轟焦凍の双子の妹には秘密がある (AYURA)
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設定 ♪

登場人物について

 

 

 

轟莉愛

 

轟焦凍の双子の妹。

個性は、「氷結」で通しているが、本当は「●●●●」

家族が大切それ故に、ほとんど繋がりがない個性に絶望している。

容姿は、銀髪に目は緑色で綺麗というより可愛い感じです。

コスチュームは、途中から変わりますが、リリカルなのはのクロノの服をスカートにしたバージョンです。

爆豪勝己とは、小さい頃に会っている。

爆豪勝己が好き。

 

 

 

 

 

 

爆豪勝己

 

ほとんど原作と同じ。

小さいとき莉愛と会っている。

莉愛、初恋。

今でも好き。

 

 

 

 

 

 

轟焦凍

 

莉愛の双子の兄

シスコンである。

莉愛に秘密がある事を知っているが、

踏み込まない方がいいと判断し、知らない振りをしている。

その他は、原作と一緒。

 

 

 

 

 

 

 

 

轟莉愛の氷結の個性の技について

 

 

氷を作り自分から半径3kmまで自由自在に操れるぞ!

ただ、3km先まで操る場合は5個

2kmは10個、1kmは20個、

500mは100個までと、制限があるぞ!

これからの頑張り次第で伸びることも…

小さい頃は、500m5個で精一杯だったが

血が滲むような努力で、

ここまで正確に操作できるようになった。

 

簡単な操作の場合(真っ直ぐ飛べとか)一万個だせるぞ!

 

それに乗って空を飛ぶ事もできる!

大きさは自由自在だ!

これは、詠唱はいらないぞ!

 

 

轟焦凍みたく手や足が触れる所から凍らすことはできないが、

遠くのものを触れず凍らすことはできるぞ!

だが、詠唱が必要だ!

 

 

それから、自分が思った場所から氷の鎖を創り出すことが出来き、

自由自在に操れる。

 

 

 

 

 

詠唱が必要な技の説明

 

 

《エターナルコフィン(Eternal Coffin)》

 

攻撃目標対象を中心に、

付近に存在するもの全てを凍結・停止させる強力な広範囲の技だ。

 

生命に用いた場合、対象の生物の命を奪うことはなく、

外部から破壊や加熱で凍結が解除されない限り

その対象を半永久的に凍てつく眠りに封じ込める。

 

攻撃範囲は、自由自在!

本気を出せば太平洋を凍らせることも可能だ!

(めちゃくちゃ練習したからな!)

応用として、致命者を負っている人をこの技で

凍結させとけば、回復出来る人が来るまで

その人の時間を止めたままに出来る。

 

 

詠唱は、

『悠久なる凍土 棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!』

 

停止しながら言う必要がある。

 

 

 

 

 

 

《氷結の息吹-アーテム・デス・アイセス- (Atem des Eises)》

 

術者の周辺に発生した4個の立方体から氷結効果を放つ広範囲の技だ。

 

凍結範囲はかなり広い。

この技も、《エターナルコフィン(Eternal Coffin)》と同じで本気を出せば太平洋を凍らせることが出来る。

 

《エターナルコフィン(Eternal Coffin)》とは違い、

狙った対象だけを凍らせることが出来る。

 

例えば、人が沢山いるビルが火事になった時、人以外だけ

凍らせることが可能だ。《エターナルコフィン(Eternal Coffin)》

の場合はビルにいる人達も凍らせてしまう。

 

もちろん、この技には氷結内の時間を止めることはできない。

 

詠唱は

「仄白き雪の 王銀の翼以て 眼下の大地を白銀に染めよ

来よ 氷結の息吹」

これも、停止している必要がある。

 

 

 

 

 

 

 




これらは、私が描いた夢主のイラストです。
下手クソな絵ですが暖かい心で見てくれたら幸いです。

【挿絵表示】



【挿絵表示】

pixivや占いツクールでも、連載していますが
ところどころ、表現が違うところがありますが、ご了承下さい。


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第1話 始まり

…どうして

 

 

 

……どうして私だけ個性が違うの!

 

 

…本当にパパとママの娘なの

 

 

 

 

 

 

 

『かくさなきゃ…莉愛だけちがうのいやだ!!』

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

事の始まりは中国軽慶市。発光する赤子が生まれたというニュースだった。以降、各地で超常は発見され原因も判然としないまま時は流れる。

 

 

 

いつしか超常は日常に……架空は現実に…

 

 

 

世界総人口の約8割が何らかの特異体質である、超人社会となった現在。

 

 

 

混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が脚光を浴びていた。超常に伴い爆発的に増加した犯罪件数。法の抜本的改正に国がもたつく間、勇気ある人々がコミックさならがにヒーロー活動を始めた。超常への警備、悪意からの防衛。

たちまち市民権を得たヒーローは世論に押される形で公的職務に定められた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――そんな中、私が個性に目覚めたのは3歳のときだった。

 

 

 

 

 

私が、初めて個性を使った時、凄くたくさんの知識が頭の中に入って来て、高熱を出し1週間寝込んだ…

 

 

起きた時、私の手を握りながら焦凍にぃが私の手を握りながら側でねていた。

 

 

その時にはもう、熱も引いていて、頭の中が妙にスッキリとしていて個性の使い方も何故か理解していて、知らないはずの知識をしっていて、不思議に思い首を傾けたのをよく覚えてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど、その時から1週間後くらいの時だった…父のエンデファーが私に個性の事を聞いてきてたのは…

 

 

「個性は出たか?氷か炎か?それとも両方か?」

 

 

『??……こせい?ほのお?こおり?』

 

 

「あぁ」

 

 

『りあにこせいがでるとしたら、ほのおかこおりなの?』

 

 

「当たり前だろう。俺たちの子供だからな。」

 

 

 

 

 

 

その一言で、私は固った。

 

だって、私の個性で炎や氷はだせるけど、本質が違うと熱を出した時に得た知識から分かったからだ。

 

 

 

 

いつ、どうやって、自分の部屋に戻ってきたか覚えてない…ただ『(かくさなきゃ!りあだけちがうのはいやだ!)』と強く思いながら焦凍にぃに泣きつき、いつのまにか寝てしまった事は覚えている。

 

 

 

私が焦凍にぃに泣きついている時、何も聞かずただ抱きしめて、私が寝るまで「だいじょうぶ、だいじょうぶ、莉愛にはお兄ちゃんがついてる」ど言いながら、頭を撫でてくれていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時からだ、個性を偽る事にしたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パパの聞き方からして、私はパパとママとの本当の娘だと分かってはいた…だけど、その時の私や今の私にとっても個性が繋がってないのがとても怖かった。

 

 

だから、個性が炎か氷ではないと家族ばれたら、「お前は、家族じゃない!」と言われるんじゃないかと内心、個性を使う時ビクビク震えてた。

 

 

 

 

 



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第2話 雄英高校入試試験! ♪

一番下にイラストあります!


ピピピピ……ピピピピ……ピピッ

 

 

カチッ

 

 

 

『…んっ~あさ?』

 

バッ‼

 

『今日は、雄英高校の入試だ!もう、焦にぃは推薦で合格してるから、頑張らないと!!

 

 

 

って…その前に朝ごはん作らなきゃ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

~リビング~

 

 

 

トントントントン

 

 

『あれ?焦にぃ…?』

 

 

リビングに行ったら、焦にぃが朝ごはんを作ってくれていた。

 

 

「んっ?莉愛か…おはよ」

 

 

『んっ、おはよう。朝ごはん作ってくれたの?』

 

 

 

「あぁ。莉愛は雄英の入試だろ?いつも、作ってくれてるからな…今日くらいは、俺が作るよ。」

 

 

 

そうなのだ。お母さんが入院してから初めのうちは私とお姉ちゃんとお手伝いさんと作っていたが、私が、中学生になってから私が作ることが多くなったのだ。

 

 

『ありがとう!

 

 

そっかー、焦にぃはもう合格してるもんね!

私も頑張って合格しなきゃ!』

 

 

「お前なら、心配せずとも受かるよ。」

 

 

焦にぃにそう言いながら頭を撫でなれ、頬が赤くなるのを感じた。

 

 

『んっ頑張る!もうご飯食べ終わったから、もう行くね!焦にぃ朝ごはん美味しかったよ~!

 

いってきまーす!』

 

と、バタバタしながらリビングを出た。

 

 

 

「クスッ…相変わらず可愛いやつだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな私達の後ろ姿を見ている影があり、「頑張れよ…」と言っていたのを私達は、知らなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

私は今、プレゼントマイクによる入試試験の説明をうけていた。

 

 

 

 

《今日は俺のライヴにようこそー!エディバディセイイ!!!!!》

 

 

 

誰もプレゼントマイクの掛け声に答えなかったが、気にしないのかそのまま試験の説明が始まった。

 

 

説明をまとめると、実技試験の内容は模擬市街地で10分間3種のそれぞれP数が違う、仮想敵を行動不能にしてPを稼ぐというもの。簡単で分かりやすくて助かった。

 

 

各自動きやすい格好に着替え、振り分けられた演習場に向かう。

 

 

 

 

 

《はい、スターーート!》

 

 

 

 

 

『よっと!』

 

まず、三角柱の氷を10個作り、その一つに横乗りした。ここまでで、1秒! そして、飛ぶ!

 

 

 

今の私の状態じゃ、個性の偽装とかにほとんど力をつかっていて4分の1のぐらいの力しか出せないけど、こんな弱いロボットを倒すだけだったらこれで充分!

 

 

 

 

 

 

 

 

プレゼントマイクさんの声が響き渡る。

 

 

 

 

《どうしたぁ!?実践じゃカウントなんざねぇんだよ!!》

 

 

 

 

 

 

その言葉に他の受験生が一気に走り始める。

こんな人数だ、仮想敵も無限に出てくるわけじゃないだろうし、これは先に見つけたもの勝ちっ!

飛びながら50メートルぐらい離れたところで後ろを走っている受験生を見る。

 

 

 

 

 

 

 

『よし』

 

これだけ差が付いたら大丈夫かな?

 

 

 

「アイツ早ぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

遅れてスタートした受験生たちは50メートルは離れて飛んでいる私をみて驚いた様子だ。

 

 

 

 

 

当たりを見まわし、仮想敵を見つけ次第私は三角柱の氷の結晶で仮想敵に貫通させ、どんどん壊していく。

 

 

この方法でポイントを稼ぎつつ途中動けない子や危ない状況の人に近づいて助けたりした。

 

 

『シュート!』

 

よし!今ので50ポイント!

 

この調子で残りも頑張らないと!

 

 

 

 

 

 

そう思っている時だった…

 

 

 

 

《ガシャーン!!!!》

 

 

 

 

と大きい音と共に私が立っている所が陰ったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

振りむけばそこにいたのは、プレゼントマイクさんが実技試験の説明で言っていた0ポイントのお邪魔虫ギミックだっだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「逃げろー!」」」」

 

「あんなの無理だ!」

 

「どうやって倒せって言うんだよ!」

 

「ふざけんじゃねー!」

 

 

 

 

 

 

他の受験生が叫びながら必死に逃げている中、私はどうやって倒すか考えていた。

 

 

見たところ、瓦礫に埋まって動けない人や腰が抜けて立てない人、逃げ遅れている人が何名かいた。

 

 

となると、大きな氷で貫くのはギミックが倒れたら逃げ遅れている人達に被害が出るから無理だ。

 

 

 

 

 

「おい!おい!お前大丈夫か?」

 

 

考えている途中で肩を揺らす黒い髪で目の所に傷が有る1人の男子がいた。

 

 

『?…私?』

 

 

?「お前しかいないだろ!てか、お前早よ逃げろ!危ないだろ!」

 

 

 

あの程度のギミックなら逃げる必要なんてないけど…それに、逃げ遅れた人達を助けないと危ないし…

 

 

『あなたはどうするの?』

 

 

「? 決まってるだろ!逃げ遅れている人を助ける!」

 

 

危ないと言う癖に、自分は助けに行くと言う男子がなんだか可笑しくて見えて笑ってしまった。

 

 

『あはは!あなた面白いね。同じ考えの人がいるとは思ってなくて笑っちゃった!あなた個性は?』

 

 

目の前の男子は、不思議そうな顔をして答えた。

 

 

「硬化だけど…それがどうしたんだ?」

 

 

『じゃあ、私がギミックを凍らせて動きを止めるから、その間に救助お願い出来る?』

 

 

目の前の男子は、私の言葉を聞いたあと少し

ポカーンとしニッと笑いこう言った。

 

 

「おう、任せとけ!」

 

 

『じゃあ、行こう!』

 

 

「おう!」

 

 

私達は、顔を見合わせ、私はギミック全体が見渡せる建物の上まで飛んで行き、目に傷がある男子は救助に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よっと、到着!ここならいいかな?』

 

私は周りを見渡してから、目を閉じ一度深呼吸した。

 

『フー…対象はお邪魔虫なギミック、逃げ遅れた人達を巻き込まないように要注意しないとねっ!

 

 

いくよ!デュランダル!!!!

 

 

 

 

 

 

《 仄白き雪の王

 

銀の翼以て

 

眼下の大地を白銀に染めよ

 

来よ 氷結の息吹

 

ーアーテム・デス・アイセスー!!》』

 

 

 

 

 

 

 

 

そう唱えた瞬間、私の周りに4つの小さな立方体が浮かび、そこから白い光が放たれた瞬間、私の目の前には白銀の世界が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第3話 雄英高校入試試験! SIDE黒髪の少年

第2話に少し話を付け足しました。
ややこしい事をして申し訳ありません。


 

SIDE ?

 

 

 

 

それは、余りにも突然に起こった事だった。

 

 

 

 

俺は、硬化で敵をぶん殴りつつ危ない奴を助けながら雄英の試験を受けている途中だった…

 

 

 

 

《ガシャーン!!!!》

 

 

 

という大きな瓦礫が崩れる音と同時に現れたのは、馬鹿でかい姿をした一体のゼロポイントのギミックだった…

 

 

 

 

 

『何だよ…この馬鹿でかいギミックは…』

 

 

 

俺は、それを見て唖然とし、自然とそんな言葉が漏れた…

 

 

 

 

 

 

「「「「逃げろー!」」」」

 

 

「あんなの無理だ!」

 

 

「どうやって倒せって言うんだよ!」

 

 

「ふざけんじゃねー!」

 

 

 

 

 

 

 

他の受験生が叫びながら必死に逃げる中、俺も圧倒的脅威を目の前に、本能が「コイツはヤバイッ!!」と叫び逃げようと方向回転をした時、視界に入いったのは、圧倒的脅威を目の前に恐怖で足がすくんで呆然としている人や最初のゼロポイントギミックの登場の時の瓦礫が落ちて来て埋まっている人…腰が抜け座り込んでいる逃げ遅れた人達だった。

 

 

 

 

それが視界に入った瞬間、脳裏に浮かんだのは、まだ雄英合格が夢のまた夢だった頃、街中で巨大ビィランに狙われる同級生の女子達に遭遇した時、恐怖で足がすくんで助けにに行くことが出来なかった時の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

『あの時、決めただろ!!俺はもう逃げねーって!それに、ここで逃げ遅れた奴等を置いて逃げたら漢じゃねーし、ヒーローになんてなれっこねー!』

 

 

 

 

 

 

 

パシッ!と自分の頰を両手で叩き気合いを入れ直し、俺は逃げ遅れた人達がいる方向へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは近くいる人達からだと思い、一番近くにいた長袖ショウパンのピンク色に赤色のラインが入ったジャージに黒いタイツを履いて、綺麗な銀色の髪を一つくくりにしたギミックを見たまま動かない少女に声を掛けた。

 

 

 

『おい!おい!お前大丈夫か?』

 

 

 

「?…私?」

 

 

 

その少女が俺を見上げた瞬間、俺は息を呑んだ。それは、綺麗な銀髪に透き通るような緑色の目に真っ白な肌…どこから誰がどう見ても美少女だったからだ。

 

 

 

 

って、そんな事を考えている場合じゃねー!

 

 

 

『お前しかいないだろ!てか、お前早よ逃げろ!危ないだろ!』

 

 

 

その少女は、不思議そうに首を傾け俺にこう言った。

 

 

 

「あなたはどうするの?」

 

 

『 決まってるだろ!逃げ遅れている人を助ける!』

 

 

 

そう言うと、何故か目の前の少女は突然笑い出した。

 

 

 

 

「あはは!あなた面白いね。同じ考えの人がいるとは思ってなくて笑っちゃった!あなた個性は?」

 

 

予想外の返答が返ってきたが素直に答えた。

 

 

 

『硬化だけど…それがどうしたんだ?』

 

 

 

「じゃあ、私がギミックを凍らせて動きを止めるから、その間に逃げ遅れた人達の救助お願い出来る?」

 

 

 

その言葉に、一瞬思考が停止したが、目の前の少女がプレゼントマイクの反則的なスタートの開始の合図に唯一反応し氷の結晶を作り出しそれに乗り凄い速度で飛んで行き次々とギミックを倒していった奴だったのを思い出した。

 

 

 

コイツなら大丈夫かと、何の根拠もなくそう思った。

 

 

 

 

俺は、ニッと笑い、その美少女の目を真っ直ぐに見て、自分の拳と拳を突き合わせた。

 

 

 

『おう、任せとけ!』

 

 

 

 

「じゃあ行こう!」

 

『おう!』

 

 

 

 

俺達は、顔を見合わせたあと、それぞれの目的のために走り出した。

 

 

俺は救助のため、あの美少女は、ギミックの動きを止めるために…

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は走りながら、あの美少女がギミックを「凍らせて動きを止める」と言っていた事を思い出し、なら瓦礫に埋まって動けない人が最優先だなと思い、見渡したところ、俺から見える範囲には瓦礫に埋まってる人達は3人…

 

 

 

そして、最後の1人を助け終わったそのときだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前が一瞬にして白銀の世界変わったのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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設定 夢主の本当の個性について

夢主の本当の個性について

 

【 個性『リンカーコア』】

 

魔法少女リリカルなのはのキャラクターの技が使える。

 

だけど、技を使うにはキャラクターの衣装や髪の色や目の色になる必要がある。

 

複数のキャラクターを合わせることも出来るが、夢主は氷魔法だけを幼い頃から猛特訓してたので、今は最高でも2個までしか出来ない。

 

夢主の氷魔法は、リリカルなのはでいえばSSSランク以上ある。

 

魔力はアルカンシェルを打てるほどの魔力を持っている。(八神はやての何十倍はある)

 

アルカンシェル

撃ち出される弾体自体に攻撃力はほとんどなく、着弾後一定時間の経過によって発生する空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅する。その効果範囲は発動地点を中心に百数十キロに及ぶ。

 

 

小さい頃から魔力が多すぎて体に収まりきらず、常に爆発しそうになり魔力制御と氷魔法を必死に練習したから、魔力制御と氷魔法がめちゃくちゃうまい。

(制御出来てなかったら、体が破裂して死んでいる)

 

リリカルなのはの主人公、高町なのはの場合、アクセルシューター(Accel Shooter)は最大32発だが、夢主の場合3キロ以内だったら5個、2キロだったら10個、1キロだったら20個、500メートルだったら100個、100メートルだったら1000個まで精密に操れる。

頭の計算処理が以上に早い。

(マジでチートだ)だが、暗記が苦手なので、実は日本史、世界史らへんが壊滅的…だったりする。

 

アクセルシューター(Accel Shooter)

誘導制御系射撃魔法で、カートリッジシステムにより強化されたディバインシューター。

 

リリカルなのはのキャラクターの中で、一番相性が良いのは、「高町なのは」「フェイト・T・ハラオウン」「八神はやて」の3人。それ以外の人物は、物語に登場する順番で、相性が悪くなるが大きくなる。

 

相性が悪くて、そのキャラクターの技が使えない場合もある。(魔力でごり押しすればいける。)ビビットやフォースの登場人物

 

ストライカーズまでは、失敗する事は無い。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【コスチューム】

 

雄英に入学する前は、普段から自分が気絶したとしても解けない

(相沢先生の個性でも、消せない⚠常に︎魔力を半分ほど消費する…異形型と同じ扱いになる)常時変身魔法を作り使用しているが、その魔力消費をなくす為、常時変身魔法を使わないでいいように、常時変身魔法を使用していない状態と同じ衣装(クロノ・ハラオウンのズボンをスカートにしたバージョン)を作って貰い、常時変身魔法を解いてもバレないようにした。なお、髪と目も変わる為、と髪の色が変わらないリボンとカラコンを作って貰った。

 

クロノ・ハラオウンのズボンをスカートにしたバージョンや髪の色が変わらないリボンとカラコンを作って貰ったのは、それらが変わったら、個性が根本的に違うとバレるのが嫌な為。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【コスチュームを着た時】

 

8分の3→常時魔法陣透明魔法(魔法陣を常に見えなくする魔法)

 

8分の5→普通に使える魔力

 

 

 

 

【コスチュームを着てない時(体育祭や体力テスト、高校に入る前、自主練習の時)】

 

8分の3→常時変身魔法

 

8分の3→常時魔法陣透明魔法(魔法陣を常に見えなくする魔法)

 

8分の2→普通に使える魔力

 



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第4話 入試の続きとお見舞い





 

 

私は、一瞬で白銀の世界へと変貌した試験会場を見渡し目に傷が有る黒髪君を探した。

 

 

『あっ!いた。』

 

 

私は、氷を作り出しそれに乗って黒髪君のところまで飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おーい!黒髪君~』

 

 

黒髪君は私の方を向いて、目をまん丸にし口をパクパク開いては閉じて開いては閉じてを繰り返していた。

 

 

『? どうしたの?』

 

 

目をクワッと見開いて大声でこう言った。

 

 

「どうしたの?っじゃねーよ!!何だよこれ!ギミックを凍らせて動きを止めるどころか、試験会場全部生物以外全部凍りついてんじゃねーか!!お陰でめちゃくちゃ助かったけど!!」

 

 

黒髪君に救助して貰ったのか近くにいた人達や逃げ遅れた人達も一斉にコクコク頷いていた。

 

 

私は、真っ白に染まった試験会場を一度見渡してキョトンとし

 

 

『 ....

 

 

 

 

 

 

 

もしかして…やり過ぎちゃった?』

 

 

 

 

《もしかしてしなくてもそうだよ!!!》

 

 

その場にいた全員がそう思った。

 

 

 

 

さすがにやり過ぎたかなと思い…ショボ~ンとしながら誤った。

 

 

『ごめんね?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ん”ん”!!!なんだこの可愛い生き物は!!》

 

 

 

 

その瞬間、その場にいた人達全員が何故か口に手を添えて私から目をそらし、膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

その後、リカバリーガールが来て、グミを配りながら怪我人を次々と治していった。

 

氷結を解除し、黒髪君達とわかれ筆記試験を受けて帰った。

 

 

私は気づいてなかったが、実技試験の試験終了の合図は、私が試験会場を凍らし終わったと同時になったらしい。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

試験の次の日私はわ母のお見舞いに来ていた。

 

 

 

 

コンコン

 

『お母さん、入るよ。』

 

母はいつものようにベッドの上に座っていた。

 

「いらっしゃい、莉愛」

 

『うん』

 

「昨日雄英高校の入試試験だったでしょ?どうだった?」

 

『実技試験は大丈夫だったけど…筆記試験がギリギリだった…』

 

「ウフフ、莉愛は計算は得意だけど、暗記物が少し苦手だもんね」

 

母は、目を細めてクスクス笑いながら言った。

 

 

 

「…でも、走り回れるくらい元気にになって良かった。

 

個性が発現して1週間後くらいから急に高熱が出てまともに歩けなくなるから、よくなるまでの間3歳ぐらいから10歳までの間までずっと入院や退院を繰り返してたもんね…

 

しかも、医者に見せても原因が分からないから、本当にあの時は焦ったわ~

 

あの人も、医者に

 

「何故分からん!それでも医者か!!!!」

 

て胸ぐら掴見ながら怒鳴ってたのをよく覚えてるわ~」

 

 

『うう~』

 

 

そうなのだ。私は誰にも言ってないが本当の個性(リンガーコア)の影響…つまり魔力が大き過ぎて、小さい頃の体では収まりきらず、常に爆発しそうになり、ずっと40度越えの熱が出てる状態になっていたのだ。

 

『あっ そうだ!これ!いつものやつ』

 

私は話を切り替えるように、家族の写真(もちろん父抜きだが…)をアルバムにしたやつを渡した。

 

「も~うまく話をそらして…でも、いつもありがとう。」

 

『エヘヘ』

 

私は、一ヶ月に一回くらいの頻度で家族の写真をアルバムにして母に渡すのだ。

 

 

 

 

母はアルバムをじっくりと一枚一枚見ながらこう言った。

 

 

 

「 ......

 

 

本当にみんな大きくなったね…

 

 

 

…………ごめんね…私が弱いせいで…

 

 

特に莉愛や焦凍には怪我までさせて…

 

 

本当に私は、母親失格ね」

 

母はそのアルバムを見ながら懐かしむような嬉しそう辛そうな複雑な表情で悲しそうに言った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

パシーーン

 

「来ないで!お願い お願い

 

あなたの目が…焦凍の左半分が…

 

あの人に見えて…怖いの!!!

 

 

お願い!お願いだから…

 

 

これ以上ーーーー

 

 

私にあなた達を傷つけさせないで!!!!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

一瞬脳裏に昔の事が浮かんだが、振り払うようにして、母に思っている事を精一杯伝えた。

 

 

『お母さん…いつも言ってるじゃない!私や焦にぃや美冬お姉さん、他のお兄ちゃん達も

お母さんのことそんな風に思ってないよ!

 

怪我も、私は跡が残るようなものじゃなかったし…

 

焦にぃは、変に自己完結しちゃって絶賛反抗期だけど……(父に対してだけ)

 

お母さんのことは、みんな大好きだし…

 

家事も…自分が好きだからしてるだけで…

 

だから、大丈夫!心配しないで、安心していつでも帰って来ていいからね!』

 

 

そう言うと母は、目に涙を溜めながら微笑んで頷いた。

 

 

 

 

 

それから母とは、たわいのない話をしていたら、面会時間が終了したので帰りの準備をし、病室を出ようとしていたところで

 

 

 

 

…爆弾発言が唐突に落とされた………

 

 

 

「あっそうだ!言い忘れてたわ!!

 

雄英に受かったら高校では会えるといいわね…

 

 

赤いピンをくれた、赤目の莉愛のヒーローに!」

 

 

母は、珍しくお茶目な顔でウインクをして言った…

 

 

 

『...!!a )!h j t dwp .g dW !!!!////』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが家に帰って寝るまでの記憶は一切ない…

 

 

 

 

 






ううー…轟母のキャラがイマイチわかりません!

違和感を感じたらごめんなさい 

あと、エンデヴァーの親バカが少しでも伝われば嬉しい。

ここでのエンデヴァーは、少し親バカになっております(^.^)


後三回ぐらいしたら、やっと高校生になれるかも…


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第5話 合格結果!♪

バタバタバタ、と急ぎ足の足音が聞こえ、リビングの扉が勢いよく開かれた。

そしたら少し息を切らした冬美お姉ちゃんが現れた。

 

「り、り、莉愛!莉愛!」

 

『どうしたの冬美お姉ちゃん、そんなに息を切らして?』

 

私は不思議に思いお姉ちゃんに問いかけた。

 

コタツで焦にぃと蜜柑を食べていた私に一つの封筒を突き出した。

 

「き、来てた!来てたよ!雄英から!」

 

「『!!!』」

 

その声に私と焦にぃが一斉に反応し、私は慌てて封筒を手に取り、裏表を見て確かめる。間違いなく雄英からであった。

 

 

私は、一度大きく深呼吸し封筒を開けた、

 

『じゃあ、開けるね!』

 

「え!り、莉愛!まずは一人で結果を見た方が良いんじゃ?」

 

冬美お姉ちゃんはそう案じるが、私はそれほど気にしていなかった。正直、1人で見るの方が不安なので、今一緒に見てくれてた方が安心するのだ。

 

『ここで開けても、一人で開けても結果は一緒だもん!はい、開けたよー』

 

慌てるお姉ちゃんと、隣でウズウズしている焦にぃを気にせず、私は封筒を開けた。

 

中には掌サイズの機械が入っていた。掌サイズの機械をコタツの真ん中に置くとブゥンという音と共に空中に映像が浮かび上がった。

 

《 私が投影された!!!!》

 

そこに現れたのは、筋骨隆々な逞しい身体、力強く跳ね上がった二つの前髪、威風堂々とした佇まい、アメコミヒーローのような画風。もちろん誰もが知っているNo.1ヒーロー…

 

「「『オ、オールマイト!!?』」」

 

「ま、待て待て、2人とも!とりあえず落ち着いて静かに聞こう!!」

 

予想外の出来事に目をまんまるにして、ポカーンΣ(゚д゚lll)としている私と焦にぃを慌てて美冬お姉ちゃんが落ち着かせる。聞き逃しが無いように静まり、耳を澄ます。

 

『初めまして轟莉愛少女!私はオールマイトだ!何故、私が投影されたのかって?ハハハ!それは私がこの春から雄英に教師として勤めるからさ!さあ早速、君の合否を発表しよう!』

 

画面が暗くなり、オールマイトの立つステージのみがライトアップされる。ダララララ、とドラムロールが鳴り響く。流石はオールマイト、エンターテイナーとしても一流のようだ。皆、固唾を飲んでオールマイトを見つめている。そして、ダン!と最後のドラムが鳴った。

 

《おめでとう、合格だ!

 

筆記試験はギリギリだが、実技は156ポイント!

 

今年の合格者の中でも、いや雄英高校始まってのトップの成績だ!

 

それにしても、数学は満点!どうしたらこんな点取れるんただ?》

 

わぁ!と大きな歓声が上がった。

焦にぃは、目を細めて微笑んで「頑張ったな」と言いながら頭を撫でて、冬美お姉ちゃんに至っては、目から大粒の涙を流しながら「うわぁ〜ん!良かったね〜」と後ろから抱きついてきた。

 

画面内のオールマイトもそれを予想していたのか、笑顔で拍手を続けている。

 

だがしばらくした後、画面のオールマイトがコホンと軽く咳払いをした。

それに気付いて、また皆んながオールマイトに注目した。

 

《それから、先の実技入試!受験生に与えられるポイントは、説明にあった仮想敵ポイントだけにあらず!実は審査制の救助活動ポイントも存在していた!

 

ヴィランポイント 156点、

レスキューポイント 50点、

 

合計206点!文句なしの合格だよ。轟少女!

実技入試は、圧倒的一位!

だが、筆記試験と総合的に見ると2位だ!

惜しかったな!

 

だが、改めておめでとう!轟少女!ここが、君のヒーローアカデミアだ!雄英で待っているぞ!』

 

メッセージはソコまでで映像は切れた。

 

「莉愛、おめでとう。筆記テストは、少し残念だったけど、実技テストは雄英高校始まって以来の高得点だって!!」

 

美冬お姉ちゃんが私ををギュッと抱きしめた。隣の焦にぃもその姿を優しげな目で見守る。

 

『ありがとう、美冬お姉ちゃん……

 

お姉ちゃんが、必死に勉強教えてくれたおかげだよ!』

 

「ふふふ、本当によかったよ……よし!今日はお祝いだ!。ああ、莉愛はゆっくりしてて!それから、お父さんに電話しておくのよ!今日ずっと心配でウズウズしてたから!」

 

『うん!』

 

隣で焦にぃは、「別にクソ親父に連絡しなくてもいいだろう」とムスッとしていたが、「はい、はい」と冬美お姉ちゃんが言いながら、買い物の荷物持ちに無理矢理連れていかれた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

時は少々さかのぼる。入学試験後の事である。雄英高校ヒーロー科の会議室では、雄英の校長や教師陣が出席する重要会議が行われていた。

 

「実技総合成績が出ました。」

 

 前方の大画面に受験生の名前と成績が上位からズラリと並ぶ。それを見た教師陣から感嘆の声が複数上がった。目立つのは轟莉愛、爆豪勝己、切島鋭次郎そして緑谷出久である。

 

「救助ポイント0点で2位とはなあ!」

 

「後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」

 

「対照的に敵ポイント0点で8位」

 

「アレに立ち向かったのは過去にも居たけど…ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「思わず、YEAH!って言っちゃったからなー」

 

ワイワイと騒ぎながら講評を行う教師陣。そして話題は次の注目者に移った。

 

「あと、ゼロポイントの仮想敵が出てきた時に皆んなが逃げる中、瓦礫が崩れて動けない受験生達を助けた切島鋭児郎。」

 

「そして……圧倒的1位を叩き出した、轟莉愛。敵ポイント156点、救助ポイント50点、合計206点と雄英高校始まっての高成績だな」

 

「試験前半は、あの反則な試合開始の合図にも唯一1人だけ反応し、受験生待ちをしていた仮想敵を氷の結晶に乗りながら周りにも作った氷の結晶で仮想敵を貫いて破壊している。

それに、ピンチな者や救護者を発見する度に氷の結晶で助けて、安全な場所まで運んでる。」

 

莉愛の試験の様子がいくつかの画面に映し出される。教師陣は時に頷きながら、時に感心しながらその姿を見る。

 

「それに助けて運んだ人数は100人を超えてる。」

 

「それにしたって、あの氷の結晶の制御力は素晴らしい!最大で50は軽く超えてるぞ!」

 

 

「注目すべきは50ポイントという高得点を前半で稼ぎ後半、0ポイント仮想敵が出てきた際、軽々と試験会場にいる受験生以外を全て凍らせています。その際に残り仮想敵ポイントを取ってますね。では、こちらのVTRをご覧下さい」

 

ピッと音が鳴ると、画面にビルの屋上で片手を掲げる莉愛が映し出された。莉愛が何かを言うと、莉愛の周りに4つの立体が現れた次の瞬間その立体が試験会場に飛んでいき、一瞬で試験会場ごと0ポイント仮想敵と残り仮想敵を凍らせていた。しかも、生物以外をだ…あまりの広範囲の氷結とその並はずれた制御力に、観ている教師達は背筋に冷や汗が流れた。もちろんオールマイトも例外ではない。それは、映画をみていると錯覚してしまうほど幻想的な光景だっだ。教師の中の一人であるプレゼント・マイクは思わず歓声を上げた。

 

「YEAH!!何度見てもスゲェ氷結だな!どんな制御力してんだ、こいつ?

 

にしてもなんで、この氷結を最初からやらなかったんだぁ?」

 

その問いかけに他の教師達はざわめき出した。

 

「確かに…最初からしていれば、もっと圧倒的な点が取れてたはずだ。」

 

「できない理由があったのではないか?」

 

「いや、他の受験生に遠慮したのではないか?」

 

 

などと沢山の意見が出たが、それは本人のみが知ることだろう。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方その頃エンデヴァー事務所では…

 

 

 

「ああ〜まだか!」

 

エンデヴァーが自分の携帯を持ちながら、ウロウロしていた。

 

プルッ!ピッ

 

携帯が鳴って、通話ボタンを押すまでの時間は、1秒を切っていた。

さすが事件解決数史上最多の異名を持つ燃焼系ヒーローのエンデヴァーである。

 

「…莉愛か、なんのようだ?」

 

内心めちゃくちゃ心配で荒ぶれているが、口から出たのは、相変わらず愛想のない音葉だった。

 

「あっ!お父さん、今大丈夫?」

 

「忙しいに決まってるだろう!」

 

しかし、さすがといってもよいのか(?)不器用なエンデヴァー口から出たのは全く逆な言葉であった。今日は、朝からずっと携帯を持ってソワソワしており仕事が手についておらず、それを見かねたサイドキックが、娘から電話が来るまで休憩が入れたのだ。つまり、今はめちゃくちゃ暇である。

 

「そっか〜、合格結果来たんだけど…忙しいなら、帰ってきたからの方がいいかな?」

 

「!!!フン!そうゆうことなら早く言え!」

 

「うん!受かったよー!実技テストは、1位だけど、筆記テストはギリギリだったから、総合では2位だって!」

 

「っ!!!そうか!」

 

「うん!じゃあ。お父さんも仕事頑張ってね!」

 

 

 

エンデヴァーのその後のヒーロー活動では、娘の実技試験の1位合格に加えて応援コールのおかげで、エンデヴァーの機嫌とやる気が最高潮に達した為、町で暴れていたヴィランたちが、すごい勢い一掃されたそうだ。

 

娘パワー恐るべしである。

 

サイドキック曰く、思わずヴィランに同情してしまうほど、だったらしい…

 

余談だが、エンデヴァーの携帯のホーム画面は、莉愛と焦凍のツウショット写真である。

(莉愛と焦凍が2人仲良く寝ているところをエンデヴァーがこっそり隠し撮りした写真だそうだ!)

 

 



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雄英高校に入学!
第6話 再会! ♪


やっと爆豪と夢主を絡ませることが出来た!

ランランルー!!


ーおまえ、こんなところでないてどうしたんだ?

 

 

 

ーみんなとちがうの!

 

 

りあだけ…りあだけなの…

 

もう、きついのも…しんどいのも…なりより…きょぜつされるのはもうイヤだ!

 

 

 

 

ー…なんかよくわかんねぇーけど…

 

おれさまがおまえんぜったいまもってやる!

それに、おれさまはなにがあってもおまえをきょぜつしたりしねぇ!

 

 

 

 

ーほんとうに?

 

 

 

 

ーふん!あたりまえだ!なんせ、おれさまはオールマイトみたいなナンバーワンのヒーローになるんだからな!

 

 

 

 

ーなら、りあは…

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

『ふわぁ………おっきい…』

 

莉愛はA組の教室のドアを見上げながら思わずそう呟いてしまった。

 

そんな私に、焦にぃは動じることもなくバリアフリーだろ、と言った。

 

その言葉になるほどと…納得しつつ、今日からここで焦にぃと一緒にヒーローを学ぶんだっ!と気合いを入れ直しドアに手をかけた。

 

ガラリとドアを開けると

ばっと一斉に10人以上がこちらを振り向いた。

 

あたり前だ、なんせ莉愛と焦凍は絶世の美男美少女だったのだから。

 

焦凍は気にした様子もなく、莉愛はどうしたのかな?と思ってい自分の席に向かっていると、おはようございます。と声をかけられた。

 

目を向ければ黒髪を高い位置で結んだ頭の良さそうな女の子が自分を見つめていた。

女の子だ!と嬉しくなりふにゃりと笑顔でおはよう!と言えば、はいっ!とハキハキとした声で返してくれた。

 

「突然すみません。私、八百万百と申します!仲良くしていただけると嬉しいですわ!」

 

「私、轟莉愛!隣は双子の兄の轟焦凍だよ!

 

えへへっ私も仲良くしたいな!

百ちゃんって呼んでもいーい?」

 

「もちろんですわ!わたくしも莉愛さんとお呼びしても?」

 

「うん!嬉しい」

 

きゃっきゃっと女の子同士で盛り上がっていれば隣の焦にぃが他の女子から見れば、即ぶっ倒れるようなトロけるような表情で莉愛を微笑ましそうにみていたが、当の本人はまったく気づいてなかった。

 

するとまたガラリと誰かが入ってくる音がした。

 

思わず目を向けるとバチりと視線が合わさり、そしてほんの数秒固まってしまった。

 

それは向こうも同じのようで、彼の方も固まってしまっている。

 

まるで時が止まったかのように呼吸すらも忘れてしまう。

 

 

 

 

 

 

『勝己、くん…………?』

 

 

 

 

「莉愛………か?」

 

 

 

 

開け放たれたドアの側には、小さい頃に一度だけあった莉愛のヒーロー…爆豪勝己の姿があった。

 

 

小さい頃に会って以来、勝己君とはあってはいなかった。

 

あの時は、母の拒絶や自分の個性のことで、精神的にも身体的にも疲労が溜まり、個性が少し暴走し勝手に転送してしまったのだ。

 

帰ったあと何度も会いに行こうとしたのだが、場所が分からず会いに行けなかったのだ。

 

たった一度しか会ったことないとはいえ、莉愛の中では自分のヒーローであり、初恋の彼の姿を見間違えるはずがなく、また爆豪もまた初恋の莉愛を見間違えるはずがなかった。

 

爆豪の記憶の中…初めは悲痛な顔で泣いていた莉愛だが最後に見せてくれたふにゃりと花の咲いたような笑顔の少女はさらに美しく綺麗に成長していた。

 

 

両者驚きで動けずにいたが先に動いたのは彼女の方だった。

 

ガタリと椅子から立ち上がり、扉の前にいる彼の胸に飛び込んだ。

 

爆豪は慌てて莉愛を抱きとめるが、鍛え上げられた体は数歩後に下がっただけだった。

 

『勝己くん!本物の勝己くんだ!!!』

 

「お前なぁ…危ねぇだろ!!転けたらどうすんだよ!!」

 

『勝己くんだから、大丈夫かなって』

 

「…おう。」

 

『ほんとに久しぶり…会いたかった…

 

それに、私の事覚えててくれたんだ…』

 

「あたり前だろ、莉愛…」

 

 

小さい頃、たった一度だけ会った少年少女がまたこうして出会えたのは、いやどちらもお互いの事を覚えていたのは奇跡に近かったのだ。

 

莉愛は勝己君のことを1日も忘れたことはなかった。それは向こうも同じで、爆豪もまたずっと莉愛をずっと想っていたのである。

 

そんな再会を果たした2人は表情から嬉しさが隠せていない。

 

特に爆豪は付属品であるはずの眉間のシワが消え失せ、これ以上ないほどに穏やかな顔で莉愛と会話をしている。

 

緑谷がこれを見たら失神するのではないかというレベルだ。

 

 

するとガラリと音が鳴り、周りの視線と後ろにいる顔を真っ青ににし、口を大きく開け白目で放心して今にも倒れそうな緑谷に気付いたらしい爆豪は莉愛から視線を逸らし、

 

「何見てんだぁ"あ"?見せもんじゃねぇぞ!モブ共がッッ!!!クソが!!!!

 

デクも俺の後ろに立ってんじゃねぇ!!

 

んで、俺の莉愛をジロジロ見んな!!! 」

 

 

「「「「「(別人かよ!!!!!

 

しかも、地味に自分のもの発言!!!!)」」」」」

 

 

「(かっちゃんが…かっちゃんが…

 

え?え?…夢…

 

うん…そうだ…そうに違いない!!!

 

そうだこれは、夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢…)」

 

 

目を釣り上げドスの効いた声で周囲に一括する彼は、目の前のと莉愛の対応の差は別人と見間違えるほどだった。

 

そしてさっき莉愛に見せたあの優しさは彼女だけだと、その場にいる全員がそう認識させられた。

 

勝己くん?と莉愛が名前を呼べば彼は莉愛の頭を一撫でし、また後で連絡先を聞くと言うので喜んで返事をすれば満足そうに自分の席へと座りに行った。

 

思わぬ再会を果たし上機嫌で席へと戻れば何故か焦にぃが眉間にシワを寄せこちらを見つめていた。

 

僅かだが、冷気が漏れ出し周りの気温が下がり、周囲の机は僅かだが凍っていた。

 

ちなみに百ちゃんは、入り口らへんに避難していた。

 

首を傾げてどうしたの?と問いかければめちゃくちゃ低い声で、あいつは誰だと聞かれる。

 

 

『あいつ?爆豪勝己くんのこと?』

 

「爆豪って言うのか…莉愛とどんな関係なんだ?」

 

『勝己君はね…私のヒーローなんだ!!!』

 

 

莉愛は後ろに魔王がいるようなオーラを放っている兄に対し、目を輝かせながらそういうとふにゃりとしながら笑いながらそう言うと、焦にぃはこの世の終わりのような顔をした。

 

どうしたんだろうと、不思議に思いながらも頭を抱える焦にぃの頭をよしよしと撫でる。

 

すると焦にぃはピクリと固まったあと大人しく撫でられる。

 

「どうしたの?」

 

『いや、もう何でもねぇ。』

 

「?そう?」

 

 

 

するとまたガラリと扉が開く音がした。

 

「友達ごっこしたいなら他所へ行け

 

ここは‥‥ヒーロー科だぞ」

 

 

声のしたほうに視線が集まる、そこには寝袋とともにお世辞にも綺麗とは言い難い男性が横たわっていた。

 

「はい。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね、あ、担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

「「「「「『(担任!!?)』」」」」」

 

横たわっている人が担任ということに驚いていると、自称先生は、寝袋の中から体操服を取りだした。

 

「じゃあ、早速だがこれきてグラウンドにでろ」

 

 

 

 



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第7話 個性把握テスト

 

「「「「『個性把握テストォ!??』」」」

 

突然の相澤先生の爆弾発言に体操服に着替えグラウンドに集まったA組の生徒たちはざわめく。

 

「ええ!?入学式は!?ガイダンスは!?」

 

 

A組の生徒の1人、茶色の髪の女の子が皆の心の内を代弁するようにて疑問を投げ掛けるが相澤先生はそっぽを向いて淡々と答えた。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

「…!??」

 

 

 

「雄英は自由な校風が売り文句。

そしてそれは先生側もまた然り。

 

ソフトボール投げ

立ち幅跳び

50m走

持久走

握力

反復横とび

上体起こし

長座体前屈

 

中学の頃からやってるだろ?『個性』禁止の体力テスト。

国は未だ画一的な記録を取って、平均を作り続けてる。合理的じゃない」

 

 

 

まあ、文部科学省の怠慢だよ、と相澤先生は続ける。

 

 

 

「ヒーロー科入試一位は爆豪だったな…」

 

その言葉に勝己君が「あぁ」と反応した後、相澤先生は言葉を続けた。

 

「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

 

「67m」

 

えっ!っと私は目を見開いた。

 

67m!私の3倍はある!!!

 

私なんて20メートル行ったらいい方なのに…

 

凄いなぁ〜勝己君。

 

入試も一位だし…

 

「じゃあ『個性』使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっ切りな」

 

 

勝己君は腕のストレッチをした後、大きく振りかぶった。

 

「んじゃまあ―…………………死ねぇ!!!!」

 

投げた瞬間、大きな爆発音がした。辺りを爆煙が舞い、ボールは見えなくなるほどの勢いで吹き飛んでいった。

 

……死ね?勝己君の台詞に驚きつつ、相澤先生のほうへ視線を戻すと、彼のたたき出した705.2mという数値にみんなは目を見開かせた。

 

「まず自分の“最大限”を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

「なんだこれ、すげー面白そう!」

 

「705mってマジかよ」

 

「個性思いっ切り使えるんだ!!!さすがヒーロー科!」

 

生徒たちからは歓声と共に楽しげな声が聞こえる。皆、個性を使用しても良い体力テストなど経験が無かったからだ。

 

 

すると面白そう!と言う言葉に相澤先生はピクリと反応をした後、ニヤリと口角を上げた。

 

 

「面白そうか…。ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?

 

 

…よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

 

 

「「「「『はあああ!?』」」」」」

 

その言葉にクラスの皆が悲鳴をあげる。

 

 

「生徒の如何は俺達の自由!ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

その言葉にまた茶色の髪の女の子が「最下位除籍って!!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」と反論した。

 

私も上位に入り込む自信はあるが、茶色の髪の女の子の意見に賛成だ。

 

すると相澤先生は

 

「自然災害、大事故…身勝手な敵たち…。

 

いつどこから来るか分からない厄災。

日本は理不尽にまみれている。

 

そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。」

 

 

その言葉に私は、はっ!とし気を引き締めた。確かにこのくらいの事すら乗り越えられないなら、ヒーローになんてなっこない!!

 

「放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。

 

 

 

Plus Ultraさ。全力で乗り越えて来い!」

 

 

ニヤリと笑いながら相澤先生は凄みながらこう言った。

 

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」

 

 

 

【第一種目 50m走】

 

出席番号は私は15番で、焦にぃは16番な為一緒に走るみたいだ。今まで走った中で一番速かったのはロボットみたいな動きをしていたメガネ君の3.04秒である。

 

どうやって走ろうかと考えていると、自分の番が来たので、レーンに並ぶと『ヨーイ』と聞こえ構える。

 

スタートの合図と同時に焦にぃと私は走り出した。

 

隣のレーンにいる焦にぃはスタートと同時に足下から氷を出現させ、その氷を重ねて滑るように素早く移動した。

 

私は、一つの三角錐の形の氷結を頭の右斜めうえに作り、それを右手で掴み、それにぶら下がるようにして全力でゴールまで一緒にゴールまで飛んだ。

 

 

結果、50m走  0.46秒

 

やった!メガネ君を超えた思っていると、後からゴールした焦にぃに「凄いな」と褒められたので『短い距離なら音速並みだから!!』と目を輝かせながら胸を張って言うと、ポンっと頭を撫でられた。

 

 

 

「凄いですわ!莉愛さん!!」

 

「うわ!なにあれ! めっちゃ早い!!!全然見えへんかった!!」

 

「ぐっ……走りで負けるとは――これが最高峰か!」

 

 

 

【第二種目 握力】

 

 

握力は個性を使える種目では、ないため、普通にやった。

 

結果、握力  右23㎏ 左20㎏

 

 

『いや、こればっかりはやっぱり無理だよ…』

 

私の個性じゃこの競ぬ技はどうすることもできない。私は力一杯したが結果は、個性なしの女子の平均どころかそれより下という数値が出た。

 

 

…う〜…女子の平均は26.6なのに…

 

落ち込んでると、焦にぃに「次で挽回すれば良い」と言われながら頭を撫でられた。

 

『うん』とうなづきながら、やっぱり焦にぃに頭を撫でられるの好きだなぁと考えていると、近くから爆弾発言が落とされた。

 

「540㎏!!ってあんたゴリラ!!

 

って、あぁタコか!!」

 

近くでは腕の六本生えた背の高い男の子が、やばそうな記録を出していた。

 

 

『(えっ…嘘でしょ…

 

 

ーーーーーーーーーーーー握力鍛えよ…)』

 

 

焦にぃ曰く、その時の私の顔はべナチス顔だったらしい…

 

 

 

【第三種目 立ち幅跳び】

 

これなら、個性を最大限生かせる!握力の分を取り戻さなきゃ!と意気込み、直径1mくらいの三角錐の氷結を作り、それに横乗りして飛んだ。

 

そのままグラウンドを一周し、飛行を続けながら砂場へと戻ると相澤先生から声が掛かった。

 

「おい、轟妹。その状態は何分くらい維持することが出来る?」

 

『えっ〜と、何時間でも何日でも大丈夫です!』

 

その言葉を聞いた相澤が手元の液晶に手入力で記録を打ち込み、ソレを生徒たちに見せる。

 

結果、立ち幅跳び  無限

 

『(やった!!握力を挽回出来た!!)』

 

「無限!?スゲェ!無限が出たぞー!!」

 

皆が騒ぐ中、相澤先生から「降りても大丈夫だ。」と言われたので地面にゆっくり降り、上機嫌で第四種目に向かった。

 

 

 

 

【第四種目 反復横跳び】

 

ここでも握力と同じで個性をいけせないので普通にやった。

 

 結果、反復横跳び  62回

 

ここでは、身長が130㎝くらいのぶどう君が好成績を出していた。

 

 

 

【第五種目 ソフトボール投げ】

 

ここでのトップは、ポワポワした感じの茶色の髪の女の子の無限だ。次は私の番である。

 

『えっーと、宇宙の彼方まで飛んでけ!』

 

私はボールを氷結で覆うようにして全力で飛ばした。精密なコントロールをしている場合は、自分から半径3㎞が限界だが、精密なコントロールなしで、どこまで飛ばせるか試したことがなかったので、適当に宇宙の彼方まで飛ばして見た。

 

「…おい、轟妹。あれはどれくらい飛ばせる?」

 

しばらくすると、相澤先生から声が掛かった。

 

『えっ〜と…分からないです。』

 

 

あの氷結でボールを包んだ後、『宇宙の彼方まで飛んでけ!』と命令しているため、途中でコントロール、進路変更などは出来ないが、最初の命令を聞き続けるため何km飛び続けるか分からないのだ、あの氷結が消滅するか莉愛が意図的に消さないと、永遠に飛び続けると思う…

 

「…まぁいい。結果が出るまでの間、他の生徒に投げさせる。次、轟兄の方。」

 

と、どんどん進み緑の髪の気の弱そうな男の子が投げる番の時

 

『あ!』

 

「どうした?轟妹?」

 

私の声に相澤先生が反応した。

 

『私が飛ばしたボールなんですけど…太陽に当たってボールごと消滅しました。』

 

私は相澤先生に駆け寄りそう言うと、相澤先生はセンサーをみた。

 

「!!! 確かにボールの反応が消えてるな…

 

おい、轟妹、お前が個性で飛ばしたものはどこにあるかとかわかるのか?」

 

相澤先生は、真剣な表情で聞いてきたのできちんと答えた。

 

『えっ?はい。分かります。

 

5個まででしたら自分から半径3㎞、2㎞だったら10個、1㎞は20個、500mは100個、100mは1000個まででしたらと精密なコントロールも出来ます。

 

今みたいに精密なコントロール無しだと、最初の命令を聞き続けるので何km飛び続けるか分からないのですが、消滅するか私が意図的に消さないと、永遠に飛び続けると思います…

 

あっ!後…視覚共有も可能です。』

 

「?!!!そうか…戻っていいぞ。

 

(凄いな…兄の方とは違い中距離や遠距離向きだな…それに…隠密活動にも使える)」

 

『あっ!はい。』

 

 

 

 結果、ソフトボール投げ 無限

 

 

 

「次、緑谷だったな。投げて大丈夫だ」

 

 

先生の所から戻ると、複雑な表情をしている緑の髪の男の子、緑谷という少年がいた。

 

百ちゃんによると、今までの種目で個性を使っていないらしい…体力テストに向いていない個性なのかな、と考えていると

 

「緑谷君このままではまずいぞ…」

とメガネ君が心配したように吐いた。

 

「ったりめーだ!無個性のザコだぞ!」

 

『えっ!勝己君、緑谷君って無個性なの?

 

「あぁ」

 

だったらどうやって合格したんだろう…

 

「無個性!?これが入試時に何を成したのか知らんのか!?」

 

勝己君の言葉にメガネ君が驚いたように言った。

 

『「え?/は?」』

 

メガネ君の言葉に私と勝己君が目を見開いていると、緑谷君がボールを投げた。

 

 

「46m」

 

「な…今確かに使おうって…」

 

 

絶望した表情で緑谷君はそう言った。

使おうって事は、緑谷君は無個性じゃないのかなぁ…でも勝己君は嘘なんて付かないだろうし…と考えながら相澤先生を見ると、相澤先生は付けていた包帯と一緒髪がフアッと上がり目が赤く染まっていた。そして、凄みながら緑谷君にこう告げた。

 

「個性を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」

 

「消した…!あのゴーグル…そうか!」

 

緑谷君は、相澤先生の包帯の隙間から見えるゴーグルを見て思い出したかのように言った。

 

「視ただけで人の個性を抹消する個性!抹消ヒーロー・イレイザーヘッド!!」

 

イレイザーヘッド?っと聞いたことのないヒーロー名だったので首を傾げ、隣にいる百ちゃんに聞いてみると、プリプリしながら丁寧に教えてくれた。

 

「視界に入った人の個性を抹消す事が出来るアングラ系の抹消ヒーロー・イレイザーヘッドですわ!!「仕事に差し支える」という理由で本人がメディアの露出を嫌っているので、世間での認知度は低いですが…ヒーロー界では有名らしいですわ!!」

 

『ありがとう!百ちゃん!(プリプリしてる…百ちゃん可愛い)』

 

 

 

「個性は戻した…ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」

 

 

途中から百ちゃんと話していたので聞いていなかったけど、相澤先生から指導らしきものを受けていた緑谷君は解放され、2度目のボール投げに向かった。

 

暗い表情でブツブツと何かしら呟きながら円に入った。そして思いっきり腕を振りかぶり……

 

「SMASH!!!!!!」

 

と言うかけ声と共に騒音が鳴り響き爆風と共にボールをブッ飛ばした。

 

私は目を見開いて驚いた。それは、他の生徒達も同じみたいだ。

 

結果は705.3mの大記録。

 

「先生…! まだ…動けます」

 

緑谷君は指の痛みに涙を浮かべながらも変色して腫れ上がった人差し指も一緒に握り込み、力強く拳を作った。

 

 

その緑谷君の真っ直ぐな目に、姿に、ゾクッ!!と鳥肌が立ってしまうほど魅せられてしまった!

 

そしてそれは、相澤先生も同じらしく目を見開いて興奮したようにニッと笑い「コイツ……!」と吐いた。

 

しかし……

 

「どーいうことだ!ワケを言え!デクてめぇ!」

 

そこに一人凄く怒った勝己君がが右手を爆破させながら緑谷に襲いかかった。

 

『えっ!勝己君!?』

 

びっくりして反応が遅れてしまったが、止めようとした時、勝己君は一瞬で相澤先生に捕縛されてしまった。

 

「んぐっ!…んだこの布!固ぇ…!!」

 

『勝己君!!』

 

「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ捕縛武器だ。ったく、何度も個性使わすなよ・・・俺はドライアイなんだ。

 

「「「「「「『(個性凄いのに勿体ない!!

)』」」」」」」

 

「時間がもったいない。次準備しろ」

 

と言いながら包帯を元に戻した。

 

だけど、包帯が解かれて尚立ち尽くしている勝己君が心配で近づいた。

 

『勝己君、大丈夫?』

 

「…アイツッ!俺のこと…ずっと騙してやがった!!」

 

『っ!!』

 

その自尊心を傷付けられたような裏切られて傷ついたような勝己君の表情に何故か私の父…エンデヴァーの姿に重なってしまい、周りの目など考えず抱きしめてしまった。

 

「っな!!/////」

と驚いていたがが嫌ではないのか抵抗はしなかった。そして私は顔を上げ、顔がリンゴみたいに真っ赤な勝己君の両頬を自分の両手で包んで、勝己君の目を見つめながら何の根拠もないのに『大丈夫だよ!』と微笑みながら言うと、弾かれたように目を丸くし、顔を赤くしたまま目を逸らし「何がだよ…」と呆れながら言われた。

 

『う〜ん?なんとなく?』と言うと、勝己君は口角を上げ私が知っている真っ直ぐな強い目に戻り「次の種目に行くぞ!デクの事は、今はどうでもいい!!」と手を引かれて一緒に次の種目に向かった。

 

ちなみに、その光景を焦にぃが見ており鬼の形相で勝己君を殺さんばかりに睨んでおり、それに気づいた勝己君が焦にぃのことを鼻で笑っていることは、知る余地もなかった。

(他の生徒は、次の種目に向かったのでいない設定で…)

 

 

 

【第6種目 持久走(3km)】

 

ここでもまた立ち幅跳びと同じ様に三角錐型の1mくらいの氷結を作ってそれに乗り飛んだ。

 

全力は、測った事はないけど短距離だと音速(音速=340 m/s ( = 1225 km/h))くらいの速さで飛べるが(氷を出すまで大きさによって違うけどだいたい0.3秒くらいかかる為ロスタイムがある。)、長距離になると音速の速さでは、自分の身体がもたない為、長距離の時は600km/hくらいで飛ぶようにしている。

 

そう考えているとスタートの合図がなり、みんな一斉に走り出した。

 

私は、皆んなの邪魔にならないように少し上に100mくらい上昇してからゴールまで飛んだ。

 

 結果、持久走  30秒

 

 

 

【第7種目 長座体前屈】

 

 これも、握力や反復横跳びと同じで普通にやった。

 

 

 結果、長座体前屈 63㎝

 

 

【最終種目 上体起こし(30秒間)】

 

 

これも、握力や反復横跳び、長座体前屈と同じで普通にやった。

 

 結果、上体起こし  35回

 

 

これをもって全種目を終了――。

 

トータル最下位が除籍となる。A組の生徒20名全員が集められ、その前に相澤が立つ。緑谷君の顔は暗い。結局彼はソフトボール投げ以外で好記録を出す事が出来なかった。贔屓目抜きでみれば恐らく…彼が最下位だろう。

 

「んじゃ、パパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括表示する…」

 

相澤先生は、空中に1位から20位まで表示した。

 

そして上から見て行くと、4位の所に私の名前があった。

そしてやっぱり最下位は、緑谷君だった…

 

 

「ちなみに除籍はウソな。」

 

その言葉に生徒のほとんどがポカーンと口を開けながら固まっていた。その反応に満足したのか、イタズラが成功したみたいニッと笑いこう言った。

 

 

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

 

「「「「『はあぁーーー!!!』」」」」」

 

相澤先生の言葉に多くの生徒が叫び声を上げたが、百ちゃんなど一部の生徒はソレに気付いていたようだ。

 

「あんなのウソに決まっているじゃない…ちょっと考えればわかりますわ……」

 

えっ!百ちゃん凄い!!私全然分からなかった…

 

「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類あるから目ぇ通しとけ」

 

そう言って相澤先生は緑谷君に「緑谷、婆さんの所行って直してもらえ、」と言いながら保健室利用届けを渡すとその場から去って行った。皆と同じく莉愛も呆然としていた。

 

…あれ?

でも去年の1年生の体育祭、1年生だけヒーロー科一クラス分少なかったような…

まさか…一クラス分丸ごと除籍に…?

まっ!そんな事あるわけないか…

 

私は去年の体育祭を思い出し今の二年生だけ、一クラス分ヒーロー科少なかった事を思い出し、相澤先生が一クラス分丸ごと除籍にしたのかと思ったが、そんな事有るわけないと思考を振り払った。(そんな事あるのだ…)

 

 

 

 

 




【個性把握テスト 順位】
 
1位 八百万 百
2位 轟 焦凍
3位 爆豪 勝己
4位 轟莉愛
5位 飯田 天哉
6位 常闇 踏陰
7位 障子 目蔵
8位 尾白 猿夫
9位 切島 鋭児郎
10位 芦戸 三奈
11位 麗日 お茶子
12位 口田 甲司
13位 砂藤 力道
14位 蛙吹 梅雨
15位 瀬呂 範太
16位 上鳴 電気
17位 耳郎 響香
18位 葉隠 透
19位 峰田 実
20位 緑谷 出久



【轟莉愛の結果】
50m走→0.46秒(1位)
握力→右23㎏ 左20㎏(最下位)
立ち幅跳び→無限(1位)
反復横跳び→ 62回
ソフトボール投げ→無限(同着1位)
持久走→30秒(1位)
長座体前屈→63m
上体起こし→35回


【バイクの速さtop4】
4位 スズキGSX1300Rハヤブサ 時速333km
3位 MTT・タービン・スーパーバイク 時速
365km
2位 カワサキNinja H2R 時速400km
1位 ダッジ・トマホーク 時速679km

莉愛はバイク並みの速さで飛ぶことが出来ます。


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第8話 個性把握テストの後

あけましておめでとうとうどざいます!

いきなりですが、謝罪させて下さい!

更新が遅れてしまいすみませんでした!!

これからは、出来るだけ更新出来るようにします!

今年も良い一年になります様に!!


 

 

 

私達は、個性把握テストの全種目を終え、それぞれ更衣室に戻り着替えていた。

 

 

「百ちゃんの個性把握テスト一位なんて凄いね!個性も、あの物を創造するのみててワクワクしちゃった!」

 

「そんな事ないですわ!今回は私の個性と相性が良かっただけで…私ももっと頑張らなければ…

 

それより莉愛さんの個性の方がすごかったですわ!氷の個性なのですか?」

 

「あっそれ!私も聞きたーい!!」

 

百ちゃんと話していると角が生えてあるピンク色の髪の女の子が話しかけてきた。

 

「私も!」と次々に声をかけられる。

そちらを振り向けばそこには1Aの女子達がいた。

 

きょろきょろとあたりを見回し、その視線が自分に向いているのを確認するため「私…?」と自分を指させば

「他にいないよ~!」と笑われた。

 

「さっきのテスト凄かったね!

私、芦戸三奈!!個性は酸だよ〜」

 

「ほんとほんと、ウチは耳郎響香。個性は見たとおりイヤホンジャック。」

 

「空飛んだり、めちゃ速かったりね!無限出したり!私は葉隠透!!見ての通り透明人間です!」

 

「ケロ、蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。個性はカエルよ。私思ってることは何でも言っちゃうんだけど、

 

ツンツン頭の爆豪ちゃんとは、どうゆう関係なのかしら?とっても気になるわ!」

 

「私は麗お茶子!個性はゼログラビティ!個性もだけど、うちも爆豪君との関係めっちゃ気になる!」

 

 

一気に話しかけられ思わず後ろに背を少し逸らした。

 

1Aの女子は流石ヒーロー科の女子だけあってみんなパワフルだ。

 

 

「皆さん!そんなに一斉に話しては莉愛さんがお困りになりますわ!」

 

「大丈夫だよ百ちゃん。私の個性は氷結だよ!それに私全然友達とかいなかったから、みんなとお話してみたかったんだ〜話しかけてくれて嬉しい!」

 

 

と言いながら、ぱあっと笑顔を浮かべれば何故か「ん"ん"っ!!」と言いながら女子は自分の胸元を握りしめている

 

なぜ………??

 

 

そうしているうちに教室に着いた。

 

「莉愛」

 

 

声がする方を向くと、焦にぃがカバンを持ってたっていた。

 

「帰るぞ」

 

「うん」と答えようとすると、さらにその奥から彼に向かってドスの効いた声がかけられた。

 

「おいてめぇ、莉愛は俺と帰んだわ。どっか行けや半分野郎」

 

眉間にたっぷりとシワを集め轟を睨みつける

 

相変わらず言葉遣いは荒く、表情はビィランのようだが話しかけられた当の本人はそんなことよりも莉愛が爆豪と一緒に帰るという部分にピクリと反応した。

 

辺りに不穏な空気が漂うが、それをぶち壊すかのように話の中心である彼女は「勝己くん!」と彼の名前を呼びいそいそと帰る準備を整えている。

 

それに対して爆豪は得意げに鼻をフッと鳴らし、轟はガンッと固まってしまう。

 

「ごめんね焦にぃ、今日は勝己くんと帰るね!」

 

「……………おう。」

 

しゅんとなりながら轟が返事をすれば彼女はきゅっと轟の手を両手で握り「明日は一緒に帰ろーね!」と言った。

 

 

 

「!…わかった」

 

「チッ……行くぞ莉愛」

 

「はーい、みんなバイバイ!」

 

「おー!」

 

「バイバイ莉愛ちゃん!」

 

「あっ!梅雨ちゃん、お茶子ちゃん、さっきの質問だけど…

 

勝己くんは、私のヒーローだよ!」

 

 

彼女はそう最期に爆弾発言を落とすと、パタパタと爆豪を追いかけて教室を出て行った。

 

パタンっと教室がしまり、だんだん教室の雰囲気が暗くなり寒くなっていく。

 

ピキピキと音がなり、その場に残っている人達が音の発生源を恐る恐る見ると、朝の比ではないほど目をギラギラさせ真っ黒にそまった魔王化した轟焦凍がいた。

 

彼女が出て行った教室は、轟がキレてもれた個性の影響で教室がだんだんと凍ってたのだ。

 

「爆豪だったか…あいつやっぱりす!!!!!!!!!!!!!」

 

 

「(こえーー!!さみーーー!!!)」

 

「(誰かこの状況をどうにかしてくれ!)」

 

「(轟ちゃんには、爆豪ちゃんのことは禁句ね…)」

 

「(梅雨ちゃん冷静すぎるよ!)」

 

「(皆さん!ヒーターを出しましたわ!)」

 

「(ヤオモモナイス!)」

 

そんなカオスの中保険室から戻ってきた緑谷は、こうはいた。

 

「え…何このカオス…」

 

ーーーーーーー

 

爆豪SIDE

 

 

廊下で莉愛を待っていると、教室から出た莉愛は俺をみつけるとパァっと嬉しそうな表情になり走り寄ってきた。

 

その姿を見て、莉愛に初めて会った時のことを思い出していた。

 

あれはいつも通りデクやモブ供と遊んで家に帰ったが、公園に忘れ物をした事を思い出し取りに行った時の事だ。

 

少し暗くなった公園から女の子の泣き声が聞こえた。

 

なんだと?思いながらも泣き声の聞こえる方へ行った。

 

声を押し殺しながら泣いているのは、顔は下を向いていてわからねぇが銀色の髪をした俺と同じくらいの女だった。

 

気になった俺はそいつに声をかけた。

 

『おまえ、こんなところでないてどうしたんだ?』

 

するとその女は俺の方見上げた。整った顔に銀色の髪、すき透る様な緑色の目には涙が浮かんで少しあかくなっていた。俺は柄にもなくそいつに見惚れてしまった。

 

『みんなとちがうの!

 

りあだけ…りあだけなの…

 

もう、きついのも…しんどいのも…なりより…きょぜつされるのはもうイヤだ!』

 

なんでキツイのかもシンドイのかも拒絶されるのかも、皆んなとは誰を指すのかすら分からねえ…けど…

 

『…なんかよくわかんねぇーけど…

 

おれさまがおまえんぜったいまもってやる!

それに、おれさまはなにがあってもおまえをきょぜつしたりしねぇ!』

 

その姿を見て何故だか守りたいと、救いたいと思ってしまった。

 

『ほんとうに?』

 

不安そうにその莉愛という女の子が俺に聞く。だから俺はこう答えた。

 

『ふん!あたりまえだ!なんせ、おれさまはオールマイトみたいなナンバーワンのヒーローになるんだからな!』

 

そうだ!俺はオールマイトをこえてNo.1のヒーローになるんだ!!だから絶対コイツを救ってみせる!

 

『なら、りあは…えっ〜と『かつき、ばくごうかつきだ!』

 

そう名乗るとそいつは、涙を拭き俺を真っ直ぐ見据えてこう言った。

 

『ならりあはかつきくんのとなりにたっていっしょにたたかう!!』

 

その姿見て何故か心臓がバクバクいっているが、俺はそれを隠す様に視線を逸らしながら

 

『けっ!たたかえるのかよ』

 

と聞き

 

『うん、がんばる!!』

 

と言うとそいつは花が咲いたように笑った。

 

返事は答えになっていないが、危なかったら俺が守ればいいととそう思った。

その笑顔に、また心臓がバクバク言い始めた俺は、ポケットにお菓子用のお金があるのを思い出しその女の子にそこで待ってろ!といい近くにある前にババアに連れ回された事がある雑貨屋に走った。

 

雑貨屋に着くと、俺の目と同じ2本セットになってある赤いピンを見つけて速攻で買った後、また全力で公園へ走った。

 

公園で待ってたそいつは、俺を見付けるとパァっと嬉しそうな表情になり走り寄ってきた

 

『おい、やる!』

 

そいつに対し、俺は視線を外らせながらさっき買ったピンを差し出した。

 

『あかいピン…』

 

それしか喋らない莉愛に不満より心配になり莉愛の方を向いた。

 

『んだよ…不満か…よ…』

 

思わず莉愛を見て言葉が止まってしまった。

莉愛は、俺があげたピンを世界で一番大事そうに抱え込んでいたからだ。

 

するとハッとした様に俺に向かってまたぱあっと花が咲いた様に『ありがとう』笑った。

 

その笑顔に見惚れていた俺は『おう』としか返事をすることしか出来なかった。

 

すると突然そいつの体が光り出した。びっくりした俺はそいつに向かって手を伸ばしたが、空を切った。

 

『りあ!!』

 

俺が叫ぶと莉愛はキョロキョロしたあと花が咲いた様に笑い

 

『ありがとう…りあのヒーロー!!』

 

そういうと消えていった。

 

その8年後俺があげたピンを付けて、初めてあった日よりも綺麗になった莉愛に、雄英高校の教室の入り口で抱きつかれる事は、想像もしてなかった。

 

ーー

 

昔の事を思い出していると、ずっと反応を示さず莉愛を見つめていると不思議に思ったのか「勝己君?」と聞いてきた。

 

こいつが何に苦しんでいるのか、まだわからねぇことばかりだ。

 

だけど俺がする事は少し足しとも変わらねぇ!!

 

俺は絶対にこいつを守るし救い出す!

 

ただそれだけだ!

 

半分野郎は気にくわねぇがな!

 

「なんでもねぇ。行くぞ。」

と返し手を繋いて一緒に帰った。



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第9話 戦闘訓練!! ♪

戦闘シーン難しいです!!無駄に長くなった気がします…
キャラが違うとか、読みにくい、とか思うかもしれませんが…その時はすみません!!


勝己君と一緒に帰った次の日いよいよクラスの皆が待ちに待った、ヒーロー基礎学の授業だ。

 

今日の担当は勿論……

 

「わーたーしーがー!!普通にドアから来たーー!!!」

 

ズザザザザッッという効果音とともに、お決まりのセリフと特徴的な笑い声を出しながら登場したNO.1ヒーローオールマイトだ。

 

NO.1ヒーローの登場に生徒のテンションが異常なほど高まった。

 

「オールマイトだ…!すげえや、本当に先生やってるんだな…!!」

 

「あれシルバーエイジのコスチュームだ わ……!」

 

「画風が違いすぎて鳥肌が……」

 

皆が思い思いに興奮した感想を言っている中で、前の席の焦にぃも無言で分かり辛いが憧れのヒーローを目の前に何処となく嬉しそうな雰囲気を感じた。

 

個人的には、お父さんの方がかっこいいと思うけど…焦にぃに言っったら怖い顔をして怒られそうだなぁと思い苦笑いしているとオールマイトによる説明が始まった。

 

「私の担当はヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ!!」

 

単位数も最も多いぞ、とオールマイトは謎ポーズで言う。

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」

 

オールマイトは、バッと謎ポーズの状態から"BATTLE"と書かれたカードをこちらに掲げて見せた

 

「戦闘……!」

「訓練……!」

 

初めてのヒーロー基礎学がオールマイトによる戦闘訓練と分かってよほど嬉しかったのか、勝己君は目に見えてわかるほど目を輝かせてた。

 

「そしてそいつに伴って…こちら!!」

 

オールマイトが手の中のスイッチのようなものを押すと、何の変哲も無いと思っていた壁にスッと隙間ができ、ウィーンと音が鳴ったと思ったらロッカーのようなものが出てきた。

 

中には箱が入っていて、それぞれ1~20までの番号が書かれている。丁度クラスの人数とおんなじだ。

 

「入学前に送ってもらった"個性届"と"要望"に沿ってあつらえた……戦闘服コスチューム!!!」

「「「「「「おおお!!」」」」」」

 

皆が一斉に沸き立つ。

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」

「「「「「「はーい!!!」」」」」

 

オールマイトの良く響く声に皆一斉に元気な返事をする。

 

ーー

 

更衣室に移動して戦闘服ケースを開くと、指定した通りになっているか不安だったけど、完璧に再現されていた。

 

まぁ…わざわざ測ってサイズも書いて、あれだけデザインを変えないで下さいと書いてあれば当然かな?

 

それだけ個性を隠す身としては、少しでも誤差があっら死活問題なのだ。

 

指定した出来に満足していざ着替えるべく制服を脱いでいると、私に向けられる視線を感じ、視線の方向へ振り向けば、他の女子達が驚きやら感嘆やらの感情が籠っている顔をして私を見ていた。

 

不思議に思い首を傾けていると、話しかけてきた。

 

「あ、ごめんごめん! いやー、昨日も思ってたんだけど莉愛ちゃんってすっごいスタイル良いよね!」

 

「え?」

 

彼女の言葉に他の子も頷き、皆が周りに寄ってきた。

 

「八百万もだけどこないだまで中学生だったとは思えないぐらいスタイル良すぎ……」

 

「わかるー! やばいよね!」

 

「そうでしょうか?」

 

「莉愛ちゃんは折れそうなくらい細いのにおっぱい大きいし…ヤオモモはザッワガマボディーだし…」

 

「二人ともおっぱいおっきいからね!」

 

「莉愛ちゃんの腰のくびれすごいよ……」

 

「ひゃ!」

 

感心した様子のお茶子ちゃんに腰を触られて、ビクッとする。

 

と、そこで先に着替えを終えて、微笑ましげにこちらを見ていた八百万から声がかかる。

 

「交流も宜しいですが皆さん、早く着替えないと授業に遅れますわよ」

「「「あ」」」

 

……ちなみにここまで、半数近くは下着姿での出来事である。

 

 

ーー

 

だいたい全員が着替え終わるとお茶子ちゃんから「要望ちゃんと書かなかったからや〜。」と言う落胆した声が聞こえた。

 

どうしたのかなぁ?とと思い声を掛けようと振り返ると

 

お茶子ちゃんが着ているのはピンクと黒の可愛いコスチュームだった。どこもおかしい所はなく不思議に思ってると…

 

「うわっ!麗日、パツパツじゃん!!」

 

と言う声があり納得した。

 

「大丈夫だよ!お茶子ちゃん!私も一緒だから!」

 

「莉愛ちゃん!!!」

 

そうゆうとお茶子ちゃんは涙目になりながら抱きついてきた。

 

「うぅ〜っ!天使や!!」

 

そう莉愛のコスチュームもパツパツなのだ。

黒色の長袖で丈が膝まであり前は腰のあたりで分かれておりオレンジ色の長方形の留め具が付いてある上着の下に、白色のミニスカが見え、黒のニーハイ、黒の短いブーツという白と黒を基調にした、莉愛のスタイルの良さが強調されるコスチュームだ。

 

ちなみに髪は、いつも付けてある赤いピンを外し黒色のリボンで一つに纏めていた。

 

(イメージがあるしにくい人は、リリカルなのはのクロノが着ている衣装が、ズボンが白のミニスカに変わっただけなので調べて下さい!ちなみイラストも書いてあるので是非見てください!by作者)

 

お茶子ちゃんといちゃついていると百ちゃんのコスチュームに対する意見が聞こえてきた。

 

「というか、八百万もあれだと思うけど。」

 

「個性を使うのに、服の面積が少ない方が良いんです。」

 

「そうなの?」

 

そして全員が着替え終わりグラウンドβに集まった。

 

「何事も恰好から入るってのは大切なことだぜ、少年少女! 自覚するのだ!! 今日から自分は……ヒーローなのだと!!」

 

 

ーー

 

オールマイトの前にずらりと並ぶのは戦闘服を着た 1-A の面々。

 

「デクくんかっこいいね!地に足ついた感じ!」

 

「麗日さっん、うおおおおお?!」

 

「要望ちゃんと書けばよかった…パツパツになってもた…。」

 

恥ずかしそうにするお茶子ちゃんに、緑谷君は狼狽えてた。

 

そんなお茶子ちゃん達を横目に私は勝己君の所に走っていった。

 

「か、勝己君!どうかな?」

と莉愛は前を向いている爆豪の背中をツンツンとし、下を向きながら聞いた。

 

目をギュッとつぶり心臓をバクバクさせながら、勝己君の反応を待つが、反応がなかなか返ってこなくて不思議に思い、上を向くと顔を真っ赤にさせた勝己君が視界にうった。

 

「勝己君?」

 

私の声にハッとしたように、首を振りぶっきらぼうに「…いいんじゃねぇの。」と視線を逸らしながら言ってくれた。

 

その言葉を聞いて嬉しくなった私は顔を緩ませてくるりと一回転した。

 

「ヒーロー科最高。」

 

突然声が聞こえ振り向くと、ぶどう君が私の方を向き親指をぐっと立てていて、似合ってるって事かなって不思議に思ってると焦にぃが話しかけて来た。

 

「…莉愛。」

「あ、焦にぃ!どうかな?」

 

「あぁ、可愛い。」

「えへへ〜。ありがとう焦にぃ。焦にぃもかっこいいよ!!」

「あぁ、ありがとな。」

 

焦にぃは、そう言いながら頭を撫でてくれた。

 

 

「始めようか有精卵共!!!戦闘訓練のお時間だ!!!良いじゃないか皆、カッコ良いぜ!!ムム⁉︎」

 

オールマイトは緑谷君のフードについた二本の耳?を見て、顔を背けた。多分自分のファンと知って照れたのかなぁ?

 

私も少しはエンデヴァー要素や、焦にぃと同じような要素を取り入れたかったが、それは出来ない。

 

だからか、堂々と自分の好きなヒーローの要素を取り入れている緑谷君を見て少し嫉妬してしまった。

 

バカだなぁ私…と思っていると、誰かは分からないけど、ロボットのようなコスチュームを着た少年?がオールマイトに質問していた。

 

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」

 

オールマイトは答えた。

 

「いいや、もう2歩先に踏み込む!屋内での対・人・戦・闘・訓練さ!!

 

ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵出現率は高いんだ。

 

監禁・軟禁・裏商売...このヒーロー飽和社会、真に賢しい敵は室内に潜む!!

君らには『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

 

「基礎訓練なしに?」

 

梅雨ちゃんは少し心配そうには質問した。

その問いにオールマイトは、ガッツポーズで答えた。

 

「その基礎を知るための訓練さ!ただし今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ。」

 

その答えに、クラスの面々は思い思いの質問をぶつけていった。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしてもいいんすか。」

「また相澤先生みたく除籍とかあるんですか...?」

「分かれるとは、どのような分かれ方をすればよろしいですか。」

「このマントヤバくない?」

 

「んんん〜聖徳太子ィィ!!!」

 

そう零したオールマイトは、ポケットからカンペを取り出し説明を始めた。

 

「(カンペ読むなんて可愛いなぁ〜)」

 

「いいかい、状況設定は『敵』がアジトに『核兵器』を隠していて、『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!」

 

設定アメリカンだな、と皆が思った事だろう。私もそう思う

 

「ヒーローは、時間内にヴィランを捕まえるかそれを回収する事。

ヴィランは、制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事。」

 

オールマイトはどこからともなく箱を取り出しこう言った。

 

「コンビおよび対戦相手は、くじだ!」

「適当なのですか!」

 

ロボット君が思わず叫んだ。

それに対し緑谷君は、なだめるように言葉を紡いだ。

 

「プロは他事務所のヒーローと即席チームアップする事が多いし、そういう事じゃないかな...」

「そうか...!先を見据えた計らい、失礼しました!」

 

頭下げるロボット君は真面目だなぁ。

「いいよ早くやろー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結果、チームは

 

Aチーム︰緑谷出久、麗日お茶子

Bチーム︰障子目蔵、轟焦凍

Cチーム︰峰田実、八百万百

Dチーム︰爆豪勝己、飯田天哉

Eチーム︰芦戸三奈、上鳴電気

Fチーム︰口田甲司、砂藤力道

Gチーム︰轟莉愛、耳郎響香

Hチーム︰蛙吹梅雨、常闇踏陰

Iチーム︰葉隠透、尾白猿尾

Jチーム︰瀬呂範太、切島鋭児郎

 

となった。

 

「最初の対戦相手は、こいつらだ!」

 

オールマイトが上げたボールには、AとDの文字。

 

「Aコンビがヒーロー!Dコンビがヴィランだ!他の者は、モニタールームへ向かってくれ!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

A、Dチーム以外が、モニタールームへ歩き始めた。

 

ーーーーーー

 

 

 

「それでは、AコンビDコンビによる屋内対人戦闘訓練スタート!」

 

映画館のスクリーン級の大きなモニターに映し出されたのは、5つの視点からの建物の様子。

 

「さぁ君達も、考えて見るんだぞ。」

 

縦に長い窓から、建物に侵入したお茶子ちゃんと緑谷君。建物の中を、注意しながら慎重に進んでいく。

 

そこへ、ロボット君と離れ別行動をとっていた勝己君が目の前の壁を爆破し奇襲をかけた。

 

間一髪、緑谷君はお茶子ちゃんを庇いながら避ける事ができたみたいだけど、頭の部分の生地が破れ顔の半分が見えている。

 

爆発の煙から現れる勝己君。その姿は、昨日の個性把握テストの時ハンドボール投げの時と同じような表情をしていた。

 

ここで、映像は見れるけど音声と聞こえ無いと気付いた私は、勝己君の表情の事もあり、個性で作ったエリアサーチの誘導弾を周りには見えないようにする魔法をかけ、勝己君達がいるビルにいくつか仕掛けようと展開していく。

 

「いきなり奇襲...」

 

「爆豪すっげぇ!奇襲なんて男らしくねぇ!!」

 

「奇襲も戦略。彼らは今実戦の最中だよ。」

 

それって褒めてるの?批判してるの?どっち?…と思っていたら、それも方法の一つだと言うオールマイト。

 

赤髪君には見覚えのあるような気がするけど気のせいかなぁ〜と思っていると、緑谷君に対する感心する声も聞こえた。

 

「緑君よく避けたな!」

「爆豪行った!」

 

勝己君が大きく右腕を振りかぶり緑谷君にむける。

 

あたる!と、見ている皆が思ったそのとき、その攻撃読んでいたかのように緑谷君は爆発の範囲からそれるように勝己君の体正面に移動し、右腕をつかみ背負い投げをした。

 

驚く勝己君に、息が上がりながら勝己君に何かを言う緑谷君。

 

そこで、私の誘導弾が展開し終わり音声が聞こえた。そこから聞こえきた緑谷君の声には、しっかりとした意思が宿っていた。

 

『いつまでも、雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ。』

 

顔を上げ、涙目になりながら勝己君を見据える。

 

『かっちゃん!僕は、頑張れって感じの"デク"だ!』

 

『デク…ビビりながらよぉ。そういうとこが、むかつくなぁ! !!』

 

『おい、爆豪くん!!』

 

そこでロボット君が勝己君と連絡をとった。

 

『状況を教えたまえ!どうなってる!?』

 

『黙って守備してろ!イラついてんだよ俺は今ぁ!!』

 

『気分を聞いているんじゃない!おい!?

勝手に飛びたしといて...。何なのだ彼は!もう!』

 

あっ勝己君何も言わずに奇襲しちゃったのか…と思っていると、通信を無理矢理きられたロボットくんはプンスカ怒っていたが、少し落ち着くとお茶子ちゃん対策の為か、核兵器を置いてある部屋の物を整理しはじめた。

 

「爆豪の奴、何話してんだ?定点カメラで音声ないと分っかんねぇな。」

 

あ、みんなには聞こえないんだった…

 

「小型無線でコンビと話してたのさ。」

 

自身の耳を指さしながら説明するオールマイト。

 

オールマイトは聞こえるんだ…私もだけど…

 

「持ち物はそれプラス、建物の見取り図。そしてこの確保テープ。これを相手に巻き付けた時点で捕らえた証明となる。」

 

「制限時間は15分で、核の場所はヒーローに知らされないんですよね?」

 

「Yes!!」

 

「ヒーロー側が圧倒的に不利ですね、これ!」

 

「ピンチを覆していくのがヒーローさ。それに相澤先生にも言われただろう?あれだよ。せーの!」

 

「「「「「PLUS ULTRA!」」」」」

 

オールマイトの掛け声にあわせ、みんなで腕を振り上げ言う。

 

再びモニターに目線を戻すと、勝己君が攻撃を仕掛けようとするところだった。

 

『麗日さん、行って!!』

 

『よそ見か!余裕だな!』

 

緑谷君は蹴りを入れようとしる勝己君に対し

避けながら勝己君の足に捕獲テープを巻こうとする。その動きは、相沢先生みたいだった。

 

勝己君は右を大きく振りかぶる。

 

しかし、緑谷はその行動を読み、余裕を残しながら避ける事ができた。

 

緑谷君、幼馴染だからかなぁ…勝己君の行動を読んでる。

 

「すげぇなあいつ!!」

 

「個性も使わずに入試2位とはりあってる!!」

 

緑谷君の個性か。昨日の様子を見てると、使わないじゃなくて"使えない"のかなぁ…昨日は、指折ってたし…

 

『なぁおい!俺を騙してたんだろ!?』

 

騙す…

 

勝己君は、緑谷君事を無個性と言っていた。

小さい頃からずっと一緒に居て勝己君を騙すのは、正直無理だと思う…

...

なら、アイツみたいに個性を奪う事の出来る奴がいる様に…個性を与えることが出来る人がいるかもしれない。

 

それなら緑谷君が個性を使いこなせてないのにも納得がいく。

 

そう考えていると昨日みたいに、苦しそうに叫ぶ勝己君の声が聞こえてきた。

 

『楽しかったかずっと!!あぁ!?』

 

緑谷君は建物内を走り、作戦をたてるための時間をかせぐ。

 

『使ってこいや。俺の方が上だからよぉ!!』

 

ふと、ロボット君の方のモニターに目をやると、お茶子ちゃんは核兵器の部屋について物陰から様子をうかがっていた。

 

『俺は...至極悪いぞぉ〜!!』

 

「『ブフォッ!!/ん"ん"!!(真面目や!/だ!)』」

 

私とお茶子ちゃんは耐えきれずに吹き出した。

 

隣にいた焦にぃから、「どうした?」と聞かれたが必死にごまかした。

 

だけどロボット君は、その声によりお茶子ちゃんの存在に気づいたみたいだ。

 

『ん!?来たか麗日くん!』

 

『あっ!』

 

『君が一人で来る事は、爆豪くんが飛び出した時点で分かっていた!触れたものを浮かしてしまう個性。

だから君対策に、このフロアの物をすべて片付けておいた!!これで君の小細工はできない!』

 

その言葉通り、2人がいる部屋には何もなかった。核兵器と柱を除いて。

 

『ぬかったなヒーロー!!』

 

大笑いをし始めるロボット君。

 

『麗日さんどう?』

 

緑谷君とお茶子ちゃんはお互いの場所と状況を確認しあってた。

 

残り時間はあまり無い。

 

『なんで個性を使わねぇ。使わなくっても勝てるってか?なめてんのかデク。』

 

『もう君を怖がるもんか!』

 

『俺の爆破は手のひらの汗腺からニトロみてぇなもんだして爆発させてる。』

 

勝己君は、自分の個性について説明しながら右の手を向け話しだす。私は、何気に勝己君の個性の事を聞いたのは初めてで凄い個性だなぁと思っていたら…

 

『要望通りの設計なら、この籠手はそいつを内部にためて、』

 

「爆豪少年ストップだ!殺す気か!?」

 

『当たんなきゃ死なねぇよ!!』

 

勝己君は、籠手からピンを引き抜いた。

 

そこから壁を、床を炎がつたい、爆発が広がっていく。カメラからの映像は、大量の炎と煙のせいでよく見えない。

 

私達のいる部屋にまで届く、激しい振動。

 

今の勝己君の攻撃は、カードリッジシステムを利用していないディバインバスターと殆ど変わらない威力だった。

 

「少年!!緑谷少年!!無事か!?」

 

オールマイトが必死に呼びかける。

 

『そんなのっ!ありかよ!?』

 

緑谷君は、荒い呼吸をしながら言った。

どうやら、目に見えて外傷はないらしい。

 

すごいな勝己君…今の攻撃使うの初めてだろうに緑谷君に当たらない様にコントロールしたんだ…

 

まぁ…当たったら緑谷君死んじゃうからダメなんだけど…オールマイトも焦ってたし…

 

『この籠手に溜まれば溜まるほど威力が増えてくんだぜ。なぁ、個性使えよデク。』

 

黒煙が広がる瓦礫の中を、緑谷君の元へ進んでいく。

 

『全力のてめぇを、ねじ伏せる!!』

 

そう言う勝己君は声が上ずり興奮した様子でそう言った。

 

先程の衝撃と爆発音での事をロボット君は、勝己君に説明を求めていた。

 

その隙をついたお茶子ちゃんが、核の回収に個性を使い自身を浮かせて向かうが、ロボットのスピードについていけず失敗した。

 

『あててねぇんだからまだ動けるだろ?来いよ!』

 

『麗日さん状況は?』

 

『また無視かよすっげぇな!?』

 

「先生止めた方が良いって!!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ!?殺しちまう!!」

 

「いや...」

 

渋るオールマイト。

 

「爆豪少年。次それ打ったら、強制終了で君らの負けとする。」

 

『はぁ!?』

 

「屋内戦において、大規模な攻撃は守るべき牙城の崩壊をまねく。ヒーローとしてはもちろん、ヴィランとしても愚策だ。大幅減点だからな。」

 

オールマイトが出したのは警告のみだった。

 

『じゃあ殴り合いだ!!』

 

すぐに攻撃にうつった爆豪。

 

「おいおい大丈夫かよ。」

 

「大丈夫だよ、ツンツン君。」

 

「ツンツン…?」

 

「勝己君は、さっきの大規模な攻撃だってコントロールしてたし…」

 

心配の声を上げるツンツン君に

 

「考えるタイプには見えねぇが、意外と繊細だな。」

 

それに続き、話し出したのは焦にぃだった。

 

ーーーー 

 

「どういう事だ?」

 

「目くらましを兼ねた爆破で軌道変更。そして、即座にもう一回。」

 

補足を付け足したのはだ。

 

「慣性を殺しつつ有効打を加えるには、左右の爆破力を微調節しなければなりませんしね。」

 

最後に説明したのは、これまた推薦枠の百ちゃんだ。

 

その褒め言葉になんだか自分のことみたいに嬉しくなった。

 

「才能マンだ、才能マン…ヤダヤダ」

 

モニターに映るのは、一方的に攻撃を加える勝己君の様子。

 

「リンチだよこれ!!テープ巻き付ければ捕らえた事になるのに!!」

 

「ヒーローの所業にあらず。」

 

批難する二人。だが莉愛には、先程の言葉を聞いてるからかそうとは思えなかった。

 

それほど、緑谷君に個性を使って欲しいんだと思う。

 

「緑谷もスゲーって思ったけどよー、戦闘能力において、爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ。」

 

そう言ったのは上鳴電気だ。

 

『なんで個性を使わねぇんだ!?俺をなめてんのか!?ガキの頃から、ずっとそうやって俺をなめてたのかてめぇは!!』

 

『違う…違うよ。』

 

緑谷が俯きがちに立ち上がる。

 

『君が凄い人だから、勝ちたいんじゃないか。

 

勝って、越えたいんじゃないか!!バカヤロー!!』

 

『その面止めろやクソナード!!』

 

二人が、お互いに向け全力で飛びかかる。

 

『デトロイト!』

 

『うぉぉお!!』

 

「やばそうだってこれ!!先生!」

「...双方中止『いくぞ麗日さん!』

 

オールマイトが中止の声をかけようとしたが、今戦っている4人には聞こえていない。

 

『はい!!』

 

お茶子ちゃんは、近くの柱に掴まった。

 

まさか…!!

 

緑谷君、勝己君の攻撃を素手で受け止める気じゃ…

 

『スマーーーッシュ!!』

 

緑谷君は、真上、天井に向けて技を放った。

 

腕から放たれる強力な力により、風圧が生まれ窓が大きな音を立てて割れていく。

 

天井には大きな穴が空き、建物の屋上までも突き破った。

 

『なんだ!?』

 

『飯田くん!ごめんね!』

 

お茶子ちゃんが掴まっていた柱が、衝撃により外れる。

 

個性を使い、その柱を野球のバットの様に構え緑谷君の攻撃で出来た瓦礫を打った。

 

えっ!打った!?!?!?

 

『即行必殺、彗星ホームラン!!』

 

『ホームランではなくないか〜!?』

 

向かってくる大量の瓦礫に、驚いたロボット君は思わずガードしていた。

 

うん、これには私も驚いた。

 

そのうちにお茶子ちゃんは、個性を使って自分を浮かべ、核に向かって飛んでいた。

 

『回収!』

 

『あっ!』

 

慌てて後ろを向いたが時すでに遅し。お茶子ちゃんは、核に触っていた。

 

『ゔぁぁぁぁ!!核ぅぅう!!』

 

ロボット君の声がこだまする建物。

 

煙が多くお互いの姿が見えない中、勝己君と緑谷君がいた。

 

『そういう。はなっからてめぇ、やっぱりなめてんじゃねぇか。』

 

上に空いた大きな穴を見上げ、勝己君が言った。

 

『使わないつもりだったんだ。

使えないから...体が衝撃に耐えられないから。

 

相澤先生にも言われてたんだけど、これしか思いつかなかった。』

 

そこには、満身創痍の、右手は真っ赤に腫れ上がり、左手は火傷で腕が黒っぽく変色した緑谷君がいた。

 

その傷を見て息を呑み治さないと!と思い私はその場所に向かおうとした。

..

…治す

 

足を一歩踏み出そうとした時、私の足は止まってしまった。

 

私は自分勝手な理由で個性を隠している私には治療の魔法が使えないからだ。

......

いや、使いたくないからだ。

 

私がその場に行って何ができる

 

何もできやしない

 

私の実力だったら偽っている個性だけでも、ヒーローにはなれる。

 

これは、驕りではない。

 

だけど…目の前に助けなきゃいけない人がいて、助けられる人がいて!それなのに!自分勝手な理由のせいで個性を出し惜しみする奴がヒーローに…ましては勝己君の隣に立つ資格はない!!

 

全力でヒーローになろうとしている勝己君の隣に立つ資格なんてあるわけないじゃない!!

 

私はその自分勝手な思いを表に出さないように拳を握った。

 

「!!!」

 

遠くの方からオールマイトが緑谷君達の勝利叫んだ気がした。

 

○●○

 

八百万 side

 

緑谷さんが保健室に運ばれ、麗日さん、爆豪さん、飯田さんの3人がモニタールームに来たので講評の時間になりました。

 

「まぁつっても、今戦のベストは飯田少年だけどな!」

 

「なな!!?」

 

驚いた飯田さんをよそに、蛙吹さんは素直に疑問を投げかけた。

 

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

オールマイト先生は勢いよく手をあげながら皆に問いを投げかけた。

 

「ん〜なぜだろうな〜?分かる人!」

 

ビシィッと手を上げるオールマイト先生。

 

それにここはアピール出来るチャンスですわ!と思い私は手を上げた。

 

「はい、オールマイト先生。それは飯田さんが、一番状況設定に順応していたからです。

 

爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして、先程先生がおっしゃっていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。

 

緑谷さんも同様。受けたダメージから見ても、あの作戦は無謀としか言えませんわ。

 

麗日さんは、中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴過ぎた事。ハリボテを核として扱っていたらあのような危険な行為は出来ませんわ。

 

相手への対策をこなし、核の争奪を想定していたからこそ飯田さんは最終対応に遅れた。

ヒーローチームの勝ちは、訓練だという甘えから生じた反則の様なものですわ。」

 

オールマイト先生は若干震えながら

 

「ま...まぁ飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが...まあ...正解だよ、くぅ...!」

 

と、サムズアップとともに答えてくれた。

 

何故か悔しながらも、グットサインを送るオールマイト先生。

 

その言葉を聞いて嬉しくなった私は胸を張った。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになど、なれませんので!」

 

「よーし!場所を変えて、第2回戦を始めよう!!BコンビとIコンビは、準備をしてくれ!!」

 

その言葉でどんどん試合は進んで行くのですが、緑谷さんたちの試合が終わってからずっと莉愛さんは拳を握りしめて下を向いています。途中までは、あんなにキラキラした目をしながら爆豪さんを見てましたのに…

 

何かあったのでしょうか?

 

先程、葉隠さんと尾白さんを完膚なきまでに圧勝してきた莉愛さんのお兄さんも凄く心配そうに、そして悔しそうに見ていました。

 

それに、莉愛さんが血が出るほど手を握りしめていたのに気づき、辞めさせようと声をかけたのですが反応が何もなく…なので無理矢理個莉愛さんのお兄さんに手伝って貰いながら個性で作ったガーゼを手のひらに入れたのですが、なんの反応もありません。

 

保健室に連れていこうとしましたが、莉愛さんのお兄さんに止められてしまいました。

 

何がこの2人をこんなに苦しめているのでしょうか…

 

莉愛さんは私の大事なお友達です!

初めは、真っ直ぐで闇のない可愛くて爆豪さんとお兄さんが大好きな女の子だと思っていたのですが、何か莉愛さんには闇がありそうです。

 

私が助けてあげたいのですが、何故だか莉愛さんの心を救うのは、私や莉愛さんのお兄さんではなく爆豪さんの様な気がします。

 

とっても悔しいですが!!

 

あの、戦闘訓練の様子では無理そうですけど!!

 

えぇ!!

 

せめて、私が少しでもいいので莉愛さんを支えてあげたいですわ!!

 

と思いながら、次の試合は莉愛さんのため莉愛を揺すりながら声をかけるのでした。

 

 

ーー

 

 

「…さん」

 

「…さん」

 

ふと…私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。

 

「莉愛さん!!」

 

「あれ?ももちゃん…どうしたの?」

 

「どうしたの?じゃぁありませんわ!何回読んだと思ってますの?

 

莉愛さんの試合は次ですし…

 

それに…手を握り締めすぎて血が出てたのでガーゼを詰めておきましたわ!!

 

いったい何があったんですの!

 

もう!!莉愛さん?聴いてますの?」

 

なんか…私が考えごとをしているうちに、どんどん試合は行われていった様だ…

 

「あっ!焦にぃの試合!!」

 

「俺の試合なら終わったぞ。」

 

「え…」

 

私は焦にぃの試合までも見逃してしまったらしい…

 

「もう!!莉愛さん?!轟さん?!

 

話し聞いてますの?

 

莉愛さんの試合は次ですし、手の怪我の事にも少しは触れて下さい!!」

 

「えっ!手の怪我?」

 

私は、手のひらを見てみるとガーゼを握っており、それを取ると自分の爪が刺さった様な後から血がダラダラと出ていた。

 

「わっ!血がでてる!」

 

「痛そうだな…」

 

「痛そうだな…ではないですわ!

 

さぁ莉愛さん手を貸してください!応急処置をしますわ!!」

 

「百ちゃん!!ありがとう!」

 

「なっ!そんな事当たり前ですわ!!」

 

私がぱあっと笑いながらお礼を言うと、顔を赤しながら手際良く応急処置をしてくれた。

 

「次の試合は、Gチーム︰轟莉愛、耳郎響香

vsJチーム︰瀬呂範太、切島鋭児郎だ!

 

それぞれ配置についてくれ!!」

 

ーーーー

 

『ではヒーロチーム轟莉愛、耳郎響香vsヴィランチーム瀬呂範太、切島鋭児郎の試合をはじめる!

 

双方用意はいいか!

 

それでは、スタートだ!!!」

 

 

 

莉愛はオールマイトの試合開始の合図と共に

デュランダルを展開し、ヴィラン達をみつける為捜索の魔法エリアサーチを周りから見えない様にする魔法をかけ一気に解き放った。

 

すると、同じヒーローチームである耳郎響香が話しかけた。

 

「轟…アイツらここの真上の部屋にいる」

 

「えっ!響香ちゃん分かるの?」

 

莉愛は驚き耳郎を見ると、イヤホンを壁に刺して上を指していた。

 

「うん。ウチの個性はイヤホンジャックたから。」

 

「凄いね!

 

じゃあ、ヴィラン側の瀬呂くんと切島くん…

ちゃっちゃと捕まえちゃうね!」

 

「えっ!ちょっとまっ「いって!!」

 

その声と共にヴィランチームを見つけるため飛ばした、エリアサーチと視覚を共有し、30cmぐらいあるツララを30個くらい作りダメージを与えすぎない様にそして2人が見切れないくらいの速度で放った。

 

『と、轟少女!!!』

オールマイトは、その光景を見て思わず莉愛の名前を呼んだ。

 

流石はNO1ヒーロー、オールマイトは莉愛の攻撃が見えていたらし。

オールマイトが焦るのは当たり前だ…なんせ周りから見たらヴィランチームである瀬呂範太、切島鋭児郎は突然現れたと思ったツララによって貫かれすぐさま氷で作ったと思われるチェーンにまとめて拘束されたのだから。

 

オールマイトだけてなくその場にいる轟焦凍以外は焦った筈だ。

だが、ちゃんと見てみると2人は無傷でぐったりと拘束されているだけだった。

 

莉愛はオールマイト達が少しパニックなっている事も知らずに呑気に耳郎に報告していた。

 

「終わったよ!」

 

「終わったって何が!!

 

まだ1.2秒くらいしか経ってないんだけど!」

 

そうなのだ。耳郎が莉愛にヴィランチームの居場所を伝えてから僅か数秒しかたっていない。

 

その数秒の間で終わったと言われても理解が出来ないのは、当たり前なことである。

 

「何がって…2人とも拘束したよ?」

 

莉愛がさも当たり前の事の様に言うと耳郎は莉愛の事を指差して口をパクパクさせていた。

 

「あっ!そう言えばオールマイト私の事を呼びましたか?」

 

莉愛はオールマイトが自分の事を呼んでいた事を思い出し、オールマイトに確認を取ったが、オールマイトは少ししどろもどろになりながら続けるように告げた。

 

『いっいいや、続けてくれ!』

 

「分かりました。じゃあキョウカちゃん核兵器をタッチしに行こうか。」

 

莉愛は、唖然としている耳郎の手を引っ張り核兵器にタッチする為に歩き出した。

 

ーーーーーーーー

 

耳郎サイド

 

うちは、ヴィランチームがいる部屋を見て驚いた。

 

そこには、グッタリとした2人が拘束されてそこにいた。本当に遠くから、直接見もせず、無傷で、あの数秒の間で気を失わせ拘束したらしい…

 

どんだけだよ…と少し現実逃しした瞬間、気絶していたはずの瀬呂がピクリと動き腕から布みたいなものが私達に一直線に飛んできた。

 

しまった!完全に油断した!!!!

 

思わずガードしようと手をクロスさせ目を瞑ると、バキーン!!と言う音が聞こえてきた。

 

目を開けると透明な壁に弾かれた様に瀬呂の攻撃は跳ね返っていた。

 

「あれ?まだ意識あったんだ?

 

ちょっと手加減し過ぎたかなぁ?

 

でも…ごめんね

2人の周りには、拘束した時から氷で囲ってるんだ。」

 

轟はそう言うと核兵器にタッチした。

 

『ヒ!ヒーローチームW IN!!!』

 

爆豪といい…緑谷や轟兄弟といい…このクラスはチートばっかりだ…

 

うちは、このクラスでやっていけるんかどうか、とても不安になった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「とりあえず…講評を始めたいんだが、その前に皆が気になっている轟少女の個性を教えてもらえないかい。

 

みんな気になって講評に集中出来ないだろうし…何より私が気になる。」

 

なんか可愛い…

 

「えっと…わかりました。

 

私の個性を簡単に言うと、氷を操ります。」

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

「?」

 

反応がないから首を傾けていると、焦にぃが話しかけてきた。

 

「違うだろ莉愛。多分皆んなは、攻撃を受けても無傷だった理由を知りたいんだと思う。」

 

「…あっ!なるほど!!」

 

「「「「「(ナイスだ!轟!!)」」」」」

 

「私の個性は…

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

ー私は走った。

 

私は、今日自分の事ばかりで全然勝己君が暗い顔をしていただなんて気付かなかった!

 

バカだ私は!!

 

百ちゃんに言われるまで気づかないなんて!

 

きっと勝己君は反省会には参加していないだろう。ならもう教室から出ている可能性が高い。

 

教室から下駄箱までの道を急いで辿れば靴履いている勝己君の姿があった。

 

読みは当たったみたいだ。

 

 

 

 

「待って、勝己くん!」

 

「!………莉愛か…」

 

「……私っ!」

 

私は息を整えながら勝己君に呼びかけると、勝己君はズンズンと下を向いたままこちらに歩いてき、私の前で立ち止まったと思ったら、手首を掴み顔を近づけてこう言った。

 

「ッッ俺は……!」

 

さらに手に力を込める。

 

「今日俺はデクに負けた!

 

氷のやつ見てッ勝てねぇーんじゃって思っちまった!!

 

クソッ!!

 

ポニーテールの言うことに納得しちまった!

 

クソッ!!

 

お前を!守れねぇんじゃねぇかって思っちまった!!

 

ッ俺は!!俺は弱ぇ!!

 

No.1ヒーローを!オールマイトを超えられねぇ!!

 

お前を守るとかほざいときながら、デクに負けちまった俺には!「違うよ!!!」

 

私は言葉をかぶせる様に思わず叫んでしまった。

 

「私は!!私は弱い!!

 

あの場に!!あの時!!勝己君に出逢ってなかったら私は…私はここにいない!!

いないの!!

 

勝己君は救った!!

気まぐれだったのかもしれない…

 

それでもっ!

こんな私を救ってくれた!!

守ると言ってくれた!!

拒絶しないと言ってくれた!!

 

たとえ…勝己君がその事を覚えていなかったとしても!

 

勝己君が私のヒーローであることには変わりわないの!!!

 

だから!!勝己君が弱いなんてあり得ない!!

 

人の心を!命を!救える人が弱いなんてことあるわけない!!」

 

「ッ!!」

 

「それに、勝己くんはオールマイトをも越えるヒーローになるんでしょう?

 

一度挫折を味わった方が、ストーリー性があるじゃない!」

 

勝己君は目を赤くギラギラと燃え上がる太陽みたいな瞳をしていた。

 

「大丈夫だよ!勝己君は強いもん。

 

きっと…もっと!これからどんどん強くなる。だから大丈夫、絶対に、大丈夫だよ」

 

 

「……俺は!」

「うん、」

 

「俺はっ!…絶対ェ誰よりも強くなって、誰にも負けねぇくらい強くなって!!!

 

お前をっ…莉愛を…!!

 

救けられるようなヒーローに!

っんでもって!俺はっ!!オールマイトを越えるNo. 1ヒーローなってやる!!」

 

もう、十分な程私は勝己君に救われてるんだけどなぁ…

 

浮かぶのは幼い時の記憶

 

勝己君は言ってくれた

 

『おれさまがおまえんぜったいまもってやる!

それに、おれさまはなにがあってもおまえをきょぜつしたりしねぇ!

 

なんせ、おれさまはオールマイトみたいなナンバーワンのヒーローになるんだからな!』

 

そう、言ってくれた。

 

それがどんなに私を救ってくれたか勝己君は理解出来ないだろう…

 

勝己君がいなければ、精神的にも身体的にも限界を越えていた私は自分の個性に押し潰され死んでいた。

 

「……今は待っとけ。すぐになってやらぁ」

 

「うん、ありがとう勝己くん

 

でも勝己くんがヒーローになったその時は私

. . . .

も隣に立ちたい!ヒーローとして!」

 

「ふんっそうかよ…」

 

 

莉愛が爆豪の手を離すと爆豪は莉愛の頭を優しく撫でる。

 

撫で終わると爆豪は歩き出した。

 

 

私には、勝己君の隣に立つ資格も強さもない。

 

だけど私は…あの真っ直ぐな赤色の目をしている、"ヒーロー"の隣に立ちたいと思う気持ちは止められない

 

止められないんだ…

 



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