もしもカズマさんがメイドを雇ってそれが完全で瀟洒なメイド長(仮)だったら (ツーと言えばカーな私)
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メイド長として日々を終え、万屋を営み続けました。

 

 始まりはなんだったか……もうどんな姿をしていたか微塵も覚えていないが、誰かから好きな容姿と能力をもらって…この世界にやってきた事を覚えている。

 

 その結果がこれだったのだろうか?

 

 

 私はいつのまにか意思ある傀儡と化してしまった。

 機械と例えてもいいかもしれない。

 

 決められた言葉を話し、特定の時間にてその場にあった最善の行動をし、夜には自分の主人と交わり、悦ばせる為に演技をする。そして、部下が失敗を犯せば私の責任だと罵られ、暴力を振るわれる。……もう何も感じなくなって久しい。

 

 理不尽だと思ったことは一度とて思ったことはない。全ては主人たちの為だったのだ。

 

 主人のメイド長をする影で何でも屋の万屋の仕事も営んでいた。

 自分が仕えている主人を殺す様に依頼された時もあった。それだけではない、見知らぬ誰かを沢山殺した。初めてこの世界にやってきた白い手はドス黒い赤で染まって泥濘みに嵌り…最後には抵抗すらせず溶けてしまった。

 

 

 でも……本当に…本当に久しぶりに、ほんの僅かな間だけだが安息を手に入れられた。

 少しだけだが、メイド長(Doll)としての役割を休められるのだ。万屋(使命)としての仕事も…。

 ここでまた…私の中の鍵が狂ったんだろう。我ながら300年以上生きて脆い鍵だと思う。

 

 今もまだ働き続けているメイド達には悪いが少しの間だけ頑張ってもらおう。

 今から行くのはアルカンレティアという温泉街だ。

 湯治の場としても有名でこの世界では有数の天然浴場が多い場所だ。これ程の適任はないだろう。

 さあ…200年ぶりの休暇だ羽目を外そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうやって、心を穏やかに…何も動じない植物かのようにただ流されるままだったら…どれほど良かったんだろうか。

 

 

 私はアルカンレティアに来てから早々に(悪評で)有名なアクシズ教に入信した。と言っても信仰心というのはない。あくまで飾りだけの信仰だ。

 何故そうしたのか…それはただ単純にアクシズ教徒のセクハラと勧誘が度を越えてしつこかったから。

 歩きながら胸を何度も触ってくる教団とは…流石の私も主人以外で触られるのは忌避感がある。

 エリス教と比べ入信希望者が圧倒的に少ないからと言って、嘘を吐いて信者を増やすのはどうかとも思う。

 だから私はアクシズ教を崇める気は全く持ってない。

 

 

 

 

 

 話が少し逸れてしまった。

 私は宿を予約しこの街の唯一の美点である温泉に入り浸り、後は寝るだけだった。

 しかし私は滅多にない休暇だからこそ、安心しきっていたんだろう。暗殺者の側面もありながら失格だと思う。

 真夜中の間、自分の命を狙った刺客が来ることには気づかなかった。

 その時には運良く助かった。相手が急所を外したのだ。

 

 まだ相手の凶器が体に刺さったまま。これでは能力を使ってもさらに面倒になるだけ。

 

 そう判断し、直ぐに相手を窺う。相手はフードを深く被り驚いた様子を見せていた。

 随分とお粗末な暗殺者だと思う。この程度で私が死んだと思っていたのだろうか。

 ナイフを引き抜き相手投げる。

 もう数百年もの間私が使ってきた得物だ、見事に相手の脳天を捉え、血が吹き出た。

 そのままナイフを引き抜きもう一度喉元に刺す。

 最後に『グエッ』と音を出したので完全に絶命しただろう。

 誰もいない事を確認し、時計のスイッチを押す。

 ()()の時を戻した。痛みが完全に消え、さっき溜まっていた自分の血がベットにはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は今まで数えきれないほどの人々を殺してきた。

 中には間違って殺した善良な者もいただろう。

 その中で恨まれるのは仕方ないと考えている。

 だから、私の番が来たのだろう。

 

 私は罪を償う気はない。償える方法が分からないから。

 いや、もっと正確に言ってしまえば、忘れてしまった。

 

 襲撃のあった後、すぐに私は街から出て行った。なるべく私という痕跡を残さないように。

 

 そこから野宿生活が続き、影でまた依頼を受ける日々が続いた。前の主人のところに置いて来たメイド達が心配だが、代わりのメイド長がいるだろう。

 

 もうその人に頼るしかないが、私は裏の生活を送るのだろうか。

 今まで表では、貴族のメイド長として生活していたが、裏では暗殺や普通に近所で起こりそうなカラス退治や猫探し、冒険者ギルドで受注する様な依頼をこなしたり経済的な会議に代理として出席したりして、お金を稼いでいた。

 

 

 依頼の日々…また、ループするのだろうか…人形の如く、決められた動きをする。そんな動きが決められるのか。そんな日々を送り…すでに景色が28回も変わったかと思った頃……。

 

 

 私には、人生を変える一通の依頼の手紙が届いた。

 

 

 差出人:佐藤カズマ

 

  俺の専属メイドになって欲しい!

 

 宛先 銀の万屋

 

 

 こんな短い依頼文は初めて見た。

 銀の万屋とは私が万屋で働く時のネームだ。

 なんともネームセンスがないがいいだろう。

 今はこの依頼書だ。

 自分の欲望に充実なのかと思えるほどの短文。

 基本差出人の名前はコードネーム的な何か工夫を加えた名前なのだが、この差出人はそのままの名前を使っていると思われる。

 

 

 しかし、メイド……久し振りだわ。

 

 私は転生直後の時の十六夜咲夜としてのメイド服を着ることにした。

 

 

 

 

 

 




少し説明しますが、オリ主についてです。


『全ての時を操れる能力』
うん、完全上位互換ですね……(能力だけなら)(精神性は本家咲夜さんの方が勝ってる)
既に数百年の時を生きています。

転生前と直後はただの東方オタクの高校生。
十六夜咲夜が特に好きなキャラだったので、本人と一緒の能力と容姿を手に入れたが、その時担当していたアクアが、調子乗って本人よりハイスペックな能力を手に入れた。


2021年2月26日 各所修正致しました。


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カズマさんはメイドを雇いました。

本当に申し訳ありません!!
投稿が大幅に遅れてしまいました…。前回書き終わってから6日くらいで半分くらいが出来上がったんですけどその後すぐにモチベーションが下がったので書いていませんでした…本当にすいません…。

それではどうぞ!


 自分の機転を活かして膨大な金を稼いだ日本からの転生者、佐藤カズマこと俺は、貴族の様な感じでメイドさんチヤホヤされたい生活を送ろうとしていたが、そもそもメイドを何処で雇うとか知らないし、メイドってどんな所から頼んで来てくれるとかもわからないので、噂の銀の万屋に頼むことにした。何と、何を頼んでも承諾してくれるらしく、長年のベテランらしいので、依頼したわけだが…

 

 (正直、凄ぇ間違えたかも)

 

 どうやら何十年前からもやっているらしく、もう婆さんも良いとこらしい。

 姿を実際見た者があまりいなく、若いのかも分からない。

 だから、今回の選択は早とちりしたのかもしれないが…五分後、俺はその考えを捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十六夜咲夜side

 

 「ここが、新しいご主人様の屋敷ですか…下級貴族の別荘…ですかね」

 

 別荘で暮らしている。というのは、おかしいですね。貴族…なんでしょうか…。

 長年の感覚からか相手の出で立ちを家を見るだけで予想できるようになってしまった。

 もう自分が若いだなんて思わないけど、何故だか…昔に戻れたような感じがする。

 

 ガチャ

 

 私はその屋敷にいつもの様に入りました。

 

 

 

佐藤カズマside

 

ガチャ

 

 扉の方を見てみるとまだ姿は見えないが、扉が開いているのが見える。

 来たのか…?

 

 「失礼致します。佐藤カズマ様」

 

 「…」ゴクリ

 

 カズマが聞いたのは若い女性の声、しかもそれは綺麗な声だった。

 

 

 そこには何と言い表したほうがいいだろうか…どの部分にも汚れなどついていない、透き通った白い肌を持ち、銀髪にそれににあった顔の………ヤベェ、こういう時に何説明口調で語ってんだよ俺!

 

 ヤバイ。これからこんな超美人に奉仕されながら生きていくのか…。いや待て、落ち着け佐藤カズマよ、焦っちゃいけない。こういう時は平然に余裕を持ったベテランのように振る舞うのだ…。

 

 そして部屋に入った彼女は冷たい目をしていたがそれは決して見下している訳ではなく、クールという風に捉えた方が良かった。

 

 「お初御目にかかります。銀の万屋のオーナー、十六夜咲夜で御座います。以後お見知り置きを…」

 

 「あっ、はっ…はい!」

 

 何を口籠ってんだ俺はー!!

 

 

 「今回の依頼の件ですが…」

 

 「あ、あぁ…俺の専属のメイドになってほしいっていう依頼だったんだけど、本当に大丈夫なのか?」

 

 「はい」

 

 「そ、そうか……」

 

 

 

 

 

 

咲夜(仮)side

 

 今回の依頼主は今までに比にならない位、先が見えない、何を考えているかも読心術のスキルである程度は分かるはずなのに、この依頼主だけは読めない…。

 単に間が抜けているのか、またはそれ程の実力者なのか?

 

 まあいいだろう確かに今までとは違う男だがこれからも何ら変わりはないだろう。

 

 

カズマside

 

 どうするか…メイド喫茶のように甘々するような感じ…じゃなくて凛ッ!!って感じだから無理にやると彼女もプライド高そうだし傷つくだろうしなぁ…そういえば勝手に掃除とかやってくれるのかもと思ったけど、何か指示を待っている感じだし…。

 

 

 無論、言われた事しかやれないメイドはベテランとは言えない、彼女はこの道200年以上を続けてきた大ベテランだ。

 咲夜は、言い方は悪いが勝手に行動して自身の主人の為最善を尽くす。なのでカズマが心配することなどないし、言えば直ぐに時を止めて、行動に移すので完璧なのである。

 

 

 

 

 

 そして会話は特に弾まず、時間が過ぎていく。

 

 カズマは気ままに話しかければ本望なのだが、彼は元は引きこもりのニートつまり、ヒキニートである。

 なのでそんなに人との会話なんてやってないし、カズマが苦手とするタイプでもあったので、屋敷の内部を説明して、自分達のパーティメンバーについても説明しただけだった。

 

 それを一通り聞いた咲夜は掃除を開始し庭の手入れ各部屋とトイレ、また浴室の掃除や物置きまでもを完全に整理し、そこは自分たち此処に引っ越して来て片付け終えた時とはまるでレベルが違うくらい見違える程綺麗になり全てが輝いて見えた。

 

 それを見てカズマはおお!!と喜びの声を上げていたが、自分がトイレ行ってる間の短時間でこうなるか?と疑問が頭を通り過ぎるが無視をした。

 

 

 そして彼は気づく、うちのパーティメンバーがもうすぐ帰って来ることに…今日は各自、自由行動を取るように言ったんだが。何分、自分のメイドとの会話を無理やり作り出そうとしていたので時間が過ぎて行った。

 

 咲夜も返事は返しているのだが、威圧的であり、目つきが少し鋭いので話が止まってしまうのだ。

 

 そんなこんな時間を潰しているうちに、もう夕暮れ時だ。

 

 ダクネスとめぐみんは帰って来るとして、アクアはどうかわからない…。あの馬鹿が酒場で酔って寝ているってことは何度かあった。もちろん迎えに行くのはその保護者である俺だ。

 

 そして結局、後々バレる事は生活する上で分かっていたので、もう何も隠さずに話すことにした。

 

 

 

 

 

 




咲夜さんの会話が少ない…大丈夫です次回はちゃんと輝かせてみせます……。
して場面の切り替えが早くすこしごちゃごちゃしてましたね。次回には改善しておきます。

読んでいただきありがとう御座いました!


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カズマ(童貞)咲夜(経験者)に……

卑猥健全なタイトルで始まりました。もう(色々な意味で)何も怖くない作者です。


 さて、咲夜の正体がパーティメンバーにバレたわけだが、嫌悪の感情はカズマに向けられた。

 何故なら、咲夜が超絶美人だからである。

 それは、パーティメンバーの群を抜いてただただ美人だった。

 そんな彼女が何故こんなカズマ(ゲスマorクズマ)に仕えて居るのか?

 

 その理由は簡単なのだが、パーティメンバーのダクネス、めぐみん、アクアには分かる筈もない、カズマが話してくれるまでは。

 

 さて、そんな彼女(咲夜)が用意した料理は完璧か、それ以上のものだった。

 今まで食べてきた物とは一味も二味も違う。大貴族に生まれ育ったダクネスでさえ、目を輝かせていたものだ。実際咲夜は超一流の料理人にもなれる万能メイドだ、この道でも食べて行けるだろう。だが、彼女(転生者)彼女(咲夜)として転生したのだ、メイド以外に万屋を開いて居るにしても他の仕事は決してやらないと決めて居る。それは数百年経った今でもそうだった。

 

 「お味はどうでしょうか?」

 「あ、ああ、美味いよ?」

 

 何故か最後疑問系になるカズマ、まだ咲夜と慣れていないのだろう。まだ出会ってからそこまで時間が経ってないので当然ではあるが。

 

 「他の皆様もどうでしょうか?」

 「美味しいわよ!だからじゃんじゃん持ってきなさい!」

 

 その対比として、傲慢不遜とも取れる態度で接してくるアクア。

 一応、300年ぶりの対面であるが、まあどちらも覚えてはいないので、事実的に言うなら初対面という事になる。この初対面の相手にも出来る態度の大きさは彼女の美点とも取れるのか、それとも直すべき汚点とも言えるのか…。

 

 「美味しいです、あ、私はもういりませんからね?」

 

 その料理を褒めつつ遠慮してお代わりを頼まないめぐみんは…いつものあの強情な感情はどこへ行ったのだろう?

 

 「この味…何処かで…?」

 

 昔に食べたのだろうか、その味に思い当たる節があるダクネスは記憶を探っていた。

 礼は忘れずにちゃんと美味しかったと言う。

 

 因みに、ダクネスは冒険者稼業を営んでいるが、本業…と言うより本来なら大貴族の御令嬢。貴族のみ集めた大きなパーティに参加もしているわけで、そこで宮廷の料理人として雇われていた咲夜の料理を食べていたのである。咲夜の作った料理はどの料理の中でも特に美味しかったので、例え幼かった頃でも記憶の隅で覚えていたのだ。

 

 

 

 咲夜は最初こそ褒められるがそれは上っ面だけであった貴族だった故に特に嬉しいという感情は無かった。

 しかし、一部の貴族や、一般人に依頼で料理を作る際には心からの感謝が伝わってくるので、何百年生きていようが根本が人間な咲夜はカズマ一行の『美味しい』という言葉を受け、僅かに頬を緩めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、そんな夕食を食べ終わった後だが…風呂である。

 ここで一つ説明しておこう、咲夜は従者である。それは変わらない、しかし、今まで仕えてきたのは大概悪徳貴族だ。何故か悪徳貴族ばかりに拾われる咲夜は運が悪いとしか言いようがないが、そのお陰で感覚が狂いつつある。

 なので…カズマがお風呂に入る時…咲夜は現れた、タオル姿で…

 

 カズマは驚き、直ぐに股を隠すように風呂場に逃げた。

 

 「カズマ様?」

 

 「な、な、なな何で!?何で咲夜がここにいんの!?」

 

 「いえ、お風呂場での奉仕を実行しようとしたまでですが…」

 

 「そこまで奉仕するのか!?」

 

 カズマはメイド喫茶程度にしか行っていないので…まあ、分からないのも当然と言える。確かに咲夜はやり過ぎている部分もあるが、従者として主人に付き添うのは当たり前のことで、何も間違って居るわけではない。

 咲夜は疑問に思いつつも構わず中に入って行った。

 

 その姿を見れば、この世界の殆どの男どもは彼女を我が物にしようとするかもしれないその美貌はカズマのカズマを起き上がらせるのは十分だった。しかしまだ発展途上、完全には起きていない。しかし股は抑える。

 男なのにも関わらず、そんな女々しい行動をするカズマをみた咲夜はまた少しフッと笑ってしまう。

 

 「ご心配なさらずとも直ぐに楽にさせて(イカせて)頂きますよ」

 

 咲夜の言っていることはカズマをまた一歩大人の階段に登らせようとしていることなのだが、カズマはそんな中、咲夜について自分のパーティのように駄目な部分が有るのかと疑問を持ってしまうが、これは駄目な部分ではなく男としては良い方なので大丈夫な筈だ。

 というか、この言い方は違う意味で感じ取れば命を狩られると思われても仕方ないと言えるがカズマはそんな事を微塵も感じてはいなかった。

 

 カズマはひとまず自分の分身(息子)を落ち着かせ、冷静…いや冷静という熟語をもう一度調べ直して来いと言われる程冷静になった。

 

 そして咲夜はカズマの隣に着き。

 

 「カズマ様はどんな洗い方が好みでしょう?」

 

 「え?普通にタオルでやるんじゃないのか?」

 

 「いえ、私が今まで仕えてきた主人は主に胸部や○○○を使って………」

 

 「いいから!普通にタオルで!!」

 

 「そうですか」

 

 危なくR18に突入しそうな勢いの咲夜の問題発言なのだが、カズマのこんな時にヘタレになる性質のお陰でどうにかなった。

 一難去ったのだが、次に風呂に浸かる時、未だに心が性欲真っ盛りなカズマにとってはかなり辛いものでその咲夜は…タオル無しなのである頭に付けて銭湯にいるような感じで居座っている。お陰で女性としての秘部やらピンクの宝珠やら豊満…?な果実は丸見えである。カズマはどうしてもそれを見たいのか、はたまた堪えているのか、鼻息が荒い。

 そんな極限状態なカズマはもうさっさと風呂を出て仕舞えば良いではないかと冷静さを再び取り戻す。

 

 

 

 

 

 そして咲夜がめぐみん達とチェスをしているのを眺めながらカズマは思う……咲夜って変態?っと。

 勿論、今の年のカズマの様な性欲真っ盛りな者達にとってはとても有難いのだが、流石に今日出会って初めての人には気が引ける。

 

 正直、今ダクネスとめぐみんがこっち側に来られると非常にマズイ。

 未だに咲夜の全裸姿とタオルを包んだ時の妖艶な姿を妄想してしまい、自分のシンボルの猛りを抑えられずにいて正直服を着ていても思いっきり発情してることが分かるからだ。

 

 何とか自分のパーティメンバーであり1番の古株である、どうやっても女と認識出来ないアクアの顔と今まで犯してきたパーティーメンバーの様々な迷惑極まりない行動を思い出し、怒りを彷彿とさせて、自分のムラムラした感情を何処かに投げ捨てた。

 

 

 

 だがしかし、そんなカズマの苦労を知らずに事件は夜に起こった。

 

 

 

 夜、カズマがベッドに着こうとしている時、カチャっと何か金属器を外す様な音が聞こえた。

 カズマはこの家に泊まり始めて直ぐに出会ったあの悪霊達の生き残りがまだいるのかと考えた。

 そっと後ろを見て、アクアー!とか叫ぼうとしたが…。

 

 

 

 

 ………。

 

 

 

 

 咲夜だった。

 しかもメイド服ではなく下着姿の、実際もう脱ぎかけている。というか、もう見えてる。あれ、ちょっと待ってもしかして咲夜ってパイ……いや、それどころじゃねぇ!!

 

 「イy…!!」

 

 「静かにするよう願います」

 

 直ぐに口を押さえられ、もがくが咲夜のその柔らかい太ももの触り心地のよさでうっとり顔になってしまう。もしかしてこれが膝枕!?柔らか!?超、肌すべすべ何ですが!?

 

 「今夜は私が相手をさせて頂きます」

 

 「何の!?」

 

 「それは夜の営みです。カズマ様の様な年頃の青年にはこれが的確だと?」

 

 「え!?いいの!?ヤッちゃっていいの!?」

 

 「はい、それが私の役割ですから」

 

 「待って待って待って待って!!いいから!そういうのは!!というかお前そういうキャラか!?」

 

 一応、防音の結界を張っているので外に音は漏れないのが幸いして、カズマの大声は周りに響かない。

 

 「?何故ですか?」

 

 「いや、だって……なぁ……でも本当に!いいからな!!」

 

 

 咲夜はそう言われ、服を持たされ、どんどん扉の方に追いやられ廊下に出された。

 

 「?不思議な方…」

 

 咲夜はそう小さく呟いた。

 いつも通り自分の主人と身体を交えようかと、考えていたのだが主人の方からNOと言ってきた。これには従者である咲夜は従うしかない。しかし、これはとてもレアなケースだった。

 悪徳貴族ばかりに拾われている彼女だが、一応善良な貴族はいるにはいる。そういうものに限って早めに地位をなくしてしまうのだが、咲夜も仕えたことはある。その時も仕える主人から断られた。何故ならその貴族の主人はとても一途な人柄で、妻しか愛さないと神に誓っていたからである。

 

 しかし、今回の様子は明らかに違った。

 その一途な貴族の主人とは違い、完全に私を犯したいと思っている目だった。

 主に私の胸部の方への視線が集中的だったのを覚えている。まあ、見せていた訳だが。

 気づかれない様にとチラチラ見ていたので完全に興味津々なのは分かった。

 

 自分はそこまで大きくはない方だとは分かってはいるので、何故そこまで興味があったのかは謎だが。

 

 

 閑話休題

 

 

 従者と主人の関係であるのなら私を犯せば良かったのに彼はそれを耐えた……何故だろう…。

 彼にはそこまでの胆力はあまりない様に見える。

 だからこそ不思議なのだ。

 彼は何故断ったのだろう…と咲夜は思考を巡らせる。

 しかし、答えは出なかった。

 咲夜は(カズマ)という人間のことが、途端に知りたくなった。

 

 翌日からはもっと彼と接触する機会を増やしてみるのも良いかもしれない……そう考えながら、咲夜は暗闇の中へ溶け込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 因みに、カズマが断った理由はただただチキンなだけである。いざという時にヤレない小心者である。

 咲夜の思考に何故その発想が生まれなかったのか不思議でならない。

 実は咲夜はアホの子だったりするのだろうか。

 

 

 

 




メイドが主人に従っている時の口調が凄く難しいですね。
今回はとても健全(大嘘)に仕上がりました!


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日常とちょっとした咲夜の過去

投稿遅れて申し訳ない!!
実の所、この小説何巻とか詳しく定まっていないのです!!それについて考えて遅れました!(言い訳です)(しかもまだ決まってません)

すいません!!
それでも大丈夫という方は読んでいって下さい!


 

 あの一件(夜這い)の後は特に何も起きずに何日か過ぎた。

 パーティメンバーにもバレてはいないし、咲夜もカズマもいつも通りに働いていた。

 まあ、カズマの今の現状では資金等に困っていないので、わざわざそんな冒険者の如く危険を冒してまでクエストに行かなくてもいい状態なので、基本コタツに入り悠然とミカンの様な果実を頬張るだけである。つまり現状はニート。

 

 加えて咲夜はと言うと某赤い館の通りの働きぶりで洗濯、庭掃除に墓掃除、食事や屋敷内の物の整理などなど完璧に仕事をこなしていた。また、昔知人だったウィズと共に古い墓地に彷徨っている霊達を成仏させてあげる手伝いをしていた。

 因みに咲夜は戦闘スキルは無く結界系のスキルや回復系のスキルを持つアークプリーストである。

 実際の所、そんなに神を信じていない、居るとしても特に何も思わなかったりする。

 

 

 そして、何故そんな咲夜がプリーストになったかと言うと昔の彼女はまだ生き様だけを見習おうとし、冒険者にでもなろうとした。しかし、剣士は咲夜に向いていないし、魔法使いは時間停止を有効に使えず、盗賊も咲夜のイメージにもありそうだが無く、盗賊とは泥棒みたいなイメージがあった為、そんなに気に入っていなかった。

 エレメンタルナイトという職もステータスが高いのでお勧めと言われたが、当時の彼女はナイトと聞いてなにか鉄甲冑みたいなのを着るイメージがあったのか、拒否したのである。

 そして結局なったのがアークプリーストだった。

 その時の本人の言葉だが、

 

 「だって前衛で痛い目に遭いたくないんだもの、それに、聖職者の姿の咲夜様っていうのもアリだよね」

 

 …との事。

 そんな彼女が、この三百弱の年月の間に何があったと言うのだろう。

 

 完全に性格と口調が変わっている。

 

 話は戻すが、咲夜はアークプリーストと言っても、冒険者時代は、閃光の咲夜と言われるほどに恐れられていたものである。

 何故閃光なのかそれは咲夜が既に『銀の万屋』を開業していた時、臨時で募集していたとあるパーティの一員だった者による話だが。

 

 咲夜に支援魔法を頼み、そのクエストの討伐対象を討伐するという流れだったのだが…咲夜は確かに支援魔法をチーム全員に掛けた。しかし、後衛である彼女が何をトチ狂ったのか、前に歩み、モンスターの前まで来ると、その瞬間にモンスターの首は飛び、腹部には何十本というナイフの刺された跡があった。

 

 

 そして、それから後に気づいたのだが、咲夜が掛けた支援魔法は殆どが筋力増強支援などの、重い物を持ち上げるのに最適化された支援だった。つまり咲夜は遠回しに、この死体を運んでおけ、と言っているのだ。

 

 それはプロである者たち、またはそうでない者たちにとっては侮辱に値するのだが、咲夜はその時から何かが狂っていた。

 そう、それは何かの機械の歯車が狂った様に…。

 

 

 だから何も感じなかったのだろう。

 

 

 

 また話が逸れてしまったが、そんな彼女はもう既に、アクアのパシリみたいな存在である。

 もちろん、ダクネス、めぐみんの奉仕も忘れずにしている、というかアクアの注文が一々細かく、多いのだ。

 よくダクネスとめぐみんのどちらかとチェスで勝負しているのを見かけるのが日常でもある。

 勿論、契約主であり、現在の主人であるカズマには積極的だ。

 彼女そんなこんなで彼女達の信頼を得て、カズマの奉仕を徹底していた。因みにあの後から、偶に風呂の時間が被るくらいで、そんなに事件は起こったりしないのだが…

 

 

 咲夜は毎度の如く、寝ているカズマに膝枕をしているのだ。

 夜這い…という訳でもないが、寝る時は添い寝したり、とにかく、最近は肌との接触が多いのだ。

 逆にそれを多くの場面でパーティメンバーのアクア、めぐみん、ダクネスには何か弱みを握られているんじゃないかと誤解され、心配されたものだ。

 

 そして、今まで悪徳貴族に悪用され、時には裏切られて来た咲夜だが、そんな冷たい環境ではなく、今は温かい境遇を受けている。

 心配してくれる、優しく扱ってくれる、本当の意味で褒められる、そんな数々の暖かさ(当たり前)をこの短い間で幾つも貰った咲夜の心は少し開かれていた。

 

 

 




また遅れそうですが、良かったらこんな駄目作者の作品を見てって下さい…


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日常…平和…安心

長い時間かけて再始動し始めました。
時間軸はバニル倒した辺りかなぁ…っとぼちぼち始めていきます。

長い時間待たせてすいませんでした!!!


 

 莫大な資金源のルートを確保したというもののその製品(フリント式ライター)の量産化が上手く行っていなかったカズマは日本では未成年且つ引きこもりであり、そもそもライターを使ったことが無かった。いや、一応あるのだが殆ど記憶の彼方に消えた10歳の頃、カズマの父親が誕生日だから…と、ライター持たせて蝋燭に火をつけたくらいしか経験がない。

 

 その為、ほぼ記憶頼りで始まったこの無謀とも言えるが成功すれば特大の甘い蜜を吸える策は現在上手く行っていなかった。が、咲夜が来たことでそれは一変した。

 

 転生する以前からの話になるが、咲夜は分解癖という妙な癖があり、家の中の電気製品や金属製品などありとあらゆるものを分解していた。その中で父親が使い切ったライターも含まれていて、手頃なものとしてそれを組み立てたり分解したりする事が咲夜の日課であった。

 実は今でもそれは続いており、時間停止を行えるようになったため、仕事の合間に自分の仕えている主人の所有物だろうが分解して、組み合わす事を繰り返していたりするのだ。

 

 まあ、何が言いたいのかと言えば、咲夜はライターの構造が全て分かっていたのである。これにより製造法が確定され、量産化が安定したのだ。

 更に咲夜の時間操作の力により作業効率は上がったのである。

 

 

 

 

 

 「ふぅー。おし、今日はこんなもんか」

 「お疲れ様です」

 「ああ。咲夜も手伝ってくれてありがとな」

 

 作業を終えてから先程まで感じていなかった疲れが一気に押し寄せ、少し欠伸をかく。

 自分の作ったライターを持ちカチカチと稼働するか確認すると火がついた。

 最初の足踏み状態から良くここまで出来たと思う。

 …にしても咲夜がライターに詳しいとは最初は思わなかった。

 煙草を吸っているイメージが全然湧かないし…本当になんで知ってんだろ?

 

 「今日のお夕食は如何なされますか?」

 「んー、適当にあるもんでいいよ」

 「承知しました」

 

 そう言うと咲夜は消えた。時間を止めて厨房の方へ行ったんだろう。

 ……毎回毎回見せられると慣れてくるもんだけどマジで俺もそういう能力欲しかったと思う。

 つかなんだよ時を操作するって…メイドが持ってていい代物じゃないだろ…。はぁ…俺もそういう強力なスキルをあの女神と交換して手に入れたいわー……。

 

 カズマはそのまま瞳を閉じ、溜まった疲労から来る眠気に抗えず眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 家に来て早々だが、咲夜は自分の能力をカズマ達に説明した事があるのだ。

 最初は信じて貰えなかったが、実演することによりそれは信じて貰えた。

 

 何故咲夜が自分の能力をカズマ達に説明するのかだが、まだ咲夜が若くメイドの仕事をし始めの頃の話に遡る。

 働き始めの頃、彼女は早速自分の能力を発揮し、掃除、洗濯、皿洗い、料理に貴重品の手入れなどなどあらゆる事を一瞬で終わらせた。仕事が早いメイドと言えるが、そんな称号は時の停止した世界を理解している者のみが言える事であり、咲夜のみしか存在しない世界では誰も信じてくれなかった。

 

 「やった」と言っても、「こんな早く出来るわけがなかろう!!儂に嘘を吐くのか!?」と言われ、更には「怠け者」「サボリ魔」「口だけの女」「嘘しか吐かない女」と色々な汚名を着せられた。その為自身が時間を操作する能力があると伝える必要があった。それからは改善されたが、新たな問題が出てきた。その能力故の仕事ぶりの所為か同じくメイドをやっていた者達の給金が下げられ、中には解雇される者が急増した。まあ当然の処置と言えるには言える。彼女の雇われ先の大体が悪徳領主や貴族という噂をされている者達であり、性格が読者の想像通りよろしくない。仕事のしないメイド…と言うより、咲夜により仕事が奪われてしまい仕事が出来なくなったメイドなど誰がいるものか?いいや居ない。

 咲夜の登場により、屋敷にあらゆる所で見られた使用人が全て居なくなるのだ。

 当然、当時使用人を務めていた者達はこの事に憎悪の念を抱いた。

 

 しかしここで咲夜も当時の貴族に憎悪の念を抱いた。

 咲夜はなにも仕事を奪い高給を取りたかった訳ではない。使用人達はただただ酷使され安い給金を払われている奴隷に近かった。だから、咲夜はせめて自分が代わりに仕事を担い、負担を減らしてあげようとしただけであった(限度を知らなかったが)。その仕打ちが同業者を苦しませる結果になるとは咲夜は思いもせず、自分だけを必要とする貴族に腹を立てたのだ。

 

 そして彼女は一度メイドを辞めた。

 

 そこから暫くは失業していった使用人達への贖罪の旅をするのだが……これはまた後に話そうと思う。

 

 

 まあなにが言いたいのかと言うと…だ。

 

 『初めに自分の事情を説明しないと碌な事にならない』

 

 と、1つ学習した彼女は主人と伴いその家族などに自身の事情を話す事に決めたのだ。

 

 そして、その能力を披露した反応だが、三者三様であった。

 めぐみんはその能力の凄さは認めるが地味と言い、ダクネスは『時間停止プレイ』とまだこの素晴らしい世界には無い新たな発想に至り興奮して、カズマは一度力の強大さに興奮と畏怖の感情を示したが、即座に疑問が湧いてきたのか何か聞きたそうな表情をしていた。

 アクアについてだが……彼女はそもそもそんなに大きな反応は示さなかったが、時間停止世界に存在できる事が分かった。何故彼女がそこまで大きな反応を示さなかったか言えば、モノホン(クロノス)と友達であるからだと言い、時間停止世界に存在出来る理由はそもそも咲夜の能力は転生者の特典による能力であり、神から授かった力が神に有効であるはずが無かった。そして、アクアはこの世界に来てから突然みんなが止まる事があったりして、怖い思いを長い事してきたらしい。まあ、彼女からすれば日常生活を送っている中で突然時間停止が発動して、時が止まっている間の時間は完全にランダムであり、世界でアクア1人の時間が1日あった場合もあった。いくら女神だとは思えないぐらいガサツでいい加減でちゃらんぽらんで大雑把で楽観視多めなアクアといえどこれには堪えたらしい。

 疑問の正体が見つかった彼女は一発殴らせて貰えないと気が済まないと言い、咲夜はそれを受け入れた。

 

 因みに、その後カズマは咲夜に転生者か否か質問した。咲夜は特に隠す必要もないのでカズマに自分は転生者である事を告げた。……()()()告げていないが。

 

 とまあ、そんな経緯を経て彼女は現在カズマの屋敷に仕えている訳だ。

 

 

 

 

 夜、咲夜が夕食を作りカズマ達にご馳走を作り終えた後。

 後は皆が帰ってくるのを待つのみとなり、することもなくなった咲夜はカズマの部屋に行った。

 

 カチャ…とゆっくり戸を開けると静かに寝息を立てているカズマの姿が見えた。

 どうやらあの後眠っていたらしい。

 彼の作業机にはライターが大量に作られておりそれぞれのカラーリングが施されている。

 それを一度時を止めてから箱に詰め、整理した。綺麗に整え置いてから時を元に戻す。

 現実の時間としては一秒も経たないうちにあの大量にあったライターが箱に移動しているのだ。立会人が居たら恐怖映像だろうが、今この時は咲夜とカズマしか居ない。……一応アクアも別室には居る。

 

 そっとカズマに近づき、ゆっくりと椅子を引いてカズマをこちらに向ける。膝の内に手を入れ、肩甲骨あたりに手を置き、抱える様に力を入れると王子様抱っこの完成である。

 そのままカズマをベッドへ運び、布団を被せる。

 

 一度時を動かしてみると、さらに眠りが深くなった雰囲気が伝わってきた。

 そうして一礼してから静かに部屋を出る。

 

 

 リピングの方へ向かい、いつも通りアクアにつまみ食いをされていないか見に行くと……居た。丁度料理を頬張る直前のアクアの姿があった。

 

 「あ」

 「アクア様、つまみ食いをされるのでしたらこれからは作りませんよ?」

 「ちょ、待って!お願い!それだけはやめて!あなたの料理食べてからお店の物じゃ物足りなくなっちゃったの!本当にお願いよ!」

 「…ハァ……分かりました。代わりの物を作るので待っていてください」

 「本当?ありがとう咲夜!」

 

 変わり身が早い女神に咲夜は仕方なくといった感じに料理を作る。通常であればここで時間停止をして即座に相手に渡すのだが、アクアには時間停止が効かないので意味がない。

 まあ、それでも彼女は数百年間料理を行なっていたプロ中のプロである。味もさることながら時間停止中でも手際が世界一というほどに効率化されていて早い。

 

 こういう事に煩いアクアが遅いと感じる前におつまみとなる料理を作り終えた咲夜はシュワシュワと一緒にアクアの前に差し出す。

 

 「やっぱり咲夜は仕事が早いわねぇ。ねぇ、私がもし天界に帰れたら私の使徒になってみない?」

 「……私が死んでからでお願いします」

 「えー。……それじゃあ、私と咲夜でどれだけ長く生きてられるか勝負よ!絶対貴女を私の使徒にしてみせるわ!まあ女神の私が寿命で死ぬことなんて無いんだけどね!」

 「それは私も同じですよ」

 「………これ何かしら?」

 

 強引な話題転換をしたアクアが料理がなんなのか聞いてきた。

 

 「豆腐の豚キムチ炒めですね。ご存知でしょうが私の元の世界の料理です。キムチの材料は似たものを揃えました。シュワシュワによく合うと思いますよ」

 「あら本当?じゃあ早速……旨っ!?ンクッ…ゴク…ゴク…プハァ!本当にシュワシュワとよく合うわねコレ!…あー、今になってあっちの世界の料理とか食べたくなるわねー」

 「あちらの世界の料理も作れますが、夕食が控えているのでそれなりにしてくたさいよ?また今度作りますから」

 「分かってるわよ。ところで咲夜、もう一杯シュワシュワはいいかしら?」

 「…夕食の時にしてください」

 

 少ない量とはいえかなり早い速度で食べたアクアに驚嘆の意を持つ。

 自分の料理をここまで美味しそうに食べてくれるのは今までの中でアクアだけであり、咲夜はいつのまにかそれを眺めるのが好きになっていたこと気づいた。おそらくそれは、この屋敷の住人の中で最も感情を率直に表現するのがアクアだからであろう。彼女の喜びの念からは淀みが無いのだ。

 まあそれは何も食事の時に限る話でも無いが、咲夜がアクアを好んでるのは全く隔たりの無い事実である。

 

 しばらくして、ダクネスとめぐみんが帰ってきて夕食となった。

 カズマを起こし、熱を覚まさぬようテーブルの空間のみ時間停止していたのを解除し食卓に着いた。

 

 家族に近い形で行われるこの行為に以前の咲夜は見るだけだったのだが、今では食事の輪に加わっている事に気づいた。久しく彼女は安心を感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からやっと原作に沿って物語が動き始めます。

小話として、実の所3話目辺りで書きたいこと書いちゃってたんですよね。いや本当にすいません。
ただ咲夜さんとカズマさん絡めてエッチなことしたいなって…っていう出来心で書いたのですが、また書く事にしました。
駄文込み込みでまた始まりますが、どうぞよろしくお願いします。



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