DIGITAL MONSTER X-OVER TOHO-PROJECT (rayon)
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file 00 プロローグ
又一人死んだ。
「命はそこにあるだけで美しい…」
又一人死んだ。
もう嫌だ。
もう嫌だ。
嫌だ。
「止めろぉっーーー!!!!!』
「又この夢か…」
そう言って、黒く輝く鎧を纏ったとあるデジモンは転寝から目を覚ます。
「アルファモン…、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫。心配ないよ。」
橙色の身体をしたそのデジモンとそうやり取りした後、その黒く輝く鎧を纏ったデジモン、アルファモンは外へと向かう。
「遅かったな、アルファモン。」
話しかけてきたのは、身の丈に迫るほどの大盾と大槍を持つ紅白の『騎士』だった。
一言すまないと言いつつ、二人は空へと向かう。
〜上空〜
「それにしても、貴様とまた共に闘って往けるようになるとは、このデュークモン、思ってもいなかったぞ…。」
不意に先程の騎士、デュークモンが言葉を漏らす。
この二人は、しばらく前にあったデジタルワールドの崩壊現象を防ぐために共に闘い、その末に、(もう一人の戦士の活躍もあるが)デジタルワールドを護った仲間なのである。
アルファモンはその言葉を聞いた後、少し笑って、
「俺もこの姿にもう一度なれるなんて思ってはいなかった…」
などとそんな話などをして時間を潰していると、
早くも目的の場所へ移動出来るゲートに着く。
「では行こうか、アルファモン。」
「ああ。」
ゲートを開き、デュークモンとともに、二人は転移を開始する。
ある種因縁とも言えるその場所へと…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
聖騎士転移中…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「懐かしいもんだな、この場所も。」
アルファモンがそう漏らした転移した先は、正しく『デジタルワールド』と言うような黒い空間にデータの飛び交う場所だった。
「「四人揃ったようだな。」」
奥の方から金属の擦れる足音を立てて二つの人影が近づいてくる。
片方は右腕が狼の、左腕が竜の頭の様な腕をして、純白の刺々しくもシャープな印象を受ける身体にマントをたなびかせている。
もう片方は背丈は白いデジモンより一回り小さいものの、しかし各所に纏う黄金に輝く鎧が小ささを感じさせない様なデジモンだった。
純白のデジモンを
『オメガモン』
黄金に輝くデジモンを
『マグナモン』
この二人は、デジタルワールドを守護する役割を担う十三体のデジモン、ロイヤルナイツの内の二人だ。
オメガモンは現時点でこの組織のトップを務めている。
尚、アルファモンとデュークモンも
このロイヤルナイツに属している。
「久々だな、アルファモン。」
オメガモンはデジタルワールド崩壊危機の時、始めは騒動の元凶である『ユグドラシル』に従っていたものの、最終的にユグドラシルを離反し、アルファモンと共に闘った、『もう一人の戦士』である。
「ああ。又この姿で貴方に会えるとは思ってもいなかった…。」
闘いの後、元の姿であるドルモンに戻ったアルファモンだが、内に秘めるxプログラムが再びドルモンをアルファモンへと進化させていたのだ。
「懐かしの再開は終わったか?ならこのメンバーを直接この場所へと集めた理由をさっさと話してもらおう。」
話が終わると、マグナモンが少し窮屈そうにしながら話してくる。
このマグナモンはデジタルワールド崩壊危機の時、最後までユグドラシルに従い続けていたが、ユグドラシルが消滅してからドルモン時のアルファモンとも出会い、お互いのケジメをつけている。
「済まぬな、マグナモン。では今回の我々の任務を説明するぞ。直接この四人が集まった理由もな。最近、このデジタルワールド各地で『歪み』が発生しているらしい。ジエスモンとその仲間が発見した。
行方不明となったデジモンもいるそうだ。そこで我等ロイヤルナイツは合計四つのチームに分かれ、この異変の原因究明やこの混乱に乗じて暴動を起こしているデジモンの排除、歪みの調査並びに分析、各地への協力要請等をしてもらいたい。具体的なチーム分けはこうだ。
チーム1(北方向)
・ドゥフトモン
・クレニアムモン
・スレイプモン
チーム2(南方向)
・デュナスモン
・エグザモン
・ロードナイトモン
チーム3(西方向)
・ガンクゥモン
・ジエスモン
・アルフォースブイドラモン
チーム4(東方向)
・オメガモン
・デュークモン
・マグナモン
・アルファモン
この様になっている。
尚、歪みは力を持ったデジモンの近くに発生する可能性が比較的高いらしい。よって不測の事態に備えてチームごとに必ずまとまって行動する様にするそうだ。通信を使わずにチームごとで集まったのは先に要件だけを伝えると先に単独で行動しそうなメンバーが居るからだ。誰とは言わんが。」
オメガモンが一連の説明をした。
「それで、我等が担当する東方向で一番近い歪みの発生場所は何処なのだ?」
「レジスタンスの活動場所の一つだったあの遺跡付近だ。」
デュークモンの問いにそう答えた後、
「急ですまないとは思っているが、又前の異変の様な真似は行いたくはない…。協力してもらえんか?」
オメガモンはこう尋ねてきた。
…が、三人の気持ちは元より決まっていた。
「無論だ。」
「改まって何を言うかと思えば…我等は共に闘った盟友であろう?」
「俺も同じだ。今更逃げ出す事など考えちゃいない。」
と。
「フ…つまらん質問をしたな…。」
それを聴いた後、オメガモンは地上へのゲートを開く。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
聖騎士転移中…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地上へ戻った四人は、歪みの発生している遺跡へと向かった。
「これが歪みの様だな。」
オメガモン達四人の目の前には、『歪み』と言うよりは、『裂け目』と形容したほうが良い様な不気味な空間があった。
「これは…転移用のゲートとでも言うのか…?」
オメガモンが疑問を漏らす。
「あまり良い心地はせんな…」
「あぁ。」
「………。」
他の三人も、この歪みの不気味な雰囲気を感じ取っている様だった。
「こちらオメガモン。歪みの発生場所に到着した。これより調査を行う。」
オメガモンが、他三チームのリーダーであるドゥフトモン、デュナスモン、ガンクゥモンへと通信を行う。
「こちらドゥフトモン。了解した。呉々も気をつけてくれ。」
「デュナスモン、了解。こちらもそろそろ別ゲートへ到着する。」
「了解だ!こっちもシスタモン姉妹がゲートを発見したようだ。今から向かうぜ!」
三人から三者三様の返事が返ってきたところで、
ある違和感を感じた。
「「「オメガモン!!」」」
「なっ…!」
突然歪みが肥大化し、オメガモン達四人を飲み込んだのだ。
「オメガモン!応答しろ!オメガモン!!」
ドゥフトモン達の叫びも虚しく、四人は虚空へと飲み込まれた。
画して、かつては道を違えた聖騎士達は、再びデジタルワールドを守る為の戦いへと身を投じることになるのだった。
to be continued…
初めまして、rayonという者です。読みは「レーヨン」です。
初投稿なので、色々と不明、不十分な点等が非常に多くなっていると思われます。その際は、感想で直した方がいい部分をコメントして頂けると幸いです。
尚、この作品の時系列は、デジタルモンスター(以下デジモン)側は
アニメ『DIGITAL MONSTER X-evolution』
(以下ゼヴォリューション)
本編のしばらく後、東方project側は東方天空璋までとなっていますが、あくまで原作準拠ではなく二次創作です。
なるべく早く二話目も投稿したいと思っておりますので、それまで生暖かい目で待って頂けると幸いです。
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