる間にケリをつける必要がある。

 

「10分か、20分かどこまで続けられるかわからないが、あのすました冷徹無表情こじらせメンヘラ処女をたたっ切るにはその間に懐に潜りこまないといけない。」

ふっ、と部屋から暑さが消えた。

彼女が炎属性の魔法を使うのをやめたからだ。

俺も同じく身体強化の魔法を消した。

・・・というか、だいぶボロくそに言っているが、

何かあったのだろうか。

いや、聴くのはやめとこう。藪蛇な気がするし。

 

ルビーのおかげで重要な情報が手に入った。

 

「・・・ところでルビー。」

「?なんだ、エド。」

 

彼女のほうを向き、まだ暑さで滴る汗をハンカチで拭きながら、

ルビーに尋ねた。

 

 

「・・・・・部屋を暑くする必要、あった・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・ルビー?」

それまで、俺を抱きしめて嬉しそうにしていたルビーがすっと目を細めたかと思うと、その長身で俺を抱きかかえ、ふろ場のほうまで歩きだす。

 

「あー。汗をかいてしまったなー。ふむ。これはまずい。

よくない。よくないぞー。これはもう一緒にお風呂に入ってきれいにならないといけないなー。」

「・・・・なんでふろ場のほうに向かってるんだ?」

「・・・・。」

「・・・なんで無言なの!!?」

「はーい。脱ぎ脱ぎしましょうねー。」

「ちょっ、キャラが変わって・・・。」

 

 

----あとは、お察しの通り。

語るに及ばずとなった。

 

 

 

 

「トートカルチョ♪トトカルチョ♪いえい♪」

「・・・・・zzz」

 

序列30位以内が住むことを許される区画。

その一室にて、複数の人物が会していた。

上機嫌にテーブルの上に集められた金を数え、

それを仕分けする、シルクハットに目だけ隠れた仮面をつける、

黒髪長髪の青年、序列13位、"大怪盗"ルパンと、

そんな彼の横ですぴー、と寝息を立てながら幸せそうに寝る、

序列14位、"大義賊"ゴエモン。

 

新入生同士でのトーナメント、『Hell or Heaven』にて胴元として賭博行為を取り仕切った結果、金貨100枚、銀貨54枚、日本円にして100万円近くの収入が入ったからである。

ちなみに、その手伝いをしていたゴエモンもちゃっかりとその利益を得ている。

 

「全く儲かってしょうがねえぜ!!ドラゴンの乱入で一時はどうなるかと思ったけどよー。」

あのドラゴン乱入事件で試合自体が無効になりそうだったものの、

序列ははっきりとついたため、賭け自体は成立した。

で、そんな毎年いい目を見ている彼は、今回のエキシビジョンマッチでも、

また賭博行為の仕切りをしようとたくらむのだった。

 

「なあ、ゴエモン!?」

「・・・・うん。・・・zzz」

隣で眠る自分の相棒に笑顔でそう告げるルパン。

そして、彼は今回のエキシビジョンマッチの倍率を計算していく。

 

「さーて。あの十王と膝元じゃあ、やっぱりかけ率は・・・oh」

 

さらさらさら、と集められた金額と、計算した倍率を何度も見比べ、

彼は絶句する。

 

「・・・・倍率100ぅ!!?あほか!!!そんなん賭けが成立するわけあるかい!!」

「・・・うっさい。」

「いっだぁ!!?」

ルパンの叫び声が耳に障ったのか、ゴエモンはルパンのすねを思いっきり蹴ると、

再び寝始める。

おーいて、と右手で蹴られた部分を擦りながら、彼は思案する。

 

(・・・・くっそー。あわよくば、って思ってたけれども、

これじゃあ、賭けが成立しねえし、全額払い戻して俺だけ大損だぜ・・・!!)

 

そんな時、こんこん、と彼らの部屋のドアがノックされる。

 

---瞬時に、ゴエモンは自分の身長と同じくらいのキセルを肩に担いで構え、

ルパンの前に出る。

 

「--落ち着け。単なる来客だ。」

「・・・む。」

ぽん、ぽん、と自分よりも頭一つ小さいゴエモンの頭を優しくなでると、

彼はドアの前まで歩き進み、右手にナイフを隠しながら返事をする。

 

「・・・誰だい?こんな夜更けにデートのお誘いか?」

『・・・・・・・。』

「・・・・・・。」

 

かろうじてルパンが聴こえる程度の返事が返ってきた。

それは、学園内でも数十人しかしらない合言葉だった。

二つの意味で彼は、ルパンは唾を思わず飲み込んだ。

その言葉を知っている人物が久々に訪れてきたこと。

そして、その人物が彼にとって知っている相手であったこと。

 

「・・・へっ。入んな。・・・でも、まさかあんたが来るなんてなぁ?」

 

きい、とドアが開けられ、そこには白のローブで全身を覆った、

長身の女性が立っていた。

 

 

「・・・それじゃあ、話を聴こうか?」

 

ドアが閉められ、長い夜が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 




序列13位、"大怪盗"ルパン
レベル47
怪盗4 マジック3

その出自は不明。
黒のシルクハットに、白の目だけ隠れたマスク、
そして、マントにスーツ姿という奇抜な格好をしている青年。
学園のあらゆることに精通しているという情報通。
あまりに知りすぎているために、他国からのスパイである疑いがかけられ、
常に命が狙われているほど。
現在、2年生。
"とあるもの"を求めて、学園にやってきた。
"大義賊"ゴエモンとは、同郷出身の幼馴染。

序列14位、"大義賊"ゴエモン
レベル44
義賊4 キセル術3
青いショーカットの髪型に、シノビ装束を思わせる黒の忍者服を着こみ、
自分の背丈と同じか、それ以上の大きさのキセルを装備する人物。
常にルパンの後ろを引っ付いている。
中性的だが、どこか幼さを残した容姿であり、
見る者をくぎ付けにする。
首に白のスカーフを巻いている。
ルパンの後を追って学園にやってきた。
"大怪盗"ルパンとは、同郷出身の幼馴染・・・


・・・・・であるのだが、
常にルパンの後ろをくっついており、
彼がほかの女子と話していると、
機嫌がすぐに悪くなる。
過去に何かあったようだが・・・?

設定はちゃんとあるけれども、
外伝を書く気になったらそこで明かしていくスタイル。


一応、各国の歴史、家系、有力貴族、
過去に起こった大戦。魔法が体系化されるまで、
それぞれの地域の特産品、などすべて考えてはある。


まあ、ここの読者はエロ目的だから、
あんまり意味ないだろうけれども。

ルパン君の貞操が危ないって?
へーきへーき。彼は常に警戒しているから。
(ゴエモンに対してはその限りではない)

部屋にやってきた謎の長身の美女。
一体誰なんだ・・・・(棒読み)

感想、くれ

れれれのれ


KEY(ドM)




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エキシビジョンマッチ~"氷の女王"VS"紅蓮の従者"~ その3 入場と、相対と

こんにちはこそば。
KEY(ドM)と申します。

今後は、一番人気のこの作品を重点的にやっていくことに。

そろそろ始まる、エキシビジョンマッチ。

勝者は作者にもわからない。




それはそれとして、エロも求めていくスタイル


それでは、ご覧ください(KBTIT)



KEY(ドM)


『----さあ、ついに始まります!!世紀の大対決!!』

『---実況は、序列45位!!"カラス天狗"こと命と!!』

『---序列54位!!"霧時雨"の漣がお送りいたします!!』

 

二人の黒髪、長髪の美少女がマイクに叫び、声高らかに宣言する。

観衆は、それにこたえるかのように湧いた。

声は怒号となり、アリーナを揺らす。

彼らは待ちわびていた。この時を。

----惨劇の幕開けを。

 

「・・・・はっ!!しかしうるせーなぁ・・・。

耳が割れるぜわおおおん・・・。」

「・・・何だ?お前、大きな音が苦手なのか?

ウルフ系の獣人のくせに。」

「うるせーやい!!俺様はいい男だけれども!!

親しみやすくするためにあえて弱点を残してんでい!!」

(嘘だな。)

(嘘だね。)

 

アリーナの一角。そこには、猛者たちがそろっていた。

 

『・・・おい、あいつらは・・・。』

『・・・Hell or Heveanで上位に食い込んだ化け物どもじゃねーか・・・!!』

『・・・くっそ・・・。新入生ごときが・・!!』

 

耳を抑えながら、隣で巨体を小さく丸めて、観客席に座るヴェルフェゴールに突っかかる、ウルフマン。

更にその隣に座る、低血圧コンビの"魔導者"、アレックスターナーと、

"吸血侯爵"、ドラクル八世。

のんきにジュースを飲みながら、一緒にドラゴンと戦ったエドが十王と戦う様を見に来たのであった。

炭酸が入った果実ジュースをじゅるるる、と飲み干すとげっぷとヴェルフェゴールは息をつく。

 

「・・・なあ、お前さん。どっちが勝つと思う?」

「・・・・あ?そんなの、十王に決まってんだろ。なあ?」

「・・・そうじゃない?」

「・・・ちうちう。」

「人の血を勝手に吸ってんじゃねー!!!」

ヴェルフェゴールはほかの3人に意見を求めたが、

すぐにいつものコントをしだす3人を見て、

こりゃ駄目だ、と漏らし、じっとアリーナの中央を見つめる。

 

 

 

----すなわち、十王の一角、序列5位"氷の女王"、サファイア・ローズを。

 

 

(・・・・なんつー威圧感だ・・・。)

ヴェルフェゴールは戦闘のプロである。

傭兵国家リルド出身の彼は、口減らしによって捨てられ、戦場で戦うことを余儀なくされた、生まれながらの戦いの達人である。

ペンを握るより先に武器を持ち、握手よりも先にパンチの打ち方を学んだ男。

その彼をして、十王は絶対に相手をしたくないと思わせるプレッシャーを放っていた。

 

 

歓声はいつの間にか止んでいた。

彼女がいつの間にかアリーナの中央に立っていたことに気が付き、

----そして、彼女の気まぐれによって凍らされないように口を閉ざしたのだった。

 

 

(・・・はったりじゃねえわ。・・・つえぇ。)

ぐ、とヴェルフェゴールは思わず右手を握りしめていた。

彼女の周りからは高ぶった影響なのか、冷気が漏れていた。

それは、アリーナ全体を冷やすには十分なほどであり、

溢れだす熱気を相殺するように、会場全体を冷ややかな空気へと変えてしまった。

 

 

サファイア・ローズは動かない。

微動だにせず。敵を待つ。

その眼は敵がやってくるであろう、エドの入場口にずっと向けられている。

 

 

実況すべきである、実況者は声が出せなかった。

うかつなことをしゃべるのまずい、と本能が訴えている。

 

「・・・・・・デビアス、っつったか?」

くるりとヴェルフェゴールが振り向くと、そこには、

漆黒の刀を帯刀している黒ローブ姿のデビアスが、

いつも間にか彼らの後ろに座っていた。

 

音もなく、気配さえも消しきっていた男を唯一捉えられたのは、

彼、ヴェルフェゴールだけだった。

 

「・・・・・。」

「んなしかめっ面してんじゃねーよ。・・・あ、菓子あるけど食うか?ん?」

「いてええええ!!てめっ!!尻尾を噛むのは反則だろ!!尻尾はよぉ!!」

「・・・・もらおう。」

何やってんだ、こいつら・・・、と若干困惑しつつも

表情には出さないようにしながら、彼もウルフマンの隣に座り、

試合を見届けるのだった。

 

 

 

 

アリーナの上の頂にて、王は君臨する。

 

この戦いを見届けるために。

----己の膝元に存在する、脅威を見定めるために。

 

学園最強の身体能力を誇る、"酒呑童子"。

魔法、物理攻撃、ありとあらゆるものを防ぎ切る、"聖騎士"。

酒呑童子とタイマンで引き分けた過去を持つ、"パペット・マスター"。

そして、国を割ったといわれる王剣、"国断"を腰に差す、"剣王"。

エキシビジョンマッチに出るサファイアはともかくとして、ルビアも、

彼らと同じ玉座にはいない。

 

空白の席が6つ。

座するは4つの席。

 

その席を狙う者たち、数知れず。

 

 

「いつになく、高ぶってんなぁ。あの女ぁ。」

「・・・でアールな。」

『・・・・・・・。』

「・・・・・・・・。」

酒呑童子のつぶやきに、他の3人も同意する。

彼らも初めて目にする。

氷の女王が、あそこまで集中しているところを。

気負い、とはまた違う。

おそらくだが、その理由にはすぐに4人とも至った。

 

(・・・力量だけは認めているあの、"紅蓮の悪魔"が指名した男。)

(警戒しないはずがないでアール。)

((・・・ラッキーガイ?本当にそうなのか?))

 

 

(・・・・さあ、見せてくれ。エド。君の力を---。)

 

 

『----あ?!き、来ました!!あの人影は!!あれは!!』

 

---それまで、しんと静まっていたアリーナ内部に実況の声が響いた。

それよりも先に早く、サファイアはその目で確かに捉えていた。

自身の敵の姿を。

 

「・・・・・・・・・・・。」

 

かつん、かつんと白のローブを身にまとった人物がアリーナ中央にやってきた。

 

サファイアローズから放たれる冷気など意に介さないように、

彼は確かに面していた。

---学園の頂点たる一角、"氷の女王"の前に。

並の人間であれば臆するプレッシャーを受けてなお、エドは立っていた。

 

『---来ましたあああああ!!!Hell or Hevean上位に食い込み!!

"紅蓮の悪魔"の指名によって!!"十王の膝元"へと一気に駆け上がった青年!!!

期待のホープ!!!』

「・・・・・・。」

 

ばさり、と白のローブを脱ぎ捨て、彼はその姿を現した。

 

 

『エド・マーク・・・ス・・・?・・・????』

 

 

---その姿を見て、実況者は絶句した。いや、

アリーナ中にいる人間も。

包帯だらけの体。

異常事態に。

 

『・・・な、なんだよ・・あれ・・?』

『なんで、あんなケガだらけなんだ・・・?!』

『そもそも、あんなので"十王"相手に戦えるのか・・?』

 

次に困惑の声があがった。

最初に気が付いたのは、獣の血を濃く引いているウルフマンだった。

すん、すんと鼻を鳴らすとつぶやいた。

「・・・・何かが違う。俺様の本能が、警戒マックスになってやがるぜ。」

「・・・・何?」

その先をデビアスが尋ねる前に、両社は中央まで歩み寄った。

エドは包帯だらけの体を引きずるかのように。

サファイアは、そんな姿で"十王"である自分の前に相対した、

愚か者を処刑するために。

 

「・・・・貴様、舐めているのか?」

「・・・いや、貴方は強い。たぶん、ルビー相手にだって、引けをとらないでしょうし。」

「・・・・。」

"紅蓮の悪魔"と同列に並べられ、ぴくりと彼女のまぶたが動いた。

それを侮辱と受け取ったのか、賛辞と取ったかはわからないが、

彼女の心をさらに突き動かすのに十分な一言だった。

 

 

「----よし。貴様はここで死ね。惨めに、あの女が見ている前で。」

「・・・・。」

エドは答えない。すでに集中していた。

彼女の視線はエドではなく、エドがやってきた通路に立っている、

自分が認めたライバルに向けられていた。

 

 

「・・・・・。」

にやり、とルビーがサファイアに向けて笑みを向ける。

 

 

『----序列5位!!十王の一角!!!すべてを凍てつかせる絶対零度!!永久凍土の支配者!!!"氷の女王"!!サファイア・ローズと!!!』

『----序列30位!!十王の膝元!!期待の新星!!!その力はどこまで十王に届くのか!!"紅蓮の従者"!!!エド・マークス!!』

 

実況の声がアリーナに響き渡る。

観衆の声もそれに応じるかのように、天を割る勢いで膨れ上がった。

だが、対峙する二人の間には、そんなものなど存在しないかのように、

静かな時間が流れていた。

 

 

「・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

サファイアがいまだにルビーに視線を向けているのに対して、

エドはサファイアの姿をじっと見つめていた。

 

 

「・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

「・・・・。」

 

十王と、十王に匹敵する者たちも、この戦いを見届けるために、

自身のすべてを使い、戦いを注視する。

 

『-----それではあああああ!!エキシビジョンマアアアアアアアアッチ!!!』

『----始めっっ!!』

 

---戦いの火ぶたは切って落とされた。

 

 

 

 

 




"十王" サファイア・ローズ
レベル68
魔力操作(氷)4 サーベル術3 統率3

サファイアのメス堕ちを早く見たがる読者多すぎて笑う。

闘いと、それに至るプロセスもあるからもうちょい待つんだおらぁん。

あ、それはそれとして、番外編でやっていたルビーのメイド姿でのエロエロ話、
続きを求める声があれば書くぞい。


感想、くれ

れれれのれ


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エキシビジョンマッチ~"氷の女王"VS"紅蓮の従者"~ その4 "リーダス王立学院最強の氷魔法使い"、サファイア・ローズ

こんにちはんこそば
KEY(ドM)と申します。

続きを望む声が多かったので投稿

意外とみんなバトルを楽しみにしてるんね


あ、後世界観知りたいって人も多いから、
ちょくちょく、他の強者とかは出していくぞい

本編に出てきてないけど、"最強"の称号を持つ魔人とか、
"戦神"、"舞姫"とか、十王と同じレベルのロボット軍団で、世界の果てに封印された機械化集団とかもいるぞい

それではご覧ください(KBTIT)


KEY(ドM)


開始宣言が下される少し前のこと。

リーダス王立学院、エキシビジョンマッチには、

国外から招待された要人がアリーナに座っていた。

 

極寒の地、傭兵国家の、北のリルド王国。

灼熱の砂漠が続く、交易地、西のアルス王国。

樹海が人の営みを隠す、南のローグ連合国。

東のアルバーツ連邦だけは鎖国を保っているため、

表立って招かれた要人はいない。

 

彼らの目的は一つ。

 

---"将来、戦場で相対するかもしれない人間を見定めるため"

 

リーダス王立学院はアルバーツ連邦を除くほかの3国から留学生を募っている。

発展と成長には、国同士の貿易が欠かせない。

人を輸出、輸入するのもそのためである。

 

いわば、ここは4国の中心地。

視察を兼ねた戦力分析でもあった。

 

ここに招かれた人間は例外なく、貴族として高い地位にいるか、官僚として出世している者か、

---"十王"と同じ、自国で恐れられている怪物であるかだ。

 

リーダス王立学院に"十王"が存在するように、

他国の学園にも頂点は存在する。

 

 

リルド王国のファティマ学園に立ちはだかるは四人の聖者、"四聖"。

 

 

アルス王国にあるリコック学園にて生まれた六の怪物、"六怪"。

 

 

ローグ連合国のティラード学園を支配する三の強者、"三凶"。

 

 

これらの戦力は、もともとはいずれは学園同士の交流戦にて、

十王に対抗するために作られたポジションである。

明確なランキング付けによる生徒たちのモチベーションアップという手法を、

各国も取り入れていた。

 

そして、いずれは戦場に出てくるであろう、十王を消すために---。

 

 

"傭兵王"ヴェルフェゴールの出身地、リルド王国、ファティマからは四聖のうち二人、

"聖剣"と"聖槍"が。

 

世界一の交易大国であるアルス王国、リコック学園からは六怪のうちの二人、

"怪鳥"と"怪獣"が。

 

樹海に隠れているローグ連合国、ティラード学園からは三凶のうち、たった一人、

"凶星"が。

 

 

アリーナのゲスト席にて此度の催しを見下ろしていた。

 

そして、幾たびも刃を交えた経験もある、十王と目が合い、

互いに探りを入れるような目線を交わしたかと思うと、

すぐに目をそらし、アリーナ中央に視線を戻す。

 

 

彼らにとって、今重要なのはエキシビジョンマッチの行方であった。

 

 

 

会場にいる実況の開始宣言と共に、

最初に動き出したのは---

 

 

「-----」

『---あああっっと!!!氷の女王めがけて、エド・マークスが一気に走り出したぞおおお!!距離を詰める詰める!!!』

 

エドだった。

当然と言えば当然。まともに魔法を使えるわけでもなく、

頼みの綱は今までに培った戦闘経験。

遠距離にいれば氷属性の魔法で狙い撃ちにされ、

不利な状況に置かれる。

 

ゆえに、自分が一番得意な距離。

すなわちエドが持つ拳が届く範囲まで近づく必要があった。

脚に魔力により身体強化を施し、地面をけり上げる。

並みの魔法使いであれば急な動きに対処できず、

そのまま一撃のもとに撃ちぬけるだろう。

だが、相手は"十王"。

並みをはるかに上回る、学院最強の王たちである。

 

「・・・・・。」

「・・・!!?」

『---距離を詰めようとしていたエドマークス!!しかし!!

しかし!!』

 

サファイア・ローズの目の前に、大きさにして5Mほどの氷の塊が出現し、

エドに向かって放たれる。

瞬時に障害物が現れたことを彼は認識し、

左側に大きく飛び跳ね避ける。

すぐさままた両足に魔力をこめ、地面を蹴り上げて

駆け抜ける。

 

『うまい!!弾き反らすように巨氷を捌きました!!!』

『さあ!!敵はすぐ前にいるぞ!!エドマアアアアクスウウウ!!』

 

エドは右腕を振り上げ、サファイアに向かって振り下ろした。

サファイアはエドが近づいてくると同時に、すす、と、

入り身をとって体をわずかに左にずらし、攻撃をかわす。

それを想定していたのか、すぐにエドは空ぶったと同時に、

左足に力を入れ、横に薙ぎ払うよう左の掌底を放つ。

 

サファイアがエドの攻撃をかわす態勢をとるよりも、

エドの攻撃のほうが速い。

 

(---入る!!)

そう確信したエドは左腕を振りぬき

 

---背後から何かがぶつかってきて、遠くに吹き飛ばされた。

 

「・・・!!?」

「---ほう。」

「ぐっ・・!!」

 

めき、と何かがきしむ音と、背中に広がる冷たさと痛み。

 

(---転がって、衝撃を--!!)

 

地面に着弾する瞬間、体を回転させながら転がり、勢いを殺す。

負傷はない。ただし、背中は別だが。

 

 

「?!」

「大抵のやつらは、凍らせて終わりだが、貴様には通用しそうになかったのでな。

----よくぞ致命傷を免れたと言っておいてやろう。」

「ぐおっ!!」

 

彼が背中が痛む部分に触れると、手にひんやりとした感触があった。

ついで、ぴちゃりと自分の血がたれ落ち、そしてそれがすぐに凍っていく状況を認識した。

 

 

いつの間にか、サファイアの周りには氷でできた丸型の鏡がふよふよと浮いていた。

ぴし、ぴしりと鏡にひびが入ったかと思うと、ぱきいん、と音を立てて割れた。

 

(・・・・撃った氷を反射させて・・?!)

 

背後から撃たれたのは、最初にサファイアが撃った魔法が跳ね返ってきただけのこと。

鏡自体の強度はそんなにないため、一度反射させたらすぐに割れて使い物にならなくなる。

しかし、すぐさまサファイアは氷の鏡をストックする。

初見でしか通じない攻撃。

それでも不意を突くにはこれ以上なく最適であった。

 

 

「---!!」

「・・・・。」

『---ああっと!!負傷したのか血が垂れ落ちている!!しかし、それを気にしないかのように、

すぐに氷の女王のもとにまた駆け抜けていくぞおおおお!!!』

 

距離を詰めない限り、エドに勝ち目はない。

懐にナイフを忍ばせていたが、彼はそれを使うのをやめた。

氷の鏡がある以上、投げても打ち返され、それがどのような軌道を描くのか予想がつかないと考えたためである。

方針は変えない。

己の拳が届く位置にまで近づく。

 

エドは足には喰らっていないため、機動力は落ちていない。

しかし、サファイアから放たれる冷気のせいか手足が若干かじかんでいるのを彼は感じていた。

 

(・・・早い!!まだ、1分もたっていないのに!!)

 

想定であれば5分は持つと踏んでいた。

想定外だったのは、サファイア・ローズの氷魔法が、

昔見た映像よりも研ぎ澄まされていたこと。

 

エド自身も、彼女が一年前と同じレベルだと考えてはいなかったが、

それでもこれは予想以上だった。

 

「はっ!!」

「-----ふん。」

 

氷のつぶて。嵐。それらをエドは足と腕に全魔力を集中させて実行した身体強化により、

剣を振るってすべて薙ぎ払い、氷の女王の元まで走り抜ける。

 

『エド選手、氷の女王の攻撃をいなしているぞおおおおお!!!』

『---しかし、氷の女王にはそれでも届かなあああああい!!』

 

エドの斬撃が一つ、二つ、三つと連続で繰り出される。

知性がない魔物ならば一撃目で終わっている。

だが、十王は甘くない。

 

エドが気づかないレベル、最小限の魔力で地面から氷をぽこりと生やし、

彼の足に引っ掛ける。

 

「・・・!!」

 

気が付き、それを躱すために一瞬だが集中が途切れ、連撃がほんの一瞬遅れる。

戦闘においてはその一瞬が命取りになる。

 

振るった拳は虚しく空を斬り、彼女に当たることはない。

 

代わりにエドの腹にサファイアの蹴りが突き刺さった。

 

 

「・・・・・・・・・。」

 

それを見てもルビアの表情は変わらない。

ただ、見届けるのみ。

自分が愛している男が、最後まで戦うその姿を。

 

 

観客たちは知らない。

 

彼が巻いている包帯の効果について。

 

 

-----サファイアの蹴りが突き刺さると同時に、エドの右こぶしが彼女の頬をかすめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エド君頑張ってるけれども、現時点だと"十王"のほうが上なんだよなぁ(諸行無常)

"最強"と謳われている魔人とか、リーダス帝国初代国王、"鏖の覇王"と引き分けた"天魔王"とか、国を丸呑みしたといわれる巨大な蛇、"国呑み"とか、化け物はいっぱいいるんだよなぁ。

終わり方は決めているけれども、この世界にいる人物たちを果たして、
出し切れるかどうか(設定だけは無駄にあるパターン)

サファイアは一応天才なのに、みんながあれこれ喪女だの、
リア充に嫉妬するおこちゃまだの好き勝手言って草生える。

感想、くれ


れれれのれ



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エキシビジョンマッチ~"氷の女王"VS"紅蓮の従者"~ その5 "聖人"と怪しい老人

こんにちはんこそば。
KEY(ドM)と申します。

投稿だおらぁん!!


それではご覧ください(KBTIT)

KEY(ドM)


何が起きたか気が付いたのは観衆だった。

 

エド・マークスの腹部に蹴りを入れた氷の女王。

吹き飛ぶ彼の姿を見てあがった声はない。

 

--氷の女王の頬が、ぴっ、とわずかに切れると同時に、

血が一滴わずかにだが、滴った。

それは、何が理由で、何が起こったのか。

 

その光景を認識した観衆は一瞬の静寂の後、

振り絞るように声を上げた。

 

 

 

「・・・・・・・・・。」

「・・・・へー。」

「・・・・・ふむ。」

 

十王の座から戦いを見下ろす、十王たちはそれぞれ違う反応を示す。

あるものは、沈黙を。あるものは感嘆の声を漏らし、

あるものは顎に手をやり、考えるように眉間にしわを寄せる。

 

自分と同じレベルの人物に一撃入れた、エドを推し量るかのように。

 

それぞれが十王となった経緯は違う。

闘いによって打ち勝ち手に入れたものもいれば、

死んだ戦友から後を託され、その座を護るかのように、

鎮座し続けるものもいる。

 

ただ、一つだけ共通点があるとすれば、十王の座に手を伸ばすことは容易でも、

その座に座り続けることは簡単ではないということ。

氷の女王の強さを知っているからこそ、彼らは驚愕の表情を浮かべていた。

 

「・・・酒呑童子。今の、何が起こったかわかるでアールか?」

隣で酒を黙りながらぐびぐびと煽っている酒呑童子に、

聖騎士は尋ねた。

学園最強の身体能力を持つ酒呑童子にとって、何が起きたか知ることは、

容易い。

ピエールも把握はしているものの、確認をするかのように酒呑童子に語り掛けるのだった。

 

「あたりめぇだろぉ?・・・へっへっへ。おもしれーじゃねーか。

ヴェルフェゴールと、デビアスってやつをマークしてたんだがよぉ。

もう一人、ぶっ倒す相手が増えたなぁ?がっはっはっはっはぁ!!!」

豪快に、自分の脅威となりえるかもしれない小粒を目にして、

彼は楽しそうに笑う。

そんな彼の姿を見て、ピエールは嘆息する。

十王に君臨する前も、君臨した後も変わらないと。

 

「まあ、それでも氷の女王のほうが圧倒的に地力は上でアールな。」

「だな。まあ、一撃入れただけでも逸材だろぉ。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

パペットマスターはそんな二人の会話を聴いていないかのように、

ぶつぶつ、と小さな声で独り言をつぶやき続ける。

自分が両腕で抱えている、子犬のぬいぐるみを抱きしめながら。

 

「・・・あーあ。パペットのやつ、またいつものやつが・・・。」

「放っておくがいいでアールな。触らぬ何やらに祟りなし。」

「だなぁ。」

 

 

----アリーナ、来賓席。

 

位置的には十王の座っている場所から少し離れた地帯。

各々の権力者、実力者たちが座るその一角にて。

怪しく目を光らせる者たちがいた。

 

リルド王国のファティマ学園に立ちはだかるは四人の聖者、"四聖"。

そのうちの二人、"聖剣"と"聖槍"。

金色の稲穂を思わせるブロンドヘアーをポニーテールにまとめた、

青年。右腰には、柄に宝石が埋め込まれた剣が差さっていた。

そんな彼の隣に座る、黒い髪を短く刈り上げている大男。

 

 

"聖剣"、アルス・シュトゥルム・ブレードベルグ。

"聖槍"、ランド・ベルツァルド・オームベルグ。

 

華奢で、女性と見紛う青年と、

大きな体躯の青年。

正反対の彼らは十王と同じく事の成り行きを見守っていた。

 

「・・・・ラドゥ。」

「・・・・・・・・・。」

 

ブロンドロングヘアーの青年が隣でじっと黙して語らない青年に語り掛ける。

しかし、彼はじっとアリーナ中央にて戦い続ける二人から目を離さず、

その動きを目に焼き付けている。

 

「ラードーゥ~」

「・・・・・・・・。」

眉間にしわが寄っているランドの顔を、人差し指でぷにぷに、とアルスはつっつく。

えへへへー、と楽しそうに、面白そうに笑いながら。

そんな彼の奇行に対してランドは黙りながら、

アルスのほうを向く。

 

「あの男の子、すっごく面白いねー。・・・ラドゥに傷をつけたあの女に、

一矢報いたんだよー?」

「・・・・・・・。」

アルスはあははは、と笑い続ける。

 

 

「・・・・茶化すな。アルス。戦士の戦いを。」

一喝。いや、叱るわけではないが、淡々と諭すように、

ランドはアルスに鋭いまなざしを向け、低い声でそうつぶやいた。

 

 

「・・・ふーん。相も変わらず、ああいう戦士が好きだねぇ、ラドゥは?

・・・・まるで、昔の自分を見ているみたいで?」

「茶化すな、といったはずだ。」

ゴァ、とランドの周りに紫色の魔力が立ち込めた。

それはまるで、蛾の鱗粉を思わせるかのような、

粉塵でもあり、瘴気のようにも見えた。

 

「ごめんごめん。・・・ふふふふ。ラードゥー♡

あいつ欲しい?欲しい???」

ちゃきり、と腰にある聖なる剣に右手をかけ、

ランドに狂気が混じった笑みを浮かべるアルス。

 

目には、黒い光が渦巻いている。

 

「----やめとけ。お前さん。」

 

 

---アルスの首元に、碧いナイフが付き蹴られていた。

網傘を被った黒い道着と袴をつけた、武士のような恰好の老人が、

アルスの後ろをいつの間にか取っていた。

 

それと全く同じタイミングで、ランドがその男の右手を

がっちりと握り止め、ナイフを振りぬけないよう、力で押さえつけていた。

 

「---何者だ?」

「ほっほっほ。なぁに、儂にとって子供のような子の勇姿を見に来たじゃけじゃよ。

・・・ふむぅ。しかし、強くなったのう。」

「-------。」

ランドの問いかけにもどこ吹く風。

そして、その顔の左側には、傷がつけられていた。

アルスは瞳孔が開いたまま、先ほどの柔和な笑みを引っ込め、

牙をむき出しにし、殺意を老人に浴びせる。

 

「ほっほっほ。・・・お前さん、噂の"聖人"か。

・・・しかし、隠すのが下手じゃな。アルスとやら?」

「・・・黙れ。糞ジジイ。私のラドゥに触れていいのは、

私だけだ。ぶち殺すぞ。」

「ほ?いいのか?・・・先ほどから、ここの教師陣が、

魔法でおぬしと、ランドとやらの首を狙っておるぞ?」

「・・・・・・アルス。大丈夫だ。」

「・・・でもぉ・・・・。」

「・・・案ずるな。お前だけは絶対に死んでも守る。」

 

老人の言葉がハッタリではないことを、

彼らはすぐに看破した。

そもそも、この老人が来たせいで、

彼らは目立ってしまったのだ。

 

ランドが老人の手を離すと、青い刀身のナイフを、

老人は懐にしまった。

 

「争う意思はない。」

「・・・今はまだ、じゃろう?」

「・・・・・・・。」

ランドは答えない。

誰を狙っているのか。

身元不明の人物に情報の断片を渡すほど、

彼は阿呆ではなかった。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・。」

「そろそろ退散するとしよう。

・・・エドとルビアの元気な顔が見れて、良かったわい。」

 

ほっほっほ、と笑い声を残し、老人は今度こそ音もなく消え去った。

 

 

「・・・・あんなレベルの男が、うろついているのか、ここは・・・。」

「・・・・・・・・ラドゥ!!」

全身に張っていた力が抜け、どさりと音を立ててまた座り込むランド。

そんな彼の膝の上に乗っかり、ぎゅううう、と抱き着くアルス。

 

「大丈夫!!?ケガしていない?!!気分は悪くない!!?

ちゅーする!!?というかしよう!!」

「・・・・・・・・。」

 

顔をそっと横に向け、

ランドはただ一言、ああ・・・とつぶやいた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

(・・・・・・エドとか言ったか。

・・・・・。)

 

ちらり、とエドに熱視線を向けているルビアを盗み見るランド。

その目は、いつも自分が向けられている視線と全く同じあることを悟り、

心の中でつぶやいた。

 

 

(・・・どこも、恋愛事情は変わらないものなのだな・・・。)

 

 

これが、普通の恋愛なのだな、と恋愛経験がZEROな彼は思いっきり誤解したまま、

闘いの行方を見守るのだった。

 

 

 




"聖剣"、アルス・シュトゥルム・ブレードベルグ。
レベル 40
聖人4 聖剣"5" 魔力操作(光)4


"聖槍"、ランド・ベルツァルド・オームベルグ。
レベル67
聖人3 聖槍4 魔力操作(闇)4

ランドとアルスはファティマから来た生徒。
アルスはまだまだ伸びしろがあるっていう点で強く。
ランドはひたすら基礎を極めつくしたという点で強い。

戦士としての矜持も持っているけど、
"傭兵王"、ヴェルフェゴールみたいに、どんな手段を使ってでも
勝ちに行くこともできる柔軟さもあるクッソ厄介な戦士。


アルスは大器晩成やね。
まだまだ伸びしろが有り余っていて、
成長しきったら、マジモンの怪物になる。

二人とも、人物設定も、過去に何があって、
今の関係になったのかもあるけど、
外伝なのでここでは割愛。



アルスくんのランドくんを見つめる目が、ルビーと一緒だから・・・()

ホモではない(マジレス)


アルスくん、実は・・・・

たぶん、エドとランドは結構ウマがあうから、
味方にさえなれば、いい友達になれると思う。
設定的に性格の相性いいし。


老人・・・・一体どこの村の長老なんだ・・・(すっとぼけ)

この後、村の雑用ほっぽって、数日いなくなったことを、
無茶苦茶怒られた模様。



ぶつぶつ言ってるパペットパスターは触れないで差し上げろ


差し上げろ(震え声)

こいつ、ヤンデレとは別ベクトルのやべー設定持ちだからな・・・


そろそろエロとヤンデレ欲しくなってきたから、
どっかでエロい外伝話を投下するかナ

読者が求めているっぽいし


感想、くれ


れれれのれ


KEY(ドS)


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