魔法つかいプリキュア 宝石と帝具使い (水甲)
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01 始まりと出会い

というわけでHuGっと!プリキュア 竜騎の暗殺者の外伝のスタートです。因みに主人公である陽斗はアカメが斬る!世界の住人ではないです


満月の夜、僕は一人夜空を眺めていた。と言っても天体観測が好きとかそういうわけではなく、ただフッと眺めているだけだった。

 

「……そろそろ寝るか……」

 

春とは言えまだ冷えるため、僕は寝ようとした時夜空に何かが飛んで、落ちるところを見つけた。

 

「流れ星にしては……変な動きだったな……」

 

特に気にせず、僕は眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、特に用事もないから掃除でも始めようとした時、端末にメッセージが入った。

 

「みらいから?一緒に魔法使いを探そうって……何のことだよ……」

 

幼馴染である朝日奈みらいからのお誘いのメッセージ、断るのも悪いし付き合ってやるか。

 

僕は支度を済ませ、待ち合わせ場所まで行こうとした時、あるものが無いことに気が付き、机の上に置いた腕輪と5つの灰色の石が入った巾着を手にとるのであった。

この二つは両親曰く発掘されたものらしく、僕はそれをもらうことになったのだが……

 

「行ってきます」

 

僕はそう言い残して、家を出るのであった。

 

 

 

 

待ち合わせ場所に着くがみらいはまだ来ない……

 

「たくっ、何してるんだ?」

 

一人、そう呟いているとようやくみらいがやってきたけど……隣りにいる女の子はだれだ?

 

「お待たせ~」

 

「遅かったけど……隣の子は誰だ?」

 

大きな帽子にほうきを持った女の子……まるで魔法使いみたいな見た目だけど……

 

「陽斗くん、この子ね魔法使いなの!!」

 

「……そうか~魔法使いか~とりあえず買っておいたぞ。イチゴメロンパン」

 

みらいの言動は気にしない方が良いな。というかまだ寝ぼけてるのか?隣の女の子も困ってるし……

 

三人で近くのベンチに座りながら、イチゴメロンパンを食べているとみらいが女の子にあることを聞いてきた。

 

「魔法使いさんは何をしてたの?」

 

「ちょっと探しものを……友達と一緒に来たんだけどはぐれて……捜し物と探し人ね」

 

「ようするに迷子か」

 

「迷子じゃないし!?」

 

ツッコミを入れる魔法使い?の女の子、するとみらいはキラキラした目であることを頼むのであった。

 

「箒に、一緒に乗せて!」

 

「無理よ、一人乗り用だし」

 

というか乗らなくていいんだぞ。そんな魔法だなんて……

 

「…何か1つだけ、魔法見せてあげる」

 

一体何を見せてくれるのやら……みらいも嬉しそうにしてるし……

 

女の子は近くの木の上で眠っている猫を見つけると、星型のステッキを取り出した。

 

「じゃあ、猫とお話するってのはどう?キュアップ・ラパパ!猫よ、お話なさい!」

 

『わんわん』

 

「しゃべらないね……」

 

「というか……まじで魔法使いなの?」

 

「陽斗くん、信じてなかったの!?」

 

「まぁ普通は信じないわよね」

 

魔法使いの女の子はもう一度猫を喋らせようとするが、今度はペラペラという単語を喋りだした。明らかに失敗なのだろうけど、本当に魔法なんだな

 

「ま、まぁ今日は調子が悪いだけで……」

 

「そっか……そうだ。モフルンとお話できないかな?」

 

みらいがいつも持ち歩いているぬいぐるみ、モフルンを見せた。女の子は難しそうな顔をして……

 

「ぬいぐるみは喋らせようがないわね……」

 

「そっか……この子ね。モフルンって言って、私が生まれた時におばあちゃんがくれたんだって、ずっと一緒なの、兄妹みたいに……」

 

三人で桜並木を歩きながら、みらいがモフルンについて話していた。ということは僕とモフルンは幼馴染になるのかな?

 

「もし出来るのならお話してみたいんだ。もしあの時、モフルンを落としたこと気がつかないままだったら…私……本当に…本当にありがとうね、魔法使いさん」

 

「………リコよ。私の名前はリコっていうの」

 

「リコちゃん……私、朝日奈みらい」

 

「僕は浅賀陽斗。よろしく」

 

互いに自己紹介をすると、リコはすぐにどこかへ行こうとしていた。

 

「じゃ、私もう行かなきゃ……」

 

「そっか…探しものがあるんだもんね………じゃ、どこから探そっか」

 

「まずは……って、はぁ!?」

 

やれやれ、僕も探しものに付き合うことになるのか……まぁこれも何かの縁だしいいか

 

「ほら、同じペンダントを持ってる縁で、一緒にね」

 

「あなたね……」

 

「おやおや…こんな所に魔法使いがいらっしゃるとは……」

 

突然僕たちの前に現れた黒服姿の男。変質者か?だとしたら逃げるべきだけど……

 

「だとしたらリンクルストーンの手がかりを知っているはずですね」

 

「知ってるの?リンクルストーンのこと?」

 

リコが変質者から何かを聞き出そうとした瞬間、みらいがリコの手を掴み、逃げ出すのであった。僕もそれに合わせて二人の後を追っていく

 

「ちょっと、何を……」

 

「ごめん。でも危ないから……」

 

「えっ?」

 

「近づいたらあぶない」

 

「でも、あいつ、捜し物のことを……」

 

「ごめん!でも逃げなきゃって。近づいたら危ない…とってもこわい感じが…」

 

「みらいの言うとおりにしておけ。ああいうのは本当に危険なやつだから……」

 

必死に逃げ出していくが、木の枝にコウモリのように立っているさっきの変質者がいた。なんというか明らかに化物みたいだな

 

「お話の途中なんですが…」

 

男は地面に降り立ち、杖を構えた。

 

「私の名前はバッティ。魔法にまつわる伝説の1つ。人知をこえた強大な力の結晶、リンクルストーン。我らが欲するのはその中心となる輝き…リンクルストーン・エメラルド。

何かご存知だったりしませんかね?」

 

バッティが赤目を見開いた瞬間、僕は地面に落ちていた木の棒で殴りかかった。

 

「二人はさっさと逃げろ!!」

 

「で、でも……陽斗くん」

 

「………逃げるわよ!あんたも戦おうとしないで逃げなさい」

 

リコはみらいを箒に乗せ、その場から逃げ出していった。僕は木の棒でもう一度殴りかかろうとするが、バッティはいとも簡単に受け止めた

 

「ナシマホウ界の人間が勝てるはずないでしょ!!」

 

思いっきり膝蹴りを喰らい、僕は地面に倒れ込むのであった。

 

「このバッティから逃げられるとお思いですか?魔法、入りました! いでよ、ヨクバール!」

 

黒い何かに包まれたトラックとカラスが一つになり、巨大な怪物に変わった。怪物はみらいたちを追っていく。

 

「それではまた会えたら会いましょう」

 

「させ……るか……」

 

バッティの足を掴み、にらみつけるとバッティは呆れた顔をしていた。

 

「やれやれ、仕方ありませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かの痛みを感じ、目を覚ますと空に浮かんでいた。近くにはみらいとリコの二人がピンチになっていた。

 

「もはや、浮いているのが精一杯のようですね。さて、もうお2人ともおとなしく…」

 

「待って!この子たちは関係ない!!だから……」

 

「それを決めるのは私ですよ。それともまだ抵抗しますか?しかし両手がふさがっていては杖も持てない。魔法も使えませんね。それに妙な動きをしたら、彼を落としますよ」

 

どうあがいても絶望の状況の中、リコは必死にある言葉を叫びだした。

 

「キュアップ・ラパパ!怪物よ…怪物よ、あっちへ行きなさい」

 

その叫びは何かにすがるような叫び……僕はその叫びを聞いていると、ポケットの中が熱くなってきた。

 

「キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!」

 

みらいも同じように呪文を唱える。バッティはそれを聞いて笑い声を上げていた。

 

「「キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!」」

 

二人の呪文が重なった瞬間、まばゆい光に包まれた。そして僕のポケットの中に入っていた巾着から白い石が飛び出してきた。

 

「これは……」

 

白い石は導かれるように腕輪にはめ込まれた瞬間、僕は拘束を抜け出し、近くのビルの屋上に降り立った。

 

「よくわからないけど……力を貸してくれるんだな」

 

みらい達の包み込む光が消えると、二人のもっていたペンダントが光り輝き、二人とモフルンが手をつないだ。

 

「「キュアップ・ラパパ!ダイヤ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

二人がまばゆい光とともに全く違う姿に変わった。

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

みらいは長い金髪に、ピンクを基調とした衣装に身を包み、少し大人っぽい姿に変わり、

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

リコは翼状の髪型に変わり、紫色を基調とした衣装に身を包み、みらいと同じように大人っぽい姿に変わった。

 

「「魔法使いプリキュア!」」

 

「プリキュア……」

 

二人が変身したのと同時に、僕の腕輪がまばゆく光りだした。そして腕輪にはめ込まれた石……二人が持っているダイヤと同じものだった。

 

「力を貸せ!!ダイヤモンド!!」

 

叫んだ瞬間、腕輪がみるみるうちに形を変え、黒い髪から白い髪に、着ている服も騎士甲冑に変わり、腕輪が白い剣へと変わった。

 

「その姿……それにその腕輪……もしかして……」

 

マジカルが僕の姿を見て、驚きを隠せないでいた。いや、一番驚いてるのは僕の方なんだけど……とりあえずこの怪物をぶっ飛ばすのが先だな

 

 

 

 

 

 

 

 



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02 マホウ界と退学?

突然プリキュアに変身したみらいとリコ。そしても僕も騎士みたいな姿に変身していた。

 

「バカな!?あれは伝説の魔法使いプリキュア!さっきまで箒で飛ぶのが精いっぱいだったひよっこ共が……それにあの小僧の姿……まさかあの客人が言っていた!?クソ!行け!ヨクバール!」

 

変身した僕らを見て驚きを隠せないでいるバッティ。とはいえ、僕らだって驚いてるんだから……

 

「なんなんだよ。この姿は……」

 

「陽斗くん!?その格好、かっこいいね」

 

「ちょっとそんな事言ってる場合?来るわよ」

 

リコ……もといマジカルがそういった瞬間、怪物がこっちに向かってくる。僕とミラクル、マジカルの三人で怪物の突進を受け止めた。

 

「すごい、力が……」

 

「よくわからないけど、こいつと戦えるっていうことだよな」

 

「行くわよ二人とも」

 

僕とミラクルとマジカルの三人で怪物を思いっきり殴り飛ばした。怪物はすぐに起き上がると近くにいたバッティは驚きを隠せないでいた。

 

「まさかこんなことが……それにその腕輪とその石……やはり帝具か!?ここは退いて、ドクロクシー様にご報告を……オボエテ~ロ!」

 

バッティと怪物はそのまま姿を消すのであった。僕らは変身を解くのであった。

 

「プリキュア?」

 

「私達、伝説の魔法使いに?」

 

「というか僕のあの姿はなんなんだよ。リコ、何か知ってるのか?」

 

「えぇ、まさかと思ってたけど、貴方の持ってるその腕輪……」

 

リコが何かを言いかけた瞬間、ビルの屋上から突然何かが落ちてきた。

 

「リコ!?無事?」

 

「ポニィ!?どこ行ってたのよ」

 

「リコとはぐれたから探してたのよ!それよりもそっちの奴!!」

 

突然現れたポニーテールの少女がものすごい速さで僕に蹴りを繰り出そうとしたが、すぐさまリコが僕の前に出て、止めるのであった。

 

「やめなさい。彼は悪人じゃないわ!」

 

寸前のところで蹴りを止める少女。というか今の全く反応できなかったぞ

 

「そうなの?ごめんごめん」

 

「何だか変わった子だね」

 

「あぁ」

 

僕とみらいがそんな事を言っていると、みらいはモフルンがいないことに気がついた。

 

「あぁ!モフルンは!?」

 

辺りを探すと地面に落ちていたリコの帽子に隠れるようにして立っていた

 

「良かった、無事で。」

 

「モフ~苦しいモフ~」

 

「ちょっと、強く抱きしめすぎよ。」

 

「あぁ、ゴメンねモフルン、つい」

 

「「「ん?......喋ったぁぁ!?」」」

 

「モフ?」

 

さっきまでぬいぐるみだったモフルンがなんで喋ってるんだ?これも魔法の力って言われたもう納得するしか無いな

 

「ポニィ、とりあえず戻るわよ」

 

「どうして?まだ目的のものを……」

 

「そっちはもうなんとかなったわよ。いろいろとありすぎたから……」

 

何が何だかわからないうちに僕らリコとポニィの二人に付いていくのであった。

 

「ありがとう、リコちゃん!」

 

「だから私は何も...」

 

「お話しできるようになってうれしいよ、モフルン。」

 

「モフルンも、うれしいモフ」

 

「それにしてもすごいかったね、キュアップラパパ。本当に怪物を吹っ飛ばしちゃった」

 

「そこら辺も踏まえて、駅から電車に乗って学校へ戻るわ、できれば誰かに相談したいし」

 

「学校?」

 

リコは駅の改札口に不思議なチケットをあてた瞬間、さっきまで普通の駅だったのが、不思議な空間に変わった。

 

『まもなく本日最終の魔法界、魔法学校行きが出発致します』

 

「魔法学校……今、魔法学校って言いました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らはリコとポニィに案内されるまま、カタツムリ型の電車、カタツムリニアに乗り、魔法の世界へと向かうのであった。

 

「空を飛んでるみた~い!」

 

「すごいモフ~!」

 

みらいとモフルンが景色を眺めながら嬉しそうにしていた。リコはというと難しい顔をしていた。

 

「ぬいぐるみが話すなんて…そんな魔法、聞いたことないわ。ねぇ、どうして話せるの?」

 

「あぁ…そういえば。なんで?」

 

「ずーっと、みらいとお喋りしたかったモフ!」

 

全然答えになってない気がするのだけど……

 

「やっぱり…プリキュアになったのと関係があるのかしら」

 

「プリキュアって何なの?」

 

「ずっと伝説として語りつがれてる存在なの。とにかく凄い魔法つかいだって」

 

「私達、伝説の魔法使いになったってこと!?」

 

「そうだわ…そうよ…!!伝説の魔法使いになったのよ私!!先生達も認めてくれるはず!」

 

リコがプリキュアになれたことに対してはしゃぐ中、僕はリコにあることを聞いた。

 

「なぁ、僕の腕輪のことなにか知ってるのか?帝具とかなんとかって言ってたけど……」

 

僕がつけている腕輪はお守りがわりのものかと思ってたんだけど……違うのか?

 

「私もよく分からないけど、その腕輪は異世界の武器で使用する人に絶大な力を与えるものなのよ。とはいえ扱うにはそれなりに条件があるらしいけど……」

 

なんで異世界の武器を僕が持ってるんだ?するとポニィが足に巻き付けた布を僕らに見せた。

 

「これは帝具じゃないけど、臣具って言ってね。帝具の劣化版みたいなものなの」

 

なんというか二人の説明を聞いて、ちょっと気になることがあった。

 

「異世界がどうとかって言うけど、どういうことなんだ?」

 

「そうね。話すと長くなるけど、マホウ界に何故かその帝具のことが書かれた本があるのよ。それにポニィはその帝具と臣具がある世界から来た人間なのよね」

 

「つまり異世界の人間って言うこと。わかった?」

 

うん、もう今日一日でわけがわからないことが増えたということだな。そんなこと悩んでいるとそこに殻の上にカートを乗せた黄色いカタツムリがやってきた

 

「あ、これ、いただくわ。」

 

カートの上の小さな包みを取って口を開けたカエルの部分の液晶に駅で使ったのと同じチケットをタッチして会計するリコ

 

「あれは?」

 

「車内販売のエスカートよ。はいこれ」

 

僕とみらいに包みを渡すリコ。

 

「良いの?」

 

「まぁご祝儀って奴ね」

 

包の中には氷に包まれたみかんが入っていた。これも魔法の世界の食べ物なのか?

 

「モフ~!冷たいモフ!」

 

「まぁ、見てなさい。キュアップラパパ、氷よ、溶けなさい。」

 

リコが杖を振るとミカンの周りの氷が音を立てて溶けた。

 

「わぁぁ!すご~い!」

 

「氷の火山に住む、アイスドラゴンのため息で凍らせた冷凍ミカンよ」

 

僕らは一口食べるが、なんというか硬すぎないか?

 

「何だか硬いね」

 

「こ、これぐらいが丁度いいのよ」

 

「まぁ食べられれば何でも良いけどね」

 

リコはなぜか浮かない顔をし、ポニィは気にせずみかんを食べるのであった。

 

そうこうしている内に一面が水に覆われ、島や水面から伸びる巨大な木たちが群生する

世界へとやってきた

 

「ここが私たち魔法使いの世界、魔法界よ。あの大きな木の上に、私達の魔法学校があるの」

 

「ワクワクもんだぁ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らはリコ達の後をついていき、巨大な門の前にたどり着いた。

 

「校長先生に、プリキュアになったことを説明しに行くから、あなた達も協力して。キュアップ・ラパパ!門よ、開きなさい!」

 

リコが呪文を唱えると巨大な門が開くのであった。魔法って本当にすごいな。

 

「魔法の杖って凄いね!私も欲しい!」

 

みらいがリコの持っている杖を羨ましそうに見つめているが、リコはちょっと恥ずかしそうにしていた。

 

「無理だと思うわ。魔法界では生まれてすぐに授かるものだから」

 

「そっか、残念だな~」

 

「異世界特有の風習みたいだな」

 

僕らがそんな事を話していると、学校の方から一人の女性がやってきた。

 

「リコさん!!」

 

「きょ、教頭先生!?」

 

何というか一番魔法使いみたいな人だな。この人……

教頭先生は僕らを見るとみらいは笑顔で

 

「こんにちわ」

 

「みらい、どうにも歓迎されてない感じだぞ」

 

「リコさん!あなたどういうつもりです!?」

 

やっぱり歓迎されてないみたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは学校の講堂まで案内され、改めて教頭先生はリコを叱った。

 

「マホウ界を許可なく出ただけでなく、あちらの人間を連れてくるとは……」

 

「私達、プリキュアになったんです!」

 

「プリキュア?伝説の魔法使いに?あなた達が?嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさい」

 

「「本当なんです!」」

 

どうにも信じてもらえないみたいだな。するとリコは僕の方を見た。

 

「それに彼は帝具使いです」

 

「帝具使い?そうだとしてもリコさん、あなたは校則第8条『許可なく魔法界を出てはならない』第12条『魔法学校寮生の無断外泊禁止』校則違反の上、ナシマホウ界の住人をマホウ界に連れてきたのですから、ここで大人しくして居なさい!さもなくば退学もありえますよ」

 

教頭先生はそう言い残して、部屋から出ていくのであった。何というかいきなりリコ、ピンチじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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03 魔法の杖の木

マホウ界にきた僕らだったけど、リコは突然退学されそうになっていた。

 

「ゴメンね、私達が来ちゃったせいで……」

 

自分のせいでリコが退学してしまうことにみらいは落ち込んでいた。とはいえ、あの教頭は話を聞くっていうことを知らないのか?

 

「ううん、あなた達は悪くないわ。はぁ、補習どころじゃなくなっちゃった」

 

「補習?」

 

「私、本当は苦手なの…魔法。春休みの間、魔法授業の補習を受けないといけなくて…

強い魔法の力を持つといわれてるリンクルストーン・エメラルドを見つければ、補習を受けなくても済むと思ったんだけれど……」

 

「リコちゃん……」

 

「プリキュアになったって言えば…なんて思ったんだけど。甘かったわ」

 

リコが諦めた顔をしていた。何というかズルしようとしてたんだからしょうがないって言いたいところだけど、流石にみらいに怒られそうだな。

 

そんな時、モフルンが甘い匂いを感じ取った瞬間、二人の持つペンダントが光りだした。

 

「キラキラに輝く力を感じるモフ」

 

「二人のそれ、光ってるけど……」

 

「もしかしたらそれがリコが探してたものじゃないの?」

 

「『ダイヤ』光のリンクルストーンモフ。」

 

「もしかして、これがリコちゃんの探していたリンクルストーンの仲間って事?」

 

「モフ!リンクルストーンから伝わって来たモフ!」

 

みらいはリンクルストーンを握りしめ、あることを決めたのだった。

 

「私、校長先生と話してくる!」

 

「はい?」

 

「リコちゃんはここから出ちゃダメって言われてるけど、私はそんな事言われてないから大丈夫!リコちゃんはここで待ってて!」

 

みらいはそう言って、部屋から出ていくのであった。いや、それはただの屁理屈だからな。後で怒られるからな。

 

「仕方ない。リコとポニィはここで待ってろ」

 

僕はみらいを追いかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所

 

真っ暗な場所にバッティは戻ってくるとそこにトカゲみたいな奴が出迎えてきた。

 

「おや?バッティさん」

 

「リンクルストーン・エメラルドは見つかったのですか?」

 

「ヤモーか。」

 

「ま、さ、か、手ぶらじゃありませんよね?」

 

「プリキュア」

 

「はい?」

 

「プリキュアが現れましてね。それに客人が言っていた帝具使いと遭遇し、その事を踏まえてドクロクシー様にご報告を」

 

「あっははは!プリキュア!...あれはただの伝説でしょう?」

 

「だが!私は確かにこの目で!」

 

「では、証拠をお持ちください。」

 

「何?」

 

「当然です。我らが偉大なる魔法使い、ドクロクシー様に示しがつかないでしょう?」

 

「……一人はおそらく魔法学校の生徒……ならば……すぐに捕らえて来ましょう!イドーウ!」

 

「お気をつけて………それにしてもプリキュアと帝具ですか」

 

「ヤモーくん、帝具がどうかしたのかい?」

 

奥の方から白衣を着た男がゆっくりとヤモーに歩み寄ってきた。ヤモーは一瞬嫌そうな顔をした。

 

「研究室にこもりっきりの貴方が出てくるのは珍しいですね」

 

「たまには外に出るのは良いと思ってね。それに面白い事になっているみたいだね」

 

「そうですか……では貴方も出るのですか?」

 

「いいや、様子を見させてもらうよ。君たちの闇の魔法はあの方様に必要になるものを完成させるものですからね」

 

「必要になるですか……皇具とやらの力は私は見せてもらっていませんが……どのようなものなのでしょうか?」

 

「いずれ見せますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらいに追いつくと未だに校長先生を探していた。

 

「校長室ってどこ…?場所を聞きたくても誰もいないし」

 

「きっと春休みだからモフ」

 

「全く当てもなく探してたのか……」

 

「あっ、陽斗くん。陽斗くんも校長先生を探すの手伝ってくれるの?」

 

「まぁ僕たちのせいでもあるしな……」

 

ふっとみらいは何か見つけ、走り出し、僕もついていくと大きな塔に入り、そこには巨大な木があった。

 

「これ……」

 

「立派だな」

 

「立派だろ。そいつは杖の木…魔法の杖を実らせる」

 

突然現れた白髪の男……こいつ、何者だ?

 

「今魔法の杖って言いました!?」

 

「魔法の杖を実らせるって……なんでもありだな。この世界は……」

 

僕らは杖の木を見上げていた。

 

「魔法の杖って木に実るんだ!」

 

「左様…杖の木はマホウ界の各地に存在しマホウ界に新しい命が生まれるとそれを待っていたかのように杖は木から実り…そしてその子に授けられる。しかし… ここにある木はもう数百年、杖を実らせておらん」

 

だとしたらこの木はもう寿命みたいなものか……年老いた木は花も実も実らせること無く、ただ枯れていく……僕らの世界と変わらないな

 

「君たちはあちらの世界の子だね?ここで何を?」

 

「この学校の校長先生を捜してるんです!今とっても困ってる子がいて力になりたいんです。私の大切なモフルンを守ってくれた…。どうしてもその子の力になりたいんです!

 

みらいがそう告げた瞬間、杖の木が光りだし、一本の杖がみらいの元に落ちた。

 

「これ……魔法の杖……」

 

「おそらく、君を選んだのだろう...」

 

「……私が……ありがとうございました!」

 

みらいが木にお礼を言うと、その男は僕の腕輪に気がついた。

 

「君のそれは……」

 

「ん?そうだ。聞きたいことがあったんだ。この腕輪ってなんなのか分かるか?」

 

「あぁ聞いたとおりなら……」

 

男が何かを言いかけた瞬間、突然爆発音が響くのだった。僕らは外へと出るとそこにはバッティと怪物が暴れていた。

 

 

「我がヨクバールよ!プリキュアを呼び出して捕らえるのです!」

 

校舎が破壊されて、無茶苦茶にされている。このままじゃ……

 

「校舎が……!そうだ、リコちゃん!」

 

みらいは慌てて、どこかへ向かっていく。全くまた追いかけるのか。

 

「待ちなさい!」

 

「あんたは避難してろ!」

 

みらいと僕の前にバッティが立ちはだかった。

 

「見つけましたよ。さぁ、お嬢さん、このバッティめと一緒に来ていただきましょうか?」

 

「いやだ!学校をめちゃくちゃにする人のいう事なんて!」

 

「ふん!ならば!力ずくで連れ帰らせてもらいます!」

 

バッティが迫り来る中、どこからともなくやってきたリコが箒に乗ったままバッティに突撃をした。

 

「「リコ(ちゃん)!?」」

 

「リコちゃん大丈夫?」

 

「落ちてないから!狙って体当たりしたんだし!」

 

「無事だったんだね」

 

「全く危ないことを……」

 

「あなたたちの方が危なかったでしょうが!まったく世話がやけるわね!」

 

「えへへ、でもありがとう」

 

みらいがお礼を言うとリコはちょっと照れていた。みらいはリコに手を差し伸べた瞬間、また二人のペンダントが光りだした。

 

「これって……」

 

「もしかしてまた……」

 

「僕のもだ」

 

巾着に入れてあった白い石が光だし、腕輪にはめ込まれた。また力を貸してくれるのか

 

「行くぞ。二人とも!」

 

「「うん」」

 

「「キュアップラパパ!ダイヤ!」」

 

みらい、リコ、モフルンが手を繋ぎ、三角形を作った。

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

モフルンのお腹に現れたハートマークからあふれた光が2人を変身させていく

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

「腕輪よ!力を貸せ!」

 

僕も白い髪に白い鎧を身にまとい、腕輪が白い剣に変わった。

 

 

 

 

 

「プリキュア…伝説の魔法つかいプリキュアか…それに彼の腕輪……それにあの石は……まさか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは怪物、ヨクバールに向かって攻撃を繰り出していく。するとヨクバールからタイヤが発射され、校舎に当たりそうになったが、ミラクルがそれを防いだ。

 

「いたた……」

 

「ミラクル!大丈夫!?」

 

「うん、ありがとう」

 

ヨクバールは無差別にタイヤを放ち続けていく。このままじゃ校舎が無茶苦茶にされる。

 

「このままじゃ学校が!学校がなくなったら通えなくなっちゃう!」

 

「えぇ……あ、でも、私はもう……」

 

「大丈夫!」

 

「え?」

 

「だって、まだ校長先生とお話してないんもん!会いに行こう!2人で、一緒に!」

 

「そこは三人でだろ」

 

「違ーーーーーーーーーーーーーーう!!四人でだよ!!」

 

空からポニィが振ってきて、ヨクバールを地面に叩きつけた。こいつ、どこにいたんだよ

 

「全く仲間外れしないでよね」

 

「それだったらリコと一緒にいてくれよ」

 

「この子が勝手に飛び出すのが悪いの」

 

「まぁまぁ」

 

「落ち着いて」

 

僕とポニィの言い争いをなだめるミラクルとマジカル。言い争いをやめ、僕らはヨクバールに向き合った。

 

「校長先生に会いに行くんだから!」

 

「私達の!」

 

「「邪魔をしないで!!」」

 

その時先ほどみらいに魔法の杖を渡した木、そしてミラクル、マジカルの持つ魔法の杖が強い光を放ち始め、放たれた光はモフルンを経由し、二人の杖を包み込み、さっきまでの杖とは違う杖に変わった。

 

「魔法の杖が...!」

 

「これは!ダイヤの力!」

 

「リンクルストーンが、この世界の力を2人へ導いた!これは!輝きを纏い伝説の杖!リンクルステッキ!」

 

さっきの男がそういう中、バッティは怒った顔をしていた。想定外なことが起こりすぎてるからか?

 

「えぇい!それが何だというのですか!!」

 

「二人の邪魔を!」

 

「するな!!」

 

向かってくるヨクバールに向かって、僕は斬撃を与え、ポニィは蹴りを食らわした。

二人は杖を構えると

 

「「ダイヤ!永遠の輝きよ私達の手に!」」

 

光の粒子が辺りに現れた そして杖を振りながら呪文を唱える2人

 

「「フルフルリンクル!」」

 

するとダイヤ型の光が現れ、ヨクバールをダイヤの中に閉じ込めた。

 

「「プリキュア!ダイヤモンドエターナル!」」

 

ヨクバールはそのまま宇宙の彼方へと飛ばされていくのであった。

 

「ヨクバールが!わたしの魔法をやぶっただと!?オボエテーロ!!」

 

バッティはそのまま逃げ出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わるとリコはあることをみらいに聞いた。

 

「そう言えば、その杖どうしたの?」

 

「あぁ、これ?実は……」

 

「それは、彼女が杖の木から授かったんだよ。」

 

さっきの男が僕らのところへやってきた。すると何故かリコが驚いた顔をしていた。

 

「あなたはさっきの人。」

 

「こ、校長先生!?」

 

まさかこの人が校長先生だったのか?校長は衣装を変えてみせた。

 

「左様」

 

「あっあの、校長先生!お話があるんです!」

 

「私達プリキュアに…」

 

「皆まで言うな。授業を受けてもらいたい…君達2人に」

 

「授業?ってことは…」

 

「退学なんかじゃないって事だよ!良かったね!!…ん?2人?今2人って言いました!?

 

「あぁ、君もだ。しばらくの間、この学校にとどまってくれないだろうか?」

 

「「えええええええええーーーーーー!?」」

 

何だか急な話になってきたな。

 

「そして君もだよ」

 

「僕も?魔法は使えないぞ」

 

「いいえ、そういうわけではなく、君が持つ腕輪……帝具みたいだね。それにそのはめ込まれた石……リンクルストーンの欠片みたいだしね」

 

うん、何だか色々と判明してきたな。

 

「彼に声をかけておくよ」

 

「校長先生。もしかして将軍にですか?」

 

「彼なら君の力になるだろうね」

 

将軍って誰だよ?

 

 

 

 

 



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04 みんなで魔法商店街に行こう

「色々あって、カタツムリで魔法界に来たの!」

 

みらいが水晶玉を使って、家に連絡をとっていた。これからしばらくの間こっちの世界にいることになるから校長の計らいで連絡を取ることを許してもらった。だけどな……

 

「正直に言いすぎじゃないのか?まぁ信じてくれそうだから良いけど……」

 

「そういう貴方はなんて説明のするのよ」

 

「僕?僕は連絡しないよ」

 

「どうして?」

 

「両親がいないから……」

 

僕がそう言った瞬間、リコはやってしまったと顔をしていた。僕はため息を付いた。

 

「別に気にしなくていいよ」

 

「で、でも……」

 

「そういうの慣れてるし……おまけに両親の顔はあんまり覚えてないんだ」

 

「覚えてないって……」

 

「なんでか思い出そうとすると頭が痛むんだよな……」

 

「そう……」

 

二人でそんな事を話しているとみらいが連絡を取り終えるのであった。

 

「OKもらえたのか?」

 

「うん、陽斗くんのことも言っておいたよ」

 

「ありがとうな」

 

僕がお礼を言うとみらいは笑顔で返すのであった。すると校長は僕にある事を伝え始めた。

 

「君の持つ腕輪……帝具についてだけどどのようなものなのか詳しく調べておく」

 

「調べるって……そういえばこの世界にそういう本があるんだっけ?」

 

「まぁ帝具を使うなら、あっちの世界についても移動しながら説明するね」

 

それはそれで助かるけど……ん?移動ってどこかに行くのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔法の絨毯!!ワクワクもんだぁ!!」

 

僕らは魔法の絨毯に乗ってある場所を目指していた。その移動の最中にポニィがあることを説明してくれた。

 

「つまりこのマホウ界とナシマホウ界とは全く別世界なのが私や将軍がいた世界なの」

 

「異世界ってことか?」

 

「まぁ陽斗やみらいからしてみればそうなるね。何せ凶暴な危険種とかいないでしょ」

 

危険種……僕らからしてみれば魔物とかそういうのが普通にいる世界なのか……

 

「というかマホウ界もあなた達からしてみれば異世界みたいなものだけどね」

 

「そうなるな……それでポニィとえっと将軍って言う人は何でこの世界に?」

 

何というかそこが一番気になっていた。どうやって異世界を移動してきたんだ?ふっと僕はリコの方を見た。

 

「もしかしてリコの魔法が失敗して?」

 

「ちょっと何でもかんでも私のせいにしないでくれないかしら?」

 

「あははは、違う違う。何というか私は色々とあって死にかけてたんだけど、いきなり変な光りに包まれて、気がついたらマホウ界に来てたのよ。おまけに怪我とかも治ってる状態でね」

 

そういう事があるのか……というか死にかけてたって……

 

「因みに将軍は死んだと思ったら、こっちに来たみたいだけど…………」

 

ポニィは何かを言いかけたがすぐに止めるのであった。何かしらの事情があるのかと思っていると目的地である魔法商店街が見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法の絨毯から降りると最初に目に入ったのは巨大な猫の像があった。その猫の像の右手にはランタンに燃え続ける炎もあった。

 

「リコ、これは?」

 

「あぁ、それはこの像は町のシンボルで、情熱の炎を守っているの」

 

「情熱の炎?」

 

「この町には古い伝説があるのじゃ」

 

突然声をかけられ、振り向くとそこには一人の老人がいた。老人は情熱の炎について語りだしてきた。

あぁ、これは長くなるパターンだ。するとリコはすぐに僕らを連れてその場から離れるのであった。

 

リコとポニィの二人に案内された場所はとある服屋だった。

 

「商店街で一番腕が良いと評判の、フランソワさんの服屋よ。まぁ、腕は良いんだけど……」

 

中に入ると出迎えてくれたのは何というかオネエ系の人だった。

 

「リコちゃ~ん、ポニィちゃ~ん、いらっしゃ~い!」

 

「ど、どうも……」

 

「フランソワさん。お久しぶりです」

 

「か、変わった人でしょ」

 

「ま、まぁ僕が今まで生きていた中で会ったことない人種だね」

 

するとフランソワさんはモフルンに興味を持ち始めた

 

「あら可愛い」

 

「モフルンモフ」

 

「キャァァァ!!喋ったぁぁぁ!!この子喋れるのねぇぇぇ!」

 

「あの、この子に魔法学校の制服を……」

 

「あら~!校長先生から話は聞いてるわよ」

 

フランソワさんは杖を取り出し、みらいに向けた。

 

「キュアップ・ラパパ!採寸なさい!」

 

魔法でメジャーなどを操り、採寸をし始め、さらに裁縫セットを使い、一瞬の内にみらいの制服を仕立て上げた。

 

「おぉ、すごいな……」

 

「ほら、次はあなたも」

 

「いや、僕は……」

 

「校長からそれなりにふさわしい格好をさせるようにって言われてるわ」

 

フランソワさんはそう言いながら、僕の採寸を始め、一枚のローブを作ってもらった。

 

「陽斗、魔法使いっぽいわね」

 

「ただローブを着ただけだろ……」

 

ポニィに誂わられながら、僕らはフランソワさんのお店を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長室にて

 

「魔法の水晶よ、答えよ。すべての出来事はあの力に繋がっているのだろうか?」

 

すると水晶の中に女性の横顔が浮かび上がった。

 

『あの力、リンクルストーン・エメラルドの事ですね?』

 

「うむ……答えられるか?」

 

『確かにエメラルドが大きく関わっています。そして彼の持つ欠片と帝具も同じく関わっています』

 

「ふむ、何故リンクルストーンの欠片を彼が……」

 

『わかりませんが、彼には大きな試練が待ち受けています』

 

「試練……」

 

「校長先生、ナシマホウ界のあの少女と少年はどうなりましたか?」

 

「あ、あぁ、彼女たちなら……」

 

「お買い物している所ですわ。」

 

「まぁ!魔法学校の制服!まさか!?」

 

「あぁ、入学させようかと。」

 

「何てこと……これは本校始まって以来の大事件ですよ……これは………」

 

すると突然校長室に筋肉隆々に両腕には篭手を装備した男が入ってきた。

 

「そしてそいつがお前が言っていた奴か。校長よ」

 

「あ、あなたは将軍!?」

 

「待っておったぞ。将軍。彼は君がいた世界の住人ではないが、帝具を扱える。鍛えてやってくれないか?」

 

「………ほう」

 

 

 

 

 

 



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05 情熱の炎

特に無い事もなくみらいの魔法学校入学準備を終わらせ、僕らは近くのベンチに座って休憩をしていた。

 

「みんなリコちゃんの事知ってるね。」

 

「うん、ここには小さい頃から来てるから……」

 

「みんないい人モフ。」

 

「そうだね~みんなのおかげで私も魔法使いだよ。」

 

「道具が揃っただけじゃ魔法は使えないわ。それなら私だって苦労はしない…」

 

「リコちゃん?」

 

「私、聞いちゃったの」

 

 

 

 

 

 

 

リコはナシマホウ界に来る前の事を話しだした。たまたま通りかかった部屋の前で、リコとポニィの二人は水晶と校長のやり取り聞いたのだった。

 

『魔法の水晶よ答えよ。リンクルストーン・エメラルドが復活するんじゃな?』

 

『光の…とても強い力をひめた光のきざしが見えます…ですが闇の力ともう一つ次元を超えた存在がうごめいています』

 

『エメラルドの力は計り知れない…悪しき者に奪われる前に手を打たねば…』

 

 

 

 

 

「エメラルドを見つければ、皆に認めてもらえる立派な魔法つかいになれるって思ったの…だからあなたの世界まで探しに行ったのよ」

 

「凄いなぁリコちゃんは!知らない世界にたった1人で飛び込んで叶えたい夢があるんだもん」

 

「あなたは?夢とか目標とかないの?」

 

「リコちゃんみたいに、何か見つけたいな」

 

「そう……陽斗は?」

 

「僕は?僕も特にないな。今のところは……」

 

「因みに私はリコの手伝いかな?ここに来た時に良くしてくれたしね」

 

「そ、それは……」

 

「リコちゃん優しいね」

 

みんなでそんな話をしていると突然みらいの持っているリンクルストーンが糸みたいなものに奪われた。僕たちは糸が出てきたところへと向かうと塔の上の方に逆さになった何かがいた。

 

「こんな子娘どもにてこずるとは…バッティも なさけないねぇ」

 

それが僕たちの前に降り、姿を表した。それはまさに蜘蛛女だった。

 

「このスパルダにエメラルドのありかを教えな!」

 

「そんなの知らな…」

 

「教えない!人のものをとるなんて、知ってたとしても絶対に教えない!」

 

みらいの奴、怖くないのかな?明らかに人外のやつに対して度胸ありすぎだろ。

 

「立場が分かってないようね。あなた達に選択の余地はない!魔法入りました!いでよ!ヨクバール!」

 

スパルダが呪文を唱えると石と冷凍みかんが融合した姿のヨクバールが現れた。僕は白い石を取り出し、変身した。

 

「二人は逃げろ!!ここは僕がなんとかする」

 

「で、でも……」

 

「貴方一人で……」

 

「行くよ二人とも」

 

ポニィが二人を背負い、走り去っていく。あいつの足なら逃げ切れるだろうな

 

「あんた聞いてるよ!帝具使いだってね。だけど悪いけどあんたをまともに相手する気はない!!」

 

スパルダが糸を放ち、僕を縛り上げた。

 

「くそっ!?」

 

「やっぱり聞いた通り力はすごいけど、戦い慣れはしてないわね。そこでおとなしくしてなさい」

 

スパルダはヨクバールと共にみらいたちを追っていく。僕は縛られたままでどうすることもできない……

 

「くそ……」

 

なんとか抜け出そうとした瞬間、突然僕は雷に打たれた。一瞬で痛みが感じられなかったけど……

 

「糸が切れてる……よく分からないけど追いかけないと」

 

僕はすぐにスパルダのあとを追いかけるのであった。

 

「………」

 

「将軍にしては優しいな」

 

「貴様も来ていたか。ゴズキ」

 

「見知らぬ土地だからな。殺しも何もせずせっかく戻った命、のんびりと余生を過ごしたかったが……まさかポニィもここにいるとはな。お前も驚いてるだろ。ツクシ」

 

「うん、それでお父さん、どうする?手助けする?」

 

「待て、奴の力を見たい」

 

「将軍がそうご所望だ。聞いてやろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広場に出ると街中が蜘蛛の糸に囲まれていった。それに街中が破壊されていく。

 

「逃がさいよ!エメラルドのありかを言わないのなら、街ごと消してやろうか?」

 

リコはその光景を見て、これまでこの街で過ごしてきたことを思い出し、怒っている様子だった。

 

「さぁどこだい!」

 

「だからあなたには!」

 

「絶対に教えない!」

 

「リコちゃん!?」

 

「みんなの、大切な町に……何てことしてくれるのよ!!」

 

リコの思いに応えるように像の中の炎が大きく燃え上がり、街中に張り巡らされた蜘蛛の糸を真っ赤な光の柱が消し去っていく。そしてその光から一つのリンクルストーンが現れた。

 

「あれは……」

 

「熱い思いを… 感じるモフ!あれはリンクルストーン・ルビーモフ」

 

「新しいリンクルストーン!?もしかして……」

 

僕は巾着に入った石を取り出すと残った4つの石の内一つが赤に変わっていた。

 

「だとしたら……行くぞ二人とも」

 

「「うん」」

 

「「キュアップラパパ!ルビー!」」

 

ルビーが現れ、モフルンのリボンにセットされた

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

二人はツインテールのヘアスタイルに、赤を基調としたコスチュームに変わった。

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

そして僕も赤い石を腕輪にはめ込んだ瞬間、真っ赤な衣装に両手には炎の篭手が装備された姿に変わった。

 

「変身しただと!?」

 

「ルビーのプリキュアモフ!ルビーが新しい力をくれたモフ!」

 

「小癪な!行け!ヨクバール!そいつらを纏めて押しつぶせ!」

 

ヨクバールが僕たちを押しつぶそうとするが、僕らは三人でヨクバールを受け止めた。この姿だと力が上がっているのか?

 

「くっ、何をして……」

 

「油断してるよ!おばさん」

 

ポニィがスパルダに蹴りを喰らわせると、みらいから奪ったリンクルストーンが手元から落ち、モフルンがそれをキャッチした。

 

「ナイス!ポニィ!モフルン!」

 

「褒める前に!やっちゃいなって」

 

「わかった」

 

僕は襲いかかるヨクバールに対し、拳を構え思いっきり殴った。その瞬間ヨクバールは炎に包まれていくのであった。

 

「トドメは頼んだぞ!二人とも」

 

「「リンクルステッキ!ルビー!」」

 

リンクルステッキにルビーをはめ込む二人、

 

「「紅の情熱よ、私達の手に!フルフルリンクル!」」

 

二人は空中に魔法陣を描いた。

 

「「プリキュア・ルビー・パッショナーレ!」」

 

ヨクバールに突撃をし、ヨクバールは紅い螺旋状のリボンに包まれて浄化されていくのであった。

 

「プリキュア!オボエテーロ!」

 

スパルダも撤退し、街も元の姿に戻っていった。人々はプリキュアの登場に驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ………」

 

「どうかしたのですか?」

 

「ヤモーくん、どうやら私も動いたほうが良いですね」

 

「では見せてくれるのですか?皇具の力とやらを……」

 

「えぇ、見せますよ。あの方から授かった皇具の力を……手始めに……お願いしますよ。ザンクさん」

 

「あぁ、愉快愉快。こうしてまた消し去ることができますよ」

 

「ではまずは彼の実力を……そして見極め次第でこの皇具『無視流残スペーイド』をお使いください」

 

「わかった」

 

「どのようなものか見せてもらいますよ。リュウトさん」

 

「楽しみにしていたまえ。そしてユートピアに招かれた者共も始末してみます」

 



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06 補習の始まりと将軍

夜の魔法学校。僕らは図書室に来ていた。

 

「うわぁ~!すっごく大きな図書館なんだね!」

 

「流石というべきなのか……」

 

みらいが花の図鑑を開くと立体映像が映し出され、みらいとモフルンは興奮していた。

 

「図書館では騒がないの」

 

「何でこういう場所って騒いだりしちゃいけないんだろうね」

 

「ポニィはこういうところ苦手そうだよな……」

 

会って間もないけど、絶対に静かに読書するタイプには見えない。すると僕らは巨大な扉を見つけた

 

「なんだろう?この扉……」

 

「どうにも入っちゃまずいところなんじゃないのか?」

 

「そこから先へ行ってはならん」

 

僕らの所に水晶といくつもの本を持った校長がやってきた。校長の話ではこの扉の先は迷宮のように広く、深い場所で知識の森と呼ばれている。

 

マホウ界が生まれてからのすべての本が収められ、校長でも迷ってしまうほどのものだった。

 

 

 

 

 

校長は改めて僕らにリンクルストーンについて話しだした。

 

「リンクルストーンとは、この世の始まりよりも古き存在と言われる。 大いなる力の結晶…絶大なる力『エメラルド』、そして、それを守りし 四つの輝き。さらに支えし七つの輝きからなる十二の輝き。伝説にはそう記されている」

 

「私達が見つけたのは………」

 

「うむ、おそらくどちらも守りの輝き。君達はダイヤとルビーを目覚めさせた。プリキュアもリンクルストーン同様、伝説でのみ語られていた存在。どのような繋がりがあるかはわしにも分からぬ」

 

「なぁ僕のこの石もリンクルストーンなんだよな」

 

「あぁ、彼女たちがリンクルストーンを目覚めさせたことに共鳴するように君の持つ石も力を取り戻している。そして君の持つ腕輪、帝具『乾坤魔衣リゼルファ』にも大きな力を与えているみたいじゃからな」

 

「リゼルファ?」

 

「将軍と帝具に書かれた書物から君の腕輪の名前を知ったのじゃ。いつまでも腕輪じゃ味気ないじゃろ」

 

「そうだけど……」

 

リゼルファ……かっこいい名前だな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、みらいたちが補習にでかけている間、僕、ポニィは別の場所に来ていた。

 

「何で僕らだけ?」

 

「校長の話だと私達を鍛えてくれる人がいるみたいだけど……まぁそれが誰なのか分かってるけどね」

 

ポニィはものすごく嫌そうな顔をしているけど、一体誰が来るんだ?

すると遠くの方からこっちに向かってくる人が見えた。その人は筋肉隆々で両腕には篭手をはめていた男だった。そして戦いとか無縁だった僕でも分かる。この人は……ものすごく強い……

 

「浅賀陽斗だな」

 

「は、はい……」

 

「私はブドー。ポニィと同じ世界から来たものだ」

 

「ブドー……さん。あの僕らがここに呼び出されたのって……」

 

「この世界に来た私達を助けてくれた校長の頼まれたからな。これから先プリキュアと一緒に戦うというのであれば……」

 

ブドーさんが拳を構えると同時に空から雷がいくつも落ちた。これって……

 

「あれはブドー将軍の帝具『雷神憤怒アドラメレク』かなり強い帝具だし、将軍自体も私の世界じゃもうひとり最強の将軍と肩を並べるくらいの強さを持ってるからね」

 

「説明どうも……つまり僕を鍛えてくれるってことか」

 

僕は腕輪を……リゼルファにダイヤの欠片をはめ込み、白い騎士甲冑に姿を変えた。

 

「望むところだ!!」

 

「強くなりたいと思っているなら、まずは雷を避け続けろ!」

 

ブドーさんは雷を落とし続け、僕は必死に避けていくがいくら身体能力が上がってるからって、雷を避けるのは無理すぎないか?

 

「そんな動きではプリキュアと一緒に戦うことは出来ないぞ!!」

 

僕は必死に避け続けるけど本当にどこに落ちるのかわからない。どうにかして先読みをしないと……とりあえず建物とかに避難をして……

 

「建物に逃げることは許さん!!」

 

建物に逃げようとした瞬間、思いっきり雷を食らった僕はそのまま倒れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、起きなさい」

 

「起きるモフ」

 

誰かの声が聞こえ、僕は目を覚ますと眼の前にリコとモフルンがいた。

 

「僕は……そうだ特訓って……あれ?ブドーさんは?」

 

「あなた、もしかして将軍に鍛えられてたの?」

 

「服が焦げてるモフ」

 

「あの人は雷を自由に操る事ができる人よ。まぁ加減はしてくれたみたいだけど……」

 

「そっか、僕は……」

 

「ようやく起きたんだ。一旦休憩だってさ」

 

ポニィがこっちに戻ってきて、そういうのであった。建物中に逃げ込むのは駄目か………どうにかして雷の避けないと……

 

「そういえばリコとモフルンはどうしてここに?補習じゃなかったのか?」

 

「それが……」

 

「みらいが迷子モフ」

 

「何だって!?」

 

どうにも補習はみらいとリコの二人で挑むらしいけど、紙で作られた蝶を追っている内にみらいははぐれてしまったみたいだった。

 

「全く……あいつどこに……そうだ。モフルン、お前、リンクルストーンの匂いを嗅げるんだよな」

 

「モフ?」

 

「そうだわ。みらいが持ってるリンクルストーンの匂いをたどれば……」

 

だとしたら見つけられる。モフルンは僕らに言われるまま匂いを嗅ぎ取っていき、昨日の夜図書室で見た巨大な扉の前に僕らはたどり着いた。もしかして……

 

「ものすごくやばいところだよね」

 

「そんなこと分かってるわよ。ポニィ!」

 

「だからって放って置く訳にはいかないだろ!」

 

「はいはい、二人はあの子のことになると熱くなるわね~」

 

僕らは巨大な扉の先、知識の森へと向かうのであった。

 



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07 新たな敵と不思議な本

知識の森に入り、みらいを探していくが……

 

「本当に中が複雑すぎないか?」

 

「そうね。全くあの子は……」

 

「陽斗は怪我とか大丈夫モフ?」

 

「少しだけ痛いけど……」

 

「どんな訓練したのよ……」

 

「雷を永遠と避け続けるという……」

 

「……本当にあの将軍は怖いわね。というか避け続けるって言うより耐え抜いてみたら?」

 

「耐え抜くって、普通だったら死ぬからな」

 

「あんたの帝具の力だったら多少はいけるでしょ。ねぇポニィ?」

 

「まぁそうだね。頑張れ陽斗」

 

耐え抜くって……僕は生きて帰れるのかな?

そんなことを思っていると突然奥の方からなにかの音が聞こえてきた。僕らは急いでその場所へと向かうと本棚の空きスペースにみらいを発見した。

 

「なんで書庫にいるの!!」

 

「だって、ちょうちょが入っていったからそれで……でも、来てくれてありがとう」

 

リコは恥ずかしそうにしていると僕らの所に亀の姿をした怪人が姿を表した。

 

「貴様がもう一人のプリキュアだな。そしてお前が帝具使い共だな」

 

「誰だ?お前……」

 

「われは魔法戦士ガメッツ!!手合わせ願おうか!!魔法入りました!!出でよ!ヨクバール!」

 

ガメッツは剣の本とサメの本を合体させ、ヒレが刃になったサメのヨクバールを出現させた。

 

「こんな場所だと戦いづらい!一旦逃げるぞ」

 

「うん」

 

僕ら一旦その場から逃げるが、ガメッツがヨクバールと共に追ってくる。どうにかしないと……

そんな時、みらいとリコの二人は奥の本棚から何かを発見し、そこへと向かうと一冊の本が緑色の光を放っていた。

 

「これは……」

 

「その本がどうかしたのか?」

 

「何だか私達を呼んでたの……」

 

みらいとリコの二人が本を開こうとする中、ガメッツとヨクバールが襲いかかってきた。

だが本を開いた瞬間、まばゆい光が放たれ、ガメッツたちを吹き飛ばしていった。

 

そして気がつくと僕らは本棚の上に来ていた。

 

「これって……」

 

「よくもやってくれたな!どんな魔法を使ったか知らんが…もう逃がさんぞ!」

 

吹き飛ばされたのにもう戻ってきたのか。それだったら……

 

「行くぞ!」

 

「うん!」

 

僕は白い石をはめ込み、白い騎士の姿に変わり、みらいとりこはダイヤスタイルに変身した。

 

「現れたなプリキュア!そして帝具使い!我が魔法!ヨクバールの攻撃を受けるがいい!」

 

『ヨクバール!』

 

ヨクバールがこっちに目掛けて突撃してきた。僕らは避けるが、本棚の上から下に広がる雲海の中に消えてしまい、居場所がわからない。

 

「消えた!?」

 

「どこから……」

 

「うかつに動くとやばいかもな……」

 

敵の動きが読めない。どうすれば……

 

考えていると左からヨクバールが現れ攻撃を仕掛けてきた。僕は咄嗟に避けようとするが間に合わず、剣で防ぐ。

 

「やばいな……防ぐだけじゃ……」

 

防ぐだけじゃ駄目だ。どうにかして考えないと……

そんな時、ポニィが僕の頭を叩いた。

 

「考えすぎだと余計な怪我をするよ」

 

ポニィがそう言いながら、前に出て雲海の中に身を隠したガメッツとヨクバールに向かって叫んだ

 

「ほらほら、隠れて攻撃してるだけなの?魔法戦士って意外と臆病者ね」

 

『何だと!!』

 

雲海からガメッツの声が聞こえてくる。ポニィは目を閉じた。

 

「まずは貴様からだ!!」

 

ガメッツとヨクバールがポニィ目掛けて雲海から出てきた瞬間、ポニィは鋭い蹴りを喰らわした。

 

「ぐはっ!?」

 

『ヨクバール!?』

 

「防ぐだけじゃ駄目。やるんだったら相手の動きを読まないとね」

 

「相手の動きを読む……」

 

「将軍が今回の訓練で学ばせようとしたのは防ぐことでも避けることでもない。どこに雷が落ちるかを感じることだったんだよ」

 

「感じる……」

 

「確かにそうかもね。考えるよりも感じる」

 

マジカルも何か理解したみたいだった。僕、ミラクル、マジカルは姿を隠したガメッツ達の動きを読み、出てきた瞬間、攻撃を繰り出した。

 

「何だ!?さっきと動きが!?」

 

「今だ!ミラクル!マジカル!」

 

二人はリンクルステッキを取り出し、リンクルストーンをはめ込んだ。

 

「「永遠の輝きよ!私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア!ダイヤモンド・エターナル!」」

 

ダイヤモンドエターナルを喰らい、ヨクバールは浄化され、ガメッツはひっくり返ったまま撤退していくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらいとリコは変身を解くと紙で作られたちょうちょがこっちに向かってきて、みらいは捕まえるのであった。

 

「ちょうちょ……」

 

「何だかんだで課題はクリアね」

 

「陽斗も一応は課題はクリアだね」

 

「そうなのか?」

 

「動きを読むっていう事ができたからね」

 

僕も課題クリアできたみたいだけど……するとみらいが持っていた本が急に光だし、図書室へと僕らは戻された。

 

「外に出られた…この本のおかげ?」

 

みらいがそう呟いた瞬間、本が勝手に開き本から花が現れ、中から小さな赤ん坊が現れるのであった。



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08 氷の島で仲違い

知識の森で不思議な本を見つけ、更にはそこから赤ん坊が生まれてきた。

僕らは校長にそのことを伝えに来ていた。

 

「これは!?何処でこれを!?」

 

『世界と共に生まれ、生きとし生けるものを見守り続けて来た書物』

 

「まさか……リンクルスマホ…!」

 

「「リンクルスマホ?」」

 

「要するに物凄いものって言うことだよね」

 

「まぁ簡単に言うとそうだけど……何だかバカっぽい発言だぞ。ポニィ」

 

「別に馬鹿じゃないし……」

 

僕らはリンクルスマホを手に入れた経緯を話、更にはそこから赤ん坊が生まれてきたことも話すと校長は驚きの声を上げ、すやすや寝ていた赤ん坊が驚いて泣き出した。

 

「校長……」

 

「すまぬ」

 

どうにか落ち着かせようとするとモフルンがリンクルストーン・ダイヤが呼んでいると言い出した瞬間、二人のダイヤがリンクルスマホにはめ込まれ、リンクルスマホに設置されていたペンが勝手に動き出し、ある図を描くとそこから小さな牛乳瓶が現れるのであった。

 

リコは赤ん坊にミルクを渡すと赤ん坊は嬉しそうに飲み、みらいとリコも何だか嬉しそうにしているのであった。

 

「何というか……」

 

「陽斗。お決まりみたいなことを言わない方がいいよ。それだと貴方が……」

 

僕がある事を言いかけるが、ポニィに止められるのであった。いや確かに、二人は母親みたいだなって言ったら、どっちかがある反応をしそうなだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、僕らは何故かひゃっこい島と言われる氷の島につれてこられた。

 

みらいたちはこの氷の島でお湯を沸かすという補修を受けることに、そして僕はというと少し離れた場所でブドーさんとポニィと一緒にいた

 

「敵の動きを読む。ポニィから聞いたが出来るようになったみたいだな」

 

「なんとかですけど……それで今回は?」

 

「あれ?陽斗。いやに素直ね」

 

「嫌がるつもりはないよ。ただこれから先二人と一緒に戦うなら頑張らないとなって思ったんだよ」

 

「そっか……」

 

「……お前は平和な世界の人間だ。焦って強くなろうとしなくても良い。ゆっくりと時間をかけ、経験を積んでいけばいい」

 

「わかりました。ブドーさん……いいや、師匠」

 

「……師匠か」

 

師匠は何故か笑っていた。というかこの人でも笑うことがあるんだ……

 

「今回は動きを読むことが出来たというなら、避ける訓練だ。完璧に避けてみろ!!」

 

僕はリゼルファを起動させ、白い騎士姿に変わり、師匠の雷を避けていく。何となくだけど落ちてくる場所が分かるようになってきた。

 

「飲み込みが早い……平和な世界の人間だよね?」

 

ポニィがそう呟く中、僕はその問に返事をした。

 

「元々体とか鍛えていたりしてたから……でも何かと戦うのはつい最近になってからだけどね」

 

「なるほどね……」

 

「喋る余裕があるというなら、第二段階だ」

 

師匠がそう告げた瞬間、何かが僕の頬をかすめた。今のってまさか銃弾?

 

「第二段階……雷と銃弾を避けてみろ」

 

「あ、あの師匠。銃弾が当たったら……」

 

「安心しろ。急所は狙うなと言ってある」

 

言ってあるって誰にだよ?

 

「今のって……将軍、まさかと思うけど……」

 

「ポニィ、お前が思っているとおりだ」

 

「なるほどね……あとで顔見せてもらわないとね」

 

どうやらポニィは銃を撃っているやつと知り合いみたいだった。

 

それからしばらく雷と銃弾を避けていくが、何だか段々と体の動きが鈍くなってきた気がした。そりゃそうか、この寒さじゃ……

 

「とりあえずは第二段階はクリアだが、ギリギリだ」

 

「ギリギリ……」

 

「お前はもう少し環境に合わせた戦い方をしてみろ」

 

師匠はそう言い残してみらいたちの補習の先生、アイザックさんと一緒にどこかへ行くのであった。

 

「環境に合わせたか……」

 

「まぁ答えみたいなものは見えてるんじゃないの?」

 

この島だとあのフォームがいいよな。

 

フッと僕はあることに気がついた。何だかみらいとリコの二人がいない……

僕とポニィはみらいとリコの二人と一緒に補修を受けている黄色い髪にメガネをかけた少女エミリーに声をかけた

 

「なぁみらいとリコ知らないか?」

 

「みらいちゃんとリコちゃん?」

 

「あの二人だったらあっちの方に行ったぞ」

 

青い髪に活発そうな女の子ジュンが二人が向かった場所を指を指して教えてくれた。

 

「あの二人なんだか変だったよ」

 

茶髪の女の子ケイが二人のことをそう言っていた。三人から話を聞くとどうにもみらいが魔法を成功させて補習をクリアできたけど、リコが納得していなかったみたいだった。

 

「リコの奴……プライド高そうだからな……」

 

「心配ね。陽斗、どうする?」

 

「探しに行くしかないだろ」

 

僕とポニィはみらいとリコのことを追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブドー将軍遅いな~もしかして置いてかれたり……ど、ど、どうしよう!?こんな所で取り残されたら……あれ?あそこにいるのって……」

 

 



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09 絆を深める二人

陽斗SIDE

 

ポニィと一緒にみらいとリコの二人を探していく中、巨大なドラゴンが飛んでいくのが見えた。

 

「ドラゴン?僕たちを襲いに来たって言うわけじゃないみたいだな」

 

「基本的に大人しいからね。にしてもアイスドラゴンが空高く飛ぶっていうことはまずいわね」

 

「まずいって?」

 

「高く飛ぶっていうことは嵐を避けるため、このままだと嵐が来るわ」

 

だとしたら二人が本当に危ないってことだよな。

 

「急ぐぞ!」

 

僕らは嵐が来る前に二人を探しに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

みらいSIDE

 

嵐が来て、私とリコちゃんとモフルンは洞穴で嵐が去るのを待っていた。だけどこのままだと寒くて凍えてしまう。

 

「魔法のヤカン持ってくればよかったね」

 

「そうね。あなたが魔法でお湯を沸かせば暖かくなるでしょうね」

 

やっぱりリコちゃんはまだ怒ってるみたいだった。本当にどうしたら良いんだろう?こういう時陽斗くんがいれば何とかしてくれたんだけど……

 

陽斗くん、喧嘩とかの仲裁に入ったりしてくれていたりするし……

 

「リコの手、どうしたモフ?」

 

モフルンがそう言うと、私はリコの手を見た。リコの手、すごく冷たそうだった。

 

「リコちゃん、その手……」

 

「べ、別に貴方が悪いってわけじゃないんだからね」

 

「それに私、リコちゃんの事傷つけたんだよね。ごめん…リコちゃんにとって魔法はとっても真剣なこと…そんな魔法の事をもっと知りたい、一緒に勉強したいって思ってたの。それなのに私1人で夢中になっちゃって…魔法が使えたのが嬉しくてはしゃいじゃった…」

 

「貴方が悪いってわけじゃないわよ。うらやましかった…。魔法を使えたあなたが。だから私…勝手に怒って……ごめん」

 

お互いの気持ちをはっきり言え、私達が互いに笑いあうとモフルンがある事を思いついた。

 

「寒いのだったら、おしくらまんじゅうモフ!」

 

「そうね。せっかくだからやりましょうか」

 

「うん」

 

私達は三人でおしくらまんじゅうを始めた。体も暖かくなってきたけど、それだけじゃなく心も何だか……

 

「あ、あの~私も入れてもらっていいかな~」

 

突然声が聞こえ、振り向くとそこにはショートヘアーの女の子が体を震わせていた。

 

「えっと貴方は?」

 

「貴方……山に住んでるツクシよね?」

 

「は、はい、お父さんと一緒に……今日はちょっと頼まれごとで……」

 

「あっ、ほら、早く温まろう」

 

「はい」

 

ツクシちゃんと一緒におしくらまんじゅうを始めていくといつの間にか嵐が去ったみたいだった。

 

「モフ?甘い匂いがするモフ」

 

モフルンがそう言い、空を見上げるといろんな形をオーロラから小さな光が現れた。

 

「あれって」

 

「リンクルストーン!?私取ってくる」

 

私は急いで拾いに行こうとした瞬間、突然雪だるまのヨクバールが現れ、吹き飛ばされ、雪の中に埋もれてしまった。

 

「みらいー!!!!」

 

リコの声が聞こえ、雪の中から抜け出した。

 

「今、みらいって言いました!?」

 

「よ、呼んでないし。空耳でしょう。」

 

「呼んだよ!」

 

「呼んでないってば!」

 

「この期におよんでまだケンカですか?」

 

私達の所に現れたバッティ。でも私達はバッティの言葉に反応した。

 

「「喧嘩なんてしてない!」」

 

「ッ!」

 

私達は互いにモフルンの手を握った。

 

「「キュアップラパパ!ルビー!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

ルビースタイルに変身した私達。するとツクシちゃんが目を輝かしていた。

 

「将軍から話聞いてたけど、二人ともプリキュアなんだね。いいな~私もそういう変身とかしたいな~」

 

「将軍って?」

 

「まさかと思うけど、あなた将軍の知り合いだったりするの?」

 

「お父さんが知り合いで……」

 

「お喋りとか余裕ですね。やりなさい!ヨクバール!」

 

『ヨクバール!!』

 

ヨクバールが襲いかかろうとした時、後ろから陽斗くんとポニィちゃんが蹴りを喰らわせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

「間に合ったみたいだな」

 

「全く、嵐が来るわ。ヨクバールがいるわ……面倒事が起こり過ぎじゃない?」

 

「仕方ないだろって、なぁポニィ、あの子お前の知り合いじゃないのか?」

 

僕が指さしたほうをポニィが見るとポニィはやっぱりという顔をしていた。

 

「ツクシ、あんたまで来てたのね」

 

「ポニィ!?久しぶり」

 

「その銃、訓練で銃を撃ってたやつか」

 

「はい、ツクシって言います」

 

「とりあえずヨクバールをぶっ飛ばすよ!」

 

僕は白い石を外し、赤い石を腕輪にはめ込んだ。

 

「ルビーフォーム!!」

 

僕とポニィとミラクルたちはヨクバールと戦う中、ツクシはバッティと向き合っていた。

 

「あの、その手にある石を渡してください」

 

「どこのお嬢さんか知りませんが、そう簡単には渡しませんよ!!」

 

「そうですか」

 

ツクシが銃を撃つがバッティがいる場所とは違う場所に撃っていた。

 

「外した?」

 

「そんなわけないじゃん」

 

すると撃った銃弾が曲がっていき、バッティの手をかすめ、バッティが手にしたリンクルストーンが落ち、モフルンがキャッチした。

 

「氷のリンクルストーン、アクアマリンモフ!」

 

「ぬっ、魔法というわけじゃないみたいですね」

 

「臣具の力です」

 

「ちっ、ヨクバール!やってしまいなさい」

 

バッティが指示を出すが、すでに遅いと思う。

 

「はああああああああ!!」

 

ポニィが思いっきりヨクバールを蹴り飛ばし、蹴り飛ばされた先にいる僕、ミラクル、マジカルの三人は同時にパンチを喰わしたのだった

 

「二人とも喧嘩してたんじゃないのか?」

 

「喧嘩してないよ」

 

「まぁいろいろとあったのよ」

 

「そっか、じゃあトドメを頼んだぞ」

 

「「うん!」」

 

二人はリンクルステッキを取り出した。

 

 「「ルビー!紅の情熱よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア!ルビーパッショナーレ!!」」

 

二人の必殺技を喰らい、ヨクバールを撃退することが出来たのだった。

 

「ちっオボエテーロ!!」

 

バッティはそのまま姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど……データ収集は完了」

 

「おい、いつになったら首を切らしてくれるんだ?」

 

白衣の男……リュウトは笑みを浮かべていた。

 

「貴方には彼らの相手をしてもらうために……確実な勝利を手にしていただくためにデータを集めておいたのですよ」

 

「データ?よくわからないが、この皇具があれば勝てるんだろう?」

 

「慢心は油断ですよ。とはいえ貴方なら勝てるでしょうね。彼に……」

 

リュウトが見つめる先には陽斗の姿があった。

 

「一応忠告です。人というものは急激に成長しますので……」

 

「愉快愉快、あの女とあの小僧二人と戦った時と同じように楽しめそうだ」

 

ザンクは自分を殺した少女とその前に戦った二人の少年のこと思い出すのであった。

 

 

 

 

 

 

無事戦いが終わり、リンクルストーンも手に入れた僕たち。するとリンクルスマホの赤ん坊が成長するのであった。

 

「成長したわね。そういえばこの子の名前……」

 

「はーちゃんがいいな。だってはーはー泣いてるし」

 

みらいが名前をつけるとはーちゃんは嬉しそうにするのであった。

 

「あっ!名前っていえば、リコちゃん。さっき呼んでくれたよね、私の名前!」

 

「だからそれは…」

 

「呼んだモフ」

 

「呼んだわよ。それとリコちゃんなんて呼ぶ人あなただけよ。リコで良いわ」

 

「わかったよ。リコちゃ……ううん、リコ」

 

「それでいいわ… みらい…」

 

何だか知らない間に絆を深めてるな……

 

「寂しいの?陽斗」

 

「別に……そういえばツクシはこれからどうするんだ?」

 

「えっと、なんだか大変そうだし、ポニィ達に協力するよ。お父さんにも言っておくね」

 

「お父さんって……お父さんがいるの!?」

 

「うん、今度会いに行こうね」

 

お父さんって誰のことだろうか?



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10 リコのお姉さん

「というわけで今日は鍛錬は無いみたいなんだよね」

 

「いや、どういうわけだよ……」

 

今日も鍛錬があると思い、出かけようとするとポニィにそんな事を言われた。というかどういう訳なのかがわからない

 

「えっとね。陽斗くん、将軍はちょっとした調査にでかけてるの。本来はお父さんが代わりにやるつもりだったんだけど……」

 

「お父さんも将軍に連れられて調査に行ってる」

 

調査?何かしらあったのか?とはいえ、急に時間が空いてしまったな……

 

「折角だからみらいたちの様子でも見に行くか……」

 

「それじゃ私達もそれに付き合いますか」

 

「そういえば陽斗くんってみらいちゃんの事が好きなの?」

 

ツクシが突然そんな事を聞いてきて、僕は立ち止まった。

 

「何でそう思うんだよ?」

 

「ほら二人とも幼馴染だし、そういう感情が芽生えたりとか……」

 

「いやいや甘いね。私が思うに陽斗とリコはお似合いだと思うんだけどな~」

 

何で女の子ってそういう話が好きなんだよ……別に僕はみらいとリコのことは……

 

「ほ、ほら、あそこにみらいたちがいるぞ」

 

「誤魔化した」

 

「誤魔化したね」

 

二人のことを気にせず、みらいたちが集まっている噴水広場に行くとどうにも見慣れない人がいる。

 

「あら、貴方が陽斗くんね」

 

「は、はい」

 

「私はリズ。リコの姉で、アイザック先生の代理として補習の先生をしているの」

 

アイザックってあのおじいさんだよな。何だか今日は代理とか何やら多い日だな……

 

「というかリコの姉……なんとなく似てる気がしてるけど……」

 

僕はリコの方を見ると何故かリコは険しい表情をしていた。

 

「水のゾウよ、玉乗りしなさい!」

 

リコが魔法をかけて水でゾウと玉を作ろうとするがすぐに元の水に元の水に戻ってしまう。

 

リコは何度も同じ魔法をかけようとするが、失敗に戻ってしまう。何、熱くなってるんだ?

 

「リコ、少し休んだ方がいいよ」

 

流石にみらいも止めに入った。

 

「リコさん、無理せずイメージをハッキリ持って…」

 

「む…無理なんてしてません!!」

 

「リコ、無理してないっていうのは嘘としか思えないぞ」

 

僕もそう言うがリコは聞き入れなかった。いつもみたいに頑固になっているとかじゃないな。もしかして……

 

(小さい頃から、私は何でもお姉ちゃんをお手本にしてきた。ずっと練習をしてきたし、魔法の知識だって必死に勉強してきたのに…どうして、できないの…)

 

リコはもう一度魔法を使おうとした時、リズさんがそっとリコの手を握った。

 

「出来るわ。あなたの杖は…」

 

「杖が何だっていうの!!私には出来ないの!!お姉ちゃんに私の気持ちなんて分からないわ!!」

 

リコはリズさんの手を振りほどき、どこかへ行くのだった。リコが熱くなっている理由がわかった。対抗意識を燃やしていると言うよりかは認めてもらいたいって感じだな。

 

「リコ……」

 

「みらい、とりあえずリコのところに行くぞ」

 

「うん」

 

「それじゃ私達も一緒に行きますか」

 

「そうだね」

 

四人でリコの所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコは学校の屋上ではーちゃんのお世話をしていた。

 

「はーちゃん、もう寝た?リズ先生、リコのこと待ってるよ」

 

「みらい……陽斗、ポニィ、ツクシ……」

 

「逃げてるだけじゃ何も解決しないぞ」

 

「逃げてなんかないし!?」

 

いつもどおりのリコで良かった。リコはため息をつき語りだした。

 

「リズお姉ちゃんは何でもできて、私の憧れだった…このペンダントも私の家に先祖代々伝わる大事なもので…本当はお姉ちゃんが受け継いだものだったの」

 

リズさんは昔から魔法の才能はすごく、リコもそんなリズさんに憧れていた。そしていつかリズさんみたいな立派な魔法使いになりたいと思うようになったのだが……

 

「でもいざ学校に入ってみたら、魔法の実技だけがどうしてもできなくて…このペンダントにふさわしいのはやっぱりお姉ちゃん…。プリキュアだってお姉ちゃんの方が…」

 

リコがそう言いかけた瞬間、みらいがリコの手をぎゅっと握りしめ、悲しそうな顔をした。

 

「そんなの嫌だよ!リコがこのペンダントを持っていたから私達は出会えたんだよ!私はリコじゃなきゃ嫌だ!リコと一緒に合格するの!」

 

「みらい……」

 

「なぁリコ、お前はリズさんになりたいのか?」

 

「えっ?いや……」

 

「立派な魔法使いになりたいっていうのは分かるけど……リズさんみたいな魔法使いじゃなくって、リコらしい魔法使いになれるように頑張れば良いんだよ」

 

「私らしい魔法使い……」

 

「それに焦らず一個ずつ頑張っていけ。一気に難しいことをやろうとせず、一つ一つ積み重ねていくんだよ。誰だってそうしてきたんだから……」

 

「陽斗……」

 

「にしても姉に対してのコンプレックスか~」

 

「私達はそういうの考えたことなかったね」

 

「というよりお父さんがみんな平等に接してくれたからね。じゃなかったらアカメあたりに強くあたってたかもね」

 

「アカメちゃん、今頃どうしてるかな?」

 

二人は誰かの思い出しながらそんな事を言っていた。アカメって誰だ?僕はその事を聞こうとした瞬間、突然大きな音が聞こえてきた。

 

 



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11 姉妹の絆と首切り

騒ぎを聞きつけ、駆けつけるとそこには砂時計型のヨクバールとスパルダの姿があり、リズさんが倒れていた。

 

「お姉ちゃん!?」

 

「なんだい。プリキュアかと思ったら他人の空似じゃないか」

 

リコはリズさんに駆け寄り、無事かどうか確かめた。どうやら気を失っているだけみたいだけど……

 

「みらい、お願い!」

 

「うん!」

 

みらいとリコの二人はプリキュアに変身し、僕もまた白い騎士の姿に変わった。

 

「ツクシ、ポニィ、行くぞ」

 

「はいはい」

 

「が、がんばります」

 

「あんたら帝具と臣具使いの相手は私達じゃないんだよ!!」

 

スパルダがそう言った瞬間、突然背後から殺気を感じ、僕、ポニィ、ツクシの三人はすぐさまその場から移動した。

 

「んーーー愉快愉快。殺気を感じ取れるなんてね」

 

突然現れたのは額に目のような装飾を付け、両手には剣を装着した男だった。こいつは……

 

「ねぇ、ポニィ。あれって……」

 

「どう見ても帝具ね」

 

「お前らの知り合いか?」

 

「「知らない」」

 

知り合いじゃないみたいだな。すると男は笑みを浮かべていた。

 

「オレの名前はザンク。首切りザンクだ」

 

「首切り?あぁうん、知らないね」

 

「あれでも、確か獄長の帝具を盗んで辻斬りになった人じゃなかったっけ?」

 

「要するに二人には関わりがないということだよな」

 

「戦闘中に喋るなんて……まぁ俺もお喋りだからいいけどな!!」

 

ザンクが攻撃を仕掛け、僕は避けて斬撃を喰らわせようとするが何故か避けた方にザンクは斬撃を喰らわし、肩を切りつけられた。

 

「つぅ!?」

 

「動きが読まれてる?」

 

「五視万能スペクテッド。洞視、遠視、透視、未来視、幻視の力を持っている。さっきお前の動きを読んだのは未来視。洞視は……」

 

「はあああああああああ!!」

 

喋っている間に攻撃を喰らわせようとするが、ザンクは簡単に防いだ。

 

「喋っている間なら隙が出来ている。そう思ってるだろ?」

 

「心まで読むのか……」

 

「ふむ……陽斗には荷が重いかな。陽斗、ツクシ、二人はミラクルとマジカルの方に行ってあげて」

 

「ポニィ……」

 

「大丈夫だよ陽斗。ポニィなら……」

 

僕らはザンクの相手をポニィに任せて、ミラクルたちの所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ポニィSIDE

 

「いいのか?一緒に戦わなくって」

 

「未来を読み、心まで読む相手……今の陽斗じゃ殺されるだけかな」

 

それにそういう相手とは相性的に私がいいかもしれないしね

 

「相性的に……あの女みたいに満足させろよ!!」

 

ザンクの斬撃の嵐、私は避け続けるが動きが読まれているからか少しずつだけど傷つけられていく。私は距離を置くために後ろへ下がった。

 

「動きが読むって言うなら……それよりも早く動きだけ!!」

 

ヨクトボトムズを発動させ、物凄い速さでザンクに駆け寄り、蹴りを喰らわした。

だけどザンク両手の剣で防いでいた。

 

「早く動けばか……あの小僧を思い出すな……だけど真正面からの攻撃はどんなに早く動こうが、見極められる」

 

「……どうにも面倒ね」

 

「だが、あの女と……アカメとの戦いを思い出せてもらった。また会おう」

 

ザンクはそう言い残し姿を消した。アカメって……

 

「どうしてアカメの事を知ってるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

ミラクルたちのところへ駆けつける俺達。

 

「大丈夫か?二人とも」

 

「陽斗くん、うん」

 

「あっちは?」

 

「ポニィが頑張ってるよ」

 

「あの男……まぁいい。あんたらみたいな奴はそこにいる魔法学校の先生みたいに倒してやる!!」

 

「………今、なんて言った?」

 

マジカルが怒った顔をしながら、スパルダを睨んでいた。

 

「魔法学校の先生なんて大したことないねってことだよ!」

 

マジカルはスパルダの言葉を聞いた瞬間、ヨクバールを思いっきり殴り飛ばした。

 

「私の大好きなお姉ちゃんをバカにしないで!!」

 

「今、大好きって言いました!?」

 

「私は大好きなお姉ちゃんをいつか超えて、もっともっと立派な魔法つかいになってみせるんだから!」

 

マジカルの思いに応えるようにリンクルストーンアクアマリンが光りだした。

 

「マジカルの思いにアクアマリンが応えたモフ!」

 

マジカルはアクアマリンをリンクルステッキにはめ込むと、ヨクバールは口から水を発射してきた。僕は白い剣で水を防ぐと

 

「リンクルアクアマリン!」

 

アクアマリンの力でヨクバールの口を凍らせ、水を発射できないようにした。それを見て、僕とツクシは追撃を食らわしていく。

 

「二人とも!」

 

「今だよ!」

 

「「フルフルリンクル!プリキュア・ダイヤモンドエターナル!!」」

 

ダイヤモンドエターナルでヨクバールを撃退し、スパルダはそのまま姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いも無事に終わり、補習の続きとなった。みらいたちは無事に試験合格する中、リコはリズさんにあることを頼み込んだ。

 

「リズ先生…勝手に抜け出してすみませんでした!私ももう一度お願いします!」

 

「リコ……いいわ」

 

リコは緊張しながら杖を構えると、リズさんは笑顔でリコに声をかけた

 

「大丈夫。できるわ、あなたなら…」

 

「……はい、キュアップ・ラパパ!水よ、ペンダントになりなさい!」

 

リコは水でペンダントの形を作り出していくが、少しずつ歪に変わっていく。

 

「お願い、壊れないで!」

 

リコの思いに応えるようにリンクルストーンと杖が光だし、水のペンダントが氷に変わった。

 

「これって……」

 

「氷の魔法は上級者でも難しい。よくやりましたね。合格よ、リコ!」

 

「………はい!」

 

リコも無事に補習合格し、みらいたちが喜びあうのであった。僕は何だか嬉しそうなリズさんに声をかけた。

 

「何だか嬉しそうですね」

 

「えぇ、だってあの子は……あの子の魔法の杖は星の祝福を受けた杖の木から生まれ出たもの。あの子はすばらしい魔法つかいになれる、そう思った。だからペンダントを託したのよ。良い友達と出会えて、きっかけを掴めたようね。陽斗くん、あの子のことお願いね」

 

「まぁそれなりには……」

 

「ちゃんと幸せにね」

 

「………ん!?どういうことですか?」

 

何だかリズさんは誤解してる気がするんだけど……

 

「陽斗くんとリコは付き合ってるんじゃないの?」

 

「違いますから!?まだ会ってそんなに経ってないですからね」

 

「それじゃみらいちゃんと?」

 

だから何で誰もそういう風に考えるんだよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ザンクさん、どうでしたか?」

 

「面白い奴らですよ。ですが皇具は使うまではないですね」

 

「そうですか……ですが確実に彼らを倒してもらうためにはわかっていますね」

 

「愉快愉快。今日戦った奴らは余裕ですが、他の二人は貴方が?」

 

「えぇ、ブドーとゴズキ……彼らの相手は任せてください」



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12 人魚の里ともう一人の師匠

僕、ポニィ、ツクシの三人は魔法学校のある一室で師匠にあることを聞いていた。

それはこの間の戦いで襲撃してきた男、ザンクについてだ。ポニィはザンクがアカメという少女を知っていたことについて疑問を感じていた。

 

「ザンク……俺達がいた世界で世間を騒がせていた辻斬りだ」

 

「辻斬り……」

 

「しっかりとした確証は取れていないが、奴はアカメと戦い死んだという話だ」

 

「だからアカメのことを知ってたのね……将軍、前に言っていたアカメのことだけど……」

 

「ポニィちゃん、アカメちゃんはアカメちゃんなりに悩んで選んだ道だから……」

 

「わかってる。わかってるけど……」

 

ポニィ、ツクシの二人が暗い顔をしていた。一体アカメって言う子と何かあったのか?

 

「陽斗、現状お前ではザンクには勝てない」

 

「それは相手が心や未来を読んだりすることが出来るからですか?」

 

「いや、経験の差と言うべきだろうな。それにお前は……人を殺すことは出来るか?」

 

人を殺す……そんな事出来るわけない。

 

「奴は殺しを知っている。それだけで奴とお前との差が明らかだ」

 

「………」

 

「お前がこれから先誰も殺さないというのであれば、鍛錬を続けていけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

師匠との話が終わり、僕はこれからどうすれば良いのか考えていた。

 

「まぁ将軍自身、陽斗には人殺しとかやってほしくないと思ってるよ」

 

「陽斗くんには私達みたいになってほしくない。罪を背負うのは私達だけでいいから……」

 

「そうだけど……」

 

僕はもし人を殺した時の事を考えた。戦いの中だったら命のやり合いになる可能性が起こるのは分かる。だけど僕は殺すということが当たり前になっていくのが嫌だ……

 

「今は将軍の言うように鍛錬ね。っていっても必要なことは大体学んでるし……」

 

「それだったらザンクに対しての対策を考えないか?」

 

とりあえず今はザンクをどう倒していくかを考えることにした。このままポニィやツクシの二人に任せるのも悪いしな。

 

「あっ、陽斗くん、ポニィさん、ツクシさん」

 

「三人ともどこ行ってたのよ」

 

「補習が始まるモフ」

 

みらい、リコ、モフルンがこっちに駆け寄ってきた。というか僕は補習を受けないんだけどな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の補習の場所までアイザックさんに連れてこられた場所は海のど真ん中だった。というかこんな所でなんの補習をやるんだ?

 

「あのぉぉぉぉぉ!!誰かいませんかぁぁぁぁ??」

 

みらいが大声で叫んでいた。いや、流石にこんな所に人がいるわけ無いだろ

 

「もう!いきなりびっくりするじゃない!」

 

「だって誰もいないから……」

 

「そんな大声では相手が怯えてしまいますよ。魔法学校のアイザックです!どうかお姿をお見せください」

 

アイザックさんがどこかに向かって声を掛けると海の中から一人の女性が現れた。

 

「お久しぶりですね。アイザック先生」

 

「おぉ!ロレッタ先生!」

 

「海で泳いでたんだぁ」

 

みらいがそう言うけど、マホウ界だからもしかして……

するとロレッタさんが大きく跳び上がった。だけどみらいたちが驚いたのはロレッタさんの下半身だ。やっぱりこの人、人魚だったのか

 

「色んなものを見てきたけど、人魚は初めて見るわね」

 

「うん、というより海の危険種自体見たことないよね」

 

ポニィもツクシも人魚を始めて見たみたいだな。

 

「今日の特別講師は、人魚のロレッタ先生です」

 

「今…人魚って言いました!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイザックさんの魔法で水の中でも息ができるようにしてもらい、僕らは海の底へと連れて行かれるとそこには人魚の里と呼ばれる場所にたどり着いた。

 

「私達は、滅多に海の上には行かないの。外の世界は怖いと言われているし、ここには守るべき大切な物があるから」

 

守るべきものって何だろうか?あとで時間があったら聞いてみよう。

 

みらいたちの今回の補習は魔法を使うためにもっとも重要とされる発声の補習だった。マール貝と呼ばれる貝を声だけで開けられたら合格らしい。

 

僕らは特に手伝えることもなく、ポニィとツクシの二人が模擬戦をしてくれた。

 

「それなりに成長してるみたいね」

 

「ここに来てからずっと鍛えられてるからな……二人はどうしてそこまで……」

 

「私達はまぁ……色々と特殊な環境にいたから、それにお父さんが鍛えてくれたから……」

 

「まぁ陽斗からしてみれば考えられない環境ね」

 

ポニィがそう言うけど、二人がいた世界って一体どんな世界だったのだろうか?

 

「とりあえずザンクとの戦いに向けてどうするかよ。私の臣具なら心が読まれていても、反応できない速度で攻撃を当てられるけど……」

 

「でもそれでも無理そうだよ。将軍が言うには何かしらの攻撃手段を持っているかもしれないって言ってたし……」

 

「まず心を読んだりとかってどう対処すれば良いんだよ」

 

「そんなもの無心になればいいだけだ」

 

声が聞こえた瞬間、ポニィとツクシがすぐさま臣具を構え、僕もリゼルファを起動させようとするが、首筋に刃先を当てられていた。

 

「久しぶりだなポニィ、ツクシ、いい反応だ。こっちの坊主はまだまだだけどな」

 

髭をはやした男は刀を鞘に収めた。鍛錬を続けていってそれなり気配を読めるように出来たけど、この人は声が聞こえるまで反応ができなかった。

 

「「お、お父さん!?」」

 

ポニィとツクシの二人がその男のことをお父さんと呼んだ。ということは前に言っていたお父さんってこの人のことだったのか……

 

「お前が浅賀陽斗か……それなりに鍛えられているがまだまだだな」

 

「そ、それはこれから……」

 

「敵は待ってくれないぞ。まぁザンクより強くなれるのは無理だな」

 

「じゃあ、ポニィとツクシの二人に任せろっていうのか!?」

 

「いや、ザンクと互角になれるくらいに強くなれば良いんだ。鍛えてやる!そのために将軍に頼まれたからな。俺はゴズキ、お前のもうひとりの師匠だ」

 

「……ゴズキ師匠……はい!!」

 

僕はリゼルファで白い騎士になり、ゴズキ師匠は刀を抜き鍛錬が始まった。



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13 サファイアの想いと暗躍者

ゴズキ師匠との模擬戦を受ける僕だったけど……

 

「なるほどな。大体の能力は把握できた」

 

ゴズキ師匠は刀を鞘に収めながらそういう中、僕は地面に倒れ込んでいた。

 

「お父さん、やりすぎじゃないの?」

 

「少しは加減したほうが……」

 

「これでも髪を使ったり、爪を伸ばしたりはしてないぞ」

 

「うくっ……」

 

僕はなんとか立ち上がり、ゴズキ師匠の刀を見つめた。帝具とか臣具かと思っていたけど、普通の刀にしか見えない。だとしたら師匠は普通に強いってことか……

 

「お前の帝具は、鉱石の力を得ることで発揮する力みたいだが、お前はリンクルストーンの欠片を使っている……他の石はまだ使えないのか?」

 

「は、はい、みらいたちの……プリキュアがそれに適応したリンクルストーンを手にしたのに呼応するように、この欠片も力を取り戻しているんです」

 

僕は師匠にまだ変化していない石を見せた。師匠は興味深そうにしながら見て……

 

「なるほどな。ザンクと戦うにはプリキュアたちと一緒にいたほうが良いかもな……ポニィ、ツクシ、手伝ってやれ」

 

「「はい」」

 

「師匠、どこに?」

 

「久しぶりに動いたからな。少し休んでくる。あぁそれと陽斗、お前はいずれ強くなるかもな」

 

師匠はそう言ってどこかへ行くのであった。それにしても本当に強い人だった。

 

「それでどうするの?陽斗」

 

「お父さんの言うとおり、みらいちゃんたちと一緒にいる?」

 

「そうするしか無いだろ。あの二人、どこに行ったんだ?」

 

僕ら三人はみらいとリコのことを探しに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周辺を探しているとみらいたちが洞窟の中にいるのを見て、僕たちも中にはいると、中には貝の石像が置かれていた。

 

「あれ?陽斗くん、どうしたの?」

 

「ん、まぁちょっとな。二人は……」

 

僕はみらいとリコの他にジュンと人魚三人がいた。どうやら仲良くなったみたいだな。

 

「この子達がここに案内してくれたの」

 

「それでこの石像は……」

 

「うん、これは私達人魚に伝わる宝物でね。この貝はね、ずっと昔から人魚の里で大切に守られてきたの。その昔、貝は口を開いていて…その頃、人魚は海の中だけじゃなく…空も泳いでたんだって!」

 

「人魚も外に出て、他の種族と交流してたって…」

 

「でも、人魚が空を泳ぐのをやめたころから、貝は眠ったように口を閉ざしてしまったの」

 

何というかこの世界は色んな逸話が多いな。するとリコが貝が乗っかっている柱に書かれた文字を読み上げた。

 

「人魚の心に光戻りし時再び輝きの人魚現れ、我らを広き世界へと導く…」

 

どういう意味だ?僕はポニィとツクシの方を見るが、二人も文字の意味がわからないみたいで首を横に振っていた。

 

すると人魚の一人シシーが何かを感じ取っていた。

 

「大変!何か怖いものが来たみたい」

 

「怖いものって、あたいがいるんだ。心配すんな」

 

怖いものか……僕はみらいとリコの二人を見た。二人も何となくわかっているみたいだな。

 

「ジュン、この子達をお願い」

 

みらいとリコは怖がる人魚の女の子たちに安心できるように笑顔を見せる。

 

 

 

 

 

怖いものがなんなのか探しに行く僕たち。すると魚群が僕らを通り過ぎていくとそこにはガメッツがいた。

 

「プリキュア、帝具使い共!今こそ勝負だ!魔法入りました!いでよ、ヨクバール!」

 

ガメッツは貝と海藻を合わせたヨクバールを召喚し、僕、ポニィ、ツクシが構える中、

 

「「キュアップ・ラパ…」」

 

みらいとリコの二人が変身しようとするが、何か大切なものを忘れていた。

 

「あれ?モフルンは??」

 

もしかして……ジュンたちと一緒にいるんじゃ……

 

「二人とも!モフルンと合流してくれ!ここは僕らが食い止める」

 

「わかったわ。みらい」

 

「うん、陽斗くん、気をつけて」

 

みらいとリコの二人がモフルンのところへ向かうと、それを追いかけるようにヨクバールとガメッツが動き出した。

僕はダイヤフォームになり、ポニィとツクシの二人で食い止める。

 

「お前たちは後だ!!」

 

ヨクバールが大きく回転し、海藻で僕ら三人を吹き飛ばしていく。

 

「プリキュアを片付けた後にまた来てやる」

 

ガメッツはそのまま二人を追いかけていく。僕らもそれを追いかけに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガメッツに追いつくとみらいとリコは手をつなぎ、ガメッツに向かって叫んでいた。

 

「「2人なら怖くない!」」

 

二人の思いの声に反応するかのように、辺り一面のマール貝が口を開き、青い光を放ち始めた。

 

「甘い匂いモフ!」

 

そしてさっきの洞窟の方から大きな光がみらいとリコに向かって行き、一つのリンクルストーンが現れた。

 

「サファイア!穏やかな気持ちのリンクルストーンモフ!」

 

サファイア……すると僕の持っているリンクルストーンの欠片の一つが青い石に変わった。

 

「二人とも、行くぞ」

 

「「うん、キュアップ・ラパパ!サファイア!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

二人は青を基調にした衣装を身にまとい、ストールを纏った姿に変わった。

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!」」

 

そして僕は青い石を腕輪にはめ込み、青い衣装に、手には三叉の槍を持った姿に変わった。

 

「サファイアフォームってところだな」

 

僕らは海上に出て、ヨクバールと対峙していた。ヨクバールの攻撃を避けていくと、ミラクル、マジカル、僕はあることに気がついた。

 

「普通に空飛んでないか?」

 

「うん、」

 

「空も飛べるようになるなんて……」

 

「えぇい!!喋っているとは余裕か!!」

 

ヨクバールが僕らに向かってくると、海の中からポニィとツクシが現れ、ポニィが思いっきり蹴り飛ばした。

 

「全く三人は能力強化とかされてるからいいものの……」

 

「私とポニィちゃん、来るだけで大変なんだよ」

 

「「「ご、ごめんなさい」」」

 

ポニィたちに謝る僕ら、ヨクバールはまだ攻撃を仕掛けていくが、僕は三叉の槍を構え、動こうとした瞬間、物凄い速さでヨクバールを切りつけていった。

 

「サファイアはスピード型か……とりあえずもう一撃!!」

 

ヨクバールに思いっきり槍を突き刺し、ヨクバールが苦しみだしていた。

 

「今だ!二人とも!」

 

「「リンクルステッキ!サファイア!青き知性よ!私たちの手に!フルフルリンクル!」」

 

フルンのストーンから潮が発生し、地表と空中に魔法陣が描かれ、地表の魔法陣でヨクバールを拘束し、

 

「「プリキュア・サファイア・スマーティッシュ!」」

 

ヨクバールめがけて空中に魔法陣から水の大激流が発せられ、そのまま球体状に包み込んで浄化するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リンクルストーン・サファイア……なるほど、それに伴って奴の力が上がっているのか……厄介だな。今のうちに……」

 

「そうはさせるか!!」

 

リュウトの背後から斬撃が放たれ、リュウトはそれを避ける

 

「これはこれはゴズキ。始めましてになるかな?」

 

「何で俺の名前を知ってる?どこかで会ったか?」

 

「私はリュウト。あなた方、異世界の住人を召喚した人間の助手を務めるものです」

 

「なるほどな、お前が首謀者の一人ってことか!!」

 

ゴズキは鋭く爪を伸ばすが、何かに阻まれリュウトに届かなかった。

 

「悪いですが、貴方とブドー、両方同時に仕留めないと行けない気がするので、今日はこのまま撤退しますよ」

 

リュウトはそう告げてどこかへ消えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いも終え、みらいたちも無事に補習クリア出来た中、僕はリンクルストーンの欠片を見つめた。

 

(プリキュアがリンクルストーンに手にすると同時に、欠片も力を取り戻す……二人と一緒にいたほうが良いけど……でも……)

 

僕はみらいとリコの補習の紙を見つめた。みらいは別れることをしっているのか?

 

 

 

 

 

 



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14 ペガサスの森での癒やしの力

今回もまたみらいたちの補習に付き添うことになった僕、ポニィ、ツクシの三人だったのだが、今は魔法の森の中を歩いていた。

 

今回の補習は箒に乗ってペガサスと記念撮影をするとのことだったのだが、

 

「全く。一番最初に飛び出すなんて」

 

「あはは~。ごめんなさい」

 

「わ、私には絶対無理~」

 

「エミリー、高いところ苦手だもんな~」

 

「ペガサスを箒で追いかけるなんて……」

 

と言いながら泣きそうな顔で頭を振るエミリー。それにしても……

 

「ドラゴンに、人魚、ペガサス……空想上の存在が多くいすぎだろ」

 

今更だけど本当にマホウ界はいろんな生物がいるな……慣れてきているとはいえやはり驚くことは多いな

 

「そう?ドラゴンくらいね……」

 

「うん、危険種とか色んなものいたから……」

 

ポニィとツクシの二人からしてみれば普通のことなんだろうけど……それにしてもペガサスってあんなふうに人前に出てくるのか?

 

リコたちの話では森の奥にしかいないはずなのにおかしいとのことだった。するとケイがある噂を話しだした。

 

「この森に関する怖~い噂。何でも最近この森の中に怪しい花が咲いているらしいの。甘~い香りで森の生き物を誘き寄せ、そして、その花は香りの虜になった動物が動けなくなった所をパクッ!と食べてしまうんですって~」

 

「そ… そんなの怖くないし!」

 

いや、リコ、明らかに怖がってるぞ。それにしても変わった花があるものだな……

 

「まぁ見つけたら焼き払えば良いんじゃないの?陽斗の帝具で」

 

「いや、焼き払うって……魔法の森を無くすつもりか?」

 

「ポニィちゃん……それはやめとこう」

 

「何というかあなた達は……というか陽斗も感覚麻痺してるんじゃないの?」

 

「あぁ、もう色々とな……はははは……」

 

リコに突っ込まれ、笑うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから分かれてペガサスを探すことになった僕ら。そんな中はーちゃんが蝶を見つけ追いかけようとしているが、落ちそうになったりしていた。

 

「はーちゃん、飛ぼうとしてるの?よーしはーちゃんが頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!」

 

みらいが気合を入れていると、ペガサスが飛んでいるのを見つけた。

 

「ペガサスだ!!行こう、リコ!!」

 

「待ちなさい!!無茶よ!!」

 

まだ箒で飛べないみらい。だけどみらいは目を閉じ、必死に何かを呟いていた。

 

「出来るって信じれば何だって出来る!」

 

その瞬間、ものすごい勢いでみらいが箒で空を飛んでいった。だけどまだ操作が慣れていないからか落ちそうになっていたが、リコが助けに入り何とか助かったのだった。

 

「私達はどうする?」

 

「ミナトくんなら空飛べるんじゃないの?」

 

「あんまり二人の試験に手を出すのも悪いからな……」

 

とりあえず下から様子を見ていると、後もう少しの所でペガサスと写真撮影できそうになったのだが、はーちゃんが落ちてしまい、みらいが助けに入るが、気が抜けてしまったのか。みらいは大きな穴の中に落ちていくのであった。

 

「まずいな……」

 

「行くしか無いわね」

 

「うん」

 

リコもみらいを追いかけに行き、僕たちも一緒に穴に落ちていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穴の中には薄暗い森が広がっていた。

 

「みらいたちはどこにいったんだ?」

 

「う~ん、こういう場所はあんまり動かないほうが良いんだけどな~」

 

「あれ?何だかあっちに何かが……」

 

ツクシが何かに気が付き、ついていくとそこには一面花畑が広がっていた。

 

「こんな所があるなんてな……」

 

「見て、あそこ!?」

 

ポニィが指さしたほうを見るとみらいとリコの二人がいるのを見つけた。僕らは駆け寄ると何故か色んな動物に囲まれながら、何かを食べていた。

 

「何してるんだよ。ふたりとも……」

 

「あれ?陽斗くん、どうかしたの?」

 

「いや、穴に落ちていったから心配して……」

 

「心配かけてゴメンね。陽斗。でも、ほら」

 

リコは僕らにあるものを見せた。これって……

 

「リンクルストーン?」

 

「えぇ、ピンクトルマリン!花のリンクルストーンよ。この森の噂もこのピンクトルマリンの癒やしの力が違う形で語られたみたい」

 

「なるほどな……まぁ二人が無事だし…」

 

よかったと言いかけた瞬間、突然周りの草や花が切り裂かれた。そして僕らのもとにスパルダが現れた

 

「強い魔法の力を感じてエメラルドかと思ったら…ぜんぜん違うみたいね。まぁいいわ!」

 

スパルダはペガサスの親子の方を見て、親ペガサスを蜘蛛の糸で縛り上げた。ペガサスは必死に抵抗すると

 

「そんなに花を切られたのが許せなかったのかい?じゃあもっと花を切りまくってやるよ!魔法入りました!いでよ!ヨクバール!」

 

ペガサスと蔓が混ざったヨクバールが現れ、暴れまくっていた。

 

「なんて事を!」

 

「元に戻して!」

 

「戻せと言われて戻すバカがいるかい?」

 

ヨクバールは花畑を荒らしていく。子ペガサスも助けようとするがモフルンが必死に止めていた。

 

「助けるしか無いな。行くぞふたりとも」

 

「うん!」

 

「任せて!」

 

「「キュアップラパパ!ダイヤ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

二人がプリキュアに変身し、僕も白い騎士甲冑を身にまとった。

 

「「はああああああああああああ!!」」

 

ミラクルとマジカルの二人が攻撃を仕掛けようとするが、咄嗟に動きが止まってしまい、反撃を食らってしまう。

 

「大丈夫か?」

 

「な、何とか……」

 

「まずいわね。うかつに攻撃ができないわ」

 

「あははは!!これはいいわね」

 

スパルダの笑い声が響く中、ポニィとツクシの二人がスパルダに向けて攻撃を仕掛けていた。

 

「あんたを倒せば元に戻るかしら?」

 

「ポニィちゃん、教えてくれるかわからないから試してみよう」

 

「くっ、邪魔な!!」

 

「陽斗、こいつは私達がなんとかするから、ペガサスを!」

 

「お願い!」

 

「お願いって言われても……」

 

僕の力じゃ傷つけてしまう。それはミラクル達もそうだ。どうすれば……

 

「そうだ!ピンクトルマリンを使えば……」

 

「ピンクトルマリン……癒しの花から生まれたリンクルストーンなら、この力でお母さんの心を取りもどせるかも!」

 

「でも、本当にできるかしら?」

 

「マジカル、信じれば何だってできるんだよ。私を信じて」

 

「信じることがいちばん大切なことだからな」

 

「そうね。ミラクル、陽斗……それならミラクルと陽斗を信じる」

 

「僕も手伝うよ」

 

僕とマジカルの二人でヨクバールの動きを止めるため、白い剣を捨てると同時に、ヨクバールの蔓を掴んだ。

 

「陽斗!?」

 

「だ、大丈夫だ!!ミラクル!」

 

「うん、リンクル!ピンクトルマリン!お母さんの心に届いて!」

 

まばゆい光がヨクバールを包み込み、親ペガサスが解放された。

 

「よし、ふたりとも!」

 

「「フルフルリンクル!プリキュア・ダイヤモンドエターナル!!」」

 

ダイヤモンドエターナルを喰らい、ヨクバールは浄化されるのであった。

 

「やっぱり心があるものはダメだね!オボエテーロ!」

 

スパルダも捨て台詞をはき、姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だかんだあったけど、ペガサスとの記念撮影を達成でき、残すところ補習もあと一つになった。

 

「補習もあと1つよ!」

 

「うん!よかっ… あっ…」

 

「次が最後ね…」

 

二人は気がついた。次の補習が終わればもうマホウ界とはお別れになる……

 

「陽斗、何か言ってあげたら?」

 

「いや、僕からは何も……」

 

これは二人が決めることだからな



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15 最後の補習

明日は最後の補習。つまり補習に合格すれば僕たちはマホウ界から去ることになる。

 

「みらいはどうするんだろう?」

 

一人、そう呟くけど誰も答えてくれない。みらいはどうするつもりなんだ?そして僕はどうしたらいいんだ?

 

「何を悩んでいる」

 

突然声をかけられ、振り向くとそこにはブドー師匠がいた。

 

「師匠、どうしたんですか?こんな時間に?」

 

「少し調べることがあってな。お前は……」

 

「僕は……何をすれば良いのか悩んでいて……」

 

「何をすればいいか……それはお前が決めることだ」

 

僕が決めること……僕はどうしたいんだ?

 

「あちらに戻っても己を鍛え続けろ。多分だが戦いは終わらない」

 

師匠はそう言い残して、去っていった。戦いは終わらない……もしかして師匠の調べごとに関係してることなのか?

 

 

 

 

 

 

 

「今日はいよいよ最後の補習。その内容は…先生との魔法対決です」

 

次の日になり、教室で補習の内容を発表された。リコはお別れになることに対して浮かない顔をして、みらいはというと変わらない様子だった。

 

「君達は5人で1つのチームになり、帽子につけた自分の花を守りながら、誰か1人でも先生の花を咲かせることができたら全員合格。晴れて2年生になることができます」

 

「私達の花が咲いたらどうなるんですか?」

 

「その時は退場。もし5人全員が退場となったら、その時点で落第決定です。それでは、君達の相手になる先生を紹介しましょう」

 

アイザックさんがそういった瞬間、教室に入ってきたのはリズさんだった。

リズさんと戦って勝つということか……

 

「手加減はしませんよ、よろしくね」

 

リズさんが相手ということで、さっきまで浮かない顔をしていたリコが更に浮かない顔をしていた。今のままで本当に合格できるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外に出て、早速試験が始まった。僕、ポニィ、ツクシ、ブドー師匠、ゴズキ師匠は魔法の絨毯に乗って先生たちと一緒に観戦していた。

 

試験が始まり最初に飛び出したのはみらいだった。みらいは魔法を使って花を咲かせようとするがかわされていた。

 

「あの子達がどこまで通用することやら」

 

「あの子達はこの補習で、実技だけでなく魔法つかいにとって大切なことを学んできました。その成果がこの試験で分かるでしょう」

 

「みらい……」

 

「心配そうだね」

 

「手伝ってあげたら?」

 

「そんなことできるわけ無いだろ。これはあいつらの……」

 

僕はただ見てるだけしかできないのか?そんなこと……

 

それからケイ、エミリー、ジュンの三人が上手く協力してリズさんを追い詰めるが、惜しい所で花に魔法があてられ、三人は脱落してしまった。

 

「花よ、咲いて!」

 

みらいが頑張っているみたいだけど、リコは動こうとしなかった。やっぱり別れるのが辛いのとリズさんに勝てないという気持ちがあるからか?

 

「キュアップ・ラパパ!水玉よ、舞い踊りなさい!」

 

リズさんがみらいとリコの二人を水玉で撹乱していき、二人は地面に落ちていってしまった。

 

「いたた…やっぱリズ先生は凄いな~!でも、まだまだ!」

 

みらいは諦めず、また飛ぼうとした瞬間、リコがあることを言い出した。

 

「そんなに早く帰りたい…?これが終わったら私達…お別れなのよ!?」

 

「……リコ」

 

何というか見てられないな……僕は絨毯から降り、二人のところへ駆け寄った。

 

「みらい、どうしてそんなに頑張るんだ?」

 

「陽斗くん……だって頑張りたいよ。立派な魔法つかいになるのがリコの夢…だから、合格しなきゃ!絶対合格してリコは2年生になって、魔法頑張って欲しい。だから私、今は試験のことだけ考えようって…」

 

「リコのことを思ってか……全然気が付かなかったな。何年も幼馴染やってるのに……」

 

そうだよな。みらいは友達のためなら精一杯頑張るやつだったよな。

 

「よけいなお世話よ!そんな気を遣って貰わなくても、自分で合格できるし」

 

「その割には動けてなかったぞ。リコ」

 

「う、うるさいわよ。陽斗!見てなさい!行くわよ!みらい」

 

「うん」

 

二人は再び空に飛び上がり、リズさんと向き合った。僕にできることは……

 

「二人共!頑張れ!」

 

やっぱり応援しかないよな

 

「キュアップ・ラパパ!雲よ、湧き立ちなさい!」

 

二人は雲の中にとじ込まれていく。リズさんも本気なんだな。いや、本気の相手には本気で答えるのが礼儀だしな。

 

雲の中から飛び出してきたのは、リコとリコのほうきに乗ったみらい。二人はリズさんに向かって突っ込んでいく。

 

「「「キュアップ・ラパパ!花よ!咲きなさい!!」」」

 

三人がほぼ同時に魔法を放ち、すれ違った。そして………

 

「あっ……」

 

リズさんの花が魔法によって咲いていた。みらいとリコの勝ちだな。

 

「みらい!リコ!やったモフー!!」

 

モフルンも駆け寄り、みらいとリコも嬉しそうにするのであった。

 

「立派でしたよ、みなさん」

 

リズさんはスタンプを押し、晴れて全員合格することができたのだった。

 

これで終わりかと思ったときだった。

 

「お遊戯は終わりましたか?」

 

声が響き、そこにはバッティの姿があった。バッティは合格書と花を使ってヨクバールを生み出した。

 

「こんなときに来るんじゃねぇ!!」

 

リゼルファを起動させようとした瞬間、上から何かが降ってきた。降ってきたのは二人、一人はザンク。もうひとりは見覚えのないやつだった。

 

「また会ったな。小僧!!」

 

「ザンク!それにそっちは……」

 

「はじめましてと言うべきかな?私はリュウト。皇具を使い、ある計画を成就させようとしているものです」

 

 

 

 

 

 

 



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16 マホウ界にお別れ

バッティと突然現れたザンクともうひとり……リュウトと名乗る男。こいつは一体……

 

するとブドー師匠とゴズキ師匠がリュウトの前に出た。

 

「お前の相手は俺達だ」

 

「お前らはザンクを相手してろ」

 

「師匠……ポニィ、ツクシ、頼めるか?」

 

「任せて」

 

「私達も頑張るから」

 

「ザンクさん、そちらはお願いしますよ」

 

「あぁ、楽しませてもらうぞ」

 

「みらい、行くわよ」

 

「うん」

 

「「キュアップラパパ!ルビー!!」」

 

みらいとリコの二人もプリキュアに変身し、ヨクバールと戦い始めるのであった。

 

 

 

僕、ポニィ、ツクシの三人でザンクと戦っていくが、やっぱりヤツの帝具の力でこっちの動きが読まれている

 

「愉快愉快。学習しない奴らだ。心を閉ざしたりすることも出来ず、お前たちはそのまま首を切り落とされる」

 

ザンクは笑いながらそう言っていた。確かにこのままじゃ前に戦った時と変わらない。だけど……

 

「ポニィ、ツクシ。例のアレ、やってみるか?」

 

「そうね。やって見る価値はあるわね」

 

「それにこのまま前と同じように終わるのは嫌だからね」

 

三人で頷く合い、ツクシは銃弾を放ち続けた。

 

「銃弾なら読まれないと思っているようだが、その武器の特性上、貴様の心を読めば!!」

 

ザンクは銃弾を避けた瞬間、ポニィがザンクの足元にいた。

 

「そしてそれも読んでいる!!」

 

ザンクの顎を狙ったポニィの蹴りをザンクは避ける。ここまで予想通り

 

「そしてお前が最後だな。未来を読めばお前の動きは……」

 

「リゼルファ!サファイアフォーム!!」

 

青い衣装に、槍を構えた状態で素早く動き、槍をザンク目掛け突き刺そうとした。

だが、ザンクは槍を受け止めていた。

 

「愉快愉快。新たな力でなら勝てると思っていたのか?」

 

「あぁ、その通りだよ!!」

 

僕がそう告げた瞬間、ザンクの体中に切り傷ができた。ザンクは驚いていた。

 

「……これは?」

 

「サファイアはスピード型。動きも攻撃の速度も上がっている。それに全力を出せば見えないくらいの速さになれる」

 

「なるほど……さっきの一撃は一撃ではなく、いくつもの攻撃を繰り出していたということですか。愉快愉快」

 

ザンクは笑みを浮かべていた。さぁてここからどうしたものか……一回だけ全力を出したけど、正直体がもう動かすのが辛いな……

 

「リュウト。どうする?」

 

「ふむ、成長するか……仕方ありませんね。私も少々手こずっていますし……」

 

師匠たちの方を見ると特に苦戦している様子はなかった。流石というべきか……

 

「ここは撤退させてもらいますか。バッティさんも撤退しましたし……」

 

「また会おうか」

 

ザンクとリュウトはそう告げて姿を消すのであった。

 

「リュウト……ヤツの持つ皇具……」

 

「面倒だな。何が手こずるだ」

 

ゴズキ師匠は面倒くさそうな顔をしていた。一体リュウトとどんな戦いを……

とりあえずミラクルたちのところへ行くと二人は手を握りながら、太陽を見つめていた。

そっか、これで………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕、みらい、モフルンはカタツムリニアに乗っていた。

 

「結局……リコとお別れできなかったな」

 

「うん……」

 

「ポニィとツクシの二人も見送りに来なかったモフ」

 

「あぁ……」

 

見送りに来なかった三人。リコは何となく分かるけど、ポニィとツクシの二人はどうしてなんだろうか?

 

「みらい……」

 

気がつくとみらいは涙を流していた。やっぱりずっと我慢してたんだな。僕はみらいをそっと抱き寄せた。

 

「陽斗くん……」

 

「何というかこういうときは思いっきり泣いたほうが……」

 

「モフ!?」

 

モフルンが窓の外に何かを見つけた。そこにはリコの姿があった。

 

「私も行くわ!ナシマホウ界に!アナタたちの世界に!!」

 

みらいは急いで駆け出し、車両の最後尾まで向かい、リコも飛び乗るのであった。

 

「これからも、ずっと一緒にいられるんだよね!?」

 

「だから、そう言ってるでしょ」

 

何というか一件落着ってところなのか?

 

「いい雰囲気だったけど、残念だったわね。陽斗」

 

「でもみらいちゃんが喜んでいてよかったね」

 

「あぁ……ってポニィ!?ツクシ!?」

 

いつの間にか二人がいた。どういうことだ?

 

「私達もお父さんに頼まれたからね。これからよろしく」

 

何というか……一件落着で良いのか?



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17 戻ってきた世界。迷子の三人

カタツムリニアに揺られながら、リコは校長から聞かされた話を僕らに話した。

どうにもリンクルストーンの兆しが現れたらしく、その場所が……

 

「ナシマホウ界!みらい、陽斗、あなたたちの世界なの。だから、校長先生にお願いして…お願いされて、そっちに行くことにしたのよ」

 

今お願いしてって言わなかったか?まぁ誰も突っ込まないから聞かなかったことにしておくけど……

 

「またリコと一緒なら、私も嬉しい!」

 

「それでポニィとツクシの二人はどうしているんだ?」

 

「私達は例の連中について調べるためよ」

 

「お父さんも将軍もリュウトって言う人のことを調べるために、あっちの世界に残って、私達はナシマホウ界で調べることにしたの」

 

「リュウト……」

 

バッティ達に協力しているみたいだし、ザンクを従えているみたいだし、本当に奴は何者なんだ?

 

「とりあえずあっちに着くまで時間が掛かるし、休みましょう」

 

リコがそう言って取り出したのは変な貝だった

 

「ヤドネムリンの殻よ。この中だと、良く眠れるの。あなたのも網棚にあるわ!」

 

リコは殻に入りながらそう言うけど、何というかそれって変わった寝袋ってことだよな。

まぁあっちでいろいろとあったし、眠るのもいいかもしれないな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リンクルスマホンに住まいし妖精の子…そして伝説の魔法つかいプリキュア…彼女達の行いがリンクルストーンの目覚めをよび、その輝きは彼女達を新たな力へと導く…」

 

『今見えるのは、ナシマホウ界で目覚めつつある輝き…そして、それに忍び寄る邪悪な魔法』

 

「きっと困難な道程になろう」

 

校長はそう呟いていると、そこにブドーとゴズキの二人がやってきた。

 

「校長、皇具と言うもののことはわかったか?」

 

「いや、残念ながら……君たちの世界の武器ではないのか?」

 

「悪いが聞き覚えがないな。あったとしても帝具と臣具のみだ」

 

「大臣が隠していたということはないな。あったとしたら奴はとっくに使っていたはずだ」

 

「こちらでも調べておこう。だがどうにも不気味な力を感じる……」

 

「そのためにあの二人を送ったんだ。ポニィとツクシなら上手くできるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく元の世界に戻ってきた僕ら。

 

「戻ってこれたんだな」

 

「うん」

 

「とりあえず私とポニィとツクシの……ってあれ」

 

リコが何かを見つけると、改札口の前に黄色のリンクルストーンが落ちていた。こんなところに落ちているものなのか?

 

「ねぇ、あれって最後の守りのリンクルストーンじゃない?」

 

「…ってことは、新しいプリキュアになれるってこと!?」

 

ということは僕の持っている欠片も力を取り戻すのか?みらいとリコは早速拾おうとした瞬間、どこからともなくやってきた烏がリンクルストーンを咥えて飛んでいった。

 

「ちょっと、待ちなさい!」

 

リコは慌てて箒を取り出し、飛び立とうとした。

 

「ちょっと待った!ここだと……」

 

「ほら、ツクシ、一緒に行くわよ」

 

「うん」

 

注意しようとするが、ポニィとツクシの二人もリコの箒に跨がり、烏を追いかけていった。

 

「行っちゃったね……」

 

「あいつら……大丈夫……なわけ無いか。探すぞ」

 

「うん」

 

僕とみらいはリコたちを追いかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコSIDE

 

追いかけていくが途中でお腹が空いてしまい、私達は落ちてしまった。しかも落ちた場所は車が物凄い速さで走っている場所の中間地点だった。

何とかそこから抜け出したけど……

 

「自動車と自動二輪車…速さだけならペガサスと良い勝負だわ…」

 

「聞いてたけどああいう乗り物が本当にあるんだね」

 

「馬より早いね」

 

「というかこれからどうしよう?みらいと陽斗とはぐれたし……」

 

どうしたらいいかと思っているとこっちに向かってくる自動二輪車よりちょっと小さい乗り物に轢かれそうになった。

 

すると誰かが私の手を引き助けてくれた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「大丈夫?掃除は感心だけど、気をつけないと」

 

助けてくれた女性……誰かに似てる気がするけど……

 

「あ、いえ、これは……」

 

掃除していたわけじゃないと言おうとしたが、突然お腹がなってしまった。

 

「リコ、おなかすいてるの?」

 

「そういえばこっちに来てから全然食べてないね」

 

「あら、そうなの?それだったおいでよ!おなか空いてるんでしょ?うち、すぐそこだから」

 

私達はその女性に言われるまま付いていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

連れてこられた場所はなにかのお店みたいだった。その人は私達におにぎりとかいろんなものを出してくれた。

 

「あの…どうしてこんなに親切にしてくれるんですか?」

 

「フフッ困った時はお互い様でしょ。それに、うちにもアナタと同じくらいの娘がいるからほっとけなくて、困った子でさぁ、春休みの間いきなりナントカって学校に行ったきりで……それも幼馴染の子と一緒にね。連絡くらいよこせばいいのに…」

 

何だか親って大変なんだな……



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18 温かくって大切なもの

陽斗SIDE

 

みらいとモフルンと一緒に迷子になったリコたちを探している僕たち。

 

「リコ~!どこ行っちゃったの~?」

 

「あいつらどこに行ったんだ?」

 

流石に街中を探すとなると大変だな……どうにか手がかりがないものか……

 

「甘い匂いモフ!」

 

モフルンがそんな事を言いだした。そっかリコの持っているリンクルストーンの匂いをモフルンはわかるんだったな。

僕たちはモフルンの指示の下匂いの発生源に着くとそこは……

 

「クッキーカフェのお店。確かに甘い匂いだけど…」

 

「違ったモフ」

 

何というか本当にどうすればいいんだ?とりあえずクッキーを買い、二人で食べながら探すことになった。

 

「甘い匂いが近づくモフ!」

 

「リコだね!?」

 

僕とみらいの二人でその場所に行くとそこにはリンクルストーンが落ちていただけだった。

 

「「なんだ、リコじゃないや…」」

 

二人で残念そうにしていた。ん?というかリンクルストーン?

 

「「…って、リンクルストーン!?」」

 

みらいが急いで拾おうとした瞬間、近くにいた猫が咥えてどこかへ持っていった。

 

「追いかけるぞ」

 

「うん」

 

僕たちは急いで猫を追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコSIDE

 

お邪魔になっている家で、私達は他愛のない話をしていた。

 

「そういえばあなたのご両親は?」

 

「父は考古学者、母は料理研究家で…2人ともあちこち飛び回ってて、しばらく会ってませんけど…」

 

「私達は……」

 

「お父さんが面倒見てくれてるよね。でも今は忙しいみたいで……」

 

「そう……でもあなたたちのこと心配でしょうね。子どものことを思わない親はいないから。うちの子は何か興味を持つとすぐ周りが見えなくなって、勝手につっ走って行っちゃうんだよね」

 

「似てるかも…こっちに一緒に来た子がいて、考えるよりも先に行動しちゃうし、自分のことよりも人のためにって子で、ホントおせっかいなんです」

 

「確かにうちの子とにてるかも。仲がいいのねぇ」

 

「はい」

 

本当にこの人の娘とみらいは似ているな……というかそろそろみらいたちと合流しないと……

 

「ねぇさっきの話……」

 

「うん、もしかしてね……」

 

何だかポニィとツクシの二人が何かヒソヒソと話していた。何か気になることでもあるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

猫を追いかけるが、どうにも見失ってしまった。それにずっと探し回っていたせいかお腹も空いてきた……

 

「猫はいないし、リコもいないし…お腹すいたぁ…」

 

本当にどうすればいいものか……そんな事を考えているとみらいは何かを呟いていた。

 

「食べたいなぁ…イチゴメロンパン……あ!もしかして!」

 

みらいは何か思い当たったのか走り出した。僕も追いかけていくとたどり着いた場所はイチゴメロンパンのお店だった。するとリコ、ポニィ、ツクシの三人がこっちに駆け寄ってきた。

 

「リコ!」

 

「みらい!!」

 

何とか合流できたな……それにしても二人してここにたどり着くなんて……まぁ二人からしてみれば思いれがある場所だからこそだな。

 

それからみんなでイチゴメロンパンを買い、あるき出そうとした時、さっきの猫を見つけた。

 

僕らは追いかけていくと急に猫が空をまった

 

「猫さん、飛んだモフ!」

 

猫が飛んでいった先にはスパルダがいた。こいつもこっちに来ていたのか!!

 

「あんた達もこっちにいるとはねぇ。なんだ、エメラルドじゃないのかい」

 

スパルダは魔法で猫とバイクを合体させ、ヨクバールを生み出した。

 

「行くわよみらい!」

 

「うん」

 

「「うん、キュアップ・ラパパ!サファイア!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!」」

 

サファイアスタイルに変身した二人。僕も腕輪に青い宝石をはめ込み、青い衣装に槍を構えた。

 

「今日は青かい。ヨクバール!ヤツらの顔色も真っ青にしてやりな!」

 

何だか上手いこと言ったな今!?僕らは同時に攻撃を仕掛けるが、猫の鋭い爪の攻撃で吹き飛ばされた。

 

「大丈夫か?二人共」

 

「何とか」

 

とはいえ、人がいる所に出てしまったな。みんな、ヨクバールを見て逃げ出してくれたから良かったけど……

 

「ははは、この世界の連中ときたら、魔法界のヤツらに輪をかけて情けないね」

 

「あなたには分からないでしょうね。優しくて温かいの!魔法界もこの世界の人も!」

 

「だから何だって言うのさ!!それだった無茶苦茶にしてやるよ!!」

 

「そんな事させない!ここにはお父さんやお母さん、おばあちゃん、友達の皆…私の大切な人がいっぱいいるの!魔法界も私達の世界も…皆、温かくて大切なんだから!」

 

大切な人か……

 

「だったら守らないとな!!」

 

「そうだね」

 

「私達はこれから殺すためじゃなくって守るために戦う。そういうことだよね」

 

ポニィはヨクバールに蹴りを放ち、ツクシはヨクバールのタイヤを銃弾で撃ち抜いた。撃ち抜いた影響で動きが遅くなったヨクバール。僕は槍の連撃でヨクバールを攻撃し、ミラクルとマジカルの二人がヨクバールを吹き飛ばした。

 

「「リンクルステッキ!サファイア!青き知性よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア・サファイア・スマーティッシュ!」」

 

二人の浄化技でヨクバールを撃退し、スパルダは撤退していく。

 

「初めてのナシマホウ界、良い小手調べになったよ!オボエテーロ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わり、僕らはみらいの家を目指すのであった。

 

「リンクルストーン、どっか行っちゃったね…」

 

「甘い匂い、なくなったモフ…」

 

「大丈夫!きっと見つかるよ!」

 

「そうだな。ところでみらい、本当にいいのか?」

 

「うん、というか陽斗くんは遠慮しすぎだからね」

 

「分かってるけど……」

 

「何?二人は一緒に住んでるの?」

 

リコは何かを誤解しているみたいだった。いや、別にそういうわけじゃないんだけど……まぁ話すと長いからみらいの家に着いてからだな。

 

「もうすぐうちだからね」

 

「この道はさっき来たのと…ってここって」

 

リコはみらいの家を見て驚いていた。何だ?何かおかしいところでもあるのか?

 

「もしかしてあなたのお母さんって…」

 

「みらい!陽斗くん!」

 

するとみらいの母親、今日子さんがやってきた。

 

「今までどこで何をしてたのかなぁ?おばあちゃんだけじゃなくて、お母さんにも教えてくれる?」

 

「えっと、話せば長くなると言うか……」

 

「陽斗くん、みらいは迷惑かけなかった?」

 

「まぁ特には……」

 

「そうだ。えっと、この子たちは!」

 

「知ってる!ね?」

 

「はい」

 

「やっぱりみらいのお母さんだったんだね」

 

「うん」

 

何で三人はみらいのお母さんのことを知ってるんだ?まぁ何はともあれ帰ってこれてよかったかもな。

 



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19 ドタバタ転入生

「おかえり、みらい」

 

「みらい、心配したよ~」

 

みらいのおばあちゃんとお父さんにそう言われる中、おばあちゃんは僕の方を見た。

 

「陽斗くんも付き添ってくれてありがとうね」

 

「いえ、成り行きで……」

 

「あぁそうだわ。この子……」

 

「初めまして、リコと申します」

 

「あぁみらいの友達で……そっちの二人も?」

 

「えっと……」

 

「はい、リコの親戚のポニィといいます」

 

「ツクシです」

 

親戚って……いや二人からしてみればそっちの方が都合がいいのか?

 

「でそちらは?」

 

みらいのお父さんが振り向くといつの間にいたのか教頭先生が立っていた。

 

 

 

 

とりあえず僕らは一旦座って落ち着いて話すことになった。

 

「立派な学校に通ってたんだね。いや~、作法の学校の先生は立ち居振る舞いが違いますな~」

 

「はい?」

 

「作法?」

 

「魔法学校って言ってるのに、私の聞き間違いだって…」

 

なるほど魔法と作法の聞き間違いで……それならみらいのお母さんたちが普通に驚いていないことに関しては納得いくな

 

「リコさん、ポニィさん、ツクシさん、あなたたちは明日からこちらの学校に通うのです」

 

「えっ?」

 

「私達たちも?」

 

「学校にですか?」

 

「あらそれだったらうちから通えばいいじゃない、部屋も空いてるしさ」

 

「是非そうなさい」

 

「よろしいのですか?」

 

「「えぇ」」

 

リコがこっちに滞在することも決まったみたいだな。でもそれってポニィとツクシも入ってるんだよな

 

「あっ、私達は陽斗の家に行きます」

 

「三人だと狭くなっちゃうからね。いいかな?」

 

「何というか断っても無理そうだし……いいけど」

 

 

 

 

 

 

とりあえず僕らは朝比奈家を後にし、僕の家に二人を招き入れた。

 

「一人暮らしだっけ?」

 

「まぁな。いない間みらいのお母さんが掃除してくれたみたいだな」

 

「何だかごめんね。急にこんなことになって」

 

ツクシはそう謝るけど、何となく予想はしていたから別にいいんだけど……

 

「一応空いてる部屋あるし大丈夫だろうけど……ちょっと二人に言っておくことがあるんだ」

 

「「何?」」

 

「ここはマホウ界じゃないから臣具とか人前で使うんじゃないぞ」

 

「あははは、分かってるって」

 

「ポニィちゃん、ちゃんと気をつけよう」

 

ツクシは分かってるみたいだからいいけど、ポニィは心配だな。それに僕の場合はリゼルファを使うときは少し見た目が変わるからいいけど、二人の場合は顔とか見られたらまずいだろうな……

 

「陽斗、思ってること言い当ててあげる。戦うときに顔とか隠したほうがいいって思ってるよね」

 

「よくわかったな……」

 

「それは大丈夫だよ。さっき出る前に教頭先生に魔法をかけてもらって、臣具発動時は私達のことを他の人達に認識できないようにしてもらってるから」

 

ということは安心してこっちで戦えるってことだな。というか戦うことが第一になってきてる気がするな……まぁ仕方ないことだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、目が覚めるとポニィとツクシの二人が僕らが通う津成木第一中学校の制服を着ていた。

 

「いつの間に制服なんて持ってたんだ?」

 

「こっちに来る前にもらったのよ」

 

「必要になるからって」

 

「というかよく制服なんて手に入ったな……」

 

これも魔法だからいいのか?

 

「飯食べたら早速学校に行くか」

 

僕は台所に立ち、朝食を作り始め、食べ終えると三人で学校へと向かうのであった。

 

 

 

学校につき二人を職員室に送り届け、僕は掲示板に貼られたクラス分けの紙を見て、教室に入った。

 

「またみらいと一緒か……にしても遅いけど新学期早々遅刻ってわけじゃないよな」

 

まさかと思っていると、みらいとその友達の長瀬まゆみ、みらいと僕の小学生から幼馴染の大野 壮太が教室に入ってきた。

 

「あっ、おはよう、陽斗くん」

 

「遅かったみたいだけど遅刻するかと思ったぞ」

 

「あ、あはは……まぁ間に合ったから……」

 

「何というか陽斗も同じクラスか……これはもう腐れ縁みたいだな」

 

「去年と同じ仲良しメンバーが集ったわね」

 

他愛のない話をしていると、担任の高木先生がリコ、ポニィ、ツクシの三人を連れて入ってきた。

 

「リコ、ポニィちゃん、ツクシちゃん、同じクラスなんだね」

 

「何?知り合い?」

 

まゆみが驚いているけど、何というかこれは偶然なのか?まぁ一緒にいたほうが都合がいいからいいけど……

 

それからリコたちの自己紹介が始まり、リコは自分の名字を十六夜と名乗った。それに合わせて親戚という設定のポニィたち二人も同じ名字を名乗るのであった。

リコたちの自己紹介が終わると教室に1人の女子生徒が遅れて入ってきた。

 

「遅いぞー!」

 

「すみません…箒が飛んでって…うちの生徒が、空を飛んでったんです」

 

その発言を聞いて、ポニィ、ツクシはリコの方を見て、僕はみらいの方を見ると、二人は思いっきり目線をそらしていた。

 

魔法使うとこ見られて大丈夫なのか……

ため息を付いているとみらいのロッカーから何かが出てきた。よく見るとモフルンとはーちゃんの二人だった。リコもみらいもそれに気がつき、なんとも言えない顔をしていた。

 

「はぁ……先生、少し具合がわるいんで保健室で休んできます」

 

「お、おぉ、大丈夫か?1人で行けるか?」

 

「はい、なんとか」

 

僕は教室を抜け出し、モフルンたちを追いかけるのであった。

 

「……

 



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20 モフルンの頑張りとトパーズの力

学校に来ていたモフルンとはーちゃんを探していくと、校舎裏の方からモフルンとはーちゃんの声が聞こえた。

 

「やっと見つけた。全く……」

 

「陽斗!?大変モフ」

 

「大変って何が……」

 

影の方からこっそり覗き見るとガメッツとその側にガメッツの姿があった。このままじゃ……

 

「モフルン、はーちゃんはどこかに隠れてろ……ここは僕が……」

 

「陽斗、モフルンも頑張るモフ!」

 

「いや、だって……」

 

いくらなんでもモフルンが危ない。だったらこのまま隠れていたほうが……

 

「モフルンはみらいとリコの学校が滅茶苦茶にならないようにしたいモフ」

 

「モフルン……仕方ないな。僕が隙を作るからその間にリンクルストーンを頼んだ」

 

「はー」

 

「はーちゃんはみらいたちを連れてきてくれ」

 

「はー」

 

はーちゃんは空を飛んでいき、僕はリゼルファで白い騎士の姿に変わりガメッツの前に出た

 

「亀がこんな所に迷い込んでいて良いのか?」

 

「ぬっ!?貴様はプリキュアと一緒にいる!」

 

「名前ぐらい覚えておけよ。陽斗だ」

 

「ふっ、お前の相手はリュウトたちだが、ここでお前を倒せばあいつらがでかい顔をすることはない!」

 

「モフ~!!」

 

ガメッツが襲いかかろうとした瞬間、モフルンが急いでガメッツの足元にあったリンクルストーンを掴み取った

 

「ぬっ!!ぬいぐるみ風情が!!誰であろうと手加減はせぬぞ!魔法入りました!いでよ、ヨクバール!」

 

ガメッツは掲示板と桜の木を合わせたヨクバールを召喚し、僕に襲いかかってきた。

 

「モフルン!?にげろ」

 

「モフ」

 

「逃がすか!!」

 

逃げ出そうとするモフルンをガメッツは捕まえ、リンクルストーンを奪い取ろうとしていた。

 

「させる……くっ!?」

 

モフルンを助けようとするが、ヨクバールが邪魔をしてきて助けに行けなかった。

このままじゃまずい

 

「往生際が悪いな、よこさんか!ならば…力ずくで奪ってやるわ!」

 

無理やりモフルンからリンクルストーンを奪い取ろうとした瞬間、ガメッツの頭に銃弾があたった。

 

「命中!!」

 

「おまたせ!陽斗」

 

「こんなところまで来るなんてね」

 

「モフルンを放して!」

 

危ないところだったがみらい、リコ、ツクシ、ポニィの四人が駆けつけてきた。ガメッツはモフルンを掴みながら

 

「待っていろ、プリキュア。リンクルストーンを取り上げた後、我も相手をしてやるわ。そしてこの場所も滅茶苦茶にしてくれるわ!!」

 

「だめモフ…。学校はワクワクで楽しい所モフ!みんなの邪魔しちゃだめモフ~!」

 

モフルンがそう叫んだ瞬間、黄色の光が照らし出され、ガメッツとヨクバールは目をくらんでいた。

僕はモフルンを助け出すと

 

「トパーズ…ワクワクのリンクルストーンモフ!」

 

「それにこれは……だったらみらい!リコ!」

 

「「うん!キュアップ・ラパパ!トパーズ!!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

二人は黄色の衣装に変わり、髪型も三つ編みに変わった。

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

そして二人の周りには光の玉が2つ付き従うように飛んでいた。

 

「新しいスタイルならこっちも!!」

 

僕も巾着から黄色の石を取り出し、腕輪にはめ込むと黄色い衣装に両手には黄色い銃が握られた姿に変わった。

 

「トパーズフォーム!!銃での戦闘ができるのか」

 

「私と一緒だね。一緒に行くよ」

 

「だから私も忘れないでって」

 

僕たち三人はガメッツに向かっていった。

 

「姿が変わろうが俺の相手じゃない!!」

 

ガメッツはパンチを繰り出してきたが、ポニィが蹴りで弾いた。

 

「どんな力かみせてくれよな!!」

 

右手の銃の引き金を引いた瞬間、銃口から無数の黄色の弾が放たれていく

 

「ショットガンなの?」

 

「いや!」

 

ガメッツは無数の銃弾を防いでいくが、ガメッツの後ろの方に弾が移動し、攻撃を与えていった。

 

「ぐううう!?」

 

「ある程度の操作ができるのか。それじゃこっちは」

 

今度は左の銃を放つと、銃弾ではなく、ビームが放たれガメッツを吹き飛ばした。

 

「凄い!」

 

「ミラクルたちは……」

 

ミラクルたちの方を見ると光の玉の形を変え、ブーメランとハンマーに形を変え、ヨクバールを吹き飛ばしていた。ヨクバールが地面に落ちた衝撃で石とかがモフルンに向かっていくが、はーちゃんがバリアを展開させ防いでいた。

 

「はーちゃん、すごい……」

 

「ただの赤ん坊じゃないってことだね」

 

「とりあえずミラクル、マジカル、トドメを!!」

 

「「リンクルステッキ!金色の希望よ!私たちの手に!フルフルリンクル!」」

 

黄色い竜巻と稲妻が発生すると共に巨大なリンクルステッキが現れ、魔法陣でヨクバールを固定し

 

「「プリキュア・トパーズ・エスペランサ!」」

 

ヨクバールがレールガンのように射出され浄化されるのであった。

 

「ぐっ!?オボエテ―ロ!」

 

ガメッツはそう言い残して姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

みらいは学校についてきたモフルンを叱ろうとすると、はーちゃんがまばゆい光に包まれ、更に成長した。

 

「また大きくなった!!」

 

「みらい、リコ…モフルンは2人の学校、邪魔しないように……でもやっぱりモフルンもはーちゃんも、2人と一緒がいいの。学校も一緒がいいの」

 

「モフルン、私達の為にありがとう。明日からはちゃんと隠れててね」

 

「学校に来ていいモフ?」

 

「皆で学校に通えるなんて、ワクワクもんだよ!」

 

まぁモフルンならきっと大丈夫だろうな。わりとしっかりしてるし……

 

「さてとそれじゃ僕は保健室に行くか……」

 

「あれ?どこか怪我したの?それだったら……」

 

みらいが僕に近寄ってきた。僕は咄嗟に顔を背けた。

 

「みらい、近い……僕は具合が悪いからってことで抜け出したんだから、それ通りにやらないと」

 

「あっ、そっか」

 

「……ふ~ん」

 

「なるほどね~」

 

「どっちも鈍いってことかしら?」

 

ポニィ、ツクシ、リコの三人が何故か僕とみらいの方を見てそう呟くのであった。

 

 



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21 空回りするリコ

学校に登校した僕、ポニィ、ツクシの三人。

 

「なんでこんな早く登校しなきゃいけないのよ~」

 

「だから言ったろ。無理に付き合うことはないって……」

 

「陽斗くんはいつもこの時間に?」

 

「まぁそうだな」

 

「てっきりみらいちゃんといつも一緒に登校してると思ってたんだけど……」

 

ツクシはニヤニヤ笑いながらそんな事を聞いてきた。何でみらいと?幼馴染だからか?

 

「ツクシ、駄目だよ。陽斗は鈍いんだから」

 

「そうだね~」

 

本当にこの二人はなんなんだ?僕のどこが鈍いっていうんだよ……

 

三人で他愛のない話をしているとみらいとリコの二人が教室に入ってきた。というか何だかカバンの中にモフルンが見えたのだけど、やっぱり連れてきてるんだな……

 

「おっはよー!」

 

「オッホン、みなさん、おはようございます」

 

リコは丁寧に挨拶をした。何だ急にどうしたんだ?

 

「あいつ、ちょっと大人っぽいよな…」

 

クラスメイトがそんな事を呟いているのが聞こえてきた。リコが大人っぽい?いや、まぁちゃんとしていればそうだろうけど……

 

それからリコは授業の予習を始めた。まぁ確かに授業前の予習は必要だけど……

 

「何というか心配だな……」

 

「まぁリコなりに頑張ろうとしてるんじゃないの?」

 

「きっとマホウ界からの留学生だからって気合が入ってるんだよ」

 

頑張るのは良いことだろうけど、本当に大丈夫か?僕のイメージ的にリコって空回りしそうだからな……

 

 

 

 

 

 

 

僕の心配どおり、授業でリコは数学の問題に答えるのだが、答えの図が黒板からはみ出すくらい書いたり、春の大三角の名称をマホウ界の呼び方で答えたりなど……本当に空回りしてるな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、ポニィとツクシの二人はみらいとまゆみに誘われてバレーボールをしているため、僕が一人で帰ることになったのだが、帰り道の途中、リコとモフルンが河原でなにかしているのを見つけた。

 

「何してるんだ?リコ」

 

「陽斗!?これはその……」

 

リコが持っていた本はバレーボールの本だった。もしかしてルールがわからないから調べてたのか?

 

「それくらいみらいに聞けばよかったんじゃないのか?」

 

「駄目よ。それじゃ……私は魔法界を代表して来てるの!ルールだってプレーだって完璧でなくちゃならないの!だから、もっともっと練習しなくちゃ」

 

「リコ……少し肩の力を抜いたほうが良いぞ。そんなんだと誰もお前に話しかけてくれる人がいなくなるぞ」

 

「そ、それは……」

 

頑張るのは良いことだけど、それだけじゃ駄目だ。せっかくこっちに来たんだから……

 

「もう少し楽しんだほうが良いんじゃないのか?こっちでの生活を」

 

「………」

 

リコは黙り込み、僕はそのままそこから離れた。

 

「今日はお呼ばれしてるから夕食のときにまたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから夕方になり、みらいの家で夕食を食べることになった。リコは昼間のことを気にしているのか僕の方を見なかった。

 

そんな中みらいのお父さんがある話を始めた。

 

「昔、皆でよく天体観測に行ったよなぁ。そういえばみらいがまだ小さかった頃、陽斗くんの家と一緒に山へ星を見に行ったんだよ。そしたらふと目を離した隙に、みらいと陽斗くんがどこかに消えちゃってね。慌ててみんなで捜しに行って…てっきり怖くて泣いてるかと思ったら…」

 

そういえばそんな事もあったな……たしかあのときみらいは……

 

 

 

 

夕食を食べ終え、家に帰ってのんびりしようとしていると魔法学校の制服を着たみらいとリコの二人が訪ねてきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「ほら、夕飯のときに星の話になったから、折角だから見に行こうかなって思って」

 

「なるほどな……」

 

「そういえばポニィちゃんとツクシちゃんは?」

 

「二人なら出かけてる。多分だけどどこかで鍛錬でもしてるんじゃないのか?」

 

前にどこか人気のないところがないかって聞いてきたことがあった。二人なりに鍛錬をしようとしているのだと思い、その場所を教えた。

 

「そっか、陽斗くんは行くよね」

 

「あぁ……」

 

僕はみらいの箒にのり、モフルンとはーちゃんを加えた五人で星を見に行くことになった。

 

箒で空を飛んでいるとみらいがある話を始めた

 

「さっきのお父さんの話ね、山でまよっちゃった時…本当は怖くてずっと泣いてたの。一緒にいた陽斗くんが必死に慰めてくれてたんだけど……もう二人して泣いてたんだよね」

 

「そんなときだったよな」

 

みらいが不意に夜空を見上げると、さっきまで泣いていたのが笑顔に変わった。その理由は夜空を照らすような星のおかげだったな。

 

「暗くて怖かったはずなのに、キラキラしてて明るくて…同じ夜なのにね」

 

「見方が変わったのね」

 

「リコも同じだと思うの。まっすぐ前を見るだけじゃなくて、グル~ッと周りを見たら、星空みたいにキラキラでワクワクな事が、きっといっぱい見つかるよ!魔法界と同じようにみんなで楽しいこと見つけよう!」

 

「みらい……」

 

みらいもみらいなりにリコのことを気遣ってくれたんだな。リコも今日のことを思い出し、

 

「陽斗、ごめんね」

 

「別に謝ってもらうようなことはされてないから気にするな」

 

「……うん」

 

それから雲の上まで行って星を見に行こうとした瞬間、突然僕らが乗る箒が何かに遮られ、墜落してしまった。

リコは慌てて助けに来てくれたおかげで特に大怪我をしなくてすんだけど……

 

「こんな所で会うなんて、やっぱりあんたたちもエメラルド狙いだね!魔法、入りました!」

 

突如として現れたスパルダが雲と看板のヨクバールを生み出してきた。

 

「こんな夜中に騒がないでよ!」

 

「皆が起きちゃうじゃない!」

 

みらいとリコの二人は変身し、ルビースタイルに変わった。僕もリゼルファにルビーのかけらをはめ込み、ルビーフォームに変わると僕の前にザンクが現れた。

 

「このような所で会うとは……愉快愉快」

 

「お前も来てるのかよ!!二人共、ヨクバールは任せたぞ」

 

「「うん」」

 

ミラクルたち二人にヨクバールを任せ、僕はザンクと対峙していた。

 

「お前にはスペクテッドを攻略されているからな……皇具を使わせてもらうぞ」

 

ザンクはそう言いながら真っ黒な水晶玉を飲み込み、額にもう一つの目が現れた。

 

「皇具?」

 

「ある人物が帝具を超えるために作った武具。それが皇具。そして今飲み込んだのは無視流残スペーイド!!さぁその力の一端を見せようか」

 

ザンクがそう言いながら、体の力を抜いた。もしかして攻撃してくるのを誘ってるのか?こういうときどうすればいいかわからないけど、乗っておくべきだな

 

僕はザンクを思いっきりぶん殴ったのだが、殴る寸前ザンクの姿が消え、攻撃が当たらなかった。

 

「今のは!?がぁ!?」

 

突然背中に痛みが走った。もしかしてザンクが攻撃したのかと思ったが……

 

「どうしたんだ?俺は全く動いていないぞ」

 

ザンクは倒れた僕を見下ろしていた。こいつ、さっきまで姿を消していたんじゃ……

 

「どうして攻撃が当たらないと思っているんだろ。答えを教えてやるから、もう一回攻撃してみろよ」

 

僕は言われるままにザンクに向かって蹴りを放った。だがまたザンクの姿が消えた。いや、今度は違う……蹴りは……

 

「今のって僕?ぐあっ!?」

 

また背中に衝撃を受けた。やっぱり今見えた僕の姿は……

 

「愉快愉快。答えはわかったか?」

 

「攻撃をしたのが……僕自身だっていうのか?」

 

「そのとおりだ。無視流残スペーイドは発動している間、未来のお前を映し出すことができる。お前は未来のお前を傷つけているからこそ、そうやって急にダメージが入るということだ」

 

「じゃあどうしてお前がいなくなるんだよ」

 

「それも皇具の力だ。未来のお前を映し出している間はお前は俺のことを感知することはできない」

 

ザンクは思いっきり僕に蹴りを食らわせ、僕は吹き飛ばされて地面に倒れ込んだ。

 

「これでお前は終わりだ……ごほっ!?」

 

ザンクはとどめを刺そうとした瞬間、血を吐いた。一体どうしたんだ?

 

「やはりまだ慣れないみたいだな……またの機会にしようか」

 

ザンクはそう言って姿を消すのであった。残った僕は……

 

「厄介すぎだろ……」

 

どうすればいいのか分からなくなっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事にヨクバールを倒したみらいたちだったけど、僕は考えることがあると良い、星を見に行かずに帰ると二人に伝えるのであった。

 

 

そして次の日、みらいから宇宙のリンクルストーン、タンザナイトを手に入れたこととリコもいつもどおりに戻ったことを教えもらうのであったが……

 

「皇具……」

 

「本当に厄介みたいだね。それにしても帝具に対抗できるような力を持ってるなんてね」

 

「本当に厄介だった。正直どうにかしないと行けないんだけど……」

 

「お父さんたちに手伝ってもらうのは難しいから……」

 

「こっちの世界に選抜組の誰かがいたりしたらな……」

 

仲間を増やして皇具に対抗するっていうことか?でもそう都合よく行くかどうか……



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22 楽しいキャンプと二人の選抜組

ある日の休日、みんなでキャンプをしに行くことになった。とはいえ人数が人数のためか、僕、ポニィ、ツクシの三人はみらいのお父さんに気を使い、みんなで車で行かず、現地集合をしていた。

 

「普通にみんなと一緒に行けばいいのに……」

 

「それだとみらいのお父さんの負担が大きくなるだろ。それだったらって思って」

 

「陽斗くんは優しいんだね」

 

ツクシにそう言われるけど、別に当たり前のことなんだろうけどな……

 

とりあえず適当に場所取りをして……

 

「ん?おい、あれって!?」

 

「どうしたんだ?ガイ……あれは!?おーい」

 

何だか男二人組がこっちに向かって呼んでいる。誰だあの二人は?

 

「ポニィ、ツクシ、知り合いか?」

 

「ん?あれは……」

 

「もしかして……」

 

「「ガイ!グリーン!」」

 

「「ポニィ、ツクシ」」

 

やっぱり二人の知り合いだったか。それにしてもこの二人、何でこんな所にいるんだ?

 

「二人もこっちに来てたんだね」

 

「あぁ、というかここは異世界なのか?」

 

「それに僕らは死んだはずなのに……」

 

「そこら辺はお父さんと将軍が調べてくれてるから……それにしても本当に二人に会えてよかった……」

 

四人が再会を喜び合う中、グリーンと呼ばれた男が僕の方を見た。

 

「ポニィ、彼は?」

 

「あぁ陽斗は……」

 

「初めまして浅賀陽斗です。いろいろとあってポニィたちと一緒にいるんだ」

 

「色々?」

 

「本当に色々とあったんだよ」

 

ツクシがグリーンとガイの二人にこれまでの話をした。魔法界について、エメラルドについて、それを狙う悪党について、リュウトたちのことを……

 

「なるほど……だとしたら僕らがここに来た理由はその皇具が原因みたいだね」

 

「まぁ折角生き返ったんだから良いんじゃないのか?もしかしたらコルネリアもどこかにいるかもしれないしな」

 

まだポニィたちの仲間がいるのか……まぁ機会があったら会えたりするかもしれないな。

 

「……ツクシ、アカメは?」

 

「アカメちゃんは……」

 

ツクシがアカメという少女について話し出そうとした瞬間、みらいたちがこっちに来るのが見えた。

 

いい機会だし、みらいたちに話しておくか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい達と合流し、グリーンとガイの二人をポニィとツクシの友達ということでみんなに紹介し、みらいのお父さんは折角だからということでグリーンたちもキャンプに参加することになった。

 

「荷物はボクが持つよ!」

 

「カッコつけてんじゃねぇよ!オレが運ぶって」

 

車に積んである荷物を運ぼうとするリコにゆうとと壮太の二人はなぜか張り合う感じでかわりに荷物を運んであげていた。

 

「リコ……人気だね……」

 

「割とな……」

 

「ちょっと妬けちゃうわね」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、振り向くとそこにはリズさんとゴズキ師匠がいた。

 

「お姉ちゃん!?」

 

「お父さん!?」

 

「ひさしぶりね、リコ。2人に届け物があってきたの。校長先生からよ。探し物の手がかりだとか…」

 

「手がかり?」

 

「なんだろう?」

 

もしかしてリンクルストーンの手がかりか?するとゴズキ師匠はポニィ達に近寄り

 

「まさかポニィたちの他にグリーンとガイがいるとはな」

 

「ゴズキ!?」

 

「親父、久しぶりじゃねぇか」

 

「弟子の様子を見に来たのに、感動の再会になるとはな」

 

「僕の様子?」

 

「調子はどんな感じか気になってな」

 

「実は……」

 

僕は皇具を使ったザンクに圧倒されたことを話した。話し終えると師匠は……

 

「厄介だな。リュウトって奴のもかなり厄介だったが……特にザンクが使ってるやつは下手すれば桐一文字や村雨でも対応できないな」

 

村雨、桐一文字……魔法界でポニィに教えてもらったっけ。切られたら治らない傷をつけられるように出来てたり、即死の妖刀とか……

もしザンクと戦うことになったら、完全に自滅させられるな……

 

「まぁ後々対策を考えるとして……お前らは今を楽しんでおけ」

 

師匠はそう言って森のなかに入っていった。一体どこに行くんだ?

 

「現状難しいってことか……陽斗、僕らも力を貸すから」

 

「一緒に頑張ろうぜ」

 

「う、うん」

 

まぁ仲間が増えたって言うことでいいのか?とりあえずみらいとリコのところにでも行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は二人のところに行くと校長先生からの手紙を二人は読んでいた。

 

「えっと…緑と水に囲まれた清らかな地…そこに幸せを宿せし輝きあり…」

 

「どういうことだろう?」

 

「もしかしたらここにあるってわけじゃ……ないよな」

 

「陽斗くん、お話は終わったの?」

 

「あぁ、何だか師匠はどこか行ったけど……」

 

「何というか自由な人ね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……校長の話じゃここにあれがあるはずだが……あった」

 

ゴズキは錆びついた刀を拾い上げた。

 

「これがあれば皇具はなんとかなるかもしれねぇな。とはいえ、このままじゃな」

 

 

 



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23 何事も自分の手で

みらいたちと一緒にリンクスストーンを探しに行く僕。モフルンが言うには山の上から甘い匂いがするということでその匂いをたどって箒で向かった。僕はみらいの後ろに乗りながら

 

「箒に乗れて便利だな……」

 

「あれ?陽斗くんは魔法使えないの?」

 

「あっちでこっそり練習してたけどどうにもな」

 

「みらいだけだからね。魔法が使えたのは……でもその帝具……というよりリンクルストーンの欠片があれば多少は使えそうだけど……」

 

リコはそう言うけど、本当に使えるかどうか……

 

「こっちモフ」

 

モフルンが支持に従い、匂いの元へとたどり着くとそこには蜂の巣があった。

 

「甘い匂いって…まさかハチミツ!?」

 

くまだからはちみつの匂いを嗅ぎ取ったって言うことか?というか蜂が怒り出して巣から飛び出してきた。

 

僕らは急いで逃げ出すが、蜂はどこまでも追ってくる。どうすれば……

 

「そうだ!水の中に飛び込めば……」

 

「わかった!」

 

僕らは水の中に飛び込み、蜂をやり過ごすのであった。

 

 

 

蜂をやり過ごし、僕ら川から出た。すると僕はあるものを見て目をそらした。

 

「リコ、魔法で服とか乾かせない?」

 

「えっ?まぁできるけど……どうして……あっ!?」

 

「二人ともどうしたの?」

 

リコはすぐに気がついたけど、みらいは気が付いてなかった。二人共びしょ濡れだから服が透けていることを……

 

「キュアップ・ラパパ。服よ、乾きなさい」

 

リコの魔法で服を乾かしてもらった僕ら。後でリコに謝っておかないとな

 

「ところで陽斗……見たの?」

 

「………」

 

どう誤魔化しても怒られるし、正直に僕は頷くのであった。

 

「ま、まぁ目をそらしたから許すけど……」

 

「?」

 

とりあえず僕らは森の中を進んでいくことにした。

 

「キュアップ・ラパパ!小鳥よ、喋りなさい!」

 

『何か用ちゅん?』

 

「リコの魔法も上手くなったな」

 

「最初から上手いわよ!ちょっと失敗してたことがあっただけ……」

 

最初にあったときは猫を喋らせることができなかったりしたからな……

 

「綺麗な小石を見たことがあったら教えて?」

 

『うーん、頼み事ならタダじゃね…』

 

小鳥はそのまま飛んでどこかへ行くのであった。

 

「き、気を取り直して……キュアップ・ラパパ!落ち葉よ、リンクルストーンの気配を教えて」

 

落ち葉に魔法がかかり、矢印で方向を示していくが直ぐ様落ち葉が離れてしまった

 

「失敗か……」

 

「ちょ、調子が悪いだけだし……」

 

「お腹空いたね……一回戻ろうか」

 

みらいの言うとおりお腹も空いたし、一旦僕らは戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなでバーベーキューを食べているとガイが話しかけてきた。

 

「なぁポニィとツクシから聞いたんだけど、お前、あのみらいちゃんのこと……」

 

ガイが何か言いかけた瞬間、グリーンが慌ててガイの口を塞いだ。

 

「ははは、なんでもないよ……」

 

「?」

 

一体何の話だったんだ?

 

「すごくおいしい!こっちも!本当においしい!」

 

リコがご飯を食べながら感動をしていた。そうだよな。自分で作ったものだから美味しいもんな

 

「そうだろう!リコちゃんも分かってくれたか!我々は便利な道具を使って生活をしている。だがそれを敢えて使わない事で普段の暮らしが、いかに恵まれて幸せなのか分かるんだよ」

 

「自分の手で作って皆で食べるのってとっても楽しいし、すごーく幸せな気持ちになれるんだよ!」

 

リコも何かに気が付いたみたいだな。これはこれで良かったかもしれないな。

 

だけどその瞬間、無数のコウモリがこっちに向かって飛んできた。あれは……

 

「魔法入りました!いでよ、ヨクバール!」

 

突然現れたバッティが蜂と飯盒を合体させたヨクバールを生み出した。みんな、避難したみたいだし……

 

「二人共、行くぞ」

 

「「うん」」

 

みらいとリコはサファイアスタイルに変身し、僕はサファイアフォームに変わった。

 

「おぉ、姿が変わるのか!」

 

「鎧型って言うわけじゃないみたいだね」

 

「この欠片のおかげみたいなものだけど……」

 

「まぁ俺のもすごいけどな」

 

ガイはそう言いながら、変わった鎧を身にまとった。

 

「レイアースーツ!どうだ!」

 

「ガイ、自慢は後でいいから」

 

「どうやら人数が増え、更には話に聞いた空飛ぶプリキュア…。ですが大空は私の舞台!絶対に負けませんよ!」

 

ヨクバールが空から攻撃を仕掛けていく。しかも攻撃が激しくって近づけずにいる。

 

「銃弾も届かない……」

 

「陽斗、空飛べるでしょ、何とかして」

 

「近付こうとしたら攻撃が激しくって撃ち落とされる……」

 

どうにかできないものか考えていると、グリーンがあることを思いついた。

 

「ガイ、あそこの崖まで行けるか?」

 

「あぁ任せろ!」

 

「それだったら、陽斗!あっちまで怪物を誘導するんだ!」

 

「あ、あぁ……」

 

僕、ミラクル、マジカルはグリーンの指示に従い、近くの崖までヨクバールを誘導していった。

 

「逃げるのですか!逃がすわけ無いでしょ!!行けヨクバール!」

 

僕ら必死に走っていき、グリーンに指示された崖の所に行った瞬間、崖の中からガイが出てきて、ヨクバールを横から一撃喰らわした。

 

「土の中に入れるのか!?」

 

「あぁつっても体の負担が大きいから結構疲れんだけどな」

 

「だけどダメージを与えたことで……陽斗!」

 

「あぁ!」

 

僕は槍を構え、ヨクバールを切り刻んでいく。あとは……

 

「ミラクル、マジカル頼んだ」

 

「「リンクルステッキ!サファイア!青き知性よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア・サファイア・スマーティッシュ!」」

 

二人の浄化技でヨクバールを撃退し、バッティも逃げ出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからみんなで四つ葉のクローバーを探すことになった。

 

「校長先生が水晶さんを使わずにお姉ちゃんに手紙を渡したのは魔法を使わずにリンクルストーンを探してみなさいっていうヒントなのかも。それに、みらいと一緒にがんばって探したら、見つかった時にとっても幸せな気持ちになれると思うの!」

 

「リコ……」

 

「まぁ何事も自分でやるのが重要だからな」

 

クローバーを探していると四つ葉のクローバーを見つけた瞬間、まばゆい光に包まれ、リンクルストーンに変わった。

 

「ペリドット!草のリンクルストーンモフ!」

 

本当にリコの言うとおりになったな。

 

 

 

 

みんなの所に戻るとリズさんが駆け寄ってきた

 

「リコ!帰りが遅いから心配したのよ」

 

「ごめんなさい。でも、もう大丈夫!」

 

「校長先生の手紙の意味が分かったのね…。あっ、だからリコに引きよせられたんだわ…」

 

「引き寄せられた?」

 

「えぇあなたが生まれた日に庭の杖の木に流れ星が降ってきて、その木から杖を授かったの。リコの力が星の杖を引きよせたのよ。お父様もお母様も、リコは素晴らしい力を持っていると信じているわ。今のリコなら、みらいさんと一緒にもっともっと成長して立派な魔法つかいになれるはずよ」

 

「ありがとう、お姉ちゃん。私、きっと立派な魔法つかいになってみせる!」

 

リコに素晴らしい力を持っているか……何だか本当にリズさんの言うとおりになるかもしれないな。

 

「そういえばガイとグリーンはこれから……」

 

「もちろん手伝うぜ」

 

「ゴズキから陽斗の家に厄介になるといいって言われてるけど……」

 

「そうなるだろうとは思ったけど……部屋も空いてるから大丈夫かな」

 

こうして新たな同居人が増えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「校長、持ってきたぜ」

 

「これがそうなんだな」

 

「あぁだがそんなものどうするんだ?感じ的には臣具でも帝具でも無いみたいだが……」

 

「これはマホウ界に伝わる名刀……エメラルドが目覚めれば、この刀も目覚めるという言い伝えがある」

 

『そしてそれを扱いしものは……欠片を持つものと言うことです』

 

「占いの結果とやらか……まぁあいつに渡しておくか」

 



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24 居候が増えた浅賀家

「あああ……」

 

ある日の授業中、テストが返ってきてからみらいが項垂れていた。まぁ思っていたとおりと言うべきか……

 

前の席に座るリコがみらいの答案を見て驚きを隠せないでいた。

 

「朝日奈!国語も歴史も理科も英語も全部できるのに、どうして数学だけはダメなんだ?」

 

「あ、あははは」

 

「笑ってる場合じゃないぞ。今度再テストするからな」

 

「えっ!?今、再テストって言いましたぁぁ!?」

 

「それまでにしっかり復習しとけよ!」

 

「は、はい」

 

担任にそう言われ、落ち込むみらい。まぁ昔から苦手だからしょうがないと言うべきか……ただ僕が驚いているのはポニィだった。てっきり赤点を取りそうかと思っていたのに、それなりの点数をとっている。

 

「十六夜、よく頑張ったな。クラスで満点はお前だけだぞ」

 

「はい」

 

「100点かぁ~!リコすご~い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、校舎裏でモフルンとはーちゃんにテストの結果を見せるみらいとリコ。

 

「凄いモフ~!リコのテスト、丸がいっぱいモフ~」

 

「お花?」

 

はーちゃんが答案用紙に書かれた花丸を指さしてそういった。何というか未だに花丸を書いてくれるなんて……僕ら中学生だよな。

 

「これは花まるっていうんだよ!凄く頑張った人が貰えるお花なの!」

 

「花マル?はーちゃんにも頂戴!」

 

はーちゃんは地面に花丸を書くが、どうにも上手くかけなかった。

 

「そういえば陽斗はどうだったの?」

 

「ん?あぁほら」

 

僕はリコに答案用紙を見せると、なぜか驚きを隠せないでいた。

 

「……陽斗、結構高得点と言うか……もしかして私の次だったりする?」

 

「多分そうかもな」

 

「陽斗って頭いいんだね」

 

「リコ、その喧嘩買うぞ……というか僕は驚いてるのはポニィが赤点回避してることだよ」

 

「フフン、こう見えて結構頑張ったんだからね」

 

「あはは、ポニィちゃん、チーフみたいに頭が良くなりたいって頑張ってるもんね」

 

「チーフ?」

 

「あ、えっと……私達がいたグループのリーダー的な人かな。あの人とはいろいろとあってね……」

 

「私はチーフみたいに頭が良くなって……上手く動けるようにしたいだけだから……」

 

ポニィも頑張ってるって言うことだな。ふっと気がつくとモフルンがみらいの答案用紙を広げていた。

 

「みらいのモフ?」

 

「わーーーー私のはいいって…」

 

「バツがいっぱいモフ…」

 

はーちゃんは今度はバツを書き始める。うん、無邪気だから仕方ないのだろうけど、可哀想だからやめてやろうな

 

「バツはすぐ書けるモフ!」

 

「バツ!バツ!」

 

バツという言葉が突き刺さり、落ち込むみらい。うん、可哀想だからやめてやれ

 

「再テストやだよ~…」

 

「みらい、勉強嫌いじゃないでしょ?」

 

「そうだけど……」

 

「みらい、リコ、そろそろ授業始まるから戻るぞ」

 

「そうだった!?」

 

「とりあえず陽斗!夜、家でみらいの勉強を一緒に見るわよ」

 

「はいはい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、家に帰るとガイとグリーンの二人が出迎えてくれた。

 

「よっ、おかえり」

 

「おかえり。食事の準備できてるよ」

 

「ただいま。何というか二人は本当に学校とか良かったのか?」

 

ガイとグリーンが僕の家に住むようになったけど、二人は学校に通わず家事やら何やらいろいろとやってくれていた。

 

「僕らが学校に通うよりかは」

 

「こうして自由に動けていたほうがいいだろ。つってもちゃんとやるべきことやってるから大丈夫だ

 

「まぁおかげで家事とか助かっちゃうからいいよね」

 

「というか陽斗はずっと一人でやってきたの?」

 

「僕の場合はみらいのお母さんがたまに来てくれて掃除してくれてるから……料理とかも教わったし……」

 

それまでは結構苦労したけど、今は何というか家族が増えた分助かってる

 

「食事終わったら、みらいの家に行ってくるから」

 

「なんだ?夜這いか?」

 

「夜這い?ただ勉強を教えに行くんだけど」

 

ガイはグリーンとポニィの二人に頭を叩かれ、ツクシは苦笑いをしていた

 

「あはは、いってらっしゃい」

 

「あ、あぁ……」

 

何だかよくわからないけど、僕は食事を終え、みらいの家に行くのであった。



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25 何事も積み重ねが大切

みらいの家に行くとみらいとリコが何か慌てていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「えっと……」

 

「リコが魔法でテレビを消しちゃったの……」

 

テレビを消しちゃったって……どういうこと?リコから話を聞くと勉強に集中しないみらいがテレビを見ようとし、リコがテレビの電源を切ろうとしたらテレビごと消えてしまったらしい

 

「……まぁ魔法が変な方向に行っちゃったみたいだな……」

 

「リコ、早くどうにかしないと……」

 

「う、うん」

 

その日の夜はなんとかして消えてしまったテレビをどうにかすることで勉強ができずに終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、教室でリコと二人でみらいの勉強を見てあげているとモフルンが何かを感じ取った。

 

「甘い匂いがするモフ」

 

「リンクルストーンが近くにあるってこと!?」

 

「すぐ探さなきゃ!」

 

「で、でも勉強……」

 

「トパーズみたいに、どっかに行っちゃうかもしれないでしょ!!」

 

早速リンクルストーンを探しに行くことになったけど、なんだかまた勉強ができそうにないな……

 

 

 

 

 

結局探しに行ったら、部活動中にクッキーを焼いていたみたいでその匂いだったみたいだった。

とはいえ結局勉強もできずに今日も終わったな……

 

 

 

またまた次の日、みらいは何かを考え込んでいた。

 

「どうしたんだ?みらい?」

 

「あ、陽斗くん、リコって何でも簡単にできるタイプだよね」

 

「ん?何でそう思うんだ?」

 

「だってこっちに来てから勉強も運動も簡単にできちゃってるし……」

 

「僕はそうは思わないけど……」

 

「まゆみも似たようなこと言ってたけど……」

 

「う~ん、口止めはされてないけど……一緒に住んでるからそのうち分かると思うぞ」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方みらいの家を尋ねるとみらいが真面目に勉強をしていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「あ、陽斗くん、えっとね」

 

「みらいに教えちゃったの。私が陽斗に色々と教わってたこと……」

 

「あぁ」

 

リコがこっちに来てから、ちょくちょくリコに頼まれごとをされていた。それはこっちの世界の文字や化学式など……魔法界にない科目を勉強して、色々な経験をしていけば魔法も成長していくのだと……

僕も断る理由がないから、リコに勉強を教えてあげていた。

 

「陽斗君とリコって意外と仲が良いんだね~」

 

「みらい……あなたね……」

 

リコがため息を付いていた。どうしたんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして再テストの日、リコとモフルン、はーちゃん、ツクシ、ポニィと一緒にみらいの事を待っていると、リコが箒を取り出した。

 

「どこに行くんだ?」

 

「ちょっとメッセージをね」

 

リコはモフルンと一緒に箒で飛び、空にメッセージを描いた

 

「みらい、頑張ってか……頑張るな……」

 

「陽斗は何かやってあげないの?」

 

「私達も協力するからさ」

 

ポニィとツクシに二人がそう言うけど、何というかここ最近どうにも気を使われているような……

 

しばらくしてテストを終わらせてきたみらい。みらい曰くいつもよりがんばれたらしい。

 

まぁこれなら何とか合格できそうだな……

そう思った瞬間、校庭の方から大きな音が鳴り響いた。僕らは校庭へ行くとそこにはガメッツがいた。

 

「地にねむり 目ざめを待つ?ならばリンクルストーンよ、我ガメッツが叩き起こしてやろう」

 

「学校を壊さないで!」

 

「やはり現れたか、プリキュア!止めたいのなら…その力で!技で!我に語るのだな!魔法入りました!いでよ、ヨクバール!」

 

黒板消しとサッカーボールを混ぜ合わせたヨクバールが現れ、みらいとリコもプリキュアに変身した。

 

「「キュアップラパパ!ダイヤ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

「リゼルファ!ダイヤ!」

 

ダイヤスタイルに変身した二人と僕もダイヤフォームに変わった。ポニィとツクシも臣具を構えた。

 

「なるほど…今日はその姿できたか」

 

ヨクバールが黒板消しやボールを飛ばしていき、ミラクルたちと一緒に攻撃を防いでいく。ただどうにも動きが読まれているような……

 

「防ぐのがやっとではないか!貴様達の戦いはもう見切った!」

 

見切られたっていうのか……僕はポニィとツクシの二人を見ると

 

「これぐらいで見切ったって……」

 

「見切るっていうのは……」

 

ポニィとツクシの二人はヨクバールの周りを動き回り、ヨクバールの攻撃を避けていく。二人のほうが攻撃を見切ってる感じだな。

 

「陽斗くん、一緒に行こう」

 

「あぁ」

 

「リンクル、タンザナイト!」

 

ミラクルがリンクルストーンを使って、ヨクバールの目をくらませ、マジカルは

 

「リンクル、ペリドット!」

 

無数の木の葉でヨクバールを包みこみ、僕は前へ駆け出し、白い剣でヨクバールを切りつけた。

 

「知らぬ!このような戦い方は初めて見たぞ!」

 

「2人はどんどん成長してるモフ!」

 

「プリキュアがんばれー!」

 

「トドメよろしく」

 

「うん!」

 

「「「「ダイヤ!永遠の輝きよ私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア!ダイヤモンドエターナル!」」

 

二人の浄化技でヨクバールを撃退し、ガメッツも予習復習が大切だと言いながら撤退していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いも終わり、みらいの再テストも無事に合格できたみたいだった。するとはーちゃんが今までいびつに書いていた花丸がきれいに書けるようになっていた。

 

「ん?あれって」

 

不意に月を見上げるとそこからリンクルストーンが落ちてきた。

 

「ムーンストーン!月のリンクルストーンモフ!」

 

「お月さまも花マルくれたわね!」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 



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26 互いの思いをしっかりと

ある日の朝、一人で学校へ行っているといつもとは違う服装のはーちゃんが空を飛んでいた。

 

「何してるんだ?はーちゃん!」

 

僕ははーちゃんを呼ぶとはーちゃんは僕に近づいてきた。

 

「パパ~」

 

「いや、パパじゃないからな。一人で散歩か?みらいたちは?」

 

「知らない」

 

頬膨らませ、そっぽ向くはーちゃん。これは何かあったんだな

 

「何かあったのか?」

 

「みらいとリコははーちゃんの話聞いてくれないの」

 

「そっか……」

 

二人も何かしらあったんだろうけど、はーちゃんは二人の娘なんだから……

 

「とりあえず僕の方で二人と話してしておくから。危ないことだけはするなよ」

 

「わかったよ。パパ」

 

だからそのパパという呼び方はやめてほしいんだけど……

 

「にしてもその格好……どうしたんだ?」

 

「いっぱい食べたらこうなったの」

 

本当にはーちゃんは不思議な存在だな……とりあえず僕ははーちゃんに気をつけるようにと念を押し、学校へ行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業中、みらいとリコの二人はやっぱり上の空で全然授業に集中できてなかった。

 

そんな時、ふっと窓の外を見ると先生が小さな雷さまに追いかけられていた。あれって……

 

「「はーちゃん!?」」

 

みらいとリコの二人は大急ぎで教室を飛び出していった。僕も追いかけようとするとポニィとツクシの二人も一緒についてくるのであった。

 

 

 

 

 

 

それからというものはーちゃんはUFOに乗ったり、鳥や人魚、犬など色んな姿に変わって学校中遊びまくっていた。その所為か学校中妖精の話で持ちきりになり、みらいとリコの二人は疲れ果てていた。

僕はそんな二人を呼び出し、話をすることにした

 

「陽斗、どうしたの?」

 

「早くはーちゃんを……」

 

「その前に二人が何であんなふうになってるのか分かってるのか?」

 

「「そ、それは……」」

 

「朝、僕ははーちゃんを見つけて、話したらどうにも二人がはーちゃんのこと蔑ろにしてたせいじゃないか」

 

「「!?」」

 

反応を見る限り覚えがあるみたいだな。

 

「はーちゃんがいなくなっちゃったの、きっと私のせいだ…。ちゃんとお話聞いてあげられなかったから…」

 

「違うわ。私のせいよ…。予習にかかりっきりで…」

 

「モフルンも悪いモフ…」

 

「はーちゃんは不思議な子だけど、私達と同じなんだよね。寂しいって気持ち、悲しいって気持ちだってちゃんとある…」

 

「私達がもっとしっかりしなくちゃ。お母さん代わりなんだもの」

 

「はーちゃんにはお母さんが3人いるモフ?」

 

三人共反省できたみたいだし、あとはお互いちゃんと話し合うだけだな。

 

すると何故かツクシが元気なさそうだった。どうしたんだ?

 

「ツクシ?」

 

「ん?何?」

 

「なんか元気ないけど……」

 

「いや……あはは……ちょっとお互い話し合う……思いを聞いてあげるって聞くとね。昔のこと思い出しちゃって……」

 

「昔?」

 

「ツクシ、アカメのこと?」

 

「うん」

 

アカメって確かツクシたちの昔の仲間だっけ?

 

「アカメちゃんが帝国を抜ける時に色々とあってね……私はただ怒ってアカメちゃんを殺そうとしたんだけど……あの時ちゃんとアカメちゃんと話し合うべきだったのかなって思うとね……」

 

ツクシは悲しそうな顔をしながらそう呟いていた。仲が良い同士だとやっぱりそういうときは辛いよな……

 

「僕はそのアカメって言う人のことを知らないけど、きっとその人も後悔してるんじゃないのかな?ちゃんと話し合うべきだって……」

 

「そうかな……」

 

「まぁ想像だけど」

 

「そうだね」

 

「……アカメか……今頃なにしてるんだろうな……」

 

にしても本当にそのアカメって人はどんな人なんだろうか?一度あってみたいものだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の方まではーちゃんを探していくとスパルダに捕まったはーちゃんを見つけた。

 

「「はーちゃん!!」」

 

「ふ~ん、この妖精はあんた達の仲間か」

 

「はーちゃんを放しなさい!」

 

「放しなさい!」

 

「放すモフ!」

 

「そうかい…じゃあ放してやるよ!」

 

こいつ……投げ捨てやがった。僕はリゼルファを構えるとスパルダは睨みつけてきた。

 

「ただね、こっちも手ぶらで帰る訳にはいかないからねぇ。覚悟しな!

魔法入りました!いでよ、 ヨクバール!」

 

「二人共」

 

「「うん!」」

 

みらいとリコの二人はトパーズスタイルに変身し、僕もトパーズフォームに変わった。

 

「やっちまいな!」

 

バナナの皮のヨクバールに攻撃を仕掛ける僕らだけど、バナナの皮だけあって滑ってしまう

 

「ミラクル!」

 

マジカルはボードを作り出し、ヨクバールの皮を滑っていき、攻撃を繰り出した。その隙にミラクルがはーちゃんを保護することに成功した。

 

「何をやっている!早くあいつらを倒すんだよ!」

 

「お次は……」

 

「こっちの」

 

「番!!」

 

僕とツクシの二人で遠距離から銃を放ち、ヨクバールの動きを止め、ポニィが思いっきり高く飛び上がり、ヨクバールの顔面にキックを喰らわせるのであった。

 

「二人共、とどめ」

 

「「うん!リンクルステッキ!金色の希望よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア・トパーズ・エスペランサ!」」

 

二人の浄化技を喰らい、ヨクバールを撃退し、スパルダも撤退するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある場所にて

 

「やれやれ…。ま~たプリキュアに敗北したようですね。我々はドクロクシーさまに生み出されたもの。もしお役に立てないのであれば…」

 

ヤモーがスパルダと通信をしているとスパルダはある情報を話した

 

『今回はあの妖精に気を取られたが、次はプリキュアを倒してみせる!』

 

「妖精?」

 

『プリキュアの仲間さ。妙な妖精で本の中に戻っていった』

 

「本ですと……!?」

 

「いい話を聞かせてもらったみたいだね。ヤモーくん」

 

「盗み聞きですか?困ったものですねリュウト殿」

 

「いやいや、通りがかったらね。ところで少しだけ力を借りたいのだけど……」

 

「なんですか?」

 

「あなた方の使う闇の魔法を少し貸してほしいのですよ。彼のために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

騒動も落ち着き、みらい、リコ、モフルン、はーちゃんの四人でお互い謝ることになった。

 

「皆… ごめんなさい!」

 

「「ごめんなさい!」」

 

「ごめんなさいモフ!」

 

「私達、反省したの…。はーちゃんのお話聞いてあげられなかったって…」

 

「許してくれる?」

 

「はーちゃん、ごはん食べてお散歩したかったの。でも皆構ってくれなかったから、1人でお出かけしたの…ごめんなさい!」

 

「ううん、今度はみんなでお出かけしよう」

 

「美味しいもの食べに行きましょう」

 

「皆、だーいすき!!」

 

これで一件落着かな?するとはーちゃんが僕の側に近寄ると

 

「パパも一緒に行くんだよね」

 

「あのな、頼むからパパ呼びはやめてくれないか?まだ結婚してないのにパパ呼びされるのは僕くらいだからな」

 

他にいたら会ってみたいものだよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある世界にて

 

「はっくしょん」

 

「どうしたの?ミナト?」

 

「悪い。風邪でも引いたか?」

 

「休日だからって無理に会うことはないのに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

「だってパパはパパだもん」

 

本当にどうしたらいいものか……僕がなれるしかないのだろうな……

 

 



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27 マホウ界からの来客

ある日のこと、みらいから連絡を受けて朝比奈家に行くとそこにはみらいとリコのマホウ界の友達のジュン、ケイ、エミリーの三人とフランソワさんが来ていた。

 

「どうしたんだ?急に」

 

「ほら、みらいと陽斗が帰る前に約束しただろ。遊びに来るって」

 

そういえばそんな話をした覚えがあったな。するとフランソワさんが僕に布を巻き付かれたものを渡してきた。

 

「これ、貴方の師匠から預かってきたものよ」

 

「師匠から?」

 

師匠ってどっちだろうか?ブドー師匠だろうかゴズキ師匠だろうか……僕は布を取ると刀のキーホルダーが出てきた。

 

「これは?」

 

「さぁ貴方に必要なものだからって渡されたのよ。あと持ち運びしやすいようにって必要な時以外は魔法で小さくしてあるみたいよ」

 

必要なものって一体何なんだろうか?よく分からないけど一応は受け取っておくべきだな。

 

「そういえばポニィとツクシの二人は?折角だから遊びに行こうと思ったんだけどさ」

 

「あの二人なら買い物に出てるけど……」

 

とりあえずあとで合流するということで僕は連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくなのでみんなでイチゴメロンパンを食べることになった。

 

「イチゴメロンパン、みらいが言ってた通り美味しい~」

 

「お土産のクッキーも美味しいモフ」

 

モフルンがクッキーを食べると何故か驚いていた。

 

「ん!?バナナの味になったモフ」

 

「クルクル味が変わるクルクルッキーよ」

 

「今度はミント味モフ~光るキャンディーもあるモフ~」

 

美味しそうに食べるモフルン。そういえばフランソワさんは一体何の用事でこっちに来たのだろうか?

 

「フランソワさんは、どんな用事で?」

 

リコも同じことを思っていたのかフランソワさんに聞いてきた。フランソワさんは布の生地をいくつも取り出した。

 

「お買い物よ。お店で使うお洋服の生地をね」

 

「これってこっちの?」

 

「えぇナシマホウ界の方が良いものが揃ってるからね。ナシマホウ界にはよく来るのよ」

 

それからみんなが二年生になってから色んな魔法を使ってみせたりした。それを見てリコはなんだか落ち込んだ顔をしているのであった。

 

 

 

 

 

 

それから街に出てみんなで観光をしていくのであった。その途中買い出し中のポニィとツクシ、ガイとグリーンの四人と合流し、僕は四人に師匠から受け取ったものを見せた。

 

「ゴズキがこれを?」

 

「うん、必要なものだからって……」

 

「う~ん、普通のキーホルダーみたいだね」

 

「帝具とか臣具ってわけじゃないしね」

 

「というか使えないのか?」

 

「師匠が言うには必要な時に使えるようにしてあるって……」

 

一体これは何なんだろうか?今度あったときにでも聞いてみるのもいいかもしれないな。

 

「陽斗く~ん、みんな~早く行こう~」

 

「わかった。とりあえず後で色々と聞くことにして、今日は楽しむか」

 

ポニィたち四人が頷く、僕らは観光を楽しむのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある場所にて

 

「ふむ、闇の魔法でザンクさんを強化することができますが……副作用で私に襲いかかってきたら嫌ですからね……」

 

『ならば送ってやろう』

 

「何をですか?」

 

『あちら側で連れてきた危険種に闇の魔法を注入してやれ』

 

「あぁ試しにっていうことですね。感謝します。ハイト様」

 

『私はクローンを使って回収させた皇具の調整に入る。邪魔者は消せ』

 

「はい、ハイト様。では早速始めましょうか」

 

リュウトはドクロの杖を取り出しながら、笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

みんなで観光を楽しんでいる中、喫茶店で一息をついているとフランソワさんがあることを話した。

 

「懐かしいわ…。私もこっちに居た時は、あんな感じではしゃいでたわ」

 

「フランソワさんもこっちにいたんですか?」

 

「えぇそうよ。ナシマホウ界には、魔法界の人間もたくさん住んでいるの。たとえば、彼とか…。彼女もね」

 

フランソワさんが指を指し方を見ると普通の一般人に見えるけど実は魔法界出身の人だったりするのか……全然知らなかったな。

 

「そういえば……リコちゃんとみらいちゃんみたいに別の世界の住人なのに友だちになって、結婚した人たちがいたね」

 

「何というか世界がつながっているとそういう事もあるんだな」

 

僕はそう呟きながら、一体その人達はいまどうしているのかが少しだけ気になったのだった。

 

 

それからみんなが自転車を見て楽しんでいる中、リコは未だに浮かない顔をしていた。

するとフランソワさんが……

 

「心配ないわよ、リコちゃん。私もこっちにいた時はちょっぴり不安だったわ。魔法界の皆より遅れを取ってるんじゃないかって。でもね、こっちでは魔法学校では教わらない色んなことが勉強できてよ」

 

「教わらないことを……」

 

「それだったらリコはもう」

 

「あぁ教わってる気がするな」

 

「そうモフ」

 

こっちに来てからリコは色んな事を学んでるからな。

 

「そう……ね。そうかもしれないわね」

 

ようやくリコが笑顔になった瞬間、何かの気配を感じ取った僕。するとビルの垂れ幕の裏にスパルダがいた。

 

「見つけたよ」

 

「あなたは!?」

 

「リンクルスマホ……寄越しな!!」

 

「みらい、リコ、一旦逃げるぞ」

 

僕らは一旦逃げていく中、スパルダはみらいとリコの二人だけを追っていった。リンクルスマホを狙っているということは……

 

「二人を助けに行かないと……」

 

僕は二人の向かった所に行こうとすると、その前に見たことのない生物が僕らの前に現れた。

 

「なんだあれ?」

 

「あれって……土龍だっけ?」

 

「うん、それに他の危険種も……」

 

「こっちの世界にも危険種が」

 

「ガイ、そんなわけ無いだろ。それに色がなんだか違うけど……陽斗、君は二人のことへ行くんだ。ここは俺たちが」

 

「グリーン、わかった」

 

僕は危険種の相手をグリーンたちに任して、二人の所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人のところに行くと暗い闇が辺りを包み込み、ヘリコプターと合体した

スパルダと戦うミラクル達がいた。

 

「よこせ、リンクルスマホン…ドクロクシー様の… 望み…」

 

スパルダが電撃の嵐を放ち、ミラクルたちを追い詰めていく。僕はリゼルファを起動させ、サファイヤフォームに姿を変え、戦いを始めた。

 

「はああああああああああ!!」

 

スパルダに攻撃を加えるが、あまり効いてる感じがしなかった

 

「闇の中で勝てるはずがない。ドクロクシー様の闇はこんなものではない!魔法界もこの世界も、全てを覆い闇の世界となる!」

 

スパルダから放たれる波動を喰らい僕らは動けずにいた。ここまで強いなんて……

 

「友達がいるの…どっちの世界にも大切な友達がいるの!」

 

「ええ… 大切なの…私に色んなことを教えてくれるの。魔法界とこの世界の皆が」

 

「何よりも楽しかったの、今日…また皆で一緒に遊ぶんだから!」

 

「だから闇の世界にするなんて…」

 

「「絶対に許さない!」」

 

二人がスパルダの波動を払い除けてみせた。本当に二人は強いよ……それだったら……

 

「僕だって負けられないんだ!!」

 

僕がそう叫んだ瞬間、師匠からもらった刀のキーホルダーが緑の光を放った。

 

「あの輝きは!?」

 

「二人共!今だ!!」

 

「「リンクルステッキ!青き知性よ、私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア、サファイア・スマーティッシュ!」」

 

二人の浄化技が放たれると同時にはーちゃんがまばゆい光を放った瞬間、二人の浄化技が大きくなり、僕の持つ刀もなにかに反応するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「危険種討伐と……」

 

「それにしてもどうしてこの世界に?」

 

「さぁな?案外迷い込んできたとかじゃないのか?」

 

「………迷い込んできた……か……」

 

 

 

 

 

「ある程度の量なら制御できるということか。ではギリギリまで注ぎ込めば……」

 

リュウトは笑みを浮かべながら姿を消すのであった。

 



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28 思い出の人

僕はガイとグリーンの二人と一緒にでかけている最中、見覚えのある服を着たみらいとリコの二人を見つけた。

 

「何してるんだ?ふたりとも」

 

「あ、陽斗くん」

 

「実はね」

 

リコから話を聞くとどうやらみらいのおばあちゃんの思い出の人がどうにも魔法使いらしく、水晶さんを使って探しているみたいだった。

 

「というわけで水晶さん、おばあちゃんの思い出の人はどこ?」

 

みらいが早速水晶さんにそう聞くと一人の老人が声をかけてきた。

 

「すまんが、迷ってしまって…道を教えてくれんか?わしが行きたいのは、このせんべい屋なんじゃ」

 

老人が渡してきた雑誌をみらいと一緒に見てみるがどうにも分かりづらかった。するとみらいはあることを思いつき、リコと二人でどこかへ行くのであった。

 

「まさかと思うけど……いやいやまさかな」

 

箒に乗って空から探すとかそういうわけじゃないよな。しばらくしてからみらいとリコの二人が戻ってきて、老人をせんべい屋に案内するのであった。

 

「どうやって見つけたんだ?」

 

「ほうきに乗ってよ」

 

ほうきに乗ってって……何というかたまに思うけど魔法使いだということを隠す気ないのか?

 

「にしても陽斗。良かったじゃねぇか。休日に会えるなんてな」

 

「ガイ……だから……」

 

「会えるって?いやみらいとは普通に休日に遊んだりしてるけど……」

 

幼馴染だからか基本的に一緒にいることが多いし……休日でも遊びに誘われることだってあるし……

 

「陽斗……君はもう少し自分の気持ちに気が付いたほうが良いよ」

 

何に気がつけと……

 

しばらく歩き、せんべえ屋にたどり着くとみらいのおばあちゃんと出会った。

 

「あら、アナタ…!…服にゴミが」

 

老人がてっきり思い出の人かと思ったら全然違った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃工場にてバッティとガメッツの二人が集まっていた。バッティの手には一匹の蜘蛛が乗っていた。

 

「スパルダも哀れな姿になって…」

 

『スパルダさんのことは残念でしたが…まっ、しかたありませんね。あなた方2人にはより一層頑張って頂かなくては。ドクロクシー様も大いに期待されてますよ』

 

ホログラムのヤモーは二人にそう告げるとホログラムが消えるのであった。

するとバッティはある違和感に気が付いた

 

「もしやドクロクシー様というのは、全てヤモーの作り事では?」

 

「我はただ、主君を信じるまで!」

 

ガメッツはそう言って姿を消すのであった。それとすれ違いにリュウトが姿を現した

 

「何の用だ?」

 

「これはバッティさん。貴方には用はありませんよ。ただ今回の出撃はガメッツさんみたいですね」

 

「……何をするつもりだ?」

 

「少々例の小僧と一戦交えようと思いましてね」

 

「好きにするが良い。……リュウト、お前はドクロクシー様のことをどう思う?」

 

「おや、裏切るのですか?」

 

「違う!ただドクロクシー様はヤモーが作り出した幻ではないかと……」

 

「バッティさん。貴方は面白いことを言いますね。私は答えを知っていますが……答えが分かるまでの間じっとしていたほうが良いですよ」

 

リュウトはそう言って姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから思い出の人を探していく内に僕たちはおばあちゃんの昔の写真に写っていた公園までたどり着いた。そこでさっき別れたみらいのおばあちゃんに改めて話を聞くことになった。

 

「よく分かったわね。写真に写っていた公園がここだって。それにしても、あなた達が私の思い出の人を探していたなんて」

 

「おばあちゃんの心に残る人って、一体どんな人なんだろうって…」

 

「でも、何の手がかりもなく探すなんて…もしかして魔法でも使ったかしら?」

 

「えぇ!?」

 

「おばあさまは魔法を信じているんですか?」

 

「ええ。だってそのほうが楽しいじゃない?」

 

楽しいか……何というか前から思っていたけどみらいっておばあちゃんに似てるよな……なんでも楽しいって思えるようにするところとか……

 

「魔法か……」

 

「ていってもな」

 

グリーンとガイは何か思いつめた顔をしていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、ただ魔法とか使って昔の仲間に会えないかなって」

 

「まぁ死んだ俺達が生き返ったりしてるんだからいつか会えそうなもんだけどな」

 

いやいや魔法はそこまで便利じゃないと思うけど……でもこの二人もそうだけど、一体どうやってみんなをこの世界に呼び出したんだろうか?

 

「まぁ大変!下りられなくなってしまったのね」

 

すると一匹の猫が木の上に登って降りられなくなっていた。みらいとリコの二人は助けを呼んでくると言ってどこかへ向かった。

 

「ここは俺たちが……」

 

「いや、ちょっと待ったほうが……」

 

木によじ登ろうとするガイを僕が止めた。きっとみらいとリコの二人がなんとかしそうだな

 

すると木の上にいた猫が急に空を浮かび、おばあちゃんの所へ降り立った。それと同時に突風が吹くとみらいとリコの後ろ姿が現れた

 

「今のって……」

 

「いや、今のは……」

 

「昔も同じようなことが会ったのよ。木の上に登った猫がおりられなくなった時に、魔法使いが現れたの。猫を助けてくれてね。私はお礼にこのおせんべえを渡したら、その人は箒にのってどこかへ飛んでいったの。あの時と同じこの場所で、もう1度魔法つかいを見られるなんて…」

 

気が付いてないみたいだからいいけど……にしてもその魔法使いって一体誰なんだろうな……

 

 

 

 

 

みらいとリコの二人が戻ってきて、僕らは帰ろうとした瞬間、モフルンがあることを言い出した

 

「さっきからずっと甘い匂いがしてるモフ!」

 

「それってリンクルストーン?」

 

「一体どこに……」

 

あたりを探すと一匹の蝶が飛んでいた。はーちゃんが蝶を捕まえるとリンクルストーンに変わった。

 

「ガーネット!大地のリンクルストーンモフ!」

 

『きっと、この公園で刻まれたたくさんの思い出がリンクルストーンになって現れたんですわ』

 

「ならば次は敗北の思い出をこの地に刻むがいい」

 

「あなたは!」

 

「毎度毎度しつこいやつだな」

 

突然現れたガメッツ。ガメッツはゆっくりとこっちに歩み寄りながら

 

「リンクルスマホンを我によこせ!」

 

リンクルスマホをって一体何が目的なんだ?

 

「ダメ!あげないもん!」

 

はーちゃんがリンクルスマホとガーネットを抱えながら逃げた。するとガメッツは杖を構え

 

「魔法入りました!いでよ、ヨクバール!」

 

バラとせんべえのヨクバールを生み出し、みらいとリコはプリキュアに変身した

 

「「キュアップ・ラパパ!トパーズ!!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

僕はトパーズフォームに変わり、銃を構えると、僕らの前にリュウトが現れた。

 

「邪魔をする気か?」

 

「ガメッツさん、貴方は貴方の目的を果たして下さい。私は彼らを相手しますから」

 

「まとめて相手をしたかったが……まぁいい」

 

「では、こうして戦うのは初めてですが……容赦はしませんよ」

 

リュウトは両手を広げると同時にグリーンが鞭でリュウトを縛り上げた。

 

「拘束して……ガイ!」

 

「あぁ!」

 

いつの間に地面に潜っていたガイがリュウトの背後に周り、首をへし折ろうとしたが、リュウトは突然姿を消した

 

「何だ?グリーン!?しっかり縛ったのか?」

 

「あ、あぁ……でもどうやって抜け出したんだ?」

 

「こちらですよ」

 

声が聞こえた瞬間、僕は何かの衝撃を受け、吹き飛ばされた。

 

「くっ!?」

 

「陽斗!ハァ!!」

 

グリーンが再度縛り上げようとするが、また姿を消した。

 

「瞬間移動的なものか?」

 

「だとしても……移動してからの時間がかかりすぎだ」

 

「一体どんな力を持ってるんだよ」

 

「ふむ、頭はそれなりみたいですが……対応することはできないみたいですね……」

 

どこからともなく現れたリュウトは僕らに腕輪を見せた。

 

「はっきり言いますが、私に勝てるものとしたらハイト様だけですね」

 

「ハイト?」

 

「私の主ですよ。あの方は皇具を生み出したもの……言うなれば創造主ですね。創造主からしてみればどのような皇具を打ち破ることができますが……」

 

話している内に銃弾を放つと、リュウトの体に穴が空いた。ただ吹き飛ぶ程度に威力を抑えたのに……まさか……

 

「水になれる?いやでも一瞬で消えることは……」

 

「惜しいですが……今日はここまでにしましょうか」

 

リュウトはそう言って姿を消すのであった。あいつの皇具って……

 

ミラクルたちも戦いが終わったみたいだが、はーちゃんは泣きじゃくっていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「実は……」

 

ミラクルから話を聞くとはーちゃんがガーネットを落としてしまい、それをガメッツに奪われたらしい。はーちゃんはそれで泣いていた。

 

「はーちゃん……」

 

こういう時、どう慰めれば良いものか……

 



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29 最果ての島へと向かおう

リンクスストーン・ガーネットが奪われてから数日がたった。はーちゃんは未だに落ち込み、僕らはと言うとリュウトの攻略を考えていた。

 

「リュウトに対して拘束、攻撃は全く効いていなかった……」

 

「俺やグリーンはもちろん、ポニィやツクシでも攻略できそうにないな」

 

「もしかしたら師匠たちでも……」

 

それにリュウトだけじゃない。ザンクに対しても攻略する方法が見つかっていない……あの二人の皇具に勝つためにはどんなに鍛えてもどうにもできない……

 

「どうしたものか……」

 

五人で考え込んでいると家に誰かが訪ねてきた。僕は出てみるとそこにはみらいとリコの二人がいた。

 

「どうしたんだ?」

 

「陽斗くん、大変なの!?」

 

「実はこれが届いて……」

 

二人が見せてきた手紙にはガメッツからのものだった。書かれていた内容は……

 

『最果て島で待つ…ガメッツ』

 

果たし状って言うことか……だとしたら

 

「行くんだよな」

 

「当たり前でしょ」

 

「陽斗くん達も……」

 

「あぁ」

 

僕らは急いで準備を済ませてマホウ界へと行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マホウ界にたどり着いて早速ある問題が発生した。最果て島は空を飛んでいかないと駄目みたいだった。みらいとリコの二人だけじゃ僕らを乗せていくのは難しい……

 

「ふたりだけで行くのは心配だしな……」

 

「おまけに手紙だと陽斗たちのことも指定してるしね……」

 

どうしたものか考え込んでいると二匹の小さな龍が現れた。

 

「あれって!?ホウキ・ワイバーン!?」

 

「かっこいい~」

 

「飛ぶスピードは箒と同じくらいだけど、決して人になつかないで有名な……」

 

「なつかない?」

 

にしては僕とポニィに思いっきりすり寄ってきてるんだけど、フッと気がつくと首に何かをつけていた。僕はそれを取ってみてみるとブドー師匠からの手紙だった。

 

『いずれ必要になると思い、お前たちにこれを送る』

 

師匠はこの事を予想していたっていうのか……

僕、グリーン、ガイで、ポニィ、ツクシと分かれてワイバーンに乗り、みらいたちと一緒に最果ての島へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何の用だ」

 

ガメッツの前にリュウトが現れた。

 

「いえいえ、お力を貸そうと思ってね」

 

「……悪いが何人たちとも邪魔は許さない」

 

「1対7ですよ。いいんですか?」

 

「戦士の戦いに前に数は関係ない!!」

 

「そうですか……では健闘を祈りますよ」

 

リュウトは姿を消すとガメッツは……

 

「まだか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

海まで行くが未だに最果ての島が見えなかった。

 

「最果て島はまだモフ?」

 

「もっと近くで待っててくれればいいのにね~」

 

「とにかく、急ぎましょう」

 

にしても本当にどこにあるんだ?最果ての島は……すると海の中から何かが出てきた。あれって……

 

「みらいさん、リコさん、陽斗さん達も久しぶり」

 

「ロレッタ先生!」

 

前に補習でお世話になった……それに周りにいる子達も確か……

話を聞くとプリキュアを見てから、空を飛ぶ練習を始めたらしい。確かに昔は空を飛んでいたって言うからな……

 

「みんなは何してるの?」

 

「私達、最果て島に向かってるんです」

 

「最果ての島?箒やそのワイバーンでは3日かかるわ」

 

3日かかるって……ガメッツはどんだけ遠い場所で待ってるんだよ……

どうにかして急いでいける方法がないかと思っているとロレッタ先生はあるものを用意してきた。それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らはロレッタ先生が用意したクジラ型の潜水艦に乗せてもらった。

 

「海の中を走る船!ワクワクもんだぁ!」

 

「これを使えば最果て島の近くまですぐ行けるわ」

 

「ありがとうございます。ここまでしてくれて……」

 

「いいのよ。お礼みたいなものね」

 

「お礼?」

 

「空とぶ人魚は本当にいた。みらいさんとリコさんが私達に勇気をくれたの」

 

「プリキュア…勇気…」

 

はーちゃんは何かを呟いていた。あんまり無理をしないでほしいけどな……

 

 

 

 

 

 

しばらくして最果て島近くまでたどり着くが、最果て島があるのは嵐雲の中を通っていかないと駄目みたいだった。ワイバーンに乗っている僕らは大丈夫だけど、みらいとリコはきついかもしれない。

するとペガサスが二匹こっちにやってきた。このペガサスって……前に助けた

 

「えっ…乗せていってくれるの!?」

 

「ペガサスの翼なら、嵐もこえられるわ。ペガサスは人に懐かないのに、2人のことはとても好きみたいね」

 

「私達は皆の強い思いに支えられて、これまで頑張れただけ……」

 

「繋がりっているからこそじゃないのか?」

 

「そうだよ。だから私達はこうしてね」

 

「そうね」

 

みらいとリコの二人はペガサスに乗り、嵐雲を抜けていくのであった。

 



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30 ガメッツとの死闘

嵐雲を抜けた先には最果ての島があった。僕らはそこへ向かうとガメッツが待ち構えていた。

 

「来たわよ!」

 

「ようやく来たか。待ちぼうけでこちらをイラだたせ、油断させようという、お前らの作戦は分かっているぞ」

 

いやただ単に遠かったからなんだけど……もう少し場所を選んでほしかったな。

 

「今まで抑えてきた我が力、お前らのために全て開放しよう…ふん!」

 

ガメッツが力を解放し、ガメッツの甲羅が砕け散った。

 

「甲羅が!?」

 

「まずいわね……」

 

「あぁこのプレッシャー……ブドー将軍クラスだ」

 

グリーンとポニィの二人がガメッツから感じたものを言っていた。師匠と同じクラスって……ヤバすぎだろ

 

ガメッツはすべての力を解き放ち、体つきも細くなっていた。

 

「赤いプリキュアで来い。本気で力比べをしようじゃないか…」

 

ここはやっぱり全力を出さないと行けないみたいだな

 

「「キュアップラパパ!ルビー!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

みらいとリコの二人がルビースタイルに変身し、僕もルビーフォームに姿を変えた。

 

「プリキュア…小僧ども……おまえ達の本気の力を見せてみよ!」

 

ガメッツがこっちに向かって突撃してきた。僕らはガメッツの拳を避けるが、ガメッツの拳があたった地面が思いっきり砕けていた。

 

「押さえつけられるかどうかわからないけど……」

 

グリーンが鞭でガメッツを縛り上げ、ポニィ、ミラクル、マジカルの三人で攻撃を繰り出すが、ガメッツは微動だにせず三人を吹き飛ばした。

 

「はあああああああ!!」

 

僕も思いっきり殴りかかるが、ガメッツに拳を捕まれ、そのまま地面に叩きつけられる。ツクシも背後から銃を放つがガメッツの体に弾かれてしまい、ガイも地面から攻撃を仕掛けるが、ガメッツが思いっきり地面を砕き、吹き飛ばす

 

「こいつ……強すぎる……」

 

「なんだ…全然物足りんぞ。もっと力を見せろ!強い者こそが正義!」

 

強いものが正義とか……ふざけんな!

 

全員で攻撃を仕掛けていくがガメッツはすべて防ぎ、殴り飛ばしていく。

 

「強大なパワーを持った者が世界を手に入れる!闇の魔法の強大な力こそが、今の軟弱な魔法界・ナシマホウ界を支配するにふさわしいのだ!」

 

僕、ミラクル、マジカルの三人で同時に殴るが、受け止められ、そのまま壁に叩きつけられた。

 

「我はすべてを…力で滅ぼす!」

 

「そんなことさせない……」

 

「私達は……」

 

「諦めたりしない……」

 

ミラクル、マジカル、ポニィ、ツクシ、ガイ、グリーンは立ち上がろうとするがダメージが大きすぎて無理そうだった。僕はなんとか立ち上がり、拳を構えた。

 

「帝具使いだったな……貴様らはリュウトたちの獲物だが……ここで倒させてもらう!!」

 

ガメッツがパンチを繰り出してきた。僕はそのパンチに自分のパンチをぶつけた。その瞬間、ガメッツが後ろへ下がった。

 

「ぐうう、今のは……」

 

「力が……湧いてくる……」

 

両拳に炎をまとわせながら、ガメッツを殴り続ける。ガメッツはただ防ぐだけだった。

 

「はああああああああ!!」

 

「ヌンッ!!」

 

最大の一撃を繰り出そうとするが、ガメッツの手刀を喰らい地面に倒れ込んでしまった。

 

「今の力は……まぁいい!トドメを……」

 

ガメッツがとどめの一撃を僕らに喰らわせようとした瞬間、はーちゃんが前に出てガメッツを止めようとしていた。

 

「駄目!」

 

はーちゃんが必死にガメッツを叩いているが、ガメッツからしてみればただの遊びみたいなものだった。

 

「おまえが我を止めるというのか?それでも戦ってるつもりか?痛くも痒くもないぞ」

 

「はーちゃん…」

 

「逃げて…」

 

「逃げない!!」

 

ガメッツを止めようとするはーちゃん。ガメッツは呆れながら

 

「その勇気は立派だが、誰かを思う気持ちだけでは我には勝てぬ」

 

はーちゃんは吹き飛ばされながらも必死に抵抗していた。こんな小さい子が必死に頑張ってるんだ……

 

「無駄な事を…もうプリキュアは起き上がれん」

 

「ミラクルとマジカルは諦めない!プリキュアは強い!パパたちも……つよいのーーーーーー!!」

 

はーちゃんが叫んだ瞬間、まばゆい光が辺りを包み込み、さっきまでより力が溢れてきた。僕はすぐに立ち上がろうとした瞬間、ポニィが一瞬でガメッツの顔面に蹴りを喰らわした。

 

「ぐう!?」

 

「陽斗、その体じゃ動くの辛いでしょ……ここは私に任せて」

 

「任せられるか……僕だって……」

 

僕は立ち上がり、ポニィの隣に並び立った。

 

「そう、それじゃ合わせてね!!」

 

「そっちこそ!!」

 

ガメッツに向けて同時に攻撃を繰り出していく。ガメッツは攻撃を受けていくがさっきまでと違い、痛みを感じ始めていた。

 

「何だ?こいつらの力は!!」

 

「「はあああああああああ!!」」

 

ポニィの蹴り、僕の拳が同時に当たり、ガメッツを吹き飛ばしていった。

 

「ふたりとも!今だ!」

 

「「リンクルステッキ!ルビー!紅の情熱よ、私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア・ルビー・パッショナーレ!」」

 

ミラクルとマジカルの浄化技を食らったガメッツは満足そうにしていた。

 

「それがおまえ達の強さか…誰かを思う力…全力を尽くせる強敵と出会えた事、悔いはない…」

 

ガメッツはそのまま浄化されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わったけど、僕とポニィは動けずにいた。

 

「陽斗君、大丈夫?」

 

「無茶するわね……」

 

「何だか力が湧いてきたと思ったら……これだもん」

 

「あの光……それに……」

 

あのまばゆい光が現れた瞬間、僕が持っているまだ色がつかない石から力を感じたんだけど……これってもしかして……



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31 校長先生を探せ

ガメッツとの戦いが終わり、僕らはその帰り道……

 

「はーちゃんにあんな不思議な力があったなんて…」

 

「私もビックリだよ~」

 

「それにあの時……僕の持っている石が反応して……」

 

「陽斗と私に力をくれた感じよね」

 

あの戦いの中、僕とポニィは今まで以上に力が上がった感じがした。あれもはーちゃんが関係してるのか?

 

はーちゃんに聞こうとするが、はーちゃんはお腹が空いてご飯を食べると満足して眠ってしまった。

 

「こういうときはやっぱり」

 

「うん、校長先生に聞くべきだね」

 

校長先生だったら何かしら知ってるかもしれないし……それにもしかしたら師匠たちもいるかも知れない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法学校に着き、校長先生を探す僕ら

 

「校長先生~!聞きたいことがあるんですけど~!」

 

みらいがそう呼びかけるが校長先生の返事はなかった。一体どこに行ったんだ?

 

「おや。あなた達も校長先生にご用があっていらしたの?」

 

すると教頭先生とアイザック先生がやってきた。みらいとリコは二人に校長先生のことを聞くことにした

 

「はい。校長先生はどちらでしょうか?」

 

「それが、急に何も言わずにいなくなって、私達も探してるんですよ。それにブドーさんとゴズキさんの二人も一緒に……」

 

師匠たちも……一体どこにいるんだ?するとモフルンが鳥型のポットを見つけてきた。するとポットから突然煙が出てきて文字が浮かび上がった。

 

『しばしの間、魔法学校を留守にする。後のことは皆に頼んだぞ』

 

これって書き置き?一体何が起きてるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある場所

 

「ガメッツさんを倒したプリキュアの戦い…あれこそまさしく伝説の書リンクルスマホンの力。必ずや奪ってくるのです!」

 

ヤモーがバッティにそう言うと、バッティはこれまでの疑いをヤモーに問い詰めた。

 

「ヤモーよ、それはお前の作り話ではないのか?本当にドクロクシー様のご命令なのでしょうか?どうかお答え下さいドクロクシー様!」

 

「だそうですよ。ドクロクシー様」

 

「我がしもべ達よ、ドクロクシーの名の元に命ずる!2つの力を、必ずや我がもとに」

 

ドクロクシーは闇のオーラを放ちながらバッティにそう告げた。

 

「ははっ!かしこまりました!」

 

「ほら御覧なさい。私の言葉はすなわちドクロクシー様のお言葉。逆らうことは許しませんよ」

 

バッティも納得し、すぐにどこかへ消えるのであった。するとそれとすれ違いにリュウトが現れた

 

「幹部も残りはバッティさんとヤモーさんだけですか」

 

「リュウト殿。貴方もいい加減動いたらどうですか?その皇具とやらの力は……」

 

「あぁそろそろ改造も終わる頃だからな……まずはバッティさんの最後の勇姿を見てあげましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長先生を探しながらみんなに話を聞くと……

 

「えぇ? 校長先生がいなくなっちゃったの?」

 

「校長先生のいそうな所、どこか知らない?」

 

「校長先生って謎の多い人だから」

 

「そうそう。校長先生の七不思議って魔法学校の中で語りつがれてるよね~」

 

七不思議って……あの人は怪談かなにかか?いやまぁ謎が多い人だっていうのは分かるけど……

 

それから七不思議を聞くとどうにも魔法学校を支えているこの木の頂上に開かずの扉があるらしく、そこは校長先生しか開けられないとのことらしい。みらいはそこに校長先生がいると思い、すぐさま飛び出すのであった。

 

「あの子は……陽斗、行くわよ」

 

「あぁ」

 

「まぁ仕方ないわね」

 

僕らは急いでみらいの後を追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらいに追いつき、リコはこの木を登ることは校則で禁止されていることを伝えた。確かに落ちたら危ないよな……

 

「まぁこれぐらいだったら……」

 

「ちょっとした鍛錬になるよね」

 

「それに僕らは……」

 

「ここの生徒でもないからな」

 

たしかにそうかも知れないけど、ポニィ達はこの木を登り始めた……どんだけだよ

 

「登っちゃダメなら、飛んでいけばいいんだよ!!」

 

みらいはそう言って箒に乗って飛び始めるが、木の幹が動き出し、みらいを吹き飛ばすのであった。

 

「こういう事があるのか……」

 

「落ち着いてないで、早くみらいを探すわよ!!」

 

僕らは急いでみらいを探しに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にどうしたものか……」

 

二人で木を登っていき、ちょっと休憩しているとリコがため息を付いていた

 

「どうかしたのか?」

 

「実は言うとこの木に毛虫が」

 

「毛虫ぐらい……」

 

するとどこからともなく物音が聞こえてきた、リコは杖を取り出し

 

「け… 毛虫!?キュアップ・ラパパ!毛虫よ、あ… あっちへいきなさい!」

 

どんだけ毛虫が苦手なんだよ。思いっきり振り回しているとリコは杖を放り投げてしまった。

投げた場所からは……みらいとモフルンが出てきた

 

「いたたた…リコ、陽斗くん」

 

「みらい……よかった」

 

「怪我はないか」

 

「うん」

 

みらいと合流できたな。すると今度は大きな音が響いてきた。するとそこには巨大な毛虫がでてきた。

 

「「うわぁぁぁぁぁ!」」

 

「でかすぎだろ!?」

 

僕らは必死に逃げ出していくのであった。その中所々に毛虫が倒れているのが見えた。あれってまさか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく走っていくと広い場所にたどり着いた。そしてそこには扉とポニィ達がいた。

 

「やっと来た」

 

「陽斗くんたち、もうちょっと鍛えたほうが良いよ」

 

「いや、彼らの場合は一般人だったんだから……」

 

「にしてもここはいい鍛錬場所になるな。毛虫とか倒し放題だしな」

 

「やっぱりあれって……」

 

「もうこの人たちに関してはツッコミを入れないほうが良いわね」

 

「ここってもしかして頂上?あっ!あれが開かずの扉?」

 

頂上にたどり着くと、はーちゃんも起きてきた。

 

「みらい、リコ…ここどこ?」

 

とりあえずこの扉を調べないと……みらいが触れた瞬間、扉が倒れた

 

「開かずって…」

 

「こういう意味だったの?」

 

ということはこれでもう手がかりがないってことか……

 

「見つけましたよ…。リンクルスマホンはこの私がいただきます」

 

突然バッティの声が聞こえ、僕らは身構えた。バッティは3つの杖を取り出し

 

「魔法入りました!いでよ、3つの杖に宿りし力!スパルダ・ガメッツ…この私の力となるのです!」

 

バッティの姿が代わり、怪人みたいな姿へと変わった。

 

「「うん、キュアップ・ラパパ!サファイア!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!」」

 

「リゼルファ!サファイアフォーム!!」

 

僕らは戦う準備を終わらせた。

 

「空飛ぶプリキュアですか…。今日の私は一味も二味も違いますよ!」

 

バッティに攻撃を仕掛けていくが、バッティは両手から糸を放ち、僕らを縛り上げてそのまま投げ飛ばしていく

 

「これこそ闇の魔法の力なのですよ。ドクロクシーさまのお望みは闇の魔法でこの世の全てを覆いつくす事!」

 

ミラクルとマジカルと一緒にキックを放つが、バッティは避けていった。

 

「リンクルスマホン、さぁ私の元へ!」

 

まずい!このままだと……

するとグリーンがバッティを鞭で縛り上げた。

 

「こんなもの……」

 

「そうそう破られるような縛り方じゃないよ。それに……ツクシ!」

 

グリーンがそういった瞬間、バッティの後ろの翼を銃弾が貫いていった。だが翼はすぐに再生し、僕らを吹き飛ばしていった。

 

「この程度!!さぁ、大人しくスマホンを渡すのです!」

 

「はーちゃんとスマホンはモフルンが守るモフ!」

 

「はーーーーーーー!!皆をいじめないで!」

 

はーちゃんがそう叫んだ瞬間、スマホンからまばゆい光が照らし出されると木の幹がバッティを縛り上げていく。それにグリーンがまた縛り上げていった。

 

「これは……力が溢れてきている」

 

「また石が……」

 

僕の方も力を感じ、槍でバッティを切り刻んでいった。

 

「二人共!」

 

「「うん!リンクルステッキ!サファイア!青き知性よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア・サファイア・スマーティッシュ!」」

 

二人の浄化技を喰らい、バッティはそのまま吹き飛ばされていくのであった。完全には浄化は出来なかったか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わり、はーちゃんが助けてくれた木の幹に触れると……倒れた扉が元の位置に戻り、扉の上からリンクルストーンが現れた

 

「アメジスト…扉のリンクルストーンモフ!」

 

「リンクルストーン……」

 

「お腹すいた…」

 

はーちゃんがまたそう言い出し、リコがご飯を上げるとはーちゃんはまた眠りについた

 

「はーちゃんまた寝ちゃったモフ?」

 

「どうしたのかしら。いつもと様子が…」

 

「早く校長先生を見つけよう」

 

はーちゃんの様子も気になるけど、この扉はどうすれば開くんだ?

そんな事を思っているとリンクルスマホンからペンが勝手に飛び出し、鍵を描き出した

 

「ひょっとして通れるように?校長先生は この先?」

 

「行きましょう!」

 

「うん!」

 

一体このさきで何が待ってるんだ?

 

 



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32 扉の先へ

僕らは開かずの扉の前に来ていた。リンクルスマホのおかげなのか扉は開けられることがわかったけど……

 

「どうしたのかしら…いつもと様子が…」

 

「早く校長先生を見つけよう」

 

はーちゃんが眠っているのだが本当にいつもと違う。これは一体……

 

「何となくだけど嫌な予感がするんだよね」

 

「みんな、気を引き締めていこう」

 

ポニィとツクシの二人は警戒し、グリーンとガイの二人はと言うと

 

「その校長ともしかしたらゴズキや将軍が一緒にいる可能性があるかもしれないね」

 

「だとしたら手伝えるっていうことだな」

 

いろいろと考えているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある場所にて

 

「何者です!!」

 

ヤモーとドクロクシーの前に現れたのは校長だった。校長は目の前の二人に向かって叫んだ

 

「やっと見つけたぞ。そなたが、ドクロクシーだな?」

 

「これはこれは。魔法学校の校長がおいでとは…よくここがお分かりで」

 

『占いでようやく分かりましたわ…』

 

「平和をおびやかすつもりならば…見のがすわけにはいかぬ!」

 

校長が身構えるとそこにバッティが現れ、校長と対峙していた。

 

「ここは通しません!ドクロクシーさまにエメラルドをお持ちするのが私の使命!!倒れるわけにはいかないのです」

 

「愉快愉快」

 

気がつくと校長の背後にザンクが回り込み、切りつけようとするがブドーとゴズキの二人がザンクの刃を防いだ。

 

「悪いがお前の相手は」

 

「俺達だ!」

 

「これはこれは知っていますよ。帝国のものですね。無視流残スペーイド!!」

 

「お前の皇具については聞いてる!ブドー!」

 

「覚悟は出来ているな!雷神憤怒アドラメレク!!」

 

ブドーが周囲を雷で覆い尽くし、気がつくとブドー、ザンク、ゴズキの三人は負傷していた

 

「なるほど、私を感知できないから全体の攻撃に切り替えたということですか。だがまだ真の力を見せていませんよ」

 

「そりゃこっちもだ」

 

「行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

扉を抜けていくがさっきから魔法商店街だったり、いちごメロンパンのお店だったりと目的地にたどり着かない。

 

さっきからモフルンが食べたいと思っている場所にたどり着いているが、もしかして……

 

「もしかして…この扉はきっと、頭の中に思い浮かべた場所に連れてってくれるのよ!!」

 

「だとしたら後は簡単だな」

 

「よーし、校長先生のこと思い浮かべるから!」

 

全員で校長のことを思い浮かべて、扉を開けるとそこには……

 

『……………』

 

何だかバトルの最中だったためか戦っていた人たち全員がこっちを見ていた。

 

僕らはすぐに扉に戻った。

 

『ビックリしたぁぁ!!』

 

まさか戦闘中だったとは……それに師匠たちもザンクと戦ってるし……

 

「とりあえず戻ろう」

 

「お父さんたちの手伝いをしないとね」

 

僕らはすぐに扉を潜り抜けていった。

 

 

みらいとリコの二人は校長のもとに行き、僕らは師匠たちの前に向かった。

 

「師匠!」

 

「陽斗か。気をつけろ!奴は……」

 

ブドー師匠が何かを言いかけた瞬間、突然ザンクが僕に触れてきた。僕はダイヤフォームに変わって剣戟を与えた瞬間、目の前が真っ暗になっていた。

 

「これは……」

 

「お前の視覚を奪ったのさ。私の皇具の力でな」

 

ザンクは僕に一撃を食らわせてきた。目が見えないせいか防ぐことも出来ない……

 

「うぐっ……」

 

「陽斗!」

 

「ポニィちゃん!?駄目、そいつに攻撃は……」

 

「そうだった……」

 

「攻撃したら自分たちに返ってくるし……」

 

「どうしたものか……」

 

「陽斗、お前は下がってろ……そしてお前に渡したものの力を開放してみろ」

 

ゴズキ師匠の言葉を聞いた瞬間、僕はどうすればこの状況を打破できるか考えることにするのであった。

 

 



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33 目覚めるエメラルド

久しぶりの更新となって申し訳ありません、


ザンクの攻撃を受け、目が見えない状態になった僕。目が見えないけど、みんなの声が聞こえてくる

 

「行動ですよね…補習で教わりました。何よりまず行動する事…」

 

「どんな大変な状況でも負けない心を…授業で学びました!」

 

負けない心……

 

「校長先生が仰っていたように、あっちの世界はとっても勉強になります。

世の中には色んな人がいて色んな考え方があるんだって」

 

色んな考え、僕はリコに教えたり、教えられたりもしたよな。

 

「もっと学ぶ事があります。だから…戻らないと!」

 

「皆で一緒に!だからはーちゃんを」

 

「返して!」

 

「モフー」

 

みんなの思いが、声が聞こえた瞬間、何か温かいものが包み込んでいる気がした。

 

「温かい……」

 

「帝国にいた時……こんなの感じたことがない」

 

「なんなんだこれ?」

 

「ゴズキ、まさかこれが……」

 

「あぁエメラルドの力みたいだな」

 

「だとすれば目覚めるということか」

 

周辺を包み込む、暖かさ。僕らは気がつくと魔法界にある巨大な木の近くにいた。

 

「目が……」

 

「これはどういうことでしょう?あなたの目は皇具を解除しない限り戻らないはずでは……」

 

ザンクが戸惑う中、ドクロクシーが手を伸ばしていた。まさかあれがエメラルドだっていうのか?

 

「おぉ…エメラルド…」

 

「エメラルドの眠る場所とは…」

 

「この魔法界そのもの。その力が1ヵ所に集い、今その形を表そうとしている」

 

それと同時にミラクルとマジカルの二人の変身が解除され、リンクルストーンが一箇所に集まろうとしていた

 

「リンクルストーンが!」

 

「どう言う事!?」

 

リンクルストーンの中心に、緑色に輝く光が現れた。あれがエメラルド……

 

「エメラルド!生命のリンクルストーンモフ!」

 

「あれが…あれこそが…ドクロクシー様が求めていた力」

 

バッティが手に入れようとするが、エメラルドの光に包まれ消滅してしまった。

 

「やはり闇の力を退けるあの力を得るには…リンクルスマホンが必要なのです」

 

「魔法よ入れ」

 

ドクロクシーが奪い取ったリンクルスマホを使い、更に持っていた本を開いた。

 

それと同時に黒い竜巻がドクロクシーを包み込んだ

 

「成功です!今、エメラルドの輝きは闇の力の糧となった!」

 

まさかエメラルドを取り込んだっていうのか?でも、僕の持つこの刀は薄っすらだけど緑色に輝いていた。

 

「まだ輝きは失っていない……」

 

「あなたが何を言っているかはわかりませんが、これがドクロクシー様の完全なるお姿!相異なる力1つになりし時、それは全てを超越し究極へと至る」

 

ドクロクシーは巨大な怪物に姿を変えていた

 

 

「違うだろうクシィ!我々の目的は、来るべき日に備え、災いに対抗する力を得ることだったはず!自ら災いとなり、世界を困らせてどうする!!」

 

校長先生は倒れそうになるが、師匠たちが支えていた

 

「無理するな。校長」

 

「ここはあいつらに任せよう。あいつらは今、乗り越えるために……」

 

師匠たちがなにか言っているけど、みらいとリコの二人はドクロクシーの放つ闇の波動に吹き飛ばされそうになっていた

 

「リコ、大丈夫だよ!」

 

二人は手をつなぎ、支え合い、笑顔だった。そうだよな。二人はどんなときでも笑ってこんなに打ち勝った。それは……

 

「僕もだよな」

 

そうつぶやいた瞬間、取り込まれたリンクルストーンが二人の所に戻ってきた。

二人はリンクルストーンを手にし、プリキュアに変身した。

 

「「うん、キュアップ・ラパパ!ダイヤ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!」」

 

「僕も……負けられないよな!!」

 

僕は小袋の中からまだ色のない石を取り出した。そして刀の刀身にはめ込んだ瞬間、刀身が緑色の光に輝き、僕の姿も緑色の騎士甲冑に変わった。

 

「リゼルファ!エメラルド!」

 

「あれが陽斗の帝具の奥の手……」

 

「リゼルファの奥の手と言うべきか……」

 

「ブドー、今はそういうことにしておこう。ツクシ、ポニィ、ガイ、グリーン。お前らは下がっていろ。ここはあの三人の出番だ」

 

師匠たちが後ろに下がり、僕らはドクロクシーの前に立った。

 

「私を無視するとは!!あなたの相手は!!」

 

ザンクが背後から襲いかかってきた。だけど僕は軽く刀を振った瞬間、ザンクは吹き飛ばされた。

 

「がはっ!?皇具が……効かない?」

 

「エメラルドの力は……皇具を無効化する……だけじゃなく、ありとあらゆるものを打ち消す力を持っているみたいだな」

 

「……くっ……こんな事がありえて……」

 

「ザンクさん、このままではただやられるだけですね。ここはどうです?ドクロクシー様の力になるのは?」

 

「それは愉快ですね……」

 

「そして私も…ドクロクシー様のお力に…」

 

ヤモーとザンクの二人がドクロクシーに取り込まれていき、更に力が増していく。

普通だったら絶望的な状況だけど……

 

「ふたりとも、負けるつもりはないよな」

 

「うん」

 

「行こう。陽斗くん」

 

ドクロクシーの攻撃を僕らが防ぎながら、攻撃を繰り出していく。ドクロクシーの攻撃は威力が大きいけど、それでも僕らは負けていない

 

ドクロクシーは世界中の力を奪おうとするが……

 

「みんなの力を無理やり飲み込むなんて」

 

「そんなの、力を1つにするなんて言わない!力を合わせるって意味が分からないなら…教えてあげるわ!」

 

「そしてそれがどんなに素晴らしいものかもな!!」

 

僕らがそう叫んだ瞬間、ドクロクシーの体から緑色の光が見えた。

 

「甘い匂いがするモフ!きっと、はーちゃんがよんでるモフ」

 

「ミラクル」

 

「うん、マジカル……陽斗くん」

 

「あぁ任せろ」

 

二人は必殺技を放とうとするが、ドクロクシーが口から黒い光線を放った。

 

「力を…もっと…」

 

「あなたがどんなに強くても、全てを飲み込もうとしても…」

 

「私達の力は絶対に奪わせない!」

 

「私達の力は大切なものを守るための力!」

 

「「大切なはーちゃんを助けるための力よ!」」

 

二人が闇の光線を弾き返したが、ミラクルたちに掴みかかろうとするが、僕はドクロクシーの両手を切り落とした。それと同時に口から小さな光が出ていく。あれははーちゃん?

 

「「プリキュア・ダイヤモンド…エターナル!」」

 

二人の必殺技がドクロクシーを包み込み、なんとか撃退するのであった。

みらいたちは一安心して、安堵したが……黒い影が二人に襲いかかろうとしていた。

僕は二人を助けようとするが、エメラルドフォームが突然解除されてしまい、体も動かなかった。

 

「……みらい、リコ……」

 

二人はこのままじゃ……そう思った瞬間、空に浮かんだリンクルスマホが輝きだし、僕らとそう変わらない姿の少女が現れた。あれは、はーちゃん?

 

はーちゃんは黒い影を浄化し、闇に包まれた世界を浄化した。それと同時に一人の男性が黒い影から現れた。あれが校長先生の友達の……

 

男性が消え、はーちゃんがまばゆい光を放つと同時に、どこかへ消えていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからみらいとリコの二人ははーちゃんを探すが、はーちゃんはどこにもいなかった。

モフルンは二人を元気づけるけど……

 

「また会えるんだよな……」

 

僕もそう願うことしかできなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやらザンクさんはやられましたか……まぁ良いでしょう。闇の魔法はよく分かりましたが、もう一つ、面白いものを見つけましたから……ムホーというものをね」

 

 

 



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34 新たな始まり、不思議な少女

『ご無沙汰しております校長。いろいろと大変だったと聞きましたが、すっかり元に戻られたようですな』

 

「薬膳茶のおかげじゃ」

 

『それで…リンクルストーン・エメラルドのほうは?』

 

「あの時エメラルドは目覚め、その輝きを宿した妖精の子は空の彼方へと消えていった」

 

『そうですか……ところで…元気にしてますか?あの子』

 

「心配はいらぬ。今は良き友に出会い、しっかりと成長しておる。君と同じくナシマホウ界でな」

 

『そうですか……それとあの子と一緒にいる彼の持つ帝具と言ったかな?』

 

「あぁ、それがどうかしたのか?」

 

『彼の帝具は本当に帝具なのかい?』

 

 

 

 

 

 

 

 

陽斗SIDE

 

あの戦いから数日が経った。僕らは日常に戻ったけど……この場にははーちゃんはいない。

みらいもリコもいつもと変わらない感じでいるのだけど……

 

「リコ1番!凄いモフ!」

 

「すごいよ。リコ」

 

「まぁ予習・復習をちゃんとしていれば当然の結果よ。それにしても暑いわね。魔法学校は年中春だから、この暑さには慣れないわ。ほら、補習で行ったひゃっこい島はずっと冬だし……」

 

「あぁ……」

 

みらいとリコの二人ははーちゃんのことを思い出していた。やっぱりはーちゃんのことを気にしてるんだろうな

 

「それは陽斗もでしょ」

 

「たまに浮かない顔をしてるしね」

 

ポニィとツクシが心配そうに僕のことを見つめていた。

 

「浮かない顔か……そうかもな」

 

二人も思っていたんだろうな。いつまでも一緒だって……それは僕も思っていたことだし……

 

それからみらいとリコの二人はお店の手伝いがあるといい、僕らと分かれた。

あの二人……本当に大丈夫かな?

 

「そういえばお父さんがちょっと気にしてたよ?」

 

「気にしてたって?」

 

「陽斗のリゼルファのこと。どうにも他の帝具とは違っているんだってさ」

 

他の帝具と違うって、どう違うんだ?

 

「もしかしたらそのうち連絡があるかもしれないね」

 

ツクシはそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、部屋でリゼルファを見つめていた僕。これは両親が発掘したものだって聞かされていたけど、本当に帝具なのかどうかわからない

 

そんなことを考えていると窓からノックする音が聞こえた。見てみるとみらいとリコが箒で空を飛んでいた。

 

「どうしたんだ?こんな時間に?」

 

「うん、ちょっと散歩に誘いに来たの」

 

いつもと変わらない笑顔をしているつもりだけど、全然そんな風に思えないぞ

 

「わかった」

 

僕は二人の散歩に付き合うことになった。僕らは街の高台まで来た。するとリコはみらいにあることを聞いてきた。

 

「それで…どうしたの?」

 

「リコ…また、はーちゃんを捜さない?」

 

「もう…探し尽くしたじゃない…全部…」

 

「はーちゃんに会いたいモフ……」

 

やっぱりはーちゃんのことが気がかりだよな。僕らにとっては大切な存在だったからな。

 

「私ね、ちょうど3人に話しに行こうと思っていたの。私、魔法界に戻った方が良いかなぁって思って…」

 

「えっ?」

 

「そもそもナシマホウ界にはエメラルドを探しに来たのよ。でも、エメラルドは…」

 

「そうだけど……」

 

「魔法学校で勉強して、もっともっと魔法を使えるようになれば…はーちゃんだって見つかるかもしれない。だから…」

 

「リコ……」

 

リコもまたはーちゃんを探し出すために、自分にできることをやろうとしているんだな

 

「リコ、帰っちゃうモフ?」

 

「明日はお休みだし、みんなでどこか遊びに行きましょ」

 

「そうだな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、みらいたちと遊びに行くことになったのだけど、ポニィとツクシ、ガイ、グリーンはせっかくだからということで、誘いを断っていた。

 

気を使わなくってもいいのにと思った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ…!?私はいったい…あの時ドクロクシー様に……」

 

ヤモーはドクロクシーとの決戦の場所にて復活していた。

 

「ドクロクシー様~!!」

 

ヤモーが叫ぶと同時に、湖の中から何本かの骨が現れた。

 

「おぉ… このようなお姿に…このヤモーがプリキュアに復讐を!!」

 

ヤモーが姿を消すと近くにいた橙色の魔神が姿を表した。

 

「プリキュア?なんだそりゃ?」

 

「伝説の戦士ですよ」

 

「ん?お前は?」

 

「異世界の人間。リュウトというものです。終わりなき混沌の眷属様」

 

「……お前、どこまで知っているんだ?」

 

「知っているのは主ですよ。どうですか?少しお話をしませんか?ヤモーさんの活躍を見ながらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四人で色んな所に遊び、ベンチに座っておやつを食べていた時、突然空が暗くなり、それと同時にセミ型のヨクバールとヤモーが姿を表した。

 

「どうして…また…」

 

「それにあの召喚したやつはドクロクシーのお付き……」

 

「プリキュアに帝具使い!あなた方をここで倒させてもらいますよ!」

 

ヨクバールが僕らに攻撃を放ち、僕らは攻撃を避けるが……せっかくの楽しい時間を邪魔しやがって……

 

「もういい加減にして!!」

 

「「キュアップ・ラパパ!ダイヤ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!」」

 

「リゼルファ!ダイヤフォーム!!」

 

「不滅の闇に染まりしヨクバールよ!憎きプリキュアを倒すのです!」

 

僕らはヨクバールに向かっていくが、このヨクバール、前に比べてかなり強い……

 

「ドクロクシー様のお力が込められたヨクバールです。あなた方に勝ち目はありませんよ」

 

ヨクバールの攻撃を喰らい、僕らは地面に倒れた。このままじゃやられてしまう

 

「さぁお別れですよ!!」

 

「もう、嫌なの…大切なみんなとお別れなんて…もう、嫌なの…」

 

「みらい……」

 

「絶対にはーちゃんを見つけてみせるって決めたのに…」

 

「リコ……」

 

二人が悲しそうにしている。男としたらこんなのダメだろ。僕は立ち上がると同時に、モフルンが僕らの前に出てあることを告げた

 

「2人を悲しませちゃ駄目モフ!!笑ってないと、はーちゃんだってニコニコで帰ってこられないモフー」

 

「モフルンの言うとおりだ。笑ってないと、はーちゃんだって悲しむぞ」

 

「そうよね…私たちが笑顔じゃないと!」

 

「うん……」

 

ミラクルとマジカルの二人が立ち上がると同時に、攻撃を食らったときに落としたリンクルスマホが輝き出した。

 

「甘い匂いがするモフ」

 

どうしてこのタイミングで?それに甘い匂いって……

僕はポケットの中からエメラルドのかけらを取り出した。欠片も光っている……

 

「リンクルスマホン…」

 

すると花飾り付きのカチューシャをしたロングヘアにハート模様のスカート、花飾り付きのロングブーツを着用した少女が僕らの前に現れた。この子は……

 

すると少女はどこからともなくエメラルドのリンクルストーンを取り出した。まさかと思うけど、新たなプリキュア?

 

「キュアップ・ラパパ!エメラルド!」

 

リンクルスマホンにリンクルストーン・エメラルドをはめ込み、スマホンのタッチペンで『F』を書くと、スペルが浮かび『Felice』と表示された

 

「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」

 

ピンク色の髪が左右に伸びて編み込んだ三つ編み形となり、頭には花と蝶をかたどったカチューシャを身に着け、ミント系の緑を主体に白も配色されたドレス風のコスチュームを着用した姿に変わった。

 

「あまねく生命に祝福を!キュアフェリーチェ!」

 

「キュアフェリーチェ……」

 

「エメラルドのプリキュアだというのですか!?ヨクバール!」

 

「陽斗、一緒に」

 

「えっ?あぁ……エメラルドフォーム!!」

 

エメラルドの姿に変わり、迫り来るヨクバールを僕とフェリーチェの二人は同時に受け止め、投げ飛ばした。

 

「強いな……って何でお前が驚いてるんだよ?フェリーチェ……」

 

「いえ」

 

フェリーチェは自分の姿の強さに驚いてるけど、今はヨクバールをどうにかしないとダメだな。

僕らは同時に攻撃を繰り出し、ヨクバールがダメージを受けていた。

 

「フラワーエコーワンド!」

 

スマホンのペンが杖に変わり、構え、リンクルストーン・エメラルドをはめた

 

「キュアー・アップ!」

 

一面に咲き誇った花から放たれたエネルギーをワンドに集め、そして無限大マークを描き

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」

 

ピンク色の光線と∞から分かれた2つの緑色のリングを敵に放ち、光線で敵の動きを封じた後、花とリングで包み込み、ヨクバールを浄化した

 

「私にはドクロクシーさまのお力があります…オボエテーロ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうですか?」

 

「あの力… ただもんじゃないねぇ…」

 

「プリキュアのことですか?それとも……」

 

「あの小僧は何者だ?」

 

「興味湧いたのであれば……」

 

「あぁお前らに協力してやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わり、僕らを助けてくれた少女……この子、まさかとおもうけど……

 

「あなた…ひょっとして…」

 

みらいたちもすぐに少女の姿を誰かと重ねていた。すると少女は僕らに抱きつき、

 

「私だよ!はーちゃんだよ!」

 

「「え、えぇーーーーー!?」」

 

「成長しすぎだろ……」

 

 



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35 戻ってきたはーちゃんと爆弾発言

僕らの前に現れた謎の少女。その正体はまさかのはーちゃんだった。

みらいはあまりにも嬉しさに、はーちゃんに抱きついた。

 

「おかえり!はーちゃん!」

 

「まさか…本当に!?」

 

「はー」

 

「心配したのよ」

 

リコも再会できた嬉しさで抱きついた。本当に良かったな……

 

「陽斗、陽斗も……」

 

いや、抱きつけっていうのかよ……それは恥ずかしいからやめたいんだけど……

 

「僕はやめておくよ……」

 

「どうして?」

 

「どうしても」

 

何とかはーちゃんを説得し続けていくと、モフルンが何かを嗅ぎつけた。

 

「くんくん…とってもとっても甘い匂いがするモフ!」

 

「それはこれだよ。リンクルストーン・エメラルド!」

 

はーちゃんの手に渡っていたんだな。エメラルドは……それが関係しているのか僕の持っている欠片も使えるようになった。どうしてなのか聞こうとしたけど……

 

「どうしてそんな大きくなれたの?」

 

「なんでプリキュアになれたの?今までどこにいたの?」

 

思いっきりみらいたちに質問攻めにあっていた。とりあえず一旦落ち着ける場所まで行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くにいちごメロンパンの屋台があったから、そこで落ち着いて話をすることになった。

 

「はーちゃん、今までどこにいたの?」

 

「うーん、なんか温かいものがフワフワーッて来て、ピカッて光って、バーッてくるくるーってなって…プリキュアにもなれた!!」

 

何というかよくわからない説明だった……いやこの間までは小さかったから仕方ないけど……

 

「それと誰かに呼ばれたような気がして…」

 

「誰かって誰?」

 

「さぁ?」

 

「他には?」

 

「うーん、辺り一面のお花…まるで海みたいに広がってて…よく思い出せない……」

 

まぁこういうのはゆっくり思い出していかないとダメかもしれないな

 

「とにかくはーちゃんが無事に帰ってきてよかった」

 

「これからは皆と一緒に、寝て起きて、ごはん食べて、学校にも行けるんでしょ!?」

 

「わぁ~ワクワクもんだぁ!」

 

「ワクワクもんだし~!」

 

「ワクワクモフ~!」

 

三人は喜び合ってるけど、そうそう簡単な話じゃないと思うんだけど……リコも同じことを思っていた。

 

「ちょっと待って!そういうことは私達だけで決められないわ」

 

「そうだね。お母さん達に説明しないと……」

 

「それに私、帰らなきゃいけないかも…魔法界に、ひょっとしたらはーちゃんも」

 

「え、どうして!?」

 

「エメラルド見つかっちゃったし…私がこっちにいられる理由が…」

 

確かにリコがこっちにいられる理由はエメラルドが見つかるまでだったな。それがもう達成したのだから、いられる理由がなくなったということだ。だけど……

 

「校長先生にお願いしてみないか?あのヤモーとかいうやつのことも気になるし」

 

「そうだよ。校長先生にお願いしよう!はーちゃんは赤ちゃんの時からずっと一緒で…私とリコとモフルンがお母さんで、やっとまた会えたのにバラバラになっちゃうなんてやだよ!私、皆とずっと一緒にいたいもん!」

 

「モフルンもみんなと一緒が良いモフ!」

 

「そうね。今までみんな一緒に乗りこえてきたんだから!今バラバラになるわけにはいかないわ」

 

「みらい……リコ……」

 

「ずっと一緒にか。それもいいかもな」

 

「陽斗……」

 

とりあえずはーちゃんはしばらく外を見て回りたいということで、一緒に散歩をすることになったけど……

 

「そういえば陽斗はパパでいいの?」

 

「……頼むからそれはやめてくれ。というかそれだとみらいとリコとモフルンとは夫婦になるぞ」

 

「というか一夫多妻制になってることに関しては突っ込み入れないのね」

 

「はー、でも陽斗、みらいのことが大好きだよね」

 

「えっ!?」

 

はーちゃんの言葉を聞いて、みらいは顔を真赤にさせ、僕、リコ、モフルンは固まった。

 

「はー?違った?前にリコとポニィとツクシが話してるの聞いたよ。陽斗はみらいのことが好きなのに告白しないって……」

 

「………」

 

僕はリコの方を見た。頼むから妖精の頃にそういった話をさせるなよ……

 

「えっと……陽斗くん……」

 

おずおずとみらいが僕に声をかけてきた。これはどうしたものか……ごまかすか?いや、誤魔化した所ではーちゃんに何を言われるか……逃げ出すのも……どう考えても無理だ。それなら……

 

「みらい……その……」

 

「う、うん」

 

「僕のこの気持ちが本当にみらいの事が大好きなのかわからないけど……その……」

 

「うん……」

 

「…………いや、待て、何でお前らがいる前で答えを言わないと……」

 

「キュアップ・ラパパ。気にせず続けなさい」

 

リコが杖を向けながら脅してきた。頼むからやめてくれ……

 

「近すぎて分からなかったけど、僕はみらいのことが大好きなんだ……」

 

「……私も陽斗のことが好きだけど……友達として好きなのかどうかわからない。だから……ちゃんと二人で確かめ合おう」

 

みらいの返答。これは成功でいいのかな?リコの方を見ると……

 

「まぁ二人らしいわね」

 

「はー、これで陽斗はパパだね」

 

祝福してもらっているんだよな

 

 

 

 



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36 守ってくれた人の力になる

「お花!蝶々!モフルン…みんな小さく見える!」

 

はーちゃんは花や蝶々をみてはしゃいでいた。今まで小さな妖精だったから見るもの全てが珍しかったのだろうな……

 

「はーちゃんも楽しそうね。ねぇ、みらい、陽斗」

 

「う、うん」

 

「あ、あぁ」

 

リコは僕らのことを見て、ものすごく呆れた顔をしていた。今、僕らは手を繋いでいた。こうして手をつなぐっていうのは正直恥ずかしいんだけど……

 

「あなた達、何というか……慣れたら?」

 

「いや、すぐに慣れるならなれるよ」

 

「ねぇ、リコ~手を繋いでいないと駄目なの?」

 

「あなた達、恋人同士になったんだから少しはこういうことを自然にできるようにしたら?」

 

そうは言うけど……何というかみらいの手、柔らかいと言うか……

 

ふっと気がつくとはーちゃんは猫を見つけ、追いかけていた。猫が下へと降りるとはーちゃんは思いっきりジャンプをしたけど、そのまま落ちていった。

 

僕らは慌てて駆け寄ると

 

「いてて…飛べなくなっちゃったんだった…」

 

妖精の頃の癖が抜けていないみたいだった。

 

「あれ…スマホンがない!」

 

はーちゃんはあたりを見渡すと隙間にスマホンが入ってしまったらしい。はーちゃんは隙間に入ろうとするが入れずに困っていた。

 

「あれ…入れない…」

 

「はーちゃん、大きくなったんだよ」

 

「こういう時は…キュアップラパパ」

 

リコが魔法でスマホンを取り出してあげた。何というかこういうときに魔法って便利だな……

 

「よーし、私も…!」

 

はーちゃんはスマホンからペンを取り出し、魔法陣を描きながら

 

「大好きなみらいとリコとモフルンと陽斗、ずーっと一緒にいられますように!」

 

何というか温かい魔法をかけてくれた。ずっと一緒か……それもいいかもしれないな

 

「私も私も!!キュアップ・ラパパ!みんなとずーっと仲良しでいたい!」

 

みらいも喜びながらそう言っていると、リコがあることに気がついた

 

「それより、早く帰らなくちゃ」

 

「じゃ、これで」

 

みらいは箒を取り出した。もしかして空を飛んでいくっていうのか?たまに思うけど、バレたときのことを考えているのか……

 

「ダメよ!まだ明るいし、うかつに空は…」

 

「えっ?」

 

はーちゃんはみらいの箒に跨っていた。リコはため息を付き、箒で帰ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒で僕らは帰ることになった。はーちゃんはみらいの箒に乗り、僕はリコの箒に乗ることになった。

 

「みらいの所にのればいいのに……」

 

「うるさいよ……」

 

リコの言葉にツッコミを入れる僕。それに乗ろうとしたけど、みらいは緊張して操作がし辛いと言われたのだから仕方ないだろ

 

「はー!気持ちいい!ずっと箒で空を飛んでみたかったんだ!」

 

まぁはーちゃんが楽しそうだからいいかもしれないな。するとはーちゃんはあることを言い出した。

 

「私も…2人みたいに飛びたい…そうだ!キュアップ・ラパパ!私のほうきよ、出ろ!!」

 

はーちゃんがそう言うけど、魔法ってそんなに便利なものだっけ?

 

「無理よ、そんな魔法。校長先生にだってできないわ」

 

リコがそう言っていると、はーちゃんの持っているペンが箒を描くと箒が現れた

 

「出来たよ!」

 

「ぁ…ぁ…ありえないわ…」

 

はーちゃんの使う魔法って、かなり凄いものだった。リコも驚きを隠せないでいるし……

 

はーちゃんは箒に乗り、早速操作をするが、操作がわからずどこかへ墜落していった。

 

「「はーちゃん!?」」

 

「二人とモフルンは空から探してやってくれ。僕は下に降りる」

 

僕は下におろしてもらい、はーちゃんを探していると公園から大きな音が聞こえてきた。

向かってみるとそこにはヨクバールとヨクバールに追いかけられているはーちゃんの姿を見つけた。

 

「はーちゃん!?リゼルファ!!トパーズ!!」

 

僕はトパーズフォームになり、ヨクバールが発射している水の弾丸を撃ち落としていく

 

「陽斗!?」

 

「陽斗くん」

 

するとみらいとリコも異変に気が付き、合流してきた。二人は頷きあい、

 

「「キュアップ・ラパパ!トパーズ!!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「2人の奇跡!キュアミラクル!」

 

「2人の魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

トパーズの姿に変わった二人はヨクバールに攻撃を仕掛けるが、強化されたヨクバールには二人の攻撃が通じなかった。

 

僕は操っているヤモーへと銃弾を放つが、

 

「そのような攻撃!見えていますよ!」

 

ヤモーが銃弾を避けた。まさか読まれている?もしかして……

 

「ドクロクシー様と合体したおかげというべきでしょうか……ザンクさんが使っていた帝具と皇具が私のカラダに混ざり合っているみたいですね」

 

「それだったら……」

 

僕はエメラルドフォームに変わろうとするが、リゼルファが反応しない……どういうことだ?

 

「よそ見をしている場合ですか!」

 

僕はヨクバールの体の一部である団扇の風圧で吹き飛ばされた。

 

「ミラクル!マジカル!陽斗!」

 

「私はドクロクシーさまに代わり、世界を闇の魔法で覆うのです!ヨクバール、プリキュアにとどめを!」

 

ヨクバールが僕らに向かっていこうとした瞬間、はーちゃんが前に出て僕らを守ろうとしていた。

 

「はーちゃん、逃げて!」

 

「逃げない!ちょっとだけ思い出した…あの時、スマホンが私に語りかけてくれたの!私は力になりたい。私を大切にしてくれた、守ってくれた皆の力になりたい!だから決めたの…私もプリキュアになる!」

 

はーちゃんがそう告げた瞬間、スマホンが輝き出し、僕の持っていたエメラルドも光りだした。やっぱり僕がエメラルドの力を扱える方法は……はーちゃんが関係している

 

「キュアップ・ラパパ!エメラルド!フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!あまねく生命に祝福を!キュアフェリーチェ!」

 

フェリーチェはヨクバールから発射された攻撃を全て弾き飛ばしていった。その隙に僕はエメラルドフォームに変わり、ヨクバールに追撃を与えた。

 

「私達だって!」

 

「うん」

 

「「リンクルステッキ!金色の希望よ!私たちの手に!フルフルリンクル!プリキュア・トパーズ・エスペランサ!」」

 

ミラクルとマジカルの二人の攻撃を食らったヨクバールは弱り始めると

 

「フラワーエコーワンド!キュアー・アップ!プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」

 

フェリーチェの浄化技を喰らい、ヨクバールは団扇と水鉄砲の姿に戻るのであった。そしてヤモーはいつの間にか撤退していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

みらいの家に戻った僕ら、早速校長先生にはーちゃんのことを話した。

 

『そなたが舞い戻る強き生命か…。何はともあれ、君が見つかって良かった』

 

どうにも予言でそういったことが出たらしい。

 

「ここに来る前の事、何か思い出したようだったけど。花の海とか…」

 

「でもよく分かんない。みらい達と出会う前の事かも…」

 

『これまで本当に長い道程であったが無事にエメラルドも見つかり、君達もこれで魔法界に…』

 

「私達、これからも一緒にいたいです!」

 

「長い道程を探して、やっと会えたんです!はーちゃんに」

 

「別々は嫌モフ~!」

 

「魔法をかけたの。皆とずっと一緒にいられますようにって。みらいとリコとモフルンは…私の家族だから!」

 

家族か……僕もそれに入ってるってことだよな……

 

『素直な言の葉は、時に魔法となって人の心を動かす』

 

「コトノハ?」

 

『言葉の事じゃ。君達の気持ちはよく分かった。無理に帰ってこいとは言わん。エメラルドを頼むぞ』

 

校長も納得し、リコとはーちゃんがこっちにいられるようになった。するとみらいのお母さんが部屋に入ってきた

 

「みらい~。あら、お友達?」

 

「リコの故郷の子なの!お母さん、実はしばらくこの子をうちに泊めてあげたいんだけど!」

 

「ご家族には言ってあるの?それなら良いわよ!」

 

みらいのお母さんって本当に良い人だな……

 

「それでお名前は?」

 

「ことは!ことはっていいます!」

 

はーちゃんがとっさに自分の名前をそう告げた。ことはってもしかして……

 

「苗字は?」

 

「花海さんです!花の海と書いて花海!」

 

「そう、それじゃよろしくね」

 

みらいのお母さんの許可ももらい、はーちゃんが住むことになった。するとリコが『ことは』について聞いてきた

 

「さっき、校長先生が言ってたよね。「言葉は言の葉」って。皆はいつも温かい言葉をかけてくれたよね。皆の言葉が私のここにいーっぱい詰まってるの。花海ことは!改めてよろしくお願いしまーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はじめましてと言うべきでしょうか?」

 

「なんだぁてめぇは?」

 

「私はリュウト。死んだあなたを蘇らせたものです」

 

「死んだ?そうだ!!あの野郎!!」

 

「どうやら実験は成功みたいですね。さて早速ですが、恩を返してもらいたいですね」

 

「何で俺が……」

 

「恩返し後、あなたはあの世界と同じように自由にしてもいいですよ。シュラさん」

 

「まぁいい。いずれあの野郎と出会えるかもな!!」

 

「とはいえ戦力はまだもう少しお待ちを……」




つい最近になってアカメが斬る!零の最終巻を読んでいたら、この小説の大元となっている物語であるミナトのアカメが斬る!時代の物語を書きたくなってきた……

次回ははーちゃんの部屋づくりとなりますのでお楽しみに


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37 はーちゃんの部屋づくりと新たな来訪者

はーちゃんがこっちに残ることになったその日の夜、僕は家にいるみんなにある報告をした

 

「それでみらいと付き合うことになった」

 

「何だ。良かったじゃないか」

 

「なんつうか羨ましいやつだな!」

 

グリーンとガイの二人は祝福し、ポニィとツクシはと言うと

 

「でもまだみらいの好きっていうのは、友達としてなのか恋人として好きなのか分かってないんだっけ?」

 

「でもこれをきっかけに本当に好きになると思うよ」

 

何だか男と女の考え方の違いがはっきりわかった気がした。

 

「それでキスはしたの?」

 

「ポニィ、今日付き合ったばっかりなのにキスとかは……」

 

「あぁ~陽斗くん顔真っ赤だよ」

 

「手はつないだの?」

 

「つ、つないだけど……」

 

「どんな感じだった?」

 

女子二人に色々と聞かれる中、グリーンがあることを話しだした。

 

「そういえばゴズキから連絡があって、明日あたり新たに見つかった来訪者を向かわせるって言ってたぞ」

 

「グリーン、聞いてないみたいだ」

 

「まぁ一応言ったからいいか」

 

いや、グリーン、頼むからこの状況をどうにかしてくれ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、目覚めるとみらいからメールが入っていた。

 

『はーちゃんの部屋づくりを手伝ってくれない?』

 

そういえばはーちゃんは大きくなってるけど、寝る場所とかどうしてるんだろうと思っていたけど……

 

「みらいと一緒に寝てるのか?だとしたら狭すぎだろ……」

 

一人でそう呟き、着替えを済ませるのであった。そういえば今日あたり来客があるって聞いたけど……どうしたものか……みんなに相談してみるか

 

 

 

 

ポニィたちに相談してみると、来客よりも恋人のお願いを聞くのが最優先と言われ、僕はみらいの家に行くのであった。

 

はーちゃんのお部屋として使っていない屋根裏部屋が空いているということで僕らは屋根裏部屋に上がると物凄いホコリだらけだった。

 

「ホコリが…これ片付けるには、1日じゃ終わらないんじゃないかしら…」

 

「たいへんだ……」

 

確かに掃除とかでかなり時間がかかるな……ポニィたちを呼んだほうが良いと思い、僕は出ていこうとすると

 

「大丈夫だよ!お片づけ、頑張るし!」

 

「はーちゃん」

 

はーちゃんはやる気みたいだな。だけどはーちゃんは杖を取り出し

 

「魔法を使えばすぐだし!キュアップ・ラパパ!荷物よ、浮かべ!」

 

魔法で解決する気満々だった。というかそんな簡単に魔法で荷物を浮かび上がらせることなんてできるのか?

 

「あのねぇ…重たい物を動かす魔法は、そんなに簡単には出来ないのよ」

 

リコがそう言った瞬間、屋根裏部屋にあった荷物が浮かび上がり、一箇所に集まった。そういえばはーちゃんの魔法って割と何でもできるんだっけ?

 

「凄く練習しないとできない魔法をこんな一瞬で…」

 

何だかリコは思いっきり落ち込んでいた。まぁ何というか……

 

それからはーちゃんは魔法で掃除をしたり、家具を作り出したりして、すぐに部屋が完成していった。

 

リコはまだ落ち込んでいる中、みらいは何だかわくわくしないと言い出していた。僕はと言うとモフルンの姿がないことに気が付き、みらいと一緒に探しに行くのであった。

 

みらいの部屋に入るとモフルンが机を動かそうと頑張っていた

 

「モフルン、何してるの?」

 

「モフルンも… はーちゃんみたいに、みらいとリコを助けたいモフ」

 

モフルンも何かしたいと思ってるのか……

 

「けどモフルンは小さいし、魔法も使えないし…役に立たないモフ…」

 

落ち込んでいるモフルン。でも僕は役にたたないとは思ってないし、それはリコもはーちゃんも、ポニィたちだって思ってないと思う

 

「私、モフルンにたくさん助けてもらってるよ。小さい頃からずっと」

 

「みらい……」

 

「僕らだってそんな事思ってないよ」

 

「陽斗……」

 

落ち込んでいたモフルンが段々と元気になっていった。そんな時、みらいのお母さんが僕らに声をかけてきた

 

「みらい~陽斗くん~お客さんが来てるわよ」

 

「お客さん?」

 

「誰だろ?」

 

僕らは二人で玄関まで行くとそこにはポニィとツクシの二人と見知らぬ女性がいた。

 

「部屋の準備で忙しいだろうと思うけど、どうしても会ってみたいって」

 

「連れてきたよ~」

 

「はじめまして、スピアっていいます。あなた達のことはゴズキさんから聞いています」

 

「「誰?」」

 

「彼女は私達がいた国の元大臣の娘さん」

 

「お父さんの話じゃ私達の敵に回っていたかもしれないんだけど、色々とあって気がついたらマホウ界に来てたんだって」

 

敵に回っていたとか……よくわからないんだけど……とりあえず僕とみらいの二人でスピアさんの話を聞くことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

「私の父は、腐敗する帝都を憂い、引退した身でありながら、原因である大臣と戦おうとしていたんですが……」

 

その途中で謎の三人組の襲撃を受け、父親を殺され、自分も殺されそうになっていたらしい。

 

「もう駄目かと思ったときに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の男の子が私の前に現れ、

 

「お前らナイトレイドか?」

 

「何?お前……」

 

「護衛ではない感じですね」

 

「何でも良い。俺の経験値の糧になれ!!」

 

斧を持った男が彼に襲いかかってきたんですが、彼は一瞬の内に黒い鎧に身を包み、金棒で斧の一撃を防ぎました。

 

「帝具!?」

 

「見たことのないものだが……」

 

「鬼龍転身!!オウガデーモン!!」

 

彼は襲撃してきた三人と戦い……

 

「ナイトレイドにミナトって奴がいるだろ!!知ってるか?」

 

「どうやら勘違いをしているみたいだな。我々はナイトレイドではない。任務のためにそう語ってるだけだ」

 

「そうかよ!まぁ関係ない!!俺が強くなるために戦ってもらうぞ!」

 

彼が戦っている間に私は何とかその場から逃げ出し、気がついたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

「こっちに来ていたと」

 

「はい、それでゴズキさんとブドー将軍に保護をされて……あなた達の助けになってほしいと頼まれました」

 

「まぁつまり戦力が増えたってことね」

 

「因みにスピアは帝具とか臣具とか持ってないけど、腕は立つみたい」

 

別にそこらへん気にしてないんだけど……

 

「それであなたの知り合いに黒い鎧を使う人っていますか?」

 

もしかして助けてくれたお礼を言いたいのだろうけど、僕とみらいは顔を見合わせた。

 

「私達の知り合いには……」

 

「いないな……」

 

「そうですか……」

 

残念そうにするスピアさん。それにしてもスピアさんを助けてくれた人って誰なんだろう?それにミナトって誰なんだ?

 

 

 



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38 使うものの心と二人の思い出に

久しぶりの更新です


はーちゃんの部屋はみらいの言うワクワクが溢れたものになった。そしてみらいたちから部屋の買い出しに行こうと言う話になり、僕、みらい、モフルン、ポニー、ツクシ、スピアさんと一緒に行くことになった。

 

「こうやって可愛く結べばお花みたいになるモフ」

 

「モフルン、センスいい‼はーちゃんにも教えてください」

 

「それほどでもないモフ」

 

モフルンも頼られて嬉しそうだな。さて後は…………

 

「陽斗は何か買ってあげないの?」

 

「男の僕より女の子の方がいいものをあげられるんじゃないのか?」

 

「違う違う。みらいとのツーショット写真を収めた写真立てをみらいに買ってあげたりとか」

 

「二人の思い出にとかね」

 

「う、羨ましいですね。恋とかそう言うの…………」

 

スピアさん、羨むのはあとにしてください。とりあえずこの二人を止めてくれ…………

 

すると急に辺りが暗くなってきた。人の姿も見えなくなると、僕らの前にヤモーが現れた。

 

「エメラルドを渡していただきましょうか」

 

「何度来ても渡さないわ‼」

 

「ならば無理矢理奪うまで‼魔法入りました‼」

 

ヤモーは骨と布と提灯を合わせたヨクバールを生み出した。

 

「みらい‼リコ‼」

 

「「うん」」

 

「「キュアップラパパ!ルビー!」」

 

ルビーが現れ、モフルンのリボンにセットされた

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」

 

「「魔法つかい!プリキュア!」」

 

二人はプリキュアに変身し、僕も腕輪にルビーをはめ込んだ

 

僕らはヨクバールに攻撃を喰らわす。ヨクバールは周りの建物が邪魔なのかうまく動けずにいる

 

「何をしてるんですか‼邪魔な建物なんて壊してしまいなさい‼」

 

「貴方たちはどうして平気で街を……人を傷つけるの‼」

 

「そこまでしてエメラルドが欲しいの‼」

 

「ほしいですね…。エメラルドを使えばきっと闇のオーラが作れる。強力な魔法の力があれば何だってできるんです」

 

「そんなの間違ってる‼」

 

避難していたはーちゃんが叫んだ瞬間、エメラルドが輝きだした。僕もエメラルドをとり出し、リゼルファにはめ込み、はーちゃんも変身する

 

「キュアップ・ラパパ!エメラルド!フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!あまねく生命に祝福を!キュアフェリーチェ!」

 

僕もエメラルドのフォームに変える。

 

ヨクバールがフェリーチェを布で腕を縛り付けるが、フェリーチェは動じなかった。

 

「魔法は万能ではありません。どれだけ強い力を手に入れたとしても、大切なのはそれを使う者の清い心」

 

フェリーチェは縛り付けていた布を引っ張り、引き裂いた。

 

「それが分からない貴方にはエメラルドは渡しません‼」

 

「まぁそう言うわけだから……とっとと倒されちゃいなさい‼」

 

ポニーとツクシとスピアの三人がヨクバールに攻撃を喰らわせ、ミラクルとマジカルの二人は追撃に

 

「「リンクルステッキ!ルビー!紅の情熱よ、私達の手に!フルフルリンクル!プリキュア・ルビー・パッショナーレ!」」

 

大技を喰らわせ、フェリーチェが止めを刺す

 

「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」

 

フェリーチェがヨクバールを浄化し、ヤモーは撤退するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨクバールを退け、本来の目的であるはーちゃんの部屋作りも無事に終わるのであったが…………

 

「ねぇ陽斗くん」

 

帰り際にみらいは僕にあることを頼んできた。

 

「写真とらない?」

 

「何で?」

 

「えっと……二人の思い出にって……リコが撮った方がいいって…………」

 

これって…………あいつら……

 

断るのも悪く、一緒に写真を撮るのであった。

 

 

 

 

 

そして後日、僕とみらいの部屋には二人で撮った写真が飾られるのであった。



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39 海と縮まる距離?

今日はみんなで海水浴に行くことになり、僕らはと言うと、この間のキャンプ同様に現地集合していた。

 

「わざわざ気を遣わなくてもいいのにね」

 

「と言うか陽斗くんだけみんなと行けばいいのに…………」

 

「車の中でイチャイチャですね」

 

ポニィ、ツクシ、スピアさんがまた変なこと言ってるよ…………

 

「と言うか着替えるの早くないか?」

 

三人は既に水着に着替えていた。と言うか初めての海水浴でどれだけ楽しみにしてるんだよ…………

 

「そう言えばガイとグリーンは?」

 

「あの二人なら彼処だよ」

 

僕が指差した方にはガイとグリーンの二人が楽しげに遠泳していた。

 

「マイペースね」

 

ポニィは呆れていると……

 

「お~い、陽斗く~ん」

 

みらいたちも来たみたいだな。

 

「全く相変わらず現地集合なんて……」

 

「人数が多いから仕方ないだろ」

 

「ねぇねぇ、陽斗くん。水着……どうかな?似合ってる」

 

みらいが突然そんなことを聞いてきた。すると後ろの女性陣は……

 

「リコの差し金?」

 

「私はただみらいに水着似合ってるか聞いてみたらって言っただけよ」

 

「なんて答えるんだろう?普通に似合ってるかな?」

 

「う~ん、可愛いよじゃないのかな?」

 

「はー、わくわく」

 

が、外野が五月蝿いのだけど…………

 

「陽斗くん?」

 

「その……みらいらしくって…………」

 

「ねぇねぇ、リコちゃん、あの二人付き合ってるの?」

 

「いつから?」

 

「残念なことにまだなのよね。恋人未満だから少しは進展してもらわないと」

 

まゆみと勝木さんの二人も混ざってきてるし…………

 

「その…………似合ってる……よ///////」

 

「あ、ありがとう////」

 

リコたちはサムズアップをし、僕とみらいの二人は顔を真っ赤にさせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからみんなで海で遊ぶのだが……ポニィとツクシとスピアの三人は何処かへ行っているけど……何か銛を持っていたのは気のせいかな?

 

とりあえずみらいとはーちゃんと遊ぶ中、リコは泳げないからか砂浜で遊んでいる

 

「浮輪してるから大丈夫なのに……」

 

「リコもこっちで遊ぼうよ」

 

僕らが呼ぶけど、リコは頑なに行こうとしない。するとはーちゃんが杖をとり出し

 

「キュアップラパパ…リコよ、こっちにおいで」

 

浮き輪を大きくしてこっちに来させようとするはーちゃん。あの……バレるからな

 

みらいが何とか魔法で止めるけど…………はーちゃん、もしかして魔法で楽しませようとしてるのか?いやいやそんなまさか…………

 

 

 

 

 

それからはーちゃんは魔法を使って、スイカを大きくして割れやすくしたり、ビーチバレーで凄まじい威力のスパイクを出させたり、砂の城を大きくしたりと色々とやらかしていた。

 

「はーちゃん……そろそろ」

 

「はーそうだ‼キュアップラパパ、陽斗とみらいくっつけ‼」

 

はーちゃんが魔法をかけた瞬間、みらいが僕の方にくっついてきた。

 

「は、陽斗くん////」

 

「み、みらい/////」

 

くっついてるから色々と当たって…………

 

「はーちゃん……」

 

リコはサムズアップしてないでどうにかしてくれ…………

 

 

 

 

 

 

 

はーちゃんがかき氷機を直してるみらいのお父さんの所に向かって、何とか落ち着いた。

 

「はーちゃん……二人をくっつけるだけはナイスね」

 

「ナイスじゃないから……」

 

「ごめんね、陽斗くん」

 

みらいは謝ることはしてないから…………

 

「はーちゃん、心配たから……様子見に行ってくる」

 

僕ははーちゃんの様子が気になり、向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

はーちゃんを探していると、モフルンと一緒に近くの洞窟に入るところを見つけた。

 

「はーちゃん、そんなところで何してるんだ?」

 

「陽斗、ここに甘くて美味しい氷があるんだって」

 

 

こんなところに?何だか嫌な予感がするな……はーちゃんに戻ろうと告げようとした際、蝙蝠が飛び、はーちゃんとモフルンが奥へと逃げていく。

 

奥へと進むと氷はなく、行き止まりだった

 

「氷は!?」

 

「ざ~んねん!最初から氷なんてありませんよ」

 

僕らの前にヤモーが現れた。いい加減しつこいな

 

「魔法入りました‼出でよヨクバール‼」

 

ヤモーが麦わら帽子とトゲからヨクバールを生み出した。

 

ヨクバールの攻撃を避けるがモフルンが吹き飛ばされ、分断される

 

「騙すなんてひどい!?」

 

「あなたがエメラルドを持っている限り、私は狙い続ける!ずっと見てましたよ。あなたの魔法たしかに大したものですが…付き合わされた2人はヘトヘトでしたねぇ」

 

ヤモーの言葉を聞き、俯くはーちゃん。

 

「はーちゃん……」

 

「だったら…だったら、余計に負けてなんていられない!みらいとリコの分も私1人で頑張るんだから!」

 

「一人じゃないだろ。僕もいる」

 

僕はサファイアの力を使い、槍を構える。はーちゃんも変身し、ヨクバールに向かっていく。

 

二人で同時に攻撃をくわえていくと、ヨクバールがトゲのミサイルを飛ばしてきた。僕はそれを避け、フェリーチェは攻撃を弾いていく。

 

「「ハアアアア‼」」

 

ヨクバールがフェリーチェを掴むが、フェリーチェは自力で抜け出すが、攻撃の嵐が僕らを襲い、外へと吹き飛ばされる。

 

僕は何とか着地するが、フェリーチェはミラクルとマジカルの二人に助けられる

 

「二人とも‼」

 

「ありがとう」

 

「遅くなってごめんね」

 

「ここからは一緒に行くよ」

 

四人でヨクバールを吹き飛ばし、ミラクルたちの浄化技でヨクバールを弱らせ、フェリーチェが止めを指すのであった

 

 

 

 

 

 

 

その後、はーちゃんも今日の事を反省するけど、みらいたちは怒ってなかった。それは僕もだ。

 

みんなでかき氷を食べ、海水浴も十分楽しめたその帰り……

 

僕らはみらいたちを見送り、帰ろうとするが…………

 

「陽斗くん」

 

「何だ?みら……!?」

 

みらいが突然頬にキスをしてきた。みらいは離れ、もじもじしながら、

 

「えっと……またね」

 

顔を赤らめながら車に戻るのであった。

 

みらい……積極的すぎでは?



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