エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……【一時休載】 (ロボ戦極凌馬)
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EP1 俺がエボルト……?


どうも、戦極凌馬です!
プリキュア15周年、もう15年も経ったんですね。そして、仮面ライダービルドも最終回、あっという間ですね。

さて、この作品はエボルトになってしまった主人公がプリキュアが存在する地球で色々するお話です。
ちなみに、作者が一番好きなプリキュアは、水無月かれんことキュアアクアです!

それでは、どうぞ!


 

 

 

 

 皆は、『口は災いの元』と言う諺を知っているだろうか?

 

 

 意味は、『不用意な発言は自分自身に災いを招く結果になるから、言葉は十分に慎むべき』という、一種の戒めだ。

 

 

 皆も経験があるのではないだろうか。何気ない発言で友達・先輩・先生・同僚・上司等を傷付け、悲しませ、怒らせ、呆れられたこと。挙げ句の果てに取り返しがつかないことをしてしまったことを。

 

 

 最悪の場合、一生背負って生きて行くしかないこともあるかもしれない。

 

 

 ……さて、皆もそろそろ疑問に思っているだろう。何故、急に諺についての話をしたのか。今からその疑問を解消しよう。

 

 

 それは……

 

 

 

 

 

 

 ──────俺が盛大にそんな出来事を起こしてしまったからだよ! それも、一生背負って生きて行かなきゃいけないレベルの!!

 

 

 そう、それは突然の事だった。気が付いたら見知らぬ真っ白な場所に居て、目の前には白髪で髭を長くのばしたお爺さんが椅子に座っていた。そのお爺さんは、近寄りがたいというか、人では無いような神々しいオーラの様なものを放っていたんだ。

 

 

 普通の人なら、「ここは何処だ!? 貴方は誰だ!?」と、取り乱したりするのだろうが、そのお爺さんから放たれているオーラや雰囲気のせいなのか、不思議と取り乱すことはなかった。

 

 

 そして、問題はここからだ。いや、目の前に知らないお爺さんが居る時点で既に問題なのだが……。お爺さんは俺の目を見て、こう言い放った。

 

 

「お主、好きな仮面ライダーは居るか?」

 

 

 これだった。確かに俺は仮面ライダーが好きだけど、何で今? という疑問を浮かべた。その時、お爺さんも仮面ライダーが好きなのかな? と勝手に思い込み、質問に答えた。

 

 

 そう───────答えてしまった。

 

 

「ダークライダーが好きです。最近ので言うと、エボルが好きです」

 

 

 お爺さんは満足そうな顔をしながら頷き、こう返してきた。

 

 

「そうかそうか。じゃあ、お前さんは今から─────エボルトじゃな」

 

「……はい?」

 

 

 瞬間、俺の身体に異変が起きた。急に目眩が起き、次第にフラフラしてきたのだ。堪えきれず、その場に膝を着いてしまう。それだけではなく、意識が段々と朦朧としてきた。

 

 

「そろそろ時間じゃな。次に目が覚めた時、お主の第二の人生が始まる。頑張るのじゃぞ」

 

 

「少しオマケもしとくからの」と、朦朧とする意識の中で聞こえた最後の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると、不思議な感覚が襲った。寝そべっている訳でもない、かと言って地面に足を着けている感覚でもない。例えるなら、浮遊感だ。

 それだけではない、全身を何かが包んでいるような感じがした。

 

 

 両手を動かして顔に触れる。だが、肌を触っている感覚ではない。まるで、とても()()()()を触っているようだった。

 

 

「……えっ?」

 

 

 俺は嫌な予感がして、全身を確認した。全身が黒をメインに部分的に赤のスーツで包み、肩と脚は赤・紺・金、胸部と両肩には白と黒のアーマーが装着さている。腰から地面スレスレまで伸びたローブ。

 極めつけは、赤を主体に青と金で装飾が施され、二つの小さなボトルと黒い何かがセットされたレバーの付いたベルトが巻かれていた。

 

 

 ……間違いない、凄く見覚えがある。出来れば全力で否定したいが、あの謎の場所でお爺さんが言っていた事と、仮面越しの視界に標示されるあらゆる情報が、嫌でも俺を現実だと叩き付けてくる。

 

 

 数秒、数分、数十分、どれだけの時間が経ったか分からない。

 

 

『お……』

 

 

 そして、俺の口から出たのが……

 

 

『おのれぇ、ディケイドぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!』

 

 

 この場に居ない人物に対する、とんでもない風評被害だった。

 

 

 

 

 

 




Q.ディケイドへの風評被害について

A.これも全て、乾巧って奴の仕業なんだ(草加スマイル)


如何でしょうか? 最後のは完全にネタです(笑)

次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!

EP2 地球へLet's Go!

次回もお楽しみに! 感想待ってます!


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EP2 地球へLet's Go!


どうも、戦極凌馬です!

今回は、サブタイ通り主人公が地球へと向かいます。それと短いです。

それでは、どうぞ!


 

 

 

 

 ディケイドへの風評被害を叫んでから数十分が経った。俺は宇宙空間で器用に胡座をかきながら腕を組み、考え事をしている。

 

 

(あのお爺さんの言っていたことが確かなら、俺はエボルトに転生したってことになる……)

 

 

 実際、今の俺の姿は『仮面ライダーエボル ブラックホールフォーム』に変身した状態だ。

 つまり、俺は二次創作で言う所の『神様転生』の様なものを体験したってことになる。あのお爺さんが神様なのか、それに類似する存在だったのか分からないが。

 

 

 一応、自己紹介をしようと思う。俺の名前は石動庵(いするぎいおり)。奇しくも、仮面ライダービルドの本編で喫茶店『nascita』のマスターである石動惣一と同じ名字なのだ。年齢は18歳、大学一年生だった。記憶が確かなら、いつも通りアパートの自室で寝ていた筈なんだが……。

 

 

 どうして、何が理由で転生してしまったのか。

 

 元の世界では、俺は死亡扱いになっているのか。

 

 もしそうなら、友人達はどう思っているのか。

 

 友人からラノベを借りたままなのだけど、どうなるのか。

 

 仮面ライダージオウを観れずに転生してしまったが、内容はどうなっているのか。

 

 

 ……止めよう。考えれば考える程、負のスパイラルに陥ってしまう。今は、今後の方針を考えるとしよう。

 

 

 俺は一度、深呼吸をすることで自身を落ち着かせる。

 

 

 よし、まずは状況を整理だ。今の俺はブラッド族のエボルトで、phase(フェーズ)4である仮面ライダーエボル ブラックホールフォームに変身した状態で宇宙空間に漂っている。

 本来、ビルド本編のエボルトは惑星を一つ滅ぼしたら、また別の惑星へ向かって滅ぼすを繰り返していた。

 

 

 だが、俺は惑星を滅ぼしたいと思ってないので、その必要性はない。気になるのが、この世界に俺以外のブラッド族が居るかどうかだが……調べる方法がないので保留。出来れば居て欲しくないのが本音なんだけどさ。

 

 

 で、実はさっきからどうしても気になっていることがある。エボルトにとって重要な物がない。それは……

 

 

『パンドラボックスが……ない』

 

 

 あっ、今になって気付いたけど、声が金○ボイスになってる。良い声してるなぁ~。いやいやいや! それよりもパンドラボックスだ。ぶっちゃけ、無くても問題はないんだよね。パンドラタワーを建てたいとも思わないしさ。

 

 

 そう思っていた次の瞬間、不思議なことが起こった。突如、俺の目の前に何かが出現した。

 それは、赤・青・黒緑のキューブ状の物体。それを手に取って確認する。間違いない、パンドラボックスだ!

 

 

 でも、何で急に出てきたんだ? あれかな、パンドラボックスの有無を考えたからか? だとするなら……

 

 

(パンドラボックス、消えろ)

 

 

 心の中で呟くと、パンドラボックスが手元から消えた。もう一度、出ろ! と念じると再び出現した。どうやら、俺の意思で自由に出し入れ出来るらしい。今は仕舞っておこう。

 

 

本来、エボルトにこんな能力は無かった筈。そう言えば、お爺さんと会った場所で俺が意識を失う寸前に「少しオマケもしとくからの」って言ってた気がする。もしかして、この出し入れの能力がそのオマケなのだろうか。

その後、『トランスチームガン』と『スチームブレード』も出せるか試したら出て来た。良かった、武器があって。

 

 

 さて、パンドラボックスと武器の問題は解決したし、やっと今後の方針に移れる。

 

 

 まず、俺は地球に向かおうと思う。理由は凄く単純だ。地球で住みたいんだよ! こんな宇宙空間にずっと居たくないし、かと言って他の見知らぬ惑星に住むのは危険すぎる気がする。てか、この世界に地球ってあるよね? 存在してないなんてことないよね?

 

 

 取り敢えず、地球があると仮定しよう。その地球の文明レベルを確認したい。生前の世界とほぼ同じであってほしいんだが。

 

 

 ……うん、もう行こう。取り敢えず、行こう。行ってから考えよう! うん、それが良い!

 

 

 と言う訳で、俺はエボル ブラックホールフォームの側頭部に取り付けられている角──『EVOワイプアウトブレード』の機能を使用する。これは、宇宙空間における自身の位置情報、滅ぼすべき天体の座標等を確認することが可能な、物騒で便利な機能だ。

 

 

 機能を使用すると、内部モニターに次々と情報が提示される。そこから、天体の位置情報を調べていると、俺にとって嬉しい情報があった。

 

 

 地球が存在する、という情報だ。間違いの可能性もあるので、何度も見直す。

 

 

(間違いない。どうやら、地球は存在するようだ。俺の現在位置から多少離れているが、エボルのスペックなら数週間以内に着く)

 

 

 そうと決まれば早速行動に移すとしよう。EVOワイプアウトブレードの機能をフルで使い、現在位置から地球までの最短ルートを算出。

 すると、内部モニターに地球までのルート・航続距離・日数等が表示される。本当に便利だな、この機能。

 

 

 更に、腰部の特殊推進ユニットであるローブ──『EVOベクターローブ』を使用する。このローブは天体間を移動する際に推進力を生み出す機能を持っているので、これで地球へ向かうことが出来る。

 

 

『さて、待ってろよ地球!!』

 

 

 俺は高らかに声を上げ、EVOベクターローブから生み出される推進力で宇宙空間を猛スピードで疾走していく。

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたか? 短くてすみません。

早くプリキュアを登場させたいですね(笑)


次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!

EP3 破滅の蛇、大地に立つ!

次回もお楽しみに! 感想待ってます!


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EP3 破滅の蛇、大地に立つ!


どうも、戦極凌馬です!

今回は、遂に主人公が地球に降り立ちます。

ビルド最終回、良かったですね!来週の仮面ライダージオウが楽しみですよ!

では、どうぞ!


 

 

 

 

 

 太陽系第三惑星 地球

 

 

 その地球を宇宙から見下ろしている存在が居た。

 

 

 それは人型をしており、黒がメインのアンダースーツの上から、白と黒のアーマーを纏った者────仮面ライダーエボルこと、石動庵だった。

 

 

 エボルは、地球を見下ろしたまま呟く。

 

 

『あぁ、間違いない。地球だ』

 

 

 呟いた声には、歓喜が含まれていた。自分の住んでいた地球とは全く別だと分かっていても、喜ばずには要られないのだろう。

 

 

 この世界に地球が存在すると分かった彼は、エボルのスペックを最大限に使って猛スピードで移動してきたのだ。道中、何事もなかったのが幸いし、予定通りに地球にやって来れた。

 

 

『さて、早速降りるとするか』

 

 

 彼は腰部のEVOベクターローブが生み出す推進力で移動を開始する。地球へと降下する為だ。その為に、彼は身に纏っているスーツの機能を使用する。

 

 

 エボルのアンダースーツ──『EVOオムニバーススーツ』は、人間の目には見えない特殊な遮断フィールドを全身を覆うように展開する事が可能なのだ。これは、過酷な環境や、いかなる天体においても安全に破壊活動をする為、及び変身者を保護する機能なのである。

 

 

 エボルは遮断フィールドを展開し、大気圏へ突入し始めた。

 

 

『目標地点を設定、場所は勿論──────日本だぁ!!』

 

 

 

 

 

 △▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

 

 無事に大気圏を突破して雲の中を突き抜けた俺は、ゆっくりと地面に着地する。内部モニターには、EVOワイプアウトブレードのもう一つの機能により、地球の構造及び滅ぼす為のプランが表示されているが、俺はそれらを全て無視する。

 

 

 俺は、エボルの視覚センサー───『EVOツインアイホワイト』の機能を作動させる。エボルの視覚センサーには空気中の物質等を検知・解析する事が出来るので、その機能で俺が変身を解除しても呼吸が出来るかを調べる。有害物質はないと思うが、一応な。

 

 

 数秒後、異常は無いと分かったので、俺は左手をエボルドライバーの元に動かし、装填してある二本のボトル───『コブラエボルボトル』と『ライダーエボルボトル』を同時に引き抜いた。

 

 

 すると、纏っていたスーツとアーマーが細かな粒子となって霧散していった。スーツ等が消えた為、俺の姿が露になる。

 あぁ、言っておくがスライム状じゃないぞ。今の俺は完全体だから、姿形を自在に変化させることが出来る。無論、今の姿は生前の俺自身だ。服装は黒のジーンズに白のシャツ、その上から黒のジャケットを着ている。

 

 

 変身を解除した俺は、大きく息を吸い、そして吐く。目の前には海が広がっており、俺は浜辺で海水が靴に当たるか当たらないかの位置に立っている。

 見上げれば、空はまだ少し暗い。後数十分もすれば日が昇るだろう。

 

 

 海を見つめながら、改めて思う。

 

 

 地面に足が着いている感覚が靴を通して感じる。

 

 数週間と言えど、無重力の宇宙空間に居たからなのか、重力がとても懐かしく感じる。

 

 海風が頬を撫でる感覚がとても心地好い。

 

 

 あぁ、俺は地球に居るんだ……。そう思うと、心の奥から喜びが潰れる! 流れる! 溢れ出る! ような感じがする。そのせいか、自然と両手に力が入り、拳を強く握り締めてしまう。

 

 

 そして、ボルテージが最高潮に達した時────

 

 

「遂に戻って来たぁぁあああああああああああああ!!!」

 

 

 ───叫ばずには要られない!

 

 

 正確には、ここは生前の地球とは別の地球なので、戻って来たと言うのは間違いなのだが。今はそんなことどうでもいい!

 

 

 それ程、今の俺は喜びに満ちている。だから、叫んだって良いよね? 答えは聞いてない! 良かった! 人通りが全く無い時間帯で!

 

 

 改めて言おう。地球よ、俺は帰って来たぁああああああああああ!!!!

 

 

「ふぅ、久し振りに叫んだ気がするな……ん?」

 

 

 二本のエボルボトルを仕舞う為、服の内ポケットに手を入れると、何かがポケットに入っていた。取り出してみると……

 

 

「手紙?」

 

 

 そう、手紙だった。白い封筒には『石動庵へ』と書かれている。封筒の裏には、『お爺さんより』と書かれていた。ってお爺さん!? 俺をこの世界に転生させたあのお爺さんから……。

 

 

 俺は、恐る恐る封筒を開封し、中に入っている手紙を取り出した。手紙の内容は……

 

 

『この手紙を読んでいるという事は、お前さんは無事に地球に到着したようじゃな。この手紙は、お前さんが地球に到着したと同時に送るように設定してある。

 

 さて、本題に入るとしようかの。

 お前さんが居る地球は、生前の世界と文明レベルはほぼ変わりはないから、安心して大丈夫じゃ。

 ただ、その世界にはちょっと面倒な存在が居るが……まぁ、お前さんなら大丈夫じゃろうて。そこは自分で調べて欲しい。

 

 次に、お前さんに幾つかオマケをしておいた。パンドラボックスや武器等の出し入れ出来る能力じゃな。ちなみに、ビルドフォンも取り出せる筈じゃから、確認しておいて欲しいの。

 もう一つ、お前さんの住居は手配済みじゃ。ビルドフォンに住居の座標を入力しておいた。

 

 最後になるが、お前さんがその世界で何をするかは自由じゃ。静かに暮らすのも良し、本来のエボルトの様に惑星を破滅させるのも良し。どう生きるかは、お前さんが決めるのじゃな。

 

  お爺さんより』

 

 

 という内容だった。読み終えると、手紙は封筒と一緒に粒子となって消滅した。全く、勝手に転生させておいて、自由に生きろとは……。

 

 

 だが、住居を用意して貰ったのはありがたい。そこは感謝しなくては。取り敢えず、住居の方に向かうか。ビルドフォンに座標が載っているらしいからな。あっ、エボルドライバーも仕舞わないと。下腹部からドライバーを外し、念じて仕舞う。本当に便利だよな。

 

 

 更に、頭にある物をイメージしながら念じると、黒くて妙にゴツイスマホが右手に収まった。間違いない、ビルドフォンだ。ビルドフォンを起動させて、住居の座標を確認する。確認し終えると、顔を海の方へ向ける。水平線の彼方から朝日が少しずつ顔を出し始めていた。

 

 

「よし、行きますか」

 

 

 浜辺からコンクリートの道に移動し、辺りに人が居ないことを確認する。そこで、俺は再び念じると、左手にある物が収まった。

 それは、形は若干エボルボトルと違うが同サイズで、縁が黒でキャップの付いた黄色でライオンの意匠があるボトル───『ライオンフルボトル』だ。

 

 

 取り出せるか不安だったが、どうやら大丈夫みたいだ。既に成分も入っているようだしね。

 

 

 そのライオンフルボトルを、手首のスナップを活かしてシャカシャカと音を立てながら数回振る。振ることによって、ボトル内の『トランジェルソリッド』と呼ばれる物質に刺激を与え、その成分を増殖・活性化させている。

 

 

 その後、ボトルの蓋──『シールディングキャップ』を正面に回す。ボトルをビルドフォンのスロットに装填する。

 

 

 〈 BUILD CHANGE(ビルド チェンジ)!〉

 

 

 ビルドフォンから音声がなり、空中に軽く放り投げると、装填したライオンフルボトルから送られてくる成分により、空中で変形・巨大化し、一台のバイク───『マシンビルダー』となって着地した。

 

 

「おぉ~、生で見ると凄いなぁ~」

 

 

 小学生並みの感想だが許して欲しい。結構、テンションが上がっている。

 それと、安心して欲しい。俺は生前、バイクの免許は取ってあるから運転は出来る。この世界の免許は手元にはないけど……。

 

 

 免許を取らないとなぁ、と考えながらバイクに跨がり、付属してあるヘルメットを被る。

 

 

「さて、出発だ。目指せ、横浜!」

 

 

 俺の住居がある横浜に向けて、エンジンを起動させて走り出した。

 

 

 この時の俺は、まだ知らない。二年後、希望を胸に抱く、伝説の光の戦士達と邂逅することに。

 

 

 




如何でしたか?

主人公、無事に地球に到着&住居を手に入れる。プリキュア世界の横浜って、物騒な事が度々起きるんですよね(笑)

次回は、軽く時間が飛びます。


次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!

EP4 喫茶店のマスター、始めnascita!

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EP4 喫茶店、始めnascita!


どうも、戦極凌馬です!

今回の話は、前回から二年後の話になります。更に短いです。
いつになったら、戦闘シーンとプリキュアが登場するのだろうか……。

それでは、どうぞ!


 

 

 

 

 どうも、エボルトこと石動庵です。

 

 

 あれから、二年の月日が経ちました。えっ? 飛ばし過ぎ? だって、基本的にやった事がこの世界に関する情報収集と戦闘訓練、店の経営だし。

 

 

 そう、俺は店の経営をしている。なんと、俺の住居がビルド本編に登場した喫茶店───nascitaだったのだ! 店の中も完全に再現されていて、冷蔵庫の先はちゃんと地下に繋がっていた。テンション上がりすぎて「ヒャッホホホホホヒャッホイ!!」と桐生戦兎みたいになってしまったけど。ビルドファンなら誰でもそうなると思うんだ。

 

 

 ただ、地下は少しだけ違った。地下の部屋が広くなっていて、幾つかの専用室が設けられていた。

 

 

 一つが、シミュレーションルーム。このシミュレーションシステムが凄い。歴代の仮面ライダーや怪人達と戦える事が出来る上に、対戦相手の人数・場所・状況を自由に設定が出来る。

 つまり、一万人のライオトルーパー部隊・ショッカー戦闘員と百人組手・ラスボス怪人連続バトル等が可能だった。俺のハザードレベル上げ及び戦闘訓練に持ってこいだったよ。

 

 

 当時の目標が『ブラッドスタークで舐めプ出来る様にしよう』というものだったんだけど、辛かった。

 

 

 笑いながら殴ってくる ”ン・ダグバ・ゼバ“

 

 ハイパークロックアップより上のフリーズを使う ”カッシスワーム“

 

 全てのバグスターの能力を使える ”ゲムデウス“

 

 リボルケインやらキングストーンフラッシュやら、マジで勘弁して下さいと心が折れそうになった(ほぼ折れてた) ”BLACK RX“

 

 世界の破壊者 ”ディケイド 激情態“

 

 永遠の悪魔にして、不死身の傭兵 ”エターナル“

 

 

 等々、上げたらキリが無いけど全員強すぎぃ! 通常形態でも強いのに、最強形態になられたら全く勝てないんだけど。毎回フルボッコだったよ。お陰で耐久力には自信がある! エボルに変身すれば勝てない事はないんだけど、やっぱりブラッドスタークで格上相手に喰らい付きたい。

 

 

 そんな訓練を二年間もやっていたら、それ相応の実力は身に付いた。何回もスーツが破損して、修復もやったなぁ。

 

 

 それともう一つが、研究室だ。ここも設備が凄かった。俺のエボルドライバー・エボルトリガー・ボトル・武器等のメンテナンスや開発が可能なレベルだからね。流石に俺の持っているエボルドライバーと全く同じのドライバーは造れないけど。精々、サイボーグ内海さんが使ってたデッドコピー品のエボルドライバーが限界だ。

 

 

 何故か、初めて見る機材だったのに使い方が頭の中で理解出来たり、設計図とかの内容も理解出来た。現にトランスチームガンとスチームブレードを予備用に開発したりしたし。

 

 

 恐らく、これもお爺さんが言っていたオマケなのかもしれない。

 

 

 それと、俺が持っていた60本のフルボトルの他にも、別のボトルが研究室に置いてあった。ビルド本編にも登場したバット・コブラ・キャッスル・クワガタ・フクロウ・ハサミ・シマウマ・CD・スパナ・ハンマーの計10本のロストフルボトル。

 故に、俺はブラッドスタークに蒸血可能なのだ。やろうと思えばナイトローグにもなれるし、『FEVER FLOW(フィーバーフロー)』で怪人態にもなれる。怪人態が必要になる日が果たして来るのだろうか?

 

 

 とまぁ、拠点としては最高だと思う。俺の戸籍や住民票、活動資金も用意されていたし。お爺さん……本当にありがとう。

 

 

 んで、次にこの世界についてだ。

 

 

 まず、皆は覚えているだろうか? 俺がこの地球に降り立った日に読んだお爺さんの手紙の内容を。あの手紙には『その世界にはちょっと面倒な存在が居るが……』という一文が書いてあり、これがあまりにも気になった。調べてみたが、この地球には『聖杯戦争』『海鳴市』『駒王町』『IS学園』『SMART BRAIN(スマートブレイン)社』『ユグドラシルコーポレーション』『鴻上ファウンデーション』、これらの町や企業は存在していなかった。あんな魔境やヤバイ企業がなくてホッとしている。

 

 

 だが、それでもこの地球には俺の知らない町が幾つか存在しているのだが、そこは良いとして。調べていて分かった事だが、この世界────プリキュアが居る。

 

 

 そう、あのプリキュアだ。強くて可愛く、どんな絶望にも諦めず立ち向かう少女達。本当に中学生ですか? と何回も思ってしまうのは俺だけじゃない筈。

 

 

 プリキュアが居ると分かった瞬間、あの手紙の一文を理解した。面倒な存在、これは恐らくプリキュアと敵対している者を指していたんだろう。確か、プリキュアの敵って世界どころか地球レベルの危機を引き起こしてなかった? そんなイメージがあるんだけど。

 

 

 まぁ、俺がプリキュアと関わる事なんて無いと思うけどね! それよりも、今は喫茶店の経営が大事だ。

 

 

 冒頭でも言ったが、俺はnascitaのマスターとして店を経営している訳だが。

 

 

 生前、一人暮らしだったので自炊はしていたし、高校時代に喫茶店やファミレス等でバイトをしていたので接客や調理に関しては全く問題ない。

 

 

 ただ、一つだけどうしても駄目な事がある。もう、気付いているかもしれないけど。それは……

 

 

 

 

 ─────俺の煎れる珈琲がクソ不味いことだ!!!!

 

 

 

 分かってたよ、分かっていたんだよ! エボルトに転生した時点で! おかしくない? 地球の食べ物は普通に食べれるし、調理しても普通に美味しい。飲料に関しても水・お茶・炭酸・紅茶・エナジー系等は大丈夫なのに、なんで珈琲だけが駄目なんだよ!? インスタントでも駄目ってどういう事!? 普通に煎れただけなのに不味くなるんだけど!

 

 

 喫茶店のマスターなのに珈琲が駄目……珈琲は好きだったんだけどなぁ~。

 

 

 という訳で、珈琲以外で頑張っている。オープン当初はお客が全く来なかったけど、今はそれなりに来てくれる。前に仲の良いお客に俺の煎れた珈琲を飲んで貰ったのだが、やっぱり不味いらしい。味の感想を聞くと、何とも言えない不味さと言っていた……悲しいぜ。

 

 

 とまぁ、それなりに楽しく過ごしている。慣れればこの生活も悪くないものだ。俺が店のカウンターでこれまでの事を振り返っていると、カランカランという店の扉が開いた音がした。お客が来たようだ。

 

 

「いらっしゃいませ!」

 

 

 俺は笑顔でお客を出迎える。さて、今日も一日頑張りますか!

 

 

 ……けど、やっぱりプリキュアには会ってみたいな。

 

 

 




如何でしたか?

短くて本当にすみません!次からはもう少し長くなるように頑張ります!

次回からは『映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』を始めます!


次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!

DX編 EP5 赤き蛇は動き出す

次回もお楽しみに! 感想待ってます!


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プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!
EP5 赤き蛇は動き出す



どうも、作者の戦極凌馬です。投稿が遅れて申し訳ありませんでした!!
モチベーションが中々上がらず、思った通りの文章が書けない日々が続いていました。

久し振りの更新なのに、今回も短いです。次回は、次回こそは長く書けるように頑張ります!

では、どうぞ!


 

 

 

 

 ━━nascita 地下研究室━━

 

 

 

 

 喫茶店nascitaの地下にある研究室、そこに俺は居る。ここ最近、店を閉めた後は朝まで研究室に籠って作業をしている。

 

 

「よし、完成だな」

 

 

 そして、その作業がついに終わった。俺は座っている椅子の背凭れに寄り掛かり、両腕を上に伸ばして肩をほぐす。いや~、流石に疲れたよ。

 

 

「にしても、流石に作り過ぎたかな?」

 

 

 目の前のデスクの上に置かれている二種類の物を見ながら呟く。フルボトルと同じ形だが意匠が無く、色も透明なボトル。もう一つが、紫を主体に金の装飾が施された機械的な銃。ここまで言えば、もう分かるよね?

 

 

 そう、成分が入っていないボトル──”エンプティボトル“とトランスチームガンの原型である”ネビュラスチームガン”だ。

 

 

 ボトルは十本以上がデスクの上に鎮座している。前にも言ったけど、ここの研究室にある設備が万能過ぎてさ、エンプティボトルを一本作ったら作るのにハマってしまったよ。ハハハハハハハッ!! ……すみません、反省してます。言っておくけど、ちゃんと理由があるからボトルを作ったんだぞ? 本当だからな!

 

 

 えっ? なら、理由を教えてくれって? それはだな……

 

 

 

 

 

 ───ヒ・ミ・ツ♪

 

 

 

 

 

 ほら、お楽しみは最後まで取っておかないとさ。面白くないでしょ?

 

 

 上機嫌の俺は、鼻歌を歌いながら完成したエンプティボトルをボトル専用のアタッシュケースに仕舞っていく。ボトルを仕舞うと、今度はネビュラスチームガンを右手で持って見つめる。一応、戦力強化を兼ねて作った物でもある。俺の所持している武器はトランスチームガン・スチームブレード。他にも、この二年の間に桐生戦兎が所持及び開発した武器も開発済みだ。ドリルクラッシャー・ホークガトリンガー・四コマ忍法刀・海賊ハッシャー・ビートクローザー・フルボトルバスター等をね。

 

 

 ちなみに、俺が今手に持っているネビュラスチームガンは二台目なのだ。ちょっとした理由で、一台目は一年前に開発済みだ。

 

 

 俺は椅子から立ち上がり、歩き出す。向かった場所は研究室内にあるもう一つの部屋。その部屋の中に入ると、大人一人が余裕に入れる一台のカプセルがが置かれている。中を覗くと、人ではないナニカが入って居る。

 

 

 人間の様に手足がある人型で、黒色の特殊スーツの上から赤と青の歯車が手・胸部・肩・顔に装着されている。

 

 

 カプセルに片手を置きながら、俺は呟く。

 

 

「起動実験はクリア。シミュレーションを使った戦闘実験でも問題なく稼働。後は、実戦での稼働データの収集のみ」

 

 

 実戦で問題なく動けば、俺のサポーターとして強力な戦力になってくれる筈。俺はカプセル内の存在に期待を膨らましながら、部屋を出た。

 

 

「さて、出掛ける前にシャワーと朝食を済ませないとね」

 

 

 今日は店を休みにして、横浜のとある場所で行われるイベントを見に行く予定なのだ。故に、今日は楽しもうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……と、思っていたんだけどなぁ~。

 

 

「なんで、厄介事が起こるかなぁ」

 

 

 イベント会場に来たものの、イベント開始まで時間がそこそこあった為に缶コーヒーを飲んでいた。俺が淹れる珈琲より缶コーヒーの方が何百倍も美味いなんて……複雑な気持ちだ。缶コーヒー美味しいです。

 

 

 それで、何が起きたかって? 缶コーヒーを飲んでいたら、空から変な気配を感じたと思ったら、ナニカが少し離れた海に落ちた。うん、確実に面倒事だと思われる。出来れば無視したいのが本音だけど、目撃してしまった以上、見て見ぬ振りは良くないかなと思ってしまう。

 

 

 それに、放っとおいてイベントが中止になったら困る。今日は楽しむ為に来てるんだから。

 

 

「仕方ない、行くか」

 

 

 缶コーヒーの中身を一気に飲み干し、缶専用のゴミ箱に捨てる。素早く人気の無い場所まで移動すると、ある能力を使用する。俺の背後の空間が歪み、そこに黒い穴が出現する。ビルド本編で完全体になったエボルトが何回か使用したワープ能力だ。穴の中に吸い込まれる様に入ると、穴が閉じる。

 

 

 再び穴を出現させ、出る。そこは、先程とは別の場所。ナニカが落下した付近のビルの屋上にワープした。

 

 

「さて、元凶は……下か?」

 

 

 ビルの下から普通ではない邪悪な気配がする。見下ろすと、とんでもない光景が目に入った。

 

 

 ピンク・ブルー・イエローのカラーが入った衣装をそれぞれ着ている三人の少女が、デカイ怪物相手に戦っている。

 

 

 ……プリキュアじゃん。まさかのプリキュア関連の出来事か。プリキュアに任せるか? いや、よく見るとちょっとだけ敵に押されてる感じだな。

 

 

「……ここまで来たんだ。手助けぐらいは良いよね」

 

 

 プリキュアの手助けをしよう。そう決意した俺は直ぐに行動に移す。右手で懐から機械的な黒い銃『トランスチームガン』を取り出し、服のポケットから一本のボトルを左手に持つ。そのボトルは、縁の部分がまるで錆びている様な銅色で、中心部には銀色で蛇の意匠がある。

 

 

 蛇のボトル『コブラロストフルボトル』を、手首のスナップを活かしてシャカシャカと数回振る。振った後、ボトルの蓋『シールディングキャップ』を正面に合わせる。トランスチームガンの銃身下部にあるスロットにボトルを下からスライドさせる形で装填する。

 

 

 すると……

 

 

 〈 COBRA!〉

 

 

 トランスチームガンから低い電子音声が鳴り、不気味な待機音が屋上に鳴り響く。スチームガンを顔の横まで持っていき、あの言葉を告げる。

 

 

「────蒸血」

 

 〈 MIST MATCH!〉

 

 

 スチームガンを下ろし、引き金を引きながら上に向かって振るう。銃口から灰色の煙が噴出し、俺の全身を呑み込み、煙の中で赤銅色の発光が数回起こる。煙が徐々に晴れていくと、俺の姿が露になった。

 

 

 〈 CO・CO・COBRA! COBRA!〉

 

 

 ワインレッドの特殊スーツに身を包み、その上からパイプが二重に巻かれたアーマーを纏っている。アーマーの中心には青緑の蛇の意匠があり、顔にも蛇を模したバイザーが装着され、バイザーの中から青いツインアイが輝いている。頭部には塔を模した煙筒が付いている。

 

 

 〈 FIRE!〉

 

 

 煙筒とパイプの排出口から青と赤が混ざった花火が噴出する。

 

 

 血の蛇─────【ブラッドスターク】へと姿を変えた。

 

 

 今度は、赤いバルブの付いた片刃の黒い剣『スチームブレード』を取り出した俺は、それを分離。二つに分離したパーツをスチームガンに合体させる。

 

 

 〈 RIFLE MODE!〉

 

 

 銃剣形態のライフルモードに移行させると、懐から縁が黒でロケットの意匠があるボトル『ロケットフルボトル』を左手に持つ。

 

 

『んじゃあ、行くとしますか!』

 

 

 エボルトの声に変えた俺は、ビルから勢い良く飛び降りたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?

やっとブラッドスタークの登場ですよ。プリキュアの明確な描写は、次回になります。
なるべく早く更新できる様に頑張ります!

次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!

EP6 赤き蛇の乱入

次回もお楽しみに! 感想待ってます!




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