駿河鎮守府のつかさ提督 (楠富 つかさ)
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8/17 再出発

 8月17日、その日はやってきた。一度は敵に跳梁跋扈を許したがここからは我々の反撃の時間だ。機は熟した、時は満ちた。言い方はどうだっていい。駿河鎮守府麾下の艦娘と力を合わせて海域を突破し、再び制海権を取り戻す。傍らの吹雪を見やる。右も左も分からなかったあの頃とは違う、凜々しい姿だ。

 

 ここ駿河鎮守府は急深で知られる駿河湾を一望する位置にある。大本営たる横須賀にほど近いここに何故、鎮守府があるかというと、それは過日の深海棲艦による襲撃によるものと言えよう。挙げ句大雨に見舞われ復旧が後手後手になってしまい、駿河湾を臨む廃旅館を間借しての鎮守府運営となる。廃旅館といえど鄙びた建物ではなく、趣ある古さの建物で、廃業したのも最近のことだ。だが規模の都合、所属艦娘全員を移動させることは出来ず、また艦娘を一カ所に集中させる弊害なども懸念して、呉、佐世保、舞鶴など縁の深い場所に新たな鎮守府を建設し、大淀や鹿島、五月雨などを筆頭に鎮守府運営に携わっている。彼女らがいないせいで書類仕事が非常に辛いことになっているのは仕方が無い。結果、現在の駿河鎮守府の総戦力は70名強。作戦海域によっては他鎮守府と協力しての攻略となるだろう。そして……。

 

「まずは鎮守府正面海域を攻略する。久々の出撃だ、張り切りすぎないように。さて、編成を発表する。正規空母蒼龍、同じく飛龍、改装航空戦艦伊勢、随伴する駆逐艦は七駆潮、十一駆吹雪、十八駆陽炎。旗艦は蒼龍!」

 

 かつての大宴会場、今は集会場のような扱いをされる大広間、菊の間という。なんと縁起のいいことか。そんな菊の間に出撃を命じられた6人の声が響く。

 

「本作戦は三段階の任務で構成される。まず手始めに鎮守府近海を彷徨く深海棲艦の掃討、そのまま沖合に出て敵前衛艦隊を迎撃し洋上で輸送船と合流。佐世保まで護衛せよ」

 

 いわゆる1-1、1-2、1-3と呼ばれてきた作戦を迅速に攻略していくことになる。とはいえ、1-3はやや変則的な任務になるが。それでも皆、しっかりと頷いてくれた。引っ越し後初めての出撃だ。鎮守府総出で桟橋から見送る。

 

「……作戦海域に投入する戦力としては過剰に思われますが」

 

 側に来た香取がぽつりと零す。鎮守府運営組に出向してしまいそうなのをギリギリ間ってもらった今の鎮守府における事務方のトップだ。

 

「確かに今回の作戦なら、ある程度防空に武装した水雷戦隊でも可能なものだ。しかし、今回の作戦は深海側に対する反撃の狼煙とも言えるものだ。どうせだったら派手に挑んだ方がいい。大火力で圧倒して、我らここに健在と示すのだよ」

 

「提督がそうお考えならそれに従います。ではそろそろ戻りましょう。ここはまだ鎮守府としては不完全です。皆の手を借りつつ、少しずつ整えてまいりましょう」




・今回の編成
蒼龍改二lv97
飛龍改二lv85
伊勢改二lv89
潮改二 lv67
吹雪改二lv71
陽炎改二lv79

・提督の性別
今のところ考えていない。口調が男性寄りだけど、それは仕事中だけっていうタイプの女性中将にするか、口調通りに男性中将にするか。やや中性的な口調にしたかったけど難しい。


・他鎮守府の運営陣に選んだ大淀と鹿島と五月雨のネタ
大淀と鹿島は私が持っていないため。香取はいる。
五月雨は陽炎抜錨しますで大湊警備府の執務をとっていたため。
なお、廃旅館を鎮守府としてっていうのは鶴翼の絆に倣っております。

・作者の攻略状況
取り敢えず眠いなか1-3までは攻略しました。おやすみなさいです。


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8/18 南1号作戦

 昨日の出撃における報告書を蒼龍から受け取り、熟読する。損害は軽微、強力な深海棲艦の個体もおらず、また波も良好であったとのことだ。渦潮の被害もごく僅か。完全勝利といって差し支えないものだ。随伴艦には異なる駆逐隊から3名を選んだが、連携にも全く支障はなかったようだ。そもそもこの鎮守府でかつて同様の駆逐隊を形成して出撃すること自体まれなのだが、管理の都合上、駆逐隊番号を振っている。同僚が全くいなくて寂しい思いをさせた艦もいる。そんな彼女らをまた鎮守府運営の都合でまた引きはがしてしまったことはまた後悔の要因となっている。

 

「さて、秘書艦どのにも目を通してもらうか」

 

 大淀を手放してしまったため、今の鎮守府で事務仕事はもちろん提督たる自分も行っているが手伝ってくれている艦娘への負担も重くなってしまっている。

 

「まったく、この私を事務方に置くとは……贅沢な使い方をしてくれる」

 

 手渡した書類に目を通しながら呟く武人然とした女性。戦艦長門だ。ここ半年間、伊勢、扶桑、金剛、榛名といった戦艦の出撃が多く、なにかと書類仕事で苦労をかけている。付き合いが長いためか、つい頼ってしまうのだ。他の艦種では蒼龍、羽黒、五十鈴、吹雪や陽炎に手伝ってもらっており、彼女らを監督……私をも監督しているのが香取だ。練習巡洋艦である彼女には演習の指揮も託してある。今回の出撃に丁度いいメンバーではなかろうか。

 

「南1号作戦として南西諸島の防衛戦を展開する。編成は駆逐艦満潮、軽巡阿武隈、重巡那智、航巡熊野、戦艦長門、空母飛龍」

 

 満潮と那智と熊野が今、演習で練度を上げている顔ぶれだ。1-4攻略を考えればもう文句なしの練度といえる。せっかくだ、旗艦は満潮でいこう。長門と軽い相談を交えた後、出撃する艦娘を桟橋へ召集する。もう昨日のように総出で見送ったり出迎えたりすることはしないが、せめて提督たる自分だけは見送ろう。これは鎮守府を移す前からのルーティンだ。

 

 

 駿河鎮守府の工廠はかつての地下駐車場を活用しており、あちこちを巡るはめになった明石に代わって夕張が切り盛りしている。艤装の保守点検がメインであり身に纏うのも工廠で済ませている。そこから桟橋はほど近く、私が桟橋に着いた時には全員が武装した姿で待っていた。

 

「ちょっと、待たせるなんてどういうつもり?」

 

 ご機嫌斜めな様子の満潮を阿武隈がなだめる。今の鎮守府で水雷戦隊を率いるとすれば彼女か姉妹間の五十鈴しかいないと言えるほどの高練度艦だが、やや幼い性格であり今も満潮にムッとした目で見られて肩をすくめている。そんな二人を那智が落ち着かせてようやく出撃準備が整う。

 

「目標は敵空母機動部隊の撃滅。再び南西諸島海域に突入するための総仕上げだ。よろしく頼む」

 

 

「抜錨、両舷前進強速……出撃よ!」

 

 

 真っ直ぐ伸びる白い航跡を見送って、再び執務室へ戻った。




なぜ提督の一人称小説にしてしまったのだろうか。戦闘シーンが書きづらいじゃないか。2-4からは艦娘視点を入れて戦闘シーンを入れようと思います。

今回の編成
満潮 lv62
長門 lv70
阿武隈lv82
飛龍 lv85
熊野 lv74
那智 lv63


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8/21 南西諸島哨戒

 鎮守府近海の潜水艦掃討と並行して、南西諸島海域の哨戒作戦を昨日実施し、その報告書に目を通す。昨日の編成は満潮、雪風、島風、能代、鈴谷、隼鷹だった。敵空母もそう多くは無く、隼鷹と鈴谷に載せた水上戦闘機だけで制空権は問題ないと思っていたのだが……。

 

「敵、強くなってるの?」

 

 不意に耳元に甘い声が響く。見やるとそこには瑞鳳の姿が。書類に集中しすぎて気付かなかったようだ。彼女は今の鎮守府で最も練度の高い軽空母だ。対潜能力がピカイチでここ数日は海防艦二人と暁を率いて潜水艦の掃討作戦に従事してもらっている。

 

「あ、あぁ。今の海域にいる深海棲艦は以前より強力になっているようだ。島風が大破、満潮は中破、隼鷹も小破の被害を受けている。そちらは大事ないか?」

「えぇ。択捉ちゃんも対馬ちゃんもいい娘だし、暁ちゃんも頑張ってるわ。ただ、択捉ちゃんが小破しちゃったから今は船渠に入ってもらってるわ」

 

 ドッグこと船渠。艦娘の傷を癒す特別な薬をここの温泉に溶かして大浴場として開放している。怪我がなくても入る人は多い。急ぐ時は濃度の濃い修復材を被ってもらうことがあるが、鎮守府を移してからはまだそういったことはしていない。艤装の管理については妖精さんにも協力してもらっているため、高速修復の仕組みは解明されていない。

 

「報告ありがとう。下がっていいよ。次は確か五十鈴の班が出撃だったな」

「えぇ。もう出撃していると思います。では、失礼します。後で玉子焼き、持ってきますね」

「それはありがたい」

 

 南西諸島海域の敵が強くなっていることを考えると、不安がもたげるのはいわゆる2-4だ。もとより強力な個体がいたり羅針盤の制御がきかなくなったり、難所であったが……やはり主力を徹底して出撃させるべきなのだろうか。とにかく南西諸島海域は資源が豊富である。そうそうに取り返して輸送路等の確保を徹底せねばならない。まずは準主力を投じてパシー、オリョール両海域を制圧する必要がある。そうしたら、いよいよ決戦になる。もちろん、北方海域の攻略もそろそろ考え出さねばならない。

 

「提督、お疲れ様です。本日午前の演習、終了いたしました」

 

 練習巡洋艦である香取が今日の演習が終わったことを報告する。

 

「そろそろパシー島へ出撃させるメンバーを決めなくては。空母を編成する必要があるとなると、蒼龍に出てもらうか。他は……阿武隈や大井、北上にも出てもらって早急に突破することとしよう」

「では、陽炎さんと雪風さんを随伴させ、その旨を伝えてきます」



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8/23 あ号艦隊決戦

 昨日、提督から指令を受け南西諸島海域の最奥部。いわゆる2-4へ挑む決定が下された。編成は私、蒼龍を旗艦に飛龍、長門さん、瑞鳳ちゃん、羽黒ちゃん、北上ちゃんだった。羅針盤に嫌われ、敵本隊を叩くことが出来ず帰投した。今日は旗艦を長門さんに譲り、再び2-4最奥を目指して出撃する。

 

 台風がいくつか発生しているせいか波は高い。が、この辺りの海域は雨もなく艦載機の発着に支障はない。私、飛龍、瑞鳳ちゃん三人の見解だった。長門さんや羽黒ちゃんも観測機を飛ばすのに問題なしと頷いた。敵前衛艦隊を蹴散らしなおも進む。

 

「敵艦発見!」

 

 飛龍の飛ばす彩雲が敵空母を捉えた。ヲ級……しかも黄色いオーラを纏ういわゆるフラグシップ型。夜間空襲すら可能だというやつらを叩くべく、矢筒から矢を取り出し、弓に番える。放つとその矢は艦載機に姿を変える。手始めに烈風の隊列を整え、続けて艦攻、天山や艦爆、彗星を放ち陣を形成する。そろそろ長門さんの主砲が敵を捉えるような距離だろう。先制あるのみ。

 

「第一次攻撃部隊、発艦はじめ!!」

 

 空母3人だとその艦載機の数はかなりの数になる。それに、

 

「40門の酸素魚雷は伊達じゃないからねっと」

 

 上にばかり気を取られていると北上ちゃんの魚雷が。まぁ、艦攻の魚雷も加わるから。目の前で上がる何本もの水柱。敵の多くが沈み、残った敵も

 

「この長門に続け!!」

「う、撃ちます!!」

 

 長門さんと羽黒ちゃんの砲撃で大破。ヲ級と言えど大破までさせれば無力だ。第二次攻撃の要もなく、北上ちゃんの放った砲で敵艦隊は全滅した。

 

「さぁ、次だ」

 

 ここまでの戦闘で多少のダメージもあり、小破している仲間もいる。それでも、長門さんがキリッとした声で告げる。敵本隊はまだ先だ。周囲を警戒しつつ航行を続ける。特に潜水艦の乱入は怖ろしい。この海域には多くはいないが、鎮守府海域へ接近しつつある個体がいるかもしれない。頭上も足下も警戒が必要な中、長門さんを先頭に単縦陣で進む。

 

「新手だ。構えろ!」

 

 索敵の隙をつかれるように、敵の艦載機が襲いかかる。急いで発艦しダメージを最低限に抑える。羽黒ちゃんは三式弾を撃って艦載機を迎撃する。が、

 

「やられた、誘爆を防いで!」

 

 飛龍の飛行甲板がもうボロボロで、着艦は困難そうだ。飛龍所属の航空機で壮健な機体を私のもとで格納する。

 

「まだ動ける?」

「えぇ。弓は無事だから開幕くらいは何とかするわ」

 

 強力な戦艦は長門さんが至近弾で吹き飛ばし、空母も羽黒ちゃんが中破に追いやる。瑞鳳ちゃんと同時に第二次攻撃を開始し、全て海へと沈めていく。飛龍以外は未だ中破未満だ。旗艦である長門さんは進撃を指示。当然だ。そろそろ最奥部、敵本隊と交戦する可能性は高い。

 

「敵艦補足。戦艦……ル級フラグシップ3隻!! 他、随伴艦」

 

 敵艦を補足し、私たちは弓に矢を番える。もう残っている機体はそう多くない。妖精さんはなんとか助け出して艤装に戻ってもらっているけれど、またボーキが飛ぶと頭を抱える提督の姿が目に浮かぶ。矢を放ち、艦載機を飛ばすがもう満足にダメージが通せない。艦娘同様、深海棲艦にも装甲と呼ぶべきバリアを発生させる力がある。北上ちゃんの雷撃で随伴する駆逐艦を落とすことは出来たけれど、後は長門さんと羽黒ちゃんの砲撃が頼みだ。もちろん、私も最後まで攻撃の手は緩めないけど、さ!!

 

「第二次攻撃の要を認めます。急いで!!」

 

 制空権は完全に取った。弾着観測射撃で二人の砲撃が敵の装甲を削り取っていく。ただ、ここまで来るのに距離もあったし渦潮をくらったせいで帰り分の燃料しか残せていない。どこまでやれる……。

 

「ぃゃ……いやぁ!!」

 

 羽黒ちゃんと瑞鳳ちゃんが大破。飛龍も危ない。中破した空母はもう敵の攻撃を回避するしかない。そろそろ陽も沈む。夜戦に突入するわけにも行かず、敵旗艦を取り逃がす形にはなったが、辛うじて勝利した。

 

「帰るまでが作戦。提督が迎えの部隊を出してくれたみたい。佐世保から陸路で帰って来いって」

 

 打電を受け旗艦に報告。また、その続きを読み上げる。

 

「迎えに来るのは五航戦と二七駆。合流ポイントはここから北に――――」

 

 大破者がいる以上、慎重に帰らねばならない。どんな時でも轟沈させてはならないのだ。敵側は引き上げていくだろうけど、いつ襲われるかわからない。ここからがある意味、正念場だ。




五航戦と二七駆の組み合わせはいいとして、佐世保にいたかどうかは触れずにいただきたいものです。2-5や3-1~3-5を今月中に突破するのは厳しいかなぁ

あと、蒼龍を視点主に書きましたが、ちゃん付けか呼び捨てかちょっと難しいですね。


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8/26 キス島撤退作戦

 北方海域に出撃することになり、あたしたち駿河鎮守府の艦娘たちは大湊警備府を間借して作戦に挑むことになった。メンバーはあたし、陽炎ちゃん、霞ちゃん、潮ちゃん、夕立ちゃん、吹雪ちゃんだ。提督から第一水雷戦隊の看板までもらったんだから。頑張らなきゃ。主力の皆さんがモーレイ海を押さえてくれたからキス島までは大きな障害もない。今頃太平洋側では第五戦隊と皆さんと第七戦隊の皆さんが沖ノ島周辺の深海棲艦を強襲しているはず。あたしたちは快速を活かしてキス島の守備隊が撤退するのを支援しなければ。それに、迅速に任務をこなさないと主力駆逐隊が鎮守府を離れているせいで潜水艦掃討に支障を来しているかもしれない。海防艦の皆や軽空母の皆さんも頑張ってるけど、駆逐艦の力は凄いんだから。

 

「よし! 一水戦抜錨! ちゃんと着いてきてね!!」

 

 駆逐艦の皆だって鎮守府のエースで旗艦の経験も豊富だからあたしが率いるっていうのは自信ないけど、一水戦旗艦として職務を果たすだけなんだから! 阿武隈、旗艦、戦闘、抜錨します!!

 

 

 

 

「阿武隈さん、電探に感あり。2時の方向です!」

 

 あたしは艦載機を積めないから索敵は電探が頼みの綱だ。潮ちゃんから報告を受けて艦首を敵方向に向ける。単縦陣で移動し、敵を目視の範囲まで近付く。まずはあたしが先制雷撃で一隻落とす。そうしたら皆だって戦いやすくなる!

 

「お願い、当たって!!」

 

 改二になってからずっと雷撃の訓練を積んできた。北上さんより上手なんだから!

 

「命中確認! 皆、砲撃戦用意!!」

 

 伝えながらあたしも15.5cm三連装砲を構える。ちょっと重たいけど命中に重きを置いているあたしは好んで使わせてもらっている。

 

「阿武隈、ご期待に応えます!!」

 

 砲撃戦で敵艦隊を撃滅することが出来た。けれどここから先、羅針盤に嫌われて最奥まで行けないかもしれない。不安は拭えないけど、今は進むしかない。

 

「ちょっと、この先渦潮よ!!」

 

 霞ちゃんの鋭い声が響く。うまく進路を変えたつもりだったけど、その迂回分だけ燃料を消耗する。渦潮被害よりは軽微だろうけど、あまり看過も出来ない。その後、何度か戦闘を経てとうとう最奥。目につくのは黄色いオーラを纏う軽巡のフラグシップタイプ。……負けられない。

 

「行くよ、一水戦突入!!」

「素敵なパーティにしましょ」

 

 雷撃で補給艦を叩く。突出した夕立ちゃんももう一隻の補給艦を襲う。ただ、頑丈な補給艦は一撃では沈まない。

 

「吹雪ちゃん!」

「はい! 撃ちます!!」

 

 逆サイドから回り込んだ吹雪ちゃんの高角砲が、水平射撃で補給艦を打ち抜く。

 

「悪いわね、もらったわ!」

「陽炎!」

「陽炎さん!」

 

 陽炎ちゃんが駆逐艦を打ち抜くと、もう一隻が陽炎ちゃんを狙う。それを霞ちゃんと潮ちゃんが挟撃して事なきを得る。あたしも軽巡と撃ち合ってなんとか撃破する。陽も沈んでてきた。……まだ相手は何隻かが健在である。まだ、平気。

 

「隊列を整えて。一斉雷撃するよ!!」

 

 水雷戦隊全員が放つ魚雷は数え切れないほどだ。それが残り僅かな敵艦隊に襲いかかる。炸薬の爆裂する音と大きな水柱が発生する。

 

「こちら阿武隈。駿河鎮守府、聞こえますでしょうか? ……はい、深海棲艦の掃討を確認。キス島に上陸して守備隊と共に翌朝帰投します。はい……えへ、あたし的にはぜんぜんオッケーです!」




今回の編成
阿武隈改二lv82
陽炎改二 lv79
霞改二  lv76
夕立改二 lv73
吹雪改二 lv71
潮改二  lv67


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8/27 北方の日常

 キス島から第一水雷戦隊が撤退したその日のこと。大湊警備府は現在、鳥海を司令塔に運営されている。所属艦は第一水雷戦隊の阿武隈以下駆逐艦5名および、航空巡洋艦鈴谷そして熊野だ。二人は3-4攻略の要として航巡が派遣された。利根筑摩は舞鶴、最上三隈は佐世保にいる。もとより少ない航巡だが、一番の戦力はやはり第七戦隊であった。

 さらに、3-5攻略を念頭に空母3名、蒼龍、飛龍、翔鶴も大湊に移動していた。駿河を赤城、加賀、瑞鶴、呉を雲龍型、佐世保に大鳳、グラーフ、アクィラが、舞鶴にはイントレピッド、サラトガ、アークロイヤルが配置されている。これは正規空母の話であり、当然軽空母も要所要所に配されている。

 警備府にもそれなりの数の艦娘がいるとなると生活にもなかなか困惑がある。鎮守府ほどの大規模施設ならば食事の仕度などは分担して行うほか、専門のスタッフもしばしば入っている。だが、この人数では自分たちだけで行わねばならない。艦娘にも経済活動の自由があるため、大本営からの給金を使って買い物もできるし、この大湊の移動に際して提督から一定の資金も託されている。

 

「ちょっとー。熊野も手伝ってよね。あーし、20.3cm砲より重いもの持ちたくないしぃ」

「……いや、こっちの方がよっぽど軽いと思うんですけど」

 

 お昼時。艦娘も人の姿をしている以上、食事が必要になってくる。警備府の厨房を使って蒼龍がチャーハンを作る。完成したそれを翔鶴や鈴谷が運ぶ。手伝わない熊野にぶーたれる鈴谷のぼやきに、霞がぽつりとツッコミを入れる。一水戦の面々は食器を並べ後片付けしやすいようキッチンを整えて食卓につく。

 

「はい、全員揃いましたね。では、いただきます」

 

 提督代理として鳥海が音頭を取って食事を始める。鳥海が着任した頃にはそんなことはなかったが、吹雪や蒼龍がいた頃、鎮守府が出来て間もない頃はこうして艦娘たちは提督とともに士官室(ガンルーム)で食事をとっていた。鎮守府に艦娘が増えるにつれて、艦種ごとに寮を構えるようになり、食事などの日常的行為は寮で済まされるようになった。駿河鎮守府に移ってからは菊の間を使って全員で食事が取れるようになったことから、何名かの艦娘は非常に喜んでいた。もちろん、他鎮守府に異動になったメンバーの中にも、また提督と食事をとりたいと思っている艦娘もいたのだが。

 

「明日はいよいよ北方海域艦隊決戦です。空母や戦艦が数多くいる海域を航巡、軽巡、駆逐で挑まねばなりません」

 

 食後、鳥海が重々しく口を開いた。

 

「敵主力艦隊を押しやるだけで十分です。決して無理をしすぎないように。明日に向けて、ゆっくりと休んでくださいね」




実際に3-4は非常にギリギリ。戦術的勝利Bで海域突破と相成りました。
その時の編成
阿武隈改二lv82 小破
陽炎改二 lv79 中破
吹雪改二 lv71 大破
夕立改二 lv73 大破
鈴谷改二 lv86 大破
熊野改  lv76 中破

よくBがもらえたなぁと思うわ。二式水戦も強風改もあったんだけどね。


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9/10 連合艦隊、西へ(1)

普通にあれこれ忙しくって攻略はしていたもののこうして小説に起こせぬまま4-1から4-3を終えてしまいました。イベント的に西方海域は完全攻略済みがいいのでしょうが、実は4-4を削り切れておりません。

取り敢えず、後でエピソードを追加することもあるでしょうが、今はイベント海域のプレイ日記に専念しますね。


 深海棲艦が西に集結しつつある。そう提督から聞かされたのは三日ほど前かしら。この五十鈴が西方に派遣され、まずは後方支援を行うための兵站線確保の為の任にあたることになった。普段は鎮守府近海の対潜掃討にあたってきたけれど、こうした大舞台で先陣を切ることだって珍しくない。磨き上げた対潜技術で必ず勝利をもたらしてみせる。提督にはっきり言ってやったんだから、やってやるわ。

 

 九月九日、五十鈴を旗艦に潮、満潮、大潮、山雲、睦月の6人で出撃した。速度のある水雷戦隊での威力偵察任務だった。敵の駆逐隊や補給艦を叩きながら、最奥まで進んだけれど……敵の潜水艦はあまりに固く、数名の中破者を出しての敗走となった。敵旗艦には中破に至るほどのダメージすら与えられなかったのだ。

 惨めな報告をするなんて、プライドが許さなかった。でも……だからこそ、この対潜、対空、索敵において無敵な五十鈴が負けて終わるなんて認められなかった。被害状況や敵艦の編成を提督に報告すると、提督はすぐに支援艦隊の出撃と編成の刷新を決断した。

 

「五十鈴さん、あとはお願いします」

「頑張ってください!」

 

 山雲と睦月に応援され、満潮も言葉にはしなかったけれど悔しそうな表情をしていた。彼女がここ最近ずっと鍛錬を積んで改二改装まで至ったことは五十鈴も知っている。そんな彼女たちと江風が支援艦隊の随伴につき、本隊は五十鈴と普段は遠征部隊を率いる那珂、そして日振、対馬、松輪の海防艦3名と合流し、バリ島沖に出撃した。海防艦は確かに対潜のスペシャリストではあるけれど、駆逐艦より撃たれ弱い。何度か退却する場面もあったが、支援艦隊の砲撃支援を受け突破。

 

「準備は万端よ、突撃します!!」

 

 空が少しずつ茜色になり、今日最後であろう挑戦。ここまでは順調で部隊の損傷は極めて軽微。渦潮の害もない。敵もかなり摩耗しているはず。仕留めるなら今回しかない。臆病な自分と、ついでに潮や松輪の不安を鬨で吹っ飛ばし、最奥へ進む。

 

「トオ…サナイ……ッテ……。イッタヨォッ…!」

 

 人型に近い深海棲艦は言葉すら発する。水面から響く怨嗟の声を振り払って、各自戦闘準備に移る。二隻だけいる駆逐艦には目もくれず、目視を頼りに爆雷を放り込む。敵潜水艦の反応が消失していく。だけれど、一番大きいのがまだ消えない。日没は近い。でも、ここで引き返すわけにはいかない!

 

「追撃戦は五十鈴の十八番よ!」

 

 もはや目視で潜水艦を補足することは出来ない。普通に考えて潜水艦相手に夜戦をしかけるなんてしないけれど、深海新棲姫は耐久のわりに撃たれ弱い。夜戦でもダメージは通る!!

 

「爆雷、投射ぁ!!!」

 

 大破した日振と対馬を守るように布陣しつつ、残った四人で一斉に爆雷を放つ。位置はソナーが辛うじて捉えていた。炸裂する音と泡……海中から聞こえる怨嗟の声。勝ちだ。五十鈴たちの勝利だ。水上艦相手と違って、見えやすい勝利ではないけれど……これで、進撃できる。自分たちの役目は果たした。海防艦の娘たちは初めて姫クラスの深海棲艦と対峙した。きっと凄く怖かっただろう。最後まで戦った松輪は涙までこぼしている。とにかく今は近場の陸地に上陸しよう。朝になったら同様に過ごしているだろう支援艦隊と合流して帰投するんだ。それから……そうね、せっかくバリ島近海にいるんだから、少し休みを貰うのもいいかしら。那珂の歌でも聴きながら、潮や他の駆逐艦たちと水遊びをして、海防艦の娘たちにはかき氷でもご馳走してあげよう。だから今は……ゆっくり休もう。




連合艦隊、西へ
E1(甲)突破メンバー
五十鈴改二lv82
那珂改二 lv59
潮改二  lv68
対馬改  lv47
日振改  lv43
松輪改  lv39

那珂ちゃんが四ソ三ソ三爆でギリギリ対潜100だったのが今回の勝因だと思います。
大規模イベは1期ラスト以来の2度目ですが、初の甲クリアです。頑張ってニムとヒトミをお迎えしたいものです……。


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9/12 連合艦隊、西へ(2)

 E2は最初、カタパルトほしさに乙で挑んだのですが空襲マスがあまりにも辛くて丁難易度に下げて挑みました。そしたらめっちゃ簡単で泣きそうになりましたね。


 昨日、ボロボロの姿で帰投した五十鈴たち対潜艦隊を迎え入れたのは、提督から全権を預かった私、鳥海ただ一人であった。大淀から渡された作戦指令書によると、次は輸送作戦と敵の撃破という二つの行程を経る作戦であった。そのため、五十鈴たちの帰投より先に、まさしく暁の水平線に出撃した形になる。五十鈴たちが夜戦に勝利したという報告の段階で決めた作戦メンバーは羽黒、あきつ丸、狭霧、響、霞、瑞鳳であった。特に、あきつ丸と霞が搭載する大発動艇が今回の勝負の鍵となる。報告書の作成をしながら、ふと輸送部隊の出撃前に交わした羽黒との会話を思い出す。

 

「ちょ、鳥海さん! あの……」

 

 彼女とは着任時期も近く同じ重巡の四番艦ということで切磋琢磨しあってきた。戦果も上々で提督からも信頼され、書類仕事を彼女が、こうした陣頭指揮を私が担当することも多かった。今回も彼女には秘書艦業務のようなものも一部担ってもらっている。

 

「こ、今回の任務はその……鳥海さんが担当した方がいいのでは? 敵は強力なようですし」

「だからこそ、よ。今回の主眼は輸送任務。私がこう見えて血の気が多いは承知でしょう? 深追いせず、他の艦を護ってあげて欲しいの。戦闘には不向きなあきつ丸も参加しているのだから」

「は、はい!! 羽黒、必ず皆さんをお護りします!!」

 

 

 

 そうして、羽黒を旗艦とする輸送任務部隊の活躍により前線を推し進めることが出来た。続いて集積地棲姫撃滅の為の部隊として、狭霧、響、あきつ丸と交代で、阿武隈、睦月、満潮を部隊に編成しての出撃となった。彼女らもまた、大発動艇や内火艇を搭載できるということで、陸上型の深海棲艦を相手にする際に強力な戦力となる。

 

「私が不運なせいで皆さんにご迷惑を……。支援艦隊として今度こそ活躍してみせます!」

「この響も、同じ特型として彼女と一緒に支援艦隊の随伴任務に就くよ」

 

 この西方にかなりの艦娘を集めてはいるが、戦力にも限りがある。特に支援艦隊には戦艦3名と空母1名を編成し、彼女らの随伴艦として駆逐艦が二人必要なため、出撃したばかりの彼女たちの手を借りなければならない。そもそもを言えば睦月や満潮は対潜警戒にも従事していたのだから、人員のかつかつっぷりがよく分かる。既に重傷である大潮、あきつ丸、山雲を第七駆逐隊が佐世保まで護送している。

 

「第三戦隊、支援任務確かに承ったネ」

「霧島さんはこっちですよ。指揮に支障をきたします」

「ふふ、分かってるわよ。加賀さん、狭霧ちゃん、響ちゃん、お願いします」

「私がこの海域に来られるなんてね……」

 

 かつてこのパラオ泊地近海で座礁したため、セイロン方面には来ていない加賀さんに今回の支援艦隊に参加してもらい、とうとう抜錨。あとは待つことしか出来ない。みんな、必ず、必ず帰ってきて……。




うちの重巡で双璧をなす羽黒と鳥海の話&何故に特効がつかないの加賀さん?ということで調べたお話の二部構成です。

E2(丁)突破メンバー
阿武隈改二lv83
睦月改二 lv67
満潮改二 lv78
霞改二  lv78
瑞鳳改二 lv92
羽黒改二 lv88

丁にしたおかげで札の呪縛を逃れたため満潮と睦月を投入しました。E2は欲しい艦がいっぱいなので頑張って周回します。弾薬がないけどね!!


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9/14 連合艦隊、西へ(3)

 九月十三日、ヒトフタマルマル。西方での快進撃をうけ、いよいよ鎮守府から主力部隊の投入が決まった。日本国内から西方の拠点であるパラオまでもそれなりに距離がある。移動すらある種の作戦行動だった。まず航空支援艦隊に回るべく、呉鎮守府から軽空母、千歳と千代田。彼女らと共に主に対潜及び先制雷撃によって道を切り開く雷巡、大井と北上。そして彼女らの護衛を務める第十六駆逐隊の小隊、雪風と天津風。そしてその後方に、駿河から二航戦に加えて伊勢、大湊から第七戦隊の鈴谷と熊野。また佐世保から翔鶴を向かわせる手はずになっている。他にも第一戦隊や第三水雷戦隊など国内戦力を損ねない程度に艦娘を派遣する目処が立っている。特にイタリア艦やドイツ艦は先行して向かっていることだろう。ローマに全権を託してあるから、無茶なことはしないだろうが。

 

「ふぅ……」

 

そんな思案をため息一つとコーヒーの一杯で押し流し、手元に一つ黒い小箱を置く。そろそろ時間だろう。規則正しいノックの音が響く。

 

「入ってくれ」

「蒼龍、入ります」

 

 駿河鎮守府の提督執務室に、蒼龍が姿を現す。いよいよ主力として出撃してもらう彼女に、渡したいものがあるからだ。

 

「蒼龍、これを受け取ってほしい」

「こ、これは……?」

「堅く言えば艦娘能力制限緩和装置……ざっくり言えば指輪だ。私からの、信頼の証だと受け取って欲しい」

 

 嵌める場所は左手第四指。ずっと、そうしたいと思っていたから。

 

「提督……私、提督に認められたってこと? 私、頑張ってるよね? 役に立ってる? ねぇ、提督は私のこと、どう思っているの?」

 

 嬉しそうに、少し不安そうに、確かめるように訊ねる蒼龍。彼女は初めて逢った頃から少しだけ精神的に弱い一面があった。一航戦ほどの誇りもなければ、飛龍にとっての多聞丸のような心の支えがなかったからだろうか。だからこそ、彼女を支えてあげたいと思ってきた。

 

「私は、君を凄く大切に思っている。本当なら激戦区なんかに出撃させず、ずっと手元に残しておきたい。でも、きっと君はそれを許してはくれないだろう。だから、それを贈るんだ」

 

 時間と場所をわきまえる性格だと思っていた。けれど、今回ばかりは彼女を抱きしめずにはいられなかった。

 

「蒼龍、必ず帰ってきて……でないと私は……」

「えぇ。必ず、全員で帰ってきますから。待っていてくださいね」

 

 

 

翌、ヒトヨンマルマル

 

「提督、入電です」

 

 鎮守府に残った香取から、報告を受ける。海峡を抜けた連合艦隊はとうとう西方の敵前線泊地を撃滅。轟沈者なし。いよいよ欧州海域へ進軍。拠点も前進させるという内容だった。

 

「まだ、ここからだ。欧州海域はかなり強力な深海棲艦が跋扈しているらしいからな」

「戦力や備蓄状況について、詳しい報告を待つとしましょう」




E3(丙)突破メンバー
第一艦隊
蒼龍改二lv103
羽黒改二lv89
翔鶴改二lv84
熊野改二lv84
鈴谷改二lv88
飛龍改二lv88
第二艦隊
北上改二 lv74
大井改二 lv65
瑞鳳改二 lv92
雪風改  lv67
陽炎改二 lv82
阿武隈改二lv84

蒼龍とケッコンしました。E3きつかった。でもE4はもっとしんどい。ボスマス出現させるの面倒!! でも、もう少しで攻略できそうです。ラストは丁かなぁ。きつそうだし。


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7/8 久々の記録

すっかり忙しくて書けなかった艦これプレイ日記風ですが、また書きたくなったので頑張ります。


 なんだ。こんなところにあったのか。執務室に備え付けられた棚から一冊のノートを取り出す。

 

「司令、それは?」

 

 今日の秘書艦は陽炎。駆逐艦の中では最高練度を誇り、事務仕事もそつなくこなす、艦隊の屋台骨の一人だ。

 

「昔つけていた日記さ。昔といっても一年ほど前だがね。去年の秋ごろに北大西洋まで軍を出しただろう? その時の報告書にまぎれていたんだ。真夏は深海棲艦の強力な個体が出現しやすいからな。資料をまとめておきたかったんだが……そうか、こんなところにあったのか」

「どんなこと書いていたの? ねぇ、見せてよ」

 

 陽炎が首をかしげると、赤毛のツインテールがふわりと揺れる。中身を見せることは流石にしないが、駿河に移ってからのことを書いてあるとだけ告げた。

 

「ここに来てからけっこう経つわねぇ。そら鎮守府も大きくなるわ」

 

 横須賀に戻ってもよかったのだが、思いの外ここが気に入った者が私含め多く増築してまで駿河に居着いてしまった。180名ほどいるのでかなり大規模と言ってもいいだろう。他の鎮守府へ移っていた艦娘もここに集結している。指揮系統がスムーズになるというメリットもあるのだが。やはり大所帯は兵站が厳しい。次の大規模作戦に備えなければならないというのに。

 とはいえここに全艦揃っているわけではない。太平洋艦隊と欧州艦隊を設け、それぞれ任にあたってもらっている。海外艦は極力地元で活躍させたい。まぁ、何人かは手元に置いて運用しているが。

 夏にはまた欧州方面の友軍を支援しに行かねばならないだろう。大本営から指示が出ないと分からないが、勘としてはイタリアでの戦闘を予想している。やはり備蓄量が心配だ。先の大規模作戦でも燃料不足に悩まされた。

 

「親潮、元気にしてるかなぁ。あいつくらいなのよね、ちゃんと姉として扱ってくれるの」

 

 親潮は友軍支援に出向している駆逐艦の一人。初風や磯風もここにはいない。欧州の敵は強い。あまり無理をしていないといいのだが。

 

「で、見付けたってことはまた日記書くの? 司令は三日坊主だからなぁ。ちょっと心配。ねぇ、秘書艦が持ち回りで書くなんてどう? 司令はそもそも一日の艦隊運営について報告書書いているから飽きるのよ。ね? どう?」

「まぁ、陽炎がそこまで言うなら。確かに私は日々の報告書を書いているし、秘書艦にはそういったものを求めてなかったらいいかもしれないな。ただ、陽炎が書くのはけっこう先なんじゃないか?」

 

 すると陽炎はあっと短く声をあげた。気付いていなかったらしい。まぁいい。そうして私の日記帳は秘書艦たちの日記帳になった。




ほぼ一年ぶりの更新になっちゃいましたが、初期設定から少し変えました。持っている艦は極力出したいので、ほとんどの艦を駿河に集めましたが、持ってない艦は持ってないのでしょうがないので海外にいることにしました。そうしたらイベドロで合流しても不自然さが緩和されるのではないかという考えです。親潮はいません。欲しい。

読んで下さる方がいるかちょっと分かりかねますが、春イベは甲乙丙丙丙でフレッチャー以外の新艦は手に入りました。岸波やゴトランドも手に入り満足。E5でめっちゃ頑張ってイントレピッドと邂逅できたのが嬉しかったですね。あと任務で必要なのになかなか出逢えたなかった春雨ともついに邂逅。ただ雲龍は手に入りませんでしたね。悲しい。

ぶっちゃけ就活でウルトラスーパー忙しいですが、頑張ってちまちま書きます。夏イベは完走&プレイ日記も全編書きたいですね。流石に去年の初秋イベを思い出して小説にするのは無理。

ちなみに通常海域は6-2まで来ました。そこも小説にしたいかも。


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