ゼロから始めるオール・ユー・ニード・イズ・キル (パトラッシュS)
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タイムリープ

 

 

 

 人にはそれぞれ役割というものがある。

 

 僕の役割は、そうだな、なんと言えばいいだろうか?

 

 今のところ一言で言い表すなら軍隊に所属するただの少佐といったところだろう。

 

 そう、ただの少佐という役割を与えられた人間だったんだ僕は。しかも、米軍のメディア担当、戦場とは縁遠い人間のはずだった。

 

 というのも、今は違う、どう違うのか? それは長い話になるが、皆には僕がどういった経緯でこんな事を口にしているのかを話しておくとしよう。

 

 近未来の地球。

 

 ギタイと呼ばれる侵略者の激しい攻撃に、人類の軍事力ではもはや太刀打ちできなくなっていた。

 

 そんな中、対侵略者の任務に僕が就いたのは必然だったのだろう。

 

 僕、ウィリアム・ケイジはある事をきっかけにタイムループの世界にとらわれ、戦闘と死を繰り返していた。

 

 時には身体が吹っ飛び、頭は千切れ、何回も何回も死をループする。

 

 そんな中、僕は何度も戦闘と死を繰り返しながら戦闘技術を向上させる事になった。

 

 強大なギタイの戦力に対して、僕は劣勢な戦いを強いられていたが、「ヴェルダンの女神」「戦場の牝犬」の異名で知られるリタ・ヴラタスキの協力も得ることが出来た。

 

 こうして順調に経験を積み上げ、死に戻り、僕はまた前線に出て戦うという毎日を繰り返す。何回か死に戻りをするのにも慣れたものだ。

 

 歩兵用パワードアーマー、起動スーツを何度壊した事だろうか、あれがなければまともな戦闘もできるわけがない。

 

 しかし、そんな事を繰り返しているうちに僕の中にある疑問が生まれた。

 

 それは、タイムリープは必ずしも同じように起きない事も場合によってはあり得るのではないか? という疑問だ。

 

 いつものように死に、再び、タイムリープするかと思われていたレールがいきなり切り替わるという事はこの時の僕は思ってもみなかった。

 

 何故なら、起動スーツを着たまま死んだはずの僕が目を覚ますとそこに広がっていたのは。

 

 

「どこだ…ここは」

 

 

 全く見覚えがない街並みのど真ん中に突っ立っていた。

 

 それだけではない、市場も賑やかで数多くの人々が行き来している。まるで、別世界に来たようなそんな錯覚を感じた。

 

 いつもなら、前線に着任した時に巻き戻る筈なのだが、これはどういった事だろうか?

 

 周りの人々は興味深そうに僕の身体をジロジロと見ては通り過ぎていた。

 

 確かに、この起動スーツを着た格好の僕は周りからしてみれば浮いていると思われても致し方ないだろう。

 

 何かの手違いか? ならば、早く基地に戻りまた1から全てをやり直さなければならない、じゃないと手遅れになってしまう。

 

 タイムリープに手違いがあるなんて僕も初耳だが、現にこうなっている。しのごの言ってられないだろう。

 

 この時の僕は焦りと驚きとイレギュラーな出来事の連続で気が動転していたんだと思う。

 

 冷静を保つため、僕は深い深呼吸をすると近くにいる出店の店主に話掛けることにした。

 

 

「ん、んん、…あー忙しいところすまない。貴方にお聞きしたい事があるんだが…」

「な、なんだあんた? お客さんかい?」

「すまないが、ここが何処かお訪ねしたい」

 

 

 僕は冷静な口調で、物珍しそうにこちらを見てくる店主に訪ねる。こうなった以上はまずは自分の位置の特定が最優先だ。

 

 イレギュラーである今回のようなケースは初めてだが、死んだ僕が生き返っているという事はタイムリープをした事には代わりはない、つまり、前線に戻れるという事だ。

 

 となれば早く基地に帰りリタの協力を仰がなければ手遅れになる。あまり、時間はない。

 

 だが、店主は左右に首を振ると僕にこう告げてきた。

 

 

「悪いが、お客さんじゃないなら帰ってくんな、冷やかしはごめんだ」

「そうか」

 

 

 僕は淡々と告げてきた店主の目の前で起動スーツに腕に付いているバルカンの銃口を上に向け、上空に向けて発砲した。

 

 店主はそのパワードスーツのから放たれた轟音に思わず悲鳴をあげて腰を抜かす。だが、僕も悪いがなり振り構ってはいられない。

 

 上空に向けていたバルカンの銃口を僕はゆっくりと店主に向ける。

 

 周りの市民は突然の轟音に驚いたのか、散るようにして逃げ惑い、市場は軽いパニックに陥っていた。

 

 

「もう一度聞くぞ! ここはどこだ! 緊急事態なんだ。早く答えてくれ!」

「わわわわわ、わかった! 王都! 王都だよ!」

「基地は何処にある!」

「知らねえ! 知らねえよ!」

 

 

 怒鳴り声をあげる僕の脅しに腰を抜かした店主はそう言って首を左右に振る。

 

 王都? 聞いたことがない地名だ。

 

 だが、僕の着ている起動スーツのバルカンの発砲で周りの逃げ惑う人々を見ていれば確かにここは平和そのものであるという事はよくわかる。

 

 もしかすると、ギタイが居ない世界なのか? なら、何故、僕はこの世界にタイムリープして来たのだ。

 

 そんな様々な疑問を抱いていると、そのうちに兵を率いた王都の軍隊がこちらにへとやってくるのが目に見えてわかった。

 

 見るからに鎮圧部隊だというところだろうか、彼らは僕の姿を見た瞬間にすぐさま集団で斬りかかってきた。

 

 そこからは、王都の市街地は戦場と化した。

 

 僕も簡単に殺されるわけにはいかない、すぐさま応戦し、起動スーツの活動限界まで戦い抜いた。

 

 起動スーツのエネルギーが切れたらあとは銃で応戦した、銃の弾が切れたら体術、そうやって、鎮圧部隊を巻きながら、王都の市街地の外へ外へと僕は逃れた。

 

 まあ、そこからは散々だ。

 

 向こうには魔法なんて使う輩が居て苦戦を強いられる事になった。

 

 ギタイではなく、同じような人間を殺す事になるなんて夢にも思わなかった。本来なら、ギタイから守るべき対象であるというのに。

 

 戦いは激しさを増したが、僕は必死で抵抗をした。何度も何度もギタイに殺されていくうちに身についた生き残る術はこの世界でも当然役に立つ。

 

 だが、それも時間の問題だった。数の暴力にはどんだけギタイに対して戦闘を積み重ねて来た僕といえど勝てない。

 

 そして、身体も心もボロボロになった僕は戦いの果てにある者と遭遇する事になった。

 

 一見して、美人だった彼女はボロボロになった僕を見て満面の笑みを浮かべると容赦なく凶器を振りかざし襲いかかってきた。

 

 二本のククリ刀のようなナイフを武器としており、身体能力も非常に高く、銃も使い果たした僕は体術のみで抗ったが、手も足も出なかった。

 

 彼女は確かこう名乗っていたな。

 

 

「あぁ、死にゆく貴方に名乗るのを忘れていたわ、私の名はエルザ…。もうじき死ぬ貴方が知ったところで仕方ない事なのだけれどね!」

 

 

 そうやって、鎮圧部隊から逃走を繰り広げていた僕の胸には最後の最後には二本のナイフが突き刺さられた訳だ。

 

 殺されたのに何故そんなに冷静なのかって? それは、僕自身が死に慣れているという事もあるが、それだけじゃない。

 

 ある実験もこの時、僕は兼ねていたんだ。

 

 というのも、この世界でのタイムリープの能力の確認ともう一つはタイムリープによって元の世界に帰れるかもしれないという可能性を推し量る事だ。

 

 どちらにしろ、この世界であれだけ王都とやらで騒ぎを起こせば、僕自身の選択肢は限られてくる。

 

 それならば、その状況下で情報をなるべく集めるに越した事はない。

 

 そして、タイムリープがきっかけでこの世界に来たのだから、もしかすれば、一度死ねばまた元の世界線に帰れるのではないかという安直な試しだ。

 

 結果から言うなら、これは失敗だった。

 

 何故なら、目を覚ました僕が居た場所は起動スーツを装着したままで、王都の街中に突っ立って居たのだから。

 

 要するに、この世界に来た当初と状況が何も変わらなかったという事だ。

 

 唯一得た情報としてはこのまま起動スーツで騒ぎを起こしてしまえば、僕は再び死ぬ事になるという事くらいだろう。

 

 それと、僕を殺したサイコパスなイカれた女が街の外に居るくらいだ。

 

 

 タイムリープし、街中で突っ立っている僕は起動スーツを着たまま、街外に出ることにした。

 

 考えても見れば、この起動スーツは明らかに過剰戦力。

 

 僕が見た限り、この街の文明レベルからしてこのスーツは脅威でしかない。

 

 しかし、起動スーツをむやみに街中で脱ぎ捨てる事なんて出来はしない、下手をすれば、起動スーツを悪用したり、価値があると思った輩から盗難される恐れがある。

 

 なので、僕は敢えて王都の街はずれに足を運び、この起動スーツを隠す場所を探すことにしたのだ。

 

 本来なら、王都の領主とやらに他国の軍人として保護を求めるのが本来なら一番なのだろうが、僕が目にしたこの文化、文明では多分この起動スーツは脅威として捉えられ、僕自身は危険分子、もしくは危険人物として扱われる事が目に見えてわかる。

 

 魔法や剣で向かってくる騎士を見た時は正直何かのジョークかと思ったんだが、この世界を体感した限りだと間違いなくそれがこの世界では普通なのだろう。

 

 

「さて、これからどうしたものか」

 

 

 僕は静かに考える。

 

 するべき事はたくさんあるように思うが、何から手につけて良いかわからない。

 

 だが、まずは身につけている起動スーツを外してどこかに隠さないとならないだろう。となれば、事情を話して協力してくれる人物を探すべきなんだろうな。

 

 周りの視線が痛いので一旦、街の路地裏に僕は逃げ込んだ。

 

 

「ひとまずは金銭と情報…だな」

 

 

 起動スーツを着たまま僕は路地裏を歩きながら思案する。

 

 だが、しばらく歩いているうちに僕の目の前には三人のゴロツキ達が立っていた。やっぱり、考えながら道を歩くもんじゃないな。

 

 男達三人はいかにも追い剥ぎ目的というのが僕には目に見えてわかった。

 

 

「おい、にいちゃん、変わった服着てんじゃねーか」

「身包み置いてきな」

 

 

 僕はそんな彼らの横を無視して素通りする。

 

 こちらは忙しいんだ。構っている時間が惜しい、早く、起動スーツを隠す場所を確保しないとならないし、何よりまだ土地勘もない。

 

 すると、男の1人が僕の肩を乱暴に掴んできた。

 

 

「おい待て…」

「悪いが、君らに構っている暇はないんだ、退いてくれ」

 

 

 だが、僕は乱暴にその手を振り払うと軽く男を小突く。

 

 すると、起動スーツの威力からか男の身体は簡単に吹き飛び、壁に激しく身体を打ちつけてしまった。これには僕も思わず左右に首を振り顔を歪める。

 

 ただ単に裏路地から街外まで出るだけというのに何故こうも問題が次から次へと起きるのか。

 

 街中ということもあって起動スーツを着たまま目立たないように移動するというのは難しいと思う他ないな。

 

 

 僕のこの世界での災難はどうやらまだ続きそうだ。




息抜き投稿です。誰か続きを書いてくれてもいいのですよ(ハスキーボイス)。


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協力者

 

 

 現在、起動スーツをどこかに隠そうと企んでいた僕は更なるトラブルに巻き込まれていた。

 

 というのも、街のチンピラに絡まれて起動スーツで僕が吹き飛ばしてしまったのがそもそもの原因ではあるのだが、この状況は非常に好ましくない。

 

 騒ぎを大きくすれば、また新たな問題や厄災が降りかかってくるのが目に見えてわかるからだ。

 

 

「あー…、なぁ、君たち、少し話をしようか? 僕も悪気があったわけじゃあないんだ」

「お、おい! 大丈夫かっ!」

「テメェ! やりやがったな!」

 

 

 吹き飛ばされた仲間の元に駆け寄るチンピラ達を見ながら、僕は表情をひきつらせていた。

 

 ここで、下手に警備兵なんて呼ばれれば、前回の二の舞いだろう。また、死に戻りをする必要が出てきてしまう。

 

 それは、僕としても本意ではないし、何より、この状況事態が予想だにしなかった出来事だ。

 

 となれば、後に取る手段は限られてくる。僕は笑顔を浮かべたまま、両手を広げ敵意がないように彼らに振る舞う。

 

 

「待て待て待て、落ち着け、落ち着くんだ。いいか? 良く考えろ? 絡んできたのは君達の方だ。僕には敵意は無いし、このまま何もしなければ僕はこのまま君達の前から消える。お仲間も医者に早く見せた方が良いだろう?」

「あ…あぁ、早く見せねーと…」

「そうだ、出血もしてるし…。君らにとっては災難だ。だから、僕はこのまま行くが何も問題は無いな? な?」

「いいや! このままじゃ腹の虫が収まらねぇ! こっちは仲間やられてるんだぞっ!」

 

 

 そう言ってチンピラの一人が刃物を取り出してこちらに向けてくる。

 

 正直、このくらいの連中なら素手でも余裕で制することは可能だ。だが、問題はそこじゃ無い、結果、騒ぎを起こして僕という存在がこの街の組織に知られるのが問題なのだ。

 

 出来るだけ、穏便に事を済ませたいし、今ならただの小競り合い程度で丸く収まる。なんにしろ、これは、無理矢理にでも彼らに納得してもらうしか無いだろう。

 

 

「そいつがどうなったか見ただろう? 僕は君達を傷つけたくないし、騒ぎにしたく無いんだ。君らもそうだろう?」

「そうだぞ、落ち着けよ…。俺たちも王都の警備兵に目を付けられるのは良くない」

「でもよ! こいつ…っ!」

「よく考えるんだ。先に絡んできたのはそいつで、僕がそれを振り解いた結果、起きてしまった、いわば、事故だ。僕はたまたまこの街に来たばかりの通行人みたいなものだし、互いに何もなかったように振る舞うのが一番良いと思う、なんだったら、僕は後日、君らに怪我をさせてしまった謝罪も行おう」

 

 

 僕は敵意がない事を示すように、両手を挙げたままニコリと笑みを浮かべて彼らに提案を持ち掛けてみた。

 

 彼らだって、おそらくは貧しい生活の中で生きていくために僕を襲おうとしたのかもしれない。

 

 僕も悪気があったわけではないが、彼らを怪我させてしまった責任がある。落とし所を見つけ手打ちにしてしまえば丸く収める事が出来るはずだ。

 

 どうやら、その僕の目論見はうまく行きそうだった顔を見合わせる彼らを見る限り、今の提案には前向きなのだろう。

 

 だが、物事というのはそう単純には動いてはくれないものだ。

 

 僕の話を聞いていた彼らの一人が僕に口を開き話をしようとしたその時だった。

 

 

「わかったよ…その話、乗ることに…」

「貴方達、こんなところで何をやっているのかしら?」

 

 

 それは、無駄に透き通るような綺麗な声だった。

 

 声がした方へと視線を向ければ、そこには、銀色の長い髪に紫紺の瞳を持つ美貌の少女が僕らの前に立っていた。

 

 僕は思わず顔を片手で抑えて天を仰ぐ。

 

 何故、よりにもよってこのタイミングでやってきてしまったのか、今なら別に揉め事も無く穏便に事が運びそうだったというのに。

 

 僕は顔をひきつらせながら、颯爽と現れたお嬢さんに言葉を濁しながら、急ぎ事の経緯を話すことにした。

 

 

「あー…お嬢さん何やら勘違いしてるみたいだけど、僕らは今取り込み中…」

「誰だお前は! 関係ねーだろ!」

「回れ右してとっとと消えな! お呼びじゃないんだよっ! クソ女!」

 

 

 そう言って、現れた彼女に容赦なく暴言を浴びせる彼らの姿に僕は、もはや、これは無理だなと悟るしかなかった。

 

 どうして、こうも上手くいかないのか、そして、彼女の余裕ある姿を見るに、首を突っ込んできたところを見れば、こうした厄介事に関して丸く収めるくらいの実力があるくらいある程度の察しはつくはずだ、頭に血が上っている彼らはどうかはわからないが、少なくとも僕はそうだろうとは思った。

 

 生憎、僕が制止する前に言葉の暴力を彼女に浴びせたのは彼らだ。

 

 そして、僕もなるべくパワードスーツを現在、着ている以上、彼女のような王都の一般市民にこの姿を見せることは非常にリスクが高い。

 

 僕は深いため息を吐くと、パワードスーツのまま現れた彼女の前に背を向けるとチンピラ達をジッと睨みつけた。

 

 

「悪いが、僕はフェミニストなものでね、女性に対して暴言は良くないな、君達」

「お前ッ!」

「彼を連れて早く立ち去った方がいい、先程も言ったけど僕は君達とこれ以上争う気は無いんだ」

 

 

 僕はチンピラ達に再度忠告するように告げた。

 

 争う気はない、だが、仕掛けてくるというのなら応戦はするし、彼女を守る為なら相手を無力化するのには力を惜しまないつもりだ。

 

 見た限り、正義感が強そうな女の子だ。

 

 彼女は勇敢な心を持っている、下手に刺激しないように冷静に彼らにそう伝えた。

 

 奇しくも彼らも警備隊にはバレたくない、そして、僕もバレたくないという思惑が妙に一致している。

 

 

「さっきの話だ、思い出して欲しい、僕はちゃんと保証はすると言った。選択するのは君達だ」

「…くっ…! だけどそいつは保証するとは限らないだろうがっ!」

「…まぁ、そうなるとは思っていたけどねッ!」

 

 

 その瞬間、僕は身につけていたパワードスーツを脱ぎ捨てると素早くナイフを持っているチンピラの懐に潜り込むと顎に向かって掌底をお見舞いし、そのまま足払い、流れるように彼の意識を絶った。

 

 これ以上、時間を引き伸ばしても仕方ないと僕は判断する事にした。

 

 なら取るべき行動は彼らの不意を上手くついて無力化することだろう。

 

 現れた女の子に彼等が危害を加えないとも限らない、少なくとも、僕は現時点でそう判断した。

 

 残りの一人はいきなり不意をついてきた僕に腰が引けていた様なので、右頰に向けて思い切りの良いフックをガツンと1発お見舞いするだけで済んだ。

 

 僕は深いため息を吐くと、無力化したチンピラ達を見渡し、拳をプラプラと振る。

 

 

「…貴方、強いのね」

「どうだろうね、運が良かっただけさ」

 

 

 そう言って、驚いた様な表情でこちらを見てくる女の子に僕は肩を竦めて苦笑いを浮かべる。

 

 助けに来てくれたのは良いが、おかげでこうならざる得なくなったと皮肉りたいところだが、女性に対してそれは流石に言えないだろう。

 

 さて、それはとりあえず置いておくとしよう、まずはこのパワードスーツをどうにかしなくてはいけない。

 

 とその前に彼女達が何者かを聞いた方が良いだろう。

 

 

「さて、お嬢さん、お名前を拝見したいんだが…」

「私はエミリア、こちらはパックよ」

「はじめましてだな! いやー見事だったな! さっきは!」

「…喋る猫とは驚いた」

 

 

 僕はいきなり彼女の側から現れた喋る猫に目を丸くする。

 

 現実ではあり得ない様な事が目の前で起きるとこうも度肝が抜かされるとは思いもよらなかったが、ギタイを知る身としてはそういう事もあるかと納得してしまう自分がいた。

 

 

「猫とは失礼な!こう見えても大精霊なんだぞ!」

「あー…そうなのか、それはすまなかったな」

「良いよ! 許そう! 君のイケメンな顔に免じて!」

 

 

 そう言って、パックと名乗る大妖精の猫は僕の肩をポンポンと叩いてくる。

 

 喋る猫に大妖精、これだけ聞けば、やはり、僕がやって来たこの場所は違う場所なのだと改めて思った。

 

 その証拠に僕が再びパワードスーツを着るところを目の当たりにすると興味津々な眼差しを向けてきている。

 

 

「それは…一体…」

「…ちょっとした…、鎧でね、僕の国の物なんだが、隠し場所を探していて」

「そうだったんですか…」

「へぇ、変わった鎧だね」

「あぁ、べらぼーに画期的な鎧なんだ、だから何というか非常に危ないんだよ、こんなところに置いて置くのは…ね?」

 

 

 僕はあわよくば彼女達に隠し場所を提供してもらえないかと苦笑いを浮かべながら、そう告げる。

 

 何にも間違ってはいない、僕がこうしてパワードスーツをこの街で脱ぎ捨てていかないのはこのスーツの仕様がわからない輩に悪用され、この街が火の海になるのがわかりきっているからだ。

 

 だからこそ、このスーツは隠さないといけない、できれば協力者がいればなおのこと良いだろう。

 

 エミリアと名乗る少女はしばらく考え込んだ後、顔を顰め、残念そうに僕にこう告げてきた。

 

 

「ごめんなさい、力になりたいのはやまやまなんだけど、私、実は今、大事なものを探していて…」

「大事な物…?」

「えぇ、徽章なんだけど、貴方知らないかしら?」

「…残念ながら見てないな」

「そう…」

 

 

 彼女は僕の返答に少しばかり気落ちしたように元気のない返事を返してくる。

 

 しかし、この街でようやく得られるかもしれない協力者、そして、互いに困っている。

 

 ならば、やりようはいくらでもあるものだ。僕は彼女にある提案を持ちかける事にした。

 

 

「そうだ、ならこうしよう、君が僕に協力してくれたなら、僕がその徽章を探す事に関して協力しようじゃないか、ギブアンドテイクだ。どうだろう?」

「貴方が…?」

「そうだ、見た限り、君はここに来た時に息を切らしていたね? …大方、それを盗まれたといったところじゃないか、あくまでも僕の仮説だが」

 

 

 僕は首を傾げながら彼女に自分が立てた予想を述べてみる。

 

 大事なもので、それも、徽章となれば無くすとは考え辛い、そして、彼女が微かに息を切らしていた事と焦っていた様子から何者かに奪われたのではないかと僕は思った。

 

 先程まで僕が路地裏で追い剥ぎに合うような治安の街だ。そんな奴がいても何ら不思議ではない、

 

 そして、この予想は大体、当たっているだろうと僕は思っていた。

 

 エミリアはしばらく考えた後、深い溜息を吐くと僕に手を差し伸ばしてくる。

 

 

「…わかったわ、当たりよ、それじゃ交渉成立ね」

「あぁ、よかった、助かるよ」

 

 

 僕は差し伸べられた彼女の手を握り握手を交わす。

 

 どうやら、やはり僕の予想は当たっていたようだった。たまたまだったが、このように協力者を得られたのは非常にありがたい。

 

 それから握手を交わした彼女は僕にこう問いかけてくる。

 

 

「そう言えば、貴方の名前、聞いてなかったわね?」

「あぁ、僕の名前は……」

 

 

 とここで、僕は名前を言う前に少しだけ考えた。

 

 軍の所属である僕の本名を彼女に告げるかどうかという話だ。まだ、信用できるとは限らないし、あくまでも臨時の協力者に過ぎない。

 

 ここは慎重に行くべきだろうと考えた僕は彼女に偽名を名乗る事にした。こちらの方が後々、面倒ごとも少なくて済むかもしれないと考えた結果だった。

 

 

「僕はイーサンだ。イーサン・ハント」

「ハントね…わかったわ、よろしくハント」

「あぁ、よろしく」

 

 

 僕の本名、ウィリアム・ケイジという名前を彼女に教えないのはなんだか気が引けるが、この国とは別の軍の所属である以上はこちらの方がリスクもないだろう。

 

 それに、こちらの名前も割としっくりくる。

 

 不可能を可能にできそうなナイスガイな名前だと僕は個人的にそう感じていた。

 

 盗まれた徽章を探すのにはもってこいだろう。

 

 

 こうして、僕はこの街でようやく協力者を得ることができた。

 

 あとはパワードスーツを上手く隠して、エミリアの徽章を探し出して手に入れるだけだ。

 

 困難なミッションではない、協力者がいるだけでも目的を達成するには充分だ。

 

 少なくともこの時の僕はそう思っていた。

 

 

 そう、僕が僕を最初に殺したあの殺人鬼がいることを失念さえしなければきっとそうだったに違いない。



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貧民街

 前回、エミリアという少女に出会った。

 

 僕としては軍に所属しているため、本名を明かさない方が賢明かと思いそうした訳なんだが、普段から言われ慣れてない名前を名乗るのはどうにも違和感を感じてしまう。

 

 さて、話を戻そう。

 

 このエミリアという少女はパックという大精霊と契約したハーフエルフだそうだ。

 

 ファンタジーの小説を君達は読んだことはあるかな? まあ、そういう事だ。

 

 確かに銀色の長い髪に紫紺の瞳を持つ美貌の少女なんてそうそうお目にかかることなんてないだろう。

 

 少なくとも僕は見たことがなかった。

 

 死に戻りをすること自体も珍しい経験だとは思うがね。

 

 

「ねぇ、イーサン、探すあてはあるのかしら?」

「まあ、それなりにはね、それにしてもこうしてパワードスーツを隠せる小屋が町外れにあったとは本当に助かったよ」

「そんなゴツいの着てちゃ確かに目立って仕方ないよね」

 

 

 そう言って、パックはパワードスーツを脱いで手を掛けている僕に告げる。

 

 そんなパックの言葉に僕はパワードスーツに手を置いたまま肩を竦めて苦笑いを浮かべた。

 

 もっともな正論だ。いつかはこのパワードスーツが必要になるときが来るだろうがそれは今じゃない。

 

 ひとまず、パワードスーツを脱いだ僕は気を取り直してエミリアにこんな提案を持ちかけてみる。

 

 

「そうだな、それじゃまずは……貧民街から聞き込みをしてみようか」

「あら、それはどうしてかしら? 徽章が奪って逃げた犯人を見かけたのは街中よ?」

「君が見たという犯人、お金がありそうに見えたかい?」

「……あっ……」

「そういう事だ。大体、盗みを働く人間というのは貧しい暮らしを強いられている人間が多いかなと思ってね、読みが当たってると良いが」

 

 

 僕はエミリアの溢した言葉に笑みを浮かべて頷く、まあ、これもあくまでも憶測にしか過ぎないが、あてもなく探すよりは効率的にも良いと考えた。

 

 富が豊かな人間が盗む可能性も無くはないが、この場合だと、徽章の価値に気がついていない人間というのが妥当だろう、というのが僕の予想。

 

 まあ、当てずっぽうまではいかないが、あくまで予想と憶測でしかないので確信とまでは当然ながら言い切れない。

 

 おそらく、エミリアが大事そうにしていた徽章がそれなりに値がつくと考えての犯行だろうと僕は考えた。

 

 

「まあ、パワードスーツを隠すために丁度、町外れまで来た甲斐があって貧民街も近いし効率的にも良いだろう、時間は惜しい」

 

 

 手掛かりという手掛かりが手元にない以上は足しかない。

 

 こうしてエミリアと共に僕は貧困街へと向かった。

 

 僕がタイムリープをしているという事実は彼女達には伝えてはいない、いや、この場合は伝えれないという風に言っておいた方が良いだろう。

 

 そもそも、僕が経験していた今までのタイムリープとこの世界に来てからのタイムリープの仕方が異なっていたのだ。

 

 まるで、タイムリープの仕様のレールが二本走っているそんな風に感じる。

 

 何故ならば、タイムリープをする度に謎の黒い手によって心臓を握り潰されそうな激痛に襲われるのだ。

 

 これまでのタイムリープではそんなことは今の今までなかった。

 

 更に付け加えるなら、そのタイムリープが交互にくるという事だろう。

 

 違和感のあるタイムリープと慣れ親しんだタイムリープが交互にくるのだ。

 

 それで、今、エミリアと僕が話しているがこれが何回めだと思う? 

 

 そう、6回目だ、6回目の会話だ。

 

 検証のために6回も死ぬはめになった。

 

 同じ展開に持ち込むのは多少苦労はしたがね、そのおかげでわかった事もある。

 

 1番はタイムリープを他人に話せないという事だろう、話すと話した対象者が死亡してしまう。

 

 エミリアが現にそれで死んでしまったのでね、同じ轍は踏めないというわけだ。

 

 さて、それから僕達はパワードスーツを隠せる倉庫を見つけ、密かにそこにパワードスーツを隠した。

 

 なんでも、倉庫の管理者はエミリアの知り合いだそうで、それなら安心ととりあえず預ける事にした。

 

 パワードスーツを抜いだ僕は首を鳴らして身体の状態を確認する。

 

 

「やはり、自分の身体が1番だ」

「あら、でも貴方、あのスーツを着ていた方が安全だってさっき……」

「確かに安全だが、あれを着たままで食卓に腰を据えて僕がご飯を食べる姿を想像できるかい?」

 

 

 そう言いながら、笑みを浮かべてエミリアに問いかける。

 

 エミリアはその僕の言葉に納得したように頷いてくれた。

 

 そういうことだ、どう見ても、僕が何かの弾みで食卓に並んだ皿を破壊する姿しか思い浮かばないよ。

 

 

「さて、……と、じゃあ、聞き込みをするとしようか」

 

 

 そうして、身軽になった僕はエミリアと共に貧困街で聞き込みを行なっていった。

 

 時にはその……、まあ、多少、手荒な聞き方もしたりしたがね、それはご愛嬌というやつだ。

 

 時間はなるべく惜しいし、犯人がエミリアの徽章を売ってしまえば手遅れになる。

 

 それに僕には気がかりがあった。

 

 さっき6回死んだと話をしたね? なんでかわかるかい? 

 

 それはね、エルザという暗殺者に度々、エンカウントした結果だ。

 

 彼女を多分、20回以上は殺したと思うんだが、不思議な事に手ごたえが全くなく、逆に返り討ちにあってしまってね。

 

 死なない人間も居るんだなと驚いたものさ、いや、既に人間という枠では無いのかもしれないがね。

 

 なんにしろ、僕が気になったのは彼女と遭遇するのはエミリアの徽章を探し回っている最中が非常に多いという事だ。

 

 

「……なるほど、それじゃその店で物の売買がよく行われているわけだね?」

「そうね」

「ありがとう、助かった、これは礼だ」

 

 

 そう言って、僕は女性に貧困街で襲われた際に返り討ちにした奴らからぶんどったお金を手渡す。

 

 どうやらロム爺、本名はバルガ・クロムウェルという年寄りが店を開いており、そこで物の売買が頻繁に行われているという情報を得ることができた。

 

 結構な手間は掛かったが、まあ、これは仕方ないだろう。

 

 問題は、そこにエミリアの徽章があるかどうかだ。

 

 それと、……徽章をもとめているならばあの暗殺者は必ず、あの場所に現れる筈。

 

 

「……さて、どう立ち回るか考えておかないとな」

 

 

 僕は懐に射撃武器を潜ませ、静かに店へと向かい足を進める。

 

 本来ならエミリアにこのことを伝えておいた方が良いのだろうけどね、彼女を危険な目に晒したくは無い。

 

 店の扉に手をかけた僕は片手に射撃武器を構える。

 

 扉の間から中を確認するとそこには小柄な金髪赤眼の少女と店の店主らしい老人が話しているのが見えた。

 

 そして、少女の手には徽章がある。ビンゴだ。

 

 おそらく、あれがエミリアが言っていた徽章だろう。

 

 僕は警戒したまま、扉をゆっくりと開けて一気に中に踏み込むことにした。

 

 

「動くな! 手を上げろ!」

「なっ!?」

「なんだお前!!」

 

 

 僕は声を上げる二人に射撃武器を構えたまま声を上げる。

 

 そして、すかさず身構えようとした小柄な金髪赤眼の少女の足元に向かって容赦なく射撃武器を発砲し、牽制した。

 

 いや、発砲したと言っても当ててはいない、撃ち抜いたのはあくまで床である。警戒射撃というやつだよ、安心して欲しい。

 

 

「動くなと僕は言った、なんで今こういう風になっているか、君達自身が理解してるんじゃないか?」

「ぐっ!?」

 

 

 そう言って、店主の爺さんと小柄な金髪赤眼の少女は表情を歪める。

 

 まあ、そうだろうな、彼女から前もって持ち込む約束か何かをしていたんだろう。あくまで予想だが、これは的を得ている筈だ。

 

 銃を構えていた僕はおどけた様子で肩を竦めると射撃武器を仕舞う。

 

 

「……とまあ、冗談はさて置くとしようか、盗品だろう? その徽章、無理矢理返せとは言わない、君達にも生活があるだろう。だから取り引きがしたいんだが良いかい?」

「なんだと?」

「実はその徽章の本来の持ち主と取り引きをしていてね、とはいえ、僕も君達と争うのは本意ではないんだよ」

 

 

 そう告げる僕はゆっくりと近くにあった椅子に腰を下ろす。

 

 そして、これから、その徽章を持っている二人に降りかかるであろうことをゆっくりと語り始めた。

 

 

「……その徽章を持っていると殺される、僕はそう警告も兼ねて、わざわざ買いに来てあげたんだ。……まあ、君達が殺されても良いというのであれば僕はこのまま帰るけどね」

「そんな話、いきなり店に忍び込んできたわけのわからないてめーに言われてハイそうですかと信用できるかよっ!」

「僕がたとえ名乗っても中には入れなかっただろう? だからそうしたまで……だ」

 

 

 僕は小柄な金髪赤眼の少女になんの悪びれもないようにそう告げた。

 

 それにある程度、僕が言った事は間違いではない筈だ。

 

 エルザという暗殺者の女が狙っている徽章、そして、彼女の残忍な性格と考え方から想像すれば、所持者である二人は邪魔なだけだ。

 

 なら、排除されるのは必然となる。

 

 では、このままエルザという暗殺者に彼女達が易々と殺されるのを黙って見逃してしまうのかと問われれば答えは否である。

 

 だからこそ、彼女達に協力をしてもらう必要があった。

 

 

「暗殺者はおそらく、もうしばらくすればこの場所に来るだろう、その前に手を打ちたい」

「手ぇ? ……お前なぁ……」

「金はこれで足りるだろう? あと、こいつもつけてやる」

「これは一体……」

「デカブツを一撃で吹き飛ばせる手榴弾だよ」

 

 

 そう言って僕が手渡したのはギタイを吹き飛ばす時に使った手榴弾である。

 

 ピンを抜いて投げればすかさずドカン、対ギタイ用に強化されているため、その威力は折り紙付きだ。

 

 なんて物騒な物を渡すんだと店主の爺さんは慌てていたが、納得した様に徽章を僕に渡してくれた。

 

 そして、それからしばらくして店に遅れて見慣れた少女が入ってくる。

 

 

「あ! イーサン!」

「やあ、君の徽章、見つけてやったぞ」

 

 

 僕は徽章をエミリアに投げ渡すとすかさずサムズアップする。

 

 さて、それから、問題はここからなんだが、徽章を今、エミリアに返したとして、エルザがこの店に来ないとは限らない。

 

 いや、絶対に来る筈だ。

 

 

「さて、取り引き成立だが、ちなみに暗殺者ってのは……教えてあげよう、なんと今回の君の依頼主だ」

「はぁ!?」

「……『腸狩り』 エルザ・グランヒルテ、名前は聞いたことがあるだろう? 指名手配犯から依頼を受けるなんて君も難儀だな」

 

 

 僕はそう皮肉まじりに告げると静かに肩を竦めた。

 

 さて、いよいよ彼女を迎え撃つにまで至る事ができたのだが、問題は今の戦力で彼女に勝てるかどうかというところだろう。

 

 こればかりは今回やってみないとわからないが、向こうは凄腕の殺し屋だ。

 

 こちらは僕と女の子二人に爺さん一人、あと、大精霊が一匹。

 

 勝負的に考えれば数では上だが、まあ、戦闘のプロが僕しかいないという時点で察しがつくと思う。

 

 これは、かなり厳しい戦いになると、なら早くこの場から逃げれば良い……と考えるが結局は脅威自体は去ってはおらず、小柄な金髪赤眼の少女とこの店の店主は殺される事だろう。

 

 

「僕が渡したその手榴弾、早速使うことになるかもね」

「何? 何故そんな事までわかる」

「勘さ、ちなみによく当たるんだ」

 

 

 僕は店主の言葉に軽くウインクをしながら答える。

 

 強力な相手には強力な武器を使う、当たり前の話だ。

 

 起動スーツで返り討ちにするという考えなくもなかったんだが、あれはまあ、周りを巻き込んでしまう可能性もあるし、屋内戦では不利だ。

 

 

「これでやるしかないか」

 

 

 僕は笑みを浮かべたまま告げる。

 

 果たして、僕たちは無事にエルザを撃退する事ができるのだろうか、何か一つ、大事なピースが足りていない様な気はするがきっと気のせいに違いない。

 

 そして、死神の足はゆっくりと確実に僕に迫り来るのだった。



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