とある男の冒険譚 (ランチア)
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第0部 序章
男の名


だりぃな…

 

いきなりで悪いが、今ものすげぇだりい。いやこの小説の初っぱなから読者の皆さんの気分を害するつもりはねぇんだがそれでもだりぃ。

 

理由はーー

 

 

不良A「おい!なに無視してんだよ、コラ!!」

 

不良B「ビビって声出せなくなったんじゃねぇ〜のw」

 

不良C「いいから早く金渡してくんねぇかなぁ〜」

 

 

不良の皆様に絶賛絡まれているからなんだよね〜…

はぁ〜、面倒クセェな。ちょっとコンビニ寄って帰ろうとしただけで絡まれるって今日の星座占い最下位だったっけ?

ダメだ、思い出せん。まあそんなことよりーー

 

「…すいませんが今は渡せる程持っていませんので見逃して下さい」

 

こう言うか。ま、こん時の相手の反応は言わずもがなーー

 

不良A「アァっ!?出鱈目言ってんじゃねぇぞコラァ!!てめぇさっきATMから金引き出したんだろ!?」

 

不良B「そんな幼稚なウソ言ったって意味無いっしょw」

 

不良C「だからさぁ〜平たく言えば大人しく渡してくれりゃあ俺たち何もしないってこと〜、だからさお金ちょうだい」

 

教科書どおりの反応するわな。ここまでお約束通りの展開だと逆に新鮮な感じがするねぇ〜。まぁいつまでも好き放題言われんのも癪やしな……よし…

 

「…言いてぇ事はそれだけっすか?はっきり言って邪魔っす。これ以上邪魔するんなら力づくでも通して貰いますよ」

 

俺はわざと声を低くして3人に言い放った。すると3人は一瞬キョトンとした顔になった。まさかこんな台詞を言うとは露ほども思わなかったのだろう。そしてーー

 

不良A「てめぇガキの癖に舐めてんじゃねぇぞ!!年下なら年上の言う事素直に聞きやがれ!!」

 

不良B「ちょっw…マジでw…プ、ププ、プハハハハハハww

今時まだそんな台詞吐くような奴いたんだwwクハハハハハww」

 

不良C「知らないよ〜。言っとくけど俺たち年下だからって手加減してあげないからねぇ〜。あと今更謝っても遅いし」

 

ヤベー、めっちゃウザいんだけど。つーかてめぇ等みてぇな年長者の言う事聞く事の方がよっぽどおかしいわ。敬う事すら嫌やし。あと何故そんなに笑うんだ?笑いのツボがよう分からん。そして年下を全力でイジメるっつーことを堂々と言うんじゃねぇし、お前等に対して謝る要素など欠片も無いわ。

心の中で愚痴っていると不良3人は俺の周りを取り囲んだ。

 

不良A「覚悟はできてんだろうなぁ…アァ!?」

 

不良B「クククw…こんな笑ったの久しぶりだしw」

 

不良C「そんじゃあ行くよ〜」

 

そう言うや否や3人同時に襲いかかってきた。前方に1人、後ろに2人だ。同時に殴れば勝てると思い込んでる様な、いや実際そう思っているのであろう攻撃だ。大抵の人間であればここで諦めるのであろうが、俺はそんな人間じゃあない。

3人が襲いかかると同時に俺は前方の1人に突撃し、その場でジャンプし両足の裏を相手の顔面に叩き込んだ。

(ちなみにコンビニ袋は突撃する前に道端に放り投げた)

 

ドガッ! 不良A「ッ!!」

 

所謂ドロップキックである。音から察するに充分な威力だった様だ。相手は後方に吹き飛び、気絶してしまった。案外脆いんだな。そして重力に従って体が地面に向かっていき、やがて地面に着いた。鈍い痛みはあるが、堪えて直ぐに立ち上がり、後ろを向く。

すると残り2人は呆気に取られていた。急な出来事に頭が追いついていない、そんな顔をしていた。そんな隙を俺が見逃す訳が無い。

 

「シッ!」

 

俺から見て右にいる奴、確かヘラヘラ笑ってた奴だったな。そいつの懐に素早く潜り込み、短い掛け声と共にちょうど鳩尾辺りを拳で突く。

 

ドッ! 不良B「グボッ!?」

 

うめき声を発し、直後腹を抱える様にうずくまる。そして後ろに倒れ悶絶。またまともに呼吸が出来ず、「カハッ!カハッ!」といった息遣いをしている。喧嘩の途中で隙を見せたからこうなるのだ。しばらくそうしてな。

 

不良C「くそっ!」

 

最後の1人となってしまい、もう後がないと思ったのだろう。おもむろにナイフを取り出し、こちらに突き付けてきた。が、握り方が甘い。恐らくこういった武器の扱い方はド素人の様だ。恐るるに足らないな。なので俺はわざと小馬鹿にした様な顔を作り、手招きをする。軽い挑発だ。

 

不良C「舐めんじゃねぇぞ!!」

 

おどけた口調は何処へやら。挑発に簡単にのり、ナイフを振りかざしてきた。だが出鱈目な軌道を描いており、避けて下さいと言わんばかりの攻撃だ。ナイフの良さを活かしておらず、逆に隙を作っている。だからーー

 

パシッ! 不良C「イテッ!」

 

その隙を突いてナイフを握っている手を狙い、蹴り上げ、ナイフを飛ばした。そして相手が蹴られた手を反対の手で抑えている隙にローキックをかました。

 

ガッ! 不良C「グァッ!」

 

あまりの痛さに体がくの字に曲がり、必然的に頭が下がる。さぁ〜ってっと、そろそろトドメだ。

 

ドゴッ! 不良C「ッ!!」

 

渾身の左ストレートを顔面に叩きつけた。相手は悲鳴をあげることも無く、後ろに吹き飛び、そのまま気絶した。

ふ〜、終わったか。えーと袋袋っと。あ、あったあった。

中身は、まあ大丈夫かな。炭酸飲料はゆっくり開ければいいかな。お菓子はちょっと中身が砕けた程度だな。

 

さぁ〜てとそろそろ帰ろ。あんま遅いと姉さんに怒られっからな。

 

 

あ?ていうかお前誰だって?そういや名乗ってねえな。

 

 

橘亮一(たちばなりょういち)

格闘術を学んでいる以外は普通のーー

 

 

ただの中学生や。




戦闘描写ってムズイ…


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男の経緯

キャラ紹介


橘亮一

1996年9月生まれ(『男の名』時点で13才)。

身長160㎝台 中背中肉。

髪は黒で短髪、眉毛は太く濃いめ。

目は腫れぼったいが、人によっては目付きが鋭いとも言われる。鼻筋は整ってるが団子っ鼻、目の下にはクマがある。ビジュアル的には中の中という人もいるが気味が悪いと言う人もいる。

性格はネガティブ、常に無表情かしかめっ面。だが笑う時には笑う。基本的には真面目だが、結構捻くれてる。一度決めた事は何があっても変えないという頑固さもある。また短気の一面もある。興味のあるものに対しては徹底的にやり込むタイプ。逆に興味が無いものに対してはあまりやる気を出さない。

あまり人を頼らず、一人で何でも背負い込みがち。

趣味はアニメ、マンガ、ゲーム。割とオタク。

 

家族は両親と七つ上の姉が一人いる。両親は共働きで海外の転勤が多く、幼少の頃から姉と二人きりの生活をしてきた。

 

幼少の頃、映画や特撮で見たアクション俳優やヒーロー、テレビに映る格闘家を見て、彼はそれらに憧れを持った。それからは独学で格闘術を学んだ。書物等で知識を蓄え、それを元に鍛えてきた。8歳の頃になるとインターネットの動画サイト等で技の出し方やより効率の良い鍛え方を調べ、実践した。そしてマンガやアニメ、ゲームでの技を真似し、使えそうな物を反復練習した。そうしていく内にメキメキと成長し、同年代はもちろん高学年にも圧勝出来る程になった。

また格闘術だけでなく、ある武器にも興味を持った。たまたま時代劇を見て、その劇中に出て来たとある人物に目が行った。その人物はただ一人鍔が無い短刀、所謂『ドス』を使っていた。そのドスで人を倒していく姿を見た亮一はそのドス使いに惹かれ、いつしかドス自体を扱いたいと思った。しかしそんな物を小学生の内から欲しがるものなら拒否されるのは明らか。仮に手に入れられたとしても銃刀法違反により何かしらの処罰が下る。亮一は仕方なく現時点では手に入れるのを諦め、ドスの扱い方を調べ、オモチャ等で技の練習をした。

 

そして中学生になった亮一は運命的な出会いをする。中学生になって初めての休日。ちょっとした好奇心でとある繁華街に遊びに言った際、運悪く通行人の肩にぶつかってしまった。相手はすぐに因縁をつけ、金を払うよう亮一に迫った。相手は4人で、見るからにチンピラだった。またぶつかった相手がただの中学生ということもあり、チンピラ達はかなり上から目線で言ってきた。亮一はかなりイラッとした事もあり、その4人を徹底的に返り討ちにした。そこまでは別に良かった。この繁華街はこういう事が日常茶飯事なので別に問題は無い。その後にある人物が亮一に話しかけてきた。

 

???「ちょっとよいか?」

 

亮一「ん?」

 

その人は老人だった。だが、普通の老人では無かった。亮一より小柄だが、顔つきは皺だらけであってもまるで歴戦の戦士を彷彿とさせるような勇ましさがあった。さらに目つきも鋭く、見られたら心を見透かされそうな感覚に陥る程だ。よく見れば身体つきも同年代のお年寄りとはまるで違った。ただ筋肉質なのでは無く、バランスよく整っている。現在でも鍛えている証拠だ。だから亮一は思った。俺より強いと。そんな只者では無い老人が自分に何の用なのか?

 

???「お主、先程チンピラを叩きのめした者じゃな?」

 

亮一「ああ、そうやけど…」

 

???「そうか…その歳であそこまでの実力とは…大したものじゃ」

 

亮一「はあ…」

 

どう反応すればいいのか分からない。そんな感じだった。話によると先程の戦闘を野次馬の中で見ていたと言う。何でもその闘い方を見て気になる事があり、声をかけたと言う。

 

???「お主は誰かに武術か何かを教わったのか?」

 

亮一「いえ自己流ですけど」

 

???「ほう…我流であそこまで…」

 

そう呟くと老人は何かを考え出し、そしてこう言った。

 

???「お主、儂の所に来ぬか?」

 

亮一「えっ!?」

 

???「お主の闘いはなかなか良いと思う。じゃが儂から見ればまだまだじゃ。磨けばもっと強くなれる。それにあの闘いではお主は感情に身を任せすぎておった。そんな闘いを続ければいつしか修羅になってしまうぞ」

 

亮一「確かに…」

 

そう言われて亮一は納得した。確かに上からだったとは言え、相手を痛め過ぎたという事は否定出来ない。それにこの見ず知らずの老人に好き勝手言われているが、不思議と嫌な気分にはならなかった。それもその筈、彼は今まで1人でずっと鍛えてきたので他人から指摘されるという事がなかったからだ。それにこの老人は褒めるだけで無く、自分の為に助言してくれているという気持ちが伝わったからだ。

 

???「お主はそのような者になるには惜しい存在じゃ。じゃから儂が技だけで無く『心』を鍛えてやろうと思い、声をかけたのじゃ」

 

亮一「なるほどね…」

 

???「それで?どうなのじゃ?別に無理強いはせんがの」

 

亮一「ではよろしくお願いします」

 

亮一はあっさりと承諾した。

 

???「即答じゃな…儂から誘って何じゃが、そんなにすぐ決めて良いのか?」

 

亮一「ええ。俺もここ最近自分がどの程度の力があるのか半信半疑でしてね。俺にとっては丁度いいタイミングでした」

 

???「そうか…顔を見る限り既に覚悟は決まってるようじゃな…良し!では案内する」

亮一「何処にっすか?」

 

???「儂の道場じゃ。着いてくれば分かる」

 

こうして亮一は老人の弟子となった。修行の内容は割愛させて貰うが、今まで自分がやって来た修行よりも何倍も辛かったとだけ記しておく。ただ亮一はやり甲斐を感じ、土日祝日には自宅から道場まで自転車で行き、そのまま1日中修行をし、平日には家で繰り返し修行の内容を反芻した。

 

そして老人に弟子入りしてから約一年が経過したーー

 

この時亮一は自分が泥沼の抗争劇に巻き込まれるのを知る由も無かった。




主人公が96年生まれなのは作者と同じだから
ただそれだけ


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第1部 伝説を継ぐもの編
伝説の龍


今回から第1部スタートです。
といっても原作をそのまま小説にしている感じですのでオリジナル展開は期待しないで下さい。
読みにくく、分かりづらいので注意して下さい。


新宿・神室町ーー

アジア最大の歓楽街と言われ、昼夜問わず賑わっている所から『眠らない街』とも言われている。キャバクラやホストクラブに風俗、ゲームセンター、映画館、バッティングセンターなど大人だけで無く若者でも楽しめる施設が沢山ある。また現在『神室町ヒルズ』と呼ばれる複合施設が建設され、完成すれば益々この街は活気に溢れるだろう。そしてこの街にはある組織がいる。その名は『東城会』。

 

東城会ーー

関東最大規模の極道組織であり、神室町を裏で牛耳っている。直系団体数およそ100。総構成員数は3万人にも及ぶ大規模組織である

財政界や芸能界、挙げ句の果てには本来は敵であるはずの警察組織とも特殊なパイプを築いており、裏の世界だけでなく表の世界にも発言権を持つ、影の支配者。

この神室町は、長年、東城会の拠点として機能しており、この街にもそう言った裏社会の人間が根城としている数々の事務所が存在する。

 

そんな神室町にはかつて『堂島の龍』と呼ばれる極道がいた。

その名は桐生一馬(きりゅうかずま)

『堂島の』というのは当時彼が所属していた東城会の直系団体である堂島組の事である。この異名から分かる通り彼は東城会内で名の通った者であった。また彼には養護施設『ヒマワリ』で共に育った大切な人達がいた。

 

唯一無二の親友ーー錦山彰(にしきやまあきら)

 

最愛の女性ーー澤村由美(さわむらゆみ)

 

桐生を含めたこの3人は子供の頃からの付き合いで血を超えた絆で繋がっていた。また3人には恩人と呼べる人がいた。

 

堂島組の若頭であり、桐生達の育ての親ーー風間新太郎(かざましんたろう)

 

彼は『ヒマワリ』の経営者であり、桐生達を子供の頃から世話をした。風間の背中を見た桐生と錦山は風間に恩を返したいという想いを持ち、風間と同じ極道の世界に入った。

 

極道になってからは苦労や時には命懸けの闘いを強いられる事もあった。だが、それらを乗り越えて彼等は更に絆を深め、平穏な日々を過ごしていた。

 

 

しかし1995年10月ーー事件が起きてしまう。

 

 

錦山が誤って自身の組長である堂島組長を殺害してしまう。堂島組長は由美を襲おうとした所、錦山に銃殺されたのである。桐生も現場に駆け付けるが既に其処には堂島組長の死体、うずくまる由美、そして全身を震えながら銃口を堂島組長に向ける錦山の姿があった。唖然とする中でパトカーのサイレンが近づいてくる。ここで桐生は思わぬ決断をした。

 

ーー由美を頼む。

 

錦山にそう告げ、何と自分が彼の代わりに罪を被ると言ったのだ。もちろん錦山は異を唱えた。自分が捕まると。しかしこの時、錦山には唯一の肉親である妹がいた。しかも難病に掛かっており、もうすぐ手術を控えているという状況だった。今ここで錦山が捕まれば、妹を見守る人がいなくなってしまう。しかも殺人だ。極刑は免れず、下手をすれば無期懲役となってしまう。だから桐生は罪を被る決意をした。

 

ーー行け!!

 

由美を錦山に渡し、叫んだ。錦山は桐生の覚悟に折れ、その場を去った。子供の頃からの付き合いだ。桐生が一度決めた事は頑なに変えない性格だと錦山は嫌と言うほど分かっていたのでこうするしかなかったのだ。程なくして警察が現場に駆け付け、桐生は逮捕された。裁判にかけられ、判決は懲役20年。さらに堂島組からは破門された。そして桐生は10年もの間、獄中で過ごした。しかし出所した桐生には壮絶な闘いが待っていた。

 

2005年12月

東城会が銀行に預けていた金が盗まれるという事件が発生。その額『100億円』。

さらにその直後に当時の東城会三代目会長である世良勝(せらまさる)が殺されてしまった。

これにより100億円を無事取り戻せば跡目を継げると東城会の男達は躍起になり、血で血を洗う戦いが繰り広げられた。桐生もその抗争に巻き込まれた。その最中、桐生は運命的な出会いをする。それは死体が転がるバーで出会った。

 

ーー(はるか)

 

母親を探す為に単身で神室町に来た少女。まだ9歳だった。

しかも桐生がかつて過ごした養護施設『ヒマワリ』から抜けだして来たと言った。更にその母親というのは由美の妹の美月(みづき)だったのだ。実は桐生が服役した直後に由美は失踪してしまったのだ。その報せを聞いていた桐生は由美を探しており、その途中で遥に会った。目的が一致した2人は由美、そして美月を探す為行動を共にする。

 

その後も屈強な男達との闘いを制していき、次第に真実が明らかになっていく。由美と美月,そして遥の関係、100億円を盗んだ犯人、桐生の過去…

次々に明らかになる真実に対し、それでも桐生達は突き進み、遂に諸悪の根源と対峙する。その際、世良会長の遺言状を掲げ、桐生はその『悪』に言い放った。

 

ーー俺は東城会四代目『桐生一馬』だ!!

 

その遺言状には桐生の名、そしてその者を東城会の跡目にするといった内容が書かれていた。世良会長は元を正せば風間の庇護下にあり、桐生の人となりを勿論知っていた。また自分の命がこの先誰かに狙われるだろうと悟っており、それを踏まえて遺言状を風間に託し、彼に次期会長の名を記してもらう事にした。そして風間も東城会、そして極道の未来を託せるのは『彼』しかいないと思い、遺言状に記した。

 

桐生はその『悪』に四代目会長として立ち向かい、激闘の末これを制した。

 

 

そして最後に待ち受けていたのはーー

 

 

10年間で修羅となってしまった兄弟分ーー錦山だった。かつて唯一無二の親友同士だった2人はいつしか敵同士となってしまい、闘うことしかできなかった。

ぶつかり合う2人。互いの気持ちをぶつけ合う2人を止めることなど誰にも出来なかった。だがそれも永遠に続く事は無くーー

 

 

桐生の勝利で決着がついた。

 

 

しかし、『悪』はまだ諦めていなかった。最期の足掻きで桐生達に襲いかかる。そして桐生にトドメを刺すため拳銃の引き金を弾く直前ーー

 

ーーうおおおおおお!!

 

それは先程まで桐生と死闘を繰り広げていた錦山だった。錦山は桐生達を守る為最後の力を振り絞って『悪』に立ち向かった

そしてーー

 

ーー最期のケジメくらい俺につけさせろや…

 

錦山が爆弾に拳銃を向ける。

 

ーーやめろ!やめるんだ!…錦いぃ!!錦いいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!

 

パンッ

 

発砲音が響いたと同時に爆発した。そして錦山は最期のケジメとして『悪』と共に自決した。

 

全てに決着をつけた桐生は既に満身創痍でーー

生きる気力を失っていた。

 

この事件により桐生の大切な人達が還らぬ人となってしまったからだ。親友、恩人そして最も愛していた者でさえも。

 

そんな桐生に言葉を掛けたのは、この事件で相棒的存在だった刑事ーー伊達真(だてまこと)だった。

彼は言った。

 

ーー逃げるな!お前の闘いはまだ終わってねぇ!…それにあいつをまた1人にするのか?

 

伊達の視線の先にはーー遥がいた。桐生は遥を見つめ、そして決心した。この娘を守ると。立派に育てると。もう1人にしないと。

 

その後桐生は東城会本部で四代目会長の襲名式と引退式を同時に行い、極道から足を洗った。仲間の1人である寺田行雄(てらだゆきお)という男を五代目に推薦し、東城会の未来を託した。そして伊達を始めとした仲間達に別れを告げ、遥と共に暮らしていき、再び平穏な日々を過ごした。

 

しかしその平穏も長くは続かず、桐生はその後も闘いに何度も挑む事となる。

 

2006年12月

東城会の『消えた100億円』事件から1年。東城会は再び危機に陥っていた。

関西の最大組織である『近江連合』。

その近江連合が弱体化した東城会の吸収を狙い、関東進出へ向けて抗争の準備を着々と進めていた。五代目会長である寺田行雄は桐生にこの危機を乗り越える相談を行った矢先に近江連合の凶弾に倒れた。

 

桐生は寺田の意思を引き継ぎ、東城会を救うべく神室町へと戻った。そして、抗争を阻止すべく寺田から託された書状を手に関西へと向かった。平和的解決を目指したが、そこに『関西の龍』と呼ばれる近江連合直参郷龍会会長、郷田龍司(ごうだりゅうじ)が立ちはだかった。

 

そして26年前に東城会によって壊滅状態に追い込まれた韓国マフィア『ジングォン派』。抗争の裏で暗躍し、桐生達に立ちはだかる。全ては26年前の復讐を果たす為。そしてその生き残りは東城会だけで無く、警察組織をも巻き込む事態に発展した。

 

そして桐生は『龍』の肩書きを持つ者として、また『男』として郷田龍司との決着に挑んだーー

 

 

近江連合と東城会の抗争事件から数日後。桐生一馬は仲間達と別れ、沖縄で養護施設を営むため遥とともに東京を発った。また東城会では新しく六代目の会長が誕生した。

名は堂島大吾(どうじまだいご)

かつての堂島組長の息子である。桐生は大吾を昔から弟分の様に可愛がっており、東西の抗争でも協力し合い、大吾自身もその時に成長したのである。

そして桐生は東城会を大吾に託し、自身は養護施設『アサガオ』で孤児の子供たち8人と平穏な日々を送っていた。

 

しかし1年後、沖縄にある問題が押し寄せる。

 

米軍基地増加計画とリゾート開発計画。それに関わる東城会と二人の政治家の存在。市民の反対が増加する中、アサガオにも土地買収の問題が発生した。土地の所有者である地元極道組織・琉道一家とのいざこざ。それが徐々に国家規模の計画と繋がっていった。しかし、大吾の力もあって事態はひとまず落ち着き、桐生たちにもまた平和が戻ったのである。

 

しかし、そのさらに1年後。事態は急変する。

 

2009年3月

琉道一家組長・名嘉原茂(なかはらしげる)と、東城会六代目会長・堂島大吾が謎の男に銃撃され倒れた。これにより止まっていた計画が再び動き出した。そしてその犯人が『風間新太郎』にそっくりだったことに衝撃を覚えた桐生。そして頭を失った東城会では跡目と桐生復帰をめぐって幹部たちが抗争を繰り広げ始めた。桐生は謎の男と事件の真相を確かめるため、そして沖縄やアサガオのため、一人で巨大な陰謀に立ち向かって行ったーー

 

 

様々な偉業、そして武勇を打ち立てた桐生は

いつしか『伝説の龍』と呼ばれ

全国の極道達にとって畏敬の存在となった。

 

 

ーーそして2010年3月

 

 

様々な闘いを乗り越えた桐生にまた新たな闘いが待ちうけようとしていた。

 

 

 

 

これは

 

『伝説の龍』と呼ばれる男

 

『龍』の伝説を継ぐ3人の男達

 

そして彼等を見つめる1人の少年

 

 

5人の熱き男達の、奇跡の記録。

 

 

 




龍が如く1〜3までをざっと書いてみました。
ざっくりしすぎたかなぁ〜


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第1章 秋山駿
龍宮城


明けましておめでとうございます。
大幅に遅れてしまい申し訳ございません。
今回から(第1部)第1章スタートです。
仕事が忙しくて、執筆する暇がありませんでした。
それではどうぞ!


2010年3月1日

アジア最大の歓楽街ーー神室町。

亮一はとある用事でこの街に来ていた。といっても修行しかないのだが。

この日は平日なので人だかりも夜に比べればまばらで、仕事帰りのホストやキャバ嬢、通勤通学の人達が多く見られる。そんな光景を見ながら亮一は目的の場所であるビルに向かっていた。

本来亮一は平日にはちゃんと学校に登校しているが、この日は振り替えであり、学校は休みであった。なので朝早く起きて準備をし、家を出たのである。

 

亮一(土曜に卒業式の練習をなんでやるのかねぇ〜。そういうとこ意味分からんわ、うちの学校。)

 

そうボヤきながらも慣れた道を自転車で駆けていく。

チンピラを始末した後に声をかけられてから、もう一年近くが経った。あの時よりもパワー、スピード、テクニックが上がった。そして何より武を志す者に必要な心構えも教えて貰った。ただ相手を倒すのでは無く、何の為に倒すのか、それを常に考えろと。とにかく無闇矢鱈に力を振りまいてはただの暴力になるので、何かを守る時や何かを救う為に力を使おうと亮一は思った。まあ、それでも売られた喧嘩は買うつもりだが。

そう考えてると目的のビルに到着した。其処は何の変哲もないただの廃ビルである。しかしこのビルは知る人ぞ知る場所である。

 

『龍宮城』

 

このビルはそう呼ばれてる。元々は只の廃ビルであったが、4年程前からこの街のホームレス達が住み着き、彼等の溜まり場となった。やがて賭場やカジノといった非合法のものまで出来始め、現在ではホームレス以外の人達もそこに通いつめている。亮一の師はこの龍宮城の一角で道場を開いてる。亮一は学校が休みになると決まって道場に通っている。

 

今日も目的の階のボタンを押し、エレベーターに乗る。

 

チーーーン

 

目的の階に着き、エレベーターの扉が開く。そして道場がある場所まで歩き、ドアを開ける。

 

亮一「よろしくお願いします!」

 

挨拶と共に一礼をして、周りを見渡す。亮一以外にも老人の弟子はおり、先に来ていた者達は各々の練習をしていた。そして亮一はその弟子達の挨拶もそこそこにし、自分の師である老人に挨拶をした。

 

亮一「古牧(こまき)師匠。今日もよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ。」

 

古牧宗太郎(こまきそうたろう)

この人物こそ亮一に話し掛けた老人である。普段はホームレスをしているが、剣術や体術、ケンカ殺法に精通してその全てを極めた伝説の格闘家で、戦国期より伝わる古牧流古武術の正統継承者である。また老齢を感じさせない俊敏さに加えて独自に古牧流を現代風にアレンジして発展させた現代版古牧流古武術を生み出している。なので巷では『格闘技界の人間国宝』と呼ばれている。現在はこの龍宮城で道場を開き、主にホームレス達に技などを教えている。

 

古牧「では早速始めようかの。」

 

亮一「はい!」

 

基本的にここでの修行は、古牧流の動きの型や初歩的、応用的な技などを繰り返すものだ。体力や筋力は普段から鍛えておけと古牧に言われているので、筋トレやランニングなどはもちろん欠かさずやっている。また古牧から教えて貰った鍛錬法も実践している。それらをした上でここに通っているのだ。

 

古牧(ふむ…弟子入りしてから技のキレや体捌きも良くなっておる。地盤が固まったというところかの。そろそろ奥義を授ける時かもしれん…)

 

古牧は内心そう思っていた。というのも亮一がメキメキと力をつけてきたのは明らかで、他の弟子達と比べても贔屓目なしで亮一の方が実力は上回っていた。それも僅か1年足らずで。これも幼少の頃から自己流で鍛えた賜物であろう。

それに古牧自身も亮一の事を気に入っている。礼儀もしっかり出来ており、教えた事も自分のものにしようと努力を惜しまない。それに彼の人と為りを知って、彼は古牧流を悪用する様な人間では無いと感じたからだ。だから古牧も全力で教えるのである。

 

そして数時間後ーーー

 

外が暗くなり始めたので、今日の修行はここまでと言われ、亮一は帰りの支度をしていた。するとーー

 

古牧「亮一、ちょっと良いか?」

 

亮一「はい、何ですか?」

 

古牧に呼ばれたので、来てみると何故か神妙な顔をしていたので亮一は妙な緊張感を感じた。

 

古牧「お主が良ければの話じゃが…」

 

亮一「?」

 

少し言い淀んだが、古牧は告げる。

 

古牧「お主に古牧流の奥義を伝授する!」

 

亮一「えっ!?本当ですか!?」

 

流石の亮一も驚いた。何故ならーー

 

亮一「でも俺弟子入りしてから1年も経って無いんですけど。早くないですか?」

 

古牧「うむ。その疑問は当然じゃな。じゃが儂の目から見れば、お主は現時点で伝授しても良い段階なのじゃ。これはお主の強さだけでなく人と為りを見た上での判断じゃ。どうじゃ?後はお主が決める番じゃ。無論、無理強いはしないがの。」

 

亮一はそう言われ、考え込む。だが、あまり時間を置かずにーー

 

亮一「ではよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ、よく言った。では早速じゃが、明日伝授する。」

亮一「えっ!明日ですか!?明日は普通に学校があるんですけど…」

 

古牧「大丈夫じゃ、すぐに終わる。とにかく今日は休んで明日に備えよ。」

 

亮一「はあ、分かりました。とにかくまあそういう事にしときます。古牧師匠、今日はありがとうございました!明日もよろしくお願いします!」

 

古牧「うむ!明日は必ず来い!待っておるぞ!」

 

そう言い、亮一は龍宮城を出た。

 

亮一「おっ、雨止んだな。」

 

タイミング良く雨が止み、少し上機嫌になりながらも自転車に跨る。奥義を伝授されると聞いて若干の不安はあるが、それ以上に期待をしてしまっている自分がいた。亮一は逸る気持ちを抑え、ペダルを漕いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮一が帰路に着いている頃

とある事務所にてーー

 

 

 

その事務所には、1人の男がいた。

平日にも関わらず、ソファに寝そべって週刊誌を読んでいる最中である。傍から見ればダラダラしていると言われても仕方ない光景だ。

 

???「ふーん……」

 

ペラペラとめくり適当な相槌を打つ。そしてしばらく時間が経ち、ある一面のページを見て一言告げる。

 

 

 

 

???「連続殺人か…怖いねぇ…」




あまりの文才の無さに自分で情けなくなった…
時間を置いたら何事も下手になるんすかね。


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謎の金貸し

新元号である令和初の投稿です。
半年近くも投稿が遅れてすいません。
なかなかモチベーションが上がらず、執筆が進みませんでした。
ではどうぞ!


神室町ーー天下一通り

その道沿いのビルにその事務所はある。そのとある階の一室丸々事務所となっており、なかなか広く、また床や壁には目立った汚れ等は無い。

ただ机の上に乱雑に置かれている書類は酷いものだ。まるで整理整頓する気など無いといった様な置き方で、何処から手を出していいのかすら分からない程だ。しかも1つの机だけでは無い。全ての机の上がその様な状態である。よくこれで仕事が出来る、いやどうやって仕事をしているのかという疑問が出てきてしまうだろう。

 

そんな事務所に1人の男がソファに寝そべっていた。

身長は180前後。中背中肉。

顔付きは全体的に彫りがやや深めで少々ダンディーな印象を受ける。髪は黒でロングオールバック。服装はワインレッドに白ストライプのジャケット、黒のシャツ、黒のスラックスをだらしなく着用している。またシャツのボタンを2、3個開けているので少し胸が見えている。首にはきらびやかさが際立つ金のコインネックレスと手首には同じく金の腕時計を着けている。

 

この男の名は秋山駿(あきやましゅん)

職業は金融業を営んでいる。今秋山がいる事務所こそ彼の仕事場であり、自宅である。事務所名は『スカイファイナンス』。とある理由でこの街では名の通った消費者金融である。

因みに秋山はこのスカイファイナンスの社長でもある。

 

秋山はソファに寝そべりながら週刊誌を読み耽っていた。しばらくしてーー

 

秋山「連続殺人か…怖いねぇ」

 

そう言い、週刊誌をローテーブルに放り投げた。その週刊誌には一面にこう書かれてた。

 

『神室町で起きる連続殺人!殺人鬼は依然捕らえられず』

 

ここ最近、神室町では連続殺人が起きている。殺人自体は神室町では珍しくもない事だが、被害者はいずれも神室町の極道ばかりが狙われている。それ故に新聞や雑誌はこぞって事件を扱っていた。神室町の住人達の話題も専らこの事件についてだ。

 

そんな記事が書かれている週刊誌を放り投げた秋山はそのまま寝返りをうち、寝ようと思い、目を閉じた。するとーー

 

prrrrrrrrrr prrrrrrrrrr

 

事務所の電話が鳴り響き、秋山の睡眠の邪魔をした。一瞬顔をしかめたが、特に気にする事もなくそのまま寝ようする。すると幾度かのコールで電話は鳴り止んだ。

 

これで快眠ーーいや惰眠を貪れると思い、再び寝ようとした瞬間ーー

 

ブーー ブーー ブーー…

 

今度はローテーブルに置いてある携帯電話が振動し始めた。若干面倒臭いと思いつつ、携帯を取ろうと腕を伸ばす。しかし、顔をソファの背もたれに向けたまま取ろうとしているので、どこに携帯があるのか分からず、一向に携帯を取れない。

 

秋山「あぁ‥もう!」

 

不満を言いながら起き上がり、携帯を取り、そこに表示されている名前を見て、秋山は苦い顔をした。

 

秋山「花ちゃんか‥‥‥」

 

『花』というのはスカイファイナンスの女性秘書である。因みにスカイファイナンスの社員は秋山と花の二人しかいない。また秋山のズボラな性格により身の回りの雑務や書類整理等は全て彼女が行っている。秋山がやる事といったら顧客の対応くらいなものだ。

 

秋山は直ぐに携帯の通話ボタンを押して、通話を始めた。

 

秋山「はい、もしもし?」

 

花『あ‥‥‥出た。ちょっと!今どこにいるんですか⁉︎』

 

電話越しでも分かる程の叫び声である。どうやら彼女は相当怒っているようだ。

 

秋山「え?いや‥ちょっと出先だけど?」

 

花『絶対嘘ね。どうせ会社にいるんでしょう?‥‥もう!どうして電話に出てくれないんですか⁉︎』

 

あっさり嘘が見破られた挙句、そう聞かれた。先程の電話も花からのものだった様だ。秋山はさっきよりも苦い顔をしつつ、携帯を耳から一旦離し、どうしよっかなぁと思い、顔に手を当てた。

 

花『ちょっと?ちょっと聞いてます?‥‥あれ?電波悪いのかしら?秋山さーん?秋山さーん聞こえてますか〜?』

 

秋山が携帯を耳から離している間も花はそう言った。

仕方なく秋山は再び携帯を耳に当てた。

 

秋山「ああ、聞いてるってば。ごめん!ごめんって‥‥‥! ‥‥‥で何?何か用?」

 

取り敢えず平謝りし、用件を聞く事にした。

 

花『何言ってるんですか!用あるに決まってるじゃないですか!』

 

秋山「ああ、そうだよね。はいはい、おれが悪かったって。で‥‥‥何?」

 

花は尚も叫んだが、秋山は適当に謝罪し、先を促した。

 

花『あのですね。今日は何の日か知ってますか?』

 

秋山「今日?今日は‥‥‥君のーーー誕生日か何か?」

 

花『違う!』

 

花にそう聞かれて、ソファから立ち上がり、辺りをキョロキョロ見回したが、答えが解らず、結局はありきたりな解答をした。勿論、不正解で花から強く否定された。

 

花『いいから壁のカレンダー見てください!』

 

そう言われ、秋山は壁に掛けてあるカレンダーに近づき、今日の日付けの所を見た。

 

秋山「あ〜集金日」

 

そこには本日3月1日の日付けに赤い二重丸と同じく赤い文字で『集金日‼︎』と目立つ様に書かれていた。

 

花『忘れないでくださいよ!』

 

秋山「別に忘れてたわけじゃないよ。ただちょっと出かけるのをためらっていたって言うか‥‥‥何かさぁ‥‥‥」

 

そう言い訳を始めて秋山は窓に近づく。

 

花『何か‥‥‥何なんですか?』

 

秋山「今日さぁーーー」

 

ガラッ

 

秋山「ーーー雨なんだよね」

 

秋山は窓を開けながら、そう言った。

しかし、そこにはーー

 

花『雨ならもうとっくに止んでますよ』

 

そう。雨は既に止んでおり、道行く人々は誰一人として傘を差してはいなかった。これには秋山も『あ〜‥』という情け無い声を出すしかなかった。

 

花『じゃあちゃんと行ってくださいね!私は韓来の特撰カルビ弁当買ったら帰りますから。それじゃ。』

 

そう釘を刺し、花は電話を切った(因みに韓来というのは神室町にある焼肉屋の事である)。秋山はしょうがないと思い、携帯を閉じて事務所を出た。

 

 

かったるい、本当に面倒くさい。そういう気持ちを抱えたままダラダラと事務所に続いている階段を降りていく。そして階段を降り、そのまま裏路地からメインストリートの一つである天下一通りに差し掛かかった時ーー

 

ポツッ

 

不意に顔に何か当たったと感じ、空を見上げると、ポツリポツリと再び雨が降り始めた。

 

秋山「また降ってきちゃったよ‥‥」

 

そう愚痴っても止むものは止まない。秘書に釘を刺された手前、事務所に戻る事も出来ない。仕方なく秋山は集金に向かう事にした。




取り敢えずここまでです。
またモチベーションが上がったら執筆します。
ではご機嫌よう。


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