青の刀使~青い炎の輝き~ (HaTaHaTadoon)
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オリジナル
プロローグ


少し書き直しました内容はあまり変わってません。


 

「よ~しこれで全部だな」

 

「そうだね。兄さん」

 

 燐は降魔剣をしまい体の青い炎が消え弟の雪男と任務を終えた。この任務は理事長のメフィストから頼まれた悪魔の討伐だった。メフィストから頼まれた割には簡単だったように思えるが

 

「やったな、りん!」

 

 クロが燐の肩に乗ってきた。かつて燐たちの父、獅郎の使い魔だった猫又(ケット・シー)。今は燐の使い魔として一緒に行動している。

 

「りん、はやくかえろう」

 

「そうだな。雪男、帰ろうぜ」

 

「僕は報告があるからさきに行っててくれる」

 

 雪男は燐に任務完了の報告があるためと断り先に燐たちと寮へ帰させる。一緒に帰宅して燐に宿題をさせたいが仕方ない。

 

「分かった。じゃあ後でな」

 

 燐と雪男はその場で別れて燐は真っ直ぐ寮へと帰る。寮の前に到着して扉を開けて中に入った瞬間、目の前が真っ暗になる。真っ暗になった時何か映ったような気がした。

 

「――クっ!」

 

 暗くなると同時に頭に激痛が走る。あまりの痛みに頭を抱えたまま前に倒れる。

 

「だいじょうぶか? りん? りん!」

 

 クロには何の影響もないようで声を掛けられ頭をゆっくりと上げると目の前には木々が並んで空には太陽の光が射していた。燐は周りを見渡す。見る限り木しかなく唖然とする。

 

「ここは?…!」

 

 近くにいたクロも燐と同じようにしていた。ぼーっとしていると燐の後ろから殺意を感じ振り向くと獣のような奴が飛び出してきた。燐は咄嗟に回避を行い避ける。クロもその獣に気づき近くの安全な所に避難する。燐の周りには四足歩行で鋭い爪を持ち人の腰くらいはあるだろう五匹の荒魂が威嚇していた。

 

「なんだこいつら!」

 

「りん!うしろ!」

 

 クロが燐に背後からの攻撃を警告する。後ろから襲ってきた荒魂を燐は軽い身のこなしでかわす。そして背中にある降魔剣、倶利伽羅(クリカラ)を手に持ち鞘から抜く。すると燐の体に青い炎が燃える。燐の青い炎を見るなり荒魂は怯む。五匹の中の一匹が燐に襲い掛かる。だが燐によって一刀両断にされる。

 

「オラッ!」

 

そして背後から襲いに掛かった一匹を振り向きざまにもう一匹を斬る。斬られた二匹は青い炎に焼かれ苦しそうに溶けてノロとなる。

 

「後、三匹!」

 

 荒魂二匹は燐に同時に襲い掛かるが薙ぎ払いでまとめて斬られた。燐は後一匹を見つけると直ぐ様斬りかかり青い炎に焼かれノロとなった。

 

「やったな! 燐!」

 

「こんなの朝飯前だぜ」

 

 燐は降魔剣を仕舞って青い炎を消すと戦いが終わったと察したクロが近づいてくる。だがさっきの化け物たちを倒したからといって何一つ現状は変わらず燐は腕を組んですぐに考え込む。荒魂を倒し周りが静かになったとかろで状況を整理する。

 

「さっきの悪魔はなんだったんだ? あんな悪魔見たことなねぇ。そもそも悪魔なのか? 全然わかんねぇ。それにまだここが何処かわかってねぇし。これからどうすればいいんだ」

 

「あのーすみません。こんな所で何をしてるんですか?」

 

 突然、木々の間から姿を現したのは燐より少し小さめの女の子だった。燐は女の子の方に振り向く。まさかこんな山中で人と会うなんて思ってもいなかったため少しだけ驚いた顔をしていた。

 

「少しだけ事情聴取させてください」

 

「待ってよ~!舞衣ちゃん!」

 

 燐に事情聴取してきた女の子の名前を呼んだその子とは別の同じくらいのもう一人の女の子も現れた。燐がここに来て初めて見た人間は

 

 

――刀使だった

 




初投稿になります。
ど素人なので至らない点などたくさんあると思います。
アドバイスとか書いてくださるとありがたいです。


2019年4月21日
コメントで指摘されたところを変えました。前より良くなっていたら幸いです。


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第一話 別ノ世界

「あなたこんな所で何をしていたんですか」

 

「いつのまにか此処にいて変な悪魔が襲って来たから倒した」

 

舞衣という女の子は燐に質問していた燐は此処にいた荒魂を倒したとぶっきら棒に答える。

 

(この人が荒魂を倒したんだ)

 

可奈美はそう思った。

けど舞衣は燐の発言に疑問を抱く。

 

「悪魔ですか?」

 

「ん?あれ悪魔じゃないのか」

 

「あれは悪魔ではありませんよ」

 

「へ?」

 

燐が思っていたあれは悪魔ではなかったので少し驚いたようだ。

 

「あれは荒魂と言って珠鋼を精製した時に出る不純物ノロが結合したのが荒魂です」

 

「へ~そうなのか」

 

燐は襲って来た奴等の正体がわかり頷く。

 

「まだ聞きたいことがあります」

 

「次はなんだ?」

 

めんどくさいそうに燐は返す。

 

「あなたはいったい何者ですか?」

 

「お、俺はその....」

 

燐は言いづらそうに返そうとするが別の声が掛けられる。

 

「ねぇねぇお兄さん!」

 

「ん、なんだ?」

 

「お兄さんって何で尻尾が生えてるの?」

 

「ヤベ!」

 

燐は尻尾を慌てて隠そうとするがもう遅かったため隠すのをやめ正直に言うことにした。

 

「それは...実は俺、悪魔と人間のハーフなんだ」

 

可奈美と舞衣は驚いた外国人と日本人のハーフはいるのは分かるが悪魔とのハーフなんて一回の人生でそうそう会えないだろう。

 

「嘘ですよね」

 

「嘘なんてついてどうすんだよ」

 

「本当かな?」

 

「いだだだあああああぁぁぁぁぁ思い切り引っ張るんじゃねぇ!」

 

可奈美は本当か確かめるべく尻尾を引っ張る。そうすると燐は痛みを訴える。

可奈美は尻尾を放して燐は尻尾を抑えるクロは燐を心配し近寄る。

気を取り直して舞は質問する。

 

「あなたはどうやって荒魂を討伐したのですか」

 

「荒魂て今どろどろになってる奴らのことか?」

 

「はい」

 

舞衣の質問に質問で返す燐に舞は冷静に返す。

燐は舞が聞いてきた質問に答える。

 

「俺の背中にある剣でこいつ等を倒したぜ」

 

と自慢げに言う。すると舞衣がさらに聞いてくる。

 

「その剣はなんですか」

 

「これは降魔剣っていう剣で俺が悪魔を討伐する時に使う武器だ」

 

「その剣、見せてもらっていいですか?」

 

燐は背中にある降魔剣、倶利伽羅《クリカラ》を舞衣に渡す。

舞衣は降魔剣を見ていく。

そして舞は鞘から剣を抜こうとする。

 

「おい!ちょっ」

 

燐は止めようとしたが遅かった。

舞衣は刀身を少し出してしまう。

すると燐の体に青い炎が燃える。

 

「きゃっ!」

 

舞衣は青い炎に驚いて剣を落としてしまう。

燐は剣の所まで行き拾い上げ見えていた刀身を仕舞い体の炎が消える。

そして燐は覚悟を決め告白する。

 

「今のを見て分かっただろ俺はサタンの息子だ」

 

燐は竜士たちのような扱いをされると覚悟して告白した。

 

サタン

 

虚無界に住む悪魔の創造主。燐の実の父親。「神の炎」とも呼ばれる物質界・虚無界双方に干渉可能な青い炎を操る。

物質界を手に入れることを目的とし、たびたび物質界に来ては人間に取り憑いている。しかし物質界にはサタンの憑依に対応しうる物質が存在しないため、一度取り憑かれると人間は体が持たず、すぐに崩壊してしまう。燐の父獅郎はサタンに憑かれ命を落とした。そして青い夜を起こした。

 

二人はそれを聞いて頭にハテナが浮かんでいた。

燐は二人を見て驚き二つのことを聞いた。

 

「お前らサタンを知らないのか!」

 

「「知りません」」

 

「青い夜も知らないのか」

 

「「知りません」」

 

燐はこの返答で頭がパンクしそうになる。

サタンも青い夜も知らない奴なんていないと思っていた。じゃあ燐のいる此処は一体なんなのか。

頭を押さえる燐に舞衣は話しかける。

 

「あなたのことはまだ良くわかりませんが、これからどうするのですか?」

 

聞きたいことは大体聞けた舞衣は燐がこの後どうするのか聞く。燐は考えること一度やめて舞衣に返答する。

 

「家に帰る、ことはできねぇな。これからどうすればいいんだ」

 

燐はまた頭を悩ませる。すると可奈美が話しかけてきた。

 

「行く所がないなら美濃関にきたらいいよ」

 

可奈美が苦悩している燐を美濃関で保護してくれるみたいだ。帰る所がない燐にとって嬉しい限りだ。

 

「美濃関学院には寮があるから普通に生活できると思う」

 

「でもいいのかこんな見ず知らずの人を入れてくれんのか?」

 

そうだ、燐は荒魂を倒し社会貢献をしたがサタンの息子を入れてくれる人なんてそうそういないだろう。

 

「荒魂を倒したんだからきっと入れてくれるよ」

 

燐は不安だったが他に当てがないのでいくことにした。

 

「じゃあ取り敢えず美濃関にいくか、クロいくぞ」

 

「わかった!」

 

クロは燐の肩に乗る。

 

「わ~その猫可愛い~♥」

 

可奈美はクロ見て近づいてきたけどクロは猫みたいな姿だがクロも悪魔なのだ可奈美はクロの二本の尻尾に気づく。

燐は可奈美が魔障を受けていないのになぜ見えるのかと思ったが、この世界に来た影響だと勝手に解決する。

 

「あれ尻尾が二本...?」

 

「あ~、クロは猫又(ケット・シー)だから、まぁ悪魔の一種だ」

 

「へ~これが悪魔なんですね」「触っていいですか?」

 

燐はクロにいいのか聞き許可が取れたのでクロを可奈美に渡す。

可奈美はクロ撫でたり耳を触ったりとする。

 

「あはは、擽ったいよ~ははは」

 

この声は可奈美たちには聞こえない。聞こえているのはにゃ~にゃ~という鳴き声だろう。

クロの声は悪魔とのハーフである燐にしか聞こえない。

クロはとても笑っていて燐は微笑ましいと思った。

 

「それじゃ美濃関に案内しますね」

 

「おお!よろしくたのむ」

 

「いくよ~可奈美ちゃん」

 

「うん!わかった」

 

三人と一匹は美濃関に向かっていくそして燐は気になっていたこと言う。

 

「そういえばノロだっけ?あれそのままでいいのか?」

 

「大丈夫ですノロは回収してくれますから」

 

「そうなのか」

 

燐の気になっていたことが晴れたら舞が疑問を口にした。

 

「あなたが度々口にしている悪魔ってなんですか。」

 

悪魔

 

この世界には二つの世界がある人間の暮らす物質界(アッシャー)と悪魔が存在できる虚無界(ゲヘナ)悪魔が物質界に存在するには依代が必要になり、悪魔によって対象物は様々。人間や猫などの動物もあれば空気中の埃などの命のないものでも憑依が可能である。

物質界の存在する人間が悪魔を見るためには条件があり、悪魔から傷や病を一度でも受ける「魔障」がなければならない。そのため、祓魔師になるためには必ず魔障を受ける必要がある。

 

「まぁ人に憑依する存在だ」

 

「はぁ?」

 

「そしてその悪魔を払うのが俺たち祓魔師(エクソシスト)だ」

 

祓魔師(エクソシスト)

 

悪魔に対抗する技術を持ち、「悪魔払い(エクソシズム)」を行う者たち

燐はその階級の下の方候補生(エクスワイヤ)だとは言わないが

 

「祓魔師は何をするのですか?」

 

「だいたいは悪魔払いをすることだな」

 

「悪魔払いというと?」

 

「戦闘だな」

 

「「!!」」

 

まあ驚くだろう可奈美たちの知る祓魔師は人に憑りつく悪魔を追い出すと思ってたため燐が言うには結構物理的で予想外だったのだろう。

そんな二人を放置して話を変える燐。

 

「まだ名前聞いてなかったな俺は奥村燐。お前らは」

 

「私は美濃関学院の柳瀬舞衣です」「同じく衛藤可奈美です」

 

「おお!これからよろしくな!」

 

と、そうこうしていたら美濃関についた。

だいたい20分くらいか。時間はもう日が沈む頃になっていた。

そして学長のいる部屋につく。

話をつけてなんとか寮に入らせてもらわないと今後にかかわるのに燐は堂々とした様子だった。

舞がノックをしてドア前で言う。

 

「失礼します」

 

そして中に入る。

 

「お疲れ様です。可奈美さん舞衣さん...?その方は」

 

部屋の奥に高そうな机と椅子がありそこに茶髪で短い髪でとても仕事ができそうな雰囲気だった。学長の疑問に舞衣は燐を紹介した。

 

「彼は私たちが目的地に着く前に荒魂を倒してくれた方です」

 

「奥村燐だ」

 

燐は年上に対しとても軽い感じで自己紹介する。

それを見るなり舞衣は言う。

 

「ちょっと燐さん目上の人に対して敬意がありませんよ」

 

「いいのよ舞さん」

 

学長は燐の言葉使いを気にせず話をもどす。

 

「私は美濃関学院の学長をしています。羽島江麻です。あなたが荒魂を倒してくれたのですねありがとうございます」

 

学長が頭を下げ感謝をしてくれて燐は照れる。

 

「そんな!襲って来たから返り討ちにしただけっていうか」

 

「そんなことより学長!」

 

可奈美が割って入る。それで燐のことを学長に説明し寮に入れてもらえないかと説得する。

 

「別にいいですよ」

 

「やったな燐」

 

「おう!」

 

「けど」

 

燐とクロが喜ぶ中、学長が話を続けるしばらくは寮を使わせてくれるのだ。ただで使わせてもらえないのは当たり前だろう話を続ける学長に燐とクロは唾を飲む。

 

「あなたには荒魂討伐を手伝ってもらいます」

 

「その荒魂討伐は、何をすればいいんだ俺は」

 

燐は説明を求め学長が荒魂を討伐してくればいいとのことである。

燐は少し考え。

 

「しばらく泊めてくれるんだ。このくらいのことはしねぇと」

 

燐はその要求を吞んだ。

 

「やった~!燐くんがいれば百万力だね」

 

可奈美はいっしょに戦えることを喜んでいた。

 

「ではそういうことなので舞衣さん可奈美さん寮の空いてる部屋に案内してください」

 

「「はい」」

 

元気な返事し学長室を出て行った。

 

 




投稿二回目
感想やアドバイスを書いてくれると嬉しいです。


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第二話 美濃関の祓魔師

今回は結構長めです


「腹減った~」

 

燐が空腹を訴え腹も鳴る。

 

「私もお腹空いた」

 

「じゃ寮に行く前に食堂で何か食べましょうか」

 

舞衣が食堂に行くことを提案し燐と可奈美は賛成し、食堂に向かうことになった。

食堂につき燐があることに気づく。

 

「そういえば俺、財布ないんだった!」

 

お金がない燐に食えるものなどないと思っていた。

 

「大丈夫ですよ。お金がなくてもタダで頂けますから」

 

「そうなのか!」

 

舞衣は燐を安心させる。

燐はタダで食べれることを喜んでいた。

 

 

 

燐たちは食事をしていると燐が周りの視線に気づく。

 

「さっきから周りの奴らが見てくるんだが」

 

「美濃関だけじゃないけどここに男の人がいたら皆気になりますよ」

 

「どうしてだ?」

 

舞衣の説明によると男の人は少なく珍しい存在らしい。けど何人か男がいるなら話してみたいと思った。

 

「舞衣、お前()()()()()()()()()って言ってた気がするが」

 

燐は舞衣の返答に疑問を持った。

舞衣は燐に伍箇伝について説明する。

 

「全国に5校設立された中高一貫の特別刀剣類従事者訓練学校で特別刀剣類管理局の下、刀使のみでなく、刀使の活動を支援する人員の育成も行っています、美濃関もその一つですね」

 

「へ~そうなのか」

 

燐は伍箇伝について知るが質問をする。

 

「その刀使ってのはなんだ」

 

「はーい!それは私が教えるね」

 

可奈美が自分から説明を申し出てきた。

 

「私たち刀使は中高一貫の訓練学校に通っているのは聞いたね」

 

「あ~さっき舞衣から聞いた」

 

「その実、国家から唯一御刀の帯刀が許された超法規的国家公務員なのです」

 

「お~よくわからんがかっこいいな」

 

可奈美は自信満々に説明し燐の目を輝かせる。

 

「じゃその刀使は何をするんだ」

 

「荒魂を倒し人々を守るお仕事だよ」

 

「ざっくりとした説明だな」

 

燐は色々とこの世界のことがわかったきがした。

 

「燐さんて本当に刀使とか知らなかったの?」

 

「えっ!?」

 

「だって刀使はとても身近な存在ですし燐さんは荒魂の存在も知らなかったみたいだし」

 

「確かにそうだね」

 

「・・・・」

 

二人は燐を見る。

燐は真剣な顔になり告白する。

 

 

「俺が別の世界から来たって言ったら信じるか・・・」

 

 

二人は黙る。

そうだよな自分は別世界から来ましたなんて言う奴、変人て思うよな。

これからどうなるんだろうな。

可奈美と舞衣はどう思っただろうか。

 

「だからか!」

 

「え?」

 

可奈美は何かに気づく。舞衣も可奈美と同じ様子だった。

 

「これでクロちゃんや燐さんの尻尾に納得がいくよ」

 

「そうだね、燐さんの青い炎とかにも」

 

二人は燐を置いてどんどん解決していく。謎が解けていく可奈美と舞衣はスッキリした様だった。

 

「ど、どうして」

 

「だって悪魔とのハーフとか、サタンとか私たち分かんなかったよ」

 

「最初は勝手な妄想かと思いましたけどそれじゃ尻尾やクロちゃんの説明がつきませんし」

 

二人は燐に説明していく。たしかに燐の力などは別次元のものとしか考えられなかったからだ。

 

「俺の変な発言を信じてくれるのか?」

 

「うん、私は信じる」

 

「私も燐さんのこと信じます」

 

二人は燐を信じてくれる。そんな二人に相応の働きをしないとな。

そして燐は立ち上がる。

 

「俺のこと信じてくれるんだな」

 

「はい」「うん」

 

「迷惑掛けっかもしれねぇけど、これからよろしくな」

 

燐はそう言うとニコっと笑い、手を出す。

 

「よろしく燐さん」

 

「よろしくお願いします、燐さん」

 

可奈美と舞衣は微笑み二人で燐の手を包み込むように握手する。

 

 

 

 

食事を終えた燐は舞衣たちに連れられ寮の空き部屋に案内された。

 

「ここが燐さんの部屋です」

 

「おう、ありがとな」

 

燐は部屋まで案内してくれた舞衣たちに礼をする。

可奈美たちと別れ燐は部屋に入る中はワンルームで生活に必要な物が揃っていた。

ベッドもあれば、ちょっとした台所もある。

 

「なかなかいい部屋だな」

 

剣を置きクローゼットの中を見る。

中には美濃関の男の制服がかかっていて胸ポケットに紙が入っていた。

何か書いてある。

 

(良かったら着てください 学長より)

 

学長から制服を貰った。

まぁ気が向いたら着よう。

燐は冷蔵庫を見るが予想通り空っぽだった。

 

「食材の買い出ししないとな」

 

燐はしばらく部屋を探索したが何もなかった。

風呂に入りたくなったからクロを連れ風呂場に向かう。

案内地図を見て向かい男湯に入る。

 

「ふ~、やっと疲れが癒せる」

 

「気持ちいいな~」

 

燐とクロはお風呂を堪能し寮に戻り。ベットに寝るのだった。

 

 

 

 

翌朝、燐の部屋のインターホンがなる。

しかし燐はぐっすりと寝ている。

誰かがドアをあけ部屋に入ってくる。

 

「燐さん起きて」

 

可奈美が燐を起こしに来てくれた。

可奈美は燐を揺さぶり起こそうとする。

燐は急に飛び起きた。

 

「ヤッベー遅刻する!」

 

「わぁ!ビックリした」

 

可奈美は飛び起きた燐に驚く。

 

「すまん可奈美!でもそれどころじゃないんだ...って」

 

「そういえば俺、美濃関にしばらく泊まることになったんだな」

 

燐は美濃関にいたことを忘れていた。

 

「すまん可奈美、嚇かして悪かった大丈夫か?」

 

「うん大丈夫。こっちも勝手に部屋入ってごめんね」

 

燐と可奈美はお互いに謝り燐が話しを変える。

 

「ていうかなんで可奈美は俺の部屋にいるんだ」

 

「そだった、学長が燐さんを連れて来てって頼まれたの」

 

「そうか、じゃ少し外で待っててくれ」

 

「うん」

 

燐は朝の支度をし燐と可奈美は部屋を出て学長室に向かう。

その途中、可奈美と色々話していた。

 

「燐さんって学校通ってたんですか」

 

「まぁないつもぎりぎりで学校行ってたけどな」

 

笑いながら話してる燐は周りの視線が気になった。

周りには多く女の子がいて自分より年下だったり年上だったりといろんな女子生徒が燐を見てきた。

 

さっきから周りの女子の視線が気になる

 

燐に熱い視線が贈られながらも、なんとか学長室につく。

 

「学長、隣さんを呼んで来ました」

 

「来てやったぞ」

 

「ありがとう可奈美さん」

 

学長は可奈美に礼を言い可奈美は部屋を出て行く。

そして燐の方を見る。

 

「俺になんの用だ?」

 

燐は学長に要件を聞く

 

「まず、あなたにこれ渡します」

 

燐は携帯端末を渡される

 

「これは?」

 

「スペクトラムファインダーです、これで荒魂の場所がわかります」

 

これを燐に渡し荒魂討伐を手伝ってもらう意思が燐にはわかった。けど

 

「俺が剣を持つと犯罪じゃないのか」

 

燐は荒魂討伐の手助けをするうえで剣を持つと犯罪行為になると言う。

 

「問題はありません。燐さんには帯刀の許可が出ましたので」

 

「どうやって」

 

「聞かないでください」

 

燐は闇に触れた気がしたのでこれ以上掘り下げない。

 

「あともう一つ」

 

「ん?」

 

学長はポケットから何やら紙を出し燐に渡すそれは...

 

「二万円!」

 

燐は二万円をもらった。

特に何もしてないのにこんなお金をもらっていいのかと燐は思う。

 

「どうして、こんなお金を」

 

燐は学長に問いかけると学長は

 

「あなた服それしかないでしょう」

 

「まぁそうですけど」

 

「だからそれで何着か買ってきなさい」

 

燐の服は正十字学園の制服しかなく寝る時もこの服装だった。

でも服を買うのに二万は燐は高いと思った。

 

「でも二万なんて」

 

「前借りだと思って貰っておきなさい」

 

燐は二万円を手に入れ学長室を出る。

廊下に出ると誰もいないたぶん授業が始まっているのだろう。

燐は服を買いに行こうと思うが服屋の場所など全く知らないため、服は後回しにし学長から貰ったスペクトラムファインダーを弄る。

弄っていると地図が表示された。

 

「お!これで服を買いに行けるんじゃねぇか」

 

そして燐は寮に戻り降魔剣を手に取りクロも連れて張り切って服屋に向かうはずが食堂で朝食を取っていた。

 

 

 

 

燐は美濃関を出て行き地図を見ながら歩いていく。

外は晴れていて出掛けるにはとてもいい日だった。

 

「けど服に二万も使うか」

 

燐が思うに服に二万も使わないらしい。

 

「燐はどんな服を買うんだ」

 

クロが燐の買う服が気になるみたいだ。

燐はクロに返す。

 

「取り敢えず俺が気に入った服を買う」

 

燐の気に入った服が見つかり次第買うつもりだった。

そうこうしている内に服屋に着く。

燐は中に入るが店員に呼び止められる。

 

「すみませんがこの店はペットなどの連れ込みは禁止になっていますので」

 

燐は驚く。

クロは悪魔で魔障を受けないと見えないはずなのに、こんな一般人が見えるなんておかしすぎる。

 

「すまんクロ悪いが外で待っててくれるか」

 

「うんわかった」

 

クロは外に向かい歩いていく。

燐はクロが出た後服を数着買い始めた。

店員がいろんな服をすすめてきたが高くて買おうと思わなかった。

服の上下と下着を買い店を出た。

燐が店を出るとクロが待っていた。

 

「燐!服買えたか」

 

「おう!色々買ったぜ」

 

そんなやり取りをしてクロは燐の肩に乗る。

 

「結構お金が余ったな食材でも買いに行くか、腹も減ったし」

 

燐とクロは昼食を作るためにスーパーに向かう。が...

スペクトラムファインダーが反応する。

10キロ先に荒魂がいるらしい。

 

「こんな街中にも出んのかよ」

 

「燐!乗って」

 

クロはいつの間にか巨大化しており燐はクロに乗って荒魂のいる所まで向かう。

 

 

 

 

「うああぁぁ!お母さん!」

 

「海!」

 

転んで動けない息子に母親が近づく。だが荒魂は待ってはくれない。

荒魂は二人を前足で潰そうとするが。

 

「グオッ!」

 

クロが荒魂に突進し荒魂を弾く。

 

「おい大丈夫か!」

 

燐はクロから降りて二人に駆け寄り声を掛ける。

 

「は、はい」

 

「なら急いで逃げろ!」

 

「ありがとうございます」

 

燐は親子に警告し親子はその場から逃げていく。

荒魂は燐が初めて倒した荒魂の様で今のクロの一回りでかい荒魂だ。

そして降魔剣を引き抜き戦闘態勢に入る。

 

荒魂は燐に向かって走ってくる。燐は剣を振り青い炎を飛ばす。

荒魂はそれにより怯み隙を見せる。

隙を突き燐は剣を荒魂の胸部に刺す。

荒魂は暴れ出し燐は剣を放してしまう。

 

「クソ!」

 

荒魂は燐に向かって突進してくる。燐は荒魂を押さえつける。

 

「うおおおおおお!」

 

荒魂の勢いが止まり燐は全力で殴り荒魂は吹っ飛ばされ倒れる。

距離を詰め荒魂から剣を抜き跳躍する。

荒魂の横腹に刺し荒魂は青い炎で燃え上がる。

 

「終わりだぁぁぁ!」

 

「グオォォォ...」

 

燐は荒魂討伐を成し遂げた。

 

「ふぅ何とか片付いたな」

 

「燐!かっこよかったぞ」

 

「そうか!ありがとよ」

 

燐とクロで話していると背後から気配が。

振り返ると何人かの刀使がいた。見ると美濃関の制服だった。

 

「よう俺が先に荒魂を倒しといたぜ」

 

燐は誇らしげに言うが刀使の真面目そうな奴が

 

「私たちが市民の避難をしている間に討伐してくださりありがとうございます」

 

「お、おう」

 

燐はとても畏まった感謝に動揺する。

 

「あなたのおかげで被害が最少でした、何かお礼が出来ればいいのですが」

 

「礼なんていいよ」

 

燐は彼女たちの礼を受け入れずスーパーに向かう。その後ろを彼女たちがついてくる。

 

「なんでついてくるんだよ!」

 

燐がツッコみを入れる。

 

「あなたについていけばお礼ができると思いまして」

 

「だから礼はいいってつったろ」

 

「私たちはどうしてもお礼がしたいのです」

 

長い髪が揺れ燐に近寄る。

 

近い近い顔が近い

 

燐は断ってもずっとついてきそうなので

 

「それじゃ今からスーパーで買い物をするからn」「荷物を持ちます」

 

燐が言い終える前に自分から申し出る。

 

「あなたたちもそれでいいですね」

 

「いいよ」「おっけー」「別にいいわよ」

 

他も賛成のようだ。

 

「では、スーパーに向かいます」

 

気合の入った掛け声に四人はついていく。

 

 

 

 

買い物を終えてスーパーを出る。

 

「これでなに作るの?」

 

茶髪のショートの子が聞いてきた。

 

「今日はこれですき焼きを作る」

 

「おいしそぉ~」

 

燐は料理が得意で燐の作るものはだいたいおいしい。

 

「それじゃ、帰るか」

 

「燐さんの家はどこなんでしょうかそこまで運びます」

 

「そ、そうかなら美濃関の寮まで」

 

「「「「え!」」」」

 

四人は驚く美濃関に荒魂討伐の手伝いをする人が入ったとは聞いたけどまさか燐だったとは。

 

「まさか燐さんが新しく入った人だったとは…」

 

「まさか燐さんが」

 

「なんで言わないのよ燐!」

 

「偶然」

 

「そんな驚かなくたって」

 

五人は美濃関へと帰って行った。

 

 

 

 

「わ~おいしそう」

 

「まだ熱々だぞ」

 

燐とクロが部屋ですき焼きをしていた。

すると呼び鈴がなる。

 

「はーい」

 

燐は玄関のドアを開けると可奈美と舞衣が居た。

 

「燐さん食堂行こうっていい匂い」

 

「たしかに」

 

「ちょうどすき焼きが出来た所だ、食べてくか?」

 

燐は可奈美たちを誘う。もちろん可奈美たちの答えは

 

「食べる~!」

 

「頂きます」

 

お昼は三人と一匹になった。

 

 

 

 

「おいしい!」

 

「とてもおいしいです。燐さん」

 

「料理は得意だからな」

 

「燐のすき焼きはすっごくおいしい」

 

可奈美と舞衣は燐の料理を初めて食べるがクロは燐の作ったすき焼きが大好物で食べ慣れていた。

 

「燐さんが料理が得意なんて以外でした」

 

「以外ってなんだよ」

 

「燐さんこれだとお店だせるよ」

 

「ありがとな」

 

三人で談笑しながら食べていた。

 

 

 

「ごちそうさま!」

 

「ごちそう様でした」

 

「おう、授業頑張れよ」

 

燐は二人と別れた。

 

そして燐は先ほどスーパーで買ったロウソクを持ち外に出る。

 

 

 

 

ボオオオオオ

 

「クソ上手くつかねぇ」

 

燐はロウソク三本に火を灯す練習をしていた。けど燐は灯すどころか燃やしていた。

この炎を操る練習は以前暴走したことがありしっかり操れるようになっていないといけないのだ。

 

 

 

 

 

燐さんの料理おいしかったな

 

可奈美は燐のすき焼きの味が忘れられてなかった。

 

「可奈美、なににやにやしてんの」

 

「うわぁ!ビックリした」

 

突然声を掛けられ驚く可奈美。

 

「急に驚かせないでよ」

 

「嚇かすつもりはなかったんだけど、でなんでにやにやしてたの?」

 

「にやにやしてた?」

 

「してたよ」

 

可奈美は燐の料理がおいしかったこと友達に言う。

 

「燐さんって新しく入って荒魂討伐を手伝ってくれる人?」

 

「そうだよ」

 

可奈美は友達の発言を肯定しなんとなく窓に顔を向けた。

すると視線の先に燐が目に入る。

 

「あ!燐さん」

 

「えっどれどれ?」

 

「何してるんだろう」

 

可奈美が燐のしていることが気になっていてそれを見る友達は恋愛の気がしたようだ。

 

「可奈美はああいう人が好みなの?」

 

「違う!違う!燐さんとはそういうのじゃないから///」

 

可奈美は少し顔を赤くする。こういう可奈美もおもしろいなと友達は思う。

そして授業の鐘がなる。

可奈美の中にはもやもやとした気持ちがあった。

 

 

 

 

「クソ、ロウソク全部使っちまった」

 

燐の炎を操る練習はロウソクが底をつき一回も成功せず終了する。やることのなくなった燐は部屋に戻る。

 

寮の戻る道で訓練している刀使がいた。訓練学校だから当たり前なのだが、燐は訓練をしている刀使を眺めながら歩いてると声を掛けられた。

 

「お前奥村燐だな」

 

「ん?そうだが」

 

この刀使たちの監督らしき人に声を掛けられた。

 

「お前もこれから荒魂を討伐するのだから訓練に参加してみたらどうだ」

 

燐は訓練に誘われたが刀使の訓練は見る限り自分にあってなかった。

 

「いや遠慮しておく」

 

「なぜだ」

 

「俺はもう何体か荒魂を倒してるし、この訓練は俺にあってねぇ」

 

「そうか」

 

燐はそう言うと寮へと去っていった。

 

 

 

 




今回はオリキャラをだしました。
今後もちょくちょく出そうと思います。


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第三話 青の祓魔師

今回は短めです。
ご了承ください。




燐は寮に戻り着替え暇を潰す雑誌などを買いに行くことにした。

黒いパーカーにジーンズを穿き外に倶利伽羅を持ち外に向かう。

 

「燐どこか行くの?」

 

「ちょっと外にな」

 

そういうと燐はクロを置いて暇つぶしのものを買いに出かけた。

美濃関を出て本屋かコンビニをぶらぶらと探す。

そうして街の中を回っているとスペクトラムファインダーが鳴っているのに気づく。

燐はスペクトラムファインダーを取り出すとすぐ近くに荒魂がいることが分かった。

 

「俺の出番だな」

 

と内心うきうきしながら走って荒魂討伐に向かった。

 

 

 

「なかなか手強いわね」

 

美濃関の刀使は百足のような荒魂と戦っていた。

 

「私が前に出るよ」

 

一人の刀使が前に出て荒魂と正面から戦う。

そして大ダメージを与えようと御刀を振り下ろすが

 

「きゃっ!」

 

「美炎!」

 

美炎は御刀を振り下ろすが集中力が切れたのか狙った部位とずれてしまう。

美炎の攻撃で怯まなかった荒魂はそのまま突っ込み美炎を狙い澄まして体当たりを仕掛け美炎は飛ばされる。

さらに荒魂は美炎に追撃をする。

美炎は大怪我を覚悟し目を固く閉じる。

けれど衝撃も痛みもなかった。

美炎はゆっくり目を開けると青い炎を纏った青年がいた。

 

「おい大丈夫か」

 

 

 

燐は急ぎ現場へと向かっていた。

路地を通ったり塀の上を走ったりし近道をしていく。

 

「これならすぐに着くな」

 

燐は早く着くことを確信し走り続けた。

現場にはすでに刀使がいた。

その中の一人が飛ばされ追撃を食らいそうになる。

 

「あぶねぇ!」

 

燐は倶利伽羅を抜き猛スピードで荒魂の前に出て押さえる。

飛ばされた少女に燐は無事かを確かめる。

 

「おい大丈夫か」

 

「・・・う、うん」

 

少女は面を食らい短く返す。

燐は向き直り荒魂を押し返す。

押し返された荒魂は反り返り、燐の攻撃で上下が別れ討伐完了。

 

「すごい力」

 

「何者なのあの人」

 

そこにいた刀使たちも衝撃を受けているようだった。

そんな中、燐が助けた少女が駆け寄ってきた。

 

「私、安桜美炎あなたは」

 

「俺は奥村燐だ」

 

「あーあなたが」

 

「へ?」

 

「可奈美からいろいろ聞いてるよ」

 

美炎はすでに可奈美から燐の存在を聞いていたようだ。

 

「そうなのか、なんて言ってた?」

 

燐は単純に身の回りからどう思われているか気になって美炎に問う。

 

「青い炎だとか悪魔とのハーフとか・・・」

 

燐は自分の言ったことだがこれだと変に思われてそうで嫌な気分になる。

 

「最初は信じられなかったけどあれを見ると信じるしかないよね」

 

美炎は燐に助けられた時のことを思い浮かべる。

燐には青い炎が燃えていて、あの力強い剣の振りを思い出す。

それを見ると可奈美の言うことは本当だと思うしかないのだ。

不図思い出したかのように美炎は言う。

 

「あっ!燐さんクロちゃん触らしてよ」

 

「わりぃ今連れて来てないんだ」

 

「えーがっかり」

 

燐はクロを連れて来てなかったので美炎は触れなくて気を落とす。

それを見た燐は少しもやもやした気持ちが来て嫌な気分になり深いため息をし美炎に提案をする。

 

「はぁー分かったよ。時間も時間だし料理を振る舞ってやるよ。作っている間にクロと遊んでいていいからよ」

 

「ほんと!やったー」

 

美炎は元気になり喜ぶ。

そして唐突に他の刀使から声を掛けられる。

 

「美炎、私たち先行くね」

 

「あっ、うん分かった」

 

美炎と戦っていた刀使たちは先に美濃関に戻って行った。

 

「私たちも帰ろっか」

 

「ちょっと待ってくれ」

 

「どうしたの」

 

「ここら辺に本屋とかないか」

 

「あるけど、どうして?」

 

燐は暇潰しのために雑誌か漫画などを買いに外に出たのだ。

帰る前に買っておきたいのだ。

 

「暇潰しのものが欲しくてな」

 

「なら案内するよ」

 

燐は美炎に案内され本屋へと向かっていった。

 

 

 

 

「着いたよ」

 

本屋に到着した。此処の本の並びは前方が雑誌全般で右が漫画、左が小説となっていた。

 

「本を探すの大変そうだから私も手伝うね」

 

「サンキューな美炎」

 

「ううん、これも助けてくれたお礼」

 

「そうか、なら任せるわ」

 

「うん、それで燐さんはどんな本を読むの」

 

美炎は助けてくれたお礼も兼ねて本を探してくれるみたいだ。

そのために燐の好きなジャンルを聞く。

 

「だいたいバトルやアクション系の漫画、あとコメディかな」

 

「男の子だね」

 

「男の子だからな」

 

美炎が燐の好きなジャンルを聞くとなんの意外性もなくそう言うと燐は何の反論もなく認める。

そんな話をやめ、右の本棚で各自漫画を探す二人。

 

二人は漫画を取って中身の内容を見ていく。

 

「なかなか見つからないなー・・・あ!これとか良さそう」

 

「お!これはよさそうだ」

 

燐と美炎は手を伸ばすとお互いの手が触れ合う。

 

「ひゃ!」

 

こんな恋愛漫画のような展開が起きて美炎は顔を少し赤らめ触れた手を抑える。

 

「あっすまん」

 

反応薄!

燐は美炎の手に触ったことなど気にせず漫画を手に取る。

燐の反応の薄さに恥ずかしくなった自分がバカみたいだ。

 

「おもしろそうだなこれにするか」

 

レジに向かう燐は美炎をスルーし漫画を買う。

 

 

 

 

燐の用事も済み本屋を出る。

美炎は機嫌が悪そうに出てくる。

 

「これで暇な時でも大丈夫だな」

 

「そうだね」

 

美炎は燐に対し素っ気ない態度をとる。

そんな美炎を気にしない燐は

 

「俺のためにわざわざありがとな」

 

と燐はとてもいい笑顔を美炎に見せ、礼を言う。

それを見る美炎はキュンという表現が合いそうな様子だ。

 

「うん・・・//」

 

美炎は俯きうんと返す。

二人は美濃関へ帰っていった。

 

 

 

 

 

「クロちゃん可愛い」

 

「あはははは」

 

美炎はクロを触りまくりクロは倒れ転がる。

その間、燐は料理を作っている。

 

「燐さんできた?」

 

「ちょうどできたぞ」

 

「「わぁ~すごくおいしそう」」

 

「スーパーイエロー奥村燐スペシャルだ」

 

燐はスーパーイエロー奥村燐スペシャルを出す。

海鮮チャーハンにとろとろの半熟卵が乗りデミグラスソースがかかっている。

 

「それじゃいただk」

 

ピンポーンと呼び鈴が鳴る。

 

「燐さんの所からいい匂いがしたから来てみたよ」

 

「おじゃまします」

 

可奈美と舞衣が部屋にやって来た。

 

「おーお前たちの分もあるぞ」

 

「やったー!」

 

「ありがとうございます」

 

可奈美と舞衣は料理をごちそうになる。

 

「可奈美!舞衣!」

 

「美炎ちゃんも来てたんだ」

 

可奈美は美炎と知り合いの様だ。

 

「お前ら知り合いか?」

 

「うん、美炎ちゃんと友達だよ」

 

「そうだったのか」

 

「世間は狭いですね」

 

燐は美炎が可奈美たちの友達と知り舞衣と同じことを思う。

そして可奈美と舞衣にもスーパーイエロー奥村燐スペシャルを出す。

 

「すっごくおいしそう」

 

「いい匂い」

 

可奈美と舞衣も揃い四人と一匹で頂く。

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

燐はまだ手を付けず三人と一匹が一口食べる。

 

「「「「とろとろ~」」」」

 

「だろ」

 

三人と一匹は同じ感想を言う。

燐は分かっていたかのようにそう言った。

夕食はとても賑やかになった。

 

 

 

 

 

「ふぅー」

 

燐は湯に浸かり疲れを癒していた。

 

「いい湯ですね」

 

不意に声を掛けられる。

居たのは黒髪の燐と同じ男子だった。

 

「君が奥村燐だね」

 

「そうだが、お前は?」

 

「僕は村井真、中等部三年だ君のことは噂になっているよ」

 

「そうなのか!」

 

真は名前を名乗り燐のことは噂で聞いていたらしい。

自分のことが噂になっていることに燐はテンションが上がる。

 

「ところで君は「燐でいいぞ」

 

「そういうなら燐は強化合宿にいくの?」

 

「強化合宿?」

 

真が言うには、もうすぐ御前試合の選抜があり。そのために刀使を強くするらしい荒魂討伐の訓練も兼ねて。

燐は此処の生徒でもないのに呼ばれるはずもない。

 

「なんで俺が呼ばれるんだよ?」

 

「燐は荒魂を倒す力があるから呼ばれそうと思ったんだ」

 

確かに燐には荒魂を倒す力があるから呼ばれても不思議ではない。

でも話を聞く限り刀使だけみたいだが。

 

「真は行かないのか」

 

「僕は刀使じゃないからね」

 

言われてみれば刀使じゃない者が行ったところで特に意味もないし邪魔になるだけだ。

 

「それじゃ僕はもう上がるよ」

 

「おうまた会おうぜ」

 

真は手を振り風呂場を出た。

燐はしばらくして風呂場を出て行き寮に戻る。

その途中に風呂場に向かう可奈美と出会う。

 

「あっ!隣さん」

 

「よう可奈美」

 

可奈美は燐を見かけて駆け寄ってくる。

燐は可奈美にあることを聞く。

 

「なぁ可奈美、強化合宿に来て欲しいか?」

 

「うん!来て欲しい」

 

可奈美は燐に即答する。

 

「そ、そうか」

 

可奈美の即答に少し照れる。

 

「それなら考えておいとくかな」

 

「やったーありがとう!」

 

燐の答えに喜ぶ可奈美を見て燐は口が緩む。

 

「それじゃおやすみ」

 

「おやすみなさい」

 

燐は寮に戻って行った。

 

 

 

 

 

燐は羽島学長に呼ばれ学長室に来ていた。

 

「燐さんの活躍は聞いてますよ」

 

「いやーそれ程でも」

 

燐は自分の活躍を褒められ照れる。

 

「そこで燐さんには強化合宿に参加して欲しいのですが」

 

燐は昨日の夜に真から聞いた話を思い出す。

可奈美たちは来て欲しいらしくそれを踏まえ答える。

 

「いいぜ」

 

「そう言ってくれて嬉しいです」

 

燐は強化合宿に参加することになった。

話が終わったと思い燐はドアノブに手を掛ける。

 

「ちょっと待ってください」

 

「なんだ?」

 

燐は手を止めて羽島学長の方に向き直る。

 

「あなたにインタビューしたいと記者の人がきてますよ」

 

「マジか!」

 

燐にインタビューされる時が来たのだ。

凄く驚く燐はテンションが天に昇っていた。

羽島学長は燐を案内し記者たちの前に出した。

そこには多くの記者がいた。

 

「それじゃインタビューしたいと思います」

 

一人の記者がインタビューを始める。

 

「あなたは刀使ではないらしいですがそれじゃあなたは何者なのですか」

 

燐はそれを聞くとニヤッと笑い自信満々に言う。

 

「俺は祓魔師(エクソシスト)だ」

 

 

 

 

その後もインタビューは続き次の日の新聞に大きく出されたり、テレビにも報道された。

新聞には

 

『青い炎を操るもの』

 

『騎士の祓魔師』

 

などという見出しが書かれていた。

 

一番人を引いた新聞の見出しは

 

 

 

『青の祓魔師』

 

 

 

 

燐の存在は全国に広まった。

 

 

 

 




次はオリジナルの話で合宿編を出そうと思います。


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第四話 刀使たちノ遠征(前編)


合宿編を投稿するつもりでしたが二話ほど間を空けたと思います。
もう少し可奈美たちと関係を深くしたいと思ったので。
楽しみにしていた方には深く謝罪します。
本当にすみませんでした。


燐のことが世間に知られ学校では有名になっていた。

 

「燐はすごいねすっかり有名人だよ」

 

「へへ、まぁ俺はすごいからな」

 

燐は真と偶然会い食堂に向かいながら燐は自分を自画自賛する。

燐はこの前のインタビューでテレビや新聞に大きく採り上げられていた。

そんな燐は調子が良さそうだ。

 

「今日は珍しいねうちの制服なんて」

 

燐の今日の服装は美濃関の制服で赤いズボンで袖に赤い線、襟は赤く白い線が沿っている白い上着を着てボタンは閉めずに柿色のネクタイがだらんとしている。

所謂ブレザーという奴だ。

 

「そうだな。着ないのも勿体ないと思ってな」

 

クローゼットの中にしばらく放置していたからもあるが燐の正十字学園の制服をクリーニングに出したのもある。

それで美濃関の制服を着ることにしたのだ。

 

「あ!服部さんおはようございます」

 

「真かおはよう・・・ん?」

 

服部という男が真の隣にいる燐に気づいた。

 

「真の隣にいるのって奥村燐か」

 

「おお!俺のこと知ってるのか」

 

燐は服部の返しに自分の知名度がすごく上がったことに喜ぶ。

真が燐に服部を紹介する。

 

「この人は僕と同じ研師で先輩なんだ」

 

「服部達夫だ達夫で呼んでくれ」

 

「ああよろしくな達夫、俺も燐でいい」

 

「よろしく」

 

真が達夫を紹介し名前を言う。

燐と達夫はお互いに手をだし握手を交わす。

ぐ~

 

「朝飯早く食べにいこうぜ」

 

「そうだな真いくぞ」

 

「はい」

 

燐の空腹の音が聞こえ三人で食堂へ向かい始めた。

三人は食堂に着くと、それぞれ朝食をもらい空席に座り合掌し。いただきますと言い食べ始める。

 

「そういえば燐って今いくつなんだ俺新聞の見出し見ただけで詳しいことは分かってなくてな」

 

達夫は燐と普通に話していたが年上だったら失礼だと思い燐に聞く。

 

「俺は高校一年で15だ」

 

「えっ」

 

燐の歳を知った真は固まった。

そんな真を見た燐は不思議に思い硬直している真に聞く。

 

「どうした真?」

 

「すみませんでした!」

 

「おわ!どうした」

 

急に土下座して謝ってきた真に燐は驚く。

真の大声に周りの刀使たちが反応し燐たちに注目する。

 

「僕、今まで燐さんが年上だと知らずにタメ口を使ってしまい失礼しました!」

 

真は燐が年上と知り今までタメ口で話していたことを燐に謝罪する。

年上と知らずタメ口を使っただけで、そこまで謝るかと燐は思ったが別にタメ口でいいし知らなかったなら仕方がないとも思う。

 

「別に気にしてねぇよ」

 

「ですけど」

 

こいつは年上に敬語を使わないといけない呪いでもかかっているのか。

 

「敬語なんていらないだろ俺たち友達だろ」

 

「っ!」

 

燐の言葉に真が顔を上げる。

そこには、にっと笑う燐が目に映った。

燐の笑った顔を見た真は自分に付けていた重りが外れた気がした。

 

「それもそうだね友達に敬語はおかしいもんね」

 

真はそう言いながら立ち上がり燐の顔を見る。

 

「改めてよろしく燐」

 

「よろしくな真」

 

燐と真は軽い言葉使いで握手を交わした。

周りから拍手が巻き起こり朝からちょっとした騒ぎになった。

 

 

 

 

 

 

燐たちは朝食を食べ終え食堂を出る。

 

「じゃあ俺たちは授業があるから」

 

「そうか、それじゃあな」

 

「またね燐」

 

真と達夫は授業があるため燐と別れた。

 

 

二人と別れた燐は此処にいる必要はないので寮へ戻ろうと角を曲がる。

するといきなり衝撃を受け尻もちをつく。

 

「おい!どこ見てんだ・・・てっ可奈美か」

 

「ごめんなさい!・・・てっ燐さん!」

 

燐とぶつかったのは可奈美だった。

可奈美も燐と同じように尻もちをついていたようだ。

燐が可奈美を見るとスカートの中の白い布が見えた。

 

「きゃっ!」

 

「うぉわ!」

 

可奈美はスカートの中を隠す。

そして燐は目線を違う方向に逸らした。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

気まずい

 

「・・・燐さん絶対見たよね」

 

可奈美の声のトーンがいつもより低い。

燐が見てしまったことが分かっているみたいだ。

嘘をついたら斬りかかりそうなので正直に言う。

 

「はい、見ました」

 

燐は正座になりいつも軽い言葉使いだが今は丁寧になっている。

可奈美は立ち上がり燐に寄って来る。

絶対ビンタが来ると覚悟し目を閉じ腹をくくる。

 

「いって!」

 

ビンタが来ると思っていたが、でこピンを燐はくらった。

燐はでこを抑えながら予想外の出来事に少し驚く。

 

「燐さんにはお世話になっていますからこのくらいにしときます」

 

可奈美は少し脹れて言う。

 

「すまん可奈美」

 

燐はまだ謝っていないことに気づき可奈美に謝罪の言葉を飛ばす。

 

「もういいです。それより燐さんついてきてください」

 

可奈美は燐の手を掴み引っ張っていく。

 

「おい、どこ行くんだ」

 

「いいから来てください」

 

可奈美は燐の問いに適当に返す。

そのまま引っ張っていく可奈美は止まり着いたところは学長室で中に入る。

 

「燐さんを連れてきました」

 

「可奈美さんありがとう」

 

学長室には舞衣と美炎もいた。

此処に連れてこられた理由がわからず学長に訊く。

 

「なんで此処に呼ばれたんだ?」

 

「燐さんと三人で遠征に行ってもらいます」

 

「遠征か、おもしろそうだな」

 

刀使からすれば遠出して荒魂を討伐するだけだが燐は遠征に行けることが楽しみになった。

 

「遠征っていつ行くんだ?」

 

「明日の一番の新幹線で行って来てください」

 

「明日!」

 

燐は遠征の楽しみが驚きに変わる。

急に明日の予定が決まり燐は焦り始める。

 

「明日って急すぎないか」

 

「前々から決まっていたので」

 

「可奈美たちは大丈夫なのかよ」

 

燐は可奈美たちに話を振り同意を求めたが

 

「私たちは燐さんが来る前から聞いてたし」

 

「準備も昨日で終わったたから大丈夫だよ」

 

「特に問題はありませんよ」

 

三人は準備万全の状態で、いつでも出発出来るようだ。

燐は今日、話を聞いたので準備もなにもできていないのだ。

 

「何も準備出来てない俺をなんで選んだんだ」

 

羽島学長に自分が選ばれた理由を求める燐。

 

「遠征の準備は、そんなに長居しないので大丈夫ですよ。それに燐さんは荒魂討伐での活躍があったからです」

 

自分の活躍で遠征に呼ばれたことが少し照れる。

 

「それじゃ頑張ってきてくださいね」

 

「「「「はい」」」」

 

燐たちは明日の遠征に向け気合を入れた。

 

 

 

 

 

 

今回の遠征は新潟県での荒魂討伐

ある温泉の近くの山で複数の荒魂が確認された

そのせいで観光に来た人や登山者などが恐れ温泉宿の客足が減り困っているらしい

温泉の宿主は荒魂を討伐できたら宿代を払わなくてもいいらしい

普通に泊まると結構お高いのに宿主はとても太っ腹だ

燐たちは新幹線に乗り名古屋へそして東京に向かいそこから新潟に向かった

乗り換えなどを挟み目的の駅まで4時間ほどたった

燐以外は宿に着く前からへとへとになっていた

 

「はぁ~疲れた」

 

「ほんとだね」

 

「お前らもう疲れたのか」

 

「燐さんは元気すぎだと思いますよ」

 

燐は子供の頃から力があり問題ばかり起こしていた。

その怪力や体力は今となってはいろいろと役に立っている。

 

「あとどれくらいあるの」

 

「まだまだだよ美炎ちゃん」

 

「まだあるの!」

 

美炎は舞衣の返しに驚きを見せる。

 

「大丈夫だよ美炎ちゃんここからはすぐ着くから」

 

それを聞いた美炎は安心し。ほっと息を吐く。

目的地の温泉は駅から徒歩で1時間30分歩くことになるのだが舞衣が車を用意してくれたらしい。

今の燐たちには1時間半も歩くのはきついものがあったため、ありがたいことだ。

 

「お待ちしていました。舞衣様とそのお友達様」

 

「誰だあんた」

 

「私は柳瀬家の執事、柴田と申します」

 

「ん?」

 

燐は目の前の黒い執事服を着た男は柳瀬家の執事と言う。

柳瀬ってあの大企業の柳瀬グループのことか。

少し前にテレビで燐は柳瀬グループについて知った。

なんでそんな所の執事がここにいるんだ?

そういえばこいつ舞衣のこと様付してたよな

燐はあることに気づき舞衣に恐る恐る訊く。

 

「ま、舞衣ってまさかあの柳瀬グループの」

 

「実は燐さんの思っている通りだと思います」

 

「マジか!」

 

舞衣があの柳瀬グループの人間だったとは。

グループのことを知った時は偶々同じ名字だと思っていた。

まさかこんなすごい人物といっしょにいたなんて

 

「では皆さんお乗り下さい」

 

「ありがとうございます柴田さん」

 

燐たちはリムジンに乗り目的の温泉に向かった。

窓の景色は町から段々と建物が減り田んぼが増えていき山が見えてきたあそこに荒魂がいるのだろう。

温泉には二十分くらいで到着した。

 

「やっと着いたか」

 

「着いた~」

 

「もうへとへとだよ」

 

燐たちは戦う前から疲れ切っていた。

 

「ありがとうございました柴田さん」

 

「いえいえ舞衣様のことですからそれでは」

 

舞衣は執事の柴田にお礼をして柴田はリムジンに乗り去って行った。

舞衣は車を見送り燐たちに向き直る。

 

「ちょっと早いかもしれないけどお昼にしよっか」

 

「よっしゃー飯だ!」

 

「やったー」

 

「お腹空いた」

 

燐たちは荒魂討伐前の腹ごしらえをすることにした。

中に入ると受付があった。

周りには人一人いなかった。

働いている人は何人かいたが少ない。

たぶん荒魂を恐れてこない人もいるのだろう。

 

「お待ちしていました。あなたたちが荒魂を討伐してくれる刀使ですね。よく来てくださいました。お部屋に案内しますね」

 

出迎えてくれたのは女将らしき人が燐たちに会釈し部屋に案内してくれた。

部屋は和室の二間の空間で机には食事の用意がされていた。

 

「お~うまそう食べていいのか」

 

「えぇもちろん腹が減っては戦は出来ぬといいますしね」

 

ということで

 

「「「「いただきます」」」」

 

燐たちは目の前のご馳走をどんどん減らしていく。

四人で談笑しながら食事していると

 

「燐さんお水いる?」

 

「燐さんこれおいしいよ」

 

「燐さんお行儀が悪いですよ」

 

燐は三人の自分に対する言葉使いが硬いことに気づく。

燐としては気楽に話して欲しいものだ。

 

「お前ら俺が二つ上だからってさん付けや敬語とかいらねぇよ。お前らの呼びやすいようにすればいいぞ」

 

「それじゃあ燐くん」

 

「私は燐って呼ぶね」

 

「そうさせてもらうね燐くん」

 

「おう!」

 

三人は燐に対してさん付けをやめ敬語からタメ口になり仲のいい友達のように見える。

燐たちは机の昼食を完食し少し休憩をしていた。

だがそれも終わりだ。

 

「休憩はお終いそろそろでるよ」

 

「分かったぜ」

 

「はーい」

 

「がんばるぞー」

 

四人は宿を出て近くの山に向かう。

出る時、女将さんが見送ってくれていた。

燐は大きく手を振り返して荒魂のいる山に向かった。

 

 

 

 

 

 

「ここからは手分けして探して見つけたら一人で戦わないで連絡して仲間と戦うこと」

 

舞衣の説明を聞き燐は東の方を進み探す。可奈美は西、美炎は北、舞衣は南を探す。

燐はスペクトラムファインダーを片手に山の中を進んで行く。

 

「全然反応がないな」

 

燐の探す東は荒魂のいる気配がない。

そろそろ飽きてきたのか燐の探すペースが遅くなっている。

燐が暇していると携帯が鳴る。

 

「お!やっときたか」

 

燐の真反対にいる可奈美の所に走って行く。

草叢を掻き分け進んで行く。

 

「えっ」

 

燐が着く頃にはもう討伐は完了していた。

 

「燐くん遅いよ」

 

さらに舞衣に怒られてしまう。

 

「次があるよ燐くん」

 

「なせばなるよ燐」

 

可奈美と美炎に慰められ探索を再開する。

 

次に荒魂が現れたのは可奈美と舞衣の間の南西辺りで反応があったみたいだ。

燐は今の場所からかなりの速さで向かうが

 

「なんで終わってんだ!」

 

燐はまたもや活躍できずに討伐が終わっていた。

 

「可奈美や舞衣は早く着くのは分かるががなんで美炎は俺より早いんだ」

 

「迅移があるからね」

 

「迅移?」

 

「迅移というのは御刀を媒介として通常の時間から逸して加速することなんだ」

 

燐は知らない単語を聞き美炎に問う。

美炎は燐に丁寧に説明してくれたおかげで早く着く理由がわかった。

 

「そうだ!」

 

燐は自分も早く移動できないかと考える。

そして一つの方法が見つかる。

 

「なぁクロ次荒魂が遠くに出たとき・・・」

 

燐はひたすら東で荒魂の反応がないかと歩き回る。

そこに連絡が入る。

今回は北西で反応があったみたいだ。

 

「クロ!」

 

「行くぞ燐!」

 

クロはいつもの倍以上にでかくなる。

そのでかくなったクロの背中に燐は乗り込む。

 

「行くぞ燐」

 

「行けー!」

 

燐を乗せたクロは飛び上がり連絡のあった場所に向かった。

そして一回目、二回目より格段に早く着いたが、

 

「反応にあった荒魂は小さかったからすぐ終わったよ」

 

可奈美が燐にそう告げて、太陽はもう沈みそうだった。

 

 

 

 

 

 

燐たちは夜の活動は危険ということで宿に帰ることにした。

夕食を食べ終え温泉に入っていた。

 

「いい湯だったな~」

 

一足先に出てきた可奈美が部屋に戻ろうとホールを通る。

可奈美が歩いているとホールの窓から燐の姿が見えた。

 

何してるんだろう

 

可奈美は外に出て燐に近寄る。

 

「おう、可奈美何かようか」

 

「ううん、燐くん何してるのかなって」

 

燐は可奈美に気づき体を向ける。

可奈美は燐がまだ風呂にも入らず何をしていたのか気になっていた。

 

「あそこに三つロウソクがあるだろ。両端のロウソクに同時に炎を点けるんだ」

 

「なんでそんなことしてるの」

 

「俺の炎のコントロールさ」

 

燐はシュラが考えた修行で炎のコントロールの練習をしていた。

 

「へぇーそれでどのくらい出来てるの」

 

「まぁ完璧ではないがそれなりにはできるようになったぜ」

 

燐の炎のコントロールは最初はだめだめでロウソクごと燃やしていた。

けど、しえみのおかげで自信が持てて大分操れるようになった。

 

「この前もしてたんだが上手くできなくてなロウソクもあんま使えなかったのもあるがな」

 

美濃関の方で一度この修行をしていたが調子が悪くさらにロウソクも数本しかなったため、あまり出来なかったのだ。

今はこの宿の女将から、いらないロウソクを貰い修行をして感覚を取り戻していた。

 

「燐くんが火を点けるところ見てみたいな」

 

「いいぜ。見てろよ」

 

可奈美が燐の修行を見てみたいようなので燐はオーケーを出しロウソクを見つめる。

そんな燐を見て可奈美もロウソクを見る。

綺麗な月の下、燐と可奈美は二人でロウソクを見ている。

そして、

 

「よし!上手く点いた」

 

「わぁきれ~」

 

燐が上手く両端のロウソクに青い炎を灯す。

その青い炎に可奈美は見入られる。

 

「こんなもんだな」

 

「すごいよ燐くんならすぐコントロールできると思う」

 

「へへっそう言ってくれると嬉しいな」

 

燐は可奈美から絶賛され照れて頭を掻く。

そんな燐に可奈美は水を差す。

 

「ねぇ燐くん早くお風呂に入らないと閉まっちゃうよ」

 

「そういえば、まだ風呂入ってなかった!」

 

燐は可奈美を置いて急いで風呂場へと向かって行った。

慌てる燐を見てくすっと笑う可奈美がそこにはいた。

 

 

 

 

 






この話に出てくる温泉は新潟にある実際にある温泉を使わせてもらってます。
書いていいかわからないので一応伏せときます。
五十〇温泉をモデルにしました。


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第五話 刀使たちノ遠征(後編)


ちょっと雑なところがあるかもしれませんので
先謝っておきます。

すみません


「燐くん起きてもう朝だよ」

 

「ううっ・・・んん・・・」

 

「もう全然起きないんだから」

 

舞衣が揺さ振っても全く起きる予感がない燐は浴衣がはだけぐっすり寝ていた。

どうしても起きない燐をどうやって起こそうと考える舞衣は目線を変えた。

 

(燐くんの体、結構いい体つきしてるなぁ)

 

舞衣は無意識に燐の腹筋に手を伸ばす。

 

(何を考えてるの私は!)

 

舞衣は我に返り伸ばした手を引き戻した。

けど舞衣は少し触ってみたいとちょっとした出来心が舞衣に。

 

「ちょっとくらいいいよね」

 

そして舞衣は燐のお腹に手を置く。

感触はごとごつとして力強さを感じさせる。

舞衣の手は胸へと移る。

温かく燐の鼓動が伝わってくる。

 

「んん~あ~~」

 

「ひゃっ!」

 

目を覚ました燐。

舞衣は急いで手をどかし後ろにやる。

寝起きの燐はゆっくりと体を起こす。

 

「ん~おはよう舞衣」

 

「お、おはよう燐くん」

 

燐は目の前の舞衣に朝の挨拶すると舞衣も返す。

 

「それよりもう朝ごはんの時間だから早く着替えて来てね」

 

「?おう分かった」

 

少し舞衣がそそくさと出て行くのが不思議だったがそんなことは気にせずに燐は着替える。

 

 

 

 

 

 

燐たちは朝食を食べ終え山の中に足を踏み入れる。

昨日と同じ様な探索の方法をとることになった。

初めは四人で行動し後々別れるつもりだったが、

全員のスペクトラムファインダーが鳴り響く。

 

「こっちに荒魂が向かってきてる。戦闘態勢を取って」

 

舞衣の指揮によりクロは燐から降りて四人は刀を抜刀する。

そして現れたのはトカゲみたいな荒魂で小さな小屋くらいの大きさがあり長い尻尾が特徴的だった。

 

「可奈美ちゃんと美炎ちゃんは正面。私と燐くんは左右から攻撃」

 

「おっしゃああ!」

 

「ちょっと燐くん勝手なことしないで!」

 

燐が舞衣の指揮を無視して突っ込む。

舞衣が燐の行動に怒鳴るが動きを止めない。

昨日は何も活躍できなくて悔しかったのだろう。

それで舞衣の指揮を聞かなかったみたいだ。

 

「おおおぉぉぉ!」

 

高く飛び跳ねた燐の手にある倶利伽羅を上から下へ振り下ろすが

 

「おわわあああぁぁぁぁぁ!」

 

攻撃を与える前に荒魂の尻尾に遠くに飛ばされた。

 

「燐くん!」

 

「可奈美!今は目の前のことに集中しよ」

 

燐がいなくなった三人で荒魂討伐を遂行する。

 

 

 

 

 

 

「いって~」

 

荒魂に吹っ飛ばされた燐は木々の葉に地面の落下は免れ木の太い枝に座っていた。

座っていた枝から降りて着地。

辺りは木や茂みが生い茂っていた。

スペクトラムファインダーで自分のいる場所を確認しようとするが。

 

「画面が割れて起動しねぇし踏んだり蹴ったりだな」

 

スペクトラムファインダーは画面が割れており起動もしなかった。

燐は居場所がわからないが携帯を取り出して連絡を取る。

 

「チッ繋がらねぇ」

 

まだ戦闘中なのか連絡が出来なかった。

クロで飛んで行こうと思うがクロは可奈美たちの方にいるため歩いて彷徨う。

 

 

 

 

 

 

「燐くん大丈夫かな」

 

可奈美たちはトカゲ荒魂を討伐して燐の捜索にあたっていた。

 

「可奈美もうそれ言うの四回目」

 

「えっ!そんなに言ってた」

 

可奈美は燐のことが心配過ぎて同じこと四回も言ってるみたいだ。

さすがに美炎もそのことにツッコみをいれる。

 

「燐のことそんなんに心配してもしかして・・・」

 

「そんなんじゃないよ!//」

 

「そうやって全力で否定するところとか本当は可奈美・・・」

 

「それ以上いわないで!/////」

 

美炎はなにかを言いかけるが可奈美が声を上げて止める。

こんなに可奈美が空回りすることは滅多にない。

珍しい可奈美を見て美炎はさらに追い打ちを掛ける。

 

「可奈美がこんなに赤くなるって本当に・・・」

 

「もうやめて!//////」

 

可奈美は恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。

可奈美が膝を曲げ伏せているとクロを抱えた舞衣がある提案をする。

 

「今から手分けして燐くんの捜索をしつつ荒魂の討伐もして山の安全を確保していこう」

 

「いいねそれ。なせばなる!」

 

「・・・うん//」

 

舞衣の提案に元気な美炎と少し元気がなくなった可奈美が賛成し三つに分かれて捜索することになった。

 

 

 

 

 

 

もう日が沈んで夜空に星々が映る時間になっていた。

燐はまだ山中を歩き回っていた。

そして開けた所に出た。

 

「わぁ~すげぇ~綺麗だ」

 

満天の星空を見上げる燐は高ぶるがそんな時間は束の間正面からカサカサと燐の腰あたりの猿の荒魂が出現する。

燐はすぐさま刀を抜刀し青い炎を燃やす。

 

「お前くらいだったら直ぐに片付くぜ」

 

荒魂に向かって挑発を言う燐は余裕の表情を見せる。

 

「ゴオオオアアァァァァ!」

 

すると猿荒魂は片手を地面に刺し巨大な岩を取り出し投げつける。

まるである人気ゲームのモンスターみたいだ。

 

「うわあああぁぁ!」

 

燐は焦りながらもなんとか避けて戦いが始まった。

猿荒魂はさらに木も投げてくる。

次々と飛んでくる岩や木をかわし、じわじわと詰めてくる。

猿荒魂が攻撃範囲に入ると燐は刀を振り下ろすが手で挟まれ止められる。

そこに猿荒魂の蹴りが燐に入る。

 

「クソ・・・っ!」

 

この荒魂を燐は舐めていた。

まさかこんなにも強敵だったとは。

燐は蹴り飛ばされ木に叩きつけられる。

物凄いスピードで転がって追撃を仕掛ける猿荒魂。

反射的に燐は追撃をかわし木が倒れ砂煙が立つ。

荒魂は砂煙により見えなくなった。

 

「がはっ!」

 

いつの間にか燐の懐に入り一撃をもろに受ける。

また燐は飛ばされる。

今のは叩きつけられるどころじゃすまなく木を貫通する。

勝負あったと思われたが。

それでも燐は立つ。

これには、さすがに荒魂も驚いたようだった。

 

「まだ俺は・・・戦える!」

 

弱まった炎を豪快に燃やし威嚇する燐。

これはまずいと荒魂も逃げ出そうとするが。

 

「させるか!」

 

燐は猿荒魂に青い炎を燃やし逃がさない。

隙だらけの荒魂に向かって走り出し荒魂を叩き斬る。

荒魂はノロになり討伐完了。

 

「ふぅ~なんとか倒せたな」

 

「りーん!」

 

「ぐへ!」

 

燐が一息つくと巨大化したクロが乗りかかってきた。

 

「燐くん!」

 

「よう可奈美心配かけて悪かったな」

 

可奈美が駆け寄って来てくれる。

燐は服がぼろぼろで土や木くずがついていた。

けど傷は何処にもなかった。

 

「服とかボロボロだけど身体は大丈夫?」

 

「平気平気。もう暗いから帰ろうぜ」

 

「やったー帰れる!」

 

「まったく燐くんが指示を聞かないからだよ」

 

可奈美に心配される燐。

燐は倶利伽羅を抜いて力を解放してからか傷を負ってもすぐに治るようになった。

そして三人は山を下り始める。

それに可奈美も続こうとするが、

 

「痛っ!」

 

「どうした可奈美?」

 

可奈美は足に痛みが走り抱え込む。

可奈美の声に反応して振り返り駆け寄る燐。

 

「大丈夫だよちょっと痛むだけ」

 

燐の捜索中に足を怪我をしたようだ。

そんな可奈美を見て燐は呆れる。

燐はその場で膝を曲げて、

 

「俺より自分の心配もしたらどうだ。ほらおぶってやる」

 

「でも」

 

「いいから」

 

可奈美は遠慮するが燐は手を差し伸べる。

結局可奈美を背負って下りていくことになった。

 

「そういえば何で俺の居る所分かったんだ?」

 

「そりゃあんな大きな音がすれば分かるよ」

 

燐と荒魂の戦闘音を聞きつけて来たと美炎が言う。

 

「クロが大きくなって乗せてくれたおかげで場所もすぐに分かったよ」

 

舞衣はクロに乗せてもらってここまで来たみたいだ。

 

「zzz・・・」

 

燐の背中に寝息がかかる。

 

「寝てるみたいだな」

 

「一番必死に探してたからね」

 

「そりゃ疲れるよね」

 

 

 

 

 

 

「んん~ん」

 

「あっ起きた可奈美ちゃん」

 

「舞衣ちゃん」

 

可奈美が目を開けると舞衣がいた。

いつの間にか山を下りて宿で寝ていたみたいだ。

 

「おはよう可奈美」

 

「美炎ちゃん」

 

部屋には浴衣を着た美炎もいた。

舞衣も浴衣を着て二人はもうお風呂に入ったようだ。

 

「可奈美ちゃんの手当ては終わっているから早く入ってきたら」

 

「うん行ってくるね」

 

どうやら舞衣が足に包帯を巻いてくれたようだ。

軽い足取りで可奈美は風呂場に向かう。

男湯と女湯そして混浴があった。

混浴は露天風呂でどんな風か気になり誰も入っていないと考え混浴に入る。

服を脱ぎ一応タオルで体を隠しながら風呂の扉を開ける。

 

「燐くん!」

 

「うおわ!可奈美!」

 

混浴にはすでに燐がいてここでばったり会ってしまった。

二人とも顔を赤くする。

 

「なんで燐くんがここに!?」

 

「なんか男湯は露天風呂がないから混浴にはあるみたいだったから来たんだ」

 

「私は混浴がどんななのか気になって」

 

理由を述べるが述べたからといって何かが変わるわけでわない。

とりあえず可奈美は全身を洗い少し間を空けて燐の隣に座って湯に浸かる。

 

「ここまで運んでくれてありがとうね燐くん」

 

「別に大した事じゃ・・・そういえば可奈美が俺を一番必死に探してくれたみたいじゃねぇか」

 

「そんな一番必死なんて」

 

可奈美はここまで運んでくれた燐にお礼をする。

それに照れる燐だが燐も可奈美が自分を必死で探してくれたことをいうと、

可奈美も燐のように照れる。

そして燐は可奈美の足の包帯に気づく。

 

「足、大丈夫なのか」

 

「こんなの平気だよ」

 

「そうか。無理はするなよ」

 

燐が可奈美の心配をすると可奈美が

 

「燐くんって何かお兄ちゃんみたい」

 

「お兄ちゃん?」

 

「燐くんって私のお兄ちゃんに似てるんだ」

 

「優しい所とかたまにおっちょこちょいな所とかいっぱい」

 

可奈美は燐と自分の兄と似ている所を言っていく。

 

「そんな似てんのか」

 

「うん!」

 

どうやら燐と可奈美の兄は似ているみたいだ。

違う点はそれなりにあるみたいだが。

 

「実は俺、双子の弟がいてよ雪男っていうんだけど」

 

「燐くんって双子の弟いたんだ」

 

燐は双子の弟がいること言う。

双子なら燐と似ているのだろうと可奈美は思う。

 

「雪男は俺とは全然似てねぇんだよな」

 

「双子なのに」

 

「双子なのにな」

 

燐の弟は燐と全く違うらしい。

 

「雪男は俺より頭がいいわモテるわで全然違うんだよ」

 

「双子とは思えない」

 

燐は弟の雪男のこと愚痴りながらもいい所も挙げていく。

それらを聞いてる可奈美は嬉しくなる。

 

「ん?どうした」

 

「燐くんが自分のこと教えてくれて嬉しいなって思って」

 

「・・・そうかよ//」

 

「あっ!照れてる」

 

「照れてねぇし」

 

可奈美の愛らしい笑顔を見て照れてしまう燐。

照れてる燐を可奈美がからかう。

二人の姿はなんだか恋人同士に見えてくる。

 

 

 

 

 

 

遠征の荒魂討伐が終了し燐たちは女将に礼をして宿を出ていった。

行きと同じルートで岐阜まで帰って行く。

今はある駅で停車しているところだ。

 

「舞衣飲み物買って来たよ」

 

「ありがとう美炎ちゃん」

 

「可奈美と燐も・・・って」

 

「ぐっすり寝てるね」

 

二人は隣合わせで揃って寝息を立てる。

可奈美が燐に肩を寄せて寝ていた。

 

 

 

 

 

 

とじのエクソシスト略してとじエク

 

可「第一回とじのエクソシスト略してとじエクの時間です!」

 

燐「なんだとじエクって」

 

舞「作者さんが文字稼ぎのために考えた企画だって」

 

美「それ言ったらダメなやつ」

 

可「エクともはこの小説の質問に答えたり雑談や次回予告をしていくよ」

 

燐「じゃ今回はなにすんだ」

 

美「なんか質問きてたよ」

 

舞「なんて書いてあるの」

 

美「えーっと作者さんからで」

 

燐「なんで書いてるやつが質問してくるんだよ」

 

美「燐の持つ降魔剣、倶利伽羅は御刀じゃないのにどうして荒魂が斬れるのですかだって」

 

可「台本によると燐くんが主人公の青の祓魔師第一期で倶利伽羅に珠鋼が使われていることが分かったから刀使ノ巫女の御刀と同じ珠鋼が使われてるていう設定にしてるから倒せるんだって」

 

燐「へー」

 

舞「最初は倶利伽羅は悪魔を払うから荒魂もその枠に入れてたんだけど青エク見てたら珠鋼ていう単語が出て変えたんだよね」

 

美「そんなこと言ったらだめだよ舞衣」

 

燐「これで作者の疑問も晴れたな」

 

美「良かったね作者さん」

 

可「今回みたいな質問とか募集したいと思いまーす」

 

舞「募集方法は感想の所に書いてくれればいいよ。非ログイン者でも大丈夫だよ」

 

燐「今回のゲストは可奈美と舞衣と美炎だ」

 

美「この遠征編可奈美回だったね」

 

可「そんなことないよ」

 

舞「そうかな?燐くんにパ〇ツ見られたり一緒にお風呂入ってたし」

 

可「思い出させないで!」

 

 




とじのエクソシストは読者の皆様が求めてるのかはわかりませんが好評だったら続けたいと思います。

感想の所に質問などじゃんじゃん書いていってください。

読んでくださりありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。


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第六話 刀使の強化合宿(前編)

すみません!投稿を休んでしまって最近忙しかったもので本当にすみません。

出来るだけ月に二回投稿したいです。

今後はこのようなことがないようにします。




「可奈美ちゃん明日の準備できた?」

 

「うん大丈夫だと思う」

 

舞衣は可奈美が三泊四日の合宿の準備が出来ているか心配で可奈美の部屋に来ていた。

 

「燐くん準備大丈夫かな?」

 

燐は可奈美からすると大雑把なイメージがあったため燐のことが気になった。

 

「可奈美ちゃん最近燐くんのこと気にしすぎだよ。もしかして可奈美ちゃん・・・」

 

「違うよ舞衣ちゃん!私は燐くんのことそんな風に思って・・・ない///」

 

可奈美は否定をするが顔を赤くしていて説得力がない。

そんな可奈美を見る舞衣は微笑む。

 

「確かに燐くんは子供っぽい所あるけど料理はおいしいしすごく頼れるし可奈美ちゃんとお似合いだよ」

 

「ちょっと舞衣ちゃん本当に違うって!」

 

可奈美はさらに赤くなる。

 

「可奈美ちゃんのことは何でも分かるよだって私たち親友でしょ」

 

舞衣は可奈美のことはお見通しのようで否定出来なくなる。

 

「それじゃおやすみ可奈美ちゃん応援してるからね」

 

「//うん//おやすみ・・・」

 

可奈美は顔を赤くしたまま俯いておやすみを返す。

 

「あっ!そういえば燐くんまだ準備出来てないんだって」

 

舞衣はそう言い残し部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

「何だ。こんな時間に」

 

と燐がドアを開くとそこには可奈美がいた。

 

「どうした可奈美。明日が楽しみで眠れないか」

 

「そ、そうじゃないんだ」

 

「じゃあこんな時間に何しに来たんだ」

 

「燐くんまだ準備出来てないって舞衣ちゃんから聞いたから手伝いに来た」

 

「そうか。ありがとな」

 

可奈美は燐の準備を手伝いに来たみたいだ。

燐は可奈美に感謝して部屋に入れる。

中にはクロがすでに寝ていた。

部屋は散らかっていると思っていたがそれ程酷くはなかった。

 

「私は道具とか準備するから燐くんは着替えとかお願い」

 

「わりぃな可奈美」

 

「気にしなくてもいいよ」

 

燐と可奈美で手分けして準備を進めていく。

二人でやっているからか順調に進んで行く。

そしてあっという間に準備完了。

 

「ありがとな可奈美。おかげですぐ終わった」

 

「このくらい別・・・何してるの?」

 

可奈美と燐で合宿の準備が終わる。

燐はなぜかキッチンで何かをしていた。

よく見ると料理をしていた。

こんなもう夜の12時になりかけの時に料理を作るのか謎だった。

 

「なんで今料理してるの?」

 

「冷蔵庫の食材が結構余ってたから弁当作ってる」

 

「こんな時間に?」

 

「おかずは前の晩に作って冷凍して置くんだ。それで朝冷凍したままの弁当を持って出れば昼時には食べごろの温度に戻る。ちょっとした主婦の知恵ってやつだな」

 

「へーそうなんだ」

 

ちょっとした主婦の知恵を知った可奈美は燐がなぜ弁当を作っているか理解する。

燐はトントントンと野菜を切ったり、炒めたりする。後ろ可奈美がじっと見てくる。

 

「どうした可奈美?」

 

「別においしそうだなーって思ってるだけ」

 

「そうか・・・」

 

すごく作りづらい。

きらきらとした目で可奈美がこちらを見てくる。

顔に『私にも作って欲しいな~』って書いてある。

だが可奈美の分まで作るとなると今からだと深夜2時に終わる。

明日は朝5時にバスで出発するのに起きれるか心配だ。

さすがに寝坊して置いてけぼりにはされたくない。

 

「もう遅いし可奈美は部屋に戻って寝てろ。明日は早いぞ」

 

「そうだね。おやすみ・・・(シュン)」

 

可奈美は誰が見ても分かるくらいに落ち込んだ。

すごく悲しそうにする彼女に燐は結局、

 

「そ、そんなしょぼくれんなって。可奈美にも弁当作ってやるから」

 

「本当!ありがとう燐くん!」

 

「そんなに喜ばなくたって」

 

可奈美はとても明るい笑顔を見せてくれた。

その笑顔のおかげで弁当を作るやる気は出たが睡眠時間が無くなった。

 

 

 

 

 

 

今年の強化合宿は中等部の刀使と燐の参加、後は指導の先生数人

この合宿は荒魂討伐の訓練でもあるがもうすぐ御前試合もあるためその二つを兼ねた合宿である

高等部は留守番して中等部がいない間、荒魂討伐を頑張ってもらうみたいだ

 

「あー腹減った」

 

燐は何とか起きれたが出発間際で食堂にあったサンドイッチを持って乗り込んだ。

しばらくはサンドイッチでどうにかなったがそろそろ限界のようだ。

 

「燐くんお腹空いてるならクッキー食べる?」

 

「おー!やったー!」

 

通路を挟んで舞衣は手作りのクッキーを渡してくれた。

きれいに焼けているクッキー。

燐から見ればなかなかの上出来。

そのクッキーを口に入れる。

 

「おぉ!すげーおいしい!」

 

「そう言ってくれて嬉しいな」

 

見た目だけではなく味も素晴らしい。

これはプロ顔負けのクッキーだ。

舞衣のおかげで空腹をやり過ごすことができそうだ。

 

「ありがとな舞衣。これでまたしばらくもちそうだ」

 

「そ、そんな・・・いつもお世話になってるからそのお礼だから・・・///」

 

燐は舞衣に優しい笑顔を見せると手を横に振る舞衣。

舞衣の顔は少し赤面していた。

そんな舞衣を気にせず寝不足な燐は眠りに就くのだった。

 

 

 

 

 

 

「おお~~!海でするのか!」

 

窓から見える海にテンションが上がる燐。

一度、任務で志摩と出雲で来たが一度も海で楽しめずに終わった。

そんなことを思い出していた。

 

 

燐たちは目的地に到着してホテルに荷物を預けて指導者の前に集まる。

そして今日の予定や気合入れの一言で訓練が開始された。

燐が何かすることがないかとぶらついていると。

この前燐に話かけてきた指導者が、

 

「おいそこのお前。お前も訓練するんだよ」

 

「えっ。俺ってサポートとかするんじゃないか」

 

燐はてっきり何か指導者とかのアシストや刀使をサポートするかと思っていた。

すると燐が書いた合宿の同意書を出された。

 

「この同意書にサインしたならお前も訓練するんだよ」

 

「おいそんな話聞いてないぞ」

 

「学長から話を聞いてるはずだ。分かったらさっさと着替えてこい」

 

燐は羽島学長の話をしっかり聞いとけば良かったと後悔し着替えに向かった。

 

 

 

 

 

 

最初は準備運動として砂浜10キロをランニングする。

この距離はさすがに刀使だとしても女の子には厳しすぎだと思った。

そして他の人の迷惑にならないかと思ったがどうやらここは柳瀬グループが所有していたから問題ないらしい

舞衣がお願いしてくれたみたいだ。

さすがとしか言えない。

燐は刀使たちの後ろを走って行く。

可奈美たちは前を先行してるようだ。

だが、

 

「燐くん早くない」

 

「そうか?ずっと同じペースだぞ」

 

4キロ付近で燐がいつの間にか先頭で可奈美たちと大分離れていた。

 

「燐の体力おかしいでしょ!」

 

「どうしてそんなに走れるの?!」

 

「底なしの体力だね」

 

三人は燐の体力に驚かされる。

驚いてるのはみんなそうだが

そこからどんどん差が生まれ燐が走り切った時には後ろには誰もいなかった。

 

 

しばらくしてから可奈美たちも走り切って次はグループで立ち合いをする。

燐のグループは可奈美と舞衣と美炎。

偶々かそれとも意図したものなのかは分からないがこうなった。

 

「燐くん私と立ち会おう!」

 

「いいぜ。ぜってー勝つ!」

 

最初は燐対可奈美

普通は写しを発動させてやるが燐は写しが出来ないため燐と立ち合う時は木刀でやることになった。

燐は可奈美たちの力量を知らないため女の子なので余り力を入れないようにする。

だがそうする必要はなかったようだ。

 

「結構強いんだな可奈美」

 

「燐くんこそなかなかやるね」

 

二人は木刀を交わしながらそんなやり取りをしている。

燐は木刀を振るうが受け流されたり避けられたりと全く当たらない。

そのせいか燐は木刀を思いっ切り振り砂浜を叩く。

少し地面が揺れるが

 

「隙だらけだよ」

 

「クソ!」

 

可奈美に隙を突かれ負けてしまった。

燐はまさか刀使とはいえ女の子に負けるなんて屈辱だろう。

 

「す、すごいな可奈美。調子の悪いとはいえ俺から一本取るなんて」

 

「でも結構力を込めてた気がするけど。地面揺れたし」

 

「気のせいだ。次だ。次!」

 

燐は誤魔化すが可奈美の一言で台無しになるところだった。

次の試合は燐対舞衣

燐は大分押していたが舞衣が受け流しからの攻撃で一本。

 

「可奈美との立ち合いで少し疲れてたから仕方ない」

 

「燐くんが疲れることあるの?」

 

舞衣に嫌な所を突かれたが切り替える。

最後は燐対美炎

今度こそ勝ちたい燐は慎重に立ち回る。

だが

 

「今は攻めないと勝てないよ燐!」

 

「それはどうかな」

 

美炎の動きが見えて来てるようだがここを攻めれば勝率が上がるがどうやらそれが分かってないみたいだ。

燐は美炎の攻撃を防いでいくが足を崩して一本

 

「砂浜だからこういう時もあるさ」

 

「もう言い訳やめたら」

 

美炎は燐の言い訳に呆れていた。

燐はそれを聞かなかったことにしてなぜ勝てなかったのかを考えていた。

すると可奈美が話しかけてきた。

 

「燐くんは流派ないんだね」

 

「流派ってたしか家元とかで攻撃の仕方が変わってくるんだよな」

 

「まぁそうかな。例えば私だと柳生新陰流で相手の動きや考えを読んでそれに乗るのが主流でこれによって対応するスタイルなんだ!舞依ちゃんのは北辰一刀流って流派で非合理的な部分を排除して学びやすくて整理された技法体系と言われててね。美炎ちゃんのは」

 

「もう十分だ!剣術の流派についてよーく分かった」

 

可奈美は燐に流派について説明しているとスイッチが入ったみたいで熱く語っていた。

これには燐の頭はついていけない。

話を止めて燐は一息吐く。

 

「それでどれが一番いいんだ」

 

「いち・・・ばん・・・??」

 

「可奈美ちゃんがショート寸前に!」

 

燐が可奈美をショート寸前まで追い込んで話は終了した。

けど燐は剣術を学ぶのはいい考えと思ったが

 

「流派とか剣術とか俺には合わねぇよな」

 

「たしかに燐は規則正しいのとか苦手そうだもんね」

 

「なんだと!」

 

たしかに燐は何も考えてなさそうな所があったりするときがある。

三人は燐と立ち合って燐の剣の振りは相手に攻撃を与えることしか考えてないように思えた。

 

「でも燐くんみたいな剣術が苦手な流派も多いから大丈夫だよ!」

 

「そうそう不規則な剣だと相手もなかなか動きが読みづらいからね」

 

可奈美と舞衣が燐を励ますように落ち着かせる。

 

「そうなのか!だったら剣術とかいいかもな」

 

二人の意見を聞いて剣術とか流派がどうでも良くなって木刀を適当に振るう。

そしたら可奈美が

 

「でももし燐くんが剣術を学ぶなら教えてあげるよ。今の燐くんの剣を見て思ったんだ。燐くんには無駄な動きとかダメダメな所たくさんあったし」

 

「確かにそうだね」

 

「折角だし学んどけば」

 

三人は燐を剣術の道に勧誘してくる。

燐の弱点を直すついでに剣術を教えようとしてきた。

そして燐は

 

「たしかにそうだな。それじゃ俺に剣術を教えてくれ」

 

燐は思いの外ちょろかったと三人は思った。

 

 

 

 

 

 

時刻は正午で人が空腹になる頃合い。

外のベンチには可奈美と燐の姿があった。

 

「ほいこれ」

 

「お弁当~☆」

 

燐は可奈美に作った弁当を渡して一緒に食べることになった。

 

「いいのか。舞衣たちは」

 

「うん。舞衣ちゃんたちは後輩に誘われてたんだって」

 

「そうなのか。可奈美は行かないのか」

 

「燐くんのお弁当があったからね」

 

舞衣たちは後輩に食事を誘われていたようだ。

結構人気者なんだなと思う燐。

 

「おいしい!」

 

「もう食ってんのかよ。それじゃ俺もいただきます」

 

すでに可奈美は食べ始めていた。

それに続き燐も合掌して頂く。

その後ろには数人の刀使がいた。

 

「ねぇねぇ隣にいるの可奈美の彼氏?」

 

「可奈美に彼氏が!」

 

「一緒にお昼にしようとしたのに彼氏とイチャイチャして」

 

「お弁当まで作ってもらうなんてけしからん」

 

どうやら彼女たちは燐と可奈美がカップルと勘違いしているようだ。

仕方ないことだろう燐と可奈美の今の姿を見れば何も知らない人が見ればそういう関係にしか見えない。

そんな彼女たちに気づかない燐と可奈美は弁当を食べる。

 

「燐くんってどうしてそんなにお料理が出来るの?」

 

「うちは男所帯でみんな料理下手くそだったからさぁ。自分で作るしかなかったんだ」

 

「へーそうなんだ。今度私に料理教えてよ」

 

「おう!いいぜ」

 

料理を教える約束をした燐。

可奈美は燐に料理を教えてもらえること燐と一緒にいられることに胸をときめかせる。

 

「お料理デートだと!」

 

「いいなーデートなんて」

 

「私も教わろうかな」

 

「リア充め」

 

その話を聞いた彼女たち羨ましいと思う奴や妬む奴がいたようだ。

 

 

 

 

 

 

昼食を食べ終え次の訓練が始まる。

内容は午前中と対して変わってないが燐としては嬉しいことだ。

剣術を学べるから

 

「こうか?」

 

「そうそう受け流しはそんな感じ。燐くん覚えるの早いね」

 

「そうか。いやー照れるな」

 

燐は舞衣から基本を教えてもらっていた。

勉強がダメな分体を動かすことは得意の様だ。

それで基本を覚えるのが早かった。

 

「一通り教えたしやってみる?」

 

「おう。よろしく頼む」

 

「じゃあ私が審判するね」

 

美炎が審判をし燐と舞衣は木刀を構える。

 

「はじめ!」

 

美炎が開始の合図を出すと燐は真っ先に動き出し木刀を振るう。

燐の攻撃を防ぐとその力強さが伝わってくる。

防いでからの攻撃を仕掛けるが燐はかわす。

そこから舞衣はどんどん攻める。

 

「さっき教えたこと。全然出来てないんじゃない」

 

「仕方なねぇだろ!初めてやったんだから」

 

そして舞衣に攻められて勝負は決まった。

今の勝負に納得のいかない燐。

 

「今の勝負剣術じゃなくて普通に戦っていたら俺勝てたんじゃないか」

 

「そんなことないよ燐くん初めての割にはいい感じだった」

 

「そうか?なら舞衣続きたのむ」

 

燐はさっきの立ち合いの結果からしてダメダメな気しかしないけど剣術大好き可奈美が言うならいい感じなんだろうと少し自信を持ち舞衣に指導の続きをたのむ。

それからも燐は剣術を教えてもらいそして時刻は夕方になる頃。

外で蛇口から出る水に頭を浸けていた。

 

「燐そろそろ買い物にいこう」

 

「そうだな。いこうぜ」

 

夕食はグループで作ることになっていた。

正直このホテルのコックが作ればいいと思ったが将来のためと先生が言っていた。

料理は出来ていいと思うが

それで燐と美炎で買い出しに出かけた。

バスに乗りショッピングセンターで食材を買う。

 

「それで何を作るんだ?」

 

「カレーライスだよ」

 

「なんだ簡単じゃねぇか」

 

「私たちはこれくらいじゃないと作れないの!」

 

燐からすればカレーなんて初歩中の初歩だ。

もっと難しいビーフシチューやカルボナーラとか作りたいだろう。

だが美炎たちはそれほど料理が上手くないため燐は彼女たちに合わせる。

 

「でも燐がいれば上手く出来るでしょ」

 

「おう!任しとけ」

 

 

 

 

 

 

食材が入ったビニール袋を手に持ち帰ってきた燐と美炎。

可奈美と舞衣にホテルのキッチンで合流して手を洗いカレーを作り始める。

各自で自分の分の野菜を切る。

 

「うぅ・・・目に沁みる」

 

どうやら可奈美は玉ねぎで涙が出てるようだ。

 

「そういえば水につけながら切ると涙が出ないって聞いたよ」

 

「へーそうなの燐くん?」

 

舞衣が涙を流さない切り方を教える。

それが事実か燐に聞く。

 

「確かにそうすると涙は出ないが玉ねぎに含まれる血液をさらさらにする成分も水に溶けるからそれはやめた方がいい」

 

「良く知ってるね。じゃあ玉ねぎを冷蔵庫で冷やすと涙が出ないていうのは?」

 

「冷蔵庫に入れたら腐っちまうぞ」

 

燐の料理の知恵はこういう場面ではとても役に立つ。

野菜をすべて刻んでお肉と別に炒め後から一緒にする。

そして水を入れ沸騰したら火を弱めアクを取り材料が柔らかくなるまで煮込む。

最後に一端火を止めルウを入れ良く溶かし再び弱火で煮込み蓋を開けると完成。

 

「わ~おいしそ~」

 

「いい匂い」

 

「これは燐のお蔭かな」

 

三人はご飯を皿に盛りカレーをかけて席に着く。

けど燐は別のグループを見ていた。

 

「あぁー見てらんねぇ」

 

「ちょっと燐くんどこいくの?」

 

燐は近くにいたグループに近寄る。

 

「そっちは何作ってんだ」

 

「えっ・・・ハンバーグだけど」

 

と一人の刀使が答えるが全く進んでないのだ。

戸惑ってる刀使の子たちを見て嫌になったんだろう。

 

「ちょっと貸せ」

 

すると燐は手早くそばにあった玉ねぎをみじん切りに刻む。

フライパンにバターをひいてさっきの玉ねぎを炒める。

その玉ねぎを使ってボウルにひき肉、塩、こしょう、ナツメグ、しょうゆ、卵を入れ手で練り混ぜる。

たねを4等分し、丸くまとめ両手でキャッチボールをするようにたねを投げつけて空気を抜く。

フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、油がなじんだら肉を入れ、強火にして焼く。

裏側全体に焼き色がついたら裏返す。

弱火にしてふたをし焼く。

これらの手順を素早くやり遂げた。

 

「6分くらいしたら焼けてるから後は頑張れよ」

 

「「「「ありがとうございました!!」」」」

 

燐は四人の刀使から感謝され可奈美たちの所へ戻った。

 

 

 

 

 

 

「はぁ~いい湯だな」

 

夕食を食べ終えた後青い炎を操る特訓をし、その疲れをホテルの浴場で癒していた。

燐が誰もいない浴場で疲れを取っていると声が聞こえてきた。

どうやら女湯の方からみたいだ。

 

「あの奥村燐っていう人かっこいいと思わない?」

 

「うん!彼氏を作るならあの人がいいかな」

 

「確かに運動出来るし料理も出来て旦那に欲しいなぁー」

 

刀使の女の子たちは燐の話をしていたようだ。

それを盗み聞きしてしまう燐。

 

『ついにこの俺も人生最初のモテ期突入か』

 

と心の中で思い前髪を真ん中で分けるのであった。

そう思い上がっていると女湯の方に舞衣が入ってきたみたいだ。

 

「あっ!舞衣ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

 

「ん?どうしたの?」

 

「舞衣って奥村燐ていう人と同じグループだよね。奥村燐ってどんな人?」

 

これは燐も気になる。

舞衣が燐のことをどう思っているのかが知りたい。

 

「う~ん燐くんは力持ちで体力もあって料理が出来る人で。あっ!後気が早いかな」

 

気が早いは言わなくていいと思った燐だがまだ続きがあった。

 

「けど相手のことを分かってくれる優しい人だよ」

 

それを聞き照れくさくなるのと

舞衣は燐にそう思ってくれることに嬉しさもあった。

そして燐は浴場を後にした。

 

「そうなんだ。ていうか名前で呼んでるんだね」

 

「なになに彼氏かなにか?」

 

「そ、そんなんじゃないよ!///」

 

 

 

 

 

 

 

可「ここからはとじエクだよ」

 

燐「またお前らか」

 

美「仕方ないよ。まだそんなキャラ出していないんだし」

 

舞「無駄話してないで質問に答えるよ」

 

可・美・燐「はーい」

 

美「えっと質問はクロが大きくなったときの可奈美たちの反応はどんな感じだったのでしょうか。だって」

 

可「質問これだけだったんだよね」

 

舞「それだけ作者さんがしっかり書いてくれてるてことだよ」

 

燐「そんなこと別にいいだろ。それじゃそん時の映像、流すぞ」

 

ピッ

 

第四話のカットしたシーン

 

舞「なんかクロちゃん大きくなってない」

 

可「確かに」

 

美「いや明らかに大きくなってるから」

 

燐「クロは大きくなって俺を運んでくれたんだぜ」

 

舞「道理で早かったんだね」

 

燐「可奈美何してんだ」

 

可「クロちゃんの毛並を全身で楽しんでる」

 

美「いいな。私も!」

 

舞「それじゃ私も」

 

30分後

 

クロ「なぁ燐まだこいつら触るのか」

 

燐「すまんクロ。我慢してくれ」

 

クロ「仕方ないな~」

 

ピッ

 

可「こんな感じ」

 

舞「あの時は気持ちよかったな~」

 

美「ねぇ燐またクロ大きくしてよ」

 

燐「クロに聞けよそれは」

 

 

 

 




休んでる間にいつの間にか評価がオレンジになりました。
ありがとうございます。

高い評価をしてくれたりや感想を書いてくれたりしてくれるとモチベにもなるので
評価をつけ、感想を書いてくれると幸いです


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第七話 刀使の強化合宿(中編)

何とか間に合った。まじですみません。反省してます。


強化合宿一日目の夜

 

三日月の光が町を照らす中その下では荒魂により騒がしくなっていた。

そんな荒魂を刀使が到着するまで持ち堪える防衛隊の人は苦労するだろう。

今は深夜こんな時間帯は誰もが寝ている頃だ。

刀使の子たちも寝ていたところを叩き起こされて現場に急いで向かっている。

 

「刀使はまだか!」

 

「今、現場に急行してます!」

 

荒魂が出現して結構時間が立っているにも関わらず今頃向かってると聞いて呆れてくる。

 

「もう少しの辛抱だ!耐えきるぞ!」

 

もう少しがどれくらいかは分からないが鼓舞する。

それを聞いて粘りを見せる隊員たち。

けど荒魂の力は凄まじいものだ。

ライオットシールドを持つ体を鍛えた大勢の大人を吹き飛ばすのだから。

 

防衛隊「わあああああぁぁ!」

 

体制が崩れゆく部隊は城の防壁が破られたのと同じ。

荒魂が城の中枢へと向かう。

あんな最凶生物ここの人間にはもう誰も止められない。

 

「リン!着いたよ」

 

「おし。いくぜ!」

 

荒魂の前方から巨大な黒い猫が向かってくるその背中には刀を持った少年が。

その少年が抜刀すると青い炎を纏い飛び上がる。

 

「はああああぁぁぁぁ!」

 

荒魂に剣を振り上げ一閃が入ると真っ二つ。

綺麗に着地して納刀。

身体の青い炎が消え耳が尖がって尻尾が生えてるところに目を瞑ると普通の人だ。

奥村燐は荒魂討伐を成し遂げクロに乗り帰ろうとする。

 

「あ、あの奥村燐さんですよね」

 

「ん?なんだ」

 

「聞きたいことがあります」

 

帰る前に荒魂を食い止めていた防衛隊の一人が話しかけてきた。

たしかに彼には謎の部分が多くある。

一つでも疑問に思っていることは聞いといて損はないだろう。

 

「本来荒魂は刀使が討伐することになってます。ですけどあなたは祓魔師です。がなぜ荒魂を討伐してくれるのですか。」

 

荒魂は御刀を扱える刀使が討伐する。

だが燐は刀使ではないし荒魂を倒せるが別に積極的に任務に参加しなくていいのだ。

 

「そんなの決まってんだろ」

 

祓魔師である彼がなぜ荒魂討伐の手伝いをしてくれるのか。

 

「人を助けるのが祓魔師だ」

 

そして夜の闇の中に消えて行った。

 

 

 

 

 

 

強化合宿二日目

燐たちは朝食前のマラソンで走らされていた。

 

「もうだめぇ。これ以上はむり~」

 

「おいおい。こんなもんか?」

 

燐の底なしの体力に勝負を仕掛けた美炎。

どうやら美炎は後半からペースが落ちてはぁはぁと息を切らし前に中々進まない。

挑んでおいて全然いい勝負ならず美炎を煽る余裕すらある燐。

いくら刀使とはいえ中学生の女の子だ。

後ろで走っていた可奈美や舞衣、美濃関の刀使たち、美炎も女の子にマラソンで勝って嬉しいかと思う。

 

「はぁはぁ相変わらずの体力よね」

 

「まだまだこんなもんじゃないぜ」

 

そう言うと燐はさらにペースを上げる。

これ以上は追いついていけない。

フルマラソンの選手並みいやそれ以上の体力の持ち主であった。

 

 

燐は誰よりも早く早朝マラソンを終え先に朝食を頂く。

 

「腹減ったー。いただきます」

 

合掌し和食の朝食を勢い良く食べる。

余程お腹が空いていたのだろう。

主食と主菜を頬張り水で押し込む。

品のない食べ方であるがおいしそうに食べていた。

 

「お腹空いたー」

 

「そうだね。私もすごくお腹空いてるよ」

 

しばらくして可奈美と舞衣が食堂へ腹を空かして入ってきた。

いつもの二人だが一人欠けている。

 

「燐くん同席していい?」

 

「おう、いいぜ」

 

可奈美は燐の正面舞衣は左前の席に座り二人とも食べ始める。

 

「そういえば美炎はどうしたんだ」

 

いつも一緒にいる四人組と思われているであろう燐、可奈美、舞衣 美炎の中で美炎がいない。

燐と若干キャラが被ってる気がするがいつも明るい子だ。

そんな子がどうしたのだろう。

 

「美炎ちゃんは燐くんとの勝負で疲れたみたいで風に当たっているよ」

 

「そうか。まぁすごくへばってたしな」

 

超人的な体力を持つ燐についていこうとしたのだ。

そりゃあ誰だって仰向けになって涼しい風に当たりたくなるだろう。

美炎の事情を知れてそうかと頷く。

お喋りをしていると燐は朝食をもう終えご馳走さま。

そして席を立とうとする。

 

「それじゃ俺は先に行ってるからな」

 

「うん!」

 

「あっ!ちょっと待って燐くん」

 

舞衣が燐を呼び止めた。

なぜかは分からないが燐は取りあえずそのまま椅子に座っとく。

 

「じっとしててね」

 

「お、おいなんだよ!舞衣///」

 

舞衣は机に手を置いて燐に近づく。

何が何だか分からずテンパる燐。

 

(な、なんだ!俺、舞衣に何かしたっけ!?にしても・・・)

 

燐は舞衣の胸の方に目が行き顔を赤らめる。

舞衣の発育の良さが燐の心を乱す。

近づいてきた舞衣は燐の頬についてたご飯粒を取る。

 

「ご飯粒ついてたよ」

 

「そ、そうか。ありがとな///」

 

燐の頬についていたご飯粒を舞衣は口に入れる。

すると自分がどれだけのことをやったのかに気づき赤面する。

隣では可奈美が脹れていた。

 

「ご、ごめんなさい!///私には妹がいてつい・・・///」

 

舞衣のお姉さん気質な性格が事を招いたのだろう。

 

「それじゃ。俺先行ってるからな」

 

燐は立ち上がり食堂から立ち去る。

 

 

 

 

 

 

燐は胃の中を消化しきるまで適当に歩き回り気長に待っていた。

すると後ろから声が掛けられる。

 

「おい、奥村昨夜何してた」

 

この合宿についてきた美濃関の教師だが単刀直入に昨夜のことを聞いてきた。

昨夜のことで思い当たることがあった燐は冷や汗をかく。

ゆっくりと後ろを向いて一か八かで言い訳が通るか試す。

 

「べ、別に部屋で寝てたぞ」

 

「嘘つけ」

 

すぐさまばれた。

言い訳が通じないで終わる。

 

「昨夜、荒魂が町に出現し青い炎を身に纏った人物が討伐したという報告が入った。これはお前で間違いないな」

 

「はい。そうです」

 

消灯時間に部屋にいないで荒魂を倒しに行ったことがばれていたようだ。

 

「荒魂を倒してくれたことには感謝するがそれとこれとは別だ。」

 

荒魂を倒したからと言って罰が与えられないわけではなかった。

これからはしっかり予定通り過ごそう。

それで燐に与えられる罰は

 

「124、125、126・・・木刀が重くなってきた」

 

素振り1000回の刑

可奈美たちが立ち合いをしてる中燐だけがひたすら木刀を振る。

10キロの重り付きで

燐にとってはあまり重くなかったがもう100回から重さを感じ始めた。

 

「頑張って燐くん」

 

「自業自得だよ。もう」

 

「お昼までには終わらせなよ」

 

可奈美たちが燐の尻を叩きに来たようだ。

今の燐にとっては少し腹立たしいがひたすら素振りをする。

 

「150、151、152・・・1000回ってきつ過ぎじゃねぇの!」

 

いったいどれ程の時間がかかるか燐には分からなかった。

昼食までに間に合うか不安を抱きつつ振るっていた。

 

 

 

 

 

 

「もう動かなねぇ」

 

何とか1000回を達成した燐。

途中から腕の感覚がなくなって何回振ったか分からなくなったことが何度かあったがやり切った。

燐の腕はもう上がらない。

こんなんでご飯が食べれるか心配だが食堂に向かう。

 

「お疲れ燐くん。席取っといたよ」

 

「ありがとな。もうくたくただ」

 

到着すると可奈美が出迎えてくれた。

有難いことに席を取っていてくれていた。

座る所がないと食べるに食べれないものだ。

同じ机には舞衣、美炎は食べ終えて雑談をしていた。

燐が近づくと雑談をやめ燐に注目する。

 

「お疲れ様。燐くん」

 

「遅いよ燐。もう食べ終わっちゃったよ」

 

舞衣は燐にお疲れの言葉を言うが美炎が言うにみんなもう食事を終えていた。

そんな事よりもお腹が空いている燐は席に着き手を合わせて頂く。

箸を片手に白飯を口の中に入れようとするが

 

「も、持てない……!?」

 

千回も腕を振っていたからか全然力が入らなくて茶碗が持てない。

今の燐にとって一番最悪な状況だ。

飢餓状態である燐は今すぐにでも食べたいのに目の前でお預けという形。

生殺しにされている燐。

茶碗を持てない程だとは、周りの刀使達は問題を起こさないと心の中で誓った。

 

「クソッ! 持ち上がれー!」

 

どうしても上がらない茶碗を持とうとする。

顔を近づけて食べる方法があるがそれはお行儀が悪いというもの。

でも空腹の状態で午後の立ち合いでやって行けるわけがない。

誰かに食べさせて貰うしかない。

でも誰が燐に食べさせてくれるのだろう。

 

「燐くん…わ、私が食べさせてあげようか…///」

 

マジか……

可奈美が自ら申し出て来てくれた。

とてもありがたいのだが年下の女の子に食べさせて貰うのは燐にとって恥ずかしい。

それに周りにはまだ刀使がいるし側に美炎と舞衣もいる。

だが背に腹はかえられない。

燐は我慢して可奈美に食べさせて貰う。

 

「はい……あーんして///」

 

「……あーん///」

 

燐は口を開けて可奈美がその口におかずを入れる。

二人とも恥ずかしそうにしてるがそれは周りも同じ。

舞衣も美炎も見てて恥ずかしくなってくる。

けど舞衣は燐を見てると姉心を擽られたのか。

 

「わ、私も食べさせてあげるね///」

 

「ええぇ! 舞衣も!」

 

「お、お前も!」

 

舞衣も燐に食べさせてくれるようだ。

まさか舞衣も申し出てきて美炎は驚く。

こうなると美炎もやることになりそだ。

 

「な、なせばなる! 私も///!」

 

結局美炎も参加してしまった。

傍から見ればもう完全にハーレムにしか見えない。

燐は人生で初めてハーレムを作ってしまったと思った。

 

 

 

 

 

 

午後からは雨が降り出して外ではできなくなってしまったため、道場を借りてすることになった。

燐は木刀が持てなかったため、しばらく休憩してから参加した。

そして可奈美、舞衣、美炎に徹底的に剣術を叩きこまれた。

 

「はぁはぁ……わざわざ三つの流派を覚える必要あるのかよ……」

 

燐は仰向けになってそう呟いた。

可奈美、舞衣、美炎は自分の流派を燐に教えた。

結果燐は物凄く疲れたが三つの流派をある程度覚えた。

だが流派は一つでいいと考えていたし、もし他に覚えるなら一つを極めてからと思っていたがまさか三つを教え込まれるとわ。

 

「たくさんの流派を使えると色んな場面でも対応できるし、組み合わせたりして応用もできていいと思うよ」

 

可奈美の言う事はご尤も。

三つの流派を使えて損はしない。

それに流派を覚えたことで大分可奈美たちと互角に渡りあえるようになった。

 

「お疲れ様。燐くん。お水持ってきたよ」

 

「おっ! サンキュー」

 

舞衣が持ってきてくれた水を一気に飲む乾す。

だけど燐は飲むより頭から浴びたいと思う。

 

「ちょっと頭冷やしてくる」

 

燐は立ち上がり道場を出る。

可奈美と舞衣は燐にいってらっしゃいと言って道場に残る。

外は丁度雨が止んだようで夕日を見ることができた。

外に設置してある蛇口から水を出してそこに頭を突っ込む。

冷たい水が熱い体を頭から冷やしてくれて気持ちいい。

十分に浴びて頭を上げ水を止める。

 

「終わった?」

 

「うわぁ!」

 

美炎が順番待ちしていて急に声を掛けられて驚く。

水を頭から被りたいのは燐だけではなかったらしい。

 

「使っていい?」

 

「お、おう」

 

美炎は水を出してまず水を飲んでから頭を流れ出る水に浸ける。

燐のようによっぽど疲れていたのか長い間同じ体勢でいた。

 

「はぁー! 気持ちいい!」

 

天を仰いで空を見上げてそのまま止まる。

空に何かあったのか同じ方向をずっと見ていた。

燐はその視線が気になり美炎と同じ方を見上げる。

 

「おぉ! 虹だ」

 

薄くて分かりづらいがでもハッキリと分かる虹だ。

虹なんていつぶりに見ただろう。

相当久しぶりな気がする。

それは美炎も思ってることだろう。

虹を見てるとほんの少しだが疲れが取れた気がした。

 

「食堂行こうか」

 

「そうだな」

 

そして美炎と燐は食堂に向かった。

 

 

 

 

 

 

終わるの早すぎー!

 

燐「前の投稿から空き過ぎだろ!!」

 

可「確かにすごく長い休みだったね」

 

美「ホント、作者は何考えてんだか」

 

舞「他のサイトで小説書いてたみたいよ」

 

可「そのお陰であけましておめでとうとかメリークリスマスとか言えなかっただけどね」

 

?「そうだよな。折角のネタなのに、勿体ない」

 

?「自分の書いてる他の小説をほったからかしにするのはいけませんね」

 

燐「そうだよなぁ……?」

 

可「あのーあなた方は?」

 

レ「ん? 俺か? 俺はレストだ」

 

チ「私はチカです」

 

美「へーそんなんだ」

 

舞「初めましてですね」

 

燐「てっ! 何さり気無く話に入ってんだよ!」

 

レ「別にいいだろそんくらい」

 

舞「あー。レストさん達が作者のもう一つの小説の主人公とヒロインですね」

 

チ「はい。そうです」

 

レ「まぁ。控え室で一回会ってるけどね」

 

美「それはシーですよ」

 

可「それでレストさん達はどうしてここに?」

 

レ「そんなん決まってんだろ宣伝だ」

 

燐「そうだよなー」

 

レ「てことでここの作者がかいてるもう一つの作品『最強転生者よりも俺の方が強い!』」

 

チ「私とレストさんが強敵に立ち向かったり日常的な生活をしたりする話ですぜひ読んでみてください」

 

レ「ちょっと弱いよな。普通なんだよなー」

 

チ「これくらいでいいんですよ」

 

舞「終わりました?」

 

レ「おう!にしても」

 

燐「どうした」

 

レ「これが初めて書いた小説かぁすげー下手くそだなぁ今もだけど」

 

可「初めてだとこれくらいじゃない?」

 

美「もっとすごい人いるからね」

 

チ「レストさん! もう終わったんですから帰りますよ」

 

レ「まだいた方が文字稼ぎできるのにー」

 

チ「いいから帰るんです!」

 

レ「おわぁ!」

 

燐「いったなー」

 

可「いっちゃったね」

 

美「いったね」

 

舞「いったねー」

 

レ「いったようだな」

 

燐・可・美・舞「え」

 

レ「それじゃぁな。小説よろしく!」




最強転生者よりも俺の方が強い! のURLです。

https://ncode.syosetu.com/n6181fe/

何卒よろしくお願いします。


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第八話 刀使の強化合宿(後編)

遅くなってすみません!

少し書き方変えました。


強化合宿三日目

燐は美炎と一緒に街を歩き回っていた。でも適当に歩いているわけではない。

 

「こんな所に荒魂なんて出るのか?」

 

「出るよー。荒魂は何処にだって現れるから」

 

燐と美炎は街も見回りをしていた。今朝、二人一組で街のパトロールを言い渡された。刀使全員に。勿論、燐もそれに入る。それで決まった二人が燐と美炎なのだ。可奈美と舞衣とは別々になってしまったがあっちはあっちで見回っているはずだ。にしても…

 

「全然、反応がねぇ…」

 

燐の手にあるスペクトラムファインダーは全く反応がない。荒魂が出現しないのはとても良いことなのだ。けど燐は剣を振って体を動かしたいと思っている。

 

「そんな真面目に荒魂の反応を待ってないでさ。もっと気長に待とうよ」

 

美炎の言うことは一理ある。燐はスペクトラムファインダーをしまい見回りに専念する。今日一日ずっと見回っていれば何かしら起こるだろう。ない方が良いのだが。

 

「折角だから色々お店とか見ながら回ろうよ」

 

「おう、良いぜ」

 

燐は美炎の提案を聞き入れ色んな店を巡り始めた。美炎が前を進み燐はそれに着いていく。美炎は服屋で気に入った服を試着し燐に似合っているか感想を聞いたり燐の服をコーデしてくれた。その後、ペットショップの前で窓越しに愛らしい犬や猫を見て癒されたり、近くの喫茶店で有名スイーツを食べて見回りの休憩したりと楽しみながら見回りをしていった。その間も反応は全くなかった。

 

「次は何処のお店に行こうかなー」

 

ニコニコしながら次の店を探す美炎。そんな美炎とは正反対で燐は不満を覚えていた。見回り中にお店で過ごしていて大丈夫なのか。此処までスペクトラムファインダーは何の反応もしていなかったがいざという時に心配になているのであろう。それにもしかしたら燐たちの行動がばれていてまた苦しい罰を与えられるかもしれない。燐は嫌な事を思い出してしまい身震いをする。

 

「ん、どうしたの燐?」

 

美炎は燐に意見を求め振り返ると燐が少し元気がないように思えたので様子を窺う。燐は正直に思っている事を話そうと口を開くと老婆の悲鳴が上がった。

 

「ひいいぃぃぃぃ。! ひったくりだよ!」

 

燐と美炎は悲鳴の上がった方に体を向けるとお年寄りの女性が倒れておりその人のバックを奪ったであろう黒い服をきてサングラスとマスクをし顔を隠している男が向かって来た。すると美炎は顔つきを変えて御刀を抜き迅移でバックを取り返して見せた。男は盗ったはずのバックが無くなり止まって焦りながらも確認をする。

 

「はい、お婆ちゃん取り返したよ」

 

「どうもありがとうね。刀使さん」

 

美炎は取り返したバックを持ち主に返す。返された老婆は美炎に感謝を述べる。そこまで燐は指を咥えて見ることしかできず、改め刀使の凄さに魅了されていた。その間に男は走りだし燐の横を通り逃げる。燐はそれに気づき急いでひったくり犯を追う。

 

「――この野郎! 待ちやがれ!」

 

男の背中を追う燐。男は後ろから燐が追ってきていることが分かり速度を上げて距離を取るが燐も負けじと速度を上げて男に付いて行く。どうにか燐を撒けないかと考え狭い路地に入りそこにある段ボールや台車を倒しながら逃げた。だが燐は軽々と飛び越えて追いかける。距離が中々、縮まらないまま路地を抜けて道に出る。男は柵を越えて車道を走る抜ける。車に轢かれそうになるがそのまま走り続ける。燐も男と同じルートで車道を通り追い回す。

 

「しつけぇな!」

 

男はまた路地に入るがそろそろ体力の限界を迎え燐がじわじわと近づいてくる。燐が手の届く所まで来ると男は懐からナイフを取り出し振り向いて燐に刺す。

 

「ぐはあああぁ!」

 

「燐!」

 

燐の腹部に激痛が走り血が服に滲む。今まで何度か刃物などで刺されたことがあったが慣れないものだ。近くまで美炎が来ているようだ。後は美炎に任せることが得策だが

 

「クッソ…待ちやがれぇ…」

 

燐は尻尾を巻いて逃げる男に手を伸ばしそこから青い炎を放出し男を燃やしてしまい苦しませる。まずいと思い急いで男から青い炎を消すとその場で倒れ込み動かなくなる。燐は殺してしまったのではないかと焦りが出てきた。美炎が燐と名前を呼び近寄る。

 

「大丈夫? ナイフを刺されたように見えたけど…」

 

「あぁ…それより…」

 

燐と美炎は男の様子を見ながらゆっくりと近づく。美炎が男の側でしゃがみ肩を軽く叩いたり声を掛けたりと意識があるか確かめる。その横で燐は冷や汗を掻きながら見ている。

 

「うん、多分、大丈夫」

 

「多分って…」

 

燐は青い炎で男を燃やしてしまった。青い炎は人を殺せると勝呂から強く言われた事を思い出して心配になっているのだ。不確定だと落ち着かないのだ。

 

「大丈夫だって息をしてたし、後は警察に連絡してと」

 

「それなら良かった…」

 

燐は胸をなでおろす。そんな燐を警察と連絡しながら見ていた美炎は不思議に思っていた。追っていた犯人を捕まえたのにすごく心配になって息があることが分かると安心することが分からなかった。警察への連絡が終わり見回りに戻ろうと美炎は燐を呼ぶ。その時に美炎は重大なこと思い出した。

 

「そういえば! 燐のお腹の傷、急いで手当てしないと!」

 

「あぁ、それなら平気平気」

 

燐はああ言ってるが平気なはずがないのだ。ナイフで刺されたところをしっかり見ていたのだ。それにワイシャツに血が滲んでいるのは刺された証拠。早く止血しなければならない。美炎は燐の手を引っ張り路地を出ようと急かすが燐は急ごうととしない。

 

「何してるの! 早くしないと!」

 

「だから平気だって。ほら見てみろよ」

 

燐はシャツを捲り上げる。さすがにそんなグロいのは十三歳には早いと美炎は目の前を手で覆い見ないようにしたのだが、ちょっとの好奇心で指の隙間から覗く。そこには確かに血がついていたが傷が完全になかった傷跡も付かずに。

 

「えっ、どうして、確かに刺されてたよね?」

 

美炎の頭にハテナが浮かび上がると同時に驚きがあった。燐はシャツを戻し話を始めた。燐は子どもの頃から傷が治るのが早く自分が青い炎を使えるようになってからはさらに傷が癒えるのが早くなった。恐らくこの治癒の速さこそ悪魔の証拠なのかもしれない。この話を聞いて美炎はどう思うかは分からない。燐を悪魔として化け物として見てくるかもしれない。けどそれは悪魔である燐にとって仕方のない事なのかもしれない。

 

「此処まで来るとそろそろ化け物だな…」

 

「燐は悪魔で化け物かもしれいけど…そんなの今更だよ。今まで燐といて怖いなんて思った事ないし、それに悪魔なんてとっくに分かってたんだし」

 

美炎は今まで燐と過ごしたこと振り返り考えた。燐と一緒にいて楽しかった思い出が多いしそれに青い炎を操っている時点で人ではないことは確かなのだ。その姿を何度か見て今の状態なのだ今更過ぎる。その考え方で燐は少し驚いたがよくよく考えればそうなのだ。

 

「確かにそうだな」

 

「そうでしょー」

 

燐と美炎は互いにに笑う。今の話は今更だった。燐が悪魔ってこと分かって今まで一緒にいた。遠征も行ったしこの強化合宿だって嫌な顔せずに四人でいた。立ち会いしたり、流派を仕込んでくれたりもしてくれたのだ。燐にはしっかりと仲間がついていてくれた。この世界でも

 

 

 

 

 

 

時刻はもう夕方になり空がオレンジとなり帰宅の時間となった。警察の人から事情聴取され遅くなりこの時間だ。燐と美炎は事情聴取を終えて合宿のホテルへと帰っていた。その途中、美炎があることを聞いてきた。今日のお昼過ぎのひったくり犯を捕まえた事の話だった。燐はなぜ犯人を捕まえたのに凄く焦って生きていることが分かったら安心した様子だったのが不思議に思ったそうだ。

 

「それで、どうしたんだろう? って思ったんだ」

 

「それは俺の青い炎で人を殺せるからだ…」

 

燐の青い炎は人を殺せる。それは勝呂に強く言われた事があった。この青い炎は多くの人を死なせたのだ。青い炎(これ)を完全にコントロールをできるようにしなければならない。今回は運良くあの犯人を死なせずに済んだ。これからもコントロールの特訓をし続ける必要があるこの炎で犠牲を出さないためにも。暴走をしないためにも…

 

「でもその炎であの人を殺さなかったんでしょ。なら今までの特訓が活きて来てるんじゃない!」

 

「えっ」

 

美炎の考え方はポジティブな思考であり燐には思えない考えだった。確かに炎を放出した時できるだけ弱くしたがそれは特訓の成果なのだろうか。燐には偶々上手くいっただけしか思えないのだ。

 

「あんなの偶然できたんでと思うぜ」

 

「その偶然も特訓の成果だと思うよ。だって自分でやって上手くできたんでしょ」

 

美炎は運も実力のうちと言っているようなものだ。燐はあの時できるだけ炎は弱めて出し偶然にも相手を気絶させ上手く行った。その偶然が特訓の成果というのかもしてない。そう考えると段々と自信を持ち始める燐。あの特訓がなかったと考えると失敗しあの犯人を殺めていたかもしれないけど特訓をしていたからこそ死なせずにいったのだ。

 

「確かに、今までの特訓があったからあいつを殺さずにできたのかもな」

 

「私はそう思うよ」

 

美炎は燐に向かい微笑む。燐は微笑む美炎を見て忘れていたことを思い出した。犠牲を出さないため、暴走しない

ための他に仲間のために炎をコントロールするのだ。この世界に来る前はしえみや勝呂たち、出雲、仲間の想いにこたえるという気持ちでコントロールしていた。今もそうだ。けど今は仲間が増えた可奈美、舞衣、そして美炎。この三人の想いにもこたえるために炎のを操れるようになるのだ。そのためにも特訓をしなければならない。燐はこの後の特訓にさらに力を入れた。美炎たちの想いにこたえるためにも…

 

 

 

 

 

 

夕日が沈みきり街の明かりが暗い夜を照らす。その明かりとは別に青い光も辺りを照らしていた。燐はホテルの屋上でロウソクを使い炎を操る秘密の特訓を行っていた。もう殆ど三本のロウソクの内、両端のロウソクにだけ青い炎を灯すことができている。特訓中の燐の隣でクロが様子を見ている。見事に両端のロウソクに炎を灯せるとすごいすごいと自分のことのように喜び飛び跳ねる。

 

「すごいなりん! もう殆どできてるぞ」

 

「へへ。ずっと特訓してたからな」

 

燐が照れくさそうに頭を掻く。クロは心の底から凄いと思ってるから尚更だ。燐とクロでそんなやり取りをしてると誰かが屋上に来た。誰だと思い後ろを向く燐の視界に入ったのはいつもの三人だった。

 

「あ、いたいた。特訓の方はどう燐」

 

「おお、美炎。それと可奈美と舞衣もいるのか」

 

「うん。私たちもいるよー」

 

「特訓中にごめんね」

 

可奈美はいつも通り元気そうで舞衣は燐の特訓中に入って来たからか申し訳なさそうにしている。それで態々三人で燐に会いに来て一体何の用なのだろうか。

 

「実はね。今夜、肝試ししようって話になってて燐も誘おうと思ったんだ」

 

「いいな肝試し! いいのか俺も?」

 

可奈美たちに聞くと参加して良いみたいだ。肝試し、合宿などで夜になるとやる恒例行事と燐にはあり心躍らす。近くの雑木林で何人かで嚇かし役が潜みその雑木林を抜けれたらゴールらしい。そもそも近くに雑木林があったなんて知らなかった。それで二人一組で進んで行くその二人はくじで決める。そのくじで決まった組は

 

「楽しみだなー、俺こういうの全然してこなかったからさ」

 

「へぇーそうなんだ。私は少し怖いかな」

 

燐は提灯を持って楽しみにして舞衣はあまり怖がっている様子はないようだ。燐は今まで多くの悪魔を見て来たのだ今更驚かないが修学旅行などに行かなかった燐にとってはとても楽しみなのだ。舞衣は燐とは違って荒魂という化け物を見て来たからか舞衣も平気そうだ。それに中学生の女の子が考えた肝試しなのだ。あまり怖さがなさそうだがどうだろうか。

 

「なー舞衣。あそこ誰か倒れてね」

 

「多分アレは嚇かし役の人じゃないかな?」

 

最初のポイントに徐々に近付いていく二人。上半身だけ道に出して倒れている女の姿がいた。嚇かし役の刀使だろうが。近くまで来ると苦しそうにしている声が耳に入ってくる。でもすぐ側まで来たが倒れたままだ。近くまで来て急に襲って来るんじゃないかと期待したが違ったようだ。そのまま通り過ぎようとすると倒れていた人が舞衣の足を掴み舞衣はビクき二人は恐る恐る振り返る。

 

「倒れてるのに声を掛けないなんて……ひどいじゃないですかあ!」

 

倒れていた刀使は声を上げる。それに姿は茂みに隠れてて気づけなかったが下半身がなかった。これが中学生レベルの肝試し。さすがに怖すぎだろ。

 

「ひいっ…!」

 

「うおおお! 怖すぎじゃね!」

 

燐は確かに怖いと思っているがその怖さのクオリティが高くそっちに関心が行く。舞衣は燐とは正反対に燐の後ろですごく怯えている。さすがに中学生に下半身のない人間は早すぎたのかもしれない。その後も数々の難所を越えて何とか終盤に入った。

 

「……」

 

「……///」

 

燐と舞衣で終盤まで来ることができゴールを目指しているが二人は何の会話もしていない。燐が思わぬ伏兵にやられたのだ。舞衣が燐の腕にしがみついているのだ。舞衣の十三をは思えない発育に燐の腕は挟まれている。燐にとって今の状況はまずい色んな意味でそれに歩きずらい。転びそうで心配だ。そう思ったとたん木の根に足を引っ掛け案の定転んでしまう。

 

「すまん、舞衣。大丈夫か?」

 

「うん、怪我はないみたいけど…」

 

転んだ際に提灯を落としてしまい周りを照らせなくなった。この暗さで進むと迷子になる可能性が高くなる。どうにか周りを照らせないかと考えると一つしかない。やった事はないがやるしかないないのだ。それに舞衣はとても不安そうにしている。舞衣のためにも今までの特訓の成果を見せる時が燐に訪れた。燐は掌を上に向ける。すると燐の掌に青い炎が灯り辺りを照らす。

 

「よし、これで進めるな」

 

「う、うん」

 

舞衣は少し驚いていたようだがこれでゴールを目指せる。舞衣はまだしがみ付いたままだけど。確かにこの肝試しのクオリティの高さは誰もだ驚き恐怖するだろう。恐るべき美濃関の刀使…。なんとか雑木林を抜けてゴールした二人はホッと息を吐く。

 

「ごめんね燐くん…沢山、迷惑掛けちゃったよね」

 

舞衣は肝試しの迷惑を謝る。確かに途中から腕にしがみ付いてきて歩きづらかったしそのせいで転び提灯を無くした。考えてみれば迷惑を掛けられた。けどそんなんで怒るような燐ではない。

 

「そんな謝んなくていいって。それに…」

 

燐の思ったことをそのまま口に出す。

 

「沢山、迷惑掛けたり掛けられたりすんのは、仲間だったら当たり前だろ」

 

舞衣にとっては驚きの言葉が燐の口から飛び出た。けどやさしい人間である燐だからこそ出る言葉なのかもしれない。燐のお陰で気が晴れた舞衣は燐に感謝の言葉を贈る。

 

「ありがとう燐くん。そう言ってくれると私、とっても嬉しいな」

 

「そ、そうか…良かったな///」

 

舞衣が燐に笑顔を見せる。その笑顔に燐は顔を染め返す言葉からして照れているようだ。今夜はとても怖く怯えてしまう程だった。けれど燐の一言で自分の考えを改める事ができ素敵な夜になったと舞衣は思っている。

 

 

 

 

 

 

強化合宿四日目

午前で可奈美たちのガチ指導が終わり帰りの準備を進めている燐。可奈美たちの流派の指導が厳しいものだった。可奈美は剣術となると熱くなって疲れ舞衣は言葉で説明してくれることがあったけど何言ってるか分からなかった。美炎だと燐が理解する前に集中力が切れてしまい愛想を尽かれた。

 

「ふぅ。思ったより早く終わったな」

 

燐は帰りの準備が終わり出発の時間より早く終わりホテルを出ることのした。外に出ると可奈美が海を眺めていた。可奈美はこっちに気が付き声を掛けてきた。掛けられてしまった燐は可奈美の近くまで歩く。周りを見るが舞衣と美炎の姿がない。可奈美に聞くとまだ帰りの準備中らしい。可奈美は一足先に終わってバスを待つ間、暇のため海を眺めていたらしい。

 

「ねぇ燐くん。燐くんに言いたいことがあるの」

 

「なんだよ。唐突に」

 

可奈美は一呼吸おいて話し始めた。燐は唐突にそう言われて何か可奈美に悪いことをしでかしたのかと考えるが思い当たらない。

 

「今度、御前試合の構内予選があるの知ってるよね」

 

「おう、そのための合宿だったんだろ」

 

そうこの合宿は御前試合に向けて行われたものなのだ。燐もそれは知っている。御前試合、伍箇伝の代表二人が集まって立ち会うその代表を決めるための校内予選が行われるというのが燐の認識ではある。

 

「そう。それで燐くんに…」

 

可奈美が言葉を濁らして良く聞き取れなかった。今朝の可奈美は元気で明るい感じだったが今はなんだか気が弱いように思える。

 

「なんだ。言いたいことがあるんならはっきり行った方が良いぜ」

 

燐は少し強い言い方だったかもしれないが可奈美が伝えたいことを出させる。

 

「ご、御前試合の校内予選で見てくれる!」

 

「いいぜ」

 

可奈美が勇気出して言った御前試合の応援を燐はあっさりオーケーを出した。可奈美は燐のあっさりとした答えに聞き返してしまう。可奈美は聞き返してきたけど燐の答えは変わらない。安堵の息をつくと可奈美はいつもの様に元気いっぱいの女の子に戻った。

 

「それじゃ約束だよ!」

 

「あぁ、約束だ」

 

燐は可奈美と校内予選の試合を見ることを約束した。すると丁度、舞衣と美炎がこちらを呼ぶ声がした。可奈美は真っ先に舞衣たちの方に向かう。校内予選、結果はどうなるか分からない。代表は二人。燐は応援しようと思ってる三人の顔を思い浮かべる。この中の二人が代表として出るかもしくは一人だけかもしれない。でもこの三人は強いそれは事実なのだ。

 

「燐くん、早くー」

 

「おう、今行くぞ」

 

強化合宿も終わり後は御前試合だけその前に校内予選だがどうにかなるだろう。けどこの時の燐はまだ知らなかった御前試合で大波乱がことを起こることを

 

 

 

 

 

 

燐「書くのおせぇな。作者は」

 

可「仕方ないよ。他の小説も書いてるんだし」

 

美「けど三月中に出すって言って最後の日に出すのはどうかと思うよ。しかも夜中に」

 

舞「まぁまぁしばらく忙しかったみたいだし」

 

可「そうだよ。許してあげなよ」

 

燐「まぁ中途半端に終わるよりましか」

 

美「最後に投稿したのいつだっけ?」

 

舞「二月の九日だね」

 

可「大体、二か月くらいだね」

 

燐「まぁ、これからバンバン投稿するだろうよ」

 

舞「そんなこと言ったら作者さんがそうしなくちゃいけなくなるでしょ」

 

美「そうしたら〆切があっていいかもね」

 

可「美炎ちゃん…」

 

燐「多分、次からやっとアニメ本編に入るんだよな」

 

舞「本当はもう一話出したかったみたいでけど」

 

美「めんどくさいんだろうね」

 

可「シーだよ美炎ちゃん」

 

舞「それに作者さんは早く本編を進めたいって思ってるから」

 

燐「どうして?」

 

舞「だってこの前までみにとじがやっていたから本編進めたいんでしょうね」

 

美「作者は変に律儀だからワンシーズン終わるまで書かないよ」

 

可「書くタイミングが悪かったからだね」

 

燐「それに今まで投稿した話、書き直すらしいじゃねぇか大丈夫なのか」

 

舞「多分新しい話を書きながら、書き直していくと思うよ」

 

美「大変だねー。別のサイトの小説書いたり、新しい話かいたり、書き直したりけど、なせばなる!」

 

燐「良し! 大分、稼いだぞ。そろそろ終わるか」

 

可「そうだね。次回もみんなで頑張ろう!」

 

燐・可・舞・美「おーー!」

 

 

 




今後はプロローグから七話を書き直しをしていきます。その時少し内容が変わるかもしれません。でも殆ど変らないようにしますので読み直す必要はありませんので安心してください。
次こそ早く投稿します。


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胎動編
プロローグ


久しぶりの投稿で申し訳ありません。それとやっと本編です。この話は基本「とじとも」の話なので少しネタバレになるかもしれませんのでご了承願います。



「……りん、燐! 起きろ、燐!」

 

「ん……? あれ、何だここ……?」

 

何処からか燐を呼ぶ声がしていた。その声は聞き覚えがないが知ってるような気がした。一体誰が燐を呼んでいるのだろう。それはすぐに分かった。

 

「燐? どうした。決戦前だぞ。ぼーっとするな」

 

「そうですわよ。燐さんらしくありませんわ。ちゃんと気を引き締めてくださいまし」

 

「……あぁ。すまん、心配かけて。真希、寿々花」

 

二人の女性の真希と寿々花は燐をしゃんとさせる。今の燐は少し調子が悪そうだ。そんな燐を平常運転に戻すために他の二人の仲間が燐に声を掛けた。

 

「大丈夫? ……燐お兄さん。……そうだ! いつもみたいに青い炎を出したら良くなるじゃない?」

 

「確かにそうかもな! いい考えじゃねぇか結芽!」

 

薄紫の長い髪の少女、結芽が燐にそう提案する。燐はその安を早速、行動に移して倶利伽羅を抜刀しようとするとそれを止める声が掛かった。

 

「二人とも、そこまでにしましょう。そろそろ行動開始の時間です」

 

白い髪で髪先が黒い少女の夜見が行動開始の時刻を伝える。此処にいる四人はなぜか燐は知っている。それに親しい仲でもある。そして今、決戦の時が来ていた。

 

「皆、隊列を組め! これから最後の作戦に突入する! お待たせしました……紫様」

 

「うむ。……!」

 

真希が燐たちに隊列を組むように指示をする。皆それぞれ持ち場について燐も自分の場所に急ぐ。戦闘態勢の状態になると折紙家の御当主である紫が姿を現す。そして紫は声を張って指示を出す。

 

「写シを張れ! 備えよ! これより■■■を討伐する! この戦いが人類の明日を決すると知れ!――抜刀!」

 

紫の指示と同時に燐たちは抜刀し目の前の巨大な荒魂を討伐しにかかる。燐も青い炎を燃やして斬りに掛かる。そこから親衛隊の猛攻が始まった。その流れに乗ろうと燐は走り出すが段々目の前が暗くなってきた。意識が朦朧としていきもう目の前が見えなくなった。だがまた意識が戻り始め目を開けるとそこは美濃関の寮の燐の部屋だった。

 

「今のって……夢だったのか……?」

 

燐はさっきの見ていた出来事を夢と判断し思い返すが夢に出てきた人たちが全く分からなかった。一体燐は何を見せられたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

御前試合の校内予選が終わり代表は可奈美と舞衣となった。残念だったが美炎は可奈美に負け準優勝となった。そして本番を向かえる前のある日、燐は朝食を食べ終えて校内を歩き回っていた。すると曲がり角から美炎と達夫と美濃関の制服を着いない見たことのない青髪の女の子が目に入った。

 

「あっ。燐だ! ヤッホー」

 

「よう、美炎と達夫と…誰だ?」

 

美炎がこちらにに気づき燐は美炎達に近寄る。二人は見知った顔だがもう一人は初対面の人。見た目だけ見ると燐の好みの女性だ。

 

「紹介するね。この人はちぃ姉ぇ、私の幼馴染のおねぇちゃんだよ。それでこっちが燐、私たち刀使の任務を手伝ってくれる人」

 

美炎を大雑把な紹介をしてくれた。大雑把過ぎて分からないことがまだあるけどそれは燐の今後、過ごしていく中で分かるだろう。

 

「長船女学園三年、瀬戸内 智恵よ。よろしくね」

 

「奥村 燐だ。よろしくな」

 

智恵が右手を前に出してそれに答える様に燐も手を出して握手する。燐はまさか年上だと思っておらず内心驚いている。智恵は燐のことを正直手間のかかりそうな子だと認識していた。この智恵と名乗る子は長船女学園の生徒と言っていた。長船は確か伍箇伝の一つと耳にしている。そんな子がなぜここにいるのだろうか。

 

「ちぃ姉ぇは里帰り中でそのついでに興味本位で私に会いに立ち寄ったみたい」

 

特に大した目的の為で来たようではない様子。それで美炎は折角だからと美濃関学院を案内していると途中で達夫と会い刀使による部隊運用のシミュレータを試すことになったらしい。

 

「折角だから燐もやってみたらどうだ?」

 

「おう、いくいく!」

 

燐は正直任務があるまで暇だし丁度、体を動かしたいと思っており達夫の誘いを断る理由がなかった。そして燐も加わり四人でシミュレータルームへと向かう。シミュレータルームに着くと達夫が準備は始める。美炎が真っ先に部屋の中心に立つ。

 

「燐! 早く早く!」

 

美炎は子どものように燥いで燐を自分の所まで手を招く。燐もテンションが上がっているのか燥いで美炎の所まで行く。その二人の姿を智恵は見ていると微笑ましく思った。自分の中にあるお姉ちゃんとしての心が揺さ振られているのかもしれない。

 

「それじゃ二人とも、フィールドの設定は美濃関の道場。対戦相手は、適当に刀使の部隊を配置して、敵の練度は最低でいいか?」

 

「もっと強くしてオーケーですよ! 私の指揮能力を見せて上げマス!」

 

達夫が設定の内容を言うと美炎は相手の練度をもっと上げていいと言った。美炎は美濃関の選抜戦で準優勝の腕前だ。最高難易度でもどうにかなりそうに思える。達夫は軽く心配したが智恵はもっと心配していた。

 

「大丈夫なの? 最初は簡単な方が……」

 

「大丈夫! なせばなるっ! だよ! 燐もいるから安心して」

 

美炎はいつもの口癖を言って智恵に返す。猪突猛進な考えでではあるが横に燐がいるのだ。いざという時にはどうにかなるという考えに至りそのままシミュレーションを開始した。美炎は御刀を抜刀して燐は降魔剣を鞘から抜いて青い炎を纏う。美炎にとってはいつもの光景だったが達夫と智恵には燐の姿は驚きだった。噂で達夫と智恵はある程度の話を聞いていたが本当と思っていなかった。

 

「いくよ! 燐!」

 

「おう! いくぜ!」

 

燐は美炎たちから学んだ3つの流派をまずは見せつける。その燐の背中はとても頼もしいものだった。美炎も負けず劣らず自分の剣術で敵を倒していった。

 

 

 

 

 

 

シミュレーションが終わり燐と美炎は刀を仕舞う。燐はこのシミュレータを試している内にまるでゲームのしているような感覚になり楽しそうだった。朝のいい運動にもなり燐は満足していた。

 

「ね、こんなのゲームみたいなものだし。意外となんとかなるものでしょ?」

 

「そうだな。楽勝楽勝!」

 

燐と美炎は余裕の表情を見せる。選抜戦準優勝の美炎と実践を積んでいる燐だと難易度が高くても容易いようだ。けどまだまだ二人まだ未熟だ。

 

「あくまでまぐれではない、と。じゃあ、そういう事にしておくよ」

 

「そうですね、そういう事にしておいてください」

 

達夫と智恵は微笑んでいた。それを見て美炎は頬を膨らます。どうやら偶々、勝てたと思われてるらしい。

 

「む、なんで二人ともニヤニヤしてるわけ? 実力だよ実力!」

 

燐もそれに便乗してそうだーそうだーと喚く。そんな二人をスルーして話を変える達夫。

 

「まあいいじゃないか安桜。それはそうと瀬戸内さん、うちの学校ではあともうひとつ、赤羽刀の再生にも力を入れているんですよ」

 

「ああ! 荒魂が落とすアレだよね、赤羽刀って。あの錆びてる御刀」

 

「間違いじゃないけど……大雑把ねぇ」

 

三人で赤羽刀の話をしている中、燐は話に付いて行けずにいた。燐は正直にいうとこの世界に関したことの知識が全くない。無知なのだ。話についていけなくて当然だ。こっそり部屋を出て行こうとすると智恵があることに気づき燐は足を止める。

 

「もうこんな時間! 美炎ちゃん、授業大丈夫?」

 

「あ、ほんとだ! 一時間目は……神代日本史かぁ……さぼっていいかな?」

 

美炎は一時間目からの授業をさぼろうとするが智恵に却下されて行くことになった。その間、智恵は美炎の部屋待っているらしい。そして燐も部屋で過ごそうと寮へと戻っていった。




何か長文書けなくなっていてすみません。


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