もう、君はいない。おまけ短編 (七星悠斑)
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小さくて、狭い世界の話。

意外にも、彼らの生きている世界は、広くて狭い。
小さくて、大きい。そんな彼らの世界ではほんの小さな物語。


後日譚と開演

 

 切なさがそれから数日間、彼の心を埋め尽くす。彼の手元にはいつも彼女の書き下ろした脚本が握られていた。

それから年月はゆっくりとゆっくりと穏やかに過ぎていき、君はいつの間にか十八になっていた。

 毎年の八月三日、君は今も尚愛する人の墓地に足を運ぶ。真夏の暑さを少し恨みつつも、今日も今日とて、君は彼女に自分の話を聞かせていた。

ふと、そんな時、見覚えのあるような人影が君の視界の隅を通り過ぎる。

 雪に溶けないで依然と存在を主張していた、愛しい彼女とは似ても似つかない、綺麗な白髪。

その姿に思わず君は急いで走り出す。君の綺麗な金髪は大袈裟に揺れて、やがてその人物に辿り着いた。

「あの……‼」

「う、わ……⁉ ……え、な、何ですか?」

 夏の温い風が、二人の間を抜けていく。君はいきなり引き留めて状況に理解できていない相手に、確信を覚えた。柔らかい、角度により金髪に見えないこともない白髪。アメジストの綺麗な瞳。違いは癖の毛が外はねか、内はねか、切れ長の睫毛が健常な人と同じ黒で、両目がきちんと見えているくらいだった。

確かに、あの時君達に助言をくれた心優しい少年に、彼は似ていた。

「ちょ、ちょっとでいいんですけど、あの……一緒にお話ししません⁉」

「え、えぇ……どういう状況なんだ……」

 君は思わず彼を引き留めながら勢いで言葉を紡ぐ。

そんな君の言葉に、あの少年の兄弟であろう、成人男性は困惑の表情を見せた。

その男性の片手には、菊花と、黄色のチューリップが握られていた。

 

 

 

 

 

君はいない

 

先月の三日に十六になったばかりの貴方は真っ白なこの空間。

必要最低限のものしか用意されていない孤独な部屋で、ただただこれから訪れる恐怖から逃れるように外を眺めていた。

みーん、みーん、じりじりと聞こえてくる七日間しかない命の音と、外の厭に明るい夏空をその赤い瞳で見つめ続けた。

 家族というものはもう何年も対面していない。ずっと孤独でこの空間に溶け込んでいた。

何もかもが白一色のこの部屋に、貴方はまるで同化するように頭の天辺から足の爪先まで白かった。それはアルビノ、と世間は言うのだろうが、生憎彼女はそれとはまた別物である。

 多くのアルビノは紫外線等に肌や髪の毛が弱いらしいが、彼女は至って普通に日の下を過ごせている。

なら、そんな彼女が何故今はこの空間に溶け込んで生活を送っているのか。

 それは、聖女さながら、世界の特別というものは、大体が短命であり、病気になりやすいからだと、彼女は確信していた。

四年前、彼女が十二とまだ幼い少女だった頃。彼女は「私立最涯学園」のキリスト儀式の代表、聖女に選ばれた。それは本物のキリストの牧師、神の声が本当に届くと言われる偉い人からのお導きによるものだった。

 ――その牧師の名前は、烏海悠架(うかいはるか)。最涯学園の後輩の父親である。

「……私が、ですか……?」

「嗚呼。 君は本物の今時珍しい聖女様だ。 まさかこんな所にいるとは思わなかったから、見つけるのが遅くなってしまった、すまない」

「……じゃあ、私が普段から視えてる、あれは」

「……聖女様は、かれらも視えるのか」

「……」

 本物の才能ある牧師と、本物の聖女。それ故に世間からの理解は難しく、彼女はよくその白い見た目と、赤い瞳で一般から虐められていた。……ただ、一人だけ、やけに自分を構う存在がいたけれど。

彼女が普通は視えないものが視える、と話せばその子は受け入れて話を聞いてくれていた。

怖いものがいるときは、そこから遠ざけるように自分を庇ってくれていた。

 だから、聖女の事についても、牧師様と話した内容を、一部除いて彼女はその子に伝えた。

何時もの場所、何時もの時間、何時もの演劇の声が響く。

彼女が少し身を出して覗いてみると、そこにやはりあの子はいた。

 彼女が書いた、オリジナルの脚本を片手に、一生懸命演じてくれている。

傷が絶えない少女は、その姿に暖かさを感じながらも、少し痛む自分の秘め事を仕舞い込んでその子に近づいた。

「お前だけでも、此処から出るんだ‼ ……‼ あ、先輩」

「……こ、んにちは」

「こんにちは~、今日来るの遅かったですね? 何かあったん?」

いつも通りの挨拶。不愛想に返しつつも、その綺麗な肩まで伸びた金髪を、左側だけ束ね、左だけ夕焼け色の綺麗な瞳を見せた人懐っこそうな少年は微笑んだ。

何かあったのか、と聞いてくるその表情は、今日は心配に染まっていなく、完全なる好奇心だと彼女は安堵する。……いつも、心配させてばかりだから。

「……あのね、牧師様と、御話、してきた」

「んあ、牧師様と? ……誰?」

「烏海、悠架様……音楽科の、子のお父様」

「嗚呼‼ あの狂人の父親か‼ ……ええ⁉ 先輩大丈夫やったん⁉」

「だ、いじょうぶ、だよ。 う、嬉しい? 報告だったから……」

 嗚呼、返って心配させてしまった。彼女は伝える事の順を間違えたと後悔しつつも直ぐに訂正するべく話し出す。

自分が次期聖女に本物の牧師様から直々に選ばれたこと、視えているものは自分が本物の聖女であるが故の力であること……。

 少年はその一つ一つをきちんと一回一回頷いて聞いてくれた。そして話が終わるも、その夕焼けの瞳をこれでもかというほど輝かせ、ぱちぱちと大袈裟に拍手しながら立ち上がった。

「へー‼ 凄いやんか、先輩‼ 本物の聖女様やねんなぁ‼」

「う、うん……」

「先輩、書く脚本(シナリオ)もおもろいし、神様に愛されてるんやな、次期聖女様、ストレートで選ばれたなんて話、、俺聞いた事ないで‼」

「……あ、ありがとう……けど、神様には……」

「! 嗚呼、せやった。 ……けど、安心しい、これまでも、これからも、俺は先輩が大好きやで、独りにさせへんからな‼」

 すごい、すごい、まるで子供らしく褒めてくれる彼の姿に君は思わず頬を緩ませた。

自然と口角が上がり、嬉しい気持ちでいっぱいになる。

そんな彼の最後の言葉は、相変わらず、どうして自分に向けてかは理解できないけれど。

 

ハッと瞼を開く。貴方はいつの間にか懐かしい夢の中にいた。

全てにおいて、ほぼ毎日自分の隣の居てくれた、彼の事を思い出す。

残された時間は、あと四十八時間と短い。……彼に、何故だか此の事を伝えはしなかった。

何故、伝えなかったのかは、君自身本当に理解しようとしても難しく感じた。

 ふとした時に思い出すあの子、夕焼けの瞳が綺麗な、京都弁と大阪弁がややこしく混ざった子。

そう言えば、出会ったのはいつ頃だったか。そのくらいよく自分の横に気づけばいた。

次の演目は、役決めは、此処のセリフをどう工夫するか、アドリブはどの辺りに居れればいいか。今思えば、演劇の相談を彼はよく監督ではなく、シナリオを提供していた自分に相談していた気がする。普通は監督に聞くものを、すべて自分に聞いていて、あれで彼は大好きな演劇に満足してくれていたのだろうか。

 ……嗚呼、一度でいいから、自分も役者側に立ってみたかった。

そんな考えが、一瞬君の脳裏を過る。君は直ぐに頭を横に振った。

もう、そんな幼い頃に諦めた夢は、叶わないのだから。

 

 

「……高校生活最初で最後の自分の脚本は、あの子に渡してくれますか」

「嗚呼、それが聖女様の望みなら、俺は別に逆らいはしませんよ。 乱悠零先輩で合ってますね?」

「はい。 ……あの、悠架様は」

「親父なら、アンタの葬儀の手続きをしてる」

「……そう」

「……最期に会うのが俺でいいのか? 乱先輩じゃなくてさ」

「伝えてないからねぇ。 それにあと予定だと三時間もない。 言うのが怖いよ」

「……死に際に気づくってか」

「?」

「いや、まぁそういう最期も俺はありだと思うぜ、聖女様。 生憎今時珍しい本物の聖女様がもういなくなっちまうのは、俺達信者は悲しいけどな」

「よく言ってる意味が理解できないけど……御世話になったよ、燈悠(ひゅう)君」

「嗚呼。 ……それじゃあ、俺はお暇させていただきます。 葬儀が終わったら、無事アンタの愛しい奴の手元に」

「い、愛しい……? うん、ありがとう、それじゃあ」

「ええ、おやすみなさい。 聖女様、善き来世を」

「……おやすみなさい」

 残り余命三時間もない、そんな時間に貴方は最期にあの子に会わず、会うことを望まず、牧師様の息子である彼に頼みごとをして、ぼやけていく視界の中別れを告げる。

聞いた限りの牧師見習いである彼の噂は、大分恐ろしいものばかりだったが、会ってみるも兄気質で年下ながら頼りがいのあるよい子であった。

やはり、人の噂なんて、最後の最後まで頼りにならないではないか、と君は思いながら、また外を眺める。

 あの子は、知らない、私が二か月前から入院していることを。

あの子は、知らない、もう会うことができないことを。

もう、二人で演劇について話し合うことも、語り合うことも、時々馬が合わなくて言い争いになっていくことも、もう、叶わない。

 今思えば、それはどこでも当たり前で、常識の中の青春だ。

なのに、どうしてか自分の胸が酷く切なく締め付けられる。

 ……この気持ちは、なんだろうか。

そんな事を残りの時間ずっと考え続けた。考えて考えて、もう意識は正常に保てているのかもわからない、そんな時に貴方は不意に死ぬのが恐ろしくなって、彼の顔を不覚にも浮かべる。

 懐かしい記憶がフラッシュバックして、貴方は漸く自分のそれに気が付いた。

「私、貴方が好きよ。 大好きなの、けど貴方と私は結ばれない。 だって私、人間じゃないもの……っ⁉」

「ほわ~……‼ あんさん、演技上手やなぁ、その脚本、自作なん?」

「えっ、う、うん……」

「あれ、にしても自分、傷だらけやないか、折角綺麗何に勿体無いわ……って二年⁉ わわ、すみません生意気でしたわ‼」

「……き、れい?」

「あれ? 謝罪無視ですのん? うん、自分綺麗な白髪やなぁ思うて来てみたんよ、そしたら演技してるさかい、気づいたらこの距離にいましたわ。 ……あ、なぁ先輩、名前は⁉ 明日も此処来る⁉」

「へ、と、時埜蓮岐……普段は、ずっと此処にいる……」

「時埜先輩やな‼ よし、決まり‼ 俺、乱悠零言うんよ、よろしゅうな‼ 明日から此処通うさかい、俺先輩に一目惚れしたわ、学科、迷ってたんやけど決まりそうです、ありがとな~‼」

 自分のオリジナルの、恋愛ものの脚本で、ひたすら一人で演技をしていたあの頃に君は彼と出会った。初日はまるで嵐のように彼は噛み合っているのかいないのかわからない、つらつらと言葉を並べて、最後に一目ぼれした、と爆弾を落として去っていく。

思い出してみれば、初日にかなり彼は恥ずかしい言葉の爆弾を投げて去っていったのだと、死に際、懐かしい暖かさに微笑んだ。

 瞼が段々と重くなり、貴方は最期にふと彼の言葉を一言だけ思い出した。

「俺は先輩の綺麗な白髪も、赤い瞳も、脚本も演技も全部大好きやねん、独りにさせへんよ」

 四年前のいつかに君が言った照れ臭いセリフ。それに貴方は胸がきゅう、と苦しくなるのを感じながら、嗚呼。と眠る直前に、全てを理解した。

 ――私は、死に際に綺麗な月を眺めました。

貴方は自分の気持ちに理解し、もう悔いはなく永眠する。

 この短い人生、彼に会えて、彼と共に過ごせて貴方は幸せ者だった。

自然と涙が出ず、けれども彼にこの気持ちを伝えられなくてよかった、と貴方は安心する。

きっとその悔いも何もない、安心しきった貴方の眠りはさぞ、美しい事だろう。

 

 

 

 この世は、特別扱いされただけ、知識の入手が多く、厭に賢く育ち、そんな存在を苦しめて殺していく。

それは自殺であったり、病死であったり、不幸な事故や、殺人であったり。事前に神が定めた短命に過ぎない。

 人生四回、その中で貴方の人生は何回目だったのだろうか。

きっともう来世はないだろう。貴方は大変今世に満足して死に行った。

 

嗚呼、どうか安らかに。死に逝く人間ほど、美しい桜はない。

 

 

 

 

 

 

少年と彼女の後日譚

 

「――彼は無事に帰せた?」

「……うん」

「君も彼を待つなら、僕も兄弟を待とうかな」

「ずっと不思議に思ってたんですけど、もう此処にきてどのくらいなんですか?」

「! ……うーん、七年くらい? 十三で死んだから」

「……どうして」

「――片目片足ってね、神様に近い存在なんだって」

「片目片足?」

「うん。 つまりは、儀式の生贄。 五体満足に生まれなかった、僕の末路――……」

 花達が華麗に儚く散る中に、二人の白髪の男女は互いに生者の大切を待ちながら話をする。

どうやら聞く限りでは、あの少年もまともな人生を送ってきてはいないらしい。

彼女はそれに、違う宗教も災難だと思いながら、右の包帯を取って、左足も見せて説明してくれる少年をみた。……少年の左足は、義足だった。

 暫く話を聞く。どうやら彼の兄弟はきちんと五体満足で生まれてきたらしい。

「散々ですねぇ、カルト関連も」

「ホントにね~」

「……大人しく、悠零達、待ちましょうか」

「命日とお盆はどうする?」

「勿論、会いに行きますよ」

「なら僕もそうしようかな。 うん、こうして大好きな人を待つのも、退屈しないかもね」

「案外、死後の世界って平和ですからね」

 彼女達はまるで世間話をしながら、今日も暖かい気候が一向に変わらない此処で、

大事を待っている。

雪に溶けそうな白い彼女。

雪に溶けることのない白い彼。

五体満足で自然病死した彼女と、

五体不満足で儀式の生贄として死んだ彼。

大事の感情の差はあれど、退屈しないで済みそうだ。

 

「――え、悠朝(ゆうあ)さん?」

 そんな数か月後、また仲間が増えるとは思いもしなかったけれど。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがきの様なもの

 

 此の度、最涯学園の関西弁(京都と大阪が混じったややこしい)少年と、白髪紅眼のちょっとした短編小説を思いついたまま、すらすらと書かせていただきました。

私、七星悠斑(ななせゆはん)の創作キャラクターですので、恐らく話はまだまだ薄っぺらいものだと思います。

いやはや、思いついたまま話を書くのは大変自分は楽しいものですが、されど四日クオリティ。語彙力も貧相であれば、文の纏まりもまだまだ甘いもの。何時かはもう少し内容を長く考えて、リメイク版を書きたいものであります。こんな貧相な短編小説でありますが、作者自身、人に見せる気満々で書いたので、読者様(と呼んで善いのかすら恐れ多い)になるべくわかり易く、尚且つ失礼のないように何回も読み直し編集し、読み直しを繰り返したものですが……儚い?ラブストーリー?とは?状態であります。申し訳ない。

 そして此処だけの話になりますが、正直後日譚とか、死者達のほのぼのした会話とか、全く書く予定なんてありませんでした。思いついた限りいてもたってもいられず手を加えたおまけ話程度で読んでもらえれば幸いです。

いいか、設定は生えるんだ、いいか

そして更に申し上げますと、今回本編に出てくる予定のないキャラ達が五人ほどいます。

メインは乱悠零(らんゆお)、サブメインは時埜蓮岐(ときのはすみ)、なので二人は何ら問題なく勿論登場しますが、

まず、彼等の学園設定のちょっとした話で名前だけ出てきた、役者兼総監督の演劇科生徒、次期聖女様とされる変人、「秋山霱巴(あきやまいつは)」。本当に出てくる予定は五分五分だった人物です。

私立最涯学園、と言う私が作り出したこの学園は、もはやゲーム等で言うチートなものに等しく、生意気にも初等部(小学校)から、理系、文系、体育会系の事細かな学科に別れ、それぞれが自分の個性を成長させると言う理想的な学園なんですね。

作者の友人に、聖書漁りが趣味な無宗教の変わり者がおりまして、まあほぼその友人が持っていた旧聖書から来たネタに等しいものが、キリスト教徒が多少集う学園。……作者は紙にもデータにも設定を残さないで脳内で物語を作りあげるタイプなので、ちょっと自分自身かなり言っている事がわからなくなってきた。そんな私も無宗教です。神様はいるものだと思ってますけど、物書きゆえの本能ですので。

話は戻りますと、まぁ、そんな感じの学園で、教員の半数がキリスト教徒&信者が支えている学園に彼等は生活をしているわけです。

月一で行われる全学科大集合のキリストの礼拝、それを少し紹介しないと今回の物語少しどころではなく話の理解が難しく、なのでメインの二人が現実逃避している間のちょっとした世間話で紹介させていただきました。書く予定が五分五分だったとはいえ、なかなかに見苦しくなってしまったと思いますので、此処で一度土下座。

 そして次に出てこない予定だったのが、白髪の、アメジストの瞳を持った、心優しい少年です。

彼の名は空海悠昼(そらみゆうひ)。十三歳で死去したと最後にちらっと言いましたが、生きていれば彼はもう二十歳の成人男性になります。悠零の後日譚では、二十三歳ですね。

不思議な雰囲気と、彼の見た目に反しての大人口調は、かなり謎に満ちているものだと作者は思いました。ので、これから続編におわせておきながら、登場するか不明過ぎる彼の説明をさせていただきます。

 彼、空海悠昼は、まず双子の片割れ、五体不満足に生まれてきた、先天的に障害を持った子です。これは現実でもかなり珍しく、多くの人達は目が見えないなどとどこかの資料でみたことがあります。彼は生まれながら右目がなく、生前は義眼を入れて外に兄弟と出ていました。兄弟についてはまた一つお話を書く予定ですので、此処ではあまり触れないようにします。

そして彼は左足も太ももから先がなく、義足で過ごします。いってしまえば私の創作は元々冒涜的なクトゥルフ神話と言うものから生まれているので、此処に集うキャラクター達は何処かの宗教家の子供になります。カルトでもある。(カルトとオカルトは別物なんやで)

中には古に伝わりし残酷凄惨な儀式をやるものでして、先天的に五体不満足の彼はまぁ、その儀式の犠牲……生贄となり、十三という短い人生を終えます。

 片目片足、というものが神に最も近いとされる説を貴方様は存じ上げますでしょうか?

正式には一眼一足。知恵の神様と妖怪の中では言われるらしいです。

例えば、一つ目小僧とか、彼らは見た目に反して妖怪の中ではかなり上級なのですよ。

 そこで神に最も近いと崇められた彼は、死んでも尚片目片足なことから、本物の知恵の神様になります。妖怪や神様はなんだかんだ言って人間がお好きと伺っておりますゆえ、そこで彼に登場してもらう形になりました。知恵の神様ですからね。

 おいそこ、Coc知ってて知識が入ってるやつ、顔が整ってるという描写でニャルラトホテプだと思ったな、怒らないから挙手しなさい。

まあ、こんな感じで、話がまとまってなくて大変申し訳ないのですが、こちらもちょっとした話にする予定はありますので、お待ちください。

 後日譚で蓮岐と悠昼の楽しそうな会話が広がってはいますが、悠昼の心情は、彼女の守護神ポジですのでくっつきませんよ。

 言うなれば悠昼は立派なブラコン。

そして次に、烏海(うかい)親子。

本当に君達出る予定なかった、本当に一ミリもこれっぽちもなかった。何なら燈悠(ひゅう)なんて、蓮岐と対面すらしてなかったし、何の関係も持ってなかった。設定って本当によく生える。

そんな烏海親子もまた別の話で書きます。兎に角この親子は説明が難しいので。

 ちょっとした宣伝でもなんでもありませんが、この烏海燈悠、Twitterの創作企画で彼の未来が覗けます。

@nogikutoanzu(白銀黒悠)、もしくは「#Liar_Wolf」というTwitterタグで出てくると思いますので、気が向いたら覗いてみてください。人狼企画超ほのぼのです。

 それからそれから、最後に名前は出てきませんでしたが、一言だけ登場した人物。

登場する予定もはや論外区域にいたのに出てきてしまったキャラ。もう全部話書く。

 

まあこんな長々とグダグダな話はもう打ち切りに致しまして、今回、この登場予定ないキャラばかりが登場してきた二人のちょっとしたお話+おまけ短編数頁に目を通していただき有難う御座いました。実の姉の凄まじい語彙力を吸収してしまいたい作者です。

此処まで書けたのはいいのですが、この作者別に小説家志望とかそんなこともなく、ひたすら興味の持ったものの知識を取り入れるだけの趣味程度で活動しております。故に語彙力は並大抵か恐らくそれ以下。

まだまだ試作ですし、手直しも大分ありますが、此処で一回言わせていただきます。

この話、「作者の完全オリジナル」ではありません。

勿論、キャラの関係など、そこらの設定は完全オリジナルですが、あくまで今回は原作者のいるシナリオを大幅改変して作成しております。

クトゥルフ神話TRPG(テーブルロールプレイングゲーム)をご存知でしょうか。

今回はその、クトゥルフシナリオ「旧版 四番線に君がいない」、再公開版「君がいない」、のおよそリプレイ小説になります。原作者様はpixivサイトで活動しております、

「Cocoon」様の作品。小説を書くに当たって大幅改変致しましたので、もしよろしかったら原作のものも覗いてみると面白くなるかもしれません。

エンド分岐もいくつもあり、今回はその中で作者が実際にプレイして辿り着いたものを終幕とさせていただきました。

原作者様あってこそのグダグダ小説で申し訳ありませんが、この場をもって、原作者様に感謝致します。年齢がまだ若く未熟なものですからまだ日本語を学ばなくてはと改めて思い知らされました。クトゥルフシナリオ提供者の語彙力は化け物レベル。メモメモ。

 

長々と纏まりないあとがきになりましたが、それではこの辺で。此処まで読んでいただき、誠に感謝致します。同学園物語、「似た者同士の関係性」(なろうにあります)も是非宜しく御願い致します。

H30.7.28  七星悠斑

作業BGM「初夏、殺意は街を浸す病のように」鏡音リン:こんにちは谷田さん 様

 

Twitter @yumeninaruyume

 

 

 



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