幻想最強録 (オイスター牡蠣愛好家)
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超古代~出会いまで~
人外にはお仕置きよ!え、俺が人外?


ハロ〜みなさん!
ひとまず、この小説を開いてくれてありがとう。




目が覚めると、広い森の中に横たわっていた。

 

自分の家の周辺には森なんかなかったし・・・。

とにかく、いらない場所だった。

 

しかも、俺の記憶が確かならば・・・。

 

「俺、死んだよな・・・?」

 

目覚める前の記憶が確かならば、俺は殺された。

学校に押し入ってきた凶悪殺人犯によって。

 

あのとき、友人の一人が刺されそうになっていて、それを助けた。

その結果がどうなったかがわからないのが心残りだが・・・。

 

とにかく、俺は死んだ。

ということは、これはおそらく転生というやつだろう。

 

「そもそも、ここはどこだ!?」

 

俺は荒廃した大地のど真ん中で目覚め、迷子になっていた。

 

手元には、何故か鏡がある。

その鏡をのぞいてみると・・・?

 

「そんな、馬鹿な!!」

 

鏡に写ったのは、まさしく異形だった。

 

頭には黄金の輪が。

 

背中には禍々しい羽が。

 

尻にはなぜか1本のしっぽが生えていた。

 

「なんだよ、この不明瞭な姿は!」

 

見た目から考えると、【天使】と【悪魔】そして【狐】を合わせたような姿だったのだ。

 

つまり、俺は天使的で悪魔に似た狐になってしまった、と・・・。

 

とりあえず叫びたい・・・。

 

「最悪だ〜!!!!!!」

 

うん、スッキリした。

 

それと、一人になりたい・・・。

もう一人だけどさ・・・。

 

 

 

ー異形(少年)移動中ー

 

 

 

しばらく歩いていると、何かの音が聞こえた。

 

沢だ・・・。

ちょうど何かを飲みたかったところだ。

なんてタイミングのいいこと。

 

俺は川の水をごくごくと飲む。

 

ーもちろん、美味かった。

 

水を飲んで感動するなんて、いつぶりだろう!

 

しかし、そこであることに気がついた。

 

川の水面に映る俺の姿。

 

いつもどおり・・・と言ってはおかしいが、

相変わらず天使の輪と悪魔の羽、狐のしっぽはあったのだが・・・。

 

「なんで女の服なんか着ているの!?」

 

そう、なぜだか女の服を着ていたのだ。

さっきは裸だったのに!

 

いや、裸は裸で問題なんだけどさ・・・。

 

そういえば、さっき見た鏡に写っていた顔も女っぽかった。

俺は中性的だな〜と思っていただけなのに。

これで確定してしまった。

 

「つまり、俺は女ってこと〜!?」

 

さらに絶望した俺はしばらく動けなくなっていた。

というか、半分放心状態だった。

 

念の為、スカートの中を確認する。

 

「っっ!俺の息子が〜!」

 

そこには何もなかった。

 

そういえば、胸も膨らんでいる気がする。

 

ハハハ・・・。

もう笑うしかない。

 

死んだと思ったら突然変なところに飛ばされて。

転生できたと思ったら自分の姿は異形で。

(しかも、裸だったし・・・。)

 

ようやく飲み物にありつけたと思ったら女だし。

俺の息子がいないし。

 

今日は最悪の一日になりそうだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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そうだ、能力研究しよう。

今回は主人公が力に目覚めます!
めっちゃチーとですw


これはしばらく歩いて分かったことだが、辺りには生物がいなかった。

植物もなく、あるのは荒れた大地と川のみ。

 

そして、今度はこんなことがあった。

 

「海?なにがあるのかな?」

 

海にたどり着いたのだが、海にも生物はいなかった。

 

しかし、ここはどこなんだろう?

 

 

それなりに予想はしていたのだが、まさかこうなるなんて。

 

そして、あることに気がつく。

それは、『能力』。

 

頭のなかに浮かんできたのだが、どうやら

 

『法則を書き換える程度の能力』

『幻想と現実を操る程度の能力』

『魂を自由に操る程度の能力』

『賢者になる程度の能力』

『力を操る程度の能力』

 

の5つがあるらしい。

 

1つ1つの能力を使ってみよう。

 

まず『法則を書き換える程度の能力』。

 

試しに、酸素と二酸化炭素の割合を逆転させてみた。

 

すると、当然ながら呼吸ができなくなってしまった。

 

なので、もとに戻した。

 

次は『幻想と現実を操る程度の能力』。

 

これはよくわからなかったが、意識することで使えた。

 

具体的にどんな能力かと言うと・・・

説明しずらいな。

やってみた方が早いだろう。

 

「幻想 妖刀村雨!」

 

すると、剣が出てきた。

 

妖刀村雨は伝説として知られている。

つまり、現代人からすれば幻想だ。

 

能力で、現実から幻想を引き寄せたのだ。

 

次だ。

『魂を自由に操る程度の能力』。

 

聞くと恐ろしいものだが、わりと使用制限が厳しいものだった。

 

今、この場には自分以外の魂がなかったため、創ってみた。

 

「魂創造!」

 

そうさけぶと、白い塊が浮き出てきた。

おそらくこれが魂。

 

魂を操るということは、作り出すこともできるわけだ。

そして、今度はそれを器に入れる。

 

ここで言う器は、なんでもいいのだが、とりあえず海に沈めてみた。

 

「なにも起きないな~」

 

こういうの、時間を待ってみるものである。

 

一時間くらいして、ようやく変化が現れ始めた。

 

海の中に微生物がいたのだ。

 

『微生物なんて見えないだろ』って思っているそこのあなた。

 

魂を操るのだから、当然それを見ることも可能なわけだよワトソンくん。

 

次!

 

『賢者になる程度の能力』。

 

これの扱いは案外簡単だった。

 

ようは気になったことがなんでも分かるのだ。

 

試しに『ここはいつのどこだろう』と考えてみたら、すぐに答えが出た。

 

ここは地球。

今年で地球は八億歳☆ミ

 

答えが出たときにはかなり驚いた。

 

自分がいる場所が古代の地球だと言われて驚かないやつがいるだろうか?

いや、いないだろう。

 

次だ。

 

『力を操る程度の能力』。

 

はっきりいって、これは凄かった。

 

あちこちから自分のもとへ力が流れてくる。

 

そこで、ふと気になったことがある。

 

力の流れてくる場所は分かるのだが、この力がなんなのかがわからない。

 

力はある一定の場所に多くたまっているようで、そこから力の供給がある。

仮にこの力を『魔力』と名付けよう。

 

あと、この姿では動きにくいので、人間の姿になった。

『賢者になる程度の能力』を使ったら、方法はすぐにわかった。

 

どうも自分は狐の妖怪らしいので、人間になるのは簡単だった。

このとき使ったのは妖怪にしかない『妖力』。

 

人間になると同時に一気に弱まったが、換わりに新たな力があった。

これも能力を使って考えたらなにかわかった。

 

人間の中にある力を『霊力』というらしい。

 

そして、これも分かったことだが、天使の姿になると『神力』が使えるようだ。

 

悪魔の姿の時は魔力の他によくわからない力が使えたが。

 

とにかく俺にはいくつもの力があるらしい。

 

うーん、研究しなければ・・・!

 

 

 

 

それからというもの、俺は毎日研究を続けた。

 

月が『魔力の源』だと発見したり。

 

霊力で結界を産み出したり。

 

それぞれ『魔術』『魔法』『霊術』『妖術』『神術』を編み出したり。

 

大体の天体の動きを理解しちゃったり。

 

まあ色々あった。

 

そして、気がつけば34億年もの月日を費やしていた。

 

海にはえびの祖先らしいものが溢れかえり、生物が爆発的に増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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魂の中の魂とはなんぞや?

運命の出会いです!


母なる星、地球。

 

俺が創った微生物は今や大型の魚となって海をさまよっている。

 

地球が誕生して42億年。

俺が転生してから34億年。

 

地球には自力で進化して地上に現れた者は未だにいない。

 

 

 

 

そんなある日、予想外のことが起きた。

 

急に胸に激痛を覚えて、白い世界へ引き込まれたのだ。

 

その影響かはしらないけど、地上は大変なことになっていた。

 

よくわからないけど、その白い世界を探検してみた。

すると、奥に何か黒い扉があった。

 

そして、そこに吸い込まれた。

 

中には、これまた白い世界が広がっていた。

ただ、そこには男がいた。

なんとなく俺ににているやつ。

 

「お、よく来たね!」

「え、あんた誰?」

「俺はあんたの中にいる魂さ。

 ここは精神世界とでも呼んでくれ。」

 

精神世界に、魂か・・・。

なんだか面白そうだ。

ところで、

 

「そうか、でなんで俺をここに?」

「あ、それは君に大事な報告があるからだよ。

 君の人格はもうすぐ消えてなくなるんだ・・・!」

 

え、人格が消えてなくなる?

そんなわけ・・・。

 

しかし、俺は気付いてしまった。

長年の研究があったからこそ気付けた。

 

通常、すべての生物はオドと呼ばれるものを持つ。

言うならば、魂の器というべきか。

そして、オドから肉体への力の供給が止まると、魂は分離する。

 

オドやそのもののエネルギーは普通、見ることができない。

だが、ある程度の技術があれば、みれるのだ。

 

エネルギーを見るには100年かかる。

そして、オドを見るには、10億年もの時間が必要だ。

それ故に、オドを見ることは神の分野だった。

 

しかし、俺は30億年以上の時間を生きている。

オドを見ることなど、たやすいのである。

 

そして、俺は目の前の男を見たのだが・・・。

 

そかからは、多大な神力が感じられたのだ。

それだけなら、まだわかる。

 

しかし、この男のオドは異質であった。

それこそ、まるで肉体から分断されているような状態だった。

 

そんなこと、ありえるはずがない。

 

いや、ありえることにはありえるが、あり得なかった。

なぜなら、それをする方法は一つしかないからだ。

 

だがその方法はあまりに危険だ。

神でも、やろうとしないほどの方法だから。

 

「そう、君が思ってる通りさ。」

 

しかし、この男は簡単に肯定してみせた。

 

「僕は君に憑依した魂さ。

 まあ、神の魂なんだけどね。

 で、このままじゃ君の魂は僕に飲み込まれて、僕になっちゃうよ?」

「ああ、分かってるよ・・・。

 猶予は、どのくらいだ・・・?」

「だいたい三億年くらいかな?

 もっとも、君が大きな外傷を負ったりしない限りね。」

 

神はこうなったことの経緯を語り出した。

 

「そんなことがあったのか・・・。」

 

曰く、彼は数々の遺品を管理している神である。

曰く、彼は2番目に偉い神である。

曰く、彼はすべてを滅ぼす神である。

曰く、彼はすべてを創造する神である。

曰く、彼は人間の観察をする役目を持つ。

曰く、彼はその任務中に俺に憑依した者である。

 

 

「で、君、名前は覚えているかい?」

 

あ、自己紹介忘れてた。

なんて名乗ろうかな?

生前の本名はもう忘れ去ったからな・・・。

苗字しか覚えていない。

 

「俺は夢前です。」

「それは、良い名前だね。

 下の名前は晴次でどう?」

「俺の見た目は女ですけどね。」

「そうだね。

 まあいいじゃないか。

 俺の名前は

 【        】だよ。

 今は夢前晴一でどう?」

「素敵な名前ですね。

 なんか兄弟見たいです。」

 

お互いに自己紹介が終わった。

彼は神になる前の名前を語ってくれた。

けれど、誰にも教えたくないみたいなので、ここでは語らないでおこう。

 

 

「そういえば、晴次は今何歳なんだ?」

 

あ、晴一に痛いところを付かれた。

 

「前世では高校生。

 今は34億歳。」

 

晴一の顔が面白さに染まる。

 

「その話、詳しく聞かせて❗

 いや、見てきたけど実際に話を聞きたい。」

 

もう、どこか狭いところに閉じ籠りたい・・・。

 

俺は洗いざらい全部はいた。

 

「それは、ひどい・・・。」

「はい、人がいないなんてあまりに辛い!

 ところで、晴一の能力は?」

「いまのところは秘密さ。

 来たるべきときに教えるさ。

 そのうち使えるようになるからな。」

 

そうか、でもきっと強いんだろうな・・・。

 

「それと、もうそろそろ戻ったほうがいい。

 ここの時間は外よりも流れが遅いんだ。

 そのときによって差は変わるけどな。」

「わかったよ、じゃあね、また会おう晴一!」

 

そういって、俺は精神世界から脱出した。

 

 

 

 

 



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時間は過ぎ去っていくものだ。

俺は今、カマクラにいる。

 

精神世界を出たあと、外はだんだんと寒くなってきたのだ。

そして、あっという間に雪が振り始めた。

 

もう原因はわかっている。

 

これは『氷河期』だ。

それもかなり短くなるであろうものだ。

 

おそらくこれは三度目になると思う。

1回目が19億年くらい前の出来事。

2回目は1億年前くらい。

 

あのときは大変だった。

地球全体が凍ったんだもん!

 

『もう氷河期はごめんだ!』って言いたいんだけど、それは無理だ。

歴史だと、あと2回はくる。

そのうち一回は楽みたいだけど。

 

その時、突然辺りが凍りついた。

 

「寒っ!」

 

かなりの寒さだ。

いや、これを寒いで済ませてしまってる俺がおかしいんだけどね。

 

そして、俺はかまくらにはいってくつろぎ始めた。

え、どうやって作ったかって?

 

能力を使ったのさ‼

 

まず、『幻想と現実を操る程度の能力』で現実を操って雪を集めた。

これがかまくらの材料。

 

次に、水属性の魔力を手元に集めて氷を更に固くして。

 

仕上げに『法則を書き換える程度の能力』を使う。

何をしたかと言うと、俺の回りの吹雪だけ蒸発させた。

 

本来なら、魔法を使いたかった。

吹雪は熱を加えればただの雨になり、水蒸気になる。

けれど、この氷に包まれたなか、火属性の媒体は少なかった。

 

 

「これで、暖かいかまくらの出来上がり!」

 

雪の中でも俺は研究をした。

能力&力の研究だ。

 

そして、本を書くことにした。

『幻想と現実を操る程度の能力』で紙を転生前の自分の部屋。

即ち今の幻想から持ってきた。

 

完成した本は、

 

『神の書』『妖怪の書』『進化の書』『魔導書』『歴史書』

 

あとは、基礎的なものだと

 

『原始の書』『護身の書』。

 

世界の理と魔法の関係性を記した

 

『哲学の書』『虹色の書』『奇跡の書』。

 

そして、強大なな魔法を記した

 

『命の書』『血肉の書』『呪いの書』。

 

能力ごとにまとめた

 

『幻の書』『法の書』『力の書』『知識の書』『魂の書』

 

これを読めるような人は今のところいないが、いつか現れるだろう。

 

と、そんなことをしているうちに氷河期は終わりを迎えた。

 

それから恐竜が生まれ、繁栄し・・・。

 

巨大隕石によって絶滅した。

 

恐竜が絶滅してからも、俺は比較的有意義な時間を過ごせていた。

 

・・・、少なくとも氷河期よりは有意義だった。

 

天界に行って天照大神と仲良くなったり。

俺がこの世界で最初の神だと知られ、最高神になったり。

みんなにお祖父様って言われたり・・・!

日本の「山の背比べ」に立ち会って、妖怪の山が誕生したり。

何故か俺が神のトップになっていたり・・・。

妖怪の中でトップに立っていたり・・・。

 

 

いくつもの文明が栄えては、消滅していった。

 

 

そんな中だ、俺は強引に精神世界に引き込まれた。

 

「いい?

晴次もわかってると思うけど、そろそろ寿命は近いよ。

 もうすぐ、消えてしまうんじゃないかな。

 だから、少しでも長生きしたければ能力の多様は控えてね?」

「ああ、気をつけるよ晴一。」

「それと、これからはこういったことが多くなる。

 晴次が精神世界に引き込まれることがね。

 気をつけて?」

 

まじか・・・。

まあそのくらい気にしない。

 

「それじゃあな。」

 

そう言って、俺は精神世界をあとにする。

 

外は、ちょうど新たな文明が栄えてる頃で、

妖怪が急激に増えた頃であった。

 

ここから、物語が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








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古代都市~月移住計画~
都市の頭脳がこんな美人ってなんの冗談だよ?


そういえば、最近新しい都ができたらしい。

面白そうなので、行ってみることにした。

 

「キャーーーーー!」

 

ん、なんか悲鳴が聞こえる。

助けなければっ!

 

「なんだよ、低能な妖怪かよ・・・。

 言ったよな、人間をむやみに襲うなって?」

「ぐギャルるるっる!」

 

こいつ、低能の中でも低能だな・・・。

仕方ない、格を教えてやる。

 

バシッ!!!

 

次の瞬間には、妖怪の首が飛んでいた。

 

え、今のどうやったかって?

簡単な話だよ。

ただ蹴っただけ。

力も鍛えていたんだよ?

 

あ〜あ、なんか女の人にひどい視線で見られている。

 

「あなた、人間・・・?」

「難しいな、そうであってそうではない。

 少し待っていろ。」

 

そう言って俺は神力、妖力、霊力、魔力を同時に開放する。

 

「え・・・。

 霊力と妖力、魔力はさておいて、どうして神力まであるのよ!」

「長生きしているうちに、神になってたのさ。」

 

うん、嘘は言っていないよ。

長い間生きていたのは事実だし、その間に神になってたわけだし。

まあ多少神との関わりもあったけどさ・・・。

 

「あなたは、本当に規格外ね・・・。

 でも、一体なぜ私を助けたの?」

「逆に、なぜ助けないんだ?

 目の前で誰かが襲われていたら、それが妖怪であろうと人間であろうと助ける。

 それで、明らかに悪い方をさばく。」

「もういいわ、あなたにそんなことを思った私が馬鹿だったわ・・・。

 私は八意永琳。

 この都市の頭脳をやっているわ。」

「なるほど、よろしくな永琳!」

 

こうして、俺は古代都市に入ることになった。

 

「いいですか、あなたには月詠様に会ってもらうわ!

 いちおう、この国の神よ。。」

 

ん、月詠・・・?

どこかで聞いたような・・・。

 

「着いたわ、ここが月詠様のお部屋。

 失礼のないようにお願いね?」

 

永琳がそっと扉を開く。

 

そこには、超絶美女の神様がいた。

 

「ソナタは、本当にツクヨミか・・・!」

「そういうあなたは最高神様!?」

「ん、今なにか聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がしますが・・・。」

 

あ、そういえば言ってなかったっけ?

 

「永琳よ、私はこう見えても最高神。

 そして、37億年くらい生きてるのだぞ?

 ちなみに、私の名前は晴次だ。」

「晴次って・・・!

 妖怪のトップの名前と一緒!?」

「ああ、私は妖怪のトップと神のトップを両方やっている。」

 

永琳の表情が驚きに染まる。

それも当然だ、こんなこと通常ではありえない。

 

「でも、なぜあなたが妖怪のトップなんかに?」

 

「私が来るまで、妖怪どもは暴れまわっていた。

 まあ実害はなかったんだが・・・。

 あのままじゃこの都市は崩壊していた。

 だから、誰かが抑える必要があったんだ。」

「なるほど、それなら納得できるわ。」

「それと永琳、悪いんだが席をはずしてもらえるか?」

「ええ、わかったわ!」

 

これで月詠と二人で話ができる。

 

「実はな、俺はもうそろそろ死ぬんだ。

 俺の魂のなかにいる悪神が俺の魂を食いつくす。」

「そんな・・・!

 なんとかならないんですか?」

「恐らく無理だろう。

 それでな、頼みがあるんだ。

 まだ先のことにはなると思うが、

 妖怪たちがここを攻めに来る。

 数十億もの軍勢でな。

 その時、俺がいても構わない!

 原子爆弾を地上に落としていってくれ。」

「お祖父様にそんな残酷なことは・・・!」

 

どうやら、分かってくれないらしい。

仕方がない、気は進まないが、一発怒ろう。

 

『ふざけるんじゃねえ!

 地球の未来の為なんだよ!

 神として自覚しろ!』

「っっっっっっっ!」

 

俺がしたことは単純。

全ての力の3割を解放しただけだ。

常人なら、耐えきれず死んでしまうレベルだ。

 

「よく考えるんだな。」

 

俺はその一言を残して部屋を退室した。

 

「ねえ貴方」

「晴次と読んでくれ。」

「わかったわ、晴次、月詠様と何をお話したの?」

「それは内緒だ。」

「そう・・・。

 そういえば、晴次、家はあるの?」

「ない!」

「じゃあ私の家に泊まっていきなさい。」

「ああ、そうする・・・って

 エーーーーーーーーーーーーー!」

 

こうして、永琳と俺は一緒に住むこととなった。

 

 

 

 

 

 

 




しゃべり方について。

初対面→


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決戦?え、早すぎない?

「人間と妖怪の戦いか・・・。

 どうなることやら。」

 

決戦前日、俺は妖怪のもとへ来ていた。

 

どうしてこうなってしまったんだろうか。

もともと妖怪は人間の恐怖から生まれた存在だ。

そんな妖怪に、人間をどうこうするだけの力はなかったはずだ。

できても、せいぜい脅かすことくらいだろう。

 

だが、どういうわけかあいつらは強くなっていった。

魔力の食い過ぎか、俺の1000年に一度の妖力開放のせいか・・・。

 

まあ、いずれにしても、奴らは強くなりすぎた。

バランスを保つためにも、妖怪の数を減らさなければ。

 

そして、この旨をあいつにも伝えよう。

 

 

「おい、鬼子母神、いるか?」

「お主、久しぶりだな!

 どうしたんだ?」

「実はな・・・。」

 

 

俺はそのことを話し始めた。

 

 

「なるほどの・・・。

 たしかにそうかもしれぬ。

 最近は野蛮な妖怪も増えてきている。

 ワシからも一つ言っておこう。

 そして、達者でな、晴次よ。

 どうせあちら側として戦うのだろう?

 ワタシも戦うが、そこまで長くは妖怪の統制はできないだろう。

 だから、頼んだぞ?」

「ああ、当然だ!」

 

 

 

 

 

 

そして、俺はあいつと別れた。

 

 

 

 

時は過ぎ、日付が変わった。

いよいよ決戦だ。

 

 

「おい、見に来てやったぞ〜!」

「「「「こんにちは、影の隊長!」」」」

 

ああ、そのあだ名嫌いなんだよね・・・。

まあ、確かにあいつらを鍛えたりしたし。

綿月姉妹を鍛えたのも俺だけどさ。

 

 

「いいか、明日は決戦だ。

 お前らは無事に月までつけよ。

 俺はお前らが生きておいてくれることだけを望む。」

「隊長、そんなこと言わないでください!」

「そうですよ、これじゃあまるで・・・。」

「ああ、俺は月には行かねえ。

 こっちでやらなきゃいけないことがある。

 何があっても俺のもとへは帰ってくるなよ?

 死んだら俺は怒るからな?」

「はい、隊長!」

 

しばらくすると、向こうから妖怪たちがなだれ込んできた。

 

「ほら、来たぞ!

 やるぞ?」

「「「「「「「おーーーーーーー!」」」」」」」」」

 

 

そこからはもう、大変な騒ぎだった。

敵と味方が入り乱れ、乱戦状態だった。

 

「おい、第一弾のロケットが出るぞ!

 第5、11、17部隊は離脱しろ!」

 

 

こうして、味方の数はちゃくちゃくと減っていった。

それに比べ、敵はまだ数億。

これはもう、勝ち目が薄い。

 

しばらくすると、永琳から連絡が入った。

 

「晴次、早く戻ってきなさい!

 全員が乗り終えて、あとはあなただけよ!」

 

「ああ、永琳、謝らせてくれ。

 俺はこの地に残らなければならない。

 詳しいことは月詠から聞いてくれ。

 それじゃあな。」

 

こうして俺は、一方的に通信を切った。

そして、ロケットの扉を遠隔操作で締め、発射させた。

 

 

さて、ここからが本番だ。

俺の寿命はもって三億年だった。

大きな力を使えば、俺は死に、もう一人の俺になる。

そして、俺は今大きな戦闘で力を使った。

俺が意識を手放すのは時間の問題だろう。

 

「とはいったもののな・・・、あいつらと約束したからな。

 俺はまだ死ぬわけにはいかねえ!」

 

おそらく、あと10秒もすれば原子爆弾が投下されるだろう。

直撃すれば、死は免れない。

そこで、対策をとることにした。

 

まず、賢者になる程度の能力で頭をフル活用する。

そして、答えを得る。

 

(おい、俺の生存確率はどのくらいだ?)

《裏人格があることを考慮した上では、0.00000001%です。》

 

よし、とりあえず確率はゼロではないらしい。

なら、試すまでだ!

 

「『オートブレイン』!」

 

《オートブレインの起動を確認。

 脳のタスクをすべてキャンセルし、権限を本書に移行します。

 よろしいですか?》

 

「ああ!」

 

《オートブレイン開始。

 現脅威への対策プログラムを開始します。

 原因の排除を試行。

 ・・・、マスターにより失敗。

 続いて、防衛機構を展開。

 虹伝『境界を超えた大結界』を展開。

 元祖・護伝『努力の結晶』を発動、身体的防御力上昇。

 神伝『限界を超えた先に』を起動、全能力をブースト。

 奇伝『人間の可能性』を発動、作戦の成功率、上昇。

 負荷を最小限に設定。

 魂命伝『戻らぬ命、変わらぬ魂』魂の法則、書き換え成功。

 進伝『ダーウィンの進化論』新しい肉体を強化生成。

 

 これより、魂の上書きを開始。》

 

 

 

その直後、原子爆弾が地面についた。

 

その瞬間、視界は真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の技の解説

『オートブレイン』:思考回路を一時的に肉体から遮断し、
          【書】に移したもの。
          それにより、高速の演算能力が使える。
          自分の意識はあるが、自力で体を動かせないのが難点。

虹伝『境界を超えた大結界』:【虹の書】の能力。
              目の前に七属性の結界を貼る。
 
元祖・護伝『努力の結晶』:【護身の書】と【原始の書】の複合型。
              原始から積み上げてきた努力を守りに注ぐ。

神伝『限界を超えた先に』:【神の書】の能力。
              神力を使い、体内にあるすべての力を倍増させる。

奇伝『人間の可能性』:【奇跡の書】の能力。
            奇跡の力で、人間の第六感など可能性を引き出し、
          様々な力を発揮する。

魂命伝『戻らぬ命、変わらぬ魂』:【命の書】【魂の書】の複合型。
                 魂の法則を書き換え、命が失われた際、
                魂を現世に固定する方法。

進伝『ダーウィンの進化論』:【進化の書】の能力。
               現在の肉体を破棄し、新しい肉体に強化する。
               姿が変わらないことが難点。


以上になります。
それではまた次回!





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断章
目が覚めた、あれ人格が・・・。


オレンジ色の朝日が差し込んでくる。

 

「うう・・・。

 ここはどこだ・・・?」

 

あたりは一面更地だ。

 

ああ、わかったわこれ。

核爆発のせいだ。

なんか俺の他に生物もいなそうだしな・・・。

旅にでもでるか・・・。

 

 

まてよ・・・?

俺の裏人格はどこへ行ったんだ!?

そもそも俺の人格が消えてないのはなぜだ?

 

 

俺は気になり、精神世界へ行ってみた。

 

 

 

「おーい、晴一いるか?」

 

呼びかけてみると、返事が帰ってきた。

 

「いるよ・・・、ここにね。

 どうやら、晴次の思いが強かったようだね。

 魂の再構成で主格になったのが君なんだ。

 そうすると、僕の魂は薄くなってしまう。

 時間の流れとともに、僕の魂はどんどん薄くなっていったんだ。

 今はもう、実態を表せないんだ・・・。」

 

 

なるほど・・・。

その辺のところ、もっと詳しく調べてみよう。

 

と、まあそんなことは置いておいて、今は晴一だ。

 

「晴一、あとどのくらいだ?

 君の寿命がなくなるまでは。」

「もって、あと5分かな・・・。」

 

そんな、5分なんて・・・!

あんまりだ、酷すぎる!

 

 

「そう怒ったってしかたがないよ。

 これが僕の定めだったんだ。

 最後に晴次に会えてよかったよ。

 さあ、これをあげるよ!」

 

「これは・・・?」

 

「僕の力の結晶だよ。

 君がここから出たら、それは君に溶けていくはずだよ。

 それじゃあ、さよなら・・・。」

 

待ってくれ、晴一・・・!

俺はもっとお前と一緒にいたかった・・・!

だから・・・!

 

「晴一、必ず助ける!

 消える前に僕の中に入って!」

「そんなことができるの・・・?」

「ああ、できる!

 【魂を保存するにはどうすればいい?】」

 

【相手は弱体化しているとはいえ、邪神です。

 魂の波長が合致しません。】

 

構うもんか、そんなもの!

 

【可能性は極めて低いですが、あなたの魂内に保管可能です。

 魂内に保管後、現実と幻想の結界で隔絶します。】

 

よし、可能ならやろう!

 

【ただし、その間あなたの魂は常に能力の干渉を受け続けます。

 死に至る可能性を警告します。】

 

 

自分の命と彼の命を天秤にかける。

うん、迷う余地もない。

 

【それでは、魂の統合を開始します。】

 

「グひゃわわわgうtwtwtっうぇygy」

 

すごい負担だ・・・!

苦しい・・・。

 

 

【魂可動域30%まで低下。】

 

「まだだあああ・・・!」

 

 

【魂可動域、危険域15%まで低下。

 肉体と精神の完全分離まで1分。

魂の中に部屋を作成。

作業効率up。

残り30秒…。】

 

やばい、精神世界なのに、意識が…。

 

「があああああああああああああ!」

 

【タスクが終了しました。

お疲れさまでした。

これより、心身の休養を開始します。

魂の凍結を開始。

健康状態回復後、凍結を解除。】

 

 

はあ、これでまた眠りにつくのか…。

目覚めた頃には文明ができてるといいな…。

お、やすみ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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