チートNPCは愛を知る (四季彩夜)
しおりを挟む

1話(始まりの話)

私の終わりはつまらないものだった。

 

 

冬のそれは寒い日だった。

仕事帰りに信号無視の車に轢かれた。

自転車ごと吹っ飛ばされ、痛みで声すら出ない。

助けを呼ぼうとしても、空気が吐き出されるだけ。

痛みも寒さも感じなくなり、真っ暗な空を見上げて、つまらない人生だったと笑った。

 

 

???

 

そして、つぎの私の始まりもつまらないものだった。

 

 

誰もいない真っ暗な部屋、小瓶のような物の中に私はいた。

小瓶の中の小人と言うわけではない。小瓶の中の液体が私だ。

きっと私はスライムのような何かになったのだろう。

それから長い時間がたった。誰も来ない。暇すぎる。

何度も暴れて小瓶を壊そうとしたが、できなかった。

ずっとぼおっとしているしかないここはきっと地獄だ。無間地獄と言うやつだ。

 

 

ナザリック地下大墳墓

 

 

そこではギルド長のモモンガとその親友ペロロンチーノとその姉ぶくぶく茶釜が新イベントについて話していた。

 

「いやー、今回のイベントはNPCの制作アイテムですよね!」

「あぁ!アイテムによって作れる種族が違うんだよなー俺、吸血鬼のアイテムがいいなー」

「なに言ってるのよ!もうシャルティアがいるじゃない。」

「妹作ってやりたいんだよーモモンガもそう思うだろー」

「いや、俺はどんな種族でも大事に育てるので。個人的にはこの特殊スキルが気になります。」

「あー、ほぼチートだよな。特にこの融解吸収ーメルトアブゾロプションー敵を倒すだけじゃなく、敵のスキルやアイテムを自分のものに出来るって、ほぼチートだよな!」

「それって敵を一度体内にいれて溶かすみたいなこと書いてあるけど、スライムの特殊スキルなんだっけ?」

「いえ、種族と特殊スキルはランダムみたいですよ。」

「スライムが使うならいいけど、他の種族だったらどんなアクションになるんだろうな?」

「そうねー。ほら二人とも!他のギルドに捕られないように、早速行かないと!」

「やべ、急ごうぜ。そうだ!アイテムは見つけた人のものだからなー」

「「異議なーし」」

 

そう言って、彼らはイベントフィールドへ向かった。

 

 

 

 

 

???

 

 

今や生前の名前すら、人間だったことも思い出せなくなった頃、目の前の壁が開いた。

 

ずっと壁だと思っていたものは扉だったらしい。

真っ暗だった部屋に光が差し込む。

長い間暗かったから、慣れない光に目があったらたまらず目をつむっただろう・・・

 

 

 

 

「おお!ありましたよ!ぶくぶく茶釜さん、ペロロンチーノさん。」

 

嬉しそうに私を覗き込むのは骸骨だった。

ここは本当に地獄だったのか・・・

 

 

でも、自分以外の存在がみつかり、いや、自分を見つけてもらったことに、私は歓喜した。

これほど嬉しいことは今まであっただろうかというくらい嬉しかった。

骸骨に出会っただけで、私は大きな幸福を感じていた。

 

気づくと部屋に人?が増えていた。

鳥人間みたいな人と、ピンク色のスライムが増えている。

でも、不思議と怖くはなかった。

 

「これがイベントアイテムのNPCをつくるアイテムかー。見た目普通のポーションみたいだなー」

 

「ほんと、でも見つかってよかったわ。ね、ギルド長」

「そうですね!これでナザリックに新たな家族が増えますよ。」

家族、その言葉にひどく胸があたたかくなった。胸ないけど。液体だし。

それから私は骸骨に小瓶ごと持ち去られ、明るくて広い部屋に連れてこられた。

 

ナザリック地下大墳墓

 

「えーっと、まず種族は、水色だからセイレーンですかね?」

「そうだな!性別は選べるから女の子にしようぜ」

「ちょっと、見つけた人のものだっていったじゃない!モモンガさんが決めるのよ!」

「わかってるよバカ姉貴!俺は提案してるだけだろ」

「まあまあ、二人とも!喧嘩しないで下さいよ。持ってる種族スキルは、魅了の魔眼と破壊の歌とか歌系統みたいですね。あ、この子のイベント特殊スキルが融解吸収!?」

「まじか!セイレーンで敵を溶かすのか?アクショングロそうだな・・・」

「まあまあ、とりあえず名前だけでも決めてあげたら?」

「そうですね、んーセイレーンだからレーンとか、融解姫とかどうですか?」

「んー、名前だけはみんなで考えましょうか。」

「たしかウルベルトさんいたよな、セイレーンのルーツ教えてもらって、みんなで考えようぜ!」

何の事だかわからないけど、みんな楽しそう!

それから、山羊みたいな人とか、いろんな人に会った。

(私は話してないけど)

骸骨のモモンガさんはいろんな人にアドバイスを聞きながら、何かの設定を考えていた。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話(設定が決まった話)

ナザリック地下大墳墓

 

 

今日のナザリック地下大墳墓は賑やかだ。

もうすぐギルド長のモモンガがイベントアイテムから作るNPCを見る為だ。

 

 

そのNPC(現在小瓶の中)である私はシエリア・ローレライと言う名前をもらった。

因みに皆はしーちゃんと呼ぶ。

 

 

あれから色んな人にアドバイスをもらったモモンガ様は、長い時間をかけて練りに練った設定のもと私を作り出そうとしている。

 

その設定と言うのが割りと長い・・・気がする。

何故なら私の創造主モモンガ様は余程友人たちの助言が嬉しかったのか、殆どの提案を受け入れたからだ。

 

 

その結果・・・

 

 

 

外見

 

胸の下辺りまでの虹色に輝く白い髪に、深紅のビー玉の様な瞳をしたセイレーンの少女。

本来の姿の際に現れる淡い黄緑色の羽と尾ヒレは光に反射し、宝石の様に美しい。

身長160㎝位?体型はスレンダーで、胸は手のひらサイズ。

その容姿は見るもの全てを魅了する。

 

 

 

詳細

 

ペロロンチーノとは決して二人きりにはならない。

全てを魅了し全てを飲み込む強大な力を恐れた人間に虐げられ、囚われていたところをモモンガに救出された。

その後モモンガの養女となりナザリック地下大墳墓にやって来た。

モモンガのことをとと様と呼んでいる。

 

人間たちへの恐怖から、言葉を紡ぐことが苦手。

歌詞の決まっている歌を歌うことは得意。

 

現在は身ぶり手振りと単語を使い、コミュニケーションをとっている。

言葉を十分に使えない分、表情や感情表現が豊かである。

 

 

 

文字の読み書きや一般教養は執事長のセバスに教わっているが、時々デミウルゴスが教育係りを勤めることもあり、セバスとデミウルゴスが教育方針等でもめることもある。

 

 

 

性格は、基本的には大人しく優しいが、仲間を傷付ける相手には冷酷。

植物や環境を大切にしており、大空や海川森や草原など自然を感じられる場所を好む。

 

また、勉強に飽きるとセバスから逃げるためにナザリック内を動き回り、守護者やメイド達に匿われることもあり、子供らしいやんちゃな一面を持つ。

最近は反抗期気味だが、モモンガの側から離れることはあまりない。

ふわふわで温かいもの、可愛いものを好む。

が、可愛いのストライクゾーンが異様に広く、普段の突飛な行動も相まって、周囲には不思議ちゃんと認識されている。

因みに音フェチである。

 

 

 

アルベドやシャルティアを姉と慕い、アウラやマーレ等他の階層守護者達を友人と慕っている。

プレアデスともよく遊んでいる。

恐怖公とも気軽にお茶を嗜む強者であり、ニューロニストとガールズトークをすることも・・・

ナザリック地下大墳墓内で、彼女を嫌うものはいない。

 

 

以上

 

 

と、軽く簡単な内容にするとこの様な事になる。

モモンガ様の娘という事になるのはとても嬉しいが、とと様呼びは少し恥ずかしい。

前世の記憶は余り残ってはないが、結構いい年齢だったはずだ。なのにとと様と呼ぶのは若干の抵抗があった。

しかし、私の創造主の願いならば、慣れなければいけない。

 

 

 

そして、何度も言うが、この設定が出来るまでに本当に長かった。

一行決める毎にあーだこーだと議論を重ねていた。

最初のペロロンチーノさんと二人きりにならないは、モモンガ様改めとと様が最初に書き込んだ。

ペロロンチーノさんが異議を唱えると、ぶくぶく茶釜さんとの大喧嘩が始まった。最終的にはたっちみーさんがその場を納めた。

 

 

さらに、とと様は反抗期設定が嫌だったようで、渋々後ろの文が付け足すことで妥協した。

他にもビッチ設定を提案された時にはぶくぶく茶釜さんやたっちみーさんと共に猛反発してくれた。

 

 

他にも、私の教育係に関してはウルベルトさんが「教育ならデミウルゴスが適任だ。」と言ったが、たっちみーさんが「悪魔の常識を教えられたら、真っ当な大人にならない」と言って喧嘩を始めたので、とと様の今の設定を二人に無理矢理納得させた。

その後、とと様への嫌がらせなのか、ウルベルトさんは「デミウルゴスとシエリアで、教師と生徒の恋愛っていいと思わない?」とペロロンチーノさんやぶくぶく茶釜さん等色々な人を味方に付けた。

それでもとと様は「まだ、彼氏なんて早い!お嫁には行かせません!」と譲らなかったので、皆さんは渋々諦めたようだ。

ウルベルトさんも「わかった。シエリアちゃんの設定はそのままでいいよー。」と言っていた。

しかし、私は知っている。

ウルベルトさんは何やらデミウルゴスさんの設定を弄っていた。

どう変更したかは分からないけど、悪い顔をしていたのは間違いない。

なんだか恐いので、デミウルゴスさんには注意しないといけない。

 

 

そして、実はこの設定の中でこの人達のが一番時間をかけて議論していたのは、悲しいことに私の胸のサイズである。

ペロロンチーノさん率いるひんぬー派とぶくぶく茶釜さん率いる巨乳派のよく分からない議論が繰り広げられた。皆さん忙しいはずなのに「胸は男のロマンだ」と言って3日に渡り議論された末に間をとって手のひらサイズとなった。

胸の大きさの為だけに闘技場をボロボロにするのもどうかと思うが、この人達の強さはよくわかった気がする。

 

 

随分と争い事はあったけど、これほどの人達が私の事を一生懸命考えてくれているのだと思うと幸せな気持ちが広がった。だから、私はこの人達が決めてくれた自分を大切にして、一生懸命恩返しをするんだ。

 

不安なこともあるけれど、これからはとと様とアインズ・ウール・ゴウン様達、このナザリック大墳墓の皆と楽しい人生を送るのだ。

 

 

「それじゃあ、召喚します!」

 

とと様の声が聞こえて、私は光に包まれた。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話(誕生した話)

私のとと様であり、アインズ・ウール・ゴウンのギルド長 モモンガの呼び掛けで、儀式は始まった。

 

私は光に包まれ、頭から段々と手や足の感覚かはっきりとしていく。

自分には元々無かった部分が出来ていくのは、変な感じだ。

私はふと、自分が死んだ時のことを思い出した。

音がだんだん遠くに聞こえ、感覚が失われていく。

今、私はその逆を体感しているんだと思うと、何故か少し笑ってしまう。

やっと、とと様やアインズ・ウール・ゴウンの人達と話ができる!

 

 

 

 

光が消えて、皆様の姿が見える。声もちゃんと聞こえる。

でも、声がでない・・・指も、足も動かせない・・・

声ってどうやって出すんだっけ?

手足もどうやって動かすの?

 

私は久しぶり過ぎて、手足や声帯の使い方を忘れてしまったらしい

 

 

 

「出来ましたよ!皆で作った設定どおりのセイレーンです。」

「おぉ!可愛い子だなー、もう少し胸がぺったんこなら尚良かったけど。」

「何か言ったかしら?愚弟。」

「おめでとうモモンガさん。」

 

 

私が混乱していると、とと様やペロロンチーノ様やぶくぶく茶釜様やウルベルト様が嬉しそうに私に近づいてきた。

助けてほしいのに、彼等は動かないのが当たり前の様に私の話をしている。

 

もしかして、ずっとこのまま?

私は全身が冷たくなるような気がした。

 

 

「本来の姿になるには、やっぱり水の中に入れないといけないですかね?」

「風呂に水風呂ってあったよな?」

「女湯に男は入れないけど、いいの?見れないわよ。」

「なんだよ!混浴スペースがあるだろ!あ、お風呂場のセイレーンってなんか良いかも。」

「ペロロンチーノさんは置いといて、湖とかでいいんじゃないかな?」

「ウルベルトさんの言うとおりですね。動作確認もしたいし、湖に行きましょう。ほら、シエリア、これから湖に行くぞー。」

 

 

そう言ってとと様は私の頭を撫でた。

それだけでなんだかとても安心して、体があたたかくなる。

 

そして、とと様は私の手をとって、立たせてくれた。

 

私立ててる!

これが立つ感覚か!

 

立てただけで嬉しくて、褒めてくれないかと、とと様を見つめた。

 

「よし、ちゃんと立てたな。偉いぞシエリア。」

 

まるで私の言いたいことが伝わったかの様に私に話しかけるとと様が褒めてくれた。

小躍りするほど嬉しかった。

でもそこまでの動きはまだ出来なかった私は前に1歩踏み出して、とと様にぶつかってしまった。

 

硬い、流石骸骨。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

とと様は私の行動を疑問に思ったようだ。

どうしよう、怒られるかな?

嫌われたくない・・・

 

「創造主に付いていく設定になってるんじゃないかな?ほら、初期設定っていつもそうでしたし。」

「あぁ、そうでしたっけ?」

 

私が内心焦っていると、ウルベルト様が助け船を出してくれた。

本人にそのつもりは無いだろうけど。

 

「なんだか、俺に褒められて嬉しいのかと思っちゃいましたよ。」

 

 

私の頭を撫でながら、照れ臭そうに言うとと様。

きっと、とと様は私の考えを分かってくれるんじゃないだろうか。流石私のとと様だ!

なんて勝手にテンションが上がる私。

 

とと様は皆様に「親バカだ」とか「早く湖に行きますよー」とか「お嫁に行く時大号泣不可避(笑)」なんて言われていた。

 

誰が何て言おうと、とと様は私の大好きなとと様だ。

・・・なんだか、自分の精神年齢がどんどん幼くなる、と言うか何かの影響を受けている気がする?

 

「あぁ、やはり間に合わなかったか。」

 

声のした方を見ると、久しぶりにたっちみー様がいらっしゃったようだ。

 

「たっちみーさん!来てくださったんですね!」

「たっちみー。」

「あぁ、二人とも元気そうだな。」

「はい!これからシエリアの本来の姿を見に湖に行くんです。たっちみーさんも一緒に行きませんか?」

「そうか、折角だし共にしよう。」

「・・・」

たっちみー様が来てとと様も嬉しそうだ。

でも、ウルベルトさんは何か機嫌悪そう?

 

 

 

とと様は喧嘩をするペロロンチーノさん達も連れて、湖のある森の様なところにやって来た。

息をするのを忘れる程、とてもきれいな景色だった。

 

 

「ほら、湖だぞー。水の中は気持ちいいぞー。」

 

そう言ってペロロンチーノ様は私に手を伸ばした。

その手をパシッと音を立てて、ぶくぶく茶釜様が弾いた。

 

「変態が移っちゃうじゃない。」

「何だよそれ!」

 

2人はまた喧嘩を始めた。

 

「あはは、また喧嘩が始まっちゃいましたね。」

「あれが彼等のコミュニケーションなんだろう。」

「モモンガさん、二人はほっといてシエリアちゃんを泳がせてあげましょうか。」

「そうですね。シエリア。ほら、湖に入ってごらん。」

 

喧嘩を止める気もない3人は、私を湖に入るように促す。

私、ちゃんと泳げるのかな?

溺れて沈むとかないよね?

 

恐る恐る湖に入っていくと、光が私を包み、力がみなぎってきた。

 

「おぉ!すごく綺麗だ。」

「うむ、美しいな。」

「流石、俺の将来の義理娘だー。」

「え?」

「む?」

「あ、言っちゃった。」

 

気づくと私には背中に羽と、足に尾びれが付いていた。

羽は上手く動かせないが、さっき足で歩けたことで尾びれの感覚や動かし方が何となくわかり、沈まずにすんだ。

水が冷たくて気持ちいい。

 

 

「ウルベルトさん?どういうことですか?シエリアはお嫁にはだしませんよ。」

「えー、いいじゃないですかー。今すぐじゃなくていいですから。」

「やれやれ、ウルベルト、まだ諦めてなかったのか。」

「ダメですよ。ウルベルトさん。」

「そこをなんとか、デミウルゴスに可愛いお嫁さんを娶ってほしいっていう親心なんですよ。」

「モモンガさん、教育係はセバスだけにしたらどうだ?悪い虫が付かないようにセバスの設定を加えておこう。」

「余計なことするなよ。たっちみー」

「んーどうしましょう・・・」

「モモンガさーん。それだけは許してください。この前ガチャで当てたレアアイテムあげますから!」

「え!?いいんですか?」

「モノで釣られてはいけない。モモンガさん!」

 

とと様達もなんだか、もめている。

と言うか、私今日生まれてお嫁に行く話をされてるの?

しかも、デミウルゴスさんって誰?会ったこと無いよ?

ウルベルト様の子ども?

 

 

 

喋れない私は、湖を泳ぎながら、喧嘩をする2組をただ見ていることしか出来なかった。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話(セバスと会う話)

先程までいたとと様達がいなくなってしまった。

仕事があるといってたが、皆で冒険に行ったのだろうか?

 

とりあえず、ずっと泳いでいるのもどうかと思ったので、湖から上がる。

そこにすっとタオルが差し出された。

 

「・・・ありがとう」

「いえ、これくらい執事として当然です。」

 

そこには執事服を着た初老の男性が立っていた。

 

あれ?

私、今声が出た?

もう一回何か話してみよう。

 

「誰?」

「私はたっちみー様に創造頂いた、ナザリックの至高なる御方々に仕える執事長 セバス・チャンと申します。」

「ここ、いる?」

「我が創造主であるたっちみー様より、シエリア様の身の回りのお世話、教育係を命じられました。何なりとお申し付けください。」

 

声は出るが、文章ではなく、単語しか言葉に出来ない。

とと様の設定の影響だろうか?

とりあえず、目の前のセバスさんは悪い人では無いらしい。

でも、人に命令できるほど私は偉くないはず。

と言うより、どうすればいいかわからない。

 

「・・・」

「・・…」

 

沈黙が続く。

気まずい、すごく気まずい。

 

「恐れながら、よろしければ私が可能な限りナザリック内をご案内致しますが、いかがでしょうか?」

 

セバスさんが気を使って、案内を申し出てくれた。

一人で訳もわからずさ迷うよりはずっといいはず。

 

「お願い」

 

・・・この単語しか口に出せない設定だと、敬語が使えない。

セバスさん気を悪くしないかな?

 

「ではこちらへ」

 

セバスさんはそう言って歩きだした。

 

「申し遅れましたが、どうか私のことはじいじ、とお呼びください。」

「じいじ?」

「はい。たっちみー様によりますと、権力を持つ者のご子息・ご息女の教育係を勤める年配の従者のことをじいじと呼ぶそうです。ですので、是非シエリア様も私をじいじとお呼びください。」

「・・・わかった。」

 

あまりにもセバスさんが力説するのでつい了承してしまった・・・

説明を聞く限り、「じい」とか「じいや」ではないのか?

セバスさんを見ると、どことなく期待をしているようなキラキラした目で私を見ている、気がする・・・

 

「じ、じいじ?」

 

疑問はあるものの余り詳しくもないし、何より視線に耐えられず、1度呼んでみた。

するとセバス改めじいじは満足そうに笑い「では行きましょう。」とまた歩きだした。

 

先ずは玉座と呼ばれている場所へと向かった。

ゴーレムに囲まれている大広間があり、そこにはとても美しい天使の様な人がいた。

 

「あら、シエリア様。初めまして。私はタブラ・スマラグディナ様より創られ、守護者統括を仰せ付かっておりますアルベドと申します。以後お見知りおきを。」

「シエリア・ローレライ、よろしく。」

「ところで、今回はどのようなご用件でしょうか?」

「アルベド様、只今ナザリック大墳墓をご案内しておりました。」

「そうですか。確かにシエリア様は今日ご誕生されて、ナザリック内のことはご存じないものね。危険な場所やものを知って頂くことは大切だわ。シエリア様、ご質問等ありましたら、どうぞお気軽にお尋ねください。」

 

ニコリとアルベドさんは微笑みながら言った。

どうすれば良いか分からず、とりあえずお礼を言う。

 

「ありがとう、アルベド、さん」

「シエリア様、どうか敬称をお外しください。貴女様は至高なる御方の頂点であらせられますモモンガ様のご息女。下僕相手に敬称は不要です。」

 

どうすべきか。

個人的には自分より年配で強い人には敬称を付けたいのだけれど、アルベドさんは嫌みたいだ。

 

「セバス、」

「・・・」

 

困ってセバスさんの方を向く。

セバスさんは何故か明後日の方向を向いてる。

向こうに何かあるのか見てみたら、何もない。

・・・もしかして。

 

「じいじ?」

「はい。いかがなさいましたか?」

「・・・」

「セバス、まったく貴方は。」

 

やっぱりこの人、じいじと呼ばないと反応しないつもりだ!

アルベドさんも苦笑いしてるし、意外と大人げない?

 

 

「ごほん、シエリア様、そろそろ他の場所も見て回りましょう。」

「シエリア様、是非お暇な時はまたいらっしゃってください。私はいつでもこちらにおりますので。」

「ありがとう、アルベドさん」

「・・・シエリア様?」

 

アルベドさんさっきと変わらない笑顔のはずなのに、なんか怖い。

えっと、でも呼び捨ては出来ないし。

 

「アルベド・・・お姉ちゃん」

「ふふ、ありがとうございます。どうかいつか何も付けずにアルベドと呼んでくださいね。」

「では。アルベド様、失礼致します。」

「またね。」

「ええ、お気を付けて。」

 

そうして私たちは大広間を後にした。

お姉ちゃん呼びはセーフだったのかな?

「セ、じいじ、アルベド、呼び方」

 

じいじが立ち止まった。

 

「シエリア様、アルベド様は貴女様と仲良くしたいだけですので、呼び名をあまり気にしなくても良いと思います。」

「わかった。」

 

じいじは呼び名にわりとこだわってたけど、アルベドさんは大丈夫なのかな?

今度聞きに行こう。

 

「次、どこ?」

「そうですね。では、上の9階層に向かいましょう。」

 

 

そうして私たちは階段へと向かった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話(プレアデスに会う話)

登場キャラクターが多い為、誰が話しているか分かりにくいかもしれません。
ご要望があれば、セリフの前にキャラクターの頭文字等で分かるように変更致します。


とても綺麗なアルベドお姉ちゃん(仮)と別れて、次は9階層のロイヤルスイートにやって来た。

 

ナザリックって、商業施設なの?

ここは至高なる御方々の部屋がある階層らしい。

大浴場とかバーとか雑貨屋とか色んな施設がある。

只少し、いやすごく気になることがある。

 

 

「皆、掃除?」

「はい。いつ至高なる御方がいらっしゃる時私共創られた者は行動が制限されます。なので、どなたもいらっしゃらない時にこうして急いで掃除を済ませるのです。シエリア様、不敬にあたり申し訳ありませんが、彼女達に作業を続けさせてもよろしいでしょうか?」

「平気。」

 

 

今現在、物凄いスピードでメイドらしき人達が掃除をしている。

それはそれは、1秒でも惜しいのか、無駄1つない動きで作業を続けている。

それを止めさせるのは、流石に忍びない。

どうやら至高なる御方が一人でもいると、創られた存在である私達は会話はおろか、指示がなければ自由に動けないらしい。

私が動けたのは、とと様が指示したお陰ということか。

あぁ、残念だけど、とと様とは話すことは出来ないらしい。

 

 

「言葉を交わすことは出来ませんが、皆様は私共にお言葉をくださることもあります。侵入者が来たときには、共に戦うことも可能です。」

「戦い?」

「はい。他のギルドが攻めてくることもありますので。メイドの中にもプレアデスという戦闘に特化したメイド達がおります。」

 

この世界は、意外と危険だらけなんだ。

プレアデス、ちょっと気になるな。

 

「じいじ、ぷれ」

「かしこまりました。こちらでございます。」

 

あれ?ぷれしかまだ言ってないんだけど、もしかしてじいじって心が読めるのかな?

 

そんな疑問をそのままにじいじに着いていくと、先程見たメイドさんたちと一風変わったメイドさん達がいた。

 

「シエリア様、こちらがナザリックの戦闘メイド7姉妹プレアデスでございます。」

「7姉妹?」

 

私の目の前には6人しかいないけど、1人透明人間?

 

「お初にお目にかかります。ぼ、私プレアデスの1人デュラハンのユリ・アルファと申します。」

「同じくプレアデスの1人、ワーウルフのルプスレギナ・ベータって言うっす。」

「同じく、スライムのソリュシャン・イプシロンと申しますわ〜。そして、私の隣にいる黒髪のドッペルゲンガーがナーベラル・ガンマです〜。」

「・・・」

「同じく、オートマトン、シズ・デルタ。」

「同じくアラクノイドのエントマ・ヴァシリッサ・ゼータですわー。」

「今は8階層にいて不在ですが、末妹にオーレオール・オメガという人間がおります。」

「・・・よろしく。」

 

姉妹と言うわりには種族も違うんだ。

と言うか、黒髪の人、どうしてしゃべらないんだろう?

 

「じいじ、喋れない?」

「申し訳ありません。ナーベラル・ガンマは只今二式炎雷様の共落ちをしており、深い眠りについております。」

「共落ち?」

「シエリア様、私共創られた存在は至高なる御方々の同行をしている時、御方々がいらっしゃらなくなった場合、体だけ持ち場に戻り深い眠りについてしまうのです。その状態ですと殆ど何をしても起きることができません。」

「以前セバス様が共落ちした時は、メイド一同大慌てでしたわ〜。」

「アルベド様や階層守護者の方々が共落ちした時も大変だった。」

「他のギルドが攻めてきちゃって、何とかトラップや他のメンバーで食い止めたのですわー。人間は美味しかったですけど。」

「共落ち、怖い。エントマ、怖い」

「怖くないですよー。シエリアさまー。」

 

 

それから皆が共落ちや至高なる御方がいるときの行動制限等について説明してくれた。

どういう仕組みかはわからないけど、私達には怖い現象だ。

私達創られた者って危険と言うか、不都合が多いのかも。

 

 

それから雑談もしたりしていたが、いつ至高なる御方が戻られるかわからない為に、次の階層に向かうことになった。

もっと皆と話していたかったけど、今度はナーベラルも一緒にお茶をする約束をした。

 

「次の8階層は立ち入り禁止のエリアですので、7階層に向かいます。いや、しかし・・・」

「じいじ?」

「いや、挨拶は大切ですか。」

「じいじ?」

「失礼いたしました。シエリア様。気は進みませんが、7階層に向かいましょう。」

「うん。」

 

じいじは7階層が苦手なのかな?

どんな所なんだろう?

じいじが嫌がるなんて、ちょっと怖いな。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話(デミウルゴスに会う話)

じいじと向かった7階層。

そこはとても暑い所だった。

ここに来て先ず分かったことは、私は暑いのが苦手である。

ずっとここにいたら熱中症になりそうだ。

じいじは汗1つかいていない。

 

「じいじ、暑い」

「えぇ、ここは溶岩の河がありますので。お辛いようでしたら、こちらをお付けください。」

 

じいじが指輪をくれた。

付けてみると、暑くて辛かったのがなくなった。

 

「じいじ!ありがとう。楽」

「それは、よかったです。」

 

 

あれ?

じいじが少し辛そう?

うっすらと汗をかき始めた。

平気だったのはこの指輪のお陰?

 

「おや、シエリア様!よくぞこのような場所にいらっしゃいました。」

 

ふと、心地のいい声が聞こえた。

声のした方を見ると、眼鏡をかけた男の人がいた。

尻尾がゆらゆらしているから、この人も人間ではないんだろう。

 

「これはこれは、デミウルゴス様。只今シエリア様にナザリックのご案内をしておりました。」

「おぉ!そうですか。セバスご苦労様です。

ではシエリア様、僭越ながら、貴女様のもう1人の教育係りでありますこのデミウルゴスがご案内させていただきます。」

「えっと」

「シエリア様、セイレーンの身でこの階層はさぞお辛いでしょう。ささ、こちらの指輪をご利用ください。

我が創造主ウルベルト様から特別に頂いた耐性強化の指輪でございます。」

 

なんだかこの人ぐいぐい来る。

そして、尻尾がぐるんぐるんしてる。

どうすれば良いか分からず、セバスの方を見る。

やっぱり何か辛そうだ。

デミウルゴスさん?には悪いけど、早く戻ろう。

 

「じいじ、辛い。」

「じいじ?セバスのことでしょうか?

セバスなら、炎耐性のアイテムを持っているはず・・・おや?セバス、アイテムはどうしたのですか?」

「いえいえ、私の事は、どうかお気になさらず。

デミウルゴス様。シエリア様には私が装備していた指輪をお渡ししているので、そちらの指輪は不要かと存じます。」

「・・・おや、そうですか?」

 

 

何故だろう。

二人の間に火花がバチバチしてそうな気がする・・・

あれー?おかしいな?二人の後ろにたっちみーさんとウルベルトさんの幻覚が見える。

デミウルゴスさんの尻尾がしきりに地面を叩いている。

 

「喧嘩、だめ」

「いえいえ、私なぞが階層守護者であるデミウルゴス様と喧嘩など恐れ多い。」

「そうですよ。シエリア様。セバスは優秀な執事です。目上の者に噛みつくような粗相はしませんよ。」

 

 

二人はにこりと笑っているけど、目が笑ってない。

きっと二人は仲が悪いのだ。

だからじいじはここに来たくなかったんだ。

じいじの顔色も悪い気がするし、戻ろう。

 

 

「じいじ、辛い、戻る」

「心配には及びません。セバスは優秀ですので、この程度の炎など、なんてことはありませんよ。そうですよね、セバス。」

「えぇ、これくらいでへばっていてはナザリックの執事長は勤まりませんので。」

「・・・」

 

そうは言っても、何だか無理をしている気がする。

そうだ。指輪を返せばいいのか。

 

「これ、返す。」

 

そう言って指輪を外した。

どっと熱気が襲ってきてくらくらする。

さっきこんなに辛かったっけ?

私は立ってられずに、へたりこんでしまった。

 

「シエリア様!」

「失礼致します。《指輪を着けよ》」

 

体が勝手に動いて指輪を着ける。

 

「あれ?」

「シエリア様、どうかご無理をなさらないでください。

このセバス、寿命が縮んでしまいます。

さ、こちらのポーションをお使いください。」

「ご無礼をお許しください。只今のは私のスキルで《支配の呪言》と申しまして、相手を従わせるスキルでございます。本来ならば、シエリア様に使用してはならないものです。しかし、レベル1のシエリア様がこれ以上ダメージを受けると命が危ぶまれましたので、使用させて頂きました。」

「・・・」

 

そんなにここはそんなに危険な場所だったのか。

いや、私が・・

 

 

「私、弱い」

 

 

「だ、大丈夫ですよ!私も最初はレベル1で誕生し、ウルベルト様に今レベル100まで育てて頂いたのです!」

「私もでございます。ですので、シエリア様が気に病む必要はありません。」

「・・・うん。」

 

二人は必死にフォローしてくれたけど、劣等感が頭から離れない。

それからデミウルゴスさんが溶岩や神殿跡を案内をしてくれたが、あんまり話に集中できなかった。

 

「・・・シエリア様、私少々用事がありますので、失礼させていただきます。デミウルゴス様、どうか上の6階層をシエリア様にご案内していただけないでしょうか?」

「え、まあ構いませんが、シエリア様よろしいでしょうか?」

「うん。」

「では、失礼いたいます。デミウルゴス様、くれぐれも、くれぐれも、シエリア様に手出しなさいませんようお願いいたします。」

 

じいじ、どうしたんだろう?

やっぱり辛かったのかな?大丈夫かな?

デミウルゴスさんにすごい注意してたけど・・・そういえば、ウルベルト様が私をデミウルゴスのお嫁さんにしたいようなことを前に言ってた・・・もしかして、私も危険?

 

「じいじ、大丈夫?」

「えぇ、セバスなら大丈夫です。ところでシエリア様、何故セバスをじいじと呼ぶのでしょうか?」

「じいじ、呼ぶ、言った。」

「ふむ・・・そうですか。」

 

 

しばらく考え込んでいたデミウルゴスさんが、急に勢い良く肩を掴んできた言ってきた。

 

「でしたら、私の事を是非先生と呼んでいただけないでしょうか?」

 

「・・・デミウルゴス、先生?」

「うっ・・・」

 

何か鬼気迫るものを感じて、つい先生付きで呼んでしまった。

すると、デミウルゴスさんがうずくまって、尻尾がぐるんぐるん動いていている。

ボソボソと素晴らしい。とか聞こえる。

息遣いも荒いし、どうしよう、すごく不気味だ。

得たいの知れない恐怖を感じる。

 

やっぱりこの人危険だ。

私はそろーりと距離をとった。

じいじはきっと下の階層にいる。

いなくてもプレアデスの皆はいるはずだ。

そこまで行けばきっと大丈夫。

 

 

「シエリア様?何故お離れになるのです?」

「・・・何となく。」

 

デミウルゴスさんはゆらりと立ってこちらに歩きだした。

とても怖くてデミウルゴスさんから走って逃げる。

 

「何故逃げるのですか?追いかけっこがしたいのですか?」

 

はははは!と笑いながらゆっくり追いかけてくるデミウルゴスさん怖い!

回りの人達が微笑ましそうに見てるけど、追いかけっこをしたいんじゃないんです!

私は必死に走った為、息が上がって言葉に出来ない。

 

気付くと、下に繋がる階段ではなく、上に繋がる階段まで来てしまった。

でも、後ろにはデミウルゴスさん。

行くしかない!

きっと捕まったら、食べられちゃうかもしれない。

そう思い、私は階段をかけ上がった。

 

 

 




仲良くさせたかったのですが、オリ主の警戒心が強くなってしまいました。
でも、きっと自分より明らかに強くて大きい人と二人きりだと、こうなっても仕方ない。

ちなみに、デミウルゴスの尻尾ががぐるんぐるんしている時は興奮しているんだろうなーとの勝手な妄想です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話(アウラに出会ったり、じいじが合流する話)

今回はつい出来心でアウラとセバス視点になります。
ご了承下さい。


第6階層

 

今日はぶくぶく茶釜様達帰っちゃったなー。

もっとお話ししてほしかったのに。

今日はシエリア様のお誕生に付きっきりで、私達の所には来てくれなかったし。

つまんないの!

 

そういえば、ぶくぶく茶釜様達がいなくなられた後にセバスがシエリア様をどこかに連れていってたけど、何処にいったのかな?

 

私はそんなことを考えて、森の中を散歩していた。

 

すると目の前から、丁度考えていたシエリア様が走ってくるのが見えた。

何だか瞳に涙を溜めて、必死に走っている。

まるで小動物が凶悪な肉食獣から逃げてるみたいな・・・

もしかして侵入者と勘違いした獣に追いかけられてるのかも!

 

「シエリア様!大丈夫ですか!?」

 

私の声に吃驚したのか、只スタミナ切れなのかシエリア様は足がもつれて転んでしまわれた。

 

「「シエリア様!」」

 

急いで駆け寄ると、焦ったデミウルゴスも駆け寄ってきた。

あれ?デミウルゴス?

回りにシエリア様を追いかけていた獣らしい姿がない。

 

とりあえず、シエリア様のお怪我が無いか確認しよう。

 

「シエリア様、どこかお怪我をなさいましたか?」

「・・・うぅっ。」

「このデミウルゴスが付いていながら、シエリア様にお怪我を!申し訳ありません!」

「ひっ・・・」

 

ん?シエリア様の表情は痛みと言うより、恐怖で染まっていて、体も震えている。ちょっと可愛いかも、いや、この考えは不敬だわ!シャルティアじゃあるまいし!

デミウルゴスだっていつもどおり・・・じゃない?

顔がほんのりだけど赤いし、どことなく熱っぽい?

尻尾もいつもよりゆらゆらしてるし・・・

まさかシエリア様が逃げようとしてた獣ってデミウルゴス!?

ケモノじゃなくてケダモノ?

落ち着いて、とりあえず、事実確認しないと。

 

「デミウルゴス!ちょっとの間でいいから、シエリア様から見えないくらい遠くに行ってくれない?」

「アウラ、何ですか急に。」

「いいから!どっか行きなさいよ!」

「なりません。私はシエリア様をご案内する役目がありますので。」

「あーもう!マーレ!手を貸しなさい!デミウルゴスを何処かに連れてって!」

 

デミウルゴスはシエリア様を怖がらせた自覚ないみたいだし。

というか、セバスはどこに行ったのよ!

 

「じいじ・・・」

 

シエリア様がほろほろと涙を流し始めた。

 

「あぁ、シエリア様!大丈夫です。セバスはおりませんが、このデミウルゴスがお側におります。」

「うぅ・・・」

「いいからシエリア様から離れなさい!」

 

もう!誰か助けてよー!!

 

 

 

セバス視点

 

時間は戻り、第7階層

 

只今デミウルゴス様が第7階層を案内してくださっております。

しかし、とても嬉しそうなデミウルゴス様に比べ、シエリア様が少々元気がないご様子。

先程の炎耐性の件で、御自分が弱いことを気にされているようです。。

確かにレベル1であればHPや耐久値が低く命を落としやすいですし、レベル100であれば大抵の事は対応出来るようになるものです。

ですが、シエリア様は今日ご誕生したばかり。

シエリア様には現在を卑下するよりも、未来に希望を持っていただきたい。

 

「・・・シエリア様、私少々用事がありますので、失礼させていただきます。デミウルゴス様、どうか上の6階層をシエリア様にご案内していただけないでしょうか?」

「え、まあ構いませんが、シエリア様よろしいでしょうか?」

「うん。」

「では、失礼いたいます。デミウルゴス様、くれぐれも、くれぐれも、シエリア様に手出しなさいませんようお願いいたします。」

 

デミウルゴス様でしたら、シエリア様に危害は加えないとは思いますが、たっちみー様よりシエリア様を任されているので、念のため釘だけ指しておきましょう。

 

 

第9階層

 

さて、『アレ』でシエリア様は喜んで下さるでしょうか?

私の大切なものですし、無下にさせてしまうと悲しいですが・・・。

 

「セバス様、シエリア様はどちらに??」

 

そんなことを考えているとユリ・アルファが私のすぐ側にたっておりました。

彼女に気づかないほど考え事に夢中だったようです。

 

「シエリア様はデミウルゴス様と6階層に向かって所でしょう。『アレ』をシエリア様にお見せしようと思いまして。喜んで頂けると良いのですが。」

「『アレ』ですか?シエリア様はお優しい方ですから、心配は無用かと。」

「そうですね。ありがとうございます。」

 

彼女の言葉で、少なからず安心しました。

 

「いえ、ところで今日中にナザリック内を全てご案内するのでしょうか?」

「えぇ、可能であればそうするつもりですが。」

「でしたら『これ』もお持ちください。」

 

そう言ってユリはあるものを差し出してきました。

確かに、『これ』があった方が安心ですね。

ですが・・・

 

「ありがとうございます。ユリ・アルファ。しかし、このデザインの他にもあったのでは?」

「しかし、『これ』が一番性能が高かったもので。」

「そうですか。まあ、シエリア様が使うのであれば、問題ないでしょう。ありがとうございます。では、行ってきます。」

「いってらっしゃいませ。シエリア様によろしくお伝えください。」

「えぇ。」

 

 

 

さて、何故か胸騒ぎがするので6階層に急ぎましょうか。

 

 

第6階層

 

さて、シエリア様達はどちらにいらっしゃるでしょうか?

 

「あーもう!マーレ!手を貸しなさい!デミウルゴスを何処かに連れてって!」

 

今の声はアウラ様!

シエリア様にいったい何が!

私は急いで声の聞こえた方向に向かいました。

「じいじ!」

 

私の姿が見えたとたんに、シエリア様が泣きながら、私に飛び付いていらっしゃいました。

デミウルゴス様は絶望の表情を浮かべ、アウラ様は頭を抱えていらっしゃる。

 

「いったい、私がいない間になにがあったのでしょう?」

 

たっちみー様、私はどうすればいいのでしょうか?

 

 




今回の話はオリ主視点だと終始怖がって終わってしまうので、アウラとセバス視点にしました。
デミウルゴス視点は次の話で出したいと思っています。
実行出来るかはわからないですが・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話(マーレに出会ったり、状況確認したりする話)

出来心はまだまだ続きます。


第6階層

 

マーレ視点

 

 

えっと、僕はお姉ちゃんに呼ばれて来たんだけど、どうしよう。

僕を呼んだお姉ちゃんは頭を抱えて、うーうー言ってるし、デミウルゴスは地面に四つん這いで打ちひしがれてる。(_| ̄|○こんな感じ)

セバスは、泣いている女の人(確かシエリア様だったと思う)を頑張ってあやしてるみたい。

 

と、とりあえず、お姉ちゃんに聞いてみよう。

 

「お、お姉ちゃん。何があったの?僕出来ることなら、力になるよ。」

「マーレ!あんた遅いのよ!」

「え、えぇ、ごめん。これでも一生懸命走ったんだよ。」

「まったく!あんたはホントにトロいんだから、とりあえず、私も良くわからないの。散歩してたらシエリア様が前から走ってきて、転んでしまわれて。デミウルゴス、シエリア様に何かしたの?」

「私ですか?私は只シエリア様と追いかけっこをして遊んでいただけですよ。」

「追いかけっこ、ですか?」

「追いかけっこであんなに泣くわけないでしょ?」

 

 

んー、何だか状況が良くわからないな?

とりあえず、シエリア様達からも聞かないとだけど、お姉ちゃんはデミウルゴスさんが何かしたんじゃないかと思ってるみたいだし・・・

 

 

「お姉ちゃん、とりあえず、シエリア様にもお話を聞かないと分からないだろうから、僕聞いてこようか?」

「そうね、じゃあ私はデミウルゴスから事情を聞くわ。ほら、デミウルゴス行くわよ!」

 

そう言ってお姉ちゃんはデミウルゴスと一緒に少し離れた場所に行った。

僕もシエリア様からお話を聞かないと!

 

 

 

オリ主視点

 

 

ずっと怖かったから、じいじが来てくれて大人げなく泣いてしまった。

まだ震えは治まらないけど、泣き止んでじいじを見る。

じいじが心配そうな顔をしてるが、少しだけ表情が緩んだようだ。

 

「シエリア様。落ち着きましたか?」

「うん、ごめんなさい」

「いえいえ、このハンカチをお使いください。そのままでは目が腫れてしまいます。」

「ありがとう。」

 

じいじにハンカチを借りて涙を拭う。

すると、金髪の女の子?が声をかけてきた。

 

「あの、僕はここでお姉ちゃんと階層守護者をしているマーレといいます。シエリア様は、どうして泣いていたんですか?」

「そうですね。もし差し支えなければ、教えていただけますか?」

 

じいじとマーレちゃんの疑問はもっともだ。

上手く説明できるか分からないけど、きちんと説明しないと。

 

 

「じいじ、いない、デミウルゴス、先生、言う、言った、デミウルゴス、尻尾、ぐるんぐるん、変、怖い、私、逃げる、じいじ、いく、デミウルゴス、追いかける、ここ、来る、転ぶ、捕まる、怖かった。」

 

何とか説明しようとしても、全然文章にならない。

 

「えっと、どういうことでしょう?」

 

やっぱり、上手く伝わらないか・・・

でも、冷静になって思い返すと、私が悪い。

デミウルゴスさんに勝手に怖がって逃げるって酷いことしてしまった。

 

「シエリア様、つまりこういうことでしょうか?私がいなくなった後、デミウルゴス様に先生と呼んでほしいと言われた。そして、先生と呼んだらデミウルゴス様の様子がおかしく、身の危険を感じ、私のいるところに向かおうとした。しかし、デミウルゴス様が追って来て、誤って6階層に来てしまい、転んでしまったところ、デミウルゴス様に追い付かれ、恐怖のあまり泣いてしまわれた。と」

 

「なんで、今のでそこまでわかるんですか?」

「これでもナザリックの執事長を勤めておりますので、仕えるべき方の意思を汲み取ることには長けていなければなりません。」

「わぁー、すごいです。セバスさん!」

「ありがとうございます。」

 

 

やっぱり、人の心を読むスキルとかあるのかな?

 

「しかし、どうしたものでしょうか・・・」

 

じいじが難しい表情をしている。

やっぱり、私はデミウルゴスさんに謝らないといけない。

まだ怖くて、体が震えているけど・・・

 

「・・・私、謝る」

「・・・ふむ。」

 

1人で謝るのは怖い。でも、悪いことをしたのだから、謝らなくてはいけない。私はとと様の娘なんだから!

 

私がじいじを見上げて言うと、じいじが跪いて、頭を下げた。

 

「・・・シエリア様。私も軽率な判断でシエリア様から離れ、辛い思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」

「じいじ、悪くない。」

 

悪いのは勝手に怖がって逃げて泣き出した私だ。

じいじは何も悪くない。

 

「いえ、私の責任でございます。ですので、私も一緒にデミウルゴス様に謝らせていただきます。よろしいでしょうか?」

 

じいじは、とても優しい顔で私の手を取った。

そして、私の震えは止まっていた。

ずるい、やっぱりじいじは私が何を考えているか分かるんだ。

 

 

 

 




セバス自身は、オリ主をデミウルゴスには会わせたくないし、関わらせたくない。
でも、悪いことをしたから謝りたいと言う意見を無下には出来ない。
デミウルゴスが不憫と思わなくもない。

と言う感じだといいなーと思っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話(デミウルゴスが反省する話)

とても長い上にデミウルゴス(キャラ崩壊)がずっと1人でうだうだして開き直っています。
どうかとても広いお心でご覧下さい。


デミウルゴス視点

 

 

シエリア様と追いかけっこをしていたら、シエリア様が転んで泣いてしまわれた。

早くお怪我を手当てしなくてはならないのに、シエリア様は泣き止まず、何処を痛めたかわからずじまい。

それに加えてアウラが私の邪魔をするではありませんか。

そうこうしている内にセバスがやって来て、シエリア様はセバスの元へと駆け寄ってしまわれた。

 

 

「シエリア様は私ではなく、セバスを選ぶのですね・・・」

 

私はこんなにもシエリア様を思っているのに・・・

 

 

それから状況確認の為、シエリア様をマーレが、アウラが私に内容を聞くことになりました。

 

 

「デミウルゴス。そもそも、なんで追いかけっこをしてたわけ?」

「何故って、シエリア様が急に私から逃げ始めましたので追いかけたまでですが?」

「はあ!?・・・じゃあ、シエリア様が逃げる直前は何してたの?」

「シエリア様に、先生と呼んでいただくようにお願いしました。」

「そう・・・呼んでもらえたの?」

「えぇ!それはもう!それはそれは可憐な声と愛らしい表情で呼んでいただきましたとも!その時の私の中でなんとも言い難い素晴らしい感情で溢れだしましたとも!それはウルベルト様にお言葉を頂いた時のように私の体を駆け巡りまして!」

 

あぁ!今思い出してもあの感動が蘇る!

 

「あーあーもういいわ。シエリア様が怯えていた理由がよくわかったわ!」

「怯えていた?何にですか?」

 

シエリア様を怯えてさせるものなど、あの時なかったと思いますが・・・もしあったのなら私が対応しているはずです。

 

「呆れた!あんた自覚無いわけ?」

「自覚?アウラ、まるでシエリア様が私に恐怖を抱いていたような言い方ですが?」

「そう言ってるのよ。あんた先生って呼ばれた話の時すごく不気味だったわよ。それに、シエリア様が転んだ時も。まるで獲物を追い詰めた獣みたいだったわ。」

「そんな・・・」

 

まさか、いくら何でも相手が自分に恐怖を抱いているか否かは分かるはずだ。

だが、言われてみればいつもの自分らしからぬ行動をとっていたのではないか?

あまりの興奮に正常な判断が下せなかったのではないか?

普段の私ならば、シエリア様が距離を取った時点でその意図を理解出来たのではないだろうか?

 

 

 

「あぁ、私はどうすればいいのでしょうか?」

 

まさか、私がシエリア様に恐怖を与えていたとは、シエリア様にとって私が害悪だとは・・・私はとんだ愚か者です。

こんな愚か者をシエリア様が好いてくださる筈もないでしょう。

 

目の前が真っ暗になる。

絶望とは、このような感情を言うのですね。

 

 

「・・・馬鹿ね。あんたがすべき事は分かりきってるじゃない。」

「私が、やるべき事、ですか?」

 

今さら私がやるべき事など・・・

 

「えぇ、シエリア様に謝罪をして許してもらうのよ。当たり前でしょ?」

「謝罪・・・今さら御許しを頂けるでしょうか?」

「さあ?いつものデミウルゴスだったら大丈夫じゃない?」

「普段の、私ですか?」

「原因をはっきりさせて、対策をして改善するの、得意でしょ?」

「・・・今回の件の原因、改善策・・・。」

 

 

私が異常な行動をとった原因は、シエリア様への愛情と興奮を抑えることが出来なかったことだ。

その為に正常な判断が出来なかった。

シエリア様の恐怖を察する事ができなかった。

いや、そもそも、私は本当にシエリア様の恐怖に気づかなかったのだろうか?

 

アウラの言った獲物を追い詰めた獣、と言う表現から、私が怯えているシエリア様を獲物と判断していたのでは?

シエリア様が怯え、逃げる姿を楽しんでいたのでは?

 

確かに、悪魔である私にとって恐怖を向けられることは歓びの1つだ。

しかし、守護者として創られた私が、守るべきお方の怯える姿を良しとするだろうか?

もしも、シエリア様でなくウルベルト様だったら、私は追いかけるとしても、決して遊ぼうと等思わないはずだ。

 

ならば、何故・・・

そういえば、以前ウルベルト様とぶくぶく茶釜様がストーカーなるものについて話していた事がある。

相手に好意を向けられることを諦め、相手が自分に対して抱く感情ならば、負の感情でも構わないと考える異常な人間。恐怖だろうと相手の思考の中を自分で満たせれば構わないという危険思考の持ち主。

 

確かに私は一生懸命に私から逃げるシエリア様を愛らしいと思った。

しかし、それはシエリア様と初めての戯れを楽しんでいた感情ではないのか?

 

 

「アウラ、考えれば考える程自分の感情が理解できないのですが・・・。」

「えー、私に言われても困るんだけど・・・。」

 

アウラが心底困った顔をしている。

こういう時、ウルベルト様なら簡単に答えを出せるのだろう。

もしくは、コキュートスなら。

あぁ、彼なら「行き詰まったら、自分がどうしたいかを考えろ。」なんて言いそうだ。

 

 

・・・どうしたいかなんて決まっている。

シエリア様に、私の事を、思いを伝えて、理解していただいた上で、許して頂きたい。

もしも叶うのであれば、教育係りも続けたいが・・・

 

「アウラ、私はシエリア様に謝罪をするよ。改善策なんて思い付きませんが。それでも謝罪したい。」

「そう。なら、これだけは覚えておいて。次にシエリア様を泣かせたら、私とマーレがあんたをギッタンギッタンにしてやるんだから!」

「そうですか、では出来れば泣かれる前に頼むよ。」

 

 

あぁ、シエリア様。

どうかこの愚か者をお側においてください。

 

 




キャラクターの心情ばかりで中々話が進まず申し訳ありません。

とりあえず、次回は次の階層に向かってくれるはずです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話(デミウルゴスと仲直りする話)

昨日設定ミスで2話投稿してしまい、今日の投稿が遅れてしまいすみません。
何とか書き上げたのですが、見辛かったり、誤字等ありましたら報告やご連絡頂けると嬉しいです。



デミウルゴスさんに謝らないと、と意気込んだはいいけど、いざ本人を目の前にすると中々言葉がでない・・・

 

デミウルゴスさんずっと下向いてるけど、ちゃんと謝らないと!

 

 

「「あの、」」

「「・・・」」

 

どうしよう。声が被った。気まずい。

 

するとデミウルゴスさんがさっきじいじがしたみたいに跪いて頭を下げた。

 

「シエリア様!この度は私の愚かさのせいで大変不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした!

己の感情や悪魔としての性質を抑えることが出来ず、仕えるべきお方を脅かすなど、階層守護者・教育係りにあるまじき行いだと理解しております!このデミウルゴス、どの様な罰でも喜んで受けさせて頂きます!」

 

「・・・。」

 

よく分からないけど、すごく気にしてくれてた事は理解した。

私もちゃんと謝らないと!

 

「あの、謝る、私、ごめんなさい。」

「デミウルゴス様、私も軽率な、」

「いえ!この原因はこのデミウルゴスでございます!このような失態、我が創造主であるウルベルト様に顔向けできません!」

 

デミウルゴスさんが、じいじの言葉を遮った。

私はびっくりしてじいじの服を掴んだ。

 

「シエリア様が目を抉れと仰るのであれば、直ちにこの爪で抉り取ります!耳を削ぎ落とせと言うのであれば、お望み通り削ぎ落とします!首を落とせと言うのであれば、お望み通り直ちに切り落とします!心臓を差しだせと言うのであれば直ちに、」

 

「デミウルゴス様!落ち着いてくださいませ。同じ過ちを繰り返すおつもりですか?」

「は!・・・申し訳ありません。」

 

じいじがデミウルゴスさんを諌めた。

デミウルゴスさんが更に頭を下げる。

尻尾もしゅんと下がっている。

 

 

「・・・捨てられた犬みたい。」

「だ、駄目だよ、お姉ちゃん。今そんなこと言っちゃ。」

 

ぼそりとマーレちゃん達が話してる。

私も同意見だ。

さっき私は何故怯えていたのか、分からなくなるくらいかわいいかも?

 

しばらく沈黙が続いて、じいじがため息をついた。

 

 

「シエリア様、デミウルゴス様はとても真面目なお方で、シエリア様から何か罰を与えた方が、本人の気もすむかと。」

「罰?」

 

罰って言われても、私だって悪いんだし思い付かない・・・

 

 

「シエリア様、目を抉られようとも、耳を削がれようとも、心臓を抉り出され用途も構いません。どうかこの愚か者に罰をお与えください。」

 

この人は、どうしてこうもバイオレンスなんだろう?

種族とかで感覚が違うのかな?

エントマやソリュシャンだって人を食べたりするんだし、悪魔はこれが普通とか?

 

そうなると、種族の違いとか知らないと・・・なら、デミウルゴスさんが教えてくれればいいのか!

 

「勉強、教える?」

「シエリア様、それはすでにデミウルゴスの役割ですので、罰にはならないかと。」

 

「シエリア様、やはり痛みが一番効果のある罰になると思います!私も配下の子達へのお仕置きはそうしてます!」

 

マーレちゃんのお姉ちゃんが提案した。

 

「痛み?」

「はい!ただのチョップとかでも効果覿面でした!」

「チョップ?」

「シエリア様、アウラ様の言うとおりです。チョップであれば、そう時間もかかりませんし良いのではありませんか?」

「・・・デミウルゴスさん、チョップ、良い?」

「・・・さん?あ、失礼してしまいました。是非チョップを全力でお願いいたします。」

 

 

デミウルゴスさんの前に立ち、片手を大きく上げ、デミウルゴスさんの脳天めがけて力一杯振り下ろす。

 

「えい。」

 

コツンといい音がした。

私の手も痛いが、デミウルゴスさんも痛かったはず!

 

「・・・申し訳ありません。シエリア様。」

 

デミウルゴスさんが本当に申し訳なさそうに口を開いた。

痛すぎたのかな?

 

「どうしたのですか?デミウルゴス様。」

「誠に申し上げにくいのですが、私とシエリア様のレベル差のせいか、私にダメージが入っておりません。」

「・・・?」

 

ダメージが入らない?

じいじやマーレちゃん達を見ると皆が頭を抱えつつ、上を見上げている。

 

「えっと、じいじ?」

「申し訳ありません。私の口からはとても・・・。」

 

じいじに目を逸らされた。

 

「・・・」

「・・・」

 

マーレちゃん達も私から目を逸らす。

段々察してきた。

つまり・・・

 

「私、すごく、弱い。」

 

その場の空気がなんとも言えないものに変わる。

 

 

「し、シエリア様!あの、罰って別にダメージを与えなくてもいいのかもしれないです。」

「何言ってるの!ダメージが入らないと意味ないじゃない。」

「マーレ様、何か名案があるのであれば、お聞かせいただけないでしょうか?」

「はい。あ、あの例えば、罰ゲームとかである、一発芸とかどうですか?」

「成る程、肉体的なダメージではなく、精神的なダメージを与えると。」

 

一発芸?

確かに、ものによってはいい罰になるかもしれない。

 

「一発芸ってなにするのよ?」

「えっと、例えば、ぱ、パンドラズアクターさんの物真似とか・・・」

「「くっ・・・」」

 

マーレちゃんの意見を聞いて、じいじとデミウルゴスさんが吹いた。

 

「パンドラズアクター?誰?」

「モモンガ様がお作りになられた守護者でございます。シエリア様の兄、になるのでしょうか?」

「お兄ちゃん!」

 

私にお兄ちゃんがいるとは思わなかった!

どんなお兄ちゃんかもっと知りたい。

 

「お兄ちゃん、どんな?」

「そうですね。武器やアイテムにとても詳しいお方です。」

「セバス、間違ってはいないが、いや、シエリア様の為か?」

 

じいじのざっくりした説明だったけど、格好いい人みたい。

 

「会いたい。」

「し、シエリア様、宝物殿には行けませんけど、きっとデミウルゴスさんが物真似をしてくれます。」

「え、マーレ?何を言っているんだい?」

「マーレ!あなたいつからそんなこと言うようになったの?」

 

私がぽつりと呟くと、マーレちゃんが提案してくれた。

デミウルゴスさんが慌てて、マーレちゃんのお姉ちゃん、アウラちゃん?は大爆笑している。

、アウラちゃん?は大爆笑している。

物真似でも、お兄ちゃんがどんな人かしりたい・・・

 

「デミウルゴス、ダメ?」

「う、ですが。」

「これも罰です。デミウルゴス様。」

「お願い。」

「・・・かしこまりました。これが罰なのでしたら、甘んじて受け入れましょう。」

「ほ、本当にやるの?デミウルゴス?」

「はい、シエリア様のお望みとあらば。」

「デミウルゴスさん!が、頑張ってください。」

「マーレ、後で覚えておいてくださいね。」

 

 

デミウルゴスさんがにこりと笑って立ち上がった。

そして、深呼吸をした。

そして、片手を胸にあて、高らかに叫んだ。

 

「Wenn es meines Gottes Wille!」

 

周りはシーンとして、私の拍手の音だけが響いた。

 

「デミウルゴス!格好いい!」

 

言葉の意味はよく分からないけど、お兄ちゃんに会ってみたくなった。

 

「どうか、いっそ私を殺してください。」

 

デミウルゴスが顔を手で隠してしゃがみこんでしまったので、お疲れ様の意味を込めて頭を撫でてみた。

 

ゆったりと尻尾がゆれているので、不快ではないとおもう。

 

 

それから、デミウルゴスさんが立ち直るまで、アウラちゃん達とも世間話をした。

じいじが「そろそろ次の階層に行きましょう。」と言うので、私とじいじとデミウルゴスさんで次の階層へ向かうことにした。

 

「また、遊び、来る。」

「はい!是非いらしてください!」

「お、お待ちしております。」

「アウラちゃん、マーレちゃん。またね。」

「はい!また今度ゆっくりお話ししましょうね!」

「えっと・・・はい。また会うのを楽しみにしています。」

 

 

二人と別れた後に、デミウルゴスさんが、「そういえば、マーレは男の子ですよ。」と言った。

その言葉に今日一番の衝撃を覚え、急いで二人の所に戻り、マーレ君に謝ったのだった。

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます!
自分でも6階層がこんなに長くなるとは思わなかったです。

デミウルゴスがパンドラの物真似にドイツ語を選んだのは、オリ主の兄パンドラへの格好いい兄のイメージを崩したくなかった為、もしくは、オリ主の前で恥ずかしい姿を見せたくないからだと思います。


5階層からはセバスとデミウルゴスでオリ主を案内する事になります。
今後とも宜しくお願いいたします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話(コキュートスと会う話)

「シエリア様、こちらをお召しになって下さい。」

 

第6階層から第5階層に向かう途中で、じいじがポンチョやブーツを出してくれた。

 

「これ?」

「はい。」

「それは確か、モコモコにゃんこポンチョ、でしたか?」

「はい。モコモコにゃんこポンチョ〜コーディネートセット〜でございます。ユリ・アルファが用意を致しました。現在私共が管理している装備の中では、これが一番性能の高いものになります。」

「ユリ・アルファが・・・。」

 

デミウルゴスさんが何か考えているみたい。

因みに、コーディネートと言われている内容は猫耳のフードが付いた赤いポンチョに茶色のショートパンツ、茶色の肉球つきの手袋と茶色の猫の足を模したロングブーツだった。

 

「そこの壁に隠し部屋がありますので、そちらでお着替えをお願いいたします。」

「わかった。」

 

着替えてみると、もこもこの割には軽くて動きやすい。

こんな格好をしないといけないほど、次の階層は寒いのか・・・。

着替えを終えて2人の所に戻る。

 

「流石シエリア様。よくお似合いです。」

「ありがとう。」

「シエリア様、念の為、こちらの耐性強化の指輪も着用ください。私が着けさせていただきます。さ、左手をお出しください。」

 

デミウルゴスさんが第7階層の時の指輪をだした。

言われたとおりに左手の手袋を外した。

そこであることを思い出した。

 

「じいじ、指輪、返す。ありがとう。」

「いえいえ、お役に立てて光栄です。」

「では、シエリア様。改めてお手を失礼致します。」

 

じいじに指輪を返すと、デミウルゴスさんが私とじいじの間に入った。

そしてにっこりと笑い、私の手をとった。

何だかデミウルゴスさんはわざとじいじから私が見えないように立ってないかな?

 

それから、薬指に指輪をはめて、手袋もはめてくれた。

あれ?左手の、薬指?

 

「デミウルゴスさん?指輪。」

 

 

私が指輪の位置について聞こうとすると、デミウルゴスさんが困ったような、寂しそうな顔で小さく言った。

 

「お気に召さなければ、他の指に付け替えてください。」

「・・・シエリア様、指輪がどうかされましたか?」

「大丈夫。」

 

私の様子がおかしいと思ったじいじが声をかけてくれたけど、何だか付け替えちゃいけない気がして、そのままにしてしまった。

 

チラッとデミウルゴスさんを見ると、嬉しそうに耳まで赤くしていた。

この指輪は、やっぱりそういう意味なんだろうか?

そう思いながら、ゲートをくぐった。

 

 

第5階層

 

 

ゲートの先は真っ白な雪で覆われた世界だった。

初めて?の雪でわくわくしてしまう!

 

「雪!」

「はい。雪でございます。」

「シエリア様。雪が深いところもありますので、どうかお気をつけください。また、私かセバス、もしくは、ここの階層守護者であるコキュートスの側から離れないようにお願いいたします。」

「うん!」

 

歩く度にぎゅっぎゅっと音がする。

それが楽しくてさっきよりも歩くスピードが早くなる。

そして、言われた側からズボっと音がして、胸辺りまで埋まった。

 

「「シエリア様!」」

 

じいじ達が慌てて近寄ってくるが、それより先に淡い青色の甲虫のような鎧を来た人?が助けてくれた。

 

「コンナトコロニ、ナゼジュウジンガイル?」

「コキュートス。お邪魔しているよ。この方はシエリア様。今ナザリック内をご案内しているんだ。」

声のした方を見ると、青い綺麗な鎧を来た人がいた。

デミウルゴスさんが、コキュートスさん?と私の間に入って説明してくれた。

 

「コノオカタガ、ワタクシハココノカイソウシュゴシャノ、コキュートストモウシマス。」

「・・・ありがとう、ございます。」

「イエイエ、トウゼンノコトヲシタマデデス。」

「し、シエリア様、コキュートスは私の友人なのです。」

「・・・。」

 

デミウルゴスさんが説明してくれたが、私はじっとコキュートスさんを見つめた。

 

「デミウルゴス、ヤハリワタシハコワガラレテシマッタノダロウカ?」

「いや、どうなんだろう?」

「コキュートス様、心配ご無用でございます。」

 

何だろう、コキュートスさんは、なんというか・・・

 

「・・・カッコいい!」

「ハイ?」

「シエリア様?」

「シエリア様はコキュートス様を大変気に入られたようですね。」

「ソレハヨ、カッタデス。」

 

きっと私の目はとてもキラキラしていることだろう。

 

「コキュートス、ピカピカ、カッコいい!強そう!」

「ははは。そうですね。コキュートスは戦闘に特化しておりますので。コキュートス、ちょっと向こうで話さないかい?」

「ドウシタ?デミウルゴス、ナニカヨクナイケハイガスルゾ。」

「そんなことはないよ。」

「シエリア様、コキュートス様とデミウルゴス様はお話しがあるようなので、こちらで雪だるま制作などいかがですか?」

「雪だるま!作る!」

「セバスマデ・・・。」

「ではシエリア様、暫し失礼致します。」

「行ってらっしゃい。」

「行ってらっしゃいませ。」

 

 

それからデミウルゴスさん達は少し離れたところで話している。

何だかコキュートスさんが焦っているように見えなくもないけど、どうしたんだろう?

 

「じいじ、コキュートスさん達、話、何?」

「さて、なんの話でしょうか?私には分かりかねます。それよりシエリア様。どれくらいの大きさの雪だるまにしますか?」

「えっと、3つ、おっきいの!」

「3頭身の雪だるまですね。では、まずは下の方から作りましょう。こうして丸めた雪をコロコロと転がして、大きくしていくのです。」

「おー!」

 

じいじが肉球手袋の私でも作れるように、先に雪玉を作ってくれた。

よし!おっきくるすぞ!

 

私はこの時じいじやデミウルゴスさん、コキュートスさんが「子猫が毛糸玉で遊んでいるようだ。」なんて思ってほっこりしていたことを知らなかった。

 

 

 




楽しみにしている方には申し訳ないのですが、
明日から3日間は私用があり更新できません。

空き時間にちまちまとは書きたいと思っているですが、
拘束時間が長いので、中々執筆が進みそうにないので、お休みさせて頂きます。

申し訳ありませんが、ご了承下さい。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話(雪遊びをしてニューロニストに会う話)

更新できなくてすみませんでした!
やっと研修が終わりました。
また、今日から毎日投稿できるように頑張りますので、是非暇潰しにでもご覧下さい。
おかしな点があるかもしれませんが、ご容赦ください。


私とじいじが雪だるまを完成させる頃に、コキュートスさんとデミウルゴスさんが戻ってきた。

 

 

「おぉ!これはこれは立派な雪だるまですね!」

「タイヘンスバラシイユキダルマデス。」

「ありがとう!」

「ありがとうございます。」

「シエリアサマ、ヨロシケレバツギハユキガッセンナドイカガデショウ?」

「雪合戦!」

「コキュートス!君は私が先程伝えたことを理解していないようだね。」

「デミウルゴス、ドウイウコトダ?」

「雪合戦、する!」

「シエリア様。いけません。」

「セバスマデ、ナゼダ、シエリアサマハオヨロコビダ。」

 

私も何で二人が止めるのかよく分からない。

不満げにじいじを見つめると、ため息をついてコキュートスさんに提案した。

 

「コキュートス様、私が作りましたこの雪だるまに、雪玉を当ててみてください。」

「ム、リョウカイシタ。」

 

コキュートスさんは雪玉を作り、デミウルゴスさんとじいじは私をつれて、雪だるまから割りと遠く離れた。

そして私は二人の反応にまたレベル差問題か・・・と、遠い目をするのだ。きっと雪玉の衝撃で頭が吹っ飛ぶのだろう。

 

コキュートスさんは雪玉を振りかぶって、投げる。

雪玉は凄まじい速さで雪だるまに衝突し、速度を変えずに貫通していった。

 

「・・・。」

「シエリア様。このようにコキュートス様のお力では、シエリア様がお怪我をしてしまわれます。」

「例え弱い力加減で投げようとも、コキュートスの作る雪玉は、ウルツァイト窒化ホウ素と同じ強度を誇りますので、シエリア様には凶器でしかありません。」

「ウルツァ?」

「ウルツァイト窒化ホウ素です。ウルベルト様よると地球上で最も硬い鉱石だそうです。」

「・・・。」

「ソウカ、ワタシトノユキガッセンハキケンスギルノカ。モウシワケアリマセン。シエリアサマ。」

「・・・大丈夫。」

 

でも、折角だし少しだけ雪合戦をしてみたい。

じいじなら大丈夫かな?

 

「じいじ、雪、投げる、強い?」

「私は力加減さえすればお怪我はされないかと存じます。しかし、フレンドリーファイヤーが無効であろうとも、シエリア様に雪玉を投げる事は執事として御遠慮させていただきたく存じます。」

「・・・デミウルゴス、ダメ?」

「うっ・・・このデミウルゴス、シエリア様のお望みを叶えたいとは思っております。しかし、私も愛するお方に雪を投げるのは・・・。」

「デミウルゴス、どうしても、ダメ?」

「・・・くっ・・・。」

「シエリアサマ、オケガヲスルトモモンガサマモカナシマレマス。カワリニカマクラヅクリハイカガデスカ?」

「・・・わかった。」

 

雪合戦をしたかったけれど、仕方ない。

かまくらだって面白いかも。

 

・・・そう思っていた自分を叩きたい。

今目の前にあるのはかまくらではなく、雪でできた家だ。

途中からじいじやデミウルゴスさんがこだわりだした。

コキュートスさんが雪を集めて、デミウルゴスさんは家具とか作ってるし、じいじは家の装飾をしている。

いや、すごいんだけど、見事なんだけど、これは絶対にかまくらとは言わないし、私はやることがない。

 

「暇。」

 

回りを見渡すと白い雪ウサギみたいな生き物の群れがいた。

皆かまくら(家)作りに夢中だし、ちょっとだけあのこ達を見に行こう。

 

 

 

 

デミウルゴス視点

 

ふう。雪を素材にして中々いい家具が出来ました。

是非シエリア様に見ていただきたい。

 

しかし、回りを見渡してもシエリア様らしき影はない。

おや?

あそこに雪ウサギモドキが不自然な円の形に群がっていますね。

あそこは確か真実の部屋への転移トラップだったはず・・・まさか!

 

「コキュートス!セバス!シエリア様がいません!」

「なんですと!」

「ナンダト!」

「転移トラップにかかった可能性があります!私は真実の部屋へ向かいますので、二人はこの付近の捜索をお願いいたします!」

「畏まりました。」

「リョウカイシタ。」

 

 

シエリア様が侵入者と間違えられるとこはないと思いますが・・・あぁ、あのオカマに怯えて泣いてしまわれているかもしれない。

 

 

オリ主視点

 

 

 

真実の部屋

 

「あら〜。トラップで飛ばされてきたのは誰かしら?」

 

 

何だか、雪ウサギ達と遊んでいたら、変なところに来てしまった。

目の前には半魚人?みたいな人がいる。

口調からして女の人・・・マーレ君みたいなタイプじゃなければ。

とりあえず、挨拶をしよう。

 

「こんにちは、」

「こんにちは〜。偉いわね〜。ここできちんと挨拶できるコ少ないのよ〜。」

「そう、なの?」

「えぇ〜。お名前も言えるかしら〜?」

「シエリア・ローレライ。」

「あら。噂のシエリア様じゃな〜い。お会いできて光栄です〜。」

 

噂って何だろう?でも、この人も私の事を知っているらしい。

 

 

 

「貴女、名前?」

「私はニューロニストよ〜。ニューロニストちゃんって呼んでくださいね〜。」

「うん、ニューロニストちゃん。」

「あら、シエリア様とても素直でいいコね〜。お友達になりたいくらい。」

 

友達!初めて言われた!

私、友達になってもいいのかな?

 

「友達!なる!」

「え、私なんかで良いのかしら?」

「うん、ニューロニストちゃん、初めて、友達!」

「あら、ありがとうございます〜!」

 

それから何故ここに来たのかを話して、ニューロニストちゃんがコキュートスさんに連絡をとってくれた。

今デミウルゴスさんが向かっているらしい。

それまでニューロニストちゃんとお話ししてようかな?

 

 

「退屈でしょうし、デミウルゴス様がここに到着するまで、いろんな拷問器具見てみる〜?」

 

拷問器具・・・何かすごい怖そうだけど、ちょっとだけ気になるな・・・これが怖いもの見たさってやつかな?

でも、ニューロニストちゃんの事をもう少し知りたいし。

 

「危ない?」

「そんなことないわよ〜。安全!」

 

安全な拷問器具って何だろう?

そうして、デミウルゴスさんが来るまで、拷問器具の説明会だった。

拘束器具が種族別であったり、爪を剥がしたりする道具だとか、何だか血が付いたものが色々あって、嬉々として説明しているニューロニストちゃんにストップをかけた。

ニューロニストちゃんは「あらあら、ハードすぎた?」と言ってお茶を淹れてくれた。

 

ナザリックって私が知らないだけで、怖いところなのかな?

ニューロニストちゃんが淹れてくれたお茶を飲んだ。

そこからは、ヒレの手入れとか髪の手入れとか、爪のお手入れとか、ニューロニストちゃんの女子力の高さに驚いた。

 

 

デミウルゴスさん、もう少しニューロニストちゃんの話聞きたいから、ゆっくりでもいいよーなんて思ってしまった。




今回も読んでいただきありがとうございました!
こんな駄作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話(デミウルゴスが迎えに来る話)

何だかデミウルゴス視点を書くと偽物になってしまいます。
それでもお許しいただける方はご覧下さい。


真実の部屋

デミウルゴス視点

 

私は今、真実の部屋の前におります。

 

「デミウルゴス様、きっと真っ青な表情で来るわよ。」

「何で?」

「だってそんなに大切にしている人が拷問官の所にいるなんて、気が気じゃないわよ〜。私、怒られちゃうかも〜。」

「大丈夫!ニューロニストちゃん、いい人。」

「も〜!シエリア様大好き〜!」

「私も、ニューロニストちゃん、大好き!」

 

この扉の向こうの会話が信じられない。

何故シエリア様とニューロニストが仲良くしているのか。

いや、仲が良いのは構わない。寧ろ望ましい事だ。

しかしこれは仲が良過ぎではないか?

自分ですら大好きと言ってもらえていないのに、何故こんな短時間でこんなにも打ち解けているのか。

羨まし、いや、是非とも理由を知りたい。

意を決して、ノックをして室内に入る。

するとそこには、ニューロニストと抱き合うシエリア様が。 

おのれ魚類の分際で・・・。

 

「・・・失礼しますよ。シエリア様をお迎えに上がりました。」

「デミウルゴス様〜!今日も凛々しいお姿で!」

「ありがとう。ニューロニスト 君は相変わらず素敵だね。シエリア様、私の不注意で申し訳ありませんでした。」

 

私はニューロニストへの挨拶をそこそこに、シエリア様の前に膝をつき、頭を下げる。

シエリア様の表情は何処か不満気で、やはり怒っていらっしゃるのか。

あぁ、ウルベルト様、この失態を取り戻すにはどうすれば・・・。

 

「デミウルゴスさん、ニューロニストちゃん、怒る?」

「・・・ニューロニストですか?特に私が怒ることはありませんが・・・。」

 

貴方様に気安く触れたことを怒りたい気持ちはありますが。

 

「そっか!」

 

一瞬で満開に花が咲いたような笑顔になるシエリア様。

あぁ、私の失態ではなく、私がニューロニストに怒ると思って機嫌を損ねていたのですね。

なんでしょうか、この胸の敗北感。

 

「あら〜、シエリア様〜。」

「ニューロニストちゃん、お友達!」

「お友達、ですか?」

 

そこまで親交を深めているとは、恐るべしニューロニスト。

あまり変な交遊関係は結んでほしくないのですが。

寧ろ是非私とも親交を深めていただきたいのですが・・・シエリア様が嬉しそうなので、今回は多目にみましょう。

 

 

「じゃあシエリア様、お迎えも来たことですし、そろそろ帰りましょうね〜。いつ敵がここに来るかもわからないし。」

「わかった、ありがとう、ニューロニストちゃん」

「こちらこそ、またお茶しましょうね〜。」

「では、行きましょうか。」

「うん!バイバイ!」

 

こうしてシエリア様と共に、私は真実の部屋を後にした。

それにしても、何故あんなにニューロニストと仲が良くなったのでしょうか?

 

 

「シエリア様、ニューロニストとはどういったお話をされたのですか?」

「拷問、美容!」

「拷問と、美容ですか。」

 

ふむ、その2つの話題だけでここまでシエリア様がニューロニストを気に入るとは、私とニューロニストで何が違うのか。

 

「シエリア様は拷問と美容どちらの話がお好みでしょうか?」

「美容!ニューロニストちゃん、物知り。」

「そうですか、私もある程度深い見聞はありますが、専門分野であれば、ニューロニストの方が詳しいかもしれませんね。特に美容となると・・・。」

 

これはニューロニストに負けぬようあらゆる知識を更に学ばねばなりませんね。

特にセイレーンの美容に関する知識となると、図書室だけで調べきれるか・・・。

ウルベルト様やモモンガ様に直接聞くことが出来れば早いのですが。

 

「あと、好きな人。」

 

その言葉に、ピタリと足を止めた。

一瞬で思考が停止して、胸がザワザワと騒ぎ始める。

 

「デミウルゴスさん?」

 

シエリア様が訝しげに私を振りかえる。

あぁ、もっと確認すべき事があったようですね。

 

「・・・シエリア様は、誰が好きなんですか?」

 

これは自然な流れの会話だ。

質問したとしても怪しまれない。

これで自分以外の名前が出たら、私はそいつをどうしてしまうのか・・・。

 

シエリア様は、少し考えてにっこりと笑って答えた。

 

 

「とと様、じいじ、デミウルゴス、ウルベルト様、ぶくぶく茶釜様、ペロロンチーノ様、たっちみー様、ブループラネット様、ニューロニストちゃん、アルベドさん、アウラ、マーレ、プレアデス、ナザリック、皆、大好き!」

 

 

自分の名前が出たことにほっとすると同時に、何か物足りなさを感じる。

 

 

「一番は、モモンガ様でしょうか?」

「うん!」

 

このお方の好きは、親愛の類いなのだろう。

きっとまだ、恋愛を知らない幼い無垢な少女だ。

弱くて可憐な花のような方だ。

「行こう!」と私の手を引っ張る少女の、この純粋さを守りたいという思いと、手折ってしまいたいという思いが入り交じる。

手折るのなら、汚すのならば、自分の手で。

そしていっそのこと、何処かに閉じ込めて自分しか見えなくなるようにしたい。

 

「・・・まあ、まだ先の話ですが。」

「デミウルゴスさん?」

「いえいえ、なんでもありませんよ。早く行きましょうか。」

 

そう言って共に歩き出す。

 

まだまだ無垢なままでいてほしい。

時間はあるのだから、少しずつ、ゆっくり、じっくりと・・・。

私のこの恐ろしい、醜い想いを隠し、今はこの純粋な笑顔を見守るとしましょう。

 

ウルベルト様もそう望んでいるはずです。 




だんだんとと様(モモンガ様)が空気になってきました・・・。
シャルティアまで会わせたら、とと様のターンにしたい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話(セバスが困惑しつつ、教育方針で対立する話)

セバス視点

 

あぁ、なんという失態でしょうか。

シエリア様にもしもの事があったら、私は死んでも死にきれません。 

そんな考えが頭の中を巡らせていると「じいじ!」と私を呼ぶ声が聞こえた。

その声で、やっと生きている心地がした。

私達の不注意で、一時行方不明になった私の仕えるべきお方の声だ。失ってはいけない大切な方。

 

「シエリア様!」

「じいじ!」

 

感極まり、ついシエリア様を抱き留めてしまいました。

 

「・・・セバス?」

「は!シエリア様、重ね重ね失礼致しました。」

「?」

 

デミウルゴス様の殺気に不敬だと気づき、謝罪をすると、シエリア様はきょとんとしていらっしゃいました。

とりあえず、私が離れようとしましたがシエリア様の腕が私の背中に回っていて、離れられない。

・・・デミウルゴス様、その殺気をしまってくださいませ。私ではなくシエリア様が離してくださらないのです。

 

「じいじ!あのね、お友達、できた!」

 

シエリア様のそれはそれは嬉しそうな笑顔に、つい私も顔を緩ませてしまいました。

 

「ご友人が、それはよかったですね。シエリア様。」

「うん!ニューロニストちゃん、いい人。」

「・・・ニューロニスト様、そうですか。」

 

ニューロニスト様ですか、確かに悪い人ではありませんが・・・どうしてそうなったのか、デミウルゴス様の方を向くと明後日の方を向いておりました。

これは後程お話を聞く必要があるようですね。

 

「シエリアサマ、ワタクシモユキニムチュウニナッテシマイモウシワケアリマセン。」

「大丈夫!」

 

シエリア様が私から離れ、コキュートス様の側に向かわれました。

さて、ちょうどいいですし、いったい何があったかお聞きするといたしましょう。

 

「デミウルゴス様、お尋ねしたいことがあるのですが。」

「君の聞きたい事はわかっているよ。どうやら転移トラップで真実の部屋にいった時に、色々と話をされたようで、私が到着したときには既に『お友達』になっていらっしゃった。」

「そうですか。あまり変なことを覚えないといいのですが。」

「それには同感だ。しかしニューロニストもシエリア様がどういったお方か理解しているはず。シエリア様に不適切な事は教えないだろう。それにニューロニストは各種族の弱点等も正確に理解している。先程美容の話をしたとシエリア様も喜んでおいでだった。シエリア様にはいい刺激になるはずだろう。」

「しかし、拷問等についての知識はシエリア様には不要ではないでしょうか?」

「セバス。君とはシエリア様について根本的な部分が食い違っているようだね。シエリア様は至高の御方々に次ぐお方。将来は至高の御方々の意思を継ぎ、『洗練された悪を統べる尊きお方』になるのだよ。」

「デミウルゴス様、至高の御方々の意思を継ぐのであれば『弱きを助け、強気を挫く清く正しき正義を全うするお方』になるのではありませんか?」

「セバス。この異形種が集うこのナザリックにおいて、悪を全うする事こそ至高の御方々のご意志だろうとも。我が創造主であるウルベルト様も、その考えのもと悪魔である私を創られたのだから。」

「いえいえ、そもそもアインズ・ウール・ゴウンはたっちみー様を始め御方々が、異形種を守るために結成されたと聞きました。それならば正義を貫く事こそ、至高の御方々のご意志を継ぐことになるでしょう。」

「中々君とは考えが合わないようだね。セバス。」

「そのようですね。デミウルゴス様。」

 

元よりデミウルゴス様と私では種族もカルマ値も違う。

で、あるならば考え方や物の見方が違うのは仕方のないことでしょう。

 

「・・・もしや、そういうことですか!セバス。もしかすると、御方々は『私とセバスを教育係に置き、2つの異なった視点の教育を施すことで、より多くの視点から情報を得られる力、そしてより良い選択をする判断力を身につけて頂きたい。』というお考えなのかもしれないね。」

「成る程、でしたら我々の意見が異なるとこは御方々の狙いの内、ということですね。」

「更に、私とセバスが衝突することで、我々にも更なる成長をご期待られているのやもしれない。」

「確かに、教育者は人を教育することで、より自分も成長するといいます。『シエリア様だけでなく、デミウルゴス様と私にも己の考えに固執せず、より多くの視点を取り入れろ』とお考えなのですね。」

「なんと素晴らしい方々でしょう!」

「流石、我々を創り出した至高の御方々です。私には考えも及びませんでした。」 

 

そんな話をしていると、コキュートス様の「シエリアサマキケンデス!」という声が聞こえました。

声がした方向を見ると、シエリア様がポンチョを脱ごうとされていました。

 

「もしかしたら、シエリア様の突飛な行動も『如何なる事態にも対処できるように』という御方々の意思なのでしょうか。」

「その可能性は高いだろうね。」

 

私の呟きにデミウルゴス様が返答し、二人でシエリア様の元へ駆けつける。

 

 

たっちみー様、並びに至高の御方々、そしてシエリア様。

私は必ずご期待に応えてみせましょう。




今回は教育方針についての話でした。
早くシャルティア達に会わせたい・・・。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話(コキュートス寒そうっていう話)

長くなりすぎてカットしたので、流れが強引な所があるかもしれません。
心苦しいですが、是非広いお心でご覧下さい。


今はコキュートスさんと話をしている。

皆は雪遊びに熱中してごめんなさいと謝るけれど、一生懸命になることは良いことだし、私もニューロニストちゃんと友達になれたからいいよ!って言ったらコキュートスさんは納得してくれた。

じいじやデミウルゴスさんは罰を与えないと引き下がらないから助かる!

 

「シエリアサマ、コノカイソウハキニイッテイタダケマシタカ?」

「うん!雪、楽しい。でも、手袋、遊べない。」

「タシカニ、ソノテブクロデハユキヲツカメマセンネ。」

「コキュートスさん、手袋、ない?」

「モウシワケアリマセン。ワタクシハガイコッカクノタメ、ボウグノソウビハアリマセン。」

「えっと?」

「ゼンラ、デス。」

 

なんて事だ!

私は装備があるから平気だけど、コキュートスさんはきっと寒いはず。

せめてポンチョ位ならコキュートスさんも羽織るくらい出来るかな?

そう思いポンチョを脱ごうとした。

 

「シエリアサマキケンデス!」

 

コキュートスさんが叫んだ。

吃驚して脱ぐのを止める。

もしかして、ダメージ受ける?

 

「シエリア様、いかがなさいましたか?」

「じいじ、コキュートス、服、無い。」

「シエリアサマ、ワタシハソウイウシュゾクデアッテ、ヘンタイデハ・・・。」

 

怖い顔をしたじいじがデミウルゴスさんとやって来た。

コキュートスさんもビックリしたのか黙ってしまう。

 

「シエリア様、何故、装備を外そうといているのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?」

「コキュートスさん、装備、ない、寒い、ポンチョ、羽織れる。」

「シエリアサマッ!」

 

コキュートスさんが涙ぐんでいる。

泣く程のことなのかな?

 

「シエリア様。では、そのポンチョを脱いでみてくださいませ。」

「セバス!なんという事を!いくら耐性強化の指輪を着けているとはいえ、この場でポンチョを脱ぐということは、シエリア様にダメージを負えと言うことと同義ですよ!」

「理解しております。」

 

やっぱり脱ぐとダメージ受けるんだ。

もしかして、ここでも装備ひとつ取ったら致命傷?

どれだけ危険なのナザリック・・・。

 

 

「ならば何故!」

「至高の御方々であり、教育者の職についておられるやまいこ様が以前たっちみー様と話していらっしゃいました。『教育者たるもの過保護になっては、生徒を駄目にする。崖から突き落とす心意気で指導しろ。』と。」

「ソレハツマリ・・・。」

「つまり、シエリア様が導き出した答えであれば、『例え失敗が目に見えていても、失敗したという経験をさせる為に見守ること。そして、失敗をして挫折してしまっても、それを乗り越えて成長するように指導するものこそ本物の教育者だ。』ということでしょうか。」

「私はそう解釈しております。」

「シカシ、シエリアサマガケガヲスルトワカッテイテソノママニスルノハ・・・。シエリアサマ、ワタシハサムサニツヨイシュゾクデスノデ、ドウカムチャハオヤメクダサイ。」

 

何だかここまで言われて脱げる雰囲気でもない・・・。

 

「脱ぐ、止める。」

「「「シエリア様!ありがとうございます!」」」

 

止めると言っただけで3人から凄くキラキラしたオーラがでた。

そんなに酷いダメージが・・・ここにいるのも少し怖くなってきた。

 

「ソウイエバ、シャルティアガシエリアサマニオアイスルノヲタノシミニシテイタ。」

「シャルティア?」

「はい。第1から第3階層を守護している最強の階層守護者です。」

「最強!」

 

どんな人何だろう!

あったらどうやって強くなるかわかるかな?

 

「シエリア様、どうか私かセバスの側を離れず身の危険を感じたら真っ先に逃げてください。」

「また、黒い虫がおりましたら、私に教えてくださいませ。」

「・・・わかった。」

 

 

二人がこんなに警戒してるってことは、シャルティアさん、凄く怖い人なのかな?

黒い虫ってことは、コキュートスさんみたいに虫の種族なのかな?

何だか楽しみなような、怖いような・・・あれ?

 

「じいじ、第4階層。」

「第4階層は地底湖なのですが、ガルガンチュア様はゴーレムであり、自我をお持ちではありませんので、次の機会に致しましょう。」

「ゴーレム?」

「岩などで出来たロボットと思っていただけると分かりやすいでしょう。あれは我々と違い至高の御方々に作られていない為に誤作動する可能性もございます。あまり不用意に近づかないようお願いいたします。」

「うん。」

「デハ、シエリアサマ。オキヲツケテ。」

「うん、またね!」

 

ここから上の階層は危ない人がいっぱいいるみたいだから、気を付けないと!

私はじいじとデミウルゴスさんから離れないように、コキュートスさんに別れを告げ、第3階層に向かった。

 

 




セバスが怖い顔をしていたのは、なんとなく状況を察してオリ主を叱らないといけないと思い詰めていたからだろうと思います。

ガルガンチュアさんは省略させていただきました。
デミウルゴスはシャルティアを、セバスは恐怖公を警戒しているのですが、オリ主にはどちらもシャルティアを警戒していると勘違いしています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話(恐怖公に会う話)

更新が遅くなり申し訳ありません!
中々書き上がりませんでした!
明日明後日も遅くなるかとは思いますが、どうかご容赦ください。


第3階層にシャルティアさんがおらず、今は第2階層を歩いている・・・じいじとデミウルゴスさんの服を掴みながら。

いや、あれだけ脅されれば黒い虫を警戒してしまうのはしょうがないと思う。

 

「じいじ、蜘蛛。」

「シエリア様、蜘蛛は大丈夫でございます。」

「・・・。」

「じいじ、蟻。」

「シエリア様。蟻も大丈夫でございます。」

「っ・・・。」

 

さっきから黒い虫を見つけてはじいじに報告しているが、シャルティアさんではないらしい。

デミウルゴスさんの尻尾は歩いているせいか、凄く揺れてちょっと危ない。

ずっと黙っていたデミウルゴスさんが口を開いた。

 

「シエリア様、俗に『G』と呼ばれる虫はご存じでしょうか?」

「G、ゴキブ」

「どうかそれ以上は言葉になさらないでくださいませ。」

「えっと、じいじ。ダメ?」

「申し訳ありません。執事という職業柄あの生物はどうも苦手でして・・・。」

「シエリア様も苦手ですか?」

「多分、大丈夫!じいじ、守る!」

「シエリア様!お心遣い感謝いたします。」

「ふむ・・・。」

 

じいじに言葉を遮られた。

どうやらじいじは『G』が苦手らしい。

するとニッコリととてもいい笑顔でデミウルゴスさんが言った。

 

「シエリア様!丁度第2階層にいることですし、恐怖公にも挨拶に行きますか。」

「デミウルゴス様・・・。」

「恐怖公?」

「はい。第2階層黒棺の管理をしているとても紳士的な方ですよ。見た目はGですが、貴族のマナーや帝王学にも精通しておりますので、シエリア様には良い勉強になるかと。」

「でも、じいじ。」

「どうか私の事はお気になさらず。シエリア様の為なら耐えてみせましょう。」

「では、恐怖公の所へ参りましょう。」

「恐怖公、シャルティアさん、違う?」

「いえ、シャルティア様はアンデットでございます。」

 

違うのか。

じゃあ、デミウルゴスさんはシャルティアさんを警戒して、じいじは恐怖公を警戒している?のか。

 

「シエリア様、こちらの扉の先が恐怖公のいるエリアになります。」

「・・・。」

「わかった。」

 

じいじ、顔青いけど大丈夫かな?

そう思いながら、扉をくぐる。

目の前には無数のそれはもう夥しい数のGが群がっていた。

そしてその中央を

 

「シエリア様、わざわざ御足労頂きありがとうございます。私は恐怖公と申します。」

「シエリア・ローレライ、よろしく。」

「恐怖公、先日の件、並びにエントマの件申し訳ありません。」

 

そう言ってじいじは恐怖公に頭を下げた。

 

「いやいや、セバス殿。あの件は食堂で盗み食いをしたあやつも悪かったのである。エントマ殿の件でも、主が手を尽くして下さっているのも知っておる。どうか気にしないでほしい。」

「セバス、何かあったんですか?」

「実は先日、厨房にいらっしゃいました恐怖公のご眷属を私が・・・。」

「あれは不幸な事故なのである。」

「つまり、厨房に出たGをじいじがぷちっとしてしまった。普段からエントマがGを食べる為、普段から心苦しかったのに、更に顔を合わせづらくなったと。」

 

何とも言えない空気が流れる。

確かに厨房にGがいたら殺ってしまうかもしれない。

でも、恐怖公からしたら家族みたいなものだし、いくら恐怖公が許してくれてもじいじは辛いだろう。

 

「セバス殿よ。今回の事は確かに痛ましいのである。しかし、これは我々にも重要な教訓になったのである。それに、セバス殿は我々の為に専用の食事場を作って下さった。お陰で我々は安全に食事を摂ることができるようになったのである。それで十分なのである。」

「寛大なお心遣い感謝いたします。」

「セバス、そんなことを・・・。」

 

G用の食事場・・・凄いことになってそう。

デミウルゴスさんが若干引いている。きっと同じ事を想像したんだろう。

 

「シエリア様、我々の容姿では女性に不快感を与えてしまうのである。我らには気を使わなくてもいいのである。」

「大丈夫、皆、大事、家族!」

「なんと!流石は至高の御方々のご息女なのである!」

「素晴らしいお考えです!シエリア様!」

 

何故か凄い拍手をされた。

それと同時に周りにいたG達が私を取り囲んだ。

そして、そのうちの一匹が私の手の上に飛んできた。

 

「これ!シエリア様に不敬であるぞ!」

「大丈夫、こんにちは。」

 

とりあえず、挨拶をする。

 

「申し訳ないのである。我が子が失礼なことをしたのである。この子達もシエリア様にお会いするのを楽しみにしていたのである。もしもシエリア様がよろしければ、たまに遊びに来ていただけるとこの子達も喜ぶのである。」

「うん!また来る。」

「その時は私もご一緒させていただきます。いいですね、セバス。」

「はい。構いません。」

 

また来ると約束をして、私達は第1階層に向かった。

途中でじいじとデミウルゴスさんに手を洗って消毒するようにとしつこく言われた。

バイ菌が、とか埃が、とか言っていたけど、家族であっても、GはGの扱いなのか。

恐怖公達も少し辛い扱いを受けているのかもしれない。

今度は一人でお茶でもしに行こう。

 

 

 




今回は恐怖公達はGだからと、アルベド達に嫌がられているようだったので、こんな感じの話になりました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話(シャルティアに会う話)

第1階層までやって来た。

デミウルゴスさんが何故か私の背中に手をあてている。

じいじも私の一歩前位をキープしている。

まるで何処から敵が出てきても私を守れる位の配置。

シャルティアさんそんなに危ない人かな?

 

「シエリア様ぁ!この日を心まちにしていんした!」

 

背後から可愛らしい女の人の声がした。

振り返ろうとするとデミウルゴスさんが私の前に立つ。

え、見えないよー。

 

「ちょっ、デミウルゴス!シエリア様の美しいお姿が見えないでありんす!」

「シエリア様、この声の主がシャルティア・ブラッドフォールンでございます。シエリア様の教育によくありませんのでこれにて下の階層に戻りましょう。」

「え?」

「デミウルゴス!ふざけるのも大概にしんす!私に楯突くとは覚悟は出来ているのでありんしょう!」

「聞きましたかシエリア様。このように守護者の中でも暴力的でして。シエリア様に危険が及びます。」

「・・・。」

 

いや、絶対にデミウルゴスさんが悪い。

シャルティアさん友好的なのにデミウルゴスさんが凄く遊んでいる。

シャルティアさんはいじられキャラなのかもしれない。

でも、あまりにも可哀想だ。

 

「デミウルゴスさん、どく。シャルティアさん、話す!」

「ですが、」

「ど、い、て!」

「・・・畏まりました。」

 

渋々デミウルゴスさんが退いてくれた。

目の前にはとても美しい少女がいた。

ちょっと息が上がってるけど大丈夫かな?

 

「あぁ!愛しのシエリア様!このシャルティア・ブラッドフォールン、この時を待ちわびておりんした!」

「初めまして、シエリア・ローレライ。・・・大丈夫?」

「はい!私はシエリア様に会えたことに、この上なく、この上なく歓喜しているのでありんす!」

 

何だろう、凄く危険な気がしてきた。

ついデミウルゴスさんの背中に隠れてしまった。

 

「シエリア様!いかがなさいんした!?」

「シエリア様、シャルティアの危険性が理解できましたか?」

「なんとなく。」

「シエリア様、デミウルゴス様と私がおりますので、戻りたいと思いましたらすぐにお申し付けください。」

「わかった。」

「シエリア様?何を3人で話しておりんすか?」

「シエリア様、シャルティアを放っておいて帰りますか?」

「・・・あと、少し。」

「シエリア様!どうかその愛しく可憐なお姿をお見せくださんし!そして、どうか私に熱い包容を!包容を!」

 

だんだんヒートアップしている。

どうしようか・・・でも、少し背筋に冷たいものがつたう。

それなのに、何か引かれるものが・・・。

 

「シエリア様・・・私の事はお嫌いでありんしょうか?」

 

シャルティアさんが目に涙を溜めてうるうるとした瞳で私を見つめている。

不覚にもドクンと胸が高鳴る。

そして一歩、また一歩とシャルティアさんに近づいてしまう。

シャルティアさんの口元がニイっと上がる。

 

「シエリア様?いかがなさいましたか?」

「・・・。」

 

じいじの声が遠くで聞こえる。

お腹の辺りにトンと何かがたある。

あれ?何かと思ったらデミウルゴスさんの、尻尾?

デミウルゴスさんを見上げると、何か張つめたような、とても辛そうな表情をしていた。

 

「デミウルゴス。男の嫉妬は醜いですえ?」

「・・・デミウルゴス、さん?」

「嫉妬、ですか。成る程、これが嫉妬という感情なのですね。」

 

デミウルゴスさんがふふふふと笑っている。

 

「何を笑っていんすのでしょう?」

「いえ、今まで知識でしか知り得なかったものを体験するとは思わなかったもので。」

「デミウルゴスさん、大丈夫?」

「はい、シエリア様。ありがとうございます。シャルティアも、やっとよく分からない感情の正体がわかったよ。」

「おやおや、それは『恋』でありんしょうか?」

「そうかもしれないね。」

「それでも、シエリア様は渡しはしないでありんす。」

「それはこちらの台詞だよ。シャルティア。」

 

何だか二人で盛り上がっている。

 

「シエリア様、こちらへ。」

 

じいじが小声で声をかけてくれた。

そーっとじいじの所に行く。

 

「シエリア様。ご無事ですか?」

「凄く、ドキドキ。変。」

「左様でございますか。もしかすると、シャルティア様のスキルが発動したのやもしれません。」

「スキル?」

「はい。特技というか、性質といいますか。例えば、目を見た相手を魅了するものや、デミウルゴス様の支配の呪言等相手を意のままに操るもの、特定の相手に大きなダメージを与える等の能力の事です。自動的に発動するものもありますし、意図的に発動するものもございます。」

「それで、ドキドキ?」

「可能性はございます。」

 

シャルティアさんのスキルはどっちなんだろう?

シャルティアさんとデミウルゴスさんの方を見ると、口論に発展していた。

 

「そもそも、階層守護者最強!である私に敵わないくせに、邪魔をしないでほしいでありんす!」

「いやいや、貴女が最強と言うのはあくまでも数値の問題であり、私の頭脳をもってすれば倒すこと等造作もありませんよ。」

「なんだと!もう一回言ってみろインテリメガネ!このナザリックでは力が全て!弱者は黙っているであります!あ・り・ん・す!」

 

弱者・・・私は当然弱者だ。

じいじ達に崇められるようなものじゃない。

ナザリックには必要ないのだろうか?

胸の内にぐるぐると重い感情が巡り、苦しくなってしまった。

 

 

 




今日は何とかいつも通りの時間に投稿できました!
明日も同じ時間に間に合うように頑張ります!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話(弱い自分が悲しくなる話)

第1階層でシャルティアさんとデミウルゴスさんが口論している。

このナザリックでは強さがものをいう・・・なら、私はどうなんだろ?

皆に嫌われちゃう?とと様にも・・・?

 

ぽろぽろと頬に温かいものがつたう。

 

「シエリア様!どうか落ち着いてください。」

「っじいじ、私、っ嫌い?私、いらない?っ」

「そんなことはございません。」

 

じいじが背中を擦ってくれるけど、全然涙はおさまらない。じいじは優しいからそう言ってくれるだけかもしれない。

 

「シエリア様、ど、どうしたんでありんしょう?」

「どうか訳を話してくださいませ。」

「デミウルゴス様、シャルティア様。逆効果ですのでどうか静かになさってください。」

 

慌ててやってきた二人をじいじが一喝する。

早く泣き止まないといけないのに、全然止まらない。

 

「っ、ごめん、なさいっ。私、弱い。」

「わ、私の言葉が心に刺さってしまいんしたのでありんすね!申し訳ありません。その様なつもりで発言したわけでは無いのでありんす。」

「シャルティア様!・・・シエリア様、ゆっくりで構いません。強い者でも泣くことはあります。落ち着きましたら、この包みを開けてみてください。」

「うん、」

「「・・・。」」

 

じいじが何か大きめ包みを渡してくれた。

デミウルゴスさん達はずっと黙っている。

少したって、落ち着いてきた頃ゆっくりと包みを開けた。

中には兜が入っていた。

 

「兜?」

「はい。こちら、私が初めて討伐したゴブリンの兜でございます。」

「初めて、倒した?」

「はい。今の私はレベル100です。しかし、私が創造されたばかりの頃はシエリア様と同じくレベル1でした。その頃はたっちみー様が私のレベルをあげる為、私を冒険に連れていってくださったのです。そして私が初めて倒したのがこの兜の持ち主のゴブリンでした。その時のたっちみー様は、それはそれは喜んでくださいました。これは、私の一番大切は思い出の品なのです。」

「じいじ、私、一緒?」

「はい。このナザリックのほぼ全ての創られた者がレベル1からの始まりました。そこから創造主と冒険に出てレベルをあげるもの、また、創造主から経験値を与えられる者成長方法は違えど、創造主の力により強くなっていくのです。」

「うん。」

「ですから、レベル1であるシエリア様はこれからモモンガ様達と冒険に行ったり、経験値を頂くことができるのです。」

「とと様、冒険?」

「はい。きっと次にいらした時はシエリア様の防具や武器をお持ちになるはずですよ。」

「そうでありんす!私もペロロンチーノ様に色んな冒険に連れていっていただいたんでありんす。私達は至高の御方々と冒険した分だけ強くなるんでありんす。だから、強い者はより至高の御方々と同じ時間を共にした。それが私達の誇りでありんす。」

「そうですとも。ですが、シエリア様は今日ご誕生したばかり、これから至高の御方々との冒険はこれからでございます。今後数多の知識が必要になりましょう。このデミウルゴス、必ずやシエリア様のお力になります。」

「な!デミウルゴスより私の方が役に立つでありんす!私ならば可愛らしい装備とかもお教えできるでありんす!」

「デミウルゴス様、シャルティア様。喧嘩はほどほどにしてくださいませ。」

「・・・へんなの。」

 

何だか3人のやり取りを見て笑ってしまった。

そっか、まだまだ弱いってことは、とと様達と冒険できるってこと。

なら早くとと様来てくれないかな?

いっぱい一緒に冒険して、いっぱい誉めてほしいな。

そんなことを考えていると、デミウルゴスさんがパンっと手を叩いて提案してきた。

 

「シエリア様、このデミウルゴスが只今より教育係初の仕事としてアンデット特に吸血鬼の弱点について実演でレクチャーさせていただきますが、いかがでしょうか?」

「シエリア様!どうか私にシエリア様を傷つけた償いをさせてほしいでありんす!シエリア様の為に喜んで実験台になるでありんす!」

「実演、怖い。」

「では、どういたしましょうか?」

 

うーんと四人で考えていると、じいじが提案してきた。

 

「シエリア様、恐怖公とお茶をする約束をしていらっしゃいましたよね?」

「うん。」

「ま、まさか!セバス!」

「成る程!恐怖公とお茶会をする間にシャルティアにシエリア様の椅子にするというのですね!」

「椅子?」

「いえ、流石にそこまでは、同席するだけでいいのでは?」

「くっ、うぅ、シエリア様の椅子・・・ご褒美なのに、恐怖公・・・。」

「シャルティア、どうしますか?」

「や、やるでありんす!シエリア様の椅子係になるでありんす!」

 

いや、シャルティアさんに座りたくないんだけど・・・。

じいじ、何とかしてくれないかな?

 

「皆様、もうじきモモンガ様が戻られるようです。」

「とと様!」

「なんと、いつもよりお早いお着きですね。ではシャルティアへの罰は次回ですね。」

「わかったのでありんす!」

「椅子・・・。」

「ではシエリア様。あの湖に戻りましょうか。」

 

そう言って私とじいじは第6階層に戻っていった。

シャルティアさんを椅子にするのは嫌だけど、とと様と冒険するのは楽しみだな!




最後まで読んでいただきありがとうございます!

やっとモモンガ様のターン!
ここまで長かっです・・・戦闘シーンはもしかしたらカットされるかもしれませんが、親バカモモンガ様が続出すると思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19話(職業を決める話)

第6階層の湖に戻ってとと様を待っているが、とと様が中々来ない。

動けないから探しにもいけないし、何やってるんだろう?

もしかして、既に私は放置されるんだろうか?

そんな心配をしていると、とと様が手を振りながらやって来た・・・良かった。

 

「シエリアー、いい子で待ってたか?待たせてごめんな。ロードに何故かいつもより時間がかかったんだ。でも、今日はシエリアの為に仕事早めに終わらせてきたよー。まぁ、残業は変わらないんだけど。」

 

残業・・・仕事忙しいのに来てくれたんだ!

とと様ありがとう!

 

「後、ここに来る前にガチャを引いてきたんだ。いやー今回は中々の当たりでシエリアの色んな装備をゲット出来たぞー。」

 

ガチャ?はよく分からないけど、どんな装備だろう!

 

「まずは、弱点の炎属性や雷属性をカバーする指輪と、まずはゴッド装備にしようかな、いや、ドロップ目当てで襲われるかもしれないからレジェンド・・・んーまずはゴブリンとかが相手だろうし、レリック?どうしようかな?」

 

何か凄く悩んでるみたい・・・。

よく分からないけど、ゴッド?レリック?

 

「やっぱり初めてだから下手な効果が付かない方が良いよな。よし、防御と弱点カバーを重視して、武器は・・・『吟遊詩人』、『ネクロマンサー』、『人形使い』は入れたいし、『踊り子』、『侍』、『ガンナー』とかも格好いいよな。」

 

えっと、職業?かな。

まだ決まってなかったのか。

どんな感じだろう。

 

「あれ?モモンガさんこんにちは。いつもより早いですね。」

 

とと様が悩んでいると、ウルベルト様がいらっしゃった。

 

「あ!ウルベルトさんこんにちは。今日はシエリアの為に早めに上がってきちゃいました。」

「おぉー。既に親バカですね。ところで何か悩んでいたみたいですけど、どうしました?」

「いやー、それがシエリアの職業をどうしようかと思って。」

「あれ?『セイレーン』らしく『吟遊詩人』にするんじゃないんですか?」

「『吟遊詩人』にはするんですけど、やっぱり共通の職業入れたくて。『ネクロマンサー』を付け足そうとしたら段々着地点がわからなくなってしまって。」

「成る程。なら、アンデットのお姫様みたいな感じはどうですか?」

「いいですね!じゃあ『人形使い』は外そうかな。」

「『人形使い』ですか?」

「えぇ、女の子だし可愛いぬいぐるみをあげたくてガチャを回したら、出てきたのが『テディ・ザ・リッパー』とか『血濡れのサーカス団』とかで、人形勿体無いと思ったんですよ。」

「伝説級が2つも・・・確かに勿体無い。」

「そうですよね。だから、どうしようかと思って。」

「じゃあ、『吟遊詩人』はサブ、『ネクロマンサー』と『人形使い』をメインにして、ロール用に『ジェネラル』とか『プリンセス』とかどうですか?」

「おお!凄くそれっぽいです!」

「あんまり増やすと先立つものが無くなりますからね。程ほどに。」

「あぁ。大事ですね。」

 

二人で凄く熱心に話をしていたかと思ったら、二人して遠い目をしてしまった。

 

「よし、シエリア。職業が決まったから設定して冒険に行こうな。」

 

冒険!早く行こう!とと様、私頑張るよ!

動けないし伝えられないのがもどかしい・・・。

 

「モモンガさん。」

「なんですか?ウルベルトさん。」

「何だか凄く『ほら、公園行くぞ。』みたいな感じがして。ほのぼのしました。」

「あ、すみません。ついついシエリアに話しかけちゃって。」

「いや、責めてる訳じゃないんですよ。むしろ凄くいいな、と思いまして。」

「じゃあ、ウルベルトさんもデミウルゴスを連れて一緒に冒険に行きませんか?」

「え、いいんですか?じゃあ御一緒させてもらいます。」

 

おお!

ウルベルト様とデミウルゴスさんも一緒だ!

「じゃあデミウルゴス連れてきます。」と言ってウルベルト様は 去っていった。

とと様は私に防具とハープとぬいぐるみとをくれた。

ハープは私の3分の1位の大きさで、背負えるようにベルト?が付いている。装飾品がキラキラとしていて綺麗だ。

くまのぬいぐるみは小脇に抱えられる位だけど、これで走ったりするのは大変かも。

サーカス団はその名の通り包帯を巻いていたり、血が付いている。それぞれ片手で持てるくらいの大きさだけど、いっぱいあるから大きめの肩掛けの鞄に入っている。

可愛いけど、これ、どうやって戦うんだろう?動くのかな?

 

「シエリアの為に回復アイテムと、これとあれとそれと、あーそういえばあれもいるかな?シエリア、ちょっとアイテムを取りに行ってくるから、少し待っててね。」

 

そう言ってとと様も去っていった。

とと様が凄く過保護な気がする。

でも、嬉しいな!

少しの不安と希望といっぱいのぬいぐるみを持って、とと様達を待った。




最後まで読んでいただきありがとうございます!

いやー、武器とか職業決めるのに悩みました。
本当は前衛にしたかったのですが、結果的に後衛&サポートになりました。
でも、文章力武装で戦闘シーンはあまり少ないかと思います。

明日も頑張りますので、今後とも是非お立ち寄りください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話(装備を決めて、初の冒険に行く話)

先に戻ってきたのはウルベルト様達だった。

 

「あれ?モモンガさんは?」

 

とと様はアイテムを取りに行きました。と、言おうとしても言葉には出来ない。

私はただウルベルト様達を見つめていた。

 

「んー、何だかシエリアちゃん装備が多すぎないか?

最初は『テディ・ザ・リッパー』か『煌びやかなハープ』どっちかだけの方が動きやすい気がする。あ、ハープだけだと攻撃方法が殴る蹴るになるのか?セイレーンだから、音波的なのが使えるのかな?」

 

ウルベルト様が私を見てぶつぶつと何かを考えているみたいだ。

でも、確かにこのままだとどれを使えばいいかわからない。

 

「まあ、モモンガさんが戻ってきてから伝えればいいか。あ、そうだ。シエリアちゃん、君の未来の旦那様のデミウルゴスだよ。」

 

ウルベルト様がデミウルゴスさんをぐいっと私の前に立たせた。

ウルベルト様、デミウルゴスさんは教育係じゃないんですか?

まだ諦めてなかったんですか?

聞こえないだろうけど・・・デミウルゴスさんはどんな気分で聞いてるんだろうか?

今の状態だと、尻尾も顔色も変わらないからよく分からない。

 

そんなところにとと様がやって来た。

 

「あ!ウルベルトさんお待たせしてすみません、アイテムを取りに行ってました。」

「大丈夫ですよ。それよりモモンガさん、シエリアちゃんは『テディ・ザ・リッパー』か『煌びやかなハープ』に絞った方が最初はいいと思いますよ。」

「ああ、やっぱりそうですかね。ついついあれもこれもと持たせたんですけど、持ちすぎですよね。」

「ちょっと動き難そうです。」

「じゃあ、『血濡れサーカス団』と『煌びやかなハープ』はボックスに入れときます。」

「『人形使い』から育てるんですね。」

「いやー、折角だから使ってみてほしくて。」

「わかります、わかりますその気持ち。デミウルゴスの時もそうでした。」

 

とと様達がとても楽しそうだ。

やっぱり私達を大切に思ってくれててとても嬉しい。

 

「じゃあ、そろそろ行きますか。」

「はい。場所は草原とかでいいですかね?」

「ええ、大丈夫でしょう。」

 

ユグドラシル 草原

 

それから移動してきたのは、とても広い草原だった。

ちらほらとゴブリンがいる。

これから戦うのだと緊張する。

 

「シエリア、何かあればサポートするから安心して戦っておいで。」

 

そう言ってとと様が頭を撫でてくれた。

緊張が薄れて、頑張らなくては!とやる気が満ちる。

単純だなー、私。

 

「デミウルゴスも自由に戦わせちゃって大丈夫ですかね?モモンガさん。」

「大丈夫だと思いますよ。まあ、デミウルゴスにゴブリン達は弱すぎると思いますが。」

「まあ、教育係としてサポートしてくれるでしょう。頑張れ、デミウルゴス。」

 

どうやらとと様達は見ているだけみたいで、私とデミウルゴスさんで戦うらしい。

とりあえず、比較的近い所にいるゴブリンに向けて、『テディ・ザ・リッパー』を放つ。

テディはまっすぐゴブリンに向かっていき、鋭い爪を生やし、ゴブリンを切り裂いた。

 

「おお!初手は当たりましたよ!ウルベルトさん!」

「凄いですね!シエリアちゃん初めての狩り。頑張れー。」

 

とと様達も応援してくれてる!

ゴブリンも大分弱ってきてあと一撃位で倒せるだろうという時に何か温かい熱波の様なものが体を通り抜けた。

その熱波は私が戦っていたゴブリンやその周りのゴブリン達を一瞬で消し去った。

 

とと様もウルベルト様も私も一瞬の出来事にぽかんとしてしまった。

振りかえると、熱波の出所はデミウルゴスさんみたいだ。

あれ?獲物とられた?

 

「デミウルゴス!?あ、すみませんモモンガさん!スキルとか切り忘れてました!」

 

とウルベルト様がとと様に謝っていた。

 

「あぁ、成る程。大丈夫ですよ。少したてばゴブリン達もまたスポーンするでしょうし。」

「いや、申し訳ない。教え子の獲物を奪う教育係とか・・・。シエリアちゃんもごめんな。」

「大丈夫ですよ、準備練習と思えばいいじゃないですか。」

「いや、初めての狩りが身内に邪魔されるとか申し訳ない。今度お詫びの品を持ってきます。」

「いや、大丈夫ですって。」

「いや、私の気がすまないんです。」

「あー、じゃあ御言葉に甘えて頂きます。」

 

何だろう、目の前でうちの子がおもちゃ取っちゃってごめんなさい。みたいな光景が繰り広げられている。

テディも不完全燃焼でしょぼんとして戻ってきた。

デミウルゴスさんめ、ふと思い付いてテディをデミウルゴスさんに放つ。

テディはデミウルゴスさんを爪の生えていない柔らかい手でポカポカと叩いている。

 

「あ!シエリア!デミウルゴスは敵じゃないから止めなさい!」

「いや、大丈夫!むしろもっとやっちゃって。むしろ俺にもやっていいよ。」

「え、いや、いいんですか?というか、味方を攻撃するってバグですかね?」

「初めての獲物を取られたら普通ああなりますよ。なんて、他にNPCがいないからなのかな?もう少し様子を見て、ゴブリンじゃなくデミウルゴスを攻撃するようだったら戻って確認すればいいんじゃないですか?」

「そうですか?」

「きっと大丈夫ですよ。」

 

 

デミウルゴスさんのバカ!アホ!

獲物を返せー!

後でじいじに報告してやる!

それで凄く怒られればいいんだー!

 

テディの攻撃はゴブリンがスポーンするまで続いた。

 

 




デミウルゴスとしてはオリ主の手を煩わせるなんて。という感じで攻撃したのか、それとも大量のゴブリンが鬱陶しかったのか・・・。
うちのデミウルゴスはミスが多い気がします。
そしてこれから親バカパートが続きますのでお楽しみください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話(今度こそ初敵撃破の話?)

草原でデミウルゴスさんをテディと一緒にポカポカと叩いている。

とと様が「シエリアまで叩かないで!」と言っていたけど、ウルベルト様が「フレンドリーファイヤは無効だから大丈夫ですよ。」と笑っているしきっと大丈夫!

 

「あれー?しーちゃんどうしたんですか?NPC同士の喧嘩ですか?」

 

あ、ぶくぶく茶釜様がいらっしゃった。

 

「あ、ぶくぶく茶釜さん!それが、バグかはわからないんですけど、シエリアがデミウルゴスを攻撃しちゃって。」

「いやー、デミウルゴスがシエリアちゃんの初めての獲物を倒しちゃってご立腹なんですよ。」

「あらまー、でも見ていてほっこりしますね。本気で叩いてる様子じゃないですし。」

「そうなんですよ。デミウルゴスも心なしか嬉しそうで、ペロロンチーノさんの言う『むしろご褒美です!』みたいですよね。」

 

喜んでるのかな?

確かにダメージ入らないとは言え、叩かれるのが嬉しいってどうなんだろう?

まさか、悪魔は実はそういう種族?

 

「『デミウルゴス先生のバカー!私の初めて返せー!』(裏声)みたいな。」

「上手いけど、言い方がいかがわしい!」

「孫は見たいですが、残念ながらユグドラシルでは禁止ですよ。」

 

ぶくぶく茶釜様の声すごく綺麗!もう一回やってくれないかな?

というか、まだ結婚しませんよ!

とと様だって大反対してるし・・・デミウルゴスさんだって選択権はあるはず。

すると、とと様が静かにウルベルト様に詰め寄った。

 

「・・・まさかウルベルトさん、デミウルゴスの設定弄ったりしてないですよね?」

「やだなー、モモンガさん。大丈夫ですよ。」

「そうですよね!すみません、ウルベルトさん疑っちゃって。」

「デミウルゴスの設定に『シエリアの婚約者(候補)』と入れておきました。」

「何てことしてるんですか!変えてくださいよ!お嫁になんかあげません!」

「そうですよ。ウルベルトさん、そこに『近日駆け落ち予定』とかいれちゃいましょう!」

「ぶくぶく茶釜さんそれいいですね。」

「ぶくぶく茶釜さんまで!シエリア!デミウルゴスから離れなさい本当に!」

 

とと様が慌てて私とデミウルゴスさんを引き離して私を抱き締めた。

えっと、凄く嬉しいけどちょっぴり骨が痛い。

ぶくぶく茶釜様達がブーイングをしている。

 

「『とと様、今までお世話になりました。私、結婚します!』」

「シエリアはそんなこと言いません!」

「モモンガさん、子離れは早い方がいいですよ?」

「いや、ウルベルトさん、しーちゃんまだ生後1日目位です!」

 

ぶくぶく茶釜様が大爆笑している。

ウルベルト様も楽しそうだ。

 

「シエリアに結婚はまだ早いです!」

 

とと様は一生懸命反対している。

大丈夫だよー、私はとと様ずっと一緒だよ!

声には出せないけど。

 

そうこうしている間にゴブリンがスポーンしたらしい。

とと様達はそっとしておいて、今度こそ、と意気込んでテディを呼ぶ。

トテトテと歩いてくる様子が可愛い。

そして、テディをゴブリンに向かって投げる!

テディが爪を出して襲いかかる。

ゴブリンが棍棒を振り回すが、テディは間一髪で避ける。

頑張れ!テディ!

 

「シエリア!頑張れー!」

「しーちゃんもうちょっとよー!」

 

ん?これ、私は見てるだけだけど、成長するのかな?

 

「シエリアちゃん、もう一匹ゴブリンが!」

 

え、うわ!私の近くにゴブリンがもう一匹来た!

テディ以外の武器も無いし、どうすれば・・・。

ソリュシャンならパクって丸呑みして倒せるのに!

焦っているとゴブリンが私の目の前で棍棒を振りかざした。

私はぎゅっと来るであろう痛みを覚悟して目を閉じた。

しかし、いつまでたっても痛みが来ない。

恐る恐る目を開けると、私の足元から青い大きな手の様な波がゴブリンを鷲掴みにしている。

そしてゆっくりとゴブリンを飲み込み私の足元へ消えていった。

 

何だ、今の。なんか、体の中がぐるぐるして気持ち悪い。

とと様の方を見ると、3人とも吃驚していた。

テディはゴブリンを倒したみたいで、ゴブリンの棍棒を振り回しながら戻ってきた。

何だか遠くで凄まじい叫び声が聞こえる。

 

「モモンガさん、シエリアちゃんはセイレーンだったよね?セイレーンにあんな特性あったっけ?」

「いや、無いと思います。」

「あぁ!今のがイベント特殊スキルの『融解吸収』じゃないかしら?」

「今のが?想像だとパクっと食べるイメージでした。」

「モモンガさん、シエリアちゃん蛇じゃないんだから流石にそんなアクションは。」

「でも、あれね。食べた感がゼロね。」

「まあ、確かに。」

 

何か残念そうな目で見られてる!

私悪いことしたかな?

テディを持ってぐるぐると荒れる体内と戦いながら、何をしでかしたかと思い返す。

すると、ケプっと小さなゲップをしてしまった。

恥ずかしい・・・とと様達が見ている前で!

テディです顔を隠しながらとと様達を見ると、とと様達が拍手をしていた。

 

「モモンガさん、消化し終わったみたい。」

「えぇ、ありましたね、食べた感。」

「ぶくぶく茶釜さん、ウルベルトさん。うちの子可愛いです。」

「これミニマムにして見てみたい!」

「確かに、モモンガさんお金払うのでシエリアちゃんにミニマム追加しません?」

「ミニマムってどのくらいまで小さくなるんでしたっけ?それによってですね。」

 

何か変な設定がされそうな予感・・・。

またゴブリンが出てきたから、とりあえずテディに倒してもらおう。

そういえば、デミウルゴスさんは・・・凄まじい断末魔を上げる大量のゴブリンを殴って切り裂いて千切って抉ってを繰り返している。

さっきの叫び声はこれか・・・。

 

じっとデミウルゴスさんを見ているとポワンという音と光が私を包んだ。

 

「おお!シエリアがレベルアップしたみたいです!」

「おめでとうございます。モモンガさん。シエリアちゃん。」

「しーちゃん、おめでとー!」

 

レベルアップ?

とと様によると、種族レベルと人形使いがレベル2になったらしい。

なんだかあまり実感がわかないけど、頑張れば皆に追い付くよね!

 

それからゴブリンを倒し続け、ウルベルト様にゴブリンより強い敵とも戦えるだろうと言ってもらった。

それじゃあ一先ず帰ろうと私達はナザリックへと向かった。




内容が薄くてすみません。
オリ主の成長をどのくらいのスピードで成長させるのか悩んでます。
ネタが・・・。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話(コスプレする話)

ナザリックに帰ってくると、ペロロンチーノ様がシャルティアにスクール水着を着せていた。

 

「ぺ、ペロロンチーノさん、何をしているんですか?」

「あ!モモンガさん。いやー、スクール水着を入手したからシャルティアに着せてるんですよ。」

「ゆるぎないわね、あんた。」

「スクール水着何てあったんですね。」

「あ!そうだ。モモンガさん、もう一着スクール水着があるからしーちゃんにも着せてみない?」

「嫌ですけど。」

「即答!スクール水着は男のロマンじゃないですか!」

 

ペロロンチーノさんが何か力説し始めた。

とと様達が呆れて頭上にどんよりとした空気が渦巻いている。

 

「スクール水着とかは置いといて、NPC達に衣装を着せて写真撮りません?デミウルゴスはいつもスーツなので、たまには別の衣装を着せてみたくて。」

「あ、いいですね!私もガチャで手に入れた衣装があるんですよ。」

「あ!どうせならアウラとマーレも写真撮りたい!」

 

と、ぶくぶく茶釜様が言うので、第6階層まで移動した。

 

「持ってきたのが、セーラー服2着と白衣2着と学ラン1着か。」

「うーん、身長的にはシャルティアとアウラとマーレが生徒役ですかね?」

「しーちゃんに白衣を着せて、新任保険医かしら?」

「デミウルゴスはどうしますか?」

「んー、解剖マニアの科学教師がいいですね。うちのデミウルゴスは悪魔なので。」

 

とりあえず、アウラちゃんが学ランをシャルティアさんとマーレ君がセーラー服をデミウルゴスさんと私が白衣を着ることになった。

アウラちゃんは格好いい。少しセーラー服姿も見てみたかったけど、男物も似合う。

シャルティアさんは何だかおませな女の子って感じがする。

マーレ君はやっぱり女の子の格好で、ぶくぶく茶釜様が男の娘可愛い!って言っていた。確かに凄く似合っている。

デミウルゴスさんは白衣も似合うというか、エリート感が凄い。『オペは絶対失敗しません。』みたいなオーラが見える!

私は似合うのかな?着られてる感がする。

 

「何か、病院に受診しに来た兄弟って感じですね。」

「具合悪いのはやっぱりマーレ君ですか?」

「あー、姉ちゃん付き添い的な。」

「しーちゃんは新人感というか、初初しいわね。」

「うちのデミウルゴスの医院長感が凄い!」

「研修と言いつつしーちゃんを襲ってそうな医院長だな。」

「こら!モモンガさんの前でそんなこと言わないの!」

「え、なんでだよ。」

 

とと様が無言で近づいてきてまた私を抱き締めた。

小声で「そんなことはさせない。」とか言ってるし、体が動かせたら、大丈夫って背中ぽんぽんできるのにな・・・。

 

「あー、モモンガさんがシエリアちゃん離さなくなったー。」

「ウルベルトさん、何かあったんですか?」

「ウルベルトさんがデミウルゴスに『シエリアの婚約者(候補)』って設定付け加えたのをばらしちゃっのよ。」

「いやー、口が滑っちゃいましたよ。」

「え、でもマーレにも似たような設定なかったか?」

「え・・・。」

 

とと様が固まった。

そしてギギギギと音がしそうな程ゆっくりとぶくぶく茶釜様の方を向いた。とと様怖い。

 

「ち、違うわよ、モモンガさん。マーレは初恋はシエリア(叶わぬ恋)って入れただけよ!」

 

なんと!マーレにそんな設定が・・・次会うときが気まずい・・・。

とと様も困っている。

 

「え、あぁ、失恋確定なんですか・・・?俺が言うのもあれですが、それでいいんですか?」

「いやー、初恋は叶わないって言うし!」

「俺、姉貴がよくわかんねぇ。」

「同感ですが、デミウルゴスのライバルが減って良かったです。」

 

マーレ、チラッと見てみると困った顔をして目をそらしている。元からかな?

アウラはいつも通りだけど、デミウルゴスさんとシャルティアさんは何だか口元がさっきより引きつってないかな?

アウラちゃんはいつも通りだけど。

シャルティアさん達に違和感を感じていると、ペロロンチーノさんが爆弾を投下した。

 

「んー、こうしてみると、モモンガさんとしーちゃんは新人医師と衣装を着た骨格標本みたいだな。」

「・・・骨格標本・・・。」

「いや、それは言っちゃ駄目よ。」

 

とと様と私が凄まじいショックを受ける。

ペロロンチーノ様、とと様骨格標本を一緒にしないで!

自然ととと様を掴む手に力が入る。

 

「んーモモンガさんとシエリアちゃんは特に親子とは分かりにくいですね。」

「いや、シエリアは元々種族とかは決定してましたし・・・養女設定ですし、性格とか内面的なことはきっと似てますよ、うん。」

「いや、内面って。モモンガさんカルマ値-500でしょう?シエリアちゃんは+200でしたよね?」

「そうそう、いい子に育ってほしいってカルマ値+にしたんだよな?」

「そういえば、しーちゃんってカルマ値+200のネクロマンサーなのよね?」

「そういえば、カルマ値+で何で死体に手を出したんでしょうか?」

「う、じゃあ下げます・・・+50位に。」

「それでも+なんだな。」

「いいんですか?モモンガさん。シエリアちゃんがちょっとグレちゃいますよ。」

「まあまあ、中立位ならそこまで影響はないでしょうし、別にいいんじゃない?」

「シエリアはカルマ値下げてもいい子のはずです!」

 

そう言ってとと様は私の設定を弄った。

カルマ値って何だろう?

後でデミウルゴスさんとじいじに聞いてみよう。

 

その後ぶくぶく茶釜様達がとと様の機嫌を治すのに必死になっていた。

撮影会は、どうなんるんだろう?

 

 




今回はNPCにコスプレさせてみたかったのと、オリ主のカルマ値をはっきりさせたいな。と思って書きました。
まさかとと様がここまで拗ねる事になるとは・・・。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23話(コスプレした話)

とと様が機嫌を直した後、室内の雰囲気がいいと九階層にやって来た。

あ!じいじとたっちみー様だ。

 

「あ!たっちみーさん。ログインしていたんですね!」

 

とと様と一緒にたっちみー様とじいじの所に駆け寄った。

 

「あぁ、モモンガさん、こんにちは。ぶくぶく茶釜さん、ペロロンチーノさんとウルベルトさんもいらっしゃったんですね。」

「あらー、どもー。たっちみーさん。」

「おひさっす!」

「どーも。」

 

ウルベルト様、少し不機嫌になった。

たっちみー様はそれに気づかないふりをして、2着の服を見せてきた。

 

「あ、そうだ。皆さんどなたかこの『シックなパジャマ(ピンク)』と『ナース服(水色)』いりませんか?ガチャで当たったんですけど、着せるNPCがいないので。」

「おお!たっちみーさんナイスタイミング!」

「しーちゃんとシャルティアに着せましょう!」

「じゃあ、セバスに白衣はどうですか?たっちみーさん!」

「え、えっと、どういう感じかな?」

「皆で衣装を着せて写真とろうって事になってたんだよ。」

「そうなんですか。ありがとうございます。ウルベルトさん。」

「別に。で、セバスに『白衣』着せるの?」

「えぇ、折角ですし。」

「じゃあ、デミウルゴスのやつあげますよ。」

「え、あぁ、ありがとうございます。」

 

あれ?ウルベルト様珍しいな。たっちみー様に装備を渡すなんて。

でも、デミウルゴスさんの衣装はどうするんだろう?

 

 

「あれ?ウルベルトさん、デミウルゴスの装備をたっちみーさんに渡したんすか?」

「え!ウルベルトさん、デミウルゴスとも一緒に撮りましょうよ!」

「ペロロンチーノさん、モモンガさん、そうでしたね。」

「じゃあ、これをお返しすればいいですか?」

「いえ、モモンガさんの分をもらってもいいですか?」

「あ、はい、どうぞ。」

「あ、じゃあモモンガさん。『パジャマ』か『ナース服』どっちかどうぞ。」

「あ、モモンガさん、シャルティアに『パジャマ』着せたい!」

「じゃあ『ナース服(水色)』で。」

「モモンガさんが『ナース服』で、ペロロンチーノさんが『パジャマ』ですね。」

 

 

とと様が私に『ナース服』を着せてくれた。

『白衣』はとと様からウルベルトさんへ、そしてデミウルゴスさんが着た。

とと様から『白衣』を受け取った時、ウルベルトさんとデミウルゴスさんが表情は変わらないのに、ニヤっとした気がした。

まさか、ね。

 

「というか、シャルティアには『ナース服』かと思ったけど、『パジャマ』なのね。」

「おう!シャルティアは肌が白いから、『入院している儚げな美少女』って感じするだろ?」

「あーなるほど。」

 

 

こうして写真撮影が行われた。

じいじが医院長で、デミウルゴスさんが副医院長。

私が新人ナース、シャルティアさんがペロロンチーノさんが言ったとおり入院患者、アウラちゃんとマーレ君はその友人という設定らしい。

 

ベッドのある部屋で何枚も写真を撮った。

指とか細かい所はとと様達が頑張って調整していた。

途中からペロロンチーノ様がシャルティアさんが眠っているベッドに顔を突っ伏して「シャルティアー!」と叫びだし、ぶくぶく茶釜様がそれを撮影し、「娘を心配する父親」と言ったのをきっかけに、とと様達も一緒に撮影をした。

途中でぶくぶく茶釜様が「デミシエ撮りたい!」「シエセバ撮りたい!」とか言っていたけれど、とと様とたっちみーさんが必死に止めていた。何かの魔法だろうか?

 

「いやー、大分撮ったな!」

「こんなに盛り上がるとは思いませんでしたよ。」

「そうですね。」

「もうこんな時間なので失礼しますね。」

「あ、俺も。」

「じゃあ私もー。」

「お疲れ様でした。」

 

とと様、ペロロンチーノ様、ぶくぶく茶釜様、たっちみー様が私達の衣装をそのままに帰っていった。

ウルベルト様もデミウルゴスさんを見てニヤっと笑って帰っていった。

そして、私達は動けるようになった。

 

「いやーすごかったねー。」

「す、凄く色んなポーズで撮りましたね。」

「はい。御方々とも写真を撮ることができ、光栄でした。」

「・・・。」

「楽しかった。・・・デミウルゴスさん?」

 

デミウルゴスさんがずっと黙っている。

と言うより、じっと自分の着ている『白衣』を見ている。

 

「デミウルゴス?どうしたんでありんす?」

「・・・あぁ、いや。何でもないよ。シエリア様、私は少しやることがあるので失礼しますね。」

「うん。」

 

デミウルゴスさんは挨拶も程ほどに去っていった。

 

「で、デミウルゴスさん、どうしたんでしょうか?」

「さあ?侵入者もいないしやることなんてあるのかな?」

「さて、何かウルベルト様に指示があったのではありませんか?」

「そう、かな?」

「わかったでありんす!」

 

私達が疑問に思っていると、 シャルティアさんが晴れ晴れとした表情で叫んだ。

 

「なんだっていうのよ?」

「デミウルゴスが着ているのは、先程シエリア様が着ていらっしゃった『白衣』でありんす。」

「そ、それがどうしたんですか?」

「好いた人の着た衣類を手にしてすることなんて、決まっていんす!」

「はて、それはいったい?」

「くんかくんかするに決まっていんす!」

「・・・?」

 

シャルティアがよく分からない事を言って私とマーレ君がキョトンとしてしまった。

じいじはデミウルゴスさんが去っていった方向を睨んでいて、アウラちゃんがシャルティアを殴った。

 

「なにするんでありんすか!」

「シエリア様の前で何言ってるのよ!おバカ!」

「じいじ、どういう?」

「シエリア様は存じ上げなくて良いことでございます。シャルティア様の妄言ですので。」

 

私とマーレ君はよく分からなくて、顔を見合わせた。

シャルティアさんとアウラちゃんが後ろで騒いでいる。

デミウルゴスさんの事だし、きっと、違うよね?

ウルベルトさんとデミウルゴスさんがニヤっとしたのは違う理由だよね?

あまり考えたくなくて、その日は眠ることにした。

 




あれ?
こんなことになるはずでは・・・ごめんなさいデミウルゴスさん。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話(起きて朝食に行く話)

とと様達との撮影会後、夢の中へ現実逃避をしていると、ゆさゆさと体をゆすられ起こされた。

何だろうと目を開けると、じいじがいた。

 

「おはようございます。シエリア様。」

「じいじ、おはよう。」

 

眠い目を擦り起き上がる、と見せかけて再びベッドに戻り布団を被る。

 

「な、シエリア様!起きてくださいませ!朝食のお時間です。そしてその後は勉強のお時間です。」

「いや、眠い。」

 

ぐいぐいと布団を引っ張るじいじに布団を渡してなるものかと抵抗する私。

じいじが本気を出したら、布団なんてすぐに取られちゃうだろうに、じいじは優しいな。

というか、私はご飯を食べる必要があるのかな?

 

「じいじ、私、ご飯、食べる、必要?」

「必要でございます。食事は健康・強さの基本でございます。また、空腹状態ですとダメージを受ける等のペナルティが付くこともございます。」

「そっか。」

 

中々厳しい世界だな。

でも、食事をする楽しみがあるのは良いことだよね。

皆で食べればコミュニケーションも取れるし。

 

「じいじ、一緒、ご飯?」

「いえ、私共は睡眠食事を不要にするアイテムを装備しておりますので、食事は摂りません。」

「1人?」

「はい。今の時間はシエリア様お一人でゆっくりとお食事を摂ることができます。」

「・・・いや。」

 

1人のご飯はつまらない。

布団に戻るとじいじがベッドの横に膝をついた。

 

「ふむ・・・仕方ありませんね。でしたら階層守護者の方々が食事を摂っておりませんので、御誘いするのはいかがでしょうか?」

「じゃあ、食べる。」

「どなたを御誘い致しますか?」

 

誰がいいだろうか?

写真を撮ったメンバーはちょっと気まずいし、そう言えばあの人とはじっくり話できなかったな。

 

「アルベドさん。」

「畏まりました。では先に身支度を整えましょう。」

「うん。顔、洗う。」

「畏まりました。」

 

 

私が部屋に戻ってくると、じいじがクローゼットから服を用意してベッドの側にたっていた。

 

「じいじ、ありがと。」

「いえ、当然でございます。それでは失礼いたいます。」

「?」

 

じいじの手が私の服に伸びる。

反射的に一歩下がってしまう。

 

「シエリア様?いかがなさいましたか?」

「あ、えっと、服、自分、着る。」

「失礼いたしました。私では不快でしたね。他のメイドを呼んで参ります。」

 

じいじがあまりに悲しそうに笑うので、ついじいじの服を掴んで止めてしまった。

 

「シエリア様?」

 

どうしよう、つい止めてしまったけど、もう手伝ってもらうしかない・・・かな。

だってあのじいじが凄いこの世の終わりに無理して笑ってますみたいな顔してたし・・・。

 

「じいじ、て、手伝って。」

 

凄く顔が熱い。きっと真っ赤になっているだろう。

恥ずかしくて目を閉じていると、じいじの手が私の頭を撫でた。

目を開けると、目の前でじいじが今度は嬉しそうに笑っていた。

 

「じいじ?」

「お心遣いありがとうございます。もしも気になるようでしたら、目を閉じていてくださいませ。」

「わかった。」

 

再び目を閉じると一瞬肌を服が滑る感覚がした。

 

「シエリア様、終わりました。」

「え?」

 

あの一瞬で?

目を開けると確かに服が変わったいた。

 

「じいじ、早い。」

「魔法がかかっている服ですので。」

「魔法?」

「はい。魔法です。では、アルベド様の所に参りましょう。」

 

早着替えの魔法でもかかっているのかな?

何だか恥ずかしがって損した気分だ。

でも、普通の着方と違ったら1人で着替えられないかもしれない。

自分の常識と違っていることに驚きと不安を抱えつつ、じいじと一緒にアルベドさんの所へ行く。

 

 

10階層

 

アルベドさんはこの前のように王座に立っていた。

アルベドさんは一緒にご飯を食べてくれるだろうか?

 

「シエリア様。よくぞ来てくださいました。」

「アルベドさん、ご飯、一緒、ダメ?」

「まぁ!私でよろしければ是非お供いたしますわ!」

「良かったですね。シエリア様。」

「うん!」

 

断られなくてよかった。

私達三人は食堂へと向かった。

 

「・・・シエリア様とお食事・・・フフフ・・・シエリア様を見ながらお食事・・・。」

「・・・。」

 

聞こえない。

背後から女の人の声なんて聞こえない。

凄く身の危険を感じる!

 

「・・・最初からアウラ様達に声をかけた方がよかったか?」

 

聞こえない。

隣から聞こえるじいじの声なんて。

これからの朝御飯に不安を感じてしまった。

誰か助けて・・・。

 

「おや?シエリア様、これからお食事でありんすか?」

 

食堂の前にいたシャルティアさんが救いの女神に見えた瞬間でした。

 

 

 

 




いつにも増して内容が薄くて申し訳ありません。
今回は案内の時にさらっと終わったアルベドと絡んでみよう。というテーマなのですが、起きるのに時間がかかってしまいました。
明日こそは頑張ります!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話(食事と持つ者と持たざる者の喧嘩の話)

アルベドさんを朝食に誘ったら、アルベドさんとじいじの様子がおかしい。

そこに救いの女神(シャルティアさん)が現れた!

 

「シャルティアさん、ご飯?」

「はい!何となくシエリア様とご一緒できる気がしてやってきたでありんす!」

「あら〜、本当は待ち伏せしていたんじゃなくて?」

「待ち伏せ?」

「そんな事ありんせんわ!守護者統括様は発想が恐ろしいでありんすねー。」

「あら、そうかしら?大事なシエリア様に不埒な輩が近づかないか不安で不安で。」

「そうでありんすか。」

 

何だか二人で凄くバチバチしている。

じいじとデミウルゴスさんみたいだ。

 

「ゴホン、お二人ともシエリア様の御朝食がありますので私共は先に失礼致します。」

「あら、シエリア様失礼いたしました。さ、食堂に入りましょう。」

「そうでありんすね。ささ。」

「・・・ありがとう。」

 

三人に勧められ、食堂に入る。

もしかしたら、疲れる朝御飯になるかもしれない。

席につくと、じいじが美味しそうな朝御飯を持ってきてくれた。

ワンプレートになっていて、サラダとベーコンエッグとトーストが美味しそうだ。

 

「こちら、本日の朝食でございます。おかわりもありますのでご安心ください。」

「ありがとう、じいじ。いただきます。」

 

ご飯が凄く美味しくて自然と笑顔になる。

・・・でも、何だかアルベドさんから視線を感じる。

マナーとか悪かったかな?

「変?」

「いえいえ、とても美味しそうに召し上がるので、私共も喜ばしい限りですわ。」

「シエリア様はとても美味しそうでありんすね。」

「美味しそう?」

「あ、いえ、とても美味しそうに召し上がるでありんす。見ているこちらも満たされるでありんす。」

「シエリア様お気をつけください。油断をすると食べられてしまいますよ!それはもうねっとりじっくりと!」

「な!それはこちらの台詞でありんす!この大口ゴリラ!」

「なんですって!この八ツ目鰻!」

 

この二人、じいじ達より仲が悪い。

じいじが隣に来て、あちらに移動しましょう。

といって料理を移動してくれた。

二人の罵り合いをBGMにするとご飯が残念なものに・・・。

じいじがしきりに「お二人を追い出しましょうか?」と聞いてくるけれど、じいじに飛び火するだけだろうから断っている。

そうこうしている内に食べ終わり、残るはデザートらしい。

二人はまだまだ終わらないけど、何でこんなに仲が悪いんだろう?

 

「二人、喧嘩、なんで?」

「え、あ!お見苦しい所をお見せいたしました!」

「申し訳ないでありんす!」

「喧嘩、ダメ。」

「はい・・・。」

「わかったでありんす!」

 

二人がしょぼんとする。

デザートは美味しく食べきりたいし、原因とか分かればなんとかなるかな?

 

「喧嘩、なんで?」

「私達は元々反りが合わないのでありんす。」

「なんで?」

「う、それは・・・。」

「私の美しさに嫉妬しているんですわ。」

「私は胸がコンプレックスでありんすから、こう、一々強調してくるこの女がムカつくのでありんす!」

「持つもの、持たざるものの戦いというやつですわ。」

「胸・・・。」

 

自分の胸に手を当ててみる。

自分はどうだろうか?

無くはないけど、アルベドさんよりはとても小さい。

 

「胸、小さい、ダメ?」

「殿方は胸の大きい女性を好むものだそうでありんす!私はペロロンチーノ様にもっと認めてほしいのでありんす!」

「大きい、胸。」

 

とと様もアルベドさん位大きい方がいいのだろうか?

そう言えば、プレアデスやメイド達も胸の大きい人の方が多いような・・・。

 

「アルベドさん、胸、大きく、どうする?」

「そうでありんす!教えるでありんす!」

「え、あの、シエリア様はそのままでも十分なのでは?そもそも、私は元々この大きさだったので・・・。」

「そんな!じゃあ私に望みはないのでありんすか!」

「成長、ない?」

 

シャルティアさんと涙目になりながら手を取り合い、アルベドさんを見上げる。

 

「え、えっと、じゃあ図書室に行って調べてみましょうか?」

「是非!でありんす!」

「行く!」

「・・・デザートをお持ちいたしました。」

「じいじ!図書室!」

「セバス、今日はシエリア様達と女性の体の成長(主に胸)について勉強をするわ。いいかしら?」

「・・・畏まりました。私は席をはずした方がよろしいですか?」

「そうでありんすね!」

「では、図書室の前に待機しておりますので、何かありましたらお申し付けください。」

「わかった。・・・パフェ美味しい!」

 

デザートをじっくり堪能し、私とシャルティアさんとアルベドさんとの勉強会に小さな胸を踊らせるのだった。




何だかおかしな方向に話が進んでいく・・・。
デミウルゴスもとと様も出てきてくれない。
次回、乙女の悩みは解消されるのか?
楽しみにしていただけると嬉しいです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話(バストアップ講座の話)

デザートを食べ終え、アルベドさんとシャルティアさんと私は意気揚々と図書室に向かった。

後ろを着いてきてくれているじいじは何か気まずそう、と言うより言いたい事があるような感じだ。

 

「じいじ?話、ある?」

「い、いえ、大丈夫でございます。どうか、お勉強をお楽しみくださいませ。何かありましたら何なりとお申し付けください。」

「えぇ、ありがとう。セバス。」

「では、シエリア様、いざ!バストアップ計画、始動でありんす!」

「・・・うん。」

 

大声で言われると恥ずかしいな。

図書室にはとてもたくさんの棚があり、何万冊もの本があるようだ。

 

「こちらの棚が、身体に関する本でございます。」

「随分小難しそうな本ばかりでありんすね。」

「医学書なんて殆どこんな感じよ?あら、シャルティアには馴染みがないからしょうがないわね?」

「なんか刺のある言い方でありんす!」

 

また二人が喧嘩を始めてしまった。

とりあえず、それらしい題名の本から見てみよう。

「人体の謎と不思議」「初めての育児」「猿でもわかる拷問入門」「気になる彼を振り向かせろ!2ヶ月のバストアップ習慣」・・・上の方にあるあれがいいのかな?

私は背伸びをして本を取ろうとするが、ギリギリ届かない。ピョンピョンとジャンプをすると、指が引っ掛かり少し手前に動かせた。

この調子でやれば取れるかも!

数回同じことをして、もう一回と言うときに後ろから手が伸びてきてひょいっと本を取ってしまった。

 

「シエリア様が取ろうとしていたのはこちらの本でしょうか?」

 

手の持ち主はデミウルゴスさんだった。

取ろうとしていた本が本だけに、凄く恥ずかしい。

顔から火が出そうだ。

 

「あ、ありがとう。」

「シエリア様、方法ばかりを試しても何故そうなるのかを知らなければ逆効果になることもありますよ。」

「そうなの?」

「はい。例えば、ダイエットをする場合は体質によって断食するもの、運動するもの、食事制限等の効果的なアプローチは違います。豊胸に関しましては『女性ホルモン』が重要ですが、成長期か否かでも対応が多少変わります。」

「女性、ホルモン?」

「よろしければ私が授業をさせていただきますがいかがなさいますか?」

「お願い!」

 

流石教育係!

デミウルゴスさんはキュポンとマーカーの蓋を開けて、後ろのホワイトボードに『女性ホルモンについて』と記入していった。

 

「ホワイト、ボード?」

「あぁ、こちらは配下の者に設置させました。」

「さっき、無かった。」

「私の配下の者には素早い悪魔もおりますので。」

 

ニッコリとデミウルゴスさんが笑う。

悪魔って凄い!

 

「では、授業を始めます。」

「はい!デミウルゴス先生!」

 

バシン!と一瞬でデミウルゴスさんの尻尾が後ろのホワイトボードをぶっ飛ばした。

司書さんも真っ青になっている。

 

「・・・。」

「・・・失礼いたしました。不意討ちに驚いてしまいまして。おや、曲がってしまいましたね。すぐ直りますので少々お待ちを。」

 

そう言いながらホワイトボードを直すデミウルゴスさん。

そして音に驚いて喧嘩を中断したアルベドさん達がやって来た。

 

「シエリア様!お怪我はありませんか?」

「大丈夫。」

「デミウルゴス、いったい何があったのでありんす?」

「いや、シエリア様からの不意討ちに驚いてホワイトボードを倒してしまいまして。」

「ごめんなさい。」

「シエリア様は悪くありません。私が未熟なだけですから。」

 

デミウルゴスさんが直し終わって・・・何か人骨みたいな装飾が増えたホワイトボードの前に立った。

 

「では、改めまして『バストアップ』に関する授業を始めます。」

 

その言葉にアルベドさんとシャルティアさんも慌てて机に座る。

何か学校のチャイムが鳴ったときみたい。・・・あれ?学校って何だっけ?

まあいいや、今は授業に集中しよう!

 

「バストアップには、『女性ホルモン』が鍵となります。」

「その、『女性ホルモン』とは人間から得られるのでありんしょうか?」

「いえ、自分の体で作られるので、体外から摂取することは出来ません。」

「まず、『ホルモン』は体内で分泌される物質で様々な器官や組織をコントロールしています。その中で、女性特有の肉体や肉体のリズムに大きな影響を与えるのが『女性ホルモン』です。因みに『女性ホルモン』には種類がありまして、女性らしい肉体をつくるのが『エストロゲン』というホルモンです。

役目といたしましては、肌や髪の潤いを守ったり、女性特有の丸みを帯びた肉体を作ったり、女性の健康を支える役割も果たします。

また、脳や自律神経にも働きかけるため女性の心身に大きく影響するのが特徴です。」

 

一気に説明され過ぎてよくわからないけど、エスなんとかって言うのが女性らしい体を作るのかな?

 

 

「成る程、それでその『女性ホルモン』はどうやったら増やせるのかしら?。」

「そうでありんす!そこが知りたいのでありんす!」

「増やす方法は、そうですね。バランスの取れた食事を摂ること、質の良い睡眠を取ること、適度に運動をすること、ストレスを溜めないこと、そして感情を高ぶらせることですね。」

「何だか、当然のことじゃない?」

「そうでありんすね。ナザリックにいれば自然とその生活がおくれるでありんす。」

「感情、高ぶる?」

「分かりやすく言うならば、ドキドキ・ワクワクすることですね。シエリア様はどんな時にドキドキしますか?」

 

デミウルゴスさんの質問に今までの事を思い返してみる。

ワクワクだったらとと様と一緒の時なんだけど、ドキドキか・・・。

 

「デミウルゴスさん、指輪。」

「指輪?」

「・・・左手、薬指。」

「あぁ、あの時でございますね。お気持ちを受け取って頂きありがとうございます。」

「はあぁぁぁ!?」

 

アルベドさんとシャルティアさんの絶叫が図書室と言わず、ナザリック内に響き渡った・・・。

 

 

 

 

 




ついに言ってしまったオリ主!
叫びだす暴走コンビ!
デミウルゴスの命運やいかに・・・?
この時とと様は激務に追われているのであった(笑)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話(その時まで左手の薬指は空けておこうねって話?)

アルベドさん達の絶叫のあまりの大きさに頭がぐわんぐわんと揺れてしまった。

頭と机がこんにちはする前に、デミウルゴスさんが支えてくれたけど余波が強い。

 

「シエリア様!何事ですか!?」

 

外で待機していたじいじも駆けつける。

じいじだけじゃなく、プレアデスやペストーニャさんもやって来た。

 

「デデデデデミウルゴス!!シエリア様から離れなさい!」

「そうでありんす!よくも抜け駆けを!!」

「お二方、どうかあまり大きな声を出さないで頂けますか?。ここは図書室ですので。」

「これが黙っていられるはずないでしょう!セバス!貴女の役目はシエリア様に虫が付かないようにすることでしょう!?」

「私の役目はシエリア様を不貞の輩からお守りすることですが。」

「デミウルゴスがシエリア様に手を出したでありんす!」

「なんと・・・ペストーニャ、シエリア様の治療を。」

「畏まりましたワン。」

「二人とも少し落ち着いたらどうだい?シエリア様の耳には二人の声でダメージを負っているようだよ。」

 

「なっ、申し訳ありません。シエリア様。」

「このシャルティア、一生の不覚でありんす。」

 

ペストーニャのお陰でグラグラもおさまり、改めてじいじによる状況説明という名の尋問が始まった。

それくらいの気迫でした。

 

「つまり、私と共にナザリックのご案内をした際にシエリア様への指輪を左手の薬指にはめたと。」

「えぇ、ですがシエリア様は意味を理解していらっしゃらないようだったので無効でしょうね。」

「そうでありんすね!」

「シエリア様、左手の薬指に指輪をはめる意味をご存じですか?」

 

ゴゴゴゴゴと音がしそうな位怖い顔のじいじが質問をした。

後ろのアルベドさんとシャルティアさんも物凄い気迫でした祈っている。

プレアデスの皆はとても心配そうにこちらの様子を伺っている。

デミウルゴスさんだけがニコニコとしている。

これは、知らないって言った方が安全のはず。

 

「えっと、」

「正直に、真実を、お願いいたします。」

「ひっ、えっと、婚約ゆびゎ・・・?」

「「いやあぁぁぁーーー!!」」

 

じいじの地を這うような声に恐怖を覚え、後半が言葉にならなかった。

と言うより言ってしまった。一番拗れそうな回答を。

そして後ろの二人が悲鳴をあげて図書室を出ていってしまった。

 

「・・・ごめんなさい・・・。」

 

予想以上の惨劇&じいじの迫力に涙目になりながら謝る。

じいじがため息をついて私の目線に合わせて身を屈めた。

 

「シエリア様は何故私が怒っているかお分かりですか?」

「・・・指輪、黙ってた。」

「シエリア様、私は指輪の事を知らなかったから怒っているのではありません。シエリア様がご自分やデミウルゴス様のお気持ちを軽んじた事を怒っているのです。」

「気持ち?」

「はい。婚約指輪とは将来を共に歩むという約束の象徴です。しかし、シエリア様は指輪の意味を知っていながら、デミウルゴス様を愛していると断言できるでもなく、また人生を共に歩む覚悟があるわけでもなく受け入れてしまわれた。その行いはデミウルゴス様のお気持ちを踏みにじる行為と言っても過言ではありません。」

「ふみ、にじる?」

「はい。どんなに断り憎くとも、愛情と覚悟がないのであればきちんとお断りをする。それが本当の優しさというものです。」

「優しさ・・・。」

 

私は何となくそのままにしていたし、デミウルゴスさんに酷いことをしていたのか。

きちんと謝らなければ!

デミウルゴスさんと向き合って頭を下げる。

 

「デミウルゴスさん、ごめんなさい。」

「いえいえ、私も軽率な行動をとってしまいました。」

「どうする、許して、くれる?」

「そんな滅相もない。ですが、もしも可能であるならば、これからもシエリア様を愛することを許可していただけると幸いでございます。」

「・・・うん。」

「きゃー!シエリア様ー!よく頑張ったっスー!」

 

デミウルゴスさんがニッコリと笑って、言うものだからこっちが照れてしまった。

また顔が熱い。

何故か拍手が巻き起こった!

叫んでいたのはプレアデスのルプスレギナかな?

おろおろしていると、じいじも良くできました。と頭を撫でてくれた。

 

「そう言えば、アルベド様達はどちらに行ってしまわれたのでしょうか?」

「ここにいるでありんす!」

「話は聞かせていただきました!残念だったわね、デミウルゴス。」

「いえ、そうでもないですよ。私はシエリア様を愛する許可を頂けたのですから。」

「なっ!デミウルゴス、貴女最初から!」

「さて、何の事でしょうか?」

「こいつ悪魔でありんす!」

「はい。悪魔ですよ。」

 

ニッコリとデミウルゴスさんが勝ち誇った顔をする。

私はやってはいけないことをやってしまったんだろうか?

 

デミウルゴスさんは「そろそろ失礼致します。」と扉の方へ向かう。

ホワイトボードがまたいつの間にか消えていた。

悪魔って凄い。

 

「あぁ、そうそう。今日の授業内容ですが、成長期の場合ですので、シエリア様には効果はあると思いますが、成長しきったサキュバスであるアルベドや、まして成長の止まったアンデットのシャルティアにはほぼ効果はありませんので。」

「な、なっ!この性悪悪魔ー!覚えていやがれでありんすーーー!!!」

 

デミウルゴスさん・・・恐ろしい悪魔だ。

アルベドさんやプレアデスの皆が哀れみの目でシャルティアさんを見つめていた。

 

「シエリア様、モモンガ様とホワイトブリム様のお帰りです。移動しましょう。」

「とと様!」

 

さて、とと様が帰ってきたので唸るシャルティアさんを引きずって昨日の場所に戻るのでした。

 




何だか途中から話が迷子に・・・。
次回、オリ主が新たな職業を入手?です。
明日も更新していきますので、よろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話(ミニマムを取得する話)

持ち場に戻ってとと様達を待っていると、慌てた様子でとと様がやって来た。

 

「あー、そっかここにいたのか!見当たらないから探しちゃったよー。」

「しーちゃんいましたか?」

 

ホワイトブリム様も一緒だ!

とと様私を探しに来てくれたんだなー。

嬉しいなー。

 

「それで、ホワイトブリムさん。見せたいものってなんですか?」

「そうなんですよ!昨日ぶくぶく茶釜さんから連絡がありまして、しーちゃんに『ミニマム』を取らせたいってことだったので、イラスト描いてきました!」

「え!ありがとうございます!でも、何でイラストなんですか?『ミニマム』って小さくなるだけですよね?」

「モモンガさん知らないんですか?この前のアップデートで、『ミニマム』を使用して冒険する時のNPCはデザインを変更できるようになったんですよ。」

 

アップデート?

何だろう魔法かな?でも、何か聞き覚えのある単語?

 

「そうなんですか?知らなかったです!」

「で、ですね。レベル1の段階は大きさ的に小学生位らしいので、アウラとマーレより少し背の低い少女です。」

 

チラッと見えたイラストには小学生位の私と思われる白いワンピースを着た少女が描かれていた。

背景は砂浜だがどこか寂しげな印象をもつ。

 

「おお!凄く可愛いです!何だか今より幼い感じがして・・・ペロロンチーノさんに近づけたくないですね(笑)」

「絶対危ないですね(笑)で、レベル2がこれです。2.5等身なので、4・5歳位ですね。」

「おお!これも可愛い!さっきの絵とは違って元気いっぱいって感じですね!」

「はい!無邪気さを出してみました!」

 

その絵には麦わら帽子に白いワンピースで無邪気に砂浜で遊ぶ幼女が描かれている。

ホワイトブリム様が何か言いづらそうにしている。

 

「それで、レベル3なんですけど、小型犬くらいの大きさで、レベル4が手のひらサイズ、レベル5が親指大でなんですって。」

「そうなんですか。じゃあ小人みたいなりますね!」

「それなんですが、しーちゃんが人の姿のまま小さくなりすぎるとペロロンチーノさんが心配なので、レベル3からはこれで統一したいと思いまして!」

「これは・・・。」

 

その絵には、羽?の生えた白いウーパールーパーのような生き物が描いてあった。

シルエットが丸めでぽにょんとした感じがして可愛らしい。

 

「ウーパールーパー、ですか?」

「やっぱりダメですかね?しーちゃんは水に入っても尾ひれと羽が出来るだけで異形種感が少ない気がして、ミニマムの姿で何とか出来ないかと思って。デフォルト調で可愛い感じにして抵抗を少なくしてみたつもりなんですが・・・。」

「成る程・・・小型犬サイズだったり手乗りサイズで可愛いですよね。特にこのぷにっと感!」

「分かってくれますか!モモンガさん!」

「はい!ありがとうございます!ホワイトブリムさん!良かったなー、シエリア!」

 

うん!

この姿が活用される日が来るのかわからないけど、可愛いしとと様も嬉しそう!

すると、とと様が操作を始めた。

しばらくして私の体が光に包まれて、何だかソワソワする感じがする。

それが5回くらい連続した。

 

「お!ミニマム一気にレベル5まで取得しましたね!」

「はい!どうやってイラストを反映するんでしょうか?」

「あー、私も詳しくはわからないですね。確かヘロヘロさんが2時頃イン予定って言っていたので、少し待ってみましょうか?」

「ありがとうございます!皆さんには色々と助けて頂いて助かります。」

「いえいえ、私達こそモモンガさんがいてくださって助かっているんです。特にしーちゃんのお陰で皆がユグドラシルでのやることができた!って喜んでましたし。」

「そうですね。皆さん忙しいのにシエリアの為にちょっとでもログインしてくださるようになりましたね。」

 

みんな忙しいんだな・・・あれ?

でも、とと様達ここにいない間はどこにいるんだろう?

じいじ達は隠れるって言い方をしているけれど、御方々の言い方ってまるでゲームをしているみたいな・・・まさか?

 

「モモンガさん。そんな課金して大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。実は今日珍しく少ないですが、ボーナスが出たんです。」

「わー、羨ましいです!」

「いやー、ボーナス貰ったのなんか何年ぶりだか・・・。」

「うちの会社もボーナス出してくれないかな?ゲームにかけるお金少なくって。」

「イラストレーターって大変そうですね。」

 

ボーナス、会社、ゲーム、イラストレーター?・・・もやっぱり、とと様達は私たちの知らない世界で働いているのだろうか?

私達がいる世界はゲームの世界で、とと様には現実という世界がある。

だからいなくなったりするんだよね?

私達は偽物で、とと様達の暇潰しで、いつか飽きたら捨てられる・・・?

私達が何故とと様達がいるときに動けなくなるのか、同行している間に御方々がいなくなると深い眠りについてしまうのか。

それはプレイヤーとNPCの越えられない壁なのだ。

私達は未来永劫とと様達と言葉を交わすこともできず、干渉することはない。

 

気づいた事実と突きつけられた現実が、私の心に深く突き刺さった。

 

 

 




明るい話になるはずが・・・。
次回、オリ主の決断やいかに!
ちゃんと貼れてるかわかりませんが、ミニマムレベル3以上はイメージがわからないと思うので、イメージ画(駄絵)を貼っておきます。


【挿絵表示】


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話(ゲーム世界とか吹っ飛ばす程の親バカの話)

心に暗雲がたちこめた時、とと様の方を見るのが恐くなった。

とと様自身が恐い訳ではなく、とと様がいなくなってしまうことが恐い。

とと様がいなくなったら、私はどうすればいいのか?

視界に入る世界から段々と色が抜けていくみたいだ。

 

「そうだ、シエリア!ついておいで。」

 

とと様が私の手を引いて歩きだした。

どこへ行くの?捨てられちゃうの?

 

「モモンガさん、どこに行くんですか?」

「俺の部屋ですよ。ホワイトブリムさんも一緒に来ませんか?写真立てがあったはずなんで、シエリアのイラストとか写真を飾ろうと思って!」

「成長記録みたいでいいですね!」

 

写真?最後の思い出みたいな?

とと様の部屋に着くと、大きなベッドと申し訳程度のクローゼットと背の低い本棚とアイテムボックスがいくつかあるだけだった。

 

「シンプルな内装ですね。」

「そうなんですよ。こうしたいとかのイメージが中々なくて、必要なものだけになってるんです。でも、シエリアの部屋を確保しようと思っているので逆によかったです。」

「しーちゃんの部屋ですか?」

「はい。可愛い部屋にしてあげたくて。写真を飾るのはあの辺りにしようかと。」

 

そう言ってとと様が指差したのは背の低い本棚の上だった。

 

「ずっとどうしようか悩んでた写真立てがやっと活用できますよ!」

「よかったですね。しーちゃんのイラストを飾るんですよね?」

「ホワイトブリムさんが一番最初に描いてくれたやつから、ミニマムのレベル順に飾って。あ、シエリアを召喚した時の写真も、この前初めてシエリアがゴブリン倒した時のも飾りたい・・・。ホワイトブリムさん。スペースが足りないですね。」

 

とと様が悲しそうな声でホワイトブリム様に話しかける。

ホワイトブリム様も苦笑いだ。

とと様、こんなに私の写真持ってたんだ。

大切に思ってくれてるんだな・・・。

 

「写真、多いですね。まだ1週間もたってないですけど。」

「はい!親バカって言われちゃいますけど、俺シエリアが本当の娘みたいに大切なんです!」

「その気持ち、よくわかります。私が皆さんのNPCやメイド達のイラストを描くことが多いので、その子達も私の子どもだと思ってます。だって、自分が一生懸命愛情込めて1人1人描いて、現実の仕事より頑張っちゃって。色々嫌になると、ここに来てこの子達に会いに来ちゃうんですよ。」

「お互い、親バカですね。」

「そうですね。」

 

あぁ、きっと大丈夫だ。

とと様達は私達を大切に思ってくれている。

愛してくれている。心配しなくていいんだ。

とと様は私を捨てたりしない。

きっと、置いていったりしない。

なら私はとと様達を、NPCの皆を信じて、大好きでいればいい。いつか強くなって、とと様達と一緒にここを守っていこう。

不思議と心は晴れやかになった。というか吹っ切れたかな?

決意を新たにしていると、ヘロヘロ様の声が聞こえてきた。

 

「モモンガさーん、ホワイトブリムさーん。どこにいますか?」

「あ!ヘロヘロさん!モモンガさんの部屋にいますよー!」

「こっちですー!」

 

「あ、いたいたー。しーちゃんがミニマムを取るって聞いたので、イラストの設定をしたいんですよー。」

「さっきホワイトブリムさんとその話をしていて、ヘロヘロさんを待ってたんですよ!」

「そうそう!ヘロヘロさんみてくださいよ!これがしーちゃんミニマム絵です!」

「わー!可愛い!でもペロロンチーノさんが心配ですね・・・。」

「そうなんですよ(笑)」

「レベル3からはこのイラストになるんです!」

「ウーパールーパーっぽい!これぷにぷにしたくなりますね。」

「力作です!」

 

三人でわいわいと話しながら設定していく。

体が縮むってどんな感覚なんだろう?

 

「シエリア、設定終わったよ。レベル1になってみようか。」

 

とと様の呼び掛けで、体が光に包まれる。

何だかすごく温かくて目をつむる。

とと様達の「おー!」という声で目を開けると、いつもより視界が低くなっていた。

 

目線が変わるだけで、ヘロヘロ様の顔?が近くなり、迫力が強くなる。ちょっと恐い。

 

「これはペロロンチーノさんに見せちゃ駄目ですね。」

「しーちゃんさらわれます。」

「あ!面白いこと考えました!」

「なんですか?」

「シエリアをですね・・・」

 

とと様が悪戯?を思い付いたらしい。

こういうちょっとしたことでとと様達に大切にされてるんだなってわかると、前よりもっと嬉しく感じる。

ずーっと、とと様達が来てくれるようになるといいな!

あれ?でもそうするとゲーム廃人になる?

・・・何事にも、バランスは大事だよね。うん。

 

 




上手くまとまったのか?
無理矢理感が否めないですが、ご容赦ください。
明日はとと様のお茶目なドッキリ大作戦です。

また、リクエストがありましたのでオリ主のミニマム1と2の絵を描いたので貼っておきます。
ゆるキャラ人を下手な絵なので、苦手な人はスルーでお願いします。


【挿絵表示】
←オリ主ミニマムレベル1(酷い方)

【挿絵表示】
←オリ主ミニマムレベル2(まだましな方)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話(かくれんぼを始める話)

とと様の計画は私が「ミニマムレベル2」になり、大量のぬいぐるみの中に隠れる。

それを皆が見つけられるかというゲームをするらしい。

 

悪戯と言うほどではないが、とと様達が楽しそうだからいいか。

本当はミニマムで手のひらサイズにして肩に乗せたかったらしいが、NPCを抱えるというアクションが出来ないらしいので、ぬいぐるみの中に隠れることになった。

テディや血濡れサーカス団等のとと様のぬいぐるみやヘロヘロ様やホワイトブリム様が持て余していたぬいぐるみを集めていた。

ファンシー系のぬいぐるみやホラー系のぬいぐるみがごちゃごちゃに積まれており、私の隣が血塗れのミイラとテディと言う変な並びになっている。

 

「・・・しーちゃん、目立ちますね。」

「何か衣装とか着せますか?」

「あ!そうだ、ガチャでこのアンデット仮装を当てたんで、これをシエリアに着させましょう!」

 

そう言ってとと様が嬉しそうに出したのは、紺色の大きなフード付マントと可愛らしい骸骨のお面だった。

装備してみると、手足はマントに隠れ手足を動かせばバサバサと音がするだろう。骸骨のお面をつけると最早誰も私だとは思わないはずだ。

 

「モモンガさん、難易度上がりすぎません?しーちゃんの原型が隠れちゃってますよ。」

「ヘロヘロさん、そうですよね。やり過ぎました・・・。」

「でも凄く可愛いですし、ベッドの枕元に座ってて貰えばいいんじゃないですか?ジャックオランタン人形と一緒に!」

「ホワイトブリムさんはそれでいいんですか?折角描いてくださったのに、皆に見えませんよ?」

「見つかったらお披露目するでしょうし。大丈夫です。」

 

そして私はカボチャのぬいぐるみ(身長同じくらい)と一緒にベッドの枕元に座った。

机等にもぬいぐるみが置かれ、ベッドにぬいぐるみがある違和感も無くなった。

そんな時にまた誰かの声がした。

 

「モモンガさん達どこかしら?」

「シエリアちゃんがいなかったから、ログインはしていると思うんですけどね。」

「んー、冒険に出てはいなさそうだしな。」

「部屋とかにいないんですかね?」

 

ぶくぶく茶釜様とウルベルト様とペロロンチーノ様とたっちみー様の声がした。

見つからないか少しドキドキしてしまう。

 

「あ!たっちさん達が来たみたいですよ!」

「丁度良かったですね。」

「ペロロンチーノさんもいますね。」

 

とと様達も同じようでソワソワしだした。

誰がたっちみー様達に声をかけるか話し合っている。

 

「モモンガさーん。」

 

とと様ー。段々声が遠くになっていきますよー。

誰でもいいから声かけてください!

 

「どこですかー・・・。」

 

あー!たっちみー様達が行っちゃった・・・。

とと様達何やってるの!

 

「あれ?もしかして皆さん行っちゃいました?」

「あちゃー。やっちゃいましたね、」

「モモンガさんもヘロヘロさんも途中から愚痴になってましたからね。」

 

あはははっと3人は笑ってる。

愚痴言ってたの!?もう!折角楽しみにしてたのに!

たっちみー様!ぶくぶく茶釜様!ウルベルト様!ペロロンチーノ様!戻ってきてー!

 

「とりあえず、メッセージで呼び掛けましょうか?」

「そうですね。」

 

3人が話していると、「こっちだー!」というペロロンチーノ様の声が近づいてきた。

あれ?まだとと様達なにもしてないんだけど・・・?

 

「待ちなさいよ!本当にこっちであってるの?」

「おう!確かにこっちから幼女の呼ぶ声が聞こえたんだ!」

「幼女の呼ぶ声って・・・誰だ?」

 

なんだかよくわかんないけど戻ってきた!

とと様が嬉しそうにドアを開けると、ペロロンチーノ様達が立っていた。

 

「モモンガさん本当にいた!」

「姉貴、だから言ったろー!」

「こんにちは、モモンガさん、ホワイトブリムさん、ヘロヘロさん。」

「どもー。」

「ペロロンチーノさん達どうしてここに?」

「いやー!それが、可愛い幼女に呼ばれた気がして!」

 

ホワイトブリム様の疑問をペロロンチーノ様が親指を立ててどやっと効果音が出そうな雰囲気で答えた。

 

「「「幼女?」」」

 

皆は部屋の中を見回す。

私の声が聞こえたのかと思って、ちょっぴりドキッとした。

 

「幼女って、誰だろう?」

「侵入者はいないですし。」

「きっとこいつの気のせいよ。」

「そんなことねえよ!」

「ペロロンチーノさん、拗らせました?」

 

ぶくぶく茶釜様がからからと笑い、みんなも笑った。

 

「そういえば、皆さんこそモモンガさんの集まってどうしたんですか?」

「いやー、皆さんとちょっとしたゲームをしたくって。」

。」

「ゲーム?」

「かくかくしかじかです。」

 

ヘロヘロ様がルールと経緯を説明した。

そこでウルベルトさんがぽつりと一言。

 

「で、モモンガさん。しーちゃんを見つけた人にはどんな特典があるんですか?」

「え、特典ですか?」

「そうだな!特典があった方が楽しいだろ!」

「うーん。何かほしいアイテムありますか?」

「いや、無理しなくていいですよ、モモンガさん。」

 

ウルベルト様の発言で、とと様が悩みだした。

とと様が真剣に悩みだし、たっちみー様達が困っている。

とと様、ゲームの景品に悩みすぎだよー。

 

「じゃあ、しーちゃんを見つけた人の言うことをモモンガさんとヘロヘロさんと私で1つ聞いて、もし皆が見つけられなかったら、私達の言うことを1つたっちさん達で聞くっていうのはどうですか?」

「それいいですね!」

「何お願いしようかしら!」

「気が早いよ姉貴。」

「ではいきますよ!さん、に、いち、スタート!」

 

こうして、「第1回しーちゃんのかくれんぼ〜inとと様のお部屋〜」(←ぶくぶく茶釜様命名)が始まった。

私はベッドに座ってるだけだから、いつ見つかるかドキドキする・・・。

 

 

 




何か始まりました。
ドッキリの予定がかくれんぼに変更されました。
次回、勝者はだれだ?明日も来てくださると嬉しいです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

31話(かくれんぼをする話)

さて、「第1回しーちゃんかくれんぼ〜inとと様のお部屋〜」が開催され、たっちみー様やぶくぶく茶釜様やペロロンチーノ様がぬいぐるみの山を捜索している。

 

「しーちゃんミニマムなんだよな?唸れ!俺の幼女センサー!」

「煩いわよ!にしても、姿が分からないものを探すって難しいわね。」

「あ、この写真!しーちゃん可愛いですね。」

「あ、はい!」

「本当に可愛いですよねー。」

「私の力作です!」

 

ペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様がぬいぐるみの山を調べている。

ふふふ、そっちにはいないんですよ!

そして、たっちみー様は私の写真を見つけてとと様やホワイトブリムさん、ヘロヘロさん達と会話し始めた。

たっちみー様、脱線!

そんなことを考えているとベッドにボフンっとウルベルト様が座った。ピンチ!絶体絶命!

 

「いやー、見つからないなー。」

 

と、棒読みに声を漏らし、私とカボチャのぬいぐるみを凝視する。

気づいてる?気づいていらっしゃいますよね?

ウルベルト様がモニター?を出して何かを確認している。すると「こっちがしーちゃんか。」と小声で言って、私を指でつついた。

何でバレた!?NPC捜索スキルでも持っているのですか?

 

「フフフ、さっき幼女の呼び声の件でモモンガさんはベッドの方見てたし、ハロウィンガチャの景品でカボチャはぬいぐるみだけど、骸骨は装備品だったんだ。なんて、しーちゃんに言っても分からないか。」

 

わかりますよ!喋ったり動けないだけで!

でも、とと様さっきこっち見てたかも

気づくウルベルト様すごい・・・流石デミウルゴスさんの創造主!

とと様ー、早々に見つかっちゃったよー。

・・・まだ話している。

 

「どうすっかなー。盛り上がってるのに水を差すのもアレだし、ペロロンチーノさん達見てようか。」

 

ウルベルト様がそう言うので、ペロロンチーノさん達を見てみる。

 

「しーちゃんはこれかー!」

 

と言ってペロロンチーノ様はテディを抱き上げた。

するとウルベルトさんが「あれ、消毒しないとな。」とボソリと呟いた。

いや、あの方は貴方様の仲間ですよ。消毒なんて必要・・・?

もしシャルティアがテディを持ったら、デミウルゴスさんも消毒してそう?いや、でも消毒する必要性なんてないはずだ。

あ、潔癖症なのかな?うん、きっとそうだ。じゃないとなんだか悲しい答えしかでてこなもん!

そんな中、ペロロンチーノさん達が諦めた。

 

「モモンガさーん!しーちゃんいないー!」

「見つからないわー。」

「いや、いますよ・・・え、ウルベルトさんもしかしてずっと話終わるの待ってました?」

「はい。」

 

とと様達がやっとペロロンチーノさんの声に話を中断してこっちを向いた。

 

「すみません!」

「いや、いいですよ。何をお願いしようかな。」

「うっ・・・。」

 

謝るとと様にウルベルト様がニヤリと笑う。

とと様が1歩後ずさる。

不適な笑みとはこういう笑い方をいうのかと納得したが、それどころじゃないことに気づいた。

ウルベルトさんはいつもデミウルゴスさんと私関係の提案ばっかりだった。もしかして本当に許嫁にされちゃう可能性もある!

 

「・・・ウルベルトさん、願い事ってなんですか?」

「いやー、どうしようかなー?デミウルゴス関連もいいんですが。」

「やっぱり!」

「ウルベルト、余り可笑しな願いは止めろ。」

「わかってるさ。しーちゃんに踊り子の職業を取らせたいと思ってさ。」

「踊り子ですか?」

「モモンガさんも踊り子取らせるかみたいなことは言ってたでしょう?」

「まあ。」

「お嬢様なら躍りができて当然かな?と思ってさ。」

「・・・はあ、それなら別に構いませんが。」

 

踊り子?踊るの?それだけでいいんだろうか?

なんだか裏がありそうで恐い。

 

「それだけでいいんですか?」

「1つって約束だったし、今日出先でドラマの再放送観てさ、シエリアちゃんとデミウルゴスが踊ったら様になると思ったんだよ。」

「確かに美男美女で映えるでしょうね。」

「そうなんですか!何て言うドラマですか?」

「あ!あれですよね。主人公の女の子がダンスシューズを投げて元彼の頭に当てちゃったやつ!」

「それですそれです!」

「なにその変な話。」

 

ほっこりとした笑顔で言うウルベルトさんは、ドラマの話をとても楽しそうに話していた。

私も見てみたいけど、見れないんだよなー。

 

「てか、しーちゃんのミニマムがこれ?骸骨じゃん!ちっちゃいモモンガさんじゃん!」

「ミニモモンガさんも可愛いじゃない。」

「これで一緒にいれば親子ってわかりますね。」

「いや、これハロウィンの仮装でしたよ。」

「そうなんですよ。ガチャで当てたんです。」

 

とと様が嬉しそうに仮装を外して、白いワンピースに変更した。

するとおおー!という歓声が聞こえた。

 

「幼女は最強だー!流石ホワイトブリムさん!ありがとうございます!」

「あ、ありがとうございます。」

 

ペロロンチーノ様が泣きながらホワイトブリムさんに握手している。

そして周りが大分引いている。

 

「モモンガさん、しーちゃんの写真とってもいいか?」

「ダメです。」

「何でだよケチー!減るもんじゃないだろ!」

「減ります。シエリアの何かが。」

「そうよ!変態が移っちゃうわ!」

「シエリアちゃんには変態属性いらないもんな。」

 

うんうん、とウルベルトさんが頷く。

変態って移るのかな?でも、人の好みって一緒にいる人に影響受けるっていうし・・・どうやって影響を受けるんだろう?もしかして、この世界では触ったところから感染したりするのかも、だから消毒が必要なんじゃないか?

だからシャルティアさんも変態に・・・恐るべしペロロンチーノ様!

 

「とりあえず、モモンガさん、しーちゃんに踊り子追加お願いします!」

「あ、わかりました。」

 

その後、とと様は私の職業に踊り子を追加して、ペロロンチーノ様が私の半径3メートル以内に入らないように注意していた。

そして、私を盗撮?していたペロロンチーノ様がとと様やぶくぶく茶釜様やウルベルト様にボコボコにされていた。

 

とと様達は仕事があると帰っていった。

私はまた仮装姿に戻り、じいじ達を驚かせようとしているのだった。

 

 




なんだかいつもより色々飛ばした感じはします。
次回、オリ主によるほのぼのドッキリ(笑)計画!
明日も是非読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

32話(可愛い骸骨の話)

また思い付きでセバス視点となりました。
セバスの愛情が盛り沢山なので、ご注意下さい。


さて、たっちみー様方がお隠れになりましたので、シエリア様をお迎えに参りましょう。

 

 

廊下を歩いておりますと、シエリア様の気配を纏う小さな骸骨がキョロキョロと何かを探しているようです。

・・・確かミニマムの職業を取得すると体が小さくなると聞いたことがあります。

とすれば、あの骸骨はシエリア様なのでしょう。

 

「あ!じいじ!」

 

おや、私にお気づきになったようです。

私が声をかけようとすると、パタパタと腕をはためかせ、こちらに駆けていらっしゃいました。

 

「ばあ!」

 

そして、私の目の前で立ち止まり楽しそうに両手を上げました。

 

・・・これは、とても愛らしいお姿で。

驚くリアクションが正解なのでしょうか?

ワクワクと何か期待されているご様子ですし、いや、相手から見えている状態で廊下を走ってきたので、驚かせる意図ではなく、お姿を見てほしいと言うことでしょうか?

 

「じいじー?」

 

あぁ、私の反応がないことに不信感を覚えたのか手をバタつかせながらジャンプをしていらっしゃいます。

こちらも大変愛らしいですね。

何とか不快感を与えずに対応するには・・・

 

「失礼いたしました。シエリア様。余りに驚いて固まってしまいました。」

「そっかー!とと様、くれた!ミニマム、なった!」

「そうですか、それは良かったですね。」

「うん!みんな、驚かせる!」

 

 

ぽわぽわと周りに花が舞った雰囲気でそうおっしゃられると、シエリア様は意気揚々と次のターゲットを見つけに行くようです。

あれは、シズでしょうか。

 

「シズー、ばあ!」

「・・・うわぁ。」

「びっくりした?」

「はい、とってもおどろきました。」

 

シエリア様が私の時と同じように驚かせに行きましたが、シズは元々の所もありますが間と棒読みが無理矢理感が否めませんね。

果たしてシエリア様に驚かせ方を指摘した方が良いのでしょうか?

 

「どうして今日のシエリア様はお小さいのですか?」

「ミニマム、とった!」

「では、どうしてアンデットの格好をなさっているのですか?」

「とと様、くれた!」

「素晴らしいですね。モモンガ様が小さくなったみたいです。」

「えへへー。」

 

シエリア様はモモンガ様に似ていると言われて余程嬉しかったのでしょう。

シズの前でくるくると回っておりました。

おや、向こうに見えるのはナーベラルですね。

・・・シエリア様とシズを見て固まりました。

両手で顔を隠していますが、あれば余りの可愛さに直視できないと言ったところでしょうか?

気持ちはよくわかりますが、シエリア様もナーベラルに気づいたご様子です。

 

「ナーベラルー!」

「は、はい!シエリア様!」

 

ナーベラルが膝を折り曲げシエリア様と目線を合わせました。

シエリア様が立ち止まり、首をかしげしました。

ナーベラルもどうしたのかと首をかしげます。

 

「シエリア様、いかがなさいましたか?」

 

私が声をかけるとシエリア様は振り替えっておっしゃいました。

 

「ナーベラル、わかる、なんで?」

 

成る程、私とシズは骸骨の正体が分からず驚いていたと思っていたようですね。

普通は気配と声で分かると思いますが・・・どう伝えましょうか。

 

「シエリア様、私はシエリア様とシズのやり取りを見ておりましたので。」

「そっか!」

 

ナーベラルが答えるとシエリア様がパタパタとまた腕を動かしました。

大変愛くるしいですが、この動きはなんなのでしょうか?

まるで雛鳥が飛ぶ練習をするかのような動きですが、ローブが邪魔なのでしょうか?

 

「シエリア様、ローブの裾が長いので多少直しましょうか?」

「大丈夫!」

「そうですか、では転ばぬようにお気をつけください。」

「うん!ありがとう!」

 

にっこりとおっしゃるので、無意識なのでしょう。

しばらくは様子を見るとこにしましょう。

そう思っていると、ナーベラルが私に耳打ちをしました。

 

「セバス様、シエリア様が愛くるし過ぎてどうにかなってしまいそうです。」

「・・・では、少し何処かで頭を冷やして来てください。」

「申し訳ありません。」

「気にすることはありません。仕方のないことです。」

「はい。」

「私も、ショートする危険がありますので失礼致します。」

 

ナーベラルとシズはシエリア様にお声がけをして去っていきました。

可愛らしさも度が過ぎると驚異となるのですね・・・。

シエリア様は少し寂しげですし、階層守護者の皆様ならプレアデスのメンバーよりは耐性があるでしょうか。

アルベド様やシャルティア様は危険ですが。

 

「シエリア様、アウラ様やマーレ様の所に行ってみませんか?」

「アウラちゃん、マーレ君?」

「はい。きっとお二人ならばとてもお慶びになると思いますよ。」

「うん!行く!」

「では参りましょう。」

 

そして、シエリア様と共に歩きだしましたが、シエリア様の歩幅が小さく思うように進まないようです。

 

「うー、じいじ、抱っこ。」

「・・・畏まりました。」

 

両手を上げて抱っこを要求する姿も愛くるしい限りです。

たっちみー様、私にこのようなお役目を任せていただき感謝いたします。

心の中で創造主に感謝し、シエリア様を抱き上げて第6階層に向かいました。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!
次回の被害者?はアウラとマーレでしょうか?
明日も更新しますので、是非ご覧下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

33話(可愛い骸骨は最強という話)

アウラちゃんとマーレ君の所に行く為、現在はじいじに抱っこされている。

だって今の姿だと二人の所に行くのに時間がかかるし、ミニマムの姿をコントロールする方法がよく分からないので、抱っこしてもらうのが手っ取り早いのだ。

そう、利便性の話であって、別に抱っこしてほしかった訳じゃ・・・確かに温かくてすごく安心するけど、別に抱っこしてほしいわけ・・・いいかも、だっこ。

にしても、じいじは歩いているはずなのに全く揺れない・・・普通に歩いているのにその振動がないなんて、恐るべしじいじ・・・。

 

あ、アウラちゃんとマーレ君見つけた!

どうやって驚かそうかな?

じいじの後ろに隠れて、急に飛び出したらビックリするかな?

私はじいじの腕の中から降りて、じいじの後ろに隠れる。

 

「シエ、シエリア様と一緒じゃないのは珍しいね、セバス。」

「はい。シエリア様は諸用がありまして。」

「そ、そうなんですか。」

「はい。」

 

あ、これいつ出ればいいんだろう?

これで出ていくと変な空気になりそうだし・・・。

じいじもあれ?って感じでチラッと見てきたし。

変な空気になる覚悟を決めて、いざじいじの前に出よう!としたら、何か聞こえた気がした。

 

「あれ?今何か聞こえた?」

「え、僕はなにも聞こえなかったよ。お姉ちゃん。」

「私も特には。」

 

アウラちゃんにも聞こえていたみたいだ。

耳をすますと、背後からドドドドドって音をたてながら何かがこっちに来る!

咄嗟にじいじのズボンを掴むと、何かを察したじいじが私を抱き上げて、アウラちゃん達の方へ移動した。

アウラちゃん達も戦闘体勢だ。

 

「セバスーーーー!」

「裏切り者がーーーー!」

 

あれ?この声ってアルベドさんとシャルティアさん?

どうやら恐い形相の二人が物凄いスピードでこちらに向かっているらしい。

 

「セバス、ブジカ。」

「間に合ったようだね。」

 

背後からコキュートスさんとデミウルゴスさんの声がした。

アルベドさん達に気を取られて気づかなかった。

 

「コキュートス様、デミウルゴス様。一体何事でしょうか?」

「あぁ、実は先程ナーベラル・ガンマとシズ・デルタが体調不良、と言うよりほぼ瀕死の状態で談話室にやって来たとの連絡がユリ・アルファからあってね。」

「ハナシヲキイテイクウチニ、アルベドタチガゴカイヲシタノダ。」

「誤解ってなんのことよ?」

「ユリ・アルファの話によると、ナザリックを壊滅させるほどの恐ろしい兵器をセバスが所有しており、そのせいで二人は瀕死に陥ったと言っていたんだ。」

「アルベドタチハ、ココマデヲキイテナザリックナイヲハシリ、セバスヲソウサクシテイタ。」

「しかし、後から一般メイドのシクススからセバスは自分を犠牲にしてメイド達を守ったのだと連絡が入りまして。私達も詳細は分からないのですが、説明してもらえますか?」

 

なんだそれ?

シズ達が瀕死?

 

「シズ!ナーベラル!大丈夫?」

「シエリア様、はい。彼女達は順調に回復しています。外傷はありませんでしたし。」

 

良かった・・・でも、一体何があったんだろう?

 

「そんなに大事になっていましたか。」

「ヤハリセバスハナニカシッテイルノダナ。」

「心当たりはございます。アウラ様、申し訳ありませんが、シエリア様をよろしくお願いいたします。」

「え、あ、うん。」

 

私がアウラちゃんに抱っこされると同時に、アルベドさん達がじいじに襲いかかった。

 

「セバスーー!」

「覚悟ーーー!」

 

じいじは間一髪でシャルティアさんの攻撃を避けたが、直ぐ様アルベドさんが攻撃を仕掛けた。

そこにコキュートスさんが間に入り、アルベドさんの攻撃を受け止めた。

 

「何をするのコキュートス!貴方も裏切るつもり!」

「チガウ。セバスハウラギッテナドイナイ。」

「どう言うことでありんすか?」

「それはこれからセバス自身に説明してもらうところさ。さ、説明してくれるかい?プレアデス二人を瀕死に追い込む兵器の正体を。」

 

 

デミウルゴスさんの言葉にみんなの視線がじいじに集まる。

 

「はい、シエリア様。お手間をお掛けしますが先程私共にやったことをもう一度お願いできますか?」

「・・・うん?」

 

何だか嫌な予感がする。

しかもみんながこっちを見ているからすごく気まずい。

でも、沈黙も痛いので意を決してみんなの前で両手を上げる。

 

「ばあ!」

 

皆はビックリしたのか、目を真ん丸にした。

でも、何も言わないので何となくそのまま両手を左右にゆらゆらと揺らしてみた。

そこで皆が急に口元を押さえて顔をそらした。

あ!皆笑ってるんだ!

よく顔が見えないけどきっとそう!

マーレ君だけ両方のほっぺを押さえてるけど、デミウルゴスさんだって尻尾がぐるんぐるんしてるし、アルベドさんだって羽根がバサバサしているし、他の皆だってぷるぷる震えてるもん・・・。

 

私はむっとしてじいじをポカポカと叩いたのだった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
皆が震えている理由は皆様のお察しの通りだと思います(笑)
明日も更新いたしますので、楽しんでいただけると嬉しいです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

34話(可愛い骸骨が元に戻る?話)

何だか皆に笑われてじいじをポカポカしていると、アルベドさんとシャルティアさんがガクッと膝をついた。

急に具合悪くなっちゃったのかも!

慌てて二人にかけより様子を伺うが、二人とも息が荒く辛そうだ。

 

「アルベドさん、シャルティアさん、大丈夫?」

 

助けようと思っても、どうすればいいか分からず無意味に手をバタつかせてしまう。

 

「シエリアサマ、ドウカソノヘンデ。」

 

そう言ってコキュートスさんが私を肩車した。

いつもの目線よりすごく高い。

じいじやデミウルゴスさんの頭が下にある!

って、それどころじゃないんだ。

 

「二人、大丈夫?」

「ご心配には及びません。二人はいつものことですので。」

「そうですよ!この二人はこれが正常なんです。」

 

デミウルゴスさんとアウラちゃんが言うなら大丈夫だろう・・・多分。

 

「タシカニナザリックヲホウカイサセルイリョクハアッタ。シカシタイショノシヨウガナイ。」

「そうだね。しかし、このままという訳にもいかないね。」

「デミウルゴス様、いかがなさるおつもりでしょうか?」

「シエリア様に危害を加えるのは許さないわよ!」

「ぼ、僕もそれはダメだと思います!」

「いや、危害を加えるつもりはないよ。シエリア様、どうかと元のお姿に戻っては頂けないでしょうか?」

「戻る?」

「はい、シエリア様が幼くなったことで我々の加護欲が増幅されているので、元に戻ればそれを抑えることはできるかと。」

「・・・戻る、わからない。」

 

「ふむ。」とデミウルゴスさんが何かを考える仕草をした。

でも、小さくなったのはとと様が設定したからだし、自分でどう戻るかなんてわからない。

 

「ミニマムヲシュトクシテイルモノニキクノガサイゼンダトオモウガ。」

「そうだね、私達にはどうやって小さくなるのかわからないし。」

「そ、それでミニマムを持っている人って誰なんですか?」

「恐怖公ただ一人です。」

 

周りの空気がピシリと音を立てて凍った気がする。

そして、ゆらっとアルベドさんが立上がった。

 

「ダメよデミウルゴス!シエリア様をあんなところに連れていっては!」

「いえ、以前シエリア様は恐怖公に会ったことはありますので、問題ないかと。」

「恐怖公、会う!」

「だだだだだダメでありんす!ほ、ほらアレでありんす。アレ、あれー、アルベド!」

「え?アレって・・・そうだわ!シエリア様が階層を移動してしまったら、新たな犠牲、いえ、幸せ者が現れます!ですのでシエリア様はここに。」

「そうね、コキュートス。恐怖公の元へ行ってミニマム力のコントロールを聞いてきて頂戴。」

「ム・・・リョウカイシタ。」

 

何だかどんどん話が進んでいって、コキュートスさんが恐怖公の所に行ってしまった。

そっか、アルベドさんやシャルティアさんやアウラちゃんは恐怖公達が苦手なのか。

今度恐怖公の所に行くときは3人にバレないように行かないとな。

 

コキュートスさんは直ぐに戻ってきた。

恐怖公によると大きさをイメージして、思いっきり伸びたり縮む動きをすればいいらしい。

 

「そんな事で本当に戻るんでありんすか?」

「まあ、1種の魔法のようなものだし大丈夫だとは思うけど・・・。」

 

シャルティアさんとアルベドさんが不安そうにしているけど、とりあえず、いつもの自分の姿をイメージしてぐっと伸びをする。

すると、ぽんっと音がして煙に包まれ、煙が消えるといつも通りの目線の高さに戻っていた。

 

「ブジセイコウシタヨウデスネ。」

「良かったー!小さいシエリア様もいいけど、私はいつものシエリア様の方がいいな!」

「ありがと!」

「あ、あの、シエリア様の仮面のデザイン変わってませんか?」

「おや、本当だね。きっと使用者の年齢によってデザインが変わるアイテムなんだろうね。」

「さっきのは愛くるしくありんしたが、今は妖艶な雰囲気でありんすね。」

「ええ、シエリア様によくお似合いだわ。」

「えぇ、大変美しいです!シエリア様。」

 

皆は褒めてくれるけど、自分では見えないからよく分からない。

というか、妖艶な骸骨ってどんな?

 

「シエリア様、よろしければこちらをご利用ください。」

「ありがと。」

 

じいじが鏡を貸してくれた。

鏡を覗くと、確かにさっきの真ん丸で可愛らしいものから、とと様の様な格好いい骸骨に変わっている。

あれ?鏡を持つ手も骨になってる?

 

「じいじ、手、骨?」

「はい。幻術の効果でアンデットの様に見える仕様なのでしょう。モモンガ様にそっくりです。」

「えへへ!」

 

足も骨になっているんだろうかと、膝上くらいまでローブを捲るとデミウルゴスさんとじいじが止めに入った。

 

「足、骨!」

「そうですが、シエリア様はしたないのでお止めください。」

「な!余計なことを!シエリア様、もう暫しそのままでお願いするでありんす!」

「シャルティア、君とはじっくり話さないといけないようだね。」

 

フフフフフと笑いながらデミウルゴスさんがシャルティアさんを引きずって行った。

じいじも怖いので、ローブを戻して二人が歩いていった方向を皆で眺める。

 

暫くしてシャルティアさんの絶叫が聞こえた。

アルベドさんが、「合掌」と声をかけると皆が手を合わせてお祈り?し始めたので、私も一緒に手を合わせてみた。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

何だかよく分からないオチに・・・すみません。
次回は、とと様とオリ主のレベル上げになるかと思います!

休憩中に描いたオリ主(ミニマム+アンデット装備)張り付けて置きますので、ご注意下さい。
大人バージョンは画力不足の為描きません。

【挿絵表示】


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

35話(ストーカー?[彼]に会う話)

今日はとと様の仕事が珍しくお休みらしく、何時もよりずーっと早く来てくれた!

メイドさん達が「お掃除がまだ終わらない!」って大慌てしてたけど、いつも綺麗だから大丈夫だよーって言ったら泣かれてしまった・・・。

 

それは置いておいて、今回は洞窟でレベル上げだ。

洞窟の中は勿論真っ暗だけど、とと様が暗視のポーションを使ってくれたので問題なく進める。

 

「シエリア、ここは曲がり角とかで急に敵が出てくるから気を付けるんだぞ。」

 

うん、大丈夫だよ。とと様。

とと様はとても心配性でゆっくり慎重に進んでいく。

因みに今回の目標は人形遣いとネクロマンサーをレベルアップすることだ。

なので私の武器はテディと『神への冒涜』という杖だ。

この杖は昔とと様が使っていた物らしい・・・絶対に無くさないようにしなきゃ!

 

「シエリア!敵が来たぞ!気をつけて!」

 

前から現れた敵をテディで倒す。

 

「すごいぞ、シエリア!もうトロルまで倒せるようになったのか!」

 

えへへ!ゴブリンもナーガもトロルも楽勝だよ!

 

「じゃあ死体も残ったし、アンデットを召喚してみような。」

 

アンデット・・・遂にとと様みたいに召喚できるんだ!

 

「死体に手をかざして『アンデット作成』っと唱えるんだぞ。多分。」

 

多分?えっと、『アンデット作成』!

 

死体を元にアンデットを作成する。

死体が光に包まれ砂のようになってから、アンデットの形に変化した。

 

「すごいぞ、シエリア!成功だ!」

 

やったー!

これが私の作ったアンデットか・・・嬉しいけど、ちょっぴり怖いな。

テディと比べるのもおかしいけど、可愛いのと怖いののギャップがすごい。

 

あ、ゴブリンが来た。

とりあえず、テディには下がってもらってアンデットでゴブリンを攻撃する。

テディよりはゆっくりしているけど、力ではアンデットの方が強いらしい。

 

「シエリアの作ったアンデットが敵を倒した・・・!」

 

とと様は涙は出ていないが、涙ぐむ仕草をした。

なんだろうか、例えるなら幼稚園とかで初めて玩具作って帰って来たみたいな反応かな?

私よりとと様が喜んでいる気がする。

嬉しいけど。

 

そんなことを考えていると、前からさっきまでの敵とは違う雰囲気の人がやって来た。

盗賊の服装に見えるけど、とても強そうな人だ。

プレイヤーかな?

 

「え、『モーリス』のNPC?もうギルドは解散したんじゃなかったっけ?」

 

とと様が知っている人みたいだ。

とと様が近寄って『モーリス』のNPCのステータスを確認していた。

NPCってことは、近くにとと様の知り合いのプレイヤーがいるのかな?

 

「・・・そっか、このNPCは運営が作ったから野良として残ったのか。」

 

ん?運営が作ったNPC?野良として残る?

何だかよく分からないけど、この人寂しそう。

 

「『アインズ・ウール・ゴウン』に来るか?」

 

とと様がポツリと呟いた。

しかし、その人は僅かだけれど首を振った気がした。

 

「いや、また縁があった時にしよう。」

 

とと様はその人から離れ、洞窟の奥へと向かった。

その途中でとと様はさっきの人について教えてくれた。

 

「あいつは『モーリス』という俺の友人のギルドに雇われていた『雇用NPC』なんだ。『アインズ・ウール・ゴウン』にはヘロヘロさんやホワイトブリムさんみたいにキャラクターを作る逸材がいるけれど、そうでないプレイヤーやキャラクター育成をしないプレイヤーは元々運営作成したNPCを金貨で雇う事が出来るんだ。俺の友人は前者だった。だから、あのNPCを凄く大切にしてたんだ。『モーリス』は大きなギルドではなかったが、強者揃いで仲間とのんびりとプレイしていたんだ。でも、皆ユグドラシルを止めていって、ギルドは解散。運営に作られたあいつは一人残され、ユグドラシルをさ迷っているんだろう。・・・あいつは、どんな想いでいるんだろうな。」

 

とと様の声がとても悲しそうで、消えてしまいそうな気がして、そっととと様のローブを掴んで歩いた。

 

「やっぱり、他の場所でレベル上げしようか。」

 

そういうと、とと様はアイテムを使って1度ナザリックに帰って来た。

そして、私の頭に手を置いて言った。

 

「俺は、お前達を置いていったりしないからな。」

 

それから回復アイテムを補充して、森に向かう。

が、そこにはさっきの人が立っていた。

 

「あれ?ランダムで移動するのかな?」

 

とと様が次は海辺へ移動するとそこにもあの人の姿が・・・。

なんで?着いてきてるの?

その後何度移動してもその人が現れるので、その人の事は『ストーカーNPC』と呼ぶことになった。

 

 

「シエリア、俺はあいつを雇った方がいいのかな?」

 

いや、怖いからって負けないで!

多分雇ってほしい訳ではないと思うよ・・・。

 

「・・・今度皆に相談してみよう。」

 

とと様、負けないでー!

 

とりあえずその日はあの人を無視してレベル上げをした。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

すみません、何故かストーカーが登場することになってしまいました・・・。
彼は登場したは良いですが、どうしようかな・・・掘り下げると転移に近づいてしまうので迷います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

36話(ガルガンチュアに会う話)

更新が遅くなってすみません!
仕事が中々終わりませんでした・・・何とか今日中に投稿が出来ました。


とと様がまた夜に来ると言って帰っていった。

 

私はあのNPCが気になり、ナザリック内で聞き込みをすることにした。

まずはじいじに聞こうかな。

じいじは何処だろう。

 

廊下に出るとメイドさん達が慌てている。

ペストーニャも慌てた様子でメイドさん達に指示をしている。

ユリも真っ青だ。

 

 

「ユリ、何、あった?」

「シエリア様!実はセバス様が共落ちしてしまいまして。」

「じいじ、起きない?」

「はい。アルベド様達は上の階層で食い止めるので問題ないとは仰っているのですが・・・。」

「そっか、見てくる。」

「あ、シエリア様!お供を!」

「平気!」

 

私はじいじの様子を見に行った。

 

「じいじ?」

「・・・。」

 

確かにじいじは立ったまま動かない。

以前のナーベラルの様だ。

聞き込みをしたかったが、今回は侵入者に備えることにしよう。

とりあえず、テディと血塗れサーカス団を持って上の階層に向かう。

デミウルゴスさんやコキュートスさんに見つかったら連れ戻されるだろうし、何処の階層に行こうか・・・。

第4階層はガルガンチュアというゴーレムしかいないんだよね。

そこなら連れ戻されることもなさそう!

 

 

そう思ってやって来た第4階層は、とても静かだった。

他の階層はモンスターの声とかマグマの音とか吹雪の音とかがするのにここは全くの無音だ。

音を立ててはいけないんじゃないかと思うくらいに。

 

私は地底湖の底を覗き見る。

湖自体は青白い光を放っていてとても綺麗だが、底の方はガルガンチュアさんだろう赤線の様な光り方をしている。

周りが青いのにそこだけ赤いのは違和感と少しの寂しさを感じてしまう。

 

何かに引き付けられるように地底湖へと入っていく。

近づくとガルガンチュアさんは予想以上に大きかったが、不思議と怖い感じはしなかった。

そっと手を触れると、赤い光が強くなる。

 

「こんにちは。」

 

ゴーレムはロボットと同じようなもので意志が無いと言われていたけれど、何となく挨拶をしてみる。

すると、赤い光が数回に分けて強くなったり弱くなったりした。

これは、聞こえてるのかな?

 

「聞こえる?」

 

またチカチカと光が強くなったり弱くなったりする。

えっと、こういう時はどうするんだっけ?

 

「はい、1回、いいえ、2回?」

 

ガルガンチュアさんが1回点滅した。

やっぱり聞こえてるんだ!

 

「私、邪魔?」

 

2回点滅した。

 

「ここ、いて、良い?」

 

1回点滅した。

 

「ありがとう!」

 

ガルガンチュアさんがいても良いって言ってくれて嬉しかった。

それからいくつか質問をした。

はいかいいえしか訊けないから、質問は限られてくるけど、どうやらガルガンチュアさんは誰かの指示がないと動けないらしい。

 

「指示、私、ダメ?」

 

3回点滅した。

えっと、はいでもいいえでもないから・・・。

 

「わからない?」

 

1回点滅した。

 

「試す、良い?」

 

1回点滅した。

 

「立って。」

 

すると、ゴゴゴゴという音を立ててガルガンチュアさんが立上がった。

その時に振動で波が出来て流されかけるが、ガルガンチュアさんの腕が受け止めてくれた。

 

「ありがとう!」

ーどういたしましてー

 

あれ?今声が聞こえたような?

ガルガンチュアさんの声?

 

「ガルガンチュアさん?」

ーなーに?ー

「声、聞こえる。」

ーきっと、命令をもらったから僕達の意識が繋がった。僕の声は聴こうとしないと聞こえない。ー

「そう、なの。」

ーうん、皆聞こえなかった。ー

「とと様も?」

ーうん。他の皆は僕が好きじゃないから。ー

 

確かに皆ガルガンチュアさんを警戒してるみたいだった。

皆もガルガンチュアさんと仲良くできないかな?

 

「今度、皆、来る、いい?」

ーいや、止めておいて。僕は静かな方が好きだから。ー

「・・・わかった。」

ー・・・でも、しーちゃんともう一人位だったらいいかな。ー

「ほんと?」

ーうん、でも、僕はずっと1人だったから最初はしーちゃん1人から慣れたいかも。ー

「わかった!」

 

それからとと様が来るまでずっと一緒だった。

戻るときにちょっと、いやわりと皆の何処に行っていたんだ!という批難の目が怖かったけど・・・。

じいじとデミウルゴスさんの二人でのお説教は怖いけど、ガルガンチュアさんと話をできたから後悔はしていない!

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回はとと様と御方々のパートです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

37話(ストーカー?[彼]の話)

ガルガンチュアさんの所から戻ったら丁度とと様が戻ってきた。

どうやらウルベルト様とたっちみー様も一緒みたいだ!

じいじとデミウルゴスさんもいる。

あれ?二人もニコニコしているけど、目が笑ってない・・・怖い。

 

「そういえば、さっきシエリアとレベル上げする時に野良NPCにストーキングされちゃいましたよー(笑)」

「さっきちらっと言ってた元『モーリス』の野良NPCですか?」

 

じいじとデミウルゴスさんの目が更に怖くなった!

とと様、その話止めてー!

 

「あいつ残党狩りをやり過ごしてたんだな。」

「いや、『モーリス』は人に恨みを買うようなギルドじゃないので狩られることはないと思いますよ?」

「すふぃんさんの忘れ形見なら、引き入れてあげたい気もしますが、うちのNPC許容数もギリギリですし。」

「というか、そのままシエリアちゃんのレベル上げしておけば良かったのに。経験値倍増のチャンスだったんじゃないか?」

「え、そうなんですか!?」

「初耳ですね。」

「掲示板の情報だと元『モーリス』の盗賊風NPCは経験値倍増のスキルがあって、側にいるとレベル上げが捗るらしい。」

「うわー、失敗したかも・・・。」

 

そうなのか・・・もしかしてあの人はとと様の言葉が嬉しくて手伝おうとしてくれてたのかな?

もしそうだったら申し訳ないな。

 

「因みに、もし雇用しちゃったら周りのギルドから攻め込まれるかも。」

「こわっ!」

「間一髪でしたね、モモンガさん。」

 

そっか、独り占めされると他の人が怒るもんね・・・。

 

「話は変わりますが、モモンガさんハロウィンイベントアイテムチェックした?」

「ガチャのやつですよね?シエリアに仮装させた。」

「あぁ、ハロウィン仮装ガチャですか。」

「違う違う!イベントエリアでドロップするアイテムの方。」

「あぁ!確かお菓子や悪戯アイテムがドロップするんでしたっけ?」

「あぁ、この前のアップデートしたエリアですか。」

「そう!これから行きません?」

「いいですね!たっちさんとウルベルトさんと冒険に出るの久しぶりですし!」

「え、たっちみー来るの?」

「ギルド長の指示ならお供しますよ。」

「ダメですか?ウルベルトさん・・・。」

「いや、いいよ。このメンバーだと昔を思い出すしね。」

「懐かしいな。」

「はい・・・9人で始めたギルドがこんなに大きくなるとは思いませんでした。」

「そうですね。」

 

3人は昔を懐かしむように周りを見回した。

その後、そろそろ行きますか。とイベントエリアに向かった。勿論私やじいじやデミウルゴスさんも一緒である。

二人からの視線が痛いけど、我慢、私は悪くないし・・・。

 

イベントエリアにつくと、エリア一面オレンジと紫と黒のハロウィンカラーに埋め尽くされていた。

木の幹が紫と白で、葉っぱがオレンジで鳥やコウモリが黒というような感じだ。

所々にジャック・オー・ランタンが置いてある。

 

「何だか、どこぞのテーマパークみたいですね(笑)」

「そうだな、大の男3人で来る所じゃない(笑)」

「娘を連れてきてあげたいです。」

「娘を連れてきた人ならいるけどな。」

 

そう言ってウルベルト様が私を見る。

ん?でも、ウルベルト様達も・・・

 

「それを言ったら皆さん子ども連れてきたじゃないですか。」

「大きい子どもですね。」

 

とと様がデミウルゴスさん達を指差し、たっちみー様達を見る。

私もそっちを見るとデミウルゴスさん達の向こうの木の後ろにあの人を見つけた。

目があったので、ペコリと会釈すると向こうも片手を上げた。

とと様達は気づいていないみたいだ。

 

「シエリアちゃんがレベル上げれるようにスキル切っておかないとな。」

「あぁ、この前の二の舞になっちゃいますね。」

「獲物横取り事件ですか。」

 

流石ウルベルト様!

どんな敵が出るかわからないけど、どんどん倒していくよ!

じいじとデミウルゴスさんがが心配そうな顔してるけど、きっと大丈夫!

私は意気揚々とテディと杖を構えた。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

勝手で申し訳ありませんが、明日は中々時間が取れなさそうなので、明日の更新はお休みさせて頂きます。
17日には確実に更新しますので、ご容赦ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

38話(ハロウィン限定ダンジョンの話)

お休みさせていただきすみませんでした!
相変わらずの駄文ですが、是非読んでいってください!


現れたモンスターはミイラだった。

ファンシーな世界なのに、出てくるモンスターはとてもグロい。とてつもないミスマッチだ。

 

とりあえず間合いを取って、テディで攻撃する。

ミイラもテディを攻撃してきたが、テディはひょいひょいとかわして攻撃する。

暫くの攻防の末無事に倒すことに成功した!

死体は消えてしまったが、お菓子の入ったジャック・オー・ランタンのバスケット?がドロップした。

 

「シエリア!偉いぞ!よく頑張ったな!」

「シエリアちゃん強くなりましたね。」

「イベントのモンスターはそこそこ強いけど、1人で倒せるようになったな。」

「これがドロップするお菓子ですね。」

「お菓子は食べる用なんですか?」

「そうだな、回復したり、攻撃力が上がったりするらしい。」

「そうなんですか。ハロウィンらしくて良いですね!」

「その効果はどこを見ればわかるんですか?」

「使わないとわからない。しかも、毒状態になるやつとかもある。」

 

こわい!ハロウィンってお菓子に毒を盛られる行事だっけ?

 

「シエリア、危ないからそのお菓子を渡すんだ!」

 

とと様が慌てて私に言うので、私はとと様にお菓子を渡した。

とと様がお菓子を1つ取り出してじっと見ている。

 

「モモンガさん、どうしたんですか?」

「いや、ペロロンチーノさんなら安全なお菓子を見分けられるんじゃないかと思って。」

「あぁ、確かにアイテムの効果を調べるスキル持ってたね。」

「後で安全なお菓子を仕分けてもらいましょうか。」

「モモンガさんってペロロンチーノさんは遠慮なく使いますよね。」

「俺も遠慮なく使って良いからね。」

「ありがとうございます!」

 

ペロロンチーノ様そんなスキルを持っていたのか。

そういえばシャルティアさんもアイテム調べられるんだっけ?

後で聞いてみよう!

 

それから皆でずんずんと奥へと進み、お菓子がいっぱいになってきた頃、遂にボスがいるらしい場所までやって来た。

そこは大きく開けていて、オレンジ色と紫の地面が交互に円を広げている。その中心には大きな黒い棺桶が1つあった。

たっちみー様とウルベルト様はボスが相手だからとじいじとデミウルゴスさんのスキルを使用可能にした。

 

「行きますよ。」

「はい!」

「あぁ。」

 

たっちみーさんが円の中心にゆっくりと警戒しながら歩みを進めていくと、地響きと共にゆっくりと棺桶が開き、黒いマントを纏ったヴァンパイヤが現れた。

それと同時に、回りにはヴァンパイヤブライドやコウモリのモンスターが大量に出てきた。

 

「敵の数が多い!」

「とりあえず、雑魚はデミウルゴス達に任せて俺らはボスを叩きますか。」

「あ、このパーティー回復役がいない。」

「あ、」

「・・・殺られる前にやりましょう!」

 

回復役いないのか・・・確かにずっとアイテムで回復してたけど、迂闊に怪我できないな。

とと様達がボスと戦闘を開始して、私達も戦闘を開始する。

テディで敵を切り裂くも、中々敵の数が減らない。

デミウルゴスさんやじいじも同じみたいだ。

とと様達はボスの体力を減らしてはいるけど、多すぎる雑魚に邪魔されているらしい。

いつの間にかあの人も参戦してくれているが、それでも戦況は変わらない。

私のHPもそろそろ尽きそうだし、せめて回復出来れば・・・。

 

そう思っていると、私のすぐ横に敵が迫ってきていた。

避けられない!

ダメージに身構えていると、デミウルゴスさんが敵を倒してくれた。

デミウルゴスさんは私と目を合わせると、油断するなと言うように頷いた。私も頷き返すとデミウルゴスさんはまた別の敵を倒していく。

 

「悪い、死にそう。」

「ウルベルトさん!」

「ウルベルト!」

 

とと様達、特にウルベルト様のHPもそろそろ限界らしい。

この状況では撤退も難しそう・・・。

そう思っていると、とと様達や私達の体が光輝いて、HPとMPが回復していく。

 

「これは・・・!」

「ピンチの所即参上!爆撃の狙撃主!ペロロンチーノ!」

「脳筋先生!やまいこ!」

「粘液盾!ぶくぶく茶釜!」

「ナイスです!」

 

思いもしない援軍に皆の士気も上がり、どんどん敵を撃破していく。

ペロロンチーノ様の攻撃が真横の敵に当たり爆発した時は自分も死ぬかと思ったけど・・・。

それからあっという間にボスを撃破した。

 

「残った雑魚めんどい!」

「ボスと一緒に消えれば良いんですけどね。」

「あ!しーちゃんスキルまだ使えるなら、融解吸収いけんじゃね?」

「あの噂の!」

「シエリアできるかな?」

 

皆さんの期待の視線が痛いのと、何かを察したあの人が別のエリアに移動したので融解吸収を発動する。

波が敵を飲み込み私の影に消える。

何だか敵が多い分気持ち悪いのが大きい。

 

 

「あれ?前より長い?」

「敵が多いから消化に時間かかってるんじゃないですか?」

 

お待たせして申し訳ないが、けぷっとまたゲップをしたら、今回は波が出て来てアイテムを出した。

 

「あれ?どうしたんでしょう?」

「持ち物いっぱいみたいです。」

「持てない分はちゃんと吐き出すのか。」

「しーちゃん食事制限できて偉いね!」

 

何だか食べ残しをしたみたいで恥ずかしい・・・。

それから皆でドロップアイテム見てみようぜ!と言うことでナザリックへと向かった。

帰り道にあの人がいたので、とと様達は「ありがとな。」とお礼を言って、私とじいじとデミウルゴスさんはありがとうという思いを込めて、お辞儀をした。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回は皆でお菓子で遊んでみる回になりそうです!
明日も投稿しますので、是非また読みに来てください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

39話(プレイヤー達のハロウィンの戯れの話)

無事にナザリックに帰ってきて、早速今日取得したアイテムを皆で見ることになった。

 

「えっと、今日の収穫は大量のお菓子と仮装装備と室内装飾品と謎のポーションですかね。」

「大量ですね・・・特にお菓子。」

「とりあえず、お菓子の仕訳をしないとな!」

「えー、その前に皆でロシアンルーレットしない?」

「え、ウルベルトさん、毒とかもあるんですよね?」

「まあ回復は私がしますし、良いんじゃないですか?」

「面白そうだしやるか!」

 

ウルベルトさんの提案でお菓子のロシアンルーレット?をすることになったらしい。

あんまり怖いものは無いと良いんだけど・・・とと様達大丈夫かな?

じいじもデミウルゴスさんも心配そうに見守っている。

 

「じゃあ、言い出しっぺのウルベルトから食べるか。」

「たっちみーさんの言うとおりね!」

「そうなるだろうと思ったぜ。じゃあこの飴にしよう。」

 

パクリとウルベルト様が飴を口にする。

デミウルゴスさんの顔が真っ青になる・・・。

ウルベルト様が光に包まれて、赤いオーラを纏っている。

 

「ウルベルトさん、大丈夫ですか?」

「あぁ、物理攻撃力アップだった。」

「変なのじゃなくてよかったですね!」

「うーん、個人的にはもっと美味しいやつがよかったな。笑いがほしい。」

「ウルベルトさん、ある意味残念でした(笑)」

「じゃあ、次は俺が食べますよ!」

 

デミウルゴスさんは安心したようで、顔色がよくなった。

そして、たっちみーさんがお菓子を手にしたことにより、次はじいじの顔色が悪くなる。

 

「ん?これは・・・?」

「たっちみーさん、今怒りアイコン出してます?」

「出してないです。」

「お菓子の効果がアイコンを出すって・・・。」

「何でもありですかね。」

「たっちみーさんがずっと怒ってるみたいでこわい!」

 

たっちみー様のお菓子の効果はとと様がよく使っている笑顔アイコンの怒った顔を表示すると言うものらしい。

毒じゃ無いようで、じいじも安心したようだ。

 

「じゃあ次は僕が食べます。」

 

やまいこ様がお菓子を食べると、うさぎ耳がひょこっと生えた。

 

「やまちゃんかわいいー!」

「え、何が起きてます?」

「やまいこさんがラビットイヤーを発動しているように見えます。」

「なんと!」

「イカつい巨人にラビットイヤー・・・何か違う!」

「コラ!次は俺が食べますね。」

 

ペロロンチーノ様が何故か悔しそう・・・そのペロロンチーノ様をとと様が叩いた。

そして、とと様がお菓子を食べる。

とと様から紫の泡?みたいなのが少し出ている。

 

「モモンガさん毒状態ですか!?」

「モモンガさんが引いちゃったか・・・。」

「すぐ回復を!」

 

とと様が毒!?どうしよう・・・。

皆が慌てていると、とと様は何て事ないように言った。

 

「あ、大丈夫ですよ。毒耐性持っているのでダメージ入らないです。」

「まじか!見た目だけ毒状態?」

「見た目だけ毒状態です。」

「よかったー。」

「面白いので、このままでいます。」

「人騒がせだなー、じゃあ俺はこれを。」

「いや、あんたはアイテム効果分かるんだからこれ食べなさい。」

「え?マジ?」

「マジ。」

 

とと様が何処か楽しげなので、一安心・・・かな?

ペロロンチーノ様が食べようとしていたお菓子をぶくぶく茶釜様が取り上げて違うお菓子を渡した。

 

「ちぇ、じゃあ頂きます。」

 

ペロロンチーノ様がお菓子を食べても、特に見た目の変化はなかった。

 

「ペロロンチーノさん?特に変化は無いみたいですが、回復系ですか?」

「イヤー、カイフクシテナイデスヨー。アレ?」

「あれだ!ニュース番組で元泥棒とかの声隠しの変な声!」

「ナンダヨコレー!」

「ペロロンチーノさんめっちゃ声高い!」

「罪状は覗きか幼女誘拐か。」

「ヒデー!?」

「じゃあ次は私が食べようかなー?」

 

ぶくぶく茶釜様がチョコレートを食べた?

あそこが口なのか・・・食べるというか、溶かしているといった方がいい気がする。

チョコレートが見えなくなると、ぶくぶく茶釜様から黒いオーラが出てきた。

ぶくぶく茶釜様は何もおっしゃらない。

 

「ぶくちゃん大丈夫?」

「おい、姉貴大丈夫か?」

「フフフフフ、私は女性冒険者の装備を溶かすぶくぶく茶釜様だー!」

 

そう言いながらぶくぶく茶釜様がジリジリとやまいこ様に近づいていく。

すると、何かを察したやまいこ様が後退る。

 

「きゃーたすけてー?」

「やまいこさん棒読み(笑)」

「サーサー、タスケナンテコナイゼ。カンネンシナ。」

「ぶくぶく茶釜さんの迫力がペロロンチーノさんの変な声によって相殺された(笑)」

「ぷぷぷ。」

「ふふふ。」

 

皆で笑ってしまった。

ぶくぶく茶釜様が「あんたのせいでー!」ってペロロンチーノさんを怒っていたけどしょうがない。

 

それから余ったお菓子やアイテムはペロロンチーノ様が危険なものと安全なものに分けて、NPCに配布された。

私が取ったものは安全なものや装備がとと様によって返却?された。

 

「あ、モモンガさん。これシエリアちゃんに。」

「あれ?まだありました?」

「んー、まあ、俺からのプレゼントってことで。」

「いいんですか?ありがとうございます!」

「いやいや、俺も目的を果たせて嬉しいんで。」

「何か狙ってたアイテムゲット出来たんですか?」

「はい、デミウルゴスに取って置きのプレゼントを。」

「よかったですね!」

 

そんな会話をしながら、とと様が持たせてくれたアイテムはブレスレットだった。

ハロウィンのだから何か面白い効果があるのかな?

ウルベルト様からの贈り物だし、危険なものではないだろうけど。

 

それから皆で暫く談笑して、とと様達は現実に帰っていった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
何だかまだハロウィンじゃないのにハロウィンネタを引っ張り続けてすみません!
ずっと続きそうになっているので、次のNPCパートが終わったら話を進めていきたいと思います!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

40話(ウルベルト様の悪戯被害の話)

とと様が帰ってから、何か変な感じがする。

首を傾げていると、じいじとデミウルゴスさんから呼ばれた。

 

「シエリア様、私共はいくつかお聞きしたいことがございます。」

「どうか、お聞かせいただけますね?」

 

二人はニッコリと終わっているのに背後に「とっても怒っていますよ。」とよく分かるオーラを纏っていた。

恐ろしくてついつい正座をしてしまった。

 

「シエリア様!そのような所に座ってはいけません!」

「ごめんなさい。」

 

正座をしたら怒られた・・・。

どうすればいいんだ。

とりあえず、立って話を聞く。

 

「まず1つ目に、ストーカー被害を受けていらっしゃるとモモンガ様は仰られていましたが、本当でしょうか?」

「・・・違う。」

「シエリア様、本当に違うのですか?私もセバスもシエリア様が心配で聞いているのですよ。」

「レベル上げ、協力。悪い、違う。今日、助けて、くれた。」

「確かにユフィル・ターチェスは根は悪い方ではないとお聞きしておりますが・・・。」

「ユフィル?」

「セバス、あの男と面識があるのですか?」

「はい。会話は出来ませんでしたが、たっちみー様と『モーリス』のギルド長がご友人だったそうで何度か共に冒険をした事があります。『モーリス』に雇われる前から顔は見かけていましたが。」

「どんな、人?」

「そうですね、戦い方から察するに自由奔放と申しますか、楽天家と申しますか・・・ですが賢く筋は通った方だとお聞きしております。」

「しかし、それは推測の話だろう?シエリア様に危害を加える可能性だってあるんだ。」

「確かに、否定はできません。」

「・・・でも、」

「私もセバスも彼に怒っているのではありません。シエリア様に降りかかる火の粉を払いたい一心なのです。どうかご理解ください。」

「・・・わかった。」

 

とりあえず、これでお説教?は終わりかな。

と思いきや考えが甘かった。

 

「ご理解いただきありがとうございます。ところで、私が共落ちした際はどちらにいらっしゃいましたか?」

「えっと、」

「デミウルゴス様やペストーニャやユリ達からシエリア様が見つからず、ナザリック内は大騒ぎだったと聞いておりますが。」

 

じいじの背後にゴゴゴゴゴと効果音が付きそうな迫力だ!

しかも、あのデミウルゴスさんが一歩じいじから離れた。

怒ったじいじ恐いからな・・・。

 

「・・・シエリア様。お答えいただけますね?」

「えっと、第4階層、いた。」

「ほう、そうですか。皆が心配しているとは思わなかったのですか?」

「・・・はい。」

「貴女はもっと自分が大切に思われているのだと知りなさい!貴女はナザリックの未来の主なのですよ!」

「はぃ・・・。」

「いいですか?シエリア様にはお伝えしていませんでしたが至高なる御方々はお隠れになりナザリックにお戻りになられなくなっております。そんな中でシエリア様は我々の希望なのです。どうか危険な事に自ら飛び込むような真似もはお止めください。何処かに行くときは我々の何方かに一言お願いいたします。」

 

 

初めてじいじに本気で怒られた・・・。

でも、そうだよね。私が会ったことのないとと様のご友人だっていっぱいいるし、皆現実が忙しくなったり、ゲームに飽きたりしたら来てくれなくなるかもしれない・・・。

また勝手に涙がぽろぽろと溢れてきてしまった。

 

「ごめんなさい・・・。」

「いえ、私も強く言い過ぎてしまいました。申し訳ありません。」

「シエリア様、大丈夫です。すぐに御方々がいなくなるわけではありません。今日もモモンガ様達が明日またいらっしゃると約束していらっしゃったではありませんか。」

「・・・うん。」

 

デミウルゴスさんがハンカチで涙を拭ってくれた。

とりあえず、顔を洗うついでにお風呂に入ってこよう。

冒険して汗もかいたし、土埃で汚れたりしたし。

嫌なこともすっきりしてこないと!

 

「お風呂、行く。」

「畏まりました。ペストーニャに連絡をしておきますので、浴室に向かいましょう。」

「では、私は部下の様子を見て来ます。」

「じゃあね・・・あれ?」

 

歩きだしたのに体が動かなくなる。

一歩下がる事は出来るみたいだ。

でも、前には進まない。

 

「シエリア様?いかがなさいましたか?」

「じいじ、この先、行ける?」

「・・・はい。」

「シエリア様?何か異変がございますか?」

「進めない・・・。」

 

じいじが私の前に数歩進んで振り返る。

あれ?何で私は進めないんだろう?

デミウルゴスさんも心配して戻ってきてくれた。

試しにもう一度進んでみると、進めるようになっていた。

 

「あれ?大丈夫?」

「えっと、よくは分かりませんが解決、という事で良いのでしょうか?」

「そのようですね。」

「うん。」

 

気を取り直してお風呂に向かうと、すぐにまた動けなくなった。

何でだろう?じいじは進めたし、私だけ?

とと様達が来る前にはこんなことなかったし、その間変わったこと何て・・・?

振り返るとじいじとデミウルゴスさんが心配そうにこちらを見ている。

あれ?デミウルゴスさん私と同じブレスレット着けてる。

ウルベルトさんから頂いたからお揃いなのかな。

・・・まさかこのブレスレット?

 

「デミウルゴスさん。」

「はい。やはり何か問題が御有りのようですね。」

「向こう、進める?」

「彼方ですか?」

 

デミウルゴスさんと私が着けているブレスレットが原因なら、デミウルゴスさんも向こうに進めないか、私が引っ張られるみたいな現象が起こるかも。

デミウルゴスさんが向こうを向いて進まない。

 

「シエリア様、何かの妨害を受けているようです。」

「こっち、来れる?」

「はい。可能な様です。」

「シエリア様、デミウルゴス様。いったい何が起きていらっしゃるのですか?」

「多分、ブレスレット、デミウルゴスさん、離れる、ない。」

「なんと!ウルベルト様から頂いたこのブレスレットにその様な効果があるとは。」

「シエリア様、そのブレスレットは外せますか?このままでは生活に支障が出てしまわれます。」

「取れない・・・。」

「私も外せないようです。」

「ふむ、どうしたものでしょうか・・・。」

 

ウルベルト様はまったく!

またとと様を誤魔化して厄介な事を!

とりあえずはこれを何とかしないとお風呂にも入れないじゃないか!

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

次回はどうしていこうか・・・思案中です!
明日も投稿しますので是非また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41話(デミウルゴスが耐える話)

シエリア視点

 

デミウルゴスさんと私がブレスレットによって余り離れられなくなった。

距離は2メートルくらいだろうか?

皆で手立ては無いかと悩んでいると、ペストーニャがやって来た。

 

「お風呂の準備が出来ました・・・わん。」

「ありがとうございます。ペストーニャ。」

「いえいえ。シエリア様参りましょうかわん。」

「申し訳ありません。シエリア様・・・私のせいで。」

「うん・・・しょうがない。」

 

デミウルゴスさんがとても申し訳なさそうだけど、しょうがない。

自分達で外せないのだから、この状態で何とかしなければ。

 

「何かありましたか?わん。」

「実は、かくかくしかじかなのです。」

「成る程、2メートル離れられるのであれば、デミウルゴス様に目隠しをして衝立の外にいて頂ければ、客室の浴槽が使用できますわん。」

「ですが、それはあまりにも・・・。」

 

目隠しをして姿が見えないようにしてもお風呂に入ってる側に待機されるのは恥ずかしい。

けど、汗でベタベタするしずっとこのままは辛い。

 

「デミウルゴスさん、いい?」

「シエリア様!?わ、私は構いませんが、よろしいのでしょうか?」

「うん。」

「では、私は念の為にデミウルゴス様と共に待機しております。」

「見張り役ですね、わん。」

 

これは仕方ない。

ウルベルト様の悪戯のせい。

そもそもペストーニャに背中の羽のや尾ヒレ等手の届かない所等を洗ってもらう時点で恥ずかしいし、衝立の向こうに人がいたってどうってことは無いはず。

女湯での会話を男湯に聞かれているようなものだ。

そう自分に言い聞かせながら浴室に向かった。

 

デミウルゴス視点

 

 

まさかシエリア様がペストーニャの案に賛成されるとは。

浴室に着くとセバスと共に衝立を用意し、セバスに目隠しを厳重にしてもらう。

そして衝立を背にして座る。

何故ウルベルト様はこの様な事をなさったのでしょうか?

シエリア様と共に時間を過ごせるようにというご配慮か・・・いや、そんな単純な事ではないはずだ。

もしや、この状況を見越して私に試練をお与えくださったのでは?

とするならば、ストーカーの様に相手に不快感や恐怖を与える卑劣な愛し方を望まれてはいないはず。

愛するシエリア様を己の欲望のままに接するのではなく、ウルベルト様に創造された者として相応しい理性的且つ紳士的な真の悪魔としての振る舞いが求められている!

ならば私はこの試練を何としても耐え抜かねば!

 

「ではシエリア様、お召し物を失礼致しますわん。」

「うん。」

 

ペストーニャの声にびくんと体が反応してしまう。

そして、シエリア様がお召し物を脱いでいるであろう衣擦れの音。

視力を封じている分、他の感覚器官が敏感になっているのだろう。

鼓動が五月蝿いほど暴れている。

これは仕方の無いことであり、疚しいことではない。

自分に必死に言い聞かせて落ち着こうとするが、衝立の向こうの音が私を刺激する。

ちゃぽんという水音がして、シエリア様の深い吐息。

まだ始まったばかりだというのに、これ程苦しいものだとは・・・。

 

「シエリア様、肩まで浸からないと体が冷えますわん。」

「うん。」

「では、まずは髪の毛から洗わせていただきますわん。お湯が目に入らないようにしっかり目をつむってくださいわん。」

「はーい。」

「痛くないですかわん?」

「大丈夫。」

「痒いところは無いですかわん?」

「平気!」

 

余りに心臓が苦しくなる為に耳を押さえるが、そんなものは気休め程度にしか音を遮断してはくれなかった。

 

「次は体を洗いますわん。」

「うん。」

 

ペストーニャの言葉すら憎い。

目以外の五感が視力を補おうとしているのか、嫌でもシエリア様の白魚の如く美しい柔肌を想像してしまう。

邪な考えを打ち消すように自分の膝に爪を食い込ませる。

 

「っペストーニャ、くすぐったい。」

「失礼致しましたわん。」

 

これはウルベルト様から私への試練だ。

これしきの事を耐えられず、シエリア様のお相手が勤まるはずがないと言うことだ。

 

それから己の欲望を捩じ伏せ続け、シエリア様の入浴が終わった。

シエリア様が服を着ているであろう音を聞き、深呼吸をする。

私は試練に打ち勝ったのだと。

 

安心していると、足音とシャンプーと甘い香りが近づいてきた。

 

「デミウルゴスさん、ありがとう。」

 

シエリア様の声が頭上で聞こえ、そのまま私の前に座ったようだ。

そして、するすると私の目隠しを外していく。

香りがすぐ目の前から感じる。

数センチ頭を前に倒せば、きっとシエリア様の胸とぶつかってしまいそうな距離に感じる。

いや、今私の頭に触れて目隠しを解いているのはシエリア様の指なのだ。

そう自覚すると、どんどん頭に血が登っていき、クラクラしてくる。

 

「シエリア様、お止めください。」

「なんで?」

「き、危険ですので・・・。」

「?もう取れるよ?」

 

その言葉と同時に視界が明るくなり、目の前にシエリア様の胸元。

目眩が酷くなり動けなくなる私を心配して、顔を覗きこむシエリア様・・・そのアングルは私を殺す為にわざとしているのですか?

上気した肌に心配そうに歪む表情、潤んだ瞳。

その全てが私を無慈悲に追い詰める。

 

「デミウルゴスさん!?」

「おや。」

「あら。」

 

余りにシエリア様が魅力的で、目眩が限界に達し私の意識は遠退きました。

あぁ、ウルベルト様。

貴方様が私に課した試練はシエリア様の無意識に放たれる色香に耐えることだったのですね・・・。

 

私にはまだこの試練は早すぎたようです。

どうかこの情けない未熟者をお許しください・・・。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

デミウルゴスさん残念ながら気絶してしまいました。
友人と話している時に、「設定関係なく女性NPC達は処○らしいよ。」と言われたので男性NPCももしや?と思いこの反応になりました。

これもギャップ萌えととって頂けると幸いです!

あと、休憩時間に友人と一緒に描いた心配そうなオリ主の絵を載せておきます。
画力が相変わらずなので、自己責任でご覧下さい。


【挿絵表示】


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

42話(デミウルゴスを看病して勘違いする話)

デミウルゴスさんが倒れてしまった。

体が燃えるように熱い・・・風邪かな?

 

「シエリア様、一先ずデミウルゴス様を運びますので。」

「うん、第7階層?」

「いえ、そこまでの移動は危険ですので客室を利用します。申し訳ありませんが、シエリア様もご一緒にお願いいたします。」

「わかった。」

「私は氷枕等を用意しておきますわん。」

「お願いします。」

 

じいじがデミウルゴスさんを担いで移動する。

体調悪かったのに無理させちゃったんだよね・・・後で謝らなきゃ。

 

客室に移動し、デミウルゴスさんのジャケットを脱がせてベッドに寝かせる。

メイドさんが用意したのかタオルや冷たい水が入ったボールと着替えが置いてある。

 

「シエリア様、デミウルゴス様のお召し物を変えますので申し訳ありませんが、後ろを向いて頂いてもよろしいでしょうか?」

「うん。」

 

いくら病人でも異性に裸を見られるのは恥ずかしいもんね。

それから暫く壁を見ている。

やっぱり戦闘でダメージとかあっただろうし、無理させちゃったんだよね。

 

「シエリア様、終わりました。」

「ありがとう。」

「いえ、当然の事でございます。重ね重ね申し訳ありませんが、水を交換して参りますので少々デミウルゴス様のご様子を看て頂いてもよろしいでしょうか?」

「うん、大丈夫。」

「では、よろしくお願いします。」

 

そう言ってじいじは服やタオル、ボールを持って部屋を出ていった。

私は立っているのも疲れるので、デミウルゴスさんの眠るベッドの端に座る。

デミウルゴスさんは悪い夢を見ているのか魘されている。

 

「・・・ウルベルト、さま、どうか・・・おいていかないでくださぃ・・・。」

 

どうやらウルベルト様が去ってしまう夢らしい。

一度起こした方がいいのかな?

とりあえず、そっと手を握ってみる。

すると手が強く握り返され、こちらの方にデミウルゴスさんが寝返りを打った。

起こしちゃったかな?

 

「デミウルゴスさん?」

「・・・シエリア様?」

「うん。」

 

デミウルゴスさんがもぞっと動いて、私の腰辺りに抱きついてきた。

デミウルゴスさん、寝ぼけてるのかな?

ドキドキするが相手は病人だし、とりあえず頭を撫でてみる。

 

「ウルベルト様が、いなくなってしまうのです・・・。」

「うん。」

「夢だけではないのです。現実でも『俺がいなくなったら』と恐ろしい事ばかり仰るのです。」

「・・・うん。」

 

デミウルゴスさんが起き上がり、私を抱き締めた。

こんなに弱ったデミウルゴスさんは初めてだ。

でも、ウルベルト様の事は私達ではどうにもできない。

プレイヤーの現実世界の問題にNPCは干渉できないのだから・・・。

 

「シエリア様も、いなくなってしまわれるのですか?私を置いて。」

「ずっと、デミウルゴスさん、一緒、いる。」

「本当に・・・?未来永劫、死が二人を分かつとも、私と共に生きてくださいますか?」

「うん、ずっと、一緒。約束。」

 

ウルベルト様がいなくなりそうで、デミウルゴスさんも不安なんだよね。

私はNPCだし、ここからいなくなることも無いだろう。

 

「・・・ありがとうございます。夢でもそう言っていただけると嬉しいものですね。」

「・・・。」

「!・・・シエ、リア、様?」

 

デミウルゴスさんの顔がだんだん青くなっていく。

どうやら夢じゃないと気づいてしまったらしい。

弱っている姿を見せてしまったことが、ショックなんだろう。

そして、ゆっくりと私を離し距離をとる。

しかしアイテムのせいであまり離れられない。

 

「あの、シエリア様、これは・・・先程の約束は本当でしょうか?」

「うん、ずっと、一緒!」

「あ、ありがとうございます・・・。」

 

デミウルゴスさんがおろおろとしている。

落ち着かせようと私が一歩近づく度にデミウルゴスさんが一歩後退る。

何だか今のデミウルゴスさんを見ていると、心の中の何かがウズウズする。

もっと、いじめてみたいような・・・。

 

「シエリア様?・・・とても嬉しそうな表情をなさっていますね。」

「・・・そう?」

「はい。私もとても嬉しく思っております。ですが、心臓が騒がしく、これ以上は・・・。」

「・・・。」

 

そうは言われても、どうしてもデミウルゴスさんで遊びたい・・・。

遂に壁に追い詰められたデミウルゴスさんは覚悟を決めたように正座をして叫んだ。

 

「シエリア様がお望みとあらば!どうぞ目をくり貫くなり内臓を引きずり出すなりお好きになさってください!」

「・・・。」

 

グロテスクなのは望んではいないけど・・・くすぐろうと思ってた位で・・・。

 

「シエリア様、何をなさっているのですか?」

「じいじ・・・。」

「セバス!邪魔をしないでください!私はシエリア様に楽しんで頂くのです!」

「デミウルゴス!貴方という悪魔は!」

「シエリア様!ご無事でありんすか!?」

 

じいじと一緒にアルベドさんとシャルティアさんも来たみたいだ。

 

「シエリア様、病人を壁際に追い詰めている理由を教えていただけないでしょうか?」

「えっと、成り行き・・・。」

 

きっとデミウルゴスさんが弱音を吐いたことは言わない方が良いよね?

 

「シエリア様、どんな成り行きでしょうか?」

「セバス、私が悪いんだ。シエリア様を責めないでくれ。」

「私はシエリア様にお聞きしているのです。」

「内緒!デミウルゴスさん、約束!」

「シエリア様!このデミウルゴス、これ以上の喜びはありません!」

 

デミウルゴスさんが尻尾をぶんぶんと振りながら私の手を掴んだ。

そんなに内緒にしたこと嬉しかったのかな?

 

「後日指輪を作成しお持ちします!」

「指輪?」

「はい!シエリア様用に特別なものを!」

 

今回のお詫びかな?

私はまだ炎とか氷とか毒とかに弱いし、耐性強化の指輪とか?

私が首を傾げていると、じいじがため息をついた。

アルベドさんとシャルティアさんはまた恐い顔をしている。

 

「何かややこしい問題が有りそうですが、デミウルゴス様がお元気になられたのならばもう良いでしょう・・・。」

「そうかしら?今の会話は聞き捨てならないものに感じたけれど!」

「そうでありんす!」

「先ずは、シエリア様とデミウルゴス様のブレスレットの件から1つずつ解決いたしましょう・・・。」

 

 

じいじが頭を抱えて弱々しく言った。

余りのじいじの疲労感に、アルベドさんもシャルティアさんも落ち着きを取り戻し、皆が可哀想なものを見る目をじいじに向けている。

じいじもきっと疲れてるよね?

早くこの件を解決して、じいじを休ませてあげないと!

そう意気込んで、私はシャルティアさんにアイテムの効果を見てもらったのだった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

何だかウルベルト様がいなくなりそうだという話にするつもりが、デミウルゴスが暴走しました。
それを察したセバスはオリ主が気づいてない様子に今後の不安を感じております。

明日は遂にアイテムの真の効果が判明・・・是非また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

43話(仲良し度が判明する話)

シャルティアさんにブレスレットを見てもらった。

 

「これは・・・とても面白いアイテムでありんすね。」

「面白い?」

「はい!どうやら装着した二人の心の距離の分だけ離れられなくなるようでありんす。」

「と言うことは、シエリア様とデミウルゴス様の心の距離は2メートルと言うことでしょうか?」

「理論上はそうなりますね。・・・2メートルか。」

「近いのか遠いのかわからない距離ね。」

 

確かに微妙な距離の気がする。

他の人で普通はどの位の距離かとか試してみたい・・・じいじとデミウルゴスさんとかだったら普通の距離が分かるかな?

 

「効果はそれだけじゃないでありんす。装着した者は一定時間感情が増幅されるみたいでありんすよ。」

「精神異常の効果もあるのね。」

「成る程、そのせいで私はあのようなことが醜態を晒してしまったという訳か。」

「デミウルゴス様は精神異常に耐性をお持ちでは有りませんでしたか?」

「ウルベルト様から頂いたアイテムですから私の耐性を凌駕する力を持っていても不思議ではありません。(あの醜態が素でしたら自分が不甲斐なさ過ぎます)」

 

ん?何か今聞こえたような・・・?

デミウルゴスさんがどこか遠い目をしている。

確かにいつものデミウルゴスさんらしくなかったし、アイテムの影響なら納得できる・・・かな?

今はいつものデミウルゴスさんに戻った気がするし。

 

「シャルティア、アイテムの効果は分かったけれど肝心の解除方法は分からないの?」

「見てみるでありんす。えっと・・・『ハッピーハロウィン』と良いながら相手にお菓子を渡すと外せるようでありんす!」

「それ、だけ?」

「はい!」

「意外とあっさり外れるようね・・・。」

「では、お菓子を御用意致します。」

「セバス、私はウルベルト様から頂いたお菓子があるから大丈夫だよ。」

「私も。」

 

とと様達しか外せないとかだったらどうしようかと思ったけど、簡単で良かった。

あ!それならじいじとデミウルゴスさんにも着けてもらって、距離を試して貰おうかな?

とと様にもらった大量のお菓子の1つをデミウルゴスさんに差し出す。

 

「デミウルゴスさん、ハッピー、ハロウィン?」

「シエリア様、有り難く頂戴させて頂きます。」

 

デミウルゴスさんがお菓子を受けとると、ブレスレットからカチャリと音がして、取り外せるようになった。

それを持って、じいじに渡す。

 

「シエリア様、このアイテムは私に保管するようにと言うことでしょうか?」

「着けて?」

「しかし、そうしますと私とデミウルゴス様が距離制限をされる事になりますが。」

「普通、距離、知りたい。」

「さようでございますか・・・。」

「疲れ、てる?」

「そういうわけではありませんが・・・。」

 

そうだよね、さっきだって溜め息ついてたし冒険の後で早く休みたいよね。

するとシャルティアさんがおずおずと私に近づいてきた。

 

「シエリア様、言いにくいのでありんすが、デミウルゴスとセバスはすっごく反りが合わないので『普通の距離』は分からないと思うでありんすえ。」

「そうなの?」

「シャルティアの言うとおり、残念ながら二人は何故か不仲なのです。」

 

てっきり一緒に教育係をしているから仲が良いのかと思っていたけど、そう言えば最初の方はよくバチバチとしている気がする。

 

「じゃあ、シャルティアさん、着ける?」

「私はまだこの前の心の刺が残ってありんすので、是非アルベドに着けるといいでありんす。」

「シャルティア、貴女まだこの前の図書室の一件を根に持っているの?胸が小さいと心の余裕も小さいのかしら?」

「はあ!?胸がデカいくせに尻の軽いに言われたくないでありんす!」

「何ですってぇ!?」

 

二人がまた喧嘩を始めてしまった・・・。

困ってじいじとデミウルゴスさんを見ると苦笑いで返された。

私も困り果てていると、デミウルゴスさんが静かに私にお菓子をくれた。

 

「シエリア様、『ハッピーハロウィン』でございます。」

「・・・ありがとう?」

「これも外れたようですね。さてシエリア様、アルベドとシャルティアにこのブレスレットを着けてみるのはいかがでしょうか?」

「二人?」

「はい。世の中には『喧嘩する程仲が良い』という言葉が有りますので二人で試してみてはいかがでしょう?」

「おぉ、面白そう。じいじとデミウルゴスさんは?」

「私共は喧嘩を致しませんので。」

「・・・そう。」

 

とても良い笑顔で言われた・・・たまにバチバチしているのは喧嘩ではないのか。

とりあえず、デミウルゴスさんとじいじからブレスレットを受け取って、アルベドさんとシャルティアさんに近づく。

「いい加減敗けを認めなさい、この八ツ目鰻!」

「それは此方の台詞でありんす!大口ゴリラ!」

「・・・アルベドさん、シャルティアさん。」

「「はい!いかがなさいましたか?/ありんす?」」

 

変わり身早い!?

でも話聞いてくれて良かった。

 

「これ、着けて?」

「畏まりました!」

「シエリア様のお望みとあらば何なりと!」

 

二人が即座にブレスレットを装着する。

デミウルゴスさんがニコニコしながら二人に指示をする。

 

「では、二人の内どちらかはどこまで離れられるか移動してもらおうか。シエリア様のご命令だよ。」

「ならば私が移動しましょう。シャルティアではほら、くすっ、胸部がずれてしまうかもしれないし。」

「ああ!?まだ喧嘩を売る気でありんすか?」

「フフフ、私は貴女を心配したのよ。ではシエリア様、行って参ります。」

 

そう言ってアルベドさんは部屋を出ていった。

10分後「全くアルベドは!」と未だに地団駄を踏んでいるシャルティアさんを宥めていると、アルベドさんが戻ってきた。

 

「シエリア様、第6階層迄で行くことが出来ました。」

「上、階層?」

「階層を越えるほど仲が悪いと。」

「これはなんとも・・・。」

「む、そういうデミウルゴスとセバスはどうなのでありんす?」

「いや、流石に私達は階層を越えるほどでは無いんじゃないかな?」

「やってみるでありんす!」

「そうよ!」

 

アルベドさんとシャルティアさんに言われて、渋々じいじとデミウルゴスさんがブレスレットを着ける。

 

「では、私が行って参ります。」

「行ってらっしゃい。」

「進めなくなったら、直ぐにメッセージで連絡をするのよ!」

「畏まりました。」

 

じいじが部屋を出ていった。

30分が経過したが、じいじからの連絡がない。

じいじは大丈夫かな?疲れて倒れてたりしないかな?

 

「遅いでありんすね?」

「じいじ、探す・・・。」

「シエリア様、お待ち下さい。セバスから連絡が入りました。」

「じいじ、大丈夫?」

「はい。大丈夫のようです。セバス、今何処にいるの?え、そんなに?いえ、そう、分かったわ。シエリア様がご心配されているから至急戻りなさい。えぇ、ではまた。」

 

連絡を切ったらしいアルベドが気まずそうや顔をしている。

 

「アルベド、セバスは何処まで行ったんだい?」

「第4階層辺りでありんすか?」

「・・・いいえ、第1階層まで行ったそうよ。」

「・・・。」

 

どれだけ仲が悪いんだ。

殆どナザリック内なら距離制限ないようなものじゃん!

デミウルゴスさんも顔を背けて気まずそうだ。

じいじが戻ってきたが何とも言えない空気が漂い、解散することになった。

暫くはこのアイテムを試すのは止めようと心に決め、とりあえずその日はじいじに休むように伝えた後、プレアデスの他のメンバーとお茶会をした。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

次回はプレイヤーパートになります。
明日も投稿しますので、お暇な時に是非また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

44話(初防衛戦準備の話)

今日一番にやって来たのはとと様じゃなくてウルベルト様だった。

いつもは夜遅くなったりしていたから珍しい。

でも、デミウルゴスさんも喜ぶよね。

寂しそうというか、怯えてたもん。

なんだか今日のウルベルト様は嬉しそうな感じだ。

 

「デミウルゴス、シエリアちゃん、実はな、明日は大型ギルドが攻めてくるんだぞ。だから今日は準備の為にモモンガさんもペロロンチーノさんもぶくぶく茶釜さんも二式炎雷さんも武人建御雷さんも殆どのギルメンが来るんだ。いやー腕がなるな~。」

 

おお!皆様勢揃い!

これは皆が喜ぶ!

大型ギルドには感謝だな・・・あれ?凄く強いギルドなのかな?

 

「後な、『ユフィル・ターチェス』って言う野良NPCがいるんだが、今回雇う許可をもらおうと思ってるんだ。種族も悪魔だし、デミウルゴスの弟分だと思ってさ、仲良くしてやってくれよ。」

 

ユフィルさん?確かいつも助けてくれる人だよね!

とと様達のお友達が大切にしていた人なら私は大歓迎だよ!

楽しみだな〜!

 

「ま、その前にデミウルゴスに良い装備選んでやんなきゃな!」

 

また家族が増えるのかな!

それに他のギルドの人に会うのも初めてだし、ワクワクするなー!

そわそわしながら待っていると、とと様も来た!

とと様、あのね、ウルベルト様がね・・・あれ?

とと様何か思い詰めた顔してる?

 

「ウルベルトさん、いらっしゃっていたんですね!」

「モモンガさん!いやー久々の人間の『お客様』ですからね。楽しみで楽しみで。」

「流石ウルベルトさんですね。私なんて不安で不安で。」

 

とと様、大丈夫だよ皆来るってウルベルト様も言ってたし、私達も頑張るよ!

 

「そうだウルベルトさん、すひぃんさんの野良NPC雇用しちゃダメですかね?」

「え、実は私も今日それを相談しようと思ってたんですよ!」

 

とと様もウルベルトさんと同じ事考えてたのか!

あ、たっちみー様も来た!

 

「モモンガさん、ウルベルト。今日も早いですね。」

「お前も十分早いじゃないか。」

「たっちみーさん!シエリアに色々装備を選ぼうと思って早く来ちゃいました。」

「そうですか、私もですよ。ところでモモンガさん、相談したいことがあるんですけど、良いですか?」

「はい、何でしょう?」

「『モーリス』の野良NPC何ですけど、やっぱり雇用出来ませんか?資金は私が出しますから。」

「ククク、たっちみーもか。」

「実はですね、私もウルベルトさんも同じ事を相談しようとしていたんですよ。」

「そうなんですか?」

「はい!」

 

とと様もウルベルト様もたっちみー様も皆同じ事を考えてたんだな。

何か心が通じあってるみたいで良いな・・・。

 

「じゃあ、とりあえずはNPC達の装備を整えましょうか!」

「そうですね。」

「シエリアちゃんはどんな装備にするんですか?」

「とりあえず今回は『血濡れサーカス団』と『疾風のチャクラム』と『鮮血両バサミ』があれば十分ですかね?」

「随分レアな物ばかりですね・・・。」

「サーカス団は数が多いから良いとして、チャクラムかハサミはどちらかだけで良いんじゃないですか?」

「そうですかね?」

 

とと様、相変わらず武器が多い・・・血濡れサーカス団は団長やピエロや猛獣使い等の役割に合った武器を持っている5体で1つの動物の人形だ。

疾風のチャクラムは直径30センチの白地に緑の刃のチャクラムで輪の真ん中に持ち手が一本付いている。

鮮血両バサミは刃が外側にある20センチくらいの2対の黒いハサミだ。ネクロマンサー用の近接武器らしい。

 

「モモンガさん、シエリアちゃんも動きにくいですよ。きっと。」

「そうですよね・・・じゃあハサミだけにします。」

「防具はどうしますか?」

「防具は今迷っているんです。良いのがなくて。」

 

とと様がしょんぼりしている。

でもたっちみー様達の言うとおりあれは重すぎるよ。

するとウルベルトさんがごそごそと何かを出し始めた。

 

「タララタッタラー、女性指揮官軍服(深緑)改造版ー。これをモモンガさんに上げましょう!」

「どうしたんですかそれ!いいんですか!?」

「そんなレア物何処で手に入れたんですか?」

「ククク、私がガチャで当てたのを皆で改造したんです。シエリアちゃんに着せてあげてください。」

「わー!ありがとうございます!」

 

とと様が早速私に着せる。

帽子と軍服風ワンピース(ミニスカ)にロングコートとロングブーツという組み合わせだった。

何だかピッチリしていて気分がシャキッとする。

何故だか敬礼をしたい気分になるね!

 

「おー!シエリア似合う!可愛いけど格好いい!」

「ペロロンチーノさんがスカート丈を拘ってました。俺の拘りはブーツとロングコートです!」

「ブーツは普通のブーツに見えるが?」

「このブーツは何と!蹴られるとランダムで状態異常になる。」

「こわい!」

「恐ろしいブーツだ。コートにはどんな拘りが?」

「コートはデザインが主かな。飛び道具無効化と物理・魔法ダメージ軽減が付いてたりするくらい。」

「強くないですか?」

「プログラムをヘロヘロさんが頑張ってた。」

「皆さんにお礼をしないと・・・。」

「あ、お礼はシエリアちゃん撮影会でって言ってた。」

「そんなのでいいのか?」

「愛されてるんだよ。モモンガさんもシエリアちゃんもさ。」

 

クククと笑いながらウルベルト様嬉しそうにデミウルゴスさんにも深緑の軍服(男性用)を着せていた。

あ、これペアルックなのか。

とと様は軍服が嬉しかったのか私の横や後ろから軍服を見ていた。

たっちみーさんも何処か嬉しそうだった。

早く皆に見せたいな!

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

今日は中々話が進みませんでした・・・。
次回は遂に野良NPCが仲間入りです!
是非また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

45話(彼が仲間になる話)

他の方々が到着してから、とと様が皆に明日攻めてくるギルドについて連絡が始まった。

 

「皆さん!明日の『お客様』は最近異形種狩りで有名な新参者の人間ギルドです!昨日の宣戦布告の時に『異形種ギルドなんか30分で蹴散らしてやる。首を洗って待っていろ。』との事でしたので『その際は30分でキャラロストさせてやる。』と伝えてあります。皆さんで作り上げたこのアインズ・ウール・ゴウンの全てをもって『歓迎』しましょう!」

 

おおー!!と雄叫びが上がる。

私も一緒におー!ってやりたかったのに・・・。

にしても15分でここを陥落させられるわけないじゃない。

 

「モモンガさん、いつも控えめなのに言いますね!」

「いや、20分で終わりでしょう(笑)」

「確かあのギルドは総勢150人でしたっけ?何人生き残れますかね?」

「というか、手練れは20人位で他は雑魚でしょう?」

「若気のいたり(笑)」

 

 

皆さん凄く煽っていらっしゃる。

でも、油断は大敵っていうし気を付けないと。

それから会場は大騒ぎで「血祭りだー!」とか物騒な言葉が飛び交っていた。

ユフィルさんの件も二つ返事でOKを貰えた。

その後は其々NPCや自分達の装備を整えることになり解散した。

 

 

それからとと様とウルベルト様とたっちみー様と私は草原に向かった。

いつも通りユフィルさんが現れたので、とと様が近づきステータスを確認している。

ユフィルさんはいつもと違う行動に戸惑っているのではないだろうか?

 

「良かった!あれから変わってないみたいです!」

「すふぃんの大事にしていたままか。」

「無事で良かったですね。」

「それじゃあ、雇用しますよ。」

 

それから金貨200枚でユフィルさんが仲間になった。

とと様がユフィルさんの頭に手を置いて、「アインズ・ウール・ゴウンにようこそ。これからよろしく頼む。」と言っていた。

 

そしてナザリックに帰ってくると、ユフィルさんのステータス(主にキャラ設定)を見ることになった。

 

名前 ユフィル・ターチェス

 

かつては上位悪魔として数多の悪魔を従えていた。しかし周りの重圧に耐えきれず冒険者となり、多くのギルドに雇われてきた問題児。優れた洞察力・推察力を持っているが、本人は楽観的であり面倒事を嫌い自由を好む為、その才能はほぼギャンブルと任務のみに活用される。

普段のいい加減な言動や行動にチャラ男と評価されることが多いが、それも彼の処世術である。

盗賊・暗殺・錬金術・鍛冶屋・等雇われる内に多くの才能を開花させたステータスのみならば優秀である。

因みに女装癖がある。

 

外見 褐色の肌に漆黒の長髪で糸目の美青年の姿をしている。翼と尻尾も漆黒である。

 

これがユフィルさんのステータスらしい。

何だかすごい人何だろうな・・・。

・・・女装癖?

 

「何だか凄い設定ですね・・・。」

「色々使えそうなキャラですけど。」

「設定笑うわ。すふぃんの後付け何処までだ?」

「うーん、女装癖はすふぃんさんですよね。本人もそうでしたし。」

「モモンガさん、ウルベルト、そこは置いておきましょう。」

「そうだな、コイツの立ち位置はデミウルゴスの弟分でいいか?」

「シエリアの遊び相手でも良いかと思ってたんですけど・・・。」

「執事見習いとかどうかと思ったのですが。」

 

3人でバラバラ・・・でも、弟分が出来たらデミウルゴスさんも寂しくないだろうし、遊び相手は欲しい。

執事見習いだったら、じいじの負担も減りそうだし。

 

「じゃあ全部入れちゃいましょうか!」

「そうですね!」

「はいよ、で、明日は何処に待機させる?デミウルゴスのとこ?」

「シエリアと一緒に第4階層に居させようかと思うんです。」

「ガルガンチュアの所にですか?」

「今までガルガンチュアって誰か攻めてきたときも発動しなくてスルーだったよな。」

「『アインズ・ウール・ゴウン』は第4階層手抜きって言われるのもあれですし・・・。」

「良いんじゃないですか?とりあえずどれくらい働いてくれるか明日見てみましょう」

 

その後は皆で集まってNPCの装備の自慢大会が開催してとと様達は帰っていった。

シャルティアさんのフル装備やアルベドさんの鎧姿が格好かった。

なんだか皆で世界観がバラバラの気もするけど、同じ階層にいるメンバーで揃ってれば良いのかな?

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

何だかあっさりした内容になってしまいました。
明日はNPCパートになります。
ユフィルの扱いが未確定ですが、また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

46話(ユフィルの挨拶回りの話?)

とと様が帰っていった後、第4階層でガルガンチュアさんとユフィルさんの3人になった。

えっと、どうすれば良いんだろう。

とりあえず、自己紹介をしてナザリックの案内かな?

 

「あの、私。」

「いやー、やっと動けるようになったー!やっぱりプレイヤーがいると窮屈だねー。あ、今日からお世話になりまーす!ユフィル・ターチェスでっす!よろしくね、しーちゃん。」

「えっと、よろしく。」

「あ、俺ずっと見てたから大体しーちゃんの事わかるよ。レベル上げ頑張ってたもんね!えらいえらい。」

「・・・ありがとう。」

 

よしよしと頭を撫でられる。

何だろう、今まで会ったことのないタイプの人だ。

放っておくと、ずっと話してそう。

 

「とりあえず、俺は挨拶周りに行った方がいいのかな?」

「多分。」

「じゃあ行ってくるよ!一番偉い人は下かな?あ、怖い人っている?」

「皆、優しい。」

「そっかー、なら安心だ!デミウルゴスってどんな奴かな?俺の兄貴分らしいんだけど?」

「えっと、格好いい、強い、賢い、物知り。」

「成る程成る程、高評価そうだけど、しーちゃんはその人が好きなの?あ、恋愛的に。」

「れん、あい?」

「おっと、しーちゃんはまだわからない?ドキドキしたり、その人の事を考えちゃったりすることだよ。」

「ドキドキ、たまに。」

「そっかそっかー!俺恋バナとか好きなんだ。人の弱味に直結するから。」

「・・・。」

 

この人怖い人なのかな?

カルマ値低い人?

そういえば、初めて会ったときに雇われたくないような感じがしたけど、大丈夫なのかな?

 

「雇われる、いい?」

「ん?あぁ、雇われちゃったらしょうがないし。俺ね、自由が好きなんだよ。だから1人でフラフラしてたんだよ。」

「そうなの?」

「それに、ギルドが解散していく所を見るのは辛いしね。ギルド長が毎日毎日仲間が来るかもしれないって1人で待ってるの。それを見てることしか出来なくてさ。ま、しーちゃんにはまだ早いかもだけどね。」

「・・・。」

「でも、覚悟はしておきな。そうすれば、幾らかはましだよ。何度も経験した俺が言うんだから間違いない。」

 

この人は幾つのギルドの終わりを見てきたんだろうか。

それでも、またギルドに雇われてお別れして、ずっとその辛さを感じてきたのだろう。

ニコニコしている彼が少し悲しくなって頭を撫でた。

 

「大丈夫。」

「え、あ、ありがとう?何で撫でられてるかわかんないけど。」

「シエリア様、お迎えに上がりました。おや、そちらは。」

「あ、どうも。今日から雇用された『ユフィル・ターチェス』です。」

「これはこれはご丁寧に。たっちみー様からお話は伺っております。私は貴方の指導役を勤めますセバス・チャンと申します。」

「そうっすか、よろしくお願いします!」

「シエリア様は本日はデミウルゴス様と勉強のご予定ですので、勉強部屋に参りましょう。ユフィルはその後私と共に挨拶周りを。」

「うん。」

「はーい。」

 

今日は勉強部屋か、私が勉強に集中出来るように人の出入りが少ない静かな部屋なんだけど、じいじの時みたいにうとうとしないと良いな。

勉強中に寝ちゃってじいじに凄く怒られちゃったんだよね。

 

勉強部屋に移動すると、既にホワイトボード等が用意されている。

30センチほどの高さに積まれたプリントは今日のノルマじゃないよね?

 

「シエリア様!ご足労頂きありがとうございます!今日は愚かな人間についてご説明させていただきます。明日の戦いのお役に立てればと思います。」

「うん。」

「あのー、すみません。今日からお世話になる『ユフィル・ターチェス』です。」

「ええ、ウルベルト様から聞いています。私は貴方のプライベート面のサポートを任せられているデミウルゴスと申します。何か気になることや分からないことがあれば言ってくださいね。」

「ありがとうございます。じゃあ遠慮なく。デミウルゴスの兄貴はしーちゃんのどこが好きなんですかー?」

「「「は?」」」

「え?違うの?」

 

急に何て事を聞くんだこの人は!?

吃驚したのと恥ずかしくて顔から火を吹きそうだ・・・。

というか、この人は何がしたいんだ。

デミウルゴスさんも真っ赤になっている。

 

「ゴホン、勿論シエリア様の全てを愛しております。」

「おおー!良かったね、しーちゃん!」

「・・・。」

 

これが世に言う公開処刑?

でも、デミウルゴスさんの好きって妹分としてとかじゃないのかな?

ユフィルさん勘違いしてる気がする。

 

「ユフィル、シエリア様は私共の主人でいらっしゃいます。しーちゃん等と軽々しく呼ばぬようお願いします。」

「えー、俺しーちゃんの遊び相手ですよー。」

「遊び相手だとしても、自分の立場を弁えなさい。」

「遊び相手に上下関係があったらそれは遊びじゃなくて接待ですよー。」

「接待?」

「そのようなことはありません。以後気を付けなさい。」

「しーちゃーん。この人頭でっかちだー。」

「何ですと!ユフィル!貴方は、」

「じいじ、落ち着くっ。」

「セバス、ユフィルには私からもじっくり言い聞かせておくから、挨拶周りだけ済ませてもらっても良いかな?」

「・・・畏まりました。行きますよ。」

「はーい。」

「返事も改めなさい。」

「はいはい。」

「はいは一回!」

 

じいじとユフィルさんは生活指導の先生と問題児みたいなやり取りをしながら出ていった。

面白くてつい笑ってしまうと、デミウルゴスさんも堪えきれなかったようで、「何だか変な弟分が出来ましたね。」と笑っていた。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

遂に登場させてしまいました・・・彼はナザリックには稀なチャラい感じのイメージです。
明日はデミウルゴスとの勉強会になると思いますので、是非また読みに来てください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

47話(デミウルゴスの授業?の話)

何だかユフィルさんは変わった人だったな。

と扉の方を見ていると、どさりと大量の本とプリントが置かれた。

そして、デミウルゴスさんがニコリと笑って言った。

 

「では、授業を始めます。」

「はい。」

 

授業が始まるとさっきのユフィルさんの質問の時の気まずさもなく淡々と進んでいく。

そう、淡々と人間の皮の剥ぎ方を説明されている。

マネキンを使ってそれはもう丁寧に・・・。

 

「そして顔の部分は凹凸があり難しいですが、こうして皮の下を優しく切り離していきます。ただいくら拘束しても顔はどうしても瞬きや叫ばれたり動かれたりと難しいので慎重に進めます。」

「・・・。」

 

この知識いるのかな?

人間の皮って使うこと無いだろうし。

どちらかというと弱点とかそういうのかと思ってたけど、人間は倒せるのが普通なのか。

 

「・・・失礼いたしました。見ているだけでは退屈ですよね。実際に皮を剥いでみましょうか。」

「いい。」

「そうですか?では次はこの皮の乾燥方法を。」

「乾燥、方法?」

「はい。ただ皮を剥ぐだけではなくきちんと活用しなければ勿体無いでしょう?」

「・・・うん。」

 

剥がなきゃいいんじゃない?

というか、何に使うの?

 

「良いですか?このようにシワにならないように丁寧に。」

「皮、何、使う?」

「人間の皮ですか?そうですね・・・ソファー等のインテリア飾りや羊皮紙の変わりが主でしょうか。性能はよくありませんが防具、楽器にも出来ますのでお1ついかがですか?」

「やめとく。」

「そうですか・・・。」

 

ションボリしてる・・・そんなに楽器作りたかったのか。

でも人の皮の楽器って怖くて演奏したくない。

皮を干し終えたデミウルゴスさんが椅子を持ってきて机の前に置き、私と対面するように座る。

 

「ではそろそろ休憩を致しましょうか。」

「うん!」

「・・・つかぬことをお聞きしますが、シエリア様はユフィルの事をどう思いますか?」

「どう?」

「馴れ馴れしいだとか騒がしいとか、その、好意を持っているだとかですかね。」

「ユフィルさん、変?」

「確かに彼は少し、価値観が我々とは違っている所はありますね。今後は彼を立派な悪魔に育て上げなければ。」

 

デミウルゴスさんが嬉しそうにぎゅっと拳を強く握る。

この前の寂しさは伺えない。弟分が出来たのが余程嬉しいみたいだ。

 

「デミウルゴスさん、ユフィルさん、好き?」

「・・・そうですね。馬鹿な子ほど可愛いと言いますし。勿論シエリア様の尊さには敵いませんが。」

「・・・。」

「・・・私の事はどう思いますか?」

「え?」

「いえ、シエリア様は皆に平等に接していらっしゃるので、多少不安になりまして。」

「不安?」

「はい。この前のプロポーズ後から何もお変わりないようで、あれはやはり夢だったのではないかと・・・。」

「プロポーズ?」

 

されたことあったっけ?

・・・前に指輪を作ってとかってそう言うこと?

また気づかないうちに話が進んでた?

どうしよう・・・。

デミウルゴスさんが私の横に移動し跪く。

そして、真剣な顔で私の手をとった。

 

「シエリア様、改めて申し上げます。私はシエリア様をお慕いしております。私と結婚を前提にお付き合い頂けないでしょうか?」

 

これは誤魔化しようもない告白だ。

触れられている手も、顔も全身が熱くなる。

心臓に火山でも出来たみたいにドクドクと脈をうち苦しい・・・でも、嫌な感じはしない。

 

「シエリア様、あの、不快に思われたでしょうか?」

「・・・違う。」

「では。」

「・・・わからない。」

「それは好きか嫌いかが分からないということでしょうか?」

「好き、けど、恋愛、わからない。」

「では!僭越ながらこのデミウルゴスが指南させていただきますが、いかがでしょうか?」

「指南?」

「はい!」

 

やっと感覚にも慣れてデミウルゴスさんの顔を見るとマグマ見たいに真っ赤になっていた。

ドキドキしているのが私だけじゃないんだと思ってくすりと笑ってしまった。

 

「私などが差し出がましかったでしょうか?」

「ううん、お願い。」

「はい!畏まりました!」

 

デミウルゴスさんの尻尾がブンブンと荒ぶっている。

荒ぶりすぎてガンガンと尻尾に攻撃された床が傷付いてるけど・・・。

 

「ちょ、セバスさん、何泣いてんの!?」

「泣いていません。」

「イヤイヤイヤ、いくらしーちゃんに彼氏が出来たってそんなに喜ぶこと?」

「シエリア様に彼氏など出来ておりません!」

 

何やら外が騒がしい。

と言うより聞かれてた!?

デミウルゴスさんを見ると笑って内緒のポーズをした。

そして扉の前に行き、勢いよく扉を開ける。

 

「二人とも、何を騒いでいるのですか?シエリア様には彼氏はできていませんよ!・・・まだ、ね。」

「うわー、流石兄貴・・・悪魔だわー。」

「シエリア様、只今戻りました。」

「うん、お帰り。」

「セバスさん、華麗にスルーした。」

「おや、何か触れるべき会話が有りましたか?老体ですので聞き漏らしてしまったかもしれませんね。」

「仕えるべき者の声を聞き漏らすなど、執事としてどうなのかな?セバス。」

「いえいえ、至高の御方々やシエリア様の言葉でしたら聞き逃さないのでご心配無く。」

 

あー、久々に二人がバチバチしてる・・・そしてたっちみー様とウルベルト様がまた見える。

「この二人、面白いね。」とか耳打ちしている場合じゃないんだよ。ユフィルさん。

 

結局その日は二人の喧嘩を遠目に見ながら、ユフィルさんに人間の急所や明日の戦法について教えてもらった。

「第4階層まで辿り着けるプレイヤーはもっと少ないから大丈夫!」と言っていたけど、初めてのナザリック防衛戦に緊張してしまう。

とと様や皆が傷付かないといいんだけど・・・。

その日は不安であまり眠れなかった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

何だかデミウルゴスとオリ主が曖昧な関係で止まってしまいました・・・。
次回は遂にオリ主のナザリック防衛戦デビューです!
明日も投稿しますので、是非また読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

48話(初防衛戦の話)

遂に決戦の時がやって来た。

昨日ユフィルさんが指導してくれたけど、やっぱり緊張する。

 

とと様達がワクワクしているのに、私は怖くて堪らない。

だってプレイヤーってとと様達みたいに強い人達なんだよね?

とと様達に勝てる気しないもん。

1人で不安と戦っていると、とと様が頭を撫でてくれた。

 

「シエリア、大丈夫だぞ。シエリアがピンチの時はすぐに助けに行くからな。」

 

本当に?すぐ来てくれる?

 

「ぜーったいだ、シエリアが頑張ってるところをちゃんと見てるからな。頑張るんだぞ。」

 

とと様の声と手に安心して、頑張れる気がしてきた!

 

「モモンガさんそれありっすか?なら俺もシャルティアのピンチじゃなくても助けに行く!」

「馬鹿じゃないの?そしたらすぐお祭りが終わっちゃうじゃない!」

「理不尽だー!」

 

ペロロンチーノ様が叫んでいるけれど、シャルティアさんならきっと大丈夫だと思う!

それから持ち場に戻って侵入者を待つ。

 

第4階層に着き、とと様達が帰っていく。

今日は外に行った時のように喋れないけど、自由に動ける状態のようだ。

とりあえず、ユフィルさんと私は武器のチェックをしている。

 

「侵入者が来たでありんす!」

 

それから直ぐに侵入者が現れたらしい。

シャルティアさんから連絡が入った。

私はいつ敵が来てもいいようにガルガンチュアさんを起こした。

 

ーサクセンドオリ、オクニハイカセナイ。ー

 

ナザリックの奥に続く通路の前にガルガンチュアさんが待機する。

私とユフィルさんはその前方に武器を構えて待機する。

暫くして侵入者の声が聞こえてきた。

 

「くそっ!何なんだよここは!」

「話が違うじゃないか!もっと楽勝の筈だろ!?」

「仕方ないだろ!?あの骸骨野郎のギルドなんて楽勝だと思ったんだよ!昔何度もあの骸骨殺したんだからよ!」

「畜生!41人しかいないギルドなのになんでこんなに手こずるんだよ!」

 

は?何か聞き捨てならない言葉があった気がするなー?

なんでかなー?何度も殺した?

とと様を?お前ら如きが?

・・・殺してやる、跡形も残さず蘇れないくらいに!

 

 

敵の姿が見えた瞬間に先頭にいた奴の首をはねた。

人数は5人・・・。

瞬時にあいつらの悲鳴が上がる。

デミウルゴスさんは悲鳴が心地いいとか言っていたけど、不快でしかたない。

ナイフや魔法攻撃やらが飛んできたけど、ウルベルト様の軍服のお陰で効かない。

サーカス団の方が数は多いし、こっちが有利だ。

ユフィルさんもどんどん敵を倒していく。

 

「このアマがぁ!」

「援軍が来たぞー!」

「っく・・・。」

 

先に来た奴等よりも強い敵が来たらしい。

強力な魔法攻撃で大きなダメージを受けてしまった・・・。

サーカス団が対処しきれない。

ユフィルさんも手一杯だ。

仕方ない・・・奥の手だって言われたけど、使っちゃってもいいよね?

私の周りには強い人達がいる。

融解吸収でその人達を飲み込んだ。

何だかいつもより気持ち悪い・・・。

私はその場にヘタリ込んでしまった。

 

数は殆ど減らしたから、残りは・・・ユフィルさん達で、お願い・・・。

私は意識を手放した。

 

 

モモンガ視点

 

敵が侵入して直ぐの事だった。

今までは侵入者が来てもまったく起動しなかったガルガンチュアが起動して通路を防いだ。

 

ウルベルトさん達と発動条件があったのかと話していると、敵はシャルティアに倒されたり、第3階層で恐怖公に倒されたり、闘技場に飛ばされてアウラとマーレに倒され3分の1まで数を減らした。

この程度の強さで喧嘩を吹っ掛けていたのか・・・馬鹿だな。

 

敵が第3階層から第4階層に進んでいると、見慣れたプレイヤーを見つけた。ユグドラシルを始めたばかりの時によく嫌がらせをしてきたプレイヤーだ。

たっちさんも覚えているらしく、「殺りにいきますか?」と警察官らしからぬ台詞を言っていたが、様子を見ることにした。

 

彼らが第4階層に到着したとたんにシエリアがプレイヤーの首をはねた。

シエリアってあんなに好戦的だったっけ?

人形達と一緒に容赦なく敵を倒していく姿を見ると、敵討ちをしてくれているみたいで嬉しかった。

 

しかし、敵の手練れが20人位合流してきた。

シエリアがダメージを受けて、直ぐ様駆けつけようとしたが、ウルベルトさんに止められた。

 

「邪魔しないでください!」

「モモンガさん、ギルド長が真っ先に出ていっちゃ駄目でしょう?シエリアちゃんを信じましょう。」

「でも、」

「ペロロンチーノさんも我慢してます。」

 

仕方なく席に戻るとシエリアが融解吸収を発動して手練れ達を飲み込んだ。

だが、いつもと違い倒れてしまう。

 

「シエリア!」

「モモンガさん、大丈夫です。」

「でも!」

 

シエリアが倒れたとたんにガルガンチュアが通路から移動して片腕でシエリアを掴んだ。

そしてもう片方の腕で敵を蹴散らす。

何だかシエリアを守りながら戦っているみたいだ。

ユフィルもさっきより動きが素早くなりあっという間に勝負はついた。

ユフィル達の圧勝だ。

 

急いでシエリアの所に移動すると、ガルガンチュアがシエリアを俺の目の前に横たえた。

 

「シエリア!大丈夫か!?」

 

シエリアは動かない。

何か魔法効果が残っているのだろうか?

 

「モモンガさーん!シャルティアは ダメージがアレでしたけど無事でしたよー!」

「シエリアちゃんどうですか!?」

「アウラとマーレも無事だったわ!しーちゃんは?」

 

ペロロンチーノさんとウルベルトさんやたっちさんやぶくぶく茶釜さん達も来てくれたが、シエリアに変化はない。

 

「どうしましょう・・・シエリアが。」

 

そう言って皆の方を向くと、ケプっと聞きなれた音がした。

シエリアを見るといつもの様に俺を見ていた。

もしかして、消化してただけ?

 

「「「「よかった〜!」」」」

 

安心してシエリアに抱きつき頭を撫でる。

 

「シエリア、よく頑張ったな!」

 

それから録画されていた映像を見ながら皆で打ち上げをすることになった。

兎に角シエリアが無事で本当に良かった・・・。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

後半は視点をユフィルや他のキャラクターに切り替えるか悩んだのですが、とと様になりました。
次回はプレイヤー達の打ち上げが開かれます!

明日も投稿するので、是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

49話(防衛戦後の話)

気が付くととと様の顔が目の前にあった。

どうやら戦いは終わったらしい。

 

第9階層に皆で集まってお祝いをするようで、御方々とNPC達が集まっている。

 

「皆さん!今回も無事にナザリックを防衛することが出来ました!ちょっと相手が物足りなかった気もしますが、皆さんが無事で何よりです!お疲れ様でした!」

「頑張ったのはNPC達ですけどねー(笑)」

「シャルティアもよく頑張っただろ?」

「アウラとマーレだって頑張ったわよ!」

「恐怖公もね(笑)」

 

誰も倒されなかったみたいで良かった。

御方々も乾杯(形だけ)をして各々で話をしている。

とと様とウルベルト様がこっちにやって来た。

 

「シエリアちゃんはどうして倒れちゃったんですかね?」

「戦闘の前は異常無かったと思うんですけど・・・。」

「変なアイテムやスキルを取得しちゃったとか?」

「見てみましょうか。」

 

とと様が私のステータスを開いた。

スキル等をチェックしていく。

 

「レベルは大分上がってきて50位ですし、スキルも、あれ?なんか錬金術とか回復系のスキルとか覚えてます。」

「相手のスキルを吸収したんだろうけど、職業に関係なく覚えちゃうのかな?他のは?」

「えっと、アイテムは・・・え!?ちょちょちょ、ウルベルトさん!これ見てください!」

「ん?どれどれ・・・は?『シューティングスター』ってこの前モモンガさんがガチャ回しまくって入手したやつだっけ?」

「敵の誰かが持ってたみたいです・・・俺のボーナス注ぎ込んだのに。」

「まあまあ、棚からぼた餅ですよ。モモンガさん。」

「でも・・・。」

「シエリアちゃんの初防衛戦の戦利品ってことで!シエリアちゃん頑張ったんだから、ね?」

 

何かまずいもの奪っちゃったかな?

とと様の元気がなくなっちゃった・・・。

 

「そうですね!良く頑張りましたもんね!」

「あ、モモンガさん百科事典って更新されてるの知ってます?スキルの説明とかも増えたらしいので見てみません?さっきのシエリアちゃんの様子の原因が分かるかもしれないですよ?」

「そうなんですか?ちょっと見てみますね。」

 

そう言ってとと様は大きな黒い本を出して、ページをパラパラと捲りだした。

そして、目的のページを見つけて音読し始めた。

 

「えっと、融解吸収ーメルトアブゾロプションー

種族問わず、選ばれし者にのみ許される力。

敵を捕らえ溶かすことで相手の力や財宝を己のものにすることが出来る。

しかし、己の魂や肉体に他人の力を取り込むということは無理矢理体の1部を移植する事と同義であり、相性が悪いと拒絶反応を起こす可能性もある諸刃の剣。大きな力を吸収する場合はなれるまで時間がかかる。だそうです。」

「ってことは、さっきのは拒絶反応?」

「どれかがシエリアと相性が悪いんですかね?」

「兎に角多用はしない方がいいかもね。」

 

そんな感じのスキルだったんだ・・・。

いつも気持ち悪い感じがしてたのは、他人のスキルに慣れる間の感覚なのか。

確かに他人の力を無理矢理自分に合わせるのは負担になるはずだし、納得・・・かな?

 

「レアアイテムとか強いスキルとかは嬉しいけど、シエリアに辛い思いはしてほしくないし、スキル使用禁止でレベル上げしようかな?」

「そうですね・・・それはお任せしますけど、万が一があると恐いですし、気を付けてくださいね。」

 

とと様達は心配性がまた出てきた。

少しずつ取り込むならきっと大丈夫だと思うんだけどな・・・。

手っ取り早いし好きだったんだけど、とと様が言うならしょうがないか。

少ししょんぼりしていると、やまいこ様がやって来た。

 

「モモンガさーん!そういえば気になってたんですけど、ガルガンチュアって何かしたんですか?」

「ガルガンチュアですか?俺は何もしてないですけど、そう言えば、今までは動かなかったのに今日は起動しましたよね?」

「んー、側にNPCがいるのが起動条件とか?」

「でも、ここを占拠した時は周りにNPCなんていなかった気がしますけど・・・。」

「ガルガンチュアはもう少し様子見か?」

 

ガルガンチュアさんは前は動かなかったの?

私が起こしに行ったからだと思うけど、普段は動きたくても動けなかったのかな?

 

「あ!モモンガさん!さっきの映像公開されてコメントが付いてるぞ!」

「ペロロンチーノさん、本当ですか?」

「何々?『アインズ・ウール・ゴウンはプレイヤー出てきてないじゃん。相手弱すぎ(笑)』『流石無敵のアインズ・ウール・ゴウン!』『シャルティアたん可愛い!マジ愛娘!』『アインズ・ウール・ゴウン遂に野良NPCユフィルを独占!今度皆で攻めにいきます(笑)』『地底湖のキャラの協力プレイすげえ!』『地底湖の女キャラってプレイヤーかと思った。』『Gはやめて(笑)』いっぱいだな!」

「シャルティアたんって、お前のコメントだろ!この愚弟!」

「な、なんでわかったんだよ!」

「ペロロンチーノさん、愛娘って書いちゃってるからですよ(笑)」

「あ、やべ!」

「本当に馬鹿なんだから!」

 

今日は皆で映像を見たりコメントを見たりして終始盛り上がっていた。

皆が「また明日」って言って帰っていったので、とと様もとても嬉しそうだった。

さて、次はNPCの打ち上げが始まりそう!

 

 

 

 

 




更新する時間が遅くなりすみません!
これから1週間位は更新する時間が遅くなると思いますが、31日以外投稿はするので是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

50話(NPC達の防衛戦後の話)

とと様達が帰ってから、ロイヤルスイートの一室に物凄いご馳走やお酒やジュースが並べられた。

じいじやメイドさん達が大忙しだ。

 

「やった〜!ハンバーガーがある!」

「よ、良かったね!お姉ちゃん。」

「今回は立食形式でありんすね。まあ、好きなものを好きなだけと言うのは嬉しいでありんす。」

「あら、シャルティアにはフルコースの方がいいと思っていたけれど、だってほら、立食だと移動するでしょう?シャルティアもシャルティアの食品サンプルも。」

「ああ!?」

「フタリトモ、イワイノセキデツマラヌケンカヲスルナ。」

「それより、誰かシエリア様がどちらにいらっしゃるか知らないかい?」

「そう言えば、新入りもいないでありんすね?」

「まさか!あの新入りシエリア様を連れ去ったりしていないでしょうね?」

「いや、流石にそんな事したらセバスが気づくでしょ?」

「で、でも、セバスさんはずっと準備にかかりっきりだよ?」

 

皆が私の居場所を探しているが、私は皆の直ぐ近くにいる。

ミニマムでウーパールーパー(手のひらサイズ)になったのだ。

何故ならユフィルさんもミニマムを持っていて、「一緒に驚かせよう!きっとお祝いムードだから許してくれるよ!」と提案されたからだ。

だって面白そうだったし、皆直ぐ気づくと思ってたし・・・。

 

「シエリアサマハ、サキホドノセントウデオツカレノハズダ。マズハイバショヲカクニンシナケレバ。」

「ええ、皆にシエリア様の居場所を知らないか連絡を取ります。貴方達は直ぐにシエリア様の捜索を。」

 

こんな大事になるとも思っていなかった。

どうしよう。他の皆はともかく、デミウルゴスさんは怒ると恐いし、ユフィルさんは「あっちゃー。」って隣で困ってるし。

・・・ふぁっ、ふぁっ、っくちゅん!

くしゃみしちゃった・・・風邪引いたかな?あ、皆が噂?してるから?

 

「早くシエリア様を探しに行くでありんす!」

「いや、その必要はなさそうだよ。シャルティア。」

 

あ、デミウルゴスさんと目が合った。

近づいてきてそっと私を掌に乗せて、ユフィルさんをつまみ上げた。

 

「さて、どちらが元凶かは分かりきっていますが、理由を聞きましょうか?」

 

またニッコリと怒った笑顔だ。

でも、心配させちゃったのは悪いことだし・・・。

 

「いや、俺がしーちゃんに提案したんだよ。な?」

「ごめん、なさい・・・皆、かくれんぼ、したい・・・。」

「「「「「「シエリア様/サマ・・・。」」」」」

 

申し訳なくて下を向く。

デミウルゴスさんの手が見える。

皆何も言ってくれない。

ぐえっていうユフィルさんの声が聞こえて、慌てて横を見ると、デミウルゴスさんがユフィルさんを握りつぶしそうだ!

 

「デミウルゴスさん!?」

「いかがなさいましたか?シエリア様。」

「ユフィルさん、苦しい。」

「大丈夫ですよ、彼は一応悪魔ですから。」

「いゃ・・・そろそろ、ヤバぃ・・・。」

「ユフィルさん!」

「・・・ふむ、シエリア様失礼致します。」

 

アワアワとしていると、何を思ったか急にデミウルゴスさんが私も握ってきた。

・・・あれ?強い力じゃないしかも、ゆったりとした速さで軽く握ったり離したりを繰り返している。

マッサージみたいで気持ちいいかも・・・。

 

「・・・デミウルゴス?シエリア様に何をしているの?」

「いえ、落ち着いて頂こうかと思いまして。」

「確かに落ち着いて頂けたみたいでありんすが、左手でユフィルを締め上げて、右手でシエリア様にマッサージをするなんて器用でありんすね。」

「シエリア様本人がいいならいいけどさ、なんかハラハラする。」

「た、確かに、力加減を間違えたりしないか心配です・・・。」

「デミウルゴス、ツメハキヲツケロ。シエリアサマガオケガヲシテシマウ。」

「解っているよ。コキュートス。」

「皆様、準備が整いました。・・・何があったのでしょうか?」

 

何だか眠くなってきた所にじいじがやって来た。

ご飯食べたい、けど、マッサージも受けたい・・・。

 

「セバスさん・・・たすけて・・・。」

「ユフィル、貴方にはシエリア様のお着きを命じたはずですが? 」

「セバス、気にしなくていいよ。悪魔の戯れの様なものだ。シエリア様、そろそろお戻りになりましょうか?」

「ん・・・もうちょっとぉ、だめぇ?」

「っ!」

「ちょ・・・も、むり・・・。」

「ユフィル!早く本来の姿に戻りなさい!」

「おや。」

 

じいじが叫んだ。

デミウルゴスさんが手を離すと同時にユフィルさんが元の大きさに戻った。

 

「いや〜マジで内臓出るかと思った・・・。」

「デミウルゴス、よくシエリア様を握りつぶさなかったわね。流石だわ。」

「今回ばかりはアルベドに同意するでありんす。」

「いや、俺!俺の心配は!?」

「ユフィルさん、大丈夫?」

「しーちゃんだけだよ・・・カルマ値マイナスは恐ろしいね。」

「ユフィル?シエリア様です。」

「あープラスだと堅苦しいね。」

 

それから私は元の姿に戻り、じいじからオレンジジュースを貰って乾杯を待つのだった。

あれ?誰が司会やるんだろう?

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

明日も投稿が遅くなるかと思いますが、必ず投稿しますので是非読みにいらしてください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

51話(NPC達の打ち上げ&パンドラに会う話)

守護者やプレアデスの皆もグラスを持って待機している。

そして、アルベドさんが前に出て司会を始めた。

 

「では皆様。本日もナザリック防衛戦、しかもシエリア様のデビュー戦を終えましてお疲れ様でした。特にシエリア様!初の防衛戦を己の任された階層で侵入者を殲滅させたその偉業!守護者統括のこのアルベド!誠に感銘を受けました!」

 

会場内が拍手で包まれる。

最後はユフィルさんとガルガンチュアさんが倒してたんだけどな。

 

「では、乾杯の音頭を至高の御方々のまとめ役であるモモンガ様。」

 

アルベドさんの隣にとと様?が立つ。

あれ?とと様とそっくりだけど、なにか違う気がする。

 

「・・・に創造されたパンドラズ・アクターにお願いします。」

 

アルベドの言葉でとと様の姿から黄色い軍服を纏った卵顔の人?に変化した。

あの人が、お兄様?

 

「ン初めての方もいらっしゃいますのでっ、わたっくしがモモンガ様に創造されし、パンドラズ・アクターでっす!では!これより!我が妹シエッリアのデビュー戦での勝利を祝して、ナザリックに栄光っあれ!」

「「「「「ナザリックに栄光あれ!!!」」」」」

 

皆の動きにあわせてとりあえずノリでグラスを高く上げた。

何だかいつもこんな感じなのかな?

 

「こ、今回はパンドラズ・アクターさんなんですね。」

「いつも、違う?」

「は、はい。当番制なんですよ。この前はコキュートスさんでした。」

「そうなんだ。」

「前は最も活躍した守護者にと言われていたでありんすが、下の階層に辿り着く侵入者も少なく私ばかりになったので、当番にしたでありんす。」

「どんなに強い侵入者もアルベドの所、つまり至高の御方々の所へは辿り着いたことないんですよ!」

「そ、そうなんです。お姉ちゃんの言うとおり、僕達頑張ってるんです!」

「皆、凄い!」

「シエッリア!」

 

皆で話をしていると、ぶんぶんと手を振りながらお兄様がこちらにやって来た。

 

「お兄様・・・?」

「おおぅ!何と心地好い響きでしょう!そうです!私がおにっい様のパンドラズ・アクターです!」

「シエリア・ローレライ。」

 

何だかよく動いてポーズを取っているのが面白いかも。

もしかしたら私が緊張しないようにしてくれてるのかな?

お兄様って優しくて面白い!

 

「お兄様、いつも、どこ、いる?」

「私は宝物殿でっ貴重なアイテムをっ管理しているんですよっ!」

「貴重?」

「えぇ、今度みに来ますか?」

「うん!」

 

お兄様もとても重要なお仕事をしてるんだ!

あ、そう言えばとと様達が言っていた『シューティングスター』って貴重なのかな?お兄様なら知ってるかも。

私はシューティングスターをお兄様に見せた。

 

「これ、貴重?」

「んなんと!?これは『シューティングスター』!?父上が大金を注ぎ込んで手に入れたアイテムですよ!」

「とと様?大金?」

「ええ!なんっでもこの指輪は!願いを叶えてくれるそうです!」

「願い・・・。」

 

とと様は大金を注ぎ込んで、叶えたい願いがあったのかな・・・?

もしかして、皆がいなくならないようにとか?

でも、プレイヤーのログインは流石に叶えられないだろうし・・・でも、きっと叶わないと知ってても願わずにはいられなかったのだろう。

 

「シエリア、貴女は願い事はありますか?」

「願い事、とと様、寂しい、ない。」

「そうですか!では、そう願ってみては?それは貴女の物でしょう?」

「・・・。」

 

これは、気休めにしかならないかもしれないけど、もしかしたら・・・。

願い事は願わないと叶わないし、願うだけなら、いいよね?

 

「どう、使う?」

「簡単です。『アイ・ウィッシュ』と唱えて、願い事を言うだけです!」

「『アイ・ウィッシュ、とと様、寂しい、ない、よう、して。』」

 

指輪が輝き、足元に魔方陣が浮かび上がる。

そしてそれは光を増していき、やがて消えていった。

皆が驚いてザワザワしている。

じいじが慌ててやって来た。

 

「シエリア様?今のはいったい?」

「お願い、した。」

「願い、ですか?それはどのような?」

「とと様、寂しい、ない。」

「そうですか、きっと叶いますね。」

「えぇ!そうですとも!きっと、願いは叶いますよ!」

「だと、いいけどね?」

「ユフィル!」

 

じいじとお兄様の後に、ユフィルさんが恐いことを言うい、じいじが声を荒げた。

 

「しーちゃんだって分かっててお願いしたんでしょ?」

「・・・うん。」

「ですが!あれは願いを聞き届けられたっ反応です!私が保証しましょう!」

「なら、願いがおかしな方向で叶わないといいね。前に言ったでしょ?覚悟は必要だよ。」

「ユフィルさん、わかった。」

 

私は複雑な気持ちで返事をした。

確かに、とと様がログインしなくなって寂しくなくなるとかあるかもしれない。

でも、それなら願わなくても同じだもん。

それから暫く皆と話をして打ち上げは終わった。

皆がかくれんぼをしようと言ってくれたけど、お腹いっぱいになったせいか、眠くなったので休むことにした。

 

 

 

 

 

 




更新が遅くなってすみませんでした!
明日は番外編としてハロウィンネタになる予定です!
本編でもハロウィンネタつかってたんですが・・・ご容赦ください!

今回やっとパンドラと会わせて上げることが出来ました。
でも、パンドラの口調って難しいですね・・・。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロウィン番外編

シエリアとユフィルはハロウィンに「守護者はトリック・オア・トリートと創造主に言わないといけない。」という謎の命令を遂行する為モモンガを探すことになった。

 

「先ずは下の階層からにしようか。」

「うん!」

 

 

 

第5階層

 

 

「・・・トリック・オア・トリート。」

「ふむ・・・これを食すがよい。」

「カンシャイタシマス!」

 

コキュートスは主人に嫌われないか不安を抱えつつ勇気を出して言ってみる。

しかし、創造主はそんな事では動じなかった。

優しくお菓子(雷おこし)をくださった。

 

「しーちゃん。どうやら呪文を唱えるとお菓子がもらえるらしい。」

「お菓子・・・。」

「シエリアサマ、コンナトコロデイカガナサイマシタカ?」

「とと様、探す。」

「モモンガ殿なら先程第6階層にいたぞ?」

「ありがとうございます。」

「ありがとう、ございます。」

 

シエリア達は第6階層に向かった。

 

「菓子は上手いか?」

「ハイ!カクベツデゴザイマス!」

「そうか。それは良かった。」

 

 

第6階層

 

 

 

「ぶくぶく茶釜様!トリック・オア・トリート!」

「と、トリック・オア・トリート・・・です。」

「か、可愛い!もう飴でも何でもあげちゃうわ!」

「「ぶくぶく茶釜様ー!」」

 

二人の子供を抱き寄せて、ベッタベタに甘やかしました。

 

「アウラちゃん達、嬉しそう。」

「親子愛を感じるね。事情を知らなければ補食シーンみたいだけど。」

「あら?しーちゃんたちどうしたの?」

「とと様、探す。」

「モモンガ様なら第7階層にいったわよ?」

「一足遅かったか。」

「ありがとう。第7階層、行く。」

「い、行ってらっしゃいませ!」

 

シエリア達は第7階層に向かった。

 

「あ!ちゃんとお菓子あるわよ!」

「ありがとうございます!」

「た、大切に保管します!」

「え、ちゃんと食べて・・・?」

 

 

第7階層

 

 

「ウルベルト様、トリック・オア・トリートでございます。」

「ふむ、菓子は持っていない。好きなだけ悪戯するがいい。」

「え、あ、しかし・・・。」

「どうした?」

(我が創造主であるウルベルト様に悪戯など畏れ多い。しかしこれはウルベルト様自身からのご指示で、否しかし・・・。)

 

デミウルゴスが悩んでいると、ウルベルトさんがデミウルゴスの頭をぽんっと撫でて、耳元で囁きました。

 

「フッ、お前もまだまだだな。デミウルゴス。」

 

そしてウルベルトさんは放心中のデミウルゴスさんを置いて去っていきました。

 

「あ!シエリアちゃん、このお菓子あげるよ。」

「・・・さっき、お菓子、無い、言った。」

「デミウルゴスには内緒・・・ね☆」

「ウルベルト様、流石悪魔だわ・・・。」

「所でシエリアちゃん達はどうしてここに?モモンガさんは第10階層に行ったけど。」

「行き違いになっちゃったか?」

「ウルベルト様、ありがとう!」

「いいんだよ。あ、じゃあお礼にお義父さんって呼んでくれる?」

「・・・お義父さん?」

「うん、いい響きだ。」

「あーウルベルト様?モモンガ様にまた怒られますよ?」

「かもね。じゃあ、行ってらっしゃい。」

 

シエリア達は第10階層に向かった。

 

「デミウルゴス?そろそろ戻ってきてくれないか?」

「は!申し訳ありません!」

「まあいいけどさ。シエリアちゃんに『お義父さん』って呼んでもらっちゃった。」

「なんと・・・(と言うことはシエリア様が私と・・・)」

「おーい?また固まったか。」

 

 

第10階層

 

「タブラ様、『トリック・オア・トリート』、です。」

「お!じゃあこの惚れ薬入りチョコレートをあげよう。好きな時に使っていいぞ。」

「まぁ!ありがとうございます。大切に致しますわ。」

「アルベドは完璧なサキュバスだから要らないかもだけどね。」

「いえいえ、勿体無きお言葉でございます。」

 

アルベドはチョコレートを大切そうにチョコレートをしまう。

 

「・・・しーちゃん、念の為にアルベドさんからのチョコは食べちゃダメだよ。」

「うん。」

「あら!シエリア様!こんな所にいらっしゃってどういたしましたか?」

「えっと、とと様、探す。」

「あれ?モモンガさんもしーちゃん探し回ってたみたいだけど・・・多分第2階層に行ったと思うよ。」

「ありがとう!」

「イタチごっこってこういうことを言うんだろうな・・・。」

 

シエリア達は第2階層に向かった。

 

「所で、アルベドはそれを誰に使うつもりだい?」

「フフフ、内緒でございます。」

「(あぁ、相手がいるにはいるんだな。)」

 

 

第2階層

 

 

「ペロロンチーノ様!トリック・オア・トリートでありんす!」

「おー!可愛い!流石俺のシャルティアだ!是非トリックで頼む!」

「え、えっと、では・・・ここで、初めてを!」

「え、マジで?」

「ペロロンチーノ様!」

「シャルティア!」

 

二人はぎゅっとお互いを抱き締め合った。

そして、見つめ合い・・・

 

「じーーー。」

「しーちゃん、あんな大人になっちゃダメだよ。」

「寧ろ見ちゃいけません!」

「とと様!」

 

そこにモモンガさんとパンドラズ・アクターがやって来ました。

 

「まったく!いないと思ったら危ないとこにいるんじゃありません!」

「ごめんなさい・・・。」

「じゃあ俺たちはこれで、どうぞお二人でお楽しみください。」

「モモンガさん!待って!そんな冷たい目で見ないで!」

「シエリアさまぁ!」

「ばいばい。」

 

シエリア達はモモンガと共に第9階層に向かった。

 

第9階層

 

 

「まったく、ユフィルもシエリアの教育に悪いものは見せないでくれ。」

「はあ、すみません。でも、あれを見に行ったわけではないので。」

「次は気を付けてくれ。」

「はい。」

 

モモンガからの注意が終わると、パンドラズ・アクターとシエリアがそわそわしだします。

 

「二人ともどうした?」

「父上!」

「とと様!」

「?」

「「トリック・オア・トリート!」」

「あぁ!用意してあるぞ。これがシエリアの分で。」

「ありがとう!」

モモンガが大きなお菓子の袋詰めをシエリアに渡す。

 

「で、これがパンドラズアクターの分。」

「ありがとうございますって、これだけですか?格差酷すぎませんっ!?」

 

パンドラズアクターには飴を1つ渡した。

 

「お前はもう大人だろう。」

「理不尽っ!!」

「ユフィル、お前はいいのか?」

 

モモンガがユフィルを見る。

 

「いや、俺は余所者ですし。」

「何を言っている。お前ももうアインズ・ウール・ゴウンの一員じゃないか。ほら、用意もしてあるんだ。」

「・・・じゃあ、トリック・オア・トリート・・・なんかハズいっすね。」

「そうか?ほら、お前の分だ。」

「ありがとうございます。」

 

モモンガはユフィルにもお菓子の詰め合わせを渡す。

 

「やっぱりズルいでっす!」

「お前は大人だろう。」

「ぐぬぬぬ・・・。」

「(俺の方が年長者なのは言わない方がいいか?)」

「お兄様、一緒、食べる。」

「俺のもどうぞ。」

「シエリア!なんて優しいのでしょう!」

「本当に、どちらが兄だか姉だかわからないな。」

 

そう言いながらもモモンガは子供達が仲良くしているのを微笑ましく見ているのでした。

 

「とと様、一緒。」

「シエリア!(本当にいい子に育ってくれて!)」

 

 

おまけ

 

セバスの場合

 

 

「・・・。」

「セバス。」

「はい。なんでございましょう?」

「お前は言わないのか?」

「はい?何をでございましょうか?」

「・・・(言わないのか。)」

 

たっちみーも期待をしてお菓子を用意していましたが、セバスは気付きません。

そこにシエリアがやって来ました。

 

「じいじ!」

「シエリア様、いかがなさいましたか?」

「あのね、とと様達、『トリック・オア・トリート』、言う、喜ぶ。」←小声

「?」

「そうなのですか・・・?」

「うん!たっちみー様、喜ぶ!じいじ、言う!」

「・・・かしこまりました。たっちみー様。」

 

セバスはたっちみーに向き合いました。

 

「たっちみー様。暫しよろしいでしょうか?」

「あぁ、どうした?(急用か?)」

「トリック・オア・トリートでございます。」

「・・・おお!じゃあこのお菓子をあげよう!」

「ありがとうございます。」

「シエリアちゃん、ありがとうな。」

「どういたしまして?」

 

たっちみーはセバスとシエリアにお菓子を渡した。

 

(確かに喜んでいただけたご様子ですね。)

 

この後は皆でハロウィンパーティーをしました。

 

 




遅くなってすみません!
仕事が忙しく感想の返信も出来ず申し訳ありません!
明日は更新できないと思います。
ご容赦ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

52話(伝説の防衛戦後の話)

あの防衛戦から数日がたちナザリックに1500人のプレイヤーが攻めて来た。

プレイヤー達が強かったのもあるが、やはり人数が多く、第8階層まで侵入され、皆が重症を負ったり倒されたりと酷い有り様だった。

私は死にそうな所をユフィルさんに助けられ、ガルガンチュアさんに地底湖に引き込まれて一命を取り止めた。

 

不幸中の幸いなのは、とと様達が待機している王座にも、ナザリックの主な生活拠点であるロイヤルスイートの前で食い止められたことだろう。

 

「シャルティアを殺したやつ、どこのギルドでしたっけ?」

「アウラとマーレをフルボッコにしたやつらにトドメ指してくるわね!」

「そうですね。私もシエリアに怪我させたやつらを皆殺しにしてきます。」

「いや、皆さん一旦落ち着いてください。」

「たっち、お前はセバスが戦闘に参加してないからそんな事を言えるんだよ。モモンガさん、御礼参り組と待機組とで分かれましょう。俺は御礼参り組で。」

「ウルベルト!お前、」

「たっちさんはどうかここを守っていてください。僕達は少し暴れてきます。」

「モモンガさん・・・分かりました。皆さんが留守の間、このナザリックを守り抜いて見せましょう!」

 

それからとと様達は出掛けていった。

残ったたっちみー様ややまいこ様達は溜め息をついたり、笑っていたり。

 

「止めなくて良かったんですか?たっちさん。」

「やまいこさん。私も気持ちはよく分かります。それに、モモンガさん達がやろうとしている事は、異形種に害を成すプレイヤーを倒す事。私もよくやっていたことでしょう?」

「成る程、では私はNPC達の治療をしてきますね。今戦闘要員のプレイヤーがたっちさんしか居ないので。」

「ええ、お願いします。」

 

やまいこ様とたっちみー様以外の御方々は部屋を出ていった。

この部屋にはたっちみー様とじいじと私だけしかいない。

静かな部屋にピロンという可愛らしい音が響いた。

何か画像を

 

「セバス、シエリアちゃん。どうやら対象ギルドの半分を既に壊滅させたらしい。本当に今回参加したギルドを壊滅させるかもしれないな。」

 

たっちみー様が嬉しそうに言った。

私にはどれ位の数のギルドが参加したかは分からないけど、とと様達の凄さはよくわかった。

それから時間がたって、とと様達が帰って来た。

 

「只今帰りました!」

「ただいまー、やっぱりやまちゃんと一緒に行った方がよかったわー。回復たりなーい。」

「皆の仇は取ってきたぜ!」

「今頃あいつらの頭上には『敗者の烙印』が出てるだろうよ。」

「ギルド武器まで破壊したのか!?」

「・・・向こうだってそのつもりだっただろうし、いいだろ?」

「ウルベルト!お前はいつも殺り過ぎだ!」

 

たっちみー様とウルベルト様が喧嘩をしだした。

でも、周りの人達は微笑ましく見守っている。

 

「たっちさん!俺達も一緒にやったんです!ウルベルトさんが悪いわけでは・・・。」

「モモンガさん、そうですね。ギルド長が一緒だったんですよね?貴方達はギルドを崩壊させて、今度はもっと大勢が攻めてくるとは考えないのですか?貴方達の行動で新たな驚異が訪れるかもしれないんですよ?」

「「「・・・ごめんなさい。」」」

 

たっちみー様がゴゴゴゴと物凄い迫力で、しかしゆっくりと穏やかに質問する。

とと様達は勿論の事、ウルベルト様も萎縮してしまった。

ああ、じいじの怒り方はたっちみー様譲りなんだ・・・。

 

「まあ、過ぎたことは仕方ありません。とりあえずは暫く警戒体制で多人数・強敵がいつ攻めてきても良い様に準備しておきましょう。」

「はい!」

「何でお前が仕切るんだよ。俺モモンガさんの指示じゃないとやる気でない!」

「良い歳の大人が子供みたいなこと言うなよ・・・。」

「う、ウルベルトさん、皆で頑張りましょう?ね?」

「ギルド長が言うならしょうがないな!」

 

何だろう・・・最近たっちみー様とウルベルト様のやり取りがわざとらしい気がする?

とと様が間に入るように仕向けてるみたい。

何だろう、このへんな感じ。

無理矢理にでもとと様の気を引こうとしてる・・・いや、意識を違う方向にそらそうとしてるのかも。

でも、何で?

 

 

「あ、明日の朝会議だった!」

「え、大丈夫ですか?もう大分遅いですよ?」

「私も収録前に一眠りするわ。皆さんおやすみなさい。」

 

それからとと様達は私達の装備を整えて現実に帰っていった。

私とユフィルさんの定位置は第4階層の地底湖に落ち着いたらしく、地底湖に私用とユフィルさん用のアイテムボックスが設置された。

でも、それは戦闘用&ドロップアイテムをしまう用で他のコスプレとか遊びの装備や使わない物はとと様の部屋に大量にしまわれている。

 

 

今回は大規模な防衛戦だったから、修繕が先になるだろう。

私も手伝えることないか探してみよう。

 

 




お休みしてすみませんでした!

今回はさらっとでしたが、子供の仇打ちに行く親の話でした!
次回はNPC達の防衛戦後の雑談回です!
明日も投稿できると思いますので、是非またいらっしゃってください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

53話(御礼参りの映像を見る話)

とと様達が帰ってからプレアデスの皆が各階層の被害状況をチェックして回っているらしい。

第4階層にはソリュシャンが来てくれた。

 

「シエリア様、第4階層の修復は・・・何処が破壊されましたかぁ?」

「んー?」

「周り岩だから、何処がどうだったかわからないよな。」

「このまま、大丈夫。」

「そう、ですか?」

「うん。」

 

ソリュシャンが困った顔をしている。

修復作業は少ない方が良いと思うんだけど・・・。

 

「あ!シエリア様用の祭壇や椅子を作るのはいかがでしょうか?」

「祭壇?」

「はい!シエリア様への貢物や生け贄を捧げる祭壇ですわ!」

 

ソリュシャンがキラキラとした目で提案してきた。

私人間要らないし・・・いや、経験値として使えるのか?

 

「えーと、ソリュシャン。それは至高の41人が決める事だから、案だけまとめておけば?今の所はここは明らかに破壊された所だけ修復でいいよ。」

「畏まりましたわ。では、皆に提案して完璧な計画書を作成致しますわ!」

「・・・うん?」

 

変な計画が始まってないか?

まあ、私達がナザリックの修復は出来ても装飾は出来ないし良いや。

 

それからアルベドさんから連絡があり、全階層の補修作業が始まる為、皆はロイヤルスイートの各部屋に集まることになった。

 

 

「いやー、今回は中々の強敵でありんしたねぇ。」

「シエリアサマ、イマダイタムトコロハゴザイマスカ?」

「大丈夫、ありがとう。」

「まさか第8階層まで侵入を許しちゃう何てね。」

「で、でも、今回は数が多かったし・・・。」

「そうだね。しかし、人数を言い訳にして侵入を許すわけにはいかない。何か人数を削る策を考えなければ。」

「そうね。今回は第8階層で仕留められたけど、次もそうとは限らないもの。」

 

アルベドさんとデミウルゴスさんが真剣に策を考えている。

でも、1500人を上の階層で食い止めるのはシステム・アリアドネに引っ掛かるんじゃ?

そんな事を考えていると、美味しそうな匂いと一緒にユフィルさんがやって来た。

 

「みなさーん、飲み物とお食事持ってきましたよー。」

「ごはん!」

「ハンバーガーもある!」

「お、しーちゃんもアウラさんも食べる元気はありそうだな。」

「ユフィル、どうしておぬしが配膳をしているでありんす?」

「いや、俺はしーちゃんの遊び相手兼執事見習いなんですが?」

「シエリア様の従者かと思ってたわよ。」

「そ、そういえば、自己紹介の時に言ってましたね。」

「所でユフィル、そのしーちゃんと言うのはなんとかならないのかな?」

「いや、そう呼ぶように本人から言われたので。」

「そんな!シエリア様、私も『しーちゃん』とお呼びしてはいけませんか?」

「ず、ズルいでありんす!私も呼びたいでありんす!」

 

アルベドさんとシャルティアさんがずいっと手を握って、真剣な眼差しで見つめてくる。

呼び方なんて別に良いけど・・・それよりお腹すいた。

 

「あ!そう言えば、御方々の御礼参りの映像があったので一緒に持ってきたんだった。」

「御礼参り?」

「ウルベルト様やモモンガ様達が我々の敵討ちに行ってくださった事ですよ。」

「で、でも、食事しながら見ると言うのは不敬なのでは無いでしょうか?」

「でも、しーちゃん腹ペコでしょ?」

「ぐ〜・・・。」

 

お腹が返事をしてしまった・・・。

皆が顔を手で覆って顔を背けている。

穴があったら入りたい。いや、ミニマムで小さくなって逃げればいいのでは?

そう思ってレベル2位の3歳児くらいの大きさに変化する。

 

「は!シエリア様が空腹で縮んでしまいんした!?」

「なんですって!?ユフィル!早く食事の用意を。」

「食事の用意はもう出来てますって。・・・しーちゃん、とりあえずご飯食べようか。(面白いからそのままでね。)」

 

変な誤解を招いてしまった。

ユフィルさんはとても楽しそうだ。

そして、御礼参りの映像も流して部屋を出ていった。

私だけ先に食べて、皆は映像を見るらしい。

でも、食べるところでも見えるしいいか、と思っていたらその映像は食事しながら見るものではなかった。

映し出されたのは一方的な殺戮、強者の蹂躙する姿だった。

 

『シャルティアの仇ー!!!!』

「キャーーペロロンチーノ様素敵でありんすぅ!!」

 

『うちの息子がお世話になったみたいでさ、お礼に来たよ。確かお返しは3倍みたいな言葉があったけど、百倍にして返してあげるからね。』

「ウルベルト様!!!」

 

『うちの可愛い子達をよくもよくもよくもーーー!!!』

「「ぶくぶく茶釜さまーー!!!」」

 

 

皆が思い思いに歓声や声援を投げ掛けている。

やっぱり至高の御方々は強い。

私もいつの間にか食事を止めて、皆の後ろに立って映像を見ていた。

 

「シエリア様、見えづらいでしょうからこちらに。」

 

デミウルゴスさんに声をかけられて、前に座ろうとしたら膝の上に座らされた。

まあ確かによく見えるけども、今子供の姿だししょうがないかも知れないけど・・・。

心臓が跳ねてるのは、映像がスプラッターだからだ。

そう言い聞かせて、映像を見続ける。

 

『お前らごときが!俺の娘に!俺達の領域を土足で踏みにじりやがって!!』

「とと様・・・。」

 

その怒りや殺戮が私の、私達の為だと思うと悲惨な映像が凄く嬉しく感じる。

嬉しすぎて、皆で涙を流しながら映像を最後まで見続けた。

見終わる頃には体の水分が殆ど涙として出ていったのではないかと言うくらい泣いていて、でも、皆はとても嬉しそうに笑っていたのだ。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!
今日も投稿できて良かったです!

明日もネタを探して投稿するので、是非また読みに来ていただけると幸いです!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

54話(モモンガが寝落ちする話)

あの戦いから一年がたった。

一部の御方々がログインしなくなり、とと様自身も忙しく、短時間しかログインしない日が多くなった。

そして私の育成も中々進まなくなっていた。

 

 

でも、明日はとと様の仕事が休みらしく、一晩中一緒に冒険してくれるらしい。

とと様は眠そうだけど・・・今日も遅くまで残業してきたらしい。

「ゆっくり休んで。」とも伝えられないし、とと様が怪我しないように頑張らねば!

今日の武器は『血濡れサーカス団』と『神秘のハープ』と相変わらずの後衛だけど、『血濡れサーカス団』は数が多いし近づかれる前にほぼ倒せるはず。

そして今日の冒険は特殊スキルやレアアイテムをドロップする敵の多い洞窟だ。

その分敵も強いけど、とと様もいるし大丈夫!

 

「シエリア、今日は朝までずっと一緒だからな。ふあぁ。」

 

とと様、やっぱり仮眠とか取った方が良いんじゃないかな?

あ、行くんだ。なら少しでも楽になるように頑張るよ!

 

 

 

・・・と意気込んでいた時期が私にもありました。

洞窟に入ってから1時間後、とと様が全く動かなくなった。

そう、俗にいう寝落ちだ。

今いる場所は洞窟内でも比較的広いからサーカス団達でなんとかなるけど、とと様が起きるまで持ちこたえないとプレイヤーが来る可能性もあるし、HPもMPも無駄に出来ない。スキルもとっておかないと・・・。

 

1時間が経過したが、とと様起きる気配なし。

そろそろ疲れてきたし、早くナザリックに帰りたい。

敵の数も増えてきてサーカス団だけじゃきつい。ハープはMPを使うから使えない。

どうすれば・・・そう思ったとき、戦っていたエルフが扇をドロップした。

確か『風神の扇』とかいう名前だった気がする。さっきのエルフが使っていた風で敵を切り裂く踊り子用の武器だ。

踊り子はレベル5で攻撃力低いけど、これを使えば対象の近くの敵も薙ぎ倒せるかも。

そう思い、私はハープから扇に持ち変えて周りの敵達と対峙した。

使用してみたが、攻撃が人形達より劣る。

でも、MPが減るわけではないらしいし、素早さも上がった。これでとと様を守り抜こう。

 

そんなこんなで夢中で戦っていると、後ろで「あ、やべ、寝落ちしちゃったー。シエリア大丈夫かな?」という声が聞こえてきた。

良かった。正直どれくらい時間がたったか分からなくて、2・3回位プレイヤー達がやって来て、『融解吸収』を使ったが今あと一撃受けたら死ぬくらいまで追い詰められている。

 

「シエリア!?こんなにボロボロで!とにかく回復しないと!」

 

とと様が回復アイテムを使ってくれたお陰で体が楽になる。

危機一髪の所で起きてくれて助かった。

 

「シエリア、ごめんよ。一緒に冒険するっていったのに。とりあえず、ナザリックに帰ろうな。」

 

そう言ってとと様と私はやっと帰りたかったナザリックに帰って来た。

これ、とと様いなかったら泣いちゃうやつだ。

それくらい帰って来て安心した。

 

「あ!モモンガさーん!」

「あ、ペロロンチーノさん!来てたんですね!」

「いやー今起きてシャルティアに新しい衣装をあげたんだよ。モモンガさんは?」

「実は、今日休みだからと夜中からシエリアと洞窟に行っていたのですが、途中で寝落ちしてしまって今起きて帰ってきたんですよ。」

「うわーお。シーちゃんよく無事でしたね。」

「えぇ、残りHP20位だったので本当に起きれて良かったです。」

「怖っ!じゃあモモンガさんもHPがピンチなのか。」

「あー、そうですね、今のHPが・・・満タン!?」

「え、マジで?シーちゃんずっとモモンガさん守ってたの!?いい子過ぎるでしょう!」

「シエリアー!ごめんよー不甲斐ない父さんを許してくれー!」

 

とと様様達が騒がしい。

確かにとと様が寝落ちして起きなかったのはイラッとしたけど、もういいよー。無事に帰ってこれたし、強くなったし。

 

「レベルも相当上がったんじゃ?」

「あ、確かにえっと、人形使いが15、踊り子15、ネクロマンサー10、吟遊詩人8、サージェント8、プリンス5、ミニマム5、種族レベル10、人形使いと踊り子を極めてますね。あれ?ハープ持たせてたのに何で吟遊詩人じゃなくて踊り子が上がってるんだろう?」

「んー、装備が切り替わったのか?バグ?」

 

とと様達は不思議そうに首をかしげていた。

吟遊詩人だととと様守れなかったんだから、しょうがないよね!

 

「兎に角シエリアに嫌われたかもしれない・・・。」

「モモンガさん、しーちゃんはゲームキャラですよ。」

「じゃあ、ペロロンチーノさんはシャルティアに嫌われても平気なんですか?」

「・・・イヤだーーー!!!」

「ちょ、急に叫ばないでくださいよ。」

 

とと様、大丈夫だよ!

ちゃんと、とと様大好きだよ!って言いたくても言葉にできないけど・・・。

やっぱり気持ちを伝えられないって辛いな・・・。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

徐々に転移に近づいているので、暗い話が増えるかもしれませんが、ご容赦ください。
ただ、ほんわかする話も書きたいので、番外編でふと思い付いたネタとかを挟むと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編ナザリック劇場〜赤ずきんちゃん〜

とと様最近退屈そう・・・でも、ナザリックにはゲームもないし、息抜きに冒険に行く余裕もないし・・・。

考え事をしながら歩いていると、ウルベルト様がやって来た。

 

「シエリアちゃんどうしたの?」

「ウルベルト様、かくかくしかじか・・・。」

「じゃあ演劇とかどう?子供達のお遊戯会とかたっちみーは感動したって言ってたし。」

「演劇・・・。」

「そうだな、童話で『赤ずきんちゃん』とかシエリアちゃんにピッタリじゃない?」

「ありがとう、皆、相談、する。」

「うん。いってらっしゃい。」

 

「ウルベルトさん、いらっしゃってたんですね。」

「うん、さっきね。モモンガさん、この後きっと良いことがあるよ。」

「?なんですか?」

「内緒!」

 

 

私はウルベルト様に別れを告げて、皆に相談してみた。

それから台本を作って(デミウルゴスさん担当)配役を決めて(アミダくじ)衣装を作って(アルベドさん担当)練習を重ねて遂に本番がやって来た。

まずい、緊張してきた・・・。

 

(ウルベルトさんが言ってたのはこれか。アウラとマーレがナレーションか、ぶくぶく茶釜さんが見たら喜ぶだろうな、よし、録画開始っと。)

 

 

『え、えー、皆様、本日はお忙しい中、御足労を頂き、あ、ありがとうございます!本日の演目は赤ずきんちゃんです!』

『マーレしっかりしなさいよ!』

『わ、わかってるけど、緊張しちゃって・・・。』

『もう、私が続き読むわ!むかーしむかし、それはそれは可愛らしい女の子がおりました。その子はいつも赤い頭巾を被っているので、皆から赤ずきんちゃんと呼ばれていました。』

『あ、ある日赤ずきんちゃんはお母さんに頼まれて、病気のお婆さんのお見舞いに行くことになりました。』

 

(あ、赤ずきんはシエリアなんだ!あれ『もこもこにゃんこポンチョコーデセット』だっけ?ミニマムのシエリアによく似合ってるな〜。可愛いよホントに!)

 

「シエ・・・アカズキンヤ、モリニスムオバアサンニコノパントブドウシュヲモッテイッテクダサイ。」

「うん、行って、来る!」

 

(コキュートスがお母さん!?配役どうなってんの!?最後敬語になってるし!)

 

「モリニスムオオカミニハキヲツケテク、ルンデスヨ!」

 

(無理矢理敬語誤魔化した・・・。)

 

『あ、赤ずきんが森を歩いていると、狼が現れました。』

 

「おや?そこにいるのは赤ずきんちゃんではありんせんか?」

「・・・。」

 

『赤ずきんちゃんは狼を見なかったことにして周り道をして通りすぎました。』

 

(通りすぎちゃったの!?無視!?)

 

『何故ならお母さんに狼には気を付けるようにと言われていたからです。』

 

(確かに言ってたけど!それじゃあ話進まないよ!?)

 

『お、狼は慌てて赤ずきんちゃんの前に立ちはだかります。あ、赤ずきんちゃんは仕方なく武器を構えます。』

 

(武器!?)

 

「ま、待つでありんす!戦う気はないでありんす!ただ1人ではこの森は危ないと注意しに来ただけでありんす。」

「大丈夫。」

「せ、せめて道案内するでありんす。どこに行くのでありんす?」

「お婆ちゃん、家。」

「そうでありんすか!なら一緒に行くでありんす。」

 

『そこで赤ずきんちゃんは思い出しました。狼に道案内をすると言われて付いて行ったが為に殺された、隣人のジョージの事を。』

 

(ジョージって、だれ!?)

 

「やっぱり、いい。」

「え、そうでありんすか?じゃあせめて、あの花畑でお花を摘んでいくと良いでありんす。お婆ちゃんが喜ぶこと間違い無しでありんす!」

「ほんと?」

「本当でありんす。私が恐いならもう行くでありんす。」

「ありがとう。」

 

『狼は赤ずきんちゃんが花を摘んでいる隙に、急いでお婆さんの家に向かいました。』

『花を摘み終わった赤ずきんちゃんは、何も知らずにドアをノックします。』

 

家のドアをノックすると、中からドカドカっと音が聞こえた。

 

「?お婆ちゃん、お見舞い、来た!」

「この八ツ目鰻!」

「大口ゴリラ!」

「・・・。」

 

シエリアは振り向いてナレーターの前に座るデミウルゴスを心配そうに見る。

デミウルゴスは溜め息をつくと、ナレーターにカンペを見せる。

 

『え、えっと、どうやら家の中で狼とお婆さんが戦ってるようです。赤ずきんはどうすれば良いか分からず、途方に暮れてしまいました。』

『するとそこに、赤ずきんを心配してお母さんと狩人とお兄さんががやって来ました。』

 

「アカズキン、ケガハアリマセンカ?」

「悪い狼と大人げないお婆ちゃんは俺達が何とかするからね。」

「あっかずきん!心配は、んご無用です!その間お兄ちゃんが一緒にいますからね!」

 

『そう言うとお母さんと狩人は家の中に入っていきました。お兄さんは安全の為に赤ずきんを連れて、家から距離を取りました。』

 

「イイカゲンニシロ!オマエタチ!」

「無駄だよ。寝かせちゃおう。」

 

バキュンバキュンと銃声が聞こえた。

シエリアは真っ青になり家の方を震える手で指差し、パンドラズ・アクターとデミウルゴスを見る。

パンドラズアクターは「うわーお・・・」と唖然としており、デミウルゴスも冷や汗を流している。

 

「おい、大丈夫か?」

「大丈夫ですよー。」

 

ただならぬ様子にモモンガは声をかける。

返事をしたのは拳銃を片手に家を出てきたユフィルだ。

デミウルゴスは急かさずカンペを出す。

 

 

『え、あ、えっと、喧嘩をして疲れたお婆さんと狼は眠ってしまいました。そして、赤ずきんちゃんはお母さんと狩人とお兄さんと一緒に家に帰りましたとさ。めでたしめでたし。』

 

マーレがそう締めくくった。

するとユフィルとコキュートスと顔面蒼白のシエリアを抱えたパンドラズ・アクターが舞台を去っていった。

 

(え、これ大丈夫?明らかに事故だよね?)

 

「モモンガ様!いかがでしたでしょうか?」

 

デミウルゴスがにこにこと聞いてくる。

その顔にはやりきりましたと達成感が滲んでいる。

 

「あ、あぁ、お前達らしくて良かったと思うぞ。ただ、シャルティアとアルベドは大丈夫か?」

「只の麻酔弾なので大丈夫ですよ。しーちゃんも、安心して?」

「・・・うん。」

 

後日、この映像を他のギルメンに見せたら大爆笑していた。

ペロロンチーノを除いて・・・。

 

「ユフィル!可愛いシャルティアを撃つとかどういうつもりだよ!」

「あれが最善の策でした。」

「まあまあ、ペロロンチーノさん!」

「アウラとマーレ可愛い〜!もう一回見ましょ!」

「デミウルゴス、臨機応変に対処したな。偉いぞ。」

 

因みにアルベドとシャルティアは暫く頭痛を訴えたが、翌日には回復した。

シエリアは数日間ユフィルがアルベドとシャルティアに近づかないように見張っていたとか・・・。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!
また出来心で番外編で書いてしまいました・・・。
しかも本編より筆が進むと言う不思議。
アミダくじで狼がデミウルゴスになれば甘くなったのですが・・・ちょっとだけ残念です。

最近お休みばかりで申し訳ありませんが、明日は出張の為お休みさせていただきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

55話(アルベド達とお風呂に入る話)

とと様達が帰った後、シャルティアさんと二人きりになった。

何故だろう・・・シャルティアさんの息が荒い。

 

「あの、大丈夫?」

「はい!大丈夫でありんす!このシャルティア、シエリア様の勇姿をお聞きできて光栄でありんす!」

「勇姿?」

「己の創造主を身を呈して一晩守り抜く!流石はこのナザリックの未来の支配者でありんすぅ!!」

 

シャルティアさんのテンションがいつもの3割増し高い・・・でも、未来の支配者って、とと様達がいなくなったらってことだよね?

何だか恐い言葉だな。

 

「シエリア様?どうしなんした?」

「ううん、平気!お風呂、行く!」

「でしたら私もご一緒するでありんす!」

「・・・皆、入る。」

「・・・わかったでありんすぅ。」

 

私は身の危険を感じてアルベドさんとアウラちゃんにも声をかけて、お風呂に入ることにした。

そう言えば、いつも個室だったから大浴場って初めてだ。

 

 

「シエリア様!本日は湯浴みにお声掛けくださり光栄の極みにございます!守護者統括アルベドがシエリア様の体の隅々まで洗わせていただきますね!」

「何を言っているでありんすか!?それは私の仕事でありんす!」

「ちょ、これからお風呂なんだから、静かにしなよ。それにシエリア様だってお風呂くらい1人で入れるわよ。ねぇ、シエリア様?」

「・・・多分。」

 

そう言えば、今までペストーニャが洗ってくれてて自分で洗ったことなかったな。

シャワーとかの使い方は簡単だと良いんだけど。

とりあえず、服を脱いで皆で浴室に行く。

 

そして扉を開くとそこはジャングルでした。

「お風呂、すごい!」

「ここには電気風呂や炭酸風呂や柚子風呂等様々なお風呂がございます。」

「おぉ!」

「でも、先ずは体を清めるでありんす。」

「うん!」

 

シャワーの使い方を教えてもらって、髪を洗う。

 

「そう言えば、シエリア様はいつも綺麗な髪でありんすが、何か工夫をしていらっしゃるのでありんすか?」

「わからない。」

「いつもはどうしてるんですか?」

「ペストーニャ、洗う。」

「成る程、美髪の秘訣はペストーニャのケアでありんすね。」

「私もお願いしようかしら?」

「アルベドさん、十分、綺麗。」

「まあ!ありがとうございます!」

「し、シエリア様!私はどうでありんす!?これでも割と気を使っているでありんすが・・・。」

「シャルティアさん、綺麗、星、みたい。」

「シエリアさまぁ!」

「シエリア様、あまり二人を甘やかしちゃダメですよ。」

「わかった。」

「「シエリア様!?」」

 

二人がしょぼんとしてしまったが、アウラちゃんと笑って湯船に浸かる。

 

「シエリア様は最近イケズになってきたでありんす・・・そんなシエリア様も愛しいでありんすが。」

「そうかしら?」

「んー、ユフィルの影響かな?」

「ユフィルさん?」

「そう言えば、この前ユフィルと一緒におやつをつまみ食いしたと報告がありましたが、本当でしょうか?」

「・・・小腹、減った・・・ごめんなさい。」

「謝ることではないでありんすが、メイドに言えば直ぐに用意するでありんす?」

「むしろペストーニャがシエリア様の空腹のタイミングを読み間違えたって嘆いてましたよ?」

「あぁ、あの壁に頭を打ち付けていたのはそういうことなのね。」

「・・・ごめんなさい。」

 

そんなにペストーニャが気に病んでいたとは、つまみ食いは気を付けないと!

 

「そう言えば、シエリア様ってデミウルゴスとユフィルどっちが好きなんですか?」

「「「・・・え?」」」

 

アウラちゃんの発言にお風呂場がシーンとする。

 

「何を言っているでありんすか!」

「そ、そうよ。そもそもどうしてその二人になるのよ!」

「え、だってシエリア様の身近な男ってその二人じゃない?セバスは執事だし、恋愛対象では無いでしょ?」

「む・・・確かに。」

 

私はそもそも恋愛って分からないし・・・でも、ユフィルさんにはドキドキしないかも。

ユフィルさんはどちらかと言うと、お兄ちゃんみたいな感じがする。

デミウルゴスさんは・・・ふとプロポーズされた時を思い出して顔が熱くなる、というかくらくらする・・・。

 

「そろそろ、出る。」

「あ、では私共も・・・。」

「大丈夫、ゆっくり、して。」

「承知したでありんす。」

 

私は服を着て自室に戻ることにした。

きっと逆上せちゃったんだ・・・。

凄くふらふらする。

後で誰かにお水とか持ってきてもらわないと。

そう思った所で、限界が来たらしい。

私は倒れてしまった。

 

「シエリア様!?」

 

デミウルゴスさんの慌てた声がした気がして笑ってしまった。

ここは九階層なのに、何でいるんだろう。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!
また、昨日はお休みしてしまいすみませんでした!

転移に進めようとするとシリアスにしたくない気持ちと進めたい気持ちで執筆が進みません・・・。
明日はちゃんと投稿する予定です!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

56話(デミウルゴスに絵本を読んでもらう話?)

私が目を覚ますと、やっぱり視界にはオレンジ色と黒色の二人がいた。

 

「シエリア様!御気分はいかがですか?」

「こちらのお水をお飲みください。どこか痛むところは御座いませんか??」

「大丈夫、ありがとう。」

「それは良かった。このデミウルゴス、シエリア様が意識を失った時は肝が冷えました。」

「ごめん、なさい。」

「いえいえ、無事で何よりです。これからは長湯にはお気をつけください。」

「うん。」

「では私は少々ユフィルの様子を見て参ります。」

「じいじ、いってらっしゃい。ユフィルさん、何か、あった?」

「それが掃除中に雑巾早かけ競争なるものを始めたようで、周りの使用人達を言葉巧みに巻き込んで困っているとエクレアから連絡が入りまして・・・。」

「すまない、セバス。」

「ごめん。」

「いえいえ、お二人が謝られる事などありません。では、失礼致します。」

 

そう言ってじいじは部屋を出ていった。

デミウルゴスさんはやれやれと頭を押さえていた。

 

「全く、ユフィルはカルマ値も善人寄りの中立ですし、悪魔らしい所が悪戯好きという事だけとは嘆かわしい。」

「ユフィルさん、マイペース。」

「まあ、追々矯正していきましょう。」

「矯正?」

「フフフ、簡単な躾ですよ。」

 

デミウルゴスさんが不敵に笑った顔に心臓がきゅうっとなる。

思わず胸に手を当てると、デミウルゴスさんが不思議な顔をした。

 

「なんか、心臓、きゅうっ、した。」

「今も苦しいですか?」

「ううん。」

「では、少々失礼致します。」

 

デミウルゴスさんが私の首に手を当て、脈を測る。

なんだか、触られてる所が熱い。ドキドキする。

ユフィルさんが言ってたこれが恋をしてるって事なのかな?

 

 

「少々脈が速いですが、異常は無さそうですね。」

「恋?」

「え、と・・・私にときめいて頂いたと言うことでしょうか?」

「ときめく?」

「自惚れ過ぎですね。失言でした。」

「わからない、指南、して?」

「・・・畏まりました。では、参考書をもって参りますので、少々お待ち下さい。」

「うん。」

 

デミウルゴスさんも部屋を出ていった。

恋愛の参考書って何だろう?

少女漫画とかかな?

 

「シエリア様、お待たせいたしました。」

「参考書?」

「はい。本日はこちらです。」

 

デミウルゴスさんが持ってきたのはシンデレラや白雪姫や人魚姫等の童話の絵本だった。

なんで絵本?

 

「どちらの本が宜しいですか?」

「絵本・・・。」

「あぁ、他の本はシエリア様には不適切な描写が多くありまして、此方をお持ちしてのですがおきに召しませんか?」

「ううん、お勧め?」

「では、『かえるの王様』か『人魚姫』はどうでしょうか?」

 

人魚姫って、大きな括りでは私の仲間だよね。

ちょっと気になるかも・・・。

 

「人魚姫。」

「では、むかしむかし、ある海にーーー」

 

デミウルゴスさんが読み聞かせをしてくれる。

心地良い声で、一言一言にきちんと意味を乗せてくれて聞きやすい。

でも、何だかこの話を聞いたことがある気がする?

ナザリックに来てから絵本なんて読んでないのに・・・。

そんな疑問も、デミウルゴスさんの臨場感のある読み聞かせで頭の何処かに吹っ飛んでしまった。

 

「そして人魚姫は泡となって消えてしまったのでした。おしまいです。」

「うぅっ、人魚姫、可哀想。」

「そうですね。愚かな人間に恋をしなければ声を失うことも、家族に会えなくなることも、消えてしまうことも無かったのですが。」

「恋、悲しい。」

「シエリア様は、人間の為に御身を犠牲にする事はなさらないでくださいね。」

「うん・・・。」

 

人魚姫、折角好きな人の為に頑張ったのに報われないなんて悲しい・・・。

 

「シエリア様、人魚姫に救いが無かった訳ではないのですよ?」

「そう、なの?」

「えぇ、この絵本には書いておりませんが、人魚姫は泡になったのではなく『風の聖霊』になったという逸話もございます。」

「『風の聖霊』?」

「ええ、『風の聖霊』になり多くの者を救って天空の楽園で暮らしたそうです。」

「すごい!良かった!」

「えぇ。ではそろそろお疲れでしょうから、そろそろお休みになりましょう。眠るまでお好きな絵本を読ませて頂きます。」

「うん!」

 

人魚姫が幸せに救済があったことが嬉しくて、ほっとした。

それからデミウルゴスさんは約束通り絵本を読んでくれた。

 

「お次は、青髭はいかがでしょう?」

「恐い?」

「・・・シンデレラと同じくらいでしょうか。」

「・・・他の。」

「畏まりました。」

 

でも、デミウルゴスさんの読み聞かせが臨場感がありすぎるのと、シンデレラ等の話が恐い方だったので中々寝付けなかった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!
なんとか今日も投稿できました!

きっと部屋の外ではユフィルとセバスがグロくない絵本取ってこようか迷っているのではないかと思います。

今後も是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

57話(プレイヤーの知らない話)

あれから更に時間がたち、ログインするのはとと様だけになった。

とと様は今至高の41人の姿を模したゴーレムを作っている。

 

「シエリア、ごめんな。でも、誰かがログインしたら直ぐに会いたいんだ。」

 

いいよ、とと様。

とと様は私に話しかける事が増えた。

きっと寂しさゆえの事だろう。

 

「んー、ウルベルトさんはもっと格好いいよな。どう思う?シエリア。」

 

耳がもう少し小さいと良いんじゃないかな?

 

「やっぱり耳かー?」

 

とと様は時々私の声が聞こえているみたいに話すから、時々会話していような錯覚をしてしまう。

寂しさを紛らわせてゲームの中で過ごすとと様を見ていると、胸が苦しくなる。

 

「ゲームの世界何だから、辛ければ他のゲームをして新しい仲間を探したって良いのではないか。」と何度思ったことか。

 

「俺がいないと誰か帰って来た時に寂しいだろうから、頑張らないと。それに、お前達を残していく方が辛いからさ。」

 

とと様は何度も自分に言い聞かせるように繰り返す。

 

「出来た!どうだシエリア?ウルベルトさんは中々の出来だぞ!」

 

うん、とと様凄く上手に出来たね。

 

「もうすぐ、全員分作り終わっちゃうな・・・。」

 

そうだね。もうすぐだね。

 

「ずっと後回しにしちゃったけど、ヘロヘロさんとぶくぶく茶釜さんは上手くできるかな?」

 

スライム感を出す技量がって後回しにしてたもんね。

 

「よし!頑張れ俺!鈴木悟!ギルド長モモンガ!」

 

頑張れととさまー!

 

これが今の私の日常だ。

いつまで続くかわからない。

恐ろしく寂しい一人のギルド長を見守るだけの日常。

 

「シエリア、今日はこのくらいにしてそろそろ寝るからな。」

 

うん、おやすみなさい。

 

とと様が帰ると、ユフィルさんがやって来た。

 

「覚悟、しといた方が良かっただろ。」

「うん・・・ユフィルさん、辛かったね。」

「シーちゃんほど連れ回されてなかったからまだましだな。」

「見てる、だけ、辛い。」

「そうだな・・・でも、そろそろ他の寂しがってる家族を笑わせるんだろ?」

「うん。」

 

私は最近の日課がある。

 

「シエリア様!ユフィル!今日こそは真面目に勉強させますぞ!」

「はや!?誰だリークしたやつ!」

「アルベドさん!またね!」

「はい!お気をつけて!」

 

それはじいじとの鬼ごっこだ。

始まりはユフィルさんの悪戯に便乗した時だった。

じいじがカンカンに怒って二人で逃げている時に、プレアデスの皆やメイドさん達が微笑ましく笑っていた。

それが、嬉しくて些細な悪戯をしたり、勉強をサボったりして色んな階層に逃げると、皆楽しそうに手を振ってくれたり、応援してくれたりする。

 

「まあ、シエリア様。」

「ソリュシャン!」

「ソリュシャン!シエリア様を捕まえてください。」

「え、はい!」

 

時々こうやって鬼が増えることもある。

そういう時は・・・。

 

「ソリュシャン!一緒に逃げるぞ!」

「え、ですが・・・」

「だめ?」

「お供させていただきます!」

「ソリュシャン!」

「申し訳ありません、セバス様。ですが、主の命ですので!」

 

怒るじいじに対してソリュシャンがニコニコと上機嫌で答えた。

ソリュシャンとじいじって意外と仲悪いんだよね・・・。

 

今日はどこまで逃げようかな?

守護者の皆は基本的に匿ってくれるし・・・。

 

「シエリア様、此方です。」

「兄貴!」

「デミウルゴス様!」

「・・・デミウルゴスさん?」

 

デミウルゴスさんは守護者の中でも特に味方してくれる。

じいじを撒く作戦だって手伝ってくれるしアドバイスもくれる。

ユフィルさんとソリュシャンがデミウルゴスさん?に近づく。

でも、何か違和感が・・・。

 

「さあ!シエリア様も此方へ!」

 

ばっと腕を広げる姿を見て違和感の正体に気づく。

 

「ユフィルさん!ソリュシャン!ダメ!」

「遅いですよ!シエリア!」

「はぅっ!」

「マジか!?くっ。」

 

デミウルゴスさんの正体は、守護者の中で唯一じいじの協力者であるお兄様だった。

違和感の原因は本物のデミウルゴスさんより動きが大きかった事だ。

お兄様はユフィルさんとソリュシャンが捕まえた。

 

「追い詰めましたぞ。シエリア様。」

「仲間は捕獲しましたよ。さあ、諦めなさい。」

「むー。」

 

背後にじいじが迫る。

このままでは3人で正座3時間コース・・・どうすれば・・・。

 

「シエリア様?また鬼ごっこですか?」

「デミウルゴスさん!」

「デミウルゴス様、本日は手出し無用でお願い致します。」

「そうかい?では、私は手を出さないことにしよう。」

「兄貴ー、助けてくれよー。」

「私とパンドラズ・アクターを見分けられなかった弟分を助けるつもりはないよ。」

「そんなー。」

「そう言えば、さっきアルベドがソリュシャンを探していたけれど、用事は済んだのかな?」

「まあ!アルベド様がですか?私失礼致します。」

「あー、そうですか?では、お気を付けて。」

「ありがとうございます。では皆様、失礼致します。」

「いってらっしゃい。」

 

 

お兄様がソリュシャンを離し、ソリュシャンはアルベドさんの所へ向かった。

 

「さて、では私はこれで失礼します。」

「デミウルゴスさん、」

「シエリア様、後程お会いしましょう。」

 

デミウルゴスさんが去っていった。

 

「頼みの綱が・・・。」

「ではお二人とも場所を移動しましょうか。」

「・・・。」

「ここにいたのね!シエリア様!」

 

お説教コースと思いきや、向こうから女の子走りをするニューロニストちゃんがやって来た。

 

「もう!一緒にお茶する約束したじゃな〜い。遅いから心配しちゃったわ!」

「お茶?」

「あら、忘れちゃったの?まあ良いわ。さあ、行きましょう!」

「ニューロニスト様、シエリア様はこれから・・・。」

「な・に・か?」

「・・・。」

「お嬢さん、シエリアはこれから勉強の時間なのです。」

「あら〜、じゃあ代わりにパンドラズ・アクター様が二人っきりでお茶してくださるのかしら?」

「おうふ。」

「さあ、行きましょ〜。」

 

ニューロニストちゃんが私の手を握って歩き出すので、そのまま付いてきてしまった。

 

「ニューロニストちゃん、どうして?」

「ふふ、デミウルゴス様から頼まれたのよ!シエリア様がピンチだから、私の魅力で何とかしてほしいって!」

「魅力・・・ありがとう。」

「いいのよ〜。これから本当にお茶しましょう!」

「うん!・・・あ、ユフィルさん。」

 

ユフィルさんそのままだ。

大丈夫かか?

 

「ユフィルなら、自分で何とか出来るので大丈夫ですよ。」

「デミウルゴスさん、ありがとう。」

「いえいえ、身に余るお言葉でございます。」

 

それから私はニューロニストちゃんとお茶をして、後で不貞腐れていたユフィルさんのご機嫌とりに苦労するのだった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

転移までもう少しな感じになりました。
急展開な上に書いていて複雑な気分です・・・。

明日も投稿しますので、また是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

58話(ユグドラシル終了が決まった話)

とと様のゴーレム作りも終わり、とと様は何もせずにいる時間が増えた。

 

「シエリア、皆がユグドラシルを辞めていった時の事を覚えてるか?俺は今も夢に見るんだ。」

 

覚えてるよ。

プレイヤーの方々はゲームを辞めていく時に決まって私にこう言うのだ。

 

「『モモンガさんと子供達を頼む。』皆お前に頼んでいったな。」

 

そう、その言葉を聞く度に、苦しくて重いものが心にのし掛かるのだ。

 

とと様が当時を思い出して悔しくなったのだろうドン!と机を殴る。

居なくなった仲間にも、それを止められなかった自分にも怒っているのだ。

 

いっそのこと、とと様も辞めてしまうのはどうだろう。

そうすればとと様が苦しむこともなくなるはずだ。

私も、いつとと様が突然いなくなるかと怯えることもなくなる。

NPCの皆に、創造主の帰還を待つ皆に、真実を話ことができる。

とと様を苦しめるのが私達なら、いっそ皆で消えてしまうのも悪くないのかな?

いや、これは愚かな考えだ。

そうならない為にとと様は頑張っているというのに・・・。

 

「なあ、もうすぐ、お前達とも会えなくなるんだ。」

 

とと様は、重々しく呟いた。

それは、とと様も居なくなってしまうと言うことか。

私の愚かな考えを実行してしまうということ?

 

「ユグドラシルがサービスを停止するんだ。この世界がもうすぐなくなるんだよ。」

 

それは、空が落ちてくるような衝撃的な言葉だった。

でも、自分は何処か冷静で、ほっとしている自分がいることに気付いた。

 

「ここが無くなったら、俺はどうすれば良いんだ。」

 

とと様・・・。

 

 

私はどうすれば良いのだろう?

とと様がログアウトした後、私はただぼうっとしていた。

 

「シエリア様、今日は悪戯はなさらないのですか?」

「デミウルゴスさん・・・。」

 

デミウルゴスさんがいつの間にか部屋に入ってきていたらしい。

 

「もし宜しければこのデミウルゴスがお話を伺いますが。」

「・・・。」

「シエリア様。失礼致します。」

 

デミウルゴスさんが抱き締めてきた。

驚いて頭を上げようとすると、頭をぽんっと撫でられた。

 

「後程この罰は受けさせていただきます。ですが、どうかこの愚か者の話を聞いていただけますか?」

「・・・うん。」

「ウルベルト様が御隠れになられる前に私に仰有ったことが御座いました。『己の力不足で申し訳ない。可能であれば、もっとこの世界で皆と過ごしていたかった。』と、もしや、ウルベルト様はもう・・・。いえ、ウルベルト様だけでなく、他の方々も。」

「生きてる、はず。」

「やはり、シエリア様は御方々が何故御隠れになっているのか御存じなのですね。」

「・・・。」

「どうか、シエリア様が背負われているモノを私にも背負わせては頂けないでしょうか?」

「でも、」

「好きな女性が他の男と秘密を共有していると言うのは、中々辛いものが御座いますよ?」

「ユフィルさん、元々・・・。」

「誰もユフィルとは言っておりませんが?」

「あ、」

 

クスリとデミウルゴスさんが笑った。

そして、私の顎に手を当て上を向かせた。

寂しそうな笑顔のデミウルゴスさんと目があった。

 

「教えては頂けませんか?皆、己の造物主が今どうしているか不安なのです。」

「・・・今、御方々、自分達、世界、頑張ってる。」

「御方々の世界、ですか?」

「御方々、別世界、住人。こっち、来る、余裕、ない。」

「成る程、御方々にはこことは別の世界に住まわれており、此方の世界へは新たな支配拡大が目的でいらっしゃっていた。しかし、御自分の世界で強大な敵が現れ、現在は此方の世界へ来ることは叶わないのだと、そう言うことで御座いましょうか?」

「多分。」

 

何だか違う気もするけど、間違ってもいないよね?

きっと敵(ブラック企業)と戦ってる訳だし。

 

「では、その敵さえ滅べばまた以前のように此方の世界へ来ていただけるのですね!そうと解れば援軍を送りましょう!」

「無理、私達、行く、手段、無い。待つ。」

「そうなのですか・・・。ですが、至高の御方々が負けるはずはありません!ならば私共は御方々を信じて待ち続けましょう。」

 

どうしよう、ユグドラシルのサービス終了の件は言わないとかな?

 

「その御様子だと、そう単純な話では無さそうですね。」

「えっと、もしか、したら、世界、無く、なる、かも。」

「・・・はい?」

「う、噂!違う、きっと・・・。」

 

いきなりこの世界は滅びますよ。

とか言われても困るよね。

もしかしたら、プレイヤーが居なくなるだけでNPCやこの世界は続いていくかもしれないし・・・。

 

「場所を変えましょう。」

「へ?」

 

そう言ってデミウルゴスさんは私の手を引いて歩き出した。

そう言えば、とと様の話がショックで流してたけど、私はデミウルゴスさんに抱き締められたり、シャルティアさんが言ってた顎クイ?をされたのでは?

今になってドキドキして顔が熱くなる。

気づくんじゃなかった・・・。

 

メイドさん達の温かい眼差しとか、ユフィルさんのニヤニヤ顔とか余計に恥ずかしい・・・。

とりあえずユフィルさんは後で一回叩こう。

 

心にそう決めて、デミウルゴスさんに付いていった。

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

遂にユグドラシル終了のお知らせ、何も出来ない複雑な心境のオリ主。
変な所で切ってしまってすみません。
明日も投稿しますので、また是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

59話(シエリアがほろ酔いする話?)

デミウルゴスさんに付いていった先は、第7階層のデミウルゴスさんの私室だった。

私はソファーに座り、デミウルゴスさんはココア?を淹れてくれてから、隣に座る。

 

「お連れした私が言うのもどうかと思いますが、どうか次回からは男の部屋に不用意に入らぬようお願い致します。」

「・・・うん?」

「シエリア様、男は狼だと覚えてくださいね。」

「狼・・・可愛い。」

「シエリア様、男は皆ケダモノなのです。」

「ケダモノ?」

「はい。低知能の野蛮な生き物です。」

「デミウルゴスさん、頭良い。慎重。格好いい。」

「光栄で御座います!ですが、そう言うことではないのです。」

「・・・?」

「ふむ、男はほぼシャルティアと同列に危険と言えば伝わりますでしょうか?」

「危険!」

「ご理解頂けましたか!では、次回からはお気をつけください。」

「うん!」

 

中々デミウルゴスさんの意図したことが分からなかったが、シャルティアさんの例えは分かりやすかった。

シャルティアさんに失礼だけど・・・。

 

私は貰ったココアを飲もうとマグカップに手を伸ばすと、デミウルゴスさんに手で制された。

不思議に思いデミウルゴスさんの顔を見ると、困ったように笑っていた。

 

「デミウルゴスさん?」

「シエリア様、このココアには真実薬が入っております。ですので御飲みになると嘘がつけません。それでも宜しければ御召し上がりください。御気に召さなければ、新しいものを淹れて参ります。」

 

真実薬ってあるんだ。

でも、特に嘘をつく必要もないし、寧ろ下手に隠し事出来ない方が良いかもしれない。

 

 

デミウルゴス視点

 

シエリア様はマグカップをじっと見つめていらっしゃる。

真実薬等シエリア様に使う筈がないのだが、つい口から出任せが出てしまった。

やはりシエリア様とユフィルが秘密を共有していると言うことに焦っていたのだろう。

自分でも愚かだと笑ってしまう。

これでシエリア様のお心が離れてしまっては元も子も無いというのに。

 

シエリア様はマグカップを持ち、口をつける。

そして、ぐいっとカップの半分を飲んだのだ。

そして、私の目を見て笑ってこう仰ったのだ。

 

「飲んじゃった。」

 

私は即座に平伏しました。

これ程嬉しいことがあるのでしょうか?

シエリア様が、愛する女性が、私が仕えるべきお方が私に隠すことなど無いと示してくださったのだ。

それは、絶対なる信頼の証と言っても過言ではない。

それをシエリア様は平然とやってのけたのだ。

私はこんなにも信頼して下さっているシエリア様になんと愚かな事をしたのか・・・。

 

 

「デミウルゴスさん、話。」

「どうぞ、このデミウルゴス最後までシエリア様のお側に。」

「・・・隣、座る。」

「ですが、」

「す・わ・る!」

「・・・畏まりました。」

 

シエリア様がバシバシとソファーを叩く。

今の私が恐れ多いですが、仕方ありません。

何処かシエリア様のお顔が赤い気がしますが、暑いのでしょうか?

 

「シエリア様、少し室温を下げましょう。」

「いい!座るぅ!」

「シエリア様?」

「せんせい、すわる!」

「はい・・・。」

 

まさか、風味付けに入れたブランデーで酔ってしまわれたのか?

たった数滴だったのですが・・・とりあえずお水、いや、生搾りのフルーツジュースの方がアルコールの分解には適している。

立ち上がろうとするとシエリア様に腕を捕まれる。

 

「どこ、いく?」

「・・・ジュースをお持ちします。」

「だめ。」

「・・・。」

「だーめ!」

 

身長差で上目遣いになり、アルコールのせいで上気した肌、そして子供らしくふくっと頬を膨らませるシエリア様。

シエリア様の可愛いらしさに理性が飛びそうだ。

何とか耐えねば・・・シエリア様の信頼を失ってしまう。

それだけではない、ここでシエリア様を襲ってしまっては、ウルベルト様の顔に泥を塗ることになってしまう。

 

「そ、そうです、シエリア様。宜しければシエリア様がナザリックにいらっしゃる前のお話をしてくださいませんか?」

「くる、まえ?」

「はい。」

「まえ・・・。」

 

シエリア様は私から視線を外し、記憶を遡ろうとしているのか口許に手を当て、視線を動かし始めた。

 

「暗い、部屋。独り。」

「暗い部屋でお一人だったのですか?」

「とと様、来て、ナザリック、来て。」

「はい?」

 

何故でしょう。ナザリックに来る前の話が一瞬で終わりましたが、話したくないと言うことでしょうか?

 

「私、産まれて、皆、会って。」

「シエリア様?」

「冒険、して、遊ぶ、勉強、とと様と・・・。」

「シエリア様!」

 

シエリア様の瞳からぽろぽろと涙が溢れ落ちる。

私はハンカチで涙を拭うも切りがなく、私はシエリア様を抱き締めることしか出来なかった。

 

あぁ、どうすればこの心優しき我らが姫の愁いを晴らすことが出来るのか。

己の不甲斐なさに怒りを覚えた。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

中々話が進みません。
私自身がシリアスが苦手なので笑いを取りにいきたくて仕方ありません。
町のクリスマスの飾り付けを見て思考がクリスマス番外編の方に逃げてしまう・・・。

早く転移して皆に笑ってほしいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

60話(ずっと皆といたい話?)

私はいつの間にか泣いてしまったらしい。

どうして涙が出たのかは分からない。

とと様に会えなくなってしまうから?

皆で消えてしまうから?

誰も私を理解してくれないから?

 

私は落ち着いてから、デミウルゴスさんに話した。

とと様に会うまでは、小瓶の中に閉じ込められていたこと。

長い時間独りぼっちで、とと様が来た時に地獄か何かだと思ったこと。でも、見つけてもらえて嬉しかったこと。

とと様が至高の御方々と一緒に今の私を作ってくれたこと。

ナザリックで皆と過ごした思い出も、御方々が居なくなる時に私に託した思いも。

とと様や皆を見守る辛さも、もうすぐとと様達と2度と会えなくなることも。

 

「成る程、全てとは言い切れませんが概ね理解いたしました。この世界の根源であり、御方々が此方の世界へ現界する為のユグドラシルという存在が稼働しなくなる。と・・・。シエリア様、お話頂き感謝いたします。」

「皆、」

「えぇ、皆には秘密にしておきましょう。御方々が対処できない問題を我々がどうにか出来る道理は無く、悪戯に恐怖心を煽るだけでしょうから。」

「ありがとう。」

「いえ、よくお一人で耐えてこられましたね。流石シエリア様で御座います。ですが、今後は私にも頼ってくださいます様、お願い致します。」

「うん。」

 

デミウルゴスさんが頭を撫でてくれる。

何だか少しだけ、楽になった気がする。

 

不意にトントンとノック音が聞こえた。

 

「おーい。しーちゃんが居ないって大騒ぎになってるぞー。」

 

ユフィルさんの声だ。

ていうか、大騒ぎ!?

どうしよう・・・。

ふぅとデミウルゴスさんが溜め息をつきながら立ち上がった。

 

「シエリア様、取り敢えず皆の所へ参りましょうか。」

「うん!」

 

笑顔で差し伸べられた手を握る。

ドアから出ると、ニヤニヤとしたユフィルさんがいた。

 

「おんや~、しーちゃんもいたんだね〜!二人で何をしてたのかな〜?」

「?お話、してた。」

「んー、もう少し何か反応がほしい。」

「ユフィル、別に疚しいことはないよ。」

「へー?しーちゃん顔赤いし、目が潤んでるし、しーちゃんから兄貴の匂いするし、俺は兎も角アルベド達は信じてくれるかな~?」

「な!」

「ふふふ、どうする?」

 

デミウルゴスさんの匂いするのかな?

自分で確認してもよく分からない・・・。

ユフィルさんがここ最近で一番楽しそうな悪い顔をしてるから、そうなんだろう。

 

「お風呂、入る?」

「・・・」

「それはそれでどうなんだろう?逆に誤解されそう。」

「取り敢えずこのまま行きましょう。」

 

デミウルゴスさんが頭に手を当てて歩き出した。

私とユフィルさんも後を追う。

ロイヤルスイートに着くと、真っ先にじいじが走ってきた。

 

「シエリア様!どちらにいらっしゃったのですか!?」

「えっと、」

「すまないね、第7階層で悪魔について勉強をしていたんだよ。」

「ほう、そうですか。最近は勉学から逃げていらっしゃったシエリア様が。」

「うっ・・・。」

「セバスの座学より私の実践的な授業の方が面白いと言うことではないかな?」

「何ですと?」

 

あれ?何か話が変な方向にいってる?

久々にバチバチしてる。

でもいつもと違ってデミウルゴスさんの背後のウルベルト様が笑ってる気がする・・・。

兎に角止めに入ろうとすると、ユフィルさんに止められた。

 

「兄貴はしーちゃんの為に嘘を付いてるんだから、しーちゃんが言っちゃダメだよ。」

「私、為?」

「うん、勉強じゃないって知ったら何を話してたのか皆聞いてくると思う。そしたら兄貴と話した内容を言わなきゃいけなくなるんだ。ユグドラシルの事話したく無いんだろ?」

「・・・うん。」

「(まぁ、兄貴はセバスさんより自分が信頼されてるってのが嬉しいんだろうけど。)」

 

そっか、デミウルゴスさんは私との約束の為に・・・ん?

 

「ユフィルさん、話、内容、知ってる?」

「あ・・・てへっ、立ち聞きしちゃった!」

「なんで!」

「いやー、今後の事でしーちゃんと話したかったんだけど、兄貴とどっか行っちゃうし、良いスキャンダルかなーとか思って。」

「最初、から?」

「うん。俺気配消すの上手でしょ?」

「・・・。」

 

ユフィルさんから距離を取る。

この人そう言えば危ない人だった。

 

「しーちゃん、ごめんって、誰にも言わないから~。」

「知らない!」

「てかしーちゃん、どうせもうすぐ終わりならさ、気休めでも『シューティングスター』にお願いしてみれば?」

「だって、とと様、今、寂しい。」

「まぁ確かに。でも、俺達関係の願いなら叶えられるかもよ?俺達はユグドラシルがどうこう出来る存在なんだから。」

「でも、もうすぐ、」

「どうなるかわかんないだろ?もしかしたらプレイヤーがログイン出来なくなるだけで、俺達はこのままかもしれないじゃん?」

 

そうなのかな?

とと様達が居なくなれば、消えちゃうと思ってたけど、そうなる可能性もゼロじゃないのかな?

 

「どうせ消えちゃうなら、使っちゃっても良いんじゃない?」

「そう、だよね。」

 

無くなっちゃう位なら、別にお願いしても良いよね?

 

「『アイ・ウィッシュ、ずっと、皆、一緒、いれる、ように』」

 

指輪が輝き、足元に魔方陣が浮かび上がる。

そしてそれは光を増していき、ナザリック内を駆け巡り消えていった。

 

「叶った?」

「即効性あるのか?まあ、きっと大丈夫だよ。」

「シエリア様!只今の光は一体何でしょうか?」

「シエリア様!見つけたでありんす!」

「シエリア様!」

「何故シエリア様からデミウルゴスの匂いが?デミウルゴス!説明して頂戴!」

「ちょ、皆落ち着けって!」

「シエリアサマ!サガシマシタゾ!」

 

 

皆が集まってきて一斉に喋りだすから誰が何を言っているか分からないけど、何だか皆の顔を見たらほっとして笑ってしまった。

きっと、願いは信じれば叶うよね?

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

転移まであと少しです。
明日か明後日位になるとおもいますので、是非またいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

61話(ユフィルの雇用契約の話?)

あれからアルベドさん達がデミウルゴスさんをとっちめたりとか大変だったけど、ユフィルさんと一緒に何とか収めることが出来た。

今回はじいじもアルベドさん達の方に加わっちゃったから、余計に時間がかかっちゃったよ・・・。

 

それから私はペストーニャにお風呂に連れてかれた。

怪我がないかのチェックも兼ねるらしく、いつもよりも念入りに・・・アルベドさん達も付いてこようとしたのは、丁重にお断りした。

 

お風呂から出るとユフィルさんだけが立っていた。

いや、そこに居ること自体が可笑しいんだけど・・・。

 

「ちょこっとだけ、話したい事あるんだけど、いい?」

「うん。」

 

空き部屋に移動すると、ユフィルさんがゆっくり話し出した。

 

「話って言うのはさ、俺の給料についてなんだけど。」

「ん?」

「俺さ、ここに来るときに金貨をモモンガ様から貰ったでしょ?あれは今はユグドラシルに巻き上げられてるの。」

「え?」

「雇用期間が終わらないとユグドラシルは俺に金を払ってくれないの!」

「・・・。」

「でも今表示されてる雇用期間がサービス停止の翌日なんだよ。お金くれるの?くれないの?」

「・・・。」

「そこで考えたんだよ!サービス停止して、もしもこの世界が残っているならしーちゃんがここの主になるだろ?そしたらしーちゃんから今の分の報酬を貰って契約更新をしよう!って。」

「・・・。」

 

私はここの主になるのかな?

お兄様だっているし、アルベドさんが主になる可能性だってあるわけだし。

というか、世界が終わるかもって言う時に給料って・・・。

 

「私、金貨、持って、ない。」

「ナザリックの資金から出して貰って下さい。」

「無理。」

「しーちゃんなら出来る!お願いって言えば皆何でもくれるから!」

「契約更新は?」

「契約書なら作ってきた!」

「契約、書?」

 

渡された紙を見ていると、ユフィルさんのステータスと雇用条件?が書かれていた。

 

 

ユフィル・ターチェス

 

カルマ値:-70

 

種族レベル:小悪魔Lv10・上位悪魔Lv5

 

職業レベル:盗賊Lv10・暗殺者Lv10・錬金術師Lv5・鍛冶師Lv5・スナイパーLv5・ガンナーLv5・コックLv5・戦士Lv10・アーチャーLv10・ミニマムLv5・ファーマーLv5・ポイズンメーカーLv5

 

合計レベル95

 

週休1日・昼休憩1時間・労働時間8時間。

日給銀貨1枚

服装規定なし、女装可。

労働内容要相談。

 

 

「・・・日雇い?」

「どう?」

 

どうと言われても、良くわからないし。

それにこれは履歴書であって雇用契約書ではない。

今私がどうこうするのは可笑しいと思う。

 

「保留。」

「やっぱり女装だめ?」

「それ、今、制限、ある?」

「んー、どうなんだろう?セバスさんとか何か言ってきそうで、女装してないんだよね。」

 

駄目だ、この人がよく分からない・・・まともな人かと思ったけど、何処かネジが外れちゃった人なのかな。

 

「ナザリックでの家賃とか諸々引かれてもそこそこお金入る筈だったのに!」

「家賃?」

「そう、家賃。最初に受け取った金額から家賃とか生活費を引かれて、勤め終わったら差額が雇用NPCに入るって仕組みなの。野良NPCは体力回復する宿代だって、ポーション代だって自分持ちだしお金は大事なの!」

 

ユグドラシルってゲームなのにシビアだ・・・。

どうしよう、このまま置いていっても戻る先は同じなんだよね。

 

「拠点NPCが羨ましいぜ!」

「あー、ユフィル?大丈夫かい?」

「デミウルゴスさん。」

「そろそろモモンガ様がいらっしゃいますよ。」

「とと様!」

 

気配を探ればとと様の気配が微かにする。

早く持ち場に戻らないと!

因みにユフィルさんによると、私達が持ち場に戻る時間の間、プレイヤーはロード画面らしい。

だから、早く戻らないととと様達はログインできないそうだ。

 

取り敢えず、ユフィルさんを引きずって第4階層に戻った。

戻ってすぐにとと様は第4階層にやって来た。

 

「もうすぐ、シエリアともお別れか・・・。」

 

とと様・・・。

 

「皆を待ちに行こうか。実はね、最終日に皆で集まらないかってメールをしたんだ。皆、来てくれるよね?」

 

・・・うん。きっと大丈夫。

大丈夫だよ。

 

 

私は心の中で、どうかまた賑やかな御方々の声が聞こえるようにと願ったのだった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日は遂に転移へ!原作沿いになるか、原作の裏でほのぼのするか迷っています・・・。
オリ主とユフィルが冒険に出るもの楽しそうですし。

明日も更新しますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

62話(ユグドラシルが終わった日の話)

そして迎えたユグドラシル最終日。

私達からすると、人生最後になるかもしれない日。

 

とと様は今日休みをとって、殆どずっとログインしている。

因みにウルベルト様とペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様とたっちみー様やタブラ様達は今日は都合がつかないからと、昨日いらっしゃった。

先程までヘロヘロ様もいらっしゃったが、帰ってしまわれた。

 

それからとと様はプレアデスと私を従えて王座へ、NPC達を待機させる。

私の待機場所はとと様の隣らしい。

「ひれ伏せ」のコマンドでも軽く頭を下げる位なのは、養女という設定だからなのだろうか?

 

とと様がアルベドさんの設定を開いた。

私の位置からも設定が読めるんだ・・・設定長い!

しかも最後に『ちなみにビッチである。』って・・・知らなきゃよかったかも。

あれ?とと様?ビッチの部分を消してあげるのか。

うん、その方が・・・って、『モモンガを愛している。』って、ちょ、いや、え?

とと様はアルベドさんが好きなの?確かに美人だし、裁縫も得意だし、この前も服のボタン直してくれたし、スタイルも良いし、時々暴走するけど、普段はいい人だし・・・。

でも、お母さんって呼ぶには心の準備が!

いや、落ち着いて、もうすぐとと様ともお別れなんだから、こんな事でパニックになっては駄目だ。

あぁ、あと5秒、4、3、2、1ーーーーーーー

 

 

あれ?今なんか、変な感じがした。

まるで融解吸収した時みたいに気持ち悪くはないけど、何か体に違和感が巡った。

何だろう、今の。

 

「セバス、大墳墓を出てナザリック周辺地理を確認せよ。」

「はっ!承知いたしました。モモンガ様。」

「プレアデス達は9階層に上がり、侵入者が来ないか警戒にあたれ。」

「畏まりました。モモンガ様。」

 

あれ?

皆とと様と会話してる?

何で話せるの?

じいじとプレアデスの皆が部屋を出ていった。

 

そしてとと様はアルベドさんに近くに来るように命令する。

・・・アルベドさん?近すぎません?

 

そして、とと様から衝撃の一言が放たれた。

 

「アルベド!胸を触っても良いか?」

「へ?」

「かまわにゃい、ないだろうか。」

「はい!どうぞお好きにしてください!」

 

アルベドさんが胸を突き出す。

私は咄嗟に王座の後ろに隠れた。

見つからないようにミニマム(3歳児)を使って、耳を塞いで、目を瞑る。

 

何も知らない聞いてもいない。

とと様だって男の人だし、狼にもなるんだ!

耐えろ私!

 

暫く時間がたった後、王座の後ろから様子を伺う。

アルベドさんはいない。

 

「「あ、」」

 

とと様とばっちり目が合ってしまった。

・・・気まずい。

 

「シ、シエリア!お前ずっといたのか!」

「・・・うん。」

「今までの事も・・・。」

「知らない!」

 

私は気まずさに耐えられずに走り出した。

とと様の制止の声も無視して第4階層まで急いで戻り、地底湖にダイブした。

 

「しーちゃん、どうしたの!?」

 

ユフィルさんが吃驚しているが、説明できない。

言葉にできないし、しちゃいけない気がする。

ユフィルさんは、そんな私を無視して明るい声で言った。

 

「そうだ!俺ちゃんと給料貰えたよ!」

「給料?」

「金貨50枚!」

「おめでとう・・・。」

 

金銭感覚は無いので凄いのか分からないけど、貰えないよりは良いだろう。

 

「そうだ!モモンガ様いるんだよね?契約更新の話してこよう!しーちゃんはどうする?」

「ここ、いる。」

「そう?なら、いいけど。」

 

今は気まず過ぎて、とと様の顔見れないし・・・。

あれ?そう言えば、どうしてとと様と話が出来たんだろう?

 

「ユフィルさん、プレイヤー、話す、出来る?」

「何言ってるの?じゃないと俺、雇ってもらえないじゃん?」

「でも、」

「俺はモモンガ様の所に行ってくるね!」

 

ユフィルさんは私を置いてワープしていった。

会話が出来る事に違和感はあるけど、会話が出来ないと私もユフィルさんもここに来た時に拉致された事になっちゃうよね?

何だか頭の中に靄がかかったみたいに気持ち悪い。

数日前の事もあんまり思い出せない・・・。

 

 

モモンガ視点

 

 

うわー、どうしよう・・・。

そう言えば、シエリアはいつも一緒にいるんだから、当然『あの場』にもいて当然じゃないか。

どうしよう、本格的に嫌われた。

もう駄目だ。

1時間後には守護者達を集めたのに、もう詰んだよこれ。

頭を抱えていると、目の前にユフィルが現れた。

 

「モモンガ様、ちょっと良いですか?」

「ユフィルか?どうしたんだ?」

「いや、明日で契約が切れるので契約更新のお話をと思いまして。」

「契約更新?」

「あ、まさか俺クビですか?」

「いや、そういうわけではない。」

 

確かユフィルは雇用NPCだったか、それなら雇用契約があるのは当然か?

妙に現実的な気もするが。

と言うか、ユフィルはこんなにフランクに話すんだな。

 

「良かった〜。で、実はお願いがありまして。」

「何だ?」

「雇用主をモモンガ様じゃなくてしーちゃんにしてほしいんですが。」

「何だと?私では不満か?」

「不満と言うより、しーちゃんと俺の為ですよ。今ナザリックにいる者達はモモンガ様に仕えている者達しかいません。つまり、いざという時にしーちゃんを守る者がいないのです。」

「それは、シエリアを守る役目の者を付ければ良いのではないか?」

「モモンガ様はしーちゃんを守れと言っても、しーちゃんはモモンガ様を守れと指示を出すでしょう。それでは下が困るんですよ。」

「成る程な。良かろう。お前の雇用主をシエリアとしよう。」

「ありがとうございます!これは雇用契約書です。」

「うむ。」

 

確かに上司がそれぞれ別の指示を出すと面倒なんだよなー。

というか、雇用契約書って随分事務的だな・・・。

ん?これはユフィルのステータスと希望条件が書いてある・・・履歴書だ。

 

「ユフィル、これは雇用契約書とは言わぬ。履歴書と言うのだ。後程雇用条件を纏めた契約書を作成するので、それにサインするように。」

「畏まりました!」

 

他のナザリックのNPCにも雇用契約書を書かせた方が良いのか?

いや、大変だから止めとこう。

 

「あ、そう言えば、しーちゃんの様子可笑しかったですけど、何かありました?」

「ん、いや、なんでもないんだ。」

「そうですか?まるで親の濡れ場を見たような反応だったので・・・。」

「うっ!」

「え、マジ?」

「濡れ場等ではない。実はかくかくしかじかで。」

「あぁ、なんと言うか・・・俺の方で話してみますよ。誤解がとけたら一時間後に一緒に第6階層に向かいます。」

「すまないが。よろしく頼む。」

 

ユフィルはワープしていった。

あぁ、シエリアの事も心配だけど、まだ確認しなくちゃいけないことが山積みだ・・・。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

やっと転移まで来ることが出来ました!
長かったですね・・・。
これからもギャグ多めのほのぼの目指して頑張りますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

63話(モモンガと仲直りする話)

暫くガルガンチュアさんと遊んでいると、やけにニヤニヤしたユフィルさんが戻ってきた。

 

「しーちゃん!無事契約更新出来そうだよー。」

「そう・・・。」

「しーちゃん、お父さん取られて拗ねてるんだって~?」

ーそうなのかい?シエリア。ー

「なっ!?」

「モモンガ様落ち込んでたよ?しーちゃんに嫌われたって。」

「とと様・・・。」

 

どうしよう、でも、どうしても気まずいし。

 

「『あれ』はしーちゃんの誤解なんだよ?」

「誤解?」

ー何があったんだい?ー

「ユグドラシルではプレイヤーには行動に規制があって、18禁?に引っかかる事はペナルティがあるんだって。18禁って言うのは、拷問とか厭らしいことの事をいうんだけど、モモンガ様はその行動規制が継続しているのかを確かめたかったみたいだよ。」

ーまあ、プレイヤーの行動規制のペナルティは厄介だよね。自分のHPの半分持ってかれたり、レベル下げられたり。ー

「・・・。」

 

いや、でもアルベドさんの設定をいじってたし。

とと様には下心もあったのでは。

そもそも私がいる前で、あんなこと・・・私に先に声かけてくれたって良いと思う。

じいじやプレアデスには声かけてたし、ずるい。

・・・ん、ずるい?

 

ーシエリアはモモンガがアルベドに手を出したから怒っているのかい?ー

「もしかして、しーちゃんが怒ってるのってモモンガ様に声かけてもらえなかったからとか?」

「・・・そう、かも?」

 

私が頷くとユフィルさんが私を抱き上げてくるくると回った。

そう言えば、ミニマムのままだった。

 

「可愛いなーもう!大丈夫だよ。モモンガ様はしーちゃん大好きだからさ。」

ーまあ、確かにシエリアの為にギルドを潰して回ってた位だしね。ー

「・・・うん。」

「どうする?モモンガ様と仲直りする?」

「する。」

「じゃあ行こうか。」

「うん、ガルガンチュアさん、行ってきます。」

ーいってらっしゃい。僕は寝てるね。ー

 

ユフィルさんのワープで第6階層まで行くと、シャルティアさんとアウラちゃんが喧嘩をしていた。

 

「今日も二人は元気だね〜。」

「シエリア、あの、先程はだな・・・。」

「ごめん、なさい。誤解、して。」

「いや、私も軽率だった。すまない。」

「しーちゃんはモモンガ様にもっと構ってほしくて、拗ねてたみたいですよ〜!」

「ユフィルさん!なんで、言うの!」

「そ、そうなのか。」

 

あれ?ピカッととと様が光った気がする・・・?。

そしてとと様が私を抱き上げて、頭を撫でてくれた。

 

「ふむ、重ねてすまなかったな。しかし、お前を抱き上げられる日が来るとは。」

「とと様!」

 

とと様が高い高いをしてくれた。

私が元の姿に戻った時より目線が高い!

 

「はい。こっちは仲直りね〜。」

「ユフィル、感謝する。」

「いえいえ、しーちゃんには笑っててほしいし。」

 

仲直りをするとコキュートスさんがやって来た。

それからとと様がシャルティアさん達の喧嘩を止めて、デミウルゴスさんやじいじも来て、とと様の話が始まった。

皆が来たので、私はとと様の横に待機する。

 

どうやらナザリックが沼地から平原に転移してしまったらしい。

とと様はナザリックを隠す様に指示を出した後、皆に「自分をどう思うか」と質問した。

 

皆自分なりの意見を答えていく。

アルベドさん、堂々と「愛しいお方」って、いや、駄目ではないんだけど・・・いや、アルベドさんがお母さんになったら・・・悪くないかも。

で、でも、とと様が構ってくれなくなるのは嫌だし・・・こう、モヤモヤする。

 

「ユフィル、お前はどうだ?」

「話の分かる雇用主です。あと、極度の親バカ。」

「ふ、ふむ、そうか・・・。」

「ユフィル!何ですかその物言いは!モモンガ様は至高の御方々の纏め役、ナザリックの頂点にいらっしゃるお方ですよ!」

「よせ、デミウルゴス。私をどう思うかは個人の自由だ。」

「はっ!」

「シエリア、お前は私をどう思う?」

「とと様、大好き!」

「そ、そうか。」

 

言える言葉が限られるので、いっぱいを表現しようと思って、ぴょんとジャンプをしながら手を大きく広げながら答える。

あ、またとと様が光った。

皆は、気づいてないみたい。

下向いてプルプルしてる。

 

「皆の考えは十分に理解した。今後とも忠義に励め。」

「「「「「はっ!」」」」」

 

とと様は、ワープしていった。

それから皆が立ち上がる。

各々でとと様が怖かっただの優しかったと感想を言い合っている。

 

「ユフィル!先程のモモンガ様の発言はどういうことですか?モモンガ様の寛大なお心で御許し頂けましたが、今後あのような発言は慎みなさい!」

 

デミウルゴスさん、まだ怒ってる。

きっとじいじも言わないだけで、叱りたいんだろうけど。

 

「以後気を付けまーす。」

「ユフィル、真面目に聞いているのですか!」

 

ユフィルさん、その返事は火に油・・・。

それにしても、とと様は何処に行ったんだろう。

するとじいじが一歩前に出た。

 

「私はこれで失礼致します。モモンガ様がどちらに向かわれたかは分かりませんが、お側に控えるべきでしょう。シエリア様もいらっしゃいますか?」

「うん!」

「あ!俺も、」

「ユフィル、貴方はデミウルゴス様と話があるでしょう?」

「・・・はーい。」

 

丁度良かった。

もしとと様が忙しそうだったら、側で本読んでようかな?

それも駄目ならお散歩しよう。

一人でうんうんと頷いていると、アルベドさんがじいじに声をかけた。

 

「セバス!モモンガ様が私をお呼びとあらば、即座に連絡を頂戴。ただその、場所があれでしたらそれとなく準備がかかることをそれと、」

「それでは失礼致します。シエリア様、参りましょう。」

 

あ、じいじが途中で遮った、と言うか、スルーした?

最後まで聞いているのも気まずいけど・・・やっぱりとと様とアルベドさんはそういう関係?

あの時は確認したのは今後そういうことをするからとか・・・考えてはいけない。邪な考えを振り払おうと頭を振る。

 

「しーちゃーん。大丈夫?」

「うん・・・皆、じゃあね。ユフィルさん、ファイト。」

 

ぐっとガッツポーズをして見せる。

皆が顔を背けたのは気にしないでおこう。

すると、ユフィルさんが捨てられた子犬みたいな顔で言った。

 

「しーちゃん、助けてくれる気は・・・?」

 

むぅ、仕方ない。

デミウルゴスさんのお説教も長くて怖いし。

 

「30分後、図書室、集合。」

「しーちゃん大好き!マジ天使!」

「私、セイレーン?」

「そうだけど、ちょっと違う!」

 

どういう意味だろう?

皆も力強く頷いてるけど・・・。

天使ならアルベドさんの方が近いと思う。

まぁ、とりあえず、とと様の所に早く行きたいし、後で聞けばいいよね?

私とじいじは第9階層に向かった。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

64話(あのお方が来た話)

ユフィル視点

 

しーちゃんとセバスさんが去っていった。

兄貴が後ろでため息をついた。

 

「ユフィル、貴方は主に甘えすぎです。」

「それだけ寵愛を受けてるってことじゃないですか?」

「ユフィル、何か言ったかい?」

「いいえ〜。」

 

怖っ、兄貴は本当にしーちゃん関連では余裕無いな。

んー、話題変えないと、そう言えばシャルティアさん大人しかったよな?

あ、座りっぱなしだ。

体調不良か?それなら抜け出すのに都合いいかも。

 

「シャルティアさん、大丈夫?」

「・・・体がゾクゾクしてしまい、ちょっと下着がまずいことになっているでありんす。」

 

空気がピシリと凍った気がした。

こりゃ駄目だ・・・触れなきゃ良かった。

そこからはいつも通りアルベドさんとシャルティアさんの喧嘩をアウラちゃんに任せて男性陣は高みの見物。

てか、しーちゃんいなくて良かったな・・・。

 

「個人的には、結果にとても興味があるよ。」

「兄貴はしーちゃん以外の後継者がほしいってことですか?」

「そうだね。ユフィルもそう思っているんじゃないかい?」

「否定はしません。」

「そ、それは、シエリア様は後継者として相応しくないと言うことですか?」

「二人トモ不敬ダゾ!」

「早計だよ。勿論シエリア様に忠義を尽くしたいとは思っている。しかし、シエリア様とモモンガ様はそもそも血縁はなく、シエリア様は純粋無垢で優しすぎる。」

「まあ、ほぼ同意見。しーちゃんはもっと外を知るべきだ。良くも悪くも世間知らず過ぎる。」

「ソレハコレカラ培ッテイケバイイダロウ。」

「まあ、それが許されるなら。ところで兄貴は、魚を水槽で飼い殺しにする趣味はないよな?」

「海や川に危険があるならそうするつもりだよ。勿論、水草や隠れ場所の設置や水の入れ換えはしっかりする。なんなら、同じ水槽に仲間を入れたっていい。あぁ、水が合うのであれば危険を排除して遊びに連れていってもいいね。」

「・・・寛大ですね。」

「ありがとう、ユフィル。」

 

ニッコリと礼を言われる。

ある程度の自由は与えるが、決して逃がしはしない。

悪魔らしいと言えばらしいのか。

まあ、兄貴はしーちゃんに甘いから自由の幅がでかいんだろうけど。

普通の悪魔だったら他所に連れ出そうともしないし。

 

「アウラ、二人の喧嘩は終わったかい?」

「喧嘩は終わったよ。今やっているのは、」

「どちらがモモンガ様の第1妃になるかよ。ナザリックの頂点に立つお方が一人しか妻を持てないなんて可笑しな話ですから。」

「二人の奥さんってことは、しーちゃんには二人のお母さんが出来るわけか。」

「そうでありんすね!シエリア様にどちらがより母に相応しいかを決めて頂くのもいいでありんすねぇ!」

 

シャルティアが嬉しそうに話す。

 

「そうなると、兄貴はあの二人をお義母さんと呼ぶのか・・・。」

「・・・そう、なってしまうんだね。」

 

兄貴が目を反らす。

絶対に嫌だと珍しく顔に書いてある。

気持ちは分かるが、笑うのを堪えるのが辛い。

 

「あ、そろそろ約束の30分だから失礼します。」

「ユフィル、話が」

「しーちゃん待たせちゃうんで!」

 

兄貴に止められそうになったが、俺は逃げるように図書室へと向かった。

図書室の扉の前に立つと、中から異様な気配が漂っていることに気づいた。

意を決して扉を開き、直ぐに閉める。

何故だろう。とても久し振りの人物がしーちゃんを抱き抱えていた気がする。

 

 

シエリア視点

 

さっきユフィルさんと約束しちゃったし、図書室の前でじいじと別れて本を探すことにした。

上の本を見上げて自分が縮んだままだと気づいた。

そろそろ戻らないと、と思ったら、後ろから誰かに抱き上げられる。

誰だろう?司書さん達はこんなにモコモコしてないし、もしかして!

ばっと後ろを振り向くと、半分仮面を着けた山羊の顔。

つまりはウルベルト様がいらっしゃった。

 

「まさか夢の中にナザリックの図書室とシエリアちゃんが出てくるとは・・・やっぱりユグドラシルに相当未練があったんだな。」

 

混乱して固まっている私に構わず、ウルベルト様は一人で喋り出す。

 

「にしても、感触がリアルな夢だな。シエリアちゃん温かくて柔らかい。お、ほっぺもぷにぷにだ。」

 

ウルベルト様が私の頬っぺたをつつく。

嫌じゃないし、モコモコの毛並みが気持ちいいけど、とと様の所に連れていった方が良いのだろうか?

 

「ウルベルト、様?」

「うわっ!?シエリアちゃんが喋った!?」

「っゎ!?」

 

私が喋った事に驚いたウルベルト様が私を高い高い位に持ち上げて、私を観察する。

 

「シエリアちゃん?」

「・・・はい?」

「やっぱり喋ってる。」

「はい。」

「・・・デミウルゴスの事好き?」

「!」

 

一気に顔が赤くなる。

何で急にデミウルゴスさんのことを・・・そうだ。

この方はデミウルゴスさんのお父様なんだ。

とりあえず熱い頬っぺたを手を当てて冷まし、言葉を紡ごうと頑張る。

 

「えっと、デ、デミウルゴス、さん、は。」

「うんうん、デミウルゴスは?」

「優しい、し、格好、いい、し、物知り、で、」

「うんうん。」

「好き、です。」

「そっか、そっか!シエリアちゃんにはアイツの良さが分かるか!」

 

ウルベルト様はとても嬉しそうにくるくると回る。

あれ、ユフィルさんもこんなに風に回ってたな。

 

「・・・ウルベルト様、申し訳ありませんがここは図書室ですのでお静かにお願いします。」

「あ、ごめん。」

「いえ、お気をつけ下さいませ。」

「怒られちゃったな。夢なのに。」

 

司書さんがウルベルト様に注意をした。

あの司書さん勇気あるな。

ウルベルト様は、これが夢だと思っているらしい。

私からしたら現実何だけど・・・。

 

そんな事を思っていると、ユフィルさんが扉を開けて、閉めた。

 

「今のって、ユフィル?」

「うん。」

「ユフィルも出てくるのか。」

 

「モモンガさんとかデミウルゴスも出てこないかな〜。」と言いながら、ウルベルト様は移動して、扉を開けた。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

遂に登場してしまいました1人目はウルベルト様です!
早くモモンガとデミウルゴスに会わせてあげたいです。

明日も投稿しますので、お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

65話(モモンガと合流して状況確認の話?)

ウルベルト様が私を抱き抱えながら、扉を開ける。

するとゴツンという音と額を擦るユフィルさんがいた。

 

「あ、ぶつけた。大丈夫か?」

「ユフィルさん、平気?」

「あぁ、大丈夫です。お陰で現実を受け入れられました。」

「・・・そうか。にしても、本当にユフィルだ。髪長いな〜。」

 

ウルベルト様がユフィルさんの髪の毛を触る。

ユフィルさんはされるがままみたいだ。

 

「あ、モモンガさんとかいないのか?」

「モモンガ様は書斎にいらっしゃいます。」

「じゃあ行くか!ね、シエリアちゃん。さあ肩車だ!」

「えっ!?」

「帽子はシエリアちゃんが被って、あ、危ないから角つかんでいいよ?」

「え、あ、はい。」

「うわ、兄貴が見たら発狂しそう。」

 

急にウルベルト様に肩車をされる。

抱き抱えられていた時より目線が更に高くなった。

そして、ウルベルト様の帽子は魔法がかかっていたようで、サイズは私にぴったりになった。

角を掴むのは流石に抵抗があったので、ウルベルト様の頭にちょこんと手を添える。

 

そしてそのまま書斎に移動して、扉を勢いよく開いた。

 

「どうしたんだ、騒々し・・・。」

「本当にモモンガさんがいた。」

「う、ウルベルトさん!?どうしてここに!?」

「モモンガさん本当にいた。」

「モモンガさん。夢の中だから只の自己満足だけど、ログイン出来なくてすみませんでした。」

「いえいえ、こうして会えて良かったです。あれ?夢の中ってどういう事ですか?」

「え?俺はベッドに入った所までは覚えてるんで、これは夢かと。」

「え、私はユグドラシル最終日にログアウト出来ずに今なんですけど。」

「マジですか?」

「まじです。というか、ウルベルトさん。いつまでうちの子を肩車しているんですか?」

「いや、出来心だったんですけど、シエリアちゃん降りようか。」

「うん。」

 

やっと降りられた。

嫌ではなかったけど、ちょっと恥ずかしかったし。

温かくて寝ちゃうかと思った。

丁度降りると同時にノックの音が響いた。

 

「モモンガ様、少々宜しいでしょうか?」

「デミウルゴスか、入るがいい。丁度お前に会わせたい人がいる。」

「え、デミウルゴス?ていうか、超いい声じゃないですか。」

「失礼致します。」

 

デミウルゴスさんが扉を開けて、固まってしまった。

皆は顔を見合わせて、どうしようかとアイコンタクトをしている。

私はとりあえず声をかけてみようと近づくが、反応無し。

 

「デミウルゴスさん?」

「おいデミウルゴス、どうしたんだ?」

「失礼致しました。ウルベルト様、お久し振りでございます!」

「あぁ、元気だったか?」

「はい。第7階層共に異常はありません。」

「そうか。御苦労。」

「恐縮でございます!」

 

デミウルゴスさんが跪いて会話を続けると、ウルベルト様がデミウルゴスさんの頭にポンと手を置く。

 

「中々来れなくて、悪かったな。」

「滅相も御座いません。またお会いできて恐悦至極で御座います。もしや、ウルベルト様がユグドラシルの壊滅前に異世界へと移転したので御座いますか?」

「ん?どういうことだ?」

 

とと様とウルベルト様が顔を見合わせる。

あ、私が前に説明したことか。

ユグドラシルが無くなってとと様達に会えなくなるっていう。

何故かとと様達が目の前に居るんだけど・・・。

 

 

モモンガ視点

 

デミウルゴスは何を言っているんだ?

俺はゲーム内に取り残されて、ウルベルトさんは寝ていたらここに居たと言っていた。

ここは夢の中なのか?若くは本当に異世界転移してしまったのか!?

ウルベルトさんも首を傾げてるし、もしかしたらNPCにしか分からない情報があるのか?

取り敢えず聞かない事には進まないよな。

 

「デミウルゴスよ。お前はどこまで知っている?」

「は!御方々の異世界とナザリックがある世界の根源であるユグドラシルが壊滅すること、恐れながらその壊滅は御方々のお力を用いても防げないものだと理解しております。先程のモモンガ様のお話ではナザリックの転移の詳細は不明との事でしたので、転移前にウルベルト様のお力で現在の世界に転移したものと愚考致しました。」

 

うーん、そういう考え方も出来るのか・・・。

ユグドラシルのサービス中止はNPCには世界の壊滅という認識になるだろう。

俺が考えていると、ウルベルトさんがデミウルゴスに質問をした。

 

「デミウルゴス、お前にユグドラシル崩壊を伝えたのは誰だ?」

「・・・申し訳ありませんが、お答え致しかねます。」

「お前の造物主の質問に答えられないと?」

「はい。」

「それは相手が不明だからか?それとも他に理由があるのか?」

「後者で御座います。」

 

どういう事だ?

デミウルゴスがウルベルトさんに隠し事をしている。

 

「そうか。お前は下がれ。」

「畏まりました。」

 

デミウルゴスが部屋を出て行く。

心成しか悲しそうだ。

 

「ウルベルトさん、さっきの質問はどういう・・・?」

「ちょっと、確信を持ってから説明します。ユフィル、お前はユグドラシルの壊滅を知っていたか?」

「はい。知っておりました。」

「誰から聞いた。」

「ユグドラシル本部からです。」

 

ユグドラシル本部?どういう事だ?

 

「シエリアちゃんは勿論知っていたんだろう?」

「うん。」

「それをデミウルゴスに伝えたね?」

「・・・うん。」

「シエリアちゃんは誰から聞いた?」

「とと様、ユフィルさん。」

「セバスは?」

「申し訳ありません。何のお話か分かりかねます。」

「やっぱりかー。モモンガさん、2人きりで話をしましょう。」

「え?はい。」

 

ウルベルトさんがNPC達を退室させた。

どういうことかさっぱりだ。

椅子に座り、いざ話を聞こうとすると、再び扉が大きな音を立てて開いた。

ウルベルトさんと扉を見ると、久し振りの親友とその姉、そして尊敬する正義のヒーローが立っていた。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

またまたギルメンが増えました。
次回はギルメンパートになりそうです。
明日も更新しますので、お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

66話(あの方達も来た話)

携帯を変えた為、誤字脱字等があるかもしれません。
ご了承ください。



モモンガ視点

 

目の前の扉にはペロロンチーノとぶくぶく茶釜さんとたっちみーさんがいた。

 

「本当にモモンガさんとウルベルトさんがいた!」

「え、モモンガさん達も寝てたら来ちゃった系?」

「お久し振りです。モモンガさん。」

「あ、お久し振りです。皆さんお元気そうで。」

「何でお前がいるんだよ、たっちみー。」

 

なんだか久し振りの再会に、嬉しくて泣きそうになる。

話を聞くと、どうやら皆もウルベルトさんと同じく寝るまでの記憶はあるらしい。

もしかして俺も寝落ちしてたのかな?

暫く雑談をした後、ウルベルトさんが切り出した。

 

「で、モモンガさん。さっきのNPC達についてなんですけど、俺達がログインしてる間の記憶もあるし、誰もログインしてない時若くは側にプレイヤーがいない時は自由に行動出来たんじゃないかと思ったんです。」

「NPC達がですか?」

「さっきシエリアちゃんがモモンガさんとユフィルからユグドラシルの停止を聞いたと言っていた。モモンガさんはシエリアちゃんが側にいる時にその話しました?」

「多分したと思います。ログインしてた時は殆どシエリアと一緒だったので。」

「モモンガさんは相変わらずしーちゃん好きだな!まあ、俺も殆どシャルティア連れ回してたけど。」

「それと、ユフィルにも聞いたって言っていたってことは、NPC同士で自由に会話が出来る環境下だったってことでしょう。そしてデミウルゴスのあの態度。」

「ウルベルトさんの質問に答えませんでしたね。」

「何で答えなかったのかしら?」

「セバスがユグドラシルの停止を知らなかった事から推測すると、シエリアちゃんはデミウルゴスに口止めをしていたのだろうと。」

「もしもNPC達が普通に生活をしていたとしたら、世界の崩壊なんて知ったら、パニックが起こるわよね。」

「あれ?でも、それは誰に聞いたかを答えない理由にはならないんじゃないですか?」

「え、どういうことですか?モモンガさん。」

「だって先にユグドラシル崩壊の話をしていたし、別に情報源を隠す必要はないんじゃないかなーと。」

「本当ですか?モモンガさん。もしかしたら、今ここにいる原因をデミウルゴスが知っていると?」

「あ?なんだとたっちみー。うちの子が俺らを異世界転移させたって言いたいのか?」

「ちょっと待ってください!いくらなんでもNPCにそんな事は出来ませんよ。」

「それなら、どうして情報源を言わなかったのかしら?」

「は!まさか!」

「どうしたんですか?ペロロンチーノさん。」

「2人は親に言えない状況で、その話をしていたのでは?」

「「「え?」」」

「うちのデミウルゴスとシエリアちゃんがイチャイチャしてたってことか?確かに、シエリアちゃんデミウルゴスの事好きって言ってたし、あり得る。」

「な!なんですかそれ!俺は許しませんよ!」

 

シエリアがデミウルゴスを好き!?

そんな設定してないんだから、あるわけないじゃないか!

暫くウルベルトさんと言い合いをしていると、「すみませーん。」と言いながらユフィルが入ってきた。

 

「ん、どうしたんだ?ユフィル。」

「一応報告に、兄貴が倒れたので第7階層が手薄になりました。」

「はぁ!?うちのデミウルゴスになにがあったんだ!?」

「造物主に隠し事をするなんてって自分で頭を壁に打ち付けてたんで、麻酔弾で眠らせました。」

「犯人お前かよ!」

「ペロロンチーノ様ナイスツッコミです。でも、余りの勢いにしーちゃんも泣きそうだったし、セバスさんですら止めに入るくらいだったので。」

「なにそれ怖い。」

「今デミウルゴスはどうしているんだい?」

「自室で寝かせてます。」

 

デミウルゴスどんだけ頭打ち付けたの!

てか、なんでそんなことしたの!

皆ドン引きだよ!

 

「ユフィル、デミウルゴスはそこまでして何を隠しているんだ?」

「んー、しーちゃんが兄貴にユグドラシルの話をした時に初めて弱音を吐いたんです。仕えるべき、しかも惚れた女の泣いた話なんて、したい男はいないでしょう?」

「確かに。」

「因みにその原因は、私達、なのかしら。」

「そうです。」

「ユフィル、教えてくれないか?俺達が知らないナザリックの事を。」

「俺の知っている話で良ければ。今日までは貴方達の配下ですから。」

 

それからユフィルは色々な話をした。

シエリアが寂しがっていた事や防衛戦後のパーティーの事、セバスとデミウルゴスの不仲問題、メイド達の第4階層祭壇作成計画の話、シエリアがシューティングスターに願った等、シエリアとデミウルゴスの曖昧な関係は知りたくなかったけど・・・。

 

「しーちゃんが願った事が関係してそうね。」

「モモンガさんが寂しくないようにって願いで俺達がここに来て、皆とずっと一緒にいたいって願いでこの世界に転移したって事か?」

「いくらなんでもゲームのアイテムでそんな事出来るんだろうか。」

「たっちみー、それでも、これが現状なんだ。」

「もしかしたら、これが全部夢とか・・・。」

「だとすると感覚がリアルすぎるわ。」

 

皆でこうなった原因を話し合うが、埒があかない。

 

「あのー、取り敢えずこれからどうするかじゃないですか?あと、そろそろしーちゃんの所に戻ります。兄貴が目を覚ます頃だと思うので。」

「それもそうだな。取り敢えずナザリック内を見回りましょうか。」

「そうですね。じゃあ俺シャルティアの所に行ってくる!」

「なら私はアウラとマーレの所ね!」

「あ、マーレには今ナザリックの隠蔽を頼んでます。」

「あら、じゃあ外に行こうかしら。」

「俺はデミウルゴスの所か。ユフィル、案内を頼む。」

「畏まりました。」

「じゃあ俺もセバスの所か。」

「セバスさんとしーちゃんは兄貴と一緒の筈ですよ。」

「「ちっ!」」

「2人とも舌打ちしないでくださいよ。皆でいきましょう!」

 

俺は喧嘩を始めそうなたっちみーさんとウルベルトさんの背中を押して、ユフィルと共に第7階層に向かった。

 

「そうだ。ユフィル、シエリアの事を良く気遣ってくれていたんだろう。感謝する。」

「まあ、『あの子』とは長い付き合いですから、ねぇ。」

「ふっ、そうか。」

「・・・。」

「どうしたんだ?ウルベルト。」

「いや、なんでもない。」

 

この時俺は、また賑やかなナザリックになるんだと、不謹慎だが嬉しさを噛み締めていた。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

転移してから、色々動き出しました。
次回は親子3組が+ユフィルの話です。
ちゃんと話もメンバーも纏まってくれればいいのですが・・・。

明日も投稿しますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

67話(セバスとデミウルゴスが喧嘩して寝かされる話?)

デミウルゴスさんがユフィルさんによって眠らされてから、数十分。

ユフィルさんは1回気絶させれば落ち着くだろうと言っていたけど、大丈夫かな?

 

「うっ、」

「デミウルゴスさん!大丈夫?」

「・・・シエリア様?申し訳ありません、お恥ずかしい所をお見せしていまいました。」

「大丈夫。」

「デミウルゴス様、こちらのお水を召し上がってください。」

「すまない、セバス。」

「シエリア様や配下の者に心配をかけるような真似は、今後控えて頂きたい。そもそも御方々の質問を黙秘するなど。」

「そうだね、だがユグドラシルの事を知らない貴方には理解できないだろうね。」

「なんですと?」

 

おっと、これはもしかして喧嘩の始まりか?

私だけじゃ2人を止められないし・・・。

 

「だいたい、貴方の教育はシエリア様には野蛮過ぎます!」

「何を生温いことを!シエリア様は戦闘にも参加されるのですよ!」

「だからといって拷問の知識が必要ですか!?」

 

あぁ、ヒートアップしてきた。

 

「あの、2人とも、」

「そもそも貴方はシエリア様の可能性を摘んでいるのですよ!」

「いいえ!貴方はシエリアに危険思想を植え付けているのです!」

 

なんだろう。凄くイライラする。

なんで喧嘩する人って周りの声を聞かないんだろう。

 

「いっそ、『寝てて』。」

 

呟いた途端にデミウルゴスさんとじいじが倒れた。

え、寝てる?

どうしよう、知らないうちにスキル使っちゃった?

えっと、どうしよう、取り敢えず2人をベッドに寝かせよう。

確か部屋の外に嫉妬の魔将と憤怒の魔将がいたはず。

 

「嫉妬ちゃん、憤怒君、『手伝って。』」

「「畏まりました。」」

 

2人に手伝ってもらってじいじ達をベッドに寝かせる。

ベッドの広さ的に肩がくっつく距離だけど、別にいいよね。

 

「2人とも、ありがとう!」

「いえ、お役に立てて光栄です。」

「私共は外で待機しております。」

「うん!」

 

なんだか私も眠くなってきた。

ユフィルさんはまだ戻ってこないし、私はソファを借りて寝よう。

おやすみなさい。

 

ユフィル視点

 

んー、なんだろう。

ウルベルト様に警戒されてる気がする。用心深い人だからな・・・。

兄貴の部屋の前に着くと、魔将達がモモンガ様達に跪く。

その間を通り、ノックをして声をかける。

 

「俺です。戻りましたよー。」

「・・・。」

 

中の反応が無い。

確かに室内に3人の気配はあるんだけどな。

仕方なく無許可で扉を開ける。

先ず目に飛び込んできたのは、ベッドで一緒に眠る犬猿の仲の2人。

俺はまた扉を閉めた。

 

「ユフィル、どうしたんだ?」

「いえ、すみませんモモンガ様。俺の目は可笑しくなったみたいで。」

 

本当にここは予想外の事ばかり起こって面白いな。

しーちゃんは何をやらかしちゃったのやら、笑いを堪えるのが大変じゃないか。

 

「ユフィル、変なものを見ると扉を閉めるのはお前の癖か?」

「まあ、一度落ち着こうとしてるんです。」

「何が見えたんだ?セバスに何かあったのか?」

「たっちみー様、多分、大丈夫だと思うんですけど。」

 

一度落ち着いて、思いっきり扉を開ける。

やっぱり見えるのはベッドに一緒に眠る2人だ。

 

「ユフィル、これはどういう事だ?」

「モモンガ様、俺にもよくわかりません。」

「シエリアちゃんはどこにいるんでしょう・・・?」

 

ウルベルト様がソファを見ている。

 

「ウルベルト様、しーちゃんいましたか?」

「いるけど、此方も寝ているぞ。」

「シエリアもですか。」

 

モモンガ様と一緒にソファに駆けつけると、しーちゃんが気持ちよさそうに眠っていた。

もしかして、面倒になって寝逃げしたか?

 

「モモンガさん、ウルベルト。セバスが起きないぞ。」

「は?寝起き悪いんじゃねえの?」

 

たっちみー様の呼びかけに、ウルベルト様も兄貴に近づいて揺り起こす。

が、起きない。

モモンガ様も慌ててしーちゃんを揺すり起こす。

 

「シエリア!起きてくれ!」

「ん、うぅ?とと、様?」

「シエリア!良かった・・・。」

 

どうやらしーちゃんは大丈夫だったみたいだ。

まだ寝惚けてるみたいだけど。

 

「とと様、だっこ・・・。」

「!」

 

しーちゃんの発言にモモンガ様が一歩後ずさった。

そしてそーっとしーちゃんを抱き上げる。

 

「俺、シエリアのお父さんで良かった・・・。」

 

幸せを噛み締めていらっしゃる。

でも、いつまでもこのままは不味いよな。

 

「しーちゃん、なんで兄貴とセバスさんが一緒に寝てるかわかる?」

「あ、えっと、ごめん、なさい。」

 

しーちゃんがしょぼんとしながらモモンガ様の胸に顔を埋めた。

骨だけど、痛くないのかな?

 

「シエリア、何があったんだ?」

「じいじ、デミウルゴスさん、喧嘩、から、寝てて、言ったら、寝ちゃった。」

「えーっと、シエリアちゃん、一緒にベッドに入ったの?」

「嫉妬ちゃん、憤怒君、手伝って、もらった。」

「よかったー、デミウルゴスがたっちみーのNPCと自分から一緒に入ったわけじゃなくて。」

「それはこっちの台詞だ!」

「まあまあ、2人とも落ち着いてください。」

「しーちゃんが怯えちゃいますよー。」

「「あ、ごめん。」」

「えっと、大丈夫、です。」

 

しーちゃんの話しで喧嘩止めるのは、プレイヤーもNPCも一緒なんだな。

 

「ところで、なんでシエリアの一言で寝ちゃったんですかね?」

「いや、モモンガさん。シエリアちゃんはサージェントのクラス持ってるからでしょう。」

「でも、セバスやデミウルゴスの方がレベルは高いだろ?」

「いや、兄貴やセバスさんがしーちゃんの命令を聞くのは当たり前じゃないですか?」

「そっか、そういう要因も出てくるのか。」

 

この人達はステータスの数字だけで判断する癖があるのか。

まあ、プレイヤーならしょうがないか。

 

「取り敢えず、しーちゃんの命令で寝たならしーちゃんの命令で起きるんじゃない?」

「あ、うん。」

 

しーちゃんがモモンガ様から降りて、兄貴達に命令した。

 

「『起きて』」

 

兄貴達の瞼がピクリと反応する。

あぁ、2人が起きた時の反応が楽しみだな。

同じベッドとか、御方々の前とか、しーちゃんの前とか。

面白い反応してくれるだろうな〜。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

新携帯との戦いで書くのに時間がかかってしまいましたが、今日も投稿できました!
明日も更新しますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

68話(モモンガが怒ったり親子3人揃う話)

やっぱりじいじ達が寝ちゃったのは私のせいみたいだ。

ベッドに上がり、「起きて」って言うと、2人の瞼がピクリと反応する。

そして、ゆっくりと目を開ける。

そして目を擦りながら起き上がる。

それと同時にウルベルト様に抱き上げられ、私はベッドから離された。

 

「ウルベルト、様?」

「「・・・いったい、何が、」」

 

2人はお互いの姿を確認すると、2人は一瞬で部屋の端っこに移動して、お互いを指差して震えている。

そっか、ウルベルト様は私が2人にぶつからない様にしてくれたのか!

 

「な、何故セバスが私のベッドに!?」

「わ、私が知りたいです!」

 

そんなに嫌がる事だったのか、悪いことしちゃった。

取り敢えず説明しなきゃだよね。

 

「あの、2人とも、」

「シエリア様!御方々も!この様な醜態を晒してしまい、弁明の余地も御座いません。」

「私めも取り乱してしまい、失礼致しました。」

 

2人が跪き、頭を下げる。

とと様達が顔を見合わせてどうしたものかと首を傾げている。

するとユフィルさんが笑い出した。

 

「すみません、つい、ふは、ちょっと外出てきます。」

 

どうやらユフィルさんはこの状況が笑いのツボに入ったらしい。

扉の向こうで大爆笑している。

 

「まあ、アレだ。俺も起きて隣にたっちみーがいたらぶっ殺すだろうし、それに比べたら良いんじゃないか?」

「ははは、その時は俺も返り討ちにするだろうな。」

「やれるもんならやってみろよ。」

「何なら今から試してみますか?」

「そうしましょうか。」

 

あぁ、お2人が喧嘩しだした。

私を抱き上げたまま喧嘩しないでください。

恐いです。

 

「いい加減にしてください!子供の前で恥ずかしくないんですか!?あと、ウルベルトさんはシエリア返してください。」

 

とと様が怒鳴った!

お2人も気付いたらしく、ゴホンと咳払いした後に「すみません。」と言うと、お互い離れてそれぞれじいじとデミウルゴスさんの隣に移動した。

私はとと様の腕の中に・・・あれ?私はいつミニマムから戻ればいいんだろう?

 

「デミウルゴス、先の事も含めお前の失態は全て許そう。」

「寛大なる御心、深謝申し上げます。」

「セバス、お前もだ。だか、シエリアちゃんの前での喧嘩は控えろ。お前達2人は教育係なのだ。」

「はっ、畏まりました。」

 

うん、私は迂闊にスキルが発動しない様に気を付けないと。

とと様は良かった、良かったと頷いている。

やっぱりとと様は御方々のまとめ役なんだな。

とと様すごく格好いいな。

 

そんな事を思っていると、とと様がぶくぶく茶釜様からメッセージを受けたらしい。

 

「たっちみーさん、ウルベルトさん。ぶくぶく茶釜さんとペロロンチーノさんはもう寝るそうですが、どうしますか?」

「俺もそろそろ休みます。なんだか眠くて。」

「俺はデミウルゴスと2人で話をしようかと。」

「じゃあ、俺もシエリアと一緒にいようかな。全然眠くないんですよね。」

「では私は準備をして参ります。」

「じゃあ俺達も失礼しますね。」

「はい。また後で。」

「お気をつけて。」

 

それからじいじは部屋の外にいたユフィルさんを引き摺ってたっちみー様の部屋に向かい、とと様とたっちみー様と私はゆっくり9階層に向かった。

 

「なんだか大変な事になっちゃいましたね。」

「そうですね。・・・ずっとこのままなんでしょうか?」

「え?」

「いや、嫁や子供はどうしているんだと思ってしまって。」

「勿論、皆さんやNPC達に会えたのは嬉しいんですけど。」

「たっちさんには家族がいますもんね。心配しちゃいますよね。」

「モモンガさんは心配じゃないんですか?」

「私は、現実ではただ働いて家に帰って寝るだけでずっと1人でしたから。シエリア達がいるこっちの方が、良いのかもなって。」

「そうですか・・・ウルベルトも、そうなんですかね?」

「・・・どうなんでしょう。」

 

それからとと様達は何も言わずに歩いていた。

そして、じいじがたっちみー様を呼びにきて、私はとと様ととと様の部屋に向かった。

 

「やっぱり皆、リアルの方が大事なんだよな。」

「とと様?」

「大丈夫だよ。俺はずっとシエリア達とここにいるからさ。」

「うん。」

 

とと様、元気なくなっちゃった。

どうしよう・・・。

 

「失礼っいたしまーす!」

「ん?この声は誰だ?」

 

ノックの音が聞こえて、お兄様が入ってきた。

 

「お前は、パンドラズ・アクターか。」

「はい!我が造物主であられるモモンガ様!がいらっしゃっると言う事で、ご挨拶に参りました!」

「お前は宝物殿の守護者だろう。」

「はい!モモンガ様に任せられた仕事をっ!毎日しっかりとっ!こなしておりますっ!」

「いや、私が言っているのは何故ここにいるかなのだが・・・。」

「ですからっ!モモンガ様にご挨拶に参りましたっ!」

「あぁ、そうか・・・。」

 

とと様が顔に手を当てて溜息をついた。

とと様どうしたんだろう?

 

「とと様?」

「大丈夫だ。シエリアはアイツをどう思う?」

「お兄様、格好いい!」

「おやおや〜、照れますね〜。」

「格好いいか?」

「うん!軍服、 外国語、凄い!強い!」

「そ、そうか。」

 

あ、またとと様が光った。

心なしか嬉しそうだ。

それからとと様とお兄様とずっとお喋りをしていた。

私はいつのまにか寝てしまって、朝起きたらとと様のベッドで寝ていた。

起きたらとと様とお兄様が「おはよう。」って言ってくれて、幸せな気持ちで朝を迎えたのだった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日は更新時間が遅くなるかと思いますが、更新しますので是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編ナザリック劇場〜三びきのやぎのがらがらどん〜

今回は完全に自己満足な上に、今回も配役はあみだくじで決定しました。
駄作になりますので、ご注意下さい。


ウルベルトとシエリアが一緒に食事をしていた時のことでした。

 

「そう言えば、前にやった演劇面白かったね。」

「ありがとう、ございます。」

「でも、デミウルゴスが演劇をしている所も見てみたいなー。なんて。やらないか。」

「・・・。」

 

そしてシエリアはその後直ぐに行動しました。

守護者達を集めて、ウルベルトの話をしたのです。

 

「なんと!ウルベルト様がそのような事を。」

「確カニ、アノ時デミウルゴスハ出演シテイナカッタナ。」

「でも、演目はどうするでありんす?」

「これ、前、ウルベルト様、読んだ。」

 

シエリアが取り出したのは1冊の絵本です。

そして、皆でまずは配役をまたあみだくじで決める事にしました。

 

「この配役は流石に良くないと思うのだけれど。デミウルゴス、どうかしら?」

「そうですね。流石にシエリア様を悪役にする訳には。」

「あみだくじ、絶対!」

「し、シエリア様はやる気みたいですけど・・・。」

「脚本ヲアレンジスルシカナサソウダナ。」

「アレンジでありんすか。」

「今回脚本って私じゃん!」

「お、お姉ちゃん頑張って。僕も手伝うよ。」

 

そうして、皆で準備を進め、無事本番を迎えることができました。

 

アル「本日はお忙しい中ご来場頂き、誠にありがとうございます。私共から至高なる御方々に送る『三びきのやぎのがらがらどん(ナザリックver)』。なお、配役につきましては真正なあみだくじにて決定させて頂きました。お楽しみ頂けると幸いでございます。」

モモ「今回はアルベドがナレーションなんですね。」

ウル「そうですね。演目が山羊って俺への当てつけでしょうか。」

 

アル「昔々あるところに、三びきの山羊の兄弟がおりました。名前はどれも、『がらがらどん』三びきは仲良く冬支度をする為に草を食べていました。」

 

デミ「うーん、ここの山の草は栄養が少ない。末弟の成長には不十分だろう。」

ユフィ「そうだな、兄貴。あっちの山ならいい草があるんじゃないか?」

マーレ「に、兄さん達、僕なら大丈夫だよ?」

デミ「何を言っているんだ。お前は何も気にしなくていいんだよ。」

 

アル「三びきの山羊は草のたくさん生えた山に向かいました。しかし、その山へと繋がる橋にはとても愛くるしく畏ろしいトロルがおりました。」

シエ「ここ、通さ、ない。通る、なら、食べる!」

 

モモ「え、シエリアがトロル役?」

ウル「・・・不安しかないな。」

 

アル「三びきは相談して、末の弟から橋を通る事にしました。」

シエ「私の、橋、ガタガタ、する、誰?」

マーレ「ぼ、僕です。い、一番小さながらがらどんです。」

シエ「ここ、通る、食べちゃう、ぞ!」

マーレ「ぼ、僕でよければどうぞ召し上がりください!」

シエ「・・・。」

 

周りはシーンと静まり返った。

そして、シエリアは慌てて周りを見回す。

マーレは覚悟を決めてぎゅっと固く目を瞑る。

 

アル「末の弟はトロルに魅了され喜んでその身を捧げました。」

シエ「え、えっと、ガブリ?」

 

シエリアはマーレに辿々しく抱きつきます。

マーレ「う、うわー。」

舞台の灯りが消え、再び灯りがつくとマーレの姿はありませんでした。

 

アル「そして、次は真ん中の山羊が橋を渡る時になりました。」

 

シエ「私の、橋、ガタガタ、する、誰?」

ユフィ「真ん中のがらがらどんだよ。トロルさん、ちょっと通してもらえますか?」

シエ「通る、食べる。」

ユフィ「いや、でも弟食べたからお腹いっぱいでしょ?」

シエ「でも、きっと、食べれる。」

ユフィ「じゃあ、こうしよう。俺の後にもっと大きながらがらどんが来るから、そいつを食べるんだ。」

シエ「わかった。」

 

アル「真ん中のがらがらどんは無事に橋を渡る事が出来ました。最後は一番上のガラガラドンです。」

 

デミウルゴスが頭を抱えながら一歩前に出る。

 

シエ「私の、橋、ガタガタ、する、誰?」

デミ「私は一番上のがらがらどんです。」

シエ「橋、通る、食べる。」

デミ「いえ、私はこの橋を通るつもりはございません。」

シエ「え?」

 

シエリアがまたキョロキョロと周りを見回す。

 

モモ「またアドリブですね。」

ウル「まあ、マーレの時ので破綻してますからね。」

 

デミ「私はただ、貴女様と共に時を歩みたいのです!」

シエ「えっと、」

デミ「この橋は貴女様には相応しくない。共に他の地で暮らしましょう。」

シエ「私、トロル・・・。」

デミ「種族の違いなど微々たるもの!大切なのは互いに愛し合う想いです!」

シエ「愛?」

ウル「私の事はお嫌いでしょうか?」

 

デミウルゴスのしゅんとした様子にシエリアは戸惑いながら伝えます。

 

シエ「嫌い、ない。」

 

アル「素晴らしいわ!こうしてトロルと一番上のがらがらどんは結ばれ、他の地で幸せに暮らしましたとさ。」

 

アルベドが満面の笑顔で舞台を締めました。

 

ウル「ブラボー!よくやったデミウルゴス!」

モモ「いや、ウルベルトさん!劇ですからね!?ほら、シエリアが 困惑してるじゃないですか。」

 

ウルベルトはスタンディングオベーションをします。

モモンガは冷静にツッコミました。

 

その後はデミウルゴスさんが「ウルベルト様に喜んで頂けました。」とシエリアにお礼を言い、シエリアは「まぁ、喜んでいたからいいか。」と笑い、マーレは「す、すみませんでした!」と謝り、皆から「仕方ないよ。」と許された。

 

因みに御方々からは好評で、ウルベルトが上機嫌で話をするので、たっちみーが戦隊モノはどうかとセバスに進めていたのだった。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

思いっきりふざけたら、駄作が完成いたしました・・・。
明日は諸事情で投稿出来ません。
申し訳ありませんがらご了承ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

69話(シエリアがヤキモチを焼いて探検に行く話)

朝起きて一番にとと様とお兄様が「おはよう。」と言ってくれて、ご機嫌だった私は、今最低に不機嫌である。

 

たっちみー達が眠る中、とと様は遠隔視の鏡を操作していた。

そこで騎士に襲われている村を発見した。

とと様は村を助けるべく、アルベドさんを連れてナザリックを出て行ったのだ。

そう、私ではなく、アルベドさんを連れて。

今までずっと一緒だった私ではなくアルベドさんだ。

今ミニマムじゃないから、私だって人間なんかに負けないのに!

そういう訳で、私の機嫌は最底辺。

ユフィルさんですら距離を置くレベル。

じいじの「モモンガ様にも何かお考えがあるのでしょう。」という言葉は火に油で、じいじに八つ当たりをして部屋を飛び出てしまった。

とと様が私よりアルベドさんを選ぶ理由なんて知りたくない!

どうしようもなく、ふらふらとしているとデミウルゴスさんが前方からやってきた。

 

「シエリア様、こちらにいらっしゃいましたか。」

「・・・なに?」

「いえ、ユフィルからシエリア様の様子がおかしいと言われてきたのですが。いかがなされたのですか?」

「・・・。」

 

デミウルゴスさんは何処か嬉しそうな、でも困ったような顔をして私を見ている。

 

「楽しい?」

「シエリア様、どうかご容赦ください。お怒りのシエリア様を拝見出来き、嬉しく存じます。」

「なんで?」

「シエリア様は滅多に怒りを表現される事はありませんので。」

「私、嬉しい、ない。」

「ええ、失礼致しました。」

 

デミウルゴスさんは謝ってはいるのに、ニコニコとしている。

 

「なんで、笑う?」

「シエリア様、私は悲しみより怒りが好きなのです。」

「?」

「悲しみは心を消耗させますが、怒りはエネルギーを生みます。『人は怒りや悔しさをバネにして成長することがある。』とやまいこ様が仰っておりました。」

「やまいこ様。」

「はい。現に私もセバスがウルベルト様と共にいる不快感を作品にぶつけております。」

「お、おぉ・・・。」

 

ギリリと奥歯を噛み締めて、怒りに満ちたデミウルゴスさんは少し恐かった。

でも、焼きもちを焼いていて可愛いと思えてしまうのは何でだろう?

デミウルゴスさんもこんな感じだったのかな?

ちょいちょいと手招きをして、デミウルゴスさんに屈んでもらう。

 

「如何なさいましたか?」

「いい子いい子。」

「!」

 

何となく撫でてみる。

デミウルゴスさんは驚いているけど、直ぐに優しく笑ってくれたから喜んでいるんだろう。

 

「シエリア様、もし御方々から御許しいただけましたら、ナザリック周辺の散策を致しませんか?」

「散策?」

「はい。私は防衛指揮官の身でありながら、周辺の地理をまだ詳しく調べてはおりません。私と同行するという事でシエリア様も外を見られるのは如何かと愚行致しました。」

「周辺調査?」

「はい。シエリア様自身で地理を把握した方が緊急時の避難や対処が迅速に行えます。また、周辺の生態系を理解する事は勉強にもなりますし。」

「行きたい!」

 

とと様だってアルベドさんと一緒に出かけてるんだもん。

許可は出してくれるよね?

まあ、デミウルゴスさんが何とかしてくれるだろう。

 

「楽しみ!」

「はい!私もです。」

 

さっきの不機嫌はどっかに行き、今は上機嫌になった。

すると後ろから「しーちゃん助けてー。」というユフィルさんの気の抜けた声が聞こえた。

振り向くとじいじがユフィルさんに抑えられ、ウルベルト様が笑ってる。

 

「どう、したの?」

「シエリア様!いくら外に危険地帯が無いと言っても、万が一の事が御座います!私も同行させて頂きます!」

「落ち着いてって、セバスさん。邪魔しちゃ駄目だよ。」

「良くやったぞ。デミウルゴス!」

「こ、光栄で御座います?」

 

私もデミウルゴスさんも状況がよく分からない。

2人で首を傾げていると、とと様が戻ってきた。

 

 

モモンガ視点

 

思ったよりこの世界の人間は弱かったな。

でも、ユグドラシルのモンスターもいるとなると他のプレイヤーもいるってこともありえるし。

あー、でも勝手に「アインズ・ウール・ゴウン」って名乗ったのはまずかったかな?

でも、他のプレイヤーなら気付いてコンタクト取ってくるかもしれないし。

 

 

「あ、モモンガさん。お早うございます。」

「おはようございます。ウルベルトさん。他の皆も、おはよう。」

「「お早うございます。モモンガ様。」」

「おはようございまーす。どうでした?外の様子は。」

「あぁ、少なくともこの近辺の人間は弱い事と、多少の地理が判明したくらいだ。」

「あ、俺詳しく知りたい。」

「じゃあウルベルトさんは書斎で話しましょう。地図も貰ったので。」

「おう。あ、デミウルゴスからモモンガさんにお願いがあるみたいですよ。」

 

やけにニヤニヤしてウルベルトさんが言ってきた。

何だろう、デミウルゴスからって珍しい気がする。

 

「なんだ?デミウルゴス。」

「は!ナザリックの防衛の為、この目で周辺地理の確認をしたいのです。緊急時の為にシエリア様にも同行して頂ければと。」

「シエリアが行く必要はあるのか?」

「緊急時のシエリア様の避難の為に周辺の地理を一度直々にご覧頂いた方が良いかと愚考致しました。」

「そうだな・・・。」

 

確かに緊急時以外にも周辺地理を知っていた方がいいか?

シエリアの方を見ると、キラキラと期待いっぱいの眼差しで俺を見ていた。

そんなに外に出たかったのか。

まあ、確かに転移前はずっと冒険に出てなかったし、さっきも俺と一緒に行くって駄々こねてたし。

 

「いいだろう。連れて行く者は人数含め、デミウルゴスに任せる。」

「ありがとうございます。」

「外!いいの!?」

「あぁ、でも危なかったら直ぐに戻ってくるんだぞ。約束だ。」

「うん!約束!」

 

ユフィルから「幼稚園児か!?」とツッコミが聞こえたが無視だ。

心配なものはしょうがない。

あ、そう言えばアイテムの作成とかもユグドラシルの素材が手に入るのかな?

 

「デミウルゴス、周辺調査の際にアイテムに使えそうな素材が有るかも確認してきてくれないか。今後のアイテム作成に利用する為、安定供給出来るかも今後実験するとしよう。」

「畏まりました。」

「セバスにはプレアデスの事で相談がある。付いてきてくれ。」

「・・・畏まりました。」

 

取り敢えずはこれでいいかな?

後はウルベルトさんと相談して、たっちさん達が起きてきたらまた相談だな。

 

ウルベルトさんとセバスと書斎に向かった。

道中ウルベルトさんに「よくデートを許しましたね。」と言われて、歩みを止めた。

 

「デート、なんですか?」

「デートじゃないんですか?」

「デートの筈がありません!!」

「そ、そうだな。デートではなく周辺調査だな。」

 

俺よりセバスが怒っていて、シエリアはNPC達に愛されていると実感すると同時に、やっぱりデートっぽいと思って胃が痛くなった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

お休みを頂きすみませんでした!
明日も更新できる予定なので、是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

70話(探検前の話)

とと様達が書斎に行ってしまった。

 

「取り敢えず、装備整える?」

「うん。」

「では少々失礼致します。後程シエリア様のお部屋に伺いますね。」

「あ!皆白衣で同一で!」

「なんで?」

「研究者っぽくていいじゃん?俺白衣好きなんだ〜。」

「ユフィル、遊びではないのですよ。」

「面白そう。」

「・・・シエリア様が仰るなら。」

 

デミウルゴスさんは渋々了承して、自室に向かった。

私とユフィルさんは一緒に私のというか、とと様の部屋に向かう。

確か白衣はあっちにしまっていた筈だ。

 

「しーちゃん、俺女装していい?」

「え?」

「ナザリックに来てから全然してない。」

「別に、いいよ。」

「やったー!あ、しーちゃんには眼鏡貸してあげるね!」

「いらない。」

「タイプの違うやつだけど、兄貴とお揃いだよ。」

「・・・着ける。」

「しーちゃん、今度は幸せになってね。」

「ユフィルさん?」

「なーに?」

「・・・ううん。」

 

ユフィルさんが一瞬悲しそうな顔をしたような・・・?

気のせいかな。

 

それから部屋について、ユフィルさんコーディネートの黒と白のボーダーTシャツに白衣、ショートパンツに黒いタイツと茶色の靴に肩掛けバッグと眼鏡を装備した。

髪はユフィルさんが後ろにお団子にしてくれた。

なんかユリみたいで、いつもより大人っぽい気がする!

 

「なんか研究者見習いって感じがする。」

「見習い?」

「うん。迷子になりそう。」

「ならない!」

 

そんなユフィルさんは長い黒髪に白のブラウスに黒のタイトスカートに白衣を着ていて美人女医って感じがする。

でも、何処かで見た覚えがある気がする。

元がユフィルさんだからかな?

 

「しーちゃん、採集用の入れ物と武器を忘れずに。」

「持った。」

「よし!兄貴も来たみたいだね。」

 

ユフィルさんがそう言った時に、トントンとノックの音が聞こえた。

デミウルゴスさんだ。

 

「シエリア様、お迎えに上がりました。」

「はーい!」

 

ユフィルさんがドアを開けると、デミウルゴスさんが目を丸くした。

デミウルゴスさんは水色と白のストライプのワイシャツに茶色のベストに紺色のズボンを履いて白衣を羽織っている。

なんだか名医って感じがして格好良い。

 

「シエリア様、とても似合っていらっしゃいますね。普段とはまた違う洗練された魅力を感じます。」

「ありが、とう。デミウルゴスさん、格好いい。」

「っ光栄でございます。」

 

なんだか照れちゃうな。

でも、ユフィルさんは少し不満気だ。

 

「兄貴、俺はー?」

「服がいつもと違うくらいじゃないかな?」

「いやいや、メイクバッチリだよ!?こんな美人あんまりいないよ?」

「すまない、シエリア様以外の女性は美しいとは感じないようだ。」

「はー、惚気ですか。そうですかそうですか。」

「ユフィルさん、綺麗。」

「しーちゃんの優しさが辛い・・・。」

「ほら、早くウルベルト様達に挨拶をして行きますよ。」

 

デミウルゴスさんがユフィルさんを引き摺っていく。

メイドさん達が驚いているけど、「お出かけ」って言ったら笑って「行ってらっしゃい。」と手を振ってくれた。

 

とと様達がいる書斎に着き、ノックをして中に入る。

すると、とと様もウルベルト様もじいじもアルベドさんも首を傾げた。

白衣って変かな?

 

「変?」

「いや、シエリアちゃんとデミウルゴスは似合ってるんだけど、一緒にいるのは、ユフィルか?」

「そうですよ!しーちゃんが女装しても良いって言ってくれたんで!似合ってます?」

「そう言えばそう言う設定でしたね。」

「悔しいけど、そこそこ美人ね。」

「ありがとうございまーす!ほら、兄貴これが正しい感想ですよ!」

「まだ根に持っているのかい?」

「ん?何かあったのか?」

「ウルベルト様、聞いてくださいよ!兄貴ったら俺のこの姿を見てなんて言ったと思います?」

「んー、シエリアちゃんの方が綺麗だ。とか?」

「違うんですよ!しーちゃん以外の女は美しいとも思わないって。」

「まあ!」

「「なっ!」」

「言うなー、デミウルゴス。」

「「・・・。」」

 

ユフィルさん、なんでそれを今言っちゃうんだ。

皆驚いてるし、恥ずかしい。

 

「あ、セバスさん、ちゃんとしーちゃんから目を離さないようにするのでご安心を。」

「呉々も、よろしくお願いします。」

「じゃあ行ってきまーす。」

「行って参ります。」

「いって、きます。」

 

私達は一礼して部屋を出ようとした。

 

「あ、デミウルゴス。幼稚園って知ってるか?」

「申し訳ありません、ウルベルト様。存じ上げません。」

「そうか。それでいい。デート楽しんでおいで。」

「で、デート等、私は只シエリア様を元気づけようと愚考したまでです!」

「デミウルゴス、デートじゃないんだな?」

「はい!デート等と不埒なものではありません!」

「いや、明らかにデートでしょ。」

「ユフィル!デートではありません。」

「セバス!人の恋路を邪魔するものではないわ!」

「デートなんだな!?」

「モモンガ様、誤解です!」

 

皆がデートかどうかで何故か喧嘩しだした。

どうすればいいんだろう。

えっと、デート派がウルベルト様とアルベドさんとユフィルさんで、デートじゃない派がとと様とじいじとデミウルゴスさん。

そもそもデートの定義ってなんだっけ?

私はウルベルトさんと口論?中のとと様のマントを引っ張り聞いてみることにした。

 

「そもそもウルベルトさんは昔からデミウルゴスとシエリアを、」

「とと様、とと様。」

「ん?どうした?シエリア。」

「デート、なに?」

「・・・。」

 

周りが一気に静かになった。

やっぱりこのタイミングで聞いちゃダメだった?

 

「う、ウルベルトさん、どうしましょう?」

「うーん、いざ聞かれると答えにくいな。」

「シエリア様!デートというのはですね!愛し合う2人が出かけて、その後あんな事やこんな事をするのです!」

「アルベド!貴女は何を言っているのです!違いますよ。シエリア様、もっと健全なものですので。」

「いや、あながち間違いでもない様な?」

「ユフィル!なんて事を言うのですか!」

 

デミウルゴスさんがアルベドさんを、じいじがユフィルさんを説教し出した。

とと様とウルベルト様は2人でうーんと唸っている。

 

「恋愛感情を持っている者が2人で出かける事でいいんじゃないか?」

「そうですね。シエリア、そう言う事だ。」

「じゃあ、デート、違う。」

「そうだな。今回は違うな。」

「でも俺が単独行動を、むぐっ、」

「ユフィル、先程シエリア様から目を離さないと言いましたよね?」

「・・・イエッサー。」

 

ユフィルさんが余計な事を言おうとしたけど、怖い顔をしたじいじに止められていた。

取り敢えず、デートではないという結論に落ち着いたので、とと様達に挨拶をして外へと向かった。

 

 

「モモンガさん、これってはじめてのおつかいですかね?」

「あ、デートじゃなくそっちかもしれませんね。」

「モモンガ様、ウルベルト様、遠隔視の鏡のご用意が終わりました。」

「「セバス早いな。」」

 

そんな会話をされているとも知らずに。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

次回は遂にデート?の様なおつかいです!
明日も更新しますので、是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

71話(探検で危機一髪の話)

デミウルゴス視点

 

ナザリックの最上階に向かうと私の白衣の裾を引っ張られた。

なにかと思い振り向くと、シエリア様が不安そうに裾を握っていらっしゃる。

 

「シエリア様?」

「しーちゃんどうしたの?」

「とと様・・・。」

 

あぁ、モモンガ様がいらっしゃらないから不安なのですね。

 

「シエリア様、宜しければ手を繋ぎませんか?」

「手?」

「はい。実はウルベルト様の同行以外でナザリックの外に出た事がないもので、少し不安になってしまった様です。」

「デミウルゴスさん、も?」

「はい。」

 

シエリア様は少し考えた後、ゆっくりと私の手を握って下さいました。

シエリア様ははにかんだ笑顔で不安は和らげて頂けたようです。

 

「俺も手繋ぎたい!」

「私?デミウルゴスさん?」

「え?しーちゃん、男と手を繋ぎたい男はいないよ。」

「ユフィル、貴方と言う人は・・・。」

 

私が呆れていると、ユフィルはさり気なくシエリア様の手を握った。

まあ、シエリア様が笑顔なので見逃しますが。

 

「あ!どうせなら、せーので皆一緒に一歩踏み出そうよ!」

「なんですか、それは?」

「楽しそう!」

「でしょう?」

 

全くユフィルは、でもシエリア様がお喜びになるならば良いでしょう。

手を繋いで一列に並び、3人で合図をする。

 

「行くよー!いっせーのーせっ!」

 

ユフィルの声に合わせて一歩踏み出す。

するとシエリア様が急に走り出しました。

 

「しーちゃん?」

「早く、行く!」

「シエリア様、焦らなくても何も逃げませんよ。」

 

さっきの不安は無くなり、今は好奇心が刺激されているのでしょう。

私とユフィルの手を引っ張り前に行こうとするシエリア様は可愛らしいですが、転びそうで心配です。

 

「シエリア様、先ずは周辺の安全確認を致しましょう。細かい調査はそれからです。」

「安全、確認?」

 

シエリア様はキョロキョロと周りを見渡す。

確認は目視だけはないのですが、可愛らしいです。

 

「俺がちょっと見てくるよ。しーちゃんは兄貴と2人っきりで、待っててね。」

 

ユフィルがそう言って意味ありげにウインクをして行ってしまった。

全く馬鹿なのか阿呆なのか・・・。

 

「ユフィルさん、早い。」

「そうですね。ではユフィルが戻ってくるまで、あの辺りの植物を調べてみましょうか。私で分かるものがありましたらご説明します。」

「うん!デミウルゴス先生!」

「シエリア様、マーレの仕掛けた罠が、シエリア様!」

「わっ!?」

 

私が言い終わる前にシエリア様目掛けて植物の蔦が伸びる。

私は咄嗟にシエリア様を抱き締めたが、共に蔦に拘束された様だ。

 

「デミウルゴス、さん?」

「申し訳ありません、シエリア様。これはマーレの仕掛けた罠の1つ『束縛の蔦』で御座います。名前の通り対象を蔦で絡めとり、絞め殺してから養分として取り込む植物トラップで御座います。暫く動かなければ生き物と判断されずに拘束が解かれますので、窮屈ですが御容赦下さい。」

「うん・・・っデミウルゴスさん!?あの、蔦。」

「失礼致します。」

 

シエリア様が身じろぎをしたので、蔦が拘束を強める前に身を屈め、両腕をシエリア様の腰に回し、尻尾をシエリア様の足に巻き付けた。

 

「くっ、シエリア様、この蔦は対象を突いたりと刺激をして動く様に仕向けます。擽ったいでしょうが、どうか蔦が諦めるまで耐えて下さい。」

「う、うん。」

 

炎で焼き払えばシエリア様もダメージを受ける可能性もありスキルは使用出来ない。

もしくは私にコキュートスの様に腕力があれば蔦を引き千切れるのですが。

私に出来るのは、せめてシエリア様が苦しくない様に腕や尻尾に力を入れて耐えるのみ。

ユフィルが早く戻ってくるか、蔦が諦めるのを待つしかない。

不甲斐ない自分に腹が立つ。

 

 

シエリア視点

 

どうしよう。

デミウルゴスさんが蔦が私に巻きついて苦しくないようにしてくれているけど、その代わりデミウルゴスさんの腕に蔦が食い込んでミシミシと音がする。

私が辛いのはデミウルゴスさんが私を抱え込む形になったから、背伸びをしている足がプルプルすることか。

そして、今一番厄介なのは突いてくる蔦じゃなくて、首や耳にかかるデミウルゴスさんの吐息だ。

擽ったくて息がかかる度にビクリと勝手に体から反応してしまう。

こんな状況でデミウルゴスさんの匂いとか、意外と筋肉が凄いとか変な事を考えて意識してしまう自分が嫌になる。

デミウルゴスさんはこんなに辛そうな顔をして私の為に耐えてくれているのに、凄くドキドキてしてクラクラする。

 

「デミウル、ゴス、さん、大丈、夫?」

「っえぇ、これくらい、なんとも、ありません、よ。」

 

そう言って無理して笑うデミウルゴスさんを見るのが辛くて涙が溢れた。

私の中でデミウルゴスさんへの愛しさとか、切なさとか色んな感情がごちゃごちゃになる。

でも、もういいと思う。

きっと蔦も私達を絞め殺そうとしていて、抵抗するだけ無駄だと思う。

私の事さえ考えなければ、デミウルゴスさんだけなら逃げる方法もあるはずだ。

 

「シエリア、様、どうか、泣かないで、下さい。シエリア様は、私が、守ります。」

 

だから、私の為に頑張っているデミウルゴスさんに私が言わなきゃ。

私はデミウルゴスさんが好きで、だから死んでほしくないもん。

 

「デミウルゴスさん、もう、『耐えない、で』」

 

ちゃんと笑えてるか分からないけど、私は想いが伝わるといいなと思いながら、デミウルゴスさんに口付けた。

なんだか恥ずかしくてすぐに下を向いてしまったけど。

 

その後ブチブチと蔦が引き千切られた音がして、一瞬焦げ臭い臭いがした。

そして顔を上げようとした瞬間デミウルゴスさんが倒れてきた。

私は支える事が出来ずに一緒に地面に倒れ込む。

デミウルゴスさんの白衣の腕の部分に血が滲んでいた。

 

「デミウルゴスさん、大丈夫!?」

「申し訳ありません。無理をしたら、一気に力が抜けてしまいました。これが、火事場の馬鹿力と言うものでしょうか?」

「・・・。」

「シエリア様、私は未来永劫、何があろうと貴女をお守り致します。ですので、どうか私を信じてお側に置いて下さいませんか?どうか、先ほどのような命令はなさらないで下さい。」

「ばか、ばか、デミウルゴスさん、ばかぁっ!いなく、なる、許さ、ない、から!」

 

そう言ってデミウルゴスさんが笑うから私は安心して、でも、無茶をしたのが許せなくて、涙ばかり出てきて、ありがとうは言えなかった。

 

 

 




最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

なんでこうなったのか、ほのぼのデートもしくははじめてのおつかいの予定だった筈なのですが・・・予定は未定なんでしょう。
明日はユフィル&ウルベルト視点になる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

72話(71話の時あの人達は・・・の話)

私が落ち着いた後、デミウルゴスさんの怪我の具合を見る。

やはり相当蔦が食い込んでいた様で、骨は無事のようだけど出血が酷い。

 

ポーションはユフィルさんが持っているし、どうしようと思っているとデミウルゴスさんが言った。

 

「シエリア様、手当は大丈夫ですので歌って頂けませんか?」

「歌?」

「はい。ダメでしょうか?」

 

歌、何を歌えば、あ、確か癒しの歌があるじゃないか!

流石デミウルゴスさん!

私はデミウルゴスさんの傷が治るようにと願いながら歌った。

デミウルゴスさんの体が輝いて、傷が治っていく。

驚いた顔をしているから、本当に歌を聞きたかっただけなんだと笑ってしまった。

 

 

ユフィル視点

 

いやー、これはやっちまった。

ちょっと様子を見るだけと思ったら、マーレ君の罠が巧妙過ぎて油断したら死にそうだ。

いっそのこと焼き払ってしまいたい。

きっとこれはぶくぶく茶釜さんの入れ知恵だろう。

しかも、罠の中に女冒険者の装備を外す仕様や触手が混じっているのはペロロンチーノさんの仕業か。

これは兄貴達は空中から見回ってもらった方がいいな。

 

「てか、罠のせいで周辺の動物も植物もほぼ使えねーじゃん。」

 

生態系がこれでもかと破壊されている。

下手にしーちゃん連れ歩くと危ないし、兄貴に報告して遠出するか戻るかしないとな。

取り敢えず戻ろうと振り返ると鼻先ギリギリまで炎の壁が迫って消えていった。

間一髪、いや、兄貴のスキルだ。

急いで戻らないと!

 

と、急いで戻ってきたけど、声掛けられない雰囲気だ。

何があったかよく分からないけど、兄貴がボロボロでしーちゃんが泣いている。

しーちゃんが罠に引っかかって、兄貴が無茶して助けたみたいな感じかな?

 

あ、歌い出した。

そう言えば魔界から逃げてすぐ歌ってるあの子を見つけたんだよな。

俺があの時、俺達兄弟なんだって教えてあげれば、あの子はあの世界で今みたいに笑えてたのかな?

いや、ユグドラシルに放り込んで正解だったけど。

 

 

ウルベルト視点

 

あのユフィルと言うNPCは他のNPCと明らかに知識が違う。

ユグドラシルの崩壊はユグドラシルのNPCとしてあり得る話ではあるが、デミウルゴスさえ知らない幼稚園児と言う単語を知っているのは、異様だ。

他のNPCやアイツの様子から転移前と転移後のアイツは同一人物と考えて良さそうだ。

シエリアちゃんやデミウルゴス達に敵意がある訳ではなさそうだが、俺達プレイヤーには何故か壁があるような気がする。

兎に角、今回の件で何かわかれば良いが。

今は若干娘のデートを尾行している父親みたいなモモンガさんを何とかしないとな。

ん、デミウルゴス達は今最上階に着いたか。

 

「あ、デミウルゴスとシエリアが手を繋いだ!」

「モモンガさん、落ち着いて。ほら、ユフィルも手を握ってますよ。」

「でも、」

「ほら、ユフィルの合図で一緒に一歩踏み出しただけです。」

「本当だ。」

「ほのぼのするでしょう?」

 

モモンガさん親バカに磨きがかかってないか?

その後ユフィルが単独行動をし始めた所で、モモンガさんとセバスが「目を離さないと言ったのに!」とか騒ぎ出した。

セバスってこんなキャラだったか?

昔たっちみーの娘に男友達が出来たと騒ぎ立てた時みたいで不快なんだが。

俺は無言でユフィルに遠隔視の鏡を合わせる。

 

「ちょっと、ウルベルトさん。なんでユフィルなんですか!?シエリアとデミウルゴスを監視しないと。」

「モモンガさんとセバスが五月蝿いからです。静かに出来ないならこれは切ります。」

 

なんて嘘だけど、ユフィルの行動を監視したいだけだ。

暫く様子を伺ってると、ユフィルが罠をくぐり抜けていく。

いや、罠の数おかしくないか?

俺でもたっちみーでも無事では通れないぞ、これ。

モモンガさんも時々「うわー、アリアドネ大丈夫か?」と心配しているし。

 

デミウルゴス達が心配になり、そっちに視点を合わせるとこっちは罠に掛かっていた。

 

「シエリア!」

「デミウルゴス!」

 

あれは『束縛の蔦』だったか、デミウルゴスのスキルを使えば何とかなるだろうが、あんなに雁字搦めでしーちゃんが一緒となるとどうしようもない。

 

「ウルベルトさん!助けに行きましょう!」

「えぇ!」

「私共もお供いたします!」

「・・・あ。」

 

モモンガさんとアルベドとセバスが急いで扉を出て行った。

俺は扉に向かう直前に遠隔視の鏡に映った物に気を取られて、固まってしまった。

なにせ、シエリアちゃんがデミウルゴスにキスをした!

しかも一瞬だけ、蔦を引き千切った時に最終形態になっていた気がする。

 

「ククク、流石デミウルゴスだ。」

 

自然と笑いが込み上げてくる。

コックに頼めば赤飯とか出来るのか?

いや、モモンガさんが発狂しかねないから暫くは内緒にしておこう。

 

俺はワープでデミウルゴス達の元に向かった。

ユフィルの行動は不明だが、今はデミウルゴス達が心配だ。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!
明日も更新しますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

73話(モモンガも心配だった話?)

歌を歌い終わると、ウルベルト様が突然ワープで現れた。

 

「デミウルゴス、シエリアちゃん、大丈夫か?」

「ウルベルト様!申し訳ありません、この様な失態を。」

「私、悪い。」

「いや、今回は加減を間違えたぶくぶく茶釜さんとペロロンチーノさんにも責任はある。それよりも、モモンガさんが来てないようだがまだ来てないか?」

 

とと様?まだ見てないけど・・・。

 

「モモンガ様はいらっしゃっておりません。」

「そうか、ならば2人の関係はモモンガさんとセバスにはまだ言うな。絶対反対されるぞ。もう少し子離れが出来てから言うんだ。いいな?」

「流石ウルベルト様!全て御見通しでしたか。」

「まあ、な・・・。」

 

ウルベルト様、もしかして全部見られてた?

それはそれで恥ずかしい。

 

「ところで、ユフィルはいつまでそこにいるんだ?」

「あー、今回は出て行くタイミングが無かっただけで、覗き見じゃないよ?」

「今回、は?」

「しーちゃんは気にしないでー。あ、モモンガ様達来たみたいだよ。」

 

ユフィルさんが指差した方からとと様とじいじとアルベドさんが猛スピードでやってきた。

 

 

「シエリア!無事か!?」

「「シエリア様!」」

「とと様、じいじ、アルベドさん!」

 

とと様に抱きしめられる。

ちょっと痛いけど、心配してくれて来たんだよね。

 

「本当に、良かった・・・。」

「とと様、ごめん、なさい。」

「お前が無事ならいいんだ。」

「モモンガ様!申し訳ありませんでした!全て私の不徳で御座います。どうかこの挽回の機会を頂けないでしょうか?」

「デミウルゴス、今回は誰が悪いという事ではない。だか、そうだな。ユフィルと2人で素材探しを頼もうか。」

「感謝致します!」

「りょうかーい。」

「とと様、私も。」

「お前は留守番だ。」

「でも、」

「しーちゃん、俺と兄貴で安全確認したら一緒に行こう?あ、モモンガ様。情報収集の為に人間の街にやってもいいですか?」

「ふむ、構わないが、人間に危害は加えるなよ。」

「大丈夫ですよー、俺は人間好きですから。」

 

ユフィルさんが片手でパタパタと振りながら笑う。

私も行きたかったが、仕方なく我慢しよう。

そう思っていると肩にポンと手を置かれた。

 

「シエリアちゃんは、暫くモモンガさんの側にいてあげて。」

「・・・うん?」

 

ウルベルト様が若干遠い目をしている気がする。

何かあったんだろうか?

とと様の方を見ると、涙は出ていないが目元に手を当てている。

もうすぐお昼だしとと様とご飯、は食べれないけど、その後一緒に本でも読もうかな?

あれ?そう言えば、たっちみー様やペロロンチーノ様やぶくぶく茶釜様はまだ起きてこないのかな?

私はナザリックの方を向いて首を傾げた。

 

「シエリア様?如何なさいましたか?」

「じいじ、たっちみー様達、寝坊?」

「まだ寝ていらっしゃるようです。きっとお疲れなのでしょう。」

「たっちさん、珍しいな。」

「他の2人は昼夜逆転してても納得なんだがな。あ、モモンガさん、寝起きドッキリして来ましょうか?」

「いや、ウルベルトさん、駄目ですよ。」

「俺もドッキリしたいです!」

「ユフィル、何を言っているんだ。私達は調査に行くんだ。」

「ちぇ、はーい、行きますよ!行ってきます!」

「それでは、行ってまいります。」

 

ユフィルさんもキラキラとした目で手を挙げたが、デミウルゴスさんに怒られ、少し不貞腐れて、デミウルゴスさんと一緒に調査に向かっていった。

 

「さて、ナザリックに戻りましょうか。」

「そうですね。あ、そう言えば図書館にボードゲームとかありませんでしたっけ?アレやりません?」

「良いですね。シエリアもやるか?」

「ゲーム、やる!」

 

とと様とウルベルト様と私は図書館へと向かい、じいじは飲み物を取って来ると厨房に、アルベドさんはデミウルゴスさんがいないのでナザリックの警戒を強化すると言って、他の階層守護者の所へ向かった。

 

 

 

 




最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

今回はあっさりした内容になってしまいました。
申し訳ありませんが、今後は諸用の為水曜日はお休みさせて頂きます。
毎日投稿にしたかったのですが、週6投稿になります。
ご容赦ください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

74話(ナザリック版チェスの話)

私はとと様とウルベルト様と一緒に図書館へ向かった。

さっき言っていた様に、図書館の一角に明らかに本ではなく箱が並んでいる棚があった。

 

「お、あったあった。モモンガさん、どんなのありましたっけ?」

「確かトランプとか人生ゲームとかチェスとかTRPGとか、人狼ゲームとか色々あったと思いますよ。」

「シエリアちゃんは何がやりたい?」

「えっと?」

「あ、どんなゲームか分からないか。じゃあシエリアは最初は俺と一緒にやろうな。」

「うん!」

 

あんまりゲームとかやった事ないけど、とと様と一緒に出来るのは嬉しいな!

とと様とウルベルト様はゲームの箱を1つ1つ確認している。

すると、真っ黒な箱を持ってウルベルト様が首を傾げた。

 

「こんなゲームあったか?」

「んー、俺も覚えがないですね。開けてみましょうか?」

 

とと様達がその箱を開けると、中にはチェスボードと黒と白の駒が入っていた。

しかし、駒はチェスとは違い階層守護者の形をしている。

 

「これは、チェスとは違うのか?シエリア分かるか?」

「ううん、知らない。」

「皆様お待たせ致しました。お茶をお持ち致しました。」

 

皆んなで首を捻っていると、丁度お茶を入れたじいじがやってきた。

 

「あぁ、セバス。このゲームは何か分かるか?」

「はい。此方は以前シエリア様に戦略を学んで頂く為に階層守護者の皆様と私とユフィルで作成した『目指せ知将!チェスinナザリック』で御座います。」

「ほう、お前達が作ったのか。よく出来ているな。」

「勿体無きお言葉で御座います。」

「セバス、シエリアちゃん用に作ったのであれば、何故シエリアちゃんがコレを知らないんだ。」

「此方はまだ未完成なので御座います。」

「未完成?」

「そうで御座います。シエリア様。此方は各駒の初期位置とゲームバランスの調整が終わっておりません。」

「ゲームバランスはいいとして、初期位置が決まらないと言うのはどう言う事だ?」

 

とと様の質問に、じいじがチェスボードに王冠の駒をキングの位置に設置して、他の駒を置きながら説明していく。

 

「シエリア様がキングのポジションとして想定致しますと、教育係である私とデミウルゴス様が隣に配置されて然るべきだという意見と、守護者統括のアルベド様とシエリア様の兄であるパンドラズ・アクター様が隣だと言う意見が御座います。他にもシエリア様の前方には遊び相手のユフィルを配置するか、守護者最強と謳われるシャルティア様を配置するか等様々な論争が繰り広げられております。」

「学校の席替えみたいだ。」

「因みに各駒の性能はチェスとはどう違うんだ?」

 

とと様、心の声が漏れてますよー。

私も同じ事思ったけど。

 

「はい。各駒に体力と攻撃力とスキルを設定しております。シャルティア様が体力3の攻撃力が2で、敵を3体以上倒すと周囲1マスの範囲にいる敵味方関係なく攻撃致します。」

「シャルティアの血の狂乱を再現しているのか。」

「味方も巻き込まれるのは厄介ですね。」

「コキュートス様は体力4の攻撃力3で周囲1マス以内の敵の行動を−1マスする事が出来ます。アウラ様が体力2で攻撃力1前方横3マスの敵に攻撃が可能です。マーレ様は体力攻撃力共にアウラ様と同じですが、前方縦3列が攻撃範囲となります。」

「3人は使いやすそうだな。」

「コキュートスの−1マスって事は、2マス以上動けるキャラクターがいるんだな。」

「はい。僭越ながら私とアウラ様とユフィルが一度に2マス移動可能で御座います。私は回復を、ユフィルは身代わりを担当しております。」

「味方の身代わりになる事が出来るのか。」

「シエリア様のみの身代わりで御座います。ユフィルはシエリア様が関わらなければほぼ動きませんので。」

「そうなのか?」

「はい。なにかと理由をつけて仕事を逃れています。」

「ふむ・・・。」

 

ゲームにそこまでのリアリティは求めなくても良いのでは?

ウルベルト様がなにか考え込んでいる。

 

「それで、デミウルゴスはどうなんだ?」

「デミウルゴス様は体力2で攻撃力1ですが、支配の呪言により周囲1マス以内の敵1体を操る事が出来ます。」

「ほう、中々の再現度だな。」

「アルベドとパンドラズ・アクターはどうなんだ?」

「はい。アルベド様は体力4攻撃力2で周囲1マス以内の味方の体力を1プラスする力が御座います。パンドラズ・アクター様は体力3攻撃力3で周囲1マス以内のキャラクタ一1体のスキルを使用する事が出来ます。」

「パンドラの変身能力をスキルの効果として使用したのか。」

「全体的に中々のゲームバランスだと思うが、何が問題なんだ?」

 

確かに、皆のバランスがそこまで問題になるほどの差は無いと思う。

 

「問題はシエリア様のスキルで御座います。」

「私?」

「はい。シエリア様のスキルを融解吸収として広範囲の敵を倒せる仕様にするか、癒しの歌として周囲の回復をするか、若くは倒した敵をアンデットとして使役出来るようにするかで論争が続いております。」

「あー、論争が眼に浮かぶ。」

「自分達は決められてもシエリアが絡むと意見が白熱するのは俺達もでしたね。」

「シエリアちゃんの設定決める時凄かったですからね。」

 

そういえば、そんな事もあった気がする。

今思えば闘技場の修復大変だっただろうな・・・。

懐かしく思いながら近くにあったお兄様の駒を持ってみる。

そういえばすごくそっくりだけど、これは皆んなで彫ったのかな?

 

「これ、皆、彫った?」

「いえ、チェスボードと駒はデミウルゴス様が材料から全てを担当致しました。」

 

それを聞いて駒をさっとテーブルに置く。

デミウルゴスさん担当なら高確率で材料人間だ。

 

「シエリアちゃん?」

「シエリア?どうかしたのか?」

「なんでもない。」

「「?」」

 

じいじの方をチラリと見ると、小さく頷かれた。

やっぱり、これ人間の多分侵入者の骨なんだろうな。

私は複雑な気分でチェス一式を見ていた。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

なんだか勝手に作ったゲームの設定の説明だけで終わってしまいました。
本当にオーバーロードのチェスみたいなのが商品化されないかなーと思いながら書いていたらこんな事に・・・。
オリ主の所をアインズ様にして、倒した敵をアンデットとして召喚!とかやってみたいです。
願望垂れ流し失礼しました。

明日も投稿しますので、是非お楽しみ下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

75話(神経衰弱とモモンガの食事事情の話?)

チェスは置いておいて、とと様達と神経衰弱をしている。

最初は私ととと様チーム対ウルベルト様だったのだが、ウルベルト様の圧勝だった。

次はウルベルト様と私チーム対とと様で私達の勝ち。

そして今はじいじを加えてとと様と私とじいじチーム対ウルベルト様だ。

 

「これとこれが一緒で、よっしゃ!モモンガさん頂きます。」

「あー、ウルベルトさん本当に強いですね。シエリア、次はどこにする?」

「えっと、これ。」

「あ、これどこかで見たような・・・。」

「此方で御座います。」

「「おぉ!すごい!」」

「いえ、勿体無き御言葉で御座います。」

「セバス。お前のそういう所たっちみーにそっくりだな。この勝負絶対勝ってやる。」

「では、真剣にお手合わせ願います!」

「「おー・・・。」」

 

2人で白熱してとと様と2人取り残された。

仕方なくゲームの棚を漁ると人狼ゲームという箱があった。

 

「とと様、これ、なに?」

「ん?それは人狼ゲームといって、村人の中に隠れた人狼を探すゲームだ。」

「人狼、ルプスレギナ?」

「そうだな。ルプスレギナも人狼だな。これは村人や占い師や怪盗や狂人や人狼などの決められた役職になりきって、勝利を目指すゲームだ。大人数の方が楽しめるから、今度皆んなでやろうか。」

「出来る、かな?」

「シエリアならすぐ覚えられるさ。」

「ううん、デミウルゴスさん達、とと様達、嘘、つける?」

「あ、無理だ。寧ろ村人側でも人狼庇いそう。」

「とと様、これは?」

「それはTRPGだな。ゲームの進行役のゲームマスターとプレイヤーに分かれ、プレイヤーは自分のキャラになりきって遊ぶんだ。」

「楽しそう!」

「これなら皆んなで出来るんじゃないか?」

「キャラクター、人間?」

「あぁ、シエリアは人間嫌いか?」

「侵入者、嫌い。」

「そうか、お前達は侵入者以外の人間を知らないから人間を嫌っているんだな。」

 

とと様が私の頭を撫でて言った。

私は今まで侵入者しか知らないし、とと様の知り合いも皆異形種だったから、人間がよく分からない。

ユフィルさんに野良仲間の人間の話は少し聞いたけど、ピンと来なかったし。

 

「一度一緒にカルネ村に行ってみるか?あそこは悪い人間はいないぞ。」

「とと様、お出かけ?」

「そうだな。カルネ村周辺は危険もなさそうだったし、ピクニックもいいかもな。」

「ピクニック!」

 

ピクニックか、皆んなで行っても楽しいし、とと様と2人でもいいなぁ。

あ、お弁当作ってとと様に、いや、とと様はご飯食べれないんだった。

とと様、食べれなくて辛くないのかな?

 

「とと様、ご飯、辛い?」

「ん?それは食事が出来なくて辛くないか、ということか?」

「うん。」

「そうだな、たまにどんな味なのか気になることはあるが、不思議と食べれなくて辛いと思うことはないな。香りは分かるし皆の食事をしている顔もゆっくり見れるしな。」

「食べる、顔?」

「そうだな、ペロロンチーノさんがクチバシに慣れなくて上手くスプーンが使えないだとか、ぶくぶく茶釜さんの食べたものが溶けていくのとか、ウルベルトさんとたっちさんは綺麗に食べるとか。シエリアがピーマンを食べる前に覚悟を決めてたり、その後顔をしかめたりだとかな。俺はそれで満腹だ。」

「とと様!」

「うぉっ、どうしたシエリア。甘えん坊だな。」

 

私はとと様にぎゅーっと抱きついた。

この人が私のとと様で良かった。

ちょっぴり恥ずかしいけど、なんだか心があったかくなる。

 

とと様に抱きついて頭を撫でてもらっていると、遠くから「モモンガさーん!!」というペロロンチーノ様の声が聞こえてきた。

 

「ん?ペロロンチーノさん起きたのかな?図書館にいますよー!」

 

するとドドドド!という音が近づいてくる。

そして、バーンという凄まじい音と風と共にペロロンチーノ様がやってきた。

 

「モモンガさん!俺現実に、」

「ペロロンチーノさん?もっと静かに入ってこれないんですか?いい勝負だったのに、散らばっちゃいましたよ。ハハハ。」

「ウルベルトさん!?ご、ごめんなさい。ってそれどころじゃなくて!」

「真剣勝負だったんですよ?」

 

ウルベルト様の後ろからとてつもなく禍々しいオーラが出ている。

ペロロンチーノ様はウルベルト様に引き摺られて部屋の外へと行ってしまった。

「ぎゃーー!!」という声が聞こえたけど、とと様も私も部屋の外が怖くてじいじと3人で散らばったトランプを拾っていた。

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

少しずつですが話が進められそうで良かったです。
明日も投稿しますので、是非お楽しみ下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

76話(ペロロンチーノが怒られたりデミウルゴス達が帰ってくる話)

ペロロンチーノ様がウルベルト様に怒られていた後、ウルベルト様はボロボロになったペロロンチーノ様をまた引き摺ってきた。

 

「もう、ご勘弁を・・・。」

「ウルベルトさん、そろそろペロロンチーノさんを離してあげて下さい。」

「仕方ないですね。次は有りませんよ。」

「イエッサー。」

「では、私はペロロンチーノ様のお茶をお持ち致します。」

「お、ありがとう。」

「いえ、当然の事で御座います。」

 

じいじは一礼して図書館を出ていった。

ペロロンチーノ様の怪我?はスルーなんだな。

 

「大丈夫ですか?ペロロンチーノさん。」

「しーちゃんがナデナデしてくれたら治る。」

「ナデナデ?」

「シエリアちゃんストップ。モモンガさんとペロロンチーノさんは向こうで話があるみたいだから、俺と遊んでよう。」

 

頭でいいのかな?と思いながら近づくと、ウルベルト様に止められた。

とと様はゆっくりとペロロンチーノ様に近づいていく。

 

「ごめん、冗談です!戯れです!それより、俺現実に帰れたんだよ!」

「「は?」」

「?」

 

ペロロンチーノ様の言葉にとと様とウルベルト様と私は一斉に首を傾げた。

現実って、今は現実でしょう?

一瞬とと様の以前の寂しそうな姿が脳裏に浮かんだが、頭に靄ががかったように思い出せなくなった。

とと様達は異世界からゲートで来て、いや、現実から来た?

とと様が、帰っちゃう?

 

「シエリア!?どうしたんだ?」

「とと様?」

「俺なんか悪い事言っちゃった?」

「シエリアちゃん、ハンカチ使って。」

 

どうやら私は涙を流していたらしい。

 

「大丈夫、ごめん、なさい。」

「シエリア。無理には聞かないが、何かあればすぐに言うんだぞ。」

「とと様、いなく、なる?」

「いや、俺はシエリア達と一緒にいるぞ。」

 

とと様は優しく撫でてくれた。

私は安心してもう一度とと様達に謝った。

 

「もう、大丈夫!ごめんなさい。」

「いや、良いよ。モモンガさんいなくなったら、シエリアちゃん寂しいよね。」

「俺も無神経だったかも。」

「ありがとうな、シエリア。」

 

やっぱりこの人達は優しいな。と思っていると、「あ、いたいたー。」とユフィルさんの気の抜けた声がした。

ユフィルさんの方を見ると、ユフィルさんとデミウルゴスさんが扉の近くに立っていた。

 

「デミウルゴス、ユフィル、ご苦労だったな。」

「いえ、この程度雑作もありません。」

「デミウルゴス、結果はどうだったんだ?良い素材はあったか?」

「はい。ユフィルが人間の街で薬草や動物の生息地の情報を集めたので様々な種類のサンプルを取得しました。」

「街の薬師とか鍛冶屋とかに聞いたら教えてくれました。ユグドラシルの薬草とは違うみたいなので、後で実験しようと思います。動物は兄貴の『支配の呪言』で言うこと聞くから楽でした。」

「2人ともすごいな〜。」

「光栄で御座います。試作品が完成次第お持ち致します。」

「あぁ、頼むぞ。」

 

どんな動物がいるんだろう。

もふもふの動物とか、ウサギとかヒツジ

言ったらみせてくれるかな?

そう思っていたら、デミウルゴスさんが私の前に来て箱を渡してくれた。

 

「箱?」

「こちらはお土産で御座います。」

「ありがとう!」

 

早速箱を開けるとまん丸くて白いもふもふした毛玉(ウサギの尻尾みたい)が入っていた。

 

「もふもふ!」

「デミウルゴス、これは何だ?」

「ケセランパサランで御座います。」

「ケセランパサラン!?」

「実在するんだな。」

「はい。ウルベルト様。此方は偶然付いてきましたので、シエリア様にと。」

 

ケセランパサランにゆっくり指を近づけると、すりすりと体?を擦り付けてきた。

 

「お、しーちゃん懐かれてる!良かったね!」

「懐く?」

「うん、名前つけてあげれば?」

「名前・・・。」

 

どうしようかな?

もふもふしてて、丸っこいケセランパサランだから。

 

「もふまる。」

「お、シエリア、良い名前だな。」

「シエリアちゃん、ネーミングセンスは親譲りか。」

「そうですね。ウルベルトさん。」

 

もふまるは腕を伝って私の肩に乗ってジャンプしている。

何だか可愛い。

 

「もふまるー。もふもふー。」

 

手に乗せたり、頬擦りをしたりして感触を楽しんでいると、皆に微笑ましく見守られている事に気付く。

 

「気に入って頂けて何よりです!」

「幼女の姿なら文句無しだな!」

「十分シエリアはかわいいですよ。」

「同意しますが、モモンガさん親バカが過ぎますよ。」

「そうですねー。」

 

その後、とと様達は話す事があるみたいなので、他の動物達を見せてもらう事になった。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日はプレイヤー側とオリ主側どっちの話にするか悩んでいますが、きちんと更新しますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

77話(現実への帰還と今後の話)

いつもそうですが、今回は特に会話文が多くて誰が話しているか分からない所が多いと思います。
希望があれば「」の前に頭文字を入れて見やすくします!


シエリア達が出て行った後、直ぐにたっちさんとぶくぶく茶釜さんとセバスが図書館にやって来た。

どうやら2人も起きたらしい。

セバスもシエリアの様な反応になると困るので、書斎に移動しセバスやメイドを部屋の外に待機させた。

 

「それで、たっちさん達は現実に戻ったって言ってましたけど、こっちで寝たら現実に戻れるって事ですか?俺は寝てないからわからなくて。」

「いや、俺は今日寝たけど普通にこっちで起きたぞ。」

「ウルベルトさんは分からないけど、私達は普通に現実で起きたわよ。あ、夢だったのかな?って思うくらいいつも通りに。」

「なんでだろうな?俺達とウルベルトさんで何が違うんだ?」

「寝る前に何か食べたとか?俺はデミウルゴスと酒を飲んだぞ。ほら、地獄の食べ物を食べると戻ってこれないって話があるだろう?」

「え、俺はセバスからクッキーとか貰って食べてるぞ?」

「私はアウラ達と飴食べたわね。」

「俺何にも食べてない!皆んな狡い!」

「まあまあ、ペロロンチーノさん落ち着いて。」

 

なんでウルベルトさんだけ違うんだ?

俺はアンデットになったけど、戻れなくなったのか?

 

「そういえば、モモンガさんの場合って戻れるのかな?」

「え?俺ですか?アンデットだから寝れないみたいですけど、俺は別に戻れなくても良いと思います。本当はダメかもしれないけど、現実では独りだったし、ユグドラシルが生き甲斐でしたから、寧ろシエリアやパンドラズ・アクターがいる分こっちの方が俺は幸せかなって。」

 

ただの現実逃避かもしれないけど、ユグドラシルの皆で作ったアインズ・ウール・ゴウンが俺の全てだったから。

皆には、変に思われちゃうかな。

 

「俺もこの世界に来てからそう思ってたよ。現実はクソゲーだし、理解者もいない。自分らしくいられるのってこっちかなってさ。」

「そっか、俺は新作エロゲーが気になってたけど。」

「おい愚弟!空気を読みなさい!」

 

ぶくぶく茶釜さんがペロロンチーノさんの頭を叩いた。

べちょって音がしたけど、きっと叩いたのだ。

そして何よりウルベルトさんの言葉に俺だけじゃなかったと安心した。

すると、考え込んでいたたっちさんが顔を上げた。

 

「いや、もしかしたらそういう事かもしれないですよ。」

「たっちさん、どういう事ですか?」

「ウルベルトは現実に戻らなくて良いと思っていた。俺は現実の子供に会いたいと思ったし、ペロロンチーノさんは新作ゲームが気になっていた。ぶくぶく茶釜さんは仕事の事とか考えてませんでしたか?」

「確かに、思いましたけど。」

「つまり、現実に戻れたギルメンは現実に未練があって、俺にはなかったと?」

「そうだな。」

 

未練、か。

俺がもし現実に帰りたいと思ったら、帰れるのかな。

帰りたくないけど。

そンな事を考えていると、ペロロンチーノさんが真剣な声で話し出した。

 

「俺、次寝る時に実験してみます。」

「実験、ですか?」

「俺は明日休みなので、寝る前にエロゲの事考えない様にします。それでも現実に戻る様なら、別の理由があるって事ですよね?」

「なら、その作戦の為にいいこと教えてあげる。」

「なんだよ?」

「あんたが昨日買ってきてたゲームの隠しキャラ、私よ。」

「はあ!?ふざけんなよ!やる気無くなったじゃねえか!」

「だからいいんでしょ?アンタがエロゲの事考えないとか普通無理(笑)」

 

あぁ、いつもの流れに・・・でも、懐かしいな。

とりあえず今はペロロンチーノさんの実験で確認してみよう。

今の段階だとこれ以上は分からないし。

それに現実の事だけじゃなくて、今のナザリックの事も考えないと。

 

「あの、現実の事はペロロンチーノさんにお任せして、ナザリックの今後はどうしましょう?この世界でユグドラシルの硬貨は使えないみたいで、今後は金銭と情報を集める必要があると思います。」

「そうだな。とりあえずうちのデミウルゴス達に周辺調査やアイテム素材を頼んだが、もっと情報は必要だ。」

「じゃあ、シャルティア達を街に向かわせる?」

「それが、NPC達は人間嫌いが強いみたいで、出来れば俺が行ってみようかと思うんです。」

「モモンガさん自ら?大丈夫かしら?」

「シエリアちゃんが寂しがらないか?」

「それでも、シエリアが怪我しないように安全確認をしたいんですよ。」

「親バカだな〜。俺はいいけど、一応他の人間に友好的なNPCを選んで調査に向かわせよう。」

「なら、うちのセバスはどうですか?カルマ値はナザリック1高いですよ。」

「たっちの案に乗るのは嫌だが、しょうがないか。セバスが行くならやっぱり執事役だろう。お嬢様みたいな奴が必要だな。」

「お嬢様ならシャルティアはどうだ?」

「第1から第3までの管理はどうするの?それなら、同じプレアデスからソリュシャンとかいいんじゃない?あの中では一番お嬢様っぽいわよ。」

「そうですね。同じプレアデスの方が連携も取りやすいでしょうし、セバスとソリュシャンに頼みましょう。」

「じゃあ、情報収集はモモンガさんとセバスとソリュシャンに任せます。シエリアちゃん達の事は俺に任せてください。」

「ありがとうございます。ウルベルトさん。」

 

こっちの話はスムーズに決まって良かった。

他に皆で決めておく事はあったかな?

 

「そういえば、NPC達って給料とかあるのかしら?」

「ユフィルは雇用契約書とかありましたけど、他のNPCは何も言ってこないですね。」

「寧ろユフィルは契約書あるんですね。雇用NPCだからですか?」

「そうみたいです。契約更新だって言ってました。」

「なら、他のNPCも給与とか福利厚生考えないとですね。全員に契約書は難しいけど、報酬は必要でしょうし。」

「確かに、ユフィル1人だけだと不公平に思われるかも。」

「とりあえず、今の状況を把握しないとどうしようもないわね。」

「メイドの事は俺が後でセバスから聞いておきますよ。」

「じゃあ、他のNPCの事は俺がデミウルゴスから聞いておくさ。」

「たっちさん、ウルベルトさん、ありがとうございます!」

 

今後の方針はこれで粗方決まったかな。

現実と行き来する方法、この世界の情報収集、最後にナザリックのホワイト企業化だ。

あ、シエリアにはお小遣いとかあげないとだよなぁ。

なんだか不謹慎かもしれないけど、また皆でワイワイ出来て嬉しいなぁ。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日はオリ主達のパートです。
一応デミウルゴス牧場の先駆けになるのでしょうか?
明日も更新しますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

78話(デミウルゴスのアイアンテールの話?)

図書室から出て、実験室に向かう。

動物達は第6階層にいて、加工は第7階層でするらしい。

植物は第9階層で保管・実験するそうだ。

まずは近い植物から見ることになり、移動中だ。

 

「しーちゃん、俺凄く歩き辛いんだけど。俺を盾にして兄貴から隠れるのやめてくれる?」

「・・・ダメ。」

「っ・・・。」

「なんで〜、兄貴からもらったケセランパサラン喜んでたじゃん。」

 

そう、今現在左から私・ユフィルさん・デミウルゴスさんと並んで歩いている。

本当はデミウルゴスさんの隣を歩くべき何だろうけど、変に意識をしてしまって、ドキドキし過ぎてしまうのだ。

デミウルゴスさんが軽くショックを受けているのは申し訳ないが、慣れるのには少し時間がかかりそう。

デミウルゴスさんが私の前に立ってから、少し屈んで私と目線を合わせた。

 

「シエリア様、私はお気に触るような事をしてしまいましたか?」

「違う、けど、意識、して、心臓、こわれ、ちゃう・・・。」

「・・・。」

「ごふっ・・・。」

 

恥ずかしくてぎゅっと目を瞑って言うと、ユフィルさんから変な声が聞こえた。

びっくりしてユフィルさんを見ると、背中を丸めてお腹を押さえている。

 

「ど、どう、したの?」

「兄貴、気持ちは分かるけど、尻尾は抑えてくれ。」

「すまない。シエリア様が愛らしくてつい。」

「大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だよ。ちょっとアイアンテールを喰らっただけで。」

「アイアンテール?」

「ささ、シエリア様。あちらが採取した植物や薬品の保管庫で御座います。」

 

なんだかデミウルゴスさんが無理矢理話題を変えた気がする。

アイアンテールって事は、デミウルゴスさんの尻尾がユフィルさんに当たったのかな?

デミウルゴスさんの尻尾は長いし、時々暴れるから私も気をつけないと。

 

保管庫に入ると、瓶に詰められた薬草っぽい植物や液体が沢山並べられていた。

 

「いっぱい。」

「でしょでしょ?前髪坊ちゃんとおばあさんに薬草の撮れる場所いっぱい教えてもらったんだ〜。カルネ村って所の近くでは良質な薬草が取れるって言ってたけど、質より量にしちゃった。」

「前髪、坊ちゃん?」

「前髪の長い青年の薬師だそうですよ。祖母は国一番の薬師だとか。まあ、所詮は人間ですが。」

「へぇ、凄い。会いたい。」

「んー、あの街はしーちゃん連れていけないなー。俺変な女に絡まれちゃったもん。」

「変な?」

「うん、3対1だったから助けてやったのにさ。なんか怒り出して追いかけられちゃった。あれはきっと快楽殺人鬼だよ。玩具にするには良いけど。」

「恩を仇で返すとは、人間は本当に愚かですね。」

 

ユフィルさんが行った街は危ないみたいだ。

治安のいい所なら行ってみたいんだけど、残念。

いつか前髪さんと会ってみたいな。

 

「そうそう、ここに並んでいるポーションもその前髪の青年が作ったそうですよ。」

「そうなの?」

「そうそう、でもユグドラシルのポーションに比べて効果は薄いよ。痛みが消えるだけとか、毒の症状が楽になるだけで効果は残ってるとか。他のアイテムも粗末なのが多くて、多分俺やしーちゃんが錬成したら高値で売れるよ。」

「ふむ、ナザリックの財源の確保に役立つかもしれませんね。私の作った家具も売れるでしょうか?」

 

デミウルゴスさんの作る家具って、材料は主に骨だよな・・・。

人間には売れなさそうだけど。

 

「アクセサリー、なら?」

「アクセサリーですか?成る程、確かに家具は長く使いますが、アクセサリーは気分で変えるもの。より多く売ることが出来ると!流石シエリア様です!」

「え?」

「相違ありましたか?」

「え、うん。」

 

なんだかデミウルゴスさんがキラキラしてくれてて、違うと言えなかった。

そこまでは考えていなかったけど、そんな見方も出来るよね。

うん、そっとしておこう。

それから植物やポーションの効果を説明してもらって、第7階層に移動することになった。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日はどんな話にしようか悩み中ですが、投稿しますので是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

79話(色んな皮と無給で無休の話?)

第7階層に移動すると、デミウルゴスさんの部下が色んな動物の皮を干していた。

 

「デミウルゴスさん、これ。」

「はい、天日干しは難しいのでマグマの熱で水分を蒸発させています。」

「えっと、動物?」

「こちらは羊、こちらは狼で、あちらは牛でございます。」

 

あ、ちゃんと動物だ。

人間とか捕まえてたらどうしようかと思ったけど。

周りを見ていると、やけに大きな皮が干されていた。

 

「あっち、大きい。」

「はい。あれはオークの皮ですから。」

「!」

 

モンスターいた!?

ということは、やっぱり。

 

「人間、は?」

「残念ながら人間は村を襲う前にユフィルに止められまして、他の亜人種を揃えました。」

 

ユフィルさんナイス!かな。

ユフィルさんの方を見ると「大変でした。」と言いたげな顔をしている。

 

「亜人種でしたらポーションの実験台にもなりますし、一石二鳥でございますし。」

「実験・・・。」

「流石に俺達と同じ種族捕まえてっていうのは難しいし、やりにくいでしょ?」

「そう、だけど。」

 

ポーションの開発に実験は確かに必要だろうし、人型に近いってだけで、モルモットで実験するのと感覚は変わらないのかな。

どうしてモルモットは平気で亜人種がダメかって言われても答えはないわけだし。

 

「宜しければシエリア様も皮を剥いでみますか?」

「今度。」

「はい!是非お待ちしております!」

 

これは全部とと様達の為、仕方のないことなんだ。

そう思っていると、ウルベルト様がやってきた。

 

「随分と多くの生物を捕まえてきたんだな。」

「はい!ですが生態系には影響が無いように各所から少しずつ連れてまいりました。」

「そうか。デミウルゴス、お前に聞きたいことがあるのだがいいか?」

「はい!私にお答えできることであれば喜んでお答え致します!」

「ナザリックの福利厚生についてなんだが、お前達は休暇や給料はどうしているんだ?」

「福利厚生がどんなものかは分かりませんが、休暇や給料を要求するような輩はナザリックにはおりません。皆全身全霊で24時間365日ナザリックの為に尽力しております!」

 

デミウルゴスさんの言葉に、ユフィルさんと目を合わせた。

私は仕事をしてないし、ユフィルさんは給与を貰っている。

特に私はナザリックに貢献していない気がする。

 

「む、無給で無休なのか!?」

「はい!睡眠不要のアイテムを使用しておりますので。」

「そ、そうか。では、ナザリック内で何か困ったことはあるか?」

「今の所は特にありません。」

「そうか。シエリアちゃん、ちょっと来てもらってもいいか?ミニマムで。」

「う、うん。」

 

なんだろう?

とりあえずミニマムになる。

 

「じゃあ、ちょっと失礼。」

「わっ。」

「いやー、これ面白くてさ。意外としっかり来るんだよね。」

 

また肩車をされた。

デミウルゴスさんの尻尾が激しく地面を削っている。

ユフィルさんはデミウルゴスさんの後ろで笑いを堪えてるし・・・。

デミウルゴスさんもしかして私がウルベルト様の上に乗ってるから怒ってる?

 

「デミウルゴス、どうかしたか?」

「いえ、御二方がとても尊いので、何かこの光景を記録する手立ては無いものかと愚考しておりました。」

「そうか・・・お前もシエリアちゃん肩車してみるか?シエリアちゃんとの子どもが生まれた時の練習になると思うぞ。」

 

な、何を言っているんだウルベルト様!

子どもなんてまだまだ先の話なのに!

 

「そ、そんな滅相もございません!そもそも異種族間では子供は生まれません。」

「そうだったか?ならば種族の壁を超えればいい。」

「成る程、尽力致します。ユフィル、手を貸してくれ。」

「え?まあいいけど。」

「じゃあ俺達は行くからな。」

「はい、お気をつけて。」

 

ウルベルト様がクククと笑って歩き出す。

もう恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

デミウルゴスさんは何をするつもりなんだろう?

そもそも、ウルベルト様は私をどうするつもりなんだろう?

私は疑問を抱えたまま、ウルベルト様の上で揺られていた。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

今日もなんだかあっさり気味に・・・。
クリスマスやら正月やらイベントが近づいて落ち着きませんが、今後も頑張っていきますので、是非お付き合いください!
と言ったそばから明日はお休みさせて頂きます。
申し訳ありません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

80話(ナザリック内アンケートの話)

ウルベルト様に連れてこられたのは、ペロロンチーノ様の部屋だった。

中にはペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様がいらっしゃった。

嫌な予感がする。

 

「おぉ!山羊に乗る幼女もいい!」

「ウルベルトさんお義父さんと言うよりお祖父ちゃんって感じがするわね。」

「・・・?」

「いやー、何も言わずにごめんね。シエリアちゃん。」

「いや、モモンガさんがいると確認できないからさ。」

「ぶっちゃけた話、デミウルゴスとはどう言う関係なのかな?って。」

 

デミウルゴスさんとの関係・・・さっきの事を思い出して、ボフンと頭から煙が出そうだ。

顔が熱くて両手で隠す。

 

「えっと、デミウルゴスさん、は。」

「うん、段々察してきた。」

「なんか俺までドキドキするのはなんで?」

「しーちゃん、私達は応援したいのよ?だから付き合ってるのか、YESかNOで答えて頂戴?」

「い、YES・・・?」

 

答えた途端にキャー!というかぶくぶく茶釜様の黄色い悲鳴とギャー!というペロロンチーノ様の断末魔の様な悲鳴が聞こえた。

どうすればいいか分からなくてウルベルト様を見ると、周りに小さい花が浮かんでいるんじゃないかというくらい笑顔だった。

そして私に気づくと私を下ろして椅子に座り、私を膝の上に乗せる。

 

「あの?」

「あー!ウルベルトさん狡い!俺もしーちゃん膝に乗せたい!」

「いいなー、私スライムだから乗せられないのよね。」

「そんな事言ってないで、モモンガさんにバレる前に会議を始めましょう。」

「会議?」

「そうよ。題して『しーちゃん&デミウルゴスのウエディングへの道!』よ!」

「今のままだと、モモンガさん2人の交際すら認めてくれないだろうし。」

「可愛い息子と義娘の為に人肌脱ごうと思ってさ。」

 

なんていう会議を開こうとしているんだこの人達は・・・。

もっと考えるべき事ってある気がする。

 

「しーちゃん!このアンケート調査の結果を見て。」

「アンケート?」

「そう、俺と姉貴は秘密裏にNPC達にアンケートを取りました。内容は今一番気になる事は何ですか?と。」

「これの目的は休憩時間が少ないとか、ナザリックのこんな事を直して欲しいとかを聞き出す為のアンケートなの。その結果を纏めたのがこれよ。」

 

渡された紙にはグラフやら色々書いてあった。

ウルベルト様が一緒に見て音読し始めた。

 

「何々?『シエリア様とデミウルゴス様の関係が気になる。67%』『セバス様の胃痛が気になる20%』『性別中性の人達(ニューロニスト等)は男湯と女湯どちらに入っているのか気になる。5%』『某執事助手の発言が鬱陶しい。3%』『その他5%(眷属を食べるのをやめて欲しい。宝物殿から奇声が聞こえる。図書館のビジネス本等が時々消えて、数日で戻ってくる。等)』こんなの取ってたのか。」

「因みにセバスの胃痛はシエリア様がデミウルゴスといい感じになってから発生したそうよ。」

「私?」

「しーちゃんが曖昧な関係を続けるからきっと教育係として心配だったんだよ。」

 

そうなのかな?

ちゃんとじいじに報告すれば良いのかな?

それよりもその他の方に解決すべき問題がありそうな気がするけど。

眷属食べるのはエントマだろうし、宝物殿はお兄様で、ビジネス本は、誰だ?

 

「しーちゃん、恋愛は2人の問題だから私達はとやかく言おうとは思わないの。でもね?これだけNPC達が気にしている事なら、その内モモンガさんの耳に入ると思うの。」

「とと様?」

「酷い事はモモンガさんはしないけど、ショックは受けちゃうと思う。だから、何とか出来ないかな?と思って会議を開くことにしたんだ。」

「モモンガさんがナーベラルと情報収集に出てる間に何とかしたいよなー。」

「情報収集?ナーベラル?」

「しーちゃんは聞いてないのね。モモンガさんが数日ナーベラルと一緒に情報収集に行くことになったのよ。」

「まぁ、モモンガさんなら大丈夫だと思うぜ!」

「また、お留守番・・・。」

 

またとと様に置いてかれる・・・。

私が目に見えてしょんぼりしていたのだろう。

ウルベルト様が頭を撫でてくれた。

 

「とと様、アルベドさん、連れて、次、ナーベラル?私、いらない?」

「そんなことないよ!そうだよな?しーちゃんも冒険したいよな?」

「安全確認が出来たら、しーちゃんも連れて行って貰えるわよ。大丈夫よ!」

「・・・よし、モモンガさんに直談判してきます。会議はまた今度で。」

「そうね。何をするにしても円満な親子関係は必須だものね。」

「俺達は調査を進めてくぞー。」

 

私はウルベルト様に抱っこされたまま、とと様のいる書斎に向かった。

ウルベルト様達は優しいから、なんだか申し訳ない気持ちになった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

本当は会議をしようかと思ったのですが、今の所1日がとんでもなく長いので、話を進めることにしました。
と言ってもまだまだグダグダするのですが・・・。
明日も投稿しますので、明日は投稿しますので是非ごらん!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

81話(シエリア冒険決定とシエリアのポジションの話)

書斎に着くと、とと様は何か書類を作っていた。

横にアルベドさんが控えている。

私達に気付くと一旦筆を置いた。

 

「ウルベルトさん、シエリア。どうしたんですか?」

「モモンガさん!どうかシエリアちゃんも情報収集に連れて行って下さい!」

「え、ダメですよ!せめて安全が確保できるまでは!」

 

はっきりと否定されると悲しくなってきた。

視界が涙でぼやけるが、勇気を出してとと様に言わなくては。

 

「とと様、一緒、いたい・・・。」

「うっ。」

「こんなに可愛い娘を置いていくんですか?モモンガさん!仕事と娘どっちが大事なんですか?」

 

とと様の体が一瞬光った。

アルベドさんが涙を堪えながら口元を押さえている。

 

「そりゃ、娘は大事です!でも、その娘が怪我をしたらどうするんですか!?」

「それも経験のうちでしょう!それともモモンガさんは、パパ次はいつ帰ってくるの?って聞かれるたっちみーみたいになりたいんですか?」

「そ、それは・・・嫌です。」

「なら連れて行きましょう。」

「とと様、だめ?」

「わかりました、でも、3人は目立ちませんか?」

「シエリアちゃんミニマムになって隠れてればいいんじゃないですか?」

「でもほら、悪い奴に捕まったら!」

 

とと様が心配している時に、トントンとノックの音がした。

扉からユフィルさんがひょっこりと顔を出している。

 

「モモンガ様ー。ユフィルですけど、いいですかー?」

「何の用だ?」

「エランテルの町に行ってきてもいいですか?」

「理由を聞こう。」

「世話になった薬師に礼と、さっき皮を剥いだモンスターの骨で作ったアイテムを売ってみようと思って。兄貴が資金源になるかもしれないから試してきてほしいと。」

「そうか。いいだろう。ユフィル、お前はミニマムを使えたか?」

「はい、よくしーちゃんと隠れんぼして遊んでますから。」

「・・・遊び?」

 

ユフィルさん、それ悪戯した時だよ。

きっとアンケートのじいじの胃痛の原因ユフィルさんも関わってる気がする!

何故かアルベドさんがトゲトゲしたオーラを出してる・・・とと様達は気付いてないけど。

 

「ならば丁度いい。私と共にエランテルへ向かい、シエリアの護衛を任せる。」

「はぁ、別に構いませんけど。」

「構いません?ユフィル、貴方モモンガ様への態度がなっていないのではなくて?」

「あ、アルベド落ち着け。ユフィル、明日出発するので準備をしておくように。」

「畏まりました。失礼します。」

 

とと様と一緒に行けることになったけど、なんだかユフィルさんが来てからこの部屋の気温が下がった気がする。

 

「まあ、シエリアちゃん良かったね。」

「ありがとう、ございます!」

「シエリアはそんなに冒険がしたいのか?」

「モモンガさん、シエリアちゃんはモモンガさんと一緒に居たいんですよ。大事にしてあげてください。じゃないとうちに嫁いでもらいますからね。」

「な!ダメです!お嫁になんか行かせません!」

 

とと様が慌てて私をウルベルト様から奪い取る。

するとまたノックの音が聞こえた。

 

「モモンガさん、ちょっといいですか?」

「たっちさん?どうぞ。」

「モモンガさん、ウルベルト、セバスに確認したが、ブラックだった。」

「あぁ、こっちも漆黒だった。」

「え、ブラックなんですか!?」

「あの、何か問題がございましたか?」

 

とと様達の深刻な様子にアルベドさんが声をかけた。

 

「アルベド、お前は休憩もしくは睡眠を取っているか?」

「いいえ?そのようなものは不必要ですから。」

 

アルベドさんが当然の様に答えるのでウルベルト様達がまた「ブラックだ。」と言っている。

 

「し、シエリアはちゃんと眠っているか?」

「うん。」

「シエリア様は毎日お昼寝を含め1日8時間睡眠と三食の食事と2回の間食を取る様にナザリック内に配備しております。きちんとお目覚めの時間や食事をとった時間から、計算して次の食事や教育に最適なスケジュールを組んでおります。もしも、少しでも時間を過ぎますとナザリック中に通達が回りますのでご安心ください。」

「え?」

「シエリアちゃんはホワイトだな。」

「いや、ある意味ブラック?」

「シエリア良い生活してるんだな。」

 

とと様達にマジマジと見られる。

そう言えば、ニューロニストちゃんとのお茶会の時に時々ニューロニストちゃんが何処かに連絡していたり、3時くらいになると必ずプレアデスとか皆に必ずお茶に誘われたりしてたけど、こういう事だったのか。

これからお茶の時間が少し怖い。

 

「これは改善しなくてはいけないな。」

「これが勝ち組との差か・・・。」

「ウルベルトさん?大丈夫ですか?」

「あぁ、すみません。何かが心に引っかかった様で。」

「アルベド、1つ聞きたいのだが守護者達の中で休憩はきちんと取っているか?若くは皆の褒美の様なものはないか?」

「はい、たっちみー様。特に休憩時間等確定した時間はありませんが、皆の褒美は勿論、至高なる御方々やシエリア様にお声がけ頂いた時でしょう。あぁ、勿論お姿を拝見出来るだけでも至上の喜びで御座いますが。」

「そうか、因みにアルベドよ。お前達にとってシエリアはどういった存在なのだ?」

「とと様?」

「そうですね。言葉にするのは難しいですが、一言でと言う事でしたら、天使という表現をさせて頂きます。」

「天使?」

「はい。シエリア様は私共を生み出した我等が神に価する至高なる41人の纏め役でいらっしゃるモモンガ様の御息女です。ならば神の使いである天使と呼ぶに相応しいお方かと。」

「成る程、それで天使か。」

 

私そんなに大それた存在じゃないんだけどな。

 

「それにシエリア様は御方々全員が姿を見せてくださっていた時の最後に創造された存在です。当時タブラ様も他の御方々もとても楽しそうにシエリア様のお話をされていました。ですから、私達にとってシエリア様は御方々の愛情のこもったこのナザリックの栄光の象徴であり、現在も我々に笑顔と安らぎを届けて下さる尊いお方なのです。例え階層守護者であろうと一般メイドであろうと元気が無いと聞けば様子を見て愛らしい笑顔を届けてくださる慈悲深いお方、正に『マジ天使!!』なので御座います!!」

「そ、そうか!ありがとう、もう良いぞ。一度落ち着け、アルベド。」

 

アルベドさん、嬉しいけど凄く恥ずかしい。

私はとと様の腕の中で縮こまった。

 

「確かに言われてみれば、皆さんで作った最後のものってシエリアちゃんなんですよね。」

「そうだな。デミウルゴスには俺だけの理想を組み込んだがらシエリアちゃんにはアインズ・ウール・ゴウン全員の理想が組み込まれてるんだよな。」

「モモンガさんが律儀に全員分の意見を聞いて取り入れましたからね。」

 

おぉ、たっちみー様とウルベルト様が珍しく談笑してる!

でも今はアルベドさんを止めるのを手伝ってほしい。

 

その後3時のおやつを持ってきたじいじによって、アルベドさんは落ち着いたのだった。

その後は冒険の準備を済ませて、眠りについた。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日は旅立たせようとしたら長くなりました・・・。
気づいたらいつもの倍くらいの長さに。

明日も投稿しますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

82話(冒険出発からの迷子の話)

次の日の朝、ウルベルト様やペロロンチーノ様、階層守護者の皆とじいじ達プレアデスの皆に見守られて、とと様とユフィルさんとナーベラルと私はナザリックを出発した。

 

エランテルの町の近くの森まではユフィルさんのワープで行って、周囲に怪しまれない様に森から歩いて行く事になった。

森の中ではとと様の頭や肩の上にいて、時々とと様のヘルムの目の部分を体で目隠しして遊んでいた。

 

「こら、またかシエリア。落ちたら危ないだろう?」

「大丈夫ー!」

「自分の目の前が見えなくて、じゃない所が凄いよなー。ね、ナーベさん。」

「そうですね。モモンさ・・・んはとても慈悲深いお方ですから。シエリア様もあんなにはしゃいでいらして。」

「しーちゃんご機嫌だもんね。よっぽど嬉しいんだね。」

 

そうこうしているうちに町に到着し、とと様とナーベラルは冒険者組合へ向かい、私はユフィルさんのバッグの中に入って薬師?の店へ向かった。

 

「いらっしゃいませ。あ、昨日のお姉さん。」

「先日はありがとうございました。お陰で良い薬草が取れました。」

「いえいえ、お役に立てて良かったです。うちの商品も役に立ちましたか?」

「えぇ、とても。本当に素晴らしい薬師さんに出会えました。」

「ありがとうございます。祖母はエランテル1の薬師ですから、いつでもいらしてくださいね!」

 

ユフィルさんが女の人らしい声を出して話しているのに違和感が凄い。

この人がユフィルさんの言っていた前髪坊ちゃんか・・・前髪で顔が見えないけど、邪魔じゃないんだろうか?

気になって身を乗り出しすぎたらしい、ユフィルさんのバッグから落ちかけて、ユフィルさんの手に助けられた。

 

「ん?どうしたんですか?」

「いえいえ、何でもないですよ。」

「その手に乗っている白い生き物って何ですか?すごく可愛いですね!」

「あ、いやー、これはそのー。(しーちゃんの所為だからね。)」

「(ごめんなさい。)」

「ちょっといいかい?このポーションを見て欲しいんだけど。」

 

ユフィルさんがどう説明しようか悩んでいるところに赤い髪の女の人が店入ってきた。

見覚えのある瓶に入った赤いポーションを鑑定して欲しいそうだ。

 

 

「赤い、ポーション!?ちょっと待っていてください!」

「あぁ、先客かいたのか。ごめん。赤いポーションなんて見たことなかったから慌てちゃってさ。」

「いえ、私はポーションに詳しくないのですが、赤いポーションは珍しいのですか?」

「普通は青だね。だから何の効果があるのか見てもらわないと気持ち悪くて。」

「へぇ、まぁ私の用事は済んだので失礼しますね。」

 

前髪さんは慌てて奥に入ってしまい、ユフィルさんは前髪さんが戻って来る前に薬屋さんを後にした。

ポーションって普通赤じゃないの?

 

「モモンガ様早速やらかしたそうだね。しーちゃん。」

「ポーション、色?」

「うん。何があったかはわからないけど、下手にユグドラシルのアイテムは売らない方が良さそうだ。」

「ここ、ユグドラシル、違う?」

「みたいだね。ここら辺の店を見て似たようなものがあればアクセサリー類は売っちゃっおう。でも武器とか薬品類はダメだね。」

「とと様、言う?」

「後で報告しよっか。」

「うん。」

 

路地裏を歩きながら話していると、前から数人の人達が道を塞いでいた。

 

「おい!お前は昨日の女だな。クレマンティーヌはどこにいる?」

「ん?クレマン何?誰の事?」

「しらばっくれるな!昨日の借りを返してやる!」

「聞く耳持たないか、しょうがないなー。」

 

ユフィルさんが後ろに下がろうとすると、後ろにも数人立っていて挟み撃ちされたようだ。

ユフィルさんは路地の壁に寄りかかり、素早く私を路地裏の板の陰に隠した。

 

「(しーちゃん、ここは俺が何とかするから、様子を見てモモンガ様の所に逃げるんだ。)」

「(ユフィルさん、大丈夫?)」

「超余裕!何処からでもかかってきな!」

 

ユフィルそんは勢いよく武器を構えて挑発する。

男達はユフィルさんに襲いかかるが、ユフィルさんの方が上手だ。

私はこっそりと路地を抜け、市場の裏を走り人気のない事を確認すると、子供の姿になった。

この姿ならあの男達に会っても細い道に逃げられるはずだ。

 

「これは驚いたなぁ?まさか鼠がガキに化けるとは。」

「!」

 

振り向くとさっきの男達の仲間が1人立っていた。

どうやらずっと付けられていたらしい・・・鼠じゃ無いよ!ウーパールーパーだよ!

私は急いで人通りの多い道を突っ切り、一心不乱に町を走り回った。

 

「危ない!」

 

不意に声が聞こえて横を向くと、荷物を積んだ馬車が私に突っ込んでくる。

あれ?こんな事、前に何処かで?あ、死んじゃう?

ぼうっとしていると、誰かに抱え上げられ道の端まで転がった。

 

「あんた馬鹿じゃないの!?避けるくらいしなさいよ!!」

「お、お嬢ちゃん達大丈夫かい?」

「あぁ!?ん、大丈夫みたいぃ。すみません。」

「そ、そうか、すまないね。」

「この子が悪いので!ほら!謝んなさい!」

「え、あ、ごめん、なさい。ありがとう。」

 

気付くと金髪のボブヘアーのマントを着た女の人に抱えられ、

馬車を運転していたらしいおじさんがいた。

謝罪とお礼を口にすると、助かった事に安心してポロポロと涙が溢れてきた。

 

「もー!何泣いてるのよ!親は?」

「とと様、えっと、」

 

女の人に急かされて気配を辿ろうとしたら分からない。

そう言えば全員気配等を遮断する指輪を付けていたんだった。

盗賊のスキルを持つユフィルさんなら分かったかもしれないけど、私にそのスキルはない。

とと様達と合流する方法が分からず、不安に駆られる。

 

「わかんっ、ないっ。とと様ぁっ・・・。」

「ちょ、しょうがないわねぇ。このクレマンティーヌ様が一緒に探してあげるわよ。・・・この格好は、アレね。一旦宿に寄るわよ。」

「うんっ、ありがとう、お姉ちゃん。」

「お姉ちゃん・・・?まあいいわ!ほら、泣かないの。アンタ名前は?」

「シエリア・・・。」

「ならしーちゃんね。私のことは好きに呼んで。」

「クレお姉ちゃん!」

「なんかくすぐったいわね。」

 

なんだか優しい人みたいで良かった!

クレお姉ちゃんはクスクス笑いながら、私を抱っこして宿に向かった。

なんだかお姉ちゃんが自信満々だからだろうか、大丈夫な気がして来た。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

クレマンティーヌ出してしまいました!
個人的に好きなキャラなので、生存ルートにしてあげたいです・・・。
実は拷問や殺人が趣味でも良識はあるらしいので、子どもには優しいとかだったら良いなと思ってうちのクレマンティーヌはこんな子です。

明日も投稿しますので、是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

83話(クレマンティーヌと仲良くなる話)

偽クレマンティーヌが発生しております。
ご注意下さい!


クレマンティーヌ視点

 

馬車に轢かれそうになったちびっ子もといしーちゃんを宿まで連れてきた。

なんでって、流石にこの格好で「娘さん迷子でしたよー。」って言っても誘拐犯と間違われそうだからよ。

クローゼットの中からなるべく露出の少ないまともな服を着る。

他の服も素早さ優先で露出多めだったから、結局マントは着てた方がいいかな?

振り向いてベッドに座るしーちゃんに向かってポーズを取ってみる。

 

「どぉーお?」

「可愛い!」

「ありがとぉ。」

 

この子見た目も可愛いのにこんなに素直で人懐っこくて、今までよく無事だったわね。

人攫いにすぐ連れてかれそうなのに。

とりあえず、しーちゃんの隣に座る。

 

「ねぇえ?しーちゃんのお父さんはどんな人?」

「とと様、格好いい!強い!優しい!」

 

私の質問に目をキラキラさせて答える。

言葉が辿々しいのは、覚えたてだからかしら?

 

「んー、どんな服装かなぁ?」

「えっと、黒い、鎧、着てる。」

「そっかぁ。」

 

黒い鎧着てるってことは父親は冒険者なのね。

なら冒険者組合にでも預ければいいかしら。

 

「お父さんは何処にいるかわかるぅ?」

「分かんない。」

「そっかぁ、お父さんと離れて寂しいわよねぇ?探しに行きましょうか?」

「うん!あ、ユ・・・フィルさん、探す!」

「ユフィル?誰?」

「フィルさん!黒い、長い、髪、褐色、肌、糸目、女の人?」

 

ん?なんだか昨日のムカつく女と特徴が一致してるんだけど、アイツの知り合い!?

この子使って憂さ晴らししようかしら?

知り合いの子供の死体ってきついもんがあるだろうし。

 

ゆっくりと両手をしーちゃんの首に伸ばす。

指を首に少し食い込ませてみるけど、しーちゃんは抵抗せずに首を傾げながら不思議そうに私の目を真っ直ぐに見つめている。

 

「やっぱ辞めた。流石にそこまで落ちてないわ。」

「クレお姉ちゃん?」

「しーちゃん、ごめんねぇ?痛かったぁ?」

「?ううん、大丈夫だよ?」

 

こんなに可愛くて綺麗な子を殺す気にはならないや。

なんだか純粋過ぎて、私が触ったら穢れちゃいそう。

 

「クレお姉ちゃん、行かない?」

「行くよぉ?」

 

私が歩き出すとしーちゃんが私の手を握った。

守ってあげたくなるくらい、小さくて温かい綺麗な手。

 

「しーちゃん、私に触ると穢れちゃうよぉ?人いっぱい殺したてだもん。」

 

こんなこと言ったら、怖がっちゃうかな?

 

「?綺麗、だよ?」

「そうじゃなくてぇ、人殺しの手ぇよ?」

「人殺し、ダメ?」

「え?」

「私、いっぱい、殺した。だって、皆、守る。私、殺される。怪我、する。嫌い、だから、殺した。悪い?」

 

さっきと同じ真っ直ぐな目で言うこの子が少し恐ろしく感じた。

この子もそう言う環境で育ったのか、殺すのが当たり前の世界で。

それなのに、こんなに純粋で綺麗に真っ直ぐに育つなんて、奇跡よ。

私はこんなに歪んじゃったのに・・・私はしーちゃんを抱きしめた。

 

「しーちゃんがしたことが悪いかは、私には分からない。私は人を痛めつけたり、殺したりするのが、大好きでやってるの。こんな私は、嫌い?気持ち、悪い?」

 

声が震える。

子供相手に何言ってるんだろ?

でも、嫌われるのが嫌。

胸が苦しくなった時、しーちゃんが頭を撫でてくれた。

 

「クレお姉ちゃん、大好き。趣味、人、それぞれ。クレお姉ちゃん、変わる、ない。私、クレお姉ちゃん、好き。」

 

とても優しい声だった。

しーちゃんの言葉を聞いて、私はやっと理解してもらえた気がした。

私の人生で初めて、認めてもらえた。許してもらえた気がして嬉しくて。

 

「ありがとう、しーちゃん。」

「うん?」

 

ちょっと涙が出てしたけど、泣き止むまでしーちゃんはそのままでいてくれた。

もうずっとしーちゃんと一緒にいたい。

でも、お父さんの所には返してあげないとね。

 

「ごめんね、しーちゃん。お父さん探しに行こっか。」

「うん。」

 

部屋の扉を開けると昨日のムカつく女が廊下の壁に寄りかかって立っていた。

 

「しーちゃん、みーつけた。」

「ゆ、フィルさん!」

「何?つけてたわけぇ?」

「いーや、魔法を使っただけさ。うちの子返してくれる?」

「嫌よ、この子気に入っちゃったぁ。親に用心棒として雇ったもらうように交渉(脅し)するって決めたんだもん。」

 

私はしーちゃんの髪に頬っぺたをぷにぷにしながら言った。

あの女、フィル?は大袈裟に溜息をついてしーちゃんをジト目で見る。

 

「・・・しーちゃん、この女に何したの?」

「?何も?」

「しーちゃん、セバスさん達から言われたでしょ?変な人について行ってはいけません。」

「クレお姉ちゃん、良い、人!」

「どこが!?」

「何よ!失礼ね!」

「煩いな!お前しーちゃんの目を見ただろ?」

「見たわよ、人と話す時は目を見て話す。当然でしょぉ?」

 

女はまた溜息を吐くと私を押して部屋に押し入った。

そして後ろ手にドアを閉めて鍵をかける。

 

「何?やろうっての?」

「いや?話し合いをしようと思ってさ。」

 

女が両手を上げてヒラヒラと手を振ったので、私も体の力を抜く。

が、私が力を抜いた瞬間私の意識は飛んだ。

飛ぶ前に感じたのは、背中のベッドの柔らかい感触と、腕の中の温かいしーちゃんの温もりだった。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

キャラ崩壊してすみません!
明日はモモンガ様と合流する所まで書きたいと思います。
明日も是非読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

84話(ユフィルが不機嫌になる話)

シエリア視点

 

ユフィルさんがクレお姉ちゃんを気絶させ、私とクレお姉ちゃんはベッドにダイブした。

 

「ユフィルさん!?クレお姉ちゃん、大丈夫?」

「気絶させただけだよ。それよりしーちゃん、自分が魔眼持ちだって自覚ある?」

「魔眼?」

「魅了の魔眼って知ってる?」

「シャルティアさん、スキル。」

「そうそう、えらいえらい、よく知ってるねー。じゃないよ!しーちゃんも持ってるの!ここら辺の奴等はレベル低いから、しーちゃんの目を見たら魅了されちゃうの!この女みたいに!」

「そう、なの?」

「そうなの!まさか無自覚だったとは。全く、この女どうするの?ナザリックには連れて行かないよ?」

「でも、馬車、助けて、くれた。」

「馬車?何のこと?」

 

私はユフィルさんに男に追われた事、馬車に轢かれそうになった事、クレお姉ちゃんに助けてもらった事全部を説明した。

 

「成る程、命の恩人になっちゃうのか。モモンガ様に報告だな。」

「うん。」

 

クレお姉ちゃん、大丈夫かな?

ユフィルさんがメッセージでとと様に連絡を取ってくれている。

 

「申し訳ありません。実は先程妙な輩に襲われまして、一時しーちゃんと別行動を取っていたんです。はい、今は一緒にいます。襲ってきた奴等は、すみません、皆殺しにしてしまいました。死体はナザリックに、はい。それで別行動をしている間にですね。しーちゃんが馬車に轢かれそうになって、あ、無傷です。ある女に助けられまして。はい、その女が厄介で、えぇ、しーちゃんの魔眼に魅了されちゃって。いや、人形みたいではないです。妹を愛でる姉みたいでした。えぇ、しーちゃんも愛着湧いちゃったみたいで、今捨てられた子犬を拾ってきた子供みたいな顔でこっち見てます。そうですよね。解除出来るかやってみます。出来なかったらナザリックで、はい。冒険者組合の前の広場ですね。畏まりました。」

 

ユフィルさんがとと様と話し終わったらしい。

 

「とりあえず、俺の状態異常を治す魔法が有効ならモモンガ様交えて話し合い。ダメならナザリックに連れて行くって。」

「・・・うん。」

「しーちゃんはこの女をどうしたいの?」

「え?」

「一緒に連れて行きたい?それとも時々会えればいい?」

 

どうなんだろう?

クレお姉ちゃんとは一緒にいたいけど、クレお姉ちゃんにはクレお姉ちゃんの生活もあるだろうし、私達は異形種でクレお姉ちゃんは人間だし、私達を嫌がるかも。

 

「一緒、いい。でも、クレお姉ちゃん、次第。」

「そっか。じゃあ魔法かけるよ。」

「うん。ん?」

「念の為ね。」

 

ユフィルさんが何故か私の目に包帯で目隠しをし始めた。

視界が真っ暗でよくわからないけど、クレお姉ちゃんが起きた音が聞こえた。

 

「しーちゃん!?どうしたのその包帯!この女にやられたの!?このっ!っ痛、いたたた、離しなさいよ!」

「煩いな本当に。怪我じゃ無いから平気だよ。」

「クレお姉ちゃん、大丈夫?」

「えぇ、こんな攻撃どぉってことないわぁ。」

「痛がってんじゃん。てか、お前はこの後どうするの?」

「はぁ?さっきも言ったでしょぉ?私はしーちゃんの親にあって、しーちゃんと一緒にいられるようにするのよ!」

「なんでそこまでするんだよ。さっき会ったばっかりだろ?」

「それは・・・しーちゃんが私を救ってくれたからよ。しーちゃんは初めて私を認めてくれた!許してくれたの!こんな私を好きって言ってくれたの!だから一緒にいたいの!」

「・・・俺達が化け物でもか?」

「は?」

 

バサリと翼を広げた様な音がする。

きっとユフィルさんが翼を出したのだろう。

 

「あんた、それ。」

「俺は悪魔でしーちゃんはセイレーン。しーちゃんも元の姿に戻って。」

「でも、」

「早く。」

 

ユフィルさんに言われて、元の姿に戻る。

まぁ、ここは水がないから羽や尾ひれは出ないけど。

 

「嘘・・・。」

 

クレお姉ちゃん、嫌いになるかな?

不安に思っていると、抱きしめられる。

 

「そっかぁ!だからしーちゃん綺麗なのかぁ!でも、セイレーンってことはしーちゃんの方が年上ぇ?」

「さあ?同い年くらいじゃないか?ていうか、気安くしーちゃんに触るな。」

「別に私がいつしーちゃんに抱き付こうと勝手でしょぉ!」

「あ?違いますー!しーちゃんが許可してませんー!」

「しーちゃんだめ?」

「ううん、嬉しい!」

「よっしゃあ!あ、同い年くらいならお姉ちゃんつけなくていいよぉ?」

「クレちゃん?」

「うん!」

「ちっ。」

 

ユフィルさんが舌打ちした!

ユフィルさんがいつもと違う。

いつもは茶化したり、放っておくのに今日はムキになってる気がする。

 

「あ、モモンさん待たせちゃってる。」

「とと様!」

「しーちゃんのお父さんだっけ?お父さんもセイレーンなのぉ?」

「ううん、アンデット。」

「え、なにそれぇ。」

「義理の父親は悪魔で、叔母はスライムで叔父がバードマンとたっちみー様って種族なんだっけ?昆虫系?」

「確か、そう。」

「最早家族構成が謎すぎるんだけどぉ。」

 

それから3人で身の上話をしながら、広場へ向かった。

あ、ミニマムじゃなくて本来の大きさのままだけど大丈夫かな?

 

モモンガ視点

 

冒険者組合で一悶着あったが、漆黒の剣というパーティに出会い談笑していた。

するとユフィルから連絡が入った。

どうやらユフィルが襲われ、シエリアと別行動している間に馬車に轢かれそうな所を助けた恩人がシエリアに魅了されたと。

こんな短時間に何故そんなトラブルが・・・。

やっぱりシエリアは連れてこない方が良かったか?

頭を抱えて戻ると、漆黒の剣の人達とナーベラルが心配そうにしていた。

 

「すみません、娘がトラブルに巻き込まれたようで、迎えに行ってきます。」

「シエリア様がですか!?私も一緒に行きます!」

「え、モモンさん娘さんいたのか、じゃなくて大丈夫ですか?」

「えぇ、怪我とかは無いみたいです。ナーベはここに待機していてくれ。では、失礼します。」

「モモンさ、ん」

 

ナーベラルが止めようとしていたが、構わず俺は広場に向かう。

ユフィルが厄介な女と言うのはどんなだか不安だが、兎に角会ってみないと判断がつかないからな。

とりあえず、シエリアは暫く外出自粛かな。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

長くなりそうなので、ここで切ります。
ユフィルはクレマンティーヌにペースを乱されたり、クレマンティーヌがシエリアを慕う気持ちが分かるので複雑な心境です。
あと、オリ主がクレマンティーヌに懐いてちょっとヤキモチ気味でしょうか?

明日も投稿しますので、是非ご覧になって下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

85話(モモンガがクレマンティーヌに会う話)

モモンガ視点

 

広場に着くが、ユフィル達は見当たらない。

まだ到着していないのだろう。

今の内にウルベルトさん達に連絡を入れておこう。

 

『モモンガさん?どうしたんですか?』

「ウルベルトさん、実はシエリアがトラブルに巻き込まれまして。もしかしたら人間を1人連れ帰るかもしれないです。」

『人間を?それはまたどうして。』

「シエリアが馬車に轢かれそうになったみたいで。」

『シエリアちゃんが馬車に轢かれそうになったんですか!?え、大丈夫ですか?』

「はい、シエリアは無事なんですけど、助けてくれた人がシエリアの魔眼に魅了されたみたいで。」

『はあ、モモンガさんちょっと待って下さいね。ペロロンチーノさん、デミウルゴス、アルベド、シエリアちゃん無事だから武器をしまってこっちに戻って来なさい。いや、運転手を殺しに行かないで。モモンガさんの決定だぞ。ペロロンチーノさんまで何してるんですか。まったく落ち着いて下さいよ。すみません、モモンガさんもう大丈夫です。』

「だ、大丈夫ですか?」

『大丈夫です。まあ、シエリアちゃんの恩人をそのまま放置は良くないですし、俺は構いませんけど。何ですか?ペロロンチーノさん。はあ?すみません、ペロロンチーノさんが男か女か聞いてます。』

「女みたいですけど、詳しくはこれから会ってみないと分からないです。」

『女だけど詳細不明だそうですよ。満足ですか?モモンガさん、その人間をもてなしても良いですし、利用するでも殺すでも。モモンガさんに任せますよ。』

「わかりました。ありがとうございます。そっちは大丈夫ですか?」

『あぁ、皆殺気立ってますけど大丈夫です。シャルティアとセバスが情報収集で出て行ったのが幸いですよ。アイツら暴走激しいし。』

「そ、そうですか、すみません。」

『いや、仕方ないですよ。気をつけて下さいね。』

「はい、ではまた。」

 

ふぅっと息を吐く。

ウルベルトさん大丈夫かな?

やっぱりシエリアは暫く出禁だな。

シエリアに何かあったら、NPCだけじゃなくて俺も暴走しそうだ。

うんうんと頷いていると「とと様ー!」と俺を呼ぶシエリアの声が聞こえた。

え、ちょ、結局元の姿に戻ってるし!何の為にミニマムにしたと思ってるの!

 

「シエリア、無事か?」

「うん!あのね、友達、出来た!」

「そうか、それは良かったな。」

 

シエリアが余りにもキラキラとした笑顔で言うので、つい頭を撫でてしまった。

違う、俺しっかりしろ!

 

「モモンさん、この女が命の恩人兼厄介者(友人)です。」

「厄介者って何よ!私はクレマンティーヌ、しーちゃんの為なら何でもするから、雇ってくれない?」

「とと様、お願い!」

「ユフィル、念の為聞くが魅了は解除されたのか?」

「解除してコレです。多分他にしーちゃんを崇拝する要因がこいつの中にあったんじゃないかと思いますけど。こいつ元が快楽殺人鬼でよくわからないです。」

「いや、大丈夫なのか?それ。」

「しーちゃんの言うことは素直に聞きます。後そこらの人間よりは丈夫です。」

 

ユフィルが心底疲れた顔をしている。

ここに来る前に何かあったのかもしれない。

 

「まず、娘を助けて頂きありがとうございます。ですが、貴女の為にもウチで働くのはやめた方がいいのでは?」

「種族の事なら構わないわ。しーちゃんの為なら地獄だろうと地の果てだろうと行ってやるわ。」

「そうですか。なら、行ってもらいましょう。いつ頃行けますか?」

「とと様、いいの?」

「仕方ないだろう。恩人を無下にも出来ないからな。」

 

「やったー!」とシエリアとクレマンティーヌが抱き合って喜んでいる。

そんなに仲良くなっていたのか。

とりあえず、続きはここでは良くないので一度ナザリックに戻るか。

そう思った所で「モモンさん!」と言う漆黒の剣のニニャさんの呼ぶ声がした。

なんだか忙しないな、ナーベラルが何かしでかしたのだろうか?

 

「ニニャさん、どうしましたか?」

「あの、モモンさん指名の仕事があったみたいで。」

「私にですか?」

「はい、カルネ村と言う村へ行く往復の護衛だそうです。」

「カルネ村、ですか。」

「はい、出発は此方の都合に合わせてくらそうですが。」

「わかりました。一度家の者に任せて来ますので、明日の出発でもいいでしょうか?」

「はい!大丈夫だと思います。」

「では私は依頼主に挨拶に行く。お前達は先に戻っているように。」

「うん!」

「畏まりましたー。」

「はぁい!」

 

うん、不安だが仕方ない。

ナザリックのNPC達は人間嫌いだけど、シエリアの恩人って事で大人しくしてくれるといいんだけど、いや、直ぐにナザリックに向かうしその間ウルベルトさんがどうにかしてくれるだろう。

情けないギルド長ですみません、そう心の中で謝りながら俺は冒険者組合に向かった。




最後まで読んで頂きありがとうございます!

会話文で中々話が進まなくてすみません。
次はちゃんと進むように頑張ります!
明日はお休みで明後日投稿になりますので、ご了承下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

86話(クレマンティーヌナザリック入りの話)

とと様に言われて、とりあえずクレちゃんの荷物を持ってナザリックにワープした。(宿代は前払いしているからそのままでいいらしい。)

ナザリックに帰ってくると皆笑顔で迎えてくれるけど、クレちゃんを見ると顔をしかめる。

 

「しーちゃん、私って歓迎されてないムードぉ?」

「だ、大丈夫!皆、すぐ、慣れる・・・はず。」

「ククク、皆んな人間嫌いだからな。何かの手違いで殺されるかもな。」

「マジで!?こわっ!」

「クレちゃん、守る!」

「しーちゃん、兄貴達の説得は自分でするんだよ?俺手伝わないからね?」

「なんで?」

「ほら、俺はしーちゃんを危険な目に合わせたし、結局アイテム売る時間なかったから、兄貴の拷問が待っている・・・。」

 

ユフィルさんが死んだ魚のような目をして震えている。

でも、ユフィルさん悪くないし!

 

「ユフィルさん、守る!」

「しーちゃん・・・!なら俺コイツ嫌いだけど、頑張って説得するよ!」

「な、なんなのよ。ここ」

 

ユフィルさんとぎゅっと固い握手をする。

うん、今回の目標は全員お咎めなしだ!

じいじがいないから、何とかなる筈!

 

そしてウルベルト様達がいるという書斎の前に移動した。

どうしよう、あけるのが怖い。

意を決して扉のノブに手を伸ばすと、扉が開いた。

扉を開けたのはデミウルゴスさんだ。

私を見ると心底ホッとしたような顔をして、跪いた。

 

「シエリア様!よくぞご無事で!私共心配で生きた心地が致しませんでした!」

「ごめん、ただいま!」

「おかえりなさいませ!」

 

挨拶をして部屋の中を見ると、ウルベルト様とペロロンチーノ様とアルベドさんがいた。

アルベドさんは既に泣いている。

いや、ただちょっとお出かけしただけなのに。

後ろで「今朝出発じゃなかったの?」「皆しーちゃん大好きなんだよ。」「あぁ、成る程。」って会話が聞こえた。いや、成る程じゃないよ、クレちゃん!過保護過ぎるよ!

 

とりあえず、クレちゃんとユフィルさんを連れて中に入る。

ウルベルト様とペロロンチーノ様は表情がよくわからない。

いや、全員分かりにくいけど。

 

「あの、只今、帰り、ました。」

「うん、シエリアちゃんお帰り。大変だったみたいだね。」

「本当に怪我ない?」

「クレちゃん、お陰、大丈夫、です。」

「シエリア様。クレちゃんというのは、お隣の下等生物の事でございましょうか?」

「下等生物!?や、えっとー、クレマンティーヌって言いますぅ。趣味は拷問です。」

「ふむ、人間にしては中々良い趣味を持っていますね。獲物の皮を剥ぐのは得意ですか?」

「皮剥?時間がある時はたまにするけど、何?剥ぐの?」

「そうですか!」

 

デミウルゴスさんが嬉しそうにクレちゃんを品定めする様に見る。

なんとなくすすっとデミウルゴスさんとクレちゃんの間に移動する。

 

「シエリア様?」

「・・・。」

「えっと、とりあえずモモンガさんが戻って来るまでに状況説明をして欲しいんだがユフィル、いいか?」

「はい、ウルベルト様。モモンガ様と俺達は別行動を取っていまして、その時にチンピラみたいな奴に囲まれました。雑魚だったんですが、数が多かったのでしーちゃんだけでも先に逃がそうとそこで別行動になりました。その後チンピラの1人がしーちゃんを見つけ、追い回した拍子に馬車に、そこでこの女が助けたが、その後しーちゃんに魅了されて、という流れです。」

「そのチンピラ達はどうしたんだ?」

「そちらでしたら、先程死体18体程回収致しました。ユフィル、あれで全てなんだろう?」

「あの町にいた奴らの仲間らしき奴はそれで全部です。」

「因みにその女の子はまだ影響受けてるの?」

「効果は切れた筈なんですが、元々しーちゃんを崇拝して離れなくて。」

 

ユフィルさんがやれやれと首を振る。

皆も困った顔をしてどうするか考えている様だ。

 

「シエリア様を崇拝する気持ちは私も理解出来るわ。シエリア様の命を救ったという事で、ペットとしてナザリックに置くということかしら?」

「ペット!?私人間なんですけど!?」

「人間だからこそペットなのでは?人間如きが愛玩動物として扱って頂けるのだから、喜ぶべきところでは?」

「クレちゃん、友達!」

「と、友達ですか!?それは下等生物と同等の関係ということです。シエリア様、お考え直しください。」

 

なんでクレちゃんがペット扱いなの?

命の恩人なんだから、失礼だよ!

この2人をどう説得すればいいんだろう?

ユフィルさんの方を見ると、「ペットだって」とクスクスと笑っている。

 

「ユフィルさん!」

「ん、あ、ダメ?」

「ダメ!」

 

ユフィルさんは少し考えた後、デミウルゴスさんとアルベドさんにニコニコと笑いながら近づいた。

 

「どうしたの?ユフィル。」

「いや、守護者統括であるアルベドさん、ナザリック随一の知将である兄貴がまさか、この女をナザリックに置くと言ったモモンガ様のお考えを理解出来ないのかと思いまして。」

「モモンガ様のお考え?」

「ユフィル、どういうことだい?」

「モモンガ様はこの女に利用価値を見いだしていらっしゃるんですよ!この女はある国でそこそこの地位にいた人間、趣味は拷問、ね?」

 

え、とと様そんな感じじゃなかったけど・・・ユフィルさん、何言ってるの?

そもそもとと様はクレちゃんの事名前しか知らないよ?

 

「成る程!そういうことですか!まさかモモンガ様はそこまでお考えとは!」

「流石兄貴!そう、俺の行動も何もかも、モモンガ様には最初からお見通しだったのです!アルベドさんは、勿論分かってますよね?」

「も、勿論よ。私は守護者統括、モモンガ様のお考えを理解できないはずがないでしょう?」

「そうですよね?ウルベルト様、ペロロンチーノ様!」

「ん?・・・そうだ。良く理解したな。ユフィル。」

「も、モモンガさんの考えを理解するとは、流石しーちゃんの護衛役だ。」

 

なんとかなっちゃった!?

ウルベルト様もペロロンチーノ様もアルベドさんもなんか怪しいけど・・・あ、ユフィルさんが小さくガッツポーズした。

うーん、これでいいのかな?

私はクレちゃんと困惑しながら見つめ合い、デミウルゴスさんとユフィルさんは満足そうに頷き、ウルベルト様とペロロンチーノ様とアルベドさんは複雑そうな顔をしていた。

とと様、早く帰ってこないかな・・・?

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

何だか今日は曖昧な回になってしまいました。
明日は続きを投稿するか、番外編を入れるか迷っていますが、投稿はしますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編〜ナザリックで人狼ゲーム前編〜

「」が喋っている時、
()思っている時、
『』メッセージでの会話という表記をしております。

また、先に誰がどの役職かを評価しませんので、御心の広い方は人狼を予想しながらお読み下さい。
また、文才不足の為、こんなの分からねえよ的な事がある可能性があります。ご了承下さい。



以前図書館で見つけた人狼ゲームをシエリアがやりたがったので、皆んなで遊ぶことにした。

参加者はシエリア・デミウルゴス・ユフィル・シャルティア・コキュートス・アルベド・アウラ・マーレ・セバスである。

因みに丸いテーブルに上の順番で時計回りに座っている。

GMはモモンガで観戦者はペロロンチーノ・ぶくぶく茶釜・ウルベルト・たっちみーである。

最初はGMをモモンガにしてウルベルト達も参加する予定だったが、たっちみー達が質問すると正直に自分が人狼だと白状してしまうのでルール説明を再三行いこのメンバーで遊ぶことになった。

役職は人狼2人、狂人1人(人狼協力者)、占師1人(一晩に1人人狼か人間か知ることができる)、怪盗1人(一度だけ誰かの役職と交換できる人間)、騎士1人(一晩に1人狼の襲撃から守ることができる)、村人3人(ただの人間)である。

 

 

モモンガ

「いいか?人狼2人を殺せば人間の勝利、逆に人間が全滅すれば人狼の勝利だ。自ら人狼だと正体を晒すなよ。」

NPC

「は!」

モモンガ

「では始まる。ここは昨日までは平和な村だった。しかし、村人が1人人狼に襲われてしまった。その日村では村人に扮した人狼を殺す為、会議が開かれた。」

シャルティア

「と言っても、手がかりは何もないでありんしょう?」

モモンガ

「そうだ。最初の昼は怪しい態度を取る者がいないかの確認だな。」

アルベド

「なら、占師・怪盗・騎士が名乗り出てもらいましょう。」

マーレ

「あ、」

デミウルゴス

「待ちたまえ、それでは人狼の思う壺だろう。各役職者が分かれば人狼は先にその者を殺して行けばいい。2日目の情報を得た段階ならまだしも、現段階では自ら標的になるようなものだ。」

コキュートス

「ナラバ最初ノ昼ハ動カヌ方ガ良イナ。」

ユフィル

「因みにしーちゃんは何だった?」

シエリア

「えっと・・・あれ?」

モモンガ(シエリアー、どうしたんだ?俺は何もできないぞー。)

 

シエリアは首を傾げた後、困った顔でモモンガの方を向く。

そしてセバスとデミウルゴスを不安そうに交互に見る。

セバスとデミウルゴスが心配そうに様子を伺う。

 

ペロロンチーノ

『しーちゃん人狼かな?』

ぶくぶく茶釜

『そうよね、明らかに様子がおかしいものね。』

たっちみー

『モモンガさんの子だから嘘が苦手なんですね。』

ウルベルト

『いや、デミウルゴスの隣で緊張しちゃったとか。』

ウルベルト以外

『いやいや、流石に。』

 

セバス

「シエリア様?私は何かしてしまいましたか?」

シエリア

「ううん・・・。」

デミウルゴス

「シエリア様?」

アウラ

「まさかシエリア様が人狼!?」

マーレ

「え、そうなんですか?」

シエリア

「ち、ちがう!」

モモンガ

「そこまでだ。夜が来たので皆目を瞑るように。」

 

一同は目を瞑る。

 

モモンガ

「まずは人狼のターンだ。人狼は目を開けて殺したい者を指差すように。・・・ふむ、一致したな。いいだろう。目を瞑れ。

 

次は占師のターンだ。占師は目を開けて、正体を知りたい者を指差すように。ふむ、その者の正体はコレだ。では目を瞑れ。

 

次は怪盗のターンだ。怪盗は目を開けてくれ。・・・おい、怪盗は目を開けるのだ。・・・怪盗のターンだぞ?そうだお前だ。先程のはそう言うことか。怪盗の力を使えるのは一度だけだ。後で元に戻す事も出来ないが早速使うか?ならば好きな者を指差すのだ。どうした?指をさすだけだぞ?なぜ赤くなる!?えーっと、大丈夫か?無理するなよ?深呼吸して落ち着くんだ。選べるか?・・・そうか、その者の正体はこれだ。次は忘れるんじゃないぞ。

 

次は騎士のターンだ。目を開けるのだ。誰を守るのだ?そうか、その者を守るのだな。意外、でもないか。では目を瞑れ。」

 

モモンガはふぅっと息を吐いた。

 

モモンガ

「では、皆目を開くように。夜が明けたが、新たに人狼の被害にあった者はいなかった。2日目からは処刑が行われる。後程処刑する者を決めるので、それを踏まえて話し合いを始めてくれ。」

アルベド

「被害者がいないと言う事は、騎士が守ったと言う事ね。誰なのかしら?」

シャルティア

「私ではないでありんす。」

マーレ

「あ、あの、僕占師だったのでシエリア様を占ったのですが、シエリア様は人間でした。」

アウラ

「あんたシエリア様を占ったの!?」

コキュートス

「シエリア様ヲ疑ウトハ。」

ユフィル

「いや、あの状況なら一番怪しいのはしーちゃんだし賢明だと思う。ところでしーちゃん、何か言うことあるでしょう?」

シエリア

「ない・・・。」

ユフィル

「本当に?交換した相手が狂人だった?」

シエリア

「違う!」

ユフィル

「ならなんで言わないのかな?」

シエリア

「ユフィルさん、意地悪・・・。」

セバス

「ユフィル、いい加減にしなさい。シエリア様、大丈夫ですか?」

シエリア

「じいじ!」

 

シエリアはセバスに抱きついた。

セバスは多少戸惑った後、恐る恐るシエリアの背に手を添えた。

そしてその後、デミウルゴスを見てフッと笑った。

デミウルゴスはギリっと歯ぎしりをした。

 

ユフィル

「ごめんごめん、ちょっと弄りたくなっただけだよ。しーちゃんとモモンガ様のやり取りで誰と交換したかは気づいたし、その相手も村人だったみたいだからね。」

デミウルゴス

「ユフィル、どう言う事ですか?」

ユフィル

「兄貴なら分からないかな?モモンガ様の怪盗の時の台詞でさ。」

デミウルゴス

「・・・まさか!」

 

デミウルゴスは顔を赤くしてシエリアを見る。

シエリアはデミウルゴスの視線から逃げるように更にセバスの胸に顔を埋める。

セバスは少し複雑な顔をした。

そして今度はデミウルゴスがセバスにフっと笑う。

2人の間にバチバチと火花が飛び散る。

 

アウラ

「ちょっと!話が全く分からないんだけど!」

コキュートス

「スマナイガ説明シテクレナイカ?」

シャルティア

「そうでありんす!ずるいでありんす!」

アルベド

「シエリア様が怪盗だと言うことはモモンガ様との会話で分かり、マーレの占いによってシエリア様は人間。つまり交換相手は人間だったという事でしょう?何処に赤くなる理由があると言うの?」

 

ウルベルト

『フフフフ、シエリアちゃん可愛いなー。』

たっちみー

『ウルベルト、気持ち悪いぞ。』

ウルベルト

『あぁ?喧嘩売ってるのか!?」

ペロロンチーノ

『いや、こっちでもバチバチしないでくださいよ!』

 

 

モモンガ

「話し合いはそこまでだ。とりあえず、シエリアはセバスから離れなさい。2日目からは処刑が始まる。皆で一斉に人狼だと思うものを指差すのだ。」

 

一斉に指をさした結果アルベド2票(シャルティア・ユフィル)、シャルティア3票(アルベド・アウラ・マーレ)ユフィル2票(シエリア・コキュートス)、デミウルゴス1票(セバス)、セバス1票(デミウルゴス)となった。

 

モモンガ

「では、投票によりシャルティアを処刑する。」

シャルティア

「なぜでありんす!?私は潔白でありんす!あ・り・ん・す!」

ペロロンチーノ

「シャルティアぁーー!!!」

シャルティア

「ペロロンチーノ様ぁぁーー!!!」

モモンガ

「シャルティアはペロロンチーノさんの隣に移動するように。」

シャルティア

「わかったでありんす!」

 

シャルティアは瞳を輝かせて移動した。

ペロロンチーノはシャルティアの頭を撫でている。

そして一部のNPCは羨ましそうにその光景を見ていたとか。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

今回は完全に私の自己満足なので読みにくい所が多くなってしまいました。
明日は後編を投稿しますので、御心の広い方は是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編〜ナザリックで人狼ゲーム後編〜

ぐだぐだして無駄に長いですが、ご了承下さい。


シャルティアが処刑された後、夜パートが始まった。

 

モモンガ

「ではまず人狼のターンだ。人狼は目を開け、殺すものを指差してくれ。む、今回は別れたか。どちらを殺す?そうか。では目を瞑れ。

 

では次は占師のターンだ目を開けて誰を占うか決めてくれ。わかった。その者の正体はこれだ。では目を瞑ってくれ。

 

では次は騎士のターンだ。誰を守るんだ?そうか。では皆目を開けてくれ。朝になり村から新たな犠牲者が出た。その被害者の名はアウラだ。アウラはぶくぶく茶釜さんの隣に行ってくれ。」

 

アウラ

「え!私ですか!?」

マーレ

「お、お姉ちゃん!死んじゃやだよぅ!」

ぶくぶく茶釜

「アウラが殺されるなんて!」

 

アウラは移動した後ぶくぶく茶釜に慰められ、マーレはテーブルで涙ぐみ、セバスがマーレにハンカチを渡した。

 

コキュートス

「すまない、アウラ・・・。」

アルベド

「アウラが殺されてしまうなんて・・・。」

マーレ

「な、なんで僕じゃなくて、お姉ちゃんなんですか?」

デミウルゴス

「これはあくまでも推測だが、騎士がマーレを守っていると人狼は思っているのだろう。ならば役職が無くとも村人を減らしていけば最終的には勝利できるからね。」

ユフィル

「兎に角、人狼を見つけないとな。マーレは今回誰を占ったんだ?」

マーレ

「こ、今回はアルベドさんを占いました。でも、アルベドさんは人間でしたよ。」

デミウルゴス

「成る程・・・となると人狼の可能性があるのはコキュートス・ユフィル・セバスの3人ですか。」

ユフィル

「まあ、兄貴から見たらそうなっちゃいますよね?」

コキュートス

「私ハ人狼ナドデハナイ。」

マーレ

「ど、どうしましょう。もうすぐ裁判の時間ですよ。」

シエリア

「人狼、誰?」

セバス

「シエリア様、残念ながら皆素直に己が人狼とは言えぬのです。」

モモンガ

「では審判の時間だ。人狼だと思う者を指差してくれ。」

 

結果、ユフィル3票(シエリア・マーレ・コキュートス)、デミウルゴス2票(セバス・アルベド)、セバス1票(デミウルゴス)、コキュートス1票(ユフィル)

 

モモンガ

「投票の結果、ユフィルを処刑する。ユフィルは、そうだな。ウルベルトさんの隣に移動してくれ。」

ユフィル

「はーい。しーちゃん、さっきの根に持ってる?」

シエリア

「・・・別に。」

ユフィル

「もー、ごめんって、しーちゃんが可愛いからついさ。ウルベルト様もそう思いますよねー?」

ウルベルト

「ん?何のことかな?」

 

ユフィルは「えー。ズルい。」と言いながらウルベルトの横に移動した。

 

モモンガ

「では、夜がふけた。皆は目を瞑れ。人狼のターン、人狼は目を開けて殺す人間を指差してくれ。ふむ、わかった。では目を瞑ってくれ。

 

次は占師のターンだ。占師は占う者を指差してくれ。うむ、その者の正体はこれだ。

 

では、騎士のターンだ。守る者を指差してくれ。そうか・・・。では、皆目を開けてくれ。夜が明け、新たな被害者が出た。その者の名はデミウルゴス、お前だ。」

シエリア

「デミウルゴスさん!」

コキュートス

「デミウルゴス!スマナイ、俺ハ・・・!」

デミウルゴス

「いいんだ。コキュートス、シエリア様を頼んだよ。」

コキュートス

「コノ命ニカエテモ、守ッテミセル!」

デミウルゴス

「シエリア様、どうか人狼を倒して下さいね。」

シエリア

「うん!」

モモンガ

「では、デミウルゴスはウルベルトさんの、ユフィル、何故こっちに来るんだ?」

ユフィル

「いや、アイアンテールの予感がして。進行の邪魔はしないのでお願いします。」

モモンガ

「・・・?まあいいだろう。では、デミウルゴスはウルベルトさんの隣に移動してくれ。」

 

デミウルゴスはウルベルトの隣に移動した。

デミウルゴスの尻尾は大きくゆらゆらと揺れている。

 

デミウルゴス

「ウルベルト様、お隣失礼致します。」

ウルベルト

「あぁ、良く争闘したな。」

デミウルゴス

「いえ、シエリア様を守りきれず無念で御座います。」

 

モモンガ

「では、昼の話し合いを始めてくれ。」

アルベド

「コキュートス、貴方アウラやデミウルゴスが殺された時意味深な発言が多いのではなくて?」

コキュートス

「私ハ騎士トシテ友ヲ守レナカッタ。ソレガ無念ナダケダ。」

セバス

「騎士、ですか?」

アルベド

「人数が減った今なら後から騎士なんとでも言えるものね。本物の騎士はもう死んでしまったかもしれないじゃない?騎士はアウラもデミウルゴスも守れなかったのですから。」

マーレ

「あ、あの、コキュートスさんが騎士なのは本当だと思います!僕コキュートスさんを占って人間でしたから!」

アルベド

「で、でも狂人の可能性もあるわ!」

シエリア

「じいじ・・・。」

セバス

「・・・申し訳ありません。」

 

シエリアはセバスに抱きついた。

セバスはそっとシエリアを己から離す。

 

アルベド

「セバス!何をしているの!?」

セバス

「最早言い逃れも出来ない状況でしょう。」

コキュートス

「コノゲームデ重要ナノハ狂人デハナク人狼ヲ殺ス事ダ。」

マーレ

「ぼ、僕でもシエリア様でもアルベドさんでもコキュートスさんでもないなら、人狼は・・・。」

シエリア

「じいじ・・・。」

アルベド

「くっ、」

モモンガ

「では、いいな。これから裁判を行う。人狼だと思う者を指差してくれ。」

 

結果、セバス(満場一致)

 

モモンガ

「おめでとう。これで村に潜んだ人狼は殲滅された。明日からはまた平和な日常が続くだろう。皆、中々良いプレイだったぞ。」

 

モモンガが拍手をしながら伝えると、人狼ゲームの幕は降りた。

 

〜ぐだぐだその後の雑談〜

 

ペロロンチーノ

「いやー、中々見応えあって面白かったなー。」

ぶくぶく茶釜

「そうね、アウラもマーレもよく頑張ったね!」

たっちみー

「シエリアちゃん、ゲームは終わったけど・・・?」

セバス

「シエリア様、私は本当に死んだわけではございませんので、どうか悲しまないでください。」

ウルベルト

「シエリアちゃん、ゲームだからさ。ね?」

デミウルゴス

「おのれセバスめ・・・。」

シエリア

「・・・じいじ。」

セバス

「シエリア様、私はシエリア様に処刑されてホッとしたのです。例えゲームでもシエリア様を欺き続ける事も苦痛でしたので。シエリア様達には感謝しております。」

シエリア

「うん、わかった。」

 

シエリアはやっとセバスから離れた。

するとアルベドとセバスがモモンガ達に頭を下げる。

 

アルベド

「モモンガ様、どうか敗者となった私共に罰をお与えください。」

モモンガ

「ば、罰か・・・。」

セバス

「是非!お願い致します。」

 

モモンガがチラリとペロロンチーノ達を見ると、ぶくぶく茶釜が「いいものあるよー。」とあるものを出してきた。

 

ぶくぶく茶釜

「ちゃっちゃちゃららら〜(ど○えもん風)『なりきり狼セット×3』!負けた3人にはこれを着けてもらおう!」

ユフィル

「まさに人狼って訳ですね。仕方ない、着けましょう。」

 

アルベド達はぶくぶく茶釜からなりきり狼セットを受け取ると早速装備した。

3人には其々の髪の色に合わせた狼の耳と尻尾が現れた。

 

アルベド

「これは、少し恥ずかしいですね。」

ユフィル

「しーちゃん!見て見て!俺似合ってない?かっこいいよね!」

セバス

「この歳でこのような格好をするとは。」

シエリア

「じいじ、もふもふ!」

 

シエリアはセバスのもふもふとした尻尾を捕まえて撫で始めた。

 

セバス

「シエリア様?」

シエリア

「あ、擽ったい?」

セバス

「いえ、感覚はありませんので大丈夫です。どうぞ私めで宜しければご堪能下さい。」

シエリア

「ありがとう!もっふもふ〜!」

ユフィル

「ねえ、無視?無視?」

 

シエリアとセバスのやり取りを見ていたデミウルゴスがウルベルトに話しかける。

 

デミウルゴス

「ウルベルト様、試合に勝って勝負に負けるとかのことなのでしょうか?」

ウルベルト

「ん?あぁ、そうだな。人は自分が直接手を下した方が罪悪感も強く印象に残るものだ。肝に銘じておくといい。」

デミウルゴス

「畏まりました。」

 

ギリリとデミウルゴスは歯軋りをした。

 

マーレ

「あ、あの、結局誰がどの役職だったのでしょうか?」

アウラ

「アンタ分からなかったの?」

マーレ

「だ、だって、僕コキュートスさんが狂人だと思ってて。」

コキュートス

「私ハ騎士ダッタ。村人ヲ守ルハズガ、アウラモデミウルゴスモ守レナカッタガ・・・。」

マーレ

「だ、だからお姉ちゃんに謝ってたんですね!僕てっきりコキュートスさんが殺したからだと思ってました!」

ユフィル

「それにしては俺を処刑したよね?」

マーレ

「だ、だってユフィルさん、シエリア様をいじめてたから・・・。」

シエリア

「マーレ君!ありがとう!」

アウラ

「アンタやるじゃない!」

アルベド

「それがなければデミウルゴスかコキュートスを倒せたのでしょうけど、残念だわ。」

シャルティア

「そもそも何故私が最初に処刑されたのでありんすか!?」

アウラ

「日頃の行いじゃない?」

シャルティア

「シエリア様もその様にお考えで!?」

シエリア

「アルベドさんも、もふもふ!」

アルベド

「光栄でございます!」

ユフィル

「しーちゃんが、もふもふに逃げた。」

シャルティア

「シエリア様ー!?」

 

シャルティアはガックリとうなだれる。

 

ぶくぶく茶釜

「そういえば、セバス達ってどういう順番で村人を殺そうとしていたの?」

モモンガ

「確かデミウルゴス、アウラ、デミウルゴスの順番ですね。あ、でもセバスはずっとデミウルゴスさしてましたね。」

たっちみー

「妥当と言えば妥当ですが。」

ウルベルト

「私怨が混じってそうな気がするのは何故だろうか?」

 

プレイヤー達はじっとセバスを見つめる。

セバスはシャルティアを慰めるシエリアを温かく見守っている。

 

モモンガ

(まあ、皆楽しんでたしいいか。)

 

モモンガ達は楽しそうに雑談するNPC達を写真に収めて、プレイヤー同士で盛り上がった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

後の方が長くなるという変な事になりました。
読みにくくてすみません!
明日は本編を投稿しますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

87話(クレマンティーヌがニューロニストに会う話)

モモンガ視点

 

依頼主のンフィーレア・バレアレに挨拶をした後、宿屋を確保しナザリックに一度帰還した。

するとどうしたことか、デミウルゴスやアルベドに急にヨイショされ、ペロロンチーノさん達やユフィルにはごめんなさいポーズをされ、シエリアとクレマンティーヌには助けを求めるような目を向けられた。

 

「すまない。状況が分からないのだが、説明してくれるか?」

「はい。この女性クレマンティーヌの利用価値、モモンガ様の偉大なる計画を理解した所で御座います。」

 

なんだそれ、俺はただ仕方なくこの人をナザリックに入れただけなんだけど・・・いや、人間をナザリックに入れるのを反対したアルベド達を説得するのが面倒で、ユフィル辺りが適当に俺の計画だった事にしてデミウルゴスに深読みさせて、ペロロンチーノさん達も乗っちゃったって感じか?

んー、どうしたものか・・・。

 

「デミウルゴスよ、お前はどう思う?」

「は!モモンガ様の御計画通り進めれば間違い無いかと。」

 

どんな計画だよ!

こっちはノープランだよ!

 

「そ、そうか。では彼女の件はお前に任せよう。シエリアと相談して進めてくれ。」

「畏まりました。」

「所で代用素材の件は順調か?」

「はい。現在羊皮紙のサンプルを作成中で御座いますので、後程お待ち致します。ポーションの方はまだ調合に時間がかかるかと。」

「わかった。お前に負担をかけてしまうが、よろしく頼むぞ。デミウルゴス。」

「いえ、御方々のお役に立てるのでしたらこの位どうという事もありません。」

 

デミウルゴスとシエリア、ユフィル、クレマンティーヌは「失礼します。」と書斎を後にした。

シエリアがいるからあの人間を雑に扱ったりはしないだろうけど、大丈夫かな?

でも、とりあえず、ペロロンチーノさん達に色々確認しないと。

 

「アルベドよ。少し席を外してくれないか?」

「畏まりました。失礼致します。」

 

アルベドが退室した後、ウルベルトさんとペロロンチーノさんに向かい、ため息をついた。

 

 

 

シエリア視点

 

とと様はデミウルゴスさんに任せるって言っていたけど、デミウルゴスさんはクレちゃんをどうするつもりなんだろう?

 

「デミウルゴスさん、クレちゃん、どう、する?」

「先ずは、そうですね。彼女の持ち得る情報を聞き出したい所ですが、彼女は協力者ですのでやはり最低限でも自己紹介とナザリックの案内は必要でしょう。」

「自己紹介ぃ?」

「俺としーちゃんはしたから兄貴とクレマンティーヌがすればいいか。」

「うん!」

「では、私は第7階層、階層守護者であり、非常時の防衛指揮官・シエリア様の教育係を任せられているデミウルゴスと申します。」

「あぁ、ご丁寧にどうも。クレマンティーヌです。」

「「・・・。」」

 

なんだろう、2人とも気を使って会話が無い。

ユフィルさんが笑いを堪えている。

 

「ねえしーちゃん。俺あの女少し気に入ったよ。」

「そう?」

「うん。あの襲ってきた奴らは俺が蒔いた種だし、あんな兄貴が見れるのも貴重だもんね。」

「デミウルゴスさん、人見知り?」

「いや、人間相手にどう声をかけていいかわからないんじゃない?目的があれば話しやすいんだろうけど、ただ仲良くなりなさいは難しいし。」

「そっか。」

「共通の話題とか誰とでも仲良くなれる仲介役がいれば良いんだろうけど。」

 

そう言ってユフィルさんは私にウインクしてきた。

共通の話題、仲介役誰とでも仲良くなれる・・・!

 

「ニューロニストちゃん!」

「え?いや、え?」

「デミウルゴスさん、クレちゃん、行こ!」

「し、シエリア様?」

「しーちゃん?どこ行くの?」

「こっちー!」

 

私は2人の手を引いて、ニューロニストちゃんの所へ向かった。

2人とも拷問好きだし、きっと仲良くなれるよね!

そして第5階層の真実の部屋へとやってきた。

 

「あらん、シエリア様達いらっしゃ〜い。」

「やあ、お邪魔するよ。ニューロニスト。」

「・・・ねえ、この人?って誰?」

「ニューロニストって言う拷問官で、しーちゃんの友達。ってか俺の後ろに隠れないでくれ。腕に爪が食い込んで痛い。」

「しょ、しょうがないでしょ?私にアレはハード過ぎるわよ。」

「あらん?そこの人間は侵入者かしらん?」

「クレちゃん、友達!」

「そうなのん。私はニューロニストよん。よろしくねん?」

「く、クレマンティーヌ、です・・・。」

 

クレちゃん怯えてる?

えっと、どうしよう。

 

「クレちゃん、大丈夫!ニューロニストちゃん、優しい!」

「って言われても・・・。」

「もう!こんな美人を前に失礼ねん!」

「えぇ〜?」

 

クレちゃんが私とユフィルさんに助けを求める視線を送ってくる。

ここに連れてくるのは失敗だったかな?

そう思った時、ニューロニストちゃんが綿棒の先端に棘がついた棒の様な物を持ってきた。

 

「一回拷問すれば落ち着くかしらん?」

「なにそれぇ?」

「これは尿路結石を再現するものよん。入れる場所は、分かるでしょん?」

「へぇ?そんなのがあるんだぁ?」

「拷問に興味があるのん?ならこっちにいっぱいあるわよん。

 

クレちゃんが拷問器具に興味を持ったらしい。

ニューロニストちゃんも嬉しそうに色んな器具の説明をしている。

途中ユフィルさんが私の耳を塞いだからよくわからないけど、途中からデミウルゴスさんも混じって楽しそうに話をしている。

うん、仲良くなって良かった。

良かったんだけど、デミウルゴスさんクレちゃん達に近すぎないかな?

なんだかモヤモヤ?イライラする?

 

「ユフィルさん、モヤモヤ?」

「ん?」

 

ユフィルさんは私の耳を塞いだまま、一旦真実の部屋から出た。

そんなにデミウルゴスさん達の話を聞かせたくないのか。

まあ、それは置いておいて、とりあえずこのモヤモヤを消したいな。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

さて、この先どうしていこうか・・・。
明日も投稿しますので、是非読みにいらして下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

88話(シエリアのヤキモチとユフィルの逃避行の話)

ユフィルさんと真実の部屋に出た。

 

「で、モヤモヤって言うのはどんな感じ?」

「えっと、モヤモヤ、イライラ?」

「あぁ、感情的な方か。何か見えたのかと思った。」

「見える?」

「ほら、幽霊的な何かが。」

「おばけ、いるの?」

「おばけって、アンデットがいるんだからいてもおかしくないと思うよ?ここいっぱい人死んでるし。」

「え・・・。」

 

私は怖くなって周りを見回しつつユフィルさんにくっついた。

 

「あーごめん。驚かせるつもりは無かったんだ。話戻そう。モヤモヤって何を見てモヤモヤするの?」

「えっと、ニューロニストちゃん達。」

「前にモモンガ様とアルベドさんの時と同じ感じ?」

「似てる、けど、何か、違う?」

「ふむ、じゃあこれからしーちゃんに幾つか質問します。」

「え、うん。」

「好きな色は何色?」

「えっと、黒、オレンジ、紫。」

「ハロウィンカラーだな。じゃあ次!好きな服はどんなやつ?」

「服?えっと、飾り、少ない、軽い。」

「ふむふむ、じゃあアクセサリーのデザインはどんなのが好き?」

「アクセサリー?」

「えっと、大きい宝石がついてあるやつとか、小さな宝石が埋め込まれたシンプルなやつとか、ゴツゴツしたやつとかあるじゃん?」

「小さい、宝石、シンプル。」

「成る程。じゃあ、クレマンティーヌは好き?」

「うん。好き。」

「ニューロニストは?」

「好き!」

「2人が仲良しだと嬉しい?」

「うん!」

「じゃあ、兄貴がそこに入ったら?」

「・・・。」

「嬉しい?寂しい?羨ましい?妬ましい?」

「分からない。でも、全部、思う、かも。」

「なら、モヤモヤもそうなんじゃないかな?色んな気持ちが混じってどの感情か分からなくなっちゃったんじゃない?糸が絡まったみたいにさ。」

「そう、かな?」

 

そう言われてみれば、そうかも知れない。

確かに色んな糸がこんがらがってるのに似てるかも。

なんだかそれが分かったら少し楽になった。

 

「ユフィルさん、ありがとう!」

「どういたしまして。次からは自分で考えるんだよ?」

「頑張る!」

「頑張れー。ん?・・・しーちゃんはさ、兄貴のどこが一番好き?」

「え、んっと、えっと。」

 

ユフィルさんが急に質問してきた。

どこがって言われても、格好良く所とか優しい所とか、色んな事に直ぐに気づいて対応できる所とかすごいと思うし。

でも、一番は・・・。

 

「いつも、辛い、時、一緒、いて、くれて、守って、くれる。」

「ユグドラシルの時とか?」

「うん。ユフィルさん、も、いつも、ありがとう。」

 

そう言ってユフィルさんに笑いかけると、ユフィルさんは驚いた顔をした後、少し照れた様に笑った。

 

「こちらこそ、いつも元気をありがとう。しーちゃんってさ、天然タラシだよね。」

「天然、タラシ?」

「ユフィル、シエリア様に失礼ですよ。」

 

後ろからデミウルゴスさんの声が聞こえて驚いて振り向くと、こちらも顔を赤くしたデミウルゴスさんが立っていた。

さっきのを聞かれていたのかと思うと、私も恥ずかしくて顔が赤くなる。

 

「デミウルゴスさん、いつ、いたの?」

「申し訳ありません。シエリア様、立ち聞きするつもりはなかったのですが。その、私のどこが一番好きかという質問をユフィルがする所からです。」

 

やっぱり聴いてた!

よりにもよってそんな所から・・・ん?

ユフィルさんの方を向くと、不自然に私から目を背けている。

まさか、デミウルゴスさんに気付いててあの質問したの?

 

「ユフィルさん?」

「い、いや、俺は何にも知らないよ。何にも見てないよ。」

「ユフィル、さん?」

「いや、だって気になったし、兄貴だって聞きたいかなーって思って。兄貴にして欲しい事の方が良かった?」

「あぁ、それは助かりますね。」

「デミウルゴスさん!?」

「すみません、悪ふざけが過ぎますね。ささ、シエリア様。ニューロニスト達が心配していましたよ。」

「そ、そうなの?」

「はい。ユフィルに誘拐されたとか、ユフィルを見つけ次第爪を剥ごうとか。」

「マジで!?」

「爪、痛い!」

 

咄嗟に自分の爪を隠してデミウルゴスさんを見る。

ユフィルさんは顔を青くしている。

 

「シエリア様、大丈夫ですよ。爪を剥ぐのはユフィルですから。」

「だ、ダメ!ユフィルさん、守る!」

「しーちゃん!愛してるー!」

「・・・。」

 

気のせいだろうか?

デミウルゴスさんのコメカミがピクピクしていた気がする。

私とユフィルさんは震えながらデミウルゴスさんから距離を取る。

 

「ねぇえー、しーちゃんまだ見つからないのー?」

「あらん、シエリア様いるじゃなぁいん。」

「ニューロニストちゃん!クレちゃん!」

「しーちゃん!」

 

私は救世主とばかりに喜んだが、ユフィルさんの声にハッとする。

そうだ。爪を剥ごうと言ったのはこの2人だ。

ジリジリと2人からも距離を取る。

 

「しーちゃん?どうしたのぉ?」

「爪、だめ。」

「あぁ、シエリア様じゃなくてユフィル君のだから大丈夫よん。」

「決定事項かー・・・。」

「ユフィルさん、逃げる!」

 

私はユフィルさんの手を掴んで走り出した。

ユフィルさんを守るって約束したし、何としても助けなきゃ!

私とユフィルは第4階層に向かって走った。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

さて、オリ主とユフィルの運命やいかに(笑)
明日も更新しますので、是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

89話(ガルガンチュアに匿われる話)

とりあえず第4階層に向かうと、ガルガンチュアさんが話しかけてきた。

 

 

ー2人とも、慌ててどうしたの?ー

「ガルガンチュア!いやー、ちょっと俺がピンチでさー。」

「ユフィルさん、爪、剥がれる!」

ー痛いの?ー

「めっちゃ痛いよ!」

ーなら僕が匿ってあげようか?ー

「おぉ!助かる!」

 

ガルガンチュアさんが起動して、私とユフィルさんを手で包んでくれた。

ちょっと狭い気がする。

 

ーこれでいい?ー

「おう!ありがとう!しーちゃん、ミニマム使えばいいんだよ。」

「そっか!」

 

私とユフィルさんはミニマムを使いちっちゃくなる。

私はウーパールーパーの姿で息を潜めた。

 

ーあ、誰か来たみたいだよ。ー

「(誰だろう?)」

 

「本当にしーちゃんこっちにいるのぉ?」

「上の階層へ向かったのでこちらだと思うのですが・・・ん?」

「うわ!なにこのでっかいゴーレム!」

「この第4階層の守護者であるガルガンチュアです。ここはシエリア様とユフィルも守護していた領域です。」

「へぇ、地底湖って綺麗ねぇ。確かにしーちゃんがここにいたら映えそう。」

「えぇ、それはそれは神秘的で羞花閉月という言葉はシエリア様の為にあるのでしょう!」

「アンタがしーちゃん大好きなのはここまででよく分かったから、ヒートアップするのやめてよねぇ?」

「なにを言っていますか。シエリア様の魅力を充分に伝えるには1年では語り尽くせません。」

「こわっ!?しーちゃんよくこんなのと一緒に居られるわね。」

「(1年間しーちゃんの話か・・・意外とセバスさんとかアルベドさんとかパンドラさんならついていける気が・・・。)」

「(やめて。)」

 

どうやらデミウルゴスさんとクレちゃんが来たみたいだけど、一体どんな話をしてきたんだろうか?

2人で恥ずかしい話とかしてないといいんだけど。

あれ?またモヤモヤが・・・?

 

ー前にユフィル言ってたよね。デミウルゴスって熱が入るとパンドラズ・アクターみたいに語り出すって。ー

「(あぁ、演説みたいなのが始まるんだよ。オーバーアクションではないけど。)」

「(そう、なの?)」

ーそう言えば、好きな異性って親とか兄弟の仕草とか性格とかが似てる人を好きになるんでしょ?ー

「(あぁ、言うねぇ、そんな事。ガルガンチュアどこで聞いたの?)」

ー昔セバスがここの掃除に来た時にボヤいてた。ー

「(じいじー!?)」

 

何故そんな事を・・・いや、じいじにも色々あるんだろう。

こっちでコソコソ話していると、デミウルゴスさんがガルガンチュアさんの上に飛び乗ったらしい。

 

「それで、いつまで立て籠もるおつもりですか?」

「バレた。」

「いや、しーちゃん。小声でもあれだけ喋ってれば普通バレるって。」

ー隠れる気ないのかと思ってた。ー

「とりあえず、出てきて頂けますか?」

「爪、剥がない?」

「えぇ、シエリア様を連れ回した件では剥ぎませんよ。」

 

なんだろう。

今の言い方だと違う理由で剝ぎそうだ。

ユフィルさんも首を振っている。

 

「デミウルゴス!しーちゃんはユフィルに怪我して欲しくないんだよぉ!だからお咎めなしにしてさっさと出てきてもらおうよぉ〜!」

「ふむ、ですがユフィルはシエリア様を危険に晒し、アイテムを売るという目的も果たせず戻って来ましたし、私としては爪を剥ぐのは軽いと思うのですが・・・。」

「しーちゃんがそのままそこから出てこなくてもいいのぉ?」

「それは困ります。今も腑が煮え繰り返っているのですから。」

「デミウルゴスさん、怒ってる?」

「愛する人が別の男と逃げ出した挙句に狭い空間で2人きりなのですよ?嫉妬しない男はいません。」

「・・・。」

「しーちゃん真っ赤!てか湯気でてる!」

 

だって、なんか嬉しいけど恥ずかしい。

デミウルゴスさん、不意打ちなんて狡い。

 

「ちょ、ガルガンチュア!とりあえずもう良いから出して!」

ーはーい。ー

 

ゴゴゴという音と共に光と冷たい空気が入ってきた。

それとほぼ同時に誰かに優しく体を掴まれた。

 

「シエリア様!大丈夫ですか!?」

 

あぁ、デミウルゴスさんだ。

「あれがしーちゃん!?」ていうクレちゃんの声が聞こえた。

とりあえず、今デミウルゴスさんのドアップは心臓に悪い。

体をバタバタと動かし、デミウルゴスさんから逃れようとするがビクともしない。

 

「シエリア様、私がお嫌いですか?」

「違う、けど、苦しい。」

「失礼致しました。この位で如何でしょう?」

 

私が逃げられない絶妙な力加減で掴む力を弱められる。

いや、物理で苦しいんじゃないんだけど。

 

「兄貴、そうじゃなくて、ドキドキし過ぎて苦しいんじゃないかな?」

「そ、それは、失礼致しました。ですがそれですとシエリア様がまた何処かへ行ってしまわれますし。」

「おーい、皆いつまでそのゴーレムに乗ってるつもりぃ?」

 

クレちゃんの言葉に私達はガルガンチュアさんから下りる。

そして、ユフィルさんが提案した。

 

「とりあえずさ、俺はクレマンティーヌの案内するから、兄貴達は2人で話して来なよ。しーちゃんも兄貴もお互いに嫉妬してたみたいだし。」

「お互いに、ですか?」

「・・・。」

「私は構わないよぉ。別に。」

「しーちゃんは少し兄貴に免疫を作って来てね。」

「ユフィル!それは急かす事では、」

「わかった。」

「シエリア様・・・。」

 

どうすれば良いか分からないけど、慣れれば良いんだよね?

デミウルゴスさんに、ドキドキし過ぎないように・・・うん、きっと大丈夫、だといいな。

 

そして私とデミウルゴスさん、ユフィルさんとクレちゃんに分かれる事になった。

分かれる時にユフィルさんが「あの件は調べたので、後で報告書に纏めます。」とデミウルゴスさんに耳打ちしていた。

 

あの件って何だろう?

というか、私ずっと掴まれたままかな?

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

最近迷走中で話が纏まらずすみません。
今回は転移して定位置に戻らなくなって出番の無くなった友達ガルガンチュアを出してみたかっただけなのです。

行き当たりばったりな駄作者ですが、宜しければ今後とも宜しくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

90話(シエリアとデミウルゴスがちょっとイチャつく話)

デミウルゴスさんと一緒に第7階層のデミウルゴスさんの部屋までやってきた。

私はそっと私をソファに下ろしてくれた。

 

「お飲み物は、ココアで宜しいですか?ミルクティーやコーヒーもご用意できますが。」

「えっと、冷たい、ココア。」

「畏まりました。」

 

デミウルゴスさんがココアを入れてくれる間に元に戻る。

そして、後ろでココアを入れているデミウルゴスさんを見る。

いつもぴしっと背筋を伸ばしている背が少し前に倒され、ゆらゆらと尻尾がゆっくりと低い位置で揺れている。

見ていると何だか驚かせてみたくてウズウズする。

ユフィルさんの影響か、それとも私自身の設定のせいか。

私はそっとデミウルゴスさんの背後に近づき、勢いがつき過ぎないようにぎゅっと背中に抱きついた。

 

「し、シエリア様!?」

 

デミウルゴスさんが驚いて振り返ろうとするが、私が抱きついていて上手く体を捻らないようだ。

私からもデミウルゴスさんからもお互いの顔は見れない。

でも、デミウルゴスさんの焦ったような声に悪戯が成功したようで少し嬉しくなる。

 

「ココア、まだ?」

「え?は、はい、もう少しで出来ますよ。」

 

ん?なんか今はそこまで苦しくないかも。

ドキドキはするけど、何だかほんわかする感じ?

考えていると、ココアの甘い匂いとコーヒーの芳ばしい香りがする。

 

「シエリア様、飲み物の用意も済みましたのでソファに移動しましょうか?」

「うん!」

 

私はデミウルゴスさんから離れ、ソファに座る。

デミウルゴスさんはゆっくりとテーブルにココアとコーヒーを置く。

それだけでも格好いいなと思っていると、デミウルゴスさんと目が合う。

 

「あの、私は何かしてしまいましたか?」

「ううん?」

「そうですか。」

 

デミウルゴスさんがほっとしたように言った。

あ、何か勘違いさせちゃったかな?

 

「こうして私の私室で2人きりになるのは、あの時以来ですね。」

「うん、あの時、ありがとう。」

「いえ、私の方こそ打ち明けて下さりありがとうございます。」

 

あの時はまだ付き合う事になるなんて思ってなかったな。

デミウルゴスさんだってそんな素振り・・・ん?

今思い返せば昔指輪を薬指にはめたり、愛する許可って実質告白だったんじゃ?

デミウルゴスさん昔からアプローチしてたのか!

うわー、申し訳ない・・・。

 

「シエリア様?先程から百面相されていらっしゃいますが、どうしました?」

「デミウルゴスさん、ごめん。私、鈍い。」

「申し訳ありません。話の流れが理解しかねます。」

「デミウルゴスさん、昔、アプローチ、してた、気づか、なかった・・・。」

「そんな、シエリア様が気に病む事はありません。あの時があるからこそ今があるのですから。」

「デミウルゴスさん。」

「まあ、欲を言えばユフィルやセバス達ではなく、私を一番に頼っていただけると嬉しいのですが。」

「・・・善処、する。」

「シエリア様?何故そこで間ができるのでしょうか?」

「えへへ。」

 

だって悪戯の時とかデミウルゴスさん怒るだろうし、なんて言えずに笑って誤魔化した。

そう言えば、付き合った後でもずっと敬語のままだけどこれで良いのだろうか?

敬語のせいで一線引かれている気がしなくも無いんだけど。

 

「シエリア様、」

「デミウルゴスさん、敬語、無し?」

「け、敬語をですか?ですがシエリア様は私が扱えすべき方ですので不敬にあたるかと。」

「交際中、なのに?」

「う、ですがケジメというものがありまして。」

「どうしても?」

「・・・はい。」

「今、2人、きり。」

「ですが・・・。」

「呼び捨て。」

 

段々と赤くなるデミウルゴスさんが面白くて可愛くてつい強要してしまった。

 

「し、シエリア・・・・・・様。」

「様、付いた。」

 

デミウルゴスさんがふうっと息を吐き、襟を正した。

その後緊張した面持ちで私としっかりと向き合って目を合わせた。

私もつられて姿勢を正す。

デミウルゴスさんが私の肩に手を乗せ、私の耳元に唇を寄せた。

 

「・・・シエリア。」

「っ!」

 

耳元で囁くのはズルい。

バクバクという心臓を抑えてデミウルゴスさんを見ると勝ち誇った顔をしている。

 

「敬称を取るのは私だけかい?」

「ズルい・・・。」

「そうかい?私だけという方がズルいのでは?」

「むぅ・・・。」

 

うん、でもそうだよね。

さんを付けないだけ、大丈夫、言える!

私も深呼吸をして、覚悟を決める。

 

「デミ、」

「すまない。デミウルゴス、いるか?」

「!?」

「は、はい。おります!モモンガ様。」

「入るぞ。」

 

私はびっくりしてミニマムで一番小さくなりソファの下に滑り込んだ。

それと同時に扉の開く音がする。

危ない・・・悪い事をしてた訳じゃ無いけど。

デミウルゴスさん、大丈夫かな?

 

「デミウルゴス、シエリアの事で相談があるのだが良いだろうか?」

「は、はい。私で宜しければ。どうぞお座り下さい。」

「あぁ。」

 

とと様が座った後、デミウルゴスさんがココアとコーヒーを片付けてソファに座った。

私、どうすれば良いんだろう?

不安な思いのまま、私は動けなかった。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

何故か2人をイチャつかせたい自分と邪魔をしたい自分が戦っております。
暫くは邪魔が入ると思います(笑)

明日も投稿しますので、是非お楽しみ下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

91話(モモンガが相談する話)

とと様がデミウルゴスさんの部屋に入ってきて、重たい空気が流れている。

もしかして、付き合ってるのがバレたのかな?

いや、別に隠す必要も無いと思うんだけど、なんとなく。

 

「デミウルゴス、相談というのは先も言った通りシエリアの事なんだが。」

「はい。」

「シエリアは、ナザリックの外に出さない方がいいのでは無いかと思ってな。」

「それは、シエリア様は御立腹になりそうですね。」

「それは分かっている。だが、シエリアが外に出た時にトラブルばかり起こっている。もしもの事があれば皆国一つ滅ぼしかねないだろう。ならば最初から外に出さない方が私も安心なのだ。」

 

国一つ!?

流石にそんなことはしないと思うけど・・・。

いや、これが了承されたら私ずっとお留守番!?

とと様とまだ全然冒険してないのに!

 

「お言葉ですが、モモンガ様。シエリア様の実力であれば人間の1人や2人、いえそれこそ小国一つ容易に滅ぼす事が可能で御座います。」

「そうかもしれんが、シエリアはそうしないだろう?」

「はい。ですがそれはシエリア様の優しさだけでは無いと愚考します。」

「というと?」

「シエリア様の主な戦闘相手はナザリックの侵入者か、冒険の際に出会う会話の余地なく攻撃してくる敵意の塊の様なモンスターです。ユフィルが野党の死体を送り付けてきた際にも感じたのですが、相手を捕縛する為の戦闘の仕方、平たく言いますと手加減が分からないのではと。」

「手加減、か。確かに今までは敵を殺す戦闘ばかりだったからな。」

 

私そんなつもりで逃げたわけじゃ無いよ!?

ただ追われたから逃げただけだし。

手加減だってきっと出来るよ!

そう思いとと様に見つからない様に抗議の意味で頭突きする。

 

「っ!?」

「ん?どうした?」

「い、いえ、なんでもありません。シエリア様には訓練受けて頂き、その後試験として野党を襲撃するのは如何でしょうか?」

「ふむ、そうだな。シャルティアやセバス達が情報収集に出ているし、ついでに手頃な野党の潜伏先でも調べさせるか。」

「では、その様に手配致します。」

「お前には苦労をかけるな。」

「いえ、御身にお仕えすることこそ私共の幸福でございます。」

 

なんか面倒なことになった気がする。

あ、でも試験でちゃんとやればとと様も冒険連れて行ってくれるかも!

嬉しくてつい軽くジャンプをしたら、頭をソファにぶつけた。

 

「デミウルゴス、今何かソファにぶつかったか?」

「失礼致しました。私の尻尾がぶつかった振動かと。」

「そ、そうか・・・?」

 

デミウルゴスさん、ごめんなさい。

ちょこっとソファから顔を出すと、困った顔をして笑っていた。

そしてちょいちょいと手を小さく動かしたので、そっとソファに隠れた。

 

「所でデミウルゴス、その、1つお前に確認しておきたいことがあるのだが、良いだろうか?」

「はい。私でお答え出来る事ならなんなりと。」

「お前は、その、シエリアの事をどう思っているのだ?」

 

とと様!?どうしよう、これ私が聞かない方がいいやつだ。

デミウルゴスさん、どうするんだろう。

 

「勿論愛しております。」

「そ、そうか。それは、恋愛的な意味でか?」

「恋愛的な意味でも、主人としても、で御座います。」

「それはウルベルトさんの設定故だろう?」

「いえ、ウルベルト様が私に与えてくださったのはシエリア様の婚約者(候補)という立場のみです。私のシエリア様への想いは与えられたものではなく、私個人のものと自負しております!」

 

デミウルゴスさん・・・。

 

「そうか・・・ならば私はお前をシエリアの婚約者候補と認めよう。」

「モモンガ様!」

「勘違いするなよ?シエリアの意思があれば清い男女交際は認めよう。だがシエリアはまだ子どもだ!手を出すことは許さぬ!嫁にも出さん!できちゃった婚など以ての外だ!」

「は!心得ております!」

「泣かせるのも怪我をさせるのも禁止だ!分かったな!」

「勿論で御座います!」

「ならば良い。今後もナザリックの為に励んでくれ。」

「畏まりました。」

 

とと様は立ち上がり部屋を出て行った。

デミウルゴスさんも深々とお辞儀をしている。

私はとと様の後を追って扉の前まで行ったが、扉を出る前に閉められてしまった。

扉の向こうから「俺の娘が・・・シエリアが・・・。」と聞こえる。

 

とと様、辛いなら言わなくてもいいのに・・・。

でも、とと様に想われている事やデミウルゴスさんの言葉が嬉しくて涙がでる。

 

「シエリア様。」

「大丈夫。」

「モモンガ様にシエリア様を泣かせるなと言われたばかりなのですが。」

「嬉し涙、セーフ。」

 

クスクスとデミウルゴスさんが笑っている。

やっぱりとと様は優しいな。

うん、とと様が外に行っちゃう前にぎゅってしてこよう。

 

「とと様、行ってくる!」

「はい。行ってらっしゃいませ。」

 

私はとと様の後を追いかけた。

 

 

 

 

「やはりまだ、私よりモモンガ様なんですね。・・・精進しなければ。」

 

デミウルゴスは1人楽しそうにシエリアを見送っていた。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

モモンガ様、何かを感じ取って一応認めてくれました。
でも、シエリアも親離れはまだ先だから落ち込まなくていいよ!という話でした。

明日も投稿しますので、是非お楽しみください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

92話(おやつを食べて、パンドラがヤキモチをやく話)

とと様を見つけて、前からからどーんと抱きついてみた。

 

「し、シエリア!?どうしたんだ?」

「とと様、大好き!」

「どうしたんだ?急に。」

 

そう言いながらも私をしっかり抱きとめて頭を撫でてくれる。

 

「シエリア、おやつの時間だろう?皆が探していたぞ?」

「とと様、一緒・・・。」

「そうか、なら俺の部屋で食べるか?」

「うん!」

 

それからペストーニャに今日のおやつ(苺タルトとマカロン)とミルクティをとと様部屋に運んでもらった。

 

「今日も美味そうだな。」

「うん、これ、とと様の。」

 

私はそう言って苺タルトとミルクティをとと様の方に置いた。

 

「シエリア、俺は食べれないんだぞ?」

「でも、香り、わかる、苺、いい匂い。」

「そうか、そうだな。こういう楽しみも出来るんだったな。」

 

とと様はそう言って笑った。(表情はあんまり変わってないけど。)

私はとと様を見てからマカロンを食べ始めた。

うん、レモンのヤツがすっきりしていて美味しい。

 

「シエリアは本当に幸せそうに食べるな。」

「はふ?」

「ふっ、シエリア口の周りに欠けらが付いているぞ。」

「ありがとう!」

 

とと様が手を伸ばして欠けらを取ってくれた。

ん?

 

「とと様!袖、付いちゃう!」

「おっと、ん、大丈夫か?」

「セーフ!」

「良かった、ありがとうな。」

「ううん、そっち、行く。」

 

私はとと様の正面の席からとと様の隣(ぴったりくっつくくらい)に座った。

 

「これで、大丈夫!」

「そうだな。安心だな。」

「うん!」

「シエリア、ほら、苺タルトも食べるか?」

「うん!」

「あーんだぞ。」

「あー、ん!美味しい!」

「そうかそうか、まだあるぞ!」

 

苺タルトをあーんしてもらって完食した。

今は頭を撫でてもらいつつ、ミルクティを飲んでいる。

 

「いやー、満腹だなー。」

「とと様、食べて、ない。」

「シエリアを見てるだけで満腹だ。」

「・・・ととさまー。」

「な、なんだ?(流石に気持ち悪かったか?)」

「だいすきー!」

 

そう言ってとと様に抱き着くと、またとと様がピカッと光った。

これ、なんの光なんだろう?

とと様を見ると嬉しそうに抱き返してくれたから、きっと危ないやつではないんだろうけど・・・。

 

そんな事を考えていると、ノックの音が聞こえた。

 

「んモモンガ様っ!アイテムの代用素材の準備がっ、出来ました!」

「・・・。」

「お兄様、来た。」

「・・・そうだな。」

 

とと様が渋い顔をしている。

どうしたんだろう?

扉の向こうからまたノックの音が聞こえた。

 

「モモンガ様、私で御座います。アイテムの代用素材の準備が整いましたので、御連絡に参りました。」

「ん?デミウルゴスもいたのか?」

「違う・・・?」

 

扉の外にいる気配は1人分だけだし、多分お兄様が変身したんじゃないかな?

私ととと様はまだ席を立たないで顔を見合わせている。

 

「もしかして〜、眠っておられます?っそんなことありませんよねっ!?アンデットが眠るなどっ!いや、シエリアに腕枕とかしていて出られないとか?なんと羨ましいっ!どっちも!」

 

お兄様が1人で喋り出し、外で地団駄を踏んでいる音がする。

流石に可哀想な気がする。

 

「とと様、お兄様、大変。」

「そうだな、仕方ない。行くか。」

 

そう言ってとと様が扉を開けると、お兄様が「父上ー!!」と言いながらとと様に飛びついた。

が、とと様がグイグイとお兄様の頭を押して離れようとしている。

 

「ん何故私を拒むのですかっ!?シエリアばかりズルいですっ!娘だからですかっ!娘がいいのですかっ!?」

「ええい!煩い!静かに出来んのか!?」

 

とと様とお兄様の攻防が続く。

するとお兄様が急にとと様から離れ、私の腕を取ってクルクルと回り出した。

そして、私が目が回った頃にやっと止まった。

 

「さあ!モモンガ様!どちらが本物のシエリアか当てられたら今回は諦めましょう!」

 

お兄様はどうやら私に変身したらしい。

私の姿でとと様をズビシっと指差している。

対する私は目が回って座り込んでしまった。

 

「今へたり込んでいるのがシエリアだな。パンドラズ・アクター、お前いい加減にしろ。」

「なんと!流石我等が造物主んモモンガ様っ!私共を見分ける事など朝飯前という事ですね!」

「いや、もうそれでいい。シエリア、大丈夫か?」

「うん、大丈夫・・・。あのね、とと様、お兄様、寂しい、だと、思う。」

「・・・そうか。なら今度構ってやる。所でアイテムの代用素材で呼びに来たんじゃないのか?」

「おお!そうでした、そうでした。いざっ!参りましょうっ!決戦の場(広間)へっ!!」

「突っ込まないぞー。」

「・・・。」

 

広間へ行くのは良いんだけど、お兄様ずっと私の姿であるのかな?

あ!皆が間違えるかやってみても面白そう!

私は楽しみを思いつき、ワクワクしながら広間へ向かった。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

デミウルゴスのターンをやったので、次はモモンガ様のターンになりました!
明日も投稿しますので、是非ご覧下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

93話(シエリアとシエリアに変身したパンドラの違いの話)

モモンガ視点

 

広間に向かう途中にシエリアの思い付きでどっちがシエリアか当ててもらう事になった。

いや、真面目な話の場にどうかとも思ったが、パンドラの変身能力がどこまで有効か知る為にも良い機会かと思ってだな、決してシエリアの輝く瞳にノーと言えなかった訳でもなく、少ししょぼんとしているパンドラを元気づけてやりたいというわけでも無いぞ!うん!

 

広間の扉を開けるとウルベルトさんとペロロンチーノさんと起きたらしいたっちみーさんとぶくぶく茶釜さんとデミウルゴス、アルベドとユフィルがいた。

ウルベルトさん達はシエリア達を見てビックリした顔をしている。

アルベドとデミウルゴスは眉間に皺を寄せ、ユフィルは笑いを堪えている。

 

「お待たせしてすみません。たっちさん、ぶくぶく茶釜さん、おはようございます。起きていらっしゃったんですね!」

「「おはよう、ございます。」」

「お、おはようございます。モモンガさん、それからシエリアちゃんとパンドラズ・アクター、で良いのかな?」

「おはよう、お三方〜。本当にそっくりね!」

 

シエリアとパンドラの顔がぱぁっと明るくなった。

そんなに嬉しいのか2人とも。

 

「モモンガ様、パンドラズ・アクターの姿はシエリア様の影武者という事でしょうか?」

「違うんだアルベド。パンドラズ・アクターの能力がどこまで有効か検証しているんだ。」

「そ、そうでしたか!失礼いたしました。」

「いや、良いんだ。皆さんどちらがシエリアか分かります?」

 

俺はそう言いながら、シエリアとパンドラを皆の前に立たせた。

パンドラには動かないようにいっているし、皆は見分けがつくのだろうか?

ペロロンチーノさんがシエリア達に近づく。

 

「うーん、これは見た目だけで判断しないといけないんですか?」

「仕草とかで判断しても良いですよ?でも触らないでくださいね。」

「え、だめ?」

「ダメに決まってるでしょう!」

 

ペロロンチーノさんが両手を前にワキワキさせるので、シエリアを庇うようにパンドラが抱きしめた。

 

「あ、こっちがパンドラだ。」

「は!ん私としたことがっ!つい!」

「良いのよ、パンドラズ・アクター。今のは正しい判断だわ。」

「全くだ。でも見た感じは違いは無いんじゃないですか?アルベド達はどう思う?」

「はい。パンドラズ・アクターと至高なる御方々ならば気配で判別が可能ですが、シエリア様となると気配での判別は難しいかと。ですが、仕草を見れば一目瞭然です。シエリア様の仕草は愛らしく、パンドラズ・アクターは騒がしいですので。」

「「「あぁ。」」」

「何を行っているんですかアルベド。シエリア様とパンドラズ・アクターの外見はこんなにも違うではないですか?」

「え?兄貴、外見の違いある?肩にケセランパサランが乗ってるくらいじゃない?」

「ユフィルまで、その目は節穴ですか?本物のシエリア様の髪はパンドラよりも2ミリみじかく、艶やかで纏まりがあり絹糸のような輝きを放っているでしょう?肌もシエリア様の方がきめ細やかで潤いがあり白雪の如く美しい!瞳もシエリア様の方が澄んでいて、周囲の光を集め紅に輝いていらっしゃいます!睫毛ですらシエリア様の方が長く細かに敷き詰められ、その宝石の如き瞳を守っている!立ち姿1つ取ってもシエリア様の優雅さ可憐さの方が勝ります!頭の先から爪先まで、」

「デミウルゴス!ストップ!止めろ!シエリアちゃんが羞恥で蒸発しちゃうから!」

「はっ!し、失礼致しました。つい熱が入ってしまいまして。」

 

正気に戻り?慌てて謝るデミウルゴスだが、シエリアは既にパンドラの後ろに隠れ、少しだけ顔を出してデミウルゴスを睨んでいる。

うん、気持ちはよく分かるぞ、シエリア。

俺だってあんな感じでベタ褒めされたら抑制入るだろうし、でもな、羞恥で真っ赤になって涙目で睨んでも可愛いだけだぞ。

その証拠にデミウルゴスやアルベドやユフィルは口元を隠してしまったし、ウルベルトさん達はニヤニヤしている。

 

「流石しーちゃんを1年間語れる男・・・セバスさんがいなくて良かったよ。」

「セバスがいたら、止められるんじゃないか?」

「いや、たっちみー様、セバスさんがいたら対抗してしーちゃんを褒めちぎるに決まってるじゃないですか!」

「そ、そうなのか?」

「たっちみー様だってウルベルト様に対抗するでしょう?」

「あ、あぁ。」

 

ユフィルがたっちみーさんを説き伏せている?

いや、今はシエリアを落ち着かせる方が先か。

 

「シエリア、デミウルゴスを睨んでもどうにもならないぞ。」

「・・・はぃ。」

 

シエリアはしょぼんとして俺の後ろに隠れた。

あぁ、これは立ち直るまでこのままだな・・・。

 

「皆さん、協力ありがとうございます。デミウルゴス、パンドラズ・アクター。そろそろ本題の代用素材の話を進めよう。」

「畏まりました。」

「んモモンガ様の仰せの通りに!」

 

その言葉にシエリアがひょこりと顔を覗かせた。

どうやら代用素材に興味はあるらしい。

この分なら機嫌は直ぐに直りそうだな。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

本当は1人1人ゲーム感覚で当てさせたかったのですが、何故かこんな流れに・・・。
デミウルゴスはシエリアの事だからこんな感じであって、アルベドに化けられたら全く気付かないと思います。
セバスもきっと気づきますね。

明日はクリスマスの話を投稿出来ればいいのですが・・・。
是非明日も読みにいらしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編〜ナザリックのクリスマス前編〜

12月24日、ナザリックは厳重な警備が敷かれていた。

 

デミウルゴス

「良いですか!サンタなる不審者をこのナザリック内に入れてはいけません!」

アルベド

「必ずやシエリア様を守り抜くのです!」

NPC達

「「「おおーーー!!!」」」

モモンガ達

「「「「・・・。」」」」

 

モモンガ達は盛り上がるNPC達をなんともいえない表情で見守っていた。

何故この様な状況になったかというと、数日前に遡る。

それはシエリアが図書館で1冊の絵本を見つけたことが始まりだった。

 

シエリア

「とと様、絵本、読んで!」

モモンガ

「いいぞ。なになに?『まどからのおくりもの』か。」

パンドラ

「おやおやぁ!これはまた面白い絵本ですねぇ〜。」

 

読み聞かせをするモモンガと、キラキラと瞳を輝かせて眠っている登場人物を当てていくシエリアと時々うるさいと注意されるパンドラズ・アクターをウルベルトやたっちみー達プレイヤーを始め、アルベドやデミウルゴス達守護者達が微笑ましく見守っていた。

 

セバス

「夜中に不法侵入するという点はどうかと思いますが、子供達にとっては良い存在なのでしょう。」

たっちみー

「そうだな。うちの子供もクリスマスをたのしみにしているな。」

シャルティア

「そういえば、サンタクロースとはどんなモンスターでありんすか?」

ペロロンチーノ

「さぁ、妖精の類だとは思うけど。」

デミウルゴス

「文献によると、地域によってサンタクロースの伝承は違う様だよ。あの絵本の様にいい子にはプレゼントを配るサンタもいれば、悪い子には石炭を渡すブラックサンタなんてものもある様だ。」

コキュートス

「信賞必罰トイウコトカ。」

アウラ

「ブラックサンタって、サンタクロースの亜種なのかな?」

マーレ

「そ、そうかもしれないね。お姉ちゃん。」

ぶくぶく茶釜

「亜種、サンタクロースは種族名なのね〜。」

 

ぶくぶく茶釜がアウラとマーレの頭を撫でる。

2人は「えへへ〜」と笑っている。

 

ウルベルト

「そう言えば、どっかの国で13人のサンタが1日毎に町に降りてきて悪戯していくって所があったな。」

一同

「え?」

ユフィル

「昔は子供を誘拐して身代金にプレゼントを要求してたとかって伝承もありましたね。」

たっちみー

「そう言えば毎年サンタの服を着た変質者が出たりするな・・・。」

 

ウルベルト達の言葉を聞いた守護者達は、その後作戦会議を開きシエリアを守る為に警備を強化したのだった。

 

因みに現在シエリアの方はというと、厨房でコックやユフィルと共にクッキーを作っていた。

こちらも時同じく、モモンガに絵本を読んでもらっていた時のこと。

 

 

シエリア

「とと様、サンタさん、来る?」

モモンガ

「シエリアはいい子だから、来てくれるんじゃないか?」

パンドラ

「もっちろんですとも!シエッリアよりいい子はいませんからっ!」

シエリア

「お兄様、来る?」

モモンガ

「いや、パンドラは子供じゃないから来ないんじゃないか?」

パンドラ

「な!なんですとっ!?」

シエリア

「アルベドさん、デミウルゴスさん、じいじ?」

モモンガ

「アウラやマーレは来るかもしれないが、他の皆んなはどうだろうな?」

シエリア

「・・・私、サンタさん、なる!」

モモンガ

「え?」

シエリア

「皆、プレゼント、する!」

パンドラ

「おやおや、それは大変ですよ?」

 

その後作戦会議の末、ナザリック内にいる1人1人のアイシングクッキーを配ることになった。

因みに恐怖公ファミリーには特大ケーキを作成済みだ。

 

ユフィル

「ふぅ、毎日保存魔法かけて作ったし何とか間に合ったね。」

シエリア

「うん!ありがとう、ユフィルさん!コックさん達!」

ユフィル

「身代わりは任せてねー!」

 

私はコックとユフィルの分のクッキーを渡し、厨房を後にした。

あ、大量のクッキーは勿論一つ一つ割れないように箱詰めして、サンタ風の大きな袋に背負っている。

因みに今の私の服装はサンタのようなふわふわした赤と白のワンピース(ペロロンチーノ用意)とペストマスク(ウルベルト用意)のようなのである。

 

第1階層

ペロロンチーノ&シャルティアがいました。

 

シャルティア

「ペロロンチーノ様!どうか見ていてくんなまし!このシャルティア・ブラットフォールンがサンタを捕まえてギッタンギッタンにしてみせるでありんす!」

ペロロンチーノ

「ハハハ・・・サンタさんも大変だなー。」

 

そんな2人にシエリアサンタが声をかけた。

 

シエリアサンタ

「メリークリスマス!お届け、もの、です!」

シャルティア

「は!その紅と白の衣装!お主、サンタでありんすね!」

 

シャルティアはズビシっと効果音が入りそうな見事なジョ◯立ちでシエリアサンタを指差した。

シエリアサンタは困っている。

 

シエリアサンタ

「はい、サンタ、です。」

ペロロンチーノ

(なんでペストマスク!?いや、でも声はしーちゃんだし、流石にシャルティアも戦おうとはしないだろう。)

シャルティア

「では、サンタ!貴女に恨みはありんせんがシエリア様の為、いざ尋常に勝負でありんす!」

シャルティア

「挑んじゃったー!?」

 

シエリアサンタはゆっくりとシャルティアに近づき、両手を握る。

 

シエリアサンタ

「・・・戦う、駄目。」

シャルティア

「で、でも、サンタを通しちゃいけないでありんす・・・。」

シエリアサンタ

「大丈夫、ね?」

 

シエリアサンタはシャルティアに伝わるように、優しく言った。

 

シャルティア

「し、仕方ないでありんすね。ならば成敗するのはまたの機会にするでありんす。」

シエリアサンタ

「ありがとう!あ、これ、シャルティアさん、プレゼント!」

シャルティア

「私のクッキーでありんすね!ありがとうでありんす!」

シエリアサンタ

「ペロロンチーノ様、これ、どうぞ。」

ペロロンチーノ

「え、俺のもあるの?ありがとう。よくできてるね!」

 

シエリアサンタは2人が喜んでくれたのが嬉しくて、ペストマスクをとって「えへへ」と満開の笑顔を見せた。

 

ペロロンチーノ

「ぐは!可愛いは正義!なれど脅威・・・!」

シャルティア

「サンタ、恐るべし破壊力・・・!」

シエリア

「えー、マスク、とっちゃ、だめ?」

 

2人は力尽きた。

シエリアサンタはバンパイアブライドに手伝ってもらい、2人をシャルティアの私室に寝かせた。

その後恐怖公ファミリーには特大ケーキを渡した。

 

シャルティア

「シャルティアより連絡でありんす。サンタの侵入を許してしまいんした・・・。でも、我が生涯に悔いなしでありん、す。」

 

第5階層

 

コキュートスがいました。

 

コキュートス

「ソノ紅白ノ衣装、サンタクローストオ見受ケスル。」

シエリアサンタ

「うん、サンタ、です。」

コキュートス

「イクツカ聞キタイノダガ、サンタクロースハバードマンナノダロウカ?」

シエリアサンタ

「?」

 

シエリアサンタはコテンと首を傾げた。

それを見てコキュートスと首を傾げる。

 

コキュートス

「ソノ長イクチバシハ、バードマンノモノト思ッタガ違ウノダロウカ?ソレトモ、己ノ種族ヲ知ラナイノカ?ソレトモシエリアサマナノデショウカ?」

シエリアサンタ

「!」

コキュートス

「ヤハリシエリアサマナノデスネ。ナゼソンナオ姿ヲ?」

シエリアサンタ

「今日、サンタさん、なる!」

コキュートス

「ソウデスカ。足元ガ悪イノデオ気ヲツケクダサイ。」

シエリアサンタ

「ありがとう!これ、プレゼント!」

コキュートス

「コレハ、ワタクシノクッキーデゴザイマスカ!アリガトウゴザイマス!」

シエリアサンタ

「いつも、ありがとう!」

コキュートス

「コチラコソ、アリガトウゴザイマス!今後モ精進イタシマス!ソウダヨロシケレバコチラヲオモチクダサイ。私カラノクリスマスプレゼントデス。」

シエリアサンタ

「ありがとう!開ける、いい?」

コキュートス

「イエ、是非シエリア様ノ用事ガ終ワッタラ開ケテクダサイ。」

シエリアサンタ

「わかった!ありがとう!」

コキュートス

「デハ、オ気ヲツケクダサイ。」

 

コキュートスは大きく手を振ってシエリアサンタを見送りました。

シエリアサンタはコキュートスに手を振ると、ニューロニストやクレマンティーヌ達にもクッキーを配っていった。

 

 

コキュートス

「コチラ、コキュートス。サンタトハ、幸福ヲ運ンデクダサル存在ナノダナ・・・。」

 

 

第6階層

ぶくぶく茶釜とアウラとマーレがいました。

 

ぶくぶく茶釜

「あ!サンタ、さん?(え?ペストマスク?サンタの衣装は聞いてたけど、なんでペストマスク!?)」

アウラ

「あ!あれは絵本のサンタと違うので亜種ですかね?ぶくぶく茶釜様?」

ぶくぶく茶釜

「そ、そうかしらね?」

マーレ

「も、もしかしたら、バードマンのサンタさんなのかも。」

シエリアサンタ

「良い、子、プレゼント、お届け、です!」

 

そう言ってシエリアサンタはぶくぶく茶釜とアウラとマーレにクッキーを渡す。

 

ぶくぶく茶釜

「あら!私にもあるのね!ありがとうサンタさん。」

アウラ

「ありがとう!あ!これ私の顔になってるー!」

マーレ

「あ、ありがとう、ございます。こ、このサンタさんはいいサンタさんなんですね!ぶくぶく茶釜様、お姉ちゃん!」

アウラ

「いいサンタさんだからコキュートス達は通したのね。」

マーレ

「ぼ、僕達が倒すのは悪いサンタさんだもんね!」

アウラ

「あ!そうだ!サンタさん、シエリア様へのプレゼントは何ですか?」

シエリアサンタ

「え?」

マーレ

「お、お姉ちゃん、そんな事聞いちゃダメだよぅ。」

アウラ

「だって!プレゼント被ったら嫌じゃない!」

ぶくぶく茶釜

「こらこら2人とも、大丈夫よ。サンタさんは皆にプレゼントを渡すんだから、引き留めちゃダメよ?」

アウラ

「はい!」

マーレ

「さ、サンタさん、ありがとうございました。」

 

シエリアサンタはぶくぶく茶釜とアウラとマーレに別れを告げて、下の階層に向かいました。

 

アウラ

「こちらアウラ!サンタさんはいいサンタさんだったわよ!」

マーレ

「こ、こちらマーレ、サンタさんは下の階層に向かいました。」

 

デミウルゴス

「クッ、シャルティアだけでなくコキュートスやアウラとマーレまで懐柔されるとは!サンタクロース、恐ろしい洗脳能力ですね。」

アルベド

「シエリア様には指一本触れさせないわよ!プレアデスはシエリア様の寝室に繋がる通路全てを塞ぎなさい!」

 

そのサンタが今守ろうとしているシエリアだとは、知らされない守護者達であった。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日の後編は投稿時間が遅くなると思いますが、必ず投稿しますので是非お楽しみ下さい!

因みに番外編を入れると明日で100話達成となります!
今迄応援ありがとうございます!
今後もよろしくお願いします!

100話記念の話を作りたかったのですが、クリスマスやらイベントに追われているので、お正月兼100話記念で小ネタ集(〇〇が〇〇しちゃったorやってみた的な短い話の詰合せ)を投稿しようと思います。
私の妄想が入るので期待通りのものではなくなるかもしれませんが、リクエストがあれば小ネタ集に入れたいと思います!
執筆の関係で28日くらいまでにコメント頂ければ助かります!
もしも「ネタ提供してやるよ!」というか寛大な方がいらっしゃいましたら、是非メッセージか活動報告にコメントお願いします!

※リクエストは「〇〇が〇〇をやってみた」の他にも被害者とかシチュエーション等の希望があれば成る可く応えていきます!
ですが、小説が消されかねない危険なネタは応えかねます。
ご注意下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編〜ナザリックのクリスマス後編〜

第7階層

 

デミウルゴスは見当たらないが、大勢のデミウルゴスの部下達が物々しい雰囲気で警備していた。

シエリアサンタは圧倒されながらも、近くにいた部下達1人1人にクッキーを渡していった。

 

プルチネッラ

「シエリア様、私共にまで誠にありがとうございます。シエリア様の御厚意に皆幸せです。」

シエリアサンタ

「ううん、いつも、ありがとう!」

プルチネッラ

「所でデミウルゴス様にはお会いになりましたか?」

シエリアサンタ

「ううん、会って、ない。」

プルチネッラ

「なんと。先程シエリア様の様子を見に行くと仰っていたのですが。」

シエリアサンタ

「あらら。これから、第9階層、行く。」

プルチネッラ

「はい。行ってらっしゃいませ。」

 

シエリアサンタはプルチネッラ達に別れを告げ、第9階層に向かった。(第8階層の分は先にモモンガ達が持っていった。)

 

プルチネッラ

「おや?もしかして、私共わデミウルゴス様より先にシエリア様のプレゼントを受け取ってしまったのでしょうか?」

嫉妬の魔将

「これは、マズいかもしれません・・・。」

憤怒の魔将

「先ずは連絡を。」

強欲の魔将

「デミウルゴス様、只今第7階層にシエリア様がいらっしゃいまして、施しを賜りました。現在デミウルゴス様を探しに第9階層に向かわれました。」

デミウルゴス

「ほう、私より先にシエリア様の施しを受けたと・・・まあいいでしょう。サンタクロースに備え、引き続き警備を強化するように。(シエリア様が寝室から出ている?ならばシエリア様の寝室にいて、プレアデスに守られているのは一体?確認しなければいけませんね。)」

強欲の魔将

「畏まりました。」

 

 

第9階層

 

シエリアサンタは出会うメイドや執事や司書達に片っ端からクッキーを配っていた。

メイド達は最初は不思議そうな顔をしていましたが、クッキーを見て喜んでくれた。

 

しかし、シエリアサンタがいくら探してもデミウルゴスやセバスやアルベドやプレアデスやモモンガ達の姿が見当たらない。

仕方なくシエリアサンタは王座の間に向かった。

 

王座の間

 

そこには探していたデミウルゴスやアルベドやモモンガ、ウルベルト、たっちみーやセバスを始めとするプレアデスやパンドラズ・アクターの姿が。

しかも、ユフィルが宙吊りで吊られている。

 

シエリアサンタ

「ユフィルさん!?」

 

シエリアサンタがユフィルに駆け寄ようとすると、プレアデス達が道を塞ぐ。

 

ユリ

「サンタクロース、いえ、シエリア様ですね。」

ナーベラル

「ユフィルは今懲罰中なのです。」

シエリア

「ユフィルさん、悪い、ない!」

シズ

「別に、シエリア様の振りをしたからではありません。」

エントマ

「シエリア様のベッドに寝てたのが問題なのですー。」

シエリア

「何で?」

ソリュシャン

「う〜ん、何と言いましょうか。シエリア様も大人になればわかりますわぁ。」

ルプスレギナ

「そもそも正座していた時にユフィルが煽らなかったら吊るされなかったっス。」

ユリ

「意味あり気に『まだしーちゃんにプレゼント貰ってないんですかー?』とか『セバスさんも兄貴もアルベドさんもしーちゃんから何も聞いてないんですかー?』とか言うから悪いのです。まったく・・・。」

 

シエリアサンタは少し呆れた目でユフィルを見ている。

どうやらモモンガやウルベルトも呆れた顔をしているあたり、ユフィルが煽ったのは本当らしい。

 

ユフィル

「そろそろ下ろしてくださいよー。俺はしーちゃんに頼まれていただけだし、どこぞの誰かさんみたいに不在時に不法侵入してベッドでオイタした訳でもないしー。」

アルベド

「なっ!?何を言っているの!?」

ユフィル

「誰かみたいに睡眠中に寝顔を除いてニヤニヤしている訳でもないしー。」

セバス

「っ・・・。」

ユフィル

「隠し撮りした写真を表情ごとにアルバムにして部屋に隠してたりしてないしー。」

デミウルゴス

「・・・。」

ユフィル

「ねー?」

 

ユフィルがニヤニヤと笑いながら吊るされたままクルクルと回転する。

するとユフィルはシエリアを見つけた。

 

ユフィル

「あ!しーちゃん!あのねー?」

アルベド

「い、いいわ。もう下ろしましょう。どうせこれ以上やったって反省はしないでしょう。」

セバス

「仕方ありませんね。」

デミウルゴス

「まったく、困ったものですね。」

 

デミウルゴス達がユフィルを下ろし始めた。

 

モモンガ

「まさかお前達・・・。」

たっちみー

「どれも犯罪だぞ?」

ウルベルト

「デミウルゴス、写真、ちょっと気になるんだが。」

アルベド

「そ、そんな!?誤解です!」

セバス

「申し訳ありません。見回りの際つい出来心で。」

デミウルゴス

「・・・後程お持ち致します。」

パンドラズ・アクター

「うわー・・・なんとも酷い。」

シエリアサンタ

「・・・ユリ達、プレゼント、あげる。」

 

シエリアサンタはアルベド達を若干冷ややかな視線を向けた後、何もなかったかのようにユリ達プレアデス(セバス除く)にクッキーを渡した。

 

ユリ

「こ、光栄でございます!」

ルプスレギナ

「おぉ!私達そっくりっス!」

ナーベラル

「食べるのが勿体無いですね。」

シズ

「可愛い。」

エントマ

「有難く頂戴しますわー。」

ソリュシャン

「シエリア様、素敵な贈り物をありがとうございますわぁ。」

シエリアサンタ

「喜んで、くれて、嬉しい!」

ソリュシャン

「そうそう、私達からの贈り物もあるんですのよ。後程是非ご覧くださいねぇ。」

シエリアサンタ

「そうなの?ありがとう!」

 

プレアデスと一通り話終わったシエリアサンタはモモンガとウルベルトとたっちみーとパンドラズ・アクターにもクッキーを渡しに行った。

 

モモンガ

「おぉ、ありがとう。上手くできてるじゃないか。大事にするな。」

ユフィル

「保存魔法かかってるんで観賞用にしても大丈夫ですよー。」

シエリア

「うん!香りも、続く!」

モモンガ

「ありがとうな、シエリア。」

ウルベルト

「おぉ、俺だ。ちょっと歪なのがまたいいな。ありがとう、シエリアちゃん。」

たっちみー

「ありがとう、なんだか娘に始めて似顔絵を描いて貰った気分だ。」

パンドラズ・アクター

「さっすがシエリアですっ!」

シエリア

「えへへ。」

 

シエリアサンタは喜んでもらえて嬉しそうに笑っている。

そしてその様子をアルベド・セバス・デミウルゴスはなんとも言えない苦い表情で見守った。

そしてシエリアサンタはアルベド達に向き直る。

 

シエリアサンタ

「・・・明日、から、自粛、する?」

アルベド

「はい!致します!」

セバス

「私も、明日からの見回りはユリ達に割り振ります。」

たっちみー

「いや、別にセバスが見回ってもいいんじゃないか?自分を律すればいいだろう。」

シエリアサンタ

「うん。」

デミウルゴス

「アルバムは封印致します・・・。」

ユフィル

「燃やして処分はしないの?」

デミウルゴス

「そんな!?写真であろうとウルベルト様やシエリア様を燃やすなど!」

ウルベルト

「あ、俺のもだったのか。いや、写真は後で確認して後でいいヤツと悪いヤツに分けよう。」

デミウルゴス

「ありがとうございます!」

 

シエリアサンタはアルベド達にクッキーを渡した。

アルベド達は瞳に涙を浮かべる。

 

アルベド・セバス・デミウルゴス

「寛大な御心、感謝致します!」

 

その後ナザリックではクリスマスパーティーが開かれ、シエリアサンタはクッキーと牛乳を机に置いて眠りについた。

 

〜翌朝の話〜

 

シエリアが翌朝目を覚ますと、部屋に山積みのプレゼントが置いてあった。

 

モモンガ&パンドラズ・アクター

[毛糸の猫耳帽子]

たっちみー&セバス

[赤いマフラー]

ぶくぶく茶釜&アウラ&マーレ

[白地にスカートの裾に植物の蔦の刺繍が施されたワンピース」

コキュートス

[ふわふわの薄茶色のコートと手袋]

ユフィル

[赤い可愛らしい靴]

プレアデス一同

[赤い宝石のブローチ]

ウルベルト&デミウルゴス

[レース等がお洒落な黒いドレスと黒いヴェール]

ペロロンチーノ&シャルティア

[黒い勝負下着]

 

シエリア

(ウルベルト様達とペロロンチーノ様達以外のモノを合わせて着れば良いかも。ウルベルト様達のはパーティとかで着れば良いよね?ペロロンチーノ様達のは、クローゼットの奥に封印だね。)

 

シエリアはプレゼントに貰った服を着て、ドレスや下着類をクローゼットにしまった。

するとプレゼントの山から丁度死角になる所に人が入れる様な大きな箱を見つけた。

箱には[メリークリスマス!サンタクロース]と書かれていた。

 

シエリア

「なんだろう?」

 

シエリアが恐る恐る箱を開けると、ガチガチに縛られタオルを噛まされたデミウルゴスがいた。

 

シエリア

「デミウルゴスさん!?」

 

シエリアが慌てて拘束を外すとデミウルゴスは余程長時間強く縛られていたのだろう、ゆっくりと関節をバキバキと言わせながら箱から出てきた。

 

シエリア

「大丈夫?」

デミウルゴス

「えぇ、ありがとう御座います。しかし油断しました。何者かに背後から襲われ、気が付いたらあの状態で・・・。」

 

デミウルゴスは悔しさで顔を歪める。

シエリアは取り敢えずデミウルゴスをベッドに寝かせ、外にいるであろうメイドに声をかけようと部屋の外に出ると、ソリュシャンとユフィルが扉の前にいた。

 

シエリア

「ソリュシャン?」

ソリュシャン

「シエリア様、現在ナザリックは緊急事態に陥っております。」

ユフィル

「兄貴が行方不明でさ。しーちゃん知らない?」

シエリア

「デミウルゴスさん、部屋、いる。怪我、してる。」

ユフィル

「はあ!?え、えっと、ちょっと待って取り敢えず報告する。ソリュシャンはしーちゃんと兄貴の側にいて。」

ソリュシャン

「えぇ。」

 

しばらくして部屋にモモンガ達がやってきた。

 

ウルベルト

「デミウルゴス!大丈夫か!?」

デミウルゴス

「ウルベルト様、申し訳ありません。油断しておりました。」

モモンガ

「一体何があったんだ?」

デミウルゴス

「昨夜警備の確認をしておりましたら、急に背後から襲撃されまして、気付いたら拘束され箱の中に詰められておりました。」

ウルベルト

「その箱というのは?」

シエリア

「あれ、起きたら、プレゼント、一緒、あった。」

モモンガ

「誰かがデミウルゴスを襲撃し、プレゼントとしてシエリアに贈ったとでも言うのか。」

ソリュシャン

「しかし、デミウルゴス様の背後を取り、一瞬で気絶しているとは言え縛り付け梱包まで出来る者等ナザリック内におりませんわ。」

 

皆が頭を抱えていると、ユフィルが部屋の皿とカップに気付いた。

 

ユフィル

「しーちゃん、もしかしてあそこにクッキーと牛乳置いてなかった?」

シエリア

「うん、置いてた。」

ユフィル

「やっぱりかー。」

モモンガ

「ユフィル、どういう事だ?」

ユフィル

「兄貴を襲った犯人の正体は、サンタクロースです。」

ウルベルト

「・・・何故サンタがデミウルゴスを襲うんだ。」

ユフィル

「しーちゃんのプレゼントにする為です。」

デミウルゴス

「やはりサンタクロースがナザリックに侵入していたという事ですか?」

ユフィル

「いや、しーちゃんが召喚しちゃったんだ。」

モモンガ

「サンタクロースを、召喚するだと?」

ユフィル

「このアンサイクロペディアにサンタクロースが載ってるんです。そこには『サンタクロースは種族不明のモンスターである。稀にクリスマスイブの夜に牛乳とクッキーを用意すれば召喚出来る。召喚されたサンタクロースは召喚者の望むものをプレゼントとして置いていく。』と書いてあります。」

ウルベルト

「マジかよ・・・。」

モモンガ

「サンタクロースはモンスターなのか。」

デミウルゴス

「・・・。」

ユフィル

「とにかく、兄貴はこのままゆっくり回復して、しーちゃんは兄貴が動かない様に見張っててね。」

シエリア

「わかった。」

ユフィル

「さあモモンガ様、ウルベルト様、ソリュシャンも他の皆はまだ混乱してるだろうし、事態を沈静化しに行きましょう。」

モモンガ

「そ、そうだな。」

ウルベルト

「デミウルゴス、しっかり休むのだぞ。」

 

モモンガ達はシエリアとデミウルゴスを残して部屋を出た。

そしてモモンガとウルベルトは事態の説明をする為アルベド達に連絡を取る。

ユフィルとソリュシャンは各階層にデミウルゴスの発見を知らせに向かった。

 

ソリュシャン

「ユフィル、サンタクロースがシエリア様にデミウルゴス様を贈ったのは、やはりシエリア様がデミウルゴス様に好意を抱いていらっしゃるからかしらぁ?」

ユフィル

「んー、ちょっと違うかな。多分しーちゃんが本当に欲しかったのは、兄貴と一緒にいられる時間じゃないかな?」

ソリュシャン

「まあ!それは、デミウルゴス様にとっても悪い話ではないかもしれませんねぇ。」

ユフィル

「モモンガ様には言えないけどね。」

 

ユフィル達はシエリアとデミウルゴスの邪魔が入らない様に各階層に連絡をした。

こうしてナザリックの慌しいクリスマスは幕を閉じた。

 

 

・・・因みにシエリアとデミウルゴスはというと、サンタクロースの思惑通りゆっくり穏やかに2人の時間を過ごしたのだった。




最後まで読んで頂きありがとうございます!

やっとクリスマスが終わりました!
明日はお休みさせてもらって、次回の投稿は木曜日になります!
是非ご覧ください!

そして100話目投稿です!
100話記念も頑張りますので、是非今後も応援宜しくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

95話(デミウルゴス牧場とユフィル農場計画が始まる話?)

デミウルゴスさんとお兄様が素材の説明をしていく。

この皮は柔軟性?が劣るとか、ある程度強いモンスターじゃないと皮の強度が弱いとか。

時々美味しそうな匂いがした皮があったから、あれは良くご飯に出てくる種族(鶏肉とか牛肉とかドラゴンとか)らしい。

 

 

「と、以上のことから羊皮紙の代用にはこちらの皮が一番有効かと存じます。」

「ふむ、成る程な。」

「デミウルゴス、この皮は量産出来るか?」

「はい、ウルベルト様、安定供給が可能でございます。」

「なら羊皮紙の代用はこれで決まりだな!」

「あれ?そう言えばこの皮って原材料何なのかしら?」

「そうですね・・・『聖王国両脚羊』と呼ぶのは如何でしょうか?」

「あぁ、正式名称はない種族なんだな。」

「・・・?」

 

ラム肉の匂いはしなかったけど、種類が違うからかな?

私が首を傾げていると、ユフィルさんが話し出した。

 

「因みにポーション類の材料なんですが、この世界の材料では現段階では難しいです。薬師から買ったポーションも効果低いし、ユグドラシルと同じ品種を見つけても品質悪いし、今ナザリック内にあるユグドラシル産の種を栽培して増やした方が良いと思います。」

「代用は不可能なのか?」

「不可能では有りませんが、品種改良が必要です。ですがそれでは満足な物が出来る前にナザリックの在庫が尽きるかと。」

「なら仕方ないわね。農夫の職を持っているNPC達に頼みましょう。」

「確かユフィルも農夫持ってましたよね?ならユフィルに作物類の調達は任せましょうか?」

「たっちさん、そうですね。ユフィル、任せても大丈夫か?」

「畏まりました。」

「デミウルゴス牧場、と、ユフィル農場?」

「畏まりました!では僭越ながら牧場名はそのようにさせて頂きます!」

「なんか、自分の名前つけるの恥ずかしいな・・・。」

 

デミウルゴスさんは嬉しそうに、ユフィルさんは照れ臭そうに笑った。

農場なら野菜とかも育てるのかな?

 

「ユフィルさん、苺、育てる?」

「え?苺は、ポーションとかには使わないし作らないかな?」

「・・・そっか。」

 

作らないのか、ちょっと苺狩りとかしてみたかったんだけど、残念だ。

しょぼんとしていたら、ユフィルさんが私の頭に手を置いた。

 

「わかった、わかりました!作りたい作物言ってごらん!お兄さん頑張るよ!」

「ほんと!?じゃあ、苺、トウモロコシ、サツマイモ、じゃが芋、林檎、後は・・・。」

「しーちゃん、意外と多いね。まあ、季節もあるし後で調べようね。」

「うん!」

「シエリア様、飼育したい動物は御座いますか?宜しければ牧場の方で飼育致します。」

「んー、第6階層、いる、から、いい。」

「そ、そうで御座いますか。」

 

デミウルゴスさんがちょっとしょぼんとしてしまった。

 

広間には他にも色んな素材があって、錬金術師や鍛治師は喜んでいるらしい。

アルベドさんも服の材料にしたい素材を見つけたらしく、デミウルゴスさん達に追加で取ってこれないか聞いていた。

私もふわふわしたものが無いかと見ていると、急にもふまるに視界を塞がれた。

 

「もふまる?なーに?」

「シエリア?大丈夫か?」

「しーちゃんがもふもふしたもの探してるから、もふまるがヤキモチ焼いたんじゃない?」

「ん自分はここにいるっ!と言いたいのでしょぉうっ!」

「うん、ごめんね、もふまる、もふもふ!」

 

私はもふまるをもふもふした。

 

「ケセランパサランって顔とかないけど、シエリアちゃんが持ってるだけで可愛く見えるの何でだろう。」

「ウルベルトさん、それはしーちゃんが可愛いからでは?」

「シエリアちゃんって見てるとほのぼのしますよね。」

「ウルベルトさん、愚弟、たっちさん。モモンガさんの周りに花が見えるわよ。」

 

ウルベルト様達の会話が聞こえ、とと様を見るとコテンと首を傾げていた。

うん、今はお花じゃなくて?が見えるよ。

 

「シエリア、これから暫く対人間戦の為の訓練をしてもらう。いいな?」

「うん。」

「そ、そうか。ではデミウルゴス達の言う事をちゃんと聞いて、頑張るんだぞ。」

「頑張る!」

「だ、大丈夫か?詳細とか全く話してないが・・・。」

 

あ、そう言えばとと様はデミウルゴスさんの部屋に私がいないの知らないんだった。

でも、デミウルゴスさんだって深読みスキル?で詳細聞かないで動いたりするし大丈夫だよね?

 

「大丈夫!とと様、わかる!」

「・・・そうか。」

 

あれ?とと様が元気なくなっちゃった・・・まさか本当は訓練してほしくないとか?

それからとと様達は話し合いをするらしいので、私はデミウルゴスさんとユフィルさんとクレマンティーヌちゃん達ととと様が言ってた訓練をする事になった。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日は私用でバタバタするので明日も投稿おやすみさせてもらいます。
申し訳ありません!
明後日は投稿できるように頑張りますので、暫しお待ちください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

96話(対人訓練開始の話)

デミウルゴスさん達と広間を片付け、クレちゃんに合流した。

が、何故かクレちゃんはメイド服を着ていた。

 

「しーちゃーん!助けてぇ!」

「クレちゃん?」

「何でメイド服?」

「シエリア様のお側にいらっしゃるのにあの様な露出の多い服を着るなど!シエリア様の教育によろしくありません!」

 

ユリがプンプンと怒っている。

私の後ろに隠れたクレちゃんのメイド服姿が違和感しかない。

うん、クレちゃんにはもう少し動きやすい服の方がいい気がする。

私の服で動きやすいのあったかな?

 

「メイド服似合わないなー。俺がなんか貸してやろうか?」

「誰が女装野郎の服を借りなきゃいけないのよ!?」

「ふむ、ですが他にはシャルティアに借りてみますか?」

「いや!あの吸血鬼はダメ!」

「何か、あった?」

「アイツなんかよくわかんないけど、寒気したもん!」

「アンデット、だから、冷たい?」

「いや、フッ、野生動物の危機管理能力じゃないかな?」

 

ユフィルさんが何故か笑っている。

本当に何があったんだ・・・?

デミウルゴスさんがクイッと眼鏡を上げる。

 

「シエリア様、対人間戦訓練の装備のついでに彼女装備を整えるのは如何でしょうか?」

「何?しーちゃん訓練するの?戦える?」

「な!失礼ですよ!シエリア様は私達よりお強いです!」

「ユフィルやそこのインテリ眼鏡よりぃ?」

「インテリっ?いえ、残念ながら。」

「・・・むぅ。」

「しーちゃんが膨れたー。」

 

ユフィルさんがほっぺをつんつんしてくる。

 

「しーちゃん武技とか使えるの?」

「武技?」

「何それ?スキルみたいなもん?」

「はて、武技とはどんなものなのでしょうか?」

「え!?アンタ達武技知らないのぉ?信じらんない!どうやって戦ってきたのよぉ!いいわ、私が教えてあげる!」

 

そして私とクレちゃんの手頃な装備に変え(クレちゃんは結局いつもの装備)、第6階層の闘技場にやってきた。

 

「じゃあ早速だけど、まずはユフィル。アンタが対戦相手ねぇ。」

「あー、やっぱり?」

「早くしなさいよ!」

「はーい。」

 

ユフィルさんとクレちゃんがお互いにナイフを構える。

そしてクレちゃんが一気に距離を詰めてユフィルさんに斬りかかる。

ユフィルさんがその攻撃を軽くナイフでいなす。

それを何回か繰り返すが、実力はユフィルさんの方が数段上の様だ。

クレちゃんがユフィルさんから距離を取り、異常に姿勢を低くする。

まるで犬や猫が飛びかかる前の体制だ。

 

「能力向上、能力超向上」

「?」

 

次の瞬間クレちゃんが一瞬で距離を詰め、攻撃を放つ。

ユフィルさんが咄嗟にナイフで受け止めるも、ナイフが飛んでしまった。

 

「ほう。これは。」

「ユフィルさん、大丈夫?」

「ん、ちょっと吃驚しただけだよ。でも、面白いね。武技か。」

「どぉお?」

「すごい!」

 

ふふんとクレちゃんが得意気に笑う。

デミウルゴスさんは何かを考えた後、とと様達に報告に行ってしまった。

私はクレちゃんに武技を教えてもらうことになった。

ユフィルさんは見守るらしい。

 

「いい?まずはこう集中して、敵を見据えて、スッといってドスってするのよぉ。」

「・・・?」

「説明下手くそか。」

「なんですってぇ!?」

「いや、そんな説明で分かるわけないだろ?」

「だって他に言いようがないんだからしょうがないじゃない!」

「なんだよそれ!」

 

ユフィルさん達が喧嘩しだした。

うーん、武技ってもしかして集中した末の火事場の馬鹿力的なヤツなのかな?

集中して自分の限界以上の力を引き出すみたいな。

前に読んだ本で仙人が言ってたトランス状態!

だとしたらそれはとても危険で厳しい修行をしないと手に入らない。

クレちゃんはそういう環境で育ったんだろう。

クレちゃんをじーっと見ていると、それに気づいたクレちゃんが泣きそうな顔をした。

 

「しーちゃんも私の説明わからない!?」

「何となく、分かる!」

「ほら!しーちゃんは分かるって!」

「何となくだろ!?」

 

クレちゃんが嬉しそうな顔でユフィルさんに食ってかかる。

ユフィルさんもやり返すけど、なんか楽しそう・・・。

なんかアウラちゃんとシャルティアさんみたいだ。

 

「しーちゃん出来そう?」

「とりあえず、やってみる。」

 

クレちゃんを相手に一度戦ってみることになった。

ナイフを構えてクレちゃんに向き合う。

お互いに向き合ったまま動かない。

あれ?私から動かないといけないやつ?

 

「今は型の練習か?」

「とと様!」

「戦う筈なんですが、お互い動かなくって。」

「だってしーちゃんと戦うなんてできないぃ!」

「家族、戦う、初めて。」

「うーん、訓練以前の問題か?」

 

とと様とウルベルト様とたっちみー様とぶくぶく茶釜様とペロロンチーノ様がやってきた。

 

「うーん、シエリアちゃんは怪我させるのが嫌なんだろう?」

「痛い思いをしてほしくないんだろうな。」

「うん。」

 

ウルベルト様とたっちみー様が悩んでくれた。

これじゃあ訓練にならないのは分かっているけど、どうしても体が動かなくなってどうすればいいかわからない。

 

「あ!なら痛め付けられて喜ぶNPCならいいんじゃないかしら?」

「では、シャルティアを連れてまいります。」

「おお!それは適任だ・・・っておい!デミウルゴス!」

「いえ、ペロロンチーノ様。シャルティアさん以外の適任っていないですよ!」

「くそ!否定できねぇ!」

 

そこで皆大爆笑したのだった。

その後私の訓練はシャルティアさんを練習台に、まず身内に攻撃する訓練となった。

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

本当はモモンガ様達に武技を見せたかったのですが、シエリアとクレマンティーヌが戦えませんでした。
次回は本格修行(ほぼ会話&ギャグ)でお送りいたします!
明日も投稿しますので、是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

97話(身内に攻撃する訓練の話)

ユフィル視点

 

兄貴によりシャルティアさん(情報収集中だった)が呼び出され、しーちゃんの特訓が始まった。

 

「シエリア!頑張れ!」

「う、くぅ・・・。」

「あれ、相手が無抵抗だからやりにくいんじゃない?」

 

しーちゃんはずっとシャルティアさんのエインヘリヤルで作られた実験台1号を前に攻撃出来ずにいる。

あれを身内と認識できるしーちゃんはある意味すごい。

 

「私の創造したモンスターでありんすが、それでも厳しいでありんすか?」

「あいつにモモンガ様を罵倒させたらどうですか?前に侵入者がモモンガ様を罵倒して細切れにされてたし。」

「そんな事があったのか?」

「親を罵倒されれば怒るわよね。」

「シエリアの為だ。シャルティア、頼む。」

「ですが、モモンガ様に罵る点など無いでありんす。」

「ならシャルティア、ごにょごにょ。」

「ペロロンチーノ様!?・・・畏まりんした。」

 

ペロロンチーノ様は何を吹き込んだのか。

シャルティアさんが更に実験台1号に吹き込む。

そして実験台1号が声高々に言った。

 

「モモンガ様のDT!!」

「・・・?」

「ペロロンチーノさん!?なんて事を言わせるんですか!!」

「ごめん、ごめんなさい!」

 

ペロロンチーノ様がモモンガ様がペロロンチーノ様を揺する。

シャルティアさんは真っ青で、たっちみー様は顎に手を当て考えている様子だ。

ウルベルト様と兄貴は眉間に手を当て下を向き、ぶくぶく茶釜様と俺は大爆笑。

クレマンティーヌはローマ字を知らないからピンときていないようだ。

 

「ねぇ、なんのことよぉ?」

「ん、童貞って意味。」

「でも、アンデットなら当たり前よねぇ?」

「アンデットになる前も含みの罵倒じゃ無い?」

「ふーん?しーちゃん全く動かないけど、ショックなのかしらぁ?」

 

クレマンティーヌの言葉に皆がしーちゃんを見る。

でも、あの様子は意味を必死に考えてるな。

しーちゃんがぽん!と手を叩いた。

 

「しーちゃん、意味わかった?」

「おい、ユフィル!何を、」

「うん!D(誰より)、T(強い)!」

「「「「あーーー・・・。」」」」

 

キラキラとした瞳で自信満々の笑顔で言うしーちゃんの回答に、皆が両手で顔を隠した。

きっと誰もが思い知ったことだろう。

しーちゃんの純粋さと、自分達の心が如何に汚れているかを。

クレマンティーヌが密かに笑っている。

 

「これ、訂正します?」

「いや、あの笑顔に汚れた答えは誰も言えないだろ。」

「俺が間違ってました・・・。」

「シエリア様、尊いでありんす。」

 

親子が崩れ落ちた。

それから仕切り直しで、俺が昔見た侵入者の言葉をそのまま言わせることになった。

 

「あの骸骨野郎のギルドなんて楽勝だと思ったんだよ!昔何度もあの骸骨殺したんだからよ!」

「!」

 

実験台1号がそう言った瞬間、実験台1号は綺麗にバラバラにされていた。

しかもしーちゃんは酷く冷たい瞳で、しかし口許は綺麗に弧を描いて実験台1号の腕を力強く足で何度も踏み潰している。

 

「あれ、シエリアですよね?ウルベルトさん。」

「えぇ、間違いなくシエリアちゃんです。ガチギレしたモモンガさんより静かですが。」

「そ、そうですか?」

「俺ですら動きを追うのが精一杯でしたよ。」

「いくらしーちゃんを攻撃しない設定にしてても一瞬でバラバラに出来るとか。」

「あれが、しーちゃんの本気、なのよね?」

「初めて、シエリア様を恐ろしいと思うでありんす。」

「シエリア様、素晴らしい手捌きです。」

「兄貴のそれは嬉し泣きか?」

「あれ、武技とかの次元じゃないんだけどぉ。」

 

昔は他にも敵がいたからあそこまで1人に執着しなかったのか。

てか、あれ戻るのか?

 

「しーちゃーん?」

「!」

 

此方に気付いて、いや思い出してにっこりと笑うしーちゃんには狂気を感じた。

兄貴が1人嬉しそうで、シャルティアさんが何故が興奮してるし。

なんかしーちゃんの心の闇を見た気がする。

 

「シエリア、あの、大丈夫か?」

「うん!」

「そうか。」

「一旦、休憩にしませんか?」

「そうね、たっちみーさんの言う通り休憩にしましょう!」

「そうだな、シャルティアの情報報告もして欲しいし!」

「はいでありんす!」

 

御方々と兄貴とシャルティアさんは書斎へと向かった。

俺とクレマンティーヌはいつも通りに戻ったしーちゃんと恐る恐る会話をしていた。

因みにナイフじゃなくて木の棒を装備させたら、普通に訓練が出来た。

その後誰も言う機会はないが、しーちゃんにNGワードが加わった。

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

次回はシャルティアの報告の話になると思います!
明日も投稿するので、是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

98話(シエリアの試験とちょっぴり福利厚生の話)

モモンガ視点

 

先程のシエリアは驚いた。

まさかあれ程に怒るとは・・・いや、俺もお礼参りで色々やったし人のことは言えないか。

取り敢えずシャルティアの報告を聞こう。

 

「シャルティア、何か情報はあったか?」

「はい。まず野党の根城でありんすが、エ・ランテル近郊に丁度良さそうなのがありんした。どうやら女を捕まえては慰み者にしているとか。」

「それは!助けに行かなくては!」

「たっちみー、落ち着け。そいつらならシエリアちゃんが失敗して殺しちゃっても問題なさそうだな。」

「捕まえて実験台とか今後の練習相手にしたら?」

「後、特殊能力持ちとかいたら連れ帰っちゃうのも良いわよね。」

「そうですね。デミウルゴス、シエリアはどのくらいで試験を受ける段階まで行けるだろうか?」

「はい。3日もあれば十分かと存じます。」

「しーちゃん3日でいけるか?」

「力の底上げってわけじゃなく、ある力を抑える訓練なら問題ないだろう。」

「はい!ウルベルト様の仰る通りでございます!」

「ではシエリアの試験は2日後とする。」

「なら試験官はシャルティアに任せよう。護衛としてユフィルとシャルティアの眷属達で間に合うよな?」

「御任せくださいまし!」

 

それから周辺地理等の状態を報告があった。

しかし、デミウルゴスの「これならばモモンガ様の計画通りに進みますね!このまま進めさせて頂きます!」の言葉に討論する機会を失った。

いや、たっちみーさん達に説明するという形でデミウルゴスから説明させようとしたが、アルベドの「モモンガ様から直接お伝えした方が!」という余計な言葉によって断念された。

シエリアやユフィル辺りに計画書的な物をデミウルゴスから受け取るように頼まないだろうか?

 

デミウルゴス達を退出させて今後の話を始めた。

 

「ペロロンチーノさんが今日一日ナザリックにいたって事は、寝る時に現実の事を考えなければナザリックに残れるって事ですよね?」

「そうみたいです。」

「なら現実に戻る条件は決定ですね。」

「まあ、それがわかったからといって状況が変わるわけではないんだけどね。」

「暫くは様子を見て情報を集めましょう。もしかしたら同じ様なプレイヤーがいるかもしれません。」

「そうね。もしかしたら何か知ってるかもしれないし。」

「個人的にはこのままでもいい気がしますけどね!睡眠中だから体は休まるし、モモンガさん達やシャルティアにも会えるし一石二鳥です!」

「アンタは全く・・・。」

 

それから話は福利厚生の話に変わった。

 

「今のNPC達って無休で無給なんだよな。まずは給料から支給しますか?」

「何言ってるんだたっちみー。現状だと安定した給与は時間がかかると思う。先に休暇から取らせませんか?精神的に回復してもらった方が効率も上がりますよ。」

「ウルベルトさんの言う通りかもしれませんね。まずNPC達がどんなスケジュールで動いているかを確認したいところです。」

「あの愚弟が真面目な事を言っている!」

「なんだと!俺だってやるときゃやるんだよ!」

「まあまあ、2人とも落ち着いて。とりあえずアルベドを呼び戻しますか?」

「デミウルゴスも連れてきていいんじゃないか?」

「いや、デミウルゴスには色々頼み過ぎているので今回はアルベドだけでいいかなーって。」

「確かに今一番キツイのって外に出ている2人とデミウルゴスよね。」

 

そう言う流れでアルベドの話を聞くことにした。

 

「アルベドよ。今後のナザリックの為にお前の1日の流れを教えてくれ。」

「はい。」

「それで構わないぞ。プライベートな内容は言わなくていいからな。」

「はい。基本的にはモモンガ様のお側に24時間控えさせて頂き、時々各階層の確認と、守護者会議に参加しております。」

「プライベートの時間はどれくらいだ?」

「モモンガ様がお呼びとあらば何時間でも!」

「え?」

「ですから!どうぞご遠慮なく寝室にお呼び頂いて構いません!」

「モモンガさん・・・?」

「いや!呼ばないぞ!後そう言う話は控えろ!?」

「し、失礼致しました!」

 

なんて事を言うんだアルベド!

これは設定をいじった俺が悪いんだろうが、皆の前でこんな発言をするとは・・・。

皆の視線が痛い。

 

「ねぇアルベド?他の守護者達はどんなスケジュールなのかしら?」

「はい、ぶくぶく茶釜様!他の守護者も24時間各階層の警備をしております。空き時間はアウラは獣達の世話や見回りやシエリア様とお茶をしているかと。」

「しーちゃんとお茶か。丁度いい休憩時間だな。」

「はい!特におやつの時間はシエリア様を発見した者が時間を共に出来ますので、毎日皆血眼でシエリア様を捜索します。」

「そ、そうなのか?知らなかったな。」

「御方々とシエリア様に悟られてはならないという暗黙の了解がありますのでご存じないのは仕方のないことかと。」

 

シエリアが皆の休憩になっているのは良かったが、本人が知ったら複雑だろう。

 

「今のところ時間を区切って休憩時間を作ったり、階層守護者は厳しいがシフト制で休んだりはできそうか?」

「うむ、アルベドよ。デミウルゴスや他の守護者と相談し、皆の休憩時間を確保するように。」

「畏まりました。皆様の御心遣い感謝いたします。」

 

一気に進めるとNPC達も戸惑うだろうし、少しずつ進めよう。

エ・ランテルからカルネ村まで往復の護衛ならシエリアの試験には十分間に合うだろう。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

今年最後の投稿です!
今必死に小ネタを書いておりますので、明日は100話&正月記念を投稿します!
皆様来年もよろしくお願いお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編〜100話記念&お正月〜

皆様明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願い致します!



九尾様リクエスト〜ネム達がナザリックにやってきた(親子でナザリック案内してみた。)

 

それはエンリやネムやンフィーレアが初めてナザリックを訪れた時の事。

モモンガ、パンドラズ・アクター、シエリア(ミニマム)はネムを案内していた。

 

ネム

「すごい、すごーい!これは?」

シエリア

「ここ、図書館!本、いっぱい、ある!」

ネム

「これは?」

パンドラズ・アクター

「んそれは〜ただの壺っ!ですっ!」

ネム・シエリア

「壺っ!ですっ!」

モモンガ

(なんでシエリアまでパンドラの真似を?いや、可愛いけど。)

 

それからネムが何かを聞くたびにパンドラが答え、真似っこが繰り返される。

そしていつのまにかパンドラズ・アクターの謎のポーズレクチャーが始まった。

 

モモンガ

(これ、エンリ達に怒られたりとかしないか?)

パンドラズ・アクター

「ん次はヒーローのポ〜ズ!!両手を高らかにあげっ、大きくZを描く!『へ〜んしんっ!』」

ネム・シエリア

「『へーんしん!』」

モモンガ

(それどっかで聞いたことある!)

パンドラズ・アクター

「ん次は、足を肩幅に開き、左腕を曲げ体の前に!そして右手はやや斜め後方に!『人助けをするのは!当たり前!』」

ネム・シエリア

「『当たり前!』」

モモンガ

(たっちさんだ!確かに正義降臨のエフェクト使った時のポーズだけど!どうしよう、ちょっと他が気になる。)

パンドラズ・アクター

「ん次は支配者のポ〜ズっ!右手を素早く水平に!『騒々しい!静かにせよ!』」

ネム・シエリア

「『せよ!』」

モモンガ

「やめなさい!そ、そろそろ戻るぞ!」

ネム

「はい!アインズ様!」

シエリア

「はーい!」

モモンガ

(全く!パンドラは何を教えるんだ!これが広まったらどうするんだ。)

 

その後モモンガ達はエンリ達に合流し、話を進めていった。

その後カルネ村ではモモンガの思った通り、パンドラのポーズがゴブリン達に流行したり、密かにシエリアからセバスに伝授されたりしており、モモンガはそれを知る度に抑制が入るのだった。

 

 

アトニもっち様リクエスト〜シエリアが完全なる狂騒を使う話。(被害者ウルベルト親子?)

 

それは平和なある日、事件は起きた。

シエリアは廊下に落ちているクラッカーの様なものを見つけた。

そしてつい出来心でヒモを引いてしまったことから始まる。

 

ウルベルト

「ん?今の音は何だ?」

 

ウルベルトは廊下に出てパチクリと瞬きをしているシエリアを見つけた。

 

ウルベルト

「シエリアちゃん?今、」

シエリア

「ウルベルトさまぁー!」

ウルベルト

「ごふっ!?し、シエリアちゃん!?」

シエリア

「もふもふだぁー!」

 

シエリアはウルベルトに抱きつきもふもふし始めた。

 

ウルベルト

(これは、完全なる狂騒改の影響か?取り敢えず今の状態はマズイな。幾らシエリアちゃんでも女性にこうも無防備にされるとちょっと・・・。しかもこんな所誰かに見られたら。)

 

シエリア

「もっふもふー♪」

デミウルゴス

「ウルベルト様、こちらに・・・!」

ウルベルト

「いや、デミウルゴス、誤解だ!シエリアちゃんが精神異常になってしまったようでな。デミウルゴスちょっとシエリアちゃんを任せてもいいか?」

デミウルゴス

「なんと!畏まりました。シエリア様、さ、こちらに。」

シエリア

「もふもふ、違う、イヤ。」

ウルベルト

「・・・。」

デミウルゴス

「ぐぅ。」

 

シエリアはウルベルトにぎゅっとしがみついた。

ウルベルトは頭を押さえ、デミウルゴスは床に崩れ落ちた。

その後モモンガが通りかかり、シエリアは喜んでモモンガにくっついていった。

 

ウルベルト

「ほら、デミウルゴス。ちょっと飲みに行こう。シエリアちゃんは精神異常だったからさ。しょうがないんだ。」

デミウルゴス

「はい・・・。」

 

その日遅くまでやけ酒をするデミウルゴスとそれを宥めるウルベルトがいたそうな・・・。

 

 

 

とらにかる様リクエスト〜スライム風呂に興味を持ったシエリアの話

 

モモンガ

「いやー、スライム風呂は楽でいいですよ。」

ペロロンチーノ

「いや、絵面的にヤバいでしょ。」

 

そんな会話をシエリアが聞いてしまったのが始まりだった。

 

シエリア

(スライム風呂、やってみたいけど。女の子のスライム種ってぶくぶく茶釜様は畏れ多いし、あ、ソリュシャンはどうかな?」

 

シエリアはユフィルとソリュシャンを見つけた。

 

シエリア

「ソリュシャン!」

ユフィル

「あれ?しーちゃん?」

ソリュシャン

「あら、シエリア様。私に何かご用ですかぁ?」

シエリア

「あのね、一緒、お風呂、入って、洗って、くれる?」

ソリュシャン

「まあ!是非喜んでご一緒させて頂きますわぁ!」

シエリア

「あのね、それで、洗う、時、スライム体、洗って、ほしいの。」

ソリュシャン

「?畏まりましたわぁ。」

ユフィル

「ちょっと待った!しーちゃんいつからそんな性癖が!?」

シエリア

「せい、へき?」

ユフィル

「・・・なんでスライム体で洗って欲しいの?」

シエリア

「えっと、とと様、スライム風呂、気持ちいい、って。」

ユフィル

(好奇心か・・・。ん?モモンガ様はどっちだ?アンデットに性欲は無いが、元が人間だし。単純に骨身を洗うのが面倒なだけ?)

シエリア

「ユフィル、さん?」

ユフィル

(うん、ちょっと確かめに行こう。)

ソリュシャン

「さあシエリア様。ユフィルは放っておいて早速浴場へ向かいましょう!」

 

シエリアとソリュシャンはお風呂に向かった。

その後、スライム風呂を実行したシエリアは「鱗の溝までしっかり洗える!」と時々ソリュシャンに頼む事があるとか。

そして、「私がスライム種だったら!わん!」というペストーニャが目撃されたとか。

因みにモモンガを影から睨むユフィルもいたとかいないとか・・・。

 

 

こなみ感様リクエスト〜マザーグース女の子の原材料の話

 

デミウルゴスとユフィルがお茶を飲んでいる時の事だった。

 

ユフィル

「そういえばマザーグースによると男の子はカエルとカタツムリと子犬の尻尾で出来ているそうですよ。」

デミウルゴス

「そうなのかい?」

ユフィル

「えぇ。もしそうなら兄貴はカエルが多めに入ったんですかね?」

デミウルゴス

「・・・どうだろうね?流石に御方々が何を使って私達を作り出したのかは分からないからね。今度訊ねてみようか。」

ユフィル

「因みに女の子は砂糖とスパイスと素敵な物で出来るそうです。」

デミウルゴス

「そうかい。」

ユフィル

「そう考えるとナザリックではスパイス多めなのかも知れませんね。」

デミウルゴス

「素敵な物、シャルティアやアルベドは何を詰められたんだろうね。」

ユフィル

「あんまり想像したく無いですね。」

デミウルゴス

「シエリア様は・・・。」

ユフィル

「砂糖多めで宝石とか花とかぬいぐるみとか可愛いものでできてるんでしょうね。」

デミウルゴス

「そうだろうね。」

 

その後モモンガにシエリアは何で出来ているのか?と訪ねてイベントアイテムだと答えられ、微妙な顔をしたデミウルゴスがいたとか。

 

 

執事長 セバスちゃんの初夢の話(涼宮ハ○ヒちゃんの憂鬱パロ?)

 

たっちみーから今夜見る夢は初夢と言って新年の暗示だからしっかり寝るようにと言われたセバスは久し振りの睡眠をとった。

 

セバス

「ここは、どこでしょうか?見た所草原のようですが。」

デミウルゴス

「あ、どうも。富士です。」

セバス

「デミウルゴス様、そのお召し物はいったい?」

デミウルゴス

「ははは。私はデミウルゴスではなく富士山の化身、富士です。」

セバス

「・・・ならば富士様、ここはどこでしょうか?(富士山とは何でしょうか?)」

デミウルゴス

「ここはあなたの夢の中です。」

セバス

「夢、ですか。」

 

富士山の着ぐるみを着たデミウルゴス(富士)の言葉に首を傾げた。

そこに空からペロロンチーノが降りてきた。

 

セバス

「これはこれはペロロンチーノ様!」

ペロロンチーノ

「俺はペロロンチーノではない。鷹だ!」

セバス

「(バードマンだからで御座いましょうか?)鷹様でございましたか。これは失礼致しました。」

デミウルゴス

「・・・貴方、順応早いですよね。」

ペロロンチーノ

「えっとー、ナスがもうすぐ来るはずなんだけど。」

ヘロヘロ

「皆さんお待たせしましたー。」

セバス

「ヘロヘロ様!とソリュシャンですか。(最早色しか共通点がありません!).」

 

そこにソリュシャンに抱っこされたヘロヘロがやってきた。

 

ヘロヘロ

「やあセバス。僕達は茄子だよ。君に幸福を届けに来たんだ。」

ソリュシャン

「恐れながら私も茄子を担当させて頂いております。」

セバス

「そうでしたか。わざわざありがとうございます。」

 

そこに扇を持ったアルベドとタバコを持ったシャルティアと茶色いローブを纏ったモモンガがやってきた。

 

アルベド

「私は4番目の扇よ。」

シャルティア

「何故私は煙草でありんすか?」

モモンガ

「その昔、煙草は祭りや祝い事になくてはならない縁起物だったんだぞ。あぁ、セバス。今回は座頭を担当している。」

セバス

「心得ました。(もう何が何だか。夢に意味など求めてはいけないのでしょうが・・・。)」

ペロロンチーノ

「他にハゲてる人いなかったからな。」

モモンガ

「まぁ、別にいいですけどね。」

セバス

(何故でしょう。御方々がいらっしゃるのに帰らなくてはいけない気がしてまいりました。)

 

ソリュシャン

「セバス様、そろそろ御目覚めのお時間で御座いますわぁ。どうぞ彼方のベッドで御眠りください。」

セバス

「いえ、御方々がいらっしゃるのに私が寝るわけには。(せめてたっちみー様やシエリアにお会いしたい。)」

モモンガ

「いや今の私達は只の縁起物だ。どうしても眠れないのであれば羊を数えるがいい。子羊達よ!」

ペロロンチーノ

「違うのを召喚しないで!あっちに皆待機してるから!」

 

魔法を発動しかけたモモンガをペロロンチーノが止め、羊の着ぐるみを着たアウラとマーレが現れた。

その後ろをぶくぶく茶釜が歩いている。

 

セバス

「羊、ですか?」

アウラ

「羊が一匹!」

マーレ

「あ、貴方は目覚めた時幸福を感じるでしょう!」

ぶくぶく茶釜

「2人ともかーわーいーいー!」

セバス

「ありがとうございます。ですが、私には3枚に見えるのですが。」

アウラ

「私達は双子だから2人で1つなのよ!」

ぶくぶく茶釜

「私は只の保護者よ。」

セバス

「左様で御座いますか。失礼致しました。」

 

セバスが謝罪すると羊と書かれたプラカードを持ったコキュートスが歩いてきた。

 

セバス

(ププラカード?)

コキュートス

「羊ガ2匹。オ前ハ今年大切ナモノガ増エルダロウ。」

セバス

「その予言はいったい?」

コキュートス

「羊ノ役目ダ。」

 

そしてセバスが何か腑に落ちないでいると、ウルベルトがやってきた。

 

セバス

「ウルベルト様も羊でございますか?」

ウルベルト

「俺は山羊だ。羊に見えるか?」

セバス

「いえ、見えません。」

ウルベルト

「だろう。所でたっちみーとシエリアちゃんはお前の夢には出てこないぞ。早く目覚めてやれ。」

セバス

「それはどういう・・・。」

 

セバスが問おうとすると、視界に靄がかかり視界が暗くなった。

セバスが目を覚ますと目の前に心配そうに顔を覗き込むたっちみーとシエリアの顔があった。

 

セバス

「たっちみー様、シエリア様?」

たっちみー

「良かった。魘されている様だったから心配したんだぞ。」

シエリア

「怖い、夢、みた?」

セバス

「いえ、大変賑やかな夢でした。ですが、私は現実の方が好きですね。」

 

セバスがそういって笑うと、たっちみーとシエリアもつられて笑った。

それからセバスの夢の話をして3人で笑ったのだった。

 

セバス

(はて、あの予言はこの事だったのでしょうか?」

 

将来もう一つの予言が叶う事をセバスはまだ知らなかった。

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

また、リクエストをしてくださった方々ありがとうございます!
ご希望に応えられたかはわかりませんが、これからもよろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

99話(シエリア達がカルネ村に行く話)

訓練が始まった次の日、とと様は依頼の為ナザリックを旅立った。

それから更に次の日になり、ナザリックは暗い空気が漂っていた。

私もソワソワして落ち着かない。

 

「あの、モモンガ様はご無事でしょうか!?もしや何か不測の事態に陥っていたりとか!」

「大丈夫だろう。モモンガさんだって強い。きっと連絡するタイミングが無いだけだろう。昨夜は連絡があったんだし。」

「ですがたっちみー様!今はもうお昼時です!シエリア様も心配ですよね?」

「大丈夫、とと様、元気。」

 

アルベドさんが心配性でたっちみー様が手を焼いている。

ウルベルト様はたっちみー様と顔を合わせたく無いとデミウルゴスさんの所に行き、ペロロンチーノ様とぶくぶく茶釜様は睡眠中だ。

 

「アルベドさん、しーちゃんだって気丈に振る舞ってるんだから、アルベドさんが取り乱したら部下が不安になっちゃいますよ。」

「は!シエリア様失礼致しました。そうですね!モモンガ様なら大丈夫でしょう!」

「・・・うん。そろそろ、訓練、戻る。」

 

私は扉に向かい、ドンっと扉にぶつかった。

びっくりして扉を見ると、開け忘れただけという事に気付く。

こんなミスした事ないんだけどな・・・。

 

「シエリアちゃん大丈夫か!?」

「思った以上に父親不足が深刻だったか!」

「シエリア様!お気を確かに!」

「だ、大丈夫。ぶつかった、だけ。」

 

おでこをさすっていると、「よし!カルネ村に行こう!」というかたっちみー様の声がした。

 

「たっちみー様?そんな京都に行こうみたいなノリで何言ってるんですか?」

「そうです!もし何かあったら!」

「大丈夫だろう。それにモモンガさんの元気な姿を見ればシエリアちゃんも安心するだろうし。」

「そうかもしれませんが、怒られますよ。」

「大丈夫だ、俺が責任を持つ。ユフィルも付いてきてくれ。」

「えー、俺知りませんからね。」

「シエリアちゃんも行こう。」

「・・・うん。」

 

もしかしてたっちみー様も外に出てみたかったんだろうか?

行く事になってから凄く嬉しそうだ。

それからユフィルさんが女装したり、私が装備を整えたりして出発した。

 

「本当に大丈夫ですか?たっちみー様。」

「大丈夫だって。モモンガさんもわかってくれるさ。それに遠くから見るだけだし。」

「・・・。」

 

たっちみー様は自信満々だけど、大丈夫だろうか?

ユフィルさんと顔を見合わせているとカルネ村の前でルプスレギナを見つけた。

 

「あれ?どうしたんスか?」

「ちょっとモモンガさんの様子を見にきたんだ。」

「なら向こうにの方が良いっスよ!」

 

ルプスレギナの言った方に進むと、草むらからとと様の様子を見れる様なポジションだった。

ルプスレギナがよく村の監視をする時に使うらしい。

とと様の近くに大きなハムスターがいる。

 

「もふもふ、ハムスター。」

「デカイハムスターだな。」

「ジャンガリアンハムスター、でしたっけ?」

 

私達はじっと草むらでとと様達の様子を伺っていた。

 

 

モモンガ視点

 

森の賢王というから格好いいモンスターかと思ったら巨大なジャンガリアンハムスターだった。

仲間になったが今後どうすればいいのか。

シエリアのペットにすれば喜ぶか?

 

「殿、殿!大変でござる!あの茂みに妙な気配がするでござるよ!」

「何だと?」

「ま、まさか新しいモンスターかしら!」

「この気配は!」

 

ナーベラルが茂みに向かい一礼した。

うむ、綺麗な90度だ。

じゃない、もしかして茂みにあるのって・・・。

 

「そこにいるのは誰だ?姿を表せ!」

 

とりあえず言ってみるが、なんだか茂みの向こうでもめてるらしい。

声から察するにたっちさんとユフィルがいる。

ということはシエリアもいるはずだ。

なんでカルネ村にいるんだ。

 

「ふぅ・・・いるのは分かってます。怒らないので出てきてください。」

「すみません、モモンさん。」

「責任は全部この頑固なお方にあります。」

「ごめん、なさい・・・。」

「あれ!スフィンさん!?」

「あら、薬師の!色々お世話になりまして。」

「知り合いか?」

「はい。以前うちの薬屋に来てくださったお客さんです!」

「以前薬草の場所を教えてくださった方です。」

「そうなんですか、うちの者が世話になりまして。」

「いえいえ!こちらこそありがとうございます!」

 

ユフィルが、ンフィーレアと知り合いだったとは。

いや、それより今はなんで3人がカルネ村にいるかだな。

 

「あの、この方々はモモンさんのお知り合いなんですか?」

「えぇ、私の友人のたっちさんと娘のシシーと、その家庭教師のスフィンです。」

「そうなんですか!」

 

それからエンリやンフィーレアや漆黒の剣のメンバーの自己紹介が始まった。

俺はまた面倒事が増えたと溜息をついた。

ウルベルトさん、なんで止めてくれなかったんだ・・・。




最後まで読んで頂きありがとうございます!

いやー、カルネ村に行っちゃいました。
モモンガ様の胃は大丈夫でしょうか?

明日も投稿しますので、是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

100話(モモンガが諭す?話)

カルネ村に到着し、直ぐに居場所がバレたが村人や冒険者達と自己紹介が終わった。

とと様はやっぱり怒っているようで、倉庫?みたいな建物を借りて状況説明が始まった。

 

「で?なんでカルネ村にいるんですか?」

「すみません、ソワソワしているシエリアちゃんを見ていたら、娘を思い出してしまってつい・・・。」

「つい?ついで人の娘を連れ回したと?」

「すみません・・・。」

「とと様、たっちみー様、私、為。」

「シエリア、今はたっちさんと話してるんだ。」

「はい・・・。」

「そもそもウルベルトさんには伝えたんですか?」

「伝えてません。」

「報告、連絡、相談は社会人の基本でしょう!」

「はい。」

「全く、カルネ村だからって完全に安全というわけではないんです。連れ出す時は俺かウルベルトさんに連絡して下さい。」

「はい。すみません・・・。」

 

とと様、じいじ達より簡潔に指摘するから心に刺さる。

たっちみー様を止めておけば良かった・・・。

私が後悔していると、とと様が「ところで。」と言いながら私の前髪を上げた。

 

「とと様?」

「シエリア、おでこ赤くないか?」

「あ。」

「それはナザリックで扉にぶつけたんですよ。」

「扉に?」

「しーちゃんソワソワしてたんですよー。扉開け忘れて激突するくらい。」

「そうなのか?」

「・・・。」

 

恥ずかしくて声には出さず頷いた。

とと様がうーんと唸りながら私のおでこをつつく。

痛くはないけど。

 

「たっちさん、ユフィル、ちょっとシエリアと2人にしてもらってもいいですか?」

「えぇ、わかりました。」

「しーちゃんファイト!」

 

たっちみー様とユフィルさんが倉庫を出て行く。

とと様が私と目線を合わせてくれた。

 

「シエリア、俺はそんなに頼りないだろうか。いや、お前は素の俺を見る機会が多いからそう見えるのだろうが・・・。」

「そんな、こと、ない。とと様、強い、知ってる。でも、どうしても、不安、なる。寂しい。」

「そうか。俺も不安になる時はある。だからシエリアにとっておきのおまじないを教えてあげよう。」

「おまじない?」

「あぁ、不安になったり寂しくなったらナザリックの皆を思い出すんだ。」

「皆?」

「あぁ、『たっちさんは強い、ウルベルトさんも強い、ぶくぶく茶釜さんも、ペロロンチーノさんも強い。シエリアもアルベドもデミウルゴスもコキュートスも皆強い。だからナザリックは大丈夫だ。セバスもソリュシャンも強い。だから大丈夫。ナーベラルも俺も強い。だから絶対大丈夫だ。』って強く念じるか、小さく唱えるんだ。そうすれば不安も寂しさもどっかに行ってしまうぞ。」

「うん!」

「それともし負けそうになったり、頑張れないと思ったら『アインズ・ウール・ゴウンに敗北はない。アインズ・ウール・ゴウンは奪われない。アインズ・ウール・ゴウンは常に1つ。アインズ・ウール・ゴウンは最強だ!』と念じるんだ。」

「でも、私、違う。」

 

私はナザリックの一員だけど、アインズ・ウール・ゴウン、至高の御方々では無い。

1つ目のおまじないなら使えるかもしれないけど、2つ目は使えない。

 

「そんなことはないさ。アインズ・ウール・ゴウンはギルドの名だ。つまりナザリックの全てがアインズ・ウール・ゴウンなのだ。だからシエリアもアインズ・ウール・ゴウンだ。だからシエリアも胸を張って、皆を守るんだぞ。」

「うん!皆、守る!」

 

そっか!私も皆もアインズ・ウール・ゴウンの一員なんだ。

なんだか嬉しくなって笑顔になる。

とと様も多分つられて笑顔だ。

 

「じゃあ少し一緒にカルネ村を回るか。実を言うと俺も寂しかったんだ。」

「とと様も?」

「あぁ。そうだ。シエリア、今度から何かあったら報告・連絡・相談をするんだぞ。」

「うん!」

「それから、上の者が不安がると下の者も不安になる。だからシエリアはどんな時でも冷静に考えるんだ。約束できるか?」

「うん!」

「よし!じゃあ行こうか。」

 

とと様が私の頭を撫でてから手を繋ぐ。

 

「とと様、ハムちゃん?」

「あぁ、あれは森の賢王らしいんだが、やはりハムスターだよな?」

「可愛い、ハムちゃん。」

「良かった。シエリアもそう思うか。皆格好いいとか強そうとか言うから俺だけかと思ったんだ。」

「たっちみー様、ユフィルさん、ハムスター、言ってた。」

「他にも仲間がいるんだな。」

 

とと様は余程共感してくれる人が欲しかったらしく、嬉しそうに笑った。

それから皆でカルネ村を回って、私達はナザリックに帰った。

ハムちゃんは魔獣登録?をする為に街に連れて行くらしい。

明日の夜の試験はとと様に良い所を見せられるように頑張らなくちゃ!

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

次回はついに試験開始になりそうですが、結果を悩んでます・・・。
明日も遅くなるかもしれませんが、必ず投稿しますので是非ご覧ください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

101話(試験開始の話)

ユフィル視点

 

もうすぐ試験が始まる。

モモンガ様は用事が終わらないらしいが、それでも予定通り試験はするらしい。

しーちゃんの試験官は俺とシャルティアさんで、護衛は吸血鬼の花嫁達含むシャルティアさんの眷属だ。

試験の内容は1.野党を10人気絶させる事。2.そして捕まっているであろう女性は助ける事。

因みに武技を持っている人がいたらシャルティアさんが捕獲するらしい。俺はしーちゃんがは気絶させたり、殺した人をナザリックに送る役だ。

しーちゃんは動きやすさ重視のレンジャー装備。武器はナイフと緊急時用のテディ・ザ・リッパーを持っている。そしてウルベルト様からお守りとして渡されたペストマスクを装備中だ。訳分からん。

俺とシャルティアさんはナザリックで着ている燕尾服とドレスだからしーちゃんの異様さが際立っている。

あ、俺はアサシンナイフと拳銃二丁は持ってるよ。

 

「シエリア様、準備はよろしいでありんすか?」

「うん!」

「では参りんしょう。」

「うん!」

「りょーかい!」

 

しーちゃんはナイフを構え、1人また1人と見張りを襲撃する。

しーちゃんは流れる水のように野党のナイフをかわし、峰打ちで仕留める。

 

「美しいでありんすねぇ。」

「踊り子持ちだからかな?動きが止まらずに流れてるみたいだ。」

 

「この人達、クレちゃん、より、ずっと、遅い。」ボソリとしーちゃんが呟いた。

それから野党の見張りを気絶させるのは早かった。

 

「シエリア様!御見事でありんす!」

「しーちゃんあっという間だったね!」

「うん!」

「ではここからは私の仕事でありんす。」

「じゃあ俺は報告を。」

 

しーちゃんとシャルティアさんは残党狩り、俺はウルベルト様に報告する事にした。

 

『ウルベルト様しーちゃんは見事にクリアですよ。』

『あぁ、録画済みだ。ちょ、デミウルゴス、アルベド煩い。おい、聴け。相手ユフィルだからな!・・・いや、ユフィル聞こえてねぇし。シエリアちゃん帰ってきたら直接言えよ。あぁ、そうか行ってこいまったく・・・。』

『兄貴達どうしました?』

『シエリアちゃんへの激励の言葉を競うように話し出して煩くてな。今はパーティの準備に飛び出していったぞ。』

『うわー、目に浮かびますね・・・。』

『ん?ユフィル、お前シエリアちゃんを回収してどっか隠れてろ。予想通りのトラブルだ。』

『血の狂乱ですか?りょーかいです。』

 

俺はメッセージを切ってしーちゃん達を追って洞窟に入った。

 

 

シエリア視点

 

無事に試験をクリアして、シャルティアさんと洞窟を進む。

やっぱりここの人達は動きが遅い。

 

「手応えがありんせんねぇ。」

「レベル、低い、人達?」

「そうでありんしょう。おや?」

 

洞窟の奥から青い髪の男の人が現れた。

 

「吸血鬼か?」

「おやおや、お一人でありんすか?お友達の皆さんをお呼びなされても構いませんえ?」

「要らんよ。雑魚が何人いようと邪魔なだけだ。」

「勇敢でありんすねぇ。」

「・・・ブレイン・アングラウスだ。」

「・・・。」

「あ、えっと?」

 

何故かブレインさん?が名乗り出した。

私達も名乗らないといけないんだろうか?

 

「そっちの名前は?」

「あぁ、名前を聞きたかったわけでありんすね?シャルティア・ブラッドフォールン。一方的に楽しませてくんなましな。」

「シエリア・ローレライ。」

 

私達が名乗るとブレインさんは剣を構え出した。

するとブレインさんを中心に光る円が出来た。

 

「そろそろ準備も出来んしたかえ?シエリア様はお下がりくんなまし。」

「うん。」

 

私はブレインさんとシャルティアさんから距離を取る。

空気がピリピリし出した。

 

「では、蹂躙を開始しんす。」

 

シャルティアさんはそういうとブレインさんに踏み出した。

シャルティアさんが円に踏み込んだ時、一瞬でブレインさんの剣がシャルティアさんの首目掛けて放たれる。

が、シャルティアさんはいとも簡単に受け止める。

剣がカタカタと音を立てている所を見ると、お互いに凄い力をかけているんだろう。

 

「ばっ化け物!」

「やっと理解して頂けんしたかえ?私は残酷で冷酷で非道で、そいで可憐な化け物でありんす。」

「シャルティアさん!カッコいい!」

 

シャルティアさんはクルンと後ろに飛んだ。

 

「そろそろ準備が出来んしたかえ?」

 

ブレインさんは構え直すがカタカタと震えている。

 

「もしかして、武技が使えないんでありんすか?」

「そうか、そう見えたか。」

 

ブレインさんがシャルティアさんに斬りかかる。

しかしシャルティアさんは小指の爪で剣を弾く。

シャルティアさん、爪割れないのかな?大丈夫かな?折角お手入れ頑張ってるのに・・・。

あ、ブレインさんがスタミナ切れかな?

 

「おや?疲れちゃいんしたかえ?申し訳ないでありんすえ。」

「はっ。」

「おんし、さっきは武技を使ってくれていたのでありんしょう?でも、私が測れる強さの物差しは1メートル単位。1ミリと2ミリの違いってわかりんせんでありんす。」

 

そう言ってシャルティアさんは笑った。

そして周りで倒れている人達の血を集め出した。

 

「そろそろ終わりにしんしょうか?」

 

ブレインさんが恐怖のあまり逃げ出した。

シャルティアさんは血を集めながら追いかける。

だんだんシャルティアさんの様子がおかしくなる。

本来の姿に戻っていく。

 

これは、血の狂乱?

私はシャルティアさんを追おうとすると、腕を掴まれた。

振り向くとニッコリと笑うユフィルさんがいた。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

結局試験は見所なく終了しました。
これからどうなるでしょうか?

明日も投稿しますので、是非ご覧下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

102話(洗脳される話)

シエリア視点

 

血の狂乱を発動したシャルティアさんを追う前に、ユフィルさんに止められた。

 

「しーちゃん、ウルベルト様がシャルティアさんが落ち着くまで外で待機だって。」

「シャルティアさん、大丈夫?」

「シャルティアさんは強いからね。ここの野党には擦り傷1つつけられないよ。」

「わかった・・・。」

 

私はユフィルさんに言われた通り外に出た。

そして念の為岩陰に隠れる。

洞窟からはシャルティアさんの凄まじい声が聞こえる。

 

「シャルティアさん、本当、平気?」

「うん。これは断末魔ではないからね。」

「シャルティアさん、ちょっと、怖い。」

「はは、味方で良かったね。」

 

ユフィルさんが困ったように笑った。

シャルティアさんはまだ落ち着かない。

暫くして何人かの人達が洞窟に近づいている事に気付いた。

ユフィルさんがウルベルト様に連絡を入れる。

 

『ウルベルト様、謎の集団が近づいて来ているようです。いえ、雑魚です。』

 

集団が目視できるようになり、見覚えのある人がいた。

 

「ユフィルさん、あの、赤い、女の人、ポーション。」

「え?あ。『あの、俺達は知り合いではないんですが、以前ナザリックのポーションを持っていた女が集団の中に混じってます。いや、モモンガ様との詳しい交友関係は分かりかねます。分かりました。失礼します。』しーちゃん、あの女の人だけ死なせなければいいって。」

「わかった。」

 

シャルティアさんと吸血鬼の花嫁が洞窟から出てくる。

まだ血の狂乱は解けていないらしい。

集団の内男の人が1人逃げた。

 

「1人逃げたか。しーちゃん、ここで待っててね。」

「え?」

「あいつ殺してすぐ戻るから。」

 

ユフィルさんが男の人を追っていった。

どうしよう、シャルティアさんが女の人の仲間を殺してる。

とりあえず私は女の人を掴む。

 

「きゃあ!?え、なに!?」

「しっ!こっち、隠れて。」

「え?」

 

なんとかシャルティアさんの不意をついて女の人を保護できた。

 

「デザードぉぉ!どぉこぉだぉ!」

「ひっ!」

「大丈夫。」

「あんた、あいつらの仲間じゃないの?」

「そう、だけど、貴女、守る。」

「・・・。」

「眷属達よ!この森中の人間を皆殺しにしろ!」

「み、皆殺し!?」

 

シャルティアさんが眷属を森に放つ。

ユフィルさんは人間じゃないから大丈夫、だよね?

暫くして森の向こうが光った。

そしてシャルティアさんが光った場所に向かう。

 

「安全、なったら、逃げて。」

「ちょっと!・・・なんなのよ。」

 

私は女の人にそれだけ言い残してシャルティアさんを追った。

 

「シャルティアさん!何、あった?」

「シエリア様!私の眷属達がやられたでありんす!」

「シャルティアさん!ナザリック、戻ろう?」

「それは出来ないでありんす!」

 

シャルティアさんはスピードを上げ、私もなんとかついていく。

森を抜けると、鎧を着た人達がいた。

 

「お前達がぁ!」

「やれ!」

 

シャルティアさんが攻撃を仕掛け、敵のお婆さんが何かを唱え出した。

すると何か気持ち悪い感じがして頭に靄がかかり始める。

これは、洗脳・・・嫌だ!

するとふと頭にとと様のおまじないが浮かんだ。

 

『アインズ・ウール・ゴウンに敗北はない。アインズ・ウール・ゴウンは奪われない。アインズ・ウール・ゴウンは常に1つ。アインズ・ウール・ゴウンは最強だ!』

 

そうだ、まだ間に合う!

皆でナザリックに帰るんだ!

私は最後の力を振り絞って、融解吸収を発動し、意識を手放した。

 

 

ユフィル視点

 

男を殺した所でウルベルト様から連絡が入った。

 

『ユフィル、シエリアちゃんとシャルティアが戦闘開始したぞ。』

「え!?マジすか?今向かいます!」

 

俺はしーちゃんの気配を追う。

なんか嫌な予感がするな・・・。

 

森を抜けた先で目にしたのは、倒れたしーちゃんとしーちゃんに剣を突き刺そうとする黒髪の男。

俺は瞬時に剣を弾き、男を蹴り飛ばす。

 

「おい。てめぇ、俺の『妹』に何しやがった!」

「くっ、新手か!」

 

男は剣を構え、間合いを図る。

俺もナイフを構え、左手は拳銃に触れる。

落ち着け、先に仕掛けた方が負ける!

 

暫く膠着状態が続いた時、しーちゃんが血反吐を吐いた。

 

「しーちゃん!?っしまっ!」

 

ついしーちゃんに駆け寄ってしまい、男を見ると攻撃ではなく逃走した。

まぁ、今はしーちゃんの方が優先だ。

シャルティアさんはどこいったんだ?

 

「『ウルベルト様。しーちゃんは見つけましたが、敵を逃しました。何があったか教えてもらえますか?』」

『あぁ、シエリアちゃんとシャルティアが敵と遭遇し、シエリアちゃんが融解吸収を使用、シャルティアと敵を飲み込んだ。残った男がシエリアちゃんを襲った時にお前が到着した。と言ったところか。』

「『すみませんね。あの男よりしーちゃんが優先なもので。』」

『構わんさ。アイツは次の機会にたっぷり苦しめてから殺すさ。』

「『畏まりました。ではしーちゃんを連れて帰還します。』」

『ん、待て!シエリアちゃんから離れろ!』

「『何言ってるんですか!しーちゃん苦しんでるんですよ!せめてどこか安全な場所に!』」

『シエリアちゃんとシャルティアは洗脳状態だ。』

「『さっきのアイツか!』」

『いや、あの男にそんな素振りは無かった。恐らくはシエリアちゃんが飲み込んだ中に・・・いや、まさかあのBBA!あのチャイナ服!』

 

なんだよ!BBAのチャイナ服って!

しーちゃんが苦しんでんのに!

 

「しーちゃん、大丈夫か?」

「・・・おに、ちゃ。」

 

え、しーちゃん、まさか記憶が?

今のは人間の時のか?それとも・・・

俺が混乱していると、しーちゃんが俺に向かって手を伸ばす。

俺が手を握ると満足そうに笑った。

初めて会った時と、同じ笑顔で・・・。

兎に角しーちゃんの安全が第一だ。

 

「『・・・ウルベルト様、取り敢えずしーちゃんは俺が安全な場所に運んで看てます。』」

『ユフィ、』

 

俺はメッセージを切ると、しーちゃんを抱え以前素材集めで見つけた山小屋までワープした。

そしてベッドにしーちゃんを寝かせて布団をかける。

少し古びているけど、ある程度の設備は揃ってるし、雨風を防ぐのには事足りる。

水を汲み、タオルを濡らして絞りしーちゃんの額に乗せる。

モモンガ様にメッセージを送るが、ウルベルト様と話しているんだろう、繋がらない。

仕方なく兄貴にメッセージを送る。

 

『ユフィル、どうしました?』

「『しーちゃんが洗脳されて、融解吸収の反動で身動きが取れない。ナザリックに連れて聞くと危険だから、例の山小屋で暫く様子を看ようと思う。』」

『・・・シエリア様のご容態は?』

「『今は落ち着いたけど、さっき血反吐を吐いた。シャルティアさんも飲み込んだらしい。状況はウルベルト様の方が詳しいと思う。』」

『洗脳した相手は?』

「『ウルベルト様はしーちゃんが飲み込んだって言ってるけど、1人取り逃がした男がいた。戦士風の黒髪で長髪の若い男だ。』」

『そうか。ユフィルはそのままシエリア様を看ていなさい。他はこちらでなんとかしよう。ウルベルト様とモモンガ様にも私から伝えておくよ。」

「『わかった。悪い、兄貴。』」

『謝る事はないさ。それ程の状況だったのだろう?今はシエリア様を最優先だ。部下を数人そちらに送る。』

「『ありがとう。流石兄貴だね。』」

『当然です。私は至高なる御方々の1人、ウルベルト様の被造物ですから。』

「『・・・そうだね。じゃあ何かあればまた連絡する。』」

『えぇ、シエリア様を頼みます。』

 

やっぱり兄貴は頼りになるな。

問題は洗脳か・・・いや、本当に危険なのは記憶か?

でも、いいか。

しーちゃんが、『妹』が幸せならそれで。

 

「しーちゃん、『お兄ちゃん』はずっとお前の味方だからな?」

 

俺は昔のように、ベッドに眠る『妹』の手を握った。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます!

シャルティア食べちゃいました。
当初の予定ではユフィルも食べられる筈だったのですが・・・。
段々とユフィルが出しゃばってしまう。

明日も投稿しますので是非ご覧下さい!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

103話(ウルベルト様がワタワタする話)

ウルベルト視点

 

くそっ!完全に油断していた。

まさかワールドアイテムがこの世界にあるとは・・・。

恐らくシエリアちゃんとシャルティアを洗脳したのはあのBBAの装備していたチャイナ服、『傾城傾国』だろう。

だがそれをシエリアちゃん自身が吸収するとは、自動的に洗脳が解ければいいが、そうでなければ最悪は・・・。

俺はモモンガさんにメッセージを送った。

 

「『モモンガさん。今大丈夫ですか?』」

『すみません、今緊急事態で。後でも大丈夫ですか?』

「『すみません、こっちも緊急です。シエリアちゃんとシャルティアが洗脳されました。』」

『はぁ!?シエリア達が・・・いやシャルティアに精神支配は効かない筈では?』

「『傾城傾国ってワールドアイテムがあったでしょう?多分それだと思います。』」

『何ですって!?ワールドアイテムがこの世界にもあるんですか!?それで使用者はどこに?』

「『シエリアちゃんが融解吸収で飲み込みました。シャルティアもです。今はシエリアちゃんは反動で動けないのでユフィルが安全な場所で様子を見ると。』」

『分かりました。直ぐそちらに向かいます。』

「『え、そっちの緊急事態は大丈夫何ですか!?』」

『くっ、でも攫われた薬師の孫を探すには時間が・・・。』

「『薬師?』」

 

何のことだと首を傾げた所にシエリアちゃんが連れてきた人間、クレマンティーヌが部屋に飛び込んできた。

 

「しーちゃんが洗脳されたって聞いたんだけど!大丈夫なのかよ!?」

「クレマンティーヌ、今モモンガさんと話してるんだ。『すみません、その薬師の孫って?』」

「はあ!?しーちゃん第一だろうが!」

『ンフィーレア・バレアレという今回護衛していた人間が自宅で攫われて、その祖母から救出の依頼を受けた所だったんです。』

「『ンフィーレア・バレアレ?の攫われた場所が分かればいいんですか?』」

「ンフィーレア?あぁ!カジっちゃん!?ちょ、それわかるかも!」

「え、お前居場所知ってるのか?」

「エ・ランテルの外れの墓地!ンフィーレアって小僧を攫ってそこで儀式する計画だった!」

<