日本全国制覇し隊! (音槌和史)
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プロローグ
「タビケン」いよいよ活動開始!!
さて、本日お送りするのはサブ投稿の新シリーズです。これはとても書きやすそうな予感がするのですが、なぜサブなのか。下調べに時間がかかるからです。(音槌でも下調べしてるの?という意見は受け付けておりません)
まあそんなわけで月に1、2回と更新になるかと思いますが、よろしくお願いします!!
「さて、みんな例の
梅雨で日本中がドンヨリとした気分の中、僕ら日本・旅行研究会、通称タビケンの会長である
「もちろんですよ会長」
僕──
それを見たサークル最年少の
「え、二人ともそれを持ち歩いてきたんですか? え、不用心すぎません? ねえ関先輩」
「私は封筒に入れてそれをビニール袋に入れてそれをリュックに入れてきたわよ」
僕の幼馴染である
「僕は南京錠が付いた四角い金属製の箱に入れて、カバンに入れてきましたよ」
山梨のその言葉に思わず、それは用心しすぎじゃないか? と思ったが会長が進めたので何も言わないでおいた。
「さて。君たちには金銭面でかなり苦労したと思う。しかしこれからは『共に旅をする』という共通目的を果たそうではないか!! 私はこの旅が終わり次第このサークルの会長の座を近江君に託そうと思う」
その言葉に僕は「責任重いっすね」と苦笑い、愛莉や山梨は「会長じゃなくなっても名誉会長ですからね」と言っている。
「まあ暇な時には顔を出そうか。で、君たちはタビケンの目的を知っているだろう」
タビケン、正式名称は日本・旅行研究会。ここの目的はただ一つ「旅をする」。
僕や愛莉がこのタビケンに入ったのは1年前だが、サークル自体は2年前からあった。坂口会長が立ち上げたタビケンの目的は前出のとおり「旅をする」ことだが、目標は別にある。それはこのタビケンを芦学園大学公認サークルにすることだ。今はなんの活動実績もないため非公認だが、
そんなわけで一刻も早く旅に出れるように、なおかつ大きな話題性を持った方がいい。情報部発行の学内新聞「芦学新聞」は8割の生徒が毎日読んでいる、という芦学新聞の調べも出ており、それに載ればかなり話題にはなるだろう。そこで会長が考えたこと。
──活動実績がないサークルの年限である2年半ギリギリまで粘り、全都道府県を制覇しようと思う。
タビケンに入ったときの会長の言葉が脳裏に浮かぶ。
「全都道府県を旅することですよね!」
愛莉が元気よく答える。
「そういうことだ。きっと帰ってきたあとにはがくしんの一面になるんじゃないかと思う」
ちなみに「がくしん」とは芦学新聞の略称である。
「それはもう。ならないとおかしいレベルですよ。それでどういう行程なんですか?」
僕がそれを質問すると、会長は大きく頷き部屋の隅にあった広用紙を広げた。
そんなわけで第一話です。次回は実力テストが終わったあとですかねぇ……。ちょっと今精神的にキツいのですが頑張ります……。
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「タビケン」の旅行ルート
ね?実力テスト後になったでしょ?次回は多分中間テスト後かと……。
それでは本編お楽しみください!
芦学園大学の東門をくぐると体育館が見えてくる。その体育館の裏側、芦学園16号棟の2階に日本旅行研究会通称=タビケンはある。
会長が会議用テーブルを二つつけて作ったスペースに日本地図を広げる。
日本地図には赤ペンで線が引かれている。
「なんとか必死に考えた結果こうなった」
僕らは紙を覗き込む。
鹿児島→熊本→福岡→佐賀→長崎→福岡→山口→島根→鳥取→兵庫→京都→福井→石川→富山→新潟→長野→新潟→山形→秋田→青森→北海道→青森→岩手→宮城→福島→茨城→千葉→東京→埼玉→栃木→群馬→長野→山梨→東京→神奈川→静岡→愛知→岐阜→滋賀→三重→和歌山→奈良→大阪→兵庫→岡山→香川→徳島→高知→愛媛→香川→岡山→広島→山口→福岡→大分→宮崎→鹿児島
地図の下の空欄には都道府県の名前がズラーっと並んでいる。
「鹿児島からスタートなんですね」
「ああ、稚内より西大山の方がここから近いからな」
愛莉の疑問に会長が答える。
ちなみに稚内駅は北海道にある日本最北端のJR駅で、西大山駅は鹿児島県にある日本最南端のJR駅だ。
「これって青春18切符何枚でいけるんですか?」
山梨がそう聞き、会長が三本指を出す。え、3日?
「余裕を持って3セットはあった方がいいだろうな。つまり15枚。35550円だ」
さ、3万5000円……。去年バイトで稼いだお金とそれまでに貯めていたお金、親からの仕送りから、生活費や学費を引くと、これに使える金額は大体12万円くらい。あっというまに3分の1がなくなるようだ。
「金銭面は心配しなくていい。私が君たちの倍稼いでなおかつ節約しまくっているからな」
年が上だからそりゃ稼いでいる金額も違うわけだが……。
「まあ、そんなわけで8月末から日本全国制覇するぞ。詳しい日程はこれからボチボチ決めよう」
会長がそう締めくくり、僕らは雑談に入った。
「そう言えば、私の幼馴染に御陵三春っているんだけど、優生知ってるでしょ?」
ああ。
「ショートカットの」
「そうそう!!で、三春と喋ってたら、三春も行ってみたいな〜、って言ってて。女子一人じゃちょっと不安だしいい?」
「ああ、いいんじゃないか?まあいざとなったら近江くんが助けてくれるだろうけど」
いや、まあ確かに合気道やってますけど、会長は助ける気ないんですか……。
「しかし、金銭面と時間の都合は大丈夫なのか?」
「あ、そこは大丈夫って言ってました。小学生の時からお年玉ずっと貯めてるほどなんですよ」
そう言えばそんな話も聞いたな。
「分かった。了承の意を御陵さんに伝えておいてくれ」
そうして僕らに5人目の仲間が加わった。
というわけでいかがだったでしょうか!
ちなみにこれを書くのに休憩挟みつつで1時間半かかりました。目がきついです……。
なんらかの報いが欲しいレベルです、これは。
というわけで、感想や評価よろしくお願いします!
それではまた明日の小説でお会いしましょう!
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打ち合わせその1
まあ諸事情でタビケンの更新が早くなりました〜。
というわけで本編お楽しみください!
プルルルルルルルル。プルルルルルル──
「はい、近江です」
【坂口だ】
「あ、会長ですか」
【変更点がいくつかと、開始日時が決定した】
おお!
「はい!んでいつ集まれば……」
【今からだ。どうせ暇だろう】
暇ですいません。
「まあそうなんですけど」
【どうした、その濁った返事は】
「あ、いやなんでもないです。すぐ行きます」
僕は電話を切ると慌ててTシャツを着て梓浦駅に徒歩で向かう。この駅から芦学園大前駅まではたった一駅なのだが自転車で行くにはちょっと遠い。
無人駅なので機械で130円の切符を買ってホームのベンチに座る。一応、北へ行ったら千葉に、南に行けば三芦県の県庁がある市へ向かう路線なので本数は多い。そして運良くあと5分ほどで次の列車がやってくる。
キーーー。キィー。プシュー……。
扉が開き、一人だけ降りてくる。もう一つ北に行けば百貨店が一緒にある大きな駅だが、ここはすごい過疎っぷりだ。
お昼過ぎということもあり、普通列車の中はガラ空きだ。扉に近い優先席ではない席に座る。芦学園大前駅までは10分くらいだ。
「芦学園大前。芦学園大前。降り口は右側です。──Ashi Gakuen university.Ashi Gakuen university.」
おっ着いた。少しうとうとしていたようだ。僕は左側に置いていたリュックを持ち、席を立つ。
開いたドアを出た僕は、切符を回収箱に入れ、目の前の芦学園大学に向かって歩き出した。
「こんちゃー」
「お、近江くんも来たか。それじゃあ早速始めよう」
「はーい」
「了解です」
愛莉と山梨がそう返事し会長はまたまた広用紙を掲げた。
「前回、鹿児島の西大山から始めると言ったが、わざわざ端っこからスタートする必要はない、という結論に至った。よって──」
そう言って広用紙を指差す。
「スタート地点は、我々にとって最も馴染みのある駅。そう芦学園大前駅だ。そこから右回りでこの三芦地方から出る。そして千葉から北に向かう。つまり、
千葉→東京→埼玉→栃木→群馬→長野→山梨→東京→神奈川→静岡→愛知→岐阜→滋賀→三重→和歌山→奈良→大阪→兵庫→岡山→香川→徳島→高知→愛媛→香川→岡山→広島→山口→福岡→大分→宮崎→鹿児島→熊本→福岡→佐賀→長崎→福岡→山口→島根→鳥取→兵庫→京都→福井→石川→富山→新潟→長野→新潟→山形→秋田→青森→北海道→青森→岩手→宮城→福島→茨城→千葉
という風に進んで、ここに戻ってくる。というわけだ」
「なるほど。まあ確かに最なんちゃら端とか別にどうでもよく──はないですけど、そこからスタートしなきゃいけないって決まりはないですもんね」
愛莉がそう言ってうんうん頷く。
「ちなみに期日は?」
「8月25日の日曜から9月7日土曜までの2週間だ。最短10日で行けるが、念のため14日間取っておいた」
山梨の質問に即答する会長。そしてさらに付け加える。
「この間、1人3セットと言ったが、君たちは2セットずつでいい。で、私が4セット買おう。そうなると2日分余裕があるからな」
なるほど。ってことは23700円か。そうなると10万円近く残るから、宿泊とかも大丈夫……かな。
というわけでいかがでしたか?
またひたすら県名を書いたので疲れました。
ぜひ感想・評価などなどよろしくお願いします!
明日の小説はカクヨムの「初恋は叶わない2」です!
それではまた明日!サラダバー♪
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打ち合わせその2
生徒会長選挙の立候補用紙を書いていたら6時近くなっていました。これが今日の分の小説なのに……。これはもし、もしも生徒会長になれたら毎日投稿は無理そうですね……。なるだけ頑張りますが。
それでは本編、レッツゴーー☆
「そう言えば今日の14時くらいに三春来るってー」
僕が金銭面で一安心している横で愛莉がそう言ってあっけらかんとした笑顔を見せる。
「っていうかこの間から思ってたんですけど、御陵三春さんって教育学部ですか?」
山梨がそう尋ねると愛莉は即答した。
「そうそうそう。あそっか山梨くんも教育学部だもんね」
「はい。たまに講義が同じくらいですけど」
へえ、そうだったのか。
「ところで御陵さんはお年玉をずっと貯めていたそうだが、それを今回の日本全国制覇に使っていいのか?」
会長が話の切れ目でそんな質問をする。
──あ、それは大丈夫だと思います。
そう答えようとしたらまたもや愛莉が即答した。
「それはもう安心してください」
「ほう、というと」
「三春はいざというときのために貯めてて、その時になるとパーっと使うの」
愛莉の説明に僕は補足する。
「小学生くらいの時かなぁ。幼稚園生のときに貯めてたのを使って、親にプレゼントを買ってたし」
「まあ貯めてたのを使って買ったのはあれが最初で最後だけどね〜」
思わず思いで話に花が咲く。すると──
コンコン。
小さくスチール製の扉が叩かれる。
会長が立ち上がり、扉を開けた。
そこには少し茶色がかったセミロングの女性が立っていた。
「三春ーーーー!!久しぶりーー!!!!」
愛莉がパイプ椅子から勢いよく立ち上がり、彼女に抱きつく。
「ちょっとちょっと。数ヶ月で久しぶりはないでしょ!」
そうキレのあるツッコミを返した彼女はこちらに気づいた。
5、6年ぶりに会う彼女──御陵三春は髪型が変わり印象もかなり変わった。でも良く見ると少し色素の薄い髪だったり、真面目な表情だったりは何年か前のそれと変わらない。
「おお、優生だ!!ん、太った?」
「いやいやそこはお世辞でもたくましくなった?って言ってよ〜」
僕は三春のボケにそう返して、改めて「久しぶりだね」と言葉を交わす。
目の前にいる相手だが、中学の一年半くらい付き合ってたりする。一応、元カノということになるが、愛莉の親友だけあって三春もあっけらかんとした性格なのでそれまでと同じように接してくれている。まあありがたいが。
「いや〜でもあの頃はあんなチビだった優生が私の抜いてるなんてちょっと癪にさわるな〜」
そう言って笑う。もちろん冗談だということは分かっているので、「男子は背伸びるの遅いからな」と答える。
「あ、そうだタビケンのメンバー紹介するね」
愛莉はそう言うと三春を扉の近くから長机の前まで進ませた。
というわけでいかがだったでしょうか♪
感想・評価等いただけるととても嬉しいです!
それではまた明日の小説でお会いしましょう!!サラダバーー☆
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打ち合わせその3
それでは本編……レッツゴーー☆
そして会長から順に紹介していく。
「まず、一番奥のお誕生日席に座っている、チャラそうな人が
「髪の毛でチャラそうに見えるかもしれないがこの茶髪は地毛だし髪の毛は天然パーマだ。髪色については君、御陵さんもそうだろう」
会長がクールにつっこみ、愛莉は「チャラ『そう』って言ったじゃないですか〜」と柔らかく反論した。
「あと、別に俺は誕生日ではない。ボードに近いからここに座っているんだ」
するとまた会長のツッコミが入る。漫才のような軽快なボケツッコミではないが、一年以上タビケンのメンバーとして築いてきた信頼があってできる無愛想なツッコミもまた面白い。そしてボケが愛莉というあっけらかんとした性格の持ち主だから余計にボケツッコミがスムーズに進む。これがもし愛莉じゃない女子だったら会長には『ただの冷たい人』というレッテルが貼られていたことだろう。
「んでまあ見ての通り、見た目はチャラそうだけど、とっっってもクールなんだよねー。あっと『冷たい』わけじゃないからご注意を。こういうツッコミのスタイルなんだよ」
「面白い人だね〜」
三春がそう言って微笑む。──類友だな。
「で、次が
「いやいやいやちょっとそれは悲しいんだけど!?」
そうつっこむと愛莉は「ははーん」と頷いた。
「えーこの5年弱で15kg太りました」
「いや違うでしょ!」
と、つっこんだはいいものの、
「え、何か説明すべき点ある?」
と反論され、
「……すみません何もありませんでした」
と頭を下げるハメになった。ありゃりゃ。
──とこの後紹介だけで15分くらいかかったので会話のみのダイジェストでお届け。
「で、次が私、関愛莉!」
「いや自分の紹介はいらないでしょ!」
「優生、これは自己紹介というものなんだよ」
「いやそれくらい知っているけれども!」
「えーうだうだ言っている人は置いといて……4月12日生まれの牡羊座、身長とかのパーソナルデータは自分でも悲しくなるので全て非公開、とりあえず優生との腐れ縁はどうにかならないかな、と思っている今日この頃です。何かご意見、ご質問ありましたらどうぞ!──はい、一番三春、二番優生!」
「腐れ縁はどうにもならないよ」
「あちゃー……。それは困ったなぁ。はい、次は優生」
「えっと愛莉の紹介だけ異常に長いのですが」
「異常は失礼すぎるぞ!非公開の部分まで言ったら異常だろうけど」
「よし、じゃあ非公開の部分も言ってみよう!」
「ちょ、三春!?言わないからね!」
「とりあえず次の紹介行こう」
「あ、そうだね。はい、一番手前の私たちの中で一番常識がありそうなのが、山梨晃!」
「あ、愛莉も常識ないって自覚あったのね」
「あ……。えっと二番目に常識のある、山梨君です。一年後輩だけど修行のために共に旅をします」
「まあそうです。よろしくお願いします」
「ほら唯一『よろしく』を言ったから一番の常識人」
「やっぱ愛莉は常識ないじゃん!」
「おっとっと。『よろしく』を言う人は二番目の常識人ですよ。忘れないでくださいね〜」
「それを一体誰が信じるのやら……」
「俺は信じてやろう」
「えっちょっ会長!?」
「冗談に決まっているだろう」
「あ、やっぱりですよね」
というわけでいかがだったでしょうか!
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆
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直前の打ち合わせ
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
「さて、いよいよ明日から日本一周が始まるわけだが、準備は大体済ませたか?」
会長の問いに僕らは頷きを返す。すると会長は満足そうに微笑むと──って会長も笑うことあるのか。──また口を開いた。
「三芦県を出るルートについて相談があるのだが、」
「この間『右回り』って言ってませんでした?」
「右回りなら芦ヶ川に南下して、東芦を回り、佐原から西芦通って出るんですよね」
山梨と三春がそう言うと、会長は「その通りだ」と頷いた。
「しかし、それだと三芦県だけで半日かかってしまう。もしものことを考えると直で銚子に渡った方がいいんじゃないか?と思うのだ」
なるほど、確かにその通りだ。
「まあ、『いざ』ということもありますしね」
愛莉がそう言って腕を組む。──その『いざ』とはどんなことなのか。想像力が乏しい僕はそうつっこもうとしたがやめた。会長が話を続けたからだ。
「さて、君たちには多数決で決めてもらおうと思う。私一人では決めきれないのでな。ちなみにこの多数決が僅差だったとしても多い方にするから──右回りが良いと思う人」
山梨と三春の手がビシッとあがる。
「左回りがいい人──」
僕は手をあげる。横を見ると愛莉も手をあげている。
「──って引き分けか……。困ったな」
会長は頭をポリポリ掻いて目を伏せる。しかしすぐに顔をあげると言った。
「私も多数決に参加していいか?」
「もちろん!」
「決定権は会長にありますよ、ね山梨」
「そりゃそうですよ、会長」
「会長が入れば奇数になるし」
愛莉、僕、山梨、三春の賛成の声が響く。そして会長は静かに言った。
「右回り……東回りが良いと思う人」
さっきと変わらず山梨と三春の手が上がる。と、いうことは……?
「じゃあ、左回りだね」
「ってことだね」
「そういうことだ。山梨くん、御陵さん、すまない」
「え、あ、いや別にいいですよ。もしかして会長さんとんでもないトラブルメーカーだったりするんですか?」
「まあ東芦はまた別の機会に行きましょうよ。タビケンのメンバーみんなで」
二人は声を弾ませながら言った。
「あ、あと今のうちに1日目午前中のスケジュールを言っておこう。各自メモをしてくれ」
僕は慌ててかばんからルーズリーフを、机上に置いた筆箱からシャーペンを出す。
「まず芦学大前では18切符は買えないので、まず普通の切符で芦西駅まで行く」
「260円ですね」
愛莉は電卓を出して4回ボタンを押していた。
「で、そこで各自、青春18切符を2セット買う」
「11850かける2ぷらす260……っと」
数字が大きくなりぼそぼそ呟きながら電卓を押していっている。
「23960円ですね!」
愛莉が自慢げに言うが、周りの反応は薄く、会長が「ああ」と呟いただけだった。
「10時に芦西駅に集合でいいか」
そう会長が問い、僕は大きく「はい!」と答える。
「で、10時06分発、銚子行きに乗る」
会長が手元の手帳を見ながら話す。僕らはそれをメモする。
「いや〜銚芦トンネルくぐるの初めてなんですよねー。楽しみ♪」
愛莉は今にも飛び跳ねそうな勢いでそう言う。
『銚芦トンネル』とは僕らが住む三芦県と、千葉県銚子市を結ぶ銚芦線の鉄道トンネルで全長は16.18km。1990年代に作られたトンネルで、銚芦線と総武本線と乗り入れている。
「10時22分に銚子に着く予定だから、色々と買い込んで10時48分発、千葉行きの列車に乗る。12時31分に着く予定だ。そこから先は当日伝える」
会長はそう言うと立ち上がった。5人で礼をし、直前の打ち合わせは終わった。
いよいよ明日から日本一周へ出発だ!僕は心の底からわくわくしていた。
というわけでいかがだったでしょうか!!
このシリーズは各駅の時刻表、乗り換え案内を調べないといけないので大変ですね……。まあ楽しいのでいいのですが、応援よろしくお願いします!
感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆
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【一日目】タビケンは意気揚々と電車を乗り継ぐ
【一日目】家〜芦西
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
AM6:30
ピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッピピピ──
「ん、6時半か」
僕は止めた目覚まし時計を見てつぶやく。
のそのそと起き上がり、カーテンを開ける。このアパートは若干南東に向いているため、午前中が一番日当たりがいいのだ。
僕はその流れで洗面所に行き、顔を洗う。そしてまだ朝食には早いと判断した僕は、紺色のボストンバックと迷彩柄のポーチを部屋の中央に置き、持ち物を確認した。
AM7:50
色々入れ忘れに気づいて準備していたら遅くなってしまった。台所に立ち、食パンを焼き、スクランブルエッグと冷凍していた蒸しブロッコリーを解凍したものを食べる。ちなみに食パンはバターではなくマーガリン派だ。
AM9:20
──いささか早い気もするが、スマホも満充電になり、準備もしっかりして万端なのでそろそろ家を出よう。
そう思った僕は、電気やガスの元栓、窓の戸締りなどを確認し、ポーチを斜めに、ボストンバックを右肩にかけて家を出た。もちろん鍵も忘れずに。
出る前に大家さんにも一応声をかけておく。
「近江ですー」
「おー優生君かい。どうしたんだねそんな大荷物で」
扉を叩くと出てきた大家さんは一見70歳くらいに見えるおばあちゃんだ。実際は90を超えているらしいがとても元気だ。
「やーちょっと大学のサークルで日本一周してくるんです。2週間くらい空けますんで」
「日本一周かい。いいねぇ。私もしたいねぇ。帰ってきたら話、聞かせてくれよ?」
「もちろんですよ」
「んじゃあ、気をつけてなぁ」
「行ってきます!!」
僕は手を振る大家さんに一礼すると駅へ向かった。──今日も暑くなりそうだ。
AM9:45
僕は芦西駅のホームに降り立つ。集合時間より15分も早いが、4人とももう来てそうである。
階段を上がってもう一度降りた先のコンコースには日曜日ということもあり、多くの人影があったが、狭い構内で人を探すのは容易だった。すぐに4人を見つけ手を振る。
「よし、全員揃ったか。忘れ物はないな?」
『もちろん!』
「じゃあとりあえずみどりの窓口へ行くか」
会長が先頭に立って左斜め前に見えるみどりの窓口に向かう。こちらも混んでいたが10分もせずに青春18切符を買うことができた。
自動ドアで仕切られたみどりの窓口から出るともう一度改札へ向かう。ただし改札の横の駅員がいるところに。そこで『芦西 8.25 JR東日本』とはんこを押してもらい、階段を上がる。線路の上を渡った僕らはまた階段を降り、さっき降りたばかりのホームに立つ。上から吊り下げられている電光掲示板には『←①千葉方面 普通 10:06 銚子 6両』という文字が光っている。
出発まであと7分だ。
というわけでいかがだったでしょうか!!
今回はヤ○ーやナビタ○ムではなく駅探を使わせていただきました。分かりやすくて使いやすいです。まあ本格的に使うのは次回以降ですけどね〜♪
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【一日目】芦西〜銚子
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
少しばかり愛莉や三春と雑談をしていると目の前に電車が入ってきた。普通の四角い電車だ。
すると突然三春が叫んだ。
「こ、これ!!E219系ですよ!芦西・銚子間でしか使われていない車両!!!!」
彼女はメモ帳を取り出し、何かを記述した。
僕らは目の前に書かれている車両形式を見て呟く。
『モハE219 502……』
「はい!『モ』というのは電動車のこと、『ハ』というのは普通座席車ということ、『E』は最近のJR東日本の車両につけられる記号で、『2』は直流を、『1』は──」
「ちょ、ちょっと三春!?電車乗り遅れるとまずいから!!」
突然始まった車両形式講義に呆けていたが愛莉が機転をきかせて三春を止め、僕らは安堵のため息を落とした。
「よ、よし。忘れ物はないな?」
『はい!』
「じゃあ乗るぞ」
そう言ってスーツケースを持ち上げた会長の後ろに僕ら4人は続く。
もう通勤通学の時間は過ぎ、車内は空いていた。どうせ次が終点なのでどこでもいいと思い、真ん中あたりに並んで座る。
10時6分。定刻どおり出発した電車は3回ほど道路の下をくぐるとすぐに下に下がり始めた。二両目なのでよく分からないが、一両目だとトンネルがよく見えることだろう。だんだん併走している県道と離れていき──突然外の景色が見えなくなった。三芦県芦西市と千葉県銚子市を結ぶ16.18kmのトンネルで、抜けるのにはしばらくかかりそうだ。明るい車内の中、ガラス越しに見えるのはうつった自分たちの姿と暗闇、そしてチラチラとした白い蛍光灯の明かりだけだ。
トンネルに入ってから4、5分ほど経っただろうか。突然ガラスの外に光が戻ってきた。トンネルを抜け、千葉に入ったのだ。
「おお〜千葉に上陸しましたよ!!」
山梨がそう言ってはしゃぎ、会長が「子供か」とツッコミを入れている。
10時22分。会長の言っていたとおりの時間にこのE219系は銚子駅の2番ホームに入っていた。隣には途中から並走していた銚子電気鉄道の切欠きホームがあり、ライトグリーンの電車が停まっていた。
僕らは荷物の忘れ物がないかを確認し、銚子駅のホームに降り立った。しかしすぐに困り果てた。
銚子駅で昼食などを買ってから千葉に向かうつもりだったのだが、ここにはキヨスクしかなかったのだ。会長は「調査不足だった」としきりに謝っていたが、一本早い電車で千葉に行けば千葉で買う時間ができるだろう、ということになり、島式ホームの反対側に停まっていた4両の209系に駆け込んだ。
総武本線や成田線などの千葉県のJR線で使用されている209系2000番・2100番は房総をイメージした黄色と青色のラインが入っている。
ちなみに今乗っている電車は成田線経由なのだが、総武本線と時間的に変わりはない。南から回るか北から回るかの違いだ。
と、いうわけで千葉駅に着くまでの2時間くらいのんびり過ごしておこう。喋るか寝るか。
というわけでいかがだったでしょうか!!
いや〜これは本当に楽しいシリーズです。どんどん鉄道の知識が増えそう。で、読者も楽しめる(?)と。これがウィンウィンの関係ってやつですね!
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【一日目】銚子〜千葉
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
気がつくと周囲に建物が増えてきていた。[まもなく千葉。千葉。終点です。JR外房線、JR内房線、JR総武線、千葉都市モノレールはお乗り換えです]というアナウンスも聞こえる。
「よし、そろそろ降りる準備をするぞ」
会長がそう言って真っ先に荷物を持つ。僕らもそれに続き、電車が減速するころにはいつでも降りれる状況になっていた──はずだった。突然電車がガクンと停まり照明、電光掲示板が一瞬にして消える。
あっという間に車内はパニックになり、それを止めようと「お、落ち着いてください!!!!」と怒鳴る人もいたがそれはむしろ逆効果だった。すると山梨が突然「ひゅ、ひゅ、ピーーー」と口笛を吹いた。同じ車両のいた人が山梨に注目した。そうなると同じ車両の人は皆静かになるのだが……。当の山梨は「やー良かった良かった」と笑っている。
僕は山梨の肘をつつき聞いた。
「なんで口笛を吹いたらみんなが静かになったんだ?」
「前なんかの本で『地震などで周りがパニック状態の時は口笛を吹くといい』って書いてあって半信半疑だったけど本当だったみたい」
──へえ……。
僕は一つ後輩の山梨に感心する。
しばらく待っていると車掌さんが来て拡声器で車内アナウンスを始めた。
「えーただいま架線トラブルで止まっております。しかし千葉駅はもうすぐなのでこれから順番にホームの方に移動していただきます。1両目から誘導しますので今しばらくお待ちください」
それだけ言うと後ろの車両に移動していった。
僕らは安心してため息をつく。
「山梨、今のはいい判断だったな……。これからの参考にさせてもらう」
会長がそう呟き、手帳にペンを走らせる。
会長がペンと手帳をポケットに戻し、外を眺めたころ再び車掌がやってきた。
「それではただいまより4両目の誘導を始めます。順番にご案内しますのであせらずごゆっくり移動してください」
すると前方の扉がゴゴゴと開き、扉近くにいた人がそこから出て行った。
「停電してるはずなのになんで扉が開くんですか?」
と三春が質問すると会長が「おっ」と言いたげに目を瞬かせて言った。
「最近の車両にはどれもこういう機能がついているんだ。停電した時に手動で開けれるシステムをな。そうしないと電気が復旧するまで乗客は電車に缶詰め、ということになってしまうんだ」
「へえ……。手で開けれるんですね」
と、三春が感嘆していると会長が「まあ重いんだけどな」と付け加え立ち上がった。前を見るともう誰もいなかった。慌てて僕らも立ち上がり会長に続いて電車を降りた。
初めて歩く線路上だ。(踏切は除く)
目の前にはホームが見えていて一番手前には脚立が置いてある。それを使ってホームに上がれ、ということなのだろう。
僕らは皆、黙々とホームを目指して歩く。
というわけでいかがだったでしょうか!!
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【一日目】千葉〜東京
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
5分ほど経ってようやくホームに上がった僕らはこれからの動きを会長から聞くため、端っこに集まっていた。視界の端には「8」という数字。
「とりあえず、ここで買い出しをするんですよね?」
愛莉がそう尋ねると会長は「ああ」と頷いた。
「駅ビルがあるみたいだからな」
そう言ってショルダーバッグからタブレットを出して触りはじめる。「くっ、重いな」などと呟きながら、操作を続け、僕らに見せてきた。
「へぇ、JR東日本のホームページ便利ですね!!」
と、三春が言う。
「まあ、主要な駅だけなら構内図も見れるから http://www.jreast.co.jp/railway/ はいいぞ」
僕らはホームをまっすぐ進んで階段を上がると、すぐにペリエ千葉が見えてきた。
「改札出なくていいんですね」
と山梨が感心している。言われてみればそうだ。
「ここはエキナカのペリエだからな。もちろん改札の外には外でちゃんと別のペリエがある」
僕らの疑問を察した会長がそう教えてくれる。
自動ドアを抜け、コンコースよりさらに明るい店内に入る。
「みんな時間を見れるものは持ってるな?」
と会長が確認し、僕らは頷く。
「じゃあ(午後)1時10分にまたここに集まるように」
僕らは自らの昼食などを求めて分かれた。
30分後。
僕らはまたペリエ千葉エキナカの入り口に無事、集まっていた。
「そういえば、さっきの架線トラブルは千葉以東だけのようだから、普通に東京へは行けそうだ」
「何分のやつですか?」
山梨がそう尋ねると会長は指で2と4を示した。
「じゃああと15分くらいですか。ちょっとトイレ行ってきますね」
山梨がトイレマークのある方向へと走り去って行った。
5分後。
山梨が戻ってきて、僕らは総武線快速横須賀行きが停車する8番ホームに戻ってきていた。
E217系に乗り込み、クロスシートを探して座る。昼食を食べるならクロスシートの方が絶対いい。
ゆっくりと電車が加速し、流れゆく景色の中、僕らは楽しく昼食を食べ、東京駅までのんびりしていた。
40分後。
東京駅に降り立った僕らを飲み込んだのは喧騒だった。
「うわあ……。都会ですね」
思わず僕がそう呟くと会長には「ああ……」と呆けて返され、愛莉には「お上りさんみたいに言いなっ!」と思いっきり突っ込まれた。三春は苦笑いしていた。
なんとか次に乗る電車が停まるという7番ホームに到着することができ、ホッと一息つく。
「もう少し構内図わかりやすくして欲しいよ本当に!」
愛莉がそう言って頬を膨らませている。
「ショッピングモールのフロアマップみたいに階ごとに地図を分ければいいんじゃない?」
「ああ、それはいいかも」
三春の意見に賛同する。
すると上野東京ラインのE233系3000番台がホームに現れる。湘南色と呼ばれるオレンジと緑色の帯が入っている。
僕らは重い荷物を抱え、乗り込み、ロングシートに座った。人が少ないため、荷物も邪魔にならないし、ラッキーだ。
というわけでいかがだったでしょうか!!
えっと、珍しく合計で2時間くらいはかかりましたね……。1200文字に。東京の路線複雑過ぎるんだよおおおお。しかも次回もっと大変なことになりそうだったので先に調べてましたし……。
ちょっと忘れないためにメモ代わりの予告を。
高崎ー(高崎線)→倉賀野ー(八高線)→八王子ー(横浜線)→横浜ー(東海道本線)→富士ー(身延線)→甲府ー(中央本線)→名古屋ー(東海道本線)→草津ー(草津線)→拓殖ー(関西本線)→亀山ー(紀勢本線)
といったところでしょうか。
さて、感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆
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【一日目】東京~高崎
それでは本日もお楽しみください! 本編、レッツゴーー☆
僕の左腕に巻かれた腕時計で午後一時十九分ぴったりに東京駅を出発した、東北本線直通の上野東京ライン、黒磯行きは少しずつ首都の喧騒から離れ、埼玉県も北部の辺りまで来ると、僕らが住む三芦県となんら変わりのない平凡な風景が広がり始めた。
僕の右隣に座った会長はタブレットを睨んでいる。次の行程の確認だろう。そのさらに右に座っている山梨はボーッとしている。そして僕の左側に座る愛莉と三春はガールズトークをしていた。僕はというと読書。バスはおろか車でも酔わない僕はもちろん電車でも酔わない。──まあ車で酔う人より電車で酔う人の方が圧倒的に少ないだろうけど。
栗橋駅を過ぎ、利根川を越えると栃木県に入った。僕は慌てて手帳と筆記用具を取り出し腕時計を見る。『午後二時二十四分、栃木県』と記し、その上の書き込みも見直す。出発した時刻、到着した時刻、県をまたいだ時刻、その他起こったことなどをこまめに記録するようにしている。
電車は時速百キロメートル前後で田んぼの真ん中、時には道路と併走して走り、定刻どおり午後二時四十四分に小山駅に到着した。
「よし、次は午後三時過ぎに出発する高崎行きに乗る。とりあえず今のうちにトイレなど行っておくように」
会長がまるで修学旅行の引率の先生のように言う。僕は東京でトイレに行っていなかったので行かせてもらうことにした。
五分経ち、僕が戻ってくると会長が先頭に立って歩き始めた。
「あと10分ほどだな」
会長はデジカメを取り出して駅の案内板を写真に収め始めた。僕もスマホを取り出して『小山』と書かれた看板だけ撮る。
その後しばらくホームを歩いていると電車が入ってきた。三春によるとこの電車は1985年に登場した211系電車で国鉄時代からあるため車両系統の頭に『E』がついていないんだそうだ。
僕らはそんな三春の説明を聞きながら電車に乗り込みロングシートに座る。
「2時間くらいかかるからな」
会長がそう言い、それを聞いた僕は「ちょっと寝ときま~す」とリュックを抱えて眠りについた。
気がつくとだいぶ日が傾いてきていた。
「おはようございま~す」
そう言うと愛莉に「優生は相変わらず寝息が可愛いよね」と言われ僕はまたリュックに顔を突っ伏した。
「あはは。冗談だって」
愛莉がそう言って僕の背中を叩き、僕は「いててて」と顔をあげる。すると電車が減速し始めた。
「おっ、もうすぐ高崎だぞ」
会長の声が右から聞こえ僕は慌ててリュックを背負った。その間も電車は減速を続け、左手首の腕時計で午後五時八分、プシューという音とともに電車の扉が開いた。
というわけでいかがだったでしょうか!!
さて、感想・評価などお待ちしておりますし、良かったら知り合いにこの「音槌政旨」という一介の小説投稿者の名を広めていただければ幸いです。
それではまた、明日の小説でお会いしましょう!サラダバーー☆
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