それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! (焔薙)
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番外資料 人物資料~指揮官~

追記及び修正の可能性あり


ネーム ユノ

 

年齢 17(しかし、これは推定であり実際の年齢は不明)

 

身長 153㎝

 

体重55

 

B80(C65)

 

 

目の色はワインレッド

 

性別 女

 

詳細は本編参照(ぶん投げ)

 

純粋無垢の天然少女、色々と闇を背負ってたりするけど今日も元気に過ごしてます。

 

容姿はナノマシン問題が解決したことで色々と変化、肉付きなども割りと年頃の少女といった感じになってはいるがそれでもまだ少々細いとも見える、髪質も良くなり色素が抜けた感じは相変わらずだがとても綺麗な白で、セミロングと合わさり大人しさと活発さを併せ持った感じになっている。

 

自身がハイエンドの素体だということは知っているし段々身体能力が上がってるのもその影響だというのも聞いているがクローンだというのは伏せられている。

 

P7、ステアー、シャフト娘組のことは実の娘のように可愛がり、無論それはP7のダミー達【アニス】【ビビ】【クレア】【ディアナ】達も大切に思っているのでもはや大家族の母親みたいになっている。

 

PPKとは言うまでもない仲の良さであり、昼間も大概だが夜はもっと凄いことになる、彼女的にはPPKになら何をされてもいいという気持ちがあるので押し倒せれても受け入れてしまう、因みに男性化した時のもそれは適用され結果、基地が騒ぎになった。

 

保護されてから暫くはペルシカと共に過ごしていた影響もあってか彼女のことは割りとお母さんという認識があったりし、ペルシカの方も彼女を娘が居たらこんな感じなんだろうねと思っている節がある、だからなのか彼女に自身の知識や常識などを教えたので実は彼女は割りと頭が良かったりもする、それが発揮される方が少ないのが不思議なのだが……

 

眼について

そんなに変更はない、侵食も機能拡張も停止したので無害な便利レーダー的立ち位置になっている。

 

また人間と人形の括りが無くなったがだからと言って全ての人間が普通に見えるようになったとかはなく、相変わらず初見はマネキンだが認識まで早くなったり、マネキン状態でも表情が分かるようになったりと少しずつ前には進んでいたりする。

 

それとは別に今彼女はハイエンド化と言う現象が進み始めており、今はまだそれなりの身体能力という形で収まっているがアーキテクトの見解だといずれ支配者(ルーラー)としての特殊能力も片鱗レベルで現れ始めるのではと予測されている。残されていた資料を見るに支配者(ルーラー)は戦闘は得意ではなく接敵された場合を想定して速度重視な能力をしているらしく、最終スペックでは鉄血の全てを支配下におけるとされているが現状のユノがそこまで行くのは不可能であるという見方をしている。




変更入れました、めちゃくそ短くなりました許して……許して……


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人物資料 ノア編

当てになりそうですか?(小声


ハイエンドモデル【スペクター】

 

ネーム ノア

 

身長

153cm

BWH

100/57/85

 

ユノのクローンの最後の生き残り。色々細かいことは本編参照な!!

 

見た目は髪が茶髪のショートヘアで瞳はゴールド、目つきはかなり鋭い感じ以外はほぼユノと同じ、性格と口調がまるで全然違うが何も知らない人から見ればユノがグレたと言う勘違いを引き起こす可能性があったりする。

 

性格はぶっきらぼうな感じだが心を許した者たちには優しい、のだが口調も男勝りだったり妙な造語だったりでよく勘違いされる。戦闘時では率先して前線に突撃して暴れることを得意としている。

 

因みに服装はハンターのそれを身長と体格に合わしただけのものを好んできている、余程気に入ってるようでボロボロになっても逆コーラップスを使って修復するほどだったりする。

 

ハイエンドモデルとして身体中を弄り回し、コーラップスと逆コーラップス技術を持ち、また脳もユノのような6割止まりではなく完全に電脳と同一化しているので実はかなり思考速度は早く、戦闘ではそれが大いに生かされている。

 

基本戦闘スタイルは飛行ユニットを使っての上空からの強襲後、地上にてスラスターを吹かしながらの銃火器による制圧戦を好んでいる。ぶっちゃけて言えばメタルウルフカオスとアーマード・コアネクストと雪○クリスを闇鍋した感じ、羞恥心がそこまで無かったりするので胸をバルンバルン揺らしスラスターで地上を滑りながら射撃戦をするという一部からは眼福な光景が広がる、周りは血の海になったりするが。

 

また、彼女はその技術の関係上、エアハルテンの定期的の投与が必要であり作戦行動中に残量が減ってきたとかを想定して数本エアハルテンが詰まっている注射器を所持している。因みにだがこのエアハルテンは改良が加えられているのと身体が急成長(主に胸)の影響なのかは不明だが身体に投与できるエアハルテンの量が増えて結果戦闘時間はかなり伸びている模様。

 

好きな物は食事、美味しければ美味しいほど良いのだが食べ方がガサツであり、G36達が矯正しているがそれでも食い散らかしたりしてしまうほど。あと抽象的なものだが彼女いわく暖かいモノも好きらしい。

 

また、毎朝の日課として基地に供えられた彼女が救おうとして救えなかった妹たちのお墓に手を合わせている、自分がこうして暖かいモノを受け取ることを許してほしいという気持ちとどうか安らかに眠り、そして空から私達を見て笑っていて欲しいという気持ちを込めて。

 

彼女は今日もぶっきらぼうに接しながら心では笑い、生きていく、彼女が思う暖かいモノを守りながら




因みに生成される兵器は何でもござれ、なんだったらハイエンドモデル組の武器だって生成できる。

多分いつかまた追加で書いたりすると思う。


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本編 こんなやり取りしてるけど激戦区の司令部です

カリーナちゃんは報告書を纏めてるよ


ここは複数あるグリフィン司令部の一つ、その執務室で書類整理をしていた軍服を身に纏ってはいるがそれ相応の雰囲気はなく幼さが残る顔立ちに逆に不安すら覚える少女、【指揮官】と同じく右隣でその手伝いをしていた白の軍服に同じく白のコートを羽織り、茶のミニスカート、頭には白のロシア帽を被った少女【M1895】はふと疑問を思い浮かべた

 

今こそ同一戦術人形を使いコアの節約しながら編成拡大を行っているが彼女が着任した時は高ランクの人形ならまだしも自分のような比較的加入しやすい、在るいは任務の際に救出する低ランクの戦術人形でさえコアによる編成拡大をしていたのだ。彼女も最初こそは戦力を早く揃えたいがゆえの行動だと思っていたのだが何故か同一戦術人形がいるにも関わらずコアを使って行うので首を傾げることも多々あった

 

それが在る日突然、思い出したかのように編成拡大に同一戦術人形を使い始めたのだ、これは疑問に思うなという方が難しいだろう、更に言えば任務でスコーピオンを救出し、その後本部からスコーピオンが送られてきた時があったのだがその際、指揮官がボソッと「なんで同じ戦術人形を……?」と呟いていたことも彼女の疑問を加速させる要因になっている。そこで少しだけカマをかけてみようと思い立つ

 

「のう、指揮官」

 

「ん?なに、おばあちゃん」

 

「職務中はそう呼ぶなと何度も言っておろう」

 

M1895に呼ばれた指揮官は何が嬉しいのかその顔をにへらと緩ませ返事をする、が職務中にもかかわらずオフの呼び方をするのでそこを注意されるとしゅんと縮こまりながら

 

「ご、ごめんなさい。それでどうかしたの?」

 

「いや、お主が最近コア不足に嘆いておったからな、年長者、もとい副官らしくアドバイスをと思っただけじゃ」

 

「え、なになに?」

 

「ランク3以上のを回収分解するとコアが手に入るぞ」

 

それを聞いた瞬間、指揮官の少女の目が光った、そしてその反応を見たM1895の目が逆に光を失った。今の反応で彼女は全てとは言わなくとも殆どを悟った、この指揮官はどうやら就任時の秘書的な存在【カリーナ】からの話を聞き流したか忘れたかしているらしいと

 

「やった、これでまた部隊の強化が捗るよ!」

 

「そうかそうか。指揮官、少し話がある」

 

両手離しに喜ぶ姿にM1895はほんの一瞬笑みを浮かべた後、真顔になってからドスの利いた声で少女に告げる。冷房をつけたわけでもないのに急激に低くなる体感気温に少女は先程までの喜びの顔は鳴りを潜め冷や汗を流し始める、如何に能天気ポンコツガールと呼ばれている彼女でも副官が怒っていることくらいは理解できる

 

「あ、あれ、ナガン。怒ってる?」

 

「ああ、着任の際にあれほどキチンと聞いておけよと言った事柄を尽く聞き流したお主にかなり」

 

マズイ、第六感が告げる警鐘に少女は目の前の副官が思ったより怒ってることに気づき、しかし反論の言葉など浮かぶわけもなく涙目に、だがその程度で彼女の怒りが収まるわけもなく

 

「丁度よい、ここらで小休憩としようか、のう指揮官?」

 

「わ、ワーイ……うぅ」

 

_________________________________

 

 

さて今更ながらここは激戦区とも呼ばれる『S09地区』の数ある司令部の内の一つに配属されたのは今まさに説教を食らっている彼女だ。彼女ははっきり言ってしまえば突飛つして頭が良いとかはない平均的な少女、だが彼女の中では戦術人形は道具ではなく一人の個人となっている。それが指揮官としていまここにいる理由、大多数(無論、中には彼女と似た考えの持ち主もいる)が戦術人形は道具であり兵器という考えで戦場では使い捨てにされることも多々あるし人形側もそれを是としている

 

それが世界の常識だ、しかし彼女は生まれ物心が付いたときからそうと思えずどの戦術人形も人と同じように見えており、戦闘で破壊され投棄される彼女らを見て心を痛めていた、だからだろう、周囲の人達からは不思議なものを見る目で見られることも多く、面と向かって変だと言われたこともあった。無論、メンタルは一般的少女は凹んだ、凹みはしたが不思議とその考えだけは変わらなかった、不変を貫き指摘されてはまた凹み、気づけば人から何を言われても気にならなくなっていた少女の心を動かしたのは彼女を指揮官に仕立て上げた第二世代戦術人形の開発者【ペルシカリア】と今の副官であるM1895

 

「ふぅん、彼女達をそこまで思えるのか。君、ちょっと指揮官してみないかい?」

 

「ん、どうしたここはグリフィン司令部じゃぞ、迷子か?え、指揮官!?この情けなさそうな少女がか!?」

 

それぞれのファーストコンタクト、ペルシカの時はそんなことを突然言われ戸惑い、M1895の時は久しぶりに酷く凹んだ。それからあれよあれよと指揮官に就任されるタイミングで彼女の新たな才能が発覚した。それは試験の際のホログラム表示された戦場マップを見た時だった

 

「……?あの、これって敵が何処のエリアに居るか分かるように設定されてますか?」

 

「何を言っている?」

 

曰く、彼女の目には敵がいるエリアには赤い靄が映るのだと、無論それだけではどんな編成なのか、どのくらいの規模なのかはわからないが敵が何処にいるが分かるだけでも有利に働けるのは言わずもがな、試験はほぼ文句無しで受かりその能力この場合は所為でと書くべきか、激戦区のS09地区の司令部へと配属された。とここまでが簡単な彼女のあらすじになっている

 

それから数週間は経って今更な説教を受けている姿に威厳なんてものは欠片も存在しない、ここから彼女は15分休憩の内、10分を正座にて説教を受けることになる。この司令部での力関係がよく分かる光景、だがここではそれでいい、これはそんなポンコツガールと成長するように厳しく接しながらもそんな指揮官に何だかんだ甘いM1895と戦術人形たちのお話




ぐだぐだがスランプしたのと生存報告と息抜きとフロントライン楽しいよって理由で書き始めました!!

それと編成拡大とコア云々のやり取りは作者の実体験です、チュートリアル聞き流してましたはい

あ、回収分解でコアの話はもしかしたらチュートリアルじゃ出なかったかもしれないけどこの世界ではカリーナちゃんが一通りキチンと説明してくれたって体で行きます


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指揮官は真面目に取り組んで空振りする人間

カリーナちゃんは報告書をまた纏めてるよ


今日も今日とて激戦区らしく各司令部から戦術人形が出撃しドンパチ賑やかな【S09地区】無論、彼女の司令部も部隊を出撃させて地域平和に貢献している

 

「第一部隊は飛行場に前進、制圧後は敵が北西から来る筈ですので迎撃を。第二部隊は飛行場を迂回する形で前進し敵鉄血人形を強襲して下さい」

 

《第二部隊了解、行くよみんな!》

 

《第一部隊了解じゃ、相も変わらず便利な目よのう》

 

真剣な眼差しで表示されているホログラムの戦場マップを見ながらインカムマイクを使い各部隊に随時指示を出していく少女、平時はポンコツガールの異名を副官初め司令部内の戦術人形達から貰っている指揮官その人である

 

副官が出撃してる代わりに補佐をしている【スプリングフィールド】も初めてみた時は自分の目を疑い思わず肩を揺さぶったくらいに別人だと言われる程の変わり振りだがキチンと本人である

 

《こちら第二部隊、エリアの制圧完了、次は?》

 

「うん、第二部隊は一旦待機、今は周りに敵は居ないから一息ついて」

 

《こちら第一部隊、敵の迎撃に成功じゃ、次はどうする》

 

「第一部隊も一旦待機、補給を済ましちゃって下さい、その後は前進、スケアクロウが居る筈なので確実に仕留めて下さい」

 

スプリングフィールドには分からないが指揮官の目には飛行場から一つ空白のエリアを挟んだ場所に一際大きな赤い靄がありこれまでの経験から鉄血人形のボス的存在【スケアクロウ】だと判断、少し待てば向こうから詰めてくると判断してそこで仕留めて敵司令部を制圧してしまおうと考える

 

《うむ、任せておくが良い》

 

「第二部隊。第一部隊がスケアクロウ撃破後、敵司令部に突撃、敵は残党だけの筈ですので制圧しちゃって下さい」

 

《了解!》

 

結果、スケアクロウは第一部隊が無事撃破、その後も特に何かあるわけでもなく敵司令部を制圧して戦闘は終了した。現在、指揮官は戦後処理の書類とにらめっこしている

 

「みんな大きな怪我もなさそうで良かった。えっと後は」

 

「作戦行動中に回収された戦術人形についてですね、こちらの書類となります」

 

「ありがと……うぅ、いつ見ても慣れない。この子達どうにかならないかな」

 

「難しいかと、回収、救助されたと言ってもその機能自体はダウンして再稼働も出来ない状態ですから。受け入れ修復するでないならキチンと供養してあげるのが宜しいと思います」

 

「そうだね、その話で進めておいて」

 

ササッと書類にサインをしてからスプリングフィールドに渡し彼女が扉から出ていった後にグッと伸びをし一息入れたところで外からヘリのメインローターの音が彼女に耳に届いた。どうやら出撃していた部隊が帰ってきたらしい

 

(あ、そうだ、みんなにコーヒー入れといてあげよう!)

 

ガタッと勢いよく立ち上がり鼻歌交じりで準備を始める、豆からという高級品は無いしあってもそもそも彼女には出来ないのでインスタントを棚から取り出そうと開けるが若干立て付けが悪いのか中々開かず思いっきり力を入れて開けた時

 

ゴツン!

 

「ふにゅ!?おぉぉぉ……」

 

勢いが良すぎたため開けたときにインスタントコーヒーの瓶が落ちてきて額に打つかる、幸いインスタントコーヒーの瓶は割れてないが指揮官はしゃがみ込んだまま悶絶で動けなくなる。数十秒後、なんとか復活し額を擦りながら立ち上がり棚を閉めて一歩下がるが転がっていた瓶は丁度彼女の足元に移動しており

 

ツルン、ゴチン!!

 

「~~~~~~~!!!???」

 

それを思いっきり踏み、滑って転び後頭部を床に強打した彼女は声にならない声を上げながら転げ回り再度悶絶、とそのタイミングで執務室の扉が開かれ副官であるM1895と第二部隊隊長のUMP9が入ってくる

 

「作戦完了の報告書を……何しとるんじゃお主」

 

「だ、大丈夫!?」

 

その惨状を見てM1895は呆れ、UMP9は即座に駆け寄り指揮官の介抱を始める。その間にも副官は冷静に部屋の状況を見て彼女が何をしたかったかを理解する、その上で小さくため息を付いてから指揮官に近づき

 

「コーヒーが飲みたいのならスプリングフィールドに頼めばよかったではないか」

 

「だって作戦お疲れ様ってみんなに出してあげたかっただもん」

 

「ははは、指揮官らしいね、でもそれで怪我しちゃったら私達が悲しくなるからね?」

 

「う、分かった。気をつける」

 

「やれやれ、で指揮官、コーヒーは飲むのか?」

 

転がっていた瓶を拾い上げM1895がそう聞けば指揮官は満面の笑みで頷く、指揮官らしくは無いが年相応のその笑顔にUMP9は勿論、M1895の顔も思わず緩む。M1895がコーヒーを人数分入れ執務室中央のテーブルに座ってから

 

「あ、確か配給のクッキーまだ手を付けてなかったから出すね」

 

「座っておれ、危なっかしいからな」

 

「私が取りますね、棚の中だよね」

 

「え、あ、うん、ありがと?」

 

ここは激戦区『S09地区』日々鉄血の襲撃、戦闘はあり平穏とは程遠いがこの司令部ではほんの一時でありながら今日も平穏な日々が送られている。なお、その後は指揮官が一人の時に棚上段から何かを取るという行為は禁止され不思議がる指揮官が居たとか居ないとか




深い意味はないけど指揮官は17歳の少女だよ

ところでG36C好きなんですが実装はまだされてないんですかね?

因みにこの司令部は現在第五部隊まで開放されています。


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特になんてこと無い日常の一コマ

サブタイトルは結構適当

カリーナちゃんは公休の日だから出てくるかも


今日も今日とてドンパチ賑やかだけど最近は特に気にしてないこの司令部のポンコツガールは現在

 

「あっついよ~」

 

「扇風機で我慢せい、冷房はデータルームの方でしか使えんのだからな」

 

数日前より徐々に上がっていた気温がピークに達したことによって執務室にて溶けていた。余談だが今日は司令部全体が彼女の定めた必要最低限のことだけして休暇にしようという日なので出撃もなければそれぞれが好きに過ごしている

 

勿論そんな日を定めて本当に大丈夫なのかという声もあったがそこはこの能天気、一つくらい動かなくても何とかなるだろうし本当にまずかったらちゃんと仕事するよと説明して実際今日まで特に問題が起きてないため定着している

 

「おばあちゃん、アイス食べて「さっき食べただろう、あれが今日最後じゃ」うぅ……おばあちゃんは暑くないの?」

 

「これくらいならまだな、人形故に熱や冷気は感じるが気温となると制御が在るからお主ほど感じたりはせぬよ」

 

羨ましい……ボヤく指揮官にM1895は苦笑を浮かべまぁ茹だるもの分からなくはないがなと呟きながら立ち上がりアイスコーヒーを淹れる準備を始める

 

飲むか?と聞けば飲む~と気怠そうな声で返事が帰ってくる、やれやれ困った指揮官だと再度苦笑しつつそこでふと思い出す、確かこの棚に暑い時にピッタリの道具が入ってたはずだと、そんなガサゴソと何かを探す音に反応して指揮官も席を立ちM1895の隣にやってくる

 

「何探してるの?あ、もしかしてコーヒー切らしてた?」

 

「いや、そうではなくてな、おお、これじゃこれ」

 

棚から取り出されたのは長方形の箱と手回し式のかき氷機、M1895が取り出したそれを指揮官は珍しそうに手に取り眺める

 

「これって、かき氷機だよね。あったんだ」

 

「何時だったか棚を整理してた時に見つけてな、と言っても使う機会がまるっきりなくて入れっぱなしだったが、うむ、こっちも問題なさそうじゃな」

 

チリーンと涼しげな音が執務室に響く、長方形の箱に入っていたのはシンプルなデザインの風鈴、それを扇風機の風が程よく当たる位置に飾る。風に吹かれチリーンチリーンと心地よい連続音が彼女達の耳を楽しませ精神的に涼しさを提供してくれる

 

「ところでさ、かき氷機あっても氷ってあるの?」

 

「食堂に行けばある、筈じゃ」

 

「珍しく自信なさげなおばあちゃん見たよ私」

 

「ええい行けば分かることじゃ行くぞ!」

 

言葉は不貞腐れた感じだが顔は笑っているM1895の言葉にはーいと笑いながら返事を返す指揮官、端から見たら仲の良い姉妹、内情はおばあちゃんと孫、そんな二人はかき氷機を手に食堂に入るとそこには丁度食後の紅茶を呑んでいたのはクルーガー社から派遣されそのままこの司令部の秘書もこなしている【カリーナ】通称カリン、向こうも二人に気付くと天真爛漫な笑顔で手を振りながら近寄ってくる

 

「こんにちは指揮官様、ナガンさん、お二人共これから昼食ですか?」

 

「暑いから今からこれでかき氷を作るんだよ、カリンもどう?」

 

「かき氷!ならご一緒させてもらいます!」

 

「二人で盛り上がるのは良いが氷がなければお流れじゃぞ?」

 

やだなぁ、氷くらいありますよ。その言葉を信じ三人で調理場の冷凍庫を開ければ特に落ちもなく普通に氷が存在してた。これ幸いとかき氷機に入るサイズの氷を取り出してセット、受け皿を入れて指揮官が取っ手を手に持ち

 

「いっくよー!」

 

そんな気合のこもった掛け声とともにゴリゴリと氷を削っていく、手入れが少々されてなかった所為か刃の部分の切れ味が悪く削りが荒くはなっているが大凡かき氷らしいかき氷が出来上がる

 

出来栄えを見ておぉ~と感動する指揮官とカリーナ、続けて二つ目、三つ目と作りそこで

 

「……シロップって有ったっけ?」

 

「あ~、どうでしたっけ、ちょっと見てみますね」

 

「まぁ最悪、牛乳でも少し掛けてみれば大丈夫じゃろ」

 

「うーん、練乳ならありますよ?」

 

流石にシロップは無かったようで変わりという形でカリーナが冷蔵庫から出したのは練乳と牛乳、それならそれでいいかと指揮官とカリーナは練乳、M1895は牛乳と各々掛けたいものを掛けて食べ始める

 

指揮官はスプーンで少しずつ削りながら口に運び冷たさと練乳の程よい甘さに舌鼓を打ちつつまた削り口に運んでいく、途中ちょっと多めに食べたせいで例の頭痛に苦しめられる場面もあるがそれでも美味しそうな顔で食べていく

 

カリーナは景気よく練乳を掛け頭痛など知ったことかと勢いよく食べていき無事、頭痛に撃沈、それでも楽しそうなのが彼女の性格を表している

 

M1895はそんな二人を見つつのんびりと食べていく、格別美味しいと言う訳ではないが二人が楽しみながら食べてるところを見てこれはこれで美味しいものだと一人微笑みを漏らす

 

数分後、完食してゆったりしてるところに飲み物でも取りに来たのだろう小柄で赤いペレー帽被った少女【MP5】が食堂に入ってきた

 

「指揮官様、えっと、三人で何を食べてたのですか?」

 

「あ、MP5ちゃん、かき氷だよ食べる?」

 

「え、宜しいんですか?は、はい、いただきます!」

 

「まぁ、掛けるのは牛乳と練乳しか無いけどね~」

 

笑いながら明日はどうなるか分からない、でも今日もこの司令部は平和でそれが少しでも続けばいいな。そんな事を考えながら指揮官は氷をセットしてまたゴリゴリと削る音が食堂に響く、特になんてことの無い日常の一コマであった




補足:指揮官はM1895の事を仕事中は『ナガン』オフの時は『おばあちゃん』と呼んでいる

しかしM4A1とかどうしよう、カリーナが居る時点で本編には絡んでるだろうし、と言いますか現状の作品の雰囲気で既に何人かに刺されるような気がして胃が痛い

あと書かなさすぎて文章滅茶苦茶で頭も痛い

追撃のキャラ口調も把握しきれてないでダメージは更に加速した


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人から見た彼女

第三者から見た指揮官のお話


その日、指揮官は司令部、ではなくグリフィン本部にM1895と共に来ていた。つい先日の作戦時に鉄血についての重要な情報を持って逃亡中だったAR小隊の隊長【M4A1】を救助、それについての報告書を上司たる【ヘリアントス】に渡しに来たのだ。今は既にヘリアンの執務室にて報告書を渡し終え今はヘリアンが不備などがないかの確認している

 

本部となればそこかしこに他司令部の指揮官やグリフィンの社員も居る訳で彼ら彼女らは特筆する才能もなく17という若さで激戦区たるS09地区司令部の指揮官になった少女にこの執務室に来るまでにも様々な視線が、または感情が集まる

 

そして決してそれが良い感情や視線だけではない、なぜこんな少女がと言う嫉妬もあれば言葉にするのも憚れる汚い欲望、そういった物が小さな少女にぶつけられていた。だが少女自身は特に気にする素振りが無ければそもそも感じていないという風にも捉えられる

 

(いや、事実感じてないのだろうな)

 

書類を見ながらヘリアンは静かにそう考える。思い出すのは最初に会ったとき、ペルシカが少女を連れてきて指揮官に仕立て上げると言った時、ヘリアンは当たり前ながら反対しようとした。軍人でもなければそこらの一般人にさせるわけ無いだろうと

 

だが少女の瞳を見た瞬間、軍人の筈の彼女が怖気に襲われた、特に殺気をぶつけられた訳でも敵意をぶつけられた訳でもない、寧ろその程度で怖気など走らないと彼女は自負できる。ではなぜか、少女の瞳には『何も写ってなかったのだ』盲目とかではなく瞳自体は正常なのだが目の前に居るはずのヘリアンを写してなかった、そこに誰も存在していない、そんな風に

 

その後、まぁとりあえず基礎を教えこんで試験受けさせてあげてよと言うペルシカに折れて少女に指揮官としての基礎を教えることになった、当初は言葉を交わしても表情が動かず、理解できたのかどうかは随時聞くしか無かったが数日もすれば普通の年相応の少女と同じように表情を変えてくれるのを見て、ヘリアンは思わず安堵したものだった

 

 

_________________________________

 

 

「ペルシカ、彼女は一体、戦術人形には初対面だろうと普通に接する、だと言うのに人となると接しないどころか表情一つ動かさず、もっと言えばまるで存在なんてしてないかの如く瞳に写してないんだ?」

 

彼女を迎え数日たったある日、ヘリアンは執務室にてペルシカに彼女のことについて聞いてみた。そろそろちゃんと知るべきだと考えたのだ

 

「簡単に言ってしまえばあの娘にとっては人形が人なのさ、そして人は、最初こそは人だったのだろうけど今じゃ曖昧、だから写らない。まぁギリギリ人として見れてるから私やヘリアンとは話して笑ってくれるだろ?」

 

「まぁ確かに話すが、それより人形が人?パット見では分からないほど巧妙に作られているが」

 

「ああ、違う違う。そうだね、私達だってとても美しい存在を『人形みたいだ』なんて言うだろ?それさ、彼女に人形と言うフィルターがない。人形も人なのさ」

 

一旦区切りコーヒーを飲んで喉を潤す、だがヘリアンにはもう理解できた。少し前彼女が話していた、自分は人と変わってて良く変だと言われ続けていたとまさかそういうことだったのかと

 

「他の人間には人形の破損は『壊れた』だけだが、あの娘には『重傷を負った』であり彼女の目にはその際に飛び散るのは生体パーツではなく人間の神経、肉、内臓、血液、そう見えてるのさ、それも恐らく生まれたときからね」

 

「だがメディカルチェックでは」

 

「うん、何一つ異常は出なかったよ、脳も精神もね、いや精神はまぁ異常かもしれない人に対してかなり心を閉ざしてるからね、それでもまぁ不思議だよ、普通になら廃人に……」

 

__________________________________________

 

「ヘリアンさん?」

 

少女の心配そうな声に我に返るヘリアン、時計を見ればそこそこな時間が経って書類の方は同じページで止まっていた。ほんの少しのつもりが深くまで考え込んでしまってたと気付く

 

「いや、すまない少し考え事をしていた。報告書は後で目を通しておく、不備が有った場合はまぁカリーナにでも聞いて修正する。それと今回の救助、感謝する」

 

「いえ、私は敵に気づいて指示を出しただけで。ですが私の司令部でいいのですか?ペルシカさんの小隊ならそちらに戻したほうが」

 

「構わない、それにそっちに居たほうがペルシカの指令の際も動きやすいだろうからな、さてあまり引き止めても悪いだろう、もう下がっていいぞ。ご苦労だった」

 

えっと失礼します。少女が一礼して部屋から出ていったのを確認したところでふぅと息を吐く、もし、もしもだ、とifの考えが過る

 

(ペルシカが彼女を見つけず、彼女はそのまま過ごしていたら人が人形に、人形が人になって壊れたかもしれないな)

 

そう考えると指揮官に仕立て上げると言うのはある意味で彼女を壊れないようにするための処置だったのかもな、そんな事を思いながら改めて報告書に目を通し始めた。余談だが一部ミミズが走ったみたいな解読不能の文字がありカリーナに連絡が行きそこからM1895へ、居眠り文字をそのままにするな、そもそも書類書いてる時に居眠りするなと説教された指揮官が居たとか




指揮官の症状は戦術人形だけに作用してる沙耶の唄状態

真面目な話書くともっとグチャグチャじゃねぇかてめぇの文才!!!

あと人形ですら口調怪しいってやつがヘリアンとかペルシカに手を出すなってそれいち



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買い物ポンコツガール

前回の話から雰囲気を)切り替えていく


所変わって執務室から出てきた指揮官、部屋の前で待機していた副官と合流してさてこれからどうしようかというところ

 

このまま真っ直ぐ帰ってもいいが折角なので少し街を見ていきたいと言う指揮官とそういえばインスタントコーヒーの残りがなかったなとM1895、二人の意見が同じだったので本部から出てきた二人は街を散策することになった

 

「ふっ、うーん。やっぱヘリアンさんと会うのは緊張するな~」

 

「ほう、一応お主に緊張という概念があったのか、それは良かった」

 

「え、やだな~あるよそれくらいは」

 

M1895からの指摘に頬を掻きながら指揮官は笑う、二人が最初に来たのはよく飲むインスタントコーヒーはいつもここで買っている雑貨屋。扉を開ければ来客を知らせるベルが鳴り店主である老婆が彼女達に気づき挨拶をしてくる

 

「いらっしゃい、おや、嬢ちゃん達だったかい」

 

「丁度本部に用事があってな」

 

「こんにちは」

 

「ええ、こんにちは」

 

「すまぬ、少しずつ改善はしているのだが」

 

店に入る前のときとは明らかに違う様子で挨拶する指揮官、そんな彼女に老婆は嫌な顔一つせず優しい笑みを浮かべながら

 

「大丈夫よ、寧ろ挨拶が返ってくるようになっただけでも良くなったじゃない」

 

「えっと、ごめんなさい」

 

「お心遣い感謝する、さて買う物を買うか」

 

カゴを手に持ち店内を回り始めるM1895とちょこちょこと自由に店内を見始める指揮官の光景は見てるものを中々に和ませる雰囲気を持っている。それから数分後、目的のインスタントコーヒー2つと角砂糖の瓶詰めをカゴに入れたM1895が指揮官の元に戻ってくる

 

その指揮官はと言うと伊達メガネの棚でじっと眺めていた、そして一つを手に持ち、実際に着けてから振り向き

 

「へへ、どう?」

 

「まぁ、似合ってるな、どうしたんじゃ突然」

 

「深い意味はないけど、眼鏡ってちょっと憧れるよね」

 

ヘリアンのモノクルからその考えに至ったなとM1895が気付くのに時間はいらなかった、彼女は割りと些細なことから多大な影響を受けることがあり今回もそれだろうと思いつつだからといってどうこうするつもりはないので気に入ったのかまだメガネを掛けている指揮官に

 

「で、買うのか?」

 

「うーん……うん、買う」

 

「と言うことじゃ店主、この伊達メガネも買うことになった」

 

「あいよ、それじゃお会計は、こんなもんだね」

 

「うむ、これで丁度じゃ」

 

毎度あり、また来ておくれ。買えるものを買った二人は雑貨屋を後にしてまた街を散策する、先程買った伊達メガネを掛けて気分がかなり上がってルンルンに歩く指揮官を転けるなよと言いつつ楽しそうな彼女を微笑ましく見つめるM1895、第三者からはもはやどっちが歳上なのか分からない光景ではある

 

そんな感じに歩いていた指揮官が唐突に足を止め一点を見つめ続ける、どうしたのかとM1895が近付き視線の方を見れば移動式屋台のアイスクリーム屋

 

「……ねぇ、おばあちゃん」

 

「お主まだ小遣い残っておったよな?偶には自身で買いに行ってみるのじゃ」

 

「う、わ、わかったよ」

 

流石に頼ってばかりはマズイと思ってはいたようで何か覚悟を決めたような目で屋台へと近づいていく、ここで彼女にとって救いだったのは偶々他の客が居なかったという点だろう、居たら間違いなく撤退してたのは容易に想像できる

 

「いらっしゃいませ~」

 

「あの、バニラ、一つ」

 

「かしこまりました、少々お待ち下さい」

 

代金を支払い無事注文を終えられた指揮官、アイスが来る間頻りにキョロキョロと周りに視線を飛ばし落ち着かない、確かに改善された、されたがこれはもはや只のコミュ症では?思わずそんな考えが過ったM1895だったがまぁあの状況から只のコミュ症までなったのなら進歩してるかと結論づけそれ以上は考えないようにした

 

「バニラ、お待たせしました」

 

「あ、ありがとうございます」

 

店員からアイスを受け取りそそくさと副官の元に逃げ帰ってくる、何とも情けないが進歩はしてる、してるから思わず微妙な顔になってしまうM1895に気付いてないのか将又そんな余裕はないのか指揮官はやりきった顔で

 

「買えたよおばあちゃん!」

 

「ああ、うん、良かったな……美味いか?」

 

「うん!」

 

もういいや、少女の満面の笑みを前に副官が出した結論だった

 

流石に歩きながらはこの指揮官はアイスを落としかねないので近くの公園のベンチに座り休憩しながら食べることに、その間にM1895は司令部のカリーナに連絡を入れて迎えを頼んでおく

 

「この辺りは平和じゃな~」

 

「そうだね、でもそれって大事だと思う。じゃないと戦術人形(みんな)が怪我して、苦しいだけだもん」

 

みんな、そこに人間が入ってないと感じまだそこまでの改善はされてないかと内心でため息をつく。無論、戦術人形(自分たち)を心配してくれるのは嬉しいがそれだけでは何れ彼女が後悔する、だから出来ることならその気持ちを人に向けられるようになって欲しいと願ってしまうM1895だった

 

その後は迎えの車が来るまで二人でのんびりと雑談をしていた。尚、司令部に帰ってから例の書類のミミズ文字で説教されることは確約されている




指揮官は伊達メガネを手に入れたぞ!

本編でも描いたけどこれ只のコミュ症……ま、まぁ過去の話だったし多少はね?

ところでギャグが主体ってタグにありながらギャグあったの?(混乱


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私が銃爪を引く理由

ギリギリ日刊更新継続!!!

仕事中にキャラが動き出したのでそのまま書こう

あ、今回一人称です


私が戦う訳、それは少し前だったら即答も出来ないし胸を張ってそうだとも答えられなかった問いかけ

 

作戦エリアに向かうヘリの中で私はふとその問いかけが解けたときの事を思い出してた。なんで今なのかは分からないけど、他に何かやることもなかったから素直に思い出に浸る事にする

 

私【9A-91】が指揮官と出会ったのは彼女が着任してから数日後、本部からの要請で司令部に配属されることになった時だ

 

製造されたばかりとは言え私の胸の中にあったのは『指揮官に見てもらうこと』それだけ、捨てられるのは嫌だと脅迫概念じみた物を抱えていた私だったが指揮官と会って早々にその心配が無意味だったと知らされる

 

「あ、貴女が新しい戦術人形(ひと)ね、いらっしゃい我が司令部へ!なんちゃって」

 

ヘリから降りて驚いたのは既に指揮官が出迎えに来ていたこと、彼女の後ろで副官のナガンM1895が疲れたようにため息をついてる様子から随分前から居たことがわかった。だけどそれ以上に戸惑ったのは激戦区のこの地区に居るのにそれを何一つ気にしてない感じの笑顔、こう『へにょっ』て感じの

 

「どうしたの?」

 

それが当時の私には不思議で不思議で仕方なくてその顔を眺めていたら困った表情に変わってそう聞いてきた、だけどその顔もなんだか不思議で、とにかく第一印象は指揮官らしくない不思議な少女になっていた

 

「あ、ほ、本日付けでこの司令部に配属されました。9A-91と言います」

 

「うん、よろしくね。でこっちが……」

 

「副官を務めている、M1895じゃ、言いにくいだろうしナガンと呼んでくれ」

 

「さてとじゃあ早速だけど今日のミーティングまだだからそこで部隊長にも紹介するね、付いてきて9Aちゃん」

 

指揮官の後に続き入った司令部の中で私はある種の感動を覚えた。激戦区で忙しくはあるが誰もが余裕を持っている感じで殆どの戦術人形は指揮官の姿を見ると手を振ったり挨拶をしたり中には直接絡んでくる子も居たりと各々が楽しそうな雰囲気を持っていて幸せそうだった。だけど同時に急に不安になってしまった、受け入れられるのだろうかと

 

そんな不安な雰囲気を感じてしまったのだろうか、指揮官がこちらを振り向くとまたあの『へにょっ』とした笑顔になり優しい声で

 

「大丈夫、みんな優しいから、それに私も仲良くするからね」

 

私の小さく震える手を両手で優しく包んで告げられたその言葉に不安はいつの間にか無くなっていた、不思議だったけど安心できる、受け入れられると思えたんだと思う

 

指揮官と共に入った作戦室には二人の戦術人形が既に待機しており、簡単な紹介をされた。右目に傷があるムードメーカーな感じで第二部隊の隊長UMP9、左目の下に涙のタトゥーがある第三部隊の隊長【HK416】今でこそ五部隊あるが当時はM1895が隊長を務める第一部隊とその二部隊しか無かった。私も自己紹介を終えて始めるミーティング、そこでフッと雰囲気が変わる指揮官に少し驚く

 

トントンと進んでいくミーティング、内容は今日の出撃と副官不在になるので戦闘時の補佐に私が任されたという事、あとは特に無かった。いきなり補佐を任され不安が出てくるがナガン曰く「寧ろ、慣れるために補佐をさせるだけなので身構える必要はない」慣れる?その言葉の意味を知るのは直ぐだった

 

執務室に案内され、第一、第二部隊が出撃し戦闘エリアのマップがホログラム表示され、指揮官がインカムマイクを着けた瞬間、私は目を疑った。今目の前に写ってるのは指揮官なのかと、さっきまで『へにょっ』と笑ったり側にいるだけで和む雰囲気を醸し出していた少女なのか

 

慣れる、こういう意味だったんだ。その時はそれに慣れるので精一杯だった、だからなぜ彼女があそこまで、人が変わるくらいまで真剣な眼差しで指揮を執っていたかまでは考えつかなかった。けどその日から数日経って私も出撃するようになったある日の戦闘で私が重傷とまで行かなくてもそこそこ大きな怪我をして帰ってきた時にそれが分かった

 

「9A!!怪我は!?」

 

「指揮官、ごめんなさい油断してしまいました。だけどこの程度なら……指揮官?」

 

「ごめんね、私が悪いよ、まだ経験が浅い9Aが居るのにボスクラスと戦闘させるなんて……痛いよね、ごめんなさい」

 

「ほれ、治療しに行くから安心せい。そう、息を吸って吐いて落ち着いたな?」

 

「う、うん大丈夫。もう指示は出してあるからいってらっしゃい」

 

うむ、行くぞ9Aと促され指揮官に頭を下げてから修復しに向かう。その途中、ナガンから聞かされた、無論、彼女自身ちゃんと戦術人形(私達)が人形と理解はしてるけど本当の人間として写ってること、その所為で怪我して写るのは生体パーツではなくて血であり肉や骨であること、だからこそ彼女は作戦時にあそこまで雰囲気が変わり私達に怪我がないように指示を出してること

 

それを聞かされ、私は分かった。彼女が『へにょっ』と笑え優しく和やかな雰囲気を出せる時は何時も戦術人形(私達)が怪我の心配もなく平和な時なんだって

 

同時に怖くなった、作戦時の彼女を続けさせたら何れ指揮官が指揮官じゃ無くなるのではないかと。それは駄目だ、おかしな話だけど指揮官は幸せを感じてのんびりして笑える姿が一番似合うから、たった数日だけどその時にストンと答えが得られた

 

戦おう、指揮官が少しでも長く幸せを感じて『へにょっ』と笑える時間を伸ばすために、その為にこの手に銃を持ち銃爪を引こう、敵を殺そう

 

思い出から意識を戻すと丁度ナガン部隊長が時間だと告げていた。気を引き締めヘリの着地と同時に動き出す。任務自体は指揮官の的確な指示とナガン部隊長の冷静な判断で難なく終わる、気付けば今日は私がMVPらしい

 

怪我らしい怪我もない、その報告を聞いてきっとまたあの『へにょっ』とした顔で笑ったと思う。ああ、今の私なら胸を張って、すぐに答えられる、これが私の戦う理由だと

 

「指揮官、見ててください。これが、私があなたに捧げる勝利(幸せ)です…。これからもわたしにその笑顔を…もっと見せてください…」




9Aちゃんにはヤンデレはもうたくさん出そうだしと不思議天然ちゃんキャラさせるつもりが気付いたらこの子ヒロインムーブしだしたよ!?

あと一人称は書きやすいと思いましたまる


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動物から見る指揮官の印象~WA2000編~

考えるより頭の中でキャラ動かすほうが書きやすい


司令部には人形たちが寝泊まりする宿舎、作戦時のデータ収集をしそれを報告書として纏める主にカリーナが働いているデータルーム、そして今回の話の発端、時より迷い込んで来たり戦場で救助した犬猫を一時的に保護する救護室、他にもいろいろとあるが基本的に指揮官がふらっと遊びに行くのはこの三箇所になる

 

今日の出撃と業務を終えて指揮官は救護室に向かっていた。最近の日課であり動物こそ癒やしではと思い始めバッテリーの余裕さえあればぜひとも引き取りたいとまで考えている、バッテリーを何に使ってるのは知らないが

 

救護室の扉まで付きいざ癒やし空間へとドアノブに手をかけた時、中から誰かの声が聞こえピタッと止まった

 

(先客だ、誰だろ)

 

別段そんな慎重になる必要はないはずなのこの指揮官はなぜかそっと扉を少し開き覗き込む、扉の先、彼女の目に入ってきた光景は第一部隊のスナイパー【WA2000】が今日彼女の部隊が保護してきた柴犬と戯れている光景

 

「ふふ、気持ちよさそうな顔ねぇ」

 

(WAちゃんだ、すっごく楽しそうだけど、うーん入りにくい)

 

しかも何時もは仏頂面に近い表情で言葉も少し厳しい感じなのだがこの時ばかりは本当に同一人物かと疑うほどの笑顔と優しい口調で柴犬を撫でており、入室に二の足を踏んでしまう

 

「指揮官、何をしてるにゃ?」

 

「あ、IDWちゃん、ちょっとね、多分見てもらったほうが早いかも」

 

どうしようかと悩んでいると同じく動物と戯れに来たのだろう【IDW】がやってきて扉前から動かない指揮官に声を掛ける、そして指揮官に言われた通り少しだけ開かれた扉から部屋の中を見て

 

「おぉ~、これは珍しい光景、あの厳しく笑わないで有名なWAがあんな緩んだ顔をするとはにゃ」

 

「そこまで言われるほどなんだ、私とお茶してる時は割りと優しい感じなんだけど」

 

「それは仕方ないにゃ、指揮官は自立自走式和み空間発生装置と呼ばれてるから当たり前にゃ」

 

「え、なにそれ、初めて聴いたよ」

 

「そりゃ初めて指揮官には言ったから当然にゃ、それより静かにしないとバレるにゃ、流石に指揮官と言えどこの光景を黙って見てたとなればどうなるか分かったもんじゃないにゃ」

 

和み空間発生装置って思いながらもIDWの言葉は正しいのでWAの観察に戻る、気付けば柴犬はお腹を見せて転がりWA2000がお腹を撫で回していた

 

「それにしても、何となく指揮官と似てる感じねあんた」

 

「!?」

 

「おっとこれは面白いことになったにゃ」

 

突如、柴犬が自分に似てると言われ驚愕と困惑が同時に襲われる指揮官を尻目にニヤリと笑みを浮かべるIDW、そんな二人に平時であれば気付けても今は完全に油断している彼女は気付く訳も無く更に続ける

 

「こう、そう『ぐにゃっ』とした感じの笑顔、能天気感増々な感じがまんま指揮官ね、全くあんた、さっきまで戦場で怪我してたって……分かってないんでしょうねこのこの」

 

「え、『ぐにゃっ』とした感じの笑顔ってなに?」

 

「あ~何となく分かるにゃそれ」

 

「え?」

 

何が何だけ分からなく混乱しだす指揮官、言いたいことは分かると頷くIDW、広がる混沌、扉先では癒やしが広がっているというのに指揮官の精神的疲労は何故か加速している

 

「でも、それだけここが安心な場所だって分かってるのか。指揮官も私達が出撃が無ければ能天気に笑ってお茶したりしてくれるし正直嬉しいのよね誘ってくれるって、平和な世界に成ればもっと笑ってお茶に誘ったりしてくれるのかな。だとしたらその為に鉄血人形(やつら)を倒し尽くさないとね」

 

「WAちゃん……」

 

「この指揮官ちょっとチョロ過ぎるにゃ」

 

WA2000の言葉に感動したさっきまでの精神的疲労が消えていく指揮官のあまりにもチョロさに呆れ顔のIDW、だがここで悲劇が起こる。救護室にはWA2000が構っているだけではなく他にも猫と犬が居る訳でその内の一匹が扉先の二人に気づき近付いてくる、当然慌てる二人、何とか追い払おうとするが

 

「ちょ、待て。ほら向こう行くにゃ」

 

「そうそう、私達じゃなくてあっちのお姉さんに……」

 

「ワン!」

 

「終わったにゃ」

 

「は、ははは」

 

「……」

 

犬が吠える、WA2000がそれを聞き顔をそっちに向ければ、扉先で諦め顔のIDWと誤魔化すように笑う指揮官、突然訪れた静寂に不思議そうな顔をする柴犬、先に口を開いたのはWA2000

 

「何時から?」

 

「えっと」

 

「え、何時からそこに居たの?」

 

「わ、割りと最初からかな~って、だ、大丈夫!ここだけの話にするから、じゃ、じゃあね!!」

 

誤魔化すことを諦め素直に白状し言い訳を捲し立て逃亡を始める指揮官、既に逃げ出していたIDW、さっきまでの独り言を聞かれたことを絶句するWA2000、がすぐに復活し逃げた二人を追う、無論出る際に扉を閉めることは忘れない彼女は真面目なのだ

 

「待ちなさい!!」

 

「走れ指揮官、捕まれば最後にゃ!」

 

「わ、分かってるけどは、早いよ~!」

 

IDWは猫の如く駆け距離を保つがそもそも人間である指揮官は徐々に徐々に距離を詰められていく、指揮官には悪いが自分は逃げ切るにゃと確信した瞬間、WA2000が叫んだ

 

「一〇〇式!!その猫をとっ捕まえて!!!」

 

「にゃ?」

 

「え、あ、はい!」

 

偶々前を通り掛かった【一〇〇式】はすぐに状況を理解してIDWを捕まえようと構えを取る、が伊達に猫っぽい格好をしてるわけではない彼女は

 

「あっまいにゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「抜けられた!?」

 

「へぶっ!!」

 

体を捻り、そこから更に捻ると言う荒技で一〇〇式を回避、得意げに笑いながら勝利を確信し前に視線を向けるとそこには修羅が居た

 

因みに指揮官は転けた、噛った程度の受け身で転がるも起き上がれる訳もなくそれ以前に修羅の気配を感じ顔面蒼白になる

 

「お主ら、廊下を走るなと言ったじゃろうが!」

 

「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!??」

 

直ぐ様反転するが首根っこを捕まれ少し抵抗しようとしたが銃床で頭を叩かれ大人しくなる

 

「お主もじゃぞWA2000、指揮官もさっさと起きて正座じゃ」

 

「は、はい……」

 

「ごめんなさい……」

 

三人はそれから一時間、みっちりと副官もといこの司令部の影の支配者M1895に説教されることになった




M1895おばあちゃん何時も説教してんな

そろそろネタが本格的に無いよぉ……

あ、今日M1895と誓約しました



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執務室での一時

指揮官は出てくるけどほぼ最後まで寝てるよ


第一部隊でも古参の一人【FAL】は昼休憩だから指揮官と雑談でもしようかと執務室前まで来ていた

 

(さて、暇かしらね)

 

それなりの頻度で書類が終わらず昼休憩がずれることがある指揮官なので確認のノックをすれば中から聞こえたのは副官の声

 

「開いとるぞ」

 

「(あら?)失礼するわって、あらあら」

 

一応許可は取れたので扉を開けて室内に入ればそこにあったのはソファでM1895の膝を枕に気持ちよさそうな寝息を立てる指揮官の姿、どうやらお昼寝をしていたらしい

 

出来るだけ音を立てずに扉を締めてM1895と向かいのソファに腰を下ろす、対してM1895は先程から何か書類を読んではペンで修正をしまた別のを読むと言うのを繰り返している

 

「指揮官が昼寝をしてるのは珍しくはないけど貴女が膝枕するなんてどういう風の吹き回しかしら?」

 

「む?ああ、偶にはな。それにこやつは昨日は夜戦作戦後にそこから随分遅くまで編成などを考えておってな、その所為か今日は朝からフラフラして危なっかしい故、褒美の意味も込めてしておるだけじゃ」

 

「へぇ~、それにしても編成などって何か考える必要が出たの?」

 

FALの疑問に読んでもらったほうが早いじゃろとテーブルに広がっていた書類を指差す。とりあえず差されたそれを手にとって読んで見ればそこに書いてあったのは夜戦作戦時の新たな部隊編成とその問題点、それも緻密に書かれており読んだFALも驚きが隠せなかった

 

「驚いたじゃろ?わしも最初読んだ時は柄にもなく驚いたものじゃ」

 

「えぇ、何よやれば出来るじゃない……違うわね、昨日の夜戦作戦の時に一〇〇式が怪我してた所為よね?」

 

「流石にお主は気付くか、その通りだと思う、確かに第一部隊から第三部隊は夜戦作戦でも対応できる編成だがそれ専用と比べると見劣りする、更に言えばどちらかと言えば通常作戦を主にしておるからな」

 

「だから夜戦作戦時の部隊の設立が必要と考えたわけね。ん?でも第五のライフル(RF)部隊は分かるわよ、装甲持ちが厄介だったからね。でも第四は……?」

 

第五部隊について書かれた書類を読めばこの部隊はRFを中心とした編成とし配置するRFには徹甲弾を全員に装備、ハンドガン(HG)は照明弾持ちの戦術人形、最前線にはサブマシンガン(SMG)を配備する横に倒したT字陣形にするらしい。浮上している問題点は徹甲弾の数がまだ足りないということと編成拡大のためのコアの不足、全体的練度不足が挙げられている

 

続けて第四部隊、これはHGを一人、後は全てアサルトライフル(AR)で編成され隊長には先日救助したM4A1が抜擢されている。だがこれは夜戦向きとは思えない、一応夜戦が得意な人形を固めてはいるがそれでも専用と言うには中途半端と言わざるおえないし問題点にもそれは書かれていた、因みにこっちもコアが圧倒的に足りないらしい、嘆きの一言コメントすら在る

 

「第四は今後の為じゃ、今は三部隊でどうにかなっているが今後それでは手が回らなくなる可能性が在るからと指揮官が考えたようでな、夜戦と昼戦どちらでも対応できるようにするらしい」

 

「それでも若干中途半端感はあるけどそれはおいおいって感じね。全く普段からそれだけ考えなさいよ」

 

FALの言葉にそれに関しては同意じゃと一通り書類を見終えたM1895はため息を一つついてから優しいまるで母のような、もしくは祖母のような微笑みで指揮官の頭を撫でる

 

「ナガン、自分の顔が緩んでるって気付いてる?」

 

「なんと、いやはやこやつが指揮官としてこの司令部に配属されてから副官をやってた所為か成長が嬉しくてな」

 

「ん、へへへ……おばあちゃん大好き……」

 

突然、指揮官が夢でも見てるのか緩みきった笑顔でそんな寝言を呟くこれが言う人が言えばそっちの方面に想像を発展させるかもしれないが言った本人が完全に孫や妹、娘的立ち位置を確約して本人もそんな感じなのでLOVEではなく純度100%のLikeである

 

「ここまで振り切った『Like』の大好き初めて聴いたわよ」

 

「Likeでも言われる側は中々にこそばゆいのじゃがな」

 

「あらあら、珍しい顔見れたことだしお礼にコーヒー淹れるけど飲むかしら、おばあちゃん?」

 

「お主、からかっとるな?まぁ頂くが」

 

あら、そんなつもりはないわよ?と言いつつソファから立ち上がりコーヒーを淹れるFALにM1895は手のかかる孫娘は一人で十分じゃと返す

 

淹れ終えてまたソファに、ではなく寝てる指揮官に近付き幸せそうに緩みきった寝顔の頬をツンツンと突く

 

「んっ、へへへ」

 

「それにしても幸せそうな寝顔してるわね」

 

「それだけ今が平和ということじゃ、そう今この瞬間の平和をのんびり感じてくれればよいのじゃ……」

 

「近々何かあるのね」

 

急に真剣な面持ちになるM1895にFALも釣られそう尋ねるとまだ噂段階だがなと前置きをし

 

「大規模作戦が近いらしい、こやつがここまで書類を纏めたのもそれを話した所為も無くはない。迂闊だったかもしれぬな、それだけの作戦となれば誰かが傷つくのを恐れ指揮官が無茶するなどと分かってたはずじゃ」

 

「……はぁ、ナガン、貴女は指揮官に厳しく接するくせに信頼してないのね」

 

「なんじゃと?」

 

「良い?指揮官はね、貴女が思ってるより強くなってるわよ。きっと勉強したりしてるのでしょうね、最近の作戦指示も的確になってるしいざとなったときの判断の速さも上がってる。不安になるのも分かるけどこの子の頑張りをもう少し信頼してあげてみたらどうかしら?」

 

ま、だからって夜遅くまでっていうのは頂けないけどと締めてからコーヒーを一口、一方そう言われたM1895はそうかと息を吐いてから

 

「そうじゃな、らしくもなかった。やれやれ歳かのう、若造に説教されるとはな」

 

「ふふ、若い子の意見も偶には良いでしょ?っとそろそろ昼休憩が終わるわね」

 

「おっと、もうそんな時間じゃったか。ほれ、起きよ指揮官」

 

「ふえっ?」

 

時計を見れば昼休憩の時間が終わりを告げる寸前でFALもコーヒーを飲みきり立ち上がる、M1895もコーヒーを飲みきり指揮官を揺さぶり起こす、起こされた指揮官は寝ぼけ眼で体を起こし一回伸びをしてから

 

「おはよう、んっん~よく寝たってFALちゃん!?」

 

「ふふ、おはよう指揮官、寝顔拝見させてもらったわ。それじゃ失礼するわね」

 

「うむ、また話でもしようではないか」

 

ええ、またの機会にね。その言葉を去り際に言ってから執務室から出ていく、指揮官は何を話してたのかと副官に聞くも秘密じゃの一点張りで更にさぁ午後の仕事始めるぞと言われれば従うしか無い、こうして昼休憩は終わりを告げたのだった




指揮官はみんなのマスコット

そろそろイベントっすね……完走できるといいけどウチの司令部


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和菓子に合うのはやっぱりお茶です

困ったときの執務室


舞台はいつもの執務室、今日も今日とて戦後処理や装備開発等などの書類に追われる指揮官と珍しく書類を見ながら難しい顔をするM1895、時計はそろそろ15時を指そうとしていた

 

「ぬわー、足りないものだらけだよ~」

 

「徹甲弾は揃った、がやはりコア不足の問題はキツいのう」

 

「それに練度上げるのは模擬戦とかカリンちゃんが毎日頑張って纏めてくれる作戦報告書でどうにかなっても上がった分を補う増幅薬も足りなくなってる……」

 

「無い無い尽くしか、嘆いても仕方がないがな」

 

最近になってバタバタと戦力強化を行ってみた所、当初は今ある在庫でどうにかなるだろうと踏んでいた指揮官だったが次第に足りないものが続々と出てくる状況に陥り日夜それをどうにかする日々を送っている

 

そして指揮官が伊達メガネを外したかと思ったら遂に机に突っ伏した、頭から湯気が見えそうなところを見ると思考を回しすぎてオーバーヒートを起こしたらしい

 

「しっかりせい指揮官」

 

「そうは言っても……あ、そろそろ15時だ」

 

「……分かった分かった、一旦休憩にしよう、煮詰まった状態からでは案も出ないだろうしな」

 

やったー!と両手を上げて喜ぶ指揮官にそういう元気はあるのじゃなと呟くM1895、そこで執務室の扉がノックされ聞こえてきた声は

 

「指揮官、少々宜しいでしょうか?」

 

「おろ?一〇〇式ちゃんだ、いいよ、入って入って」

 

「では、失礼します」

 

入ってきたのは赤いマフラーを首に巻き黒の長髪、日本人形を思わせるような顔立ちの少女は第一部隊所属の【一〇〇式機関短銃】その手にはお盆と大福がそこそこな量乗っていた

 

「ほう、大福とは珍しい、これはどうしたのじゃ?」

 

「えっと、食べたくなって材料を揃えて作ってみたのですがちょっと張り切り過ぎちゃいまして、それで丁度15時でしたのでよろしければと思いまして」

 

「え、これ一〇〇式ちゃんが作ったの!?食べる食べる!」

 

「と言うことじゃ、一〇〇式、お主もどうじゃ、流石にこの量をあやつもわしも食べ切れぬしな」

 

「あ、はい、ではご一緒します」

 

既にソファに座っていた指揮官がポンポンと自身の隣を叩く、一〇〇式もそれに従って腰を下ろしM1895は大福ならお茶かと棚から茶葉と急須を取り出して準備を始める

 

数分後、お茶を入れ終えそれぞれに配られ早速と指揮官が大福を手に持ち一口

 

「美味しい~、凄いね一〇〇式、和菓子を作れるなんて知らなかったよ」

 

「うむ、美味じゃな。しかし材料を揃えるだけでも大変だったじゃろう」

 

「いえ、材料自体はカリーナさんも手伝ってくれましたから、ただ作るのが苦労しました……」

 

その時を思い出してるのか目を瞑りながらそう呟く一〇〇式、彼女自身の言う通り材料は揃っても作るとなるとレシピの資料を読んでも細かいところがよく分からなかったりかと言って聞こうにも大福を作ったことがある者が居なくそれもできない中。試行錯誤を重ねに重ねてできたのが今回の大福だ

 

第三次世界大戦後の世界において文明は滅亡寸前であり当然料理に関する資料はかなり失われ和菓子となると職人が感覚でっていうのも多いので特に再現が難しい、それをここまでできた一〇〇式の腕前は中々のものである

 

「一〇〇式ちゃんって他にもなにか作れたりするの?」

 

「えっと、おはぎも作れます」

 

「意外と芸達者じゃな、指揮官せっかくだからお主もなにか作れるようになってみてはどうじゃ?」

 

「え、これでも洋菓子ならいくつか作れるよ?それに料理だって作れ……二人共どうしてそんな顔で私を見るのかな?」

 

刹那、執務室の空気が変わった。驚愕の顔をするM1895、思わず指揮官の顔を見つめてしまう一〇〇式、そんな二人の反応に困惑の色を強める指揮官

 

誰が思うだろうか、この能天気で若干鈍臭そうな指揮官がキッチンに立ち料理をしている姿など、二人の反応はつまりそういうことなのである

 

「もしかして、私家事も何もできないとか思われてたりする?」

 

「え、えっと」

 

「正直、思ってた。すまぬ」

 

「酷い!?これでもここに来る前は家事も炊事も全部こなしてたんだよ!?」

 

副官からのストレートな物言いに指揮官が悲鳴にも似た叫びを上げる、しかし今までのここでの生活を見ればそう思われても仕方ない、口には出さないが一〇〇式は心の中でそう思わざる負えなかった

 

もしかして二人だけじゃなくてこの司令部の子たちみんなにそう思われてるのでは、指揮官の頭の中で確信に似た閃きが走りならばと拳を握りしめ

 

「よーし、なら次暇な時に私の腕前を見せてあげようじゃないの、リクエストあれば言ってくれれば作るよ!」

 

「あ、なら私、指揮官が作ったパンケーキが食べてみたいです」

 

「まっかせて腕によりをかけて作るから」

 

「それはよいが暇は何時来るじゃろうなぁ?」

 

M1895の少し意地悪な質問に固まる指揮官、これは暫く暇はないのだろうなと勘づいた一〇〇式は覚えてさえくれれば何時でも大丈夫ですよと伝えると指揮官は一度頭を下げてからごめんね……まだまだ新米司令部は辛いよと落ち込み気味で答える

 

それからまた大福を楽しみながら15時のおやつの時間は終わり、一〇〇式は次はおはぎを作ってみますねと執務室を後にし指揮官と副官はまた無い無い尽くしからどうリカバリーして行くかに頭を悩ませながら案を出し合うのであった




無い無い尽くしの司令部、コアもお薬も足りなぁい

料理の資料やら職人感覚での下りは思い付きで書いてます、でもあの世界で和菓子とか作るの難しそうって思ったけどFNCちゃんが大福とか生八ツ橋とか言ってるから既に量産されてる・・・?


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司令部は結構広い

故に指揮官が把握してない部屋も在る、そして彼女は未成年である

あ、3-6全拠点占領してボスも屠ったのに撃破数一足りなくてA勝利だったので初投稿です(血涙


突然だが司令部はデータルームや救護室、執務室に開発室に宿舎などほぼ全てを収めるためなのか大きい、更に戦術人形達も予算等に問題ない、もしくはどこから稼いだのかポケットマネーで増設することも多々あるので気付けば知らない部屋があったなんてことも在る

 

無論、指揮官と副官は書類で目を通して許可を出したりしてるので全く知らないということはないが中には指揮官には秘密裏に増築されている部屋も在る、そう今、指揮官が見ている扉もその一つだ

 

週一度の休日の日、最近司令部を見回って無いなと思った指揮官が宛もなくフラフラしてた所、それを見つけた。場所的には宿舎に近いが目立つような場所でもなく気づかなければそのまま素通りしてしまいそうな立地だ

 

「……こんなところに扉ってあったっけなぁ?」

 

腕を組み記憶を探るもそれらしいことを聞いた覚えも書類を読んだ記憶も出てこない、いきなり開けるのもどうかと思うしかと言ってノックする勇気もなかった彼女はそっと近付き耳を当ててみれば聞こえてきたのはゆったりとしたジャズ調の音楽

 

それと誰かの鼻歌も聞こえる、が扉一枚挟んで居るためか誰のなのかまでは判別がつかない。しかし誰かが居ることはわかった、侵入者というのはあり得ないので司令部の誰かなのは確か、なら怖がる必要ないのでは?と考えた指揮官、ドアノブに手を掛けそっと開けてみれば

 

「ふふ、見つかっちゃいましたね」

 

「スプリングフィールド?」

 

全体的にシックな感じのデザイン、カウンターとそれに合わせた椅子、数は少ないがテーブルもありそれは部屋と言うよりは店内と言ったほうが正しい雰囲気の場所に第五部隊隊長の【スプリングフィールド】がグラスを拭いてたのか手に持ち指揮官を見つめて微笑む、どうやらこの部屋の主は彼女らしい

 

「え、この部屋は?」

 

「副官さんにはキチンと通してありますよ、でも指揮官には教えなくていいだろうって」

 

どういうことだろうか、そもそも副官で止めていい情報って在るの?少々ムッとした顔で思い付く限りの推測を並べてみる。そこで目に入ったのはスプリングフィールドの後ろ、はてとカウンターに近付き見てみれば

 

「お酒?」

 

「ええ、ここは休日の日のみに私が趣味でやってるBARです」

 

「ああ、ナガンが教えなくていいっていうのは私が未成年だからって事か」

 

「そうでしょうね、でもソフトドリンクもありますのでそこまで警戒するほどではないと思いますけどね」

 

だよね~と言いながらカウンター席に座る、改めて店内を見れば趣味と言うには些か手がかかり過ぎてるのではと思った彼女だがスプリングフィールドはきっと凝り性なんだろうなぁで一人納得する

 

一方スプリングフィールドは一通りグラスを拭き終えたのかいつの間にかグラスに注いだトマトジュースを指揮官に渡す

 

「ありがとってお財布持ってきてないよ今」

 

「では少々私とお話でどうでしょう?」

 

「それなら、少々なんて言わずに幾らでもいいよ」

 

では私も失礼してとドライ・ジンをベースにオレンジジュースを用いたカクテル【ジン・オレンジ】を作ってから指揮官の隣に座る。昼間からお酒を普通に飲みだすスプリングフィールドに驚いた顔をする指揮官

 

「それはどんなお酒?それに昼間から呑むの?」

 

「これはジン・オレンジ、好きなんですよ。今回のは弱めに作ってますのでこれくらいならジュースですよ」

 

「涼しい顔で言う台詞じゃないと言うか弱いってスプリングフィールド基準だよね?」

 

「ふふ、さてどうでしょうか」

 

あ、これ私がもし呑んだら駄目なくらいには強そうと思いながらトマトジュースを口にする、が違和感を感じた、凄く美味しけど何かが違う

 

(……?)

 

もう一口、やはりトマトジュースと言うには何かが違う。それと何だか体が火照って来たと言うところでやっと気付く、これお酒だ

 

「スプリングフィールド、ちょっと聞いていいかな?」

 

「はい、何でしょうか」

 

「これトマトジュース?」

 

「はい【ブラッディマリー】です」

 

「え、なにその物騒な名前のお酒!?」

 

悪戯に成功した少女の笑顔のスプリングフィールドを見て指揮官は悟る、どうやらここに来た時点で私にこれを呑ませる気だったようだと

 

でもまぁ悪くはないかなと同時に彼女は思う、お酒というのに憧れていたというのも在る、なので一つため息をついてから

 

「ま、美味しいから良いけどね、で何を話そうか?」

 

「そうですね、最近の日常のお話でも」

 

お酒で口が何時もより回る指揮官とそれを上手く乗せて更に会話をはずませるスプリングフィールドのやり取りは旗から見れば姉と妹、この場合はスプリングフィールドは姉だ

 

さて、ここでなぜ今回スプリングフィールドは指揮官にお酒を呑ませたかというのを話すと今日ふと彼女は思ったのだ、指揮官が酔ったらどうなるのかという未成年相手に何考えてるんだという疑問を

 

(それで酔えば愚痴を言い始めるのではと思っていたのですが)

 

「それでね~、おばあちゃんはいっつも厳しいこと言ってるけどそれは私を思ってだって知ってるからね、何か呼ばれるだけで嬉しいんだよね~えへへへ」

 

「ふふふ、本当にナガンが好きなのね」

 

「うん、本当のおばあちゃんみたいで好き!」

 

(酔ったらこうなるのね、覚えておきましょうってあっ)

 

おばあちゃん大好きっ子状態までベロンベロンに酔った指揮官を見てそんな事を思ってた時、扉が開いた。そういえばもう彼女が来る時間でしたねと振り向けば

 

「……何やっとるんじゃ」

 

「指揮官は悪くないわ、ちょっと私が気になっちゃっただけですよナガン」

 

まぁそれでも一杯半でここまで酔うなんて思いませんでしたけどと呟けば指揮官もM1895の姿に気づきデロンデロンな声と顔で

 

「あ~おばあちゃんだ~」

 

「弱すぎるのう、まっ、この調子ならすぐ寝るじゃろ。マスター【コニャック】をくれ、指揮官を潰したのじゃ、付き合ってもらうぞ?」

 

「あらあら、分かりましたとことん付き合いますよ」

 

「私も~」

 

「……出来るだけ弱いのでよいからな」

 

「勿論、明日に響きますしね」

 

手遅れじゃろそれ。M1895の言葉通り翌日は二日酔いに悩まされスプリングフィールドには指揮官にはお酒を出すなと通達が出たのは言うまでもないだろう




お酒は 二十歳に なってから

スプリングフィールドはカフェをしてるのは知ってるけどBARのマスターも似合いそう

明日からイベントだね頑張ろう

追記 お酒を入れ替えて修正、スプリングフィールドネキのほうが度数低いとは思わんだ・・・(無知


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今日も司令部は大忙し

実際に全開放しました


本部から新たな通達、そして迫りだした大規模作戦、唯でさえバタバタな司令部に追い打ちを掛けたのはAR小隊の二人【M4 SOPMODⅡ】と【STAR-15】の救出作戦の際の戦闘で編成していた五部隊全て投入、それでも第一部隊が追い込まれるという事態になり現状では今後強くなっていく鉄血に対抗できなくなる可能性が浮上した

 

更に言えば五部隊使うということは資材回収が期待できる支援に回せる部隊が一つも出ないということであり、つまり今後は出撃をすればするほど赤字になる。この未曾有の事態に連日連夜あれこれやりくりの格闘をしていた指揮官、遂に壊れる

 

「……増やせば良いんじゃない?」

 

「どうした突然」

 

突如そんな事を呟いた指揮官に副官がツッコミを入れる、が見れば彼女の伊達メガネの奥にある瞳は妖しい光を灯しており恐らくだが冗談で言ったのではないというのが微かに感じられる

 

実際、確かに増やせれば楽になる、楽になるが部隊を増やすにはなぜか本部に申請して対価を出さなければならない、向こうも民間企業故の懐事情というのがあるのだろうがそれでも中々の出費になる

 

「だからさ、部隊を増やすんだよ。支援専門としてそれでぶん回すの、それなら資材不足は楽になるし五部隊丸々戦闘部隊としてできるなら戦略の幅も広がるから前回のような状況にはなり難くなるよね」

 

「いや、確かにそうなのじゃが」

 

「あ、勿論、24時間なんてやらないから安心してよ」

 

「気をしっかり持て指揮官!?」

 

空元気な笑いを放ちながら書類を片し尚もそんな事を言い放つ指揮官に遂にM1895が止めに入るように叫ぶ、実際見てられないくらいに彼女は疲弊しだしていた、だが止まらない、机の電話に手を掛け通信を繋ぐ

 

「おい、指揮官?」

 

「大丈夫、痛いのは私(の懐)だけで良いから」

 

何を言ってるのじゃ、内面ボロボロな指揮官の言葉にそんな事思ってると通信が繋がる、その相手は

 

《こちらカリーナです、珍しいですね指揮官様がこの通信に掛けてくるなんて》

 

「ちょっとカリンちゃんに頼み事があってね……本部に五部隊分の開放の許可取ってくれるかな?」

 

「!!???」

 

《わぁお太っ腹、ですが大丈夫なのですか?中々にいいお値段しますよそれ》

 

「問題ないよ、あとで代金渡しに行くから、うん、うん、分かったよろしくね」

 

またのご利用お待ちしてま~す。指揮官はガチャンと受話器を置きM1895の方に向き直る、さっきまで妖しく光っていた目は鳴りを潜め、今は空虚な感じになっている

 

「指揮官、お主……」

 

「みんなが少しでも楽になるなら私は自分の身を削ることだって厭わないから」

 

「馬鹿者、それでお主が涙するなら意味など無いだろうに」

 

「え、あれ本当だ、なんで泣いてるんだろ。自分で決めたことなのにね」

 

「もうよい休め、お主は頑張った、だから少し休むが良いのじゃ」

 

変なやり取りだが指揮官も副官も所謂、徹夜明けテンションなので仕方ない

 

こうして、この司令部は10部隊を抱える事が可能になった。代償として指揮官が地道に溜め込んでいたへそくりが消し飛び精神に大ダメージを負ったがそれでも支援専門のが出来たことは大きく司令部の資材は着実に貯金されるようになった

 

その日の午後、何とかダメージから復帰できた指揮官は新たに追加された全ての部隊の編成を考え指示も出し終えて一息ついていた、少し伸びをすれば体中からパキパキと音がなるくらいには固まっていたらしい

 

因みにM1895は部隊開放などの書類の処理はこっちでやっておくから今日はもう仕事は休めと指揮官に告げてからカリーナの所へ向かった

 

「少し、歩いてこようかな」

 

呟いてから執務室を出て、さてどこに向かおうかと考えていると

 

「あ、指揮官!」

 

「あら、指揮官~」

 

声の方に向いてみればそこに居たのは第二部隊隊長【UMP9】とつい最近来たその姉【UMP45】、どうやら今日の業務は終えて二人で司令部内を歩いていたらしい

 

「やっほ二人共、ごめんねバタバタとしちゃって」

 

「私達は大丈夫だけど何か大変だったみたいですね、疲れた顔してますよ」

 

「駄目だよ、キチンと休憩はしないと」

 

二人の心配そうな言葉に今日はもう終わったから大丈夫だよと返すも欠伸が出る。思ったより疲れが溜まっていたらしいと彼女は思わず苦笑する

 

「あ、ほら、やっぱり無理してるじゃないですか」

 

「みたいだねぇ、でも少し歩かないと体が固まっちゃってて」

 

「では私達もお供しますね」

 

UMP姉妹をお供につけた指揮官はその後、フラフラと司令部内を散歩しつつ二人との会話を楽しむ、やはり姉が来たのが嬉しいのかUMP9は特に会話が弾み聞いてる方も楽しくなる程だった

 

「9、楽しそうね」

 

「そりゃ勿論だよ、指揮官と45姉となら何時でも楽しいよ!」

 

「うん、私も楽しいよ二人共」

 

「指揮官、楽しそうな顔と同時に疲れ始めてる顔するって器用なことするね」

 

「……ごめん、流石にちょっと仮眠してくるね」

 

なら部屋まで送りますよ、最後まで楽しく、ね?UMP45の言葉に指揮官もUMP9も頷き自室までまた楽しい会話が続いていた




ぶっちゃけ今日はキャラが頭の中で動いてくれなくて難産でした……ていうかブレブレだぁ今回は……

そして今日来たばっかりでロクに突いてないUMP45を出すとかこの作者阿呆なのでは?


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少女の指先

それは銃爪を弾き、壊すだけではないという話


戦術人形と言えど戦うだけではなく趣味を楽しむ事もある。無論全員がそうとは限らないがこの司令部では殆どが何かしらの趣味に目覚め楽しんでいる

 

いい例がスプリングフィールドだろう、彼女は休日のみとは言えカフェとBARを経営、それはもはや趣味という領域を超え始めているが本人が趣味と言うなら趣味である

 

そんな部屋一つを増築改装という規模ではなくとも手軽に、もしくは省スペースで出来る趣味の持ち主はたくさんいる、その中には彼女の姿もあった

 

「……」

 

場所は宿舎、第三部隊に充てられた部屋、他の隊員は寝静まって真っ暗な中、デスクライトの明かりを頼りに自身の机の上でピンセットを手に真剣な眼差しで何かを組み立てているのは隊長の【HK416】

 

彼女が現在作っているのは自身の趣味とも言える【ボトルシップ】その中でも難易度が高い分解・組み立てという方法でワインボトルの中で船を組み立てていく、パッと見た感じでは9割近くが完成しているが休日や暇な時の合間合間の作業だったとは言えここまで来るのに数週間、確かに通常の人から見れば十分に早いが彼女は戦術人形、手先がブレることもなく正確にそして素早くパーツを組み立てられる、それでもここまで掛かった

 

理由は『集中力』の問題。いくら正確無比に出来ると言ってもそれを長時間、更に今回のは特別な思い入れも手伝い慎重に慎重を重ねている為、彼女にしては珍しく疲れを感じることもあり一気に作るのは出来なかった

 

「ふぅ」

 

作業を進める手が止まり、一息つく。あとは仕上げなのだがそこで万が一があれば今までの時間が水の泡になるので一旦小休憩を挟むことにしたのだ、チラッと時計を見れば22時、今日中に完成させるつもりだったが思ったより進んでいた時間に思わず苦い顔になる

 

今回のボトルシップは指揮官にプレゼントするつもりの物、今日中に渡したいがこの時間帯だともう寝てしまってるかもしれないと焦りが出てくる。だが焦れば作品が駄目になる、それでは本末転倒だと自分に言い聞かせ最後の作業に手を付けた

 

416は最初からボトルシップが趣味だったわけではない。寧ろここに来た直後の頃は趣味等はなく、指揮官が定めた休日は逆に煩わしかった。自分は鉄血人形(やつら)を殺すために来たのにそれが出来ないというのだどういうことだと

 

そんな彼女に転機が訪れたのは遂に指揮官に問い詰めに行った時だった。自室に居た彼女に自分は戦うために来た、だから私だけでも出撃させてくれ、と

 

懇願にも近いそれに指揮官は驚いたような顔をしてから少し困ったような、だけどそう言われることが分かっていた顔で

 

「そう、だよね。でもね、私はそれだけじゃ寂しいと思ってるんだ、貴女達の指は決して銃爪を弾いて相手を壊す(殺す)だけじゃない。きっと他の可能性だって在るはずだって」

 

なんか上手く言えないし伝えられないけどね、416には分からなかった、なぜそんな悲しそうな顔をしながらそう言ってくるのか。そんな様子の彼女に指揮官は少し考えてから何かを思いついたらしくちょっと待っててくれと伝え部屋に戻っていく

 

言われた通りに待つこと数分、少々埃塗れになった指揮官が見せてきたのはボトルシップ、それと初心者でもすぐに始められる組み立てキット

 

「あれだけ言っておいて何もアドバイス無しはどうかと思うからね。一度さ、これを作ってみるのはどうかな?あ、こっちのボトルシップは私が作ったんだよ……まぁちょっと見栄えは良くないけど」

 

指揮官の言う通り見栄えは良くない、だけど真剣に作ったことが雰囲気だけでも分かる。何故かその時は分からなかったがその雰囲気に惹かれ、それに指揮官からの勧めなのでと宿舎に戻り作り出したのが始まりだった

 

端的に言えばハマった、最初こそは慣れないことに苦戦しつつの作成だったが自身が完璧主義だというのも合わさりメキメキと実力をつけていった、何より自身の手から何かが作られていくという事に不思議と感動を覚えた

 

彼女は気付いた、指揮官があの時言った『他の可能性』はこれだったんだと。そして、お礼を言うためにと一から設計を考えて材料を削りパーツから作成した作品がこのワインボトルに作られた船、そして今遂に完成した

 

「23時……とりあえず行ってみる」

 

ここまで来て落とすなんて真似はしたくないので慎重に持ち、宿舎から出て指揮官の部屋へと向かう、正直に言えば恐らく寝てるだろうと思っていた彼女だったが部屋の前についた時、扉から明かりが漏れている事に気づき驚く

 

(寝て、ない?)

 

もしくは電気の消し忘れ?と思いながら扉をノックすればあ、ちょっと待っててねと言う声がしてから扉が開き中から出てきたのはいつもの軍服ではなく寝間着姿の指揮官

 

「416?どうしたのこんな時間に」

 

「それはこっちの台詞、起きてるとは思わなかった」

 

「いやぁ、部隊が大幅に増えたからローテーションとかを考えてそれを纏めてたら……あ、大丈夫、もう寝るよ、うん、多分」

 

本当に寝るのか不安に襲われるも先に要件を済ますべきだと考えて416は仕上げてきたボトルシップを指揮官に見せる

 

「お~、すっごいねこれ、作ったの?」

 

「ええ、指揮官に渡すために、それとお礼を言うために」

 

出てきたお礼という言葉にキョトンとする、どうやらあの時の言葉は自然と出ていた言葉なのかもしれないと思いつつ

 

「あの時、この指に他の可能性があることを言ってくれた、そしてこのボトルシップを渡してくれて気付けたから、殺すだけじゃないって事を。だからお礼を言いたかった、ありがとう指揮官」

 

その時の416の顔に指揮官は忘れないだろう、いつもは無表情な彼女の顔が今だけは穏やかな少女の微笑みになっていた事を。だけど416もこの時はいつもの無邪気な笑顔とは違う、まるで母親のような優しい笑顔の指揮官に見惚れていた

 

(こんな顔をすることあるのね)

 

そして直ぐに元の感じに戻る指揮官に安心しつつ、そっと自身の最高傑作とも言えるボトルシップを手渡す

 

「でもこれ本当にくれるの?苦労したんじゃないの?」

 

「指揮官のために作ったものだから、受け取って欲しい」

 

そう言い切れば指揮官は、分かった大事に飾るねと嬉しそうに笑う。それだけでも416は作った甲斐があったと思え更に言えばあの優しい笑顔を見れて良かったと思えた

 

最後に指揮官にまた完璧なものが出来たら見せに来ると言い彼女は宿舎に戻り今日のことは決して忘れないと思いながら床に就く、因みに指揮官はあの後も仕事をしたらしく翌日寝坊し、やはりあの時に寝かしつけるべきだったと少し後悔する416であった




指揮官@オチ担当

416ちゃんは当初は只の模型だったけどボトルシップ似合いそうからのこの展開になりました

因みに指揮官が見せたのは分解・組み立て式じゃなくて引き起こしタイプです

私は作ったことも買ったこともありません……


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食堂にて

知らないという罪(指揮官のスターゲイジーパイの理想図)と知りすぎる罠(現実

他の作品がシリアスちゃんとしてるのにこんなノリのフロントラインの二次創作大丈夫?蜂の巣にされない私?


現在、指揮官が居るのは司令部にある食堂、その中でも調理してる姿が実際に見れる最前列で一人座っていた、その調理場には

 

「ら~ら~ら~」

 

楽しそうに歌を口遊みながら料理に励む【L85A1】の姿、その手付きは慣れてるもので手際よく調理を進めていく、普段はおっとりマイペースな彼女だがこういうことはテキパキ早いんだなぁとか軽く現実逃避じみた事をするが現実から逃げられるわけではない

 

正直選択を間違えたかもしれない、指揮官はただそう思いながら目の前の光景を見つつ現状に至るまでを思い出す

 

彼女がイギリス料理を食べるために食堂に居る理由は至って簡単、本人が食べてみたいと言ったから、時間は戻り数十分前、執務室で午前の業務を終えたタイミングで支援から帰ってきたL85A1が報告書を持った来た時だ

 

「ただいま戻りました~」

 

「おかえり、じゃあそのまま休憩に入っちゃってね。んっん~、私達も休憩にしようか、ナガン」

 

「そうじゃな、しかし部隊数を増やすだけでこうも変わるとはのう」

 

でしょ~?と得意げに指揮官が言った所で彼女のお腹の虫が可愛らしい鳴き声を上げる、確か今日は朝を軽めで終わらせたのでそこまで食べてなかったなぁと思い出す

 

その音を聞いたL85A1、ポンと手を叩きニコリと笑いながら

 

「では~、私がお昼をご馳走しましょうか?」

 

「え、いいの?ならお願いしようかな、おばあちゃんはどうする?」

 

「……あ~、いや折角の誘いだがすまぬ、わしはカリーナと今日は食べに行くことにしててな」

 

「そっか、なら仕方ないね~」

 

今に思えば若干様子が可笑しかったM1895のあの言葉は戦術的撤退だと気付く指揮官、しかし彼女も彼女でこの後の会話でうっかりをやらかしてるのでどうしようもない

 

「L85って何が得意なの?」

 

「イギリス料理ですね、その中でもスターゲイジーパイというのが得意ですよ~」

 

「スターゲイジーパイ?」

 

イギリス料理は知ってるがスターゲイジーパイは聞いたことなかった指揮官はオウム返しする、でもきっとスターゲイジ-っていうんだから星型のパイかなと考えると

 

「なら~それを作りましょうか?」

 

「うん、お願いするね、あとフィッシュアンドチップスっていうのも食べてみたい!」

 

「お任せ下さい~」

 

思い返せば思い返すほど落ち度しか無い、そこまで言っておきながらやっぱりいいですなどと口が裂けても言えない彼女は出来上がっていく料理を見ていくしか出来ない

 

イギリス料理がマズイなんて言われてたのは昔でしょ?確か最近のは美味しいらしいし問題ないでしょ。それが甘い考えだった、確かにイギリス料理は美味しくなった、しかしそれは伝統的イギリス料理に外国の料理技術を合わせ改革したもので出来上がったものである

 

L85A1、趣味は料理、得意なものは【スターゲイジーパイ】彼女は生粋の英国料理人、そこに妥協も何も存在しない、今作り上げてる方法は【改革される前の】伝統的イギリス料理である

 

(……誰か来ないかなぁって、!!)

 

味云々もそうだが張り切って作ってるせいか量も多くなってきたので自分だけじゃ完食が難しいと感じた指揮官は都合よく食堂に誰か来ないかと見渡せば、一人居た、丁度来たばかりの仲間(犠牲者)の姿を見た瞬間、指揮官は直ぐに行動に移した

 

「IDWちゃん!」

 

「お、指揮官じゃないか、どうしたにゃ?」

 

「これからお昼ならさ、一緒に食べよ?」

 

「にゃ、指揮官からのお誘いなら断れないにゃ!」

 

うん、ごめんねIDWちゃん、彼女は心の中で嬉しそうな彼女に本気で謝った。こっちこっちと誘いさっきの場所の隣に座らせれようとしたとき、IDWの顔が引き攣った

 

「待て指揮官、これ今誰が料理してるにゃ?」

 

「……L85ちゃ、待って!?」

 

「離すにゃ!!おま、なんで誘ったにゃ!?」

 

「一人じゃ食べ切れないからに決まってるじゃん!!」

 

料理人の姿と名前を聞いた瞬間、逃げ出そうとする彼女の腕を指揮官は普段からは考えられない速度で掴む、その顔と目は必死だった。因みにL85A1は料理によほど集中してるのか後ろのやり取りには全く気付いてない

 

「お昼を二人だけじゃ寂しいでしょ!?三人で食べれば何でも美味しいよ!」

 

「英国料理のどこに期待できる要素があったにゃ!?」

 

「で、出来るし!?それにほらスターゲイジーパイっていうのにまだ希望あるから!!」

 

「な、どうしてそれを注文してるにゃ!?」

 

え?IDWの言葉にバッと調理場を見れば、そこにあったのはフィッシュアンドチップスとピルチャードの頭が突き出たパイ、そうスターゲイジーパイとはピルチャードを卵、ジャガイモと一緒にパイ生地で焼いた料理である

 

「……スターゲイジーパイ?」

 

「おぉう、指揮官、もしかして知らなかった口かにゃ?」

 

「星型のパイじゃないの?」

 

「あれが現実だにゃ」

 

「完成しましたよ~ってあら?IDWちゃんも食べますか?」

 

「食べるにゃ、ほら指揮官しっかりするにゃってフィッシュアンドチップス?何だ焦って損したにゃ」

 

インパクト抜群の料理の姿に呆然とする指揮官、それに若干同情したのか同席を決心するも出てきた料理に安堵するIDW、ニコニコ笑顔でパイを切り分けるL85A1、全員に料理が並びお決まりの挨拶をしてから一口

 

「あ、美味しい」

 

スターゲイジーパイは指揮官の口にはあったようで一口以降は笑顔で食べ進める姿があった、因みにフィッシュアンドチップスもそのままでは味も何もないが自分で味を作れるのでこれはこれで良いねという話になったとか




IDW 趣味 日向ぼっこ 今後のこの司令部の被害担当銃の地位を確立しつつある

L85A1 趣味(英国)料理作り、尚、今回のようにガッチガチの伝統的イギリス料理も作れるし現代風のイギリス料理も作れるしスイーツも作れる

IDWもイギリス製だけど諸外国の料理に慣れすぎたため今回の反応である、でもフィッシュアンドチップスは好き

てか彼女のキャラすごく便利でついつい登場させてしまう……

イギリス料理を本場に行って食べてみたいけど飛行機がそもそも苦手で乗れないという現実


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陽だまり(彼女)のために闇に消える

どんなに穏やかな日常も裏側は存在する

穏やかな日常を守るために、穏やかな日の光を守るために彼女は闇に身を投じる


とある司令部、その指揮官の自室、微かな灯りもない暗闇で一人の指揮官が自身に何を差し向けられたかすら、否、差し向けられたという事実すら知らずに寝ている

 

本来、指揮官以外は誰も居ないその部屋に彼女は居た

 

「リスノワールからランセニュマンへ、ターゲットまで来ました、そちらは?オーバー」

 

《こっちも引っ越しは終わってる、何時でも良いよ。オーバー》

 

「了解、アウト」

 

短いやり取りを終えターゲットに自身の名を冠した銃を向ける、やがて銃口は対象の眉間に密着、ゆっくりと銃爪に力を入れ

 

「安らかに眠りなさい」

 

静かに告げられた処刑の言葉とプシュと言う銃声らしからぬ音がしたその日、一つの司令部が消えた。事実を知る者はほんの一握り、だがそれもすぐに闇に消えていくだろう

 

深夜、警備の担当以外はほぼ寝静まった時間にM1895は司令部の密談室、指揮官には存在すら悟られていない部屋で人を待っていた

 

待つこと数分、不意に扉がノックされる。だがすぐに開ける真似はせず、銃を抜き構えながら扉横に立ち続きを促すようにノックを一回返す

 

「均衡は保たれた」

 

ガチャリと鍵が開けられ、入室してきたのは第二部隊副隊長の【ウェルロッドMk2】と第五部隊所属の【FMG-9】

 

二人の姿を見てからゆっくりと扉を締め鍵を掛ける。それから銃をホルスターに戻してそこで初めてふぅと息を吐いた

 

「首尾は?まぁここに居るということならそういう事だとは思うが」

 

「完璧だよ、一切の抜かりもミスもない」

 

「同じく」

 

「ご苦労さまじゃ。まぁ腰を掛けてくれ」

 

M1895に促され二人は椅子に座る、それを確認してから部屋に置いてあるラックから一本のボトルを取り出し3つグラスをテーブルに置く

 

「今回は【ジン】ですか」

 

「うむ、スプリングフィールドから貰ってな、折角故この場で開けてしまおうではないか」

 

「お~、いいですね。あ、氷ありますよね」

 

勿論じゃと棚からアイスペールを出し冷凍庫から氷を取り出し入れてテーブルの中央に、各々氷を入れてからジンを注ぎ

 

「今回の作戦の成功に」

 

「「「乾杯」」」

 

一口、それだけでウェルロッドは疲れが癒され、この司令部(我が家)に帰ってこれたと実感する。何も今回が初めてではないが任務が完了してこの場で酒を飲まないと自分がまだ任務に居るのではないかと思ってしまう

 

それはFMG-9も同じで彼女も一口呑んでからゆっくりと息を吐きだしていた。それを見ていたM1895はいたたまれない気持ちになり

 

「すまぬな、毎度このような汚れ仕事を押し付けてしまって」

 

「気にしないでくださいよ副官、ボスの安全と平和の為ならこのくらいの事はどうってことないですよ」

 

「ええ、指揮官に仇なそうとする輩が居るなら私達は引き受けますよ」

 

二人が請け負っている任務、それは指揮官に仇なす存在の抹消。勿論、独断ではなく先ずそれらしい存在を確認したらFMG-9が内偵調査、その後、カリーナに情報を流し彼女がヘリアンに送り彼女からグリフィンの暗部からの依頼として発行、そこで初めて二人が行動を起こすという形を取っている

 

大体、そういった司令部の指揮官はグリフィンの暗部が片付けるのだが彼女に手を出そうとするなら話は別としてヘリアンから依頼を受諾している、それに他の司令部でも似たような依頼を受けてるため別段ここが特別というわけではない

 

「それにしても、こんな好青年っぽいのがここまで外道とはねぇ」

 

「人は見かけによりません、いい意味でも、悪い意味でも」

 

「そうじゃな、そして指揮官に手を出そうとしたのが運の尽きじゃ」

 

今回抹消したターゲットの顔写真を見ながらFMG-9が心底軽蔑したような声で言えば二人がそう続け、それもそうだとPCからデータを消す

 

その後は簡単な報告を行ってから三人は雑談へとシフトする

 

「でさでさ、今日はボスはなにしてたの」

 

「あやつか?確かお昼時にイギリス料理を振る舞ってもらったらしいな」

 

イギリス料理、それを聞いた瞬間のFMG-9の顔は苦笑だった、対象的に自分の国の料理を指揮官が食べたと知って嬉しそうなウェルロッド

 

「とするとL85A1が作ったのですか」

 

「そうさな、丁度、支援から帰ってきたタイミングだった故にな」

 

「それで、感想は?」

 

「美味かった、と。特にスターゲイジーパイを気に入っておったな」

 

「マジですか……ボスも中々に物好きですね」

 

「L85が作るスターゲイジーパイは絶品ですよ?」

 

まずはあのインパクト重視のビジュアルどうにかしようよとFMG-9がげんなりした顔で呟く、それより問題はフィッシュアンドチップスも気に入ったことじゃと続けるM1895

 

二人のあんまりな物言いに不服そうなウェルロッドは

 

「ならば今度食べてみませんか」

 

「え、あ~」

 

「う、うむ……」

 

「食べてみませんか?」

 

渋った二人だったがウェルロッドが珍しく推してきたので思わず頷いてしまった。それを見て満足そうに頷きジンをまた一口呑んで

 

(指揮官は陽の光、故に闇に身を置く私には眩しい。ですがその眩しさが私を表に優しく導いてくれてます)

 

故に守りましょう、例えこの身が二度と這い上がれないほどの闇に飲まれたとしても。カランと氷が転がり彼女の決意に満ちた目を写す

 

こうして陽の光のような彼女が率いる司令部は今日もまた穏やかで平和な夜明けを迎える




※ 副官はこの日の午後、イギリス料理から戦術的撤退をしている

ウェルロッド
リスノワール フランス語で黒百合(確か)

FMG-9
ランセニュマン フランス語で情報

通称 指揮官セコム部隊

この二人ってこういう暗躍をコンビで動かすの楽しそうだと思いました

冒頭の通信用語は確かこんな感じだったよなでお送りしています

まぁあれだよ、綺麗なだけの世界じゃないよってことで

それはそれとして前話で不安になったからって急にシリアスするな(半ギレ


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指揮官クッキング!

※ 保護者多数同伴、見学


覚えているだろうか、指揮官が暇が出来たら一〇〇式にパンケーキを作るなる約束を。そして指揮官の懐に大打撃を与えながらも開放した7~10部隊による支援ぶん回しによりこの司令部にとりあえずの資材の余裕が生まれ後はぶっちゃけ今すぐどうこうできる問題ではないことだけが残った司令部は通常業務さえ乗り切り突発的な出動でもない限り時間が出来るようになったのだ

 

つまり何が言いたいかと言えば、彼女にまだ先だったと思われてた暇が生まれたのである、それに気付いた指揮官は即座に行動に移したのは忘れてはいけないというのもあれば偶には仕事以外のこともしたいという欲求の現れだろう

 

彼女が先ず行ったのは材料の調達、これには街に出なければならないので同行者として【M4A1】が選ばれ現在、いつもの雑貨屋で購入し司令部に帰宅、食堂の調理場にて買った材料を整理していく

 

「雑貨屋と言うより小さなデパートみたいな品揃えでしたね」

 

「そうだね、ほとんど必要なものはあのお店で揃っちゃうから助かるね」

 

「ところで指揮官、こんなに沢山買って使うのですか?」

 

「今日じゃないけどね、また誰かが作りたい時とか一々買いに行くのは面倒だからさ、幸いそんなに腐るようなものがあるわけじゃないし。それに今日食べる人は何だか多そうだしね、M4もどう?」

 

「よろしいのですか……?なら、私も頂きたいです」

 

「ふふ、任せなさいな!」

 

いつもよりテンション高めの返答にM4A1は微笑む、その後も手早く整理を終わらせ、エプロンを付け髪はポニテに頭にはバンダナで三角頭巾を作ってからチラッと調理場から顔を出せば、買い出しに行く前にM1895に頼み呼んでおいた一〇〇式の姿

 

「お、来たね一〇〇式ちゃん、今日は腕によりをかけて作るから期待しててよ……まぁ一般的なパンケーキの味が限界だけど」

 

「い、いえ、作ってくれるだけでも嬉しいです」

 

嬉しい事言ってくれるじゃんと一〇〇式と会話してからその後ろの二人に視線を向ける

 

「とやっぱり来たなエンゲル係数係」

 

「指揮官様がパンケーキの材料を買ってたのは見ましたから」

 

「えへへ~、お腹空いちゃって」

 

エンゲル係数係と言われたのは【FF FNC】と【アストラ】片方は隙きあらばお菓子を食べてるAR、もう片方は常時腹ペコHGと司令部のエンゲル係数を高数準にしている要因の二人だ

 

つまるところ、今この瞬間に調理場が戦場になることは確約されたということになる、それは彼女も予想してたので問題ないのだがそれより気になったのは

 

「……ところでさ、なんでおばあちゃんたちが更に後ろで見学みたいなことになってるのかな」

 

見れば、M1895を筆頭に【ウェルロッドMk2】【FAL】【WA2000】【UMP姉妹】【スプリングフィールド】【M14】【STAR-15】etcと指揮官の保護者及び姉の立ち位置の戦術人形が何故か揃って食堂に集っていた

 

「不安、なのでは?」

 

「ある意味の信頼度の高さに私泣きそうだよ」

 

M4A1の言葉に死んだ目でそう呟く指揮官、がすぐに復活しならまぁ良い所見せますかねとやる気を出して調理場に戻り早速、生地作りから開始する

 

が作り方は至って普通な方法であり、特に書き記す物はない、強いて言うなら明らかに三人前の量ではない素を作っているという点くらいだろうか

 

しかし、手伝いで調理場に一緒に居たM4A1にはその姿がとても輝いて見えた。実際、途中で鼻歌交じりになっているので本人も楽しんで調理してるらしくドンドンパンケーキを量産していく

 

「さて、考えなしに楽しかったから沢山作ってまだ生地が残ってる訳だけど……そうだ、全部焼いておばあちゃん達にもあげればいいか」

 

「はい、それが良いかと。なんだか、ちょっとしたパーティーみたいですね」

 

「パーティーか、ならトッピングも用意して好きに飾り付け出来るようにするのもありだよね」

 

気付けば指揮官のテンションは最高にまで高まっており無いなら作ればいいじゃんと買った材料を使い尽くさんが如くトッピングや材料を変えたりして味や食感を変化させたものも焼き上げていく

 

そして気付けば、お皿いっぱいのパンケーキと各種トッピングが調理場に広がっていた。M4A1は驚いた、指揮官にここまでの才能があったとは思ってなかったからだ。ちょっと失敗しちゃったと本人は言うが彼女にはそれが分からなかったので本当にちょっとなんだろう

 

「や、やりすぎたかも」

 

「でも、指揮官は、楽しそうでしたよ」

 

「ん?楽しいよそりゃ、これを食べてさみんな笑顔になってくれると思うと自然と笑みがこぼれちゃうよ」

 

さぁ、食堂に並べてみんなを驚かそう。にっこり満面の笑みで指揮官がそう告げればM4A1も自然と笑みを浮かべながら頷き並べる手伝いに入る

 

数分後、食堂ではパンケーキパーティーが行われていた。最初に感嘆の声を上げたのは意外にも一〇〇式

 

「わぁぁぁぁ、これ全部指揮官が作ったのですか!?」

 

「そうだよ、ちょっと張り切りすぎちゃったけどね」

 

「いいえ、凄い、凄いですよ指揮官!!」

 

そんな感じに興奮気味なキラキラな笑顔で一〇〇式は喜び、パンケーキに好きなトッピングをして食べれば更に笑顔になる

 

因みにエンゲル係数係は仁義なきパンケーキ戦争になっていた、ダース単位で彼女らの胃袋に消えるパンケーキはそれはそれで感動すら覚える光景だったと指揮官は後に語る。そんな突発的に開かれ来ていた戦術人形たちが指揮官の意外な才能に驚きながらも騒がしく楽しいパーティーは盛況の内に閉幕した

 

最後に、一番驚くと思っていたM1895はというと

 

「どうよ、おばあちゃん」

 

「やれやれ、侮っておったわい。これからは偶に作ってもらおうかの」

 

「……先に言うけど、ここまで上手く作れるのパンケーキだけだからね?」

 

「それならそれでよいのじゃ、楽しみにしておこう」

 

その後、月イチでパンケーキをおばあちゃんに振る舞う指揮官の姿が新たに司令部の風景として加わったのである




ドンドン生える指揮官の特技。ポンコツ、ポンコツとは一体……うごごご……

ていうか前回との落差ヒデェな、脊髄反射で書くからだぞ?(反省


UMP姉妹、M14、WA2000

保護者
M1895、ウェルロッドMk2、スプリングフィールド、STAR-15

大体こんな区分

イベントに向けて色々編成見直しとかしたら余計にコア不足が酷いことに気付いて泣きそうな指揮官が居るらしい、そろそろ夜戦1-4も行かないとなぁ・・・


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副官も偶にのんびりと

そうじゃないと疲れるのじゃ


朝、と言ってもまだ日が登り始めた直後位の時間。第一部隊隊長にしてこの司令部の副官【M1895】の今日は始まる

 

ベッドから起きいつもの服に着替えてから先ずやることは銃の整備、と言っても寝る前にも行っており本当に軽い点検だがこれをやらないと彼女的には目が覚めないらしい

 

その後は日によって変わるのだがこの日は休日だが羽根を伸ばす前に先日の夜戦と通常作戦の結果を元に指揮官が出した結論を纏めた書類を再度目を通す

 

(全部隊を一度解体か、部隊長はそのままで今後は各任務ごとに編成を入れ替えるというのはアリじゃが伝達や連携に難が出るのが目下の問題じゃな)

 

大規模作戦前にそんな事して大丈夫なのかと彼女は思ったが最後の所に最悪の場合は今いる戦力で突破できる方法を探すと指揮官の一言コメントがあり、とりあえずは指揮官の判断にを信頼する

 

(それに今日は休日だしな、考えるのは明日でもよいのじゃ)

 

無くさないように書類を机に片付け、グッと一つ伸びをする。M1895の休日の過ごし方は特に決まってはいない、指揮官と一日過ごすこともあれば一人のんびりとしていることもある、今日は前日は指揮官も夜遅くまで仕事をしていて寝かせておこうというのと後者の気分だったらしくまだ寝ている他の隊員を起こさないようにそっと宿舎を後にした

 

彼女はこの司令部では珍しくなにか趣味があるわけではない、無くはないが416やスプリングフィールドみたいにのめり込んでると言うほどではなくふと思ったらやってる程度のことしか無いので休日と言っても何をするのかと言えばのんびり散歩したり他に暇してる人形と会話したり時間になればスプリングフィールドのBARで酒を飲んだりくらいである

 

朝早くの司令部、休日というのも手伝いまだ起きている人形は少ないが居ないわけではなく例えば

 

「おや、副官じゃないか」

 

「M16か、どうじゃ。この司令部には慣れたか?」

 

右目に眼帯を着けた昨日合流を果たした最後のAR小隊の一人【M16A1】はその質問に困った顔をしながら

 

「慣れるも何も昨日来たばっかりだからな、司令部のどこに何があるすら知らないんだぞ?」

 

「それもそうじゃな。まぁ困ったことがあれば遠慮なくわしか指揮官に聞いてくれ、大抵のことはどうにかする」

 

「じゃあ早速なんだがBARがあると聞いたんだがどこにあるんだ?」

 

「それはまだ営業時間外じゃ、時間になったら案内しよう」

 

本当にあったのかと驚くM16にまぁBARと言ってもスプリングフィールドが趣味でやってるだけじゃよと付け足す

 

「っと、引き止めてすまないな、では私はまた司令部を見て回るとするよ」

 

「構わぬよ、どうせやることもなくフラフラと散歩してるだけじゃからな、迷うなよ?意外と広いからなこの司令部も」

 

「子供じゃあるまいし、だがまぁ気遣い感謝するよ」

 

(居るんじゃよ、配属初日に迷った挙げ句、膝抱えて座り込みながら泣いてたところを保護された子供(指揮官)が)

 

と笑いながら去っていくM16を見送りながら当時のことを思い出し苦笑を浮かべつつ、彼女はまた司令部の散策を始める

 

軽く早めの朝食でも食べておくかと次は食堂に行けばそこには同じソ連製の銃の人形【モシン・ナガン】の姿、向こうもM1895を視認すると手を振り

 

「Доброе утро!ナガンM1895ちゃんもこれから朝食?」

 

「Доброе утро、そのつもりじゃってお主が作ってるのじゃないのか?」

 

「私は作れませんよ?」

 

見れば調理場で他の誰か料理をしている。誰かと思って見てみれば【トカレフ】がソバを水と牛乳で煮たお粥『каша(カーシャ)』を作っている姿

 

「トカレフちゃん、ナガンM1895ちゃんも食べるって」

 

「え、副官も?あ、Доброе утро、すぐに用意しますね」

 

「すまぬな」

 

「いえいえ、好きで作ってるのですから大丈夫ですよ」

 

彼女の言う通り直ぐに出来上がり二人の前にкашаが並び、それぞれスプーンを持ち一口、ほのかに甘い味わいが口に広がる感じにうむうむと満足する

 

「Вкусно、やっぱり朝はこれを食べないとね」

 

「うむ、指揮官にも今度振る舞ってみるか」

 

前回、指揮官が料理できるとわかったので自分もアピールするかという若干負けず嫌いなおばあちゃんだが指揮官も似たり寄ったりな模様

 

「その身長で台所立つのは危ないって言われるんじゃないの?同志って結構心配性だし」

 

「……身長の話は止してくれデリケートな問題じゃぞ」

 

「い、Извините」

 

ジト目でモシン・ナガンを睨みそう言う、だが悲しいことにそう心配される光景が自分でもありありと想像できてしまい思わず頭を抱えたくなる

 

「えっと、おかわり要ります?」

 

「も、貰うわ!ナガンM1895ちゃんは?」

 

「そうさな、頂こう」

 

微妙な空気の中、何とか変えようとするトカレフ、そのかいあってか穏やかな朝食に戻った

 

朝食を終えたM1895は二人に礼を言ってからまたフラフラと散策、食堂でそれなりの時間を潰していたのでそろそろ司令部も起きてきた他の戦術人形達で騒がしくなり始める時間になっている

 

さて、BARが開く時間までどうしてようかの。ニコリと微笑みながら副官は歩く、今日もまた平和に騒がしい司令部が幕を開いた




この司令部、いつも場面は休日だな

我が司令部ようやく4-3e開放したのでマラソン勤務開始です、イベ前に戦力強化を図るんじゃい!!

あ、次も副官メインじゃないかな(予定は未定


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副官も偶にのんびりとinBAR

続いた


同日、休憩所にてBARに案内すると約束していたM16をコーヒーを飲みながら待つM1895、それから数分と経たずに彼女は現れた

 

「やぁ、待たせたか?」

 

「待っとらんよ、今からならば丁度よい時間じゃ」

 

よっこらしょと立ち上がり、コーヒーが入ってた紙コップをゴミ箱に捨てる。が何故かそれを不思議な顔で見るM16

 

「なんじゃ?」

 

「いや、てっきりコーヒーにはうるさいのかと思ってたからな」

 

「何がどうしてそうなったかは知らぬがそもそも執務室で飲むのがインスタントコーヒーじゃらかな、そういうのはスプリングフィールドに任せれば良い」

 

「思うんだがスプリングフィールドはどこまで凝り性なんだ……?」

 

「考えたこともなかったな、まぁ良いではないかそれでわしらは美味しい酒が飲めるのじゃぞ?」

 

確かになと軽快に笑うM16、深く知りすぎればどうなるかはわからないのが現実であり問題にならないのなら触れないという暗黙の了解もある

 

では行こうかと二人はBARに向けて歩を進める、途中この司令部を見て回ってみてどうだったと聞いてみれば

 

「どう、か。良い所だな、ここまで人形に自主性みたいなのを持たす司令部なんて珍しいんじゃないか?」

 

「そうさな、まぁ指揮官が少々特殊じゃ、それも手伝っておるのじゃろう」

 

「確か戦術人形(私達)が人間に見えるだっけ?こう言っちゃ悪いが難儀な体質?してるな」

 

「こればかりはな、治る事は無いじゃろう。っとここじゃ」

 

看板も何もない普通の扉、指揮官も偶々見つけたあのBARの入り口に到着した二人、M1895は近くの壁に掛かっている時計を見て問題ないと判断してから扉を開く

 

中はまだ開店したばかりかマスターのスプリングフィールド以外はおらず、丁度良かったなと頷く彼女の隣でM16は感嘆の声を上げる

 

「お~、こりゃ凄いな」

 

「いらっしゃいませ、珍しいですねナガンが誰と一緒になんて」

 

「朝にBARは何処だと聞かれた故にな、マスターいつもの、お主は?」

 

「お、おぉえっと【ジャック・ダニエル】あるかい?」

 

「ええ、ありますよ。ただすみません【ブラック】か【グリーン】それと【シングルバレル】の三種しか揃えて無くて……」

 

「いやいやいや、あるだけでも凄いじゃないか。じゃあシングルバレルをロックで」

 

畏まりましたと準備に入るスプリングフィールド。話には聞いてたが本当に凄い品揃えだなと感心しっぱなしのM16にM1895はふと気になり聞いてみる

 

「お主、そういえば誰からこのBARの存在を知ったのじゃ?」

 

「AR15だよ、酒を飲める場所があるって言って聞いたんだよ」

 

「ああ、なるほどな。スプリングフィールド、これからドンドン利用者増えるぞ?」

 

「ふふふ、ならドンドン種類と量を増やさないといけませんね。はい、お待ちしました【ジャック・ダニエル・シングルバレル】のロックと【コニャック】のロックです」

 

置かれたグラスを受け取りつつやっぱり疑問に思うのかM16がスプリングフィールドを見ながら

 

「だからどこから、いや、何でもない、酒が飲めるんだ文句なんてないさ」

 

「触らぬ神になんとやらじゃ、では、そうじゃな『こうして飲める日常に』かのう?」

 

「そりゃいいな、じゃあ」

 

笑いながら乾杯と一口飲めば、その疑問はすぐにどうでも良いものになりこんな美味しいお酒を飲めるこのBARの存在にありがたみを覚える

 

実際、このBARの存在はお酒を嗜む戦術人形たちには非常にありがたく、開店から数分、遅くても数十分もすれば店内にはそこそこの人形が集まり始め賑わいを見せる

 

二人も会話をしつつ呑んでいき程よく酔いが回り始めた所でM16から

 

「そういや、指揮官は知ってるのか?」

 

「知っとる、というかあやつは勝手に見つけたのじゃ。そして酔いつぶれて次の日も動けなくなったから以降は来てもソフトドリンクだけという決まりになっておる」

 

「弱いのか……強いなら是非とも飲み合いたかったな」

 

「でもあの指揮官も可愛かったですよ、おばあちゃん?」

 

「やめい、いつぞやFALにも言ったが手のかかる孫娘はあやつ一人で十分じゃ」

 

グイッと呑み切りお代わりを要求、そもそもあやつはわしをおばあちゃん呼びしてベッタリし過ぎなのじゃと言葉だけは苦言を漏らすも顔は酔いの所為か緩んでおり満更でもないのがよく分かる

 

実は指揮官だけではなく、一部の戦術人形からもおばあちゃんと呼ばれ始めてるのでそろそろ司令部のおばあちゃんという地位に付きそうな勢いなので本人以外の認識である

 

気付けば指揮官のことで会話が盛り上がる三人、するとまた扉が開き来客を告げるカランカランと言うベルが鳴りそっちを見ればAR小隊の一人である【M4 SOPMODⅡ】に手を引かれながら入ってくる指揮官の姿

 

「こんばん……あっ」

 

「指揮官?お主また来たのか」

 

「い、いやぁね?SOPちゃんが誘ってくれてね」

 

「そうそう、指揮官と一緒に呑もうって思ってね!あ、マスター【ウォッカ】のロック2つね!」

 

「ま、待つのじゃ、それは絶対に呑ませるのは駄目じゃぞ!?」

 

来て早々のトンデモナイ注文にM1895が慌てて立ち上がり止めに入る、確かに前回泥酔した【ブラッディマリー】より遥かに度が高いウォッカを呑んだ日にはこの指揮官は明日は置物にすらならないのは確約されるので彼女の必死さは当然だろう

 

「……所でマスター、指揮官が前回呑んだのは?」

 

「ブラッディマリーですね、なのでウォッカはちょっと厳しいかと」

 

「ええ~、じゃあ【テキーラ】で」

 

「変わらぬわ!!」

 

「お、オレンジジュースで」

 

さっきまでののんびりとした雰囲気はなくなりM1895が騒がしく止めに入る光景、だがM16の目にはM1895の顔はそれを楽しんでるのか笑っているように見えていた

 

(全く、楽しい司令部に来たもんだ)

 

呆れ気味な感じに内心思うが彼女の顔もまた楽しそうに微笑んでいるのであった




春田さんがどこからお酒を仕入れてるのかはこの司令部最大の謎

ポリンキーの三角形の秘密くらい探ると危ないと言われている

あとこれ誰が主役の章だっけ?

指揮官の設定、描いてる本人が忘れかけてるらしいっすよ?


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憧れの貴女を見つめる為に

雨雲は私が消しましょう、貴女には笑顔が似合うのだから


彼女【ワルサーPPK】はその日も指揮官を眺めていた、声をかけるわけでも無く、ただ暇さえあればじっと眺めているだけである

 

ただ眺めるだけで一日が終わる、そういう日もあるけど彼女はそれで満足する

 

ある時はそんな彼女に気付いて指揮官から声を掛けてくる時がある。そういう日の彼女の顔は太陽の下に咲く一輪の向日葵のような笑顔になる

 

またある時はお茶会に誘われる時もある、無論、指揮官にそういう気はなく只じっと眺めてる彼女に気を利かせて誘ってくれたと理解しているがどうしてもドキッとしてしまう

 

そんなある日のお茶会をしてる時、ふと指揮官が呟いた

 

「PPKってさ、楽しい時っていうのかな、そういう時の笑顔って向日葵みたいだよね」

 

「向日葵、初めて言われましたわ」

 

「そう?うーん、私が変なのかな」

 

「いいえ、今までの『あたくし』がそういった会話をされたことが無いだけですわ。ですのでそう、なんと言えば良いのかしら、ええ嬉しいのですわ」

 

「ほら、今だって向日葵みたいな笑顔だよ」

 

PPKの言う『あたくし』とはここではなく他の司令部の彼女の記憶。その中にはそういった会話はなかった、もしかしたらあったかも知れないが共有データには無いので確認のしようがないというのが現実だ

 

そして向日葵みたいだと言われたこの司令部の彼女は表情や動きに感情を出さないようにしていたが内心では歓喜の感情が渦巻き、思わず爆発しそうになっている

 

嬉しかった、数いる【ワルサーPPKの一人】としてではなく【個人】として見られた、そう思った瞬間この感情がなんなのかすぐに理解できた、そして心に『1本』の向日葵が咲いた

 

それからお茶会が楽しみになり、ある時は自分からお茶会を誘ったりしたりと出来るだけ指揮官と会話できる時間を少しだけ増やしていった

 

流石に毎日は自分も指揮官も都合や仕事があるので難しいがそんな日でも指揮官を眺めてるだけでやはり満足できる

 

そうやって眺めていた時にふと何故か自分はどうして彼女の笑顔が好きなのだろうと疑問が浮かんだ。ある時のお茶会でああ、と答えに至る

 

「いつかのお茶会のとき、貴女はあたくしの笑顔を向日葵みたいだって言ってたわよね」

 

「うん、言ったね」

 

「そのお返し、と言う訳ではありませんがあたくしから見た指揮官の笑顔は太陽みたいに輝いて見えますわ」

 

そう言われた指揮官はキョトンとした顔をしてからPPKが言ったような太陽のように明るい笑顔になり

 

「太陽、そっか、えへへ、皆を照らせるって感じなのかな?」

 

ええ、少なくともあたくしはそう思います。そう、向日葵の様な自分が見つめ続けるのなら彼女はきっと太陽なのだ、そう気付いた時、心の中の向日葵が『7本』に増えた

 

その時から彼女の笑顔は決して無くしてはならないものだと言うのになり、どうにかして守れるようになりたいと思い始める

 

この世界は綺麗なだけじゃないのは知っている、だからこそ自分が泥を被ろうと太陽を遮らんとする雨雲は事前に消さなければならない、でも出来るだけ指揮官の側は離れたくないPPKだったが直ぐにその悩みは解決された

 

なんてこと無い、彼女の気持ちを理解し手を差し伸べたのは副官のM1895

 

「最近、不穏な動きが多いゆえに守りの数は多くしたい。お主ならば得意じゃろ?」

 

「ええ、任せて頂戴、ふふふ、守れるのね、あたくしの手で」

 

「おい、人選ミスじゃないよな副官……」

 

「平気よ、指揮官にその気がないのは知ってるし彼女の笑顔を自分から曇らす真似なんてしないわよ」

 

PPKの言葉にいや、そうじゃないと言うFMG-9の声は黙殺されたがこうして彼女も裏側の一人となった

 

と言っても彼女はウェルロッドMk2やFMG-9のように潜入、暗殺ではなく指揮官の身辺警護、今まではその必要はなかったのだがAR小隊全員と合流、更にはヘリアントスやペルシカリアにも気に入られていると言う噂まで手伝い司令部に侵入を試みる輩も現れ始めているのでそれに対するカウンターとして彼女が抜擢された

 

暫くは特に何もなく平和だった、だがある日現れた。AR小隊のデータを盗もうとでも考えていたのだろうその人形はデータベースに侵入し行動を起こそうとした刹那、消音された銃声と同時に二度の衝撃が走り倒れ込む

 

「なにか、よからぬことを考えてここに居るのでしょう?」

 

「な、ぜ」

 

「『あたくし』ならばそう侵入して盗み出しますもの。そもそもおかしいと思いませんこと、ザルみたいな警備のデータベースなんて如何にもな罠、どうして飛び込む気になれたのかしら」

 

倒れ込む【ワルサーPPK】に彼女はそう告げる、その目は同種の人形を見る目ですらない、何の価値もないでくの坊を見ている目で、その顔は凍りつくような微笑を浮かべながら、その手にはサイレンサーが付いた己の名と同じ銃を持ち相手に向けながら

 

「知ってるかしら、向日葵はね、常に太陽を向いてるのよ。だから曇って太陽が遮られると困るの、雨雲なんてもってのほか、だからねこうやって先に消すの」

 

「っ!?」

 

「あたくし、貴女に反撃していいなんて言ったかしら?」

 

動く腕で銃を構えようとするも両腕を撃ち抜かれる、このまま自壊されても困るので懐からスタンガンを取り出して押し付け機能をダウンさせてから直ぐに通信を繋げる

 

「トゥルネソルからランセニュマンへ、お茶会にお客様を招待したから後はよろしく頼むわね、オーバー」

 

《うぉう、マジで来る阿呆な司令部あるんかい、了解了解、あとはこっちでなんとかしておくよ、アウト》

 

通信を終えてからデータベースを後にする、そして彼女は今日も指揮官の側に向かう、今日はお茶会かしら、それとも眺めてるだけかしらと胸弾ませながら。気付けば心の向日葵は『11本』になっていた




ワルサーPPK
トゥルネソル フランス語で向日葵

実を言わなくても外部からちょいちょいちょっかい出されてる司令部、今日も彼女達が暗躍してます

向日葵って本数で意味があるんだって今日初めて知って書いてました

お茶会と指揮官との楽しい雑談だったのでほのぼのです(超理論

記憶云々の下り、共用データみたいなの存在しないならこれガバガバ設定だけど書き直せなかったから許して・・・

そして唐突な百合的存在登場したけど百合じゃないよ、只の親愛だよ、でも怖いからタグは増やしておくね(震え声

最近PPKちゃんレベリングして使い始めたんですがめちゃ強っすね彼女……



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M1895(おばあちゃん)指揮官()

コーヒー飲みながらの団欒


執務室、午後の書類の書き込みと整理の音だけが響く空間、いつもと違いを上げるとすれば指揮官の顔に幾分かの余裕が見えるというところだろうか

 

流石に毎日のように書類と戦っていれば嫌でも慣れるとは指揮官の言葉、その御蔭で余力を残しつつも十分な速さで書類を片していき最後の一枚を今終えた

 

「ん、ん~、終わったー」

 

「こちらも終わったぞ、お疲れ様じゃ」

 

「おつかれ~、今日も乗り切れた~」

 

書類を散らさないようにぐで~と伸びるという無駄に器用なことをする指揮官を尻目にM1895は自席から立ち上がっていつもと同じようにコーヒーの準備を始める

 

「今日はこの後なにもないんじゃな」

 

「そうだねぇ、珍しくないね。だからおばあちゃん、私にもコーヒー頂戴、久しぶりに二人でのんびりしようよってあっ」

 

指揮官はふと、何かを思い出したように顔を上げて席から離れ備え付けの小さな冷蔵庫を開けて中から包装された箱を取り出す

 

「なんじゃ、それ」

 

「確か、昨日カリンちゃんがペルシカさんからの贈り物だって渡されてたんだよね」

 

中身は知らないけど要冷蔵だって言われてて入れてたと続けながら包装紙を丁寧に剥がせば箱に書いてあったのは【羊羹】の二文字

 

タイミング悪かったなぁと指揮官は思う、M1895が今淹れているのはコーヒー、和菓子が出てくるとは思ってなかったので当たり前といえば当たり前なのだが、だが直ぐにコーヒーでも大丈夫かと考え直し

 

「おばあちゃん、ペルシカさんから来たの羊羹だったよ」

 

「なんじゃと?むぅ、コーヒーじゃぞこれ」

 

「ああ、いいよいいよ、コーヒーでも合うかも知れないし食べちゃおうよ」

 

「そうか?まぁお主がそう言うなら良いのじゃが」

 

M1895がコーヒーを淹れてる間に彼女は羊羹を切り分けて棚から皿とフォークを取り出して乗せテーブルに並べる

 

コーヒーも並びソファに座ってから羊羹を一口、しつこくない程よい甘さに舌鼓する二人

 

「おいし~、もしかして良い所の奴なのかな」

 

「分からぬが高そうな箱じゃったし有り得そうな話じゃな、うむうむ、美味じゃ」

 

「それにコーヒーとも悪くないね、ミルクとお砂糖を少し減らして正解だったよ」

 

「確かにな、いつものお主のコーヒーだったら甘すぎたじゃろう」

 

味の感想を二人で述べつつ食べ勧め、一本の羊羹はペロッと二人の胃袋へと消えた。美味しかった~と再度感想を漏らす指揮官、その顔は幸せを体現するような緩い笑顔をしている

 

そんな彼女を見つつ、ふとM1895は最初に出会った時を思い出しククッと小さく笑いをこぼす

 

「ん?どったのおばあちゃん」

 

「いや、最初にお主と出会った時を思い出してな」

 

「あ~、でもなんで突然」

 

「お主のその緩い笑顔のせいではないかのう。思えばあの司令部で迷子になって半べそかいてた小娘が少しは頼れる指揮官になったと思えば嬉しいものがあるのじゃ」

 

オフの時はそうでもないが仕事の時はいつも厳しい言葉が基本の副官からよもや褒め言葉が飛んでくるとは思ってなかった指揮官は目を見開く

 

対してそんな反応を見せられた副官は若干照れ臭そうにゴホンと咳払いをしてから隣に座る指揮官の頭にそっと手を乗せる

 

「お、おばあちゃん?」

 

「まだまだお主は未熟じゃ、だがなゆっくりとだが成長は確かにしておる、故にわしらもお主を信頼して支えよう」

 

突然の行動に戸惑う指揮官だったが紡がれた言葉を聞きM1895の方を向けば優しい瞳と笑みを浮かべた姿に思わず涙を浮かべる

 

「な、なによ突然さ」

 

「年寄りの戯れじゃ聞いておけ。これからもお主は自力ではどうしようもない様々な困難に直面するはずじゃ、だがなその時は頼れ、わしでも他の者でも良い、決して抱え込んで壊れてくれるなよ」

 

指揮官にはそれが懇願に聞こえた、まるで前にも体験したような、だからこそ二度と味わいたくないと言う感情を目の前の大好きなおばあちゃんから感じ取れた

 

だからか、ギュッと副官の左手を両手で握り真剣な、でもよく皆が好きだと言ってくれる緩い笑顔でこう告げる

 

「……うん、頼るよ。これまでもそうだったしこれからだって私は弱いから沢山頼るかもだけど、その時はお願いね、おばあちゃん」

 

「ああ、任せておけ、伊達に歳は喰っとらんからな。さて湿っぽい感じになってしまったな、コーヒーおかわりするか?」

 

「お願い、だけど湿っぽ雰囲気にしたのおばあちゃんだからね?」

 

おっとそうじゃったなと笑う副官を見つめつつ、微かに浮かんでいた涙を拭き取る

 

なんで急にあんなこと言い出したんだろと思いはしたけど別段悪い気はしなかったので深くは考えないことにした、でも忘れちゃいけないことだなと指揮官はあの言葉を胸に刻みこむ

 

「所でさ、おばあちゃんから見て今の私ってどのくらい指揮官として成長してるの?」

 

「む?そうさなぁ、35点ってところじゃ」

 

「……あ、50点満点で?」

 

「無論、100点満点でじゃ、ほれコーヒー」

 

ひ、低いとコーヒーを受け取りチビチビ飲みながら思う指揮官、その考えが読まれていたのか言ったじゃろゆっくりだとさっきまでの雰囲気はなくなりいつもの調子に戻ったM1895が呟く

 

「うぅ、頑張る。だからさ改めてこれからもよろしくね」

 

「ククク、仕方ないのう。じゃがいつかは独り立ちしてもらうぞ?」

 

「え、嫌だよ、おばあちゃんはずっと私の副官やってもらうつもりだよ」

 

「お主……」

 

何言ってるのみたいな顔の指揮官に呆れる副官、そんな二人の団欒は夕食時まで続いたとさ




(最終回みたいな雰囲気だけど別段最終回じゃ)無いです、まだまだ書きたいネタはあるし出てない戦術人形も居るからね

まぁ最近、この二人主軸で書いてなかったなぁと思いまして書きました、因みに次点でP7ちゃんだったけどまた裏側の話になりそうだったのでダイナミック回避になりました

CUBE作戦まであと2日ってマ?(白目


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秘書カリーナのお仕事

彼女だって大事な一員


ここはこの基地の秘書とも言える存在【カリーナ】が主に働いているデータベース、ここでの彼女の主な仕事は戦闘の映像を解析し作戦報告書と言う書類に纏める、指揮官、または副官から提出される人形製造依頼と装備製造依頼を本部に配送すること、本部や個人からの郵送や書類を纏めて執務室に届けることなど多岐に渡る

 

正直彼女が居なければとうの昔にこの基地は機能不全になっていただろうと言えるほど重要な存在なのだ、なので基本的にデータベースには彼女の手伝いの人形を何人か配置したり休憩の時間を彼女は少々長くしたりと待遇面ではかなり優遇されてたりするし指揮官も副官も割と頭が上がらなかったりもする

 

「ふんふんふ~んっとこれはこれでよし、次はっと」

 

「カリーナさん、これはこっちに置いておけばいいでしょうか?」

 

「あ、はい、そこで大丈夫です。本当に助かりますよMP5ちゃん」

 

「い、いえ、私は言われた通り手伝いをしているだけですから」

 

「それでもですわ、あ、今日はもう大丈夫なので上がっていいですよ~」

 

気恥ずかしそうにペコリと頭を下げてからデータベースから退出する【MP5】にカリーナは謙虚で良い子だな~と感想を抱いてから仕事を進める

 

手書きの書類だけの速度でも指揮官を凌駕しそこに彼女が扱える古い機械も合わされば山のような書類や仕事もかなりの速度で消えていく、一度それを目撃した指揮官がこれが経験の差と呟いたりもしている

 

(決して機械があるから~とかは言わないのが指揮官様らしいですわ。あ、そう言えばまだ今月の最終予算案貰ってませんね、一応連絡を入れておいたほうがいいでしょうか)

 

でもナガンさんも知ってる筈ですし大丈夫ですかねと考えているとデータベース外から慌ただしい足音が響いてくる、それを聞いたカリーナは噂をすれば影、ってやつですねーと一人納得した所で扉が開かれ

 

「ぜぇ……ぜぇ……ご、ごめん、今月の最終予算案、げほっ、持ってきたよ」

 

カリーナの予想より遥かに疲れ果てた顔の指揮官の姿、どうやら大慌てで纏め上げ駆け足で届けに来たらしいので髪も乱れに乱れている

 

そんな指揮官を見て流石のカリーナも少し慌てながら駆け寄り背中を擦ってあげつつ落ち着いてきたら髪を整えるために何時も持ってる櫛で髪を梳かす

 

「し、指揮官様、そんなに急がなくても大丈夫でしたのに!」

 

「はぁ、はぁ、いや、だって忘れてたの私なのにそれでカリンちゃんに残業なんて駄目でしょ……」

 

「もう、別段私は気にしませんのに。はいはい、こっちに座ってくださいな、今お茶出しますからね」

 

え、いや、悪いよそんなと帰ろうとする指揮官の背中を押し近くの椅子に座らせてカリーナはお茶の準備を行う、そこまでされてしまうと動けなくなるのがこの指揮官なので言われたとおりに待ってることになる

 

数分とすればお茶と茶菓子がテーブルに並ぶ、こうまでしてもらっては指揮官に帰るという選択肢は消えならばお茶と茶菓子を楽しもうという顔になる

 

そしてその顔を見てカリーナも嬉しそうに頷き自身も席に座る

 

「それにしても指揮官様、予算案を忘れるなんて珍しいですね」

 

「う、ほら最近は戦力の強化だ何だってバタバタしてたじゃん、それでうっかり頭からスッポ抜けちゃったんだよね……ナガンに言われて思い出して慌てて書いて持ってきたんだ」

 

一応、ナガンにも手伝ってもらって抜けとかはないはずだけどちょっと不安だよと呟きお茶を一口、確かにここ最近は忙しそうでしたねと納得し指揮官を見つめる

 

ふと、カリーナの目に指揮官ともうひとりの影が重なる。もう割り切ってるが彼女には妹が居た、丁度今の指揮官と同じくらいの歳で彼女がグリフィンに入社するくらいに事故で亡くなっている

 

彼女は妹が大好きだった、だから亡くなった時は泣きに泣いた。だけど持ち前の前向きで立ち直りそして指揮官と出会った、その時はその妹と重ねていたがそれは良くないと振り切っているので別段、精神面的な問題はない

 

でも影が重なった時は自分が疲れている合図でもあるので席を立ち上がり、指揮官の後ろに立ってギュッと抱き着く、顔は背中に埋もれていて分からない

 

「カリンちゃん?」

 

「ごめんなさい、少しだけこうしてていいでしょうか」

 

「いいよ、もう少し私はここに居るからさ」

 

ありがとうございます。と目を瞑り温もりを感じる、数分、もしかしたら数十分かも知れない時間が経った頃、カリーナがそっと離れる、どうやら満足したようでその顔はいつもの笑顔に戻っていた

 

「大丈夫?」

 

「はい、もう元気万端ですわ!」

 

「良かったっと、もうこんな時間だ、それじゃ私は戻るね。無理しちゃ駄目だよ」

 

「それは指揮官様にも言えることですよ」

 

そ、そうだね気をつけるよと図星を突かれた指揮官が帰ったあと、まるで狙ったかの如くなタイミングで通信が入る、しかしその音は本部から繋がる通信機ではなく、カリーナ個人で持っている小型の通信機から

 

通常のとは違うそれはとある合図、それを理解してる彼女の口元は弧を描き通信に出る

 

「は~い、こちらピヴワヌです。ご用件は潜入?偵察?それとも……暗殺ですか?」

 

妹の温もりを二度も失うか、彼女の心の支えはそれだけでありお金はそれを成すための手段、影を振り切った時彼女は思ったのだ

 

(指揮官様を亡くなったあの子と重ねるのは失礼ですよ、だけどどっちも可愛い大事な『妹』って思うのは悪くありませんわよね?)

 

この世界、歪まず生きるなんて難しいなら歪んだ心を壊れないようにするストッパーは大事なのだ




カリーナ
ピヴワヌ フランス語で牡丹
花言葉は姉妹愛、まだ色々あったけど今回はこれを取りました

カリーナに良く分からない独自設定付属させるとかいよいよ銃殺されても文句言えねぇな?いや、違うんですよキャラが暴れて筆が滑っただけなんだ信じてくれよ!(万丈並感

てかドロッドロじゃねぇかこの司令部の指揮官に対する感情(他人事

あ、明日からCUBE作戦ですね、我が司令部?第一部隊すらまともに編成4に出来てないのに完遂もへったくれも無いよね!!(涙目


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ウチの指揮官が一番可愛い

CUBE作戦始まったからって今日書くとは言ってない

Warning! Warning!

AR15のキャラがフルスロットルで振り切れますご注意を

9月12日 あまりに酷いのとAR15のキャラが違いすぎたので全文修正、ご迷惑おかけします


救護室、相も変わらずそこには戦場や最近では巡回の任務の折に保護される動物がそこそこな数集まっていた

 

そんな中、指揮官に耳に珍しい犬種を保護したという話が届く。動物に癒やされることを日課にしておきながら最近行けなかった彼女はならばいかねばと勤務が終わった瞬間には救護室へと足を運んでいた

 

中に入れば、そこには既にAR小隊の一人【ST AR-15】が居たのだが何故か救護室入り口すぐの所で動物を眺めているだけ、不思議に思い指揮官がどうしたのかと聞いてみれば

 

「眺めてるだけでも楽しいですよ?」

 

「そ、そう?まぁ楽しいなら良いけどってパグ!?」

 

本人がそれで楽しいと言われてしまえばどうこう言えることではないので改めてその珍しい犬種を探してた指揮官の目に入ってきたのは愛嬌のある丸顔、短毛でダブルコート、垂れ耳、巻き尾、色はフォーンの小型犬、そう『パグ』である

 

今の今まで柴犬しか見てこなかった反動もあるが指揮官は目を奪われた、そして直ぐにパグに近付き

 

「おお、凄い本当にパグだ。よしよしよし、人馴れしてるんだね~、可愛いね~」

 

「お好きなのですか?」

 

「う~ん、犬も猫も皆好きだけど、パグってこの顔が可愛くてもっと好きなんだよね~、ほら可愛くない?」

 

そっと抱き抱え、後ろに来ていたAR-15に満面の笑みで見せる、対して彼女はそんな笑顔の指揮官を見てから数度頷き

 

「ええ、(指揮官が)可愛いですね」

 

「でしょでしょ?(パグ)可愛いよね~、どうしようかお前、ここで暮らす?」

 

「バウ」

 

「そうかそうか、ここは良い所だもんね、暮らしたいよね~」

 

ワシャワシャと撫で回しながらそんな事をトントンと決めていく指揮官と微笑ましいものを見たと顔が綻ぶAR-15、無論、パグではなく指揮官に向けられた視線なのだが当の本人が気付くわけもなく、寧ろずっと視線を飛ばしてくる彼女にあ、パグを撫でたいんだなという勘違いをし

 

「よいしょっと、AR15ちゃんも(パグ)撫でる?」

 

「え、(指揮官を)撫でて良いんですか、では」

 

手の動きに迷いはなかった、許可を(互いに言葉のズレが生じている)貰ったAR15の手はパグを通り越し指揮官の頭をワシャワシャとなで始める

 

一方いきなり撫でられた指揮官は驚きで一瞬止まるも意外と気持ちい撫で具合に目を細め思わず堪能してしまうがすぐに我に返り撫でられながら

 

「ち、違う。パグ!パグのことだよ!?」

 

「え、パグの事だったんですか?」

 

「そうだよ、あ、いや、でも気持ちいから止めなくてもいいかな」

 

「ならば問題ないのでは?」

 

「それもそう、かな?」

 

指揮官とAR-15、互いに互いが微妙に噛み合わないが完全に噛み合わない訳ではない両者のマイペースな性格が織り成す第三者から見れば何を言ってるのだお前たちはと言われる会話の後、結局撫でられる指揮官の姿があった

 

気付けば、座ってパグを抱え撫でている指揮官の後ろに同じく座り込み頭を撫でているAR-15と言う形が出来上がり和んでいると

 

「お、ここにって……何だこの状況」

 

「あ、M16だ、(パグを)撫でる?可愛いよ」

 

「M16じゃない、(指揮官を)撫でてみる?可愛いわよ」

 

「OK、OK、頼むから主語はキチンとつけような、絶対に致命的なズレが出てるぞ今の台詞だけで」

 

長年培ってきた勘とAR-15との付き合いが長い彼女は二人のセリフを聞き見事にズレが出ていることを指摘する

 

が、指摘された当の二人はん?と互いの顔を見てからM16を見て小首をかしげる二人、この二人よく今まで会話できたなと溜め息を付くM16はとりあえず指揮官の目の前に行き抱えられた状態から抜け出しお腹を見せて転がっているパグを撫でる

 

「そういえば探してたようだけど何か用事でも?」

 

「いや、そんな大事な用でもないんだが、よしよし良い子だな~お前」

 

「決めた、お前の名前は『パグ助』だ!」

 

「……あ~、まぁ指揮官が満足するならそれで良いんじゃないか?」

 

「え、良いと思いますよその名前」

 

AR-15の言葉になんでここでは噛み合うんだよお前たちはと声に出さなかったのは奇跡だろう、だが呆れ顔になってしまったのは仕方のないことだと思う

 

「で、大事な事でもないけど用事って?」

 

「ああ、明日からの作戦あっただろ?」

 

明日からの作戦、それは昨日ヘリアンから通信で聞かされた『CUBE作戦』の事、内容は後日連絡すると言われて執務室で業務中は待っていたのだがどうやら指揮官がここに来てから通信が入ったらしい

 

あれ、これもしかして私怒られるのではと指揮官が冷や汗をかいているとそれは問題ないと言われホッと息を吐く

 

「作戦内容は敵地に潜入している【404小隊】の救助、夜間に行われるとのことだ」

 

「404小隊……?AR小隊と似た感じかな」

 

「そうね、404 Not Found小隊、何をやってるかは完全に秘匿されてる特殊部隊よ、でもその救助を個々に任せるなんて思い切ったことしたわね」

 

私達が居るからだろうな、重くまた溜め息を付くM16とま、任務なら働くわよ、私情は挟まないわとAR-15、とにかく困ってるなら助けないとね!と指揮官が言えば二人はフフッと笑みをこぼす

 

「バウ」

 

パグ助と命名された犬は今後、宿舎にて飼われアイドル的な扱いをされたと最後に書いておこう




言うほど崩れなかったねAR15ちゃんのキャラ(当社比
冒頭の通り全文修正しました、正直まだAR15ちゃんのキャラ掴みきれてないので今後もこの子キャラがブレると思います本当に申し訳ございません


パグ助 AR小隊に保護されたパグ、結構頭がよく他者の言葉に反応して返事をすることもある。名前には若干不服

G11ちゃん来ないやん!?(ガバ運)来ると思ったから資材がグロ画像になるまで製造したの!どうしてくれんのこれ!?(喀血)

CUBE作戦開始→AR-15失踪から5日←!!!????

え、えぇっと、どうしようこれ(白目)いや、どうしようこれ……ストーリー的には失踪しないとマズイのかなぁ、進めてないんよなぁ、大丈夫なら二次創作だからで押し通すことも出来なくはないけど……マジかぁ


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CUBE作戦(仮)開幕

注意
原作大崩壊
平然と司令部に居るAR15(出てこない)

あとがきにて今後の方針、まぁそんな深刻なことじゃないよ


CUBE作戦、と題されてはいるがそもそも何がCUBEなのかは指揮官は知らない、とりあえず404小隊の面々の任務の遂行の援護と完了後の撤退の支援、更に言えば夜間の作戦だと言うことしか知らされていない彼女は現在、ヘリアンとビデオ通信にて最後の打ち合わせを行っている

 

「つまり、とある情報の入手のために敵地に侵入した小隊の任務の援護が最初の私達の目的ということになるんですよね」

 

《ああ、【S06区】にて彼女達が行っている任務の援護、そしてそれが完了後の撤退の支援までがお前たちの作戦となる、また繰り返しになるが今作戦は夜戦のみとなる隊員の編成、及び装備は気をつけて選択してくれ》

 

「そこはもう準備を進めてあります、それとヘリアンさん」

 

《む、なんだ?》

 

「その404小隊の隊長と通信は繋げられませんか?何をするにしても彼女達が今何処で、これから何をするかは聞いておかないと困りますし」

 

指揮官の提案にふむ、確かになと呟いてから、暫し思案するように目をつむる

 

それを見てもしかしてちょっと癖が強い小隊なのかなと急に不安に成りだす、もし癖が強いとなると彼女の精神はゴリゴリと削れていくことになる

 

《分かった、小隊長に話してみよう、少々待ってくれ》

 

「あ、はい、お願いします」

 

そこで一旦通信が切れ、彼女はふぅと息を吐く、仕方ないとは言え業務上の通信は緊張すると思いつつコーヒーを飲む

 

因みに今は副官のM1895も出撃準備で居ないため、側にはカリーナとが待機している

 

「大丈夫ですか、指揮官様」

 

「大丈夫、これからもっと大変になるのにこれくらいで疲れてたらやってけないしね」

 

束の間の休息の会話をしていると再び通信機が鳴る、カリーナが相手を確認すれば

 

「指揮官様、404小隊からビデオ通信来ました」

 

「繋いで」

 

繋がれたビデオ通信の映像の先には【HK416】の姿、しかしその顔はこの司令部の彼女よりも険しく見えそれだけで向こうが若干余裕が無いことがわかった

 

《……貴女がそっちの指揮官?随分と威厳のない奴ね》

 

「グフッ、なんか久しぶりに言われた……ってじゃなくて、そちらが404小隊の隊長で宜しいでしょうか」

 

《隊長ではないわ、代理よ、長々と自己紹介するつもりはない、で?要件は何》

 

「分かりました、では手短にそちらの現在地、及び今後の作戦プランを聞かせて下さい」

 

《少しはしっかりしてるのね。現在地はE4、【UMP9】と行動を共にしてるけど直ぐに二手に分かれて私は【G11】と合流【UMP9】は【UMP45】と合流が完了後、落ち合う手筈になってる》

 

一通り聞いた指揮官は、直ぐにホログラムマップを開く、が上手く表示されない、具体的にはノイズが酷く大凡の感じでしか分からないと言った感じだ

 

だが彼女の目には赤い靄だけはハッキリ写る、最近ペルシカが発見したことだがこれは鉄血人形のコアに反応しているらしくそのコアの強さで靄が濃く、そして大きくなるらしい。とにかくそれで彼女達の周りにどれだけ敵が居るかを判断しているのだが通信先の416は知らないことなので苛立った声で

 

《聞いてなかったの?ジャマーが発生してて通信も__えいz_____ちっ___まだ何かあるの》

 

「……いえ、大丈夫です。こちらはこれからE3で大規模な攻撃を仕掛けます、それを合図に行動を開始して下さい」

 

《へぇ、囮になるってこと》

 

「それが一番手早く、安全に合流できるはず、何かありますか?」

 

《無いわ、なら直ぐに動いて頂戴、それじゃ》

 

言うだけ言えば向こうから通信を切られる。対して指揮官はすでに仕事モードになっているのか特に気にする様子もなくインカムマイクで部隊に通信を繋ぐ

 

「指揮官より第一、第四、第五部隊に。作戦内容を説明するね、今回の作戦は404小隊の皆が合流できる時間を稼ぐ事、ただ彼女達の周りには敵の数もそれなりで包囲網が敷かれているためE3のエリアの敵と飛行場全てを制圧下に置き敵の注意をこちらへと逸らさせます」

 

因みに第二、第三が出ない理由は隊長が404小隊にも居る【HK416】【UMP9】の為で、一応出撃待機はしているが余程がない限り今回は出撃しない。同じ理由なら第四部隊の【UMP45】もそうなのだが隊長を出来るのが彼女しか居ないためこれは致し方なしということになっている

 

「先ずは第四、第五部隊が展開、その後に飛行場を占拠から第一部隊も出撃、各個撃破を狙って下さい、ここまでで各部隊、質問は?」

 

《第一部隊【M1895】、敵の数は分かるか?》

 

「現時点では6、ですが飛行場からの増援を考えればまだ増えます、なので早期の飛行場制圧が好ましいですがごめんなさい、こちらのホログラムもジャマーの影響で制圧中の飛行場周り以外がマトモに写らないため飛行場の具体的な位置が不明のままです」

 

《ならば、第二飛行場から第五部隊が出ましょう》

 

《じゃあ第四部隊は第一飛行場からだね、レーダー施設の制圧は先に済ましちゃうよ》

 

順調に進むブリーフィング、そして粗方決め終えてから最後に指揮官が

 

「では、これよりCUBE作戦第1段階を開始します。各員の奮闘は勿論ですが全員の生還を持って第1段階の終了とします。みんな無事に戻ってきてね」

 

《了解!》》》

 

こうして、長い夜が幕を開けた




戦闘行かなかった・・・!?

つかジャマー発生してるのに普通に通信掛けてますねこれ、ま、まぁちょっと特別仕様だったんだようん(適当)

では冒頭で言った通り、今後の方針についてでも
ざっくりと簡単に言えば、ストーリー追いません、このCUBE作戦後はある日の出来事みたいな短編とか外伝とかみたいな感じで、今までの感じで日常を描いたりちょっと裏側だったり程度の話を書いていこうかと思いました

と言うのもストーリー翻訳サイトで見てきたんですが原作追うとAR小隊が辛い、主に世界がM4ちゃんに厳しすぎて泣けてくる、あとこの作品の指揮官の精神が壊れる。のでこうシリアスは他の方々にぶん投げてこの作品は割と平和な世界線的なノリで今までどおりに書いていきます

まぁ変な長文を長々とごめんなさい。では次回 CUBE作戦(仮)初戦でお会いしましょう

追記 あっ、イベントはまだ第1戦をクリアしただけですはい


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CUBE作戦(仮)Session2

とりあえず敵を潰していきましょう


CUBE作戦 第一段階開始、その飛行場に移動中のヘリ

 

「これってようは暴れろってことよね?」

 

「部隊長、流石にそれは命令の意味を簡略にし過ぎなんじゃ」

 

第四部隊の隊長【UMP45】のぶっ飛んではないけど端折り過ぎる命令の噛み砕き方に副隊長の【グリズリー】が苦笑を浮かべつつそう呟けば

 

「いいんじゃないかしら、どっちにしろ私達はそれが得意なのだし?」

 

真っ白い衣装に身を包んだマシンガン(MG)【DP28】が自身の銃の最終点検をしつつ部隊長の言葉に賛同、自身もニヤリと笑っているところを見ればそれを楽しみにしているようにも捉えられる

 

が、そこで待ったをかけるのはもう一人のMG【FG42】この部隊の良心の一人もとい何かと暴走しやすいこの部隊のブレーキ係だ、彼女も銃の点検をしつつ

 

「命令は敵の殲滅、及び飛行場の全制圧、そこはお忘れないように」

 

「そうは言ってもさ、私達の部隊は足遅いんだから敵の殲滅だけで考えてもいいと思うんだよね、そう思わない62?」

 

へ?と突然話を振られて驚くのはARの【6P62】銃と自分の装備の点検も終えて飛行場に着くまで外を眺めてたところだったので正直話を聞いてなかった彼女は多分任務のことだろうなぁと思い

 

「え、えっと、あ、アタシは指揮官からの任務を着実にこなすことが大事かなぁって」

 

「なら敵の殲滅も任務だから問題ないね」

 

そ、そういう問題でいいのかぁと6P62は思うもケラケラ笑って気分が良さそうな部隊長の水を差す訳にはいかないのでとりあえず曖昧な笑顔を浮かべておく

 

作戦前とは思えない和やかな雰囲気だが部隊長である【UMP45】は今回の作戦に少々の疑問を抱いていた、無論、404小隊が包囲を離脱し仲間と合流する時間のための囮になることの方ではなく、CUBE作戦そのものにだ

 

(話聞いてる限りだと404って今までもこんな状況に陥ってたはず、それなのに今回はグリフィンの緊急指揮権、更に装備許可も与えた。単純に考えれば今回はそれほど追い込まれているって事だけど、何かもう少し話が深そうなんだよね~)

 

だからといってどうするわけでもないが気になるものは気になる、がとりあえず今は目の前の作戦の成功かと思考を切り替えれば飛行場到着まで30秒前というアナウンス

 

「じゃ、準備終わってるよね?行くよ、みんな」

 

着地と同時にハッチを開き事前情報では制圧済みの飛行場に展開、周囲を警戒しつつ指揮官に通信を開く

 

「こちら、第四部隊。飛行場に展開完了、敵の気配はしないけど確認お願い」

 

《ちょっと待って……こちらからも確認できません、第五部隊が展開するまで待機でお願いします》

 

「了解、その間にコアリンク済ましちゃおうか」

 

「そうだねっと、始めるよ集まって視覚リンク……完了」

 

ハンドガン(HG)の能力である索敵能力の強化でそれぞれの隊員の視覚が夜の闇であるにも関わらずクリアになる

 

その間に他の隊員はそれぞれダミーを起動、準備が終われば、第五部隊も展開完了という通信が入る、それを聞けば嫌でもスイッチが入り全員がすぐに行動できるようになる

 

《よし、じゃあ状況開始!》

 

指揮官の普段からを知っていれば想像もつかない気迫のある声で号令が掛かり、彼女達は作戦行動を開始する。

 

開始すぐは、敵も居ないのも手伝い一気に制圧していくが相手も馬鹿ではなくドンドンと飛行場からの増援やらで送り込んでくればすぐに戦闘となる、さて彼女達第四部隊は編成が編成故に本来であれば定点防衛が主ではあるが今回のような夜戦時でも彼女達は猛威を振るう

 

と言うのも夜戦時ではある鉄血人形が驚異になるからでありそれを効率よく対処できるのがMGとRFなのだ、そしてRFが対処できない数の暴力を覆せるのは

 

《第四部隊、敵部隊接近!タイプは……ごめんやっぱり映像がノイズだらけでわからない!》

 

「こちらで判別できた!『奴ら』だ!」

 

「FG42、DP28!射撃準備!」

 

「Ладно!来なさい、蜂の巣にしてあげるわ」

 

「Jawohl!徹底的に殲滅する……!!」

 

部隊長の命令が飛べば二人は構えに入り射撃準備を済ます、そしてその厄介な人形が姿を表した

 

鎧のような装甲を身に着けた装甲兵、初見時では指揮官を混乱に陥れこれ装備開発し直さなきゃ駄目じゃん!と叫ばせた存在だ、だがそれも昔の話、数と装甲が厄介だが逆を返せばそれを対処できるように成れば

 

「撃って!!」

 

号令と共に軽機関銃が火を吹き弾幕を形成する、只の銃弾であればいくら弾幕であろうと弾く装甲兵だがその弾一発一発が『徹甲弾』となれば話が変わり装甲は容易く食い破られ次々とスクラップと変えられていく

 

「ちっ、リロード!!」

 

「ごめんなさい、こっちもよ!」

 

「分かった!発煙弾投げるよ!」

 

だが当然、弾薬は無限ではないのでリロードのタイミングに入れば弾幕は途切れる、それをカバーするのが他三人の役割、UMP45が発煙手榴弾を投げ煙幕を張る、こうして時間を稼ぐもノーマルの鉄血人形であれば射撃でその場に止まるしグリズリーとUMP45が仕留めれば良いのだが装甲兵は突撃して二人の銃弾では弾かれる、徹甲弾装備のMGはリロード中、だがこの部隊にはあと一人徹甲弾を撃てる少女が居る

 

「PEQ起動、確認。アタシを只のアサルトライフルだと思わないことね!!」

 

6P62が叫びと同時に銃爪を弾く、本来であればARの弾丸では貫けないはずの装甲が先程と同じように貫かれスクラップに変わる。これが彼女の強み、命中に難こそあれど徹甲弾を使える彼女は主力の二人がリロードに入っても安定して装甲兵が狩れる為この部隊には無くてはならない存在なのだ

 

その間にMG二人がリロードを終えれば残りの敵も屠られる、他の部隊も順調に敵を倒して飛行場を制圧していき

 

《……敵の残党の反応なし、飛行場も制圧完了。みんなお疲れ様、第一段階完了です!》

 

指揮官からの通信にふぅと息を吐くUMP45、だがその束の間の安息はドンッ!と言う爆発音、どうやら404小隊の方でトラブルが起きたらしく直ぐに彼女達の援護に急行することになったと指揮官からの通信が入る

 

(まだまだ、夜は長そうね)

 

着陸してきたヘリに乗り込みながらUMP45は静かに笑みを浮かべていた




戦闘描写はくっそ苦手、そして短いなおい、と言う訳で詰め込みすぎてますねはい……次回はハンター、でもCUBE作戦すでに原作崩壊してる状況で書くと只の404小隊救助任務に化けるの本当に書き方下手だと自覚させられる

それはさておきFG42のボイス聞いててこの子実はしなくても結構過激なのではと思い始める今日このごろ、でも帽子直すモーション可愛い、可愛くない?

あ、リアルの方ではハンターとかくれんぼしてます、殲滅辛いねん


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CUBE作戦(仮)Session3-1

RF部隊の本気(書けるとは言っていない


《現在、404小隊はこのエリアで潜伏しつつ敵ボスクラスへの攻撃を敢行しているようです、なので我々もそれの援護に入ります》

 

慌ただしく次の作戦が決められそのエリアへと向かう輸送ヘリの中で第五部隊は指揮官からの説明を聞いていた

 

404小隊はどうやら合流は出来たようだが別件の任務で奪取を目的にしてるジャミング装置の情報を握っているボスクラスがこの哨戒所に居るらしく攻撃を実行、だが情報よりも強く苦戦を強いられているため急遽、援護に向かうことになったらしい

 

「うーむ、404って独自に動けるほど強い小隊って聞いてるにゃ、それが苦戦強いられるって結構やばいんじゃないにゃ?」

 

「そうですね、指揮官、何かその辺りの情報ありませんか?」

 

《404小隊からの通信によると、敵ボスクラスは【ハンター】……らしいんです》

 

《ハンターですって?あれは私が頭撃ち抜いてぶっ壊した筈ですよ?》

 

《ええっと、実際に目撃した404小隊からの情報なので間違いはないかと》

 

どうやら指揮官の側にいるらしいAR15の怪訝な声が通信機から聞こえる、それに対して指揮官はちょっと気圧されながらもそう答えれば彼女もむぅと黙るしか無い

 

「でも只のハンターなら404小隊の方々が苦戦することは無い筈ですよね」

 

「絶対とは言えませんが能力の高さから考えればそうですわね」

 

ふと指揮官の通信を聞いていたRFの【SV-98】が疑問を口にすれば【PPK】も確かにと言う顔でそう告げ指揮官に問いてみればすぐに答えは返ってきた

 

《それはヘリアンさんから情報が来てて『エリート化改造』っていうのをされてるみたい、それで耐久の上昇に加え装甲が付いて彼女達の装備だと……》

 

「貫けないってことね、思ったより厄介な強化らしいわね」

 

「ま、なんであろうと私達は撃ち抜き倒すだけでしょ?」

 

【It BM59】が勝ち気な笑顔を浮かべつつそう告げる、言葉だけを聞けば油断しているようにも思えるが彼女の顔に油断は一切なく、あるのは今までの経験からの自信

 

部隊員がそんな顔しているのに自分が少しでも不安を抱いてどうするとスプリングフィールドも負けじといつもの余裕のあるほほ笑みを浮かべ

 

「ええ、そうでしたね。我々はそれに特化している部隊、どんな装甲だろうと撃ち貫けばいいだけでしたね」

 

「お任せを、どんな装甲でも撃ち抜いちゃいますから」

 

「急に士気が跳ね上がったにゃ、これ私相当頑張って前線張らなきゃいけない流れにゃ?」

 

「ええ、頑張ってくださいませ、貴女が抜かれるとあたくしもひとたまりもございませんので」

 

前々から思ってたがこの部隊どんだけ短期決戦仕様にゃ!!とIDWが叫ぶもこの編成でずっと戦ってるのでいつものじゃれ合いだと皆が分かっているし実際、IDWの顔は笑っている

 

《みんな、そろそろ作戦区域です。今回の目標は『エリートハンター』それさえ撃破できれば残りの敵は404でも処理できるはずですのでとにかくボスの撃破を最優先でお願いします》

 

《なぁに、お主らはボスに集中すれば良い周りの敵は第一部隊とその404小隊が抑えるのじゃ》

 

《は?何勝手に決めてるのよ》

 

《どちらにせよお主らの装備では貫けまい?》

 

《ぐっ、ちっ》

 

M1895と416のやり取りに思わず全員が笑みをこぼす、が直ぐに思考を切り替えてヘリが着地と同時に

 

「指揮官、ハンターの大凡の位置下さいます?」

 

《待ってて、一番大きな靄は……これか。座標送ります!》

 

送られてきた座標は彼女が思ってたよりも奥地、幾ら指揮官の高性能アイがあろうと途中で敵に絡まれる可能性が高いとスプリングフィールドが苦い顔になっていると通信が開かれ誰かと思えば404小隊のブレイン【UMP45】

 

《随分敵が奥だけどその部隊単騎で行ける?》

 

「正直厳しいかと、数で押されればこちらは不利の編成ですし」

 

《ふぅん、なら私達が壁になってあげる。さっきのお礼もあるからね》

 

《ならばわしらは遊撃に入ろう、それでよいなら行動を起こすぞ》

 

「宜しくおねがいします」

 

じゃ、次の飛行場で落ち合いましょう?と通信が切れる。自身の司令部に居るのとは似てるが違う彼女の性格に戸惑いを覚えるもそもそも人形とはそういうものだったと思い出し

 

「では行きましょう、PPK、IDW、前は任せましたよ」

 

「任せて頂戴、目には自信あるのよ」

 

「寧ろHGで目に自信がなかったらそれはそれで問題にゃ!?いきなりにこやかな笑顔のまま銃口を向けるなにゃ!?」

 

「何やってるのよ……」

 

コントをやりだした二人を宥めて行動を開始する第四部隊、指示された飛行場に着けばそこには404小隊の面々がすでに揃っており彼女達を見た瞬間

 

「遅いわよ、随分とのんびりな部隊ね」

 

「ご挨拶ですね、戦闘回避しながらなら仕方ないことでは?」

 

「それでももう少し早く動けるわよ」

 

「はいはいは~い、言い合いはそこまで、ボスの位置また教えてもらえる?」

 

スプリングフィールドと416が不毛な言い合いを始めようとするのをUMP45が止め指揮官に通信を繋げる

 

直ぐに新たな座標を送られればその位置は先ほどとそこまで変わらず、向こうからはまだ気付かれては居ない様子だった

 

「ふぅん、話には聞いてたけど便利な目ね。まぁいいわ、おかげで奇襲は行けそうね」

 

話には聞いてた、その一言が妙に頭に引っかかるもスプリングフィールドは小さく頷き部隊に命令を飛ばす、これより始まるのは戦闘にあらず、狩猟である




RF部隊の本気(そもそもこのページとは言ってない

すみません長くなりすぎそうだったんで切っちゃいました許してください、えっと……M14が何でもしますから!!

これ次のページどうやって字数稼ぐんでしょうね、なんとかするんだよ(半ギレ)それはそれとしてBM59ちゃん好きなんですけどなんか話題に上がりにくい気がするんですよね……可愛いのに

リアルCUBE作戦はハンターは倒しました、処刑人?はは(乾いた笑い


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CUBE作戦(仮)Session3-2

狩りは集団で確実に


その後、作戦を話し合った結果、第四部隊のダミーを引き連れ404小隊がハンターの現在地に向かい追い立て、進路上の飛行場を通り掛かったところを奇襲を仕掛けて一気に仕留めるという作戦で満場一致となり、現在第四部隊は飛行場で待機している

 

まだハンターが来るには時間がある、その僅かな空白の中、スプリングフィールドはさっき頭に引っかかったあの言葉について考えていた

 

(話には聞いてた、それは本当なのでしょうか。確かに今回の依頼主であるヘリアンさんから聞かされたと言われればそれまでなのですが、彼女が?指揮官の目の能力は確かに信じていますが正直オカルトも良いところの話を只の特殊部隊に話でしょうか?)

 

それにペルシカさんもこの事はあまり話さない方が良いとも言っていましたし、そこでふと話には聞いてた、と発言した時の彼女の顔を思い出す

 

(あれは、聞いてたことを思い出す感じでなく、『読んだ文』を思い出す感じでしたね)

 

ですが仮にそうだとしたら何故あの時にそんな嘘を……?次々と浮かぶ推測とそれに対する疑問で次第に思考の沼へと嵌っていくスプリングフィールド、だがそこから掬い上げたのは別の潜伏場所で待機している【It BM58】

 

《スプリングフィールド》

 

「っ!?すみません、どうかしましたかBM58」

 

《どうもこうも無いですよ、作戦前に隊長がそんな深刻そうな顔されては士気に関わますよ、何か気になることもでありましたか?》

 

「そんな顔してましたか、いえ、大丈夫です、と言うよりあまりにも個人的推測過ぎて喋れないって言う方が正しいですね」

 

突然の通信に驚きながらも彼女の言葉にしまったと思いながらそう言葉を返せば返ってきたのは通信越しのため息、それから

 

《なら良いですが、あんまり考え込むようだったら誰かに話して下さい、特に副官でしたらその個人的推測でも相談には乗ってくれると思いますし》

 

「ふふ、ありがとうございます、ですが目の前の事に集中しないといけませんね。要は私達なのですから」

 

《そうですね、ですが要と言うのならその……》

 

《おう、そうだにゃ、私の事を忘れてもらっては困るにゃ》

 

《貴女はまだ大丈夫かもしれませんがいざとなればあたくしの方が危険度で言えば上なのですが?》

 

IDWの不貞腐れ気味な通信に続くようにPPKの彼女にしては珍しい余裕のない声の通信が入る、この部隊では始めてとなるボスクラス、それもエリート化改造という未知の状態の相手に流石の彼女も緊張するらしい、そんなPPKを見兼ねてIDWが冗談めいた声で

 

《まぁ、うん、PPKはほら、なんとか頑張るにゃ》

 

《あら、ここに素敵な静電気発生装置がありますわよ》

 

バチバチバチと通信越しのはずなのに背筋が凍る音を響かすPPKに流石のIDWも巫山戯るなよお前、なんでそんな危険物持ってるにゃ!?と悲鳴に似た声を上げたところで離れた位置で爆発音が鳴り、【SV-98】から通信が入る

 

《スプリングフィールド、今404から通信来ました、狼は行動を開始した、追い込みを始めるとのことです。また指揮官から移動速度からの飛行場到着時間が出されました、二分です》

 

「分かりました、では皆さん、確実に仕留めましょう」

 

了解(にゃ)!と全員が臨戦態勢に入る、そして二分ピッタリ経ったときハンター(獲物)が飛行場に現れる、その顔は幾分か余裕はなくどうやらダミーの徹甲弾はいい感じに刺さってるようだと判断できた

 

そのまま占領には入らず警戒をしつつ管制塔の側を通り過ぎたとき音もなく、そして普段からは考えられないような目つきでIDWが陰から飛び出て愛銃のトリガーを引く

 

「!?」

 

完全に入った奇襲、パララララ!と軽い銃声が鳴り響きハンターの胴体、及び装備に命中するが今度はIDWが驚きながら叫ぶことになる

 

「かったいにゃ!?装甲付いたって言っても少しは加減するべきにゃ!」

 

「そんな拳銃で貫けるとでも思ったか!!」

 

「拳銃扱いは心外だにゃ!」

 

お返しとばかりに至近距離の射撃が飛んでくるが極限まで集中した彼女の目にはバレットタイムよろしく弾丸がスローに見えているためハンターからの反撃を回避しながらそれでも銃弾を浴びせる、だが勿論、結果は変わらずダメージらしいダメージにならず遂にはカチンッと弾切れを知らせる乾いた音が鳴り、リロードの時間を作るために一気に飛び引く、が

 

「逃がすか!」

 

「にゃ!?」

 

起動装置を稼働さえ一気に距離を詰めてくるハンターに驚きながらも横っ飛びで回避、ハンターは追撃とばかりに急停止からの攻撃を試みるタイミングで起動装置に三度の銃撃、だが傷は付かず寧ろ存在をバラすことになる

 

「効かない!?」

 

「やばっPPK逃げるにゃ!!!」

 

「呪うなら、己の迂闊さを呪うんだな!」

 

IDWには攻撃は回避されると判断したハンターは即座にPPKに狙いを変え起動装置の加速を使い一直線にその首を狩りに行く、そう『一直線に』

 

ハンターは見た、目の前のPPKの口元が愉悦に浸ったように歪んだところを、そして彼女からは見えないがIDWも嗤っていた。気付けば加速が途切れていた、自分で機能を切った覚えもなければ理由もない、故障もありえない、なのにまだPPKまで半分という距離でその機能が停止し驚く暇も与えず彼女の胸元を衝撃が襲い、更に胴体各種に続けざまに銃撃を受け遂に倒れ伏す

 

「呪うなら貴女自身の慢心を呪って下さい、それと一つ、貴女に教えて差し上げますわ」

 

倒れ伏したハンターが微かに残った意識で声の方を見ればそこには見下すように視線を送るスプリングフィールドの姿、彼女はそのまま言葉を続ける

 

「貴女は狩りを一人で行うようですが、私達が行うのは集団の狩りです、貴女から見れば弱くとも数と策があればこの通り。蟻だって数さえ揃えば象を倒せるらしいですよ?」

 

「それ、私らが蟻って事にゃ?おいこっち見るにゃ、更に言えばそれ噂レベルにゃ」

 

IDWのツッコミにそっと目を逸らし若干顔が赤いスプリングフィールド、最後の最後で締まらないのがこの部隊かも知れない




静電気発生装置(少なくとも戦術人形の機能を一撃でダウンさせる威力)

システム上は回避100%にならないけど実際のスキル増々IDWって多分、発動中の視点ってバレットタイム状態だと思う今日このごろ

RF部隊の本気と言うかIDWの本気と言うか、まぁこの部隊だとこういう待ちと囮の戦いかなって、PPK?ほら、夜戦時は視界必要だから……

蟻と象の話はネットで見た程度、軍隊アリなら行けるかもレベルだった記憶しかない……違ったかなぁ


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CUBE作戦(仮)Session4

束の間の休息


ハンターを行動不能にし次はジャミング装置の在り処を吐かせようと404が息巻いてた時にそれは起きた

 

「2612-1192a2516-31913、初期化命令を実行をします」

 

先程までの憎悪に満ちた声ではないシステムボイス、その場に居た全員が先ずしたことは距離を取ることだった、初期化命令なんて言っているが最悪自爆もあり得ると判断したからだ

 

だがそんな事は起きずに数十秒、初期化命令と言う言葉の意味に416がハッと気付き動かないハンターに駆け寄りしゃがみ込み何かを始める、が直ぐに小さく首を横に振りため息をついてから

 

「……駄目ね、起動しないわ」

 

「本当に初期化されたって事ですか?指揮官、そちらでなにか確認できますか?」

 

416の言葉に全員が集まり、ピクリともしないハンターを見てから確認のためにスプリングフィールドが通信を繋ぐ、少ししてから

 

《今、皆が居る所にハンターが居るはずだよね?》

 

「ええ、私達の丁度中心です」

 

《だとしたらこちらでも機能は完全に停止してることが確認できます》

 

「してやられたという事ですよね、ハンターが倒されたと分かった瞬間に情報漏えいを防ぐ為に、これが出来るのは」

 

「敵のボスね、クソ、折角情報を得られるチャンスだと思ったのに!」

 

SV-98の言葉に苛立ちを隠す素振りも見せずに吐き捨てるように言葉を吐くUMP9、他の404小隊の面々にも諦めムードが漂っていた

 

そんな様子を感じ取った指揮官は気を利かせたのかUMP45に

 

《他に情報を得られそうな何かがあれば良いのですが、ジャミング装置の奪取はやはり遂行すべき任務ですよね?》

 

「まぁそうだね、一応本命の一つである任務は終えてるから撤収でも良いんだけどジャミング装置の方も報酬は美味しかったからね」

 

「でも、こうなっちゃったらどうしようもないから、帰る?」

 

「G11は黙ってて」

 

ひどーいと言うG11の悲しんでいるようで全くそうじゃない台詞を聞きながら指揮官は目を瞑り可能性を求め、ふと閃く

 

《指揮官よりFMG-9へ、現地行って何とかならないかな》

 

《こちらFMG-9、一応こっちでも見てたけど無理ですよボス、あれはよしんば起動させてもメモリーの中身が無いですから情報なんて欠片も出ませんよ》

 

そっか、初期化だもんねと落胆の声を上げる指揮官、いよいよ手詰まりかと言う所で遊撃していた第一部隊から通信が入る

 

《こちら第一部隊じゃ、今大丈夫か?》

 

「ナガン?ええ、大丈夫ですがどうかしましたか?」

 

《先程の作戦で妙に敵が集まってた部分があったじゃろ?そこの敵を撃滅して周囲を探索したらグリフィンの人形を保護したのじゃ》

 

「要は迷子を保護したってだけじゃない」

 

《話を最後まで聞けい、それでその保護した人形なのじゃがジャミング装置の座標を知っとるらしい》

 

まさかの話に第五部隊と指揮官は勿論だが404小隊に至っては目を見開き固まっている

 

そんな様子を知ってかそれとも知らないが何となく読めたのかM1895は軽快に呵々と笑ってから

 

《まぁ、そういう訳じゃ今から通信を変わるか?》

 

《いえ、一旦皆が居る飛行場まで来てください、通信では最悪盗聴され向こうで手を打たれてはまた面倒になりますから》

 

あいさ、直ぐに向かおう、それだけ言えば通信が途切れる。指揮官の方も警戒を厳にして待機しててください、こちらでも敵の反応があれば知らせますと指示を出してから切れる

 

こうなったら出来上がるのは警戒に神経は使うものの指揮官と言うある種のレーダーが居るので少しばかり肩の力が抜けるものでそのタイミングでG11が口を開く

 

「でも、思い切った作戦だったよね。HGも囮に使うなんて」

 

「二人なら確実に相手は油断すると思ってましたからね。まぁ少々賭けだったことは否定しませんが」

 

話は先程のハンター戦での第五部隊が取った作戦についてだった、あの時の作戦は至って単純でRF三人はそれぞれ違う場所に潜伏しIDWがハンターを奇襲、弾切れをわざとし距離を離す、そうすれば起動装置を使って距離を詰めようとするので回避後、PPKが射撃をし注意を引いて掛かったら先ずRFの二人が予測射撃で装置を破壊、怯んだところを胴体に射撃を加えあとは倒れるまで撃ち込むと言う流れ

 

だが作戦は分かってはいるし信頼していたが実際、回避困難のあの突進を目の当たりにしていたPPKは当時を思い出し

 

「正直、肝が冷えましたわ……」

 

「よく言うにゃ、口元これでもかって位に歪ませてたの見たにゃ」

 

「そういう貴女だって嗤ってたじゃありませんか」

 

「そりゃ嗤うにゃ、余裕ぶって口元を歪ますのが限界だったPPKの、静電気発生装置(スタンガン)を脅しで取り出すんじゃあ無いにゃ!!」

 

にこやかな涼しい笑顔を貼り付けつつ懐から静電気発生装置(スタンガン)を取り出すPPKとそれを見て渾身のツッコミを入れながら飛び引くIDWのコントを尻目にUMP9がスナイパー三人を称賛する

 

「ま、実際、よく当てたわよね」

 

「一回、あの装置での加速の度合いを見れたって言うのが大きいですね、その御蔭で予測射撃がしやすかったですし」

 

「うんうん、あの時は直線だったっていうのも大きいわね」

 

「それに私は二人が止めたところを撃っただけですからね、外しようがない状況を当たり前のように当てただけです」

 

やれやれ、謙遜なスナイパーさん達だこと。呆れ半分の感心半分な感じの声のUMP9。その後も各々雑談を交えていると

 

「待たせたようじゃな」

 

「み、みなさんこんばんは【SPP-1】です」

 

第一部隊とジャミング装置までの小さな案内人が飛行場に到着した




IDWとPPKのやり取りを書くの面白くなってきた、と言うかもうこの作品での扱い方がこの二人は決まってきた感じまである、でもPPKちゃんはもう少し何かが付与されるかも知れない

次回は処刑人だよ、第一部隊に頑張ってもらおう

あ、レイヤー・バイ・レイヤー突破しました、それと【G11】来ました(特大級の爆弾投下)これでこの小説でもCUBE作戦後に登場させられるねやったね!


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CUBE作戦(仮)Session5

必要なら体術だってする


第一部隊が連れてきた【SPP-1】はこの地区の生き残りの一人、元々は彼女ともう一人戦術人形が居てその人物が守ってくれていたらしいがはぐれその後は鉄血人形から逃げつつ隠れていてそこを保護された彼女は現在、少々苛立っている404小隊の【HK416】に詰め寄られていた

 

「さっさとジャミング装置の座標を話して頂戴」

 

「脅す様な聞き方をするな、すまぬな少々気が立っているようじゃ」

 

「い、いえ、大丈夫です。それでジャミング装置の座標でしたよね、地図見せてもらえますか?」

 

M1895が手持ちの地図を広げればSPP-1は覗き込み、その場所にペンで印を付ける、地図で見れば森の中、確かに見つけ難く尚且攻めるとなれば数で有利なあちらに分がある立地に陣取られていることになる

 

ふむ、とM1895は思考を巡らす、このまま全部隊で攻めても有りだとは思うが問題はジャミング装置による通信妨害だ、指揮官が全員に指示する時に使っているのはまだ大丈夫なのだが自分たちが使っているのになるともしかしたら短距離通信もできないかも知れずその場合、孤立からの各個撃破される可能性が見える、それを踏まえて彼女が出した結論は

 

「……第五部隊はSPP-1と共に指揮官の元へ戻り、第四部隊と一応の守備についてくれ」

 

「第一部隊と404小隊だけで攻めるつもりですか?」

 

「うむ、ジャミング装置が近くなるゆえにどれだけ通信が妨害されるか分からぬ、なれば最初から少数精鋭で行ったほうが良いじゃろ」

 

「確かにそうね」

 

指揮官にも確認の通信を繋げ事情を説明する、すると珍しく彼女からうーんと唸るような声が聞こえ

 

《ねぇ、SPP-1。そのジャミング装置を守ってるボスさ、なんか変な行動とかしてなかった?》

 

「え、いえ、ごめんなさいそこまでは見てなくて、ジャミング装置とボスが居るくらいしか」

 

《そっか、だとすると余計に気になるな……》

 

「何が気になるのじゃ」

 

《守りの数も十分だから攻めたってのもあり得るけど、それでも数で最初から有利なら404を包囲網を狭めて、その時にわざと穴を作って誘い込んだ所をハンターとそのボスで攻めたら良かったのにそれをやらなかったのが気になって》

 

それこそ第五部隊がやったみたいにさと付け加えれば416もなるほどと言った感じの顔で

 

「……言われればそうね。何よ、貴女のところの指揮官、切れ者じゃない」

 

「見た目と普段が少々難があるだけで任務中はまぁ、勘は良いな、じゃが今日は妙に冴えとるな?」

 

《酷くない?んっん、それにここのまぁ仮に大ボスって呼ぶけど。大ボスはさハンターがやられたと判断したら即座に初期化させるくらいに用意周到なら、私達がジャミング装置に攻めてくるって分かってる今は》

 

「ジャミング装置そのもの、もしくは周りに罠を張ってる可能性がある」

 

うん、考えすぎかも知れないけどあり得ない可能性じゃない。普段の指揮官を知ってるなら思わずお前本物か?と言われるくらいに頭の冴えを見せる彼女の推測で新たにもう一つの作戦が決められその別働隊が出動することになった

 

それ以外はM1895が言った通りに進み、座標地点より離れた位置の飛行場に現在は第一部隊と404小隊が居る、因みに移動中にボスが【処刑人】であることが分かり更にこちらもエリート化改造がされてるだろうというのが新たに判明した

 

「さて、指揮官、【処刑人】の反応はどうじゃ?」

 

《ジャミング装置付近に居るよ、これ以上は離れないかも》

 

「まぁ、どっちみちあやつらに期待しつつドンパチするしか無いのじゃ。各々準備はいいな」

 

「【WA2000】何時でも良いわよ」

 

「【FAL】同じく何時でもいいわ」

 

「【9A91】はい、問題ありません」

 

「【一〇〇式】何時でもいけます」

 

第一部隊、準備完了しておると404に振れば向こうも同じく準備は万端らしく各々が頷いている。それを確認したM1895は

 

「指揮官、良いな?動くぞ」

 

《はい、では第三段階、開始してください!》

 

号令と共に全員が動き出す。他の雑魚には目もくれず、尚且見つからないように動きそして

 

「やはり来たな、M4A1の借り返させてもらうぞ!」

 

「いらぬ、一生受け取っとけ!!」

 

「奴の名前を言うな!!!」

 

始まる銃撃戦、だが処刑人の武器は銃だけではなくその手に持った剣とも刀とも言える物があり接近戦を仕掛けてくる。それを防ぐのが

 

「行かせぬよ!」

 

「進ませません!」

 

M1895と一〇〇式、二人は戦術人形にしては珍しく体術を会得しており銃を使った近接戦闘での攻防も司令部に居る他の人形に比べれば出来る方である

 

と言ってもそれでも処刑人相手では拮抗が精一杯であり、ある程度前進を防いでは下がり他の面々の射撃や榴弾で削るという戦術になる

 

「ちっ、うざってぇな!!」

 

「ぬおっ!?」

 

「きゃっ!」

 

だがダメージが蓄積しだし苛立った処刑人が本気を出し始めれば拮抗すらも叶わなくなり遂には吹き飛ばされ、追撃と言わんばかりに剣先を地面に擦るように振り上げれば衝撃波が走り二人を襲う

 

「ナガン!一〇〇式!!」

 

FALが叫ぶも土煙が酷く二人の様子が分からない、処刑人は確かに感じた手応えから仕留めたと思ったとき桜が舞い土煙から赤い影が飛び出す

 

「あ?」

 

「だぁぁぁ!!!!」

 

処刑人がそれに気づき声を上げた時には銃剣が自身の胸に深く突き刺さっておりその持ち主である少女【一〇〇式】はその状態のまま普段からは想像できない叫び声を上げながら銃爪を引き弾倉内の弾全てを処刑人に叩き込み弾切れと同時に飛び引く

 

WA2000の徹甲弾、FALと416の榴弾による爆発で装甲も剥がれていた部分に【桜逆像】の破壊された時の力で速度が上がった彼女の銃剣突撃、そこからのフルバーストに耐えられるわけも無く、処刑人はそのまま仰向けに倒れ、勝ったと確信しあとはジャマーを回収するだけだと場が緩んだ瞬間

 

《全員、その場から退避してくだs》

 

悲鳴にも似た指揮官の叫びは突如飛来したミサイルによる爆発音に遮られ周囲は爆炎に包まれた




急展開過ぎるけどそろそろCUBE作戦を畳みたいので次回、ウロボロス

M1895 システマとガン=カタ(何故、そして何処で会得したかは不明)

一〇〇式 総合武術格闘術

てか複数人出しても数人どころか殆どが喋ってないじゃん?戦闘描写薄すぎじゃん?はい、これが私の現状です……文才欲しい、毎日更新で数打つことしか出来ない私の才の無さが辛い

早く少数だけで済む日常ギャグを書きたいのじゃ……

今日のリアルCUBE作戦 特になし、お仕事ある日は帰る時間も遅くてやる体力が残らないのじゃ……


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CUBE作戦(仮)Session6

総力戦

ギリギリ!ギリギリ日刊更新したから許して!


彼女達はあのミサイルの爆撃にあった時に【一〇〇式】のダミー全てを使っての【桜逆像】とウロボロスの攻撃にいち早く気付き既の所で合流を果たした第六部隊の一人【トンプソン】の【フォースシールド】で全員が無事逃れ、爆撃地点から少し離れた所で潜伏している。現在は404小隊全てのダミーに擬似信号を出させて撹乱し現状確認と敵の情報を聞きどう打破するかの話し合いが行われている

 

「第一部隊は弾の消耗も激しく【一〇〇式】のダミーは全て消滅、本人も負傷し先ほどみたいな前線に出ての戦闘は難しい、そっちはどうじゃ」

 

「第六部隊は交戦はなかったので消耗は何も、ただ【トンプソン】のダミーが全て先程の爆撃を防いだ時に消滅したくらいです」

 

「404は大体、第一部隊と同じだね、強いて言うなら全員のダミーが囮に出したからもう無いよって位かな」

 

聞けば聞くほど頭を抱えたくなる状況だがそうもしてられないとM1895は思考を巡らす、無論、第六部隊隊長の【M4A1】と404小隊の隊長【UMP45】も考える、指揮官との通信も流石にあの至近距離の爆撃で全員の通信が行かれるという不運が襲いうんともすんとも言わない

 

更に言えばこの辺りも包囲され撤退すら許さない状況、こうなると自然と手は少なくなってくる

 

「思い切って、ウロボロスを撃破してみると言うのはどうでしょう?」

 

「何を馬鹿な、と言いたいがそれが良いかも知れぬな、このままでは数で押し殺されるがオチじゃからな」

 

「秘密作戦だとかもう言ってられなさそうだしね、それならそれで行こう」

 

隊長三人がそう決めたことにより、メンバー全員が集められ今後の方針でそれを話せば少々の動揺すら無く静かに頷く。新兵ではない彼女達もそれが一番生き残れる可能性が高いと考えていたのだろう、それから改めて全員が弾薬の残りを言っていく

 

「戦うのは良いけど、榴弾はあと三発しか無いわよ?」

 

「私も三発しか無い、処刑人で使いすぎた」

 

「フルで残ってるよ、どんなやつでも木っ端微塵!」

 

「徹甲弾だけど、今入ってるマガジンと予備が一つで終わりよ」

 

特殊弾頭系はこんな感じで、あとの通常組も第六部隊を除けば今装填済みのマガジンと予備が一つという状況

 

続いてそれぞれの負傷具合を見ればさっきM1895が言った通り【一〇〇式】はミサイル爆撃から身を挺して全員を守った為に一部が【桜逆像】が消滅後に爆発に巻き込まれ戦闘はできなくはないが前線は難しい感じの怪我を負ったくらいであとはほぼ無傷、そして出された案が

 

「やつは補給、及び状況確認のために司令部に戻るはず、ならそこを」

 

「伝家の宝刀と化している奇襲、あとはもう流れか」

 

「あとはWA2000、貴女に頼みたいことが」

 

「私?良いわよ、何かしら」

 

こうして作戦も立てられ、場所を決め、配置も完了した。そして司令部に続く道、その少し開けた場所にウロボロスが通り掛かったとき

 

「くたばれ!」

 

UMP9の言葉と共に火蓋が切って落とされた。前衛組である【UMP9】【UMP45】が躍り出て銃撃を浴びせながら接近、少し間をおいて【M1895】【トンプソン】【M1911】が後に続き飛び出て攻撃を始める

 

「合わせなよ、9」

 

「そっちが合わせなよ45姉」

 

「ちっ、奇襲とは相変わらず汚い手を使うな404小隊、それにグリフィンの人形も一緒か、纏めて殺してやるよ!!」

 

ウロボロスの腰に装着されている機械がガチャンと音を立てればミサイルの発射口と側面から銃口が現れ銃弾が発射される、UMP姉妹はそれを躱しつつ踊るようにウロボロスの周りを駆け巡り時に銃弾、時に肉弾戦を繰り広げる

 

後からの三人も負けじと銃撃を加えつつ、二人の隙きを埋めるように動きM1895に至ってはシステマとガン=カタを駆使して接近戦を仕出している

 

「小賢しい!」

 

「おっと、危ないっガハッ!?」

 

「9!!」

 

接近戦を仕掛けていたUMP9が避けたと思ったウロボロスの攻撃に引っかかり地面に転がる、その隙きを見逃すはずもないウロボロスは銃口を彼女に向けるが

 

「させません!ほら、早く立ってください!」

 

「ありがと!」

 

直ぐ様M1911が妨害射撃に入りウロボロスが怯んだ時に後転しつつ起き上がって退き際に銃撃、ダメージはそこまでではないがうざったくは感じるウロボロスは怒りの目を妨害してきたM1911に向け今までとは違う速さで構えからの射撃を開始

 

(直撃!?)

 

「下がってな!」

 

駄目かと思った彼女の前に【トンプソン】が現れ左腕に銃弾を受ける、勿論負傷するはずなのだがそんなの気にする様子もなくお返しだとばかりに愛銃をぶっ放し更にはそのまま駆け寄り右を振りかぶって

 

「どぉぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!」

 

「グファ!?」

 

「豪快じゃな!?じゃが今じゃ!M4!!」

 

「全員構え、撃って!!」

 

「命令しないで!!!」

 

ウロボロスが完全な隙きを晒した瞬間、後衛で隠れていたAR組が一斉に銃撃を開始、M4の号令に416がなにか反論するが素直に射撃はしてくれるので全員気にしてない

 

更にまだ潤沢に榴弾を撃てる【M4 SOPMODⅡ】が先程まで満足に戦闘も出来なかった鬱憤を晴らすが如く榴弾をぶっ放していき

 

「喰らえ……!」

 

「消えて……!」

 

【9A91】の夜戦時は更に上る火力と【G11】の容赦ない射撃でウロボロス周囲は爆煙と土煙に包まれる

 

それを更に後ろで見ているのがスコープを覗いている【WA2000】と彼女の護衛として後方待機している【一〇〇式】

 

「大丈夫、ですよね」

 

「当たり前でしょ(チャンスは一度、良い確実に当てるのよ私)」

 

彼女はM4が立案した作戦のために此処で待機しているのだ、そして煙が晴れればそこにはボロボロながらもそれでも憎悪の目だけは光らせたウロボロスが自身の装備を構え

 

「殲滅してやる、お前たち全員、殲滅してやるよ!!!」

 

「今!」

 

叫びとともにミサイルを発射した直後、その数秒前にWA2000が放った徹甲弾が発射口から出たばかりのミサイルの弾頭を撃ち抜く、それはつまり

 

「!!??くそ、が!!」

 

凄まじい爆発と爆煙、だがあの状況で辛うじて一つだけ生き残っていた発射口からミサイルの一発がWA2000の居る所に向け飛んでいく、それに気付いたWA2000だが回避が間に合わないと思ったとき赤い影が彼女の前に立ちはだかり何かを展開したと同時にミサイルが着弾、爆発に目を閉じた彼女が目を開けばそこにはボロボロの姿の一〇〇式、あのミサイルを【桜逆像】で防いだはいいが防ぎきれなく爆炎を受けた彼女の体は火傷等を負っていた

 

「はぁ……はぁ……だ、大丈夫、ですか?」

 

「ばっ!?何無茶してるのよ一〇〇式!!」

 

「わ、私は平気です、それより敵は!」

 

WA2000がスコープを覗けば、そこに写っていたのは事切れたであろうウロボロスが倒れ伏す瞬間

 

「のう、416、これでやつがまた起き上がったらどうする?」

 

「逃げるわよ、貴方達を使ってでも」

 

そりゃ名案じゃなと冗談を言い合ってるが起きる様子がない、ウロボロス沈黙。全員が最低限の警戒をしつつも息を吐いた




なげぇ!!

戦闘シーンはほら、ルパパト思い出したらそんな感じにしようとして失敗した。トンプソン姉貴に殴らせたのは趣味

次回かその次でCUBE作戦(仮)も終わりだよ

リアルCUBE作戦 残業二時間とかして小説書いたらこんな時間だよ!!やれないよ!!


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CUBE作戦(仮)Session7

帰還するまでが作戦です


辺りを包む静寂、ウロボロスを倒したことによって生まれた余裕でふとFALが気付いた。あれだけ包囲していた筈の敵が何故あの戦闘時に来なかったのかと

 

それだけじゃない、あまりにも周りが静か過ぎる。こういうときこそ指揮官との通信をしたいが通信機は未だノイズの一つも音を出さない、他の面々も警戒しているがそれでも不安は募る

 

(なにかマズイことの予兆じゃなければ良いのだけど)

 

がFALのそんな不安も重傷一歩手前の一〇〇式をおんぶしながら合流してきたWA2000の姿で霧散する

 

霧散すると言うよりそれ以上に一〇〇式の怪我の度合いが予想よりもすごくそっちに気が行ってしまったというのが正しい、なにより狙撃手たる彼女がこうやって合流したということは一応の安全は保たれているということになる

 

「全く、通信機が使えないと不便ね……」

 

「あ、あの、歩けますから」

 

「黙っておぶられてなさい、歩かせたら亀でしょうが」

 

「あう、ごめんなさい……もっと上手く防げればよかったのですが」

 

「怒ってないわよ、ただ、今のアンタに歩かせるのが嫌なだけよ」

 

何とも微笑ましいやり取りにFALは声をかけるのを止めようかとも思ったがここは一応まだ戦場なのと一〇〇式の怪我の度合いを正確に知りたいので二人に近寄れば、彼女の怪我はよく見れば見るほど酷く人工皮膚は熱気で溶けかけており内側のパーツも若干見えかかっており、脚の方もただ歩く分には問題なさそうだが戦闘行動となると誰もが無理だと判断できる程だった

 

「WA、一〇〇式は大丈夫なの?」

 

「は、はい。大丈夫です」

 

「何がどう大丈夫なのよ、見ての通り、ミサイルを防いでくれたは良いけどもう戦闘も歩行も難しいわね、できれば早く戻って治療させるべきよ」

 

「さっきのミサイルは見てたけど思った以上ね……ほら、とりあえずこれ羽織っておきなさい」

 

フワッといつの間にか近付いていたAR-15が一〇〇式に自身の上着を羽織らせる、それからWAにFALが聞こうと思ったことを聞く

 

「WA、周りの敵がどうなったか分かる?」

 

「警戒はしてた、でも私の更に後ろやウロボロスと戦った場所の周囲にも気をつけてたけど全く無かったわ」

 

「……あの、ウロボロスと皆さんが戦闘を始めた直後くらいにそこからではない戦闘音を私聞きました」

 

怖ず怖ずと一〇〇式が発言、それはつまり別の戦闘可能な誰かが居たということになり一気に緊張が高まり、とにかく部隊長には知らせるべきだと残りの弾丸をリロードしていたM1895を呼ぶ

 

「ナガン、ちょっといいかしら!」

 

「む、なんじゃ?なにか緊急事態か」

 

「私達とは別の戦闘可能な誰かがウロボロスと戦ってる時に周りの敵と戦闘してたみたいよ」

 

「ふむ、404、心当たりはあるか?」

 

「無いねー、私達も秘密作戦として此処に来てるから他の部隊はあり得ないよ」

 

「だとしたら誰じゃ……指揮官からは、包囲を崩すために出してくることも考えられるがそれなら一箇所ではなく複数箇所からになるはずじゃ」

 

各々が悩んでいるとガサッと草をかき分ける音が響き全員が反射的に銃を音の方面に構える、WAは一〇〇式をおぶっている関係上、後ろに下がっている

 

歩く音とそれに伴い草をかき分ける音が大きくなり始め、そして現れたのは一人の戦術人形、ハイヒールブーツを履いた女性が一歩前に出て

 

「待って、敵じゃないわ」

 

「それは有り難いわね、敵だったら弾無しの銃を投げつける所だったわ」

 

女性の言葉にUMP45がそう返答すれば警戒は解かれていないと感じたのか、徐に通信機を取り出しスイッチを入れれば

 

《繋がった!?みんな無事!?》

 

「指揮官!?」

 

「これで信頼してもらえるかしら?」

 

聞けば彼女はこの地区のグリフィンの生き残りである【OTs-14】(本人はグローザと呼んでくれといっている)、更に言えば【SPP-1】が逸れたと言っていた戦術人形その人だ。彼女はウロボロスの爆撃を目撃したとき、他に三人の戦術人形を引き連れM1895たちが戦いやすいように他の敵の陽動をしていた、一〇〇式が戦闘音がそれだ、指揮官とはその陽動作戦前にグローザから繋げ彼女の指示の下、作戦を遂行していた

 

話を聞き漸く警戒を解かれ指揮官と情報交換を行う、404は404で別の通信機を借りてグリフィン本部と話している

 

《皆の識別信号は出てたから通信機が壊れたんだとは思ったけど、まさか皆のが壊れるなんて思ってなくて焦ったよ……じゃあウロボロスが制圧してた司令部に向かって、そこに輸送ヘリを待たせておくね、此処への帰還をもってCUBE作戦の完了とします》

 

「うむ、あ、一〇〇式の治療の手配も頼むぞ。それと404は」

 

「ああ、こっちはこのまま本部に戻って報酬をたんまりと要求してこなきゃいけないから、別の飛行場にヘリ呼んじゃったよ」

 

ジャミング装置は、まぁ残念だったけどと苦笑いを浮かべる。装置は第六部隊が回収寸前のところだったのだが件のウロボロスの爆撃で行方知れずとなってしまった

 

「だ、そうじゃ。グローザ、お主は?」

 

「404が用意したヘリで司令部へと戻るつもりよ、縁があればまた会いましょう」

 

《みんなここでお別れって感じだね》

 

「じゃな、ではな404、グローザ、また会うとすれば……間違いなく面倒事じゃな巻き込むなよもう」

 

「ははは~、それは約束できないかなって、ほら此処まで助け合った仲じゃん?」

 

懲り懲りじゃ、M1895の疲れたような呟きにクスッと笑みをこぼすUMP45、その後404小隊とグローザと別れ司令部の輸送ヘリに乗り込み、これにて長い夜、CUBE作戦は幕を閉じる

 

(……聞くに聞けなかったとは言え、あやつらのジャミング装置ではないもう一つの作戦の目的はなんだったんじゃ)

 

ほんの少しだけの謎を残して、夜は静かに明け始める




入れようとした話が入んなかったのでSessionEXに繋がります

グローザさんはちょい出し、多分イベント完走できるからお迎えは出来るはず(スパイダーマン購入しながら)

明日の分書き終えたら、次はどうしよ、ハロウィンでもやる?

リアルCUBE作戦 だから二時間残業はやめロッテ!!!(悲鳴


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CUBE作戦(仮)SessionEX

『普通ではない』が『普通』


ここはグリフィン本部の【ペルシカリア】の研究所、片付けが禄にされていない部屋でコーヒーを飲みながら佇むように立っている影

 

「……」

 

研究所の主であるペルシカは先程連絡を受けて、その人物を待っていた。連絡から数十分と経った所で扉がノックされる

 

「開いてるよ」

 

「失礼しますねーってうわ、凄い部屋」

 

「君、結構失礼だよね」

 

入ってきたのはサイドテールが特徴的の404小隊、隊長【UMP45】、入室早々のその言葉にペルシカは少々傷ついたという感じに呟く、心なしか猫耳も垂れ下がってるように見える

 

対してUMP45は悪びれる様子もなくはははと笑いながら普段は持たない鞄から書類の束を取り出せば、ペルシカの目が変わる

 

気怠げな目ではない、稀といってもいいレベルの真剣な目、これが態々自身の小隊である【AR小隊】ではなく傭兵部隊の【404小隊】に依頼した代物

 

「約束通り、でもごめんね、ちょっと読んじゃったよ」

 

「構わない、でも他言されるなら話は変わるよ」

 

「しないよー、した所で消されるの私達だし?」

 

でもまぁ書かれてること言った所で信じる人なんか居るのこれ?と付け加えながら彼女は書類の束を持ったままその場から動こうとしない

 

不審に思うペルシカだったがすぐに相手の用件に気づけた、やれやれと言った感じにため息をつきつつ

 

「……言い値で構わないよ」

 

「いや、私が要求するのは金銭じゃない」

 

「え?」

 

想定外の返答に固まるペルシカ、彼女達は傭兵部隊である、ならば常に金銭のやり取りでもして稼がなければ直ぐに枯渇してしまうはずのそれを蹴ってでも要求したい事が考え付かない

 

彼女のその反応が面白かったのかUMP45はクスッと軽く笑ってから、弧を描いた口元を開く

 

「私が要求するのは、【彼女】との繋がり、今後404小隊(わたしら)が今回のような秘密作戦の際に指揮をしてもらえるようにちょっと連絡を自由にさせてもらいたいことだよ」

 

戦力はいらないよ、まぁ今回みたいにグリフィンが許可したなら喜んで使うけど。と付け足しながら書類で遊ぶ、一方のペルシカはその提案に深く思考を巡らしている

 

もし繋がりを許可した場合、彼女への負担が大きくなる、それに下手に関わらせれば間違いなく目をつけられるし何より

 

「それはヘリアンの管轄、じゃないかな」

 

「だね、でもそれじゃあ当たり前に蹴られる、それに向こうからはもう報酬はたんまりと貰っちゃってるからさ。でもペルシカなら裏回線とかあるでしょ?」

 

「私に共犯になれと?」

 

「あははー、確かにそうとも取られるね、所でもし彼女に危険がとか心配してるなら尚更この要求呑んでくれないかな?」

 

スッと笑みを浮かべた細目を薄く開けペルシカを見据えれば彼女はこれは脅しだと気付く、もしここで駄目だと言ってもUMP45は【彼女】と連絡を取るだろう、彼女達だって傭兵部隊で秘密作戦を主とする関係、盗聴されにくい通信をするだろうが完璧ではないし、そもそもグリフィン本部を通してない以上、協力したとなれば404ではなく【彼女】に何らかの制裁が加えられる可能性もある

 

だがもしペルシカが後ろ盾として許可をしてあるとすればそれが無くなるしそうしてくれるなら自分たちも今後も協力しよう、つまりそう言いたいのだUMP45は

 

「どう?駄目かなやっぱり」

 

「……ふぅ、分かった、これ持ってって」

 

机の棚を開けてガサゴソと何かを探してからぽいっと投げ渡されたそれを受け取る、見た目は普通の通信機と変わらない

 

「それなら完全に秘匿されてるから通信しても大丈夫、ヘリアンには……出来るだけバレないようにして、こっちで根回しはしてみるけど」

 

「取引成立、ま、そんなに頻繁には頼らないよ私達の勘も鈍っちゃうし、でもまぁあの目は便利だねっととあんまり皆待たせると撃たれそうだし失礼しますっと」

 

「便利、ね。私が言うなと言われそうだけどあんな計画、よくやろうと思ったよ」

 

UMP45が退出した後、ペルシカは受け取った書類に軽く目を通しながら呟く、あんな計画、鉄血が万が一を想定して行われた【対鉄血指揮官製造計画】

 

上位AI【エリザ】が暴走し鉄血製の戦術人形が敵に回った場合を想定され作ることを計画されていた戦術人形の様な戦闘能力はないが彼女達の全てを無力化しコアに反応する【目】を持ちそれによって即時鎮圧をしようという計画

 

適合できるのが【生身の人間】のみの特異的な能力の人工眼の植え付けを副作用すら禄に検証もせずに行い、結果、適合確率も酷いものだったらしく集められた孤児の少年少女数百人が『ほぼ』全員死亡、だが運良く適合したものが一人おり、その人物は後に一度経過観察として街の養子を求めていた家族へと送られる、その後回収されるはずだったが蝶事件で鉄血工造は壊滅

 

価値観は実験の所為で人形寄りになり、目に映る人間が人間に見えず、人形が人間に見えるのが『普通の価値観』として植え付けられてしまったその子供は周りに変だと言われ続け、だが既に固定された価値観が曲げられることもなく生き

 

「普通なら廃人になるか気が狂う、だけどその光景が『普通』なら狂いようも廃人になる要素も無い。私が拾ったのは本当に気まぐれだよヘリアン」

 

バサッと雑に机の上に放り投げられた書類には幼い少女の顔写真、名前も過去の経歴も全てが真っ白にされた少女、無表情のいっそ人形だと言われたほうが信用できる顔の写真にペルシカは何を思い出したのかフフッと笑い

 

「今度は……最中というのを送ってみようかな。羊羹は好評だったみたいだからね」

 

猫耳はピョコピョコと楽しげには動いていた




これにてこの小説でのCUBE作戦(仮)閉幕、明日からの更新はほのぼので日常に戻れるよやったね私(満身創痍

Q つまりどういうこと?

A フレーバーテキスト、これは書いておけばなんか今後役立つかなって(無計画)

Q 上位AIの暴走時に無力化出来ましたか?

A 出来たらこの物語無いけど……

404との繋がりは今後の大規模イベで改変しながら介入できそうなら書こうと思ったのでこうしました

なんかもう設定増々にしすぎてこれもう分かんねぇな(日常ギャグとほのぼので誤魔化し続けろ)

リアルCUBE作戦 ドロ限は投げ捨てたけど完走しました焔薙UC


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黒い悪魔襲来

因みに答えはエアコンからの侵入


CUBE作戦も終わり、平穏な日常が戻った司令部……しかしその平穏は朝早々にぶち壊される

 

「~~~~~!!!????」

 

その平穏を早々にぶち壊されたのは指揮官の自室、現在は戦場と化していた、否、戦闘にすらなっていない、ベッドの上にて寝間着姿でガタガタ震えながら小さいながらも強大な侵入者に怯える姿は弱者そのもの、一応手に分厚い本を持っているところを見るといよいよとなれば抵抗するかも知れないが出来ないかも知れない

 

小さいながらも強大な侵入者、台所に限らず何処でも現れ、人類に奇襲を仕掛けては精神面に多大なダメージを与えてくるソイツ、通称【黒い悪魔】

 

その見た目だけでも嫌悪するがノーモーションからの超加速、高さを取られれば滑空と言うなの体当たりすらかましてくるコイツに指揮官は目覚めて数秒で出会ってしまったものだからパニックを引き起こし声すら上げられていない

 

(なんでなんでなんでなんで!!???何処から!?え、外!?でも窓閉めてるし!!??)

 

思考も任務中の彼女は欠片も見られず、兎に角この状況から脱したいがそもそも奴陣取ってる場所が扉、指揮官との距離はそれなりだが出ることが叶わない、つまり今ここでどうにかしなければならないのだ

 

ならないのだが、指揮官は大の虫嫌いであり、黒い悪魔はランキングトップを独走する存在、もし手元に通信機があったなら手当たり次第に叫んで助けを呼ぶレベルで嫌いなのだ

 

幸いにも黒い悪魔はまだ動きを見せていない、まぁそれが彼女を更に恐怖させているのだが

 

(どどどどどどうしよう、うぅ助けておばあちゃん……い、いやいつまでも頼ってちゃダメだ私!!)

 

ほんの少し冷静さが戻ってきた彼女は均衡状態の今、何とかやれることを模索しだす、そこで閃く(錯乱中)近づけないならこの手元の分厚い本をぶん投げてそれで倒せば良いのではと、繰り返すが冷静さはほんの少しで残りの殆どは錯乱中なのは変わりない

 

が本人はこれが最善策だと思い込んでいる為、やってやると覚悟を決め振り被り渾身の力を持って投げた時、悲劇は起こった。指揮官の珍しく発した殺気に反応したのか黒い悪魔はその羽根を広げ聞くだけで鳥肌が立つ羽音を響かせながら

 

「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

指揮官へと飛行という名の滑空で突撃してくるのを間一髪で回避、結果的に扉の方へと行けた指揮官は恥も外聞もなく扉を開け放ち、敵前逃亡を開始、既にガン泣き寸前である

 

逃亡してからそんなに掛からずに彼女は直ぐに助けを見つけた、金髪の編込みで一本に纏めても尚腰まで届く長い髪を靡かせ、ハイヒールブーツを履いて歩くその姿はまさに大人な女性と言った感じの戦術人形【OTs-14】CUBE作戦後、縁があればと言っていた彼女だったがその縁はすぐに訪れこの司令部に配属された

 

とにかく今この状況で最大の戦力を見つけた指揮官が次に起こした行動は勢いそのままに

 

「グドォォォォォォザァァァァァァ!!!!」

 

ガシィ!!

 

「きゃっ、って指揮官?どうしたのよそんな酷い顔して、ああ、ほら」

 

「ふぐっ、ご、ゴキブリがわだじの部屋にぃぃぃぃ」

 

腰にタックル紛いの抱き着きをされてもそこは戦術人形、バランスを崩すこともなく耐えて何事かと振り向けば寝間着姿で涙と鼻水でグチャグチャな顔を晒す指揮官、とりあえず先に手持ちのハンカチで顔を拭いてあげてから事情を聞けば涙声ながらも出た言葉で事態を察したグローザは優しい笑みを浮かべ

 

「出たのね、分かったわ任せなさい」

 

何とも頼り甲斐のある姿のグローザに指揮官は大人の女性って凄いな-とゴキブリ一匹で大パニックになってた自分と比較してちょっと凹んでいた

 

指揮官の自室へと戻る途中、二人は、と言うよりグローザから指揮官を落ち着かせようと会話を振っていた

 

「それにしても作戦中の指揮官を知ってる身としてはゴキブリでここまで錯乱するなんて可愛らしいわね」

 

「ゴキブリだけじゃない……私、虫全部が嫌い」

 

「蝶とかもかしら?」

 

「うん……」

 

「お、思ったより深刻ね」

 

ごめんね、こんな情けない指揮官でと言葉にしなくても雰囲気で分かるくらいに沈んだ指揮官の頭にポンっと手が置かれる

 

「大丈夫よ、まだ配属されてそんなに経ってないけど分かるわ、それが貴女の良い所、何時でも作戦中の貴女だったらきっと司令部もこんなに平和な雰囲気を出せたりしないわ。みんな、貴女が幸せな顔してるから作戦を全力で当たるし日常をのんびり噛み締めているのよ」

 

グローザからの言葉にキョトンとしてからにへらと顔を緩ませる指揮官、いっそ二重人格とか言われないかしらこの子と思っていると今度は指揮官の方から質問が飛んでくる

 

「グローザにはさ、苦手な物ってないの?」

 

「私?まぁ、あると言えばあるかしら仕事と休憩の分配が苦手ね、偶に寝不足になったりもするわ」

 

「……グローザってその辺りはしっかりしてるものだと思ってた」

 

「どんな存在でも完璧なんてあり得ないのよ、さて着いたわね待ってて頂戴直ぐに片付けてくるわ」

 

いってらっしゃ~いと手を振りグローザが部屋に入っていく、何か聞こえるわけでもなく数十秒としない内に黒い悪魔は処理され指揮官の部屋に平和が訪れた。余談だがここで一匹見たら沢山居るという話を思い出した指揮官による黒い悪魔粛清命令が出され司令部には一時的に黒い悪魔は姿を消したのであった




CUBE作戦編で変に真面目な話ばっかり書いてたので今回はリハビリでこんな感じに、あとグローザさん出したかった。あとグローザさん、少なくても今その場面の指揮官は幸せの欠片もないと思うんですよ(セルフツッコミ

黒い悪魔は本当に嫌い、見つけ次第殺虫剤ぶちまけてでも処理するべき存在だと思ってますよ……

今度のアプデでG36CとSVD来るんですかやったー!!!!ってなってたら誓約衣装とか言うウェディングドレスのスキン来るんですかやったー!!!!ってなる指揮官が居たけどナガンは?ねぇナガンおばあちゃんには無いんですか!!


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奥手な向日葵と巻き込まれキャット

百合なんだがそうじゃないんだが分からないお話(作者基準


スプリングフィールドが趣味で開いているカフェ、一人ということもあり品数はそんなに多くはないがコーヒーとマフィンが絶品でありそれだけでも十分だというのが此処に来る戦術人形達と指揮官には大好評のカフェだ

 

さて、そんな憩いの場として主に使われるカフェに今回の主役は居た、片方は真剣な面持ちでコーヒーを見つめる【PPK】とそれを何とも気怠そうに見ながら紅茶を飲む【IDW】なにかとセットが多い二人だ

 

こうなったのはPPKが相談があるとIDWにしたからなのだがここに来て数分、まだその相談を彼女の口から話されていないのだ

 

「PPK、相談って何にゃ?」

 

「実は、その、指揮官の事ですの」

 

いよいよ痺れを切らしたIDWが一応真剣な声で聞いてみればPPKも覚悟が決まったという顔でそう返してくる、しかし指揮官の事と言われてもIDWにはイマイチピンと来ない、何か問題起こしたのかあの指揮官と考える素振りもないところからも彼女の信頼度の高さが伺われる

 

「で、指揮官がどうしたにゃ」

 

「指揮官『が』と言いますか、その、なんと言いますか……えっとつまりですね」

 

煮え切らないPPKの言葉に若干イライラが募りそうになるが優雅が代名詞なPPKがしどろもどろになってるのを見れたので±0としてとりあえず相手が話を続けるのを待ってみる

 

数十秒とそんな感じにしどろもどろしていたが深呼吸をしてからコーヒーを一口飲んで気持ちを落ち着かせたPPKはそっと相談の内容を話す

 

「その、指揮官ともう少し仲を深めるにはどうしたら宜しいのでしょうか」

 

頬を赤らめながらそんな事を言ってくるPPKにIDWの顔に出てきたのはなに言ってんだこいつと言う表情、それはもう絵に描いたような呆れ顔である

 

無論、言ってる意味が理解できなくてでは無く理解できた上で何を言ってるんだこいつという感情である。思わず頭痛が軽くした彼女だったがとりあえず聞き間違えもありえないのでもう一度PPKの口から言ってもらうことにする

 

「あ~、え~、すまん、もう一回言ってくれにゃ」

 

「ですから、指揮官ともう少し仲を深めたいのです、そのためにどうすればよいのか意見を貰いたいのですわ」

 

一度言い切ったからなのか二度目はすんなりと出てきた言葉はさっきと変わらない、つまりIDWの聞き間違えではなく正しく聞き取れていたのだ。そしてそれでも二度目でも恥ずかしいのか頬を赤らめたPPKを見つつIDWはふぅと息を吐いてからカウンターに居るスプリングフィールドに向かって

 

「マスター、ウォッカくれにゃ」

 

「申し訳ございません、時間外です」

 

「ちょっとどういうことですの!?」

 

「酔ってなきゃ聞いてらんないってことにゃ!!」

 

IDWのあんまりな言葉に声を荒らげるPPK、だが彼女からすれば同僚が真剣な面持ちで相談があると聞き来てみればまさかの色恋沙汰、流石のIDWもこればかりは酔いたくなる話である

 

「あたくしは真面目に話してるのですわ!」

 

「真面目なのが伝わってるからこっちはこういう反応なんだにゃ!」

 

「お二人とも、お静かに」

 

「「あ、ごめんなさい(にゃ)」」

 

スプリングフィールドの若干ドスの利いた声で頭が冷えた二人は一旦小休憩としてそれぞれ飲み物を飲む、落ち着いた所で

 

「まぁPPKの相談の内容はわかったにゃ、でもなんでそれを私に聞くにゃ」

 

「それは、聞けるのが貴女位でしたし」

 

「うーむ、まぁそれならそれでいいにゃ、で具体的には指揮官とどうしたいのにゃ」

 

「どうって、えっと、一緒にお買い物をしたりお食事をしたり、ですかね」

 

「今すぐ誘ってこい、指揮官なら二つ返事で頷いてくれるにゃ」

 

少々突き放すような言い方だがきっとこれが最適解にゃと一人うんうんと満足げにしているとPPKが焦った声で

 

「そ、それが出来たら苦労しませんわ……」

 

「は?」

 

「何の前触れもなく、いきなりご一緒に食事やお買い物に誘ってもその、指揮官も困ってしまうと思うのです」

 

本日、二度目の頭痛がIDWを襲った、PPKは指揮官が困るなんて言い訳を使ったが態度から見るに明らかに自分がその度胸がないだけである、有り体に言えば

 

「ヘタレにゃ」

 

「へ、ヘタレ!?」

 

「いやぁ、ヘタレなんてもんじゃないにゃ、あれだ、前に何かで見た言葉にこんなのあるにゃ【恋愛クソザコ】」

 

「恋愛クソザコ!?だ、は、え、誰が恋愛してるって話ですの!」

 

「えぇ……PPKが指揮官に惚れてるってもはや周知の事実にゃ、隠せてるつもりだったにゃ?」

 

その言葉にPPKが固まった、更にそこに知らないのは指揮官と一部そういうのに興味のない戦術人形だけにゃと付け足せばボフッと湯気が出そうな感じに顔が赤くなる、思わずIDWもこれは面白いと思うほどだった

 

だがまぁ、弄るだけでは同僚があんまりなのでとりあえずアドバイスを送ることにする

 

「PPK、大丈夫にゃ、いきなりでその時は駄目だったら指揮官は別の日を用意して楽しみにする人間にゃ。とりあえず言って見るだけ言ってみるのがいいにゃ」

 

「そ、そうでしょうか、いえ、そうですわね。分かりました、誘ってみますわね」

 

んじゃ今から行けにゃと言ってみればどうやら吹っ切れた彼女はええ、言ってきますわと席を立ち執務室へと消えていく、その足取りはスキップが混ざってる感じだった

 

「やれやれにゃ、何もPPKは焦る必要は無いのにゃ」

 

「と、言いますと?」

 

「この司令部にあいつ以外に指揮官をLOVEの意味で好きって思ってるのが居たかにゃ?」

 

「……確かに、私も含めLikeですね、それも妹とかそういう」

 

つまりそういう事にゃ、紅茶を飲みながら彼女の目下の問題はそもそも指揮官がノーマルという部分だろうとその場では彼女に教えなかったことを頭の中で思いIDWは笑みを浮かべたのであった

 

余談だが、後日PPKと指揮官は街に買い物に出ることに成功したらしい、が勿論、只の女友達との買い物のノリだったと記しておこう




簡易キャラ設定
【PPK】 
現状で唯一の指揮官LOVE勢、しかし凄く奥手、IDWには恋愛クソザコだったり言われる。指揮官は恋愛の価値観は普通なのでどうにかして振り向かせたいがそれを無理にしては笑顔が曇りと思い込んでおり中々踏み込めないでいる

もうさ、PPKちゃんにはこの路線を走ってもらうことにしたよ、だからよ(キャラの暴走)止まるんじゃねぇぞ……いや、まぁ、ほら、うん、なんでこうなったかは私にも分からん(メタルマン並感

これ百合?(感覚がわからない作者

あ、連続更新一ヶ月目ですやったね


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魔性で魅惑のぷにぷに

卑猥は一切ない


いつもの司令部、本日の業務を終えた第四部隊、部隊長【UMP45】は気ままに散策していたのだが少し喉の渇きを感じたので休憩所に向かう

 

「ふんふんふ~んっと、む?」

 

休憩所に着いた彼女の目に写ったのは何とも珍しい光景、見た本人も驚いたが和む光景でもあるので笑みが溢れる

 

その光景とは、ベンチに指揮官が座りそのままの体勢で居眠り、それだけならいつもの光景で済まされるのだが両膝には【G11】と【一〇〇式】が同じように枕にして寝息を立てていた

 

G11は一日の大半を寝て過ごせる存在なので寝てても不思議ではないが一〇〇式がこうも油断しきった寝顔を晒しているのはUMP45にしては珍しい光景でそれで驚いたのだ、更に彼女から言わせれば

 

「指揮官が膝枕してるのって私、初めて見たかもね~」

 

呟きながらコーヒーを自動販売機から買い、それからそっと音を立てずに寝ている三人に近づく、やはり司令部で指揮官の側というのだが安心してるのか普段の一〇〇式であれば気配に気づき起きても可笑しくない距離であるはずなのに全く起きる気配がない

 

三人の気持ちよさそうな寝顔を眺めていた彼女だったが、ふと指揮官のほっぺに視線が行く

 

(前々からちょっと思ってたけど指揮官のほっぺって柔らかそうだよね、確か前にFALに話したら病み付きになるって言ってたっけ?)

 

それを思い出した彼女、慎重にだが素早く指を動かして指揮官のほっぺを突いてみれば、思わず感嘆の声が上がってしまう

 

確かに見た目通り柔らかい、だがそれだけではなく張りもありまるで幼子の肌を触っている感触だった

 

(これは想像以上、確かに病み付きになるね。へへへ、うりゃうりゃ)

 

ツンツンと何度も突いても起きる気配はなく、何が面白いのか、にへへ~と緩い笑顔になる指揮官、それを見て相変わらず毎日が幸せそうなことでと笑いながら呟く

 

何度か突いてる内にふと思う、今寝てる二人のほっぺもどんな感触なのだろうかと。思い立ったが吉日とばかりに先ずはG11から触れてみる

 

(おぉう、え、すっご、指揮官は子供みたいだったけどこれ赤ちゃんの肌みたい、いや実際の赤ちゃん触ったの過去に巡回任務のときの一回だけだけど、でも気持ちいいー)

 

ぷにぷにと触り続けても飽きが来ない感触に感動するUMP45、そして残り最後は滅多にこんな隙を晒さない一〇〇式、先の二人よりも更に慎重に指を運んでいき、そっと触れる

 

(……大福!二人と違ってちょっとモチッとした感じね、でも良いわねこれも)

 

これ他の子も気になっちゃうなーと思いつつほっぺを突くのを止めない、それほど三人のほっぺが魅惑的であり一度突けば何度も突きたくなってしまう程魔性なのだ

 

そしてそれほど突かれながらも身動ぎ程度しか動かない三人、あまりに警戒心が無さ過ぎではなかろうがと流石の彼女も心配になる、が今この時はだからといって止めるつもりは無いようで突いていると

 

「部隊長?」

 

偶々UMP45が目に入ったのか、それとも彼女と同じように飲み物を飲みに来たのか分からないがFG42が不思議そうな声で彼女に話しかける

 

「ん?あ、【FG42】じゃん、三人のほっぺ突いてるんだよ」

 

「え、指揮官……それにG11に一〇〇式まで、ほら起きてください、こんな所で寝ていては……」

 

「はいはいは~い、ストップ、起こす前にさ、ちょっとほっぺ突いてみ」

 

「何を言ってるのですか、そもそも指揮官に貴女は何をしてるのです」

 

基本的に生真面目な彼女は寝ている三人、特に人間である指揮官は風邪を引くと洒落にならないので起こそうとすればUMP45が止めに入りそう提案する

 

が委員長基質FG42は呆れ気味にそう言い返し、逆に部隊長に呆れ顔を返せば、UMP45は負けじとニヤリと笑い

 

「突いて尚、そう言えるのなら起こせばいいよ」

 

挑発した、基本的に生真面目な彼女だが更に根っこは妙な負けず嫌いが存在し意外かもしれないが煽られると直ぐに乗りやすい、つまり

 

「……一度だけですからね」

 

「一度で済めば良いね」

 

何を言ってるのですか、突きながらそう言い返してやろうとした彼女だったが口が開かなかった、指揮官を突いた瞬間、口には出さないが負けを認めたのだ

 

「どうしたのかな~FG42?」

 

「こ、こんなの反則よ」

 

「そうだね~反則だね~、所でそこの二人も突いてみて、感触の違いが良いよ」

 

陥落したFG42は言われるままG11をそして一〇〇式を突けば、端から見ても顔が綻んでいるのが分かるくらいに嵌ったと確信できたUMP45、そうして暫く二人で感触を楽しんでいると今度は

 

「何しとるんじゃお主ら」

 

「副官!?あ、いえ、これはその」

 

「やっほー副官、いやぁ感触にハマっちゃってね~」

 

流石に二人で突いてる所は目立つのかM1895が声をかければFG42はしどろもどろになりUMP45は悪気もなく笑いながら白状する

 

彼女の言葉でなるほどのうと頷いてから指揮官に近付けば一度突いてから

 

「分からんでもないがのう、何か特別なことしてるわけではないというのにずっとこんな肌じゃからな」

 

「特別なケアしてないんだ、え~卑怯でしょそれ」

 

「いえ、人形の私達がそれを言いますか?」

 

「人形でも手入れはせぬと荒れるのじゃ」

 

M1895の言葉にえ、となるFG42。だよね~と笑いながら頷くUMP45を尻目に流石にこれ以上は指揮官の体が痛み始めると判断した副官

 

「ほら、起きぬか、お主でも風邪を引くぞ、二人もじゃ」

 

「ん、え、あ、おばあちゃん?それにFG42にUMP45?あ、そうだ寝てたんだっけ」

 

「ん~、あと5分」

 

「ふえ、あ、ご、ごめんなさい!すっかり寝ちゃいました」

 

三人(内一人はまだ寝るきらしいが)が起きほっぺの感触を楽しむ会はお開きになった。因みにだがFG42はその時の感触が忘れられずに月1で指揮官が昼寝するタイミングに現れては膝枕を提供しほっぺの感触を楽しむ姿があったとかなかったとか




G11とか一〇〇式とか絶対にほっぺ柔らかいしモチモチしてそうじゃん?(確固たる意思)M1895の手入れ云々は彼女自身がエステとか言ってるので多分そうなんだろうなぁって感じです、でも関係ないかも知れないね、わからないね

今回何が凄いって座って膝枕を提供した体制で熟睡できる器用全振りの指揮官だと思う、絶対体痛くなるぞこれ


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小さな幸せの絵描き人

少女はそれを描き続ける、いつかが来ても形を残したくて


朝、今日の食堂は何時もとは違う賑わいを見せていた。【m45】が朝早くからダミーまで使ってパンを焼き、バイキング形式で提供してるからだ、朝という丁度お腹が空く時間にパンが焼けるあの香ばしい匂いが食堂の窓から司令部全体に広がれば自然と大賑わいになる

 

各々が好きなパンを取り食べては美味しさに幸せそうに笑みをこぼす姿、それを食堂の隅とは言わずとも全体が丁度良く見渡せ、それぞれの顔もよく見れる場所に少女は居た

 

スケッチブックに鉛筆でその幸せな風景を描いてる彼女は【Super SASS】制服のような服にパーカーを着た少女は慣れているのか手早く絵を仕上げていく、と言うのも彼女の絵描きはここに来てから始めたものではなく此処の前の司令部から描き続けている

 

だが前の司令部は彼女が支援任務に出ている際に鉄血の襲撃で壊滅、暫くは本部に居たのだがつい先週、この司令部へと配属された。そんな彼女が描くのは曰く『小さな幸せ』今のような皆が美味しそうにパンを食べ合う風景、誰かと誰かが遊んでいる風景、動物がじゃれ合ってる風景、そんな日常に存在する当たり前のようでひょんな事で壊れてしまう風景を描き続けている

 

(あれ、指揮官居ないな)

 

料理の匂いがあれば気付けば居るくらいに食べるのが好きな指揮官がそれなりの時間が経っても現れない、どうやら仕事が立て込んでいるのかなと彼女が思っていると二人ほどの走っている足音と声が聞こえた

 

「おばあちゃん、早くしないと無くなっちゃうよ!」

 

「ええい、待て、わしは走るのが苦手なんじゃ」

 

「戦闘中は走りまくってるじゃん!」

 

「あれはあれ、これはこれじゃ」

 

なにそれーと楽しげな笑い声と共に指揮官とM1895が食堂に現れた、どうやらM1895を連れて来るために少々遅くなってただけらしい、そして早速二人でパンを選び席について一口食べれば、頬が落ちるとはこういう事を言うんだなと思わされるくらいな顔になる指揮官

 

「美味しい!焼き立てのこのホカホカな感じとフワッとした食感、良かったぁ、間に合って」

 

「全く、いきなり急かすから何事かと思ったが、まぁ焼き立てのパンと言うならば仕方ないか。うむ、ジャムも美味じゃ」

 

言葉から察するに自室に居たのをいきなり連れてこられたM1895だが彼女もジャムを塗ってから一口食べれば満足そうな笑顔で頷く、それを見ていたSASSは描き終えたばかりのページを捲り、今度はまるで祖母と孫のような二人を描き始める

 

実を言うと指揮官を描くのは初めてではないが、作戦中でなければ大抵は幸せそうな緩い笑顔の彼女だがM1895と居る時は別の笑顔を見せ、食事中もまたそれとは別の笑顔、その2つはスケッチブックに収めているのだが一番笑顔が輝いている食事中で更にM1895と一緒というのは中々見れず、そのレアな光景を目の前に彼女は今までにないほどの集中力でスケッチブックに描いている

 

焦らず丁寧に、だけど手早く、3つを心掛けその一瞬の小さな幸せを描いていけば自然とSASSの顔も微笑みが溢れ始める、こうした時間が彼女にとっての小さな幸せ、いつまでも噛み締めていたい物

 

そして指揮官が気付けば4つ目のパンを食べ始めるという所で絵が完成した。これでもかと言うくらいの笑顔を見せる指揮官と彼女に呆れながらも優しい笑顔を見せるM1895、実物には及ばないがそれでもこの絵だけで二人の仲の良さを体感できるいい出来の絵だとSASSも満足気に頷く

 

「あ、SASSちゃんってどうしたの、何か頷いてるけど」

 

「ひゃ!?あ、いえ、ちょっと絵の出来が良かったので嬉しくなっちゃって」

 

流石にこれだけ長居していれば指揮官も彼女に気付いて声を掛けてくる、対してSASSは突然の出来事に体がビクッ!と少し跳ね上がるが直ぐに冷静になりはにかみながら事情を説明する

 

すると今度はM1895が反応を示し

 

「ほう、絵か。見せてもらってもよいか?」

 

「え、あ、いや、ええっと」

 

「私も見てみたいけど駄目かな?」

 

指揮官とM1895にそう言われれば観念して先程書いた絵を見せればおおっと感動の反応を見せる二人に少々気恥ずかしさを感じ、それを誤魔化すように近くのバスケットに入ってたクロワッサンを一口齧る、程よい甘さが口に広がり二人が感動してくれてるなら良いかなとSASSは考え直すことにした

 

その後もスケッチブックの絵を見てはあれこれと聞いてきたり感想を述べる二人と会話していたSASS、ふと目を閉じて少ししてから開けばそこは食堂ではなく、ビルの屋上から見える夜の街

 

《ランセニュマンからヴィオレット、ターゲットの車がそろそろ目的のエリアに差し掛かるよ、オーバー》

 

《了解、確認だけど事故に見せかければ良いんだよね、オーバー》

 

《その通り、依頼主からはそう指示されてる。だからターゲットに直に当てちゃ駄目だからそこは気をつけて、オーバー》

 

《分かった、じゃあ手筈通り完了後は回収お願いね、オーバー》

 

《それは任せなよ、じゃあ成功を祈ってるよ、アウト》

 

通信を終えふぅと息を吐く、そしてスコープを覗けば丁度ターゲットが乗った車が現れる、何度も卓上で確認し脳内でシミュレートを繰り返し、現場の現在の状況を再確認してからタイミングを見計らい銃爪を引いた

 

「……完了、ごめんね。これも守るためだから」

 

スリップを起こし『偶々』駐車していたタンクローリー車に激突、爆発炎上を引き起こしたのを確認してから呟き、影に消えるように屋上から彼女の姿は消え、ただ夜の闇を照らす炎だけが音を立てて存在していた




Super SASS
ヴィオレット フランス語ですみれ

パット見たときから後輩力高そうだけど絶対に二面性強そうな子だなぁって思いましたねこの子、m45が焼いたパンが食べたいなぁって書きながら思ってました

最近、ドルフロの二次創作が順調に増えだしてて只々毎日更新してるだけのこの小説の存在意義が分からなくなったけどそもそもこれ私の脳内妄想を形にしてるだけだと思いだしたので私は元気です


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マイサポタージュエリア

ちょっと変わった彼女の一日


司令部きっての寝坊助戦術人形【G11】の休日の朝は意外にも早かったりする、時間にして朝の6時、宿舎のベッドの丸まっている布団の塊がモゾモゾと動き出す

 

被っていた布団から這い出てきた姿は寝癖でボサボサの髪にまだ眠いと訴える顔、明らかにサイズが合わずにダボダボなTシャツ姿の彼女はカタツムリ並の速度でゆったりとベッドから降りて着替え始める

 

10分後、途中で寝落ちしたのか着替えながらの姿で固まるという行為を繰り返しながら着替え終えた彼女は帽子を整え直した後、またゆっくりとした足取りで宿舎を出て向かったのは食堂

 

「あら、お早いですわねG11」

 

「Guten Morgen!G11って相変わらず眠そうな顔してますわね」

 

「グ~テンモルゲン……眠いよ、うん、私は年中眠いよ」

 

「休日というのも手伝って尚眠そうですわね、朝食を頂きに?」

 

「うん、そう。あ、ダンケ~」

 

丁度食堂で朝食を食べていた【PKK】と【G43】にボヤ~とした感じにそう答えれば二人は何時も通りで何よりと言った感じに笑いG11を席に誘導する、誘導された彼女は席に座れば気を利かせたG43が朝食を追加で並べる

 

並べてくれた彼女に感謝の言葉を言ってからスローペースで朝食に手を付けていく、ここでも彼女からは想像できないこととして、休日に限るが(そもそもそれ以外では時間が間に合わないので手短になる)食べる量がそれなりに多く、それが3食とも同じ量を平らげる

 

朝食を見れば、彼女だけで二人前は平らげると言えば中々の大食だと思えるだろう。理由としては寝たいから、たくさん食べてからの満腹感で眠るのが彼女の休日の過ごし方らしく、それを朝昼晩と行う

 

「よく食べれますわね」

 

「ん~、まぁ、沢山食べればその分、満腹の眠りが気持ちいいからね」

 

「今日は何処で眠るつもりなのですか?」

 

何処で、G43から出た言葉を何も知らないものが聞けば疑問符を浮かべるだろう。G11は基本的に一箇所で一日寝たりはしない、1時間、長くとも2~3時間起きにころころと眠る場所を変えていくのだ、本人でも何故かはよく分かっていないが一箇所でそれだけ寝ると満足して何となしに眠れなくなるらしい

 

「最初は、中庭の木の間のハンモックかな」

 

「彼処ですか、風の通りも良いので気持ちよく寝れそうですわね」

 

「寝れるよ、気持ちよく寝れる。モグモグ」

 

のんびり寝坊助G11はマイペースに朝食を食べていき、15分後完食した彼女は食器を専用の機械に収めてから二人に別れの言葉を言ってから当初の目的通り、中庭へとゆったりと歩を進めた

 

司令部の中庭。その丁度いい間隔で生えている木々の間に彼女が自腹で購入したハンモックが吊らされている、G11はそれに近付き危なっかしい動作でハンモックへと登って横になり

 

「おやすみ~」

 

誰に呟くわけでもなく、まるでそれがスイッチだと言わんばかりに目を閉じればもう深い眠りの中、風が吹けばゆらりゆらりとハンモックが揺れそれがまた心地良い睡眠へと彼女を誘う

 

それから一時間半後、パチリとさっきまで身動ぎ一つもしなかった彼女が目を覚まし起きてからグッと伸びをし欠伸を一つ

 

「……次行こ」

 

ノソノソとハンモックから降りた彼女はまたのんびりとした足取りで次の寝床へと向かう、途中何人かの戦術人形とすれ違う度にブラブラと手を降って挨拶しつつ着いた次の寝床は救護室、扉を開け部屋に入った彼女は隅に既に敷かれていたマットに横になって

 

「おやすみ~、君も寝る?いいよ、おいで」

 

また呟くように言ってから近くに来た柴犬を抱いて眠りに入る。そしてたっぷり二時間後、ふと覚醒した彼女の頭が先程とは違う感触だと訴えている

 

「ん~、WA?」

 

「あ、い、いや違うのよ。枕も無しじゃ辛いだろうって思っただけよ」

 

目覚めれば【WA2000】の顔、どうやら彼女が膝枕をしていたらしい、曰くWA2000の膝枕はするときに緊張で固まるらしくそれが丁度よい低反発枕な感じでとても良いらしい

 

ムクッと起きればちょっと残念そうな声を出すWA2000

 

「ありがと、寝やすかったよ」

 

「別に、さっきも言ったけど枕無しで寝るのは辛そうだったってだけよ」

 

何時も通りな口調の彼女に再度お礼を言ってからまた一つ伸びをし時計を見る、まだ昼までには時間があるなと確認してから救護室を後にして次の寝床へ

 

その場所は司令部屋上、その中でも日差しが当たり過ぎず、かと言って全く当たらないわけではない場所、だがそこには既に先客が居た

 

「IDW、また来てたんだ」

 

「それはこっちのセリフにゃ、まぁ邪魔しないなら別に寝てればいいにゃ」

 

日向ぼっこをしていた【IDW】だ、これが初めてではないので慣れたやり取りをしてからやはり敷いてあるマットに横になり

 

「おやすみ~」

 

「おやすみにゃってもう寝たのか……早すぎるにゃ」

 

言うか早いかの速度で眠りに入るG11に呆れながらIDWも日向ぼっこを楽しむことにした、それから一時間後

 

「んっん~、あれIDW居ない。ああ、お昼かな」

 

ただ単に移動しただけなのだが彼女の中では日向ぼっこ大好きが居ない=ご飯という謎極まりない方程式が完成している。とにかく丁度自分もお腹が空き始めたことだしと起き上がりゆったりとした足取りで食堂へと向かう

 

その後、今日だけで彼女は七人前を平らげ、その日の半分以上を睡眠に当て満足の休日を過ごせたのであった




私もこんな生活したい(願望)本当は膝枕マイスターG11ってタイトルにしようと思った、思ったより書きにくくて却下されました

困ったらとりあえずツッコミ係にIDWを出せばいいという発想は治そうな私?


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体調管理はしっかりと

価値観は人形、されど身体は人間


最近の指揮官は休日以外では朝五時起床でそこから業務、その後も戦術人形と話をしたり勉強をしたり明日に回せばいい仕事の一部を夜遅くまでしたりという生活を送っていた

 

ある日、いつもの時間に起きた指揮官は妙な体の怠さに襲われていた、が当人は何を思ったのか朝だからだろうなぁと異常をスルーし若干フラつきながらも仕事着の軍服に着替えてようとしたとき、ガクンと膝から崩れ落ちる

 

「あ、あれ?」

 

立ち上がろうと身体に力を込めてみるが思うように入らず、それでも机に手を掛けて無理に立とうとすれば意識が遠ざかり、バタンと音を立てて床に倒れる

 

偶々近くを通りその音を聞いたのだろう、【M14】が何事かと部屋に入ってくれば目に写るのは床に倒れ伏す指揮官の姿

 

「指揮官!?」

 

だが返事は返って来ない、意識がないのを確認した彼女は指揮官をよいしょと背負いベッドに寝かせてから直ぐに部隊として所持している通信機を起動させ

 

「ペーシャちゃん!指揮官が倒れて意識がありません、自室へと来てください!」

 

《え!?わ、分かりました、直ぐに指揮官の部屋に向かいます!!》

 

「お願いね、次はナガンちゃんだね。こちらM14、ナガンちゃん、指揮官が倒れました、至急、指揮官の自室へ来てください!」

 

《なんじゃと!?分かった、すぐに向かう!》

 

M1895にも通信を終えた数分後、ベッドで眠る指揮官と診断をしている【PPSh-41】それを心配そうに見つめるM14とM1895

 

診断が終わったのかPPSh-42が彼女の側を離れて二人の方を向き、指揮官の容態を簡潔に述べた

 

「倒れた主な原因は過労、ですね」

 

「過労じゃと?ああ、いや、そういう事か……馬鹿者が」

 

「ナガンちゃん?」

 

「ここ数週間、深夜にこやつの部屋から明かりが漏れていると言う話を聞いててな、本人は消し忘れだと言って負ったが」

 

診断結果を聞き、更にそれに心当たりまであったM1895がやはりわしがキチンと言うべきじゃったな、と後悔を滲ませる声で呟く

 

「何もナガンちゃんだけが悪いわけじゃないですよ、指揮官も私達の助けになりたいからって無理しすぎでしたし、そんな指揮官を止めることが出来なかった私達だって悪いのですから。なら次からはこうならないように気をつけるって事でいいんじゃないですか?」

 

重くなり始めた空気の中、ね?と彼女らしい笑顔でそう告げれば、M1895はそうじゃなと落ち着いた様子で寝ている指揮官に近寄り頭を軽く撫でる

 

「本当なら一日居てやりたいが、せめて最低限の業務は終わらせぬとな」

 

「でしたら私が居ますよ、ナガンちゃんは安心して終わらせてきてください」

 

「そうか、すまぬが頼んだぞM14。さて、とりあえずカリーナに手伝ってもらうかのう」

 

「では、私も戻りますね。何かありましたらすぐ呼んでください」

 

「うん、ペーシャちゃんもありがとう」

 

二人が部屋から出ていき、M14はベッド側に置いてある椅子に座る。指揮官が寝ている以上当たり前なのだが静かな時間が流れる、それから数時間後、指揮官が目を覚ました

 

「あれ……私」

 

「指揮官、良かった、倒れたのですよ?」

 

「倒れ、た?」

 

事態が飲み込めてない彼女はM14の言葉をオウム返ししてあっ、と声を出す。どうやら自分でも無理をしていたという自覚はあったらしい

 

その様子を見てM14はあまりきつくは説教しなくていいかなと考えだけどこれだけは言うべきだなということを指揮官に告げる

 

「指揮官、私達の為に頑張ってくれるのは嬉しいです。でもそれで指揮官に何かがあっては私達は皆悲しんでしまいます、だから自分を大事にしてください」

 

「ごめん……まだ大丈夫って思ってたんだよね私、皆が大丈夫だから私もって」

 

M14の言葉を聞き一言謝ってからポツリと指揮官が呟く、それは彼女の中にあるほんの少しの価値観のズレ、今回の事態はそれが生んだ事だった

 

指揮官の価値観は人形寄りであり、それ故に自分に対する認識も若干だがそっちに寄っていた、だから戦術人形(みんな)が大丈夫なラインなら自分も行けると言う認識で最近は動いており知らず知らずと身を削ることになっていたのだ

 

だがその事実を知らない指揮官は何でかは分からないけど無意識の内にそう思ってたんだよねと付け足す

 

「もう、でも今回で分かりましたよね?」

 

「う、うん、本当にごめん、あとでナガンにも謝らなきゃ」

 

「きっとナガンちゃんだけじゃないですよ、みんな心配してお見舞いに来るんですから」

 

「その通りじゃ、ふぅ、大丈夫そうじゃな」

 

声の方を二人が見れば、M1895が安心した様子で立っていた。どうやら今日の分は終わったらしくそのまま来たらしい

 

「おばあちゃん、ごめん、心配掛けたよね」

 

「全くじゃ、これに懲りたら今後はこんな無茶をしないようにしとくれ、寿命が縮まるのじゃ」

 

それと謝るのはわしだけはないぞとM1895の言葉通りにその日は皆から心配の言葉を貰い、指揮官は深く反省をして以後はキチンと睡眠などを取るようになった

 

余談だがいの一番に駆けつけそうだったPPKは変な所でヘタレ、部屋の前に居たのをIDWに背中を蹴られ入室、二人の軽快なコントで指揮官を笑わせたとか




皆が平気なら私だって精神で走り続けた結果がこれだよという話、価値観は人形寄りだからね仕方ないね

PPSh-41を医療班的な存在にしたのは完全に私の趣味です、許してくれとは言わんさ……だって見た目完全にナースやん……

え、PPKをどうしてオチに使ったって?いや、この手の話なら絶対に出さなきゃという使命感が出してね(銃声)


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スポーツライフ

基本的に接近戦の練習場


どうしてこんな事になったのだろう【MP5】は目の前の大惨事に平時の自分であれば慌てふためく筈が驚くほどに冷静に思っていた

 

「あっれ~、一応指揮官でも大丈夫なメニューのつもりだったんだけどな」

 

「流石に体力無さ過ぎねぇか?軍人上がりのはずだろ?」

 

「……指揮官様は、その、一般人採用です」

 

【スコーピオン】の決して煽りではないけど煽ってるように聞こえる言葉と【CZ75】の容赦ない言葉にMP5がそうツッコミを入れれたのは奇跡だろう、そこには

 

「ぜひゅー、けほっ、ごほ、ぜぇ……ぜぇ……」

 

汗だくのジャージ姿で壁により掛かりながら座り込み肩で息をする指揮官の姿、これを説明するのは三十分ほど前に戻る

 

珍しく休日なのに早起きをした指揮官、それが前述の悲劇の始まりだとは彼女自身も、いや、この司令部の誰もが思わないだろう

 

あの過労で倒れた事件から睡眠をしっかり取るようになりその影響で朝が早くなったという彼女は、休日なのに勿体無いと思いながらも何時もと違う空気を感じるために着替えて司令部を散策していた

 

(偶にはあれだよね、あまり行かない場所とかに行ってみるのもいいよね)

 

その場で腕を組み普段自分が行かない場所を考えてる指揮官、そして思い付く。そうだ運動場って行ったことないよねと普段運動を殆しない彼女は今の今まで運動場の存在は知っていても寄ったことがなかったので丁度いいと向かうことにした

 

ルンルン気分で運動場、一般的な体育館より少し大きい位の広さがあるのだが利用する戦術人形が如何せん少ない、もし今後大規模に使われるとしたら運動会でもしなければこの運動場が賑わうことはないだろう

 

が利用する戦術人形が全く居ないというわけではないのでこの日も朝から訓練と題して運動場を利用している戦術人形の姿があった、それがスコーピオンとCZ75だ

 

白兵戦の練習だろうか、格闘戦を繰り広げる二人を入り口から指揮官は眺めていると丁度、運動場にやってきたMP5に声を掛けられる

 

「あ、指揮官様おはようございます!珍しいと言うより初めてですよね此処に来るのは」

 

「おはようMP5ちゃん、来るのは初めてだね、でも使ってる人……少ないね」

 

「今はまだ朝早いからっていうのもありますよ、もう少しすればグリズリーさんやUMP45さん、UMP9さんとか来ますよ」

 

MP5の説明に結構来るんだなぁと感心していると向こうの組手も一段落ついたのか、指揮官に気付き近寄ってくる

 

「おはよう、指揮官!」

 

「よう指揮官、珍しいな此処に来るなんて」

 

「おはよう二人共、今日は朝早く起きちゃったからあまり行かない場所って思って此処に来たんだよ」

 

「なるほどなるほど、じゃあさついでだからちょっと運動してかない?その後に食べる朝ごはんがもっと美味しくなるよ~」

 

スコーピオンの誘いにうーんと考える指揮官、素直に言えば彼女はあまり運動が得意ではない、体力もない、だがCZ75の次の言葉が指揮官の心に突き刺さる

 

「したほうがいいんじゃねぇの、動かないで食べてばっかじゃ肉付くだろ」

 

「やる、ちょっと着替えてくるから待ってて」

 

「指揮官様!?いや、無茶です!二人に合わせたらまた倒れちゃいます!!」

 

即決だった、目付きと雰囲気が作戦中のそれになった指揮官は更衣室へと消えていき、後を追うようにMP5が説得するが彼女の耳には届いてない様子、それを見ていたスコーピオンはお気楽そうに笑い

 

「ヘーキだって、指揮官用にキチンと考えるからさ」

 

「ああ、アタシだって流石にその辺りは加減するっての」

 

結果が冒頭である。確かに二人は指揮官用に考えてはいた、がそもそも指揮官が何故か軍人上がりだっけから始まったその内容は準備運動を終えてじゃあランニングからでいいよねで出された周回数が15周、一般的な体育館より少し大きいこの運動場を15周

 

そして普段運動を殆どしない指揮官がマトモに完走出来るはずがなく、3周半で今の状態が出来上がった。その元凶たる二人はMP5の言葉にあちゃーと言った感じで

 

「あれ、一般採用だっけ?」

 

「マジかよ、うわぁ、悪い事したな……」

 

「だ、大丈夫ですか指揮官様、えっと、スポーツドリンク飲みますか?」

 

「はぁ……はぁ……う、うん、飲む、これで流しなの?」

 

「まぁそうだね~、これで指揮官用に調整したつもりだった流し、この後も色々用意してたけど……止めといたほうがいいよね」

 

ごめん、もう無理とMP5から手渡されたスポーツドリンクを飲んでから答え、とりあえず汗を流してくるねと更衣室に入っていった

 

数十分後、汗も流しさっぱりした顔で戻ってきた指揮官、服はいつもの軍服に戻っている。そして戻ってきて早々に見た光景は

 

「どぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

全力疾走で運動場を何周もする二人の姿、元気だなぁっと思いながらMP5に何をやってるのかと聞いてみる

 

「えっと、30周をどっちが早く回れるかって競争らしいです」

 

「……私もやっぱりあれくらい体力つけないと駄目かな」

 

「体力はつけるべきかも知れませんが戦術人形(わたしたち)を基準にするのは止めたほうがいいと思います。カリーナさんとかがいいですよ」

 

それもそうだね、頬を掻きながら二人はスコーピオンとCZ75の勝負の行方を眺めることにした。因みに勝ったのは僅差でスコーピオン、最後の最後で飛ぶという荒技で勝利をもぎ取った




指揮官用に考えた(そもそも軍人用)

CZ75ちゃんのキャラ好き、スキルも好き、トマホークブーメランって叫ばせたい(ゲッター並感

明日はメンテで新規人形来ますね!更新は製造祭りした後だけどG36C迎えて笑って更新するからよまぁ見てなww


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BARの一コマ ~ポーカー編~

(バレなきゃ何でもありの)真剣勝負

※所謂お遊びポーカーなので細かいルールは気にしてはいけない(戒め


場面はスプリングフィールドのBAR、そのテーブル席で難しい顔をしながら自身の手札を見る【AK-47】とこちらは表情を動かしてはいないが手札を見てため息をついてる【FAL】そして二人の向かい側には表情一つ動かさないで二人を見ているディーラー役の【ウェルロッドMkⅡ】

 

三人がしているのはポーカー、と言っても金銭のやり取りではなく負けた方が勝った方にお酒を奢るくらいの友人とやる程度の軽いノリの賭け事だがそこは戦術人形、負けず嫌いがそこそこ居るので盛り上がる

 

「……駄目ね、降りるわ。スリーカードで貴女と勝負しようと思わないわよ」

 

先に動いたのはFAL、肩を竦め手札をテーブルに広げる、残るはAK-47だが意を決したと言う感じの顔で

 

「勝負よ!ストレート!」

 

「ごめんなさい、フルハウスです」

 

「やっぱりね、駄目ね、ウェルロッドから勝ち星取れる未来が見えないわ」

 

がカウンターで出された手札の役は彼女より上、NO!と項垂れるAK-47を見てウェルロッドはクスリと笑ってからスプリングフィールドにジンのお代わりを要求、ここまでで彼女の全戦全勝、ウェルロッドがディーラーをやる時のポーカーでは毎回誰かが挑むも中々勝つことが難しいとこのBARでは有名である

 

そんな彼女に尚も挑むAK-47、本日の彼女の戦績は全敗だが退かない所を見るにきっと本物のギャンブルはやらせてはいけないだろう、そこで扉が開かれ入ってきたのは我らが副官の【M1895】と【OTs-14】二人はマスターに挨拶をしてからテーブルにて繰り広げられる静かな戦いを見て

 

「ほう、今日はウェルロッドがディーラーしておったのか」

 

「ええ、偶にはやらないと鈍ってしまいますからね」

 

「強いの?」

 

「かなりな……興が乗った、わしも一つやろう」

 

「なら、私も参加するわ」

 

司令部一の年長者M1895と最近、指揮官の憧れの大人の女性となっているOTs-14参戦、その時点でFALは両手を上げ不参加を決めベルギービールを飲みながらの鑑賞に回ることに、と言うのもOTs-14は不明だがM1895は色々な意味でカードゲームが強いのだ

 

テーブルに緊張が走る、先程までは涼しい顔から一切表情が動かなかったウェルロッドが真剣な眼差しに変わるほどだ、そしてゲームが始まった。数戦し一進一退、いよいよ最終戦、ほぼ横並びで勝負はこの一戦で決まる

 

誰も一言も発しずカードの配られる音、マスターのコップを磨く音、店内のBGMだけが場を支配する。手札を見たそれぞれは殆どが表情を動かさない、強いてあげるならAK-47が多少眉が動いたくらいか

 

「……二枚ドローじゃ」

 

宣言をし手札から二枚捨てウェルロッドから配られたカードを加える、そこで初めてむぅと顎に手を当てながら唸る

 

だがそれは本心からの唸りなのかミスリードなのか、数戦したとは言えそれで読めるほど彼女は甘くない、だったら自分の手札を強くしたほうが良いと考えたAK-47も続いて

 

「三枚ドロー、うっ」

 

(事故か、にしては少々露骨な反応じゃな)

 

(事故かしら、まぁ警戒はしておくべきね)

 

(事故ったようですね)

 

配られたカードを加えた瞬間、声とともに苦虫を噛み潰した顔になる、他三人は一応警戒するが悪くなったのだろうと考える

 

二人は行動を起こしたが一方でウェルロッドとOTs-14は不気味なほどに動きを見せない、悩んでいるようにも見えれば今の手札に絶対の自信を持ってるようにも見える

 

「一枚ドローよ」

 

(動いた?では悩んでいただけ、それともドロー自体がブラフ?)

 

その沈黙を破ったのはOTs-14、そっと手札から一枚だけをテーブルに出しドローを要求

 

配りながらウェルロッドが思考する、彼女と相対するのは今日が初めて故に戦い方が分からないというものあるがこの数戦でもイマイチ思考を読み解きれておらずそれだけ彼女が強敵だと思わされる

 

残るはウェルロッドだけ、と思ったが彼女はドロー宣言をせずに不敵な笑顔を浮かべると

 

「私はこれで勝負です。皆様は如何なされますか?」

 

「ほう、勝てると踏んだわけか。無論、わしも勝負じゃ」

 

「退く理由を見つけるほうが難しいわよね?」

 

「私も勿論勝負、って言いたいけどレイド、私だって退き際は弁えてるわよ」

 

バサッと出された手札の役はワンペア、この三人相手にこれで勝てる筈がないとAK-47は心底悔しそうに言い両手を上げる

 

残りの三人も手札を場に見せれば、全員が驚き場の三人は苦笑いを浮かべる

 

「……全員フラッシュと言うのは疑ってくれって言ってるようなものではなくて?」

 

「あら、証拠が?」

 

「さてな、わしには検討もつかんのじゃ、さて同じ役だがスペード、わしの勝ちじゃな?マスター、【コニャック】を頼む」

 

上からOTs-14が苦笑いを浮かべながら疑い、ウェルロッドがすっとぼけ、M1895がさっさと結果を処理する。因みにAK-47は口元が引き攣っておりFALに至っては、はいはい何時ものと言った感じにビールを飲んでいる

 

周りの戦術人形の反応も大体そんな感じであり、OTs-14は初めてだから知らないことだがウェルロッドとM1895、この二人さも当たり前のようにイカサマを繰り出す、現行犯で咎められたことがないのであくまで推測となっているがほぼ確定だろうというのが全員の見解

 

結果はM1895の勝利でその戦いは幕を閉じたがその後もウェルロッドがディーラーのポーカーは夜更け近くまで続けられBARは相変わらずの盛況を見せたのであった




マトモにカードゲームやってる絵面が浮かばなかったのは自分が駄目な人間だからだと思う

ウェルロッドはディーラー似合いそうから今日のお話が生まれた理由でしたね。絶対似合いそうじゃんアゼルバイジャン

あ、G36Cチャレンジ大勝利しました(燃料投下)でもごめんな、姉はいないんよ……来ないんだよあのメイド

09/28追記 デューラーってなんだよディーラーだよ(感想で指摘されてから気付いた駄目指揮官の図)


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夜の司令部

暗闇、それは彼女にとっては慣れ親しんでしまったもの


22時半、カリカリと自室にて勉強をしていた指揮官、ふと思い出した。そういえば執務室に今日読んでしまおうと思ってた資料を忘れてきたことを

 

別段、明日の朝一に読めば良いのだがその暇が絶対にあるという保証がないので今日読んでおきたい、それと常に一本は常備してあるペットボトルの水が今日に限って無くなってたので食堂の冷蔵庫から取りに行かないとなぁと言うのも同時に思い出した

 

(執務室行ってから食堂に行って、あれ逆のほうが良いかな?まぁいいや、早く行こ)

 

若干冷えてきた夜、机の引き出しから執務室の鍵を取り出してストールを肩から羽織り扉を開ければ最低限の灯りを残して消灯されてる廊下は真っ暗闇が続いていた

 

本来であれば懐中電灯の一つでもなければ進めない程の暗さ、だが指揮官は部屋から出てじっと動かず暗闇を見て、少しすると歩を進め始める、まるで日中と同じに見えてるように

 

何より指揮官の顔が何となしに楽しんでいるようにも見える、この暗闇に怯えることすら無くまるで懐かしむような雰囲気すら感じる

 

暫く歩いていると彼女の視界に赤い光が写る、と本来ならばそれだけしか見えないはずなのだが指揮官はやはり普通に見えてるように二人いると判別して

 

「あれ、今日の警備【イングラム】ちゃんと【P08】ちゃんだったんだ」

 

「おや、指揮官。こんな夜中に出歩いてどうしたのですか?」

 

「指揮官?夜更かしですか、良くないですねぇ」

 

指揮官の声に先ず反応したのはイングラムの隣りにいたP08、遅れてイングラムも反応する。この基地では屋内と外の夜間警備時には必ずハンドガンの戦術人形を一人着ける事になっており、外には四組、屋内には二組となっている

 

少々少ないと思われそうだがそれ以外にも指揮官の知らない所で裏組が色々と網を張っているのでこれくらいの警備で間に合っている

 

「夜更かしじゃないよ、ただ執務室に忘れ物したの思い出してね。あと食堂にも水取りに行こうって」

 

「なるほど、ですが先程まで勉強でもしてましたか?眼鏡付けっぱなしですよ」

 

「うぇ?あ、本当だ」

 

「うっかりですねぇ、まぁそういう事なら私達も着いていくべきでしょう、P08」

 

「そうですね、我々がお供します」

 

じゃあ、行こうかと指揮官はまたいつもの歩調で歩き出す、その後ろを二人も付いていくがその迷いのない歩きにP08が疑問に思う

 

いくら最低限の明かりがあると言っても自分たちの様なハンドガンタイプの戦術人形でも無ければ人間のはずの指揮官が懐中電灯もなしのこの暗闇を迷いなく、そして躓く様子もなく歩けるのかと

 

「指揮官、一つ宜しいでしょうか」

 

「ん?なにP08ちゃん」

 

「暗闇の中を動くことに慣れてるのでしょうか?」

 

「うん、慣れてるよ」

 

P08の問にそう答え、懐かしむように目を少しだけ閉じて昔話()を少しだけ、しかも笑い話のように語り出した

 

後に彼女らは言う、知らなくて良いことが世の中にあるとすればきっと指揮官の過去だろうと

 

「此処に来る前よりもうちょっと前かな、お世話になってた所で私に与えられたのが真っ暗な部屋だったんだよね。んで家事やお手伝いの時だけ外に出て終わったらその部屋に戻ってって生活でお蔭でほんの少しの光で暗闇に目を慣らすことが得意になったんだよ」

 

「……え、いや、それは」

 

「駄目だP08、安直に首を突っ込んだら戻れなくなるよ」

 

電気も点けてもらえなくて今思えば不親切だよねぇといつもの、そう、何時もの緩い笑顔で語る指揮官。明らかにそれは隔離されてただけだとP08は思わずそう言いかけた時、イングラムがそれを片手で止める、その目は何よりも悲しそうな目だった

 

イングラムには視えた、笑い話のように話す指揮官の表情に一瞬だけ深い陰が、だからこそ正義感の塊に近い同僚が首を突っ込み帰ってこれなくなることを警戒しての行動だった

 

「ですが……こんなの」

 

「だからだ、ただ聞いただけでこれだ、もっと深入りしたらどうなるか分からないよ」

 

長らくイングラムとコンビを組んでいたP08、だがその彼女でも今のイングラムの顔は見たことがなかった、真剣でだけど同情してるようにも見えて怒っているようにも見えるその顔を見れば指揮官に自分の言葉を言おうとは思えなかった

 

下がったP08を見てイングラムも表情をいつもの無表情な感じに戻る、そこで後ろの二人が突然静かになったのを感じた指揮官が振り向き

 

「何かあった?」

 

「いえ、何も、そういえば先に執務室ですか?」

 

「食堂のほうが良いわ、それなら執務室から戻るだけで済む」

 

ならそれで行こうかと食堂に向かう、その足取りは軽い、彼女にとって今のはもう本当に笑い話なのだから話した所で暗くなる必要がないのだ

 

イングラムはそっと笑う、一瞬だけ深い陰を見た時に彼女は更に奥まで見てしまった、ポッカリと空いたほんの数センチの心の穴を

 

(指揮官の底抜けに明るい心、だけど奥深く一点だけ何よりも暗い穴がある。孤独なのね貴女も、だけど戦術人形(わたしたち)が繋いでるのね)

 

強いものはいつだって孤独、だけど弱いものには孤独は耐えれない、なら支えないとねぇ。ケタケタと笑いながら彼女は指揮官の背中を見つめ、隣の同僚はどうしたんだ突然という顔をしていた




何で指揮官に闇を追加する必要があったんですか?(正論)

おかしい、この小説は『どるふろ!』くらいな日常を書いていくつもりだったのに気付いたら『しれいぶくらし!』くらいの日常になっているぞ……?

あとイングラムさんが人の陰とか闇に敏感少女になってしまって本当に申し訳ない(メタルマン並感)

リアル司令部 SVD来ました


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司令部の今日の夕食

本日は中華


夕方の司令部の食堂、今日そこでは【グリズリー】が【64式消音短機関銃】から料理を習っていた、特に何かがあるということではなくただ暇を持て余して居たのでと言うのがグリズリーの言葉

 

教わっているのは炒飯、これ教わるものなのかと言う料理だがパラパラにしたりすると考えると難易度は上がる、そこで出身が中国である64式に教授を受けることにした

 

「では、まずは材料を切っていきましょうか」

 

「微塵切りだろ?」

 

「はい、ご飯粒と同じくらいのサイズに切り揃えて下さい、そうすることで食感も楽しめ、また炒める際に短時間で均一に火が通るようになりますから」

 

なるほどと慣れた手付きで包丁を扱い材料を言われたサイズに切っていく、因みに二人共エプロン姿である、64式はシンプルな黒の無地、グリズリーは白に熊の柄が描かれたものを着用している、尚、デフォルメされてるやつではない

 

グリズリーが材料を切っっている間に64式は卵を割り溶きほぐしながらチラッと食堂のテーブルを見れば、夕飯時だよねとふらっと現れ二人の調理に興味津々に見てきた指揮官の姿、向こうも64式が見てると気付くと緩い笑顔で手を降ってくるので彼女も振り返す

 

「あ、へへへ」

 

(今日のお客様が指揮官となれば、私も張り切りっちゃいますか)

 

さて、とグリズリーに視点を戻せば丁度材料を切り終えた所、では次ですねとグリズリーに説明を始める

 

「続いて、調味料、切った材料を手に届く範囲に置いて折角ですし中華鍋でやりましょうか、誰が買ったのかは知りませんが……」

 

「64式じゃないのかい?」

 

「えぇ、私には記憶が。92式、63式、もしくは漢陽?それにコンロもそれ用がありますし誰かが作ろうと思ってたのかも知れませんね」

 

今回はそれを有りがたく使わせてもらいましょうとそこでその話は終わったが答えはその三人ではなくそこのニコニコ笑顔で調理を見ている指揮官である

 

過去に一度中華料理に挑戦してみたく買ってはみたが想像より重くて断念、普通にフライパンで作ればいいやとなって今日まで放置されていた、まさか日の目を見るとはなぁと指揮官は呑気に思っている

 

「さて、先ずは油を鍋に敷いて熱し、それから材料を炒め軽く塩コショウで味付けしたら別の皿に移します」

 

鍋を振りながら話、続けて鍋を一旦綺麗にしてから再度温め、十分に熱したら多めの油を引き、中火から強火に間に火を調節したら解いておいた卵を鍋に投入し細かな粒を作るのをイメージしながら卵を炒めていく

 

「ここからはスピード勝負です、のんびりやればパラパラは遠ざかりますからね」

 

「はい!」

 

返事の良いグリズリーに細かな説明をしながらも手は一切止めない、卵が固まりきらない半熟になったら暖かい状態のご飯を入れて木べらで刻むように再度炒める

 

適度に炒め終えたら移した材料と長ネギを鍋に投入、混ぜながら塩、コショウ、酒で味を整えていく、そこでふと指揮官の方を見れば何かを期待する目、それに気付いた64式はフフッと笑ってから鍋を持ってる手に力を入れ

 

「えいっ!」

 

「おおおおお!!!鍋返しだ、すっごい初めて見た!」

 

「間近で見るの初めてだけど迫力すごいねこれ」

 

「見てくれは良いですし混ざりやすいのですがこの火力のコンロじゃない、一般のコンロでやると火力が足りなくて鍋の温度が下がりご飯がくっついちゃいますから注意が必要ですね」

 

一般であればフライパンを使うと思いますから軽く前後に揺する位で十分に混ざりますよと言いながらもう一度鍋返しを成功させる、その度に感動の声を上げる指揮官

 

十分に混ぜ合わせたら、最後に鍋縁から香り付けの醤油を回し入れれば食欲をそそる香りを醸し出す本日の夕食の完成である

 

「はい、五目炒飯の出来上がりです。といった感じに調理方法自体には難しい手順はありません、あとは経験っと言った感じで締めさせてもらいますが大丈夫でしょうかグリズリーさん」

 

「十分十分、勉強になったよ、ありがとうね64式」

 

「いえいえ、またなにかあれば聞いて下さい、私で教えられることでしたら何でも教えますから。さて、じゃあ冷めない内に盛り付けて食べましょうか」

 

「手伝うよ!」

 

意気揚々と席を立ち手伝いを申し出る指揮官、尚、座らされる。テーブルに場面を移し料理も並び、早速レンゲで炒飯を掬う、その時点でお店で出てくるようなパラパラ感にそれだけで指揮官が感動しながら一口

 

塩コショウだけの味付けゆえのシンプルな素材の味、しかしそのシンプルな美味しさがとても良くグリズリーと指揮官は舌鼓を打つ

 

64式も中々に上手く言ったと自負しつつ食べ進め、それなりの量があった一人前を全員はペロッと平らげる

 

「ごちそうさま、美味しかった~」

 

「うん、慣れてないとこう自然な美味しさは出ないよ」

 

「ふふ、お粗末様です。あ、お二人とも杏仁豆腐食べますか?作ってるんですよ」

 

「え、食べる!」

 

「食いつき早いなぁ指揮官。あ、私も頂くよ」

 

では少々お待ちを。杏仁豆腐もこれまた美味しかったと書いて、こうして今日の司令部も平和な夕食は楽しげに終わるのであった




この指揮官、いっつも誰かの作った飯食ってるか闇さらけ出すか受難にあってんな(ワンパターン)

グリズリーの姉御的なキャラも好き、64式の近所のお姉さんみたいな雰囲気も好き……好き……(語彙力蒸発

そろそろ真面目にネタが辛い、あるにはあるけど時期がまだ微妙に先とかストック用とかだから辛い……スチェッキンがなんか商売してるみたいだしコミュ障指揮官に働かすかそれともヘリアンさんの合コンに引っ張り出すか?(外道

今日の炒飯の資料は某衛宮さんたちが料理を作る漫画からです、あれ良いよね試したくなる

風邪で死んでてキャラが脳内で動いてくれないの辛い


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ドリームドール

夢は何時も綺麗とは限らない

※ 一人称進みます


気付いたら私は森林の中に居た、と言ったら仲間たちに何を言ってるんだと言われるだろう、だけど居るのだから仕方ない

 

なんて、今の世界にこんな自然が残されてる場所は殆ど無いし、あっても私が今お世話になってる司令部の近くではない、それに私の最後の記憶は宿舎で就寝したと言う場面、つまりは

 

(夢、か)

 

普通の戦術人形は見ないはずの夢、それを私は見ることがある。原因はわからない、だけど大概は戦場の夢だったのが今回は違うという所に少し戸惑いを覚える

 

このまま覚めるまでじっとしててもいいけどと辺りを見渡してみる、何処までも続く綺麗な森林、夢だから細かな部分は感じないけど風に揺られて木々がさざめく音はいつまでも聴いていたくなる

 

だけどそれは不意に掛けられた声で中断することになった

 

「M4?どうしたの?」

 

聞き覚えがありすぎる声の方を振り向けば、軍服ではなく白のワンピースの指揮官の姿、そこで初めて自分の格好を見てみればいつもの服ではなくて指揮官と同じく白のワンピースを着用していた

 

指揮官は立ち止まっている自分が不思議なのか顔を覗き込んで来たのでそっと微笑み、大丈夫だと言う旨を伝えればよく見る笑顔で良かったと呟く

 

どうやら夢の中の私達は散歩、もしくはピクニックの途中だったらしい、自分の手にはバスケットが握られていたので多分ピクニックだなと考えながら先を歩く指揮官に付いていく

 

しかし夢の中には私と指揮官しか居ないのか。M1895、もといナガンの姿が何処にもないので少し残念だと思ってしまう、私は指揮官と一緒でもいいのだがナガンと指揮官が楽しげにしてるのを端から見ているのが好きなので夢ならばそこまで融通を利かせてほしかった

 

「今日は、湖まで行くんだよね」

 

歩き出してどのくらい経ったかと言う所で指揮官からそう伝えられる、なるほどこの先には湖があるらしい、楽しみだと言う風に頷いてみれば私も楽しみだよと指揮官も笑う

 

そこからさらに時間が経ち森林が開けたと思ったらそこには大きな湖、陽の光を受けキラキラと光る水面、その水面を野鳥が自由に泳ぐ姿を初めてみた私は感動を覚える、同時に何故この光景をここまでハッキリ夢とは言え分かるのかという疑問も浮かび上がる

 

(……何処か資料とかで見た、とか?)

 

考えても思い当たるフシが出ないので打ち切り、バスケットを地面に置いてそこからシートを取り出し指揮官と協力しながら敷いて固定する

 

「ねぇ、湖の側を歩こうよ」

 

指揮官からの誘いに小さく頷き、私はゆっくりと歩き出す、それに対して指揮官は楽しげに駆け足で湖の側まで移動する、何というか少々ハラハラするのは普段の指揮官を知っているからだろう、いや、普段の方がまだ安心できる

 

今の彼女はもっと幼くした感じの行動をしている。これは一言注意を入れておこうとした瞬間、ステップの着地地点に石でもあったのか指揮官が思いっきり転けて湖に消えた

 

「……え?あ、し、指揮官!?」

 

呆然としてしまった、が直ぐに我に返り指揮官が消えた所まで駆け覗き込む、が居ない、まるで最初から存在しなかったかのように沈んでいるなら泡が出るはずなのだがそれらもない

 

所詮は夢、かとその場から離れようとした時、湖が真っ白に発光を始め私は思わず目を閉じてさらに腕で庇い光が収まるのを待った、そして収まったと同時に目を湖に改めて向けた時、私はいち早くこの巫山戯た悪夢から目を覚まさなければならないと決心した

 

そこに居たのは、その、夢なのだから多分人違いだと思うけど【ST AR-15】に酷似した女性、いやもう瓜二つである

 

「……何やってるのですかAR-15」

 

「私は湖の女神」

 

あ、そういうスタンスなのですか、声までそっくりの湖の女神は私の問には一切答えどころか触れもせずにそう名乗ってきた。そして次に出てきた問にもう嫌だこの夢と嘆くことになる

 

「貴女が先ほど落としたのは……」

 

「落としたではなくて、落ちた、なのですが」

 

「金の指揮官ですか?銀の指揮官ですか?」

 

訳が分からない、何なの金とか銀とか、どんな反応すれば良いのですか?この夢は私に何を伝えたいの?この展開あれですよね、寝る前に読んでた童話の話ですよね?

 

夢ってこんなに疲れるものだっただろうか、先程までの和やかな時間は何処に言ってしまったのだろうかと私らしくもなく嘆きつつもとりあえずで女神の問に答えてみる、事態がさらに混沌と仕出した

 

「……いえ、私が探してるのは普通の指揮官です」

 

「そうですか、貴女は素晴らしく正直者ですね。では金、銀、普通の指揮官を貴女に授けましょう」

 

金と銀は要らないですと答える間もなく三人?まぁ、はい三人の指揮官が私の側に現れる、そもそも授けるとはどういう意味なのかと聞く暇もなくAR-15似の女神は光に包まれ影も形もなく消え去った

 

残されたのは三人の指揮官と私、あ、金と銀って髪飾りの事でしたか、確かに金メッキ銀メッキの指揮官とか出てこられても反応に困りますからね、などと安息したのも束の間

 

「M4」

 

「はい、どう……ひっ」

 

声が引き攣った、何故って?指揮官の方を向いた私の目に写ったのは無数の指揮官、それが全員私に視線を向けてずっと名前を呼び続けている光景があったからですよ、そして最後にはその無数の指揮官に呼ばれながら囲まれ……

 

そこで目が覚めガバっと起きる、荒くなった呼吸を落ち着かせ、思わず呟く、私にそんな願望はないから、と。その話をM16姉さんにしたら爆笑され指揮官とナガンにしたら本気で心配された、もしかしたら私も知らずの内に疲れてるのかもしれないと思いながら今日の業務をこなしていくことにした




綺麗とは限らない(悲惨な悪夢とも言ってない)

最初、M4A1がメインって書いてないなから始まって、そういやこの子だけ人形だけど夢が見れるんだよねから派生したらこうなった。

因みに金と銀は当初はメッキだった、だけど最後の場面でメッキ指揮官に囲まれるM4を想像してホラーなのかギャグなのか分からなくなりそうだったので髪飾りに変更

やっぱり一人称は書きやすいなぁと思いましたまる


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司書さんは今日ものんびり

そこは図書室とも資料室とも呼ばれてる


この司令部には資料室とも図書室とも呼ばれている部屋が存在する、元々はただ書類を一箇所に固めておくだけの部屋であり、それを【FF FN49】や【FMG-9】などの整理が好きだったり書物が好きだったりする戦術人形が暇を見つけて整理をしてたりはしたのだがそれでは当然ながら追いつかずに乱雑になっていたのをそれは良くないと奮起したのが最近配属された【G36C】

 

まず指揮官に書類置き場になっている部屋を資料室としそこの司書を立候補した所、指揮官と副官もそれは非常に助かるので二つ返事で承認、その後は彼女を筆頭に何人かの役員を決めて管理を始めたのが資料室の始まりだった

 

では何故、図書室とも呼ばれるようになったのかと言うと整理をした所スペースがかなり空くことがわかった彼女達は折角だからとカリーナや自身で街に出たり、もしくは任務で訪れた廃墟になった街などから本や書物をサルベージないし購入し区分ごとに分けたのが最初、その後、それを知った戦術人形や指揮官が読みに来たり貸出の管理を始め直ぐに図書室とも呼ばれるようになった

 

そんな資料室が開放されるのは決まって9時から、司書であるG36Cが扉の鍵を開け部屋に入ってからすることは貸し出されている本の日数確認、期限が迫ってるものがあれば自分で声を掛けたり誰かに頼んだりして返却を忘れないようにしてもらう、それが一段落すれば次は今日届く予定の本の確認、そのくらいの時間になると他の戦術人形もやって来る、今日は【FF FN49】と【スターZ-62】が当番らしい

 

「お、おはようございますG36Cさん」

 

「おはようございます!」

 

「おはようございますFN49さん、Z-62さん、今日もよろしくおねがいしますね」

 

揃えば次に行うのは昨日、本部やデータベース、執務室から届けられた書類の整理、その中には機密性の高いものもあるのでそれは司書が責任を持って資料室にある厳重に管理された一角に収められる、大体これで朝の仕事は終わりになり各自自由な時間となっている

 

自由、と言ってもそこは読書好きが集まった空間、全員がそれぞれお気に入りの場所にて本を読み始め誰も何一つ言葉を発しない静かな空間が出来上がる。それが破られるとすれば外部からの介入しか無いだろう、例えば注文していた本が届けばそれの整理やカリーナがデータベースで仕上げた作戦報告書を持ってきたりした時だ

 

「失礼しまーす、作戦報告書届けに上がりました」

 

「あ、カリーナさん、はい確かに受け取りました、最近は多くなってきましたね」

 

「そうですね~、でもそれはちゃんと指揮官が施設を整備してくれてるので苦ではないんですけどね」

 

「指揮官がバッテリーって何に使ってるんだろうって呟いてたのはそれだったのですね」

 

言われるとそうですけど多分あのペーシャちゃんが動かす機械に使ってるんだと思いますよ等の軽い雑談をしてからまたカリーナはデータベースへと帰っていった。それを確認してからG36Cは受け取った作戦報告書をそれ専用の棚へと収める、最近では消耗も若干増えてきて一時期は溢れんばかりあったのだが今では少し隙間が視え始めるくらいにまで減っているのを見て指揮官に報告を上げておきましょうと思ってからまた読書を再開する

 

少し時間が経ってからまた扉が開かれる、今度入ってきたのは【G11】だが彼女は本を借りにきたと言うよりは

 

「おはよう~、おやすみ~」

 

「はい、おやす……え?あ、いや、ああ、いつの間にここも寝床になってたのでしょうか、仕方ないですね、えっと毛布がこの辺りに」

 

流れるように備え付けてあるソファにダイブして気持ちよさそうに寝息を立て始めるG11にG36Cは文句でも言うかと思えばそうではなく毛布を掛けてあげまた読書に戻る、起こしても起きないからと言うのもあるがここまで気持ちよさそうにされると起こせないというのが彼女の本音だ

 

無論、カリーナのように仕事できたり、G11みたいに寝るために来るだけではない、先程も言ったがここでは数は多くないがそれなりのジャンルの本が揃っており、その場で読んだり貸出も行っているのでそれを利用しに来る戦術人形だっている、その利用者の一人がM4A1、彼女は部屋に入ってきてから

 

「これ借りてた本を返却します、それと今大丈夫ですか?」

 

「はい、確かに受けとりました。ええ、大丈夫ですよ、あ、新しい童話ですか?」

 

「いえ、今日はその、占いの本があればと」

 

「占い、ですか?ございますよ、数はあまり多くはありませんがそこの棚に纏めてあります」

 

ありがとうございますとお礼を一つ言ってから彼女はG36Cに教えてもらった棚を物色を始める。それを見た彼女は珍しい注文をされたなと思い彼女を眺めてみれば手に取ったのは【夢占い】

 

(……夢?指揮官を占うためでしょうかね?)

 

真剣な眼差しで読んでるM4を見てそう思い、彼女もまた読書を再開、だがM4は指揮官を占うという訳ではなくこの間見た謎極まわる夢を占いに当てたらどうなるかを確認したかっただけ、因みに当てはまらなかった様子でふぅとため息をついてから本を閉じて童話のスペースに足を運び物色してから一冊を手に取ってから

 

「今日は、これを」

 

「ではこちらにサインを。はい、では期限はまた一週間ですのでご注意くださいね」

 

お礼を言ってから部屋を出ていくM4、結局夢占いがどうしたのだろうと思いながらその後も疎らに来る利用者の相手をしながら一日が過ぎていくのであった。因みにG11は珍しく3時間も睡眠をとってから部屋から退出した




名前が出た他二人殆どセリフ発してねぇな?

何となく司書とか似合いそうな気がするG36Cさん、でもな居ないはずのお姉さんの手伝い始めるのだけは止めて?怖いからね、今頑張って呼んでるから待ってて?


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スチェッキンの移動式屋台

街では少し有名の移動式屋台、毎週違う品物に皆が心を踊らせて通う


「は~い、スチェッキンさんの移動式屋台、今週も街にやってきたよ~」

 

基地から一番近い街のメインストリートに【スチェッキンAPS】の声が響き渡る、彼女の言う移動式屋台は週に一回、街に来ては毎回違うものを販売する、今回は【m45】が屋台の中で焼いたばかりのパンが商品で朝という時間からか朝食に買っていこうと言う客でそこそこ賑わっていた

 

そして何時もなら彼女と今日のように料理系列の商品の場合は料理担当の戦術人形、一応の護衛の戦術人形、今回は【トンプソン】だけの屋台に今日は非常に珍しい人物がそこに居た、絶対に慣れてないのが丸わかりの接客と動き、微妙に硬い笑顔、平時より極端に少ない口数、何時もの軍服ではなくm45と似た感じの服装で屋台の手伝いをするのは指揮官だ

 

と言うより司令部で執務室で仕事をしていたら半ば拉致に近い形で屋台に連れ込まれそして接客をしているというのが彼女の認識である、その時のM1895の顔は頼んだぞという感じだったので彼女は知っていたのだろう

 

(うーん、ナガンに頼まれて連れては来たけど多分これ以上の改善は無理じゃないかなぁ)

 

四苦八苦しつつ接客をする指揮官を見てスチェッキンは厳しいながらそう感じていた。確かに少し前のナガンの曰くコミュ障状態だったら今の状況だったらキョドりにキョドってパニックになってただろう指揮官が今は何とか接客をしてレジを流してはいる、がそこまでだ、客からのたまに来る世間話には一言で終わってしまうのをトンプソンがフォローしているのが現実だ

 

もし副官がそれ以上を求めるであれば改善ではなくて演技力を鍛えることになるよね~と腕を組みながら結論を出しとりあえず二人の援護に入ることにした

 

「どうだい指揮官、偶にはこういった経験も悪くないだろ?」

 

「わ、悪くは、無いと思うけど……」

 

「ごめん、意地悪な質問だったね。あ、おじいちゃん今回も来てくれたのかい?」

 

「ああ、パンの良い匂いにつられてね、そっちの子は新人さんかい?」

 

「いいやぁ、秘蔵の看板娘さ!まぁ、人見知りが激しいのが玉に瑕だけどね」

 

看板娘って何!?と今日一番の表情の変化を見せれば常連のお爺さんも呵々かと笑う、どうやら表情の乏しさに何か事情があるのではと心配をかけていたらしい、だがお爺さんが会計を済ませてまた別のお客さんが来るとそれも鳴りを潜めてしまう

 

「上手くは、行かないもんだね」

 

「ボスにこれ以上を求めるのは難しいだろうさ、それよりも今をサポートしてやるのが先決だろ?」

 

それもそうだと二人はまた四苦八苦してる指揮官の援護を始める、そのかいあってかレジが行列になると言った感じも無くパンは順調に売れていきそして

 

「あ、今ので最後」

 

「おぉっと、ごめんね~本日のスチェッキンの移動式屋台、完売御礼で~す!」

 

「今日は一段と早かったな、看板娘のお陰ってやつかい?」

 

また来週のご来店、心からお待ちしておりま~すとスチェッキンが締めれば屋台に集まっていた客は皆帰っていく、その場で美味しく食べていた人も居たがあとは各々家で食べるのだろう

 

指揮官もそこでふぅと屋台に座り込み一息、すると彼女の目の前に二人の青年が近寄ってきて

 

「ねぇ、今日はもう暇だよね、これから俺たちと遊びに行かない?」

 

所謂、ナンパだ。グリフィン戦術人形を率ていた彼女をナンパするというのは中々に肝が座りすぎている気がしなくもないが指揮官とは全員が言わなかったので本気で新人さんだと思われているのかもしれない

 

だがナンパは相手が悪かった、これ以上改善できないほど改善されたとは言えそもそもにして実験の後遺症で人を人として見えてない彼女の視点では青年だろうが子供だろう『身長が違うだけの顔が同じで人の言葉を話すマネキン』としか見れない、そしてヘリアンやペルシカ、カリーナと言った一部例外的存在とは普通に会話できるのだが

 

「……えっと、お断りします」

 

このように知らない人相手にはテンプレートな形でしか会話ができない、今回は何か誘われたから断ると言う事をしただけで肝心の感情が一切乗ってない、固まる空気、それを打開したのは護衛のトンプソンだ

 

指揮官が青年に絡まれてると判断した彼女はスゥッと彼女の背後に現れ肩に手を回して引き寄せながら

 

「私の女に何か用かい、それなら先ず私に通してもらおうか?」

 

顔は笑っているが雰囲気も声も笑ってないトンプソンにビビった青年二人は直ぐに逃げ帰っていく、それを確認してからそっと指揮官から離れ

 

「ボス、大丈夫だったかい?」

 

「うん、えっと、対応間違えたかな?」

 

「む、いや、まぁ合ってたんじゃないか?」

 

なら良かったとはにかむ指揮官、強いて言うならまぁ感情を乗せれれば完璧だったかなとトンプソンは呟くが当の本人には届かなかった模様

 

その後、スチェッキン達と後片付けをし、スチェッキンの移動式屋台は街を出て基地へと帰投する。その途中

 

「でもスチェッキンが一週間に一度外に出てる用事ってこれだったんだ」

 

「そうだよ~、ここで稼いでお金で基地の増設やらしてるんだよ」

 

「へぇ、あ、今回みたいに手伝えば私のお小遣い……」

 

「ごめんね、指揮官。副官からそれは許すなってお達しが来てるんだ」

 

副官に財布を握られ月々のお小遣い制になっている指揮官が居るらしい、まぁ増えようが彼女は街に出てくる事自体少なくお金の出費はあまりないので問題ないとは思われるが増やすチャンスが事前に潰されてたと知った指揮官は少し肩を落としていた




指揮官から見る『人間』は性別の違いは理解できるけど顔までは判別できない、でも声の違いは分かるレベル。基本的に声と身長で年齢を推測して何とかテンプレートで返す、例外的に知らない人でもお爺ちゃんお婆ちゃんには表情の変化やテンプレート外の会話ができたりする。因みにこれ以上の改善は本文でも書いてるが不可能

スチェッキンの移動式屋台は突然ひらめいた、何故かはわからないですが……いや、本当に何でだろ。


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陽だまりが日光浴してるだけ

中庭での一場面


昼休憩、いつも何時もいる場所が違う指揮官が今日選んだのは中庭、その中心でぼけーっと座って何も考えずに日に当たっていた、見る人が見れば日光浴とも捉えられるが本気で何も考えてない

 

忙しい日々に大事なのは心の余裕、それを体現するが如くぼけーっとする彼女に気付いたのはウサ耳のようなリボンが特徴的な長身の女性【Five-seveN】

 

(……大丈夫かしら指揮官)

 

後ろ姿しか確認できないので身動き一つ取らずに座り込む彼女を見て不安に駆られたseveNは近寄ってみることにする

 

余程ぼけーっとして思考を外に追い出しているらしく背後に近寄られても反応がない指揮官、しかし寝ているわけではないのは近付いたら聴こえた鼻歌が示していた

 

このままそっとしておいてもいいけどとseveN、何かを閃いたらしく上着のポケットを漁り自身がつけているのと同じリボンを取り出すとしゃがみ込んで

 

「指揮官、ちょっっと動かないでくださいね」

 

「seveN?え、うん、分かった」

 

了承を得た彼女は手櫛で髪を解してから慣れた手付きで髪を纏め、最後にリボンを自身と同じように着ければ、ウサ耳指揮官の完成である

 

が彼女、自分が黒しか持ってなかったから仕方ないとは言え、指揮官なら白だったっわねと呟くがふと頭に電流が走る

 

(いえ、あえて小悪魔子兎風指揮官と言うのもありなのでは無いかしら)

 

Five-seveN、彼女もまた指揮官のことになると稀にタガが外れる戦術人形の一人である、普段はそんなことはないが

 

とりあえず当初の目的は済んだのでもう大丈夫よと声を掛ければ指揮官からしてみれば髪を弄くられた程度の認識なので何をされたかと頭を触る

 

「おろ、リボン?」

 

「ええ、私のお揃いのやつを着けてみたのよ、似合ってるわよ」

 

おぉ~と頭を揺らせばピョコピョコとリボンも揺れる、何故か段々と感情に合わせて揺れ始めるのではとすら思えてくるがそんな機能はこのリボンにはない

 

「そう言えば、seveNは私になにか用事でもあったの?」

 

「いいえ、中庭で指揮官が座り込み何をしてるのかと気になっただけですよ」

 

そう言われると指揮官はあ~と頬を掻きながらseveNから目を逸らす、指揮官としては何も考えずに座り込んでいただけなので何をしてるかと言われると何もしてないとしか言いようがないのだ

 

一方、seveNもそんな指揮官の態度から何となく察したのか微笑みを浮かべふと、リボンに目を向ければ先程までピョコピョコとしていたものが今は困った感じに片耳が折れていたのを見て笑顔が少し引き攣る

 

(可笑しいわね、そんな機能無いはずよこれ)

 

「いやぁ、まぁ、何してた訳でもないんだよね」

 

「え、ああ、そうだったの、まぁここは日当たりが良くて気持ちがいいものね」

 

「そうそう、だからここでぼけーっとしてるのが良い休憩になるんだよ。それに日に当たってると何か、こう、二酸化炭素を酸素に変えれそうで」

 

「光合成は植物よ……いや、指揮官なら出来ても不思議ではないわね」

 

不思議に思って?まさか冗談を振ったら乗られるとは思わなかった指揮官が真顔でそう返せばふふふ、ごめんなさいねと笑いながら謝罪するseveN

 

そこで乗せられたと気付く指揮官はむぅっとちょっと怒ってますよアピールをする、何故かリボンが激しく揺れている。いよいよ疑惑が深まり始める、これは感情に反応しているのではと

 

でもまぁむくれてるアピールの指揮官が非常に愛らしいのでこの疑問は直ぐにどうでもいいことに分類され、とりあえず目の前の指揮官のご機嫌を取る為にそっと頭を撫でてみる

 

「ふわ、思うんだけど皆して私の頭撫でるの好きだよね」

 

「撫でられるのは嫌いかしら?」

 

「いや、寧ろ好きだけどさ、何となく疑問に思って」

 

「そうね、強いて言うなら撫でたくなるのよ、不思議と。そこに深い意味はないわよ」

 

そういう物なのかと納得する指揮官、そんな空間にまた一人客人がやってきた、パッと見た感じではバニーガールみたいな服装でありながらどこか近未来的な意匠を感じさせる青い髪の女性【TAR-21】皆からはタボールと呼ばれている

 

「あら、指揮官とseveNさん、ごきげんよう」

 

「Shalom!だっけ?」

 

「ごきげんようタボール。それにしても指揮官って結構、語学が堪能なのね」

 

「ええ、少々驚きましたわ。ヘブライ語は使う方も少ないですのに」

 

「ふふんって言いたいけど挨拶だけ、会話とかは全然出来ないよ」

 

ちょっと自慢げな指揮官に二人は驚きながらやるわねぇとまた頭を撫でる、そこでタボールが指揮官の頭のリボンに気付いて

 

「そうしてお二人が仲良くなさってますと、まるで姉妹みたいですわね」

 

「そうかしら、まぁちょっと狙ったと言えば狙ったのだけどね」

 

「でもseveNみたいな長身のお姉ちゃんってちょっと憧れるかな、カッコいいし」

 

あらあら、嬉しこと言ってくれるわねと言いながらseveNの顔は少し赤いのをタボールは見ていてふふと微笑みを浮かべる。とここではとても平和な空間ができていたが某所で任務に付いていたAR小隊、【ST AR-15】が突然立ち止まり司令部の方を見て

 

「強敵……!?」

 

「敵ですか?しかしこの辺りの索敵は」

 

AR-15の言葉に全員が警戒状態になりつつM4A1がそう問いかけるも、何故か直ぐに反応が返ってこずに少し間を開けてから

 

「姉枠がまた、増えた……?」

 

「ねぇねぇ、AR-15が何か言ってるよ~」

 

「……はぁ、そっとしておきましょう、それより任務を再開しますよ」

 

「え、いいのかあれ放置して」

 

「構いません、この辺りの敵でやられることもないでしょうし先に進みますよ」

 

辛辣にバッサリ切り捨て任務を再開する妹を見て、もしかしたらストレスが溜まっている?と今度、一緒に酒でも呑んで愚痴を聞いてあげようと決心したM16であった




指揮官の容姿って作者である私にもあまり形になってない不具合。でも身長はそこまで高くないし胸は嘆きの平原だし髪は少なくともポニテには出来るしナンパもされるくらいの存在ではあるらしい、胸は嘆きの平原だぞ(大事

Five-seveNってこう、スラッとした長身女性なイメージなんですがどうなんでしょうかね?

え、最後?なんのこったよ(すっとぼけ


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SOPちゃんは何時も元気

元気に皆を振り回すし指揮官も偶に巻き込まれるしなんだったらナガンおばあちゃんだって巻き込む元気ガールのお話


「る~~る~る~っと」

 

かなり機嫌よく鼻歌を歌いながら司令部を歩く服装は黒だが肌は逆に白い少女【M4 SOPMODⅡ】は先程まで任務に出ておりそこで鉄血人形と交戦、その際に得た綺麗な『戦利品』を指揮官に見せてあげるべく現在は執務室を目指している

 

ここで彼女について話しておく、彼女はAR小隊の一人であり性格は天真爛漫を体現したような存在で司令部の仲間や指揮官には子犬みたいに戯れつき遊んでくれと言わんばかりのテンションを発揮する

 

が一度戦闘になればその無邪気さはそのままに残虐性を顕にする、そして鉄血人形を生きたまま解体、または過剰な拷問を掛けたりとM4に言わせれば戦場では有名な人形虐待嗜好者と言うくらいに酷い

 

そしてその残虐性と無邪気さと子犬みたいな性格が合わさると何が起きるか、彼女は時たま鉄血人形のパーツの一部を引っこ抜いては部屋にコレクションすることがあり更に言えばそれが綺麗に取れたと言うなら指揮官に見せたくなるという性分もある、がこの司令部に関してはそれは結構な問題行為になる

 

「指揮官、帰ったよ!!」

 

「あ、お帰りSOPちゃん、戦闘があったって聞いたけど大丈夫だった?ナガンは指揮するほどでもあるまいって言ってたけど」

 

「無問題、みんな怪我一つ無いよ!」

 

「ほれ見ろ、偶には皆を信じてみたらどうじゃ、毎回毎回、指揮が通る状況ではあるまいしこういった自律行動も必要じゃ」

 

ノックもそこそこに執務室の扉を開け放ち帰還の報をすれば指揮官は安堵の息を吐き、M1895はそういった旨を話す。そこでSOPは此処に着たもう一つの目的を果たそうとゴソゴソとポケットを漁りながら指揮官の側まで行く

 

当然、指揮官は何かと期待して彼女を見る、がここでいち早く気付いたのはM1895、SOPの性格をキチンと把握してるはずの指揮官が何故そこまで無警戒なのかと思いながら

 

「SOP、そのまま両手を上げるのじゃ」

 

「え、こう?」

 

だが遅かった、丁度掴みかけてたらしいその物体は彼女が両手を上げた際にポケットから零れ落ちゴトリと言う鈍い音を執務室に響かした

 

そしてそれが何の音かと気になるのが人間であり不思議そうな顔をしつつ

 

「SOPちゃん、何か落ちたよ?」

 

「あ、そうそう、見て見て指揮官、今日綺麗に奴らから取れたんだよ!!」

 

「ば、見るな指揮官!!」

 

M1895の珍しく焦った声にへっ?と反応するも全てが遅く、SOPが輝かしい笑顔で両手に乗せたそれを彼女は見てしまった

 

普通の人間ならば機械のそれは彼女から見れば、ヌチャリと言う生々しい音が聞こえそうな液体を纏った目玉、たしかに彼女の言う通り傷一つ無いので綺麗だろうが指揮官からすれば綺麗だろうが何だろうが目玉は目玉な訳であり

 

「ひゃっ、あ、え」

 

「馬鹿者、指揮官がわしらをどんな風に見えておるのかを忘れたのか!」

 

「……あ、あ!ご、ごめんなさい」

 

「ナガン、怒らないであげて私はだ、大丈夫だからさ、SOPちゃんだって悪気があったわけじゃないんだし」

 

それに分かってて止めなかったのは私だからと顔を青くしながら今にも説教を始めそうなM1895を制して落ち込んでいるSOPに笑いかけ、ゆっくりと深呼吸を繰り返す

 

これは建前では無く本気でそう言ってる、SOPの性格を把握してるからこそ彼女は止めなかったし受け止めようとしたのだが思ったよりインパクトが大きかった、三度目の深呼吸で顔色も戻り始め未だ落ち込んでいるSOPの頭にそっと手を乗せ

 

「ふぅ、うん、もう大丈夫だよ」

 

「で、でも……」

 

「ふむ、よい、後はわしがやっておこう、お主らは休憩に行ってくると良い」

 

そのまだ微妙に青い顔で仕事されても気が気じゃないからのうと書類を纏めながらM1895が告げるが休憩には早く量もまだそこそこ残っている、そこで副官の意図に気付いた指揮官は分かったと頷いて

 

「SOPちゃん、ちょっと息抜きに付き合ってくれるかな?」

 

「え、あ、うん!」

 

「じゃあ、ごめん、ちょっとお願いね」

 

「ああ、ゆっくり息抜きしてくるが良いのじゃ」

 

ヒラヒラと気怠げに手を振るM1895に素直じゃないなぁと小さく呟きながらSOPと手を繋ぎ執務室を出る

 

息抜きなのでゆったりと歩きながらSOPがその任務であったことを嬉しそうに話すのを指揮官が微笑みながら聞く、一部中々に過激な内容も混ざるが話だけなら耐性がそこそこ出来上がっているので問題ない

 

「指揮官、さっきは、本当にごめん……私ちょっとはしゃぎ過ぎちゃって」

 

先程まで楽しげに話していたSOPが急に声のトーンを落としたと思ったら改めて謝罪をしてくる、彼女としてはただ指揮官に喜んでもらおうとしただけだったのが少し大事になってしまい尾を引いているのだ

 

それに対して指揮官はまた先程と同じように笑いかけながら頭を撫で

 

「まぁ確かに驚いちゃったけどさ、でも私に褒めてもらいたかっただけSOPちゃんは悪気があったわけじゃないでしょ?」

 

「う、うん」

 

「なら良し、ありがとね、そうだねお礼に今度パンケーキ作ろっか」

 

それともカフェでお茶の方が良いかな?優しく頭を撫でつつ微笑みそう告げればSOPの顔に笑顔が戻り始める、それを見た指揮官も満足気に、そして負けじと笑顔を浮かべれば今度は二人して声を出して笑い合う、そんな二人の少し長めの息抜きは副官から小言の混じった通信が来るまで続いたとさ




wikiでSOPちゃんは田村ゆかりでロボットだから実質プリキュアってコメント見て軽く納得仕掛けましたが私は元気です

偶には姉ムーブも出来る指揮官の図


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任務は何時でも真面目に

警邏任務だって偶には担当する


グリフィン本部から司令部に送られる任務は基本的に鉄血に制圧された地域の奪還や襲撃が予想される地点の防衛、制圧下にある地域の巡回などが主になる

 

それ以外にも街が近い司令部では警邏任務も担当することがあるが彼女の司令部は街からは微妙に距離があるため滅多に担当することはない、が今回はその滅多にが起こった

 

どうやら本来警邏を担当していた司令部が他の基地の増援に駆り出されてしまったらしく人手が足りないとのことで今朝本部から通信があり割りと人員は潤沢なこの司令部から三組ほど出すことになった、その内の一組【MP-446】と【OTs-12】組は現在、警邏をしつつ指揮官と副官に頼まれた買い出しもついでに行っていた

 

「調味料は買って基地に配送したし日用雑貨もOK、後何かあったっけティス?」

 

「買い出しは殆ど無い、だけど主任務は警邏だから忘れないで」

 

それは勿論忘れてないよ~と笑顔で歩くMP-446の後ろを本当に大丈夫よねと心配そうな顔をするOTs-12、初めて組んだ訳ではないのだが少しお調子者の彼女に不安を覚えるなというのが難しい、故に自分はしっかりしなければと意気込む

 

がその意気込みは空振りとなった、と言うのもこの街はかなり平和なのだ。グリフィン司令部が近くそれ故に警邏関係なく戦術人形が遊びに来たりすることもあり何処でも目を光らせている状態が出来上がっているのだ

 

それでも完璧に犯罪がないというわけではないがそういった背景があり今日は穏やかな警邏となっている、そうなると一番始めに気が緩みだすのがMP-446

 

「ねぇ、折角だから少し買い食いしない?」

 

「バイキング……私達は任務中ですよ、いかに平和とは言えそこまで気を緩ますというのはどうかと思いますよ」

 

「えぇ、だって指揮官もお金余ったら自由に使っていいって言ってたし、使うタイミングなんてこういうときしか無いよ~」

 

ほら、そこに丁度チュロスの屋台あるし。指を刺された方向には確かにチュロスの屋台、そこから来る出来たての匂いにOTs-12の心が思わず揺らぐ、が此処で自分まで緩んでどうするんだと気を保つ為に腕時計を見れば時間は15時、おやつの時間、休憩には丁度いい時間、それを認識してしまった彼女の心はあっさりと陥落した

 

「分かりました。一旦休憩にしましょう、あ、私の分もお願いしますね、私は他の班に定期連絡をしますので」

 

「了解!」

 

「はぁ、こちら第三班OTs-12、こちらは異常ありません、オーバー」

 

言うが早いかの速度で屋台に並んだMP-446を尻目に近くの丁度いいブロックに腰掛け他の班へと通信を繋げる、最初に繋がったのは第一班、だが繋げてきたのは班長ではなかった

 

《こちら第一班【MP5】えっと、こちらも異常はありません、オーバー》

 

「ん?そちらの班長は【P38】では?彼女はどうしました」

 

《え、えぇっと P38は今……》

 

恐らく通信機をその方向に向けたのだろう、そこから聞こえてきた音にOTs-12は思わず額に手を当て項垂れかける

 

《イェイ!みんな盛り上がってこー!》

 

「何やってるんですか彼女は……!!」

 

《その、ゲリラライブって言ってました、でもお陰なのか分かりませんが盛り上がりのせいでこれはこれで防犯になってるらしく……》

 

「わ、分かりました、とりあえずそのまま任務を続行して下さい、アウト」

 

通信が切れた後、深い溜め息を一つ、だが次に来た通信のせいで彼女の気苦労が休まることは無かった

 

《こちら第二班【コルトSAA】こっちも異常無いよ~ってトンプソン!それ私のコーラよ!!》

 

《おっと、悪い悪い、ほら、まだあるからこれで機嫌直しな》

 

《ちょ、コーラを投げないで!》

 

「……はい、まぁ、はい、分かりました。何か異常が起きたら通信下さい、アウト」

 

遂に頭を抱えた、いや、先程のゲリラライブよりは断然にマシなのだがそれでもOTs-12は抱えずにはいられなかった、今回任務に付いた人員があまりのも自由すぎると

 

無論、全員指揮官から言い渡されている任務はしっかりこなしつつ自由にしてるので文句はないのだがMP5や私が真面目にやりすぎてるのではないかと思ってしまうくらいに自由度が桁違いすぎるとOTs-12はまた深い深い溜め息をつく

 

そのタイミングでチュロスを購入したMP-446が戻ってきた、先程より妙に疲れてる彼女にチュロスを渡しながら

 

「どうしたのティス、疲れた顔してるけど」

 

「いえ、まぁ何と言いますか皆さん仕事はしてるんですよねってことですよ」

 

「?そりゃするでしょ、仕事だからね」

 

何言ってるのティスと続けながらチュロスを一口食べ舌鼓を打つMP-446、それを見つつそうね、と買ってきて貰ったチュロスを見る、シンプルなプレーン味のチュロス、実を言うとOTs-12は以前、アストラが作ってた時に食べ気に入り、このお菓子が好きだったりもする

 

一口食べればサクッと言う軽快な音、程よい甘さが少々疲れた身体に広がり少し肩を張りすぎたかなと思わせる、その後も食べ進め終われば

 

「さぁ、残りの時間もしっかり仕事しますよ」

 

「張り切って行こう!」

 

この日、全班は事件等に合うこともなく司令部に帰還、指揮官にはお土産のチュロスを送った所、かなり喜ばれ偶にならこういう任務もいいですねと思うOTs-12であった




本当はMP-446がメインのはずが気付いたらティスちゃんがメインになっていたマジック

チュロス好き、棒状の奴とか屋台見るとつい買っちゃうくらい好き

次回、丁度いいワルサーP38ちゃん、ちょっとメイン張ろうぜ


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アイドルは何だって出来るんだよ!

彼女は割りと何でもこなせてしまう


司令部倉庫、そこで在庫整理をしていたカリーナから通信で呼び出された指揮官とM1895はそれを目の前にどうしたものかと悩んでいた

 

カリーナも含めた三人が悩ましているもの、それは全く心当たりがない金庫。カリーナが在庫整理中に発見したらしく二人のどっちかのものかと呼んだは良いのだが

 

「つまり、これはお二人のものでもない、と」

 

「うむ、全く知らん」

 

「私も、ごめん覚えはないかな」

 

「とすると前任者の金庫でしょうかね……」

 

誰のものか一切不明の金庫、更に言えばダイヤル式のこの金庫を開けるための暗証番号など知る由もなければそれが書いてあるメモの類も当たり前ながら無い、でも中身が気になる指揮官はあ、と思い付く

 

「ぶっ壊せば」

 

「駄目に決まっとるじゃろ」

 

思い付くが割りと極端なことが多い指揮官であった、しかしこうなるといよいよ手詰まりであり諦めようかと言う空気になった時、一人の戦術人形がふらっと現れ事態が好転する

 

現れたのは【P38】司令部のアイドルを自称、ではなく街でゲリラライブとかをした結果固定ファンも着いてしまった名実ともにアイドルの彼女は金庫の前でウンウンと唸る三人を見つけ

 

「三人してどうしたのですか?」

 

「あ、P38ちゃん、カリンちゃんがこれを見つけたは良いんだけど誰の物か分からないし暗証番号も分からないしで困ってるんだよ」

 

「なるほどなるほど、ちょっと見ていいですか」

 

「え、良いけど」

 

では失礼しますねと金庫の前にしゃがみ込んで調べ始めるP38、それはそれとしてやることがない三人は彼女が何を調べて、これから何をするのかと興味津々の視線を送る

 

調べ出してそこまでしないくらいで彼女はしゃがみ込んだ体制のまま、ふと呟くように三人に

 

「これなら、3~4分貰えれば破れますね」

 

「破るって、金庫破りってこと?」

 

「はい、これくらいなら余裕ですよ」

 

「これは、意外すぎる特技が判明ですね、指揮官様」

 

カリーナの感心の声に反応できずにえぇと指揮官から困惑の声が上がる、歌って踊ってが得意のアイドル戦術人形が突然見せた全く別すぎる側面が強すぎた、しかもその事実を何時もの笑顔じゃなくて仕事人じみた真顔で言うものだから更にインパクトが強い

 

倉庫内を包む何とも言い難い空気、それを破るためか気を取り直す為かM1895が態とらしく咳払いを一つしてから

 

「まぁ、中身が気になるのは事実、ここは一つ頼めるか」

 

「お任せ下さい、では早速取り掛かりますのでちょっと静かにしててもらっていいですかね」

 

言われた通り静まる三人、するのはP38が金庫のダイヤルを回す音だけ、回している彼女は目を閉じ耳と指の感触で当たりの番号を見つけては次の番号を探すを繰り返し3分半が経った時、ガチャリと解錠された音が響いた

 

「開きましたよ!」

 

「わぁお、本当に破っちゃいましたよ」

 

「一度全戦術人形の特技を一人ひとり聞いたほうが良い気がするのはわしだけかのう」

 

「いや、それは流石に時間かかるし、プライベートだし……さ、さて中身見ようよ!」

 

金庫の扉を開けて中身を見てみればそこには中々の額になりそうなお札、それを見た三人は声を上げず驚く、そこまで資金繰りに困っている司令部ではないがあればあるだけ良いのでこれは大助かりだと盛り上がる

 

がP38はそっとお札を手に持ち、何度も肌触りを確認するように触り、じっと見つめてから

 

「あ、これ駄目ですよ」

 

「へ?」

 

「どういうことですか?」

 

「これ、全部偽札ですね」

 

「なんじゃと、いやお主よく分かるな……」

 

「アイドルですから、今どきのアイドルは何だって出来ないと生き残れませんからね!」

 

アイドルって過酷なんだなぁ、心から感心した指揮官の声、だがカリーナとM1895が思う、少なくとも自分たちの知っているアイドルは金庫破りや偽札を見るだけで判別するなどと言った特技は持ち合わす必要ないだろうと

 

「でも偽札じゃ使えないしどうしようか……」

 

「処分するしか無いじゃろ」

 

「ですね~、はぁ何だかちょっと疲れちゃいました」

 

「だね、お腹空いた……ってもうお昼近いじゃん、どうしよっかな」

 

「あ、なら今月出来たジャガイモが収穫して量があるんですよ、それをお昼にしませんか?」

 

本日、二度目の場が固まった。アイドルってなんだっけとカリーナとM1895は静かに思う、買ったあったとかそういうのではなく今月出来た、という事はこのアイドルはジャガイモをこの司令部で栽培していたのだ

 

因みに指揮官は既に食いついている、じゃがバター?それともシンプルに塩もいいよねともうそれはそれは夢を広げまくっていた

 

「楽しみにしてて下さい指揮官、お二人もお昼はジャガイモで良いですかね?」

 

「え、ああ、はい、頂きますね」

 

「う、うむ、わしも頂こう」

 

では準備して食堂で待ってますね!と倉庫から出ていくP38、残る三人の内カリーナとM1895はそんなに経っていないはずだがどっと疲れを感じる程に彼女の意外な特技と趣味に驚いていた

 

「凄いな~P38ちゃん、色々出来るんだね、歌ったり踊ったりするだけじゃないんだアイドルって」

 

「……いや、彼女が特別なだけだと思いますわよ指揮官様」

 

「ああ、わしもそう思うのじゃ、まぁよい食堂に行くかのう」

 

こうして倉庫での一幕は終わる。因みにだがP38は他にも軽業師や裁縫なども出来ると後に判明して指揮官のアイドルへの熱い誤解が加速していくのであった




じゃがいもの収穫時期とか季節とかは気にするな!(チャー研並感)

偽札は別にゴート札じゃ)ないです


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稀によくある事故

学校の先生とかに稀にやらかすあれ


その日、指揮官とM1895は街に居た、と言うのも本部のペルシカから呼ばれ来たは良いのだが時間が少々早くならばと昼食を済ませてしまおうと言うことになったからだ

 

昼食と言っても店には入らず屋台のタコスを食べ歩きながらのんびりと街を散策する二人、無論、指揮官の目は相変わらず顔が同じの住人しか見えないのだがふと身長的に子供が彼女達の横を駆け抜けて行くのを自然と目で追う

 

「お母さん!早く行かないと間に合わないよ!」

 

「もう慌てん坊ね、まだ時間は余裕があるわよ」

 

どうやら親子で出かけていたのだろう、母親と思われるもう一人の人物も通り過ぎる。そこでふと指揮官は思った、自分がこうやって存在している以上、母親が居たはずなんだろうと

 

だけど彼女の記憶には欠片もなく気付けば養子として誰かの家族に迎えられた所からしか無く、その家族でも母親と呼べる存在は居なかった、と言うよりその時から人を人として見れないでしかも今よりも酷い状況だったので人間だとか家族だとかいう認識もなかったという話なのだが

 

(……お母さん、か)

 

何故か急に感傷深くなる、親子なんて街に出ればよく見るはずなのに今日はなぜか心に引っかかった、もし居たら自分は指揮官にならなかったのだろうか、それとも……

 

(こんな私だから捨てられるよね、そもそもお母さんの顔だって分からないんだろうし)

 

「む、どうした指揮官、そんな思い詰めた顔しよって」

 

「え、あぁ、いや何でもないよ?もう、そんな心配そうな顔しないでよ、本当に平気だからさ」

 

「ならば、良いがの。それよりもじゃ、これから本部に行くというのに口にソースを付けっぱなしにするつもるかのう?」

 

言われ口元を指ですくってみれば先程まで食べていたタコスのマヨネーズソースが取れた、言われなきゃ恥さらしてたよこれよ指についたそれを舐め取り、まだ本部までの少し歩くなと思いながらまた心に引っかかり続けるそれを考える

 

幾ら考えたと所で所詮はIFの出来事なのだが、もし自分が母親と呼べる存在が居るとすればそれは誰になるのだろうと考えてしまう

 

(でも前提条件が私がキチンと認識できるって所だからなぁっとと、えっと身分証、身分証)

 

とそこで一旦思考を中断して本部受付に向かいながら軍服から認証カードを取り出し渡し、確認を貰ってからペルシカの研究所に向けて歩を進める

 

研究ラボに向かう途中、やはり暇になるとまた母親で思考が巡る。彼女自身も今日はちょっと変だなと思いつつもそれを止めたりはせずに考え出してしまう

 

(認識、そうなると絞られるのって三人だよね、でもカリンちゃんはお母さんって言うよりお姉ちゃんだし……ヘリアンさん?)

 

ヘリアンを思い浮かべながら考えるが、初対面では認識できなかったしその後は勉強を厳しくもしっかりと教えてくれたと言うところから、これは先生だよねと納得しじゃあと残る一人は

 

(ペルシカさん?うーん、確かに初対面でも不思議と認識出来て色々お世話になってるし合ってると言えば合ってるのかなぁ)

 

だからと言ってペルシカさんってお母さんにしたらその、ズボラすぎて子供の立ち位置だと苦労しそうだよね。そもそもあの人がそういうの面倒臭がるような気がするしなど若干失礼極まりない事を考えているとグイッとM1895に腕を引っ張られ転けそうになる

 

「うわわっとどうしたのさ、ナガン」

 

「どうしたもなにもない、何処に行くつもりじゃラボに着いとるぞ」

 

言われ見てみれば確かにラボの入り口、考えにのめり込む過ぎたと反省する指揮官にしっかりとくれよ苦言を呈するM1895にごめんってと言いながら扉横のインターホンを押せば数秒してからいつもの気だるい感じの声がインターホン越しに届く

 

「ああ、来たか。開いてるから入っていいよ」

 

「失礼します」

 

「失礼するって……相変わらず整理が全くされておらん部屋じゃな」

 

苦手でねと反省の色を欠片も見せない声で反論する猫耳の女性【ペルシカリア】と部屋の惨状を見て指揮官は思う、でもまぁこの人がお母さんならもしかしたら指揮官じゃなくまた違った人生があったのかなと、そしてそんな事をまた微妙に思考の海の深い所で考えてたせいで悲劇もとい喜劇が起きた

 

「……指揮官、何をぼうっとしておるのじゃ、今日は何だか可笑しいぞお主」

 

「おや、調子が悪いのかな、大丈夫かい?」

 

「え、あ、大丈夫です『お母さん』……あ」

 

考え事が考え事だった、突如呼ばれ、心配もされた彼女はつい反射的にペルシカにそう言ってしまった、呼ばれた本人はキョトンとした顔でM1895は笑いを堪え、そして指揮官はと言うとこれでもかというくらいに顔を赤くし

 

「ち、違うんですよ。そのちょっと考え事をしててですね?だから、その、うぅぅぅぅ」

 

遂に恥ずかしさのあまりに蹲ってしまう、穴があったら入りたいと蚊の鳴くような声で呟けば我慢の限界が来たM1895がククッと笑いをこぼす

 

「なんじゃ、もしかして街ですれ違った親子を見てからずっとそれを考えておったのか」

 

「うぅぅぅぅ……だって何か頭の中でぐるぐるしてたんだもん」

 

「ふふ、でも私がお母さんか、ふむ、指揮官業は上手くやれてるかい娘よ」

 

「やめて下さい……本当に謝るので……」

 

からかうようにペルシカがそう言えばいよいよ立ち直れなくなる指揮官、とそれを見て更に笑うM1895。だけど彼女は思う、もし本当にこの人が母親であったのならばきっと毎日が楽しいのかもしれない、と

 

因みにペルシカが二人を呼んだ理由はCUBE作戦の成功祝の16Lab製のPEQと徹甲弾、それと最中を渡すためだったと聞きそれは羊羹のときと同じように配送で良かったのではとペルシカの思考にツッコミを入れる二人であった




ペルシ母さんっていう素晴らしい語感の単語が仕事中に浮かんだのでこんな話書きました

でも実際、虚無だった指揮官を拾ったのペルシカだし彼女が指揮官に就任する時の書類を書く際に必要な名前もペルシカが付けたから(指揮官がお母さん呼びするのも)多少はね?

因みに学校の担任をお母さん呼びは私もやらかしたことあります、あれ結構空気が辛いねんな


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大掃除

彼女に目をつけて手を出そうとしたのが全ての敗因


何処かの司令部、そのデータベースでカタカタカタとキーボードを叩く音が響く、だがそれはこの司令部のデータベース係ではなく、変装し侵入しているFMG-9が今回の任務に必要な物的証拠を抜き出す音

 

(うわぁ、奴隷とか時代間違ってるんじゃないのこれ、自律人形が出回ってるのに態々危険冒してまで人間をそう使う意味が分からないよ)

 

今彼女の目に写っているのは所謂商品カタログのようなもの、しかも一部には壊滅したはずの司令部の指揮官まで混ざっているのでこれは今回中々大物に狙われたものだと呆れつつデータの抜き出しを続けていく

 

そして、カタログの抜き出しを終えたらまたデータを探り次に見つけたのは商品予定にする人物の一覧、その一ページ目に今回彼女が潜入した理由の名前があり目を細める

 

(ビンゴ、余程ウチのボスが気に食わないようで、ったくあんたらになにかしたかってんだ、更に外の犯罪組織との繋がりもゲット、ボロい仕事だことで)

 

どうせ、AR小隊を抱え込んだりペルシカやヘリアンとの交流が多かったりのが目についたのか、単純に少女が指揮官なのが気に食わない系の男か、とにかく手を出すってんなら容赦はしないよとそのデータも丁寧にそして素早く抜き出していく

 

順調に抜き出されるデータ、残り一割と言った所で通信が入る

 

《ヴィオレットからランセニュマン、データベースに戦術人形が接近中、オーバー》

 

「此処に入ってきそうですかね?オーバー」

 

《手に書類を確認、間違いなく来るかと、どうしますか?オーバー》

 

入ってきちゃうかぁと抜き出し中のパソコンを見れば残り40秒の表示、抜き出しは間に合いそうだがその後の脱出が難しいなと考えてチラッと時計を見る

 

作戦までまだ微妙に時間があるがこれくらいであれば誤差で済ませられるかと考え

 

「……ヴィオレット、ちょっと通信開いたまま待ってて貰えます?ランセニュマンからリスノワール、そっち今どんな状況ですかね、オーバー」

 

《準備は終わってます、オーバー》

 

準備は終わってる、それを聞いた彼女は重畳重畳と笑い、ウェルロッドにも少し待ってるように伝えてから続けてもう一人の実働部隊員にも通信を繋ぐ

 

「ランセニュマンからダリア、そっちはどう?オーバー」

 

《目的地に居る、合図さえくれれば何時でも動けるわ、やるの?オーバー》

 

「だね、丁度データの抜き出しも終わって今送ったし、構わないよねメメール」

 

《時間は少々早いがの、構わぬ奴らに最後を見せてやれ、お主らの成功しか認めぬからな?》

 

メメール、もといM1895の通信越しの言葉に全員が静かに頷いた所でデータベースの扉が開かれると同時に頭を撃ち抜かれ廊下に倒れる

 

「こちらランセニュマン……」

 

《エネミーダウン……おやすみ》

 

「大掃除を開始するよ」

 

この通信とSASSの狙撃を合図に基地に警報が鳴り響く、FMG-9からヘリアンに送られた犯罪のデータを証拠に強制調査に踏み切ったグリフィン暗部の部隊による襲撃、それに対して反撃を開始し銃撃戦が繰り広げられる

 

そんな事は置いておき、実働部隊は着々と作戦を遂行していく、数分もすれば

 

《こちらダリア、地下を制圧……酷い有様ね、発信機を展開してから次の目的地に向かうわ、そこで落ち合いましょう、アウト》

 

《リスノワール、ターゲットが行動開始、どうやら撒き餌には掛かってるようですね、現地まで通信を切ります、アウト》

 

《ヴィオレット、私も行動を開始しますね、アウト》

 

「了解了解、さて、私も動かないとですね」

 

三人からの順調に作戦が進んでる通信を聞いてから彼女もすぐに動き出しその目的地まで軽やかに駆けていく

 

街の外れの廃工場、そこがFMG-9によってセッティングされた場所であり集められたのは先程の司令部の小太りの指揮官、そして見るからに堅気ではない二人の男女の姿、これが今回のターゲット

 

男女の方はその方面では有名の犯罪組織の頭と幹部でありついでだから処理しちゃおうとヘリアンに提案した所通ったので片付けられることになったある意味不幸な二人である

 

「ちょっと、どうなってるのよ」

 

「大方、嗅ぎつけられたんだろ、役に立たない豚が」

 

「ち、違う、俺はヘマなんかしてねぇ!ちっ、直ぐに立て直す、おい脱出用の車あんだろ!?」

 

「は、何言ってるの、そっちが呼び出したんでしょ」

 

小太りの男の言葉に女性が苛立ちを隠さずに反論すれば三人の空気が疑惑に変わる、全員が全員誰に集められたのかと

 

「はぁい、ちゃんと警戒して粗探しすれば穴だらけの情報でよく集まってくれましたね」

 

心から馬鹿にした少女の声が響く、声の方を見ればコンテナの上で腰を下ろしているFMG-9の姿、そしてそれを皮切りに三人も現れ手には銃を構えられていた

 

「嵌められたのか……!!」

 

「いやいや、嵌められたも何も、あんなので罠にかかる方がどうかしてるんじゃない?ま、それだけの事したってことだよあんたらは」

 

声に激情が混ざる、見れば顔も何時もの澄ました感じではなく、殺意が混じった表情になっている

 

その言葉に対して三人は何かを叫ぶが彼女の耳にはノイズとして処理され、不快に顔を顰める

 

「あぁ、駄目ですね、聞くに堪えない、情報にもならない言葉しか吐けないのが人間だとか思いたくもない、ボスの言う通りいっそ全部マネキンだと考えるのが良いんですかね?」

 

「無駄話はもう良いのでは?」

 

「おっと、失礼、ではさようなら」

 

数十発にもなる銃声が響き、静まる頃には穴だらけになった肉塊が転がり、それの回収のための通信を行った後、思い出したかのようにFMG-9が肉塊に向け口を開く

 

「ああ、安心して下さい、あなた方は逃亡中に鉄血に襲われ死亡ということになりますのでそれと戦術人形もキチンと他の司令部に配属となりますからゆっくりと地獄を楽しんできて下さいよ」

 

こうして一つの犯罪組織が消滅、司令部も一つ消滅したが救助された指揮官が現場復帰するらしいのでプラマイ0、しかしそんな事一切気にしてない彼女達は司令部(我が家)に戻り祝杯を上げていた




久しぶりに裏側のお仕事的なノリで書いてたけどこの世界で奴隷って絶対需要ないぞ……人体実験とか?いや、微妙だよなぁ(混乱)(無計画極まれリ)

色々難産でした、やっぱり自分にはこういった話は向かないという可能性が大いに存在する……?

OTs-14
ダリア

M1895
メメール フランス語でおばあちゃん

活動報告でネガったら話も変になったので明日からまたほのぼのと行こうぜ!

修正報告 グローザのコードネーム【ダリル】になってましたが【ダリア】の間違えです、何やってるんですかねこの作者……


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今月の記事はどのように?

指揮官の記事は人気


「……ネタが微妙に足りないですねこれ」

 

データベースの一角、彼女専用に用意されたスペースで【FMG-9】がぼやき椅子を回転させながら困ったぞこれと再度呟く

 

彼女が今やっていることは月イチで更新される司令部の掲示板に貼るための広報記事、業務のことから街の雑貨屋の新商品、スチェッキンの移動式屋台の日付、果ては司令部で起きたことを記事にするなどこの司令部の戦術人形が割りと人気が出ている記事だ

 

そして今、冒頭の台詞の通り記事にするネタが少々足りずスペースが空いてしまっているのだ。これは良くないが手持ちのネタでは話題性に欠けるので

 

「集めてきますか」

 

椅子から立ち上がり、固まった身体を解しながら予定を組み立てていく、がやることは結局ネタ集めなので司令部内で聞いてまわれば出てくるでしょと結論づけてからメモ帳を懐にしまい込みFMG-9はデータベースを後にする

 

時間は午後の丁度各々の業務が終わりだす頃で司令部もお疲れ様ムード、なのでそこかしこで仲間同士で雑談で盛り上がったりしている、これなら思いの外ネタは集まりそうかなと思いつつ、しかしどういったネタが良いだろうかと考える

 

(妥協は戦術人形で一つ、ボスで一つ。理想はボスで二つ、まぁこっちは中々難しいですけどね)

 

そんな事を考えながらボールペンをポチポチと口元に当てながら廊下を歩いていると前から【HK416】が歩いてきて悩んでいるFMG-9に気付き声を掛けてくる

 

「なにか悩み事?」

 

「ええ、今月の広報記事のネタがちょっと足りなくてですね……あ、そうだ」

 

何かを閃いた彼女は懐にしまったメモ帳を取り出し開きながらボールペンをマイクのように差し出す、FMG-9がこの行動をとった時はつまりそういう事だというのが司令部全員の共通認識である

 

「面白い事なんて持ち合わせてないわよ」

 

「いえいえ、今回は取材ではなくてちょっと相談です」

 

「相談?まぁ聞くだけ聞くけど」

 

「ありがとうございます、では単刀直入に。ご趣味のボトルシップの作品をちょっと記事に載せてみませんか?」

 

え?とまさかの内容に表情が固まる416、何故彼女が伝えてないはずの自分の趣味を知っているのかという疑問が頭を埋め尽くす、そしてそれを記事にするとはどういうことだと

 

言葉にしてないその疑問を感じ取ったFMG-9は得意げに鼻を鳴らし

 

「情報通たる私の耳と目は誤魔化せませんよ~、貴女が休日を利用して雑貨屋でボトルシップのパーツに必要な木材などを仕入れてるのは店主から聞いてますからね~」

 

それにちょくちょくカリーナから大きめの紙袋を受け取り部屋に持ち込んでたりBARから空ボトルを貰ったりしてますもんね、それだけあれば推測可能ですと畳み掛ければため息一つついて両手を上げて降参の意を示す

 

「驚愕に値する洞察力と情報収集ね……でも記事に載せる、か」

 

「どうでしょうか、無理にとは言いませんけどね」

 

「試しに一度、と言うのはありかしら、それなら良いわよ」

 

「お、分かりましたではそれで行きましょう!」

 

細かい調整を二人で話し合いそれをメモ帳に書き記していく、後ほど写真を収めに行きますねと伝えればそれまでには載せる作品を選んでおくわと416は足早に自室に戻っていく

 

思いがけずネタが一つ手に入り上機嫌なFMG-9、次に指揮官のネタを探すのだがこれに関しては心当たりはある、と言うより

 

(指揮官のことなら、副官に聞くのが手っ取り早いですよねっと)

 

確実に裏も取れるし尚且ネタとしては一番新鮮な物が手に入るM1895に聞くために先ずは時間を確認、そこから居ると思われる場所を推測してから足を運んだのは副官の自室、ノックをしてから

 

「FMG-9です、少しお話良いですかね?」

 

「お主が来たということは……ああ、入って良いぞ、とっておきのネタがあってのう」

 

「話が速くて何よりです、では失礼します」

 

ラッキー!と入ればテーブルの上にはウォッカ、どうやら提供はするが代わりに付き合えということらしい、苦笑しつつネタの為だと分かりましたと言えば向こうも呵々と笑いながらグラスに注ぐ

 

こうして記事のネタを無事に入手した彼女は翌日には仕上げ、更に次の日には掲示板に掲載された。

 

(……?なんかみんな私の方見るけどどうしたんだろ)

 

掲載された日、指揮官は朝から妙に温かい視線を周囲から感じていた、まるで微笑ましいことを聞いたと言う感じの視線に困惑しながら廊下を歩けば

 

「指揮官、おはよう」

 

「おはようM16、他の皆は一緒じゃないんだ?」

 

「ああ、今掲示板の記事見てるよ。いやぁ指揮官も可愛いところがあるもんだな」

 

笑いながらグシャグシャと豪快に頭を撫でられながら指揮官はどうやらこの視線は掲示板が原因らしいと気付く

 

「掲示板、あっ今日更新されたんだっけ、見に行かなきゃ」

 

「おう、見てきたほうが良いな」

 

一体何が書かれてるんだろうと思いながらM16と分かれ掲示板まっで来てみればIDWが彼女に気付き近付いてポンっと肩を叩きながら

 

「まぁ、その、強く生きるにゃ」

 

「待って何が書かれてるのその記事!?」

 

人形たちが道を開けてくれたお陰ですぐ読めた記事には何時もの業務連絡等の下に416のボトルシップの話、そしてその次には自分の事でこの間ペルシカに会いに行った時の話が書かれていた、それはもう事細かにあのお母さんと呼んでしまった出来事も

 

顔が赤くなる、後ろを振り向けば優しい視線の仲間たち、その中にはFMG-9とM1895の姿もあり彼女は

 

「おばあちゃん!!なんで話しちゃったのさ!?」

 

「すまぬ、酒で口が滑った」

 

「嘘だ、お酒呑まなくても喋ったでしょ!?」

 

「分かっとるではないか、いや、待て悪気はなかったのだがやはりこういった事は知ってもらったほうが良いかとな?」

 

「良くないよ!?」

 

既に羞恥心で涙目の指揮官の叫びもM1895は何処吹く風と言わんばかりの態度、申し訳なくなったFMG-9はそっと頭を下げながら

 

「ああ、うん、ボスすみません、まさか副官の独断とは思わなくて……」

 

「いいもん、悪いのはおばあちゃんだもん……」

 

そこから三時間程へそを曲げてた指揮官だったがスプリングフィールドの手作りプリンで機嫌は戻った模様




チョロいわコイツ(副官並感

今回の話を書いてる時に何処かの幻想に居る天狗の文屋が頭を駆け巡ってました、でもFMG-9ってこういう事も似合いそうだなって

あ、活動報告で書いたキャラ設定のページ、ごめんなさいもう少し掛かりそうです……設定纏めるの苦手なんや、すまぬ、スマヌス


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撃たすな危険

射撃下手という話ではない


タンッ!タンッ!タンッ!と小気味よい射撃音が響く、ここは射撃訓練所。と言っても殆どの戦術人形は訓練で使うというよりは自身の調子を確認するために使うのが殆なのだが

 

その射撃訓練所で現在ターゲットに射撃をしているのは【M9】更に数発打ち込んでからモニターでターゲットを見ればどれも納得の行く着弾点で満足気な笑みを浮かべ

 

「ふふ~ん、今日も絶好調なのぉ!」

 

どうやら本日も調子はすこぶる良いようでテンションが上っていく彼女、だが誰かが射撃訓練所に入ってくる気配を感じ他の人形が来るなんて珍しいの!と振り向けば

 

「……指揮官?此処に来るなんて珍しいなの」

 

「や、やぁ、良かったM9で」

 

「私で良かった?もしかして会いに来てくれたなのぉ!?」

 

「ああ、まぁ、その……ちょっと相談があるんだ」

 

遠慮気味にだったが最後は真剣な顔でM9に告げれば彼女はこれは何かただ事では無いのでは?と考えて指揮官に向き合う

 

「私に、銃の撃ち方を教えてくれないかな?」

 

滅多に此処に来ない指揮官が来たという事はもしかしたらそんな相談かもしれないとは考えていたが実際に言われると衝撃が来る

 

彼女は自分からそういった荒事に首を突っ込む少女ではない、なのに今真剣に撃ち方を教えてくれと言ってくるのは余程の何かがあったのか、それともふと思い付いてしまったのかと考え

 

「どうしてか教えてほしいの、それに私としては指揮官には銃を握ってほしくないの」

 

「うん、みんなそう言うと思ってる、でもね、万が一が遭った時に撃てないじゃ駄目だと思って」

 

万が一、そういった事態にならないためにも戦術人形の彼女達が常に気を張っているがそれでも綻びは出てくる、それを理解しているM9だがだからと言って彼女の相談を簡単には認めるわけには行かず

 

「そうならないようにするのが私達の仕事なの……それに副官達も許さないと思うなの」

 

「勿論、皆を信頼してるよ、でも絶対は世の中にはないからさ。それに実はカリンちゃんには相談したんだ、凄い顔されたけど。それで一度握ってみればってその時どう思ったかでもう少し考えてみてって言われてさ」

 

当たり前なのとは言わなかったのは彼女の優しさか、それとも当たり前過ぎて呆れたのか、しかしこのやり取りで思ったより指揮官の決意が固いのが分かり更にカリーナもそう言ったと聞いてM9は悩んでしまう

 

なのでとりあえずカリーナの言う通り一度試射してもらってから考えようと結論を出し

 

「分かったの、そこまで言うのなら私がしっかり教えてあげるから一度だけ撃ってみるといいなの」

 

「本当!?うん、よろしくねM9ちゃん!」

 

嬉しそうな指揮官にこれ本当に教えて大丈夫だろうかという不安が募るがとりあえず一体のダミーから銃を貰いそれを指揮官に渡す

 

渡された指揮官はズシリと言う意外に感じた重みに驚く、あまりに皆が軽々と扱うのでそこまで重くないのかと思ってたらしい

 

「重い……これが銃なんだ」

 

「私のはまぁ確かにちょっと重いかもだけどそれでも軽いほうなの」

 

とにかく構え方からレクチャーするのぉ!とそこから時間を掛けしっかりと銃の構え方をレクチャーしていき数十分後、そこにはゴーグルを掛けてイヤーマフを着けた指揮官が的に向けて銃を構えてる姿があった

 

「よし、じゃあ教えた通りに撃ってみるなの!」

 

「……うん」

 

スゥッと息を吸って集中、そして銃爪を引く本当にその瞬間、指揮官は強烈な違和感に襲われる。視界が必要以上に鮮明になり感覚も鋭くなり、更に勝手にこれでは当たらないと頭が判断、身体が動き出し微調整され発砲、しかもド素人のはずの指揮官が反動の衝撃を綺麗に受け流し、放たれた弾丸は吸い寄せられるように円形のターゲットのど真ん中に穴を開けた

 

「嘘、ど真ん中なの……」

 

それをモニターで見たM9は意外すぎる結果に驚きの声と顔を隠せずにいるとゴトリと言う音が聞こえそっちを見れば顔を真っ青にしてしゃがみ込む指揮官の姿

 

何事かと直ぐに駆け寄り指揮官の容態を確認する為に声を掛ける

 

「指揮官、大丈夫なの!?」

 

「だ、大丈夫……じゃないかも、ウップ」

 

「ふえええ!?ま、待つの!もう少し耐えて欲しいなの!?」

 

今にも吐きそうな指揮官に慌てふためくM9、兎に角と用具入れのロッカーに入ってたバケツを急いで持ってきて指揮官に渡せば背中を向け、年頃の少女が出しちゃいけない声と音を射撃訓練所に響かす

 

M9はそれを聞かぬふりで背中をゆっくりと擦り指揮官が落ち着くのを待つ、と同時に何が起きたかを冷静に考えてみるが

 

(さっぱり皆目検討もつかないの、あとで副官には報告を上げておくけど指揮官に銃は撃たしちゃいけない気がするの)

 

「うぅ……口の中が酸っぱい……」

 

「落ち着いたようで良かったなの、でも何があったか教えてなの」

 

「分かんない、撃つって思った時に凄い違和感に襲われて、なんだろ身体が確実に真ん中に命中するように動かされたって感じかな……それでこうなった」

 

「それ確実に危ないと思うなの、原因がハッキリ分かるまでは銃を握るのは止めたほうが良いの」

 

うん、そうしておくとまだ少々辛そうな顔で答える指揮官、流石に撃つ度に吐いてはいられないので当然といえば当然なのだが

 

後に報告を受けたM1895はペルシカにも伝え、そこで彼女はこう答えた

 

「もしかしたら『目』が悪さしてるのかもね」

 

「目、じゃと?あの鉄血の話か」

 

「そう、あれ自体は人形用、だから本来であれば生身の人間用に調整ないしオミットするはずの射撃時のアシスト機能が残ったままになってて」

 

「人形用のアシスト機能が故に、人間である指揮官は射撃時に凄い違和感、という事か……分かった指揮官には今後も撃たせないように話しておこう」

 

「頼むよ、調整してあげれればいいけど資料も専用の施設もあの事件で消えちゃったからね、それに彼女には目のこと話してもないからね……」

 

その後、指揮官が銃を握る機会はほぼ無くなった、もし握るとすればそこまで切羽詰った状況になるだろう、最も彼女達がその状況になるのを許すかは別の問題なのだが




指揮官は ゲロインの 属性を 手に入れたぞ(クーリングオフ不可

『目』が指揮する際のレーダー意外はデメリットしか無いなこれ(今更)まぁでも指揮官のとってはナガンおばあちゃんとかに会えたから一重にデメリットでもないんだけど

リアル司令部 春田さん専用の徹甲弾を入手したぞ!


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酒は飲んでも呑まれるなにゃ

なんで私こんな立ち位置なのにゃ?


突然だが、AR小隊は普段は問題無し(当社比)の小隊であるがそこにお酒と言う概念を放り込むとあら不思議、一気に問題児小隊へと変貌する

 

具体的にはM16を除いた三人が酷く酒癖が悪い、それはもう酷い。例えば常識人(当社比)で知られている隊長の【M4A1】は日頃やはりストレスが溜まるらしく酔うと絡み癖が発揮されかなり面倒なキャラに変貌する、被害者はM16だけなのが救いかもしれない、また【M4 SOPMODⅡ】は絡んでくるのはそのままに笑い上戸になり酔っている間はほぼ笑いこけながら子犬のように絡んでくる、しかも酔ってるから力に加減がない、指揮官が相手した日には朝日が拝めるか非常に怪しくなってしまう

 

そして最後、【ST AR-15】彼女に関しては今回は見てもらったほうが早いだろう、これは休日の前日からM16(大戦犯)主催でAR小隊が飲み明かした結果が招いた、一人のSMGの奮闘物語である、後に彼女は疲れ切った顔でこういった

 

「頼むから小隊全員で飲むのはやめろにゃ、もしくはもう一人くらいはセーブしながら飲めにゃ」

 

その日、【IDW】は休日というのもあり何処で日向ぼっこするか、はたまた適当な所でのんびり寝てるかと考えながら廊下を歩いていると前から妙にフラフラなAR-15の姿

 

いつも着ている上着はなく、いつもの澄まし顔でありながら妙に赤い彼女はIDWに気付くと丁度良かったとばかりに声を掛けてきた

 

「IDW、指揮官見なかったかしら?」

 

「指揮官にって酒臭いにゃ……何時から呑んでるにゃ」

 

「えっと、昨日の夜からよ、M16が偶には皆で呑もうとか言い出してね」

 

は?と思考が止まる、夜、の具体的な時間は分からないが少なくとも数時間に渡り飲み明かしているのは間違いなく、それを知ったIDWはマジかよコイツという顔でAR-15を見る

 

そして思う、この状態の彼女は何故指揮官を探しているのかと、なので

 

「んで、酔っぱらいは何で指揮官を探してるにゃ」

 

「酔ってないわよ」

 

「ああ、はいはい、分かったから教えるにゃ」

 

「決まってるじゃない、(一晩自室で)愛でるのよ」

 

会わしちゃ駄目なやつにゃこれと確信するIDW、それくらいにAR-15の目が悪い意味で据わっていた、しかも酔っぱらいの決まり文句まで言われれば意思は確固たる物になる

 

となるとするのはこの酔っぱらいの酔いが覚めるまで相手をするか、何とか自室に押し込むかの二択でありとりあえず前者を選んで見る

 

「愛でるって、AR-15は指揮官を何だと思ってるにゃ」

 

「妹よ、それ以外に何かあるのかしら」

 

「真面目な顔で何を即答してるんだにゃ、このアサルトライフル……」

 

「可笑しな事を言ったつもりは無いのだけど?指揮官だって甘やかされるの好きじゃない、だから愛でるのよ」

 

「えぇ……」

 

本人は本気でそう言ってるからタチが悪く、思わず困惑の声が口から溢れる。対して向こうはなぜ困惑されているのか理解できずに不思議そうな顔でIDWを見つめる

 

両者の間に流れる何とも微妙な空気、ボリボリと乱暴に髪を書いてからIDWは口を開く

 

「あ~、その理論はどうかと思うにゃ」

 

「……?指揮官は甘やかされたい、私は指揮官を(グデグデになるまで)愛でたい、そこに何の違いがあるというのかしら」

 

「違うのにゃ!!」

 

「何がどう違うというのよ」

 

「健全と不健全くらい違うにゃ!!」

 

「妹にそんな邪な感情を抱く訳無いでしょ」

 

声を荒げながらツッコミを入れるIDWに対して淡々と切り返すAR-15、これで酔っているのだから恐ろしい話である

 

このままでは埒が明かないと、彼女は使った場合はどうなるか分からないから切りたくなかったカードを切ることを決断

 

「そもそもにゃ、今指揮官はPPKと買い物に、待つにゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「何で止めるのよ、会いに行くの、止めないで」

 

「酔っぱらいを野放しに出来るわけ無いだろいい加減にするにゃ!!」

 

言い切る前に行動を開始してIDWの横を過ぎていこうとするAR-15の腰に捕まり引き止めるIDW、だからこれは言いたくなかったにゃ!と後悔するも遅いので兎に角この酔っぱらいを止めなければと渾身の力を込め動きを阻害する

 

がそこは16Lab特別製の戦術人形と通常の戦術人形、ズル……ズル……と言った感じにIDWが負け始める

 

「だから酔ってないって言ってるじゃない」

 

「それは酔っぱらいの常套句だって事を理解するにゃ!」

 

(このままじゃ本気でマズイにゃ、今回の買い物だってあのPPK(ヘタレ)がまた気張って誘い出したやつだから台無しになるとどうなるか分かったもんじゃないにゃ!)

 

何だかんだ言って同僚思いのIDW、しかしそこの酔っぱらいには関係のない話であり、しかも徐々に力が強くなっていく

 

IDWも負けじと抵抗するがやはり素の能力差は如何ともし難く、いよいよ駄目かと思った時、メイド服の救世主が現れた

 

「廊下が騒がしいと思えば、何をしてるのですか」

 

「G36!?丁度いいにゃ、その酔っぱらいを止めてほしいにゃ!」

 

「邪魔をするというの、私は指揮官を愛でたいだけなのよ」

 

「なるほど、事情は把握致しました、申し訳ございませんがお嬢様の買い物の邪魔はさせません」

 

スゥッとメイド、【G36】はそこそこ有ったはずの距離を音もなく詰めたと思ったら失礼!と言う掛け声と共にAR-15の顎を揺らし地面に伏せさせる

 

幾ら酔っ払っていたとは言え、あのAR-15を一撃で落としたメイドに軽く戦慄し顔が引き攣るIDW、対してG36は寝ているAR-15を背負い

 

「では、彼女を自室へと運んでまいります」

 

「わ、分かったにゃ、それと助かったにゃ……」

 

「いえ、これもメイドの務めですので」

 

クールに去っていくG36を見送りつつ、IDWは呟く、それはもう疲れに疲れた声で

 

「……今度から酒を飲むときはああならないように気をつけるにゃ」

 

酒は飲むなとは言わない、飲んでも呑まれるなとは言いたい




キャラ崩壊が酷いけど酒のせいだから!お酒が原因だから許して!!

あ、G36の指揮官の呼び方が違うのは明日の話で書きます。まぁはい、このメイドに割りと独自設定ぶっ込んでますはい

という事でリアル司令部 今朝のデイリー製造でやっと来たよメイドさん


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メイドさんがやって来た

彼女の過去を知る、数少ない人物


珍しく指揮官はその日夢を見ていた、それは彼女の数少ない過去の記憶

 

「お手伝いさん、今日も来てくれたんだ!」

 

「静かに『お嬢様』またあまり長くは居られませんがお話相手に、それとこちら焼き立てのパンとミルクでございます」

 

「えへへ、ありがと!」

 

彼女が歪みきらなかった善意の存在、もし居なかったらもっと歪んでいた彼女を繋ぎ止めたとあるメイド、真っ暗な粗末な小屋に押し込められた少女を気遣い、そして最低限の食事では足りないだろうと雇い主の家族の目を盗み焼いたパンとミルクを毎日のように持っていき話し相手になってくれた優しいお手伝いさん

 

だけどそのお手伝いさんはある日、来なくなった。そして偶々聞いた話で彼女が追い出されたと聞き、何故?と疑問が頭を埋め尽くす、人形(人間)であった彼女を人型の謎の存在が追い出したのかとドス黒い感情が彼女を飲み込もうとした時

 

そこで指揮官の目が覚めた、なんだから随分と懐かしい夢を見たなと思いつつ起きて何時も通り朝の準備を始め、M1895にそんな夢の話をしつつ朝食を食べ、執務室にて今度は今日の予定などを確認する、とここでM1895が一枚の書類を読んだ時におお、と声を上げた

 

「どったのナガン」

 

「喜べ指揮官、いやこの場合は【G36C】もか。今日の配属予定の中に【G36】の名が入っておるぞ」

 

「本当!?」

 

G36Cにも後で伝えてあげなきゃと喜ぶ指揮官、だがM1895はその書類を読み続けてふととある文章が目に付いた

 

尚、今回の配属は該当戦術人形からの予てからの要望である。その一文だ

 

(予てからじゃと?G36Cが居るからというのではなさそうじゃがだとしたら何故此処に?)

 

だが考えてところで出てくる訳でもないのでそこで打ち切り、未だはしゃぐ指揮官を宥めてから時間まで仕事を開始することにした

 

別段何かあるわけでもなく寧ろ配属にG36が来ると知ってからはいつも以上の速度で午前の業務を終わらせ、いよいよ彼女が来る時間となり現在はヘリポートにて待機している

 

「……毎度思うのじゃが、執務室で待つだけでは駄目なのかのう」

 

「駄目、だって折角来てくれるんだよ?一番に迎えてあげなきゃ!」

 

まぁ、お主がそれで良いのなら構わないのじゃと諦めの声を漏らした時、メインローターの音と共にヘリが来た

 

そしてハッチが開かれ、そこから現れたのは若干ミリタリー風に改造されているメイド服の女性。彼女はヘリから降りてからパイロットに頭を下げヘリが去っていってから指揮官達の方を見る、そして指揮官の顔を見た瞬間、口元が確かに良かったと動きカツカツと二人に向け歩いてくる

 

(良かった?)

 

「本日よりこちらの司令部に配属となりました【G36】ございます……そしてお久しぶりです『お嬢様』」

 

「へ?」

 

「は?」

 

配属の挨拶をしてから跪きそう告げるG36に指揮官も、そしてM1895も驚きを隠せずに呆然とする。だが指揮官は彼女を少し見つめているとふと影が重なる、あの小屋で焼き立てのパンと共に現れては話し相手をしてくれた、そう

 

「もしかして……『お手伝いさん』?」

 

「はい、あの時のお手伝いでございます」

 

(……なるほどのう、だから予てから、か)

 

一人納得するM1895、その間にも指揮官とG36は互いに懐かしみながら昔話を進めていく、がこのままだといつまでも外で話していそうだったので

 

「積もる話はあるじゃろう、が執務室でも良いのではないか指揮官よ」

 

「あ、そ、そうだね。っとと、改めてようこそ私の司令部へ、こっちが副官の」

 

「ナガンM1895じゃ、これからよろしく頼む」

 

「G36でございます、こちらこそよろしくお願いいたします」

 

握手を交わす二人、指揮官はうんうんこれから仲良くやってこうと言った感じに頷いてからあっと思い出したかのように声を上げ

 

「ごめん、二人共先に執務室に向かってて、ちょっとG36C探してくる!」

 

二人の返事を聞かずにバタバタと走り去る指揮官に思いっ切りため息をつくM1895、それから

 

「あ~、すまぬな、どうにもテンションが上っとるらしい」

 

「いいえ、私としては寧ろお嬢様があのように笑顔でいられる場所で良かったと思っております」

 

「そうか、歩きながらでよいか」

 

「ええ、構いません」

 

ならば行こうかと執務室に向けて歩を進める二人、その間、G36にはこの司令部のこと、そしてこれまでの指揮官のことを大雑把に説明していき、終われば今度は逆に当時の指揮官の事をG36から聞いていく

 

大方の話が終わる頃には執務室に到着、だが肝心の指揮官はまだG36Cが見つからないのか戻っていない、やれやれとM1895は自席に座った所でG36が突然頭を下げる

 

「副官、お礼を申し上げます」

 

「お礼じゃと?はて、言われる覚えは無いのじゃがな」

 

「お話を聞き、貴女と会えたからこそ今のお嬢様がございます。私はあの日からずっと後悔しておりましたから」

 

あの日、彼女のお嬢様を常時外に出して欲しいと言う懇願がしつこく、いよいよ我慢の限界に来た雇い主から解雇を言い渡された日、彼女は悩んだこのままお嬢様を連れて逃げてしまおうかと、しかし自分すら危うい状況下で彼女を連れて行くのはあまりにも危険だと判断し挨拶もせずに行ってしまったこと、それだけが今の今までずっと彼女の中に残り続けていた

 

だが今日、漸く要望が通りこの司令部に来て彼女を見た時、残っていた後悔がゆっくりと溶けていくのを感じた、そしてそれが目の前に居る副官のお陰だとG36は改めて頭を下げる

 

「……頭を上げとくれ、それにわしだけではない、司令部の皆とそもそも指揮官を拾ったペルシカのお陰じゃよ」

 

言われた通り頭をあげれば優しい笑みを浮かべたM1895の姿、だが顔は多少赤い所を見るとお礼を言われたことに小恥ずかしくもあったらしい

 

と丁度、二人の会話一段落したタイミングで執務室の扉が開き指揮官が申し訳なさそうに入ってくる

 

「む、G36Cはどうしたのじゃ」

 

「いやぁ、ごめんG36、ついさっき巡回任務に出ちゃったみたいで……」

 

どうやら入れ違いで出てしまったらしく暫くは帰って来ないんだと頭を下げる指揮官にG36は上げてくださいと伝え

 

「大丈夫ですよ、此処に居れば何時でも会えるのですから」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ。あ、ねぇG36いきなりなんだけど一つ良いかな」

 

「はい、何なりと」

 

「またあの時のパンを焼いてほしいな、ナガンも食べてみてよ、本当に絶品なんだから」

 

「ほう、それは楽しみじゃ」

 

はにかみながら指揮官が頼んできた内容にG36はゆっくりと礼をしてからすぐに取り掛かりますと告げるが私達も付いていくと指揮官とM1895も食堂へ向かう、その足取りは何時もと同じように軽いものだった




簡易キャラ
G36
戦術人形→民間自律人形→戦術人形と言う結構異例な人生を歩んで司令部に着た戦術人形。指揮官との出会いは本編の通り、因みに本来は民間から戦術の場合は浄化と言うメモリーリセットをされるのだが彼女は指揮官のことだけは忘れなかった。これはペルシカ曰く稀にあることらしいが原因は不明、なので経過観察の為に彼女の司令部に送られたとのこと

と言う訳で一言、何だこの話(大混乱)まぁお嬢様呼びなのは民間からの癖ということですよはい

あ、G36姐さんは表側です。カウンター組ではなく抑止力として指揮官を守ります

……何か文字数気にして書きたいことが上手く掛けなくなってるな、でも下手に長くなりすぎるのもなぁって言う最近の悩み


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指揮官(おかあさん)に大好きを奴らにはイタズラを

彼女は失った自分を埋めるために、指揮官からの愛情を欲した


ドタバタと司令部を走り回る音が響く廊下、何事かと戦術人形たちがそっちを見ればものすごい形相の【WA2000】とそれに追われているのに余裕たっぷりの表情で逃げている【P7】

 

廊下は走るな、と言うのが決まりなのだが割と守られてないこの司令部ではよく見る追いかけっこである、まぁ追う側は毎回違うが逃げる側は殆どがP7であることが多い

 

「待ちなさいこの悪戯シスター!!」

 

「はっはっはっ、待てと言われて待つ人形が居る訳ないでしょ!」

 

反省の色が一斉見えない態度にプチンと切れかかるWA2000、だが此処で怒りに身を任せればあの下手人の掌で踊ることになるのは過去の経験から分かってるので押さえ込み捕縛を優先する

 

対してP7も乗ってこないのは予測済みのようで逃げる足を止めるどころか更に加速させて目的の場所にルートを定め走り続ける、そこに差し掛かった所で彼女の視界に予想通りの人物が、P7は笑みを隠さずに更に速度を上げてその人物に飛び乗り背中に回り込んで

 

「うわっとと、P7ちゃん?」

 

「助けて指揮官、わーちゃんに追われてるの!」

 

「何が助けてよ、アンタがジュースとか言ってハバネロ混ぜたトマトジュース渡してきたのが悪いんでしょ!と言う訳でこっちに引き渡して頂戴、指揮官」

 

二人からの板挟みにえぇっとと困りながら、チラッとP7を見れば小動物のようにプルプル震える姿にふぅと息を吐いてからWA2000と向き合い

 

「WAちゃん、私からも言っておくからさ、許してあげてくれないかな?」

 

「……はぁ、指揮官、その子が前の司令部でどんな扱いを受けてたかは聞いてるし知ってる、だけどねだからって甘やかしすぎるのもどうかと思うわよ」

 

「そりゃ勿論ダメだとは思う、でもさ、そこまで怒らないでP7ちゃんはちょっと距離感と付き合い方が分からないだけだから、ね?」

 

未だ背中に隠れてチラッと顔だけだしてるP7を見てからWA2000に片目を閉じて両手を合わせ困った感じの笑みを浮かべ、駄目、かな?などと言われれば流石のWA2000も強くは出ることが出来ずにそっとしゃがみ込んでP7と視線を合わせる

 

「……分かったわよ、今回は許すわ。それとねP7」

 

「っ!」

 

手を挙げられ目を閉じるP7だったが次に来たのはフワッと乗せられた感触と続けて撫でられる感触、目を開ければ仏頂面はそのままなのだがどことなく優しい雰囲気のWA2000

 

「その、遊んで欲しければ言ってくれれば暇な時なら付き合ってあげるわよ。だからこういった事はやめなさい」

 

「あ、わ、分かった、それとごめんなさい」

 

謝れるなら良いわよ、なら今度からはそうしなさいと一言付けてからWA2000は去っていく、それを見送ってから指揮官はP7に視線を合わせてそっと頭を撫でるとまだちょっと震えてるのを感じギュッと優しく抱きしめてあげればP7は驚くが直ぐに落ち着いた感じになる

 

「P7ちゃん、WAちゃんの言う通りだよ、ここの皆はいい人なんだからキチンと言ってくれれば付き合ってくれる、大丈夫だよ」

 

「うん、ごめんなさい……」

 

「私は気にしてないけどね。そう言えば執務室にまだお饅頭残ってたっけ、食べる?」

 

「食べるわ!」

 

ニコニコな彼女、P7だが実は他の司令部のとは違い元の性格を形成するはずのメモリーがごっそりと抜け落ちており演じてはいるものの少々違う性格となっている。と言うのも彼女は元々は他の司令部に居たと思われる戦術人形であり、そこではM1895達の推測ではあるが言葉にするのも憚れる扱いをされた挙げ句、最後は作戦中の死亡、つまりKIAという形で作戦エリアにボロボロで放置されていたのを偶々この司令部の部隊が発見保護した

 

それを聞いた指揮官は珍しく怒り彼女は絶対に此処で保護すると宣言、ヘリアンとペルシカまで使ってその司令部から権利を分捕ったほどと言えばどれほど怒ってたかが分かるだろう、余談だがその司令部はその後消滅したらしい

 

保護された彼女は直ぐ様治療されて指揮官が責任を持って身体を拭いたり服を着せてあげたりして目が覚めるまで側に居続けてあげていた、そして目が覚めたのだが当初は全てに疑心暗鬼であり誰に対しても怯えながら敵意を向けてくるのでM1895含め司令部でどう接したものかと悩んでいたのだがそこは最近、一部の戦術人形から人形誑し言われる指揮官

 

「多分、誰にも優しくされたことなくて戸惑ってるだけだよ、気長に接していこ?」

 

と有限実行、根気よく、そして優しく接し続けて数週間経てば司令部に馴染み笑うようになりその中でも指揮官とはこうやって戯れついたり少しイタズラを仕掛けてみたりと懐いて、皆も安心したとさ

 

とここで終わればいい話だったのだが彼女は前述の通り、元の性格に当たるメモリーがごっそりと抜け落ちており司令部に馴染みだした頃からその抜けた空白を指揮官で埋め始める

 

だが当初はそれが何なのかは分からずだけど指揮官が好きだからなのだろうと気にしてなかった、がある日カリーナのデータベースで自分の元の性格を演じるための資料を読み漁ってた時にふとカリーナが呟いた言葉で歯車が狂いながら噛み合ってしまう

 

「P7ちゃんと指揮官様って何だか親子みたいですよね」

 

「おや、こ?」

 

「はい、差し詰めイタズラ好きの娘に甘いながらもキチンと厳しい若いお母さんって感じですわね」

 

お母さん、その一言がP7には水面に広がる波紋のように、否、甘美な毒のように彼女を侵していく、純粋無垢の白に狂愛と言う赤が混ざる

 

彼女はこう思い込んだきっと母親を求めていたんだ、それが指揮官なんだと、そして司令部一のイタズラ好きシスター(防衛網)が産声を上げた

 

彼女の司令部中に仕掛けられたトラップ(いたずら)は人形も人間も確実に殺す。理由は子供らしく単純に

 

指揮官(おかあさん)に酷いことするつもりだな、死ね

 

指揮官(おかあさん)を悲しませるつもりだな、死ね

 

指揮官(おかあさん)を泣かせるつもりだな、死ね

 

指揮官(おかあさん)の大切にしてる場所を汚すつもりだな、死ね

 

指揮官(おかあさん)の大切にしてるモノを奪うつもりだな、死ね

 

(指揮官(おかあさん)私、頑張るから一杯一杯頑張るから)

 

無垢な狂気に染まったメモリー、だけどそれを知る者は副官を除いて誰も居ない。だって知られたら指揮官(おかあさん)を悲しますから、ただそれだけで彼女は今日も指揮官(おかあさん)からの愛情を欲し戯れついている




その司令部は何で消滅したんやろなぁ(

P7
ルピナス(但し裏側所属だけど表には絶対に出ないのでコードネームも殆ど出てこない)

この司令部のP7は本編でも書いたように元の性格を形成するメモリーが無いので資料で元の性格を演じているだけなので他の司令部のP7と合わせるとかなりキャラ違ってます、なので前半余裕な感じでしたが指揮官を前にしたら皮が剥がれて凄く弱気になったって感じです。

筆が滑りに滑ったら司令部一番のやべーやつが生まれた不具合、でも何となしにP7ってこういうキャラも行けそうだなって思ってしまったんや……

それと全くの余談ですがもしこのP7の本性を指揮官が知っても彼女、それ引っ包めて愛情を注ぐらしいっすよ?


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例え身体が朽ち果てても

こんなタイトルだけど只の保護者(仮)面談である


PPKは満足していた、大好きな指揮官と買い物を一緒に出ることが増えたからだ、しかし同時に思うあまり街に出るのは指揮官にとってはストレスになっているかもしれないと

 

元々、彼女は街に出ることは滅多になく理由も知っている、だけどPPKの誘いには嫌な顔一つもせずに乗ってくれて更に街でも楽しげではあったのだがもし隠してるだけでストレスを抱えてるとしたらそれは彼女の本望ではない

 

(そもそも、少し考えれば分かることでしたわ……だと言うのにあたくしは誘え、そして一緒に買い物に行けるということに舞い上がってしまい失念してしまうなんて、これでは駄目ですわ)

 

カフェにて自責の念に囚われため息をついて落ち込むPPK、恋は盲目とはよく言うがだからといって指揮官の特異体質を失念するとはいつもの彼女であればありえないので余程舞い上がっていたのが分かる

 

そしてまぁ、彼女が一人でカフェにて落ち込んでいるわけもなく、当たり前のように

 

「だから何でPPKは私をカフェに連れ込まなきゃいけないんだにゃ?」

 

言葉は文句を表しているが声は既に諦めが籠もっているIDWはマフィンを食べながら目の前のPPKを見つつ全くといった感じに頭をかき

 

「まぁ、PPKの性格上、その心配が出てくるのは何となく予測はついてたにゃ、故に言うけどあの指揮官がそれでストレスを貯めるとは思えないにゃ」

 

「え?で、ですが……」

 

「いいかにゃ?よく考えてもみるにゃ、指揮官は戦術人形(わたしたち)となにかすることにこれ以上無いほどの幸せを感じる人にゃ、ならPPKとの買い物だって同じ筈にゃ」

 

そもそも演技力ゼロの指揮官が楽しくないのに楽しそうな顔をするなんて芸当出来るはずないから笑顔だったと言うならそれが何よりの証拠にゃと言い切ってから紅茶を口にするIDW、相変わらずぶっきら棒な言い方だがフォローは的確である

 

対してそれを聞いたPPKは幾分か持ち直したのか様子でコーヒーを一口、だがそうだとしても全く感じてないということではないはず、そう考えるが彼女の中には他に何か案が浮かばない

 

そんな真剣な表情で悩む同僚にIDWが声をかけようとした時

 

「隣、宜しいでしょうか?」

 

「ん?好きにするにゃってG36?」

 

ではお言葉に甘えてとIDWの隣の席に座ったのはG36、ここに来てからは基本的に指揮官の側にいる彼女が珍しくカフェに来ていたことにIDWは驚いた

 

何をしに来たのかと思うIDWだったがG36がPPKを見据えた所でああっと気付く、そういやこのメイドって指揮官が昔からの付き合いだって言ってたにゃと思い出し

 

(保護者と言う訳ではないかもしれないけど付き合いが長いから、やはり指揮官に好意を持っているという人物が気になるってことだと思うにゃ)

 

「PPK、一つ聞いて宜しいでしょうか」

 

スゥッと空気が冷たくなるのをIDWは感じ取った、只の質問の筈なのにG36の言葉には嘘は許さない、そして返答次第ではお覚悟をと言う謎の脅迫じみた威圧を感じる

 

「なん、でしょうか、G36」

 

PPKの言葉が詰まる、隣りにいるだけのIDWが空気の急激な変化を感じれるほどだ、それを直接ぶつけられているPPKの負担は計り知れない、だが彼女は逃げてはいけないと直感する

 

「貴女は指揮官の事に好意を持っていると私は認識しております。故に聞きます、その気持ち何処まで持ち続けられますか」

 

「ふふ、愚問ですわね。例えこの身体が朽ち果てても『あたくし』である限りあの方へのこの気持ちは持ち続けますわ」

 

ゾワッと増幅した威圧にPPKは先ほどと違い怯みもせずに即答した、その顔は何時もの余裕を持った澄まし顔でG36を見据える

 

(……やれやれ、何時もそれくらいの余裕で指揮官を押せ押せで攻めればコロッと落ちそうな気がするのににゃぁ~)

 

突然始まった、二者面談で空気となり始めたIDWは呑気に紅茶とマフィンを楽しみながらそんな事を思う。この空気の中割と余裕そうなIDWは実は大物なのかもしれない

 

真剣な顔を崩さないG36とそれを澄まし顔で迎え撃つPPK、いつまでも続きそうな勢いを感じた両者の睨み合いはG36が威圧を引っ込またことで終わりを告げる、PPKは一息付くためにコーヒーをまた一口飲んで、IDWはん~無事に終わってよかったにゃと伸びをする、がG36の次の言葉で悲劇が起きた

 

「本気、のようですね。分かりました、貴女とお嬢様の恋路このG36も手助けさせて頂きます」

 

「ぶっふぅ!?」

 

「にゃぁぁぁぁぁ!?」

 

予想だにしてなかったG36の言葉に飲んでいたコーヒーを吹き出すPPK、そしてそれをモロに浴び悲鳴をあげるIDW、突然起きた惨劇だがそれを冷静に処理しだすメイド(G36)、場は混沌としていた、が周りのお客やマスターは特に気にする様子はない、日常的なことと捉えられているらしい

 

「ごほけほっ、と、突然何をおっしゃいますの!?」

 

「おめぇ、それを叫ぶ前に私になにか言葉は無いのかにゃ」

 

「あ、ご、ごめんなさいIDW」

 

「言葉の通りでございます、本気の気持ちというのなら私は後押しをしたいということです」

 

至って真面目な声と顔でそう告げるG36に流石のPPKも目を丸くする、だがこんな展開を誰が予想できるだろうか、いや誰も出来ないだろう

 

「あ~、じゃあ、あれにゃ。早速だけどコイツが買い物を一緒に行く以外で指揮官と仲を進められそうな事ないかにゃ?」

 

「何故貴女が聞きますの!?」

 

「ございますよ」

 

「ありますの!?あ、ごほん、と、とりあえず一旦小休憩を挟みませんこと?」

 

どうやら今日はもう少しPPKの奮闘が見れそうだとIDWは静かにほくそ笑むのであった




G36は同性愛だとかを気にするメイドじゃないし何だったら背中を押しことだってやぶさかでない、結果的に指揮官が幸せであれば良いのです

あ、明日もPPKの奮闘ですよ、彼女とIDWとG36のやり取り書いてるの楽しくなってきてるねこれ


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貴女に食べて貰いたくて

それはどんな調味料にも勝る魔法の味付け


場面は引き続きカフェ、小休憩として全員が改めて飲み物を注文し一息入れたあと、PPKが口を開く

 

「そ、それで、あたくしと指揮官の仲を進められる方法とは」

 

「何だかんだ言って気になってるじゃないかにゃ」

 

「茶化さないで下さいませ」

 

「ふふふ、仲がよろしいのですね。それで指揮官との仲を進められる方法でございましたね、ならば先ずは胃袋を掴んでしまうのが宜しいと思います」

 

胃袋を掴む、つまり料理を振る舞えということ、確かにそれは有効だにゃと盲点だったとばかりに納得するIDW。指揮官と言えば食べる事が好きなのは周知の事実でありならば料理で攻めていこうというのは非常に有効である

 

まぁそれでも胃袋を掴むとなると少々難易度は上がりそうだがいっそ回数こなして好きな味にしてしまえばいいのでG36の提案は間違ってはいない、いないのだがそれを聞いたPPKの顔色はよろしくない

 

それに気付いたIDWは不思議に思いながら真顔で顎に手を当ててなにか悩んでいるPPKに

 

「どうしたにゃ、何時もならすぐに食いつくのに何をそんなに悩んでいるにゃ」

 

「えっとですわね……その、お恥ずかしい話としてあたくし、料理というのを触れたことが無いのですわ」

 

「なるほど、ですが問題ありません」

 

PPKの悩みを聞いた上でそう言い切ったG36に二人の視線が集まる、彼女は自信有り気な顔でこう続けた

 

「料理、というものは確かに腕前も必要ではございます。ですがもっと必要なものがございます、それは『想い』です」

 

「想い……」

 

「PPK、貴女はお嬢様にどの様なお気持ちで食べていただきたいと思ってますか?」

 

「あたくしは、あたくしは指揮官に美味しいと、あの太陽のような笑顔で美味しいと言ってもらいたいのですわ」

 

「そうです、その気持ちを込め作る、それが何よりも大切なことなのです!」

 

お、なんか流れがおかしくなってきたにゃと思いつつも料理に関しては口が挟めないし何よりなんか盛り上がってるのに水を差すのもどうか思ったIDWは静かにしていることにする

 

(まぁ、やる気になったのならそれでいいにゃ、うん、だけどこれ私いる必要あるのかにゃ?)

 

尚、彼女にはPPKの料理の特訓のための実食係になってもらう流れになってた模様、そして一週間の特訓を乗り越えいよいよ実戦の日、PPKは指揮官の自室前に居た

 

兎に角誘うところから始めるにゃ、それが同僚であり何だかんだ言って相談にも乗ってくれるIDWの言葉だった、確かにそこから自分で始めなければ意味がないとPPKも納得し来たは良いのだがノックしようとした体制のまま固まっている

 

「……ありゃヘタレたにゃ」

 

陰ながら見守るIDWの言葉の通り、PPKはここでヘタレた、よく見れば緊張で顔が引き攣り身体が小刻みに震えている、が何とここから意を決してノックをすればIDWはおぉっと声が漏れそうになるがぐっと堪える、バレてはいけないのだ

 

「はいはいっと、あれPPK、どうしたの?」

 

「あ、え、えっと指揮官、夕食はもう済まされてしまいましたか?」

 

「ううん、まだだよってあっもうそんな時間だったんだ」

 

どうやら結構な時間を自室で過ごしてたらしい指揮官はPPKの言葉に道理でお腹が空きだす訳だよ笑いながら告げる、一方PPKは緊張で何時もの澄まし顔はが若干硬くなってて言葉も噛んでいるがそれでも何とか次の段階へと進もうとする

 

「で、でしたらそのあたくし、本日は夕食を作るのですがよ、よければ召し上がってほしいのです」

 

「PPKの料理!?うん、食べたい!」

 

喰い付いてきた指揮官にPPKの顔も自然と笑顔になり先程までの緊張は何処へやら二人は仲よさげに雑談を交えながら食堂へと向かっていく、それを見送ってからIDWは音もなくその場から去り食堂へと先回りを敢行した

 

食堂、早速エプロンをして本日のメニューである『シュニッツェル』を作るPPK、一週間の特訓の成果で滞り無く調理していくがやはり緊張があったのだろうそこには多少焦げが目立つシュニッツェル、そして何故という顔で立ち尽くすPPKの姿

 

(ど、どうしてですの、特訓どおりに調理したはずですのに……時間を間違えた?いいえ、火の強さ?それとも)

 

ぐるぐると答えの出ない自問自答を繰り返すPPK、流石のIDWも少々心配になるが出ていくわけにも行かないのでとりあえず傍観しているとひょこっと指揮官が調理場に入っていき、そのシュニッツェルを見て

 

「おぉ、これってやっぱりドイツ料理?」

 

「え、あ、はい、これはシュニッツェルと言いまして仔牛のカツレツと言えば伝わりやすいでしょうか」

 

「カツレツ!いい匂いだし美味しそうだね」

 

「え、えぇ、ですが申し訳ございません指揮官、見ての通り焦がしてしまいまして……あたくし、あれだけ特訓しましたのに」

 

落ち込むPPK、そんな様子の彼女を見た指揮官は徐にナイフとフォークを持ち出してちょっと行儀悪いけど見逃してね~とシュニッツェルを切り分けてから一口食べて味わいながら飲み込み

 

「あ、指揮官!?」

 

「うんうん、美味しいよPPK」

 

「え」

 

それは一週間前、G36に伝えた内容そのままの笑顔の指揮官、想いを込めた料理は何物にも勝るのですよ。G36は特訓の時にそう教えてくれたがこういうことだったのですかとPPKは納得する

 

そして彼女はその後に続いた指揮官の言葉で改めて想いを強くする、指揮官はナイフとフォークを置いてPPKの顔を、目を見ながらゆっくりと言葉を告げる

 

「だってさ、調理してる時のPPK、凄く一生懸命だったから、それで出来上がった料理が美味しくない訳ないって、だからさ一緒に食べよ?」

 

言葉の通り、調理中のPPKは何時も以上に真剣にそして気持ちを込めて調理していた、彼女はそれをしっかり見ていたのだ。だから焦げて落ち込んでいた時にひょこっと現れこうして美味しいと笑顔を見せに来たのだ

 

それを理解したPPKは感極まって、それを指揮官が困らせない形で伝えたいと思って自分が出せる一番の笑顔で

 

「はい、ご一緒させていただきますわ」

 

「っ!!??あ、う、うん、食べよう!」

 

その時、見せた笑顔は指揮官ですら見たことのない本当に綺麗な向日葵のように、恋する乙女の様な笑顔だった。それは思わず見せられた指揮官が顔を赤くしてしまうほど綺麗だった

 

「……落とそうとしてる側が再度落とされたと思ったら距離を詰めたにゃ」

 

「言ったではないですか、想いという調味料は何物にも勝ると」

 

「こりゃ思ったよりも進むの早そうだにゃ」

 

食堂の一番後ろのテーブルでIDWとG36が二人の夕食会を眺めながらハンバーグを食べながら各々感想を告げていく、こうしてPPKの最初の一歩は大成功で収めたのであった




書いてる時にエプロンポニテ新妻スタイルPPKを受信して浄化されてコンティニューしてから投稿したので初投稿です(ライフ98)

本当にこの司令部場違いなレベルで平和だなおいと最近思いながらでもこれで良いんじゃないかなと開き直りつつある今日このごろ、それはそれとして百合は良いぞ

次回どうしよっか


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たまにはぐで~ってするのもいいよねー

あ、待って9、布団片付けちゃ、ああ……


「もう、幾ら休日だからって寝過ぎは良くないと思うよ45姉!」

 

最近、指揮官も割り振りどうなってたっけこれと言うレベルで拡張された宿舎にて休日なので思い切ってゴロゴロしようと引きこもりを敢行するも結局【UMP9】に布団を引き剥がされ起きることになった【UMP45】

 

本日の彼女は有り体に言えば暇なのだ、伸びをしつつどうしたものかと考えれば出てきたのは

 

「指揮官で遊ぶかなー」

 

「『で』なんだ、そこは『と』にしておこうよ45姉」

 

「大丈夫だよ、指揮官も結構楽しんでくれるし」

 

では早速、善は急げって言うからねーと軽いノリで呟きながら宿舎を出ればUMP9も後を追ってくる、宿舎を出てとりあえずで向かうは指揮官が居そうな所、時間的には食堂だろうと当たりをつけ向かうが

 

「居ないねー」

 

「もう食べ終わっちゃったとかかな?あ、LW、指揮官何処に居るか知らないかな?」

 

「指揮官?先程中庭のベンチに座ってるのを見ましたよ」

 

「あ、本当?分かったありがとうね!」

 

偶々近くを通りかかった【LWMMG】にUMP9が聞けばそう返ってくる、どうやら朝食は早めに取っていたらしい、それを聞いた二人は彼女にお礼を言ってから中庭に向かえばベンチに腰を掛けて頻りに肩を回したり腰を回したりする指揮官とそれを心配そうに眺めるP7の姿

 

どうしたのかと思う二人、特に指揮官の方は何だか難しい顔をして体を動かしている。とりあえず聞いてみなければ分からないので近寄り声を掛けてみた

 

「体の調子でも悪いの指揮官?」

 

「ん?あ、45に9おはよう。うん、ちょっとね、さっきまでP7ちゃんと遊んでたんだけど急に身体が痛くなって……」

 

「肩とか腰とか痛いんだって」

 

「え、大丈夫なのそれ?」

 

動くと何だよねぇと肩を動かせば痛たっと声を漏らす指揮官にUMP45は近付いたと思ったら肩や腰を触り、ふむふむと呟いて

 

「指揮官、事務作業の後とかしっかりストレッチとかしてる?」

 

「う、してない……マズイかな?」

 

「かなり凝ってるよこれ、それが蓄積されて痛みになってる」

 

ほら、此処とか押すと痛いでしょと言いつつ押せばぐぅっとくぐもった声を漏らす、どうやら結構な凝りらしい

 

「ありゃりゃ、あ、だったら45姉!」

 

「うん、指揮官、マッサージしてあげるよ。もしかしたらそれで解消できるかも」

 

「45ってマッサージ出来るのね!」

 

「ええ、趣味でちょっとね、仲間たちにも好評だから任せてもらって大丈夫ですよー」

 

「ならお願いしようかな、えっと、P7ちゃんごめんね、折角遊ぶ約束してたのに……」

 

「いいよ、それより身体を直すほうが先決だわ」

 

それもそうだねと指揮官は再度謝ってからUMP45と共に自室へと向かう。UMP9はなら代わりに私が遊んであげるよとP7と中庭にて相手してあげることにしたのでその場に残った

 

「さぁて、じゃあ上着脱いでねー、できれば裸が尚良いね」

 

「あ、そ、そうだよね」

 

指揮官の自室、簡単に道具の準備を終えたUMP45からの指示に指揮官は躊躇う素振りを見せる、まさか誰かに裸を見られるのが恥ずかしいとかではないでしょと思ったが何か事情があるとすれば無理に脱がなくても大丈夫だと伝えれば

 

「ああ、いや、その驚かないでね」

 

それだけを告げて服を脱げばUMP45の顔が一瞬だけ驚きに染まる、指揮官の背中、そこには痛々しい傷跡、傷の種類は一種類でなく様々であり、よく見れば正面にまで渡っているのもあり彼女が昔どういった目に遭っていたのかを物語っていた

 

一方、指揮官はあまり見せたことないし喋ったことないから驚くよねと頬を掻きながら苦笑いを浮かべつつ呟く、が直ぐにUMP45はふふっと笑ってから

 

「なるほどね、指揮官が皆とお風呂に入らない理由はそれだったか」

 

「まぁうん、皆を驚かしたくなかったから、おばあちゃんは知ってるけどね」

 

「馬鹿ね、そんなので一々気にするような私達だと思いますか?(まぁ、一部が静かに怒りそうだけどそれはそれで面白そうだし黙っておこ)」

 

「そう、だよね。今度誘われたら入ろうかな」

 

「あ、じゃあ今夜入りましょうね」

 

ふえ!?と急な誘いに驚く指揮官をさぁ早く横になって下さいマッサージしちゃいましょとベッドをポンポンと叩くUMP45、まぁいつまでも上半身だけとは言え裸で立ってるわけにも行かないので彼女の言う通り指揮官はベッドにうつ伏せになる

 

うつ伏せになったのを確認してから失礼しますよと手を添えてグッと押せば

 

「ふぐぅっ!?」

 

「うわ、やっぱり凄い……はい我慢してね」

 

「きゅう!?」

 

(あ、やば、反応面白い)

 

その後も凝り固まった所を丁寧に、だけど反応を楽しみつつ解していく、暫くすれば悲鳴だった指揮官の声が段々とリラックスした気持ちの良さそうな声へと変わっていく

 

「ふみゃぁ……」

 

「け、結構苦戦した、これからは事務作業後は軽く運動、もしくはストレッチしてくださいね」

 

「うん、そうするよ、くぅん」

 

(一々可愛い反応するなぁ指揮官)

 

身体はこんなもんかなと指揮官に終わりを告げれば先程までとは段違いで違う体の調子に驚く、服を着直してからグッグと体を動かしても全く痛くなくむしろ軽い自分に

 

「おぉ、凄いこんなに変わるんだ。ありがとう45、お蔭で助かったよ」

 

「いえいえ、お役に立てたようで何よりですよ、あとはさっき言ったこと守ってくださいね」

 

「ストレッチでしょ、分かってるよ。おばあちゃんにも伝えておこ」

 

そうして下さい、何だったら副官にもマッサージしてあげますよと笑いながら言えば、指揮官もそうだね、誘ってみると笑い返す。その日は約束通りUMP45、UMP9、P7、M1895と共にお風呂にも入り指揮官の傷跡には驚きこそすれどそこまで触れずに楽しい入浴だったと指揮官は語った




前書きでサブタイトルを否定していくスタイル

指揮官の傷跡は、あれです、某奴隷と生活するあのゲームの主人公ちゃん、あの子のをもうちょっと軽くした感じですね。いい加減設定まとめてページ作るべきなのは分かってる……

当初は別に傷跡もなく綺麗なって感じにするつもりだったんですがあんな扱いで絶対に平和なわけないよなぁ?と悪魔が囁いたんです、本当なんです信じて下さい!!


尚、作者はマッサージを受けたこともしたこともない、


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彼女達の安らぎ

平穏こそがこの司令部のウリ


その日、【ST AR-15】はこの世の天国を見たと後の真面目な顔して語った、無論、その時は真顔で酔っているときである

 

彼女がそう言ったのは休日のカフェ、AR-15はまだ覚醒しない頭を起こそうとコーヒーでも飲むかと店内に入った時だった、カランカランとベルが鳴らしつつ

 

「マスター、コーヒー……あとマフィンも頂戴」

 

「畏まりました、お好きな席どうぞ」

 

ふああとオフなのを良いことに気を完全に緩ませて欠伸をしているとこの時間帯ではかなり珍しい声で呼ばれる

 

「AR-15、おはようって眠そうだね」

 

「指揮官?ええ、まぁ……」

 

「ん、どったの?あ、これ?ほら、カフェってスプリングフィールド一人だからさ、たまには手伝おうって思って、AR15?」

 

振り向いた先でAR15は見惚れた、視線の先、そこにはメイドが居た。ヴィクトリア朝のメイド服に身に纏った指揮官(天使)

 

席に座るわけでもなく自分を見つめ続けるAR15に指揮官は不思議そうに小首をかしげるがその行動一つとっても彼女にしてみれば悩殺行動であり未だ寝ぼけていた頭が一気に覚醒をしてフル回転を始める

 

「……マスター」

 

「ハイ、なんでしょうか」

 

「(この愛でるべき存在を)テイクアウトで」

 

「やっておりませんしお嬢様に何しようというのですかAR15」

 

酔ってもいないというのに軽くタガが外れた事を言いだした彼女にスゥッと別のメイドが現れる、【G36】だ。そこで内心で舌打ちをする、指揮官が此処に居るということはM1895(祖母)G36(保護者)が居るはずだというのを忘れていたと

 

気付けば同じくメイド姿の【9A91】が指揮官を退避させて別のテーブルの席に座らせていた、手伝いに来たとは何だったのか……

 

「あら、居たのG36」

 

「ええ、お嬢様が手伝いを申し出たのでならばと洋服などを用意しまして、それでお一人では何か遭ってはと思い私と9Aも手伝いに入ってる訳でございます」

 

「ならこれって貴女の趣味?」

 

「趣味?人聞きの悪い、これは制服でございます」

 

ふぅんとそこでとりあえずの納得を挟むAR15、制服と言うのならスプリングフィールドと同じデザインにすればいいのにそうではないという所が疑惑なのだが彼女にとっては眼福なので黙っていることにし何時までも立っていれば邪魔になるのでカウンター席に座ることにした

 

「コーヒーとマフィンです」

 

「ありがとって指揮官じゃないのね」

 

「その、指揮官は長いスカート慣れてないので……転けます」

 

「何で着せたのよ」

 

「でも笑顔で皆を和ませますから」

 

「なるほど、マスコットって訳ね」

 

それならああやって寛いでもらったほうが逆に手伝いになるわねと他のお客が来る度に緩い笑顔で出迎えては頭を撫でられる指揮官を眺めつつコーヒーとマフィンを楽しむ

 

それから少しして、カランカランと扉が開いた方を見れば

 

「いらっしゃいませ、M4」

 

「あら、M4、貴女もコーヒー?」

 

「ええ、ふふ、似合ってますよ指揮官。AR15隣良いですか」

 

どうぞ、と答えればでは失礼しますと座りスプリングフィールドに注文をする、ついでにとAR15もコーヒーのお代わりを要求、店内は珍しくお客が多く二人のメイドが行ったり来たりと慌ただしく動き回る、それを見てた指揮官も手伝おうと行動を起こそうとすればG36か9A91によって座らされる、もはや戦力として見られてないがマスコットとしてはこれ以上にない存在なので問題はないと思われる

 

そんな店内をコーヒーを飲みつつ眺めていれば、また珍しいお客がこのカフェに訪れる、カランカランと入ってきたのは【M4 SOPMODⅡ】こちらはよくパンケーキ等を食べに現れるので珍しくはない、珍しいのは後ろに付いてきていた【M16A1】だ

 

「M16姉さん、珍しいですね」

 

「M16?どうしたのよ来るなんて」

 

「コーヒーが美味いって話を聞いててな、一回は飲んでおこうと思ったんだよ、隣座るよ」

 

「マスター、パンケーキ!あ、アイスと蜂蜜増々ね!」

 

「畏まりました、M16もコーヒーで宜しいでしょうか?」

 

ああ、頼むと答え、聞いたスプリングフィールドはでは少々お待ちくださいとパンケーキの調理と並行してコーヒーも淹れ始める

 

にしても、とM16が店内を見渡す。先程と変わらずに何時もより少々多いお客と働くメイド、そして気付けば餌付けされ始めている指揮官、世界がどんな状況かと言うのを忘れさせるほど平和な光景

 

「……平和だな」

 

「どうしたのですか突然」

 

誰に対して言ったわけではなく何となしに呟いたと言った感じのM16の言葉にM4が反応すれば

 

「いやな、AR小隊(わたしら)がこうしてノンビリとしてられるって良いことだなっと」

 

「確かにそうね、何があっても可笑しくない作戦だって受けてきたから何時何処かで誰かが欠けても不思議ではなかったわね」

 

AR15が続けてそう言葉にすれば、M4もそう、ですね。とぼんやりとコーヒーを見つめる、確かに中には誰かが今欠けていてもおかしくない状況に陥った作戦もあった、だが今ここで全員が揃っている

 

だからこそ不安にもなる、この先はどうなるのだろうかという未来への不安、それを壊したのはSOPだった

 

「大丈夫だって、私達は強いし、それに今はこの司令部の皆が居るからどんな作戦でも怖くないよ!」

 

「そう、ですね。私達だけではない、それは何よりも心強いですね」

 

「心強いと言うか強すぎると言うか、だがこの平穏を味合うためなら頑張れるってのも事実だ」

 

「と言うか、欠けるなんて指揮官が悲しむことは許さないわよ」

 

四人それぞれが決意を表すように言い合い、カウンター席から見れる店内の喧騒を眺めつつ注文した物を楽しむ、そんな些細な平穏、それこそが彼女達の安らぎなのだ、これまでも、そしてこれからも




今日も今日とて平和なAR小隊の図

AR15が出てくるとキャラ崩壊しかしてねぇな?まま、世界が平和な証拠だからヘーキヘーキ……えっとペルシカさんの電話番号はっと

この最後のシーンはAR小隊の面々がカウンター席にポーズ決めて座ってる感じでお願いします、私には画力なぞない……

急に評価が貰えてビビってる作者が居るらしい、あ、有難う御座います!

リアル司令部 宿舎全開放しました(虚無顔ダブルピース


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司令部のVector

急に真面目とは、感心しないな

だが、分かるよ。本来の世界線は厳しいものだ

だからこそ、ほのぼのが必要なのさ

……殺伐とした世界観を、忘れるようなね


【Vector】と言う戦術人形は自身を道具、兵器と割り切り日常ということに関しては無関心だったりちょっと仲間にもぶっきら棒だったりする、まぁ実際は仲間思いなのでぶっきら棒とは少し違うかもしれないが

 

……の筈なのだがこの司令部のVector、どうやら指揮官のあの空気に当てられたか、はたまた製造段階でなにか異常でも有ったのか、大元は変わってないのだが細かな部分で違う部分が生まれている

 

まぁ、悪い意味で変わっているわけではないので誰も気にはしてない、これはそんな彼女の一日

 

その日は珍しく鉄血の目撃情報が有った地域に出撃、情報通り鉄血との交戦、今は既に帰投して司令部の一室で彼女は何をするわけでもなく只椅子に座っていた、因みにだが巡回任務では指揮官のレーダー支援は受けれない、理由としては副官があまり頼りっぱなしでは負担が大きくなるし如何せん巡回は此処だけではないので処理しきれないと発言したのが理由だ、指揮官は割りと不満だが実際問題手が回らなくなるので納得はしている

 

そんな裏話は置いておきVector、オンの時は一つ一つの動作をする度に姿が消えてるのではないかという動きで敵を翻弄して撃ち倒すストイックな狩人と言った感じなのだがオフになるとその全てが鳴りを潜め、今のようにこの一室の椅子に座り続けているか、フラフラと何処か歩いているか、はたまたお風呂に居続けた、なんかいつの間にか食堂でお酒を飲んでたという話も出ている

 

つまり彼女のオフの時は神出鬼没なのだ、気付けば背後に居たなんてザラである

 

(……教会の地下室を見つけたのは『今日かい』ふふっ)

 

確かに彼女達の部隊は今日の巡回任務で鉄血と交戦後、教会を探索した時に地下室を発見し更に残党を処理するという戦果を上げてはいる。だが何故それがダジャレとなったかは彼女しかわからない

 

とまぁ見ての通り、本来であればこんな下らないダジャレを思い付き、あまつさえそれを自分で笑う、と言うVectorらしからぬ事をしだすのがこの司令部の彼女だ

 

そんなちょっと不思議が入った彼女はダジャレを思い付き満足したのか椅子から立ち上がり部屋から出ていく、向かう先は特に決めては無いようでフラフラ~と歩き出す

 

向かった先は食堂、まだ少々早いが夕食にしてしまおうという人形がちらほらと見受けられる、そしてその大半が調理場に集まっていた。無論、来たVectorも何事かと近付いてみれば、トンプソンが豪快に肉を焼いている姿、どうやらこれ目当てで集まってたらしい

 

「いい匂いね」

 

「お、Vectorも来たか、食べるかい?」

 

「そうね、頂くわ」

 

はいよ、少し待ってな!注文と同時に肉を追加で焼き始めるトンプソン、中々の分厚さの肉を何処で入手したとかは触れないでおく、スプリングフィールドのお酒と同じだろうとVectorは考え出来上がったステーキを受け取り席に座った時、電流が走った

 

(夕食は素敵なステーキ、ふふっ)

 

「あ、お肉の匂いと思ったけど今日はステーキなんだ」

 

本日二つ目のダジャレを思い付き絶好調のVectorの耳に指揮官の声がとそこを見ればいつの間にそこに居たのか隣には指揮官の姿が、これにはVectorも少々驚いた、気配すら感じさせずに現れたので当然の反応といえば当然なのだが

 

それとも自分がダジャレに思考を割き過ぎていたかもしれないと考え直し

 

「まだトンプソンに言えば、焼いてもらえると思うわ」

 

「ほんと!?なら急がなきゃ、ちょっと行ってくるね!」

 

「ふふっ、騒がしいね、嫌いじゃないけど……」

 

冷める前に食べてしまおうと食べ始め、数分後、焼き上がったお肉を貰ってホクホク顔の指揮官がまた戻ってきて隣に座り食べ始める

 

Vectorは特に食で感情を動かしたりはしないので指揮官が一口食べる度に幸せそうに顔を緩めて美味しい~と呟く様には少し羨ましいと思ったりもする

 

「ごちそうさまでした、はぁ、こんなご馳走だったら幾らでも食べれそうだよ私」

 

「ごちそうさま、でも食べ過ぎは良くないよ、指揮官は特に人間なんだから……ん?(ご馳走をごちそうさま)ぶふっ」

 

「ん、Vector?」

 

「な、何でもないわ」

 

やるわね指揮官と思いつつ、何とか誤魔化し切ったVectorは食器を片付けた後、今度は宿舎に戻りギシッと木製の背もたれが長い椅子に座り足を組んで両手を組んで目を瞑る

 

これは冒頭のような意味もなし、と言う訳ではなく彼女なりの情報整理のする際の決まりのポーズのようなもので一日の終り付近になると一度はこれを挟む

 

曰く、やるとやらないでは翌日の仕事の出来が変わるらしい、理由は誰も知らず本人も分からない、そして何時もは数分もすれば何事もなく終わるこの行動、だが今日は違った。さて終わろうかと彼女が思った時、小さな鐘の音が聴こえた

 

(今のは……!?)

 

今までこんな事はなく、そして聴いたことのないキレイな音色の鐘の音に瞳を開けて周囲を見渡すが何も変化がない宿舎、だがあれが気のせいだとか幻聴だとかは彼女には思えなかった

 

「何か起こるのかしらね。それとも私の気のせい……あ、鐘の音がおっかねー、ふふっ」

 

「……あ、まぁ、その、気にしないわよ私は」

 

「ええ、気にしないで頂戴」

 

完全に油断したVectorの呟きは416に聞かれ妙に気まずい空間が出来上がったが今日も一日が終わりを告げていった




前書きとサブタイトルのネタが分かる人は今すぐ獣狩に戻って、聖杯でも良いぞ、あと特に真面目でもなかった

と言うより25歳児が完全憑依してますねこれ、次回までに除霊しておきますね……可笑しい、狩人が憑依する筈だったのに

うん、申し訳ない、今日はネタがいまいち思いつかなくてVectorの中の人がそういやこの二人そうじゃんから暴走しました……ちょっとヤーナム行ってくる

次回 世界線を違和感なく引っ張ってこれる方法が思い付けばまた暴走するかも


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似た者同士

波長的な意味と外見的な意味


「ショットガン?」

 

仕事始めの朝の書類整理の際にM1895が読み上げた書類がことの始まりだった、なんでも本部では新たなタイプの戦術人形を実戦投入に成功したらしくその一体が今日この司令部に配属となるらしい

 

その新たなタイプと言うのが冒頭で指揮官が呟いた『ショットガン』タイプ、M1895はうむと頷いてから書類の続きを読み上げる

 

「どうやら、防御を主にしたタイプらしくてな。またマシンガンタイプと相性がすこぶる良いらしい、それと装備の方でも専用のものが出たらしく……これは支給されないのじゃな」

 

「え、また依頼して作れってこと?」

 

「そうなるな、妙な所でケチじゃな本部」

 

「まぁ、そこら辺は追々って形でいいと思うよ。それより新しい子かぁ、どんな子だろうね!」

 

「お主のように手がかからなければよいがのう……」

 

ちょっと待って、それって私が手が掛かるみたいな言い方じゃない?と反論するが何言っておる、そう言ってるつもりじゃと返されればそれ以上の反論もできずにうぐぅと事実を認めるしか無い指揮官

 

唸りながらも仕事を再開する指揮官を尻目にM1895は仕事をしつつ、漸くかと言う感情を抱いていた

 

(ショットガンタイプの提唱はそれなりに前からあったというのに、実戦投入まで随分と掛かったのう)

 

まぁわしの知るところではないかとそこで考えは打ち切りさっさと終わらせるかと思考を切り替えるのであった

 

という事でいよいよその戦術人形が来る時間帯、毎度のように彼女達はヘリポートに居た、そろそろ空気も冷えてくる季節が近付いている事を知らせるように冷たい風が吹くが指揮官は何のその、今か今かと待ちわびている

 

そして待つこと数十分、そのヘリがやって来た。M1895はそこでふと思った、毎度のことながらで気にしなかったが何故毎回ヘリなのか、陸路が使えない土地じゃあるまいしと

 

(……今更か)

 

「あ、出てきたよ!」

 

指揮官が言う通り、ハッチが開いてから出てきたのはIDWとよく似た髪型にゴーグルを掛けた少女、向こうも二人を見つければ手を振りながら向かってくる

 

「ハロー、指揮官!モスバーグ500式散弾銃だよ、会えて嬉しいわ!」

 

「ハロー!私はこの司令部の指揮官、でこっちが、わぷ!?」

 

「ワァオ、すっごく可愛い指揮官ね!!」

 

自身の挨拶を済ませ、次にM1895の紹介をしようとした瞬間、ハグされた。ハグした張本人は指揮官がこんな少女だとは思ってなかったようでキュートだのお人形みたいだの言いながら抱きしめる

 

指揮官も指揮官で始めは驚くが直ぐに順応、ハグを仕返し面白い人が来たなー!と笑っている、そこでM1895は感づいた、指揮官と同じ波長の戦術人形だなコイツと

 

「あ~、自己紹介してよいか?」

 

「あっ、ごめんなさい」

 

「別に気にしてはない、わしはこの司令部の副官を務めておるナガンM1895じゃ。呼ぶ際はナガンでよい」

 

「よろしく、ナガン!」

 

では司令部を案内するぞ、いつまでも外では指揮官が風邪を引きかねん。それだけを言い歩き出せば二人も雑談を交えながら付いてくる、どうやら本当に波長が合うらしい

 

ワイワイガヤガヤと喋りながら案内をしていると指揮官がふとM500の顔を見続け唸り始める、どうしたのかと聞けば

 

「なぁんか、誰かに似てるんだよね」

 

とのこと、しかし言われるとM1895も確かになと一緒に唸り始める。その光景を見てM500は仲がいいんですね!と感心、だがこのままでは案内どころではなくなってしまうのではと思っていると

 

「……何二人して唸ってるにゃ」

 

偶々通り掛かった【IDW】見慣れない顔の人形を放置して唸り続ける指揮官と副官を見て呆れ気味に言いつつ近付いてくる

 

二人もそっちを見れば、同時にあっと声を出す、疑問が今解けた

 

「そっくりだ」

 

「そっくりじゃな」

 

「何がにゃ……で、そっちがうぉっ!?」

 

IDWがM500の方を見た時、彼女が既に目の前に居た、それもキラキラした瞳で彼女を見ていた、え、何だにゃとズズッと後退ればM500は同じ距離詰める

 

「……ワァオ、本当にそっくり」

 

「おい待て、どこがそっくりだ声に出してみるにゃ」

 

「ほら、この髪型とかそっくりじゃない!」

 

髪を触れながら言い切る、言われたIDWも触れてみる、確かにと頷く、頷くが、それだけだろと同時に思う

 

急に絡まれいい加減、どうにかして欲しいと抗議の視線を飛ばしてみるが返ってきたのは副官の力強い頷き、悟るIDW、押し付けられたぞこれと

 

「覚えてろにゃ……!!」

 

「IDWとM500、うんうん、凄く似てるね!」

 

「まさか、私達姉妹じゃないですか!?」

 

「んな訳ないにゃ!そもそも国が違うにゃ!!」

 

いやぁ、仲が良いのうと壁により掛かりつつ呟くM1895、仲が良いというのは今の光景は勿論なのだが何処と無く噛み合っているのだ、天然ボケ倒しの指揮官とM500、それに的確にツッコみつつ二人が飽きないように相手をするIDW、なるほど姉妹のようだと改めてM1895は頷く、が無論そんなのは彼女の個人的な考えである

 

「ええい、引っ付くのはやめるにゃ!だから姉妹じゃないって言ってるにゃ!」

 

「国が違うのはあれだよ、腹違いのってやつよ!」

 

「人形に腹違いもへったくれもないにゃ!!」

 

「ああ、それもそうだね~」

 

いい加減本当に助け舟が欲しいにゃと思うIDW、そこから数十分は絡まれ続けたらしい、こうしてこの日、新たな仲間が増えた司令部であった




基本的にアメリカ銃にはハグされやすい指揮官、多分身長的にハグしやすいんだよきっと

と言う訳で資材にそこそこなダメージを受けましたがM500来ました、彼女しかショットガンは来ませんでした、何度も回せんぞあれ

だから困ったらIDWはやめロッテ!(止めない


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自由を冠した小隊 Session1

彼女達は幸せになる権利だってある

Warning Warning Warning

本人からはやれ(脅迫)(願望)(幸せを教えたい)って感想で送られてるから私は暴走するぞジョジョォォォォォ!!!


休日、まだ眠っている指揮官の自室の机に置いてあった通信機、これはCUBE作戦後、ペルシカから送られてきた特殊なものらしいのだが今日まで一度も通信が来たことがない

 

その今の今まで黙りだった通信機から通信音が部屋中に、だが外に漏れない程度の音量で鳴り響いた

 

「ふぉ!?」

 

音に驚いて指揮官が飛び起きるが勢いが良すぎてそのままベッドから落ち頭を擦りながら立ち上がり、通信を繋げば聴こえてきたのは

 

《やぁ、指揮官さん。こちら【404小隊】の【UMP45】もしかして寝てた?》

 

「404のUMP45?まぁうん、寝てたけど目が覚めた、いったた」

 

《あらら、それはごめんねー、でもちょっと頼み事があってさ、聞いてくれるかな。ああ、ペルシカは通してあるからヘーキだよ》

 

「頼み事?うん、いいよ、話して」

 

《貴女の司令部でとある小隊を預かってて欲しい、具体的な日数は提示できないけど長くても数日位だとと思う》

 

とある小隊、404から頼んでくるってことはまた特別な小隊なのかなと思いつつ、聞いて大丈夫なら聞いてみるかとUMP45に話してみれば、うーんと言う悩む声がしてから

 

《特殊と言えば特殊かな、悪い子達じゃないよ、寧ろ可愛い妹達みたいな感じ》

 

「そっか、分かった、ならちゃんともてなしてあげないとね。で、何時来るの?」

 

《うん、今日》

 

「え?」

 

《今もうバンで向かってるよー》

 

拒否権なんて無かったのでは?と苦笑を浮かべつつ、人形に対しては警戒心もあまり怒ることもしない彼女はじゃあ、準備しておくねと言ってから通信を切りまた同じところに置いておく

 

約一時間後、正門前、指揮官とM189と念の為と付いてきたG36はその例の小隊と対面していた、因みに404は急いでいたのかじゃあ、あとはよろしくー!と慌ただしく乗ってきたバンで消えていった

 

出てきた小隊の面々を見て指揮官は最初驚いた、そこに居たのは404小隊と同じ人形たちだからだ、だけど直ぐに違うとわかる

 

「あ、えっと、今日からお世話になります【404-F小隊】隊長の【F45】です」

 

「私は【F9】よろしくね!」

 

「I am 【F416】, nice to meet you.」

 

「【F11】よろしく」

 

それぞれが自己紹介をしてから頭を下げる、この時点でかなりの違いがあった、先ず全員の名称がFであること、F45の肌が凄く色白なこと、更に言えばF416が何故か英語しか喋らないことと上げていったらキリがない

 

のでそこら辺の思考はまるっと投げ捨て自分らも軽く自己紹介を始める

 

「うん、いらっしゃい、私はこの司令部の指揮官です」

 

「副官を務めておる、ナガンM1895じゃ、ナガンで良い。短い間になると思うがゆっくりしていっとくれ」

 

「お嬢様のメイドをしております、G36でございます」

 

こちらも自己紹介を終えて、さてまずはどうしようかと考える指揮官、ふと目についたのは中々の大荷物、これを持ちながらは酷だよねよ頷いてから

 

「じゃあ、先ずは荷物を置きに行っちゃおうか、宿舎まで案内するから付いてきて」

 

「お荷物、お持ちします」

 

「わわ、だ、大丈夫ですよ?」

 

「遠慮するな、そうさな、ホテルや旅館にでも来たと思え」

 

ここまでされたことがないのかF45が戸惑っているとM1895が気を利かせそう伝えればF9がなるほどと言った感じな表情をしてからF45に

 

「45姉少しだけでも持ってもらおうよ、それに全部向こう任せにするわけじゃないんだから」

 

「う、うん、えっとお願いします」

 

一方、指揮官も少しは手伝おうとF416の荷物を持とうとした時、大きめの方を持とうとした指揮官に彼女が心配そうな声で

 

「Be careful, this baggage is heavy」

 

「……?」

 

だが悲しいかな、挨拶程度なら何ヶ国語も口から出せるが会話レベルとなると全く分からない指揮官は心配はされたのだろうが何を言われたか分からずフリーズする

 

F416もそんな彼女を見て伝わってないと気付きどうすると思っているとF11がフォローに入る

 

「この荷物重いので気をつけてくれだって」

 

「あ、うん、ありがと、気をつけ、あ、あれ?」

 

「お主に持たせるわけ無いじゃろって本当に重いなこれ……指揮官、持つならF9かF11のにしろ、そっちの方が軽いからわしらが安心する」

 

「うん、分かった……ん?」

 

それぞれが荷物を持ってから宿舎まで案内しつつ、404-F小隊の話を聞いてみる、やはり気になるのは【F】と言う部分、先ず考えを口にしたのはM1895

 

「しかし、Fと言うのは『Fake』と言う意味か?」

 

「多分だけど『Freedom』じゃない?」

 

それに対して指揮官がそう反論、答えを求めてF45に視線を向ければ

 

「えっと、両方正解です。と言うより私達は最初は特に小隊名とかはなくて、ある日404小隊の隊長に付けてもらったのが404-F小隊でそれぞれFを頭文字にしたのが私達なの」

 

あやつか、ならばそういう洒落たこともするかと納得するM1895、指揮官も良い話だね、名前って何よりも大事だからさと笑っているはずなのに妙に重い感じに同意する

 

「確かにそのままでは404と区別が難しいですからね。さてこちらが宿舎でございます、お嬢様、皆様のお部屋はこちらで?」

 

「そうだよ、ただごめん、皆が来るって知ったの今朝で一応、起きてた皆で掃除はしたんだけどちょっと汚いかも」

 

扉が開かれればちょっと汚いかもと言った割りにはそんな風には見えない小奇麗な部屋、ベッドの数もしっかり四人分あり家具も揃っている

 

予想よりもしっかりした部屋に驚く404-F小隊の面々、F9が代表するように口を開く

 

「いやいや、こんな綺麗な部屋ありがとう!ビックリしちゃったよ」

 

その言葉に三人も頷けば良かったとホッと息を吐く指揮官、それからとりあえず荷物を置いてもらい

 

「さて、じゃあ司令部を案内するね、今日は休日だから皆いろいろしてて面白いと思うよ」

 

これはこの世界線での彼女達のお話、後に彼女達は語るだろう、何処よりも暖かい優しい指揮官の司令部だったと




F小隊幸せ世界線開始だオラァ!!!因みに404は何しに行ったかって?何してるんやろなぁ(謎の人名のリストを見つつ)

今回出てきたF小隊が気になる?よろしい、【404小隊(大嘘)】を読むのです、ていうか読んで下さいオナシャス!!(ダイマ)

あとF416のセリフはグーグル先生任せです、多分色々違う、私は英語苦手なのです(白状

次回 休日の司令部でF小隊が楽しむ

因みに全何話になるかはわからないです(THE 無計画)それと上手く欠けてる気がしないのが辛い(吐血


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自由を冠した小隊 Session2

会話とカフェ自慢のマフィンを楽しみつつ


何処から案内しようか、自慢な場所は沢山あるから悩むなと少しずつテンションのギアが上がり始める指揮官を見つつ彼女達が最初の疑問に思ったのは

 

「指揮官さん、一つ聞いていいですか?」

 

「ん、なになにF45」

 

「休日って何ですか?」

 

「休日は休みの日だよ?」

 

固まる空気、休日って?と言うF45と休日は休日ではと言う指揮官、噛み合ってないと気付いたM1895はつまりじゃなと指揮官の言葉に付け足す

 

「こやつが一週間に一度は最低限のことだけして皆ゆっくりしようと定めた日が今日という訳じゃ」

 

「それって、大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ、だって一度も問題起きなかったし」

 

「私も初めて聞かされた時は心配になりましたがまぁ、慣れてしまえば良いものでございます」

 

慣れとは恐ろしいもので、配属された戦術人形は最初こそはえぇと戸惑うが何度も休日を迎えればこれはこれでありだよねとなる、大体は指揮官が心の底から休日を楽しんでいるからというのがあるが

 

兎に角、今の今まで何も問題も起きずに誰かから怒られるわけでもなかったこの司令部では休日は普通のものと定着していると説明を終わらせればF416が呆れ気味に

 

「Is it good to get used to?」

 

「いいんじゃない?」

 

「決めた、最初はカフェに行こう、付いてきて!」

 

パンッと両手を合わせながら指揮官は全員に伝え、彼女達もお任せしますよと言った感じに頷く、と言うよりここまで笑顔で楽しげな指揮官を見て断れないと言うのが真実だ

 

という事で場面はカフェ、最近また改装して少々広くなった店内を見た瞬間、彼女達の口から感動の声が上がる

 

「9!司令部にカフェが本当にあるよ」

 

「本当、ここに来てから驚かされてばっかりだね45姉、これってこの司令部で運営してるんですか?」

 

「いや、スプリングフィールドの趣味じゃ」

 

「Hobby, is this?」

 

趣味だと言われF416が驚きの声、まぁ普通はこの規模を趣味とは思わんよなとM1895は思いつつ、G36が用意し気付けば指揮官も座ってる席の隣に座り、ほらお主らも立ってないで座るのじゃと勧める

 

全員が着席したのを確認してからマスターであるスプリングフィールドがメニューを渡しに来る

 

「いらっしゃいませ、私はこのカフェのマスターを務めています【スプリングフィールド】です」

 

名乗った後に綺麗な礼をする彼女、F小隊の面々も慌てて立ち上がろうとしてスプリングフィールドにいえ、大丈夫ですよと優しく促し彼女達は各々座ったまま名乗る

 

「今朝、指揮官が言ってた小隊は貴女達でしたか、ぜひごゆっくりしていってくださいね。ではご注文がお決まりになったらまた呼んでください」

 

「……お嬢様、申し訳ございません、一旦スプリングフィールドの手伝いに入りますのでここで別れて宜しでしょうか」

 

「あ、そうだね、そろそろ皆も来そうだから手伝いがいるかもね。いいよ、いってらしゃい」

 

スプリングフィールドは再度お辞儀をしてからカウンターへと戻っていき、G36もお辞儀をしてから後を追う、それを確認してから指揮官がメニューを開いて

 

「さ、どれにする?因みにオススメはマフィンだよ、すっごく美味しんだから」

 

「うむ、それに関してはわしも同意じゃ、ここのマフィンはそこらのとは一味も違うぞ?」

 

指揮官と副官が声を揃えてオススメするのなら是非とも味わいたいと満場一致で決定、あとは飲み物どうしようかとなる

 

「私はコーヒーかな」

 

「Also」

 

「コーヒーでいいよ、あれ、45は?」

 

「えっと、私は、ココアがいいかな」

 

「あ、じゃあ私もココアにしよ」

 

「決まったな?G36、注文が決まったぞ」

 

各自注文を済ませ、現在はマフィンと飲み物待ち、そしてカフェも段々と司令部の人形で騒がしくなり始める

 

そうなれば、404-F小隊に気付いて会話しようと声を掛けてくる人形も来るわけで、気付けば彼女達の周りには迷惑にならない程度の人数の人形が集まり各々がF小隊の面々と楽しげに会話をしていた

 

UMP45と違うF45の性格や見た目に驚きつつも仲良く会話をする者

 

逆にそこまで変化はないがそれはそれとしてこの司令部の良さをF9に話しつつF小隊の話を聞く者

 

眠気の欠片も感じさせないF11にこの司令部のG11の休日の過ごし方を話す者

 

英語オンリーで更にテンションまで違うF416に英語で会話を試みる者、因みに大体は話せている

 

対してF小隊も最初こそはF45が慌てたりしたが今では時より笑いつつ会話を楽しみ、他の面々も同様に楽しんでいれば

 

「おまたせ致しました、こちらマフィンとコーヒー、それとココアでございます」

 

G36がテーブルに出来上がったばかりのマフィンと淹れたてのコーヒー、それとココアを並べられる。どれもいい匂いが彼女達の鼻を擽り、じゃあ食べようかと指揮官の言葉でそれぞれが食べ始める

 

「ん~、美味しいよこれ!」

 

「コーヒーも匂いがいい、え、これってもしかして豆から?」

 

「Both coffee and muffin are handmade and this taste is amazing」

 

「これで趣味、凄いな」

 

F45はマフィンを食べればその美味しさに目をこれでもかと輝かせながら感想を述べ、F9はコーヒーが豆だと分かり驚愕、F416とF11も同じく驚きながら食べ進める

 

テーブル一杯の幸せ、F小隊がここまで喜んでくれるとは思わなかった指揮官は良かった良かったとココアを飲みながら優しい笑みを浮かべM1895もこれなら夜はどうなるんじゃろうなとマフィンを食べつつ笑うのであった




目を輝かせながら仲間たちとマフィンを食べるF45ちゃんを想像すると不思議と胸が苦しくなる作者の焔薙です、おかしい……今までも書いてた日常だぞ?

予告する!(ルパパト風)
BARの出番あります


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自由を冠した小隊 Session3

次は何処で何しようか?


場面そのままカフェのテーブル、マフィンは全員食べきり余韻を楽しみながら今度はこの後の予定を話し合っていた

 

「本当だったら皆に何処行きたいかを聞くのがいいんだけど」

 

「ムダに広いからのう、ここは」

 

と言うより二人がどうしようかと頭を悩ませていた、あまりあっちこっちと案内するのもそれはそれで退屈になりかねずかと言ってじゃあ何処行こうかと聞いてもそもそも何があるかが分からなければどうしようもない

 

そんな悩める指揮官と副官にF45が質問を飛ばす

 

「他に何があるんですか?」

 

「色々……としか言いようがないのう、時間になればBARも開くがそれはまだじゃし」

 

「BARもあるの?」

 

「スプリングフィールドが趣味でやっとるのがな、と言っても夜からじゃ」

 

「It is surprising that she is multicultural」

 

昼間はカフェ、夜になればBARのマスターと姿を変えるスプリングフィールドにF416はいよいよツッコミを放棄しだす

 

趣味という話が出てきて、そこで疑問に思ったのかF11がコーヒーを飲んでから

 

「ここの戦術人形って皆が何かしらの趣味を持ってる?」

 

「そう、かな?皆ってわけじゃないけど大体はなにかやってるね、あっ、そうだ」

 

閃いた指揮官、司令部のことも、皆の趣味のことも一片に解決できる最良の手があったじゃないかと。と言うより何故最初で閃かなかったのかと思ったがその時はまぁカフェを優先したかったという感情があったので仕方なかったことだと割り切る

 

「なにか思い付いたのか、指揮官?」

 

「うん、掲示板の記事読んでもらえば大体はこの司令部のことが分かるかなって」

 

「掲示板の記事、それも誰かが書いてるの?」

 

「うむ、FMG-9が書いておる、なるほどそれならば一々移動を挟まなくとも説明が容易いな」

 

でしょでしょ?と我ながら良い考えだとドヤ顔になる指揮官、だが副官は同時にこんな事も考えていた、指揮官の奴、記事の内容を忘れおったなと

 

今月の記事はまだ更新されておらず、詰まる所あの記事のままなのである。まぁ本人が忘れていることなので触れはしないがどうなるかは火を見るよりも明らかである、がこの副官は口にはしない

 

指揮官がF小隊に確認を取れば、記事というものがどんな物なのかと気になるらしく満場一致、じゃあ次は掲示板だねと全員が飲み物を飲みきってからスプリングフィールドに一言伝え掲示板の場所へと歩を進める

 

無論、道中でも司令部の戦術人形達がちょくちょく声を掛けて自己紹介をしたり雑談をしたりしつつ、目的地に近付いた時、M1895が口を開いた

 

「指揮官、確認じゃが掲示板の記事を読ませて構わんのじゃな?」

 

「いきなりどうしたのさ、機密が書いてあるわけじゃないし全然OKだよ?」

 

「そうか、まぁお主が良いというのならそれで良い」

 

クツクツと笑うM1895の怪訝な目をする指揮官、F45とF9もそれを不思議そうに見つめつつF45が指揮官に小声で

 

「指揮官さん、何か不味いことでも書いてあるのかな?」

 

「そんな事はないはずだけど、まぁいいや、これがこの司令部のことについて大体が分かる広報記事だよ!」

 

紹介をすれば、F小隊は各々自由に読み始める、この掲示板は新たなに加わった戦術人形向けにも作っているのでマップも事細かに書かれており、やっぱり最初は此処に来るべきだったと反省する指揮官

 

そして反省した時に、そういや今月ってまだ更新されてないんだなぁと記事の内容から気付いて、固まる

 

(あれ、更新されてないってことは……)

 

思い出そう、あの事件を、あの事件を酒で酔って口が滑ったとか言ってネタを提供した犯人を、そしてそれが引き起こした公開処刑(ひげき)

 

あまりにも衝撃的な事件でその記憶そのものを封印していたはずなのだが全てが解かれ、やばっと思ったが時すでに遅し、F小隊の視線はその記事に向けられ指揮官の顔があの時のように真っ赤になる

 

「言ったじゃろ、本当に読ませて構わんのじゃな?と」

 

「具体的に言ってよぉぉぉぉぉぉ!!!???」

 

「There is nothing to be embarrassed, it is a mistake to listen often」

 

「まぁ、うん、そうだね、よく聞く話ではあるよ」

 

叫びとともに崩れ落ちる指揮官、ポンっと肩を叩きF416がそのようなことを言うが指揮官には理解できない、出来ないが慰められたのは分かった

 

F11も何と声を掛けていいか分からず、とりあえずそんな形でフォローをしてみる。F9も同様にどう声を掛けたものかと悩んでいるとF45が慌てた感じに指揮官に近づいて

 

「だ、大丈夫だよ指揮官さん。私だってその、偶に9の事を寝ぼけてお母さんって……無いかも、いやあったかな?」

 

「45姉、それフォローと言うより多分追い打ちとかトドメとかだと思うよ」

 

F9の言葉にF45が見れば口から魂が抜けそうな顔の指揮官の姿、そこで遂に堪えきれずに笑い出すM1895、割りと容赦というものを知らない

 

「あああああ!?ち、違うんです、だからえっと、その、気にしなくても大丈夫というか私達は気にしてないですと言うか!?」

 

「はは、大丈夫、大丈夫だよF45……うん、大丈夫」

 

流石に二度目、立ち直りは早かったが目は若干死んでいた。だが指揮官という尊い犠牲のお蔭でこの司令部の空気というものに慣れ始めるF小隊、だがそこでまた混沌とした者がフラフラと現れる

 

「ああ、此処に居たんだ」

 

「む、Vectorか、どうした?」

 

どうしたと聞かれたVectorだったが直ぐには答えずにF小隊の面々を見つめ、なるほどねと数度頷く

 

「そうか、鐘の音は君たちか。ふふ、ようこそ平和で自由な司令部へ……ああ、ここの夕食を期待してくれていいよ」

 

「鐘の音?えっと、誰か鐘なんて持ってたっけ?」

 

「いや持ってないと思うけど……それより夕食だってどんなのが出てくるのかな9!」

 

「What do you want to tell us, clearly」

 

突然良く分からない言い回しをしだしたVectorに警戒の色を強めるF416、F11も何も言わないがそっとF45の前に立つ

 

だがその警戒は彼女の次の言葉で霧散した、警戒されようと態度を変えなかったVectorがふと何かを思い付いた顔になり

 

「……今日の夕食にYou shock。ふふっ」

 

空気が固まったのを全員が感じ取った瞬間であった。一方Vectorはそれだけを言うとまたフラフラと何処かへ消えていった

 

「まぁ、うん、Vectorはオフの時は何時もあんな感じだよ」

 

「In this headquarters, I was worried that I felt lost」

 

「平和って事だね、多分」

 

「あやつ、本当に何考えてるかわしにも分からんのじゃ」

 

全員が気を取り直すまで少々の時間が掛かったがその後も司令部案内と雑談を楽しみ、時刻は夕食刻を示し始めていた




Q Vector姉貴の25歳児除霊したのでは?

A 除霊しても直ぐに取り憑かれたのでオフの時のVectorはこのキャラで押し通すことにしました

そして指揮官のこのネタは暫く使う、多分使う、だって美味しいんだもの

多分、F小隊幸せ世界線はあと次回か次々回位かな。お酒ネタは明日だと思う(未定


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自由を冠した小隊 Session4

BAR、何も起きないはずもなく


掲示板を読んでからはF小隊の面々が気になった所に向かいそこで説明ないし戦術人形と会話を楽しむを繰り返し、時間的にそろそろ夕食と言うタイミングでお腹の虫を鳴らした指揮官

 

「あ~、ほら、時間だし?」

 

「相も変わらず食に関してはこれ以上にないくらいに正確な体内時計じゃな」

 

「お昼の時も丁度0時に鳴らしてましたよね」

 

F9の言葉にははは~、と恥ずかしそうに頬を掻く指揮官。兎にも角にも夕食にしようと食堂へと足を運べば、先ず声を上げたのはF45だった

 

「凄い、色々な料理が並んでる!」

 

「へへへ~、驚いた?休日のときだけだけどバイキング形式で色々な国のご飯が並ぶんだ」

 

まぁ何が並ぶかはその日の料理担当によって違うけど大体の国の料理は並ぶよと紹介しつつ各自にお皿を渡していく指揮官、その間にも彼女は料理を盛っていく

 

「バイキング形式って凄いね、あ~どれ食べようか45姉!」

 

「There are quite a few kinds of German cuisine」

 

「あ、シュペックカルトッフェルンだ」

 

これだけあると悩むよね~と指揮官も思いながら料理を流れるように皿に盛っていく少なく見積もっても彼女だけで五人前はあるように見える。まぁそんな何時も通り大食漢な指揮官は置いておいて、F小隊も好きな料理を取ってきたらテーブルに座り食べていけば美味しいと感想をこぼしていく

 

料理を堪能しているとM1895が思い出したかのように

 

「そうじゃ、この後だがBARに案内するのじゃがこの中で酒が駄目な者はおるか?」

 

「私達だと45姉かな、かなり弱いね」

 

「お酒は……苦手だね、ちょっと飲んだだけでも気付いたら寝てたりするし」

 

「分かる分かる、私も前に一杯だけ飲んで気付いたら次の日ですごく頭が痛かったもん」

 

その時は一杯どころか二杯半行っとるがのと言い掛けたが別段言う必要も無いかと言葉を飲み込み

 

「なるほど、他は大丈夫なのじゃな?」

 

「There is no problem at all, I'd rather be happy to drink it」

 

「私は嗜み程度だけどね、まぁ45ほどじゃないよ」

 

「承知した、幸いBARにもソフトドリンクはある、指揮官とF45はそれで楽しんでもらおう」

 

ソフトドリンク、その言葉を聞いた時、指揮官がフフンと鼻を鳴らしてM1895に指を指しながら

 

「甘いよおばあちゃん!私だってもうカクテルは行けるようになったんだからね!」

 

「ああ、『ノンアルカクテル』じゃろ?」

 

指揮官の自信に満ち溢れたカクテルは行けるの言葉で隣のF45が尊敬の眼差しでおお、といった感じの顔になり、その後のM1895の言葉でおぉ?と言う顔になる

 

そして指揮官はと言うとバッサリ切り捨てられ固まっていた、そもそもM1895がその程度のことを見抜けないはずもないので初めから勝ち目のない宣言だったのだがどうやら行けると思ってたらしい

 

「さ、さてじゃあご飯食べてBARに行こうよ!」

 

F9の何とか空気を持ち直そうとする頑張りが寧ろ染みる指揮官だったが料理は綺麗に平らげた模様

 

夕食を終え少々の胃の休憩を挟んだあと、本日の締めであるスプリングフィールドのBARに来ていた。既に開店から時間が経っているのも手伝い店内にはそれなりの人形が既に酒盛りを始めていた

 

店内の揃えられているお酒の種類に感動と同時に疑問が浮かんだのかF416が真面目な顔でマスターに向かって投げかけてみるが

 

「From where we are buying this kind of liquor this」

 

「申し訳ございません、企業秘密です」

 

「何で今一瞬だけ肝が冷えたんだろうね……」

 

「深くは追求するのは危険じゃぞ、わしも身の危険を感じるほどじゃからな」

 

さて、適当な席に座るかと六人席を慣れた感じに即席で作り出し全員を座らせ注文を済ませる、因みにF45はソフトドリンクのオレンジジュース、指揮官はサラトガクーラーを頼んでいた

 

注文はすぐに来て、ふむとM1895が店内に目配せをしてから

 

「指揮官、音頭を」

 

「じゃあ、今日F小隊の皆に会えたことに……」

 

『乾杯!』

 

気付けば店内に居た人形が皆同時に乾杯を言えばF小隊は驚き、直ぐに笑みをこぼす、そう今日はF小隊歓迎会として小規模ながらもBARでパーティーをしようということになってたのだ、因みに食堂のバイキングも何時もより豪勢だったのも歓迎会の一部だったりする

 

歓迎会が始まり数十分、F45は店内の少し隅の方で椅子に座りながらF小隊を見ながらジュースを飲んでいる、それに気付いた指揮官が近付き

 

「どったの、隅にいるなんてさ」

 

「あ、指揮官さん。ちょっと疲れちゃって」

 

「ははは、ずっと司令部を歩き回ったりしてたもんね、少し休憩を多めにしたほうが良かったかな」

 

いえ、あの疲れたっていうのはそういう意味ではなくて、とハニカミながらF45はF小隊の面々を見て

 

「楽しくて疲れたんです、こうやって皆と一緒に居られるってことが何だか凄く嬉しくて、本当だったらもう二人いるんですけどね」

 

「二人?来れなかったのはなにかあったの?」

 

「はい、ちょっと……でも大丈夫だと思います、二人は強いし、信じてますから」

 

そっか、とノンアルカクテルを一口、それ以上は聞かなかった。何となくだが問題なく会えるだろうと指揮官は思いながら

 

「ならさ、二人にたくさん話せるだけの思い出作ろうよ」

 

「思い出、そう……ですね、二人が羨ましがるくらいに楽しいお話をしてあげたいです」

 

笑い合いながらそう言い、そこでF45のコップが空っぽなのに気付いた指揮官、えっとと近くのビンを見つけ中身がオレンジ色なのを見て何を思ったか誰かが瓶ごとオレンジジュース用意してくれたんだなと解釈

 

「もっと飲む?」

 

「あ、はい、いただきます」

 

はいどーぞと注ぎ、F45も疑問に思わずにそのジュースを一口飲んだ所で丁度その瓶を取りに来たM16があっと声を出す

 

「……それ、酒だぞ」

 

「へ?」

 

喜劇が、幕を開けた




大戦犯指揮官、そして話題に出た二人、一体誰なんだ……!!

BARでF45ちゃんご乱心をやると前回言ったばかりなのに…スマン ありゃウソだった(無計画

でもまぁ、最後で誰がどう犠牲になるかは、分かるよね!

あ、ついでに指揮官の設定ページ投下しておきますね


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自由を冠した小隊 Session5

指揮官の初めてはPPKではない……!!


「へ?」

 

指揮官の素っ頓狂な声が不思議とBAR全域に響いた、何事かと振り向く全員の視線がF45と指揮官に向けられる

 

先程の食堂での会話を思い出しそう言えばお酒に弱いって言ってたよねと心配になりF45の顔を見れば顔を赤くして素人目から見ても酔っていると分かる

 

「……これって私のせいだよね?」

 

「まぁ、そうなるのう。なぜ呑ませた」

 

「いや、オレンジジュースだと思って」

 

ソフトドリンクが瓶で出てくるわけなかろうてと呆れた声を聞き流しつつ、動きを見せないF45に声を掛けてみる

 

「大丈夫F45?ごめんね、お酒だって気付かなくって……」

 

「……(ボー)」

 

が返事が返ってこない、赤い顔をして覗き込む指揮官の顔をじっと見つめている、どうしたのかと思ったその時、徐にパーカーに手を掛けて……

 

そこからの指揮官の行動は早かった、流石に何をしようとしてるかはすぐに理解できた彼女は即座にF45の両手を掴んで動きを止める、止められたF45は明らかに不満ですという顔で指揮官を見る

 

「いやいやいや、幾ら同性しか居ないからって脱いじゃ駄目でしょ!?」

 

「いやだ、あついからぬぐのー!!」

 

「うわちょっ、力すご!?駄目だって、ああ分かった!パーカーまで!!パーカーまでなら許すから!!」

 

「うぅ~、シャツもー!」

 

酔いで幼児退行してるF45はパーカーだけという指揮官の言葉にまだ暑いからシャツも脱ぎたいと駄々をこねるがそれを何とか宥めつつ、これ以上脱がないように誘導する指揮官

 

その様子を眺めるBARの面々、一切手伝いに入らない辺りこれを楽しんでいる節もある、と言うより

 

「おぉ~、手慣れてんなぁ指揮官」

 

「なんじゃ、もうちょっと慌てふためく所が見れると思ったのにのう」

 

「From now on F45 will begin to attack, so it's better to see it」

 

思いっきり酒の肴にして楽しんでいた、その間にもF45と指揮官の攻防戦は続き数分後、漸く大人しくなったF45に残りのF小隊が驚きの声を上げる、基本的にああなった彼女は酔いが完全に回り寝落ちするまではあんな調子なのが基本であり大人しくなったのは今回が初めてなのだ

 

「むぅ……」

 

「ふぅ、やっと落ち着いてくれた、良いF45?暑いからって脱ぎたくなるのは分かるけどだからってこういった場所で脱ぐのは良くないよ?」

 

「……」

 

「F45?」

 

大人しくなった、それはあくまで第三者から見ての感想であり、そして指揮官もそう思っていた。が何かがおかしいと彼女は同時に予感する、そもそもあそこまで酔ってた者がそう簡単に大人しくなるのかと

 

だが先に異変に、と言うよりF45の次の行動に気づいたのはF9だった

 

「指揮官、45姉から少し距離取ったほうが良いかも」

 

「え、あ、うん?」

 

割りと焦燥感のある声でそう言われれば距離を取るために動こうとした時、グンッと服の裾を握られ動きを阻害される

 

おろ?とそっちを見れば何故か潤んだ目のF45の姿、どうしたものかと指揮官

 

「離れるなってことかな?」

 

「……うん」

 

「そっかそっか、おいで」

 

「えへへ」

 

そんな目でそんな事言われれば距離を取れなくなるのが人間の情というもので両手を広げ呼べば素直に来るF45、このまま眠ってくれるかなぁと思ってた矢先

 

「指揮官さん……わたし、みんなのことすき、指揮官さんはすき?」

 

「え、えぇっと、皆好きだよ?」

 

「へ!?」

 

「ちょっとPPK黙ってるにゃ」

 

F45からの問に戸惑いながらもそう答えれば彼女はまたえへへ~と嬉しそうな顔で笑い、そして突如、腕の力を強めたと思えば

 

指揮官の唇とF45の唇が重なった、しかもバードではなく明らかにディープである

 

「!!!!!!???????」

 

「なっ!?え!?あっ、えぇぇぇぇええええ!!?」

 

状況がうまく飲み込まず何をされているか分からず目を白黒させキスを受け入れる指揮官とその光景を目の当たりをし誰も見たこと無いような顔で叫ぶPPK

 

数秒後、離れれば透明の糸が引き無邪気な笑顔のF45と未だ目を白黒させている指揮官、だがそれも長くは続かず

 

「……キュ~」

 

「おっと、刺激が強すぎたかね、指揮官そこら辺の知識なさそうだもんなぁ」

 

「I listen but this is the first time for a commander like this?」

 

「無いだろ、聞いたこともないしさっきの反応見るに初めてだろうな」

 

目を回してぶっ倒れる指揮官を直ぐ側に来ていたM16が支えF416の質問に苦笑しつつそう返す

 

一方F45は倒れてしまった指揮官をそのままにフラフラと行動を開始、その視線の先には

 

「待て、なぜわしの所に向かってくる!?」

 

「頑張って副官、私達にはもう止められないから」

 

「え、えっと、ごめんね副官さん」

 

「おい待て、ええい離せ!F45聴こえてるなら止まるのじゃ!!」

 

M1895が次の標的は自分だと気付き逃げようとした時には両サイドをガッチリとF11とF9が押さえられ失敗に終わる

 

ならばと未だ迫ってくるF45に叫ぶが嬉しそうな顔のまま止まる気配はない、そして遂に

 

「おばあ~ちゃん」

 

「ま、待つのじゃ、別にそう呼ぶのは構わない、構わないが、待て!?待てと言って……」

 

「だいすきっ!」

 

本日二人目の犠牲者、M1895。流石に初めてでは無かったがそれでも中々に刺激が強く彼女が離れてからも少々放心していた

 

「えへへ~……すぅ」

 

「あらら、45姉、寝ちゃった」

 

「部屋に運んであげよ、あ、歓迎会、楽しかったです」

 

「Though it is a short period, thank you once again.」

 

そしてそこで眠りに落ちたF45、F小隊も彼女を部屋に運び今日はそのまま床に就くらしくこの小さな歓迎会はこうして幕を閉じたのであった

 

「……な、中々凄かったのじゃ」

 

「比較できるほど経験が?」

 

「黙っとれ」

 

尚、指揮官はM16が運び、PPKはあれはファーストとカウントするのか否かでIDWを困らすのであった




この酔っぱらい幼児退行F45だぁぁぁぁぁぁ!!!!(ズキューーーン!!

割りと好き勝手に酔っぱらいモードF45書きましたごめんなさい(先行謝罪)

多分、次回でF小隊章は一旦終了かなって。そろそろハロウィンだしね!


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自由を冠した小隊 Session6

彼女たちには自由を


F小隊が来て6日目の夜、指揮官の自室、夕食も入浴も終えてあとは寝るだけっというタイミングで例の通信機が着信音が響き出てみれば

 

《あ、こんな夜遅くごめんねー404小隊のUMP45だよ》

 

「こんばんは、45」

 

《こんばんは~、さてさてF小隊の皆は元気?》

 

「うん、寧ろお仕事手伝ってもらってちょっと申し訳ないよ……ゆっくりしてて良いって言ったんだけど」

 

《はっはっはー、まぁ彼女たち真面目だからね。で本題に入っていいかな》

 

本題、言われずとも指揮官は内容は予想できてた、彼女たちから通信が来たということは向こうの用事が済んだということ

 

だから自然と彼女の口は動き、UMP45の言う本題を言い当てていた

 

「F小隊を引き取りに来るんでしょ?」

 

《ま、分かるか。うん、彼女たちの新しい司令部の予定がついてね、もう彼女たちの指揮官は向かってるから後は彼女たちだけ》

 

「そっか……」

 

《寂しい?》

 

納得するように呟く指揮官に彼女はそう問いかける、少しの沈黙の後

 

「ちょっと、ね。でも仕方ないことだしそれにずっとの別れじゃないでしょ?」

 

《まぁ、気軽に会える距離の司令部じゃないけど、通信も手紙のやり取りも出来るからね。っととじゃあ明日の昼前、大体11時かな、に迎えに行くからよろしくねー》

 

そこで通信が切れる。通信機を置いた指揮官はベッドに腰掛け窓の方を眺め、それから横になった、その時の彼女の顔はなにかに耐えてるような表情であった

 

そして翌朝、執務室に全員を集めた指揮官は昨夜の通信の件を話す

 

「って言うことで、多分11時過ぎには来ると思うのでそれまでに荷物の整理を済ませてね、必要なら手伝いに行くよ」

 

伝えればF小隊の面々は少し寂しそうな顔になる、それを見て指揮官も少しまた堪えるような顔になったがすぐに戻る

 

「そうか、居心地いい司令部だったからもっと居たかったなー」

 

「駄目だよ9、私達には私達の家があるんだから」

 

「まだ言うのは早いと思うけど、お世話になりました指揮官、それと副官」

 

「I hope to see you again if possible」

 

「なに、気にする必要はないのじゃ。寧ろ助かった部分もあるしのう」

 

まぁそう考えるともう少し居てくれたほうが助かったかもしれぬと冗談交じりで言えばこき使う気満々じゃんそれと指揮官がツッコミを入れ執務室は笑いで包まれる

 

そして約束の時間、あのときと同じように正門で全員が待っていると一台のバンが現れ後部座席の扉が開かれれば、UMP45の姿、それに後ろには404小隊が揃っている

 

「やぁ、一週間振り」

 

「45、無事だったんだね」

 

「ふふ、私達だけじゃないわ、ねぇ?」

 

F45の言葉にチラッと運転席を見るUMP45、釣られてその場の全員がそっちを見れば先ず驚いたのは指揮官、反応はかなり微弱ではあるが彼女の目には赤い靄が視えたのだ

 

運転席の窓が開き、そこに居たのは【ハンター】と【デストロイヤー】だが資料にあるのとは多少の差異があり二人共怪我を治療した跡のようなものも見受けられた

 

「なんじゃと!?」

 

「ああ、待って!?大丈夫、大丈夫なんです!」

 

運転席に居たその二人に即座に反応を起こしてホルスターから銃を抜こうとするM1895をF45が即座に止める、止められたM1895はどういう事じゃとUMP45を見れば

 

「まぁ、私達が一週間近く彼女たちを預けた理由、で納得してくれないかな」

 

「なら大丈夫だね」

 

いいよナガン、銃から手を離してと命令をすれば納得はしきってはいないがとりあえず下がる。対してハンターは驚くように指揮官を見て

 

「あっさり納得するんだな」

 

「初日にF45から聞いてたんだ、来れなかった二人がいるって、でも信じてるから大丈夫だってね。なら信用できるなって思っただけだよ」

 

「なによそれ、もし45が出鱈目言ってたらどうするつもりだったのよ」

 

「寂しそうな顔して言ってたのに出鱈目なわけ無いじゃん、それに貴女達からも皆に会えて安心したって感じが出てるから」

 

だから大丈夫って思っただけ、迷いない目でそう告げればふんっと顔を逸らすデストロイヤー、だが微妙に顔が赤かった

 

「あ~、悪いな、どうにも素直になれないんだよコイツって痛い!?」

 

「余計なこと言わなくていいハンター!もう、ほらさっさと乗って司令部に帰るわよ!」

 

「お、もしかして私達に会えなくて寂しかったのかなデスちゃん?」

 

「そ、そんな訳無いでしょ!寧ろ貴女達の方が寂しかったんじゃないのかしら?」

 

意趣返しのつもりだったのだろう、勝ち気な顔でそうF9に言ったが帰ってきた返事は

 

「うん、寂しかったよ、やっぱり二人も居ないとね」

 

「え、あ、そ、そうなの?ふーん、そうなんだ」

 

「Your face will be red」

 

「う、五月蝿いわよ!!ああ、もうさっさと乗りなさい!」

 

賑やかなことじゃと微笑ましいやり取りに笑いながらM1895はいい指揮官もうん、楽しい小隊だねと同意する

 

だがデストロイヤーの言葉も確かにと思ったF小隊は荷物を車に乗せてから自分らも乗り込み、いよいよお別れの時

 

「指揮官さん、お世話になりました!」

 

「ここの料理、美味しかったよ」

 

「BAR's drinks were all delicious」

 

F9、F11、F416がそれぞれ別れの言葉を言うがF45だけは顔を俯かしている

 

よく見れば体が震えており、小さく嗚咽も聞こえる

 

「あ、あれ、ご、ごめんなさい、指揮官さんとお別れだって思ったら涙が」

 

「F45、ほらこっち向いて」

 

指揮官の声に反応してF45が見れば優しく、そして暖かい笑みを浮かべた指揮官の姿、彼女はそっと指をF45の口角に当ててグイッと上に引っ張る

 

「確かに寂しいけど、ずっと会えないわけじゃない。だからさ笑ってさよならしよ?」

 

「う、うん、さ、さようなら指揮官さん」

 

「また会おうね、F小隊の皆!」

 

「部屋は残しておくのじゃ、だから何時でも遊びに来ると良い。ああ、ベッドは六人分で良いな」

 

「じゃ、まぁ無事について落ち着いたら手紙を送るように向こうの指揮官には伝えておくよ」

 

UMP45の言葉でバンが走り出す、その際に運転席からデストロイヤーは身体を乗り出して手を振り、ハンターは窓から手を出して振るう。二人はバンが見えなくなるまで見送ったあと、じゃあ仕事に戻ろうかとした時、グイッと身体を引っ張られM1895の胸へと顔を付けられる

 

「……馬鹿者、そんな泣きそうな顔で司令部に戻るつもりか」

 

「え、な、何言ってるの。私は」

 

「良い、少々泣け、一時の別れであろうと泣くのは悪いことではない」

 

その言葉で壁が崩落したかの如く指揮官はしばらく泣いていた、彼女も本当はF45のように泣きたかったが困らしちゃ悪いなと言う気持ちが強く我慢してただけなのだ

 

F小隊が帰ってから数日後、司令部には写真付きで手紙が届いた。そこには笑顔のF小隊と指揮官の男性の姿、彼女たちは決して利便性はないが平和で平穏な辺境の司令部で今日も、これからも笑って暮らしていくのだろう




F小隊は7人(指揮官込み)、当たり前だよなぁ?

というわけで最後くっそダイジェストじみた駆け足でしたがF小隊幸せ世界線終了です。此処で切らないとウダウダと助長になる可能性が出てきたので思い切っちゃいました、本当にごめんなさい(土下座

404小隊(大偽)の作者さんから許可が下りれば今後もちょい役とか名前だけとかで司令部に遊びに来てる体は取れなくもなさそうだがどうなるかは不明

次回 猫キャラ増えたね


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ゆっくりと、少しずつ

でも時には強引がいい時もある


人形誑し、そう一部の戦術人形からは呼ばれている指揮官だが何もすぐに仲良くなれたり、懐かれるというわけではない

 

だがそういった彼女たちにも指揮官はひたすら待ったり、頃合いを見て話してみたりと手を変え品を変え少しずつ距離を縮め気付けば昔からの友人や家族みたいな雰囲気にしているだけである

 

言ってしまえば彼女は忍耐強いのだ、但し人形に限ってしまうのが難点だがと副官は語る

 

そんな彼女と入ったばかりでどう馴染んでいいのか分からなかった【ステアーTMP】のお話

 

「う、うーん」

 

司令部、廊下、そこで彼女は唸っていた。チラッと後ろを見ればサッと何かが隠れる、がしっぽが見えているのでそれがTMPであることは分かる

 

分かるのだがかと言って距離を詰めようとするとすごい勢いで距離を離され、また指揮官を見てそして冒頭に戻る、とイタチごっこになっていた

 

(こ、この手のタイプは経験が少ないからどう接したものか)

 

とりあえず今までの中で一番この手のタイプに近かった子を思い出してみる、そこで思い付いたのが【P7】だ

 

少々事情は異なるがそれでも最初の頃の彼女は敵対心しかなく指揮官にも近付こうものなら攻撃してくるくらいだったがその時は、と彼女は思い出し

 

(待つ、だったね。向こうのペースで距離を詰めてもらおう)

 

「何しとるんじゃ指揮官」

 

振り向いてしゃがみ込んだまま隠れてチラッと顔だけを出してるTMPの方を見つめる指揮官に偶々通り掛かったM1895が声を掛ける

 

掛けた上で指揮官の視線を辿ればM1895が来たことによってまた隠れてしまったTMPのしっぽがチラチラと見えそれを確認した彼女はふむと頷いてから

 

「なんじゃ、お主が手を焼くとは珍しいな」

 

「手を焼いてるつもりはないよ、ただちょっと声を掛ける勇気が必要なだけの子だよ、きっとね」

 

だから待ってあげる、決して焦らず、急かさず、じっと向こうのペースで距離が縮んで行くのを待つ、それが今の私にできることだからと言い切りTMPにニッコリと微笑む

 

対してM1895もまぁ、お主に任せる。わしはどうにも近寄り難いようでなと苦笑を浮かべながら執務室の方へと消えていった。結局その日は距離が縮むことはなかったが去り際に

 

「ゆっくりでいいよ、慣れたら何時でもいいから私に声を掛けてみて?」

 

と優しく伝えてからさて、お仕事お仕事と彼女も執務室の方へと歩いていく、それを見送ってからTMPは角から現れてしばらくその方向を見てから

 

「指揮官、優しい人、撫でてもらいたいな」

 

小さく呟くと彼女はフワッとまるで始めから居なかったかのようにその場から居なくなった

 

その日から、指揮官とステアーTMPの奇妙なやり取りが幕を開けた。大体小休憩や昼休憩、業務が終わったあとなどの時間で数分、長ければ数十分から一時間位、指揮官がしゃがみ込みTMPを見つめ、TMPも彼女を距離を取りながら陰から顔を出して見つめる

 

いつしか戦術人形達も遠巻きにそれを眺めるようになり、だがそれでも少しずつ縮まりはするが始めの頃からまだ数cmと言ったくらいであり、これは時間がかかるかなぁと呑気なことを考えていたある日

 

「いつまでそうやってるのよ、あんたは」

 

「P7ちゃん?」

 

実は数日前から見ており、指揮官が決めたことだからと口を出さなかったP7がいよいよ我慢の限界が来て遂に口を出す、その声には怒りが混じっていた、戸惑いながらもう一回名前を呼ぶことにする指揮官

 

「え、えっとP7ちゃん?」

 

「ごめん、指揮官、ちょっとだけ言わせて、そうやってれば指揮官が構ってくれるから隠れてるんでしょ!?」

 

ズンッと一歩力強く踏み込めばTMPはヒュッと三歩下がってまた陰に隠れてしまう、がそのタイミングでP7はいつもは逃亡に使う踏み込みを此処で使って一気に距離を詰めたかと思えば

 

「捕まえたわよ!」

 

「ひゃ!?あ、いや、離して!」

 

「何が離してよ、あんたがそうやってウジウジして何時までも出てこないのが悪いんでしょ!!」

 

「ちょっ、ちょっとP7ちゃん乱暴は良くないよ!?」

 

突然すぎるP7の行動に指揮官が急いで二人に駆け寄ろうとした時、ブワッ!とP7の身体が宙を舞った

 

へ?と驚く指揮官、空中で身体を捻り着地をしたP7はTMPを睨めば、構えを取っているTMPの姿、彼女は睨みはしていないが気弱な顔は鳴りを潜め怒っている感じの表情でP7を見据える

 

「へぇ、このわたしとやろうっての」

 

「……」

 

一発触発の空気、それを破ったのは他でもない人形たちを愛し、誰よりも大切な家族だと思っている指揮官だった

 

「はい、二人共そこまで」

 

腰に手を当ててちょっと怒ってますという雰囲気を出しながら二人の間に入った指揮官、そのあまり慣れない雰囲気の指揮官に驚くP7とTMP

 

「P7ちゃん、私とTMPちゃんを少しでも近づけようとしてくれるのは嬉しいけど、強引なやり方は駄目、分かった?」

 

「う、うん……」

 

「TMPちゃん、怪我は無い?それとP7ちゃんのことは悪く思わないであげて、ちょっと不器用なだけだからさ」

 

「は、はい」

 

ならば良しと言ってから丁度二人共いい距離に居たのでグイッと彼女にしては珍しく強引に二人を抱きしめる

 

「ひゃ、あっ、え?」

 

「うみゃ、にひひ~」

 

TMPは戸惑い、P7は嬉しそうに笑う。その反応を見た指揮官は抱きしめながら

 

「TMPちゃん、これからもよろしくね。それとごめんね、本当はゆっくりと貴女のペースで進ませてあげるつもりだったのに」

 

「い、いいえ、あ、えっと、P7の言うことは正しいです……構ってほしかったから、わざと距離を離したりしてました」

 

「ほら、少し前のわたしみたいな事してるからそうじゃないかなって思ったのよ」

 

に、似た者同士って奴かなと思いつつ口には出さずに暫く彼女たちを抱きしめ、そっと開放してあげる

 

その日は二人共自発的に謝り、解散、だが後日からTMPは積極的に指揮官に接するようになり、それに負けじとP7も戯れつくという光景がこの基地では新たな一コマとして増えるのであった




猫のじゃれ合い(達人級)

え、オリジナルのステアーTMPとキャラが違うって?まぁ、ほら、誤差だよ誤差……いや、ホントなんかこんなキャラ似合うのではとかいうおなじみの暴走でございや(銃殺刑

因みにこのステアーTMPちゃん、身のこなしとかはバイハのハンク的なノリで書いてます、消えるように動いたり妙に格闘戦がこなれてたりするのはその辺りが理由


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羽休みも立派な仕事

指揮官不在の執務室の一コマ


執務室、本日午後の分の書類を片していく二人、特にこれと言ったトラブルもなく、書類を纏めた指揮官は束を持って

 

「これでよしっと、じゃあカリンちゃんに渡してきちゃうね」

 

「うむ、コケるなよ?」

 

「子供じゃないんだからさぁ、じゃ行ってきます!」

 

よくコケるじゃろと思いつつ、執務室から出ていった指揮官を見送ってグッと伸びを一つ、それから少し自分も休憩挟むかと立ち上がった時、コンコンとノックされる

 

「開いとるぞ」

 

「失礼しまーすって、あれ指揮官は?」

 

「なんじゃ、あやつに用事じゃったか、だったら間が悪いのほんの少し前にカリーナに本部に送る書類を渡しに出ていったぞ」

 

入ってきたのは手に書類の束を抱えていた【UMP9】どうやら指揮官に用事があったようでM1895がそう告げるとむむむと困った表情に変わる

 

書類に気付いたM1895は、ふむと頷いてから

 

「わしで良いならば聞いておくぞ」

 

「えっと、頼まれてた武器庫の整理、それと模擬戦の結果と今日の任務の報告書を渡そうと思って」

 

「なるほどな、それならばわしでもどうにかなる、後で目を通し指揮官に話しておこう」

 

あ、本当に、じゃあお願いしますとM1895に手渡して直ぐに執務室から出ていこうとするUMP9

 

だがM1895はUMP9の目を見て何故か溜息をついてから

 

「9、ちょっと待て」

 

「え、は、はい、何でしょうか」

 

「そこに座れ、お主ここ最近、休憩をきちんと取ってないじゃろ、目が若干疲れておるぞ」

 

やれやれと言った感じに指摘をすればUMP9はうっと図星を突かれてような顔になり、視線を泳がしどうしようかと悩む仕草を見せる

 

だが良いからはよ座れと改めて言われれば無碍に出来るわけもなく言われた通りにソファーに座ることにした

 

「うむ、コーヒーでいいか?」

 

「あ、はい、大丈夫です」

 

「固くなるな、何も短い仲ではあるまい」

 

「副官と一対一は流石に緊張しますよ?」

 

カッカッカッ、不思議じゃのう、わしは何も威圧してるわけではないのじゃがと笑いながらコーヒーを淹れていくM1895にいや、この司令部始まってからずっと副官の貴女に緊張するなという方が難しいと思いますよと呟くUMP9

 

そう言われると流石のM1895もむぅ、そんなに堅いイメージが先行しておるのかと少々凹む、実際は堅いイメージとかではなくてUMP9の言う通り副官と言う肩書のせいで一対一だと何かやらかしたのではと緊張してるだけである

 

コーヒーを淹れ終え、UMP9に差し出し渡してから自信も座り、一口飲んで

 

「で、何をそんなに忙しなく働いておる」

 

「忙しなくと言いますか、つい自分がやらなくちゃって思っちゃいまして」

 

「何じゃその脅迫概念、と言いたいがまぁ少し前までは人手不足や何やと掛け持ちが普通じゃったからな、今からガラリと変えろというのは難しいか」

 

「ええ、もちろん今は仲間が沢山増えたし、部隊員も言えるから少しは仕事を回すべきだってのはわかってるんですが」

 

少し前、この司令部が始まった当初の話である、その時は誰かが幾つかの仕事を掛け持ち忙しなく動いてた時期であり丁度UMP9達が来たのもそれくらいの時期だったので当時の癖が染み付いてしまっているのである

 

「分かっておるなら、しつこくは言わぬ、が指揮官に無茶をするなと言った手前わし等が無茶してますは流石に怒られるからな?」

 

「う、それは嫌かも、P7の時みたいな怒り方じゃないと思うけど心配されながら怒られるって結構クルからね……」

 

まぁ、司令部の仲間には滅多には怒らぬがなと一言付け足し喉を潤しM1895、と言うか指揮官って人形相手だと警戒心も無いですよねとUMP9が言い彼女もコーヒーを飲む

 

「あ~、そうじゃな、流石に他司令部の人形となると少しは警戒するがそれでもかなり緩いからのう……一応しつこく言ってはおるが」

 

休憩のはずの雑談が指揮官のこの対人形の警戒心の無さに話が発展すれば、はぁと二人してため息をつく

 

二人の言う通り、人間相手なら過剰なまでに警戒が強くなる指揮官だが人形が相手となると薄壁程度の警戒心になってしまう、外でもそうなのでこれを利用され誘拐などされてはシャレにならないと随分前から話されている内容である

 

とりあえずは外で何が何でも指揮官を一人にしないと言うことで対処はしてあるしM1895が率いる裏側が事前に防ぐなどしているので今現在で事件が起きたことはない、が心配なものは心配である

 

「……すまぬな、変な空気にしてしまったわい。饅頭食べるか?」

 

「お饅頭ですか?和菓子なんて珍しいですね」

 

「ペルシカがよく送ってくるのじゃ、何故かは知らぬが」

 

「そうなんですか、じゃあ頂きます」

 

うむ、待っておれとソファーから立ち上がり、棚から割と高価そうな箱を取り出してテーブルの上で開く

 

一つ手に取り一口食べればこし餡の滑らかな舌触りと程よい甘さが口の中に広がり、ん~と唸ってしまうほどの美味しさを感じ取る

 

「相も変わらず、ペルシカから送られてくる和菓子はどれも美味しいのう」

 

「え、毎回和菓子何ですか?」

 

「不思議なことにな、ああ、二三個取っておいてくれ、指揮官も食べるじゃろうしな」

 

「たっだいまーって9?どったのってあ、お饅頭!」

 

カリーナと満足するまで会話できたのが楽しかったのか、テンションが少々高めの指揮官が丁度帰ってきて饅頭を見ればソファーにそそくさに座り一つ手にとって食べ始める

 

「ん、美味しい!」

 

「本当に美味しそうに食べますね指揮官」

 

「見てて面白いじゃろ?」

 

働くのも大事だが、羽休めも大事なことである、それを言わずとも分からせてくれる執務室の一コマ、今日も司令部は穏やかに一日が過ぎていくのであった




偶にはまぁこんなただの日常回もいいよねって話

人物資料の指揮官の項目で新たに身長、体重、バストの情報を開示しました!!

セルフQA

Q 身長低すぎない、これでよくパンケーキとか作れたな

A バリアフリー的な感じで低身長でも大丈夫な調理場です、司令部全体にもバリアフリーはあります、あくまでバリアフリーです、指揮官に合わせたわけじゃないです

Q バストの情報いる?

A いる(鋼の意志

次回 まだ考えてない


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書道少女一〇〇式

先月は【風林火山】


宿舎の一室、第一部隊の部屋で【一〇〇式機関短銃】が真剣な眼差しでなにか作業を行っており、それを少し離れた所で【FAL】もそれを見ていた

 

ググッと絶妙に力を入れて慎重かつ大胆に動かしていけば筆から黒い軌跡が半紙に描かれる、彼女が今行っているのは書道、毎月ごとに、その月の指針を立てておこうと一〇〇式が始めたことである

 

今月は二枚用意するんです!と意気込み朝から始めてたこの作業も漸く終わりを告げ、フンスと満足気な顔で書き上げたそれをおかしな所などは無いかと確認していく

 

「完成したの一〇〇式?」

 

「あ、FALさん、はい完成しました、これが今月の作品です!」

 

一〇〇式の様子から完成したと判断したFALが近づき作品を見れば、そこに書いてあったのは【百発百中】と【無病息災】の四文字熟語

 

無病息災はまだいい、指揮官は人間だから病気もするかもしれないし、自分たちだって怪我とかと無縁というわけではないのでそういった意味ではこの指針はあってるだろう

 

問題は【百発百中】だ、言わんとすることはFALだって理解できる、と思っているがもしその通りだとしたら少々無理があるのではと思いつつ

 

「えっと、百発百中っていうのは?」

 

「はい、最近、私自身の実戦での命中率も気になっていましたので此処で一つ、弾を無駄にしないという意味も込めましてこの言葉にしました」

 

「……サブマシンガンとかマシンガンも?」

 

「ええ、確かに難しいかもしれませんが出来ないはずではないので!」

 

説明を終えてから鼻を鳴らし気合の入った感じの表情でFALを見つめる一〇〇式に若干固めながらも何時もの笑みを浮かび返す

 

返してはいるが現在彼女はここからどうするべきかで本気で悩んでいた、素直にそれはどうなのかと言うべきなのか、とりあえず同意して褒めてしまうべきなのかと

 

と言うかサブマシンガンやマシンガンは弾薬をバラ撒いて当てるような銃である、確かにばら撒くにしても無駄弾を撃つようなバラ撒き方は駄目だろうが彼女、一〇〇式が言う百発百中は間違いなくライフルとかの領域の話をしていると感じ取れる

 

揺れる天秤、困るFAL、尚も自信満々の表情を崩さない一〇〇式、そして結論が出た

 

「……え、ええ、良いと思うわ」

 

「ですよね!良かった、ではこれを掲示板に貼ってきますね!」

 

FAL、基本的に子供のような無邪気さを持ってる人形にはあまり強く出れない彼女は若干引き攣った笑みで褒めてあげれば一〇〇式はその目をキラキラさせて喜び、テキパキと書道道具を片付けて作品を大事に持ち部屋から掲示板に向かっていった

 

「まぁあれよね、向上心があることは良いと思うわ、ええ」

 

足から登ってきたフェレットを構いつつ、誰にでもなく呟くFAL、第一部隊の末っ子みたいな扱いの一〇〇式に何だかんだ弱いお姉ちゃんである

 

場面、掲示板に丁寧に作品を貼る一〇〇式。今月の指針と位置づけられた場所に二枚を貼ってから少し距離を離して曲がってないかなどを確認して

 

「良し、満足です」

 

「む、一〇〇式って事は今月のが出来たのかにゃ?」

 

「あ、IDWさん、はい自信作です!」

 

おお、それは見てみるにゃとIDWが見れば、彼女も固まる、FALと同じ理由だ

 

「無病息災は分かるにゃ、うん、何だかんだと皆無茶するからそういった指針は大事だにゃ」

 

「最近では指揮官も過労で倒れましたし、皆さんには身体を大事にして欲しいですからね」

 

「で、百発百中ってそういう意味にゃ?」

 

突然のIDWからの質問に小首を傾げる、百発百中の意味なんて一つしか無いのだからつまりそういう意味だと一度頷けば、マジかにゃと小さな呟きが溢れる

 

その呟きは一〇〇式にも聴こえたがどうしたのかと再度小首を傾げる、そんな様子の彼女に

 

「一〇〇式、私達の武器は理解してるにゃ?」

 

「勿論です」

 

「百発百中って意味も、まぁ理解できてるから書いたわけだとは思うにゃ、それでその二つを合わせてみるにゃ」

 

「……?」

 

本気でわからない一〇〇式、もしかしてコイツ実はアホの子なのではと仲間として数カ月ぶりに発覚した新事実に目を丸くするIDWはもう単刀直入に言ってしまおうと結論を出して

 

「弾を基本的にバラ撒く戦い方する私達が百発百中なんて出来るわけ無いにゃ」

 

「え、やれますよね」

 

「本気で言ってるのかにゃ!?」

 

IDW渾身のツッコミが響く、無理もない一〇〇式の顔は本気でそう言ってるとしか思えない表情をしているからだ。一方の一〇〇式もIDWが何を言いたいのかと思えばそんな事で少々拍子抜けだと言った感情を抱いていた

 

彼女からしてみれば、出来るできないでは無くてやらねばならないという事であり、日頃から無駄弾はしないようにと心掛けている、まぁそれでも命中率はよろしく無いので今回の指針になっているわけで

 

「資源は有限なんですよIDWさん、あるから使っていいではなくてあるからこそ大事にして行かなきゃ駄目なんです」

 

「それは分かる、非常によく分かるにゃ。そうかお前が偶に銃剣突撃するのはそういう意味だったのかにゃ」

 

「え、だって撃つより刺したほうが早くないですか?」

 

「……お、おう、そうだにゃ」

 

遂にツッコミを放棄したIDWが(形だけの)同意として頷けば、ニコニコの笑顔で掲示板の記事を見始める一〇〇式

 

大和魂って凄いにゃ、IDWは静かに悟るのであった




一〇〇式って真面目に考えた上でネジが飛んだこと言いそう、言いそうじゃない?

因みに他の国の人形が四字熟語とか分かるのかと思いますが、こう、分かるんだよ電脳は凄いからなって事で一つ

70話ですって!当初予定してた話数の十倍書き続けてる事に少し感動を覚えます、これも読者の皆様のお陰でございます故この場を借りてお礼を申し上げます、そしてこれからもこの司令部をよろしくお願いいたします


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もぐもぐもぐ

こいついつもなんか喰ってるな


業務も終わり、夕食も殆どが食べ終えた食堂。胃を休める者、デザートを食べる者、特に何をするわけでもなく雑談する者等などが残っている空間に指揮官は居た

 

居たと言うかまだお菓子を食べてた、もぐもぐと、そしてそれは一人ではなく向かい側にも同じようにもぐもぐと食べている人形が居た、もっと言えば指揮官が食べてるお菓子を渡したのは彼女【FF FNC】である

 

(もぐもぐ)

 

(もぐもぐ)

 

((もぐもぐもぐ))

 

互いに一言も発さずにチョコバーをもぐもぐと食べている光景は見る者を和ませる風景だと思われる、既にそれが5分前からの光景だとしたら話が変わるかもしれないが

 

そう、夕食を終えFNCがお菓子を持って現れ指揮官もどうですかと誘い、それから5分、二人は黙々とお菓子を食べ続けているのだ

 

「(もぐもぐ、ゴクン)そういえば指揮官様」

 

「(もぐもぐもぐ、ゴクン)ん、何FNCちゃん」

 

ここに来て漸く会話が始める、それだけなのに見ていた何人かは安堵の息を吐いたのはあの光景はあれで心配になるものだったということか

 

因みに、当たり前だが二人共口に物を入れて喋るなどはしない、指揮官は元々があれだったのでマナー云々は疎かったが一般常識として意外にもペルシカがその辺りは教えていた、とまぁ余談である

 

「明日はハロウィンですね、準備は終わってるのですか?」

 

「終わってるよ~、仮装衣装もバッチリ作り終えたからね」

 

「衣装作ったのですか?凄いですね指揮官様!」

 

「P38ちゃんに教わりながらだけどね、凄いねアイドルって何でも出来ちゃうんだもん」

 

「この間は壁の補修をやってましたよ!」

 

アイドルとは、場に居た全員の心が一つになった。因みに壁の補修は言われなきゃわからないレベルの出来である、最近は銃や車、ヘリの本格的なメンテナンスも覚えようとしているので多分そろそろ司令部の万能アイドルとか言われ始める

 

「でも、ハロウィンでもお菓子を食べるのでしたら今あんまり食べ過ぎない方が良くないですか?」

 

「大丈夫だよ、明日にはお腹空いちゃうからね」

 

「なら問題ないですね!」

 

何が問題にならないのかとまたしても心が一つになるが指揮官の場合、本当にそうなので誰もツッコミには入らない

 

二人はそこまでの会話をしてから、またカゴからチョコバーを取り出して封を切り

 

(もぐもぐ)

 

(もぐもぐ)

 

((もぐもぐもぐ))

 

先ほどと同じように黙々と食べ始める、カゴにはまだまだ大量のお菓子が入っており、もしや二人はあれを空にするまで動かないつもりかと言葉には誰もしないがそう思わせる

 

もぐもぐと食べるのを再開して二人が四本目のチョコバーに手を出した時だった

 

「いやいやいや、何時まで食べてるつもりや、二人共」

 

「(もぐもぐ、ゴクン)うーん、もうちょっと?」

 

「(もぐもぐもぐ、ゴクン)あと……3本くらい?ガリルちゃんも食べる?」

 

「夕食食べたあと言うのによう食べれるなぁ」

 

二人の凄まじい食欲と胃袋に呆れ気味の声でツッコミを入れる【ガリル】

 

指揮官から差し出されたチョコバーを受け取りつつ、そない食べるの構わんけどと言葉を続ける

 

「歯はしっかり磨かんと駄目やで?虫歯になったりしたら大事や」

 

「子供じゃないんだから、寝る前にはしっかり磨いてるよ~。サボるとG36とかおばあちゃんから凄く怒られるし」

 

「あの二人は完全に指揮官の親の立場やなぁ」

 

染み染みと呟くガリルに親のポジションの子たち多い気がするの私だけかなと疑問を口にする指揮官、それに答えたのはFNC

 

「それくらい皆に大事にされてるってことですよ指揮官様」

 

「せやせや、こんなちっこいのが頑張ってるんやからな、大事にしたくなるのも当然や、ウリウリ」

 

二人の言葉とガリルから頭を撫でられれば嬉しそうに笑みを浮かべなすがままになる指揮官、周りもそんな光景に改めて和みながら眺めている

 

また会話が一段落すれば、本日四本目、さきほど手に取ったチョコバーの封を切り二人は黙々と食べ始め、ガリルはそれをチマチマ食べながら眺めることに

 

(もぐもぐ)

 

(もぐもぐ)

 

((もぐもぐもぐ))

 

(……いや、確かにこれは美味しいんやけど黙りになるほどか?てかリスみたいやなぁ)

 

リスと言うよりハムスターの方が近い?と思わせる二人、そして四本目も特に苦にする様子も無く平らげ、そのまま五本目に突入しようかという所で指揮官の背後に一人の人形が現れる

 

それに気付いたのは対面のFNCとガリル、その人物に気付いた二人はとりあえず指揮官に伝えようと後ろを指差してみる

 

「どったの?二人して私を指差すなんて」

 

「いや、後ろや」

 

「後ろ?……あ、あぁ、えっと、えへへ」

 

「G36に笑って誤魔化そうとするのは無茶があると思うんですよ指揮官様」

 

「ええ、それで誤魔化せると思いですかお嬢様?」

 

思ってないですと五本目のチョコバーを手に持ったまま答える指揮官、現れたのは保護者【G36】どうやら夕食が終わってもういい時間が経つと言うのに自室に戻らない指揮官を探しに来たらしい

 

掛けている眼鏡の位置を直しながら指揮官を見るその顔は笑っているが笑ってない、明らかにお菓子の山を見てそして五本目のチョコバーを見て怒っている

 

「お嬢様、食べ過ぎでございます、本日のところはこれでお終いにして下さい、さぁ手に持ったそれをカゴへ」

 

「あ、あとこれだけ!」

 

「申し訳ございませんが許可できません、明日も沢山食べるつもりならばこれで終わりでございます」

 

「うぅ……駄目?」

 

「駄目です、さぁ歯磨きをしそろそろ床に就いて下さい」

 

聞いてはいるものの、拒否権はないらしくチョコバーをカゴに戻したのを確認してからG36に連行される指揮官、後ろ髪を引かれる思いのようでチラチラとFNC達を見るが彼女たちが手を振りおやすみと伝えれば諦めが付いたようで手を振り返し自室へと戻っていく

 

「……背丈は変わらんのにG36がしっかり親に見えるのは不思議やなぁ」

 

(もぐもぐ)

 

「まだ食べよるんか!?」

 

この後FNCは8本を食べ、ガリルを呆れさせた




もぐもぐ回、明日ハロウィンなのに何やってんだこの二人

ガリルは書いてると八神さん思い出すから好き、方言少女大好物、増えろ

という訳で次回 ハロウィン!!

指揮官?少しでも配る側に立ってる姿想像できるか?つまりそういうことだよ


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トリック・オア・トリート!!

ハロウィンの時間だ!!


本日は司令部は一日ずらしての休日、そして今日はハロウィン、一部の戦術人形は夕方には攻めてくるであろう仮装したお菓子好き達の為にと朝から準備に行い、そして決戦ないし祭り開催の時間

 

この司令部でのハロウィンは要所要所にてお菓子を配る形を取っており、それとは別に個人でも配ってたりする、中でも人気なのはやはりスプリングフィールドのカフェ、ワイのワイのとお菓子を貰おうと戦術人形が列を作る

 

「ふふ、皆さん気合入ってる仮装ですね、見てて楽しいですよ」

 

「お主も中々に気合の入ってる仮装じゃろうが、それと何故、そこまで余裕を保てるのか……ってアストラお主さっき貰ったじゃろうが!」

 

「うわ、バレた!?」

 

全くバレぬと思ってたのかと手伝いに入っているM1895は苦言を呈しつつせっせとお菓子を配り慣れ始めた頃

 

「ほい、じゃあ次」

 

「トリック・オア・トリート!!」

 

これまた元気な聞き覚えがありすぎる声に反応して顔を見れば猫耳フードが付いた白のダンダラ模様が刺繍された黒いローブに身を包み手にはそこそこ大きめのカボチャの形をした手提げのカゴを持つ満面の笑顔の指揮官

 

しかもカゴには既にそこそこの量のお菓子がありここに来る前から貰ってたのが分かる、と言うより来るのが遅かったのはそれが原因だろうと推測できる

 

「あらあら、可愛らしい衣装ですね」

 

「へへん、これP38ちゃんに習いながら作ったんだ、ほら羽根と尻尾もあるんだよ」

 

指揮官が背中を見せれば確かに小さな悪魔っぽい羽根と尻尾、どうやらこれは悪魔らしい

 

それも褒められれば嬉しそうに羽根と尻尾が動き指揮官はさぁっと両手を上げて再度、例の呪文を唱える

 

「改めてトリック・オア・トリート!」

 

「はい、では私からはこれです」

 

「おぉ、マフィンだ。あれ、もしかしてこれってかぼちゃを使ったの?」

 

「その通りですよ、ハロウィン用として作りましたパンプキンマフィンです」

 

スプリングフィールドの解説を聞きハロウィン仕様に彩られた透明な小袋に入ったマフィンを見て一頻り感動してから潰さないようにと丁寧にカゴに入れて

 

「おばあちゃん、トリック・オア・トリート!」

 

「もしかしてこの日はそれを唱えれば誰からも貰えるとか思っとらんよな?まぁ、いいが、ほれ」

 

トリック・オア・トリート、唱えるとお菓子を貰える不思議な呪文(指揮官並感)彼女にとってこういった祝祭は初めてでありはっきり言えばハロウィンがどういうお祭りかは理解しきってない、が皆が楽しめるお祭りなんだねという解釈になっている

 

それはさておき、M1895が渡したのはこれもハロウィン仕様にされた透明な袋に入った棒状の飴、何これと首を傾げれば

 

「それはチュルチヘラ、まぁナッツ類を一列にし小麦粉で煮込んだ果汁の中に付けて干して乾かした飴じゃよ、久しぶりじゃ、こんなに作ったのは」

 

「おばあちゃんの手作り!?大事に食べるね!」

 

M1895が手作りしたと知った瞬間、指揮官の顔が輝かしい笑顔になり目も中に光が見えるのではというくらいにキラキラさせてM1895にお礼を言い、どうやら他にも貰いに行くようでじゃあね!と去っていった

 

言われた方であるM1895は気恥ずかしそうに頭を掻き、あれくらいであそこまで喜ばれるとはのうと呟く、スプリングフィールドはそれを微笑むながら見ていた

 

カフェから出た指揮官、次の目的地はあそこだよねと決めて行動位を開始した時、背後から声と同時に抱きつかれた

 

「指揮官!おお、たくさん貰ってるわね!」

 

「P7ちゃん、それとTMPちゃんも居るでしょ?」

 

「き、気付かれました」

 

背後から抱きついたのは何時も通りのシスター衣装に羽根と本人の口元には牙が見えるのでシスターヴァンパイアのような【P7】と気付けば側面に居たこれまた何時も通りの服装にジャック・オ・ランタンの髪飾りを付けた【ステアーTMP】

 

二人は最近一緒が多いもんね~と笑顔で言いつつ二人の頭を撫でる、それから

 

「そうだ、二人も一緒にお菓子貰いに行こうよ」

 

「うん、ついていくわ!」

 

「はい、付いていきます」

 

ではしゅっぱーつと猫ねこネコ三人組は進行を開始して、辿り着いたのはAR小隊の部屋、コンコンとノックをすればM16の声で

 

「開いてるよ!」

 

「「「トリック・オア・トリート!!!」」」

 

「トリッぐぅっ!?」

 

「AR-15は少し黙ってて下さいね。いらっしゃい、ふふ、可愛い衣装ですね」

 

(お、恐ろしく早い手刀、私ですら見逃しかけたぞ)

 

指揮官達が部屋に入り呪文を唱え、唱えたのが指揮官だと認識した瞬間、顔が赤かったAR-15が突撃をしようとするが突然床に沈む、そして背後から【M4A1】が現れ三人の衣装を褒めつつどうぞとお菓子が詰め合わせされた袋を手渡す

 

中身はチョコレート、クッキー、マシュマロ等など、貰った三人は豪華だ!と喜び合っていると丁度カフェから帰ってきたのか【M4 SOPMODⅡ】は三人に気付けば

 

「戻ったよってあ、指揮官達も貰ったんだね!私もだよ!」

 

「SOPちゃんも沢山貰ってるね~、次は食堂に行ってご飯食べてからお菓子食べるんだけど来る?」

 

「おお、行く行く!じゃあ、行ってくるね皆!!」

 

はい、いってらっしゃいと微笑みながら手を振るM4と若干顔を引き攣らせながらおう、楽しんでこいよと送り出すM16に四人は御礼の言葉を伝えてから食堂へと向かう

 

食堂、そこでは【G36】がお菓子かデザートを配っている、四人も来るなり彼女の前に行き

 

「「「「トリック・オア・トリート!」」」」

 

「お待ちしておりました、どうぞこちら今日のために用意しましたシュネーバルでございます」

 

差し出されたお菓子は見たことがない物で四人は美味しそうだと思いつつ受け取ると調理場から【PPK】が顔を出して

 

「あ、あの、アプフェルクーヘンを焼いたのですがどうでしょうか?」

 

「この匂い、ケーキだね!うん、食べるよ!」

 

「では少々お待ちくださいまし」

 

嬉しそうな顔をしたPPKはそれだけを伝えると再度調理場に引っ込む、因みに引っ込んでから少しの間顔が赤くにやけそうになるのを堪えていたとか何とか

 

その後はご飯は本当に軽くに収め、PPKが焼いたケーキや貰ってきたお菓子をP7達と楽しく会話しながら食べるハロウィンパーティーは夜更け付近にいい加減寝るべきだとG36とM1895が止めるまで続くのであった




指揮官の仮装はFFの白魔道士と導師を合わせた感じのデザインで色をハロウィン似合う感じの黒にした奴、猫耳フードだぞ、羽根はモーグリに似た感じ、尻尾はよく見る悪魔っぽいの

他は既存衣装に羽根付けてたり尻尾付けてたりハロウィンスキンだったり

まぁここの指揮官は貰う側だよ、そりゃもう全力で楽しみながら貰うよ、だって指揮官だもの

そしてまた呑んで暴走してるよこのアサルトライフル……

他の作品の方々のハロウィンの書き方が普通に上手すぎて羨ましい……この司令部、人形過多ではってくらい多いから誰をどう出すかで悩む、本当は25歳児Vectorも出すつもりだった


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一曲どうだい?

指揮官からすればどんな楽器も魔法の杖みたいなもの


彼女、指揮官は音楽というものに触れたことのない人生を今まで歩んできていた、この司令部の指揮官となり自由になった今ではそれなりに音楽を聞き始めこそしてるが実際の演奏現場などは見たことのない物で空想のような光景程度に認識しかなかった

 

別に興味が無いというわけではないのだが演奏家も人間がやってる以上、指揮官からすればマネキンが演奏しているという何とも微妙な風景になってしまうので興味がわかなかったというのが彼女の本音だ、そう、その日までは

 

夕方の司令部、そろそろ日が落ち始めるという時間、指揮官とM1895は廊下を仕事のことを交えながら雑談をしつつ歩いているとふと、指揮官の耳に音が聴こえ立ち止まりあたりを見渡す

 

「どうしたのじゃ?」

 

「今、何か聴こえた気がして……あ、ほら今も」

 

「む、これは、サクソフォンか?」

 

サクソフォン?と聞き慣れない単語に首を傾げれば、そうか、これではお主には伝わらんかと小さく呟いてから

 

「サックスと言えば多少は伝わりが良いか?」

 

「えっと、トランペットみたいなやつだっけ?」

 

「厳密に言うとあれは金管楽器、これは木管楽器と違うのじゃがな、サクソフォンはその中間といった感じの楽器じゃ」

 

見てくれの材質は同じ故にその様な解釈になるのは分からんでもないがのと締めてから、音が何処からなのかを探るように目を閉じて音に集中する

 

一方、指揮官は聴こえてくるその音楽を楽しんでいた、軽快で心が踊りそうなその音楽、気付けば音に合わせて身体がフラフラと左右に動き出していた

 

誰が演奏してるんだろうなぁと考えながら楽しんでいるとM1895が出処に目処が付いたらしく

 

「屋上、か?」

 

「なら、ちょっと行ってみようよ、誰が演奏してるのか気になるしさ」

 

「まぁ、今日の仕事は終わっとるしな、うむ行くとするか」

 

なら早く行こうおばあちゃん!と駆け足気味で行動を開始する指揮官に待つのじゃ、走るのは苦手じゃと言ってるじゃろうか!と後を追う

 

程なくして屋上に続く扉前、そこまで行くと音ははっきりと聞こえこの先に演奏者が居ることが分かる。二人はとりあえず邪魔にならないようにと慎重に扉を開けばそこに居たのは夕日に照らされながらサクソフォンで演奏する【トンプソン】の姿

 

何時もは豪快で、それでいて姉貴肌なトンプソンがサクソフォンを演奏する姿は指揮官の目にはとても綺麗に、そして不思議と輝いて見えた、それはM1895も同じだったようでおぉと感嘆の声を上げ演奏を眺めている

 

時間にしてどのくらいが経っただろうか、時間が流れるのすら忘れさせるくらいの演奏が終わりトンプソンがふぅと息を吐いた所で彼女の耳にパチパチパチと一人の惜しみない拍手が届きそっちを見れば

 

「凄い、凄かったよトンプソン!!」

 

「素晴らしい演奏じゃったぞ、お主がここまで上手いとは想像つかんかった」

 

「ボス!?それに副官も、き、聴いてたんですか?」

 

廊下を歩いてたら聴こえてね、来ちゃったんだと指揮官が笑顔で伝えると彼女にしては珍しく恥ずかしそうに帽子を被り直しながら今しがたまで吹いていたサクソフォンを弄る

 

今日は久しぶりにサクソフォンを吹きたくなりこの時間帯の屋上ならば誰も来ないし一人で気にせず演奏できるだろうと思ってたのだがまさか指揮官とM1895の耳に届き来てしまうとは思ってなかったらしい

 

「なんじゃ、お主が恥ずかしがりとは、呵々これは珍しいものを見れたわい」

 

「ちょ、からかわないで下さいよ副官」

 

「でも演奏中のトンプソン、凄くカッコよかったよ。それに楽しそうだった、演奏ってやっぱり楽しいの?」

 

「そりゃあ勿論、楽しいさ。ボスは演奏したこととかは?」

 

「ううん、無いよ、思えば誰かが演奏してる所を見るのも初めてかも」

 

じゃあ私がボスの初めてって訳だなとトンプソンが指揮官の頭に帽子を被せながら言えば、その思いっきり勘違い者が生まれそうな言い方は止すのじゃと苦笑いを浮かべるM1895

 

「しかしそうか、となるとボスは楽器に触れたこともないって感じか」

 

「あ~、そうだね、街に出た時とかもその辺りは気にしないで用事済ませて帰っちゃうし」

 

「ならこれ少し持ってみるかい?」

 

「え、えっと、良いの?高そうだけど」

 

支えるんで大丈夫ですよと持っていたサクソフォンを指揮官に渡してみれば、思ったよりも重量があり軽くバランスを崩しかける、がトンプソンとM1895が支え安定した所でサクソフォンを見つめる

 

一通り、観察を終えた指揮官、そこで思うのは自分もあんな音が出せるのだろうかという好奇心、一応トンプソンに吹いてみてもいいかと聴いてみれば彼女はそのキラキラした目に断れるわけもなく快諾してしまう

 

すぐに支えられる位置までトンプソンとM1895は離れた所で小声で

 

「サクソフォンどころか楽器一つも演奏したことのない素人じゃぞ?」

 

「いや、あんな目をキラキラさせられて拒否は出来ないっすよ」

 

「まぁ、分からんでもない」

 

「じゃあ、行くよ~」

 

掛け声と一つ挟んでから指揮官は息を吸ってマウスピースを咥えて吹く、が

 

「……?」

 

もう一度、同じようにやるが出ない、トンプソンの様な音が出ずにプスーというなんとも気の抜けた音だけが小さく鳴る

 

理由がわからない指揮官が不思議そうな表情で首を傾げ、それを見兼ねたM1895はやれやれと言った感じに近寄り

 

「これは咥えて息を吹けば良いと言う楽器ではない、少々コツがいるんじゃよ」

 

「そうなんだ、てっきり笛とかと一緒かと思ってた」

 

「なら、今度教えましょうかボス?まぁ、ボスの場合吹ける吹けないと言うより」

 

「体力と肺活量か、どうじゃいっそカスタネットとか叩けば鳴らせる系の楽器なんかは」

 

「気の所為かな、おばあちゃんの言い方に妙なからかいが混じってる気がしたんだけど」

 

さて、何のことやらと笑うM1895、トンプソンもつられて笑い、指揮官がなんで笑うのさ~と彼女も楽しげに笑う

 

その後、サクソフォンに挑戦するがやはり重量と体力と肺活量の問題の壁は割と高く、M1895の言う通りカスタネットを楽しげに叩いてる指揮官の姿がBARで見られたとか




トンプソンにサクソフォン、最高に絵になると思うんですよ。絶対かっこいいと思うんですよ、書きながら想像したら惚れた(感覚の暴走

今回の話書いて、そういえば指揮官からすれば人間がやる演奏会とか演劇ってある意味人形劇になっちゃうのかと気付く



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亡霊少女さんは苦労人

でもそんな日常が好きだったりもする


「思うんだけどさ、スペクトラってその格好寒くないの?いや、他の子達にも言えるんだけど」

 

此処数日で寒さが増してきて指揮官も基地内であっても少し冷えるなと感じる気温になるも戦術人形の一部はそれ本当に大丈夫なのと言いたくなるような格好で出歩く

 

その一人であり、偶々食堂で同じ席に着いていた【スペクトラM4】に浮かんだ疑問をそのまま投げかければ、彼女はそうですねと一つ挟み

 

「私達、戦術人形は体温と言うか、まぁその辺りは調整がされるので寒さとか暑さはそんなに感じないわね」

 

「あ~、そういえば何時だったかおばあちゃんも同じこと言ってたかも」

 

羨ましいとコーンポタージュを一口飲んで呟く、因みにだが同じ様な会話をその時もして羨ましいと呟いているが忘れている

 

だがスペクトラは指揮官が羨ましいと思ってることがある、それは

 

「私としては指揮官はそうやって着飾れるって言うのが羨ましいわ」

 

「ふえっ?」

 

「ああ、ごめん、先にパン食べちゃって」

 

言われ先に口に加えたコッペパンを食べてから、再度さっき事について聞いてみれば

 

「ほら、戦術人形(わたしたち)って基本的に服装って変わらないじゃない、そりゃ本部から衣装が送られたりすることもあるけどさ、それだって一部な訳だし、でも指揮官は自由に着飾れるから羨ましいなって」

 

「え、でもスプリングフィールドとかカフェの時とBARの時で服装変えてるよ?」

 

「それはまぁ、そうね。ただ単に私が手を出さなかっただけ……?」

 

戦うことしか考えなかった彼女、ここでその事実に気づき真剣な表情になる、と言っても逆に指揮官からしてみればスペクトラみたいに肌を出せる服装というのはある意味でちょっと憧れるのである

 

他人がどうこう言っても殆ど気にしない彼女だがやはり服の内側に隠れている傷跡の数々は仲間やペルシカ、特にカリーナやヘリアンはそれ見ると悲しいそして後悔が混ざった目と顔になるので出来る限り隠せる長袖の服になってしまう

 

「指揮官、暗い顔してどうしたんですか、ご飯美味しくなくなっちゃいますよ?」

 

「あ、ごめん、ちょっとスペクトラの服装に憧れるなって思って」

 

「いやいやいや、突然指揮官が私みたいな格好しだしたら間違いなく心配されますからね!?」

 

しかもG36かM1895のどっちかに誰に誑かされたのかと聞かれるのはほぼ確定だろう、そしてスペクトラに憧れてと言われた日には彼女は悲しい被害者になってしまう、まぁ指揮官が止めると思うが

 

スペクトラのあまりの慌てっぷりにそうかなぁとピッツァを一口、自分が突然そんな格好しても多分、いつもの思い付きだろうと思われるのがオチでしょとかなり緩めに考えている、なので

 

「駄目かな~」

 

「え、ほ、本気で言ってるんですか指揮官?」

 

「割りと、そりゃ外ではそんな勇気無いよ?でも基地内でだったら良いかなぁって思わない?」

 

指揮官の声からスペクトラはヤバイ、これは本気だと冷や汗が額を伝う、これは何としてでも止めなければ何か碌でもないことが自分を襲うと勘が警鐘を鳴らし続ける

 

正直言えばあまり言い包めは得意ではない、だがそうも言ってられないので頭をフル回転させて指揮官がすんなり諦めてくれる方法を考え、そして

 

「で、でもほら、副官とかが許さないと思いますよ?」

 

「それって、おばあちゃんが許せば着ていいってことだよね!(もぐもぐもぐもぐ、ゴクン)ごちそうさま!じゃあちょっと聞いてくるね!」

 

「へ!?あ、ちょ……ど、どうしよ」

 

凄まじい速度で食事を終えて、食器を片付けて食堂を出ていく指揮官、後に残されたのは中途半端に手を伸ばした格好のスペクトラと同情の目線を送る同僚達、助けを求める視線を送るが答える者は居ない

 

数十分後、戻ってきた指揮官は目に見えて落ち込んでおり、背後には【M1895】と【G36】、その光景を見たスペクトラはこの世の終わりのような顔になる。が別段彼女が怒られるわけではなく

 

「駄目だった……」

 

「当たり前じゃ、全く来たと思えばスペクトラみたいな格好したいと、すまぬなコヤツが迷惑をかけた」

 

「私からも謝罪を、申し訳ございません」

 

予想しなかった展開に頭がついてこない、がそんな頭を下げられることではないので直ぐに気を取り直しバッと席を立って

 

「ああ、えっと、別段、迷惑とは感じてません!確かに私のような格好はどうかと思いますし人間である指揮官には今やるには寒すぎると思いますからね、当然の判断かと」

 

「そう言ってもらえると助かる、やれやれ指揮官の思い付きには慣れたつもりじゃったが」

 

「我々はそうであれと作られた存在ですがお嬢様は違います、無論、お嬢様の気持ちを無下に否定するつもりはございませんが少々限度というものを考えてくださいませ」

 

促すようなガチのトーンで指揮官も思わずうっと申し訳無さで胸が痛くなる、彼女としてはちょっと違う自分を演じてみたかったというだけだったのだがまさか、ここまで心配されるとは思わなかったのである

 

だがここで助け舟が出る、スペクトラが少し悩む素振りを見せてから

 

「えっと、副官、G36お言葉ですが指揮官も子供ではありませんし少しはやらせてあげてはどうかと、あ、いやごめんなさい調子乗りました」

 

まさかスペクトラからそう言ってくるとは思わず驚くM1895、だがすぐに彼女の言葉も確かにそうじゃなと考え指揮官に向き直り

 

「頭ごなしに否定は駄目じゃったな、うむ、そこはすまぬ指揮官……」

 

「ああ、いや、私もちょっと変なテンションだった、ごめん皆」

 

「いいえ、私こそ申し訳ございません、自身の心配を押し付けてしまうなどメイドとして失格です……」

 

なんで妙に重い空気になると思わずスペクトラは口にしそうだったがそれほど三人の信頼関係は堅いものだと考えてから、一つまた助け舟を出す

 

「私ではなくて、そうですね【FAL】とか最近来た【KS-23】とかどうですか、指揮官の要望にも答えられますし副官とG36が心配するくらいに露出してる訳ではないですし」

 

まぁ、今日はもう大人しくしてたほうが良いと思いますけどと付け足し三人を見る、彼女は指揮官がやりたいなら妥協点を見つけつつやらせても良いんじゃないかなぁと考え提案してみたのだ

 

その日はスペクトラの意見を取り入れいろいろ考えておこうということになり、後にそれを元に指揮官のファッションショーなりものが開催されるがそれはまた別のお話

 

スペクトラM4、彼女は今日も司令部で様々な苦労を受けるが何かと解決しては頼りにされることに喜ぶのであった




多分、その二人も露出は高いと思うんですよ(凡推理)ゲーム内のセリフ聞いてるとスペクトラちゃん色々不憫で考えに考えたらこんな立ち位置になってた

それはそれとして、そろそろネタが出にくくなってるやーつ、でも出ないことはないのが不思議、いつか被るぞ絶対にって思ってる

つかこの話だけでコーンポタージュ、コッペパン、ピッツァ食べてるよコイツ……


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彼女の十字架

例えそうでなくとも、彼女は自分を許すことはない


星空がよく見える屋上、何時もならばこの時間帯に誰かが居ることはないのだが今日は珍しくM1895が柵に寄り掛かり景色を眺めていた

 

そんな彼女の手にはジッポライターと煙草の箱、ジッポライターの方は手の込んだ作りで値が張りそうな感じの物だが煙草の方は味も良くない街でも格安で買えるとりあえず吸いたいという客用の物だ

 

「……またこの日が来たのう」

 

誰に言うわけでもなく小さく呟く、その声は何処か悲しみを籠もらせているように聴こえた。箱を開け煙草を一本取り出してから咥えて慣れた手付きで火を付け、煙草から出る紫煙を吸い込み、少し味わってから吐き出す

 

味は値段通り、一度や二度ではないので既に分かってはいるのだがやはりこの味は一言

 

「不味いのじゃ、あやつはよくこんなの吸えたものじゃのう」

 

これが好きなのよ、いつかの声が彼女の頭の中に響く、あれが強がりだったのか、はたまた本気だったのか、今となっては確認のしようがないがもし本気だとしたら味覚音痴じゃったかも知れぬなと含み笑いをする

 

一本、それを吸い終えたら帰る、それがこの日の決まりなのだが今日は違った。と言うのも屋上の扉が開かれ【M16A1】が来たからだ、向こうは他に誰かいるとは思ってもなかったようで驚いたように

 

「副官?こりゃ珍しいこともあるもんだ」

 

「殆どこんな時間には此処には来ないからのう、してお主は何用、と聞くまでもないか」

 

「そりゃまぁ、こんな時間に此処での用事なんて一つさ、寧ろ副官が吸うことに驚きなんだが」

 

M16はそう言いつつM1895の隣に行き煙草に火をつける、それを横目に見つつ、M1895は呟くように

 

「この日だけじゃ……吸うのは決まってこの日だけと決めておる」

 

「何か、大事な日なのか?」

 

「わしの、前の指揮官の命日じゃ」

 

何となく予想してはいたがまさか本当とは思わなかったM16はうおっと、悪いこと聞いたなと居心地が悪そうに煙草を咥え直して景色に視線を移す

 

対してM1895はさして気にする様子もなくふぅと息を吐いてから空を見上げる、それから少ししてM16が口を開く

 

「その、一つ聞いていいか?」

 

「なんじゃ」

 

「副官はどうして指揮官の元に就こうと思ったんだ?」

 

「そりゃあ、向こうから誘われたからのう……って言っても通用せぬか」

 

だからそんな質問をしてきたのだからのう、M1895は苦笑いを浮かべつつに彼女に視線を移した時、M16は驚く、どんな時でも余裕な振る舞いであり常に自信に満ち溢れている目はその時、籠もっていたのは悲壮感、それ以外の感情がなかった

 

その反応に満足したのか微笑を浮かべ一本と決めていた煙草を二本目に火を付けてから

 

「さて、そうさな、年寄りの独り言に少し付き合ってもらおう」

 

それから語られたのは、M1895の昔、そしてM16も、それどころか副官である彼女とペルシカしか知りえない指揮官の真実、とある事件から始まった悲劇、そしてM1895が背負うべきと思っている十字架

 

それを聞いたM16に渦巻いたのは怒りと組織に対する不信、何かを堪えるように拳を握りしめ口を開く、が言葉には怒りしか乗らない

 

「それは、事実なんだよな」

 

「ああ、事実じゃ」

 

対してM1895の言葉には感情が乗らない、乗せるべき感情はとうの昔に枯れ果てたと言わんばかりの声である、彼女は言ってから煙草を咥え息を吐く、その目は先程と同じように悲しい目をしていた

 

沈黙が支配する、それほど先程の彼女の昔話が強烈で、はっきり言えば知るべきではなかったとまでM16は思った、理不尽だ、不条理だ、何故そんな事がまかり通った、湧き出てくる苛立ちを押さえつけるように煙草を咥えようとするが既に燃え尽きている、それに気付き次のを出そうとして舌打ちをする、あれが最後の一本だったらしい

 

「ほれ、全くお主が苛立ってどうする」

 

「悪い……ってまず!?」

 

「呵々、子供の小遣いで買える値段の煙草じゃぞ、味なぞ保証できるか」

 

味の悪さに驚くM16に笑うM1895、先程までの重苦しい空気が幾分かマシになる、互いに煙草を咥え一口吸ってから吐き出してM16は柵に背を預けて空を見上げて

 

「今更じゃねぇけどさ、この世界って狂ってるな」

 

「ああ、狂っとるよ……だがそれでも真っ直ぐなやつは出てくるものじゃ」

 

「だけど、そういう奴はスグに死ぬ」

 

それもまた真理じゃな、今度は感情が乗った声でM1895が答える、それから申し訳なさそうに

 

「すまぬな、あまりにつまらぬ昔話じゃった」

 

「馬鹿言うな、聞けてよかったよ。副官、あんたもデカイもん抱え込んでたんだな」

 

「あやつの今までの境遇よりはマシじゃ、わしはただ約束を果たしてるに過ぎん」

 

約束、ね。M1895はそう言っているがM16には呪いに近いものに感じた、それを果たすためにこの見た目小さな副官はその全てを捧げているように見えた

 

だが、だからといってM16が止めれるわけでも、掛ける言葉がある訳でもない、もはや手遅れなのだ、もしどうにか出来るならそれこそタイムマシンでも無ければ無理だろう

 

「……ままならないな、ったく」

 

「ふん、この世界、ままなった試しがあるものか」

 

副官が言うと重さが半端ないですわと脱力気味に言えば、経験者だからのうと得意げに笑うM1895、数分後M16は煙草を吸い終えるとそろそろ戻ると一言告げ屋上から去ろうとする、そして去り際

 

「……副官、この事は指揮官は」

 

「知ってるはずなかろう、知ったところでどうしようもないしな、分かっとるよな」

 

「はいはい、言える訳が無いさ、こんなの知らないならそれでいい、特に指揮官はな」

 

じゃあなと扉が閉まりM16の姿が無くなる、それを確認してからどうせ二本吸ったんじゃと三本目に火を付け

 

「じゃが、いずれは言わねばな……」

 

お主の母親はわしが殺したも同然だということをな。懺悔にも似た呟きは夜空に吸い込まれ、煙草の紫煙がゆっくりと立ち込めていた




十字架の内容とか昔に何があったかはまた別のお話で、いつかになるかは分かりませんが、少なくとも100話までにはそれらしい話を書くと思います

最後、わしが殺したも同然と言ってますがまぁその辺りはよくある後悔の所です、何時だったか抱え込んで壊れるなって話をしたのはこの過去から来てます

フライングぶっちゃけすれば鉄血とグリフィンが悪いよって話になる(定例)(いつもの)(この世界なら大丈夫とでも?)

それはそれとしてM16姉貴が本当に煙草吸ってるか分からない、この司令部では吸ってるって事で(震え声


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猫とスナイパー

大きくなるとふてぶてしくなる


司令部の見張り台、周囲を見渡すことが出来、敵の早期発見の意味でも非常に役立っているこの施設には基本的にライフルの人形が配属される

 

ローテーションで変わる配属、今日の担当は【NTW-20】射撃場での試射を指揮官が見た時その音に目を回したのは今でも偶に語られる

 

それと【super SASS】基本的にツーマンセルで警備している、とは言うが此処最近のこの地区は非常に平和だ、鉄血との小競り合いはまだ起こるがこの司令部が発足した当時に比べれば可愛いものである

 

なので仕事中とは言え暇になれば始めるのは雑談、先に口を開いたのはSASS、外を見つつポツリと

 

「ダネル、突然なのですが動物って何が好き?私は鳩が好きなんですよね」

 

「本当に突然だな……強いて言うなら猫か、スラッとした身体の通りに軽い身のこなし、優雅でそれでいて可愛いところもある」

 

い、意外に語るのねと驚きながら確かに猫ってそういう印象よねと頷き視線を部屋の中央に送る、そこにも猫がいる、何処から入ってきたかは分からないが野良だろう

 

NTW-20の好きだと言った猫がそこに居る、が彼女は頑なに見ようとしない、私は仕事中ですと言った雰囲気を出しながら外を眺めているが猫がいることは知っている、と言うより先に見つけたのは彼女だ

 

では先程、彼女が言った猫の印象をおさらいしよう、スラッとした身体、軽い身のこなし、優雅でそれでいて可愛い。そしてそこにいる猫を見てみれば

 

(ぶにっと気持ちよさそうなお腹、ダラッとして割りとふてぶてしさを感じる態度、でもこれで軽い身のこなしは出来るんだから猫って凄いよね、多分お腹が引っかかると思うけど)

 

「SASS、仕事中だ、あまりぼうっとするなよ」

 

「ダネル、そこに猫居ますよ、語った理想とは真逆な感じだけど」

 

「……はぁ、知っている、何処から入ってきたのだコイツは」

 

SASSが言えば遂に折れてその猫を見る、それから追い出そうという意思なのかお腹を見せて寝ている猫の腹をグイグイと押してみれば、にゃ、にゃと短い鳴き声と共に尻尾が一度だけ床を叩く

 

起きる素振りは一切ない、抗議はその尻尾だけだ、図々しいすぎるだろと二人の心が一つになる、怒るわけでもなく嫌がるわけでもない、ただ形だけの抗議で済ませる猫に二人はどうするかと考える

 

「抱き上げて救護室送るとか?」

 

「やってみ……ほう、こういう時は動くと」

 

SASSの案に乗り、立ち上がった時、何かを感じたのかその猫は突如起き上がり二人から距離を離した所で座って毛繕いを始める、まるでこの部屋からは出ないと訴えるようだ

 

「起きたのなら出て行け、ここはお前の住処ではない」

 

「にゃ゛~」

 

NTW-20の言葉に嫌だと答える様に鳴く猫、その声は割りと野太かった、それからまた先程と同じ様に床に寝転がり尻尾で床を一度叩き動かなくなる

 

うわぁっとSASSが声を漏らす、馬鹿にされている感じではないがそれでもNTW-20の威圧が混じった声にあんな反応をするとは中々良い根性をしてる猫だと感じざる負えなかった

 

そして好きだと言ってた猫にそんな態度を取られたNTW-20はと言うと、無表情で軽く震えていた

 

「ダ、ダネル?相手は猫ですからね、大丈夫だと思いますが抑えて下さい!?」

 

「な、何を言っているSASS、私が猫相手にキレるとでも思っているのか?」

 

思ってなきゃ声を掛けませんよ!とは言えなかったSASSは笑って誤魔化す、誤魔化されたNTW-20はふんと鼻を鳴らして椅子に座って外の警戒に戻る

 

大事にならなくて良かったと息を吐いてからあの猫は一旦放置して彼女も仕事に戻る、先程と変わらず平和な光景、時折何処からか飛び去る鳥を見ては平和だなぁと染み染み思いつつ猫の方に何気なく視線を向ければ

 

(また中央に戻ってる!?)

 

足音、物音一つもさせずに先程の位置に戻っている猫、話には聞いているし知識としても知っていたが実際に目の当たりにすると本当に音がしないのかと驚きを隠せない

 

態度は相変わらずのふてぶてしさ、身じろぎは軽くするがそれだけで気持ちよさそうに寝ている。まぁこれも平和ってことだよねと思い、外に視線を向けようとした時、その猫がムクッと起き上がり

 

「にゃ~、にゃ~!」

 

「ど、どうしたの!?」

 

突如として鳴き出す、しかも先程までの気怠げな声ではなく猫らしいはっきりとした鳴き声、NTW-20は勿論なのだがSASSもどうしたのかと戸惑うが猫が同じ方角を見つつ鳴いてることに気付き、まさかとその方向をライフルのスコープで覗けば、森の中にソイツは居た

 

「マンティコア!?」

 

「何だと!?距離と数!」

 

「距離は……1500ちょい、数は逸れかな、一体だけ!」

 

「確か昨夜、他の司令部で夜間作戦が行われたって副官が言ってたな、それの残党か」

 

しかもご丁寧に森からとは小賢しいなと愚痴をこぼしつつ、SASSの報告からこれは自分の距離だと愛銃を構え狙いを定める、スコープで見れば随分とボロボロで動いてるのが不思議なくらいではある、がもし接近されていれば被害が出たかも知れない、そう思いつつ

 

「撃つ」

 

ドゴォ!!と轟音、少し遅れてから爆発音がしマンティコアは沈黙した、そこで猫が近くにいることを思い出して慌ててそっちを見れば何事もなかったかのごとく耳の裏をカリカリと掻き、アクビを一つしてから寝にはいる姿

 

「これ、本当に猫ですか?」

 

「もしかしたら歴戦の猫かも知れないな」

 

図々しいとかふてぶてしいとか思ってたがもしかしたら失礼だったかも知れない、そう思いつつ今の射撃について指揮官に通信を入れるNTW-20、今でもその猫は救護室で保護されずに気ままに司令部を練り歩いている




……随分と近づかれてね?まぁ森からだったし、多少はね?

基本的に距離云々で書かなかったツケがこんな所で出てくるとは思わなかった、多分色々おかしいぞこれ

いまいちイメージ図が浮かばないのも原因、精進せねば……

修正 ダネルがダリルになってるやん!!


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偶には二人で

カリーナってファッションにかなり強そうだと思った(小並


休日、正門で指揮官は何時もの軍服に茶のアーミーコートを着込んだ姿で待っていると胸元は白と黒のストライプの黒のワンピースの上から赤のジャケットを着た姿のカリーナがやって来る

 

「指揮官さま、申し訳ございません、お待たせしちゃいました」

 

「ううん、私も今来た所、何時もと違う服装だ、初めて見たかも」

 

「指揮官さまとお出かけですからね、ちょっと気合い入れちゃいました」

 

実は昨日、指揮官からカリンちゃんには頼りっぱなしだから何か私ができることは無いかという話になり、ではと今日二人で街に行く約束をしていたのだ

 

そこまで楽しみにされてたんだ、私も別の服にしたほうがと買ったかなと考えるがそもそも外出の服は殆ど無いので買ったほうが良いかなぁと考えていると一台の黄色のオープンカーが二人の前に停まる

 

停まった車の運転席には【グリズリー】の姿、どうやら街までの送迎は彼女に頼んだらしい、しかしそれよりもとカリーナが驚いたのはその車だ

 

「な、何故【ヘミ・クーダ】を持ってるのですか」

 

「お、気付かれた、この間の巡回のときにね、いやぁ私も見つけた時は驚いたよ、やっぱり貴重な車だけあって厳重に保管されてたから回収しちゃったんだ」

 

「えっと、凄い車なの?」

 

いまいち状況が飲めない指揮官が遠慮気味に聞けば、カリーナが凄いと言えば凄いですね、本当によく現存してましたねと心底から驚くように呟く

 

「さぁ、乗って乗って、今日は天気もいいしコイツでドライブするつもりだったからついでに街まで送るよ、帰りも連絡さえくれれば迎えに行くからね」

 

「うん、行こカリンちゃん」

 

「ですわね、よろしくおねがいしますね」

 

了解、と二人が乗ったことを確認してから発進する、終始テンションが上り気味のグリズリーが運転するヘミ・クーダはそこまで時間を掛からずに街に到着し

 

「助かりました、グリズリーさん」

 

「何、さっきも言ったけどついでだよ。じゃあ、迎えが必要になったら連絡をちょうだい、楽しんできな」

 

「うん、グリズリーも気をつけてドライブ楽しんでね!」

 

指揮官の言葉に勿論と返してからグリズリーはドライブに出発、二人はそれを見送ってから

 

「では、行きましょうか、今日は指揮官さまをコーディネートする予定もありますわよ!」

 

「え、なにそれ聞いてあああああ、引っ張らないで~」

 

カリーナ曰く、前々から指揮官の外出の服の無さは気になっていたのでこの際、色々着せてみてしまおうという魂胆であった、そしてそれは勿論自分が払うつもりでもある

 

彼女のお金は全ては可愛い可愛い指揮官(いもうと)のために、なので糸目も付けずにあれこれと買い、休憩を挟んで今度は指揮官が気になりお店に入ったりして、数時間後、ホクホク顔のカリーナと笑顔の指揮官は公園のベンチでクレープを食べてつつグリズリーの迎えを待っていた

 

カリーナとの服屋巡りの結果、今の指揮官は今朝の軍服にアーミーコートではなく、何時もの伊達メガネ、少々大きめの水色のパーカー、青のジーンズ、黒の線が入った白のスニーカーとかなりカジュアルな格好になっている

 

そして二人の両脇にはそれなりの量の買い物袋、どれもカリーナが指揮官に似合うと選んだ服だったり小物だったり

 

「色々買ったけど、本当に私も払わなくてよかったの?」

 

「もう、先程も言いましたが私のお金はこのために貯めているのですわ、寧ろ使わせて下さい」

 

「それならいいけど、でもありがとう、これも買ってもらった服も大事に着るね」

 

「その時は是非とも写真を取らせて下さいね!」

 

カリンちゃん、試着した時も撮ってなかった?と指揮官、中にはコスプレと言えるようなものもあり、だが別段着ることに抵抗があるわけではないので着てはカリーナが写真を撮りまた別のということを繰り返して結果、今の服装で落ち着いた。落ち着いたから指揮官は思ったがあのコスプレは必要だったのかと、だが自分がカリーナと付き合うと言ったので仕方ないかと割り切りクレープを食べる

 

一方カリーナも満足していた、基本ファッションに興味がない指揮官を色々着せ替えて、なおかつその数々を写真に収めることが出来たからだ、勿論、指揮官が欲しい物も買ってあげることが出来たのも彼女としては非常に得点が高い、油断すれば直ぐに顔がニヤけてしまいそうだとクレープを食べそれを誤魔化しつつ思う、そして隣の『3つ目』のクレープに手を出した指揮官の幸せそうな顔を見つつ今日は一緒に出掛けられてよかったと笑顔になる

 

グリズリーは連絡からそれほど掛からず、3つ目のクレープを指揮官が食べ終えた所で現れた、彼女も今日のドライブは大変満足出来る感じで言わずとも楽しかったと言うのが分かるほどだった、荷物を乗せ二人が乗り込んだのを確認してから車は発進する

 

「楽しめたかい?」

 

「ええ、有意義な買い物でしたわ、ほら指揮官も服装を変えたのですわよってあら?」

 

グリズリーの質問にカリーナが答えカジュアルに変わった指揮官の服装を見て貰おうとした時、ポスンとカリーナの肩にもたれ掛かり見てみれば寝息を立ててる指揮官の姿、流石に体力を使い切っちゃいますよねと頭を撫でる

 

「ん、どうしたんだいってああ、ふふ、疲れたのかな」

 

「ええ、かなり歩き回りましたから、今日は本当に付き合ってくれてありがとうございますね指揮官さま」

 

暫くしてグリズリーはミラーで後ろを見れば気付けば二人揃って居眠りする姿を見て、仲の良い姉妹だことと笑みをこぼすのであった




カリーナの出かけの服はフリーストリート、あの服装かなり好きなんですよね

グリズリーが乗ってたのはプリマス・バラクーダ・コンバーチブル、刑事ナッシュ・ブリッジスで作者は知った、めちゃくちゃ数が少ない車であり世界で14台しか存在しないとか、この世界ではよく残ってたなおいレベルでいっそ作ったって言った方が説得力がある、でも中身は色々弄られてそう

Q 指揮官、服買ったけど今後出てくるの?

A ……ち、知識を作者が得ることができれば?


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髪は女の命

この指揮官、結構適当だったりした


45にマッサージしてもらった一件から、誰かとお風呂に入ろうという気持ちになれた指揮官、だがまだ身体の傷跡で遠慮してる部分もあり、一人ならそれでも仕方ないよねと言って実を言えばまだあの一件以降、誰かと入った試しがない

 

だが今日は違った、と言うより珍しく誰かと被ったと言ったほうが良いか、いつものように入浴セット一式を手に持ち大浴場へと向かって脱衣所の扉を開ければそこには

 

「おろ?」

 

「あら?」

 

「指揮官?これからお風呂ですか?」

 

【PPK】と【StG44】の姿、入浴後、ではなくてどうやらこれかららしい、しまったと自身の行動にちょっと後悔する、今日は何となく少し早めに入ろうと思ったらこれだ

 

だがもしかしたら違うかもしれないと淡い希望を持って指揮官はとりあえず確認の意味も込めて

 

「えっと、もう入った?」

 

「いいえ、これからですわ、よろしければご一緒に入りませんこと?」

 

「ふえ!?」

 

StG44の言葉に指揮官より先に反応したのはPPK、段階飛ばしすぎですわ!?と叫びたかったが指揮官が居る手前そんな事言えないので声に驚いて自分を見る二人に曖昧な笑顔を浮かべ誤魔化す

 

次に困るのは指揮官、あの時はUMP45が押せ押せで誘ってくれたが正直に言えば自分からまだこの体の傷を晒す勇気が足りない、だがいつかは分かることだというのも理解できている、しかし理解できているということとそれを実行できるというのは別の問題である

 

そしてこの指揮官、変な所で臆病である、なので出したカードは逃げ

 

「ええっと、ほら、二人の邪魔しちゃ悪いからさ、私は後で……」

 

「ま、待ってくださいませ!邪魔なんてことありえませんわ、ですから、その、い、ご一緒にはは、入りませんこと?」

 

(声が裏返ってるのですわPPK……)

 

脱衣所から逃げるように出ようとした指揮官の手をPPKが顔を赤くしながら掴み止めたのはいいが殆ど勢いだけだったらしく、だがそのまま声が裏返ってることにも気付かないくらいにテンパりながら誘う

 

一方、誘われた指揮官は一生懸命ですあたくしと言うのが分かる顔のPPKに何故か一瞬だけ心臓の鼓動が高まるのを感じた、それと此処まで言われてしまうと断るに断れなくなり

 

「わ、分かった、一緒に入ろ」

 

「決まりですわね、それと指揮官、もしかして体の傷のことを気にしてるのでしたら問題ありませんわ」

 

「え、あ、あれ何で知ってるの?」

 

「45さんから聞いてたのですわ、もし一緒に入ることがあったら受け止めてやってくれと」

 

どうやら彼女は彼女なりに指揮官の心に気付いていたらしく先に手を回していたらしい、なるほどねと納得すると同時に今後は気を使うだけ向こうに悪いよねと考えを前向きに変えて服を脱ぎだす

 

服を脱げば現れるのは痛々しい傷の数々、二人はあまりジロジロ見るようなことはせず服を脱いで浴場の扉を開ける

 

司令部の大浴場、それなりの広さであり一気に押し寄せなければかなり余裕がある、とりあえず三人は体を流すべくシャワーのところに座りそこでふとPPKが指揮官の髪を見た時

 

「(傷んでる?)指揮官、お一人で入ってる時、髪はどの様に洗ってます?」

 

「え、こうジャバーって髪を濡らしてシャンプーでゴシゴシって洗って」

 

「ゴシゴシですって!?り、リンスは、リンスは使ってますのよね!?」

 

「へ、えっと、必要?」

 

「指揮官、これから正しい髪の洗い方をご教授致しますわ」

 

見ればPPKもStG44の顔も声も真剣だった、そこで気付くもしかして何かマズイ洗い方してたのかなと因みに入浴後に髪を拭く時もバスタオルでグシャグシャと拭いていた模様

 

数十分後、それはそれは細かく説明、もとい髪の洗い方を教わった指揮官から出た最初の一言は

 

「……それって何とか手順減らせない?」

 

「駄目ですわ、いいですこと指揮官、髪は女の命と言われるほどなのですよ?だと言うのにそんなぞんざいに洗ってたなんて……許されませんわ」

 

うわ、ヤバイマジトーンだとStG44から目を逸らしてPPKに助けを求める視線を飛ばす、丁度髪を洗い終えた所でそんな視線を飛ばされた彼女は困ったような笑みを浮かべ

 

「その、StG44の言葉は間違ってませんので、それに指揮官も外に出ることがありますのでそういった所も気にした方がよろしいと思いますわ」

 

うぐっと遂に言葉に詰まる、確かに本部に出向とかもあるので身だしなみは気にしないといけない、そうすると教わった洗い方で傷んだ髪を修復したほうが良いかもしれないと考える、がそれと面倒くさいと言う感情は別なので微妙な表情を浮かべてしまう

 

見るからに面倒ですという指揮官の姿に苦笑を浮かべるStG44、対してPPKは指揮官の髪を洗っている時に気付いた事があった、それは彼女の髪は白なのだがよく見れば茶の部分もあったのではという痕跡がチラホラ見受けられたのだ

 

(もしかして地毛ではなく、何かが原因で『脱色』?傷跡、ストレス……まさかそんな!?)

 

仮にそうだとしたらどんな環境に居たのですかと辿り着いた結論に静かに怒れる、だが直ぐに飲み込む、気付いたからと言ってそれを聞く必要はないと切り替えて指揮官に湯船に浸かりませんかと誘う、三人はそれから身体を流し湯に使ってる間も指揮官が知らない入浴時のあれこれを教え、出た後も髪の拭き方等を教えるのであった

 

何時もであればこれで一日が終わる、がその日だけはまだ出来事があった

 

「お主の母親であり、わしの前の指揮官だったあやつは、わしが殺したも同然なのじゃ」

 

「え……?」

 

さぁ、彼女を後悔(くさり)から外してあげよう




StG44姉貴絶句レベルの痛み方だった模様、やったね皆お風呂回だぞ、絵はおのれの魂で想像するのだ!

この先を暫くほのぼのにするために必要な真面目なお話はっじまっるよー(精神消耗開始

って言っても明日と明後日くらいだけど、下手したら明日だけで終わる、あまり長々と書くのは苦手やし……おばあちゃんと指揮官でまた楽しく過ごさせてあげたいし


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追憶

たった一つの後悔、誰もが仕方ないと言えどそれを彼女は引きずり続ける


入浴後、珍しくM1895から今夜話があるから自室に来るように言われていた指揮官は扉をノックすれば少し間が空いてから

 

「開いとるぞ」

 

「失礼するよ、それで話って?」

 

「まぁ、とりあえず座ると良い、長くなるからの」

 

普段と様子が違うM1895を不思議に思いながら座り彼女が差し出したコーヒーを受け取る、それからM1895は椅子に腰掛けて息を吐く

 

「おばあちゃん?」

 

「分かっとる、話というのはな……お主の母親のことじゃ」

 

突如出された母親と言う単語に、指揮官は不思議と動揺が無かった、と言うより響かないといったほうが正しいかもしれない

 

その反応にやはりか、と分かっていたかのように呟けばコーヒーを一口飲む

 

「えっと、うん、あれ、お母さんのことだよね」

 

「記憶にも無いというのならばその反応は仕方あるまい」

 

「でも、それがどうしたの?」

 

それ、そう言葉が出てしまうことにM1895の顔が後悔で歪んでしまう、だが直ぐにいつもの表情に戻して

 

「何、記憶がなくとも母親の最後は聞いておくべきじゃろうと思ってな、と言うのも」

 

先程まで響かなかったM1895の言葉、だが次の言葉には指揮官は動揺を見せた、神妙な顔つきで彼女はこう告げる

 

「お主の母親であり、わしの前の指揮官だったあやつは、わしが殺したも同然なのじゃ」

 

「……え?」

 

これより語られるはM1895の過去、彼女の初めての指揮官、彼女との追憶の話

 

M1895が彼女の下に配属されたのは製造されて間もない頃、出会った当初の印象としてはこの世界でよくまぁ曲がらずに生きれたものじゃ、だったそれほど彼女は正義感が強く、弱きを助け強きを挫くを地で行くような人間だった

 

それでいて正規軍上がりだったらしく腕っぷしも強くまた諜報活動も得意というハイスペックであり性格も良好と非の打ち所がない存在であり、これにはM1895もわし必要なのかと思わざる負えなかった

 

逆に言えば何故そんな人間がグリフィンに居るのかと聞いてみれば

 

「子供が居るのよ、ほら可愛いでしょ?」

 

「ああ、わかったわかった、それとグリフィンが何の関係があるのじゃ」

 

「ここなら街が近い司令部だしあの子も預けられる場所があるから、それにクルーガーに誘われてたのもあってね」

 

彼女は既婚者で娘が一人居た、だが夫とは死別してるらしく女手一つ育てるとなるとこっちの方が融通がきいたのでグリフィンに来たと笑いながら話す、因みにだがかなりの親バカであり事あることにM1895に写真を見せては彼女を困らせていた

 

仕事も早い彼女は何時も定時には業務を終え、娘を向かいに行き親子で遊んだり、時たまM1895も巻き込まれたりもした、そうやって時が過ぎ彼女とM1895は無二のパートナーといった信頼関係になりグリフィンでも有名になりだした頃、彼女が今日まで後悔し続ける事件が起きた

 

何時も通りに業務を終えて帰ったはずの指揮官から通信が鳴り出てみれば彼女らしくないほど焦燥した声、とにかく落ち着かせ何があったかと聞いてみればM1895も驚くことを言われる

 

「子供が、家に居ないじゃと?」

 

その日は何時も預けている場所が駄目で、仕方がないので家で留守番をさせていた、彼女の子供は非常にしっかりしていたのは知ってるし親が帰ってくるまで外に出たり誰かが来たからと玄関を開けるとは思えない、が帰ってみれば家はもぬけの殻

 

直ぐに手が空いてる人形も動員して街中を探すが一切の手がかりはなく、一旦彼女と合流したM1895が見たのは平時の彼女の面影は殆ど見られない深刻な顔の彼女だった

 

「すまぬ、こちらも手がかりはない……」

 

「大丈夫、ナガンが悪いわけじゃないから、町の人達も見てないっていうことは玄関先で攫われた?」

 

「誘拐と言いたいのか、確かに最近ここらで多いとは聞いとるが、指揮官、あまり思い詰めるな」

 

「心配してくれるの?大丈夫だって、こっちも友人達に声かけて情報集めてもらう、今日は一旦解散しよう、明日ね」

 

「そうじゃな、では明日な」

 

その日は解散したが事件が起きた翌日から彼女に異変が見られた、しきりに何処かに通信を取り、業務を終えてからは家に帰らずグリフィン本部に向かってはデータベースに入り浸り、街では情報を集めたり、とにかく休まずに娘の手がかりを集め続けていた

 

「……指揮官、お主本当に無理してはおらんな?子供が心配なのは理解できるがだからといってお主が無理して倒れたなぞ笑えんからな」

 

「ん、平気平気、でもそうだねちょっと休まないといけないか」

 

グッと体を伸ばす彼女を本当に理解しとるのかと言う視線を送るM1895に心配性なお婆ちゃんだなぁと笑う、笑えるなら平気かと仕事に視線を戻すが、その一瞬、彼女が笑みの中に陰りのあるものを見せたことM1895は見逃した

 

その日も業務を終えた彼女が執務室を出ようとした時、やはり心配になったM1895は再度

 

「休めよ、子供の安否は気になるとは思うが」

 

「もう本当に心配性だな、大丈夫だってそれに私の娘よ?簡単に死んだりするものか、じゃ『明日』ね」

 

「……ああ、『明日』な」

 

それだけ言って二人は別れる、だがM1895はこの行動を後悔する、もっと釘を差すべきだった、何だったら共に帰るべきだった、彼女を一人にするべきではなかったと

 

彼女が帰ってからふと、机を見れば何時も大事にしてるペンダントが置きっぱなしだった、何やっとるのじゃあやつはと思いつつ疑問に思う、いつも肌身離さず付けてたこれをなぜ外したと、それから急激に彼女の中に嫌な予感が増幅し気付けば駆け出していた

 

(なんじゃこの予感、指揮官に何かがあった!?)

 

消えない嫌な予感を胸に数分、彼女の家が見えノックも何もせずにバンッ!!と扉を開け室内に入ればM1895は言葉に詰まる、そこには

 

「な、ナガン……?」

 

「指揮……官?」

 

壁に寄り掛かりながら座り込み腹部からもはや致死量の血を流した指揮官の姿、虫の息の彼女はM1895に気付くと申し訳なさそう笑う

 

それを見て我に返るM1895、直ぐに彼女に駆け寄り血に汚れることも気にせず怪我の具合を見るが

 

「(貫通しとる、致命傷は避けとるがこれでは……!)何があった指揮官!!」

 

「はは、ちょっと深追いが……過ぎちゃって」

 

深追い、そこで今までの指揮官の行動が彼女の中で繋がった、同時に怒りが溢れ出る

 

「馬鹿者!!何故一人で、いや、なぜそれらを相手にした!!」

 

「ごめん、でもあの娘が、ゴフッ」

 

「喋るな!くそ、直ぐに医者を……」

 

兎に角彼女の治療が先だと通信機に手を掛けた時、その手を指揮官が止める、その目は諦めが籠もっていた

 

既に助からないと分かっているのだ、そんな事M1895だって分かるだが、だからと言って諦められるかと言葉にしようとした時

 

「ナガン、一ついい、かな」

 

「やめろ、聞かんぞ、わしは聞かんからな」

 

子供のように顔を振り、今にも泣きそうな目で指揮官を見つつそう告げる、そんな彼女に優しく微笑みながら

 

「あの娘は生きてる、だからさ」

 

「聞かんと言ってるじゃろ!!まだ諦めるな、助かるはずじゃ!」

 

「会えたら……」

 

よろしくお願いね、ナガン。M1895の頬に手を添えニコリと笑いそう告げ、次の時、ストンと手が力なく落ちた

 

状況が飲み込めないM1895はただ徐々に冷たくなる彼女の手を握り、身体を揺すり何度も呼んだ、叫んだ、だが答えが、声が返ってくることはなく、彼女の慟哭だけがその場に響いた




(やっべ、詰め込みすぎて思ったより話進まんかった……)

もう少し、真面目が続くんじゃよ(精神消耗7割)


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懺悔

生きてたからこそ、彼女の後悔は根深い物になる


自身の過去、母親の最後、そこまでの話をしてから、小休憩として既に冷めたコーヒーを一口飲むM1895

 

対して指揮官はとりあえずまず最初に疑問に思ったことを聞いてみることにする

 

「おばあちゃんはさ、その、私を誘拐した犯人を知ってたの?」

 

「ああ、知っとったよ。アヤツには一度忠告して手を引くように言ったこともあった」

 

ではまた語ろうかと話を再開する。そう、彼女は知っていた、指揮官を誘拐したのが何者なのかを、そしてその強大さを、故にもう手を引けと言ったこともあった、だが返ってきた答えは

 

『だけどソイツらのせいで悲しんでる親が居る、私もその一人だ、あとね、それ以上に弱者を、子供を食い物にするアイツラを許せないんだ』

 

『何をバカなことを!?相手はそこらのチンピラなどではない、下手に探れば消されるのがオチじゃぞ!』

 

『……ありがと、肝に銘じておくよ』

 

あれで引くとは思わなかった、だからこそもっと言うべきだったか、それとも出来る限りの強硬手段を取るべきだったか、悔やんでも悔やみきれず本部に戻されてから暫くはただ何も考えずに業務に徹し続けてる日々だった

 

更に言えば、『蝶事件』により鉄血が壊滅したと聞いた時、遂に彼女の中で一つ何かが割れた、彼女との約束すら守ることができなかったと周りの目を気にせずに崩れ落ちた、語った所で指揮官からストップがかかる

 

「ま、待って、それってじゃあ、犯人は……」

 

「鉄血じゃ、後に聞いた話だが他にも金と引き換えに手引きした者が居たらしいな」

 

「でも、なんで」

 

「生体実験、と言う話じゃ、お主の母親はそれについての証拠をかなり集めてたらしく、そして消された」

 

無論、彼女はその生体実験の内容を知っているが此処はぼかした、それはペルシカがいずれ話すという事になっているからだ

 

「さて、話を続けよう、しかしな、それから少ししないで一つの出来事が起きたのじゃ」

 

M1895が言わずとも指揮官はその出来事が分かった、間違いなく自分が保護された件だと、でも始め数カ月は確かグリフィンの一室で軟禁状態だったはずと思っていれば

 

「まぁ、保護された少女がお主だと知ったのはもう少し後じゃ。ペルシカが後見人としてお主を保護しヘリアンに指揮官に仕立て上げると言ってからじゃな、わしが知ったのは」

 

ヘリアンが妙に深刻な顔でわしに資料を見せてきた時は腰が抜けるかと思ったわいと笑うM1895、だが指揮官の目には辛そうに笑っているように見えた

 

何故?指揮官にはその理由がわからなかった、そんな彼女を見てM1895は分からぬか?と切り出して

 

「お主は生きてた、それを知った時に思ってしまったのじゃ。わしがあの時止めていれば、共に帰るなりして死ぬのを避けることができたのならば指揮官とアヤツは再会できたはずなのではとな……わしがお主から母親を奪ったも同然なのじゃ」

 

両手を組んでまるで懺悔するような声でそう告げるM1895、その声は震えており普段の頼りになる副官としての姿はそこにはなかった、あるのは今日までの後悔を口にして更に押しつぶされようとされている弱々しい彼女

 

M1895が指揮官と初めて会った時、迷子だと思って声を掛けたらその際に見せた安心しきった笑顔を見てM1895は身を引き裂かれる思いになった。本来であれば母親がもらうはずのそれを自分がもらってしまったこと、あの時に止めることができなかったが故に指揮官と彼女を会わすことができなかった後悔がM1895を襲った

 

「許してくれとも言わぬ、恨まれても受け入れよう、わしはそれほどのことを」

 

「許すし恨まないよ、悪いのはおばあちゃんじゃないもん、多分、全部が全部間が悪かっただけだよ」

 

M1895が更に続けようとしたその懺悔を指揮官が遮りそう言い切る、声からそして優しい笑顔にその言葉が嘘でも何でも無く本音からだと分かる

 

「間が、悪かっただけじゃと……?」

 

「うん、そりゃ根本的に悪いのは鉄血だと思ってる。でもおばあちゃんが悪いとか、お母さんが知りすぎたから悪いとか、そういうのじゃなくて、巡り合せが悪かっただけなんだと思う」

 

M1895はその時、偶々彼女を見送ってしまった。お母さんは調査を進めて偶々決定的な証拠を握ってしまった。そう続ける指揮官に違うとM1895

 

「違うのじゃ、わしは知っておったのじゃぞ!?アヤツは優秀で止めなければ知りすぎて消されると、なのに、なのにわしは行動で止めもせずに言葉だけに留め……それを見殺しにしたと何が違うのじゃ!!」

 

それは悲痛な叫びだった、いっそ恨んでくれと懇願してるようにも聞こえる叫びだった、しかし指揮官は怯まずにその笑みを崩さずに

 

「もし、もしそれが見殺しだと思っても、私は許すよ。だってここまで支えてくれたおばあちゃんが悪人なはずないもん」

 

「……それは、アヤツと約束を果たしてるだけじゃ」

 

「約束だって悪人なら破ると思うけど?」

 

ああ言えばこう言う、そんなやり取り、それでも頑なに自身が悪いと思ってるM1895に指揮官はそっと近づいて震えてる手を握り

 

「ならさ、分け合おうよ」

 

「何を、じゃ?」

 

「おばあちゃんの後悔、私に少し分けて?何時か言ったじゃん、えっと、抱え込んで壊れてくれるなって、それっておばあちゃんにも言えることだよね?」

 

だから分けてほしいな、おばあちゃんの悲しいこと、辛いこと、その後悔も全部、きっと重すぎるんだよと笑顔のまま優しく促すような声で話す

 

それにM1895は言葉を失う、そして少ししてから指揮官を見た時、そこに居たのは何時も支えている彼女ではなく、心強い、不思議と安心できる雰囲気を纏った姿、いつの間にこんなに成長しよってと思いつつ

 

「……すまぬ、指揮官、少しだけ、本当に少しだけ荷物を分けてよいか?」

 

「ふふ、任せて、それでも重いならG36にも頼んじゃおう、何なら司令部のみんなを巻き込んじゃっても良いかもね」

 

「馬鹿言え、こんな情けない姿、お主以外に見せられるか」

 

口には出さないがこの時、M1895は確かに何かが軽くなった気がした、先程までは潰されるくらいの重さだったのが今は少し重いくらいで済んでいる

 

ああ、全く敵わぬよと指揮官にバレないように笑みを零し、そして小さく、本当に小さな声で

 

「ありがとう」

 

「ん、何か言ったおばあちゃん?」

 

「はよ寝ろって言ったのじゃ」

 

「さっきまでの空気!?」

 

そこにあったのは何時ものM1895(おばあちゃん)指揮官(まご)のやり取りをする二人、先程までのピリピリしていた空気が鳴りを潜め、和気藹々の空気に変わる、そして部屋の前

 

「……大丈夫のようですね」

 

「ええ、あれ以上熱くなるなら、『ホット』かずに介入するところだったけどね、ふふっ」

 

「ツッコみませんからね、では私は戻ります」

 

「私も、ああ、月が今日は綺麗だったわね」

 

二つの影がそれぞれ消えていく、一方部屋の中ではM1895は日付が変わったことを盾に指揮官を自室に戻るように促すと時計を見た指揮官が驚いた声で

 

「うげ、もうそんな時間だったの、じゃあおやすみ、おばあちゃん!」

 

「ああ、おやすみ、明日、ちゃんと起きるのじゃぞ?」

 

起きれるよ、心配性だなと笑いながら彼女は部屋から出ていく、それからゆっくりと立ち上がり引き出しに入れた煙草とジッポライターを取り出して彼女も部屋から出ていった

 

この後悔は簡単には消えない、だがきっと彼女と共にあれば何れは楽になるかもしれない、そう胸の中で思いながら彼女は屋上へと足を運ぶのであった




もう一話、この関連の話が続く(収まんなかった)

凄く疲れたぞよ……なんか文章めちゃくちゃぞよ……最後の最後で反動が来るくらいに辛いぞ……ほのぼの、ほのぼのを私にくれ……

え!?七日間ログインすればG36のロリスキン貰えるんですかヤッター!!!!

あ、80話ですね、はい


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月明かりの下で

彼女に、今まで出来なかった報告を


指揮官を自室に戻し、煙草とジッポライターを手に屋上に出たM1895、命日でしか吸わないと決めているのだが今日はまぁ特別じゃと誰にでもなく言い訳をしつつ定位置に向かい柵に寄り掛かり空を見上げる

 

満面の星空、その中に司令部を照らすように浮かんでいる月、世界が人類が滅びの一途を向かっていようがそれは変わらず浮かんでいる

 

「……綺麗じゃな」

 

満月、にはおよそ数日足りない月だがそれでもはっきりと見え仄かな光を放つ月は見ているものを落ち着かせ、思わずM1895はそう呟いた

 

それからいつものようにタバコを加えて火を付け一服、値段通りの相も変わらずな味、だが今日はそれが不思議と美味く感じれた

 

「指揮官は、確かにお主の娘じゃよ。記憶がなくともあやつはお主の血をしっかりと受け継いでおるよ」

 

じゃがまぁ、孫の顔は難しいじゃろうなぁと苦笑いを浮かべながら空に向かって呟きながら報告する。それは今までは決して行わなかった事、したら翌日に指揮官を前にしたら平静を装う事ができないと思っていたからだ

 

だけど今日、指揮官に過去を話し、荷物を分け合い、軽くなった身であるならばこうして話しても問題ないだろうと屋上に来たのであった

 

彼女の娘の今まで、どの様な生活、成長、そういった今まで彼女に報告できなかった事柄を洗いざらい喋っていく、これがあの世に届く、なんてオカルトを人形である自分が語るとは何とも滑稽だと途中笑うが自嘲と言う感じではなくこれもお主の娘のせいじゃぞと言う感じの冗談混じりの笑いである

 

「まぁ、こんな所か。とにかく心配するな、あやつはわしがしっかりと支え成長を見届けよう、幸いわしはまだ前線を張るつもりじゃからのう」

 

目を閉じ微笑みながらそう告げ、タバコを加え吐き出す、吐き出された紫煙はゆっくりと空へと漂いながら昇っていく、そのタイミングでフラッと影が現れる、気配はなく突然現れたそれにM1895は特に驚く様子もなく寧ろ呆れるようにため息をついてから

 

「居たのならば、最初から出てくればよかったので無いか【Vector】?」

 

「貴女と彼女のやり取りを邪魔する程、無粋な存在になったつもりはないわ」

 

「なんじゃ、お主が変に真面目じゃと調子が狂うな」

 

現れた影はVector、神出鬼没であり出てきては良く分からないキャラで場をかき乱しては消える彼女、だが今しがた出てきた彼女が纏う雰囲気はいつものそれではなく任務中のしかも戦闘中の彼女、要は真面目な状態だ

 

「で、何のようじゃ?」

 

「そうね、月が綺麗だったから一服『つき』合おうってね、一本貰える?」

 

「……やはりお主の考えはよく分からぬ、まぁ、良いがほれ、味は期待するな」

 

ありがとと受け取り火を貰って軽く吸って吐き出す、M16の反応から相当不味いはずのそれだが彼女は顔色一つ変えずに柵に寄り掛かり景色を眺める

 

「反応無しとは、つまらんのう、それともそれが美味いとでも言う口か?」

 

「いいえ、酷く不味いわよ、でもこれはこれで悪くないものと感じた、それだけよ」

 

妙に真面目な空気のVectorに何かを気付いたM1895は体制を柵を背に寄りかかる形に変えて

 

「その様子じゃとわしが指揮官に母親のことを話したことを知っておるな?」

 

「ええ、部屋の前で聞いてたわ、でも私のことは話さなかったのね」

 

「言った所で意味がないからのう、お主はただ雇い主からの命令を遂行しただけじゃ」

 

「それでも、私が手を掛けたことには変わりないわ」

 

タバコを加え自身の右手を見つめそれから左頬を撫でる、そこには一筋の切り傷、普段は化粧で隠しているそれは指揮官の母親を暗殺した時に彼女からの反撃で付けられたもの

 

「消さぬのかそれ」

 

「人間に付けられた唯一の傷、これは忘れてはならないから」

 

目を閉じ当時を思い出すVector、彼女はグリフィンや鉄血、どちらかの所属ではなく報酬さえ積まれれば如何なる暗殺も行っていた今は記録すら存在しない組織の人形であり指揮官の母親の殺害も組織からの命令であった、内容はシンプルに彼女は知りすぎ更に鉄血グリフィン双方にダメージを与えかねない証拠も握った、故に消せというもの

 

そして決行日、ターゲットである彼女が帰宅した瞬間、既に潜んでいたVectorが音もなく現れ右手をその腹部へと貫こうとするが

 

刹那、気配も完全に殺していた彼女に気付き即座に振り向いてナイフを振るう、Vectorもそれには驚いたが勢いは殺さず最低限の回避を加えつつ、そして

 

「っ!!ゴッフ……くそ、衰え、たなぁ」

 

「あれで衰えた?そう、やはり殺すには惜しいほど優秀ね……だがその愚かな好奇を、恨む事ね」

 

Vectorの右手は彼女の腹部を完全に捉え、一撃で屠るはずだった、だが彼女はナイフが左頬を掠る程度だと即座に判断すると身体を捻り致命傷を避けた、それは人間であるはずの彼女が見せた人形である自分をも超える反応速度

 

お蔭で一撃にはならなかった、更に今まで傷一つ付けられずに始末していたVectorの左頬には深くはないがかと言って浅くもない一筋の傷が浮かび、Vectorは貫いた右手を引き抜きつつ称賛の意込めてそう言葉を彼女に投げかける

 

「好奇じゃ……ないさ」

 

「では、何だというの?」

 

「娘を取り戻そうとした、だけ……よ」

 

「そう、だとしたら相手が悪かったわね」

 

Vectorはそれだけを聞いてから興味が失せたかのように命令通り証拠を全て処理して消えるように去っていった。それから組織は鉄血が壊滅したと同時に存在を消して、Vectorはグリフィンに保護される形で生き残ることになる

 

後にその娘が指揮官をしていると聞きVectorはこの司令部に来たのだがその時はその時でM1895と軽く一悶着あったのだが双方それは割りとどうでもいいと思ってることなので割愛

 

思い出から意識を戻せば煙草は殆ど燃え尽きていた、勿体無いなと思いつつそれをしっかりと処理して

 

「戻るわ、煙草ありがと」

 

「構わぬよ、わしはもう一本吸ってから戻るのじゃ」

 

吸いすぎないようにと一つ忠告を付けてから彼女は屋上を出る。一人残ったM1895は箱から一本出そうとして……深く溜息をついた

 

「まさかだと思うが、あやつあれが最後の一本だと知っておった訳ではあるまいな」

 

居ないはずのVectorのふふっと言う何時もの笑い声が聞こえたような気がした。

 

「ま、今日はもう寝ろって事じゃろな。ではな、次会う時はそうじゃな……あやつも連れてきてやろう」

 

まぁ、何を語るかは知らぬがなと空に向け呟いてからM1895も屋上から出ようと扉を開けた時

 

「娘を頼んだよ、ナガン」

 

居ないはずの、そして聞こえるはずのないそんな声がした、一瞬驚くM1895、だが直ぐにそれに答えるように軽く右手を上げ振ってから扉を締めた




くぅつか、これにて一旦はシリアスみたいな話お終いです、暫くはまたほのぼのだよ、次どうすっかなぁ、あとVector姉貴のこの過去話は別段必要じゃなかったなこれ……

Vector時計塔モードは銃を撃つより本体性能生かし接近して内蔵致命するヤーナム狩人系人形。銃はあくまで牽制とか言い出しちゃう今作品一番の改変のされ方をしてるけど許して?

25歳児が便利キャラ過ぎてIDWと同じくらいに出演数増えそうだなこれ


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動物耳の人形

あれってどう見ても生えてるよね……?


戦術人形の中には頭部に動物の耳を模した被り物や髪型がそう見える者が居たりする、それらは勿論なのだが生えてるわけではないので触った所で特に反応はない

 

だが指揮官は思った、では彼女は?とどう見ても頭部から生えてるとしか見えない耳、見た感じは狐?といった感じの耳、そう【ART556】だ

 

話によると【Gr G41】も同じような存在らしいが居ないものは確認しようがないので割愛、とにかく指揮官はART556のその耳が気になってるのだ

 

「……やっぱりあれって生えてるのかな?」

 

中庭のベンチに座りジャムを挟んだコッペパンを食べつつ彼女はポツリと呟いた、無論一人というわけではなく隣には同じ様にジャムがサンドされたコッペパンを食べていた【P7】の姿、彼女はその呟きに

 

「生えてるみたいよあれ、私が触ったらヒュイって反応したもの」

 

「驚かしちゃ駄目だよ、でもそうなんだ、生えてるんだ」

 

「もしかして、気になるの?」

 

「え、まぁ、うん少し気になる」

 

回答にP7からジトッとした視線が指揮官を襲う、が呑気食いしん坊指揮官は特に気にする様子もなく本日5つ目のコッペパンを食べながらでもだからと言って触るのは失礼だろうしなぁとか悩んでいる

 

彼女の反応はP7からしてみれば少し面白くない、もちろん指揮官が誰にでも分け隔てなく接して皆を好きなのは知ってるし理解してる、だけどそれと今回のことは別である、何故なら自分にも耳があるからだ

 

(そりゃ、私のは生えてるわけじゃないけど、でもでもこれだって立派な猫耳よ)

 

「(もぐもぐも……?)P7、私の顔になにかついてる?あ、パンくずかジャムかな」

 

「確かに付いてるけど……むぅ」

 

言われ口元に指を運べばジャムが付いており、おおっと本当だありがとうねと笑いかけ指についたそれを舐め取る、が肝心のP7の気持ちには気付いてくれない

 

遂にしびれを切らしたP7は頭を指揮官に押し付けグリグリしだす、突然の行動に驚く指揮官だったがこの行動は子猫とかがよくやるやつだと閃き、だが猫扱いで良いのだろうかとも思ったので

 

「えっと、撫でてってこと?」

 

「うん、だって私だって耳あるもん……」

 

ああ、と納得する、どうやらこれはこの子なりの嫉妬?というものらしいと微笑み、そっと差し出された頭を撫でてあげる

 

撫でられたP7は何とも気持ちよさそうな顔でニヒヒと笑いながらもっとと要求するように頭を押し付ける、それに答えるように指揮官もまた撫で続ける

 

しばしそんな安穏な時間が流れる、だがここは中庭のベンチ、当たり前だが他の戦術人形もよく通る場所なので二人に気づいた一人が近寄ってくる

 

「気持ちよさそうに撫でられてるにゃ」

 

「むむ、IDW?駄目よ、ここは私の特等席だからね」

 

「誰も譲れなんて言ってないにゃ……相変わらず指揮官は懐かれてるのにゃ」

 

「えへへ、ここまで懐かれると嬉しいね」

 

来たのはこの司令部では一番古参の動物耳戦術人形の【IDW】二人の微笑ましい光景をもう少し近くで見ようと近づいてきて仲の良さにいつもの笑顔を浮かべつつコメントを一つ

 

それに対してP7は断固として動かないという感じにIDWを見てグリグリと頭を指揮官の膝に擦り付ける

 

(マーキングにゃ……)

 

「あ、ズルい、P7変わって」

 

「にゃっ!!??」

 

P7の猫のマーキングみたいな行動にIDWが呆れていると彼女の隣で声がし驚きのあまり飛び上がる、彼女からしてみれば先程まで気配一つし無かったはずなのにと言う感情なのだが指揮官とP7は慣れてることなのでその人物に

 

「何ステアー、悪いけど速い物勝ちよ」

 

「でもずっと撫でられてるなら、変わって」

 

「ああ、ほらほら、喧嘩は駄目だよ。こっち開いてるからおいでステアー」

 

「おめぇら、何でそんなに平然と相手できるにゃ……ああ、慣れてるのかにゃ」

 

ポンポンと空いてる方を手で叩いて呼べば【ステアーTMP】がトテトテと向かい座ってからポスンと頭を差し出す、指揮官はそれを確認してから空いてる方の手でそっと撫ででばステアーの表情が嬉しそうな、はにかんだ笑顔になる

 

あっさりと二人を陥落させた指揮官、それを見たIDWはやれやれと言った感じに微笑を浮かべ芝生に座り込みゴロンと寝転がる

 

「あれ、そこで寝るの?」

 

「いいや、寝はしないにゃ。ただここで日向ぼっこしてようと思っただけにゃ」

 

と言ってはいるが、もっと言えばこのまま指揮官達を眺めていればなにか面白いことでも起きるのではという期待の方が大きい、彼女は基本的に巻き込まれるのは苦手だが第三者として騒動を見てるのは好きなのだ

 

そして、大概はその騒動に巻き込まれるのだが、いつも何時も自分は大丈夫だろう精神なので改善されない、そう今回も

 

「あ、指揮官、こんにちはって凄い人気ね」

 

「アートちゃん、えへへ、何か懐かれやすいみたいで」

 

「それは良いことね……ところでさ、何で私二人から妙に敵視されてるのかな」

 

へ?と見ればさっきまで気持ちよさそうに撫でられていた二人が今来たART556に対して指揮官は絶対に渡さないと言うオーラを発して彼女を見つめていた、気のせいでなければオーラが猫を形取り威嚇してるようにも見える

 

「来たわね、その耳で指揮官を誑かす悪い奴め」

 

「指揮官は、渡さない」

 

「えっと、二人共?どうしたの……た、助けてIDW」

 

「どうしてそこで私を巻き込むことになるにゃ!あれだ、また頭撫でればいいにゃ」

 

そ、そうだねと落ち着かせるようにオーラを発してる二人の頭を撫で、ほら落ち着いてと言えば

 

「……今回は見逃してあげるわ」

 

「にゅぅ」

 

たちまち大人しくなる、同時にオーラも引っ込みふぅとIDWは息を吐いた、なぜ日向ぼっこしてただけでこうもあっさり巻き込まれるのにゃと思うも場所を移動せずにまた寝っ転がろうとした時

 

「な、何だか分からないけど助かったのかしら、でも二人がそんなに気持ちよさそうにするなら私も撫でてもらいたいわね」

 

「ば、今それを言うのはマズイにゃ!!」

 

ゾワッと先程までとは比べ物にならない威圧が辺りを襲う、指揮官は既に怯んでいる。そして再度現れたオーラは今度は虎とライオンを形取っていた

 

流石にこれは二人の地雷を踏んだと判断したART556は顔を引き攣らせながら後退りをし、IDWはこの新人がこんな事で命を散らさないように奮闘するのだがまぁ詰まる所、今日もこの司令部は平和だということだ

 

因みに、この騒動はIDWの古参としての意地と復活した指揮官の順番で皆を撫でるからと言う言葉で終息した、今度からは少しは日向ぼっこの場所を考えようかにゃと真面目に思うIDWであった




ART556メインで書こうとしたらP7に殆ど持ってかれたでござんす、でも可愛いからね仕方ないね

Kar様が欲しくてライフル回しても出なくて気まぐれにマシンガンレシピ回したらネゲブちゃん来ちゃってガチで困惑するリアル指揮官の図

あ、でもロリスキンあるやんやったぜ

今日の指揮官 ジャムをサンドしたコッペパン 五個


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命短し食べろよ乙女達

沢山食べる君たちが好き(白目


アストラと言う戦術人形はそうであれと作られたからなのかは不明だが結構な頻度で腹ペコ状態でいることが多い、またそれだけならば良いのだが彼女は同時によく食べる戦術人形でもある

 

腹ペコ状態、更に良く食べる、これが合わさると何が起きるか、そうその司令部のエンゲル係数は跳ね上がるのだ、それはもういっそ感動するレベルで

 

だが彼女も食べるだけの存在ではない、自分がたくさん食べ過ぎれば作る人に想像を絶する負担を与えてしまうことは理解できる、だがお腹は空く、食べたくなる

 

アストラは考えた、どうすれば誰にも負担をかけずに沢山食べることが出来るかを、考え(食べてる)、考え(お替りする)、考え(食べすぎて怒られた)、遂に閃いた

 

自分で作れば良いんだと、その時の彼女の顔はそれはもう輝いていた。これならば誰にも負担はかけないし自分が食べたいだけ作れる、更に他の皆にも振る舞えばたくさん作っても怒られない、私ってばもしかして頭いいのではと本気で思うくらいに彼女は舞い上がる

 

だが自分はお菓子の類はそれなりに作れるが料理となると少し自信がなくなることに気がついた、やはり自分で食べるとは言え作るのならば最高に美味しいものを沢山食べたくなる、特訓しよう、彼女の料理に対する情熱は並々ならぬものだった。しかし毎回では調理場に迷惑がかかるし何より材料を毎日は(自分の懐に)負担が大きい、なのでまずは週一でそれに一人じゃ寂しいからと誰か誘おうと考えた、結果

 

「今週は何が出るのかな~、楽しみだよ」

 

「ふっふっふ~、楽しみにしてくださいね~」

 

網にかかったのは我らが指揮官だった、何時かアストラとFNCをエンゲル係数係と言ってた彼女だが、本人もその一端を担っているということを自覚して欲しいと副官は静かに語る、が肝心の指揮官の耳には届いてないので今日も彼女は美味しい料理を沢山食べる

 

沢山食べる腹ペコ戦術人形、その小さな体の何処にそれだけの食べ物を収めているのかわからない指揮官、この二人が揃った食堂は凄いことになる、具体的には料理の品数は少ないのだが量が違う、例えば今日は

 

「お待たせしました、今週の特盛料理はビーフシチューです!」

 

「待ってました!」

 

ビーフシチューと言いつつ出てきたのは中くらいの鍋、そう鍋である。中くらいのとは言え明らかに二人で食べる量ではないのだがそんなの一切関係なしに互いにお皿に盛って食事を開始する

 

「ん~、今回のも美味しいよアストラちゃん!」

 

「そうですか!?良かった~」

 

ビーフシチューだけではなくパンも用意されておりそれで食べたり、やっぱりビーフシチューだけで食べたりして数十分後、そこには綺麗に空になった鍋と満足気な顔の二人、そして軽く引く周囲、鍋であったはずのビーフシチューはこの少女二人に敗北したのだ、決して初めての光景ではないがそれでもどんな食欲だと言いたくなる

 

これで後日、指揮官がお腹を壊したとか言えば彼女も自重したのかもしれないがそういった話は全く出てこない、彼女の食欲と消化能力はこの司令部の七不思議の一つになりだしている

 

「ではまた来週を楽しみにしてくださいね!」

 

「うん、あ、洗い物手伝うよ」

 

「では食器をお願いしますね、私はお鍋とか洗っちゃいますから」

 

こうして、その週の大食い二人の夕食は終わる。アストラはこうして着実に腕前を付けいく、まぁ彼女的には美味しい美味しいと言い、自分の大食らいにも付き合ってくれる指揮官を更に笑顔にするべく腕を磨いてるに目的が変わり出しているが

 

その日の夕食が終わり片付けも終わればもう次のメニューを頭の中で考え始める、あれは先週、これは先々週、何時かは同じメニューも出てきてしまうが出来る限り新たな料理に挑戦するようには心掛けている、あれでもないこれでもないと考えることも最近では彼女にとっての楽しみになっている

 

そして翌週、散々悩んだ彼女だったが思えば毎回鍋物だったなと思い、ならばと今回用意したのはスペイン料理でも有名であり、有名であるからこそてっきり指揮官は食べたことがあると思い作らなかった料理

 

「じゃーん、今回はパエリアを用意しました!」

 

「おお、パエリア、そう言えば食べたこと無かったかも。えっと、確かパエリアを炊く人が女性の場合はパエジェーラって言うんだっけ、本に書いてあった」

 

「そうですね、でも指揮官はパエリアを食べたことがあると思ってたのですがなら良かった、今回も沢山あるので食べましょう!」

 

当たり前のように何処で買ったのかは不明だがそれなりに大きなパエリア鍋がテーブルの中央に鎮座して各自皿に盛る形になっている、もう誰も突っ込まないし気にしない、何だったら興味が出た人形が私も私もと貰いに行くくらいに慣れ始めている

 

「ふはぁ、皆で食べると美味しいね~」

 

「ですね、やっぱり料理は皆とが一番!……でも無くなるのも早いですね」

 

「まぁ、仕方ないんじゃないかな、私は大丈夫だよ?どんな量でも満足できるからね!」

 

「そうですか?でもまだまだ食べたい人もいるだろうし……うーん」

 

アストラ考える、なら次からはもうちょっと多く作ったほうが皆幸せではと、結果、翌週から一回り大きくなった。大きな鍋は調理場にあったが大きなパエリア鍋は無かったのでやはり何処からか仕入れてきた、彼女はカリーナに頼んだとのこと

 

こんな日々が続き、気付けば週一のアストラが作る大盛り料理は話題になり、大食らい第二号【FF FNC】も参戦、結果、メイン料理の他にスイーツが増えた、これも当たり前のようにデカイ、もしくは量が多い

 

(今度は何作ろうかなぁ、新しい料理、うーん、ふふふ、今から楽しみだね!)

 

今日も彼女は考える、皆が幸せになる料理を、自分がたくさん食べれる料理を、彼女は知らない、それがこの司令部の幸せの一部になってることを、知らないからこそ今日も彼女は考え、料理を振る舞うのであった




やだ……最近、指揮官が食べてばっかり、し、仕事してるから、大丈夫大丈夫

アストラちゃん多分こんなキャラじゃないけど、この司令部じゃこんなキャラで押し通す!!

指揮官、FNC、アストラとか言うこの司令部のエンゲル係数上げちゃってる三人衆、まぁ戦術人形沢山いるし三人くらい誤差だよ誤差!


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倉庫管理はお任せを

でも最近は物資に困ってない


司令部の倉庫、もとい物資保管庫エリア、弾薬から食料、医療品、とにかく基地で必要な物資全てを管理しているエリア、今まではカリーナが担当していたのだが彼女も秘書としての仕事や作戦報告書の作成などもあり流石に仕事を回しすぎてると思った指揮官が誰か管理できそうな人形は居ないかと募集をかけた所

 

「ではわたくしが担当します」

 

名乗りを上げたのが【92式拳銃】それから彼女はエリア長となった。基本的な業務は物資の点検、搬入作業と普通の仕事もあれば中には指揮官が着任する前から何故か大量に放棄されていた物資の整理、偶に入り込んでくる動物の捕獲等など少し特殊なものから多岐に渡る

 

その日も彼女はエリア内を歩きつつ同じくこのエリアで配属された人形から今朝渡された資料をペラペラと捲りながら読んでいく、その間も自身のダミーに指示を出し倉庫内の点検をさせる

 

「どの資材もまだ大丈夫そうですね、一時期はどうなるかとも思いましたが何とか安定に入ったようですね」

 

良かった良かったと思いつつ、次のページを捲る、そこには装備の在庫等が事細かに書かれている。アタッチメント、弾倉、防弾チョッキ等の人形自身の装備、どれも戦場に出る彼女たちの助けになるものなので管理も厳重にされている

 

使われてないのも存在しているがそれでもまだ倉庫に余裕はあるのでこれも問題ないとして、次を捲った時、ふと視界を誰かが通る

 

「今のは?」

 

と視線を向ければ【AAT-52】の後ろ姿、一体何をと訝しんでいると少し遅れて【ガリル】が来たのでどうしたのかと聞いてみれば

 

「すまん、AAT-52が保管庫入った聞いて捕まえよう思ったんやけど、すばしっこくて全然捕まらなくてなぁ」

 

「なるほど、こちらのダミーを2体貸しますので利用して下さい」

 

「ホンマか?そりゃありがたく使わせてもらうけど、そっちの仕事は大丈夫なん?」

 

「問題ありません、寧ろ彼女を捕まえるほうが先決と判断しただけです」

 

分かった、すぐ捕まえるわとガリルはその場から去る、今のようにこの保管庫エリア、かなり大きいので一部戦術人形の遊び場になることもよくある、一応重要エリアではあるので見かけたら捕まえ出てもらうようにしているがそれすらも遊びにしているので92式も若干諦めてるところがある

 

とにかく小さな遊び人はガリル達に任せるとして捲ってそのままのページに視線を落とす、そこには医療品、雑貨、衣料品、食料、調味料、その他生活物資の項目、娯楽品もこれらに入りこの司令部はそこの項目が特に多い、特に菓子類やお酒この二項目だけで一ページずつそのうち出来るのではないかという勢いまである

 

(スプリングフィールドのカフェとBARの利用者も増えましたからそこからの注文も増えましたね……最近BARには行ってない、今度の休みに行こうかしら)

 

因みに彼女は静かに飲むのも好きだが三人以上で会話しながら飲むのが好きだったりする、なのでお酒が無駄とか欠片も思ってない、と言うより弾薬とかの無駄は嫌うが娯楽品等に関しては必要物資という認識である

 

それにしてもと彼女は思う、これだけ色々と仕入れながらも破綻しないこの司令部の財力どうなってるんだと、確かに作戦の参加数は多いし細々とした任務もかなりこなしているからであるのだろうがそれ以外にも戦術人形たちの趣味で稼ぎになってたりする場合もある、それは色々と大丈夫なのかと言われそうだがお咎めは一度もない

 

(特にスチェッキンの移動式屋台は馬鹿になりませんねこれ、彼女結構やり手ですよね)

 

やるなら儲けは勿論出すよと言ってたが本当に出してしまうとは思わなかったと92式は素直に感心してしまう、自分では節約が精一杯でそこから増やすというのは出来ないだろうと考えている

 

思考が明後日の方向に行ってたのを元に正しを何とか留め、次のページを捲る、がその時ガリルの叫び声とおちょくるようなAAT-52の笑い声、更に何時増えたのか【コルトSAA】の声まで聞こえ何やってるの司令部一の年長者(禁句)と少し顔が引き攣る、どうやらガリルとダミーだけでは分が悪そうなので通信機に手を掛けて応援を呼ぶことにした

 

「こちら92式、ルガーP08、聞こえますか?」

 

《はい、聞こえます、どうかなさいましたか》

 

「保管庫に小さな侵入者、ガリルが対処してますが分が悪そうなので応援をお願いします、ダミーの使用も許可します」

 

《Jawohl、すぐに取り掛かります》

 

まぁこれだけやれば問題ないでしょうと通信を切り、資料を読む、そこには保管庫整理の際に出てきたガラクタ、及び物資の数々の項目、指揮官も覚えがないとのことなので以前からあった物だと思われるそれはかなりの数があり、しかも笑えないことに未だに出てくるということもある。ここの前の指揮官は何をやってたのかと思わず愚痴りたくなるが意味がないのでぐっと堪える、それにどうせお酒が入れば勝手に愚痴となる

 

(しかし妙なものが多い、できれば放置できればいいですが中には使えるものが混ざってたりもするからそれも出来ない、こっちはまだまだ掛かりそうか)

 

まぁ急がなくてもいいと指揮官さんも言ってるのでのんびり整理しますかと思いつつ今回の整理で出てきた物の項目を見てみる、殆どがやはり損傷が激しく使えないだったりそもそも用途不明だったりのガラクタだった。尚、後にこの項目を見た指揮官が自転車に興味を持ち、乗ってみたいと言い出してちょっとした盛り上がりになるのはまた別の話

 

因みに今回、保管庫を遊び場にしたAAT-52とコルトSAAは無事捕獲され92式に軽く説教を受けた、がその間に今度は猫が入り込み捕獲に苦労することになる




司令部保管庫エリア、特徴は無駄にデカイ、最近また大きくした。基本的にエリア長の92式を基本に6人と+ダミーフル動員で管理しているが遊ぶ側も全力なので中々捕まらない、動物となるともっと捕まらない

色んな戦術人形を出してあげたいけど書いてると出るキャラが偏りだす現象に名前をつけたい


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時にはこんな場面でも

仕事中でも茶目っ気を見せ始めるおばあちゃんの図


M1895が部隊長を務める【第一部隊】は最近出撃は練度を均一にするために他の部隊に任せることが多かったのだがその日は珍しくM1895から

 

「偶には出んと流石に鈍るか」

 

と発言、なのでと廃墟の街の探索、及び鉄血の再侵入か残党が残ってないかの巡回に出撃、そして今現在彼女たちは

 

「ええい、偶にはとか言ったらこのざまじゃ!!滅多なことは言わんべきじゃのう!」

 

「文句言ってる暇あるなら撃ってくれるかしら!?」

 

鉄血の小規模集団とかち合い絶賛銃撃中でした、幸いハイエンドは混ざっておらず、近くに元が何の建物だったかは不明だが遮蔽物となる物もあり距離も保てているのだが敵は【Vespid】と【Guar】を中心としその後衛からそれなりの数の【Jaeger】が狙撃してくる、お蔭で満足に顔を出しての撃ち合いは出来ずに【WA200】が何とかJaegerを片付けてくれなければジリジリとVespid、Guarに距離を詰められるという状況に陥っている

 

がこの程度で焦る彼女たちではない、寧ろこれを楽しんでる節まである。忘れてはいけない彼女たち第一部隊は司令部設立から殆ど変わらずのメンバーであり第一線を駆け抜けてきた面々なのだ、これ以上にやばい状況は腐るほどあったので上記のM1895と【FAL】の言い合いも顔は笑っていた

 

「ですが、このまま押し込まれたらちょっと不味くないですか、部隊長、うわっとと」

 

「身を出しすぎ、指揮官に怪我しましたって報告したいの?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

危うく被弾しそうになる【一〇〇式】に忠告しつつ壁から顔を出して銃撃を浴びせる【ST AR-15】普段を知ってると中々に苦笑を浮かべる姿だが彼女は基本的に任務中では頼りになる人形だ、ちょっと普段がネジが抜けてるだけであって

 

「WA、まだ片付かんか!」

 

「簡単に言わないでくれる!?高所取ってるならまだしも同じ土俵で前がワラワラ居るのに後ろだけ狙い撃てって言ってるようなもんよそれ!」

 

「なんじゃ、出来んというのか」

 

「出来るわよ!ただ簡単に言うなって、だけよ!!」

 

こう言い合ってる間にもWA2000は集団後ろのJaegerを着実に撃ち殺していく、が向こうもダミーが居るためかまだそれなりの数が残っている。対してこちらはと言った所でWA2000が悪態をつく

 

「ああ、もう!ただの巡回だからって言うからダミーなんて最低限しか連れてないわよ、数の差ってキツイって理解できてる部隊長!」

 

「わしだって既に制圧済みの地域でこんな集団が警戒網を抜けて此処まで来とるなんて思っとらんわ!あ、いやこういった自体は想定するべきじゃったな、謝るのじゃ」

 

「急にしおらしくなるなっ!?やってくれるわね!!」

 

「ナイスショット!って敵が足を早めた!」

 

「Jaegerの数が少ないのかもしれないわねって、部隊長、集団右からDragoon、数は10、ダミーあり!」

 

顔スレスレにすっ飛んできた弾丸のお返しとWA2000が怒りのスナイプでJaegerを二枚抜きした時、敵集団の動きが早くなる、それを疑問に思ったFAL、そして推測を立てたAR-15の視界に特徴的な二足歩行兵器が現れたのを確認、Dragoonと呼称されているそれは集団から素早く抜け出すとその足の速さを生かして彼女たちに接敵せんと移動を開始する

 

「数だけでも減らすんじゃ!流石に一辺は被害が出るぞ!」

 

「言われずとも、それに私がその機動を読めないとでも?」

 

FALの自信に溢れた言葉と同時に打ち出される榴弾はDragoonの集団の前、回避できない位置で爆発、周囲の鉄血と共に吹き飛ぶがそれでも全滅とは行かない、どうやら一部は盾になる形で免れた用で損傷らしい損傷が無い

 

それに思わず舌打ちするFAL、彼女の中では今のはベストな射撃だったという感情だろう。その間にも敵は彼女たちが立て籠もる地点に接近、そして

 

「ここまで接近されたら、仕方ないですよね、一〇〇式、参ります!!」

 

「ちょっと、一〇〇式!?部隊長、一〇〇式がって」

 

「ほれほれ、接近すれば勝てるとでも思うたか?年寄りを甘く見るのも大概にするのじゃ!」

 

「部隊長も!?ああ、もう。AR-15、一〇〇式の援護を、私はあのアグレッシブおばあちゃんの方に行くわ。WA2000、貴女は引き続き数を減らして、もうそんなに掛からないでしょ?」

 

「はっ、もう終わるわよ!」

 

「了解、全く誰に似たのかしらね彼女……」

 

AR-15が溜息をつきながら銃撃を交えた総合武術格闘術で大暴れする一〇〇式の援護に入ったのを確認してからFALも同じ様に暴れるM1895の援護に向かう

 

システマ、ガン=カタを駆使した彼女独自の戦闘術は初見は勿論、見慣れているFALでも未だに読み切れない、伊達に長生きしてるわけではないからのうと彼女は言ってたが何をどう生きればあんな闇鍋の接近術を会得できるのか割りと真面目に疑問に思いながら愛銃で援護するFAL、気付けば殆どの敵を殲滅した所で物陰に居た一体がM1895に襲いかかる

 

「部隊長!」

 

「分かっと……」

 

無論、彼女も気付いており銃口を向け引き金を引いた時、弾丸が入ってるのにも関わらずカチンという音が鳴り響きM1895が苦虫を噛み潰した顔になる

 

「(発火不良(ミスファイア)!?)チッ!」

 

「なぁんてなぁ!!」

 

発火不良(ミスファイア)に気付いたFALが彼女を救うべく撃とうとした時、M1895のそんな陽気な声と同時にVespidの胴体と顔に合計4発撃ち込まれ、沈黙。見ればM1895の左手にも銃が握られていた、どうやら予備としてもう一丁持ってたらしい

 

二人は周囲を警戒して、次いでWA2000、一〇〇式とAR-15から敵の殲滅を聞けば互いに息を吐く、それから

 

「二丁持ってたなんて知らなかったわ」

 

「言っとらんからのう、役に立つとは思わんかったが……」

 

「それと一〇〇式が変な影響を受けて接近戦ジャンキーになるから程々にして欲しいわね、おばあちゃん」

 

「知らん、それはあやつが勝手に影響されとるだけじゃ、わしは昔から故に今更変えられんぞ」

 

その言葉にやれやれと肩をすくめる、しかしとM1895は思った、そろそろ自分での整備ではなく一度は専門を呼んで見てもらうべきかもしれんと、流石に今回の発火不良(ミスファイア)は肝が冷えたらしい

 

因みにこの小規模集団はどうやら警戒網にあった穴を通ってきてたらしく、この襲撃後、担当してる基地に話したら無事防がれ、暫くは平和が訪れた




ナガンおばあちゃんの影響を受けて接近戦ジャンキーになる末っ子一〇〇式ちゃん(尚、ナガンおばあちゃんが戦闘スタイルを直すつもりはない模様

最後の専門はぶん投げ伏線、でも大丈夫ならそろそろ出したいとも思ってる

……でもミスファイアって弾薬の問題だっけ?一応銃側の異常でもあるんだっけ?(知識曖昧


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銃整備出張サービス Session 1

指揮官とカリーナ以外に人間が居ないこの司令部の今まで浮上しなかったのが不思議な問題点

Warning Warning Warning Warning

【ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー】からガンスミス兄貴が来ます、本家を皆も読もうな!!


その日、執務室は妙な緊張感に包まれていた、居るのは副官であるM1895と指揮官だけなのだが彼女の顔は若干引き攣り、それをM1895が見て溜息をつく

 

「もう一度言おう、一回主力戦闘部隊の銃だけでも外部から専門に来てもらい、診てもらうべきじゃ」

 

今更な情報だがこの司令部には指揮官とカリーナしか人間がおらず、データベースの管理はカリーナ、基地運営は指揮官とM1895、その他は人形たちが自主、もしくは指揮官に任命されて兼業として回しているのがこの基地だ

 

そして、戦術人形たちには命とも言える愛銃の整備に至っては彼女たち自身に任せていたのが現状であり、一応今まで問題は出ていないが今後もそうかと言われると首を傾げるしか無い、はっきり言えば個人の整備なのでキチンと診れてるか怪しいというのがM1895の主張

 

なので今回の彼女の提案は誰もが頷くであろう、指揮官も前線で戦っているM1895の言葉には納得している、がここで問題なのはその専門だ。当然、人形が銃の整備を本業にしているとは聞いたこと無いため呼ぶとなれば来るのは人間、そして責任者として前に出るのは勿論だが指揮官となる。そうなると彼女の目と人間不信が問題になる、人間をマネキンとしか捉えられず、人間不信が手伝ってロクに会話できなくなれば相手からの心情も非常に悪くなる、それを気にして指揮官のストレスが溜まる、一種の負のスパイラルである

 

「必要だよね……ナガン達の身を守ってくれる大事なものだし」

 

「うむ、寧ろこれまで問題にならなかったのが奇跡じゃ、この司令部が立ち上がってから細々な戦いから、激戦とも言える作戦もあった、そろそろ診てもらわねば近い内に事故るじゃろう」

 

M1895の強い言葉にうぅん、と指揮官は唸る。彼女としては二つ返事に頷きたいのだが上手く対応できるかが不安で頷けないのだ、だがそこは今日まで副官としてそして祖母として彼女と接してたM1895、実を言うと既に手は打ってあった

 

「お主の不安も理解しておる、故にペルシカに相談を飛ばしたのじゃがそしたら宛があると言って来てな」

 

「それってつまりのペルシカさんのお墨付きってこと?」

 

「いや、一度しか会ってはないが腕は確かで人も良いから大丈夫だろうとのことじゃ、それでその相手に取り合ってもらって当たり障りない感じに事情を話した所、昨日ここに連絡が来た」

 

ん?とそこで指揮官の頭上に疑問符が浮かぶ、そんな電話取った記憶ないぞと、余談だが人間とは上手く会話できない彼女だが電話越しとかならば仕事モードとして普通に応対できる、面と向かってとなると駄目なだけ。

 

「ああ、すまぬ、わしに繋がるようにしてたのじゃ。それで連絡が来て話し合った所……明日の朝から来て診て貰えることになったのじゃ」

 

「事後報告!?いや、まぁナガンが決めても問題じゃないけど、そうか、なら私も頑張らないと……えっと、報酬?も必要だよね、もう提示したの?」

 

「一応、相手側からこれくらいとは出たが……まぁその三倍でも出しておけばよいじゃろ、同じ地区の基地からの出張とは言え道中は危険なのは変わらんしな、それの技術は高く買うものじゃ」

 

「……ん?同じ地区の基地から?え、基地所属の人呼んで大丈夫なのそれ!?」

 

M1895から出た思わぬ情報に驚きの声を上げる指揮官、それもそうだろう他の基地所属の人間を、しかも銃の整備出来る人間を呼びつけるなんて失礼極まりない筈だと彼女は狼狽える、だがM1895は呵々と笑いそれがな指揮官と前置きをして

 

「どうやら、其奴は出張サービスなるものを受け取るらしいのじゃよ」

 

「基地所属なのに?」

 

「うむ、不思議じゃろうがそのお蔭で今回は助かっているからな、触らぬが吉じゃ」

 

まぁそれならいいかとなり、それから指揮官とM1895は明日までに必要なこと、診て貰う予定の銃の資料を纏め送付、移動経路の巡回、及び警備を緊急的に配備、帰りの際の護衛部隊の編成、作業場予定の場所の掃除、整備等々etcに一日を費やして

 

翌日、その日は基地も例の休日にして警備は今回、診てもらわない戦術人形たちに割り振り、それ以外は基地に居てもらっている。そして正門前では指揮官とM1895が待機しその出張サービスを待っていた、が今回は何時かのF小隊のように人形相手ではないのでその顔には緊張が見られる

 

「……平気か、指揮官」

 

「だ、大丈夫だよおばあちゃん、うん、大丈夫」

 

大丈夫に見えんのだがのうと思いつつそれでも今回は彼女には頑張って貰わねばなと少々心を鬼にする、と言うのも今後、この基地に人間が来ないとも限らないからだ、なので少しずつその時の対応を彼女に覚えてもらおうというのも今回の銃の整備で目論んでいた

 

《こちらM1ガーランド、例の整備士が乗ってると思われる車が今通りました、もう間もなくそちらでも確認できると思います》

 

「わ、分かった、ガーランドちゃん達ももう撤収していいよ、ごめんね、休日なのに警備してもらっちゃって」

 

《いいえ、指揮官からの命令ならば何時でも出撃しますよ、では撤収しますね》

 

「ふぅ、うん、大丈夫」

 

気合を入れ直すように指揮官が呟いたと同時に世間的には珍しいのだがこの司令部にとっては車を収集しているグリズリーのお蔭で珍しくないガソリン車が二人の視界に映り停車する

 

運転席と助手席が開かれそこから現れたのは男性と……

 

「むむ?ワシが居るぞ?」

 

「珍しくもないだろうよ、っと今回出張サービスを利用頂きありがとうございます、ガンスミスです」

 

「ご丁寧に、わしはこの基地の副官を務めておるM1895じゃ、そうさな、そっちとゴチャゴチャになるのもいかんし副官と呼んどくれ、でこっちがほれ」

 

「あ、えっと、この基地の指揮官です、本日は遠路はるばるお越しいただき誠にありがとうございます」

 

ガッチガチに緊張してる声とお辞儀をする指揮官、それを見たガンスミスとナガンM1895の気持ちが一つになる、大丈夫なのかこの娘と。そして副官は深い溜め息を付いていた




ガンスミス兄貴とあっち側のM1895ちゃん出てきたの最後の最後とかお前……お前……次のSessionからメインだから許して(土下座)うーむ、ガンスミス兄貴の口調は再度よく読み直さなければ、ちくせう、お仕事じゃなかったら一日中読み漁って形にできるのに、まぁ明日と明後日は休みなのでそれで頑張ろう!

提示額出されたからのじゃあ三倍でも出せばいいだろうとなるしそれを指揮官も止めないくらいに色々金銭感覚怪しい二人、片やは技術は高く買うもの思考、片やはそもそもそういったことに弱いので問題ないなら沢山渡してもいいよね思考

ペルシカさんダシに使ったけどガンスミス兄貴とペルシカさん、ドア・ノッカーの話で一回しか接点ないしその時だって初対面やん……ってくらいのガバッぷりよ、怒られても文句言えねぇな私?(土下座外交

そしてゲスト回毎度おなじみ、Session幾つになるかは不明です(ガバガバ計画)そんなに長くはならないとは思う……多分



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銃整備出張サービス Session 2

指揮官、初めての人相手の案内

ここからは
本作のM1895→副官、一人称は「わし」
相手側のM1895→M1895、一人称は「ワシ」
と表記します、こうしないと私がパンクする(既にしてる


ガッチガチの指揮官の挨拶、それでも頑張ってる方というのが何とも悲しいものじゃと副官は思いつつ

 

「すまぬな、事情はどの程度まで聞いておるかは知らぬがまぁ、指揮官はちょいと特殊な事情で人間不信と人見知りが酷くてな、悪気はないのじゃ」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「ああ、いや、大丈夫だ。一応の事情は聞いてるからな。だからそこまで気にしないでくれ」

 

「おお、そうじゃそうじゃ、この男にそこまで縮こまる必要は無いぞ~」

 

唯でさえ小さい体を更に小さくして謝る指揮官に慌てながらフォローを始めるガンスミス、更に場を和ませようとしたのかM1895もそう発言すれば指揮官が珍しいものを見たとばかりにキョトンとする

 

「……人が違うみたい」

 

「む?そりゃ環境が違えば性格も差異が出るじゃろ指揮官、っととあまり外で話すのも何じゃ、作業場まで案内しよう、車は……そこの車庫で良いぞ」

 

相手のM1895のお蔭で若干の緊張から解かれた指揮官に思わず安堵の息を吐きながら副官は二人にそう伝え、二人も車に再度乗り込んで指示された車庫に入れる

 

車内から仕事道具を取り出して降りてきた二人を確認してから自分の側を離れない指揮官の方を見て

 

「では行こうか、指揮官、案内くらいは出来るよな?」

 

「も、勿論。えっと、じゃあこっちじゃなかった、こちらです」

 

精一杯頑張ってますという感じに震えてる声で先導を始める指揮官、その健気な頑張りを微笑ましそうに見るガンスミスとM1895

 

一方副官はと言うと先程までよりはマシになったがそれでもガッチガチの指揮官に片手を顔に当ててまた深い溜め息を付く、事前に来るとわかっててこの有様なので突発的な場合はどうするべきかと今から悩ます

 

とりあえず後で考えることにしようと割り切り、視界を戻せば指揮官はM1895と初対面なのが嘘みたいに会話しており、やはりこうなるかと思っているとガンスミスからの視線に気づく

 

「なんじゃ?いや、まぁ、普段は大丈夫な指揮官じゃよ……人が極端に苦手なだけじゃ」

 

「そこの心配はしてないんだが、副官の指揮官を見る目が妙に親っぽいなって思ってな」

 

「む、そう見えるか、そうか、思ったより顔に現れやすいのかのう」

 

実を言えばあの過去を分け合ったときから更に顔に出やすくなってるのだが周りは黙ってるので副官は知らない

 

とまぁ、そう指摘されれば少々気恥ずかしそうに頬を掻きながら、M1895と楽しげに会話する指揮官を見る、それから

 

「まぁ、慌て過ぎも良くない、か。じゃが、ほれ!客人を放おってどうすのじゃ!」

 

「ひゃっ!?」

 

「中々におっかないおばあちゃんなのじゃ」

 

「人の事を言えないだろ」

 

カツカツと指揮官に近づいてから説教を始める副官にM1895とガンスミスがヒソヒソとそんな感じの会話をする、と言っても2~3分で切り上げてから、で次はどうするか覚えておるかと聞いてみれば

 

「あ、ご、ごめんなさい!ええっと、何だっけ」

 

「はぁ、ゴホン、今日の予定を話しておくのじゃ。と言っても前もって書類は送ったので目は通してあると思うが」

 

「今回は本格的な整備ではなくて定期診断みたいな感じだろ?」

 

「うむ、数が数故にな、いくらお主等が出張サービスしてるとは言ってもで何日も拘束してはそっちの基地に迷惑がかかるだろうからの、なので今回はとりあえず今日中に収まりそうな数を見て貰い、今後必要であればその時また考える形になる」

 

二度手間にはなるがこればかりは致し方あるまいと、と言った所で指揮官が立ち止まり

 

「こ、ここです、必要な設備等は用意してます」

 

「おお、良かったな、中々に立派な作業所だぞこれ」

 

「作業所自体は以前からあったのじゃが如何せん本格的に使う者が居らずホコリを被っていたのじゃが漸く日の目を見よったな」

 

「いや、助かるなこれは、それで彼処に並んでるのが今回の銃達ね、確かにそれなりの数があるな」

 

丁寧に並べられた銃を見てガンスミスが呟き、部屋に入るなり持ってきた道具を広げる、対してM1895は部屋には入ったが適当な椅子に腰を掛けガンスミスが準備をするのを眺めている

 

「M1895さんは手伝わないの?」

 

「ワシは奴の引率じゃよ、見とらんと何処に行くかわかったものではないからのぉ」

 

ここで指揮官思う、M1895は何処の基地でもこういう人なんだなぁと、彼女は純粋である、そして人形の言葉には無条件で信用する、なのでM1895の言葉に裏というか別の答えが混ざってることには先ず気づかない

 

そして副官はそれを聞き、気付きはしたがまぁ教えんでもいいじゃろとスルーしつつガンスミスの側に向かい

 

「さて、とりあえずこの部屋には一通りの設備等はある、だが他にも必要になったものがあれば言ってくれ、すぐに準備できるものであれば用意するのじゃ」

 

「とりあえずは大丈夫だ、それに今回は診断と短時間(個人比)で出来る整備だからな、持ってきた道具でもなんとかなるよ」

 

「そうか、それならばそれで助かるのじゃ」

 

さて、他には何かあったかと考え始めるとあ、っと指揮官が声を上げる、それから一回深呼吸を挟んでからガンスミスに

 

「え、えっと、お二人はお昼はどうしますか?」

 

「おお、それを忘れておった。食堂で食べるというのならば時間になれば案内するがなにかリクエストはあるか?」

 

「あ~、じゃあ、それでお願いするかな、お前もそれでいいよな」

 

「うむ、しかし至れり尽くせりじゃな」

 

「同じ地区でも、移動は危険だから……だから色々用意してます」

 

ほう、それは楽しみだのぉとM1895が呟くがこの時彼女も、そしてガンスミスも知らなかった、先ず食堂で自分の基地にいる彼女と違いすぎる戦術人形と出会うことを、そして仕事が終わり報酬の話になった時に出される予想を遥かに上回る金額を

 

それはまぁ少し未来の話なのでガンスミスはじゃ仕事を始めますかと作業を開始、また指揮官は何かを決心した様子でガンスミスの後ろ姿を見ていた。因みにM1895と副官は二人で何やら語り合い始めていたのだが指揮官とガンスミスが知る由もない




(話進むの)おっそーい!(ぜかまし並感)ぶっちゃけ物語の構想だと日帰りの予定なんですが現実的じゃない気がしてきたぞ、まぁかなり数絞って前もって資料送るとかして……何だお前ガバガバじゃねぇか

そしてナガンとナガンで喋れすとゲシュタルト崩壊で色々難しいとか思ってたけどそれ以上に対人モード指揮官が書きにくいと思った、誰だよこんな面倒な娘にしたの私だよ、でも自分の基地だし周り味方の人形だからこれでも軽減されてるんやで?

次回 この司令部の名物戦術人形をガンスミス兄貴にぶつける度胸


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銃整備出張サービス Session 3

少しだけ緩くなる人を信頼する気持ち


黙々と銃の点検を始めるガンスミス、当たり前だがそれは非常に慣れた手付きであり、指揮官にはどれをどの様に点検しているかはよく分からないがそれでも仕事が速い人なんだなというのは漠然とだが分かった

 

また彼女にしてみればこのような整備風景は初めて見るものなので見てて楽しく、最初は後ろから距離を離して見ていたのだが気付けば、ガンスミスから距離を離しているが隣にしゃがみ込んでその作業をじっと眺めるくらいに興味に惹かれていた、まぁ指揮官から見たガンスミスは未だマネキンではあるが

 

数時間、ただひたすら作業をするガンスミスの手元を少しキラキラした目で眺める指揮官、その視線に遂にガンスミスから声をかけることにした

 

「あ~、その、見てて面白いか?」

 

「はい、あ……お邪魔でしたか?」

 

「邪魔というわけじゃないんだが、暇にならないかと思ってな」

 

「暇、にはならない、です。見てて楽しいですよ?」

 

遠慮気味にそう言ってから微笑む指揮官、ガンスミスも方も特に反応もなくそうかとそこで会話は途切れたがその光景に驚いたのは副官、M1895と会話してた彼女だったが指揮官がガンスミスの隣まで行った辺りから驚くように見ていたのだが会話までしたものだから何とも嬉しそうに笑い

 

「なんじゃあやつ、存外に出来るではないか、しかしそうかこれは盲点じゃったな」

 

「何が盲点なのじゃ?」

 

「ガンスミスも人当たりが良いから兄のような立ち位置に固定したのじゃろう、人間の男性とは接する回数が極端に少なかったのもいい方向に働いかもしれぬ」

 

副官の推測は外れではないが当たりでもない、人当たりが良いからは合ってるのだが兄としての立ち位置ではなく、M1895達の銃を大事に整備する人=この人は信頼しても大丈夫と指揮官が思ったので先程の会話が可能となっている、と言うより彼女の中に兄とはどういうものかの知識がないので立ち位置も何も無いのもあったりはする

 

だがM1895は副官のその言葉に苦笑を浮かべ

 

「あれを兄?やめとけやめとけ、そっちの指揮官に変な影響が出るのじゃ」

 

「そうか?じゃがアヤツの人間不信解消の糸口になるかもしれぬと思ったのじゃがなぁ」

 

「何話してるんだろ、おばあちゃん」

 

つい、今日が休日だったのでポロッとそう呟いてしまい、あっと口を手で抑える。今は客人が居るのでどう考えてもオフではないと気付いたのだ、そして今の呟きはしっかりとその場全員に聞こえ

 

「……指揮官」

 

「ま、まぁいいんじゃないか?」

 

「呵々、会ったときから思ったが可愛らしい所があるのぉ、お主の指揮官は」

 

「うぅううぅううぅううぅう」

 

何時かの『お母さん』事件の時みたいに顔を手で覆い蹲る指揮官、若干場が混沌としてきた時に作業場の扉がノックされ

 

「皆様、昼食の用意が終わりましたのでお迎えに……お嬢様?」

 

「今は触れないで……G36」

 

はぁ、と何が起きたかはわからないが頷いたG36はガンスミス達に軽く会釈をしてから

 

「本日はようこそお越しいただきました、私この司令部でメイドをしております『G36』でございます、そちらの準備が済み次第、食堂へと案内させて頂きます」

 

「もうそんな時間じゃったか、どうじゃガンスミス、進捗は」

 

「問題ない、資料でもある程度状況がわかってたし、実際に見てみたがどれも丁寧に整備されてて思ったよりも悪い状況じゃないからな」

 

「では行こうか、ほれ指揮官、さっさと復活するのじゃ、それともう呼んでしまった以上は今後はオフの呼びで良い」

 

それはそれでキツいのでは?とガンスミスとM1895は思うが口には出さず、指揮官もそれで納得して復活したので一同は食堂へと向かった

 

食堂、G36が前もって席を用意しておいたようでそこに案内されて、では少々お待ちくださいとG36が厨房へと消える。それから少しして現れたのはサンドイッチが乗った二つの大皿を二枚持った【Vector】

 

「何故、お主が」

 

「いえ、客人が来たというのなら一度は顔を見たいと思っただけ。こんにちは、こちら今日の昼食のサンドイッチよ」

 

「どうもなのじゃ、おお、美味しそうだな」

 

「ああ、パンも焼き立てみたいな感じだが、もしかしてここで焼いたのか」

 

「そう、ですね。基本的に作って出してます、皆料理好きみたいで」

 

「因みに、ポテトサラダのジャガイモはP38が作ったものよ、アイドルは過酷ね」

 

Vectorのカミングアウトにん?となるガンスミス達、アイドルの定義はこの司令部に限り崩れている。とりあえず気を取り直して食べましょうとなり、それぞれがサンドイッチを取り一口

 

「ん、卵だ」

 

「ワシはゆで卵かこれ?うむ、美味しいのじゃ」

 

「厚焼き玉子?何か珍しいな」

 

「ふむ、これが例のポテトサラダか、あやつ本気で農業に力入れ始めてるのではないか?」

 

それぞれが感想を述べた所でVectorが何故か笑った、まるで計算どおりと言った感じで、そして指を3つ立てて

 

副官、そこでVectorが何を言い出すかを先制で読み止めようとするがそれよりも早くVectorの口が動いてしまった

 

「三人のサンドイッチの具が『三度、一致(サンドイッチ)』ふふっふふ」

 

空気が固まったのを副官は感じ取った、そして頭を抱えた、見ればガンスミスとM1895も何が起きたか理解できてない顔でVectorを見ている、そりゃそうだ、恐らく相手の基地にも居るVectorとはキャラ違いすぎる、ならそんな反応になるじゃろうと

 

こんな空気だが指揮官はモグモグとサンドイッチを食べており、飲み込んでから未だ満足気な顔なVectorに

 

「今日は、絶好調だねVector」

 

「ええ、絶好調よ、それじゃ私はまた手伝いに戻るわね」

 

ヒラヒラと手を降ってから厨房へと消えたVector、後に残るのはモグモグ食べ進め大皿の半分をそろそろ片付けそうな指揮官と何と声を掛けてよいか分からず困る副官、やっと状況が飲み込めたガンスミスとM1895

 

「すまぬ、あれがウチのVectorじゃ」

 

「いや、副官が謝る必要は無いと思う、ああ、まぁ、苦労してるんだな」

 

「一時期こっちも大概じゃったが、世界は広いのぉ」

 

「?(もぐもぐもぐ)」

 

その後、昼食は特にあれ以上のことは起きずに終わった、強いてあげるなら一人で大皿一枚を片付けた指揮官の胃袋に二人が驚いた位だろう




指揮官、少しだけ歩み寄ってみようという努力を身につけるの巻、と言っても自分の基地だからというのもありますけどね、それでも会話できるだけ成長である

Vector?あれはほら、まぁ、ほら、仕方ないよ、あの娘制御できねぇもん私

(確証はないけど)次回でコラボストーリーは終わるかなって、最後の最後までガンスミス兄貴達を楽しめせて見るんだ!(出来るとは言ってない

実を言うと『ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー』で紹介されてガタガタ震えてる小心者系作者(小声)


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銃整備出張サービス Session 4

彼女が行ってるのはコスプレではなく手伝いの認識、そして周りは教えてない


色々濃かった昼食も終わり、また作業場に戻る途中の一同だったがとある場所でM1895が足を止める

 

「どうした?」

 

「ほれ、中々面白いことしとるなと思ってな、『一撃必殺』……?」

 

「それは指針として採用していいのか?」

 

ガンスミスに分かるように指を指した方には掲示板、それを見た指揮官の目から一瞬だけ光が無くなる、過去のあれが未だダメージとして残っているようだった

 

が流石に記事は更新されており、今月については特に見られようが問題ない記事なのは確認済みなので副官と共に二人の側まで行き

 

「これは、FMG-9が書いてる記事なんです。前の月にあったことや皆の趣味の作品が載ったり、予定が載ってたりしてます」

 

「ま、極稀に遠慮ない記事が乗ってたりするがのう、なぁ指揮官?」

 

「おばあちゃん!」

 

呵々、すまぬすまぬと笑いながら謝る指揮官。がそう言われると気になるのがM1895、がそこで待ったをかけるのがガンスミス

 

わざとらしく咳払いを一つしてから怪しい笑みを浮かべたM1895に

 

「遊びに来てるわけじゃねぇからな?」

 

「なんじゃぁお主も気にならんわけでも、わ、分かった分かったのじゃ」

 

「はぁ、すまないな指揮官」

 

「い、いえ、大丈夫です」

 

それでもまぁ掲示板が気になるのは確かであり斜め読みで眺めた時、ふと気になる写真があった、それは指揮官と戦術人形たちの日常の写真、その中にあったカフェでの手伝いとハロウィン

 

それを見ているとM1895もその写真を見てニヤニヤとした顔になり

 

「お、もしかしてそういうのがこのm、痛いのじゃ!?」

 

「そんなんじゃないっての、もしかして指揮官って、えっと、仮装が好きなのか?」

 

(めちゃくちゃ言葉選んでるのじゃ)

 

「仮装……?あ、ハロウィンの事ですか?」

 

指揮官がそう答えるがどうやらそういう意味では無かったようであ~、そうじゃなくて、えっとと再度言葉を考えるガンスミス、が上手い言葉が浮かばないので失礼承知で

 

「あ~、コスプレが好きなのかって思って」

 

「……?コスプレって何ですか?」

 

小首をかしげそう聞き返してきた指揮官にガンスミス本気で困る、もしかしてこのカフェの手伝いで着てるメイド服はそういう意味で着てる訳ではないのかと、しかも一日だけではないのは写真の数と日付から分かる、が当の本人から返ってきた答えがこれである

 

「ふむ?一つ良いか、このカフェで着とるメイド服はどうしてるのじゃ?」

 

「あ、これの事ですか、G36が制服だって着せてくれるんです」

 

「せ、制服。そ、そうか随分と、いや何も言うまい」

 

つい先程会ったメイドのイメージが少し崩れる、がそれ以上は触れないほうがいいかもしれないと二人は思いそこでその話題は打ち切られる、因みに副官はかなり頑張って笑いを堪えていた、彼女も楽しんでる一人である

 

一人状況が飲み込めない指揮官、記事には可笑しなことは書いてないしなぁと呟くがそもそも彼女自身が変だとは思ってないところなので多分今後も同じようなやり取りはされるだろう

 

掲示板でのそんなやり取りを終え、一同は作業場へと戻ってきた、ガンスミス自身の仕事はお昼前にはもう半分以上終わっており、この調子なら今日中には終わるだろうという見込みになっている、という事で戻ってきて早々に作業を再開したガンスミス、と今後のためにと今度は副官が隣で作業を眺めている

 

「所で指揮官、一つ良いかの?」

 

「いいですよ、ナガンさん」

 

「副官を『おばあちゃん』と呼ぶのは何故じゃ?」

 

今度は椅子に腰掛けているM1895の隣に行き作業が終わり、その際に渡す書類の確認と時より来る警備の通信を聞いているとM1895からそんな質問が飛んでくる

 

その質問に、えぇっとと考える素振りを挟む、何処まで答えたものかと考えているようで、数十秒と悩んだ後ポツリと語り出す感じに答える

 

「初めて会ったときは呼んでないですよ、でもある日、ふとそう呼びたくなったんです、そしたら定着しちゃって」

 

「ほう、ではワシはどうじゃ?」

 

「ごめんなさい、私がおばあちゃんって呼ぶのはあのナガンだけです、これからもずっと、理由は……秘密です」

 

「くく、愛されとるのぉ。ってもしかしてワシと副官が並んでもどっちがどっちって分かったりするのか?」

 

さらりと言うものだからスルー仕掛けた指揮官の言葉にM1895が驚く、確かに個体ごとに微妙な違いはあるがそれはかなり微妙なので基本的に並ばれると分からないということが多い人形、だがその言葉に指揮官は不思議そうな顔で

 

「え、違いますよね?ほら、こことか、ここ、それにここだって違いますよ?」

 

「お、お主、何気に凄い特技を持っておるの」

 

驚きながら称賛するM1895にえへへと得意げに笑う指揮官、人形相手とは言え最初の緊張は何処へやらと言った感じの雰囲気になっていた

 

因みにネタばらしをするなら、これは単純に彼女の『目』の所為で人間に見えてるのが理由であり、それ故に細かな違いに簡単に気づけてしまうのだ、と言っても流石に初対面同士の人形を見分けては出来ないので日頃見ているこの基地の人形に限定はされてしまうが

 

と言った感じに後ろが盛り上がってるのを聞きながらガンスミスと副官は

 

「盛り上がっとるのう、してどうじゃ、何か問題でもある銃があったりするかのう」

 

「まだ残りがあるから断言はできないがここまでの銃には特に今すぐってのは無いな、随分丁寧に整備してくれてるようで何よりだ」

 

「そうか、まぁ一応整備士が居ないので各自で整備は厳重に行うようにとは通達しておるがそれでも一度はこうやって診てもらえると安心できるな」

 

その後も各々そういった感じの会話をし時に指揮官がまたガンスミスの作業を眺めたりと作業は滞り無く進み、それから数時間後、今回用意された最後の銃の整備が終わり仕事の終了が告げられた




前回、このSessionで終わるって言ったの誰だよ(初手土下座

いやね、やっぱり掲示板は一回はやるべきかなって、でも今回は指揮官のハイライトは消えなかったよやったね!(尚、一部戦術人形への風評被害……風評被害?)

あ、そうだ。『ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー』さんでガンスミス兄貴視点の話が書かれてますよ!皆、そっちも読んでそのまま銃器紹介コーナーも読もう!


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銃整備出張サービス Session 5

様々な事を学ぶ、少しだけ歩み寄る


現在、作業場は異様な緊張感に包まれていた、正確にはガンスミスとM1895が固まっていた、手には今回のこの基地から出される手当てや報酬が纏められた書類

 

経緯としては今回の整備が終わり、では一応確認でとその書類を手渡しガンスミスが読んだ時、何故か固まる、そして何事かとM1895も読んだら固まった。そして何故固まったのか分からない指揮官と副官は不思議そうに首を傾げ、とりあえず二人が復活するまで待つことにした

 

「……な、なぁこの数字間違ってないんだよな?」

 

「え、は、はい、書いてある通りですが」

 

震える声でそう聞いてくるガンスミス、その反応に戸惑いながらもそう答えるとマジかと小声で呟いたのが聞こえ、副官がまさかという顔になってから真顔で

 

「もしや少なかったか?やはり3倍ではなく4倍の方が良かったか?」

 

「そうだよね、戦闘地域通ったりこれだけ診てもらってるならもっと出した方が……」

 

「違うそうじゃないのじゃ!?」

 

深刻な顔で端から聞けばコントのようなやり取りだが本人たちは至って真面目で言うものなのでM1895がツッコミを入れる、もしかしてこの二人、こういうやり取りが苦手なのかとすら思ってしまうガンスミス

 

なので、とりあえず貰った資料を見せながら二人に問いかける

 

「えっと、報酬額が最初に聞いたのから三倍も増えてる理由を聞きたい」

 

「技術は高く買うべきじゃろ、ああ、あれか、こちらが無理に捻出してると思ってるのじゃろ、それは安心するが良い」

 

なんじゃなんじゃ、お主良いやつじゃのうと一人納得する副官だが勿論そういう意味で聞いてるわけではない、今度は指揮官の方を見てみるが

 

「あ、えっと、私こういうのはよく分からなくて……ただ多いほうが良いかなって、ごめんなさい勉強不足です」

 

逆に謝られた、だが彼女も彼女でお礼は分かりやすくしたほうが良いよねとこの報酬額にGOサインを出してる人物である。因みにガソリン代も消耗品代も出すというのも二人で決めたことであり、詰まる所、指揮官と副官はやってもらうのならば相手にはそれ以上のお礼を出そうと言う思考の持ち主である

 

それが今まで判明しなかったのは基地に来てまで何かをしてもらうというのが今回が初めてだからだ。それが感じ取れたガンスミスは困ったように頭を掻き、それから口を開く

 

「あ~、いや気持ちは嬉しい、嬉しいが限度ってのもある」

 

「元の報酬でも十二分じゃよ、それにガソリン代、消耗品代、更に帰りの護衛部隊の派遣もされておる。もう十分じゃよ」

 

「そう、なんだ……あまり沢山は駄目ってことか」

 

勉強になるなぁと呟く指揮官、がここで引き下がらないのが副官、そうかと納得したのかと思いきや

 

「では、2.5倍でどうじゃ?」

 

「何が何でも増額して渡したいのか!?」

 

「折角だから持ってけと言っておるのじゃよ」

 

「いやいやいや、駄目だ。仕事以上の報酬は受け取らんと言うか既に報酬過多だ」

 

M1895と同じくそこまでされて更に増額された報酬までと言うのは寧ろ困ると言った反応を見せれば副官もそこまで言うのならば、まぁ仕方がないかと下がる。それから書き直された書類を再度手渡し、読んでもらい

 

「ああ、うん、これが最初の額だな……流石にあの額は真面目に目を疑った、書き間違いすら考えたからな」

 

「ワシもじゃ、よもや報酬額に肝を冷やす日が来るとは思わんかったわい」

 

「ごめんなさい……つい安直に考えちゃいました」

 

「うぅむ、やはり金銭のやり取りは難しいのう」

 

安堵の息を吐くガンスミスとM1895、それに対して指揮官は本気で反省し頭を下げ、副官は難しい顔でそんな事を呟く、何時かぼったくられるのではこの基地と心配になる二人、だがここにはそれを一手に行っておるもう一人が居るので実は問題にはなってない、まぁ現状、その人物が本部に行ってしまって問題になっているのだが

 

因みに、人間相手の金銭のやり取りは苦手な二人だが物になると何故かそれなりにこなせる。そんな二人の課題が見えたやり取りも終え、少し休憩を挟んでからガンスミスとM1895は道具を片付け、今は車を止めた車庫に居た、指揮官と副官も勿論見送りに来ている

 

「今回は本当に助かったのじゃ、また何かしらの問題が起きた場合は頼りたいくらいにな」

 

「まぁ、こっちが開いてればいつでも出張サービスは承ってますよっと……指揮官は何してるんだ?」

 

「む?ああ、少し待つのじゃ」

 

見れば第三部隊隊長の【416】と第四部隊隊長の【UMP9】に指示を出している指揮官の姿、先程までの彼女ではなく真剣な眼差しの彼女になるほど、キチンと指揮官なんだなと感心するガンスミス

 

「うん、そうだね、第三部隊は前方、第四部隊は後方って形で装甲車で挟むようにでお願い。あっと、ごめんなさい、えっと……今日は本当にありがとうございました」

 

「何、こちらも中々に楽しませてもらったのじゃ」

 

「だな、まぁVectorには驚かされたが」

 

苦笑いを浮かべる三人に指揮官は何時も通りだけどねと笑いながら言う、それからゆっくりと右手をガンスミスに差し出し握手を求める、よく見ればかなり震えているがそれでも、もしかしたら今後もなにかお世話になるかもしれないという人物、なら礼儀を尽くさないとと今までの彼女なら考えもしなかった事を考えてこの行動を起こした

 

「無理、しなくても良いんだぞ」

 

「大丈夫、です。ガンスミスさんはいい人だって今日で分かったので、これくらいは出来ないと」

 

「……すまぬ、こやつの我儘、付き合ってもらえるか?」

 

「分かった、またなにかあればご利用をお待ちしてますよ」

 

優しく握られビクッとなるが直ぐにニコッと笑い……残念ながら緊張がピークで言葉が出ない様子だった、あ~となる副官、直ぐに彼女が言おうと思ってた言葉を伝えることにする

 

「こちらこそ、もし何かありわしらの基地で助けられることがあれば頼っとくれ、その際は惜しみない協力を約束しよう」

 

「了解じゃ、っとあれが護衛部隊ではないかの?」

 

M1895が見てる方を見れば2台の装甲車が正門前で陣形を組んで停まっている、それを確認してから二人は車に乗り込んだ所で復帰した指揮官が

 

「じゃあ、皆、ガンスミスさん達をお願いね!二人共、えっと、また会いましょう!」

 

「会うことがあれば銃の問題が起きたときだからあんまり頻繁は止めてくれると嬉しいけどな、まぁ、じゃあな」

 

「ではな指揮官、副官」

 

「うむ、達者でな、重ね重ねじゃがそっちの指揮官によろしく伝えといてくれ」

 

それぞれが別れの言葉を告げてから車がゆっくりと発進して護衛の装甲車を引き連れながら基地から遠ざかっていく、指揮官と副官は見えなくなるまで見送る

 

こうして銃整備出張サービスは終わり、今日だけで二歩、もしかしたら三歩も『ヒト』に歩み寄る心が出来た指揮官の姿に副官は嬉しそうに笑うのであった……

 

余談だが本部から帰ってきた彼女に耳には何故か今回の増額報酬のやり取りが入っており、説教される二人の姿があったらしい




対人間での金銭のやり取りはカリーナのお仕事。今回は本部に出向してたのでこんな事が起きた

ついこんなやり取りで書いたしまったけどガンスミス兄貴ってこれくらいにしっかりしてそうだなって、違うのかな……だとしたら謝ります

それと最後の指揮官、改善はできないのはあくまでマネキンとして見えてしまう現象であり、それを乗り越えて『個人』を『信頼』してみるという感情を得ました(基地内限定

ガンスミス兄貴すげーや(媚売

最後に今回でこのコラボストーリーはお終いとなります、許可をしてくださった『ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー』の作者様『通りすがる傭兵』様、本当にありがとうございます!!このような拙い文にはなってしまいましたがまた機会がありましたら書きたいです、そのためにも知識と実力を更にあげなければ……


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M16の楽しい小屋作り

日曜大工が似合いそうな人形だよねって話


「これでよしっと、まぁ足りるだろ」

 

何時も通りある日の司令部、作業場に【M16A1】は居た。何かを制作つもりなのだろう、木材にメジャー、トンカチ、ノコギリ、釘、ヤスリ等、必要な物のほぼ一式を広げ満足気に頷いてから、机に広げてある設計図を確認する

 

そこには何やら小さめの小屋のようなものが書かれており、窓に当たる部分はあるが扉はなく、動物なら自由に出入りできそうな穴が扉部分にある、彼女が今回作ろうとしてるのは『パグ助』の小屋、パグ助が住み着きそれなりになるが未だ住処となるものは無く寝る時以外は割りと好きに動き回っている、まぁそれでも良いのかもしれないがキチンとした住処を用意するのも悪くないだろうと考えた

 

(まぁ、そもそも基本的に屋内犬だし、運動も中庭で間に合ってるからあいつが使うかどうかは微妙なんだけどな)

 

だが無いよりある方が良いに決まってる、というよりここまで用意して今更、止めるなんて言える性格では無いと自分を説得し作業を開始しようとした時、気配を感じサッと視線を飛ばせばそこには真っ白い丸々とした猫の姿

 

何処から入ったんだと思うM16だがふと見れば窓が開いてることに気づく、そういや一々開けて換気は面倒だからって開けてたなと思い出すがそもそもこの窓に入れる足場なぞあったかと疑問が浮かび一応で覗いてみるが

 

(……無いよな、いや、あるがそこに行くルートなんて、まさか屋根から飛び移って入ってきたってのか!?)

 

この図体で!?ありえなくはない考えに至り驚愕の目でソイツを見るが見られた当の本人は呑気に欠伸をしてからだらんと寝転がり動かなくなる、まるで私の事は気にするな、だから私には構うなと言ってる気がする態度に今度は苦笑を浮かべる

 

「っておい、これから此処で小屋作りするから騒がしくなるぞ」

 

そう教えてあげるが猫は動かず、尻尾を床にぴたんと一度叩くだけの反応を示す。その反応にそういやコイツはNTW-20の射撃を聴いてもアクビして寝たって話を思い出して、だったら良いかと今度こそ作業を始める

 

まずは材料をと設計図を見ながら、メジャーで測り、木材に印をつけノコギリで切っていき、また設計図を確認すると言った作業を繰り返し数十分、必要な木材の切り出しが終わる。一応再確認するがどれもほぼ寸歩通りに収まっているので一安心だと笑う

 

チラッと例の猫の方を見れば作業前と変わらず寝息を立てる姿、結構音はしてた筈なんだがなぁと思うがまぁ寝れるなら寝てればいいさと次の工程へと移ろうとした時、猫が起き上がり扉の方を見つめる

 

「ん、どうした?」

 

「な~」

 

「あ、居た!ってM16、何か作ってたの?」

 

M16の言葉に反応するように一つ鳴いたと思ったら扉が開かれ、入ってきたのは指揮官、どうやらこの猫を探してたようで見つけると嬉しそうな反応をしてその後M16に気づきそう聴いてくる

 

「ああ、パグ助の小屋を作ってやろうって思ってな」

 

「なるほど、確かにあった方がいいかもね、さて、『大福』今日こそってああ!」

 

(大福……まぁ、パグ助よかいい名前、かなぁ?)

 

例の猫改め大福は指揮官が自分を抱こうとしたのを察知するとそのずんぐりむっくりな図体には似合わない俊敏さで指揮官には届かない高さの位置に移動して、彼女を一瞥してから背中を向けて寝転がる

 

小馬鹿にされたと思ったのか指揮官は大福を見つめ、この際だから昇ってでも触ってやろうかと考え行動しようとするがM16に首根っこ掴まれ止められる

 

「止めなさいっての、よしんば迫ってもまた逃げられるだけさ」

 

「ぐぬぬぬ……はぁ、仕方ない、M16なにか手伝えること無い?パグ助引き取ったの私だし、少しは手伝わないとね」

 

「ん?いやぁ、これは私が勝手に作り出したことなんだが、まぁそれならこれから組み立てるからそれを手伝ってくれよ」

 

了解!と元気な返事にM16は頼りになることだと笑い、二人はそれから小屋の組み立てに着手した、流石に指揮官に釘打ちは任せられないが彼女が支えその間に釘を打って固定するという流れで組み立てていけば次第に形が見えてきて、そして

 

「こいつを打ち終われば……よっし、完成だ!」

 

「やったね、おお、結構しっかりした小屋だね」

 

「だろ?まぁ、あいつが気に入るかは分からないが無駄にはならないだろ」

 

「気に入ってくれるよ、あっそうだ、ねぇこの余った板使っていい?」

 

別にいいが何するんだ?と聞けばふふふと意味深に笑いながら油性ペンを机から出してキュッキュッと何かを書いていく、そしてこうするのさ!と見せればそこには『パグ助ハウス』と別段上手ではない字で書かれていた

 

しかも、パグの微妙に似てるようにも見えるイラスト付き、なるほどなぁと指揮官の頭を撫でつつ

 

「これを入り口の上に付ければいいんだな?」

 

「そう、ってあれ、大福?」

 

指揮官の不思議そうな声にM16もその方向を見れば、先程まで寝てたはずの大福が気付けば小屋の近くまで来て、何やら鼻をヒクヒクさせて匂いを嗅いでいた

 

それから小屋の周りを一周して、入り口から中に入っていく、二人が後を追う形で見ればお腹を見せて眠りだす大福の姿

 

「寝てるな」

 

「大福!この小屋はパグ助のだよ!!大福、聴いてるの、大福!!」

 

退去指示をするが聞く耳を持たず、起きる素振りを欠片も見せない大福に指揮官が遂に強硬手段として引き摺り出そうと手を伸ばすがペシッと爪は出てないが素早い猫パンチで迎撃される

 

口元を引く付かせる指揮官、尻尾をペシペシと叩き動かないからなと意思表示する大福、確かにパグ助用として作ったが他が使うならばそれはそれでいいので一人と一匹の攻防戦を眺めることにして椅子に座るM16

 

その後、数十分にも渡る激戦の末、指揮官が折れる、というより大福からすれば子供とのじゃれ合い程度の認識であり、戦いですら無かった様子で手を出してこなくなった指揮官を見てからにゃぁと短く鳴いて寝始める

 

「……ぐぬぬぬ」

 

「クククッ、この小屋は大福の物になっちまったなぁ」

 

その日はそれで終わったのだが、後日見てみれば大福が寝てたり、他の猫が寝てたり、パグ助が寝てたりと結局の所、動物たちの休憩所として使われることになっていた、因みにその日から大福と指揮官の攻防戦が見られるようになるが基本的に指揮官の敗北で幕は閉じられる

 

大福は今日も基地内でだらけている




殆ど、大福の話になってるじゃねぇか!!因みに大福は指揮官を下と言うか子猫程度の認識です、戯れてくるからあしらってるくらいの感じ

大福
『猫とスナイパー』で登場したあの猫、ずんぐりむっくり、まんまる、色は白、だから大福、命名は勿論だが指揮官。一日中を寝て過ごし滅多なことでは慌てない、対物ライフルが側で射撃しようが涼しい顔して寝れるくらいの謎の度胸持ち、どうやらそれなりに長生きしてる模様


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もふもふマカロフさん

語呂よくないこれ?あ、特にサブタイと本編は関連性ないです(自白


マカロフはマイペースで、そして遊ぶのが好きな戦術人形、相手に合わせるより自分に合わすほうが好きなのでこの基地の指揮官とは非常に相性がよく、彼女も気に入っている

 

最近は基地の戦術人形も増えて、賑わいを見せるこの基地のことも気に入っておりマカロフは仕事をして、誰かと遊び、一日を終える

 

マカロフは座った状態で誰かを膝の上に乗っけて後ろから抱きしめるのが好きだ、暑い日にされるとちょっとキツイが寒い日には非常に重宝される、まぁそれをされるのが基本体格が小さい者に限るのでターゲットは自ずと絞られるのだが

 

そして今日も対象にされた人形が一人、最近この基地に配属されたその小さな見た目にそぐわない長身のアンチマテリアルライフルで敵を問答無用で粉砕する彼女は【M99】指揮官をしてちっさいと言われる

 

「あの、私は何故こうされてるのですか?」

 

「う~ん、何となく?」

 

彼女は業務が終わったので基地の立地を覚えようと地図を片手に探索をしていた所、休憩所に居たマカロフに呼ばれ近づけばヒョイッと抱え上げられ抗議の声を出す間もなくこうして膝に座らされ抱かれている

 

なのでそう聞いてみるも本人も何故かはよくわからないのでそう返されれば、M99は困惑した顔をする。だが抜け出そうにも意外にも力強いため成功せず、仕方ないのでマカロフが飽きるまでこうしてますかと諦めることにした

 

だが問題とすれば、この状態のマカロフは自分から会話を振ってこない、基本的に相手から会話をしないとずっと静かにしているので慣れてないとこれどうすればいいのだとなってしまう、というより現状M99がなっている

 

「……えっと、マカロフさん?」

 

「何かしら?」

 

「重くないですか私?」

 

「そんなに重くない、寧ろ軽いわ」

 

そうですかとまた会話が途切れる、うーむとM99は唸りながらどうしたものかと再度考える、来たばかりの彼女はまだこの基地の人形たちの事をよく知らないのでどんな会話を振れば良いのか決められない、だがこのまま沈黙の時間を耐えるのも辛いので話題はないかと自分の中を探してみる

 

「マカロフさんはこの基地のことはどう思ってるのですか?」

 

「この基地?そうね、好きだわ。指揮官も厳しい人じゃなくて私に合わせてくれたりもするからね」

 

「確かに指揮官は優しい人ですね」

 

とりあえずで振ってみた基地と指揮官の事で会話が弾み始める、M99はそのことに良かったと内心思いつつマカロフとの会話を途切らせなように気をつける

 

が気付けば、M99が会話に乗せられる形で弾ませていた、いつ主導が変わったかのすら分からずM99が気付いた時には自分からあれこれと話題を出しマカロフを楽しませていた

 

「同じアンチマテリアルライフルのNTW-20さんは大人な体型なのに何故私は小さいのでしょうか、いえ、この体でも普通に銃は扱えますし、戦場で身を潜めたりと便利ではあるのですが」

 

「何故かしらね、製作者の趣味とか?」

 

「えぇ、趣味だとしたらそれはどうかと思いますが……」

 

「でもその御蔭でこうして抱っこできるのだから私は良かったと思うわ」

 

「それはそれで私は複雑な気分になるのですが」

 

うぅむと自身の謎に悩むM99とそれを見て微笑むマカロフ、そこでふとM99の頭のうさぎのぬいぐるみに興味が惹かれチョイチョイ突く、すると不思議な事にうさぎの表情が変わった

 

流石に突かれれば気づくのでM99は頭を抑えながら

 

「い、いきなりは止めてくださいよ」

 

「あら、ごめんなさいね。所で、このうさぎって表情が変わるのね」

 

「え、変わる訳ないじゃないですか、ぬいぐるみですよこれ?」

 

マカロフ、少し固まる。だがすぐに復帰して今度は許可をとってから再度突く、が今後は表情に変化は現れなかった、ではさっきのは何だったのだろうかと不思議に思うがきっと見間違えだったのだろうと思うことにした

 

それからまた暫く、今回は静かな時間が流れ、この状態になり30分、そろそろ開放されないかとM99は思い

 

「あの、ところで何時までこうされていれば」

 

「もう少しだけ、駄目かしら?」

 

「……まぁ、もう少しなら」

 

と言ったものの、M99は別にここから更に時間が伸びようが別にいいかなと思いだしている、だがこの時の選択を彼女は少し後悔することになる、先程までの会話でマカロフは意外としっかりしてることが分かったので彼女がもう少しと言ったのならば長くても20分くらいだろうと思ったM99はまた会話をしてみようと声を掛けるが返事が返ってこない、不審に思って顔を動かせば

 

「すー……すー……」

 

(ね、寝てる、この数分で!?)

 

しかもご丁寧にガッチリ固定されM99は抜け出せない、そして何度か声を掛けるが起きない、身体を全力で動かしてみるがそれでも反応一つしないマカロフ、打つ手が思い浮かばないM99は誰か通らないかと休憩所の外を見ればなんと丁度良く通りかかる人影

 

「あの!ちょっといいですか!!」

 

「ふえ?あ、M99ちゃん……あ~」

 

来たのは指揮官、彼女はM99の状況を見てなんとも困った顔で納得する、と言うのも彼女も一度この状況に陥ったことがある、そしてその時の解決方法は至ってシンプルで

 

「わああ……指揮官、こんなときってどうすればいいですか……」

 

「起きてくれるまで待つしかないねぇ、マカロフって眠りがかなり深いみたいで何しても起きないんだよ」

 

慈悲もなにもない答え、指揮官だって出来ればどうにかしてあげたいがどうにもならないのだから仕方ない、一方でそんな答えを聞いたM99はせめて希望を見出そうともう一つの質問をする

 

「因みに、どのくらいで起きると思いますか?」

 

「私の時はえっと、二時間だって言ってたかな、私も寝ちゃて記憶が無いんだけどね」

 

「わ、分かりました……はぁ」

 

「でもまぁマカロフはもふもふで気持ちいいから、結構寝れるよ?まぁ、何だったら起きるまで話し相手になろうか?」

 

「い、いえ、指揮官は指揮官の用事を済ませてもらって大丈夫ですよ」

 

「そう?なら行くね、ごめんね力になれなくて」

 

申し訳なさそうにそう告げて指揮官は姿を消す。それを見送ってからM99は静かに決心した、寝ようと。数分後、抱かれた状態で気持ちよさそうに居眠りをするM99とマカロフの姿があったとさ、因みに開放されたのは二時間後だった模様




なんか新キャラ化してないこのマカロフ……?やはり頭の中でマカロフさんと呼ぶ続けたのがいけなかったのか……?

世界平和のためにロリになったM99ちゃんは今日来ました、嬉しいけどちゃうねん、Karちゃん欲しいねん

ふぅ、明日のネタどうしよ(ぐるぐる目


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IDWの平和な一日

平和(だったら嬉しい)な一日


IDWはいよいよ自分はお祓いを受けたほうがいいのではないかと真面目に考えていた、今日の彼女は休日なので何時も通り、そう、何時も通りに日向ぼっこをし、昼寝をし、適当にだらけて過ごすつもりで自室から出てきて歩いていただけだと言うのに

 

彼女の前には何故かスコーピオンとCZ75が現れ、そして一言

 

「IDWって格闘戦が得意なんだよね、ちょっと付き合ってよ!」

 

「まぁ、思えばあんたがそういう戦い方してることろ見たことなかったしな、いいだろ?」

 

「……それ拒否できるにゃ?」

 

結果だけ言えば出来るわけもなく、IDWは二人に運動場まで連行される。こうなったらさっさと終わらせて自分がしたいことに戻るにゃと決め、軽く柔軟体操をしてから構えを取るわけでもなく中央の二人の前に陣取り

 

「ほら、やるならさっさとやるにゃ」

 

「……2対1でもいいってこと?」

 

「一々聞く必要あるのかにゃそれ?もしかしてお行儀よく一対一(サシ)でやるつもりだったのかにゃ?」

 

IDWからの分かりやすい挑発、本人はとてもとても怠いので兎に角来いっと言った感じの安い挑発だったのだがCZ75は狂犬のような笑みを浮かべ、それに乗っかる

 

「おもしれぇ、行くぞスコーピオン、この余裕ぶった先輩の泣きっ面見てみたいからな!!」

 

「だねぇ!負けたときの言い訳、考えといてよ!!」

 

ダンッ!と自分たちが出せる一番の速さで両サイドから挟み込むように動いた二人、対してIDWは慌てる様子はなく迫ってくる二人に気怠そうな視線を飛ばしている

 

大抵の戦術人形が見ても一瞬で間合いに入ったように見える二人は勢いそのまま余裕ぶってるIDWに向け

 

「オラッ!」

 

「デリャ!」

 

片やハイキック、片やミドルキック、無論避けられる前提ではあるがそれでも行動を制限できるように放たれたそれ、だがそれでもIDWは動かない……否、攻撃をされた時にはIDWはCZ75の攻撃から逃れ、宙を舞うスコーピオンの隣に立っていた

 

「おっそいにゃ」

 

「えっ!?ゲブっ!!」

 

「スコーピオン!?」

 

二人には消えたように見えた、IDWの姿がブレたと思ったらスコーピオンが驚きの声を上げ地面に叩きつけられる、何より驚いたのはIDWは蹴りを止めて回避したとかではなく、それより速く、攻撃が来た時にはスコーピオンに詰め投げたのだ

 

(マジかよ、何時動いたのかすら分からないとか卑怯だろ!?ここは追撃、いや、退くべきか!)

 

CZ75は空振りした蹴りを戻しつつ数瞬の思考、追撃も無論考えたがあの速さがデフォだとすればカウンターで沈められる事を恐れ、一旦距離を離そうと後ろに自分が出せる力で飛び退こうと力を込めた時

 

「それは悪手にゃ、まぁ攻めてきても変わらないと思うけどにゃ」

 

「は?」

 

声と同時にCZ75の視界に映ったのはIDWの掌、視線を隣に向ければ先程と変わらない気怠そうな表情のIDW、そして顔を掴まれ、そのまま力を込められれば

 

「ガッ!!??」

 

ダンッ!!!思いっきり叩きつけられ意識が一瞬だけ飛ぶ、が即座に戻してその腕を掴んで力の限り投げ飛ばす

 

その間に素早く起き上がり息を整え、受け身を取り着地したIDWを睨む、向こうは向こうで今ので決めるつもりだったのがそうならなかったことに驚く

 

「おっと、まさか一撃にならないとは思わなかったにゃ」

 

「いっつつ、速すぎんだろ……」

 

「これでも遅い方にゃ、それに速く動いたじゃなくて集中すれば二人の動きがスローに見えるからそれで先手打ってるだけにゃ」

 

「へぇ、ネタばらししていいのかよ先輩」

 

「戦闘中にネタばらしって負けフラグって言うよね!!」

 

CZ75の陰からスコーピオンが突撃しIDWへと攻撃を敢行、自身の速度に物を言わせつつフェイントまで混ぜた連撃を浴びせようとするが先程言ったように彼女から見ればそれすらも遅く映る、なので簡単にいなしながら手頃な一撃を見繕いそれに合わせ

 

「おっと、アタシが居ることを忘れるなんて酷くないか!」

 

「忘れてはないにゃ、手を出してこないから放置しただけにゃ(む、ネタばらしは確かに早かったかもしれないにゃ)」

 

合わせようとした時、CZ75の横槍が入りそっちを対処した時には今度はスコーピオンがと絶え間なく繋げてくる、これにはIDWも内心で後悔しつつ、だがそれでもすぐに思考を切り替え二人の連撃を躱しつつ隙を狙うが向こうも分かっているのか中々出てこない、なので更に集中を加え

 

「それ貰うにゃ」

 

「フグぅ!?」

 

「クッハ……あ、やば膝立たねぇなこれ」

 

顎を揺らせれ膝をつくCZ75と大の字で倒れるスコーピオン、それを確認してから目頭を押さえるIDW、まさか此処まで粘られるとは思ってなかったのでギアを上げたのだがそれを行うとかなり目にクルようで出来ればやりたくないにゃと思っている

 

まぁ戦場出れば嫌でもその状態を続けてるので半分ほど今回こんなことに巻き込まれて私は凄く迷惑ですという意思表示なのだが

 

「あ~、疲れたにゃ……」

 

「くっそ~、二人がかりで負けるなんてー!」

 

「チッ、今回は負けを認めるしかねぇか」

 

「頼むからもう絡んでくるのは止めるにゃ、ああ、FMG-9の方がもっと速いにゃ」

 

なんだとと言った顔をする二人、実際FMG-9の方が接近戦は意外にも強かったりする、だがあくまで接近戦、戦場に出れば殆ど銃撃戦であり、幾ら接近戦が強かろうと肝心の銃はそこまでの威力が出ないSMGなのでもっぱら賑やかしで撃ちながら囮になるのがIDWの仕事となる

 

「で、これで満足したのなら私は帰っていいかにゃ」

 

「おう、今度また宜しくな!」

 

「今度はリベンジするからねー」

 

FMG-9を絶対に巻き込んでやるにゃ、そう思いつつ彼女は運動場を後にしアクビをしつつ何処で寝るかにゃと考えるのであった。後にだが二人は更にコンビネーションを磨きIDWに挑むがだから絡んでくるなって言ってるにゃとIDW怒りの本気で返り討ちにされる、IDW、殆どのことを気怠いで済ませるが怒る時はガッツリ怒る、そんな戦術人形




集中すればスローに見える(援護集中)偶にはこんなIDWでもと思い書きました、接近戦ならスキルも合わせて上位だけど戦場じゃどっちみち銃撃戦なので総合で見るとそこまででも無いのがこの基地のIDW

スコーピオンとCZ75がこういうときにしか出てないから次はどっちかメインになにか書くか?(未定)(多分変わる)(ぶっちゃけ明日次第)


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スイーツは正義

ぶっきらぼうな娘ってこんな一面持ってると思うんだよ(個人論


カランカランと開店したばかりのカフェの扉が開かれ、マスターである【スプリングフィールド】が見れば、そこには警戒するようにキョロキョロ店内を見渡している赤い髪のツインテールの少女【CZ75】の姿

 

誰も居ないとわかるとひとまず安堵の息をつき、それからカウンター席に座る、それから小声でスプリングフィールドに

 

「しょ、ショートケーキをくれ」

 

「はい、ご用意しておりますよ。飲み物はコーヒーで?」

 

「あ、ああ、頼む」

 

スプリングフィールドの言葉とおり、注文のショートケーキとコーヒーは直ぐに出されCZ75はフォークを手に切り分け一口食べれば滅多に浮かべることはない少女らしい笑顔を浮かべる

 

もし誰かが居た場合は何時も砂糖とミルク控えめのコーヒーで済ませる彼女だが誰も居ない場合ならショートケーキと砂糖とミルク増々のコーヒーを楽しむ甘党な人形である。そんな普段の知っているとなんとも可愛らしい彼女にスプリングフィールドは微笑みながら

 

「別に甘党だって知られても問題ないと思いますけどね」

 

「アタシが問題あるんだよ、ったく指揮官の所為だからな、ケーキなんて教えやがったから」

 

口では文句を言ってるCZ75、彼女が甘い物が好きになったのは配属されたばかりの彼女をカフェに誘い、その時に食べたのがこのショートケーキでそれから甘い物が好きになった、だがそれを周りに知られるのは自分があまりにも恥ずかしいのでこうして人目を盗むように食べているのだが

 

そして文句こそ言っているが実を言うと感謝のほうが大きかったりもする、ただ彼女は少し素直になれないだけであり、指揮官とケーキを食べた時も別れ際にぶっきらぼうな感謝を述べるくらいには根っこは優しい少女であり、スプリングフィールドはその場面を思い出して笑みをこぼす

 

「ふふ、そんなこともありましたね」

 

「ありましたねじゃねぇよ、突然ケーキ食べに行こ!なんて言って有無も言わさずに連れてこられて、こ、こんな美味いもの食べてお蔭であの時私がどれだけ顔が緩みそうになるのを我慢したか……」

 

(思いっきり緩んでてその場に居た人達にはバレてますけどね)

 

彼女の唯一の救いはその場面に広報担当の【FMG-9】が居なかったことだろうか、居た場合はそれはもう凄まじい追いかけっこが基地内で見れたかもしれない、そして副官に怒られるまでがワンセットだろう

 

スプリングフィールドがそんな事を思っている間にもCZ75はショートケーキを食べ進め、出されてからそんなにしないで完食、何時もであればそのままカフェから出るのだが今日は珍しくまだ他の戦術人形が来る気配が感じられない、それ故に葛藤が生まれる

 

(もう一つ食べれるか?いや、そろそろ他の奴らが来る時間だよな……もしかしたら行けるか?)

 

「マフィンは如何ですか?小さめのを新たに作ってみたんですよ」

 

もうちょっと食べたい、だが誰かが来て見られたら恥ずかしくて今日一日まともに居られないそんなジレンマを察したスプリングフィールドがそっと新メニューで開発したマフィンを教えれば本当に一瞬だけCZ75の目が輝いた

 

それから少し悩む、これではまるで催促したみたいだと、だがそれでもマフィンと言う誘惑には抗えなくなってるくらいにはスプリングフィールドのスイーツに嵌っている彼女は悩みに悩み抜いて小声で

 

「ふ、二つくれ、あ、いや、一つでもいい」

 

「遠慮なされずとも平気ですよ、どうぞ」

 

出されたのは一口、ではないがそれでも何時も出されるのよりも一回り近く小さいマフィン、一つはプレーン、もう一つはココアだろうか、それを前にしたCZ75はおぉと小さく感動してから食べ始める

 

ちゃっかり二つと言う所がなんとも彼女らしいとスプリングフィールドは思っているが実はこのマフィン、そんなCZ75の為に開発されたメニューでもあった、と言うのも稀にだがこうやって葛藤する時があり結局頼まずに帰ってしまうことがあったのでなら短時間で味わえるメニューでも用意してみようかとなったからだ

 

だけどそれを告げれば確実に頼まずに帰ってしまうだろうと思うので口にはしない、彼女は空気の読めるお姉さんである、そこでふと見ればコーヒーが無くなっていることに気付いた彼女は

 

「コーヒーおかわりしますか?それともココアに致しましょうか?」

 

「コーヒー、うん、美味いなこれ」

 

畏まりましたと同じ様に砂糖とミルクを増々のコーヒーを淹れ彼女に出す、どうやらこのマフィンを気に入ってくれたようで終始ご満悦な様子で食べ終える

 

「どうでしたか?」

 

「美味しかった、これなら幾らでも食べれちまいそうだ」

 

「ふふ、なら今後はメニューに載せておきますね」

 

コーヒーを飲んで感想を告げ、それがメニューに乗ると聞いた時、また一瞬だけ目が輝く、どうやら相当に気に入ったのですねとスプリングフィールドは何時もと変わらない笑みを浮かべながら、食器を下げ洗う

 

「んじゃ、アタシはそろそろ行くよ。ごちそうさん」

 

「またのご来店お待ち……あら?」

 

「ん?」

 

CZ75が席を立ちカフェを後にしようとしたタイミングでカランカランと扉が開かれる、そして入ってきたのは【ステンMK-Ⅱ】と指揮官、二人、特にCZ75に気付くと輝かしい笑顔で手を振り

 

「CZ75ちゃん、来てたんだ」

 

「え、あ、ああ、コーヒー飲みに来てたんだよ」

 

(……これさっきまでケーキ食べてたんだろうなぁ)

 

若干挙動不審なCZ75の言葉に全てを読み取ったステンから優しい視線が飛ぶ、が彼女がそれに気付くことはなくそれよりもスイーツ食べようと誘ってくる指揮官から逃れようと必死になっている、が旗色は凄まじく悪く遂には

 

「駄目?」

 

「う、い、いや、駄目じゃねぇけど……ああ、わかったってそんな顔するなよ断れねぇだろ」

 

「やった!」

 

「良かったですね指揮官様、じゃあ席取っちゃいましょう」

 

嬉しそうに席に座る指揮官とそれに釣られて笑うステンMK-Ⅱ、そして断れなかったとは言えまた甘い物が食べれることに少しだけ嬉しそうに笑ったCZ75

 

「……あ~、マスター、砂糖とミルクは控えめでいいからな」

 

CZ75、彼女が甘い物好きなのは実を言えば結構知れ渡ってる、が皆が皆黙っている、何故かって?別段、指摘することでもないし幸せを邪魔するなんて無粋だからだと皆が思っているからだ




待って!?助けて!待ってください!お願いしまsア"ァ!!(頭を割られる音

ツインテールの日らしいのでCZ75ちゃん主役張ってたらこうなるというね、でもこんな感じするじゃんアゼルバイジャン、何だったら動物にも優しいとか老人にも優しいとかどんどん乗せてくからな(再度頭を割られる音


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メイドさんの休日

大体、掃除とかしてる


早朝四時、それは休日だろうと業務がある日だろうとこの時間には決まって彼女【G36】が目覚める時間になっている、これは民間時代からであり、彼女に言わせるならば癖のようなものだとのこと

 

起床後は手早く身だしなみを整え、いつものメイド服に着替えそれから本日の業務内容を頭の中で再確認した時に気付く

 

(本日は休日でございましたね)

 

別段、彼女からしてみれば仕事が趣味なので休日でも仕事をしたいのだがそれを行うと指揮官から真剣に促されるのでその案は破棄される

 

まぁ此処でウダウダ考えても仕方がないですねと切り替えて宿舎を後にし大浴場、別に入りに来たわけではなくその両手には掃除道具一式、つまり掃除をしに来たのだ

 

これは大丈夫なのかと言われそうだが休日というタイミングでやらなければ大掛かりに出来る時間がないということで許しは貰っている、なので心置きなく民間時代から培った技術をフル動員して大浴場を清掃していく

 

(と言っても皆様、私が来る前からキチンと使っているのでさほど汚れが酷いというわけではないのが嬉しいのですが少々物足りないですね)

 

もともと、清掃要員すら人間を用意してない基地、ならばやるのは結局人形たちなわけで更に言えば【StG44】と言う綺麗好きが居る以上、汚れを許容するわけもなく大浴場は当然なのだが基地内部の殆どの箇所は清掃が行き届いている、これにはG36も配属されたばかりの時は驚かされた

 

なので清掃もさほど時間がかからずに終わらせ、だが先程の言葉とおり物足りない彼女が次に向かったのは救護室、扉を開ければ出迎えるのは保護された犬猫、そしてこの基地所属の【パグ助】【大福】【ガトーショコラ】【ラムレーズン】そしてそれらに囲まれ幸せそうに顔を緩めせていた【WA2000】

 

本来の彼女であればこの時点で固まるなりものすごくキョドったりと兎に角恥ずかしい場面を見られたという反応を起こすはずなのだが、そういった反応はせずに

 

「おはようG36、お世話なら終わってるわよ」

 

「そのようですね、それよりもWA、人が変わり過ぎではありませんか?」

 

「……いや、ほら、あんたって別に言いふらすような奴じゃないし、それにあの指揮官にキツイ態度とかそんなに取れないし、あ、これは黙っておきなさいよ!」

 

思い出したかのようにキャラを出すWA2000の言葉に内心手遅れではと思いつつも此処に来た本来の目的を果たす、彼女は動物に癒やされに来たというわけではない

 

「畏まりました、何か救護室で備品が足りないとかはございますでしょうか」

 

「そうね、フード関連がそろそろ足りないわね」

 

「分かりました、後ほど92式に確認を取っておきます」

 

お願いするわねとWA2000の言葉を背に救護室を後にする、さて次はと電脳に思考を走らせ、その後も掃除、各施設の備品の不足の確認、洗濯物、とこなしていき基地が賑やかになりだしてくる時間、そろそろ指揮官が起きそうだなと思った彼女は食堂へと向かう

 

向かって、顔が引き攣る、そこには予想に反してすでに起きていた指揮官がエンゲル係数係二人と朝食を楽しむ姿、そこは良い、仲良く食べる姿は非常に微笑ましいものがあるが問題はテーブルに並ぶその量である、人形である二人はまだしも人間である指揮官が朝からその量を食べるのはいかがなものかと

 

「お嬢様」

 

「おはようG36!あっ食べる?」

 

「まだまだあるから一人増えた所で大丈夫だよ~」

 

「あ、おかわり」

 

笑顔で挨拶をする指揮官、おかわりを要求する【FF FNC】、サムズアップをしてまだあるよと笑顔で告げる【アストラ】、それを見てG36は今更ですかねと思う

 

それに思えば指揮官と共に食事というのはしたことなかったなとも思い同席することに、当たり前のように指揮官の隣に座れば嬉しそうにニコニコ笑う指揮官、それからふと疑問に思ったのか

 

「G36っていつから起きてたの?」

 

「早朝4時でございます」

 

「4時!?」

 

驚く指揮官だが彼女が知らないだけで休日でも早朝に起きてる人形は多数いる、単純にその時間に指揮官が起きることがないので知らないだけである。それから共に食事を楽しむのだが指揮官とFNC、アストラで朝食とは思えない量を食べる光景にさっきは納得したのだが思わずG36は頭痛を感じた

 

と言うよりこの量を今までも食べていたのかと思うと寧ろ指揮官は一度病院で精密検査を受けたほうが良いのではと本気で心配になるG36、もしかしたら自覚症状がないだけで何かしらの異常があるのではと、なので食事が終わり胃を休ませている間に

 

「お嬢様、一つお聞きしてもよろしいでしょうか」

 

「良いよ、何か気になることでもあった?」

 

「この量を食べないと満足できないとか、ございますでしょうか?」

 

「ううん、『どんな量でも』私がごちそうさまって思ったら『満足』だよ」

 

どんな量、指揮官はそれが例え少量でもごちそうさまと考えれば満腹になれ、逆にどんなに大量でもごちそうさまと思わなければ楽しく食事ができる、と言うことである。そしてそんな体質になった大凡の理由に心当たりがあるG36は再度思った、やはり身体になにか悪い影響が出ているのではと

 

「大丈夫G36?暗いというか辛そうな顔してるけど」

 

「え、あ、いいえ大丈夫でございます。そうですか、しかしですよお嬢様、あまり食べ過ぎはよろしく無いですからね?」

 

「それは大丈夫、ここに来て沢山食べてるけどお腹痛くなったりしたこと無いからね!」

 

えっへんと胸を張るが逆にそれが不安なのですと口には出さないが思うG36、とりあえずその場ではそれ以上の追求はせずに彼女たちと雑談を楽しむことにした

 

だがやはり不安は不安なので次に足を運んだのは医務室、この基地でも精密検査はやっているので過去の検査結果を聞いてみようと思ったので担当である【PPSh-41】に聞いてみれば返ってきたのは

 

「私もそれに関しては一度不審に思い、また副官からも要請があったので検査を掛けました。ですが結果はこちらです、一切の異常は見られませんでした」

 

「……本当ですね。どういうことでしょうか、普通に考えてもあれで異常が出ないなんて」

 

「ええ、はっきり言えば異常が出ないのが異常と言ってもいいかもしれません、私の方でも気をつけますが出来ればG36さんや副官達の方でも気にかけてもらえると助かります。何かあってからでは遅いかもしれませんからね」

 

「分かりました、何か違和感を感じたらまた頼ることにします」

 

頭を下げ医務室から出た彼女の顔は若干の不安が混ざっていた、何も起きなければいいけど、そう思わずにはいられなかった。因みにその日の昼食、夕食はG36が手作りし量を抑え暫くは食事量をコントロールすることになった




指揮官関連でまた出したけどこれが生かされるかは分からないのだ、この基地での精密検査でも異常無いし、更に言えばかなり序盤の話数でペルシカのラボでの精密検査でも異常が出てない、でもこれはこれで不安になるよねこの娘……

【ガトーショコラ】黒猫
特に特筆することはない猫、だいたい救護室にいる、大福のお腹がお気に入り

【ラムレーズン】柴犬(黒)
普通に柴犬、名前は来る前に指揮官が食べてたのがそれだったから

兎狩りの時間だ!って事でコラボイベ始まりましたね、ノエルちゃんドロ限なんですかやだー!!あ、この小説では彼女たち出すかどうかはまだ検討中です

追記
よく見たらドロ限じゃなかったねノエルちゃん・・・


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心配性な情報網

だからこそ情報を集めてそれを武器に彼女の平穏を維持する


時間は夕方、カタカタとキーボードを叩く音が響くこの部屋は広報室、今は室長たる【FMG-9】が記事作成の作業を進めていた、と言うのも

 

(締め切り明日だった……)

 

締め切りは厳守しましょう、それが印刷担当のカリーナのありがたいお言葉だった、と言う風に彼女は今ちょっと追い込まれている、一応ネタも揃ってるので間に合うのだが並行して色んなことしすぎたなぁと作業の手を止めずに反省していると扉がノックされた

 

「開いてますよー、今ちょっと修羅場なので勝手に入ってー」

 

「失礼します、貴女が時間にギリギリなんて珍しいですね」

 

「ん~?ああ、ウェルロッドか、まぁちょっと並行してやってたことにのめり込んじゃって」

 

並行してたこと?FMG-9から見て右側の椅子に座りながら【ウェルロッドMkⅡ】が聞けば、少し待っててくださいと言ってから作業の手を早め、切りが良い所まで進めたのか、これで良しと呟き、これですよとパソコンのモニターを見せられる。そこに表示されてあったのは彼女専用の通信画面、そこには様々な情報が入り乱れ、表示されては消えていく様子が映し出されていた

 

情報処理はウェルロッドも得意のはずなのだが画面を見せられたその一瞬で頭が熱くなったのが分かり目を逸らす、その様子を見てへへへっと得意げに笑い画面を自分の方に戻す

 

「っつ、そんなの見て良く無事でいられますね」

 

「それが私の取り柄ですので、こんな風に記事作成と並行して情報を整理してたら、記事そっちのけで時間経っちゃいまして」

 

「なるほど、しかしそんなに熱心に集めてどうするのですか……もしかして」

 

「ああ、違う違う、逆ですよウェルロッド、最近『大掃除』したから平和なものだよ」

 

大掃除、あの時代を間違えた男と犯罪組織の幹部と頭を処理した依頼の時を指しているのだろうがそれとあの情報の波が何の関係がと考え、思い付く、そう言えば大掃除と作戦名にしたのは目の前の彼女だがあれは大掃除と言えるほどの処理だっただろうかと、どっちかと言うとただの掃除レベルだったなと。それから作戦前にFMG-9が行っていた作業を思い出して、頭の中で全てが結び付いた

 

「……なるほど、派手にやりましたね」

 

「ええ、いやぁ、本当にボロいお仕事でしたよ~」

 

「だから態々変装してまであの基地のデータベースに潜り込む必要があったのですか」

 

思えば、何時もは後方で情報支援しかしない彼女が前線まで出張ってあのデータベースに潜り込むこと自体がおかしな話だったと今にして思うウェルロッド、FMG-9が当時やってたのはその基地の違法行為のデータをグリフィン暗部に送る……だけではなくあの基地の指揮官が繋がっていた犯罪組織全てのデータもその時に送っていたのだ、実を言うとあのターゲットかなりの大物であり、繋がっていた犯罪組織も大小様々なものがあり彼女が送ったデータによってこの地区は清浄化された

 

それに伴って彼女たち裏側は最近、出撃は殆どなくなっていたのだ、まぁそれでも偶に出撃はあるがそれでもかなり減っている、更に言えばですねとFMG-9は続ける

 

「グリフィンの一部で面白い噂が流行っててその御蔭でボスにちょっかいを出そうって奴が減ったのもあるね」

 

「面白い噂?」

 

ウェルロッドがオウム返しをすれば両手を下げブラブラさせながら、にっひっひと笑みを浮かべ

 

「この基地の指揮官は『呪われた人形のお姫様』手を出せば消されるって噂ですよ。後もう一つとしてこの基地に人間が殆ど居ないのは人間は人形に変えられたからだってのがありましたね」

 

「呪われたってお伽噺じゃあるまいし……」

 

ホントホント、寧ろボスからすればあいつら(にんげん)の方が呪われた人形なのにね~と記事作成を再開してキーボードを叩きながらそう告げる

 

「ですが、最近は少し歩み寄ろうとしてますよ指揮官は」

 

「……それは分かってます、ですがそうすればボスが再度悪意に晒される危険性が高くなります」

 

スゥッと眼鏡の奥の瞳が鋭くなる、彼女は指揮官の全てを知っている、偶々集めてしまったとも言える、彼女が指揮官になる前に人形(にんげん)共から受けた仕打ちの数々を知ってしまっている、だからこそ指揮官にはもう人形(にんげん)に近づいてほしくないとすら思っている

 

だが、だからといって指揮官の意思を無視することはしてはならない、彼女が人形(にんげん)を少しでも信頼して一歩でも歩み寄るというのならFMG-9は止めないだろう、だけどその決意を、覚悟を人形(にんげん)がまた裏切ったらと考えてしまう

 

「駄目、ですね。やれやれ何時から私はこんなに心配性になったのでしょうか」

 

「心配性は裏側の皆も一緒ですよ、無論、私だってそうです」

 

「それもそうでしたね、それにしても最初は副官含めた三人だけだった私たち(暗部)も気付けばそこそこの人数になりましたね」

 

あまり増えるとリスクが増えるので両手離しには喜べませんがと言いつつも彼女は味方が増えてる現状を良しとしている、ウェルロッドもそれを知っているので素直じゃないですねと彼女にしては珍しいからかい気味に呟くと、記事にしますよと脅しが飛んでくる

 

「何をするというのですか」

 

「指揮官に押し切られてメイド服試着の写真のデータが此処に」

 

「分かりました、謝りますからそれは止めてください」

 

少し顔を赤くしながらウェルロッドが降参の意を見せれば残念ですと微塵も思ってない声でFMG-9は呟きながら、最終確認を終えて出来上がった記事のデータをカリーナのデータベースに送る

 

「終わった~、そろそろ人手を増やそうかな此処」

 

「そもそも何故一人で作ってるのですか、紅茶飲みますか?」

 

「飲みます、別に一人が良くてって訳じゃないんですがね……」

 

ぐで~と突っ伏しながらウェルロッドの言葉にそう言い返していると画面が突如、先程ウェルロッドに見せた通信画面に切り替わり一匹の黒猫が口に手紙を加えて画面内に現れニャーとデジタル音を響かす

 

それを聞いたFMG-9とウェルロッドの眼が仕事に切り替わる、つまりそういうことだ

 

「紅茶は、後ですね」

 

「やれやれ、最近暇だって言ったらこれですよ」

 

今夜、彼女たちは久しぶりにツーマンセルで闇を駆けた、全ては指揮官の為にと




手を出せば消されるは割と合ってない君たち?あ、この基地のFMG-9は情報処理方面にブーストが掛かってます、戦闘方面は並ですが情報を扱わせると異常に強くなり感じ

ウサギのスキルの火力ヤバすぎぃ!?陣形を弄れば回避簡単だとわかったけど初見のインパクトでかすぎて笑うわあんなん


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特に何もない日も大事な日常

激しい喜びも深い悲しみもある世界だけど、のんびりな平穏だってある世界だ


「なんか、おばあちゃんとこうして二人で出掛けるのって久しぶりだね」

 

始まりは執務室のインスタントコーヒーが無くなったからM1895がならば買いに出るかと言い、便乗する形で指揮官が偶には外に出ようかなと呟いたことだった

 

それを偶々聞いてた【G36】が送迎をかって出て、今はこうして二人のんびりと歩いている。因みにG36は勝手についてきて指揮官と一緒に買物行くと駄々をこねる【P7】を引き摺り別の買い物に消えていった

 

「そうじゃのう、わしとしては一人のんびり買い物するつもりじゃったがまぁ、こういうのも良いか」

 

「一人って、街までどうやって来るつもりだったのさ」

 

「その時だけは無論送ってもらうのじゃ、わしの身長でも運転できる車があれば楽なのだが……」

 

グリズリーに言えば何か出てきそうだけどね、と思った指揮官だがそれを教えて本当に出てきて乗り回されるとこうして出かける機会が減るのではと心配が生まれ黙っていることにする

 

一方、M1895はもしそんな車があったら一々誰かに頼まずとも自分のさじ加減でこやつを外に出せるので是非とも欲しいと思ってたりする、M1895は基本的に少しスパルタである、まぁストレスが見られれば直ぐに中断してしまう甘さもあるが

 

その後も本当になんてこと無い雑談を交えながら目的のいつもの雑貨屋に辿り着き店内に入れば、何時ものように穏やかな笑みを浮かべた店主の老婆が見た目通りの優しい声で

 

「いらっしゃい、あら、二人が揃ってるところを見るのは久しぶりだねぇ」

 

「呵々、ちょいとバタバタしててな、そちも変わりないようで何よりじゃ」

 

「こんにちは……すんなり言えた」

 

「ほう、やはりあれから少しは軽減されたか?」

 

言葉が詰まることも噛むこともなくスラッと出てきた普通の挨拶、それに一番最初に驚いたのは言った本人だった、それからM1895が驚きの声を上げ、店主に至っては目を見開き驚いていた

 

「あらあら、嬉しいねぇ、今日は少しサービスしちゃいましょうか」

 

「別に良いのじゃ、店主、いつものインスタントコーヒーあるか?」

 

あいよ、少し待ってておくれと店主は店の奥に消える、それを見送ってからやれやれ大げさじゃのうと思いつつ指揮官を見れば、未だ驚いたように店主が居た方向を見ている姿があった

 

何をそこまで驚いている、そう思い聞いてみれば少し戸惑いながら

 

「い、いや、彼処まで喜ばれるなんて思ってなくて」

 

「ああ、まぁ、指揮官成り立ての頃から知っておるしからのう、それが成長したと感じれば嬉しくもなるじゃろ」

 

「そういうものなのか……あ、ちょっとお店見てていい?」

 

「む、良いが、商品を壊すなよ」

 

だから子供じゃないんだからさと呆れつつなにか興味が惹かれるものがあったのかその方向に一直線に向かう指揮官、それを見てそういう所じゃぞと誰にでもなく呟けば丁度、インスタントコーヒーを取りに行った店主が戻ってくる

 

その手には角砂糖が詰まった瓶もあり、そういえばそっちも無くなりかけておったなと思い出すM1895はありがたいとその分の料金を出そうとして

 

「ああ、こっちはサービスよ」

 

「いや、だからそういうのはよいと」

 

「良いのよ、受け取りなさい、人生の先輩からのありがたいお裾分けなのだから」

 

声色は先程と変わらない優しいものなのだが貫禄を感じさせるその言葉に、M1895は頭を軽く掻き、それから降参ですという感じの態度をとってから

 

「……はぁ、分かった角砂糖だけ受け取ろう、インスタントコーヒーは、これで丁度か?」

 

「確かに、それにしても本当に人が変わったねぇあの娘は」

 

「苦労したがな、それにまだ人間不信は治っとらんよ、あれはカリーナ達以外の『個人』を信頼することを漸く覚え始めただけじゃ」

 

それでも快挙じゃないと店主が嬉しそうにまた言えば、まぁそうじゃなと未だ何かを興味深く眺めている指揮官を見て微笑みを零す、が同時に指揮官はさっきから何を眺めているのだと言う疑問も生まれ近付いてみればそこにあったのはコマ、その中でもひねりゴマをどうやら先程から遊んでいたらしい

 

「ほう、コマとは珍しいものを見た」

 

「コマ?コマっていうんだ、回転すると柄が綺麗だから楽しいよ、これ」

 

「知らんかったのか……お主微妙な所で知識が欠けておるのう」

 

一回その辺の知識も教えてみるかと同時に考えつつ、ひねりゴマで遊んでいる指揮官に買うかと聞いてみれば即決で買うとなり、その光景を見て店主がまた優しく笑う

 

こうして雑貨屋での買い物を終えて二人はまたのんびりと町を散策する、途中M1895は今日は珍しく平和じゃのうと零せば

 

「良いんじゃない、のんびり出来ないと疲れちゃうし」

 

「その通りではあるが、のんびりすぎるのもちと疲れるのじゃ」

 

「そうかな~、私はそんなこと無いんだけど」

 

指揮官が小首をかしげそう告げると、M1895は苦笑を浮かべつつ何かを言おうとしてむっと気配を察知し、後ろを振り向けば輝いた笑顔でこちらに向け疾走する猫耳シスターとその後ろを追うメイドの姿、二人共器用に人の隙間を縫いそして

 

「指揮官!!」

 

「うわっとと、P7?危ないよ、人混みを走ってきたら」

 

「ああ、申し訳ございませんお嬢様……P7がもう我慢出来ないと言って駆け出してしまいまして」

 

「呵々、やはり後を付けておったか。まぁ丁度よい、もう帰ろうかと言った頃じゃ」

 

やはりバレてましたかと呟くG36、勿論だが気付いてない指揮官はえ、そうだったのと聞けばP7が悪い奴らに絡まれないか心配だからねと胸を張って告げる

 

「悪い奴ら?やっぱりこの辺りはまだ物騒なのかな?」

 

「そうですね、かなり治安はよろしいですがそれでも完璧はありませんから」

 

「特にお主は鈍臭いからのう……あっさり攫われそうじゃ」

 

「大丈夫よ、私が守るもの!」

 

「ふふ、ありがとP7、それにG36もね。じゃあ、帰ろうか、お腹空いちゃったよ」

 

楽しげに笑い、そして一日はこうして何事もなく終わりを迎える、そして翌日

 

「この工場跡地ですか?確かに鉄血の反応はありますが」

 

《ああ、その地区の調査を頼みたい》

 

その日、不思議な出会いが始まる




なんか偶に凄く書きたくなるナガンおばあちゃんと指揮官の一日、そして忘れた頃に登場する雑貨屋の店主、特に設定とかはないけど結構芯はしっかりしてるおばあちゃん

あ、次回、悩んだけどやっぱり書きたいから(自分が苦労するけど)コラボイベ編はっじまっるよー


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うさぎ狩り作戦(仮) Session1

開演

タイトル変えました


事の始まりはヘリアンからのビデオ通信、彼女たちの基地からそう遠くない鉄血工場跡地から妙な反応があり、一度指揮官に視てもらうのだが鉄血の反応こそすれど一番の目的である妙な反応は彼女の目には映らず、ではそれが何なのかと、その地域に鉄血が集まればまた街などに被害が出ると考えたヘリアンは急遽、偵察を依頼し指揮官も受諾、【416】が部隊長として率いる第三部隊が出撃した

 

そして彼女たちは現在、偵察地点にて2つに分かれて任務を遂行していた、片方は416と【G11】と【Z-62】、もう片方は【Vector】と【スチェッキン】、だが中心部の工場跡には警備が厳重で近寄れずにいた

 

「……駄目ね、どう動いても戦闘になるわ」

 

「それは、指揮官からの任務じゃないね、天気も変だし……帰る?」

 

「いや、帰っちゃ駄目ですよ。でも確かに不思議な雲、ですね、渦巻いてますよあれ」

 

「天気はどうでもいいわ」

 

人選間違えたかと416は眠そうなG11を軽く小突いてから別地点のVector達に通信を入れる、が返ってきたのはノイズ音、思わず顔を顰め再度入れてみるが結果は変わらない

 

そこでまさかと今度は指揮官に繋げてみれば、こちらもノイズ音が鳴ってから

 

「こちら416、指揮官、Vector達と通信が取れない、そっちから……指揮官?」

 

《4……どうし……(ザー)!?気を(ザーザー)ハイエンド……》

 

殆ど聞き取れない通信の後、ブツンと途切れた通信に思わず苛立つ416はその苛立ちを隠す素振りも見せずに

 

「クソ!!どうなってるの、まさか鉄血からのジャミング?」

 

「急に怒鳴らないでよ~、指揮官にも繋がらないの?」

 

「しかもVector達とも繋がらないわ、ただ指揮官とは少しだけ繋がって……!?G11、直ぐに周囲を見て!」

 

416は先程の辛うじて繋がり指揮官から聞こえた単語を電脳で復唱した所ではっとなりG11を急かす、対して急かされたG11は眼をまんまるにして416を見つめながら

 

「え、ええ?何どうしたの」

 

「指揮官から途切れ途切れの通信の最後にハイエンドって言葉が出てきたの、もしかしたら奴がこっちに来てるのかもしれないわ!」

 

「そんな、だったらVectorさんたちも危ないんじゃ!?」

 

「だから確認して言ってるのよ」

 

待っててと銃に備え付けられているスコープで周囲を見渡すG11、その眼は先程までの眠たげなものではなく鋭い鷹のような眼、それから彼女の口から416とZ-62は聞きたくなかった言葉が発せられる

 

「マズイね、【イントゥルーダー】だ、しかもこっちかVectorの方に気付いてるかも」

 

イントゥルーダー、電子戦が得意なハイエンドモデル。これは彼女たちは知らないことだが過去に一度、作戦中でホログラムマップから指示していた指揮官の目に介入しようとしたこともあり恐らくだが彼女の秘密を知っている可能性があるとM1895とペルシカは考えている存在

 

416は即座に考える、相手の得物は取り回しが悪いガトリングガン、過去に数度相手取った時もそうだったのでまだ改善されてる様子はないと推測、そして相手はこちらを大体の位置は分かってるようだが詳細な位置はまだ出せてない、なら

 

(……仕掛ける?こっちが動けばVectorが意図を読み取って動いてくれる。彼女が近づけばこっちの勝ちよ)

 

音を立てずに振り向き、二人に自身の作戦を伝えるとG11はそれしか手がないならと頷き、Z-62は緊張した面持ちで分かりましたと小さく頷く、それから一応顔だけだしてVector達の方を見るが確認できない、だが居るのは確かであり、物陰から顔を出して見れば仕掛けるのはちょうどいい場所にいるイントゥルーダー、ならもう迷ってる暇はないわねと416は銃を握り直して

 

(行くわよ、イントゥルーダー……!?)

 

行動を起こそうとした瞬間、空から閃光と遅れてドンッ!と言う音と衝撃波が走り思わず物陰に隠れ直す416、見ればG11もZ-62も身を隠し衝撃から身を守っていた

 

一瞬だったが凄まじい衝撃のあと、また物陰から顔を出せば、そこにはまた衝撃的な光景が映っていた

 

「チッ、ブレたか。運がいいね、イントゥルーダー」

 

「……え、何があったのこれ」

 

あったのはイントゥルーダーの腕と思われるそれを握り締め工場跡を見つめるVectorと凄まじい表情でこっちを見るスチェッキン、因みにVectorの足元には夥しい人工血液が広がっている、無論、Vectorに傷一つはないので腕を引き千切られたイントゥルーダーのだろう

 

あの衝撃の最中、Vectorは物ともせずに躍り出てイントゥルーダーを強襲、その胸を貫こうとしたのだが衝撃で自分とイントゥルーダーの位置がズレて、更に相手もVectorに気付いたことによって回避行動をされた結果、腕一本というVectorとしては非常に不服な結果に終わった

 

「って呆けてる場合じゃないわね、G11、周囲を警戒!」

 

「もうしてるよ、さっきの衝撃で鉄血がざわついてしかも私達に気付いたのか向かってきてるよ!」

 

「私からも報告、気を失ってる民間人を保護、でもこの辺じゃ見ない服装だし、そもそもさっきまでそこには誰も居なかったはずだよ」

 

嘘でしょと思わず口にする416、この地域には民間人は存在しないのは指揮官もヘリアンから聞いて彼女たちにも話しているのでスチェッキンの言う通りどこから出てきたんだと。

 

とりあえず、全員合流して、民間人を守るように物陰に隠れ陣形を取る、が鉄血の数に対して偵察だったがためにダミーは持ってきてないこちらでは数の差は激しくこのまま戦闘に入れば間違いなく劣勢である、どうしたものかと思っていると416の通信機から救いの声が響く

 

《あ、繋がった!!第三部隊、状況報告!》

 

「指揮官!?助かった、細かい状況報告は後にしていいかしら、今は民間人を保護して物陰に隠れてる、だけど鉄血があの衝撃で行動を起こしてしかも私達の位置がバレて迫られてる!」

 

《民間人!?わ、分かった、直ぐこの座標まで撤退して、ルートはナビするから!》

 

本当に助かるわ!何回目かは分からないが指揮官の目に救われ、第三部隊は無事、撤退を完了、だが簡単な偵察任務で終わるかと思ったこの作戦、どうやらまだ続きそうだわと416は未だ気を失っている謎の民間人を見て溜息をついた




サラッとイントゥルーダーに重傷を負わせる星5サブマシンガンが居るらしい。そしてイントゥルーダーもサラッと指揮官の直接攻める事を過去とは言え行っているという事実、出来るのかって?完全同調なら出来ないけど今はそうじゃない、しかも鉄血製、まぁはい結構危ないです

という事で始まりましたコラボイベント編、そしてすでに難産です、何故かキャラが後半の場面だけ動かして前半の映像くれません。辛い、楽しい、辛い(混乱

それとコラボストーリーって図鑑の回想に乗らないんすね……


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うさぎ狩り作戦(仮) Session2

普通じゃない故に認識できる


指揮官のレーダー支援、更に途中から援護に来た第五部隊の御蔭で誰も欠けることなく帰還できた第三部隊はスチェッキンとZ-62とG11に民間人を医務室に運ぶように指示してから残りは作戦室に向かい、そこで指揮官に作戦中のことを報告していた

 

「以上が通信途絶中の出来事よ」

 

「お疲れ様、でも居なかったはずの場所に現れた民間人か……」

 

「話を聞くにあの衝撃の後に見つけたのじゃろ?」

 

「ええ、スチェッキンが言うにはそうなるわ。私もその認識で合ってると思ってる」

 

聞けば聞くほど謎だけが深まり、指揮官はうーんと考えるが結局の所、何かが分かるわけでもない

 

そもそもにして今日の天気は晴天だ、今も晴天だ、だけどあの通信が途絶する数十分前からあの地区だけ雲行きが怪しくなるそして衝撃がこの司令部にまで伝わった

 

「あの衝撃って、鉄血の新兵器とか?」

 

「いえ、あれは雷、つまり落雷ね」

 

Vectorの言葉には?となる指揮官、落雷ってあんな爆発じみた衝撃出たっけと、それはM1895もそして416も同じで今日だけで何回この感想を抱いたか分からないが、いよいよそれが言葉となってポツリと呟いてしまう

 

「何が起きてるのよ、いったい……」

 

「えぇっと、カリンちゃん、ヘリアンさんに此処までのことを報告してもらえるかな、私達はその民間人に会いに行ってくるよ」

 

「え!?し、指揮官さま、その、大丈夫なのですか?」

 

「まぁ、なんとかなるよ、皆も居るしさ」

 

微妙に自信なさげの言葉にカリーナが三人を見れば、任せろと言わんばかりに頷かれる、それを見て分かりましたと一言言ってからヘリアンへの報告を始める

 

そして四人は医務室に向い扉前、一度深呼吸をしてから指揮官がノックすれば

 

「あ、指揮官ですね、どうぞ入って下さい」

 

「失礼します……え、あれ、ええ?」

 

「どうしたのじゃ指揮官、ふむ、其奴が保護された民間人か、確かに見ない服装じゃな」

 

返事を確認してから入れば、清潔感溢れる室内には一般的医療機器等が揃いここだけでも手術等が行える医務室には椅子に座っていたPPSh-41、そしてそのベッドで眠る金髪の少女、運んだ三人はすでに居ないのを見るとどこか言ったようだ

 

そして保護された彼女の服はM1895の言う通りこの辺りでは見たこと無いものである、だが今、指揮官はそれどころではなかった、入って直ぐ彼女が困惑した理由それは

 

「ね、ねぇ、ナガン、そこにいる人がそうなんだよね」

 

「見れば、ああ、やはり駄目か」

 

「あ、いやそうじゃなくて、認識、出来てる」

 

やはりマネキンでしか見えないかと言おうとした矢先、指揮官飛び出したその言葉は医務室に広がり、そして

 

「は?」

 

「え?」

 

「なん、じゃと?」

 

自体をなんとか飲み込めた416が、PPSh-41が、M1895がそれぞれ驚愕の顔と目で指揮官を見つめる、対して指揮官も指揮官で予想してなかった事態に上手く頭が理解できてない様子でベッドの少女を見つめ続ける

 

「ねぇ、ペーシャ、彼女本当に人間なのかしら」

 

「……データ上でなら、人間です」

 

「そう、なら良いわ」

 

それだけを聞いたVectorは興味なさげに視界を彼女から外す、そのやり取りの間に全員がやっと落ち着きを取り戻し、更に丁度いいことに

 

「ん……騒がしいってあ、あれ?」

 

「あら、起きたようね」

 

Vectorの言葉に全員が起きた少女の方を見れば戸惑っている様子の彼女の姿、どうやら状況が飲み込めてない様子であり、自身を囲んでみている指揮官達を見て

 

「ここは……っつ、頭がズキズキする」

 

「え、大丈夫ですか!?ぺ、ペーシャちゃん、えっと」

 

「落ち着け馬鹿者、ゴホン、混乱している所に申し訳ない。お主の名と所属、そして目的全てを洗いざらい喋ってもらおう」

 

久しぶりどころかペルシカ以来の初見で認識できた少女が不調を訴えれば分かりやすいレベルで狼狽え始める指揮官、それを一喝してM1895は圧を聞かせた声で質問をする、気付けば416とVectorが彼女を囲み、PPSh-41は指揮官を背中に回す

 

一方、そんな状況に追い込まれた少女はと言うと肝が座っているのか慌てた様子もなく状況を理解して……

 

「そうだ、あの『窯』に落ちて……」

 

意外と混乱しているのかもしれない、その様子にM1895達も毒気が抜かれたのか肩の力が自然と抜け場の雰囲気が穏やかになる、そうなれば指揮官の行動もしやすくなるのかヒョコッとM1895の背後から現れベッドの少女に近づく、がVectorに首根っこ掴めれ引き寄せられる

 

「うげっ」

 

「不用意に近づかない、まだ危険じゃないか分からないのだから」

 

「大丈夫だと思うけど、ねぇ、貴女の名前は?」

 

「あ、ご、ごめんなさい。私は【ノエル・ヴァーミリオン】それでえっと、ここは……ココノエ博士の研究所?だとするとあなた達は『第七機関』の方々でしょうか?」

 

「ココノエ?それに第七機関?なんじゃそれ、知っとるか指揮官」

 

「ううん、聞いたこと無い」

 

「え?えっと、すみません今何年でしょうか」

 

何故このタイミングで年を聞くと思うがとりあえず今が2062年であり、ここはS09地区のグリフィン司令部の基地だと教えれば

 

「えっ?!せ、西暦……だとするとここは100年以上前の時代!?」

 

「そのもの言い、まるで自分は時を超えてきちゃいましたって感じね、薬でもやってるの?」

 

「や、やってませんよ!!ほ、本当に2062年なんですか?」

 

「うん、そうだけど、ノエルさんはもしかして未来から来たって事ですか?」

 

416の容赦ない視線とセリフに真剣な目で反論するノエル、どうやら薬の線はなさそうねと言えば、PPSh-41が反応が出てれば報告してますしと遠慮がちに呟く

 

それからノエルからの話を聞けば、彼女は未来人であり、『窯』と言う物を通ってる最中に閃光が走り意識がなくなったと思ったらあの地点に居た、また元に時代に帰るのは『観測者』と呼ばれる存在を見つけなければならない、という話

 

「未来人……!!」

 

「まぁ、うむ、他に何か無いか?」

 

「えっと……あ、その雷と共にこう、ウサ耳を生やした女の人を見ました、彼女が『観測者』なら元の時代に帰れるはずなのですが」

 

「57呼んでくる」

 

「いや、絶対に違うと思いますよ416さん」

 

ノエルの証言を元に真顔で【Five-seven】呼びに行こうとする416を止めるPPSh-41、M1895はこの妄言なのか事実なのかわからない少女に軽く頭を抱え、Vectorは顎に手を当て何かを考え、そして指揮官は

 

「ノエルさん、未来ってどんな感じなの?!平和?やっぱり車も空を飛べたりするの!?」

 

「へ?!え、あ、えっと……」

 

キラキラした目でノエルに質問攻めを行い、ノエルはどうしたものかと眼を泳がす。場は混沌としていた




好きに動かしたら話が全然進まねぇ……でもまぁ、良いかなって、慌てるよりは少しは書きやすいし……

ドルフロアンソロ買ったんですよ(ダイマ)ページ開くじゃないですか、いきなりM1895主役じゃないですか、指揮官がおばあちゃん呼びで眼がまんまるになるよね、最後の赤面おばあちゃんに思わずガッツポーズするよね、あとIDWも良かった、ナガンおばあちゃんの出番も多くてよかった、ナガンおばあちゃん可愛いよね、可愛いって言って?それよりアンソロ買おう、私も買ったんだからさ(同調圧力


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うさぎ狩り作戦(仮) Session3

PPSh-41、謎の超直感


混沌としていた医務室ではあったがあれやこれやと寝起きの人間相手に怒涛の質問攻めを繰り広げる指揮官を先に止めることが先決だと言うことになり現在は

 

「お主……自分がこの基地の指揮官であるにも関わらず、こやつが本当に害を加えない存在かもわからないのに不用心に近づき、終いには未だ混乱しているであろう彼女に質問攻めとはどういう神経しておるのじゃ?それとも何か、新しい尋問か?」

 

「いえ、違います……ごめんなさい」

 

「あの、私は大丈夫ですから、あまり怒らないであげたほうが」

 

ガッツリM1895から説教を受けてました。床に正座をし唯でさえ小さなその体を更に小さくし顔はすでに半泣きであり、誰がどう見ても反省しつつ落ち込んでいるのは明白な指揮官を気の毒に思ったのかノエルが鬼の形相で説教を繰り広げるM1895を止めようとするが

 

「いいや、今回は流石に此奴が不用心過ぎる、良いか?前々から思っておるしお主も耳にタコが出来る程聞いたとは思うが人間に視える者全てが良心の持ち主というわけではない、中には絶対にお主の命を狙おうと考えるもの、そこまで行かぬともこの基地に何かしらの害をもたらそうとする者が居る、故にな……」

 

「あ~、これ長くなるわね、私戻るわ」

 

「え?あ、いや待って下さい416さん!?」

 

M1895の声から今回はかなり怒ってることが理解できた416はそれだけ告げると医務室の扉へと歩を進め、PPSh-41の静止も虚しく416は気怠そうに手を降って医務室を後にする、そしてそれに続くようにVectorも医務室を後にするのだが、出る直前にあ、と声を上げて彼女たちの方を見て

 

「おばあちゃんに説教され過ぎて、指揮官が『そぼ』うにならないようにしてね……ふふっ」

 

「えぇ、この空気でダジャレって行っちゃいました……どうしよう、あ、あの副官?」

 

「もう少し待て」

 

とりあえずM1895に声を掛けてみるががその一言でバッサリ切られる、取り付く島がないとはこのことでしょうかとPPSh-41は困った感じの表情を浮かべてからこっちはこっちでどうすれば良いのかと言った感じのノエルを見てから

 

「えっと、ノエルさん、お体の方はよろしいでしょうか?」

 

「この状況でそれ聞きますか!?」

 

「これはその、日常的なものですので……慣れて下さい」

 

えぇとある意味新鮮な反応にああ、これが普通なんですよねと思わず苦笑を浮かべてしまうPPSh-41は机に向き直りカルテを手に持ち眺めつつ、少し前のVectorの会話を思い出す

 

(……数値の上でなら、確かに人間。でも指揮官が認識できるとなると話が変わっちゃいますよね、『窯』『観測者』『未来』……もしかして戦術人形(わたしたち)と似たような存在?)

 

なぁんて、ちょっとSFの見過ぎですかね、そもそも戦術人形(わたしたち)に時を越える機能なんてありませんし、そんな技術も存在してないですしと思いつつ指揮官と副官の説教の場面に目を移すが、どうやらもう少しだけ掛かりそうだと席を立ち

 

「コーヒー、飲みますか?」

 

「え、ああ、はい、頂きます」

 

曖昧な表情で聞けば、ノエルも正直どうにか出来るとは思ってなかったようで二人はコーヒーを飲みながら指揮官が解放されるのを待つことにした。それから、指揮官が説教から解放されるのは一時間後だった模様

 

解放された指揮官の姿はそれはもう、これどう触れたほうが良いですかというくらいに反省、と言うより凹んでおり、その横ではM1895はあ~と言った感じに頭を掻き少しやりすぎたと反省する、がまだ少し凹んでいるかと思った指揮官が顔を上げてノエルの側に行き深く頭を下げてから

 

「あ、あの、ノエルさん……貴女も混乱しているのに未来人って事に興奮して私、本当にごめんなさい」

 

「そんな、大丈夫ですよ、まぁちょっと戸惑ったけど、お蔭で落ち着きましたし」

 

「そう言ってもらえると助かるのじゃ、じゃがわしからも謝ろう、すまなかった」

 

二人に頭を下げられワタワタとするノエル、そこで指揮官の通信機からピピピと音がなり慌てて出て短い会話の後

 

「ごめん、カリンちゃんからヘリアンさんが呼んでるみたいで作戦室行ってくる」

 

と告げて医務室から出ていく、恐らく保護した民間人、つまりノエルをどうするかだろうとM1895は思いつつさてどうするかと考えているとノエルの方から質問が来る

 

「聞こうと思って聞けなかったのですが、あの娘がここの指揮官、なんですか?」

 

「ああ、そうじゃよ……みなまで言うな、そうでもしなければアヤツは人として扱われんかったのじゃ」

 

「っ!?ごめんなさい、気安く触れるべきではないですよね……」

 

陰が深くなるM1895の顔にしまったと言った感じに謝る、それを聞きM1895はどうやらお人好しの類じゃなと判断し思わず笑みが浮かび、どうせならばこれを聞いておくかと逆に彼女に質問を返す

 

「気にするな、じゃがそうさな、お主のことでも聞こうか、何者なのじゃ?」

 

「そう、ですね。簡単に言うなら警察、でしょうか、ただ軍隊でもありましたけど」

 

「ふむぅ、ようは兵士か?未来も変わらず物騒じゃなぁ」

 

呵々と笑いつつPPSh-41が淹れて持ってきたコーヒーを一口、だが同時に100年後に自分たち戦術人形は居ないのかとも考えていた、でなければ人が戦う理由にはならない、それか

 

(よもや、人で事足りるほど生活圏が減少でもしたかのう)

 

いや、まさかなとその考えを切り捨てる、だとしたらノエルからもっと悲壮感のようなものを感じてもいい筈だと

 

その後もPPSh-41を交えこの世界のこと、未来の世界のことを当たり障りのない程度で話していると今度はM1895の通信機が鳴り出てみれば

 

《あ、ナガン、ノエルさんを連れて作戦室まで来てくれるかな》

 

「それは良いが、何かあったのか?」

 

まだ続く、そう思っていたこの物語ではあったが

 

《うん、工場跡地、彼処にイントゥルーダーとは別のハイエンドモデルの反応が合ってヘリアンさんにドローンを飛ばしてもらったらノエルさんが言ってたウサギ耳の女性が居たんだ》

 

「それって、もしかして!?」

 

どうやら、終幕は近いのかもしれない




え、一週間?何の話だよ、イケドンです、ガン攻めです、ノエルさんにも本家張りの戦いをしてもらいたいです

最近とある小説読んでて、ウチの指揮官はなんて平凡だなぁと思いました、そのままの君でいて……


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うさぎ狩り作戦(仮) Session4

割りと大きな作戦とかだと当たり前のように夜勤勤務になるのがウチの指揮官


作戦室、指揮官からの報告を聞いたノエルが居ても立っても居られない様子だったので彼女を連れてM1895が来れば、どうやらヘリアンとの通信が終了していたらしく、指揮官は今も工場跡地のホログラムマップを見つめてうーんと唸っている様子で入ってきた二人には気付いていない感じだった

 

「あ、副官って……え、その人を入れちゃって大丈夫なのですか?」

 

「わしが責任を持つ、指揮官、ノエルを連れてきたぞ」

 

「ん、ありがと。ごめん、早速なんだけどこの映像見てくれるかな」

 

カリーナに目配せをすれば彼女端末を操作して一枚の画像が映し出される、そこにはウサギ耳のカチューシャを付けて鉄血人形のような白い肌、薔薇をあしらっていると思われるが全てが黒いため判断がつかず、攻撃的なトゲが付いているウェディングドレスのような服に身をまとった女性

 

「これが新たに出現したハイエンドモデルの反応のやつか」

 

「うん、ヘリアンさんにも確認してもらったけどデータにはない存在、だからノエルさんが探してるのってこの人だと思ったんだけど」

 

違うかなと聞いてみれば、ノエルは画像を見てそれから口を開くのだがその声は何とも微妙な感じだった

 

「多分……この人だとは思います」

 

「『多分』?なんじゃ、なにか気になるところでもあったか」

 

「こんなに黒い服じゃなかったと思うんですよ、それに肌もここまで白くなかったですし」

 

あの一瞬だけですのでもしかしたら見間違えもあると思いますが、それでもこれはなんか違う気がします。だがノエルの目には希望が籠もっていた、口ではそう言ったが勘が告げている、彼女が観測者であると

 

だからこそ、出来ることならば直ぐにでも会いに行きたいが今の自分は保護されている身、勝手なことは出来ないと言い聞かせている、その表情を見た指揮官は再度ホログラムマップを見つめ、そして

 

「ノエルさん、やっぱり早めに元の時代に帰りたいよね」

 

「え、は、はい。待ってる人達も居ますから」

 

「だよね、実はね、ヘリアンさんにはさっきの偵察任務でイントゥルーダーに重傷を負わせたことを話したんだ」

 

ん?とノエルが首をかしげる、それが今の質問とどんな関係があるのかと、だが話を遮るわけにもいかないのでとりあえず黙って聞いてることにする

 

「それで工場跡地にはハイエンドモデルの反応が二つ、片方はイントゥルーダー間違いないならば攻めるには早いほうが良いかってヘリアンさんが言ったんだ」

 

「……ほう、そういうことか」

 

「え、えっと、つまり?」

 

まだ若干飲み込めないノエル、その反応を見てニコリと指揮官が笑い、M1895はニヤァっとイイ笑顔を浮かべる、それを見たカリーナはうわぁ、指揮官さまが副官から変な影響受け始めてますわとちょっとだけ彼女の将来が心配になった

 

「確定じゃないけど、今日にはまたヘリアンさんから通信が来てその時に今度はこの工場跡地の制圧任務が発令されると思うんだ」

 

「!!じゃ、じゃあ」

 

「へへへ、まぁ今日一日は体を休めてよ、私は……ちょっと作戦室から離れられそうにないけど」

 

指揮官はそう言うとまたホログラムマップに視線を移す、実を言うと今回のことで彼女はヘリアンに少しばかり無茶を言ってしまっており、今回早期に制圧任務を出してもらえる代わりに出されたのが制圧完了までの工場跡地の監視、ドローンでも良いのだがやはり夜間となると映像は見えにくくなり、昼間でも撃墜される危険性もある、だが彼女の『目』であればそれは関係ないため鉄血になにか動きが無いかを監視するには適任な存在である

 

なので今日は彼女は仮眠こそあるが一日中ホログラムマップとにらめっこ、恐らくだが食事も本当に少量で持ち前のごちそうさま理論で乗り切るつもりだろう、労基?そんなのこの世界には無いよ

 

「ナガン、ノエルさんの部屋はG36に頼んで用意してもらってる、それと食堂とかの案内はお願いするね」

 

「任せよ、お主も無理をするなよ……カリーナ、頼んだ」

 

「お任せあれ、何かあればすぐにでも止めますわ」

 

「本当に、私の所為でごめんなさい」

 

まさか自分が早く帰りたいと思ったことでこんな少女が一日中拘束され、あまつさえほぼ夜勤で仕事をすることになるとは思ってなかったノエルは罪悪感にかられながら頭を下げれば、返ってきたのはフフンという得意げに鼻を鳴らす音と

 

「大丈夫!こういうときこそ私は役立つからね、とにかく今日はゆっくりしてよ、明日はかなり忙しくなるからね」

 

笑顔でサムズアップを向け、それから見た目相応の無垢な笑顔の指揮官の姿。それからM1895がでは行くかと二人は作戦室を後にする、出てから少しの間は何も言わずに黙っていたが歩き出してから数分後、M1895から

 

「お主の心配も分かる、わしも少しばかりは心配ではあるからな」

 

「あんなに小さい娘に無茶させてしまうなんて思わなくて」

 

「……あれでも17じゃぞ?」

 

え?と固まるノエル、どう見たって150はない身長、細すぎる身体、無邪気な性格、それらを合わせると良くて11~2位かと彼女は思っていたのだがまさか自分とそんなに変わらないとは考えてもおらず。しかし同時に妙な親近感を感じた

 

思わず自分の身体を見る、それから指揮官の身体を思い出す、そしてある一点を重ねて、何故か視界が潤んだ、だがM1895からの言葉で別の意味で更に潤むことになる

 

「呵々、まぁ指揮官になる前は少々酷い扱いされてな、ペルシカ、あやつの後見人じゃがその人曰く発育不良だということじゃから普通の生活をしていれば年相応だったのだろう」

 

「うっ、うぅ……グス」

 

隣から聞こえた涙ぐむ声に見れば堪えられずに涙を流すノエルの姿、感受性豊かじゃなぁと思いつつハンカチを渡せば涙を拭ってなんとか落ち着こうとする、それから少しして

 

「……ハンカチありがとうございます、ふぅ、もう大丈夫です」

 

「お主が気に病むことではない、指揮官の言葉を借りれば間が悪かっただけじゃよ」

 

「間が悪かっただけって、強い娘ですね」

 

「まぁな、さて案内するぞ、広いから迷うなよ」

 

子供扱いしてます?と言われれば迷って半べそかいたのが居るからのうと返すM1895。一方作戦室では

 

「くちゅん!」

 

「指揮官さま!?冷えますか、暖房と温かい物と毛布とか持ってきましょうか?」

 

「ううん、大丈夫だよ……もう行動始めてる、カリンちゃん、ヘリアンさんにこの地区の基地に連絡してもらって、すぐに防衛線を築いてほしいって伝えて」

 

彼女のお蔭で一日だけとは言え民間人の被害は出ずに、そして翌日

 

「全部隊、そしてノエルさん、用意はいい?」

 

「はい!何時でもいけます!!」

 

うさぎ狩りが本格的に開始される




ノエルちゃんと指揮官の共通点?そりゃ45姉と似たような(鼻が折れる音

こういった一箇所の場所を長時間監視とかだと異常な強みを見せれる指揮官、食事は少量で済ませられるし過去に過労で倒れたけどかなり長時間無茶できるし、でも本当はやらせたくないのが基地の皆の気持ち、ヘリアンさんも仕方ないとは言え良心が痛い

PKP来ますね!陣形もいい感じですし62式もいい陣形ですし、こりゃマシンガン部隊が超強化も夢じゃないですね!!


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うさぎ狩り作戦(仮) Session5

作戦開始、開戦の合図はできるだけ派手に


「これは、数が多いのう」

 

翌日、工場跡地の制圧任務が発令され移動中の輸送ヘリの中でホログラムマップに表示された赤い点を見て思わずM1895がボヤく、一応今朝のブリーフィングで作戦は提示されこの数を相手取るわけではないと分かってはいるが

 

今回は全6部隊のダミーフル稼働、この基地としてはかなり久しぶりな全力出撃であるがイントゥルーダー及び例のウサギ耳のハイエンドモデルと戦闘するのは第一、第二、第三とノエル。この三部隊が上空から工場内に侵入、制圧を担当

 

残りの第四と第五と第六は彼女たちが工場内で戦闘中に他の鉄血が乱入しないように外にての陽動作戦を行うことになっているので既に陸路で向かい所定の場所にて合図を待っている

 

「で、わしらがウサギ耳なわけじゃが、何か情報はないのか?」

 

《一応、少ないけど話だとミサイルを撃ってきたとか、クロスレンジが異様に強いとか》

 

「何よそれ、ああ、一〇〇式とか部隊長みたいな感じ?」

 

「わ、私はいざって時だけです!」

 

「わしもじゃ……そろそろ、ナイフの一本でも持つべきかのう」

 

何故か若干賑やかになるヘリ内、通信先の指揮官もアハハハと笑うがスグに真剣な眼差しに戻り、続けて情報を提示する

 

《ただ、ミサイルに関しては持っていた銃が変形した、と言う話も来てるから、もしかしたら私達の常識で考えるのは危ない敵かもしれない》

 

「銃が変形って、鉄血が考えることはよくわからないわ」

 

「……私のベルヴェルグと同じ?」

 

「貴女の武器って二挺のハンドガンよね?」

 

ポツリと呟かれたノエルの言葉にAR-15が反応する、彼女の言う通り事前に見せられ説明されたノエルの武器はベルヴェルグと呼ばれる大型の二挺拳銃、かなり大型で反動が凄まじそうだが彼女はそれを難なく操り模擬戦をした【FMG-9】が出来れば敵として相手はしたくないと言わせるほどクロスレンジも得意で今回の作戦でも結構当てにされている

 

「えっと、基本はそうです、ただガトリングガンに変わったりロケット砲に変わったりも出来ます」

 

「……未来が少し羨ましいわね、私達はアタッチメントで増やせる範囲だから大火力はそれ専用の武器がないと出来ないし」

 

「そもそも、彼女の武器を銃火器と見て良いのかしらねこれ。まぁ、ウサギ耳と戦う時はあまり前に出過ぎないで、当てない自信はあるけど絶対じゃないから」

 

人形ならダミーごとは極稀にやるがノエルは人間であり、流石にそれは出来ないので釘は刺しておく、しかし相手が迫ってきた場合はガッツリ前衛で足止めをしてもらうつもりだと告げれば任せて下さいと自信満々の声が返ってきてFALが一言

 

「また、一〇〇式に悪い影響が……」

 

《そろそろだね、ブリーフィング通り、作戦区域に……(ザーザー)》

 

突如、指揮官からの通信と映像が乱れ途切れる。何が起きたのかと思う間もなく映像が復帰し、しかし映ったのはイントゥルーダー、そしてこれは彼女たち第一部隊のヘリだけではなく全部隊のヘリもそうだった

 

《こんな舞台を整えてくれるなんて、感謝しないといけませんわね》

 

「イントゥルーダー、腕の調子はどうかしら?」

 

真っ先に反応したのはVector、イントゥルーダーの姿を見て右腕が隠れる立ち方をしているのを確認した彼女は挑発的な笑みを浮かべ、そして声も明らかに挑発的な感じにそう聞けば

 

《あら、敵の心配するなんて狩人も人が良いのね。そうね、出来ればもう少し休みが欲しかったわ》

 

「それは良かったわ、次は必ず仕留めてあげるから」

 

軽口を叩いてるように聞こえるがその場に居た第三部隊全員が思った、Vectorって意外とプライドが高いのではと、声が先程の挑発的な感じではなく絶対に殺すという決意が滲み出ていた。Vectorからしてみれば一撃で仕留められなかったのは今回で二度目、しかも一回目は実力だったのが今回は運で避けられて少しムカついていたのだ

 

「それに、貴女を残してると指揮官が危ないからね」

 

「どういうことよそれ」

 

《それは安心して下さいな、彼女にはもう手は出しませんわ、いえ出せないと言ったほうが正しいですね》

 

「あんた、指揮官に何をしたの!?」

 

「後で副官にでも聞きなさい、どうせこの会話を聞いてるんでしょうしね」

 

416がイントゥルーダーが目の前に居たら掴みかからんと言う勢いで聞くがそれをVectorが宥める、が当の副官はVectorが知ってたことに驚いていた

 

だがこのやり取りでざわりとヘリ内の空気が重くなる、イントゥルーダーが指揮官になにかしたと言うだけだがそれだけで決まっていたことだがこいつを絶対に仕留めると全員が決意を新たにする

 

《あらあら、愛されてますわね。ですが私ばかりにかまけてよろしいのでしょうかね?》

 

「何を……」

 

Z-62が言い切る前に、ヘリが大きく回避行動を取り全員がその場で何かに捕まり揺れに耐える。収まってからスチェッキンがパイロットに

 

「どうしたの!?」

 

「工場からミサイルです!これ以上は近づけませんっ、回避します何かに捕まって!!」

 

《あらあら、意外と腕のいいパイロットを雇ってますのね、まぁ私はこれで失礼いたします》

 

ブツリと映像が切られる、どうやら空にいるなら遠慮なく撃ち落とすつもりらしい、だが地上は地上で工場入口と思われる門前には敵が多数おり、かと言って安全圏から進行しようとすればどれだけ消耗を強いられるか分からない

 

「不味いわね……パイロット!一旦退いて、落とされるよりマシだわ!」

 

《M1895から工場制圧部隊へ、これより門前の敵を門ごと吹き飛ばす、それから即座にヘリから降りて攻略を始める、よいな!!》

 

「は!?何言ってんの、そんな大火力持ってないでしょうが!!」

 

そもそも武装ヘリなんてこの場に居ない、居るのはダミー増々で運べるようにと言う輸送ヘリ、RPG-7のような物も無いのにどうやって吹き飛ばすというのだと反論を述べれば、呵々と何時もの笑いが聞こえてから

 

《腰抜かすなよ?ノエル、今じゃやれ!!》

 

ノエル?民間人が此処で何するのよと思ったのも束の間、第一部隊のヘリから何かが飛んだ、よく見ればそれはミサイルのようであり弾頭部分には何ともコミカルなサメの顔が描かれていたそれは門に居た鉄血の集団に着弾、そしてあの大きさのミサイルからは考えられない爆発と爆風が辺りを吹き飛ばした、その余波は彼女たちのヘリも襲う

 

「くぅぅ!!??」

 

《やった、狙い通りです!》

 

《よくやったノエル!指揮官、第一部隊は作戦を開始するぞ、全部隊わしらに続けい!!》

 

《良いわね、派手なのは好きよ、第二部隊、行くわよ》

 

M1895のテンションが上りきった声に続いて第二部隊の部隊長【UMP45】の感嘆の声、それを聞いた416は訳がわからないという言葉を飲み込んで部隊員に

 

「私達も続くわよ、第三部隊、これより作戦を開始するわ!」

 

今の爆発が合図と見たのか、他の部隊も攻撃を開始、戦闘音が聞こえそれを背景に彼女たちは工場の攻略に乗り出した




ノエルさんもエルフェルトも本来武器がめっちゃ変形するから戦術人形から見るとふざけるな案件だよね、ぶっちゃけ今回はノエルさんのトールで吹き飛ばすシーンが書きたかっただけ(自白

知ってるだけだとノエルさんはガトリングガンとミサイル。エルフェルトは拳銃、ショットガン、マスケット銃、バズーカ。銃種詐欺ですね間違いない……

そういや、次回のアプデでカルカノM1891来ますね、陣形とスキルがPPK陣形と噛み合いすぎてもう気が狂うほど欲しいんじゃ、洋服のデザインが趣味なのもベネ!

……エルフェルトさん出番時間かかりそうですかねぇ?(自虐


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うさぎ狩り作戦(仮) Session6

起動しなければ、目も作用しない


門に撃ち込んだ後、続けて工場にも数発撃ち込んで見れば流石にあのような反撃は想定してなかったのか、収まった攻撃の間に攻略部隊は門だった地点に展開、ダミーも全員起動させる。それから先程の攻撃を行ったノエルにUMP45が近寄り

 

「ミサイルが飛んできた時はどうなるかと思ったけど、ノエル貴女凄いわね」

 

「い、いえ、私は自分が出来ることを提示してナガンさんが判断しただけです」

 

「謙虚ねぇって、悠長に喋ってる場合じゃないわね。指揮官、敵はどう?」

 

《……おかしい、ハイエンドモデルの反応は確かにある、でも他の敵の反応がない?》

 

困惑する感じの声の指揮官にその場の全員が即座に周囲の警戒を始める、間違いないこれは罠だと感じ取ったのだ。だが何も来ない、それでとりあえずハイエンドモデルの居場所を聞いてみれば

 

《固まってる、ちょっと待ってて……これだ、工場内部じゃなくて外の運動場みたいな場所に陣取ってる、でも二体の反応しか無いから十分注意して》

 

「了解、罠よねこれ、行ったらもれなく……」

 

「うむ、全員一度集まれ、作戦会議じゃ」

 

M1895の号令で集まった彼女たちは明らかに罠を張っているこの状況で打てる手を模索し、そして決まり、行動を開始して、直ぐに自分たちの推測の間違い、そして指揮官の目に慣れすぎた弊害を実感させられた。何が起きたか、それは

 

《えっ!?4時の方向に鉄血反応!!》

 

「嘘でしょ!?って速い!」

 

「どこから出てきたのじゃ?!って、ちぃ!」

 

ナイフを二刀流で持ちかなりの速さで彼女たちに接近するのは鉄血の【Brute】遠距離攻撃は無いのだがそのナイフは装甲で固めたショットガン戦術人形をも切り伏せるほどの切れ味であり、今の彼女たちには十二分に驚異であるがそれを回避し、M1895が頭に一発撃てば機能を失う、この通り装甲自体は非常に脆いのだが如何せん素早いから当たりにくい

 

そしてM1895の言葉の通り、この鉄血は先程まで指揮官の目には反応がなく、突然現れた。そしてこれ一体だけ、なんて上手い話はなく。指揮官の目には続々と増える赤い靄、それを見て思わず叫んでしまう

 

《嘘……増えてる、どこに居たの!?さっきまで何も反応無かった筈なのに、ごめん、皆!!》

 

「あんたのせいじゃないわよ、これがあいつの罠って事!?」

 

彼女たちの現在地は一応の広さこそあるが、乱戦になれば確実に不利になる地形、それを見越しての罠だろうが指揮官の目を掻い潜ったカラクリが分からず現状できるのは迫りくる鉄血人形を臨機応変に処理しつつ目的地に進むこと

 

だがそれも増え続ける軍勢に進軍もままならない、ジリ貧でこのままでは、そんな空気が漂う中、別行動中だったはずのノエルが現れ、叫んだ

 

「皆さん、合図と同時に伏せてください、これちょっと制御できる自信ないですから!!」

 

「え、何、何するつもりですか?」

 

「行きます!フェンリル!!!」

 

ウェルロッドMk2の珍しく焦った声に返答はなく、彼女が思いっきり叫んだ後、その手に持っていたのは二挺の大型拳銃……ではなく、どこから現れたのかガトリングガン、それを見た瞬間、有無も言わずに伏せる、立ってたら間違いなくオシャカにされると嫌でも理解でき、確認したのか伏せると信じてたのかほぼ同時に引き金が引かれ銃弾の嵐が彼女たちの頭上を襲う

 

「うぉぉぉりゃぁぁぁぁ!!!!」

 

何とも逞しい叫びとともに繰り出される銃弾の嵐、一体どれだけあのガトリンガンの弾倉に詰まっているのかとか考えてはいけないのだろうが一分近く吹いた嵐が収まり、各々が顔を上げればそこにあった光景は鉄血は当たり前なのだがその先の壁も周囲の壁もオブジェクトも全てが無残に変わり果てた姿、しかも貫通してる所からあの弾丸は徹甲弾とかの類かと思わず顔が引き攣る

 

「だ、大丈夫ですか皆さん!」

 

「い、いや、助かったのじゃがお主どうして此処に」

 

「いえ、指揮官さんが皆さんが危険だと通信で伝えられて来てみたらなんかもう凄いことになってたので」

 

《間に合った!?みんな状況!!》

 

「無事よ、どっちかと言うとノエルのガトリングガンの方が命の危険を感じれたわ」

 

軽口を叩く416、だがその顔は若干疲れておりもしノエルが来なかったら誰かしらは犠牲になっててもおかしくなかった状況ではあった、だが無事とは彼女は言ったがそれはあくまで本体である自分たちはと言う話であり

 

「ダミーが手痛くやられたわ、残ってる人」

 

上がったのはRF組とHG組だけ、ARとSMGは壁として彼女たちを守ったがために殆ど消耗してしまっている、そしてこれがイントゥルーダーの狙いだったのだろうとその時M1895が勘付き、やられたなという顔になる、流石に指揮官もそれに気付けたようで酷く落ち込んだ声で

 

《ごめん……》

 

「反省会は生きて帰ってからじゃ、作戦はまだ終わっとらんし何も負けたわけでもない、ダミーは痛いがわしらはほぼ無傷であり消耗も指揮官がノエルを呼び戻したお陰でそこまででもない、寧ろ礼を言いたいくらいじゃよ」

 

「だね、さぁてこの鬱憤あいつらにぶつけてやりましょうか」

 

「ふふ、ふふふ」

 

「やだ、Vectorが怖いよ、帰りたいよ……」

 

色々やばい雰囲気を纏ったVector、その空気にG11は本気で怯え、ノエルも若干距離を置く、見れば他の仲間達も似たり寄ったりの反応である。が直ぐに進軍を再開今度は最大限に警戒しながら進み、そして

 

「まさか、脱落者無しとは思わなかったわ」

 

「この距離でバレるか、遮蔽物は割とあるが……」

 

舞台の役者のような振る舞いと声で驚くイントゥルーダー、その背後には作戦室にて一度見た例のウサギ耳のハイエンドモデル、その無機質な瞳が彼女たち戦術人形を、否、ノエルを捉え

 

「……エルフェルト=ヴァレンタイン、不適格の人形共を殲滅します!」

 

セリフと同時だった、距離はあったはずのウサギ耳、改めエルフェルトは気付けばノエルの目の前に存在し既に手に持った銃が振り被られていた、予想してなかった速度に反応が遅れたノエルだが咄嗟に飛び退き回避しながらながら彼女の足元に銃弾を撃ち込めば小さな火柱が立ちエルフェルトを襲う

 

が関係ないとばかりにそれを突っ切り、ノエルに肉薄する。M1895達も見てばかりではなく援護に入ろうとするが

 

「ごめんなさい、貴女達はこちらの舞台ですわ」

 

《また突然、って工場の方からも!?》

 

「エルフェルトは私がなんとかします、そっちはお願いしました!!グッ!?」

 

「……第二部隊、工場の敵を押さえに行くわ、副官、416、イントゥルーダーは任せたわよ!」

 

「頼んだのじゃ、さて、劇は今日限りじゃぞ」

 

「時間が惜しいの、さっさと死んでもらうわよ」

 

「ふふ、そう言わずに楽しみましょ?」

 

最終戦が始まる




因みに冒頭の作戦は既に瓦解してます、相手のほうが一枚も二枚も上手だったからね、仕方ないね

ノエル エルフェルトと格ゲー
第二部隊 工場方面からの敵を押さえに耐久ゲー
第一、第三部隊 イントゥルーダー撃破タイムアタック

まぁ第二部隊の活躍は書かれないんですけどねUMP45姉さぁん

Session嵩張りすぎてんよ~(白目)話の纏め方が下手だってそれ昔から言われてるから(吐血


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うさぎ狩り作戦(仮) Session7

格ゲーでやれ


グリフィンの戦術人形部隊が銃撃戦を繰り広げる中、エルフェルトとノエルはクロスレンジでの戦闘が繰り広げられている

 

ノエルは軽快に動き回り、素早く、そして手数で攻めていくのに対してエルフェルトはどこかお茶目な感じの、言うならばドジっ子な感じでの攻撃であり転けたと思ったら宙返りで蹴りが、抱きつこうとして失敗すればその場で暴れまわり

 

「うわわっ!?予想がつきにくい」

 

ヒップドロップが飛んできたり、かと思えば銃が変形して拳銃に変わり銃撃を浴びせに来たりと兎に角多種多様な攻め方でノエルを苦しませる

 

だが彼女も元の世界ではいくつもの修羅場をくぐり抜けてきた存在、確かに慣れずに苦戦をするがかと言って一方的に負けるわけでもなく徐々にエルフェルトの動きに慣れ始める、そして何よりも

 

(副官さん達が敵を食い止めて私と彼女の一対一を作り上げてくれてるから助かります)

 

本当に余裕がある時にチラッとM1895の方を見れば、派手な銃撃戦の光景、だがよく見ればこちらに向かってきそうな敵を優先して排除しておりお蔭で今もエルフェルトのみに集中できている

 

対してM1895側も彼女がエルフェルトを抑えてくれることにはかなりの利点があり、指揮官からの情報できていたバズーカが飛んでこないため、イントゥルーダー側には彼女たちを攻め落とすための大火力がなかったりする、その分、数は多いが一体一体の性能は急拵えだったのかそこまで高くはなく、更に言えば右腕も修復は済んでいないイントゥルーダーからのガトリングガンが来ないのも合って寧ろあちらは有利にことが進んでいるようにも見える

 

「(なら、今私がやるべきことは彼女を倒す、それだけです!)壱式!!」

 

銃をマスケットに変えフルスイングをしてきた攻撃を回転しつつ上半身を少し下げ回避しつつベルヴェルクで腹部を殴りつけ続けそのままもう一回転し付けた勢いで蹴りを同じ箇所に放つ、が先程までの明らかに違う威力のハズのそれを受けて尚、エルフェルトは顔色一つ変えずにガチャンと今度はショットガンに変え銃口を彼女に向ける

 

それに驚きつつ、ノエルは即座に身体全体をバネに後方に半回転し先程まで自分が居た場所に銃弾を撃ち込み火柱を発生させる、直後放たれた散弾は火柱に飲まれノエルには届かない。そして火柱が消える直前にベルヴェルクを自身の前でクロスさせ駆け出す、エルフェルトもそれは予測していたのか迎えたのはマスケット銃を構え火柱が消える、だがノエルはそこに居ない

 

「てりゃぁぁぁ!!」

 

声に反応して見ればエルフェルトに向け弧を描くように跳躍したノエルの姿、そのまま身体を捻りその勢いで銃口をエルフェルトに向け連射、始め数発はエルフェルトを捉えたが腕で防がれ、大型ゆえの威力を利用して反動で後ろに下がられ残りは全て回避される。距離がまた離れ仕切り直しかと思われたがノエルはエルフェルトに銃口を向ける

 

「オプティック・バレル!!」

 

無論そんな分かりやすい射撃を当たってやるほどエルフェルトも甘くはないので銃爪が引かれる瞬間に右に飛び回避をする、が叫びと共に引かれた銃撃は射線外のエルフェルトの胴体に命中する、理解できない現象に数瞬だけ思考が止まるエルフェルト、その隙を逃すわけも無くノエルは駆け出す、それは先程のよりも更に速く、合ったはずの距離はゼロになり

 

「確認します、これは『本人』じゃ無いんですね!」

 

《う、うん、それはダミーだよ!》

 

「了解、なら遠慮なく消し飛ばします、ブルームトリガー!!」

 

踏み込み突きつけられる銃口から発射されたのは今までのとは比較にならない程の銃声、いや、聴いたものからすればそれは拳銃から出される音ではなく、アンチマテリアルライフルなどの大口径の物から発せられる音であったそれを受けたエルフェルトの胴体はキレイに空洞を開け、中の配線などが火花を散らし丸見えになり、そのまま仰向けに倒れる

 

「……対象、沈黙」

 

静かに呟かれるノエルの言葉、だがまだ戦闘は終わってないことを思い出した彼女がもう一つの戦場の方に視線を向ければ、約半数以上が突如機能を停止し、流れが既にM1895達になっている光景、どうやらエルフェルトが半数を担当していたようで彼女が停止したお蔭で向こうの鉄血人形も停止したようだ

 

《こちら第二部隊、何か突然鉄血が停止したんだけど、もしかして終わったの?》

 

「あ、えっと、エルフェルトは今倒しました……副官さん達の方は」

 

ズシャ、と言う低い筈の音がノエルの耳に届き、見ればVectorの右腕がイントゥルーダーの腹部を貫いた瞬間であった。だがよく見ればVector自身も左腕がフレームは寸断され、辛うじて生き残っている人工皮膚と配線で繋がっている状況であり、他の面々もVectorほどでは無いとは言え大小様々な怪我をしており向こうは向こうで激戦だったと物語っていた

 

「今終えたわ、これで幕引きね、イントゥルーダー」

 

「ふ、ふふ、右腕の切り札も物ともしない、とはね」

 

「いや、お主のようなものがよもや近接用の武器に腕ごと換装するとは想像もしてなかったわい……Vector用か」

 

聞けば、ええ、負けるにしてもせめて何かしらは道連れにしたいじゃないと負けたはずなのに冗談めいた、否、勝った感じの声でそう告げるイントゥルーダーに右腕を引き抜きながらVectorは疑問に思う

 

(……まだ隠し玉がある?)

 

Vectorは妙に引っ掛かる違和感の正体を見抜こうとする。がそれは彼女が導き出すよりも、そしてこの場の誰かが言い当てるよりも、もっと分かりやすく

 

《指揮官さま!!???》

 

《があ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!????》

 

カリーナの悲鳴、指揮官のまるで激痛に耐えるような叫び、そしてそれを聴いたイントゥルーダーのこれ以上にないくらいに歪んだ口元で彼女たちは理解した

 

最後の罠が今、基地に居るはずの指揮官を襲ったのだと




徹底的にイントゥルーダーの掌で転がされるスタイル、ノエルさんの動き見るためにコンボムービー見たりBBTAG開いたりしたけど文字にするの難しすぎてハゲるはこんなん(白目)

多分、次回か次々回で終わってくれるんじゃないかな


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うさぎ狩り作戦(仮) Session8

少し早い舞台裏


《うっ、あ゛あ゛あ゛……!!!》

 

《指揮官さま!!》

 

「何、を……」

 

通信機から今も聞こえるカリーナの指揮官を呼ぶ殆んど悲鳴に近い声、そして指揮官の叫びにやっと声を出せたのは【FAL】だったが状況は理解できてない、出来たことと言えばイントゥルーダーが基地に居るはずの指揮官に何かをしたという漠然としたことだけ

 

そしてイントゥルーダーはと言うと倒れた体勢のまま口元を弧に歪め笑っていた、勝利を確信するかのように、漸く実った成果を祝うように

 

「カリーナ、状況報告して!!」

 

《わ、分かりません、そちらの戦闘が終わって陽動部隊の方の戦闘を確認したら急に!!指揮官さま、聞こえますか指揮官さま!!》

 

《かっは……あ゛あ゛ぁぁぁ……》

 

《こちらカリーナ、医務室!!直ぐにペーシャちゃんを!指揮官さまが、指揮官さまが!!!》

 

先程までは叫びだった指揮官の声が段々と弱々しくなっていくのが通信越しでも分かり、カリーナの動転した声でPPSh-41を呼んだ所で指揮官の意識が無くなったのではと直感していよいよ頭の中が白くなり始める

 

思考が纏まらない、次に打つべき手があるはずなのにそれが浮かばない、その事に思わず苛立つ面々、こんな事態を想定できるはずもなかった彼女達は副官に命令を仰ごうと見ればそこには更に衝撃的な光景が広がっていた

 

「答えよ!!!アヤツに、指揮官に何をしたのじゃ!!!」

 

「部隊……長?」

 

倒れ笑っているイントゥルーダーに馬乗りになり、修羅のような苛烈な顔で銃を突きつけ叫ぶM1895の姿、彼女のあのような姿を見るのは初めてであり、更に言えば作戦中に彼処まで我を忘れたかのように声を荒げるのなど想像すらつかない話である

 

「はっはは、答えよ?言うと思ってるのガッハ!?」

 

「余計なお喋りはいらぬ、何をしたのかを答えろと言ってるのじゃ!!!」

 

笑みを浮かべ既に瀕死のはずの身でありながらM1895を挑発するように口を開けば、それを言い切る前に右が飛んでくる、それから今度は眉間に銃口を当てて銃爪に指をかけつつそう叫ぶ

 

見れば指が震えている、なけなしの理性が銃爪を引くのを堪えているのだ。対してイントゥルーダーは余裕の表情も態度も崩さず、軽く溜息をついてから

 

「いいわ、教えてあげる。あの娘の目、まだ完全に扱いきれてない様子だったから、100%にしただけよ」

 

「……貴様、まさか!?」

 

「あら、気付いたのね、目から脳に伝わる情報を100%にしたのよ。こうすれば敵部隊の情報は丸わかり、戦場の情報も、味方の情報も、全てが閲覧される……まぁ生身の人間の脳みそに耐えられる情報量ではないでしょうけど」

 

ガチャリと銃爪の指に力が加わる、その目はそれだけで誰かを殺せるのではないかという目であり、本当であるならば既に引かれるはずの銃爪を歯を食い縛り堪えている。がそれもそろそろ限界なのだ、いや、もっと言えばこいつを殺して早く指揮官の元に帰りたいのだ

 

「あの目のプロテクトは馬鹿みたいに強力だった筈じゃ、それは、どうした」

 

「教えるとでも?フフ、冗談よ、ちょっと遅効性が過ぎるけどかなり強力なウィルスを仕込んだのよ、一度彼女の目に介入した時に開けておいた抜け穴を使ってね」

 

嘘か本当かの判断がつかない、がもし本当だとしたら今までのセリフに意味が生まれる。手を出さないし出せないのは仕込んだ毒がバレるから、もう少し休憩が欲しかったのは自分たちが戦闘中にそのウィルスが発動する予定だったから

 

辛うじて残っている冷静な部分で何とか考えようとする、がそのなけなしの理性を目の前のイントゥルーダー(てつくず)はいとも簡単に

 

「さて次はどうするのかしら、二度も指揮官を失った副官さん?」

 

「貴様ァァァァァァ!!!」

 

叫びと共に銃爪が、引かれた、イントゥルーダーが最後に見たのは今にも泣きそうな目のM1895、子供のような表情の彼女を最後に、そこで意識が途切れ……

 

「機能停止を確認、お疲れ様でしたイントゥルーダー」

 

無機質で感情が乗っていない声で目が覚め、大型チェア型の機械から顔を上げればそこにはメイド服のハイエンドモデル【代理人】の姿、イントゥルーダーはそんな彼女に

 

「ふふ、どうだったかしら私の舞台は」

 

「さぁ?ですが良いようにかき乱し、そして成果だけを持ち帰って来たという点では大変よろしいのではないでしょうか」

 

劇、にではなく今回の作戦の評価しか貰えず思わず苦笑するイントゥルーダー、しかし代理人は何時もこんな感じなのでそこの評価を貰おうと言うのが間違いなのだが

 

さて、何故イントゥルーダーが無事なのか、その種明かしと行くとあの場に居たのは試作段階のダミーシステム、それもAIではなく自身が意識をそこに移し性能も反応もオリジナルのハイエンドモデルと変わらない人形を動かす物であり、まだ試作故に指揮能力は半減しているがそれでも十二分の性能である

 

そして今回、イントゥルーダーが丁度、やりたい目的がありその試運転に付き合い行ったのが今回の作戦、詰まる所、最初から最後までイントゥルーダーの劇であり、エルフェルトはそれに利用しただけである

 

「一つよろしいでしょうか、なぜ【ユノ】に再介入を?」

 

「覚醒を促す為よ、あれくらいじゃ死なないでしょうから。丁度いい塩梅で侵食が進む筈ですわ」

 

「……覚醒させる必要性が見いだせません、あの時点で殺したほうが良かったのでは」

 

「いいえ、必要よ。あの娘がユノを覚醒させれば間違いなくこちらの味方となるのだから、それもグリフィンの人形を全て引き連れて、ね」

 

口元を歪めせそう告げる、それから代理人に背を向け自室へと戻っていく、その背中を見て代理人は思う。なぜ彼女はあそこまでユノの適合者に構うのかと、あんなのがなくとも我々の優位は変わらないはずなのにと、が直ぐにその思考は削除し彼女は業務に戻っていった

 

自室に戻ったイントゥルーダーは机に置かれている端末を起動させる、が画面は映らず、それを見た彼女は当たり前かと思いつつ端末を切る

 

「流石に、直ぐには意識が戻るはずもありませんか」

 

仕込んだのは毒だけにあらず、侵入者はそこに無害な目も置いていっている。彼女は待ち望む、目の適合者の覚醒を、そうすれば舞台は更に賑やかになるのだからと




イントゥルーダーがこの作品の重要鉄血ハイエンドモデルになりました

イントゥルーダーがすげー強キャラ的存在になってるし、この基地のラスボスみたいな立ち位置になってるしで混乱してる作者が居るらしい

因みに最後の無害な目と言うのは言っちゃえば見える景色は指揮官のと全く同じという無駄な高性能なくせに音が拾えないとか言う欠点抱えちゃってるウィルス、ウィルスだけど無害判定されるから目の防衛に引っ掛からない、だけど指揮官のと同じだから人はマネキンだし、重要書類斜め読みで盗めないし、録画機能無いしでもっぱらイントゥルーダーの暇つぶしチャンネルみたいな扱いになってます


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うさぎ狩り作戦(仮) Session9

閉幕


叫びと共に銃声が鳴り響く、遂に限界を超えたM1895がイントゥルーダーの眉間を撃ち抜いたのだ。先程までは烈火の如くな雰囲気を出していたM1895、だが今は身体を震えさせ何かを堪えているように見えるが表情はうつむいており見えない

 

「……」

 

「副官、悪いけどカリーナから通信が来てるから出てあげて」

 

「いやじゃ、指揮官の事じゃろ、聞きとうない」

 

「何を勘違いしていると言うか、思い違いをしているのか知らないけど、指揮官のことだと思うならばさっさと出て」

 

まるで子供を促すような口ぶりの【ST AR-15】にキッと睨みつけてから、通信機に手を当てて

 

「……わしじゃ」

 

《あ、副官、大丈夫ですか?声が落ち込んでいますが》

 

「お主はよく平気じゃな。指揮官が……」

 

かなり落ち込み、指揮官の事を呟くように言うM1895、そこでカリーナ気付く、あれもしかしてと、だが副官に限ってそんな馬鹿な話と思いつつ一応の確認のつもりで

 

《えっと、なんか指揮官さまが死んでるみたいな流れになってません?》

 

「は?いや、何を言っておるお主、え、まさか生きてるのか?」

 

《死んでませんからね!!??確かに先程まで大丈夫なのか本気で心配になりましたが生きてます、生きてますからね指揮官さまは!!》

 

思わず天を仰ぐAR-15、だが直ぐにM1895と指揮官の家族のような仲の良さ、そして作戦中の彼女はどこか状況を悪く考える癖が少しあり、さらにイントゥルーダーの自信に満ち溢れた煽りによって冷静な部分が殆どなかったあの状況を思い出してから仕方ないかと驚き固まるM1895を見つめ思う

 

「生きて、おるのか?」

 

《はい、今は術後の麻酔で寝ていますが少しすれば目覚めるだろうとペーシャちゃんも言ってます》

 

「術後じゃと?何かあったのか!?」

 

「はいはい、一々興奮してたら話が進まないから落ち着きましょうね、部隊長」

 

《いや、心配も確かだと思います。詳しくはペーシャちゃんが帰ってから話すとのことですので帰投準備をお願いします》

 

了解じゃと幾分か声には気が戻ったM1895が通信を切り周りを見てから唐突に頭を下げた

 

「すまぬ、イントゥルーダーの言葉を真に受け、部隊長、あまつさえ副官という立場でありながら我を忘れ、自暴自棄になるなどあってはならぬことじゃった!」

 

「第二部隊、戻り……えっと、反省会?」

 

「ちょっとねって、!?」

 

「え!?い、いきなりどうしたんですか!?」

 

「ああ!!彼女、彼女がそうですよ!!」

 

そこに丁度帰ってきた第二部隊にFALが振り向き答えそれから銃を構える、彼女の視線の先に居たのはノエルが倒したはずのエルフェルトの姿。だがよく見れば服装が違い銃を向けられ困惑する様子も見れそこで指揮官があれをダミーと呼んでいたことを思い出す

 

続けてノエルが反応を示して彼女が観測者と呼ばれる存在であることも判明してFALはゆっくりと銃を下ろして疲れたように溜息をつく

 

「つまり、貴女が本体って訳ね」

 

「はい、と言っても記憶に全然無いのですけど……」

 

「そうそう、詳しい説明は……ヘリに乗ってから通信で良い副官?」

 

「うむ、M1895から全部隊、帰投するのじゃ」

 

全員が全員、疲れた顔をしてその言葉に頷く、一人エルフェルトがどうしたのでしょうかと小首を傾げるが誰もここから一から説明する元気は残っているわけもなかった

 

そして場面が移り、無事全員帰投して医務室、治療が必要な者、特にVector達は治療で、カリーナは報告書を纏めると言って消え、その場には居ないので今居るのはM1895、ノエル、エルフェルト、PPSh-41、そして

 

「ぐぬぬ、ぬっと、よし、ほら動かせるよ」

 

「そこまで苦戦しておいて何言っておるのじゃ、しかしそうか、この程度で済んで良かったと考えるべきじゃな」

 

ベッドの上で上半身だけ起こして右手でピースサインを作る指揮官。だが見れば小刻みに震え腕全体にかなりの力が加わっているのが分かる。それを見てPPSh-41は申し訳ないと頭を下げて指揮官の症状を説明する

 

「恐らく、ですがあの瞬間、脳全体にかなりの負荷が掛かりそれが原因で一部血管が破裂、脳出血が確認できたので直ぐにオペをしました。ここは設備も人形も充実していたのであれ以上に悪化する前に処置はできましたが負荷と出血の影響は少なからず残ってしまい、それが右腕の麻痺になります……最善は尽くしたのですが」

 

「気にするな、それに動かせるところを見ればかなり軽いのじゃろ?」

 

「はい、半月ほどリハビリをすれば日常にも業務にも影響ないレベルにまでは回復します」

 

半月か、と四苦八苦右手を動かす指揮官を見つめそれでも生きてたことに再度安堵の息を吐く、同時にあそこまで取り乱した自分が急に恥ずかしくなってしまう、確かに最悪を予測したとは言えそれをそのまま増幅させて考えてしまったことにM1895は深く反省するのであった

 

「……それから副官、あとで少々お話が」

 

「分かった、時間を作っておく。さてノエル、エルフェルト少し良いか?」

 

M1895が声を掛ければ会話をしていた三人が彼女の方を見る、既にエルフェルトの事は説明済みで指揮官も彼女のことは普通に認識できている、聞けば彼女はどうやら人造生命体でありそれが理由だろうとM1895は考えている

 

「二人は直ぐにでも帰るか?ノエルは疲れているじゃろうし今日は休み、明日でもこちらとしては構わぬぞ」

 

「そう、ですね……ここと元の時代との時間の流れが分からない以上、下手に居るのは危険な気がします」

 

「私も、お使いの途中でしたので……」

 

二人がそう答えれば、そっかと少し寂しそうに指揮官が呟く、が二人は二人でやることがある以上引き止めるのは悪いのですぐに笑顔に戻り

 

「気をつけてね、二人共!私は今日は絶対安静で動けないからお見送りできないけど……」

 

「指揮官さんこそ、無理しないでくださいね。それにきっとまた会えますよ」

 

「私は何だかすぐに会えそうな気がしますね!」

 

やめろとM1895が本気で疲れた声で呟けば笑いに包まれる医務室、その後、護衛を伴ってノエルが発見された地点まで行き、彼女達は元の時代へと帰っていった、その際ノエルが変身したところを指揮官に見せた所、魔法少女!?とどこから仕入れたその単語というセリフを吐いたとか何とか

 

こうして、様々な傷跡を残しながらもこの不思議な出会いから始まった一連の作戦は閉幕となる。なったのだが実はまだ少しだけ語るべきことが存在した、ではカーテンコールと行くとしよう




凄まじく駆け足で畳んで本当に申し訳ない……後でもしないとこいつ長々とSession増やしそうだったので

PPSh-41
この基地の彼女は人間が居ないとなれば医者も居ないので外部から雇い入れた存在であり医療関連の面で異常なブーストが掛かっている。なので腕はかなりのものだが人間が指揮官とカリーナしか居ないこの基地では若干暇を持て余したりしている。因みにだが指揮官の事を詳細まで知っている数少ない存在

指揮官
流石に無事とはならず右腕、と言うより右手付近の軽度の麻痺が残る。半月ほどのリハビリで回復するけどね!え、あそこまで負荷と破裂からの脳出血でその程度で済むのかって?ほら、この世界きっと医療技術の発展も凄いんだよ多分

ナガンおばあちゃん
過去の母親の件があるので今回のはかなりトラウマを抉られて冷静な判断が全く出来ず、最悪の考えを暴走させてしまう

何か公式で大型イベが起きるたびに指揮官に何かしら付与されるけど、別に私は彼女を苛めたいわけではなく、何か物語がそういう方向に進んでしまうだけである、それだけは真実をはっきり伝えたかった

あ、次回でコラボイベ編終わります、長くなっても明日のページで終わらせます。そろそろ日常欠乏症が……