俺は比企谷八幡でありバットマンである。 (マッキーガイア)
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EPISODE0:PROLOGUE・・・

――――――――――由比ヶ浜が死んだ。

 

 

月曜日の朝のホームルームでそう平塚先生は言う。

 

さっきまで騒いでいたはずの生徒たちはとっくに静かになり。自分の置かれた状況に気付く。

それと同時に数人の生徒が泣き崩れる。

 

『・・・・は?なんの冗談だ?・・・』

 

そんな中俺一人が置いてきぼりにされている状況に困惑していた。

俺も涙を流した方がいいのか?俺もみんなと同じように呆然としてればいいのか?

そんな疑問が頭の中を徘徊する。

 

すると平塚先生は淡々と話し始める。

 

話を短縮するとを昨日の朝の5時ごろゴミをかたずけようとしたバーの店長が裏路地でバラバラ遺体となった由比ヶ浜を見つけたらしい。

犯人はまだ捕まってないらしいが時間の問題だという。

 

 

・・・・・・・・他殺か。

 

 

俺の中の何かが溢れかえりそうになっていた。

何だろうこれは・・・・怒り?いや違うな・・・これは憎しみ。

 

 

 

結局、俺は涙一つ流さずその時間を終えた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「平塚先生。」

 

俺はホームルームが終わった瞬間平塚先生を呼び止めた。

 

「なんだ?比企谷・・・・」

 

平塚先生も少なからずショックを受けているらしく何時もより気分が落ち込んだようになっている。まぁ当然と言えば当然だ、自分の生徒が一人死んだんだからな。

 

「少しお聞きしたいことが・・・」

 

「・・・良いだろう。聞いてみろ。」

 

「・・・・・・その死体は本当に由比ヶ浜のものだったんですか?」

 

何当たり前の事を聞いている?と自分でも思ってしまう。

 

「・・・ああ、遺体の損傷は激しくほとんど外見だけでは本人の区別もつかなかったという。しかも顔は真っ白に塗りたくられ真っ赤な口紅をさせられ髪は緑に変色していたらしい」

 

犯人はなぜこんな事をしたんだ?なぜ由比ヶ浜だったのか?それがどうしても分からない。

由比ヶ浜が恨みをこう様な事は決してしない人間であることは分かっているというのに

 

「早速その遺体の人物を探しDNA判定したところ・・・結果、由比ヶ浜だった。」

 

悔しそうに平塚先生は言う。

 

「クソッ!!・・・きっと私は犯人と自分を今後一生許す事は無いだろう。」

 

彼女はそう言い自分の仕事へと戻っていった。

俺は暫く動けなかった。由比ヶ浜のあまりにも残酷な最後に呆気を取られていて。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

平塚先生の話を聞いてから俺は授業の内容が頭に入らなくなっていた。

何も考えることも出来ず。何も頭に入らないという状況はクラス全土へと広がっている。

いつもは賑やかだったはずのクラスは、とっくに冷めきっていた。

 

それでも俺は今やもう空席となってしまった由比ヶ浜の席を眺めるしかなかった。

 

 

4時間目のチャイムが鳴り響く。

昼休みの始まりの合図だ。俺は弁当を片手にベストプライスへ向かおうと足を向けようとするが、途中で葉山に止められる

 

「・・・・・・比企谷話がある。」

 

真面目な顔で葉山はそう言った。

なんでこんな最悪な気分で最悪な奴の相手をしなくちゃいけないんだ。そう心の中で呟きながら嫌々うなずく

 

「・・・・屋上に来てくれ。」

 

葉山はそう言うと自分のグループへと歩み始めていた。

 

嫌々だが約束しちまった以上仕方ない。足を無理矢理方向転換させ屋上へと向かわせた。

体は完璧に拒否反応を見せている。あぁ、行きたくない。

そして無理矢理足を嫌々動かしたのだった

 

屋上に行く途中A組の前を通る。

雪ノ下雪乃のクラスだ。

 

彼女は由比ヶ浜の親友だったのでショックも激しかろう。

通るついでにチラッとクラスを覗くのだが、今日は休んでいるらしいのか教室に居なかった。部室のカギは俺が今持っているため部室には居ないだろう

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

屋上に着くと俺は弁当を広げ始めた。

話をしてて昼休みが終わり結局弁当が食べれずお釈迦になるのはごめんだからな。

 

暫く弁当を突っついているとふと後ろからドアが開く音が聞こえてきた。葉山が来たのだろう。

 

「おい、遅いぞ?」

 

「すまん、ちょっと逃げ出せなくてな。」

 

そう何の悪びれもなく葉山は言う

 

「・・・・で?何の用だ。」

 

「・・・分かってるだろう?・・・・・・・結衣の事だ」

 

葉山は単刀直入に言う。まぁ、それしかないよな。

 

「まぁ、そうだよな・・・・で?何が聞きたい?」

 

 

 

俺は軽くそう返す

こいつも少なからず由比ヶ浜の死によって変わってきているのだろうと思う。

 

 

――――――いや、違う。

 

 

寒気が肌を通して伝わってくる。

逃走本能がビンビンになびいている

 

何処かおかしいと俺の体全体が俺の脳に伝えてきた。警戒心が走った瞬間葉山が口を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――是非今回のショーの感想を聞きたいなと思ってね」

 

 

 

 

 

 

 

そう言って葉山がニヤリと笑った。

その笑い顔は一切正気に満ちておらず・・・何処か狂っているような緑色に変色した目

凍り付くような殺気と狂気を交互に食らう

 

 

「何の事d『プルルルr・・・・』っ!」

 

 

瞬間、俺の携帯が鳴り始めた。俺はすかさず電話を取る。

相手は平塚先生だった。

 

『比企谷!!今どこに居る!?』

 

「え?屋上ですけど?」

 

『そうか・・・じゃあ、葉山は近くに居ないんだな?』

 

「え?・・・いますけど・・・」

 

俺がそう答えた瞬間平塚先生の態度が変わる

 

『何!!?葉山がいるのか!!?比企谷良いか?よく聞け?』

 

慌てたように平塚先生は言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――――――――そいつが由比ヶ浜を殺した犯人だ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを聞いた次の瞬間。俺の横腹には細いナイフが刺さっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ぇ?」

 

 

 

腰の異物を触りあてようと手を伸ばすがその前に体が重くなり崩れていく。

 

「・・・・っ!?」

 

倒れた方向が悪くナイフの方が下向きになる。ますます体に突き刺さっていく。

 

 

 

 

 

「ガッ・・・・・・・!?」

 

 

 

 

すると頭を誰かに踏まれる。踏んだ相手はやはりと言うべきか葉山だった。

 

 

「な、・・・・なぜこんな事を・・・?」

 

 

俺はそう聞くと狂ったように笑い始める

 

「HAHAHAHAHA!!!最っ高なジョークだとは思わないか!?比企谷。」

 

「ジ、・・・・ジョークだと?人の命を何だと思ってやがるっ!?」

 

「NO、それこそ偽善だ。比企谷。」

 

すると、葉山は俺の肩を持つ。

 

「いいか?比企谷、お前が今まで言ってきたように、この世界は腐っている。最初から善だと思っていて行動しようものなら殺されるような世の中だ。」

 

すると葉山はポケットからナイフを一つ取り出し。それを俺の口に差し込んだ。

 

「オレが一つ証拠を見せてやるよ」

 

葉山はそう言いながら自分の口に片手を当てる。

すると葉山の口のあたりがまるで皮を剥いでいるのように引きはがされていく

 

すべてを剥ぎ終え、全貌が現れると。俺は見てられなくなってしまった。

 

 

 

 

葉山の口は耳まで裂けていたのだ。

 

 

 

 

 

「お、お前・・・それ・・・」

 

「まぁ、聞けよ比企谷。これは俺の過去の話だ

オレの親父はなひどい飲んだくれだった。仕事は出来る癖にオレ達家族の事なんか見向きもせず。毎日飲んで飲んで飲みまくっていた。ある日家から酒が無くなった。単なる買い忘れだったんだが親父はそれで怒り狂ったさ。そして、俺の母親は死んだ・・・・・・分かるか?俺の母は親父を止めようとして死んだんだよ。奴が一方的に悪いにもかかわらずな!!

 

そして親父は母親を亡くして泣いていたオレに言った。『笑えよ』ってな。そして親父は俺の口をナイフで裂いてそして自殺した。それから俺は悩んだよ母を守るためにじゃあ俺はどうすればよかったんだってな。そして俺は気づいた。俺が不運だからいけないんだってことをな。じゃあ、どうすればいい?」

 

葉山はずっと笑っていた。

 

 

 

 

「―――――――笑うんだよ。」

 

 

 

 

葉山は静かに言った。

 

「笑えばハッピーが近寄ってくる。だから昨日辛そうにしていた結衣にハッピーをプレゼントしたんだよ!!彼女はとても幸せそうに逝ったよ。」

 

「クソッ!!!葉山!!お前は狂ってる!!」

 

「・・・残念だが。葉山隼人は死んだ。あの時親父と一緒にな今の俺の名前は

 

 

 

 

 

 

joker・・・・ジョーカー様だぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

そう言ったと同時に口に差し込まれていたナイフを取り出し俺の脇腹に刺しこむ

 

「グガッ!!?・・・」

 

「比企谷、しぶといな~お前も。さっさと楽になれよ」

 

葉山はグリグリとナイフを俺の体へと入れ込む。そこから生暖かい赤い液体が流れだしてくるのもわかる

 

「ほらほら、もうちょっとで結衣の所へ行けるんだ。喜べよ。」

 

「・・ど、どこに喜べる要素があんだよ?」

 

「まだ皮肉が言えるか。余裕だな。」

 

そう言ってナイフを俺の体から引きはがす

ナイフを捨て葉山は近くにあった鉄棒を握りしめた。

 

「これくらいがいいだろう」

 

そうつぶやくと葉山は俺に近づいてきて

 

 

 

ドコッ!!

 

 

 

俺の体に叩きつけた。

 

「ガ八ッ!!!!」

 

俺は口から出た胃酸を吐く。

 

「どこが痛い?」

 

葉山は楽しそうに鉄棒を握りしめ。俺に叩きつける。

 

 

「此処か?」ドゴッ

 

 

「此処か?」ドゴッ

 

 

「此処か?」ドゴッ

 

 

「もしくは此処か?」ドゴッ

 

 

俺の体はもう限界を迎えていた。意識がもうろうとする。

 

「HAHAHAお前ももう終わりだn『ガンッ!!』・・・・はぁ~、良い所で誰だよ?」

 

鉄の扉が蹴り破られる音と同時に攻撃は止み、俺は薄れていく意識の中蹴り破られた方向を見ると一人の銃を持った警察が立っていた

 

「警察だ!!手を挙げて跪け!!」

 

「警察かぁ。こりゃまた厄介だなぁ」

 

わざとらしくそう言う葉山に目を向けると後ろのポケットに銃があるのが見て分かった。

コイツ、殺すつもりだ。

 

 

 

「手を上げろ!!」

 

「ハイハイっと」

 

 

葉山は軽く手を挙げる。それを確認すると警察は一歩一歩前へと進んでくる。

一歩一歩慎重に。

 

そしてある程度進んだ時。葉山が後ろのポケットに手を突っ込んだ。

 

「何をしている!!」

 

「ヒャハハハ!!じゃあな!!」

 

「っ!!?」

 

今にも引き金を引こうとしたその時

 

 

 

 

ドゴッ!!

 

 

 

 

俺は最後の力を振り絞り葉山を殴った。

 

そして葉山は吹っ飛び屋上のガードレールにぶつかりそのまま気絶した。

それを確認した後、俺はそのまま力尽きるように膝から崩れ落ちた。

 

「だ・・・・・か・・・・!・・・・・・・・・・・・・・・・?」

 

 

そして俺はそのまま気絶した。

 

 

 

 

 




ジョーカーはこんなんじゃないって思った人~だって葉山だもんジョーカーにはなり切れへんよ


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EPISODE1:Bruce・Wayne

ふと、眩しい朝日が瞼に映る。

 

「・・・・・・・ぅ・・・うん?」

 

目を覚ますとそこは真っ白なベットの上だった。

周りを見渡すと洋風のベッド、壁、高そうな絵画と金持ちの家のようなたたずまいの屋敷だと分かる。窓もしっかりと手入れをされていてしっかり掃除が行き届いているようだ。

 

「何処だ?ここは・・・」

 

見たことが無い場所だ。少なくとも一般人は来れないような場所。

例え病院だとしてもこんな豪華な建物の病院で介護を受けられるほどの金は家にはないはずだし。それを俺に分けてくれるほど家の親は優しくない。

すると内側のドアが開く。

 

「―――――――おや、目が覚めましたか。ブルース様」

 

現れたのはメガネを深くかけている。紳士的なご老人なぜだか執事服を着こんでいる・・・ブルース?誰だ?

 

「ああ、申し遅れました。私はアルフレッド・ペニーワース。貴方の執事です。」

 

「執事?俺、執事なんか頼んだ覚え無いですが・・・」

 

俺がそう言うとアルフレッドさんは自分のひげをなで始める。その姿は凄く様になっている。こういう人をかっこいい人っていうんだろうなぁ

考えがまとまったのか口を開く

 

「そう言えば説明がまだでしたね。じゃあ、まず一つ質問をいいですか?」

 

質問したいのはこっちなのだが・・・とりあえず話が進まないので首を縦に振って置く。

 

 

「貴方の名前をお伺いしても?」

 

 

アルフレッドさんはニッコリと笑いながらそう言う。

 

「比企谷八幡ですが?・・・・」

 

「いいえ、貴方は比企谷八幡さんではありません。」

 

この人いきなり人の事を否定しやがった・・・泣くよ?ホントに

 

「ハハ、否定してるわけではありません。ただ貴方は()()比企谷八幡では無いのです。」

 

心を読んだ・・・だと?・・・・・・・・・・ん?

 

「もう、ってどういう事ですか?」

 

「そのままです。比企谷八幡は5日前ジョーカーに刺されて

 

 

 

 

―――――――――――――――亡くなりました。」

 

 

 

 

は?

 

「言い換えると。戸籍上死んだことになってます。」

 

「はぁ・・・・ますます分からないのですが・・・」

 

訳が分からない。何故俺が死んだことになっているのか何故この人が俺の事を主人としているのか。

 

「まぁ、そのことはお食事をしながらでも。」

 

そういいアルフレッドさんは俺を手招きして食堂へ連れていかれた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

本当にここは凄い所だと思う。

 

あまりにも綺麗すぎる。

床も電灯も窓も暖炉も・・・ゴミどころか塵一つない椅子もテーブルも新品同様。聞いてみるとこの椅子も机もこの屋敷自体200年の歴史があるらしい。

俺がおかしいのかこの屋敷がおかしいのか・・・

 

「さて、朝食を持ってきますね。」

 

「え?貴方が作っていらっしゃるんですか?」

 

「ええ、そうですが。というか此処の掃除も全部私が一人でやっております。」

 

この人あれだ・・・スーパーマンだ。いやスーパーマンをも軽く凌駕してるよ。

アルフレッドさんのいや、老人の力恐るべし。

 

次の瞬間、いつの間にか料理がテーブルに並んでいた。いや、マジですごいと思う。

 

「どうぞお召し上がりください。」

 

「は、はぁ・・・じ、じゃあ、いただきます」

 

目の前に出てきたスクランブルエッグを一口口に含む

 

 

 

「・・・・・・・・っ!!??」

 

 

 

うまい・・・というか旨すぎる。いや違うな・・・ああああ!!自分の言語力を恨みたい!!

 

「どうですか?お口に御会いしましたでしょうか?」

 

「ええ、というか。すごいとしか言いようがありません・・・」

 

もう、オカシイ。この屋敷。

 

「ハハハ、ではそろそろ本題と行きましょうか。」

 

軽く笑いながらアルフレッドさんは言う。

旨すぎてすっかり忘れてた。

 

「あ、はいそうでした。では質問良いですか?」

 

「ええ、比企谷八幡が死ななくてはいけなかった理由ですね?」

 

質問の内容をしっかりと言い当てる。

 

「・・・まぁ、はい。」

 

「じゃあ、説明させていただきます。まず、あなたのおばあ様とおじい様をご存知でしょうか?」

 

「ああ、確か外国人だったんでしたっけ?」

 

俺はそう答える。

実は俺の母側の祖父と祖母は外国人だったらしい。母さんが小さい頃に亡くなったらしいが。名前は確か・・・マーサ・ウェインとトーマス・ウェインだったっけ。

 

「はい、トーマス様とマーサ様です。実はあの方がたは元々《ウェイン・エンタープライズ》のオーナーだったのです。」

 

ウェイン・エンタープライスと言えばアメリカのゴッサムシティーの最大企業のはず・・・なんでそこのお偉いさんがこんな日本の小さな町に住みこんでいたんだ?

 

「彼らはこの日本で大きなプロジェクトを抱えてきたのですが・・・・それを成す前に亡くなってしまいました。」

 

残念そうにそう話す。

俺の祖父祖母はかなり慕われてたんだな。

 

「私たちはそのご子息であるルーラ・ウェイン様に引き継ぎをお願いしたかったのですが・・・彼女は日本で国籍を変え比企谷留美として生きる事を選び幸せな日々を送っていた

ためそう言う訳にもいかなくなってしまって・・・そんな時起こったのがあの事件です。」

 

葉山・・・いや、ジョーカーの事件か・・・

 

「あの事件で彼女の息子であられる比企谷八幡さまが瀕死の重体になられたとお聞きし私たちはすべての力を結集してあなたを助けました。

その時です。彼女が我々にあなたを引き渡したのです。」

 

「え・・・捨てられたの?俺?」

 

少しショックを受ける。

 

「いえ、多分捕まったジョーカーは貴方が生きていることを知ったら。またあなたを殺しに来るでしょう。そのためにあなたには死んでもらわなければならなかったのです。そうすればあなたが狙われることはもう無い。貴方に関する人々には貴方は死んだと伝えられています。」

 

俺ボッチでよかった。あまり心配する奴いないから少し安心した。・・・いや、安心できないな。学校どうなるんだよ。

 

「すみません。その場合俺中卒になっちゃうんですが・・・」

 

「そのことについては・・・すみません私の方もどうにもできません。」

 

申し訳なさそうにアルフレッドさんは言う。

 

「まぁ、そのことに関しては俺のためを思ってでしょう?」

 

「ええ、すみません」

 

本当に申し訳なさそうにしている

 

「とりあえず、俺は何をすればいいんですか?」

 

「貴方はこれからウェイン・エンタープライズのオーナーとなっていただき。貴方のおじいさまのプロジェクトをあなたに引き継いでいただきます。これは仕方がない事なのです。分かってください。」

 

まぁ、話の内容的に分かっていたけどな。

そしてアルフレッドさんはまた話し始める

 

「それからあなたは名前を変えていただきます。」

 

「え?・・・はい」

 

俺も今では死んだ人間だ。

戸籍を変え名前を変えなくてはいけないか

 

「そんなに固くならないでください。あと敬語もやめてください。」

 

「え?・・・あ、うん。分かったアルフレッド」

 

「はい、ではこれから貴方は《ブルース・ウェイン》です。それでよろしいでしょうか?ブルース様」

 

「ああ、分かった・・・」

 

まぁ、俺もかなりのお人好しらしくあっさり許してしまった。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――え・・・比企谷君と由比ヶ浜さんが・・・・死んだ?」

 

 

時を同じくして雪ノ下雪乃は唖然としていた。

 

昨日まで6日間ウェイン・エンタープライスがいきなり活発化し始めたという事なので雪ノ下家に強制的にあいさつ回りに行かされていたのだ。

そのため学校の状況を全く知らなかった。

由比ヶ浜結衣が死んだことも比企谷八幡が葉山に殺されたことも。

はっきり言って今までこんなに多く自分と接してきた人間は彼らが初めてだった。そしてこんなにも愛おしい存在も彼らが初めてだった。

そんな存在が一気に全員いなくなってしまった。それは彼女にとってすべてを失ったも同様。もうこの世に意味もなくなった。

 

「わ、私は・・・・どうすれば・・・・」

 

頭を抱える。

すると部室のドアが開いた。

平塚先生だ

 

「・・・雪ノ下入るぞ?」

 

「はい、」

 

いつものノックしての言葉が出ない。

 

「・・・大丈夫か?」

 

「・・・・・・・大丈夫です」

 

咄嗟にそう言った

 

「嘘だな。」

 

平塚先生は一瞬でそう言い放った。

当然と言えば当然だ大切なものが6日の間にすべてなくなったのだから。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・今回の事は本当に残念だった。」

 

冷たく平塚先生は言い放つが、言葉が揺れている。

かなり動揺しているようだ。

 

「私の方からも君を出来るだけ支えられるよう努力しよう。君は・・・・・・・・・・・負けないでくれ。」

 

そう言うと平塚先生は部室から出て行った。

 

ガラリと静まり返った部室からは彼女に温かさをくれるものはもう無い。

あるのは温かかった記憶と彼女自身の冷たい夢のみだった。

 

 

 

 

―――――――――彼女は一切歩き出せなくなってしまった。

 

 




眠い


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EPISODE2 :Begins knight (1)

―――――――――俺は昔、暗闇に落ちた事がある。

忘れられない。暗闇で俺に襲い掛かってくる悪魔もそこから見た日の光も

光があるから闇はより一層際立つ。希望があるから絶望は一層強くなる。

体は凍り付き。動かない

すぐ横の隙間から悪魔が俺の鼓動を監視しているように見えた

 

 

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い・・・・

 

 

 

初めての恐怖。

すべてが新鮮。すべてが始めて

 

 

 

 

助けて助けて助けて助けて助けて助けて・・・・

 

 

 

 

初めての救済を求める声。

その中には母父の名もあった。

光に手を伸ばすが一向に手が届かない。

 

 

 

 

『なぁ、八幡何故人間は落ちるか知ってるか?』

 

 

 

光の方から声が聞こえた。

父だった

片手に紐を持ち。闇から俺を引きずり出そうと手を伸ばしながらそう言う。

 

『ぅッ・・・ぅ・・・・・・・ぁ、な、なんで?』

 

泣きかけながら俺はその質問に質問で返しながら手を握る。

その手は汗ばんではいるが何故か心が和らいだ。

そして父は答えた。

 

 

 

『・・・・・・・・・・・・・這い上がるためさ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝙蝠が勢い良く鳴いた。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――どうしましたか?ブルース様」

 

 

 

 

 

気が付くと俺は暖炉の前に轢いた絨毯の上で横になっていた。

横ではアルフレッドが俺の顔を覗き込んでいる。

 

「・・・やぁ、アルフレッド」

 

「・・・お疲れのようですね?」

 

「ああ、ちょっとな・・・」

 

俺はアルフレッドから目線をずらす

 

「まぁ、ブルース様は一ヵ月前まで一般人でしたからね。こういう日々に慣れ無いのは仕方のない事です。」

 

あれから一カ月がたった

昨日まで俺は会社のお得意先を一日10件とかそんな単位で回っていたため体力に限界が来ていたのだ。

 

「ああ、たしかにな。だが、早く慣れないと。」

 

「急ぎ過ぎるのも考え物ですよ?」

 

そうアルフレッドは言いながら。紅茶を俺に差し出す。

 

「たまには息抜きも大切です。」

 

「・・・ッフ。ああ、そうだなちょっと遅めのティータイムにでも洒落こもうかな?」

 

紅茶を受け取り一気に飲み干した。

うん、旨い。やっぱりアルフレッドの紅茶は世界一だな

 

「もうちょっとゆっくりしなさればいいのに」

 

カップを受け取りながらアルフレッドはそう愚痴を言う。まぁ、もともとここで寝てること自体駄目なんだけどな

 

「仕方ないだろ?あと30分でスノゥコーポレーションの開社20周年パーティーなんだから。」

 

そう言うとアルフレッドはジト目で見ながら反論する

 

 

「そのパーティーだって本来行かなくても良かった物でしょう?それに最近貴方は働き過ぎです。あんなに初期の頃は働きたくないを連呼していたのに・・・なんでここまで変わってしまったのか謎なくらいですよ。大体あなたは・・・」

 

「はぁ・・・分かった分かったよ。これからは気を付けるよ。」

 

話を続けようとしたアルフレッドを止めるように手を前に出しながらそう言う。

するとアルフレッドは「本当ですね?」と言い納得いかなそうに渋々引き下がった。

 

「本当だ。これっきりだって」

 

「まったく、その言葉を何回も聞きましたよ。私は・・・」

 

そう言われると耳が痛くなる

そう思いながら俺は近くにあったコートを引きずり出し自分の肩にかけた。

なかなかの代物だと思うが、これをアルフレッドは安物だと言う。

 

まぁ、俺みたいな成り上がりにはこれくらいが丁度いいだろう。

 

そして伊達メガネを付ける

もちろん変装のためだ。

雪ノ下さんとかだったらすぐばれるかも知れないけど。

 

今回のリストに名前が無かったからきっと大丈夫だろうが・・・用心に越した事は無い

 

 

 

 

 

 

 

「それでは車をお出ししましょう」

 

アルフレッドはそう言いガレージに向かう。

 

もちろん俺はまだ17歳。運転なんざできないためこういう場合はアルフレッドに送ってもらわなくてはならない。

まぁ、20超えたらすぐ運転免許取りに行くけどな。

ああ、それと一応二輪免許は取得済み。

 

するとアルフレッドは立ち止まりこちらに振り向いた

 

「・・・それともご自分のバイクを運転なさってみますか?」

 

そう言った声は何処か機嫌がよかった。

そう言えばたしかに、免許を取ったはいいけど忙しすぎて買ったバイクを使う機会がなかったな。

 

「まぁ、そうだな。このまま使わずじまいってのも勿体ないし。たまにはこういうのも有りだな。」

 

「左様ですか。ならばとっくにメンテナンスは済んであります。此方にどうぞ」

 

仕事が早いなと思いながら後を付いて行く

 

 

 

しばらく歩くとロビーに着いた。

真ん中にはピアノが一台置いてあるだけの変な部屋だ。

するとアルフレッドはピアノの前に立つ。そして俺が話しかける。

 

「ん?・・・なんだ、バイクなんて無いじゃないか。」

 

「まぁ、ちょっと見ていてください。」

 

するとピアノのカバーを開けドとミの所に指を置き。鳴らした。

ピアノの音が響く中ガシャッと言う音が聞こえる。本棚?

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

俺は小さく呟いた。

そこには地下に続いた階段があったのだ。

こういうのはなかなか男心をくすぐられる演出だと思う。

 

「・・・ねぇ?これって・・・」

 

「失礼ながら。これはトーマス様が作られた隠し部屋でございます。」

 

爺さんが?

なんでこんな部屋を・・・

 

「聞く所によりますと・・・スパイ映画に憧れただとか・・・こんな仕掛けがそこら中にありますよこのお屋敷は。だから掃除も大変なんですよ・・・全く

 

まぁ、知られざる前会長の趣味を知ったところで俺は中に入って行く。

 

階段が木製のためギシッギシッと鳴る。音が目立つが関係ない。好奇心Maxな状態で中に入って行く。

奥の方にドア一つポンと立てかけてあった。

 

「え~っと・・・アルフレッド・・・ここでいいんだよな?」

 

俺はドアノブに手を掛けながらそう聞く。

 

「ええ、そうですよ。」

 

「じゃあ、良いんだな?開けるぞ?」

 

「だからいいと言ってるではありませんか。」

 

俺はドアを開ける。

そこには一台の黒塗りのバイクが置いてあった。

 

 

 

 

 

 

「おおぉ~~~~~~~~!!!!良いじゃないか!!!」

 

 

 

 

 

 

買った時とは全く形が異なっていたが中々良い趣味をしている。まさにテンションが凄い上がるぅ!!

 

「はい、色んな機能も搭載してみました。例えば・・・」

 

「ああでも、もう時間無いから早く出よう。・・・あ、いや、このバイクはすごくいいと思うんだがな・・・派手過ぎる。車で行こうか。バイクはまたの機会で」

 

「・・・左様ですか。では、今度元に戻s「いや、このままでいい」・・・ほう、分かりました。」

 

取り合えず。あれは放置だ。

派手過ぎる+かっこいい=放置で。OK?

 

「ふむ。ではそろそろ出発いたしましょうか。」

 

「ああ、頼む」

 

そう言い俺は部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――この後起こる悲劇を微塵も感じずに

 

 



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EPISODE3:Begins Knight(2)

どうもこんにちはこんばんは。マッキーです!
何ヶ月ぶりの投稿てすか?うわっやばっ…もうそろそろ1年がたとうとしてんじゃねーですかぁ!!はあ、夏休みは描こう


「ブルース様。着きましたよ」

 

アルフレッドがハンドルを持ってそう言った。

窓の外を見ると大きな建物が立っている。なかなか繁盛しているらしい。

 

「ああ、ありがとうアルフレッド。しかしパーティーねぇ。これで10回以上は行ってるがやっぱり慣れない。」

 

「ハハ、頑張ってきてください。あ、あとこれを」

 

「なんだいこれは?」

 

「メロンです。社長にお会いしたら渡してください。」

 

「……ああ、わかった」

 

軽い話を終えると俺は車のドアを開ける。

ドアを開けるとレッドカーペットが俺を迎えてくれる

 

「あれ?あのお方は・・・」

 

「ブルース・ウェイン?なぜここに?」

 

「いや、どうせ偽物だろう」

 

「でもテレビと全く同じ顔だぞ?」

 

行く人々反応を聴きながらレッドカーペットを歩く。なんだか自分が特別な存在だと思ってしまいそうだ。

 

「こんばんは、ブルースさま。ようこそ我がスノゥコーポレーションへ。ご参列いただき誠に有難く存じます。」

 

雪歩所長が前に出てきて挨拶に来た。俺はいつものように接待する。なるべくラフに、それを意識して接待しなくてはならない。この街で1番の大会社の社長なのだからもっと堂々にってリチャードに言われたばかりだからなぁ

ちなみにリチャードっていうのは俺の義弟だったりする。

 

「ああ、雪歩社長。君の商品はうちでも役に立ってるからね。あ、これほんの御礼なんだがね。」

 

俺は渡されていたメロン手渡した。

 

「これはこれは有難うございます。ではパーティの方をごゆるりとお楽しみください」

 

「ああ、わかった。」

 

俺はワイングラスを渡され、過ぎ去って行く社長に手を振った。

正直言ってこの会社は怪しい所だらけだ。良く考えたらあんなて難しい物を扱っている会社にもかかわらずたった1年でここまで勝ち上がってきて、しかも20年間ずっと勝ち残っている。言っちゃ悪いが悪い噂も沢山あるし。例えば裏でギャングと手を組んでるとか武器の製造をしてるとか、酷いので自分の利益のために周りの子会社の社長を殺して自分の物にしているとか…

 

「まぁ、噂は噂にすぎないか…」

 

考えすぎだろう。

自分のワイングラスを覗く。無論中身はブドウジュースなんだけどね☆

 

「あなたブルースウェインさんですか?」

 

一人の記者が俺に聞いてくる。

 

「ああ、そうだけど」

 

「実はこのスノゥコーポレーションの悪い噂についてお聞きしたいのですが」

 

「いや……そういわれてもね。というかここで言う話かいそれは?」

 

「あれ?お聞きしていないんですか?」

 

記者が頭を曲げる。

 

「何をだい?」

 

俺は疑問で返す、すると記者は新聞を取り出した。

なんか嫌な予感がする。

 

 

『スノゥコーポレーションで爆発予告!!』.

 

 

と大きく見出しを飾っていた。

 

「爆発予告?」

 

「ええ、なんでも噂ではこの会社に恨みを持っている人間の犯行ではと言われていますが…」

 

馬鹿馬鹿しいと言えばそれまでだが、なんか説得力が有る。

事実さっき話た所長を俺はあまりよく思ってい無かった。なんか心の奥底が垣間見えているというか、兎に角、直感でああいう奴は分かってしまう。

 

 

「まぁ、そうだな。用心はしておくさとだけ言わせてもらおう。」

 

 

そう言うと俺は記者に手を振り奥に入っていった

 

☆☆☆

 

ワイン(ジュースなんだけど)や食事を楽しみながら奥様方にもお話を伺う。

 

やはりというべきか、いい印象を受けない。

 

他人に興味が無いとは言われた事は無いが彼女たちには一切の魅力が感じられなかった。

 

「潮時か……」

 

そう思い俺は玄関を目指す。もうアルフレッドには待機してもらった。

 

「あらもうお帰りなのですか?」

 

一人の奥様が俺に問う。俺はなるべく笑顔を作りながら

 

「ええ、もう遅いですし。このままここに居たら大変なことになってしまいますからね☆」

 

はーい、ここでWink!!ok!

今のギャルゲーだったら絶対オチ出たぜ!まぁ現実なんでただの冗談としか思ってないんだろうけどな!

 

「では、失礼します。」

 

「…………え、あ、……はい//」

 

なんでだろう。顔が真っ赤なんだが…

そんな事はどうでも良い、もう帰ろう。

 

玄関に向かおうと足を運ぶ。何か怪しげな影がドアの近くを歩き回っている事に気がつく。

 

「あれは……」

 

さっきまで居なかった客だ、間違いない。

上下はスーツで包んでいるが中に何か甲冑を着ている様だ。体が盛り上がりすぎている。

 

「なんなんだ?あの男。」

 

あまりにも怪しすぎた。他のみんなが何故あれに釘付けにならないのか不思議なほどに。

すると次の瞬間男はドアに手をかけ奥に入っていく。

 

少し寄り道しようか

 

そう思いゆっくりと閉じたドアに手をかける。

 

 

 

カチカチカチ……

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

 

時計が針を動かしている音。

 

 

「この音は…」

 

 

不気味な程よく響くその音は

 

 

「まさか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『昨日夜、10時ごろスノゥコーポレーションで爆発が起こりました、関係者からの証言によりますと犠牲者の中にはあのウェインテック社長"ブルース・ウェイン"も居たそうですが遺体の確認は取れずに未だ調査が進められています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日……俺はヒーローに憧れた。



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EPISODE4:رأس الغول

痛いーーー

 

 

 

 

ーー痛い

 

 

 

 

ーーー苦しい

 

 

 

 

ーーー痛い……

 

 

 

 

 

体にヒビが入る様な錯覚。

 

頭から崩れていく感覚。

 

灰として片付けられる視覚。

 

 

そこには沢山の死体が転がっていた。

助かったのは俺だけだろうか

 

 

「た、助け…て…」

 

 

一人の声が聞こえる。

 

「だ、大丈夫か!!」

 

俺は彼の近くに走り寄り、手を掴む。

脈はまだある。きっと……きっと

 

 

「いや…無理だ。」

 

 

後ろから冷たい声が聞こえた。振り向くとさっきのスーツの男だった。

 

「いいから手を貸せ!!ここから助け出すんだよ!!」

 

「お前こそ現実を見ろ。その男、どの道助からんぞ」

 

「知らねーよ!!もしかしたら助かるかも知れねーだろ!!」

 

男は、はぁとため息をつき、彼に指を指す。

 

 

 

「じゃあ、それはなんだ?」

 

 

 

 

「何をいっ………………っ!?」

 

 

 

俺の手が真っ赤に染まっていた。

 

決定打となったのは彼の上に突き刺さっている。鉄棒か、

 

彼はとうに死んでいた。

 

 

 

 

 

「うわァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「………落ち着いたか?」

 

スーツの男は俺に言う。だが俺は黙って下を向く事しか出来ない。

ダメだとわかってもそれは出来なかった。

 

「お前、若いな。名前はなんと言う?」

 

聞いてくる。とっさに比企谷を名乗ろうとしたが今はもう違うんだったな、

 

「…………ブルース・ウェイン」

 

「ブルース・ウェインか、アジア系に見えるが北米にいる名前だな。ブルースと呼ぼう。ところでブルース」

 

彼は俺に向かっていった。

 

 

 

 

「力が欲しいか?」

 

 

 

 

YESかNOの二択この答えはただ一つ。

 

「欲しい、」

 

 

ーー即答だった。

少しでも今日みたいな事が有ってはならないととうに心に決めていたほどだ。

 

「では、明日君は旅立たなくてはならない。」

 

「どこに行けと?」

 

「無論決まってるだろう

ラーズ・アル・グール様の所だ。」

 

「ラーズ・アル・グール?」

 

「ああ、そうだ。影の同盟のトップ、現在約300歳と言われている、超人だ。」

 

「300?胡散臭いぞ?」

 

「そうか、だがお前を強くはしてくれる。

私はヘンリー・デュカード……リーグ・オブ・アサシンの一人だ。」

 

男は俺に向かいそういった。

 

 

☆☆☆

 

 

俺は次の日、ヒマラヤに旅立った。

 

 




展開はやっ、バッカじゃねーの!

って思ったら高評価コメントよろしくお願いしまーす


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EPISODE5:the near future

「小町、大丈夫か?」

 

 比企谷八幡、つまり兄が死んでからとうに3カ月がたっていた。ドアの向こうから父が話しかけてくれるのが分かるがどうだっていい、今はとりあえず一人にしてもらいたかった。兄の形見の黒いポーチを抱きしめながら部屋で涙を流しながら籠っている。

 兄の遺体は警察の方で預かっているらしいが一向に帰ってくる様子はない。お葬式の時だって空っぽの棺を遺体として安置した。でも多分兄が帰ってきたとしてもその顔を見た瞬間泣き崩れて今までの私に帰れない気がする。だから正直まだ帰ってきてほしくない。怖いのだろう、兄が苦しんでいる姿を想像するのが…

 

「わかった………お腹がすいたら下に降りて来いよ…今日はお前の好物のステーキだからな…」

 

 父が引き上げて階段を下りていく音がする、このままじゃダメだってのは小町が一番わかってる。でも、もう少しこうしていないと壊れてしまう。

 

「………でも、そろそろ出ないと」

 

 もう3日何も食べてない。たしか最後に物を通したのはパンだったか、時計を見るともう夜の12時を過ぎていた。窓から外を覗くと空は闇にまみれていた、ああそういえばお兄ちゃんが言ってたな、ニートになると昼と夜の区別がつかなくなるってこういう事だったのか。ちょっと悲しくなる。

 お腹がすいたけど親にはまだ会いたくない。コンビニに行こうかな…

 

 そう思うと二階から屋根を蔦り下に降りた。靴は昔使ってたビーチサンダルで良いや。

 

 すぐ近くのコンビニに行く、

 

 

「おい姉ちゃん、ちょっとその腰に下げてるポーチおいて行ってくれねぇか?」

 

 

 声を掛けられた方向を見る。男だった、片手には銃を持っている。

 

……暴漢、

 

「おい置いてけって言ってんだろ!!!!さっさとしろ!!」

 

 男は興奮していて銃が震えているすぐにでも行動しないと間違いなく殺される。

 

「ちょ……」

 

 声が震えてそれ以上声が出ない。

 

「もういい!!我慢の限界だ!!」

 

そう言うと銃を私に向ける。

 

 

死ぬ、

 

 

そう思った瞬間男の顔が強張る、何?私を見ているの?次の瞬間銃の軌道は私を外れ、別に向けられていた

 

 

 

 

「……っ!?なんなんだ!?」

 

 

 

 

恐怖に顔をゆがめているようだった。声がすくんでいる。次の瞬間、銃が何かにぶつかり吹っ飛んでいった。

 

「ぐっ!?てめっ……!?」

 

明りに照らされ何か手裏剣のような物だという事が分かる、形はまるで…

 

「……蝙蝠」

 

私は呟く、

 

 

「ックソ!!なんなんだよ!!お前は!!!」

 

 

 男は銃に向けて走って行こうとするが、それを何かに遮られ蹴り飛ばされた。

 

『……大丈夫か?』

 

 私を心配する声、エコーがかかっているが何かどこかで聞いた覚えがある。

 

「うおおおおおお!!!」

 

 男が走ってきた。片手にナイフを持っているがそれを何かが華麗に受け止めたと思うとナイフを落とす、たしかこれは柔術だろうか。

 

「お前聞いた覚えがあるぞ。いたるところでいきなり出てきて犯罪者を捕まえてるっていうらしいじゃねえか、たしか名前はファットマンだったか?」

 

 次の瞬間殴り飛ばされる。

 

「ぐっ…!!??」

 

『ファットマンじゃ太った男じゃねーか。バットマンだよ』

 

 そう言われると男は気絶した。気絶したことを確認すると私に近づいてくる、身体はマントを引きずって鎧のような物に覆われていている、顔にはマスクを被っている、正直さっきの暴漢より怖い。

 

『大丈夫か?』

 

「は、はい」

 

『そうか。こんな真夜中に何故こんな場所で?』

 

「いえちょっと……」

 

『……いえないか。まぁいい早く帰りなさい、親御さんも心配してるだろうから』

 

「はい、わかりました。」

 

 そういって家に向かおうと歩き出す。もうこんなのは嫌だ。すこし行くと一つ思い出した

 

あ、そういえばお礼を言ってなかった。

 

「あの、」

 

『…どうした』

 

「今回はありがとうございました」

 

『気にするな、ささっと帰りなさい。』

 

「はい、バットマンさんでしたよね?」

 

『ああ、』

 

「最近新聞を飾ってる」

 

『………ああ、そうだ』

 

「本当にありがとうございました」

 

私が再び頭を下げて謝るとバットマンさんは恥ずかしそうに頭を掻く。どこかで見た覚えがある光景だ。

 

あれ?

 

どこでだったかな?

 

 

腐った目を思い出した。

 

 

「おに……」

 

 

次の瞬間、風が吹く、

 

「キャッ!?」

 

飛行機だろうか、かなり低空飛行している

 

『じゃあさっさと帰れよ』

 

そういうと銃のようなものを手にして飛行機と一緒に飛んでいってしまう。

 

「…………お兄ちゃん?」

 

 

私はそう空を見上げてた。



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EPISODE6:Ultimate test

「はぁぁぁぁ!!」

 

「甘い!!」

 

ガンと強く音が鳴る。

それと同時に体にヒビが入った様に痛みが俺を襲った。

 

「ぐっ……」

 

「まだまだだな。まだ詰め込みが甘い」

 

今俺はアルプス山脈の近くに位置するラーズ・アル・グールの神殿で修行に励んでいた。

爆破事件から1ヶ月が経過し、俺は2度目の死を体現している。まぁどちらも形式上だが。あのあと俺は爆発地で出会ったヘイリーに付いて行きそのまま飛行機に乗りアルプスに向かい、そこにいたラーズ・アル・グールと話を付け修行をさせてもらった。理由は誰かを…何かを守れる何かになりたいと言う思いがあったからだ。具体的な目標はないが今はとりあえずそれを最終目的としている。

身体はあの頃とは別の物へと変わっていて。筋肉もある程度出て来てまぁいわば細マッチョとでも言おうか。

 

「ほら。隙だらけだぞ」

 

カンッと軽い音がなりそのまま俺は倒れるー

 

「ーーーーに!?」

 

否、倒れたのはヘイリーの方だった。

剣を振るう時に瞬時に足を掛けたのだ。すると俺は奴に剣を向けた。

 

「はぁ、はあ、こ、これで俺の勝ちだ」

 

そう言うとヘイリーは笑う

 

「いや、驚いたがまだ反応が遅いぞ戯けめが」

 

すると俺が立っていた地面に穴が開き俺は落ちた。

 

 

 

 

身体が冷える。

 

それは標高が高いからだ。

 

雪も熱く感じる。

 

 

「ほら腕を動かせ。そうする事で血が回って温まる。」

 

 

お茶だろうか暖かい飲み物を渡される。

 

「あ、ありがとう」

 

ズズズっと飲み込む。ああ、温かい。体の奥の方から血が溢れる様だ。

その様子をヘイリーはジッと見つめると俺に向けて言う。

 

「お前は呑み込みが早い。もうしかしたら私よりも強くなっていくだろう」

 

「それはどうも…」

 

「しかし、お前はまだ覚悟が足りん、誰かを殺す覚悟も、何かを成す覚悟もな」

 

その言葉が胸に突き刺さる。

 

 

 

 

 

「……俺は誰も殺す気はないぞ?」

 

 

 

 

 

俺は彼を見つめる。ヘイリーは確かに良い奴なんだろう。今まで何度もくじけそうになっても彼のお陰でどうにか立ち上がってこれた。無論それも俺の為ではなく組織の為だとしても今まで助かったのは変わりない、俺はこいつに親に対する安らぎでも感じているようだ。だが、それでも彼が人殺しなのは変わらないのだという事を感じた。

するとヘイリーは俺を憐れむような瞳で見つめる

 

「………私にはな昔娘がいた。」

 

「何?」

 

ヘイリーは語り始める。

 

「今頃君くらいの歳になっているだろうか…私はもう会うことが出来ない。」

 

手を強く握っているのが分かる。

 

「何故かって?失敗したからだ。私も…いや俺も昔はお前みたいに殺すのに躊躇した。何も殺さなくても話し合い等で助けられないかってな……無理だったよ、」

 

空を見上げるヘイリー

 

「繰り返しだった。敵を倒せばまた新たな敵が生まれる。いや、そもそも殺さないのだからその敵はまた襲い掛かってくる場合も有る。それを繰り返した何度も何度も何度も何度も……

次第に敵は俺の素性を知るようになり。手始めに奴らは妻が見せしめに殺した。」

 

 

 

「それからだよ、殺しに躊躇しなくなったのは…」

 

 

 

ヘイリーの目は炎に照らされていた。

 

 

 

「ふ、すこし湿っぽくなってしまったな。さて、そんなつまらん話はやめて戻るか。」

 

次の瞬間、ヘイリーはいつもの様に立ち上がり俺を起こし上げた。

俺はそのヘイリーの様子に少し不安定さを感じた。だがあえて声に出すことはしなかった。それを言ってしまったら何かが壊れてしまうような気がしたから…

 

 

 

☆☆☆

 

 

吹雪が吹いていた。その中を俺は駆ける。山頂はとても遠く感じたがそれでも遣らなくてはならない。少しでも何かが変わるのならば何でもしようではないか、俺は寒さに声を上げる体を叩き上げる。

 

「…そこまでだブルース」

 

振り向くとヘイリーが息を漏らさずに俺を見ていた。

 

「はぁ、はぁ……何の用だ?」

 

「何、そろそろ最終試験を始めようと思ってな」

 

そう言うと彼は手を岩に掲た。

 

「なんだよ?」

 

「まぁ見ていろ」

 

 

ガガガ……

 

 

岩が切り開かれる。

 

ーーー隠し扉か…今まで何度も此処を通っていたのに気付かなかったとは…

すこし自身に呆れる。というか探す事自体ムリゲーだったが。

 

 

「何をしている?置いて行くぞ。」

 

惚けていたのがバレたのか一喝された。仕方ないと俺は頭を掻きながら俺はヘイリーについて行った。

 

 

中に入るとすぐにエレベーターがあった。ロゴにはウェインテックとなっているのでうちの製品だという事はすぐわかった。こんな所へまで商品を運んでいるとはみんなすごいなと少し従業員を心の底で褒め称えることにする。まぁ簡易型で大きな赤いボタンを押せば下に下がる上がると言った単純なものだがここで作れるのはそんな物か。

 

「でだ、ヘイリー最終試験とはなんだ?」

 

俺はヘイリーに問う。するとヘイリーは少し考えるような姿勢を取った後に答えた

 

「精神を強める試練だ。恐怖をその身に託しその相手に恐怖を植え付ける。そのために自身の恐怖を克服しなくてはならん。つまり今日お前は自分を殺さなくてならない。今回は闇だけはお前の味方だ…」

 

「へぇ、俺に向いてる試練じゃねぇか」

 

「戯け、舐めてかかったら本気で死ぬぞ」

 

ギラッと睨みつけられる。

 

「死はいつも隣にいる。決して貴様を守る事は無い。」

 

 

ガラガラと扉が開く。

 

 

「それでも本物の力を持ちたいというのならば………着いてこい」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

そこには杯が一つ佇んでいた。

 

「それが一つ目のデーモントライアルだ。飲め」

 

金色の細かい装飾が張り巡らされたそれの中には青白く光った液体が入っている。とても飲めそうには思えない

 

「悪魔の血だ。安心しろ飲むだけで死ぬという訳ではない。それで意志が弱ければ死ぬ者もいるがお前ならば大丈夫だろう。」

 

ヘイリーは杯を手渡すと闇に消えた。

 

 

 

『安心しろ俺はずっと見ている』

 

 

 

そう言い残して

暫くすると俺は手元の液体を覗き込む

 

「……よし」

 

グビッと一気に飲み込む。

 

 

…すると足元からずれ堕ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー発狂

 

 

 

ーーーー発狂。

 

 

 

ーーーー発狂…

 

 

 

 

 

 

狂う…俺が消える……

 

 

恐怖…すべてが消える…

 

 

 

「ア…アガァァァ!!!???」

 

 

 

 

血が……悪魔の血が血管を駆け回るその際に起こる痛みが俺の中を蝕む。

 

 

 

 

『これでお前の中に悪魔が住み着いた。それはお前の力を一時的に超人レベルまでに引き上げる。』

 

 

目が回る。思わず手をつく

 

 

『お前はこれから夢を見る。』

 

『怖い、怖い、悪夢をな…お前の中にあるトラウマを強制的に引き出し、それを克服させる。』

 

 

『ここまでが今お前の為に私に出来る最後の手助けだ』

 

 

 

 

そう声が聞こえた瞬間耳は遠く視界は狭くなっていった。

 

 

 

 



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EPISODE7:The sweet dream

暗かった。

 

 

何もない。

 

 

誰も居ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『比企谷くん……あなたには失望したわ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一言…

 

 

 

雪ノ下が俺を見下していた。いつもよりより一層冷たい瞳で

 

 

 

『ヒッキー……なんで助けてくれなかったの?』

 

 

 

由比ヶ浜が泣きながら俺の前に言う。

 

 

 

『比企谷……お前の顔は見たくない』

 

 

 

平塚先生が俺を拒絶している。

 

 

 

『先輩…』『八幡…』『ヒキタニ…』・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー『お兄ちゃん…………』

 

 

 

 

 

 

 

みんなみんな俺を拒絶した…

 

 

 

 

「なんだよ…………なんだよ。」

 

 

 

 

元々俺に居場所なんかなかった。あの温かい場所だって嘘だった。あの記憶だって嘘だった。みんな嘘だった。

 

 

 

 

「なんだよ…………なんなんだよ!!」

 

 

 

 

夢ならば覚めてしまえ…夢ならば……

 

 

 

 

「いや、夢じゃないぜ?比企谷」

 

 

 

 

みんな消えていた。たった一人椅子に座っている。

 

 

 

「久しぶりだな比企谷。いや今はブルース・ウェインだったか?」

 

 

 

「………葉山」

 

 

 

 

にんまりと葉山は笑うと座るように手を促す。

静かにそれを認証すると俺はそばに現れた椅子に座った。何もしていないのに葉山はずっと笑っている。

 

「お前は何なんだ?」

 

「俺はお前の恐怖の象徴だよ、比企谷」

 

 

そういうと奴は銃を取り出す。

 

「この銃がお前の恐怖心だ。一発この引き金を引けば」

 

 

そういうと俺に銃を向ける

 

 

 

「Ban!!」

 

 

 

引き金を引くが球は出ず『Ban!!』と書かれた小さな旗が出てくる。銃はおもちゃだったようだ。

それをくるくると回し捨てる。

 

「一瞬でお前は恐怖心に溺れる。」

 

効くはずだった……

 

 

 

 

「なぁ、比企谷…お前は何が怖い?」

 

 

 

「一人になることか?地位がそこに着く事か?命を失う事か?違うだろ?」

 

 

 

 

 

 

「お前は自分が怖いんだ……」

 

 

 

 

 

 

「何も無いくせに、他人の何も知らないくせに、知ったふりをしてる自分が怖いんだ」

 

 

「今のお前には何も守るものがない。何も救うものがない、自分の存在意義がない」

 

 

「俺とお前は同じだよ、比企谷。他人の恐怖になる一方的で傲慢な存在なんだよ」

 

 

 

 

葉山は俺を見定める。

 

奴の口には傷があった。

 

 

「葉山……お前は」

 

「おっと…忘れてた。残念だが俺はその葉山って奴じゃない…」

 

 

 

 

「ジョーカー様だ」

 

 

 

 

ーーーそうだった。

 

俺にとってこいつは由比ヶ浜を殺したあの日から俺の中で"ジョーカー"という有象無象の存在になっていた。

奴の顔のイメージが段々変わっていく白い肌、緑の目、緑色の髪…全てがジョーカーだった。ジョーカーという存在に違和感を感じない。消えかけのトラウマが蘇ってくる。

 

 

 

 

 

『由比ヶ浜が死んだーーーー由比ヶ浜がーーーーー由比ヶ浜ーーーー由比ーーーー由ーーーーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

イメージが固着していく

 

 

 

 

 

 

『ーーーえーーーえーーーよーーーーー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『笑えよ』

 

 

 

 

 

響く、笑い声が、甲高い女性の笑い声も、みんな笑っている、俺も笑ってる、みんな、みんな、みんな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑ってる。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

彼女はまだあの場所に居た。

 

誰もいない誰も見ない、

 

元の状態に戻っただけだ。

 

いや、あの暖かさはもうない。

 

 

 

「……由比ヶ浜さん……比企谷くん…」

 

 

 

みんなみんな死んだ。

居なくなって初めてその尊さを知るというが本当にそうだった。

 

比企谷くんの葬式に行った。何か求める物があるんじゃないかと思ったけど、何も無い。遺体は無いと言われたので顔を見ることはできなかった。

小町さんもあの日から部屋に篭ってしまったようだ。

心が痛い。

 

 

由比ヶ浜さんのお葬式にも行った。お線香を上げたけれど写真の由比ヶ浜さんの笑顔が怖かった。何か私の罪を咎め用としている気さえした。遺体は鑑識に回しているらしくその時には彼女の顔を見れなかった。

心が痛い。

 

 

 

帰るときに三浦さんを見た。金髪だった髪の毛は真っ黒に染められていた。ずっと下を見ていてあの時のような気配はなくなっていた。彼女も私と同じなんだ、彼女も無くしたんだ。

そう思うと心が痛かった。

 

 

 

彼らの教室も静かになった。

 

誰も何も言わない、何も言えない。

 

それは奉仕部も同じだった。

 

平塚先生はたまに顔を見せに来てくれるが何の励ましにもならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「……みんな、なんで私だけ置いて行ったの?」

 

 

 

 

 

そう呟く声だけがそこに響いた。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「………………雪ノ下…」

 

 

呟く、

なんで呟いたか覚えてない。

 

 

あれ?

 

置いてきた。

 

 

そうだ雪ノ下だけ置いてきてしまった。

 

 

そうだ小町も置いてきた。

 

 

そうだみんな置いてきた。

 

 

 

 

 

 

ピキッ

 

 

 

 

 

「……ん?どうした?比企谷?」

 

 

葉山……いやジョーカーは俺を見る。

 

 

 

 

 

パリン、

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 

 

 

 

 

世界が割れる。

 

 

 

 

 

バキッ!バキバキッ!!バキッ!!

 

 

 

 

 

「なんだ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュウ………………

 

 

 

 

 

ザザザーーーーーーー

 

 

 

 

 

「な!?」

 

 

 

 

 

 

 

コウモリが俺を囲んだ。

 

 

 

 

全てから俺を守ってくれているそんな感じがする。

 

 

 

 

 

 

 

一歩歩きだす。

 

 

 

 

 

 

二歩歩きだす。

 

 

 

 

 

三歩歩きだす。

 

 

 

 

 

「A、AHAHAHAHAHAHAHA!!!」

 

 

 

 

ジョーカーは恐怖した。異形の化け物を形どった何かを。

 

 

「俺はもう恐れない。」

 

 

 

何も……そうだ。何も

 

 

 

そうだ俺は

 

 

 

「ーーーーI am vengeance」

 

 

 

ーーーー私は報復

 

 

 

 

「ーーーーI am the night」

 

 

ーーーー私は夜

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーI am BATMAN」

 

 

 

ーーーー私は……バットマン

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「ま、まさか此処までとは……」

 

ヘイリーは驚いていた。ブルース・ウェインの精神の強度を調べる装置が彼を通して煙を上げている。

周りの科学者も慌てふためいていた。今まで前例が無い状態に困惑しているのだ。

 

 

「そうか……ハハ、そういう事か…………彼こそが私の後継者という訳か。ハハハハ!!」

 

対してヘイリーは上機嫌にそう叫んだ。

 

 

 

 



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EPISODE8:joke

―――亜化夢(アーカム)精神病院

 

 

カラン、カラン

 

誰かの足音が鳴る。

 

水滴がポツンポツンと落ちる時ガラッと大きな音で病室のドアが開く。メガネが光る。

 

「……彼の容態はどうだ?」

 

病室…否監視室の中にはパソコンの前でカタカタキーボードを押す男が一人、ちらりとドアを開けた男に目を向けた。すると男はため息を吐いて言う

 

「奴はいたって健康だよ。脳波にも異常を見受けられない。ただ奴が刺した男が死んだことを話した瞬間、病室に閉じこもってしまった。まるで殺してしまったことを後悔しているように。一応言っておくが奴は狂っていないぞ。」

 

「狂ってない?なら何故同級生二人を殺す様な真似ができる?」

 

「正確には二人だけじゃなかった…多分百はゆうに超えてるだろうよ」

 

耳を疑う。

 

「100だと!?」

 

「ああ、奴が嬉々として話してくれたよ。自慢話をするようにな。で埋めた場所を聞き出して掘ってみたら……」

 

男は写真を取り出す。

 

「数えきれないくらいの骨が出てきた。因みに頭蓋骨は一個も見つかっていない」

 

「何故、そんなことを?」

 

「奴曰く、必要な犠牲だとよ…」

 

写真を胸ポケットに再びしまう。

 

 

「まぁ、ここから先は奴に直接聞くと良い。俺はもう嫌だけどな」

 

「ああ、分かったでも。今ふさぎ込んでいるんだろう?」

 

「少なくとも話は出来るさ。多分今までの殺しの布石は最後の被害者の男へ向けてだったらしいからな。其の事についてだったら嬉々として話してくれるだろうよ。」

 

「ああ、分かった」

 

男はそれを聞くとまたパソコンへ向かっていった。

メガネの男はドアを閉めて隔離室に向かう。そこはかなり厳重な場所だ。たくさんの精神異常者がいるが今までだれ一人として抜け出すことは出来なかった。それもそのはず重いドアがまるで金庫のように隔離室につながる部屋を閉ざしているからだ。

 

「警察の者だ。」

 

警察手帳を監視員に見せる。すると監視員は敬礼して言う

 

豪呑(ゴードン)本部長ですね。お聞きしています。」

 

本部長じゃないんだがなと小さく言うが聞こえてないらしい。

 

「ああ、開けてくれ」

 

面倒なのでそのまま開けてもらう。

 

「ところで彼は何処の部屋に居るんだ?」

 

「ああ、あのピエロですね。あれは229号室に居ます。なんなら面会室に入れましょうか?」

 

「いやいい、私が直接話す。」

 

手を抑え。

彼に言われた通り。229号室に向かった。

 

 

「失礼、警察だ…」

 

重いドアをやっと開けて強化ガラスに包まれた病室を見る。全くこれじゃ刑務所よりもひどいじゃないかと悪態を着きそうになると誰かが硝子の奥の方で動く音がした。

 

 

 

「警察だと?」

 

 

男は言う。何故か男には口に傷がありそれを針で塗っていた。男は話始める。

 

「そうだ。葉山隼人だな?」

 

「いや違う。俺はジョーカーだよ」

 

ジョーカー(切り札)だと?」

 

「ああ、葉山隼人はもう死んだ。文字通りな」

 

手をひらひら煽るのに少し苛立ちを覚えるが気にしない。

 

「お前に関して聞きたいことがある。」

 

「なんだよ?まさかパイの作り方でも教わりに来たのか?」

 

「ふざけるな。お前が殺した比企谷八幡についてだ。」

 

「ああ、比企谷ね…」

 

少し自称ジョーカーは狼狽える。

 

「何故お前は比企谷八幡に固着していた?なぜそんなに必要に殺したがる。」

 

「殺したい?まさかハハハそんなはずないだろ。俺は比企谷を殺したくなんかなかった。奴が居なくてどうする?アイツは俺にとってかけがえのない相手だった」

 

笑い始めるジョーカー、それに苛立ちを覚える警官。

暫くするとジョーカーは笑うのをやめ感情的になっていく。

 

「俺は奴を殺したくなんかなかった!!!刺した時も急所をワザと外し、景観を損なわないようにずっと気にしていた!俺はあいつにとって最高の宿敵になる筈だった!!」

 

すると座り込むジョーカー

 

「……俺はアイツとの最終局面の為にずっと準備してたんだ。ステージを準備し、飾りも準備した。そして最後は華々しく死ねるように色んな小細工をしたよ。」

 

その言葉に引っかかる

 

 

「…お前が死んだらどうなる」

 

 

警官は聞いてみる。するとジョーカーは笑い出した

 

 

「HAHAHA‼……俺が望んでたのはそれだよ!!奴は俺と同じだった!俺は奴に殺されたかった!!そして…」

 

ニヤリと笑う

 

 

 

「それを達成した時、奴は完全になる…」

 

 

 

 背中に冷汗をかいた。警官は思い出す。ジョーカーを捕まえた時の事を、男が血を流しながら倒れていてそれを笑いながら見つめるジョーカー…まさに狂気だった。そして咄嗟にジョーカーが銃を突きつけた時警官…いや豪呑は動けなかった。その世界に圧倒されていた。そして倒れていた男がジョーカーにタックルをかまし、ジョーカーはあっけなく倒れる。

そして彼の先生と思われる女性が倒れた彼に近ずき泣き縋るのを見ていた……その時もまだ彼は動けなかった。気付いていた。終わっていた。もう駄目だった。

何もかもが心をえぐる。

 

「おいおい、どうした本部長…それじゃ警察の面子が保てんぞ」

 

「私は警視総監だ。それに本部長ではなく警視長だ。」

 

「お前はどっちかって言うと本部長があってるな。」

 

「よく言われる…では失礼する。」

 

ドアを触れようとする、しかし途中で一つ思い出した。

 

 

「そういえば、貴様死体の首をどうした?」

 

「首?ああ、もういらないからやるよ」

 

奴は地図を渡す。

見ると郊外のアイス工場と思われる場所に点が集まっていることが分かった。つまりこいつは…

 

「お前は……」

 

「言っただろ?アイツとの最終局面は歴史に残る物でなくてはならない…

 

 

 

 

 

かざりもそれにともわないとなぁ…

 

 



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EPISODE9:Good person

先日のテストから数日たちあれから何の音沙汰も無い。

落ちたのかそれとも合格したのかそれすらも分からない状況に困惑しつつ俺は仕方がなくヘイリーの部屋の近くに訪れていた。

 

「……いるか、ヘイリー?」

 

ヘイリーの部屋の前で声を上げる。

居ないらしい返事がない。

今は夜8時。しかも外は大吹雪、外には居るはずがないだろうしそもそも出る理由もない。

だが、居ないのなら仕方がない。

 

仕方なく置手紙でも残そうかと扉の下から中に手紙を入れようとかがむ。

ドアノブに手を掛けた。

瞬間

 

 

ギ、ギギ……

 

 

ドアが開いた。

 

(あ、マズっ……こ、これは事故だ絶対悪意がある訳じゃない。うん、そうさ。カギを掛けなかったヘイリーが悪いんだ)

 

慌て過ぎて一人で言い訳して一人で納得する。

人のプライベートだあまり覗いちゃいけない。

だが見ちゃいけないというのを知りながら興味があるのも真実。俺はしばらく考えた後ドアから覗き込んでしまった

 

中には机とベットあと小さな本棚しかない。本棚の中にはファイルがギシギシに入っていて机にはあまり良くは見えないが三人の人間が映ってるであろう写真が置いてあるだけだ

 

(プライベートってほどプライベートな物がなかったな?)

 

俺は立ち上がり部屋を一周見る。

無機質な部屋にヘイリーの性格を考えるとあまりにも合い過ぎて笑いがこみ上げてくる。

すると、なんとなく本棚のファイルに目がいく

 

「……『日本崩壊作戦資料集』?どんな趣味してんだよ…」

 

冗談だろうと笑いながら開く。

 

「え~っと?『最初にこれは極秘任務だ。口外しないように』…って、、なんなんだよこれ…」

 

 

俺は迷わずページを開く

 

 

『最初に空港を麻痺させなくては意味がない。日本は殆どを輸入品に頼っている節がある。それが無くなったら日本は終わりだ。』

 

 

ページを開く

 

 

『まずは海外からの旅行者の多い成田空港を機能停止しなくてはならない。そのためにまず成田空港がある千葉県を……孤島に追い込む……国と言うバックを消してしまえば千葉と言う県は機能を成さなくなる。』」

 

 

ページを開く

 

 

『日本への侵入方法だが……』

 

 

ページを開く。ページを開く。ページを開く……

 

 

 

 

 

 

 

 

「………千葉を破壊する…?」

 

 

 

思わずつぶやく。

あまりにも大きくてあまりにも無駄がない…いや、普通の人間が見たらこの資料集は間違いなく馬鹿げた中二病が考えた妄想図でしかないが、これがヘンリーが考えたとなると可能か不可能かでいうと……可能だ。彼の強固な精神肉体機動力そしてこの強大な教団があれば間違いなく可能だった。

 

「どうして……なんで日本を…?」

 

呟いた時、机の写真が目に映った。

 

 

 

 

 

「…………っ!?」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

『僕はね、自分を悪人だと思ってないね。寧ろかなりの善人だと思ってるよ』

 

 

 

 

『親にも孝行してるし、彼女にも色々買ってやってる…それに、日曜日はいつも協会に行くし』

 

 

『でも一度マジで悪い事をしたいと思った…もう、マジで極悪な事を』

 

 

『というのはさ、僕たちは自由意志を持って生まれてくるわけだろ?善人になるか悪人になるか、自分で選択できるんだろ?

でも大抵の奴は、刑務所に行ったり地獄に行ったりするのが怖くて悪い事をしないだけみたいに思えたんだ。』

 

 

『”恐怖からの行動に道徳的価値はない”とか行ってた奴が居たけど、その通りだよ。

本当に善人になるには、善悪両方試してから善の方がいいと決めなくちゃならないと思うんだ』

 

 

『なら、その物凄い悪事ってのは何が良いか?残虐で、冷酷で、無意味で……

しかも、動機の無いヤツじゃないと……捕まる気はないからね』

 

 

『誰も行かない下水の本管を一つ知ってる。

小さな女の子でも誘拐して、

暗くて寒い場所に閉じ込めて、

泣いて怯えて飢えて死ぬまで、放っておこうかと思った』

 

 

『僕は変態なんかじゃないけど、その子と家族を苦しめる為なら何でもできる、何でもしようと思ったんだ…

でも、それだけじゃ足りないんだな』

 

 

『何かもっと、デカい事…ジョン・レノン殺しみたいに大勢の人の心に残る事じゃないと駄目だ…

つまり相手は有名人で無くてはならない』

 

 

『で、ローマ法王はどうかと思ったけど、彼にはいつも護衛が付いてるし、移動は特製の防弾車だ。

それに、イタリアに行く機会なんかそう多くない…ていうか、行ったことない』

 

 

『だから、もっと簡単な標的にしたんだ…武装した護衛なんか連れてなくてこの日本に住んでる奴…つまり……』

 

 

 

私はその後の言葉が言えなかった。いや、言わなかった。

私は今でも悪人になったつもりはない。たくさんの死を見た。それを誘ってきた。だが、それは必要なものだと思っている。

 

 

人は欲望に忠実だ。日本はあの時よりも腐ってしまった。当たり前だ私と言う狂人を作り出した国だ。

 

 

だからだろうかあの時あの場所で唯一腐ってもまだ黄金に光っていた物を持っていた子供を…拾ったのは…

 

 

☆☆☆

 

 

 

ドアを開ける。しばらく部屋を見回すと少し写真の位置がずれていることに気が付く。誰か入ったか?

少し警戒しながら本棚ををみると一つだけファイルが飛び出していた。極秘のファイル…ああ、間違えてこんな場所に……

 

床を見ると手紙がある。

 

…名前は……『比企谷 八幡』?

この名前の人物はたった一人だけだったと思うが…たしか一ヵ月ほど前に死んでいるはず……

 

中身は…無い…だと?

 

 

たしかこの名前の人物は私の「娘」の友人だったと聞いているが。

 

 

こいつは良く調べなくてはいけないな……

 




きらきら、光る。
きらきら、微笑む
きらきら、揺らぐ

そしてきらきら、滅ぶ

蝙蝠だ。蝙蝠が、必要だ





…………あり?千葉ットマン?


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