やはり俺たちがスタンド使いなのはまちがっていない。 (青い外套の剣士)
しおりを挟む

一部 俺たちが再び動き出すは間違っていない 俺たちは奇妙と出会う⑴

書きたくなってしまった

※追記ー瞳の色を変えました。


〈比企谷八幡side〉

 

俺は周りの人達とは違っていた。

 

主にどう違ったかと言うと、まず話す内容や思考が大人みたいだという事。

それは妹がいるからしっかりしていると、周りは言っている

 

もう一つ、これは不思議でしょうがない。

 

俺には周りには見えない『何か』が見えた。

ソイツは人の形をしているが生物ではない。人型の幽霊のような異形。

ソイツは俺の思い通りに動き、俺の意思に従った。

 

あともう一つ、これも不思議すぎるものだ。

 

俺は特殊な呼吸法が出来る。

「コオォォォォ」と声を出し、胸の空気を全部吐き出すイメージで呼吸すると力が湧いてくる感覚がある。

この力だが色々な使い方がある。

水の上に立てたり、髪の毛を針のように固くしたりと様々だ。

 

 

「んじゃ、いってきまーす」

 

「いってらっしゃい、お兄ちゃん」

 

「いってらっしゃい」

 

妹の小町とお袋に見送られて俺は家を出た。

 

俺は比企谷八幡。小学二年8歳だ。

もっとも普通じゃあないが。

 

 

 

 

「比企谷」

 

学校に行く途中、後ろから声をかけられた。

まあ、かけるとしたらあの二人の内どっちかだが。

顔だけ後ろに向けると、ランドセルを片方の肩にしかかけていない男。

黒髪に何故か黒目の部分が水色っぽいの奴、白月正永(しろつきしょうえい)

俺と同じで特殊な呼吸法や謎の異形を使え、大人と同じ思考を持っている。

 

「白月か、何だ」

 

「由比ヶ浜が追っかけてきてるぞ」

 

げっ、それを聞いて俺はそこから特殊な呼吸法をして全速力で走り出した。

何で急に走り出したかというと、俺を追っかけてきている奴が関係している。

そいつは由比ヶ浜結衣、明るい茶髪をお団子にしている女子だ。

結衣と俺は家も近くで幼馴染、仲もいい。

じゃあ、何で逃げてるのか?

結衣は学校で人気者なんだよ、学校で一緒にいると周りの奴らがウザい、というよりも面倒くさいんだよ。

それは結衣にもちゃんと話してるんだけどな、アホの子だからか言っても一緒に登校しようしてくるんだよ。

それで今みたいに逃げると機嫌を損ねちまう。

これ、学校が終わったら結衣の機嫌直しになるなこりゃあ。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

比企谷が全力で走っていった直後、

 

「ヒッキー!」

 

物凄い速さで何かが俺の横を通過していった。

まあ、声で誰か分かるがな。アイツも大変だな。

 

俺は白月正永。日本人なんだが、目の色が何故か銀色で本当に日本人か疑いたくなっちまう。

あと俺には周りとは違うことがある。

 

まず一つ目、物事の考え方と話の内容が大人のそれと同じだってこと。

 

二つ目、人型の幽霊のような『何か』が見える。

比企谷を例外として、周りの人には全く見えない。

あと例外がいた、俺の家族だ。親父と母さん、そして2歳差の妹と弟も見ることが出来る。親父は形は違っても同じように『何か』を出せる。

因みに親父の『何か』はスズメバチの姿をしていて、親父は『何か』をスタンドって言ってる。

 

最後の3つ目、特殊な呼吸法が出来るという事だ。

「コオォォォォ」と声を出して胸の空気を全部吐き出すイメージで呼吸すると力が湧いてくる感覚がある。

まあ、これは他の二つとは違って親父から教わった事で、この呼吸法は『波紋法』といい、湧いてくる力は『波紋』というらしい。

結構この波紋、応用がかなり効く。

池の上で立つ事が出来たし、コップとかに水を入れて波紋を流すと、誰かが近付いてくると波を立ててその方向で何処から来るのか分かったり、

髪の毛を針のように固くしたりと色々と出来た。

 

えっ、もう知ってる?メタい、まだ公式のメタ発言した奴出てきてないだろ。いや、何言ってんだよ俺は。

 

まあ、こんな平和だったからかね、

2007年8月、まさか俺たちの運命の歯車ってやつが動き出す奇妙でデカ過ぎる出会いがあるがあるなんて予想外だったぜ。

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

俺たちは奇妙と出会う⑵

もう少しでストーリーが動きます。
しばしお待ちください。


〈白月正永side〉

 

俺は学校が終わると一直線で家に向かっている。

因みに比企谷は由比ヶ浜の機嫌を損ねちまって、機嫌直しに行ったぜ。

あの二人、小2なのに恋人みたいな感じになってるんだが、本当に付き合ってねえのか?

まあ、それは今は関係ないな。

 

そんなこんなであっという間に日本屋敷に着いた。俺の家なんだが来た奴はかなり驚くんだよ。

比企谷なんて初めて来た時に「このボンボンめ」なんて言ってきたしな。ボンボンってひどいぜ。

確かに親父は小説家として売れてて裕福なのは認めるが、威張ってもないし、親父も地位とか名誉とか、あと金は多少気にしてるけど、普通の生活が出来るぐらいあればいいって言っててそこまで執着してねえ、むしろ読者が楽しんでくれればそれでいいって言ってる。

俺は親父のそういう所を尊敬してる。

 

「ただいまー!」

 

「おかえり、正永」

 

俺が帰って来ると親父が出迎えてくれた。

親父の名前は白月勇吾、男なのに黒髪を後ろに伸ばしている。

あといつも和服を着てる。それに影響されて俺も休みの日にはよく着ている。

全部親父の子供の頃のお下がりだけど結構渋い物でかなり好きだ。

 

「ただいま、親父。母さんと二人は?」

 

「三人とも縁側で寝てる。グッスリだ」

 

「了解、荷物置いて来る」

 

「正永、荷物を置いたら俺の部屋に来てくれ、話がある」

 

「分かった」

 

そう言うと俺は直ぐに自分の部屋に向かった。

にしても親父、急に真剣な表情になったけど、なんの話なんだろ。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月勇吾side〉

 

正永が部屋に荷物を置きに行った。

 

俺も部屋に行かないとな。俺は白月勇吾、歳37で小説家だ。

そして波紋使いであり、スタンド使いだ。

 

因みに妻の綾香もスタンド使いで三人の子供達もスタンドは発現していないがスタンドを見ることができる。

まさか家族全員スタンドがみえるとはな、凄い偶然ってやつだ。

 

俺は懐にしまっていた一枚の写真を取り出す。

そこには何人も男と一人の少女が写っている。

そして集団の中には有名人がいる。

年相応の老人。アメリカの不動産王であり、歴戦の波紋使いでありスタンド使い、ジョセフ・ジョースター。

他にも名前は分からないが、リーゼント姿の男、亀を持った金髪で前髪をロールにしている男、周りの男よりも身長が小さい男、

そして緑がかった黒髪の正永と同世代ぐらいの少女。

 

この写真はジョースター家の関係者が写っている。

 

ジョースター家、スタンド使いの間で有名になっている一族、奴らのエジプトでの戦いはスタンド使いの間じゃ有名だ。

そんな奴らが来たって事は、この町で、俺たちのこの町で何か起きるってことか?

何かとてもヤバい予感がするぜ。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

部屋に荷物を置き終わると、俺は和服に着替えると直ぐに親父の部屋へ向かった。

 

「親父、入るぞ」

 

「おう、入ってくれ」

 

親父の許しが返ってくると俺は親父の部屋に入室した。

 

「座ってくれ」

 

親父は真剣な表情で座っていた。俺は親父の前に胡座で座った。

 

「正永、大事な話がある」

 

そう言うと親父は和服の懐から一枚の写真を取り出して、それを畳みの上に置いて俺に見せて来た。

 

「親父、この写真って?」

 

そこには年相応の老人、リーゼント姿の男、金髪を前髪でロールしている男、緑がかった髪の女の子、身長の小さい男、金髪の男が持っている亀が写っていた。なんなんだ、この集団。

 

「その写真は自警団の仲間が成田空港で撮ってきたものだ。そして写っているのはジョセフ・ジョースターとその関係者だ」

 

トンデモない事が飛んで来たぞ。ジョセフ・ジョースター、アメリカの不動産王。

そんな有名人がどうしてこの町に?

 

因みに、自警団の事なんだが。うちの曾祖父ちゃんが町を守るために作ったんだ。

それのリーダーを祖父ちゃん、親父と受け継いでる。

もっとも、いつも漫画とかのヒーローって訳じゃない、普段は地域見守り隊って感じでパトロールをしてて、町の人たちにも結構親しまれてる。

 

「何で、こんな有名人が」

 

「何でこの町に来たのかは分からない。本当はお前に言う事じゃないんだが。

正永、手伝ってくれ。ジョースター一行は近くに来ているらしい、そこを監視する」

 

これが要件か、確かに子供に言う事じゃあないな。でも、

 

「わかった、でも何で俺なんだ?親父のスタンドなら監視ぐらい出来るだろう」

 

手伝うけどよ、何で俺の手伝いが必要なのか気になる。

 

「それはジョセフ・ジョースターが関係してる。奴もスタンド使いだ、だからスタンドがうまく使えない。下手をすれば気付かれる。

でもな、子供のお前なら怪しまれないかもしれない」

 

まさか、不動産王がスタンド使いなんて、驚いたぜ。

 

「不安かもれないが、安心しろ。お前から少し離れた所で俺と俺のスタンドが待機する」

 

「了解、頑張るぜ」

 

親父が真剣に表情で話をするのは俺たち家族や、町に何かが起きる時だ。

俺も家族を護りたい、だからやれる事をやるぜ。

それにバレたら波紋使って逃げればいい。

 

 

そして俺は親父とジョースター御一行の向かっている場所へ向かった。

どうやってその場所を知ったんだろ?

 

←to be continued




早くスタンドバトルが書きたい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

俺たちは奇妙と出会う⑶

〈白月正永side〉

 

俺と親父は家を出てジョースター御一行の向かっている場所へ先回りした。

そこはうちから少し離れた霊園だった。

 

「ん?あれは。正永、付いて来てくれ」

 

霊園に着くと、親父は中に入っていった。俺もそれに付いていくと、ある墓の前で多くの人達がいた。

 

「これは、一色さん」

 

「あら、白月さん。白月さんも墓参りに?」

 

「ええ」

 

親父はその中で近所の一色のおばさんと話している。

そんな中、霊園の入口付近の駐車場に一台のバスが停まった。

そこから車椅子に乗った年相応の老人、リーゼント姿の男、金髪前髪ロールの男、身長の小さい男、緑がかった髪の女の子が降りて来た。

ジョースター家、もう来たのかよ。

 

「僕たちもその従兄の方に線香をあげてもいいですか?」

 

「ありがとうございます、白月さん」

 

親父はなんか線香をあげてもいいか聞いてるし、なんかOK来ちゃったよ。

それで俺と親父は墓の前へ行く、そして線香をあげるために墓石を見た。

 

花京院家之墓。

 

それを見た瞬間、酷い頭痛が俺を襲った。

気分が悪い、吐き気もする。

 

『俺は人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!』

 

『お前は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?』

 

『ディオ…君のいうように、僕らはやはり二人で一人だったのったのかもしれないな

奇妙な友情すら感じるよ…』

 

『宿命ともいうべき・・・か

始末すべき宿命 抹消すべき因縁・・・・』

 

『死ねィ!花京院ッ!』

 

俺の知らない記憶が映像として流れ込んできた。

金髪の男と黒髪の男とその一族と仲間との戦い。

知らない記憶だ、でも俺はこの記憶が何なのか理解してしまった。

 

「ァァあああああああ!」

 

思い出したくもない記憶のショックで俺の意識は沈んでいってしまった。

 

 

◆◆◆

 

 

ー正永が記憶を思い出す前ー

〈東方仗助side〉

 

成田空港で俺ーー東方仗助はアメリカから来るジジィーージョセフ・ジョースターとそれに同行して来る面子を待っていた。

 

「来たな、ジジィ」

 

ゲートからジジィと義理の妹の静、金髪の少年ーージョルノ・ジョバーナとそいつが持っている亀のポルナレフさんが出てきた。

 

吉良との戦いが終わった後、俺は無事に高校を卒業した。

そこから俺は教師を目指して進学したんだ(受験は本当にギリギリだった。主に面接で)。

この前は教育実習生としてぶどうヶ丘中学校で授業をしていた。

 

「すまんのう、仗助」

 

「いや、もう夏休みに入るからな、問題ねえよ」

 

いや、急に呼び出されたのは驚いたぜ?

今日はジジィと承太郎さん、亀のポルナレフさんが人間の時に一緒に旅をした人の命日らしい。本当は承太郎さんも来るはずだったんだが、

急の仕事で来れなくなったらしいくてな。

俺は静の面倒を見るために呼ばれた。

 

「仗助お兄ちゃん、久しぶり」

 

「おう、久しぶりだな静」

 

静とも会うのも正月に杜王町に来た時以来で七ヶ月ぶりだ。

それから俺たちは空港の外に出た。

 

「ジョースター卿、ここからの移動はどうするんですか?」

 

「ここからはバスに乗って目的地に向かう」

 

「ああ、案内人ももう少しでくるぜ」

 

俺はジジィ達が来る前に会ったけどよ、まさかあいつだなんて驚いたぜ。

凄く頼もしい奴だ。

 

「ジョースター御一行様はこちらのバスになります。ジョースターさん、お久しぶりです」

 

「康一くんじゃあないか、久しぶりじゃのう」

 

そう、案内人ってのは俺の高校時代の親友、広瀬康一だ。

SPW(スピードワゴン)財団から紹介してもらったアルバイトで雇われたらしい。

康一は高校卒業後、当時から付き合っていた山岸由花子と結婚。

今は娘も出来て、日本有数の大学に通いつつ、アルバイトをして夫婦一女の家庭を支えている。

噂じゃあ嫁の広瀬由花子によるスパルタじゃあ生温い猛勉強の結果、SPW財団から幹部候補としてスカウトを受けているとかいないとか。

まあ、噂の真偽は兎も角、俺たちの案内人にはピッタリな奴だぜ。

そして俺たちは霊園に向かった。

 

 

「今年も時間が被ってしまったな」

 

「花京院の家族か、仗助。静を頼んだぞ」

 

「わかったよ」

 

霊園に着くと、俺は静の手を引いて人目のいない場所に移動する。

バスの移動中に聞いたんだが、花京院典明さんの家族はジョースター家を目の敵にしているらしい。

経緯はどうであれ、花京院さんを親の承諾も無しにエジプトまで連れ出し、結果死なせてしまったのだから。

ジョースター家はそれを仕方ないことだと受け止めているらしい。

 

それで負の感情をぶつけられるらしい。

ジジィ達大人は問題なんだが、静はマズい。赤ん坊の時みたいに感情で暴走したらヤバいからな。

それで移動したんだが、花京院さんの遺族はジジィ達が近づいても気づいていない。

それどころ静と同世代の少年が発狂して、場が混乱している。

 

そして急にその少年からクレイジー・ダイヤモンドに似たスタンドが出現した。

花京院の人達は一人の少女と少年の近くにいる男以外はスタンドに気づいていない見たいだが。

 

「Oh My god!ま、まさかあれは・・・あのクソッタれスタンドは!」

 

「なっ、何であのガキから、あのスタンドが」

 

「「DIOのザ・ワールド!!」」

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VSザ・ワールド⑴

視点がコロコロ変わります


<白月勇吾side>

 

『無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

「なっ、なにー!正永からスタンドが!発現しただと!」

 

俺はすぐに正永から離れた。

正永が急に発狂し、逞しい体つきをした金色の人間型のスタンドが発現し、周囲を攻撃し始めた。

少し離れた場所にいる一色さんの娘さんのいろはちゃんと正永からすぐに距離を取った俺以外が

殴り飛ばされて意識を失ってしまった。

そしてすぐに俺はスズメバチ型のスタンド『キラー・ホーネット』で応戦する。

 

「行け!キラー・ホーネット!」

 

キラー・ホーネットはそのスピードで金色のスタンドを翻弄する。

そしてその鋭い針で攻撃する。

刺さった、キラー・ホーネットの針が刺さった。勝った、俺の勝ちだ。

 

キラー・ホーネットの能力は毒の生成し、その毒の操作をすること。

針が刺されば、そこから毒が侵入する。

そして今、打ち込んだ毒は二秒間ほど意識を失うほどの激痛が襲う毒。

これですぐに正永は気を失う。

 

 

 

その筈だった。急に俺の体が衝撃に襲われ、後ろへと吹っ飛び、別の墓石に叩きつけられた。

 

「ぐはっ!ぐっ、な・・にが?」

 

一体何が起きた?キラー・ホーネットの針はあのスタンドに刺さった筈。

なのにあのスタンドも正永もピンピンしている。

それに何で俺とキラー・ホーネットが吹っ飛ばされてるんだ。

 

「アンタ、大丈夫か!?」

 

ジョセフ・ジョースターの関係者のリーゼント頭の男か、しかも背後に人型のスタンドを出してる。

スタンド使いか、ここは協力するしかないな。

 

「正直大丈夫じゃあない。お前スタンド使いだろ、手を貸してくれ。あのスタンドを倒す」

 

 

◆◆◆

 

 

<東方仗助side>

 

『無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

少年から出たスタンドは出た次の瞬間、周囲に破壊を巻き起こしている。

花京院さんの親族も少し離れた所にいる少女と少年の近くにいた男、二人の例外を除いて殴り飛ばされて意識を失っている。

少年の近くにいた男は少年からスタンドが出てすぐに離れて、スズメバチ型スタンドを出して応戦しだした。

 

「ヤバイよ、仗助君!あのスタンド暴走してる!ジョースターさんは何でフリーズしたみたいに動かないんだ!?」

 

ああ、分かってるよ康一。

今問題なのは、スタンドの本体の少年が意識はあるのにしっかりとした自我を持っていない事だ。

子供のスタンド使いが自らのスタンドを制御できずに暴走させるのはよくある事だが、

あの少年のスタンドは周りの墓石をあっさりと破壊する程のパワーだ、

単純な破壊力は少年のスタンドじゃあねぇ。

 

っつうか。

 

「何であのガキのスタンドのくせに大人の人型をしてるんだ!?」

 

普通、完全な人型スタンドは本体の精神年齢に合わせて、その姿形をしている。

なのにあのスタンドは小学二年生ぐらいの子供が操るには不相応な完全な大人の姿をしてやがる。

 

「そんな事を考えてる場合じゃあないよ、仗助君!怪我人が「ぐはっ!」多すぎるって・・・」

 

突然、人型スタンドに応戦していた男が急に俺と康一の近くの墓石に吹っ飛ばされてきた。

何で急に飛んできたんだ!?

 

「なっ、何が起きたんだ!さっきまで応戦していたスタンド使いの男が急に吹っ飛んできたぞ!」

 

康一が俺の思っていた事と同じ事を言った。

俺は静を康一に預けて、クレイジー・ダイヤモンドを出して男に近寄る。

 

「アンタ、大丈夫か?」

 

男は頭から血を流している、早くにクレイジー・ダイヤモンドで治さねえと。

 

「正直大丈夫じゃあない。お前スタンド使いだろ、手を貸してくれ。あのスタンドを倒す」

 

なっ、まずは周りの救助が先だろ!

俺は男の頭部の怪我を治すと俺たち側にいる人型スタンドの被害者の怪我を治す。

問題なのは人型スタンド側にいる怪我人だ。

ジョルノの手助けも借りたいんだが、ジジィと一緒にフリーズしてやがる。

切り抜けるか・・・・いや、切り抜けるんじゃあねえ

 

「ブッ飛ばし抜ける!」

 

『ドララララ!』

 

『無駄無駄無駄!』

 

スタンド同士の殴り合い。承太郎さん風に言えばパワー比べだ。

ぶつかり合う拳と拳。パワーは互角。

その歳でクレイジー・ダイヤモンドと互角なのは厄介だが

相手は子供で暴走スタンド、勝つのは難しくない。

 

「攻撃が一辺倒なんだよ!」

 

俺は奴のスタンドにローキックを仕掛ける。

だが、

 

 

「カハッ!」

 

それは届かなかった。

突然、腹部を殴られる衝撃と共に俺の体が吹っ飛ばされ、

俺は墓石に激突した。

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VSザ・ワールド⑵

<ジョルノ・ジョバァーナside>

 

大きな轟音で僕は放心状態から我に戻った。

轟音が鳴った所を見ると、そこには仗助さんが墓石に叩きつけられていた。

 

(護衛をつけてこなかったのは失敗だったかな・・・フーゴかミスタのどっちかを

連れてくれば、少しは安全な作戦が考えられるんだけど)

 

いや、そんな事を思っても二人はこの場にいないのだから無駄だ。

 

(でもこの状況をどうにかは出来る)

 

こんな状況は六年前の先代から送り込まれた刺客との戦いでは当たり前の事だった。

父、DIOと同じスタンドが突然現れた事で動揺してしまい、初手こそ譲ってしまったが、

この程度の事態に対処出来ない様では先代ーーディアボロとの戦いで生き残るのは

不可能だったのだから。

 

『無駄ぁ!』

 

僕はゴールド・エクスペリエンスであのスタンドが破壊したいくつかの墓石を小型犬に変える。

僕のスタンド、ゴールド・エクスペリエンスは仗助さんやこの場にいない承太郎さんのスタンドの様に

パワーが優れているわけではない。むしろ人型スタンドの中では基本性能は低い方だ。

 

でも、僕には僕にしか戦い方がある。

無機物から生物を産み出す能力の基本的な使い方、産み出した生物が受けた行為をそのまま相手に返す能力。

無差別に破壊をもたらすあのスタンドに対してこの能力は一番効果的だ。

あの犬達を近づければ相手は勝手に自滅する筈だ。しかし、この戦いでこれが最適解か、と言われるとそれは

エローレ(間違い)だ。この戦いはただ勝てば良いと訳ではない。

彼が明確な敵ならば生死を問わずに戦闘不能にすればいいが、彼は自我を無くしている状態で自分のスタンドが暴走しているだけに過ぎない。

つまり、彼が何者であれ死なさずに捕らえるのがコンゼツォリ ビニタリア(絶対勝利条件)だ。

だが、僕自身があのスタンドの攻撃を受けきれるかどうか、となると不可能だとしか言えない。

 

(兎に角、今はザ・ワールドを撹乱させる。彼を無力化させる手段はその時考えればいい)

 

とりあえず方針を決めると、僕は犬を動かそうとする。

 

「ジョルノ君。君はザ・ワールドを撹乱させるつもりかの?」

 

車椅子に座っているジョースター卿が僕に話しかけて来た。

 

「ええ、何か作戦があるのですか?」

「ああ、儂に考えがある。じゃから君には出来る限りザ・ワールドを引きつけてもらいたいんじゃが、

頼めるかのう?」

 

僕は驚いて目を見開き、ジョースター卿を見た。

 

 

ジョセフ・ジョースター卿

 

かつて若かりし頃、父や父と同じ人外の力を得た者、それらを作り出した異形の者達と戦い、

勝利した歴戦の勇者。

 

しかし、今は足腰が弱くなり車椅子頼りで、ボケがきている。

普段なら耳を貸すことはないだろう。だが、今のジョースター卿の目は力強い意志を感じる・・・・

信頼に足りることが出来る目だった

 

「わかりました、あなたに従います」

 

僕はジョースター卿のその目を信じることにした。

 

 

◆◆◆

 

 

〈ジョセフ・ジョースターside〉

 

(儂自身が戦うのはかなり久しぶりじゃのう)

 

確か19年ぶり・・・エジプトの戦い以来じゃのう。

8年前は仗助の手伝いをしようとわざわざ杜王町まで来たというのに、いざ到着してみればポッポ・ポッポ・ハトポッポ(それともコッコ・コッコ・コケコッコじゃったかな?)

との戦いは既に終わっていたようなものじゃた。それ以降、吉良との戦いでも儂自身が戦線に立つ事はなかった。

そういった点から身近な者でも儂がまだ戦えると言ってもボケ老人の戯言などと言いおってまともに信じてくれる者は誰一人としておらん。

 

儂は波紋の呼吸を整えながら、儂は車椅子から立ち上がった。

 

ジョルノ君とか、ごく稀にしか会わん者は勘違いしているが、儂は今でも自分の足で立てるし、

その気になれば走る事もできる。杜王町で静を拾った時に杖を振り回して追いかけて来る仗助と追いかけっこをしたくらいじゃ。

車椅子もスージーが使っているから同じ扱いで乗せられているだけに過ぎん。

波紋使いの身体能力をそんじょそこらの人間と一緒にされても困るものじゃ。

 

儂はジョルノ君の犬たちに翻弄されているザ・ワールドを見据える。

じゃが、狙いはスタンドではない。何かに悶え苦しんでいるあの少年じゃ。

 

 

「ハーミット・パープル!」

 

儂は右手から紫色の(いばら)のスタンド「ハーミット・パープル」を伸ばし、少年に巻きつける。

 

「そして喰らえ!太陽のエネルギー、波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

そして電流のようなエネルギーの波が少年に流れる。

波紋は吸血鬼の特効攻撃だが、何も吸血鬼だけに効くわけでわない。普通の人間の意識を奪う位は余裕で出来るのじゃ。普通に気絶すればこれで決着がつく。

 

「やめろ!ジョセフ・ジョースター、そいつに波紋の攻撃をするな!」

 

突然男が儂の攻撃を制止させようと声をあげた。どういう事じゃ?

 

儂はこれで終わったと思ったのじゃが。

 

「波紋を逆に流し返して来るじゃと!」

 

儂は危険を感じ、ハーミット・パープルを引き離す。

信じられん事じゃ!あの子供、若い頃の儂の様に無意識に波紋の呼吸をしておるのか!

それも、ヴェネチアで修行を積んだ頃の儂と同じレベルの波紋の量じゃ!

長年波紋の修行を怠ってきた今の儂では、全盛期レベルの波紋を受けて無事に済む自信がない。

 

「Oh My god!何て事じゃスタンドだけじゃあなく、波紋まで使ってきよるとは!あの歳であそこまで厄介な相手なんぞ初めてじゃわい!」

「だから行ったんだ!気をつけろ、ジョセフ・ジョースター。あいつはあの歳で波紋法を完全に習得した天才だ」

 

先程儂に声を掛けた男が儂の方に歩いてきた。それから今何と言った!

見るからに静と同じ歳の8歳辺りの筈、その幼さで波紋法を完全に習得しただと!

儂の様に無意識に波紋の呼吸をしていたのでは無く修行をし身につけたというのか。

それにコイツは話の感じからあの子供の関係者なのか?

 

「君は一体何者じゃ、その話の感じからあの少年の関係者らしいが」

 

「俺は白月勇吾、この町に住むスタンド使いであり波紋使いのしがない作家だ。そして今暴れているのは白月正永、俺の息子だ」

 

まさか父親とは、それにこの町に波紋を使える者がいると驚きじゃ、しかもスタンド使いでもあるとは。

驚いているのも束の間、ザ・ワールドは儂の体に戻るハーミット・パープルを追って追撃を仕掛けて来る。

しかも照準は儂と隣にいる勇吾じゃ。

儂は奴の拳を左腕でガードし、殴られた勢いを利用し後方に飛び退く。

攻撃を受けた儂は地面を転がり、勢いを利用して起き上がる。

勇吾も左腕で攻撃をガードすると、攻撃の勢いを利用し飛び退き、後方に綺麗に着地した。

これでお互い、ザ・ワールドの射程から逃れる事は出来た。

今の一発で義手は壊れてしまったが、まだ戦う事は出来る。

仗助も復活し、戦線に復帰しようとしている。

少年を倒す事は出来なかったが、時間稼ぎは出来たはずじゃ。

 

そんな時、少年とザ・ワールドが儂らの後ろから伸びてきた幾つもの鎖で縛られた。

儂は後ろを振り向くと、霊園の入口に一人の女性がと一人の少年がいた。

女性は黒髪を腰辺りまで伸ばし、その顔はまるで造られたものの様に美しい。

少年の方は、鋭い目付きで黒髪に一本だけ髪の毛が跳ねている。

鎖は女性の右手から伸びていた。

 

「勇吾と正永の帰りが遅いと思ったら、何か変な事になっているわね」

 

「何であいつが暴れてるのかは後だ」

 

「ええ、理由は凄く気になるのだけれど、まずはね」

 

「あいつを止める!」

 

「お仕置きよ、ブラック・ロック!」

 

何という事じゃ!二人からスタンドが出てきよった。

女性の方は日本の着物を身に纏った女性の人型スタンド、

少年の方はスター・プラチナに似た白色の人型スタンドだった。

 

←to be continued




はい、最後に今作のもう一人の主人公が出てきました。
というか、主人公が主人公してないな


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決着VSザ・ワールド

〈比企谷八幡side〉

 

俺は暴れている白月を見据える。アイツは俺の隣にいるアイツのお母さんである白月綾香さんの出している

幽霊から伸びている鎖で縛られている。

 

面倒だ、どうしてこんな事になった?

朝の件で結衣の機嫌を損ねちまったから、学校が終わった後に散歩(結衣曰くデート)に付き合う事になった。

それであっちこっちに行ってたんだが、霊園近くを通る時に焦って後ろから走ってきた綾香さんが俺たちを追い抜いて行った。

その時、俺に妙な感覚があった。それで俺も霊園に向かったんだ。

 

それでいざ霊園について見ればこれだ。明らかに面倒な事だし、霊園の外で結衣を待たせている。だから、

 

「あいつを止める!」

 

俺は幽霊を出す。

昔から、いや結衣と仲良くなってから、『コイツ』は俺の近くに出てきた。

出てきても何かする訳ではない、いや偶に高い所にある物を取ろうとする時とかはそれを取ってくれる。でも俺の家族や結衣、結衣の家族にも何もしない。

 

コイツは俺が遠くへ行けと言えば10メートル位離れる。

今まで要らないと思っていたのが一番今必要だ。

 

「八幡君、頼みがあるのだけれどいいかしら?」

 

俺は気を引き締まると隣にいる綾香さんが話しかけて来た。

 

「はい、何ですか」

「正永の近くに女の子がいるでしょ」

 

白月の周りを見ると綾香さんの言う通り、白月から少し離れた場所に亜麻色の髪の女の子が座り込んでいた。

 

「はい、思いっきり座り込んでいますけど」

「まあ、それは置いといて。あの子の事を頼みたいの」

 

えっ、どういう事?頼む?まさか。

 

「あの女の子をこっちに連れて来て欲しいって事ですか?」

「ええ、私はこの通り手が離せないし、勇吾も攻撃の態勢で警戒しているから無理なのよ」

 

予想的中、何でだよ。まあ、この四の五の言える状況じゃない。

 

「コオオォォォ!」

 

俺は特殊な呼吸法をして女の子の元へ走り出す。

 

「なっ、あの少年も波紋を使えるのか!」

 

突然じいさんが叫んだ。

波紋?この力のことか、なら俺もそう呼ばせてもらうか。

 

俺は無事に女の子の元に辿り着いた。にしてもどうやって連れてけばいいんだよ。

思いっきり腰が抜けてて座り込んでるぞ。仕方ない、後で泣かれる覚悟しとくか。

俺は女の子をお姫様抱っこの状態で抱きかかえて、波紋の呼吸を使って来た道を引き返す。

 

急がねえとな、いつ白月がまた暴れ出すか分からないからな。

 

そんな時、白月の幽霊が鎖を砕いた。

放たれる拳は俺に狙いを定めていた。

 

『オラ!』

 

俺は出していた幽霊でその攻撃にこっちも攻撃を打つける。

 

『オララララ!』

『無駄無駄無駄!』

 

速さ、力は互角。

お互いに拳をぶつけ合う。

 

 

ザザッ、ザー、ザー。

 

「なっ!」

 

突然ノイズが走った。それでも拳をぶつけ合う。

 

 

ザザッ、ザーザーザー。

 

『なっ!何をするだァーッ!ゆるさんッ!』

 

次はノイズと共に知らない映像が流れ込んで来た。

何なんだ、今のは?

 

「八幡君!」

 

そんな時、俺の体に鎖が巻き付き、俺と女の子は引っ張られた。

綾香さんの幽霊から伸びる鎖で俺と女の子は小さい男の人の所に運ばれた。

俺は女の子を降ろすと、俺は波紋の呼吸をしてもう一度駆け出す。

次は白月に向かってだ。

 

如何してか分からない、でもアイツの相手は俺がしなければならない。

そんな気がしてやまない。

 

『オラララララララララ!』

 

『無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

幽霊同士の力のぶつかり合い、力も速さも同じ。

どちらの攻撃も俺たちどちらかに当たらない。

 

 

ザザッ、ザーザーザー。

幽霊同士がぶつかり合い度にノイズが走る、しかも今度は少し頭が痛くなって来た。

 

『ディオォォオオーッ!君がッ!泣くまで!殴るのをやめないッ!』

 

『浄めてやるッ その(けが)れたる野望!』

 

流れるのはまた知らない映像、いや、記憶。

だが、今はどうでも良い。今はコイツを止めるが先だ。

でも、不思議だ。この記憶が流れてくると波紋の呼吸が使いやすく感じる。

 

「コオオオォォォ!」

『オララララララララ!!』

 

波紋が幽霊に伝わって行くを感じる。波紋が幽霊へ流れていく。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄!!』ドゴンっ!

 

そして、ぶつかり合いが崩れた。俺の幽霊の一撃を白月の幽霊が食らい、白月が後ろに少し下がった。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月勇吾side〉

 

俺は驚きが隠せない。今日という日は色々な事が起き過ぎている。

ジョースター一行がこの町に訪れ、正永から人型スタンドが現れ、オマケに正永の友達の八幡君まで

人型スタンドが現れた。正直言うと、まだ整理が追い付いていない。だが、その整理は後にしよう。

 

八幡君のスタンドの攻撃が正永のスタンドに入った。

この瞬間を逃すわけには行かない。

 

「キラー・ホーネット!」

 

「ブラック・ロック!」

 

「エコーズact3 スリー・フリーズ!」

 

綾香も俺と同じ事を思ったのかブラック・ロックの鎖で正永とスタンドを縛る。

なんだ突然、声が聞こえて正永の体が地面に沈んだぞ?

だが、これは好機だ。俺はキラー・ホーネットをもう一度正永のスタンドに攻撃を仕掛ける。

 

「コオオォォォ!」

 

だが、普通の毒じゃない今度は波紋入りの毒だ。

俺の波紋がキラー・ホーネットに伝わっていく、俺の奥の手、『毒殺の波紋疾走(キラー・ポイズン オーバードライブ)

高質力の波紋と強力な激痛毒で相手の意識を刈り取る技だ。

だが、これは威力を抑えている方、本当の威力は相手の命を奪う殺人技だ。

 

ブスっ!

 

良し!針がスタンドに入った!波紋と毒が正永に流れて行く。頼むからこれで終わってくれ。

そう言えば、ジョセフ・ジョースター達の姿が見えないが何処に行った?

 

「次は儂じゃ!」

 

何処からかジョセフ・ジョースターの声が響き、正永のスタンドからスパークをあがる。

これは波紋疾走!何処から?気になるが、今は後回しだ。

どういう訳か、正永はまだ気を失わない。まだもう一押しいるな。

 

「コオォォ」

 

俺は波紋を練り上げ、全速力で正永との間を詰める。

正永、すまない。息子を殴るのは抵抗がある。いや、子供に対して攻撃をすること自体、俺の自己嫌悪を駆り立てる。

でも、無関係な人たちを巻き込むのは無視出来ない。

 

「食らえ!二重加速波紋疾走(ダブルアクセル オーバードライブ)!」

 

俺は波紋入りのラッシュを正永に叩き込む。

二重加速波紋疾走、これはただの波紋疾走じゃあない。

波紋を特定のリズムで練ることで身体能力を格段に上げ、攻撃を叩き込む技だ。

 

「儂も続くぞ!」

 

なっ!何もない空間からジョセフ・ジョースターが出てきた!

俺がラッシュを叩き込むと、ジョセフ・ジョースターはそれに追い討ちで右アッパーを打ち込み、

正永とスタンドを打ち上げた。

 

「「コオォォォォォォ!!」」

 

そして俺たち二人は同時に波紋をさらに練り上げ、

 

「「これで終わりだ!(終わりじゃ!)」」ドバアァァァン!ズシャァァァ!

 

許せ、正永。

俺は左ストレートを、ジョセフ・ジョースターは右ストレートを同時に打ち込み、正永を吹っ飛ばした。

 

「はあ、はあ、はあ、こっ、これで終わったか?」

 

俺は疲れ切って、片膝をついた。

 

「またまたやらせて頂きましたァン!」

 

一方、ジョセフ・ジョースターは膝カックンをやるような体勢で膝を曲げ、上体を後ろに大きく反らし、

右腕前腕だけを上げて人差し指を正永が飛んでいった方向に向ける、という謎のポーズを取っていた。

この老人、どんだけピンピンしてるんだよ。外見からするに暫く波紋の修行をサボってたはずなんだが。

 

正永は今度こそ意識を失ったのか、スタンドは消え、動かない。

 

「正永!勇吾、ちゃんと手加減したんでしょうね!」

 

綾香は涙目で正永の元に駆け寄って行った。

 

「ようやく終わった。八幡君、大丈夫かい?」

 

俺は体に鞭打って、八幡君に声をかけるが、声が返ってこない。

 

バタン。

 

「八幡君!」

 

突然、八幡君が倒れた。

 

←to be continued

 

ーーーーーーーー

白月正永(ザ・ワールド)、再起不能(リタイヤ)

 

比企谷八幡、再起不能(リタイヤ)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

前世と向き合い、前へ行け ジョナサンから八幡へ

前回までの俺たちの冒険!

正永達の町にジョースター家が訪れた。
そして正永のスタンドが暴走し、一時追い詰められたジョースター一行、それを助けたのは白月勇吾、白月綾香、比企谷八幡だった!

激しい戦いの後に無事正永は戦闘不能になるが、八幡は意識を失ってしまった。



〈比企谷八幡side〉

何処なんだ、ここは?

白月との戦いが終わって、凄い頭痛がして、どうなったんだ?

右を見ても左を見ても真っ暗闇、上も下も言わずもがなだ。

 

「やめてッ!返してッ!手が取れるゥ!」

 

そんな声が聞こえて来た瞬間、辺りの景色が一変した。

何もない黒一色の空間から緑ある草原に変わった。

そこには人形を取られた金髪の女の子が人形を奪った男二人にいじめられていた。

 

「ヒック、ヒック」

「「やーいっ!泣いた!泣いた!泣き虫エリナ!」

 

イジメっ子二人の仕打ちに女の子は泣いてしまった。

それに俺の体と口が自然に動いた。

 

「やめろ!人形を返してやるんだッ!」

「何だ!?お前!?エリナの知り合いかッ!?」

「知らない子だが、僕には戦う理由があるッ」

 

そう言って俺はイジメっ子の一人にタックルをして、腹を殴りまくる。

だが、その拳はとても弱く、効いていなかった。

 

「野郎ッ、女の子の前だからって」ガシィィィン

 

イジメっ子の叩きつけで俺の頭は打ち付けられ、地面に叩きつけられた。

 

「何でェ〜、こいつ点で弱いぞッ!」

「ギャハハハハ、これ以上惨めな事があろーか!助けに入って逆にやられてやがる」

 

俺は鼻血をハンカチで拭き取る。

 

「あっ!こいつ、ジョースター家の一人息子だ!俺は金持ちに恨みはねーが、とにかく嫌いだッ!」

 

イジメっ子二人が俺に蹴りを何発も入れて来た。

 

「ぐはっ!」

 

そして俺を蹴り飛ばすと、二人はその場を去った。

 

「あ、あの・・」

「いいからほっといて!向こうに行けよッ!僕は君に感謝されたくてあいつらに向かって行ったんじゃあないぞッ!僕は本当の紳士を目指しているからだ!君が女の子で困っていたからだ!相手が大きい奴だからって、負けると分かっているからって、紳士は勇気を持って戦わなければならない時があるからだぞッ‼︎でも、いつか勝てるようになってやる!」

 

懐かしいな、エリナと初めて出会った時だ。

結衣と初めて出会った時もこんな感じだったな。

思い出したぜ、全部。俺は何のか、この景色が何なのか。

これは前の俺、ジョナサン・ジョースターの記憶だ。

 

『思い出してくれたね』

 

気づいたらまた辺りの景色が黒一色になっていた。

そして、目の前にはかつての俺、ジョナサン・ジョースターが立っていた。

 

「ああ、思い出した。エリナと出会った時の事も、ディオがジョースター家にやって来た時の事も、スピードワゴンとの出会いも、ツェペリさんの最後も、全部な」

『そうか、よかった。・・・・・ならディオの事を頼めるよ」

「待てよ!?ディオ?ディオって言ったか!?何で、あいつはあの時一緒に」

 

ジョナサンの言った言葉に俺は驚きが隠せなかった。

ディオはあの時、俺と一緒に船で沈んだ筈だ。ジョナサンの言った事はまるでディオが生きているような言い方だ。

 

『そう、あの時ディオは僕と一緒に船で沈んだ。そこで僕は死んだよ、でもディオは僕の体を乗っ取って生き延びた。今から19年前に孫のジョセフと玄孫(やしゃまご)(孫の孫)空条承太郎に倒されて、死んだけどね』

 

待てよ、なら何でディオの事を頼むっていたんだ?

俺の体を乗っ取って生き延びたのは驚いたよ、でも死んだんだろ?

まさか!?

 

『何となく予想はついたんだじゃあないかな?そう、ディオも僕と君のように、生まれ変わっている。それが白月正永君だ』

 

何となく予想出来た。それも当たってた。

でもあいつが、白月が、ディオ?

あいつの事はよく知ってる、でもあいつとディオは全く似ていない。

ディオのような事はむしろ嫌っていた。

そんな奴がディオの生まれ変わりだと?

 

俺の中で煮えたぎった感情が溢れてきた。

 

「ふざけるなぁ!あいつが、白月がディオの生まれ変わりだと?いきなりそんな事、ハイそうですかって言納得できるかよ!」

 

俺はただただ溢れてきた怒りを吐き出した。

信じたくない、何だかんだ言って結衣の事や俺の事を気にかけてくれていた、周りと違っていつも話をしても笑っていた白月をディオの生まれ変わりと信じたくなかった。

 

『信じたくないのはわかるよ。僕も君の中で見てきたからね。でも、確信が、証拠がある。正永君からディオのスタンドである「ザ・ワールド」が出現したのだから!』

 

スタンド?まさかあの幽霊の事か?あの時、白月から出てきていた金色の幽霊の事か?

じゃあ、俺のアレもスタンドって奴なのか?

 

「スタンド?あの幽霊のことか?」

『そうさ、その幽霊は「立ち向かう者(Stand up to)」スタンド、でもタダの幽霊じゃあない、それはパワーあるヴィジョン。いわば超能力の具現化したものだ。そしてそれは原則1人一体だ。そして同じ物は一部の例外を除いて存在しない』

 

そうか、だから白月をディオの生まれ変わりだと言ったのか。

なら、俺は何をするべきなのか決まった。

 

「なるほど、それならお前の言ってる事にも納得だ。それに俺のやるべき事が決まった」

『そうか、ならそれでいい。今の君は僕じゃあない、君のしたいようにすれば良いよ』

 

そうして俺は暗闇の世界を歩き始めた。ジョナサンは何も聞かなかった、でも何となく分かっていたんだろう。問わなければいけない、今のアイツが何なのか。

 

←to be continued




スタンドのあり方は7部の「立ち向かう者」にしました。
これは主人公の2人が己の過去と降りかかる戦いに立ち向かうと言う意味と、
まだ登場していないメンバーでも、立ち向かっていくと言う意味でこれにしました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

前世と向き合い、前へ行け ディオから正永へ、己の道を目指すため

前よりも短くなりすぎた。


〈白月正永side〉

 

最悪だ、よりにもよってあんなものを思い出すなんて。

俺の自己嫌悪が更に強くなっていく。

ディオとしての記憶が蘇ってからどうなったのか全く覚えていない。

 

いや、あんな外道の記憶を思い出したんだ。マトモでいろという方が無理だ。

 

「何処だ、ここは?」

 

そこは全てが黒一色の世界、出口らしき光もない闇だけの世界だ。

 

『ここは、俺と貴様の世界だ』

 

後ろから声が聞こえて来た。それも俺が最も嫌いな声だ。

後ろを向くとそこには、かつての俺、ディオ・ブランドーがいた。

 

「ディオ!」

『まさか、このDIOが再び新たな生を手に入れるとはな。さあ、その身体を渡してもらうぞッ!』

「させるかよ!ザ・ワールド!」

 

俺はザ・ワールドを出して構える。

巫山戯んなよ、この外道。誰がお前なんかに身体を渡すかよ。

 

『そうか、なら倒して奪うのみ!』

 

ディオもザ・ワールドを出して俺たちのは睨み合う。

そして俺は攻撃を仕掛ける。

 

『『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』』

 

二つのザ・ワールドの攻撃の応酬、攻撃は見事に拮抗していた。

やっぱり同じスタンドならこうなってしまうのは必然、なら波紋で対抗するだけだ!

 

「コオォォォ!」

 

俺の波紋が俺のザ・ワールドに伝わり金色の輝きを放ち始める。

そして拮抗していた状態を打ち破り、ディオを後方へ吹っ飛ばした。

 

『無駄ッ!』

『ぐっ!』

 

好機だ、このタイミングで畳み掛ける!

俺は更に波紋も全開でラッシュをディオに叩き込む。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄‼︎』

『舐めるなァ!ザ・ワールド!』

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄‼︎』

 

ディオはこの攻撃をラッシュで迎え撃つ。まだ押しが足りないのか、なら!

 

「コォォォ、コォォォ、コォォォ!」

 

俺はリズムを刻んで波紋を練り上げる。

連続、それも素早く波紋を練り上げて身体能力を大幅に引き上げる、白月の一族が生み出した波紋疾走。

 

「二重加速波紋疾走!」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

引き上げ速くなった攻撃で更に畳み掛ける。

 

「これで終わりだァァ!ディオォォオオーッ」

『なっ!何にィィィィ!何だその波紋はァァァァ!WRYYYYYYー!』

 

俺の攻撃でディオは吹っ飛び、壁に叩きつけられた。

壁、あったのか。

 

「さよならだ、かつての俺。お前がやってきた非道の数々、俺が償っていく。至ろうとしていた『天国』も俺は要らない。そんなものは偽物だ。俺は俺の道を、俺自身の答えを、本物の道を探して行く」

 

俺はディオの横を通り抜けて先へ行く。

 

『それがお前の答えか。お前の道か、ならば行くが良い。お前が求める真実がその道の先にあるとは限らんがな』

 

分かってる、その先に俺の求める答えが、真実がなくても俺は自分の道を行きたい。

それが俺を俺たらしめてくれるはずだ。

 

そして俺は暗闇を歩いて行くと、白いドアが現れた。

行こう!俺の、己の道を、目指したい真実を探しに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは俺たちが再び歩み出す物語だ。

肉体が・・・・という意味でもあるが、

精神がという意味で

 

 

これは償いと青春の物語。

 

←to be continued




最後に書いたのはスティール・ボール・ラン風に
この物語をどんな風にするのかを表したものです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ジョースター家最恐の女

前回までの俺たちの冒険。

八幡はジョナサン、正永はディオと向き合い、自分の道を進み始めた。

その一方、ジョセフ達は驚きの人物に出会っていた


〈ジョセフ・ジョースターside〉

 

ザ・ワールドの少年を気絶される事が無事出来たのう。

承太郎ではないが、ヤレヤレじゃ。まさか子供であんなにも戦えるとはのう。

ザ・ワールドの少年の事もある。スピードワゴン財団関係の病院を手配しなければな。

 

「ヒッキー!?ツッキー!?」

 

儂の横を1人のお嬢ちゃんが走り抜け、一緒に戦った少年とザ・ワールドの少年の元に駆け寄った。

 

「ナイチンゲール・クリスタル!」

「なんと!?」

「何だよこの子もスタンド使いかよ!?」

 

白亜色の看護婦の様な姿のスタンドがお嬢ちゃんから出来てきよった。

マジか、まさか子供のスタンドに今日で三人も会うとはのう。

ナイチンゲール・クリスタルは掌から淡い光を放ち、2人の少年の傷を治していった。

 

「これで良し、何でこうなったんだろ。答えてもらうわよジョセフ」

「ッ!」

 

何じゃ?急に悪寒が。冷や汗が止まらん。お嬢ちゃんがドス黒い雰囲気を出しながら儂に近づいて来た。

 

「確かに儂はジョセフ・ジョースターじゃが、お嬢ちゃんと会った事はあったかのう?」

 

儂はこのお嬢ちゃんと会った事は無い筈じゃ。

 

「確かに今の私と貴方は一度も会っていない、私が貴方を一方的に知っているだけ」

 

そう言ってお嬢ちゃんは首を横に振った。

やはり会ったことは無いで合っているようじゃな。

 

「でも、昔の私を貴方は知っている。・・・・私は由比ヶ浜結衣、前世の名前はエリナ・ジョースター。貴方との生活は今でもとても覚えていますよ」

 

なっ!?今このお嬢ちゃん、何と言った。エリナおばあちゃんの生まれ変わりじゃと、

 

「お嬢ちゃんがエリナお婆ちゃん?冗談にしては笑えんジョークじゃな。お嬢ちゃん、儂が幼い頃、人には話せん事情で両親が死んだと聞かされてのぅ。儂が成人するまで育ててくれたのはエリナお婆ちゃんじゃ、エリナお婆ちゃんの侮辱は許さんぞ?」

 

「だったら、貴方の事でこの場では貴方とエリナしか知らない事を言います」

 

儂の事で儂とエリナお婆ちゃんしか知らない事じゃと?

 

「じゃあ、ジョセフ?歴史が嫌いで学校をサボり気味だった貴方に勉強を教えたのは誰でしたか?このエリナ・ペンドルトンじゃなかったかしら?」

 

「っ!?」

 

「大体、私とスピードワゴンさんの関係が怪しいと言って何度も祖母をからかって!アメリカでも移住したばかりの頃、タクシーの中で初対面のスモーキーさんの前でそれを言われて私がどれだけ恥ずかしかったか分かる!?」

 

「ちょっ、ま」

 

Nooooooo‼︎やめてくれぇ!この事を知っとるという事は、信じるしかないようじゃ。

間違いなく、このお嬢ちゃんはエリナお婆ちゃんの生まれ変わりじゃ。

 

「それに、葬式の時。貴方はスージーQに電報を頼んだだけだったでしょ!他にも生存報告をする方法はいくらでもあったわよね!?しかも、わざわざ葬式の日に帰ってくるなんて!いや、嬉しかったわよ、最愛の孫が生きて帰ってきたんだから。その事に関しては嬉しかったわよ。でも、貴方は何ですか?悲しみに暮れる私の目を塞いで「だぁれだッ」って、私は凄い大恥を人前でかかされたのよ!?」

 

「いや、あれはエリナお婆ちゃんを驚かせようと・・・・」

 

とっ、止まらん。エリナお婆ちゃんの喋りがドス黒いオーラと怒気を含んでヒートアップしておる。

 

「ええ、驚いたわ。私もリサリサもスモーキーさんもスピードワゴンさんも。私は別の意味で驚いたけど」

 

「別の意味って・・・何でしょうか?」

 

「正座」

 

「はいっ?」

 

「正座‼︎」

 

「はいッ!」

 

怖すぎる、怖すぎるぞ。儂は正座をしてエリナお婆ちゃんの話を聞く事になった。

 

「・・・普通、どんな理由があろうと、葬儀真っ只中の参列者に目隠しをする非常識な人がどこにいますか!?それに加えて、非常識を咎められて注意した人達に暴力を振るう始末!仮にも貴方の死を悼んでくれていたと言うのに、どんな神経してるの!何だか思い出したら腹が立ってきたわ。ジョセフ・ジョースター」

 

そう言ってエリナお婆ちゃんはスタンドを攻撃態勢にして、掌から光の球体に出てきおった。

 

「ちょっと待ってくれ、エリナお婆ちゃん!その攻撃は割とシャレにならない感じがするんじゃがッ!」

ドッバァーーーーッ!

 

「Noooooooo!!!」

 

エリナお婆ちゃんのスタンドがまるで花京院の「ハイエロファントグリーン」のエメラルドスプラッシュ似た攻撃をしてきよった!

儂は急いで正座を解いて後ろに飛び退いた。

 

「ちょっと待ってくれ、エリナお婆ちゃん!」

 

「それに貴方は、そこに倒れている二人に何をしたの?」

 

「いや、一人は儂らが全員で攻撃して、もう一人は儂らを手伝ってくれました」

 

エリナお婆ちゃんには儂は嘘はつけん。

それにしてもあの二人はエリナお婆ちゃんの知り合いなのか。

 

「なら、容赦はしなくてもいいわね。クリスタルストライク!」

ドッバァーーーーッ!

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!あの二人はスピードワゴン財団関係の病院に連れて行くために手配をしようとしておるから、安心しとくれ!」

 

儂はクリスタルストライクを間一髪で避けながら、エリナお婆ちゃんにあの2人の事を話す。

食らったらひとたまりもない気がしてしょうがないんじゃ。

 

「そうなのね、ジョジョ。外傷は直したけど、二人は、ヒッキーとツッキーは大丈夫なんでしょうね?」

 

そう言ってエリナお婆ちゃんはスタンド攻撃をやめてくれて、スタンドをしまってくれた。

 

「大丈夫じゃ、今からスピードワゴン財団関係の病院の手配をする。エリナお婆ちゃんも来るかのう?」

 

「ええ、行くわ。二人が心配だもん」

 

なんとか収まったわい。儂は手配のために携帯を取り出して番号を打ち込んだ。

それにしても、あの少年からザ・ワールドが現れるとは。一体DIOとどんな関係が?

 

←to be continued




はい、結衣も転生者でした。
そしてその前世は第1部のヒロイン、エリナ・ジョースター(旧姓ペンドルトン)でした。
まあ、結衣にしたのは私の趣味ですね。
そして皆さんはこう思うでしょう「これは八結だ」と。
ところはギッチョン、それが違うんですよ。
そして正永君はあの魔王ととあるキャラ達が待っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

始めの一歩

〈白月正永side〉

ディオとの決着をつけて、ようやく俺という存在として歩き始めた。

まあ、俺は前からこんなんだったと言えるし、前とは違うとも言える。

 

ここはベットの上か、しかもかなり上級な。

 

「それに加えて拘束具のおまけ付きか」

 

俺はまだ目を開けていないが、自分がベットの上に寝ている事、足と手を拘束具で止めれている事はすぐに分かった。

目を開けて辺りを視線だけで見渡すと、そこは落ち着いた雰囲気の病室だった。

 

にしても、本当にどんな状況だ?

ディオとしての記憶が一気に戻ってきて暴走して、それから精神世界でディオと戦って、現実に戻ってきたら病室のベットで縛られてる。

こんな急展開あるかよ。

 

「案外、冷静で余裕じゃな」

 

それに、こんな事をしただろう犯人のジョセフ・ジョースターが俺の寝ているベットの隣にいた。

 

「こんな事で動揺してどうする?こんな状況こそ、冷静かつ余裕を持たなければならない」

 

俺はザ・ワールドを出して、両腕を繋いでいる拘束具を破壊すると、DIO(ディオ)の時から出していた雰囲気を出して上半身を起きあげた。

にしても、ジョセフの奴、19年前よりも老け過ぎていないかてないか?

波紋使いはかなりの歳をいっていても若く見えるはずだが。

 

「年老いて、落ちこぼれたな。ジョセフ・ジョースター」

 

一応、暴走した時の記憶はある。暴走したのは俺のせいだが、あそこまで痛みつけなくてもいいだろ。

 

「その恐ろしい雰囲気、一体お主は何者なんじゃ、白月正永君」

 

俺の事を知っている。まあ、親父と共闘したんだから親父から聞いてるよな。

 

「それは俺が殺したはずのお前が一番よく知っているはずだが」

 

「やはり、お主は」

 

「分かっているじゃあないか。そうだ、俺はDIOの生まれ変わりだ」

 

「案外簡単に吐いてくれたのう、こっちは尋問の準備もしとったんじゃが」

 

さらっと一般常識上はアウトの事を言っているが、

 

「そう言うが・・・・・・恐怖しているな」

 

「ッ‼︎」

 

ジョセフは顔に冷や汗を浮かべている。それもそうだ、決死の思いで倒したはずの宿敵の生まれ変わりと対峙している、そして相手は油断も慢心もしていないのだから僅かながらも恐怖はあるはずだ。

 

「それもそうだろう。自分では決して敵わない相手を目の前にしている時、自分がいつやられるのかという恐怖を感じるものだ」

 

俺は再びザ・ワールドを出して、今度は足の拘束具を破壊して、俺はベットから降りるとジョセフと向き合った。

 

「正直驚いたもんじゃ。かつて吸血鬼だったお前が波紋を習得しているとは。しかも既に達人の領域に至っておるとは」

 

やっぱり、その事は言ってくるよな。

ジョセフはハーミット・パープルを出して臨戦態勢になっている。

 

「待て、スタンドを仕舞え。お前と殺り合う気はねぇよ」

 

俺は出していた雰囲気とザ・ワールドを引っ込めると、ディオを意識した話し方を止めて両手を少し上げて戦意のない事を伝える。

案外ディオの真似は上手く出来たみたいだな。

 

「それじゃあ改めて、俺はDIOであってDIOじゃあない。DIOという前世を持って生まれた存在が俺、白月正永だ」

 

「DIOの生まれ変わりか・・・・・信じてやろう、理由は言えんがな」

 

流石、吸血鬼を始め様々な奇妙な経験をしているジョースター家だ。前世というものを聞いても動じないな。

 

それから俺は念押しでディオが吸血鬼になるまでの事、ジョナサンとの戦いの事、エジプトでの最終決戦の事を話した。

 

「今までは、ディオとしての記憶は無かった。だが、思い出したとしても関係ない。今の俺はディオではない、新しい白月正永と言う存在だ」

 

「すまん・・・・信じるとは言ったが、少しばかり疑っておった。じゃが、あの決戦の事を語った時の臨場感、今度こそ完全に信じよう。それで、これからはどうするつもりじゃ?」

 

ジョセフは曇った眼鏡を取り、曇ったレンズをふき取ると、汗で濡れたシワだらけの顔をハンカチで拭った。

 

「そうだな・・・・俺にはやらなきゃならない事がある。それにはお前達ジョースター家の協力が必要だ」

 

俺はかつてディオだった頃の最大の負の遺産『天国へ行く方法』の事をジョセフに話した。

 

それを聞いてジョセフは更に汗を流す。

 

「これは・・・・とんでもないことになったのう。儂らだけの力でどうにかなるか、怪しいもんじゃ」

 

「天国へ行くのを防ぐには見積もって4年。それまでにカイロの屋敷にある日記を回収しねぇと」

 

「あー・・・・その日記なんじゃが、承太郎が燃やしたぞ」

 

「はっ?」

 

「じゃから、承太郎がDIOの屋敷をガサ入れした時に見つけて、燃やしたんじゃ」

 

「なん・・・・・だと・・」

 

俺は口をぽっかりと開けて、それが全く戻らなかった。

承太郎、あの野郎。

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

静・ジョースターのアクトン・アクアマリン

8歳の女の子の喋り方がこれでいいのか、すっごく不安です。


〈白月正永side〉

俺は今、現在進行形でジョセフと口喧嘩を繰り広げていた。

それを少し離れた所で見ている親父は呆れた顔をしているが、知ったことじゃあない。

 

事の発端は日記に関する言い合いだったが、それは次第にヒートアップしていき、途中で俺の様子を見に来た親父の制止も聞かず、お互いに罵れる理由を見つけては喧嘩を繰り広げている。

 

「そもそも63で浮気?馬鹿じゃねぇの!それだけでもアウトなのにそれで息子が出来るダァ〜?お前は馬鹿かッ!?節操無しにも程があるだろ!?」

 

「その時は本気だったんじゃ!」

 

「その発言もアウトなんじゃあないか?・・・・・(小声)」

 

「ほほお〜、ジョースター家は代々一人の女性しか愛さないって言う聖人みたいな所があるはずだったんだが、逃げるというのを家訓に加えて、そのジンクスを外したのか?そんな事するから子供を拾った時に二人目の隠し子なんて誤解を招くことになったんだろうがッ!?ああ、信じられねぇぜ!こんな奴がジョジョの孫なんて!恥を知れッ‼︎」

 

こんな感じで止まらずにバンバンと言いあっていた。いや、これは言わないと気が済まない。

一般常識でもアウトな事をやらかしてる、DIOだった時に俺もそれをやらかしているから、それが重なってブレーキがかからない。かける気もさらさら無いが。

 

話している途中に親父以外の部屋を出入りした音が聞こえてた気がしたが、チロリと見ても何も無かった。

 

・・・そう、何も無かった筈なんだが。

 

なんでか、部屋に置いてあった花瓶が俺に向かって飛んできた!

何で?どうしてポルターガイスト紛いの事や面倒ごとが俺の周りで起きるんだよ?

何、呪い?呪われてるの?

 

いや、冗談はほどほどにして。

 

「ザ・ワールド。時よ止まれ」

 

俺はザ・ワールドで時を止め、世界がモノクロに変化した。

さて、どれくらい止めらるか。

 

俺は花瓶を弾くと時間が動き出した。停止時間は3秒か。

時間が短くなってるな、これは致命的だ。

まあ、戦い方次第でどうにかなるか。

 

「ほう・・・どうやら儂の姫は激怒してるようじゃな」

 

「スタンドか・・・・しかも辺りにスタンドも本体もいない。花京院のハイエロファント・グリーンのように存在感を操れるのか、それとも物を透明にする能力なのかどっちかだな」

 

「すぐにそこまで絞れるのか、流石じゃな。どうじゃ、正永。少しゲームでもせんか?」

 

「ゲーム?」

 

「待て!ジョセフ・ジョースター、何をさせる気だ?」

 

何言ってんだよ、このジジィ?何となくだが予想付くぞ。

あらたか、この病院にいるジョースター家の関係者と戦えって感じだろ。

ふざけんな、今の俺じゃ無理ゲーもいいとこだぞ。

 

「うちの者たちはお前さんの事をDIOの生まれ変わりと疑っておる。・・・・実際、思いっきり当たってたわけじゃが。仗助にジョルノはお前さんに色々と、それこそ非人道的な手段を使っても尋問してくるじゃろう。儂の持ちかけるゲームというのは、お前さんの素性を隠して、あの手この手で襲い掛かる彼らを自分の手で切り抜ける事じゃ」

 

「お前、ふざけるなッ‼︎前世が関係してようが、正永は俺の息子だ。俺の息子をお前らの事情に巻き込むなッ!」

 

親父は怒りに満ちた顔でジョセフの胸ぐらを掴んだ。

ありがとう、親父。アンタは本当に俺には勿体ない人だよ。

 

「はっ、ゲーム?拷問の間違いだろ?・・・・・・・でも良いぜ。のってやるよ、そのゲーム。ダービー兄弟のように魂を抜かれる訳じゃあないからな。それから、テメェらジョースターの勝つ事は絶対に無い事を予告しよう」

 

俺はジョセフの提案を鼻で笑うと、ドヤ顔で告げて、波紋の呼吸を整える。

 

「パパ、お話終わった?」

 

話の最中に攻撃できるタイミングは幾らでもあったのに、大人しくしていたお姫様、緑がかった黒髪の少女が姿を現した。惜しかったな、物を透明にする能力の方だったか。

 

「パパが話していたから待ってた。で、あなたは私と戦うっていう事で良い?パパを虐めてるから、私、怒ってるんだけど」

 

「偉いぞ、静。お話は終わったから、思いっきりやってしまいなさい」

 

「ほ〜、ただの8歳の小娘にこの俺が倒せると?それとも、お前自身で戦うのは怖くなって怖気付いたのか?ジョセフ・ジョースター」

 

「静を甘く見ないをが良いぞ?儂が手塩をかけて育てた自慢の娘じゃ。甘く見て痛い目にあった者はごまんとおるぞ?」

 

「それじゃあ、行くよ」

 

静は姿を消す。参ったな、水があれば探知が出来るんだが。

 

「親父、手を出すなよ」

 

戦う前に親父に釘を刺しておく。じゃないと途中で乱入してきそうだからな。

そういえば、ジョセフの奴、服の中は漁ってないよな?

俺は懐を漁ると、そこから細長い糸を取り出した。

よかった、服の中は漁られてなかった。

 

俺は糸に波紋を流すと糸は、ロープのようにしなり、俺は回転して糸を振り回す。

 

「これでも食らいな」

 

相手がこれを食らうとは思っていない。でも、これで上に飛んでくれれば良い。

恐らく静は肉弾戦を仕掛けに来た筈だ、でも俺の後ろに回り込むのは俺との距離的に不可能。

 

「ザ・ワールド、時よ止まれ」

 

そして世界がモノクロに変化する。

 

1秒経過。

俺は紐を手元に戻すと、ベットの掛け布団を掴み、それを前方の静がいるだろう場所へ投げ、掛け布団は空中で停止する。

3秒経過。

 

「そして時は動き出す」

 

世界に色が戻ると、掛け布団は再び動き出し、布団の中に人の姿が浮かび上がった。

ビンゴ、やっぱり前方に、しかも上にジャンプしてくれてたぜ。

 

俺はもう一度、懐に手を突っ込むと次は数本の釘を取り出す。

えっ、何でそんなの持ってるのか?気にするな、細かい事を気にしないのが長生きするコツだ。

 

「これでも食らいな」

 

俺は釘に波紋を流すと、それを前方へ投げる。

そして、それは掛かった布団を振り払い、姿の露わになった静へ飛んでいく。

 

「さあ、どうする?小娘?」

 

ディオの様な雰囲気とディオを意識した口調で静を煽る。さあ乗ってくれよ。

 

「あんまり調子に乗らないでよね、それにそっちも子供でしょ!アクトン・アクアマリン!」

『ドララララララ!ドラッ!』

 

少しは乗ってくれたな。静はアクアマリンの様な澄んだ青色の妖精に似た人型スタンドを出して釘をラッシュで弾き飛ばした。

 

「これで終わりだ。試練は克服して必ず倒す」

 

俺はザ・ワールドを出し、ザ・ワールドに波紋を流すと、ザ・ワールドは金色のスパークを纏う。

 

「ねえ、知ってる?相手が勝ち誇ったとき、そいつは既に敗北している、ってこと」

 

静は落下する途中、どこに隠し持っていたのか解らないが、瓶ビールを取り出すと、それに波紋が伝わっていく。

 

「いっけ!波紋」

 

波紋によって炭酸が栓の方へ圧縮され、栓が弾丸のような勢いで発射された。

俺は慌てて左腕で顔を覆って顔への直撃は回避して覆っていた左腕を退ける。

痛って〜、吸血鬼じゃねぇからこの痛みもスッゲー久し振りだ。

 

「もう一発、これも」

 

俺が左腕で顔を覆っていた僅かな間に静は俺との距離を詰め、俺に蹴りが届く程近くに迫り、俺は防御が間に合わずにその蹴りが溝内に入り、飛ばされた。しかも波紋キックかよ。

 

「大口叩いたくせに、もう終わり?私のひっしょーの作戦、簡単にハマってくれたね?」

 

全く、その通りだ。俺は見事にこいつの術中にハマった。ああ、静はこの歳にしてはかなり強い、認めよう。俺が甘く見過ぎていたのも、認めよう。だが、

 

「やっぱり、お前は小娘だ。作戦にハマったのはお前の方だ。俺のな」

 

俺は全力の内の7割の波紋を流す。

 

「えっ?ぎにゃああぁぁ!」

 

常の親父との修行の成果か、俺の波紋をまともに食らった静は身体の力を失い、床へ倒れた。

 

「お前、言ったよな?相手が勝ち誇ったとき、そいつは既に敗北しているって、だったらそれを訂正しとくんだな。そいつがその瞬間、勝利を確信した時、そいつは既に敗北しているってよ」

 

俺はドヤ顔で静に言う。

これはついさっき、勝ちを確信した静と、かつて慢心していたかつての(ディオ)に対しての言葉だ。

 

「な、何で?」

 

「全く、この子はまだまだ未熟だな。こんな手にも気付かないなんて」

 

静はやっとの力で顔を上げると、親父はその姿を見てあからさまに相手を煽る様にため息をついた。親父、大人気ないぜ。

 

「静。お前さんの蹴りを入れた方の足をよく見るんじゃ」

 

静が蹴りを入れた方の足をよく見ると、そこには細長い糸が巻き付けられていた。

蹴りを食らった時、俺がこっそりと紐を巻きつておいたのだ。

 

「多少のダメージはしょうがない。でもな、お前はまだ世界の広さを知らない。まだまだ、未熟だ。俺はあらゆる波紋の使い方を見てきた。そしてそれらを全て身に付けた。お前みたいな、小娘の戦略なんて・・・・無駄無駄無駄無駄無駄」

 

俺は体を後ろ向け、右手で顔を覆うと、上半身だけをジョセフ達の方へ向ける。

 

「もう一度言っておく、そして覚えておけ。そいつがその瞬間、勝利を確信した時、そいつは既に敗北している、とな」ドオォォォン!

 

「勝利を確信した時、そやつは既に敗北している・・・・か。良い事を言うが、それじゃったら、次に敗北するのはお前さんかも知れんぞ?正永」

 

「ふっ、ジョセフ・ジョースター。これは言わば試練だ。そして言ったはずだ、試練は克服して必ず倒すと」

 

ドガァァァン!

 

「テメェ!静に、俺の妹に何しただぁ!このクソガキ!」

 

ドアから轟音を立て、リーゼント頭の男、ジョセフの隠し子の東方仗助が鬼の形相で部屋に入ってきた。

 

「全く、病院では静かにしろよ。非常識が過ぎるぞ」

 

面倒だな。しかもコイツ、シスコンかよ

 

←to be continued

 

ーーーーーーーーー

静・ジョースター(アクトン・アクアマリン)、再起不能(リタイヤ)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

東方仗助のクレイジー・ダイヤモンド

前回までの俺たちの冒険。
意識を取り戻した正永はジョセフに『天国へ行く方法』の阻止する事を伝える。
しかし、その『天国へ行く方法』の記した日記が承太郎によって燃やされていた事が発覚。
それを火種に正永とジョセフは口喧嘩が勃発し、それを父親が虐められていると勘違いをした静・ジョースターに正永は襲撃されるが、無事勝利を収める。そして、それを見たジョセフはとあるゲームを提案した。
それは、これから襲い掛かるだろう歴代のジョジョたちを己の力で退けろ。

そして正永に新たなジョジョが立ちはだかる。


〈白月正永side〉

 

「ぶっ潰してやるよッ!クソガキ!」

『ドララララララ‼︎ドラッ!』

 

ダサいリーゼント頭は話を説明する暇も与えずにスタンドでラッシュを放ってきた。

弁明くらいさせろよ、シスコン野郎。

 

俺は慌てて攻撃を回避するが、場所を移さないとヤバいかもな。

シスコン野郎は一切の躊躇なく部屋の備品をぶっ壊していく、良いのかよ?ここ病院だぞ?

流石にジョセフが言い出した事だ、被害請求はジョースター家に行く筈・・・もし違ったら無理矢理押し付けてやる。

 

「ちょこまか動くな!このダゴ!」

「けっ!はい、そうですかって言う奴がいるか!?このクソダサリーゼントシスコン!」

 

その攻撃食らったら、顔がミンチになっちまうよ。

 

「正永の奴、今日はいつになく暴言が冴えてるな」

「仗助は静の事と髪型の事になると、周りが見えなくなるくらいブチギレるんじゃ」

 

ジョセフは気を失った静を抱え、いつの間にかピリピリした雰囲気がなくなった親父と安全圏まで下がり、親父は苦笑い、ジョセフは呆れため息をしていた。なんか仲良くなってないか?

 

「ったく、なんでジョースター家のメンツはこうも面倒なんだ?ジョセフ、この病院は今、俺達しかいないのか?」

「そうじゃがどうしたんじゃ?」

 

だったら、やる事は一つだ。

 

「なら良かったぜ、戦略的後退だ!」バリィィィィン!

 

俺は窓を突き破り、外へ身を投げ出した。ってここ何階だ!?かなり高さあるぞ!

俺は急いで糸にまた波紋を流すと、割った窓のカーテンレールへ投げて巻き付ける。

それをロープ代わりにしてターザンのように下の階の窓を突き破った。

 

バリィィィィン!

 

「危ねぇ、そこまで高くないと思ってたら、結構高かったな」

 

それは兎も角、シスコン・・・・いや、東方仗助だったな。落ち着け、頭を少し冷やせ。

俺は部屋から廊下に出ると、深呼吸をして少しイラついていた頭を落ち着かせる。

さて、奴をどうやって倒すか・・・・能力も分かってない、真正面からぶつかるのは少し分が悪いな。

・・・・・・・あっ、ダメ元だが思いついたぜ。頼むから単純であってくれよ。

 

 

◆◆◆

 

 

〈東方仗助side〉

 

「なら良かったぜ、戦略的後退だ!」バリィィィィン!

 

なっ、野郎!窓をぶっ壊して外へ出やがった。この病院、8階建てでここはその8階だぞ!

ガキは外へ出ると持っていた糸を部屋のカーテンレールに巻きつけてターザンみたいに下の階へ降りていきやがった。

 

俺は急いで階段で下の階へ降りる。

 

「野郎、どこに行きやがったッ‼︎」

 

俺は廊下の十字路で左右を見るが、奴の姿は無い。

突然、俺は釘に囲まれ、釘が一斉に俺に襲いかかってきた!

 

「なっ、なにィィィィ!」

 

まさか、霊園の時といい、今のこの状況といい、野郎のスタンド能力は時間停止!?

承太郎さんのスター・プラチナと同じ能力かよ!

 

「クレイジー・ダイヤモンド!」

『ドラッ!ドラララッ!』

 

俺はクレイジー・ダイヤモンドで釘を弾くが、あまりの多さで背中にいくつが突き刺さった。

 

「クッソッ!なんて量の刃物だよ!」

 

落ち着け、俺。承太郎さんとの訓練を思い出せ。

俺はクレイジー・ダイヤモンドと背中合わせになって死角をなくし、辺りを警戒する。

どこの物陰にいるんだ?

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

クッソっ、仕留められなかった。いや、ダメ元だったけど、もう少し食らってくれればいけたんだがな。

 

俺は仗助の背後、奴のスタンドの正面側の壁の陰に隠れている。

それにしても、アイツ時間停止相手に戦い慣れてるな。スタンドと背中合わせになって死角をなくし、急所を防御しつつ攻撃に対応する構えだ。時間停止が使えるのは俺と承太郎だけ、この構えは承太郎が絡んでいると見た。

 

しっかし、どうするかな?糸はこの階に降りてくるときに使って、その分短くなって仗助を縛る程の長さは無い。

今あるのはさっき投擲しなかった数本の釘と糸だけだ。

・・・・・・・そういえば、親父が訓練の時に言ってたな。

『ないなら作ればいい』

俺は糸に釘を結び付ける。プランは決まった、後はあのスタンド、クレイジー・ダイヤモンドの能力を探るかだ。

 

俺は残った釘の内一本を物陰の外へ投げ、わざと物音を立てる。

それで仗助の意識をこっちへ向ける。

 

仗助が俺のいる方へ少しずつ近づいてくる。

ギリギリの距離まで惹きつけると、俺は走り出す。

 

俺はまた廊下の曲がり角を曲がり、少しだけ体が見えるように壁を背中にする。

 

(頼むから、これに引っかかってくれよ。これが今思いつくとっさの作戦なんだからよ)

 

仗助を見ると、ゆっくり距離を詰めている。良し、これなら行ける。

 

「ザ・ワールド、時よ止まれ」

 

世界がモノクロに代わり、時が止まる。

俺は釘を結び付けた糸を天井の照明の投げて巻き付けると、俺は壁を蹴って天井へ、仗助の頭上にぶら下がり、ザ・ワールドを仗助の背後へ移動させる。

4秒経過、そして世界に色が戻り、時が動き出した。この状況で1秒伸びたな。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄‼︎』

 

ザ・ワールドは仗助にラッシュを仕掛ける。

 

『ドララララララララララララララララ‼︎』

 

仗助はそれをクレイジー・ダイヤモンドのラッシュで対抗する。

まあ、それも想定の内だ。それに相手も時間停止から背後への奇襲は分かっていたはずだ。

だから、

 

「本命の攻撃は上からなんだぜ」

 

俺は糸の釘を巻きつけている部分を切り離して仗助へ落下していく、その中で俺はザ・ワールドを戻す。

そして落下する中、切り離した糸を仗助の首へ巻き付け、仗助の背後へ落下する勢いを利用して首を絞める。

決まってくれ、じゃなきゃ本当に手詰まりだ。

 

「ぐおッ!ガキにくせにすげぇ発想だな。その運動神経ならなんかのプロ目指せるだろ?」

「テメェ、首絞められてるのにえらい余裕だな!?」

 

コイツ、このしぶとさ、やっぱりジョースターだ。首絞めてるのに何でピンピンしてるんだよ?

 

 

◆◆◆

 

 

〈東方仗助Side〉

「本命の攻撃は上からなんだぜ」

 

野郎、どうやって天井に!?

奴は落下する中、俺の首に糸を巻き付けやがった。俺はすかさず左手を首と糸の間に入れて首を絞められるのを防ぐ。

 

「ぐおッ!ガキのくせにすげぇ発想だな。その運動神経ならなんかのプロ目指せるだろ?」

「オメェ、首絞められてるにえらい余裕だな!?」

 

そりゃあ、完全には絞められてはいないからな。

俺はスタンドを上に出して照明を破壊し、その破片を「ドラッ!」正永へ投げ飛ばした。

 

「チッ、このダサリーゼントめ」

 

奴は頭を横へ動かす動作だけでそれを避ける。コイツ、また俺の髪を・・・・、でも今はいいぜ。ぶちのめしてやるからよ。

ニヤリ・・・・

そして俺はその破片を「直す」

ゴン!

破片は投げた軌道そのままに、奴の後頭部へ激突した。

 

「ぐはッ!」

 

「どうよ!クレイジー・ダイヤモンドを、ただ殴るだけしか能の無いスタンドだと思ったんじゃあねぇかあ!」

 

吉良との戦いから使っていた直す軌道で、破片を飛び道具にする俺の十八番だ。

意識外の攻撃で奴は怯んでいる。完全に無防備な状態だ。

 

「もらったぁ!」

『ドララララララ!』

 

俺は全力ラッシュを叩き込む。

 

 

 

だが、それが間違いだった。

奴は無防備に食らうと見せかけて目的はこれだったのか。

ラッシュを仕掛ける寸前に、奴は時を止めた。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

「思ってねぇよ、何らかの面倒臭い能力があるとは分かってたぜ。それにお前の能力、覚えたぜ。もう不覚はとらねぇぞ」

 

だが、さっきは危なかった。あと少し時を止めるのが遅かったら、ヤバかった。

しっかし、破壊された物を直す能力か。厄介だったな。

 

「さて、これでお前はチェスで言うチェックメイト、将棋で言う大手をかけられた。まあ、言っても聞こえないけどな」

 

俺はザ・ワールドに波紋を流し、ザ・ワールドは金色のスパークを纏う。

前の静との戦いでは使わなかった技だ。

 

煌く黄金色の波紋疾走(スパークゴールド オーバードライブ)‼︎」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄‼︎』

 

煌く黄金色の波紋疾走。

二重加速波紋疾走(ダブルアクセル オーバードライブ)で波紋を練り上げ、ザ・ワールドに流し、ジョナサンの山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー オーバードライブ)を再現する急造の技だ。ただし、ジョナサンのとは威力は段違いに上だがな。

 

「時は再び動き出す」

 

ドバァァァン!

 

仗助は壁へかなりの勢いで叩きつけられ、壁にはデカいクレーターが出来上がった。

 

「思い知ったか、これが格の差だ」

 

っても、かなり薄氷の勝利だったけどな。やっぱりジョースターには油断は禁物だな。

 

「完全敗北かよ。グレートだぜ、テメェ」

「そうか。だが、お前の能力を病室で使われていたら俺の方が危なかった」

「悪かったな。妹が襲われてると思っちまって、頭に血が上っちまってよぉ、ついカッとなちまった」

「妹のことを大切に思ってるのはいいけどよ、あんまり度が過ぎるのはやめとけよ」

 

バァン!

 

「この惨劇は・・・・あの少年がやったのか?」

「仗助君ッ!」

 

近くの扉が勢い良く叩き開けられ、二人の男が入ってきた。

流れ的にはスタンド使いだな。息をつく暇もなく次々と来やがって、こういう時は

 

「戦略的撤退に限る!」

 

俺は踵を返し、俺は後ろへ走り出し、俺は近くにある窓をザ・ワールドでぶっ壊して下の階へ降りた。

 

 

←to be continued

 

ーーーーーーーー

東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)、再起不能(リタイヤ)




思いついたもの。

アイズオブヘブンの語り合い。
正永とディオ

VS
正永「最悪だ、こんな奴と戦う事になるなんてな」
ディオ「ならば、即座に始末してくれる」

正永 勝利
「あぁ、クソッ。自己嫌悪がもっと強くなっちまうよ」

ディオ 勝利
「このDIOの生まれ変わりと少し警戒していたが、なんということは無かった」

VS・・・2
ディオ「俺は再び人間を超越する!正永!貴様の身体を手に入れてなぁ!」
正永「させるかよ、ぶちのめして止めてやるよ」

ディオ勝利
「勝ったッ!貴様の身体はこのDIOの物だッ!」

正永 勝利
「沈め。死の底へ、今度こそ」

正栄&ディオ
正永「一時的な協力だ。俺はお前を殺したいんだからよ」
ディオ「ふんッ、貴様如きにこのディオが殺せると思うな」

勝利
正永「次はお前だ、ディオ」
ディオ「ふっ、いいだろう。貴様を殺し、血を吸い尽くし、ゾンビにしてくれよう」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

どうも俺が関わる遠距離スタンドは厄介な奴が多いらしい

前回までの俺たちの冒険。
始まった正永とジョースターの戦い。
正永は静との戦いで勝利を収めるが、それ妹が虐められていると勘違いした東方仗助が正永に襲い掛かる。多くの策を持って正永は戦うが、しかし!仗助は承太郎との訓練によって時間停止能力との戦闘に慣れていた!苦戦にながらも、なんとか薄氷の勝利を収めるが、
その正永に新たな二人のスタンドが襲い掛かる。


〈白月正永side〉

 

俺は窓をぶち壊し、下の階へ降りると一瞬乱れた呼吸を整えてもう一度波紋を練り上げる。

にしても、あの金髪ロール、暴走していた時の記憶が正しければ、ジョルノって言ってたよな。

なんなんだ、この感覚は?俺とアイツには何か見えない繋がりを感じる。

例えるなら、ジョナサンの身体を乗っ取った後、ジョースターの一族がいる事が分かった時のようだ。

 

『逃がさないぞ!白月正永君!』

 

後ろから聞こえた声に俺は振り返ると、俺が降りてきたルートで緑色の気持ち悪い形をしたスタンドが空中を飛びながら俺に追いついて来た。遠距離タイプのスタンドか、花京院の様な真似をされそうだが、ここは姿を隠して様子を見るべきと見た。

 

(ザ・ワールド、時よ止まれ)

 

俺はザ・ワールドで時を止めると、空中に浮かぶスタンドに全力のパンチを一発ブチ込む。

今の内に牽制できるならやっておくし、これで再起不能になってくれるならなってくれ。そして即座にその場を離れ、廊下を前方一直線で走り、曲がり角が見つけて身を隠す。そして世界に色が戻り、時が再び動き出す。

停止時間5秒、この調子ならディオの頃の調子は直ぐに戻りそうだ。

 

ドゴォン!

 

今の衝撃音、まあまあ吹っ飛んだな。俺は懐を漁り、使える物を確認するが、使える物はもう既になかった。いや、それもそのはずか。糸はさっきこの階に降りてくる時に使って回収していないし、釘はさっきの仗助戦で全部使い切っちまったし。

どうしたもんかねぇ?道具がないともう正々堂々真っ向勝負か不意打ちしかないぞ?

 

カラン、ドグオォン!

 

なんだ!なんか金属製の物が廊下を転がった音がしたしたら、バカでかい爆発音が聞こえて来たぞ!・・・・・まさか、手榴弾ッ!?

 

(仮にも実年齢は8歳の子供だぞ!?そんな子供に対して重火器、それも爆弾なんか使うのかよ!?)

 

俺はあまりのクレイジーさに冷や汗を垂らしていると、違和感を感じた。

 

(どこも焦げてない?それにどこも壊れてない?)

 

仮にも手榴弾を使ったのなら、天井や廊下に穴が開くし、穴が開かないにしても壁と天井、廊下が黒焦げになる筈だが、廊下に壁、天井、どこも壊れていないし黒焦げにすらなっていない。

 

(そういう事か!理解した、あのスタンドは音に関する能力のスタンドだ!)

 

曲がり角の影からスタンドがいるだろう方向の廊下を覗くと、壁に床、天井に漫画のオノマトペのような文字が引っ付いている。十中八九、アレが音を出しているのだろう。

おそらく爆発音で俺のあぶり出すのが目的か。実際に爆弾が使われていたなら、俺は次弾が使われる前に相手に接近して全力攻撃で再起不能にするからな。だが、こけおどしなら即座に仕留められる。

 

(いや、待て。相手は遠距離タイプ、能力は音に発生させる物。だが、警戒はすべきだ。エジプトでの戦いで花京院が俺に仕掛けて来た攻撃のような事があるかもしれないからな)

 

油断はせずに即座に倒す。

俺は一歩踏み出すが影から出ることは出来なかった。

 

ドグオォン!

 

今度は俺の足下から本物の爆発が起きた!

 

(まさか、あのスタンドの能力は音を発生させるのでは無く、オノマトペを作り出し、それを現実化させるのかッ!?)

 

何で俺が戦う遠距離タイプのスタンドはこんな厄介なんだよ。

そして俺はその爆発に呑まれた。

 

 

◆◆◆

 

 

〈広瀬康一side〉

「戦略的撤退に限る!」

 

彼は窓を突き破り、下の階へ飛び降り、逃げて行く。

 

「エコーズact1!」

 

僕はそれを即座にエコーズを飛ばして後を追わせた。

act3は射程が短いから論外。スピードとパワーはact2の方が強いけど、act1の能力の方が彼を引きずり出す事ができる筈だ。

 

「逃がさないぞ!白月正永君!」

 

僕の本体とはそこまで離れていないし隠れていないなら、この射程でact2はなんとか使える!

すると突然、頬に衝撃が走り、視界に映る景色が変わった。

どうやら時を止めて攻撃されたみたいだ。

視線を彼のいた場所に戻すとやはり既に彼の姿はなかった。

視線を逸らしたという事はそこまで時を止められないのかもしれない。

長く止められるのなら、かなりの攻撃を受ける、また別の階に逃げる筈だ。

そうではなく、攻撃して視線を逸らして逃げたという事はまだ僕の姿を捉える事ができる距離、そうではなくとも、少なくはこの階にはいる。

辺りを見渡すと廊下はT字型で左右は一直線になっていて姿を隠せる場所はない。だが、目の前の廊下は少し先に曲がり角がある。おそらく彼はそこにいる。

 

(まずはact1の能力で彼を油断させてこっちに接近させて、act2の能力で足止めする。act3の射程内まで僕が近づくか、ジョルノ君が追いつくまではact1、2でなんとかするしかない!倒せなくても、それぐらいは出来る!)

 

僕はact1で金属の落下音爆発音の尻尾文字を作り出し、廊下に引っ付ける。

これで彼はこちらを確認する筈だ。僕はエコーズをact1からact2に切り替えると、彼がいるだろう物陰の床に「バコォォォン!」の尻尾文字を投げて貼り付ける。

 

そして物陰から爆発が起こった。彼が尻尾文字を踏んだんだ。

僕はact1とact2を切り替えて爆発音の尻尾文字を複数作り出す。act2で爆発を起こして尻尾をすぐ回収。回収が終わったらact1でダミー音を周りに連発する。

この作業を繰り返す。

act2は文字を現実化出来るけど、act1みたいに連発はできない。

でも、今はそれで良い。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

黄金体験と反響

前回までの俺たちの冒険!
始まったジョースターとの戦い。
連戦に次ぐ連戦!
東方仗助に薄氷の勝利を収めた正永の前に広瀬康一と前世の息子であるジョルノ・ジョバーナが現れる。
正永は体勢を整えるために下の階へ降りるが、康一のエコーズを能力に翻弄されてしまう。
そんな正永に前世の息子、ジョルノ・ジョバーナが襲い掛かる。


〈ジョルノ・ジョバーナside〉

 

康一君はスタンドのコントロールに集中していて動かないでいる。

本体から見えずにスタンド視点で操作をしているため、本体が動くのは危険なのだろう。

普段の彼なら、それが出来るのだろう。それが出来ない状況という事は、彼の足止めに成功しているという事だ。

 

僕は急いで下の階へ降りて行く。

 

「ゴールド・エクスペリエンス!」

 

僕は壁に触れて木へ変えていく。そして階全体に響く爆発音を聞き、その音源の場所へ走っていくと、康一君のエコーズが廊下の先の曲がり角へ何かを投げつけている。アレは文字?

見ると文字から「ドグオォン!」と爆発音が出ている。

そして時々、姿を変えると物理干渉のある文字を飛ばす。

成る程、そういう能力なのか。

近くで見ているからこそ、虚実が分かるが、自分でこれを受けていたらこれを見切るのは難しいだろう。これは足止めにかなり有効だ。

 

「康一君・・・・・・限られた中で出来る事をやって最大限の結果を出せる貴方は本当に凄い人です。SPW財団の人達があなたと言う人材を欲しがるにも納得します」

 

僕は無意識に康一君を下に見ていたのかもしれないな。

 

「康一君、後は僕が引き受けます」

 

それを聞いてエコーズは頷き、天井へ消えて本体へ戻って行く。

さあ、行こう。僕の覚悟は決まった。君はどうかな?

ショウエイ・シロツキ君。

 

「ゴールド・エクスペリエンス!」

 

僕は木へ変わっていく壁に加え、廊下にある椅子や植木鉢といった物という物を植物へ変化させて廊下がジャングルへと変化していく。

 

「シロツキ君、戦うってことは、覚悟は出来ているね?僕に危害を加えるって事は、逆に危害を加えられる覚悟が出来ているという事だね?・・・・・」

 

僕が言っている間も植物は伸びていき、おそらくこの階全体を包むぐらいに伸びている。

熱帯雨林のジャングルもこんな感じなんだろう。

 

「僕は出来ている!」

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

クッソ、爆発で動きが取れない。爆発で囲まれて、ザ・ワールドでガードしているのが精一杯だ。

 

「康一君、後は僕が引き受けます」

 

あの金髪ロールはジョルノか。その声を聞いて緑色のスタンドは頷くと天井へ消えていった。

スタンドが消えた事で俺を襲っていた音の嵐は収まった。

 

「シロツキ君、戦うってことは、覚悟は出来ているね?僕に危害を加えるってことは、逆に危害を加えられる覚悟が出来ているねという事だね?・・・・僕は出来ている!」

 

わざわざ相手に覚悟を問うとは、甘いぞ。戦いにあるのは生と死だ。親父の自警団を手伝うと決めた時から傷を負うことは覚悟していた。

 

辺りはさっきとは一変し、実際に見たことはないが熱帯雨林のジャングルのようになっていた。

木々はまだ成長を続け、鋭く刺されば痛いじゃ済まないだろ。

 

広範囲かつ高密度、殺しにかかるぐらいの攻撃だ。甘いと言ったが訂正しておくか、甘くはないな。

 

「ザ・ワールド。時は止まり・・・・」

 

俺は時を止め、ジョルノの後ろへ回ると時を動かした。

 

「そして動き出す。覚悟は出来ているか?だったな。そんなのとっくの前から出来ている。一つ言っておく、俺はアンタに対して手加減は一切しない」

 

俺は再び時を止めると、成長している木から葉っぱを何枚かむしり取り、波紋を流し、その内のいくつかを投げる。投げた葉は空中で静止し、違う位置で残りを投げる。

ジョルノは全方位180度が波紋を流した葉っぱのカッターに囲まれる。

そして時を動かした。

 

「!」

 

トトトトトッ!

 

ジョルノへ飛んでいった葉のカッターはジョルノが木に囲まれた事で防がれ、ジョルノを囲んでいた木は壁の塗装などへ変わっていった。

 

(なんとなくわかってたけど、この植物全部がコイツの能力か。どうするんだ?この感じだと打つ手がどんどん無くなってくぞ)

 

俺はこの状態で使える物を視線だけを動かして探していると、壁が壊れて水道管から水が漏れているを見つけた。良し!これは使えるぞ!

俺は水道管から放物線を描いて漏れている水を手ですくい、水を口へ煽る。

そして時を止め、ジョルノの背後へ回る。

 

親父との波紋の訓練で親父が不意打ちでやってきた攻撃法。

 

「パパウパウパウ、波紋カッター!」フヒィーン

 

俺の口から吐き出された水は円盤状になって空中を飛び、静止する。

そして時を動かす。

 

「行け!」

 

ジョルノは波紋カッターを俺と誤認して枝で追撃を仕掛ける。

だが当然、波紋カッターは枝を切断する。

 

「何ッ!こんな攻撃を!?」

 

そしてカッターはジョルノの左腕を切断した。

良し!これはデカいぞ。

 

ドスドス!

 

そう思ったのもつかの間、ジョルノはダメージを負いながらも反撃してきた。

迫ってくる枝が俺の左脚の膝とふくらはぎを貫いた。

クッソっ!

 

「正直、君を侮っていたのかもしれない。とっさにこんな攻撃を思い付くとは、油断ならない相手だ。シズカや仗助さんが負けたのも分かる気がするよ。それに普通の子供なら泣きわめくだろうダメージも声を上げずに顔をしかめるだけで冷静そのものだ。だけど、君の落ち度は僕の覚悟を甘く見ていたことだ。僕はギャングだ。ギャングが覚悟を決める時、それはどんな状況でも、目的を達成する時なんだ。例え最終的に命を落としてもね。腕の一本切り落とされたくらいじゃあ、喚き声はあげないよ」

 

こいつ、なかなかの精神力!

ジョナサンにジョセフ、承太郎の見せたような覚悟。コイツもジョースターの血統か!

 

「ジョルノ君!大丈夫!?」

 

背の小さい男が窓から入ってくる。もしかして、コイツがジョルノが言ってた康一か!

 

 

◆◆◆

 

 

〈広瀬康一side〉

「ジョルノ君!大丈夫!?」

 

僕はジョルノ君に駆け寄る。ジョルノ君は左腕が鋭い何かで切断されていた。

 

「康一君、来てくれましたか」

「ジョルノ君、腕が」

「大丈夫ですよ。腕を切られただけで、めちゃくちゃ痛いですけど、さほどの問題じゃないですよ」

「言ってる事がおかしいよ」

 

腕を切られた事を切られただけって、かなりの問題だと思うんだけどなあ。

 

「でも、すごいよ。普通、敵を褒めるはおかしな話だけど。白月くん、あの年で静ちゃんや仗助君を退けて、君に怪我を負わせるなんて、先が末恐ろしい子だよ」

「でも、今の彼は敵です」

「そうだね。君は腕を治療するんだ。その時間は僕が稼ぐ」

「康一君、気をつけてください。彼はスタンドとはまた違う力を使って液体や色々な物で攻撃して来ます」

「ジョースターさんの波紋だね?気をつけるよ」

 

僕は白月君の方を向くと、円盤状に固まっている水と波紋を帯びている葉っぱが僕へ向かって飛来する。

 

「エコーズact3!」

 

それを僕はエコーズact3で弾き退けて、白月君との距離を詰める。

射程距離5メートル以内!

 

「行け!スリー・フリーズ!」

『スリー・フリーズ!』

 

「何ッ!ガッ!」

 

Act3のスリー・フリーズで重力が重くなって崩れる白月君。

元々の負傷に加えて重力の重圧が加わり、立っていられなくなったみたいだ。

そのまま重圧を加えれば勝てる。でも、その間に何かしてくるかもしれないのが彼だ。

それに小さい子供を痛みつけるのは心苦しい。だから、

 

「これで終わらせるよ。白月君」

 

トドメを刺すためにacr3で一気に殴りかかる。

 

「ダメだ!康一君、これは罠だ!」

Exactly(そのとおり)!」

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

正直言ってかなり驚いた、急に体が重くなったんだからな。

でも、周りを見ていないのが命取りってやつだ。

 

Exactly(そのとおり)!」

 

床は水道管から漏れていた水で水浸しになっている。

波紋は水によく流れる。

だから、

 

波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

床の水に波紋を流す!水に伝わった波紋は康一へ伝わって行く。

強い波紋は相手にダメージを与える。

 

「ザ・ワールド!」

 

それに加えて、ザ・ワールドで時を止める。

体は重く感じるし、痛みも感じるが、痛みは波紋で和らげてなんとか立ち上がる。

 

「戦いでは常に命がけ。生きるも死ぬも己次第。アンタは多分出来ているんだろうな。どんな戦いでも必ず生存し、仲間の元へ帰ろうとする覚悟が。だから、こんな俺が言うのもアレだけど、俺はアンタに敬意を表するよ。聞こえないだろうけどな」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!』

 

人の覚悟は大きな壁を超えて行く。かつての記憶が蘇って、前に親父が言ってた事がわかったぜ。

 

「そして時は動き出す」

 

ドバギャァァン!

 

「もう一度言う。覚悟はとっくの昔に出来ている。どんな戦いでも、必ず生きて家族の元へ帰る。それが俺の覚悟だ。ジョルノ」

 

←to be continued

 

ーーーーーーーーー

広瀬康一(エコーズ)、再起不能(リタイヤ)

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

戦いとトラウマ

前回までの俺たちの冒険。
かつての己であるディオの残した汚点を始末するために正永はジョースター家の者達との戦いの試練に身を投じる。
静と仗助を退け、なんとか康一を再起不能に成功した正永。
そして残るはジョルノのみ、正永はジョルノを倒す事ができるのか!?



〈白月正永side〉

なんとか康一を倒せたが呼吸がかなり乱れたし、ダメージも大きいな。

 

(でもそれはジョルノも同じは、ず・・・・・なっ!)

 

俺は口が大きく開いて、それが塞がらなかった。

ジョルノの右手には左腕が握られていた。

それだけなら驚かない、驚いているのは切り落とした腕が廊下に転がっているからだ。

あの腕はどこから出てきた?

ジョルノはその腕を引っ付けた。

 

「このまま・・・、このまま降参してくれるなら、再起不能になってもらうだけで何もしない」

「お前、一回日本語をしっかり勉強してこいよ。外国人」

 

再起不能にする時点で何もしないと言うのは間違っている。俺じゃない小学生でも分かるぞ。

 

「アンタ、アホだろ。ボコボコになれって言われて、はい分かりましたって二つ返事をする奴はいねぇよ」

「アホとは失礼な。学力は高い方だぞ。それから君は己を知れ。君は危険すぎる。美味しい話なんてないに決まってるだろ?」

「まあ、美味しい話なんてない事に関しては同感だな」

 

それを言い終わると俺はジョルノとの間合いを詰める。

 

「ザ・ワールド!」

「ゴールド・エクスペリエンス!」

 

「「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ‼︎」」

 

同じラッシュの掛け声でパワーは俺の負傷が大きいため互角。

スピードは若干向こうの方が速い。

 

普通ならこの状況は俺が不利なんだろう。だが、今の俺にはザ・ワールドの他にも使えるものがある。

俺は乱れていた呼吸を整えて波紋を練り上げる。

 

「波紋疾走!」

 

俺は波紋を足の指に集中させて床に広がっている水へ流す。

 

「ッ!!」

 

そう、今の俺にはかつて苦労した波紋がある。ザ・ワールドを出す事自体は前から出来たが、本格的に使い始めたのはついさっきだ。

それに比べ、波紋は3年前ーー5歳の時から親父にしごかれて戦い方は完全に習得している。

これならいける筈だ!

 

バァァン!

 

だが、ジョルノは少し波紋の攻撃を食らったが、すぐに跳躍し、俺の背後へ回った。

 

「ゴールド・エクスペリエンス!」

『無駄ァ!』

 

しまった!防御が間に合わないッ!ガッ!

 

「ジョースター卿や静のように波紋とスタンドを合わせる戦い方、でも君の場合は二人とは違ってスタンドをうまく操れないようだね」

 

ザ・ワールドはジョルノのスタンド、『ゴールド・エクスペリエンス』に押し負け、俺は吹っ飛ばされた。

それからすぐに起き上がると、体に違和感が感じた。

 

(痛みを感じない?それになんで奴の動きがスローで映るんだ!)

 

スタンドで殴られたのに痛みを感じていない。それに走ってくるジョルノの動きがスローに見える。

なんだ?一体何をしたんだ?

 

(えッ、なんで?なんで俺の体があるんだよ!)

 

俺の俺の体がゆっくりと起き上がろうとしていた。つまりこの状況は、俺の意識だけが暴走している!?

急いで体に戻らないと!

 

「無駄ァ!」

 

痛ぇ!鋭い痛みがゆっくりとやってくる!

もう一度吹っ飛ばされたが、意識は戻った。もし戻らなかったから無限ループだ。

 

「はぁはぁ・・・」

 

ゴールド・エクスペリエンスのパワーは本来のザ・ワールドのパワーより弱い。

だが、さっきの場合に関してはそれが逆にヤバい。あのスローな痛みを一撃だけじゃなく、連続で打ち込まれれば、俺はそのショックで死んじまう

 

しかも身体が震えてる、さっきの痛みに身体が恐怖を覚えている。呼吸が乱れた。

俺の理性は戦おうとしているのに、本能が逃げろ!、と言ってきている。

そんな時、

 

『もっと!もっと!静止した時の中を動けると思いなしゃれッ!

空気を吸って吐くことのように!HBの鉛筆をペキッ!とへし折る事と同じようにッできて当然と思うことですじゃ!大切なのは「認識」する事ですじゃ!

スタンドを操るという事は、できて当然と思う精神力なんですぞッ!』

 

『どんな兵士でも戦士でも戦いの中で恐怖を覚える。

自分の意識では戦おうとしているのに身体の方が、本能の方が恐怖している状態だ。いわばこの場合、恐怖は向かい風だ。それを追い風に変えろ、その恐怖を使って勝つ方法を考えろ』

 

言葉が俺の中に響いた。

一つ目はエンヤ婆がDIOの時の俺に言った言葉、二つ目の言葉は親父のか、そういえばあの時はかなりヤバかったな。

 

 

 

 

 

 

 

ー二ヶ月前、白月邸の地下ー

「はぁはぁ、もう・・・・無理」バタッ!

 

俺は床に仰向けで倒れた。疲れ切って呼吸も乱れて少しの波紋も練れない。

本当にクタクタだ。

 

「よくやったな。キラー・ホーネットの攻撃を30分凌ぎ切るとはな」

 

そう言って親父はスタンドを戻した。

親父のスタンド「キラー・ホーネット」の攻撃を30分間躱し続ける訓練。

キラー・ホーネットの能力は「毒の生成と制御」、一発でも食らったらAUO(アウト)だ。

 

「キッツい・・・・鬼だ・・・」

 

親父との訓練はキツ過ぎる。鬼だろ鬼。

 

「よいしょっと」

 

親父は座るとタバコを加えると火を付けた。

 

「フゥゥーお、言っとくぞ正永」

 

親父は煙を吹くと、真剣な視線を俺に向けた。

 

「お前はまだスタンドを持っていないが、言っとく。スタンドを特別なものだと思うな。身体の一部だと思え、いや、身体の延長線上のものだと思え。スタンドの力を使う時は呼吸するように当たり前だと思え。そうじゃなきゃ、いざスタンド使い同士の戦いで死ぬぞ」

 

それは聞いていてとても現実味があった。おそらく親父が実際に体験したことなんだろう、かつてスタンド使い同士の戦いで死にかけたんだろう。

俺はこの事を心に深く刻みつけた。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「コォォォ」

 

気づけば身体から恐怖が消えていた。いや、消えたというのは語弊があるな。恐怖を認めたと言った方が正しい。さっきまでは理性が恐怖を否定していた。チグハグな歯車がガッチリと噛み合った。

 

「ありがとな、ジョルノ。お前のお陰で恐怖を認める事が出来た。俺は恐怖を認める事が勇気。その勇気を持ち、前へ進む事が覚悟だと思っている」

 

今の俺なら、今までで最高の波紋を練れる気がする。それに今なら、ザ・ワールドを完全に操れる気がする。

 

「ザ・ワールド!時よ止まれぇ!」

 

世界は色を失い、時は止まった。

そして俺は波紋を練り上げる。普通の波紋じゃない、白月家が代々波紋を継承していき、独自に進化した波紋。

その一つ、スタンドに波紋を流し込む。

 

「行くぞぉ!烈風波紋疾走(ソニック オーバードライブ)!」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!』

 

金色の光を纏ったザ・ワールドは時が止まった世界でジョルノにラッシュを叩き込む。

烈風波紋疾走(ソニック オーバードライブ)、白月家が独自に進化させた波紋の一つ。

速さに特化した攻撃だ。

停止時間が続く限りにラッシュを叩き込む。

 

「8秒経過、そして時は動き出す」ズガジャパアァァァン!

 

世界は色を取り戻し、時が動き始めた。

そしてジョルノは物凄い勢いで吹っ飛んでいった。

 

不味い、ダメージが・・・。

 

バタッ。

 

身体の力が抜けきり、俺の意識は闇に沈んだ。

 

←to be continued

 

ーーーーーーーーーー

 

ジョルノ・ジョバーナ(ゴールド・エクスペリエンス) 再起不能(リタイヤ)

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星の原石

前回までの俺たちの冒険。
続く正永とジョースターの戦い。
ジョルノとの戦いの中でザ・ワールドを再び己のものとした正永はジョルノを下した後に気を失ってしまう。
その一方・・・・


〈白月勇吾side〉

俺はタバコを加えながら、病院中の監視カメラの映像に映る正永の戦いを見てた。

最初はジョルノ・ジョバーナと広瀬康一君に押されていたが徐々に動きが良くなっていった。

そして康一君は再起不能になり、ジョルノ・ジョバーナは相打ちで倒した。

 

「ふぅおおー、まあまあだな。75点あたりか、でもしっかりと生き残ったから5点プラスの80点か」

 

俺は煙を吐きながら、俺の後ろで映像を見ている彼に向けてそう言う。

人間、戦って命が残ってれば儲け物。御の字だ。

 

「正永の奴はこんな感じだ。それで君は正永と戦えるのかい?比企谷八幡君、いや・・・ジョースター家の戦いの原石、ジョナサン・ジョースター君?」

 

俺は首を後ろ向けると、そこには影で顔の表情はわからないが正永の友人にして波紋使いである比企谷八幡君がいた。そして、彼もまた転生者。ジョセフ・ジョースターの祖父、ジョナサン・ジョースターの生まれ変わり。

 

前世での宿敵が今世では親友と言える存在だったとは、もし神様って奴がいるなら、そいつはとんだ奴だ。あの二人にもう一度殺し合えと、そう言ってるように思える。

 

「・・・・・・・・ッ」

 

やっと見えた八幡君の表情は苦しそうなものだった。そして彼は部屋を出て行った。

俺にはこれから始まる戦いを見ることしか出来ない。あの二人の因縁の歯車は既に誰にも止めることは出来ない程に回っているのかもしれない。

 

 

◆◆◆

 

 

〈比企谷八幡side〉

「クッソ!」ガコンッ!

 

部屋を出た俺は近くの壁を思いっきり殴りつけた。

俺はまだ戦う覚悟が出来ていない、本当に白月があのディオの生まれ変わりなのか、それがまだ俺の中でハッキリしていない。

あの非道の限りを尽くしたディオと白月の姿が重ならない。

正反対過ぎる、白月はディオと違い、何だかんだで人をほっとけない奴だ。人を利用しようとは一切しなかった。

 

「どうすればいいだよ?」

「ヒッキー・・・」

 

俺がこれからの戦いをどうすればわからない時、後ろから結衣に話しかけられた。

 

「結衣・・・・」

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない」

 

もうどうすればいいのか分からない。彼奴とどうやって向き合えばいいのか。

 

「ツッキーと戦う事が怖いの?」

 

違う、そうじゃない。怖いわけじゃない。

 

「怖いんじゃない、彼奴とどうやって向き合えばいいのか分からないんだ。彼奴がディオの生まれ変わりとは思えないんだよ」

「やっぱり、ヒッキーもそうなんだね。ツッキーはディオと正反対だもんね」

 

結衣はそこで言葉を区切ると、俺を抱きしめてきた。

えっ!

 

「結衣・・?」

「分かるよ。私もツッキーがあのディオの生まれ変わりなんて信じられない。でも、それを私達は確かめないといけないよ」

 

結衣、お前も辛いのか。だって・・・・・

 

「泣いてるのか・・・?」

 

泣き声は出していないが、涙が出ている。

 

「結衣・・・・・」

 

俺は抱きついている結衣を引き離すと、肩に手を置く。

 

「泣くなよ、もっと辛くなるだろ」

 

どう向き合えばいいのか分からない、でも、それを決めるためにも戦わなければいけないのか。

 

「結衣、行ってくる。彼奴がディオなのか、それを確かめて来る」

 

俺は結衣から手を離すと、俺は結衣の横を抜けて行った。

 

 

 

 

 

 

ーーこれからは命がけ。さあ、拳を握れ。

ーー呼吸を整えろ。

ーーもう原石と根源の運命の歯車は誰にも止める事は出来ない。

ーーこれからの結末は誰も知るよしはない。二人にしかそれを決める権利はないのだから。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

根源と原石 〈前編〉

前回までの俺たちの冒険。
正永がディオの生まれ変わりなのか確信を持てずに戦う事を躊躇していた八幡。
だが、その真実を追求するために八幡は正永との戦う事を決意する。

決戦の時はすぐそこに迫っていた。


〈白月正永side〉

「んっ、うんんっ」

 

目を覚ますと、最初に目に入ったのは俺の母さんーー白月綾香の顔だった。

 

「母さん?」

 

そうか、ジョルノと戦って、そこで気を失ったのか。

ここは病室か、最初とは違う場所だな。

俺は身体を起き上がらせる。

 

「ええ、正永。お疲れ様、頑張ったわね」

 

母さんは真っ先に俺にそう言ってくれた。

この感じだと、母さんも知ってるのかな、俺がディオの生まれ変わり・・・いや、前世の記憶を持っている事を。

 

「母さん・・・」

「分かっているわ、あなたが私達とは違う事は。でも、あなたは白月正永。私と勇吾の息子で家族なのよ」

 

暖かい、とても安らぐ。

母さんはそう言って俺を抱きしめてくれた。

ああ、この温もりは本当に、俺には過ぎたものだな。

 

「ありがとう、母さん。もういいよ」

 

俺は母さんのハグを解いてもらうと、ベットから降りて靴を履く。

 

「正永・・・・頑張りなさい」

 

俺は病室を出ようとドアの取っ手に手をかけた時、母さんが優しい声音でそう言ってくれた。

 

「いってきます」

 

俺は病室を出ていった。

廊下に出ると、

 

「来たか、正永」

 

タバコを加えながら壁に背中を預けている親父の姿があった。

親父、いくらイレギュラーな状況でも病院の廊下で、タバコ吸わないでくれよ。

 

「親父・・・どうしたんだよ?」

 

「八幡君からの伝言だ『屋上で待っている』・・・だそうだ」

 

「そうか、分かった。ありがとう、親父」

 

俺は廊下を走って屋上へ上がっていった。

そこには俺の今世で出来た友人、比企谷八幡が夕日を背にして俺が来るのを待っていた。

 

〈比企谷八幡side〉

白月が屋上に来るまで、俺は自分の考えとアイツの戦い方のことを考えていた。

静・ジョースターとの戦いは糸を相手の足に絡み付け、そこからの波紋の感電のみで相手を倒していた。女性に簡単に暴力を振るったディオがする筈のない事。

仗助、康一、ジョルノとの戦いじゃ必死に戦い、最後はジョルノとの相打ちだったが、全部の戦いに勝利した。その戦い方は俺が知っているディオの戦い方じゃなかった。

やっぱり重ならない、ディオと白月の姿が。

いや、それを確かめるためにここにいるんだからよ。

アイツが何なのか、問いたださないといけない。

 

「比企谷・・・・・」

 

 

〈白月正永side〉

「比企谷・・・・「白月、お前は一体誰なんだ?」・・・・ッ!」

 

俺が言うとした言葉は比企谷の言葉に遮られた。

今の問いではっきりした。比企谷も俺と同じ転生者か、誰の生まれ変わりだ?

ジョースター卿か?あの占い師か?それともスピードワゴンか?それとも・・・・・ジョジョか?

 

「俺が誰か、ね。俺はディオだ。ディオ・ブランドーの生まれ変わりだよ」

 

俺はザ・ワールドを出し、ディオの生まれ変わりである事を主張する。

 

「そうか、やっぱりか。もしかしたら違うんじゃないか、そう思ったんだがな」

 

比企谷はそう言うと表情が激変した。今まで、俺や由比ヶ浜に見せたこともないひょうz・・・・いや一度だけあった。覚悟を決めた表情。そうだ、一年前、俺と比企谷が出会ってしばらくした日、他クラスの男子に絡まれた時に、由比ヶ浜を悪く言われてアイツが絡んできた奴らを殴って、喧嘩というよりも、俺たち二人の蹂躙になった時の表情だ。

 

そんな時、白く輝く茨が俺を襲った。俺は横に避ける。あのスタンドはまさか、

 

「ハーミット・パープル!?」

 

待て、待てよ。ハーミット・パープルとは色が違う。それにアイツのスタンドは人型だった筈だ、ならあの茨は何なんだ?

 

「違う、このスタンドはハーミット・パープルじゃない」

 

比企谷はそう言うと、アイツの手から茨が何本も伸びて行き、それは固まり人型へと変わっていった。

その姿こそ俺が知っている比企谷のスタンドだった。

 

「コイツの名は『スター・ジェムストーン』だ」

 

星の原石(スター・ジェムストーン)ね。そういう事か、分かった。アイツの正体が、アイツが誰の生まれ変わりなのか。

 

「そうか。比企谷、お前は、ジョナサン・ジョースターか」

 

「・・・・・・・・」

 

俺の言葉に比企谷は答えない。その代わりと言わんばかりに、俺との距離を詰めてきた。

 

『オラッ!』

『無駄ッ!』

 

スター・ジェムストーンの仕掛けてきた攻撃をザ・ワールドで対抗する。

ぐっ!パワーは互角か。

 

『オラオラオラオラオラオラオラ』

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄』

 

そして始まるラッシュのぶつかり合い。スピードも互角か!

 

「なんでなんだろうな、どうしてディオがお前なんだよ、白月」

 

「それはこっちの台詞だ。なんでお前がジョナサンなんだよ、比企谷」

 

ようやく出来た、本当の友達、いや親友が出来たと思ったのにどうしてだ。

 

「「お前がジョナサン(ディオ)なら、お前を殺す。己自身の目的のためだ!」」

 

その言葉と同時に俺たちは距離をあける。

そして俺は波紋を練り上げる。

俺はお前を必ず倒す!

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

根源と原石 〈後編〉

遂に始まった正永と八幡、前世からの因縁の戦い。
ジョナサンとディオ、二人の前世から始まった戦いは今、決着しようとしていた。



〈三人称side〉

 

夕暮れ時の病院の屋上。

 

『オラッ!』

『無駄ッ!』

 

そこで二人はぶつかり合う。

お互いの瞳には覚悟の炎が灯り、一切の妥協も無くお互いの力をぶつけ合う。

そこには友としての情はなく、あるのは己が倒すべき敵として敵意のみ。

 

「ジョジョォォォ!」

「ディオォォォ!」

 

そして瞳に映るのはお互いのかつての姿だった。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

『無駄ァ!』

 

『オラァ!』

 

何度目か分からない拳の拮抗、俺も比企谷も呼吸は乱れずに波紋を練り上げる。

そして俺はスタンド同士がぶつかり合う中、距離を詰める。狙うは比企谷の鳩尾。

 

「させるかよッ!」

 

「ぬぅッ!」

 

だが比企谷は左手から茨を伸ばし、俺の右手へ巻きつけると引っ張られ、軌道が逸れる。やっぱり左からも出せるか。予想はしてたが、当たって欲しくはなかったよ!

 

「ついでにこれも食らってけ!コォォォ!」

 

「グァッ!」

 

比企谷のジェムストーンを伝った波紋を俺はモロに食らっちまう。中々の威力、流石ジョジョの生まれ変わり。我が宿敵よ!

 

「仕返しだ、貰っとけ」

 

「ガッ!」

 

だが、俺もやられっぱなしってのは嫌だからな。右手に絡まる茨に波紋を流し返す。墓場で暴走した時に俺がジョセフにやったやつだ。

 

ガシャン!

 

「ぐっ!」

 

だが、俺は投げ飛ばされて屋上を囲むフェンスに叩きつけられる。

あいつのスタンド、相当応用が利くな。ハーミット・パープルとスター・プラチナのいいとこ取りじゃねえかよ。

 

「クソったれ」

 

俺はもう一度、全速力で比企谷との距離を詰める。

 

「行け!ワールド!」

「ジェムストーン!」

 

『無駄ッ!』

『オラァ!』

 

ぶつかるザ・ワールドとスター・ジェムストーン。

仕掛けるなら今だ。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!』

 

「何度も懲りずに」

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!』

 

ラッシュはやはり拮抗するが、俺はさらに比企谷との距離を詰めて行く。

 

「まずは一発だ!」

 

そしてあいつの顔面に右拳を殴り込む。

あいつはラッシュの対応の意識を割いていた。スタンドの操作と別の事を行うには多少の訓練はいる。俺はディオの記憶がある分、それに関しては俺の方が上だ。

だったら、僅かな対応のラグがあるスタンドとの別行動で攻撃するしかない。

 

「クッソ!だったらっ!」

 

「ぐっ!」

 

それに比企谷も俺の顔面をぶん殴る。中々やるじゃねえか。

これだけ距離も近くなったな。だったら、

 

「こっから先はスタンド無しの殴り合いと行こうじゃねえかよ!」

 

俺は波紋を練り上げ、それを両手へ集中させる。

 

「ふっ!」

「はっ!」

 

そして俺たちはお互いに殴り合う。

俺が比企谷に向かっていくこの構図。奇しくも逆だな、あの時とは。

繰り返される打撃戦、俺が攻撃をし、防ぎ、比企谷も攻撃をし、防ぐ。

正直に言うが、恐らく前世含め、殴り合いも比企谷の方が得意だと思う。俺も親父との訓練で実戦式でそれなりに覚えてはいる。だが、比企谷の前世はジョジョ。あいつの戦い方は殴り合いの肉弾戦だ。一方、ディオはマジの策士。泥臭い肉弾戦なんて絶対やらないからな、そこの差はデカい。だがな、俺も譲れないんだよ!

 

「うおォォォ!」

 

俺は唸り声を上げ、防御を捨てて攻撃だけに専念する。

ひたすらに殴る!ひたすら殴られる。顔を、腹を、胸を、腕を。

口の中で血管が切れて血が流れるが、そんなのは関係ない!

 

「震えぞ・・・・ハート、燃え尽きるほど・・・ヒート、刻むぜ・・・・・波紋の・・・・・・ビート」

 

ボロボロになり、呼吸が乱れ始めるが、出せる限りの波紋を練り上げる。

 

「山吹色の波紋疾走!」

 

そして全力の右ストレートが比企谷の懐に入り、比企谷を吹っ飛ばした。

 

 

◆◆◆

 

 

〈三人称side〉

 

二人はボロボロになり、片膝をついているが、その目には未だに日が灯っている。

お互いに退くことはない。お互いに傷付き、ボロボロに成り果てた体に鞭を打って立ち上がる。

 

「白月、なんでお前はそこまでして戦う」

 

「俺には、使命がある。ディオの残した負の遺産、それは俺自身の手で抹消するためだ。俺自身の罪を、ディオの償うためだ。それが今の俺がすべきことだからだ」

 

「そうか・・・・・」

 

正永は八幡の問いに己の覚悟を口にする。それが今の、記憶を取り戻した正永の覚悟だった。

 

「お前が覚悟を決めたなら、俺も答えよう」

 

そして八幡も己の覚悟を口にする。

 

「我が前世の名はジョナサン・ジョースター!今ある大切なものを守るために俺は戦う。それが俺の、比企谷八幡の覚悟だ!」

 

お互いはそれぞれの覚悟を語り、そして駆ける。

 

 

 

 

 

 

「ジョジョォォォォォォォォォ!」

 

「ディオォォォォォォォォォォォォ!」

 

 

二人の拳は夕暮れ時に交差した。

 

 

 

 

←to be continued




これからどんどん不定期更新になっていきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

リ・スタート

今回はあらすじは無しです。

先に言っときます、こんな流れしか思いつかなかった。

では本編どうぞ!


〈白月勇吾side〉

 

「クソが、また勝てないのかよ」

 

仰向けだが、もう起き上がれねぇ。少しの波紋すら練れねぇな。

何処までも、俺の先を行くのか、ジョジョ。

比企谷は片膝をついているが倒れてはいない。

つまり、あいつの勝ちだ。

 

「これから、どうする?俺は、ディオの生まれ変わりだぞ・・・・・殺すのか?」

 

記憶が戻って、殺される覚悟は出来ていた。それほどの事をディオはしてきたんだからな。

それもジョナサンの生まれ変わりなら、殺したいに決まってる。

俺が彼奴の幸せを奪ったのだから。

 

「・・・・・・ねぇだろ・・・・・・殺すわけ、ねぇだろ」

 

「なんで、泣くんだ?」

 

比企谷は顔に似合わない涙が溢れていく。

なんで泣くんだ。俺はかつてお前から幸せを奪った張本人なのに、お前が最も憎むはずの存在なのに。泣くなんて、ちゃんちゃら可笑しな話だ。

 

「お前は、俺に出来た仲間だ。親友って言える奴だよ、そんな奴を殺せるかよ。いくらディオの生まれ変わりでも、お前はお前で、ディオじゃないだろ」

 

「無茶言うなよ、もう無理なんだよ」

 

俺の声は徐々に弱くなっていく、ヤバイ。

瞼が重くなってきた。

 

「俺はディオなんだよ、悪虐の限りを尽くした怪物なんだよ。声が聴こえてくるんだ、『代価を払え』、『お前はもう終わるべきだ』ってよ」

 

俺がかつて殺してきた人間たちの声を感じる。俺は生きているべきじゃないと、そう言ってくる。

 

「無理なんかじゃないだろ、お前はもうディオとは違う。その悪虐を、罪を理解しているだろ。償いをしようとしてるだろ。彼奴だって、結衣だってお前が死ぬ事なんて望んでねぇぞ。彼奴は俺たち三人で一緒にバカしたいんだよ。あの時から、俺たち三人が出会ったあの時から変わらない関係で」

 

あの時か、俺とお前たち二人が出会った二年前のあの日か。

 

「一緒に戻ろうぜ。俺はお前を許すよ、だから」

 

「・・・・・あり、が、とう・・・・」

 

その言葉を聞けて気が楽になったよ。

俺は比企谷の右手を掴むと、そのまま俺の意識は深い底へ沈んでいった。 

 

 

◆◆◆

 

 

ー屋上での戦いの後ー

〈白月勇吾side〉

 

よく頑張ったな、正永。

俺はキラー・ホーネットを通じて屋上の戦いを見ていた。

屋上でぶつかり合った正永と八幡君は結局二人とも倒れ、今は病室のベットで寝かされている。

それに正永には綾香が付いているし、八幡君には結衣ちゃんが添い寝までしている。

うん、なんであの二人はあそこまで、いや結衣ちゃんが一方的に抱きついているのか。

 

「さて、話を始めようか、ジョセフ・ジョースター」

 

「そうじゃな」

 

俺はタバコを吸いながら、応接室で対する席に座るジョセフ・ジョースターに冷たい視線を送る。そもそも今回の一件はジョースターがこの町に来たことで起きた。

まあ、ジョースター御一行が全て悪いって訳じゃないが。

 

「あんた達はなんでこの町に来たんだ?」

 

「この町にワシらの仲間の墓があるからじゃ、それ以外の理由は無い」

 

「飽くまで墓参りだと?不動産王とギャングのボスが一緒に?」

 

「ジョルノ君の事も知っておったか」

 

「ああ」

 

ジョルノ・ジョバァーナ。

日英ハーフの21歳、イタリアのネアポリス在住で、ギャング「パッショーネ」のボス。

スタンド名はゴールド・エクスペリエンス、能力は生命を生み出す能力。

近接戦闘はかなり危険だ。

 

「でも腑に落ちないな、なんでそこまで大所帯で来たのか。あんた一人で良かったんじゃないか?」

 

「娘が着いて来ると聞かなかったんじゃ、それに旅の仲間に特殊な状態の奴がおってな。こんな大所帯になってしまったんじゃ。信じてもらえんかのう?」

 

「あの亀か、いいだろう。信じよう。ただし、この町で何かするなよ?俺たち自警団はこの町を影ながら守るのが役目だ。何かしようと言うなら、容赦はしないぞ」

 

「分かっておる」

 

そう言うとジョセフ・ジョースターは応接室から出て行った。

 

「ふうゥゥゥ、もうなにも起きなければいいんだが」

 

俺は煙を吐くと天井を仰ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時は考えもしなかった、あんな事が起きなんて事。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月正永side〉

 

「生きてるのか、俺は」

 

屋上での戦いの後、俺は病室に寝かされていた。

それも傷口が全部塞がってだ、なんで?

 

「ええ、生きてるわよ。本当に結衣ちゃんに感謝ね」

 

寝ている俺の横には母さんが呆れた顔をして椅子に座っていた。

由比ヶ浜が?彼奴が何かしたのか?

 

「本当に今日は驚いたわ。むしろこれ以上驚く日があるのかしら?正永にスタンドが目覚めて、八幡君も結衣ちゃんもスタンド使いで、三人とも前世の記憶があるなんて」

 

まあ、驚くよなぁ。俺はスタンドが暴走して、ジョースターの面々と戦って、それから俺たち三人が前世の記憶があるなんて・・・・・・待て、三人!?

 

「母さん、今なんて言った?」

 

俺の聞き間違いじゃなければ、俺と比企谷に加えて、由比ヶ浜まで誰かの生まれ変わりって事だぞ?

 

「だから正永に・・・「それよりも後!」三人とも前世の記憶があるなんてね」

 

うん、聞き間違いじゃなかったよ。由比ヶ浜も前世持ちだ。

 

「マジかよ・・・・・」

 

発覚した三人目の生まれ変わり、か。

 

「そいつも、俺が殺した奴のか?」

 

それを考えると、只々気が重たくなる。

一体誰の生まれ変わりなのか見当が付かない、それほどディオは多くの命を奪ってきている。

 

ゴンゴンッ!

 

「はぁ〜い、今行くわね〜」

 

母さんはノックが聞こえると、ドアを開けに行く。

 

「あら、どうしたの?・・・・・・・・成る程ね、なら私は出ていた方がいいわね〜」

 

母さんはそう言うと部屋を出て行った。えっ、なんで?

その代わりに部屋に部屋に入って来る奴が二人、それは。

 

「比企谷、由比ヶ浜・・・・・」

 

「・・・・・・白月・・」

 

「・・・・・ツッキー・・・」

 

なんで来たんだ。俺なんかの所に、最悪なクズの生まれ変わりの俺の所に。

 

「白月・・・「何の用だよ、俺なんかの場所に来て」・・・・・お前に話がある」

 

俺は奥歯を噛み締める。話って何があるんだよ、俺はディオの、比企谷はジョナサンの生まれ変わり、もう交わることはないだろ。

 

「もう一度、やりなおs「無理に決まってるだろ!・・・」「無理なんかじゃない!」・・・・結衣・・・」

 

俺の叫びを途中で遮ったのは由比ヶ浜だった。

 

「そんな事・・・・・言わないでよ。ツッキーはディオじゃ、ディオ・ブランドーじゃないじゃん・・・・」

 

「由比ヶ浜、なんでその名前を・・・・」

 

どうして、なんでその名前を知っているんだ。

 

「比企谷お前、由比ヶ浜に話したのか」

 

「違うよ、私は前世の頃からディオを知っていた。私の前世の名前はエリナ、エリナ・ジョースター」

 

そう言うことか、エリナ、あの田舎娘か。はっ、俺を最も憎んでるはずの女じゃないか。

唇を奪われて、愛する旦那を殺されて、その身体は乗っ取られた。

今の俺が知る最も悲劇な女だ

 

「そうか、お前はあの田舎娘か。ならお前も俺のことが憎いだろ」

 

「どうしてそうなるの!そんなこと、言ってないじゃん・・・・・どうして?どうして憎いとか、殺すのかとか自分で言うの!」

 

「当たり前だろ!そんな事を・・・・してきたんだよ。俺は、ディオは!」

 

「確かに、ツッキーはディオの生まれ変わりなのかもしれない。でも、それだけで今まで私たちが過ごしてきた時間は本当でしょ。嘘じゃなかったよ」

 

「俺も屋上で言ったろ。許すから、またいつもみたいによ」

 

どうして、どうしてお前らはそこまで優しいんだよ?

こんな俺みたいな奴に。どうして。

 

「どう、して・・・・・・なんで、お前たちは、優しいんだよぉ」

 

目頭が熱くなっていく。そしてダムは決壊し、涙が溢れていく。

 

「うぅぅ、っあぁぁぁ」

 

ダメだ、涙が止まらない。止めなくちゃいけないのに、止まらない。

 

「いいのかよ、うぅぅ、こんな、俺でも」

 

「ツッキーだから言ってるんじゃん」

 

「ああ、お前だからいいだよ」

 

「あり、が、とう。こんな、俺を。本当に」

 

俺は本当に恵まれてるな、この生を受けて。

 

 

◆◆◆

 

 

〈三人称side〉

 

この日、病院の病室の一画でかつての敵同士が本当の親友となった。

ここで星の原石と戦いの原点の因縁は決着した。

 

原点は己を受け入れてくれた二人に嬉しさの涙を流し、笑っていた。

 

 

 

 

 

 




次回、キャラ紹介

次章 第二部 出会いの雪と陽


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一部 登場人物

正永「今回はキャラ紹介だ」

八幡「ただし、俺たちだけだ」

勇吾「俺やジョースター家はもう少し後らしい」




白月正永

 

容姿ー黒髪に水色っぽい瞳。

 

今作の主人公。

ジョジョの奇妙な冒険一部「ファントム・ブラッド」

三部「スターダストクルセイダース」のラスボス、

ディオ・ブランドーの生まれ変わり。

白月勇吾と白月(旧姓ー白鳥)綾香の間に生まれた三人兄妹(兄、弟、妹)の長男。

 

前世を持つ関係で思考は大人と変わらず、周りから見るとかなり大人びている。

だが、前世からのカリスマも健在らしく周りに溶け込めないというわけではない。

むしろ周りを引っ張っている。

 

五歳の頃から勇吾に白月の家が代々継承してきた波紋の訓練をされ、完全に波紋を習得した。

また、その訓練の内容がかなりエグいもので結果、正永の波紋の練度は第2部「戦闘潮流」でヴェネチアの修行を終えたジョセフ互角かそれ以上である。

 

小学二年生の終業式直後、勇吾がリーダーを務める自警団からジョースター家が町に来たこと情報を手に入れ、その行動を監視するために勇吾と共に目的地である霊園に向かうとそこでかつての己が殺した「花京院典明」の命日に居合わせ、ディオの記憶を思い出し、スタンドが暴走した。ジョースター家、勇吾と駆けつけた綾香、そこに居合わせた八幡によって鎮圧され、ジョースター家からディオの関係者かと疑われるが、すぐにディオの生まれ変わりであることをカミングアウト。

スピードワゴン財団関係の病院でジョースター家と八幡と激闘を繰り広げ、八幡とは今度こそ本当の親友となった。

 

性格はとにかく諦めが悪い、ディオの頃からのハングリー精神はかつての向上意欲の塊とは言えないが健在。また前世ではありえないくらい親切。というか、素直じゃないお人好し(騙されたりはしない)。

 

勇吾との訓練でとっさの機転が利き、常に覚悟ができており、戦いの中では常に冷静であろうとする。またディオの頃からの観察眼の良さ、使えるものは敵だろうが利用するのは今も健在。

 

かつての己であるディオの事をかなり嫌悪しており、おそらく別世界のディオだろうと敵対する可能性がある。

そのためディオ関係の事に関してはやるにしても嫌な態度全開。

記憶を思い出した後、ディオの罪の罪悪感に押し潰されそうになり、自虐的になっていた。

 

因みに、何故瞳色が水色っぽいのかというと綾香の血筋からの隔離遺伝である。

そしてヒロインは未だ決まっていない。

 

 

スタンド

 

ザ・ワールド

負傷時【破壊力 - C/ スピード - A / 持続力 - B / 射程 - C / 精密動作性 - B / 成長性 -A】

全快時【破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - A / 射程 - C / 精密動作性 - B / 成長性 -A】

 

正永の前世であるディオ・ブランドーのスタンド。

最初、使い慣れていなかったと負傷したダメージによってパワーが下がっていたが戦っていく中で感覚を取り戻し、元の破壊力へ戻った。

時間停止能力は最初三秒のみだったが、戦っていく中でディオの頃の最大時間である八秒まで伸びた。(十秒は承太郎が七秒の時点で時を止めていたため、ノーカウント)

成長性がAでどういう成長するのかは未だ分からない。

 

 

 

比企谷八幡

 

原作「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の主人公。

今作では正永の親友にして相棒。

 

捻くれてはいるが、原作ほどではなく、目も腐っていない。ただし目つきが鋭い。

お兄ちゃんスキルはオートで発動する。

その正体はディオの宿敵にしてジョースターの戦いの歴史の原点、ジョナサン・ジョースターの生まれ変わり。

 

正永同様、前世を持つ関係で思考は大人と変わらず、周りから見るとかなり大人びている。

しかし、正永とは違いで自らの意思で周りとは溶け込まない(一匹狼のような感じ)。

 

正永とは本編開始二年前に出会い、似た者(波紋、スタンドを使える者)同士で友人となった。

結衣とは家同士で仲が良く、幼馴染。正永曰く、その仲の良さは恋人のそれと同格。(しかし八幡はそれに対して無自覚。それどころかそれが幼馴染の関係と思っている)

 

前世の関係で生まれつき波紋の呼吸が扱うことができ、劇中では語られていないが、正永との遊びという名の修行をしていた事で練度は正永と互角。

 

前世の記憶は事件当日の朝、結衣の機嫌を損ねてしまい、その機嫌直しのための散歩(結衣曰く、デート)の途中に暴走した正永を目撃、それ止めるためのスタンドの攻防戦で拳をぶつけ合う中で蘇った。病院での戦いで正永=ディオなのか自身に迷いが生じたが、結衣のおかげでそれを確かめるために戦う覚悟を決め、屋上で激闘を繰り広げた。

そして無事に正永と和解し、親友と言える関係へなった。

 

 

スタンド

 

スター・ジェムストーン

【破壊力 - B / スピード - A / 持続力 - B / 射程 - B / 精密動作性 - A / 成長性 -A】

 

八幡のスタンド。八幡の前世であるジョナサン・ジョースターのスタンド「ハーミット・パープル」が変化した白色の人型スタンド。

正確には手から伸びる茨の蔦を編み上げて人型にするので、茨の蔦と人型の二つの姿を持つ。

能力は劇中で明かされていないが、ハーミット・パープルと同じ『念写』。

ザ・ワールドと同様、こちらも成長性がAでどういう成長をするのか分からない。

 

 

 

由比ヶ浜結衣

 

今作の八幡のヒロイン。

原作「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の第二ヒロイン。

原作では初登場ですぐに八幡に「ヒッキー」のあだ名をつけたりをはじめとする、アンチを受ける要素がある(作者の意見は、そんな事するならそんな二次創作書くな!)。

 

今作では八幡と家ぐるみで仲のいい幼馴染。

その正体は八幡の前世、ジョナサンの奥さんであるエリナ・ジョースターの生まれ変わり。

上記の二人と同様、前世を持つ関係で思考は大人と変わらないが、高いコミュ力で乗り切っている。二年前、いじめられていたところを八幡に助けられ、それを切っ掛けに前世記憶を思い出していった。

正永の霊園での暴走には戦いが終わった後、気絶した二人をスタンドで癒すために勇吾たちとジョースター家の前に現れ、自身の正体をカミングアウトした後、病院での戦いで戦う覚悟が揺らいでいた八幡を後押しした。

 

八幡とは幼馴染だが、八歳の若さで異性として好きで学校が終わった後や休日はもうベッタリ。

しかし上記の通り、八幡はそれに気付いていない。

 

 

スタンド

 

ナイチンゲール・クリスタル

【破壊力 - C / スピード - B / 持続力 - A / 射程 - B / 精密動作性 - A / 成長性 - C】

 

白亜の色をした看護婦の姿のスタンド(イメージはFGOのナイチンゲールの宝具)。

能力は銀色の宝石の弾丸を発射する「ストライク・クリスタル」、対象の自己治癒力の活性化。

劇中ではまだ未登場だが技の一つで着弾するとその相手を癒す弾丸「クリスタル・ヒール」がある。

回復能力は生物のみに効果があり、切断欠損の場合は切断面をくっつける事で可能。

また、精神異常に効果があるなど効果範囲は大きい。

これは前世のエリナが看護師であったことに由縁する。

そして直接の攻撃力は低い。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二部 出会いの雪と陽 陽との出会い

ディオとジョナサンの長きに渡る因縁が決着し、今度こそ本当の親友となった八幡と正永。

その激闘から一年後、再び奇妙な冒険の幕が上がる


〈白月正永side〉

 

「はあぁぁ」

 

暇だ、何かないか?そう、とんでもない大恥をかきそうな奴とか。

それを見て見下して笑えば、少しは退屈が紛れるだろうに。

ん?なんかSっぽさが出てきているような。

 

あの病院での激闘から一年、時間が過ぎるのは本当に早い。

そして今は小学校生活三回目の夏休みに突入して、最後の一週間に入った。

 

あの激闘の後、俺たちの周りに多少の変化が起きた。

ジョースター家がこの町の引っ越して来た。いやマジで。

正確にはこの町に住む空条ホリィ、承太郎の母親の家に同居することになった。俗に言う隠居だ。

来たのはジョセフ、妻のスージーQ、義理の娘である静の三人。

余生を家族で謳歌するそうだ。だが、ジョセフの場合はまだピンピンしてるだろ。波紋使いなんだからよ。

それに伴い、静の奴が俺たちの小学校に転校して来た。しかも俺たち三人と同じクラスに。

 

それもあって親父達、自警団のメンバーもジョースター家の事を警戒してる。

まあ、ジョースターはなんだかんだでトラブルに巻き込まれるからな〜。

それから、隠居したジョセフの代わりにあの承太郎がジョースター家の当主になったらしい。

 

因みに俺は今、とても退屈だから散歩に出ている。

 

そんな時、俺の視界にあるモノが映った。

横断歩道を渡る世間で美少女の部類に入るだろう女の子と、

それを狙っているように突っ込もうとするトラック。

 

「ザ・ワールド、時よ止まれ」

 

ザ・ワールドで時を止めると、俺は波紋を練り上げ全速力で女の子のもとへ走る。目の前で死んだり、大怪我されたら気まずいからな。

 

ただ、一つやっちまった。

 

女の子を横断歩道の向こう側へ押し出すと、それと同時に時が動き始めた。

 

「ありゃ?」

 

時間配分ミスったか?

 

そのままトラックは俺に激突し、俺の意識はブラックアウトしていった。

不幸だ(上条風)。 

 

 

◆◆◆

 

 

〈雪ノ下陽乃side〉

 

「はあぁぁ」

 

私は雪ノ下陽乃。

今日、妹の雪乃ちゃんのために大好きなパンさんグッズを探索中。

でも、かれこれ三時間は探した結果、中々見つからない。

次のお店で最後にしようかな。

 

私は見つからないことに憂鬱になっていて、私にめがけて突っ込んでくるトラックに気付かなかった。そんな時、

 

ドンッ

 

「きゃあ!」

 

突然後ろから思いっきり押し出された。

振り返ってみると、私を押し出してくれた男の子がトラックにひかれる寸前だった。

 

「ありゃ?」

 

彼は驚いた表情をして、トラックにはねられた。

私は男の子をはねたトラックのナンバープレートを覚えて、すぐにお母さんに電話した。

 

「お母さん!男の子が、私を庇って・・・・・グスッ」

 

私は泣きながら途切れ途切れでお母さんに状況の説明をした。

 

それからすぐに救急車がやってきて彼を乗せていった。

私もその救急車に同乗させてもらって病院に向かった。

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月勇吾side〉

 

俺は今、友人である雪ノ下家を訪れ、雪ノ下夫妻とティータイムをしていた。

 

「たまには優雅に紅茶を嗜むのもいいものだ」

 

ここ一年は大忙しだったからな。こうゆっくりするのは悪くない。

 

「そうだろう、お前達には苦労をかけているな」

 

「ええ、本当に申し訳ないわね」

 

「気にしないでくれ、俺たちが好きでやっていることだ」

 

雪ノ下冬馬とその妻、千秋は申し訳なさそうにするが、気にしてはいない。

代々、白月の家がやってきた事、それをやっているだけだからな。

そんな時、部屋に備え付けられた電話が鳴った。

 

「私よ、どうしたの都築?」

 

千秋は話を聞いていると、徐々に黒い笑顔を浮かべていった。

不味い、こうなるとヤバイぞ。

 

「そう、都築!陽乃を大至急保護しないそしてあの会社の情報を全て洗い出しなさい!あの会社、全力で潰すわ」

 

千秋は電話を切ると、それに続いて、千秋の携帯から着信音が鳴った。ただし、その着信音は

 

〜お母さん、お母さん、お母さん、お母さん!〜

 

姉妹の娘さんの声のだが。

この二人は自他の認める親バカだ。だが、ここまでするか?

娘さんの位置をGPSで確認できるようにするとか。

 

「もしもし!陽乃!大丈夫!?」

 

連絡してきたのは姉妹の姉、陽乃ちゃんだな。何があった?

 

「そう、大丈夫よ陽乃。すぐに救急車をそっちに向かわせるわ。だからその場で待っていなさい。それにあなたが悪いわけじゃないのよ、安心なさい。・・・それでそのトラックのナンバープレートはわかるかしら?」

 

うん、終わったな、その会社。雪ノ下家を完全に敵に回したぞ。ドス黒いオーラ全開だ。

 

「都築、私だ。陽乃は無事だ。だが、陽乃を庇ってくれた少年が危な すぐに救急車の手配を」

 

千秋が話している間に冬馬は都築達に指示を出している。

デカい権力が動くな、裏に手を回しとくか。

 

それから俺は二人に同行して病院に向かった。

 

そこでかなり驚いた。まさか陽乃ちゃんを庇ってはねられたのが正永だったとはな。

それからすぐ、正永に緊急手術が行われた。

体のあちこちの骨が折れているらしい。

先生の話によると意識は2、3日で戻るそうだ。

 

正永もなんだかんだでトラブルに飛び込んでいくな。

それから正永が目を覚ましたのは手術から三日後だった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

どうも俺は病院の世話になる事がかなり多いらしい

前回までの俺たちの冒険。

ジョースターとの激闘から一年。
正永は三回目の夏休みの最後の一週間を過ごしていた。
そんな中、正永は少女ー雪ノ下陽乃を庇い、トラックに撥ねられ、気を失ってしまう。

それから三日が経過した。


〈白月正永side〉

 

「またベットの上かよ」

 

一年前と同じ状況か、いや拘束具はないけど。

あの時とは違う病院だが、まさか二年連続で病院の世話になるとはな。

チッ、頭がムズムズする。

俺は頭に手を伸ばすと、

 

「げっ、マジかよ」

 

頭にまで包帯が巻かれてやがる。あのトラックとの激突で頭部からの出血があったのかよ。

にしても、ドジったぜ。停止時間の配分をミスって怪我するとはな。帰ったら、もう少しザ・ワールドの能力訓練の時間を増やした方がいいかもな。

まあ、俺も生きてて、助けた奴も無事なら御の字だな。

はっ!殺気!

 

「起きたな、正永」

 

「げっ!お、親父・・・・・」

 

俺のいるベットの横の壁に親父が青筋を浮かべて寄りかかってた。

こ、怖ぇぇぇぇ!なんかスタンドっぽいなんか出てるよ!蜂の形をしたオーラ出てるよ!

落ち着いて!落ち着いて!

 

「ええっと、これには色々と事情が・・・・・」

 

「わかってるよ、女の子を庇ったのは。でも・・・・・・」

 

バンッ!

 

「ッ!!」

 

俺の真横スレスレにキラー・ホーネットが突き刺さった!死ぬ!死んじゃう!

キラー・ホーネットの能力はマジで死ぬよ!

 

「はあァァ、まあこの件は不問にしておく・・・・・・あいつらも感謝してたしな」

 

「えっ、不問!?」

 

よ、よかった〜、死ぬかと思った。でもなんでだ?

 

「波紋で治しとけよ。俺は病室の外で待ってる八幡君たち伝えてくる」

 

「あ、ああ、分かった」

 

親父はそう言って病室を出て行った。

俺は全身を見ると下半身が包帯グルグル巻きになってた。

うん、確かに何本か骨が逝ってるな。

 

「コオォォォォォォォォォ」

 

波紋の呼吸で波紋が練られていくと骨が治っていく感覚がある。

今まで怪我することなんてなかったからな、あの戦い以来。

改めて波紋の有難さがわかるぜ。

 

ガラガラガラ〜

 

「邪魔するぞ〜」

 

「やっはろー、ツッキー!」

 

「お邪魔するよ〜正永」

 

入ってきたのはハチ、結衣、静だった。おお、何時もの三人だな。

 

「お前ら、何の用だよ」

 

「何の用ってよ、どう見ても見舞いだろ」

 

「本当にビックリしたよ〜、ツッキーが事故にあって入院したって聞いたから」

 

「本当にね、あのディオが事故だなんて」

 

うん、わかった。お前らが来た理由は分かってたけどよ、静お前、それは俺からしてみたらdisりだぞ。なんで一日一回は俺をdisるだよ。何?一年前のこと、まだ気にしてるのかぁ?

 

「うっせ、別いいだろうが、それに怪我はもう治ったよ。改めて波紋の有難さが分かったぜ」

 

それから俺ら四人は世間話に花を咲かせた。

 

えっ?ジョースター家とは仲が悪いんじゃないか?それは違う、親父達が警戒してるだけで、俺らは仲はいい。

親父も静のことは嫌ってない、ジョセフは例外らしいが。ジョセフは何があった。

それに静は俺たちと今じゃ一緒に訓練してる身だ。伸び代があるから驚かされる事がマジで多い、まあ勝つのは俺とハチだけどな

 

それから二十分後、三人は帰って行った。

ちなみに俺は検査入院として一日入院することになった。

すぐに帰りたいのに

 

 

◆◆◆

 

 

〈白月勇吾side〉

 

「よがっだぞ〜はるのォォォ!」

 

「お父さん、くるしーよ」

 

「あらあら」

 

俺は雪ノ下邸で冬馬が陽乃ちゃんに泣きながらくっついていたのを珈琲を飲みながら見ていた。

あいつも親バカ極まれりだな。

 

「おい、冬馬。落ち着け、それから陽乃ちゃんを放してやれ」

 

「む、仕方ない、陽乃にくっつくのは後にするか」

 

いやもうくっつくなよ、流石に鬱陶しいと思うぞ?

冬馬は陽乃ちゃんを放すと、陽乃ちゃんは部屋を出て行った。

まあ、それは後にして。

 

「で、陽乃ちゃんを殺そうとした連中はどうなった?」

 

「ああ、潰したよ。社会的にね」

 

「まあ、無関係な人達はこっちで雇ったわ。そこらへんは抜かりなしよ」

 

流石、やる事が速いな。あとは、

 

「これにアイツら(・・・・)が関わっている可能性は?」

 

「・・・・・・・・・・分からん。社員のリストにはアイツらの姿は無かった」

 

「既に別の姿になってる可能性もあるわ」

 

「そうか・・・・・・」

 

情報なしか、相変わらず警戒は怠るべきじゃないな。

 

俺は上着のポケットに入ってた箱からタバコを取り出し、加えると火を点ける。

 

「吸うか?」

 

「いや、今日はやめておく。陽乃に臭いと言われてら死ぬからな」

 

俺は冬馬にタバコを勧めるが、冬馬は首を横に振る。

ってかお前は大袈裟すぎだろうが、死なねえぞ。

 

どこにいるんだ、アイツらは。十二の星は。

十二の星達はどこにいるのか、どんな姿になっているのか。全く見当がつかない。

()と三年前に接触して以来、アイツらに関連した事は起こっていない。

ジョースターには話すべきなのか、信用していいのか。どうするべきか、前途多難もいいとこだな。

 

「ふぅぅぅ〜面倒だ」

 

俺は煙を吐くと座っている椅子に深く座り込み、天井を仰いだ。

本当にこの先が心配だ。

 

 

 

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

どうも俺たちは面倒事に結構好かれているらしい。

前回までの冒険。

陽乃を庇ってトラックに轢かれた正永。
それから三日後、八幡、結衣、静と病室で世間話に花を咲かせていく。

その一方、勇吾は千秋と冬馬と共にある敵を警戒していた。
その敵、十二の星とは、一体?


〈白月正永side〉

暇だ、暇過ぎる。

ハチ達の見舞いの翌日、私こと白月正はとてつもなく暇を持て余しております。

何言ってんだ俺は、キャラ崩壊してるぞ。

 

「はあぁぁぁぁ」

 

ため息を吐く俺は悪くないと思う。

昨日、親父が持って来てくれた小説も全部読み切ってしまった。なんで四冊なんだよ、せめて八冊にしてくれよ。それに、

 

「まさか昨日から学校が始まっているとは」

 

悲報、学校、昨日から始まってた。

今日病室のカレンダー見たら見事に夏休み終わってたよ。クッソ、マジで暇。

まあ、平和って事なんだけどさ。スタンドや屍生人とか吸血鬼とかの問題も起きてないからな。

てか、起きてたら奔走してる。休みなく奔走してる。

 

ゴンゴンッ

 

「ん?どうぞ?」

 

誰だこの時間帯に?親父達か?

 

「失礼しますね」

 

入って来たのは俺の全く知らない女性だった。

長い黒髪に落ち着いた雰囲気、それに俺や親父達じゃないとビビる位の威厳。

只者じゃないな」

 

「口に出ていますよ、白月正永君」

 

「ありゃ?」

 

あら、声に出てたか。ハチの考えがつい出ちまうのが移ったか?

それはいいとして、

 

「なんで僕の名前知ってるんですか?」

 

少なくとも俺の知ってる人の中にこの人は居ない。こんな人に出会ってたら忘れないだろ。

 

「あなたのお父さんとは友人なのよ。それから自己紹介をしてなかったわね」

 

女性はそう言って部屋に入ると、俺のいるベットの近くに来た。

 

「初めまして、白月正永君。私は雪ノ下千秋。あなたが助けてくれた女の子、雪ノ下陽乃の母です。娘を助けてくれてありがとうね」

 

あの女の子のお母さんか、それも親父の友人。ん?雪ノ下、んー?雪ノ下、雪ノ下!?

雪ノ下って確か建設会社の雪ノ下住宅建設のあの雪ノ下かぁ!?

おいおい、

 

「なんて大物を」

 

とんでもない人と友人なのかよ、親父。

いや、警察に自警団の仲間がいるけどよ、これは驚くよ。

 

「いいえ、大物なのは夫の方よ」

 

ああ、そうなんだ。旦那さんの方なのね。

それにしても驚くんだけどね。

 

「驚いているのかしら?」

 

「ええ、そりゃあ驚きますよ」

 

大物の奥さんが急に来たんだ、そりゃあ驚く。

 

「では改めて、白月正永君。私達の娘、陽乃を助けてくれてありがとうございます」

 

千秋さんはそう言って頭を下げた。

頭を下げられても困る。俺が助けたのはただ目の前で死なれると罪悪感が残るからだ。特に大した理由でもない。

 

「あの頭を上げてくだい。困りますよ、急に頭下げられても」

 

本当に上げてほしい。マジで困る。

 

「そうですか、ですけど」

 

「大丈夫です、こうなったのも自業自得なので」

 

「わかりました」

 

そう言って千秋さんは引き下がってくれた。

それにしても、まさか雪ノ下家の子を助けてたとは驚く限りだ。

 

「正永君、真面目な話をしていいかしら?」

 

千秋さんは突然真剣な表情に変わった。

それと共に放たれる強い存在感に俺は思わず波紋の呼吸を取り、臨戦態勢を取れるように身構えてしまう。

 

「攻撃はしないし、その態勢を解いてくれる?」

 

「それはすいません」

 

俺は態勢を崩すと、千秋さんは話を始めた。

 

「正永君、あなたスタンド使いでしょ?」

 

「それを聞いてどうするんですか?」

 

まさかスタンドの事を知っているとはな。

いや、親父の友人という時点でもしかしたら、とは思っていた。ほんの僅かだが。

それが的中しちゃったのはえぇって思うけどな。

 

「まあ、スタンド使いですよ。あなたもですよね?」

 

「ええ、私も夫もね」

 

まさか夫婦揃ってスタンド使いとは。驚きだ。

 

「それでスタンド使いなのが関係してるんですかね?」

 

「ええ、私達雪ノ下家はその仕事の関係上、裏の事に関わることが多いの。それであなたにお願いがあるの」

 

「お願いですか・・・・・・」

 

「ええ、勇吾さんの息子として、スタンド使いとして、あなたを見込んね。・・・・・・・・・娘の事を、陽乃の事を守ってほしいの」

 

それはあまりにも唐突で驚きのお願いだった。

 

 

 

←to be continued




敵を語るにはまだ先か〜


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

怪異案件と雪と陽

前回までの冒険。

正永は陽乃を庇い、事故に巻き込まれる。
その一方、勇吾達は事故の背後にある敵達が絡んでいるのを警戒していた。
勇吾達はその敵を十二の星と読んでいた。

その翌日、正永に千秋直々にとんでもない依頼が飛び込んできた!
それは雪ノ下陽乃を守ること!?


〈白月正永side〉

 

「はあぁぁぁ」

 

教室の自分の席で俺は机の上で伸びながら溜め息を吐いた。

検査入院の日の翌日、始業式から数日遅れで俺は学校に登校した。

でも昨日、親父の友人である雪ノ下千秋さんからのお願いで気が重くなる。

娘さんを守ってほしい、か。

どうしてそれを俺なんかに頼んだのか、不思議でしょうがない。

 

「おうおう、どうしたんだ?ショウやん?まるで家庭崩壊と世界の終わりが同時に来たような顔してよ〜」

 

「んァァあ?御門院か」

 

伸びていた俺の前に出てきたのは、逆立った茶髪の男、俺と家ぐるみで交流のある御門院晴之だった。

交流がある、というよりもこいつの親父さんが親父の自警団のメンバーで、よく家に来るからよく連んでる。

 

「ちょいと面倒な事になってな」

 

おそらく今、俺の顔は死んでいるだろう。

いや、死んでないにしても生気があまりないだろうな。

 

「そんなショウやんにとある情報をプレゼントだにゃー」

 

「あぁぁあ?んだそりゃ?」

 

これ以上の驚きはは本当にお腹いっぱいなんだけど?

厄介事は嫌だよ?

 

「実はな、ここ最近、町のビルとかの建物の壁や道路の一部がポッカリと消えちまうんだよ」

 

「はぁ?どういう事だ、そりゃあ?」

 

「これを見てくれよ」

 

御門院はそう言いながら三枚の写真を見せてきた。

一枚目は何処かのビルの外壁でそこにデカい穴が空いていた。

二枚目は路地裏であちこちに半球状の跡が出来ていた。

三枚目は道路にいくつかに半球状の跡が。

 

「これを見てどうしろと?」

 

うん、面倒事確定じゃねえかよ。

メッチャ綺麗に跡がついてるじゃん。スタンドが絡んでるの確定だよね。

 

「それを調査しようぜ、ハチ公も巻き込んでよ」

 

「暇だったらな」

 

こりゃあ、結衣に見つかったら説教物だな。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈比企谷八幡side〉

人の悪意は止まらない。

決して自然に止まることはない。

それはいつでも変わらない。今も昔も、いや昔の方がマシだったかもしれない。

 

 

俺はよく周りから天才と言われるが、決して天才ではない。単に俺にはジョナサン・ジョースターとしての記憶が、体験があった。元から知っていただけだ。あの頃に知らなかった事は知らないし、出来ない事もある。それに知らない事は徹底的に調べて、納得するまで調べる。でも興味が無ければ何もしない。

そして俺が今、とある事に関して勉強している。それはイジメだ。

 

かつてジョナサンとしてエリナがイジメられていたところに割って入り、逆に返り討ちにあったが、ジョナサンとしてはそれ以来イジメられた事はなかった。

 

それは異端者を排斥するために行われる行動の一種。

俺のいるクラスではそれが起きている。範囲はもうクラス全体に広がっているといってもいい、だが先生達にはそれが伝わっていない。イジメている奴ら、子供の癖にどうやらズル賢いらしい。ディオ程じゃないが。

 

その被害者はクラスメイトだが、名前の知らぬ女子。

そいつは現時点で上履きを四十回程隠され、机は落書きだらけ、机の中のお道具箱に至ってはイジメている奴ら共通のゴミ箱と化している。

そいつはやけに打たれ強いのか、やせ我慢しているのか知らないが、ただただその攻撃を受け流している。

 

「・・・・・・いつの時代でもいるんだな・・・・」

 

読み終わったイジメに関する本をパタン閉じると、ふとその言葉が漏れた。

気づけば教室には俺とその女子しか居なかった。

相変わらずその机にはかなりの量の落書きがあり、その子はそれをボーっと見ている。

 

「・・・・・・・消さないのか?」

 

横を通り過ぎる時にそう呟くとそいつは驚いた表情で俺を見上げる。

 

「ええ、こういうのは証拠を残してから消すのよ」

 

そう言いながらそいつは書かれた内容と名前をメモ用紙に書き連ねていく。

 

「やり返さないんだな」

 

「ええ、やり返した時点で同レベルと見られる。あなたなら分かるはずよ。何時も小難しい本を読んで、人の輪から自ら外れてそれを外から見ている。喋っても意味が無いから喋らない。違うかしら?」

 

それを聞いて俺は少し笑ってしまう。

一言で言って、面白い。大人びている、もしくはそう見えるように背伸びをしているのかもしれない。でも、白月の様でもない。俺や結衣とも違う感じがある。

不思議な感じがある。そんな奴に出会ったのが嬉しいのかも知れない。

 

「・・・・・・比企谷八幡・・・・・」

 

「・・・・・雪ノ下雪乃・・・・」

 

お互いに簡易的な自己紹介を終えても、お互いの視線はぶつかり合ったままだ。

 

「・・・・・・雪ノ下・・・・・・一緒に帰らないか?」

 

「ええ・・・・良いわよ」

 

雪ノ下は小さく微笑むと俺の差し出したポケットに突っ込んだ手とは反対の手を握って立ち上がった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

御門院の報告から特に何かあったわけでもなく、放課後になった。

俺は校門前で人を待っていた。

 

「ようやく来たか・・・・・」

 

校舎から出てきたには一人の女の子。俺が助け、そして守って欲しいと頼まれた女の子。

雪ノ下陽乃。

 

「ようやく会えたね」

 

雪ノ下は俺の前に来るとそう言った。

 

「こうして会うのは初めてだな」

 

「にしても驚いたな〜二個も下の男の子に助けられるなんてね」

 

「そうかい」

 

まあ、驚くわな。歳下に助けられたんだ。

それにしても、

 

「俺の前で、その仮面はやめてくれ。話しづらくてしょうがない」

 

「!?」

 

雪ノ下はそれを聞いて驚いたのか、表情が変わった。

気付かないわけないだろ。こちとら百年以上色々な人間見てきたんだ。

外面の仮面の一つや二つ、見破れないわけがない。

 

「気付くの早くないかな?初めて会った人に見破れたなんて、自身なくすよ」

 

「出来は良い、でも相手が悪かったな。俺以外だったら分からないと思うぜ?」

 

これに関しては本当に相手が悪かったな、ハチや結衣、静辺りだった騙されてる筈だ。

ハチはああ見えてお人好し、結衣は真正面からのお人好し、静は素直過ぎるからな。

いや、ハチは案外気付くかもな、アイツ昔から直感は凄いからな。

 

「さてと、もう帰るか。送ってくぜ」

 

「ありがとう、白月君」

 

「正永でいい」

 

「なら、私も陽乃でいいよ」

 

雪ノ下、いや陽乃はそう言って俺の隣に来ると、俺たちは帰路についた。

 

御門院が言ってた事もあるが、今は陽乃を守っていく仕事をやってかなきゃな。

謎事件に護衛、天国へ至る方法、問題はまだまだ山積みか。

先が思いやられる。

 

 

←to be continued




はーい、八幡の二人目のヒロインと正永のヒロイン登場です!

そして次回!驚きのキャラが出るかも?
八「確定してないのかよ」
正「うちの作者じゃよくある事だろ」
結「ジョセフとかのキャラ紹介や私の番外編も出してないし」
やる事いっぱいあるんだもん。

正永「次回からあらすじか変わるかもしれないぞ?」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

意外と鈍感な親友と裏で動く影

あらゆる事には裏がある。
人間関係、政治なんて裏の汚い事なんてざらにある。
当然、俺たちの過ごしている日常にも裏がある。
常人では知ることのない裏の世界が。


〈白月正永side〉

 

「それじゃあ行くよ!」

 

「どこからでもかかってこい」

 

白月邸の地下訓練場。

そこで俺と静は戦う態勢で向き合う。

陽乃を雪ノ下邸に送った後、俺は家の前で静と結衣と合流した。

元々、静とはスタンドと波紋の実戦形式の訓練をする事を約束していたから約束通りなんだが、結衣もいるのは驚いた。

来るときは何時も来ていいか聞いてくるのに。別来てもいいけどさ。

 

ちなみに俺の家の地下に訓練場があるのかは気にするな!

細かい事を気にしないのが長生きするコツだ。

 

そして俺と静は同時にお互いの間合いに飛び込んだ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

訓練開始からざっと三十分後、俺と静は床に大の字で仰向けになっていた。

 

「たった一年でここまで伸びるか、これが若さか」

 

「いや、正永も若いじゃん」

 

俺が言った事に静はツッコミを入れる。

いや本当のことじゃあねえか。一年前、俺にボコされたのに今じゃ時間停止無しの俺とほぼ互角に渡り合えているぐらいに成長してるんだ。

成長スピードが中々に速いぞ。

 

「これでジョジョって呼んでくれるよね?」

 

「ったく、オーライ、認めるぜ。ジョジョ」

 

このやり取りについてだが、ジョースター家からか知らないが、日本に来てすぐに学校の自己紹介で静はジョジョと呼んでほしいと言った。

クラスの面々はすぐにジョジョと呼んでいたが、俺、ハチ、結衣に関しては別で名前で読んでいた。

それがジョジョには不服で、俺とハチは一つの勝負する事になった。

それがこの実戦形式の訓練だ。訓練で俺とハチに一泡吹かせる事が出来たら静をジョジョと呼ぶこと。

そして今回、四十五回目の訓練でジョジョは俺とほぼ互角に戦う事が出来た。

なら認めるしかないだろ。

 

「二人ともボロボロだね」

 

寝っ転がっている俺たちを見て結衣は苦笑いをする。

まあ、当然の反応だわな。お互いに顔面殴ろうとしたり、鳩尾に全力攻撃入れようとしたりでお互いに容赦なかったからな。それにジョジョに関しては透明化で不意打ちも山盛りだったからな。

少なくとも子供がやるような戦いじゃなかったからな〜。

 

「ナイチンゲール・クリスタル」

 

結衣はナイチンゲール・クリスタルを出すと、その掌から淡い光を放ち、俺たちの傷を治していく。

こういう時のナイチンゲール・クリスタルの能力は本当にありがたい。

 

「ありがと〜結衣」

 

「ありがたいぜ」

 

「いいよ、それぐらいしか出来ないから」

 

そんなことはないだろ。一年前、戦う事を迷っていたハチを後押しした。それは結衣にしか出来なかった。

百年前も結衣、いやエリナがハチを、ジョナサンを支えていた。

人を支え、共に行く。

それが出来るのは限られた奴だけだ。

どうしたんだ?そんなこと言うなんて結衣らしくないが。

 

「結衣、すまんがタオル持ってきてくれ。俺もジョジョも怪我が治ってもクタクタなんだ」

 

「わかった、じゃあ取ってくるね」

 

結衣はそう言ってタオルを取りに上へ上がっていった。

よし、行ったな。

 

「ジョジョ、結衣に何があった?何時も雰囲気が違ったが」

 

「あぁ、なんて言えばいんだろ?嫉妬って言えばいいのかな?」

 

ん?嫉妬?あの結衣が?本当に何があった。

 

「実は今日、ハチが別の女の子と一緒に帰るのを見ちゃったんだ」

 

「・・・・・・は?」

 

あのハチが?何時も結衣と一緒でラブラブなアイツが?

 

「なんかの見間違いだろ?あのハチだぞ?いっつも目の前で結衣とラブラブなアイツだぞ?・・・・ぁ」

 

そう言えばアイツ、結衣の好意に気づいてなかったな。

というかアイツ、あの感じが幼馴染の関係って思ってるし、しかも結衣のことは絶対に守る大切な存在って言ってたな。アイツの中じゃ恋愛とかすっ飛ばした段階にあるのか?

ってことは今みたいなことは、

 

「充分にあり得る」

 

「何が?」

 

声に出てた。まあ、この事に関しては様子を見た方がいいな。絶対に。変に手を出さないのが得策か。

 

「いや、何でもない。ハチのことだが、しばらく様子見をした方がいいと思う。調べれば、アイツをとっちめれる」

 

「りょーかい、そうするよ」

 

結衣とハチのことで話す話すタイミングが遅れたが、ジョジョにも御門院が言ってたこと、話しておくか。スタンドが絡んでるかも知れねぇし、外れてて欲しいけど。

 

「はあぁぁ、ジョジョ、言っとく事がある」

 

「ん?どうしたの?」

 

そして俺は今日、御門院が俺に話した事をジョジョにも話した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「それ、知り合いに凄く心当たりがあるんだけど」

 

俺の話を聞いたジョジョは呆れた顔し、どんよりとしていく。

待て、心当たりあるの。

 

「マジか、あるのかよ」

 

なんとなくそれが当たってて欲しいと思う俺ガイル。

と言うか俺の予想はマジで外れてて!そうじゃなきゃトンデモない奴がこの町にいる事になる。

 

「うん、仗助お兄ちゃんの友人に物を削り取るスタンドを使う人がいるんだ」

 

「マジか」

 

「二人とも〜持ってきたよ〜」

 

結衣が来た。まあ、ちょうどいいタイミングだったから良かった。

聞かれたら不味かったぜ。

 

結衣は下に降りてくると、俺とジョジョにそれぞれタオルを投げ渡した。

タオルを貰うと起き上がり、汗を拭く。

 

「サンキュ〜、助かったぜ」

 

拭いてある程度は無しになったが汗で相当ジメジメしてる。

後でシャワーでも浴びた方がいいな。

 

「結衣、ハチのことだが・・・・」

 

「ジョジョが話したんだ・・・・」

 

「ああ、それの事だが、しばらく様子を見てからハチをとっつめた方がいいと思うぞ」

 

「わかった。ヒッキーにも何か理由があるのかもしれないしね」

 

そう言って結衣の顔は明るくなった。

よし、こっちは丸く収まりそうだ。

 

 

◆◆◆

 

 

〈雪ノ下雪乃side〉

白月正永君。数日前、私を助けてくれた男の子。私のこの仮面を顔を合わせた日に見破った面白い人。たった二歳しか違わないのにとても大人びた感じがする。

 

「どうした?陽乃、何か嬉しいことでもあったか?」

 

「うん、正永のことでね」

 

出会ってほんの少ししかしてないのに彼の前だと自然に、なんの偽りもなく笑える。

とても不思議な人。

 

「だって、ちゃんと会ったのは今日が初めてなのに、私の外面の仮面を見破ったんだよ?」

 

「そうか、前々から彼のお父さんから大人びていると聞いていたが、陽乃のアレを見破ったか」

 

私の言った事にお父さんは嬉しそうに笑った。

 

ふふっ、明日も楽しみになってきたな〜。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈三人称side〉

夜の町のとある路地裏。

そこには一人の少女と一体の人型の怪物がいた。

 

「あぁぁあ、ああああァァ」

 

「煩いですよ、汚物。その汚らしい声をすぐに消しなさい」

 

ガオン‼︎

 

怪物が地面を這いずり唸り声を上げると、黒い衣服を纏った少女は怒気を含んだ声を上げ、少女の背後に悪魔のような姿をしたスタンドが現れ、その怪物を飲み込んだ。

 

「これで五体目、あのお方以外で吸血鬼を名乗ろうなど、愚かだ」

 

少女はそう言うと夜空を見上げ、頬を赤く染める。

 

「ああぁ、この町のどこかに居られるのですね。分かります、あなたの事が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「DIO様!」

 

 

 

 

 

←to be continued



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

〈前編〉 やはり彼女らは因縁から逃れることができない

前回までの俺たちの冒険。
戦いは無く平和な日々の中、
白月正永は一人の少女ー雪ノ下陽乃を庇い交通事故に巻き込まれる。
その一方、
比企谷八幡もまた一人の少女ー雪ノ下雪乃をイジメから守るために手を伸ばす。

その影では謎の一人の少女が夜の町で暗躍していた。
その少女はある名を口にした、その名はDIO!?
その少女は一体何者なのか!


※話が長いため前後編に分けて投稿します


〈比企谷八幡side〉

雪ノ下雪乃と出会ってから数日、俺の学校での生活は変わっていった。

どうも俺もイジメのターゲットにされたらしく、回数はまだ少ないが何度か上履きを隠され、道具箱はゴミ箱化していたが、上履きは隠された場所はなんとなく見当はつくし教科書はランドセルに入れてるから実質的な被害は無い。

そんな雪ノ下と俺は放課後、図書室で面白い本が無いか探している。もっとも雪ノ下が読む本を探すのがメインだ。俺の読みたい本はここにはそう無い。

かれこれ十分はずっと探しているが、特にこれといった物はお互いに見つからず、流石にトイレに行きたくなってきた。

 

「雪ノ下、悪いが少しトイレに行ってくる」

 

「ええ、わかったわ」

 

そう言い、早足でトイレに向かい用を足し、手を洗う。

 

雪ノ下雪乃。

クラスメイトであり、おそらくクラスの中ではトップの美貌を持っているだろう女子。

だが、それが原因なのか分からないがクラスの他の女子やその取り巻きの男子にイジメられている。だが雪ノ下はそれに全く屈しない。

その姿勢には無理をしているのかもしれないが、ジョナサンの頃の俺に似た雰囲気を感じた。

もっとも、今の俺はジョナサンとは別人だが。

 

「何やってんだ、お前」

 

トイレを出て図書室に向かっていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。

ショウ(白月)の奴だ。

 

「別になんでもいいだろ、お前には関係無えよ」

 

「関係ないって俺も言いたいんだがね」

 

俺の言った事にショウは明らかに機嫌が悪そうな声で返す。

どうした?何があった?

 

「テメェの事で結衣の奴が機嫌悪りぃんだよ!今は静かだが、少し前まで俺とジョジョで抑えてたんだぞ!」

 

お、おう、なかなかの剣幕でショウは声を荒げた。

にしても結衣の奴が機嫌が悪い?何かしたか?俺。

 

「マジで気づいてないのか」ボソッ

 

「なんか言ったか?」

 

「何でもない」

 

「そうか」

 

なんか聞こえた気がしたが、単なる空耳か。

 

「で、どうすんの?」

 

「何の事だ」

 

「雪ノ下雪乃とお前のイジメの事だ」

 

驚いたな、イジメの事は悟られないように注意してたんだが。

どうやって気づいたんだ?

 

「お前を見張り始めてすぐに気づいた。お前は隠すのが下手過ぎる」

 

「さらっと心を読むな」

 

「俺は悪くないね、読まれるお前が悪い」

 

ショウの奴はは未だ機嫌が悪そうな顔でそっぽを向く。

何でお前は怒ってるんだ、俺は何もしてないだろ。

 

「雪ノ下の事だが、一週間後にある作文大会で手を打つ。そうすれば後は芋づる式で事は終わる」

 

「そうかよ」

 

ショウは機嫌が治ったのか、顔からは怒気は感じない。

だが、後ろにジトーってオノマトペが付きそうなぐらいのジト目になっていた。

どうしたんだ、アイツ?

 

そして俺は図書室に戻っていった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

ハチの奴を問い詰めた日から一週間が経過し、アイツが言っていた作文大会の日となった。

あの日のことは結衣とジョジョに説明して結衣は完全に納得してくれた。ジョジョは若干呆れてたな。

そして陽乃に妹がいるのかどうかを聞くと、仲が悪いが妹が一人いることが聞けた。

聞いた話だと、どうも雪ノ下姉妹の姉妹仲は結構悪いらしい。いや、陽乃自身は仲良くしたいらしいが妹の雪乃の方が陽乃を避けているらしい。様々な事をこなす姉に対するコンプレックスがあるのかもな。

 

「では次は三年二組、比企谷八幡君の作文です」

 

早いな、もうハチの番になったか。

 

作文大会というのは俺らの学校にある行事の一つだ。

各学年の各クラスの中から優秀な作品を書いた奴が一人選ばれ、代表になり、その代表が順番に体育館で全校生徒の前で自分の作文を読み上げる。

ずっと前から思ってたんだが、この行事いるか?

俺は要らないと思うんだが。

 

この作文大会、毎年教育委員会の数人が派遣されていて、授業参観や運動会のように親が見にこれる行事でもある。

 

ハチの奴はこのタイミングを狙っていた。イジメの事を全校生徒の前で露呈させるなんて中々にゲスいしエグいやり方だ。予想はしていたが、本当に当たるとはな。二人に警戒しとくように言っといて良かった。ハチ、お前ジョナサンの生まれ変わりだろ、ディオレベルのゲスい事なんてよく思いついたよな。

 

まあ、アイツ何時もはゲスい事なんて嫌いだが、今も昔も仲間のことになると容赦ないからな。

それで思いついたのかもな。

 

先生に呼ばれてハチは舞台の上へ移動し、作文を読み始めた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

時は流れ放課後。

作文大会の顛末を一言で言うならば地獄だった。

 

ハチの作文の内容を要約すると『クラスメイトの一人である雪ノ下雪乃が他の多くの人から虐められていた。その真実を知って心優しい先生がいるならその虐めていた人達に罰を与えてくれ』と言うものだ。

 

そんなのは普通、審査で落とされると思うだろうが。

どうもハチの奴は作文を二つ用意していたらしく、先生にチェックとして提出したのがダミーだったらしい。そしてその予定にない作文の内容に体育館は阿鼻叫喚の地獄絵図、いやもっと酷い惨劇の場へとなった。

あちこちから上がる泣き声が体育館内に響き、先生達一同は混乱し、発表を止めようするが、教育委員会のお偉いさん、作文大会を見に来ていた雪ノ下家の大黒柱である雪ノ下冬馬さん、親父、ジョセフの鶴の一声で再び席に着いた。

 

虐めていた奴らに同情の余地はないが、先生方にはかなり同情するぜ。

それから先生方、親友がトンデモない爆弾を投下してすいませんでした。

 

でもこれでイジメのことは片付いた。後はあの姉妹の仲をどうにかしなきゃな。

どうするべきか?

 

「うむむむむむ〜」

 

唸りながら考えても特にこれといったアイデアは思いつかない。

何かあのコンプレックスを失くさせるもの。

 

あっ!

 

「思いついた!」

 

駄目元だが、やらないよりはマシだろ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈三人称side〉

作品大会から五日後、比企谷八幡、雪ノ下雪乃、白月正永、雪ノ下陽乃、由比ヶ浜結衣、静・ジョースターの六人は白月勇吾と白月綾香、ジョセフ・ジョースターの三人の引率でショッピングモールに訪れていた。

 

「なあ、なんでこんな人数で来たんだ?」

 

「別にいいだろ、イジメの解決と、どっかのバカがやらかした作品大会のお疲れ様会だ」

 

八幡は前方にいる女子集団を含めたこの人数に顔が引きつっており、それを見て正永は呆れていた。

 

(それに雪ノ下姉妹の仲を戻す作戦もあるんだ、でも姉妹二人だけにするとマズい。だから結衣とジョジョにクッション役をお願いしたんだよ)

 

正永は女子達が前や周りを見ているのを確認すると八幡の耳元に小さな声でとある作戦の説明した。今回、このショッピングモールにやって来たにはイジメ解決と作文大会のお疲れ様会が目的だが、それは飽くまで表面上のものだ。本来の目的は雪ノ下雪乃と雪ノ下陽乃の姉妹を仲直りさせることだ。

 

「おい、マジかよそれ!」

 

(声がデカい!)

 

その目的に驚いた八幡が上げた声が大きく、正永は急いで八幡の口を手で塞いだ。

そんな幸先が大丈夫なのか不安になるスタートでショッピングが始まった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈雪ノ下陽乃side〉

作文大会の五日後、私は雪乃ちゃんと正永とその友達の比企谷八幡君、由比ヶ浜結衣ちゃん、静・ジョースターちゃんと一緒に正永のご両親と静ちゃんのお父さんの引率の下、ショッピングモールに来ていた。

 

五日前、作文大会で私は初めて雪乃ちゃんがクラスで虐められている事を知った。

言い訳になっちゃうけど私と雪乃ちゃんは少し前から仲が悪くなっていた。

理由は分からないけど兎に角、仲が悪かった。

そのせいで私は妹の周りの事に踏み込むのが怖くなっていた。

お父さんもお母さんも変に踏み込めば状況が悪化するって事で遠回しにその日に何があったのか聞いても、特になかったの一点張りでお手上げだった。

 

そして作文大会で露わになった虐めの事で私はとても悲しくなった。

どうして気づかなかったんだろう、話を聞かないにしても雰囲気で分かるはずなのに。

私は自分自身が恨めしかった。妹を守れなかったのに何が姉だ、と。

 

その作文大会の日の放課後、正永が私のもとに来て、一つの提案を出した。

それがこのショッピングモールでのショッピング。

表向きの目的はイジメの解決祝いと作文大会のお疲れ様会だけど、それを使って雪乃ちゃんと仲直りをするのが本当の目的。

 

『場所やタイミングは俺たちがどうにかしてやる。だからお前は妹に本音を、心配してた事を言え』

 

正永はそう言ってくれたチャンスなんだから無駄に出来ない。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そしてスタートしたショッピングで私達は色々な所を回って、今は結衣ちゃんの提案で洋服店にいる。

比企谷君と正永はジョセフさんと一緒に少し離れた男物のエリアで自分に合いそうな物を探している。

 

「そう言えば、今日のこういうのってお金は・・・・」

 

自分や雪乃ちゃんに合いそうな物を探していると結衣ちゃんがそんな事を言った。

そういえばどうなるんだろう?私も自分のお小遣いを持ってきたけど、洋服とかって大丈夫なのかな?

 

「その点は大丈夫よ、雪乃ちゃんと陽乃ちゃんのご両親からお金をある程度を受け取っているし、私達も結構あるから問題ないわ」

 

それに綾香さんは爽やかな笑顔でそう答えた。

流石、有名作家の家。それからお父さんとお母さんは何してるの!?

 

「俺はそんなのは別にいいと言ったんだがな。冬馬も千秋もそれじゃ悪いと聞かなかったんだ」

 

勇吾さんはその時の事を思い出したのか凄く深いため息を吐いた。

うちの両親が申し訳ありません。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

 

「今のところはいい感じだな」

 

服を選びながら離れた場所で服を選んでいる陽乃達を見ると、陽乃と雪乃はお互いに笑いながら服を選んでいた。

この感じならタイミングを見計らって二人だけにすれば上手くいくかもな。

 

「にしても八幡もよく思いついたもんじゃよ。学校での公開処刑は軽くビビったぞ」

 

「それに関しては全くの同意だ。あんな方法、よく思いついたぜ。ドン引きしたぞ」

 

本当にドン引きだよ。俺でも思いつかないぞ。

 

「おお、これなんてどうじゃ?」

 

そう言ってジョセフが見せてきたのはオレンジで『さらば!』と書かれた黒のTシャツだった。

 

「「ダセェよ!」」

 

俺とハチは見事に意見が合い、思いっきり声を荒げた。

なんでこんなのがあるんだよ。ダサい、かなりダサい。

これって何処ぞのげんとくんじゃなきゃ無理だろ!

 

カランカランカラン。

 

そんな時、俺たちの足下に何かの缶が転がってきた。

 

「なんだこりゃあ?」

 

「どっから転がってきた?」

 

それになんかこの缶に見覚えがあるんだよなぁ。

何処で見たっけ?

 

ビビビビィィィィ!

 

そんな時、その缶からトンデモない閃光と耳がつんざく爆発が起きた。

こいつはスタン・グレネードか!

 

その閃光と爆発で目と耳がやられ、俺はその場に膝をついた。

何なんだ、これは!

 

スタン・グレネードらしき物のせいで今は耳と目が使えない。

一体何が起きた?どういう状況だ?

 

時間が経って徐々に視界が戻っていき、若干ボヤつくが周りの状況が見えてきた。

近くにいるハチやジョセフもスタン・グレネードにやられて両膝をついている。

少し離れた場所にいる親父たちも両膝をついているが特に外傷はなさそうで無事だ。

 

爆発にやられた耳も耳鳴りが収まってなんとか立てるようになった。視界はまだボヤつくが。

 

「みんな無事か?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「もう今の何?」

 

「目がまだボヤボヤする〜」

 

「ああなんでこうなるんだよ」

 

「全く年寄りに気を使って欲しいもんじゃよ」

 

良かった、全員の安全確認のために呼びかけると、無事に七人の声が聞こえて安全だとわかった。待て、七人!?

 

視界がハッキリ映るようになると急いで辺りを見渡す。

だが、そこには二人の姿がなかった。

 

おいおい、冗談だろ?

 

「雪ノ下姉妹がいないぞ!」

 

あの短い時間の間に何があった!?

 

 

 

←後編へ続く。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

〈後編〉 彼らは彼女らを救い、暗躍者は姿を現わす

後編です、最新話リンクから飛んできた人は一つ前の話からお読みください。


〈雪ノ下陽乃side〉

私は目を覚ますとそこは全く知らない所だった。

えっ?何、何があったの!?私は確かみんなと一緒にショッピングモールにいたのに!?

 

私は慌てて体を動かすが、体が思うように動かせない。

自分の体に違和感を感じて、違和感がある所を見ると手足がロープでしっかりと結ばれていた。

そして体を動かすと隣にあるものにぶつかった。

 

「雪乃ちゃん・・・・」

 

それは自分の妹だった。私と同じように手足を縛られている。

なんでこんな事に・・・・・・。

 

「おっ、リーダー、二人の内の姉の方が目をさましましたよ」

 

「姉の方は適性があったか、後は妹の方がどうか、だな」

 

「でもよリーダー、妹の方には矢がかなり反応してたんだぜ?ぜってー目覚めるな」

 

自分たちがいるこの状況に不安になっていくなか、目を覚ました私に気づいて二人の男が私たちの近くに寄ってきた。

 

その二人の男が寄ってきた瞬間、冷や汗が噴き出した。

なんなの、この人たち?私の体が震えてる。怖い。怖いよ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

 

「ああクソ!ふざけんな!」

 

俺は走りながら、この状況の色々な事に関しての文句があり過ぎて悪態をつく。

よりにもよって、なんで今日このタイミングで。

 

「雪ノ下姉妹が誘拐されるんだよ!」

 

「文句を言ってても仕方ないだろ」

 

「場所は分かったんだ、後は二人を救出して首謀者をボコボコにすれば良い」

 

俺の言った文句に親父とハチは焦りを含んだ声でそう返す。

ああ、確かにその通りだな。

 

事は二時間前に遡る。

ああ、細かく言うのが面倒だ。要約すると『雪ノ下姉妹が謎の犯人に拐われた』。

 

すぐに雪ノ下夫妻に連絡を入れて陽乃の持っている携帯のGPSで居場所を特定が出来て、その場所が判明したから良かった。だがそこに向かうまでに面倒な事が現在進行形で起きてる。

 

「ああァァァァァァ!」

 

「また出てきたぞ!」

 

「クソがぁぁ!」

 

建物の影や物陰から飛び出してくる怪物、屍生人(ゾンビ)を俺は波紋が流れた拳で灰にする。

そう、その面倒な事って言うのがこの屍生人どもだ。姉妹がいるはずの場所に向かう道中、コイツらが俺たちを襲ってくる。

首謀者は吸血鬼かよ!ふざけんな!

 

まだまだ押し寄せる屍生人の波に俺たちはスタンドを出して対抗する。

 

「ザ・ワールド!」

 

「スター・ジェムストーン!」

 

「キラー・ホーネット!」

 

「ブラック・ロック!」

 

「アクトン・アクアマリン!」

 

「ハーミット・パープル!」

 

近接パワー型の俺とハチ、ジョジョ、母さんは波紋入りのかなりの速さのラッシュで屍生人どもを粉砕し、遠距離型の親父はそれぞれ一発で相手を仕留め、ジョセフは茨を巻き付け、一体の屍生人を投げて、それを集団にぶつけて纏めて波紋で灰にする。

 

そして進んでいくと、GPSが示した古びたデカい廃工場が見えてきた。

成る程な、拉致する場所なピッタシだなぁ。

 

扉の前に着くと、ザ・ワールドの全力の一発で俺は扉を粉砕した。

 

そして中に入ると、地面に伏した雪ノ下姉妹の姿と首謀者と思わしき男が二人いた。

コイツら、タダじゃあおかねえぞ!

 

「落ち着け、まずは二人の回収が先だ」

 

ハチの言葉に俺は少し冷静になる。

そうだ、落ち着け。

 

『オラァ!』

 

ハチは白い茨を伸ばし、雪乃に巻きつけるとスター・ジェムストーンで素早く、力強く引っ張り、雪乃をキャッチする

 

「時よ、止まれ」

 

それに俺も続いて時を止め、陽乃へ駆け寄り、陽乃を担ぐとすぐに入り口へ戻り、時を動かす。

 

「ありゃりゃ、人質取られちゃったよ」

 

二人を取り戻されたのに首謀者たちの態度は軽い。

なんだコイツら。人質が取られたのに、なんでそんな態度を。

 

「まあでも、俺たちの目標は達成出来たわけだから、ズラかるぞ」

 

首謀者たちは逃げようとするが、そうは問屋がおろさない。

 

「逃すわけ・・・」

 

「ないじゃろ?」

 

ハチとジョセフの茨が首謀者たちの腕に絡まって奴らを捉えた。

俺は担いでいた陽乃を親父に預けると、全力の波紋を練り上げる。

そして前へ進む。

 

「一つ、場所で油断し、雪ノ下姉妹を危険にさらしてしまった」

 

まさかショッピングモールを堂々と襲撃するなんて予想外だった。

だが、姉妹は拐われてしまった。

 

「二つ、屍生人を倒すのに時間をかけ過ぎてここに来るにが遅くなった」

 

二人とも気を失っているが、恐らく怖い思いをしただろう。

もう少し早く駆けつける事が出来れば、そんな思いはしなかっただろうに。

 

「そして三つ、大切な約束を破ってしまった」

 

千秋さんに陽乃を守るように頼まれたのに、陽乃に姉妹の仲直りを手伝ってやると約束したのにそれを破ってしまった。

 

そんな自分に腹が立つ、守れなければ力があっても意味が無い。

今の俺にある大切な家族、仲間を守ると決めたというのにそれが守れていない自分に自己嫌悪が起きる。

 

「俺は自分の罪を数えたぞ」

 

これは前世からも罪を重ねてきた己への戒めだ。

 

「さあ、アンタ達の罪を……数えろ」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈比企谷八幡side〉

 

『オラァ!』

 

俺はスター・ジェムストーンの茨を横たわった雪ノ下に巻きつけると思いっきり引っ張り、雪ノ下をキャッチする。そして時を止めたのか、隣には陽乃さんを担いだショウがいた。

  

「ありゃりゃ、人質取られちゃったよ」

 

人質を両方も奪われたのに首謀者たちの態度は軽い。

 

「まあでも、俺たちの目標は達成出来たわけだから、お前らズラかるぞ」

 

首謀者たちは逃げようとするが、そうは問屋がおろさない。

 

「逃すわけ・・・」

 

「ないじゃろ?」

 

俺とジョセフの茨が逃げようとする首謀者たちの腕に絡まり、奴らを捉える。

俺は雪ノ下を綾香さんに預けると波紋の呼吸を整える。

そんな中、ショウは波紋独特の金色のスパークがクッキリと分かるほどの波紋を練り上げ、首謀者達の方へ歩いていく。

 

「一つ、場所で油断し、雪ノ下姉妹を危険にさらしてしまった」

 

歩いて行く中、ショウが俯きながらそう言う。

 

「二つ、屍生人を倒すのに時間をかけ過ぎてここに来るにが遅くなった」

 

前世からの事も思い出しているのか、ショウは唇を噛み、表情には後悔や怒りが見えた。

 

「そして三つ、大切な約束を破ってしまった」

 

恐らく今、アイツはこの事態は俺自身が悪いなんてバカな事を考えているのだろう。

だがそれは絶対に違う。今のアイツは、白月正永は変わった。前世のディオとは全く違う存在なったのだから。

 

「俺は自分の罪を数えたぞ」

 

だが、これはアイツなりの、前世から罪を重ねてきた己への戒めなのだろう。

 

「さあ、アンタ達の罪を……数えろ」

 

その言葉を言った次の瞬間、ショウは首謀者の内の一人・・・・ややこしいからA、Bと呼ぶか。Aとの間合いを詰め、頭部まで飛び上がり空中回し蹴りでAを吹っ飛ばし、足に纏っていた波紋が相手に流れ、Aは灰となり消えていった。

やっぱり犯人達は吸血鬼か。

それにしてもショウの奴、転生者にしてもその動きは子供が出来る動きじゃないと思うんだが。

 

「チッ、出てこい!屍生人ども!」

 

仲間がやられた事に犯人達は驚きが隠せず、Bは舌打ちをし、その呼び声によってあちこちの物陰から屍生人が次々と姿を現した。

数はぱっと見で五十辺りか。城の戦いの時よりはマシだが、多いな

 

「敵は五十五か、速やかに片付ける」

 

俺の耳にその言葉が聞こえたの同時に俺の隣に風が通った。

気付くと目の前の屍生人の集団に飛び込む勇吾さんの姿があった。

 

「ワシらも続くかのう」

 

「そうだな」

 

それに続いて俺とジョセフも屍生人の集団に飛び込む。

 

『オラオラオラオラオラオラ!!!』

 

そして波紋を流したスター・ジェムストーンで屍生人どもを殴り灰にしていく。

にしても、この数の屍生人をどうやって揃えた?

町でなりふり構わずに屍生人を増やしたら世間は行方不明事件で大慌てな筈だ。

だが、ここ最近で行方不明者のニュースはやっていなかったぞ。

本当にどうやって集めた?

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

 

『無駄ァ!』

 

首謀者の一人を灰にすると、俺はすぐさまザ・ワールドで残りの二人に殴りかかる。

だがそれは首謀者の一人、細身の男のスタンドによって阻まれた。

 

「そのスタンド、貴様ディオか」

 

男はザ・ワールドの姿を見るとニヤリと笑みを浮かべ、男がそう言った次の瞬間、俺の左腕から血飛沫が上がった。

 

「始末する奴が増えた」

 

俺はザ・ワールドを見ると、ザ・ワールドの左腕に鋭い針金が突き刺さっていた。

その針金の元を目で追うとそれは男の右手から伸びていた。

 

「ブラッド・スコーピオン」

 

男はスタンドのものらしき名を呼ぶと、針金だけを出していたスタンドがその全貌を見せた。

それは紅い双眸が怪しく光り、黒色の体の一部に金色の鎧を纏い、サソリを彷彿させる鉢金が後ろから伸びている人型だった。

 

そしてザ・ワールドとブラッド・スコーピオンはぶつかり合った。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!!』

 

『ヒヤッシャァァァァァ!!』

 

ラッシュがぶつかり合って拮抗していくが、徐々にブラッド・スコーピオンの方が手数が上回っていった。それによってあちこちに傷が出来ていき、そこから血が垂れ始めた。

まさかザ・ワールドを上回る程のスピードとは、なんて速さだ。

 

俺は少しばかり距離を開けると、男とブラッド・スコーピオンは姿勢を低く構えを取った。

 

「ブラッディニードル!」

 

そして十五の紅い閃光が放たれた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈???(ブラッド・スコーピオン)side〉

 

「フハハハハハッ!随分と呆気なく終わったな」

 

ディオの奴は俺の必殺の攻撃を食い、この廃工場の壁にかなりの勢いで吹き飛ばされた。なら奴に助かる通りは無い。

 

ブラッディニードル。

相手の体にブラッド・スコーピオンの針金を十五発打ち込む。そしてそれは蠍座を描く。

外傷は大したことはない、だがその威力は中枢神経を破壊し、一発食らうごとに全身に激痛が走り、当たる数が増すごとに例え波紋の戦士であっても耐えきれないほどの地獄の苦しみとなる。

そして十五発目の位置はアンタレス、即ち心臓に突き刺さる。

 

「えっ!うそ・・・」

 

「ショウ!」

 

ディオが倒されたことに動揺が隠せないようだな。

あのガキ、あの髪型、奴はジョナサン・ジョースターの生まれ変わりか。

始末するにはディオの奴だけだが、今後の障害になる可能性もある。ならここで潰すべきか。

 

「ブラッド・スコーピオン!」

 

「スター・ジェムストーン!」

 

『ヒヤッシャァァァァァ!』

 

『オラオラオラオラオラオラ!』

 

俺の攻撃にジョナサンの生まれ変わりはスタンドで応戦してくるが、結果はディオと同じだ。

俺に勝てるはずが無い。

 

ラッシュの速さ比べになるが、ディオと同様にブラッド・スコーピオンの方が速さが上回り、奴を軽く吹っ飛ばし、間合いが空いた。

俺は体勢を低くとり、ジョナサンの生まれ変わりに俺の攻撃を突き刺す。

 

「貴様もディオの後を追わせてやろう!ブラッディニーd・・」

 

「今だ、ジョジョ!」

 

「アクトン・アクアマリン!山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー オーバードライブ)!」

 

なっ!何もない空間から小娘が飛び出してきたぞ!

この小娘はジョースター家の。

これでは防御が間に合わん!

 

『ドララララララララララ!』

 

「グウッ!」

 

小娘の波紋を纏ったスタンド攻撃に俺は少し吹っ飛ばされる。

油断した、まさか透明化能力とはな。だが、もう不覚は取らんぞ。

 

「これも食らっていきやがれ」

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』

 

な、何ぃ!何故だ?お前は俺のブラッディニードルを全発食らった筈、なのに何故生きている!?

ディオの生まれ変わり!

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

〈白月正永side〉

よし!ザ・ワールドのラッシュが完全に入った!

男は吹っ飛び、凄い音を立てて瓦礫や廃材の山に突っ込んだ。

それによって土煙が上がる。

 

しっかし、正直に言うとかなり危なかった。

心臓へ放たれた一撃がザ・ワールドで防御出来なければ、俺は死んでいた。

ザ・ワールドを上回る程のスピードとはな。恐ろしい。

 

そう思っていると土煙の中から人影が出てきた。

 

「まさか生きているとは、俺のあの攻撃は確実に相手を葬る技だ。だと言うのにどうやって生き延びた」

 

「・・・うそォォォん」

 

なんでぇ?ザ・ワールドの全力ラッシュ食らったのに、かなりの勢いで瓦礫や廃材に激突したのに、なんで無傷なの!?

 

「だがそれはどうでもいい、次は防御もさせずに葬ってやろう!」

 

男はそう言ってかなりの勢いで間合いを詰めてきた。

仕方ねえ、時間停止でぶちのめす。

 

「ザ・ワールド!時よ、止まr」

 

ガオン‼︎

 

「何ぃ!」

 

俺が時を止めようとした時、突然男の左腕が消滅した。

この能力、まさか!

 

『この汚物。よくもまあ、こんな愚かの事をしてくれましたわね』

 

その声が聞こえると、男の後ろの空間が歪み、そこから二本の角と大きな口を持つ人型のスタンドが現れ、その中から黒の衣服を着た一人の少女が出てきた。

 

「こいつの参戦はイレギュラーが過ぎる。これは不味いな」

 

男は少女の姿を見ると顔を顰め、ジャンプで上の方にある窓へ飛び、廃工場から出て行った。

クッソ、逃げやがったか。だが、追いかけるにしてもリスクがデカい。

それにトンデモない奴が出てきやがった。

 

俺は現れた少女に視線を向ける。

 

「ありがとな、助けてくれて」

 

「いえ、あなた様をお守りするのがわたくしの役目。当然のことですわ」

 

この態度、あのスタンド、間違いない。

奴も転生者、しかもアイツか。

 

「よく俺の下に駆けつけてくれた、ヴァニラ・アイス」

 

 

 

 

←to be continued

 

ーーーーーーーーーーー

???(ブラッド・スコーピオン) 撤退




やっと出したいキャラがようやく二人出せた。

ブラッディニードルは某黄金聖闘士のあの攻撃まんまです。

てかヴァニラ・アイス味方に出す人なんていないだろうな〜。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。