中二病魔女でも恋がしたい! (あまも)
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邂逅の魔女

「ふぅ…これで全部か、しっかし良くこんなに集めたよな…」

 

俺の名は佐藤和真、何処にでもいる至って普通な少年だ

そして今は新しく始まる高校生活に向け色々と準備をしている最中

 

「ん?」

 

不要なものをまとめベランダに出していると

 

「あれ?以外と足が届かない…もうちょい、もうちょい」

 

「きょ、今日は一日中部屋の片付けしたからな…疲れてるせいだ…早く寝よ」

 

いきなり上の階からロープが降りてきて、そんな声が…

 

「うんしょっ、やっと下に…あっ」

 

部屋に入ろうとする前にロープを伝い女の子が降りて来て目が合った

 

「あっ、じゃねえ、一体何だ?空き巣か?」

 

「いえ空き巣ではなく、これはその…」

 

「じゃあ夜這いか?」

 

「違いますよ!何で知りもしない赤の他人に夜這いなんてするんですか!?頭おかしいんですか!?」

 

お前に頭おかしいとか言われたくない

 

「じゃあ一体なんなんだ?俺は疲れてるから早く寝たいんだが…てか何だその格好」

 

この頭おかしい奴は魔法使いを絵に書いた様な格好をし右目には眼帯をしている…

コスプレイヤーか何か?

 

「ふふふ、よくぞ聞いてくれました」

 

そう言うと女の子はマントを翻しポーズをとり

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、爆裂魔法をあいたっ!ななにするんですか!?まだ名乗りの、あっ、や、やめろー!紐が伸びてしまうのでやめてください」

 

何となく眼帯を引っ張った

 

「分かった」

 

「目が!目が!」

 

「で一体何なんだよお前、俺に何か用でもあんのか?」

 

「いえ、特にありません」

 

「はぁ?」

 

「でもこの辺りから同類の匂いを感じたので、一応名乗りを…」

 

「俺はお前みたいな頭おかしい奴じゃないぞ」

 

「おい、何故私が頭おかしい奴になっているのか聞かせてもらおうじゃないか、ってえ?」

 

この見るからに頭のおかしい奴の相手をするのが馬鹿らしくなった俺は、部屋に入り早めに寝ることにした

 

 

 

「ふぁーあ、今日から学校か…なあねりまき、俺どう見える?」

 

朝身支度をしながら妹に尋ねる、今日は高校の入学式、初日から頭おかしい奴だと思われたら、華やかな俺の高校生活が始まる前に終わる

 

「普通」

 

完璧のようだ

 

「よっし!」

 

「私は前のままでも別にいいと思うけどなー…面白いし」

 

少し妹の発言に傷ついたがそんなことはどうでもいい、普通、普通か!

 

 

「おーいねりまき、俺先に出るぞー」

 

「はいはい」

 

入学式だが両親とも忙しく1人で出ることになった

 

高校までは家からそこそこ遠いため電車通学だ、ホームにつき電車を待っている間やっぱり気になったのでホームの柱に掛かっている鏡で身だしなみを…

 

「「あっ」」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「ご、ごめん、先どうぞ」

 

同じく鏡で身だしなみを確かめようとした?女の子とぶつかりそうになった

 

「ありがとう」

 

女の子は愛想よく微笑みながらそう言った

 

あの制服うちの高校だよな、リボン色を見るに同じ一年か

そんなことを考えていると目の前を見覚えのある奴が…

 

「あいつ…まじか」

 

同じ制服しかも同じく一年…

それから直ぐに電車が来た…やっぱりヤベー奴だよあいつ

電車のドアが開く前に何か言ったかと思うといきなり笑いだした

 

「絶対関わらないようにしよう…」

 

俺は電車に揺られながらこちらをチラチラ見てくる頭おかしい奴に関わらないようにしようと決めた

 

色々とあったが無事に学校につき自分のクラスへ

知ってる奴は…いるわけないよな、まあ知ってる奴が来ないような所選んだしな

 

「まじかよ…」

 

「どうしたカズマ」

 

「いや、別に大したことじゃないんだが…」

 

「?」

 

あの頭おかしい奴も同じくクラスだった…

 

「なあブロッコリーあいつ知ってか?」

 

俺は俺の後ろの席の出会って直ぐに意気投合した情報通のブロッコリー本名秘匿に頭おかしい奴について聞いてみたが

 

「なんで俺の名前ブロッコリーなんだよ、あいつって佐々木芽久明さんか?いや、俺も知らないな」

 

「芽久明?すげえ名前だな、ってそれはお前が本名秘匿って言うからだろ」

 

「それが俺の名前だ!」

 

「まじかよ…」

 

「俺の本名はどうだっていい、それよりさお前どう思う?」

 

ブロッコリーがこっちに来い来いと手招きしながら小声で聞いてきた

 

「どうって?なにがだ?」

 

「このクラスの女子」

 

「え?女子?」

 

「かなり美人揃いだと思わないか」

 

「確かに!そうだな!あっ同じクラスだったのか」

 

「お前お目が高いな、東十条が気になるのか?」

 

「東十条?すげえ名前だな」

 

「東十条ゆん、通称ゆんゆん、今のとこ俺の中での暫定1位だ」

 

「俺的にはもっとこう…小さい方が…」

 

「ロリマお前ロリコンかよ」

 

「誰だよロリマって、後俺はロリコンじゃねえ、どっちでも行けるからな」

 

そんな話に集中していて気が付かなかった、気がつくと頭おかしい奴もとい佐々木さんがこちらを見てすぐ近くに来ていた

 

え?

 

「この邂逅は世界が選択せし運命」

 

 

「うっ、目が!目がぁー!」

 

!?

 

 

そういうと佐々木さんは眼帯をしている方の目を抑えしゃがみ込んだ

や、やめてくれよぉ…俺を変なことに巻き込まないでくれ…

 

「イッタイ目がぁー!…目が」

 

そんな涙目で上目遣いで見られても…え?

気づくと佐々木さんが騒いだせいで皆から俺達は見られていた…え?

 

「俺?」

「「「うんうん」」」

「保健室に連れてけって」

 

 

どうしてこうなった

俺は佐々木さんを連れ保健室に来て目薬を探していた

 

「保険の先生居ないから目薬さしとけってよ、早くしないと入学式始まっちゃうぞ」

 

「その前に、お前昨日ベランダにいたろ?何のつもりだ」

 

「共鳴したからですよ私の目が貴方と、悠久の過去貴方と私は出会っている、貴方を見た瞬間同類の匂いがぷんぷんしましたからね」

 

ソファーに座った佐々木さんは目薬を受け取りそれをマジマジと眺めながら真面目な声でそう言ってきた

 

「お前みたいな頭おかしい奴と一緒にするんじゃねえ、っておい何目薬なめてんだ」

 

気がつくと佐々木さん…佐々木は目薬を手の平に一滴だしそれを舌でぺろっと舐めていた

 

「これは…目薬!?」

 

「当たり前だろ何驚いてんだ、それより佐々木…さん早く行かないと入学式始まるぞ?」

 

「!?いつの間にこんなにも時間が…まさか紅魔族の妨害か!?あ、後佐々木さんはではなくめぐみんって呼んでください、こっちの方が私も呼ばれ慣れてるので」

 

「んなわけないだろ、てかなんだよ紅魔族って」

 

「紅魔族は魔力が高い「はいはいそれは後で聞いてやるから早く行くぞ」

 

馬鹿な事を言い出し廊下で立ち止まった佐々木…芽久明…めぐみんの首根っこ掴み連れていく

 

「分かりました!分かりましたから自分で歩きますから離してください、それより後で聞いてやるからと言ったからには後でちゃんと付き合っててもらいますからね」

 

「分かった分かった」

 

「ふふふ…契約成立…証拠もバッチリ」

 

「何か言ったか?」

 

「何も言ってませんよ?カズマこそ頭おかしいじゃ?」

 

「お前にだけは言われたくない」

 

 

入学式始まる前だってのに疲れた…

 

「新入生代表東十条ゆん」

 

「はい」

 

あんな頭おかしい奴に付きまとわれるなんて…やっぱりまだ何処か変なのかな…

 

あの子新入生代表なのか、まあ見るからに学級委員とかやってそうな雰囲気の子だしな

 

「じゃあ自己紹介も終わった事だし今日はこれで解散にします〜時間割とかちゃんと確認しといてね〜」

 

つ、疲れた、半日も立ってないけどやばい

 

「おい、カズマこのあと暇か?クラスの何人かで昼飯行こうかってなったんだけど」

 

後ろからつんつんされたので振り返るとブロッコリーがそんな事を言ってきた

 

「え?でも俺なんて行ってもいいのか」

 

「ん?どうしてだ?ははぁーん佐々木さんか?」

 

「え佐々木?」

 

「一緒に帰るとか約束してんのか?このこの〜」

 

「ない、断じてない、あいつとはなんの関係もない、一切ない!」

 

「もしかしてお前…」

 

「そっちはもっと無い!ただ変な噂になったりしたらアレだろ?」

 

「そうか?」

 

「おーいブロッコリーどうすんだー?」

 

教室のドアの方から数人のグループからブロッコリーが声をかけられた

 

「おう、行くいく、じゃあカズマ行こうぜ」

 

「あ、ああ」

 

「佐藤くーん、ちょっといい?」

 

ブロッコリーについて行こうと自分の席から立ち上がると教室の前にいた先生に呼び止められた

隣にめぐみんが…嫌な予感が…

 

「お財布落としちゃったらしいのよ〜、佐々木さんこっちに引っ越してきたばっかりであんまり詳しくないらしいし、佐藤くん送って行ってくれないかな?」

 

「え?どうして俺が?」

 

「家が佐藤くんの家のすぐそばみたいなの…ほら」

 

先生は紙を取り出すと俺に見せてきた

 

「俺ん家の上じゃないですか」

 

先生はそれを聞くと

 

「じゃあお願いね」

 

そう言い残し教室から出ていった

 

「え?」

 

「いつから住んでんだ?上の階確か1人暮らしのOLさんだったような」

 

駅のベンチに座って子供のように足をブラブラさせているめぐみんの隣に座り聞いた

 

「こっちに来たのは一昨日です、そのOLさんは私の姉の佐々木想花です、コードネームはそけっとです」

 

「いやコードネームとかは聞いてない」

 

「なるほど、じゃあお姉さんの所に…」

 

「と言う設定になっていますがそけっとは実は紅魔族の占い師の1人、覚醒すると手がつけられなくなって…爆裂魔法をも使える私でも恐怖を感じる程です」

 

「そんなにかよ、って爆裂魔法ってなんだよ」

 

「人類最強の攻撃手段です」

 

これだけ訳の変わらないこと言ってたらそらお姉さんも怒るよな

 

「だからカズマ、協力してそけっとを倒しましょう、そけっとを倒せば魔王の城への道をきっと見つけられるはずです」

 

そう言いながら何故か興奮気味のめぐみんが顔を近づけてくる

 

「か、顔が近いって…」

 

「あ、すみませんつい」

 

めぐみんは恥ずかしかったのか顔を赤くして直ぐに離れた

 

な、なんか気まずい、しかも喉が渇いた…あっそうだ

 

俺は立ち上がると

 

「めぐみんジュースなんか飲むか?」

 

めぐみんも立ち上がってこちらにとことこと歩いてきた

 

「うーん、は!」

 

何やら下を向いて悩んでいためぐみんが何かを閃いたようで顔を上げた

 

「カズマカズマ、ここのボタンとここのボタンをお金を入れて合図したら同時に押してください」

 

めぐみんは自分では押しづらい上のボタンを指しながらそう言ってくる

 

「へいへい」

 

そしてめぐみんはお金を投入すると何やらブツブツ呟き始め

 

「穿て、エクスプロージョン!」

 

 

「え?」

 

「カズマーこーひーのブラックが出てきました、というかなんでカズマは押してくれなかったのですか?」

 

「エクスプロージョンが合図だなんてわからんわ」

 

「に、にがいです」

 

出てきたコーヒーのブラックを飲みながらめぐみんが悲しそうな顔でこちらを見て…

 

「わかったよ、ほら他の買って来いよ」

 

めぐみんに新しいのを買う分のお金を渡そうとしたが

 

「いえ、新しいのじゃなくてもそれでいいですよ、そしてカズマが私のブラックを飲めば万事解決」

 

そう言うとめぐみんは半ば強引に飲み物を交換しすぐに飲み干した

 

「ぷはぁ、やっぱりこれ美味しいですね」

 

中二病のこいつはそういうのが気にならないのだろうか

 

「に、苦い」

 

俺そういえばコーヒー苦手だっけ

 

「や、やっとここまで帰って来た」

 

自分の家が遠くから見えるとこまでやっと帰ってきた、めぐみんが色々な所で道草を食い時間を使った、今めぐみんは本当は行けないのだが履いてきたローラーシューズで俺を動力にして滑っている

 

「おにーちゃーん、ちょっと早く来てー」

 

妹が階段の踊り場から俺をよんでいた

 

「なんか佐々木さんの所に届けに来たんだけど、何時まで立っても誰も帰って来ないから預かってくれって」

 

家の玄関にはとても1人の量とは思えない量の荷物が置かれていた

 

「やべー引越し屋だな」

 

「お前のかこれ」

 

隣に来ていためぐみんに訪ねる

 

「紅魔族の妨害により帰宅が遅れてしまった…計画では15時にあぅ、いきなり何するんですか!」

 

また馬鹿なことを言い出しためぐみんに制裁を加えた

 

「そういえばお兄ちゃんこの人は?」

 

後ろにいた妹が聞いてきた

 

「上の佐々木さんの妹だ、一緒に暮らすんだってさ」

 

俺に制裁されし返そうとするめぐみんの頭を抑えながら答える

 

「あうあう、やってくれますね!あう」

 

「そ、そうなんだ」

 

「そういえばなんでこんなに大荷物なんだ?お前1人分じゃないのかこの荷物」

 

「1人分ですよ」

 

そう言いながらめぐみんは箱を開けごそごそと漁り始め

 

「これは皆大切な、や、やめろー!」

 

ドヤ顔でどう見てもガラクタな物を見せつけてきたので

 

「どう見たってガラクタだろこれ」

 

「ああ、お願いです、返してください」

 

「あ、ごめん」

 

いきなりめぐみんの雰囲気が変わり、少し調子に乗りすぎたと反省する

 

「ふっ、チョロいですね、あう」

 

「ほら、荷物運ぶの手伝ってやるから先行って玄関開けてこいよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「はぁ、はぁ、やっと、終わった」

 

荷物運びが終わったのは完全に日が落ちた後、他人の家にも関わらず俺は思わず床に大の字に寝転んだ

 

「今日は色々とありがとうございました」

 

「ああ、気にするなどうせ暇だったし、そういえばお姉さんは?まだ帰ってこないのか?」

 

「はい、何時も遅くまで仕事しているようで」

 

寝そびれる俺の隣に座り込んだめぐみんがこちらを見ながら言ってくる

 

1人か…

 

「なあ、良かったら…」

 

 

「へぇ佐々木さんの?姉妹揃って美人さんねぇ〜」

 

母親がキッチンで何かをしながらそういうと、めぐみんは少し顔を赤くして恥ずかしそうにしている

 

「カズマ頑張らなくちゃ」

 

「何の話だよ!」

 

「あの、その目は…」

 

ねりまきが食器を並べながらめぐみんに聞く

 

「ああ、それはただのファッションだ、気にするな、いたっ」

 

何かに殴られたので後ろを見ると

 

「しねー」

 

「こめっこそんなもの振り回しちゃダメだろ?危ないし、ゴミで捨てるんだから戻してきなさい」

 

「お兄ちゃんのニート、これかっこいい」

 

「お兄ちゃんはニートじゃない、かっこよくない」

 

「かっこいい、決めました、その刀の名前はちゅんちゅん丸です」

 

いつの間にか夕飯を食べ終えためぐみんがこめっこの近くに来てしゃがみちゅんちゅん丸?を眺めていた

 

「かっこよくない、ってちゅんちゅん丸ってなんだよ勝手に名前付けんな!」

 

「じゃあこの刀の名前はなんと言うのですか?」

 

しゃがみ混んだまま上目遣いでこちらを見ながら聞いてくる

 

「そ、それは」

 

実はまだ決まってない

 

「決まってないのでしょう?今日からこの刀の名前はちゅんちゅん丸です」

 

「と、兎に角これは危ないし、ゴミなんだから」

 

こめっこから刀を取り上げるとベランダへ戻しに行く

 

「危ないから勝手に出しちゃダメって言ってのに…」

 

「ゴミ…」

 

声に気づき振り返るとめぐみんがいた、どうやら付いてきていたようだ

 

「そうだゴミだ」

 

「それはカズマの…」

 

「俺は卒業したんだ、そういうのは」

 

「どうしてですか」

 

「恥ずかしいからだ」

 

「私はかっこいいと思います」

 

「かっこよくない」

 

「大体、エクスプロージョンなんでやったってなんの意味もないし紅魔族なんて存在しないんだぞ?」

 

それをバカみたいにあると信じやっていた自分が恥ずかしかった

 

「エクスプロージョンはありますし、紅魔族だっていますよ」

 

「ないし、いない」

 

「あります、だから捨てないでください」

 

 

「黒より黒く…闇より暗き漆黒に…我が真紅の混淆を望みたもう…覚醒の時来たれり…無謬の境界に落ちし理…無業の歪みとなりて現出せよ…踊れ踊れ踊れ…我が力の本流に望は崩壊なり…並ぶものなき崩壊なり…万象等しく灰燼に帰し深淵より来たれ」

 

「エクスプロージョン!」

 

「!」

 

「やっぱり駄目だ、恥ずかしい、後勘違いするなよ、捨てるのはちょっともったいないなと思っただけだから…」

 

「ツンデレですかカズマ」

 

「誰がツンデレだ」

 

そう言いながらベランダに出してあった荷物を自分の部屋にしまう

 

「もう中に入ろうぜ、何時までも外にいちゃ風邪引くぞ」

 

「またカズマの覚えておかなければならない言葉が増えました」

 

「何か言ったか?」

 

俯いてブツブツ言っていためぐみんは顔を上げると

 

「いえ、なんでもないです」

 

そう言い部屋に入ってきた

 

こうして騒がしい高校生活1日目は終わった



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単発短編 中二魔女の休日

「カズマ起きてください、もう朝ですよ」

 

俺が休日を朝から有意義に過ごしていると声をかけられた

 

「何言ってんだ今日は土曜日だろ…昼まで寝るから起こすなよっていつも言ってるじゃん」

掛け布団を頭まで掛けながらそう答える

 

「お兄ちゃんこそ何言ってるんですか?今日は学校へ行く日ですよ」

 

「お前あいつに影響されすぎだろ、口調が似てきてるぞ」

 

「別にいいじゃないですか…もしかしてお兄ちゃんあの人の事嫌いなの?」

 

考えたこともなかったな…俺はあいつの事を…

 

「何時も何となく一緒に帰って来てるし、嫌いってわけじゃあない」

 

「そういえばなんで何時も一緒に帰って来てるの?」

 

「分からん、気づいたら一緒に帰ってる、まああいつと一緒にいても変に気を使わなくていいし楽だからな」

 

「ふーん」

 

「なんだその返事…」

 

「じゃあ私そろそろ部活に行かなきゃならないから」

 

「気をつけて行けよ…あ、帰りにカズめぐの新巻買ってきて」

 

「自分で買ってきなよ…今日出かけるんでしょ?じゃあね」

 

そう言うと妹は俺の部屋から出ていった

朝から疲れた…寝よ…

あれ…

寝返りをうとうとしたが背中に何かあるようで寝返りがうてない

 

「…これは事後なのか!?」

 

この頭のおかしいむっつりロリっ子をどうしてやろうか

 

「ああカズマやっと起きましたか…」

体を起こしてすやすやと寝ているむっつりロリを眺めていると目を覚ましやがった

 

「やっぱお前むっつりロリだ」

「じゃあそんな私に興奮するカズマはロリコンですね、ロリマの名前を部内に広めてくれます」

 

そら思春期真っ盛りの男の子だもん…しょうがないね

 

「それ部内に広められてもあんま困らなくないか?」

 

「うう確かに…じゃあネットで…」

 

「それは洒落になんないからやめろ」

 

「そういえばなんでお前俺の部屋で寝てたの?夜這い?」

 

「前にも言いましたがあなたに夜這いなんてしませんよ、今日はカズマを起こしに来たのです、カズマを何とか起こそうと頑張ったのですが、気持ちよさそうに寝ているカズマの顔を見ていたら私も眠くなってきてしまいまして…つい…そんなことより今日が何の日か忘れてませんか?」

 

今日?

 

「ああ、アレね、アレの日ね、じゃあ家で薬でも飲んで大人しくしてた方が…」

 

「…」

 

どうやら違う様だ、めぐみんの目がやばい、なんかほんのり目が赤く光ってんだけど…

 

「はぁ…今日は爆裂散歩に付き合って貰うと昨日帰り際に言ったではありませんか、やっぱり忘れてたんですね」

 

そういえばそんなこと言ってたっけな

 

「まあ今日暇だし別に散歩位…そういえば爆裂散歩って何?爆裂?」

 

「まあ基本は普通の散歩ですが、爆裂魔法を撃つ場所を探しながらする散歩が爆裂散歩です」

 

爆裂魔法ってなんだ

まあいつもの病気だろうから気にしないでおいた方がいいか

 

「だから早く起きてくださいよ、朝ごはんは作ってあるので早くしてください」

 

中二病のこいつの料理…

 

「なんですかその顔は…あれですか?私が料理できるのが信じられないと」

 

「いやそんなことは全然思ってないぞ?ただ…」

 

「言い合ってても始まりません兎に角早く身支度して食べて見てください…きっとこの世に産まれてきた事を後悔するはずです」

 

何かおかしくないかそれ

そう言うとめぐみんはベットの上から下り朝食を作るため部屋から出ようとドアの方へ向かう

 

「不味くてか?不味くてだな?」

 

「ぶっ殺、ぐふっ」

 

キレてイノシシのようにベットに突進してきためぐみんに掛け布団を投げかける

 

「ほらほらどうした?うわっ」

 

掛け布団をかけられそうになり退けようとするめぐみんを妨害するべく煽りながら近づく、しかし声だけで俺のいる方向を察知しためぐみんがロケットの如く頭から突っ込んできた

これは決まった

 

「油断しましたねカズマ…おやおや苦しそうに…今、楽にして差し上げますよ」

 

流石にやりすぎたと思ったのかそう言いながら、めぐみんは俺のそばによって来て、「大丈夫ですか?」と言いながら背中をさすってくる

俺がめぐみんを挑発したのが悪いんだけどな

 

「まさかこの最強の最弱職と言われた英雄の俺が負ける…だと…」

 

「カズマが英雄?変態の間違いでしょう?」

 

「おい、俺が英雄なことに疑問符をつけた理由を詳しく聞かせてもらおうじゃないか」

 

「はいはいカズマは英雄かっくいい〜ひゅーひゅー」

 

お前は誰だよ

キャラがブレてきためぐみんが

 

「私達は朝から何をしてるんでしょうか」

 

と言い出し

 

「カズマ私は1回家に行ってきます、また後で迎えに来ますから早く朝ごはん食べてちゃんと身支度しておいてくださいよ?」

 

と言われたので渋々支度をする

朝ごはんがうまかったのが…なんか負けた気がする

今更気がついたがあいつと今日二人きりか…

女の子と二人きりで出掛ける…

これはまさか色々ある!?と思ったが中二病で頭のおかしいあいつだからな…

ないない

そもそもあいつはそういう事には無関心だろうしな

それからゆっくりダラダラと着替えたり顔を洗ったりしているとめぐみんが来た

 

「カズマ準備…出来てませんね…」

 

「すまん、いきなり右手の封印が疼いてな…今度は左目が…」

 

「それは奇遇ですね、実は私も今両手が勝手に動いて」

 

めぐみんが満面の笑みで手をワキワキさせながら近づいて…

 

「て、抵抗しないんですか?」

 

「しない」

 

こいつ予想外の事に弱いな…

その後めぐみんの妨害に会いながらも何とか支度を終わらせた

 

「お前俺に早く支度させたいのか、させたくないのかどっちなんだよ…」

 

「私は売られた喧嘩は買う主義ですから、カズマが一々挑発するのが悪いんですよ、それにしても無駄に体力を使ってしまいましたが…さあそろそろ行きましょうか、もうお昼近くですが…」

 

めぐみんが外に行こうと立ち上がる

 

「ああ、そうだな、でどこに行くんだ?」

 

「そうですね…今日は学校周辺にでも行って見ましょうか」

 

休日にまで学校に行きたくないが…しょうがない

今日は暇だからね

 

「なあめぐみん、お前ここに引っ越して来る前は何処にいたんだ?」

 

川沿いの道を俺の隣をキョロキョロしながら歩くめぐみんに尋ねる

 

「ここに来る前はアクセルと言う街にいましたね」

 

「アクセルねーはいはい、で本当は?」

 

「少しは乗ってくれてもいいじゃないですか…本当は静岡の清水と言うところです」

 

「へー」

 

「なんですかその適当な返事は!」

 

「えー?静岡の清水?わーすっごーい!」

 

「過剰なのもそれはそれで腹が立ちますね!」

 

「わがままだな」

 

そんな他愛もない話をしながら歩いているうちに駅に着いた

 

「お前って子供料金でも乗れそうだよな」

 

「カズマこそ童顔ですし子供料金でも乗れそうですよね」

 

「え?俺って童顔なの?」

 

「私はそう思いますよ、寝顔なんて特に子供っぽいです」

 

そういえばこいつ俺が寝てる間に部屋に忍び込んでたっけな…

 

「そういえばどうやってお前俺ん家に入って来たんだ?」

 

そんなことを言いながら俺は二人分の切符を買う

 

「知り合いに頼んで鍵を開けてもらいました」

 

前から思っていたがこいつの交友関係はどうなってるんだろうか

 

改札を通りホームに向かった

 

「なんか飲むか?」

 

「今日はそうですね…じゃあ高級シュワシュワで」

 

「はいはい、でなんだ」

 

「じゃあ…アフタヌーンのミルクティーで」

 

「ほらよ」

 

「スペシャルサンクス」

 

ちなみに今日のめぐみんは何時もの痛い格好ではなく、至って普通の女の子の服装だ

 

「そういえば今日お前普通だよな」

 

「何言ってるんですかカズマ、私は何時も普通ですよ」

 

お前が普通の世界なら俺はどうなる

 

「頭のおかしいロリコン」

 

「俺を勝手にロリコン認定するんじゃねえ」

 

「でも風の噂で聞きましたよ?小さい子が好きだと」

 

「誰だよそんな噂流したの…」

 

「まあまあ、噂以前にカズマからはそういう雰囲気を感じますから…」

 

えっ

その後電車ないで落ち込んだ俺をめぐみんが慰めてくれた

 

「カズマ着きましたよ…私は小さい子が好きでもいいと思いますよ?」

 

「そういう問題じゃない…」

 

「おや、あれはゆんゆんじゃないですか」

 

めぐみんがそういうので見てみる

 

「確かにゆんゆんだなあれ、普通に歩くだけでたゆんたゆんしてるし、まあ…その…なんだ…ドンマイ」

 

「カズマ慰めてくれなくていいです、私は絶対にゆんゆんを越えてみせますから!」

 

「あのー二人ともさっきから真後ろで何やってるの?」

 

「おやゆんゆん今日は部活か何かですか?」

 

「今日はめぐみんが呼び出したんでしょ?あ、カズマさんおはようございます」

 

「おはようゆんゆん」

 

ちょっと同い年の女の子と二人きりで出かけることに色々期待していたが…まあこんなもんか

 

「どうかしましたかカズマ?」

 

「いや、なんでもない」

 

「ではカズマ、ゆんゆん行きましょうか」

 

こうして今日もまた時間が過ぎて行く

 



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帰宅部(仮)

「はぁ?部活?」

 

SHRが終わりとっとと帰ろうとした俺をめぐみんが呼び止めた…

 

「そうです、この学校部活に絶対入らないといけないじゃないですか」

 

え…何それ初耳

 

「良い部活がなかったので作ろうかと…」

 

部活とか入る気無かったからなんも考えてなかった、どうしよ…

 

「へー、そうか頑張れ、じゃあな」

 

帰ろうと立ち上がった所ワイシャツの袖を掴まれた

 

「で、部活を作るには最低4人必要なのですが、後2人誰か入ってくれそうな人に心当たりありませんか?」

 

人の話を聞いてねぇ…

てか

 

「後二人?」

 

「はい、私とカズマで二人ですから後2人です」

 

やっぱり俺も含まれてるのね

 

「まあ、暇だからいいけど…後2人か…」

 

俺の友人達は皆入る部活を決めているやつばかり…

絶対部活入らなきゃならないから皆部活部活言ってたのか…

 

「あ、ごめんなさい、カズマには友達が…」

 

「お前と違って普通いるわ!」

 

「え」

 

「なんだその顔は!」

 

「私はカズマと友達じゃありませんよ?」

 

こ、こいつ…

 

「ぼっちのカズマさんじゃ部員集めに協力出来なさそうだし帰りマース」

 

「カ、カズマ」

 

ワイシャツの袖を握ったまま目に涙を溜めて上目遣いでそう言って…

俺はこんなにもチョロかっただろうか

 

「はぁ、しょうがねーな手伝ってやるよ」

 

「フッチョロイデスネ」

 

「なんか言ったか?」

 

「言ってません、ほらそれよりも早く行きますよ」

 

何か呟いた後めぐみんは俺の手を掴み引っ張る

 

「早く行くってどこ行くんだよ、何か宛でもあるのか?」

 

「一人入ってくれそうなぼっちに心当たりがあります」

 

自己紹介かな?

 

「な、なんでしょう」

 

いきなりめぐみんに睨まれた、こいつまさか!?

 

「俺の事が好きなのか!?」

 

「いきなり何とち狂ったことを…私が言うのもなんですが、頭大丈夫ですか?」

 

ガチでヒクワーって顔で見てきた

どうやら違ったようだ

 

「そういえばどういう部活を作ろうとしてんだ?帰宅部か?」

 

めぐみんに引っ張られ廊下を歩きながらふと気になったので聞いてみる

…面倒くさそうな部活だったら他の部活に入ろう

 

「…何する部活ですかそれ…帰るだけですか?そんなの部活として認められないでしょう…いや、上手く理由を付けたらもしかしたらいけ「ないだろ」

 

後ろ向きに歩きながらあからさまに気を落とすめぐみん

 

「今のところ活動内容等は決めていませんね…適当に青春するとでもしておきましょうか」

 

「それで通るか?申請」

 

まあ活動内容を具体的にしなかったのは良かった個人によって(青春)が意味する事は違うからな

俺の青春はもちろんら

 

「大丈夫です、任せてください、先生を欺くのは得意ですから」

 

そんなくだらない事を考えていると、めぐみんが俺の考え事を中断させるようにドヤ顔を近づけてくる

その自身は一体何処から…

 

「あっ」

「あっ」

 

めぐみんに連れられ1階の職員室の前まで来たところ職員室からたゆんたゆんとゆんゆんが出てきた

 

「ゆんゆんちょうどいい所に、ちょっとサインして貰いたい書類があるのでちょっといいですか?」

 

俺にはした事ないような営業スマイルでゆんゆんに話しかける

営業スマイルすらしてもらえない俺って…

 

「え?うん、まあいいけど」

 

ゆんゆんは胡散臭いものを見る目で渋々頷く

めぐみんお前ゆんゆんに一体何したんだ…

 

「ちょっとなんで名前書くとこ以外隠すのよ!」

 

「え?ああ、すみません」

 

めぐみんは部活どうちゃらこうちゃら書かれている場所を見せまいと必死に抵抗するが

 

「部長佐藤和真、副部長佐々木芽久明…これって」

 

「おい、どういう事だ」

 

部長の欄には俺の名前が書いてある

 

「ああ、こんな時に…右手よ鎮まりたまぁう…」

 

逃げたそうとしためぐみんの首根っこを掴み連れ戻す

 

「これには駿河湾より深ーい訳が」

 

例えが分かりずらい

 

「ほう…どういう訳なのか聞こうじゃないか?」

 

「むしゃくしゃしてやりました、後悔はしていません」

 

訳なんてねえじゃねえか!しかも開き直りやがったな

 

「まあ部活の内容によるけど部長をやるのも嫌じゃないから別にいいけどさ」

 

だんだんとこいつが出来の悪い後輩みたいに見えてきて…何か…

今の発言は色々とかっくいいポイント稼げたんじゃないか?

 

「入りたい部活がなかったからだからね!?勘違いしないでよね!?部長になったのもあんたの為じゃないんだからね!?」

 

おっと二人ともガチで引くのはやめてもらおうか!

これはかっくいいポイント0点!どころかマイナス!

 

「本当にいいんですか?嫌なら私か、ゆんゆんがやるので」

 

落ち込んだトーンで上目遣いでめぐみんはそう言ってきた

上目遣い…

 

「え?」

 

まだ若干引きながらも申し訳なさそうにめぐみんは尋ねてくる

 

「え?マジ!?じゃあゆんゆんで!」

 

誰もやらないならやろうと思ったが、学級委員な雰囲気のゆんゆんがなってくれるなら、ゆんゆんの方が向いてるだろうし

 

「え!?」

 

「じゃあ部長はゆんゆんっと」

 

「ええ!?私の意見は…?」

 

「ゆんゆんが入ってくれたからあと一人か」

 

「でも困りましたね、私にはもう入ってくれそうな心当たりのある人がいません、どうしましょうか…」

 

「取り敢えず部活の活動内容が認められるかどうか聞いておいたらどうだ?」

 

「そうですね、今日はもう遅いですし、明日先生に聞いてみましょうか」

 

こんななんでもない騒がしい放課後も見る人によっては(青春)になるのだろう

 

「ねえ、そういえば2人は何の部活作ろうとしてるの?」

 

「「帰宅部」」

 

「え」

 

ゆんゆんが固まってる…

 

「あ、カズマそういえば今日は駅前のスーパーが何周年かの感謝祭で色々と安いらしいので、帰りに寄って貰ってもいいですか?」

 

「ん、まあいいけどってちょっと待て引っ張るな!あ、じゃあなゆんゆん、また明日」

 

「ほら、早く行きますよカズマ!」

 

結局部長は俺になっていた…

それを俺が知る事になるのはまだまだ先の事

 

あと一人!



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帰宅部!

「さあ帰るか」

 

今日も1日何事もなく学校が終わった

 

「さあ行きましょうか!」

 

気づかれないよう自然に教室から出ていこうとしたんだが…いつの間にか廊下を歩く俺の隣にめぐみんがいた

ていうかなんでそんな元気なんだよ…

 

「今日は疲れたから一人でどうぞ」

 

俺はめぐみんの方に顔を向けずに言う

俺も何回も引っかかるようなバカじゃない

 

「見てましたが今日の授業ほとんど寝てたじゃないですか!疲れるわけないでしょう!」

 

!?それって

 

「まさかお前俺の事が!?」

 

めぐみんの発言に思わずめぐみんの方に顔を向ける

 

「ハイハイ、カズマの事は嫌いじゃないですよ」

 

めぐみんはこちらを見ずにそう言ってくる

 

「着きましたよ」

 

めぐみんはそう言うと気の扉の前で立ち止まる

 

「生徒会室?」

 

「生徒会が活動している部屋です」

 

「馬鹿にしてんのか!?」

 

読みゃわかる

 

「私から見たらカズマは馬鹿…あっ、ちょっと待ってください、嘘です!嘘ですから」

 

帰ろうとした俺をめぐみんは必死に抱きつくようにして引き止める…こいつはまたこうゆうことを…

 

「で、一体生徒会相手に何すんだ?」

 

生徒会室に来たと言うことは生徒会に用があるのだろう

 

「いえ、特に生徒会の人達に用はないかと…セシリーから放課後ここに来るようにと昼休み言われまして」

 

セシリーはこの学校の…なんだ、そういえばなんなんだあの人…まあ一応保健室の先生…かな、ちなみに本名は不明だ

 

「で、なんで俺まで」

 

めぐみんの話を聞くに別に俺が来る必要がなさそうなのだが…

 

「あの人と二人きりはちょっと…」

 

あの人について噂で色々聞いているが、噂がホントならめぐみんがそう言うのもわかる

 

「しょうがねえな、どうせ暇だし着いてくくらないなら」

 

まあ俺が一緒に行ってもめぐみんが被害を受けそうなのだが…

 

「た、助かります」

 

コンコン

ドアをノックし返事が帰らないうちに部屋に入る

 

「…」

「…」

「…」

 

部屋の中には2人いた、1人はあの目立つ長く伸びた金髪、青いシスターの服セシリーだ、もう1人は制服を見るに中等部の生徒のようだ、セシリーと机を挟んで向かい合って座っていて顔は見えない

…セシリーがなんか今机に隠した気がするが気の所為だろう

 

「あ、あらめぐみんさん、今日はどうしたの?あ、もしかして私に告白?」

 

少し動揺しながらセシリーは長い金髪を揺らし立ち上がってめぐみんに近づきながらそう言う

 

「何馬鹿な事を言ってるんですか、今日はあなたが呼び出したんじゃないですか」

 

「えっ、ああ、そういえば…そうだったかしらね?確か部活を作るために部員と部室を探してるんでしょ?」

 

そう言いながら微笑むセシリーの笑顔からは嫌な予感を感しかしない…

めぐみんとイチャイチャするために、帰宅部の部員になる!とでも言い出すんじゃ…

 

「紹介するわ、この子は中等部3年のアイリスちゃん」

 

セシリーは先程から座っている子の隣に行き俺達に紹介する

 

「初めまして、私は中等部3年のアイリスです、これからよろしくお願いします先輩」

 

アイリスと名乗ったその子は立ち上がって俺達に向かって礼儀正しく挨拶をする

先輩…いい…

 

「この子帰宅部に入りたいらしくてね、でも中等部の生徒が高等部の部活に入るのは原則出来ないから、どうにか出来ないか私に相談しに来たのよ」

 

…何故この人に相談した、いや、逆にこの人だからこそか

 

「そういえば聞いたことがありますね、中等部の生徒が高等部の部活に、また逆も同じく出来ないと」

 

へぇー初耳だ

こいつもこいつで一応部活について色々調べてたんだな

 

「だから、色々無茶をして入れるようにしたわ!」

 

もの凄く嫌な予感がする

 

「カズマ嫌な予感がします、というか嫌な予感しかしません」

 

めぐみんが俺にだけ聞こえるように言ってくる

 

「じゃあ、めぐみんさん後はよろしくね?申請とか色々私がやっておくから、部室はここ使っちゃっていいからね、じゃね」

 

セシリーは一方的にそう言うと、俺達が何か言う前に出ていってしまった

何したんだあの人…

 

「アイリスと言いましたね、本当に私達の部活に入りたいんですか?放課後になったら直ぐに帰れる部活じゃないですよ?」

 

めぐみんは軽くため息をついたあと、アイリスと名乗った子に振り向き聞いた

 

「はい、それは知っています」

 

「え?じゃあなんでこんな部活に?」

 

こんな部活って、お前が作ろうって言ったのにこんな部活って…

 

「それはお二人を見ていてとても楽しそうだからです、部活は楽しくないと意味がないですからね」

 

そう言いアイリスは微笑む

めぐみんが俺の前にいるせいでよく見えないが…

「そ、そうですか、まあ部活ですからね」

 

楽しいかこの部活?まあめぐみん、アイリス、ゆんゆんと美少女3人とイチャイチャ出来るなら…まあ1人は残念だけど…

 

「なんだそのジト目は」

 

そんな事を考えてニヤニヤしているとめぐみんにジト目で睨まれていた

 

「いえ、今日もカズマは冴えないなと思っていただけですよ」

 

やっぱりこいつは残念だ

 

「そりゃどうも」

 

「あ、あの、これからってどうしますか」

 

「そういえば、おい、めぐみんこれからどうするんだ?あ、そういえば自己紹介まだだったっけ、俺は佐藤和真、でこの残念なやつが佐々木芽久明、めぐみんだ」

 

「おい、誰の何処が残念か詳しく聞かせてもらおうじゃないか」

 

そう言ってめぐみんが飛びかかってくる

う、鬱陶しい…

 

「はい!カズマさんとめぐみんさんですね、これからよろしくお願いします!」

 

アイリスは自然にめぐみんをスルーし、先程と違って元気よくペコりとお辞儀をする

 

「よろしく、こういうとこだぞめぐみん」

 

「はい!カズマ!改めてよろしくお願いします!」

 

「気持ち悪るッ!やっぱりお前はそのままの方が…」

「ぶっ殺」

 

やっとの思いで引き剥がしためぐみんがまた引っ付いてくる

 

「お、落ち着け、冷静に!冷静に腹を割って話し合おう!俺は童貞、お前は頭がおかしい奴これでいいじゃないか!」

 

めぐみんが抱きつくようにひっついているこの状況はまずい、色々と

 

「カズマが童貞なのは事実ですが私の頭がおかしいってのは事実じゃないでしょう?」

 

なんでお前俺が童貞だって事を…

 

「まさかお前俺の事を!?」

 

「なんでそうなるんですか?頭お花畑なんですか?カズマは…はぁ、なんだかもう疲れました」

 

めぐみんはそう言いながら疲れたようで俺から離れ、アイリスの隣にある椅子に座り、机に突っ伏した

 

「それはこっちの台詞だ」

 

俺も疲れたのでめぐみんの空いているめぐみんの対面に座る

 

「やっぱりお二人のやり取りを見ているとなんだかホッコリしてきます」

 

右斜め前に座っているアイリスがめぐみんと俺を交互に眺めそう言う

 

「まあそりゃ良かった、疲れた甲斐が有るってもんだ」

 

いったいこんなやり取りの何処にこの子はホッコリしたのだろうか

 

「あ、先輩そろそろ私行きますね」

 

アイリスは携帯に目をやるとそう言い立ち上がった

 

「ああ、じゃまた明日」

 

「はい、また明日」

 

アイリスは軽く手を振って生徒会室から出ていった

てか明日も部活やんのこれ?てか生徒会は生徒会室使わないのか?

 

「おい、めぐみん」

 

未だに机に突っ伏したままのめぐみんに帰る前に明日の部活のことを聞くために呼びかけるが

 

「…カズマ」

 

寝てんのかよ…てか寝言で自分の名前呼ばれるのなんか恥ずかしいな…

 

しょうがねえな…

 

今日の帰宅部は下校時間ギリギリまで続いた



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こうしてカズマの帰宅部が終わりを告げる

「今日こそは…」

 

ここ何日か、放課後は必ずあいつに捕まって色々と付き合わされる、早く教室からでてもどっかで必ず捕まる、だから今日はわざと遅く教室から出るようにした。

 

「…」

 

机に突っ伏して寝たフリをしているのだが、もの凄く何かに見られている気がする。

そのまま寝たフリを続けているとガラガラと音がする、誰かが机か椅子を動かしているようだ、そしてその音は俺の席の近くまで来て止まる、これ詰んでね?

 

「…」

 

起こされるかと思ったが、その気はないらしく、何の歌かは分からないが鼻歌が前の席の方から聞こえてくる。

 

「あ、めぐみんこんな所にいた!…何やってるの?」

 

鼻歌が聞こえ初めて十分程、ゆんゆんがなかなか部活に来ないめぐみんを探しに来たようだ

 

「ゆんゆんですか、あなたこそどうしたんですか?私はカズマが寝ていて起きそうにないのでここに居るのですよ」

 

ここにいる事の答えになって居ないような気がするが…まあいいか

 

「どうしたじゃないわよ!今日から部活動を始めるから生徒会室に来るように言ったのはめぐみんでしょ?それでなかなか生徒会室に来ないから呼びに来たんじゃない」

 

俺も部員の筈なんだがそんなこと聞いてないぞ…

 

「今日の部活動は私一人でやるからゆんゆんは帰って貰っていいですよ、あ、後アイリスにも帰っていいと伝えておいてください」

 

「え?帰っていいの?部活やらないの?」

 

何処かガッカリしたようなゆんゆんの声

もしかして部活楽しみにしてたのか…

 

「ええ、今日は急用が出来てしまいまして、私もそろそろ帰ろうかと」

 

そう言うとまたガラガラと椅子を引きずる音がする

 

「うん、分かった、じゃあアイリスちゃんにも伝えてくるね」

 

そう言ったゆんゆんの足音が遠ざかって行くと、またガラガラと椅子を引きずる音が近づいてくる

 

「ふぅ、いきなりゆんゆんが来るとは思いませんでしたが、上手く誤魔化せましたね」

 

こいつはいつまでここにいる気なんだろう…早く帰りたいのだが今起きたら絶対何か付き合わされる

 

「こうやってカズマと寝顔を見るのも何年ぶりでしょうかね、懐かしいです、やっぱりカズマと居ると凄く安心しますね」

 

そんなめぐみんの時々でる何時もの中2的な発作を聞きながら

 

「この世界でも、やっぱり私はカズマの事を…」

 

俺は本当に寝てしまった

 

「カズマそろそろ起きてください、カズマ!」

 

「ん、あ、めぐみん?…ああ、俺寝ちまったのか」

 

「そうですよ、ほらもう下校時間です、早く帰りますよ」

 

前の席の椅子に座って自分の腕に顔を乗せていためぐみんがそう言いながら立ち上がる

まさか下校時間まで寝るとは…

 

「起こしてくれたのは有難いけど、なんでお前まだ学校にいるんだ?」

 

俺も荷物を持ち立ち上がりながらそう言う

 

「え?私はその、アレです」

 

「アレ?」

 

「そう、アレです」

 

「アレか、じゃあ仕方ないな」

 

俺の言葉を聞いて、ほっと息を吐くめぐみん

 

「で、そのアレってなんだ?」

 

「え」

 

教室から出ようとしためぐみんの肩がビクッとした

 

「セシリーに部活として、何か頼まれたのか?」

 

「そ、そうです、セシリーです、あの人に色々雑用を頼まれてしまいまして」

 

慌てたように早口にめぐみんは振り返り言う

 

「それで教室に用があったので来てみたらカズマが寝ていたので起こしたのですよ」

 

「そうか、そりゃ悪かったな、部員なのに部活に出れなくて」

 

「いえ、別にいいですよ、元々私が無理やり作った部活ですし、カズマに迷惑はかけられません、これくらい自分1人でやりますよ」

 

「まあ、なんだ…俺も一応部員だし暇な時ぐらいは手伝うよ」

 

「暇な時って、カズマは何時も暇じゃないですか」

 

めぐみんはそう言いながらクスッと笑う

こいつ…

 

「失礼な、俺だって忙しい時は忙しいんだぞ?例えば…」

 

「例えば?」

 

「例えば…そうあれだ、休みの日とか」

 

「休みの日ですか?カズマは休みの日は昼まで寝てその後もただゴロゴロしているだけでしょう?」

 

なんで分かるんだよ…

 

「そう、ゴロゴロするから忙しいんだ」

 

「カズマは休日も暇、っと」

 

気がつくとめぐみんは携帯を弄っていた

 

「あ、そういえばまだカズマの連絡先を聞いてませんでしたね、カズマちょっと携帯貸してください」

 

「え?あ、うん」

 

めぐみんにそう言われ反射的に携帯を渡す、めぐみんは俺の携帯を受け取ると素早く登録をすませる

 

「これでいつでもカズマに連絡出来ますね」

 

そう言ってめぐみんは微笑む

俺の大切な休日が脅かされそうな予感がビンビンする

 

「休日は着信拒否してやる」

 

「着信拒否したら直接家に乗り込むまでです」

 

やめてくれよ…

 

「お前今日買い物してくのか?」

 

下駄箱につき靴に履き替えながらめぐみんに聞く、買い物してくならちょっと遅くなるかもしれないので、ねりまきに夕飯先に食べとけと連絡しなければならない

 

「今日は買い物しません、昨日の残り物がありますし、特に食材もない物はないので」

 

学校前の坂道を下りながら隣を歩くめぐみんはそう言う

 

「毎日大変だな、色々と」

 

「大変と言えば大変ですが、もう慣れましたし、将来的には毎日やらなくてはいけませんからね、これくらいで音を上げてはいられません」

 

めぐみんはこちらに顔を向けることなく言う

こいつは時々暴走したり、訳のわからない事を言ったりしなければ、見てくれはいいし、性格も明るくて、家事全般できて嫁スキル高いしいいのだが…

誰に聞いたか忘れたが、こいつのアレな面を知らない男子からは結構人気があるらしいし…

 

「めぐみん何か飲むか?奢ってやるよ」

 

ちょうど自販機があったのでめぐみんに何か飲むか聞く、ちょうど俺も喉が渇いたから仕方ないね

 

「こーひーのぶらっくで」

 

「ミルクティーだな、へいへい」

 

何時もブラックを買ってきても、結局飲めずに俺が飲む羽目になりお金の無駄なので買わない

 

「そういえば前から気になってたけどなんでブラックのみたがるんだ?」

 

めぐみんにミルクティーを渡しながら前から疑問に思っていたので聞いてみる

 

「ブラックってなんだか大人っぽいじゃないですか」

 

「ロリ枠のお前は大人っぽくない方がいいと思うが」

 

「ロリ枠ってなんですか、私はそんなキャラ作りをした覚えはありませんよ!」

 

めぐみんがお釣りを取っている俺腰あたりを掴み揺らす

やめろ揺らすな、お釣りが落ちる

 

「わ、分かったから落ち着け」

 

「そもそも私とカズマは同級生なのに何故私がロリ扱いなんですか!」

 

「色々小さいくて出来の悪い後輩みたいな感じだから…」

 

最初は出来の悪い妹みたいに思っていたが最近は妹と言うより後輩っぽい

 

「まあ、なんだ、お前はもう短所を克服するより、長所を伸ばした方が俺はいいと思う」

 

「いえ、まだ私は諦めませんよ、お母さんにもそういう家系と言われましたが、私は絶対あきらめません」

 

威勢よく俺の手を掴み引っ張るようにめぐみんは駅に向かって歩き出す

めぐみん、時には諦めも肝心だと思うぞ

 



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やがて佐々木芽久明は”めぐみん”となる

今日はめぐみんと一緒に生徒会室に来て、特別何かするでもなくまったりと過ごしていると…

 

「あら、もう来てるのね、2人だけ?」

 

そう言いながら一応部活の顧問のセシリーが入って来た

 

「あの2人はまだ来ていません、それよりセシリー、部屋に入る時はノックをしてくださいと何時も言ってるじゃないですか、もし私が着替え中だったりしたらどうするんですか?」

 

ノックもせずいきなり入って来たセシリーに対しめぐみんは少しムスッとし言うが

 

「どうするって?勿論ガン見するわ!」

 

当たり前だよなぁ

 

「そういえばあなたはそういう人でしたね…」

 

らしい返しを見せたセシリーに対しめぐみん肩を落とす

 

「それより先生ここに何か用があって来たんじゃないんですか?」

めぐみんに変わり話を進める

 

「あ、そうそう、今日は活動内容を持ってきたわよ!」

 

セシリーはわざわざ黒板の前に移動しそう告げる

やっぱり先生に見えないなこの人

 

「?活動内容を持って来たってどういうことですか?」

 

「この部活の活動内容は基本的には自由と言うことになったわ」

 

「「え」」

思わず声が出た

 

「よくそれで部活の申請通りましたね」

 

最近部活が増えすぎて部活の申請が通りにくくなったと聞いていたのだが…

 

「めぐみんさんのために頑張ったのよ!」

 

「それはありがとうございます」

 

「普通にお礼を言われると、それはそれで物足りないわね」

 

「で、どうやって主任の先生を騙したんですか?」

 

この人がまともな事をするはずがない

 

「カズマくん失礼ね、騙してなんかないわ!」

 

がっくしと肩を落としていたセシリーが、俺の言葉を聞いた瞬間顔を上げる

 

「じゃあ、どう欺いたんですか?」

 

「めぐみんさんまで!酷い!ちゃんと頼んだのよ、カズマくんがなんでもしますから認めてくださいって!」

 

ん?今、なんでもって…しかも俺…

 

「まさかそれで通ったんですか!?」

 

「そのまさかよ、まさかカズマくんで釣れるとは思わなかったわ」

 

「ええ…マジかよ」

 

「ええマジよ、それで今日はその何でもしてくれるカズマくんの部活に頼み事って事で、この書類を渡されたのよ」

 

セシリーが持っていたファイルから紙を取り出し机に置いた

 

「え、マジですか!?これは…セシリーこれを本当に私達が?あれっ!?セシリーが」

 

書類を見ためぐみんの顔が思わしくない

逃げたなあの人、嫌な予感しかしない、俺何させられるんだろう…

そう思いながら、恐る恐るめぐみんから書類を受け取る

 

「カズマ…」

 

や、やめろ、そんな顔をするんじゃない…そんなにヤバい事なのか

 

どうしてこうなった…

 

学園祭実行委員

委員長 佐藤和真

 

副委員長 佐々木芽久明

 

 

 

 

 

「遅れてごめんなさ…めぐみん、カズマさんどうしたの?」

 

「ゆんゆんさん?どうしました?」

 

あれから少し経ってからゆんゆんとアイリスが部室に入って来た、手に何かが入った袋を持っている

 

「ゆんゆん、アイリス丁度いい所に、委員会活動に興味ありませんか!?委員長とかになれば絶対進学とか損しませんよ!」

 

机に突っ伏していためぐみんがガバッと跳ね起き、ゆんゆんに詰寄る

胡散臭い勧誘か何か?

 

「めぐみん2人が引いてるから…まあ色々あってだな」

 

俺はめぐみんを宥め2人に事情を説明した

 

「何気に私達も入ってるんですね…」

 

ゆんゆんは普通の実行委員、アイリスは中等部副委員長

 

「私、中等部の生徒会長も務めてるんですが…大丈夫でしょうか」

 

大丈夫じゃないでしょう、それ

 

「大丈夫じゃないでしょうね、主任の先生に言って変えてもらった方がいいかと」

 

めぐみんが珍しくまともな事を…

 

「1人だと不安だろうからついてこうか?」

 

「私が着いてきますからカズマはここにいてください?」

 

満面の笑みでそう言ってくるめぐみん

アイリスについて行って、どさくさに紛れて俺も委員長辞められないかなーって考えてたんだが…バレたか

 

 

アイリスとめぐみんは先生に話をしに行ったため今はゆんゆんと二人きりである、なんか気まずい…

ゆんゆんとはクラスが同じだが話すことはまずない、どっかの誰かさんは呼んでもいないのに近くに来て話しかけてくるのだが…

 

「あの…」

 

そんな事を考えているとゆんゆんの方から話しかけてきた

 

「ん?なんだ?」

 

「そういえば思ったんですけど、カズマさんはなんでこんな部活に入ろうと思ったんですか?」

 

おいめぐみん、こんな部活って言われてるぞ

まあ確かにそう思うよな

 

「無理矢理入れられたんだが、まあ入りたい部活もなかったし、別にいいかなって」

 

「やっぱりめぐみんに無理矢理されたんですか…」

 

言い方!

 

「まあ、こんな事になってるけどまあ…そういえばゆんゆんってめぐみんといつの間に仲良くなったんだ?」

 

クラスでは最近2人で百合百合している、美少女2人が百合百合しているのは非常に目の保養になって大変よろしい

いいゾもっとやれ

 

「な、仲良くはないですよ?と、友達とかそういうのよりライバルって感じですかね」

 

ライバル…そういえばあいつテストの順位やらでゆんゆんがどうとか言ってたっけな

 

「仲の良さならカズマさんとめぐみんの方が…いつも楽しそうに話してるし、傍から見たらイチャイチャしてる風にしか見えませんよ?」

 

「まあ、仲は悪くは無いけど…アレはイチャイチャとは言わないだろ」

 

最近友達にロリマさんだのロリコンだの言われるのはもしかしなくてもこれが原因か…

 

「そうですか?私にはイチャイチャしてるようにしか見えなかったので、もしかしたらめぐみんはイチャイチャしてる気だったのかも知れませんよ?」

 

「え」

 

 

「そういえば…」

 

私は廊下を歩きながら隣を歩くアイリスに話しかけた、前々なら疑問に思っていた事を聞く為に

 

「何故アイリスはあの部活に入ろうと思ったのですか?」

 

普通の人ならばあのよく分からない部活に入ろうとは思わないだろう…外見、そしてアイリスと言う名前…嫌な予感がする

 

「それはお二人を見ているとほっこりするからですよ…私もひとつだけ聞いていいですか?」

 

そうじゃないでしょう、と私が思っていると…アイリスは淡々と

 

「めぐみんさんはカズマさんの事をどう思っているんですか?」

 

そんな事を聞いてきた

 

カズマをどう思っているか…私の思いは何年経っても、これからもずっと変わらない、私は…

 

 

「ただいまー」

 

あの後めぐみん達が帰ってきて今日の部活は終わった

 

「あー、今日も疲れた」

 

自分の部屋に入りベットに横になる

寝そべりながら携帯を弄っていると、めぐみんからメッセージが届いた

 

(カズマ、土曜日空いてますか?)

 

土曜日、土曜日か…

 

(まあ、空いてるけど)

 

(そうですか)

 

(…)

 

え…それだけ?何処か遊びに行こうとか一緒にゲームやろうとかのお誘いじゃないの?

 

(あ、やっぱり土曜日用事あったわ、家族で出掛けるんだった)

 

なんかあれなので土曜日用事がある、と嘘をついてみた

 

(カズマの嘘ってわかりやすいですよね)

 

バレテーラ

 

(なんで分かった)

 

(ねりまきちゃんに聞きました、あ、聞かなくてもカズマの嘘はわかりますよ)

 

何してくれてんだあいつ…俺ってそんなに色々とわかりやすいかな…

 

(あいつか)

 

(カズマ)

 

(なんだよ、また呼んだだけです、とかやめろよ、いい加減ブロックするぞ)

 

またからかわれると俺はこの時思っていた

 

(土曜日私とデートしませんか?)

 

ほらまたからか…

 

(は?)



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佐藤和真はめぐみんがカズマを知っていることをまだ知らない

デート…一瞬本当に言葉の意味がわからなくなり携帯で検索した

リア充爆裂しろ

まじか?マジなんか!?いや、でもいつもの調子でからかわれてるんじゃ?

 

(は?じゃありませんよ、デートするんですか?しないんですか?)

 

(な、なあデートってあのデートだよな?)

 

(他に何があるんですか?男女が一緒に好きな事をするのがデートですよね?)

 

(なんで疑問形なんだよ、デートなんてした事ないから俺だって分からん)

 

今までろくに女の子とイチャイチャなんてした事ないし、付き合ったことも無いからデートとかよく分からない、そもそもなんでいきなりデート

 

(カズマならそうでしょうね)

 

(喧嘩売ってんのか!?俺だってな、キャーカズマさーんレアドロステキー!アイテム頂戴!そのキャラかっこいいー!とか言われてたんだぞコラ!)

 

(…私はカズマはなかなかだとおもいますよ?)

 

その抽象的な褒め方やめろ

 

(ほんとに?俺のナニがなかなかなんだ?)

 

(その…素直じゃないですが…まあ…私が何かやらかしたりした時助けてくれる様な…優しい所とか…カズマのそういう所いい私は思いますよ)

 

それってあれじゃん…もういいや…

 

(ありがとよ…まあ、めぐみんがいいなら、土曜日暇だし別にいいけど、どこ行く気なんだ?)

 

これ以上さっきの話を続けても色々とダメージを受けるだけだと思ったので話を戻した、デート…デートか

 

(街に行こうかと、カズマは何処か行きたいところとかありますか?)

 

(特にないかな)

 

(そうですか、じゃあ明日駅前に9時集合で)

 

(おう)

 

 

ね、眠れない…

普段めぐみんの事を意識している訳では無い、がこれからめぐみんとデートとかするのが、実は結構楽しみだったりする

 

誰かを好きになったりしたことがなかったので、恋焦がれるだとか、好きになるだとか、そういう気持ちがよく分からない…

 

 

「眠い…」

 

あの後ごちゃごちゃと色々考えていたせいで眠れなかった、眠気を何とか覚ますためリビングでコーヒーを飲んだりしていた

 

「あれ?お兄ちゃん早い…徹夜か」

 

ねりまきが起きてきた、土曜の朝7時半、部活か

 

「なんでか分からないけど眠れなくてな」

 

「眠れないのになんでコーヒーなんか飲んでるの…」

 

俺が手に持っていたカップを見ながらねりまきはそう言ってきた

 

「今更寝たら折角の土曜日を無意味に浪費することになるからな、寝ないように飲んでるんだ」

 

「いつものことじゃん」

 

失礼な

 

「実は今日とあるゲームの発売日でな、早くやりたいから店に買いに行くんだよ」

 

「へぇ」

 

「そういえば早いけど部活か?」

 

「うん、今日練習試合でね」

 

「…」

 

「何?」

 

「いや、別に…まあ、程々に頑張ってこいよ」

 

めぐみんとデートに行くことを知られたらからかわれそうだから誤魔化したが、こいつも実は…いや、ないな、ないない、ないよね?

 

ねりまきは自分で朝食を作って食べ、素早く身支度をし、慌てて家を出ていった

俺もそろそろ支度するかな

適当に朝ごはんを作るため台所へ向かおうと立った時チャイムがなった

 

「朝早くから一体誰だ?」

 

玄関のドアから外を覗いてみる

俺の知り合いじゃなければ面倒だし居留守しよう

 

「おかしいですね…ねりまきちゃんからカズマは起きていると聞いていたのに」

 

知らない、こんな人知らない、よし居留守だ、というかまたあいつは余計な事を…

 

「ねりまきちゃんに鍵を借りましたから勝手に入って作って置いてあげましょうかね」

 

えっ、今から入ってくるの!?ちょっとそれは不味い色々と出しっぱだ

 

「やあ、おはようめぐみん、今日もいい天気だな!」

 

俺はめぐみんの不自然な突入宣言を聞いた瞬間、流れるようにドアを開けた

 

「おはようございますカズマ、随分ドアを開けるのに時間がかかりましたね?」

 

居留守してたのバレてたか

 

「ちょっと鍵の調子が悪くてな?…いえ、嘘です、ちょっと面倒で居留守しようとしてました…それで一体こんな朝早くから何の用だ?」

 

「休みの日のカズマはだらけていて何もしないと聞いたので、朝ごはんを作りに来ました」

 

「残念だったな、今日はもう朝ごはん食べたぞ」

 

何か今日はやる気が出てきて珍しく自分で朝ごはんを作った、案外うまかった、やれば出来るじゃん俺!

 

「私の爆裂風日本の朝食アクセルのそよ風を振舞おうと思っていたのですが、残念です」

 

名前から想像がつかないが一体何を作る気だったんだこいつ

少ししょんぼりとしためぐみんは、何かあるようでその場から動かないでいる

 

「ん?どうした?さては出来る男カズマさんに見とれちゃったのかな?」

 

「相変わらず寝癖酷いですねカズマ」

 

寝てはいないがソファで横になっていたのでその時寝癖がついたようだ

まだ朝ごはん食べただけだからね、仕方ないね

めぐみんはまた後でと言い残し自分の部屋に帰って行った

 

駅前に集合する時間が1分、また1分と近づいて行くたびに改めて女の子とデートをするという事実に緊張する

 

そして集合時間の1時間前に駅に着いた

遅れるわけには行かないので早めに家を出たのだ

途中の信号やら踏切、その他の事象で遅れる時間を計算して、まあ1時間位早く出ればいいだろうとなったからなのだが…

 

「早すぎた、流石に1時間前って…」

 

「カズマ何してるんですか、まだ集合1時間前ですよ?」

 

駅前のコンビニの前で携帯を弄っていると、突然誰かから声をかけられた

 

「俺は…その…あれだ!あれってお前こそ何してんだよ…」

 

「私は…その…アレです、デートの下見を…」

 

「当日、集合時間1時間前に集合場所の駅の下見に来るやつが何処にいる」

 

「ここにいます」

 

無理矢理でもそれで通す気か

 

「それでどうするか、もう行くか?」

 

「そうですね、早くいってその分いっぱいデートしましょうか」

 

そう言うとめぐみんは自然に手を握ってきた

いきなりはあかんて…

 

電車はそこそこ混んでいて俺達は向かい合ってドアのすぐ前に立っている

ち、近い…

 

「結構混んでますね、今日何かありましたっけ?」

 

下から見上げながらめぐみんが聞いてくる

 

「なんもなかった気がするけど…」

 

「…」

 

「…」

 

初めてのデート、それといつもの制服姿と違い女の子らしい格好の私服めぐみんに緊張し会話が続かない、めぐみんも緊張しているようで、先程から俯いている

 

「なあめぐみん、そういえばなんで駅前集合だったんだ?」

 

疑問に思っていた事をふと思い出した、家近いから俺の家集合でも良かったんじゃ?

 

「それは…その方がデートぽくなるかなと思いまして、ほら、いつも学校行く時は私がカズマの家に行くじゃないですか、ですから雰囲気を変えるためにというか…」

 

まあ確かになんかいつもとは違う様な感じはした…気がする

 

「でも集合時間より二人とも早く来て、なんかいつもの感じになっちゃったけどな」

 

「無理に何か変えたりするよりも、その方が私達らしくていいのかもしれませんね」

 

そんな事を話しているうちに電車は目的地に着いた

めぐみんが任せてくださいと言っていたので俺は今日ほとんどノープランだ

 

「めぐみん最初どこ行くんだ?」

 

「最初はゲーセンです」

 

ほうゲーセンとは、なかなかじゃないか

 

「ゲーセンよく行ったりするのか?」

 

「いえ、行くのは今日が初めてです、前々から行きたいと思っていたのですが…」

 

女の子ならそんなもんか

 

「結構うるさいんですね」

 

「まあな」

 

街にあるこのゲームセンター「あくえりあす」、地元にあるものよりも全然広く色々なジャンルの物がある

めぐみんは小さな子供のように目を輝かせて、チラチラと当たりを見ている

 

「カズマカズマ、あれをやってみたいです」

 

めぐみんが指さしたのはクレーンゲーム、金額が一定以上になるとアームが強くなったりするやつだ、景品はでっかい黒い…羽とか生えてるけと…猫?のぬいぐるみだ

 

「あれか…多分まだ取れないぞ」

 

「え?なんでです?」

 

「そんな気がする」

 

めぐみんとそんなやり取りをしていると、1人挑戦者が現れた

結果は勿論駄目、何回か挑戦したが持ち上がりすらしない

 

「あれどうやって取るんですか…持ち上がる気配が全くありませんよ」

 

「まあ見とけ」

 

俺は機械に近づくとお金を入れ適当な所でアームを止める、ボタンを押しアームが下がっていく、いつの間にか隣に来ていためぐみんは食い入るようにアームを見ている、だから近いって…

アームはぬいぐるみを掴み持ち上げようとする、さっきの挑戦者の時はこの時点でアームの力がなくなってぬいぐるみは落ちるのだが今回は違う、アームはぬいぐるみを掴んだまま穴の方へ

 

「凄いです!凄いですカズマ!ありがとうございます!大事にします!」

 

喜んで貰えて何よりだ

その後このクレーンゲームの説明をすると「ああ、そういうことですか、それならカズマがやればまあ取れますね…」って言われたんだが…俺、こいつに規格外に運がいいって事話したっけ?

 



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未だ最強は英雄の夢を見る

「やってやりましたねカズマ」

 

でかい猫のぬいぐるみを抱え、自分もクレーンゲームで取った猫耳カチューシャをしながら着いてくるめぐみんが何故か満足そうな顔でそう言う

 

「いつもはなんか後で反動が来そうだからやらないけど…やってやったぜ」

 

袋一杯の荷物を両手に持ちながらそう答える

やってやったぜじゃねえよ!どうしようこの荷物…

めぐみんがあんなに喜んでくれるとは思わず、そんな喜ぶめぐみんを見ていると嬉しくなり、ちょっと調子に乗ってクレーンゲームをヤリまくってしまった

 

「カズマ大丈夫ですか、私も荷物持ちますよ?」

 

「大丈夫だ、問題ない、お前だってそれあるんだから無理すんな」

 

ほんとは大丈夫じゃないです

 

「いや大丈夫じゃないでしょう…困りましたね」

 

「近くにコインロッカーでもないかな」

 

デートで調子に乗って女の子を困らせるとか…だから未だに童貞で女の子と付き合う事もできないのだと改めて思い知る

 

「あれ?めぐみんとカズマさん!?」

 

あっ

困り果てて二人してベンチに座っていると…

 

「ゆ、ゆんゆん!?死んだはずでは!?」

 

「勝手に殺さないでよ!」

 

「ゆ、ゆんゆんなんでぼっちのあなたがこんな所に!?」

 

「ぼっちじゃないわよ!今日はアイリスちゃんと買い物に来てるの」

 

「これが最近よく聞くパワハラですか」

 

「違うわよ!アイリスちゃんが誘ってくれたの!」

 

「やっぱり仲いいよな二人とも」

 

「え?やっぱりそう見えますか?」

 

「何頬を染めてるんですか!?私にそういう趣味はありませんよ!カズマは黙っててください!」

 

あ、はい

 

 

「めぐみんそういえばこんな所で何してたの?」

 

落ち着いたゆんゆんはめぐみんの隣に座り改めて疑問に思っていたのかそんな事を聞いてきた

 

「カズマとデートしてました」

 

えっ

 

「えっ、デートってあのデート?」

 

「そうです、あのデートです」

 

どのデートだよ、ていうか言っちゃっていいのか?

 

「カズマさんとあのめぐみんが?デート!?」

 

「そうです、私とカズマは今デートしてるんです」

 

めぐみんは動じる素振りも見せず淡々とゆんゆんにそう告げる

 

「おい、なんかゆんゆん固まっちゃったぞ」

 

「アイリスと一緒に来ているようですし、このまま放置して行っても大丈夫でしょう」

 

ホントかなぁ

と思うが俺も立ち上がるめぐみんにつられ同じく立ち上がる

 

「映画か、久しぶりだな」

 

次に来たのは映画館、めぐみんが見たいものがあるらしい

 

「舞台は見たことありますが映画は初めてなので楽しみです」

 

俺は逆に映画はあるけど舞台とか見たことないな

 

「で、何見るんだ、魔法少女がなんかするやつか?それともパンのヒーローのやつか?」

 

「馬鹿にしてますか?馬鹿にしてますね!」

 

「分かったから騒ぐなって皆に注目されてるだろ、じゃあ何見るんだ?」

 

「アレです」

 

「アレってこのすばの事か?」

 

めぐみんが指さした作品は「このすば」と言うアニメ映画

 

「お前アニメ好きだったのか」

 

俺はアニメは好きだ、特にこのすばは大好きな分類のやつだ、ラブコメが話の主でなく脇でラブコメしてるような物が大好物なのだ、特にこのすばは魔法使いの女の子と主人公との関係が素晴らしく尊く…終わらなくなるので辞めておこう

 

「ええ、まあぼちぼち見ますね、カズマは確かアニメ好きでしたよね」

 

「まあな、このすばは特に魔法使いの子と主人公とのラブコメが尊くて好きだな」

 

「そうですか、それは良かったです」

 

めぐみんはどこか安心したように、ホッとしたように言った

 

 

良かった…実に尊み秀吉

このすばの映画は予想以上の出来で終わる頃には、尊いしか感想が出ないくらいに2人が尊かった

 

「結構面白かったですねカズマ、私は最後、主人公が、一つの魔法しか使えなくて落ちこぼれ扱いされていた魔法使いの女の子の魔法で魔王を倒したところ、物語の初期の頃主人公が言っていた事も関係して、何だか感動してしまいました」

 

「欲しいのは最強の魔法使いって言ってたのか?」

 

「それもそうですが、前夜の約束といい、一緒に爆裂道を歩もうってことですからね、それはもう思い出しただけでも嬉しくて」

 

そういうめぐみんの目から涙が溢れてきた

 

「お、おい、どうした!?」

 

どう見ても俺がめぐみんを泣かせた様にしか見えない

 

「あ、すみません、つい」

 

めぐみんはそう言って急いで服の袖で涙を拭おうとした

 

「ほら」

 

持っていたハンカチで涙を拭いてやる

これは後々学校でからかわれそうだ

 

「カズマ…」

 

「なんだ?まあ…その…あんま気にすんなよ?」

 

「カズマこれハンカチじゃなくて靴下じゃないですか!」

 

適当にハンカチだと思ったものをポケットに突っ込んだのだが…

 

「でもこの方がカズマらしいくていいですね」

 

「カッコつかなくて悪かったな!」

 

「それでこれからどうしましょうか、そろそろお昼ですしご飯にでもしますか」

 

「確かに腹減ったな、何食うか」

 

「私はなんでもいいですよ?あ、出来れば安いものに」

 

ということで高くなく簡単に済ませられるファストフードになった

 

「うまうま」

 

ほっぺたにケチャップを付けながらめぐみんがハンバーガーを食べている

 

「なんですか?顔に何かついてますか?」

 

「鼻と目と眉と口とケチャップがついてるな、拭いてやろうか?」

 

「じゃあお願いします」

 

 

「どうしたんですか?拭いてくれるんでしょう?」

 

そう言って向かい合っていためぐみんが身を乗り出し顔を近づけてくる、み、見えそう

 

「わ、分かったから、ほらこれで自分で拭けって」

 

童貞には色々とハードルが…

 

 

お昼の後はめぐみんの提案でめぐみんの部屋に行くことに…

その時は深く考えずに二つ返事で行くと答えたのだが、よく考えてみるとこれって…もしかしてそういう事?

 

「カズマ、ニヤニヤしてどうかしましたか?」

 

地元の駅から家に向かう道すがら、そんなことを考えているとめぐみんに聞かれた、顔に色々と考えてしまったことが出ていたようだ

 

「え?いや、べ、別に?ニヤニヤなんかしてないけど?」

 

めぐみんは顔を近づけ見つめてくる、めぐみんの目を見ていると心の中を見透かされているような気がする

 

 

「ちょっと待っててくださいね?」

 

めぐみんの部屋の前に着くとめぐみんは部屋を片付ける為か先にそう言って先に部屋に入っていった

俺は今めぐみん家のリビングのソファに座りめぐみんを待っている

 

リビングにはほとんど物がない、あるのはソファとテーブル、固定電話位だ

テレビやパソコンなどはないようだ

テーブルにはめぐみんのお姉さんの書き置きがある

 

「カズマお待たせしました」

 

ぼーっとしていると、部屋から顔を出しためぐみんがそう言ってくる

 

部屋に入って驚いた、前に見たガラクタはほとんどなく、部屋には古そうなベットと椅子と机とクローゼットがあるばかり

 

「?私の部屋何か変ですか?」

 

俺はその部屋に驚いた以上に何故か懐かしさを感じた

 

「いや、まあ、あのガラクタがないから」

 

「ああ、あれですか…アレはもう今の私には必要無くなったので売れるものは売って、他は捨てました」

 

一部、何かのアニメの奴だろうか、杖が2本と魔法使いの帽子がその杖にかけられているが

 

「ここに来てもらった理由は他でもありません」

 

めぐみんはその杖に近寄り手に取る

めぐみんが俺を部屋に読んだ理由、そんなの一つしかないだろう

 

「服を自作したので、感想を聞かせてください」

「めぐみんがそう言うなら…は?」

 

まあそうだよね



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英雄にあって佐藤和真にないもの

「ん…んあ」

 

目が覚めた…なんで目が覚めた?

 

「え?」

 

確か俺はめぐみんが作った服を見せてもらっていた筈だが…

目の前には知らない天井、周りを見渡してみる

めぐみんの部屋にあったような家具がある、俺の寝ているベットもめぐみんの部屋にあったやつのようだ

 

「なんだ、服をほめたら暴力系ヒロインめぐみんに殴られでもして気を失ったのか?」

 

しかし部屋にめぐみんの姿はない

 

「リビングに居るかな?」

 

そう思いベットから降りる

 

「夢かな?」

 

ベットから降りる時穿いている物が違うことに気づいた、ベットの下には靴もある

 

「夢だな」

 

改めて自分の格好を確かめると腰に短剣…

 

「まあ兎に角めぐみんを探してみるか」

 

折角なんか面白そうな夢なので、この際楽しんでみることにした

 

めぐみんの部屋のような部屋を出ると廊下に出た

 

「完全に夢だな」

 

中世ヨーロッパの貴族の屋敷のような雰囲気、まあそんなの実際見たことないけど

 

どうやら今いるのは2階のようなので、廊下を進んで突き当たりにあった階段で1階に

 

「あ、カ、カズマ、おはようございます」

 

今のような部屋に入るとイスに座って何かを食べている、何故か魔法使いのコスプレをして

 

「おはよう、ってお前なんでそんな恰好してんだ?」

 

「?何か変ですか?」

 

めぐみんは首を傾げる

 

「いや、やっぱりなんでもない」

 

この夢の世界だと普通の恰好なんだろう、余計なことを言うのはやめよう

 

「そういえば今日いい天気になって良かったですね」

 

「え、ああそうだな」

 

めぐみんは何かを食べ終えたようで皿を持って立ち上がる

 

「カズマ朝ごはん何か食べましたか?まだなら作りますが」

 

「いや、まだだけど」

 

「そうですか、じゃあカズマちょっと待っててください」

 

そう言うとめぐみんは皿を持って居間を出ていった

 

「珍しいなカズマがこんな朝早くに起きているなんて」

 

居間の椅子に座っていると、金髪美女がそう言いながら入ってきた

 

「なんか早くに目が覚めちゃってな、二度寝しようとしたんだけど寝れなくて」

 

「おや、ダクネス早いですね、また王都へ?」

 

「また魔王の娘が何やら怪しい動きをしている様なので会議をやるようだ、父の仕事をこれからは私がやらなければならないのでな、今のうちから色々と勉強しておかないといけないからな」

 

魔王の娘…そういう世界か

 

「カズマ大丈夫ですよ、何かあっても私が守ってあげますからね」

 

そう言ってめぐみんは俺を安心させるように微笑む

 

「わ、私はそろそろ…カズマいくら幾ら夫婦になったからと言ってめぐみんに…過激なプ…」

 

ダクネスとめぐみんに呼ばれた金髪美女はそい言いながら顔を赤くして…え、何この人…

 

「ダクネス安心してください、カズマは初めての時から今も変わらず優しいですから」

 

 

「もう何回もしているのか…(壁に耳を当てても聞こえなかったのだが…)」

 

ダクネスさん心の声漏れてますよ

 

「壁を厚くして正解でしたねカズマ」

 

「え?ああ」

 

この夢の世界の俺、めぐみんとそういう関係なのか

 

「(じゃあ今度はまたクローゼットに隠れて)」

 

「カズマ今度からは私の部屋に来てください、それよりダクネス行かなくて大丈夫ですか?時間そろそろでしょう?」

 

「え?ああ、確かにそろそろ時間だな、めぐみんはああ言っているが、カズマ!いざと言う時はお前がちゃんとめぐみんを守るのだぞ?」

 

「ああ、おう、任せろ!」

 

俺の返事にダクネスは少し不安そうな表情をしながら出ていった

 

「カズマ、そろそろ私達も行きましょうか」

 

ダクネスが出て行ったのを見送っためぐみんが振り返りそう言ってきた

 

「え、何処に?」

 

「忘れたんですか?病院ですよ」

 

めぐみんが残念な奴を見る目に

 

「病院?なんだ、風邪でもひいたのか」

 

「昨日言ったじゃないですか…その…できたかもしれませんと」

 

え、できたってもしかして

 

「俺の…子供!?」

 

「そうです、なんで驚いてるんですか、結婚してから1ヶ月位ですが毎日していたんですから、出来てもおかしくないでしょう?」

 

なんでその場面の夢じゃないんだ…

そしてそこで俺は目覚めた

 

「カズマ!カズマ大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫だけど…お前何してんの?コスプレか?」

 

めぐみんは赤い服を着て茶色っぽいマントを羽織い、先程みた帽子をかぶって、ベットに寝かせられた俺の手を握り涙目でいた

 

「こ、これは、その…そうです、コスプレです、それよりいきなり気を失いましたが…何処か痛いとことかないですか!?」

 

「いや、特にないけど、俺気を失ってたの?」

 

「はい、私がこの服を着て見せたら突然…」

 

今日起こった事が一体なんだったのか、俺にもめぐみんにも分からない、分かるとすれば居るかどうか分からない神様とかだろう

 

そして俺は気を失っていた間の事を全く覚えていなかった



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魔女の密会

「おはようめぐみん」

 

玄関を出てめぐみんにばったりあったので挨拶したのだが…

 

「おはようございます」

 

返してくれはするものの、前のように一緒に登校することはなく、互いに話すこともない、微妙な距離でいる、ここ何日間かずっとこの調子だ

 

別に喧嘩したとかではない…

先日のデートのことでもまあない…

と思う、正直何が原因か分からない

 

 

「なあカズマ」

 

「ん?なんだ?」

 

今日もいつもの様に適当に授業を受けていると、後ろのどうて…ぶろっこりーから話しかけられた

 

「て、お前髪どうした?」

 

振り返って驚いた、ぶろっこりーの頭はあだ名にそぐわないボリューミーなアフロヘアーになっていた

休みの間に一体何があった…

 

「イメチェンだ」

 

「イメチェン?」

 

「そうだ、前の髪型はなんか…こう…ぱっとしなかったじゃん?」

 

じゃんって言われても…

 

「まあ、ぱってか、まあ…目立つな、それ」

 

「だろ?最近軽音楽部に入ったんだけどよ、普通の男子高校生がやっててもアレだろ?」

 

まあアレだな

 

「だからアフロにしたんだ、これでモテる!」

 

一体何がどうなったら(モテる!)になるのか…

 

「おう、頑張ってもてろよ」

 

俺は適当に返事を返し前を向く

教室内は自習で先生がいないのでザワザワとしている

 

「おい待て、まだ話は終わってない」

 

「なんだ、どうしたらモテるか教えろってか?自慢じゃないが俺は今まで異性として好かれたことも、告られた事も、そして好きになった事もないから聞かれても困るぞ」

 

「いや、そんなのは分かる、最近ちょっとお前に関する噂が流れててな?」

 

分かるな!お前に俺の何が…

なんだこの流れは…

それにしても

 

「噂?俺の?」

 

「そう、お前の…」

 

「俺の?」

 

「ああ」

 

「ああ、じゃねえ早く教えろください!?」

 

「お前佐々木と別れたの?」

 

「は?」

 

佐々木?…ああめぐみんか、いつも名前呼びだから苗字だと誰かわかんねえな

 

「そもそも付き合ってない」

 

「え?そうなの?」

 

「ただ家が近くて、部活仲間で、たまたま一緒に帰ることが多いだけだ」

 

俺は兎も角として、あいつはそういう事は考えていないだろう…ただ単に友達…いや、あいつは友達すら…これ以上考えるのはやめよう…

 

「友達みたいなもんだな」

 

「男女の間に友情は伝々だぞ」

 

「あいつ多分俺のこと異性とかそういう風に見てないと思う」

 

俺の事を異性として意識してるんなら何時もの距離が近すぎる

そして異性として意識してないからこそ、普通のDTなら勘違いするような事を普通にしてくるのだろう

 

 

「なあ、ゆんゆんちょっといいか?」

 

放課後俺は部室に立ち寄り目当ての人物に話しかけた

 

「1人なんて珍しいですね」

 

「ちょっと色々な、めぐみんのことでちょっと聞きたいことがあるんだが」

 

「今日やけに当たりが強かったのは…任せてください、めぐみんの事ならバーコードの位置までなんでも知ってますよ!」

 

…ゆんゆん怖い

え?何?バーコード?何それ聞きたい

 

「じゃあまずめぐみんの…」

 

ドアの方を向いているゆんゆんの顔が青ざめている…

 

「あ、め、め、めぐみん…これは…その」

 

ゆんゆんの視線の先には真顔で立っているめぐみん

 

「その?なんですか?二人揃って私の何を話していたんですか?」

 

二人揃って、と俺の存在を認めながらもゆんゆんにだけ詰め寄る

 

「め、めぐみんの血液型クイズを…してました」

 

く、苦しい…

 

「で」

 

「カ、カズマさん」

 

俺が答えるのね

 

「A」

 

(カップ)

 

「ぶっ殺」

 

なんで!?心の中で付け加えただけの筈なんだけど!

 

「めぐみん落ち着いて、1人でここに来たって事は何か用があったんじゃないの?」

 

「そういえばそうでした、今日の部活動は特にありません、多分明日もないです」

 

まあ仕事がある方が珍しいからなこの部活

 

「今日は忙しいので先に帰ります」

 

めぐみんはろくに俺の方を見ずにそう言って来た

 

「あ、ゆんゆんちょっと来てください、話があります」

 

めぐみんはゆんゆんを捕まえると有無を言わさず無理やり引っ張って行った

ゆんゆんが(助けて!)というような視線を向けてきたが…ああなったアイツをとめるのは…ちょっと…

なんというか…ご愁傷さまです

 

 

一応アイリスが来ないか部室で少し待って見たが…来なかったので戸締りして部室を後にした、この時間まで来ないのならもう帰ったのだろう

 

1人で帰るのは随分久しぶりだ

いつも1人で静かに帰ろうとすると大体あいつに捕まってたからな…

 

「あれ、あいつら、なんでまだこんな所に」

 

数百メートル前の方、何か買い物でもしたのか、買い物袋を持っためぐみんとゆんゆんがいた

 

 

ここはとあるカフェ、普段行くことのないようなカフェに俺は1人で入った

 

「私は爆裂パフェで」

「私は…私も同じので」

 

なんということだ…たまたま、偶然、奇跡的に、めぐみん達と仕切り板を挟んで反対側の席になってしまった

 

「後3日ですか、これなら間に合いそうですね」

 

「後はめぐみんのアレだけね」

 

「だ、大丈夫です、任せてください、徹夜してでも完成させます」

 

「あんまり無理しちゃダメだよ?」

 

「徹夜は慣れっこです」

 

「そういえばめぐみんは普段から徹夜してたっけ、一体何してるの?」

 

「秘密です、ライバルに秘密は教えられません」

 

アレか?徹夜と言ったらアレだろ?

 

「ふーん、そういえばめぐみん、カズマさ」

 

「お待たせしました、爆裂パフェです!」

 

「ゆんゆん、カズマがどうしました?」

 

「あ、いや、なんでもないよ?」

 

「そうですか、やっぱり爆裂パフェはうまうまですね」

 

「ほんとだ、美味しい」

 

爆裂パフェ…気になる

 

 

結局めぐみんの態度がおかしい原因は掴めなかった

 

「あ、童貞ヒキニート」

「童貞はまだしも、引きこもりでも、ニートでもないからヒキニート言わないでくださいよ」

 

今日も1人で部室に行くとセシリーが居た

 

「それで今日は一体なんなんですか?」

 

「仕事よ!仕事!」

 

「仕事?」

 

「夏休み、うちの学校プール解放してるでしょう?」

 

「それの監視員をやってくれって事ですか?」

 

「そうそう、1週間位」

 

夏休みぃ…

 

「あ、私そろそろ飲み会行かなきゃだから、めぐみんさん達によろしくね〜」

 

 

「…って事で夏休み出ることになったから」

 

部室で待っているとめぐみんが来たので、プールの事を簡単に説明した

 

「夏休みですか…どのくらいの間出ることになりそうか、わかりますか?」

 

「夏休み入ってから1週間位だと」

 

「そうですか…それなら…」

 

そう言ってめぐみんは携帯を見ながらブツブツ言っている

相変わらずめぐみんの態度は何処かよそよそしい

 

「すみません、今日も先に帰ります」

 

携帯を見ていためぐみんは唐突に立ち上がるとそう言って部室から出ていった

 

 

「あ、カズマさん」

 

めぐみんが出た後も部室で携帯を見ながらぼーっとしているとゆんゆんが来た

 

「…ってことだ」

 

ゆんゆんにも簡単にプールの事を説明した

 

「分かりました、プールか〜」

 

ゆんゆん…プール…

めぐみん…プール…あっ

やめておこう

 

「なあ、ゆんゆん、最近めぐみんの様子がおかしいんだけど…何か知らない?」

 

「え?めぐみんの様子?別に普通だと思うけど…」

 

「最近なんか俺に対してよそよそしくてな、めぐみんに何かした覚えもないし…」

 

「そんなに気にしなくても、めぐみんなら時間が経てば元に戻ると思いますよ?」

 

「そう…かな」

 

「そうですよ、あんまり気にしない方がめぐみんも気にしなくていいでしょうし」

 

ゆんゆんがそう言うなら…そうなんだろうか…

俺は何処かゆんゆんの言葉に引っ掛かりながらも納得するしかなかった



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億千万の好敵手

「はっぴーばーすでー!ですカズマ!」

 

「え?」

 

めぐみんがよそよそしくなってから数日、めぐみんから呼び出され、何を言われるのかビクビクしながらめぐみんの家に行ったのだが…

 

「え?じゃないですよ、今日はカズマの誕生日でしょう?」

 

めぐみんは部屋の入口に立ちながら俺に確認するように小首を傾げる

 

「そうだけど」

 

「めぐみんはカズマさんの為に誕生日会をやろうとしてたの、でうっかり話しちゃわないようによそよそしかったんだって」

 

めぐみんの後ろからゆんゆんがそんな事を…

え、よそよそしかったのってそれが理由なの!?

 

「色々考えた俺って…」

 

「カズマプレゼントです」

 

めぐみんは手に持っていた小さな箱を俺に渡してきた

 

「え、あ、ありがとう」

 

「開けてみてください」

 

箱を開けるとそこには小さな小刀のペンダントが入っていた

 

「ちゅんちゅん丸?」

 

小さくて見えずらいがプレートにそう書いてあるようだ

 

「かっこいい名前でしょう?」

 

「ちゅんちゅん丸…ちゅんちゅん丸…」

 

「おい、ちゅんちゅん丸に何か文句があるなら聞こうじゃないか」

 

「やっぱり変だよ名前」

 

「なにおう!ゆんゆんも作った時はいいと言ってくれたではないですか!」

 

ゆんゆんの言葉に直ぐに反応しめぐみんは食ってかかる

 

「まあ変な名前だけど大事にするよ、ありがと」

 

俺はめぐみんからもらったペンダントを早速付けた

 

 

「おはようございますカズマ、じゃあ行きましょうか」

 

「おはよう」

 

誕生日以降めぐみんは何時ものめぐみんに戻った

 

「明日から夏休みか〜」

 

「そうですね、夏合宿楽しみです」

 

俺達帰宅部は合宿という名の旅行を夏休み中にすることになった

 

「正直家でダラダラしたい」

 

「変わりませんねカズマは、そうですね…じゃあ夏合宿来てくれたら私が何かいい事してあげますよ?」

 

いい事…ねぇ…

まあでも夏休みぐらいダラダラ生活をやめてみてもいいか

 

「よし、じゃあ俺も何かしてやる」

 

「え」

 

「べ、別に誕生日のお返しとかそう言うんじゃないんだからね!?」

 

「き、きもちわるいです〜!」

 

 

「おはめぐみん」

 

「おはようございます…カズマ…」

 

今日は合宿出発日当日、色々あったがプール監視員の仕事を乗り越えついにこの日が…

 

「お前目の隈どうした」

 

めぐみんは俺の家の玄関前に立ちフラフラしている

 

「え?ああ…これですか…ちょっと眠れなくてですね…」

 

小学生か

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です」

 

そう言っためぐみんはフラフラし、壁にもたれ掛かる

大丈夫じゃないだろ…

 

「しょうがねえな」

 

「ちょ、ちょっとカズマ!?流石に恥ずかしいです…」

 

歩かせて倒れられてもかなわないので、学校までおんぶして行くことにした

 

「お前も女の子なんだな」

 

背中に何が、とは言わないが何かが当たり、改めてそう感じた

 

「!?それは一体どういう…今まで私をなんだと思ってたんですか!?」

 

「頭のおかしいやつ、って暴れるなよ!」

 

「カ、カズマ手の位置が!?わざとですか!?わざとですよねこれ!」

 

おっといけない、手がちょっと…

 

「めぐみんのふとももはすべすべしてていいな」

 

「私が調子悪いからと言って…うぅ」

 

俺に制裁を加える気力もないのか、めぐみんは背中でぐったりしている

 

「お、おい、大丈夫か?セシリーには俺が言っておくからお前やっぱり帰った方が…」

 

「大丈夫です、ただ眠いだけですから…」

 

…ほんとかなぁ

俺はめぐみんを心配しながらも俺とめぐみんの荷物を両手に持ち集合場所の学校へ向かうことにした

 

「カズマさんおはようございます!あれめぐみんどうしたの?」

 

集合場所に着くとゆんゆんとあれはセシリーだろうか車に乗っている人がいる

 

「ちょっと寝不足なだけです」

 

「あ、そういえば…」

 

「ゆんゆんそれは…」

 

「あ、ごめん」

 

「おはよう、今日はよろしくな」

 

ゆんゆんとめぐみんのやり取りを若干眠い目で見つめていると後ろから話しかけられた

 

「お、おはようございます」

 

年上のお姉さん系の人と言うことで若干緊張し、敬語になる

 

「年上だからと言って、別にそんな固くならなくていいのだぞ?」

 

「カズマ、その人は?」

 

ゆんゆんと話していためぐみんが俺が誰かと話しているのに気が付き、聞いてきた

そういえば俺以外この人と会ったことないっけな

 

「ああ、この人はダスティネス・フォード・ララティーナさん、略してララティーナだ!帰宅部に入りたいらしくてな」

 

「か、固くなるなとは言ったがその名前で呼ぶな!コホン、改めて初めまして名前は…まあ長いのでダクネスと読んでくれ」

 

「こちらこそよろしくお願いしますダクネス、私は佐々木芽久明、めぐみんと呼んでください、入部希望ならセシリーに言って置いてください」

 

俺はこの時違和感を感じた…

 

「よろしくめぐみん、セシリー?ああ、あの人か、わかった話しておこう」

 

 

「おはようございます皆さん、あれめぐみんさん目に隈が…」

 

「おはようございますアイリス、ちょっと寝不足で…」

 

「これで全員そろったわね、じゃあ皆車に乗ってー」

 

アイリスが来たのを確認して、今まで運転席で仮眠していたらしいセシリーが、アイマスクを外し窓を開けて言ってくる

 

「めぐみんお前助手席行くか?」

 

「いえ、大丈夫です、カズマと同じ一番後ろでいいです」

 

なんで俺一番後ろに座ることに決まってるの…

 

「じゃあ私が助手席に乗ろう」

 

「じゃあ私はゆんゆんさんと真ん中の席ですね」

 

 

車が走り出して数十分…

 

「め、めぐみん、これはちょっと」

 

「嫌…ですか?」

 

嫌なわけない、嫌どころか何故か頭を凄くナデナデしたい衝動に駆られる

現在眠いと言い出しためぐみんは俺の膝枕を使って横になっている

 

「嫌じゃないけど…は、恥ずかしいじゃん」

 

「カズマは結構恥ずかしがり屋ですよね」

 

「お前位だろ、これやっても恥ずかしくないの」

 

「私も膝枕したりするのは恥ずかしいですよ?」

 

めぐみんはそう言いって寝息を立てて気持ちよさそうに寝始めた

ちょっと位ならバレないよな?ばれないよね?

俺は気持ちよさに寝ているめぐみんを見ているうちに頭をナデナデしたり、髪を手櫛ですいたりしはじめた

何してんるんだろ俺…

そして調子にのりほっぺをつんつんしたりした

ほんと何してんるんだろ俺…

 

「かじゅま…」

 

ちょうどぷにぷにほっぺを触っていた所でいきなり名前を呼ばれびっくりした

なんだ寝言か…

 

「大好きです…」

 

寝言だ、俺と大好きは関係ない…

めぐみんの事を意識していないと言えば嘘になる、こんな美少女と日々一緒に帰ったりしていれば少しは意識もする…

めぐみんと一緒にいると自然体でいられて、落ち着く、何をするでもなくグダグダと喋って一緒にいるだけでもなんか楽しそうだなと思うし、異性としても魅力的にも思える、でも今のこの関係を告白して壊してしまうのが怖い、振られたりしたら俺はまた…

 

「皆〜、宿に着いたわよ〜」

 

色々考えているとセシリーの声に遮られる

 

「おい、めぐみん起きろ、着いたぞ」

 

未だに膝枕で寝ているめぐみんを起こす

 

「カズマ?…なんですか?寝ている間にセクハラですか!?」

 

「お前が俺を枕にして寝たんだろ!?」

 

「ああ、そういえばそうでしたね、迷惑かけてすみませんでした」

 

「いや、迷惑ってほどじゃないけど…それよりもう大丈夫か?」

 

「ええだいぶ」

 

「めぐみーん、カズマさん、行きますよ!」

 

「ゆんゆんは元気ですね、カズマ行きましょうか」

 

俺はめぐみんに手を引かれ車から降りた

 



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魔性のめぐみん

「なあ」

 

「はい?」

 

「なんでお前いんの?」

 

「なんでって、部屋割り私とカズマが同じ部屋になったからですよ」

 

「え」

 

「3人部屋、4人部屋が空いてなかったらしく、2人部屋と1人部屋しか空いてなかったらしくて」

 

今日寝れるかな…

 

「それよりカズマ早く行って泳ぎましょう!」

 

さっきまで寝不足でダウンしてたのに…

めぐみんは水着など必要最低限な物を小さなバックに入れ、もう準備万端だ

海水浴なんていつ以来だろうか…

 

「へいへい」

 

 

「…カズマ何を見ているんですか?」

 

不機嫌なめぐみんの声が聞こえ我に返る

ほんとにゆんゆんとめぐみんは同級生なのだろうかと、水着に着替えた2人を見て思った

 

「ゆんゆんのたゆんたゆん…嘘ですごめんなさい」

 

「カズマさん…」

 

おっと、二人ともゴミを見る目ですね

 

「はぁカズマはまったく…で何しますか?」

 

何しようか…折角こんな美少女達と海に来てるんだから、こう…なんかいちゃいちゃ出来る事は…思いつかねえ…

 

「とりあえず泳ぐか」

 

「まあそうですね」

 

「めぐみん、私達バレーやってるからー」

 

え、皆泳がないの?

 

「どうしましたカズマ?早く行きましょう」

 

「え、あ、はい」

 

「案外冷たいですね、あぅ」

 

「なんだよその声、ほれ」

 

恐る恐る海に入って行き変な声を出しためぐみんに水を掛けてみた、あちょっと掛けすぎたかな?

 

「いきなり何するんですか!?いいでしょういいでしょう、カズマがその気なら私も」

 

めぐみんはどこからともなく取り出した水鉄砲で反撃してくる

それはずるいだろ

 

「痛っ、水の勢い強くね?痛っ」

 

「え、あっ、それはすみません」

 

めぐみんは俺が本気で痛がっていると思い撃つのをやめる

隙あり

 

「引っかかったな、まだまだお子ちゃまだな」

 

武器を持たない俺は一気にめぐみんとの距離を詰める

 

「おわっ」

 

急いでいたせいで足が空振り転びそうに…

 

「めぐみんこれは、アレだ、わざとじゃない、事故だ、事故、わ、悪い」

 

転びそうになりめぐみんにおもいっきり抱きつくような形に…

 

「別に謝らなくても…転びそうになったんですし」

 

めぐみんは少し恥ずかしそうにしながらそう言った

 

「そろそろ私達もバレーに入れてもらいましょうか」

 

「そ、そうだな」

 

 

「久しぶりに外で遊んで疲れた〜」

 

あの後、日が沈むまで皆でバレーやスイカ割りをして遊んだ

 

「お疲れ様でした、私もくたくたです」

 

そう言うめぐみんは寝転んでいる俺の腹に頭を乗せて寝ている

正直暑苦しいのだが…まあ…

 

「て、お前何してんの?」

 

気がつくとめぐみんはうつ伏せになっていた

 

「…」

 

「お、おい」

 

まじかよ、こいつ寝やがった

 

 

カズマとこうして2人で過ごすのはいつ以来だろうか、私はカズマのお腹に顔を埋めてそんな事を考えていた

邪魔になっているであろう私を退かさない、カズマは相も変わらずカズマだ

 

「カズマ…好きです…」

 

寝言のように、カズマに聞こえる声で言ってみる

 

「ね、寝言か…」

 

少しの間の後、落ち着けるためなのかカズマは声にだして確認しているようだ

 

「なんだかんだ言いながらも…」

 

「いつも皆を助けてくれる…」

 

「本当は優しいのに素直じゃない…」

 

「あなたが…好きです…」

 

少しの沈黙の後

 

「お、おい、めぐみん、本当は起きてるんだろ?からかってんのか?てかあなたって誰だよ」

 

もの凄く慌てた様な声が聞こえてくる

 

カズマはヘタレだ、以前は私から事を起こすことばかりだった

 

「かずま〜…むにゃむにゃ」

 

だから…



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もう一度この素晴らしい世界に!(佐藤和真と佐々木芽久明)

夢?いえ、これは…

 

「なあ、もう少しハードル下げようぜ」

 

「だって…だって…」

 

気がつくと懐かしい場所に立っていた私は、聞こえてきた声、そして目の前のものを見て、何があったのか一瞬で理解した

 

「大体なあ…」

 

カズマが救ってくれたこの世界

 

「募集の張り紙見させてもらいました」

 

「?」

 

「私はあなた達の出現を待ち望んでいた」

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の爆裂魔法を極めし者!」

 

今度は私が救って見せます

 

「冷やかしか?」

 

「んな!?」

 

カズマの反応は相変わらずのようで安心した

 

「てかその眼帯どうした?怪我でもしてんのか?」

 

「ああ、これはただのファッショな、何するんですか!?やめっ、やめろー!」

 

「その赤い瞳もしかして紅魔族?」

 

先程までの落ち混んでいた様子だったアクアが聞いてきた

 

「そ、そうです、ちょっとカズマ!?いつまで引っ張って、ああ、ちょっと離してください、いいですかゆっくり私の元に…イッタイメガー」

 

「紅魔族?」

 

「紅魔族はね、生まれつき高い知力と魔力を持っているのよ、皆変な名前で中二病だけど…」

 

「へぇーってどうした!?大丈夫か!?」

 

体から力が抜け、目眩がした

そういえばそうでした、この時の私は3日間何も食べてませんでしたね

 

「もう3日も何も食べてないのです…何か食べさせて頂けませんか?」

 

 

席に着いたカズマ達は私の冒険者カードを見て何やら話し始めた

 

「ほんとにアークウィザード見たいね、しかも爆裂魔法まで覚えているなんて凄いわね」

 

「爆裂魔法?」

 

「簡単に言えば最強の攻撃魔法ね…て何これレベル66!?」

 

「凄いのか?」

 

「ええ、普通ならこんな始まりの街にいないで、防衛の最前線にいるようなレベルよ」

 

どうやらレベルやスキルは変わっていないようだ

カズマの負担を減らせそうだ

私は空腹で机に突っ伏しながらそんな事を考えていた

 

「それより…めぐみん?だったか?腹減ってんなら何か頼めよ?」

 

思い出したようにそう言ってカズマはメニューを差し出してきた

 

 

「ジャイアントトードですか、分かりました、問題ありません、私の力を見せてあげますよ」

 

アクセルの街を歩きながら、カズマがクエストについて色々と確認してきた

 

「アクアと違って頼もしい…」

 

「カズマ?何か言った?」

 

私とカズマの前を歩くアクアが振り返って聞いてきた

 

「なんも」

 

「なあ、めぐみんはこのせか…国について詳しかったりするか?」

 

「ええ、一応ここに来る前に色々と調べはしましたから」

 

「また時間ある時でいいから色々教えて貰っていいか?俺達遠い国から何も調べないで来ちゃってな…」

 

「ええ、いいですよ、そのかわりカズマがいた遠い国の話も聞かせてくださいよ?」

 

「え、まあちょっとなら」

 

「カズマー、門に着いたから冒険者カード早く貸して」

 

「ほらよ」

 

先に歩いていったアクアが戻ってきて、冒険者カードを受け取る

カズマのアクアへの対応が前より雑な気が…

 

 

「女神の力思い知るがいい!ゴッドレクイエム!相手はし」

 

ここはいつもの草原、アクアは相変わらずカエル相手にパクパクされている

 

「アクア…」

 

「やっぱり駄女神だ、あいつ」

 

「カズマ来ますよ、構えてください」

 

近くの地面にひび割れが入ったのを見てカズマに警戒を促す

 

「なあめぐみん一つ聞いていいか」

 

「なんですかカズマ、今は集中した方がいいですよ」

 

私はそう言いながら愛刀ちゅんちゅん丸を構える

ヌルヌルは嫌だ

 

「魔法使いが剣…」

 

「来ましたよカズマ」

 

「やっぱりでけえなカエル」

 

「カズマ私狙いのようです、このカエルは私がやりますから、カズマはアクアを」

 

カエルは出てくるなりカズマには見向きもせずに、私に向かってき来た

 

「おう」

 

少し私1人で相手をさせるのを心配したのか、少し戸惑いながらアクアの方へ向かった

 

 

「カエルの中は案外温いってカズマは知ってましたか?」

 

「知りたくないその情報…」

 

あの後私とカズマはそれぞれカエルを倒したのだが、時間の強制力なのか私はカエルにぱくぱくされた

きもちわるいです

 

「これは爆裂魔法は禁止な他の魔法で頑張ってくれ」

 

ちなみに今はカズマにおんぶされている

とても懐かしい…

 

「使えません」

 

「は?」

 

「私は爆裂魔法以外使えません」

 

「え?レベル66ならスキルポイントもあるし、上級魔法を覚えてから爆裂魔法を取ったんじゃないの?」

 

「その分も爆裂魔法に突っ込みました」

 

「まじか…」

 

「まじです、ですが「まあ…爆裂魔法っての、さっきの威力を見る限りじゃまったく使えないわけじゃないんだろ?」

 

あれ?反応が違う…

 

「ええ、爆裂魔法はその性質上どんな物にでもダメージを与えられるしね、威力は人類トップだし」

 

「まあこんな最弱職と駄女神しかいないパーティーだけど痛っ何すんだアクア」

 

「駄女神って言ったの誤って!」

 

「事実だ謝らない、めぐみんがこんなパーティーでもいいなら俺は歓迎するぞ、改めてよろしくなめぐみん」

 

カズマは私をおぶったまま振り返らずそう言ってきた

 

「はい、こちらこそよろしくお願いしますカズマ」

 

 



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この素晴らしいパーティーに祝福を!

「カズマ、何かあったんですか?」

 

アクアと別れ私はカズマを迎えにギルドへ向かった

私とアクアがお風呂に入っている間、カズマはカエル討伐の報告をしに行ってくれていたのだが…

 

「いや、なんにもなかった」

 

ああ、ダクネスか

ここは下手に変な事をしない方がいいだろう

 

「そうですか、アクアは先に帰って寝てるそうですから、私達も早く帰りましょう」

 

 

「そうだ、めぐみんこれ」

 

ギルドから帰る道すがら、カズマがズボンのポケットから何か入った小さな袋を渡してきた

 

「これはカエル討伐の報酬ですか」

 

「正直割に合わねーよな、命懸けたのにこれって」

 

「まあ仕方ないですよ、カズマこれを」

 

「何これ」

 

「ちゅんちゅん丸です」

 

「え」

 

「ちゅんちゅん丸、剣の名前です」

 

「そう…」

 

「おい、私のネーミングセンスに文句があるなら聞こうじゃないか!」

 

「まあくれるって言うなら貰うけど…じゃあこれ」

 

カズマは私からちゅんちゅん丸を受け取ると、今まで持っていたショートソードを私にくれた

 

「どこにでもあるやつだけど…」

 

それでも…

 

 

「あれ、二人ともいない…」

 

朝起きると隣で寝ていためぐみんとその奥にいたはずのアクアがいない、ギルドにでも行っているのだろうか

 

「何やってんだあいつ…」

 

「カズマやっと来ましたか」

 

カウンター席に座り何か食べていためぐみんが俺に気づき、そう言ってこっちにこいこいと手招きしている

 

「美味そうだなそれ」

 

「食べますか、美味しいですよ」

 

めぐみんはそう言いながらフォークに肉を指して俺の方に…

 

「い、いや、いいよ俺はカエルの唐揚げ頼むから」

 

迷った、正直迷った、美少女にあーんして貰えて間接キスもできる、本来なら一生に一度も起きるはずの無いことだから是非とも食べさせてもらいたかいが…

受付の人の目が怖いです…

 

「?どうしました冒険者カードなんて見つめて」

 

「ポイントに限りがあるし、ちゃんと必要かどうか考えてスキルを取らないと、って思ってな、そういえばスキルってどうやって覚えるんだ?」

 

「冒険者は他の職業と違ってスキルを誰かに教えて貰う必要があります、教えて貰うとカードに表示されるので、そしたらポイントを使って習得できます」

 

「じゃあ俺がめぐみんに爆裂魔法を教えてもらえば、俺でも爆裂魔法が使えるようになるのか」

 

「そうです、まあカズマが爆裂魔法を覚えても発動させられないでしょうが」

 

「ロリっ子のお前に使えてなんで俺には使えないんだ?」

 

「ロ、ロリっ子!?…単純にカズマの魔力が足りなくて発動できないんです…ロリっ子…」

 

ロリっ子はショックを受けたようで肉を食べていた手をとめた

 

「ねえ君、ちょっといい?」

 

そんなめぐみんを見ていると後ろから声をかけられた…

ない

 

「昨日は飲みすぎたと言って良く話せなかったからな、今日はどうやら暇そうだし話を聞いてもらおうか」

 

話しかけてきたボーイッシュな銀髪の娘の隣に昨日のヤバい女騎士が立ってハアハア言っていた

しまった…見つかった、昨日のあれはさりげなく断ったつもりだったのだが…絶対ヤバいやつだろあれ…

 

「いや、今日はこれからこいつとクエストに行こうか「ならば私も同行しよう」

 

「は?」

 

「パーティーに入れてもらうなら、実際にクエストに行って実力を見てもらった方がいいかと思ってだな」

 

「は?」

 

何この人!?なんかもうパーティーに入るの確定!した気でいる…

 

「ダクネスダメだよ?そんな強引に迫っちゃ」

 

強引通り越してるよあれ

 

「そういえば自己紹介がまだだったね、私はクリス、見ての通り盗賊だよ」

 

そう言いながらクリスは息を荒くしてハアハア言っているダクネスを俺から引き剥がす

 

「君スキルを覚えたいって言ってよね?なら盗賊スキルなんてどう?スキルポイントもあんまりかからないし、便利でいいよ」

 

俺は異世界とかに来たら魔法を使いたい派だ

 

「初級魔法ならポイントはあまり掛かりませんが、実戦で火力になり得る中級魔法位になるとそこそこポイントを使うので、最初は軽めの盗賊スキルを覚えてからレベルを上げて初級魔法や中級魔法を覚えた方がいいかと」

 

落ち込ん出いたはずのめぐみんがいつの間にか復活していたようで、俺の考えを見透かしたような助言をしてきた

…お前エスパーか何か?

 

 

「カズマまさかあんた遂に…」

 

色々あったがクリスにスキルを教えて貰いギルドに帰ってくると、ジト目ぐみんと軽蔑した目のアクアに迎えられた…誤解だ

 

なんとか騒ぐアクアの誤解を解いたのだが

 

「私はダクネス、職業はクルセイダーだ、攻撃は全く当たらないが壁になるのは大得意だ!ではこれからよろしくな」

 

言っている意味が分からないし、分かりたくない

そう、何故かダクネスがパーティーに入ることになった

 

「運命の強制力とやらですカズマ」

 

「はいはい」

 

隣に座るめぐみんはなぜだかご機嫌だ

まあ仲間が増えるってのは…まあ…

 

「ヒキニートのカズマにアークウィザードのめぐみん、クルセイダーのダクネスに、アークプリーストの私、中々いいパーティーじゃない」

 

何が!?てか今ヒキニートじゃねえし!

 

「緊急クエスト!緊急クエスト!至急冒険者の皆さんは正門の前に来てください!」

 

「カズマさんご指名よ!一体何したの!?」

 

「俺の事じゃねえよ!」

 

「行くぞカズマ、楽しみだ…」

 

ダクネスが息荒く立ち上がり、俺の傍に立つと腕を掴んできた

…たのしみ?



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しかしこの世界は…

「なんだあれ!?」

 

「言ってなかったけ?キャベツよキャベツ」

 

放送を聞いて興奮し出したダクネスに引きずられるように正門まで連れてこられた、他の冒険者も放送を聞いていたようで既に正門近くには多数の冒険者が集まっていた

 

「は?キャベツ?」

 

少し遅れてめぐみんとアクアが来た

 

「この世界のキャベツは飛びます、キャベツ以外の野菜達もそうですが、簡単に食われてたまるかと抵抗してくるのです」

 

飛びます…じゃねえ!

 

「そんな顔をしなくてもいい、私が皆を守る」

 

いやそういうんじゃなくて…

 

「ただのキャベツですが、今のカズマだとまともに食らえば骨ぐらいは折れるでしょう、なので私の後ろにいてください」

 

キャベツ怖い…

 

「ねえカズマさん、普通カズマさんがめぐみんを守るべきだと思うの」

 

 

「納得いかねー、ただのキャベツ炒めがこんなに美味いなんて…」

 

今はキャベツとの激しい戦いを終えギルドでめぐみんとお互いの健闘を讃えあっていた

 

「我が爆裂魔法の力思い知ったか!…そう言っていただけて何よりです」

 

「なんでよー!」

 

受付の方からアクアの声が聞こえる…

 

「アクア…まさか気づかないでレタスを取っていたんでしょうか」

 

「…みたいだな」

 

アクアが取っていたのはキャベツではなくレタスだった、俺は途中でアクアがレタスを取っていることに気がついたが…既にアクアが相当な量のレタスを取っているのと、キャベツがもうほとんど取りつくらされいて、面倒くさくなることが目に見えていたので言わなかったのだが…

 

「あ、こっちに来ますよ」

 

「かーずーまーさん?今回の報酬は何パット?」

 

なんだよパットって…

 

「100万ちょい」

 

 

「これは一体…」

 

キャベツにくっ殺され、気絶していたダクネスが戻ってきた

 

「気にするな」

 

「カズマさんてそこはかとなく、ニートにしてはいい感じよね?」

 

「褒めるところが浮かばないなら無理に褒めるな!てかニートじゃねえし!」

 

「うわぁぁぁお願いよカズマさん、もうお金がないのよー!」

 

「お金くらいまたバイトとか内職とかして貯めればいいだろ!」

 

「それじゃダメなの!お酒がないとやってられないの!」

 

アル中女神…

 

「ア、アクアお酒位なら私が買ってやるから…」

 

「ほんとに?ダクネス最高!女神!」

 

 

「クリエイトウォーター!」

 

余っていたポイントとで初級魔法を習得した、初級魔法はモンスター相手には殆ど火力として使いもにならないらしいが、冒険したりする時は色々と便利そうだ

 

「はぁはぁ」

 

「…」

 

「なあ、カズマこの新調した鎧どう思う」

 

「なんか成金貴族みたい」

 

「たまには素直に褒めて欲しい時もあるのだが…カズマはいつでも容赦ないな…」

 

「今はお前よりヤバい杖ロリがいるから構ってる余裕はないぞ」

 

「はぁ…たまらない…たまらないですっ…」

 

めぐみんが新しくした杖に…これ以上は止めておこう

 

「純粋で真っ直ぐなめぐみんにあんな事を教えて公衆の面前でそれをさせるとは…流石私の見込んだ男だ!」

 

「最低」

「やっぱりロリコンよあの男」

 

…もうやだ

 

「カズマー、全然いい(楽に稼げる)クエストないわよ」

 

「当たり前…ってなんだこれ、高難易度のクエストばっかりじゃねえか」

 

「そういえばこの街の近くの廃城に魔王軍幹部が引っ越して来たと聞きました、多分それで弱いモンスターが逃げてしまったのでしょう」

 

「マジか…」

 

金はあるから少し位ならクエスト行かなくても大丈夫だが、長期間いられるとまずいな…

 

 

「なあもうこの辺にしようぜ」

 

「ダメです、まだ街に近すぎます」

 

クエストに出られず暇を持て余した俺はめぐみんの爆裂魔法の特訓に付き合うことになった

 

「あれは廃城でしょうか?」

 

「薄気味悪いな…ってあれってもしかして魔王軍幹部が住み着いたとかいう廃城か?」

 

「少しですが…魔力を感じますね」

 

「よし、めぐみんあれに爆裂だ」

 

「え?あれにですか!?」

 

「ああ、そうだ、思いっきりやっちまえ、なんなら倒しちまえ!魔法とか覚えて冒険者生活これからだって時に邪魔しやがって!」

 

「でも大丈夫でしょうか…これで怒った魔王軍幹部が街を襲撃にでも来たら」

 

「何らしくない事言ってんだ、そん時はお前の爆裂魔法で魔王軍幹部を返り討ちにしちゃえばいいだろ?」

 

「カズマがそう言うなら…」

 

 

それから爆裂魔法の練習…爆裂散歩は俺のめぐみんの日課になった、雨が降ろうが、雪が積もろうが、雷が落ちようが休みの日はない

アクアとダクネスはと言うとアクアはバイト、ダクネスは筋トレに実家に帰ると…

筋トレの為に実家って…

 

「お!今日のは結構いいな、高音だけでなく低音間でもがお腹に響くぐらいズンっときた、そして威力も素晴らしい…96点ナイス爆裂」

 

「ありがとうございます、ナイス爆裂、カズマもなかなか爆裂魔法が分かってきましたね、どうです、いっそ爆裂魔法を覚えてみては」

 

「ポイントに余裕が出来たら覚えてみるのも悪くないかな」

 

他の人から見たら中々に頭の悪いような会話を交わした後、めぐみんの華奢な体を抱き起こしおんぶする

 

「いつもいつもすみませんねぇ」

 

「婆ちゃんかよ…まあお前は出来の悪い後輩みたいなもんだからな、何かあったら先輩のせいになっちまうからな」

 

俺は一体誰に、何の言い訳をしたのか

 



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めぐみんの策略

「コボルトですか?それなら私達パーティーでも討伐出来なくはないですが…」

 

何か手頃なクエストが出ていないか一応ギルドにカズマと見に来たところ、カズマがコボルト討伐のクエストを見つけてきた、しっかりとは覚えていないが、前にこんな時期にコボルト討伐のクエストを受けた記憶はない、予想外のカズマからの提案に私は戸惑ったが

 

「よし、じゃあ決まりだな、クエストは明日だからちゃんと準備しとけよ?」

 

「えっ、あっ、はい」

 

行ってしまった…

カズマと別れた後特にやることがなかったのでその辺をブラブラしていると

「ご、ご機嫌よう?」

 

「何やってるんですかダクネス」

 

The貴族令嬢といった格好をしたダクネスに会った…

ダクネスは双眼鏡を持ち何やら店の中を覗いているようだったが

「ダ、ダクネス?私はダスティネス・フォード・ララティーナ、誰か他の人と勘違いされているのでは?」

 

「ではララティーナこんなところで何をしてるんですか」

 

「そ、それは…」

 

「まさかカズマをストーキング!?」

 

ララティーナが見ていた方角にあるのはカズマが良く行く飲み屋…

適当に言って見たのだがどうやらBINGO!のようだ

 

「ち、違っ…いや、違くはないのか?」

 

「で一体なんでカズマをストーキングしていたので?」

 

「最近カズマがあまり良くない連中と絡んでいると聞いてな…」

 

 

「カズマ遅かったじゃねえか、何してたんだよ」

 

「あの3人とイチャイチャでもしてたのか?」

 

約束していた時間に飲み屋につくと既に軽く出来上がっている2人に絡まれる

 

「キースやめてやれ、こいつはそんなんじゃないんだ…なあカズマ」

 

「まあ、な」

 

「ん?なんだその返事は…もしかしてあの3人の誰かと!?」

 

「今はない」

 

「今は!?将来はあるってか!?誰だ?アクアのねーちゃんか?パツキンのねーちゃんか?」

 

「アクアはねえよ、ダクネスは…おっぱいだけど性癖が…」

 

「殺す」

 

「!?おい、ダスト、キース今なんか聞こえなかったか?」

 

「何かって、なんだよ」

 

「なんも聞こえなかったぞ?」

 

「ってアクアのねーちゃんでもおっぱいのねーちゃんでもないとすると…おまカズマ…ロリコンだったのか」

 

「ぶっ殺」

 

「!?ほら今なんか聞こえたろ?」

 

「お前酔っ払ってんのか?」

 

「いや今絶対したって」

 

 

「め、めぐみん落ち着け、気持ちは分かるが今はまずい」

 

「私は落ち着いてますよ、ええ落ち着いてますとも」

 

私はダクネスに連れられ飲み屋の、カズマ達がいる席の近くにいる

 

「嘘つけ目が紅いぞ!私よりましに思われてるならいいじゃないか、私なんておっぱいだぞ!?」

 

「それは私に喧嘩を売っているのですか?いるんですね?」

 

「ち、違っ、決してそんな喧嘩を売っているわけでは…」

 

「ララティーナお嬢様やっと見つけましたよ!」

 

ララティーナお嬢様に掴みかかって揺さぶっていると、執事の様な格好の男性が現れた

 

「わ、私はララティーナお嬢様ではなくてよ?」

 

「その家柄以外の唯一の取り柄であるそのおっぱいでででで嘘です、冗談です、おやめくださいララティーナお嬢様」

 

ダクネスの、ララティーナお嬢様のアイアンクローを位執事の頭からヤバい音が…

 

「だから屋敷以外ではララティーナと呼ぶなと…ワザとか!今日は忙しいと言った筈だぞ?」

 

「ついいつもの癖で…申し訳ありません、ですが…」

 

執事がダクネスに耳打ちをする

 

「…分かった、すまないめぐみん、カズマの事を頼めるか?」

 

「はい、いいですよ、今日は暇ですから」

 

「ではララティーナお嬢様行きましょうか」

 

「だからララティーナはやめろ!」

 

 

「でもよカズマ、お前前に好みのタイプはおっぱい大きくて、甘やかしてくれる、ロングヘアのお姉さんって言ってなかったっけか?あのロリっ子は殆ど逆じゃねえか?」

 

そういえばそうだな…

 

「なんでだろう」

 

「わかんねえのかよ」

 

「2人でいるところをよく見たけど…まさかなぁ…カズマも等々リア充か」

 

「「爆発しろ」」

 

「別にまだなんにもなってないからな?現状ただの仲のいいパーティーメンバー位だし、アイツはそんな気ないだろうし」

 

「案外わかんないもんだぜ?女心って奴は複雑だからな」

 

ダストが自信満々に言ってくる

 

「お前のその自信は一体どこから来るんだよ…まだキースの方がって…寝てやがる」

 

キースは座りながら寝息をたてて寝ている

 

「俺は彼女いない歴=年齢じゃねえからな?」

 

「マジかよ…って騙されるか!なんかやったんだろ?」

 

「…ふっ」

 

「ウッソだろおま…マジか、マジなのか…」

 

 

「ダスト、キースそろそろかえうっ…吐きそ…」

 

「おいカズマあれロリっ子じゃねえか?」

 

酔っ払いの千鳥足なダストがフラフラとしながらデーブル席で突っ伏している人を指差す

何してんだアイツ

 

「おーい、めぐみん起きろー」

 

「かじゅまがふたり…えへへへへ」

 

酒くせぇ、こいつ飲んでんのか

 

「き、気持ち悪いです…」

 

起きためぐみんの顔色が悪い

立て…ないよな、じゃあおんぶ…戻されたら大惨事…

 

「お姫様抱っこです〜うへへへへ、カズマカズマ」

 

仕方ないから恥ずかしいけどお嬢様抱っこする事に

ダストとキースは飲み屋に置いてきた

まああいつらならなんとかなるだろう…多分

 

「か〜ず〜まっ!かずま〜?か〜ずま!」

 

「なんだよ」

 

「かずま大好きですよ〜うへぇへぇ」

 

「ちょっ!?暴れるな!」

 

「かずまは私の事好きですか〜?へへっ」

 

「はいはい好き好き、めぐみんだーい好き」

 

相手がシラフの時に伝えられるのは一体何時になるのだろうか…

まあそんな勇気があれば年齢=彼女いない歴にはなってないないだろう

 

「言いましたね?」

 

「え?」



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もしもの世界線

「んがっ…」

 

鼻がムズムズして目が覚めた

なんかいい匂いが…

 

「ひ、広めなくちゃ…」

 

そんなアクアの声が聞こえ、足音が段々と離れて行く

あっ、そういえば昨日めぐみんと…あれっ?めぐみんと…

酔っ払っためぐみんとなにかしたようなそんな気がするが、ダスト達と飲んでた途中から記憶が曖昧でナニをしたのか思い出せない

 

「うぅ…」

 

下の方からめぐみんの唸り声が聞こえてくる

色々と覚悟を決めて薄らと目を開けてみる

なんで俺上半身裸なの…

なんでめぐみんと抱き合ってるの…

てかめぐみん起きてるじゃん

 

「カズマ気持ち悪うっぷ…頭が痛いです…」

 

「変なところで区切るなよ…二日酔いか、アクアにヒール掛けてもらえば少しは…あっ」

 

そういえばさっき…

 

「アクアなら私達を見た瞬間、あわあわしながら広めなくちゃって言いながら出て行ってしまいましたよ」

 

なら行先はギルドか

 

 

「ほんとに大丈夫か?フラフラじゃねえか」

 

「だ、大丈夫です、こんな事でカズマに迷惑は掛けられませんから」

 

アクアがいつまでたっても帰って来なかったのでギルドに向かうことにした

 

「おはようカズマ、めぐみん…ん?めぐみん顔色が悪いが調子でも悪いのか?は!もしやカズマになにかされたのか!?」

 

ギルドに向かう道すがらダクネスにばったり会った

…おい

 

「いえカズマには色々されましたがそれでは無くてですね…」

 

おい

 

「んな!カズマ見直したぞ!さすがにめぐみんに手を出すのは…」

 

もう…いいや…

てか俺やっぱりめぐみんになにかしたのか…

 

「あれ?ロリコンめぐみんダクネスこんなところで何してるの?」

 

ロリコンってもしかしなくても俺の事だな…覚えてろよ

 

「お前を探してたんだよ、めぐみんが二日酔いで調子悪いみたいだからヒール掛けてやってくれ」

 

 

「何か予想外の事が起こったりしたらすぐに帰るからなダクネス、絶対に余計なことはするなよアクア」

 

ここはアクセル近くの湖、俺達はコボルト討伐のクエストに来ている

俺は「めぐみんの調子が優れないのでやっぱりやめるか」と言ったのだが…めぐみんがなんだかんだ言ってクエストに行くと聞かなかった

 

「んな私もか!?さすがに私も時と場所はわきまえるぞ?」

 

「私は女神、やる事成す事全てに意味があるわ!カズマが余計なことと思うことも〜」

 

「よし、行くぞめぐみんダクネス」

 

「ちょっと聞きなさいよー!」

 

今回の作戦は俺とめぐみんの2人が潜伏スキルでコボルトに近づき爆裂魔法でボーン、と言う作戦だ、我ながら完璧な作戦だと思う

ダクネス?アクア?知らない子ですね

アクアダクネスの2人は湖畔に一本だけ生えている木の根元で待機だ

 

「あれか」

 

千里眼スキルで遠くに見える何かの影を見つける

 

「あれですね」

 

隣で双眼鏡を持っためぐみんが答える

 

「あれだな」

 

「あれね!」

 

おい

 

「なんでお前ら着いてきてんだよ!あそこで待機してろって言ったろ!?」

 

「え?」

 

「え?じゃねえよ!てかダクネス、時と場所は弁えるって言ってただろ!?」

 

「ん?弁えているが?」

 

駄目だ…

 

「あ、カズマ気づかれました!やばいです!こっちに向かって来てます」

 

騒ぎすぎたようでコボルトがそこそこの数こちらに向かって来ている

 

「めぐみん詠唱たのむ、ダクネスいざという時はめぐみんを頼むぞ、アクア支援くれ」

 

アクアに支援魔法を貰い狙撃で向かって来ているコボルトを撃つ、数が多いので全部は無理だが少しは数を減らせるはず…

 

「めぐみん詠唱…」

 

その時違和感を覚えた、めぐみんの爆裂魔法に込めている魔力とめぐみん自体に

 

「えくすぷろーじょん!」

 

今までに見たどの爆裂魔法にも劣る威力、精度

案の定コボルトを数匹撃ち漏らした

爆裂魔法を撃ち倒れためぐみんを抱き起こし、すぐにコボルトに向かう

 

「狙撃!」

 

大丈夫あれくらいの数なら狙撃で倒しきれる

そう思った瞬間、森の中からサーベルタイガーの様な黒い獣が飛び出しこちらに向かって走り出した

あれはヤバそうだ

 

「お前ら逃げるぞ!」

 

珍しく皆素直に指示を聞いて逃げてくれた

 

「やはり来たか初心者殺し」

 

隣を並走するダクネスが興奮しながら呟く

名前からして初心者向けのモンスターを狩りに来た初心者を狩ってるのか…初心者じゃなくても勝てなさそうなんですがあれ…

 

「アクア、めぐみんとダクネスにも支援をってあれ?」

 

「ああ、アクアならあそこだ」

 

隣を走りながらダクネスが少し先に見える人影を指す、無駄にステータス高かったなあいつ

 

「いや、アクアもそうだがめぐみんは何処に?は!?まじかよ、クソッタレ」

 

そういえばめぐみんの姿が見えないなと思っていたが、俺達の少し後ろの方でフラフラと…

その後ろから凄い速さで初心者殺しが…

 

「カズマ!?」

 

めぐみんの方に向きを変え走り出したダクネスが驚きの声を上げる

気がつくとめぐみんはショートソードを抜き初心者殺しの方に向きを…何やってんだあのバカ

一か八か、どの能力が発動するか分からない…普段役に立たない無駄に高い幸運値、こういう時ぐらい…

俺らしくないな…らしくない…

俺がめぐみんならこんな事されたら惚れなるな、間違いない

 

「おらぁクソッタレ野郎!」

 

「かずま!?かずまー!」

 

めぐみんの声にならないような悲鳴を聞きながら全身に激痛を覚え俺は意識を失った

 

「かずま」



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カズマさん!?

「…カズマ?カズマ!?大丈夫ですか?凄くうなされていましたが…」

 

目が覚めるとめぐみんが心配そうな顔で顔を覗き込んでいた。

うなされてた?

 

「こうすれば大丈夫だと思う」

 

「ちょっ!?いきなりなんですか!?」

 

覗き込むため俺の寝ている布団に置いていためぐみんの手を引っ張り、めぐみんを抱きしめる

さすがに嫌がらって逃げられると思ったが

 

「あの…なんにも抵抗されないとそれはそれで困るんですが…」

 

「大丈夫じゃないのでしょう?じゃあしょうがないじゃないですか」

 

そう言いながらめぐみんは、俺の布団の中に自分から入って来て

 

「どうですカズマ?落ち着きましたか?」

 

落ち着いたけど落ち着くわけない

てか俺達恋人でもなんでもないのになんでこんなことしてんだ…

 

「カズマはどう思っているか知りませんが、私はカズマの事好きですよ?」

 

「え」

 

「私はカズマの事嫌いじゃないですよ?」

 

めぐみんはそう言いって毛布で口元を隠しながらくすくす笑う

 

 

「あのカズマ大変言い難いのですが…」

 

「お構いなく、言わなくてもわかる、俺は別に大丈夫だ」

 

アレからずっと何となく布団の中でくっついているのだが…

 

「全然分かってないじゃないですか!いえその顔は分かっていてわざと言っているんですね!?カズマは大丈夫かもしれませんが私が大丈夫じゃないですよ!」

 

「何言ってんだ、俺だって大丈夫じゃないぞ?アレがああなると辛いんだぞ!」

 

「じゃああっち向いてますから、その間に処理してください!」

 

「おまっ、そこはお手伝いしましょうか?だろ!」

 

「何言ってるんですか!?私はそんな痴女みたいなことしませんよ!もう一人で寝てください!」

 

そう言ってめぐみんは自分の布団に戻ってしまった

 

 

「もしかしてカズマくん?久しぶり〜」

 

次の日の朝、昨日深夜まで起きていたため寝坊しためぐみんと、食堂で朝ごはんを食べていると、知らない女性に声をかけられた

…だ、誰だ?

 

「小学校以来だね〜元気してた?」

 

「ああ、ぼちぼち」

 

「ぼちぼちって…」

 

「カズマ私は先に部屋に戻ってますね」

 

めぐみんは気を使ったのか、朝ごはんを食べ終えるとそう言い残し、早々に部屋に戻って行った

 

 

一体誰なんだろう、カズマに親しげに話しかけてきたあの女性、黒髪のストレートのロング、しかも大きくて、なんかお姉さん感が漂うあの女性…カズマの好みぴったり、カズマと二人きりにしない方が良かっただろうか…

そんな事を部屋で考えながらクマのようにウロウロしているとカズマが帰ってきた

 

「やっと来ましたか…随分と親しそうでしたが…」

 

「おっ、なんだ?妬いてるのか?あいつはただの幼なじみだから、そういうんじゃないから安心しろ」

 

カズマがなんか調子に乗ってかそんな事を言ってくる

 

「いえ、カズマが誰かと仲良くしてようが別に構いませんよ、でもカズマは変に優しい所があるので悪女に騙されないか友達として心配なんですよ」

 

何か言いたそうな、複雑な表情をするカズマ

 

「カズマ、そろそろ帰りの支度をしましょうか」

 

 

結局合宿中何も無かった

(めぐみんイベントとかアイリスイベントとか起きてもいいじゃん)とか思いながら学校からの帰り道をめぐみんと歩いていた

 

「合宿楽しかったですねカズマ、来年は山に行きましょう!」

 

「山…ねぇ…」

 

「おい!今どこを見ていたか聞こうじゃないか!」

 

「めぐ胸」

 

「はっきり言い返されるとは思いませんでしたよ…」

 

「あ、そういえばめぐみん宿題って終わってる?」

 

「ええ、夏休み入る前に全部終わらせましたが…だめですよ」

 

「ま、まだ何も言ってないだろ!」

 

「カズマの考えていることは大体分かります、私の宿題を写す気だったのでしょう?」

 

「じゃあ今、何考えてるか当ててみ?」

 

「…」

 

んー?と目をつむって唸り出すめぐみん

 

「分かりました!」

 

「なげーよ…」

 

めぐみんはんー?んー?唸りながら二十分位悩んでいた

 

 

今ちょっと気まずい、原因は俺の考えていた事…いつもやられてばかりのめぐみんに仕返してやろうとしたら…こうなった…勢いって怖いね

 

「あ、めぐみん!とカズマさん」

 

駅の近くまで来た所で、何やら買い物をしていたらしいゆんゆんに会った

 

「ゆ、ゆんゆんではないですか!?カズマ、私ちょっとゆんゆんに用があるので先帰ってて貰えませんか!?」

 

「え!?ちょっとめぐみん!?」

 

そう言って慌てた様子のめぐみんがゆんゆんを無理やり引っ張り学校の方へ歩いて行く

 

 

カズマからあんな事を言ってくるなんて考えなかった…自分で言う分には心の準備やら出来ているからいいのだが…明日からどうしよう…どうすれば…

 

「…ぐみん!めぐみん聞いてる?」

 

言葉使いや態度を改めた方が…あっ、そういえば返事をしてません…

 

「めぐみん?めぐみんめぐみん?」

 

「うるさいですよ!今考え事をしているんですから邪魔しないでください!」

 

「んな!?なんか悩んでるみたいだから声掛けてあげたのに!その言い方はないじゃない!カズマさんの事で何かあったんでしょ?」

 

「…」

 

「めぐみんはほんとにこういう状況に弱いわね…それで?カズマさんと喧嘩でもしたの?」

 

「実は先程…」

 

 

「ええええええええええええ!?それってそれって…」

 

「驚きすぎですよ…私もこういう事は初めてなのでどうしていいか分からないんですよ…」

 

「めぐみんが…あのめぐみんが…リア充!?」

 

「あのめぐみんってなんですか!失礼ですよ!私だって15歳の乙女なんです!リア充になったっていいじゃないですか!」

 

 

行っちゃったよ…てか明日からどうしよ…

めぐみんの事を考えながら駅に向かって再び歩き出す

 

「あれ、カズマくん?また会ったね」

 

「…」

 

誰だ…ってああ、幼なじみか

 

「お前こんな所で何してんだ?てかその制服って」

 

同じ学校だったのか…全く居るのに気が付かなかったな

 

「私転校してきたの、またよろしくね?あっカズマくんこの後暇?」

 

「ん?まあ暇だけど…」

 

「じゃあさ…今からデート…しない?」

 

は?



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カズ?!めぐ!?

いいか?これはデートじゃないただの買い物だ…

 

「ねえ、これなんかどうかな?」

 

「え?ああ、いいんじゃないかな」

 

今は幼なじみに連れられとあるショッピングモールに来ている

 

「何その適当な返事!」

 

「いや、だって女の子の服とかよく分かんないし…」

 

大体あいつのせい

 

「でもそういうのカズマくんっぽくて安心した」

 

相手があいつだったらロリネタでからかってる所だ

 

 

「ジョン!」

 

「え?なに?」

 

「ただのくしゃみです」

 

 

「カズマくん今日はありがとね」

 

幼馴染はそう言い残し電車に乗って行った

 

「…」

 

俺も帰るか…

 

 

「カズマ…」

 

「めぐみん…」

 

電車を降り駅から出た所でめぐみんにばったり会った、

 

「じゃ、じゃあ私はあっちだから…」

 

ゆんゆんの家は俺達の家と同じ方角の筈なのだが…

 

「あ、ゆんゆん、そ、そういえば前に貸したゲームありましたねぇ!今日返して貰いに行っても!?いいですね?じゃあカズマそういう事で!」

 

あわあわしながらめぐみんは、困り顔のゆんゆんを押し家と反対の方へ

あ…これって…

 

「ただいま…」

 

「おかえり!ってどしたの」

 

丁度部屋から出てきた無駄に元気なねりまきが、俺の顔を見ると心配してきた

 

「大丈夫だ、問題ない、でも太陽はカッコよくなかったようだ」

 

大丈夫じゃない、問題しかない、でも俺の月は綺麗だった

 

「ふーん、そう」

 

そう言い残し、ねりまきは居間へ、俺は何となく自分の部屋へ…

まだそうだと決まってはいないがあの反応…童貞の俺にも分かる…ダメなやつ

 

改めて静まり返った部屋を見渡す、あいつと会ってから色々と物が増えたが部屋は綺麗に片付いている、定期的に部屋を掃除に来て、ロリマとかペドマとか変なあだ名付けられたっけな…

 

自分の部屋にいてもダメージしか受けないので居間へ

ちゃっかりウチの食器棚に並ぶ黒猫柄の茶碗、テレビ台の下の特別仕様のゲームのコントローラー

 

…寝よう

 

「あ、カ、カズマ」

 

等々幻覚まで見えだしたか…

自分の部屋に戻って来ると月明かりによってパジャマめぐみんが俺のベットに座ってモジモジしているのが見えた

 

「つ、月が綺麗ですねカズマ、きょ今日は満月ですよ」

 

「それはきっと太陽が綺麗なんだろうな」

 

幻覚ならいいやと、等々壊れ始めた俺は頭のおかしい事を言い出す

 

「カ、カズマそこは普通…」

 

「そんな太陽には俺みたいな小惑星…いや、星屑は似合わなすぎる」

 

しかも太陽に近づきすぎてこの始末…

何言ってんだ俺…

 

「カ、カズマ?」

 

「ま、まあそうだよな…めぐみんみたいな綺麗な、可愛い娘が俺の事好きになってくれる訳」

 

「カズマ!」

 

「は、はい」

 

ん?あれ?もしかしてこのめぐみん幻覚じゃない?

 

「私はカズマの事好きですよ?特別イケメンでカッコイイ訳でも、スポーツが出来たり、頭が良かったりする訳でもないですが…ゲームで勝つためだけに汚い手を使ったり、夏休みの宿題を私のをまるまる写したり、可愛い子がいたら鼻の下を伸ばしてついて行ったり、私をほっといて他の女の子と遊んだり、どうしようもない所も沢山あります…」

 

 

 

「でも私は…そんなあなたが好きです、本当は優しいのに素直じゃない…最後には皆を…私を助けてくれる…そんなカズマが…私は大好きです、カズマは星屑なんかじゃないです、カズマは私の太陽です」

 

続く〜



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