妖怪賢者に気に入られ (桜華太夫)
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プロローグ

どうも、おうかだゆうといふものです。

出久くんがゆかりんの能力持ってたらおもろいかも。と言う安直な考えの元に作られた(自称)小説です。 
どうしても書きたくなったので書き始めましたが、続くか続かないか作者も分からない処女作です。

てきとうによんでいってね!!!


「---大丈夫、アナタはヒーローになれますわ---」

 

目玉が張り付いたかのような空間の裂け目から出てきた女性の一言は、僕に(きぼう)を与えてくれた。

 

 

--------------------------------------------

 

 

「諦めた方がいいね」

 

4歳になってそろそろ個性が発現するかというとき、お母さんと一緒に病院へ訪れた僕は、無慈悲にもそう告げられた。

 

「そっ、そんなっ」

「足の小指に二つ関節がある。今時珍しい何の個性も持ってない型だね」

 

---絶望した。家に帰って、何回も見返した動画を見ても、気持ちは晴れなかった。

「ごめんね出久ッ!ごめんねっ、ごめんねぇっ、」お母さんに謝られた。

 

僕は、ヒーローになれないのかな・・・。

 

 

--------------------------------------------

 

 

「アナタは、何故ヒーローになりたいと思ったの?」

 

「・・・オールマイトに、あこがれたから。」

 

「何故、オールマイトに憧れたの?」

 

「こまってる人をわらってたすけちゃう、ちょうカッコいいヒーローだから。」

 

「なら、ヒーローになりたいのなら、アナタが泣いていたら助けられないのではなくて?」

 

「・・・ぼくは、むこせいっ、だからっ」

 

「では、ヒーローになるのを諦めるの?」

 

「っ、、あ、あきらめっ、たくっ、ないよぉっ、、」

 

---合格ね。

 

「そう思うのであれば、アナタに力を与えましょう」

 

「、、っ、ぇ?」

 

「今はぐっすり、おやすみなさい。」

 

「おね--さ--、、」

 

「大丈夫、アナタはヒーローになれますわ」

 

 

--------------------------------------------

 

 

「---よかったのですか?」

 

「いいのよ、あの子には、頑張って欲しいから」

 

「・・・私には、紫様の御心は理解できません」

 

「・・・ワタクシはね藍。()()()()をする人間が大好きなの。愛してるの。短い命の灯を必死に燃やして生きている。ワタクシたちのような存在には到底出来ないそれが。たまらなく輝いて見える。だから応援したくなるのよ」

 

「・・・そう、ですか。そう仰るのであれば、私からは何も言えません」

 

「フフッ、賢い従者も好きよ?」

 

「感謝の極みに御座います」

 

 

 

 

 

「・・・さて、緑谷出久君。アナタはどのような()()()()を見せてくれるのかしら。ウフフフフッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで紫様」

 

「なにかしら?」

 

「何故、寝間着のままなのでしょうか?」

 

「・・・あっ。」

 

 

 

 

 



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憧れの存在といきなり出会ったらどう反応する?(#2)

出久くん、オールマイトに出会う編です。
タグに書き忘れてましたが出久くんが魔改造されます。
それでもいいなら、

てきとうにみていってね!!


ーーー「アナタはヒーローになれますわ」ーーー

 

 

懐かしい夢を見た。

僕がまだ4歳で、無個性だと分かった日に見た()()()()()()に言われた言葉。

 

その言葉は妙に僕の心に染み込んでいき、幽かな(かすかな)希望になった。

 

「おーい」

 

そういえばあのとき「力を与えましょう」とか言ってたような・・・

 

「緑谷ー」

 

でも僕には変化なんて無いし・・・

 

「緑谷ッッッ!!」

「うわぁはいぃ!?!?」

「いつまで上の空になっとるつもりだ!」

「すっすすすすすみませんっ!!」

「まったく、今は進路について考える時間だそ。・・・と言っても、やっぱりみんな」

「「「「「ヒーロー志望!!!!」」」」」

「だよなぁ。いまどきヒーロー目指さな「センセー、」い奴っと、なんだ爆豪」

「みんなみんなって、()()()をこんな没個性共と一緒にしないでくださいよぉー」

 

「んだよ爆豪!」

「チョーし乗んな!」

「ふざけんなテメェ!」

「ちょっと個性強いからって!」

「そーだそーだ!」

 

「あ"あ"ん"?」

「「「「「ヒエッ」」」」」

「ったく、アホらし、なぁ、()()?」

「そっ、そうだね、アハハハ。」

 

彼は僕の幼馴染み、爆豪勝己。天才肌な努力型天才。そして、僕の一番の()()だ。

 

 

「にしてもよ爆豪。緑谷って『無個性』だよな?なんでそんな特別扱いしてんだ?」

「テメェは個性でしか人のこと見れねぇのか?バカが」

 

(((((お前が言うなっ!!!)))))

 

「出久は無個性なのにオレに付いて来てんだ。とんでもねぇ努力でな。特別扱いしねぇ方がおかしいだろぉがよ」

「かっちゃん・・・」

 

そう。僕はあの日から血の滲むような努力をしてきた。無個性でも、どんなに困ってる人も笑って助けられるヒーローになるために。

 

「しずかにしなさい、まったく・・・おぉ、二人とも雄英志望か。まぁ二人の学力なら問題ないだろうな。」

「ったりめーだろーがよぉ」

「頑張ろうね、かっちゃん!」

「おうよ!」

 

 

--------------------------------------------

 

 

「はぁ・・・先生人使い荒いなぁもう」

 

担任の手伝いをしてたらすっかり遅くなっちゃった。もう6時近くになってる。

 

「帰ったら筋トレして、お風呂入って、ご飯食べて・・・」

 

 

「Mサイズの隠れ蓑ォ」

 

「!?ヴィラン!?うわああああぁぁぁぁぁああぁぁっ!!!」

(な、なんでこんなところに!?!?)

「大丈夫ゥ、体を乗っ取るだけさァ落ち着いてェ、苦しいのは45秒だけ、すぐ楽になるさァ」

「モガァッ、モゴッ、カフッウゴッ、モゴォ!!」

(息がぁ、できないっ、ち、力も入らないっ、、死ぬ、?ここで?いやだぁ、だれかっ、たすけてぇ、、!)

 

 

 

 

「もう大丈夫だ、少年。」

 

「私が来た」

 

 

「チィッ!!」

 

TEXAS SMASH(テキサス スマッシュ)!!!」

「グゥッ、グワアアアアアァァァ!!」

(このっ、圧っ!!!)

 

 

(・・・オール、マイ--・・・)

 

 

やっぱり・・・すごいやぁ・・・

 

 

--------------------------------------------

 

 

 ぱしぱしぱしぱしぱしぱしぱしぱしぱしぱしぱし

「---ィ、ヘ--、ヘイ!ヘイ!ヘあ、よかったぁ!」

 

(----へっ?)

「おわああああああぁぁぁぁああ?!?!?!」

(オ、オールマイト?!?!なんでこんなところに?!?!)

「元気そうで何よりだ!いやぁ~悪かった!ヴィラン退治に巻き込んでしまった、いつもはこんなミスはしないのだが、慣れない土地で浮かれちゃったかなぁ!HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!」

「はわゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎゎ」

(ナ、ナンバーワンヒーロー、オ、オ、オールマイトだ!ホンモノだ!?!?すごい!やっぱり生だと画風が全然違う!あぁサインもらわなきゃ!あと握手も!それからそれから、、)

「しかし!君のおかげさ!ありがとう!無事つめられたっ!!」

「ぁぅぁぅぁぅぁぅあそうだ!サイン!えぇとえぇとあ!あのノートに!」

 

パラッ

 

【ALL MIGHT!】

 

「してあるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?ああああああああありがとうございますうううううううう!!家宝にッ、家の宝にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

「OK!」

 

「それじゃ、私はこれを警察に届けるので、液晶越しにまたあおう!」

「えっ、そ、そんな、もう?」

「プロはいつも敵と時間との闘いさ」

 

(ま、待って、まだ、聞きたいことが)

 

「それでは今後とも・・・」

 

「応援ッッ!!よろしくねええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

「・・・え」

「うぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!!」

「コラコラコラコラコラコラコラコラァ!!放しなさいっ!放しなさいっての!!」

「いま、はなすと、し、しんじゃうぅぅぅ!」

「あ、たしかに」

「ぼ、ぼく、あ、あなたに、ちょくせつ、きき、たいことがぁぁぁぁぁぁぁ!」

「OKOK!!分かったから目と口を閉じな!!HUU・・・ゴホッゴホッ」

(シット・・・)

 

 

 

ドガシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン

 

 

 

「はー、ヒー、はー、ヒー、こ、こわかったぁ・・・」

「まったく、階下の方に話せば降ろしてもらえるから、私はマジで時間がないので、ホント、これでッ」

「あっ、あのっ!まってっ、あの」

「NO!またない!」

「でもっ、、、!」

 

 

---「諦めた方がいいね」---

 

 

---「ごめんね出久ッ!ごめんねっ、ごめんねぇっ!」---

 

 

(・・・確かに、無個性じゃ無理かもしれない、でも、それでも僕は・・・)

 

 

 

---「大丈夫、アナタはヒーローになれますわ」---

 

 

 

(それでも、一人には言ってもらえた。だから、だから・・・)

 

「個性がなくてもっ、ヒーローはできますかっ!!」

 

「個性がない人間でもっ!アナタみたいなヒーローになれますかっ!!!」

 

(っ、っ、、、、)

 

 

 

--この、オールマイトと出会えた奇跡と、あのとき見た夢の幻想が、僕の運命を大きく変えるなんて、このときはまだ、想像さえしていなかったんだ--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、夢落ちとして片ずけられています。しかしゆかりんにああ言ってもらえたおかげで心が強くなれた出久君は めちゃくちゃ頑張って、その頑張りをかっちゃんは認めた。という設定でいかせていただくので、この小説のかっちゃんはかなり丸い性格です。
次回こそヘドロ事件編に行きたいと思います。

読んでいただきありがとうございました!


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緑谷出久:アナザーオリジン(#3)

#2を見返して思いましたが、私会話しか書いてないも同然ですね。自分でも面白く思えませんでした。
と言うことで少し現状解説的なのを書きたしていこうと思います。

反省はさておき、ヘドロ事件回です。
内容がギチギチになるかもですが、それでもいいなら

てきとうにみていってね!!


「個性がない人間でもっ!アナタみたいなヒーローになれますかっ!!!」

 

 

ついさっき出会った、というかヴィラン退治に巻き込んでしまった少年にそう聞かれた。

やはり彼もヒーロー()に憧れ、目指しているようだ。無個性なのに。

 

(昔の私とそっくりじゃないか・・・)

 

私も彼と同じように無個性で、それなのにヒーローに憧れた。そんなとき私は師匠に出会い、この力(ワン・フォー・オール)を受け継いだ。人に恵まれ今の私がいる。

しかし、恵まれすぎるのも良くないのではないか。そう思う私がいた。

だから、私は、心を鬼にして言うのだ。

 

「諦めろ、とは言わない。けどね少年、それ相応に現実を見るのも大事だよ」

「ッ・・・」

「プロはいつだって命懸け、個性(ちから)が無くても成り立つとは、とてもじゃないが口には出来ない」

「っで、でも、、」

「人の命を助けたいと言うのなら警察になるという手もある。ヴィラン受け取り係と言われてはいるがあれも立派な()()だ」

「・・・・・」

「・・・ではな少年」

(心苦しいが、これは必要な事・・・割り切るんだッ!私ッ!)

 

「さて、早くこいつを届けなけれ・・・ば・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、、うっ、ううぅっ、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------------------------

 

 

「おい!だれか捕まってるぞ!」

「頑張れヒーロー!」

「人質の子めっちゃ抵抗してんじゃん!」

「やれヤバくな~い?」

「やっちまえー!」

 

 

「ぅぉぉぉおおおおおおおおあああああああああああっっっ!!!!こんなドブ男にいいいいぃぃぃぃ!!!!オレがのまれるかあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「この個性と力ならばァ、ヤツに報復出来るゥッッッ!!!」

 

 

「ダメだ!コレ解決できるの今この場にいねぇぞ!」

「消防で手一杯だ!状況どうなってる!消防車は!?」

「あの子には悪いが、もう少し耐えてもらおう!」

「クッソォ!!! 」

(ヤツを吹き飛ばせるようなパワーがあればっ!)

 

--------------------------------------------

 

 

---「それ相応に現実を見るのも大事だよ」---

 

「ハァ・・・ッ」

 

(泣くなっ、分かってたろ、現実さっ)

 

 

---「アナタはヒーローになれますわ」---

 

 

あのとき、夢の中の女性が言った言葉は確かに彼の心を支えていた。

しかし、そんな一言に比べれば、オールマイト(彼の憧れ)の言葉は心に遥かに深く突き刺さった。

 

(やっぱり、ダメなんだ・・・)

 

 

ドガァァァァァァァァァァァァァン

 

 

「ん・・・?」

(ここ、さっき爆発したところ・・・?)

 

 

 

(野次馬精神で来ちゃったけど、やっぱり戻ろうかな・・・?)

「・・・えっ!!!」

(アイツなんで!?!?オールマイトが捕獲したんじゃっ)

 

「中学生が捕まってんだとよー」

「もうずっとあのままさ」

 

(つ、捕まってるって・・・)

 

「つーかあのヴィラン、さっきオールマイトが追ってたヤツじゃね?」

「え!オールマイト!?」

「さっきまできてたらしいよ」

「マジで!?ヤッヴェ!」

「じゃオールマイトなにしてんだ?」

 

 

 

 

ザワ・・・ザワ・・・

  ザワ・・・ザワ・・・

 

 

 

 

私の落ち度のせいでっ・・・!

(っ、・・・情けないっ・・・)

 

僕があのときしがみ付かなかったら・・・。

(ごめんっ、ごめんなさいっ、、)

 

(情けないっ・・・!)

(ごめんなさいッ・・・!)

 

 

「ぐぅっぐぅぅぅぅうぅぅぅっ」

 

(かっちゃん!?!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---たすけてっ---

 

 

 

(ッ!!!!!!!!!!!!)

「ハァッ!ッ、!」

(少年!?!?!?)

 

「バカヤロォォォォォォォォォ!!!戻れエエェェェェェェェェェェ!!!」

 

「!あのガキィ!」

「・・・いず、く」

 

(クソォッ!クソォッ!!!そんな目で見られたらッ!)

「助けないわけないだろオオォォォォォォォォォッ!!!かっっっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!!!!」

(でもどうする!?!?こういうときはっ!こういうときはっ!ッ25ページのッ!!!)

 

「セェイッ!」

 

投げられたカバンからは筆記用具が飛び出してきた。

シンリンカムイの『先制束縛ウルシ鎖牢』、速攻で相手を自身の腕で縛り上げる。いわゆる初見殺しの技。

彼は今できる最大限の初見殺しを、カバンを投げることで行った。

 

「クッ、ッグ!?グアア!!」

 

飛び出した筆記用具の一つがヘドロヴィランの目にあたり、一瞬のスキが出来た。

 

「ぷはぁっ!!!ハァッ!ハァッ!」

「かっちゃぁん!!!」

「なんでっ、出久がぁっ!!」

「分からないよッ!!でもっ、でもっ!!!」

 

 

 

「かっちゃんがっ、助けを求める顔をしてたからッ!!!」

 

 

 

--------------------------------------------

 

(!!!!!!!!!!)

少年はッ、無個性(無力)なのにッ、たったそれだけでヴィランに立ち向かったのかッ!!!

 

彼はッ!『ヒーロー』と言う職に就きたいからではなくッ!人を助けたいからヒーローになりたかったのかッ!!!

 

「情けないッ・・・!」

ググッ、ググググググググググググググッ

「情けないッッ!!!」

 

「もう少しなんだからァ・・・ジャマスルナアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

「無駄死にだッ!!!自殺しに来るなぁッ!!!」

 

 

「いずくにぃ、手ェ、だすなぁッ・・・!」

 

 

 

バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン

 

 

 

「くぅぅぅぅぅっ!!!」

(な、なんの爆風!?)

 

 

「・・・本当に情けない」

 

 

(、はっ・・・)

「オール、マイト・・・」

「君に諭しておきながらッ!私が実践しないなんてェェェェェェ!!!」

(少年達の手は掴んだッ!!!)

「プロはいつだってッッッ!!!命懸けェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!! 」

「オールマイトォォォォォォォァァァァァァァ!!!!!」

 

「|DETROIT SMAAAAAAAAAAAAAAAASH《デトロイト スマァァァァァァァァァァァァァァァッシュ》!!!!!!!!!!」

 

オールマイトが放ったその拳は、ヘドロヴィランを跡形もなく吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

そして・・・

 

 

 

 

 

「・・・?雨?」

「・・・!ま、まさか!」

「今ので上昇気流を発生させて!」

「雲を・・・作ったのか・・・?」

「ヤベェ、ヤベェよ」

「マジかよオールマイト!」

「ヤベーイ!!!」

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

 

 

オールマイトの活躍で、ヘドロ事件は無事、解決した。

 

 

 

--------------------------------------------

 

その後僕は、現場に来ていたヒーローに叱られていた。でも仕方ない、あのときの行動はあまりにも無茶だった。それが分からないほどバカじゃないつもりだ。

かっちゃんはと言うと・・・

「卒業したら是非ウチの事務所に!君は優秀なサイドキックになれるよ!」

称賛されていた。

 

 

「・・・。」

 

 

--------------------------------------------

 

ヒーロー達からのお説教が終わった僕は、少し重たい足取りで帰路についていた。

 

「はぁ・・・」

(オールマイトに謝りたかったけど、取材続いてたし・・・帰ったら、HP(ホームページ)からメッセージしてみよう)

「出久ッ!」

「?・・・かっちゃん?」

「ハァッ、ハァッ。なんであのとき飛び出してきやがった!!ちったぁ物事考えれねぇのか!!!」

「うえぇ!?そ、それは・・・」

(体が勝手に動いたんだよぉ!)

「確かにオメェは頑張ってっけどよぉ!!通用するかしないかは別だろォが!!!いいか!今後あんな無茶は二度とすんじゃねぇ!死にましたなんてふざけたことぬかしたらもっかいブッ殺してやらぁ!!分かったか!!!」

「わ、分かったから!落ち着いて!」

「気を付けろクソがッ!!!」

「は、はいぃぃぃぃ! 」

「チィッ!じゃあなクソデク!!!」

「あ、う、うん!じゃあね!!」

(タフネスだなぁ。まぁ、かっちゃんの言う通りだ、あのときの行動は褒められたものじゃないし、通用しなかったのも僕が無個性(むりょく)だったから。でも良かったかな。これできちんと身の丈に・・・)

 

「---本当に諦めてもよろしいの?」

(・・・!?)

「なっ、えっ、あ、アナタは・・・!」

長く緩いウェーブのかかった綺麗な金髪。フリルの沢山ついた白いドレス。その上に来ている紫のチャイナドレスみたいな服。

「あらら?そういえば名前はまだ教えていませんでしたわね。ワタクシ、八雲紫(やくもゆかり)と申しますわ」

 

 

「お久しぶりですわね、緑谷出久君」

 

 

これが彼女、八雲紫との2度目の遭遇だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うより!折角あのとき個性(ちから)を与えて差し上げたのに!どうして使わないの!」

「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!あのとき僕貰ってたんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

「もう!ゆかりんちょっとしょげちゃったんだから!」

「ご、ごめんなさいっ!!」

 

 

どうやら僕は、無個性じゃなかったようだ。

 

 

 




ヘドロ事件回でした。
執筆はその回の話を見返しながらしているので、ストーリーはアニメに忠実に進んでいきます。
そしてサラッと衝撃の事実!夢落ちではなかった!
あとゆかりんは大人のお姉さん演じてるお茶目ガールなのが好きです。
次回はオールマイトとゆかりんと修行回を予定しています。

あと、こうしたほうがいいよーなどと言った改善点など提示していただけたら幸いです。
  


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緑谷出久:アナザーオリジン (#4)

前回の続きからです。

てきとうにみていってね!


「---コホン。それで、アナタはヒーローを諦めるのかしら?」

「それは・・・」

 

僕は無個性じゃなかった。八雲さんにそう言われたときは少し嬉しかった。無個性(むりょく)じゃないんだって思えた。

けれども僕は、昔もあのときも()()ではあった。そう思うとやはり言えない。言いたくない。

 

 

---言える資格はない---

 

 

「・・・はぁ、アナタは深く考えすぎです「私が来たぁッ!!!」わ・・・?」

「オ、オールマイト!?」

「HAHAHAHA!!!少年に礼と訂正、そして提案をするためにマスコミを抜けてきてしまった!!!HAHAHAHAHA!!!」

「ちょっとー。ワタシをのけ者にしないでくださいますー?」

「おおっと、すまないね!・・・おや、誰かと思えば八雲()()じゃないか!!!なつかしいなぁHAHAHA!!!」

「八雲()()

「HAHAHA・・・あ。」

「八雲()()と呼んでくださいます?」

「す、すまなかったね。八雲()()

「よろしい♪」

 

い、いきなりオールマイトが現れたと思ったら、八雲さんと談笑している・・・

 

「あの~・・・」

「ん、どうされましたの?」

「お二人って・・・お知り合いなんですか?」

「そうさ少年!八雲少女とは5年前に知り合ってね、()()()()()をしてもらったのさ!!!」

「そ、そうだったんですか・・・ところでオールマイト、さっき言ってたことって何だったんですか?」

「おっとそうだった!まずは・・・ン゛ン゛ッ、礼から言おう」

 

オールマイトの纏う雰囲気が変わった。

オールマイトだけじゃない。僕の隣にいる八雲さんの雰囲気も、同時に変わっていた。

「君がいなければ、君の身の上を聞いていなければ私は口先だけのニセ筋になるところだった。ありがとう」

「そんな!そもそも僕が悪かフガッ」

「人の話は最後まで聞きなさいな、出久君」

「すまないね八雲少女。あのとき飛び出したのが無個性で小心者の君だったからこそ、私は衝き動かされた。トップヒーローは学生時から逸話を残している。そして、皆一様にこう言うんだ。」

 

「---考えるより先に、身体が動いていた---」

 

「ーーーッ!」

「君も、そうだったんだろ?」

「・・・アナタは昔から、透き通るように純粋に憧れていましたわね。(オールマイト)が人々を救う姿に。そしてその為の努力を怠らなかった。」

 

僕は唯、涙を呑んで二人の声を聴いていた。

 

「訂正させてくれ」

「もう一度、言わせてくださいな」

 

ダメだ、これ以上言われたら。

 

「君は」

「アナタは」

 

ボクハ、

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ヒーローになれる」」

 

 

 

 

 

 

 

僕がずっと、言ってほしかった言葉。

もう一度、言ってほしかった言葉。

あのときは幻想(ゆめ)だと思っていたから。

 

 

「ッくうッ、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

泣いた。

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!ッぐううぅぅ、ぅぅぅぅぅううううううッ!!!」

啼いた。

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ、ッくぅ、うぅ、、」

泣き尽くした。

人目も憚らずに。

 

「HAHAHA・・・」

「ウフフ・・・」

 

僕を包み込んでくれる、二つのぬくもりに身を委ねて。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしよし・・・」

「HAHAHA!泣き虫は治した方がいいね!!!」

「す、すみません・・・」

 

こんなに声に出して泣いたのなんていつぶりだろう、ずっと我慢して、頑張って笑い続けていたような気がする。

少し、スッキリしたかな。

 

「さて少年!そろそろ提案といきたいのだが、いいかい?」

「はい!僕は大丈夫です」

「よし!では少年、私の個性、受け継いでくれないかい?」

「・・・え?」

 

 

僕の人生は、どうやら波乱万丈になりそうだ。

 

 

 

--------------------------------------------

 

 

 

僕の人生を大きく変えたあの日から、すでに数ヶ月経過していた。

僕を鍛えて下さった師匠2人とうち1人の従者に一言礼を言い、足早にある場所へ向かっていた。

 

それは近所の公園、どこへ行こうにも、いつもココが彼との待ち合わせの場になっている。

 

「オイ出久!遅っせぇんだよクソが!」

「ごめんかっちゃん!ちょっと個性の訓練してたら遅れちゃった!」

「ったく・・・それで、カタチにはなったのかよ」

「うん、なんとかね。」

「そォか、んじゃあ今度タイマンだ!次もオレが勝つ!」

「望むところだよかっちゃん!今度こそは僕が勝つ!」

「その為にもまずは雄英に受かんねぇと始まらねェ!ゼッテェ落ちんなよクソが!」

「うん!」

 

そして僕らはヒーローになる為に、雄英高校の入試試験に挑む。

 

 




ごめんなさい!修行回はまた別に書きたいと思います!番外編的な。
ねむたい。('ω')チンチン

改善点などありましたらコメントお願いします!


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入試試験って大体ノーベンで行かない?作者だけ?(#5)

遅くなりました。申し訳なゐ。
入試編です。

あと、ヒロインが登場します
書き方もほんの気持ち変えました。
少し長いです。
サブタイはいつもてきとうです。
それでもいいなら、てきとうにみていってね!


 

「ついに……来たね、かっちゃん」

「あぁ……来たな……」

 

僕たちは今、雄英高校受験会場に来ている。

憧れた超カッコイイヒーローになる為にそして、師匠達の期待に応えるために、何が何でも合格しなきゃいけない。

いや、合格するんだ。

 

「……頑張ろうね」

「ったりめーだバカ」

 

それにしてもいろんな人がいるなぁ……猫耳と尻尾の生えた女の子だったり、ヴァンパイアっぽい女の子だったり、鴉の羽が生えた女の子だったり……異形型って女の子が多いのかな……?

そんな事を考えていたら、近くを歩いていた女の子がコケようとしていた。

「危ないッ!」

「わっ、ひゃぁ!」

 

間一髪のところで抱えることが出来た。よかったよかった。

 

「大丈夫?ケガとか無い?」

「あ、う、うん。大丈夫……ッ!///」

急に顔が赤くなったけど……どうしたんだろ?

……あっ。

抱きかかえたままだったのを忘れてた!わっ!意識すると恥ずかしッ!

「ご、ごめんっ!」

「いや、その……あ、ありがと……」

「ぼ、僕は緑谷出久。キミは?」

「ウ、ウチは耳郎。耳郎響香」

「耳郎さんだね。入試、お互いに頑張ろうね!じゃ!」

「え、あ、う、うん」

 

 

「おいデク!早よしろや!」

「ゴメンかっちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

(あんな顔で言われたら、ド、ドキドキしちゃったじゃん……。緑谷、出久か……)

 

少女の心に、なにかしらの感情の灯が燈った瞬間だった。

 

 

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筆記試験は何事もなく終わり、僕はかっちゃんと一緒に実技試験説明会場にやって来た。

実技試験の説明はプロヒーローの【ボイスヒーロープレゼント・マイク】がしてくれる様だ。

 

『今日は俺のライブへようこそ!!エヴィバディセイヘイ?!』

「「ヨーコソー!!!…ぁ」」

「うるせぇバカ」

しまった!思わず返事しちゃった!恥ずかしいっ!

……さっきもう一人返事してたような……あ、耳郎さんのイヤホンジャックが真っ赤だ。

 

『サンキューお二人さん!!それじゃパパッと実技試験の説明をしていくぜ!!アーユーレディ?!』

 

シーン……

 

『コイツはシヴィー!!どうしたお二人さん!!ノッていこーぜ!!』

 

いや流石に二回目は恥ずかしいよ!

 

『入試要項通りリスナーにはこの後10分間の【模擬市街地演習】を行ってもらうぜ!!持ち込みは自由!!プレゼン後には受験票に記入された演習会場に向かってくれよな!!』

その説明を受けてかっちゃんは

 

「出久と()り合うのは無理か…」

 

と恐ろしいことを言っていた。タイマンはいいけど()り合いは怖いよかっちゃん……

 

『演習場には仮想ヴィランを()()多数配置しているぜ!!それぞれの攻略難易度に応じてポイントを設けてある!!各々の個性で仮想ヴィランを行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達リスナーの目的だ!!勿論他人への攻撃等アンチヒーローな行為はご法度だぜ!!』

「質問よろしいでしょうか!」

プレゼント・マイクが説明している途中区切るように、メガネの青年が立ち上がった。

「プリントには四種のヴィランが記載されています!これが謝りであれば日本最高峰校の恥ずべき事態です!我々受験者は規範となるヒーローの御指導を求めてこの場に座しているのです!」

 

あんなにハッキリと大勢の前で自分の意見を言えるなんてすごいなぁ。

「ついでにそこの緑髪の天パ少年とイヤホン少女!気持ちは分からなくもないが今は試験中だ!もっと気を引き締めたまえ!」

「うえっ、ス、スイマセン……」

「ゴ、ゴメン」

『そーいう話は後にしな!今は試験中だぜ!』

「失礼致しました!」

『まぁそれはともかく!受験番号7111君ナイスなお便りサンキューな!!四種目の仮想ヴィランは0(ポイント)!各会場に一体所狭しと暴れようとするいわばお邪魔虫なギミックよ!!戦ってもいいけど逃げることをオススメするぜ!!』

「ありがとうございました!」

 

そう言ってメガネの青年は着席した。試験前にやっちゃったなぁ……

 

『俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校の校訓をプレゼントしよう!!かの英雄ナポレオンは言った!【真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えてゆく者】と!!更に向こうへ!〈Plus Ultra〉!』

 

プレゼント・マイクによる説明が終わり、試験会場へ移動する一同。

 

その中で出久は、

(今日までみっちり鍛えてきたんだ!オールマイトの個性も、紫さんの個性もそこそこ使える。大丈夫。落ち着け僕……)

緊張をほぐそうとしていた。

そして試験会場に着き周りを見ていると、耳郎さんがこっちに歩いてきた。

「緑谷、同じ会場だったんだね!」

「あ、耳郎さん、うん、そうみたいだね。」

「ウチらライバルになるけどさ、お互い頑張ろ!」

「うん!」

『ハイ、スタート!!』

 

耳郎さんと話していたら、急にプレゼント・マイクが試験開始の合図を出した。

 

『どうしたリスナー!!もう試験は始まってるぜ!!実際には合図なんてないぞ!!」

 

試験が開始した。そうなると僕がとる行動は一つ、境界(紫さんの力)で敵前までショートカットだ。

 

「耳郎さんつかまって!」

「へっ!?きゃぁ!」

ついでなので耳郎さんを抱えていこう。

 

 

「……!!来タナヒーロー!」

「ムッ殺ス!」

スキマの先には1P仮想ヴィランが二体いた。僕と耳郎さんで倒せば丁度いいな。

「耳郎さん、一体任せてもいい?」

「だっ、だいじょぶ!任しぇて!」

本当に大丈夫かな…?顔真っ赤だし……

「無理はしないでね」

「う、うん……///」

 

さて、それよりも、この仮想ヴィランどうやって倒そうか……

やっぱりアレでいいかな?単純そうだし。

「死ニサラセヤァ!」

そう言うと仮想ヴィランは右のストレートを繰り出してきた。

「……ハァッ!」

掛け声で気合を入れ、仮想ヴィランの拳の軌道上にスキマを展開する。気合を入れるのは癖だ。

そして出口となるスキマを、顔の目の前に展開する。すると・・・

 

ゴシャァ

 

自分で自分を殴る形になる。こうするとカウンターと同じ原理になるので、大きなダメージを与えやすい。紫さんに初歩中の初歩として教えてもらった使い方だ。

あっけなく終わったので耳郎さんの手助けをしようと振り返ると、すでに終わっていたようだ。

 

「緑谷の個性すごいね!空間操作系の個性なの?」

「う、うん、大体そんな感じかな……」

今はあまり出来ないけど、紫さんは慣れたらいろいろ出来ると言っていた。僕自身この個性はよく分かっていない。

「それより!ここからは離れて行動しよう。その方が効率いいと思うし」

「ウチもそう思う。じゃあ、()()()()()()!」

「うん!」

 

 

耳郎さんと別れた後は、着々と倒していった。時々ケガをしている人がいたので、その人達はスキマで安全な場所に移動させたりもした。

そして終了3分前……

 

ズドドドドドドドドドドドドド……

 

「な、なんだあれ!」

「でかすぎだろ!」

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

ビルに紛れていた0Pヴィランが起動し、市街地を破壊していく。

 

圧倒的脅威。

 

それを目の前にした者は逃走する。勝てないから逃げる。なんだかんだ自分の身が一番可愛いからだ。

しかし、逃げない者もいる。それは、

 

「いたっ、ちょ、抜けないッ……」

「耳郎さん!!」

「緑谷!?なんで!」

「僕がピンチでも、人のピンチを助けずしてヒーローを名乗るのは嫌だから!」

「ッ///!?」

(ヤバッ……か、かっこいぃ……)

 

自己犠牲の精神を持つ者

 

「瓦礫はどかしたから!スキマに入って!」

「ごめんっ…あ、ありがとっ」

 

「耳郎さんは助けた!次はヴィランを倒す番!」

 

オールマイトから受け継いだ個性で全身に力を巡らせて、ヴィランの顔前まで一気に跳躍する。そして腕に力を収束させて大きく振りかぶる。

 

---ケツの穴ぎゅっと引き締めて、心の中でこう叫べ!!!---

 

師匠(オールマイト)、全力でいきますッ!!)

そして一気に拳を突き出す。

 

SMASH(スマッシュ)!!!」

 

 

 

その拳を受けたヴィランは、大破された頭部パーツを撒き散らしながら倒れていった。

 

「なっ!!」

「ウソォ!!」

「ウソダドンドコドーン!!!」

 

 

 

『試験終了ーーーーーー!!』

 

終了を告げるプレゼント・マイクの声で、雄英高校入試試験の全過程が終了した。

 

 

 

 

--------------------------------------------

 

 

 

 

「よぉやっと終わったなぁ、かったりぃ……」

「お疲れさま、かっちゃん」

 

僕はいつも通りかっちゃんと帰路についていた。

(師匠達に良い結果を伝えられるといいなぁ……)

そんな事を考えていると、後ろから呼び止める声が聞こえた。

 

「緑谷っ!」

「じ、耳郎さん?どうしたの?」

「ハァッ、ハァッ、あ、あのとき、助けてくれてっ、ありがとっ」

「そ、そんな!気にしなくてもいいよ!人助けとお節介はヒーローの本懐だから!」

「それでもっ、ありがとう!」

 

そう言う耳郎さんの笑顔は、とても可愛らしかった。

 

「またヒーロー科の教室で会おうねっ、それじゃあね!」

そう言って走っていく耳郎さんを、かっちゃんはとても悪いニヤけ顔で見ていた。

「おいおい出久ゥ、入学早々彼女作ってんのかよ!?」

「そんなんじゃないよ!と言うよりまだ入学してないし!」

「ハァ?テメェバカか?俺も出久も受かってねぇ訳ねぇだろぉがよ」

「か、かっちゃん……」

 

かっちゃんはこういう所がすごいなぁ。自信満々と言うか、大胆不敵と言うか、やっぱり憧れてしまう。

 

 

 

受かってると、いいなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

「おっしゃ!帰ったらタイマンすんぞ!」

「えぇぇぇ!今日くらい休もうよ!」

 

戦闘狂な所は嫌いかな。

 

 

 

 

 

 




と言うことで、メインヒロインはじろちゃんです。可愛いよね。可愛くない?
ゆかりん√はいまのところ考えておりませんが、考えないとムッコロと言われればかんがえるかも・・・?
あと、じろちゃん押しが強いかもしれませんが、許してつかぁさい。

読んでいただきありがとうございました!


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作者の高校初日はお通夜でした。(#6)

お仕事が忙しくて投稿が遅れてしまっています。ごめんちゃい。
完走はします。ゼッタイシマス。



あ、言い忘れてましたが。
キャラ崩壊してます。ご了承ください。

それでもいいなら、てきとうにみていってね!


入試試験から一週間たった今日、雄英高校から合格通知が来ていた。

そして、

「出久くーん、開けないのー?お姉さんがあけちゃうよー?」

紫さんも来ていた。

「いやいやいやいや!なにサラッといるんですか!」

「えー?ダメなのー?ゆかりん悲しいわぁ……」

「え、いや、あの、ごめんなさい……」

「ウソよ。それより早く開けましょ」

「あ、はい」

 

くそう!コッチは緊張と不安で堪らないのに!

そう思いながら、紫さんに促され合格通知の入った手紙を丁寧に開けていく。中には円盤型の機械が入っていた。

 

「なんでしょうかコレ」

「投影機じゃないかしら?いまどきの合格通知はハイカラなのね」

投影機の起動ボタンを押して机に置く。そしてディスプレイが映されると、

『私が投影されたッ!!!』

「オールマイト!?……あれ、雄英からだよな?」

『実は私がこの町に来たのは、今年から雄英の教師を務めるからだったのさ!!!』

「そうだったの!?」

『さて、少し早いが結果発表といこうか。まずは筆記試験、多少間違いがあっただけで全ての科目が90点以上だった。素晴らしいとしか言いようがないね。そして実技試験、個性を最大限活用して仮想ヴィランを倒し47ポイント。君にしては低いような気がしなくもないが、問題なく合格だ。

しかし!!!実技試験において見ていたのはヴィランポイントだけじゃない、レスキューポイントという評価点もあったのさ!!!君は出会った全てのケガ人を安全な場所まで運んでいた。さらに、0Pヴィランも倒した!!!よって君のレスキューポイントは77ポイント!!!合計124ポイントで、文句無しの一位通過だ!!!来いよ、緑谷少年。ココが君のヒーローアカデミアだ!!!』

「ッ、はいっ!」

 

よかった、受かってた!と言うより僕が一位通過なんて!

「よかったわね。出久君」

「はい!……あの、紫さん」

「なーにー?」

「あのとき、ヒーローになれるって言ってくださって、本当にありがとうございました。紫さんと出会っていなければ、僕は今頃別の高校を受験していたかもしれません」

「…ハァ。気にしなくても結構ですわ。ですが、あのときワタクシはそう言っただけ。実際諦めず努力を続けてきたのは出久君自身ですわ」

「それでも、僕はあの言葉に救われたんです。ありがとうございました」

そう言って僕は頭を90度下げる。

紫さんもそうだけど、オールマイトもそうだ。一回目は悲しかったけど、その後に言ってもらえて、個性まで受け継がせてもらって……僕は本当に恵まれている。

だから感謝しなきゃ。この出会いに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、愛おしい。堪らなく、アナタが愛おしい。

 

もう、いっそのこと、

 

()()()()()()()にしてしまおうか。

 

 

--------------------------------------------

 

 

あれからとくに何事もなく中学生活を終えた僕らは今日、初めて雄英に登校する。

 

「出久、忘れ物はない?ハンカチは?ティッシュは?」

「大丈夫、全部持ってるよ。もうかっちゃんが来てるから行くね!」

いってきます。と言おうとした、お母さんが僕を呼んで

「出久!……超カッコイイよ!」

「…うん!行ってきます!」

 

震えた声でそう言い、元気よく玄関を飛び出した。

 

「おせェぞデク!」

「ごめんよかっちゃん!」

 

 

 

 

 

 

「でけェ……」

「でかっ!」

僕達が一年間お世話になる1-Aの扉の前まで来て、第一声がそれだった。

それにしても大きいな。バリアフリーってヤツなのかな?まぁギャングオルカくらい大きな人も多いだろうしこれぐらいないとダメなんだろう。

そう自分の中で結論付け、教室に入っていく。

 

「へぇ~ロックが好きなんだ。どんなのが好きなん?今度お茶しない?」

「ごめん、ウチアンタみたいなウェーイはちょっと……」

「ちょ心外なんだけど!」

 

耳郎さんと金髪の男子が話していた。流石ヒーロー志望、コミュニケーション能力が高い!

 

「おはよう耳郎さん」

「!お、おはよう!同じクラスだったんだ!」

「うん。これからよろしくね!」

「こっちこそ、ヨロシク!」

 

耳郎さんが同じクラスでよかった。知り合いが一人だけなんて寂しいもんね。

 

「オイオイ、空気にしないでくれよ!オレ上鳴電気ってんだ、ヨロシク!」

「僕は緑谷出久。よろしくね、上鳴くん」

 

ものの数分で友達が一人出来ちゃった!流石ヒーロー志望、コミュニケーション能力が高い!

登校初日ってもっとこうお通夜みたいな雰囲気になるものだとばかり思っていた僕は、これから送るであろうヒーローアカデミアが楽しみで仕方なかった。

 

 

 

 

 

「お友達ごっこがしたいなら余所へ行け…」

…なんか足元で声が聞こえた気がしたんだけど……

 

恐る恐る振り返るとそこには…

 

「ココはヒーロー科だぞ…」

な、なんかいる------!?

 

 




この場で出久くんのスペックをば。

【緑谷出久】
個性:境界、ワン・フォー・オール

境界・・・主に転移する為の目玉いっぱい空間(スキマ)を開くことができる。
     練習すれば物事の『境界』線も操作出来る。…かも。

ワン・フォー・オール・・・言わずもがな超パワー。

フルカウルは習得済です。
早めに修行編書けたらいいな。書きます。なるべく早く。

ゆかりんがヤンデレ気味ですがそこまで深くは考えていません。(ゆかりんが)

読んでいいただきありがとうございました!


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個性把握テストで大暴れ(嘘)(#7)

おまちかね100%!(6話)
ようやく投稿できましたよ。遅れて申し訳ありんせん。
知らない間に評価バーに黄色が・・・

ざわ・・・
  ざわ・・・

感謝ッ、圧倒的感謝ッ!!!

ざわ・・・
  ざわ・・・

御覧頂いている方の期待に応えられるか分かりませんが、それでもいいなら
てきとうにみていってね!


「ハイ、静かになるまでに8秒かかりました。時間は有限だ、君達は合理性に欠けるね。」

その男性は、教室に入るやいなや先生みたいにお小言を言い出した。

 

(((((いや、だれ?)))))

 

そう思ったのは僕だけじゃないハズ、実際皆そう言いたげな顔してるし。

 

「担任の相澤消太だ、よろしく」

その男性もとい相澤先生は、自己紹介と言うには少し短い自己紹介をした。

相澤消太…どこかで聞いたことあるような。それよりも、

 

(((担任だったんだ……)))

 

「さて、早速だが全員コレ来てグラウンド出ろ。」

そう言う相澤先生の手には体操服が握られていた。それを着てグラウンドに集合すると、相澤先生はとんでもない事を言い出した。

 

「全員そろったな。それじゃこれから個性把握テストを行う」

「「「個性把握テスト!?」」」

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーロー目指してるんなら、そんなもん時間の無駄だ。雄英は自由な校風が売りだ、それは先生(コッチ)にも適用される。覚えておけ」

 

な、なんという横暴!確かにヒーローになるには一筋縄にはいかないけど、入学式くらい出席させてくれたっていいじゃないか!

 

しかし、そんな願いは勿論届かず、相澤先生は説明を続ける。

「中学からやってきた個性使用禁止体力テストを個性を使って行う。そうだな……入試試験一位通過の緑谷」

「……ッ!ハ、ハイ!?」

 

しまった!まさか振られるとは思ってなかったから反応おくれちゃった!

 

「中学のとき、ハンドボール投げ何メートルだった?」

「えっと、確か、51メートルだったと思います」

「じゃあ個性使ってやってみろ」

「ハイ!」

 

「せぇ、のっ!SMASH(スマッシュ)!!!」

投げられたボールは空高く飛んでいき、ギリギリ見える位の所で落下した。

相澤先生が提示したタブレットには、705.3と表示されていた。

 

「「「スゲェェェェェ!!!」」」

「705メートルってマジか……」

「ナニコレ面白そう!」

「個性思いっきり使えんだ!流石雄英!」

「面白そう、か……ヒーローになる為の三年間、そんな腹積りでいるのかい。それじゃあ八種目総合成績最下位の者は『見込み無』として除籍処分にしよう」

 

……は?

「「「ハァ------!?!?」」」

 

嘘だろ…?でも、相澤先生のあの眼は、ふざけながらも真剣に話す紫さんの眼によく似てる。

……本気でやらなきゃヤバそうだ。

 

「生徒の如何(いかん)は俺達の『自由』。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ!」

「でも!入学初日ですよ!?初日じゃなくても理不尽すぎる!」

「自然災害、大事故、はたまたヴィランによる身勝手の極意。いつどこから来るか分からない厄災、それを覆していくのがヒーローだ。放課後マックで談笑したかったなら御生憎。雄英は君達に試練を与え続ける。更に向こうへ、Plus Ultraさ。全力で乗り越えてこい」

そう言い残して相澤先生はテストの準備に取り掛かった。

 

相澤先生……素直じゃないんだな。

 

そう出久は思った。

確かに除籍にはさせるつもりなのだろうが、しかしそれ以上に、『俺の期待を超えてくれ』という意思が汲み取れたからだ。

 

いけないいけない。紫さんのせいで人が考えていることが何となく分かるようになってしまった。メンタリストなんて目指してないぞ。

……まぁ、頑張ろうか!

 

 

-50メートル走-

 

スキマでテレポートし1秒42。相澤先生からOKはもらっているので合法だ。

「0Pヴィランを倒したパワーといい、あのワープゲートといい、緑谷君の個性はなんなんだ?」

3秒04を記録した『個性:エンジン』を持つ飯田君は僕の個性に疑問をいだいているようだ。

 

-握力-

 

ワン・フォー・オール・フルカウルを発動して513kgだった。

「あの細身で俺と同等とは、もっと鍛えるべきか」

『個性:複製腕』を持つ障子君はそう呟いていたそうな。

 

-立ち幅跳び-

 

これまたワン・フォー・オール・フルカウルを発動して68メートルだった。スキマは距離に加算されなさそうだったので使わなかった。

「オレも負けてらんねぇなぁ!」

対抗心が燃え滾るかっちゃんであった。

 

-反復横飛び-

 

またまたワン・フォー・オール・フルカウルを発動して147回。最後の方は吐きそうになって遅くなってしまった。

峰田君の『個性:もぎもぎ』から、両サイドにスキマを開いて高速移動も考えたけど、()()では無くなってしまうのでやらなかった。

 

-ボール投げ-

 

デモンストレーションのときと同じなので割愛するよ。

ボール投げ一位は∞を叩き出した『個性:無重力(ゼログラヴィティ)』の麗日さんだった。∞ってあるんだ……。

 

-上体起こし-

 

いつものワン・フォー・オール・フルカウルを発動して69回。

「緑谷スゲェな!個性使わなきゃ耐えらんなかったぜ!」

切島君の『個性:硬化』でようやく耐えられたらしい。申し訳なかったので謝ったら、

「気にすんなよ、全力出してこその男だろ!」

男気溢れる性格らしい。

 

-長座体前屈-

 

こればっかりは個性の使いようがないので普通に行い、58センチだった。

(((普通だ、スゴい)))

今までが今までだった為に逆にスゴがられたりした。

 

いや、コレ普通だからねみんな!

 

-持久走-

 

お馴染みのワン・フォー・オール・フルカウルを発動して56秒だった。()()()なんだからスキマは卑怯だと思って使わなかったら、

「何故もう一つの方の個性使わなかったんだ緑谷。まさか卑怯だと思ったのか?だとしたら甘いよ」

相澤先生に怒られてしまった。

 

 

ようやっとテストが終わって結果発表の時間だ。流石に最下位は無いけど、やっぱりこういうのは緊張するな……。

 

「じゃあパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の点数を合計した数だ、口頭は面倒なんで一括開示する」

そう言い相澤先生はモニターを開示した。

 

あ、僕一位だ。二位は八百万さんか、握力測定で万力出してた人だよね。そして最下位は……峰田君か。

 

峰田君がいるであろう方に顔を向けると、

「 」

白目のムンクの叫びがいた。まぁあんなこと言われたら僕だってそうなるだろう。さらば峰田君っ!

「あ、ちなみに除籍は嘘な」

 

……は?

「「「ハァ------!?!?」」」

え?しないの?あのときの眼マジだったじゃん!

「君らの本気を引き出すための合理的虚偽だ」

「あんなの嘘に決まってるじゃない、ちょっと考えれば分かりますわ」

いやいや八百万さん。この人マジでやろうとしてたから。

……まぁ逆に言えば、相澤先生のお眼鏡にかなったっていうことか。なら、まぁ、よかったのかな?

「ちょっとヒヤッとしたな」

「俺はいつでも受けて立つぜ」

「これにてテストは終了。教室にカリキュラムとかの資料あるから目を通しておけよ。じゃ、解散」

 

 

--------------------------------------------

 

 

はぁ、結局テストだけで初日が終わってしまった。折角自己紹介考えてきたのにパーになっちゃったよ。

 

そんな事を考えていると、不意に肩を()()()()()

「あれ、耳郎さん?」

「ウ、ウチさ、近くにアパート借りてるんだけど、近くまで、えと、その……い、一緒に帰らない?」

「もちろん!ちなみに何処にあるの?」

「えぇっと、~~~っていうところなんだけど」

「あ、そこ丁度通るところだよ。よかったら家まで送るよ?」

「うぇ!?イ、イイよそこまでしてくれなくも!?」

「でも、女の子一人だと危ないよ?」

「いや、でも、あぅぅ///」

 

人助けはヒーローの本懐だからね!(無頓着)

 

「ダメかな…?耳郎さんが心配なんだ」

「ッ!///じゃ、じゃあ、オネガイシマス…///」

「うん!じゃあ帰ろっか!」

 

そんな事があって、僕は耳郎さんと帰る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の近くの木陰にて

 

「帰り道が同じようだったから誘おうとおもったんだが……」

「ジャマしちゃ悪いよね~」

女誑し(おんなたらし)は健在だなデク!」

「男らしいぜ緑谷!」

「ケロ、熱々ね耳郎ちゃん」

「抜け駆けしやがってェェェェェェ」

「あれが俗に言う恋愛…羨ましいですわ」

 

様子を覗う1-Aのメンツがいたそうな。

 




そろそろ番外編で修行編を書きたいと思います。
次話はいつになるやら・・・御迷惑をおかけします。
耳郎ちゃんの登下校が分からなかったので勝手に考えました。すみません。
見てくださりありがとうございました!


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戦闘訓練説明編(#8)

待たせたな!( )
本当にお待たせしました#8です。
尺の都合上前後編に分けたいと思います。もどかしいとは思いますが許してたもれ。

本編では麗日さんがヒロインだった為に出番が多かったわけで、この作品では耳郎さんがヒロインなので耳郎さんの出番を多くしてもいいよね?
という発想のもとで書きました。それでもいいなら

てきとうにみていってね!


ドタバタの入学初日が終わり翌日、僕は耳郎さんと登校していた。

 

「ヒーロー基礎学楽しみだね」

「そうだね、でも何するんだろうね。やっぱ戦闘訓練かな?」

「それもあるだろうけど、やっぱり救助訓練もするんじゃないかな。憧れの人が言ってたんだ。『ヒーローの本懐は人助け』だって」

「へぇ……そっか、凄いヒーローだね。その人」

「うん!」

 

昨日の帰り道、どうせならと提案してみたら少し考えた後了承してくれた。かっちゃんも誘ったんだけど

 

『うっせー死ねデク』

 

と言われてしまった。何がいけなかったのだろうか。

……と、そんな事を考えているうちに着いたようだ。

あぁ、楽しみだな、ヒーロー基礎学!

 

 

--------------------------------------------

 

 

普通科目の午前が終わりいよいよヒーロー基礎学の時間がやってきた。担当は勿論

「わーたーしーがー…」

我らがヒーロー!

「普通にドアから来たッ!!!」

「「「「オールマイト!」」」

 

「すげぇホンモノだ!」

「あれシルバーエイジのコスチュームじゃん!」

「画風違い過ぎて鳥肌が…」

世界が認めるNO.1ヒーローの登場に皆興奮しているようだ。彼に憧れヒーローを志す者が大半なのでその反応は当たり前とも言える。

 

「早速始めようか『ヒーロー基礎学』!ヒーローの素地を作る為の様々な訓練を行う課目だ!」

単位数も多いぞ!とマッスルポーズで言うオールマイトを、皆真剣な瞳で見つめている。

「そして今日はコレ!戦闘訓練!!」

 

「戦闘…!」

「訓練…」

 

余程燃えているのか、獲物を狩るタカの様な眼でかっちゃんが僕を見ている。

止めて!そんな眼で見ないで!怖いよ!

 

「そしてそいつに伴って……こちら!!!」

そう言ってオールマイトが指差した壁が動き出した。

「入学前に送って貰った『個性届』と『要望』に沿ってあつらえたコスチュームだ!!!」

「「「おおお!!!」」」

そこに収納されていたのはコスチュームの入ったアタッシュケースだった。

「着替え次第グラウンドβに集まるように!!!」

「「「はーい!!!」」」

そう言うや否や、オールマイトとクラスメイト達は自分の番号が書かれたアタッシュケースを抱えて駆け出して行った。

 

待ちに待ったヒーロー基礎学に自分だけのコスチュームで心が躍っているようだ。かっちゃんも例外ではない……が、轟君だけは違うようだ。

……まぁ、僕も早く行こうか!

 

 

--------------------------------------------

 

 

「…始めようか!有精卵共!!!」

コスチュームを着るのに戸惑っていたら、すでに始まっているようだった。

「…あ、み、緑谷!イイじゃん!アートロックってカンジで」

「耳郎さん!その、アートロックはよく分かんないけど、取りあえずありがとう!耳郎さんも似合ってるよ」

「ほ、ほんと?ありがとね」

彼女らしい例え方をした耳郎さんは、それこそザ・ロックって言うコスチュームだった。

ライトコーラルのシャツの上に黒い短めのジャケットを羽織っており、ズボンはジャケットと同じく黒のジーンズだ。そして彼女の特徴的な三白眼の少し下には赤い涙マークがペイントされている。

 

「質問よろしいでしょうか!此処は入試のときの演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」

そう質問したのは、白い全身鎧のようなコスチュームを纏った飯田君だった。かなりサマになっていてカッコいい…!

「いいや!もう二歩先に踏み込むぞ!屋内での対人戦闘訓練さ!ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計でいえば屋内のほうが凶悪ヴィラン出現率が高いんだ」

「無鉄砲に飛び出さず屋内で機会を見計らう、ということですか?」

「そう言う事さ緑谷少年!真に賢いヴィランは屋内(やみ)に潜むのさ!!!」

僕の疑問にオールマイトは肯定した。何故そんな事を言ったのかというと、藍さんから、紫さんは個性(スキマ)を使って情報操作を行い、間接的に『異変』というものを起こす、という話を聞いたことがあるからだ。

必要なことらしいけど……ヴィランじみてるよなぁ……。

「よって、君らには『ヴィランチーム』と『ヒーローチーム』に分かれ2VS2の屋内戦を行ってもらう!!」

「基礎訓練もなしに?」

と蛙吹さんがツッコむが、

「その基礎を知る為の実践さ!ただし今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだぞ!!!」

そう切り返すオールマイトであった。考えるのがニガテなはずなのに、中々どうして考えられている。

紫さんの入れ知恵かな?

 

「勝敗のシステムはどうなりますの?」

「ブッ飛ばしていいんすか」

「また相澤先生みたいに除籍とかって……」

「どのような分かれ方をすればよろしいのでしょか!?」

「このマントヤバくない?」

「んんん~~聖徳太子ィィ!!!」

 

次から次へと繰り出される質問に、面倒になったのかオールマイトは懐からメモを取り出し説明を続けた。

取り出した際にメモの隅っこに【BYゆかりん】と書いてあったのは見なかったことにしよう。

 

「状況設定はヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収する事で、ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事で勝利となる!コンビ及び対戦相手はくじだ!」

「適当なのですか!?」

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップをすることが多いからそういう事じゃないかな?」

飯田君らしい質問を持ち前のヒーロー雑学で答える。バカ真面目なんだな、と皆が思った瞬間である。

「そうか…!先を見据えた計らい!失礼致しました!」

「OK!早く始めようか!」

 

ちなみに僕は耳郎さんと一緒になった。変な縁があるものだね。

「よ、よろしくね、緑谷」

「うん、こちらこそよろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

(緑谷とだ!めっちゃ縁があるけど、これって、もしかして!もしかしちゃったり!?)

 

いままで信じていなかった赤い糸を信じ始めた耳郎であった。

 




(耳郎ちゃん)いっぱいちゅきぃ...///
ということで#8でした。
次回は後編です。その後番外編で修行回を書きます。
お楽しみにしていてくだされ。

あ、番外編では他の東方キャラを出す予定です。ゆるしてくさい。

読んでいただきありがとうございました!


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訓練と実戦の境界(#9)

大変お待たせして申し訳ござりませぬ。#9です。いやほんとごめんなさい。
wifiの無い環境に2週間弱いたので更新ができませんでした。言い訳です。

気を取り直して戦闘訓練回です。戦闘描写のクセがニガテなんじゃあ!難しいですよね。どうにかならないものか。



「さて最初の対戦は……ヒーローサイドがAチームでヴィランサイドがDチームだ!!!」

 

「しょっぱなかぁ。キンチョ-するなぁ…」

「大丈夫!僕と耳郎さんなら絶対勝てるよ、だから頑張ろ!」

「緑谷…うん、そうだよね!」

いよいよ始まる戦闘訓練の最初は僕たちが出ることになった。ちなみにAチームだ。

そして相手は…

 

「ようやっと個性アリの全力でタイマンはれるなぁ出久!」

「緑谷君、耳郎君もよろしく頼む!」

Dチームのかっちゃんと飯田君であった。いきなりかっちゃんのチームと当たるなんて思ってもみなかっただけにビックリである。

「さぁ両チームとも持ち場について!着いたら5分後に始めるよ!」

なにはともあれ、紫さんとの訓練を活かせるように頑張ろう!

 

 

 

持ち場に着いた僕たちは今、作戦会議をしている。

「じゃあ開幕でウチが索敵して、その後突入?」

「うん、それが一番だと思う」

「分かった、じゃあそれで……でも、緑谷の個性、スキマだっけ?それ使えば速攻じゃない?」

「まぁそれはそうなんだけど、それだと複数人での訓練の意味がないと思うんだ、だから今回は使わないようにしようと思ったんだ」

「そうなんだ……み、緑谷のそういうサザンロックなとこ、ウチは、す、好き、かな…。」

「本当?ありがとう、サザンロックはよく分かんないけど…」

 

『5分が経過したぞ!ということで戦闘訓練一回目、スタート!!!』

ビルの壁面に取り付けられたスピーカーから聞こえたオールマイトの声で開始が宣言された。

「耳郎さんお願い!」

「オッケー任せて!」

そしたらすぐに耳郎さんに指示を出して索敵をしてもらう。

さぁ、しまっていこう!

 

 

索敵の結果、二人とも元の部屋から動いていないことが分かったので窓から侵入したのだが……

「おかしい……」

「なにがおかしいの?」

「あ、いや、あれだけウズウズしてたかっちゃんが動かないなんてヘンだなって思って」

「あー、あのツンツン頭の?たしかにあの人…!緑谷伏せて!!」

反射的に頭を下げた僕の頭上で爆発が起こった。

 

「待たせちまったなぁ、さっさと始めようや!」

「かっちゃん……」

やっぱり、かっちゃんなら来ると思ったよ!考えろ、今できる最善案は何だ…

「耳郎さん行って!」

「ウチだって戦えるし!」

「かっちゃんの目標は僕だから、耳郎さんは核兵器がある部屋まで行く方がいいんだ!」

「でも!」

「いいから!お願い!」

「ッ、…分かった」

これで僕とかっちゃんの1VS1、正直真向勝負で勝てるか分かんないけど、やるしかない!

 

「緑谷!……勝ってね、ウチ信じてるから…」

「耳郎さん……うん、絶対勝つ」

 

チームメイトが信じてくれたんだ、勝てる勝てないじゃない、勝つんだ!

 

「お喋りは終わったかぁ?んじゃまぁ……死ねぇ!!」

 

そう言うとかっちゃんは、爆速ターボで接近し右の大振りを仕掛けてきた。勿論それは予測していたので、軌道上にスキマを展開し、かっちゃんの右頬に当たるように出口を繋げる。

が、しかし

「そぉ来んのは分かってんだよ!」

左手で爆発を起こし巧みに回避されてしまった。そしてその勢いのまま左のストレートが僕に刺さる。

「ガハァッ!」

「まだまだ終わりじゃねぇぞ!」

そのまま流れるように胸ぐらを掴み背負い投げの要領で、さらに爆発の衝撃で投げ飛ばされてしまう。が、壁に叩き付けられる前にスキマを開いて離れたところに着地する。

 

「やっぱ一筋縄じゃいかねぇよなぁ…」

「僕は負けるつもりはないぞ、かっちゃん!」

「上等だ!本気のテメェぶっ殺して俺が上だってこと分からせてやらぁ!」

 

そう啖呵を切り、宿敵(ライバル)を倒す為互いに走り出し、クロスカウンターの形で相打ちになる。

その殴り殴られる音により第二ラウンドが始まった。

 

 

--------------------------------------------

 

 

『残り2分を切ったぞ!!!』

 

タイムリミットを告げるオールマイトの声で互いに距離を離し、どう倒し切るか思考をこらす。

だが、緑谷には秘策があった。しかし、正々堂々とした駆け引きを好む彼の心がそれを使う事を許さなかった。

 

そんなときに思い出したのは、『信じてる』と言い自分に任せてくれたチームメイトの存在だった。

彼女もまたヒーローに憧れ、この訓練に想いを馳せていた事だろう。そう思うと、自分の意地のなんとくだらないことだと思った。

 

「ごめんよかっちゃん」

「…あぁ?」

 

それでも正々堂々と勝ちたいと思う気持ちはあった。

 

「これだけは使いたくなかったんだけど…」

「いきなりなんだぁ…?」

 

しかし、それよりも少し、()()()()()()応えたいという想いの方が強かった。

 

「決着はまた今度にしよう!!【夢と現の境界】!」

「あぁ?…な、なに…を…」

 

紫より授かった『境界を操る程度』の力。その真髄である『物事の境界線の操作』の一つを習得した緑谷は、睡眠の境界線を操作し、爆豪を深い眠りにつかせた。

そして彼は、想いを馳せる彼女のもとへと向かうのであった。

 

 

なお、勝利したのは当然ヒーローチームであった。

 

 

--------------------------------------------

 

 

その日の放課後、僕はクラスの皆に囲まれていた。

 

「爆豪との殴り合い、男らしかったぜ緑谷!」

「初っ端からあんな熱い試合みせられてよぉ、俺も気合はいっちまったぜ!」

「スマートじゃなk「あのタイミングでよく避けたよー!」

「緑谷君!君の個性はなんなんだ!」

「ケロ、たしかに気になるわね」

「個性の使い方も素晴らしかったですわ!」

「聖徳太子ィ!?」

 

八方から声かけられるから思わずオールマイトの台詞とっちゃったよ!

と、取りあえず、質問にだけは答えよう。

 

「えっと、僕の個性は『境界』と『身体能力強化』だよ。後者はそのまんまで、前者は空間にスキマを開いてワープしたり、今日の訓練でしたように物事の境界線を操ったりできるんだ」

「個性二つも持ってんのか!?パネェな!」

「しかも境界線の操作ってスゴくない!?」

「なんでもアリってこと?かぁーっ、うちには敵わんなぁ」

「俺なんて尻尾があるだけだもんなぁ」

「そんな!皆良い個性じゃないか!」

「いやー緑谷には言われたくねぇなぁ」

 

そ、そんな…本当にそう思ってるのに…

 

「…有象無象の管理者」

「いきなりどうした常闇」

 

皆ヒーロー志望ってだけあって積極的だなぁ。それに、それぞれの個性っていう共通の話題があるから、すぐに仲良くなれて、楽しいなぁ。

と、感慨に浸っていると。

 

「オイコラクソデクゥ!!」

「かっちゃん!?」

「なに終わらせてくれてんだぁ!?まだ勝負はついてねぇだろぉが!!」

そう言って胸ぐらを掴み前後に激しく揺さぶられる。

「こ、今度!また今度ぉぉぉぉ!」

「今度っていつだクソが!」

 

ギャーギャー

    ワイワイ

 

こうして、とても穏やかな雰囲気で雄英生活二日目を終えたのであった。

 

 

 

 

---「大丈夫!かっちゃんを倒して僕が来た!」---

 

「はぁ……」

 

緑谷カッコよかったなぁ…

 

「どったの耳郎?」

「はぇっ!いや!?なにも!?」

そう思っていたら、近くにいたであろう三奈に声をかけられ、少しキョドってしまった。

「?……!はっは~ん、さては緑谷のこと考えてたな~?」

「なぁ!ちがっ、ちがうし!緑谷のことなんて考えてないし!」

「はいはいごちそーさま!」

「だから違うしぃ!」

 

 

 




早くお見せしたくて急ぎ足で書いてたらぐだぐ駄作になってしまった。
戦闘描写は難しいね。

見ていただきありがとうございました!


あ、それと、改善点など思うことがありましたらコメントにてお願いします。
私の為にも。


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