茨の道化師 (やまざるひとろう)
しおりを挟む

1話

処女作です。
描写が難しく想像より淡泊になってしまいました!
猛省です。


「ぐがあああああああ・・・・・・。・・・・にはまだ足りぬ。こんなところで朽ち果てるわけには・・・・。」

 

異形と化した我が身が石になってゆくのを他人事のように感じる。止まずにいた耳鳴りが消えていく。

 

私は、負けたのか。

念願であった魔術の力を得て、人としての身を捨てさってなお勝つことはできなかったのか。

 

《役立たずめ!我が力を借りながらこの様なところで負けおって!ああ…計画が狂ってしまう。次の寄り代を見繕わなければ。》

 

私のすべてを乗っ取っていた「神」が罵声をとばしている。

所詮私は「神」の操り人形でしかなかったのか?

夢を見る代わりに、現実を「神」に捧げたのか?

これは  【悪い夢】   だ。

 

 

 

 

 

 

 

気づけば懐かしく忌まわしい部屋にいた。

机の前には薬を調合している男がいる。

 

「ふむぅ?これではいかんな・・・。確かに魔術を使えるようにはなるじゃろうが、副作用で廃人は確定じゃな。」

 

これは、なんだ?

 

「じゃが、これでとっかかりは出来た。・・・ここまで長くかかったがようやくじゃ」

 

こんなものは・・・・・・知らない。

 

「我が愛弟子であるドルマゲスが魔術回路を発起させる日は近いぞ!・・・あやつの驚く顔が目に浮かぶわい!」

 

魂が理解を拒む。

マスター・ライラスは・・・・・・。

これでは本当にただの道化師ではないか。

 

私はこんなところでは終われない!終わってはならない!

ああ…誰でもいい!私に贖罪の機会を!どのような過酷な道でもいい!後悔と汚泥に満ちたこの私が変わるために!ただ師と共に・・・眠れるような者になるために!ただそれだけを・・・どうか・・・どうか・・・!

 

「それは本当じゃな?」

 

この声は・・・!

 

「マスター・ライラス!私は何という過ちを犯してしまったのでしょうか!私は汚い欲望に駆られ、秘宝を暴き、世界を混沌の中へ落とし、そして師までをも手に掛け・・・・・・」

 

「きったない顔をしおって・・・先に言うがワシはおまえを救わん。お前は自分自身の罪と向き合い、そしてそれを偉業を持って贖わねばならぬ。それがどんなに苦しく絶望に満ちていようとな。それをふまえてもう一度問う。

おまえの覚悟は本当じゃな?」

 

「ええ!もちろんでございます!私の覚悟は揺るぎません!」

 

「そうか。であれば手始めに世界を一つくらい救ってこい。生存者100を下回る世界をな。」

 

意識が遠のく。

何かに引っ張られる感覚と頭に入ってくる情報の波。

消えてゆく恩師。

 

「お待ちください!我が師よ!」

 

「せいぜい励めよ。茨の道化師よ。」

 

すべてが暗く塗りつぶされ意識が覚醒する。

肌をなでるぬるい風。

火の海とがれきの山に囲まれた世界。

目の前にいるのは黒髪の少年と、盾を持つ少女。

さあ。己の救済を始めようか。

 

「きひゃっ! くははっ!! あはははははははははははははっ!! ひゃーはっはっはっはぁ!!

私は地獄のそこより救済を成しに来た茨の道化師!

真名をドルマゲスと申します。さあ契約者よ…私共に救済を行いましょう!」

 

身構え、こちらを睨む少年少女を前に私は嗤う。

 

 

 

 

ステータス紹介

ドルマゲス

 

プロフィール

出典『トロデーン城物語』

 

元孤児である主人公の青年がトロデーンの王女が結婚するまでの事が記された冒険物語に登場する悪の魔術師。・・・・であったが、師であるマスター・ライラスの真意を知り自らが犯した悪行を浄めるために行動するようになる。

 

ステータス

筋力 B

耐久 B

魔力 D→A++

敏捷 C

幸運 D

宝具 EX

 

スキル

 

『略式詠唱』 A 8→6

本来であれば多くの詠唱が必要な魔術を核をなす言葉のみで行使する技術。

効果

NP60獲得+arts性能3ターン50%アップ

 

『分身』 B 8→6

実体のある分身を2体作りだす。

効果

毎ターン回避1回付与(3ターン)&味方全体を回復(3ターン)&星を10個獲得(3ターン)

 

『茨の呪い』EX 9→7

杖から呪いの茨を召還し、絡みついた相手に強い呪いを押し付け動きを阻害する。

効果

敵全体に確率スタン&スキル封印3ターン&宝具封印3ターン&回復量ダウン&arts耐性ダウン3ターン&攻撃力ダウン(3ターン)&自分に精神状態異常弱化(5回3ターン)を付与

 

宝具

『我が師に捧げる』EX

姿が鳥の魔獣へと変質しクラスがバーサーカーに変わり、幸運をのぞく、すべてのステータスが2段階アップする。

効果

この戦闘中攻撃力50%アップ&防御力50%アップ&ターン開始時に1500回復(オーバーチャージ)




読んでくださりありがとうございます!
頑張ります!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

そして始まる物語

「先輩っ!!下がってください!!」

 

俊敏な動きでマスターを守ろうと前に出て盾を構える少女。

 

《聞こえるかい?!最悪だ・・・ドルマゲスと言えばあのトロデーン城物語の最悪の魔術師だ!いいかい?決して戦おうなんて思わずにすぐに逃げるんだ!契約をしていないなら魔力がすぐに枯渇し、座に帰るはずだ!》

 

現代の魔術だろうか?宙に浮かぶ窓の様な物に映る男が必死な顔でまくし立てている。

 

「ドクターの言うとおりです。私が守るのですぐに逃げましょう。」

 

場の皆がドルマゲスを敵と認定し、一挙一動を見逃さない様に緊迫としている。

 

(なかなかひどい言われようだ・・・ふむ?しかしこの少年だけはどうやら動じてないみたいだが・・・)

 

「えー?でもせっかく召喚してきてもらってるんだからなんか悪いよ。まずは話をしてから考えようよ。ドルマゲス?さんも戦おうとしてるわけじゃなさそうだし」

 

緊張感が無い声が辺りに響く。

 

「いや・・・しかし・・・あのドルマゲスですよ!対話ができるとは・・・到底思えません。」

 

「いやーそんなこと言われても…ほら俺そのトロデーン何たらって知らないし」

 

「《えっ?!》」

 

二人そろって驚いた顔で固まっている。

すっかりと気の抜けてしまった場にドルマゲスは思わず笑いをこぼす。

 

「どうやらマスターは私のことを知らない様ですね?それでは自己紹介と行きましょうか。

私はドルマゲス。遙か昔にトロデーンに災厄をもたらした悪の魔術師です。現状は召喚時の知識で分かっています。さあマスター契約を、私があなたの力になってあげましょう。」

 

《聞いただろう藤丸君!絶対に契約はしない方が良いと思うよ。いつ裏切るか分かった物じゃ無い!》

 

「ってロマニは言ってるけど・・・ドルマゲスさんは裏切る予定あるの?悪の魔術師っていわれてもよく分からないんだよね。ただのガタイの良いピエロにしか見えないって言うか・・・」

 

周りの空気と自分の差を感じ若干居心地が悪そうに少年が言葉を発する。

 

「裏切る予定・・・?おもしろいことを言う方だ。」

 

少年に近づき目線を合わせようとするが少女の盾に遮られる。

 

「悲しいなぁ・・・私はいったいどのように伝えられたのか・・・。まあ良いでしょう。質問にお答えしましょう。

私には目的がありましてね・・・。数多ある世界に救済を与えなければならないのですよ。世界を救うというのであれば私があなた達を裏切ることはないでしょう。」

 

鷹揚と腕を広げ、道化師のように笑いながらそう言う。

 

「じゃあ大丈夫じゃん!ロマニ聞いてたでしょ!契約するよ~!」

 

《う~ん・・・信じられないなぁ・・・。》

 

ドルマゲスの言葉を聞き嬉しそうな顔をしている少年に、怪訝そうな顔で返すロマニ。

 

「ふむ・・・ロマニとやら、此度の召喚に応じるサーヴァントはすべて人類史側のサーヴァントということを失念していませんか?」

 

《そうなんだけどね・・・君の逸話からは考えられないんだよ・・・》

 

「ほらほらロマニもそんな疑わなくて良いでしょ!契約するよ契約!・・・握手でだいじょぶ?・・・はいこれで契約完了!マシュもほらほら!仲間だよ!握手!」

 

「え・・・はい・・・よろしくお願いします。」

 

良い意味で強引な少年に押され流されマシュという少女と握手をする。

 

「どうぞよろしくお願いします。共に世界を救おうではないですか。」

 

にこやかに笑いかけてそう言うとマシュは嬉しそうな顔でうなずく。

 

「あっ・・・はい!」

 

(純粋でいい子達だ・・・。しかし私の生前の悪行は染み渡っているようですね。これはなかなか骨が折れる・・・。)

 

「ああ、マスター。聞き忘れていました。お名前を教えていただいても?」

 

「勿論!俺は藤丸立香!よろしくね、ドルマゲス!」

 

「ええよろしくお願いします。それでは・・・ギラ」

 

短縮詠唱により一言で唱えられた魔術が世界を改変し、ドルマゲスの周囲から新しい炎が滲み出る。

 

突然の凶行はしかし牙をむくことはなく立香の4mほど後ろに居た骸骨を焼き払い消え失せる。

 

《んなっ!》

 

「ロマニ、あなたの怠慢だ。最後のマスターを無駄死にさせる気ですか?私にかまけている暇があればマスターの安全を保ちなさい」

 

《た・・・確かに僕が不注意だったよ。気をつけます。》

 

しょぼくれた顔をして謝るロマニ

 

(少々言い過ぎたか?しかし・・・彼を見ているとなぜだか分からないが言葉がすぎてしまう。気をつけねばな。)

 

「さて気を取り直して。

さぁマスター!世界を救済を始めましょう!」

 

 

 




続かない


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。